説明

高電圧装置およびX線コンピュータ断層撮像装置

【課題】高速回転による短時間でのスキャンが可能なX線コンピュータ断層撮像装置を電力容量の小さな電源からの供給電力で動作することを可能とする。
【解決手段】DC/ACインバータ14cは、第1の直流電圧を交流電圧に変換する。高電圧発生器14dは、DC/ACインバータ14cにより得られた交流電圧を利用して、X線コンピュータ断層撮像装置に備えられたX線管11aによるX線照射を生じさせるための交流電力を発生する。電気二重層キャパシタ14bは、第2の直流電圧により電気エネルギを蓄積し、この蓄積した電気エネルギを第3の直流電圧として出力する。AC/DCコンバータ14aは、X線照射を行わない期間には電気二重層キャパシタ14bに電気エネルギを蓄積させ、X線照射を行う期間には第3の直流電圧との合成により第1の直流電圧が得られるように第2の直流電圧を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線コンピュータ断層撮像装置に適用されてX線照射のための高電圧を発生する高電圧装置およびX線コンピュータ断層撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医用診断用のX線コンピュータ断層撮像装置(CT装置)は、近年はスキャン速度が向上し、心臓診断に使用できるようになった。しかし、スキャン速度のさらなる向上が求められている。
【0003】
さて、ノイズが少なく医用診断への利用価値の高い画像を得るためには、一定量以上のX線がX線検出器に到達することが必要である。しかしながらスキャン速度を向上すると、X線検出器に到達するX線量が低下するため、X線検出器で生成される信号のS/Nが低下する。これを防ぐためには、X線管からのX線の出射強度を高めることにより、診断時間が短くなることによるX線量の低下を補う必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−348894
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
X線高電圧装置の出力Po[kW]、X線高電圧装置の効率η[%]、X線高電圧装置の力率をCosφとすると、入力電力Pi[kVA]は以下の式により表される。
【0006】
Pi=100Po/(η・Cosφ)
つまり、X線高電圧装置の出力が100[kW]を超えるようになると、入力電力は150[kVA]を超える大電力容量になる可能性が高い。このため、従来のCT装置を使用するためには大電力容量な特殊な電源が必要であり、その設置に際しては大規模な工事が必要になるなど、導入の障害になっていた。また、電源事情がよくない国や地域では、使用することが困難であった。
【0007】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、高速回転による短時間でのスキャンが可能なX線コンピュータ断層撮像装置を電力容量の小さな電源からの供給電力で動作することを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様による高電圧装置は、X線コンピュータ断層撮像装置に備えられたX線管によるX線照射を生じさせるための交流電力を発生する高電圧装置であって、第1の直流電圧を交流電圧に変換する変換手段と、この変換手段により得られた交流電圧を利用して前記交流電力を発生する発生手段と、第2の直流電圧により電気エネルギを蓄積し、この蓄積した電気エネルギを第3の直流電圧として出力する蓄積手段と、前記X線照射を行わない期間には前記蓄積手段に電気エネルギを蓄積させ、前記X線照射を行う期間には前記第3の直流電圧との合成により前記第1の直流電圧が得られるように前記第2の直流電圧を生成する生成手段とを備える。
【0009】
