説明

1個以上のカセットを備える流体処理装置

本発明は、流体が処理されながら中を流れる流体処理装置に関する。流体処理装置は、ケーシングと、ケーシングの一部以上を形成するよう配される外側ハウジング及び流通路を各々備える1以上のカセットとを備える。1以上のカセットは、1以上の流体相互作用部材を備えるか又は1以上の流体相互作用部材を受入れる。流体処理装置は、流体による圧力損失をせめて部分的に克服する為の全圧増加手段を備え、全圧増加手段及び1以上の流体相互作用部材の1以上がケーシングによりカプセル化される。本発明は、2以上のカセットが流体処理装置の一部以上を形成する為に結合された時、ケーシングの一部以上を形成するよう配される外側ハウジングを備えるカセットに関し、カセットは流通路を備え、1以上の流体相互作用部材を備えるか又は受入れる。本発明は、流体と相互作用部材との間に相互作用を生む為の方法に関し、方法は上記流体処理装置への流体の供給を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1個のカセットが少なくとも1個の流体相互作用部材を備える1個以上のカセットを含む流体処理(processing)装置に、詳細には、装置内を流れる流体による圧力損失を少なくとも部分的に克服するための全圧増加手段を備える流体処理(processing)装置に関する。本発明はさらに、流体と流体相互作用部材との間に相互作用をもたらす方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流体は多くの方法で処理される。例えば、流体は、紫外線の形で電磁放射に曝露される、および/または1つ以上の添加物が流体に添加される。従来、そのような処理を実行するためのシステムは、ポンプ、混合装置などといった多数の独立型装置から構築され、これらの独立型装置はパイプ、フランジなどによって互いに接続されている。
【0003】
一般に、そのような各々の接続は、例えば、流れの断面の変化による圧力の損失を示す。接続部はさらに、例えば、配管と独立型装置が互いに接続されている場合に、シーリングの問題にさらされ得る。
【0004】
さらに、多数の独立型装置から構築された流体処理(processing)装置は度々、単一の独立型装置が所定の要求を満たさないという欠点を抱える。例えば、各装置の容量が過度に小さいか、または、過度に大きいかのいずれかのために2個以上の装置が使用され得る。両方の場合とも、結果は度々、装置の容量が要求を外れることになり、低いエネルギー効率をもたらす。
【0005】
特許文献1は、流体が第2の流体と熱を交換する間に第1の流体を物質と混合するためのシステムを開示している。特許文献1に開示された発明は、第1の流体がプレートに設けられた流路内を流れ、流路が曲がっているか、または湾曲している場所で物質の添加が行われるという点で特徴づけられる。流路はプレートと同じ幾何学平面に配置された入口および出口に接続されている。しかし、特許文献1の装置全体の流れはシステムの外部に配置された圧力手段によってもたらされ、それによって配管およびフランジがシステムとポンプとを接続するために必要とされる。
【0006】
例えば、特許文献2および特許文献3において開示されているように何らかのモジュラー性を付与するいくつかの試みがなされてきたが、これらの試みは、加圧機能または、例えば、濾過またはUV放射といった加圧とは異なる流体相互作用機能のどちらかを有するモジュールに限定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2007/05013号
【特許文献2】米国特許第4025225号明細書
【特許文献3】欧州特許第1231384号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、本発明の目的は好ましくは、上述の問題の一部または全てを少なくとも軽減しようと努める流体処理(processing)装置を提供することであるとしてよい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は第1の態様において、処理されながら流体がその中を流れることができる流体処理(processing)装置に関連しており、流体処理(processing)装置は好ましくは、
ケーシングと、
外側ハウジングがケーシングの少なくとも一部を形成するように配置されている外側ハウジングを各々が備え、かつ、カセットを通る流通路を各々が備える、1個以上のカセットを有しており、
カセットのうちの少なくとも1個のカセットは、少なくとも1個の流体相互作用部材を備えるか、または、少なくとも1個の流体相互作用部材を受け入れるように適応されており、
流体処理(processing)装置は、装置内を流れる流体による圧力損失を少なくとも部分的に克服するための全圧増加手段を備えており、全圧増加手段および、1個以上の流体相互作用部材の1個、複数または全てはケーシングによってカプセル化されている。
【0010】
本発明によるカセットは好ましくは、全圧増加手段および少なくとも1個の流体相互作用部材を備える。それによって、カセットは、全圧増加手段が適切に選定された場合にいかなる付加的な手段もカセット中に流体を圧送するために必要とされないので、多くの場合、流体処理(processing)装置としてみなすことができる。これは所定の流体処理(processing)装置の設計を極めて容易にする。
【0011】
このように、本発明は、全圧増加手段および流体相互作用部材をカプセル化するケーシングを備える。流体相互作用部材はケーシングの外部に拡張する部分を備え得ることに言及しなければならない。しかし、そのような部分は一般に、流体と実際に相互作用する流体相互作用部材の部分のためのハンドル、キャリヤ、接続部または類似物としてみなされる。例えば、センサがケーシングの外部に拡張しているハンドルに配置されることができ、および、センサはケーシング、ケーシングの内部に配置されている1個以上の出口のあるノズル、または、例えばケーシングの外部に拡張するハンドルの内部に配置される。本発明の説明は1つの流体の処理に注目しているが、本発明は複数の流体の処理に良好に適する。
【0012】
本発明による処理(processing)装置を利用することによって、そのような装置内を流れる流体の状態は、流入状態と呼ばれる第1の状態から、出口状態と呼ばれる第2の状態に変化する。状態の変化は流体の処理の結果であり、その処理は1個以上の流体相互作用部材と相互作用する流体によってもたらされる。一部の好ましい実施形態において、流体の唯一の処理は、流体に対し実行される1以上の測定であり、そのような場合に状態の変化は検出できないほど小さいかもしれない。
【0013】
本発明によれば、流体処理(processing)装置は、1個以上の流体相互作用部材および全圧増加手段がその内部に配置された容器状の構造として好ましくはみなされ得るケーシングを有する。それによって、処理(processing)装置を提供するために独立型装置をパイプによって接続する必要性が回避され、所定の処理要求を満たす十分な可能性を提供するコンパクトな装置が提供され得る。
【0014】
一般に、装置を通る流体および流れの状態の変化は、例えば、流体相互作用部材のごく近傍で流れ、かつ/または物質との流体の混合をもたらすために流体を導くように特殊に設計された流れの経路(flow path)による圧力損失をもたらす。一般に、1個以上のインペラを含む全圧増加手段によって好ましくは加圧され、流体相互作用部材は好ましくは圧力変化とは異なる状態の変化をもたらすが、一般に、そして好ましくは、流体の状態の変化は、例えば流体の組成の変化および/または流体の熱力学的状態の変化を含むように幅広く解釈しなければならない。全圧増加手段は、流体相互作用部材と相互作用しているか、または流体相互作用部材と相互作用するように誘導されている流体に起因する少なくとも圧力損失、および/または例えば混合といった相互作用による圧力損失を克服するために一般に使用される。
【0015】
このように、既知の流体処理装置の多くが、多数の独立型装置をパイプによって接続されることによって組立てられるのに対し、本発明は、多数のカセットによる耐圧ケーシング(pressure carrying casing)を好ましくは備えるように設計されており、それによって装置はよりコンパクトで効率的になり得る。装置の効率はさらに、流体処理(processing)装置を多数の独立型装置から構築するよりもよりいっそう正確に所定の要求が適えられるようにカセットの数を選定した時に増大し得る。
【0016】
本願明細書において、多数の用語が使用されている。これらの用語は当業者には普通の様態で使用されるが、これらの用語の一部に関して以下で簡単な解説を提示する。
【0017】
「カセット」は、流体相互作用部材を収めているか、あるいは、流体相互作用部材受け入れるように適応されているか、または両方のいずれかである部材を意味するために好ましくは使用される。カセットは一般に、ケーシングの少なくとも一部、1個以上の入口および1個以上の出口を形成するために配置された外側ハウジングを備える。外側ハウジングは好ましくは、カセットの内部と外部との間の圧力差に耐えるために、いかなる付加的なケーシングも必要ではないという意味において耐圧であるとしてよい。さらに、外側ハウジングは一般に、そして好ましくは、カセットを通る流通路の画成に寄与する。カセットは、入口から出口までカセットを通る流通路を備えるように造形される。カセットの入口および出口は、流体がカセットに流入し、かつ、流出し得るカセットの開口部であり、好ましくは2個のカセットが結合された時に一方のカセットの出口が他方のカセットの入口に直接接続され、そしてその逆も同様であるように設けられている。「直接接続される」は好ましくは、出口から流出する流体の速度、および圧力が入口に流入する流体の速度、および圧力と同じである状況を意味するために使用され、例えば、出口および入口の間にいかなる中間配管も備えずに出口および入口を互いに接続することによってもたらされ得る。さらに、2個以上のカセットが結合された時に、カセットの外側ハウジングは好ましくは処理(processing)装置の耐圧ケーシングの少なくとも一部を形成するように結合される。さらに、カセットが度々カセット内を流れる流体による圧力損失を克服する全圧増加手段を備えるので、組立てられた装置は度々、それが操作する工程に対し圧力中立(pressure neutral)であるとしてよい。その上、全圧増加手段がカセットに存在する場合、カセットは好ましくは、カセットを通る少なくとも1つの流体の流れが圧力中立であるか、またはカセット内を流れる問題の流体の圧力が増大しさえするように設計される。
【0018】
「結合」は好ましくは、カセットが互いに流体連通している構成を意味するために使用される。一般に、そして好ましくは、カセットは流れに関する方向で連続するカセットの積み重ねで結合される。
【0019】
「流通路(flow passage)」は好ましくは、流体がカセットの内部でその中を流れる1つ以上の流路(channel)といった空間を意味するために使用される。流体は入口を介してカセットに入り、出口を介してカセットを出る。
【0020】
