2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルの二サッカリン塩、二フマル酸塩、二L−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩および一安息香酸塩
本発明は、2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルの塩類、それらを含む医薬組成物および治療におけるそれらの使用を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピリミジン誘導体の塩類、それらを含む医薬組成物および治療におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
免疫系は自然免疫および後天性免疫から成り、その両方が協調的に働いて、宿主を微生物感染から守る。自然免疫が免疫細胞の細胞上に発現されるトール様受容体(TLR)を介して、保存された病原体関連分子パターンを認識できることが示されている。病原体侵襲の認識が、次いでサイトカイン産生(インターフェロンアルファ(IFNα))および貪食細胞上の共刺激分子の上方制御を作動し、T細胞機能の調節に至る。それ故に、自然免疫は後天性免疫と密接に関係し、後天性応答の発展および制御に影響し得る。
【0003】
TLRは、NH2末端細胞外ロイシン・リッチ反復ドメイン(LRR)およびToll/IL−1受容体(TIR)相同性ドメインと呼ばれる保存された領域を含むCOOH末端細胞内テイルにより特徴付けられるI型膜貫通受容体のファミリーである。細胞外ドメインは変動する数のLRRを含み、それらがリガンド結合に関係すると考えられる。今日まで11種のTLRがヒトおよびマウスで記載されている。それらは互いにリガンド特異性、発現パターンおよびそれらが誘発できる標的遺伝子により異なる。
【0004】
TLRを介して作用するリガンド(免疫応答修飾因子(IRMS)としても既知)、例えば、性器疣贅の処置用医薬品Imiquimodを含む米国特許4689338に記載されているイミダゾキノリン誘導体およびWO98/01448およびWO99/28321に記載されているアデニン誘導体が既に開発されている。
【0005】
WO2009/067081は、ウイルス性またはアレルギー性疾患および癌の処置に有用なTLR7を介して作用する免疫調節特性を有するピリミジン誘導体群を記載する。
【0006】
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルおよびそのある種の塩類が、2008年11月21日に出願され、WO2009/067081として公開されている国際特許出願番号PCT/SE2008/051334の実施例57に記載されている。
【0007】
医薬原体の製剤において、医薬原体(活性化合物)が簡単に加工および取り扱いできる形態であるのが重要である。これは、医薬原体自体の産業上価値のある製造方法を確立する点からだけでなく、その後の活性化合物および適当な添加剤を含む医薬製剤の製造の点からも重要である。これに関連して、活性化合物の化学的安定性および物理的安定性は重要な因子である。活性化合物、およびそれを含む製剤は、活性化合物の物理化学的特性(例えば化学組成、密度、吸湿性および溶解性)が顕著に変わらずに、相当期間有効に貯蔵できなければならない。
【0008】
さらに、活性化合物を、例えばTurbuhaler(登録商標)デバイスのような乾燥粉末吸入器を介する肺投与用製剤に取り込まればならないとき、活性化合物が、良好な流動特性を有し、かつ高微粒子画分(すなわち活性化合物粒子が10μm(マイクロメーター)以下の質量中央径(MMD)を有する画分)を含む粉末を得るために容易に微粉化できることが望まれる。かかる画分は肺の深部まで送達でき、活性化合物の迅速かつ増大された吸収をもたらす。
【0009】
当業者は理解することであるが、典型的に、医薬物質が、例えば安定な結晶形態のような、安定な形態で容易に得ることができれば、適節な医薬製剤の取り扱いの容易さ、製造の容易さおよび長期貯蔵寿命ならびにより信頼できる溶解性プロファイルの点で利益をもたらし得る。
【発明の概要】
【0010】
本発明により、遊離塩基化合物と比較して物理化学的特性が改善された2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルのある種の塩類を製造することができ、驚くべきことにそれが鼻/肺投与用乾燥粉末製剤に製剤できることが判明した。
【0011】
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(以後“化合物(I)”)の構造を以下に示す:
【化1】
【0012】
それ故に、本発明によって、化合物(I)(活性医薬成分、API)の安息香酸塩、trans−桂皮酸塩、メタンスルホン酸塩、二サッカリン塩、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸塩、1,5−ナフタレンスルホン酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、フマル酸塩、L−酒石酸塩またはコハク酸塩が提供される。
【0013】
本発明の文脈で、用語“塩”は、APIと酸がイオン化しているか、または両方の成分が、組み合わさり、均一な結晶性物質(共結晶)を形成するように、水素結合のような顕著な分子間相互作用を使用する、結晶性物質と定義する。本発明の塩は部分的にイオン性であり、かつ部分的に共結晶であり得ることは認識される。
【0014】
他の面において、本発明は、下の実施例20の適当な表I〜XIXに示す特徴的X線粉末回折ピーク(2θ度で示す)を示す、化合物(I)の安息香酸塩、trans−桂皮酸塩、メタンスルホン酸塩、二サッカリン塩、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸塩、1,5−ナフタレンスルホン酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、フマル酸塩、L−酒石酸塩またはコハク酸塩を提供する。
【0015】
特に断らない限り、ここに記載する全てのX線粉末回折データは、実施例に記載するCuKα放射により得た。
【0016】
本発明はまた、本発明の塩類の溶媒和物(水和物を含む)も提供する。しかしながら、本発明の塩類は好ましくは非水和物であり、好ましくは非溶媒和形態である。
【0017】
本発明の一態様において、本発明の塩またはその溶媒和物は結晶特性を有し、好ましくは少なくとも50%結晶、より好ましくは少なくとも60%結晶、さらに好ましくは少なくとも70%結晶、最も好ましくは少なくとも80%結晶である。結晶化度は、慣用のX線回折法技術により概算できる。
【0018】
本発明の他の態様において、塩またはその溶媒和物は50%、60%、70%、80%または90%〜95%、96%、97%、98%、99%または100%結晶である。
【0019】
特にことわらない限り、本発明の塩類の化合物(I)対酸化学量論比は、例えば2:1〜1:2で、または1:1のようなその間の任意の比率で変わり得る。化合物(I)対酸比が1:1である好ましい本発明の塩類の例は、安息香酸、trans−桂皮酸、メタンスルホン酸、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、1,5−ナフタレンスルホン酸、クエン酸、リン酸、フマル酸、L−酒石酸およびコハク酸の塩であり、また化合物(I)対酸比が1:2である塩は、サッカリン(すなわち二サッカリン塩)、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(すなわち二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩)、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(すなわち二(2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸塩))、リン酸(すなわち二リン酸塩)またはコハク酸(すなわち二コハク酸塩)の塩を含む。他の適当な塩は、フマル酸の1:2塩(すなわち二フマル酸塩)である。
【0020】
我々は、化合物(I)の二サッカリン塩、二フマル酸塩、二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩および安息香酸塩が、高温多湿(例えば40℃および75%相対湿度)の条件下で貯蔵したとき、良好な固体状態化学安定性を示すことを、驚くべきことに発見した。加えて、二サッカリン塩とラクトース一水和物の混合物および二フマル酸塩とラクトース一水和物の混合物の安定性試験はまた、これらの塩類が、吸入薬の製剤に使用される一般的担体であるラクトース一水和物の存在下で特に安定であることも示した。これらの塩類の安定性は、本明細書の実施例に示す。これらの塩類はそれ故に、例えば、貯蔵安定性改善を示すことが期待されるために、有益であることが期待される。
【0021】
従って、本発明の一つの態様において、化合物(I)の二サッカリン塩、二フマル酸塩、二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩または安息香酸塩が提供される。
本発明の他の態様において、化合物(I)の二サッカリン塩、二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩または安息香酸塩が提供される。
【0022】
本発明の他の態様において、化合物(I)の二サッカリン塩、二フマル酸塩または安息香酸塩が提供される。
他の態様において、化合物(I)の二サッカリン塩または二フマル酸塩が提供される。
【0023】
化合物(I)の二サッカリン塩類
本発明の他の態様において、化合物(I)の二サッカリン塩が提供される。
我々は、化合物(I)の二サッカリン塩が多くの結晶形態を示すことを発見した。二サッカリン塩の一つの結晶形態は、以後“化合物(I)の二サッカリン塩形態A”と呼ぶが、
実質的に図4に示すX線粉末回折パターンを示す。形態Aの最も顕著なピークを、実施例の表IVに示す。化合物(I)の二サッカリン塩形態Aは、この塩の最も熱力学的に安定は結晶形態であると考えられる。
【0024】
従って本発明のさらなる面は、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aを提供する。
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aが提供され、該形態Aが、2θ約9.2°、14.9°または15.2°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することにより特徴付けられる。
【0025】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aが提供され、該形態Aが、2θ約9.2°、10.3°、11.4°、12.8°、14.9°、15.2°、22.9°または23.4°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することにより特徴付けられる。
【0026】
本発明のさらなる面によって、t化合物(I)の二サッカリン塩形態Aが提供され、該形態Aが2θ約9.2°、14.9°および15.2°に特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することにより特徴付けられる。
【0027】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aが提供され、該形態Aが2θ約9.2°、10.3°、11.4°、12.8°、14.9°、15.2°、22.9°および23.4°に特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することにより特徴付けられる。
【0028】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aが提供され、該形態Aが実質的に図4に示すX線粉末回折パターンを有することにより特徴付けられる。
【0029】
示差走査熱量計(DSC)(条件は実施例部分に記載する通り)で加熱したとき、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aは、図20に記載する通り、約124℃の開始温度および約127℃のピーク温度を有する融解吸熱を示す。
【0030】
本発明のさらなる面によって、(i)化合物(I)と約2モル当量のサッカリンを酢酸エチル中で反応させ、そして(ii)該形態Aを結晶化させることを含む、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aの製造方法を提供する。
工程(i)の反応は、好都合には環境温度で行う。
【0031】
工程(ii)における形態Aの結晶化は、塩形成後自発的に起こり得る。この場合得られた塩の懸濁液を十分な結晶化が起こるように撹拌することが必要であり得る。塩スラリーの撹拌は、好都合には環境温度で行う。一般に、酢酸エチル中、数日間、例えば1〜10日間、例えば約6日間の塩スラリーの撹拌により結晶形態Aが提供される。
【0032】
本発明のさらなる面によって、(i)化合物(I)と約2モル当量のサッカリンをアセトニトリル中で反応させ;(ii)反応混合物を濃縮し;そして(iii)該形態Aを酢酸エチルから結晶化させることを含む、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aの別の製造方法が提供される。
【0033】
工程(i)の反応は、好適には環境温度で行う。
工程(ii)における混合物の濃縮は、例えば、アセトニトリルを幾分かまたは全て留去することにより達成し得る。
【0034】
工程(iii)の形態Aの結晶化は、例えば、塩のスラリーまたは溶液を酢酸エチル中で撹拌することにより行い得る。塩スラリー/溶液の撹拌は、好都合には環境温度で行う。一般に酢酸エチル中で数日間、適当には1〜10日間、例えば2〜7日間の撹拌により結晶形態Aが提供される。
【0035】
化合物(I)の二サッカリン塩形態Aの形成をもたらす具体的な反応条件を実施例に説明する。
【0036】
上記の工程における形態Aの結晶化は、形態Aの種晶添加により促進され得る。種晶は、実施例に記載する方法の一つを使用して得てよい。種晶の使用は、塩の大規模製造に特に有利である。種晶添加は、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aを得るための別の溶媒および方法条件の使用を可能にもし得る。
【0037】
従って、一つの態様において、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aを:
(i)化合物(I)をアセトニトリルに溶解し、約2モル当量のサッカリンと反応させ;
(ii)混合物の温度を約40℃に維持しながら酢酸エチルを添加し;
(iii)化合物(I)の二サッカリン塩形態Aの結晶を混合物に種晶添加し;
(iv)混合物を冷却し;そして
(v)化合物(I)の二サッカリン塩形態Aを単離する
ことにより製造する。
【0038】
種晶添加に続く工程(ii)において、混合物を、適切には結晶化を可能にする時間、例えば約5時間撹拌する。工程(iv)において、混合物をさらなる結晶化を促進するために冷却する。一つの態様において、混合物を約10〜20℃に冷却する。一つの態様において、混合物を約20℃に冷却する。他の態様において、混合物を、最初に約35℃に、次いでさらに約15℃に段階的に冷却する。第一段階において約35℃に冷却後、混合物を約4時間撹拌し、約15℃に冷却する。続いて、混合物を、適切にはさらに約2時間撹拌して、形態Aを単離する。場合により、塩をアセトニトリルに溶解し、上記工程(ii)〜(v)を繰り返すことにより再結晶する方法で、再結晶し得る。
【0039】
二サッカリン塩の他の結晶形態は、以後“化合物(I)の二サッカリン塩形態B”と呼ぶが、実質的に図5に示すX線粉末回折パターンを提示する。形態Bの最も顕著なピークを、実施例の表Vに示す。
従って、本発明のさらなる面は、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bを提供する。
【0040】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bが提供され、該形態Bが、2θ約12.0°、12.5°、16.4°または19.8°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする。
【0041】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bが提供され、該形態Bが、2θ約7.0°、10.8°、12.0°、12.5°、13.9°、16.4°、17.3°または19.8に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする°。
【0042】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bが提供され、該形態Bが2θ約12.0°、12.5°、16.4°および19.8°に特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする。
【0043】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bが提供され、該形態Bが2θ約7.0°、10.8°、12.0°、12.5°、13.9°、16.4°、17.3°および19.8°に特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする。
【0044】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bが提供され、該形態Bは実質的に図5に示すX線粉末回折パターンを有する。
【0045】
示差走査熱量計(DSC)(条件は実施例部分に記載する通り)で加熱したとき、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bは、図21に記載する通り約106℃の開始温度および約110℃のピーク温度を有する融解吸熱を示す。
【0046】
化合物(I)の二サッカリン塩形態Bは、化合物(I)と約2モル当量のサッカリンを酢酸エチルまたはアセトニトリル中で反応させることを含む方法により製造し得る。次いで、形態Bを、実施例に記載する特定の条件を使用して酢酸エチルから結晶化させ得る。形態Bの結晶化は、形態Bの結晶を塩スラリーに種晶添加により促進され得る。種晶は、実施例に記載する方法の一つを使用して得てよい。
【0047】
化合物(I)の二フマル酸塩
本発明の他の態様において、化合物(I)の二フマル酸塩が提供される。
化合物(I)の二フマル酸塩は結晶であり、実質的に図19に示すX線粉末回折パターンを示す。二フマル酸塩の最も顕著なピークを、実施例の表XIXに示す。
【0048】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二フマル酸塩が提供され、該塩が、2θ約9.1°、14.2°、15.8°または20.4°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする。
【0049】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二フマル酸塩が提供され、該塩が、2θ約7.8°、9.1°、14.2°、15.8°、18.7°、19.0°、20.4°または24.7°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする。
【0050】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二フマル酸塩が提供され、該塩が2θ約9.1°、14.2°、15.8°および20.4°に特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする。
【0051】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二フマル酸塩が提供され、該塩が2θ約7.8°、9.1°、14.2°、15.8°、18.7°、19.0°、20.4°および24.7°に特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする。
【0052】
他の態様において、化合物(I)の二フマル酸塩が提供され、該塩は実質的に図19に示すX線粉末回折パターンを有する。
【0053】
重量分析蒸気収着(実施例部分に記載するDVS)を使用する水分収着測定は、化合物(I)二フマル酸塩がわずかに吸湿性であることを示した(80%相対湿度で0.2−2%w/w吸湿、図22参照)。
【0054】
本発明のさらなる面によって、(i)化合物(I)と約2モル当量のフマル酸をアセトニトリル、またはアセトニトリルとテトラヒドロフランの混合物(THF)で反応させて、二フマル酸塩を形成させ;そして(ii)二フマル酸塩をジエチルエーテルから結晶化させることを含む、化合物(I)の二フマル酸塩の製造方法が提供される。
【0055】
工程(i)の反応は、好都合には環境温度で行う。好都合には、フマル酸をTHFに溶かしてよい。そして、この溶液を、化合物(I)のアセトニトリル溶液に添加する。あるいは、フマル酸を化合物(I)の溶液に固体として添加してよい。反応後、二フマル酸塩を、例えば、溶媒を蒸発させることにより単離し得る。
【0056】
工程(ii)の結晶化は、好都合には塩をジエチルエーテル中でスラリー化して行う。結晶二フマル酸塩が、スラリーを環境温度で数日間、例えば約5〜7日間撹拌した後に観察される。
【0057】
本発明のさらなる面によって、(i)化合物(I)と約2モル当量のフマル酸をエタノールで反応させ;そして(ii)二フマル酸塩を、例えば適当な貧溶媒、例えば酢酸イソプロピルの添加により沈殿させることを含む、化合物(I)の二フマル酸塩の製造方法が提供される。
【0058】
二フマル酸塩の結晶化は、混合物への二フマル酸塩結晶の種晶添加により促進され得る。種晶は、実施例に記載する方法の一つを使用して製造してよい。種晶添加を、二フマル酸塩の結晶化を開始させるために使用するとき、結晶化用に広範囲の溶媒および貧溶媒を使用することが可能となり得る。例えば、二フマル酸塩はアルコール、例えばメタノールまたはエタノールから結晶化し得る。好都合には、種晶添加を使用するとき、二フマル酸塩を、結晶化を起こすための適当な貧溶媒を使用して、メタノールまたはエタノールから結晶化させ得る。適当な貧溶媒は、例えばエステル、例えば酢酸イソプロピルを含む。溶媒/貧溶媒系、例えばメタノール/酢酸イソプロピルと種晶添加の併用が、大規模な二フマル酸塩の製造のための簡便な方法を提供すると予測される。従って一つの態様において、二フマル酸塩を:
(i)化合物(I)をエタノールに溶解し、約2モル当量のフマル酸と反応させ;
(ii)混合物の温度を約30℃に維持しながら酢酸イソプロピルを添加し;
(iii)化合物(I)の二フマル酸塩の結晶を混合物に種晶添加し;
(iv)さらに酢酸イソプロピルを添加し、混合物を約20℃に冷却し;そして
(v)化合物(I)の二フマル酸塩を単離する
ことにより製造する。
【0059】
適切には、工程(i)において化合物(I)を約6容積比のエタノールに溶解する。工程(ii)において、適切には約2.8容積比の酢酸イソプロピルを混合物に添加する。工程(iii)において、混合物を適切には種晶添加後約2.5時間撹拌して、結晶化を起こさせる。工程(iv)において、適切には、約3.2容積比の酢酸イソプロピルを混合物に添加する。そして、混合物を適切には約1時間撹拌する。
【0060】
化合物(I)の二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩
本発明の他の態様において、化合物(I)の二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩が提供される。
化合物(I)の二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩は結晶であり、実質的に図6に示すX線粉末回折パターンを示す。二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩の最も顕著なピークを、実施例の表VIに示す。
【0061】
他の態様において、化合物(I)の二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩が提供され、該塩は、2θ約8.3°、16.6°、19.4°または23.4°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有する。
【0062】
他の態様において、化合物(I)の二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩が提供され、該塩は、2θ約8.3°、9.5°、11.5°、11.8°、12.8°、13.6°、16.6°、16.9°、19.4°または23.4°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有する。
【0063】
他の態様において、化合物(I)の二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩が提供され、該塩は、2θ約8.3°、16.6°、19.4°および23.4°に特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有する。
【0064】
他の態様において、化合物(I)の二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩が提供され、該塩は、2θ約8.3°、9.5°、11.5°、11.8°、12.8°、13.6°、16.6°、16.9°、19.4°および23.4°に特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有する。
【0065】
他の態様において、化合物(I)の二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩が提供され、該塩は、実質的に図6に示すX線粉末回折パターンを有する。
【0066】
本発明のさらなる面によって、(i)化合物(I)と約2モル当量の1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸をアセトニトリル中で反応させ;(ii)工程(i)の混合物を濃縮し;そして(iii)化合物(I)の1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩を結晶化させることを含む、化合物(I)の二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩の製造方法を提供する。
【0067】
工程(ii)における混合物の濃縮は、溶媒を幾分かまたは全て、例えば蒸発または蒸留により除去することにより達成し得る。適切には、工程(iii)において、実施例に記載する通り、塩は、例えば、塩を少量の酢酸エチル中で数日間(例えば1〜7日間)スラリー化することにより結晶化する。塩の結晶化は、該塩の結晶を混合物に種晶添加することにより促進され得る。種晶は、実施例に記載する方法の一つを使用して製造してよい。
【0068】
化合物(I)の安息香酸塩
本発明の他の態様において、化合物(I)の安息香酸塩が提供される。この態様の安息香酸塩は、化合物(I)との1:1塩、すなわち化合物(I)の一安息香酸塩である。化合物(I)の一安息香酸塩は結晶であり、実質的に図1に示すX線粉末回折パターンを示す。一安息香酸塩の最も顕著なピークを、実施例の表Iに示す。
【0069】
他の態様において、化合物(I)の一安息香酸塩が提供され、該塩は、2θ約6.3°、9.3°、17.8°または23.8°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有する。
【0070】
他の態様において、化合物(I)の一安息香酸塩が提供され、該安息香酸塩が、2θ約6.3°、7.2°、9.3°、12.6°、15.6°、17.8°、19.8°、22.2°、23.8°または24.5°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする。
【0071】
他の態様において、化合物(I)の一安息香酸塩が提供され、該塩は、2θ約6.3°、9.3°、17.8°および23.8°に特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有する。
【0072】
他の態様において、化合物(I)の一安息香酸塩が提供され、該塩が2θ約6.3°、7.2°、9.3°、12.6°、15.6°、17.8°、19.8°、22.2°、23.8°および24.5°に特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする。
【0073】
他の態様において、化合物(I)の一安息香酸塩が提供され、該塩は、実質的に図1に示すX線粉末回折パターンを有する。
【0074】
本発明のさらなる面によって、(i)化合物(I)と約1モル当量の安息香酸をアセトニトリル中で反応させ;(ii)工程(i)の混合物を濃縮し;そして(iii)化合物(I)の一安息香酸塩を結晶化させることを含む、化合物(I)の一安息香酸塩の製造方法が提供される。
【0075】
工程(ii)における混合物の濃縮は、溶媒を幾分かまたは全て、例えば蒸発または蒸留により除去することにより達成し得る。適切には、工程(iii)において、実施例に記載の通り、塩を、例えば、該塩を少量のアセトニトリル中にスラリー化することにより結晶化させ得る。塩の結晶化は、該塩の結晶を混合物に種晶添加することにより促進され得る。種晶は、実施例に記載する方法の一つを使用して製造してよい。
【0076】
本発明の特定の態様において、化合物(I)の塩類の個々の結晶形態は、化合物(I)のその塩の他の結晶形態を実質的に含まない。例えば記載した結晶の化合物(I)の二サッカリン塩形態Aは、形態Bのような化合物(I)の二サッカリン塩の他の結晶形態を30重量%未満、20重量%未満、15重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、3重量%未満または特に1重量%未満含む。従って、一つの態様において、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aは、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bを実質的に含まない。
【0077】
本発明の特定の態様において、塩の化学量論が、具体的に、例えば1:1化合物(I)対酸塩(すなわち一酸塩)または1:2化合物(I)対酸塩(すなわち二酸塩)と記載されているとき、その塩は、適切には、他の化学量論の塩類を実質的に含まない。例えば、化合物(I)の二フマル酸塩は、一フマル酸塩を実質的に含まない。適切には、化合物(I)の特定の塩は、異なる化学量論の塩類を、30重量%未満、20重量%未満、15重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、3重量%未満または特に1重量%未満含む。
【0078】
本明細書で、塩類が、“2θ約・・・に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターン”を有すると記載されているとき、該塩のXRPDは、列記した2θ値の1個以上を含み得る。例えば記載した2θ値の1個以上、2θ値の2個以上または2θ値の3個以上を含み得る。
【0079】