本発明の第1の態様によるX線コンピュータ断層撮像装置は、交流電力を発生する高電圧回路と、前記交流電力の供給を受けてX線を発生するX線管と、前記X線管で発生されて被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線管と前記X線検出器とを前記被検体を挟んで対向した状態のままで前記被検体の周りを回転させる回転機構と、前記回転機構により回転されながらの前記X線検出器での前記X線の検出状況に基づいて前記被検体の断層画像を再構成する再構成手段とを具備し、かつ前記高電圧回路は、前記交流電力よりも小さな第1の直流電圧を交流電圧に変換する変換手段と、第2の直流電圧により電気エネルギを蓄積し、この蓄積した電気エネルギを第3の直流電圧として出力する蓄積手段と、前記X線照射を行わない期間には前記蓄積手段に電気エネルギを蓄積させ、前記X線照射を行う期間には前記第3の直流電圧との合成により前記第1の直流電圧が得られるように前記第2の直流電圧を生成する生成手段とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、高速回転による短時間でのスキャンが可能なX線コンピュータ断層撮像装置を電力容量の小さな電源からの供給電力で動作することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係るCT装置の主要部の構成を示す図。
【図2】図1中の高電圧発生部の構成を示すブロック図。
【図3】高速回転による短時間でのスキャンの実施状態における電力供給状況を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
図1は本実施形態に係るCT装置100の主要部の構成を示す図である。このCT装置は、スキャンガントリ1とコンピュータ装置2とから構成される。スキャンガントリ1は、被検体に関する投影データを収集するための構成要素である。スキャンガントリ1で収集された投影データは、コンピュータ装置2での画像再構成等の処理に供される。
【0014】
スキャンガントリ1は、寝台10、X線管装置11、X線検出器12、架台回転駆動部13、高電圧発生部14、寝台駆動部15およびデータ収集部16を含む。
【0015】
スキャンガントリ1には、X線管装置11およびX線検出器12は、図示しない円環状の回転架台に対向関係で搭載されている。回転架台は、架台回転駆動部13により駆動されて回転する。このとき、X線管装置11とX線検出器12とが、同一の回転軸RAの軸周りを回転する。スキャンガントリ1は、X線管装置11およびX線検出器12の回転軌道の内側に、空洞(撮影口)を形成している。
【0016】
X線管装置11は、X線管11aおよびX線フィルタ11bを含む。X線管11aは、高電圧発生部14から電力供給を受けて、X線検出器12に向けてX線を放射する。X線フィルタ11bは、被曝低減のために低エネルギー成分を除去する。高電圧発生部14は、高電圧変圧器、フィラメント電流発生器および整流器を備える。この他に高電圧発生部14は、管電圧およびフィラメント電流を任意にまたは段階的に調整するために、管電圧切換器およびフィラメント電流切換器等を備えている。
【0017】
X線検出器12は、複数のX線検出素子列を回転軸RAに沿う方向に配列して構成される。X線検出器12は、入射するX線を検出して、その強度に応じた電気信号を出力する。
【0018】
被検体は、寝台10の天板10aに載置される。寝台10は、寝台駆動部15により駆動されて、天板10aをその長手方向(図1中の左右方向)に移動する。通常、この長手方向が回転軸RAと平行になるように寝台10が設置される。また通常、被検体は、その体軸が回転軸RAに沿うように天板10aに載置される。かくして被検体は、天板10aの移動に伴ってスキャンガントリ1の空洞内に挿入される。
【0019】
データ収集部16は、X線検出器12の出力を収集し、コンピュータ装置2に供給する。なお、X線検出器12とデータ収集部16との間には、スリップリングや光通信などを用いたインタフェースが介挿される。これによりデータ収集部16は、回転架台を連続回転させながら、X線検出器12の出力を収集できる。
【0020】
コンピュータ装置2は、ガントリ制御部21、前処理部22、画像再構成部23、表示部24および操作卓25を備える。これらのガントリ制御部21、前処理部22、画像再構成部23、表示部24および操作卓25は、データ/制御バス26を介して互いに接続されている。
【0021】
スキャンガントリ1からコンピュータ装置2に供給されたデータは、前処理部22を介して投影データとして画像再構成部23に供給される。画像再構成部23は、上記の投影データに基づいて断層画像データを再構成する。断層画像データは、表示部24に表示されるとともに、ガントリ制御部21にも供給され、メインスキャン開始のタイミングを決定するための処理のために使われる。
【0022】
