説明

3次元モデリング装置、幾何学パターン、3次元モデリングデータの生成方法、3次元モデリングプログラム、記録媒体

【課題】 対象物を簡易に3次元モデリングすることのできる3次元モデリング装置を提供する。
【解決手段】 対象物がチェックパターンボード(幾何学パターン)とともに撮影された画像より得られる画像データからキャリブレーションデータを算出するキャリブレーション部10(キャリブレーション手段)と、チェックパターンボードのみが撮影された基準画像より得られる基準チェックパターンデータおよび上記キャリブレーションデータ並びに上記画像データを用いて上記対象物のシルエットデータを算出するシルエット抽出部11(シルエット抽出手段)と、上記シルエットデータおよびキャリブレーションデータに基づいてボクセルデータ(3次元データ)を生成するボクセルデータ生成部12(3次元データ生成手段)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物の画像から該対象物の3次元データを生成する3次元モデリング装置、またこれに関連する、幾何学パターン、3次元モデリングデータ生成方法、3次元モデリングプログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、現実世界に存在する物体の3次元形状をデータ化する手法が提案されている。例えば、多視点画像間の対応点を求めて三角測量によって距離を計測する手法やレーザーなどのパターン光を照射してそれを手がかりとして距離を計測する手法である。
【0003】
しかし、これらの手法は、対応点の探索において多くの誤りが発生する、あるいは、大がかりな装置を必要とするために機器が設置された特定の場所でしか入力が行えないといった問題があった。
【0004】
そこで、シルエット画像を用いて物体の形状を推定するという方法が提案されている。この方法は視体積交差法と呼ばれ、「Wu他,“3次元ビデオ映像の能動的実時間撮影と対話的編集・表示”,信学技法PRMU2001-187,Feb.2001」で開示されている。これを利用した従来技術が、特許文献1〜5に記載されている。
【0005】
特許文献1記載の従来技術では以下の工程によって3次元モデリングを行う。まず、物体の3次元形状データから仮想空間に表した物体のコンピュータグラフィックス画像を、仮想空間において複数のカメラ位置でキャプチャすることによって、複数のイメージを生成する。ついで、キャプチャしたときの上記カメラ位置におけるカメラデータを生成する。ついで、上記イメージデータおよびカメラデータに基づいて物体の形状と、テクスチャとを個別に処理することによって物体の復元データを生成する。
【0006】
また、特許文献2記載の従来技術は、立体形状である被写体をその周囲に配置した複数のカメラで撮影した複数のカメラ画像に基づいて、前記被写体の3次元形状データを生成する3次元モデリング装置であり、以下の工程によって3次元モデリングを行う。まず、複数のカメラ画像から、前記被写体に外接するその被写体の概形形状を計測する概形形状計測する。ついで、この概形形状計測手段によって計測された前記概形形状の近傍を探索範囲として、前記複数のカメラの中で、順次基準となる基準カメラを切り換えて撮影した基準カメラ画像と、前記基準カメラに隣接する隣接カメラで撮影した隣接カメラ画像とに基づいて、前記基準カメラ画像内の被写体画像に対応する対応点を、前記隣接カメラ画像から探索する。ついで、この対応点探索手段によって探索された前記被写体の対応点の前記基準カメラと前記隣接カメラとの間隔に基づいて、前記基準カメラから前記対応点への距離を算出する。ついで、この距離情報算出手段によって算出された前記複数のカメラから前記被写体の対応点への距離に基づいて、前記被写体の3次元形状データを生成する。
【0007】
また、特許文献3記載の従来技術は以下の工程によって3次元モデリングを行う。まず、前記3次元物体に対し、パターン光を照射する。ついで、前記3次元物体の画像を入力する。ついで、前記入力された画像から概略形状を計算する。ついで、前記入力された画像から詳細形状を計算する。ついで、前記計算された概略形状及び詳細形状に基づいて、前記3次元物体の3次元形状データを生成する。
【0008】
また、特許文献4記載の従来技術は以下の工程によって3次元モデリングを行う。まず、
物体についての視点の異なる複数の画像からシルエット法を用いてボリュームデータに変換することによって第1のボリュームデータを生成する。ついで、前記物体について3次元計測によって得られた3次元データをボリュームデータに変換することによって第2のボリュームデータを生成する。ついで、前記第1のボリュームデータと第2のボリュームデータとを統合して1つのボリュームデータとする。
【0009】
また、特許文献5記載の従来技術は同一被写体を多数の視点方向から撮影した複数枚の撮影画像及びそれらの視点情報を入力とし、その被写体の概略形状を復元し、さらにその形状表面に視点に応じた撮影画像の色情報を付加する3次元画像情報生成方法(より具体的には、同一被写体を多数の視点方向から撮影した複数枚の撮影画像及びそれらの視点情報を入力とし、その被写体の概略形状を復元し、さらにその形状表面に視点に応じた撮影画像の色情報を付加する3次元画像情報生成方法)であり、以下の工程によって3次元画像情報を生成する。まず、上記撮影画像のうちの被写体の全形が撮影されている画像複数枚をシルエット画像として選択し、そのシルエット情報を用いて、被写体の概略形状を微少領域の集合として復元する。ついで、前記復元された概略形状に撮影画像の色情報を付加するための六角形画像の大きさ及び形状と六角形画像を構成する六角形画素と撮影画像との対応付けを決定する。ついで、前記対応付けを決定する段階で求めた六角形画像を形状表面上の全微少領域に割当て、その微少領域毎に、撮影画像の視点と微少領域を結ぶ射影線と撮影画像との交点上の色を、対応する六角形画素に割当てる。ついで、前記割当てる段階において色が割当てられなかった六角形画素について、隣接六角形画素の色を用いて色を決定する段階と、前記六角形画素で構成される全ての六角形画像を二次元配列の画像データに変換し、それら画像データを1枚ないしは複数枚の画像データにマージする。
【特許文献1】特開2003−141565号公報(公開日:平成15年5月16日)
【特許文献2】特開2003−271928号公報(公開日:平成15年9月26日)
【特許文献3】特開2001−243468号公報(公開日:平成13年9月7日)
【特許文献4】特開2002−366934号公報(公開日:平成14年12月20日)
