説明

3−アミノ−6−(1−アミノ−エチル)−テトラヒドロピラン誘導体

本発明は、式(I)の抗菌化合物


(式中、Rはハロゲン又はアルコキシを表し;
U及びWは、それぞれNを表し、VはCHを表し、かつRはH又はFを表すか、又は、U及びVは、それぞれCHを表し、WはNを表し、かつRはH又はFを表すか、又は、UはNを表し、VはCHを表し、WはCH又はCRを表し、かつRはHを表すが、WがCHを表す場合には、RはFを表してもよく;
はCHOH又はアルコキシカルボニルを表し;
Aは、基CH=CH−B、二核複素環系D、4位において1個のアルキルにより置換されたフェニル基、又は2個の置換基により、3及び4位において置換され、当該置換基のそれぞれがアルキル及びハロゲンから独立に選択されるフェニル基を表し、Bは、1又は2個の置換基により置換され、それぞれの置換基がハロゲン原子であるフェニル基を表し、そして
Dは、基


II
(式中、ZはCH又はNを表し、かつQはO又はSを表す。)を表す。)及びそのような化合物の塩に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な3−アミノ−6−(1−アミノ−エチル)−テトラヒドロピラン誘導体、それらを含有する医薬抗菌組成物、及び感染症(例、細菌感染症)の治療のための医薬の製造におけるこれらの化合物の使用に関する。これらの化合物は、中でもグラム陽性及びグラム陰性、好気性及び嫌気性菌、並びにマイコバクテリアを含む多様なヒト及び動物の病原体に対して有効な、有用な抗菌剤である。
【背景技術】
【0002】
抗生剤の広範な使用は、微生物に対して選択的進化圧を与え、遺伝子ベースの耐性機構を生じてきた。現代の医療及び社会経済的挙動は、例えば人工関節内で、病原菌の遅延した増殖状態を形成し、また例えば免疫障害を有する患者における長期間宿主保有の支持により、耐性の発達の問題を悪化させている。
【0003】
病院の環境では、主な感染源である、益々多数のStaphylococcus aureus、Streptococcus pneumonia、Enterococcus spp.、及びPseudomonas aeruginosa株が多剤耐性となっており、従って治療が不可能ではなくとも困難である:
−S. aureusは、β-ラクタム、キノロン、及び現在はバンコマイシンにも耐性である;
−S. pneumoniaeは、ペニシリン又はキノロン抗生物質、及び新しいマクロライドに対してさえも、耐性となっている;
−Enteroccocciは、キノロン及びバンコマイシンに耐性であり、β-ラクタム抗生物質は、これらの株に対して全く効果を有さなかった;
−Enterobacteriaceaは、セファロスポリン及びキノロン耐性である;
−P.aeruginosaは、s−ラクタム及びキノロン耐性である。
【0004】
さらに、Enterobacteriacea及びPseudomonas aeruginosa等の多剤耐性グラム陰性株の出現が着実に増大しており、現在使用されている抗生剤を用いた治療中に選択されたAcinetobacter spp.のような新たに出現した生物が、実際に病院環境内で問題となっている。従って、A. baumannii、ESBL-産生 E. coli及びKlebsiella属のような多剤耐性グラム陰性桿菌、並びにPseudomonas aeruginosa(Clinical Infectious Diseases(2006);42657-68)を克服する新しい抗菌剤に対する強い医学的な要望がある。
【0005】
加えて、持続性感染症の原因となる微生物は、消化性潰瘍又は心疾病のような重篤な慢性疾病の原因物質又は補助因子として益々認識されている。
【0006】
特許文献1は、本発明の化合物のほぼすべての構造上のモチーフを有し得る抗菌化合物を開示するが、一方において、分子のキノリン又はナフチリジンモチーフとテトラヒドロピランモチーフの間に位置するエタン−1,2−ジイル鎖上のアミノ基、他方において、そのようなモチーフが存在する場合には、キノリンモチーフ上のヒドロキシメチル又はアルコキシカルボニル側鎖において異なる。
【0007】
特許文献2は、本発明の化合物のほぼすべての構造上のモチーフを有し得る包括的な抗菌化合物を開示する。しかしながら、この文書においては、分子のキノリン又はナフチリジンモチーフとテトラヒドロピランモチーフの間に位置するエタン−1,2−ジイル鎖上のアミノ基を有する化合物の具体例は開示されていない。
【0008】
さらに、特許文献3は、キノリンモチーフが存在する場合には、当該モチーフ上のヒドロキシメチル又はアルコキシカルボニル側鎖を特徴とし得る、類似の抗菌化合物を開示する。しかしながら、本発明の化合物と異なり、この文書に記載された抗菌化合物は、テトラヒドロピランモチーフを有さず、また、それらのキノリン又はナフチリジンモチーフは、置換2−アミノ-エチルモチーフを有さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開公報第2006/032466号
【特許文献2】国際公開公報第2006/125974号
【特許文献3】国際公開公報第2006/046552号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の種々の態様を以下に示す:
【0011】
i) 本発明は、第一に、式Iの化合物、及び式Iの化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)に関する。
【0012】
【化1】

【0013】
式中、
はハロゲン又はアルコキシを表し;
U及びWは、それぞれNを表し、VはCHを表し、かつRはH又はFを表すか、又は
U及びVは、それぞれCHを表し、WはNを表し、かつRはH又はFを表すか、又は
UはNを表し、VはCHを表し、WはCH又はCRを(そして特にCR)表し、かつRはHを表すが、WがCHを表す場合には、RはFを表してもよく;
はCHOH又はアルコキシカルボニルを表し;
Aは、基CH=CH−B(基CH=CH−Bは、好ましくは(E)−配置である。)、二核複素環系D、4位において1個の(C−C)アルキル基により置換されたフェニル基、又は2個の置換基により、3及び4位において置換され、当該2個の置換基のそれぞれが、(C−C)アルキル及びハロゲンから成る群より独立に選択されるフェニル基を表し;
Bは、1又は2個の置換基により置換され、それぞれの置換基がハロゲン原子であるフェニル基を表し;
Dは、基
【0014】
【化2】


(式中、
ZはCH又はNを表し、かつ
QはO又はSを表す。)を表す。
【0015】
式(I)の化合物は、1又は2以上の不斉炭素原子などの、1又は2以上のキラル又は不斉中心を含んでいてもよい。二重結合の置換基は、特に明記しない限り、Z−又はE−配置で存在してもよい。従って、式(I)の化合物は、立体異性体の混合物として、又は好ましくは純粋な立体異性体として存在してもよい。立体異性体の混合物は当業者に知られた方法で分離してもよい。
【0016】
以下の段落では、本発明の化合物の種々の化学的部分の定義をしている。他の表現によりなされた定義が、より広い又はより狭い定義を与えない限り、当該定義は、本明細書及び請求項を通じて、一律に適用される。
【0017】
−「アルキル」という用語は、単独の場合も、又は組み合わされて使用されている場合も、1〜6個、好ましくは1〜4個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。アルキル基の代表的な例には、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、n−ヘキシル又は2,2−ジメチルブチルが含まれるが、これらに限定されるものではない。「(C−C)アルキル」(xは整数)という用語は、1〜x個の炭素原子を持つ、直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。
【0018】
−「アルコキシ」という用語は、単独の場合も、又は組み合わされて使用されている場合も、1〜6個、好ましくは1〜4個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖アルコキシ基を意味する。アルコキシ基の代表的な例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ又はn−ヘキシルオキシが含まれるが、これらに限定されるものではない。「(C−C)アルコキシ」という用語は、1〜x個の炭素原子を持つ、直鎖又は分岐鎖アルキル基を意味する。
【0019】
−「アルコキシカルボニル」という用語は、アルコキシ基が、1〜4個の炭素原子を含む飽和直鎖又は分枝鎖アルコキシ基である、アルコキシカルボニル基を意味する。「[(C−C)アルコキシ]カルボニル」という用語は、アルコキシ基が、1〜x個の炭素原子を持つ直鎖又は分枝鎖アルコキシ基である、アルコキシカルボニル基を意味する。アルコキシカルボニル基の代表的な例には、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
−「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、好ましくはフッ素又は塩素を意味し、より好ましくはフッ素を意味する。
−式
【0021】
【化3】

【0022】
において、Aが、基CH=CH−Bを表す場合には、CH=CH−B基の末端のCHがCH基に結合していることを特に意味する。
【0023】
−本特許出願において、波線によって中断された結合は、記載された基の結合点を示す。例えば、Rがメトキシを表す下記の基
【0024】
【化4】

【0025】
は、6−メトキシ−キノリン−4−イル基である。
【0026】
−さらに、ここで用いられる「室温」という用語は、25℃の温度を意味する。
【0027】
−温度に関して、他の記載がされていない場合、数値「X」の前に置かれる「約」という用語は、本出願において、X−10%XからX+10%Xの間、好ましくはX−5%XからX+5%Xの間を表す。温度の特定の場合には、温度「Y」の前に置かれる「約」の用語は、この出願において、Y−10℃からY+10℃の間、好ましくはY−5℃からY+5℃の間を表す。
【0028】
ii) 特に、本発明は、式ICEの化合物でもある、式Iの化合物及び式ICEの化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)に関する。
【0029】
【化5】

【0030】
式中、
はハロゲン(特にフッ素)又は(C1−C4)アルコキシ(特に、メトキシ)を表し;
U及びWは、それぞれNを表し、VはCHを表し、かつRはH又はFを表すか、又は
U及びVは、それぞれCHを表し、WはNを表し、かつRはH又はFを表すか、又は
UはNを表し、VはCHを表し、WはCH又はCR(そして特にCR)を表し、かつRはHを表すが、WがCHを表す場合には、RはFを表してもよく;
はCHOH又は[(C−C)アルコキシ]カルボニル(好ましくはCHOH又はメトキシカルボニル、そして特にメトキシカルボニル)を表し;
Aは、基CH=CH−B(基CH=CH−Bは、好ましくは(E)−配置である。)、二核複素環系D、4位において1個の(C−C)アルキル基により(そして、好ましくは(C−C)アルキル基により)置換されたフェニル基、又は2個の置換基により、3及び4位において置換され、当該2個の置換基のそれぞれが、(C−C)アルキル及びハロゲンから成る群より(そして、好ましくは(C−C)アルキル及びフッ素から成る群より)独立に選択されるフェニル基を表し;
Bは、2個の置換基により置換され、それぞれの置換基がハロゲン原子(特にフッ素原子)であるフェニル基を表し;
Dは、基
【0031】
【化6】

【0032】
(式中、
ZはCH又はNを表し、かつ
QはO又はSを表す。)を表す。
【0033】
iii) 本発明の好ましい態様によれば、上記態様i)又はii)に定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Rが(C−C)アルコキシ又はフッ素(そして、好ましくは(C−C)アルコキシ、特にメトキシ又はエトキシ、とりわけメトキシ)であるような化合物又は塩である。
【0034】
iv) 本発明の別の好ましい態様は、U及びWが、それぞれNを表し、VがCHを表し、かつRがH又はF(そして、特にF)を表す、上記態様i)、ii)又はiii)に定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)に関する。
【0035】
v) 本発明のさらに別の好ましい態様は、U及びVが、それぞれCHを表し、WがNを表し、かつRがH又はF(そして、特にF)を表す、上記態様i)、ii)又はiii)に定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)に関する。
【0036】
vi) 本発明のさらに別の好ましい態様は、UがNを表し、VがCHを表し、WがCH又はCRを表し、かつRがHを表すが、WがCHを表す場合には、RはFを表してもよい、上記態様i)、ii)又はiii)に定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)に関する。
【0037】
vii) 態様vi)の変形の一つによれば、上記態様i)、ii)又はiii)に定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、UがNを表し、V及びWが、それぞれCHを表し、かつRがH又はF(そして、特にF)を表すような、化合物又は塩である。
【0038】
viii) 態様vi)の別の変形によれば、上記態様i)、ii)又はiii)に定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、UがNを表し、VがCHを表し、WがCRを表し、かつRがHを表すような、化合物又は塩である。
【0039】
ix) 好ましくは、上記態様viii)に定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、RがCHOH又はメトキシカルボニル(そして、特にCHOH)であるような、化合物又は塩である。
【0040】
x) 本発明のさらなる好ましい態様は、U及びWがそれぞれNを表し、VがCHを表し、かつRがH又はFを表すか、又はU及びVがそれぞれCHを表し、WがNを表し、かつRがH又はFを表す、上記態様i)、ii)又はiii)に定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)に関する。
【0041】
xi) 本発明の第一の主要な変形によれば、上記態様i)〜x)の一つに定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Aが基CH=CH−Bを表すような、化合物又は塩である。
【0042】
xii) 好ましくは、上記態様xi)に定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Bが、2個の置換基により置換されたフェニル基を表し、それぞれの置換基がハロゲン原子(特に、フッ素原子)であるような、化合物又は塩である。
【0043】
xiii) より好ましくは、上記態様xi)に定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Bが2,5−ジフルオロ−フェニルを表すような、化合物又は塩である。
【0044】
xiv) さらに、上記態様xi)〜xiii)の一つに定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、好ましくは、基CH=CH−Bが、(E)−配置であるような、化合物又は塩である。
【0045】
xv) 本発明の第二の主要な変形によれば、上記態様i)〜x)の一つに定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Aが二核複素環系Dを表すような、化合物又は塩である。
【0046】
xvi) 好ましくは、上記態様xv)に定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Aが、3−オキソ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イル、3−オキソ−3,4,4a,8a−テトラヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イル及び3−オキソ−3,4,4a,8a−テトラヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルから成る群より選択される(そして、特に3−オキソ−3,4,4a,8a−テトラヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イルである)ような、化合物又は塩である。
【0047】
xvii) 本発明の第三の主要な変形によれば、上記態様i)〜x)の一つに定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Aが、4位において1個の(C−C)アルキル基により置換されたフェニル基、又は2個の置換基により、3及び4位において置換され、当該2個の置換基のそれぞれが、(C−C)アルキル及びハロゲンから成る群より独立に選択されるフェニル基を表すような、化合物又は塩である。
【0048】
xviii) 本発明の第三の主要な変形の亜変形によれば、上記態様xvii)に定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Aが、4位において1個の(C−C)アルキル基により(好ましくは、メチル又はエチルによって、そして、特にエチルにより)置換されたフェニル基を表すような、化合物又は塩である。
【0049】
xix) 本発明の第三の主要な変形の別の亜変形によれば、上記態様xvii)に定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Aが、2個の置換基により、3及び4位において置換され、当該2個の置換基のそれぞれが、(C−C)アルキル及びハロゲンから成る群より独立に選択されるフェニル基を表すような、化合物又は塩である。
【0050】
xx) 好ましくは、上記態様xix)に定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、Aが、3位において(C−C)アルキル(好ましくはメチル)により置換され、4位においてハロゲン(好ましくはフッ素)により置換されたフェニル基を表すような、化合物又は塩である。
【0051】
xxi) さらに、Aが3−オキソ−3,4,4a,8a−テトラヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イル、3−オキソ−3,4,4a,8a−テトラヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル、3−フルオロ−4−メチル−フェニル、4−エチル−フェニル又は2−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−ビニルを表す、上記態様i)〜x)の一つに定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)(特に、Aが3−オキソ−3,4,4a,8a−テトラヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イル、3−オキソ−3,4,4a,8a−テトラヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル又は2−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−ビニルを表す、一般式(I)の化合物、そして、特に、Aが3−オキソ−3,4,4a,8a−テトラヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イル又は3−オキソ−3,4,4a,8a−テトラヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル)を表す、一般式(I)の化合物)が、特に好ましい。
【0052】
xxii) 本発明の特定の態様によれば、上記態様i)〜xxi)の一つに定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、テトラヒドロピラン環の2及び5位における二つの非水素置換基がトランス配置であるような、化合物又は塩である。
【0053】
xxiii) 上記態様xxii)の好ましい変形によれば、態様xxii)に定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、それらが、下記の立体化学を有するような、化合物又は塩である:
【0054】
【化7】

【0055】
換言すれば、NH基を保持する炭素原子が(S)絶対配置を有する、態様xxii)に従う式Iの化合物が特に好ましい。
【0056】
xxiv) 上記態様xxii)の別の変形によれば、態様xxii)に定義されるような式Iの化合物又はそれらの塩(それらの中で、薬学的に許容される塩が好ましい。)は、それらが、下記の立体化学を有するような、化合物又は塩である:
【0057】
【化8】

