説明

高機能インドリノン系プロテインキナーゼ阻害剤

ヒドロキシカルボキシピロリル−インドリノン誘導体は、プロテインキナーゼの阻害剤としての強化された予想外の薬物特性を有し、プロテインキナーゼ活性異常に関連した疾患、例えば癌の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロテインキナーゼ阻害剤、ならびにプロテインキナーゼ活性異常に関連した疾患、例えば癌および炎症の治療における前記プロテインキナーゼ阻害剤の使用に関する。より詳細には、本発明は、プロテインキナーゼ阻害剤として利用することができるヒドロキシルカルボキシピロリル−インドリノン誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩に関する。
【背景技術】
【0002】
プロテインキナーゼは、タンパク質のチロシン、セリンおよびトレオニン残基のヒドロキシル基のリン酸化を触媒する酵素である。細胞寿命(例えば、細胞成長、分化、増殖、細胞周期および生存)の多くの態様は、プロテインキナーゼ活性に依存する。さらに、プロテインキナーゼ活性異常が、癌および炎症などの疾患の宿主に関係していた。故に、相当な努力が、プロテインキナーゼ活性を修飾する(modulate)方法の特定に向けられてきた。特に、プロテインキナーゼ阻害剤として作用する小分子を特定するために多くの試みが成されてきた。
【0003】
幾つかのピロリル−インドリノン誘導体が、プロテインキナーゼの阻害剤として卓越した活性を見せている(Larid et al.FASEB J.16,681,2002;Smolich et al.Blood,97,1413,2001;Mendel et al.Clinic Cancer Res.9,327,2003;Sun et al.J.Med.Chem.46,1116,2003)。これらの化合物の臨床的な有用性には期待がもたれているが、水溶解度および/または他の薬物特性が比較的劣るため疑問視されている部分もある。必要とされるのは、阻害活性と向上した薬物特性の両方を有する類の変性ピロリル−インドリノン誘導体である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ヒドロキシカルボキシピロリル−インドリノン誘導体およびプロテインキナーゼの阻害剤としてのそれらの使用に関する。ヒドロキシカルボキシピロリル−インドリノン誘導体が、プロテインキナーゼ阻害活性を有する既知のピロリル−インドリノン誘導体以上にこの類の化合物を有利に目立たせる、向上した、予想外の薬物特性を有することを本明細書において開示する。ヒドロキシカルボキシピロリル−インドリノン誘導体が、プロテインキナーゼ活性異常に関連した疾患、例えば癌の治療に有用であることも、本明細書において開示する。
【0005】
本発明の1つの態様は、式(I):
【化1】

により表される化合物に関する。式Iにおいて、R1は、水素、ハロ、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C8)シクロアルキル、(C1〜C6)ハロアルキル、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルコキシ、アミノ、(C1〜C6)アルキルアミノ、アミド、スルホンアミド、シアノ、置換または非置換(C6〜C10)アリールからなる群より選択され、R2は、水素、ハロ、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C8)シクロアルキル、(C1〜C6)ハロアルキル、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルコキシ、(C2〜C8)アルコキシアルキル、アミノ、(C1〜C6)アルキルアミノ、(C6〜C10)アリールアミノからなる群より選択され、R3は、水素、(C1〜C6)アルキル、(C6〜C10)アリール、(C5〜C10)ヘテロアリール、およびアミドからなる群より選択され、R4、R5およびR6は、水素および(C1〜C6)アルキルからなる群より独立して選択され、各R7は、水素、(C1〜C6)アルキルおよびヒドロキシルからなる群より独立して選択され、R8は、ヒドロキシ、(C1〜C6)O−アルキル、(C3〜C8)O−シクロアルキル、およびNR910からなる群より選択され、この場合のR9およびR10は、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)ヒドロアルキル、(C1〜C6)ジヒドロキシアルキル、(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)アルキルカルボン酸、(C1〜C6)アルキルリン酸、(C1〜C6)アルキル硫酸、(C1〜C6)ヒドロキシアルキルカルボン酸、(C1〜C6)アルキルアミド、(C3〜C8)シクロアルキル、(C5〜C8)ヘテロシクロアルキル、(C6〜C8)アリール、(C5〜C8)ヘテロアリール、(C3〜C8)シクロアルキルカルボン酸からなる群より独立して選択されるか、R9およびR10はNと一緒に、非置換であるか、ヒドロキシル、ケトン、エーテルおよびカルボン酸の1つ以上で置換されている(C5〜C8)複素環を形成し、ならびにnおよびmは、独立して、0、1、2または3であり、pは、1、2または3である。あるいは、本発明のこの態様は、式(I)により表される化合物の薬学的に許容される塩、その互変異性体、その互変異性体の薬学的に許容される塩、またはプロドラッグにも関する。本発明のこの態様の重要な特徴には、R6とR7の間のヒドロキシル部分(単数または複数)およびR7とR8の間のカルボキシ部分(単数)が挙げられる。これらの重要な特徴が、結合しているピロリル−インドリノン薬理作用団(pharmacophore)の薬物特性を強化することを本明細書において開示する。本発明のこの態様の好ましい化学種には、以下の構造:
【化2】

により表される化合物が挙げられる。上記構造において、R2は、水素およびフルオロからなる群より選択される。
【0006】
上で説明したような本発明のこの第1の態様は、2つのカテゴリーに分けることができる。その第1のカテゴリーは、酸およびエステルを含み、第2のカテゴリーは、アミドを含む。
【0007】
この第1のカテゴリーの好ましい実施形態の1つは、式(II):
【化3】

により表すことができる。式IIにおいて、R8aは、水素、(C1〜C6)アルキルおよび(C3〜C8)シクロアルキルからなる群より選択される。この実施形態の好ましい化学種の中で、R1およびR2は、水素およびフルオロからなる群より独立して選択され,R3およびR4は、メチルであり,R5、R6、R7およびR8aは、水素であり,ならびにnおよびmが、独立して、0、1または2である。好ましい化学種には、下記構造:
【化4】

により表される化合物が挙げられる。
【0008】
この第1のカテゴリーのもう1つの好ましい実施形態は、式(III):
【化5】

により表すことができる。式IIIにおいて、R8aは、水素、(C1〜C6)アルキルおよび(C3〜C8)シクロアルキルからなる群より選択される。この実施形態の好ましい化学種の中で、R1およびR2は、水素およびフルオロからなる群より独立して選択され、R3およびR4は、メチルであり、R5、R6およびR8aは、水素であり、ならびにnおよびpは、独立して、1または2である。この実施形態の好ましい化学種には、以下の構造:
【化6】

