説明

高濃縮アルカリ洗浄剤のための生分解性スケール制御組成物

多量の低アルカリ含有量で因襲的なアルカリ清浄剤よりも優れた清浄力を有し、飲用水において、および例外的な硬水においてさえも、1ガロン当たり約1/40オンスから約1/10オンスに希釈された場合であってさえも増大されたスケール制御性を有する効果硬質表面、医療器具および他の金属成分(部品、道具、家庭用品、容器、機器)の清浄において使用するためのアルカリ濃縮洗浄組成物。本発明の組成物は、使用中においてその優れた清浄力およびスケール制御性を維持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<相互参照>
この出願は2008年5月30日に出願された米国仮出願通しNo. 61/130,466の35 U.S.C§119下で優先権の利益を請求する。
【0002】
この発明は、従来の濃縮アルカリ洗浄組成物に比べて低使用希釈濃度で硬水スケール形態の優れた制御を提供する、生分解性キレート剤と金属イオン封鎖剤とを組合せた相乗的スケール制御成分を含む超濃縮アルカリ洗浄剤製品に関する。特に、この発明は医療器具、家庭用品、他の機器および硬質表面の洗浄に使うための、ユーザに優しく、生分解性、超濃縮アルカリ洗浄組成物に向けられ、それらは低アルカリ含有量で有効な洗浄を達成し、かつ有益なスケール阻害、脱汚染および適合性特性を所有する。有効な清浄および有益な特性が、希釈においても、また例外的な硬水中であってさえも使用の間に亘って維持される。
【0003】
<発明の背景>
本発明は、特に、医療器具、家庭用品または他の装置を清浄するために手動もしくは自動適用に有用であることに関して、主に考察されるが、その使用は、これらの適用に限定されるものではない。特に、発明組成物は外科器具(外科用メス、生検器具、クランプ等)、内視鏡、直腸鏡、腹腔鏡、結腸鏡、および医療または外科手法に用いられる他の機器、他の金属機器、医療および/または歯科の実施における使用での他の金属機器および表面を洗浄するために用いられてよい。また、本発明は、例えば制約製造設備、酪農場、水リサイクル機器、食品処理、レストラン、ヘアーサロン、美容処理、獣医開業、および幾つかの他の適用、ここにおいて、ヒトまたは動物血液、タンパク質、脂質汚物または他の同様な汚物の洗浄が要求され、かつスケール制御および適用洗浄組成物での軟金属との適合性を特に必要とするような同様な洗浄要求を有する設備で器具、機器、硬質表面等を含むことを意図する。本発明組成物はそれらの脱汚染特性に対しても有用である。
【0004】
濃縮配合物を含む、硬質表面、医療器具、家庭用品および他の金属機器(部品、道具、容器、表面)の洗浄に使うための洗浄剤は従来知られている。医療器具および関連する金属機器は、しばしば殺菌を必要とすると同時に、そのような器具および機器は典型的に最初に吸着床が清浄され、且つ擦り洗われて、限定されるものではないが、血液、脂質およびタンパク質を含む汚物が取り除かれるが、これは、器具/機器の使用中に前記汚物によって被覆されている場合、それらを滅菌することができず、汚物が、後に除去することが困難な硬化した残渣として固化し得るためである。一般的に、器具および機器は洗浄剤溶液で手動にて洗い落とされる(もしくは濯がれる)、または洗浄剤溶液に浸し、汚物のバルクを表面から取り除くか、また自動洗浄機も利用できる。
【0005】
アルカリ清浄剤は、それらが逆に洗浄プロセスを促進する脂肪(オイル)汚物のケン化を促進する理由から非常に望ましい。高アルカリ清浄剤は、衛生化医療器具、家庭用品および他の機器、クリーン・イン・プレース(Clean-in-Place、CIP)洗浄を含む、硬質表面および製造機器を洗浄し、衛生化するために用いられる。
【0006】
アルカリ洗浄組成物は、従来よく知られている。実例として、BerkelsらによるU.S. 特許 No. 6,581 ,613は醸造所および搾乳場に使うための0.1-50%の規定されたアルキルポリグルコシド(D.P. 1.7-3および8炭素原子を含むアルキルラジカル)と50から99.9%の濃縮アルカリ金属水酸化物溶液とを含む組成物を開示する。
【0007】
ManによるU.S. 特許 Nos. 6,274,541 , 6,479,453および7,037,884は、硬質採石場またはセラミックタイルからの油による汚物における石灰石鹸を取り除くために特に有効であることが記載され、アルキルもしくはアルキルアリルエトキシカルボキシレート(0.1-20 wt.%)、NTA, EDTA, HEDTA, およびDTPA,好ましくはEDTAのような強キレート剤(1-20 wt.%)、アルカリ供給源、好ましくはアンモニアもしくは水酸化アンモニウム、モノエタノールアミンと水酸化ナトリウムとの組合せ(2-30 wt.%)を含むアルカリ洗浄組成物を開示する。
【0008】
U.S.特許No. 6,686,325は、2つの部分の系として、1つの部分はアルカリ濃縮物であり、これは1つのキレート剤を含み、他の部分は腐食阻止剤濃縮であり、これは腐食阻止剤と第2キレート剤と界面活性剤とを含み、これは閾値阻止剤/結晶調整剤成分を組み合わせたものであり、両方の部分を含む使用溶液で腐食阻止剤を安定化するようなアルカリ感応性金属洗浄組成物を開示する。
【0009】