化合物(I)の塩類の結晶形態のX線粉末回折ピークを規定する前段落において、当業者には当然であるが、ピークの厳密な位置(すなわち列挙した2シータ角値)が測定装置毎、サンプル毎または使用した測定条件の僅かな差の結果として僅かに変わり得るため、ピークの厳密な位置を絶対的数値として解釈してはならないことを示すために“2θ約・・・”なる表現において、用語“約”を使用する。前段落では、化合物(I)の結晶塩類が、図1、4、5、6および19に示すX線粉末回折パターンと‘実質的に’同じX線粉末回折パターンを有し、表I、IV、V、VIおよびXIXに示す最も顕著なピーク(2シータ角値)を実質的に有するとも述べている。この文脈での用語‘実質的に’の使用はまた、X線粉末回折パターンの2シータ角値が装置毎、サンプル毎またはまたは使用した測定条件の僅かな差の結果として僅かに変わり得るため、図または表に引用されたピーク位置もまた絶対的数値として解釈すべきではないことを示すこと意図することは理解されるべきである。
【0080】
X線粉末回折の当業者は、ピークの相対強度は、例えば、サンプルの解析に影響し得る約30マイクロメーターの大きさを超える粒および非均一縦横比により影響を受け得ることを認識する。さらに、強度は実験条件およびサンプル調製、例えばサンプル中の好ましい粒子配向により変動し得ることも理解されるべきである。自動化または固定化発散スリットも相対強度計算に影響する。当業者は、回折パターンを比較するときかかる影響を処理できる。
【0081】
X線粉末回折の当業者はまた、サンプル高の差異および検出位置の較正における誤差のために、2θ位置の僅かなシフトが起こることも認識する。一般に、ある値からの±0.1°の差異は正しいと見なされる。
【0082】
当業者はまた、DSCにより測定した融点の僅かな差異が、サンプル純度、サンプル調製および測定条件(例えば加熱速度)の変化の結果として起こり得ることも認識する。融点の別の示数が他のタイプの装置によりまたは以下に記載する条件と異なる条件を使用して示され得ることも認識する。それ故にここに引用する融点および吸熱数は絶対的数値と解釈してはならず、かかる測定誤差をDSCデータ皆尺寺には考慮しなければならない。典型的に、融点は±5℃以内で変動し得る。
【0083】
ここに記載する化合物(I)の塩類はまた、他の適当な分析技術、例えばNIR分光学または固体状態核磁気共鳴分光学を用いて、特徴付けしてもよくおよび/または他の物理形態と区別してもよい。
ここに記載する化合物(I)の塩類の化学構造は、慣用法により、例えばプロトン核磁気共鳴(NMR)分析により確認できる。
【0084】
化合物(I)の製造
ここに記載する塩類の製造に使用する遊離塩基(すなわち化合物(I))は、WO2009/067081の実施例57に記載する通りに製造し得る。化合物(I)はまた本明細書の実施例に記載する通り製造し得る。化合物(I)の一つの具体的製造方法を反応スキーム1に示し、そこではまた化合物(I)二サッカリン塩形態Aの最終生成も示す。
【0085】
【化2】
【0086】
反応スキーム1の具体的な反応条件を実施例にさらに詳しく記載する。具体的な反応条件および溶媒などは反応スキーム1に記載する合成方法を限定しないと解釈すべきである。従って、別の反応条件が、反応スキーム1に記載した方法を使用した化合物(I)の製造に適するかもしれない。
【0087】
例えば反応スキーム1の一つの独立した面において、工程(i)において、3−ヒドロキシ−2−メチレン酪酸メチルと2−(4−ブロモフェニル)アセトニトリルのカップリング反応を適当なパラジウム触媒および塩基の存在下で行う。適切には、パラジウム触媒は例えば、PdCl2[P(o−tol)3]2(反応スキーム1に記載する通り)、Pd[P(t−Bu)3]2、Pd(OAc)2とトリフェニルホスフィン、またはPd(OAc)2とテトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)である。塩基は、例えば、有機アミン塩基または無機塩基であり得る。有機アミン塩基の例は、トリエチルアミンおよびN,N−ジシクロヘキシルメチルアミンを含む。無機塩基の例は、適当なカーボネート塩基、例えば重炭酸ナトリウムを含む。本反応は、好都合には適当な溶媒、例えば極性非プロトン性溶媒、例えばテトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、プロピオニトリルまたはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)の存在下で行う。反応温度は70−80℃またはTHFの場合溶媒の還流温度であり得る。
【0088】
例えば反応スキーム1の他の独自の観点から、工程(iii)における、工程(ii)の生成物(2−(4−((2−アミノ−4−ヒドロキシ−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)アセトニトリル)の反応を、アリールスルホニルハライドと、塩基の存在下で行い得る。適切には、アリールスルホニルハライドは、例えば、置換ベンゼンスルホニルハライド、例えば2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロライド(IPBsCl−反応スキーム1に記載する通り)、2,4−ジメトキシベンゼンスルホニルクロライド、4−メトキシベンゼンスルホニルクロライドまたは2−メシチレンスルホニルクロライド(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルクロライド)である。塩基は、例えば、有機アミン塩基または無機塩基であり得る。有機アミン塩基の例は、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン(TMPDA)、TMPDAと触媒量のN−メチルイミダゾール(NMI)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)と触媒量のNMIまたはトリメチルアミンヒドロクロライと2乃至3倍モル比のトリエチルアミンであり得る。無機塩基の例は、適当なカーボネート塩基、例えば炭酸カリウムを含む。溶媒は極性非プロトン性溶媒または芳香族炭化水素であり得る。本反応は、好都合には適当な溶媒、例えば極性非プロトン性溶媒、例えばアセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)または2−メチルテトラヒドロフラン;または芳香族炭化水素、例えばトルエンの存在下で行う。
【0089】
疾患および医学的状況
本発明の塩類(溶媒和された形態を含む)は、TLR7活性のモジュレーターとして有用であり、故に、ヒトを含む哺乳動物に、以下の状態または疾患を処置するために投与し得る:
1. 呼吸器:気管支、アレルギー性、内因性、外因性、運動誘発性、薬剤誘発性(アスピリンおよびNSAID誘発性を含む)および粉塵誘発性喘息を含み、間欠性および永続性両方の、および全ての重症度の、および他の気道過敏反応性が原因のものを含む喘息を含む気道の閉塞性疾患;慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性および好酸球性気管支炎を含む気管支炎;肺気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;過敏性肺炎;原因不明線維化肺胞炎、特発性間質性肺炎、抗新生物治療および結核およびアスペルギルス症および他の真菌感染症を含む慢性感染症に付随する線維症を含む肺線維症;肺移植の合併症;肺脈管構造の血管炎性および血栓性障害および肺高血圧;気道の炎症状態および分泌状態と関連する慢性咳および医原性咳の処置を含む鎮咳活性;薬物性鼻炎、および血管運動性鼻炎を含む急性および慢性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)を含む通年性および季節性アレルギー性鼻炎;鼻のポリープ症;感冒、および呼吸器多核体ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)およびアデノウイルスによる感染症を含む急性ウイルス性感染症;
【0090】
2. 皮膚:乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎または他の湿疹性皮膚炎、および遅延型過敏症反応;植物性および光皮膚炎;脂漏性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、光線性角化症、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイド、円板状エリテマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、脈管炎、毒性紅斑、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症、男性型禿頭、スウィート症候群、ウェーバー・クリスチャン症候群、多形性紅斑;感染性および非感染性の蜂巣炎;脂肪織炎;皮膚リンパ腫、非黒色腫性皮膚癌および他の形成異常性病変;固定薬疹を含む薬物誘発性障害;
【0091】
3. 眼:眼瞼炎;通年性および春季アレルギー性結膜炎を含む結膜炎;虹彩炎;前部および後部ブドウ膜炎;脈絡膜炎;網膜に影響する自己免疫性、変性または炎症性障害;交感神経性眼炎を含む眼炎;サルコイドーシス;ウイルス性、真菌性、および細菌性を含む感染症;
【0092】
4. 尿生殖器:間質性および糸球体腎炎を含む腎炎;ネフローゼ症候群;急性および慢性(間質性)膀胱炎およびハンナー潰瘍を含む膀胱炎;急性および慢性尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎、卵巣炎および卵管炎;外陰部腟炎;ペイロニー病;勃起不全(男女両方);
【0093】
5. 同種移植片拒絶反応:例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚または角膜の移植後または輸血後の急性および慢性拒絶反応;または慢性移植片対宿主病;
【0094】
6. リウマチ性関節炎、過敏性腸症候群、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、真性糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、抗リン脂質抗体症候群およびセザリー(Sazary)症候群を含む他の自己免疫およびアレルギー性障害;
【0095】
7. 腫瘍学:前立腺、乳房、肺、卵巣、膵臓、腸および結腸、胃、皮膚および脳の腫瘍および骨髄(白血病を含む)およびリンパ増殖系に影響する悪性腫瘍、例えばホジキンおよび非ホジキンリンパ腫を含む一般的な癌の処置;転移疾患および腫瘍再発および新生物随伴症候群の予防および処置を含む;および
【0096】
8. 感染症:ウイルス性疾患、例えば性器疣贅、尋常性疣贅、足底疣贅、B型肝炎、C型肝炎、単純ヘルペスウイルス、伝染性軟属腫、痘瘡、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザ、パラインフルエンザ;結核およびマイコバクテリウム・アビウムのような細菌性疾患、ハンセン病;他の感染症、例えば真菌性疾患、クラミジア、カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカス髄膜炎、ニューモシスティス・カリニ、クリプトスポリジウム症、ヒストプラスマ症、トキソプラズマ症、トリパノゾーマ感染およびリーシュマニア症。
【0097】
それ故に、本発明は、治療に使用するための、ここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物を提供する。
【0098】
さらなる面において、本発明は、治療用医薬の製造における、ここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物の使用を提供する。
【0099】
本明細書の文脈において、用語“治療”は、また、これに反する具体的指示がない限り、“予防”を含む。用語“治療上”および“治療的”はこれに従い解釈すべきである。
【0100】
予防は、当該疾患または状態の前駆事象を有するかまたは他の方法でリスクが高いと見なされるヒトの処置に特に適切であることが期待される。特定の疾患または状態を発症するリスクのあるヒトは、一般に、該疾患または状態の家族歴を有するかまたは遺伝子試験またはスクリーニングで該疾患または状態に特に感受性であることが同定されているヒトを含む。
【0101】
特に、本発明の塩類(溶媒和された形態を含む)は喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、癌、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HPV、細菌感染症および皮膚疾患の処置に使用し得る。加えて、本塩類はまたワクチンアジュバントとして有用であり得る。
【0102】
従って、本発明のさらなる面として、喘息、COPDまたはアレルギー性鼻炎の処置に使用するための、ここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物が提供される。
【0103】
本発明のさらなる面として、喘息の処置に使用するためのここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物が提供される。
【0104】
本発明のさらなる面として、COPDの処置に使用するためのここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物が提供される。
【0105】
本発明のさらなる面として、アレルギー性鼻炎の処置に使用するためのここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物が提供される。
【0106】
本発明のさらなる面として、ワクチンアジュバントとして使用するためのここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物が提供される。
【0107】
本発明のさらなる面として、喘息、COPDまたはアレルギー性鼻炎の処置用医薬の製造におけるここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物の使用が提供される。
【0108】
本発明のさらなる面として、喘息の処置用医薬の製造におけるここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物の使用が提供される。
【0109】
本発明のさらなる面として、COPDの処置用医薬の製造におけるここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物の使用が提供される。
【0110】
本発明のさらなる面として、アレルギー性鼻炎の処置用医薬の製造におけるここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物の使用が提供される。
【0111】
本発明のさらなる面として、疾患または状態の処置のためのワクチンの製造における、ワクチンアジュバントとしてのここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物の使用が提供される。
【0112】
本発明はそれ故に、炎症性疾患を、該疾患に罹患しているかまたは罹患するリスクのある患者において処置する方法であって、治療有効量のここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物を投与することを含む方法を提供する。
【0113】
本発明はまた、気道疾患、例えば可逆性閉塞性気道疾患、例えば喘息を、該疾患に罹患しているかまたは罹患するリスクのある患者において処置する方法であって、治療有効量のここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物を投与することを含む方法を提供する。
【0114】
本発明は、なおさらに、異常細胞増殖を含むまたはそれに起因する疾患または状態(例えば癌)を処置するまたはリスクを軽減する方法であって、それを必要とする患者に治療有効量のここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物を投与することを含む、方法を提供する。
【0115】
本発明は、なおさらに、疾患または状態を処置する、またはそのリスクを軽減する方法であって、それを必要とする患者に治療有効量のワクチンおよびここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物を投与することを含む、方法を提供する。
【0116】
本発明は、なおさらに、患者におけるワクチンに対する応答を高める方法であって、それを必要とする患者に治療有効量のワクチンおよびここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物を投与することを含む方法を提供する。
【0117】
上記の治療使用のために使用される投与量は、当然、用いる塩、投与方式、望む処置および指示される障害により変わる。例えば、(溶媒和されている)塩の1日投与量は、吸入されるならば、0.05マイクログラム/キログラム体重(μg/kg)〜100マイクログラム/キログラム体重(μg/kg)の範囲であり得る。例えば約0.1〜100μg/kgの投与量、例えば約0.1、0.5、1、2、5、10、20、50または100μg/kgの投与量。あるいは、(溶媒和されている)塩を経口で投与するならば、1日投与量は0.01マイクログラム/キログラム体重(μg/kg)〜100ミリグラム/キログラム体重(mg/kg)の範囲であり得る。
【0118】
ここに記載する投与量は、遊離塩基としての化合物(I)についてである。従って、遊離塩基と比較して塩の分子量が増加するため、特定の塩の対応投与量は多くなる。
【0119】
本発明の塩類はそれ自体で投与してよいが、一般に、本塩またはその溶媒和物(活性成分)が薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と組み合わさっている医薬組成物の形態で投与する。適当な医薬製剤の選択および製造の慣用法は、例えば、“Pharmaceuticals - The Science of Dosage Form Designs", M. E. Aulton, Churchill Livingstone, 1988に記載されている。
【0120】
投与方式によって、医薬組成物は0.05〜99%w(重量パーセント)、より好ましくは0.05〜80%w、さらに好ましくは0.10〜70%w、さらに好ましくは0.10〜50%wの活性成分を含んでよく、全ての重量パーセントは総組成物に基づく。
【0121】
本発明はまた、ここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物を薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と共に含む医薬組成物を提供する。
【0122】
本発明はさらに、ここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物と薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を混合することを含む、本発明の医薬組成物の製造方法を提供する。
【0123】
医薬組成物は局所的に(例えば皮膚または肺および/または気道に(経口または経鼻吸入により)投与)、例えば、クリーム剤、液剤、懸濁液剤、ヘプタフルオロアルカン(HFA)エアロゾル剤および乾燥粉末製剤、例えば、Turbuhaler(登録商標)として既知の吸入器中の製剤の形態で;または全身的に、例えば錠剤、カプセル剤、シロッ剤、散剤または顆粒剤の形態で経口投与により;または溶液剤または懸濁液剤の形で非経腸投与により;または皮下投与により;または坐薬の形態で直腸投与により;または経皮的に投与してよい。
【0124】
吸入投与用医薬組成物
本発明の一態様において、医薬組成物を吸入(経口または経鼻)により投与する。
【0125】
化合物(I)の塩を、適当な送達デバイスを使用して、例えば乾燥粉末吸入器、定量吸入器、ネブライザーまたは経鼻送達デバイスから投与し得る。かかるデバイスは既知である。
【0126】
さらなる態様において、医薬組成物を乾燥粉末吸入器(DPI)の手段により投与する。
【0127】
DPIは“受動的”または呼気駆動型であっても、粉末が患者による吸入以外の他の機構、例えば、圧縮空気の内部供給により分散される“能動的”であってもよい。現時点で、一投与量、多単位投与量または多回投与量(貯蔵部)吸入器の3タイプの受動的乾燥粉末吸入器が利用可能である。一投与量デバイスにおいて、個々の投与量は、通常ゼラチンカプセル中に提供され、使用前にそれを吸入器に装填しなければならず、その例は、Spinhaler(登録商標)(Aventis)、Rotahaler(登録商標)(GlaxoSmithKline)、AeroliserTM(Novartis)、Inhalator(登録商標)(Boehringer)およびEclipse(Aventis)デバイスを含む。多単位投与量吸入器は、複数ゼラチンカプセルまたはブリスター中に多くの個々に包装された投与量を含み、その例はDiskhaler(登録商標)(GlaxoSmithKline)、Diskus(登録商標)(GlaxoSmithKline)およびAerohaler(登録商標)(Boehringer)デバイスを含む。多回投与量デバイスにおいて、薬剤は大量粉末貯蔵部に貯蔵されそこから各投与量が定量され、その例はTurbuhaler(登録商標)(AstraZeneca)、Easyhaler(登録商標)(Orion)、Novolizer(登録商標)(ASTA Medica)、Clickhaler(登録商標)(Innovata Biomed)およびPulvinal(登録商標)(Chiesi)デバイスを含む。
【0128】
DPIで使用するための吸入可能医薬組成物または乾燥粉末製剤は、微粉化した活性成分(一般に10μm以下、好ましくは5μm以下の質量中央径を有する)と担体物質、例えば、単糖類、二糖類または多糖類、糖アルコール、または他のポリオールと混合することにより製造できる。適当な担体は糖類または糖アルコール類、例えば、ラクトース、グルコース、ラフィノース、メレジトース、ラクチトール、マルチトール、トレハロース、スクロース、マンニトール;およびデンプンである。担体粒子は、20〜1000μm、より一般的には50〜500μmの質量中央径を有し得る。粉末混合物を、その後、必要に応じて、硬ゼラチンカプセルに分配し、各々所望の投与量の活性成分を含む。
【0129】
あるいは、吸入可能医薬組成物を、微粉化した粉末(例えば微粉化した活性成分および微粉化した担体粒子から成る)を、吸入過程中に破壊される球体に加工することにより製造し得る。この球体化粉末を多回投与量吸入器、例えば、Turbuhaler(登録商標)として既知の吸入器の薬剤貯蔵部に入れ、そこで投与ユニットが所望の投与量を定量し、それが患者により吸入される。
【0130】
従って、本発明はまた本発明の吸入可能医薬組成物を含む乾燥粉末吸入器、特に多単位投与量乾燥粉末吸入器も提供する。
【0131】
さらなる態様において、化合物(I)の塩を定量吸入器(MDI)、特に加圧定量吸入器(pMDI)の手段により投与する。pMDIは、活性成分を、加圧容器中に適当な溶液または懸濁液として含む。活性成分はpMDIデバイスのバルブを作動させることにより送達される。作動は手動でも呼気駆動でもよい。手動で作動させるpMDIにおいて、デバイスは、例えば、pMDIデバイス上の適当な放出機構を押すことにより、吸入するときに使用者が作動する。呼気駆動型pMDIは、患者がpMDIのマウスピースを介して吸入したときに駆動する。デバイスの作動が患者の吸入と同期し、より一貫した活性成分の投与をもたらし得るために、有利であり得る。pMDIデバイスの例はRapihaler(登録商標)(AstraZeneca)を含む。
【0132】
pMDIで使用するための吸入可能医薬組成物は、化合物(I)の塩を適当な噴射剤に添加剤、例えば溶媒(例えばエタノール)、界面活性剤、滑剤、防腐剤または安定化剤を添加して、または添加せずに溶解または分散させることにより製造できる。適当な噴射剤は炭化水素、クロロフルオロカーボンおよびヒドロフルオロアルカン(例えばヘプタフルオロアルカン)噴射剤、または任意のかかる噴射剤の混合物を含む。好ましい噴射剤はP134aおよびP227であり、その各々は単独で、または他の噴射剤および/または界面活性剤および/または他の添加剤と組み合わせて使用し得る。化合物(I)の塩を懸濁液として使用するとき、塩は、適切には、微粉化形態(一般に10μm以下、好ましくは5μm以下の質量中央径を有する)で存在する。
【0133】
さらなる態様において、化合物(I)の塩を、スペーサーと組み合わせた定量吸入器の手段により投与する。適当なスペーサーは既知であり、Nebuchamber(登録商標)(AstraZeneca)またはVolumatic(登録商標)(GSK)を含む。
【0134】
さらなる態様において、化合物(I)の塩をネブライザーの手段により投与する。適当なネブライザーは既知である。
【0135】
ネブライザーで使用するための吸入可能医薬組成物は、適当な水性媒体中に化合物(I)の塩を分散させるか、または好ましくは溶解することにより製造できる。本組成物はまた例えば、適当なpHおよび/または張性調節剤、界面活性剤および防腐剤を含み得る。適当な組成物の例は、化合物(I)の塩、クエン酸緩衝剤および食塩水を含む組成物を含む。
【0136】
さらなる態様において、化合物(I)の塩を適当な経鼻送達デバイス、例えば経鼻送達に適するスプレーポンプまたはMDIからスプレーとして経鼻的に投与する。あるいは、塩を適当なDPIデバイス、例えばRhinocort(登録商標)Turbuhaler(登録商標)(AstraZeneca)を使用して粉末として経鼻的に投与できる。
【0137】
スプレーポンプまたはMDI経鼻送達デバイスに使用するための経鼻吸入可能医薬組成物は、MDIデバイスを介する吸入について上に記載したものに類似して、適当な水性媒体中に化合物(I)の塩を分散させるか、または好ましくは溶解させることにより製造できる。経鼻送達用の適当な乾燥粉末組成物は、DPI送達について上に記載した通りである。しかしながら、化合物の肺への浸透を制限し、化合物を鼻腔に留めることが望ましいとき、例えば約10μmより大きい、例えば10μm〜50μmの平均粒子径を有する、大きな粒子径の化合物を使用することが必要であるかもしれない。
【0138】
従って、本発明はまた、本発明の吸入可能医薬組成物を含む、経鼻投与に適当な吸入器(例えば乾燥粉末吸入器、特に多単位投与量乾燥粉末吸入器、またはpMDI吸入器)も提供する。
【0139】
本発明の塩類は、上に記載した状態の処置に使用するための他の化合物と組み合わせて投与してもよい。かかる付加的な化合物の例は、WO2009/067081に記載されているものを含む。
【0140】
使用、処置方法、医薬組成物および投与に関連した“化合物(I)の塩”の記載は、ここに記載する塩類のいずれか一つ、例えば2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルの安息香酸塩、trans−桂皮酸塩、メタンスルホン酸塩、二サッカリン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸塩、二2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸塩、1,5−ナフタレンスルホン酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、フマル酸塩、二フマル酸塩、L−酒石酸塩、コハク酸塩、二コハク酸塩に及ぶものであると解釈されるべきである。
【0141】
それ故に、本発明は、さらに、本発明の塩、または本発明の塩を含む医薬組成物を、記載する状態の一つ以上の処置のために、1種または多種の他の治療剤と同時にまたは連続的にまたは組合せ製剤として投与する、組合せ治療に関する。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】化合物(I)の一安息香酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図2】化合物(I)の一trans−桂皮酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図3】化合物(I)の一メタンスルホン酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図4】化合物(I)の二サッカリン塩(形態A)のX線粉末回折パターンを示す。
【図5】化合物(I)の二サッカリン塩(形態B)のX線粉末回折パターンを示す。
【図6】化合物(I)の二(1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸)塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図7】化合物(I)の一(2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸)塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図8】二(2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸)化合物(I)の塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図9】化合物(I)の一1,5−ナフタレンスルホン酸塩(形態A)のX線粉末回折パターンを示す。
【図10】化合物(I)の一1,5−ナフタレンスルホン酸塩(形態B)のX線粉末回折パターンを示す。
【図11】化合物(I)の一クエン酸塩(形態A)のX線粉末回折パターンを示す。
【図12】化合物(I)の一クエン酸塩(形態B)のX線粉末回折パターンを示す。
【図13】化合物(I)の一リン酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図14】化合物(I)の二リン酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図15】化合物(I)の一フマル酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図16】化合物(I)の一L−酒石酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図17】化合物(I)の一コハク酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図18】化合物(I)の二コハク酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図19】のX線粉末回折パターンを示す化合物(I)の二フマル酸塩。
【図20】化合物(I)の二サッカリン塩形態Aの示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。X軸は温度(℃)であり、y軸は熱流量(ワット/g)である。
【図21】化合物(I)の二サッカリン塩形態Bの示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。X軸は温度(℃)であり、y軸は熱流量(ワット/g)である。
【図22】化合物(I)の二フマル酸塩の動的蒸気吸着(DVS)等温線プロットを示す。X軸は相対湿度(RH%)であり、y軸はサンプルの質量変化である。
【図23】化合物(I)の一フマル酸塩の動的蒸気吸着(DVS)等温線プロットを示す。X軸は相対湿度(RH%)であり、y軸はサンプルの質量変化である。
【図24】40℃および75%相対湿度で貯蔵したときの化合物(I)の一サッカリン塩(2種のバッチ、黒三角)、一trans−桂皮酸塩(黒塗り丸)、一コハク酸塩(黒塗り菱形)、一安息香酸塩(白抜き菱形)、二フマル酸塩(白抜き丸)、二キシナホ酸塩(白抜き三角)および二サッカリン塩(×印)の貯蔵安定性を示す。X軸は時間(週)であり、y軸は式(A)の酸分解産物(実施例22に記載)の%(w/w)である。
