説明

2−アザ−ビシクロ[3.3.0]−オクタン−3−カルボン酸誘導体の安定な医薬組成物

組成物の2.5〜約20重量%の2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体と少なくとも1種の薬学上許容される賦形剤とを含んでなり、前記組成物は100 mgより少ない全重量を有する安定な医薬組成物が提供される。また、安定化有効濃度の2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体と少なくとも1種の薬学上許容される賦形剤とを含んでなる安定な医薬組成物が提供される。さらに、医薬組成物の安定性を改良する方法および治療的有効量の本発明の安定な医薬組成物を投与することによって高血圧症を治療する方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体の安定な組成物およびそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ラミプリル、キナプリル、メキシプリル、エナラプリル、ペリンドプリルまたはトランドラプリルは医薬処方物において使用される2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体の例である。ラミプリルは化学名 (2S,3aS,6aS)-1[(S)-N-[(S)-1-カルボキシ-3-フェニル-プロピル]アラニル]オクタヒドロシクロペンタ[b]ピロール-2-カルボン酸、1-エチルエステルを有し、このアンギオテンシン転化酵素 (ACE) インヒビターの活性形態である、ラミプリラトのプロドラッグである。
【0003】
ラミプリルおよびある種の他のACEインヒビターは有効な抗高血圧剤であるが、しばしば分解しやすい。ラミプリルは2つの主要な生成物: ジケトピペラジン (DKP) およびラミプリラトに分解する。製造および貯蔵中の分解は薬剤生成物の有効性に悪影響を及ぼすか、あるいは薬剤生成物を調節純度または効力の必要条件から偏らせることがある。したがって、2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体の処方物の安定性を増加することが望ましい。
下記の式は2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体のいくつかの例およびDKPに加えてそれらの対応する活性形態の分解物の化学的構造を例示する。
【0004】
【化1】

【0005】
欧州特許No. 280,999B1および317,878B1、米国特許No. 6,417,196; 4,830,853および4,793,998および米国特許出願No. 10/877,027 (それらの全体において引用することによって本明細書の一部とされる) は、これらの誘導体の安定性を扱っているように思われ、このような化合物を安定化することが絶えず必要であることを強調している。
【0006】
この分野における参考文献は、活性成分の安定性を改良するための種々の成分の添加またはプロセス工程を教示している。本発明は、この分野において教示されている添加剤またはプロセス工程を使用することによって達成できる安定化に加えて、添加剤または余分の安定化効果を提供できると考えられる。例えば、いくつかの商業的に入手可能な錠剤、例えばキング・ファーマシューティカル (King Pharmaceutical) のAltace(商標)錠剤は、アルカリ性添加剤および/またはセルロース被覆粒子により安定化されることが報告されている。
【発明の開示】
【0007】
発明の要約
本発明は、2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体と少量の不活性成分または非治療成分とを含んでなる安定な医薬組成物に関する。
1つの態様において、本発明は、組成物の約2.5〜約20重量%の2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体と少なくとも1種の薬学上許容される賦形剤とを含んでなる安定な医薬組成物に関し、前記組成物は好ましくは100 mgより少ない全重量を有する。
【0008】
他の態様において、本発明は、安定化有効濃度の2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体を少なくとも1種の薬学上許容される賦形剤組と合わせることを含んでなる医薬組成物の安定性を改良する方法に関し、前記組成物は好ましくは100 mgより少ない全重量を有する。
他の態様において、本発明は、安定化有効濃度の2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体と少なくとも1種の薬学上許容される賦形剤とを含んでなる安定な医薬組成物に関する。
【0009】
また、本発明は、約1.25 mgのラミプリルを含んでなり、約50 mgの全重量を有する安定な医薬組成物; 約2.5 mgのラミプリルを含んでなり、約50 mgの全重量を有する安定な医薬組成物; 約5 mgのラミプリルを含んでなり、約50 mgの全重量を有する安定な医薬組成物または約10 mgのラミプリルを含んでなり、約50 mgの全重量を有する安定な医薬組成物に関する。
【0010】
好ましい態様において、本発明の安定な医薬組成物は下記の特徴の少なくとも1つ、好ましくはすべてを示す:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約2重量%より少ない (好ましくは約1重量%より少ない) ジケトピペラジンが存在する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より少ない (好ましくは約2重量%より少ない) ジケトピペラジンが存在する;
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3.5重量%より少ない (好ましくは約3重量%より少ない) ジケトピペラジンが存在する;
(d) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約2重量%より小 (好ましくは約1重量%より小) がジケトピペラジン転化する;
(e) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3重量%より小 (好ましくは約2重量%より小) がジケトピペラジン転化する; または
(f) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3.5重量%より小 (好ましくは約3重量%より小) がジケトピペラジン転化する。
【0011】
本発明は、さらに、治療的有効量の本発明の組成物を投与することを含んでなる治療が必要である哺乳動物における高血圧症を治療する方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
発明の詳細な説明
用語 「重量」 は、特記しない限り、全組成物の重量を意味する。
用語 「誘導体」 は2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体を意味する。2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体は、例えば、ラミプリル、キナプリル、メキシプリル、エナラプリル、ペリンドプリルまたはトランドラプリルを包含する。