により表される化合物が挙げられる。本発明のこの実施形態の好ましいエナンチオマー種には、以下の構造:
【化7】

により表される化合物が挙げられる。
【0009】
この第1のカテゴリーのもう1つの好ましい実施形態は、式(IIIa):
【化8】

により表すことができる。式IIIaにおいて、R1およびR2は、水素およびフルオロからなる群より独立して選択され、R3およびR4は、メチルであり、R5、R6およびR8aは、水素であり、ならびにnおよびpは、2である。この実施形態の中で、各化学種は、酸または環状ラクトンのいずれかとして存在し得、それらが溶液中またはインビボで共存していてもよい。さらに、上の例において、ヒドロキシル基を有する炭素原子における立体化学は、RS、RまたはSのいずれかである。好ましい立体化学は、Rである。
【0010】
この第1のカテゴリーの上記好ましい実施形態の代替は、式(IIIb):
【化9】

により表すことができる。式IIIbにおいて、R1およびR2は、水素およびフルオロからなる群より独立して選択され、ならびにR3およびR4は、メチルである。
【0011】
本発明のこの第1の態様の第2のカテゴリーは、式(IV):
【化10】

(式中、R8は、NR910である)
により表される請求項1に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグによって、具体的に表される。本発明のこの態様の好ましい実施形態において、R1およびR2は、水素、ハロ、シアノからなる群より独立して選択され、R3、R4、R5およびR6は、独立して、水素または(C1〜C6))アルキルであり、R7は、水素またはヒドロキシルであり、nおよびpは、独立して、1または2であり、mは、0または1であり、ならびにR9およびR10は、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)ヒドロキシアルキル、(C1〜C6)ジヒドロキシアルキル、(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)アルキルカルボン酸、(C1〜C6)アルキルリン酸、(C1〜C6)アルキル硫酸、(C1〜C6)ヒドロキシアルキルカルボン酸、(C1〜C6)アルキルアミド、(C3〜C8)シクロアルキル、(C5〜C8)ヘテロシクロアルキル、(C6〜C8)アリール、(C5〜C8)ヘテロアリール、(C3〜C8)シクロアルキルカルボン酸からなる群より選択されるか、R9およびR10はNと一緒に、非置換であるか、ヒドロキシル、ケトン、エーテルおよびカルボン酸の1つ以上で置換されている(C5〜C8)複素環を形成する。R9およびR10の好ましい例には、以下のラジカルおよびジラジカルが挙げられる:
【化11】

【0012】
この実施形態の好ましい化学種は、以下の構造:
【化12】

により表される群から選択することができる。本発明のこの実施形態のさらなる好ましい化学種は、以下の構造:
【化13】

により表される群から選択することができる。本発明のこの実施形態のさらなる好ましい化学種は、以下の構造:
【化14】

(式中、nは、0、1または2である)
により表される群から選択することができる。本発明のこの実施形態のさらなる好ましい化学種は、以下の構造:
【化15】

により表される群から選択することができる。本発明のこの実施形態のさらなる好ましい化学種は、以下の構造:
【化16】

により表される群から選択することができる。本発明のこの実施形態のさらなる好ましい化学種は、以下の構造:
【化17】

により表される群から選択することができる。本発明のこの実施形態のさらなる好ましい化学種は、以下の構造:
【化18】

により表される群から選択することができる。本発明のこの実施形態のさらなる好ましい化学種は、以下の構造:
【化19】

(式中、R2は、水素およびフルオロからなる群より選択され、R8は、以下の構造:
【化20】

により表されるラジカルからなる群より選択される)
により表される群から選択することができる。
【0013】
上のカテゴリーまたは実施形態のいずれに対しても、他の上記実施形態または化学種のいずれか1つ以上をそうしたカテゴリーまたは実施形態から排除できるという条件(provisios)を適用することができる。
【0014】
本発明のもう1つの態様は、本発明の第1の態様の化合物または塩でプロテインキナーゼの触媒活性を修飾するための方法に関する。好ましいやり方では、プロテインキナーゼは、VEGF受容体およびPDGF受容体からなる群より選択される。
【0015】
有用性
本発明は、VEGFRおよび/またはPDGFR(しかし、これらに限定されない)のプロテインキナーゼ活性を調節および/または修飾することができる化合物を提供する。従って、本発明は、これらのキナーゼの異常機能化に関連した疾患の治療への治療アプローチを提供する。こうした疾患には、固形腫瘍、例えばグリア芽細胞種、黒色腫、およびカポジ肉腫、並びに卵巣癌、肺癌、前立腺癌、膵臓癌、結腸癌および類表皮癌が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、VEGFR/PDGFR阻害剤は、再狭窄および糖尿病性網膜症の治療においても使用できる。
【0016】
さらに、本発明は、VEGF受容体および/またはPDGF受容体を含む経路をはじめとする、受容体媒介経路による脈管形成および血管形成の阻害に関する。従って、本発明は、癌および無制御な血管形成を伴う他の疾病の治療への治療アプローチを提供する。
【0017】
化合物の合成
本発明の化合物は、出版物に掲載されている一般手順(例えば、Sun et al.,2003,J.Med.Chem.,46:1116−119)により合成することができる。しかし、以下の中間体は、本発明の化合物に特有なものであり、上述の一般手順においてそれらのそれぞれの対応物の代わりに使用することができる:4,5−ジフルオロ−オキシインドール、(4R,6R)−t−ブチル−6−(2−アミノエチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4−アセテート、(3R,5S)−6−ヒドロキシ−3,5−O−イソプロピリデン−3,5−ジヒドロキシへキサン酸t−ブチル、および4−アミノ−3−ヒドロキシ酪酸。これらの中間体は、商業的供給業者(例えば、ニュージャージー州、フェアローンのFisher Scientific、または日本の株式会社カネカ(Kaneka Corp.))から購入することができる。上述の一般手順からのもう1つのバリエーションは、(4R,6R)−t−ブチル−6−(2−アミノエチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4−アセテートを使用する1/1aおよび2/2aの合成において、その最終生成物から保護基を除去する必要があるものである。上述の一般手順からのさらにもう1つのバリエーションは、4−アミノ−3−ヒドロキシ酪酸を使用する3および4の合成において、アミド化の前に酸を保護する必要があり、その保護基を最終生成物から除去する必要があるものである。上述の一般手順からのこれらのバリエーションは、当業者には理解および実施することができる。従って、当業者は、本発明の化合物を合成することができる。
【0018】
本明細書において説明する化合物は、好ましい実施形態の現下の代表であり、具体例としてのものであり、本発明の範囲に対する制限と解釈されるものではない。本発明の範囲および精神を逸脱することなく、本明細書に開示する本発明に様々な置換および変更を施すことができることは、当業者には容易にわかることであろう。
【実施例】
【0019】
実施例1:(3R,5R)−7−{[5−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボニル]−アミノ}−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸・ナトリウム塩
【化21】

