説明

黒色複合粒子粉末及びその製造方法、並びに該黒色複合粒子粉末を用いた塗料、樹脂組成物及び光学材料

【課題】本発明は、流動性、着色力、光吸収性及びハンドリング性に優れ、光学材料としても好適に使用可能な黒色複合粒子粉末を提供する。
【解決手段】樹脂粒子粉末の粒子表面が表面改質剤によって被覆されていると共に、該表面改質剤被覆樹脂粒子の粒子表面にカーボンブラックが強固に付着し、粒径の幾何標準偏差が1.50以下である黒色複合粒子粉末は、樹脂粒子粉末と表面改質剤とを混合攪拌して樹脂粒子粉末の粒子表面に表面改質剤を被覆させた後、カーボンブラックを添加し、混合攪拌して表面改質剤被覆樹脂粒子の粒子表面にカーボンブラックを付着させ、その後、100℃以上でかつ樹脂粉末粒子のガラス転移点以下の温度で加熱処理し、さらに分級することで得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂粒子粉末の粒子表面がカーボンブラックで被覆された、流動性、着色力及び光吸収性に優れた黒色複合粒子粉末、及び該黒色複合粒子粉末を配合してなる、分散性、耐光性及び光吸収性に優れた塗料、樹脂組成物及び光学材料に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、液晶などを用いた多くの光学ディスプレイ装置が開発されている。このような光学ディスプレイ装置には、観測者の視認性を高めるための光拡散シート、又は観測者には見えるが周囲の人から画像情報が見えないようにするために光の出射角度を制御する視野角制御シートなどが組み込まれている場合がある。
【0003】
光拡散シートは、これまでに(1)フィルムと異なる屈折率を有する無機粒子や気泡を充填したもの、(2)フィルムと異なる屈折率を有する有機樹脂粒子を充填したもの、(3)透光性フィルムに凸凹を持たせたもの、(4)表面に屈折率の異なる粒子をコーティングしたもの、(5)入射する迷光を吸収するための黒色の光吸収粒子を充填したもの等が開発されている(例えば特許文献1参照)。光吸収粒子又は光吸収材料は、視野角制御シートにも使用されている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
このような光吸収粒子、光吸収材料には、一般的にカーボンブラック、黒色無機顔料、黒色顔料や染料で着色された樹脂粒子が使用される。黒色顔料で着色された樹脂粒子に関しては、本件出願人も流動性、着色力及び耐光性に優れる黒色粒子として、樹脂粒子表面をカーボンブラックで被覆した黒色複合粒子を開発し、既に特許出願を行っている(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−90324号公報
【特許文献2】特開2008−175975号公報
【特許文献3】特開2004−300350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光拡散シート等に使用される光吸収粒子には、高い光吸収性と優れたハンドリング性とが要求される。しかしながらカーボンブラックは、優れた光吸収性を有する一方、微粒子であるため分散性が悪く、かさ密度が大きいためハンドリング面でも問題が多い。黒色無機顔料は、一般的に黒色度が低く十分な光吸収性を有していない。黒色顔料や染料で着色された樹脂粒子は、ハンドリング性に優れているが、光吸収性は十分とは言えない。特許文献3に記載の樹脂粒子表面をカーボンブラックで被覆した黒色複合粒子は、黒色度、ハンドリング性に優れるが、光拡散シート又は視野角制御シート用の光吸収材としては、光吸収性が十分とは言えない。上記のように、現在までのところ、ハンドリング性に優れ光学ディスプレイ装置用の光吸収材料として要求される高い光吸収性を有する粒子粉末はなく、開発が待たれているところである。このような黒色度に優れ高い光吸収性を有し、優れたハンドリング性を備える粒子粉末は、塗料又は樹脂組成物の着色材としても要求されているところである。
【0007】
本発明の目的は、流動性、着色力、光吸収性及びハンドリング性に優れ、光学材料としても好適に使用可能な黒色複合粒子粉末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的は、次の通りの本発明によって達成できる。
【0009】
即ち、本発明は、樹脂粒子粉末の粒子表面が表面改質剤によって被覆されていると共に、該表面改質剤被覆樹脂粒子の粒子表面にカーボンブラックが付着している複合粒子粉末からなり、該複合粒子粉末の粒径の幾何標準偏差が1.50以下であることを特徴とする黒色複合粒子粉末である(本発明1)。
【0010】
また本発明は、樹脂粒子粉末の粒子表面が表面改質剤によって被覆されていると共に、該表面改質剤被覆樹脂粒子の粒子表面にカーボンブラックが付着している複合粒子粉末からなり、所定の方法で測定したとき該複合粒子粉末から脱離して再凝集するカーボンブラックの個数が、複合粒子粉末100個当たりにつき30個未満であることを特徴とする黒色複合粒子粉末である(本発明2)。
【0011】
また本発明は、所定の方法で測定したとき前記複合粒子粉末から脱離して再凝集するカーボンブラックの個数が、複合粒子粉末100個当たりにつき30個未満であることを特徴とする請求項1に記載の黒色複合粒子粉末である(本発明3)。
【0012】
また本発明は、樹脂粒子粉末と表面改質剤とを混合攪拌して樹脂粒子粉末の粒子表面に表面改質剤を被覆させた後、カーボンブラックを添加し、混合攪拌して表面改質剤被覆樹脂粒子の粒子表面にカーボンブラックを付着させ、その後、100℃以上でかつ樹脂粉末粒子のガラス転移点以下の温度で加熱処理し、さらに分級することを特徴とする請求項3に記載の黒色複合粒子粉末の製造方法である(本発明4)。
【0013】
また本発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の黒色複合粒子粉末を塗料構成基材中に配合したことを特徴とする塗料である(本発明5)。
【0014】
また本発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の黒色複合粒子粉末を用いて着色したことを特徴とする樹脂組成物である(本発明6)。
【0015】
また本発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の黒色複合粒子粉末を用いて得られる光学材料である(本発明7)。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る黒色複合粒子粉末は、表面改質剤を介して樹脂粒子粉末の表面にカーボンブラックが付着しさらに粒径の幾何標準偏差が小さいので、流動性、着色力及び光吸収性に優れ、光学ディスプレイ装置用の光吸収材としても好適に使用することができる。また他の本発明に係る黒色複合粒子粉末は、表面改質剤を介して樹脂粒子粉末の表面にカーボンブラックが強固に付着しているので、流動性、着色力及び光吸収性に優れ、光学ディスプレイ装置用の光吸収材としても好適に使用することができる。
