説明

2−アミノベンズイミダゾール誘導体

一般式[I]


[式中、R及びRは、独立して、低級アルキル基等を表す。Rは、水素原子等を表す。B、B及びBは、水素原子又は低級アルキル基を表す。Wは、結合手、−(CH)−CONH−(CH)−等を表す。Arは、酸素原子又は硫黄原子を含有してもよい、5又は6員の芳香族含窒素複素環基を表す。Arは、置換基を有していてもよい、1又は2環性の芳香族炭素環基又は芳香族複素環基を表す。]で表されるベンズイミダゾール誘導体を提供する。この化合物は、メラニン凝集ホルモン受容体の拮抗剤として作用し、中枢性疾患、循環器系疾患、代謝性疾患用の医薬品として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、医薬の分野において有用なベンズイミダゾール誘導体に関する。この化合物は、メラニン凝集ホルモン受容体拮抗物質として作用し、各種の循環器系疾患、神経系疾患、代謝系疾患、生殖系疾患、呼吸器疾患、消化管疾患等の予防薬又は治療薬として有用である。
【背景技術】
メラニン凝集ホルモン(Melanin Concentrating Hormone;以下「MCH」と称す)は、1983年、川内らにより鮭の下垂体より初めて単離された環状のペプチドホルモン/神経ペプチドである。[ネイチャー(Nature)、305巻、321頁(1983年)]。魚類では、メラニン細胞刺激ホルモンと機能的に拮抗して、黒色素胞内のメラニン顆粒の凝集を引き起こし、体色の変化に関与することが知られている。[インターナショナル・レヴュー・オブ・サイトロジー(International Review of Cytology)、126巻、1頁(1991年);トレンヅ・イン・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム(Trends in Endocrinology and Metabolism)、5巻、120頁(1994年)]。又、哺乳動物においては、MCHを含有するニューロンの細胞体は視床下部外側野および不確帯に局在するが、その神経線維は脳内の非常に広い範囲に投射しており[ザ・ジャーナル・オブ・コンパラティブ・ニューロロジー(The Journal of Comparative Neurology)、319巻、218頁(1992年)]、MCHは、生体において種々の中枢機能を司っているものと考えられる。
視床下部外側野は、古くより摂食中枢として知られており、さらに近年、MCHのエネルギー恒常性制御への関与を示唆する分子生物学的・薬理学的知見が多く蓄積してきている。すなわち、遺伝的肥満モデル動物であるob/obマウス、db/dbマウス、A/aマウス、Zucker fattyラットや絶食したマウスの脳内において、MCH前駆体のmRNAの発現が亢進することが報告されている[ネイチャー(Nature)、380巻、243頁(1996年);ダイアベテス(Diabetes)、47巻、294頁(1998年);バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochemical and Biophysical Research Communications)、268巻、88頁(2000年);モレキュラー・ブレイン・リサーチ(Molecular Brain Research)、92巻、43頁(2001年)]。
MCHをラットの脳室内に急性投与すると、摂食の亢進が観察され[ネイチャー(Nature)、380巻、243頁(1996年)]、慢性投与すると、過食を伴って肥満を呈する[プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・ユナイティッド・ステーツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)、99巻、3240頁(2002年)]。さらに、MCH前駆体遺伝子を欠失したマウスでは、野生型マウスに比べて摂食量の低下や体重当たりの酸素消費量の上昇が見られ、体脂肪の減少による低体重が観察されている[ネイチャー(Nature)、396巻、670頁(1998年)]。
反対に、MCH前駆体を過剰に発現するトランスジェニックマウスは、過食を伴う肥満とインスリン抵抗性を呈する[ザ・ジャーナル・オブ・クリニカル・インヴェスティゲーション(The Journal of Clinical Investigation)、107巻、379頁(2001年)]。その結果、MCHは、肥満形成における重要な因子であると共に、肥満をもリスク・ファクターとする代謝異常疾患や呼吸器疾患への関与が示唆される。その他、MCHには、不安惹起作用、癲癇、記憶・学習、利尿作用、ナトリウム・カリウムの排泄作用、オキシトシン分泌作用や、生殖・性機能への関与などが知られている[ペプタイヅ(Peptides)、17巻、171頁(1996年);ペプタイヅ(Peptides)、18巻、1095頁(1997年);ペプタイヅ(Peptides)、15巻、757頁(1994年);ジャーナル・オブ・ニューロエンドクリノロジー(Journal of Neuroendocrinology)、8巻、57頁(1996年);クリティカル・レヴューズ・イン・ニューロバイオロジー(Critical Reviews in Neurobiology)、8巻、221頁(1994年)]。
MCHは、主として中枢神経系に存在するMCH受容体を介して多様な薬理作用を惹起する。MCHの受容体としては、1型受容体(MCH−1R、SLC−1)および2型受容体(MCH−2R、SLT)の少なくとも2種類の受容体が知られている[ネイチャー(Nature)、400巻、261頁(1999年);ネイチャー(Nature)、400巻、265頁(1999年);バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochemical and Biophysical Research Communications)、261巻、622頁(1999年);ネイチャー・セル・バイオロジー(Nature Cell Biology)、1巻、267頁(1999年);フェブス・レターズ(FEBS Letters)、457巻、522頁(1999年);バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochemical and Biophysical Research Communications)、283巻、1013頁(2001年);ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of Biological Chemistry)、276巻、20125頁(2001年);プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・ユナイティッド・ステーツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)、98巻、7564頁(2001年);プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・ユナイティッド・ステーツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)、98巻、7576頁(2001年);ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(The Journal of Biological Chemistry)、276巻、34664頁(2001年);モレキュラー・ファーマコロジー(Molecular Pharmacology)、60巻、632頁(2001年)]。
なかでも齧歯類に観察される薬理作用は、主としてMCH−1Rを介して惹起される[ゲノミクス(Genomics)、79巻、785頁(2002年)]。MCH−1Rの遺伝子欠損マウスにMCHを慢性投与しても過食及び肥満が観察されないことから、MCHによるエネルギー代謝制御はMCH−1Rを介して惹起されることが知られている。さらに、MCH−1Rの欠損は、マウスの活動量を亢進することが知られており[プロシーディングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ・オブ・ザ・ユナイティッド・ステーツ・オブ・アメリカ(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)、99巻、3240頁(2002年)]、行動異常を伴う中枢性疾患、例えば注意欠陥・多動性障害、統合失調症うつ病等のへの関与も強く示唆される[モレキュラー・メディシン・トゥデイ(Molecular Medicine Today)、6巻、43頁(2000年);トレンヅ・イン・ニューロサイエンス(Trends in Neuroscience)、24巻、527頁(2001年)]。
また、尋常性白斑患者の血清中にMCH−1Rに対する自己抗体が存在することが報告されている[ザ・ジャーナル・オブ・クリニカル・インヴェスティゲーション(The Journal of Clinical Investigation)、109巻、923頁(2002年)]。更に、ある種の癌細胞におけるMCH−1Rの発現が報告されており、また、MCH及びMCH−1Rの生体内の発現部位からも、癌、睡眠・覚醒、薬物依存症、消化管疾患への関与も示唆されている[バイオケミカル・アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochemical and Biophysical Research Communications)、289巻、44頁(2001年);ニューロエンドクリノロジー(Neuroendocrinology)、61巻、348頁(1995年)、エンドクリノロジー(Endocrinology)、137巻、561頁(1996年)、ザ・ジャーナル・オブ・コンパラティブ・ニューロロジー(The Jounal of Comparative Neurology)435巻、26頁、(2001年)]。
MCHの機能は、MCHがMCH受容体に結合することにより発現される。したがってMCHの受容体結合を阻害すれば、MCHの作用発現を阻止することができる。その結果、MCHの受容体結合に拮抗する物質は、MCHが関与する各種疾患、例えば肥満症、糖尿病、ホルモン分泌異常、高脂血症、痛風、脂肪肝、肝炎、肝硬変等の代謝系疾患、例えば狭心症、急性・うっ血性心不全、心筋梗塞、環状動脈硬化症、高血圧、腎臓病、電解質異常等の循環器系疾患、例えば過食症、情動障害、うつ病、不安、癲癇、譫妄、痴呆、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、記憶障害、睡眠障害、認知障害、運動障害、感覚異常、嗅覚障害、モルヒネ耐性、麻薬依存症、アルコール依存症等の中枢及び末梢神経系疾患、例えば不妊症、早産、性機能障害等の生殖系疾患、その他、消化管疾患、呼吸器疾患、癌又は皮膚色素沈着等の予防剤又は治療剤として有用である。
本発明の化合物に類似する化合物としては、例えば日本特許公開公報(以下、「特開」と略す)平3−109378号、国際公開WO95/32967号パンフレット等が知られている。しかしながら特開平3−109378号に記載の化合物は、ベンズイミダゾールの6位にアミノ基を有しているに対し、本発明の化合物は芳香族含窒素複素環基を有する点で異なり、又、その用途も異なるものである(特開平3−109378号に記載の用途は血小板凝集抑制作用である)。一方、国際公開WO95/32967号には、以下の化合物が開示されている。

この化合物は、5HT1D−アンタゴニスト活性を有し、ベンズイミダゾール骨格を包含するものであるが、該化合物はAの部分がアミド基であり、Aの部分が芳香族含窒素複素環基を有する本発明化合物とは異なり、更に、作用メカニズム及び用途も異なるものである。
一方、従来公知のメラニン凝集ホルモン受容体拮抗剤としては、例えば国際公報WO01/21577号パンフレット、国際公報WO01/82925号パンフレット、国際公報WO02/02744号パンフレット、特開2002−3370号等に記載がある。特に特開2002−3370号では、下記式の化合物がメラニン凝集ホルモン受容体拮抗剤として開示されている。

しかしながらこの引例は、Ar部分が非芳香環と縮合してもよい単環式芳香環を採用することが発明の要旨であり、このArにはベンズイミダゾール環は含まれないため、この発明から当業者は本発明が採用するベンズイミダゾール環を容易に想到することはできず、更に、ベンズイミダゾール環の特定の位置に特定の置換基を配置させることにより該化合物が優れた作用を有する趣旨の本発明に容易に到達することもできない。
本発明は、MCHがMCH−1Rに結合することに拮抗する作用を有するベンズイミダゾール誘導体を提供するとともに、これを用いた肥満症、糖尿病、ホルモン分泌異常、高脂血症、痛風、脂肪肝、肝炎、肝硬変等の代謝系疾患、例えば狭心症、急性・うっ血性心不全、心筋梗塞、環状動脈硬化症、高血圧、腎臓病、電解質異常等の循環器系疾患、例えば過食症、情動障害、うつ病、不安、癲癇、譫妄、痴呆、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、記憶障害、睡眠障害、認知障害、運動障害、感覚異常、嗅覚障害、モルヒネ耐性、麻薬依存症、アルコール依存症等の中枢及び末梢神経系疾患、例えば不妊症、早産、性機能障害等の生殖系疾患、その他、消化管疾患、呼吸器疾患、癌又は皮膚色素沈着等の予防剤又は治療剤を提供することを目的とする。
【発明の開示】
本発明者らは、MCH−1RへのMCHの結合を阻害する化合物を開発すべく鋭意検討を行い、1)ベンズイミダゾール骨格の2位にアルキルアミノ基を有し、且つ2)6位に特定の5又は6員の含窒素複素環基を介して芳香族基を有する、ことを特徴とするベンズイミダゾール誘導体が文献未記載の新規物質であり、又、該化合物がMCH−1R拮抗剤として有効であることを見いだし、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1) 一般式[I]