表題化合物の合成を図式1にまとめる。第1段階では、文献で知られている同様の化合物の調製(Li Sun,Chris Liang,Sheri Shirazian,Yong Zhou,Todd Miller,Jean Cui,Juri Y.Fukuda,Ji−Yu Chu,Asaad Nematalla,Xueyan Wang,Hui Chen,Anand Sistla,Tony C.Luu,Flora Tang,James Wei,and Cho Tang.Discovery of 5−[5−Fluoro−2−oxo−1,2−dihydroindol−(3Z)−ylidenemethyl]−2,4−dimethyl−1H−pyrrole−3−carboxylic Acid(2−Diethylaminoethyl)amide,a Novel Tyrosine Kinase Inhibitor Targeting Vascular Endothelial and Platelet−Derived Growth Factor Receptor Tyrosine Kinase.J.Med.Chem.2003,46,1116〜1119)と同様にして、5−フルオロ−1,3−ジヒドロインドール−2−オン(1A、Combi−Blocks,Inc.から購入)を、触媒量のピロリジンの影響下、還流エタノール中で5−ホルミル−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸と縮合させて、ピロールカルボン酸1Bを収率92%で得た。
【化22】

【0020】
DMF中、ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−(3−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリドおよびトリエチルアミンで処理することにより、カルボン酸1Bとアミン1C(Acrosから入手)とのアミドカップリングを行って、クロマトグラフ精製後に1Dを収率96%で得た。その後、アセトニドおよびt−ブチルエステル保護基の除去を段階的に行った(H.Jendralla,E.Granzer,B.Von Kerekjarto,R.Krause,U.Schacht,E.Baader,W.Bartmann,G.Beck,A.Bergmann,and et al.Synthesis and biological activity of new HMG−CoA reductase inhibitors.3.Lactones of 6−phenoxy−3,5−dihydroxyhexanoic acids.J.Med.Chem.1991,34,2962〜2983)。先ず、THFとエタノールの混合物中のHCl水溶液で処理することにより、1Dのアセトニド保護を除去して中間エステルジオール(示していない)を得、その反応混合物を重炭酸ナトリウムで中和した後、抽出により単離した。その後、この中間体をメタノール中のNaOH水溶液(1当量)で処理して、その反応混合物を濃縮した後に表題化合物:(3R,5R)−7−{[5−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボニル]−アミノ}−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸・ナトリウム塩を黄色の固体として得た(両段階にわたり収率87%)。
【0021】
1B:5−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸
【化23】

の調製。
5−フルオロ−1,3−ジヒドロインドール−2−オン(0.81g、5.1mmol)、5−ホルミル−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(0.98g、5.35mmol)、ピロリジン(6滴)および無水エタノール(15mL)の混合物を加熱して3時間還流させた。この混合物を室温に冷却し、濾過により固体を収集した。それらの固体を72℃で30分間、エタノール(14mL)とともに攪拌した。その混合物を室温に冷却した。濾過により固体を収集し、エタノール(3mL)で洗浄し、真空下、54℃で一晩乾燥させて、5−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(1.4g、収率91.5%)を橙色の固体として得た。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ12.19(brs,1H)、10.95(s,1H)、7.90−7.70(m,2H)、7.00−6.80(m,2H)、2.54(s,3H)、2.51(s,3H)。13C NMR(75MHz,DMSO−d6)δ169.4、165.7、159.6、156.5、140.7、134.6、133.3、128.9、126.8、125.9、124.7、115.5、114.2、110.9、110.0、106.3、105.9、14.6、11.6。
【0022】
1D:(4R,6R)−[6−(2−{[5−(フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボニル]−アミノ}−エチル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル]−酢酸・t−ブチルエステル
【化24】

の調製。
室温でジメチルホルムアミド(11.6mL)中の5−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸(1.3g、4.33mmol)の攪拌溶液に、1−(3−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(1.25g、6.39mmol)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.88g、6.39mmol)、トリエチルアミン(1.3mL、9.34mmol)および(4R,6R)−[6−(2−アミノエチル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン4−イル]−酢酸・t−ブチルエステル(1.38g、4.87mmol)を添加した。この反応混合物を室温で30時間攪拌し、その後、シリカゲルパッドに通して濾過し、酢酸エチル(100mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、残分を水(20mL)、重炭酸ナトリウム飽和溶液(10mL)および10N水酸化ナトリウム溶液(5mL)で希釈した。その混合物を、塩化メチレン/メタノールの混合物(9/1、2×50mL)で抽出した。併せた有機層を濃縮乾固した。残分をヘプタン/ジエチルエーテル(3/1、60mL)で研和した。濾過により固体を収集し、真空下、34℃で一晩乾燥させて、(4R,6R)−[6−(2−{[5−(フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボニル]−アミノ}−エチル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン4−イル]−酢酸・t−ブチルエステル(2.3g、95.6%)を黄色の固体として得た。1H NMR(300MHz,DMSO−d6)δ11.05(br s,1H)、7.94(d,J=6.9Hz,1H)、7.85(s,1H)、7.14−6.90(m,2H)、4.35(m,1H)、4.12(m,1H)、3.51(br s,1H)、3.42(m,2H)、2.64(m,2H)、2.57(s,3H)、2.56(s,3H)、2.50−2.30(m,2H)、1.76(m,3H)、1.54(s,9H)、1.41(s,3H)、1.24(m,1H)。13C NMR(75MHz,DMSO−d6)δ169.4、164.4、159.6、156.5、136.2、134.3、129.9、127.1、126.9、125.6、124.7、120.8、114.4、112.3、112.0、109.9、109.8、105.9、105.6、97.9、79.6、66.5、65.9、42.2、35.9、35.8、35.1、29.9、27.7、19.6、13.3、10.5。
【0023】
1−Na:(3R,5R)−7−{[5−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボニル]−アミノ}−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸・ナトリウム塩
【化25】