【0013】
用語 「DKP」 はジケトピペラジンを意味する。用語 「活性形態の分解物」 は、2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体が分解する活性化合物を意味する。これらの誘導体はDKPおよび対応する活性形態の分解物に分解する傾向がある。例えば、ラミプリルの活性形態の分解物はラミプリラト、キナプリルのそれはキナプリラト、メキシプリルのそれはメキシプリラト、エナラプリルのそれはエナラプリラト、ペリンドプリルのそれはペリンドプリラト、トランドラプリルのそれはトランドラプリラトなどである。
【0014】
DKPの存在量は、誘導体分解前の誘導体の重量%として決定される。本発明の組成物の安定性は、貯蔵後に存在するDKPの全量により、または貯蔵後の誘導体のDKPへの転化量により特徴づけることができる。
【0015】
本発明は、2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体と少なくとも1種の不活性成分または非治療成分とを含んでなる安定な医薬組成物に関する。例えば、1.25 mgの誘導体を含んでなる組成物について、100 mgの全重量において1.25 mg (1.25%の誘導体) を有する組成物よりも高い安定性は50 mgの全重量 (すなわち、2.5%の誘導体) において達成される。同様に、2.5 mgの誘導体を含んでなる組成物は、100 mgの全重量において2.5 mg (2.5%の誘導体) を有する組成物よりも高い安定性は50 mgの全重量 (すなわち、5%の誘導体) において達成される、などである。
【0016】
本発明の安定な医薬組成物は、貯蔵するとき、活性成分の分解に抵抗する。例えば、「加速された貯蔵条件」、例えば、40℃および75%の相対湿度 (RH) に暴露した後、本発明は、組成物の約2.5〜約20重量%の2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体および1種の薬学上許容される賦形剤を含まない医薬組成物よりも大きい安定性を証明する。
【0017】
本明細書において使用するとき、「安定な」医薬組成物は、下記の特徴の少なくとも1つ、好ましくはすべてを示す:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約2重量%より少ないジケトピペラジンが存在する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より少ないジケトピペラジンが存在する;
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3.5重量%より少ないジケトピペラジンが存在する;
(d) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約2重量%より小がジケトピペラジン転化する;
(e) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3重量%より小がジケトピペラジン転化する; または
(f) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3.5重量%より小がジケトピペラジン転化する。
【0018】
本発明に従い不活性成分の量を減少することによって達成される改良された安定性は、活性成分の安定性を改良するために意図される特定の成分の不存在においてさえ明らかである。いかなる理論によっても拘束されないが、本発明により達成される安定化効果はこの分野において知られている他の安定化添加剤の添加により得ることができる安定化効果に対して加法的であると考えられる。
【0019】
1つの態様において、本発明は、組成物の約2.5〜約20重量%の2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体と少なくとも1種の薬学上許容される賦形剤とを含んでなり、前記組成物は100 mgより少ない全重量を有する安定な医薬組成物に関する。
好ましくは、安定な医薬組成物は約50 mg〜約75 mgの全重量を有する。より好ましくは、組成物は約50 mgの全重量を有する。
【0020】
好ましくは、安定な医薬組成物は組成物の約2.5重量%、5重量%、10重量%または20重量%の2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体を含んでなる。
安定な医薬組成物は約1.25 mg、2.5 mg、5 mgまたは10 mgの前記誘導体を含んでなることができる。好ましくは、約1.25 mg、2.5 mg、5 mgまたは10 mgの前記誘導体を含んでなる安定な医薬組成物は約50 mgの全重量を有する。
【0021】
好ましい態様において、安定な医薬組成物は下記の特徴の少なくとも1つ、好ましくはすべてを示す:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約2重量%より少ないジケトピペラジンが存在する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より少ないジケトピペラジンが存在する; または
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3.5重量%より少ないジケトピペラジンが存在する。
【0022】
好ましくは、40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約1重量%より少ない、より好ましくは約0.5重量%より少ないジケトピペラジンが存在する。好ましくは、40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約2重量%より少ない、より好ましくは約1重量%より少ないジケトピペラジンが存在する。好ましくは、40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より少ない、より好ましくは約2重量%より少ないジケトピペラジンが存在する。
【0023】
好ましい態様において、安定な医薬組成物は下記の特徴の少なくとも1つ、好ましくはすべてを示す:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約1重量%より少ないジケトピペラジンが存在する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約2重量%より少ないジケトピペラジンが存在する; または
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より少ないジケトピペラジンが存在する。
【0024】
他の好ましい態様において、安定な医薬組成物は下記の特徴の少なくとも1つ、好ましくはすべてを示す:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約2重量%より小がジケトピペラジンに転化する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3重量%より小がジケトピペラジンに転化する; または