[式中、B、B及びBは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルキルオキシ基を表し、
及びRは、各々独立して、水素原子、グループαからなる群から選択される置換基を有していてもよい、低級アルキル又は3〜10員の脂肪族環式基を表し、但し、R及びRが同時に水素原子となることはなく、
は、水素原子、又はグループαからなる群から選択される置換基を有していてもよい低級アルキル基を表し、
Arは、酸素原子又は硫黄原子を含有してもよい、5員又は6員の芳香族含窒素複素環基を表し、
Wは、W1)結合手、
W2)−(CH)n−CONH−(CH)m−、
W3)−(CH)n−NHCO−(CH)m−、
W4)−(CH)n−OC(=O)−(CH)m−、
W5)−(CH)n−C(=O)O−(CH)m−、
W6)−(CH)n−O−(CH)m−、
W7)−(CH)n−S(=O)k1−(CH)m−、
W8)−(CH)n−NH−(CH)m−、
W9)−(CH)k2−、及び
W10)−(CH)n−CH=CH−(CH)m−、からなる群から選択される基を表し、
ここで(CH)又は−NH−における1又は2の水素原子は、Rで置換されていてもよく、Rは、炭素数1〜3のアルキル基を表すか、又はArが置換基を有する場合はAr上の置換基とともに−(CH)k2−を形成し、
m及びnは、各々独立して、0〜4の整数を表し、但し0≦m+n≦4であり、
k1は、0〜2の整数を表し、
k2は、1〜4の整数を表し、
Arは、グループβからなる群から選択される1種若しくは2種以上の置換基を有していてもよい、1又は2環性の芳香族炭素環基若しくは芳香族複素環基を表す。]で表されるベンズイミダゾール誘導体又はその薬学上許容される塩。
〔グループα〕
ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、フッ素原子で置換されていてもよい低級アルキルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、(低級アルキルオキシカルボニル)アミノ基、(低級アルキルオキシカルボニル)低級アルキルアミノ基、低級アルキルカルボニル基、低級シクロアルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、(低級アルキルカルボニル)アミノ基、(低級アルキルカルボニル)低級アルキルアミノ基、カルバモイル基、モノ低級アルキルカルバモイル基、ジ低級アルキルカルバモイル基、カルバモイルアミノ基、モノ低級アルキルカルバモイルアミノ基、ジ低級アルキルカルバモイルアミノ基、(モノ低級アルキルカルバモイル)低級アルキルアミノ基、(ジ低級アルキルカルバモイル)低級アルキルアミノ基、カルバモイルオキシ基、モノ低級アルキルカルバモイルオキシ基、ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基、低級アルキルスルホニル基、低級アルキルスルホニルアミノ基、スルファモイル基、モノ低級アルキルスルファモイル基、ジ低級アルキルスルファモイル基、スルファモイルアミノ基、(モノ低級アルキルスルファモイル)アミノ基、(ジ低級アルキルスルファモイル)アミノ基、(モノ低級アルキルスルファモイル)低級アルキルアミノ基及び(ジ低級アルキルスルファモイル)低級アルキルアミノ基。
[グループβ]
ニトロ基、アリール基、アリールオキシ基、低級シクロアルキル基、低級アルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、シアノ基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、水酸基若しくはフッ素原子で置換されていてもよい低級アルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい低級アルキルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、(低級アルキルオキシカルボニル)アミノ基、(低級アルキルオキシカルボニル)低級アルキルアミノ基、カルボキシル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、(低級アルキルカルボニル)アミノ基、(低級アルキルカルボニル)低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルカルバモイル基、ジ低級アルキルカルバモイルアミノ基、(ジ低級アルキルカルバモイル)低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基、低級アルキルスルホニル基、低級アルキルスルホニルアミノ基、低級アルキルスルファニル基、ジ低級アルキルスルファモイル基、スルファモイルアミノ基、(ジ低級アルキルスルファモイル)アミノ基及び(ジ低級アルキルスルファモイル)低級アルキルアミノ基。
(2) B、B及びBが、いずれも水素原子である(1)に記載の化合物、
(3) Rが、メチル基である(1)に記載の化合物、
(4) Rが、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びメトキシエチル基からなる群から選択される基である(3)に記載の化合物、
(5) Rが、水素原子又はメチル基である(1)〜(4)のいずれかの請求項に記載の化合物、
(6) Arが、ピロールジイル基、イミダゾールジイル基、ピラゾールジイル基、チアゾールジイル基、イソチアゾールジイル基、オキサゾールジイル基、イソオキサゾールジイル基、トリアゾールジイル基、テトラゾールジイル基、オキサジアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、ピリジンジイル基、ピラジンジイル基、ピリミジンジイル基及びピリダジンジイル基からなる群から選択される基である(1)〜(5)のいずれかの請求項に記載の化合物、
(7) Arが、1,2,4−オキサジアゾール−3,5−ジイル基、1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジイル基、2H−テトラゾール−2,5−ジイル基及びイミダゾール−1,4−ジイル基からなる群から選択される基である(6)に記載の化合物、
(8) Wが、
W2)−(CH)n−CONH−(CH)m−、
W3)−(CH)n−NHCO−(CH)m−、
W6)−(CH)n−O−(CH)k2−、
W7)−(CH)n−S(=O)k1−(CH)m−、及び
W9)−(CH)k2−からなる群から選択される基である(1)〜(7)のいずれかの請求項に記載の化合物、
(9) Arにおける1又は2環性の芳香族炭素環基若しくは芳香族複素環基が、フェニル基、ナフチル基、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基及びプテリジニル基からなる群から選択される基である(1)〜(8)のいずれかの請求項に記載の化合物、
(10) Arが、フェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、4−トリル基、4−エチルフェニル基、4−(n−プロピル)フェニル基、4−(シクロプロピル)フェニル基、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(ジフルオロメチル)フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−(ジフルオロメトキシ)フェニル基、4−(トリフルオロメトキシ)フェニル基、4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル基、4−(2−フルオロエチル)フェニル基、4−(1−メチルプロピル)−フェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、4−フルオロ−3−メチルフェニル基、3−フルオロ−4−メトキシフェニル基、4−メチルチオフェニル基、4−アセチルフェニル基、4−メタンスルホニルフェニル基、4−メチルスルファニルフェニル基、4−シアノフェニル基、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル基、2−ナフチル基、2−ピリジニル基、2−メトキシ−5−ピリジニル基、3−メトキシ−6−ピリジニル基、2−メチル−5−ピリジニル基、(2−トリフルオロメチル)−5−ピリジニル基、(3−トリフルオロメチル)−6−ピリジニル基及び2−ピリミジニル基からなる群から選択される基である(1)〜(9)に記載の化合物、
(11) 一般式[I]で表される化合物が、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−{5−[4−(トリフルオロメチル)フェネチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(4−クロロフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−[5−({[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}メチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[(クロロベンジル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[(フルオロベンジル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[(ベンジル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[(フルオロフェネチル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{[(フェネチル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−(sec−ブチル)−N−メチル−6−(5−{[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルオキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(4−エチルフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−{5−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(2,4−ジクロロフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{[(4−メチルフェニル)スルファニル]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{2−[4−(メチルスルファニル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−6−{5−[(4−イソプロピルフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−{5−[(4−メチルフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−[5−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]スルファニル}メチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−{5−[(4−プロピルフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[4−(2−フルオロエチル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−(1−{2−[イソプロピル(メチル)アミノ]−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}−1H−イミダゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド、及び
・4−フルオロ−N−(5−{2−「イソプロピル(メチル)アミノ]−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ベンズアミドからなる群から選択されるものである(1)に記載の化合物、
(12) (1)〜(11)に記載の化合物を有効成分とする、メラニン凝集ホルモン受容体拮抗剤、
(13) (12)に記載の剤を有効成分とする肥満症、糖尿病、ホルモン分泌異常、高脂血症、痛風、脂肪肝、肝炎及び肝硬変に代表される代謝系疾患;狭心症、急性・うっ血性心不全、心筋梗塞、環状動脈硬化症、高血圧、腎臓病及び電解質異常に代表される循環器系疾患;過食症、情動障害、うつ病、不安、癲癇、譫妄、痴呆、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、記憶障害、睡眠障害、認知障害、運動障害、感覚異常、嗅覚障害、モルヒネ耐性、麻薬依存症及びアルコール依存症に代表される中枢及び末梢神経系疾患;不妊症、早産及び性機能障害に代表される生殖系疾患;消化管疾患;呼吸器疾患;癌又は皮膚色素沈着の予防剤又は治療剤、
(14) 肥満症の予防剤又は治療剤である(13)に記載の予防剤又は治療剤、
(15) (1)〜(11)に記載の化合物、及び医薬上許容される担体を含有する医薬組成物、
(16) 一般式[I−a]

[式中、B、B、B、R、R、W及びArは、(1)に記載のものと同義である。]で表される化合物の製造方法であって、
1)一般式[II]

[式中、B、B、B、R及びRは、前記に同じである。]で表される化合物と、一般式[III]

[式中、Ar及びWは、前記同じである。]で表される化合物とを縮合する工程、
2)前記工程で得られた生成物を環化する工程、を包含する方法、
(17) 一般式[I−1]

[式中、B、B、B、R、R及びArは、(1)に記載のものと同義であり、n1は、0〜4の整数を表す。]で表される化合物の製造方法であって、一般式[IV]

[式中、B、B、B、R、R及びArは、前記に同じである。]で表される化合物と、一般式[V]

[式中、Ar及びn1は、前記に同じである。]で表される化合物とを縮合する工程、を包含する方法、に関する。
以下に、本明細書に記載された記号及び用語について説明する。
「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「低級アルキル基」には、炭素数1〜6のアルキル基が包含され、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−エチル−1−メチルプロピル基等が挙げられる。
「低級シクロアルキル基」には、炭素数3〜6のシクロアルキル基が包含され、具体的には例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
「水酸基若しくはフッ素原子で置換されていてもよい低級アルキル基」には、低級アルキル基、又は低級アルキル基の水素原子の一部若しくは全部が水酸基若しくはフッ素原子で置換されている低級アルキル基が包含され、後者の水酸基若しくはフッ素原子で置換されている低級アルキル基として具体的にはヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,2−ジフルオロエチル基等が挙げられる。
「フッ素原子で置換されていてもよい低級アルキルオキシ基」には、酸素原子に低級アルキル基又はフッ素原子で置換されている低級アルキル基が結合した基が包含され、具体的には、例えば低級アルキルオキシ基としてメトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基等が挙げられ、又、フッ素原子で置換されている低級アルキルオキシ基としてフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1,2−ジフルオロエトキシ基等が挙げられる。
「モノ低級アルキルアミノ基」は、アミノ基の水素原子の1つが低級アルキル基と置換した基であり、具体的には、例えばメチルアミノ基、エルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基等が挙げられる。
「ジ低級アルキルアミノ基」は、アミノ基の2個の水素原子が低級アルキル基と置換した基であり、具体的には、例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、メチルプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等が挙げられる。
「低級アルキルオキシカルボニル基」は、カルボニル基に低級アルキルオキシ基が結合した基であり、炭素数1〜6のアルキルオキシカルボニル基が例示され、具体的には、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
「(低級アルキルオキシカルボニル)アミノ基」は、アミノ基に低級アルキルオキシカルボニル基が結合した基であり、炭素数1〜6のアルキルオキシカルボニルアミノ基を包含し、具体的には、例えばメトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロピルオキシカルボニルアミノ基、イソプロピルオキシカルボニルアミノ基、n−ブトキシカルボニルアミノ基、イソブトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、n−ペンチルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
「(低級アルキルオキシカルボニル)低級アルキルアミノ基」は、低級アルキルアミノ基の窒素原子上の水素原子の代わりに低級アルキルオキシカルボニル基が結合した基であり、具体的には、例えば(メトキシカルボニル)メチルアミノ基、(エトキシカルボニル)メチルアミノ基、(n−プロピルオキシカルボニル)メチルアミノ基等が挙げられる。
「低級アルキルカルボニル基」は、カルボニル基に低級アルキル基が結合した基であり、炭素数1〜6のアルキルカルボニル基を包含し、具体的には、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基等が挙げられる。
「低級シクロアルキルカルボニル基」は、カルボニル基に低級シクロアルキル基が結合した基であり、炭素数3〜6のシクロアルキルカルボニル基を包含し、具体的には、例えばシクロプロピルカルボニル基、シクロブチルカルボニル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基等が挙げられる。
「低級アルキルカルボニルアミノ基」は、アミノ基の水素原子の1つが低級アルキルカルボニル基と置換した基であり、具体的には、例えばアセトアミド基、プロピオニルアミノ基、イソブチリルアミノ基、バレリルアミノ基、イソバレリルアミノ基、ピバロイルアミノ基等が挙げられる。
「(低級アルキルカルボニル)低級アルキルアミノ基」は、低級アルキルアミノ基の窒素原子上の水素原子が低級アルキルカルボニル基と置換した基であり、具体的には、例えば(メチルカルボニル)メチルアミノ基、(エチルカルボニル)メチルアミノ基、(n−プロピルカルボニル)メチルアミノ基等が挙げられる。
「低級アルキルカルボニルオキシ基」は、酸素原子に低級アルキルカルボニル基が結合した基であり、具体的には、例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレリルオキシ基、ピバロイルオキシ基等が挙げられる。
「モノ低級アルキルカルバモイル基」は、カルバモイル基の水素原子の1つが低級アルキル基と置換した基であり、具体的には、例えばメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、n−プロピルカルバモイル基、イソプロピルカルバモイル基、n−ブチルカルバモイル基、sec−ブチルカルバモイル基、tert−ブチルカルバモイル基等が挙げられる。
「ジ低級アルキルカルバモイル基」は、カルバモイル基の2個の水素原子が低級アルキル基と置換した基であり、具体的には、例えばジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、エチルメチルカルバモイル基、ジ(n−プロピル)カルバモイル基、メチル(n−プロピル)カルバモイル基、ジイソプロピルカルバモイル基等が挙げられる。
「モノ低級アルキルカルバモイルアミノ基」は、アミノ基の水素原子の1つが低級アルキルカルバモイル基と置換した基であり、具体的には、例えばメチルカルバモイルアミノ基、エチルカルバモイルアミノ基、n−プロピルカルバモイルアミノ基、イソプロピルカルバモイルアミノ基、n−ブチルカルバモイルアミノ基、sec−ブチルカルバモイルアミノ基、tert−ブチルカルバモイルアミノ基等が挙げられる。
「ジ低級アルキルカルバモイルアミノ基」は、アミノ基の水素原子の1つがジ低級アルキルカルバモイル基と置換した基であり、具体的には、例えばジメチルカルバモイルアミノ基、ジエチルカルバモイルアミノ基、ジ(n−プロピル)カルバモイルアミノ基、ジイソプロピルカルバモイルアミノ基、ジ(n−ブチル)カルバモイルアミノ基、ジ(sec−ブチル)カルバモイルアミノ基、ジ(tert−ブチル)カルバモイルアミノ基等が挙げられる。
「(モノ低級アルキルカルバモイル)低級アルキルアミノ基」は、低級アルキルアミノ基」の窒素原子上の水素原子がモノ低級アルキルカルバモイル基と置換した基であり、具体的には、例えば(モノメチルカルバモイル)メチルアミノ基、(モノエチルカルバモイル)メチルアミノ基、[モノ(n−プロピル)カルバモイル]メチルアミノ基等が挙げられる。
「(ジ低級アルキルカルバモイル)低級アルキルアミノ基」は、低級アルキルアミノ基」の窒素原子上の水素原子がジ低級アルキルカルバモイル基と置換した基であり、具体的には、例えば(ジメチルカルバモイル)メチルアミノ基、(ジエチルカルバモイル)メチルアミノ基、[ジ(n−プロピル)カルバモイル]メチルアミノ基等が挙げられる。
「モノ低級アルキルカルバモイルオキシ基」は、酸素原子にモノ級アルキルカルバモイル基が結合した基であり、具体的には、例えばメチルカルバモイルオキシ基、エチルカルバモイルオキシ基、n−プロピルカルバモイルオキシ基、イソプロピルカルバモイルオキシ基、n−ブチルカルバモイルオキシ基、sec−ブチルカルバモイルオキシ基、tert−ブチルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
「ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基」は、酸素原子にジ低級アルキルカルバモイル基が結合した基であり、具体的には、例えばジメチルカルバモイルオキシ基、ジエチルカルバモイルオキシ基、エチルメチルカルバモイルオキシ基、ジ(n−プロピル)カルバモイルオキシ基、メチル(n−プロピル)カルバモイルオキシ基、ジイソプロピルカルバモイルオキシ基等が挙げられる。
「低級アルキルスルホニル基」は、スルホニル基に低級アルキル基が結合した基であり、具体的には、例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基等が挙げられる。
「低級アルキルスルホニルアミノ基」は、アミノ基の水素原子の1つが低級アルキルスルホニル基と置換した基であり、具体的には、例えばメチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、n−プロピルスルホニルアミノ基、イソプロピルスルホニルアミノ基、n−ブチルスルホニルアミノ基、sec−ブチルスルホニルアミノ基、tert−ブチルスルホニルアミノ基等が挙げられる。
「モノ低級アルキルスルファモイル基」は、スルファモイル基の水素原子の1つが低級アルキル基と置換した基であり、具体的には、例えばモノメチルスルファモイル基、モノエチルスルファモイル基、モノ(n−プロピル)スルファモイル基、モノイソプロピルスルファモイル基、モノ(n−ブチル)スルファモイル基、モノ(sec−ブチル)スルファモイル基、モノ(tert−ブチル)スルファモイル基等が挙げられる。
「ジ低級アルキルスルファモイル基」は、スルファモイル基の2個の水素原子が低級アルキル基と置換した基であり、具体的には、例えばジメチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、ジ(n−プロピル)スルファモイル基、ジイソプロピルスルファモイル基、ジ(n−ブチル)スルファモイル基、ジ(sec−ブチル)スルファモイル基、ジ(tert−ブチル)スルファモイル基等が挙げられる。
「(モノ低級アルキルスルファモイル)アミノ基」は、アミノ基の水素原子の1つがモノ低級アルキルスルファモイル基と置換した基であり、具体的には、例えば(モノメチルスルファモイル)アミノ基、(モノエチルスルファモイル)アミノ基、(モノn−プロピルスルファモイル)アミノ基、(モノイソプロピルスルファモイル)アミノ基、(モノn−ブチルスルファモイル)アミノ基、(モノsec−ブチルスルファモイル)アミノ基、(tert−ブチルスルファモイル)アミノ基等が挙げられる。
「(ジ低級アルキルスルファモイル)アミノ基」は、アミノ基の水素原子の1つがジ低級アルキルスルファモイル基と置換した基であり、具体的には、例えば(ジメチルスルファモイル)アミノ基、(ジエチルスルファモイル)アミノ基、(エチルメチルスルファモイル)アミノ基、[ジ(n−プロピル)スルファモイル]アミノ基、(メチルプロピルスルファモイル)アミノ基、(ジイソプロピルスルファモイル)アミノ基等が挙げられる。
「(モノ低級アルキルスルファモイル)低級アルキルアミノ基」は、「低級アルキルアミノ基」の窒素原子上の水素原子がモノ低級アルキルスルファモイル基と置換した基であり、具体的には、例えば(モノメチルスルファモイル)メチルアミノ基、(モノエチルスルファモイル)メチルアミノ基、[モノ(n−プロピル)スルファモイル]メチルアミノ基等が挙げられる。
「(ジ低級アルキルスルファモイル)低級アルキルアミノ基」は、「低級アルキルアミノ基」の窒素原子上の水素原子がジ低級アルキルスルファモイル基と置換した基であり、具体的には、例えば(ジメチルスルファモイル)メチルアミノ基、(ジエチルスルファモイル)メチルアミノ基、[ジ(n−プロピル)スルファモイル]メチルアミノ基等が挙げられる。
「低級アルキレンジオキシ基」には、炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基を包含し、具体的には、例えばメチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基等が挙げられる。
「3〜10員の脂肪族環式基」における脂肪族環としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環等の脂肪族炭素環、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環、ヘキサメチレンイミン環、ヘプタメチレンイミン環、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン環、1,4−ジアゼパン環、2,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン環、1,4−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン環、3,4,5,6−テトラヒドロピロロ−[3,4−C]ピロロ−2(1H)環、デカヒドロ[1,6]ナフチリジン環、ピペラジン環、モルホリン環等の脂肪族含窒素複素環、テトラヒドロフラン環、テトラヒドロピラン環等の脂肪族含酸素複素環等が挙げられる。
「3〜10員の脂肪族環式基」としては、前記脂肪族環から任意の位置の水素原子を1個除いて誘導される1価の基を意味する。
グループαからなる群から選択される置換基としては、以下のものが挙げられる。
[グループα]
ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、フッ素原子で置換されていてもよい低級アルキルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、(低級アルキルオキシカルボニル)アミノ基、(低級アルキルオキシカルボニル)低級アルキルアミノ基、カルボキシル基、低級アルキルカルボニル基、低級シクロアルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、(低級アルキルカルボニル)アミノ基、(低級アルキルカルボニル)低級アルキルアミノ基、カルバモイル基、モノ低級アルキルカルバモイル基、ジ低級アルキルカルバモイル基、カルバモイルアミノ基、モノ低級アルキルカルバモイルアミノ基、ジ低級アルキルカルバモイルアミノ基、(モノ低級アルキルカルバモイル)低級アルキルアミノ基、(ジ低級アルキルカルバモイル)低級アルキルアミノ基、カルバモイルオキシ基、モノ低級アルキルカルバモイルオキシ基、ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基、低級アルキルスルホニル基、低級アルキルスルホニルアミノ基、スルファモイル基、モノ低級アルキルスルファモイル基、ジ低級アルキルスルファモイル基、スルファモイルアミノ基、(モノ低級アルキルスルファモイル)アミノ基、(ジ低級アルキルスルファモイル)アミノ基、(モノ低級アルキルスルファモイル)低級アルキルアミノ基及び(ジ低級アルキルスルファモイル)低級アルキルアミノ基。
又、グループβからなる群から選択される置換基としては、以下のものが挙げられる。
[グループβ]
ニトロ基、アリール基、アリールオキシ基、低級シクロアルキル基、低級アルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、シアノ基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、水酸基若しくはフッ素原子で置換されていてもよい低級アルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい低級アルキルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、(低級アルキルオキシカルボニル)アミノ基、(低級アルキルオキシカルボニル)低級アルキルアミノ基、カルボキシル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、(低級アルキルカルボニル)アミノ基、(低級アルキルカルボニル)低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルカルバモイル基、ジ低級アルキルカルバモイルアミノ基、(ジ低級アルキルカルバモイル)低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基、低級アルキルスルホニル基、低級アルキルスルホニルアミノ基、低級アルキルスルファニル基、ジ低級アルキルスルファモイル基、スルファモイルアミノ基、(ジ低級アルキルスルファモイル)アミノ基及び(ジ低級アルキルスルファモイル)低級アルキルアミノ基。
グループβにおけるアリール基として具体的にはフェニル基、ナフチル基が挙げられ、アリールオキシ基として具体的にはフェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
Arの「1又は2環性の芳香族炭素環基」における芳香族炭素環として具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられる。
Arの「1又は2環性の芳香族複素環基」における芳香族複素環として具体的には、ピロール環、フラン環、チエニル環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリン環、ベンゾフラン環、ベンゾチエニル環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイソチアゾール環、インダゾール環、プリン環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キナゾリン環、シンノリン環、プテリジン環等が挙げられる。
「1又は2環性の芳香族炭素環基若しくは芳香族複素環基」としては、前記芳香族炭素環又は芳香族複素環から任意の位置の水素原子を1個除いて誘導される1価の基を意味する。
一般式[I]で表されるベンズイミダゾール誘導体の「薬学上許容される塩」としては、医薬として許容されうる慣用的なものを意味し、アミノ基を有する場合の当該アミノ基における酸付加塩若しくはピペリジン環を含む塩基性複素環における酸付加塩、又はカルボキシル基を有する場合の当該カルボキシル基における塩基付加塩が例示される。
該酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、りん酸塩、過塩素酸塩等の無機酸塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、酒石酸塩、くえん酸塩、アスコルビン酸塩、トリフルオロ酢酸塩等の有機酸塩、メタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩等が挙げられる。
又、該塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、プロカイン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩等の有機アミン塩等が挙げられる。
以下、本発明のベンズイミダゾール誘導体を更に具体的に開示するため、式[I]において用いられる各種記号につき、具体例を挙げて詳細に説明する。尚、ベンズイミダゾール骨格の位置番号を下記式のとおりとする。

