説明

4−アミノピペリジン誘導体、その製造方法及び医薬品としての使用

本発明は4−アミノピペリジン誘導体、それらの製造方法、それらの治療における使用及びそれらを含む医薬組成物に関する。より具体的には、これらの化合物は中枢及び/又は末梢神経系の障害の治療に有用である。特に興味深いことは、これらの化合物が示す強力な抗うつ作用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は4−アミノピペリジン誘導体、それらの製造方法、治療におけるそれらの使用及びそれらを含む医薬組成物に関する。より具体的には、これらの化合物は中枢及び末梢神経系の障害の治療に有用である。特に興味深いことは、これらの化合物が示す強力な抗うつ作用である。
【背景技術】
【0002】
従って、これらの4−アミノピペリジン誘導体はうつ病、不安を伴う重度のうつ病、不安障害及び情動障害の予防及び/又は治療に特に有用である。
【0003】
うつ病の生涯の有病率は19%で、人口の10%を冒し、顕著な死亡率に関連している。三環系抗うつ薬による伝統的なうつ病の治療は、脳のセロトニン系を特異的に標的にした薬物、即ち、広く使用されているフルオキセチンで代表される特異的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRIs)の導入以来、人気が低下した。SSRIsが三環系抗うつ薬に比べて副作用が改善されていることが真実であるとしても、このカテゴリーの薬物がうつ病の固有の部分である不安と不眠の症状のカバーが不十分であることを示すデータが蓄積されつつある。さらに、これらの物質は、それ自体が神経過敏、不眠及び不安を誘発する。従って、かなりの数の患者はベンゾジアゼピン又は抗ヒスタミンのような抗不安薬/催眠薬の併用を必要としている。後者の化合物、特に、ヒドロキシジンはベンゾジアゼピンよりも、SSRIsとの併用に適している。SSRIsのもう一つの重要な副作用は、セロトニン5−HT2受容体を介すると思われる性機能障害である。
【0004】
従って、多剤治療を避けるために、SSRIsの効果を有し、神経過敏、不安及び性機能障害を軽快できる性質を付与した1つの化合物は患者にとって非常に有益である。特にそのような分子はセロトニン取り込み部位(SSRIsの主な作用様式)、神経過敏、不安を改善し、睡眠を容易にするために、ヒスタミンH1受容体、及び(その遮断によって性的副作用の予防が期待される)セロトニン5−HT2受容体に、強い親和性を有さなければならない。
【0005】
出願人らの本領域の研究努力によって、これらの3つの性質、即ちセロトニン再取り込み部位の阻害、ヒスタミン作動性受容体の遮断及びセロトニン5−HT2受容体の遮断を有する分子を発見するに至った。
【0006】
出願人らが行った最近の薬理学試験で、本明細書に示した式Iの新規のアミノピペラジン誘導体の知られていない、強力な薬理学的性質が明らかになり、これはこれらの化合物が上に記載したような障害(これらに限定されないが)の治療に有用なことを示唆している。
【0007】
米国特許第5,461,066号は合成中間体としての4−アミノピペリジン誘導体を記載している。日本特許第05148234号の要約は、抗ヒスタミン作用及び抗アレルギー作用を有する化合物として、次の2つの化合物、即ち、N−[(4−クロロフェニル)メチル]−N−フェニル−4−ピペリジナミン及びN−フェニル−N−(フェニルメチル)−4−ピペリジナミンを記載している。
【0008】
従って1つの態様に従って、本発明は、その医薬的に許容できる塩を含む式Iの4−アミノピペリジン誘導体を提供する。
【化1】