操作卓25は、操作者が例えばスキャン条件などの様々な情報や各種指示を入力するために設けられている。操作卓25は、操作画面を備える。
【0023】
ガントリ制御部21は、診断に必要な投影データが得られるようなスキャンが行われるようにスキャンガントリ1の動作を制御する。
【0024】
図2は図1中の高電圧発生部14の構成を示すブロック図である。
【0025】
図2に示すように高電圧発生部14は、AC/DCコンバータ14a、電気二重層キャパシタ14b、DC/ACインバータ14cおよび高電圧発生器14dを含む。
【0026】
高電圧発生部14には、入力電源から交流電圧が供給される。入力電源は例えば、CT装置100が設置される医療施設に設置されて医療施設内の電気機器に電力を供給する装置である。
【0027】
AC/DCコンバータ14aには、入力電源から供給された商用周波数の交流電圧が入力される。AC/DCコンバータ14aは、整流回路およびDC/DCコンバータ回路を内蔵する。そしてAC/DCコンバータ14aは、入力された交流電圧を整流回路によって整流した上で、DC/DCコンバータ回路によりレベルを調整することにより得られた任意レベルの直流電圧を出力する。DC/DCコンバータとしては、例えば周知の降圧型チョッパ回路を採用できる。この場合、DC/DCコンバータの出力電圧は、入力電源の電圧の√2倍よりも低く制御される。そして、出力電圧は、チョッパ回路のスイッチング素子をオン/オフする比率によって調整ができる。
【0028】
電気二重層キャパシタ14bは、DC/ACインバータ14cでの電力消費がない期間にAC/DCコンバータ14aからの出力電圧によって充電される。電気二重層キャパシタ14bは、DC/ACインバータ14cでの必要電力量がAC/DCコンバータ14aの出力電力量を上回る期間に、蓄積してあるエネルギにより直流電圧を出力する。
【0029】
DC/ACインバータ14cは、AC/DCコンバータ14aのみから、あるいはAC/DCコンバータ14aおよび電気二重層キャパシタ14bから直流電圧の供給を受けて動作し、数十kHzの交流電圧を出力する。かくして、DC/ACインバータ14cの出力電圧の周波数は、商用周波数の数百倍から一千倍程度に高められる。これは、高電圧発生器14dを小型にするためである。
【0030】
高電圧発生器14dは、昇圧トランスおよび高圧整流回路を内蔵する。高電圧発生器14dは、DC/ACインバータ14cが出力する交流電圧を、X線管11aがX線を発生するのに必要な加速電圧(一般的には、80kVから140kV)まで昇圧したのち、整流および平滑して直流高電圧を得る。高電圧発生器14dで得られた直流高電圧は、X線管11aのアノード−カソード間に印加される。
【0031】
次に以上のように構成されたCT装置100の動作について説明する。
【0032】
このCT装置100は、周知のCT装置が備えている各種のモードでの動作が可能である。
【0033】
スキャン速度が比較的低いモードで動作する場合、X線管11aからのX線の出射強度は比較的低くて良い。そして必要な加速電圧を得るために高電圧発生器14dが必要とする電力量をAC/DCコンバータ14aからの出力交流電圧によりDC/ACインバータ14dが生成することが可能である場合、AC/DCコンバータ14aは、必要な加速電圧を得るために高電圧発生器14dが必要とする電力量をDC/ACインバータ14dが生成するのに適当な電力量の直流電圧を出力する。従って、DC/ACインバータ14cには必要とされる電力量の全てがAC/DCコンバータ14aから供給されるので、電気二重層キャパシタ14bからの直流電圧の出力は生じない。
【0034】
かくしてこの状態においては、入力電源を元にして安定的に直流高電圧が得られることになり、長時間に渡りX線を発生することも可能である。
【0035】
一方、必要な加速電圧を得るために高電圧発生器14dが必要とする電力量をAC/DCコンバータ14aから出力される交流電圧によりDC/ACインバータ14dが生成することができない場合、X線照射はある程度の休止期間を挟んで間欠的行うこととする。
【0036】
そしてX線照射を行わない期間においては、DC/ACインバータ14dは動作を停止するが、AC/DCコンバータ14aは直流電圧を出力し続ける。従って、AC/DCコンバータ14aが出力する直流電圧は電気二重層キャパシタ14bに印加され、電気二重層キャパシタ14bが充電される。
【0037】