一般式[I]で表される化合物
一般式[I]で表される化合物においてB、B及びBとしては、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルキルオキシ基が例示され、好ましくは水素原子、メチル基等が例示され、特に水素原子が推奨される。
又はRとしては、各々独立して、水素原子又はグループαからなる群から選択される置換基を有していてもよい、低級アルキル又は3〜10員の脂肪族環式基が例示される。但し、R及びRが同時に水素原子となることはない。
又はRにおいてグループαからなる群から選択される置換基として具体的には、フッ素原子、塩素原子、水酸基、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、アセチル基、プロピオニル基、シクロプロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基、アセトキシ基、エチルカルボニルオキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロピルカルボニル基、イソプロピルカルボニル基、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、メタンスルホンアミド基等が例示され、好ましくは、水酸基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、アセトキシ基、エチルカルボニルオキシ基、メタンスルホンアミド基、アセチル基、プロピオニル基、イソプロピルカルボニル基、t−ブチルカルボニル基、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基等が例示される。
又はRの3〜10員の脂肪族環式基における脂肪族環として好ましくは、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ピロリジン環、ピペリジン環、テトラヒドロフラン環、ピロリドン環等が例示される。
又はRとして好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、4−メチルペンチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシプロピル基、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル基、2−メトキシ−2−メチルプロピル基、2−(メトキシカルボニルアミノ)エチル基、2−アセトキシプロピル基、1−エチル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル基、2,2−ジメチル−1−オキソプロピル基、2−ヒドロキシ−1,2−ジメチルプロピル基、2−メトキシ−1,2−ジメチルプロピル基、2−アミノ−2−メチルプロピル基、2−ヒドロキシエチル基、1,3−ジメチル−3−ヒドロキシブチル基、1,3−ジメチル−3−メトキシブチル基、2−(メタンスルホンアミド)エチル基、メトキシエチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ピロリジン−3−イル基、1−メチルピロリジン−3−イル基、1−アセチルピロリジン−3−イル基、1−プロピオニルピロリジン−3−イル基、1−(イソプロピルカルボニル)ピロリジン−3−イル基、1−メタンスルホニルピロリジン−3−イル基、1−メチルピペリジン−4−イル基、1−アセチルピペリジン−4−イル基、テトラヒドロフラン−3−イル基、1−メチルピロリドン−4−イル基等が例示される。
なかでも、1)Rがメチル基であるもの(又はRがメチル基であるもの)が推奨され、特に、
2)R(又はR)がメチル基であり、且つR(又はR)が、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びメトキシエチル基からなる群から選択される基が推奨される。
としては、水素原子又はグループαからなる群から選択される置換基を有していてもよい低級アルキル基が例示され、好ましくは水素原子又はメチル基が推奨される。
Arとしては、二価の基であって、酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい、5員又は6員の芳香族含窒素複素環基を表し、具体的には、ピロールジイル基、イミダゾールジイル基、ピラゾールジイル基、チアゾールジイル基、イソチアゾールジイル基、オキサゾールジイル基、イソオキサゾールジイル基、トリアゾールジイル基、テトラゾールジイル基、オキサジアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、ピリジンジイル基、ピラジンジイル基、ピリミジンジイル基、ピリダジンジイル基等が例示される。
なかでも1,2,4−オキサジアゾール−3,5−ジイル基、1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジイル基、2H−テトラゾール−2,5−ジイル基、イミダゾール−1,4−ジイル基等が好ましく、特に1,2,4−オキサジアゾール−3,5−ジイル基が推奨される。
Arとしては、グループβからなる群から選択される1種若しくは2種以上の置換基(好ましくは1種若しくは2種の置換基)を有していてもよい、1又は2環性の芳香族炭素環基若しくは芳香族複素環基を表す。
Arの「1又は2環性の芳香族炭素環基若しくは芳香族複素環基」における芳香族炭素環若しくは芳香族複素環として好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環等が推奨される。
グループβからなる群から選択される置換基として好ましくは、フルオロ基、クロロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、1−メチルプロピル基、シクロプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、2−フルオロエチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、アセチル基、エチルカルボニル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、アセチル基、エチルカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、メタンスルホニル基、メチレンジオキシ基、フェニル基等が例示され、より好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、1−メチルプロピル基、シクロプロピル基、フルオロ基、クロロ基、2−フルオロエチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、アセチル基、メタンスルホニル基、メチルスルファニル基等が推奨される。
Arとして具体的には、フェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、4−(ジフルオロメチル)フェニル基、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(2−フルオロエチル)フェニル基、4−トリル基、4−エチルフェニル基、4−(n−プロピル)フェニル基、4−イソプロピルフェニル基、4−(n−ブチル)フェニル基、4−(イソブチル)フェニル基、4−(1−メチルプロピル)フェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、4−(シクロプロピル)フェニル基、4−(シクロヘキシル)フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−(イソプロピルオキシ)フェニル基、4−フルオロ−3−メチルフェニル基、4−(ジフルオロメトキシ)フェニル基、4−(トリフルオロメトキシ)フェニル基、3−フルオロ−4−メトキシフェニル基、4−アセチルフェニル基、4−エチルカルボニルフェニル基、4−(ヒドロキシメチル)フェニル基、4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル基、4−(メトキシカルボニル)フェニル基、4−(エトキシカルボニル)フェニル基、4−メタンスルホニルフェニル基、4−(メチルスルファニル)フェニル基、4−(エチルスルファニル)フェニル基、4−(2−フルオロエチル)フェニル基、4−シアノフェニル基、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル基、ビフェニル基、ナフチル基等の芳香族炭素環基;2−ピリジニル基、2−フルオロ−5−ピリジニル基、3−フルオロ−6−ピリジニル基、2−メチル−5−ピリジニル基、2−メトキシ−5−ピリジニル基、3−メトキシ−6−ピリジニル基、2−トリフルオロメチル−5−ピリジニル基、3−トリフルオロメチル−6−ピリジニル基、2−メチル−5−ピリジニル基、2−ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、5−トリフルオロメチル−2−ピリミジニル基、5−トリフルオロメチル−2−ピラジニル基等の芳香族複素環基が例示される。
Arとして好ましくはフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、4−トリル基、4−エチルフェニル基、4−(n−プロピル)フェニル基、4−(シクロプロピル)フェニル基、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(ジフルオロメチル)フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−(ジフルオロメトキシ)フェニル基、4−(トリフルオロメトキシ)フェニル基、4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル基、4−(2−フルオロエチル)フェニル基、4−(1−メチルプロピル)−フェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、4−フルオロ−3−メチルフェニル基、3−フルオロ−4−メトキシフェニル基、4−メチルチオフェニル基、4−アセチルフェニル基、4−メタンスルホニルフェニル基、4−メチルスルファニルフェニル基、4−シアノフェニル基、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル基、2−ナフチル基、2−ピリジニル基、2−メトキシ−5−ピリジニル基、3−メトキシ−6−ピリジニル基、2−メチル−5−ピリジニル基、(2−トリフルオロメチル)−5−ピリジニル基、(3−トリフルオロメチル)−6−ピリジニル基、2−ピリミジニル基等が推奨される。
Wとしては、
W1)結合手、
W2)−(CH)n−CONH−(CH)m−、
W3)−(CH)n−NHCO−(CH)m−、
W4)−(CH)n−OC(=O)−(CH)m−、
W5)−(CH)n−C(=O)O−(CH)m−、
W6)−(CH)n−O−(CH)m−、
W7)−(CH)n−S(=O)k1−(CH)m−、
W8)−(CH)n−NH−(CH)m−、
W9)−(CH)k2−及び
W10)−(CH)n−CH=CH−(CH)m−、からなる群から選択される基が例示される。
Wにおいて−(CH)−又は−NH−における1又は2個の水素原子は、Rで置換されていてもよい。Rは、炭素数1〜3のアルキル基を表すか、又はArが置換基を有する場合はAr上の置換基とともに−(CH)k2−を形成する。
m及びnは、独立して、0〜4の整数を表す。但し0≦m+n≦4である。
k1は、0〜2の整数を表す。
k2は、1〜4の整数を表す。
具体的なWとしては、
W1)結合手(単結合)、
W2)−(CH)n−CONH−(CH)m−として、
・−CONH−、
・−CH−CONH−、
・−(CH−CONH−、
・−(CH−CONH−、
・−CONH−CH−等が例示され、
W3)−(CH)n−NHCO−(CH)m−として、
・−NHCO−、
・−CH−NHCO−、
・−(CH−NHCO−、
・−(CH−NHCO−、
・−NHCO−CH−等が例示され、
W4)−(CH)n−OC(=O)−(CH)m−として、
・−OC(=O)−、
・−CH−OC(=O)−、
・−(CH−OC(=O)−、
・−(CH−OC(=O)−、
・−CH−OC(=O)−CH−等が例示され、
W5)−(CH)n−C(=O)O−(CH)m−として、
・−C(=O)O−、
・−CH−C(=O)O−、
・−(CH−C(=O)O−、
・−(CH−C(=O)O−、
・−(CH−C(=O)O−、
・−CH−C(=O)O−CH−等が例示され、
W6)−(CH)n−O−(CH)m−として、
・−O−、
・−CH−O−、
・−O−CH−、
・−O−CH(CH)−
・−O−(CH−、
・−O−(CH−、
・−CH−O−CH−、
・−(CH−O−CH−、
・−CH(CH)−O−CH
・−CH(CH)−CH−O−CH−等が例示され、
W7)−(CH)n−S(=O)k1−(CH)m−として、
・−S−CH−、
・−CH−S−CH−、
・−(CH−S−CH−、
・−S−(CH−、
・−S−(CH−、
・−S(=O)−CH−、
・−S(=O)−(CH−、
・−S(=O)−CH−、
・−S(=O)−(CH−等が例示され
W8)−(CH)n−NH−(CH)m−として、
・−NH−、
・−NH−CH−、
・−CH−NH−CH−、
・−(CH−NH−CH−、
・−NH−(CH−、
・−NH−(CH−等が例示され、
W9)−(CH)k2−として、
・−CH−、
・−(CH−、
・−(CH−、
・−(CH−等が例示され、
W10)−(CH)n−CH=CH−(CH)m−として、
・−CH=CH−、
・−CH−CH=CH−等が例示される。
更に、置換基W中、(CH)又は(NH)における1〜2個の水素原子がAr上の置換基とともに−(CH)k2−を形成するものとしては、下記の構造のものが例示される。