【0017】
本発明に係る塗料及び樹脂組成物は、上記黒色複合粒子粉末を着色顔料として用いることから、分散性、耐光性に優れ塗料及び樹脂組成物として好適である。
【0018】
また本発明に係る光学材料は、上記黒色複合粒子粉末を用いて得られるので高い光吸収性を備え光学材料として好適である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
【0020】
先ず、本発明に係る黒色複合粒子粉末について述べる。
【0021】
本発明に係る黒色複合粒子粉末は、樹脂粒子粉末の粒子表面が表面改質剤によって被覆されていると共に、該表面改質剤被覆樹脂粒子の粒子表面にカーボンブラックが付着している複合粒子粉末からなり、該複合粒子粉末の粒径の幾何標準偏差が1.50以下である。また他の本発明に係る黒色複合粒子粉末は、樹脂粒子粉末の粒子表面が表面改質剤によって被覆されていると共に、該表面改質剤被覆樹脂粒子の粒子表面にカーボンブラックが付着している複合粒子粉末からなり、所定の方法で測定したとき該複合粒子粉末から脱離して再凝集するカーボンブラックの個数が、複合粒子粉末100個当たりにつき30個未満である。
【0022】
本発明に係る黒色複合粒子粉末のうちより好ましい黒色複合粒子粉末は、樹脂粒子粉末の粒子表面が表面改質剤によって被覆されていると共に、該表面改質剤被覆樹脂粒子の粒子表面にカーボンブラックが付着している複合粒子粉末からなり、該複合粒子粉末の粒径の幾何標準偏差が1.50以下であり、所定の方法で測定したとき該複合粒子粉末から離脱して再凝集するカーボンブラックの個数が、複合粒子粉末100個当たりにつき30個未満である。
【0023】
本発明における樹脂粒子としては、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のいずれをも用いることができる。具体的には、熱可塑性樹脂としては、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン)、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、フッ化樹脂、繊維素系樹脂等を用いることができ、熱硬化性樹脂としては、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ユリヤ樹脂、メラミン樹脂、アリル樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド等を用いることができる。樹脂粒子は要求される特性や用途に応じて選択すればよいが、好ましくは、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂である。
【0024】
樹脂粒子の粒子形状は、球状、粒状、針状、紡錘状、米粒状、フレーク状、板状及び不定形等のいずれの形状であってもよい。得られる黒色複合粒子粉末を塗料又は樹脂組成物等の着色材として用いる場合、又は光拡散シート、視野角制御シート用の光吸収材など光学材料に用いる場合には、球形度(平均粒子径/平均最短径)(以下、「球形度」という。)が1.0以上2.0未満の球状又は粒状が好ましく、より好ましくは球形度が1.0〜1.5である。
【0025】
樹脂粒子粉末の粒子サイズは、特に制限はなく、得られる黒色複合粒子粉末の用途に応じて適宜選べばよいが、樹脂粒子粉末の粒子表面への表面改質剤による均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理を考慮すると、好ましくは平均粒子径が0.01μm〜1cmである。
【0026】
殊に、得られる黒色複合粒子粉末を塗料及び樹脂組成物等の着色材として用いる場合、には、樹脂粒子粉末の平均粒子径は、好ましくは0.01〜300μm、より好ましくは0.015〜200μm、さらにより好ましくは0.02〜100μmである。この場合、平均粒子径が300μmを超えると、得られる黒色複合粒子が粗大粒子となり、着色力が低下するため好ましくない。また、得られる黒色複合粒子粉末を光吸収材などに用いる場合には、樹脂粒子粉末の平均粒子径は、好ましくは0.05〜200μm、より好ましくは0.1〜150μm、さらにより好ましくは0.2〜100μmである。この場合、平均粒子径が200μmを超えると、得られる黒色複合粒子が粗大粒子となり、光吸収力が低下するため好ましくない。
【0027】
樹脂粒子粉末のBET比表面積値は、樹脂粒子粉末の粒子表面への表面改質剤による均一な被覆処理及びカーボンブラックによる均一な付着処理を考慮すると、0.005〜700m/gが好ましい。
【0028】
殊に、得られた黒色複合粒子粉末を塗料及び樹脂組成物等の着色材として用いる場合には、樹脂粒子粉末のBET比表面積値は、好ましくは0.005〜700m/g、より好ましくは0.01〜500m/g、さらにより好ましくは0.01〜400m/gである。この場合、BET比表面積値が0.005m/g未満となると、得られる黒色複合粒子が粗大粒子となり、着色力が低下するため好ましくない。また、得られた黒色複合粒子粉末を光学材料の光吸収材等として用いる場合には、樹脂粒子粉末のBET比表面積値は、好ましくは0.01〜300m/g、より好ましくは0.01〜200m/g、さらにより好ましくは0.01〜100m/gである。この場合、BET比表面積値が0.01m/g未満となると、得られる黒色複合粒子が粗大粒子となり、光吸収性が低下するため好ましくない。
【0029】
本発明における樹脂粒子粉末の色相は、できる限り無色であることが好ましく、L値が70.0以上であり、より好ましくは75.0以上であり、C値が18.0以下、好ましくは15.0以下、より好ましくは12.0以下、さらにより好ましくは9.0以下である。L値、C値が上記範囲外の場合には、色相が無色を呈しているとは言い難く、本発明の目的とする黒色度の優れた黒色複合粒子粉末を得ることが困難となる。
【0030】
本発明における樹脂粒子粉末の流動性は、形状等によっても異なるが、一般的には55以上を有している。殊に、粒子形状が球状のものは、高い流動性を有しており、その場合、60以上である。
【0031】
本発明における樹脂粒子粉末の耐光性は、後述する評価方法により、△E値の下限値は通常5.0を超え、上限値は12.0、好ましくは11.0、より好ましくは10.0である。
【0032】
本発明における表面改質剤としては、樹脂粒子の粒子表面へカーボンブラックを付着できるものであれば何を用いてもよく、好ましくはアルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、シラン系カップリング剤及びオルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系などのカップリング剤、低分子あるいは高分子界面活性剤等の一種又は二種以上であり、より好ましくはアルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、シラン系カップリング剤、オルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤である。
