説明

15,15−ジフルオロプロスタグランジンF2α誘導体を有効成分として含有する毛髪成長促進剤

【課題】15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体の新たな医薬用途を見出すこと。
【解決手段】15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体の新たな医薬用途を見出すべく鋭意研究した結果、15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体の一つであるタフルプロストの開放隅角緑内障または高眼圧症患者を対象とした欧州第III相臨床試験において、かかるタフルプロストに睫毛の成長、剛毛化および変色作用があること、すなわち、毛髪(睫毛)成長促進効果を有することを見出した。よって、15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体は毛髪成長促進剤として有用であり、脱毛症等の毛髪に係る疾患の予防または治療剤および発毛・育毛・増毛・養毛等を目的としたヘアケア製品または毛髪化粧品の有効成分として有用であることが期待される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体を有効成分として含有する毛髪成長促進剤に関する。かかる毛髪成長促進剤は、脱毛症等の毛髪に係る疾患の予防または治療剤および発毛・育毛・増毛・養毛等を目的としたヘアケア製品または毛髪化粧品の有効成分として有用であることが期待される。
【背景技術】
【0002】
人の毛髪は、通常、約10万〜15万本程度あるといわれている。この毛髪は成長期、退行期、休止期、そして脱落というサイクルを、3〜6年の周期で繰返している。その結果、一日平均50〜200本余りの毛髪が脱落することとなる。
【0003】
一般に脱毛症とは、このサイクルのうち成長期の毛髪比率が少なくなり、退行期または休止期の毛髪が多くなる症状をいう。
【0004】
脱毛症は、男性ホルモンによる毛包機能の低下、毛包・毛根部の新陳代謝機能の低下、頭皮生理機能の低下、頭皮における血流障害、栄養不足、ストレス、薬物の副作用、加齢、遺伝等の一つおよび/または複数の原因により、発症すると考えられている。しかし、その明確な原因は解明されていない。
【0005】
従来、脱毛症の予防または治療には、毛髪・毛包への栄養補給(アミノ酸、ビタミン類等)、局所刺激による血液循環促進、毛包機能の強化、血行促進剤、抗男性ホルモン剤、抗脂漏剤、角質溶解剤、殺菌消炎剤等の一つまたは複数が組み合わされて使用される。
【0006】
また、最近では、ミノキシジル、フィナステリド等が脱毛症の予防または治療に有効であるとして多用されている。
【0007】
さらに代表的なプロスタグランジンF誘導体であるラタノプロスト等においても、その発毛作用や毛髪の育成作用が報告されている(特許文献1および特許文献2)。
【0008】
一方、15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体が、特許文献3および特許文献4に、多置換アリールオキシ基を有する含フッ素プロスタグランジンF誘導体が特許文献5に、エーテル型ジフルオロプロスタグランジンF誘導体が特許文献6に、ジフルオロプロスタグランジンFアミド誘導体が特許文献7に、15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体の網膜神経細胞保護作用が特許文献8に記載されている。
【0009】
しかしながら、15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体の毛髪成長促進作用については、全く知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2001/074315号パンフレット
【特許文献2】国際公開第98/33497号パンフレット
【特許文献3】欧州特許出願公開第850926号明細書
【特許文献4】特開2004−002462号公報
【特許文献5】特開平10−259179号公報
【特許文献6】特開2002−293771号公報
【特許文献7】特開2003−321442号公報
【特許文献8】特開2006−306862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体の新たな医薬用途を見出すことは非常に興味深い課題である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者等は15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体の新たな医薬用途を見出すべく鋭意研究した結果、15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体の一つであるタフルプロストの開放隅角緑内障または高眼圧症患者を対象とした欧州第III相臨床試験において、かかるタフルプロストに睫毛の成長、剛毛化および変色作用があること、すなわち、毛髪(睫毛)成長促進効果を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0013】
すなわち、本発明は15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体の少なくとも一つを有効成分として含有する毛髪成長促進剤に関する。かかる毛髪成長促進剤は、脱毛症等の毛髪に係る疾患の予防または治療剤および発毛・育毛・増毛・養毛等を目的としたヘアケア製品または毛髪化粧品の有効成分として有用であることが期待される。
【0014】
本発明における「15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体」とは、プロスタン酸骨格から誘導されるプロスタグランジンF関連化合物であって、かつ、該プロスタン酸骨格の15位に二つのフッ素原子を有するプロスタグランジンF関連化合物を意味する。
【0015】
具体的には、欧州特許出願公開第850926号明細書、特開2004−002462号公報、特開平10−259179号公報、特開2002−293771号公報および特開2003−321442号等に開示されている15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体またはその塩が挙げられる。
好ましくは、下記、一般式(1)で示される化合物またはその塩である15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体が挙げられる。
【化1】

【0016】
[式中、Rはヒドロキシアルキル基、ホルミル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基またはアリールアミノカルボニル基を示し、Rが該アリールオキシカルボニル基または該アリールアミノカルボニル基である場合、そのアリール部分は置換基を有していてもよく;式中のベンゼン環はハロゲン原子およびトリフルオロメチル基から選択される1から3個の原子または基を置換基として有していてもよい。以下、同じ。]