の調製。
アルゴン雰囲気下、光を排除した状態で、エタノール(15.2mL)、THF(7.6mL)および2N塩酸(1.7mL)中の(4R,6R)−[6−(2−{[5−(フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボニル]−アミノ}−エチル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン4−イル]−酢酸・t−ブチルエステル(1.69g、3.04mmol)の溶液を室温で24時間攪拌した。この反応混合物を重炭酸ナトリウム溶液(水5mL中、0.256gのNaHCO3)でpH7に中和し、濃縮してエタノールおよびTHFを除去した。残分を水(50mL)で希釈し、メチルt−ブチルエーテル/メタノールの混合物(9/1、200mL)で抽出し、その後、メチルt−ブチルエーテル(3×50mL)で抽出した。併せた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮乾固して、(3R,5R)−7−{[5−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボニル]−アミノ}−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸・t−ブチルエステル(1.57g、3mmol)を得た。このエステル(1.56g、3.0mmol)をメタノール(33.4mL)に溶解し、脱イオン水(8.3mL)中の水酸化ナトリウム(0.12g、3.0mmol)の溶液を添加した。この混合物を室温で3時間攪拌した。その反応混合物を濃縮乾固した。残分をメタノール(66mL)に溶解し、その混合物を再び濃縮した。その混合物をイソプロパノール(40mL)と研和した。濾過により固体を収集し、ジエチルエーテル(100mL)で洗浄し、真空下、34℃で3時間乾燥させて、(3R,5R)−7−{[5−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−イリデンメチル)−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボニル]−アミノ}−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸・ナトリウム塩(1.28g、2段階にわたり収率87.4%)を黄色の固体として得た。融点256〜258℃(分解)。1H NMR(300MHz,メタノール−d4)δ7.49(s,1H)、7.31(d,J=8.4Hz,1H)、6.74(d,J=6.6Hz,1H)、4.03(m,1H)、3.83(m,1H)、3.45(m,1H)、3.37(m,1H)、2.38(s,3H)、2.34(s,3H)、2.25(m,2H)、1.85−1.40(m,4H)。13C NMR(75MHz,メタノール−d4)δ180.1、171.4、168.4、161.8、158.7、137.7、135.7、131.4、128.6、128.5、127.3、125.2、121.1、116.4、113.6、113.3、111.1、110.9、106.3、106.0、69.1、68.9、45.5、44.9、37.8、37.7、13.4、10.8。
【0024】
α−置換基を有する実施例:2−エチル−4−({5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボニル}−アミノ)−3−ヒドロキシ−酪酸:
【化26】

先進中間体4−アミノ−2−エチル−3−ヒドロキシ−酪酸・エチルエステルは、出版物に掲載されている手順(例えば、Seebach,Dieter;Chow,Hak−Fun;Jackson,Richard F.W.;Lawson,Kevin;Sutter,Marius A.;et al.;J.Am.Chem.Soc.1985,107,18,5292〜5293。Itoh,Toshiyuki;Takagi,Yumiko;Fujisawa,Tamotsu;Tetrahedron Lett.1989,30;29,3811〜3812)に従って製造することができる。その後の1Bとのアミドカップリング、それに続く脱保護により、表題化合物を得ることができる。
【0025】
実施例2:(3R,5R)−7−({5−[4,5−ジフルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボニル}−アミノ)−3,5−ジヒドロキシ−ヘプタン酸・ナトリウム塩
【化27】

表題化合物は、実施例1の調製において説明した手順に従って調製した。この合成では、5−フルオロ−1,3−ジヒドロインドール−2−オンの代わりに4,5−ジフルオロ−1,3−ジヒドロインドール−2−オンを実施例1におけるように使用した。LC−MS:単一ピークが254nmで観察された。MH+(遊離酸C2325236について):計算値 478、実測値 478。1H NMR(400MHz,メタノール−d4);δ7.71(d,J=2.4Hz,1H)、7.00(m,1H)、6.65(dd,J=3.2Hz,J=8.4Hz,1H)、4.13(m,1H)、3.93(m,1H)、3.56(m,1H)、3.45(m,1H)、2.48(s,3H)、2.39(s,3H)、2.34(m,2H)、1.84(m,1H)、1.69(m,3H)。
【0026】
実施例3:4−({5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール3−カルボニル}−アミノ)−3−ヒドロキシ−酪酸
【化28】

表題化合物は、実施例1の調製において説明した手順に従って調製した。この合成では、(4R,6R)−[6−(2−アミノエチル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン4−イル]−酢酸・t−ブチルエステルの代わりに4−アミノ−3−ヒドロキシ酪酸を実施例1におけるように使用した。LC−MS:単一ピークが254nmで観察された。MH+(遊離酸C2020FN35について):計算値 402、実測値 402。1H NMR(400MHz,DMSO−d6);δ13.68(s,1H)、11.40(s,1H)、10.90(s,1H)、7.76(dd,J=3.2Hz,J=8.4Hz,1H)、7.71(s,1H)、7.59(t,J=4.8Hz,1H)、6.92(m,1H)、6.83(dd,J=4.8Hz,J=9.2Hz,1H)、4.00(m,1H)、3.33(m,2H,水のシグナルの中に埋もれている)、3.24(m,2H)、2.43(s,3H)、2.41(s,3H)。
【0027】
実施例4:4−({5−[4,5−ジフルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボニル}−アミノ)−3−ヒドロキシ−酪酸
【化29】

表題化合物は、実施例1の調製において説明した手順に従って調製した。この合成では、(4R,6R)−[6−(2−アミノエチル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル]−酢酸・t−ブチルエステルの代わりに4−アミノ−3−ヒドロキシ酪酸を実施例1におけるように使用した。LC−MS:単一ピークが254nmで観察された。MH+(遊離酸C2019235について):計算値 420、実測値 420。1H NMR(400MHz,DMSO−d6);δ13.55(s,1H)、12.10(s,1H)、11.15(s,1H)、7.67(t,J=6.0Hz,1H)、7.59(d,J=2.0Hz,1H)、7.14(m,1H)、6.68(dd,J=3.2Hz,J=8.4Hz,1H)、5.05(b,1H)、4.03(m,1H)、3.31(m,2H)、3.25(m,2H)、2.44(s,3H)、2.32(s,3H)。
【0028】
実施例5:(3R,5S)−6−({5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボニル}−アミノ)−3,5−ジヒドロキシ−ヘキサン酸・ナトリウム塩
【化30】