【図25】40℃および75%相対湿度で貯蔵したときのラクトース一水和物と化合物(I)の一サッカリン塩(黒塗り三角)、一安息香酸塩(白抜き菱形)、二フマル酸塩(白抜き丸)および二サッカリン塩(×印)の混合物の貯蔵安定性を示す。X軸は時間(週)であり、y軸は式(A)の酸分解産物(実施例22に記載)の%(w/w)である。
【実施例】
【0143】
実施例
本発明を、以下の説明的実施例を用いてさらに説明し、そこでは、特に断らない限り以下のことが適用される:
(i) 温度は摂氏(℃)で示す;操作は室温または環境温度、すなわち、18−25℃の範囲の温度で行った。
(ii) 一般に、反応の進行をHPLCで追跡しており、反応時間は説明のみを目的として記載する。
(iii) 収率は説明のためにのみ記載し、必ずしも入念な工程開発を経て得ることができるものではない;より多くの物質が必要であるならば、製造を繰り返した。
(iv) 化学記号はその通常の意味を有する;SI単位および記号を使用する。
(v) 溶媒比を容積:容積(v/v)で記載する。
(vi) 特に断らない限り、出発物質は市販されていた。
【0144】
一般法
NMR
1H NMRスペクトルを、298KでVarian Unity Inova 400 MHz(ソフトウェア:VNMR 6.1CおよびVNMRJ 1.1D;プローブ:Nalorac 5mm DG400-5AT)またはVarian Mercury-VX 300 MHz(ソフトウェア:VNMR 6.1C;プローブ:Varian 5mm AutoSW PFG)装置で記録した。アセトン−d6またはジメチルスルホキシド(DMSO)−d6の中央ピークを内部標準として使用した。
【0145】
示差走査熱量測定(DSC)
標準法(例えばHoehne, G. W. H. et al (1996), Differential Scanning Calorimetry, Springer, Berlinに記載の方法)を使用して、試験サンプルの上昇させている温度に対する熱量測定応答をTA Instruments Q2000 Differential Scanning Calorimeter(DSC)を使用して試験した。測定を0〜250℃の間で、10℃/分のランプ速度で行った。約0.5〜5mgの試験サンプルを、窒素ガス流(50mL/分)下、蓋(しわなし)付きのアルミニウムパンに入れた。
【0146】
上に記載した通り、DSC開始温度およびピーク温度がサンプルの純度および装置パラメータ、特に温度走査速度により変わり得ることは既知である。当業者は、ここに記載するデータと同等のデータを集めることができるように、示差走査熱量計の装置パラメータを設定するために日常的最適化/較正を使用できる。
【0147】
略語
以下の略語を使用している。
【表1】
【0148】
付加物(塩)製造
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル付加物(塩)形成
特に断らない限り、以下の実施例に記載する付加物(塩類)を次の通り製造した:
一定量の2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(20mg)のアセトニトリル(2mL)溶液に、1または2モル当量の対応する酸を固体としてまたはアセトニトリル(2mL)(安息香酸(固体)、trans−桂皮酸(固体)、メタンスルホン酸、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、クエン酸、1,5−ナフタレンスルホン酸、85%水性リン酸、コハク酸(固体)、フマル酸(固体)、L−酒石酸、サッカリン(固体)または2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸(固体))に溶解して添加した。溶媒を得られた混合物から、開放空気中への蒸発により除去した。溶媒(アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジメトキシエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、1,4−ジオキサンまたはジエチルエーテル;各2mL)をこれらの残留物に添加し、混合物を7日間スラリー化して、対応する付加物を形成させた。固体を遠心分離を示由生して濾過し、真空下乾燥させた。
【0149】
実施例1
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル安息香酸塩
【化3】
製造はアセトニトリルでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.96 - 7.91 (2H, m), 7.59 - 7.54 (1H, m), 7.49 - 7.43 (2H, m), 7.14 (2H, d), 7.05 (2H, d), 6.36 (1H, t), 6.10 (2H, s), 4.01 (2H, t), 3.72 (2H, s), 3.58 (2H, s), 3.29 - 3.22 (2H, m), 2.19 (2H, t), 2.09 (6H, s), 2.04 (3H, s), 1.59 - 1.49 (2H, m), 1.48 - 1.34 (4H, m), 1.28 - 1.09 (4H, m), 0.82 (3H, t)
【0150】
実施例2
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルtrans−桂皮酸塩
【化4】
製造はジエチルエーテルでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.67 - 7.61 (m, 2H), 7.48 (d, 1H), 7.44 - 7.35 (m, 3H), 7.18 - 7.09 (m, 2H), 7.07 - 6.98 (m, 2H), 6.50 (d, 1H), 6.20 - 6.11 (m, 1H), 5.69 (s, 2H), 4.01 (t, 2H), 3.71 (s, 2H), 3.58 (s, 2H), 3.27 - 3.18 (m, 2H), 2.15 (t, 2H), 2.07 (s, 6H), 2.00 (s, 3H), 1.61 - 1.32 (m, 6H), 1.30 - 1.10 (m, 4H), 0.82 (t, 3H)
【0151】
実施例3
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルメタンスルホン酸塩
【化5】
製造はジエチルエーテルでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.16 (2H, d), 7.07 (2H, d), 6.52 (2H, s), 4.02 (2H, t), 3.76 (2H, s), 3.61 (2H, s), 3.34 - 3.27 (2H, m), 2.69 - 2.60 (2H, m), 2.45 (3H, s), 2.30 (6H, s), 2.09 (3H, s), 1.61 - 1.40 (6H, m), 1.27 - 1.06 (4H, m), 0.81 (3H, t)
【0152】
実施例4
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二サッカリン塩(形態A)
【化6】
HATU(0.333g)を撹拌している2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸(0.3g)、4−(ジメチルアミノ)ブタン−1−オール(0.308g)およびヒューニッヒ塩基(0.45mL)のDMF(6mL)溶液に、室温で窒素雰囲気下添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、0.2%水性NH3およびアセトニトリルで溶出するXBridge C8(30×100mm)カラムでのRPHPLCで精製した。得られたガム状物(225mg)をMeCN(5mL)に溶解し、サッカリン(186mg)を添加し、溶媒を減圧下蒸発させて、泡状物を残した(411mg)。酢酸エチル(0.5mL)中、7日間撹拌しながらスラリー化(16mg)して表題化合物(化合物(I)の二サッカリン塩形態A)を得て、それを濾過により単離した。
化合物(I)対酸の1:2の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.92 (t, 1H), 7.69 - 7.52 (m, 8H), 7.40 (s, 2H), 7.18 (d, 2H), 7.10 (d, 2H), 4.03 (t, 2H), 3.82 (s, 2H), 3.63 (s, 2H), 3.41 - 3.29 (m, 2H), 3.10 - 3.02 (m, 2H), 2.76 (s, 6H), 2.20 (s, 3H), 1.71 - 1.54 (m, 4H), 1.47 (quintet , 2H), 1.28 - 1.05 (m, 4H), 0.81 (t, 3H)。
【0153】
実施例4a
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二サッカリン塩(形態A)の別の製造方法
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(1.0g)のEtOAc(10mL)中の懸濁液を溶液になるまで加熱し、20℃に冷却した。サッカリン(0.9g)を溶液に添加し、混合物をその温度で3時間撹拌した。6日間撹拌後、得られた沈殿を濾過により回収し、乾燥させて、化合物(I)の二サッカリン塩形態A、1.78gを得た。
【0154】
実施例4b
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二サッカリン塩(形態A)の別の製造方法
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(0.50g、1.13mmol)およびサッカリン(0.41g、2.26mmol)を合わせ、MeCN(25mL)を添加した。懸濁液を透明溶液が得られるまで超音波処理した。溶媒を蒸発させて、二サッカリン塩を油状物として得た。EtOAc(17mL)を油状物に添加した。油状残留物は室温では完全に溶解しなかった。混合物を超音波処理し、白色懸濁液が形成され、幾分かのガム様物質がフラスコ壁上に観察された。混合物を2日間撹拌し、得られた結晶を濾過により回収し、減圧下乾燥させて、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aを得た(757mg、収率83%)。
【0155】
実施例4c
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二サッカリン塩(形態A)の別の製造方法
(i) 2−(4−(シアノメチル)ベンジル)−3−オキソ酪酸メチル
撹拌している3−ヒドロキシ−2−メチレン酪酸メチル(70.0g)、2−(4−ブロモフェニル)アセトニトリル(126.5g)、PdCl2[P(o−tol)3]2(4.2g)およびトリエチルアミン(108.9g)のアセトニトリル(280mL)中の混合物を、窒素下、70℃で6時間加熱した。混合物を室温に冷却し、トルエン(840mL)および水(840mL)で希釈し、10分間撹拌した。有機層を分離し、水(840mL)で洗浄し、減圧下濃縮して、副題化合物を赤色油状物、158.7gとして得た。この生成物をさらに精製せずに次工程に使用した。
LC-MS m/z 244 APCI -
【0156】
(ii) 2−(4−((2−アミノ−4−ヒドロキシ−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)アセトニトリル
撹拌している工程(i)からの粗生成物および炭酸グアニジン(128.1g)のメタノール(915mL)中の混合物を、5時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、水(923mL)で希釈し、酢酸で中和した。混合物を10℃に冷却し、得られた沈殿を濾過により回収し、メタノール(501mL)で洗浄し、減圧下乾燥させて、副題化合物を固体、82.4gとして得た;1H NMR DMSO-d6: δ 10.91 (brs, 1H), 7.20-7.17 (m, 4H), 6.38 (s, 2H), 3.95 (s, 2H), 3.63 (s, 2H), 2.00 (s, 3H)。
LC-MS m/z 255 APCI +
【0157】
(iii) 2−(4−((2−アミノ−4−((2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)オキシ)−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)アセトニトリル
N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン(56.7g)を、工程(ii)からの生成物(85.0g)および2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルクロライド(87.8g)のTHF(452.9g)中の懸濁液に滴下し、混合物を45℃で7時間加熱した。2.5%HCl水溶液(1291g)を混合物に添加し、混合物を5℃で30分間撹拌した。得られた沈殿を濾過により回収し、アセトニトリル(2×68.0g)で洗浄し、乾燥させて、粗副題化合物を固体として得た。撹拌している固体のアセトニトリル(654.5g)懸濁液を70℃で30分間撹拌し、5℃に冷却し、5℃で30分間撹拌した。得られた沈殿を濾過により回収し、アセトニトリル(2×68.0g)で洗浄し、乾燥させて、副題化合物を固体、113.1gとして得た;
1H NMR CDCl3: δ 7.24 (d, 2H), 7.11 (d, 2H), 6.96 (s, 2H), 4.71 (s, 2H), 3.90 (s, 2H), 3.71 (s, 2H), 2.59 (s, 6H), 2.32 (s, 3H), 2.27(s, 3H)。
LC-MS m/z 373 multimode +
【0158】
(iv) 2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)−アセトニトリル
トリフルオロ酢酸(27.4g)を、工程(iii)からの生成物(105.0g)およびn−ペンチルアミン(62.9g)の酢酸ブチル(877.8g)中の懸濁液に添加し、混合物を120℃で2時間加熱した。混合物を20℃に冷却し、4%水性NaOH(997.5g)を混合物に添加した。有機層を分離し、水(997.5g)および10%水性NH4Cl(997.5g)で洗浄し、溶媒を減圧下蒸発させて、固体を得た。固体をアセトニトリル(221.1g)に50℃で溶解し、溶液を42℃に冷却し、種晶添加し、この温度で1時間撹拌した。混合物を5℃に冷却後、5℃で1時間撹拌し、得られた沈殿を濾過により回収し、アセトニトリル(2×31.5g)で減圧下乾燥させて、副題化合物を固体、52.0gとして得た;1H NMR DMSO-d6: δ 7.23 (d, 2H), 7.11 (d, 2H), 6.17 (t, 1H), 5.68 (s, 2H), 3.96 (s, 2H), 3.73 (s, 2H), 3.27-3.22 (m, 2H), 2.00 (s, 3H), 1.47-1.40 (m, 2H), 1.28-1.19 (m, 2H), 1.17-1.09 (m, 2H), 0.82 (t, 3H)。
LC-MS m/z 324 multimode +
【0159】
(v) 2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸
工程(iv)からの生成物(51.7g)および5M KOH(517g)のエタノール(204g)中の混合物を80℃で4時間加熱した。溶媒を減圧下蒸発させた後、残留物を水(259mL)で希釈し、t−ブチルメチルエーテル(390g)で25℃で洗浄した。溶液を5℃に冷却し、溶液のpHを濃HClでpH5に調節した。得られた沈殿を濾過により回収し、水(200mL)およびMeCN(200g)の組合せ溶液で洗浄し、乾燥させて、副題化合物を固体、57.0gとして得た;4.5%重量の水含有;1H NMR DMSO-d6:7.12 (d, 2H), 7.02 (d, 2H), 6.32 (t, 1H), 5.94 (brs, 2H), 3.71 (s, 2H), 3.46 (s, 2H), 3.27-3.23 (m, 2H), 2.00 (s, 3H), 1.48-1.41 (m, 2H), 1.27-1.21 (m, 2H), 1.18-1.13 (m, 2H), 0.82 (t, 3H)。
LC-MS m/z 343 multimode +
【0160】
(vi) 2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル
4,4’−ジメチルアミノブタノール(66.7g)、HOBt(30.8g)およびEDCI.HCl(43.8g)を、工程(v)からの生成物(65.0g)のDMF(619g)懸濁液に、窒素下25℃で添加した。混合物を45℃で4時間撹拌し、2M HCl(650g)で酸性化した。混合物をCHCl3(966g)、28%水性NH3(176g)で洗浄した。混合物をEtOAc(2×586g)で抽出し、有機層を水(3×975g)で洗浄した。溶液を減圧下濃縮して、副題化合物を褐色油状物、68.2gとして得た;1H NMR CDCl3:7.19 (d, 2H), 7.08 (d, 2H), 4.61 (brs, 2H), 4.29 (t, 1H), 4.10 (t, 2H), 3.73 (s, 2H), 3.58 (s, 2H), 3.29-3.25 (m, 2H), 2.26-2.23 (m, 2H), 2.25 (s, 3H), 2.19 (s, 6H), 1.69-1.61 (m, 2H), 1.52-1.46 (m, 2H), 1.42-1.35 (m, 2H), 1.27-1.18 (m, 2H), 1.12-1.03 (m, 2H), 0.82 (t, 3H)。
LC-MS m/z 442 multimode +
【0161】
(vii) 2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二サッカリン塩(形態A)
サッカリン(41.5g)を、撹拌している工程(vi)からの生成物(50.0g)のアセトニトリル(150mL)溶液に添加した。混合物を40℃に加熱し、その温度で10分間撹拌した。混合物をEtOAc(500mL)で希釈し、形態A結晶を種晶添加し、40℃で5時間撹拌した。混合物を20℃に冷却し、その温度で2時間撹拌した。得られた固体を濾過により回収し、EtOAc(200mL)で洗浄し、減圧下乾燥させて、副題化合物の粗サンプルを白色固体、81.5gとして得た。
上で得た粗生成物(1.0g)をアセトニトリル(2mL)に溶解し、40℃に加熱し、その温度で20分間撹拌した。加熱した溶液を濾紙(0.1μmメッシュ)を通して濾過した。濾液をEtOAc(7mL)で希釈し、形態A結晶を種晶添加し、40℃で30分間撹拌した。混合物を35℃に冷却し、4時間撹拌した。混合物を15℃に冷却し、その温度で2時間撹拌後、得られた沈殿を濾過により回収し、EtOAc(2mL)で洗浄し、乾燥させて、表題化合物を白色固体、0.9gとして得た;1H NMR DMSO-d6: δ 7.95 (brt, 1H), 7.68-7.63 (m, 2H), 7.62-7.56 (m, 6H), 7.19 (d, 2H), 7.15 (d, 2H), 4.03 (t, 2H), 3.82 (s, 2H), 3.63 (s, 2H), 3.38-3.33 (m, 2H), 3.07-3.02 (m, 2H), 2.76 (s, 6H), 2.20 (s, 3H), 1.69-1.55 (m, 4H), 1.51-1.43 (m, 2H), 1.27-1.17 (m, 2H), 1.16-1.07 (m, 2H), 0.80 (t, 3H)。
LC-MS m/z 442 multimode +
【0162】
実施例4d
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二サッカリン塩形態Aの別の製造方法
(i) 2−(4−(シアノメチル)ベンジル)−3−オキソ酪酸メチル
撹拌している3−ヒドロキシ−2−メチレン酪酸メチル(30.0g、0.23mol)、2−(4−ブロモフェニル)アセトニトリル(54.2g、0.28mol)、PdCl2[P(o−tol)3]2(1.8g、2mmol)およびトリエチルアミン(46.7g、0.46mol)のアセトニトリル(90g)中の混合物を70℃で6時間、N2雰囲気下撹拌した。混合物を25℃に冷却し、トルエン(300g)および10%水性酢酸(360g)で希釈し、10分間撹拌した。有機層を分離し、水(360g)で洗浄し、減圧下濃縮して、副題化合物を赤色油状物、67.3gとして得た。この生成物をさらに精製せずに次工程に使用した。
LC-MS m/z 244 APCI -
【0163】
(ii) 2−(4−((2−アミノ−4−ヒドロキシ−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)アセトニトリル
撹拌している工程(i)からの粗生成物および炭酸グアニジン(36.7g、0.20mol)のメタノール(389g)中の混合物を、還流下、7時間加熱した。混合物を30℃に冷却し、水(222g)で希釈し、溶液のpHを酢酸でpH6.5に調節した。混合物を5℃に冷却後、得られた沈殿を濾過により回収し、メタノール(167g、333g)で2回洗浄し、減圧下乾燥させて、副題化合物を固体、32.6gとして得た。
1H NMR DMSO-d6: δ 10.91 (brs, 1H), 7.20-7.17 (m, 4H), 6.38 (s, 2H), 3.95 (s, 2H), 3.63 (s, 2H), 2.00 (s, 3H)。
LC-MS m/z 255 APCI +
【0164】
(iii) 2−(4−((2−アミノ−4−((2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)オキシ)−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)アセトニトリル
工程(ii)からの生成物(6.0g、23.6mmol)、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロライド(9.28g、30.6mmol)およびDABCO(4.76g、42.5mmol)のTHF(48.0g)中の懸濁液を30℃で7時間撹拌した。水(9.6g)を混合物に添加し、有機層を分離し、減圧下濃縮して、固体を得た。固体をアセトニトリル(57.0g)に溶解し、60℃に加熱した。水(36.0g)を溶液に添加し、混合物を60℃で1時間撹拌した。水(36.0g)を混合物に添加し、混合物を5℃に冷却し、5℃で1時間撹拌した。得られた沈殿を濾過により回収し、水(9.0g)とアセトニトリル(3.6g)を合わせた溶液で2回洗浄し、乾燥させて、副題化合物を固体、11.6gとして得た。
1H NMR DMSO: δ 7.32 (s, 2H), 7.23 (d, 2H, J = 8.1 Hz), 7.06 (d, 2H, J = 8.1 Hz), 6.54 (s, 2H), 4.01 (m, 2H), 3.98 (s, 2H), 3.78 (s, 2H), 2.97 (s, 1H), 2.21 (s, 3H), 1.23 (d, 6H, J = 6.9 Hz), 1.16 (d, 12H, J = 6.8 Hz)。
LC-MS m/z 521 multimode +
【0165】
(iv) 2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)アセトニトリル
トリフルオロ酢酸(2.19g、19.2mmol)を、工程(iii)からの生成物(10.0g、19.2mmol)およびn−ペンチルアミン(5.0g、57.6mmol)の酢酸ブチル(65.0g)懸濁液に添加し、混合物を120℃で6時間加熱した。混合物を冷却し、減圧下濃縮して、固体を得た。固体のトルエン(30.0g)懸濁液を再び減圧下濃縮して、固体を得た。5%水性LiOH(60.0g)を、固体のトルエン(55.0g)およびTHF(14.0g)中の溶液に添加し、混合物を40℃で撹拌した。分離した有機層を水(60.0g)で40℃で洗浄し、減圧下濃縮して、固体を得た。得られた固体のトルエン(42.0g)懸濁液を54℃で1時間撹拌し、5℃に冷却し、5℃で10時間撹拌した。得られた沈殿を濾過により回収し、アセトニトリル(5.0g)および水(12.0g)で洗浄して、副題化合物を湿性結晶として得た。5.90g。この生成物を乾燥させずに次工程に使用した。
LC-MS m/z 324 multimode +
【0166】
(v) 2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸
工程(iv)からの湿生成物(5.90g)の10%水性NaOH(34.2g)およびエタノール(24.9g)中の懸濁液を85℃で5時間加熱した。混合物を25℃に冷却し、溶液のpHを18%水性酢酸(31.1g)でpH6.5に合わせた。得られた沈殿を濾過により回収し、水(18.6g)およびアセトニトリル(15.5g)で洗浄し、乾燥させて、副題化合物を白色固体、4.43gとして得た。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.12 (d, 2H, J = 8 Hz), 7.02 (d, 2H, J = 8 Hz), 6.32 (t, 1H, J = 6 Hz), 5.94 (brs, 2H), 3.71 (s, 2H), 3.46 (s, 2H), 3.27-3.23 (m, 2H), 2.00 (s, 3H), 1.48-1.41 (m, 2H), 1.27-1.21 (m, 2H), 1.18-1.13 (m, 2H), 0.82 (t, 3H, J = 7 Hz)。
LC-MS m/z 343 multimode +
【0167】
(vi) 2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸ヒドロクロライド
工程(v)からの生成物(8.00g、23.4mmol)のアセトニトリル(48.0g)懸濁液を40℃に加熱し、35%水性HCl(2.68g、25.7mmol)を懸濁液にゆっくり添加した。混合物を40℃で1時間撹拌後、酢酸イソプロピル(160g)を混合物にゆっくり添加した。混合物を15℃に冷却し、1時間撹拌した。得られた沈殿を濾過により回収し、アセトニトリル(5.14g)と酢酸イソプロピル(13.9g)を合わせた溶液で2回洗浄し、乾燥させて、副題化合物を白色固体、8.27gとして得た。
1H NMR DMSO-d6: δ 12.31 (s, 1H), 7.98 (t, 1H, J = 5 Hz), 7.17 (d, 2H, J = 8 Hz), 7.08 (d, 2H, J = 8 Hz), 3.81 (s, 2H), 3.51 (s, 2H), 3.38-3.34 (m, 2H), 2.19 (s, 3H), 1.51-1.44 (m, 2H), 1.25-1.16 (m, 2H), 1.15-1.07 (m, 2H), 0.81 (t, 3H, J = 7 Hz)。
LC-MS m/z 343 multimode +
【0168】
(vii) 2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(化合物(I))
工程(vi)からの生成物(2.00g、5.28mmol)およびメタンスルホン酸(1.52g、15.8mmol)のアセトニトリル(16.0g)溶液を20℃に冷却し、塩化チオニル(0.94g、7.92mmol)を溶液にゆっくり添加した。混合物を20℃で30分間撹拌後、4−ジメチルアミノ−1−ブタノール(1.11g、9.50mmol)を混合物にゆっくり添加した。混合物を40℃に加熱し、その温度で5時間撹拌した。反応混合物を20℃に冷却した後、酢酸エチル(18.0g)および25%水性トリメチルアミン(18.0g)を混合物にゆっくり添加した。有機層を分離し、5%水性NH4Cl(20.0g)、1%水性NaCl(20.0g)および水(20.0g)で洗浄した。副題化合物の溶液を濃縮せずに次工程に使用した。
LC-MS m/z 442 multimode +
【0169】
(viii) 2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二サッカリン塩(形態A)(化合物(I)二サッカリン塩(形態A))
工程(vii)からの生成物の溶液をアセトニトリル(9.3g)で希釈し、活性炭(0.2g)を添加した。混合物を25℃で30分間撹拌し、濾紙(1μmメッシュ)を通して濾過し、アセトニトリル(7.0g)で洗浄した。サッカリン(1.32g、7.21mmol)を濾液に添加し、工程(vii)からの生成物の溶液中の量をHPLC分析により決定した。工程(vii)からの生成物に対して当量のサッカリンを、さらにサッカリン(0.34g、1.86mmol)を加えて2.00モル濃度比に調節し、溶液を減圧下濃縮した。対応する残留物をアセトニトリル(4.1g)および酢酸エチル(9.6g)で希釈し、40℃に加熱し、表題化合物の形態A結晶を種晶添加した。混合物を40℃で1時間撹拌後、酢酸エチル(10.6g)を添加した。混合物を40℃で1時間し、10℃に冷却し、2時間撹拌した。得られた固体を濾過により回収し、アセトニトリル(0.8g)と酢酸エチル(3.0g)を合わせた溶液で洗浄し、減圧下乾燥させて、副題化合物の粗サンプルを白色固体として得た、3.11g。
上で得た粗生成物(3.00g)をアセトニトリル(4.5g)に懸濁し、懸濁液を40℃に加熱した。得られた溶液を濾紙(1μmメッシュ)を通して濾過し、濾液を酢酸エチル(12.0g)で希釈した。混合物を二サッカリン塩の形態A結晶で種晶添加し、1.5時間撹拌した。懸濁液を酢酸エチル(18.0g)で希釈し、1時間撹拌し、10℃に冷却し、3時間撹拌した。得られた固体を濾過により回収し、アセトニトリル(0.8g)と酢酸エチル(3.9g)を合わせた溶液で洗浄し、減圧下乾燥させて、表題化合物を白色固体として得た、2.54g。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.95 (brt, 1H, J = 6 Hz), 7.68-7.63 (m, 2H), 7.62-7.56 (m, 6H), 7.19 (d, 2H, J = 8 Hz), 7.15 (d, 2H, J = 8 Hz), 4.03 (t, 2H, J = 6 Hz), 3.82 (s, 2H), 3.63 (s, 2H), 3.38-3.33 (m, 2H), 3.07-3.02 (m, 2H), 2.76 (s, 6H), 2.20 (s, 3H), 1.69-1.55 (m, 4H), 1.51-1.43 (m, 2H), 1.27-1.17 (m, 2H), 1.16-1.07 (m, 2H), 0.80 (t, 3H, J = 7 Hz)。
LC-MS m/z 442 multimode +
【0170】
実施例5
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二サッカリン塩(形態B)
