説明

1,2,4−チアジアゾール誘導体の安定的な局所組成物

本願は、1,2,4−チアジアゾール誘導体及び関連するチオ尿素誘導体の化合物を含む安定的な局所組成物を提供するものである。安定的な局所組成物は、水性ゲル、クリーム、及びエマルションなどの様々な形態とすることができる。安定的な局所組成物は、冷蔵条件又は周囲条件下で相応の保存期間にわたって保存することができる。本願は更に、メラノコルチン受容体によって媒介される皮膚疾患を安定的な局所組成物を使用して処置する方法を提供するものである。安定的な組成物は、1室型又は2室型の装置を用いて投与することができる。安定的な組成物の調製及び投与方法も更に提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メラノコルチン受容体によって媒介される皮膚疾患の治療に適した安定的な組成物中での1,2,4−チアジアゾール誘導体及び関連するチオ尿素誘導体の局所投与に関する。
【背景技術】
【0002】
1,2,4−チアジアゾール誘導体及び関連するチオ尿素誘導体は、メラノコルチン受容体によって媒介される疾患の治療に有用である。米国特許第7,049,331号及び同第7,319,107号には、1,2,4−チアジアゾール誘導体が、肥満、経口グルコース耐性の低下、血糖値上昇、2型糖尿病、X症候群、糖尿病性網膜症、急性神経変性疾患、慢性神経変性疾患、神経叢障害、男性勃起不全、ドライアイ、にきび(例えば尋常性座瘡)、乾燥皮膚、皮膚の老化、脂漏性皮膚炎、酒さ、耳垢の過剰分泌、マイボーム腺疾患、偽性毛嚢炎、酵母感染症、フケ症、化膿性汗腺炎、眼性酒さ及びエクリン腺疾患などの代謝性疾患、中枢神経系疾患、並びに皮膚疾患の治療に有効であることが報告されている。米国特許第7,049,331号及び同第7,319,107号は、いずれもその全容を参照によって本明細書に援用するものである。
【0003】
1,2,4−チアジアゾール誘導体及び関連するチオ尿素誘導体のメンバーは、メラノコルチン−5(MC−5)受容体などのメラノコルチン受容体に結合する。米国特許第7,049,331号及び同第7,319,107号は、これらの化合物を含む局所製剤について開示している。しかしながら、これらの製剤は商業化に最適な製剤とは必ずしもいえない。例えば、これらの特許において開示される製剤の1つとして、pHが3〜4の水アルコール性ゲルがあるが、これは局所製剤として望ましい値よりも酸性である。局所製剤は弱酸性、例えばpH 5〜6であることが好ましい。
【0004】
皮膚疾患を治療するための有効医薬成分の局所投与は、医薬有効成分と相溶性を有し、所望の保存期間及び目的とする疾患の治療に適した担体又は組成物を必要とする。一般的に、疎水性の医薬有効成分を溶解又は可溶化するためにペトラタム又は油性賦形剤などの無水担体を使用することができる。しかしながら、これらの疎水性賦形剤の閉塞特性及びこれらの疎水性賦形剤が医薬有効成分を放出しないことにより、局所投与用組成物の有効性が低減されてしまう場合がある。更に、これらの賦形剤の閉塞特性は、にきびなどの特定の皮膚疾患の治療には適さない場合がある。また、疎水性の医薬成分に対しては、水ベースの担体を可溶化剤などの他の薬剤と組み合わせて使用することもできる。可溶化剤は水性環境への疎水性成分の溶解度を高め、局所投与における医薬成分の有効性に影響を及ぼしうる。したがって、所望の保存期間を有する有効な医薬製剤を創出するためには、担体を慎重に検討することが求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、この新たなクラスの1,2,4−チアジアゾール誘導体及びチオ尿素誘導体の性質が高められた安定的な医薬組成物又は担体を、にきび又は過剰な皮脂生産といった皮膚疾患を治療するために皮膚に局所投与するうえで適した方法で提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様において、本発明は、約0.05重量%〜約20重量%の量の式I、II又はIIIの化合物(本明細書において定義する)、約0.1重量%〜約20重量%の量の粘度調整剤、約0.05重量%〜約5重量%の量の防腐剤、場合により約0.05重量%〜約0.5重量%の量のpH調整剤、及び全体で100重量%となるように適量加えられた水を含む組成物であって、組成物中で式I、II又はIIIの化合物が安定である組成物に関する。
【0007】
別の態様において、本発明は、(a)約0.1重量%〜約20重量%の量の式I、II又はIIIの化合物、約0.1重量%〜約20重量%の量の粘度調整剤、約0.05重量%〜約5重量%の量の防腐剤、場合により約0.05重量%〜約0.5重量%の量のpH調整剤、及び全体で100重量%となるような適量の水を含む水性ゲルと、(b)約1重量%〜約20重量%の量の溶媒混合物、約0.5重量%〜約20重量%の量の粘度調製剤、約0.05重量%〜約5重量%の量の防腐剤、約0.2重量%〜約10重量%の量の乳化剤、約0.05重量%〜約0.5重量%の量のpH調整剤、及び全体で100重量%となるような適量の水を含むベースと、を混合し、実質的に均質な局所組成物を形成せしめることを含む局所組成物の調製方法に関する。
【0008】
別の態様において、本発明は、処置を必要とする患者に本発明に基づく組成物の有効量を投与することを含む、メラノコルチン受容体によって媒介される皮膚疾患又は障害の処置方法に関する。
【0009】
更なる別の態様において、本発明は、2室を含むキットであって、第1の室が、約0.1重量%〜約20重量%の量の式I、II又はIIIの化合物、約0.1重量%〜約20重量%の量の粘度調整剤、約0.05重量%〜約5重量%の量の防腐剤、場合により約0.05重量%〜約0.5重量%の量のpH調整剤、及び全体で100重量%となるような適量の水を含む水性ゲルを収容し、第2の室が、約1重量%〜約20重量%の量の溶媒混合物、約0.5重量%〜約20重量%の量の粘度調製剤、約0.05重量%〜約5重量%の量の防腐剤、約0.2重量%〜約10重量%の量の乳化剤、約0.05重量%〜約0.5重量%の量のpH調整剤、及び100重量%となるような適量の水を含むベースを収容しているキットに関する。キットは、その設計に応じて、単位用量又は複数用量の投薬に適する。
【0010】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0011】
当業者であれば、本明細書の記載に基づいて本発明を最大限に利用できるものと考えられる。以下の具体的な実施形態は、あくまで例示的なものとして解釈すべきであり、以下の開示内容をいかなる意味においても限定するものとして解釈すべきではない。
【0012】
特に断らないかぎり、本明細書で用いる技術的及び科学的な用語はすべて、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって共通に解釈されるものと同じ意味を有するものとする。更に、本明細書において言及する刊行物、特許出願、特許、及び他の引用文献はすべて、これを援用するものである。
【0013】
本発明は、1,2,4−チアジアゾール誘導体及び関連するチオ尿素誘導体の化合物を含む安定的な局所組成物に関するものである。1,2,4−チアジアゾール誘導体の構造を以下に示す。
【0014】
【化1】