【特許文献5】特開2003−99800号公報(公開日:平成15年4月4日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1記載の従来技術では、既にコンピュータグラフィックによって表示された仮想空間の物体を対象としており、現実世界の物体をモデリングするには、これをコンピュータグラフィックに入力するシステムが必要となる。また、特許文献2記載の従来技術では、立体形状である被写体をその周囲に配置した複数のカメラで撮影しなければならないため、撮影時に大掛かりなカメラシステムが必要となる。また、特許文献3記載の従来技術では、パターン光を照射する装置が必要となる。また、特許文献4記載の従来技術では、第2のボリュームデータを生成する際、物体について3次元計測によって得られた3次元データをボリュームデータに変換するため、物体についての3次元計測が必要となる。また、特許文献5記載の従来技術では、被写体の全形が撮影されている画像が複数必要であるなど、同一被写体を多数の視点方向から撮影しなければならない。
【0011】
このように、上記従来技術では、大掛かりな撮影装置や複雑な撮影あるいは大量のデータ処理が要求され、簡易に3次元データを生成することができなかった。
【0012】
本発明の3次元モデリング装置は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、対象物を簡易に3次元モデリングすることのできる3次元モデリング装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の3次元モデリング装置は、上記課題を解決するために、対象物が幾何学パターンとともに撮影された各画像より得られる画像データからキャリブレーションデータを算出するキャリブレーション手段と、幾何学パターンのみが撮影された基準画像より得られる基準幾何学パターンデータ並びに上記画像データおよびこれに対応する上記キャリブレーションデータを用いて上記対象物のシルエットデータを算出するシルエット抽出手段と、複数の画像それぞれに対応する、シルエットデータおよびキャリブレーションデータを用いて3次元データを生成する3次元データ生成手段とを備えることを特徴としている。
【0014】
上記構成においては、キャリブレーション手段は、対象物が幾何学パターンとともに撮影された画像より得られる画像データから、キャリブレーションデータ(例えば、画像の座標系とカメラの座標系とを対応付ける射影行列やカメラパラメータ)を算出する。
【0015】
また、シルエット抽出手段は、幾何学パターンのみが撮影された基準画像より得られる基準幾何学パターンデータおよび上記キャリブレーションデータ並びに上記画像データを用いて上記対象物のシルエットデータを算出する。
【0016】
また、3次元データ生成手段は、上記シルエットデータおよびキャリブレーションデータに基づいて3次元データを生成する。
【0017】
このように、本発明の3次元モデリング装置は、対象物を幾何学パターンとともに撮影した画像および幾何学パターンのみが撮影された基準画像(あるいは、基準幾何学パターンデータ自体)だけから対象物の3次元モデリングを行うものである。
【0018】
したがって、従来のように専用の撮影機材や処理装置を必要とすることなく、手軽に(簡易に)様々な対象物を3次元データ化することができる。これにより、本発明の3次元モデリング装置を娯楽、流通(例えば、WEBショップの商品画像)、医療(例えば、生体の3次元データ化)等に用いれば、大変有用で便利である。
【0019】
本発明の3次元モデリング装置においては、上記幾何学パターンが平面の幾何学パターンであり、キャリブレーション手段は、平面キャリブレーションを行うことによってキャリブレーションデータを算出することが好ましい。
【0020】
上記構成によれば、幾何学パターンが平面であることから、例えば、携帯可能な幾何学パターンボードのようなものを上記幾何学パターンとして利用できる。また、キャリブレーション手段は平面キャリブレーションを行えば良いことから、処理すべきデータ量も削減される。この結果、より一層手軽に(簡易に)様々な対象物を3次元データ化することができる。
【0021】
また、本発明の3次元モデリング装置においては、上記幾何学パターンはチェックパターンであることが好ましい。幾何学パターンをチェックパターンにした場合、キャリブレーションやシルエット抽出が容易である。
【0022】
また、本発明の3次元モデリング装置においては、上記3次元データ生成手段がボクセルデータを生成するボクセルデータ生成手段であり、3次元データの生成を容易にすることが好ましい。
【0023】
また、本発明の3次元モデリング装置においては、キャリブレーション手段が処理対象とする上記各画像に対して、上記対象物を取り囲むような複数の点を入力できる入力部を備えることが好ましい。当該構成によれば、キャリブレーション処理を効率的に行うことができる。
【0024】
また、本発明の3次元モデリング装置においては、上記キャリブレーションデータに、上記各画像および幾何学パターンを対応づける射影行列データと、撮影視点データ(例えば、カメラパラメータ)とが含まれており、上記シルエット抽出手段は、上記射影行列データによる基準幾何学パターンデータの変換データと対応する上記画像データとの差分処理によってシルエットデータを算出することが好ましい。当該構成によれば、シルエット抽出処理を効率的に行うことができる。
【0025】
また、本発明の3次元モデリング装置においては、上記キャリブレーションデータに、上記各画像および幾何学パターンを対応づける射影行列データと、撮影視点データ(例えば、カメラパラメータ)とが含まれており、上記ボクセルデータ生成手段は、上記射影行列データによるボクセル空間の射影データと上記シルエットデータとの交差判定処理によってボクセルデータを生成する好ましい。当該構成によれば、ボクセルデータ生成処理を効率的に行うことができる。
【0026】
また、本発明の3次元モデリング装置においては、上記ボクセルデータから、内部のボクセルに関するデータを削除するボクセルデータ修正手段を備えることが好ましい。当該構成によれば、不要なボクセルデータを削減することで、データ処理効率を向上させることができる。
【0027】
本発明の3次元モデリング装置においては、上記ボクセルデータから表面情報であるポリゴンデータを生成するポリゴンデータ生成手段を備えることが好ましい。当該構成によれば、対象物の表面情報(データ)のみを処理することで、データ処理効率を向上させることができる。
【0028】