【0017】
本明細書中で規定した各基または文言について以下に示す。
【0018】
「ハロゲン」とはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を示す。
【0019】
「アルキル」とは炭素原子数1〜6個の直鎖または分枝のアルキルを示す。具体例として、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル等が挙げられる。
【0020】
「アルコキシ」とは炭素原子数1〜6個の直鎖または分枝のアルコキシを示す。具体例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、イソペンチルオキシ等が挙げられる。
【0021】
「アリール」とは炭素原子数6〜14個の単環式または2環式もしくは3環式の縮合多環式芳香族炭化水素を示す。具体例としてフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル等が挙げられる。
【0022】
「アリールオキシ」とは炭素原子数6〜14個の単環式または2環式もしくは3環式の縮合多環式芳香族炭化水素オキシを示す。具体例としてフェノキシ、ナフチルオキシ、アントリルオキシ、フェナントリルオキシ等が挙げられる。
【0023】
「アルキルアミノ」とは炭素原子数1〜12個のモノまたはジアルキルアミノを示す。具体的としてメチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジヘキシルアミノ等が挙げられる。
【0024】
「アリールアミノ」とは炭素原子数6〜28個のモノまたはジアリールアミノを示す。具体例としてフェニルアミノ、ナフチルアミノ、メチルフェニルアミノ、エチルフェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジアントリルアミノ等が挙げられる。
【0025】
Rが「アリールオキシカルボニル基」または「アリールアミノカルボニル基」である場合、そのアリール部分は置換基を有していてもよい。置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基およびアルコキシ基からなる群より選択される原子または基が好ましく、その置換基数は1〜3個が好ましい。
【0026】
該15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体のω鎖のフェニル基は、ハロゲン原子またはトリフルオロメチル基を1〜3個有していてもよい。これらのハロゲン原子としては、フッ素原子または塩素原子が好ましく、特に塩素原子が好ましい。
【0027】
より好ましい15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体として、前記一般式(1)中、Rがカルボキシ基若しくはその塩基またはアルコキシカルボニル基を示す15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体が挙げられる。
【0028】
特に好ましい15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体として、前記一般式(1)中、Rがカルボキシ基若しくはその塩基またはイソプロポキシカルボニル基を示す15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体が挙げられる。
【0029】
これらの15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体は塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸等の有機酸、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、アンモニア等と塩を形成することができ、これらの塩も本発明に含まれる。
【0030】
本発明における「毛髪」とは、ヒトまたは動物の体毛であれば、特に制限はなく、髪毛、眉毛、睫毛および髭がより好ましく、睫毛が特に好ましい。
【0031】
本発明における「毛髪成長促進剤」は、発毛、育毛、増毛、養毛等の毛髪の成長を促進する薬剤等として使用することができ、より具体的には、脱毛症等の毛髪に係る疾患の予防または治療剤および発毛剤・育毛剤・増毛剤・養毛剤等のヘアケア製品または毛髪化粧品として使用できる。
【0032】
また、商業的毛皮等の為の動物への使用も本発明の範囲に含まれる。
【0033】
本発明の毛髪成長促進剤を医薬として使用する場合は、経口でも、非経口でも投与することができる。投与剤型としては軟膏、エアゾル剤、点眼剤、注射剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等が挙げられ、特に軟膏が好ましい。これらは汎用される技術、例えば、欧州特許出願公開第850926号明細書、特開2004−002462号公報、特開平10−259179号公報、特開2002−293771号公報、特開2003−321442号公報、特開2006−306862号公報等に開示されている技術を用いて製剤化することができる。
【0034】
例えば、軟膏は、白色ワセリン、流動パラフィン等の汎用される基剤を必要に応じて使用して、製剤化することができる。
【0035】
点眼剤は、塩化ナトリウム、濃グリセリン等の等張化剤、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等の緩衝化剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤、クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等の安定化剤、塩化ベンザルコニウム、パラベン等の防腐剤等を必要に応じて使用して、製剤化することができる。pHは眼科用製剤に許容される範囲内であれば特に問題はないが、pH4〜8の範囲が好ましい。
【0036】
また、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の経口剤は、乳糖、結晶セルロース、デンプン、植物油等の増量剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤、カルボキシメチルセルロース カルシウム、低置換ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の崩壊剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴール、シリコン樹脂等のコーティング剤、ゼラチン皮膜等の皮膜剤等を必要に応じて使用して、製剤化することができる。