[式中、
R1は、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル−アルキル、シクロアルキル及びシクロアルキル−アルキルからなる群から選択され、このアリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル−アルキル又はシクロアルキル基は場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ又はジ(アルキル)アミノから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されていてもよく、
R2は、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル及びシクロアルキル−アルキルからなる群から選択され、このアリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル又はシクロアルキル基は場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ又はジ(アルキル)アミノから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されていてもよく、
R3は、水素、アルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され、ただしアルケニル基の2重結合又はアルキニル基の3重結合は結合点から少なくとも炭素原子1個分だけ離れており、
R4は、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル及びシクロアルキル−アルキルからなる群から選択され、このアリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル又はシクロアルキル基は場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ又はジ(アルキル)アミノから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されていてもよく、
-は、臭素イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン、酢酸イオン、安息香酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオン、リンゴ酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、二リン酸イオン、コハク酸イオン、硫酸イオン、酒石酸イオン、トシル酸イオンからなる群から選択され、
ただしR1がフェニル、シクロフェニル又はベンジルであり、R2がフェニル又はベンゾチエニルであり、R4がフェニル又はアラルキルである場合、R3はアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され、ここでアルケニル基の2重結合又はアルキニル基の3重結合は結合点から少なくとも炭素原子1個分だけ離れており、
ただし更に、R1がベンジル又はメチルフェニルであり、R2がフェニル又はメチルフェニルであり、R4がメチルフェニル又は4−メトキシフェニルである場合、R3はアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され、ここでアルケニル基の2重結合又はアルキニル基の3重結合は結合点から少なくとも炭素原子1個分だけ離れており、
ただし更に、R1がフェニルであり、R2がフェニルであり、R4がフェニルである場合、R3はC3〜8のアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され、ここでアルケニル基の2重結合又はアルキニル基の3重結合は結合点から少なくとも炭素原子1個分だけ離れている]
及びそれらの薬学的に許容されうる塩。
【0015】
式Iの化合物の例としては、これらに限定されるものではないが、2−(2−メトキシフェニル)−3−(2−メトキシフェニル)−5−フェニルアミノ−[1,2,4]−チアジアゾール−2−イウム、2−(2−メトキシフェニル)−3−(2−メトキシフェニル)−5−(2−メトキシフェニルアミノ)−[1,2,4]−チアジアゾール−2−イウム、2−(2−メトキシフェニル)−3−(2−メトキシフェニル)−5−(4−トリルアミノ)−[1,2,4]−チアジアゾール−2−イウム、2−(2−メトキシフェニル)−3−フェニル−5−(4−メトキシフェニルアミノ)−[1,2,4]−チアジアゾール−2−イウム、2−(2−メトキシフェニル)−3−フェニル−5−(4−トリルアミノ)−[1,2,4]−チアジアゾール−2−イウム、2−(2−メトキシフェニル)−3−フェニル−5−(2−トリルアミノ)−[1,2,4]−チアジアゾール−2−イウム、及びこれらの薬学的に許容されうる塩が挙げられる。
【0016】
式IIの化合物の例としては、これらに限定されるものではないが、[2−(2−メトキシフェニル)−3−(2−メトキシフェニル)−2H−[1,2,4]−チアジアゾール−5−イリデン]−フェニルアミン、及びその薬学的に許容されうる塩が挙げられる。
【0017】
1,2,4−チアジアゾールの関連するチオ尿素誘導体の構造を以下に示す。
【0018】
【化2】

[式中、各R基は、式(I)について上記に述べたものと同様である]
【0019】
好ましいチオ尿素誘導体は下記式を有するもの、
【0020】
【化3】

及びそれらの薬学的に許容されうる塩である。
【0021】
一実施形態では、本発明の安定的な組成物は、2−(2−メトキシフェニル)−3−(2−メトキシフェニル)−5−フェニルアミノ−[1,2,4]−チアジアゾール−2−イウムである化合物Ia、及び薬学的に許容されうる塩を含み、5−フェニルアミノ−2,3−ビス(2−メトキシフェニル)−1,2,4チアジアゾニウムとしても知られる臭化物塩が好ましい。式Iaの好ましい臭化物塩の構造を以下に示す。
【0022】
【化4】

【0023】
別の実施形態では、本発明の安定的な組成物は、[2−(2−メトキシフェニル)−3−(2−メトキシフェニル)−2H−[1,2,4]−チアジアゾール−5−イリデン]−フェニルアミンであり、N−[2,3−ビス−(2−メトキシフェニル)−1,2,4−チアゾール−5(2H)−イリデン]−ベンゼンアミンとしても知られる化合物IIaを含む。化合物IIaの構造を以下に示す。
【0024】
【化5】

【0025】
別の実施形態では、本発明の安定的な組成物は、1−[(2−メトキシ−フェニル)−(2−メトキシ−フェニルアミノ)−メチレン]−3−フェニル−チオ尿素である化合物IIIb、及びその薬学的に許容されうる塩を含む。化合物IIIbの構造を以下に示す。
【0026】
【化6】

【0027】
更なる別の実施形態では、本発明の安定的な組成物は、化合物IIIbの対応する互変異性体であり、1−[(2−メトキシ−フェニル)−(2−メトキシ−フェニルイミノ)−メチル]−3−フェニル−チオ尿素である化合物IIIc、及びその薬学的に許容されうる塩を含む。化合物IIIcの構造を以下に示す。
【0028】
【化7】

【0029】
本明細書において、化合物Ia、IIa、及びIIIaは同様の性質を有しており、本発明の安定的な組成物において互換可能であることが見出される。化合物は、任意の所望の濃度又は範囲で組成物中に存在してよい。化合物Ia、IIa、及びIIIaの範囲は約0.05%〜約20%(重量/重量)、好ましくは約0.01%〜約10%(重量/重量)、より好ましくは約0.1%〜約8%(重量/重量)、最も好ましくは約0.6%〜約4%(重量/重量)であってよい。化合物の適切な量は、疾患の重篤度、及び局所投与を必要とする患者の状態に応じて変化しうる。
【0030】
本発明において提供される安定的な組成物又は製剤は、クリーム又はエマルション、ローション、ゲル、懸濁液、エアロゾル、発泡剤などの形態で存在しうる。好ましくは、安定的な製剤又は組成物は、水性ゲル、ローション、クリーム又はエマルション、発泡剤などとして存在する。
【0031】
本発明の組成物は、長い保存期間又は安定性、及び適当な商業的生産性などの望ましくかつ向上した特性を有する。本明細書で用いるところの「安定的な組成物」、「安定的な製剤」、「長い保存期間を有する組成物」、又はこれらの変化形といった用語は、組成物中で式I、II、又はIIIの化合物(最も好ましくは化合物Ia、IIa、及びIIIa)が安定であることを指す。化合物の安定性又は保存期間は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、組成物中の式I、II又はIIIの化合物の濃度及び分解物を測定することによって求めることができる。当該技術分野において一般的に言われるように、化合物の濃度が化合物の最初の濃度の少なくとも約90%〜少なくとも約110%、好ましくは少なくとも約95%〜少なくとも約105%に維持される場合に、化合物は安定的又は安定化されているとみなされる。
【0032】
一例として、式I、II、又はIIIの化合物の安定性は、温度制御されたオートサンプラー、サーモスタット式カラム部分、及び約326nmにおけるUV検出器(Agilent 1100、ウォーターズ社(Waters)alliance HPLC)を備えたHPLCを用いて求められる。化合物Iaの分析にはZorbax C18カラムが用いられ、化合物IIaの分析にはYMC−Pack Hydrosphere C18カラムが用いられる。移動相A及びBの2相直線勾配が用いられる。移動相Aはトリフルオロ酢酸の約0.2%水溶液からなり、移動相Bはトリフルオロ酢酸の約0.2%メタノール溶液でよい。勾配条件を以下に示す。
【0033】
【表1】