【0058】
xxv) 態様i)又はii)に定義されるような式Iの下記の化合物が特に好ましい:
−{(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[3−(E)−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[3−(E)−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−フルオロ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−フルオロ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−{(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[3−(E)−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[3−(E)−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−8−[(2R)−2−アミノ−2−{5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル]−2−メトキシ−キノリン−5−カルボン酸 メチルエステル;
−8−[(2S)−2−アミノ−2−{5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル]−2−メトキシ−キノリン−5−カルボン酸 メチルエステル;
−8−((S)−2−アミノ−2−{(2S,5R)−5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−2−メトキシ−キノリン−5−イル]−メタノール;
−[8−((R)−2−アミノ−2−{(2S,5R)−5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−2−メトキシ−キノリン−5−イル]−メタノール;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−(4−エチル−ベンジル)−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−(3−フルオロ−4−メチル−ベンジル)−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3S,6R)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3S,6R)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;
及びそれらの塩(特に、薬学的に許容される塩)。ここで、上記リストの(リストのトップから数えた)最初の31化合物及びそれらの塩(特に、それらの薬学的に許容される塩)は、特定の亜態様を構成する。
【0059】
xxvi) さらに、態様i)又はii)に定義されるような式Iの下記の化合物が特に好ましい:
−{(3R,6S)−6−[1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[3−(E)−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[3−(E)−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−{(3R,6S)−6−[1−アミノ−2−(6−フルオロ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−6−({(3R,6S)−6−[1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−{(3R,6S)−6−[1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[3−(E)−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−6−({(3R,6S)−6−[1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−8−[2−アミノ−2−{5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル]−2−メトキシ−キノリン−5−カルボン酸 メチルエステル;
−8−((S)−2−アミノ−2−{(2S,5R)−5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−2−メトキシ−キノリン−5−イル]−メタノール;
−[8−((R)−2−アミノ−2−{(2S,5R)−5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−2−メトキシ−キノリン−5−イル]−メタノール;
−6−({(3R,6S)−6−[1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−(4−エチル−ベンジル)−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−(3−フルオロ−4−メチル−ベンジル)−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3S,6R)−6−[1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[1−アミノ−2−(7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[1−アミノ−2−(7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
及びそれらの塩(特に、薬学的に許容される塩)。ここで、上記リストの(リストのトップから数えた)最初の21化合物及びそれらの塩(特に、それらの薬学的に許容される塩)は、特定の亜態様を構成する。
【0060】
式Iの化合物は、ヒト及び動物医療における、化学療法に有効な化合物として、及び無機及び有機素材、特にすべてのタイプの有機素材、例えばポリマー、滑沢剤、塗料、繊維、皮革、紙及び木材の保存のための物質としての使用に適切である。
【0061】
本発明のこれらの化合物は、特に細菌及び細菌様生物に対して活性である。従って、それらは、ヒト及び動物における、Streptococcus pneumoniae、Haemophilus influenzae、Moraxella catarrhalis、Staphylococcus aureus、Enterococcus faecalis、E.faecium、E.casseliflavus、S.epidermidis、S.haemolyticus、又はPeptostreptococcus spp.による感染に関連した肺炎、中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎、扁桃炎、及び乳突炎;Streptococcus pyogenes、Groups C及びG streptococci、Corynebacterium diphtheriae、又はActinobacillus haemolyticumによる感染に関連した咽頭炎、リウマチ熱、及び糸球体腎炎;Mycoplasma pneumoniae、Legionella pneumophila、Streptococcus pneumoniae、Haemophilus influenzae、又はChlamydia pneumoniaeによる感染に関連した気道感染症;例えば非限定的にβ−ラクタム、バンコマイシン、アミノグリコシド、キノロン、クロランフェニコール、テトラサイクリン及びマクロライド等の公知の抗菌剤に耐性の株を含む、S.aureus、S.haemolyticus、E.faecalis、E.faecium、E.duransを原因とする心内膜炎及び骨髄炎を含む血液及び組織感染;Staphylococcus aureus、コアグラーゼ陰性staphylococci(即ち、S.epidermidis、S.haemolyticus等)、Streptococcus pyogenes、Streptococcus agalactiae、Streptococcal群C−F(minute colony streptococci)、viridans streptococci、Corynebacterium minutissimum、Clostridium spp.、又はBartonella henselaeによる感染に関連した非併発性皮膚及び軟組織感染症及び膿瘍、並びに産褥熱;Staphylococcus aureus、コアグラーゼ陰性staphylococcal種、又はEnterococcus spp.による感染に関連した非併発性急性尿路感染症;尿道炎及び子宮頚管炎;Chlamydia trachomatis、Haemophilus ducreyi、Treponema pallidum、尿素plasma 尿素lyticum、又はNeiserria gonorrhoeaeによる感染に関連した性感染症;S.aureusによる感染に関連した毒素疾患(食中毒及び毒素ショック症候群)、又はA、B、及びC群streptococci;Helicobacter pyloriによる感染に関連した潰瘍;Borrelia recurrentisによる感染に関連した全身性熱性症候群;Borrelia burgdorferiによる感染に関連したライム病;Chlamydia trachomatis、Neisseria gonorrhoeae、S.aureus、S.pneumoniae、S.pyogenes、H.influenzae、又はListeria spp.による感染に関連した結膜炎、角膜炎、及び涙嚢炎;Mycobacterium avium、又はMycobacterium intracellulareによる感染に関連した播種性鳥型結核菌複合体(MAC)病;Mycobacterium tuberculosis、M.leprae、M.paratuberculosis、M.kansasii、又はM.cheloneiを原因とする感染症;Campylobacter jejuniによる感染に関連した胃腸炎;Cryptosporidium spp.による感染に関連した消化管内原虫;viridans streptococciによる感染に関連した歯性感染症;Bordetella pertussisによる感染に関連した持続性の咳;Clostridium perfringens又はBacteroides spp.による感染に関連したガス壊疽;並びにHelicobacter pylori又はChlamydia pneumoniaeによる感染に関連したアテローム性動脈硬化症又は心血管系疾病を含む、これら病原体を原因とする局所及び全身感染症、並びに細菌感染症に関連した疾患の予防及び化学療法に特に適切である。
【0062】
本発明の式Iの化合物は、さらに、例えばE.coli、Klebsiella pneumoniae及び他のEnterobacteriaceae、Acinetobacter spp.、Stenothrophomonas maltophilia、Neisseriameningitidis、Bacillus cereus、Bacillus anthracis、Corynebacterium spp.、Propionibacterium acnes並びにbacteroide spp等の細菌により仲介される感染症の治療のための医薬の製造に有用である。
【0063】
本発明の式Iの化合物は、さらに、Plasmodium malaria、Plasmodium falciparum、Toxoplasma gondii、Pneumocystis carinii、Trypanosoma brucei及びLeishmania sppを原因とする原虫感染症の治療に有用である。
【0064】
上記した病原体のリストは、単なる例として解釈するべきであり、限定を意図するものでは全くない。
【0065】
従って、本発明の一側面は、本発明の式Iの化合物、又はこれらの薬学的に許容される塩の、細菌感染、特に、上記の4段落中に言及した細菌の一つによって引き起こされる細菌感染の予防又は治療のための医薬の製造のための使用に関する。本発明の特に好ましい態様によれば、式Iの化合物、又はこれらの薬学的に許容される塩は、Pseudomonas aeruginosa又はA. baumanniiによって引き起こされる細菌感染の予防又は治療のための医薬の製造のために使用することができる。
【0066】
ヒトと同様、細菌感染症は、式Iの化合物(又はこれらの薬学的に許容される塩)を用いて、豚、反芻動物、馬、犬、猫及び家禽のような他の種においても治療し得る。
【0067】
本発明はまた、式Iの化合物の薬学的に許容される塩、組成物、製剤にも関する。
【0068】
式Iの化合物に対するいかなる言及も、適宜かつ好都合に、そのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)にも言及しているものと理解されるべきである。
【0069】
「薬学的に許容される塩」という用語は、無毒性の無機若しくは有機酸及び/又は塩基付加塩を意味する。"Salt selection for basic drugs"、Int. J. Pharm.(1986)、33、201-217を参照してもよい。
【0070】
本発明の医薬組成物は、活性薬剤として式Iの化合物(又はこれらの薬学的に許容される塩)の少なくとも一つと、任意に担体及び/又は希釈剤及び/又はアジュバントとを含み、さらなる公知の抗生物質を含んでいてもよい。
【0071】
式Iの化合物及びこれらの化合物の薬学的に許容される塩は、医薬として、例えば経腸又は非経口投与のための医薬組成物の形態で使用することができる。
【0072】
医薬組成物の製造は、いずれの当業者によく知られた様式で(例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition(2005)、Part 5、“Pharmaceutical Manufacturing” [published by Lippincott Williams & Wilkins]を参照されたい。)、記述された式(I)の化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を、任意にその他の治療的に有益な物質と組み合わせて、適切な無毒の不活性な治療上許容される固体又は液体の担体材料及び必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、製剤投与形態とすることにより遂行することができる。
【0073】
本発明の別の側面は、薬剤的に活性な量の式Iの誘導体、又はその薬学的に許容される塩を患者に投与することを含む、患者における感染症の予防又は治療方法に関する。
【0074】
さらに、式Iの化合物(化合物自体、それらの塩、当該化合物又はそれらの塩を含む組成物、当該化合物又はそれらの塩の使用、その他であるかを問わない)に対して示された好適性は、式ICEの化合物に準用される。
【0075】
さらに、式Iの化合物は、例えば外科器具から病原菌及び細菌を除去し、又は部屋若しくは領域を無菌にするための、清浄目的に使用することもできる。その目的のために、式Iの化合物を、溶液中又はスプレー製剤中に含有させることができる。
【0076】
式Iの化合物は、本発明に従って、下記の手順を用いて製造することができる。
【0077】
式Iの化合物の製造
略語:
明細書及び実施例を通して、以下の略語が使われる:
Ac アセチル
AcOH 酢酸
AD−mixα 1,4−ビス(ジヒドロキニン)フタラジン、
Fe(CN)、KCO及びKOsO.2H
AD−mixβ 1,4−ビス(ジヒドロキニジン)フタラジン、
Fe(CN)、KCO及びKOsO.2H
Alloc アリルオキシカルボニル
app. 見かけの
aq. 水性
9−BBN 9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン
BINAP 2,2’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナ
フタレン
br. 広域
Boc tert−ブトキシカルボニル
n−BuLi n−ブチルリチウム
t−Bu tert−ブチル
Cbz ベンジルオキシカルボニル
CC シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー
DEAD ジエチルアゾジカルボキシレート
1,2−DCE 1,2−ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
DIAD ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DIBAH 水素化ジイソブチルアルミニウム
DIPA N,N−ジイソプロピルアミン
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
1,2−DME 1,2−ジメトキシエタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DPPA ジフェニルリン酸アジド
EA 酢酸エチル
ESI 電子スプレーイオン化
eq. 当量
エーテル ジエチルエーテル
Et エチル
EtOH エタノール
Hex ヘキサン
Hept ヘプタン
HV 高真空条件
KHMDS ヘキサメチルジシラザンカリウム
LC 液体クロマトグラフィー
LDA リチウムジイソプロピルアミド
LiHMDS ヘキサメチルジシラザンリチウム
Me メチル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
MS 質量分析法
Ms メタンスルホニル(メシル)
NBS N−ブロモスクシンイミド
NMO N−メチル−モルホリン N−オキシド
org. 有機
Pd/C パラジウム/炭素
Pd(OH)/C 水酸化パラジウム/炭素
Ph フェニル
i−Pr iso−プロピル
Pyr ピリジン
quant. 定量的
rac. ラセミ
rt 室温
sat. 飽和した
SiO シリカゲル
TEA トリエチルアミン
TEMPO 2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ
Tf トリフリル(=トリフルオロメタンスルホニル)
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TMSCHN トリメチルシリルジアゾメタン
保持時間
Ts パラ−トルエンスルホニル
【0078】
一般的反応技術:
パート1 アミン保護:
1.1. アミンは、通常、Alloc、Cbz又はBocのようなカーバメートとして保護される。これらは、アミンを、NaOH、TEA、DMAP又はイミダゾール等の塩基の存在下、アリル若しくはクロロギ酸ベンジル又は二炭酸ジ−tert−ブチルと反応させることにより得られる。
【0079】
1.2. これらはまた、炭酸ナトリウム又はTEA等の塩基の存在下における、臭化又は塩化ベンジルとの反応により、N−ベンジル誘導体として保護することもできる。また、N−ベンジル誘導体は、ベンズアルデヒドの存在下、還元的アミノ化を通じて得ることができる(下記、セクション7を見よ。)。
【0080】
1.3. これらはまた、炭酸ナトリウム若しくはTEA等の塩基の存在下、塩化アセチルとの反応を通じて、又は酢酸ナトリウムの存在下、無水酢酸との反応を通じて、N−アセチル誘導体として保護することもできる。
【0081】
1.4. さらに、アミンは、DCM又はTHF等の溶媒中における、TEA又はNaOH等の塩基の存在下での、−10℃と40℃の間での、それらの2−ニトロ−又は4−ニトロ−フェニルスルホニルクロリドとの反応により、スルホンアミドとして保護することもできる。
【0082】
1.5. アミン保護基を導入するさらに他の戦略は、(protecting groups in Organic Synthesis、3rdEd(1999)、494-653;T.W. Greene、P.G.M. Wuts;(出版社:John Wiley and Sons、Inc.、New York、N.Y.)に記載されている。
【0083】
パート2 アミンの脱保護:
2.1 ベンジルカーバメートは、貴触媒(例えば、Pd/C)上での水素化分解により、脱保護することができる。Boc基は、HCl等の酸性条件下で、EA等の有機溶媒中、又はTFAニート、若しくはDCM等の溶媒で希釈したTFA中で、除去することができる。Alloc基は、モルホリン、ジメドン又は水素化トリブチルスズ等のアリルカチオンスカベンジャーの存在下、0℃と50℃の間で、THF等の溶媒中、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の存在下で除くことができる。
【0084】
2.2 N−ベンジル保護アミンは、貴触媒(例えば、Pd(OH))上での水素化分解により、脱保護される。
【0085】
2.3 N−アセチル保護基は、NaCO、LiOH又はaq.MeOH若しくはTHF中NaOH等の塩基性条件下、又はTHF中aq.HCl等の酸性条件下で除去される。
【0086】
2.4. 2−又は4−ニトロ−フェニルスルホンアミドは、KCO等の塩基の存在下、DMF中のチオフェノールを用いて脱保護することができる(Tetrahedron Lett.(1995)、36、6373を見よ。)
【0087】
2.5. さらに、アミン保護基を除く一般的方法は、protecting groups in Organic Synthesis、3rd Ed(1999)、494-653;T.W. Greene、P.G.M. Wuts;(出版社:John Wiley and Sons、Inc.、New York、N.Y.)に記載されている。
【0088】
パート3 アルコールのケトンへの酸化:
アルコールは、Swern(D. Swernら、J. Org. Chem.(1978)、43、2480-2482を見よ。)、Dess Martin(D.B. Dess及びJ.C. Martin、J. Org. Chem.(1983)、48、4155を見よ。)又はLey(過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウムを使用して、Synthesis(1994)、7、639-66を見よ。)条件下での酸化により、それぞれ、それらの対応するケトンに変換することができる。
【0089】
パート4 ニトロ基の還元:
そのような反応に使用され得る代表的な還元剤は:
4.1. CoCl又はNiCl等の存在下におけるLAH又はNaBH等のアルカリ金属水素化物、又は酸性媒体(HCl又はAcOH)中における鉄又は亜鉛等の金属;又は
4.2. ラニーニッケル上の水素、又は木炭上パラジウム又は酸化白金等の貴金属触媒上の水素若しくはギ酸アンモニウム;
である。
アルミニウムアマルガム又は硫酸第一鉄等のさらなる試薬を用いてもよい。
【0090】
パート5 Mitsunobu反応:
O.Mitsunobu、in Synthesis(1981)、1に概説されているように、アルコールを、酸性媒体中NaNから生成するフタルイミド、DPPA又はアジ化水素等の異なる求核試薬と、PPh及びアゾジカルボン酸ジエチル又はジイソプロピル(DEAD又はDIAD)の存在下、THF、DMF、DCM又は1,2−DME等の溶媒中で、−20℃と60℃の間にて、反応させる。塩基性アミンの特定の場合には、反応は、対応する2−又は4−ニトロ−フェニルスルホンアミドと行われる;続いて、上記段落2.4に記載したように、遊離アミンを解放する。反応はまた、ポリマー支持PPhを用いて行ってもよい。
【0091】
パート6 メシレート、トシレート又はトリフレートの形成:
アルコールを、Pyr、THF又はDCM等の乾燥非プロトン性溶媒中、TEA等の塩基の存在下、−30℃と50℃の間にて、MsCl、TfCl又はTsClと反応させる。トリフレート又はメシレートの場合には、TfO又はMsOを用いることもできる。
【0092】
パート7 還元的アミノ化:
アミンとアルデヒド又はケトンとの反応は、生成した水を、物理的又は化学的手段(例えば、溶媒−水共沸混合物の蒸留、又はモレキュラー・シーヴ、MgSO又はNaSO等の乾燥剤の存在)にて除去できる溶媒系内で行われる。そのような溶媒の代表は、トルエン、Hex、THF、DCM若しくは1,2−DCE、又は1,2−DCE/MeOH等の溶媒の混合物である。反応は、微量の酸(通常、AcOH)により触媒することができる。中間体イミンは、適切な還元剤(例えば、NaBH、NaBHCN又はNaBH(OAc)を用いて、又はPd/C等の貴触媒上での水素化を通じて還元される。反応は、−10℃と110℃の間、好ましくは0℃と60℃の間にて行われる。反応はまた、ワンポットで行うこともできる。反応はまた、MeOH又は水等のプロトン性溶媒中で、ピコリン−ボラン錯体の存在下で行うこともできる(Tetrahedron(2004)、60、7899-7906)。
【0093】
パート8 ニトロアルドール反応及び離脱:
アルデヒドとニトロ誘導体との反応は、DCM又はTHF等の溶媒中、0℃と60℃の間にて、酢酸アンモニウム、TBAF又はナトリウムメチラート等の塩基性触媒の存在下で行われる(Tetrahedron. Lett.(1996)、37、987)。第二工程において、中間体ニトロアルドール化合物は、水の脱離により、又はアルコールの、チオニルクロリドとの反応によるその対応するクロリドへの変換、若しくはその対応するメシレートへの変換、続く、ナトリウムメチラート等の塩基による処理の後、その対応するニトロアルケン誘導体に変換される。さらなる詳細は、Tetrahedron(2001)、915-945に記載されている。
【0094】
パート9 Curtius反応:
カルボン酸とDPPAの反応は、トルエン等の不活性溶媒中、50℃と110℃の間で行われる。得られたイソシアネートは、ベンジル、アリル又はtert−ブチルアルコール等のアルコールにより、in situでトラップされ、対応するCbz、Alloc又はBocカーバメートを与える。また、イソシアネートは水で加水分解され、対応する第一アミンを与える。この反応に関するさらなる詳細は、T. Shioiri;Compendium of Organic Synthesis(1991)、6、795−828で得ることができる。
【0095】
パート10:アルコールの酸への酸化
Comprehensive Organic Transformations. A guide to Functionnal Group preparations;2nd Edition、R.C.Larock、Wiley-VC;New York、Chichester、Weinheim、Brisbane、Singapore、Toronto(1999)、Section nitriles、carboxylic acids and derivatives p.1646-1648に記載されるような種々の方法により、アルコールは、それらの対応する酸に直接酸化することができる。それらの中でも、TEMPO存在下における[ビス(アセトキシ)ヨード]ベンゼン、Jones試薬(CrO/HSO)、RuCl存在下におけるNaIO、KMnO又はピリジン HCrがよく用いられる。
【0096】
一般的製造方法:
式Iの化合物の製造:

式Iの化合物は、本発明に従って、
a) 「一般的反応技術」のパート2に記載された方法の一つにより、式IIの化合物を脱保護することにより、
【0097】
【化9】

【0098】
(式中、R、R、U、V、W及びAは、式Iにおける場合と同様であり、
1. Rは、COOR、COR、SO又はベンジル等のアミノ保護基を表し、Rはtert−ブチル、アリル又はベンジルであり、Rは(C−C)アルキルであり、Rは、2−ニトロ−フェニル又は4−ニトロ−フェニルを表し、Rは水素を表す(そのような式IIの化合物を、以下、「式IIaの化合物」と呼ぶ。);又は
2. Rは、水素を表し、RはCOOR、COR、SO又はベンジル等のアミノ保護基を表し、Rはtert−ブチル、アリル又はベンジルであり、Rは(C−C)アルキルであり、Rは2−ニトロ−フェニル又は4−ニトロ−フェニルを表す(そのような式IIの化合物を、以下、、「式IIbの化合物」と呼ぶ。);又は
3. Rは、COOR、COR、SO又はベンジル等のアミノ保護基を表し、Rはtert−ブチル、アリル又はベンジルであり、Rは(C−C)アルキルであり、Rは、2−ニトロ−フェニル又は4−ニトロ−フェニルを表し、Rは、COOR、COR、SO又はベンジル等のアミノ保護基を表し、Rはtert−ブチル、アリル又はベンジルであり、Rは(C−C)アルキルであり、Rは2−ニトロ−フェニル又は4−ニトロ−フェニルを表す(そのような式IIの化合物を、以下、「式IIcの化合物」と呼ぶ。));又は
【0099】
b) 式IIIの化合物
【0100】
【化10】

【0101】
(式中、R、R、U、V、W及びAは、式Iにおける場合と同様であり、Rは水素又は、上記段落a)2.に定義したアミノ保護基である。)をギ酸アンモニウム(この反応は、好ましくは、「一般的反応技術」のパート3に記載した条件を用いて行われる。)又は酢酸アンモニウム、ヒドロキシアミン、アルキル若しくはベンジルヒドロキシアミンと、LiAlH又は水素化ホウ素ナトリウム等のヒドリド試薬の存在下で反応させ、
場合によっては、「一般的反応技術」のパート2に記載された方法を用いて、保護基を除去することにより;
又は、
【0102】
c) 式IVの化合物
【0103】
【化11】

【0104】
(式中、R、R、U、V、W及びAは、式Iにおける場合と同様であり、Rは水素又は、上記段落a)2.に定義したアミノ保護基である。)を、「一般的反応技術」のパート4に記載した方法の一つに従って還元し;
場合によっては、「一般的反応技術」のパート2に記載された方法を用いて、保護基を除去することにより;
又は、
【0105】
d) 式Vの化合物
【0106】
【化12】

【0107】
(式中、R、R、U、V、W及びAは、式Iにおける場合と同様であり、Rは水素、又は上記段落a)2.に定義したアミノ保護基である。)を、「一般的反応技術」のパート4の段落4.1に記載した方法の一つに従って還元し;
場合によっては、「一般的反応技術」のパート2に記載した方法の一つを用いて、保護基を除去することにより;
又は
【0108】
e) 式VIの化合物を
【0109】
【化13】

【0110】
(式中、R、R、U、V、W及びAは、式Iにおける場合と同様であり、Rは水素、又は上記段落a)2に定義したアミノ保護基を表す。)を、アジ化ナトリウム又はフタルイミドと反応させ、続いて、それぞれ、水の存在下におけるPPhとの反応により、アジドをアミンに変換し、又はヒドラジン、メチルヒドラジン又3−N,N−ジメチルアミノプロピルアミン等のアルキルアミンとの反応により、フタルイミドを対応するアミンに変換し、この反応は、「一般的反応技術」のパート5に記載したように、Mitsunobu条件下で、又は「一般的反応技術」のパート6に記載したように、式VIIの化合物のアルコール官能基の、メシレート、トリフレート又はトシレートへの変換後に行われ、
場合によっては、「一般的反応技術」のパート2に記載された方法を用いて、保護基を除去することにより(この場合、保護基Rも反応の間に除去されるかもしれない−例えば、RがCbzである場合に、水素化分解工程を用いれば、それは除去されるだろう);又は
【0111】
f) 式VIIの化合物を
【0112】
【化14】

【0113】
(式中、R、R、U、V及びWは、式Iにおける場合と同様であり、Rは上記段落a)1に定義したアミノ保護基である。)、式VIIIの化合物
ACHO(VIII)
(式中、Aは、式Iにおける場合と同様である。)と、「一般的反応技術」のパート7に記載したように、還元的アミノ化条件で反応させ、
なお存在する場合には、「一般的反応技術」のパート2に記載した方法を用いて、アミノ保護基Rを除去することにより;又は
【0114】
g) 式IIestの化合物
【0115】
【化15】

【0116】
(式中、UはNを表し、VはCHを表し、WはCRを表し、Rはアルコキシカルボニルを表し、RはHを表し、R及びAは、式Iにおける場合と同様であり、R及びRは上記段落a)1、a)2又はa)3における場合と同様である。)を、DIBAH又はLiAlH等のヒドリド試薬による還元により、その対応するヒドロキシメチル誘導体に変換し、続いて、「一般的反応技術」のパート2に記載した方法を用いて、保護基を除去することにより、
製造することができる。
【0117】
上記方法の変形d)に関しては、別法として、式Vの化合物を、Tetrahedron Lett.(2003)、7345に記載されているように、aq.THF中のNaBHを用いて二重結合を還元することにより、それらの対応する式IVの飽和ニトロ誘導体に還元することができることに留意すべきである。このニトロ誘導体を、「一般的反応技術」のパート4の段落4.1に記載されている方法の一つに従って還元することにより、式Iの化合物にさらに変換することができる。
【0118】
続いて、上記の一般的製造方法に従って得られた式Iの化合物は、必要に応じて、それらの塩、特にそれらの薬学的に許容される塩に変換される。
【0119】
遊離アミン基を有する炭素における制御された立体化学を持つ式Iの化合物は、(カンファー−スルホン酸等のキラル酸による)結晶化により二つのジアステレオマーを分離することにより、SiO上のカラムでジアステレオマー混合物を分離することにより得ることができる。化合物はまた、上記方法の変形e)に記載したように、ヒドロキシ基を有する炭素における立体化学が制御されている、後述の式I−1又はII−1の化合物から、又は式IIIの化合物又はその対応するオキシム若しくはイミンの、例えばChem. Rev.(1993)、93、763に概説されているキラルボロン試薬を用いたエナンチオ選択的還元によっても得ることができる。
【0120】
テトラヒドロピラニル環の2及び5位の炭素において立体化学が制御されている式Iの化合物は、、(カンファー−スルホン酸等のキラル酸による)結晶化により二つのジアステレオマーを分離することにより、又はSiO上のカラムでジアステレオマー混合物を分離することにより得ることができる。化合物はまた、国際公開公報第2006/032466号に記載されているように、式Iaの化合物のグルカールから、又は、式Ibの化合物の(S)−2−tert−ブトキシカルボニル−5−ヘキセン酸 メチルエステルからも得ることができる。
【0121】
種々の合成中間体の製造:
式IIの化合物の製造
式IIaの中間体は、以下のスキーム1に要約したように得ることができる。
【0122】
【化16】



【0123】
スキーム1において、R、U、V、W、R及びAは式Iにおける場合と同じ意味を有し、Rは式IIaにおける場合と同様であり、そしてPGはCbz又はBoc等のアミノ保護基である。
【0124】
式IIaの化合物は、式I−1の化合物の酸化(国際公開公報第2006/032466号及び「一般的反応技術」のパート3を見よ。)、(「式Iの化合物の製造」の段落b)に記載したような)ギ酸アンモニウム又はその代替物を用いた式I−2のケトンの還元的アミノ化、アミン官能基の保護(「一般的反応技術」のパート1を見よ。;Rの性質は、保護基PGを選択的に除去できるように選択される。例えば、Boc vs. Cbz)、式I−3の化合物の保護基PGの除去による式VIIの化合物の供給、そして最後に式VIIIのアルデヒドによる還元的アミノ化、又は式ACHHal(式中、Halは臭素又はヨウ化物等のハロゲンである。)のハロゲン化物による置換のいずれかにより得ることができる。また、式I−3の化合物は、式I−1の化合物由来のメシレート、トシレート若しくはトリフレートの置換、続くアジ化ナトリウムとの反応により、又は、Mitsunobu条件下におけるアジ化水素若しくはDPPAとの反応(「一般的反応技術」のパート5を見よ。)、続く、例えば、貴金属触媒上での水素化分解若しくは水の存在下におけるPPhの使用による、中間体アジド誘導体のアミンへの還元、そして第一アミノ基の最終的な保護によっても得ることができる。
【0125】
式IIb及びIIcの中間体は、以下のスキーム2及び3に要約するように得ることができる。
【0126】
【化17】

【0127】
スキーム2において、R、R、U、V、W及びAは式Iにおける場合と同じ意味を有し、Rは式IIcにおける場合と同様であり、PGはCbz又はBoc等のアミノ保護基である。
【0128】
式IIb及びIIcの化合物は、第一アミノ基の保護(「一般的反応技術」のパート1を見よ。)により、式II−1のアルコール誘導体から得ることができる(国際公開公報2006/032466号を見よ。)。得られた式VIのアルコールは、対応する式IIIのケトンに酸化し(「一般的反応技術」のパート3を見よ。)、そしてb)に記載のように、還元的アミノ化条件下で(「一般的反応技術」のパート7を見よ。)、酢酸アンモニウム若しくはその代替物と反応させて式IIbの化合物とするか、又はベンジル若しくはジフェニルメチルアミンと反応させて式IIcの化合物とすることができる。また、式IIIの化合物は、HgOを用いた、式II−2のエチン系化合物の水和により得ることができる(国際公開公報第2006/032466号を見よ。)。
【0129】
【化18】

【0130】
スキーム3において、R、R、U、V、W及びAは式Iにおける場合と同じ意味を有し、PGは、Cbz又はBoc等のアミノ保護基である。
【0131】
式IIbの化合物はまた、ニトロアルドール反応により得ることもできる。式III−1のアルコール(国際公開公報第2006/032466号を見よ。)を、その対応するメシレート、トシレート又はトリフレート及びヨウ化物に変換し(「一般的反応技術」のパート6を見よ。)、続いて、それを、THF、DMSO又はDMF等の極性溶媒中、20℃と80℃の間で、TEA又は尿素等の塩基の存在下、亜硝酸ナトリウムと反応させることにより、対応するニトロ誘導体に変換することができる。次いで、式III−2のニトロ誘導体は、式III−3のアルデヒドと反応させることができる(「一般的反応技術」のパート8を見よ。)。次いで、Boc保護基を除去することができ(「一般的反応技術」のパート2の段落2.1を見よ。)、得られた式III−5のアミンは、式ACHHalのハロゲン化物(式中、Halは、臭素又はヨウ化物等のハロゲンである。)と反応させることができる。その後、式III−6の化合物の第二アミン官能基を、アミノ保護基で保護することができる(「一般的反応技術」のパート7及び1を見よ。)。最後に、式Vの化合物のニトロ基は、対応するアミンに還元され、式IIbの化合物を与える(「一般的反応技術」のパート4を見よ。)。
【0132】
式IIcの化合物は、式IV−5のエステルのCurtius減成により得ることもできる(スキーム4を見よ。)。
【0133】
【化19】

【0134】
スキーム4において、R、R、U、V、W、X及びAは、式Iにおける場合と同じ意味を有し、Rは式IIcにおいて記載した通りであり、Rは臭素等のハロゲンを表し、PGはCbz又はBoc等のアミノ保護基を表す。
【0135】
このように、式IV−1のアルコール誘導体(国際公開公報第2006/032466号を見よ。)は、対応する酸に酸化することができ(「一般的反応技術」のパート10を見よ。)、また、ジアゾメタン又はTMSCHN等のジアゾメタン代替物との反応後、メチルエステルとして保護することができる。このエステルは、-78℃と-30℃の間で、LDA又はLiHMDS等の強塩基で処理し、そして式IV−3のハロゲン化物と反応させることができる。得られた式IV−4のエステル中のBoc保護基を除去し、アミンを、式VIIIのアルデヒドとの還元的アミノ化に付す。最後に、保護基PGを導入して式IV−5の化合物を得る。NaOH又はLiOH等の塩基を用いて、このエステルをその対応する酸に加水分解し、そして、この酸をCurtius減成に付して(「一般的反応技術」のパート9を見よ。)、式IIcの化合物を得る。
【0136】
式I−1又はII−1のキラルアルコールの製造
NH基を保持する炭素原子が(S)絶対配置を有する式Iの化合物を得るために必要な式I−1又はII−1のキラルアルコールは、AD−mixαによる対応するエチレン系化合物のcis−ジヒドロキシル化、続く、対応する環状カーボネートの(国際公開公報第2006/032466号に記載されるような)水素化分解により得ることができる。(R)絶対配置が必要な場合には、AD−mixαの代わりにAD−mixβを使用する。
【0137】
式II−2の化合物の製造
式II−2の化合物は、対応する式IXのエチン系誘導体(国際公開公報第2006/032466号を見よ。)から、Boc保護基の除去、式VIIIのアルデヒドによる還元的アミノ化及び第二アミンの保護の後に得ることができる。
【0138】
【化20】