((4R,6S)−6−アミノメチル−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン4−イル)−酢酸・t−ブチルエステルの調製:トリフリン酸無水物1.4mL(2.36g、8.345mmol)を、−78℃で、ジクロロメタン(無水物、50mL)中の2,6−ルチジン1.35mL(11.63mmol)および(3R,5S)−6−ヒドロキシ−3,5−O−イソプロピリデン−3,5−ジヒドロキシヘキサン酸t−ブチル1.981g(7.609mmol、株式会社カネカから入手)の溶液に3分かけて滴加した。この混合物を−78℃で10分間攪拌し、その後、アイススラッシュ浴の上に置き、0℃で45分間攪拌した。得られたピンク色の混合物をメタノール中のアンモニアの氷冷溶液(7M溶液、200mL)に移し入れた。この混合物を周囲温度の水浴上に置き、室温で6時間攪拌した。この反応混合物を蒸発乾固させ、残分をエーテル(200mL)と炭酸カリウム水溶液(200mLの水中、6g)とで分配し、水性相をエーテル(150mL)で再抽出した。併せた有機抽出物を乾燥させ(硫酸マグネシウム)、蒸発させた。その粗生成物を、シリカゲル(125)のカラムを用いてクロロホルム−メタノール−濃アンモニア水溶液100:10:1(v/v)(1.5L)の混合物で溶離することにより精製して、Y=1.777g(90%)の無色液体、((4R,6S)−6−アミノメチル−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル)−酢酸・t−ブチルエステルを得た。
1H(dDMSO,400MHz):4.167(m,1H)、3.741(m,1H)、2.484(m,2H)、2.384(ddAB,J=15.2Hz,5.1Hz,1H)、2.201(ddAB,J=15Hz,7.8Hz,1H)、1.533(br d,J=12.5Hz,1H)、1.373(s,9H)、1.363(s,3H)、1.250(br s,2H)、1.223(s,3H)。
【0029】
(3R,5S)−6−({5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボニル}−アミノ)−3,5−ジヒドロキシ−ヘキサン酸・ナトリウム塩の調製:
5−[(Z)−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン)メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸・1−オキシ−7−アザベンズトリアゾールエステル419mg(1.00mmol、米国特許第6,653,308号に従って調製)を無水ジメチルアセトアミド(4mL)に懸濁させ、そのスラリーに無水DMAc(7mL)中の((4R,6S)−6−アミノメチル−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4−イル)−酢酸・t−ブチルエステル310mg(1.2mmol)およびジイソプロピルエチルアミン175uL(1.0mmol)の溶液を添加した。この混合物を室温で20分間攪拌した。得られた均質混合物を高真空(0.5Torr、45℃)で蒸発させ、残分をメタノール10mLに吸収させ、2分間、超音波処理し、その後、5℃で3時間放置して結晶化させた。沈殿した中間体(アセトニド−tBuエステル)を濾過により収集し、氷冷メタノールで洗浄し、高真空で乾燥させた。この中間体(485mgの黄橙色結晶質固体、89.5%th.)をニート(neat)TFA20mLに溶解し、得られた溶液を室温で15分間保持し、その後、蒸発させた。残分を高真空で1日間、乾燥させた。残分を、(15分間、攪拌しながら)メタノール100mLとTHF100mLの混合物に溶解した。40mLの1M NaOHを添加し、その混合物を室温で30分間保持した。この混合物を2M HClでpH=3に酸性化した。その混合物を回転蒸発で有機溶媒を除去し、少量に濃縮して、沈殿を濾過により収集し、水で洗浄し、吸引により乾燥させ、その後、高真空で乾燥させた。この沈殿(約5%の対応するラクトンを伴う遊離酸からなる)を、3分間、攪拌および穏やかに加熱して還流させながら、メタノール(200mL)、水(30mL)および1M NaOH(0.96mL)の混合物に溶解した。その混合物を室温でさらに15分間攪拌し、その後、CO2(気体)で飽和させ、蒸発乾固させ、高真空で乾燥させて、Y=376.5mg(90%)の橙色の固体、(3R,5S)−6−({5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボニル}−アミノ)−3,5−ジヒドロキシ−ヘキサン酸・ナトリウム塩を得た。
LC/MS(+ESI):446(M+1)
1H(D2O,400MHz):6.655(br d,J=9.4Hz,1H)、6.594(m,2H)、6.292(dd,J=8.2Hz,4.7Hz,1H)、4.155(m,1H)、3.891(m,1H)、3.405(dd,J=14.1Hz,3.9Hz,1H)、3.195(dd,J=15.7Hz,7.5Hz,1H)、2.429(ddAB,J=14.9Hz,5.0Hz,1H)、2.329(ddAB,J=14.9Hz,8.2Hz,1H)、1.782(m,2H)
【0030】
実施例6〜8
実施例3および4のアミドの合成についての一般手順を下の図式2に示す:
【化31】

【0031】
対応するアミン(0.3mmol)を、DMF(3mL)中の化合物6A(80mg、0.2mmol)、EDC(0.25mmol)、HOBt(0.25mmol)およびDIEA(1mmol)の溶液に添加した。その溶液を25℃で一晩攪拌した後、DMFを減圧下での蒸発により除去した。得られた残分を酢酸エチル(200mL)に懸濁させ、飽和NaHCO3(3×)およびブライン(3×)により洗浄し、Na2SO4で乾燥させた。酢酸エチルを真空下で除去して粗製材料を得た。この粗製材料を分取HPLCに付して最終生成物6Bを得、その後、それをLC−MSおよびNMR分光分析により特性付けした。
【0032】
実施例6:5−[4,5−ジフルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸・(2−ヒドロキシ−4−モルホリン−4−イル−4−オキソ−ブチル)−アミド。
【化32】

分取HPLCにより70mgの表題化合物(75%)を得た。LC−MS:254nmで単一ピーク、MH+(C2426245について):計算値 489、実測値 489。1H−NMR(DMSO−d6,400MHz);δ13.55(s,1H)、11.20(s,1H)、7.64(t,J=6.0Hz,1H)、7.58(d,J=2.4Hz,1H)、7.13(m,1H)、6.70(dd,J=3.2Hz,J=8.4Hz,1H)、4.99(s,1H)、4.04(m,1H)、3.20−3.60(m,12H)、2.45(s,3H)、2.32(s,3H)。
【0033】
実施例7:5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸・(2−ヒドロキシ−4−モルホリン−4−イル−4−オキソ−ブチル)−アミド
【化33】

分取HPLCにより50mgの表題化合物(53%)を得た。LC−MS:254nmで単一ピーク、MH+(C2427FN45について):計算値 471、実測値 471。1H−NMR(DMSO−d6,400MHz);δ13.69(s,1H)、10.91(s,1H)、7.76(dd,J=3.2Hz,J=9.2Hz,1H)、7.71(s,1H)、7.57(t,J=6.0Hz,1H)、6.95(m,1H)、6.83(dd,J=4.8Hz,J=8.8Hz,1H)、4.98(d,J=5.2Hz,1H)、4.04(m,1H)、3.53(m,5H)、3.45(m,4H)、3.28(m,3H)、2.43(s,3H)、2.41(s,3H)。
【0034】
実施例8:5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸・[2−ヒドロキシ−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−4−オキソ−ブチル]−アミド
【化34】

分取HPLCにより55mgの表題化合物(57%)を得た。LC−MS:254nmで単一ピーク、MH+(C2530FN54について):計算値 484、実測値 484。1H−NMR(DMSO−d6,400MHz);δ13.65(s,1H)、10.90(s,1H)、7.74(m,2H)、7.71(m,1H)、7.54(m,1H)、6.92(m,1H)、6.83(m,1H)、4.95(s,1H)、4.04(m,1H)、3.44(m,4H)、3.25(m,4H,水のシグナルの中に埋もれている)、2.43(s,3H)、2.41(s,3H)、2.25(m,4H)、2.16(s,3H)。
【0035】
実施例9〜16
実施例1および5のアミドの合成についての一般手順を下の図式3に示す:
【化35】

