説明

(架橋ピペラジニル)−1−アルカノンの新規な誘導体およびP75阻害剤としてのこれらの使用

本発明は、一般式(I)


の、((フェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1−イル)(架橋ピペラジニル)−1−アルカノン誘導体および((フェニル)−2,5−ジヒドロ−ピロール−1−イル)(架橋ピペラジニル)−1−アルカノン誘導体、これらの調製方法、およびこれらの治療的用途に関し、式中、A、B、m、W、nおよびR5は請求項1にて定義された通りである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、((フェニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1−イル)(架橋ピペラジニル)−1−アルカノン誘導体および((フェニル)−2,5−ジヒドロピロール−1−イル)(架橋ピペラジニル)−1−アルカノン誘導体、これらの調製、およびこれらの治療的使用に関する。
【0002】
本発明による化合物は、p75NTRニューロトロフィン受容体に対して親和性を有する。
【背景技術】
【0003】
ニューロトロフィンは、特定の細胞生存および分化においてこの生物学的効果を有するタンパク質ファミリーに属する。
【0004】
すべてのニューロトロフィンに対する受容体であるp75NTR受容体は、腫瘍壊死因子(TNF)受容体ファミリーの膜貫通糖タンパク質である(W.J.Friedman and L.A.Greene,Exp.Cell.Res.,1999,253,131−142)。p75NTR受容体は、幾つかの細胞タイプにおいて発現し、幾つかの生物学的機能はこの受容体に起因している:第一に、チロシンキナーゼ(trk)受容体に対するニューロトロフィンの親和性の調節;第二に、trkの不存在下での、アポトーシスによる細胞死に関するシグナルの誘導。さらに、ニューロトロフィン前駆体であるプロニューロトロフィンは、高い親和性をもってp75NTRに結合でき、ニューロンおよび特定の細胞系におけるp75NTR依存性のアポトーシスの強力な誘導因子であると考えられる。
【0005】
中枢神経系において、多くの研究により、アポトーシスは、幾つかの病理学的状態、例えば筋委縮性側索硬化症、多発性硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病ならびにプリオン病に関与することが示されている。またp75NTRは、種々のタイプの神経変性疾患、例えばアルツハイマー病および筋委縮性側索硬化症(ALS)において過剰発現することが知られている(Longo F.M.et al.,Curr.Alzheimer Res.2007;4:503−506;Lowry K.S.et al.,Amyotroph.Lateral.Scler.Other.Motor.Neuron.Disord.2001;2:127−34)。
【0006】
結果からは、p75NTRが、虚血後のアポトーシス性ニューロン死をもたらす機構において支配的な役割を果たし得ることが示唆されている(P.P.Roux et al.,J.Neurosci.,1999,19,6887−6896)。
【0007】
結果(V.Della−Bianca et al.,J.Biol.Chem.,2001,276:38929−33)(S.Rabizadeh et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1994,91,10703−10706)は、p75NTRが、プリオンタンパク質感染(伝達性海綿状脳症)によってまたはβアミロイドタンパク質(アルツハイマー病)によって誘導されるニューロン死において重要な役割を果たすという仮設を支持している。
【0008】
p75NTR受容体はまた、Nogo受容体と関連し、軸索成長に関するこのミエリンタンパク質の抑制効果の情報伝達に関与する。結果としてp75NTR受容体は、神経可塑性の調節において、およびニューロン−グリア相互作用において主要な役割を果たし、したがって神経再生を促進するための優れた治療標的になる。
【0009】
神経系および神経変性疾患の他、p75NTRは、心血管疾患、例えばアテローム性動脈硬化および心筋虚血において役割を果たし得ることが示唆されている(M.L.Bochaton−Pialat et al.,Am.J.Pathol.,1995,146,1−6;H.Perlman,Circulation,1997,95,981−987)。最近の研究から、p75NTRの発現およびニューロトロフィンの発現の増大と、アテローム性動脈硬化病変における多量のアポトーシスとが示されている。
【0010】
幾つかの研究ではまた、p75NTRが炎症メディエーターであることが示唆されている(Rihl M.et al.,Ann.Rheum.Dis.2005:64(11):1542−9;Raychaudhuri S.P.et al.,Prog.Brain.Res.2004;146:433−7、Tokuoka S.et al.,Br.J.Pharmacol.2001,134:1580−1586)。
【0011】
p75NTRはまた、腫瘍生物学において重要な役割を果たす。
【0012】
多くの化合物は、trkA/NGF/p75NTR系と相互作用し、またはNGF(神経成長因子)タイプの活性を有することが知られている。したがってWO00/59893には、NGF−タイプの活性を示し、および/またはPC12細胞におけるNGFの活性を増大させる置換されたピリミジン誘導体が記載されている。
【0013】
WO03/104225には、p75NTR受容体に対する親和性を示す化合物が記載されている。これらの化合物は、高度に代謝され、hERG遺伝子(ヒトEther a go−go関連遺伝子)の阻害パーセンテージが高い。
【0014】
hERG遺伝子は、カリウム・イオン・チャンネルのK11.1タンパク質をエンコードする。このタンパク質は、心臓の電気的活動に寄与することが知られている。細胞膜を通して電流を伝導するチャンネルの能力が薬剤の作用によって阻害される場合、QT症候群と呼ばれる可能性として死に至る障害をもたらし得る。幾つかの薬剤は、このタンパク質を阻害することで、負の副作用として突然死の随伴性リスクを生み出してしまう。このことにより、hERG阻害は、薬剤の調節およびこれらの開発の両方において中心的問題になっている(Sanguinetti MC,Tristani−Firouzi M(March 2006).「hERG potassium channels and cardiac arrhythmia」.Nature 440(7083):463−9)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】国際公開第00/59893号
【特許文献2】国際公開第03/104225号
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】W.J.Friedman and L.A.Greene,Exp.Cell.Res.,1999,253,131−142
【非特許文献2】Longo F.M.et al.,Curr.Alzheimer Res.2007;4:503−506
【非特許文献3】Lowry K.S.et al.,Amyotroph.Lateral.Scler.Other.Motor.Neuron.Disord.2001;2:127−34
【非特許文献4】P.P.Roux et al.,J.Neurosci.,1999,19,6887−6896
【非特許文献5】V.Della−Bianca et al.,J.Biol.Chem.,2001,276:38929−33)
【非特許文献6】S.Rabizadeh et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1994,91,10703−10706
【非特許文献7】M.L.Bochaton−Pialat et al.,Am.J.Pathol.,1995,146,1−6
【非特許文献8】H.Perlman,Circulation,1997,95,981−987
【非特許文献9】Rihl M.et al.,Ann.Rheum.Dis.2005:64(11):1542−9
【非特許文献10】Raychaudhuri S.P.et al.,Prog.Brain.Res.2004;146:433−7
【非特許文献11】Tokuoka S.et al.,Br.J.Pharmacol.2001,134:1580−1586
【非特許文献12】Sanguinetti MC,Tristani−Firouzi M(March 2006).「hERG potassium channels and cardiac arrhythmia」.Nature 440(7083):463−9
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の主題は、p75NTR受容体に対する親和性を有し、先行技術の化合物が有している高度な代謝および強力なhERG阻害という欠点を有していない新規な化合物である。したがって、これは、新規な薬剤の開発に有利である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の主題は、式(I)に対応する化合物である:
【0019】
【化1】