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(300mg、0.68mmol)およびサッカリン(249mg、1.36mmol)を合わせ、アセトニトリル(15mL)を添加した。懸濁液を透明溶液が得られるまで超音波処理した。溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチル(10mL)に再溶解し、3日間室温で撹拌して、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bを得た;1H NMR DMSO-d6: δ 7.91 (1H, s), 7.69 - 7.54 (8H, m), 7.39 (2H, s), 7.18 (2H, d), 7.10 (2H, d), 4.04 (2H, t), 3.82 (2H, s), 3.63 (2H, s), 3.39 - 3.33 (2H, m), 3.04 (2H, t), 2.75 (6H, s), 2.20 (3H, s), 1.71 - 1.54 (4H, m), 1.53 - 1.42 (2H, m), 1.28 - 1.17 (2H, m), 1.16 - 1.06 (2H, m), 0.81 (3H, t)。
【0171】
実施例5a
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二サッカリン塩(形態B)の別の製造方法
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(400mg、0.91mmol)を酢酸エチル(10mL)に溶解し、酢酸エチル(40mL)に溶解し、超音波処理したサッカリン(332mg、1.81mmol)を合わせた。溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチル(10mL)中でスラリー化し、3日間室温で撹拌して、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bを得た。
【0172】
実施例5b
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二サッカリン塩(形態B)の別の製造方法
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(523mg、1.18mmol)を8mLのアセトニトリルに溶解した。別のフラスコでサッカリン(434mg、2.37mmol)を10mLのアセトニトリルと合わせ(これによりスラリーとなる)、これを化合物(I)−アセトニトリル混合物に添加した。混合物を透明溶液が得られるまで室温で撹拌した(10分間)。溶媒を蒸発させた。このガム状残留物にEtOAc(25mL)を添加し、混合物に0.1mgの化合物(I)二サッカリン塩形態Bを種晶添加した。混合物を3日間、室温で撹拌し、濾過し、乾燥させて(643mg)、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bを得た。
化合物(I)対酸の1:2の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR (400 MHz, DMSO) d 7.93 (t, 1H), 7.68 - 7.54 (m, 10H), 7.3-7.5 (m, 2H), 7.18 (d, 2H), 7.10 (d, 2H), 4.03 (q, 2H), 3.82 (s, 2H), 3.63 (s, 2H), 3.10 - 3.01 (m, 2H), 2.76 (s, 6H), 2.19 (s, 3H), 1.71 - 1.54 (m, 4H), 1.52 - 1.42 (m, 2H), 1.31 - 1.06 (m, 5H), 0.81 (t, 3H)。
【0173】
実施例6
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩
【化7】
製造は酢酸エチルでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:2の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.20 (d, 2H), 7.98 (s, 2H), 7.80 - 7.71 (m, 5H), 7.51 - 7.45 (m, 2H), 7.43 - 7.37 (m, 2H), 7.16 (d, 2H), 7.12 - 7.05 (m, 4H), 4.03 (t, 2H), 3.82 (s, 2H), 3.60 (s, 2H), 3.40 - 3.32 (m, 2H), 2.99 (t, 2H), 2.71 (s, 6H), 2.24 (s, 3H), 1.72 - 1.55 (m, 4H), 1.48 (quintet, 2H), 1.28 - 1.05 (m, 4H), 0.81 (t, 3H)
【0174】
実施例7
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル一(2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸)塩
【化8】
製造はメチルtert−ブチルエーテルでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.83 (2H, d), 7.44 - 7.37 (4H, m), 7.18 (2H, d), 7.09 (2H, d), 4.03 (2H, t), 3.81 (2H, s), 3.63 (2H, s), 3.38 - 3.33 (2H, m), 2.99 - 2.92 (2H, m), 2.69 (6H, s), 2.16 (3H, s), 1.67 - 1.55 (4H, m), 1.51 - 1.42 (2H, m), 1.27 - 1.18 (2H, m), 1.15 - 1.07 (2H, m), 0.81 (3H, t)
【0175】
実施例8
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二(2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸)塩
製造は酢酸エチルでのスラリー化を含んだ。
【0176】
実施例9
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル1,5−ナフタレンスルホン酸塩(形態A)
【化9】
製造はジメトキシエタンでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.86 (2H, d), 7.92 (2H, dd), 7.40 (2H, dd), 7.18 (2H, d), 7.09 (2H, d), 4.03 (2H, t), 3.81 (2H, s), 3.63 (2H, s), 3.40 - 3.33 (2H, m), 3.07 - 3.01 (2H, m), 2.75 (6H, s), 2.18 (3H, s), 1.69 - 1.53 (4H, m), 1.52 - 1.41 (2H, m), 1.28 - 1.17 (2H, m), 1.15 - 1.05 (2H, m), 0.81 (3H, t)
【0177】
実施例10
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル1,5−ナフタレンスルホン酸塩(形態B)
製造はテトラヒドロフランでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 11.87 (2H, s), 9.18 (1H, s), 8.87 (2H, d), 7.94 (2H, d), 7.41 (2H, dd), 7.18 (2H, d), 7.09 (2H, d), 4.03 (2H, t), 3.81 (2H, s), 3.60 (2H, s), 3.39 - 3.33 (2H, m), 3.03 (2H, t), 2.74 (6H, s), 2.17 (3H, s), 1.79 - 1.73 (2H, m), 1.67 - 1.53 (2H, m), 1.50 - 1.42 (2H, m), 1.27 - 1.17 (2H, m), 1.15 - 1.05 (2H, m), 0.80 (3H, t)
【0178】
実施例11
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルクエン酸塩(形態A)
【化10】
製造はアセトニトリルでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR MeOD: δ 7.13 (2H, d), 7.01 (2H, d), 4.01 (2H, t), 3.74 (2H, s), 3.51 (2H, s), 3.35 (2H, t), 2.87 (2H, t), 2.68 (2H, d), 2.61 (6H, s), 2.58 (2H, d), 2.14 (3H, s), 1.64 - 1.51 (4H, m), 1.47 - 1.38 (2H, m), 1.24 - 1.13 (2H, m), 1.11 - 0.99 (2H, m), 0.76 (3H, t)
【0179】
実施例12
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルクエン酸塩(形態B)
製造はテトラヒドロフランでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR MeOD: δ 7.22 (2H, d), 7.10 (2H, d), 4.10 (2H, t), 3.82 (2H, s), 3.60 (2H, s), 3.43 (2H, t), 2.98 (2H, t), 2.77 (2H, d), 2.72 (6H, s), 2.67 (2H, d), 2.24 (3H, s), 1.75 - 1.61 (4H, m), 1.55 - 1.46 (2H, m), 1.31 - 1.22 (2H, m), 1.19 - 1.09 (2H, m), 0.84 (3H, t)
【0180】
実施例13
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルリン酸塩
【化11】
製造はジクロロメタンでのスラリー化を含んだ。
【0181】
実施例14
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二リン酸塩
製造はアセトニトリルでのスラリー化を含んだ。(二)化学量論量のホスフェートカウンターイオンがリン酸トリメチルの添加により確認された。プロトンおよびリンスペクトルを、アッセイ条件下獲得し、化合物およびリン酸トリメチルの積分を正確に比較して、化学量論を決定した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.16 (2H, d), 7.06 (2H, d), 6.92 (2H, s), 4.01 (2H, t), 3.75 (2H, s), 3.67 (18H, s), 3.60 (2H, s), 3.31 - 3.28 (2H, m), 2.42 - 2.39 (2H, t), 2.26 (6H, s), 2.08 (3H, s), 1.58 - 1.52 (2H, m), 1.49 - 1.41 (4H, m), 1.27 - 1.20 (2H, m), 1.17 - 1.11 (2H, m), 0.82 (3H, t)
31P NMR DMSO-d6: δ 1.90 ((CH3O)3PO), -0.29 (OP(OH)2O−)
【0182】
実施例15
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルフマル酸塩
【化12】
製造はアセトニトリルでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.15 (d, 2H), 7.06 (d, 2H), 6.81 (s, 2H), 6.51 (s, 2H), 4.01 (t, 2H), 3.75 (s, 2H), 3.59 (s, 2H), 3.31 - 3.26 (m, 2H), 2.33 (t, 2H), 2.20 (s, 6H), 2.08 (s, 3H), 1.59 - 1.38 (m, 6H), 1.29 - 1.07 (m, 4H), 0.82 (t, 3H)
【0183】
実施例16
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルL−酒石酸塩
【化13】
製造はアセトニトリルでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.15 (2H, d), 7.06 (2H, d), 6.78 (1H, s), 6.43 (2H, s), 4.02 (2H, t), 3.94 (2H, s), 3.75 (2H, s), 3.60 (2H, s), 3.32 - 3.25 (2H, m), 2.57 - 2.45 (2H, m), 2.30 (6H, s), 2.07 (3H, s), 1.61 - 1.40 (6H, m), 1.31 - 1.09 (4H, m), 0.82 (3H, t)
【0184】
実施例17
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルコハク酸塩
【化14】
製造はジエチルエーテルでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.14 (2H, d), 7.05 (2H, d), 6.55 - 6.46 (1H, m), 6.12 (2H, s), 4.01 (2H, t), 3.73 (2H, s), 3.59 (2H, s), 3.31 - 3.23 (2H, m), 2.35 (4H, s), 2.29 (2H, t), 2.18 (6H, s), 2.03 (3H, s), 1.63 - 1.50 (2H, m), 1.50 - 1.37 (4H, m), 1.31 - 1.07 (4H, m), 0.82 (3H, t)
【0185】
実施例18
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二コハク酸塩
製造はメチルtert−ブチルエーテルでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:2の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.15 (2H, d), 7.06 (2H, d), 6.56 - 6.51 (1H, m), 6.12 (2H, s), 4.01 (2H, t), 3.73 (2H, s), 3.59 (2H, s), 3.31 - 3.24 (2H, m), 2.40 - 2.31 (10H, m), 2.22 (6H, s), 2.04 (3H, s), 1.59 - 1.51 (2H, m), 1.49 - 1.39 (4H, m), 1.28 - 1.10 (4H, m), 0.82 (3H, t)
【0186】
実施例19
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二フマル酸塩
【化15】
アセトニトリル(4mL)に溶解した2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(200mg、0.45mmol)に、THFに予め溶解したフマル酸(105mg、2モル当量)を添加した。得られた混合物を真空で濃縮し、固体を得て、ジエチルエーテル(2mL)を添加し、7日間撹拌して、化合物(I)の二フマル酸塩を得た。
【0187】
実施例19a
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二フマル酸塩の別の製造方法
アセトニトリル(4mL)に溶解した2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(100mg、0.23mmol)に、固体フマル酸(105mg、2モル当量)を添加した。得られた混合物を真空で濃縮し、固体を得て、ジエチルエーテル(2mL)を添加し、7日間撹拌して、化合物(I)の二フマル酸塩。
化合物(I)対酸の1:2の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR (299.947 MHz, DMSO) δ 7.64 (s, 2H), 7.31 - 7.12 (m, 3H), 7.08 (d, 2H), 6.54 (s, 4H), 4.02 (t, 2H), 3.77 (s, 2H), 3.61 (s, 2H), 3.38 - 3.26 (m, 2H), 2.39 - 2.22 (m, 8H), 2.13 (s, 3H), 1.61 - 1.37 (m, 6H), 1.30 - 1.07 (m, 4H), 0.82 (t, 3H)。
【0188】
実施例19b
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二フマル酸塩の別の製造方法
フマル酸(52.6mg)を、撹拌している2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(100.0mg)のエタノール(0.6ml)溶液に添加した。溶液をiPrOAc(0.6ml)で希釈し、25℃で5時間撹拌した。得られた沈殿を濾過により回収し、iPrOAc(0.6ml)をエタノール(0.6ml)を合わせた溶液で洗浄し、減圧下乾燥させて、表題化合物を白色固体として得た、125.6mg。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.17 (d, 2H, J = 8 Hz), 7.07 (d, 2H, J = 8 Hz), 6.52 (s, 4H), 4.01 (t, 2H, J = 6 Hz), 3.77 (s, 2H), 3.60 (s, 2H), 3.34-3.29 (m, 2H), 2.56-2.45 (m), 2.34 (s, 6H), 2.13 (s, 3H), 1.59-1.52 (m, 2H), 1.49-1.42 (m, 4H), 1.28-1.18 (m, 2H), 1.16-1.09 (m, 2H), 0.81 (t, 3H, J = 7 Hz)。
LC-MS m/z 442 multimode +
【0189】
実施例19c
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二フマル酸塩の別の製造方法
フマル酸(31.6g)を、撹拌している実施例4cの工程(vi)からの生成物(60.0g)のエタノール(360mL)溶液に添加した。混合物を30℃に加熱し、その温度で30分間撹拌した。溶液をiPrOAc(180mL)で希釈し、二フマル酸塩結晶を種晶添加し、30℃で2.5時間撹拌した。混合物をさらにiPrOAc(180mL)で希釈し、20℃に冷却し、その温度で1時間撹拌した。得られた沈殿を濾過により回収し、iPrOAc(120mL)およびエタノール(90mL)の溶液で洗浄し、iPrOAc(120mL)で洗浄し、減圧下乾燥させて、表題化合物を白色固体、81.9gとして得た;1H NMR DMSO-d6: δ 7.16 (d, 2H), 7.07 (d, 2H), 6.53 (s, 4H), 4.01 (t, 2H), 3.76 (s, 2H), 3.60 (s, 2H), 3.33-3.28 (m, 2H), 2.43 (t, 2H), 2.28 (s, 6H), 2.11 (s, 3H), 1.59-1.52 (m, 2H), 1.49-1.42 (m, 4H), 1.28-1.18 (m, 2H), 1.17-1.12 (m, 2H), 0.81 (t, 3H)。LC-MS m/z 442 multimode +
【0190】
実施例20
X線粉末回折解析
一般的方法
X線粉末回折(XRPD)解析を、標準法に従い調製したサンプルで行い得る(例えばGiacovazzo et al., eds., Fundamentals of Crystallography, Oxford University Press (1992); Jenkins & Snyder, eds., Introduction to X-Ray Powder Diffractometry, John Wiley & Sons, New York (1996); Bunn, ed., Chemical Crystallography, Clarendon Press, London (1948);およびKlug & Alexander eds., X-ray Diffraction Procedures, John Wiley & Sons, New York (1974)参照)。
【0191】
上の実施例1〜19に記載する塩類(無水形態で)のX線粉末回折パターンを以下に記載する通りに得た:
単色CuKα放射(45kVおよび40mA)を使用するBragg-Brentanoパラフォーカシング粉末X線回折計を解析に使用した。一次光学部品はソーラースリットおよび自動発散スリットを含んだ。フラット・サンプルを、測定中回転するゼロ・バックグラウンドプレート上に調製した。二次光学部品はソーラースリット、自動抗散乱スリット、受光スリットおよび単色光分光器を含んだ。回折シグナルを比例的キセノン充填型検出器で検出した。回折パターンを2°≦2θ(シータ)≦40°で、0.02°あたり100秒暴露の連続走査モードで集めた。生データを電子的に保存した。評価を生データまたは平滑化回折パターンで行った。
【0192】
反射モードのPanalytical X'pert MPD θ−θ回折計を上記測定に使用した。当業者は、記載しているデータと同等な回折データを集めることができるように、粉末X線回折計の装置パラメータを設定できる。得られた結果を図1〜19に示す。下の表I〜XIXは、図1〜19のそれぞれのX線回折パターンに示すピークの2θ(2シータ)値(精度:±0.1° 2φ)、d間隙および相対強度を記載する。
【0193】
【表2】
【0194】
【表3】
【0195】
【表4】
【0196】
【表5】
【0197】
【表6】
【0198】
【表7】
【0199】
【表8】
【0200】
【表9】
【0201】
【表10】
【0202】
【表11】
【0203】
【表12】
【0204】
【表13】
【0205】
【表14】
【0206】
【表15】
【0207】
【表16】
【0208】
【表17】
【0209】
【表18】
【0210】
【表19】
【0211】
【表20】
【0212】
実施例21
動的蒸気吸着(DVS)
DVS分析を、SMS Dynamic Vapour Sorption DVS-Advantage装置を使用して行った。固体サンプル(約1−5mg)を白金サンプルホルダーに入れ、サンプル重量を、2サイクル工程法中記録した(40〜90〜0〜90〜0%相対湿度(RH)、10%RHずつ)。
一フマル酸塩および二フマル酸塩(実施例15および19)の湿度変化に対する応答をDVSを使用して試験した。吸湿性を、第二サイクル開始時の0%RHと第二サイクルの湿度増加中の80%RHの間のサンプル重量の相対変化として計算した。
サンプルの吸湿性は、純粋固体形態自体の固有の特性に加えて種々の因子に依存的し、例えばサンプルの純度および結晶化度が結果に多少の影響を与える。
化合物(I)の二フマル酸塩(実施例19)は、図22に記載する通り僅かに吸湿性(80%相対湿度で0.2〜2%w/w吸湿)であることが判明したた。
化合物(I)の一フマル酸塩(実施例15)は、図23に記載する通り吸湿性(80%相対湿度で2%w/wを超える吸湿)であることが判明した。
【0213】
実施例22
塩安定性
40℃および75%相対湿度で貯蔵したときの一サッカリン(2種のバッチ)、一trans−桂皮酸、一コハク酸、一安息香酸、二フマル酸、二キシナホ酸(二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸)および化合物(I)の二サッカリン塩類の安定性を以下の通り測定した。
約30mgの各塩を4mLネジ蓋付きバイアルに計り入れ、バイアルを閉め、環境条件を一定に管理しながら40℃/75%相対湿度下に貯蔵した。全時点でサンプルを貯蔵庫から出し、式(A):
【化16】
の酸分解産物の存在についてHPLCで分析した。
【0214】
HPLC分析を以下の方法で行った:
サンプル溶液をサンプル希釈剤である0.03%トリフルオロ酢酸の50/50 v/vアセトニトリル/水溶液中約0.1〜0.2mg/mLで、必要に応じて超音波処理を使用して調製した。以下のクロマトグラフィー条件を適用した:
【表21】
安定性試験の結果を図24に示す。一サッカリン化合物(I)の塩は、WO2009/067081の実施例57に記載されている。認識される通り、図24の二キシナホ酸塩は化合物(I)の二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩である。
【0215】
実施例23
塩/ラクトース一水和物安定性
40℃および75%相対湿度で貯蔵したときのラクトース一水和物と化合物(I)の一サッカリン類、一安息香酸類、二フマル酸類および二サッカリン塩の混合物の貯蔵安定性を以下の通り測定した。
各塩の約5グラムを1”ジェットミル(MC One, Jetpharma, Balerna, Switzerland)を使用して、流動ガスとして窒素を用いて微粉砕した。
各塩の10gのラクトース混合物を次の方法により製造した:
微粉化ラクトース一水和物(9800mg)を、60ml透明ガラス瓶に入れた。これに微粉化した化合物(I)の塩(200mg)を入れ、ゴム栓およびアルミニウムネジ蓋をビンの密閉に使用した。
塩およびラクトース一水和物が入ったビンを振盪撹拌機(Turbula T2C, W. Bachofen, Basel, Switzerland)撹拌容器に入れ、混合物を10分間、スピード1(30rpm)で混合した。ラクトース/塩混合物サンプル(2g)を取り出した。残ったラクトース/塩混合物(8g)を40℃/75%相対湿度の安定性試験室(制御環境条件)に入れた。サンプルを分析のために一時的に保存室から出した。各分析について、実施例23に記載の通り、50mgのラクトース/塩混合物をサンプル希釈剤に溶解し、式(A)の化合物についてHPLCで分析した。
ラクトース一水和物/塩混合物の安定性試験の結果を図25に示す。
【0216】
生物学的活性
化合物(I)およびその薬学的に許容される塩類は、アンテドラッグ特性を有する。アンテドラッグは、体循環に入ったときに直ぐに排泄されるあまり活性ではない形態への生体内変化を受けるよう、それ故に全身副作用が最小化されるように設計された活性合成誘導体である。それ故に、投与されると、本発明の化合物は酵素的に急速に分解されて、実質的に医療効果が低い分解産物を製造する。ここで規定する医療効果は、特にインターフェロン誘発活性および/またはIL4/IL5産生抑制活性を含む、本発明の化合物の薬理学的活性を意味する。分解産物の医療効果は、本発明の化合物(すなわち親化合物)よりも好ましくは10倍、より好ましくは100倍低い。薬理学的活性は当分野で既知の方法を使用して、適切には市販のELISAキットまたは下に記載するヒトTLR7アッセイのようなインビトロ評価法を使用して、測定できる。
【0217】
ヒトTLR7アッセイ
組み換えヒトTLR7を、pNiFty2−SEAPレポータープラスミド既に安定に発現するHEK293細胞株で安定に発現させた;レポーター遺伝子の統合は、抗生物質ゼオシンでの選択により維持した。ヒトTLR7の最も一般的な変異体配列(EMBL配列AF240467により表される)を、ベクターpUNOを発現する哺乳動物細胞にクローン化し、このレポーター細胞株にトランスフェクトした。安定に発現するトランスフェクタントを抗生物質ブラストサイジンを使用して選択した。このレポーター細胞株において、分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)の発現は、近位ELAM−1プロモーターと組み合わさった5個のNFkB部位を含むNFkB/ELAM−1混成プロモーターにより制御される。TLRシグナリングが、SEAP遺伝子発現をもたらすNFkBの転座およびプロモーターの活性化をもたらす。TLR7特異的活性を、細胞を一夜、37℃で0.1%(v/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)存在下標準化合物とインキュベーションした後に酸性されたSEAPのレベルを決定することにより評価した。化合物による濃度依存的SEAP産生を、その化合物についてSEAP誘導の最大の半分のレベルを酸性する化合物の濃度(pEC50)として示す。試験を、化合物(I)の二サッカリン塩(DMSOに溶解する前のアモルファス形態)を使用して行い、6.9の平均pEC50(n=8)を得た。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピリミジン誘導体の塩類、それらを含む医薬組成物および治療におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
免疫系は自然免疫および後天性免疫から成り、その両方が協調的に働いて、宿主を微生物感染から守る。自然免疫が免疫細胞の細胞上に発現されるトール様受容体(TLR)を介して、保存された病原体関連分子パターンを認識できることが示されている。病原体侵襲の認識が、次いでサイトカイン産生(インターフェロンアルファ(IFNα))および貪食細胞上の共刺激分子の上方制御を作動し、T細胞機能の調節に至る。それ故に、自然免疫は後天性免疫と密接に関係し、後天性応答の発展および制御に影響し得る。
【0003】
TLRは、NH2末端細胞外ロイシン・リッチ反復ドメイン(LRR)およびToll/IL−1受容体(TIR)相同性ドメインと呼ばれる保存された領域を含むCOOH末端細胞内テイルにより特徴付けられるI型膜貫通受容体のファミリーである。細胞外ドメインは変動する数のLRRを含み、それらがリガンド結合に関係すると考えられる。今日まで11種のTLRがヒトおよびマウスで記載されている。それらは互いにリガンド特異性、発現パターンおよびそれらが誘発できる標的遺伝子により異なる。
【0004】
TLRを介して作用するリガンド(免疫応答修飾因子(IRMS)としても既知)、例えば、性器疣贅の処置用医薬品Imiquimodを含む米国特許4689338に記載されているイミダゾキノリン誘導体およびWO98/01448およびWO99/28321に記載されているアデニン誘導体が既に開発されている。
【0005】
WO2009/067081は、ウイルス性またはアレルギー性疾患および癌の処置に有用なTLR7を介して作用する免疫調節特性を有するピリミジン誘導体群を記載する。
【0006】
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルおよびそのある種の塩類が、2008年11月21日に出願され、WO2009/067081として公開されている国際特許出願番号PCT/SE2008/051334の実施例57に記載されている。
【0007】
医薬原体の製剤において、医薬原体(活性化合物)が簡単に加工および取り扱いできる形態であるのが重要である。これは、医薬原体自体の産業上価値のある製造方法を確立する点からだけでなく、その後の活性化合物および適当な添加剤を含む医薬製剤の製造の点からも重要である。これに関連して、活性化合物の化学的安定性および物理的安定性は重要な因子である。活性化合物、およびそれを含む製剤は、活性化合物の物理化学的特性(例えば化学組成、密度、吸湿性および溶解性)が顕著に変わらずに、相当期間有効に貯蔵できなければならない。
【0008】
さらに、活性化合物を、例えばTurbuhaler(登録商標)デバイスのような乾燥粉末吸入器を介する肺投与用製剤に取り込まればならないとき、活性化合物が、良好な流動特性を有し、かつ高微粒子画分(すなわち活性化合物粒子が10μm(マイクロメーター)以下の質量中央径(MMD)を有する画分)を含む粉末を得るために容易に微粉化できることが望まれる。かかる画分は肺の深部まで送達でき、活性化合物の迅速かつ増大された吸収をもたらす。
【0009】
当業者は理解することであるが、典型的に、医薬物質が、例えば安定な結晶形態のような、安定な形態で容易に得ることができれば、適節な医薬製剤の取り扱いの容易さ、製造の容易さおよび長期貯蔵寿命ならびにより信頼できる溶解性プロファイルの点で利益をもたらし得る。