「流体相互作用部材」は好ましくは、流体の処理をもたらすためにカセット内を流れる流体と相互作用するように適応された部材を意味するために使用される。一部の実施形態において、相互作用は主に流体の変化をもたらすのに対し、他の実施形態において、相互作用は主に流体相互作用部材の変化をもたらす。相互作用の第1の形式の例は水のUV処理である。すなわち、その流体相互作用部材は例えばUVランプである。第1の形式のさらなる例は、流体への1つ以上の物質の添加である。すなわち、その流体相互作用部材は、例えばノズルといった分注装置である。相互作用の第2の形式の例は、流体のpH値の測定である。すなわち、その流体相互作用部材はpHメータである。さらに他の応用において、流体および流体相互作用部材の両方の変化が相互作用の結果として起こり得る。一例は、流体と第2の流体を備える熱交換器との間の熱交換とすることができ、この例では熱交換器が流体相互作用部材であるとみなされる。これらの形式の相互作用は単一の装置において結合されてもよい。流体相互作用部材のさらなる例は、流体と例えば化学物質との間の混合または2つ以上の流体間での混合が行われる混合室である。
【0021】
「相互作用誘導区域」は好ましくは、流体相互作用部材と流体との間の相互作用が開始される流通路の一部を意味するために使用される。処理は、相互作用が開始された区域の上流および下流の両方で継続し得る。例えば、相互作用がノズルによる1つ以上の物質の流体への添加である場合、ノズルの出口は一般に相互作用誘導区域と呼ばれ、混合、化学反応などの形で継続した相互作用は一般に、ノズル出口の下流で継続する。別の例において、相互作用は流体を電磁放射に曝露することであり、この場合、相互作用誘導区域は一般に電磁放射源と流体との間のインタフェースである。相互作用は一般に、このインタフェースの上流および下流の両方に広がり得る。さらに、相互作用は、例えば2つ以上の電磁放射源間での流体内部での例えば干渉の結果であり得る。そのような場合、誘導線源は上流および下流の両方に向けられ得るが、相互作用誘導区域もまた、線源と流体との間のインタフェースであるとみなされる。
【0022】
「相互作用誘導通路」は好ましくは、流体相互作用部材が配置された流通路の一部および/または流体を流体相互作用部材に向けて導くように設計された通路を意味するために使用される。一部の好ましい実施形態において、相互作用誘導通路は相互作用誘導区域を備える。通路の寸法および形状は好ましくは、流体相互作用部材と流体との間の相互作用が実際の用途に十分であることが確実であるようなものでなければならない。
【0023】
「流体」は、少なくとも液体、気体、流動媒体またはそれらの組合せを意味するために使用される。
【0024】
「ケーシング」は好ましくは、ケーシングに設けられた1個以上の入口および出口を介して流体が処理装置から流出/流入することができるようにその壁が流体を処理(processing)装置に閉じ込める流体処理(processing)装置の壁を意味するために使用される。このように、それによってケーシングは装置の密封カプセル化を形成する。ケーシングは好ましくは多数の壁部材を備える。ケーシングの少なくとも一部は、好ましくは装置の流通路の一部を構成し得る。
【0025】
「全圧増加手段」は好ましくは、流体の全圧(よどみ点圧力)を増大させる部材を意味するために使用される。全圧増加手段は好ましくはインペラといった速度インデューサであるか、またはそれを備える。
【0026】
「速度インデューサ」は好ましくは、その方向および/または全圧が変更されるように速度を流体に誘導する部材を意味するために使用される。流体速度インデューサは好ましくはインペラである。
【0027】
「入口/出口」は好ましくは、流体がカセットまたは装置といった部材に流入または流出する断面または領域を意味するために使用される。入口/出口は好ましくは、パイプ、流路などの端断面または領域であるとしてよい。また、入口および出口は好ましくは、流体がその制御量が問題となっている部材を包囲する部材に流入/部材から流出する制御量の断面としてもみなされ得る。
【0028】
本発明の好ましい態様によれば、カセットは、流体への1つ以上の物質の添加、電磁放射への流体の曝露、流体との熱の交換および/または流体の1つ以上の特性の測定といった1つ以上の工程を実行するために構成され得る、かつ/または再構成され得るという意味において構成可能であるとしてよい。
【0029】
多くの好ましい実施形態において、流体処理(processing)装置は、好ましくは1個以上のカセットを備え得る。好ましくは、カセットは、流体処理(processing)装置または少なくともその一部を形成するために積み重ね可能といったように結合可能であるとしてよい。
【0030】
好ましくは、カセットのうちの少なくとも1個は、少なくとも1個の流体相互作用部材部材および全圧増加手段を備える。そのようなカセットはとりわけ、カセットがカセットの中を通って流体を圧送するための全圧増加手段および所定の処理(treatment)を付与するために選定された流体相互作用部材部材を備えるという利点を有する。これによってカセットは、構成されているものとして、例えば「プラグアンドプレイ(plug and play)」カセットとしてみなされ得る。
【0031】
装置が1個以上のカセットを備える好ましい実施形態において、カセットは好ましくは結合可能であるとしてよく、それによって流体処理(processing)装置は多数の結合カセットを備える。さらに、カセットのうちの1個以上は各々、好ましくは、少なくとも1個の流体相互作用部材および全圧増加手段を備え得る。
【0032】
好ましくは、カセットのうちの1個以上は流通路に相互作用誘導通路を備え得る。
【0033】
好ましくは、ケーシングは耐圧であるとしてよい。
【0034】
本発明による装置の好ましい実施形態はさらに、1個以上のカセットの下流に配置された出口部材および/または1個以上のカセットの上流に配置されている入口部材を備えるとしてよく、出口部材および/または入口部材の外面は好ましくは、外側ハウジングが処理(processing)装置のケーシングの少なくとも一部を形成するように配置されている外側ハウジングを備え得る。全圧増加手段またはそれらのうちの少なくとも一部は好ましくは、入口部材および/または出口部材に配置され得る。
【0035】
流体処理(processing)装置の好ましい実施形態において、1個以上のカセットは好ましくは共通シャフトに沿って配置され得る。
【0036】
本発明による流体処理(processing)装置の好ましい実施形態において、流体処理(processing)装置は好ましくは、インペラの形の多数の全圧増加手段を備えるとしてよく、インペラの一部または全ては共通軸によって回転させられ得る。好ましくは、インペラの一部または全てはカセットに配置され得る。
【0037】
流体処理(processing)装置の好ましい実施形態での全てのカセットの外部形状は好ましくは等しいとしてよい。代替として、またはそれと組合せて、1個以上のカセットの外側ハウジングの断面は一方向に沿って一定であるとしてよい。
【0038】
好ましくは、カセットのうちの1個以上の外側ハウジングは、好ましくはケーシングの外面の少なくとも一部を形成し得る。代替として、またはそれと組合せて、外側ハウジングは好ましくはケーシングの内面に当接し得る。
【0039】
好ましくは、カセットのうちの1個以上は全圧増加手段を備え得る。
【0040】
好ましくは、カセットのうちの1個以上は、1つ以上の化学的単一操作を実行するように適応された1個以上の流体相互作用部材を備え得る。
【0041】
好ましくは、カセットのうちの1個以上は、流体相互作用部材を収容するように適応されたソケットを備え得る。
【0042】
好ましくは、カセットのうちの1個以上は、流通路の少なくとも一部において三次元の流れを維持および/または付与するように適応され得る。
【0043】
カセットのうちの1個以上は好ましくは、流体がカセットに流れ込む入口および流体がカセットから流れ出る出口を備えるとしてよく、入口および出口は流通路に接続されている。
【0044】
カセットのうちの1個以上は好ましくは、速度インデューサを受け入れるように適応されているか、または備えるとしてよく、速度インデューサは好ましくは流通路の少なくとも一部を構成する。速度インデューサが流通路の少なくとも一部を構成する場合、相互作用誘導通路が、好ましくはカセットにおいて速度インデューサの上流または下流に配置され得る。速度インデューサは好ましくは、ある一速度で流体を受け入れ、より高速度で流体を送出するように適応され得る。さらに、速度インデューサは好ましくはカセット内に流体を圧送するように適応され得る。代替として、またはそれと組合せて、速度インデューサは好ましくは、一方向で流体を受け入れ、別の方向に流体を送出するように適応され得る。
【0045】
好ましい実施形態において、流体処理(processing)装置は好ましくは、少なくとも3個といったように、少なくとも2個の、好ましくは少なくとも4個の相互作用誘導通路を備え得る。さらに好ましい実施形態において、相互作用誘導通路のうちの少なくとも2個は好ましくは、互いに同一といったように類似であるとしてよい。代替として、またはそれと組合せて、全ての相互作用誘導通路は同一であるとしてよい。
【0046】
カセットのうちの1個以上は好ましくは、流通路に備えられた少なくとも1個の相互作用誘導通路を備え得る。ソケットは好ましくは、流体相互作用部材がソケットに存在する時に、相互作用誘導通路を流れる流体が流体相互作用部材と相互作用するように、相互作用誘導通路に拡張し得る。好ましくは、流通路の1個以上は、流体が第1の空洞から相互作用誘導通路を通り第2の空洞に流れるように第1および第2の空洞を接続する相互作用誘導通路によって流体連通している第1および第2の空洞を好ましくは備え得る。好ましくは、インペラといった速度インデューサが第1の空洞の上流に配置され得る。
【0047】
好ましくは、相互作用誘導通路の形状は相互作用誘導通路を通る流体の加速をもたらし得る。
【0048】
好ましくは、第1および第2の空洞は、流体が第1の空洞から相互作用誘導通路を通り第2の空洞に流れるしかないように配置され得る。
【0049】
好ましい実施形態において、カセットのうちの1個以上は、流体相互作用部材の下流の位置から流体相互作用部材の上流の位置に、流体の少なくとも一部を再循環させるために閉鎖可能な再循環流路を備え得る。
【0050】
好ましくは、1個以上の流体相互作用部材がソケットに配置され得る。
【0051】
カセットのうちの1個以上の外側ハウジングは耐圧であるように適応され得る。
【0052】
カセットのうちの1個以上は好ましくは、カセット内を流れる流体を攪拌するための手段を備え得る。
【0053】
好ましい実施形態において、カセットのうちの1個以上は好ましくは、カセットの流入から流出まで及ぶ方向として定義されるカセット内の流れの方向に垂直に配置された壁部材を備え得る。壁部材は好ましくは、流体がカセット内部でカセットの中を流れる1個以上の貫通部(penetration)を備える。これらの方向は好ましくは、流入および流出が流体処理(treatment)装置の縦軸のまわりで生じる実施形態を参照させる。代替実施形態において、流入および/または流出は流体処理(treatment)装置の縦軸に関してずらされているが、壁部材の向きは好ましくはやはり流体処理(treatment)装置の縦軸に垂直である。
【0054】
ケーシングまたはその少なくとも一部は好ましくは断熱され得る。代替として、またはそれと組合せて、ケーシングまたはその少なくとも一部は好ましくは冷却および/または加熱ジャケットを備え得る。
【0055】
本発明による流体処理装置は好ましくは、処理(processing)装置から漏れる流体を回収するための流体コレクタを備え得る。
【0056】
カセットのうちの少なくとも1個は、好ましくは異なる材料で作られ得る。代替として、またはそれと組合せて、カセットのうちの少なくとも1個は単一の材料で作られ得る。一部の好ましい実施形態において、全てのカセットは各々、異なる材料で作られ得る。カセットの材料は好ましくは、金属、複合材料、被覆材料、プラスチック、セラミックスまたはそれらの組合せから選定され得る。