また、本発明の3次元モデリング装置においては、上記画像データおよびキャリブレーションデータ並びにポリゴンデータを用いて、該ポリゴンデータに対応づける色データを生成する色データ生成手段を備えることが好ましい。当該構成によれば、対象物をカラーで表現することができ、対象物の表現力を向上させることができる。なお、この場合、上記色データ生成手段は、上記撮影視点データおよびポリゴンデータを用いて上記画像から色生成に適した画像を選択し、この選択した画像の画像データと、上記ポリゴンデータに上記射影行列データを用いて射影処理したデータとの対応付けによって色データを生成することが好ましい。こうすれば、色データ生成処理を効率的に行うことができる。
【0029】
また、本発明の幾何学パターンは、上記3次元モデリング装置の入力画像の撮影用として用いることができることを特徴としている。
【0030】
また、本発明の3次元モデリングデータの生成方法は、対象物が平面状の幾何学パターンとともに撮影された各画像より得られる画像データからキャリブレーションデータを算出するキャリブレーション工程と、幾何学パターンのみが撮影された基準画像より得られる基準幾何学パターンデータおよび上記画像データ並びにこれに対応するキャリブレーションデータを用いて上記対象物のシルエットデータを算出するシルエット抽出工程と、複数の画像それぞれに対応する、シルエットデータおよびキャリブレーションデータを用いてボクセルデータを生成するボクセルデータ生成工程とを含むことを特徴としている。
【0031】
また、本発明の3次元モデリングプログラムは、上記3次元モデリング装置の各手段をコンピュータに実現させることを特徴としている。
【0032】
また、本発明の記録媒体は、上記3次元モデリングプログラムがコンピュータに読み取り可能に格納されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0033】
以上のように、本発明の3次元モデリング装置は、対象物を幾何学パターンとともに撮影した画像および幾何学パターンのみが撮影された基準画像(あるいは、基準幾何学パターンデータ自体)だけから対象物の3次元モデリングを行うものである。したがって、従来のように専用の撮影機材や処理装置を必要とすることなく、手軽に(簡易に)様々な対象物を3次元データ化することができる。これにより、本発明の3次元モデリング装置を娯楽、流通(例えば、WEBショップの商品画像)、医療(例えば、生体の3次元データ化)等に用いれば、大変有用で便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明の実施の一形態を、図1〜図7を用いて説明すれば、以下のとおりである。
【0035】
ここで図1は、本実施の形態に係る3次元モデリング装置1の構成を示すブロック図である。
【0036】
図1に示されるように、本発明の3次元モデリング装置1は、制御部2と、記憶部3と、ユーザインターフェース23(入力部)と、表示部9とを備える。
【0037】
制御部2は、データ入力部6と、キャリブレーション部10(キャリブレーション手段)と、シルエット抽出部11(シルエット抽出手段)と、ボクセルデータ生成部12(3次元データ生成手段、ボクセルデータ生成手段)と、ボクセルデータ修正部13(ボクセルデータ修正手段)と、ポリゴンデータ生成部15(ポリゴンデータ生成手段)と、色データ生成部16(色データ生成手段)と、色データ付加部17と、表示制御部21とを備える。
【0038】
制御部2は、入力された対象物の画像データから該対象物のボクセルデータを生成し、これをポリゴンデータに変換し、かつ色データを付加して表示部9に表示させる。なお、制御部2の各部の機能は、例えば、記憶部3等のメモリに格納された所定のプログラムを、図示しないマイクロプロセッサなどが実行することにより実現される(後述)。
【0039】
データ入力部6には、ユーザが撮影した画像(チェックパターンボードとともに撮影された対象物の画像およびチェックパターンボードのみの画像)が画像データとして、入力される。ここで、チェックパターンボードのみの画像から得られる画像データを基準チェックパターンデータとする。データ入力部6はこれらの画像データを記憶部3に記憶させる。
【0040】
キャリブレーション部10では、入力された画像データに基づいて、キャリブレーションデータ、すなわち、上記画像およびチェックパターンボードを対応づける射影行列データとカメラパラメータ(撮影視点データ)とを算出する。
【0041】
シルエット抽出部11は、入力された基準チェックパターンデータを、キャリブレーション部10で得られる射影行列データによって変換し、この変換されたデータと、対応する上記画像データとを用いて差分処理を行い、シルエットデータを算出する。
【0042】
ボクセルデータ生成部12は、まず、キャリブレーション部10で得られる射影行列データを用いてボクセル空間の射影データを求める。そして、ボクセルデータ生成部12は、このボクセル空間の射影データと、シルエット抽出部11で得られるシルエットデータとを用いて交差判定処理を行い、ボクセルデータを生成する。
【0043】
ボクセルデータ修正部13は、ボクセルデータ生成部12で得られるボクセルデータから、内部のボクセルに関するデータを削除する。具体的には、ボクセルの周囲6方向に隣接するボクセルの存在をチェックし、6方向すべてに他のボクセルが存在する場合は、そのボクセルを物体内部に位置するものとして削除する。
【0044】
ポリゴンデータ生成部15は、ボクセルデータ生成部12からのボクセルデータおよびボクセルデータ修正部13で得られるデータに基づいて、ボクセルデータから表面情報であるポリゴンデータを生成する。
【0045】
色データ生成部16は、ポリゴンデータ生成部15で得られるポリゴンデータと、キャリブレーション部10で得られるカメラパラメータとに基づいて、色データを生成する。
【0046】
色データ付加部17では、色データ生成部16で生成された色データと、ポリゴンデータ生成部15で生成されたポリゴンデータとを対応付け、ポリゴンデータへの色データの付加を行う。また、表示制御部21は、色データ付加部17で得られる最終的なデータを表示部9に表示させる。
【0047】
記憶部3は、データ入力部6から入力された画像データを記憶し、あるいは制御部2の各部と連携して各部からのデータを一時保管する。また、制御部2の各部は、この記憶部3から随時必要なデータを読み出す。
【0048】
ユーザインターフェース23からは、キャリブレーション部10でキャリブレーションデータを生成する際、対象物を取り囲むようなチェックパターンボード22上の点(例えば、4点)がユーザにより入力される。
【0049】