【0034】
本発明に基づく安定的な組成物は、少なくとも6ヶ月の安定性又は保存期間を有する。好ましくは、本発明の水性ゲルは、約25℃の周囲条件下で少なくとも12ヶ月、好ましくは18ヶ月、最も好ましくは24ヶ月の安定性又は保存期間を有する。更に、本発明のクリーム又はエマルションは、約5℃の冷蔵条件下で少なくとも6ヶ月、好ましくは12ヶ月、最も好ましくは18ヶ月の安定性又は保存期間を有する。安定的な組成物を調製するには、式I、II及び/又はIIIの化合物、又はそれらの塩の1つ以上を有効成分として提供し、従来の医薬配合技術によって医薬品添加物と混合する。
【0035】
安定的な製剤は、有効成分以外に、これらに限定されるものではないが、キレート剤、緩衝剤、pH調整剤、着色剤、防腐剤、芳香剤、乳化剤、界面活性剤、不透明化剤、皮膚軟化剤、溶媒、日焼け止め剤、粘度調整剤、酸化防止剤、加湿剤、透過性増強剤、膜形成ポリマーなどの1つ以上の非活性成分を含有してもよい。
【0036】
一実施形態では、安定的な組成物は、式I、II、及び/又はIIIの化合物(好ましくは化合物Ia、IIa、及びIIIa)、粘度調整剤、防腐剤及び水を含む水性ゲルである(表1)。場合により、水性ゲルはpH調整剤、界面活性剤、及び膜形成ポリマーを含んでもよい。
【0037】
【表2】

1 必要に応じて添加。
* 全成分の総重量が100となるようにする。
【0038】
好適な粘度調整剤としては、これらに限定されるものではないが、アカシアガム、寒天、アルギン酸、ベントナイト;カルボマーコポリマー、カルボマーホモポリマー、及びカルボマーインターポリマーなどのカルボマー;カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カラギーナン、微結晶セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムとの混合物、デキストリン、ゼラチン、ジェランガム、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、メチルセルロース、ペクチン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸プロピレングリコール、プルラン、疎水性コロイダルシリカ、二酸化ケイ素、アルギン酸ナトリウム、コーンスターチ、キサンタンガム、及びPVM/MAデカジエン架橋ポリマー(STABILEZE(商標)、ULTRATHIX(商標)、LUBRAJEL(商標)及びGANTREZ(商標)の商品名のものなど)が挙げられる。カルボマー974Pなどの医薬品グレードの高分子量(例えば10億のオーダー)の架橋ポリアクリル酸ポリマーが、水性ゲルの好適な粘度を与えるうえで好ましい。粘度の範囲は約10,000〜約300,000cps、好ましくは約50,000〜約150,000cpsでよい。粘度調整剤を約0.1%〜約25%、好ましくは約0.2%〜約10%の範囲で添加することで、所望の粘度調整剤を与えることができる。所望の粘度を得るためにカルボマーが用いられる場合(好ましくはカルボマー974P)、カルボマーは約0.1重量%〜約5重量%、好ましくは約0.5重量%〜約1.5重量%の範囲で添加することができる。
【0039】
粘度は、Brookfield Synchro−Lectric粘度計(helipathスタンド付きLVT)などの任意の公知の方法によって求めることができる。一例として、スピンドルFを約25℃にて約3rpmで使用して粘度測定を行った。
【0040】
好適な防腐剤としては、これらに限定されるものではないが、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、ブチルパラベン、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、クロロクレゾール、クレゾール、デヒドロ酢酸、エチルパラベン、メチルパラベン、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、安息香酸カリウム,ソルビン酸カリウム、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸、ジアゾリジニル尿素、イミダゾリジニル尿素、及びクオタニウム−15が挙げられる。水性ゲルではフェノキシエタノールが好ましい。フェノキシエタノールが用いられる場合には、約0.05重量%〜約5重量%、好ましくは約0.5重量%〜約1.5重量%の範囲で添加することができる。
【0041】
場合により、水性ゲルのpHを約3.0〜約7.0、好ましくは約4.5〜約6.0に調節することができる。式I、II又はIIIの化合物、又は化合物Ia、IIa又はIIIaと相溶性を有する任意のpH調整剤を使用することができる。好適なpH調整剤としては、これらに限定されるものではないが、ジエタノールアミン、トロラミン、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、トロメタミン、トリエタノールアミン及び水酸化カリウムが挙げられる。水性ゲルでは水酸化ナトリウムが好ましい。水酸化ナトリウムが用いられる場合、約0.05重量%〜約0.5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約0.25重量%の範囲で添加することができる。
【0042】
好ましい水性ゲルは、表2に示されるように化合物Ia、IIa又はIIIa、フェノキシエタノール、カルボマー、水酸化ナトリウム及び水からなるものでよい。
【0043】
【表3】

* 全成分の総重量が100となるようにする。
【0044】
本発明の別の実施形態では、ベース組成物が提供される。ベース組成物は、上記表2に述べた水性ゲルと混合するのに適したものである。ベース組成物は防腐剤、溶媒又は溶媒の混合物、粘度調整剤及び水からなるものでよい(表3)。場合により、乳化剤、キレート剤、pH調整剤、着色剤、芳香剤、界面活性剤、不透明化剤、皮膚軟化剤、日焼け止め剤、酸化防止剤、加湿剤、透過性増強剤、膜形成ポリマーなどをベース組成物に添加することができる。
【0045】
【表4】