【0057】
本発明による処理(processing)装置は好ましくは、処理(processing)装置に入る、および/またはそこから出る流れを制御するために配置された1個以上のバルブを備え得る。
【0058】
好ましい実施形態において、装置は縦方向拡張部を有するとしてよく、流体処理(processing)装置は好ましくは縦方向に垂直な方向でカセットを固定するための手段を備え得る。縦方向に垂直な方向での圧力は好ましくは、液体気密シーリング(fluid tight sealing)を付与するOリングによって平衡にされ得る。
【0059】
装置が縦方向拡張部を有する場合、装置は好ましくは縦方向拡張部の方向に延びるステーボルトの形でステーを好ましくは備えるとしてよく、ステーは縦方向で装置の圧力を平衡させるために配置されている。
【0060】
本発明による装置は好ましくは、流体処理(processing)装置の内部の全圧増加手段および/または速度インデューサといったエネルギー要求手段にエネルギーを供給するためのエネルギー源を備え得る。好ましくは、エネルギー源は電気駆動モータを含むとしてよい。
【0061】
本発明の好ましい実施形態による装置は、装置のカセットの全てといったように2個以上を貫いて延びるシャフトを備え得る。そのようなシャフトは好ましくは装置の外部に延びているとしてよく、好ましくは装置の外部に配置された電気駆動モータであるモータに好ましくは接続され得る。
【0062】
流体相互作用部材のうちの1個、一部または全ては好ましくは、紫外線源といった電磁放射源を備え得る。代替として、またはそれと組合せて、流体相互作用部材のうちの1個、一部または全ては1個以上のノズルを備え得る。さらに、流体相互作用部材のうちの1個、一部または全ては、代替として、またはそれと組合せて、流体を濾過するための1つ以上のフィルタ表面、触媒工程を付与するための1つ以上の触媒表面、1つ以上の熱交換表面、1つ以上の吸収表面、1つ以上の凝集表面、1つ以上の剥離表面、1つ以上の乾燥表面、生物学的培養(biological growth)を保持するための1つ以上の表面、結晶化のための1つ以上の表面、イオン交換のための1つ以上の表面、1つ以上の膜表面またはそれらの組合せといった、1つ以上のプロセス活性表面を備え得る。なおさらなる好ましい実施形態において、流体相互作用部材のうちの1個、一部または全ては、代替として、またはそれと組合せて、電気分解工程、電気透析工程、電気脱イオン工程またはそれらの組合せを実行するために、電磁界を確立するための表面を備え得る。さらに、または代替として、流体相互作用部材のうちの1個、一部または全ては好ましくは、電磁放射、紫外線放射、放射性放射(radioactive radiation)、超音波、マイクロ波、レーザー放射またはそれらの組合せといった放射に流体を曝露するための手段を備え得る。
【0063】
上記と組合せて、または代替として、流体相互作用部材のうちの1個、一部または全ては好ましくは、分離機、遠心分離機、ミリングのための手段、均質化のための手段、デカンタ、例えば微粒子、イオン交換物質を輸送するための輸送装置、混合機またはそれらの組合せを備え得る。
【0064】
なお、さらなる実施形態において、流体相互作用部材うちの1個、一部または全ては好ましくは、代替として、または上記と組み合わせて、分注手段、大気、酸素、オゾン、塩素といった気体の脱ガス、蒸留、曝気のための手段、蒸発のための手段、例えば真空蒸留といった圧力を減じるための手段、蒸気処理のための手段またはそれらの組合せを備え得る。
【0065】
本発明による流体処理(processing)装置は好ましくは、空洞において、流体に所定の保持時間を付与するように適応された1個以上の部材を備え得る。
【0066】
本発明による流体処理(processing)装置は好ましくは、生物学的工程、化学工程、燃料電池工程またはそれらの組合せを実行するための反応装置を備え得る。
【0067】
流体相互作用部材のうちの1個、一部または全ては好ましくは、電気ヒータといった熱源を備え得る。
【0068】
本発明による装置は好ましくは装置内部でインペラといった部材を回転させるための手段を備え得る。好ましくは、部材を回転させるための手段は、1個以上のギヤを備え得る。代替として、またはそれと組合せて、部材を回転させるための手段は好ましくは、機械結合手段、電磁結合手段、粘性摩擦結合手段、電磁誘導結合(inductive coupling)手段またはそれらの組合せといった1個以上の結合手段を備え得る。好ましくは、部材は電気モータまたは発電機の一部である。
【0069】
本発明による処理(processing)装置の好ましい実施形態は好ましくは、ケーシングによってカプセル化されたタービンを備え得る。代替として、またはそれと組合せて、処理装置は好ましくは、ケーシングによってカプセル化された容積式(displacement)ポンプを備え得る。
【0070】
ソケットを備える実施形態において、ソケットのうちの1個以上は好ましくは、流体相互作用部材が可逆的にソケットから取り外され、またそれらに挿入され得るように解放可能な様式で1個以上の流体相互作用部材を収容するように適応され得る。
【0071】
好ましい実施形態によるカセットは好ましくは積み重ね可能であるとしてよい。
【0072】
流体相互作用部材のうちの1個、一部または全ては、代替として、または上記の流体相互作用部材と組合せて、圧力センサ、温度センサ、流体速度センサ、質量流量センサ、体積流量センサ、pHセンサ、伝導率センサ、有機含有量センサ、静電容量センサ、濁度センサ、放射センサ、分光センサまたはそれらの組合せを好ましくは備え得る。
【0073】
流体処理(processing)装置の好ましい実施形態において、装置は好ましくは個々に異なる流体相互作用部材を備えた複数のカセットを備え得る。
【0074】
第2の態様において、本発明は、少なくとも2個のカセットが流体処理(processing)装置の少なくとも一部を形成するために結合された時に、外側ハウジングが流体処理(processing)装置のケーシングの少なくとも一部を形成するように配置されている外側ハウジングを好ましくは備えるカセットに関連しており、カセットはさらにカセットを通る流通路を備えており、カセットはさらに少なくとも1個の流体相互作用部材を備えるか、または受け入れるように適応されている。
【0075】
本発明の第2の態様によるカセットは、本発明の第1の態様に関して開示された特徴の1つ以上を備え得る。
【0076】
全圧増加手段は、好ましい実施形態において、装置内を流れる流体の全圧を増大させるように適応されるとしてよく、それにより装置を出る流体は流体が装置に流れ込む時よりも高い全圧を有する。
【0077】
第3の態様において、本発明は流体と相互作用部材との間に相互作用をもたらすための方法に関連し、方法は本発明の第1の態様による流体処理(processing)装置に流体を供給することを含む。
【0078】
本発明およびその特に好ましい実施形態をここで添付図面と関連づけてより詳細に開示する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】流入側から見たカセットの第1の実施形態の立体図である。
【図2】図1に示された実施形態の線A−Aに沿った断面図を概略的に示す。
【図3】流体を電磁放射に曝露するための3個のカセットの積み重ねの好ましい実施形態を示す。装置は図1に示された3個のカセットの積み重ねを含み、図3aは流入側からカセットの積み重ねを示し、図3bは流出側からカセットの積み重ねを示す。
【図4】図3に開示された流体処理(processing)装置の線A−Aに沿った縦断面図を概略的に示す。
【図5】図4に示された実施形態の線B−Bに沿って得られる横断面図である。
【図6】流体相互作用部材が半径方向に配置されている本発明によるカセットのさらなる好ましい実施形態を概略的に示す。
【図7】相互作用誘導通路が壁部材に設けられた貫通部である本発明によるカセットの2つのさらなる好ましい実施形態を概略的に示す。
【図8】本発明によるカセットの実施形態における流通路を概略的に示す。
【図9】本発明によるカセットの別の実施形態における流通路を概略的に示す。
【図10】本発明による処理(processing)装置のカセットの立体図である。カセットはカセット内を流れる流体に1つ以上の物質を分注するように適応されている。
【図11】図10の線A−Aに沿った図10に示されたカセットの断面である。
【図12】図10に示されたカセットの分注装置の形状の流体相互作用部材である。
【図13】本発明による処理(processing)装置を概略的に示す。装置は、5個のカセット、入口部材、出口部材および、処理(processing)装置に配置されたインペラを回転させるためのモータを備える。
【図14】本発明による処理(processing)装置の縦断面を概略的に示す。装置は、6個のカセット、入口部材、出口部材および、処理(processing)装置に配置されたインペラを回転させるためのモータを備える。図14は特に、図13に示される装置を組立てる実施形態を示す。流通路と同様に流体相互作用部材は図示されていない。
【図15】カセットの外側ハウジングの一部にねじが設けられることによって組立てられた本発明による3個のカセットの縦断面を概略的に示す。
【図16】本発明による処理(processing)装置を概略的に示す。装置は、各種の外部形状を備えた5個のカセット、入口部材、出口部材および、処理(processing)装置に配置されたインペラを回転させるためのモータを備える。
【図17】5個のカセット、入口部材、出口部材、処理(processing)装置に配置されたインペラ(図示せず)を回転させるためのモータを備える本発明による処理(processing)装置の縦断面を概略的に示す。流通路と同様に流体相互作用部材は図示されていない。
【図18】圧力増加ステップをさらに備える図13の実施形態の一部である。
【図19a】例えばスラッジから水を分離するためのデカンタを備えるカセットの好ましい実施形態を示す。図19aはカセットの立体図である。
【図19b】図19aの線A−Aに沿った断面図である。
【図20】カセットの好ましい実施形態を概略的に示す。図20aはカセットを部分分解図であり、図20bはカセットの半径に沿って得られる断面図の一部分である。
【図21】カセット内を流れる流体に対し測定を実行するように適応されたカセットの好ましい実施形態を概略的に示す。図21はカセットの立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
図1は、流体処理(processing)装置のカセット1の第1の実施形態を示す。図1において、カセット1は流入側から示されている。本願明細書において、「流入側」は主に流入方向の上流に面する側を言い、「流出側」は主に流出方向の下流に面する側を言う。図2は図1の線A−Aに沿った断面図を示す。カセット1は半径方向の広がりが部材1の高さよりも著しく大きい円形形状の部材として示されているが、多くの他の形状が本発明の範囲内で可能であることに言及しなければならない。
【0081】
カセット1は、円筒形形状の壁の形態の円筒形外側ハウジング2および、カセット1の内部で2つの空洞4aおよび4bを共通に画成する壁部材3を備える。図2に示された実施形態において、1つの空洞4aは壁部材3の上方に位置し、1つの空洞4bは壁部材3の下方に位置する。
【0082】