なお、制御部2の各部の機能は、処理原稿検索プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU、DSP)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0050】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0051】
具体的には、制御部2が、記憶部3等のメモリに格納された所定のプログラムを、図示しないマイクロプロセッサなどが実行することにより実現される。
【0052】
上記プログラムコードを供給するための記録媒体は、システムあるいは装置と分離可能に構成することができる。また、上記記録媒体は、プログラムコードを供給可能であるように固定的に担持する媒体であってもよい。そして、上記記録媒体は、記録したプログラムコードをコンピュータが直接読み取ることができるようにシステムあるいは装置に装着されるものであっても、外部記憶装置としてシステムあるいは装置に接続されたプログラム読み取り装置を介して読み取ることができるように装着されるものであってもよい。
【0053】
例えば、上記記録媒体としては、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0054】
また、上記プログラムコードは、コンピュータが記録媒体から読み出して直接実行できるように記録されていてもよいし、記録媒体から主記憶のプログラム記憶領域へ転送された後コンピュータが主記憶から読み出して実行できるように記録されていてもよい。
【0055】
さらに、3次元モデリング装置1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードが通信ネットワークを介して供給されてもよい。そして、通信ネットワークとしては、特に限定されず、具体的には、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、具体的には、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された搬送波あるいはデータ信号列の形態でも実現され得る。
【0056】
なお、プログラムコードを記録媒体から読み出して主記憶に格納するためのプログラム、および、通信ネットワークからプログラムコードをダウンロードするためのプログラムは、コンピュータによって実行可能にあらかじめシステムあるいは装置に格納されているものとする。
【0057】
上記した制御部2の機能は、コンピュータが読み出した上記プログラムコードを実行することによって実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行うことによっても実現される。
【0058】
さらに、上述した機能は、上記記録媒体から読み出された上記プログラムコードが、コンピュータに装着された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行うことによっても実現される。
【0059】
次に、図2のフローチャートに沿って、上記した本3次元モデリング装置1で行う処理工程を詳細に説明する。ここで、図3(a)・(b)は、チェックパターンボードとともに撮影された対象物(バナナ)の画像であり、図3(c)は、チェックパターンボードのみが撮影された基準画像である。
【0060】
まず、画像入力工程(図2のS1・S2)を行う。この工程では、ユーザがチェックパターンボード22上に対象物を置き、該対象物をチェックパターンボード22とともに任意の視点から撮影する(S1、図3(a)(b)参照)。このとき、チェックパターンボード22の外周が撮影されているものとする。カメラは、デジタルカメラ等を1台用意すれば良い。また、撮影視点は任意であり、どの位置、その角度から撮影したかを記録する必要もない。また、物体の背後にチェックパターンボード22を置いて撮影することも可能である。
【0061】
撮影によって得られた画像データは3次元モデリング装置1のデータ入力部6に入力される。ここでは、物体を取り除いたチェックパターンボード22だけの基準画像を1枚撮影し(S2、図3(c)参照)、この基準画像より得られる基準チェックパターンデータもデータ入力部6に入力しておく。なお、撮影時の視点の数は、12視点以上である(対象物の周囲360°を30°ごとに12視点にて撮影する)ことが望ましい。また、チェックパターンボード22は、例えば、所定のチェックパターンをプリンター等で紙に印刷し、これを適当な平面状の物へ貼り付けたものであっても構わない。
【0062】
ついで、キャリブレーション部10にてキャリブレーション工程を行う(S3)。この工程では、カメラパラメータ(撮影視点データ)と、入力された画像の座標系とチェックパターンボード22の座標系とを対応付ける射影行列データとを算出する。なお、この工程では、図4に示されるように、ユーザが、ユーザインターフェース10を介して、画像内のチェックパターンボード22の4頂点(P〜P)を指定する。もっとも、チェックパターンボード22に、この4点が指定できるようなマーク(色を変える等)を付けておくことも可能である。上この4頂点(P〜P)は対象物(バナナ)を取り囲むように指定される。以下にキャリブレーション工程の具体的処理を示す。
【0063】
本実施の形態では、キャリブレーションの手法について、Zhangの方法を用いた。この方法の詳細については、例えば、「Z.Zhang,“A Flexible New Technique for Camera Calibration”,Technical Report MSR-TR-98-71,Microsoft Research,1998」に開示されている。
【0064】
このZhangの方法では、参照物体として3次元的広がりを持つ立体でなく、二次元平面上での位置が既知である参照点を描いた平面パターン(例えば、チェックパターンボード22)を用いる。参照平面もしくはカメラを複数の異なる位置に動かして平面パターンを撮影し、参照平面と画像平面との間のホモグラフィを計算してカメラパラメータを算出する。この際、参照平面もしくはカメラを自由に動かすことができ、その運動を知る必要はない。これにより、建物の規則的な窓や、プリンターで紙に出力した規則的なパターンをキャリブレーションのために用いることができ、様々な状況でのキャリブレーションを実現することができる。その原理を以下に説明する。
【0065】
まず、3次元点M=〔X,Y,Z〕とその射影である画像上の点m=〔U,V〕
との間には射影式
【0066】
【数1】