(式中:
mは0または1を表し;
Aは:
【0020】
【化2】

を表し、Bは水素原子を表し、
または
Aは水素原子を表し、Bは:
【0021】
【化3】

を表し;
Wは:
【0022】
【化4】

から選択される窒素性複素環であり;
1−3は1、2または3を表し;
nは1または2を表し;
R1は、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、トリフルオロメチルラジカル、(C−C)アルコキシ基またはトリフルオロメトキシラジカルを表し;
R2は、水素原子、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、トリフルオロメチルラジカル、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメトキシラジカル、COOR基またはCONH基を表し;
R5は次式の基を表し:
【0023】
【化5】

式中、利用可能な位置のいずれか1つにあるR3およびR4は、独立に、水素原子、ハロゲン原子、(C−C)アルキルもしくは(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチルもしくはトリフルオロメトキシラジカル、シアノ、またはCOOH、COOアルキル、CONH、CONR6R7もしくはNHCOR基を表し;
R、R6、R7は、C1−アルキル基を表す。)
【0024】
式(I)の化合物は、1つ以上の不斉炭素原子を含有し得る。そのため、これらはエナンチオマーまたはジアステレオマーの形態で存在し得る。これらのエナンチオマーおよびジアステレオマー、ならびにさらにラセミ混合物を含むこれらの混合物は、本発明の一部である。
【0025】
式(I)の化合物は、塩基の形態または酸との付加塩の形態で存在してもよい。こうした付加塩は本発明の一部である。
【0026】
これらの塩は、医薬的に許容される酸で調製されてもよいが、例えば式(I)の化合物を精製または単離するために有用な他の酸の塩も本発明の一部である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の内容において:
「ハロゲン原子」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味することを目的とする;
「アルキル基」という用語は、直鎖または分枝鎖の飽和脂肪族基を意味することを目的とする。例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルまたはtert−ブチルを表すことができるC−Cアルキル基を挙げることができる;
「フルオロアルキル基」という用語は、1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されているアルキル基を意味することを目的とする;
「ペルフルオロアルキル基」という用語は、すべての水素原子がフッ素原子で置換されているアルキル基、例えばトリフルオロアルキルを意味することを目的とする;
「アルコキシ基」という用語は、アルキル基が上記で定義された通りである−O−アルキルラジカルを意味することを目的とする。
【0028】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、別の群の化合物は、塩基の形態または酸との付加塩の形態において:
mは0または1を表し;
Aは:
【0029】
【化6】

を表し、Bは水素原子を表し、
または
Aは水素原子を表し、Bは:
【0030】
【化7】

を表し;
Wは次式の基であり:
【0031】
【化8】

またはその他に:
【0032】
【化9】

であり;
n=1または2;またはその他にn=1;
R1は、ハロゲン原子またはトリフルオロメチルラジカルであり;
R2は、水素原子、トリフルオロメチルラジカル、COOR基またはCONH基であり;
R5は、次式の基を表し;
【0033】
【化10】

R3またはR4は、独立に、水素原子、ハロゲン、またはトリフルオロメチル、CONH、COOHもしくはNHCOCHラジカルを表し;またはその他に
【0034】
【化11】

R3は、水素原子、ハロゲン、またはトリフルオロメチル、CONH、COOHもしくはNHCOCHラジカルを表し、R4は水素原子である;
を表す、式(I)の化合物で構成される。
【0035】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、化合物の別の群は、塩基の形態または酸との付加塩の形態において:
mは1を表し;
Aは:
【0036】
【化12】

を表し、Bは水素原子を表し;
Wは:
【0037】
【化13】

から選択される窒素性複素環であり;
1−3は1、2または3を表し;
nは1または2を表し;
R1は、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、トリフルオロメチルラジカル、(C−C)アルコキシ基またはトリフルオロメトキシラジカルを表し;
R2は、水素原子、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、トリフルオロメチルラジカル、(C−C)アルコキシ基またはトリフルオロメトキシラジカルを表し;
R5は、次式の基を表し:
【0038】
【化14】

式中、利用可能な位置のいずれか1つにあるR3およびR4は、独立に、水素原子、ハロゲン原子、(C−C)アルキルもしくは(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチルまたはトリフルオロメトキシラジカル、シアノ、またはCOOHもしくはCOOアルキル基を表す、式(I)の化合物で構成される。
【0039】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、別の化合物の群は、塩基の形態または酸との付加塩において:
mは1を表し;
Aは:
【0040】
【化15】

を表し、Bは水素原子を表し;
Wは次式の基であり:
【0041】
【化16】

またはその他に:
【0042】
【化17】

であり;
n=1または2;またはその他にn=1;
R1は、ハロゲン原子またはトリフルオロメチルラジカルであり;
R2は、水素原子またはトリフルオロメチルラジカルであり;
R5は、次式の基を表し;
【0043】
【化18】

R3またはR4は、独立に、水素原子、ハロゲンまたはトリフルオロメチルラジカルを表し;またはその他に
【0044】
【化19】

R3は、水素原子、ハロゲンまたはトリフルオロメチルラジカルを表し、R4は水素原子を表す;
を表す、式(I)の化合物で構成される。
【0045】
本発明の主題である式(I)の化合物のうち、塩基の形態または酸との付加塩の形態において、特に次の化合物を挙げることができる:
化合物番号1:1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号2:1−[4−(4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−(8−ピリミジン−2−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)エタノン;
化合物番号3:2−(3−ピラジン−2−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号4:2−(8−ピリミジン−2−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号5:1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]エタノン;
化合物番号6:2−(8−ピリジン−2−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号7:1−[4−(4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号8:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号9:2−(8−キノリン−2−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号10:1−[4−(4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]エタノン;
化合物番号11:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号12:2−[8−(5−ブロモピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号13:1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[5−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル]エタノン;
化合物番号14:1−[4−(4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[5−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル]エタノン;
化合物番号15:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[5−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル]エタノン;
化合物番号16:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−(5−ピリジン−2−イル−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)エタノン;
化合物番号17:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[5−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル]エタノン;
化合物番号18:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[9−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル]エタノン;
化合物番号19:2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号20:1−[4−(3−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号21:2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3.8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号22:1−[4−(4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号23:1−[4−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号24:2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−(4−m−トリル−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル)エタノン;
化合物番号25:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(ピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号26:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[3−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]エタノン;
化合物番号27:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−(8−ピリジン−3−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)エタノン;
化合物番号28:6−(3−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)ニコチン酸メチルエステル;
化合物番号29:6−(3−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)ニコチン酸;
化合物番号30:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号31:2−[8−(5−クロロピリジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号32:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−(8−キノリン−2−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)エタノン;
化合物番号33:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号34:2−[8−(6−クロロピリジン−3−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号35:1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(3−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号36:6−(3−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)ニコチン酸エチルエステル;
化合物番号37:2−(8−ピラジン−2−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号38:2−(8−ピリミジン−4−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号39:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−(8−ピラジン−2−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)エタノン;
化合物番号40:2−(8−ピラジン−2−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−1−(4−m−トリル−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル)エタノン;
化合物番号41:2−(3−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)ピリミジン−5−カルボン酸メチルエステル;
化合物番号42:2−(3−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−ピリミジン−5−カルボン酸;
化合物番号43:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−3−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−プロパン−1−オン;
化合物番号44:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[5−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタ−2−イル]エタノン;
化合物番号45:2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[4−(3−メトキシフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号46:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[5−(6−トリフルオロメチルピリダジン−3−イル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル]エタノン;
化合物番号47:2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[3−(3−トリフルオロメチル−4−クロロフェニル)−2,5−ジヒドロピロール−1−イル]エタノン;
化合物番号48:6−(3−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)ニコチンアミド;
化合物番号49:2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号50:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(6−フルオロピリジン−3−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号51:2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[5−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号52:2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−2,5−ジヒドロピロール−1−イル]エタノン;
化合物番号53:3−(1−{2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]アセチル}−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)安息香酸メチルエステル;
化合物番号54:2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[5−(2−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号55:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−(8−ピリミジン−5−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)エタノン;
化合物番号56:2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[4−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号57:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[5−(6−トリフルオロメチルピリダジン−3−イル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタ−2−イル]エタノン;
化合物番号58:N−[6−(3−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)ピリジン−3−イル]アセトアミド;
化合物番号59:2−(8−キノリン−3−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−1−[4−(3−トリフルオロメチル−4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン。
【0046】
後続の本文において、「保護基Pg」という用語は、一方では、合成中にヒドロキシルまたはアミンのような反応性機能を保護することを可能にする基を意味し、他方では、合成の終わりに無傷の反応性機能を再生することを可能にする基を意味することを目的とする。保護基の例、ならびに保護の方法および脱保護の方法の例は、「Protective Groups in Organic Synthesis」,Green et al.,2nd edition(John Wiley&Sons,Inc.,New York)に与えられる。
【0047】
本発明に従えば、一般式(I)の化合物は、次のようなプロセスにしたがって調製できる。
【0048】
スキーム1:
【0049】
【化20】