【0036】
方法1:EDC(1mmol)およびHOBt(0.6mmol)を、DMF(3mL)中の化合物9A(0.2mmol)の溶液に添加した。その溶液を25℃で3時間攪拌した後、対応するアミン(1.0mmol)を添加し、その溶液を25℃で一晩攪拌した。反応が完了していなかった場合にはその溶液を50℃でもう2、3時間攪拌した。このDMF溶液を分取HPLCに直接付して最終生成物9Bを得、その後、それをLC−MSおよびプロトンNMR分光分析により特性付けした。
【0037】
方法2:TBDMS−Cl(1.0mmol)およびDMAP(1.0mmol)を、DMF(3mL)中の化合物9A(0.2mmol)の溶液に添加した。その溶液を25℃で5時間攪拌した後(LC−MSは、モノ−およびジシリルエーテル生成物の混合物が形成されたことを示した)、その溶液にEDC(1mmol)、HOBt(0.6mmol)および対応するアミン(0.4mmol)を添加した。その溶液を25℃で一晩攪拌し続けた(LC−MSは、対応するモノ−およびジ−シリルエーテル生成物のアミドの混合物が形成されたことを示した)。減圧下での蒸発により溶媒を除去した後、得られた残分を酢酸エチル(100mL)に懸濁させ、飽和NaHCO3(3×)およびブライン(3×)で洗浄した。その後、有機溶媒を真空下で蒸発させて粗製シリルエーテルアミド生成物を得た。THF中のこの粗製材料の溶液にTBAF(3当量、THF中1M)を添加した。25℃で30分間攪拌した後、減圧下でTHFを除去した。残分を酢酸エチル(100mL)に懸濁させ、ブライン(3×)で洗浄した。その後、有機溶媒を減圧下で蒸発させ、得られた残分を分取HPLCに直接付して最終生成物9Bを得、その後、これをLC−MSおよびプロトンNMR分光分析により特性付けした。
【0038】
実施例9:5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸・((3R,5R)−6−ジメチルカルバモイル−3,5−ジヒドロキシ−ヘキシル)−アミド
【化36】

この化合物は、方法2により調製した。分取HPLC後に65mgの量(64%)の生成物を得た。LC−MS:254nmで単一ピーク、MH+(C2531FN45について):計算値 487、実測値 487。1H−NMR(DMSO−d6,400MHz);δ13.67(s,1H)、10.90(s,1H)、7.76(dd,J=2.8Hz,J=9.2Hz,1H)、7.71(s,1H)、7.63(t,J=5.6Hz,1H)、6.92(m,1H)、6.83(dd,J=4.8Hz,J=8.8Hz,1H)、4.72(d,J=4.4Hz,1H)、4.67(d,J=4.8Hz,1H)、4.00(m,1H)、3.71(m,1H)、3.31(m,2H)、2.96(s,3H)、2.80(s,1H)、2.42(s,3H)、2.40(s,3H)、2.39(m,2H)、1.65(m,1H)、1.52(m,3H)。
【0039】
実施例10:5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸・((3R,5R)−3,5−ジヒドロキシ−7−オキソ−7−ピロリジン−1−イル−ヘプチル)−アミド
【化37】

この化合物は、方法1により調製した。分取HPLC後に55mgの量(61%)の生成物を得た。LC−MS:254nmで単一ピーク、MH+(C2733FN45について):計算値 513、実測値 513。1H−NMR(DMSO−d6,400MHz);δ13.66(s,1H)、10.90(s,1H)、7.76(dd,J=2.4Hz,J=9.2Hz,1H)、7.71(s,1H)、7.63(t,J=5.6Hz,1H)、6.91(m,1H)、6.83(dd,J=4.8Hz,J=8.8Hz,1H)、4.75(d,J=4.4Hz,1H)、4.68(d,J=4.8Hz,1H)、4.03(m,1H)、3.70(m,1H)、3.40(m,2H)、3.26(m,4H)、2.42(s,3H)、2.40(s,3H)、2.34(m,2H)、1.83(m,2H)、1.74(m,2H)、1.65(m,1H)、1.52(m,3H)。
【0040】
実施例11:5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸・((3R,5R)−3,5−ジヒドロキシ−7−モルホリン−4−イル−7−オキソ−ヘプチル)−アミド
【化38】

この化合物は、方法2により調製した。分取HPLC後に72mgの量(66%)の生成物を得た。LC−MS:254nmで単一ピーク、MH+(C2733FN46について):計算値 529、実測値 529。1H−NMR(DMSO−d6,400MHz);δ13.66(s,1H)、7.76(dd,J=2.4Hz,J=9.2Hz,1H)、7.71(s,1H)、7.63(t,J=5.6Hz,1H)、6.91(m,1H)、6.83(dd,J=4.8Hz,J=8.8Hz,1H)、6.70(b,1H)、4.71(d,J=4.4Hz,1H)、4.67(d,J=4.8Hz,1H)、4.01(m,1H)、3.70(m,1H)、3.51(m,5H)、3.45(m,3H)、3.42−3.24 (m,4H)、2.42(s,3H)、2.40(s,3H)、1.65(m,1H)、1.52(m,3H)。
【0041】
実施例12:5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸・[(3R,5R)−3,5−ジヒドロキシ−7−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−7−オキソ−ヘプチル]−アミド
【化39】

この化合物は、方法2により調製した。分取HPLC後に30mgの量(27%)の生成物を得た。LC−MS:254nmで単一ピーク、MH+(C2836FN55について):計算値 542、実測値 542。1H−NMR(DMSO−d6,400MHz);δ13.66(s,1H)、7.76(dd,J=2.4Hz,J=9.2Hz,1H)、7.70(s,1H)、7.63(t,J=5.6Hz,1H)、6.91(m,1H)、6.84(dd,J=4.8Hz,J=8.8Hz,1H)、4.70(b,2H)、4.01(m,1H)、3.70(m,1H)、3.43(m,4H)、3.30(m,4H)、2.42(s,3H)、2.40(s,3H)、2.26(m,2H)、2.21(m,2H)、2.15(s,3H)、1.65(m,1H)、1.52(m,3H)。
【0042】
実施例13:5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸・((2S,4R)−2,4−ジヒドロキシ−6−オキソ−6−ピロリジン−1−イル−ヘキシル)−アミド
【化40】