【発明の概要】
【0010】
本発明により、遊離塩基化合物と比較して物理化学的特性が改善された2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルのある種の塩類を製造することができ、驚くべきことにそれが鼻/肺投与用乾燥粉末製剤に製剤できることが判明した。
【0011】
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(以後“化合物(I)”)の構造を以下に示す:
【化1】
【0012】
それ故に、本発明によって、化合物(I)(活性医薬成分、API)の安息香酸塩、trans−桂皮酸塩、メタンスルホン酸塩、二サッカリン塩、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸塩、1,5−ナフタレンスルホン酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、フマル酸塩、L−酒石酸塩またはコハク酸塩が提供される。
【0013】
本発明の文脈で、用語“塩”は、APIと酸がイオン化しているか、または両方の成分が、組み合わさり、均一な結晶性物質(共結晶)を形成するように、水素結合のような顕著な分子間相互作用を使用する、結晶性物質と定義する。本発明の塩は部分的にイオン性であり、かつ部分的に共結晶であり得ることは認識される。
【0014】
他の面において、本発明は、下の実施例20の適当な表I〜XIXに示す特徴的X線粉末回折ピーク(2θ度で示す)を示す、化合物(I)の安息香酸塩、trans−桂皮酸塩、メタンスルホン酸塩、二サッカリン塩、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸塩、1,5−ナフタレンスルホン酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、フマル酸塩、L−酒石酸塩またはコハク酸塩を提供する。
【0015】
特に断らない限り、ここに記載する全てのX線粉末回折データは、実施例に記載するCuKα放射により得た。
【0016】
本発明はまた、本発明の塩類の溶媒和物(水和物を含む)も提供する。しかしながら、本発明の塩類は好ましくは非水和物であり、好ましくは非溶媒和形態である。
【0017】
本発明の一態様において、本発明の塩またはその溶媒和物は結晶特性を有し、好ましくは少なくとも50%結晶、より好ましくは少なくとも60%結晶、さらに好ましくは少なくとも70%結晶、最も好ましくは少なくとも80%結晶である。結晶化度は、慣用のX線回折法技術により概算できる。
【0018】
本発明の他の態様において、塩またはその溶媒和物は50%、60%、70%、80%または90%〜95%、96%、97%、98%、99%または100%結晶である。
【0019】
特にことわらない限り、本発明の塩類の化合物(I)対酸化学量論比は、例えば2:1〜1:2で、または1:1のようなその間の任意の比率で変わり得る。化合物(I)対酸比が1:1である好ましい本発明の塩類の例は、安息香酸、trans−桂皮酸、メタンスルホン酸、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、1,5−ナフタレンスルホン酸、クエン酸、リン酸、フマル酸、L−酒石酸およびコハク酸の塩であり、また化合物(I)対酸比が1:2である塩は、サッカリン(すなわち二サッカリン塩)、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(すなわち二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩)、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸(すなわち二(2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸塩))、リン酸(すなわち二リン酸塩)またはコハク酸(すなわち二コハク酸塩)の塩を含む。他の適当な塩は、フマル酸の1:2塩(すなわち二フマル酸塩)である。
【0020】
我々は、化合物(I)の二サッカリン塩、二フマル酸塩、二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩および安息香酸塩が、高温多湿(例えば40℃および75%相対湿度)の条件下で貯蔵したとき、良好な固体状態化学安定性を示すことを、驚くべきことに発見した。加えて、二サッカリン塩とラクトース一水和物の混合物および二フマル酸塩とラクトース一水和物の混合物の安定性試験はまた、これらの塩類が、吸入薬の製剤に使用される一般的担体であるラクトース一水和物の存在下で特に安定であることも示した。これらの塩類の安定性は、本明細書の実施例に示す。これらの塩類はそれ故に、例えば、貯蔵安定性改善を示すことが期待されるために、有益であることが期待される。
【0021】
従って、本発明の一つの態様において、化合物(I)の二サッカリン塩、二フマル酸塩、二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩または安息香酸塩が提供される。
本発明の他の態様において、化合物(I)の二サッカリン塩、二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩または安息香酸塩が提供される。
【0022】
本発明の他の態様において、化合物(I)の二サッカリン塩、二フマル酸塩または安息香酸塩が提供される。
他の態様において、化合物(I)の二サッカリン塩または二フマル酸塩が提供される。
【0023】
化合物(I)の二サッカリン塩類
本発明の他の態様において、化合物(I)の二サッカリン塩が提供される。
我々は、化合物(I)の二サッカリン塩が多くの結晶形態を示すことを発見した。二サッカリン塩の一つの結晶形態は、以後“化合物(I)の二サッカリン塩形態A”と呼ぶが、
実質的に図4に示すX線粉末回折パターンを示す。形態Aの最も顕著なピークを、実施例の表IVに示す。化合物(I)の二サッカリン塩形態Aは、この塩の最も熱力学的に安定は結晶形態であると考えられる。
【0024】
従って本発明のさらなる面は、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aを提供する。
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aが提供され、該形態Aが、2θ約9.2°、14.9°または15.2°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することにより特徴付けられる。
【0025】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aが提供され、該形態Aが、2θ約9.2°、10.3°、11.4°、12.8°、14.9°、15.2°、22.9°または23.4°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することにより特徴付けられる。
【0026】
本発明のさらなる面によって、t化合物(I)の二サッカリン塩形態Aが提供され、該形態Aが2θ約9.2°、14.9°および15.2°に特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することにより特徴付けられる。
【0027】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aが提供され、該形態Aが2θ約9.2°、10.3°、11.4°、12.8°、14.9°、15.2°、22.9°および23.4°に特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することにより特徴付けられる。
【0028】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aが提供され、該形態Aが実質的に図4に示すX線粉末回折パターンを有することにより特徴付けられる。
【0029】
示差走査熱量計(DSC)(条件は実施例部分に記載する通り)で加熱したとき、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aは、図20に記載する通り、約124℃の開始温度および約127℃のピーク温度を有する融解吸熱を示す。
【0030】
本発明のさらなる面によって、(i)化合物(I)と約2モル当量のサッカリンを酢酸エチル中で反応させ、そして(ii)該形態Aを結晶化させることを含む、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aの製造方法を提供する。
工程(i)の反応は、好都合には環境温度で行う。
【0031】
工程(ii)における形態Aの結晶化は、塩形成後自発的に起こり得る。この場合得られた塩の懸濁液を十分な結晶化が起こるように撹拌することが必要であり得る。塩スラリーの撹拌は、好都合には環境温度で行う。一般に、酢酸エチル中、数日間、例えば1〜10日間、例えば約6日間の塩スラリーの撹拌により結晶形態Aが提供される。
【0032】
本発明のさらなる面によって、(i)化合物(I)と約2モル当量のサッカリンをアセトニトリル中で反応させ;(ii)反応混合物を濃縮し;そして(iii)該形態Aを酢酸エチルから結晶化させることを含む、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aの別の製造方法が提供される。
【0033】
工程(i)の反応は、好適には環境温度で行う。
工程(ii)における混合物の濃縮は、例えば、アセトニトリルを幾分かまたは全て留去することにより達成し得る。
【0034】
工程(iii)の形態Aの結晶化は、例えば、塩のスラリーまたは溶液を酢酸エチル中で撹拌することにより行い得る。塩スラリー/溶液の撹拌は、好都合には環境温度で行う。一般に酢酸エチル中で数日間、適当には1〜10日間、例えば2〜7日間の撹拌により結晶形態Aが提供される。
【0035】
化合物(I)の二サッカリン塩形態Aの形成をもたらす具体的な反応条件を実施例に説明する。
【0036】
上記の工程における形態Aの結晶化は、形態Aの種晶添加により促進され得る。種晶は、実施例に記載する方法の一つを使用して得てよい。種晶の使用は、塩の大規模製造に特に有利である。種晶添加は、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aを得るための別の溶媒および方法条件の使用を可能にもし得る。
【0037】
従って、一つの態様において、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aを:
(i)化合物(I)をアセトニトリルに溶解し、約2モル当量のサッカリンと反応させ;
(ii)混合物の温度を約40℃に維持しながら酢酸エチルを添加し;
(iii)化合物(I)の二サッカリン塩形態Aの結晶を混合物に種晶添加し;
(iv)混合物を冷却し;そして
(v)化合物(I)の二サッカリン塩形態Aを単離する
ことにより製造する。
【0038】
種晶添加に続く工程(ii)において、混合物を、適切には結晶化を可能にする時間、例えば約5時間撹拌する。工程(iv)において、混合物をさらなる結晶化を促進するために冷却する。一つの態様において、混合物を約10〜20℃に冷却する。一つの態様において、混合物を約20℃に冷却する。他の態様において、混合物を、最初に約35℃に、次いでさらに約15℃に段階的に冷却する。第一段階において約35℃に冷却後、混合物を約4時間撹拌し、約15℃に冷却する。続いて、混合物を、適切にはさらに約2時間撹拌して、形態Aを単離する。場合により、塩をアセトニトリルに溶解し、上記工程(ii)〜(v)を繰り返すことにより再結晶する方法で、再結晶し得る。
【0039】
二サッカリン塩の他の結晶形態は、以後“化合物(I)の二サッカリン塩形態B”と呼ぶが、実質的に図5に示すX線粉末回折パターンを提示する。形態Bの最も顕著なピークを、実施例の表Vに示す。
従って、本発明のさらなる面は、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bを提供する。
【0040】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bが提供され、該形態Bが、2θ約12.0°、12.5°、16.4°または19.8°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする。
【0041】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bが提供され、該形態Bが、2θ約7.0°、10.8°、12.0°、12.5°、13.9°、16.4°、17.3°または19.8に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする°。
【0042】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bが提供され、該形態Bが2θ約12.0°、12.5°、16.4°および19.8°に特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする。
【0043】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bが提供され、該形態Bが2θ約7.0°、10.8°、12.0°、12.5°、13.9°、16.4°、17.3°および19.8°に特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする。
【0044】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bが提供され、該形態Bは実質的に図5に示すX線粉末回折パターンを有する。
【0045】
示差走査熱量計(DSC)(条件は実施例部分に記載する通り)で加熱したとき、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bは、図21に記載する通り約106℃の開始温度および約110℃のピーク温度を有する融解吸熱を示す。
【0046】
化合物(I)の二サッカリン塩形態Bは、化合物(I)と約2モル当量のサッカリンを酢酸エチルまたはアセトニトリル中で反応させることを含む方法により製造し得る。次いで、形態Bを、実施例に記載する特定の条件を使用して酢酸エチルから結晶化させ得る。形態Bの結晶化は、形態Bの結晶を塩スラリーに種晶添加により促進され得る。種晶は、実施例に記載する方法の一つを使用して得てよい。
【0047】
化合物(I)の二フマル酸塩
本発明の他の態様において、化合物(I)の二フマル酸塩が提供される。
化合物(I)の二フマル酸塩は結晶であり、実質的に図19に示すX線粉末回折パターンを示す。二フマル酸塩の最も顕著なピークを、実施例の表XIXに示す。
【0048】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二フマル酸塩が提供され、該塩が、2θ約9.1°、14.2°、15.8°または20.4°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする。
【0049】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二フマル酸塩が提供され、該塩が、2θ約7.8°、9.1°、14.2°、15.8°、18.7°、19.0°、20.4°または24.7°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする。
【0050】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二フマル酸塩が提供され、該塩が2θ約9.1°、14.2°、15.8°および20.4°に特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする。
【0051】
本発明のさらなる面によって、化合物(I)の二フマル酸塩が提供され、該塩が2θ約7.8°、9.1°、14.2°、15.8°、18.7°、19.0°、20.4°および24.7°に特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする。
【0052】
他の態様において、化合物(I)の二フマル酸塩が提供され、該塩は実質的に図19に示すX線粉末回折パターンを有する。
【0053】
重量分析蒸気収着(実施例部分に記載するDVS)を使用する水分収着測定は、化合物(I)二フマル酸塩がわずかに吸湿性であることを示した(80%相対湿度で0.2−2%w/w吸湿、図22参照)。
【0054】
本発明のさらなる面によって、(i)化合物(I)と約2モル当量のフマル酸をアセトニトリル、またはアセトニトリルとテトラヒドロフランの混合物(THF)で反応させて、二フマル酸塩を形成させ;そして(ii)二フマル酸塩をジエチルエーテルから結晶化させることを含む、化合物(I)の二フマル酸塩の製造方法が提供される。
【0055】
工程(i)の反応は、好都合には環境温度で行う。好都合には、フマル酸をTHFに溶かしてよい。そして、この溶液を、化合物(I)のアセトニトリル溶液に添加する。あるいは、フマル酸を化合物(I)の溶液に固体として添加してよい。反応後、二フマル酸塩を、例えば、溶媒を蒸発させることにより単離し得る。
【0056】
工程(ii)の結晶化は、好都合には塩をジエチルエーテル中でスラリー化して行う。結晶二フマル酸塩が、スラリーを環境温度で数日間、例えば約5〜7日間撹拌した後に観察される。
【0057】
本発明のさらなる面によって、(i)化合物(I)と約2モル当量のフマル酸をエタノールで反応させ;そして(ii)二フマル酸塩を、例えば適当な貧溶媒、例えば酢酸イソプロピルの添加により沈殿させることを含む、化合物(I)の二フマル酸塩の製造方法が提供される。
【0058】
二フマル酸塩の結晶化は、混合物への二フマル酸塩結晶の種晶添加により促進され得る。種晶は、実施例に記載する方法の一つを使用して製造してよい。種晶添加を、二フマル酸塩の結晶化を開始させるために使用するとき、結晶化用に広範囲の溶媒および貧溶媒を使用することが可能となり得る。例えば、二フマル酸塩はアルコール、例えばメタノールまたはエタノールから結晶化し得る。好都合には、種晶添加を使用するとき、二フマル酸塩を、結晶化を起こすための適当な貧溶媒を使用して、メタノールまたはエタノールから結晶化させ得る。適当な貧溶媒は、例えばエステル、例えば酢酸イソプロピルを含む。溶媒/貧溶媒系、例えばメタノール/酢酸イソプロピルと種晶添加の併用が、大規模な二フマル酸塩の製造のための簡便な方法を提供すると予測される。従って一つの態様において、二フマル酸塩を:
(i)化合物(I)をエタノールに溶解し、約2モル当量のフマル酸と反応させ;
(ii)混合物の温度を約30℃に維持しながら酢酸イソプロピルを添加し;
(iii)化合物(I)の二フマル酸塩の結晶を混合物に種晶添加し;
(iv)さらに酢酸イソプロピルを添加し、混合物を約20℃に冷却し;そして
(v)化合物(I)の二フマル酸塩を単離する
ことにより製造する。
【0059】
適切には、工程(i)において化合物(I)を約6容積比のエタノールに溶解する。工程(ii)において、適切には約2.8容積比の酢酸イソプロピルを混合物に添加する。工程(iii)において、混合物を適切には種晶添加後約2.5時間撹拌して、結晶化を起こさせる。工程(iv)において、適切には、約3.2容積比の酢酸イソプロピルを混合物に添加する。そして、混合物を適切には約1時間撹拌する。
【0060】
化合物(I)の二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩
本発明の他の態様において、化合物(I)の二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩が提供される。
化合物(I)の二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩は結晶であり、実質的に図6に示すX線粉末回折パターンを示す。二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩の最も顕著なピークを、実施例の表VIに示す。
【0061】
他の態様において、化合物(I)の二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩が提供され、該塩は、2θ約8.3°、16.6°、19.4°または23.4°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有する。
【0062】
他の態様において、化合物(I)の二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩が提供され、該塩は、2θ約8.3°、9.5°、11.5°、11.8°、12.8°、13.6°、16.6°、16.9°、19.4°または23.4°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有する。
【0063】
他の態様において、化合物(I)の二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩が提供され、該塩は、2θ約8.3°、16.6°、19.4°および23.4°に特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有する。
【0064】
他の態様において、化合物(I)の二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩が提供され、該塩は、2θ約8.3°、9.5°、11.5°、11.8°、12.8°、13.6°、16.6°、16.9°、19.4°および23.4°に特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有する。
【0065】
他の態様において、化合物(I)の二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩が提供され、該塩は、実質的に図6に示すX線粉末回折パターンを有する。
【0066】
本発明のさらなる面によって、(i)化合物(I)と約2モル当量の1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸をアセトニトリル中で反応させ;(ii)工程(i)の混合物を濃縮し;そして(iii)化合物(I)の1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩を結晶化させることを含む、化合物(I)の二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩の製造方法を提供する。
【0067】
工程(ii)における混合物の濃縮は、溶媒を幾分かまたは全て、例えば蒸発または蒸留により除去することにより達成し得る。適切には、工程(iii)において、実施例に記載する通り、塩は、例えば、塩を少量の酢酸エチル中で数日間(例えば1〜7日間)スラリー化することにより結晶化する。塩の結晶化は、該塩の結晶を混合物に種晶添加することにより促進され得る。種晶は、実施例に記載する方法の一つを使用して製造してよい。
【0068】
化合物(I)の安息香酸塩
本発明の他の態様において、化合物(I)の安息香酸塩が提供される。この態様の安息香酸塩は、化合物(I)との1:1塩、すなわち化合物(I)の一安息香酸塩である。化合物(I)の一安息香酸塩は結晶であり、実質的に図1に示すX線粉末回折パターンを示す。一安息香酸塩の最も顕著なピークを、実施例の表Iに示す。
【0069】
他の態様において、化合物(I)の一安息香酸塩が提供され、該塩は、2θ約6.3°、9.3°、17.8°または23.8°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有する。
【0070】
他の態様において、化合物(I)の一安息香酸塩が提供され、該安息香酸塩が、2θ約6.3°、7.2°、9.3°、12.6°、15.6°、17.8°、19.8°、22.2°、23.8°または24.5°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする。
【0071】
他の態様において、化合物(I)の一安息香酸塩が提供され、該塩は、2θ約6.3°、9.3°、17.8°および23.8°に特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有する。
【0072】
他の態様において、化合物(I)の一安息香酸塩が提供され、該塩が2θ約6.3°、7.2°、9.3°、12.6°、15.6°、17.8°、19.8°、22.2°、23.8°および24.5°に特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする。
【0073】
他の態様において、化合物(I)の一安息香酸塩が提供され、該塩は、実質的に図1に示すX線粉末回折パターンを有する。
【0074】
本発明のさらなる面によって、(i)化合物(I)と約1モル当量の安息香酸をアセトニトリル中で反応させ;(ii)工程(i)の混合物を濃縮し;そして(iii)化合物(I)の一安息香酸塩を結晶化させることを含む、化合物(I)の一安息香酸塩の製造方法が提供される。
【0075】
工程(ii)における混合物の濃縮は、溶媒を幾分かまたは全て、例えば蒸発または蒸留により除去することにより達成し得る。適切には、工程(iii)において、実施例に記載の通り、塩を、例えば、該塩を少量のアセトニトリル中にスラリー化することにより結晶化させ得る。塩の結晶化は、該塩の結晶を混合物に種晶添加することにより促進され得る。種晶は、実施例に記載する方法の一つを使用して製造してよい。
【0076】
本発明の特定の態様において、化合物(I)の塩類の個々の結晶形態は、化合物(I)のその塩の他の結晶形態を実質的に含まない。例えば記載した結晶の化合物(I)の二サッカリン塩形態Aは、形態Bのような化合物(I)の二サッカリン塩の他の結晶形態を30重量%未満、20重量%未満、15重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、3重量%未満または特に1重量%未満含む。従って、一つの態様において、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aは、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bを実質的に含まない。
【0077】
本発明の特定の態様において、塩の化学量論が、具体的に、例えば1:1化合物(I)対酸塩(すなわち一酸塩)または1:2化合物(I)対酸塩(すなわち二酸塩)と記載されているとき、その塩は、適切には、他の化学量論の塩類を実質的に含まない。例えば、化合物(I)の二フマル酸塩は、一フマル酸塩を実質的に含まない。適切には、化合物(I)の特定の塩は、異なる化学量論の塩類を、30重量%未満、20重量%未満、15重量%未満、10重量%未満、5重量%未満、3重量%未満または特に1重量%未満含む。
【0078】
本明細書で、塩類が、“2θ約・・・に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターン”を有すると記載されているとき、該塩のXRPDは、列記した2θ値の1個以上を含み得る。例えば記載した2θ値の1個以上、2θ値の2個以上または2θ値の3個以上を含み得る。
【0079】
化合物(I)の塩類の結晶形態のX線粉末回折ピークを規定する前段落において、当業者には当然であるが、ピークの厳密な位置(すなわち列挙した2シータ角値)が測定装置毎、サンプル毎または使用した測定条件の僅かな差の結果として僅かに変わり得るため、ピークの厳密な位置を絶対的数値として解釈してはならないことを示すために“2θ約・・・”なる表現において、用語“約”を使用する。前段落では、化合物(I)の結晶塩類が、図1、4、5、6および19に示すX線粉末回折パターンと‘実質的に’同じX線粉末回折パターンを有し、表I、IV、V、VIおよびXIXに示す最も顕著なピーク(2シータ角値)を実質的に有するとも述べている。この文脈での用語‘実質的に’の使用はまた、X線粉末回折パターンの2シータ角値が装置毎、サンプル毎またはまたは使用した測定条件の僅かな差の結果として僅かに変わり得るため、図または表に引用されたピーク位置もまた絶対的数値として解釈すべきではないことを示すこと意図することは理解されるべきである。
【0080】
X線粉末回折の当業者は、ピークの相対強度は、例えば、サンプルの解析に影響し得る約30マイクロメーターの大きさを超える粒および非均一縦横比により影響を受け得ることを認識する。さらに、強度は実験条件およびサンプル調製、例えばサンプル中の好ましい粒子配向により変動し得ることも理解されるべきである。自動化または固定化発散スリットも相対強度計算に影響する。当業者は、回折パターンを比較するときかかる影響を処理できる。
【0081】
X線粉末回折の当業者はまた、サンプル高の差異および検出位置の較正における誤差のために、2θ位置の僅かなシフトが起こることも認識する。一般に、ある値からの±0.1°の差異は正しいと見なされる。
【0082】
当業者はまた、DSCにより測定した融点の僅かな差異が、サンプル純度、サンプル調製および測定条件(例えば加熱速度)の変化の結果として起こり得ることも認識する。融点の別の示数が他のタイプの装置によりまたは以下に記載する条件と異なる条件を使用して示され得ることも認識する。それ故にここに引用する融点および吸熱数は絶対的数値と解釈してはならず、かかる測定誤差をDSCデータ皆尺寺には考慮しなければならない。典型的に、融点は±5℃以内で変動し得る。
【0083】
ここに記載する化合物(I)の塩類はまた、他の適当な分析技術、例えばNIR分光学または固体状態核磁気共鳴分光学を用いて、特徴付けしてもよくおよび/または他の物理形態と区別してもよい。
ここに記載する化合物(I)の塩類の化学構造は、慣用法により、例えばプロトン核磁気共鳴(NMR)分析により確認できる。
【0084】
化合物(I)の製造
ここに記載する塩類の製造に使用する遊離塩基(すなわち化合物(I))は、WO2009/067081の実施例57に記載する通りに製造し得る。化合物(I)はまた本明細書の実施例に記載する通り製造し得る。化合物(I)の一つの具体的製造方法を反応スキーム1に示し、そこではまた化合物(I)二サッカリン塩形態Aの最終生成も示す。
【0085】
【化2】
【0086】
反応スキーム1の具体的な反応条件を実施例にさらに詳しく記載する。具体的な反応条件および溶媒などは反応スキーム1に記載する合成方法を限定しないと解釈すべきである。従って、別の反応条件が、反応スキーム1に記載した方法を使用した化合物(I)の製造に適するかもしれない。
【0087】
例えば反応スキーム1の一つの独立した面において、工程(i)において、3−ヒドロキシ−2−メチレン酪酸メチルと2−(4−ブロモフェニル)アセトニトリルのカップリング反応を適当なパラジウム触媒および塩基の存在下で行う。適切には、パラジウム触媒は例えば、PdCl2[P(o−tol)3]2(反応スキーム1に記載する通り)、Pd[P(t−Bu)3]2、Pd(OAc)2とトリフェニルホスフィン、またはPd(OAc)2とテトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)である。塩基は、例えば、有機アミン塩基または無機塩基であり得る。有機アミン塩基の例は、トリエチルアミンおよびN,N−ジシクロヘキシルメチルアミンを含む。無機塩基の例は、適当なカーボネート塩基、例えば重炭酸ナトリウムを含む。本反応は、好都合には適当な溶媒、例えば極性非プロトン性溶媒、例えばテトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、プロピオニトリルまたはN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)の存在下で行う。反応温度は70−80℃またはTHFの場合溶媒の還流温度であり得る。