[式中、Ar、Ar及びmは前記に同じである。]
Wとして好ましくは、
W2)−(CH)n−CONH−(CH)m−、
W3)−(CH)n−NHCO−(CH)m−、
W6)−(CH)n−O−(CH)k2−、
W7)−(CH)n−S(=O)k1−(CH)m−及び
W9)−(CH)k2−等が推奨され、より好ましくは、
・−CONH−
・−NHCO−
・−O−CH
・−O−CH(CH)−
・−CH−O−CH
・−O−(CH
・−O−(CH
・−(CH−O−CH
・−CH−O−(CH
・−CH(CH)−O−CH
・−CH(CH)−CH−O−CH
・−S−CH
・−(CH
・−(CH
・−(CH−等が推奨される。
一般式[I]で表される化合物において好ましい形態としては、
1)一般式[I−a]

で表される化合物、
2)一般式[I−b]

で表される化合物、
3)一般式[I−c]

で表される化合物、
4)一般式[I−d]

で表される化合物、等が挙げられ、特に一般式[I−a]で表される化合物が推奨される。
一般式[I]で表される化合物として具体的には、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−{5−[4−(トリフルオロメチル)フェネチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(4−クロロフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(4−フルオロフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{1−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]エチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−[5−({[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}メチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{2−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]エチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[(クロロベンジル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[(フルオロベンジル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[(ベンジル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−(2−メトキシエチル)−N−メチル−6−(5−{[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−エチル−N−メチル−6−(5−{[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソブチル−N−メチル−6−(5−{[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[(4−クロロフェネチル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[(フルオロフェネチル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{[(フェネチル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−[5−({1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ}メチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・(3−{2−[イソプロピル(メチル)アミノ]−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)メチル 4−クロロベンゾーエート、
・6−{5−[(4−クロロフェニル)プロピル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−(sec−ブチル)−N−メチル−6−(5−{[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[(3−フルオロフェネチル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−6−{5−[(2−フェニルプロピルオキシキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−[5−(4−フェニルブチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−{5−[(フェノキシ)プロピル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルオキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[(2−フルオロフェネチル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[4−クロロ(メチル)アニリノ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N、5−ジメチル−6−(5−{[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(4−エチルフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{[(6−メチル−3−ピリジル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−{5−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(4−フルオロ−3−メチルフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(2,4−ジフルオロフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(1,3−ベンゾージオキソール−5−イルオキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−{5−[(2−ナフチルオキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[(sec−ブチル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(2,4−ジクロロフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(3,4−ジクロロフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{[([1,1’−ビフェニル]−4−イルオキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{[(4−メチルフェニル)スルファニル]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{2−[4−(メチルスルファニル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−6−{5−[(4−イソプロピルフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(2,4−ジメチルフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−{5−[(4−メチルフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−[5−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]スルファニル}メチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−{5−[(4−プロピルフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(4−アセチルフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・2−{4−[(3−{2−[イソプロピル(メチル)アミノ]−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)メトキシ]フェニル}−1−エタノール、
・6−(5−{[4−(2−フルオロエチル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−(1−{2−[イソプロピル(メチル)アミノ]−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}−1H−イミダゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド、
・4−フルオロ−N−(5−{2−[イソプロピル(メチル)アミノ]−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ベンズアミド、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−{2−[4−(トリフルオロメチル)フェネチル]−2H−1,2,3,4−テトラゾール−5−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン等が例示され、
より好ましくは、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−{5−[4−(トリフルオロメチル)フェネチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(4−クロロフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−[5−({[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}メチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[(クロロベンジル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[(フルオロベンジル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[(ベンジル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[(フルオロフェネチル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{[(フェネチル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−(sec−ブチル)−N−メチル−6−(5−{[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルオキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(4−エチルフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−{5−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(2,4−ジクロロフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{[(4−メチルフェニル)スルファニル]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{2−[4−(メチルスルファニル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−6−{5−[(4−イソプロピルフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−{5−[(4−メチルフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−[5−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]スルファニル}メチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−{5−[(4−プロピルフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[4−(2−フルオロエチル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−(1−{2−[イソプロピル(メチル)アミノ]−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}−1H−イミダゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド、
・4−フルオロ−N−(5−{2−[イソプロピル(メチル)アミノ]−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ベンズアミド等が推奨される。
一般式[I]で表される化合物の製造方法
一般式[I]で表される化合物は、例えば以下の製造方法を適宜組み合わせることにより製造可能である。
製造方法1
製造方法1は、一般式[I−a]で表される化合物の製造方法である。この方法によれば、化合物を原料として6段階の反応により一般式[I−a]で表される化合物を得ることができる。

[式中、B、B、B、R、R、Ar及びWは、前記に同じである。]
工程1−1:市販の化合物を水酸化パラジウム、パラジウムカーボン等の触媒を用いてアミノ基を還元して化合物とする。還元反応の条件は、WO02/40019号を参照できる。
工程1−2:化合物を、反応溶媒中、1,1’−カルボニルジイミダゾール(以下、「CDI」ということがある。)を用いて環化して化合物とする。
CDIの使用量としては、1モルの化合物に対し1〜5モルが例示され、好ましくは1〜3モルが推奨される。
反応温度としては、0℃〜150℃が例示され、好ましくは20℃〜100℃が推奨される。又、反応時間としては、通常1〜24時間が例示される。
反応溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(以下、「THF」という。)、1,4−ジオキサン(以下、「ジオキサン」という)、アセトニトリル、酢酸エチル、塩化メチレン、クロロホルム、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」という)等が例示される。
環化反応後、化合物を含む反応混合物から従来公知の方法により化合物を単離精製し、又は単離精製することなく、好ましくは単離精製し、次工程を行うことができる。ここで単離精製の方法としては、例えば溶媒抽出、再結晶、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー(プレパラティブTLC)等が例示できる。又、この単離精製の工程は、以下の製造方法の各工程においても同様に行うことが可能である。
工程1−3:化合物とオキシ塩化リンとを、好ましくは加熱下で反応させることにより化合物とする。
オキシ塩化リンの使用量としては、1モルの化合物に対して1〜20モルが例示され、好ましくは3〜10モルが推奨される。
反応温度としては、50℃〜加熱還流下が例示され、好ましくは70℃〜加熱還流下が推奨される。又、反応時間としては1〜24時間が例示される。
当該反応は、無溶媒又は反応溶媒中で行うことが可能であり、反応溶媒を用いる場合の溶媒としてはベンゼン、トルエン等が例示される。
工程1−4:化合物と化合物とを反応させ化合物とする。
即ち、化合物と化合物とを、好ましくは不活性溶媒の存在下、20℃〜200℃、好ましくは50℃〜150℃にて、10分〜48時間、好ましくは1〜24時間加熱することにより化合物を得る。この反応は、封管(sealed tube)中で行うことができる。
不活性溶媒としては、例えばジオキサン、THF、アセトニトリル、DMF、ジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」という)、アセトン等が例示され、好ましくはジオキサン、DMF、DMSO等が推奨される。
化合物の使用量としては、1モルの化合物に対し1〜50モルが例示され、好ましくは2〜10モルが推奨される。
反応後、得られた化合物を工程1−2で示した方法にて精製すればよい。
工程1−5:化合物を反応溶媒中でヒドロキシルアミンと反応させることにより、一般式[II]で表される化合物とする。
ヒドロキシルアミンの使用量としては、1モルの化合物に対し1〜100モルが例示され、好ましくは3〜20モルが推奨される。
反応温度としては、20℃〜150℃が例示され、好ましくは50℃〜100℃が推奨される。又、反応時間としては、1〜24時間が例示される。
反応溶媒としては、メタノール、エタノール等の低級アルコールが例示される。
工程1−6:この方法は、1)一般式[II]で表される化合物と一般式[III]で表される化合物とを反応溶媒中で縮合し、次いで、2)得られた生成物を単離し又は単離することなく環化することにより、一般式[I−a]で表される化合物を得るものである。
1)縮合反応
当該縮合反応は、ペプチド合成法で用いられる従来公知のアミド化方法、例えば「ペプチド合成の基礎と実験」(泉屋信夫他、丸善株式会社、1983年)に記載されている方法により行うことができる。
この反応は、通常、不活性溶媒中で行われ、例えばアセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、THF、DMF、ピリジン、ジグリム等又はその混合溶媒等が例示される。
又、縮合反応は、縮合剤の存在下に行うことが好ましく、縮合剤としては、例えばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、2−クロロ−1,3−ジメチル−2−イミダゾリウム クロライド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(以下、「WSC・HCl」という。)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、ブロモトリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルりん酸アジド、1,1’−カルボニルジイミダゾール等が例示される。
縮合剤の使用量としては、通常、一般式[III]で表される化合物1モルに対し1モル〜過剰モルが例示され、好ましくは1モル〜1.5モルが推奨される。
反応温度は、通常、−50℃〜100℃が例示され、好ましくは−20℃〜50℃が推奨される。
反応時間は、通常、30分間〜7日間が例示され、好ましくは1時間〜24時間が推奨される。
一般式[III]で表されるカルボン酸に代えて、該カルボン酸の反応性誘導体と一般式[II]で表される化合物とを反応させることによっても一般式[I−a]で表される化合物を製造することもできる。
一般式[III]で表されるカルボン酸の反応性誘導体としては、例えば酸ハロゲン化物、混合酸無水物、活性エステル、活性アミド等が用いられる。これらの反応性誘導体は、「ペプチド合成の基礎と実験」(泉屋信夫他、丸善株式会社、1983年)を参照に容易に調製可能である。
一般式[III]で表される化合物の酸ハロゲン化物は、一般式[III]で表される化合物を従来公知の方法に従いハロゲン化剤と反応させることにより得ることができる。ハロゲン化剤としては、例えば塩化チオニル、三塩化りん、五塩化りん、オキシ塩化りん、三臭化りん、オキサリルクロリド、ホスゲン等が例示される。
一般式[III]で表される化合物の混合酸無水物は、一般式[III]で表される化合物を従来公知の方法に従い、例えばトリエチルアミン等のアミンの存在下、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸イソブチル等のクロロ炭酸アルキル;ピバロイルクロリド等の脂肪族カルボン酸クロリド等と反応させることにより得ることができる。
一般式[III]で表される化合物の活性エステルは、一般式[III]で表される化合物を従来公知の方法に従い、例えばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド等の縮合剤の存在下、例えばN−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(以下、「HOBT」という。)等のN−ヒドロキシ化合物;4−ニトロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、ペンタクロロフェノール等のフェノール化合物等と反応させることにより得ることができる。
一般式[III]で表される化合物の活性アミドは、一般式[III]で表される化合物を従来公知の方法に従い、例えば1,1’−カルボニルジイミダゾール、1,1’−カルボニルビス(2−メチルイミダゾール)等と反応させることにより得ることができる。
一般式[III]で表される化合物の反応性誘導体の使用量としては、通常、一般式[II]で表される化合物1モルに対し0.5モル〜過剰モルが例示され、好ましくは1モル〜1.5モルが推奨される。
反応は、通常、不活性溶媒中で行われ、該溶媒としては、例えばアセトニトリル、塩化メチレン、クロロホルム、THF、DMF、ピリジン、ジグリム等又はその混合溶媒等が挙げられる。
また、上記反応は塩基の非存在下でも進行するが、円滑に反応を進行させるため塩基の存在下に行うことが好ましい。
特に酸ハロゲン化物、混合酸無水物を用いる反応においては、塩基として例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基を用いることができる。
塩基の使用量としては、通常、一般式[II]で表される化合物1モルに対し1モル〜過剰モルが例示され、また該塩基が液体である場合には、該塩基を溶媒兼塩基として用いてもよい。
一方、上記のいずれの反応性誘導体を用いる反応においても、反応促進のための触媒としてジメチルアミノピリジン等の塩基性触媒を使用することが可能である。該触媒の使用量としては、前記反応性誘導体1モルに対し0.1〜5モルが例示され、好ましくは0.1〜0.5モルが推奨される。
前記反応性誘導体を用いる場合の反応温度としては、通常、−50℃〜100℃が例示され、好ましくは−20℃〜50℃が推奨される。
反応性誘導体を用いる場合の反応時間としては、通常、5分間〜7日間が例示され、好ましくは30分間〜24時間が推奨される。
2)環化反応
1段階目で得られた反応生成物を、単離し、又は単離することなく、加熱することにより環化反応を行う。
反応温度としては、20℃〜150℃が例示され、好ましくは50℃〜110℃が推奨される。又、反応時間としては30分〜18時間が例示される。
生成物を単離しない場合は、1段階目(縮合反応)で用いた反応系でそのまま環化反応を行うことが可能であり、生成物を単離する場合は、単離後、1段階目で用いたものと同じ反応溶媒中で環化反応を行えばよい。
尚、1段階目の反応において、2段階目の環化反応が一部進行することがある。
一般式[III]で表される化合物は、市販の化合物を使用できる他、公知の方法、例えば[ジャーナル・オブ・オルガニック・ケミストリー(Jornal of Organic Chemistry)、54巻、5854頁(1989年)、61巻、6326頁(1996年),]に記載の方法に準じて調製することも可能である。
製造方法2
製造方法2は、一般式[I−b]で表される化合物の製造方法である。

[式中、Xは、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基等の脱離基を表し、B、B、B、R、R、Ar及びWは、前記に同じである。]
工程2−1:反応溶媒中、塩化マグネシウムの存在下、化合物とアジ化ナトリウムとを反応させることにより化合物を得る。
アジ化ナトリウムの使用量としては、1モルの化合物に対し1〜10モルが例示され、好ましくは2〜4モルが推奨される。
塩化マグネシウムの使用量としては、1モルの化合物に対し、0.5〜5モルが例示され、好ましくは1〜3モルが推奨される。
反応溶媒としては、DMF、N−メチルピロリドン等が例示される。
反応温度としては、50℃〜200℃が例示され、好ましくは80℃〜150℃が推奨される。又、反応時間としては1〜24時間が例示される。
工程2−2:反応溶媒中、塩基存在下、化合物と化合物とを反応させることにより、化合物を得る。
化合物の使用量としては、1モルの化合物に対して0.5〜5モルが例示され、好ましくは1〜3モルが推奨される。
塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基が例示される。又、塩基の使用量としては、1モルの化合物に対して0.5〜5.0モルが例示され、好ましくは1.0〜3.0が推奨される。
反応溶媒としては、アセトニトリル、アセトン、THF、DMF、塩化メチレン等が例示される。
反応温度としては、0℃〜100℃が例示され、好ましくは20℃〜80℃が推奨される。又、反応時間としては、1〜24時間が例示される。
工程2−3:化合物を原料として、工程1−1から工程1−4に準じて反応を行い、一般式[I−b]で表される化合物とすることができる。
尚、化合物は、市販の化合物を使用できるほか、後述の化合物11(Y=OH)を原料として公知の方法により調製することも可能である。
製造方法3
製造方法3は、一般式[I−a1]で表される化合物の製造方法である。この方法は、一般式[I−a]で表される化合物において、Wが、W6)、W7)又はW8)の場合に適した製造方法である。