【0033】
有機ケイ素化合物としては、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン及びデシルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トルフルオロプロピルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン及びトリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン等のフルオロアルキルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン等のシラン系カップリング剤、ポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、変性ポリシロキサン等のオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
【0034】
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフェイト)チタネート、テトラ(2−2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスフェイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
【0035】
アルミネート系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロボキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
【0036】
ジルコネート系カップリング剤としては、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラキスエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート等が挙げられる。
【0037】
低分子系界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジオクチルスルホンコハク酸塩、アルキルアミン酢酸塩、アルキル脂肪酸塩等が挙げられる。高分子系界面活性剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸−マレイン酸塩コポリマー、オレフィン−マレイン酸塩コポリマー等が挙げられる。
【0038】
表面改質剤の被覆量は、表面改質剤被覆樹脂粒子粉末に対して各表面改質剤が含有する金属の元素換算で0.02〜5.0重量%が好ましく、より好ましくは0.03〜4.0重量%、最も好ましくは0.05〜3.0重量%である。また、金属を含有しない界面活性剤等の場合は、表面改質剤被覆樹脂粒子粉末に対してC換算で0.01〜15.0重量%が好ましく、より好ましくは0.02〜12.5重量%、最も好ましくは0.03〜10.0重量%である。
【0039】
上記下限値未満の場合には、樹脂粒子粉末100重量部に対して0.001重量部以上のカーボンブラックを付着させることが困難である。上記上限値を超える場合には、樹脂粒子粉末100重量部に対してカーボンブラックを0.001〜2000重量部付着させることができるため、必要以上に被覆する意味がない。
【0040】
付着処理に用いるカーボンブラックは、ファーネスブラック、チャンネルブラック及びアセチレンブラック等のカーボンブラック粒子粉末を用いることができる。
【0041】
カーボンブラックとしては、具体的には、#3050、#3150、#3250、#3750、#3950、MA100、MA7、#1000、#2400B、#30、MA77、MA8、#650、MA11、#50、#52、#45、#2200B、MA600等(以上、いずれも三菱化学株式会社(製)の商品名である。)、シースト9H、シースト7H、シースト6、シースト3H、シースト300、シーストFM等(以上、いずれも東海カーボン株式会社(製)の商品名である。)、Raven 1250、Raven 860、Raven 1000、Raven 1190ULTRA(以上、いずれもコロンビヤン・ケミカルズ・カンパニー(製)の商品名である。)、ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックEC600JD(以上、いずれもケッチェンブラック・インターナショナル株式会社(製)の商品名である。)、BLACK PEARLS−L、BLACK PEARLS 1000、BLACK PEARLS 4630、VULCAN XC72、REGAL 660、REGAL 400(以上、いずれもキャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク(製)の商品名である。)等が使用できる。
【0042】
カーボンブラックの付着量は、樹脂粒子粉末の表面積によっても異なるが、樹脂粒子粉末100重量部に対して0.001〜2000重量部が好ましく、より好ましくは0.005〜1000重量部、さらにより好ましくは0.01〜500重量部である。
【0043】
0.001重量部未満の場合には、樹脂粒子の粒子表面を被覆するカーボンブラックが少なすぎるため、本発明の目的とする高い着色力と光吸収性を有する黒色複合粒子粉末を得ることが困難となる。2000重量部を超える場合には、カーボンブラックの付着量が多いためカーボンブラックが脱離しやすくなり、その結果、塗料ビヒクル中や樹脂組成物中における分散性が低下する。同様に、光吸収材などとして使用する場合にも分散性及び光吸収性が低下する。
【0044】
本発明におけるカーボンブラックの流動性は、通常、20前後であり、顆粒化処理されたカーボンブラックの場合は、やや高い値を有している。
【0045】
本発明に係る黒色複合粒子の粒子形状や粒子サイズは、芯粒子である樹脂粒子の粒子形状や粒子サイズに大きく依存し、芯粒子に相似する粒子形態を有している。
【0046】
本発明に係る黒色複合粒子粉末の粒子形状は、球状、粒状、針状、紡錘状、米粒状、フレーク状、板状及び不定形等のいずれの形状であってもよい。本発明に係る黒色複合粒子粉末を塗料又は樹脂組成物等の着色材として用いる場合、又は光吸収材などとして用いる場合には、球形度が1.0以上2.0未満の球状又は粒状が好ましく、より好ましくは1.0〜1.5である。
【0047】
本発明に係る黒色複合粒子粉末の粒子サイズは、特に制限はなく、用途に応じて適宜選べばよいが、好ましくは平均粒子径が0.01μm〜1cmである。
【0048】