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3.5重量%より小がジケトピペラジンに転化する。
【0025】
好ましくは、40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約1重量%より小、より好ましくは約0.5重量%より小がジケトピペラジンに転化する。好ましくは、40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約2重量%より小、より好ましくは約1重量%より小がジケトピペラジンに転化する。好ましくは、40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より小、より好ましくは約2重量%より小がジケトピペラジンに転化する。
【0026】
好ましい態様において、安定な医薬組成物は下記の特徴の少なくとも1つ、好ましくはすべてを示す:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約1重量%より小がジケトピペラジンに転化する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約2重量%より小がジケトピペラジンに転化する; または
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3重量%より小がジケトピペラジンに転化する。
【0027】
2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体はラミプリル、キナプリル、メキシプリル、エナラプリル、ペリンドプリルまたはトランドラプリルの少なくとも1つを包含することができる。好ましくは、前記誘導体はラミプリルを包含する。
【0028】
安定な医薬組成物は一般に固体状単位投与形態、例えば、錠剤、カプセル剤または粉剤の形態である。好ましくは、安定な医薬組成物はカプセル剤の形態である。安定な医薬組成物が硬質ゼラチンカプセル剤の形態であるとき、硬質ゼラチンカプセルそれ自体の重量は典型的には組成物の重量の一部分として考慮しない。その代わりに、カプセルの中に充填する成分は組成物の重量を構成する。
【0029】
好ましくは、薬学上許容される賦形剤は予備糊化デンプン、無水ラクトース、ポピドンまたはステアリルフマル酸ナトリウムの少なくとも1種を含んでなる。好ましい態様において、安定な医薬組成物は予備糊化デンプンおよび無水ラクトースを含んでなる。好ましくは、予備糊化デンプンおよび無水ラクトースは約1:5〜約5:1の比で存在する。例えば、安定な医薬組成物は組成物の約20〜約60重量%、好ましくは約40〜約60重量%、より好ましくは約50重量%の量で予備糊化デンプンおよび無水ラクトースを含有することができる。好ましくは、予備糊化デンプンおよび無水ラクトースの各々は約150ミクロンの篩を通過する粒子の形態である。より好ましくは、予備糊化デンプン粒子の約90〜約100%は約150ミクロンの篩を通過する。より好ましくは、無水ラクトース粒子の約40〜約65%は約150ミクロンの篩を通過する。予備糊化デンプンおよび無水ラクトースの粒子の存在は最終ブレンドの流動性をよりよくし、かつまた組成物の活性成分の均質性を増加させる。
【0030】
1つの態様において、安定な医薬組成物は予備糊化デンプン、無水ラクトースおよびステアリルフマル酸ナトリウムを含んでなる。他の態様において、安定な医薬組成物は予備糊化デンプン、無水ラクトース、ポビドンおよびステアリルフマル酸ナトリウムを含んでなる。
安定な医薬組成物は、少なくとも1種の追加の活性成分、例えば、利尿剤、例えばヒドロクロロチアジドをさらに含んでなることができる。
【0031】
また、本発明は、安定化有効濃度の2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体と少なくとも1種の薬学上許容される賦形剤とを含んでなる安定な医薬組成物に関し、組成物は好ましくは100 mgより少ない全重量を有する。
【0032】
本明細書において使用するとき、「安定化有効濃度の2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体」は、安定化添加剤の非存在において、下記の特徴の少なくとも1つ、好ましくはすべてを示す組成物を生成する誘導体の濃度である:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約2重量%より少ないジケトピペラジンが存在する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より少ないジケトピペラジンが存在する;
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3.5重量%より少ないジケトピペラジンが存在する;
(d) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約2重量%より小がジケトピペラジンに転化する;
(e) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3重量%より小がジケトピペラジンに転化する; または
(f) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3.5重量%より小がジケトピペラジンに転化する。
【0033】
誘導体の最小安定化有効濃度は組成物の全量に依存し、より大きい組成物は一般に前述の分解特性の1または2以上を達成するためにより高い百分率の誘導体を要求する。誘導体の濃度が「安定化有効濃度」であるかどうかは、安定化添加剤、例えば、本明細書において例示するものを含まない組成物中の分解構造を試験することによって、当業者は容易に決定できる。
【0034】
好ましい態様において、40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約1重量%より少ないジケトピペラジンが存在する。他の好ましい態様において、40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約2重量%より少ないジケトピペラジンが存在する。他の好ましい態様において、40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より少ないジケトピペラジンが存在する。
【0035】
他の好ましい態様において、40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約1重量%より小がジケトピペラジンに転化する。他の好ましい態様において、40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約2重量%より小がジケトピペラジンに転化する。他の好ましい態様において、40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3重量%より小がジケトピペラジンに転化する。
【0036】
好ましくは、安定な医薬組成物は100 mgより少ない、より好ましくは約50 mg〜約75 mg、より好ましくは約50 mgの全重量を有する。