MalikらによるH468、法令発明記録、は、アルカリ供給源0.1-50 wt.%およびアルキルグルコシド(0.1から40 wt.%)を含むアルカリ清浄剤を提供することにより、汚染硬質表面を洗浄するプロセスを開示するものであり、これは、硬質表面清浄のためのアニオンおよび非アニオン界面活性剤を含むアルカリ清浄組成物に比べてより優れていることが提示する。配合物は、またリン酸ビルダー(phosphate builders)の追加および水混和性溶媒の使用を考慮する。
【0010】
JohanssonによるU.S.特許No. 6,541 ,442は、硬質表面清浄、マーセル化プロセス、およびpH11以上のpHで繊維および織物を洗浄、糊抜きおよびこすり洗いするために使うための高量(30 wt.%を上回る)の非イオン性アルキレンオキシド付加物界面活性剤およびヒドロトロープとしてのヘキシルグルコシドを含むアルカリ組成物を開示する。組成物はまた、リン酸塩およびNTAおよびEDTAのような錯体剤をも含む。
【0011】
RuhrらによるU.S.特許No. 6,537,960は、少なくとも1つのC3〜C10アルキルポリグルコシド、少なくとも1つのアミン酸化物、少なくとも1つのポリカルボキシレートアルコールアルコキシテートおよび少なくとも1つのアルコールアルコキシレートを含む高アルカリ条件で使うための低発泡性界面活性剤混合物を開示する。開示される界面活性剤は、塩素安定性を促進することを提示する。
【0012】
U.S.特許No. 6,581 ,613は90〜99.9%の濃縮金属アルカリとの組合せで高程度のオリゴマー化(1.7〜3)を持つアルキルポリグルコシドを開示する。
【0013】
LenoirによるU.S.特許No. 5,767,056は、果実、野菜、食品用容器の表面を洗浄するため、果実または野菜化学剥離、金属加工物または綿マーセル化のためのアルカリ金属水酸化物およびプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドまたはブチレンオキシドおよびエチレンオキシドのいずれかを持つ6-18炭素原子を有するアルコールの付加反応生成物を含む水性アルキル組成物を開示する。
【0014】
U.S.特許No. 4,935,065は、水酸化ナトリウム、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ポリアクリル酸ナトリウムおよび次亜塩素酸ナトリウムを含む水性アルカリ清浄濃縮物/洗濯溶液を開示する。
【0015】
WO 02/47819は、アルカリ性貢献物および特定の特性での金属イオン封鎖剤を含む、合成樹脂イオン交換器のアルカリ精製を実行するための水性溶液を開示する。
【0016】
従来のアルカリ洗浄組成物は多くの不利益または欠点に苦しむ。増加活性アルカリ含有量は一般的に改良清浄性能と関連すると同時に、それはまた特に非常に高アルカリ含有量で、労働者に対し幾つかの安全に関する害(safety hazards)を与える。また、高アルカリ組成物の使用は、それらの特性を増大するために組成物に含まれる種々の成分の不安定性のために制限される。特に、例えば、界面活性剤、ヒドロトロープ、キレート剤、金属イオン封鎖剤、他のスケール阻止剤などのある成分は高アルカリ、液体組成物に組み込むことが困難であり、それゆえ最終製品は妥当な貯蔵寿命に亘る貯蔵において安定である。高アルカリ清浄剤もまた、例えば、医療器具、家庭用品、および他の金属消毒器に用いられる種類などの軟金属について、適合性の問題を生じる。低アルカリ含有量を達成し、かつ適合性を改善するために従来の濃縮清浄剤の希釈はしばしば魅力的であると同時に、希釈は、多くの場合、最適な清浄性能よりも低い結果を導く。結果として、硬質清浄汚物を効果的に取り除くために必要な成分を含む最適な清浄組成物は、達成が困難であった。
【0017】
最近、市販のアルカリ洗浄製品の使用について他の欠点がある。多くの洗浄剤系は、全体的な生分解性を考慮されないテトラナトリウムエチレンジアミンテトラアセタイト(EDTA)またはニトリロトリ−アセテイト(NTA)のようなキレート剤の使用を適用している。NTAは殺虫剤抵抗性行動委員会(IRAC)の作業グループによって、人に対する発癌物質(グループ2B)の可能性として分類されている。さらに、ある成分は、規制制限のために、例えば、ヨーロッパなどのある地理的領域で用いることができない。したがって、従来の液体洗浄剤を使用して達成する清浄効果は、環境に優しくなく、かつ安全ではない成分の使用を要求するものであった。
【0018】
前述の問題に加えて、そのような洗浄を必要とする病院または他の設備内の器具処理課の伝統的アルカリ洗浄組成物の要求量は典型的に非常に大きい。処理医療器具、家庭用品および他の自動清浄器における機器において高効率を達成するために、空の容器から満たされた容器へと変えることは、最小限に抑えることが必要とされる。その結果、伝統的洗浄製品は、多くの場合、5から55ガロン容器で病院および他の設備に売られるように製造される。
【0019】
従来の濃縮清浄組成物は、希釈時に有効であるように一般的に10%またはそれ以上のキレート剤濃度を必要とする。例えば、伝統的清浄剤濃縮物は典型的に1/8-2 oz. /gal.使用前(水で)に希釈され、洗浄溶液中で195 ppmから781 ppmの活性キレート剤/阻止剤の濃度となる。この程度の希釈は、同様に大量の清浄剤(および従って容器)の使用を必要とする。容器の重量および容積は人間工学的な危険を、容器を扱う作業者にもたらし、かつ容器寸法が貴重な空間を占める。それゆえ、より小量の洗浄剤/清浄剤を用いて、有効な清浄、スケール制御、脱汚染および適合性特性を達成し、価格および空間を最小限にし、同時に使用者および環境に優しいという付加的な利点を伴いつつ、従来の組成物と同等またはより良好な結果を達成することが望ましい。