殊に、本発明に係る黒色複合粒子粉末を塗料及び樹脂組成物等の着色材として用いる場合には、黒色複合粒子粉末の平均粒子径は、好ましくは0.01〜300μm、より好ましくは0.015〜200μm、さらにより好ましくは0.02〜100μmである。平均粒子径が300μmを超える場合、粒子サイズが大きすぎるため、着色力が低下し、塗料及び樹脂組成物等の着色材としては好ましくない。また、平均粒子径が0.01μm未満の場合には、塗料ビヒクル中又は樹脂組成物中への分散が困難となる場合がある。
【0049】
また、得られる黒色複合粒子粉末を光吸収材などに用いる場合には、黒色複合粒子粉末の平均粒子径は、好ましくは0.05〜200μm、より好ましくは0.1〜150μm、さらにより好ましくは0.2〜100μmである。平均粒子径が200μmを超える場合、粒子サイズが大きすぎるため、光吸収性が低下し、光学材料の光吸収材としては好ましくない。
【0050】
本発明に係る黒色複合粒子粉末は、平均粒子径の幾何標準偏差が1.50以下であることが好ましい。平均粒子径の幾何標準偏差を1.50以下とすることで、粒径分布がシャープとなり、特に光拡散シートなどの光吸収材として使用するような場合、分散性が向上し光吸収性が高まる。
【0051】
本発明に係る黒色複合粒子粉末のBET比表面積値は、特に制限はなく、用途に応じて適宜選べばよいが、好ましくは0.005〜700m/gである。
【0052】
殊に、本発明に係る黒色複合粒子粉末を塗料及び樹脂組成物等の着色材として用いる場合には、黒色複合粒子粉末のBET比表面積値は0.005〜700m/gが好ましく、より好ましくは0.01〜500m/g、さらにより好ましくは0.01〜400m/gである。BET比表面積値が0.005m/g未満の場合、粗大粒子となって着色力が低下し、塗料及び樹脂組成物等の着色材としては好ましくない。BET比表面積値が700m/gを超える場合には、塗料ビヒクル中や樹脂組成物中への分散が困難となる。また、本発明に係る黒色複合粒子粉末を光学材料の光吸収材等として用いる場合には、黒色複合粒子粉末のBET比表面積値は0.01〜300m/gが好ましく、より好ましくは0.01〜200m/g、さらにより好ましくは0.01〜100m/gである。BET比表面積値が0.01m/g未満の場合、粗大粒子となって光吸収性が低下するため好ましくない。
【0053】
本発明に係る黒色複合粒子粉末の黒色度は、L値50.0以下が好ましく、より好ましくは45.0以下、最も好ましくは40.0以下である。L値が50.0を超える場合には、明度が高くなり、黒色度が優れているとは言い難い。L値の下限値は低ければ低いほど好ましいが、工業的には16.0程度である。
【0054】
本発明に係る黒色複合粒子粉末の着色力は、後述する評価方法により105%以上が好ましく、110%以上がより好ましく、さらにより好ましくは115%以上である。
【0055】
本発明に係る黒色複合粒子粉末の流動性は、粒子表面に流動性の悪いカーボンブラックを付着させても芯粒子である樹脂粒子粉末の流動性を維持しており、55以上を有している。殊に、粒子形状が球状のものは、60以上を有しており、好ましくは65以上である。
【0056】
本発明に係る黒色複合粒子粉末の耐光性は、後述する評価方法において、△E値で5.0以下、好ましくは4.5以下、より好ましくは4.0以下である。
【0057】
本発明に係る黒色複合粒子粉末のカーボンブラックの脱離の程度は、後出評価方法における目視観察において、黒色複合粒子粉末から脱離して再凝集するカーボンブラックの個数が、黒色複合粒子粉末100個当たりにつき30個未満が好ましい。より好ましくは、黒色複合粒子粉末から脱離して再凝集するカーボンブラックの個数が、黒色複合粒子粉末100個当たりにつき10個未満であり、さらにより好ましくは黒色複合粒子粉末から脱離して再凝集するカーボンブラックの個数が、黒色複合粒子粉末100個当たりにつき5個未満である。カーボンブラックの脱離の程度が黒色複合粒子粉末100個当たりにつき30個未満であれば、脱離したカーボンブラックにより塗料ビヒクル中や樹脂組成物中での均一な分散が阻害されず、均一な色相を得ることができる。同様に光拡散シートなどに配合したときも、カーボンブラックの脱離の程度が黒色複合粒子粉末100個当たりにつき30個未満であれば、脱離したカーボンブラックにより均一な分散が阻害されず、高い光吸収性を示す。
【0058】
次に、本発明に係る黒色複合粒子粉末を配合した塗料について述べる。
【0059】
本発明に係る黒色複合粒子粉末を配合した塗料を塗膜にした場合、塗膜の耐光性△E値は5.0以下が好ましく、より好ましくは4.2以下である。また、塗膜の透過率は、後述する評価方法において、10.0以下、好ましくは9.0以下であり、光学濃度は、後述する評価方法において、2.00以上、好ましくは2.03以上である。
【0060】
本発明に係る黒色複合粒子粉末を配合した水系塗料を塗膜にした場合、塗膜の耐光性△E値は5.0以下が好ましく、より好ましくは4.2以下である。
【0061】
本発明に係る塗料中における黒色複合粒子粉末の配合割合は、塗料構成基材100重量部に対して0.5〜100重量部の範囲で使用することができ、塗料のハンドリングを考慮すれば、好ましくは1.0〜100重量部である。
【0062】
塗料構成基材としては、樹脂、溶剤、必要により油脂、消泡剤、体質顔料、乾燥促進剤、界面活性剤、硬化促進剤、助剤等が配合される。
【0063】
樹脂としては、溶剤系塗料用や油性印刷インクに通常使用されているアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ガムロジン、ライムロジン等のロジン系樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂等のロジン変性樹脂、石油樹脂等を用いることができる。水系塗料用としては、水系塗料用や水性インクに通常使用されている水溶性アクリル樹脂、水溶性スチレン−マレイン酸樹脂、水溶性アルキッド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性ウレタンエマルジョン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル樹脂等を用いることができる。
【0064】
溶剤としては、溶剤系塗料用に通常使用されている大豆油、トルエン、キシレン、シンナー、ブチルアセテート、メチルアセテート、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤、ミネラルスピリット等の石油系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、脂肪族炭化水素等を用いることができる。
【0065】