【0067】
が存在する。
ここで、行列Aは内部パラメータ行列であり、次のように書くことができる。
【0068】
【数2】

【0069】
なお、α、αは画像の大きさと焦点距離との積からなるスケール係数である。また、(u,v)は画像中心、λは画像の座標軸の歪みを表すパラメータである。
【0070】
3次元空間中の座標において、Z=0である参照平面を考え、回転行列Rのi番目の列ベクトルをr(i=1,2,3)とすると、式(1)は、
【0071】
【数3】

【0072】
となる。
【0073】
これより、参照平面上の点と、画像平面上の点とは、
【0074】
【数4】

【0075】
となるホモグラフィH(射影行列)によって関係付けられることとなり、
【0076】
【数5】

【0077】
と表すことができる。
【0078】
このホモグラフィHは、3次元平面上と画像平面上との対応点が4点以上あれば算出可能である。
ここで、H=〔h,h,h〕とすると、
【0079】
【数6】

【0080】
となる。
【0081】
ホモグラフィHは8自由度を持っており、そのうち外部パラメータが自由度となるため、内部パラメータに関する制約は2つしか持つことができない。
ここでは、回転行列Rの性質、および、rとrとが直行する単位ベクトルであることから、以下の2式が成り立つ。
【0082】
【数7】

【0083】
【数8】

【0084】
これにより、1枚の画像からは上記の2つのカメラ内部変数に関する拘束式が得られることになる。すなわち、5つのカメラ内部変数を求める場合は、少なくとも3枚の画像が必要となる。
【0085】
ここで、A−r−1は対象性を持ち、
【0086】
【数9】

【0087】
とするBの要素を並べたベクトルを、
【0088】
【数10】

【0089】
と定義する。
【0090】
ホモグラフィHのi番目の列ベクトルを、
=〔h111213,(i=1,2,3)とすると、


は、
【0091】
【数11】

【0092】
と表現できる。
【0093】
これにより、式(6)と(7)とは以下のように書くことができる。
【0094】
【数12】

【0095】
もし、n枚の画像が得られていれば、n個の上記の式を積み重ねることで、
Vb=0 ・・・式(12)を得る。
ここで、Vは2n×6の行列である。
【0096】
これより、bは、VVの最小固有値に対応する固有ベクトルとして求められる。
この際、n≧3であれば、
直接bに関する解を得ることができるが、n=2の場合は内部パラメータ中のs=0とすることで、次式
【0097】
【数13】