より詳細には、A、B、m、n、WおよびR5が上記で定義された通りである一般式(I)の化合物を調製するプロセスは、式(II)の化合物を:
【0050】
【化21】

式中、A、B、mおよびnは一般式(I)にて定義された通りであり、Halはハロゲン原子、例えば塩素を表す、
一般式(III)の化合物と反応させることを含む:
H−W−R5
(III)
式中、当業者に既知の方法にしたがって、例えばWO03/104225に記載されるように溶媒中、塩基の存在下、WおよびR5は、一般式(I)にて定義された通りである。したがって、塩基としては、有機塩基、例えばトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン(DPEA)、またはN−メチルモルホリンまたはアルカリ金属炭酸塩または重炭酸塩、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウムもしくは重炭酸ナトリウム、ならびにヨウ化カリウムもしくはヨウ化ナトリウムのようなアルカリ金属ヨウ化物の不存在下または存在下におけるものを挙げることができる。反応は、溶媒、例えばアセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、トルエンまたはプロパン−2−オールにおいて、周囲温度から溶媒の還流温度の間で行われる。「周囲温度」という用語は、5から25℃の温度を意味することを目的とする。例として、反応は、重炭酸ナトリウム、およびヨウ化ナトリウムの存在下、DMFのような溶媒中で行うことができる。
【0051】
こうして得られた一般式(I)の生成物において、R、R1、R2、R3、R4、R6およびR7は、当業者によって一般に使用される処理によって、例えばエステル基の加水分解によりカルボン酸基を与えることによって変更できる。
【0052】
一般に、一般式(I)の化合物の酸付加塩を、適切な酸、例えば塩酸、臭化水素酸またはシュウ酸の添加によって得ることができる。
【0053】
場合により塩の形態である式(III)の化合物は、式(VII)の対応する化合物から調製できる:
Pg−W−R5
(VII)
式中、WおよびR5は、式(I)にて定義された通りであり、PgはWの窒素原子のための保護基を表す。好ましくは、Pgはベンジル基であり、脱保護は、当業者に周知の従来の方法にしたがって、例えばPd/C上での接触水素化によってまたはクロロホルマートを用いる処理によって、次いで酸性媒体中での加水分解によって行われる。
【0054】
式(VII)の化合物は、式(VIII)の化合物:
Pg−W−H
(VIII)
および(IX)から調製できる:
Hal−R5
(IX)
式中、Pg、WおよびR5は上記で定義された通りであり、Halはハロゲン原子、好ましくは塩素を表す。この反応は、一般に式(II)および(III)の化合物から式(I)の化合物を調製するための反応と同じ条件下で行われる。
【0055】
または、式(III)の化合物は、適切に選択されたパラジウム触媒、および適切に選択されたホスフィンの存在下、不活性溶媒、例えば溶媒としてトルエンまたはキシレンを用いて、周囲温度から110℃の温度にてBuchwaldカップリング方法によって調製できる。
【0056】
こうした反応例は、実験項目に記載されている。
【0057】
式(II)の化合物は、場合により酸付加塩の形態である、式(IV)の対応する化合物と:
【0058】
【化22】

式中、A、Bおよびmは、一般式(I)にて定義された通りであり、
式(V)の化合物とを反応させることによって得ることができる:
【0059】
【化23】

式中、Halおよびnは式(II)にて定義された通りであり、Hal’は、ハロゲン原子を表し、Halと同一であってもよく異なっていてもよい。好ましくはHal’は塩素原子である。
【0060】
この反応は、一般に、溶媒、例えばジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはこれらの溶媒の混合物中、塩基、例えばトリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、またはN−メチルモルフィンの存在下で、0℃から周囲温度の間で行われる。式(V)の化合物は、一般に市販されている。
【0061】
場合により酸付加塩の形態における式(IV)の化合物は、脱水により、式(VI)(a)または(b)の化合物から得ることができる:
【0062】
【化24】

式中、R1、R2およびmは上記で定義された通りである。
【0063】
脱水は、酸性媒体中、例えば濃塩酸または酢酸/塩酸混合物または酢酸/硫酸混合物を用いて、周囲温度と140℃の間で行われる。反応はまた、トルエンのような溶媒中、周囲温度から還流温度の間で、p−トルエンスルホン酸を用いて行うことができる。
【0064】
または、mが1である場合、式(IV)の化合物は、四級ベンジルアンモニウム塩の形成、その後のメタノールまたはジオキサンのような溶媒中、0℃から周囲温度の間で、水素化ホウ素ナトリウムを用いる還元、および当業者に既知の従来の方法にしたがって、例えばPd/Cでの接触水素化またはクロロホルマートを用いる処理、次いで酸性媒体中での加水分解によって行われる脱ベンジル化反応により、式(X)の化合物から調製できる:
【0065】
【化25】

式中、AおよびBは上記で定義された通りである。
【0066】
こうした反応の例は、実験項目にて記載される。
【0067】
場合により、本発明によるプロセスは、得られた所望の生成物を単離することで構成される後続工程を含む。
【0068】
式(VI)、(V)、(VIII)、(IX)および(X)の生成物および反応体は、これらを調製する方法が記載されていない場合には、市販されているかまたは文献に記載されており、またはその他には記載されている方法もしくは当業者に既知の方法にしたがって調製できる。
【0069】
本発明の別の態様にしたがって、本発明の主題はまた、塩基の形態または酸との付加塩の形態である式(II)の化合物である:
【0070】
【化26】