カセット1はさらに、流体が空洞4aから相互作用誘導通路5を通り空洞4bに流れることができるように2つの空洞4aおよび4bを互いに接続する相互作用誘導通路5を備える。図示された実施形態において、外側ハウジング2、壁部材3および相互作用誘導通路5は流体のための流通路を画成し、それにより流体は相互作用誘導通路5を介して空洞4aから空洞4bへただ流れるしかない。
【0083】
図2に示された相互作用誘導通路は、矩形形状の入口5aおよび出口5bを有する。入口5aおよび出口5bは図2に点線で示されている。
【0084】
図2の流れの方向で相互作用誘導通路5は入口5aから出口5bに及ぶものとして示されているが、これは必ずしもそうであるとは限らない。一般に、相互作用誘導通路5は、流体相互作用部材が配置された流通路、それによって流体相互作用が誘導される通路として定義され得る。実際の相互作用は通路の上流および下流の両方で継続し得る。
【0085】
流体は、図1の実施形態においてモータに接続されたシャフト7によって回転するインペラ6である(インペラは図1ではなく図2に示されている)流体速度インデューサの影響を受けてカセット1内を流れる。インペラ6の羽根を覆うとともに入口からインペラに向けて流体を誘導する各種シールドばかりでなく、空洞4a、4bを覆うカバーも、カセット1、特に相互作用誘導通路5の内部を見えるようにするために図1および2には図示されていないが、代わりにさらなる詳細が例えば図4に提示されている。このように、図1および2に示されたカセット1内を流れる流体は、インペラ6を通り、空洞4aを通り、相互作用誘導通路5を通り、空洞4bを通り、カセット1から流れ出る。
【0086】
中心配置ボア53が壁部材に配置され、カセットを貫き多数の連続して配置されたカセットに延びるシャフト7にスペースを与えるとしてよい。中心配置ボア53は、インペラ6を支持するとともに流体がボアを流れるのを回避するためにボアをシールするために、図4において53aと表示された部材によって覆ってもよい。
【0087】
インペラ6はカセット1中に流体を圧送するために使用される。さらに、インペラ6は、インペラ6を持たない1個以上の付加的なカセット中に流体を圧送するために使用され得る。流体は、シャフト7に平行な方向でインペラ6に流入し、主にこの方向に垂直な方向でインペラ6から出る。流体は、流体が半径方向速度だけでなく接線速度成分を有することを意味する回転の様式でインペラ6から出る。
【0088】
このように、カセット1は流体がカセット1内を流れる流通路を備える。図1に示された実施形態において、流通路は、インペラ6を通る流れの経路、空洞4aを通る流れの経路、相互作用誘導通路5を通る流れの経路、および空洞4bを通る流れの経路を備える。
【0089】
カセットの代替実施形態(図示せず)では、インペラの代わりに流体ガイドが存在する。そのような流体ガイドは一般に、流体の流れを外側ハウジングに平行な方向からこの方向に垂直な方向に、そして相互作用誘導通路に向けて転じる1個以上のガイドブレードよりなる。流体ガイドは流体に接線成分を誘導し得る。
【0090】
カセット1はさらに、図1に示された実施形態において相互作用誘導通路5からカセット1の外部に拡張している流路を備えるソケット8を含む。前記外部は図1に示された実施形態においてハウジング2の外側である。ソケット8は、例えば流体を紫外線に曝露するためのUVランプ、相互作用誘導通路5内を流れる流体に1つ以上の物質を分注する(dose)ためのノズルおよび/または他の形式の処理ソースであるとしてよい流体相互作用部材を受け入れるように適応されているか、またはそれを備える。ソケット8は処理ソースを固定するための固定具(図示せず)を備えてもよいが、そのような固定は他の手段によって提供することができ、必ずしもソケット8の一部ではない。
【0091】
ソケット8は、生じる相互作用の形式に応じて相互作用誘導通路5から液気密に(fluid-tightly)シールしてもよいし、しなくてもよい。例えば、生じる相互作用が流体を紫外線に曝露することである場合、ソケット8は好ましくは紫外線透過性チューブとして形成され、その内部は、相互作用誘導通路5および、チューブの内部に配置された紫外線源から液気密にシールされる。そのような実施形態は以下でより詳細に開示される。生じる相互作用がノズルによって流体に1つ以上の物質を分注することである場合、ソケット8は相互作用誘導通路5に通じる流路であるとしてよく、ノズルは相互作用誘導通路5内を流れる流体に物質を分注するためにソケット8に配置され得る。ソケット8および対応する流体相互作用部材は好ましくは、流体が相互作用誘導通路5からソケット8を通り外部に流れることができないように造形される。これは例えば、ソケット8の外部端に配置されるエンドキャップ(end cap)(図示せず)によってもたらされ得る。
【0092】
カセット1は複数のソケット8を備えてもよい。例えば、一方のソケットは相互作用誘導通路からシールされたチューブとすることができ、他方のソケットは相互作用誘導通路に通じる流路とすることができる。
【0093】
さらなる実施形態において、カセット1は、流体が相互作用誘導通路5を通過することなく第1の空洞から第2の空洞に流れるのを可能にするために第1および第2の空洞4a、4bを接続する閉鎖可能な再循環流路(図示せず)を備える。そのような再循環流路は例えば、2つの空洞4aと4bとの間の外壁2の貫通を介して流体を誘導するシャットオフバルブを含むパイプ接続部によって互いに接続された外側ハウジング2の貫通によってもたらされ得る。そのような再循環流路は、例えば相互作用誘導通路5が詰まった場合、または流体の一部分だけが相互作用誘導通路5内を流れなければならない場合に使用することができる。
【0094】
代替として、再循環流路は壁部材3に配置されたバルブによってもたらされ得る。
【0095】
カセット1は好ましくは、処理(processing)装置の少なくとも一部を形成するために結合されるように設計されている。特に好ましい実施形態において、カセット1は積み重ねることによって結合され、各カセット1は処理段として機能し、それにより各々が同じ処理または異なる処理のどちらかを実行する多数の処理段を装置は含み得る。3つのUV処理段による実施形態が図3に示されている。
【0096】
図3は、3つの処理段として機能する3個のカセット1a、1b、1cによる処理(processing)装置の一部を示しており。図3aは流入側からカセットの積み重ねを示し、図3bは流出側からカセットの積み重ねを示す。図3のカセット1は同一であるように示されているが、これは必ずしも本発明による要件であるわけではない。それどころか、カセット1の実際の数は異なってもよく、カセットは必ずしも互いに類似でなくてもよい。
【0097】
図3に示されたカセットの断面図を示す図4に関して、各カセット1a、1b、1cは、インペラ6、カセット接続通路9および相互作用誘導通路5を備える。図3に示された実施形態において、インペラ6は回転し、インペラ6は流体をカセット接続通路9によって軸方向で受け入れ、図4において10と表示された矢印によって指示されたように半径方向でより高速に流体を送出する。
【0098】
各処理段はさらに、壁部材3によって互いに分かれるとともに相互作用誘導通路5を介して互いに流体連通している2つの空洞12、13(図1の空洞4aおよび4bに類似)を含む。相互作用誘導通路5は、例えば空洞12bから13bへ流体を誘導する通路として形成されている。通路9aはカセット1aの出口を形成する。
【0099】
相互作用誘導通路5の壁の一部は、放射源15が背後に配置されたシールド14によって形成される。図1に示された好ましい実施形態において、放射源はUVランプといったUV放射源である。シールド14は、線源から放出された放射に流体が曝露され得るようにするために放射に対し透明である。
【0100】
インペラシャフト7が全てのインペラを共通に回転させるために設けられており、インペラシャフト7は一般に出口36の上方に配置されたモータ(図示せず)に接続されている。このように、モータを作動させた時にインペラ6は回転し、それによって流体が入口11を介して結合カセット1に引き込まれる。流体はインペラ6を通り空洞12に、そして相互作用誘導通路5内を流れ、そこで流体は放射源15からの放射に曝露され、その後、流体は次のインペラ6に向けて空洞13に流れる。
【0101】
図3および4に示された通り、結合カセット1の積み重ねはモジュール式であるとしてよく、それにより多数の処理段が適用され得る。カセット1が積み重ね可能であるので、ある特定の処理(processing)装置を異なる要求に応じるために容易に構成することができる。
【0102】
カセットの結合は、カセット1の外側ハウジング2を互いに積み重ねるとともに、図4に示すようにカセット1の外側ハウジング2に設けられた溝17に配置されたリング16を組立てることによってカセット1を互いに組立てることによって実現され得る。カセット1の内部に圧力が印加された時にカセット1を組立てられたまま保つために、カセット1は、例えばカセット1の積み重ね方向(図4に関して垂直)に延びて全てのカセット1を一緒に固定するステー(図示せず)によって、それぞれの相互関係に維持される。カセット1の内部と外部との間の圧力の差に耐えるために外側ハウジング2のシーリングが、図4に示されたOリング18によって行われる。
【0103】
図5は、図4の線B−Bに沿って得られる横断面図を示す。図5は特に、放射源15、シールド14および相互作用誘導通路5の横断面を示している。カセット1を通過する全ての流体は相互作用誘導通路5を通過するので、図4に示された通り、相互作用誘導通路5の寸法決定は流体が放射源と密に接触するようなものである。
【0104】
図5はまた、シールド14がシール19によってカセット1にシールされるとともにねじキャップ19bによって装置1に確保され、それにより流体がシールド14の内部に流れることができないことも示している。それによって、放射源15はシールド14内に交換可能に配置され、それにより放射源15の交換がカセット1全体を分解することなくもたらされ得る。
【0105】
図6は、本発明によるカセット1のさらなる実施形態を概略的に示す。この実施形態において、入口5aおよび出口5b(5bは図に示されていない)はカセット1の半径に平行に配置されている。図1に示された実施形態と同様、カセット1は処理ソースを受け入れるためのソケット8(見えない)を備える。処理ソースは図に示されていない。
【0106】
図7aおよび7bは、本発明によるカセットのさらなる実施形態を示す。これらの図に示されたカセットもまた外側ハウジング2および壁部材3を備える。しかし、これらの実施形態において相互作用誘導通路5は、壁部材3に設けられた貫通部20によって画成される。図は、例えば図5に示されたシールドに類似の紫外線源を収容するためにチューブ14の形態のシールドが設けられている構成を示す。
【0107】
図7aは流入側からのカセットを示し(流体は図の向きに関して下方に貫通部20を流れる)、図7aは流出側からのカセットを示す(流体は図の向きに関して上方に貫通部を流れる)。図7bはまた、インペラを通る流体を導くために配置されたガイド部材26も示している(図11も参照)。
【0108】
図1〜7に示された実施形態は1個の相互作用誘導通路5を備えるように示されているが、複数の相互作用誘導通路5をカセット1に設けてもよいことについて言及しなければならない。さらに、相互作用誘導通路5の相互の向きは異なってもよく、例えば2つ以上の相互作用誘導通路は互いに類似の、または互いに異なる向きにされてもよい。
【0109】