【0088】
例えば反応スキーム1の他の独自の観点から、工程(iii)における、工程(ii)の生成物(2−(4−((2−アミノ−4−ヒドロキシ−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)アセトニトリル)の反応を、アリールスルホニルハライドと、塩基の存在下で行い得る。適切には、アリールスルホニルハライドは、例えば、置換ベンゼンスルホニルハライド、例えば2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロライド(IPBsCl−反応スキーム1に記載する通り)、2,4−ジメトキシベンゼンスルホニルクロライド、4−メトキシベンゼンスルホニルクロライドまたは2−メシチレンスルホニルクロライド(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルクロライド)である。塩基は、例えば、有機アミン塩基または無機塩基であり得る。有機アミン塩基の例は、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン(TMPDA)、TMPDAと触媒量のN−メチルイミダゾール(NMI)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)と触媒量のNMIまたはトリメチルアミンヒドロクロライと2乃至3倍モル比のトリエチルアミンであり得る。無機塩基の例は、適当なカーボネート塩基、例えば炭酸カリウムを含む。溶媒は極性非プロトン性溶媒または芳香族炭化水素であり得る。本反応は、好都合には適当な溶媒、例えば極性非プロトン性溶媒、例えばアセトニトリル、テトラヒドロフラン(THF)または2−メチルテトラヒドロフラン;または芳香族炭化水素、例えばトルエンの存在下で行う。
【0089】
疾患および医学的状況
本発明の塩類(溶媒和された形態を含む)は、TLR7活性のモジュレーターとして有用であり、故に、ヒトを含む哺乳動物に、以下の状態または疾患を処置するために投与し得る:
1. 呼吸器:気管支、アレルギー性、内因性、外因性、運動誘発性、薬剤誘発性(アスピリンおよびNSAID誘発性を含む)および粉塵誘発性喘息を含み、間欠性および永続性両方の、および全ての重症度の、および他の気道過敏反応性が原因のものを含む喘息を含む気道の閉塞性疾患;慢性閉塞性肺疾患(COPD);感染性および好酸球性気管支炎を含む気管支炎;肺気腫;気管支拡張症;嚢胞性線維症;サルコイドーシス;農夫肺および関連疾患;過敏性肺炎;原因不明線維化肺胞炎、特発性間質性肺炎、抗新生物治療および結核およびアスペルギルス症および他の真菌感染症を含む慢性感染症に付随する線維症を含む肺線維症;肺移植の合併症;肺脈管構造の血管炎性および血栓性障害および肺高血圧;気道の炎症状態および分泌状態と関連する慢性咳および医原性咳の処置を含む鎮咳活性;薬物性鼻炎、および血管運動性鼻炎を含む急性および慢性鼻炎;神経性鼻炎(枯草熱)を含む通年性および季節性アレルギー性鼻炎;鼻のポリープ症;感冒、および呼吸器多核体ウイルス、インフルエンザ、コロナウイルス(SARSを含む)およびアデノウイルスによる感染症を含む急性ウイルス性感染症;
【0090】
2. 皮膚:乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎または他の湿疹性皮膚炎、および遅延型過敏症反応;植物性および光皮膚炎;脂漏性皮膚炎、疱疹状皮膚炎、光線性角化症、扁平苔癬、硬化性萎縮性苔癬、壊疽性膿皮症、皮膚サルコイド、円板状エリテマトーデス、天疱瘡、類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、脈管炎、毒性紅斑、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症、男性型禿頭、スウィート症候群、ウェーバー・クリスチャン症候群、多形性紅斑;感染性および非感染性の蜂巣炎;脂肪織炎;皮膚リンパ腫、非黒色腫性皮膚癌および他の形成異常性病変;固定薬疹を含む薬物誘発性障害;
【0091】
3. 眼:眼瞼炎;通年性および春季アレルギー性結膜炎を含む結膜炎;虹彩炎;前部および後部ブドウ膜炎;脈絡膜炎;網膜に影響する自己免疫性、変性または炎症性障害;交感神経性眼炎を含む眼炎;サルコイドーシス;ウイルス性、真菌性、および細菌性を含む感染症;
【0092】
4. 尿生殖器:間質性および糸球体腎炎を含む腎炎;ネフローゼ症候群;急性および慢性(間質性)膀胱炎およびハンナー潰瘍を含む膀胱炎;急性および慢性尿道炎、前立腺炎、精巣上体炎、卵巣炎および卵管炎;外陰部腟炎;ペイロニー病;勃起不全(男女両方);
【0093】
5. 同種移植片拒絶反応:例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺、骨髄、皮膚または角膜の移植後または輸血後の急性および慢性拒絶反応;または慢性移植片対宿主病;
【0094】
6. リウマチ性関節炎、過敏性腸症候群、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、橋本甲状腺炎、グレーブス病、アジソン病、真性糖尿病、特発性血小板減少性紫斑病、好酸球性筋膜炎、高IgE症候群、抗リン脂質抗体症候群およびセザリー(Sazary)症候群を含む他の自己免疫およびアレルギー性障害;
【0095】
7. 腫瘍学:前立腺、乳房、肺、卵巣、膵臓、腸および結腸、胃、皮膚および脳の腫瘍および骨髄(白血病を含む)およびリンパ増殖系に影響する悪性腫瘍、例えばホジキンおよび非ホジキンリンパ腫を含む一般的な癌の処置;転移疾患および腫瘍再発および新生物随伴症候群の予防および処置を含む;および
【0096】
8. 感染症:ウイルス性疾患、例えば性器疣贅、尋常性疣贅、足底疣贅、B型肝炎、C型肝炎、単純ヘルペスウイルス、伝染性軟属腫、痘瘡、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス(CMV)、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、インフルエンザ、パラインフルエンザ;結核およびマイコバクテリウム・アビウムのような細菌性疾患、ハンセン病;他の感染症、例えば真菌性疾患、クラミジア、カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカス髄膜炎、ニューモシスティス・カリニ、クリプトスポリジウム症、ヒストプラスマ症、トキソプラズマ症、トリパノゾーマ感染およびリーシュマニア症。
【0097】
それ故に、本発明は、治療に使用するための、ここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物を提供する。
【0098】
さらなる面において、本発明は、治療用医薬の製造における、ここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物の使用を提供する。
【0099】
本明細書の文脈において、用語“治療”は、また、これに反する具体的指示がない限り、“予防”を含む。用語“治療上”および“治療的”はこれに従い解釈すべきである。
【0100】
予防は、当該疾患または状態の前駆事象を有するかまたは他の方法でリスクが高いと見なされるヒトの処置に特に適切であることが期待される。特定の疾患または状態を発症するリスクのあるヒトは、一般に、該疾患または状態の家族歴を有するかまたは遺伝子試験またはスクリーニングで該疾患または状態に特に感受性であることが同定されているヒトを含む。
【0101】
特に、本発明の塩類(溶媒和された形態を含む)は喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、癌、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HPV、細菌感染症および皮膚疾患の処置に使用し得る。加えて、本塩類はまたワクチンアジュバントとして有用であり得る。
【0102】
従って、本発明のさらなる面として、喘息、COPDまたはアレルギー性鼻炎の処置に使用するための、ここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物が提供される。
【0103】
本発明のさらなる面として、喘息の処置に使用するためのここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物が提供される。
【0104】
本発明のさらなる面として、COPDの処置に使用するためのここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物が提供される。
【0105】
本発明のさらなる面として、アレルギー性鼻炎の処置に使用するためのここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物が提供される。
【0106】
本発明のさらなる面として、ワクチンアジュバントとして使用するためのここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物が提供される。
【0107】
本発明のさらなる面として、喘息、COPDまたはアレルギー性鼻炎の処置用医薬の製造におけるここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物の使用が提供される。
【0108】
本発明のさらなる面として、喘息の処置用医薬の製造におけるここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物の使用が提供される。
【0109】
本発明のさらなる面として、COPDの処置用医薬の製造におけるここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物の使用が提供される。
【0110】
本発明のさらなる面として、アレルギー性鼻炎の処置用医薬の製造におけるここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物の使用が提供される。
【0111】
本発明のさらなる面として、疾患または状態の処置のためのワクチンの製造における、ワクチンアジュバントとしてのここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物の使用が提供される。
【0112】
本発明はそれ故に、炎症性疾患を、該疾患に罹患しているかまたは罹患するリスクのある患者において処置する方法であって、治療有効量のここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物を投与することを含む方法を提供する。
【0113】
本発明はまた、気道疾患、例えば可逆性閉塞性気道疾患、例えば喘息を、該疾患に罹患しているかまたは罹患するリスクのある患者において処置する方法であって、治療有効量のここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物を投与することを含む方法を提供する。
【0114】
本発明は、なおさらに、異常細胞増殖を含むまたはそれに起因する疾患または状態(例えば癌)を処置するまたはリスクを軽減する方法であって、それを必要とする患者に治療有効量のここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物を投与することを含む、方法を提供する。
【0115】
本発明は、なおさらに、疾患または状態を処置する、またはそのリスクを軽減する方法であって、それを必要とする患者に治療有効量のワクチンおよびここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物を投与することを含む、方法を提供する。
【0116】
本発明は、なおさらに、患者におけるワクチンに対する応答を高める方法であって、それを必要とする患者に治療有効量のワクチンおよびここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物を投与することを含む方法を提供する。
【0117】
上記の治療使用のために使用される投与量は、当然、用いる塩、投与方式、望む処置および指示される障害により変わる。例えば、(溶媒和されている)塩の1日投与量は、吸入されるならば、0.05マイクログラム/キログラム体重(μg/kg)〜100マイクログラム/キログラム体重(μg/kg)の範囲であり得る。例えば約0.1〜100μg/kgの投与量、例えば約0.1、0.5、1、2、5、10、20、50または100μg/kgの投与量。あるいは、(溶媒和されている)塩を経口で投与するならば、1日投与量は0.01マイクログラム/キログラム体重(μg/kg)〜100ミリグラム/キログラム体重(mg/kg)の範囲であり得る。
【0118】
ここに記載する投与量は、遊離塩基としての化合物(I)についてである。従って、遊離塩基と比較して塩の分子量が増加するため、特定の塩の対応投与量は多くなる。
【0119】
本発明の塩類はそれ自体で投与してよいが、一般に、本塩またはその溶媒和物(活性成分)が薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と組み合わさっている医薬組成物の形態で投与する。適当な医薬製剤の選択および製造の慣用法は、例えば、“Pharmaceuticals - The Science of Dosage Form Designs", M. E. Aulton, Churchill Livingstone, 1988に記載されている。
【0120】
投与方式によって、医薬組成物は0.05〜99%w(重量パーセント)、より好ましくは0.05〜80%w、さらに好ましくは0.10〜70%w、さらに好ましくは0.10〜50%wの活性成分を含んでよく、全ての重量パーセントは総組成物に基づく。
【0121】
本発明はまた、ここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物を薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と共に含む医薬組成物を提供する。
【0122】
本発明はさらに、ここに定義する化合物(I)の塩または該塩の溶媒和物と薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体を混合することを含む、本発明の医薬組成物の製造方法を提供する。
【0123】
医薬組成物は局所的に(例えば皮膚または肺および/または気道に(経口または経鼻吸入により)投与)、例えば、クリーム剤、液剤、懸濁液剤、ヘプタフルオロアルカン(HFA)エアロゾル剤および乾燥粉末製剤、例えば、Turbuhaler(登録商標)として既知の吸入器中の製剤の形態で;または全身的に、例えば錠剤、カプセル剤、シロッ剤、散剤または顆粒剤の形態で経口投与により;または溶液剤または懸濁液剤の形で非経腸投与により;または皮下投与により;または坐薬の形態で直腸投与により;または経皮的に投与してよい。
【0124】
吸入投与用医薬組成物
本発明の一態様において、医薬組成物を吸入(経口または経鼻)により投与する。
【0125】
化合物(I)の塩を、適当な送達デバイスを使用して、例えば乾燥粉末吸入器、定量吸入器、ネブライザーまたは経鼻送達デバイスから投与し得る。かかるデバイスは既知である。
【0126】
さらなる態様において、医薬組成物を乾燥粉末吸入器(DPI)の手段により投与する。
【0127】
DPIは“受動的”または呼気駆動型であっても、粉末が患者による吸入以外の他の機構、例えば、圧縮空気の内部供給により分散される“能動的”であってもよい。現時点で、一投与量、多単位投与量または多回投与量(貯蔵部)吸入器の3タイプの受動的乾燥粉末吸入器が利用可能である。一投与量デバイスにおいて、個々の投与量は、通常ゼラチンカプセル中に提供され、使用前にそれを吸入器に装填しなければならず、その例は、Spinhaler(登録商標)(Aventis)、Rotahaler(登録商標)(GlaxoSmithKline)、AeroliserTM(Novartis)、Inhalator(登録商標)(Boehringer)およびEclipse(Aventis)デバイスを含む。多単位投与量吸入器は、複数ゼラチンカプセルまたはブリスター中に多くの個々に包装された投与量を含み、その例はDiskhaler(登録商標)(GlaxoSmithKline)、Diskus(登録商標)(GlaxoSmithKline)およびAerohaler(登録商標)(Boehringer)デバイスを含む。多回投与量デバイスにおいて、薬剤は大量粉末貯蔵部に貯蔵されそこから各投与量が定量され、その例はTurbuhaler(登録商標)(AstraZeneca)、Easyhaler(登録商標)(Orion)、Novolizer(登録商標)(ASTA Medica)、Clickhaler(登録商標)(Innovata Biomed)およびPulvinal(登録商標)(Chiesi)デバイスを含む。
【0128】
DPIで使用するための吸入可能医薬組成物または乾燥粉末製剤は、微粉化した活性成分(一般に10μm以下、好ましくは5μm以下の質量中央径を有する)と担体物質、例えば、単糖類、二糖類または多糖類、糖アルコール、または他のポリオールと混合することにより製造できる。適当な担体は糖類または糖アルコール類、例えば、ラクトース、グルコース、ラフィノース、メレジトース、ラクチトール、マルチトール、トレハロース、スクロース、マンニトール;およびデンプンである。担体粒子は、20〜1000μm、より一般的には50〜500μmの質量中央径を有し得る。粉末混合物を、その後、必要に応じて、硬ゼラチンカプセルに分配し、各々所望の投与量の活性成分を含む。
【0129】
あるいは、吸入可能医薬組成物を、微粉化した粉末(例えば微粉化した活性成分および微粉化した担体粒子から成る)を、吸入過程中に破壊される球体に加工することにより製造し得る。この球体化粉末を多回投与量吸入器、例えば、Turbuhaler(登録商標)として既知の吸入器の薬剤貯蔵部に入れ、そこで投与ユニットが所望の投与量を定量し、それが患者により吸入される。
【0130】
従って、本発明はまた本発明の吸入可能医薬組成物を含む乾燥粉末吸入器、特に多単位投与量乾燥粉末吸入器も提供する。
【0131】
さらなる態様において、化合物(I)の塩を定量吸入器(MDI)、特に加圧定量吸入器(pMDI)の手段により投与する。pMDIは、活性成分を、加圧容器中に適当な溶液または懸濁液として含む。活性成分はpMDIデバイスのバルブを作動させることにより送達される。作動は手動でも呼気駆動でもよい。手動で作動させるpMDIにおいて、デバイスは、例えば、pMDIデバイス上の適当な放出機構を押すことにより、吸入するときに使用者が作動する。呼気駆動型pMDIは、患者がpMDIのマウスピースを介して吸入したときに駆動する。デバイスの作動が患者の吸入と同期し、より一貫した活性成分の投与をもたらし得るために、有利であり得る。pMDIデバイスの例はRapihaler(登録商標)(AstraZeneca)を含む。
【0132】
pMDIで使用するための吸入可能医薬組成物は、化合物(I)の塩を適当な噴射剤に添加剤、例えば溶媒(例えばエタノール)、界面活性剤、滑剤、防腐剤または安定化剤を添加して、または添加せずに溶解または分散させることにより製造できる。適当な噴射剤は炭化水素、クロロフルオロカーボンおよびヒドロフルオロアルカン(例えばヘプタフルオロアルカン)噴射剤、または任意のかかる噴射剤の混合物を含む。好ましい噴射剤はP134aおよびP227であり、その各々は単独で、または他の噴射剤および/または界面活性剤および/または他の添加剤と組み合わせて使用し得る。化合物(I)の塩を懸濁液として使用するとき、塩は、適切には、微粉化形態(一般に10μm以下、好ましくは5μm以下の質量中央径を有する)で存在する。
【0133】
さらなる態様において、化合物(I)の塩を、スペーサーと組み合わせた定量吸入器の手段により投与する。適当なスペーサーは既知であり、Nebuchamber(登録商標)(AstraZeneca)またはVolumatic(登録商標)(GSK)を含む。
【0134】
さらなる態様において、化合物(I)の塩をネブライザーの手段により投与する。適当なネブライザーは既知である。
【0135】
ネブライザーで使用するための吸入可能医薬組成物は、適当な水性媒体中に化合物(I)の塩を分散させるか、または好ましくは溶解することにより製造できる。本組成物はまた例えば、適当なpHおよび/または張性調節剤、界面活性剤および防腐剤を含み得る。適当な組成物の例は、化合物(I)の塩、クエン酸緩衝剤および食塩水を含む組成物を含む。
【0136】
さらなる態様において、化合物(I)の塩を適当な経鼻送達デバイス、例えば経鼻送達に適するスプレーポンプまたはMDIからスプレーとして経鼻的に投与する。あるいは、塩を適当なDPIデバイス、例えばRhinocort(登録商標)Turbuhaler(登録商標)(AstraZeneca)を使用して粉末として経鼻的に投与できる。
【0137】
スプレーポンプまたはMDI経鼻送達デバイスに使用するための経鼻吸入可能医薬組成物は、MDIデバイスを介する吸入について上に記載したものに類似して、適当な水性媒体中に化合物(I)の塩を分散させるか、または好ましくは溶解させることにより製造できる。経鼻送達用の適当な乾燥粉末組成物は、DPI送達について上に記載した通りである。しかしながら、化合物の肺への浸透を制限し、化合物を鼻腔に留めることが望ましいとき、例えば約10μmより大きい、例えば10μm〜50μmの平均粒子径を有する、大きな粒子径の化合物を使用することが必要であるかもしれない。
【0138】
従って、本発明はまた、本発明の吸入可能医薬組成物を含む、経鼻投与に適当な吸入器(例えば乾燥粉末吸入器、特に多単位投与量乾燥粉末吸入器、またはpMDI吸入器)も提供する。
【0139】
本発明の塩類は、上に記載した状態の処置に使用するための他の化合物と組み合わせて投与してもよい。かかる付加的な化合物の例は、WO2009/067081に記載されているものを含む。
【0140】
使用、処置方法、医薬組成物および投与に関連した“化合物(I)の塩”の記載は、ここに記載する塩類のいずれか一つ、例えば2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルの安息香酸塩、trans−桂皮酸塩、メタンスルホン酸塩、二サッカリン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸塩、二2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸塩、1,5−ナフタレンスルホン酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、フマル酸塩、二フマル酸塩、L−酒石酸塩、コハク酸塩、二コハク酸塩に及ぶものであると解釈されるべきである。
【0141】
それ故に、本発明は、さらに、本発明の塩、または本発明の塩を含む医薬組成物を、記載する状態の一つ以上の処置のために、1種または多種の他の治療剤と同時にまたは連続的にまたは組合せ製剤として投与する、組合せ治療に関する。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】化合物(I)の一安息香酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図2】化合物(I)の一trans−桂皮酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図3】化合物(I)の一メタンスルホン酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図4】化合物(I)の二サッカリン塩(形態A)のX線粉末回折パターンを示す。
【図5】化合物(I)の二サッカリン塩(形態B)のX線粉末回折パターンを示す。
【図6】化合物(I)の二(1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸)塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図7】化合物(I)の一(2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸)塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図8】二(2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸)化合物(I)の塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図9】化合物(I)の一1,5−ナフタレンスルホン酸塩(形態A)のX線粉末回折パターンを示す。
【図10】化合物(I)の一1,5−ナフタレンスルホン酸塩(形態B)のX線粉末回折パターンを示す。
【図11】化合物(I)の一クエン酸塩(形態A)のX線粉末回折パターンを示す。
【図12】化合物(I)の一クエン酸塩(形態B)のX線粉末回折パターンを示す。
【図13】化合物(I)の一リン酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図14】化合物(I)の二リン酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図15】化合物(I)の一フマル酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図16】化合物(I)の一L−酒石酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図17】化合物(I)の一コハク酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図18】化合物(I)の二コハク酸塩のX線粉末回折パターンを示す。
【図19】のX線粉末回折パターンを示す化合物(I)の二フマル酸塩。
【図20】化合物(I)の二サッカリン塩形態Aの示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。X軸は温度(℃)であり、y軸は熱流量(ワット/g)である。
【図21】化合物(I)の二サッカリン塩形態Bの示差走査熱量測定(DSC)トレースを示す。X軸は温度(℃)であり、y軸は熱流量(ワット/g)である。
【図22】化合物(I)の二フマル酸塩の動的蒸気吸着(DVS)等温線プロットを示す。X軸は相対湿度(RH%)であり、y軸はサンプルの質量変化である。
【図23】化合物(I)の一フマル酸塩の動的蒸気吸着(DVS)等温線プロットを示す。X軸は相対湿度(RH%)であり、y軸はサンプルの質量変化である。
【図24】40℃および75%相対湿度で貯蔵したときの化合物(I)の一サッカリン塩(2種のバッチ、黒三角)、一trans−桂皮酸塩(黒塗り丸)、一コハク酸塩(黒塗り菱形)、一安息香酸塩(白抜き菱形)、二フマル酸塩(白抜き丸)、二キシナホ酸塩(白抜き三角)および二サッカリン塩(×印)の貯蔵安定性を示す。X軸は時間(週)であり、y軸は式(A)の酸分解産物(実施例22に記載)の%(w/w)である。
【図25】40℃および75%相対湿度で貯蔵したときのラクトース一水和物と化合物(I)の一サッカリン塩(黒塗り三角)、一安息香酸塩(白抜き菱形)、二フマル酸塩(白抜き丸)および二サッカリン塩(×印)の混合物の貯蔵安定性を示す。X軸は時間(週)であり、y軸は式(A)の酸分解産物(実施例22に記載)の%(w/w)である。
【実施例】
【0143】
実施例
本発明を、以下の説明的実施例を用いてさらに説明し、そこでは、特に断らない限り以下のことが適用される:
(i) 温度は摂氏(℃)で示す;操作は室温または環境温度、すなわち、18−25℃の範囲の温度で行った。
(ii) 一般に、反応の進行をHPLCで追跡しており、反応時間は説明のみを目的として記載する。
(iii) 収率は説明のためにのみ記載し、必ずしも入念な工程開発を経て得ることができるものではない;より多くの物質が必要であるならば、製造を繰り返した。
(iv) 化学記号はその通常の意味を有する;SI単位および記号を使用する。
(v) 溶媒比を容積:容積(v/v)で記載する。
(vi) 特に断らない限り、出発物質は市販されていた。
【0144】
一般法
NMR
1H NMRスペクトルを、298KでVarian Unity Inova 400 MHz(ソフトウェア:VNMR 6.1CおよびVNMRJ 1.1D;プローブ:Nalorac 5mm DG400-5AT)またはVarian Mercury-VX 300 MHz(ソフトウェア:VNMR 6.1C;プローブ:Varian 5mm AutoSW PFG)装置で記録した。アセトン−d6またはジメチルスルホキシド(DMSO)−d6の中央ピークを内部標準として使用した。
【0145】
示差走査熱量測定(DSC)
標準法(例えばHoehne, G. W. H. et al (1996), Differential Scanning Calorimetry, Springer, Berlinに記載の方法)を使用して、試験サンプルの上昇させている温度に対する熱量測定応答をTA Instruments Q2000 Differential Scanning Calorimeter(DSC)を使用して試験した。測定を0〜250℃の間で、10℃/分のランプ速度で行った。約0.5〜5mgの試験サンプルを、窒素ガス流(50mL/分)下、蓋(しわなし)付きのアルミニウムパンに入れた。
【0146】
上に記載した通り、DSC開始温度およびピーク温度がサンプルの純度および装置パラメータ、特に温度走査速度により変わり得ることは既知である。当業者は、ここに記載するデータと同等のデータを集めることができるように、示差走査熱量計の装置パラメータを設定するために日常的最適化/較正を使用できる。
【0147】
略語
以下の略語を使用している。
【表1】
【0148】
付加物(塩)製造
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル付加物(塩)形成
特に断らない限り、以下の実施例に記載する付加物(塩類)を次の通り製造した:
一定量の2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(20mg)のアセトニトリル(2mL)溶液に、1または2モル当量の対応する酸を固体としてまたはアセトニトリル(2mL)(安息香酸(固体)、trans−桂皮酸(固体)、メタンスルホン酸、2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸、クエン酸、1,5−ナフタレンスルホン酸、85%水性リン酸、コハク酸(固体)、フマル酸(固体)、L−酒石酸、サッカリン(固体)または2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸(固体))に溶解して添加した。溶媒を得られた混合物から、開放空気中への蒸発により除去した。溶媒(アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジメトキシエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、1,4−ジオキサンまたはジエチルエーテル;各2mL)をこれらの残留物に添加し、混合物を7日間スラリー化して、対応する付加物を形成させた。固体を遠心分離を示由生して濾過し、真空下乾燥させた。
【0149】
実施例1
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル安息香酸塩
【化3】