式中、A、B、m、nおよびHalは上記で定義された通りである。これらの化合物は、式(I)の化合物のための合成中間体として有用である。
【0071】
次の例は、本発明による特定の化合物の調製を記載する。これらの例は、限定ではなく、本発明を単に例示するものである。例示された化合物の数字は、以降の表に与えられるものを指し、この表には本発明による特定の化合物の化学的構造および物理的特性を示す。
【0072】
物理化学的測定は次のように行った:
融点は、Buchi B540機を用いて測定した。
【0073】
プロトン核磁気共鳴(H NMR)スペクトルは、次の条件下で記録した:
a)Avance IIIコンソールを備えたBruker機において500MHz;
b)Avance Iコンソールを備えたBruker機において400MHz。
【0074】
化学シフトは、TMS周波数に関してppmの単位で報告する。
【0075】
すべてのスペクトルは、40℃の温度で記録された。
シグナルの特徴付けに使用される略号は次の通りである:s=一重線、bs=幅の広い一重線、m=多重線、bm=幅の広い多重線、d=二重線、bd=幅の広い二重線、t=三重線、q=四重線。
=水による幅の広いピークとの干渉により積分できない。
**=NMR溶媒によるピークとの干渉により積分できない。
2Xm=2つの部分的に重ね合わされた多重線。
【0076】
HPLCは、イオントラップ質量分析検出器およびダイオードアレイ検出器を備えたThermoElectron LCQ Deca XP Maxシステムにより行った。
質量分析とカップリングさせた液体クロマトグラフィー(LC/UV/MS)による分析条件は次の通りである:
・クロマトグラフィーシステムA
溶出液A=HO+0.01%TFA
溶出液B=CHCN
10分以内は98%Aから95%Bへの勾配、次いで5分間は95%Bでの溶出。
流速0.5ml/分;温度40℃
CHCN:HO=9:1の混合物における0.1mg/mlでの溶液2μLの注入
・クロマトグラフィーシステムB
溶出液A=HO+0.05%TFA
溶出液B=CHCN+0.035%TFA
12分以内は98%Aから95%Bへの勾配、次いで3分間は95%Bでの溶出。
流速0.7ml/分;温度40℃
CHCN:HO=9:1の混合物における0.1mg/mlでの溶液2μLの注入
・クロマトグラフィーシステムC
溶出液A=酢酸アンモニウム緩衝剤5mM、pH6.5
溶出液B=CHCN
10分以内は98%Aから95%Bへの勾配、次いで5分間は95%Bでの溶出。
流速0.5ml/分;温度40℃
CHCN:HO=9:1の混合物における0.1mg/mlでの溶液2μLの注入
・クロマトグラフィーシステムD
溶出液A=HO+0.005%TFA
溶出液B=CHCN
17分以内は95%Aから90%Bへの勾配、次いで5分間は90%Bでの溶出。
流速0.3ml/分;温度30℃
CHCN:HO=9:1の混合物における0.1mg/mlでの溶液2μLの注入
・クロマトグラフィーシステムE
溶出液A=5mMの酢酸アンモニウム緩衝剤、pH6.5
溶出液B=CHCN
17分以内は95%Aから90%Bへの勾配、次いで5分間は90%Bでの溶出。
流速0.3ml/分;温度30℃
CHCN:HO=9:1の混合物における0.1mg/mlでの溶液2μLの注入
・クロマトグラフィーシステムF
溶出液A=HO+0.005%TFA
溶出液B=CHCN
22分以内は95%Aから90%Bへの勾配、次いで7分間は90%Bでの溶出
流速0.3ml/分;温度40℃
CHCN:HO=9:1の混合物における0.1mg/mlでの溶液2μLの注入
・クロマトグラフィーシステムG
溶出液A=HO+0.01%TFA
溶出液B=CHCN
15分以内は80%Aから60%Bへの勾配、次いで5分以内は60%Aから100%B、次いで5分間は100%Bでの溶出。
流速0.4ml/分;温度40℃
CHCN:HO=9:1の混合物における0.1mg/mlでの溶液2μLの注入
・クロマトグラフィーシステムH
溶出液A=HO+0.01%TFA
溶出液B=CHCN
19分以内は80%Aから95%Bへの勾配、次いで3分間は95%Bでの溶出
流速0.5ml/分;温度40℃
CHCN:HO=9:1の混合物における0.1mg/mlでの溶液2μLの注入。
【0077】
生成物を220nmにてUVによって検出する。
使用されるカラムは、粒径が2から4μm、好ましくは3.5μmであるC18カラムである。
質量分析の一部として:
イオン化モード:正のエレクトロスプレー(ESI+)
100から1200umaの走査。
【0078】
薄層クロマトグラフィーは、Merckシリカゲル60TLCプレートにて行った。フラッシュ・カラム・クロマトグラフィーのためのシリカゲルは、Biotageから販売されている。
使用されるすべての溶媒は、「試薬等級」または「HPLC等級」純度を有する。
【0079】
調製1
2−[8−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン塩酸塩
2−クロロ−(5−トリフルオロメチル)ピリジン(IX)0.9g、1−ベンジル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン1g、炭酸カリウム0.75gおよびNaI0.33gをDMF8ml中に充填する。反応は、160℃にて30分間Biotage(登録商標)マイクロ波イニシエーターにて行う。次いで得られた生成物を、塩化ナトリウムの飽和水溶液に注ぎ、混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相をNaSOで脱水させ、濾過し、減圧下で蒸発させる。油状物質1.5gを単離し、溶出液が98/2シクロヘキサン/酢酸エチルであるBiotage(登録商標)カラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。軽油440mgを単離する。先行する段階においてエタノール20ml中に得られた化合物0.44g、イソプロパノール.HCl2mlを、10%のPd/C0.14gの存在下、常圧にて45℃で4時間水素化する。得られた生成物を濾過し、減圧下で蒸発させて、表題生成物350mgを白色固体の形態で単離する。
【0080】
調製2
2−[8−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン塩酸塩
2−クロロ−5−フルオロピリミジン1.44g、1−ベンジル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン2.2g、炭酸カリウム1.7gおよびNaI0.73gを、N−メチルピロリドン27mlに充填する。混合物を110℃で5時間加熱する。次いでこれを塩化ナトリウムの飽和水溶液に注ぎ、得られた混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相をNaSOで脱水させ、濾過し、減圧下で蒸発させる。油状物質3.2gを単離し、溶出液が95/5シクロヘキサン/酢酸エチルであるBiotage(登録商標)カラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。白色固体1.4gを単離し、1,2−ジクロロエタン35ml中に溶解させる。0℃において1−クロロエチルクロロホルマート0.72mlを添加し、混合物を0℃にて窒素ストリーム下で10分間攪拌し続け、次いで85℃で3時間継続する。溶媒を蒸発させ、メタノール35mlを添加する。得られた混合物を還流温度にて30分間加熱する。溶媒を蒸発させ、残渣をイソプロパノールで処理する。白色固体を得て、これを濾過して、表題生成物900mgを単離する。M.p.236−239℃。
【0081】
調製3
2−{8−(3−ピリジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン塩酸塩
3−ブロモピリジン0.39g、1−ベンジル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン1g、酢酸パラジウム0.07g、ナトリウムtert−ブトキシド0.34gおよびトリtert−ブチルホスフィン0.06gを、o−キシレン8mlに充填する。混合物を120℃で6時間加熱する。得られた生成物をセライトを通して濾過し、溶媒を蒸発させる。油状物質1.3gを単離し、溶出液が6/4シクロヘキサン/酢酸エチルであるBiotage(登録商標)カラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。軽油700mgを単離する。先行する段階の生成物を、エタノール29ml、イソプロパノール.HCl2ml中、10%のPd/C0.35gの存在下、40℃にて常圧下で4時間水素化する。得られた生成物を濾過し、減圧下で蒸発させ、表題生成物500mgを白色固体の形態で単離する。
【0082】
調製4
3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イルニコチン酸メチルエステル塩酸塩
6−クロロニコチン酸メチル(IX)0.42g、1−ベンジル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン0.5g、炭酸カリウム0.4gおよびNaI0.17gを、N−メチルピロリドン7mlに充填する。混合物を110℃で7時間加熱する。次いでこれを塩化ナトリウムの飽和水溶液に注ぎ、得られた混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相をNaSOで脱水させ、濾過し、減圧下で蒸発させる。油状物質1.1gを単離し、溶出液が8/2シクロヘキサン/酢酸エチルであるBiotage(登録商標)カラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。軽油520mgを単離する。先行する段階にて得られた生成物を、エタノール20ml中、イソプロパノール.HCl2ml中、10%Pd/C0.22gの存在下、40℃にて常圧で2時間水素化する。得られた生成物を濾過し、減圧下で蒸発させ、表題生成物440mgを白色固体の形態で単離する。
【0083】
調製5
4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン塩酸塩
機械的攪拌機を備えた丸底フラスコに、4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−4−ピペリジノール50gを、水377mlおよび濃塩酸514mlに充填する。混合物を還流しながら5時間反応させ、次いで周囲温度に冷却する。白色固体が沈殿する。これをブフナー漏斗を通して濾過し、オーブンで乾燥する。白色固体37gを単離する。M.p.203−204℃。
【0084】
調製6
4−(3−トリフルオロメチル−4−クロロフェニル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン塩酸塩