【0020】
目下入手できる洗浄製品は、バルク洗浄製品に関連する人間工学的および貯蔵空間的な問題に対処することを意図している。特に、洗浄組成物は固体ブリックまたはブロックまたは他の個体形として提供され、それらは洗浄処理への導入前に水で希釈されなければならない。そのような製品の例は、Ecolabによって製造され、かつU.S.特許Nos. 5,786,320 and 6,632,291 B2に開示されている。固体配合物の2値の“ブリック”は、比較洗浄製品の15ガロンに等しい。人間工学での幾つかの改良に拘わらず、これらの固体製品は医療器具または自動器具洗浄機を水および/または水中の汚染物からもたらされる腐食を十分に保護してはいない。とりわけ、それらは、医療器具または他の金属部品または機器、または自動洗浄機において、硬水(すなわちCaCO3として<約100 ppm)を用いることにより生じる水硬質堆積物またはスケールの形成を防止するために十分な成分の量または種類の成分を含んではない。即ち、人間工学的な考慮に対処するために設計される目下入手できる製品は硬水の適用においては、適切なキレート化またはスケール阻止を提供することはできない。
【0021】
理想的な液体洗浄組成物は、低使用希釈、すなわち有効に清浄するために要求されるより少ない量で、有効な清浄を提供すべきである。同等またはより良好な洗浄力を達成するためのより少ない量を必要とし、かつ低使用希釈で有効なスケール制御特性を提供する洗浄濃度は、人間工学的観点のみならず価格からも望ましい。効率、有効な洗浄およびスケール阻止を達成するためにより少ない洗浄濃縮物を用いることは、より小さな容器、より少ない貯蔵空間を可能とし、かつ各洗浄工程のための物質の価格を下げる。
【0022】
前述したように従来の洗浄組成物はキレート剤金属イオン封止剤または生分解性ではない他のスケール阻止剤を組み合わせる高アルカリ(または酸)清浄剤の使用を通してスケール制御を達成する。加えて、特に地理学的領域での水硬度に依存して、濃縮清浄剤の希釈溶液を用いてスケール阻止を達成し、更に、洗浄処理を通して、スケール阻止を維持することは、達成することが困難である。典型的には、従来の清浄濃縮物中のスケール制御は、EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸)、NTA(ニトリロトリ酢酸)およびホスホン酸塩などのスケール阻害のためのキレート剤を使用することにより達成され、それらは、通常1対1モル比において、カルシウムまたはマグネシウムカチオンに化学的に結合し、複合体、即ち、錯体を形成することによって、カルシウムおよびマグネシウムスケール堆積物を阻害する。Drew Chemical Corp., Principles of Industrial Water Treatment, 1984, pp. 80-84。要するに、キレート剤の1つの分子は1つまたはそれ以上のカルシウムイオンまたは別の金属と組合し、新しい錯体を形成する。この錯体は、カルシウムまたはマグネシウムカチオンを炭酸塩アニオンとの相互作用から防止し、従ってスケール形成を防止する。キレート剤は、亜鉛、銅または鉄のような金属を器具または洗浄機表面(ここでそれらは汚染または腐食をもたらすことができる)上への堆積をまた防止する。リン酸塩のようなスケール阻止剤は、炭酸カルシウムの結晶構造を阻止するために用いることができ、従って炭酸カルシウム塩を析出するのに十部に大きい粒子に集合することから防止する。
【0023】
金属イオン封鎖剤もまたスケール形成を制御するために用いられる。金属イオン封鎖剤は異なる様式で作用する。1つの金属イオン封鎖剤分子は、多くの金属および塩と相互作用することができる。金属イオン封鎖剤カルシウムまたはマグネシウムの炭酸塩の形成を防止しない。むしろ、それらは小さなカルシウムまたはマグネシウムの炭酸塩粒子と相互作用し、それらを硬質スケール堆積に集合するのを防ぐ。粒子は互に反発し、かつ水に懸濁して残るか、または定着するかもしれない脆い集合体を形成する。これらの脆い集合物は容易にすすぎ去られ、かつ堆積物を形成しない。
【0024】
前述した特有のキレート剤に加え、他の配合物はカルシウム炭酸塩スケールおよび鋼腐食を制御するために用いられている。1つの例はU.S特許No. 5,647,995であり、それはフリーラジカルの存在でアセチレン化合物をアルカリ金属次亜リン酸塩と反応することによって形成されるアルカリ金属二燐酸塩を用いて冷却水でスケールおよび腐食を制御する方法を開示している。二リン酸塩はさらに反応され、二リン酸塩化合物および付加物、オリゴマーおよびポリマーを含む、制御スケールおよび腐食阻止特性を有する二リン酸塩を調製する。
【0025】
別の例は、U.S.特許No. 5,489,666であり、それは冷却水系のような循環水系でカルシウムスケールの形成および堆積を阻止するための組成物を開示している。水を処理するために用いられる組成物は、ポリエポキシコハク酸を修飾し、それは高pH、高カルシウム濃度および高アルカリ性の条件で有効であり、従来の処理は効力を低下することが記載される。
【0026】