このときにAC/DCコンバータ14aは、入力電源の電圧を400[V]とし、電気二重層キャパシタ14bの最大電圧を500[V]とすると、0[V]から最大500[V]まで出力電圧を変化させる。このように、電源投入時において、AC/DCコンバータ14aの出力電圧を徐々に上げることで、電気二重層キャパシタ14bは緩やかに充電され、入力電源の突入電流を抑えることができる。
【0038】
つぎに、X線照射中の動作について述べる。
【0039】
X線照射開始時において、電気二重層キャパシタ14bはその最大電圧の500[V]に充電されている。X線照射中にAC/DCコンバータ14aの出力電圧を徐々に低下させることによって、電気二重層キャパシタ14bに蓄積された電荷を取り出すことができる。
【0040】
例えば、電気二重層キャパシタ14bの静電容量を3.48[F]、X線照射終了時における電気二重層キャパシタ14bの電圧を250[V]とし、X線高電圧装置が100[kW]を5秒間出力する場合を考える。
【0041】
DC/ACインバータ14cと高電圧発生器14dとのトータル効率ηgを87[%]とすると、DC/ACインバータ14cの必要入力電力は、次式により求まる。
【0042】
100[kW]×100/87≒115[kW]
この電力を5秒間供給するためには、115[kW]×5[秒]=575[kJ]のエネルギーが必要になる。
【0043】
電気二重層キャパシタ14bが最大電圧に充電されているとき、蓄えられたエネルギーEcは、次式により求まる。
【0044】
Ec=C・V2/2=3.48×5002/2=435[kJ]
X線照射終了時に電気二重層キャパシタ14bの電圧を初期値の1/2の250[V]にすれば、エネルギーEcの75%を取り出すことができるので、電気二重層キャパシタ14bから供給できる電力Pcは、次式により表される。
【0045】
Pc=0.75Ec/5[秒]=0.75×435[kJ]/5[秒]=65.25[kW]
つまり、約65[kW]を電気二重層キャパシタ14bから供給することができる。そして、AC/DCコンバータ14aからは、50[kW]の電力供給を受ければ良い。AC/DCコンバータ14aの効率を92[%]とすると、入力電源から供給する電力は、54.3[kW]、力率を0.8として68[kVA]の入力容量で済ませることができる。図3はこのときの電力供給状況を示す図である。
【0046】
X線照射中において、AC/DCコンバータ14aの出力電圧VをX線照射開始からの時間tの二次関数として次式で表されるように制御することにより、電気二重層キャパシタ14bから一定の電力を取り出すことができる。
【0047】
V=V0(1−Kd・t2)
ここで、V0はX線照射開始時の電圧である。また、Kdはキャパシタの放電深度と出力時間で決まる係数で、上記例の場合は、0.02になる。
【0048】
これまでの説明では、AC/DCコンバータ14aをコンデンサインプット型整流回路と降圧型DC/DCコンバータとの組み合わせを用いて構成する場合を想定した。しかし、AC/DCコンバータ14aに力率改善制御(PFC)機能を持たせても良い。この場合、コンバータには昇圧型あるいは昇降圧型を用いる。AC/DCコンバータ14aにPFC機能を持たせることによって、力率はほぼ1になり、入力電力(皮相電力)はさらに低下する。
【0049】
CT装置100による診断では、一人の患者について数回のスキャンを実施することが一般的に行われる。これは、造影剤なし、ありなどの状態を変えて撮影するためである。
【0050】
一回のスキャンで低下した電気二重層キャパシタ14bの電圧は、次のスキャンまでの間に回復させなければならないが、このときは、AC/DCコンバータ14aの出力電圧を徐々に上げる制御を行うことで実現する。
【0051】
電気二重層キャパシタ14bの充電時も充電開始からの時間tの二次関数として、AC/DCコンバータ14aの出力電圧を次式であらわされるように制御することにより、入力電源から供給する電力を一定に保つことができる。なお、
V=V0(1+Kc・t2)
ここで、V0は充電開始時の電圧である。また、Kcはキャパシタの充電開始電圧、充電終止電圧および充電時間で決まる係数である。
【0052】