製造はアセトニトリルでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.96 - 7.91 (2H, m), 7.59 - 7.54 (1H, m), 7.49 - 7.43 (2H, m), 7.14 (2H, d), 7.05 (2H, d), 6.36 (1H, t), 6.10 (2H, s), 4.01 (2H, t), 3.72 (2H, s), 3.58 (2H, s), 3.29 - 3.22 (2H, m), 2.19 (2H, t), 2.09 (6H, s), 2.04 (3H, s), 1.59 - 1.49 (2H, m), 1.48 - 1.34 (4H, m), 1.28 - 1.09 (4H, m), 0.82 (3H, t)
【0150】
実施例2
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルtrans−桂皮酸塩
【化4】
製造はジエチルエーテルでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.67 - 7.61 (m, 2H), 7.48 (d, 1H), 7.44 - 7.35 (m, 3H), 7.18 - 7.09 (m, 2H), 7.07 - 6.98 (m, 2H), 6.50 (d, 1H), 6.20 - 6.11 (m, 1H), 5.69 (s, 2H), 4.01 (t, 2H), 3.71 (s, 2H), 3.58 (s, 2H), 3.27 - 3.18 (m, 2H), 2.15 (t, 2H), 2.07 (s, 6H), 2.00 (s, 3H), 1.61 - 1.32 (m, 6H), 1.30 - 1.10 (m, 4H), 0.82 (t, 3H)
【0151】
実施例3
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルメタンスルホン酸塩
【化5】
製造はジエチルエーテルでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.16 (2H, d), 7.07 (2H, d), 6.52 (2H, s), 4.02 (2H, t), 3.76 (2H, s), 3.61 (2H, s), 3.34 - 3.27 (2H, m), 2.69 - 2.60 (2H, m), 2.45 (3H, s), 2.30 (6H, s), 2.09 (3H, s), 1.61 - 1.40 (6H, m), 1.27 - 1.06 (4H, m), 0.81 (3H, t)
【0152】
実施例4
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二サッカリン塩(形態A)
【化6】
HATU(0.333g)を撹拌している2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸(0.3g)、4−(ジメチルアミノ)ブタン−1−オール(0.308g)およびヒューニッヒ塩基(0.45mL)のDMF(6mL)溶液に、室温で窒素雰囲気下添加した。混合物を室温で3時間撹拌し、0.2%水性NH3およびアセトニトリルで溶出するXBridge C8(30×100mm)カラムでのRPHPLCで精製した。得られたガム状物(225mg)をMeCN(5mL)に溶解し、サッカリン(186mg)を添加し、溶媒を減圧下蒸発させて、泡状物を残した(411mg)。酢酸エチル(0.5mL)中、7日間撹拌しながらスラリー化(16mg)して表題化合物(化合物(I)の二サッカリン塩形態A)を得て、それを濾過により単離した。
化合物(I)対酸の1:2の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.92 (t, 1H), 7.69 - 7.52 (m, 8H), 7.40 (s, 2H), 7.18 (d, 2H), 7.10 (d, 2H), 4.03 (t, 2H), 3.82 (s, 2H), 3.63 (s, 2H), 3.41 - 3.29 (m, 2H), 3.10 - 3.02 (m, 2H), 2.76 (s, 6H), 2.20 (s, 3H), 1.71 - 1.54 (m, 4H), 1.47 (quintet , 2H), 1.28 - 1.05 (m, 4H), 0.81 (t, 3H)。
【0153】
実施例4a
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二サッカリン塩(形態A)の別の製造方法
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(1.0g)のEtOAc(10mL)中の懸濁液を溶液になるまで加熱し、20℃に冷却した。サッカリン(0.9g)を溶液に添加し、混合物をその温度で3時間撹拌した。6日間撹拌後、得られた沈殿を濾過により回収し、乾燥させて、化合物(I)の二サッカリン塩形態A、1.78gを得た。
【0154】
実施例4b
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二サッカリン塩(形態A)の別の製造方法
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(0.50g、1.13mmol)およびサッカリン(0.41g、2.26mmol)を合わせ、MeCN(25mL)を添加した。懸濁液を透明溶液が得られるまで超音波処理した。溶媒を蒸発させて、二サッカリン塩を油状物として得た。EtOAc(17mL)を油状物に添加した。油状残留物は室温では完全に溶解しなかった。混合物を超音波処理し、白色懸濁液が形成され、幾分かのガム様物質がフラスコ壁上に観察された。混合物を2日間撹拌し、得られた結晶を濾過により回収し、減圧下乾燥させて、化合物(I)の二サッカリン塩形態Aを得た(757mg、収率83%)。
【0155】
実施例4c
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二サッカリン塩(形態A)の別の製造方法
(i) 2−(4−(シアノメチル)ベンジル)−3−オキソ酪酸メチル
撹拌している3−ヒドロキシ−2−メチレン酪酸メチル(70.0g)、2−(4−ブロモフェニル)アセトニトリル(126.5g)、PdCl2[P(o−tol)3]2(4.2g)およびトリエチルアミン(108.9g)のアセトニトリル(280mL)中の混合物を、窒素下、70℃で6時間加熱した。混合物を室温に冷却し、トルエン(840mL)および水(840mL)で希釈し、10分間撹拌した。有機層を分離し、水(840mL)で洗浄し、減圧下濃縮して、副題化合物を赤色油状物、158.7gとして得た。この生成物をさらに精製せずに次工程に使用した。
LC-MS m/z 244 APCI -
【0156】
(ii) 2−(4−((2−アミノ−4−ヒドロキシ−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)アセトニトリル
撹拌している工程(i)からの粗生成物および炭酸グアニジン(128.1g)のメタノール(915mL)中の混合物を、5時間加熱還流した。混合物を室温に冷却し、水(923mL)で希釈し、酢酸で中和した。混合物を10℃に冷却し、得られた沈殿を濾過により回収し、メタノール(501mL)で洗浄し、減圧下乾燥させて、副題化合物を固体、82.4gとして得た;1H NMR DMSO-d6: δ 10.91 (brs, 1H), 7.20-7.17 (m, 4H), 6.38 (s, 2H), 3.95 (s, 2H), 3.63 (s, 2H), 2.00 (s, 3H)。
LC-MS m/z 255 APCI +
【0157】
(iii) 2−(4−((2−アミノ−4−((2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)オキシ)−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)アセトニトリル
N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−プロパンジアミン(56.7g)を、工程(ii)からの生成物(85.0g)および2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニルクロライド(87.8g)のTHF(452.9g)中の懸濁液に滴下し、混合物を45℃で7時間加熱した。2.5%HCl水溶液(1291g)を混合物に添加し、混合物を5℃で30分間撹拌した。得られた沈殿を濾過により回収し、アセトニトリル(2×68.0g)で洗浄し、乾燥させて、粗副題化合物を固体として得た。撹拌している固体のアセトニトリル(654.5g)懸濁液を70℃で30分間撹拌し、5℃に冷却し、5℃で30分間撹拌した。得られた沈殿を濾過により回収し、アセトニトリル(2×68.0g)で洗浄し、乾燥させて、副題化合物を固体、113.1gとして得た;
1H NMR CDCl3: δ 7.24 (d, 2H), 7.11 (d, 2H), 6.96 (s, 2H), 4.71 (s, 2H), 3.90 (s, 2H), 3.71 (s, 2H), 2.59 (s, 6H), 2.32 (s, 3H), 2.27(s, 3H)。
LC-MS m/z 373 multimode +
【0158】
(iv) 2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)−アセトニトリル
トリフルオロ酢酸(27.4g)を、工程(iii)からの生成物(105.0g)およびn−ペンチルアミン(62.9g)の酢酸ブチル(877.8g)中の懸濁液に添加し、混合物を120℃で2時間加熱した。混合物を20℃に冷却し、4%水性NaOH(997.5g)を混合物に添加した。有機層を分離し、水(997.5g)および10%水性NH4Cl(997.5g)で洗浄し、溶媒を減圧下蒸発させて、固体を得た。固体をアセトニトリル(221.1g)に50℃で溶解し、溶液を42℃に冷却し、種晶添加し、この温度で1時間撹拌した。混合物を5℃に冷却後、5℃で1時間撹拌し、得られた沈殿を濾過により回収し、アセトニトリル(2×31.5g)で減圧下乾燥させて、副題化合物を固体、52.0gとして得た;1H NMR DMSO-d6: δ 7.23 (d, 2H), 7.11 (d, 2H), 6.17 (t, 1H), 5.68 (s, 2H), 3.96 (s, 2H), 3.73 (s, 2H), 3.27-3.22 (m, 2H), 2.00 (s, 3H), 1.47-1.40 (m, 2H), 1.28-1.19 (m, 2H), 1.17-1.09 (m, 2H), 0.82 (t, 3H)。
LC-MS m/z 324 multimode +
【0159】
(v) 2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸
工程(iv)からの生成物(51.7g)および5M KOH(517g)のエタノール(204g)中の混合物を80℃で4時間加熱した。溶媒を減圧下蒸発させた後、残留物を水(259mL)で希釈し、t−ブチルメチルエーテル(390g)で25℃で洗浄した。溶液を5℃に冷却し、溶液のpHを濃HClでpH5に調節した。得られた沈殿を濾過により回収し、水(200mL)およびMeCN(200g)の組合せ溶液で洗浄し、乾燥させて、副題化合物を固体、57.0gとして得た;4.5%重量の水含有;1H NMR DMSO-d6:7.12 (d, 2H), 7.02 (d, 2H), 6.32 (t, 1H), 5.94 (brs, 2H), 3.71 (s, 2H), 3.46 (s, 2H), 3.27-3.23 (m, 2H), 2.00 (s, 3H), 1.48-1.41 (m, 2H), 1.27-1.21 (m, 2H), 1.18-1.13 (m, 2H), 0.82 (t, 3H)。
LC-MS m/z 343 multimode +
【0160】
(vi) 2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル
4,4’−ジメチルアミノブタノール(66.7g)、HOBt(30.8g)およびEDCI.HCl(43.8g)を、工程(v)からの生成物(65.0g)のDMF(619g)懸濁液に、窒素下25℃で添加した。混合物を45℃で4時間撹拌し、2M HCl(650g)で酸性化した。混合物をCHCl3(966g)、28%水性NH3(176g)で洗浄した。混合物をEtOAc(2×586g)で抽出し、有機層を水(3×975g)で洗浄した。溶液を減圧下濃縮して、副題化合物を褐色油状物、68.2gとして得た;1H NMR CDCl3:7.19 (d, 2H), 7.08 (d, 2H), 4.61 (brs, 2H), 4.29 (t, 1H), 4.10 (t, 2H), 3.73 (s, 2H), 3.58 (s, 2H), 3.29-3.25 (m, 2H), 2.26-2.23 (m, 2H), 2.25 (s, 3H), 2.19 (s, 6H), 1.69-1.61 (m, 2H), 1.52-1.46 (m, 2H), 1.42-1.35 (m, 2H), 1.27-1.18 (m, 2H), 1.12-1.03 (m, 2H), 0.82 (t, 3H)。
LC-MS m/z 442 multimode +
【0161】
(vii) 2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二サッカリン塩(形態A)
サッカリン(41.5g)を、撹拌している工程(vi)からの生成物(50.0g)のアセトニトリル(150mL)溶液に添加した。混合物を40℃に加熱し、その温度で10分間撹拌した。混合物をEtOAc(500mL)で希釈し、形態A結晶を種晶添加し、40℃で5時間撹拌した。混合物を20℃に冷却し、その温度で2時間撹拌した。得られた固体を濾過により回収し、EtOAc(200mL)で洗浄し、減圧下乾燥させて、副題化合物の粗サンプルを白色固体、81.5gとして得た。
上で得た粗生成物(1.0g)をアセトニトリル(2mL)に溶解し、40℃に加熱し、その温度で20分間撹拌した。加熱した溶液を濾紙(0.1μmメッシュ)を通して濾過した。濾液をEtOAc(7mL)で希釈し、形態A結晶を種晶添加し、40℃で30分間撹拌した。混合物を35℃に冷却し、4時間撹拌した。混合物を15℃に冷却し、その温度で2時間撹拌後、得られた沈殿を濾過により回収し、EtOAc(2mL)で洗浄し、乾燥させて、表題化合物を白色固体、0.9gとして得た;1H NMR DMSO-d6: δ 7.95 (brt, 1H), 7.68-7.63 (m, 2H), 7.62-7.56 (m, 6H), 7.19 (d, 2H), 7.15 (d, 2H), 4.03 (t, 2H), 3.82 (s, 2H), 3.63 (s, 2H), 3.38-3.33 (m, 2H), 3.07-3.02 (m, 2H), 2.76 (s, 6H), 2.20 (s, 3H), 1.69-1.55 (m, 4H), 1.51-1.43 (m, 2H), 1.27-1.17 (m, 2H), 1.16-1.07 (m, 2H), 0.80 (t, 3H)。
LC-MS m/z 442 multimode +
【0162】
実施例4d
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二サッカリン塩形態Aの別の製造方法
(i) 2−(4−(シアノメチル)ベンジル)−3−オキソ酪酸メチル
撹拌している3−ヒドロキシ−2−メチレン酪酸メチル(30.0g、0.23mol)、2−(4−ブロモフェニル)アセトニトリル(54.2g、0.28mol)、PdCl2[P(o−tol)3]2(1.8g、2mmol)およびトリエチルアミン(46.7g、0.46mol)のアセトニトリル(90g)中の混合物を70℃で6時間、N2雰囲気下撹拌した。混合物を25℃に冷却し、トルエン(300g)および10%水性酢酸(360g)で希釈し、10分間撹拌した。有機層を分離し、水(360g)で洗浄し、減圧下濃縮して、副題化合物を赤色油状物、67.3gとして得た。この生成物をさらに精製せずに次工程に使用した。
LC-MS m/z 244 APCI -
【0163】
(ii) 2−(4−((2−アミノ−4−ヒドロキシ−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)アセトニトリル
撹拌している工程(i)からの粗生成物および炭酸グアニジン(36.7g、0.20mol)のメタノール(389g)中の混合物を、還流下、7時間加熱した。混合物を30℃に冷却し、水(222g)で希釈し、溶液のpHを酢酸でpH6.5に調節した。混合物を5℃に冷却後、得られた沈殿を濾過により回収し、メタノール(167g、333g)で2回洗浄し、減圧下乾燥させて、副題化合物を固体、32.6gとして得た。
1H NMR DMSO-d6: δ 10.91 (brs, 1H), 7.20-7.17 (m, 4H), 6.38 (s, 2H), 3.95 (s, 2H), 3.63 (s, 2H), 2.00 (s, 3H)。
LC-MS m/z 255 APCI +
【0164】
(iii) 2−(4−((2−アミノ−4−((2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)オキシ)−6−メチルピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)アセトニトリル
工程(ii)からの生成物(6.0g、23.6mmol)、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニルクロライド(9.28g、30.6mmol)およびDABCO(4.76g、42.5mmol)のTHF(48.0g)中の懸濁液を30℃で7時間撹拌した。水(9.6g)を混合物に添加し、有機層を分離し、減圧下濃縮して、固体を得た。固体をアセトニトリル(57.0g)に溶解し、60℃に加熱した。水(36.0g)を溶液に添加し、混合物を60℃で1時間撹拌した。水(36.0g)を混合物に添加し、混合物を5℃に冷却し、5℃で1時間撹拌した。得られた沈殿を濾過により回収し、水(9.0g)とアセトニトリル(3.6g)を合わせた溶液で2回洗浄し、乾燥させて、副題化合物を固体、11.6gとして得た。
1H NMR DMSO: δ 7.32 (s, 2H), 7.23 (d, 2H, J = 8.1 Hz), 7.06 (d, 2H, J = 8.1 Hz), 6.54 (s, 2H), 4.01 (m, 2H), 3.98 (s, 2H), 3.78 (s, 2H), 2.97 (s, 1H), 2.21 (s, 3H), 1.23 (d, 6H, J = 6.9 Hz), 1.16 (d, 12H, J = 6.8 Hz)。
LC-MS m/z 521 multimode +
【0165】
(iv) 2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)アセトニトリル
トリフルオロ酢酸(2.19g、19.2mmol)を、工程(iii)からの生成物(10.0g、19.2mmol)およびn−ペンチルアミン(5.0g、57.6mmol)の酢酸ブチル(65.0g)懸濁液に添加し、混合物を120℃で6時間加熱した。混合物を冷却し、減圧下濃縮して、固体を得た。固体のトルエン(30.0g)懸濁液を再び減圧下濃縮して、固体を得た。5%水性LiOH(60.0g)を、固体のトルエン(55.0g)およびTHF(14.0g)中の溶液に添加し、混合物を40℃で撹拌した。分離した有機層を水(60.0g)で40℃で洗浄し、減圧下濃縮して、固体を得た。得られた固体のトルエン(42.0g)懸濁液を54℃で1時間撹拌し、5℃に冷却し、5℃で10時間撹拌した。得られた沈殿を濾過により回収し、アセトニトリル(5.0g)および水(12.0g)で洗浄して、副題化合物を湿性結晶として得た。5.90g。この生成物を乾燥させずに次工程に使用した。
LC-MS m/z 324 multimode +
【0166】
(v) 2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸
工程(iv)からの湿生成物(5.90g)の10%水性NaOH(34.2g)およびエタノール(24.9g)中の懸濁液を85℃で5時間加熱した。混合物を25℃に冷却し、溶液のpHを18%水性酢酸(31.1g)でpH6.5に合わせた。得られた沈殿を濾過により回収し、水(18.6g)およびアセトニトリル(15.5g)で洗浄し、乾燥させて、副題化合物を白色固体、4.43gとして得た。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.12 (d, 2H, J = 8 Hz), 7.02 (d, 2H, J = 8 Hz), 6.32 (t, 1H, J = 6 Hz), 5.94 (brs, 2H), 3.71 (s, 2H), 3.46 (s, 2H), 3.27-3.23 (m, 2H), 2.00 (s, 3H), 1.48-1.41 (m, 2H), 1.27-1.21 (m, 2H), 1.18-1.13 (m, 2H), 0.82 (t, 3H, J = 7 Hz)。
LC-MS m/z 343 multimode +
【0167】
(vi) 2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸ヒドロクロライド
工程(v)からの生成物(8.00g、23.4mmol)のアセトニトリル(48.0g)懸濁液を40℃に加熱し、35%水性HCl(2.68g、25.7mmol)を懸濁液にゆっくり添加した。混合物を40℃で1時間撹拌後、酢酸イソプロピル(160g)を混合物にゆっくり添加した。混合物を15℃に冷却し、1時間撹拌した。得られた沈殿を濾過により回収し、アセトニトリル(5.14g)と酢酸イソプロピル(13.9g)を合わせた溶液で2回洗浄し、乾燥させて、副題化合物を白色固体、8.27gとして得た。
1H NMR DMSO-d6: δ 12.31 (s, 1H), 7.98 (t, 1H, J = 5 Hz), 7.17 (d, 2H, J = 8 Hz), 7.08 (d, 2H, J = 8 Hz), 3.81 (s, 2H), 3.51 (s, 2H), 3.38-3.34 (m, 2H), 2.19 (s, 3H), 1.51-1.44 (m, 2H), 1.25-1.16 (m, 2H), 1.15-1.07 (m, 2H), 0.81 (t, 3H, J = 7 Hz)。
LC-MS m/z 343 multimode +
【0168】
(vii) 2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(化合物(I))
工程(vi)からの生成物(2.00g、5.28mmol)およびメタンスルホン酸(1.52g、15.8mmol)のアセトニトリル(16.0g)溶液を20℃に冷却し、塩化チオニル(0.94g、7.92mmol)を溶液にゆっくり添加した。混合物を20℃で30分間撹拌後、4−ジメチルアミノ−1−ブタノール(1.11g、9.50mmol)を混合物にゆっくり添加した。混合物を40℃に加熱し、その温度で5時間撹拌した。反応混合物を20℃に冷却した後、酢酸エチル(18.0g)および25%水性トリメチルアミン(18.0g)を混合物にゆっくり添加した。有機層を分離し、5%水性NH4Cl(20.0g)、1%水性NaCl(20.0g)および水(20.0g)で洗浄した。副題化合物の溶液を濃縮せずに次工程に使用した。
LC-MS m/z 442 multimode +
【0169】
(viii) 2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二サッカリン塩(形態A)(化合物(I)二サッカリン塩(形態A))
工程(vii)からの生成物の溶液をアセトニトリル(9.3g)で希釈し、活性炭(0.2g)を添加した。混合物を25℃で30分間撹拌し、濾紙(1μmメッシュ)を通して濾過し、アセトニトリル(7.0g)で洗浄した。サッカリン(1.32g、7.21mmol)を濾液に添加し、工程(vii)からの生成物の溶液中の量をHPLC分析により決定した。工程(vii)からの生成物に対して当量のサッカリンを、さらにサッカリン(0.34g、1.86mmol)を加えて2.00モル濃度比に調節し、溶液を減圧下濃縮した。対応する残留物をアセトニトリル(4.1g)および酢酸エチル(9.6g)で希釈し、40℃に加熱し、表題化合物の形態A結晶を種晶添加した。混合物を40℃で1時間撹拌後、酢酸エチル(10.6g)を添加した。混合物を40℃で1時間し、10℃に冷却し、2時間撹拌した。得られた固体を濾過により回収し、アセトニトリル(0.8g)と酢酸エチル(3.0g)を合わせた溶液で洗浄し、減圧下乾燥させて、副題化合物の粗サンプルを白色固体として得た、3.11g。
上で得た粗生成物(3.00g)をアセトニトリル(4.5g)に懸濁し、懸濁液を40℃に加熱した。得られた溶液を濾紙(1μmメッシュ)を通して濾過し、濾液を酢酸エチル(12.0g)で希釈した。混合物を二サッカリン塩の形態A結晶で種晶添加し、1.5時間撹拌した。懸濁液を酢酸エチル(18.0g)で希釈し、1時間撹拌し、10℃に冷却し、3時間撹拌した。得られた固体を濾過により回収し、アセトニトリル(0.8g)と酢酸エチル(3.9g)を合わせた溶液で洗浄し、減圧下乾燥させて、表題化合物を白色固体として得た、2.54g。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.95 (brt, 1H, J = 6 Hz), 7.68-7.63 (m, 2H), 7.62-7.56 (m, 6H), 7.19 (d, 2H, J = 8 Hz), 7.15 (d, 2H, J = 8 Hz), 4.03 (t, 2H, J = 6 Hz), 3.82 (s, 2H), 3.63 (s, 2H), 3.38-3.33 (m, 2H), 3.07-3.02 (m, 2H), 2.76 (s, 6H), 2.20 (s, 3H), 1.69-1.55 (m, 4H), 1.51-1.43 (m, 2H), 1.27-1.17 (m, 2H), 1.16-1.07 (m, 2H), 0.80 (t, 3H, J = 7 Hz)。
LC-MS m/z 442 multimode +
【0170】
実施例5
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二サッカリン塩(形態B)
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(300mg、0.68mmol)およびサッカリン(249mg、1.36mmol)を合わせ、アセトニトリル(15mL)を添加した。懸濁液を透明溶液が得られるまで超音波処理した。溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチル(10mL)に再溶解し、3日間室温で撹拌して、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bを得た;1H NMR DMSO-d6: δ 7.91 (1H, s), 7.69 - 7.54 (8H, m), 7.39 (2H, s), 7.18 (2H, d), 7.10 (2H, d), 4.04 (2H, t), 3.82 (2H, s), 3.63 (2H, s), 3.39 - 3.33 (2H, m), 3.04 (2H, t), 2.75 (6H, s), 2.20 (3H, s), 1.71 - 1.54 (4H, m), 1.53 - 1.42 (2H, m), 1.28 - 1.17 (2H, m), 1.16 - 1.06 (2H, m), 0.81 (3H, t)。
【0171】
実施例5a
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二サッカリン塩(形態B)の別の製造方法
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(400mg、0.91mmol)を酢酸エチル(10mL)に溶解し、酢酸エチル(40mL)に溶解し、超音波処理したサッカリン(332mg、1.81mmol)を合わせた。溶媒を蒸発させ、残留物を酢酸エチル(10mL)中でスラリー化し、3日間室温で撹拌して、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bを得た。
【0172】
実施例5b
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二サッカリン塩(形態B)の別の製造方法
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(523mg、1.18mmol)を8mLのアセトニトリルに溶解した。別のフラスコでサッカリン(434mg、2.37mmol)を10mLのアセトニトリルと合わせ(これによりスラリーとなる)、これを化合物(I)−アセトニトリル混合物に添加した。混合物を透明溶液が得られるまで室温で撹拌した(10分間)。溶媒を蒸発させた。このガム状残留物にEtOAc(25mL)を添加し、混合物に0.1mgの化合物(I)二サッカリン塩形態Bを種晶添加した。混合物を3日間、室温で撹拌し、濾過し、乾燥させて(643mg)、化合物(I)の二サッカリン塩形態Bを得た。
化合物(I)対酸の1:2の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR (400 MHz, DMSO) d 7.93 (t, 1H), 7.68 - 7.54 (m, 10H), 7.3-7.5 (m, 2H), 7.18 (d, 2H), 7.10 (d, 2H), 4.03 (q, 2H), 3.82 (s, 2H), 3.63 (s, 2H), 3.10 - 3.01 (m, 2H), 2.76 (s, 6H), 2.19 (s, 3H), 1.71 - 1.54 (m, 4H), 1.52 - 1.42 (m, 2H), 1.31 - 1.06 (m, 5H), 0.81 (t, 3H)。
【0173】
実施例6
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩
【化7】
製造は酢酸エチルでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:2の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.20 (d, 2H), 7.98 (s, 2H), 7.80 - 7.71 (m, 5H), 7.51 - 7.45 (m, 2H), 7.43 - 7.37 (m, 2H), 7.16 (d, 2H), 7.12 - 7.05 (m, 4H), 4.03 (t, 2H), 3.82 (s, 2H), 3.60 (s, 2H), 3.40 - 3.32 (m, 2H), 2.99 (t, 2H), 2.71 (s, 6H), 2.24 (s, 3H), 1.72 - 1.55 (m, 4H), 1.48 (quintet, 2H), 1.28 - 1.05 (m, 4H), 0.81 (t, 3H)
【0174】
実施例7
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル一(2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸)塩
【化8】
製造はメチルtert−ブチルエーテルでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.83 (2H, d), 7.44 - 7.37 (4H, m), 7.18 (2H, d), 7.09 (2H, d), 4.03 (2H, t), 3.81 (2H, s), 3.63 (2H, s), 3.38 - 3.33 (2H, m), 2.99 - 2.92 (2H, m), 2.69 (6H, s), 2.16 (3H, s), 1.67 - 1.55 (4H, m), 1.51 - 1.42 (2H, m), 1.27 - 1.18 (2H, m), 1.15 - 1.07 (2H, m), 0.81 (3H, t)