1 必要に応じて添加。
* 全成分の総重量が100となるようにする。
【0046】
好ましい一実施形態では、ベース組成物は、乳化剤、溶媒の混合物、防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤及び水からなるものでよい。
【0047】
好適な乳化剤としては、イオン性及び非イオン性乳化剤が挙げられる。イオン性乳化剤としては、カプリリルスルホン酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、セテアリル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、トリデシル硫酸ナトリウム、及びラウリル硫酸カリウムなどの硫酸化高級一級脂肪族アルコールのナトリウム及びカリウム塩が挙げられる。非イオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンソルビタンエステル(例えば、ポリソルベート20及びポリソルベート80)、ソルビタンエステル、ポリエチレングリコールエステル;ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリエチレンエーテル、セテアリアルコール及びセテアリルグリコシドなどのアルコキシル化アルコールなどが挙げられる。ステアリン酸ジエチレングリコール、ステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸グリセリル、モノリノレン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ラノリンアルコール、レシチン、モノ−及びジ−グリセリド、オレイン酸オレイル、パーム核油、ポロキサマー、ポリオキシエチレン50ステアレート、ポリオキシル10オレイルエーテル、ポリオキシル20セトステアリルエーテル、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40水添ヒマシ油、ポリオキシル40ステアレート、ポリオキシルラウリルエーテル、ポリオキシルステアリルエーテル、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、超グリセリン化完全水添ナタネ油、セトステアリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ステアリン酸、及び乳化ワックスなどの他の乳化剤を使用することもできる。POLAWAX(登録商標)(クロダ・ケミカル社(Croda Chemical)英国)などの乳化ワックスが、ベース組成物の乳化剤として好ましい。乳化ワックスが用いられる場合には、約0.2重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約5重量%の範囲で添加することができる。
【0048】
好適な溶媒としては、これらに限定されるものではないが、エタノール、グリコール、アーモンド油、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、酢酸エチル、オレイン酸エチル、グリセリン、グリコフロール、イソプロピルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、軽油、中鎖トリグリセリド、鉱油、モノエタノールアミン、オリーブ油、落花生油、ポリエチレングリコール、ポリオキシル35ヒマシ油、プロピレンカーボネート、プロピレングリコール、ゴマ油、大豆油、ひまわり油、トリアセチン、トリエタノールアミン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、カプリロカプロイルポリオキシルグリセリド、ブチルアルコール、水添ポリデセン、ラウロイルポリオキシルグリセリド、リノレオイルポリオキシルグリセリド、オレオイルポリオキシルグリセリド及びステアロイルポリオキシルグリセリドが挙げられ、ミリスチン酸イソプロピル及び/又はエタノールが好ましい。好適なグリコールとしては、これらに限定されるものではないが、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール及びポリエチレングリコールが挙げられ、プロピレングリコールが好ましい。ミリスチン酸イソプロピル、エタノール及び/又はプロピレングリコールが用いられる場合には、約1%〜約20%、好ましくは約5%〜約15%の範囲で添加することができる。
【0049】
水性ゲルに適した防腐剤及び粘度調整剤をベース組成物に使用することもできる。ベース組成物の防腐剤としてはフェノキシエタノールが好ましく、粘度調整剤としてはカルボマーが好ましい。
【0050】
好適なベース組成物は、表4に示されるように、乳化ワックス(例えばPOLAWAX(登録商標))、エタノール、プロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、フェノキシエタノール、カルボマー、水酸化ナトリウム及び水からなるものでよい。
【0051】
【表5】

* 全成分の総重量が100となるようにする。
【0052】
更なる一実施形態では、安定的な組成物は、水性ゲル(好ましくは表2に示されるもの)及びベース組成物(好ましくは表4に示されるもの)の、約1:9〜約9:1(重量/重量)、好ましくは約1:4〜約4:1(重量/重量)、更に好ましくは約1:2〜約2:1(重量/重量)、最も好ましくは約1:1(重量/重量)の範囲の重量比の混合物を含みうる。水性ゲル及びベース組成物を、例えばKitchen−aidミキサー又はHobartミキサーなどの当該技術分野では周知の任意の適当な方法を用いて混合することができる。
【0053】
水性ゲル及びベース組成物の混合物によって調製される好適な組成物は、表5に示されるように、式I、II又はIIIの化合物、POLAWAX(登録商標)、エタノール、プロピレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、フェノキシエタノール、カルボマー974P、水酸化ナトリウム及び水からなるものでよい。
【0054】
【表6】

* 全成分の総重量が100となるようにする。
【0055】
一例として、水性ゲルを1つの容器にパッケージングし、ベース組成物を別の容器にパッケージングすることができる。薬剤師又は医療従事者は適量の水性ゲル及びベース組成物を混合し、混合物を患者又は使用者に投薬することができる。
【0056】
また、水性ゲル及びベース組成物を2室型装置にパッケージングしてもよい。2室型装置の第1の容器に水性ゲルを収容し、2室型装置の第2の容器にベース組成物を収容することができる。使用者又は患者は、治療を行う直前に2室型装置から組成物を分注して混合することができる。2室型装置は、その設計に応じて1回又は複数回の使用に適用することができる。
【0057】
また、安定的な組成物は、実施例3で述べる方法のように、当該技術分野では周知の従来のエマルション製造法によって調製することもできる。
【0058】
更なる別の実施形態では、安定的な組成物は、式I、II又はIIIの化合物、粘度調整剤、乳化剤、溶媒又は溶媒の混合物、防腐剤、pH調整剤、及び水を含むエマルションである(表6)。場合により、疎水性賦形剤、キレート剤、酸化防止剤、緩衝剤、着色剤、界面活性剤、皮膚軟化剤、透過性強化剤、膜形成ポリマーなどを添加することもできる。
【0059】
【表7】

1 必要に応じて添加。
* 全成分の総重量が100となるようにする。
【0060】
好ましいエマルションは、表7に示されるように、式I、II又はIIIの化合物、プロピレングリコール、フェノキシエタノール、カルボマー、EDTA二ナトリウム、乳化ワックス、ミリスチン酸イソプロピル、エタノール、水酸化ナトリウム及び水からなるものでよい。
【0061】
【表8】

* 全成分の総重量が100となるようにする。
【0062】
一態様では、安定的な組成物は、メラノコルチン受容体によって媒介されるあらゆる皮膚疾患又は障害の治療、特ににきび又は過剰な皮脂生産の治療に使用することができる。本明細書において提供される安定的な局所組成物は、有効用量を投与するうえで必要とされる所定量の医薬有効成分を含む。用量は、患者の要求条件、治療を行う状態の重症度、及び使用される化合物に応じて変化しうる。連日投与又は他の周期的投与の使用も可能である。投与する最適用量は、当業者により容易に決定することが可能であり、使用される特定の化合物、投与方法、調製物の強度、投与方法、及び疾患の進行状態によって変化しうる。更に、患者の年齢、体重、食事内容、及び投与時期などの治療される特定の患者に関連した因子によって、用量を調整する必要が生じうる。
【0063】
別の態様では、本発明は、治療を必要とする患者への投薬に先立って、薬剤師又は医療従事者によって2種類の組成物を混合する方法を提供する。第1の組成物は、周囲条件下で安定な上記に述べた安定的な組成物のいずれかに式I、II又はIIIの化合物を含むものである。第2の組成物は、式I又はIIの化合物を完全又は部分的に分散又は溶解することが可能なベース組成物を含むものである。第1及び第2の混合物を当該技術分野では周知の任意の適当な方法を用いて混合し、投薬することができる。一例として、第1の組成物を容器内にパッケージングされた水性ゲルとし、第2の組成物を別の容器内にパッケージングされたベース組成物とすることができる。薬剤師又は医療従事者は適量の水性ゲル及びベース組成物を混合し、混合物又はクリーム又はエマルションを形成し、この混合物を患者又は使用者に投薬することができる。本方法は、得られた組成物を複数回使用して投与するために冷蔵する工程を更に含んでもよい。
【0064】
本キットは、投薬後にクリーム又はエマルションを冷蔵することを使用者に指示する使用説明書又はラベルを更に含んでもよい。
【0065】
以下の実施例は、本発明の理解を助けるために記載するものであり、本明細書に付属する「特許請求の範囲」に記載される発明をいかなる意味においても限定することを目的としたものではなく、またそのように解釈されるべきではない。
【実施例】
【0066】
実施例1.水性ゲル
水性ゲル組成物A
【0067】
【表9】