U.S. 2005/0247637 A1はボイラーまたは他の加熱ユニット、商用ホットパイプ、産業および家庭内使用、特に内部混合表面を持つ飲料水処理、食品サービス自動販売機、計量分配機、ボイラーもしくは要望に応じて加熱要素および同様な部品の用いることができる、硬水でのスケール制御のための水処理を開示する。処理は、ポリリン酸塩と共に金属微粒子、例えば亜鉛および銅の組み合わせを含み、それは部品のみの使用に比べて相乗的な効果を持つ高循環食品または飲料分配システムの内部表面上のスケール堆積を劇的に低減する。
【0027】
EP 0733073 (WO 95/15984)は、0.15から2.5の範囲の置換度合(D. S.)を有するカルボキシメチルイヌリンを開示し、カルボキシメチルイヌリンはカルシウム炭酸塩の結晶化の阻止剤として役に立ち、かつ生分解性である。特別な洗浄配合物は全く開示されていない。
【0028】
前述した多くを含む、多くの伝統的なキレート剤、金属イオン封鎖剤および他のスケール制御剤は、環境におけるそれらの影響のために、増大した取り締まりを受ける精密調査の対象となってきた。国際および国内の両方の規制はより厳密になってきているため、リン酸様の含有科学物質を置き換える要求が必要とされる。したがって、リン酸塩を含まない科学物質に対する消費者選択および要求が増加することが予測される。
【0029】
上述のことに基づいて、目下入手できる濃縮アルカリ清浄剤はそれらの使用で多くの不利益を与える。多くの含有成分は、生分解性ではなく、ユーザまたは環境に優しくなく、そればかりか厳密な環境精密調査の対象であり、従って作業者に対する健康および安全性に関する懸念が存在する。多量な使用を要求するアルカリ清浄剤もまた、作業員にとって安全面において害を与える。大きな容量が、操作における部位または効率のために多くの場合要求されるものであり、かつ大きな容器が、多くの場合、洗浄剤供給のために用いられる。これらの大きな容器は貴重な空間を占め、かつ製品容器の容積および重量のために人間工学的リスクを存在する。従来のアルカリ清浄剤は低使用濃度でスケール制御/阻止を達成しないばかりか、それらは洗浄プロセス全体に亘ってスケール阻止を維持しない。多くの従来の清浄剤は要求使用濃度で軟質金属と不適合性である。
【0030】
スケール制御成分キレート剤、金属イオン封鎖剤の相乗的組合せを含む新しい超濃縮アルカリ洗浄組成物が、すでに発見され、有効な汚物除去、生分解性および1つの濃縮配合物でのスケール制御の性質を驚くべきことに併用する。組成物は、伝統的清浄剤で要求される濃度より非常に低濃度、すなわち1/40 oz./gal.から1/10 oz./gal.の範囲、で使用されるとき、有効なスケール制御を提供する。発明組成物は物理的に安定であり、小容積容器の貯蔵を許容する。
【0031】
本発明組成物の主たる利点は、その高濃縮性質および要求される低使用希釈のための処理コスト、人間工学的リスクおよび貯蔵空間を低減することである。伝統的清浄剤の1/10から1/40量の使用希釈でさえ、発明組成物は有効な洗浄を提供し、同時に従来の薬品、例外的な硬水においてでさえ、少なくとも同様に水を硬質に制御することを達成する。
【0032】
最後に、本発明組成物の別の利点は、それらが伝統的清浄剤に関連する高容積の使用に取って代替物を提供し、従来製品に関連する欠点を提供することなく、アルカリ清浄剤を寧ろ好みかつ要求するユーザにおいて実行可能な選択となる。
【0033】
一般的に、本発明の濃縮アルカリ生分解性清浄剤は、次の成分;
a)2つまたはそれ以上のキレート剤およびスケール阻止剤、
b) ヒドロトロープ、
c)アルカリ供給源および
d)水
を含む。
【0034】
他の成分は、同様に加えることができるが、有効な清浄は追加的洗浄剤または界面活性剤を必要とせずに達成され、かつ軟質金属との予想外の適合性が、腐食阻止剤の添加なしでさえも達成される。
【0035】
本発明の目的は、医療器具、家庭用品および他の機器、硬質表面の洗浄に使える超濃縮洗浄組成物を提供することであり、これにより、低アルカリ性レベルで優れた洗浄力を有し、かつ従来の組成物の前述の不利益を回避し、従って従来のアルカリ組成物よりも商業的且つ価格的に有効な代替物が提供される。
【0036】
本発明の更なる目的は、取り扱いおよび使用に安全であり、かつ環境に優しい、より低いアルカリ性含有量のリン酸塩を含まない超濃縮アルカリ洗浄組成物を提供することである。
【0037】
また更に、本発明の目的は、超濃縮アルカリ洗浄組成物において、前記濃縮組成物が希釈され、使用される場合であってさえ、スケール制御阻止の望ましい特性を維持することを提供することである。
【0038】
さらに本発明の目的は、前述の利点を達成し、従ってコストを低減するために、希釈されるべき濃縮物のより少ない量を要求する超濃縮洗浄組成物を提供することである。
【0039】
さらにこの発明の目的は、伝統的清浄剤と同様な有効性を達成するためにより少ない濃縮物を必要とし、それにより清浄組成物供給物を貯蔵するための大容積容器の必要性と、清浄濃縮物の供給物を貯蔵するために必要とされる空間を低減する超濃縮アルカリ清浄組成物を提供することである。
【発明の概要】
【0040】
本発明の新規な超濃縮アルカリ洗浄組成物は、医療器具、家庭用品および他の機器、硬質表面を洗浄するための、ヒドロトロープおよび相乗的スケール阻止系との組み合わせにおけるアルカリ性供給源を含む。本発明組成物は、キレート剤と、環境に優しい、即ち、生分解性である他のスケール阻止成分とを含む。“生分解性”は、これに限定するものではないが、親物質の分解および必然的なその性状の喪失のためにその性状の喪失をもたらすミクロ有機体により成分が構造変化(変換)することを意味する。
