説明

2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体

本発明は式(I)の2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体、これらの化合物を含む医薬組成物および治療におけるこれらの化合物の使用、特にHPA系の活性の変調によって影響される障害または疾病の治療または予防のための薬剤の製造のためのこれらの化合物の使用に関する。
【0002】
視床下部−脳下垂体−副腎(HPA)系は、ヒトおよび他の哺乳類における主たるストレス系である。様々な侵襲要因(および他の多数の刺激類)は、脳下垂体前葉からのホルモンACTH(副腎コルチコトロピンホルモン)の放出を引き起こす。ACTHは体循環系に入り、副腎皮質に作用して、糖コルチコイドホルモン(主な内因性糖コルチコイドは、ヒトにおいてコルチゾルであり、齧歯類においてコルチコステロンである。)の合成および放出を促進する。糖コルチコイドは広い範囲の作用を及ぼし、この主たる目的は、侵襲要因に対する成功応答および最終的な順応のためのエネルギー源を可動化することである。
【0003】
ヒトにおける異常に上昇したHPA系活性は、幾つかが病因学においてストレス関連である様々な精神障害の発生に関連付けられる。HPA系活動亢進および正常な負のフィードバック調節方法の喪失を示唆する上昇コルチゾルレベルは、情動障害および種々の他の精神障害における共通の所見であり、診断ツールとして広く用いられている(Holsboerら,Biol.Phych.,1986,21,601−611)。HPA系の異常調節は慢性ストレスへの強い敏感性および劣った適応の反映であり、従って、慢性ストレスが情動疾病の発生において主たる役割を果たすことが一般に考えられる(Sperry and Carlson,DSM−IV diagnosis to treatment,第2版,Taylor & Francis,1966)。この中心的概念は慢性ストレスの動物モデルを用いる実験的証拠(着性のHPA作用は臨床環境において見られるHPA作用に非常に似ている。)(De Goeijら,Neuroendocrinology,1991,53,150−159;Plotsky and Meaney,Mol.Brain Res.,1993,18,195−200)によって支持されている。
【0004】
ヒトおよびラットにおけるACTHに関する主たる分泌促進物質は、CRH(コルチコトロピン放出ホルモン)およびAVP(アルギニンバソプレシン)である。HPA系内で、これらのペプチドホルモンは、視床下部の傍室核(PVN)の小細胞ニューロンによって合成される。これらのニューロンの軸索突起は、ホルモン産物が下垂体門脈系に入る正中隆起の外部域に突き出て、ACTHを製造するコルチコトロピン細胞を湿潤する。CRHおよびAVPはコルチコトロピンにおいて相乗的に作用して、ラット(Rivier and Vale,Nature,1983,305,325−327)とヒト(De Boldら,J.Clin.Invest.,1984,73,533−538)の両方においてACTH分泌を調節する。
【0005】
脳下垂体コルチコトロピンでのAVPの作用は、既知であり、クローン化されている(ヒト受容体:Sugimotoら,J.Biol.Chem.,1994,269,27088−27092)バソプレシンV(またはV1b)レセプタによって媒介される。CRHへの鈍化ACTH応答をデスモプレシン(dDAVP、V親和力を有するAVP作動薬)の随伴投与によって回復させることができた鬱病患者の臨床研究の報告は、鬱病におけるVレセプタの関与を確認している(Scott and Dinan,Life Sciences,1998,62,1985−1988)。非選択的ペプチドV拮抗薬による齧歯類の研究は、Vレセプタが脳下垂体ACTH放出の制御において機能的役割を確かに果たしていることを示唆している(Bernardiniら,Neuroendocrinology,1994,60,503−508)。従って異常なHPA系の負のフィードバックメカニズムによって特徴付けられるCNS障害における脳下垂体ACTH放出および後続のHPA系機能異常を変調し正常化するためにバソプレシン拮抗薬は用いられる。
【0006】
レセプタに加えて、バソプレシンはまた、肝臓組織および血管組織で主として見られる末梢レセプタ、即ちV1aレセプタおよび腎臓組織で主として見られるVレセプタを活性化する。これらのレセプタにおける相互作用は、AVPの昇圧薬作用および坑利尿作用を媒介する。
【0007】
1aレセプタまたはVレセプタのために選択されている幾つかの非ペプチド低分子量拮抗薬が知られている(最近の総説に関しては、Freidinger and Pettibone,Medicinal Research Reviews,1997,17,1−16を参照すること)一方で、Vレセプタに関する選択性により知られている非ペプチドリガンドは少数のみである(例えば国際公開第01/55130号パンフレットおよび国際公開第04/009585号パンフレット参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第01/55130号
【特許文献2】国際公開第04/009585号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Holsboerら,Biol.Phych.,1986,21,601−611
【非特許文献2】Sperry and Carlson,DSM−IV diagnosis to treatment,第2版,Taylor & Francis,1966
【非特許文献3】De Goeijら,Neuroendocrinology,1991,53,150−159
【非特許文献4】Plotsky and Meaney,Mol.Brain Res.,1993,18,195−200
【非特許文献5】Rivier and Vale,Nature,1983,305,325−327
【非特許文献6】De Boldら,J.Clin.Invest.,1984,73,533−538
【非特許文献7】Sugimotoら,J.Biol.Chem.,1994,269,27088−27092
【非特許文献8】Scott and Dinan,Life Sciences,1998,62,1985−1988
【非特許文献9】Bernardiniら,Neuroendocrinology,1994,60,503−508
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、安全であるとともに有効である更なる非ペプチドV選択的拮抗薬が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様において、本発明は、式Iの2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体、
【0012】
【化1】

(式中、
は、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルC1−2アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであり、前記C1−6アルキル、C3−6シクロアルキルおよびC3−6シクロアルキルC1−2アルキルは1つ以上のハロゲンで置換されていてもよく、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルキルオキシおよびC3−6シクロアルキルオキシから選択される1つから3つの置換基で置換されていてもよいC6−10アリール(前記C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルキルオキシおよびC3−6シクロアルキルオキシは、1つ以上のハロゲンで置換されていてもよい。)であり、またはRは、N、O、Sから選択されるヘテロ原子を含み、ならびにメチル、C1−6アルキルオキシおよびハロゲンから選択される置換基で置換されていてもよい5から10員ヘテロアリール環系であり、
は、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシおよびハロゲンから選択される任意の置換基であり、前記C1−6アルキルおよびC1−6アルキルオキシは、1つ以上のハロゲンで置換されていてもよく、
はオキソイソキノリン環の6位または7位に位置する基であり、および
【0013】
【化2】