一部の実施形態において、カセットの流体相互作用部材は、それが取り外し不可能であるという意味でカセットの一体部分であり、また他の実施形態において、カセットは流体相互作用部材の取り外しを可能にするソケットを備えている。後者の実施形態は、例えば流体相互作用部材が使用中に劣化する状況において、および/または流体の処理の種類が変更されることになっている場合において、特に有用である。その場合これは、単に流体相互作用部材を変えることによってのみ果たされ得る。
【0110】
図8は、例えば図1のカセット1における流通路を概略的に示す。図に示された通り、カセット1は、第2の空洞13に接続されている相互作用誘導通路5に接続された第1の空洞12に向けて流体を圧送するポンプ21を備える。図1に示された通り、相互作用誘導通路5の断面は、第1の空洞12から相互作用誘導通路5へ流れるとともに相互作用誘導通路5から第2の空洞13に流れる流体から見て、空洞12、13の断面よりも小さい。さらに、相互作用誘導通路5は、空洞12、13における流れの経路の長さよりもかなり大きい縦方向拡張部を下流方向に有するように示されている。
【0111】
しかし、相互作用誘導通路5およびその拡張部の断面の面積は所定の要件を満たすために変更してもよく、それらの大きさは相互作用誘導通路5の長さが図8に示されたものよりも短いように選択してもよい。
【0112】
さらに、空洞12、13の一方または両方は一部の実施形態において存在しなくてもよく、それは図9に示されている。処理が流通路全体にわたって行われない場合、処理が行われる領域の上流の領域および下流の領域を空洞とみなすことができる点に留意しなければならない。
【0113】
図1〜8に関して述べた開示に続き、本発明によるカセット1は、好ましい実施形態によれば、少なくとも1個の相互作用誘導通路5が存在する流通路を備えるものとしてみなすことができる。カセット1はさらに、流体相互作用部材を受け入れるように適応されたソケット8を備えることができ、ソケット8を相互作用誘導通路5まで拡張し、それにより流体相互作用部材がソケット8に存在する時に、相互作用誘導通路5内を流れる流体は流体相互作用部材と相互作用する。そのようなカセット1は好ましくは、受動形または能動形とし得る流体速度インデューサを備えることができる。「受動形」によって好ましくは流体にモーメントを付加しないインデューサを意味し、「能動形」によって好ましくはインデューサを流れる時に流体にモーメントを付加するインデューサを意味する。能動形インデューサは例えばインペラである。
【0114】
一般に、そして好ましくは、図8に開示されたような多数のカセットが流体処理装置に結合され、その場合カセットは、その流通路に相互作用誘導通路が好ましくは存在する各カセットの入口から出口へ流体を誘導する流通路を各々が備えるモジュールとして作られている。流体は好ましくは、あるものは流体処理装置内での圧力損失を克服するように割り当てられているとしてよく(一部の状況では全てのインデューサがこの目的に割り当てられる)、あるものは流体と流体相互作用部材との間の相互作用が選定した方向で生じるようにある様式で相互作用誘導通路内を流体を導くように割り当てられているとしてよい、一般に速度インデューサおよび/または流体ガイドによってカセット内を案内される。流通路全体が相互作用誘導通路とみなされ得ることに言及しなければならない。
【0115】
さらなる実施形態において、流体の処理はインペラまたは速度インデューサといった流体ガイド内部で実施され得る。
【0116】
図10〜12は、カセット1が1つ以上の物質を流体に添加するために使用される本発明の実施形態を示す。そのような物質は固体、液体または気体であるとしてよい。物質は一般に、外部測定装置(図示せず)によって測定され得る正確な分量で添加される。例示実施形態において、流体相互作用部材は、それによって物質が流体に添加され得る2つの物質流路22を有する分注装置(dosing unit)21であり、分注装置22の物質流路22はカットアウト22aに通じている(図12参照)。分注装置21はカセット1の一体部分であってもよいし、または分注装置21はソケット8に配置されてもどちらでもよく、図10〜12に示された実施形態において、分注装置21はソケット8に配置されている。分注装置21は2つの物質流路22を有するように示されているが、あらゆる数の物質流路22が本発明の範囲内で可能である。添加される物質は事前に混合および/または事前に加熱/冷却してもよいし、また、加熱/冷却および/または混合は処理(processing)装置において行ってもよい。
【0117】
図10は、シャフト7を介してモータ22(図示せず)によって駆動される中心配置インペラ6を備えた図4のカセットに類似のカセットの立体図を示す。カセット1はさらなるカセットを備える処理(processing)装置の一部である。ガイド部材26(図11参照)は取り外されている。
【0118】
分注装置21は、ナット23の使用によってソケット8に締結されるように示されているが、それは当業者に周知のあらゆる適切な手段によって締結することができる。物質は例えばチューブによって物質流路22の入口に誘導される。これらのチューブだけでなく、使用前の物質が貯蔵される容器も示されていない。
【0119】
図11は、図10の線A−Aに沿った断面図である。矢印24はカセット1内を流れる流体の全体の流れの経路を概略的に図示している。円筒形形状のガイド部材26は、流体がカセット1の入口11からインペラ6に向けて、その後第1の空洞12へ、同様に第2の空洞13からカセット1の出口27に向けて案内されることを確実にする。流体は、所望の流れの経路を得るために配置されたガイド穴28を介してガイド部材26の壁を通過する。
【0120】
物質および流体が特定の目的で十分に混合されることを確実にするために、分注装置21は、物質が流体の渦流(whirl)に添加されることを確実にするように設計されている。図11は第1の物質流路22からの物質の流れを示している。第2の物質流路22からの物質出口はこの図では見えないが、図12において見ることができる。物質が渦流に添加されるので、物質含有流体が相互作用誘導通路5を介して第2の空洞13に向けて流れる前にあるある程度の混合が生じる。
【0121】
図12は、2つの物質流路22を備えた分注装置21の可能な設計を示す。物質流路22の物質出口の周囲の区域は、流体が第1の空洞12にある時に物質が両方とも流体の渦流に添加されることを確実にするように設計されている。
【0122】
物質を流体に添加するために使用される形式の2個以上のカセット1を互いの上に積み重ねることが本発明の範囲内で可能である。これは、各カセット1における2つ以上の物質流路22の代わりに、またはそれらと組合せて行うことができる。同形式の積み重ねられたカセット1の使用は例えば、互いに混合されるか、または反応できる前に物質が流体と十分に混合されていなければならない場合に、有利にまたは必要になり得る。別の理由は、それらが流体と混合される時に物質が著しく異なる温度を有していなければならないということがあり得る。
【0123】
図13は、本発明による処理(processing)装置29を概略的に示す。図13に示された装置は、円筒形外側ケーシング30を有するとともに5個のカセット1、入口部材31、出口部材32およびモータ22を備える細長い装置として形成されている。モータ22は固定具33に配置されている。図13に示された実施形態において、ケーシングはカセット、入口部材および出口部材の外側ハウジングを備える。全体の流れの経路が図の向きに関して上向きであり、例えば図に示されたカセット構成が図4に関して上下反対になっていることに留意されたい。
【0124】
カセットの内部には多数のインペラ6(例えば図4、10および11参照)が配置されており、それらのインペラ6はモータ22から入口部材31に配置されたベアリング34(図14参照)まで延びる共通シャフト7に配置され、それによりモータ22が回転した時にそれは全てのインペラ6を回転させる。
【0125】
流体は、入口部材31に設けられた入口35(図13参照)を介して処理(processing)装置29に進入し、処理(processing)装置29内を流れ、出口部材32に設けられた出口36(図13参照)を介して処理(processing)装置29を出る。
【0126】
カセット1のうちの2個は、図1〜12に関して開示されたソケットといった接続部37に類似の、流体相互作用部材を収容するソケットといった接続部37を備える。
【0127】
図14は、本発明による処理装置29の縦断面を概略的に示すとともに、特に図13に示された装置を組立てる1方式を示す。装置は、円筒形ケーシングを有する細長い装置として形成されており、6個のカセット1、入口部材31、出口部材32および、処理装置29に配置されたインペラ(図示せず)を回転させるシャフト7とともに固定具33に配置されたモータ22を備える。流体相互作用部材ばかりでなく流通路も図示されていない。カセット1は対応する説明とともに前出の図に示された形式のものであるとしてよい。流入部材および流出部材の外壁はケーシングの一部としてみなされる。
【0128】
図14に図示された実施形態において、カセット1および部材31、32は、処理(processing)装置29の縦方向に沿って延びクランプ39を貫通する多数のステーボルト38を含む処理(processing)装置組立固定具37によって組立てられている。ナット40がステーボルト38の端に設けられ、それによりナット40が締められた時にクランプ39は処理装置29に縦方向の力を付与し、それにより部材31、32およびカセット1は縦方向で一体に保持される。
【0129】
部材31、32およびカセット1を処理(processing)装置29の縦方向に垂直な方向で確保することは、部材31、32およびカセット1が隙間なく嵌まるリング形状のガイド41によってもたらされるように示されている。処理装置のシーリングは、例えばリング形状のガイド41に設けられた溝にOリングを適用することによってもたらされる。代替として、またはそれと組合せて、リング形状のガイド41は、図4の16に示されたように処理装置の内部に配置してもよい。
【0130】
図15は、代替方式で組立てられた本発明による3個のカセット1の縦断面を示す。カセット1は例えば図13に示されたカセットのうちの3個であるとしてよいが、カセットを組立てる方法は他の実施形態において使用され得る。また、流通路および流体相互作用部材は図に示されていない。カセット1の外側ハウジング2は、一端に凹部42および反対端に突起43を備えている。凹部42および突起43にはスレッドが設けられており、スレッドを備えた突起および凹部は対応しており、それによりカセットはカセットを互いに相対的に回転させることによって組立てることができる。この組立て方式はまた、図13および14に示されたカセット1による入口部材および出口部材31、32の組立てにも適用され得ることに言及しなければならない。
【0131】
図16は、本発明による処理(processing)装置29を概略的に示す(全体の流れの方向は図13と同様である)。処理(processing)装置29は、円筒形ケーシングを有する細長い装置として形成され、かつ、5個のカセット1、入口部材31、出口部材32および、処理(processing)装置29に配置されたインペラ6を回転させるためのモータ22を備える。その断面はカセット1の間で異なるが、カセット1の各々は処理装置の縦方向で一定の断面を有する。またこの実施形態において、カセット1のうちの2個は、図1〜12に関して開示されたソケット8といった流体相互作用部材を収容するソケットといった接続部37を備える。
【0132】