【0098】
を式(12)に加えることで解を得る。
【0099】
また、n=1であれば、2つの内部パラメータしか求めることができないため、例えば、αとαのみを未知とし、残りの内部パラメータを既知とすることで解を得ることができる。
【0100】
bを求めることでBが求まれば、
【0101】
【数14】

【0102】
から、カメラの内部パラメータは以下のように計算される。
【0103】
【数15】

【0104】
また、これより、Aが求まれば、外部パラメータに関しても式(5)より、
【0105】
【数16】

【0106】
として求めることができる。
【0107】
以上のように、すべての内部パラメータが未知の場合においては、異なる視点から内部パラメータを固定した状態で撮影した3枚以上の画像を用いることでキャリブレーションを行うことができる。この際、一般的に画像枚数が多いほどパラメータ推定精度は高くなる。また、キャリブレーションに用いる画像間における回転が小さい場合に誤差が大きくなることも示されている。
【0108】
このキャリブレーション工程に続いて、シルエット抽出部11にてシルエット抽出工程を行う(図2のS4)。シルエット抽出工程では、物体領域(シルエット)を抽出する(シルエットデータを算出する)。具体的処理は以下のとおりである。
【0109】
まず、各入力画像をグレースケール(256階調)に変換する。ついで、多視点画像撮影工程で入力された基準チェックパターンデータをキャリブレーション工程で得られたホモグラフィ行列Hによって変形させたデータを生成する。ついで、このデータと、多視点画像撮影工程で入力された画像データとの差分処理を行う。これにより、シルエットデータが算出され、図5に示されるようなシルエット画像(中央部の白い部分)を得ることができる。
【0110】
このシルエット抽出工程に続いて、ボクセルデータ生成部12にて3次元形状復元工程を行う(S5、ボクセルデータ生成工程)。この3次元形状復元工程では、シルエット抽出工程により得られたシルエット画像を仮想のボクセル空間に射影し、視体積交差法によって形状情報を復元する。なお、ボクセル空間とは、均等な立方体素の集合であり、立方体素のそれぞれをボクセルと呼ぶ。
【0111】
視体積交差法では、まず、キャリブレーション工程で得られた射影行列を用いてボクセルをシルエット画像に射影する。この原理図を図6に示す。ここでは、ボクセルがシルエット画像の物体領域に射影したときは、当該ボクセルをそのまま残し、背景領域に射影したときには、当該ボクセルの削除パラメータを1つ増加させる。これらの処理を全ボクセルについて行う。さらに、これらの処理を各シルエット画像に対して行う。そして、最終的に削除パラメータが一定値より大きくなったボクセルを削除する。以上の処理をより具体的に説明すれば以下のとおりである。ここで、n枚の入力画像のうちj番目の画像から求めた射影行列をPj、シルエット画像をSjとする。
【0112】
まず、図6の矢印で示すように、1つの立方体をシルエット画像Sjに射影する(図6参照)。射影には、キャリブレーション工程で得られた射影行列Pjを用いる。射影した領域は、たかだか6つの頂点で囲まれた多角形となる。
【0113】
ついで、立方体を射影したシルエットと、対象物のシルエットとの交差状態を判定する交差判定処理を行う。立方体のシルエットが物体のシルエットに完全に含まれているならば“BLACK”、全く含まれていないならば“WHITE”、一部が含まれているならば“GRAY”とする。
【0114】
すべての立方体が“BLACK”または“WHITE”になるか、あるいは、任意のレベルに達したときに処理を終了する。このアルゴリズムをまとめると図7のようになる。
【0115】
このシルエット抽出工程に続いて、ボクセルデータ修正部13にてボクセル削除工程を行う(S6)。このボクセル削除工程では、表示のために必要のない物体内部に位置するボクセルを削除し、物体の表面に位置するボクセルのみを残す。具体的手順は以下のとおりである。
【0116】
まず、ボクセルの周囲六方向に隣接するボクセルの存在をチェックする。6方向すべてに他のボクセルが存在する場合は、そのボクセルを物体内部に位置するとして削除する。それ以外のボクセルについては、表面に位置するボクセルであり、隣接する6方向のうち、ボクセルが存在しなかった方向に対して表面を示すフラグ(表面フラグ)を立てる。
【0117】
このボクセル削除工程に続いて、ポリゴンデータ生成部15にてポリゴンデータへの変換工程を行う(S7)。
【0118】
ボクセルデータからポリゴンデータへの変換では、上記のボクセルの削除の過程で、ボクセルを構成する6面(ポリゴン)のうち、表面に位置するポリゴンが判っているので、そのポリゴンの各頂点の3次元座標をボクセルの中心座標と1辺の大きさから算出する。
【0119】
このポリゴンデータへの変換工程に続いて、色データ生成部16にて色データ生成工程を行う(S8)。
【0120】
ここではまず、複数の画像の中から、Voxelの色を決定するための最適な画像を選択する。具体的には、Voxelの6つの面のうち、外部にある面に対してそれぞれ法線nを求め、その法線と撮影時のカメラの光軸lが、
【0121】
【数17】