【0041】
本発明組成物は、安全および人間工学的観点から取り扱いに安全であり、かつより経済的である。特に、優れたスケール阻止は組成物が従来、伝統的な洗浄組成物に用いられる希釈濃度より充分下回って使用されている場合でも達成され、かつスケール阻止は洗浄プロセスの全体に亘って維持される。アルカリ性レベルは伝統的な清浄剤に比べて低い。従って、洗浄およびスケール阻止を達成するために必要な低量の本発明濃縮物もまた非常に価格有効な代替物を提供する。加えて、超濃縮アルカリ清浄組成物は、伝統的な濃縮清浄剤に比べて非常に低使用希釈で顕著にかつ予想外に良好であるため、より小さな容器、より小さい貯蔵空間および低容積を必要とし、従って人間工学的リスクを低減し、かつ作業員に対する安全性を増大する。
【0042】
一般的に、本発明洗浄濃縮物は、例えば、
a)少なくとも少なくとも2つのスケール阻止剤成分;
b)ヒドロトロープ;
c)アルカリ供給源;および
d)水
などの成分の相乗的組合せを含むアルカリ組成物である。
【0043】
アルカリ供給源は、好ましくは水酸化ナトリウム(50%能動態として入手できる)であり、それはEPAに承認される“活性”構成成分であり、かつ抗菌剤と同様に使用のために有効に承認されていることを意味する。水酸化カリウム(46%能動態)もまた水酸化ナトリウムの置換え、またはそれとの組合せでアルカリ供給源として用いることができる。水酸化カリウムは、“活性”構成成分としてEPAによって承認されていない。1つの好ましい態様において、両方の水酸化ナトリウムお酔い水酸化カリウムはアルカリ供給源として併用される。アルカリ性分は、特に油汚物に対する、有効な洗浄特性を有するばかりではなく、洗浄プロセス全体に亘ってpH10を上回るpHで維持され、スケール阻止プロセスの最適性能を可能にする。
【0044】
ヒドロトロープは、成分を水、アルカリ組成物で溶解性を留めることを可能にするための成分の組み合わせを安定化するために利用される。ヒドロトロープは、好ましくはアルキルグルコシドまたはアルキルポリグルコシドである。
【0045】
本発明の重要な側面は、生分解性であるスケール阻止成分およびキレート剤の相乗的系の利用である。キレート化およびスケール阻止は、組成物の洗浄性能で積極的な影響力を有する。好ましくは、キレート剤はメチルグリシン二酢酸三ナトリウム((MGDA)、Trilon Mとして商業的に知られている)であるが、従来知られている他の生分解性キレート剤を使用してよい。好ましい態様において、少なくとも2つのキレート剤、金属イオン封鎖剤、または他のスケール阻止成分が組み合わされて、低使用希釈で予測外に優れたスケール阻止を生じ、これは洗浄プロセス全体に亘って維持される。
【0046】
全ての成分がアルカリ条件で安定であることが重要であり、これはいずれの成分も超濃縮アルカリ洗浄組成物の予測される貯蔵期間に亘り認め得るほどに分解しないことを意味する。
【0047】
前述した有益な特性を達成するために要求されるものではないが、達成される有利な特性に影響することなく、例えば、カップリング剤、バッファ、色素、香料、殺菌剤(過酸化物、フェノール、四級アミンなど)、腐食阻止剤、界面活性剤、またはタンパク質分解性もしくは他の酵素などの補助剤を追加してよい。
【0048】
本発明は、本発明の詳細な説明を図面と共に読むことによって、よりよく理解され、かつ他の特徴および有益さが明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】表2にかつ1/10および1/40 oz/ガロン、ならびに2/10 oz/ガロン(2つの配合物)の使用希釈に記載されるようにキレート剤/金属イオン封鎖剤成分レベルを変更して用いたキレート化実験の結果を示す図である。
【図2】表3に記載されるように種々の本発明配合物を用いるキレート化実験の結果を示す図である。
【図3】本発明配合物、伝統的アルカリ濃縮物および固体清浄剤を用いる比較清浄実験の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
<発明の詳細な説明>
本発明はスケール制御の主な特性に関して述べる。本発明は、アルカリ性pH有する水性塩基で少なくとも2つのスケール制御成分(キレート剤、金属イオン封鎖剤、または阻止剤)を含む超濃縮アルカリ清浄組成物である。濃縮物の好ましいpHは>13.0である。1つの好ましい態様において、本発明組成物はキレート剤および金属イオン封鎖剤の両方を含む複数のスケール制御成分を含む。本発明配合物は、リン酸塩を含まずに、伝統的なアルカリ清浄剤よりも低アルカリ性含有量を有し、それによりユーザおよび環境に優しい。成分はまた、相乗的に作用することが明らかであり、例外的な硬水においてさえも、従来公知の清浄組成物のために用いられるよりも低い希釈物を用いることが達成され、かつ維持される、優れた清浄性能および予想外のスケール阻止を達成する。
【0051】
ここにおいてに使用されるとき、「硬」水は、CaCOが約120ppmよりも多いことを意味し、「例外的な硬」水は、CaCOが約300ppmよりも多いことを意味する。ここで使用される場合、「超濃縮物」は、従来の清浄剤の使用希釈である1/8oz./gal.〜2oz./gal.に比較したときに、(水中で超濃縮洗浄配合物の)1/10oz./gal.〜1/40oz./gal.の使用希釈でスケール形成を効率的に阻害する配合物を意味する。