水系塗料用溶剤としては、水と水系塗料用に通常使用されているエチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のグリコールエーテル系溶剤、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン付加重合体、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレングリコール、グリセリン、2−ピロリドン等の水溶性有機溶剤とを混合して使用することができる。
【0066】
油脂としては、あまに油、きり油、オイチシカ油、サフラワー油等の乾性油を加工したボイル油を用いることができる。
【0067】
消泡剤としては、ノプコ8034(商品名)、SNデフォーマー477(商品名)、SNデフォーマー5013(商品名)、SNデフォーマー247(商品名)、SNデフォーマー382(商品名)(以上、いずれもサンノプコ株式会社製)、アンチホーム08(商品名)、エマルゲン903(商品名)(以上、いずれも花王株式会社製)等の市販品を使用することができる。
【0068】
次に、本発明に係る黒色複合粒子粉末を用いて着色した樹脂組成物について述べる。
【0069】
本発明に係る黒色複合粒子粉末を用いて着色した樹脂組成物は、目視観察による分散状態は、次の評価法による3、4又は5、好ましくは4又は5、より好ましくは5であり、樹脂組成物の耐光性ΔE値は5.0以下、好ましくは4.0以下であることが好ましい。
【0070】
黒色複合粒子粉末の樹脂組成物への分散性は、得られた着色樹脂プレート表面における未分散の凝集粒子の個数を目視により判定し、5段階で評価する。5が最も分散状態が良いことを示す。
5:未分散物認められず、
4:1cm当たり1個以上5個未満、
3:1cm当たり5個以上10個未満、
2:1cm当たり10個以上50個未満、
1: 1cm当たり50個以上。
【0071】
本発明に係る樹脂組成物中における黒色複合粒子粉末の配合割合は、樹脂100重量部に対して0.01〜200重量部の範囲で使用することができ、樹脂組成物のハンドリングを考慮すれば、好ましくは0.05〜150重量部、さらに好ましくは0.1〜100重量部である。
【0072】
本発明に係る樹脂組成物における構成基材としては、黒色複合粒子粉末と周知の熱可塑性樹脂と共に、必要により、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種安定剤等の添加剤が配合される。
【0073】
樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−EPDM−スチレン共重合体、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ロジン・エステル、ロジン、天然ゴム、合成ゴム等を用いることができる。
【0074】
添加剤の量は、黒色複合粒子粉末と樹脂との総和に対して50重量%以下であればよい。添加剤の含有量が50重量%を超える場合には、成形性が低下する。
【0075】
本発明に係る樹脂組成物は、樹脂原料と黒色複合粒子粉末をあらかじめよく混合し、次に、混練機もしくは押出機を用いて加熱下で強いせん断作用を加えて、樹脂組成物中に黒色複合粒子粉末を均一に分散させた後、目的に応じた形状に成形加工して使用する。
【0076】
次に、本発明に係る黒色複合粒子粉末を用いて得られる光学材料について述べる。
【0077】
本発明に係る光学材料は、本発明に係る黒色複合粒子粉末を、入射する迷光を吸収するための光吸収材として充填した光拡散シートや視野角制御シート等を組み込んだ光学ディスプレイ装置等である。
【0078】
本発明における光拡散シートや視野角制御シートを構成する樹脂としては、電離放射線硬化性を有するウレタンアクリレート等を用いることができる。
【0079】
本発明における光拡散シートや視野角制御シートを構成する樹脂組成物中の黒色複合粒子粉末の配合割合は、10〜70重量%であることが好ましく、より好ましくは20〜60重量%である。
【0080】
次に、本発明に係る黒色複合粒子粉末の製造法について述べる。
【0081】
本発明に係る黒色複合粒子粉末は、樹脂粒子粉末と表面改質剤とを混合し、樹脂粒子粉末の粒子表面を表面改質剤によって被覆し、次いで、表面改質剤によって被覆された樹脂粒子粉末とカーボンブラックとを混合し、表面改質剤被覆樹脂粒子の粒子表面にカーボンブラックを付着させ、必要に応じて乾燥させ、その後これらを分級することで得ることができる。
【0082】
他の本発明に係る黒色複合粒子粉末は、樹脂粒子粉末と表面改質剤とを混合し、樹脂粒子粉末の粒子表面を表面改質剤によって被覆し、次いで、表面改質剤によって被覆された樹脂粒子粉末とカーボンブラックとを混合し、表面改質剤被覆樹脂粒子の粒子表面にカーボンブラックを付着させ、その後、100℃以上でかつ樹脂粉末粒子のガラス転移点以下の温度で加熱処理することで得ることができる。
【0083】
本発明に係る黒色複合粒子粉末のうちより好ましい黒色複合粒子粉末は、樹脂粒子粉末と表面改質剤とを混合し、樹脂粒子粉末の粒子表面を表面改質剤によって被覆し、次いで、表面改質剤によって被覆された樹脂粒子粉末とカーボンブラックとを混合し、表面改質剤被覆樹脂粒子の粒子表面にカーボンブラックを付着させ、その後、100℃以上でかつ樹脂粉末粒子のガラス転移点以下の温度で加熱処理し、さらにこれらを分級することによって得ることができる。
【0084】
樹脂粒子粉末の粒子表面への表面改質剤による被覆は、樹脂粒子粉末と表面改質剤又は表面改質剤の溶液とを機械的に混合攪拌したり、樹脂粒子粉末に表面改質剤の溶液又は表面改質剤を噴霧しながら機械的に混合攪拌すればよい。添加した表面改質剤は、ほぼ全量が樹脂粒子粉末の粒子表面に被覆される。
【0085】
樹脂粒子粉末と表面改質剤との混合攪拌、カーボンブラックと粒子表面に表面改質剤が被覆されている樹脂粒子粉末とを混合攪拌するための機器としては、粉体層にせん断力を加えることのできる装置が好ましく、殊に、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール型混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用いることができ、ホイール型混練機及びボール型混練機がより効果的に使用できる。
【0086】
前記ホイール型混練機としては、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラーであり、より好ましくはエッジランナーである。前記ボール型混練機としては、振動ミル、回転ミル、サンドグラインダ等があり、好ましくは振動ミルである。前記ブレード型混練機としては、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウターミキサー等がある。前記ロール型混練機としては、エクストルーダー等がある。
【0087】
樹脂粒子粉末の粒子表面に表面改質剤を被覆した後、カーボンブラックを添加し、混合攪拌して表面改質剤被覆樹脂粒子表面にカーボンブラックを付着させる。