【0139】
式IVの化合物の製造
式IVの化合物は、EtOH等の溶媒中における、NaBH等のヒドリド試薬を用いた、式Vの化合物の還元により得ることができる。
【0140】
キノリン出発物質及び[1,5]−ナフチリジン誘導体の製造
出発物質として必要なキノリン及び式III−3の[1,5]−ナフチリジン誘導体は、購入可能であるか、又は文献の手順(国際公開公報第2006/032466号を見よ。)に従って製造することができる。U=V=CH、W=N、R=OMe及びR=Fである特定の場合には、対応する式III−3の誘導体は、国際公開公報第02/40474号に従って製造される3−フルオロ−6−メトキシキノリンの、−78℃と−30℃の間でのリチオ化及びDMFでのクェンチによって得ることができる。
【0141】
出発物質として必要なキノリン及び式IV−3の[1,5]−ナフチリジン誘導体は、THF又はMeOH等の溶媒中における、NaBH等のヒドリド試薬を用いた、式III−3のアルデヒドの還元、及び、続くDMF等の溶媒中における、0℃と60℃の間における、PCl又はPBr等のトリハロゲンホスフィンとの反応により製造することができる。
【0142】
本発明の特定の態様を下記の実施例に記載するが、それらは、本発明をさらに詳細に説明するためのものであり、発明の範囲をいかなる意味においても限定するものではない。
【実施例】
【0143】
以下の部分においては、特に断らない限り、「通常の水性後処理」の用語は、水層を適宜な溶媒で抽出した後、合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固することを意味する。
【0144】
製造物A:6−フルオロ−キノリン−4−カルバルデヒド:
A.i. 6−フルオロ−キノリン−4−オール:
4−フルオロ−アニリン(25.0g、224.9mmol)のEtOH(170mL)中の混合物に、メルドラム酸(35.69g、247.6mmol)及びオルトギ酸トリエチル(40.0mL、240.4mmol)を連続的に添加した。次いで、反応混合物を2時間30分還流した。反応混合物を0℃に冷却し、固形物をろ過し、そして冷EtOHで洗浄した。固形物をHV下で乾燥して、54.62gの黄色の粉末を得た。ジフェニルエーテル(230g)の沸騰溶液に、後者の固形物を、5分に渡って少しずつ添加した。還流をさらに3分維持し、そして反応混合物をrtにて攪拌した。rtに30分置いた後、エーテルを添加し、所望の固形物をろ過し、エーテルで徹底的に洗浄し、そしてHV下で乾燥して、表題化合物を茶色の固体として得た(11.11g、68.1mmol)。
MS(ESI、m/z):164.1[M+H]。
【0145】
A.ii. 4−ブロモ−6−フルオロ−キノリン:
60℃に加熱した中間体A.i(20g、122.58mmol)のDMF(130mL)中の溶液に、三臭化りん(13mL、1.15eq.)を添加した。反応液を、45℃で45分加熱した。Rtに冷却後、反応液を水(200mL)で希釈した。pHが10に到達するまでsat.NaCOを添加した。固形物が生成し、それをろ過した。固形物をEA(200mL)中に取り、溶液を濃縮乾固した。残渣をクロマトグラフィー(EA)に付して、表題の臭化物を黄色がかった固体として得た(22g、収率79%)。
H NMR(CDCl) δ:8.70(d、J=4.7Hz、1H);8.14(m、1H);7.96(d、J=4.7Hz、1H);7.81−7.73(m、2H)。
【0146】
A.iii. 6−フルオロ−4−(E)−スチリル−キノリン:
中間体A.ii(18.5g、81.8mmol)、KCO(14.7g、106mmol)、trans−2−フェニルボロン酸(13.7g、90mmol)の、ジオキサン(320mL)及び水(80mL)中の熱(100℃)溶液に、Pd(PPh(4.77g、5mol%)を添加した。得られた混合物を、100℃で一晩攪拌した。冷却後、反応混合物を水(300mL)で希釈した。揮発物を真空除去し、残渣をEA(300mL)中に取った。2層を分離し、水層をEA(300mL)でもう一度抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をクロマトグラフ(EA−Hept 1:2)に付し、表題化合物を黄色の固体として得た(17.79g、収率87%)。
H NMR(CDCl)δ:8.89(d、J=4.6Hz、1H);8.16(dd、J=9.5、5.5Hz、1H);7.83(dd、J=2.7、9.5Hz、1H);7.70−7.63(m、4H);7.55−7.34(m、5H)。
【0147】
A.iv. 6−フルオロ−キノリン−4−カルバルデヒド:
中間体A.iii(17.7g、71.3mmol)の、2−メチル−2−プロパノール(300mL)及び水(300mL)中の混合物に、メタンスルホンアミド(7.46g、78.5mmol、1.1eq.)とAD−mixβ(100g)を添加した。得られた混合物を、室温で48時間攪拌した。亜硫酸水素ナトリウム(107g)を少しずつ添加した。2層を分離し、水層をEA(2x250mL)で2回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、そして濃縮乾固した。残渣をアセトン(400mL)中に取り、そして50℃に温めた。得られた溶液を、NaIO(38g、178mmol)の水中の溶液で処理した(100mL)。30分攪拌した後、反応混合物を水(200mL)で希釈し、揮発物を真空除去した。得られた固体をろ過し、水で徹底的に洗浄し、そしてHV下で乾燥して、表題のアルデヒドを、ベージュ色の固体として得た(10.05g、57.3mmol)。
H NMR(CDCl)δ:10.41(s、1H);9.15(d、J=4.4Hz、1H);8.73(dd、J=10.2、2.6Hz、1H);8.20(dd、J=9.1、5.5Hz、1H);7.80(d、J=4.4Hz、1H);7.58(m、1H)。
【0148】
製造物B:(3R,6S)−[6−(1−フェニル−1H−テトラゾール−5−スルホニルメチル)−テトラヒドロ−ピラン−3−イル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
B.i. (3R,6S)−(6−ヒドロキシメチル−3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−3−イル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
[(3R,6S)−6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシメチル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−3−イル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(Eur. J. Org. Chem.(2003)、2418-2427において、H.S.Overkleeftらにより記述されたように、3,4,6−トリ−O−アセチル−D−グルカールから入手;210g)の、AcOH(900mL)、水(300mL)及びTHF(300mL)中の溶液を、70℃で5時間加熱した。冷却後、混合物を濃縮乾固し、そして残渣をEA(1L)及び水(300mL)中に取った。固体NaHCOを用いて、pHを8に調整した。水層をEA(3x300mL)で3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして真空下で、溶媒を蒸発させた。残渣をクロマトグラフ(EA−Hex 2−1、次いで1−0)に付し、表題のアルコールを白色の固体(99.5g、収率71%)として得た。
H NMR(CDCl)δ:5.89(d、J=10.4Hz、1H);5.76(td、J=1.9、10.4Hz、1H);4.57(br.s、1H);4.20(m、2H);4.11(dd、J=4.7、11.1Hz、1H);3.62(d、J=6.1Hz、2H)、3.41(m、1H)、2.00(br.s、1H)、1.45(s、9H)。
【0149】
B.ii. (3R,6S)−(6−ヒドロキシメチル−テトラヒドロ−ピラン−3−イル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体B.i.(112g、488mmol)の、EA(1.2L)中のよく攪拌した溶液に、酸化白金(5g)を添加した。反応液を2回排気し、水素で再充填した。必要に応じて水素を供給しながら、反応を3時間進行させた。反応完了後すぐに、反応混合物をセライトのプラグを通してろ過した。ろ液を濃縮乾固し、そして残渣を、ジイソプロピルエーテル(200mL)とHept(800mL)に再懸濁した。1時間攪拌した後、スラリーを0℃に1時間冷却し、ろ過し、そして固形物をHeptで洗浄し、真空乾固して、表題のアルコールを白色の固体(104g、収率92%)として得た。
H NMR(CDCl)δ:4.25(br.s、1H);4.11(m、1H);3.60(dd、J=3.4、11.5Hz、2H);3.53(m、1H);3.37(m、1H);3.02(t、J=10.7Hz、1H);2.10(m、1H);1.83(br.s、1H);1.62(m、1H);1.49(m、1H);1.44(s、9H);1.32(m、1H)。
【0150】
B.iii. (2R,5S)−トルエン−4−スルホン酸 5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イルメチルエステル:
中間体B.ii(40.9g、176.8mmol)のDCM(840mL)中の氷冷溶液に、TEA(59.5mL、423.9mmol)、DMAP(3.01g、24.56mmol)及びTsCl(42.4g、222.4mmol)を連続的に添加した。反応を、rtに温めながら4時間進行させた。Aq.sat NaHCO(350mL)を添加した。2層を分離し、そして有機層の溶媒を、減圧下で蒸発させた。残渣をEA(900mL)で希釈し、有機層をaq.sat.CuSO(3x200mL)、塩水(200mL)で3回洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固して、HV下で乾燥した後、表題のトシレートを得た(75.83g、196.7mmol)。
H NMR(CDCl)δ:7.78(d、J=8.7Hz、2H);7.33(d、J=8.7Hz、2H);4.20(m、1H);4.01(m、1H);3.96(d、J=5.7Hz、2H);3.54(br s、1H);3.48(m、1H);2.93(t、J=10.8Hz、1H);2.44(s、3H);2.09(m、1H);1.69(m、1H);1.48−1.18(m、2H);1.42(s、9H)。
【0151】
B.iv. (3R,6S)−(6−ヨードメチル−テトラヒドロ−ピラン−3−イル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体B.iii.(75.83g、196.7mmol)のアセトン(700mL)中の混合物に、NaI(90.0g、600.4mmol)を添加した。反応混合物を24時間還流した。反応混合物をrtに冷却し、そして水(500mL)で希釈した。揮発物を減圧下で除去した。固形物をろ過し、水で徹底的に洗浄した。固形物をEA(700mL)中に取り、水(300mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、減圧下で溶媒を蒸発させ、そしてHV下で乾燥して、表題のヨウ化物を白色の固体として得た(66.6g、195.2mmol)。
H NMR(CDCl)δ:4.20(br.s、1H);4.10(ddd、J=2.1、4.8、10.8Hz、1H);3.60(br.s、1H);3.28(m、1H);3.17(d、J=6.3Hz、2H);3.04(t、J=10.8Hz、1H);2.10(m、1H);1.94(m、1H);1.44−1.20(m、2H);1.43(s、9H)。MS(ESI、m/z):342.2[M+H]。
【0152】
B.v. (3R,6S)−[6−(1−フェニル−1H−テトラゾール−5−イルスルファニルメチル)−テトラヒドロ−ピラン−3−イル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
フェニルテトラゾールチオール(37.50g、210.4mmol)のEtOH(700mL)中の混合物に、粉末化したKOH(14.0g、249.5mmol)を添加した。混合物を1時間還流し、そして中間体B.iv(59.40g、174.1mmol)のEtOH(500mL)中の溶液を添加した。反応混合物を一晩還流した。水(400mL)を添加し、そして揮発物を減圧下で除去した。固形物をろ過し、水で徹底的に洗浄し、そして重量が一定になるまで乾燥して、表題のスルフィドを白色の固体として得た(59.68g、152.4mmol)。
H NMR(CDCl)δ:7.58(m、5H);4.21(br.s、1H);4.07(ddd、J=2.1、4.5、10.5Hz、1H);3.71−3.60(m、2H);3.57(br.s、1H);3.34(m、1H);2.99(t、J=10.8Hz、1H);2.11(m、1H);1.90(m、1H);1.50(m、1H);1.42(s、9H);1.32(m、1H)。MS(ESI、m/z):392.5[M+H]。
【0153】
B.vi. (3R,6S)−[6−(1−フェニル−1H−テトラゾール−5−スルホニルメチル)−テトラヒドロ−ピラン−3−イル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体B.v(59.68g、152.4mmol)のTHF(400mL)及びEtOH(400mL)中の溶液に、rtにてモリブデン酸アンモニウム(18.9g、15.29mmol)の50% aq.H(87mL、1.53mol)中の溶液を添加した。反応混合物を65℃に3時間加熱し、rtに冷却し、そして水(500mL)で希釈した。揮発物を真空除去し、残渣をEA(2x500mL)で抽出した。合わせた有機層を、10% Na(3x400mL)、NaHSO(sat.、3x400mL)、水(200mL)及び塩水(200mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。固形物をEA/Hept中で再結晶し、表題のスルフォンを、白色の固体として得た(63.72g、150.5mmol)。
MS(ESI、m/z):424.4[M+H]。
【0154】
製造物C:(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−プロペナール:
C.i. (E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アクリル酸 エチルエステル:
NaH(1.13g、60%のオイル分散体、28.2mmol)のTHF(32mL)中の氷冷懸濁液に、ホスフォノ酢酸トリエチル(5.6ml、28.2mmol)を添加した。反応混合物をrtにて20分攪拌した。2,5−ジフルオロ−ベンズアルデヒド(3.34g、23.5mmol)を滴下した。30分後、10% aq.NaHSO(100mL)を添加し、そして混合物をEA(150mL)で希釈した。2層を分離し、そして水層をEA(2x100mL)で2回抽出した。合わせた有機層を塩水(100mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をSiO(Hex−EA 19−1)上のクロマトグラフに付し、表題のエステルを無色の油状物として得た(5.0g、収率100%)。
H NMR(CDCl)δ:7.76(dd、J=1.0、16.1Hz、1H);7.26−7.21(m、1H);7.13−7.03(m、2H);6.52(d、J=16.1Hz、1H);4.29(q、J=7.1Hz、2H);1.36(t、J=7.1Hz、3H)。
【0155】
C.ii. (E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−プロプ−2−エン(prop−2−en)−1−オール:
0℃に冷却した中間体C.i(5.0g、23.5mmol)のエーテル(100mL)中の溶液に、DIBAH(Hex中1M、60ml、60mmol)の溶液を添加した。混合物を、同温で40分攪拌した。水(6mL)を添加し、そして混合物を30分攪拌した。固体をろ過し、エーテルで徹底的に洗浄した。ろ液を濃縮乾固し、表題のアルコールを無色の油状物として得た(4.0g、収率98%)。
H NMR(CDCl)δ:7.15(ddd、J=3.1、5.9、9.0Hz、1H);7.00(td、J=4.6、9.0Hz、1H);6.95−6.87(m、1H);6.75(dd、J=1.3、16.1Hz、1H);6.45(td、J=5.3、16.1Hz、1H);4.38(br d、J=5.3Hz、2H);1.63(s、1H)。
【0156】
C.iii. (E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−プロペナール:
中間体C.ii(1.70g、10mmol)のDCM(20mL)中の溶液に、rtにてDess−Martinペルヨージナン(DCM中15重量%、20mL)の溶液を添加した。混合物を、rtにて3時間攪拌した。濃縮乾固した後、残渣をSiO(Hex−EA 9−1)上のクロマトグラフに付し、表題のアルデヒドを白色の固体として得た(1.06g、収率63%)。
H NMR(d6−DMSO)δ:9.74(d、J=7.6Hz、1H);7.88−7.81(m、1H);7.79(重複dd、J=1.4、16.0Hz、1H);7.46−7.37(m、2H);6.67(dd、J=7.6、16.0Hz、1H)。
【0157】
製造物D:3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−カルバルデヒド:
−78℃に冷却したDIPA(15.5mL)のTHF(300mL)中の溶液に、n−BuLi(ヘキサン中2.35N、44mL)を添加した。この温度にて、反応混合物を5分攪拌した後、0℃に温めた。反応混合物を15分攪拌した後、−78℃に冷却した。THF(50mL+リンス10mL)中3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン(FR2004/01105に記載の通りに製造、15g)を添加し、混合物を−78℃で3時間攪拌した。DMF(3mL)を素早く添加した。45分後、1−プロパノール(8mL)を添加し、そして混合物をrtに温めた。混合物を水(100mL)とEA(200mL)の間で分画した。水層をEA(200mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をHept中で粉砕し、オレンジ色の固体を得た(9.0g、収率51%)。
H NMR(CDCl)δ:10.83(s、1H);8.79(d、J=1.8Hz、1H);8.48(d、J=2.9Hz);8.01(d、J=9.4Hz、1H);7.37(dd、J=2.9、9.4Hz、1H);3.98(s、3H)。
【0158】
実施例1:{(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[3−(E)−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン:
1.i. {(3R,6S)−6−[2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−アセチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
−10℃に冷却した{(3R,6S)−6−[(1S)−1−ヒドロキシ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(国際公開公報第2006/032466号に記載の通りに製造、0.78g、1.73mmol)の溶液に、DIPEA(1.03mL、5.90mmol)を滴下した。Pyr.SO(0.684g、48%、1.1eq.)のDMSO(2mL)中の溶液を滴下した。反応混合物を、0℃にて1時間45攪拌した。揮発物を減圧下で除去し、そして水(20mL)を添加した。得られた沈殿物をろ過し、そして、さらにHV下で乾燥して、黄色の固体を得た(0.518g、収率66%)。MS(ESI、m/z):468.0[M+H]。
【0159】
1.ii. {(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体1.i(0.209g、0.52mmol)のMeOH(3.7mL)中の溶液に、酢酸アンモニウム(1g、13mmol)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.038g)を添加した。反応混合物を、rtにて41時間攪拌した。反応混合物を濃縮乾固し、そして残渣を、sat.NaHCO(50mL)とDCM−MeOH 9−1(100mL)の間で分画した。相を分離し、そして水層をDCM−MeOH 9−1(2x50mL)で2回抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を減圧下で蒸発させた。残渣をCC(1% aq.NHOHを含むDCM−MeOH 9−1)で精製して、表題の化合物(0.136g、収率63%)を、灰白色の固体として得た。MS(ESI、m/z):403.0[M+H]。
【0160】
1.iii. {(3R,6S)−6−[(1RS)−1−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体1.ii(0.13g、0.32mmol)のアセトン(1.3mL)と水(1.3mL)中の溶液に、rtにて激しく攪拌しながら、NaHCO(0.109g、1.29mmol)、次いでCbz−Cl(0.050mL、0.36mmol)を添加した。反応液を、同温で1時間30攪拌した。アセトンを減圧下で除去した。溶媒としてEAを用い、前記の通りに後処理を行った。残渣をSiO(0.5% aq.NHOHを含むDCM−MeOH 19−1)上でろ過して、表題化合物を灰白色の固体として得た(0.145g、収率83%)。
MS(ESI、m/z):537.0[M+H]。
【0161】
1.iv. {(1RS)−1−[(2S,5R)−5−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル]−エチル}−カルバミン酸 ベンジルエステル:
中間体1.iii(0.143g、0.27mmol)のTFA(1mL)中の溶液を、rtにて10分攪拌し、そして反応混合物を濃縮乾固した。残渣を、sat. NaHCOとDCM−MeOH(9−1、50mL)の間で分画した。pHを1M aq.NaOHで9に調整した。溶媒としてDCM−MeOH(9−1)を用い、前記の通りに後処理を行った。HV下で乾燥後、粗製アミンを、黄色がかったガムとして得た(0.111g、収率95%)。MS(ESI、m/z):437.1[M+H]。
【0162】
1.v. [(1RS)−1−{(2S,5R)−5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−カルバミン酸 ベンジルエステル:
中間体1.iv(0.111g、0.26mmol)の、MeOH(1.1mL)及び1,2−DCE(3.7mL)中の溶液に、3A モレキュラーシーヴ(2g)と(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−プロペナール(製造物Cを見よ;0.047g、0.28mmol)を添加した。混合物を50℃で一晩攪拌した。NaBH(0.110g、2.91mmol)を添加し、そして反応混合物を2時間攪拌した。反応混合物を、(sat.NaHCOで処理した)hydromatrix(登録商標)を用いてろ過し、そしてろ液を濃縮乾固した。残渣をCC(0.3%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 97−3、次いで0.5%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 19−1)で濃縮して、表題の生成物を白色の固体として得た(0.077g、収率51%)。
MS(ESI、m/z):588.8[M+H]。
【0163】
1.vi. {(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン:
中間体1.v(0.073g、0.12mmol)のTFA(1mL)中の溶液を、rtにて32日間攪拌した。反応混合物を濃縮乾固し、そして残渣を、工程2.viに記載の通りに後処理した。残渣を、CC(0.5%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 19−1、次いで、1%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 9−1)で精製して、表題化合物を無色のガムとして得た(0.039g、収率68%)。この化合物を、エピマーの等モル混合物として得た。
H NMR(d6−DMSO)δ:8.66(d、J=4.4Hz、1H);8.23(d、J=9.0Hz、1H);7.55(d、J=4.2Hz、0.5H);7.54(d、J=4.2Hz、0.5H);7.47(m、1H);7.27−7.20(m、2H);7.12(m、1H);6.61(d、J=16.2Hz、1H);6.48(td、J=5.1、16.2Hz、1H);4.02(m、1H);4.01(s、3H);3.52(dd、J=3.2、12.6Hz、0.5H);3.41−3.36(m、2.5H);3.14−3.05(m、2H);2.98−2.90(m、2H);2.81(m、0.5H);2.51(重複m、0.5H);2.06(m、1H);1.85(m、0.5H);1.70(m、0.5H);1.66−1.41(m、4H);1.30−1.11(m、1H)。MS(ESI、m/z):455.2[M+H]。
【0164】
実施例2: {(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[3−(E)−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン:
2.i. {(3R,6S)−6−[(1S,2S)−1,2−ジヒドロキシ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
{(3R,6S)−6−[(E)−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−ビニル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(国際公開公報第2006/032466号に記載の通りに製造、15.1g、39.1mmol)の、2−メチル−2−プロパノール(190mL)、水(200mL)及びEA(10mL)中の混合物に、rtにて、メタンスルホンアミド(3.7g)とAD−mixα(55g)を連続的に添加した。反応を一晩進行させた。次いで、反応混合物に亜硫酸水素ナトリウム(60g)を少しずつ添加した。30分の攪拌の後、2層を分離し、そして水層をEA(2x150mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をクロマトグラフ(DCM−MeOH 19−1)に付し、表題のジオールを灰白色のフォームとして得た(12.2g)。
H NMR(d6−DMSO)δ:8.75(d、J=4.5Hz、1H);8.24(d、J=9.0Hz、1H);7.75(d、J=4.5Hz、1H);7.23(d、J=9.0Hz、1H);6.80(br.s、1H);6.74(d、J=8.2Hz、1H);5.83(d、J=5.7Hz、1H);5.24(d、J=6.6Hz、1H);4.49(d、J=8.2Hz、1H);4.00(s、3H);3.79(m、1H);3.67(m、1H);3.35(m、1H);2.99(t、J=10.6Hz、1H);1.99−1.87(m、2H);1.38(s、9H);1.35−1.15(m、2H)。
【0165】
2.ii. {(3R,6S)−6−[(4S,5S)−5−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−2−オキソ−[1,3]ジオキソラン−4−イル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体2.i(12.2g、29.08mmol)のDCM(150mL)中の氷冷溶液に、Pyr(14mL)とトリホスゲン(4.31g、14.54mmol)を添加した。反応混合物を同温で30分攪拌し、た。aq.sat.NaHCO(100mL)を添加した。2層をデカントし、そして水層をDCM(100mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣を、2回、トルエンと共蒸発させた。残渣を、CC(DCM−MeOH 19−1)で精製して、表題のカーボネートを無色のフォームとして得た(13.0g、収率99%)。MS(ESI、m/z):445.9[M+H]。
【0166】
2.iii. {(3R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体2.ii(13.00g、29.08mmol)のEA(300mL)中の溶液に、10% Pd/C(9.0g)を添加した。水素雰囲気下、反応液を6時間攪拌した。反応混合物をEA(450mL)とMeOH(50mL)で希釈し、15分攪拌した。次いで、触媒をろ過により除き、そしてろ液を濃縮乾固した。残渣をクロマトグラフ(DCM−MeOH 19−1)に付し、表題化合物を白色の固体として得た(5.9g、収率50%)。
H NMR(d6−DMSO)δ:8.66(d、J=4.4Hz、1H);8.23(d、J=9.0Hz、1H);7.55(d、J=4.4Hz、1H);7.23(d、J=9.0Hz、1H);6.73(d、J=8.0Hz、1H);4.73(d、J=6.4Hz、1H);4.02(s、3H);3.88−3.79(m、2H);3.61(dd、J=3.4、13.1Hz、1H);3.35(m、1H);3.09(m、1H);2.94(t、J=10.5Hz、1H);2.88(dd、J=9.2、13.5Hz、1H);1.92−1.85(m、2H);1.45−1.32(m、2H);1.38(s、9H)。
【0167】
2.iv. {(3R,6S)−6−[(1R)−1−ヒドロキシ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 ベンジルエステル:
中間体2.iii(5.9g、14.62mmol)のTFA(20mL)中の溶液を、rtにて30分攪拌した。溶媒を真空除去し、そして残渣を水とsat.NaHCO(100mL)で希釈した。6M NaOHを添加して、pHを12に調整した。水層をDCM−MeOH(9−1、5x100mL)で5回抽出した。合わせた有機層を塩水(100mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固して、中間体アミンを灰白色の固体として得た(4.3g、収率96%)。
H NMR(CDCl)δ:8.70(d、J=4.5Hz、1H);8.23(d、J=9.0Hz、1H);7.46(d、J=4.5Hz、1H);7.13(d、J=9.0Hz、1H);4.07(s、3H);4.00(ddd、J=1.8、4.1、10.3Hz、1H);3.90(td、J=3.0、7.2Hz、1H);3.55(dd、J=7.3、13.8Hz、1H);3.30(dd、J=2.9、13.8Hz、1H);3.03(ddd、J=2.1、6.7、10.3Hz、1H);2.95(t、J=10.3Hz、1H);2.82(m、1H);2.11−1.93(m、2H);1.50(m、1H);1.40(br.s、3H);1.12(m、1H)。
【0168】
後者の固体(4.3g)をアセトン(100mL)と水(50mL)中に取り、そして溶液を0℃に冷却した。NaHCO(2.4g)とCbz−Cl(2.3mL)を添加した。混合物をrtにて5時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、固形物をろ過した。固形物をDCM−MeOH 9−1(200mL)中に希釈し、そして水(50mL)で洗浄した。次いで、有機層を濃縮乾固し、残渣をCC(DCM−MeOH 97−3)で精製して、表題のアルコールを白色の固体として得た(5.3g、収率85%)。
H NMR(d6−DMSO)δ:8.66(d、J=4.4Hz、1H);8.24(d、J=9.0Hz、1H);7.55(d、J=4.4Hz、1H);7.40−7.29(m、5H);7.23(d、J=9.0Hz、1H);7.22(重複m、1H);5.01(AB system、J=12.6Hz、Δ=0.049ppm、2H);4.75(d、J=7.6Hz、1H);4.02(s、3H);3.89−3.84(m、2H);3.61(dd、J=3.3Hz、1H);3.40(m、1H);3.10(m、1H);2.97(t、J=10.6Hz、1H);2.88(dd、J=8.9、13.2Hz、1H);1.98−1.86(m、2H);1.48−1.34(m、2H)。MS(ESI、m/z):438.0[M+H]。
【0169】
2.v. {(3R,6S)−6−[(1S)−1−アジド−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 ベンジルエステル:
中間体2.iv(4.32g、10mmol)とPPh(3.24g、12.38mmol)の、THF(70mL)中の、10℃に冷却した混合物に、DPPA(2.67mL、12.38mmol)、次いでDIAD(2.65mL、13.3mmol)を滴下した。次いで、反応混合物を0℃に温め、そしてDCM(5mL)を添加した。反応を2時間進行させた。Sat.NaHCO(150mL)とEA(150mL)を添加した。水層をEA(150mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をクロマトグラフ(Hept−EA 1−2)に付して、表題のアジドを白色の固体として得た(3.7g)。化合物には、いくらかのトリフェニルホスフィンオキシドが混ざっていた。
H NMR(CDCl)δ:8.72(d、J=4.4Hz、1H);8.27(d、J=9.0Hz、1H);7.49(d、J=4.4Hz、1H);7.46−7.43(m、5H);7.17(d、J=9.0Hz、1H);5.11(br.s、2H);4.48(m、1H);4.25(m、1H);4.08(s、3H);3.92(m、1H);3.74(m、1H);3.60(dd、J=6.0、12.6Hz、1H);3.37(dd、J=8.1、12.6Hz、1H);3.25(m、1H);3.02(t、J=10.7Hz、1H);2.19(m、1H);1.90−1.69(m、2H);1.33(m、1H)。MS(ESI、m/z):462.8[M+H]。
【0170】
2.vi. {(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 ベンジルエステル:
中間体2.v(3.7g、8mmol)のTHF(90mL)中の溶液に、PPh(3.15g、12mmol)を添加した。混合物を60℃にて30分加熱し、そして水(10mL)を添加した。反応を一晩進行させた。冷却後、溶媒を真空除去した。残渣を、水(50mL)、1M NaOH(10mL)及びEA(100mL)の間で分画した。水層を、さらに2回、EA(2x100mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水(50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をクロマトグラフ(1% aq.NHOHを含むDCM−MeOH 9−1)に付して、表題化合物を白色の固体として得た(2.4g、収率68%)。
H NMR(CDCl)δ:8.70(d、J=4.4Hz、1H);8.22(d、J=9.1Hz、1H);7.45(d、J=4.4Hz、1H);7.40−7.35(m、5H);7.14(d、J=9.0Hz、1H);5.14(br.s、2H);4.52(m、1H);4.20(m、1H);4.09(s、3H);3.73(m、1H);3.57−3.47(m、2H);3.35(m、1H);3.15(ddd、J=2.3、5.3、10.8Hz、1H);3.05(t、J=10.7Hz、1H);2.19(m、1H);1.90−1.66(m、2H);1.51(br.s、2H);1.42−1.30(m、1H)。MS(ESI、m/z):436.6[M+H]。
【0171】
2.vii. {(3R,6S)−6−[(1S)−1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 ベンジルエステル:
中間体2.vi(2.0g、4.58mmol)のDCM(30mL)中の溶液に、BocO(1.5g)のDCM(10mL)中の溶液を添加した。反応液をrtにて90分攪拌した。溶媒を真空除去し、残渣をHept中で粉砕し、そして固形物をHV下で乾燥して、表題化合物を白色の固体として得た(2.15g、4mmol)。
H NMR(CDCl)δ:8.68(d、J=4.2Hz、1H);8.24(d、J=9.0Hz、1H);7.44(d、J=4.2Hz、1H);7.39−7.36(m、5H);7.15(d、J=9.0Hz、1H);5.13(重複m、1H);5.11(m、2H);4.44(d、J=8.0Hz、1H);4.17(重複m、2H);4.13(s、3H);3.66(m、1H);3.51(dd、J=7.8、12.3Hz、1H);3.33(dd、J=6.8、12.3Hz、1H);3.22(m、1H);2.95(t、J=10.7Hz、1H);2.09(m、1H);1.73−1.55(m、2H);1.32(s、9H);1.27(重複m、1H)。
【0172】
2.viii. {(1S)−1−[(2S,5R)−5−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル]−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体2.vii(2.15g、4mmol)の、EA(180mL)とMeOH(20mL)中の溶液に、20% Pd(OH)/C(吸湿、1.9g)を添加した。反応液を、水素雰囲気下で2時間攪拌した。触媒を真空除去し、そしてろ液を濃縮乾固して、表題化合物を無色のフォームとして得た(1.54g、収率95%)。
MS(ESI、m/z):403.0[M+H]。
【0173】
2.ix. [(1S)−1−{(2S,5R)5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−−4−イル)−エチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体2.viii(0.078g、0.19mmol)及び(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−プロペナール(0.033g、1eq.)を出発物質とし、そして実施例1、工程1.vの手順を用いて、表題化合物を黄色がかった油状物として得た(0.064g、収率59%)。1%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 9−1を溶出液として用いて、化合物をCCで精製した。MS(ESI、m/z):554.9[M+H]。
【0174】
2.x. {(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン:
中間体2.ix(0.06g、0.1mmol)のTFA(1mL)中の溶液を、rtにて20分攪拌した。溶媒を真空除去し、そして残渣を、DCM−MeOH(9−1、20mL)及びsat.NaHCO(10mL)の間で分画した。水層を、同じ混合物(3x20mL)を用いて、さらに3回抽出した。合わせた抽出物を濃縮乾固して、残渣をクロマトグラフ(1%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 9−1)に付し、そして残渣をエーテル−ペンタン中で粉砕して、表題化合物を白色の固体として得た(0.03g、収率61%)。