【0052】
従って、本発明の配合物の独特な特徴は、それらが、従来の清浄剤よりも非常に低いアルカリ性で顕著且つ予想外の清浄力を示すこと、および従来の清浄濃縮物よりもより低い使用希釈でそれらの利点が達成できることである。本発明の組成物は、驚くべきことに、清浄工程に亘り、例外的な硬水に遭遇した場合であってさえも、それらの有効性および有利な特性を維持する。それらはまた、医療機器清浄のために通常される伝統的な清浄剤の1/10〜1/40の量での使用希釈においてさえ、スケール形成を制御することも可能である。好ましく希釈された組成物は、約1/40oz./gal.の希釈物を使用するための28〜58ppmの範囲から約1/10oz./gal.の希釈物を使用するための225〜275ppmまでのキレート剤/阻害剤の活性濃度に結果としてなる。
【0053】
ヒドロトロープは、本発明の組成物の重要な側面であり、組成物の予想される貯蔵寿命に亘って配合物全体の安定性を維持するために必須である。
【0054】
スケール制御
スケール発生は、水硬度の結果である。スケールは、硬質の、接着性の無機塩類組成物、例えば、カルシウムまたはマグネシウムなどであり、それらは通常、結晶形態で存在する。スケール堆積は、温度、pH、濃度、流動率、圧力または他の水条件が変わるときに生じる過程である。水は、多くのスケールを生じる可能性のある構成成分、例えば、カルシウムおよびマグネシウムイオン、シリカ化合物、鉄および他の無機塩類を含む。
【0055】
好ましくは、本発明の組み合わせは、2つの別々の相乗的な成分、キレート剤と金属イオン封鎖剤との使用によりスケール制御を達成する。何れかのキレート剤または金属イオン封鎖剤化学物質が、独立してスケール制御を達成できる一方で、予想外の相乗的結果が、本発明で使用される成分の独特の組み合わせで達成されるので、少なくとも2つのキレート剤と金属イオン封鎖剤の組み合わせが好ましい。
【0056】
キレート剤は、カルシウムおよびマグネシウムを含む金属と結合することにより作用し、キレート剤として知られる複合物を形成し、これが、炭酸塩アニオンとの相互作用からカルシウムまたはマグネシウムカチオンを遠ざけ、それによりスケール形成を抑制する。そららはまた、亜鉛、銅または鉄などの金属が、それらが汚染または腐食を引き起こし得る器具または洗浄表面において堆積することを阻害する。他方において、金属イオン封鎖剤は、異なる様式で作用する。金属イオン封鎖剤は、炭酸カルシウムまたはマグネシウムの形成を防止しない。寧ろ、それらは、小型炭酸カルシウムおよびマグネシウム粒子と相互作用し、それらが硬度スケール堆積物に凝集することを防止する。粒子が、互いに反発し、水中での懸濁を維持し、または緩い凝集を形成し、それらは安定され得る。これらの緩い凝集は、容易に濯ぎ取られ、堆積物を形成しない。
【0057】
それ故、本発明の組成物のスケール制御特性重要な側面は、一般的に、洗浄組成物において含まれる2つの異なる種類の化学物質の使用に起因し得る。これらの2つの化学物質(キレート剤および金属イオン封鎖剤)が他方に依存するスケール制御を達成できる一方で、それらの間に相乗効果が存在し、それが水道水(飲用水)における、例外的な硬水においてさえも、非常に低い使用希釈(1/40〜1/10oz./gal)での予測外のスケール制御を可能にすることが発見された。
【0058】
スケール制御のための化学物質は市場において比較的新しく、生分解性である。本発明の組成物のために利用される金属イオン封鎖剤は、ポリアスパラギン酸ナトリウム(Baypure DS 100);カルボキシル化置換度(DS)が2.5であるカルボキシメチルイヌリンナトリウム(Dequest SPE 15625);アミノトリメチレンホスホン酸塩(Dequest 2006);ポリアクリル酸;およびGLDA(グルタミン酸、N,N-二酢酸、四ナトリウム塩(Dissolvine GL-45-S)を含んでよい。好ましい金属イオン封鎖剤は、カルボキシメチルイヌリンナトリウム(DS2.5)である。更に他の好ましい金属イオン封鎖剤は、アミノトリメチレンホスホン酸塩およびポリアクリル酸を含む。好ましくは、好ましい金属イオン封鎖剤の組み合わせが使用される。
【0059】
キレート剤は、また、スケール制御のために使用される。権利請求される本発明で使用するために選択されるキレート剤は、メチルグリシン二酢酸(MGDA、Trilon Mとして入手可能)、グルコへプトン酸ナトリウ(Burco BSGH-400)、ヒドロキシメチルイミノ二酢酸二ナトリウム(XUS 40855.01)、イミノジコハク酸(Baypure CX 100/34またはBaypure CX 100 Solid G)、EDDS([S,S]-エチレンジアミン-N,N'- ジコハク酸)(Octaquest A65 or Octaquest E30)、クエン酸、グリコール酸および乳酸を含んでもよい。好ましいキレート剤は、イミノ二コハク酸二ナトリウム塩(imino disuccinic acid tetrasodium salt)である。もう1つの好ましいキレート剤は、メチルグリシン二酢酸三ナトリウム塩である。
【0060】