図17は、本発明による処理(processing)装置29の縦断面を概略的に示す。処理(processing)装置は、円筒形ケーシングを有する細長い装置として形成され、かつ、5個のカセット1、入口部材31、出口部材32および、処理(processing)装置29に配置されたインペラ(図示せず)を回転させるシャフト7とともにモータ22を備える。流体相互作用部材ばかりでなく流通路も図示されていない。
【0133】
カセット1に沿って延びる装置のケーシング30の部分は、管状部分44およびカセット1の外側ハウジング2によって構成される合成ケーシングである。シーリング部材、さらなる管状部材、固定部材ガイドなどといった他の構造が合成ケーシングに含まれていてもよい。管状部分44の内径はカセット1の外径に関して選択され、それにより管状部分44の壁とカセット1の外側ハウジング2との間に滑り嵌め(snug
fit)がもたらされる。このように外側ハウジング2が管状部分44に当接し、それによって合成ケーシングをもたらすと、カセット1の外側ハウジング2はケーシング30の一部を形成する。カセット1の外側ハウジング2はカセット1の縦方向拡張部全体に沿って管状部分44に当接するように示されているが、これは必ずしもそうではないことに言及しなければならない。例えば、外側ハウジング2の一部または全てが管状部分44の内面に向かい合う外側ハウジング2の側面に沿って陥凹され、それにより外側ハウジング2の一部だけが管状部分44に当接するようにしてもよい。
【0134】
図16および17に関して開示された処理(processing)装置の組立ては、図14および15に関して開示された方法でもたらされ得る。しかし、図17による処理装置29は好ましくは、入口部材31、出口部材32の凹部42に、そして管状部分44の外壁にねじを設けることによって組立ててもよく、それにより入口部材および出口部材31、32を管状部分44に相対的に回転させることによって処理(processing)装置29は組立てられる。
【0135】
図18は、図13に示された実施形態の一部を示しており、共通シャフト7に配置されているインペラ6の圧力増加スタックを形成するために多数のインペラ6を配置することによって入口部材31に設けられた圧力増加ステップをさらに備えている。インペラ6のスタックによってもたらされる圧力増加は、カセット1における流体の流れおよび処理から生じる圧力低下よりも大きく、それによって流体は入口35での流体の圧力に比例して増加した圧力レベルで処理(processing)装置29を出る。同時に、流体は、例えば物質の添加、放射への曝露などによって処理される。そのような圧力増加はまた、カセットにおけるインペラ6を圧力増加をもたらすために所要の寸法にすることによってももたらされ、それによって入口部材に配置されるインペラの積み重ねは存在する必要がなくなることに言及しなければならない。
【0136】
ここに提示した本発明の説明は処理装置内に流体を駆動するためのインペラに注目しているが、他の形式の全圧増加手段を使用してもよい。しかし、本発明に関して、インペラは1個以上のカセットまたは処理装置全体を流れる流体に渦流速度成分を含む流れを付与するので、インペラが有利であることがわかっている。そのような渦流速度成分は、処理装置の全体の外部寸法を小さくかつ装置での速度を高く保ちつつ、流体をより集中的に処理するために利用され得る装置における流体相互作用部材との混合および相互作用を増大させるために使用され得る。
【0137】
上記の説明はカセットが例えば図1に示されたような構造を備える実施形態に注目しているが、カセットの特徴は好ましくは幅広く解釈されるべきであり、例えば図1に示された特徴の一部または全部を含まないカセットも本発明の範囲内であるとみなされることに言及しなければならない。しかし、本発明によるカセットの共通の特徴は好ましくは、相互作用が一般に、そして好ましくは流体相互作用部材によって実行されるカセット内を流れる流体と相互作用するように適応されているとともに、外側ハウジングがケーシングの少なくとも一部を形成するように配置されている外側ハウジングを有する構造である。流体相互作用部材がデカンタを有する、そのような1例を以下に概説する。
【0138】
図19は、例えばスラッジから水を分離するためのデカンタ50の形状で流体相互作用部材を備えるデカンタカセット1の好ましい実施形態に示す。図19aはカセットの立体図を示し、図19bは図19aの線A−Aに沿った断面図を示す。デカンタ50は密閉スクリュー51を備えており、被処理流体はスクリュー51の下流の位置からデカンタに輸送される。デカンタ50は、シャフト7に配置されシャフト7の回転によって回転する。デカンタの回転は、例えばデカンタ50における上流の被処理流体から分離された水の輸送および例えばデカンタにおける下流のスラッジの輸送をもたらす。図19bにおいてそれぞれスラッジおよび水の流れを示す矢印はデカンタ50に流れ込む流体の2つの別個の流れとして示されているが、スラッジおよび水はそれらがデカンタ50に流れ込む時に混合される。水およびスラッジは、それらのうちの1個が図19bに示されている貫通部52を介してデカンタ50を出る。
【0139】
デカンタカセット1の上流部1aは、図19に示された通り、図1に示されたカセットに類似のカセットから作られ得る。そのような場合、デカンタカセットは相互作用誘導通路5を備えており、そこに例えば、デカンタ50を出る流体の1つ以上の特性を測定するためにソケット8の使用によってセンサが配置され得る。同様に、デカンタカセットの下流部1bもまた、図19に示された通り、図1に示されたカセットに類似のカセットから作られるとしてよく、従ってやはり相互作用誘導通路5を備える。スラッジはソケット8を介して取り出され得る。上流部1もしくは下流部1bまたは両方にはインペラを配置してもよく、それらのインペラは回転のためにシャフト7に配置され得る。
【0140】
図20は、流体相互作用部材が超音波ホーン61である本発明の好ましい実施形態による流体処理(processing)装置のカセット1を概略的に示す。図20aはカセット1を部分分解図で示し、図6bはシャフト7を取り外してカセット1の半径に沿って得られる断面図の一部分を示す。図でFと表示された矢印はカセット1内の流体の流れを示す。
【0141】
図20のカセットはシールド14および放射源15を備えないが、図20aに示すように、カセットは図4に示されたカセットの1個に類似である。代わりに、超音波ホーン61による超音波発生器62が相互作用誘導通路5に超音波を放出するために配置されている。また流れガイド63も相互作用誘導通路5の内部に配置されている。流れガイド63は、超音波ホーン61と流れガイド63の端との間で通路を開放したままにし、それによって流れガイド63が流体を超音波ホーン61に向けて導くのを援助する。流れガイド63はさらに超音波ホーン61から放出された音波によって励振され得る。
【0142】
インペラ6がガイド部材26の内部に配置されており、ガイド部材26はインペラ8を通る流体を導く。
【0143】
またこの場合、多数のカセット1が例えば図3に示されたものと同様に積み重ねられてもよく、その積み重ねは図13および14に示された実施形態に採り入れてもよい。さらに、そのような処理段(treatment stage)の積み重ねは、例えばUVによる処理および超音波による処理の組合せといった異なる処理技術(treatment technique)を提供するために異なる処理ソース(treatment source)を備えてもよい。
【0144】
図21は、カセット内を流れる流体における測定の実行に適応されたカセット1の好ましい実施形態を概略的に示す。図21はカセットを立体図で示す。略して測定カセットと呼ぶ図21に示されたカセットは、図21bではなく図21aに示された円筒形外側ハウジング2および、壁部材3を備える。図21に示された実施形態において、壁部材3は壁部材3の上方に空洞4aを画成するのに対し、壁部材がカセット1において上流位置に配置された場合には空洞4bは存在してもよいが、例えば図4に関して開示されたように空洞4bは存在しない。カセット1の開放端を覆うカバーもまた図2には開示されていないが、以下でさらに詳細に開示する。
【0145】
外側ハウジング2の内側に、中心配置インペラ6が存在する。さらに、螺旋状の壁70が図21に示すように壁部材3に配置されており、カセットはさらに、やはり図21に示された通り2個のセンサ71および72を備える。
【0146】
流体は、図21bでFと表示された矢印によって示されたように測定カセット内を流れる。図示の通り、流体は螺旋状の動きでインペラ6を出て、螺旋状の壁70によって補助され、図21bにおいて70’と表示された表面に当接する外側ハウジング2の内面と組合せて螺旋状の壁70に設けられた流路73に流入する。
【0147】
図21bに図示の通り、流路73は、収束部73’および、流れから見て一定の断面を有する部分73”を備える。インペラ6から流路73に流れ込む流体を強いるために、カバー(図示せず)がカセット1の先端部に設けられる。このカバーは、螺旋状の壁70の上縁と同様に外側ハウジング2の上縁にシールされており、図21bにおいて74と表示された位置に出口を備える。それによって、流体は位置74のカバーの出口でカセットを出る。
【0148】
図21に示された実施形態において、2個のセンサ71、72が存在する。センサ71はカセット1内を流れる流体の量を測定する流量センサである。センサ1は、一定の断面を有する部分73”で収束部73’の上流に配置される。センサの上流には、くさび75が配置され、くさび75はウェークをカルマンの渦列として生成する。ウェークおよび特に固有振動数は、流路内の体積流量を、それによって全ての流体が流路内を流れる際のカセット内の流量を決定するために使用される。
【0149】
図示されたセンサ72はpHセンサであるが、他の形式のセンサを適用してもよい。一般に、温度、濁度、乱流センサといった多くのセンサが配置され得る。
【0150】
カセットのさらなる実施形態(図示せず)は、少なくとも2つの流体間で熱を交換するように適応されている。そのような実施形態において、中を流れる2つの流体のために流路がカセットに設けられ、それにより熱が流路の壁を介して2つの流体間で交換される。カセットは好ましくは、一方または両方の流体をカセット中に圧送するために配置された全圧増加手段を備える。
【0151】
本発明を特定の実施形態に関して説明したが、それは決して提示された例に限定されるものと解釈してはならない。本発明の範囲は添付の請求項によって述べられる。請求項において、用語「comprising」または「comprises」は、他の可能な部材または工程を除外しない。また、「a」または「an」などといった指示の言及は、複数を除外するものと解釈してはならない。図に示された部材に関する請求項における参照符号の使用もまた本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。さらに、異なる請求項において言及された個別の特徴はおそらく有利に組合せることができ、そして異なる請求項におけるこれらの特徴の言及は特徴の組合せが可能ではなく有利ではないことを除外しない。
【符号の説明】
【0152】
1、1a、1b、1c カセット
2 外側ハウジング
3 壁部材
4a、4b 空洞
5 相互作用誘導通路
5a 入口
5b 出口
6 インペラ
7 シャフト
8 ソケット
9 カセット接続通路
9a 通路
11 入口
12、13 空洞
14 シールド
15 放射源
16 リング
17 溝
18 Oリング
19 シール
19b ねじキャップ
20 貫通
21 ポンプ
21 分注装置
22 物質流路
22a カットアウト