式I中、式I中、R、R、R、Rは独立して、水素、フッ素、塩素、メチル及びトリフルオロメチルから選択される。但し、R、R、及びRが水素の場合、R3は水素又はハロゲンでない。
【0009】
本発明による好適な化合物は式Iの化合物又は医薬的に許容できるその塩であって、
式I中、
は水素、フッ素又はメチルであり、
は水素、フッ素、塩素又はトリフルオロメチルであり、
とRは上に記載したのと同じ定義を有する。但し、R、R及びRが水素である場合は、Rは水素又はハロゲンでない。
【0010】
本発明によるより好適な化合物は式Iの化合物又は医薬的に許容できるその塩であって、
式I中、
は水素、フッ素又は塩素であり、
は水素、フッ素又はメチルであり、
は水素、フッ素、塩素又はメチルであり、
は水素、フッ素又は塩素である。
但し、R、R及びRが水素である場合は、Rは水素又はハロゲンでない。
【0011】
本発明の最も好適な化合物は式Iの化合物又は医薬的に許容できるその塩であって、
式I中、
は水素又はフッ素であり、
は水素又はフッ素であり、
は水素又はメチルであり、
は水素である。
但し、R、R及びRが水素である場合は、Rはフッ素でない。
【0012】
本発明の好適な化合物は、
N−フェニル−N−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−ピペリジナミン;
N−(3−クロロベンジル)−N−フェニル−4−ピペリジナミン;
N−(3,4−ジフルオロベンジル)−N−フェニル−4−ピペリジナミン;
N−(3,4−ジクロロベンジル)−N−フェニル−4−ピペリジナミン;
N−(4−メチルベンジル)−N−フェニル−4−ピペリジナミン;
N−フェニル−N−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−ピペリジナミン;
N−(3−クロロベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(3,4−ジフルオロベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−フルオロベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−クロロベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(3,4−ジクロロベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(3−フルオロフェニル)−N−(4−メチルベンジル)−4−ピペリジナミン;
N−(3−フルオロフェニル)−N−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−ピペリジナミン;
N−(3−クロロベンジル)−N−(3−メチルフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(3,4−ジフルオロベンジル)−N−(3−メチルフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−フルオロベンジル)−N−(3−メチルフェニル)−4−ピペリジナミン; N−(4−クロロベンジル)−N−(3−メチルフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(3,4−ジクロロベンジル)−N−(3−メチルフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(3−メチルフェニル)−N−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−ピペリジナミン;
N−ベンジル−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−フルオロフェニル)−N−[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−ピペリジナミン;
N−(3−クロロベンジル)−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(3,4−ジフルオロベンジル)−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−フルオロベンジル)−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−クロロベンジル)−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(3,4−ジクロロベンジル)−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−フルオロフェニル)−N−(4−メチルベンジル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−フルオロフェニル)−N−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−ピペリジナミン;
N−(4−クロロフェニル)−N−(4−フルオロベンジル)−4−ピペリジナミン;
N−(3−クロロベンジル)−N−(4−メチルフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(3,4−ジフルオロベンジル)−N−(4−メチルフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−フルオロベンジル)−N−(4−メチルフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−クロロベンジル)−N−(4−メチルフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(3,4−ジクロロベンジル)−N−(4−メチルフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−メチルフェニル)−N−[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]−4−ピペリジナミン;
N−(4−フルオロベンジル)−N−[4−トリフルオロメチル)フェニル]−4−ピペリジナミン、
又はその医薬的に許容できるその塩である。
【0013】
本発明のより好適な化合物は、
N−(3−クロロベンジル)−N−フェニル−4−ピペリジナミン;
N−(3,4−ジフルオロベンジル)−N−フェニル−4−ピペリジナミン;
N−(4−メチルベンジル)−N−フェニル−4−ピペリジナミン;
N−(3−クロロベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(3,4−ジフルオロベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−フルオロベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−クロロベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(3−フルオロフェニル)−N−(4−メチルベンジル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−フルオロベンジル)−N−(3−メチルフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−ベンジル−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(3,4−ジフルオロベンジル)−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−フルオロベンジル)−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−クロロベンジル)−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−フルオロフェニル)−N−(4−メチルベンジル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−クロロフェニル)−N−(4−フルオロベンジル)−4−ピペリジナミン、又はその医薬的に許容できるその塩である。
【0014】
本発明の最も好適な化合物は、
N−(4−メチルベンジル)−N−フェニル−4−ピペリジナミン;
N−(4−フルオロベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(3−フルオロフェニル)−N−(4−メチルベンジル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−フルオロベンジル)−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−フルオロフェニル)−N−(4−メチルベンジル)−4−ピペリジナミン又はその剤学的に許容できるその塩。
【0015】
最良の結果はN−(4−フルオロベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン及びN−(3−フルオロフェニル)−N−(4−メチルベンジル)−4−ピペリジナミン又はその医薬的に許容できる塩を用いて得られた。
【0016】
本発明の「医薬的に許容できる塩」は式Iの化合物が形成しうる治療上活性な、無毒性の酸の塩である。塩基として、その遊離形で生じる式Iの化合物の酸付加塩の形は、遊離塩基を、例えば塩酸又は臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸及び類似物のような適切な無機酸、又は例えば酢酸、ヒドロキシ酢酸、プロパン酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サイクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモ酸又は類似物のような有機酸で処理して得られる。
【0017】
反対に、当該塩の形は適切な塩基を用いた処理によって遊離形に変換できる。
【0018】
式Iの化合物及びそれらの塩は溶媒和物の形であってもよく、それは本発明の範囲内である。そのような溶媒和物には例えば水和物、アルコール和物及び類似物が含まれる。
【0019】
本発明はまた、式Iの化合物の製造法に関する。
【0020】
本発明による式Iの化合物は有機合成化学の技術分野の当業者が理解するような従来の方法に類似した方法で製造できる。
【0021】
次の方法の記載は、例示的に特定の合成経路を示している。当業者には別法及び/又は類似した方法は容易に明らかであろう。
【0022】
1つの実施形態によると、一般式Iを有する化合物は式IIの化合物を次の反応式に従って保護することによって製造できる。
【化2】