好ましくは、安定な医薬組成物は組成物の約2.5重量%、5重量%、10重量%または20重量%の2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体を含んでなる。
【0037】
好ましい態様において、安定な医薬組成物は約1.25 mg、2.5 mg、5 mgまたは10 mgの前記誘導体を含んでなる。好ましくは、約1.25 mg、2.5 mg、5 mgまたは10 mgの前記誘導体を含んでなる組成物は約約50 mgの全重量を有する。
本発明は、また、医薬組成物の安定性を改良する方法に関する。1つの態様において、本発明は、安定化有効濃度の2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体を少なくとも1種の薬学上許容される賦形剤と組合わせることを含んでなり、前記組成物が100 mgより少ない全重量を有する、医薬組成物の安定性を改良する方法に関する。
【0038】
好ましくは、安定性を改良する方法は本発明の安定な医薬組成物を製造する。例えば、この方法は40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約1重量%より少ないジケトピペラジンが存在する組成物を製造する。また好ましくは、この方法は、40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約2重量%より少ないジケトピペラジンが存在する組成物を製造する。この方法は、また、40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より少ないジケトピペラジンが存在する組成物を製造する。
【0039】
この方法は、また、40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約1重量%より小がジケトピペラジンに転化する組成物を製造する。また好ましくは、この方法は、40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約2重量%より小がジケトピペラジンに転化する組成物を製造する。この方法は、また、40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3重量%より小がジケトピペラジンに転化する組成物を製造する。
【0040】
好ましくは、この方法は下記の特徴の少なくとも1つ、好ましくはすべてを示す、組成物を製造する:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約2重量%より少ないジケトピペラジンが存在する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より少ないジケトピペラジンが存在する; または
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3.5重量%より少ないジケトピペラジンが存在する。
【0041】
より好ましくは、この方法は下記の特徴の少なくとも1つ、好ましくはすべてを示す、組成物を製造する:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約1重量%より少ないジケトピペラジンが存在する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約2重量%より少ないジケトピペラジンが存在する; または
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より少ないジケトピペラジンが存在する。
【0042】
好ましくは、この方法は下記の特徴の少なくとも1つ、好ましくはすべてを示す、組成物を製造する:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約2重量%より小がジケトピペラジンに転化する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3重量%より小がジケトピペラジンに転化する; または
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3.5重量%より小がジケトピペラジンに転化する。
【0043】
より好ましくは、この方法は下記の特徴の少なくとも1つ、好ましくはすべてを示す、組成物を製造する:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約1重量%より小がジケトピペラジンに転化する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約2重量%より小がジケトピペラジンに転化する; または
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3重量%より小がジケトピペラジンに転化する。
【0044】
他の態様において、本発明は、約1.25 mgのラミプリルを含んでなり、約50 mgの全重量を有する安定な医薬組成物; 約2.5 mgのラミプリルを含んでなり、約50 mgの全重量を有する安定な医薬組成物; 約5 mgのラミプリルを含んでなり、約50 mgの全重量を有する安定な医薬組成物; または約10 mgのラミプリルを含んでなり、約50 mgの全重量を有する安定な医薬組成物に関する。
【0045】
この分野において知られている任意の慣用法を使用して、本発明の安定な医薬組成物を製造することができる。好ましくは、この方法は乾式混合、乾式粒状化または湿式粒状化の少なくとも1つを含んでなる。
【0046】
組成物は典型的には固体状投与形態、好ましくは錠剤、カプセル剤または粉剤の形態に加工される。例えば、慣用錠剤プレスを使用して成分の必要な混合物から錠剤を適当な形状に成形することによって、慣用錠剤化法を使用することができる。一般に、錠剤の処方および加工技術はこの分野において知られている。また、カプセル剤配合法はこの分野において普通に知られている。
【0047】
本発明の安定な医薬組成物は、また、不活性成分、例えば、希釈剤、担体、充填剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、崩壊抑制剤、吸着促進剤、湿潤剤、滑剤、グリダント、表面活性剤、香味剤、保存剤、緩衝剤、および製剤産業において普通に使用されている任意の他の賦形剤を含有することができる。
【0048】
希釈剤は固体状医薬組成物の嵩を増加させ、そして患者およびケアーのために取扱い容易な組成物を含有する薬学的投与形態を作ることができる。組成物において使用する希釈剤は、固体状医薬組成物において普通に使用される希釈剤を包含する。希釈剤は下記を包含するが、これらに限定されない: 炭酸カルシウム、リン酸カルシウム (二塩基性または三塩基性)、硫酸カルシウム、デキストレート、デキストリン、デキシトロース賦形剤、フルクトース、カオリン、ラクチトール、無水ラクトース、ラクトース一水和物、マルトース、マンニトール、ソルビトール、スクロース、デンプン、予備糊化デンプン、タルクおよびその他。
【0049】