22 モータ
23 ナット
26 ガイド部材
27 出口
28 ガイド穴
29 処理装置
30 外側ケーシング
31 入口部材
32 出口部材
33 固定具
34 ベアリング
35 入口
36 出口
37 接続部
37 処理装置組立固定具
38 ステーボルト
39 クランプ
40 ナット
41 ガイド
42 凹部
43 突起
44 管状部分
50 デカンタ
51 スクリュー
52 貫通部
53 ボア
61 超音波ホーン
62 超音波発生器
63 流れガイド
70 螺旋状の壁
71、72 センサ
73 流路
73’ 収束部
75 くさび

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体が処理されながらその中を流れることができる流体処理装置であって、前記流体処理装置は、
ケーシングと、
該ケーシングの少なくとも一部を形成するように配置されている外側ハウジングを各々が備え、かつ、内部を通る流通路を各々が備える、1個以上のカセットを備え、
該カセットのうちの少なくとも1個は、少なくとも1個の流体相互作用部材を備えるか、または少なくとも1個の流体相互作用部材を受け入れるように適応され、
内部を流れる前記流体による圧力損失を少なくとも部分的に克服するための全圧増加手段を備え、該全圧増加手段および、前記1個以上の流体相互作用部材の1個、複数または全てが前記ケーシングによってカプセル化されている流体処理装置。
【請求項2】
複数のカセットを備える請求項1に記載の流体処理装置。
【請求項3】
前記カセットが、前記流体処理装置または少なくともその一部を形成するために積み重ね可能といったように結合可能である請求項1または2に記載の流体処理装置。
【請求項4】
前記カセットのうちの少なくとも1個が、少なくとも1個の流体相互作用部材および全圧増加手段を備える請求項1から請求項3のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項5】
複数のカセットを備え、
前記カセットが結合可能であり、それによって前記流体処理装置は多数の結合カセットを備え、
前記カセットのうちの複数が各々、少なくとも1個の流体相互作用部材および全圧増加手段を備える請求項1から請求項4のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項6】
前記カセットのうちの1個以上が、前記流通路に相互作用誘導通路を備える請求項1から請求項5のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項7】
前記ケーシングが耐圧である請求項1から請求項6のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項8】
前記1個以上のカセットの下流に配置された出口部材および/または前記1個以上のカセットの上流に配置されている入口部材をさらに備え、該出口部材および/または該入口部材の外面が、前記処理装置の前記ケーシングの少なくとも一部を形成するように配置されている外側ハウジングを備える請求項1から請求項7のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項9】
前記全圧増加手段または、それらのうちの少なくとも一部が前記入口部材および/または前記出口部材に配置されている請求項8に記載の流体処理装置。
【請求項10】
前記2個以上のカセットが、共通シャフトに沿って配置される請求項2または、請求項2の従属である時に請求項3から請求項9のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項11】
インペラの形状の複数の全圧増加手段を備え、該インペラの一部または全てが共通シャフトによって回転する請求項1から請求項10のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項12】
前記インペラの一部または全てがカセットに配置される請求項11に記載の流体処理装置。
【請求項13】
全てのカセットの外部形状が等しい請求項2または、請求項2の従属である時に請求項3から請求項12のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項14】
前記カセットのうちの1個以上の前記外側ハウジングの断面が一方向に沿って一定である請求項1から請求項13のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項15】
前記ケーシングの少なくとも一部を形成する前記カセットのうちの1個以上の前記外側ハウジングが、前記ケーシングの外面の少なくとも一部を形成する請求項1から請求項14のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項16】
前記ケーシングの少なくとも一部を形成する前記カセットのうちの1個以上の前記外側ハウジングが、前記ケーシングの内面に当接する請求項1から請求項15のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項17】
前記カセットのうちの1個以上が、全圧増加手段を備える請求項1から請求項16のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項18】
前記カセットのうちの1個以上が、1つ以上の化学的単一操作を実行するように適応された1個以上の流体相互作用部材を備える請求項1から請求項17のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項19】
前記カセットのうちの1個以上が、前記流体相互作用部材を収容するように適応されたソケット(8)を備える請求項1から請求項18のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項20】
前記カセットのうちの1個以上が、前記流通路の少なくとも一部において三次元の流れを維持および/または付与するように適応されている請求項1から請求項19のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項21】
前記カセットのうちの1個以上は、流体が前記カセットに流入する入口および流体が前記カセットから流出する出口を備え、該入口および該出口が前記流通路に接続されている請求項1から請求項20のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項22】
前記カセットのうちの1個以上が、速度インデューサを受け入れるように適応されているか、または備える請求項1から請求項21のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項23】
前記速度インデューサが、前記流通路の少なくとも一部を構成する請求項22に記載の流体処理装置。
【請求項24】
前記速度インデューサが、前記流通路の少なくとも一部を構成し、相互作用誘導通路(5)が前記カセットにおいて該速度インデューサの上流または下流に配置されている請求項22または23に記載の流体処理装置。
【請求項25】
前記速度インデューサが、ある一速度で流体を受け入れ、より高速度で該流体を送出するように適応されている請求項22から請求項24のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項26】
前記速度インデューサが、前記カセット中に流体を圧送するように適応されている請求項22から請求項25のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項27】
前記速度インデューサが、一方向で流体を受け入れ、別の方向に前記流体を送出するように適応されている請求項22から請求項26のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項28】
少なくとも3個といったように、少なくとも2個、好ましくは少なくとも4個の相互作用誘導通路を備える請求項1から請求項27のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項29】
前記相互作用誘導通路のうちの少なくとも2個が、互いに同一といったように類似である請求項28に記載の流体処理装置。
【請求項30】
全ての相互作用誘導通路が同一である請求項28または29に記載の流体処理装置。
【請求項31】
前記カセットのうちの1個以上が、前記流通路に備えられた少なくとも1個の相互作用誘導通路(5)を備え、前記ソケット(8)は流体相互作用部材が該ソケットに存在する時に前記相互作用誘導通路内を流れる前記流体が該流体相互作用部材と相互作用するように、前記相互作用誘導通路(5)に拡張する請求項19または、請求項19の従属である時に請求項20から請求項30のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項32】
前記流通路のうちの1個以上は、流体が第1の空洞から前記相互作用誘導通路を通り第2の空洞に流れるように該第1の空洞および該第2の空洞を接続する該相互作用誘導通路によって流体連通している第1の空洞および第2の空洞を備える請求項31に記載の流体処理装置。
【請求項33】
インペラといった速度インデューサが、前記第1の空洞の上流に配置されている請求項32に記載の流体処理装置。
【請求項34】
前記相互作用誘導通路の形状が、該相互作用誘導通路を通る前記流体の加速をもたらす請求項6から請求項33のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項35】
前記第1および前記第2の空洞は、流体が該第1の空洞から前記相互作用誘導通路を通り該第2の空洞に流れるしかないように配置されている請求項32から請求項34のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項36】
前記カセットのうちの1個以上が、流体相互作用部材の下流の位置から流体相互作用部材の上流の位置に流体の少なくとも一部を再循環させるために閉鎖可能な再循環流路を備える請求項1から請求項35のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項37】
1個以上の相互作用部材が、前記ソケットに配置される請求項19または、請求項19の従属である時に請求項20から請求項36のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項38】
前記カセットのうちの1個以上の前記外側ハウジングが耐圧であるように適応されている請求項1から請求項37のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項39】
前記カセットのうちの1個以上が、前記カセット内を流れる前記流体を攪拌するための手段を備える請求項1から請求項38のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項40】
前記カセットのうちの1個以上が、該カセットの流入から流出まで及ぶ方向として定義される該カセット内の流れの方向に垂直に配置された壁部材(3)を備え、該壁部材は前記流体が前記カセット内部でその中を流れる1個以上の貫通部を備える請求項1から請求項39のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項41】