【0037】
15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体の投与量は症状、年令、剤型等により適宜選択できるが、軟膏剤であれば0.000001〜3%(w/v)、好ましくは0.0001〜1%(w/v)のものを1日1〜数回塗布することができる。経口剤では通常1日当り0.001〜5000mg、好ましくは0.1〜1000mgのものを1〜数回に分けて投与することができる。
【0038】
本発明の毛髪成長促進剤をヘアケア製品または毛髪化粧品の有効成分として使用する場合、ローション、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアクリーム、ヘアシャンプー、ヘアコンディショナー、マスカラ、アイシャドウ、アイライナー等に汎用される技術を用いて配合し、製品化することができる。
【0039】
ヘアケア製品または毛髪化粧品の添加成分は、その剤形によって異なるが、例えば、流動パラフィン、重質流動イソパラフィン、固形パラフィン、α−オレフィンオリゴマー、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、モンタンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、キャンデリラワックス、ゲイロウ、
【0040】
キャンデリラロウ、カルナウバロウ、モクロウ等のロウ類、2-エチルヘキサン酸セチル、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、トリオクタノイン、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、
【0041】
ジデカン酸プロピレングリコール、コレステロール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、モノステアリン酸グリセリル、グリセリン脂肪酸エステルエイコサンニ酸縮合物、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、デキストリン脂肪酸エステル等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、
【0042】
ベヘニルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール、イソヘキサデシルアルコール等の高級アルコール類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン等のシリコン類、
【0043】
パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ステアロイルグルタミン酸等のN−アシルグルタミン酸、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリルまたはフィトステロール・べへニル・オクチルドデシル)等のアミノ酸系エステル油剤、ラノリン、液状ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸液状ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体等々の油性成分;
【0044】
エチルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、トマト、リンゴ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液等々の水性成分;
【0045】
アクリル酸アルキル共重合体エマルション、メタクリル酸アルキル重合体エマルション、アクリル酸アルキル共重合体エマルション、メタクリル酸アルキル共重合体エマルション、アクリル酸・アクリル酸アルキル共重合体エマルション、メタクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体エマルション、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション、メタクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション、酢酸ビニル重合体エマルション、ポリ酢酸ビニルエマルション、酢酸ビニル含有共重合体エマルション、ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルション、シリコーン含有共重合体エマルション等々のポリマーエマルション;
【0046】
セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレン(POE)−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸;
【0047】
N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、POE−オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE−ステアリルエーテルリン酸等のリン酸エステル塩、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩;
【0048】
ロート油等の硫酸化油、POE−アルキルエーテルカルボン酸、POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、カゼインナトリウム等々のアニオン界面活性剤;
【0049】
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム等のジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N‘−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム)、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホニウム塩、POE−アルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等々のカチオン界面活性剤;
【0050】
2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミタゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤等々の両性界面活性剤;
【0051】
ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α‘−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン等のグリセリン脂肪酸類、モノイソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル等のポリグリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等々の親油性非イオン界面活性剤;POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレート、POE−ソルビタンテトラオレエート等のPOE−ソルビタン脂肪酸エステル類;
【0052】
POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等のPOE−ソルビット脂肪酸エステル類、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−グリセリン脂肪酸エステル類、POE−モノオレエート、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等のPOE−脂肪酸エステル類、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等のPOE−アルキルエーテル類、プルロニック等のプルロニック型類、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等のPOE・POP−アルキルエーテル類、テトロニック等のテトラ POE・テトラPOP−エチレンジアミン重合物類;
【0053】
POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POE−ソルビットミツロウ等のPOE−ミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル、POE−アルキルアミン、POE−脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POE−ノニルフェニルホルムアルデヒド重合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等々の親水性非イオン界面活性剤;
【0054】
大豆リン脂質、水添大豆リン脂質、卵黄リン脂質、水添卵黄リン脂質等のレシチン類、大豆サポニン等々の天然系界面活性剤;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、尿素、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザイヨバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等々の保湿剤;
【0055】
アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、第四級アンモニウム塩型カチオン変性ベントナイト、第四級アンモニウム塩型カチオン変性ヘクトライト、デカグリセリン脂肪酸エステルエイコサンニ酸縮合物等々の増粘剤;
【0056】
メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン等々の防腐剤;タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム、(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等の無機粉末、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等の有機粉等々の粉末成分;
【0057】
二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料(紫外線散乱剤として用いられる、微粒子タイプの二酸化チタン、酸化亜鉛、またはこれらの表面をアルミニウムステアレート、ジンクパルミテート等の脂肪酸石けん、ステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、パルミチン酸デキストリン等の脂肪酸エステル等により被覆した表面被覆無機白色顔料も含む)、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料;γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料;黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック、低次酸化チタン等の無機黒色系顔料、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料、群青、紺青等の無機青色系顔料;
【0058】
酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末顔料、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、青色404号等の有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウムまたはアルミニウムレーキ等の有機顔料等々の顔料;
【0059】
エデト酸、エデト酸二ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン等々のpH調整剤;ビタミンC類およびそれらの誘導体並びにそれらの塩、トコフェロール類およびそれらの誘導体並びにそれらの塩、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等々の酸化防止剤
【0060】
パラアミノ安息香酸(以下、PABA と略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAオクチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、
【0061】
オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート) 、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等の桂皮酸系紫外線吸収剤、
【0062】
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2‘−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル-ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、
【0063】
3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2‘−エチルヘキシル−1’−オキシ)1,3,5−トリアジン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン等々の紫外線吸収剤;