【0088】
カーボンブラックを付着後、加熱処理を行う場合の加熱温度は、100℃以上であり、好ましくは110℃以上、より好ましくは120℃以上である。加熱温度の上限値は、樹脂粒子粉末のガラス転移点である。加熱処理を行う場合の加熱時間は、10分〜6時間が好ましく、より好ましくは30分〜3時間である。
【0089】
なお、表面改質剤としてアルコキシシラン及びフルオロアルキルシランを用いた場合には、これらの工程を経ることにより、最終的にはアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はフルオロアルキルシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物となって被覆されている。
【0090】
分級処理を行う場合、手法としては、乾式分級、湿式分級及びふるい分け等のいずれでもよいが、工業的な観点から、分級操作を乾式で行うことのできる乾式分級及びふるい分けが好ましい。
【0091】
本発明の代表的な実施の形態は、次の通りである。
【0092】
粒子の平均粒子径は、100μm未満の粒子サイズのものは、電子顕微鏡を用いて写真撮影を行い、そこに示された粒子350個の粒子径をそれぞれ測定し、その平均値で示した。100μm〜5mm程度の粒子サイズのものは、光学顕微鏡を用いて写真撮影を行い、そこに示された粒子350個の粒子径をそれぞれ測定し、その平均値で示した。また、5mm以上の粒子サイズのものは、ノギスを用いて100個の粒子径をそれぞれ測定し、その平均値で示した。
【0093】
粒子径の粒度分布は、下記の方法により求めた幾何標準偏差値で示した。
【0094】
即ち、上記方法で粒子径を測定した値を、その測定値から計算して求めた粒子の実際の粒子径と個数から統計学的手法に従って対数正規確率紙上に横軸に粒子径を、縦軸に所定の粒子径区間のそれぞれに属する粒子の累積個数(積算フルイ下)を百分率でプロットする。そして、このグラフから粒子の個数が50%及び84.13%のそれぞれに相当する粒子径の値を読みとり、幾何標準偏差値=積算フルイ下84.13%における粒子径/積算フルイ下50%における粒子径(幾何平均径)に従って算出した値で示した。幾何標準偏差値が1に近いほど、粒子径の粒度分布が優れていることを意味する。
【0095】
球形度は、平均粒子径(平均最長径)と平均最短径との比で示した。
【0096】
比表面積値は、BET法により測定した値で示した。
【0097】
樹脂粒子粉末、カーボンブラック及び黒色複合粒子粉末の流動性は、「パウダテスタ」(ホソカワミクロン株式会社製)を用いて、安息角(度)、圧縮度(%)、スパチュラ角(度)、凝集度の各粉体特性値を測定し、該各測定値を同一基準の数値に置き換えた各々の指数を求め、各々の指数を合計した流動性指数で示した。流動性指数が100に近いほど、流動性が優れていることを意味する。
【0098】
樹脂粒子粉末の色相、カーボンブラック及び黒色複合粒子粉末の黒色度は、試料0.5gとヒマシ油0.5mlとをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリアラッカー4.5gを加え、混練、塗料化してキャストコート紙上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布した塗布片(塗膜厚み:約30μm)を作製し、該塗布片について、「分光測色計 CM−3610d」(ミノルタ株式会社製)を用いて測定を行い、JIS Z 8729に定めるところに従って表色指数で示した。なお、C値は彩度を表し、下記式(1)に従って求めることができる。
【0099】
値=((a値)+(b値)1/2・・・(1)
【0100】
樹脂粒子粉末の粒子表面に被覆されている表面改質剤の被覆量は、各表面改質剤に含有されている金属について、「蛍光X線分析装置3063M型」(理学電機工業株式会社製)を使用し、JIS K0119の「けい光X線分析通則」に従って測定した。
【0101】
黒色複合粒子粉末に付着しているカーボンブラックの被覆量は、「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)を用い、次の様な手順で炭素量を測定することにより求めた。あらかじめ、芯粒子である樹脂粒子粉末の単位重量当たりのカーボン量を測定しておき、次いで、黒色複合粒子粉末のカーボン量を測定し、単位重量当たりのカーボン量の変化量から、カーボンブラックの付着量を求めた。
【0102】
黒色複合粒子粉末に付着しているカーボンブラックの脱離の程度は、下記方法により、目視によって5段階で評価した。5が複合粒子の粒子表面からのカーボンブラックの脱離量が少ないことを示す。
【0103】
被測定粒子粉末2gとエタノール20mlとを3mmφガラスビーズ90gと共に140mlのガラスビンに添加し、次いで、ペイントシェーカーで60分間混合分散した後、回転数10,000rpmで15分間遠心分離を行い、被測定粒子粉末と溶剤部分とを分離した。得られた被測定粒子粉末を60℃で5時間乾燥させ、電子顕微鏡写真または光学顕微鏡写真に示される視野の中に存在する、脱離して再凝集したカーボンブラックの個数を目視で観察し、樹脂粒子粉末とカーボンブラックを、表面改質剤を介さず単に混合しただけの混合粒子粉末の電子顕微鏡写真または光学顕微鏡写真と比較して5段階で評価した。
【0104】
1:樹脂粒子粉末とカーボンブラックを、表面改質剤を介さず単に混合した場合と同程度。
2:黒色複合粒子粉末100個当たりに30個以上50個未満。
3:黒色複合粒子粉末100個当たりに10個以上30個未満。
4:黒色複合粒子粉末100個当たりに5個以上10個程度。
5:黒色複合粒子粉末100個当たりに5個未満。
【0105】
黒色複合粒子粉末の着色力は、まず下記に示す方法に従って作製した原色エナメルと展色エナメルのそれぞれを、キャストコート紙上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布して塗布片を作製し、該塗布片について、「分光測色計 CM−3610d」(ミノルタ株式会社製)を用いてL値を測色し、その差をΔL値とした。
【0106】
次いで、黒色複合粒子粉末の標準試料として、黒色複合粒子粉末と同様の割合でカーボンブラックと樹脂粒子粉末とを単に混合した混合粒子粉末を用いて、上記と同様にして原色エナメルと展色エナメルの塗布片を作製し、各塗布片のL値を測色し、その差をΔLs値とした。
【0107】
得られた黒色複合粒子粉末のΔL値と標準試料のΔLs値を用いて下記式(2)に従って算出した値を着色力(%)として示した。
【0108】
着色力(%)=100+{(ΔLs値−ΔL値)×10}・・・(2)
【0109】
原色エナメルの作製:
上記試料粉体3gとアミノアルキッド樹脂16g及びシンナー10gとを配合して3mmφガラスビーズ90gと共に140mlのガラスビンに添加し、次いで、ペイントシェーカーで60分間混合分散した後、アミノアルキッド樹脂50gを追加し、さらに5分間ペイントシェーカーで分散させて、原色エナメルを作製した。