H NMR(d6−DMSO)δ:8.66(d、J=4.5Hz、1H);8.23(d、J=9.0Hz、1H);7.53(d、J=4.5Hz、1H);7.47(m、1H);7.23(m、1H);7.22(d、J=9.0Hz、1H);7.10(m、1H);6.61(d、J=16.1Hz、1H);6.48(td、J=5.2、16.1Hz、1H);4.04(m、1H);4.01(s、3H);3.42−3.36(m、3H);3.12−3.04(m、2H);2.97−2.88(m、2H);2.53(m、1H);2.05(m、1H);1.72−1.45(m、5H);1.17(m、1H)。MS(ESI、m/z):455.0[M+H]。
【0175】
実施例3:{(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(6−フルオロ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン:
3.i. {3R,6S)−6−[(E)−2−(6−フルオロ−キノリン−4−イル)−ビニル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
製造物Bの化合物(7.0g、16.52mmol)及び6−フルオロ−キノリン−4−カルバルデヒド(3.04g、17.35mmol)の、1,2−DME(80mL)中の、−78℃に冷却した混合物に、KHMDSの溶液(トルエン中0.5M、56mL)を30分に渡って滴下した。次いで、この温度で反応混合物を1時間攪拌した後、rtに温めた。1時間後、塩水(100mL)を添加した。2層をデカントし、そして水層をEA(2x150mL)で2回抽出した。合わせた有機層を塩水(50mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をエーテル−Hept 1−1中で粉砕して、ろ過及びHV下での乾燥の後、表題化合物をベージュ色の固体として得た(4.2g、収率68%)。
H NMR(d6−DMSO)δ:8.80(d、J=4.7Hz、1H);8.07(dd、J=5.9、8.9Hz、1H);7.96(dd、J=2.9、10.8Hz、1H);7.63−7.69(m、2H);7.30(d、J=15.8Hz、1H);6.80(d、J=8.9Hz、1H);6.60(dd、J=5.6、15.8Hz、1H);3.29(m、1H);4.02(m、1H);3.89(m、1H);3.08(t、J=10.8Hz、1H);1.91(m、2H);1.49(m、2H);1.37(s、9H)。
【0176】
3.ii. {(3R,6S)−6−[(1RS)−2−(6−フルオロ−キノリン−4−イル)−1−ヒドロキシ−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体3.i(4.2g、11.2mmol)を出発物質とし、そして実施例2、工程2.i(収率65%)、2.ii(quant.収率)及び2.iii(quant.収率)の手順を用いて、本化合物(2.9g、7.4mmol)を白色の固体として得た。この化合物を、ジアステレオマーの3−2混合物として回収した。MS(ESI、m/z):391.0[M+H]。
【0177】
3.iii. (1RS)−1−{(2S、5R)−5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−2−(6−フルオロ−キノリン−4−イル)−エタノール:
中間体3.ii(2.9g、7.4mmol)を出発物質とし、そして実施例1、工程1.iv(収率88%)及び1.v(収率62%)の手順を用いて、本化合物(1.75g、3.95mmol)を無色のフォームとして得た。この化合物を、ジアステレオマーの3−2混合物として回収した。MS(ESI、m/z):443.0[M+H]。
【0178】
3.iv. [3−(E)−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−{6−[2−(6−フルオロ−キノリン−4−イル)−1−ヒドロキシ−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体3.iii(1.75g、3.95mmol)のDCM(20mL)中の溶液に、TEA(1.05mL、7.9mmol)とジ−tert−ブチル−ジカーボネート(1.1g、4.8mmol)を添加した。反応を一晩進行させた。反応混合物を濃縮乾固し、そして残渣をクロマトグラフ(DCM−MeOH 19−1)に付して、表題化合物を無色のフォームとして得た(1.4g、収率65%)。MS(ESI、m/z):543.1[M+H]。
【0179】
3.v. [(E)−3−(2,5−dジフルオロ−フェニル)−アリル]−{(3R,6S)−6−[2−(6−フルオロ−キノリン−4−イル)−アセチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体3.iv(1.4g、2.58mmol)のDCM(10mL)中の氷冷溶液に、DIPEA(1.4mL、3eq.)とPyr.SO(1.08g、1.2eq.)のDSMO(3.5mL)中の溶液を添加した。混合物を、同じ温度で1時間攪拌した後、ゆっくりとrtに温めた。反応を2時間進行させた。反応混合物を、sat.NaHCO(100mL)及びDCM(100mL)で希釈した。2層をデカントし、そして有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をクロマトグラフ(Hept−EA 3−2)に付し、表題のケトンを黄色がかったフォームとして得た(0.65g、収率46%)。MS(ESI、m/z):541.3[M+H]。
【0180】
3.vi. {(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(6−フルオロ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン:
中間体3.v(0.65g、1.2mmol)のMeOH(7mL)中の溶液に、酢酸アンモニウム(2.31g、25eq.)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.1g、1.25eq.)を添加した。反応を16時間進行させた。反応液を濃縮乾固し、そして残渣をDCM−MeOH(9−1、100mL)とaq.NaHCO(100mL)中に取った。2層をデカントし、そして水層を、同じ混合物で1回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をTFA(5mL)に溶解した。溶液をrtにて15分攪拌し、そして濃縮乾固した。残渣を、2M aq.NaOH(20mL)とDCM−MeOH(9−1、200mL)の間で分画した。水層を同じ混合物で1回抽出し、そして合わせた有機層を濃縮乾固した。残渣をSiO上のクロマトグラフ(1%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 9−1)に付して、表題のアミンを無色の油状物として得た(0.3g、収率56%)。この化合物を、エピマーの1−1混合物として得た。MS(ESI、m/z):442.3[M+H]。
【0181】
実施例4:6−({(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
4.i. {(1RS)−1−[(2S,5R)−5−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル]−エチル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
{(3R,6S)−6−[(E)−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−ビニル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(国際公開公報第2006/032466号に記載の通りに製造、3.55g、9.2mmol)を出発物質とし、そして実施例2、工程2.i(不斉ジヒドロキシ化、quant.収率)、2.ii(カーボネート形成、収率93%)、2.iii(水素化分解、収率54%)及び2.iv(Boc脱保護とCbz形成、収率71%)、実施例1、工程1.i(酸化、収率57%)、1.ii(還元的アミノ化、収率63%)並びに実施例2、工程2.vii(Boc形成、収率55%)及び2.viii(水素化分解、収率97%)の手順を順に用いて、表題の化合物(0.268g、0.66mmol)を白色の固体として製造した。各工程の後、必要に応じて、粗製物質を、適宜な溶出液を用いたCCで精製した。この化合物を、エピマーの3−2混合物として得た。
H NMR(d6−DMSO)δ:8.58(m、1H);7.88(m、1H);7.52(d、J=2.4Hz、0.4H);7.46(d、J=2.4Hz、0.6H);7.38−7.35(m、1H);7.27(d、J=4.2Hz、0.4H);7.23(d、J=4.2Hz、0.6H);6.86(d、J=9.3Hz、0.6H);6.75(d、J=9.3Hz、0.4H);3.91(s、3x0.4H);3.90(s、3x0.6H);3.86(m、0.6H);3.79(m、0.4H);3.63−3.45(m、1.4H);3.26(m、0.6H);3.16(m、1H);3.01−2.82(m、2H);2.60(m、1H);1.87(m、1H);1.70(m、2H);1.55−1.13(m、3H);1.23(s、9x0.4H);1.18(s、9x0.6H)。
【0182】
4.ii. {(1RS)−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−1−{(2S,5R)−5−[(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体4.i(0.133g、0.33mmol)の、1,2−DCE(6mL)及びMeOH(2mL)中の溶液に、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルバルデヒド(0.071g、0.37mmol)と3A モレキュラーシーヴ(1.33g)を添加した。この混合物を50℃で一晩加熱した。この混合物を0℃に冷却し、そしてNaBH(98%、0.106g、2.75mmol)を一度に添加した。反応液を0℃で40分攪拌した。DCM−MeOH(9−1、20mL)で希釈した後、混合物をろ過し、そして固形物をDCM−MeOH(9−1、50mL)とDCM(30mL)で洗浄した。ろ液をsat.NaHCO(30mL)で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をクロマトグラフ(0.5%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 19−1)に付して、表題化合物を無色の固体として得た(0.176g、収率91%)。この化合物を、エピマーの3−2混合物として得た。MS(ESI、m/z):580.2[M+H]。
【0183】
4.iii. 6−({(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
実施例2、工程2.xの手順を用い、中間体5.ii(0.170g、0.29mmol)を出発物質として、表題化合物を、灰白色の固体(0.103g、収率73%)として得た。エーテル中で粉砕した後、この化合物を、エピマーの3−2混合物として得た。MS(ESI、m/z):480.3[M+H]。
【0184】
実施例5:{(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[3−(E)−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン:
中間体4.i(0.133g、0.33mmol)と(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−プロペナール(0.061g、1eq.)を出発物質とし、そして実施例4、工程4.ii及び4.iiiの手順を用いて、表題化合物を、暗色のガム(0.070g、0.15mmol)として得た。還元的アミノ化工程の後、粗生成物を、0.5%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 19−1を溶出液として用いて、CCで精製した。この化合物をエピマーの3−2混合物として得た。
H NMR(d6−DMSO)δ:8.59(m、1H);7.88(app. d、J=9.0Hz、1H);7.45−7.09(m、6H);5.59(d、J=16.2Hz、1H);6.47(m、1H);4.03(m、1H);3.88(s、3x0.4H);3.86(s、3x0.6H);3.47−3.28(m、3H);3.07−2.77(m、4H);2.66(m、0.4H);2.51(重複m、0.6H);2.04(m、1H);1.85(m、0.6H);1.65−1.11(m、5.4H)。MS(ESI、m/z):454.5[M+H]。
【0185】
実施例6:6−({(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
6.i. [1−((2S,5R)−5−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:

{(3R,6S)−6−[2−(E)−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−ビニル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}カルバミン酸 tert−ブチルエステル(国際公開公報第2006/032466号に記載の通りに製造、9.45g、22.3mmol)を出発物質とし、そして実施例2、工程2.i(不斉ジヒドロキシ化、収率67%)、2.ii(カーボネート形成、収率92%)、2.iii(水素化分解、収率47%)及び2.iv(Boc脱保護とCbz形成、収率71%)、実施例1、工程1.i(酸化、収率60%)及び1.ii(還元的アミノ化、収率61%)並びに実施例2、工程2.vii(Boc形成、収率80%)及び2.viii(水素化分解、収率86%)の手順を順に用いて、表題化合物を白色のフォームとして得た(0.491g、1.22mmol)。各工程の後、必要に応じて、粗製物質を、適宜な溶出液を用いたCCで精製した。この化合物を、エピマーの3−2混合物として得た。この化合物を、エピマーの3−2混合物として得た。分析用サンプルを、ChiralPak AD(4.6x250mm、5μM)カラム上で、Hex:EtOH:ジイソプロピルアミン 90:10:0.1を用い、流速0.8mL/分にて溶出した。各々の保持時間は22.0と37.3分であった。MS(ESI、m/z):403.3[M+H]。
【0186】
6.ii. 6−({(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
中間体6.i(0.1g、0.248mmol)を出発物質とし、実施例4、工程4.ii及び工程4.iiiに記載の手順を用いて、表題化合物をベージュ色の固体(0.080g、0.166mmol)として得た。還元的アミノ化工程の後、この化合物を、CC(0.7% aq.NHOHを含むDCM−MeOH 93−7)で精製した。この化合物を、エピマーの等モル混合物として得た。
H NMR(d6−DMSO)δ:8.65(2つの重複d、J=4.5Hz、1H);8.23(d、J=9.0Hz、1H);7.71(d、J=7.8Hz、1H);7.54(d、J=4.5Hz、0.5H);7.52(d、J=4.5Hz、0.5H);7.22(d、J=9.0Hz、1H);7.06(d、J=7.8Hz、0.5H);7.05(d、J=7.8Hz、0.5H);3.99(s、3H);3.96(重複m、1H);3.71(br.s、2H);3.53−3.48(m、2.5H);3.38(m、0.5H);3.27(m、1H);3.19(m、1H);3.08(m、0.5H);2.98−2.91(m、2H);2.83(dd、J=8.7、12.9Hz、0.5H);2.43(m、0.5H);2.02(m、1H);1.81(m、0.5H);1.68(m、0.5H);1.45(m、1H);1.23−1.13(m、2H)。MS(ESI、m/z):481.4[M+H]。
【0187】
実施例7:6−({(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン:
中間体6.i(0.1g、0.248mmol)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−カルバルデヒド(0.048g、1.1eq.)を出発物質とし、実施例4、工程4.ii及び4.iiiの手順を用いて、表題化合物をベージュ色の固体(0.057g、0.122mmol)として得た。還元的アミノ化工程の後、この化合物を、CC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 93−7)で精製した。この化合物を、エピマーの等モル混合物として得た。
H NMR(d6−DMSO)δ:8.64(d、J=4.2Hz、1H);8.23(d、J=9.0Hz、1H);7.52(d、J=4.2Hz、0.5H);7.50(d、J=4.2Hz、0.5H);7.27(d、J=8.1Hz、1H);7.21(d、J=9.0Hz、1H);6.99(d、J=8.1Hz、1H);4.52(s、2H);3.99(s、3H);3.96(重複m、1H);3.68(br.s、2H);3.47(m、0.5H);3.36(m、0.5H);3.09−3.03(m、2H);2.95−2.85(m、2H);2.98−2.91(m、1.5H);2.83−2.76(m、1H);2.2−1.6(br.s、3H);2.02(m、1H);1.82(m、0.5H);1.67(m、0.5H);1.45(m、1H);1.19(m、1H)。MS(ESI、m/z):465.3[M+H]。
【0188】
実施例8:6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
中間体2.viii(0.402g、1mmol)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルバルデヒド(0.213g、1.1eq.)を出発物質とし、実施例4、工程4.ii及び4.iiiの手順を用いて、表題化合物をベージュ色の固体(0.360g、0.75mmol)として得た。還元的アミノ化工程の後、この化合物を、CC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 93−7)で精製した。
H NMR(d6−DMSO)δ:8.65(d、J=4.5Hz、1H);8.23(d、J=9.0Hz、1H);7.71(d、J=7.8Hz、1H);7.52(d、J=4.5Hz、1H);7.22(d、J=9.0Hz、1H);7.06(d、J=7.8Hz、0.5H);3.99(s、3H);3.96(重複m、1H);3.71(br.s、2H);3.51(s、2H);3.36(dd、J=3.6、12Hz、1H);3.05(m、2H);2.98−2.91(m、2H);2.83(dd、J=8.7、12.9Hz、0.5H);2.43(m、1H);2.02(m、1H);1.68(m、1H);1.45(m、1H);1.23−1.13(m、2H)。MS(ESI、m/z):481.3[M+H]。
【0189】
実施例9:8−[(2RS)−2−アミノ−2−{5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル]−2−メトキシ−キノリン−5−カルボン酸 メチルエステル:
9.i. 8−ベンジルオキシ−5−ブロモ−2−メトキシ−キノリン:
8−ベンジルオキシ−2−メトキシ−キノリン(国際公開公報第2004/002992号に記載の通りに製造、71.09g、268mmol)のDCM(1.6L)中の氷冷溶液に、NBS(53.0g、1.11eq.)を添加した。この混合物を5時間攪拌し、徐々に温度をrtに到達させた。溶液をsat.NaHCO(6x500mL)、塩水(4x500mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をHV下で乾燥して、表題の臭化物を明茶色の固体として得た(89.37g、収率97%)。
H NMR(CDCl)δ:8.34(d、J=9.0Hz、1H);7.57−7.53(m、2H);7.50(d、J=8.2Hz、1H);7.42−7.29(m、3H);7.02(d、J=9.0Hz、1H);6.98(d、J=8.2Hz、1H);5.34(s、2H);4.13(s、3H)。
【0190】
9.ii. 8−ベンジルオキシ−2−メトキシ−5−(E)−スチリル−キノリン:
中間体9.i.(59.76g、173.6mmol)、trans−2−フェニルビニルボロン酸(25.69g、1eq.)の、ジオキサン(320mL)及び水(80mL)中の溶液に、KCO(31.2g、225.7mmol)とPd[P(Ph)(5g、2.5mol%)を添加した。得られた混合物を一晩100℃に加熱した。Rtに冷却後、EA(800mL)、水(500mL)及び10% NaHSO(300mL)を添加した。2層をデカントし、そして水層をDCM(2x300mL)で2回抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をエーテル中で粉砕し、ろ過し、そしてHV下で乾燥して、表題化合物を白色の固体として得た(62g、収率97%)。
H NMR(CDCl)δ:8.39(d、J=9.0Hz、1H);7.66(d、J=16.1Hz、1H);7.60−7.53(m、5H);7.43−7.27(m、6H);7.14(d、J=8.2Hz、1H);7.05(d、J=16.1Hz、1H);6.99(d、J=9.0Hz、1H);5.39(s、2H);4.14(s、3H)。
【0191】
9.iii. 8−ベンジルオキシ−2−メトキシ−キノリン−5−カルバルデヒド:
中間体9.ii(24.1g、65.6mmol)の、DCM(300mL)と水(50mL)中の溶液に、NMO(15.84g、2eq.)とオスミウム(VI)酸カリウム 二水和物(0.725g、3mol%)を添加した。得られた混合物を、rtで一晩攪拌した。10% NaHSO(2x250mL)と10% NaHSO(250mL)で処理した後、有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固して、表題のジオールを茶色のフォームとして得た(25.7g)。後者をアセトン(400mL)中に取り、水浴を用いて40℃前後の温度で温め、そしてNaIO(34.23g、160.0mmol)の水(50mL)中の溶液で処理した。この混合物を、同温で30分攪拌した。水(700mL)を添加し、そして揮発物を真空除去した。水層をDCM(500mL)で抽出した。有機層をMgSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。得られた残渣を水中に注ぎ、ろ過し、水で数回リンスし、そしてHV下で乾燥して、表題のアルデヒドを、暗色の固体として得た(18.93g、64.5mmol)。
H NMR(CDCl)δ:10.1(s、1H);9.48(d、J=9.08Hz、1H);7.75(d、J=8.2Hz、1H);7.60−7.55(m、2H);7.44−7.31(m、3H);7.16(d、J=8.2Hz、1H);7.11(d、J=9.08Hz、1H);5.42(s、2H);4.12(s、3H)。
【0192】
9.iv. 8−ベンジルオキシ−2−メトキシ−キノリン−5−カルボン酸:
中間体9.iii(20g、68.2mmol)の2−メチル−2−プロパノール(500mL)とDCM(100mL)中の溶液に、2−メチル−2−ブテン(200mL)並びに亜塩素酸ナトリウム(77g、10eq.、純度80%)とリン酸二水素ナトリウム(75.27g、8eq.)の水(300mL)中の溶液を添加した。反応液をrtで一晩攪拌した。反応混合物を水(200mL)とEA(200mL)で希釈した。2層をデカントし、水層をEA(200mL)で1回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固して、表題の酸を白色の固体として得た(16.0g、収率75%)。
H NMR(CDCl)δ:9.37(d、J=9.4Hz、1H);8.27(d、J=8.50Hz、1H);7.60−7.56(m、2H);7.44−7.30(m、3H);7.10(d、J=8.5Hz、1H);7.08(d、J=9.4Hz、1H);5.42(s、2H);4.14(s、3H)。
【0193】
別法:
中間体9.i(70g、203.3mmol)のTHF(500mL)中の溶液に、−78℃にて、n−BuLi(ヘキサン中2.3N、100mL、230mmol)を滴下した。同温で20分攪拌した後、クロロギ酸エチル(30mL、313.7mmol)のTHF(70mL)中の溶液を一度に添加した。15分後、10% aq.NaHSO(100mL)を添加し、そして混合物を、素早くrtに温めた。水層をsat.NaHCOで希釈し、EA(2x500mL)で抽出した。有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。後者をTHF(500mL)中に取り、2M NaOH(200mL)を添加した。溶液70℃で2日間攪拌し、そして溶媒を真空除去した。2M HClを用いて、水層のpHを4に調整した。固形物をDCM−MeOH(9−1、1L)で抽出した。有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固して、表題の酸を、白色の固体として得た(43.68g、141.21mmol)。
H NMR(CDCl)δ:9.37(d、J=9.4Hz、1H);8.27(d、J=8.50Hz、1H);7.60−7.56(m、2H);7.44−7.30(m、3H);7.10(d、J=8.5Hz、1H);7.08(d、J=9.4Hz、1H);5.42(s、2H);4.14(s、3H)。
【0194】
9.v. 8−ベンジルオキシ−2−メトキシ−キノリン−5−カルボン酸 メチルエステル:
中間体9.iv(15.8g、51.1mmol)のベンゼン(450mL)とMeOH(80mL)中の溶液に、TMSCHN(エーテル中2M、30mL、60mmol)の溶液を滴下した。反応液を、rtで45分攪拌し、そして(過剰量の試薬を分解するのに十分な量の)AcOHを添加した。反応混合物をsat.NaHCO(300mL)で希釈した。水層を分離し、そしてEA(2x200mL)で2回抽出した。合わせた有機層を塩水(200mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固して、表題化合物を白色の固体として得た(15.8g、収率95%)。
H NMR(d6−DMSO)δ:9.15(d、J=9.4Hz、1H);8.06(d、J=8.5Hz、1H);7.59−7.53(m、2H);7.44−7.36(m、2H);7.35−7.29(m、2H);7.18(d、J=9.4Hz、1H);5.40(s、2H);4.01(s、3H);3.87(s、3H)。MS(ESI、m/z):324.2[M+H]。
【0195】
9.vi. 8−ヒドロキシ−2−メトキシ−キノリン−5−カルボン酸 メチルエステル:
中間体9.v(15.8g、48.9mmol)のEA(380mL)中の溶液に、10%Pd/C(3.03g)を添加した。反応液を水素雰囲気下で2時間攪拌した。触媒をろ過により除き、そしてろ液を濃縮乾固した。触媒をろ過により除き、そしてろ液の溶媒を減圧下で蒸発させた。HV下で乾燥した後、表題化合物を白色の固体として得た(10.84g、収率95%)。
H NMR(d6−DMSO)δ:9.96(br.s、1H);9.18(d、J=9.4Hz、1H);8.03(d、J=8.5Hz、1H);7.16(d、J=9.4Hz、1H);7.10(d、J=8.5Hz、1H);4.06(s、3H);3.85(s、3H)。MS(ESI、m/z):234.3[M+H]。
【0196】
9.vii. 2−メトキシ−8−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−キノリン−5−カルボン酸 メチルエステル:
中間体9.vi.(10.84g、46.5mmol)のDMF(110mL)中の溶液に、TEA(7.76mL、55.8mmol)とN−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド(18.27g、51.1mmol)を添加した。反応混合物を、40℃で一晩加熱した。冷却後、溶媒を真空除去し、そして残渣をsat.NaHCO(100mL)とDCM(150mL)の間で分画した。有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をSiO(DCM)を通してろ過し、(副生成物が混じった)トリフレートを灰白色の固体として得た(21.89g)。MS(ESI、m/z):366.1[M+H]。
【0197】
9.viii. 2−メトキシ−8−(E)−スチリル−キノリン−5−カルボン酸 メチルエステル:
中間体9.vii(計算量46.5mmol)を出発物質とし、そして工程9.iiに記載の手順を用いて、表題の(E)−アルケン(15.4g)を、黄色がかった固体として得た。Hept−EA 4−1を溶出液として用いて、粗製物質を、CCで精製した。MS(ESI、m/z):320.3[M+H]。
【0198】
9.ix. 8−(1,2−ジヒドロキシ−2−フェニル−エチル)−2−メトキシ−キノリン−5−カルボン酸 メチルエステル:
中間体9.viii(15.4g、純度86%)を出発物質とし、反応を80℃で行ったことを除いては実施例2、工程2.iのプロトコルを用いて、表題のジオールを黄色がかった固体として得た(10.3g、収率70%)。粗製物質をCC(EA−Hept 2−1)で精製した。
H NMR(CDCl)δ:9.30(d、J=9.4Hz、1H);7.83(d、J=7.5Hz、1H);7.20−7.18(m、3H);7.09(d、J=9.4Hz、1H);7.04−7.01(m、2H);6.89(d、J=7.5Hz、1H);6.61(d、J=9.3Hz、1H);5.11(d、J=7.5Hz、1H);5.02(m、1H);4.74(br s)、4.03(s、3H);3.97(s、3H)。
【0199】
9.x. 8−ホルミル−2−メトキシ−キノリン−5−カルボン酸 メチルエステル:
中間体9.ix(10.3g、29.1mmol)の、アセトン(170mL)中の、45℃に温めた溶液に、NaIO(15g、2.5eq.)の水(60mL)中の溶液を添加した。この混合物を、同温で40分攪拌した。揮発物を真空除去し、そして残渣を水(300mL)中に取り、ろ過し、そして固形物を水で洗浄し、HV下で乾燥して、表題のアルデヒドを黄色の固体として得た(7.0g、収率97%)。
H NMR(CDCl)δ:11.41(s、1H);9.16(d、J=9.4Hz、1H);8.23(d、J=7.5Hz、1H);8.13(d、J=7.5Hz、1H);7.11(d、J=9.4Hz、1H);4.14(s、3H);4.04(s、3H)。
【0200】
9.xi. (E)−8−[(2S,5R)−2−(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−ビニル]−2−メトキシ−キノリン−5−カルボン酸 メチルエステル:
中間体9.x(8.43g、34.3mmol)を出発物質とし、実施例3、工程3.iの手順を用いて、表題の(E)−アルケンを、黄色がかった固体として得た(14.26g、収率93%)。粗製物質をCC(Hept−EA 3−1)で精製した。MS(ESI、m/z):443.0[M+H]。
【0201】
9.xii. 8−{(2RS)−2−[(2R,5S)−5−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル]−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル}−2−メトキシ−キノリン−5−カルボン酸 メチルエステル:
中間体9.xi(14.25g、32.2mmol)を出発物質とし、実施例2、工程2.i(不斉ジヒドロキシ化、quant.収率)、2.ii(カーボネート形成、収率74%)、2.iii(水素化分解、収率38%)及び2.iv(Boc脱保護とCbz形成、収率63%)、実施例1、工程1.i(酸化、収率68%)及び1.ii(還元的アミノ化、収率59%)並びに実施例2、工程2.vii(Boc形成、収率89%)及び2.viii(水素化分解、quant.収率)の手順を順番に用いて、この化合物を灰色のフォームとして得た(0.48g、1.04mmol)。各工程の後、必要に応じて、粗製物質を、適宜な溶出液を用いたCCで精製した。この化合物を、エピマーの1−1混合物として得た。MS(ESI、m/z):460.2[M+H]。
【0202】
9.xiii. 8−[(2RS)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−{(2R,5S)−5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル]−2−メトキシ−キノリン−5−カルボン酸 メチルエステル:
中間体9.xii(0.480g、1.04mmol)と(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−プロペナール(0.193g、1.1eq)を出発物質とし、実施例1、工程1.vの手順を用い、表題化合物を白色のフォームとして得た(0.391g、収率61%)。この化合物を、CC(0.5%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 19−1)で精製した。MS(ESI、m/z):612.2[M+H]。
【0203】
9.xiv. 8−[(2RS)−2−アミノ−2−{5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル]−2−メトキシ−キノリン−5−カルボン酸 メチルエステル:
中間体9.xiii(0.040g、0.066mmol)を出発物質とし、実施例2、工程2.xの手順を用い、表題の化合物(0.022g、収率64%)を灰白色の固体として得た。この化合物を、CC(0.5%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 19−1)で精製した。MS(ESI、m/z):512.4[M+H]。
【0204】
実施例10:8−((S)−2−アミノ−2−{(2S,5R)−5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−2−メトキシ−キノリン−5−イル]−メタノール:
10.i. 8−[(2S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−((2S,5R)−5−{tert−ブトキシカルボニル−[3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミノ}−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−エチル]−2−メトキシ−キノリン−5−カルボン酸 メチルエステル及び8−[(2R)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−((2S,5R)−5−{tert−ブトキシカルボニル−[3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミノ}−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−エチル]−2−メトキシ−キノリン−5−カルボン酸 メチルエステル:
中間体10.xiii(0.340g、0.55mmol)のDCM(3.5mL)中の溶液に、TEA(0.155mL、1.11mmol)とBocO(0.135g、0.61mmol)を添加した。反応を一晩進行させた。Sat.NaHCO(10mL)を添加し、そして相を分離した。水層をDCM−MeOH(9−1、20mL)で1回抽出した。合わせた有機層を塩水(20mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、ろ過し、そして減圧下で溶媒を蒸発させた。残渣をクロマトグラフ(Hept−EA 4−1)に付し、第一の異性体(0.093g、収率23%)を灰白色の固体として、そして次に第二の異性体を(0.092g、収率23%)を灰白色の固体として得た。
最初に溶出する異性体(以後、中間体10.i.aと呼ぶ。):
Rf=0.42(EA−Hept 1−2);MS(ESI、m/z):712.4[M+H]。
2番目に溶出する異性体(以後、中間体10.i.bと呼ぶ。):
Rf=0.35(EA−Hept 1−2);MS(ESI、m/z):712.4[M+H]。
【0205】
10.ii. {6−[1−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−(5−ヒドロキシメチル−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体10.i.a(0.090g、0.12mmol)のエーテル(1.5mL)中の氷冷溶液に、DIBAH(ヘキサン中1M、0.42mL、0.42mmol)を添加した。この温度で45分後、反応液をrtに到達させ、そして反応をさらに20分進行させた。水(0.1mL)を添加した。反応液を40分攪拌した。次いで、混合物をエーテル(15mL)で希釈し、そして固形物をろ過した。ろ液を濃縮乾固し、残渣をCC(EA−Hept 1−1)で精製して、表題のアルコールを無色のフォームとして得た(0.06g)。MS(ESI、m/z):684.2[M+H]。
【0206】
10.iii. 8−((S)−2−アミノ−2−{(2S,5R)−5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−2−メトキシ−キノリン−5−イル]−メタノール:
中間体10.ii(0.056g、0.08mmol)を出発物質とし、実施例2、工程2.xの手順を用い、表題化合物を、黄色がかったフォーム(0.012g、収率30%)として得た。この化合物をエーテル中で粉砕した。
H NMR(d6−DMSO)δ:8.38(d、J=9.1Hz、1H);7.49−7.41(m、2H);7.31(d、J=7.0Hz、1H);7.21(m、1H);7.08(m、1H);7.0(d、J=9.1Hz、1H);6.59(d、J=16.2Hz、1H);6.48(td、J=4.8、16.2Hz、1H);5.24(t、J=5.6Hz、1H);4.84(d、J=5.6Hz、2H);4.02(m、1H);3.96(s、3H);3.40−3.33(m、4H);3.29(s、2H);2.91(t、J=10.3Hz、1H);2.81(m、1H);2.01(m、1H);1.72−1.40(m、5H);1.15(m、1H)。MS(ESI、m/z):484.3[M+H]。
【0207】
実施例11:[8−((R)−2−アミノ−2−{(2S,5R)−5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−2−メトキシ−キノリン−5−イル]−メタノール:
中間体10.i.b(0.089g、0.126mmol)を出発物質とし、実施例10、工程10.ii及び10.iiiの手順を用い、表題化合物を黄色がかったフォーム(0.043g)として得た。還元工程の後、この化合物をCC(EA−Hept 1−1)で精製した。MS(ESI、m/z):484.3[M+H]。
【0208】
実施例12:6−({(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
12.i. {(3R,6S)−6−[(E/Z)−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−ビニル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
製造物Bの化合物(8.25g、19.5mmol)と製造物Dの化合物(4.3g、1eq.)を出発物質とし、実施例4、工程4.iの手順を用い、表題のアルケンを無色のフォーム(6.2g、収率79%)として得た。この化合物を、E及びZ異性体のほとんど等モルの混合物として得た。MS(ESI、m/z):403.2[M+H]。
【0209】
12.ii. {(3R,6S)−6−[(1RS,2RS)2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−1,2−ジヒドロキシ−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体12.i(6.2g、15.4mmol)の、DCM(120Ml)と水(15mL)中の溶液に、NMO(4.5g)とオスミウム(VI)酸カリウム二水和物(0.17g)を添加した。混合物をrtにて24時間攪拌した。オスミウム(VI)酸カリウム二水和物(0.1g)を添加し、そして反応液をrtにてさらに3日間攪拌した。2層をデカントし、そして水層をDCM(100mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をクロマトグラフ(Hept−EA 2−1〜EAの勾配)に付し、表題のジオール(3.9g、収率58%)を茶色のフォームとして得た。この化合物を、異性体の錯体混合物として回収した。MS(ESI、m/z):437.3[M+H]。
【0210】
12.iii. {(3R,6S)−6−[(4RS,5RS)−5−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−2−オキソ−[1,3]ジオキソラン−4−イル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体12.ii.(3.9g、8.93mmol)を出発物質とし、そして実施例2、工程2.iiの手順を用い、表題化合物を無色のフォーム(4.0g、収率97%)として得た。粗製物質を、CC(Hept−EA 1−1、次いで1−2)で精製した。この化合物を、異性体の錯体混合物として回収した。MS(ESI、m/z):463.3[M+H]。
【0211】
12.iv. {6−[2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−アセチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 ベンジルエステル:
中間体12.iii.(4.0g、8.6mmol)を出発物質とし、順番に、実施例2、工程2.iii(水素化分解、収率44%)及び2.iv(Boc脱保護とCbz形成、収率41%)並びに実施例1、工程1.i(酸化、収率75%)の手順を用いて、表題のケトンを無色のフォーム(0.502g、1.1mmol)として得た。各工程の後、必要に応じて、粗製物質を、適宜な溶出液を用いたCCで精製した。
H NMR(CDCl)δ:8.63(s、1H);8.00(d、J=9.1Hz、1H);7.39−7.29(m、6H);6.98(d、J=2.9Hz、1H);5.12(s、2H);4.55(m、1H);4.34(s、2H);4.30(m、1H);3.91(s、3H);3.89(重複m、1H);3.78(br.s、1H);3.17(t、J=10.5Hz、1H);2.20(m、1H);2.08(m、1H);1.68(m、1H);1.42(m、1H)。MS(ESI、m/z):453.1[M+H]。
【0212】
12.v. {(1RS)−1−[(2S,5R)−5−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル]−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体12.iv(0.502g、1.1mmol)を出発物質とし、順番に、実施例1、工程1.ii(還元的アミノ化、収率88%)並びに実施例2、工程2.vii(Boc形成、収率89%)及び2.viii(水素化分解、収率98%)の手順を用いて、表題のアミンを黄色がかったフォーム(0.37g、0.88mmol)として得た。各工程の後、必要に応じて、粗製物質を、適宜な溶出液を用いたCCで精製した。この化合物を、エピマーの4−3混合物として回収した。MS(ESI、m/z):420.3[M+H]。
【0213】
12.vi. 6−({(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