[式中、Yは、−NH−、−O−又は−S−を表し、B、B、B、R、R及びArは、前記に同じである。n2は、0〜4の整数を表す。]
工程3−1:この方法は、1)一般式[II]で表される化合物とクロロアセチルクロライドを反応溶媒中で縮合し、次いで、2)得られた生成物を単離し又は単離することなく環化することにより、化合物10を得るものである。
1)縮合反応:一般式[II]で表される化合物とクロロアセチルクロリドとを反応させ、化合物10とする。
クロロアセチルクロリドの使用量としては、一般式[II]で表される化合物1モルに対し0.5〜5モルが例示され、好ましくは1〜1.5モルが推奨される。
当該反応は、塩基の存在下で反応を行うことが可能であり、塩基としてはトリエチルアミン、ピリジン等が例示される。又、塩基の使用量としては、クロロアセチルクロリド1モルにつき1〜5モルが例示される。又、反応溶媒としては、工程1−6に記載のものが使用可能である。
反応温度としては−50℃〜50℃が例示され、好ましくは−20℃〜20℃が推奨される。又、反応時間としては5分〜12時間が例示される。
2)環化反応
1段階目で得られた反応生成物を単離し、又は単離することなく、加熱することにより環化反応を行う。
反応温度としては、20℃〜150℃が例示され、好ましくは50℃〜130℃が推奨される。又、反応時間としては30分〜18時間が例示される。
尚、生成物を単離しない場合は、1段階目で用いた反応系でそのまま環化反応を行うが、生成物を単離する場合は、単離後、1段階目で用いたものと同じ反応溶媒中で環化反応を行えばよい。
工程3−2:化合物10と化合物11とを、反応溶媒中、好ましくは塩基の存在下、反応させて(アルキル化反応)、一般式[I−a1]で表される化合物とする。
化合物11の使用量としては、1モルの化合物10に対して0.5〜5モルが例示され、好ましくは1〜2モルが推奨される。
具体的な塩基としては、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基が例示される。
塩基の使用量としては、1モルの化合物10に対し、0.5〜10モルが例示され、好ましくは1〜3モルが推奨される。
反応溶媒としては、アセトニトリル、アセトン、THF、DMF、塩化メチレン等が例示される。
反応温度としては、0〜150℃が例示され、好ましくは40〜100℃が推奨される。又、反応時間としては1〜24時間が例示される。
尚、化合物11は、市販の化合物を使用することが可能であり、又、一般式[III]で表される化合物の低級アルキルエステルを還元し、YがOである化合物11とすることができる。そして得られた化合物を、公知の方法、例えば「コンプレヘンシブ・オルガニック・トランスホーメーション(R.C.Larock、VCH、1989年)」に記載の官能基変換により、YがNH又はSである化合物11へと変換可能である。
製造方法4
製造方法4は、一般式[I−1]で表される化合物、即ち、一般式[I]で表される化合物においてWがW2)である化合物を製造するに適した方法である。

[式中、B、B、B、R、R、Ar、Ar及びn1は、前記の通りである。]
一般式[IV]で表される化合物と一般式[V]で表される化合物とを、工程1−6に準じて縮合することにより、一般式[I−1]で表される化合物を得るものであり、反応条件、縮合に使用する試薬等は工程1−6に記載のものを適用可能である。
尚、一般式[V]で表される化合物は市販の化合物を用いるか、公知の方法又は一般式[III]の化合物の合成に準じて調製することが可能である。
又、一般式[IV]で表される化合物は、製造方法A又は製造方法Bにより調整することができる。
製造方法A

[式中、B、B、B、R及びRは、前記に同じである。]
化合物12と化合物13とを、反応溶媒中、縮合して化合物14とする。
化合物13の使用量としては、1モルの化合物12につき0.5〜5モルが例示され、好ましくは1〜2モルが推奨される。
反応溶媒としては含水メタノール、含水エタノール等が例示される。
反応温度としては、0〜100℃が例示され、好ましくは10〜40℃が推奨される。又、反応時間としては、1〜24時間が例示される。
得られた化合物14は、工程1−1に準じてニトロ基を還元することにより、一般式[IV−c]で表される化合物とすることができる。
製造方法B

[式中、B、B、B、R及びRは、前記に同じである。]
化合物とチオセミカルバジドとをトリフルオロ酢酸(以下、「TFA」という。)溶媒中、加熱することにより、一般式[IV−d]で表される化合物を得る。
チオセミカルバジドの使用量としては、1モルの化合物に対し0.5〜5モルが例示され、好ましくは1〜3モルが推奨される。
反応温度としては30〜100℃が例示され、好ましくは50〜100℃が推奨される。又、反応時間としては、1〜24時間が例示される。
尚、化合物12は、製造方法Cにて容易に調製可能である。

[式中、B、B、B、R及びRは、前記に同じである。]
市販の化合物15と化合物とを、好ましくは不活性溶媒の存在下、20℃〜200℃、好ましくは50℃〜150℃にて、10分〜48時間、好ましくは1〜24時間加熱することにより化合物16を得る。尚、この反応は、封管(sealed tube)中で行うことができる。
不活性溶媒としては、例えばジオキサン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン等が例示され、好ましくはジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が推奨される。
化合物の使用量としては、1モルの化合物15に対し1〜50モルが例示され、好ましくは2〜10モルが推奨される。
得られた化合物16を、工程1−1に準じて還元反応を行うことにより化合物12を得ることができる。
製造方法5
製造方法5は、一般式[I−2]で表される化合物、即ち、一般式[I]で表される化合物においてWがW3)又はW4)である場合に適した製造方法である。

[式中、Yは、−NH又は−OHを表し、B、B、B、R、R、Ar及びn1は、前記に同じである。]
ここでは、YがNHの場合はアミド化反応となり、YがOHの場合はエステル化反応となるが、化合物17と化合物18とを工程1−6に準じて反応を行うか(YがNHの場合)、又は化合物17と化合物18とを従来公知のエステル化反応をすることにより(YがOHの場合)、各々一般式[I−2]で表される化合物を得ることができる。
尚、化合物17は、化合物又は化合物12から公知の方法、例えばジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Journal of Heterocyclic Chemistry)、26巻、1393頁、(1989年)、同、32巻、1563頁(1995年)、テトラヘドロン(Tetrahedron)、20巻、461頁(1964年)、シンセシス(Synthesis)、609頁(1975年)、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(Journal of Medicinal Chemistry)、38巻、1355頁(1995年)に記載の方法に準じて調製することが可能である。
化合物18は、市販の化合物を用いるか、公知の方法又は化合物11の合成方法に準じて調製することが可能である。
製造方法6
製造方法6は、化合物17を原料として、各種誘導体化する方法を示したものである。

[式中、B、B、B、R、R、Ar、Ar、Y及びn1は、前記に同じである。
工程a):化合物17を、例えばメチルエステル化した後に還元することによりアルコールとする。
工程b):工程a)で得られたアルコールと一般式[V]で表される化合物とをエステル化反応し、一般式[I−3]で表される化合物とする。
工程c):工程a)で得られたアルコールをハロゲン化する。
工程d):工程c)で得られたハロゲン体と化合物11とを工程3−2に準じて反応を行い、一般式[I−4]で表される化合物とする。
工程e):工程a)で得られたアルコールを酸化するか、又は化合物17を還元することにより、アルデヒドとする。
工程f):工程e)で得られたアルデヒドと、所定のwittig試薬とを反応させ、一般式[I−5]で表される化合物とする。
工程h):工程f)で得られた化合物の炭素−炭素二重結合を水素化し、一般式[I−6]で表される化合物とする。
尚、製造方法1〜6の各反応においてR(低級アルキル基の場合)の導入方法としては、特に限定されず、従来公知のN−アルキル化反応により行うことが可能であり、例えばシンセシス(Synthesis)、124頁、(1981年)等に記載の方法により行えばよい。
製造方法1〜6の各反応において、反応物質中に反応に関与しないアミノ基、水酸基、カルボキシル基、オキソ基、カルボニル基等が存在する場合、当該アミノ基、水酸基、カルボキシル基、オキソ基、カルボニル基は、適宜、アミノ基の保護基、水酸基の保護基、カルボキシル基の保護基又はオキソ基若しくはカルボニル基の保護基で保護した後に製造方法1〜6の各反応を行い、反応後に当該保護基を除去することができる。
「アミノ基の保護基」としては、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、トリチル基等のアラルキル基;ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ピバロイル基等の低級アルカノイル基;ベンゾイル基;フェニルアセチル基、フェノキシアセチル基等のアリールアルカノイル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等の低級アルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基;トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等の低級アルキルシリル基等が挙げられ、特にアセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等が推奨される。
「水酸基の保護基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等の低級アルキル基;トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等の低級アルキルシリル基;メトキシメチル基、2−メトキシエトキシメチル基等の低級アルコキシメチル基;テトラヒドロピラニル基;例えばトリメチルシリルエトキシメチル基;ベンジル基、p−メトキシベンジル基、2,3−ジメトキシベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−ニトロベンジル基、トリチル基等のアラルキル基;ホルミル基、アセチル基等のアシル基等が挙げられ、特にメチル基、メトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、トリチル基、トリメチルシリルエトキシメチル基、tert−ブチルジメチルシリル基、アセチル基等が推奨される。
「カルボキシル基の保護基」としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等の低級アルキル基;2,2,2−トリクロロエチル基等の低級ハロアルキル基;2−プロペニル基等の低級アルケニル基;ベンジル基、p−メトキシベンジル基、p−ニトロベンジル基、ベンズヒドリル基、トリチル基等のアラルキル基等が挙げられ、特にメチル基、エチル基、tert−ブチル基、2−プロペニル基、ベンジル基、p−メトキシベンジル基、ベンズヒドリル基等が推奨される。
「オキソ基又はカルボニル基の保護基」としては、エチレンケタール、トリメチレンケタール、ジメチルケタール等のアセタール、ケタール等が挙げられる。
又、保護基の除去方法は、保護基の種類及び一般式[I]で表される化合物の安定性等により異なるが、例えば文献記載の方法[プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、T.W.グリーン(T.W.Greene)著、John Wiley & Sons社(1981年)参照]又はそれに準じる方法に従って、例えば酸又は塩基を用いる加溶媒分解、即ち、例えば0.01モル〜大過剰の酸、好ましくはトリフルオロ酢酸、ギ酸、塩酸等、又は等モル〜大過剰の塩基、好ましくは水酸化カリウム、水酸化カルシウム等を作用させる方法;水素化金属錯体等を用いる化学的還元又はパラジウム−炭素触媒、ラネーニッケル触媒等を用いる接触還元等により行われる。
上記方法で得られた一般式[I]で表される化合物は、従来公知の分離手段により容易に単離精製できる。かかる手段としては、例えば溶媒抽出、再結晶、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー等が例示できる。
本発明の化合物は、その置換基の態様によって、光学異性体、ジアステレオ異性体、幾何異性体等の立体異性体又は互変異性体が存在する場合があるが、本発明の化合物はこれら全ての立体異性体、互変異性体及びそれらの混合物をも包含する。
一般式[I]で表される化合物の薬理試験
本発明の化合物の医薬としての有用性は、例えば下記の薬理試験例により証明される。
薬理試験例1(MCH結合阻害試験)
ヒトMCH−1RをコードするcDNA配列[フェブス・レターズ(FEBS Letters)、398巻、253頁(1996年)、ビオキミカ・エト・ビオフィジカ・アクタ(Biochimica et Biophisica Acta)、1401巻、216頁(1998年)]を、プラスミドベクターpEF/mic/cyto(インビトロジェン社製)にクローニングした。得られた発現ベクターをリポフェクトアミン・プラス試薬(ライフ・テクノロジー社製)を用いて宿主細胞CHO−K1(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション)にトランスフェクトし、MCH−1R発現細胞を得た。
このMCH−1Rを発現させた細胞から調製した膜標品を被検化合物及び50pMの[125I]MCH(NEN社製)とともに、アッセイ緩衝液(10mM 塩化マグネシウム、2mM エチレンジアミン四酢酸、0.01%バシトラシン及び0.2% ウシ血清アルブミンを含む50mM Tris緩衝液、pH7.4)中で25℃、1時間インキュベーションした後、グラスフィルターGF/C(ワットマン社製)にて濾過した。グラスフィルターを10mM 塩化マグネシウム、2mM エチレンジアミン四酢酸及び0.04% Tween−20を含む50mM Tris緩衝液、pH7.4にて洗浄後、グラスフィルター上の放射活性を求めた。非特異的結合は1μM ヒトMCH存在下で測定し、特異的[125I]MCH結合に対する被験化合物の50%阻害濃度(IC50値)を求めた。その結果を表1に示す。