調製5に記載のプロセスを行うが、4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−4−ピペリジノールの代わりに4−(3−トリフルオロメチル−4−クロロフェニル)−4−ピペリジノールを用いることによって、表題化合物を得る。M.p.263−265℃。
【0085】
調製7
3−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)安息香酸メチルエステル塩酸塩
3−(ピリジン−3−イル)安息香酸メチルエステル10.9g、トルエン90mlおよび臭化ベンジル8.72gを充填し、混合物を還流温度で8時間加熱する。得られた生成物を蒸発させ、ジイソプロピルエーテルで処理する。固体19.65gを得て、メタノール540mlに溶解する。水素化ホウ素ナトリウム3.7gを0℃で徐々に添加し、混合物を周囲温度で30分間攪拌する。
【0086】
溶媒を蒸発させ、残渣を水で処理し、得られた生成物を酢酸エチルで抽出する。有機相をNaSOで脱水し、濾過し、減圧下で蒸発させる。油状物質18gを単離し、溶出液が8/2シクロヘキサン/酢酸エチルであるフラッシュクロマトグラフィーによって精製する。油10gを単離する。先行する段階の生成物を、メタノール200ml中、イソプロパノール.HCl5ml中、10%Pd/C1.2gの存在下、常圧にて40℃で2時間水素化する。得られた生成物を濾過し、減圧下で蒸発させ、表題生成物440mgを白色固体の形態で単離する。M.p.160−162℃。
【0087】
調製8
2−クロロ−1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン
機械的攪拌機を備えた丸底フラスコにおいて、調製5の化合物3.44gをジクロロメタン33.5ml中に懸濁させる。トリエチルアミン3.8mlを添加し、混合物を0℃にする。0℃にて、塩化クロロアセチル、即ちHal=Hal’=Clおよびn=1である一般式(V)の化合物1.01mlを滴下する。混合物を1時間半反応させ、水に注ぐ。得られた混合物をジクロロメタンで抽出する。有機相をNaSOで脱水し、濾過し、減圧下で蒸発させる。暗色の油状脂質4.1gを単離し、粉砕し、次いで冷ます。得られた生成物を沈降により分離させ、上澄みを減圧下で蒸発させる。軽油420mgを単離する。
【0088】
調製9
2−クロロ−1−[4−(3−トリフルオロメチル−4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン
調製8に記載されるようなプロセスを行うが、調製5の化合物の代わりに調製6の化合物を用いることによって、および粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製することによって、表題化合物を白色固体の形態で得る。
【0089】
調製10
2−(クロロアセチル)−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル安息香酸メチルエステル
調製9に記載されるプロセスを行うが、調製6の化合物の代わりに調製7の化合物を用いることによって、表題化合物を白色固体の形態で得る。
【実施例1】
【0090】
化合物番号1:1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノンおよびこれらのオキサラート塩
調製1にて得られた化合物0.19g、調製8にて得られた化合物0.18g、炭酸カリウム0.18gおよびNaI0.04gを、DMF4.5ml中で反応させる。反応をBiotage(登録商標)マイクロ波イニシエーターによって180℃にて30分間行う。得られた生成物を水に注ぎ、得られた混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相をNaSOで脱水させ、濾過し、減圧下で蒸発させる。油状物質250mgを単離する。これを、溶出を8/2シクロヘキサン/酢酸エチル混合物で行うBiotage(登録商標)カラムを用いるフラッシュクロマトグラフィーによってカラム上で精製する。油100mgを単離する。シュウ酸で塩化させことによって白色固体80mgを得る。
【0091】
NMR(機械b).δ(ppm,dmso−d6):1.80−2.05(m,4H),2.41−2.6(m,**),2.59−2.84(m,3H),3.5(bs,1H),3.31(bs,1H),3.69(m,1H),3.76(m,1H),4.12(s,1H),4.33(s,1H),4.66(bs,2H),6.36(m,1H),6.87(m,1H),7.57−7.67(m,2H),7.70−7.82(m,3H),8.40(bs,1H)。
【実施例2】
【0092】
化合物番号11:1−[4−(3−トリフルオロメチル−4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン
調製9にて得られた化合物40.1g、調製2にて得られた化合物26.6g、ジイソプロピルエチルアミン30mlおよびDMF1500mlを共に反応させる。混合物を100℃で3時間加熱する。得られた生成物を水に注ぎ、得られた混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相をNaSOで脱水し、濾過し、減圧下で蒸発させる。油状物質69gを単離する。これを7/3ヘキサン/酢酸エチル混合物で溶出するカラムを用いるフラッシュクロマトグラフィーによってカラム上で精製する。表題生成物42.14gを単離する。前記生成物をジエチルエーテルで処理し、得られた生成物を濾過し、白色固体33.45gを得る。
【0093】
NMR(機械a).δ(ppm,dmso−d6):1.72−1.98(m,4H),2.38(m,2H),2.45−2.54(m,**),2.56−2.74(m,3H),3.14(s,1H),3.18(s,1H),3.68(m,1H),3.78(m,1H),4.12(bs,1H),4.36(bs,1H),4.59(m,2H),6.38+6.41(2Xm,1H),7.70(d,J=8.5Hz,1H),7.75(bd,J=8.5Hz,1H),7.82(bd,J=2Hz,1H),8.42(bs,2H)。
【実施例3】
【0094】
化合物番号27:1−[4−(3−トリフルオロメチル−4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−ピリジン−3−イル]−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)エタノン
実施例2に記載されるプロセスを行うが、調製2の化合物の代わりに調製3の化合物を用いることによって、表題化合物を遊離塩基の形態にて得る。
【0095】
NMR(機械a).δ(ppm,dmso−d6):1.77−1.98(m,4H),2.40−2.67(m,**),3.09(s,1H),3.13(s,1H),3.68(m,1H),3.77(m,1H),4.11(bs,1H),4.26−4.40(m,3H),6.38(m,0.5H),6.42(m,0.5H),7.11−7.22(m,2H),7.71(d,J=8.5Hz,1H),7.76(bd,J=8.5Hz,1H),7.82(bd,J=2Hz,1H),7.86(bs,1H),8.19(m,1H)。
【実施例4】
【0096】
化合物番号28:6−(3−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)ニコチン酸メチルエステルおよびこれらの塩酸塩
実施例2に記載されるプロセスを行うが、調製2の化合物の代わりに調製4の化合物を用いることによって、表題化合物を遊離塩基の形態にて得る。これをジエチルエーテル中に溶解し、HClで飽和されたイソプロパノールの溶液を添加し、ガラス状固体の形態で塩酸塩を形成させる。
【0097】
NMR(機械a).δ(ppm,dmso−d6):2.12(m,2H),2.24(m,2H),2.46−2.55(m,**),2.60(bs,1H),3.27(m,2H),3.46−3.64(m,3H),3.72(m,1H),3.83(s,3H),4.05(bs,1H),4.17(bs,),4.20−4.36(m,),4.89(bs,2H),6.37(m,1H),6.97(d,J=9.0Hz,1H),7.69−7.78(m,2H),7.80(m,1H),8.07(m,1H),8.71(m,1H),9.4−10.1(bs,1H)。
【実施例5】
【0098】
化合物番号29:6−(3−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)ニコチン酸およびこれらのフマラート
実施例4の化合物0.35gを35%でのHCl水溶液3ml中に溶解させる。得られた溶液を還流温度にて1時間加熱し、エチルエーテルで洗浄する。pHをNaOH溶液を用いて5に調節し、酢酸エチルを用いて抽出する。有機相を乾燥し、蒸発させた後、ガラス状の固体220mgを得る。前記固体をイソプロパノール中に溶解させ、イソプロパノール中のフマル酸溶液を添加する。フマラートが沈殿し、これを濾別する。
【0099】
表題生成物70mgを白色固体の形態で単離する。
【0100】
NMR(機械a).δ(ppm,dmso−d6):1.74−2.07(m,4H),2.31−2.55(m,**),2.58−2.76(m,3H),3.09−3.36(m,),3.68(m,1H),3.78(m,1H),4.12(bs,1H),4.35(bs,1H),4.64(bs,2H),6.40(m,1H),6.64(s,2H),6.76(m,1H),7.71(d,J=8.5Hz,1H),7.76(m,1H),7.82(bs,1H),7.91(m,1H),8.62(bs,1H),12.1−13.4(m,2H)。
【実施例6】
【0101】
化合物番号53:3−(1−{2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]アセチル}−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)安息香酸メチルエステル
実施例2に記載されるプロセスを行うが、調製9の化合物の代わりに調製10の化合物を用いることによって、表題化合物を遊離塩基の形態にて得る。
【0102】
NMR(機械a).δ(ppm,dmso−d6):1.66(m,2H),1.78−1.99(m,2H),2.23−2.35(m,2H),2.35−2.46(m,2H),2.57−2.75(m,2H),3.19(s,2H),3.61(m,1H),3.70(m,1H),3.88(s,3H),4.34(s,1H),4.50−4.72(m,3H),6.41(m,0.5H),6.46(m,0.5H),7.54(m,1H),7.76(m,1H),7.89(m,1H),7.96(bs,0.5H),8.02(bs,0.5H),8.43(m,2H)。
【0103】
次の表は、適切な反応体および出発生成物を用いて、記載された方法を適用および/または適合させることによって得られた例を記載する。
【0104】
【化27】