【0068】
調製法:混合ボール中で、水及びフェノキシエタノールを、Lighteningミキサーを用いてフェノキシエタノールが溶解するまで混合した。カルボマーを徐々に加え、均一に分散されるまで混合した。化合物Iaを混合物に加え、スパチュラで混合した。混合物を別のボールに移してSilverson L4Rミキサーに移し、化合物Iaが均一に分散されるまで混合した。混合ボールをKitchen Aidミキサーに移し、混合物を混合しながらNaOH溶液を加えた。均質なゲルが形成されるまで混合物を混合した。
【0069】
HPLCを用いて化合物Iaの濃度を測定することによって、化合物Iaの安定性を調べた。一定時間にわたって異なる温度で保存した組成物中の化合物の濃度を、保存前の最初の化合物の濃度と比較した。結果は、周囲条件下で水性ゲル組成物A中の化合物Iaが安定であることを示した。
【0070】
水性ゲル組成物B
【0071】
【表10】

【0072】
調製法:混合ボール中で、水及びフェノキシエタノールを、Lighteningミキサー(mixture)を用いてフェノキシエタノールが溶解するまで混合した。カルボマーを徐々に加え、均一に分散されるまで混合した。化合物IIaを混合物に加え、スパチュラで混合した。混合物を別のボールに移し、化合物IIaが均一に分散されるまでSilverson L4Rミキサーを用いて混合した。混合ボールをKitchen Aidミキサーに移し、混合物を混合しながらNaOH溶液を加えた。均質なゲルが形成されるまで混合物を混合した。
【0073】
0.3%、0.6%、1.2%、1.5%及び2.4%の異なる濃度の化合物IIaを含む同じ水性ゲル組成物Bを、上記に述べたようにして調製した。これらの水性ゲルを上記に述べたようにして安定性について調べ、結果を表10にまとめた。水性ゲル組成物A中の化合物Iaの結果と同様、水性ゲル組成物B中の異なる量の化合物IIaも周囲条件下においてやはり安定であった(表2)。
【0074】
【表11】

* NA=測定せず
【0075】
実施例2.2室型装置用の組成物
2室型装置に適した安定的な組成物の評価を行うため、ベース組成物及び水性ゲルを別々に調製した。実施例1の組成物Bについて述べたようにして、2.4%の化合物IIaを含む水性ゲルを調製した。
【0076】
ベース組成物C
【0077】
【表12】

【0078】
調製法:Lightningミキサーを用いて容器中で水、フェノキシエタノール、及びプロピレングリコールを混合することによって、ベース組成物を調製した。カルボマーを徐々に加え、均一に分散されるまで混合した。混合物を約65℃〜約75℃に加熱し、均一に分散して水相混合物を形成するまで混合した。別の容器に乳化ワックス及びミリスチン酸イソプロピルを加え、約65℃〜約75℃に加熱し、Lightingミキサーを用いて混合して油相混合物を形成した。この油相混合物を、Lightingミキサーを用いて混合しながら水相混合物に加えた。得られた混合物を混合し、約40℃にまで冷却した。約40℃に冷却した時点で、エタノール及び10% NaOH溶液を加えた。Ligheningミキサーを用いて混合物を混合し、約30℃にまで冷却してベース組成物Cを形成した。
【0079】
ベース組成物C及び水性ゲル組成物Bを、Kitchen Aidミキサーを用いて1:1の重量比で混合して最終組成物を得た。得られた組成物の成分を下記表12に示した。
【0080】
クリーム組成物D
【0081】
【表13】

〜は「約」を意味する。
【0082】
実施例1と同様にして安定性を調べ、クリーム組成物についての結果を表13にまとめた。結果は、化合物IIaがクリーム組成物C中において、周囲条件下では少なくとも6ヶ月、冷蔵条件下では少なくとも18ヶ月安定であることを示した(表10及び13)。
【0083】
【表14】

【0084】
実施例3.エマルション
組成物E
【0085】
【表15】

〜は「約」を意味する。
【0086】
調製法:容器中で、Lightingミキサーを用いて水、プロピレングリコール、フェノキシエタノール、EDTA二ナトリウム及びカルボマー974Pを混合して水相を形成した。この水相を約65℃〜75℃に加熱した。別の容器中で、乳化ワックス及びミリスチン酸イソプロピルをLightingミキサーを用いて混合して油相を形成した。この油相を約65℃〜75℃に加熱した。別の容器中で、水を化合物IIaと混合して有効医薬成分のスラリーを形成した。油相を水相に徐々に加えてエマルションを形成した。約40℃にまで冷却した時点で、有効医薬成分のスラリー及びエタノールをエマルションに徐々に加えた。約30℃にまで冷却した時点で、10% NaOH溶液を徐々に加えて組成物Eを形成した。
【0087】
安定性を実施例1と同様にして調べた。表15にまとめた結果は、化合物IIaがエマルション組成物E中において冷蔵条件下で少なくとも13ヶ月安定であることを示した。
【0088】
【表16】

【0089】
組成物F
【0090】
【表17】

【0091】
調製法:容器中で、Lightingミキサーを用いて水、EDTA二ナトリウム及びキサンタンガムを混合して水相を形成した。この水相を約65℃〜75℃に加熱した。別の容器中で、Lightingミキサーを用いてセテアリルアルコール、セテアリルグルコシド、及びC12〜15安息香酸アルキルを混合して油相を形成した。この油相を約80℃〜約85℃に加熱した。別の容器中で、ミリスチン酸イソプロピルを化合物Iaと混合して有効医薬成分のスラリーを形成した。別の容器中で、イミダゾリジニル尿素、クエン酸一水和物、及びリン酸水素ナトリウム7水和物を水と混合して溶液Aを形成した。油相を水相に徐々に加えてエマルションを形成した。エマルションが約40℃にまで冷却した時点で溶液Aを加え、混合した。エマルションが約30℃〜35℃にまで冷却した時点で、有効医薬成分のスラリーを加えてエマルション組成物Fを形成した。
【0092】
安定性を実施例1と同様にして調べた。結果は、エマルション組成物F中において化合物Iaが冷蔵条件下で少なくとも4週間にわたって安定であることを示した。
【0093】
組成物G
【0094】
【表18】