組成物において使用する担体は下記を包含するが、これらに限定されない: ラクトース、白砂糖、塩化ナトリウム、グルコース、尿素、追加のデンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶質セルロース、ケイ酸およびその他。
【0050】
結合剤は活性成分と他の賦形剤とを一緒に結合するのを促進する。組成物において使用する結合剤は固体状医薬組成物において普通に使用される結合剤を包含する。結合剤は下記を包含するが、これらに限定されない: アカシアゴム、アルギン酸、カルボマー、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グルコース、グアーゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、マルトース、ポピドン、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース、ポリエチレンオキシドおよびその他。
【0051】
崩壊剤は溶解を増加させることができる。適当な崩壊剤の例は次の通りである: デンプン、予備糊化デンプン、グリコール酸ナトリウムデンプン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース (例えば、ナトリウムクロスカルメロース; 下記の登録商標で入手可能な架橋デンプン: Ac-Di-Sol、FMC Corp.、ペンシルベニア州フィラデルフィア)、粘土 (例えば、ケイ酸マグネシウムアルミニウム)、微結晶質セルロース (例えば、下記の登録商標で入手可能なもの: Avicel、FMC Corp.またはEmcocel、Mendell Corp.、ニューヨーク州カーメル)、アルギン酸塩、ガム、界面活性剤、発泡性混合物、含水ケイ酸アルミニウム、架橋ポリビニルピロリドン (下記の登録商標で入手可能である: PVP-XL、International Specialty Products, Inc.) およびこの分野において知られているその他。
【0052】
崩壊抑制剤は下記を包含するが、これらに限定されない: 白砂糖、ステアリン、ココナツバター、水素化油およびその他。吸収促進剤は下記を包含するが、これらに限定されない: 第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウムおよびその他。
湿潤剤は下記を包含するが、これらに限定されない: グリセリン、デンプンおよびその他。吸着剤は下記を包含するが、これらに限定されない: デンプン、ラクトース、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸およびその他。
【0053】
滑剤を組成物に添加して加工を容易とすることができる、例えば、加工に使用する装置への付着を減少し、そして錠剤化のためのパンチまたはダイからの製品の放出を容易にすることができる。組成物中に使用する滑剤は固体状医薬組成物において普通に使用されるもの、例えば、下記のものを包含する: ステアリン酸カルシウム、グリセリルベヘネート、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、ポリエチレングリコール、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク、植物油、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸亜鉛。
【0054】
グリダントを添加して非圧縮固体状組成物の流動性を改良し、そして投与を改良することができる。組成物において使用されるグリダントは固体状医薬組成物において普通に使用されるグリダント、例えば、下記のものを包含する: コロイド状二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉末状セルロース、デンプン、タルクおよび三塩基性リン酸カルシウム。
【0055】
香味剤および香味増強剤は投与物を患者に対して味のよいものとする。本発明の組成物に添加できる薬学上の製品に普通の香味剤および香味増強剤は、例えば、下記のものを包含する: マルトール、バニリン、エチルバニリン、メントール、クエン酸、フマル酸、エチルマルトールおよび酒石酸。
【0056】
錠剤は普通に知られている被覆物質でさらに被覆することができ、このような錠剤は、例えば、糖被覆錠剤、ゼラチン薄膜被覆錠剤、腸溶被膜被覆錠剤、薄膜被覆錠剤、二重層状化錠剤および多層状化錠剤である。カプセル剤は、例えば、ゼラチンから作られた外殻で被覆することができ、そして必要に応じて可塑剤、例えば、グリセリンおよびソルビトール、および不透明剤または着色剤を含有することができる。
【0057】
組成物は、また、薬学上許容される着色剤で染色して、組成物の外観を改良し、および/または製品および単位投与レベルの患者の識別を促進することができる。着色剤は二酸化チタンおよび/または食物に適当な染料、例えば、FD & C染料として知られているものおよび天然の着色剤、例えば、ブドウの皮抽出物、ビートレッド粉末、β-カロテン、アナットー、カーミン、ウコン、パプリカおよびその他を包含する。
【0058】
甘味剤、例えば、ソルビトール、サッカリン、ナトリウムサッカリン、スクロース、アスパルテーム、フルクトース、マンニトールおよび転化糖を添加して味を改良することができる。保存剤およびキレート化剤、例えば、アルコール、安息香酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびエチレンジアミン四酢酸を安全なレベルで添加して安定性を改良することができる。
【0059】
前述したように、本発明の組成物は乾式混合、乾式粒状化または湿式粒状化により製造することができる。湿式粒状化において、粉末形態の活性成分および賦形剤の一部分またはすべてをブレンドし、次いで液体、典型的には水の存在下にさらに混合することができ、前記液体は粉末を粒体に凝集させる。粒体を篩がけおよび/または微粉砕し、乾燥し、次いで必要な粒子サイズに篩がけおよび/または微粉砕する。次いで粒体を錠剤化するか、あるいは他の賦形剤、例えば、グリダントおよび/または滑剤を添加した後、錠剤化することができる。本発明の好ましい投与形態は錠剤、カプセル剤または粉剤を包含する。
【0060】
乾式粒状化に対する代替法として、ブレンドした組成物を直接圧縮技術により圧縮された投与形態に直接圧縮することができる。直接圧縮法により、粒体を含まないいっそう均一な錠剤が製造される。直接圧縮錠剤化に特によく適する賦形剤は、微結晶質セルロース、ラクトース噴霧乾燥物、リン酸二ナトリウム二水和物およびコロイド状シリカを包含する。直接圧縮錠剤化におけるこれらおよび他の賦形剤の適切な使用は、直接圧縮錠剤化の特定の配合課題において経験および技量を有する当業者に知られている。
【0061】
カプセル剤は、例えば、ブレンディングにより普通に製造することができる。本発明のカプセル剤の充填物は、錠剤化を参照して記載した前述のブレンドおよび粒体を含んでなることができ、それらは最終の錠剤化工程にかけられないだけである。
【0062】