【表1】





【0105】
本発明による化合物は、生化学試験の対象であった。
【0106】
細胞培養
SH−SY−5Y株(ヒト神経芽細胞腫)を、コラーゲンでコーティングされた培養フラスコ(Becton Dickinson,フランス)において、FCS(5%)(仔ウシ血清セラム)(Boehringer Mannheim、ドイツ)、ピルビン酸ナトリウム(1mM)およびグルタミン(4mM)を含有するDMEM培養培地(ダルベッコ変法イーグル培地)(Gibco BRL,フランス)中にて従来通り培養する。
【0107】
親株SK−N−BE(ヒト神経芽細胞腫)およびクローンBep75は、ヒトp75NTR受容体(SK−N−BE Bep75)の全形態を安定に発現し、FCS(5%)、ピルビン酸ナトリウム(1mM)およびグルタミン(4mM)を含有するRPMI培養培地において、従来通り培養する。SK−N−BE Bep75細胞に関して、ハイグロマイシン(200μl/20ml培地)を選択剤として添加する。
【0108】
125INGFのp75NTR受容体に対する結合試験
NGF結合試験(ヨード−125で放射標識された神経成長因子、Amersham−2000Ci/mmol)は、Weskamp(Neuron,1991,6,649−663)によって記載される方法にしたがってSK−N−BE Bep75株の細胞懸濁液にて行われる。非特異的結合を、非放射標識されたNGF(1μM)の存在下、37℃にて、1時間のプレ温置の後、細胞との総結合を測定することによって決定する。特異的結合は、総結合測定と非特異的結合測定との差によって計算される。競合実験を、ヨード化NGF(125INGF)濃度0.3nMを用いて行う。本発明による化合物の、125INGFのp75NTR受容体に対する結合の50%阻害濃度(IC50)は低く、10−6から10−11Mで変動する。
【0109】
式(I)の化合物は、この試験における活性を示し、IC50の値は10−6から10−11Mの範囲である。例えば、化合物番号1、2、7および11は、それぞれ1.35nM、0.18nM、0.29nMおよび0.98nMのIC50を示した。
【0110】
この配位子に対して独立したp75NTR受容体の二量化試験
p75NTR受容体の二量化試験は、SK−N−BE Bep75株の細胞懸濁液にて行われる。細胞(2.5×10細胞/ウェル)をウェル(96−ウェルプレート)中に24時間置き、次いで本発明による化合物の存在下または不存在下で、37℃にて1時間プレ温置する。次いで上澄みを添加し、この上澄みは、腎臓由来の培養HEK293ヒト細胞から誘導されるものであり、移入の48時間後に発現し、10nMの最終濃度においてアルカリ性ホスファターゼにカップリングしたp75NTR受容体の可溶性形態(受容体の細胞外部分)を分泌する。可溶性のp75NTR受容体のSK−N−BE Bep75細胞に存在する受容体に対する特異的結合の定量化は、上澄みの存在下、37℃にて1時間、細胞の温置後、アルカリ性ホスファターゼの酵素活性を測定することによって決定される。濾過およびフィルターの24ウェルプレートへの移入後、アルカリ性ホスファターゼ活性は、CDP−Star化学発光基材(すぐに使用可能、Roche)を添加することによって決定される。本発明による化合物の、p75NTR受容体の二量化の50%阻害濃度(IC50)は低く、10−6から10−11Mで変動する。
【0111】
式(I)の化合物は、この試験において、IC50値が10−6から10−11Mの範囲である活性を示す。
【0112】
例えば、化合物番号1、3、8、11、27、28、29および53は、それぞれ23.4nM、0.05nM、0.68nM、0.2nM、0.23nM、9.84nM、0.14nM、および2.08nMのIC50値を示した。
【0113】
アポトーシスの測定
細胞(ヒト神経芽細胞腫株SH−SY−5YおよびSK−N−BE Bep75)を、5%のFCSを含有する適切な培養培地中において、35mm直径のペトリ皿(BiocoatコラーゲンI)(10細胞/ウェル)に24時間置く。次いで培養培地を取り出し、細胞をPBS(ダルベッコリン酸緩衝食塩水)ですすぎ、次いで5%FCSを含有する新鮮な培地、またはNGF(10ng/mlの濃度にて)を含有する培地、またはβ−アミロイドペプチド(Aβ1−40)(10μMの濃度にて)のいずれかを添加するが、これは本発明の化合物の存在下または不存在下において行われる。アポトーシスの程度は、SH−SY−5Y株の場合には処理後48時間後、SK−N−BE Bep75株の場合には処理後24時間後において、DNAフラグメント関連細胞質ヒストンを定量化することによって測定する(細胞死検出ELISA,Boehringer Mannheim,ドイツ)。アポトーシスの程度は、オリゴヌクレオソーム/10細胞の量として表現される。各値は、3回の独立した実験にわたって分布した9個の実験ポイントの平均に対応する。
【0114】
式(I)の化合物は、10−6から10−11Mの範囲に及ぶIC50値を有するNGF−誘導アポトーシスにおける阻害活性を有する。例えば、化合物番号1、3、8、11、27、および29は、それぞれ1.33nM、0.067nM、2.24nM、0.21nM、0.088nM、および0.22nMのIC50を示した。
【0115】
したがって、本発明による化合物のp75NTR受容体に対する結合は、一方では生化学レベルにおいて、ニューロトロフィンによってまたは配位子とは独立して誘導される受容体の二量化の阻害に、他方では細胞レベルにおいて、p75NTR受容体によって媒介されるアポトーシス促進性効果の阻害に反映される。
【0116】
したがって、本発明の主題の1つによれば、式(I)の化合物は、この配位子とは独立してp75NTR受容体の二量化における非常に有利な阻害活性を示す。
【0117】
したがって、本発明による化合物は、薬剤、特にp75NTR受容体が関与するいずれかの病理学的状態、より詳細には以降に記載するものを予防または処置するための薬剤の調製に使用できる。
【0118】
本発明による化合物はまた、p75NTR受容体が関与するいずれかの病理学的状態、より詳細には以降に示すものを予防または処置するために使用できる。
【0119】
したがって、本発明の別の態様によれば、本発明の主題は、式(I)の化合物または医薬的に許容される酸との付加塩を含む薬剤である。
【0120】