上記のとおり本発明の化合物は、MCH−1Rに対するMCHの結合を強力に阻害した。従って、本発明の化合物は、MCHの受容体結合を阻害することにより、MCHが関与する各種疾患、例えば肥満症、糖尿病、ホルモン分泌異常、高脂血症、痛風、脂肪肝、肝炎、肝硬変等の代謝系疾患、例えば狭心症、急性・うっ血性心不全、心筋梗塞、環状動脈硬化症、高血圧、腎臓病、電解質異常等の循環器系疾患、例えば過食症、情動障害、うつ病、不安、癲癇、譫妄、痴呆、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、記憶障害、睡眠障害、認知障害、運動障害、感覚異常、嗅覚障害、モルヒネ耐性、麻薬依存症、アルコール依存症等の中枢及び末梢神経系疾患、例えば不妊症、早産、性機能障害等の生殖系疾患、その他、消化管疾患、呼吸器疾患、癌又は皮膚色素沈着等の予防剤又は治療剤として有用である。
一般式[I−1]で表される化合物を含有する医薬組成物
本発明の化合物は、経口又は非経口的に投与することができ、その投与に適する形態に製剤化することにより、肥満症、糖尿病、ホルモン分泌異常、高脂血症、痛風、脂肪肝、肝炎、肝硬変等の代謝系疾患、例えば狭心症、急性・うっ血性心不全、心筋梗塞、環状動脈硬化症、高血圧、腎臓病、電解質異常等の循環器系疾患、例えば過食症、情動障害、うつ病、不安、癲癇、譫妄、痴呆、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、記憶障害、睡眠障害、認知障害、運動障害、感覚異常、嗅覚障害、モルヒネ耐性、麻薬依存症、アルコール依存症等の中枢及び末梢神経系疾患、例えば不妊症、早産、性機能障害等の生殖系疾患、その他、消化管疾患、呼吸器疾患、癌又は皮膚色素沈着等の予防剤又は治療剤として、好ましくは肥満症の予防剤又は治療剤として供することができる。
本発明の化合物を臨床的に用いるにあたり、その投与形態に合わせ医薬上許容される担体を加えて各種製剤化の後投与することも可能である。その際の担体としては、製剤分野において従来公知の各種の添加剤が使用可能であり、例えばゼラチン、乳糖、白糖、酸化チタン、デンプン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、トウモロコシデンプン、マイクロクリスタリンワックス、白色ワセリン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、無水りん酸カルシウム、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ソルビトール、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン、硬化ヒマシ油、ポリビニルピロリドン、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルク、植物油、ベンジルアルコール、アラビアゴム、プロピレングリコール、ポリアルキレングリコール、シクロデキストリン又はヒドロキシプロピルシクロデキストリン等が挙げられる。
これらの担体と本発明の化合物との混合物として製剤化される剤形としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくは坐剤等の固形製剤;又は例えばシロップ剤、エリキシル剤若しくは注射剤等の液体製剤等が挙げられ、これらは、製剤分野における従来公知の方法に従って調製することができる。尚、液体製剤にあっては、用時に水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁させる形であってもよい。特に注射剤の場合、必要に応じて生理食塩水又はブドウ糖液に溶解又は懸濁させてもよく、更に緩衝剤や保存剤を添加してもよい。
これらの製剤は、本発明の化合物を医薬組成物全体の1.0〜100重量%、好ましくは1.0〜60重量%の割合で含有することができ、又、医薬上許容される担体を0〜99.0重量%、好ましくは40〜99.0重量%含有することができる。これらの製剤は、治療上有効な他の化合物、例えば糖尿病治療剤、高血圧治療剤、動脈硬化症治療剤等を含んでいてもよい。
本発明の化合物を上記疾患・疾病の予防剤又は治療剤として使用する場合、その投与量及び投与回数は、患者の性別、年齢、体重、症状の程度及び目的とする治療効果の種類及び範囲等により異なるが、一般に経口投与の場合、成人1日あたり、0.01〜20mg/kgを1〜数回に分けて、又、非経口投与の場合は、0.002〜10mg/kgを1〜数回に分けて投与するのが好ましい。又、症状によっては予防的に投与することも可能である。
コンビネーション療法
本発明の化合物は、高血圧、肥満に関連する高血圧、高血圧関連疾病、心臓肥大、左心室肥大、代謝性疾患、肥満、肥満関連疾病等に有効な薬剤(以下、「併用用薬剤」という。)と組み合わせて使用することができる。係る薬剤は、前記疾病の予防又は治療において、同時に、別々に、又は順次に投与することが可能である。本発明の化合物を1又は2以上の併用用薬剤と同時に使用する場合、単一の投与形態である医薬組成物とすることができる。しかしながら、コンビネーション療法においては、本発明の化合物を含む組成物と併用用薬剤とを、投与対象に対し、異なった包装として、同時に、別々に、または順次に投与してもよい。それらは、時間差をおいて投与してもよい。
併用用薬剤の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。併用用薬剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明の化合物と併用用薬剤とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、1)本発明の化合物と併用用薬剤とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、2)本発明の化合物と併用用薬剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、3)本発明の化合物と併用用薬剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、4)本発明の化合物と併用用薬剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、5)本発明の化合物と併用用薬剤とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明の化合物;併用用薬剤の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)等が挙げられる。本発明の化合物と併用用薬剤との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
本発明で用いられる併用用薬剤としては、例えば「糖尿病治療薬」、「高脂血症治療薬」、「高血圧治療薬」、「抗肥満薬」等が挙げられる。これらの併用用薬剤は、2種以上を適宜の割合で組合わせて用いてもよい。
上記「糖尿病治療薬」としては、例えば1)グリダゾン類(glitazones)[例えばシグリダゾン(ciglitazone)、ダルグリダゾン(darglitazone)、エングリダゾン(englitazone)、イサグリダゾン(isaglitazone)(MCC−555)等]、ピオグリタゾン(pioglitazone)、ロシグリダゾン(rosiglitazone)、トログリタゾン(troglitazone)、BRL49653、CLX−0921、5−BTZD、GW−0207、LG−100641、LY−300512等のPPARγアゴニスト;2)メトホルミン(metformin)、ブホルミン(buformin)、フェンホルミン(phenformin)等のビグアナイド剤;3)プロテインチロシンホスファターゼ−1B阻害剤;4)アセトヘキサミド、クロルプロパミド、ジアビネス(diabinese)、グリベンクラミド(glibenclamide)、グリピジド(glipizide)、グリブリド(glyburide)、グリメピリド(glimepiride)、グリクラジド(gliclazide)、グリペンジド(glipentide)、グリキドン(gliquidone)、グリソラミド(glisolamide)、トラザミド、トルブタミド等のスルホニルウレア;5)レパグリニド(repaglinide)、ナテグリニド(nateglinide)等のメグリチニド(meglitinides)類;6)アカルボース(acarbose)、アジポシン(adiposine)、カミグリボース(camiglibose)、エミグリテート(emiglitate)、ミグリトール(miglitol)、ボグリボース(voglibose)、プラジミシン−Q(pradimicin−Q)、サルボスタチン(salbostatin)、CKD−711、MDL−25,673、MDL−73,945、MOR14等のα−グルコシドヒドロキシラーゼ阻害薬;7)テンダミスタット(tendamistat)、トレスタチン(trestatin)、A1 3688等のα−アミラーゼ阻害剤;8)リノグリリド(linogliride)、A−4166等のインスリン分泌促進剤;9)クロモキシル(clomoxir)、エトモキシル(etomoxir)等の脂肪酸酸化抑制剤;10)ミダグリゾール(midaglizole)、イサグリドール(isaglidole)、デリグリドール(deriglidole)、イダゾキサン(idazoxan)、エラロキサン(earoxan)、フルパロキサン(fluparoxan)等のA2アンタゴニスト;11)ビオタ(biota)、LP−100、ノバラピド、insulin detemir、insulin lispro、insulin glargine、インスリン亜鉛、Lys−Pro−インスリン、GLP−1(73−7)、GLP1アミド(7−36)等のインスリンまたはインスリンミメティックス;12)JT−501、ファルグリタゾール(farglitazar)等の非チアゾリジンジオン;13)MK−0767、CLX−0940、GW−1536、GW−1929、GW−2433、KRP−297、L−796449、LR−90及びSB219994等のPPARα/γ双アゴニスト等が挙げられる。
上記「高脂血症治療薬」としては、例えば、1)コレステリルアミン、コレセヴェレム(colesevelem)、コレスチポール(colestipol)、交差デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体、Colestid登録商標、LoCholest登録商標、Questran登録商標等の胆汁酸吸収促進剤;2)アトルバスタチン(atorvastatin)、イタバスタチン(itavastatin)、フルバスタチン(fluvastatin)、ロバスタチン(lovastatin)、プラバスタチン(pravastatin)、リバスタチン(rivastatin)、ロスバスタチン(rosuvastatin)、シンバスタチン(simvastatin)、ZD−4522等のHMG−CoA還元酵素阻害薬;3)HMG−CoA合成阻害剤;4)スナトールエステル、β−シトステロール、ステロールグルコシド、エゼチミベ(ezetimibe)等のコレステロール吸収阻害剤;5)アバシミベ(avasimibe)、エフルシミベ(eflucimibe)、KY−505、SMP−709等のアシルコエンザイムAコレステロールアシル転移酵素阻害剤;6)JTT705、トルセトラピブ(torcetrapib)、CP532632、BAY−63−2149、SC−591、SC−795等のCETP阻害剤;7)スクワレン合成阻害剤、8)プロブコール等の抗酸化剤、9)ベクロフィブラート、ベンザフィブラート、シプロフィブラート、クロフィブラート、エトフィブラート、フェノフィブラート、ジェンカベン(gemcabene)、ジェンフィブロジル(gemfibrozil)、GW−7647、BM−170744、LY−518674、フィブリック酸誘導体(例えばAtromid登録商標、Lopid登録商標、Tricor登録商標等)等のPPARαアゴニスト;10)GW−4064、SR−103912等のFXRレセプターアンタゴニスト;11)GW3965、T9013137、XTCO−179628等のLXRレセプターアゴニスト;12)ナイアシン等のリポプロテイン合成阻害剤;13)レニン−アンジオテンシン系阻害剤;14)ミクロゾーム性トリグリセリド輸送阻害剤;15)BARA1453、SC435、PHA384640、S−435、AZD7706等の胆汁酸再吸収阻害剤;16)GW501516、GW590735等のPPARδアゴニスト;17)トリグリセリド合成阻害剤;18)LAB687、CP346086等のMTTP阻害剤;19)低密度リポプロテイン受容体インデューサー;20)スクワレンエポキシダーゼ阻害剤;21)血小板凝集阻害剤;22)MK−591等の5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク阻害剤;等が挙げられる。
上記「高血圧治療薬」としては、例えば1)クロロチアリドン、クロロチアジド、ジクロロフェナミド、ヒドロフルオロチアジド、インダパミド(indapamide)、ヒドロクロロチアジド等のチアジド系;ブメタニド(bumetanide)、エサクリニック酸(ethacrynic acid)、フロセミド、トルセミド等のループ系、アミロリド、トリアムテレン等のナトリウム系、スピロノラクトン、エピレノン等のアルドステロンアンタゴニスト系等の利尿剤;2)アセブトロール(acebutolol)、アテノロール、ベタゾロール(betaxolol)、ベバントロール(bevantolol)、ビソプロロール(bisoprolol)、ボピンドロール(bopindolol)、カルテオロール(carteolol)、カルベジロール(carvedilol)、セリプロロール(celiprolol)、エスモロール(esmolol)、インデノロール(indenolol)、メタプロロール(metaprolol)、ナドロール(nadolol)、ネビボロール(nebivolol)、ペンブトロール(penbutolol)、ピンドロール、プロパノロール、ソタロール、タータトロール(tertatolol)、チリソロール(tilisolol)、チモロール等のβ−アドレナリンブロッカー;3)アムロジピン(amlodipine)、アラニジピン(aranidipine)、アゼルニジピン(azelnidipine)、バルニジピン(barnidipine)、ベニジピン(benidipine)、ベプリジル(bepridil)、シナルジピン(cinaldipine)、クレビジピン(clevidipine)、ジルチアゼム(diltiazem)、エホニジピン(efonidipine)、フェロジピン(felodipine)、ガロパミル(gallopamil)、イスラジピン(isradipine)、ラシジピシ(lacidipine)、レミルジピン(lemildipine)、レルカニジピン(lercanidipine)、ニカルジピン(nicardipine)、ジフェニピン(nifedipine)、ニルヴァジピン(nilvadipine)、ニモデピン(nimodepine)、シソルジピン(nisoldipine)、ニトレジピン(nitrendipine)、マニジピン(manidipine)、プラニジピン(pranidipine)、バラパミル(verapamil)等のカルシウムチャンネルブロッカー;4)ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル(cilazapril)、デラプリル(delapril)、エナラプリル、フォシノプリル(fosinopril)、イミダプリル、ロシノプリル、モエキシプリル(moexipril)、キナプリル(quinapril)、キナプリラット(quinapril)、ラミプリル(ramipril)、ペリンドプリル(perindopril)、ペリンドロプリル(perindropri)、カニプリル(quanipril)、スピラプリル(spirapril)、テノカプリル(tenocapril)、トランドラプリル(trandolapril)、ゾフェノプリル(zofenopril)等のアンジオテンシン変換酵素阻害薬;5)オマパトリラット(omapatrilat)、カドキサトリル(cadoxatril)、エカドトリル、フォシドトリル(fosidotril)、サンパトリラット(sampatrilat)、AVE7688、ER4030等の中性エンドペプチダーゼ阻害剤;6)テゾセンタン(tezosentan)、A308165、YM62899等のエンドセリンアンタゴニスト;7)ヒドララジン、クロニジン、ミノキシジル、ニコチニルアルコール等の血管拡張剤;8)カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、プラトサルタン(pratosartan)、タソサルタン(tasosartan)、テルミサルタン(telmisartan)、バルサルタン、EXP−3137、FI6828K、RNH6270等のアンジオテンシンII拮抗薬;9)ニプラジロール、アロチノロール、アモスラロール等のα/βアドレナリンブロッカー;10)テラゾシン、ウラピジル(urapidil)、プラゾシン、ブナゾシン、トリマゾシン、ドキサゾシン、ナフトピジル、インドラミン、WHIP164、XEN010等のα1ブロッカー;11)ロフェキシジン(lofexidine)、チアメニジン(tiamenidine)、モキソニジン(moxonidine)、リレメニジン(rilmenidine)、グアノベン(guanobenz)等のα2アゴニスト;12)アルドステロン阻害剤等が挙げられる。
上記「抗肥満薬」としては、例えば1)パロセチン(paroxetine)、フルオキセチン(fluoxetine)、フェンフルラミン(fenfluramine)、フルボキサミン(fluvoxamine)、セルトラリン(sertraline)、イミプラミン等の5HT(セロトニン)トランスポーター阻害剤;2)GW320659、デシプラミン、タルスプラム(talsupram)、ノミフェンシン等のノルエピネフリントランスポーター阻害剤;3)リモナバント(Sanofi Synthelabo)、SR−147778(Sanofi Synthelabo)、BAY−65−2520(バイエル)、SLV−319(ソルベイ)、その他USP5,532,237、USP4,973,587、USP5,013,837、USP5,081,122、USP5,112,820、USP5,292,736、USP5,624,941、USP6,028,084、WO96/33159、WO98/33765、WO98/43636、WO98/43635、WO01/09120、WO01/96330、WO98/31227、WO98/41519、WO98/37061、WO00/10967、WO00/10968、WO97/29079、WO99/02499、WO01/58869、WO02/076949、WO01/64632、WO01/64633、WO01/64634、WO03/006007、WO03/007887及びEP−658546に開示化合物等のカンナビノイド1受容体1(CB−1)アンタゴニスト/インバースアゴニスト;4)WO01/87355、WO02/08250等に開示化合物等のグレリンアンタゴニスト;5)チオペラミド、3−(1Hイミダゾール−4−イル)プロピル N−(ペンテニル)カーボネート、クロベンプロピット(clobenpropit)、ヨードフェンプロピット、イモプロキシフェン、GT2395、A331440、WO02/15905に開示化合物、0−[3−(1H−イミダゾ−4−イル)プロパノール]カーバメート、ピペラジン含有H3受容体アンタゴニスト(Lazewska,D.et al.,Pharmazie,56:927−32(2001)、ベンゾフェノン誘導体(Sasse,A.et al.,Arch.Pharm.(Weinheim)334:45−52(2001))、置換N−フェニルカーバメート(Reidemeister,S.et al.,Pharmazie,55:83−6(2000))、プロキシフェン誘導体(Sasse,A.et al.,J.Med.Chem..43:3335−43(2000))等のヒスタミン(H3)アンタゴニスト/インバースアゴニスト;6)T−226296(Takeda)、SNP−7941(Synaptic)、その他WO01/82925、WO01/87834、WO02/051809、WO02/06245、WO02/076929、WO02/076947、WO02/04433、WO02/51809、WO02/083134、WO02/094799、WO03/004027及び特開2001−226269号に開示の化合物等のMCH−1Rアンタゴニスト;7)MCH−2Rアゴニスト/アンタゴニスト;8)3−クロロ−5−(1−(6−[2−(5−エチル−4−メチル−チアゾール−2−イル)−エチル]−4−モルホリニル−4−イル−ピリジン−2−イルアミノ)−エチル)フェニル]カルバミン酸イソプロピルエステル、BIBP3226、BIBO3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879、その他USP6001836、WO96/14307、WO01/23387、WO99/51600、WO01/85690、WO01/85098、WO01/85173及びWO01/89528に開示化合物等のNPY1アンタゴニスト;9)152804、GW−569180A、GW−594884A、GW−587081X、GW−548118X、FR235,208、FR226928、FR240662、FR252384、1229U91、GI−264879A、CGP71683A、LY−377897、LY366377、PD−160170、SR−120562A、SR−120819A、JCF−104、H409/22、その他USP6,140,354、USP6,191,160、USP6,258,837、USP6,313,298、USP6,337,332、USP6,329,395、USP340,683、USP6,326,375、USP6,329,395、USP6,337,332、USP6,335,345、EP−01010691、EP−01044970、WO97/19682、WO97/20820、WO97/20821、WO97/20822、WO97/20823、WO98/27063、WO00/107409、 WO00/185714、WO00/185730、WO00/64880、WO00/68197、WO00/69849、WO01/09120、WO01/14376、WO01/85714、WO1/85730、WO01/07409、WO01/02379、WO01/02379、WO01/23388、WO01/23389、WO01/44201、WO01/62737、WO01/62738、WO01/09120、WO02/20488、WO02/22592、WO02/48152、WO02/49648、WO02/094789及びNorman et al.,J.Med.Chem.43:4288−4312(2000)に開示の化合物等のNPY5アンタゴニスト;10)ヒト組換えレプチン(PEG−OB,Hoffman La Roche)、組換えメチオニルレプチン(アムゲン)等のレプチン;11)USP5,552,524、USP5,552,523、USP5,552,522、USP5,521,283、WO96/23513、WO96/23514、WO96/23515、WO96/23516、WO96/23517、WO96/23518、WO96/23519及びWO96/23520に開示化合物等のレプチン誘導体;12)ナルメフェン(Revex登録商標)、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン、ナルトレキソン、WO00/21509の開示化合物等のオピオイドアンタゴニスト;13)SB−334867A、その他WO01/96302、WO01/68609、WO02/51232、WO02/51838及びWO03/023561に開示化合物等のオーレキシンンタゴニスト;14)ボンベシン受容体サブタイプ3アゴニスト;15)AR−R15849、GI−181771、JMV−180、A−71378、A−71623、SR−146131、その他USP−5739106に開示化合物等のコレシストキニンA(CCK−A)アゴニスト;16)GI−181771(Glaxo−SmithKline)、SR146131(Sanofi Synthelabo)、ブタビンダイド(butabindide)、PD170,292、PD149164(ファイザー)等のCNTF(ciliary neurotrophic factors);17)axokine(Regeneron)、その他WO94/09134、WO98/22128、WO99/43813に開示の化合物等のCNTF誘導体;18)NN703、ヘキサレリン(hexarelin)、MK−0677、SM−130686、CP−424,391、L−692,429、L−163,255、USP6358951、アメリカ特許庁出願番号2002/049196、同2002/022637、WO01/56592、WO02/32888に開示の化合物等の成長ホルモン分泌受容体アゴニスト;19)BVT933、DPCA37215、IK264、PNU22394、WAY161503、R−1065、YM348、その他USP3,914,250、WO02/36596、WO02/48124、WO02/10169、WO01/66548、WO02/44152、WO02/51844、WO02/40456及びWO02/40457に開示の化合物等のセロトニンレセプター2Cアゴニスト;20)メラノコルチン3受容体アゴニスト;21)CHIR86036(Chiron)、ME−10142、ME−10145(Melacure)、その他WO99/64002、WO00/74679、WO01/991752、WO01/74844、WO01/70708、WO01/70337、WO01/91752、WO02/059095、WO02/059107、WO02/059108、WO02/059117、WO02/12166、WO02/11715、WO02/12178、WO02/15909、WO02/068387、WO02/068388、WO02/067869、WO03/007949及びWO03/009847に開示の化合物等のメラノコルチン4受容体アゴニスト;22)シブトラミン(Meridia登録商標/Reductil登録商標)及びその塩、その他USP4,746,680、USP4,806,570、USP5,436,272、アメリカ特許庁出願番号2002/0006964、WO01/27068及びWO01/62341に開示の誘導体等のモノアミン再吸収阻害剤;23)デキシフェンフルラミン(dexfenfluramine)、フルオレチン(fluoxetine)、その他USP6,365,633、WO01/27060及びWO01/162341に開示のセロトニン再取り込み阻害剤;24)グルカゴン様ペプチド1(glucagon−like peptide1)アゴニスト;25)トピラメート(Topiramate)(Topimax登録商標);26)フィトファーム化合物57(phytopharm)(例えば、CP644,673);27)アセチルCoAカルボキシラーゼ2(ACC2)阻害剤;28)AD9677/TAK677(大日本製薬/武田薬品)、CL−316,243、SB418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、W427353、トレカドリン(Trecadrine)、ZenecaD7114、SR59119A、その他USP5705515、USP5451677、WO01/74782及びWO02/32897、に開示化合物等のβアドレナリンレセプター3アゴニスト;29)ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1阻害剤;30)ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2阻害剤;31)カルレニン(Cerulenin)、C75等の脂肪酸合成阻害剤;32)テオフィリン、ペントキシフィレン(pentoxifylline)、ザプリナスト(zaprinast)、シルデナフィル(sildenafil)、アミリノン(amrinone)、ミルリノン(milrinone)、シルスタミド(cilostamide)、ロピプラム(rolipram)、及びシロミラスト(cilomilast)等のホスホジエステラーゼ阻害剤;32)KB−2611(KaroBioBMS)、その他WO02/15845、特開2000−256190に開示の化合物等のサイロイドホルモンβアゴニスト;33)フィタニン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)、レチノイック酸(retinoic acid)、その他WO99/00123に開示の化合物等のフィタニック酸(phytanic acid);34)オレオイルエストロン、その他del Mar−Grasa,M.et al.,Obesity Research,9:202−9(2001)に開示の化合物等のアシルエストロゲン;35)グルココルチコイドアンタゴニスト;36)BVT3498、BVT2733、その他WO01/90091、WO01/90090、WO01/90092に開示化合物等の11−βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型阻害剤;37)ステアリルcoA脱飽和剤1阻害剤(stearoyl−CoA desaturase−1);38)イソロイシンチアゾリジド(isoleucine thiazolidide)、バリンピロリジド(valinepyrrolidide)、NVP−DPP728、AF237、P93/01、TSL225、TMC−2A/2B/2C、FE999011、P9310/K364、VIP0177、SDZ274−444、その他WO03/004498、WO03/004496、EP1258476、WO02/083128、WO02/062764、WO03/000250、WO03/002530、WO03/002531、WO03/002553、WO03/002593、WO03/000180及びWO03/000181に開示の化合物等のジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤;39)テトラヒドロリプタチン(orlistat/Xenical登録商標)、TritonWR1339、RHC80267、リプスタチン、テアサポニン(tea saponin)、ジエチルウンベリフェリルホスフェート(diethylumbelliferyl phosphate)、FL−386、WAY−121898、Bay−N−3176、バリラクトン(valilactone)、エステラシン(esteracin)、エベラクトンA(ebelactoneA)、エベラクトンB(ebelactoneB)、RHC80267、その他WO01/77094、USP4,598,089、USP4,452,813、USP5,512,565、USP5,391,571、USP5,602,151、USP4,405,644、USP4,189,438及びUSP4,242,453に開示の化合物等のリパーゼ阻害剤;39)脂肪酸トランスポーター阻害剤;40)ジカルボキシレートトランスポータ阻害剤;41)グルコーストランスポーター阻害剤;42)ホスフェートトランスポーター阻害剤等が挙げられる。
上記組み合わせ薬剤は、本発明の化合物と上記併用薬剤との1種又は2種以上を併用することにより得られる。又、上記組み合わせ薬剤は、糖尿病治療薬及び高脂血症治療薬よりなる群から選択される1種又は2種以上の薬剤と組み合わせることにより、代謝性疾患の予防又は治療に有用である。そして特に高血圧治療薬及び抗肥満薬を含有する組み合わせは、糖尿病治療薬及び/又は高脂血症治療薬を加えることにより、相乗的効果をもって代謝性疾患の予防又は治療に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。尚、実施例で用いた各種試薬は、特に記載しない限り市販品を使用した。
【実施例1】
N−イソプロピル−N−メチル−6−{5−[4−(トリフルオロメチル)フェネチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミンの製造
(1)4−アミノ−3−ニトロベンゾニトリル(21.35g)の酢酸エチル(200ml)溶液に10%パラジウム/炭素(4.10g)を加え、1気圧の水素雰囲気下にて終夜攪拌した。反応液を濾過し、濾液に1,1’−カルボニルジイミダゾール(30g)を加え、終夜攪拌した。1,1’−カルボニルジイミダゾール(30g)を加え、さらに5時間攪拌した。反応液を濃縮し、塩化アンモニウム水溶液を加え、不溶物を濾取し水洗した。乾燥後、5−シアノ−2−ベンズイミダゾロン(14.07g)を白色粉末として得た。
(2)上記化合物(14.07g)にオキシ塩化リン(140ml)を加え、終夜加熱還流した。反応液を減圧下濃縮後、氷中に注ぎ込み、酢酸エチルにて抽出した。抽出液を飽和炭酸水素ナトリウムおよび飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮し、2−クロロ−5−シアノベンズイミダゾール(10.94g)を白色粉末として得た。
(3)耐圧反応管に上記化合物(1.10g)、1,4−ジオキサン(6ml)、イソプロピルメチルアミン(3.0ml)、ジイソプロピルエチルアミン(3.0ml)を入れ150℃にて終夜反応した。反応液を濃縮後、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えエーテルにて抽出した。飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮し、5−シアノ−2−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)ベンズイミダゾール(904mg)を白色粉末として得た。
(4)上記化合物(69mg)にエタノール(1.0ml)、50%ヒドロキシアミン水溶液(200μl)を加え50℃にて終夜反応した。濃縮後、テトラヒドロフランにて共沸後、減圧下乾燥し6−[(ヒドロキシアミノ)(イミノ)メチル]−2−「イソプロピル(メチル)アミノ]−1H−ベンズイミダゾールを得た。
(5)上記化合物に4−トリフルオロメチルジヒドロケイ皮酸(84.8mg)、ジグリム(2ml)、WSC・HCl(112mg)を加え50℃にて終夜反応した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をプレパレティブTLC(メタノール−クロロホルム=1/12)にて精製し、表題化合物(21.1mg)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6,δppm):1.17(6H,d,J=6.6Hz),2.91(3H,s),3.21−3.35(4H,m),4.51(1H,septet),7.23(1H,d,J=8.4Hz),7.54−7.72(6H,m),11.3−11.5(1H,m).
【実施例2〜23】
実施例1−(5)で用いた4−トリフルオロメチルジヒドロケイ皮酸を所望の化合物に対応する原料に替える他は実施例1と同様にして実施例2〜23の化合物を得た。その結果を表2及び表3に示す。