【0095】
組成物H
【0096】
【表19】

【0097】
組成物G及びHの調製法:容器中で、Lightingミキサーを用いて水、EDTA二ナトリウム及びキサンタンガムを混合して水相を形成した。この水相を約65℃〜約75℃に加熱した。別の容器中で、12〜15安息香酸アルキル、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル及びポリオキシエチレン(2)ステアリルエーテルを、Lightingミキサーを用いて混合して油相を形成した。この油相を約65℃〜約75℃に加熱した。別の容器中で、ミリスチン酸イソプロピルを化合物Ia又はIIaと混合して有効医薬成分のスラリーを形成した。別の容器中で、Lightingミキサーを用いてイミダゾリジニル尿素、クエン酸一水和物、リン酸水素ナトリウム7水和物、及び水を混合して溶液Aを形成した。油相を水相に徐々に加えてエマルションを形成した。約40℃にまで冷却しながら、溶液Aをエマルションに加えた。エマルションが約30℃〜35℃にまで冷却した時点で、有効医薬成分のスラリーを加えた。
【0098】
安定性を実施例1と同様にして調べた。結果は、エマルションG中の化合物Ia及びエマルション組成物H中の化合物IIaが、冷蔵条件下で少なくとも4週間にわたって安定であることを示した。
【0099】
実施例4.皮膚透過性試験
インビトロで皮膚透過性試験を行って、水性ゲルB及びクリーム組成物D中に異なる濃度で含まれる化合物IIaの浸透性を評価した。
【0100】
この試験では遺体皮膚限定用量法を使用した。ヒトの遺体の胴部の分層皮膚をスキンバンクから入手し、水不透過性のプラスチックバッグ内で約−70℃で保存した。各実験に先立って、約37℃の水浴中で皮膚を解凍し、フランツ型拡散セルに装填するのに充分な大きさの切片に切断した。拡散セルを拡散装置に装着してエタノール/水/ギ酸(25/75/0.3)のレセプター溶液で満たし、これを600RPMで攪拌して約32℃に保った。角質層側がドナー区画に面し、真皮側がレシーバー区画に面するようにして、拡散セル上に皮膚を装填した。ピペットを用いて約10μL/cm2の組成物を皮膚に塗布した。この用量を、ピペットのテフロン先端部を用いて皮膚表面全体に拡げた。約4、8、12及び24時間後にレセプター溶液を抜いて、新鮮なレセプター溶液に交換した。分析用に一定分量を採取した。皮膚表面を約0.5mLのメタノール/水/ギ酸(90/10/0.3)の混合溶媒で洗浄した。混合溶媒を濾過し、分析用に一定分量を採取した。次いで真皮と表皮を分離し、溶媒混合物を用いて化合物IIaを抽出した。混合溶媒を濾過し、分析用に一定分量を採取した。HPLCを用いて試料を分析した。
【0101】
表19及び20にまとめたように、化合物IIaは、クリーム組成物D及び水性ゲル製剤B中で表皮、真皮及びレセプター溶液中に浸透することができた。更に、これらの結果は、表皮、真皮及びレセプター溶液中の全体の浸透量が製剤中の化合物IIaの濃度が高くなるにしたがって増大したことを示している。
【0102】
【表20】

【0103】
【表21】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
約0.05重量%〜約20重量%の量の式I、II又はIIIの化合物、約0.1重量%〜約5重量%の量の粘度調整剤、約0.05重量%〜約5重量%の量の防腐剤、及び全体で100重量%となるように適量加えられた水を含む局所組成物であって、
前記式I、II又はIIIの化合物が、下記構造:
【化1】