中間体12.v(0.150g、0.36mmol)を出発物質とし、実施例8の手順を用い、表題化合物を白色の固体(0.08g、0.16mmol)として得た。この化合物をエピマーの4−3混合物として得た。MS(ESI、m/z):498.4[M+H]。
【0214】
実施例13:6−({(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン:
中間体12.v(0.22g、0.52mmol)を出発物質とし、実施例7の手順を用い、表題化合物を白色の固体(0.09g、0.18mmol)として得た。この化合物をエピマーの4−3混合物として得た。MS(ESI、m/z):482.1[M+H]。
【0215】
実施例14:6−({(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
14.i. {(1RS)−1−[(2S,5R)−5−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル]−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
製造物Bの化合物(6.0g、14.1mmol)と3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−カルバルデヒド(国際公開公報第2006/032466号に記載の通りに製造、2.92g、1eq.)を出発物質とし、実施例12、工程12.i〜工程12.vを順番に用いて、表題化合物をフォーム(0.22g、0.52mmol)として得た。この化合物を、エピマーの等モル混合物として得た。MS(ESI、m/z):499.4[M+H]。
【0216】
14.ii. 6−({(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
中間体14.i(0.1g、0.36mmol)を出発物質とし、実施例8の手順を用い、表題化合物をベージュ色の固体(0.065g、0.13mmol)として得た。この化合物をエピマーの1−1混合物として得た。MS(ESI、m/z):499.4[M+H]。
【0217】
実施例15:6−({(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン:
中間体14.i(0.12g、0.285mmol)を出発物質とし、実施例7の手順を用い、表題化合物を白色の固体(0.073g、0.15mmol)として得た。この化合物をエピマーの1−1混合物として得た。MS(ESI、m/z):483.5[M+H]。
【0218】
実施例16:{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−(4−エチル−ベンジル)−アミン:
中間体2.viii(0.1g、0.248mmol)と4−エチルベンズアルデヒド(0.0366g、1.1eq.)を出発物質とし、実施例4、工程4.ii及び4.iiiの手順を順番に用いて、表題化合物を白色の固体(0.072g、0.17mmol)として得た。還元的アミノ化工程の後、この化合物を、CC(0.5%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 19−1)で精製した。
H NMR(d6−DMSO)δ:8.64(d、J=4.4Hz、1H);8.21(d、J=9.1Hz、1H);7.51(d、J=4.7Hz、1H);7.22−7.19(m、3H);7.12−7.09(m、2H);3.98(s、3H);3.95(m、1H);3.65(m、2H);3.35(dd、J=3.5、12.0Hz、1H);3.07−3.02(m、2H);2.94−2.85(m、2H);2.55(q、J=7.6Hz、2H);2.47(重複m、1H);2.00(m、1H);1.68−1.63(m、4H);1.45(m、1H);1.17(重複m、1H);1.15(t、J=7.6Hz、3H)。MS(ESI、m/z):421.5[M+H]。
【0219】
実施例17:{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン:
17.i. {(1S)−1−[(2S,5R)−5−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル]−エチル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
{(3R,6S)−6−[(E)−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−ビニル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(国際公開公報第2006/032466号に記載の通りに製造;8.5g、22.1mmol)を出発物質とし、そして実施例2、工程2.i(不斉ジヒドロキシ化、収率78%)、2.ii(カーボネート形成、収率84%)、2.iii(水素化分解、収率42%)、2.iv(Boc脱保護とCbz形成、収率46%)、2.v及び2.vi(アジドの導入及び還元、2工程に渡る収率33%)、2.vii(Boc形成、収率87%)並びに2.viii(水素化分解、収率97%)の手順を順に用いて、表題化合物を白色の固体(0.310g、0.77mmol)として得た。各工程の後、必要に応じて、粗製物質を、適宜な溶出液を用いたCCで精製した。
H NMR(CDCl)δ:8.66(d、J=4.5Hz、1H);7.99(d、J=9.3Hz、1H);7.73(d、J=3.0Hz、1H);7.36(dd、J=3.0、9.3Hz、1H);7.20(d、J=4.5Hz、1H);5.07(d、J=9.0Hz、1H);4.02(s、3H);4.00−3.86(m、2H);3.36(dd、J=4.2、12.9Hz、1H);3.21(dd、J=10.5、12.9Hz、1H);3.06(d、J=10.8Hz、1H);2.91(t、J=10.2Hz、1H);2.78(m、1H);1.95(m、1H);1.62(m、1H);1.45(s、9H);1.41−1.21(m、3H);1.07(m、1H)。MS(ESI、m/z):402.4[M+H]。
【0220】
17.ii. {(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン:
中間体17.i(0.31g、0.772mmol)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−カルバルデヒド(0.150g、1.1eq.)を出発物質とし、実施例4、工程4.ii及び4.iiiの手順を順番に用いて、表題化合物を白色の固体(0.098g、0.21mmol)として得た。還元的アミノ化工程の後、この化合物をCC(0.5%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 19−1)で精製した。
H NMR(d6−DMSO)δ:10.58(s、1H);8.59(d、J=4.4Hz、1H);7.89(d、J=9.1Hz、1H);7.41(d、J=3.0Hz、1H);7.36(dd、J=3.0、9.1Hz、1H);7.29(d、J=4.4Hz、1H);4.51(s、2H);4.00(m、1H);3.88(s、3H);3.62(m、1H);3.26(重複m、1H);3.02(m、1H);2.96−2.87(m、2H);2.78(m、1H);2.01(m、1H);1.82(br.s、1H);1.66−1.41(m、4H);1.12(m、1H)。MS(ESI、m/z):463.3[M+H]。
【0221】
実施例18:6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン:
中間体2.viii(0.2g、0.497mmol)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−カルバルデヒド(0.098g、1.1eq.)を出発物質とし、実施例4、工程4.ii及び4.iiiの手順を用いて、表題化合物を白色の固体(0.12g、0.26mmol)として得た。還元的アミノ化工程の後、この化合物を、CC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 93−7)で精製した。
H NMR(d6−DMSO)δ:8.64(d、J=4.2Hz、1H);8.21(d、J=9.0Hz、1H);7.50(d、J=4.5Hz、1H);7.71(d、J=8.1Hz、1H);7.21(d、J=9.0Hz、1H);6.98(d、J=7.8Hz、1H);4.58(s、2H);3.99(s、3H);3.96(重複m、1H);3.68(dd、AB syst.、J=14.7Hz、2H);3.35(dd、J=4.5、11.1Hz、1H);3.08−3.03(m、2H);2.96−2.85(m、2H);2.44(重複m、1H);2.11−1.51(br.s、3H);2.02(m、1H);1.68(m、1H);1.45(m、1H);1.20(m、1H)。
【0222】
実施例19:6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−(3−フルオロ−4−メチル−ベンジル)−アミン:
中間体2.viii(0.1g、0.248mmol)と3−フルオロ−4−メチル−ベンズアルデヒド(0.033mL、1.1eq.)を出発物質とし、実施例4、工程4.ii及び4.iiiの手順を用いて、表題化合物を白色の固体(0.07g、0.16mmol)として得た。還元的アミノ化工程の後、この化合物を、CC(0.5%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 19−1)で精製した。
H NMR(d6−DMSO)δ:8.67(d、J=4.5Hz、1H);8.19(d、J=9.0Hz、1H);7.42(d、J=4.5Hz、1H);7.71(d、J=8.1Hz、1H);7.12(m、1H);7.11(d、J=9.0Hz、1H);7.04−6.95(m、3H);4.11(m、1H);4.05(s、3H);3.77(dd、AB syst.、J=13.5Hz、2H);3.48(m、1H);3.32(m、1H);3.14(m、1H);3.07(t、J=10.8Hz、1);3.01(dd、J=9.0、12.6Hz、1H);2.68(m、1H);2.24(s、1H);2.14(m、1H);1.82−1.53(m、5H);1.32(m、1H)。MS(ESI、m/z):425.3[M+H]。
【0223】
実施例20:{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン:
中間体2.viii(0.1g、0.248mmol)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−カルバルデヒド(0.049g、1.1eq.)を出発物質とし、実施例4、工程4.ii及び4.iiiの手順を用いて、表題化合物を灰白色の固体(0.05g、0.10mmol)として得た。還元的アミノ化工程の後、この化合物を、CC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 93−7)で精製した。
H NMR(d6−DMSO)δ:10.50(br.s、1H);8.65(d、J=4.5Hz、1H);8.20(d、J=9.0Hz、1H);7.51(d、J=4.5Hz、1H);7.20(d、J=9.0Hz、1H);6.87−6.84(m、3H);4.50(s、2H);3.98(s、3H);3.96(重複m、1H);3.61(dd、AB syst.、J=14.1Hz、2H);3.35(m、1H);3.05−3.01(m、2H);2.94−2.84(m、2H);2.44(重複m、1H);1.84−1.14(br.s、3H);1.99(m、1H);1.66(m、1H);1.48(m、1H);1.17(m、1H)。MS(ESI、m/z):464.5[M+H]。
【0224】
実施例21:6−({(3S,6R)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
21.i. [(1RS)−1−((2R,5S)−5−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
{(3S,6R)−6−[(1S)−1−ヒドロキシ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(国際公開公報第2006/032466号に記載の通りに製造、0.87g、2.15mmol)を出発物質とし、そして実施例2、工程2.iv(Boc脱保護とCbz形成、収率72%)、実施例1、工程1.i(酸化、収率36%)及び1.ii(還元的アミノ化、収率48%)並びに実施例2、工程2.vii(Boc形成、収率80%)及び2.viii(水素化分解、収率78%)の手順を順に用いて、表題化合物を白色のフォーム(0.07g、0.17mmol)として得た。各工程の後、必要に応じて、粗製物質を、適宜な溶出液を用いたCCで精製した。この化合物を、エピマーの等モル混合物として得た。MS(ESI、m/z):403.3[M+H]。
【0225】
21.ii. 6−({(3S,6R)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
実施例4、工程4.ii及び工程4.iiiに記載の手順を用いて、中間体6.i(0.07g、0.174mmol)を出発物質とし、表題化合物をベージュ色の固体(0.060g、0.12mmol)として得た。還元的アミノ化工程の後、中間体であるNHBoc保護化合物を、CC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 93−7)で精製し、そして分析用サンプルを、実施例6、工程6.iに報告した条件を用いて定性分析した;両エピマーの保持時間は、それぞれ19.7と29.5分であった。表題化合物をエピマーの等モル混合物として得た。MS(ESI、m/z):481.4[M+H]。
【0226】
実施例22:6−({(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン:
22.i. (7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−メタノール:
8−ブロモメチル−7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン(25g、92.56mmol)のアセトン(360mL)と水(460mL)中の懸濁液を、NaHCO(12.74g、151.64mmol、1.6eq.)で処理した。混合物を一晩加熱還流した。冷却後、揮発物を真空除去し、残渣を、EA(300mL)と水(100mL)の間で分画した。水層をEA(250mL)で1回抽出し、そして合わせた有機層を塩水で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣を、CC(Hept−EA 3:1)で精製して、表題のアルコールを黄色がかった固体として得た(14.04g)。
H NMR(d6−DMSO)δ:8.24(d、J=8.0Hz、1H);7.88(dd、J=6.4、9.1Hz、1H);7.31(t、J=9.1Hz、1H);6.98(d、J=8.8Hz、1H);5.01(dd、J=2.1、5.9Hz、2H);4.86(t、J=5.9Hz、1H);4.02(s、3H)。
【0227】
22.ii. 7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−カルバルデヒド:
塩化オキサリル(17.2mL、203.28mmol)のDCM(360mL)中の、−78℃に冷却した溶液に、DMSO(17.3mL)のDCM(150mL)中の溶液を、45分に渡って滴下した。混合物を15分攪拌した後、中間体22.i(14.04g、67.76mmol)のDCM(400mL)中の溶液を、2時間に渡って滴下した。混合物を、この温度で、さらに1時間攪拌した。TEA(70.83mL、508.2mmol、7.5eq)のDCM(150mL)中の溶液を、1時間に渡って滴下した。混合物を30分攪拌した後、徐々にrtに温めた。sat.NaHCO溶液(500mL)の添加により、反応をクェンチした。2層を分離し、そして有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をEA中に溶解し、CC(EA)で精製して、アルデヒドを黄色がかった固体として得た(13.9g、quant.)。
H NMR(d6−DMSO)δ:11.12(dd、J=0.6、1.5Hz、1H);8.35(d、J=8.8Hz、1H);8.25(dd、J=5.9、9.1Hz、1H);7.42(ddd、J=0.6、9.1、10.8Hz、1H);7.11(d、J=8.8Hz、1H);4.03(s、3H)。MS(ESI、m/z):206.1[M+H]。
【0228】
22.iii. {3R,6S)−6−[(E)−2−(7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−ビニル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
製造物B(15.64g、36.94mmol)の1,2−DME(201mL)中の溶液に、LiHMDS(1M/THF、62.8mL、1.7eq.)の溶液を、−78℃にて40分に渡って滴下した。混合物を、-78℃で20分攪拌し、そして中間体22.ii(7.58g、36.94mmol)を一度に添加した。同温で1時間後、溶液をゆっくりとrtに温めた。この時点で、水(220mL)とEA(100mL)を添加した。2層をデカントし、そして水層を、EAで2回(2x100mL)抽出した。合わせた有機層を塩水(100mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣をEtO−Hept(1:4)混合物中で粉砕し、表題の(E)−アルケン(12.33g、収率83%)を得た。MS(ESI、m/z):403.2[M+H]。
【0229】
22.iv. [(1RS)−1−((2S,5R)−5−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−2−(7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−エチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体22.iii(12.32g、30.6mmol)を出発物質とし、実施例2、工程2.i(AD−mixαを用いた不斉ジヒドロキシ化、収率47%)、2.ii(カーボネート形成、収率99%)、2.iii(水素化分解、収率45%)及び2.iv(Boc脱保護とCbz形成、収率96%)、実施例1、工程1.ii(還元的アミノ化、収率75%)並びに実施例2、工程2.vii(Boc形成、収率96%)及び2.viii(水素化分解、収率95%)に報告した手順を順番に用いて、表題のアミン(1.73g、4.12mmol)を白色のフォームとして得た。各工程の後、必要に応じて、粗製物質を、適宜な溶出液を用いたCCで精製した。この化合物を、エピマーの3:2混合物として回収した。MS(ESI、m/z):420.2[M+H]。
【0230】
22.v. 6−({(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン:
中間体22.iv(0.15g、0.358mmol)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−カルバルデヒド(0.063g、1.0eq.)を出発物質とし、実施例4、工程4.ii及び4.iiiの手順を用いて、表題化合物を灰白色の固体(0.137g、0.26mmol)として得た。還元的アミノ化工程の後、この化合物を、CC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 93:7)で精製した。MS(ESI、m/z):482.2[M+H]。
【0231】
実施例23:6−({(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン:
中間体22.iv(0.15g、0.358mmol)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−カルバルデヒド(0.070g、1.0eq.)を出発物質とし、実施例4、工程4.ii及び4.iiiの手順を用いて、表題化合物を灰白色の固体(0.140g、0.26mmol)として得た。還元的アミノ化工程の後、この化合物を、SiO上のクロマトグラフィー(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 93:7)で精製した。MS(ESI、m/z):498.3[M+H]。
【0232】
実施例24:6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン:
24.i. [(1S)−1−((2S,5R)−5−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−2−(7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−エチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体22.iv(0.38g;0.906mmol)を出発物質とし、両ジアステレオマーを、Hex:EtOH:ジイソプロピルアミン 90:10:0.1で溶出するChiralPak AD−Hカラム上の準分取用キラルHPLCで分離して、0.125g及び0.185gの各ジアステレオマーを得た。分析用サンプルを、上記の溶出液を用い、0.8mL/分の流速で、ChiralPack AD−H(4.6x250mm、5μM)カラム上で溶出した。それぞれの保持時間は11.2及び13.1分であった。表題のエナンチオマーは、2番目に溶出する化合物として同定された。表題のエナンチオマーは、2番目に溶出する化合物(ジアステレオマー2)として同定された。
主回転異性体のH NMR(d6−DMSO)(ジアステレオマー2) δ:8.22(d、J=9.3Hz、1H);7.78(dd、J=6.3、8.7Hz、1H);7.27(app. t、J=9.0Hz、1H);6.98(d、J=8.7Hz、1H);6.07(d、J=9.6Hz、1H);4.03(s、3H);3.91(m、1H);3.81(m、1H);3.35(重複m、1H);3.10−3.25(m、2H);2.82(t、J=10.2Hz、1H);2.49(重複m、1H);1.86(m、1H);1.54(m、1H);1.18−1.43(m、3H);1.14(s、9H);1.12(重複m、1H)。MS(ESI、m/z):420.2[M+H]。
【0233】
24.ii. 6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン:
中間体24.i(0.180g、0.44mmol)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−カルバルデヒド(0.079g、1.0eq.)を出発物質とし、実施例4、工程4.ii.及び4.iiiの手順を用いて、表題化合物を灰白色の固体(0.137g、0.26mmol)として得た。還元的アミノ化工程の後、この化合物を、CC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 93:7)で精製した。
H NMR(d6−DMSO) δ:8.23(d、J=9.0Hz、1H);7.79(dd、J=6.0、9.0Hz、1H);7.30(d、J=8.1Hz、1H);7.28(app. t、J=8.4Hz、1H);7.01(d、J=8.1Hz、1H);6.97(d、J=9.0Hz、1H);4.60(s、2H);4.01(重複m、1H);3.99(s、3H);3.69(AB syst.、J=13.8Hz、Δ=0.046ppm、2H);3.28(重複m、1H);3.00−3.10(m、3H);2.94(t、J=10.2Hz、1H);2.49(重複m、1H);2.02(m、1H);1.66(m、1H);1.51(m、1H);1.19(m、1H)。見かけのNHは無し。MS(ESI、m/z):482.3[M+H]。
【0234】
実施例25:6−({(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン:
25.i. [(1RS)−1−((2S,5R)−5−アミノ−テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
製造物B(8.13g、19.2mmol)と3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−カルバルデヒドを出発物質とし、実施例22、工程22.i.(Juliaカップリング、収率56%)、実施例2、工程2.i(AD−mixαを用いた不斉ジヒドロキシ化、収率91%)、2.ii(カーボネート形成、収率99%)、2.iii(水素化分解、収率44%)及び2.iv(Boc脱保護とCbz形成、収率94%)、実施例1、工程1.ii(還元的アミノ化、収率84%)並びに実施例2、工程2.vii(Boc形成、収率96%)及び2.viii(水素化分解、収率65%)に報告した手順を順番に用いて、表題のアミン(3.94g、19.2mmol)を白色のフォームとして得た。各工程の後、必要に応じて、適宜な溶出液を用い、粗製物質をSiO上のクロマトグラフィーで精製した。この化合物を、エピマーの3:2混合物として回収した。この物質は、中間体14.iと同一であった。
MS(ESI、m/z):421.4[M+H]。
【0235】
25.ii. 6−({(3R,6S)−6−[(1RS)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン:
中間体25.i(0.204g、0.486mmol)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−カルバルデヒド(0.094g、1.1eq.)を出発物質とし、実施例7の手順を用い、表題化合物を白色の固体(0.117g、0.243mmol)として得た。この化合物をエピマーの1−1混合物として得た。MS(ESI、m/z):482.3[M+H]。
【0236】
実施例26:6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン:
26.i. (2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−1−{5−[(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イルメチル)−アミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル:
中間体25.i(1.54g、3.67mmol)と3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−カルバルデヒド(0.674g、1.03eq.)の、1,2−DCE(70mL)とMeOH(23mL)中の溶液を、50℃で一晩加熱した。0℃に冷却後、NaBH(1.2g)を添加した。反応を、同温で45分進行させた。反応混合物をろ過し、そして固形物をDCM−MeOH(9:1、400mL)で洗浄した。ろ液をsat.NaHCO(150mL)で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮乾固した。残渣を、CC(0.7%のaq.NHOHを含むDCM−MeOH 93:7)で精製して、エピマーの3:2混合物1.59gを得た。Hex:EtOH:ジイソプロピルアミン 80:20:0.1で溶出する、室温での、Chiralcel ODカラム上での準分取用HPLCによる分離の後、表題のエナンチオマー(0.640g)を光学的に純粋に得た。分析用サンプルを、ChiralPak AD(4.6x250mm、5μM)カラム上で、上記の溶出液を用い、流速0.8mL/分にて溶出した。エピマーの保持時間は、それぞれ11.0と15.5分であった。表題のエナンチオマーは、最初に溶出する化合物であった。MS(ESI、m/z):583.6[M+H]。
【0237】
26.ii. 6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン:
中間体26.i(0.640g、1.09mmol)を出発物質とし、実施例4、工程4.iiiの手順を用い、表題化合物を白色の固体(0.465g、収率88%)として得た。
H NMR(d6−DMSO) δ:8.74(s、1H);8.26(d、J=9.0Hz、1H);7.30(d、J=7.8Hz、1H);7.21(d、J=9.0Hz、1H);7.01(d、J=7.8Hz、1H);4.60(s、2H);4.02(s、3H);3.99(重複m、1H);3.69(AB syst.、J=13.8Hz、Δ=0.046ppm、2H);3.29(重複m、1H);3.04−3.13(m、3H);2.94(t、J=10.2Hz、1H);2.49(重複m、1H);2.02(m、1H);1.68(m、1H);1.52(m、1H);1.22(m、1H)。見かけのNHは無し。MS(ESI、m/z):483.5[M+H]。
【0238】
発明化合物の薬理学的特性
インビトロアッセイ
実験方法:
これらのアッセイは、“方法 for dilution Antimicrobial Susceptibility Testsfor Bacteria that Grow Aerobically、4th ed.;Approved standard:NCCLS Document M7−A4;National Committee for Clinical Laboratory Standards:Villanova、PA、USA,1997”の記載に従って実施した。NCCLSガイドライン(National Committee for ClinicalLaboratory Standards. methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility)に従って、ミクロ希釈法によりカチオン調整Mueller Hinton Broth(BBL)中で、最小阻害濃度(MIC;mg/l)を測定した。試験培地のpHは、7.2〜7.3であった。
【0239】
結果:
上記の全実施例を、グラム陽性及びグラム陰性菌に対して試験した。
【0240】
S.aureus A798株に対して試験した場合、実施例の化合物は0.016mg/l未満から4mg/lの範囲のMICsを示し、平均値は約0.21mg/lであった。P.aeruginosa A1124株に対して試験した場合、実施例の化合物は0.063mg/l〜16mg/lの範囲のMICsを示し、平均値は約1.24mg/lであった。A.baumanii T6474株に対して試験した場合、実施例の化合物は0.016mg/l未満から16mg/lの範囲のMICsを示し、平均値は約1.46mg/lであった。
【0241】
下の表に、典型的な抗菌試験の結果を示す(MICはmg/lで表す):
【0242】
【表1】