から選択され、
各Rは独立してHまたはC1−6アルキルであり、またはRの1つは、RまたはRの1つと合一した時に4から7員ヘテロ環式環を形成し、
およびRは独立してH、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルC1−2アルキル、C6−10アリールまたはC6−10アリールC1−2アルキルであり、またはRおよびRは、RおよびRが結合されている窒素と合一して、O、SおよびNR10から選択される更なるヘテロ原子部分を含んでいてもよい4から8員の飽和または不飽和のヘテロ環式環を形成し、前記ヘテロ環式環は、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、シアノおよびCOOR11から選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、また前記ヘテロ環式環は、2つの隣接炭素原子でフェニル環に縮合されていてもよく、
またはRおよびRの1つはRの1つと合一した時に4から7員ヘテロ環式環を形成し、
またはRおよびRの1つはRの1つと合一した時に5から6員ヘテロ環式環を形成し、
は、H、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシおよびハロゲンから選択される1つまたは2つの置換基であり、
またはRの1つはRおよびRの1つと合一した時に5から6員ヘテロ環式環を形成し、
またはRの1つはRと合一した時に5から6員環を形成し、
はHまたはC1−6アルキルであり、またはRはRの1つと合一した時に5から6員環を形成し、
10はH、C1−6アルキルまたはC1−6アシルであり、
11はHまたはC1−6アルキルであり、
mは2から4であり、
nは1から3であり、
XはCH、O、S、SOまたはNR12であり、
12は、H、C1−6アルキル、C1−6アシルまたはメチルもしくはメトキシで置換されていてもよいC6−10アリールC1−2アルキル基であり、
Yは、CH、(CHまたは(CHであり、
Q、T、VおよびWの1つがNであり、他はCであることを条件として、Q、T、VおよびWはCまたはNであり、
Q’、T’およびV’の1つがO、NまたはSであり、他がCであることを条件として、Q’、T’およびV’は、C、O、NおよびSから選択される。)
またはこの医薬的に許容される塩または溶媒和物を提供する。
【0014】
本明細書で用いられるC1−6アルキルという用語は、1から6個の炭素原子を有する分岐または非分岐のアルキル基を表す。このような基の例は、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルである。
【0015】
本明細書で用いられるC2−6アルケニルという用語は、2から6個の炭素原子および少なくとも1個の二重結合を有する分岐または非分岐のアルケニル基を表す。このような基の例はエテニルおよび3−メチルブチニルである。
【0016】
本明細書で用いられるC2−6アルキニルという用語は、2から6個の炭素原子および少なくとも1個の三重結合を有する分岐または非分岐のアルキニル基を表す。このような基の例はエチニルおよび3−メチルブチニルである。
【0017】
本明細書で用いられるC3−6シクロアルキルという用語は、3から6個の炭素原子を有する分岐または非分岐の環式アルキル基を表す。このような基の例はシクロプロピル、シクロペンチルおよび2−メチルシクロペンチルである。
【0018】
本明細書で用いられるC3−6シクロアルキルC1−2アルキルという用語は、C3−6シクロアルキル基で置換されているC1−2アルキル基を表す。このような基の例はシクロプロピルメチルおよび2−シクロブチルエチルである。
【0019】
本明細書で用いられるC1−6アルキルオキシという用語は、1から6個の炭素原子を有する分岐または非分岐のアルキルオキシ基を表す。このような基の例は、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシおよびt−ブチルオキシである。
【0020】
本明細書で用いられるC3−6シクロアルキルオキシという用語は、3から6個の炭素原子を有する分岐または非分岐の環式アルキルオキシ基を表す。このような基の例は、シクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキシおよび2−メチルシクロペンチルオキシである。同様に、Cシクロアルキルオキシという用語は、4から6個の炭素原子を有する分岐または非分岐の環式アルキルオキシ基を表す。
【0021】
本明細書で用いられるC1−6アシルという用語は、1から6個の炭素原子を有するカルボン酸から誘導されたアシル基を表す。アシル基は、分岐、非分岐、飽和または不飽和であってもよい炭化水素を含むことが可能である。このような基の例には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、アクリロイルおよびピバロイルが挙げられる。マロン酸から誘導された基に似ているジカルボン酸から誘導された基もC1−6アシルの定義内に含まれる。
【0022】
本明細書で用いられるC6−10アリールという用語は、6から10個の炭素原子を有する芳香族基を表す。このような基の例には、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0023】
本明細書で用いられるC6−10アリールC1−2アルキルという用語は、C6−10アリールで置換されているC1−2アルキル基を表す。このような基の例には、ベンジルおよびフェネチルが挙げられる。
【0024】
本明細書で用いられるハロゲンという用語は、フッ素、塩素、臭素または沃素を表す。
【0025】
本明細書で用いられるN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含む5から10員ヘテロアリール環系という用語は、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含む一環式または縮合二環式の5から10員ヘテロアリール環系を表す。このような基の例には、フラニル、チエニル、ピロリル、ピリジニル、インドリル、ベンズチエニルおよびキノリニルが挙げられる。
【0026】
本明細書で用いられる、RおよびRが結合されている窒素とRおよびRが合一することにより形成され、O、SおよびNR10から選択される更なるヘテロ原子部分を含んでいてもよい4から8員の飽和または不飽和のヘテロ環式環(ここで、R、RおよびR10は前に定義された意味を有する。)の例には、ピペリジン、ホモピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、4−メチルピペラジン、テトラヒドロピリジンおよび4−メチルホモピペラジンが挙げられる。
【0027】
本発明の一実施形態において、Rは、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキルまたはC3−6シクロアルキルC1−2アルキルである。更なる実施形態において、Rは、C3−4アルキル、C3−4シクロアルキルまたはC3−4シクロアルキルC1−2アルキルである。更なる実施形態において、Rは、イソプロピル、イソブチル、t−ブチルまたはシクロプロピルメチルである。
【0028】
もう1つの実施形態において、Rは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルキルオキシおよびC3−6シクロアルキルオキシから選択される1つから3つの置換基で置換されていてもよいC6−10アリールであり、前記C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルキルオキシおよびC3−6シクロアルキルオキシは1つ以上のハロゲンで置換されていてもよい。更なる実施形態において、Rはフェニル環である。更なる実施形態において、Rは3−置換フェニル環である。更なる実施形態において、Rは、クロロ、フルオロ、C1−2アルキル、トリフルオロメチル、C1−3アルキルオキシ、C1−4シクロアルキルオキシおよびトリフルオロメトキシから選択される1つから3つの置換基で置換された3−置換フェニル環である。更なる実施形態において、Rは、3−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、3−メトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニルおよび4−フルオロ−3−メトキシフェニルから選択される置換フェニル環である。
【0029】
もう1つの実施形態において、Rは、N、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含むとともにメチル、C1−6アルキルオキシおよびハロゲンから選択される置換基で置換されていてもよい5から10員ヘテロアリール環系である。更なる実施形態において、Rは、クロロ、メチルまたはメトキシで置換されていてもよい2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジルまたは6−インドリルである。
【0030】
もう1つの実施形態において、Rは基
【0031】
【化3】

であり、
式中、X、mおよびRからRは前に定義されたような意味を有する。更なる実施形態において、RはHまたはメチルであり、mは3である。更なる実施形態において、Rは、
【0032】
【化4】

から選択される基である。
【0033】
式中、RおよびRは前に定義されたような意味を有する。
【0034】
もう1つの実施形態において、Rは基
【0035】
【化5】

であり、
式中、X、Y、RおよびRは前に定義されたような意味を有する。更なる実施形態において、XはOまたはCHであり、YはCHである。
【0036】
もう1つの実施形態において、Rは基
【0037】
【化6】

であり、
式中、nおよびRからRは前に定義されたような意味を有する。更なる実施形態において、Rはメチルであり、nは2である。
【0038】
もう1つの実施形態において、Rは基
【0039】
【化7】

であり、
式中、RからRは前に定義されたような意味を有する。更なる実施形態において、RおよびRはHである。
【0040】
もう1つの実施形態において、Rは基
【0041】
【化8】

であり、
式中、Q’、T’、V’およびRからRは前に定義されたような意味を有する。更なる実施形態において、RおよびRは両方ともHである。
【0042】
もう1つの実施形態において、Rは基
【0043】
【化9】

であり、
式中、Q、T、V、WおよびRからRは前に定義されたような意味を有する。更なる実施形態において、RおよびRは両方ともHである。
【0044】
もう1つの実施形態において、Rは、
【0045】
【化10】

から選択される基であり、
式中、RおよびRは前に定義されたような意味を有する。
【0046】
もう1つの実施形態において、RおよびRは独立してH、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルC1−2アルキル、C6−10アリールまたはC6−10アリールC1−2アルキルである。更なる実施形態において、RおよびRは独立してHまたはC1−4アルキルである。
【0047】
もう1つの実施形態において、RおよびRは、RおよびRが結合されている窒素と合一して、O、SまたはNR10から選択される更なるヘテロ原子部分を含んでいてもよい4から7員のヘテロ環式環を形成し、前記ヘテロ環式環は、ヒドロキシル置換基で置換されていてもよく、R10は前に定義された意味を有する。更なる実施形態において、RおよびRは、RおよびRが結合されている窒素と合一して、ピロリジン、ピペリジン、3−ヒドロキシピペリジンおよびモルホリンから選択されるヘテロ環式環を形成する。
【0048】
更なる実施形態において、
N−t−ブチル−2−[3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド、
2−[3−(3−クロロフェニル)−7((S)−2−メチル−3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミドおよび
N−t−ブチル−2−[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド
から選択される、2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミドまたはこの医薬的に許容される塩または溶媒和物である。
【0049】
本発明の化合物は、有機化学の分野で周知の方法によって調製される。例えばJ.March,「Advanced Organic Chemistry」,第4版,John Wiley and Sonsを参照すること。合成手順中、関わる任意の分子上の感応性または反応性基は場合によって保護することが必要および/または望ましい。これは、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts「Protective Groups in Organic Synthesis」,第2版,John Wiley and Sons,1991において記載された保護基などの従来の保護基によって達成される。保護基は、当分野で周知の方法を用いて後続の都合のよい段階で場合により除去される。
【0050】
が基
【0051】
【化11】

であり、XがOである式Iの化合物(以下で10として示している。)は、スキーム1で示した一般的な5段階合成手順によって調製することが可能である。最初に、極性非プロトン溶媒(例えばアセトニトリル)中で適するPd(II)触媒(例えば二酢酸パラジウム)、トリアリールホスフィンリガンド(例えばトリ(o−トリル)ホスフィン)および第三アミン塩基(例えばトリエチルアミン)の存在下で式2の適切に官能化された2−ハロ安息香酸エステルを式3の適切に官能化されたスチレンと反応させて、結合生成物4を得る。Pは適する保護基、例えばメチルを表す。2−ハロ安息香酸2およびスチレン3は市販されている、または当分野で周知の手順によって容易に調製することが可能である。その後、エタノールなどの適する溶媒中で酸または塩基を用いてカルボン酸エステル4をカルボン酸5に加水分解する。不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン中でパラジウム(II)触媒、例えばビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)および酸化剤、例えばp−ベンゾキノンを用いてカルボン酸中間体5を後でイソクマリン6に環化する。こうして得られたイソクマリン6をグリシンアミド7と共に加熱して、後で脱保護されるイソキノリノン8を提供する。その後、例えば標準Mitsunobu反応条件を用いて、即ち、トリフェニルホスフィンおよびジエチルアゾジカルボキシレートまたはDIACの存在下で、遊離ヒドロキシル基を式9のアルコールにより官能化して、所望の生成物10を提供する。式9のアルコールは市販されている、または当分野で周知の手順によって容易に調製することが可能である。
【0052】
【化12】

【0053】
式11(式中、Lは適する脱離基である。)の化合物と適する塩基の存在下でヒドロキシイソキノリノン8のアルキル化によっても所望の生成物10を調製することが可能である。適する塩基は、例えば炭酸カリウムまたは炭酸セリウムなどの金属炭酸塩である。適する脱離基は、例えばメシレート基またはトシレート基もしくはハロゲン化物である(スキーム2)。式11の化合物は市販されている、または当分野で周知の手順によって容易に調製することが可能である。
【0054】
【化13】

【0055】
もしくは、最初に3−ブロモ−1−クロロプロパンなどの適するジハロアルカンによるヒドロキシイソキノリノン8の塩基媒介アルキル化、次に式HNRのアミンによる求核置換を含む2工程手順によって所望の生成物10を調製することも可能である(スキーム3)。ジハロアルカンおよび式HNRのアミンは市販されている、または当分野で周知の手順によって容易に調製することが可能である。
【0056】
【化14】

【0057】
所望の生成物10を調製することも可能である関連した三工程手順は、最初に3−ブロモプロパン−1−オールなどの適するハロアルカノールにより前述したヒドロキシイソキノリノン8をアルキル化し、次に、当業者に知られている種々の方法を用いてハロゲン化物またはメシレートなどの適する脱離基にヒドロキシル基を転化させ、最後に式HNRのアミンにより前記脱離基を置換して所望の生成物10を提供することを含む(スキーム4)。2−ハロアルカノールは市販されている、または当分野で周知の手順によって容易に調製することが可能である。
【0058】
【化15】