したがって、本発明による化合物は、ヒトまたは動物において、種々のp75NTR依存性状態、例えば中枢および末梢神経変性疾患、例えば老年痴呆症、てんかん、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、ダウン症候群、プリオン病、健忘症、統合失調症、うつ病、双極性障害、筋委縮性側索硬化症、多発性硬化症;心血管状態、例えば、虚血後の心臓障害、心筋症、心筋梗塞、心不全、心虚血、大脳梗塞;末梢神経障害(糖尿病性、外傷性または医原性由来);視神経および網膜の障害(網膜色素変性、緑内障);網膜虚血;黄斑変性症;脊髄損傷および頭蓋損傷;アテローム性動脈硬化;狭窄症;瘢痕形成障害;脱毛症の処置または予防に使用できる。
【0121】
本発明による化合物はまた、癌、例えば肺癌、甲状腺癌、膵臓癌、前立腺癌、小腸の癌、および大腸癌または乳癌の処置、または腫瘍の処置、転移の処置および白血病の処置において使用できる。
【0122】
本発明による化合物はまた、呼吸器障害、例えば肺炎症、アレルギー、喘息または慢性閉塞性肺疾患の処置に使用できる。
【0123】
本発明による化合物はまた、皮膚疼痛(皮膚、皮下組織および関連器官における)、体性疼痛、内臓痛(循環器、呼吸器、消化器、または泌尿生殖器における)、および神経痛の処置に使用できる。
【0124】
本発明による化合物は、慢性神経因性疼痛および炎症性疼痛の処置において、および自己免疫疾患、例えばリウマチ性関節炎の処置に使用できる。
【0125】
本発明による化合物はまた、強直性脊椎関節炎、乾癬性関節炎、または尋常性乾癬のような疾患の処置に使用できる。
【0126】
本発明による化合物はまた、骨折の処置、または骨粗鬆症のような骨の疾患の処置もしくは予防に使用できる。
【0127】
本発明の別の態様によれば、本発明は、活性成分として本発明による化合物を含む医薬組成物に関する。これらの医薬組成物は、本発明による少なくとも1つの化合物または前記化合物の医薬的に許容される塩の有効用量、およびさらに少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含有する。
【0128】
前記賦形剤は、医薬形態および所望の投与方法にしたがって、当業者に既知の習慣的賦形剤から選択される。
【0129】
経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、外用、局所、気管内、鼻腔内、経皮または直腸投与のための本発明の医薬組成物において、上記式(I)の活性成分またはこれらの塩は、単位投与形態にて、従来の医薬賦形剤との混合物として、上記障害または疾患の予防または処置のために動物または人間に投与できる。
【0130】
適切な単位投与形態には、錠剤、軟または硬ゲルカプセル、散剤、顆粒剤および経口液剤または懸濁液剤などの経口投与の形態、舌下、口腔内、気管内、眼内および鼻腔内投与形態、吸入による投与形態、外用投与形態、非経口、例えば経皮、皮下、筋肉内または静脈内投与形態、直腸投与形態および体内埋め込みが含まれる。外用適用の場合、本発明による化合物は、クリーム、ゲル、軟膏またはローションの状態で使用することができる。
【0131】
例として、錠剤の形態である本発明による化合物の単位投与形態は、次の成分を含んでいてもよい:
本発明による化合物 50.0mg
マンニトール 223.75mg
クロスカラメロースナトリウム 6.0mg
トウモロコシスターチ 15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg
【0132】
1日あたりに投与される活性成分の用量は、1回以上の摂取として0.01から100mg/kg、好ましくは0.02から50mg/kgになってもよい。一般に、本発明による化合物の毎日の用量は、治療効果を生じることができる化合物の最も低い有効用量である。
【0133】
より高いまたは低い投与量が好適な特別な場合もあり得る;こうした投与量は、本発明の内容から逸脱しない。通常の実施によれば、各患者に好適な投与量は、投与方法ならびに前記患者の体重および応答にしたがって医師が決定する。
【0134】
本発明の別の態様によれば、本発明はまた、上記で示される病理学的状態を処置するための方法に関し、これは、本発明による化合物またはこれらの医薬的に許容される塩の有効用量を患者に投与することを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基の形態または酸との付加塩の形態である、式(I)に対応する化合物:
【化1】

(式中:
mは0または1を表し;
Aは:
【化2】

を表し、Bは水素原子を表し、
または
Aは水素原子を表し、Bは:
【化3】

を表し;
Wは:
【化4】

から選択される窒素性複素環であり;
1−3は1、2または3を表し;
nは1または2を表し;
R1は、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、トリフルオロメチルラジカル、(C−C)アルコキシ基またはトリフルオロメトキシラジカルを表し;
R2は、水素原子、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、トリフルオロメチルラジカル、(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメトキシラジカル、COOR基またはCONH基を表し;
R5は次式の基を表し:
【化5】

式中、利用可能な位置のいずれか1つにあるR3およびR4は、独立に、水素原子、ハロゲン原子、(C−C)アルキルもしくは(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチルまたはトリフルオロメトキシラジカル、シアノ、またはCOOH、COOアルキル、CONH、CONR6R7もしくはNHCOR基を表し;
R、R6、R7は、C1−アルキル基を表す。)
【請求項2】
R2が、水素原子、トリフルオロメチルラジカル、COOR基またはCONH基であるような、塩基の形態または酸との付加塩の形態である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R5が、次式の基を表すような、塩基の形態または酸との付加塩の形態である、請求項1または2に記載の化合物;
【化6】

R3またはR4は、独立に、水素原子、ハロゲン、またはトリフルオロメチル、CONH、COOHもしくはNHCOCHラジカルを表す。
【請求項4】
mが1を表し;
Aが:
【化7】