[式中、
R1は、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル−アルキル、シクロアルキル及びシクロアルキル−アルキルからなる群から選択され、前記アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル−アルキル又はシクロアルキル基は場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ又はジ(アルキル)アミノから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されていてもよく、
R2は、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル及びシクロアルキル−アルキルからなる群から選択され、前記アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル又はシクロアルキル基は場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ又はジ(アルキル)アミノから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されていてもよく、
R3は、水素、アルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され、ただし前記アルケニル基の2重結合又は前記アルキニル基の3重結合は結合点から少なくとも炭素原子1個分だけ離れており、
R4は、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル及びシクロアルキル−アルキルからなる群から選択され、前記アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル又はシクロアルキル基は場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ又はジ(アルキル)アミノから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されていてもよく、
-は、臭素イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン、酢酸イオン、安息香酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオン、リンゴ酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、二リン酸イオン、コハク酸イオン、硫酸イオン、酒石酸イオン、トシル酸イオンからなる群から選択され、
ただしR1がフェニル、シクロフェニル又はベンジルであり、R2がフェニル又はベンゾチエニルであり、R4がフェニル又はアラルキルである場合、R3はアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され、ここで前記アルケニル基の2重結合又は前記アルキニル基の3重結合は結合点から少なくとも炭素原子1個分だけ離れており、
ただし更に、R1がベンジル又はメチルフェニルであり、R2がフェニル又はメチルフェニルであり、R4がメチルフェニル又は4−メトキシフェニルである場合、R3はアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され、ここで前記アルケニル基の2重結合又は前記アルキニル基の3重結合は結合点から少なくとも炭素原子1個分だけ離れており、
ただし更に、R1がフェニルであり、R2がフェニルであり、R4がフェニルである場合、R3はC3〜8のアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され、ここで前記アルケニル基の2重結合又は前記アルキニル基の3重結合は結合点から少なくとも炭素原子1個分だけ離れている]
及びそれらの薬学的に許容されうる塩
を有する組成物。
【請求項2】
前記化合物が、2−(2−メトキシフェニル)−3−(2−メトキシフェニル)−5−フェニルアミノ−[1,2,4]−チアジアゾール−2−イウム、[2−(2−メトキシフェニル)−3−(2−メトキシフェニル)−2H−[1,2,4]−チアジアゾール−5−イリデン]−フェニルアミン、1−[(2−メトキシ−フェニル)−(2−メトキシ−フェニルアミノ)−メチレン]−3−フェニル−チオ尿素、1−[(2−メトキシ−フェニル)−(2−メトキシ−フェニルイミノ)−メチル]−3−フェニル−チオ尿素、及びこれらの薬学的に許容されうる塩からなる群から選択される、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項3】
前記化合物が、[2−(2−メトキシフェニル)−3−(2−メトキシフェニル)−2H−[1,2,4]−チアジアゾール−5−イリデン]−フェニルアミンである、請求項2に記載の局所組成物。
【請求項4】
前記粘度調製剤が、アカシアガム、寒天、アルギン酸、ベントナイト、カルボマーコポリマー、カルボマーホモポリマー、及びカルボマーインターポリマー、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カラギーナン、微結晶セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、ゼラチン、ジェランガム、グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、メチルセルロース、ペクチン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸プロピレングリコール、プルラン、疎水性コロイダルシリカ、二酸化ケイ素、アルギン酸ナトリウム、コーンスターチ、及びキサンタンガムからなる群から選択される、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項5】
前記粘度調製剤が、カルボマーコポリマー、カルボマーホモポリマー、及びカルボマーインターポリマーからなる群から選択される、請求項4に記載の局所組成物。
【請求項6】
前記防腐剤が、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、ブチルパラベン、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、クロロブタノール、クロロクレゾール、クレゾール、デヒドロ酢酸、エチルパラベン、メチルパラベン、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、安息香酸カリウム,ソルビン酸カリウム、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸、ジアゾリジニル尿素、イミダゾリジニル尿素、及びクオタニウム−15からなる群から選択される、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項7】
前記防腐剤がフェノキシエタノールである、請求項6に記載の局所組成物。
【請求項8】
約0.05重量%〜約2重量%の量の界面活性剤を更に含む、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項9】
約0.1重量%〜約5重量%の量の膜形成ポリマーを更に含む、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項10】
約0.05重量%〜約0.5重量%の量のpH調整剤を更に含む、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項11】
前記化合物が約0.6重量%〜約4重量%の量であり、前記粘度調製剤が約0.7重量%〜約1.5重量%の量であり、前記防腐剤が約0.7重量%〜約1.5重量%の量であり、前記pH調整剤が約0.1重量%〜約0.25重量%の量であり、水が全体で100重量%となるような適量である、請求項10に記載の局所組成物。
【請求項12】
前記化合物が、[2−(2−メトキシフェニル)−3−(2−メトキシフェニル)−2H−[1,2,4]−チアジアゾール−5−イリデン]−フェニルアミンであり、前記粘度調整剤がカルボマー974Pであり、前記防腐剤がフェノキシエタノールであり、前記pH調整剤が水酸化ナトリウムである、請求項11に記載の局所組成物。
【請求項13】
約1重量%〜約20重量%の量の溶媒混合物、約0.2重量%〜約10重量%の量の乳化剤、及び約0.05重量%〜約0.5重量%の量のpH調整剤を更に含む、請求項1に記載の局所組成物。
【請求項14】
前記化合物が、2−(2−メトキシフェニル)−3−(2−メトキシフェニル)−5−フェニルアミノ−[1,2,4]−チアジアゾール−2−イウム、[2−(2−メトキシフェニル)−3−(2−メトキシフェニル)−2H−[1,2,4]−チアジアゾール−5−イリデン]−フェニルアミン、1−[(2−メトキシ−フェニル)−(2−メトキシ−フェニルアミノ)−メチレン]−3−フェニル−チオ尿素、1−[(2−メトキシ−フェニル)−(2−メトキシ−フェニルイミノ)−メチル]−3−フェニル−チオ尿素、及びこれらの薬学的に許容されうる塩からなる群から選択される、請求項13に記載の局所組成物。
【請求項15】
前記化合物が、[2−(2−メトキシフェニル)−3−(2−メトキシフェニル)−2H−[1,2,4]−チアジアゾール−5−イリデン]−フェニルアミンである、請求項14に記載の局所組成物。
【請求項16】
前記溶媒が、エタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、ブチルアルコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、アーモンド油、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、ヒマシ油、トウモロコシ油、綿実油、酢酸エチル、オレイン酸エチル、グリセリン、グリコフロール、イソプロピルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、軽油、中鎖トリグリセリド、鉱油、モノエタノールアミン、オリーブ油、落花生油、ポリエチレングリコール、ポリオキシル35ヒマシ油、プロピレンカーボネート、プロピレングリコール、ゴマ油、大豆油、ひまわり油、トリアセチン、トリエタノールアミン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、カプリロカプロイルポリオキシルグリセリド、ブチルアルコール、水添ポリデセン、ラウロイルポリオキシルグリセリド、リノレオイルポリオキシルグリセリド、オレオイルポリオキシルグリセリド及びステアロイルポリオキシルグリセリドからなる群から選択される、請求項13に記載の局所組成物。
【請求項17】
前記溶媒が、ミリスチン酸イソプロピル、エタノール及びプロピレングリコールからなる群から選択される、請求項16に記載の局所組成物。
【請求項18】
前記乳化剤が、カプリリルスルホン酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、セテアリル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、トリデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、ソルビタンエステル、ポリエチレングリコールエステル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリエチレンエーテル、セテアリアルコール、セテアリルグリコシド、ステアリン酸ジエチレングリコール、ステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸グリセリル、モノリノレン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ラノリンアルコール、レシチン、モノ−及びジ−グリセリド、オレイン酸オレイル、パーム核油、ポロキサマー、ポリオキシエチレン50ステアレート、ポリオキシル10オレイルエーテル、ポリオキシル20セトステアリルエーテル、ポリオキシル35ヒマシ油、ポリオキシル40水添ヒマシ油、ポリオキシル40ステアレート、ポリオキシルラウリルエーテル、ポリオキシルステアリルエーテル、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、超グリセリン化完全水添ナタネ油、セトステアリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ステアリン酸、及び乳化ワックスからなる群から選択される、請求項13に記載の局所組成物。
【請求項19】
前記乳化剤がPOLAWAX(登録商標)である、請求項18に記載の局所組成物。
【請求項20】
前記化合物が、[2−(2−メトキシフェニル)−3−(2−メトキシフェニル)−2H−[1,2,4]−チアジアゾール−5−イリデン]−フェニルアミンであり、前記粘度調製剤がカルボマー974Pであり、前記防腐剤がフェノキシエタノールであり、前記溶媒が、ミリスチン酸イソプロピル、エタノール、及びプロピレングリコールからなる群から選択され、前記乳化剤がPOLAWAX(登録商標)であり、前記pH調整剤が水酸化ナトリウムである、請求項13に記載の局所組成物。
【請求項21】
[2−(2−メトキシフェニル)−3−(2−メトキシフェニル)−2H−[1,2,4]−チアジアゾール−5−イリデン]−フェニルアミンが約0.6重量%〜約4重量%の量であり、POLAWAX(登録商標)が約4重量%〜約6重量%の量であり、エタノールが約3重量%〜約5重量%の量であり、プロピレングリコールが約3重量%〜約5重量%の量であり、ミリスチン酸イソプロピルが約2重量%〜約4重量%の量であり、フェノキシエタノールが約0.5重量%〜約2重量%の量であり、カルボマー974Pが約0.4重量%〜約0.8重量%の量であり、水酸化ナトリウムが約0.1重量%〜0.25重量%の量であり、水が全体で100重量%となるような適量である、請求項20に記載の局所組成物。
【請求項22】
a)約0.05重量%〜約20重量%の量の式I、II又はIIIの化合物、約0.1重量%〜約5重量%の量の粘度調整剤、約0.05重量%〜約5重量%の量の防腐剤、及び全体で100重量%となるような適量の水を含む水性ゲルを含む第1の容器であって、
前記式I、II又はIIIの化合物が、下記構造:
【化2】