【0059】
が式
【0060】
【化16】

を有する基であり、XがNR12である式Iの化合物(13)は、当分野で周知の条件下でPd(dba)およびBINAPなどの適する触媒系の存在下で、Rがトリフレートなどの適する反応性基である式Iの中間体を式12のジアミンと反応させることにより調製することが可能である(スキーム5)。Rがトリフレートである式Iの中間体は、例えばトリフルオロメタンスルホン酸無水物とピリジンでアルコール8を処理することにより当分野で周知の手順を用いて対応するアルコール8から容易に調製することが可能である。式12のジアミンは市販されている、または当分野で周知の手順によって容易に調製することが可能である。
【0061】
【化17】

【0062】

【0063】
【化18】

であり、XがOまたはNR12である式1の化合物は、スキーム1−5において上で記載された手順および/または反応手順に似た方法を用いて調製することが可能である。
【0064】
が基
【0065】
【化19】

である式Iの化合物(16)は、トリエチルアミンなどの塩基、Pd(OAc)などの適する触媒およびトリ(o−トリル)ホスフィンなどのトリアリールホスフィンリガンドの存在下で、式14(式中、Lは、ハロゲン化物などの置換性基、もしくはハロゲン化物、メシレートまたはトシレートなどの置換性基に後で転化できるヒドロキシルなどの基である。)の末端アルケンとRがトリフレートなどの基である式Iの中間体を最初に反応させて、中間体15を得ることにより調製することが可能である。その後、式HNRの脂肪族アミンでの脱離基Lの置換によってアミン16をアルケン15から生成させる。例えば炭素触媒上のパラジウムの存在下での不飽和アミン16の水素添加によって対応する飽和誘導体17を得ることが可能である(スキーム6)。式14のアルケンは市販されている、または当分野で周知の手順によって容易に調製することが可能である。
【0066】
【化20】

【0067】
が基
【0068】
【化21】

である式Iの化合物(23)は、Pd(PPhなどの適する触媒の存在下でRがトリフレートなどの適切に反応性の基である式Iの中間体を式18または19
【0069】
【化22】

(A=B(OH)またはB(OR))のボロン酸またはエステルと結合させ、その後、当業者に熟知されている様々な方法によって所望のアミンに転化ことにより調製することが可能である。例えばPd(PPhの存在下でRがトリフレートである式Iの中間体とボロン酸エステル20とが反応すると付加体21を得ることが可能である。その後、ヒドロキシル基をハロゲン化物またはメシレートなどの脱離基に転化させた中間体22に付加体21を転化させることが可能である。その後、式HNRのアミンで化合物22を次に処理して、所望の生成物23を得ることが可能である(スキーム7)。式18、19、20の化合物は市販されている、または当分野で周知の手順によって容易に調製することが可能である。
【0070】
【化23】

【0071】
もしくは、式Iの中間体とボロン酸エステル24の反応によって付加体25を得ることが可能である。その後、ナトリウムトリアセトキシボロ水素化物またはナトリウムシアノボロ水素化物などの適する還元剤の存在下でHNRで処理すると、付加体25を所望のアミン生成物23に転化させることが可能である(スキーム8)。ボロン酸エステル24は市販されている、または当分野で周知の手順によって容易に調製することが可能である。
【0072】
【化24】

【0073】
所望の生成物(23)を得ることができる更なる方法は、PdCl(dppf)などの適する触媒およびKOAcなどの塩基の存在下でハロゲン化物またはトリフレートとビス(ピナコレート)二硼素の反応によって式I(R=ハロゲン化物またはトリフレート)の中間体ハロゲン化物またはトリフレートを経由して調製された中間体ボロン酸エステル(26)のカップリングを含む(スキーム9)。その後、スキーム7および8に示した手順に似た手順を用いて式27または28(A=ハロゲン化物またはトリフレート)のアリールハロゲン化物またはトリフレートと中間体ボロン酸エステル(26)を結合させて、付加体29および30を提供することが可能であり、次にこれらを生成物23に転化させる。
【0074】
【化25】

【0075】

【0076】
【化26】

から選択される基である式Iの化合物をスキーム7−9において上で記載されたのと同じ一般手順および/または反応手順を用いて調製することが可能である。
【0077】
適するいずれかの順序で上において記載された一般手順および/または反応手順を用いて一般式Iのイソキノリノンを調製できることは当業者によって容易に理解される。例えば上で詳述された方法が前もって形成されたイソキノリノン中間体を用いる合成において後でR基を導入することを記載しているのに対して、ある場合には、R基をイソキノリノン環系の形成前に導入できることが分かる。
【0078】
従って、Rが式
【0079】
【化27】

を有する基であり、XがOである式Iの化合物をスキーム10で示したようにフェノール31から5段階で調製することが可能である。フェノール31は市販されている、または有機化学の分野で周知の手順を用いて調製される。スキーム1から4において上で示された手順に似た手順を用いてフェノールをアルキル化して、アミノエーテル32を提供することが可能である。その後、スキーム1で指示された方式に似た方式でアミノエーテル32をスチレン3と結合させて、結合生成物33を提供する。適する溶媒中で水性酸または水性塩基で処理すると、例えばエタノール中で塩酸を用いると、エステル基を加水分解させて、安息香酸中間体34を得ることが可能である。不活性溶媒、例えばテトラヒドロフラン中でパラジウム(II)触媒、例えばビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)および酸化剤、例えばp−ベンゾキノンを用いて安息香酸中間体34を後でイソクマリン35に環化する。前に指示された手順(スキーム1参照)に似た手順を用いてイソクマリン35をグリシンアミド7と後で反応させてイソキノリノン10を得る。
【0080】
【化28】

【0081】
が式
【0082】
【化29】

を有する基であり、XがSOである式Iの化合物を、例えばジクロロメタン中のm−クロロペルオキシ安息香酸を用いて対応するスルフィドの酸化によって調製することが可能である。
【0083】
本発明は、例えば立体配置異性または幾何異性のゆえに得られる、2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体のすべての立体異性形態もこの範囲内に含む。このような立体異性形態は鏡像異性体、ジアステレオ異性体、シス異性体およびトランス異性体などである。例えばRが2−メチルブチルである場合、化合物は一対の鏡像異性体として存在する。Rがアルケン部分を含む場合、化合物の(Z)と(E)の両方の立体異性体形態が可能である。式Iの化合物またはこれらの塩または溶媒和物の個々の鏡像異性体の場合、本発明は、実質的に他の鏡像異性体フリー、即ち、5%未満、好ましくは2%未満、特に1%未満に対応付けられる実質的に他の鏡像異性体フリーの前述した立体異性体を含む。あらゆる比率の立体異性体の混合物、例えば2つの鏡像異性体の実質的に等量を含むラセミ混合物も本発明の範囲内に含まれる。
【0084】
キラル化合物に関して、純粋の立体異性体を得る不斉合成のための方法、例えばキラル誘発を伴う合成、キラル中間体から出発する合成、鏡像選択的酵素転化、キラル媒体上でクロマトグラフィを用いる立体異性体の分離は当分野で周知である。このような方法は、Chirality In Industry(A.N.Collins,G.N.SheldrakeおよびJ.Crosby編,1992;John Wiley)に記載されている。同様に、幾何異性体の合成に関する方法も当分野で周知である。
【0085】
本発明は、本発明の2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体のすべての同位体標識形態もこの範囲内に含む。例えばH、H、11C、13C、14C、131I、125I、123Iおよび18Fで同位体標識された化合物。標識された化合物は、種々の診断方法における診断ツール、放射線トレーサーまたは監視剤として、およびインビボレセプター撮像のために有用である。
【0086】
遊離塩基としての形態を取った本発明の2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体は、医薬的に許容される塩として反応混合物から分離される。これらの塩は、有機酸または無機酸、例えば塩化水素、臭化水素、沃化水素、硫酸、燐酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、メタンスルホン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸およびアスコルビン酸による前記有機塩基の処理によっても得られる。
【0087】
本発明の2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体は、水和形態を含む溶媒和物形態と非溶媒和物形態の両方で存在する。これらの形態も本発明の範囲内に包含される。
【0088】
本発明の2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体は非晶質形態としても存在する。多結晶形態も可能である。これらのすべての物理的形態は本発明の範囲内に含まれる。
【0089】
更なる態様において、本発明の2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体およびこれらの医薬的に許容される塩および溶媒和物は治療において有用である。そのようなものとして、本発明の化合物は、HPA系の活性の変調によって影響される疾病の治療または予防のための薬剤の製造のために有用である。特に、化合物は、統合失調症、不安、ホットフラッシュ、麻薬中毒、神経性食欲不振症、ストレス関連障害およびアルツハイマー痴呆の治療のための薬剤の製造のために有用である。
【0090】
更なる態様において、本発明の2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体は、鬱病の治療または予防のための薬剤の製造のために有用である。本発明の化合物およびこれらの医薬的に許容される塩および溶媒和物が特に有用である治療における鬱状態は、気分エピソード、抑鬱障害、双極性障害および他の気分障害を含む、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,第四版,テキスト改訂,American Psychiatric Association,Washington D.C.(2000)において気分障害として分類された鬱状態である。
【0091】
本発明は、本発明の2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体またはこの医薬的に許容される塩または溶媒和物の有効量を投与することを含む、鬱病または前述した障害のいずれかを被る、または被りやすいヒトを含む哺乳類の治療のための方法を更に含む。
【0092】
本明細書で活性成分とも呼ばれる本発明の2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体またはこの医薬的に許容される塩または溶媒和物の治療効果を達成するために必要とされる量は、もちろん、特定の化合物、投与の経路、受容者の年齢および状態、ならびに治療される特定の障害または疾病により異なる。
【0093】
上述した障害のいずれかのために適する日用量は、0.001から50mg/受容者(例えばヒト)の体重kg/日の範囲内、好ましくは0.01から20mg/体重kg/日の範囲内である。日全体を通して適切な間隔で投与される分割された多回用量として所望の用量を与えてもよい。
【0094】
活性成分を単独で投与することが可能である一方で、医薬製剤として活性成分を与えることは好ましい。従って、本発明は、Gennaroら,Remmington:The Science and Practice of Pharmacy,第20版,Lippincott,Williams and Wilkins,2000;(特にパート5:Pharmaceutical Manufacturing参照)に記載された補助剤などの1種以上の医薬的に許容される補助剤と混合して本発明による2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体を含む医薬組成物も提供する。適する補助剤は、例えばHandbook of Pharmaceutical Excipients,第2版:編集者,A.Wade and P.J.Weller,American Pharmaceutical Association,Washington,The Pharmaceutical Press,London,1994に記載されている。組成物は、経口投与、経鼻投与、局所(頬、舌下および経皮を含む。)投与、非経口投与(皮下、静脈内および筋肉内を含む。)または直腸投与のために適する組成物を含む。
【0095】
本発明による2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体と1種以上の医薬的に許容される補助剤の混合物を錠剤などの固体用量単位に詰め込んでもよい、またはカプセル剤または坐薬に加工してもよい。医薬的に適する液体によって、2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体を溶液、懸濁液、エマルジョンの形態を取った注射製剤として、またはスプレー、例えば鼻スプレーまたは頬スプレーとして利用することも可能である。用量単位、例えば錠剤を作るために、充填剤、着色剤およびポリマー結合剤などの従来の添加剤の使用は考慮されている。一般に、医薬的に許容されるいかなる添加剤も用いることが可能である。本発明の2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体は、即時放出および/または持続放出のための挿入物、パッチ、ジェルまたは他のあらゆる製剤における使用のためにも適する。
【0096】
医薬組成物と共に調製し投与できる適する充填剤には、ラクトース、澱粉、セルロースおよびセルロース誘導体など、または適する量で用いられるこれらの混合物が挙げられる。
【0097】
以下の実施例は本発明の化合物および化合物の合成方法を更に例示している。以下の節において、本発明の化合物のための前駆体および共通の中間体の合成を記載している。
【実施例】
【0098】
手順I
中間体I.1:2−アミノ−N−イソプロピルアセトアミド
【0099】
【化30】