医薬組成物を丸剤の形態に造形するとき、この分野において使用される任意の普通に知られている賦形剤を使用することができる。例えば、担体は下記を包含するが、これらに限定されない: ラクトース、デンプン、ココナツバター、硬化植物油、カオリン、タルクおよびその他。結合剤は下記を包含するが、これらに限定されない: アラビアゴム粉末、トラガカントゴム粉末、ゼラチン、エタノールおよびその他。崩壊剤は下記を包含するが、これらに限定されない: 寒天、ラミナリアおよびその他。
【0063】
また、本発明は、治療的有効量の本発明の組成物を投与することを含んでなる治療が必要な哺乳動物における高血圧症を治療する方法に関する。高血圧症を治療するために必要な本発明の組成物中に含有される誘導体または薬学上許容されるその塩の量は、特別に限定されない; しかしながら、投与量は症状を治療し、改善するか、あるいは軽減するために十分であるべきである。本発明に従い高血圧症を治療するための医薬組成物の投与量は、使用方法、患者の年齢、性別、体重および症状に依存するであろう。
【0064】
ある種の好ましい態様を参照して本発明を説明したが、明細書を考慮すると他の態様は当業者にとってから明らかとなるであろう。結晶の分析および本発明の結晶を製造する方法を詳細に記載する下記の実施例を参照することによって、本発明をさらに規定される。当業者にとって明らかなように、本発明の範囲から逸脱しないで、材料および方法の両方に関する多数の変更を実施することができる。
【実施例】
【0065】
実施例1〜2
ラミプリル1.25 mgのカプセル剤
表1の成分をブレンドし、硬質ゼラチンカプセルの中に充填する。カプセルの外皮はゼラチン、二酸化チタンおよび着色剤を含有する。
【0066】
【表1】

【0067】
実施例3〜4
ラミプリル2.5 mgのカプセル剤
表2の成分をブレンドし、カプセルの中に充填する。
【0068】
【表2】

【0069】
実施例5〜6
トランドラプリル1 mgの錠剤
表3の成分をブレンドし、圧縮して錠剤にする。
【0070】
【表3】

【0071】
安定性の結果
実施例1、実施例2のカプセル剤、および商業的に入手可能なAltace(商標)1.25 mgおよび2.5 mgのカプセル剤をHDPE (高密度ポリエチレン) びん中に詰め、それらを40℃において75%の相対湿度下に貯蔵することによって、安定性試験を実施した。
【0072】
Physician’s Desk Reference 2006 edに従い、Altace中の不活性成分は予備糊化デンプン NF、ゼラチンおよび二酸化チタンである。Altace 1.25 mgは黄色硬質ゼラチンカプセルで供給され、そして外殻は黄色鉄酸化物を含有する。Altace 2.5 mgはオレンジ色硬質ゼラチンカプセルで供給され、そして外殻はD & C黄色#10およびFD & C赤色#40を含有する。Altace 1.25 mgおよび2.5 mgカプセル剤の全重量は125 mgであると測定された。
【0073】
【表4】

【0074】
1、2および3ケ月 (M) 間貯蔵後、下記のパラメーターを使用して高性能液体クロマトグラフィー (HPLC) により、ラミプリルおよびDKPの存在量を測定した:
カラム: Zorbax SB C-8、5 μm、250×4.6 mm
移動相: アセトニトリルでpH 2.00に調節した緩衝液 (65:35 V/V)
流速: 1.0 mL/分
検出: UV、λ = 215 nm
カラム温度: 60℃
試料温度: 4℃
注入体積: 50 μl
安定性の結果を表5および表6に示す。
【0075】
【表5】

【0076】
推定された初期DKP量を貯蔵後に存在するDKPの全量から減ずることによって、DKPの転化量を外挿する。
【0077】
【表6】

【0078】
表5および6に示すように、2.5重量%のラミプリルを有する実施例1は1.25重量%のラミプリルを有する実施例2よりも少ないDKPを含有する。さらに、貯蔵後に転化したDKPの量は実施例2よりも実施例1において非常に少ない。したがって、実施例1における活性成分が実施例2よりも組成物のより大きい比率を構成するとき、成分が同一であるときでさえ、DKPの存在量およびDKPの転化量は減少する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物の約2.5〜約20重量%の2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体と少なくとも1種の薬学上許容される賦形剤とを含んでなり、前記組成物は100 mgより少ない全重量を有する安定な医薬組成物。
【請求項2】
組成物が約50 mg〜約75 mgの全重量を有する、請求項1の安定な医薬組成物。
【請求項3】
組成物が約50 mgの全重量を有する、請求項1の安定な医薬組成物。
【請求項4】
組成物の約2.5重量%の2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体を含んでなる請求項1〜3のいずれか1つの安定な医薬組成物。
【請求項5】
組成物の約5重量%の2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体を含んでなる請求項1〜4のいずれか1つの安定な医薬組成物。
【請求項6】
組成物の約10重量%の2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体を含んでなる請求項1〜5のいずれか1つの安定な医薬組成物。
【請求項7】
約1.25 mg、2.5 mg、5 mgまたは10 mgの前記誘導体を含んでなる、請求項1〜6のいずれか1つの安定な医薬組成物。
【請求項8】
組成物が下記の特徴の少なくとも1つを示す、請求項1〜7のいずれか1つの安定な医薬組成物:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約2重量%より少ないジケトピペラジンが存在する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より少ないジケトピペラジンが存在する; または
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3.5重量%より少ないジケトピペラジンが存在する。
【請求項9】
組成物が下記の特徴の少なくとも1つを示す、請求項1〜8のいずれか1つの安定な医薬組成物:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約1重量%より少ないジケトピペラジンが存在する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約2重量%より少ないジケトピペラジンが存在する; または
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より少ないジケトピペラジンが存在する。
【請求項10】
組成物が下記の特徴を示す、請求項1〜9のいずれか1つの安定な医薬組成物:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約2重量%より少ないジケトピペラジンが存在する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より少ないジケトピペラジンが存在する; および
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3.5重量%より少ないジケトピペラジンが存在する。