[式中、
R1は、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル−アルキル、シクロアルキル及びシクロアルキル−アルキルからなる群から選択され、前記アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル−アルキル又はシクロアルキル基は場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ又はジ(アルキル)アミノから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されていてもよく、
R2は、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル及びシクロアルキル−アルキルからなる群から選択され、前記アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル又はシクロアルキル基は場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ又はジ(アルキル)アミノから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されていてもよく、
R3は、水素、アルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され、ただし前記アルケニル基の2重結合又は前記アルキニル基の3重結合は結合点から少なくとも炭素原子1個分だけ離れており、
R4は、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル及びシクロアルキル−アルキルからなる群から選択され、前記アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル又はシクロアルキル基は場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ又はジ(アルキル)アミノから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されていてもよく、
-は、臭素イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン、酢酸イオン、安息香酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオン、リンゴ酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、二リン酸イオン、コハク酸イオン、硫酸イオン、酒石酸イオン、トシル酸イオンからなる群から選択され、
ただしR1がフェニル、シクロフェニル又はベンジルであり、R2がフェニル又はベンゾチエニルであり、R4がフェニル又はアラルキルである場合、R3はアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され、ここで前記アルケニル基の2重結合又は前記アルキニル基の3重結合は結合点から少なくとも炭素原子1個分だけ離れており、
ただし更に、R1がベンジル又はメチルフェニルであり、R2がフェニル又はメチルフェニルであり、R4がメチルフェニル又は4−メトキシフェニルである場合、R3はアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され、ここで前記アルケニル基の2重結合又は前記アルキニル基の3重結合は結合点から少なくとも炭素原子1個分だけ離れており、
ただし更に、R1がフェニルであり、R2がフェニルであり、R4がフェニルである場合、R3はC3〜8のアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され、ここで前記アルケニル基の2重結合又は前記アルキニル基の3重結合は結合点から少なくとも炭素原子1個分だけ離れている]、
及びそれらの薬学的に許容されうる塩
を有する第1の容器と、
b)約1重量%〜約20重量%の量の溶媒混合物、約0.5重量%〜約8重量%の量の粘度調製剤、約0.05重量%〜約5重量%の量の防腐剤、約0.2重量%〜約10重量%の量の乳化剤、約0.05重量%〜約0.5重量%の量のpH調整剤、及び100重量%となるような適量の水を含むベースを含む第2の容器と、
を含む局所組成物のキット。
【請求項23】
a)約0.05重量%〜約20重量%の量の式I、II又はIIIの化合物、約0.1重量%〜約5重量%の量の粘度調整剤、約0.05重量%〜約5重量%の量の防腐剤、及び全体で100重量%となるような適量の水を含む水性ゲルであって、
前記式I、II又はIIIの化合物が、下記構造:
【化3】

[式中、
R1は、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−アルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル−アルキル、シクロアルキル及びシクロアルキル−アルキルからなる群から選択され、前記アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル−アルキル又はシクロアルキル基は場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ又はジ(アルキル)アミノから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されていてもよく、
R2は、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル及びシクロアルキル−アルキルからなる群から選択され、前記アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル又はシクロアルキル基は場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ又はジ(アルキル)アミノから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されていてもよく、
R3は、水素、アルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され、ただし前記アルケニル基の2重結合又は前記アルキニル基の3重結合は結合点から少なくとも炭素原子1個分だけ離れており、
R4は、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル及びシクロアルキル−アルキルからなる群から選択され、前記アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル又はシクロアルキル基は場合により、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ又はジ(アルキル)アミノから独立して選択される1個以上の置換基によって置換されていてもよく、
-は、臭素イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン、酢酸イオン、安息香酸イオン、クエン酸イオン、乳酸イオン、リンゴ酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、二リン酸イオン、コハク酸イオン、硫酸イオン、酒石酸イオン、トシル酸イオンからなる群から選択され、
ただしR1がフェニル、クロロフェニル又はベンジルであり、R2がフェニル又はベンゾチエニルであり、R4がフェニル又はアラルキルである場合、R3はアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され、ここで前記アルケニル基の2重結合又は前記アルキニル基の3重結合は結合点から少なくとも炭素原子1個分だけ離れており、
ただし更に、R1がベンジル又はメチルフェニルであり、R2がフェニル又はメチルフェニルであり、R4がメチルフェニル又は4−メトキシフェニルである場合、R3はアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され、ここで前記アルケニル基の2重結合又は前記アルキニル基の3重結合は結合点から少なくとも炭素原子1個分だけ離れており、
ただし更に、R1がフェニルであり、R2がフェニルであり、R4がフェニルである場合、R3はC3〜8のアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から選択され、ここで前記アルケニル基の2重結合又は前記アルキニル基の3重結合は結合点から少なくとも炭素原子1個分だけ離れている]、
及びそれらの薬学的に許容されうる塩
を有する水性ゲルと、
b)約1重量%〜約20重量%の量の溶媒混合物、約0.5重量%〜約8重量%の量の粘度調製剤、約0.05重量%〜約5重量%の量の防腐剤、約0.2重量%〜約10重量%の量の乳化剤、約0.05重量%〜約0.5重量%の量のpH調整剤、及び全体で100重量%となるような適量の水を含むベースと、
を混合し、
実質的に均質な局所組成物を形成せしめることを含む局所組成物の調製方法。
【請求項24】
前記水性ゲル及び前記ベースを1:9〜9:1の重量比で混合する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記水性ゲル及び前記ベースを1:4〜4:1の重量比で混合する、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記水性ゲル及び前記ベースを1:2〜2:1の重量比で混合する、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記水性ゲル及び前記ベースを1:1の重量比で混合する、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
約0.6重量%〜約4重量%の量の[2−(2−メトキシフェニル)−3−(2−メトキシフェニル)−2H−[1,2,4]−チアジアゾール−5−イリデン]−フェニルアミンの化合物と、
約3重量%〜約5重量%の量のプロピレングリコールと、
約0.5重量%〜約1.5重量%の量のフェノキシエタノールと、
約0.3重量%〜約0.7重量%の量のカルボマーと、
約0.005重量%〜約0.5重量%の量のEDTA二ナトリウムと、
約3重量%〜約6重量%の量の乳化ワックスと、
約3重量%〜約4重量%の量のミリスチン酸イソプロピルと、
約4重量%〜約5重量%の量のエタノールと、
約0.1重量%〜約0.25重量%の量の水酸化ナトリウムと、
全体で100重量%となるような適量の水と、
を含む局所組成物。
【請求項29】
処置を必要とする患者に請求項28に記載の前記局所組成物の有効量を投与することを含む、メラノコルチン受容体によって媒介される皮膚疾患又は障害の処置方法。
【請求項30】
前記疾患がにきびである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記障害が過剰な皮脂生産である、請求項29に記載の方法。

【公表番号】特表2012−524814(P2012−524814A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507412(P2012−507412)
【出願日】平成22年4月23日(2010.4.23)
【国際出願番号】PCT/US2010/032186
【国際公開番号】WO2010/124175
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(511257377)ジヤンセン・フアーマシユーチカルズ・インコーポレーテツド (7)
【Fターム(参考)】