この化合物は、方法1により調製した。分取HPLC後に66mgの量(54%)の生成物を得た。LC−MS:254nmで単一ピーク、MH+(C2429FN45について):計算値 473、実測値 473。1H−NMR(DMSO−d6,400MHz);δ13.72(s,1H)、10.90(s,1H)、7.77(dd,J=2.4Hz,J=9.2Hz,1H)、7.72(s,1H)、7.49(t,J=5.6Hz,1H)、6.92(m,1H)、6.83(dd,J=4.4Hz,J=8.4Hz,1H)、4.80(s,1H)、4.78(s,1H)、4.05(m,1H)、3.76(m,1H)、3.41(m,2H)、3.26(m,4H)、2.44(s,3H)、2.42(s,3H)、2.36(m,2H)、1.85(m,2H)、1.75(m,2H)、1.61(m,1H)、1.50(m,1H)。
【0043】
実施例14:5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸・[(2S,4R)−2,4−ジヒドロキシ−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−6−オキソ−ヘキシル]−アミド
【化41】

この化合物は、方法2により調製した。分取HPLC後に97mgの量(75%)の生成物を得た。LC−MS:254nmで単一ピーク、MH+(C2734FN55について):計算値 528、実測値 528。1H−NMR(DMSO−d6,400MHz);δ13.72(s,1H)、10.90(s,1H)、7.75(dd,J=2.4Hz,J=9.6Hz,1H)、7.70(s,1H)、7.48(t,J=5.6Hz,1H)、6.92(m,1H)、6.83(dd,J=4.4Hz,J=8.4Hz,1H)、4.82(s,1H)、4.72(s,1H)、4.05(m,1H)、3.77(m,1H)、3.43(m,4H)、3.25(m,2H)、3.15(m,4H)、2.44(s,3H)、2.41(s,3H)、2.27(m,2H)、2.20(m,2H)、2.15(s,3H)。
【0044】
実施例15:5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸・((3R,5R)−6−エチルカルバモイル−3,5−ジヒドロキシ−ヘキシル)−アミド
【化42】

この化合物は、方法2により調製した。分取HPLC後に40mgの量(40%)の生成物を得た。LC−MS:254nmで単一ピーク、MH+(C2531FN45について):計算値 487、実測値 487。1H−NMR(DMSO−d6,400MHz);δ13.68(s,1H)、10.90(s,1H)、7.78(t,J=5.6Hz,1H)、7.75(dd,J=2.8Hz,J=9.2Hz,1H)、7.70(s,1H)、7.61(t,J=5.6Hz,1H)、6.92(m,1H)、6.83(dd,J=4.8Hz,J=8.8Hz,1H)、4.76(s,1H)、4.67(s,1H)、3.96(m,1H)、3.69(m,1H)、3.28(m,2H)、3.04(m,2H)、2.42(s,3H)、2.40(s,3H)、2.16(m,2H)、1.65(m,1H)、1.52(m,3H)、0.99(t,7.6Hz,3H)。
【0045】
実施例16:5−[5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−インドール−(3Z)−イリデンメチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボン酸・((2S,4R)−2,4−ジヒドロキシ−6−モルホリン−4−イル−7−オキソ−ヘプチル)−アミド
【化43】

この化合物は、方法2により調製した。分取HPLC後に87mgの量(69%)の生成物を得た。LC−MS:254nmで単一ピーク、MH+(C2631FN46について):計算値 515、実測値 515。1H−NMR(DMSO−d6,400MHz);δ13.69(s,1H)、10.88(s,1H)、7.76(dd,J=2.4Hz,J=9.2Hz,1H)、7.71(s,1H)、7.48(t,J=4.0Hz,1H)、6.91(m,1H)、6.83(dd,J=4.8Hz,J=9.2Hz,1H)、4.84(d,J=4.4Hz,1H)、4.74(d,J=4.4Hz,1H)、4.05(m,1H)、3.77(m,1H)、3.50(m,9H)、3.25(m,3H)、2.44(s,3H)、2.41(s,3H)、1.58(m,2H)。
【0046】
実施例17:実施例1のさらに別のアミドの例
当業者は、上の手順および/または既知手順に従って以下の実施例17a〜fを製造することができる。
【化44】

【0047】
実施例18:実施例3のさらに別のアミドの例
当業者は、上の手順および/または既知手順に従って以下の実施例18a〜fを製造することができる。
【化45】

【0048】
実施例19:実施例5のさらに別のアミドの例
当業者は、上の手順および/または既知手順に従って以下の実施例19a〜dを製造することができる。
【化46】

【0049】
本明細書において説明する化合物は、好ましい実施形態の現下の代表であり、具体例としてのものであり、本発明の範囲を限定することを意図としない。本発明の範囲および精神を逸脱することなく、本明細書に開示する本発明に様々な置換および変更を施し得ることは、当業者には容易にわかることであろう。
【0050】
実施例20〜269
実施例1〜5のアミドの、なおさらなる例を下の表に示す。
【化47】

【0051】
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【0052】
上の表中のR2は、以下のラジカルから選択される:
【化48】

【化49】

【0053】
当業者は、上の手順および/または既知手順に従って、これらのアミドの例20〜269を製造することができる。
【0054】
細胞アッセイ:HUVEC:VEGF誘発増殖
HUVEC細胞のVEGF誘発増殖における細胞活性について、化合物をアッセイした。HUVEC細胞(Cambrex、CC−2517)は、EGM(Cambrex、CC−3124)中に、37℃および5%CO2で維持した。HUVEC細胞をEGM中、細胞数5000/ウエル(96ウエルプレート)の密度でプレーティングした。細胞付着(1時間)後、EGM培地をEBM(Cambrex、CC−3129)+0.1%FBS(ATTC、30−2020)に替え、細胞を37℃で20時間インキュベートした。培地をEBM+1%FBSに替え、化合物をDMSO中で系列希釈し、細胞に添加して、0〜5,000nMおよび1%DMSOの最終濃度にした。37℃で1時間プレインキュベーションした後、細胞を10ng/mLのVEGF(Sigma、V7259)で刺激し、37℃で45時間インキュベートした。4時間のBrdU DNA取り込みにより細胞増殖を測定し、1MのH2SO4を使用してその反応を停止させてELISA(Roche kit、16472229)によりBrdU標識を定量した。吸収は、690nmの基準波長を用いて450nmで測定した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、
1は、水素、ハロ、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C8)シクロアルキル、(C1〜C6)ハロアルキル、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルコキシ、アミノ、(C1〜C6)アルキルアミノ、アミド、スルホンアミド、シアノ、置換または非置換(C6〜C10)アリールからなる群より選択され、
2は、水素、ハロ、(C1〜C6)アルキル、(C3〜C8)シクロアルキル、(C1〜C6)ハロアルキル、ヒドロキシ、(C1〜C6)アルコキシ、(C2〜C8)アルコキシアルキル、アミノ、(C1〜C6)アルキルアミノ、(C6〜C10)アリールアミノからなる群より選択され、
3は、水素、(C1〜C6)アルキル、(C6〜C10)アリール、(C5〜C10)ヘテロアリール、およびアミドからなる群より選択され、
4、R5およびR6は、水素および(C1〜C6)アルキルからなる群より独立して選択され、
各R7は、水素、(C1〜C6)アルキルおよびヒドロキシルからなる群より独立して選択され、
8は、ヒドロキシ、(C1〜C6)O−アルキル、(C3〜C8)O−シクロアルキル、およびNR910からなる群より選択され、この場合のR9およびR10は、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)ヒドロアルキル、(C1〜C6)ジヒドロキシアルキル、(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)アルキルカルボン酸、(C1〜C6)アルキルリン酸、(C1〜C6)アルキル硫酸、(C1〜C6)ヒドロキシアルキルカルボン酸、(C1〜C6)アルキルアミド、(C3〜C8)シクロアルキル、(C5〜C8)ヘテロシクロアルキル、(C6〜C8)アリール、(C5〜C8)ヘテロアリール、および(C3〜C8)シクロアルキルカルボン酸からなる群より独立して選択されるか、またはR9およびR10はNと一緒に、非置換の(C5〜C8)複素環または、ヒドロキシル、ケトン、エーテルおよびカルボン酸の1つ以上で置換されている(C5〜C8)複素環を形成し、
nおよびmは、独立して、0、1、2または3であり、
pは、1、2または3である。)
により表される化合物または薬学的に許容される塩、その互変異性体、その互変異性体の薬学的に許容される塩、またはそれらのプロドラッグ。
【請求項2】
以下の構造:
【化2】