【請求項11】
組成物が下記の特徴の少なくとも1つを示す、請求項1〜10のいずれか1つの安定な医薬組成物:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約2重量%より小がジケトピペラジンに転化する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3重量%より小がジケトピペラジンに転化する; または
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3.5重量%より小がジケトピペラジンに転化する。
【請求項12】
組成物が下記の特徴の少なくとも1つを示す、請求項1〜11のいずれか1つの安定な医薬組成物:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約1重量%より小がジケトピペラジンに転化する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約2重量%より小がジケトピペラジンに転化する; または
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3重量%より小がジケトピペラジンに転化する。
【請求項13】
組成物が下記の特徴を示す、請求項1〜12のいずれか1つの安定な医薬組成物:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約2重量%より小がジケトピペラジンに転化する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3重量%より小がジケトピペラジンに転化する; および
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3.5重量%より小がジケトピペラジンに転化する。
【請求項14】
2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体がラミプリル、キナプリル、メキシプリル、エナラプリル、ペリンドプリルまたはトランドラプリルの少なくとも1つを包含する、請求項1〜13のいずれか1つの安定な医薬組成物。
【請求項15】
2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体がラミプリルを包含する、請求項1〜14のいずれか1つの安定な医薬組成物。
【請求項16】
組成物が錠剤、カプセル剤または粉剤の形態である、請求項1〜15のいずれか1つの安定な医薬組成物。
【請求項17】
組成物がカプセル剤の形態である、請求項1〜16のいずれか1つの安定な医薬組成物。
【請求項18】
薬学上許容される賦形剤が予備糊化デンプン、無水ラクトース、ポビドンまたはステアリルフマル酸ナトリウムの少なくとも1種である、請求項1〜17のいずれか1つの安定な医薬組成物。
【請求項19】
組成物が予備糊化デンプン、無水ラクトースおよびステアリルフマル酸ナトリウムを含んでなる、請求項1〜18のいずれか1つの安定な医薬組成物。
【請求項20】
組成物が少なくとも1種の利尿剤をさらに含んでなる、請求項1〜19のいずれか1つの安定な医薬組成物。
【請求項21】
組成物がヒドロクロロチアジドをさらに含んでなる、請求項1〜20のいずれか1つの安定な医薬組成物。
【請求項22】
組成物が下記の特徴を示す、請求項1〜21のいずれか1つの安定な医薬組成物:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約1重量%より少ないジケトピペラジンが存在する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約2重量%より少ないジケトピペラジンが存在する; および
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より少ないジケトピペラジンが存在する。
【請求項23】
組成物が下記の特徴を示す、請求項1〜22のいずれか1つの安定な医薬組成物:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約1重量%より小がジケトピペラジンに転化する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約2重量%より小がジケトピペラジンに転化する; および
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3重量%より小がジケトピペラジンに転化する。
【請求項24】
安定化有効濃度の2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体を少なくとも1種の薬学上許容される賦形剤と組合わせることを含んでなり、前記組成物が100 mgより少ない全重量を有する、医薬組成物の安定性を改良する方法。
【請求項25】
組成物の約2.5重量%の2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体を含んでなる請求項24の方法。
【請求項26】
組成物が約1.25 mg、2.5 mg、5 mgまたは10 mgの前記誘導体を含んでなる、請求項24または25のいずれか1つの方法。
【請求項27】
組成物が下記の特徴の少なくとも1つを示す、請求項24〜26のいずれか1つの方法:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約2重量%より少ないジケトピペラジンが存在する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より少ないジケトピペラジンが存在する; または
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3.5重量%より少ないジケトピペラジンが存在する。
【請求項28】
組成物が下記の特徴の少なくとも1つを示す、請求項24〜27のいずれか1つの方法:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約1重量%より少ないジケトピペラジンが存在する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約2重量%より少ないジケトピペラジンが存在する; または
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より少ないジケトピペラジンが存在する。
【請求項29】
組成物が下記の特徴を示す、請求項24〜28のいずれか1つの方法:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約2重量%より少ないジケトピペラジンが存在する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より少ないジケトピペラジンが存在する; および
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3.5重量%より少ないジケトピペラジンが存在する。
【請求項30】