【実施例24〜27】
実施例1−(3)で用いたイソプロピルメチルアミンを所望の化合物に対応する原料に、実施例1−(5)で用いた4−トリフルオロメチルジヒドロケイ皮酸を4−(トリフルオロメチル)フェノキシ酢酸に代え、他は実施例1と同様にして実施例24〜27の化合物を得た。その結果を表4に示す。


【実施例28】
N−イソプロピル−N,5−ジメチル−6−(5−{[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミンの製造
(1)4−アミノ−2−メチルベンゾニトリル(368mg)に無水トリフルオロ酢酸(5ml)を滴下後、硝酸カリウム(338mg)を加えた。1昼夜攪拌した後、反応液を濃縮した。残渣にメタノール(10ml)、テトラヒドロフラン(10ml)、水(5ml)および炭酸カリウム水溶液(5ml)を加え溶液をアルカリ性にし、1昼夜攪拌した。反応液を水で希釈し酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=1/1)にて精製し、4−アミノ−2−メチル−5−ニトロベンゾニトリル(88mg)を白色粉末として得た。
(2)4−アミノ−3−ニトロベンゾニトリルの代わりに上記化合物を用い、実施例1と同様にして表題化合物を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,δppm):1.23(6H,d,J=6.6Hz),2.63(3H,s),2.96(3H,s),4.52(1H,septet,J=6.6Hz),5.37(2H,s),7.09(2H,d,J=8.8),7.20(1H,s),7.56(2H,d,J=8.8),7.86(1H,s).
【実施例29】
6−{5−[(4−エチルフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミンの製造
(1)実施例1−(4)で得た6−[(ヒドロキシアミノ)(イミノ)メチル]−2−[イソプロピル(メチル)アミノ]−1H−ベンズイミダゾール(1.0g)をテトラヒドロフラン(40ml)とジメチルホルムアミド(10ml)の混合溶媒に溶解し、氷冷下でトリエチルアミン(0.72ml)、クロロアセチルクロライド(0.37ml)を順次加えた。氷冷下で30分間、さらに室温で1時間撹拌した。反応液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた化合物を酢酸(40ml)に溶解し、100℃で2時間撹拌した。減圧下で濃縮後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた残査にメタノール−酢酸エチルを加えて結晶化し、N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−クロロメチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾル−2−アミン(710mg)を得た。
(2)上記化合物(10mg)をテトラヒドロフランに溶解し、4−エチルフェノール(12mg)、炭酸セシウム(32mg)を加え、60℃で一晩撹拌した。反応液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=1/3)で精製して、表題化合物(12mg)を得た。
1H−NMR(300MHz,CDCl3,δppm):1.13(3H,t,J=7.5Hz),1.17−1.28(6H,m),2.60(2H,q,J=7.5Hz),2.97(3H,s),4.50−4.62(1H,m),5.30(2H,s),6.95(2H,d,J=7.5Hz),7.14(2H,d,J=7.5Hz),7.35(1H,d,J=7.5Hz),7.82(1H,d,J=7.5Hz),7.93(1H,s).
【実施例30〜50】
実施例29−(2)で用いた4−エチルフェノールを所望の化合物に対応する原料に代える他は実施例29と同様にして実施例30〜50の化合物を得た。その結果を表5及び表6に示す。