【0100】
a)(イソプロピルカルバモイルメチル)カルバミン酸ベンジルエステル
【0101】
【化31】

【0102】
0℃のTHF(400mL)中のN−Cbz−グリシン(20.9g、100mmol)の溶液にN−メチルモルホリン(NMM)(12.1mL、110mmol)およびi−ブチルクロロホルメート(13mL、100mmol)を添加した。得られた混合物を0℃で2分にわたり攪拌し、その後、i−プロピルアミン(9.4mL、110mmol)を添加した。反応混合物を室温に暖め、この温度で16時間にわたり攪拌した。セライトのパッドを通して混合物を濾過し、真空で濃縮した。粗残留物を酢酸エチル(500mL)に溶解させ、1N HCl(水性)(1×100mL)、飽和NaHCO(水性)(1×100mL)およびブライン(1×100mL)で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO)させ、濾過し、真空で濃縮して、白色固体として(イソプロピルカルバモイルメチル)カルバミン酸ベンジルエステル(24.5g、98mmol、98%)を得て、これを次の反応において更に精製せずに用いた。
【0103】
(イソプロピルカルバモイルメチル)カルバミン酸ベンジルエステルに関するデータ。H NMR(300MHz,CDCl):δ7.37(m,5H)、5.78(br s,1H)、5.41(br s,1H)、5.15(s,2H)、4.07(septet,1H)、3.82(d,2H)、1.15(d,6H)ppm。
【0104】
b)2−アミノ−N−イソプロピルアセトアミド
【0105】
【化32】

【0106】
EtOH(200mL)中の(イソプロピルカルバモイルメチル)カルバミン酸ベンジルエステル(10g、40mmol)の溶液に10%Pd/C(425mg)を添加し、パールシェーカー内で50p.s.i.H(g)下で16時間にわたり振とうした。セライトのパッドを通して反応混合物を濾過し、真空で溶媒を除去した。これは、無色透明油(5.1g、40mmol、100%)として2−アミノ−N−イソプロピルアセトアミド(中間体I.1)を得た。
【0107】
2−アミノ−N−イソプロピルアセトアミド(中間体I.1)に関するデータ:H NMR(300MHz,CDCl):δ7.05(br s,1H)、4.11(septet,1H)、3.33(s,2H)、1.48(br s,2H、アミンNH)、1.15(d,6H)ppm。
【0108】
同様に中間体I.2:2−アミノ−N−t−ブチルアセトアミドを調製した。
【0109】
手順II
中間体II.1:1−フルオロ−2−メトキシ−4−ビニルベンゼン
【0110】
【化33】

【0111】
−40℃に冷却された無水THF(400mL)中のメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(68.20g、0.191mol)の攪拌された懸濁液にシリンジを経由してn−ブチルリチウム(ヘキサン中の2.5M、71.2mL、0.178mol)を15分にわたり添加した。その時点で、亜燐酸イリドの特徴的な黄色が持続した。反応混合物を1時間にわたって−10℃に暖めて、反応を完了させた。その後混合物を−30℃に冷却し、無水THF(40mL)中の4−フルオロ−3−メトキシベンズアルデヒド(10.00g、63.64mmol)の溶液をカニューラを経由して10分にわたり添加した。得られら混合物を16時間にわたり周囲温度に暖めた。水(200mL)の徐々の添加によって反応を抑制し、水相をジエチルエーテル(3×200mL)で抽出した。組み合わせた有機層を水(2×200mL)、ブライン(200mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、減圧下で濃縮して、黄色油として1−フルオロ−2−メトキシ−4−ビニルベンゼン(中間体II.1)(8.69g、57.1mmol、90%)を得た。
【0112】
1−フルオロ−2−メトキシ−4−ビニルベンゼン(中間体II.1)に関するデータ:H NMR(300MHz,CDCl):δ7.05−6.90(m,3H)、6.67(dd,1H)、5.67(d,1H)、5.24(d,1H)、3.92(s,3H)ppm。
【0113】
同様に、
中間体II.2:2−メトキシ−6−ビニルピリジン(6−メトキシピコリンアルデヒドから)
中間体II.3:1−クロロ−2−フルオロ−5−ビニルベンゼン(3−クロロ−4−フルオロベンズアルデヒドから)
を調製した。
【0114】
手順III:方法A
中間体III.1:N−t−ブチル−2−[3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−7−ヒドロキシ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド
【0115】
【化34】

【0116】
a)2−ヨード−5−(4−メトキシベンジルオキシ)安息香酸4−メトキシベンジルエステル
【0117】
【化35】

【0118】
無水アセトニトリル(400mL)中の2−ヨード−5−ヒドロキシ安息香酸(J.Am.Chem.Soc.,1984,106,2651に記載された方法により調製)(27.15g、103mmol)の攪拌された溶液に炭酸セシウム(73.80g、227mmol)および4−メトキシベンジルクロリド(33.5mL、247mmol)を添加した。得られた固体塊を破砕し、混合物を65℃で15時間にわたり加熱した。反応混合物を飽和NaHCO(水性)(400mL)に注ぎ、得られた混合物を酢酸エチル(3×300mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物をブライン(300mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、真空で濃縮した。溶離液として酢酸エチル:ヘキサン(1:9、v/v)から酢酸エチル:ヘキサン(1:3、v/v)の傾斜によるシリカゲル上でのクロマトグラフィによって粗生成物を精製して、2−ヨード−5−(4−メトキシベンジルオキシ)安息香酸4−メトキシベンジルエステル(15.39g、30.52mmol、30%)を得た。
【0119】
2−ヨード−5−(4−メトキシベンジルオキシ)安息香酸4−メトキシベンジルエステルに関するデータ:H NMR(400MHz,(CDSO):δ7.81(d,1H)、7.39(d,2H)、7.32(d,2H)、7.27(d,1H)、6.95−6.84(m,5H)、5.21(s,2H)、5.01(s,2H)、3.73(s,3H)、3.71(s,3H)ppm。
【0120】
b)(E)−2−[2−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)ビニル]−5−(4−メトキシベンジルオキシ)安息香酸4−メトキシベンジルエステル
【0121】
【化36】

【0122】
無水アセトニトリル(75mL)中の1−フルオロ−2−メトキシ−4−ビニルベンゼン(中間体I.1)(4.49g、29.53mmol)および2−ヨード−5−(4−メトキシベンジルオキシ)安息香酸4−メトキシベンジルエステル(14.89g、29.53mmol)の攪拌された溶液にトリエチルアミン(8.2mL、59.06mmol)およびトリ(o−トリル)ホスフィン(1.17g、3.84mmol)を添加した。混合物をアルゴンで5分にわたり散布し、酢酸パラジウム(II)(662mg、2.95mmol)を添加した。混合物を還流状態で13時間にわたり加熱し、濃縮して、暗褐色残留物として粗生成物(E)−2−[2−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)ビニル]−5−(4−メトキシベンジルオキシ)安息香酸4−メトキシベンジルエステルを得た。これを更に精製せずに用いた。
【0123】
c)(E)−2−[2−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)ビニル]−5−(4−メトキシベンジルオキシ)安息香酸
【0124】
【化37】

【0125】
MeOH:THF:HO(3:1:1v/v、150mL)中の粗(E)−2−[2−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)ビニル]−5−(4−メトキシベンジルオキシ)安息香酸4−メトキシベンジルエステルの攪拌された懸濁液に水酸化リチウム一水和物(4.95g、118mmol)を添加した。得られた懸濁液を周囲温度で15時間にわたり攪拌し、その後、真空で濃縮した。残留物をHO(500mL)に溶解させ、溶液を酢酸エチル(2×200mL)で抽出した。水相を濃HClでpH2に酸性化し、混合物を酢酸エチル(3×200mL)で抽出し、乾燥(MgSO)させ、真空で濃縮して、淡褐色粉末として2−ヨード−5−(4−メトキシベンジルオキシ)安息香酸4−メトキシベンジルエステルから(E)−2−[2−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)ビニル]−5−(4−メトキシベンジルオキシ)安息香酸(8.75g、21.4mmol、73%)を得た。
【0126】
d)3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−7−(4−メトキシベンジルオキシ)イソクロメン−1−オン
【0127】
【化38】