を表し、Bが水素原子を表し;
Wが:
【化8】

から選択される窒素性複素環であり;
nが1または2を表し;
R1が、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、トリフルオロメチルラジカル、(C−C)アルコキシ基またはトリフルオロメトキシラジカルを表し;
R2が、水素原子、ハロゲン原子、(C−C)アルキル基、トリフルオロメチルラジカル、(C−C)アルコキシ基またはトリフルオロメトキシラジカルを表し;
R5が、次式の基を表し:
【化9】

式中、利用可能な位置のいずれか1つにあるR3およびR4は、独立に、水素原子、ハロゲン原子、(C−C)アルキルもしくは(C−C)アルコキシ基、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシもしくはシアノラジカル、またはCOOHもしくはCOOアルキル基を表すような、塩基の形態または酸との付加塩の形態である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Wが
【化10】

から選択される式の基であるような、塩基の形態または酸との付加塩の形態である、請求項1から4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
n=1であるような、塩基の形態または酸との付加塩の形態である、請求項1から5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
R1がハロゲン原子またはトリフルオロメチルラジカルであるような、塩基の形態または酸との付加塩の形態である、請求項1から6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
R2が水素原子またはトリフルオロメチルラジカルであるような、塩基の形態または酸との付加塩の形態である、請求項1から7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
R5が、次式の基を表すような、塩基の形態または酸との付加塩の形態である、請求項1から8のいずれか1項に記載の化合物:
【化11】

(式中、R3およびR4は、独立に、水素もしくはハロゲン原子、またはトリフルオロメチルラジカルを表す。)
【請求項10】
次の化合物から選択される、塩基の形態または酸との付加塩の形態である、請求項1から9のいずれか1項に記載の化合物:
化合物番号1:1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号2:1−[4−(4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−(8−ピリミジン−2−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)エタノン;
化合物番号3:2−(3−ピラジン−2−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号4:2−(8−ピリミジン−2−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号5:1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]エタノン;
化合物番号6:2−(8−ピリジン−2−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号7:1−[4−(4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号8:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号9:2−(8−キノリン−2−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号10:1−[4−(4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[3−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]エタノン;
化合物番号11:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号12:2−[8−(5−ブロモピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号13:1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[5−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル]エタノン;
化合物番号14:1−[4−(4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[5−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル]エタノン;
化合物番号15:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[5−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル]エタノン;
化合物番号16:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−(5−ピリジン−2−イル−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル)エタノン;
化合物番号17:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[5−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル]エタノン;
化合物番号18:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[9−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−3,9−ジアザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル]エタノン;
化合物番号19:2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号20:1−[4−(3−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号21:2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3.8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号22:1−[4−(4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号23:1−[4−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号24:2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−(4−m−トリル−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル)エタノン;
化合物番号25:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(ピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号26:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[3−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル]エタノン;
化合物番号27:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−(8−ピリジン−3−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)エタノン;
化合物番号28:6−(3−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)ニコチン酸メチルエステル;
化合物番号29:6−(3−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)ニコチン酸;
化合物番号30:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(6−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号31:2−[8−(5−クロロピリジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号32:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−(8−キノリン−2−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)エタノン;
化合物番号33:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号34:2−[8−(6−クロロピリジン−3−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号35:1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(3−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号36:6−(3−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)ニコチン酸エチルエステル;
化合物番号37:2−(8−ピラジン−2−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号38:2−(8−ピリミジン−4−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−1−[4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号39:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−(8−ピラジン−2−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)エタノン;
化合物番号40:2−(8−ピラジン−2−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−1−(4−m−トリル−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル)エタノン;
化合物番号41:2−(3−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)ピリミジン−5−カルボン酸メチルエステル;
化合物番号42:2−(3−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)−ピリミジン−5−カルボン酸;
化合物番号43:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−3−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−プロパン−1−オン;
化合物番号44:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[5−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタ−2−イル]エタノン;
化合物番号45:2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[4−(3−メトキシフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号46:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[5−(6−トリフルオロメチルピリダジン−3−イル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル]エタノン;
化合物番号47:2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[3−(3−トリフルオロメチル−4−クロロフェニル)−2,5−ジヒドロピロール−1−イル]エタノン;
化合物番号48:6−(3−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)ニコチンアミド;
化合物番号49:2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[4−(2,3−ジクロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号50:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[8−(6−フルオロピリジン−3−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]エタノン;
化合物番号51:2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[5−(3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号52:2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[3−(3−トリフルオロメチルフェニル)−2,5−ジヒドロピロール−1−イル]エタノン;
化合物番号53:3−(1−{2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]アセチル}−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)安息香酸メチルエステル;
化合物番号54:2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[5−(2−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号55:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−(8−ピリミジン−5−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)エタノン;
化合物番号56:2−[8−(5−フルオロピリミジン−2−イル)−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル]−1−[4−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン;
化合物番号57:1−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−[5−(6−トリフルオロメチルピリダジン−3−イル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタ−2−イル]エタノン;
化合物番号58:N−[6−(3−{2−[4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]−2−オキソエチル}−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−8−イル)ピリジン−3−イル]アセトアミド;
化合物番号59:2−(8−キノリン−3−イル−3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル)−1−[4−(3−トリフルオロメチル−4−クロロフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノン。
【請求項11】
式(II)の化合物を:
【化12】

(式中、A、B、mおよびnは請求項1から10のいずれか1項にて定義され、Halはハロゲン原子を表す。)
一般式(III)の化合物と反応させることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の式(I)の化合物を調製するためのプロセス:
H−W−R5
(III)
(式中、WおよびR5は、請求項1から10のいずれか1項にて定義される。)。
【請求項12】
式(II)の化合物であって:
【化13】

(式中、A、B、mおよびnは請求項1から10のいずれか1項にて定義され、Halはハロゲン原子を表す。)
2−クロロ−1−[4−(2−メトキシフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノンおよび2−クロロ−1−[4−(4−ブロモフェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピリジン−1−イル]エタノンを除く、塩基の形態または酸との付加塩の形態である、化合物。
【請求項13】
請求項1から10のいずれか1項に記載の式(I)の化合物またはこの化合物の医薬的に許容される酸との付加塩を含むことを特徴とする薬剤。
【請求項14】
請求項1から10のいずれか1項に記載の式(I)の化合物または医薬的に許容される塩、およびさらに少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項15】
中枢および末梢神経変性疾患、老年痴呆症、てんかん、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、ダウン症候群、プリオン病、健忘症、統合失調症、うつ病、双極性障害、筋委縮性側索硬化症、多発性硬化症、心血管状態、虚血後の心臓障害、心筋症、心筋梗塞、心不全、心虚血、大脳梗塞;末梢神経障害、視神経および網膜の障害、網膜色素変性、緑内障、網膜虚血、黄斑変性症、脊髄損傷、頭蓋損傷、アテローム性動脈硬化;狭窄症、瘢痕形成障害、脱毛症、癌、腫瘍、転移、白血病、呼吸器障害、肺炎症、アレルギー、喘息、慢性閉塞性肺疾患、皮膚疼痛、体性疼痛、内臓痛および神経痛、慢性神経因性疼痛および炎症性疼痛、自己免疫疾患、リウマチ性関節炎、強直性脊椎関節炎、乾癬性関節炎、尋常性乾癬、骨折、骨の疾患および骨粗鬆症の予防または処置に使用するための薬剤の調製のための、請求項1から10のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
配位子とは独立にp75NTR受容体の二量化を阻害する能力を有する、請求項15に記載の化合物。

【公表番号】特表2011−522869(P2011−522869A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513038(P2011−513038)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【国際出願番号】PCT/FR2009/051118
【国際公開番号】WO2009/150388
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】