【0064】
クロロフィル、β−カロチン等々の色素;バラ油、ジャスミン油、ラベンダー油等の植物性香料、リモネン、シトラール、リナロール、オイゲノール等の合成香料等々の香料;エデト酸二ナトリウム、エデト酸塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸等々の金属イオン封鎖剤;精製水等;などを必要に応じて使用して、製剤化することができる。
【0065】
ヘアケア製品または毛髪化粧品の使用量は剤型等により適宜選択できるが、0.000001〜3%(w/v)、好ましくは0.0001〜1%(w/v)のものを1日1〜数回使用することができる。
【発明の効果】
【0066】
後述の薬理試験の項で詳細に説明するが、15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体の一つであるタフルプロストの開放隅角緑内障または高眼圧症患者を対象とした欧州第III相臨床試験において、かかるタフルプロストに睫毛の成長、剛毛化および変色作用があること、すなわち、毛髪(睫毛)成長促進効果を有することを見出した。よって、15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体は毛髪(睫毛)成長促進剤として有用であり、係る毛髪成長促進剤は、脱毛症等の毛髪に関する疾患の予防又は治療剤および発毛剤・育毛剤・増毛剤・養毛剤等のヘアケア製品または毛髪化粧品の有効成分として利用できることが期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0067】
以下に本発明の製剤・製品例および薬理試験の結果を示す。尚、これらの例示は本発明をよりよく理解するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0068】
[製剤・製品例]
以下に本発明における15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体を含む一般的な製剤例および製品例を以下に示す。
【0069】
1.軟膏
白色ワセリンおよび羊毛脂を融解、濾過し、それに液体ワセリンを添加し、白色ワセリン混合物を調製する。一方、15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体(終濃度2重量%)、酸化亜鉛およびカラミンを残りの液体ワセリンに添加し、その混合物が細かく、均一に分散されるまで粉砕する。この混合物を先に調製した白色ワセリン混合物に添加、融解、攪拌する。その後、攪拌しながら凝結するまで攪拌し、かかる軟膏を調製することができる。
【0070】
2.溶液
15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体を終濃度5重量%となるよう水に溶解し、得られる溶液を濾過滅菌し、かかる溶液を調製することができる。
【0071】
3.ローション
15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体を、N−メチルピロリドンおよびプロピレングリコールのビヒクルに溶解し、かかるローションを調製することができる。
【0072】
4.エアゾル剤
15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体を終濃度0.1重量%となるよう無水アルコールに溶解し、かかる溶液を濾過して粒子および糸屑を除去する。この溶液を約−30℃まで冷却し、ジクロロジフルオロメタンおよびジクロロテトラフルオロエタンの冷却混合物を添加する。得られる溶液をプラスチックコーティングボトルに冷却下に充填することで、かかるエアゾルを調製することできる。
【0073】
[薬理試験]
15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体の一つであるタフルプロストの開放隅角緑内障または高眼圧症患者を対象とした欧州第III相臨床試験を以下の試験方法で実施し、かかるタフルプロストに睫毛およびその周辺部に係る所見、すなわち、睫毛の成長、剛毛化および変色について、以下の評価方法にて評価した。
【0074】
(試験方法)
開放隅角緑内障または高眼圧症患者を対象に、必要に応じて5日間〜4週間以上の緑内障前治療薬のウォッシュアウトの後、2群(0.0015%タフルプロスト点眼液および0.005%ラタノプロスト点眼液)に無作為に割付け、二重盲検下で、1回1滴、1日1回、24ヵ月間点眼した。
【0075】
(評価方法)
睫毛/眼瞼の写真撮影を0(ベースライン)、3、6、12、18、24ヶ月時に実施して、ベースラインと比較した、所見(睫毛の成長、睫毛の剛毛化、睫毛の変色)の有無を確認した。
【0076】
(結果)
以下の表1に、前記試験方法を実施した場合に、各所見(睫毛の成長、睫毛の剛毛化、睫毛の変色)が認められた人数を示す。
【表1】

【0077】
(考察)
表1に示したとおり、タフルプロストは、睫毛の成長、剛毛化、変色作用を有し、毛髪成長促進剤として有用である。それらの作用は、代表的なPGF誘導体であるラタノプロストに比べても顕著な効果を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体の少なくとも一つを有効成分として含有する毛髪成長促進剤。
【請求項2】
15,15−ジフルオロプロスタグランジンF誘導体が下記一般式(1)で示される化合物またはその塩である請求項1記載の毛髪成長促進剤。
【化1】

[式中、Rはヒドロキシアルキル基、ホルミル基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基またはアリールアミノカルボニル基を示し、Rが該アリールオキシカルボニル基または該アリールアミノカルボニル基である場合、そのアリール部分は置換基を有していてもよく;式中のベンゼン環はハロゲン原子およびトリフルオロメチル基から選択される1から3個の原子または基を置換基として有していてもよい。]
【請求項3】
一般式(1)においてRがカルボキシ基若しくはその塩基またはアルコキシカルボニル基を示す請求項2記載の毛髪成長促進剤。
【請求項4】
一般式(1)においてRがカルボキシ基若しくはその塩基またはイソプロピルオキシカルボニル基を示す請求項3記載の毛髪成長促進剤。
【請求項5】
毛髪が睫毛である請求項1〜4記載の毛髪成長促進剤。

【公開番号】特開2010−83877(P2010−83877A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−204174(P2009−204174)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(000177634)参天製薬株式会社 (177)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】