【0128】
無水THF(5mL)中の(E)−2−[2−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)ビニル]−5−(4−メトキシベンジルオキシ)安息香酸(600mg、1.47mmol)の溶液を窒素で5分にわたり散布し、その後、PdCl(MeCN)(39mg、0.15mmol)、p−ベンゾキノン(175mg、1.62mmol)およびモレキュラーシーブ(10mg)を添加し、混合物を室温で24時間にわたり攪拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1N NaOH(水性)で洗浄した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)させ、真空で濃縮した。溶離液としてヘキサン:EtOAc(2:1、v/v)によるシリカゲル上でのクロマトグラフィによって粗残留物を精製して、3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−7−(4−メトキシベンジルオキシ)イソクロメン−1−オン(300mg、0.74mmol、50%)を得た。
【0129】
3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−7−(4−メトキシベンジルオキシ)イソクロメン−1−オンに関するデータ:H NMR(400MHz,CDCl):δ7.80(d,1H)、7.46−7.35(m,6H)、7.13(dd,1H)、6.94(d,2H)、6.86(s,1H)、5.09(s,2H)、3.98(s,3H)、3.82(s,3H)ppm。
【0130】
e)N−t−ブチル−2−(3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−7−(4−メトキシベンジルオキシ)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド
【0131】
【化39】

【0132】
3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−7−(4−メトキシベンジルオキシ)イソクロメン−1−オン(100mg、0.25mmol)と2−アミノ−N−t−ブチルアセトアミド(中間体I.2)(32mg、2.46mmol)の純粋な混合物を120℃で3時間にわたり加熱した。反応混合物を冷却し、酢酸エチルと飽和NHCl(水性)との間に分配した。有機層をブライン(1×20mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、真空で濃縮して、N−t−ブチル−2−(3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−7−(4−メトキシベンジルオキシ)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド(120mg、0.23mmol、94%)を得た。これを更に精製せずに次の工程で用いた。
【0133】
N−t−ブチル−2−(3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−7−(4−メトキシベンジルオキシ)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミドに関するデータ:MS(ESI)m/z:519([M+H])。
【0134】
f)N−t−ブチル−2−(3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−7−ヒドロキシ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド(中間体III.1)
【0135】
【化40】

【0136】
N−t−ブチル−2−(3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−7−(4−メトキシベンジルオキシ)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド(120mg、0.231mmol)をTFA:DCM(1:1v/v、5mL)で処理し、室温で1時間にわたり攪拌した。混合物を真空で濃縮し、粗残留物を分取HPLCによって精製し、N−t−ブチル−2−(3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−7−ヒドロキシ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド(中間体III.1)(25mg、0.063mmol、27%)を得た。
【0137】
N−t−ブチル−2−(3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−7−ヒドロキシ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド(中間体III.1)に関するデータ:MS(ESI)m/z:399([M+H])。
【0138】
同様に、
中間体III.2:2−[3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−7−ヒドロキシ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(中間体II.1および中間体I.1から)
中間体III.3:2−[7−ヒドロキシ−3−(3−メトキシフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロプルアセトアミド(中間体I.1および3−メトキシスチレンから)
中間体III.4:N−t−ブチル−2−[7−ヒドロキシ−3−(3−メトキシフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド(中間体I.2および3−メトキシスチレンから)
中間体III.5:2−[7−ヒドロキシ−3−(6−メトキシピリジン−2−イル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(中間体II.2および中間体I.1から)
中間体III.6:N−t−ブチル−2−[7−ヒドロキシ−3−(6メトキシピリジン−2−イル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド(中間体II.2および中間体I.2から)
を調製した。
【0139】
手順III:方法B
中間体III.7:2−[3−(3−クロロフェニル)−7−ヒドロキシ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0140】
【化41】

【0141】
a)2−[(E)−2−(3−クロロフェニル)ビニル]−5−メトキシ安息香酸メチルエステル
【0142】
【化42】

【0143】
無水アセトニトリル(180mL)中の2−ブロモ−5−メトキシ安息香酸メチルエステル(17.7g、72.2mmol)および3−クロロビニルベンゼン(9.17mL、72.2mmol)の攪拌された溶液にトリメチルアミン(20.10mL、144mmol)およびトリス(o−トリル)ホスフィン(2.85g、9.38mmol)を添加した。反応混合物をアルゴンで5分にわたり散布し、酢酸パラジウム(II)(1.62g、7.22mmol)を添加し、混合物をアルゴン雰囲気下で21時間にわたり85℃で加熱した。セライトを通して生成物混合物を濾過し、真空で濃縮し、残留物を酢酸エチル(400mL)に溶解させ、1N HCl(水性)(200mL)およびブライン(200mL)で洗浄した。組み合わせた水層を酢酸エチル(200mL)で逆抽出した。酢酸エチル抽出物を組み合わせ、乾燥(MgSO)させ、減圧下で濃縮して、赤みがかった褐色の粘性油として粗2−[(E)−2−(3−クロロフェニル)ビニル]−5−メトキシ安息香酸メチルエステルを得た。これを更に精製せずに次の工程で用いた。
【0144】
2−[(E)−2−(3−クロロフェニル)ビニル]−5−メトキシ安息香酸メチルエステルに関するデータ:H NMR(300MHz,CDCl):δ7.91(d,1H)、7.63(d,1H)、7.49(dd,1H)、7.44(d,1H)、7.41(ddd,1H)、7.26(d,1H)、7.21(ddd,1H)、7.08(dd,1H)、6.83(d,1H)、3.94(s,3H)、3.86(s,3H)ppm。
【0145】
b)(E)−2−[2−(3−クロロフェニル)ビニル]−5−メトキシ安息香酸
【0146】
【化43】

【0147】
粗2−[(E)−2−(3−クロロフェニル)ビニル]−5−メトキシ安息香酸メチルエステルをメタノール:THF:水(3:1:1[v/v]、400mL)に懸濁させ、水酸化リチウム(12.10g、289mmol)を添加した。混合物を周囲温度で22時間にわたり攪拌し、真空で濃縮して淡褐色の固体を得た。粗生成物を水(400mL)に再溶解させ、溶液を酢酸ジエチル(3×250mL)で洗浄し、1N HCl(水性)でpH2に酸性化させた。水相を酢酸エチル(3×200mL)で抽出し、有機相を乾燥(MgSO)させ、真空で濃縮して黄褐色固体を得て、これをメタノールで粉末にし、濾過して、曇った白色の粉末として(E)−2−[2−(3−クロロフェニル)ビニル]−5−メトキシ安息香酸(15.43g、53.44mmol、2−ブロモ−5−メトキシ安息香酸メチルエステルからの2工程に関して74%)を得た。
【0148】
(E)−2−[2−(3−クロロフェニル)ビニル]−5−メトキシ安息香酸に関するデータ:H NMR(300MHz,(CDSO):δ7.87(d,1H)、7.76(d,1H)、7.56(dd,1H)、7.49(ddd,1H)、7.40(app t,1H)、7.35(d,1H)、7.32(ddd,1H)、7.17(dd,1H)、7.05(d,1H)、3.82(s,3H)ppm。
【0149】
c)3−(3−クロロフェニル)−7−メトキシイソクロメン−1−オン
【0150】
【化44】

【0151】
無水THF(520mL)中の(E)−2−[2−(3−クロロフェニル)ビニル]−5−メトキシ安息香酸(15.00g、51.95mmol)の溶液をアルゴンで5分にわたり散布した。p−ベンゾキノン(6.18g、57.20mmol)、続けてビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)(674mg、2.60mmol)を添加し、得られた混合物を周囲温度で17時間にわたり攪拌した。1N NaOH(水性)(375mL)を添加し、得られた褐色固体をクロロホルム(4×200mL)で洗浄して、淡黄色固体として3−(3−クロロフェニル)−7−メトキシイソクロメン−1−オン(10.96g、38.23mmol、74%)を得た。
【0152】
3−(3−クロロフェニル)−7−メトキシイソクロメン−1−オンに関するデータ:H NMR(300MHz,CDCl):δ7.86−7.84(m,1H)、7.75−7.72(m,2H)、7.45(d,1H)、7.43−7.36(m,2H)、7.33(dd,1H)、6.94(s,1H)、3.93(s,3H)ppm;MS(ESI)m/z:287([M+H])。
【0153】
d)2−[3−(3−クロロフェニル)−7−メトキシ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0154】
【化45】

【0155】
50mLの開放二口丸底フラスコ内で、化合物3−(3−クロロフェニル)−7−メトキシイソクロメン−1−オン(1.00g、3.49mmol)と2−アミノ−N−イソプロピルアセトアミド(中間体I.1)(2.02g、17.4mmol、5当量)の純粋な混合物をアルゴン下で3日にわたり120℃に加熱し、毎日アリコート(2mL)中に無水EtOHを添加して、反応混合物をほぐした。溶離液として酢酸エチル:ヘキサン(1:3、v/v)によるシリカゲル上でのクロマトグラフィによって残留物を精製して、白色固体として2−[3−(3−クロロフェニル)−7−メトキシ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(0.985g、2.56mmol、73%)を得た。
【0156】
2−[3−(3−クロロフェニル)−7−メトキシ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミドに関するデータ:H NMR(300MHz,CDCl):δ7.82(d,1H)、7.47−7.37(m,5H)、7.29(dd,1H)、6.47(s,1H)、5.87(br d,1H)、4.45(s,2H)、4.06(septet,1H)、3.94(s,3H)、1.15(d,6H)ppm;MS(ESI)m/z:326([M−CN])、385([M+H])。
【0157】
e)2−[3−(3−クロロフェニル)−7−ヒドロキシ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(中間体III.7)
【0158】
【化46】