前記ケーシングまたはその少なくとも一部が断熱されている請求項1から請求項40のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項42】
前記ケーシングまたはその少なくとも一部が冷却および/または加熱ジャケットを備える請求項1から請求項41のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項43】
前記処理装置から漏れる流体を回収するための流体コレクタをさらに備える請求項1から請求項42のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項44】
前記カセットのうちの少なくとも1個が異なる材料で作られている請求項1から請求項43のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項45】
前記カセットのうちの少なくとも1個が単一材料で作られている請求項1から請求項44のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項46】
前記全てのカセットが各々、異なる材料で作られている請求項2または、請求項2の従属である時に請求項3から請求項45のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項47】
前記カセットの前記異なる材料が、金属、複合材料、被覆材料、プラスチック、セラミックスまたはそれらの組合せから選定される請求項1から請求項46のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項48】
流入および/または流出する前記流れを制御するために配置された1個以上のバルブを備える請求項1から請求項47のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項49】
縦方向拡張部を有し、前記縦方向に垂直な方向で前記カセットを固定するための手段を備える請求項1から請求項48のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項50】
縦方向拡張部を有し、この方向に垂直な方向での圧力が、液気密シーリングを付与するOリングによって平衡にされている請求項1から請求項49のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項51】
縦方向拡張部を有し、好ましくは該縦方向拡張部の方向に延びるステーボルトの形状でステーを備え、該ステーは縦方向で前記装置の圧力を平衡させるために配置されている請求項1から請求項50のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項52】
内部の全圧増加手段および/または速度インデューサといったエネルギー要求手段にエネルギーを供給するためのエネルギー源を備える請求項1から請求項51のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項53】
前記エネルギー源が電気駆動モータを備える請求項52に記載の流体処理装置。
【請求項54】
前記カセットの全てといったように2個以上のカセットを貫いて延びるシャフトを備える請求項1から請求項53のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項55】
前記シャフトが前記装置の外部に延び、好ましくは該外部に配置された電気駆動モータであるモータに接続されている請求項54に記載の流体処理装置。
【請求項56】
前記流体相互作用部材のうちの1個、一部または全てが紫外線源といった電磁放射源を備える請求項1から請求項55のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項57】
前記流体相互作用部材のうちの1個、一部または全てが1個以上のノズルを備える請求項1から請求項56のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項58】
前記流体相互作用部材のうちの1個、一部または全てが、流体を濾過するための1つ以上のフィルタ表面、触媒工程を付与するための1つ以上の触媒表面、1つ以上の熱交換表面、1つ以上の吸収表面、1つ以上の凝集表面、1つ以上の剥離表面、1つ以上の乾燥表面、生物学的培養を保持するための1つ以上の表面、結晶化のための1つ以上の表面、イオン交換のための1つ以上の表面、1つ以上の膜表面またはそれらの組合せといった、1つ以上のプロセス活性表面を備える請求項1から請求項57のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項59】
前記流体相互作用部材のうちの1個、一部または全てが、電解工程、電気透析工程、電気消イオン工程またはそれらの組合せを実行するために電磁界を確立するための表面を備える請求項1から請求項58のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項60】
前記流体相互作用部材のうちの1個、一部または全てが、磁気放射、紫外線放射、放射性放射、超音波、マイクロ波、レーザー放射またはそれらの組合せといった放射に流体を曝露するための手段を備える請求項1から請求項59のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項61】
前記流体相互作用部材のうちの1個、一部または全てが、分離機、遠心分離機、ミリングのための手段、均質化のための手段、デカンタ、例えば微粒子、イオン交換物質を輸送するための輸送装置、混合機またはそれらの組合せを備える請求項1から請求項60のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項62】
前記流体相互作用部材のうちの1個、一部または全てが、分注手段、大気、酸素、オゾン、塩素といった気体の脱ガス、蒸留、曝気のための手段、蒸発のための手段、例えば真空蒸留といった圧力を減じるための手段、蒸気処理のための手段またはそれらの組合せを備える請求項1から請求項61のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項63】
空洞において前記流体に所定の保持時間を付与するように適応された1個以上の部材を備える請求項1から請求項62のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項64】
生物学的工程、化学工程、燃料電池工程またはそれらの組合せを実行するための反応装置を備える請求項1から請求項63のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項65】
前記流体相互作用部材のうちの1個、一部または全てが、電気ヒータといった熱源を備える請求項1から請求項64のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項66】
前記装置内部で前記インペラといった部材を回転させるための手段を備える請求項1から請求項65のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項67】
部材を回転させるための前記手段が1個以上のギヤを備える請求項66に記載の流体処理装置。
【請求項68】
部材を回転させるための前記手段が、機械結合手段、電磁結合手段、粘性摩擦結合手段、電磁誘導結合手段またはそれらの組合せといった1個以上の結合手段を備える請求項66または67に記載の流体処理装置。
【請求項69】
前記部材が、電気モータまたは発電機の一部である請求項66から請求項68のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項70】
前記ケーシングによってカプセル化されたタービンを備える請求項1から請求項69のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項71】
前記ケーシングによってカプセル化された容積式ポンプを備える請求項1から請求項70のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項72】
前記ソケット(8)のうちの1個以上が、前記流体相互作用部材が該ソケットから取り外され、またそれらに挿入されて可逆的であり得るように解放可能な様式で1個以上の流体相互作用部材を収容するように適応されている請求項19または、請求項19の従属である時に請求項20から請求項71のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項73】
前記カセットが、積み重ね可能である請求項2または、請求項2の従属である時に請求項3から請求項72のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項74】
前記流体相互作用部材のうちの1個、一部または全てが、圧力センサ、温度センサ、流体速度センサ、質量流量センサ、体積流量センサ、pHセンサ、伝導率センサ、有機含有量センサ、静電容量センサ、濁度センサ、放射センサ、分光センサまたはそれらの組合せを備える請求項1から請求項73のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項75】
個々に異なる流体相互作用部材を備えた複数のカセットを備える請求項1から請求項74のいずれかに記載の流体処理装置。
【請求項76】
少なくとも2個のカセットが、前記流体処理装置の少なくとも一部を形成するために結合された時に、前記ケーシングの少なくとも一部を形成するように配置されている外側ハウジングを備えるカセットであって、該カセットはさらに、該カセットを通る流通路を備えており、該カセットはさらに、少なくとも1個の流体相互作用部材を備えるか、または受け入れるように適応されているカセット。
【請求項77】
流体と相互作用部材との間に相互作用をもたらす方法であって、該方法は請求項1から請求項75のいずれかに記載の流体処理装置に流体を供給することを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19a】
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【図19b】
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【図20a】
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【図20b】
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【図21a】
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【図21b】
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【公表番号】特表2010−536537(P2010−536537A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520424(P2010−520424)
【出願日】平成20年8月15日(2008.8.15)
【国際出願番号】PCT/DK2008/050203
【国際公開番号】WO2009/024152
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(510041463)
【Fターム(参考)】