【0122】
を満たすような画像を選択する。
【0123】
そして、キャリブレーションで求めた射影行列によってVoxelをそれぞれの画像へ射影し、対応する領域から色データを決定する。
【0124】
この色データ生成工程に続いて、色データ付加部17にて色データ付加工程を行う(S9)。
【0125】
色データ付加工程では、色データ生成工程で得られた色データとポリゴンデータとを対応付け、ポリゴンデータに色データを付加する。なお、各ポリゴンの大きさは、ボクセルの面と同じであるため、復元の時の指定によって十分細かくすることも、慨形が判る程度の粗さにすることも可能である。
【0126】
最後に、表示制御部21によって、色データ付加工程によって得られたデータを表示部に表示する(S10)。ポリゴンデータは、拡張点の3次元座標と法線ベクトルおよび色データとして記述されている。その表示には専用のビューワを用いることも可能である。もっとも、ポリゴンデータを簡単なデータ変換プログラムによってVRMLやDXFといった一般的なデータフォーマットに変換し、表示することも可能である。
【0127】
このように、3次元モデリング装置1は、対象物(図3(a)ではバナナ)をチェックパターンボードとともに撮影した画像およびチェックパターンボードのみが撮影された基準画像(あるいは、基準チェックパターンデータ自体)だけから対象物の3次元モデリングを行うものである。
【0128】
したがって、従来のように専用の撮影機材や処理装置を必要とすることなく、手軽に(簡易に)様々な対象物を3次元データ(ボクセルデータ)化することができる。これにより、本3次元モデリング装置1を娯楽、流通(例えば、WEBショップの商品画像)、医療(例えば、生体の3次元データ化)等に用いれば、大変有用で便利である。
【0129】
また、3次元モデリング装置1においては、携帯可能なチェックパターンボード22を幾何学パターンとして利用し、また、キャリブレーション部10は平面キャリブレーションを行っている。この結果、より一層手軽に(簡易に)様々な対象物を3次元データ化することができる。
【0130】
また、3次元モデリング装置1は、幾何学パターンにチェックパターンを用いているため、キャリブレーションやシルエット抽出が容易である。
【0131】
また、3次元モデリング装置1は、3次元データとしてボクセルデータを用いているため、3次元データの生成が容易である。
【0132】
また、3次元モデリング装置1は、キャリブレーション部が処理対象とする上記画像に対して対象物を取り囲むような複数の点を入力できるユーザインターフェース23を備えているため、キャリブレーション処理を効率的に行うことができる。
【0133】
また、3次元モデリング装置1においては、シルエット抽出部11が、射影行列データによる基準幾何学パターンデータの変換データと、対応する上記画像データとの差分処理によってシルエットデータを算出するため、シルエット抽出処理を効率的に行うことができる。
【0134】
また、3次元モデリング装置1においては、ボクセルデータ生成部12は、上記射影行列データによるボクセル空間の射影データと上記シルエットデータとの交差判定処理によってボクセルデータを生成するため、ボクセルデータ生成処理を効率的に行うことができる。
【0135】
また、3次元モデリング装置1は、ボクセルデータ修正部13を備え、不要なボクセルデータを削減することができるため、データ処理を効率的に行うことができる。
【0136】
また、3次元モデリング装置1は、ポリゴンデータ生成部15を備え、対象物の表面情報(データ)のみを処理できるため、データ処理を効率的に行うことができる。
【0137】
また、3次元モデリング装置1は、上記画像データおよびキャリブレーションデータ並びにポリゴンデータを用いて、該ポリゴンデータに対応づける色データを生成する色データ生成手段を備え、対象物をカラーで表現することができるため、対象物の表現力が高い。また、色データ生成部16は、カメラパラメータおよびポリゴンデータを用いて上記画像から色生成に適した画像を選択し、この選択した画像の画像データと、上記ポリゴンデータに上記射影行列データを用いて射影処理したデータとの対応付けによって色データを生成するため、色データ生成処理を効率的に行うことができる。
【0138】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施の形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明の3次元モデリング装置は、デジタルカメラや携帯電話のカメラ等から得られる画像から簡単に3次元モデリングを行うことができる。よって、娯楽、流通(例えば、WEBショップでの商品の見本)、医療(生体のモデリング)、建築(構造物のモデリング)、アパレルあるいは事件、事故等の鑑識など様々な分野での利用が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本実施の形態における3次元モデリング装置の構成を示すブロック図である。
【図2】上記3次元モデリング装置における処理工程を示すフローチャートである。
【図3】(a)・(b)は、チェックパターンボードとともに撮影された対象物(バナナ)の画像であり、図3(c)は、チェックパターンボードのみが撮影された基準画像である。
【図4】キャリブレーション工程で、ユーザインターフェースから画像に入力される各点を示す図である。
【図5】シルエット抽出部にて得られるシルエット画像を示す図である。
【図6】ボクセルデータ生成部におけるボクセル射影の原理を示す図である。