組成物が下記の特徴を示す、請求項24〜29のいずれか1つの方法:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約1重量%より少ないジケトピペラジンが存在する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約2重量%より少ないジケトピペラジンが存在する; および
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より少ないジケトピペラジンが存在する。
【請求項31】
組成物が下記の特徴少なくとも1つを示す、請求項24〜30のいずれか1つの方法:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約2重量%より小がジケトピペラジンに転化する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3重量%より小がジケトピペラジンに転化する; または
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3.5重量%より小がジケトピペラジンに転化する。
【請求項32】
組成物が下記の特徴の少なくとも1つを示す、請求項24〜31のいずれか1つの方法:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約1重量%より小がジケトピペラジンに転化する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約2重量%より小がジケトピペラジンに転化する; または
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3重量%より小がジケトピペラジンに転化する。
【請求項33】
組成物が下記の特徴を示す、請求項24〜32のいずれか1つの方法:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約2重量%より小がジケトピペラジンに転化する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3重量%より小がジケトピペラジンに転化する; および
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3.5重量%より小がジケトピペラジンに転化する。
【請求項34】
組成物が下記の特徴を示す、請求項24〜33のいずれか1つの安定な医薬組成物:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約1重量%より小がジケトピペラジンに転化する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約2重量%より小がジケトピペラジンに転化する; および
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3重量%より小がジケトピペラジンに転化する。
【請求項35】
乾式混合、乾式粒状化または湿式粒状化の少なくとも1つを含んでなる、請求項24〜34のいずれか1つの方法。
【請求項36】
請求項24〜35のいずれか1つの方法により製造された安定な医薬組成物。
【請求項37】
安定化有効濃度の2-アザ-ビシクロ[3.3.0]-オクタン-3-カルボン酸誘導体と少なくとも1種の薬学上許容される賦形剤とを含んでなり、組成物が下記の特徴を示す、安定な医薬組成物:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約2重量%より少ないジケトピペラジンが存在する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より少ないジケトピペラジンが存在する; および
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3.5重量%より少ないジケトピペラジンが存在する。
【請求項38】
組成物が下記の特徴を示す、請求項37の安定な医薬組成物:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に誘導体の約2重量%より小がジケトピペラジンに転化する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に誘導体の約3重量%より小がジケトピペラジンに転化する; および
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に誘導体の約3.5重量%より小がジケトピペラジンに転化する。
【請求項39】
組成物が下記の特徴を示す、請求項37または38の組成物:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約1重量%より少ないジケトピペラジンが存在する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約2重量%より少ないジケトピペラジンが存在する; および
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に分解前の誘導体の約3重量%より少ないジケトピペラジンが存在する。
【請求項40】
組成物が下記の特徴を示す、請求項37〜39の組成物:
(a) 40℃において75%の相対湿度下に1ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約1重量%より小がジケトピペラジンに転化する;
(b) 40℃において75%の相対湿度下に2ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約2重量%より小がジケトピペラジンに転化する; および
(c) 40℃において75%の相対湿度下に3ケ月間貯蔵後に前記誘導体の約3重量%より小がジケトピペラジンに転化する。
【請求項41】
約1.25 mgのラミプリルを含んでなり、組成物が約50 mgの全重量を有する、安定な医薬組成物。
【請求項42】
約2.5 mgのラミプリルを含んでなり、組成物が約50 mgの全重量を有する、安定な医薬組成物。
【請求項43】
約5 mgのラミプリルを含んでなり、組成物が約50 mgの全重量を有する、安定な医薬組成物。
【請求項44】
約10 mgのラミプリルを含んでなり、組成物が約50 mgの全重量を有する、安定な医薬組成物。
【請求項45】
治療的有効量の請求項1〜23および37〜44のいずれか1つの組成物を投与することを含んでなる、治療が必要である哺乳動物における高血圧症を治療する方法。

【公表番号】特表2009−533461(P2009−533461A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−505521(P2009−505521)
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/009647
【国際公開番号】WO2007/120930
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【出願人】(304064735)テバ ファーマシューティカルズ ユーエスエー,インコーポレイティド (3)
【Fターム(参考)】