【0159】
乾燥DCM(25mL)中の2−[3−(3−クロロフェニル)−7−メトキシ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(886mg、2.30mmol)の溶液を−78℃に冷却し、BBr(DCM中の1M、20.3mL、20.3mmol)の溶液を滴下した。1時間後、冷却浴を取り除き、混合物を追加の17.5時間にわたり攪拌し、その後、0℃に冷却し、飽和NaHCO(水性)(15mL)の滴下によって抑制した。水性混合物をIPA:DCM(1:3、v/v)(4×25mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物をブライン(25mL)で洗浄し、乾燥(MgSO)させ、濃縮して粗生成物を得た。これをEtOHから再結晶化して、白色固体として純粋の2−[3−(3−クロロフェニル)−7−ヒドロキシ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(中間体III.7)(530mg、1.43mmol、62%)を得た。
【0160】
2−[3−(3−クロロフェニル)−7−ヒドロキシ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(中間体III.7)に関するデータ:H NMR(300MHz,d−DMSO):δ10.02(s,1H)、7.83(d,1H)、7.55−7.39(m,5H)、7.42−7.39(m,1H)、7.21(dd,1H)、6.49(s,1H)、4.33(s,2H)、3.77(septet,1H)、0.99(d,6H)ppm;MS(ESI)m/z:312([M−CN])、371([M+H])、763([2M+Na])。
【0161】
同様に、
中間体III.8:N−t−ブチル−2−[3−(3−クロロフェニル)−7−ヒドロキシ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド(中間体I.2および3−クロロスチレンから)
中間体III.9:2−[3−(3−フルオロフェニル)−7−ヒドロキシ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(中間体I.1および3−フルオロスチレンから)
中間体III.10:2−(7−ヒドロキシ−1−オキソ−3−フェニル−1H−イソキノリン−2−イル)−N−イソプロピルアセトアミド(中間体I.1およびスチレンから)
中間体III.11:N−t−ブチル−2−[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−ヒドロキシ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド(中間体II.3および中間体I.2から)
を調製した。
【0162】
本発明による実施例の合成
【0163】
(実施例1)
2−[3−(3−クロロフェニル)−7−((S)−2−メチル−3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0164】
【化47】

a)2−[3−(3−クロロフェニル)−7−((S)−3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0165】
【化48】

【0166】
乾燥アセトニトリル(5mL)中の2−[3−(3−クロロフェニル)−7−ヒドロキシ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(中間体III.7)(347mg、0.936mmol)、KCO(674mg、4.68mmol)および(S)−(+)−3−ブロモ−2−メチル−1−プロパノール(0.48mL、4.7mmol)の懸濁液を80℃で18時間にわたり攪拌した。得られた混合物をHO(20mL)に注ぎ、0℃に冷却し、濾過した。沈殿物を冷HOで洗浄し、真空で乾燥させて、白色固体として2−[3−(3−クロロフェニル)−7−((S)−3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(382mg、0.862mmol、92%)を得た。
【0167】
2−[3−(3−クロロフェニル)−7−((S)−3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミドに関するデータ:H NMR(300MHz,d−DMSO):δ7.87(d,1H)、7.64(d,1H)、7.62(d,1H)、7.57−7.51(m,3H)、7.44(dd,1H)、7.38(dd,1H)、6.57(s,1H)、4.66(br s,1H)、4.37(s,2H)、4.09(dd,1H)、3.92(dd,1H)、3.78(septet,1H)、3.46−3.45(m,2H)、2.08−2.02(m,1H)、1.00(d,6H)、1.00(d,3H)ppm;MS(ESI)m/z:384([M−CN])、443([M+H])、907([2M+Na])。
【0168】
b)メタンスルホン酸(R)−3−[3−(3−クロロフェニル)−2−(イソプロピルカルバモイルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−7−イルオキシ]−2−メチルプロピルエステル
【0169】
【化49】

【0170】
乾燥DCM(7.0mL)中の2−[3−(3−クロロフェニル)−7−((S)−3−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(319mg、0.720mmol)およびトリエチルアミン(0.30mL、2.16mmol)の懸濁液を0℃に冷却し、シリンジを経由してメタンスルホニルクロリド(67μL、0.86mmol)を滴下した。混合物を0℃で1時間にわたり攪拌し、メタンスルホニルクロリド(25μL、0.32mmol)の第2のアリコートを添加し、攪拌を室温で30分にわたり続けた。混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、1N HCl(水性)(20mL)、飽和NaHCO(水性)(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。水性洗浄液を酢酸エチル(20mL)で逆抽出し、組み合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)させ、濃縮して、曇った白色の固体として粗メタンスルホン酸(R)−3−[3−(3−クロロフェニル)−2−(イソプロピルカルバモイルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−7−イルオキシ]−2−メチルプロピルエステル(316mg、0.720mmol、84%)を得た。
【0171】
メタンスルホン酸(R)−3−[3−(3−クロロフェニル)−2−(イソプロピルカルバモイルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−7−イルオキシ]−2−メチルプロピルエステルに関するデータ:H NMR(300MHz,CDCl):δ7.80(d,1H)、7.47−7.37(m,5H)、7.29(dd,1H)、6.46(s,1H)、5.82(br d,1H)、4.44(s,2H)、4.33(d,2H)、4.13−4.01(m,3H)、3.00(s,3H)、2.50−2.43(m,1H)、1.15(d,6H)、1.15(d,3H)ppm;MS(ESI)m/z:462([M−CN])、521([M+H])。
【0172】
c)2−[3−(3−クロロフェニル)−7−((S)−2−メチル−3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(実施例1)
【0173】
【化50】

【0174】
乾燥アセトニトリル(3mL)中の(R)3−[3−(3−クロロフェニル)−2−(イソプロピルカルバモイルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−7−イルオキシ]−2−メチルプロピルエステル(310mg、0.595mmol)の攪拌された懸濁液にKCO(412mg、2.98mmol)およびピロリジン(150mL、1.78mmol)を添加した。混合物を還流温度で6時間にわたり加熱し、水(10mL)を添加した。得られた懸濁液を酢酸エチル(3×25mL)で抽出し、組み合わせた有機抽出物を乾燥(MgSO)させ、真空で濃縮した。MeOH:DCM:NHOH(水性)(1:18.9:0.1、v/v)によるシリカゲル上でのクロマトグラフィによる精製によって、2−[3−(3−クロロフェニル)−7−((S)−2−メチル−3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(実施例1)(146mg、0.294mmol、67%)を得た。
【0175】
2−[3−(3−クロロフェニル)−7−((S)−2−メチル−3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(実施例1)に関するデータ:H NMR(300MHz,CDCl):δ7.83(d,1H)、7.47−7.37(m,5H)、7.30(dd,1H)、6.46(s,1H)、5.91(br d,1H)、4.45(s,2H)、4.15(dd,1H)、4.07(septet,1H)、3.91(dd,1H)、2.62−2.46(br m,5H)、2.36(dd,1H)、2.21(dd,1H)、1.80−1.76(br m,4H)、1.16(d,6H)、1.11(d,3H)ppm;MS(ESI)m/z:496([M+H])、991([2M+H])、1013([2M+Na])。
【0176】
以下の化合物(実施例2から24)を似た方式で中間体IIIから調製した。
【0177】
(実施例2)
2−[7−((S)−3−ジエチルアミノ−2−メチルプロポキシ)−3−(3−フルオロフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0178】
【化51】

MS(ESI)m/z:482([M+H])(中間体III.9およびジエチルアミンから)
【0179】
(実施例3)
2−[7−((S)−3−ジメチルアミノ−2−メチルプロポキシ)−3−(3−フルオロフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0180】
【化52】

MS(ESI)m/z:454([M+H])(中間体III.9およびジメチルアミンから)
【0181】
(実施例4)
2−[7−[(S)−3−(エチルメチルアミノ)−2−メチルプロポキシ]−3−(3−メトキシフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0182】
【化53】

MS(ESI)m/z:480([M+H])(中間体III.3およびN−メチルエチルアミンから)
【0183】
(実施例5)
2−[3−(3−フルオロフェニル)−7−((S)−2−メチル−3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0184】
【化54】

MS(ESI)m/z:480([M+H])(中間体III.9およびピロリジンから)
【0185】
(実施例6)
2−[3−(3−)−7−((S)−3−ジメチルアミノ−2−メチルプロポキシ)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0186】
【化55】

MS(ESI)m/z:470/472([M+H])(中間体III.7およびジメチルアミンから)
【0187】
(実施例7)
2−[7−((S)−3−アゼチジン−1−イル−2−メチルプロポキシ)−3−(3−メトキシフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0188】
【化56】

MS(ESI)m/z:478([M+H])(中間体III.3およびアゼチジンから)
【0189】
(実施例8)
2−[7−[(S)−3−(イソブチルメチルアミノ)−2−メチルプロポキシ]−3−(3−メトキシフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0190】
【化57】

MS(ESI)m/z:508([M+H])(中間体III.3およびN−メチルイソブチルアミンから)
【0191】
(実施例9)
2−[7−((S)−3−ジエチルアミノ−2−メチルプロポキシ)−3−(3−メトキシフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0192】
【化58】

MS(ESI)m/z:494([M+H])(中間体III.3およびN−ジエチルアミンから)
【0193】
(実施例10)
N−イソプロピル−2−[3−(3−メトキシフェニル)−7−((S)−2−メチル−3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド
【0194】
【化59】

MS(ESI)m/z:492([M+H])(中間体III.3およびピロリジンから)
【0195】
(実施例11)
N−イソプロピル−2−[7−[(S)−3−(イソプロピルメチルアミノ)−2−メチルプロポキシ]−3−(3−メトキシフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド
【0196】
【化60】