【実施例51】
N−(1−{2−[イソプロピル(メチル)アミノ]−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}−1H−イミダゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミドの製造
(1)2−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)−5−アミノベンズイミダゾール2塩酸塩(100mg)の水(1ml)およびメタノール(1ml)懸濁液に1,4−ジニトロイミダゾール(57mg)および炭酸水素ナトリウム(72.7mg)を加え終夜攪拌した。析出した固体を濾取し、水−メタノール(1:1)にて洗浄しN−イソプロピル−N−メチル−5−(4−ニトロイミダゾ−1−イル)−ベンズイミダゾール−2−アミン(91mg)を得た。
(2)上記化合物(30mg)をテトラヒドロフラン(2ml)に溶解し、20%水酸化パラジウム−炭素を加え水素雰囲気下40分攪拌した。反応液をセライト濾過後、濾液にp−トリフルオロメチルベンゾイルクロライド(100μl)を加えた。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。抽出液を水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下で濃縮した。得られた固体をイソプロピルエーテル−酢酸エチルで洗浄し、表題化合物(13mg)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,δppm):1.26(6H,d,J=6.8Hz),2.99(3H,s),4.25−4.29(1H,m),7.47−7.56(3H,m),7.86−7.90(3H,m),8.18−8.24(3H,m),11.29(1H,s).
【実施例52】
4−フルオロ−N−(5−{2−[イソプロピル(メチル)アミノ]−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ベンズアミドの製造
(1)5−シアノ−2−[イソプロピル(メチル)アミノ]ベンズイミダゾール(56mg)とチオセミカルバジド(24mg)にトリフルオロ酢酸(1ml)を加え、1昼夜加熱攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え酢酸エチルにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、得られた残渣にジエチルエーテルを加え粉末化し、2−[イソプロピル(メチル)アミノ]−5−(5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ベンズイミダゾール(49mg)を得た。
(2)上記化合物(29mg)にピリジン(500μl)、p−フルオロベンゾイルクロライド(13μl)を加え1昼夜攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(メタノール−クロロホルム=1/10)にて精製し表題化合物(5.6mg)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6,δppm):1.18(6H,d,J=7.0Hz),2.92(3H,s),4.4−4.6(1H,m),7.23(1H,d,J=7.7Hz),7.3−7.6(4H,m),7.68(1H,s),8.1−8.3(2H,m).
【実施例53】
N−イソプロピル−N−メチル−6−{2−[4−(トリフルオロメチル)フェネチル]−2H−1,2,3,4−テトラゾール−5−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミンの製造
(1)4−アミノ−3−ニトロ−ベンゾニトリル(1.00g)のジメチルホルムアミド(5ml)溶液に塩化マグネシウム(620mg)、アジ化ナトリウム(840mg)を加え、120℃で終夜攪拌した。反応液冷却後、水(10ml)を加え、固形物を濾取し水洗した。減圧下乾燥し、2−ニトロ−4−(1,2,3,4−テトラゾール−5−イル)アニリン(1.28g)を黄色固体として得た。
(2)上記化合物(1.00g)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液に、炭酸カリウム(1.30g)、4−(トリフルオロメチル)フェネチル メタンスルホネート(1.40g)を加え室温で終夜攪拌した。反応液に水を加え、エーテルて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧下濃縮し、得られた固体をエーテルで洗浄し、2−ニトロ−4−{2−[4−(トリフルオロメチル)フェネチル]−2H−1,2,3,4−テトラゾール−5−イル}アニリン(0.97g)を黄色固体として得た。
(3)(2)で得られた化合物を用い、実施例1の(1)〜(3)と同様の操作により表題化合物を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3,δppm):1.26(6H,d,J=6.8Hz),2.99(3H,s),3.44(2H,t,J=7.2Hz),4.56(2H,t,J=7.2Hz),4.56(1H,septet,J=6.8Hz),4.87(2H,t,J=7.2Hz),7.30(2H,d,J=8.0Hz),7.38(1H,d,J=8.0Hz),7.54(2H,d,J=8.0Hz),7.40(1H,d,J=8.0Hz),7.99(1H,s).
【産業上の利用可能性】
本発明の化合物は、MCH−1R拮抗作用を有し、肥満症、糖尿病、ホルモン分泌異常、高脂血症、痛風、脂肪肝、肝炎、肝硬変等の代謝系疾患、例えば狭心症、急性・うっ血性心不全、心筋梗塞、環状動脈硬化症、高血圧、腎臓病、電解質異常等の循環器系疾患、例えば過食症、情動障害、うつ病、不安、癲癇、譫妄、痴呆、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、記憶障害、睡眠障害、認知障害、運動障害、感覚異常、嗅覚障害、モルヒネ耐性、麻薬依存症、アルコール依存症等の中枢及び末梢神経系疾患、例えば不妊症、早産、性機能障害等の生殖系疾患、その他、消化管疾患、呼吸器疾患、癌又は皮膚色素沈着等の予防剤又は治療剤として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式[I]

[式中、B、B及びBは、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルキルオキシ基を表し、
及びRは、各々独立して、水素原子、グループαからなる群から選択される置換基を有していてもよい、低級アルキル又は3〜10員の脂肪族環式基を表し、但し、R及びRが同時に水素原子となることはなく、
は、水素原子、又はグループαからなる群から選択される置換基を有していてもよい低級アルキル基を表し、
Arは、酸素原子又は硫黄原子を含有してもよい、5員又は6員の芳香族含窒素複素環基を表し、
Wは、W1)結合手、
W2)−(CH)n−CONH−(CH)m−、
W3)−(CH)n−NHCO−(CH)m−、
W4)−(CH)n−OC(=O)−(CH)m−、
W5)−(CH)n−C(=O)O−(CH)m−、
W6)−(CH)n−O−(CH)m−、
W7)−(CH)n−S(=O)k1−(CH)m−、
W8)−(CH)n−NH−(CH)m−、
W9)−(CH)k2−、及び
W10)−(CH)n−CH=CH−(CH)m−、からなる群から選択される基を表し、
ここで(CH)又は−NH−における1又は2の水素原子は、Rで置換されていてもよく、Rは、炭素数1〜3のアルキル基を表すか、又はArが置換基を有する場合はAr上の置換基とともに−(CH)k2−を形成し、
m及びnは、各々独立して、0〜4の整数を表し、但し0≦m+n≦4であり、
k1は、0〜2の整数を表し、
k2は、1〜4の整数を表し、
Arは、グループβからなる群から選択される1種若しくは2種以上の置換基を有していてもよい、1又は2環性の芳香族炭素環基若しくは芳香族複素環基を表す。]で表されるベンズイミダゾール誘導体又はその薬学上許容される塩。
〔グループα〕
ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、フッ素原子で置換されていてもよい低級アルキルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、(低級アルキルオキシカルボニル)アミノ基、(低級アルキルオキシカルボニル)低級アルキルアミノ基、低級アルキルカルボニル基、低級シクロアルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、(低級アルキルカルボニル)アミノ基、(低級アルキルカルボニル)低級アルキルアミノ基、カルバモイル基、モノ低級アルキルカルバモイル基、ジ低級アルキルカルバモイル基、カルバモイルアミノ基、モノ低級アルキルカルバモイルアミノ基、ジ低級アルキルカルバモイルアミノ基、(モノ低級アルキルカルバモイル)低級アルキルアミノ基、(ジ低級アルキルカルバモイル)低級アルキルアミノ基、カルバモイルオキシ基、モノ低級アルキルカルバモイルオキシ基、ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基、低級アルキルスルホニル基、低級アルキルスルホニルアミノ基、スルファモイル基、モノ低級アルキルスルファモイル基、ジ低級アルキルスルファモイル基、スルファモイルアミノ基、(モノ低級アルキルスルファモイル)アミノ基、(ジ低級アルキルスルファモイル)アミノ基、(モノ低級アルキルスルファモイル)低級アルキルアミノ基及び(ジ低級アルキルスルファモイル)低級アルキルアミノ基。
[グループβ]
ニトロ基、アリール基、アリールオキシ基、低級シクロアルキル基、低級アルキレンジオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、シアノ基、モノ低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、水酸基若しくはフッ素原子で置換されていてもよい低級アルキル基、フッ素原子で置換されていてもよい低級アルキルオキシ基、低級アルキルオキシカルボニル基、(低級アルキルオキシカルボニル)アミノ基、(低級アルキルオキシカルボニル)低級アルキルアミノ基、カルボキシル基、低級アルキルカルボニル基、低級アルキルカルボニルオキシ基、(低級アルキルカルボニル)アミノ基、(低級アルキルカルボニル)低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルカルバモイル基、ジ低級アルキルカルバモイルアミノ基、(ジ低級アルキルカルバモイル)低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルカルバモイルオキシ基、低級アルキルスルホニル基、低級アルキルスルホニルアミノ基、低級アルキルスルファニル基、ジ低級アルキルスルファモイル基、スルファモイルアミノ基、(ジ低級アルキルスルファモイル)アミノ基及び(ジ低級アルキルスルファモイル)低級アルキルアミノ基。
【請求項2】
、B及びBが、いずれも水素原子である請求の範囲第1項に記載の化合物。
【請求項3】
が、メチル基である請求の範囲第1項に記載の化合物。
【請求項4】
が、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びメトキシエチル基からなる群から選択される基である請求の範囲第3項に記載の化合物。
【請求項5】
が、水素原子又はメチル基である請求の範囲第1項に記載の化合物。
【請求項6】
Arが、ピロールジイル基、イミダゾールジイル基、ピラゾールジイル基、チアゾールジイル基、イソチアゾールジイル基、オキサゾールジイル基、イソオキサゾールジイル基、トリアゾールジイル基、テトラゾールジイル基、オキサジアゾールジイル基、チアジアゾールジイル基、ピリジンジイル基、ピラジンジイル基、ピリミジンジイル基及びピリダジンジイル基からなる群から選択される基である請求の範囲第1項に記載の化合物。
【請求項7】
Arが、1,2,4−オキサジアゾール−3,5−ジイル基、1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジイル基、2H−テトラゾール−2,5−ジイル基及びイミダゾール−1,4−ジイル基からなる群から選択される基である請求の範囲第6項に記載の化合物。
【請求項8】
Wが、
W2)−(CH)n−CONH−(CH)m−、
W3)−(CH)n−NHCO−(CH)m−、
W6)−(CH)n−O−(CH)k2−、
W7)−(CH)n−S(=O)k1−(CH)m−、及び
W9)−(CH)k2−からなる群から選択される基である請求の範囲第1項に記載の化合物。
【請求項9】
Arにおける1又は2環性の芳香族炭素環基若しくは芳香族複素環基が、フェニル基、ナフチル基、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリル基、イソキノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基及びプテリジニル基からなる群から選択される基である請求の範囲第1項に記載の化合物。
【請求項10】
Arが、フェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、4−トリル基、4−エチルフェニル基、4−(n−プロピル)フェニル基、4−(シクロプロピル)フェニル基、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(ジフルオロメチル)フェニル基、4−メトキシフェニル基、4−(ジフルオロメトキシ)フェニル基、4−(トリフルオロメトキシ)フェニル基、4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル基、4−(2−フルオロエチル)フェニル基、4−(1−メチルプロピル)−フェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、4−フルオロ−3−メチルフェニル基、3−フルオロ−4−メトキシフェニル基、4−メチルチオフェニル基、4−アセチルフェニル基、4−メタンスルホニルフェニル基、4−メチルスルファニルフェニル基、4−シアノフェニル基、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル基、2−ナフチル基、2−ピリジニル基、2−メトキシ−5−ピリジニル基、3−メトキシ−6−ピリジニル基、2−メチル−5−ピリジニル基、(2−トリフルオロメチル)−5−ピリジニル基、(3−トリフルオロメチル)−6−ピリジニル基及び2−ピリミジニル基からなる群から選択される基である請求の範囲第9項に記載の化合物。
【請求項11】
一般式[I]で表される化合物が、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−{5−[4−(トリフルオロメチル)フェネチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(4−クロロフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−[5−({[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}メチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[(クロロベンジル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[(フルオロベンジル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[(ベンジル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[(フルオロフェネチル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{[(フェネチル)オキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−(sec−ブチル)−N−メチル−6−(5−{[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルオキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(4−エチルフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−{5−[(4−メトキシフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−{5−[(2,4−ジクロロフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{[(4−メチルフェニル)スルファニル]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{2−[4−(メチルスルファニル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−(5−{[4−(トリフルオロメトキシ)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−6−{5−[(4−イソプロピルフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−{5−[(4−メチルフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−[5−({[4−(トリフルオロメチル)フェニル]スルファニル}メチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−イソプロピル−N−メチル−6−{5−[(4−プロピルフェノキシ)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・6−(5−{[4−(2−フルオロエチル)フェノキシ]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−N−イソプロピル−N−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−アミン、
・N−(1−{2−[イソプロピル(メチル)アミノ]−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}−1H−イミダゾール−4−イル)−4−(トリフルオロメチル)ベンズアミド、及び
・4−フルオロ−N−(5−{2−[イソプロピル(メチル)アミノ]−1H−ベンズイミダゾール−6−イル}−1,3,4−チアジアゾール−2−イル)ベンズアミドからなる群から選択されるものである請求の範囲第1項に記載の化合物。
【請求項12】
請求の範囲第1項から第11項に記載の化合物を有効成分とする、メラニン凝集ホルモン受容体拮抗剤。
【請求項13】
請求の範囲第12項に記載の剤を有効成分とする肥満症、糖尿病、ホルモン分泌異常、高脂血症、痛風、脂肪肝、肝炎及び肝硬変に代表される代謝系疾患;狭心症、急性・うっ血性心不全、心筋梗塞、環状動脈硬化症、高血圧、腎臓病及び電解質異常に代表される循環器系疾患;過食症、情動障害、うつ病、不安、癲癇、譫妄、痴呆、統合失調症、注意欠陥・多動性障害、記憶障害、睡眠障害、認知障害、運動障害、感覚異常、嗅覚障害、モルヒネ耐性、麻薬依存症及びアルコール依存症に代表される中枢及び末梢神経系疾患;不妊症、早産及び性機能障害に代表される生殖系疾患;消化管疾患;呼吸器疾患;癌又は皮膚色素沈着の予防剤又は治療剤。
【請求項14】
肥満症の予防剤又は治療剤である請求の範囲第13項に記載の予防剤又は治療剤。
【請求項15】
請求の範囲第1項から第11項に記載の化合物、及び医薬上許容される担体を含有する医薬組成物。
【請求項16】
一般式[I−a]

[式中、B、B、B、R、R、W及びArは、請求の範囲第1項に記載のものと同義である。]で表される化合物の製造方法であって、
1)一般式[II]

[式中、B、B、B、R及びRは、前記に同じである。]で表される化合物と、一般式[III]

[式中、W及びArは、前記に同じである。]で表される化合物とを縮合する工程、
2)前記工程で得られた生成物を環化する工程、を包含する方法。
【請求項17】
一般式[I−1]

[式中、B、B、B、R、R、W、Ar及びArは、請求の範囲第1項に記載のものと同義であり、n1は、0〜4の整数を表す。]で表される化合物の製造方法であって、一般式[IV]

[式中、B、B、B、R、R及びArは、前記に同じである。]で表される化合物と、一般式[V]

[式中、Ar及びn1は、前記に同じである。]で表される化合物とを縮合する工程、を包含する方法。

【国際公開番号】WO2004/031177
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【発行日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−541244(P2004−541244)
【国際出願番号】PCT/JP2003/012390
【国際出願日】平成15年9月29日(2003.9.29)
【出願人】(000005072)萬有製薬株式会社 (51)
【Fターム(参考)】