キレート剤/金属イオン封鎖剤は、本発明の配合物において、濃縮物の総重量に基づいて、約10〜約50重量%、より好ましくは約20〜約50重量%および最も好ましくは約30〜約50重量%の範囲の量で存在する。1よりも多くのキレート剤/金属イオン封鎖剤が使用されてもよく、実際に好ましく、且つその範囲は、本発明の配合物におけるキレート剤/金属イオン封鎖剤の総量で記載する。1つの好ましい態様において、少なくとも3つのキレート剤/金属イオン封鎖剤成分が利用されて、予想外のスケール阻害を達成する。
【0061】
アルカリ性供給源
最も好ましいアルカリ性系は、組み合わされた水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムであるが、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの何れかの適切な濃度が使用されてもよい。水酸化ナトリウム/カリウムの組み合わせが、10以上の清浄組成物のpHが使用の間さえも維持し、これは、キレート剤およびスケール阻害剤のための至適性能範囲であることが見出された。更なるアルカリ性供給源は、エタノールアミンまたはトリエタノールアミン(TEA)を含むが、これらの供給源の好ましさは小さい。
【0062】
アルカリ性供給源は、本発明の配合物において、濃縮物における総活性アルカリ含有量に基づいて、約3〜約15%の範囲の量で存在する。好ましい態様において、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの両方がアルカリ性供給源として使用される。
【0063】
ヒドロトロープ
本発明の組成物において使用されるヒドロトロープは、好ましくはアルキルグルコシドまたはポリアルキルグルコシドを含む。他の使用されるヒドロトロープは、キシレンスルホン酸ナトリウム(sodium xylene sulfonate)およびオクチルジメチルアミンオキシドを含む。他の利用されるヒドロトロープは従来周知である。
【0064】
ヒドロトロープは、本発明の配合物において、濃縮物の総重量に基づいて約2〜50重量%、より好ましくは約2〜20重量%、最も好ましくは約4〜約10重量%の範囲の量で存在する。1よりも多くのヒドロトロープが使用されてもよく、範囲は、本発明の配合物におけるヒドロトープの総量で記述する。
【0065】
本発明の組成物の残余は水である。
【0066】
上に提示される通り、本発明の組成物は、濃縮および希釈形態において、アルカリ性pH(>10)を有し、濃縮物のpHは>13.0である。
【0067】
好ましい態様は、少なくとも3つのスケール阻害成分、ヒドロトロープとしてのアルキルグルコシド、アルカリ性供給源および水を含む。特に好ましい態様は、アルキルグルコシド、ポリアクリル酸、アミノトリメチレンホスホン酸塩、MGDA、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムおよび水を含む。
本発明の配合物は、伝統的な製造技術を使用して製造される。アルカリ性供給源の初期水負荷への添加が、スケール阻害成分またはヒドロトロープの添加に先駆けて行われる。固体スケール阻害成分の添加前の製造容器内の水の量が、方法のために重要であり、添加された物質の完全な溶解を保証するために十分であるべきである。ヒドロトロープは、スケール阻害成分と共に添加されてもよく、スケール阻害成分の添加の直後であってもよい。
【0068】
本発明洗浄組成物は、それらが1ガロン当たり1/40ozから1ガロン当たり1/10ozまでの使用希釈で、例外的な硬水でさえもスケール形成を制御できる点において、経済的である。
【0069】
本発明の洗浄組成物は、リン酸塩およびEDTAを含まず、従って、より環境に優しい。また、成分は生分解性であり、これはまた、環境における影響を最小にする。
【0070】
本発明の高濃縮組成物は、物理的に安定であり、長い貯蔵寿命を有する。加えて、成分の濃縮およびより低い使用希釈により、洗浄剤供給のために使用される伝統的な15ガロンコンテナがより小さい容器により置き換えることが可能であり、また処理コストも減少される。
【0071】

以下の例は、本発明の組成物の幾つかの態様および達成された利点を説明する。本発明は、例により制限されるべきであると意図されるものではなく、且つ多様な組成物が、ここにおける以下の教示によって調製でき、それが同様な結果を達成するであることが当業者が理解できることは認められるべきである。
【0072】
例1
種々のキレート剤と金属イオン封鎖剤との組み合わせを評価した。表1は、試験された組み合わせを示す。組み合わせは、アルカリ性供給源、界面活性剤系、腐食阻害剤および水を含む標準アルカリ機材に対して各々組み入れた。試験結果は、どの組み合わせがスケール形成の阻害において最も有効であったかという情報を提供した。最も有効な組み合わせは、A、B、C、D、F、IおよびLであった。これらの組み合わせは、更に、変更され、ここにおいてに示されるように再評価された。
【表1】

【0073】
例2
実験は、種々の発明配合物のスケール阻害/制御特性を決定するために行われた。以下の表2は、試験された発明の配合物の各成分および各成分の重量%を列記する。
【表2】

【0074】
上記のキレート剤/金属イオン封鎖剤の組み合わせは、アルカリ溶液中で調製され、例外的な硬水(即ち、CaCOとして>約300ppm)においてそれらの組み合わされた有効性について評価された。全ての配合物は、アルカリグルコシドをヒドロトロープとして含み、残余は水であった。
【0075】