MS(ESI)m/z:494([M+H])(中間体III.3およびN−メチルイソプロピルアミンから)
【0197】
(実施例12)
2−[3−(3−フルオロフェニル)−7−((S)−2−メチル−3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0198】
【化61】

MS(ESI)m/z:494([M+H])(中間体III.9およびピペリジンから)
【0199】
(実施例13)
2−[7−((S)−3−ジメチルアミノ−2−メチルプロポキシ)−3−(3−メトキシフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0200】
【化62】

MS(ESI)m/z:466([M+H])(中間体III.3およびジメチルアミンから)
【0201】
(実施例14)
N−イソプロピル−2−[3−(3−メトキシフェニル)−7−((S)−2−メチル−3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド
【0202】
【化63】

MS(ESI)m/z:506([M+H])(中間体III.3およびピペリジンから)
【0203】
(実施例15)
N−t−ブチル−2−[3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド
【0204】
【化64】

【0205】
無水アセトニトリル(5mL)中のN−t−ブチル−2−[3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−7−ヒドロキシ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド(中間体III.1)(25mg、0.063mmol)の溶液にKCO(26mg、0.189mmol)および1−ブロモ−3−クロロプロパン(6.2μL、0.63mmol)を添加した。反応混合物を還流温度で16時間にわたり加熱した。ピロリジン(53μL、0.63mmol)および追加のKCO(26mg、0.189mmol)を添加し、反応混合物を還流温度で48時間にわたり加熱した。反応混合物を濾過し、濾液を真空で濃縮した。粗残留物を分取HPLCによって精製して、HCl塩としてN−t−ブチル−2−[3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド(実施例15)塩酸塩(4.4mg、0.008mmol、13%)を得た。N−t−ブチル−2−[3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド(実施例15)塩酸塩に関するデータ:H NMR(400MHz,CDOD):δ7.76(d,1H)、7.62(d,2H)、7.38(dd,1H)、7.25−7.15(m,2H)、7.00(m,1H)、6.61(s,1H)、4.53(s,2H)、4.25(t,2H)、3.86(s,3H)、3.73(m,2H)、3.46(m,2H)、3.15(m,2H)、2.30(m,2H)、2.19(m,2H)、2.06−1.98(m,2H)、1.29(s,9H)ppm;MS(ESI)m/z:510([M+H])、1080([2M+H])。
【0206】
以下の化合物(実施例16から34)を類似の方式で中間体IIIから調製した。
【0207】
(実施例16)
2−[3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0208】
【化65】

MS(ESI)m/z:496([M+H])(中間体III.2およびピロリジンから)
【0209】
(実施例17)
N−t−ブチル−2−{3−(3−クロロフェニル)−7−[3−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−プロポキシ]−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル}−アセトアミド
【0210】
【化66】

MS(ESI)m/z:526/528([M+H])(中間体III.8および4−ヒドロキシピペリジンから)
【0211】
(実施例18)
N−イソプロピル−2−[3−(3−メトキシフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−1H−イソキノリン−2−イル]−アセトアミド
【0212】
【化67】

MS(ESI)m/z:478([M+H])(中間体III.3およびピロリジンから)
【0213】
(実施例19)
N−イソプロピル−2−[3−(3−メトキシフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)−1H−イソキノリン−2−イル]−アセトアミド
【0214】
【化68】

MS(ESI)m/z:492([M+H])(中間体III.3およびピペリジンから)
【0215】
(実施例20)
2−[7−(3−ジエチルアミノプロピル)−3−(3−メトキシフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0216】
【化69】

MS(ESI)m/z:480([M+H])(中間体III.3およびジエチルアミンから)
【0217】
(実施例21)
2−[3−(3−クロロフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0218】
【化70】

MS(ESI)m/z:496([M+H])(中間体III.7およびピペリジンから)
【0219】
(実施例22)
2−[7−(3−ジエチルアミノプロポキシ)−3−(3−メトキシフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0220】
【化71】

MS(ESI)m/z:452([M+H])(中間体III.3およびジメチルアミンから)
【0221】
(実施例23)
N−t−ブチル−2−[3−(6−メトキシピリジン−2−イル)−1−オキソ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ]−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド
【0222】
【化72】

MS(ESI)m/z:493([M+H])(中間体III.6およびピロリジンから)
【0223】
(実施例24)
N−t−ブチル−2−[3−(3−クロロフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ]−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド
【0224】
【化73】

MS(ESI)m/z:496/498([M+H])(中間体III.8およびピロリジンから)
【0225】
(実施例25)
2−[3−(3−クロロフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ]−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0226】
【化74】

MS(ESI)m/z:482/484([M+H])(中間体III.7およびピロリジンから)
【0227】
(実施例26)
N−イソプロピル−2−[1−オキソ−3−フェニル−7−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ)−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド
【0228】
【化75】

MS(ESI)m/z:462([M+H])(中間体III.10およびピペリジンから)
【0229】
(実施例27)
N−t−ブチル−2−[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピペリジン−1−イルプロポキシ]−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド
【0230】
【化76】

MS(ESI)m/z:528/530([M+H])(中間体III.11およびピペリジンから)
【0231】
(実施例28)
N−t−ブチル−2−[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド
【0232】
【化77】

MS(ESI)m/z:514/516([M+H])(中間体III.11およびピロリジンから)
【0233】
(実施例29)
N−イソプロピル−2−[3−(6−メトキシピリジン−2−イル)−1−オキソ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド
【0234】
【化78】

MS(ESI)m/z:479([M+H])(中間体III.5およびピロリジンから)
【0235】
(実施例30)
N−t−ブチル−2−[3−(3−メトキシフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ]−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド
【0236】
【化79】

MS(ESI)m/z:492([M+H])(中間体III.4およびピロリジンから)
【0237】
(実施例31)
2−{3−(3−クロロフェニル)−7−[3−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ピペリジン−1−イル)−プロポキシ]−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル}−N−イソプロピルアセトアミド
【0238】
【化80】

MS(ESI)m/z:526/528([M+H])(中間体III.7および4−ヒドロキシ−4−メチルピペリジンから)
【0239】
(実施例32)
N−t−ブチル−2−{3−(3−クロロフェニル)−7−[3−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ピペリジン−1−イル)−プロポキシ]−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル}アセトアミド
【0240】
【化81】

MS(ESI)m/z:540/542([M+H])(中間体III.8および4−ヒドロキシ−4−メチルピペリジンから)
【0241】
(実施例33)
2−[7−[3−(4−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−1−イル)−プロポキシ]−3−(3−メトキシフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0242】
【化82】

MS(ESI)m/z:522([M+H])(中間体III.3および4−ヒドロキシ−4−メチルピペリジンから)
【0243】
(実施例34)
N−t−ブチル−2−[7−[3−(4−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−1−イル)−プロポキシ]−3−(3−メトキシフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド
【0244】
【化83】

MS(ESI)m/z:522([M+H])(中間体III.4および4−ヒドロキシ−4−メチルピペリジンから)
【0245】
(実施例35)
2−[3−(3−クロロフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピペリジン−1−イルメチルフェニル)−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0246】
【化84】

a)トリフルオロメタンスルホン酸3−(3−クロロフェニル)−2−(イソプロピルカルバモイルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−7−イルエステル
【0247】
【化85】

【0248】
0℃の乾燥ピリジン(15mL)中の2−[3−(3−クロロフェニル)−7−ヒドロキシ−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(中間体III.7)(0.60g、1.6mmol)にトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.27mL、1.6mmol)を滴下した。添加後に、氷浴を取り除き、反応混合物を室温で2時間にわたり攪拌した。その後、混合物を真空で濃縮し、粗残留物をEtOAcに溶解させ、1N HCl(水性)(1×20mL)およびブライン(1×20mL)で洗浄した。有機相を乾燥(MgSO)させ、濾過し、真空で濃縮して、オレンジ色固体としてトリフルオロメタンスルホン酸3−(3−クロロフェニル)−2−(イソプロピルカルバモイルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−7−イルエステル(0.66g、1.3mmol、82%)を得た。これを更に精製せずに用いた。
【0249】
トリフルオロメタンスルホン酸3−(3−クロロフェニル)−2−(イソプロピルカルバモイルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−7−イルエステルに関するデータ:MS(ESI)、m/z:444/446([M−CN])。
【0250】
b)2−[3−(3−クロロフェニル)−7−(3−ヒドロキシメチルフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0251】
【化86】

【0252】
アセトン(2mL)および水(1mL)中のトリフルオロメタンスルホン酸3−(3−クロロフェニル)−2−(イソプロピルカルバモイルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−7−イルエステル(0.10g、0.20mmol)の溶液に3−ヒドロキシメチルフェニルボロン酸(0.10g、0.65mmol)、KCO(100mg、0.72mmol)および(PhP)Pd(20mg、0.017mmol)を添加した。容器を密封し、60℃で1時間にわたり加熱した。混合物を0℃に冷却し、濾過によって2−[3−(3−クロロフェニル)−7−(3−ヒドロキシメチルフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミドを集め、更に精製せずに次の工程で用いた。
【0253】
2−[3−(3−クロロフェニル)−7−(3−ヒドロキシメチルフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミドに関するデータ:MS(ESI)m/z:461/463([M+H])。
【0254】
c)2−[7−(3−クロロメチルフェニル)−3−(3−クロロフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド
【0255】
【化87】

【0256】
DCM(5mL)中の粗2−[3−(3−クロロフェニル)−7−(3−ヒドロキシメトキシフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(100mg、0.22mmol)の溶液にSOCl(0.5mL、6.8mmol)を添加し、反応混合物を23℃で2時間にわたり攪拌した。溶液を真空で濃縮し、溶離液としてMeOH:DCM(1:19、v/v)によるシリカゲル上でのクロマトグラフィによって粗残留物を精製して、黄色固体として2−[7−(3−クロロメチルフェニル)−3−(3−クロロフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(19mg、0.40mmol、トリフルオロメタンスルホン酸3−(3−クロロフェニル)−2−(イソプロピルカルバモイルメチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−7−イルエステルからの二工程に関して20%)を得た。
【0257】
d)2−[3−(3−クロロフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピペリジン−1−イルメチルフェニル)−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(実施例35)
【0258】
【化88】