以上のように本実施形態によれば、高電圧発生部14では、入力電源から得ることができる加速電圧よりも大きな加速電圧を発生することができる。従って、入力電源の性能が比較的低いとしても、高速回転による短時間でのスキャンが可能となる。この結果としてCT装置100は、特殊な電源設備を備えない施設においても使用することができるため、設置に際しての大規模な工事は不要であって、導入が容易となり、かつ電源事情がよくない国や地域においても使用することが可能となる。
【0053】
また本実施形態によれば、エネルギーの蓄積のために電気二重層キャパシタ14bを使用しているため、短時間での充放電が可能であり、高速回転による短時間でのスキャンを繰り返す場合の待ち時間を短縮できる。
【0054】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
【0055】
電気二重層キャパシタ14bに代えて、他のタイプのキャパシタ、あるいは二次電池などを用いることもできる。ただし、充放電に要する時間が短いことが望ましく、例えばリチウムイオンキャパシタなどが好適である。
【0056】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0057】
1…スキャンガントリ、2…コンピュータ装置、10…寝台、11…X線管装置、11a…X線管、11b…X線フィルタ、12…X線検出器、13…架台回転駆動部、14…高電圧発生部、14a…AC/DCコンバータ、14b…電気二重層キャパシタ、14c…DC/ACインバータ、14d…高電圧発生器、15…寝台駆動部、16…データ収集部、21…ガントリ制御部、22…前処理部、23…画像再構成部、24…表示部、25…操作卓、26…制御バス、100…X線コンピュータ断層撮影装置(CT装置)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線コンピュータ断層撮像装置に備えられたX線管によるX線照射を生じさせるための交流電力を発生する高電圧装置において、
第1の直流電圧を交流電圧に変換する変換手段と、
この変換手段により得られた交流電圧を利用して前記交流電力を発生する発生手段と、
第2の直流電圧により電気エネルギを蓄積し、この蓄積した電気エネルギを第3の直流電圧として出力する蓄積手段と、
前記X線照射を行わない期間には前記蓄積手段に電気エネルギを蓄積させ、前記X線照射を行う期間には前記第3の直流電圧との合成により前記第1の直流電圧が得られるように前記第2の直流電圧を生成する生成手段とを具備したことを特徴とする高電圧装置。
【請求項2】
前記生成手段は、前記X線照射を行う期間において前記第2の直流電圧を時間の二次関数で低減することを特徴とする請求項1に記載の高電圧装置。
【請求項3】
前記生成手段は、力率改善機能を備えることを特徴とする請求項1に記載の高電圧装置。
【請求項4】
前記蓄積手段は、キャパシタであることを特徴とする請求項1に記載の高電圧装置。
【請求項5】
前記蓄積手段は、電気二重層キャパシタであることを特徴とする請求項1に記載の高電圧装置。
【請求項6】
交流電力を発生する高電圧回路と、
前記交流電力の供給を受けてX線を発生するX線管と、
前記X線管で発生されて被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、
前記X線管と前記X線検出器とを前記被検体を挟んで対向した状態のままで前記被検体の周りを回転させる回転機構と、
前記回転機構により回転されながらの前記X線検出器での前記X線の検出状況に基づいて前記被検体の断層画像を再構成する再構成手段とを具備し、
かつ前記高電圧回路は、
前記交流電力よりも小さな第1の直流電圧を交流電圧に変換する変換手段と、
第2の直流電圧により電気エネルギを蓄積し、この蓄積した電気エネルギを第3の直流電圧として出力する蓄積手段と、
前記X線照射を行わない期間には前記蓄積手段に電気エネルギを蓄積させ、前記X線照射を行う期間には前記第3の直流電圧との合成により前記第1の直流電圧が得られるように前記第2の直流電圧を生成する生成手段とを具備したことを特徴とするX線コンピュータ断層撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−225461(P2010−225461A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−72567(P2009−72567)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】