【図7】ボクセルデータ生成部における交差判定処理のアルゴリズムを示す図である。
【符号の説明】
【0141】
1 3次元モデリング装置
2 制御部
3 記憶部
6 データ入力部
10 キャリブレーション部(キャリブレーション手段)
11 シルエット抽出部(シルエット抽出手段)
12 ボクセルデータ生成部(3次元データ生成手段、ボクセルデータ生成手段)
13 ボクセルデータ修正部(ボクセルデータ修正手段)
15 ポリゴンデータ生成部(ポリゴンデータ生成手段)
16 色データ生成部(色データ生成手段)
17 色データ付加部(色データ付加手段)
21 表示制御部
22 チェックパターンボード(幾何学パターン)
23 ユーザインターフェース(入力部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物が幾何学パターンとともに撮影された各画像より得られる画像データからキャリブレーションデータを算出するキャリブレーション手段と、
幾何学パターンのみが撮影された基準画像より得られる基準幾何学パターンデータ並びに上記画像データおよびこれに対応する上記キャリブレーションデータを用いて上記対象物のシルエットデータを算出するシルエット抽出手段と、
複数の画像それぞれに対応する、シルエットデータおよびキャリブレーションデータを用いて3次元データを生成する3次元データ生成手段とを備えることを特徴とする3次元モデリング装置。
【請求項2】
上記幾何学パターンは平面の幾何学パターンであり、上記キャリブレーション手段は、平面キャリブレーションを行うことによってキャリブレーションデータを算出することを特徴とする請求項1記載の3次元モデリング装置。
【請求項3】
上記幾何学パターンはチェックパターンであることを特徴とする請求項2記載の3次元モデリング装置。
【請求項4】
上記3次元データ生成手段はボクセルデータを生成するボクセルデータ生成手段であることを特徴とする請求項2記載の3次元モデリング装置。
【請求項5】
キャリブレーション手段が処理対象とする上記各画像に対して、上記対象物を取り囲むような複数の点を入力できる入力部を備えることを特徴とする請求項4記載の3次元モデリング装置。
【請求項6】
上記キャリブレーションデータには、上記各画像および幾何学パターンを対応づける射影行列データと、撮影視点データとが含まれており、
上記シルエット抽出手段は、上記射影行列データによる基準幾何学パターンデータの変換データと対応する上記画像データとの差分処理によってシルエットデータを算出することを特徴とする請求項4記載の3次元モデリング装置。
【請求項7】
上記キャリブレーションデータには、上記各画像および幾何学パターンを対応づける射影行列データと、撮影視点データとが含まれており、
上記ボクセルデータ生成手段は、上記射影行列データによるボクセル空間の射影データと上記シルエットデータとの交差判定処理によってボクセルデータを生成することを特徴とする請求項4記載の3次元モデリング装置。
【請求項8】
上記ボクセルデータから、内部のボクセルに関するデータを削除するボクセルデータ修正手段を備えることを特徴とする請求項7記載の3次元モデリング装置。
【請求項9】
上記ボクセルデータから表面情報であるポリゴンデータを生成するポリゴンデータ生成手段を備えることを特徴とする請求項7記載の3次元モデリング装置。
【請求項10】
上記画像データおよびキャリブレーションデータ並びにポリゴンデータを用いて、該ポリゴンデータに対応づける色データを生成する色データ生成手段を備えることを特徴とする請求項7記載の3次元モデリング装置。
【請求項11】
上記色データ生成手段は、上記撮影視点データおよびポリゴンデータを用いて上記画像から色生成に適した画像を選択し、この選択した画像の画像データと、上記ポリゴンデータに上記射影行列データを用いて射影処理したデータとの対応付けによって色データを生成することを特徴とする請求項10記載の3次元モデリング装置。
【請求項12】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の3次元モデリング装置の入力画像を撮影する際に用いられる幾何学パターン。
【請求項13】
対象物が平面状の幾何学パターンとともに撮影された各画像より得られる画像データからキャリブレーションデータを算出するキャリブレーション工程と、
幾何学パターンのみが撮影された基準画像より得られる基準幾何学パターンデータ並びに上記画像データおよびこれに対応する上記キャリブレーションデータを用いて上記対象物のシルエットデータを算出するシルエット抽出工程と、
複数の画像それぞれに対応する、シルエットデータおよびキャリブレーションデータに基づいてボクセルデータを生成するボクセルデータ生成工程とを含むことを特徴とする3次元モデリングデータの生成方法。
【請求項14】
請求項1〜11記載の各手段をコンピュータに実現させることを特徴とする3次元モデリングプログラム。
【請求項15】
請求項14記載の3次元モデリングプログラムがコンピュータに読み取り可能に格納されていることを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−59165(P2006−59165A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−241033(P2004−241033)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(597065329)学校法人 龍谷大学 (120)
【Fターム(参考)】