全ての配合物は、1/10および1/40oz/ガロン使用使用希釈(水中)で試験された。また、2つの配合物(40Aおよび47A)は、2/10oz/ガロン使用希釈で試験された。結果を、図1にキレート化されたカルシウムのパーセンテージとして示す。
【0076】
例3
更なる実験は、種々の他の発明配合物のスケール阻害/制御性質を決定するために行った。以下の表3は、試験された本発明の配合物の成分および各成分の重量%を列記する。全ての配合物の残余は水である。各配合物、1/10使用希釈で試験され、それらの有効性を例外的な硬水において試験した。表3において示した全配合物は、ハーシュな(約400 ppm CaCO3)水硬度の試験条件下での幾つかのレベルのスケール阻害を示したが、好ましい有効性は、例外的な硬水を取り扱うのと等しい少なくとも約70%のキレート化されたカルシウムであると考えられた。
【表3】

【0077】
試験結果は、スケール形成を防止における最も有効である組み合わせについての情報を、図2に示す通り、キレート化されたカルシウムの量により提供した。キレート化されたカルシウムの割合が高くなるほど、スケール形成はより少なくなる。
【0078】
キレート化されたカルシウムの割合は、51%(A)、172% (B)、56% (C)、52% (D)、85% (E)、65% (F)、52% (G)、48% (H)、93% (I)および91% (J)であった。
【0079】
例4
発明組成物(ヒドロトロープとしてのアルキルグルコシド、3つのスケール阻害成分、アルカリ性供給源および水を含む)の清浄力を、伝統的な濃縮物アルカリ化学物質、固体アルカリ化学物質、および水道水単独に対して評価した。新たな超濃縮アルカリ洗浄剤の性能は、図3において示された通り、他の2つの洗浄組成物のポフォーマンスを凌いだ。この清浄性能は、表4に示される通り、伝統的な物に対して、例外的な、問題の有意な低レベルの、超濃縮配合物の使用希釈物において有用なアルカリ性であると考えられた。
【表4】

【0080】
種々の変更および改善が、精神および開示された概念から離脱せずに、本発明に対してなされ得ることが本発明を実施する者および当業者により理解されるであろう。与えられた保護の範囲は、特許請求の範囲および下に許容される解釈の幅により決定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.少なくとも2つのスケール制御成分;
b.ヒドロトロープ;
c.アルカリ性供給源;
d.水;
を含む高濃縮アルカリ清浄組成物であって、低い使用希釈でスケール制御性を有し、維持する組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の濃縮アルカリ清浄組成物であって、当該少なくとも2つのスケール制御成分がキレート剤と金属イオン封鎖剤の組み合わせを含む組成物。
【請求項3】
請求項2に記載の濃縮アルカリ清浄組成物であって、当該キレート剤が、メチルグリシン二酢酸;グルコヘプトン酸ナトリウム;ヒドロキシエチル二酢酸二ナトリウム;イミノジコハク酸;S.S-エチレンジアミン-N.N'-二コハク酸;またはその2または2以上の混合物を含む組成物。
【請求項4】
請求項2に記載の濃縮アルカリ清浄組成物であって、当該金属イオン封鎖剤が、ポリアスパラギン酸ナトリウム;カルボキシメチルイヌリンナトリウム、アミノトリメチレンホスホン酸塩、ポリアクリル酸、およびグルタミン酸、N,N-二酢酸四ナトリウム塩またはその2または2以上の混合物を含む組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の濃縮アルカリ清浄組成物であって、前記アルカリ性供給源が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはその混合物を含む組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の濃縮アルカリ清浄組成物であって、前記スケール制御成分がイミノジコハク酸およびカルボキシメチルイヌリンナトリウムを含む組成物。
【請求項7】
a.当該組成物の総重量に基づいて約10〜約50重量%の範囲の量の少なくとも3つのスケール阻害成分;
b.当該組成物の総重量に基づいて約4〜約10重量%の範囲の量のアルキルグルコシド;
c.約3〜約15%活性アルカリ含有量のアルカリ性供給源;および
d.水;を含むアルカリ超濃縮清浄組成物。
【請求項8】
a.アルキルグルコシド;
b.アミノトリメチレンホスホン酸塩;
c.ポリアクリル酸;
d.メチルグリシン二酢酸;
e.アルカリ性供給源;および
f.水;
を含むアルカリ超濃縮清浄組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−522086(P2011−522086A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511639(P2011−511639)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/003268
【国際公開番号】WO2009/148538
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(302044247)アメリカン ステリライザー カンパニー (24)
【Fターム(参考)】