【0175】
実施例8
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二(2,5−ジクロロベンゼンスルホン酸)塩
製造は酢酸エチルでのスラリー化を含んだ。
【0176】
実施例9
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル1,5−ナフタレンスルホン酸塩(形態A)
【化9】
製造はジメトキシエタンでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 8.86 (2H, d), 7.92 (2H, dd), 7.40 (2H, dd), 7.18 (2H, d), 7.09 (2H, d), 4.03 (2H, t), 3.81 (2H, s), 3.63 (2H, s), 3.40 - 3.33 (2H, m), 3.07 - 3.01 (2H, m), 2.75 (6H, s), 2.18 (3H, s), 1.69 - 1.53 (4H, m), 1.52 - 1.41 (2H, m), 1.28 - 1.17 (2H, m), 1.15 - 1.05 (2H, m), 0.81 (3H, t)
【0177】
実施例10
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル1,5−ナフタレンスルホン酸塩(形態B)
製造はテトラヒドロフランでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 11.87 (2H, s), 9.18 (1H, s), 8.87 (2H, d), 7.94 (2H, d), 7.41 (2H, dd), 7.18 (2H, d), 7.09 (2H, d), 4.03 (2H, t), 3.81 (2H, s), 3.60 (2H, s), 3.39 - 3.33 (2H, m), 3.03 (2H, t), 2.74 (6H, s), 2.17 (3H, s), 1.79 - 1.73 (2H, m), 1.67 - 1.53 (2H, m), 1.50 - 1.42 (2H, m), 1.27 - 1.17 (2H, m), 1.15 - 1.05 (2H, m), 0.80 (3H, t)
【0178】
実施例11
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルクエン酸塩(形態A)
【化10】
製造はアセトニトリルでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR MeOD: δ 7.13 (2H, d), 7.01 (2H, d), 4.01 (2H, t), 3.74 (2H, s), 3.51 (2H, s), 3.35 (2H, t), 2.87 (2H, t), 2.68 (2H, d), 2.61 (6H, s), 2.58 (2H, d), 2.14 (3H, s), 1.64 - 1.51 (4H, m), 1.47 - 1.38 (2H, m), 1.24 - 1.13 (2H, m), 1.11 - 0.99 (2H, m), 0.76 (3H, t)
【0179】
実施例12
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルクエン酸塩(形態B)
製造はテトラヒドロフランでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR MeOD: δ 7.22 (2H, d), 7.10 (2H, d), 4.10 (2H, t), 3.82 (2H, s), 3.60 (2H, s), 3.43 (2H, t), 2.98 (2H, t), 2.77 (2H, d), 2.72 (6H, s), 2.67 (2H, d), 2.24 (3H, s), 1.75 - 1.61 (4H, m), 1.55 - 1.46 (2H, m), 1.31 - 1.22 (2H, m), 1.19 - 1.09 (2H, m), 0.84 (3H, t)
【0180】
実施例13
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルリン酸塩
【化11】
製造はジクロロメタンでのスラリー化を含んだ。
【0181】
実施例14
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二リン酸塩
製造はアセトニトリルでのスラリー化を含んだ。(二)化学量論量のホスフェートカウンターイオンがリン酸トリメチルの添加により確認された。プロトンおよびリンスペクトルを、アッセイ条件下獲得し、化合物およびリン酸トリメチルの積分を正確に比較して、化学量論を決定した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.16 (2H, d), 7.06 (2H, d), 6.92 (2H, s), 4.01 (2H, t), 3.75 (2H, s), 3.67 (18H, s), 3.60 (2H, s), 3.31 - 3.28 (2H, m), 2.42 - 2.39 (2H, t), 2.26 (6H, s), 2.08 (3H, s), 1.58 - 1.52 (2H, m), 1.49 - 1.41 (4H, m), 1.27 - 1.20 (2H, m), 1.17 - 1.11 (2H, m), 0.82 (3H, t)
31P NMR DMSO-d6: δ 1.90 ((CH3O)3PO), -0.29 (OP(OH)2O−)
【0182】
実施例15
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルフマル酸塩
【化12】
製造はアセトニトリルでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.15 (d, 2H), 7.06 (d, 2H), 6.81 (s, 2H), 6.51 (s, 2H), 4.01 (t, 2H), 3.75 (s, 2H), 3.59 (s, 2H), 3.31 - 3.26 (m, 2H), 2.33 (t, 2H), 2.20 (s, 6H), 2.08 (s, 3H), 1.59 - 1.38 (m, 6H), 1.29 - 1.07 (m, 4H), 0.82 (t, 3H)
【0183】
実施例16
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルL−酒石酸塩
【化13】
製造はアセトニトリルでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.15 (2H, d), 7.06 (2H, d), 6.78 (1H, s), 6.43 (2H, s), 4.02 (2H, t), 3.94 (2H, s), 3.75 (2H, s), 3.60 (2H, s), 3.32 - 3.25 (2H, m), 2.57 - 2.45 (2H, m), 2.30 (6H, s), 2.07 (3H, s), 1.61 - 1.40 (6H, m), 1.31 - 1.09 (4H, m), 0.82 (3H, t)
【0184】
実施例17
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルコハク酸塩
【化14】
製造はジエチルエーテルでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:1の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.14 (2H, d), 7.05 (2H, d), 6.55 - 6.46 (1H, m), 6.12 (2H, s), 4.01 (2H, t), 3.73 (2H, s), 3.59 (2H, s), 3.31 - 3.23 (2H, m), 2.35 (4H, s), 2.29 (2H, t), 2.18 (6H, s), 2.03 (3H, s), 1.63 - 1.50 (2H, m), 1.50 - 1.37 (4H, m), 1.31 - 1.07 (4H, m), 0.82 (3H, t)
【0185】
実施例18
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二コハク酸塩
製造はメチルtert−ブチルエーテルでのスラリー化を含んだ。化合物(I)対酸の1:2の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.15 (2H, d), 7.06 (2H, d), 6.56 - 6.51 (1H, m), 6.12 (2H, s), 4.01 (2H, t), 3.73 (2H, s), 3.59 (2H, s), 3.31 - 3.24 (2H, m), 2.40 - 2.31 (10H, m), 2.22 (6H, s), 2.04 (3H, s), 1.59 - 1.51 (2H, m), 1.49 - 1.39 (4H, m), 1.28 - 1.10 (4H, m), 0.82 (3H, t)
【0186】
実施例19
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二フマル酸塩
【化15】
アセトニトリル(4mL)に溶解した2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(200mg、0.45mmol)に、THFに予め溶解したフマル酸(105mg、2モル当量)を添加した。得られた混合物を真空で濃縮し、固体を得て、ジエチルエーテル(2mL)を添加し、7日間撹拌して、化合物(I)の二フマル酸塩を得た。
【0187】
実施例19a
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二フマル酸塩の別の製造方法
アセトニトリル(4mL)に溶解した2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(100mg、0.23mmol)に、固体フマル酸(105mg、2モル当量)を添加した。得られた混合物を真空で濃縮し、固体を得て、ジエチルエーテル(2mL)を添加し、7日間撹拌して、化合物(I)の二フマル酸塩。
化合物(I)対酸の1:2の化学量論をNMRで確認した。
1H NMR (299.947 MHz, DMSO) δ 7.64 (s, 2H), 7.31 - 7.12 (m, 3H), 7.08 (d, 2H), 6.54 (s, 4H), 4.02 (t, 2H), 3.77 (s, 2H), 3.61 (s, 2H), 3.38 - 3.26 (m, 2H), 2.39 - 2.22 (m, 8H), 2.13 (s, 3H), 1.61 - 1.37 (m, 6H), 1.30 - 1.07 (m, 4H), 0.82 (t, 3H)。
【0188】
実施例19b
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二フマル酸塩の別の製造方法
フマル酸(52.6mg)を、撹拌している2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル(100.0mg)のエタノール(0.6ml)溶液に添加した。溶液をiPrOAc(0.6ml)で希釈し、25℃で5時間撹拌した。得られた沈殿を濾過により回収し、iPrOAc(0.6ml)をエタノール(0.6ml)を合わせた溶液で洗浄し、減圧下乾燥させて、表題化合物を白色固体として得た、125.6mg。
1H NMR DMSO-d6: δ 7.17 (d, 2H, J = 8 Hz), 7.07 (d, 2H, J = 8 Hz), 6.52 (s, 4H), 4.01 (t, 2H, J = 6 Hz), 3.77 (s, 2H), 3.60 (s, 2H), 3.34-3.29 (m, 2H), 2.56-2.45 (m), 2.34 (s, 6H), 2.13 (s, 3H), 1.59-1.52 (m, 2H), 1.49-1.42 (m, 4H), 1.28-1.18 (m, 2H), 1.16-1.09 (m, 2H), 0.81 (t, 3H, J = 7 Hz)。
LC-MS m/z 442 multimode +
【0189】
実施例19c
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチル二フマル酸塩の別の製造方法
フマル酸(31.6g)を、撹拌している実施例4cの工程(vi)からの生成物(60.0g)のエタノール(360mL)溶液に添加した。混合物を30℃に加熱し、その温度で30分間撹拌した。溶液をiPrOAc(180mL)で希釈し、二フマル酸塩結晶を種晶添加し、30℃で2.5時間撹拌した。混合物をさらにiPrOAc(180mL)で希釈し、20℃に冷却し、その温度で1時間撹拌した。得られた沈殿を濾過により回収し、iPrOAc(120mL)およびエタノール(90mL)の溶液で洗浄し、iPrOAc(120mL)で洗浄し、減圧下乾燥させて、表題化合物を白色固体、81.9gとして得た;1H NMR DMSO-d6: δ 7.16 (d, 2H), 7.07 (d, 2H), 6.53 (s, 4H), 4.01 (t, 2H), 3.76 (s, 2H), 3.60 (s, 2H), 3.33-3.28 (m, 2H), 2.43 (t, 2H), 2.28 (s, 6H), 2.11 (s, 3H), 1.59-1.52 (m, 2H), 1.49-1.42 (m, 4H), 1.28-1.18 (m, 2H), 1.17-1.12 (m, 2H), 0.81 (t, 3H)。LC-MS m/z 442 multimode +
【0190】
実施例20
X線粉末回折解析
一般的方法
X線粉末回折(XRPD)解析を、標準法に従い調製したサンプルで行い得る(例えばGiacovazzo et al., eds., Fundamentals of Crystallography, Oxford University Press (1992); Jenkins & Snyder, eds., Introduction to X-Ray Powder Diffractometry, John Wiley & Sons, New York (1996); Bunn, ed., Chemical Crystallography, Clarendon Press, London (1948);およびKlug & Alexander eds., X-ray Diffraction Procedures, John Wiley & Sons, New York (1974)参照)。
【0191】
上の実施例1〜19に記載する塩類(無水形態で)のX線粉末回折パターンを以下に記載する通りに得た:
単色CuKα放射(45kVおよび40mA)を使用するBragg-Brentanoパラフォーカシング粉末X線回折計を解析に使用した。一次光学部品はソーラースリットおよび自動発散スリットを含んだ。フラット・サンプルを、測定中回転するゼロ・バックグラウンドプレート上に調製した。二次光学部品はソーラースリット、自動抗散乱スリット、受光スリットおよび単色光分光器を含んだ。回折シグナルを比例的キセノン充填型検出器で検出した。回折パターンを2°≦2θ(シータ)≦40°で、0.02°あたり100秒暴露の連続走査モードで集めた。生データを電子的に保存した。評価を生データまたは平滑化回折パターンで行った。
【0192】
反射モードのPanalytical X'pert MPD θ−θ回折計を上記測定に使用した。当業者は、記載しているデータと同等な回折データを集めることができるように、粉末X線回折計の装置パラメータを設定できる。得られた結果を図1〜19に示す。下の表I〜XIXは、図1〜19のそれぞれのX線回折パターンに示すピークの2θ(2シータ)値(精度:±0.1° 2φ)、d間隙および相対強度を記載する。
【0193】
【表2】
【0194】
【表3】
【0195】
【表4】
【0196】
【表5】
【0197】
【表6】
【0198】
【表7】
【0199】
【表8】
【0200】
【表9】
【0201】
【表10】
【0202】
【表11】
【0203】
【表12】
【0204】
【表13】
【0205】
【表14】
【0206】
【表15】
【0207】
【表16】
【0208】
【表17】
【0209】
【表18】
【0210】
【表19】
【0211】
【表20】
【0212】
実施例21
動的蒸気吸着(DVS)
DVS分析を、SMS Dynamic Vapour Sorption DVS-Advantage装置を使用して行った。固体サンプル(約1−5mg)を白金サンプルホルダーに入れ、サンプル重量を、2サイクル工程法中記録した(40〜90〜0〜90〜0%相対湿度(RH)、10%RHずつ)。
一フマル酸塩および二フマル酸塩(実施例15および19)の湿度変化に対する応答をDVSを使用して試験した。吸湿性を、第二サイクル開始時の0%RHと第二サイクルの湿度増加中の80%RHの間のサンプル重量の相対変化として計算した。
サンプルの吸湿性は、純粋固体形態自体の固有の特性に加えて種々の因子に依存的し、例えばサンプルの純度および結晶化度が結果に多少の影響を与える。
化合物(I)の二フマル酸塩(実施例19)は、図22に記載する通り僅かに吸湿性(80%相対湿度で0.2〜2%w/w吸湿)であることが判明したた。
化合物(I)の一フマル酸塩(実施例15)は、図23に記載する通り吸湿性(80%相対湿度で2%w/wを超える吸湿)であることが判明した。
【0213】
実施例22
塩安定性
40℃および75%相対湿度で貯蔵したときの一サッカリン(2種のバッチ)、一trans−桂皮酸、一コハク酸、一安息香酸、二フマル酸、二キシナホ酸(二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸)および化合物(I)の二サッカリン塩類の安定性を以下の通り測定した。
約30mgの各塩を4mLネジ蓋付きバイアルに計り入れ、バイアルを閉め、環境条件を一定に管理しながら40℃/75%相対湿度下に貯蔵した。全時点でサンプルを貯蔵庫から出し、式(A):
【化16】
の酸分解産物の存在についてHPLCで分析した。
【0214】
HPLC分析を以下の方法で行った:
サンプル溶液をサンプル希釈剤である0.03%トリフルオロ酢酸の50/50 v/vアセトニトリル/水溶液中約0.1〜0.2mg/mLで、必要に応じて超音波処理を使用して調製した。以下のクロマトグラフィー条件を適用した:
【表21】
安定性試験の結果を図24に示す。一サッカリン化合物(I)の塩は、WO2009/067081の実施例57に記載されている。認識される通り、図24の二キシナホ酸塩は化合物(I)の二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩である。
【0215】
実施例23
塩/ラクトース一水和物安定性
40℃および75%相対湿度で貯蔵したときのラクトース一水和物と化合物(I)の一サッカリン類、一安息香酸類、二フマル酸類および二サッカリン塩の混合物の貯蔵安定性を以下の通り測定した。
各塩の約5グラムを1”ジェットミル(MC One, Jetpharma, Balerna, Switzerland)を使用して、流動ガスとして窒素を用いて微粉砕した。
各塩の10gのラクトース混合物を次の方法により製造した:
微粉化ラクトース一水和物(9800mg)を、60ml透明ガラス瓶に入れた。これに微粉化した化合物(I)の塩(200mg)を入れ、ゴム栓およびアルミニウムネジ蓋をビンの密閉に使用した。
塩およびラクトース一水和物が入ったビンを振盪撹拌機(Turbula T2C, W. Bachofen, Basel, Switzerland)撹拌容器に入れ、混合物を10分間、スピード1(30rpm)で混合した。ラクトース/塩混合物サンプル(2g)を取り出した。残ったラクトース/塩混合物(8g)を40℃/75%相対湿度の安定性試験室(制御環境条件)に入れた。サンプルを分析のために一時的に保存室から出した。各分析について、実施例23に記載の通り、50mgのラクトース/塩混合物をサンプル希釈剤に溶解し、式(A)の化合物についてHPLCで分析した。
ラクトース一水和物/塩混合物の安定性試験の結果を図25に示す。
【0216】
生物学的活性
化合物(I)およびその薬学的に許容される塩類は、アンテドラッグ特性を有する。アンテドラッグは、体循環に入ったときに直ぐに排泄されるあまり活性ではない形態への生体内変化を受けるよう、それ故に全身副作用が最小化されるように設計された活性合成誘導体である。それ故に、投与されると、本発明の化合物は酵素的に急速に分解されて、実質的に医療効果が低い分解産物を製造する。ここで規定する医療効果は、特にインターフェロン誘発活性および/またはIL4/IL5産生抑制活性を含む、本発明の化合物の薬理学的活性を意味する。分解産物の医療効果は、本発明の化合物(すなわち親化合物)よりも好ましくは10倍、より好ましくは100倍低い。薬理学的活性は当分野で既知の方法を使用して、適切には市販のELISAキットまたは下に記載するヒトTLR7アッセイのようなインビトロ評価法を使用して、測定できる。
【0217】
ヒトTLR7アッセイ
組み換えヒトTLR7を、pNiFty2−SEAPレポータープラスミド既に安定に発現するHEK293細胞株で安定に発現させた;レポーター遺伝子の統合は、抗生物質ゼオシンでの選択により維持した。ヒトTLR7の最も一般的な変異体配列(EMBL配列AF240467により表される)を、ベクターpUNOを発現する哺乳動物細胞にクローン化し、このレポーター細胞株にトランスフェクトした。安定に発現するトランスフェクタントを抗生物質ブラストサイジンを使用して選択した。このレポーター細胞株において、分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)の発現は、近位ELAM−1プロモーターと組み合わさった5個のNFkB部位を含むNFkB/ELAM−1混成プロモーターにより制御される。TLRシグナリングが、SEAP遺伝子発現をもたらすNFkBの転座およびプロモーターの活性化をもたらす。TLR7特異的活性を、細胞を一夜、37℃で0.1%(v/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)存在下標準化合物とインキュベーションした後に酸性されたSEAPのレベルを決定することにより評価した。化合物による濃度依存的SEAP産生を、その化合物についてSEAP誘導の最大の半分のレベルを酸性する化合物の濃度(pEC50)として示す。試験を、化合物(I)の二サッカリン塩(DMSOに溶解する前のアモルファス形態)を使用して行い、6.9の平均pEC50(n=8)を得た。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルの二サッカリン、二フマル酸、二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸または一安息香酸塩。
【請求項2】
二サッカリン塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項3】
二サッカリン塩形態Aである、請求項1に記載の塩。
【請求項4】
形態Aであり、該形態Aが、CuKα放射を使用して測定したとき2θ約9.2°、14.9°または15.2°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項1に記載の塩二サッカリン塩。
【請求項5】
二サッカリン塩形態Bである、請求項1に記載の塩。
【請求項6】
形態Bであり、該形態Bが、CuKα放射を使用して測定したとき2θ約12.0°、12.5°、16.4°または19.8°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項1に記載の塩二サッカリン塩。
【請求項7】
二フマル酸塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項8】
二フマル酸塩であり、該塩が、CuKα放射を使用して測定したとき2θ約9.1°、14.2°、15.8°または20.4°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項1に記載の塩。
【請求項9】
二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項10】
二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩であり、該塩が、CuKα放射を使用して測定したとき2θ約8.3°、16.6°、19.4°または23.4°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項1に記載の塩。
【請求項11】
一安息香酸塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項12】
一安息香酸塩であり、該塩が、2θ約6.3°、9.3°、17.8°または23.8°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項1に記載の塩。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載の塩を薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と共に含む、医薬組成物。
【請求項14】
吸入治療に使用するための乾燥粉末製剤の形態である、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
請求項14に記載の医薬組成物を含む、乾燥粉末吸入器。
【請求項16】
治療に使用するための請求項1〜12のいずれかに記載の塩または請求項13または14に記載の医薬組成物。
【請求項17】
喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、癌、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HPV、細菌感染症または皮膚疾患の処置に使用するための、請求項1〜12のいずれかに記載の塩または請求項13または14に記載の医薬組成物。
【請求項18】
可逆性閉塞性気道疾患を、該疾患に罹患しているかまたは罹患するリスクのある患者において処置する方法であって、該患者に治療有効量の請求項1〜12のいずれかに記載の塩または請求項13または14に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【請求項1】
2−(4−((2−アミノ−4−メチル−6−(ペンチルアミノ)ピリミジン−5−イル)メチル)フェニル)酢酸4−(ジメチルアミノ)ブチルの二サッカリン、二フマル酸、二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸または一安息香酸塩。
【請求項2】
二サッカリン塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項3】
二サッカリン塩形態Aである、請求項1に記載の塩。
【請求項4】
形態Aであり、該形態Aが、CuKα放射を使用して測定したとき2θ約9.2°、14.9°または15.2°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項1に記載の塩二サッカリン塩。
【請求項5】
二サッカリン塩形態Bである、請求項1に記載の塩。
【請求項6】
形態Bであり、該形態Bが、CuKα放射を使用して測定したとき2θ約12.0°、12.5°、16.4°または19.8°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項1に記載の塩二サッカリン塩。
【請求項7】
二フマル酸塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項8】
二フマル酸塩であり、該塩が、CuKα放射を使用して測定したとき2θ約9.1°、14.2°、15.8°または20.4°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項1に記載の塩。
【請求項9】
二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項10】
二1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸塩であり、該塩が、CuKα放射を使用して測定したとき2θ約8.3°、16.6°、19.4°または23.4°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項1に記載の塩。
【請求項11】
一安息香酸塩である、請求項1に記載の塩。
【請求項12】
一安息香酸塩であり、該塩が、2θ約6.3°、9.3°、17.8°または23.8°に少なくとも1個の特異的ピークを有するX線粉末回折パターンを有することを特徴とする、請求項1に記載の塩。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載の塩を薬学的に許容されるアジュバント、希釈剤または担体と共に含む、医薬組成物。
【請求項14】
吸入治療に使用するための乾燥粉末製剤の形態である、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
請求項14に記載の医薬組成物を含む、乾燥粉末吸入器。
【請求項16】
治療に使用するための請求項1〜12のいずれかに記載の塩または請求項13または14に記載の医薬組成物。
【請求項17】
喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、癌、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HPV、細菌感染症または皮膚疾患の処置に使用するための、請求項1〜12のいずれかに記載の塩または請求項13または14に記載の医薬組成物。
【請求項18】
可逆性閉塞性気道疾患を、該疾患に罹患しているかまたは罹患するリスクのある患者において処置する方法であって、該患者に治療有効量の請求項1〜12のいずれかに記載の塩または請求項13または14に記載の医薬組成物を投与することを含む、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公表番号】特表2012−527442(P2012−527442A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511355(P2012−511355)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050822
【国際公開番号】WO2010/133882
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【出願人】(000002912)大日本住友製薬株式会社 (332)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050822
【国際公開番号】WO2010/133882
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【出願人】(000002912)大日本住友製薬株式会社 (332)
【Fターム(参考)】
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