【0110】
展色エナメルの作製:
上記原色エナメル12gとアミラックホワイト(二酸化チタン分散アミノアルキッド樹脂)40gとを配合し、ペイントシェーカーで15分間混合分散して、展色エナメルを作製した。
【0111】
樹脂粒子粉末、カーボンブラック及び黒色複合粒子粉末の耐光性は、前述の着色力を測定するために作製した原色エナメルを、冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G−3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して塗膜を形成し、得られた測定用塗布片の半分を金属製フォイルで覆い、「アイ スーパーUVテスター SUV−W13(岩崎電気株式会社製)を用いて、紫外線を照射強度100mW/cmで6時間連続照射した後、金属製フォイルで覆うことによって紫外線が照射されなかった部分と紫外線照射した部分との色相(L値、a値、b値)をそれぞれ測定し、紫外線が照射されなかった部分の測定値を基準に、下記式(3)に従って算出したΔE値によって示した。
【0112】
ΔE値=((ΔL値)+(Δa値)+(Δb値)1/2・・・(3)
ΔL値:比較する試料の紫外線照射有無のL値の差
Δa値:比較する試料の紫外線照射有無のa値の差
Δb値:比較する試料の紫外線照射有無のb値の差
【0113】
黒色複合樹脂粒子粉末を用いた溶剤系塗料の透過率を測定するための塗膜は下記の方法で作製した。試料0.1gとヒマシ油0.5mlとをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリアラッカー4.5gを加え、混練、塗料化して透明フィルム上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布した塗布片(塗膜厚み:約30μm)を作製した。透過率は、「島津分光光度計、UV−2100(PC)S」(島津製作所株式会社製)を用いて透過率を測定し、550nmの波長における透過率で示した。
【0114】
黒色複合樹脂粒子粉末を用いた溶剤系塗料の光学濃度を測定するための塗膜は下記の方法で作製した。試料0.25gとヒマシ油0.5mlとをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリアラッカー4.5gを加え、混練、塗料化してキャストコート紙上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布した塗布片(塗膜厚み:約30μm)を作製した。光学濃度は、「X−Rite 939」(エックスライト株式会社製)を用いて測定した。
【0115】
各塗料を用いた塗膜の耐光性は、後述する処方によって調製した各塗料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G−3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して塗膜を形成して得られた測定用塗布片の半分を金属製フォイルで覆い、「アイ スーパーUVテスター SUV−W13(岩崎電気株式会社製)を用いて、紫外線を照射強度100mW/cmで6時間連続照射した後、金属製フォイルで覆うことによって紫外線が照射されなかった部分と紫外線照射した部分との色相(L値、a値、b値)をそれぞれ測定し、紫外線が照射されなかった部分の測定値を基準に、前記式(3)に従って算出したΔE値によって示した。
【0116】
本発明において最も重要な点は、樹脂粒子粉末の粒子表面が表面改質剤によって被覆されていると共に、該表面改質剤被覆樹脂粒子表面にカーボンブラックが付着している複合粒子粉末からなり、該複合粒子粉末の粒径の幾何標準偏差が1.50以下の黒色複合粒子粉末は、樹脂粒子粉末の粒子表面からのカーボンブラックの脱離が抑制されていると共に、流動性、着色力及び光吸収性に優れているという事実である。
【0117】
本発明に係る黒色複合粒子粉末の流動性が優れている理由について、本発明者は、一般的に、流動性の悪いカーボンブラックが樹脂粒子の粒子表面からの脱離が抑制されたことに加えて、カーボンブラックの凝集状態が解きほぐされ、微細化された状態で芯粒子である樹脂粒子の粒子表面に付着層を形成しているため、流動性に優れた樹脂粒子の特性がカーボンブラックに阻害されることなくそのまま発現できたことによるものと考えている。さらに粒径の幾何標準偏差が1.50以下と小さく、粒径分布がシャープな点も流動性向上に寄与しているものと考えている。
【0118】
そして、前記黒色複合粒子粉末を配合した塗料を塗膜にしたとき、光吸収性が優れている、具体的には透過率が小さくかつ光学濃度が大きいという事実である。
【0119】
本発明に係る塗料を塗膜にしたとき、光吸収性が優れている理由について、本発明者は、本発明に係る黒色複合粒子粉末の場合、粒子表面からのカーボンブラックの脱離が抑制されていると共に、粒径の幾何標準偏差が1.50以下と小さく、粒径分布がシャープなので、塗膜化したときの分散性が向上し、光吸収性が高くなったものと考えている。
【0120】
また、本発明において最も重要な点は、樹脂粒子粉末の粒子表面が表面改質剤によって被覆されていると共に、該表面改質剤被覆樹脂粒子表面にカーボンブラックが付着している複合粒子粉末からなり、所定の方法で測定したとき該複合粒子粉末から脱離して再凝集するカーボンブラックの個数が、複合粒子粉末100個当たりにつき30個未満である黒色複合粒子粉末は、樹脂粒子粉末の粒子表面からのカーボンブラックの脱離が抑制されていると共に、流動性、着色力及び光吸収性に優れているという事実である。
【0121】
本発明において、樹脂粒子粉末の粒子表面からのカーボンブラックの脱離が抑制される理由について、本発明者は、表面改質剤被覆樹脂粒子の粒子表面にカーボンブラックを付着させた後、100℃以上でかつ樹脂粉末粒子のガラス転移点以下の温度で加熱処理をすることにより、表面改質剤の反応が完結し、カーボンブラックと表面改質剤及び該カーボンブラックが付着している表面改質剤が樹脂粒子の粒子表面に強固に結合するためと考えている。
【実施例】
【0122】
次に、実施例及び比較例を示す。
【0123】
芯粒子1〜9:
芯粒子粉末として表1に示す特性を有する樹脂粒子粉末を用意した。なお、PMMAは、ポリメチルメタクリレートの略である。
【0124】
【表1】

【0125】
カーボンブラックA〜C:
カーボンブラックとして表2に示す諸特性を有するカーボンブラックを用意した。
【0126】
【表2】

【0127】
実施例1
<黒色複合粒子粉末の製造>