(式中、R2は、水素およびフルオロからなる群より選択される。)
により表される群から選択される、請求項1に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項3】
以下の構造:
【化3】

により表される、請求項1に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項4】
式(II):
【化4】

(式中、R8aは、水素、(C1〜C6)アルキルおよび(C3〜C8)シクロアルキルからなる群より選択される。)
により表される、請求項1に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項5】
1およびR2が、水素およびフルオロからなる群より独立して選択され、
3およびR4が、メチルであり、
5、R6、R7およびR8aが、水素であり、
nおよびmが、独立して、0、1または2である、
請求項4に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項6】
【化5】

からなる群より選択される、請求項5に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項7】
以下の構造:
【化6】

により表される、請求項5に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項8】
以下の構造:
【化7】

により表される、請求項5に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項9】
式(III):
【化8】

(式中、R8aは、水素、(C1〜C6)アルキルおよび(C3〜C8)シクロアルキルからなる群より選択される。)
により表される、請求項1に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項10】
1およびR2が、水素およびフルオロからなる群より独立して選択され、
3およびR4が、メチルであり、
5、R6およびR8aが、水素であり、
nおよびpが、独立して、1または2である、
請求項9に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項11】
【化9】

からなる群より選択される、請求項10に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項12】
以下の構造:
【化10】

により表される、請求項10に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項13】
以下の構造:
【化11】

により表される、請求項10に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項14】
以下の構造:
【化12】

により表される、請求項10に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項15】
式(IIIa):
【化13】

(式中、
1およびR2は、水素およびフルオロからなる群より独立して選択され、
3およびR4は、メチルであり、
5、R6およびR8aは、水素であり、
nおよびpは、2である。)
により表される、請求項9に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項16】
式(IIIb):
【化14】

(式中、
1およびR2は、水素およびフルオロからなる群より独立して選択され、
3およびR4は、メチルである。)
により表される、請求項15に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項17】
式(IV):
【化15】

(式中、R8は、NR910である。)
により表される、請求項1に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項18】
1およびR2が、水素、ハロ、シアノからなる群より独立して選択され、
3、R4、R5およびR6が、独立して、水素または(C1〜C6)アルキルであり、
7が、水素またはヒドロキシルであり、
nおよびpが、独立して、1または2であり、
mが、0または1であり、
9およびR10が、水素、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)ヒドロキシアルキル、(C1〜C6)ジヒドロキシアルキル、(C1〜C6)アルコキシ、(C1〜C6)アルキルカルボン酸、(C1〜C6)アルキルリン酸、(C1〜C6)アルキル硫酸、(C1〜C6)ヒドロキシアルキルカルボン酸、(C1〜C6)アルキルアミド、(C3〜C8)シクロアルキル、(C5〜C8)ヘテロシクロアルキル、(C6〜C8)アリール、(C5〜C8)ヘテロアリール、および(C3〜C8)シクロアルキルカルボン酸からなる群より選択されるか、またはR9およびR10がNと一緒に、非置換の(C5〜C8)複素環、またはヒドロキシル、ケトン、エーテルおよびカルボン酸の1つ以上で置換されている(C5〜C8)複素環を形成する、
請求項17に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項19】
以下の構造:
【化16】

により表される群から選択される、請求項18に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項20】
以下の構造:
【化17】

により表される群から選択される、請求項18に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項21】
以下の構造:
【化18】

により表される、請求項18に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項22】
以下の構造:
【化19】

により表される、請求項18に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項23】
以下の構造:
【化20】

により表される、請求項18に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項24】
以下の構造:
【化21】

(式中、nは0、1または2である。)
により表される、請求項18に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項25】
以下の構造:
【化22】

により表される群から選択される、請求項24に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項26】
以下の構造:
【化23】

により表される群から選択される、請求項24に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項27】
以下の構造:
【化24】

により表される群から選択される、請求項18に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項28】
以下の構造:
【化25】

により表される群から選択される、請求項18に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項29】
以下の構造:
【化26】

(式中、
2は、水素およびフルオロからなる群より選択され、
8は、下記構造:
【化27】

により表されるラジカルからなる群より選択される。)
により表される群から選択される、請求項18に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項30】
以下の条件:
請求項2に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項3に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項4に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項5に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項6に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項7に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項8に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項9に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項10に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項11に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項12に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項13に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項14に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項15に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項16に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項17に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項18に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項19に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項20に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項21に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項22に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項23に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項24に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項25に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項26に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項27に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項28に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項29に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、または
請求項30に記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグの除外、
を伴う、請求項1〜29のいずれかに記載の化合物、塩、互変異性体またはプロドラッグ。
【請求項31】
請求項1〜30のいずれかに記載の化合物または塩でプロテインキナーゼの触媒活性を修飾するための方法。
【請求項32】
前記プロテインキナーゼが、VEGF受容体およびPDGF受容体からなる群より選択される請求項31に記載の方法。

【公表番号】特表2007−512353(P2007−512353A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541462(P2006−541462)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【国際出願番号】PCT/US2004/039728
【国際公開番号】WO2005/053614
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(501244222)ザ スクリプス リサーチ インスティテュート (33)
【Fターム(参考)】