【0259】
DCM(5mL)中の2−[7−(3−クロロメチルフェニル)−3−(3−クロロフェニル)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(19mg、0.04mmol)にピペリジン(0.5mL)を添加し、これを23℃で18時間にわたり攪拌した。混合物を真空で濃縮し、分取HPLCによって粗残留物を精製して、淡いベージュ色の固体として2−[3−(3−クロロフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピペリジン−1−イルメチルフェニル)−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(実施例35)塩酸塩(7mg、0.013mmol、33%)のHCl塩を得た。
【0260】
2−[3−(3−クロロフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピペリジン−1−イルメチルフェニル)−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミド(実施例35)塩酸塩に関するデータ:H NMR(300MHz,CDOD):δ8.64(d,1H)、8.2−7.4(m,11H)、6.71(s,1H)、4.59(s,2H)、4.42(s,2H)、3.95(septet,1H)、3.54(br d,2H)、3.05(br t,2H)、2.0−1.5(m,6H)、1.11(d,6H)ppm;MS(ESI)m/z:528/530([M+H])。
【0261】
実施例36を似た方式で調製した。
【0262】
(実施例36)
N−t−ブチル−2−[3−(3−メトキシフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピペリジン−1−イルメチルフェニル)−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド
【0263】
【化89】

MS(ESI)m/z:538([M+H])(中間体III.4およびピペリジン)
【0264】
(実施例37)
ヒトVレセプタを安定的に表現するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を試験化合物(10−10mol.L−1から10−5mol.L−1の最終検定濃度で)および[H]AVP(2.5×10−9mol.L−1の最終検定濃度で)で平衡まで培養した。ジメチルスルホキシド(DMSO)の濃度は全体を通して0.1%(v/v)を超えなかった。氷冷燐酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄後、シンチレーション流体を添加し、プレートをTopcount NXT装置で数えた。
【0265】
S字形用量反応曲線(非線形回帰、可変傾斜)を[H]AVPの%固有結合に対する試験化合物の濃度(mol.L−1)としてプロットし、K値を計算した。各決定を三回繰り返して行い、少なくとも3つの別々の場合に繰り返した。
【0266】
表1は本発明の代表的な幾つかの化合物に関して得られた結合活性を示している。
【0267】
【表1】


【0268】
アルギニンバソプレシン(AVP)による治療に反応して下垂体前葉コルチコトロピンからの副腎コルチコトロピンホルモン(ACTH)の放出を遮断する本発明の化合物の能力を測定することにより、生理的に適切な系の中でV拮抗薬として作用する本発明の化合物の能力を決定した。
【0269】
下垂体前葉コルチコトロピンをSprague−Dawley成熟雌ラットから調製し、48ウェルのプレートに接種した。化合物にさらす前に細胞を4日にわたり培養した。試験化合物を100%DMSO中で10−5mol.L−1で調製した。細胞を試験化合物の用量応答に20分にわたり供した(10−8mol.L−1から10−5mol.L−1)。検定におけるDMSOの最終濃度を0.3%で一定に保った。その後、細胞を3×10−9mol.L−1AVPに120分にわたり供した。上澄み液を採取し、−20℃で貯蔵した。その後ACTHレベルを製造業者の指示(Immunodiagnostic systems,UK(Cat NO.DX−SDX018))に従いELISAによって測定した。各処理を四回繰り返して行い、平均値を放出されたACTHの量に関して得た。その後、ACTHの基礎レベルに関して調節後に作動薬単独で拮抗作用の度合を放出されたACTHの量の%として計算した。ソフトウェアパッケージGraphPadプリズムを用いてデータに非線形(当てはめ)によりS字形用量反応(可変傾斜)曲線を当てはめることによりApIC50を計算した。各決定を少なくとも3つの別々の場合に繰り返した。
【0270】
表2は本発明の代表的な幾つかの化合物に関して得られた活性を示している。
【0271】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体、
【化90】

(式中、
は、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルC1−2アルキル、C2−6アルケニルまたはC2−6アルキニルであり、前記C1−6アルキル、C3−6シクロアルキルおよびC3−6シクロアルキルC1−2アルキルは1つ以上のハロゲンで置換されていてもよく、
は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルキルオキシおよびC3−6シクロアルキルオキシから選択される1つから3つの置換基で置換されていてもよいC6−10アリール(前記C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−6アルキルオキシおよびC3−6シクロアルキルオキシは、1つ以上のハロゲンで置換されていてもよい。)であり、またはRは、N、O、Sから選択されるヘテロ原子を含み、ならびにメチル、C1−6アルキルオキシおよびハロゲンから選択される置換基で置換されていてもよい5から10員ヘテロアリール環系であり、
は、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシおよびハロゲンから選択される任意の置換基であり、前記C1−6アルキルおよびC1−6アルキルオキシは、1つ以上のハロゲンで置換されていてもよく、
はオキソイソキノリン環の6位または7位に位置する基であり、および
【化91】

から選択され、
各Rは独立してHまたはC1−6アルキルであり、またはRの1つは、RまたはRの1つと合一した時に4から7員ヘテロ環式環を形成し、
およびRは独立してH、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C3−6シクロアルキルC1−2アルキル、C6−10アリールまたはC6−10アリールC1−2アルキルであり、またはRおよびRは、RおよびRが結合されている窒素と合一して、O、SおよびNR10から選択される更なるヘテロ原子部分を含んでいてもよい4から8員の飽和または不飽和のヘテロ環式環を形成し、前記ヘテロ環式環は、ハロゲン、ヒドロキシル、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、シアノおよびCOOR11から選択される1つまたは2つの置換基で置換されていてもよく、また前記ヘテロ環式環は、2つの隣接炭素原子でフェニル環に縮合されていてもよく、
またはRおよびRの1つはRの1つと合一した時に4から7員ヘテロ環式環を形成し、
またはRおよびRはの1つはRの1つと合一した時に5から6員ヘテロ環式環を形成し、
は、H、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシおよびハロゲンから選択される1つまたは2つの置換基であり、
またはRの1つはRおよびRの1つと合一した時に5から6員ヘテロ環式環を形成し、
またはRの1つはRと合一した時に5から6員環を形成する。
はHまたはC1−6アルキルであり、またはRはRの1つと合一した時に5から6員環を形成し、
10はH、C1−6アルキルまたはC1−6アシルであり、
11はHまたはC1−6アルキルであり、
mは2から4であり、
nは1から3であり、
XはCH、O、S、SOまたはNR12であり、
12は、H、C1−6アルキル、C1−6アシルまたはメチルもしくはメトキシで置換されていてもよいC6−10アリールC1−2アルキル基であり、
Yは、CH、(CHまたは(CHであり、
Q、T、VおよびWの1つがNであり、他はCであることを条件として、Q、T、VおよびWはCまたはNであり、
Q’、T’およびV’の1つがO、NまたはSであり、他がCであることを条件として、Q’、T’およびV’は、C、O、NおよびSから選択される。)
または該誘導体の医薬的に許容される塩または溶媒和物。
【請求項2】
が、イソプロピル、イソブチル、t−ブチルまたはシクロプロピルメチルである、請求項1に記載の2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体。
【請求項3】
が、3−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、3−メトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニルおよび4−フルオロ−3−メトキシフェニルから選択される置換フェニル環である、請求項1または2に記載の2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体。
【請求項4】
が、オキソイソキノリン環の7位にある置換基である、請求項1から3のいずれか一項に記載の2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体。
【請求項5】
が、
【化92】

(式中、RおよびRは前に定義された意味を有する。)
から選択される基である、請求項1から4のいずれか一項に記載の2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体。
【請求項6】
が、
【化93】

(式中、RおよびRは前に定義された意味を有する。)
から選択される基である、請求項1から4のいずれか一項に記載の2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体。
【請求項7】
およびRが独立してHまたはC1−4アルキルである請求項1から6のいずれか一項に記載の2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体。
【請求項8】
およびRが、RおよびRが結合されている窒素と合一して、ピロリジン、ピペリジン、3−ヒドロキシピペリジンおよびモルホリンから選択されるヘテロ環式環を形成する、請求項1から6のいずれか一項に記載の2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体。
【請求項9】
N−t−ブチル−2−[3−(4−フルオロ−3−メトキシフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド、
2−[3−(3−クロロフェニル)−7−((S)−2−メチル−3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル]−N−イソプロピルアセトアミドおよび
N−t−ブチル−2−[3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−オキソ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−1H−イソキノリン−2−イル]アセトアミド
から選択される2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体または該誘導体の医薬的に許容される塩または溶媒和物。
【請求項10】
治療において用いるための請求項1から9のいずれか一項に記載の2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体。
【請求項11】
1種以上の医薬的に許容される補助剤との混合物で、請求項1から9のいずれか一項に記載の2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体を含む医薬組成物。
【請求項12】
HPA系の活性の変調によって影響される障害または疾病の治療または予防のための薬剤の製造のための、請求項1から9のいずれか一項に記載の2−(1−オキソ−1H−イソキノリン−2−イル)アセトアミド誘導体の使用。
【請求項13】
薬剤がストレス関連障害または鬱病の治療または予防のためである、請求項12に記載の使用。

【公表番号】特表2010−502745(P2010−502745A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527606(P2009−527606)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【国際出願番号】PCT/US2007/077999
【国際公開番号】WO2008/033757
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(398057282)ナームローゼ・フエンノートチヤツプ・オルガノン (93)
【出願人】(509110622)フアーマコペイア・エル・エル・シー (8)
【Fターム(参考)】