樹脂粒子粉末(芯粒子1)(種類:ポリメチルメタクリレート(PMMA)、粒子形状:球状、平均粒子径:2.18μm、球形度:1.03、BET比表面積値:2.50m/g、流動性:70、耐光性ΔE値:9.59)700gを振動ミル「MB1」(メディア:φ1/4インチのクロム剛球 10kg)(製品名、中央化工機株式会社製)に投入し、次いで、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(商品名:GENIOSIL GF91:旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)35gを添加し、回転数1200rpm、振幅6mmで30分間混合攪拌を行った。
【0128】
次に、カーボンブラックA(種類:チャンネルブラック、粒子形状:粒状、平均粒子径:0.011μm、BET比表面積値:324.7m/g、流動性:18、黒色度L値:25.2)140gを添加し、さらに30分間混合攪拌を行い、3−アミノプロピルトリエトキシシラン被覆の上にカーボンブラックを付着させた後、乾燥機を用いて120℃で90分間加熱処理を行った。その後冷却し分級を行ない、黒色複合粒子粉末を得た。
【0129】
得られた黒色複合粒子粉末は、平均粒子径が2.53μm、球形度が1.03の球状粒子粉末であった。BET比表面積値は22.82m/g、流動性は71、黒色度L値は24.9、着色力は118%、耐光性ΔE値は3.41、幾何標準偏差σgは1.42、カーボンブラックの脱離の程度は5であった。3−アミノプロピルトリエトキシシランの被覆量はSi換算で0.601重量%であり、付着しているカーボンブラックの量は、C換算で16.80重量%(樹脂粒子粉末100重量部に対して約20重量部に相当する)であった。
【0130】
電子顕微鏡写真観察の結果、カーボンブラックがほとんど認められないことから、カーボンブラックのほぼ全量が3−アミノプロピルトリエトキシシラン被覆に付着していることが認められた。
【0131】
実施例2〜11、比較例1、2:
表面改質剤による被覆工程における添加物の種類、添加量、カーボンブラックの付着工程におけるカーボンブラックの種類、添加量、加熱処理工程における加熱処理温度、加熱処理時間及び分級の有無を変化させた以外は、前記実施例1と同様にして黒色複合粒子粉末を得た。なお比較例2は、カーボンブラックを内包する樹脂粒子粉末(商品名:ラブコロール:大日精化工業株式会社製)である。
【0132】
このときの製造条件を表3に、得られた黒色複合粒子粉末の諸特性を表4に示した。表4より、加熱処理を行うことで、カーボンブラックの離脱率が改善していることがわかる。
【0133】
【表3】

【0134】
【表4】

【0135】
実施例12
<黒色複合粒子粉末を含む溶剤系塗料の製造>
前記実施例1で得た黒色複合粒子粉末10gとアミノアルキッド樹脂及びシンナーとを下記割合で配合して3mmφガラスビーズ90gと共に140mlのガラスビンに添加し、次いで、ペイントシェーカーで90分間混合分散し、ミルベースを作製した。
【0136】
黒色複合粒子粉末 3.8重量部、
アミノアルキッド樹脂 20.3重量部、
(アミラックNo.1026:関西ペイント株式会社製)
シンナー 12.7重量部。
【0137】
前記ミルベースを用いて、下記割合となるようにアミノアルキッド樹脂を配合し、ペイントシェーカーでさらに15分間混合分散して、黒色複合粒子粉末を含む溶剤系塗料を得た。
【0138】
ミルベース 36.8重量部、
アミノアルキッド樹脂 63.3重量部。
(アミラックNo.1026:関西ペイント株式会社製)
【0139】
前記溶剤系塗料を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G−3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して得られた塗膜の耐光性ΔE値は3.71であった。
【0140】
また、実施例1で得た黒色複合粒子粉末0.1gを用いて、前述の方法で別途透過率測定用の塗膜を作製した。その塗膜の透過率は6.9%であった。
【0141】
また、実施例1で得た黒色複合粒子粉末0.25gを用いて、前述の方法で別途光学濃度測定用の塗膜を作製した。その塗膜の光学濃度は2.28であった。
【0142】
実施例13〜19、比較例3、4
黒色粒子粉末の種類を種々変化させた以外は、前記実施例12と同様にして溶剤系塗料を得た。また塗膜の透過率及び光学濃度は、実施例12と同様の方法で評価した。
【0143】
このときの製造条件、塗膜の諸特性を表5に示した。本発明に係る黒色複合粒子粉末を用いて塗料を製造し、これを塗膜にすることで、比較例に示す黒色複合粒子粉末を使用した場合に比較し、透過率が低下し、光学濃度が上昇した。
【0144】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂粒子粉末の粒子表面が表面改質剤によって被覆されていると共に、該表面改質剤被覆樹脂粒子の粒子表面にカーボンブラックが付着している複合粒子粉末からなり、該複合粒子粉末の粒径の幾何標準偏差が1.50以下であることを特徴とする黒色複合粒子粉末。
【請求項2】
樹脂粒子粉末の粒子表面が表面改質剤によって被覆されていると共に、該表面改質剤被覆樹脂粒子の粒子表面にカーボンブラックが付着している複合粒子粉末からなり、所定の方法で測定したとき該複合粒子粉末から脱離して再凝集するカーボンブラックの個数が、複合粒子粉末100個当たりにつき30個未満であることを特徴とする黒色複合粒子粉末。
【請求項3】
所定の方法で測定したとき前記複合粒子粉末から脱離して再凝集するカーボンブラックの個数が、複合粒子粉末100個当たりにつき30個未満であることを特徴とする請求項1に記載の黒色複合粒子粉末。
【請求項4】
樹脂粒子粉末と表面改質剤とを混合攪拌して樹脂粒子粉末の粒子表面に表面改質剤を被覆させた後、カーボンブラックを添加し、混合攪拌して表面改質剤被覆樹脂粒子の粒子表面にカーボンブラックを付着させ、その後、100℃以上でかつ樹脂粉末粒子のガラス転移点以下の温度で加熱処理し、さらに分級することを特徴とする請求項3に記載の黒色複合粒子粉末の製造方法。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載の黒色複合粒子粉末を塗料構成基材中に配合したことを特徴とする塗料。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1項に記載の黒色複合粒子粉末を用いて着色したことを特徴とする樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか1項に記載の黒色複合粒子粉末を用いて得られる光学材料。

【公開番号】特開2010−235831(P2010−235831A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86651(P2009−86651)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000166443)戸田工業株式会社 (406)
【Fターム(参考)】