【0243】
下の表に、典型的な抗菌試験の結果をさらに示す(MICはmg/lで表す):
【0244】
【表2】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、又はそのような化合物の塩;
【化1】


式中、
はハロゲン又はアルコキシを表し;
U及びWは、それぞれNを表し、VはCHを表し、かつRはH又はFを表すか、又は
U及びVは、それぞれCHを表し、WはNを表し、かつRはH又はFを表すか、又は
UはNを表し、VはCHを表し、WはCH又はCRを表し、かつRはHを表すが、WがCHを表す場合には、RはFを表してもよく;
はCHOH又はアルコキシカルボニルを表し;
Aは、基CH=CH−B、二核複素環系D、4位において1個の(C−C)アルキル基により置換されたフェニル基、又は2個の置換基により、3及び4位において置換され、当該2個の置換基のそれぞれが、(C−C)アルキル及びハロゲンから成る群より独立に選択されるフェニル基を表し;
Bは、1又は2個の置換基により置換され、それぞれの置換基がハロゲン原子であるフェニル基を表し;
Dは、基
【化2】


(式中、
ZはCH又はNを表し、かつ
QはO又はSを表す。)を表す。
【請求項2】
UがNを表し、かつVがCHを表す場合には、WがCRを表し、かつRがHを表す、請求項1に記載の式Iの化合物;又はそのような化合物の塩。
【請求項3】
式ICEの化合物でもある、請求項1に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩;
【化3】


式中、
はハロゲン又は(C1−C4)アルコキシを表し;
U及びWは、それぞれNを表し、VはCHを表し、かつRはH又はFを表すか、又は
U及びVは、それぞれCHを表し、WはNを表し、かつRはH又はFを表すか、又は
UはNを表し、VはCHを表し、WはCH又はCRを表し、かつRはHを表すが、WがCHを表す場合には、RはFを表してもよく;
はCHOH又は[(C−C)アルコキシ]カルボニルを表し;
Aは、基CH=CH−B、二核複素環系D、4位において1個の(C−C)アルキル基により置換されたフェニル基、又は2個の置換基により、3及び4位において置換され、当該2個の置換基のそれぞれが、(C−C)アルキル及びハロゲンから成る群より独立に選択されるフェニル基を表し;
Bは、2個の置換基により置換され、それぞれの置換基がハロゲン原子であるフェニル基を表し;
Dは、基
【化4】


(式中、
ZはCH又はNを表し、かつ
QはO又はSを表す。)を表す。
【請求項4】
UがNを表し、かつVがCHを表す場合には、WがCRを表し、かつRがHを表す、請求項3に記載の式Iの化合物;又はそのような化合物の塩。
【請求項5】
が(C−C)アルコキシである、請求項1に記載の式Iの化合物;又はそのような化合物の塩。
【請求項6】
Aが基CH=CH−Bを表す、請求項1に記載の式Iの化合物;又はそのような化合物の塩。
【請求項7】
Aが二核複素環系Dを表す、請求項1に記載の式Iの化合物;又はそのような化合物の塩。
【請求項8】
Aが、4位において1個の(C−C)アルキル基により置換されたフェニル基、又は2個の置換基により、3及び4位において置換され、当該2個の置換基のそれぞれが、(C−C)アルキル及びハロゲンから成る群より独立に選択されるフェニル基を表す、請求項1に記載の式Iの化合物;又はそのような化合物の塩。
【請求項9】
以下から選択される請求項1に記載の式Iの化合物、又はそのような化合物の塩:
−{(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[3−(E)−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[3−(E)−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−フルオロ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−フルオロ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−{(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[3−(E)−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[3−(E)−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−8−[(2R)−2−アミノ−2−{5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル]−2−メトキシ−キノリン−5−カルボン酸 メチルエステル;
−8−[(2S)−2−アミノ−2−{5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル]−2−メトキシ−キノリン−5−カルボン酸 メチルエステル;
−8−((S)−2−アミノ−2−{(2S,5R)−5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−2−メトキシ−キノリン−5−イル]−メタノール;
−[8−((R)−2−アミノ−2−{(2S,5R)−5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−2−メトキシ−キノリン−5−イル]−メタノール;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−(4−エチル−ベンジル)−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−(3−フルオロ−4−メチル−ベンジル)−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3S,6R)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3S,6R)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(7−フルオロ−2−メトキシ−キノリン−8−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;及び
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン。
【請求項10】
以下の化合物から選択される、請求項9に記載の化合物、又はそのような化合物の塩:
−{(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[3−(E)−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[3−(E)−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−フルオロ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−フルオロ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−{(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[3−(E)−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−[3−(E)−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリル]−アミン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−8−[(2R)−2−アミノ−2−{5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル]−2−メトキシ−キノリン−5−カルボン酸 メチルエステル;
−8−[(2S)−2−アミノ−2−{5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル]−2−メトキシ−キノリン−5−カルボン酸 メチルエステル;
−8−((S)−2−アミノ−2−{(2S,5R)−5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−2−メトキシ−キノリン−5−イル]−メタノール;
−[8−((R)−2−アミノ−2−{(2S,5R)−5−[(E)−3−(2,5−ジフルオロ−フェニル)−アリルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−2−イル}−エチル)−2−メトキシ−キノリン−5−イル]−メタノール;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(3−フルオロ−6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−(4−エチル−ベンジル)−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−キノリン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イル}−(3−フルオロ−4−メチル−ベンジル)−アミン;
−{(3R,6S)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン;
−6−({(3S,6R)−6−[(1R)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン;及び
−6−({(3S,6R)−6−[(1S)−1−アミノ−2−(6−メトキシ−[1,5]ナフチリジン−4−イル)−エチル]−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミノ}−メチル)−4H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−3−オン。
【請求項11】
医薬としての、請求項1〜10の1項に定義された式Iの化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩。
【請求項12】
請求項1〜10の1項に定義された式Iの化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩を活性成分として、そして少なくとも1つの治療上不活性な賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項13】
細菌感染症の予防又は治療のための医薬の製造のための、請求項1〜10の1項に定義された式Iの化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩の使用。
【請求項14】
細菌感染症の予防又は治療のための、請求項1〜10の1項に定義された式Iの化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩。

【公表番号】特表2010−529983(P2010−529983A)
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511771(P2010−511771)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【国際出願番号】PCT/IB2008/052333
【国際公開番号】WO2008/152603
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(500226786)アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド (151)
【氏名又は名称原語表記】Actelion Pharmaceuticals Ltd
【住所又は居所原語表記】Gewerbestrass 16,CH−4123 Allschwil,Switzerland
【Fターム(参考)】