(式中、Pは保護基であり、R、R、R、Rは上に記載したのと同じ定義を有する)
【0023】
保護基Pは、例えば、カーバメート、スルフェニル誘導体、スルホニル誘導体、アルキル及びアリールのような適したアミノ保護基である。例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、(Boc)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメトキシカルボニル、9−(2,7−ジブロモ)フルオレニルメトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)、2−フェニルエトキシカルボニル、2−クロロエトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、ベンジルスルフェニル、2−ニトロベンゼンスルフェニル、トシル、ベンゼンスルホニル、メチル、tert−ブチル、アリル、ベンジル、ビス(4−メトキシフェニル)メチル又は2,4−ジニトロフェニルであるが、これらに限定されない。脱保護法の詳細については、“Protective Groups in Organic Chemistry”,Chapter 2,J.F.W.Omie,Plenum Press,London and New York、1973及び”Protective Groups in Organic Synthesis”,Chapter7,Th.W.Greene,John Wiley&Sons,1999を参照されたい。
【0024】
この転換は当業者に周知のすべての手順で実施してよい。
【0025】
式IIの化合物は式IIIの化合物と式IVの化合物との次の反応式による反応によって製造してよい。
【化3】


式中、Xはハロゲン原子、好適には臭素であり、P,R、R、R及びRは上に記載したのと同じ定義を有する。
【0026】
この転換は例えばアセトニトリル又はジメチルホルムアミドのような不活性溶媒中で、例えばトリエチルアミン又は炭酸カリウムのような有機又は無機塩基の存在下で50℃から100℃の間で行ってよい。
【0027】
式IVの化合物は商業的に入手できる。
【0028】
化合物IIIは、式Vの化合物と式IVのケトンとの次の反応式による反応によって製造してよい。
【化4】

【0029】
この転換は例えばメタノールのようなアルコール性溶剤中で、例えば酢酸のような酸の1乃至2等量、及び例えばシアノボロヒドライドナトリウムのような還元剤の1乃至2等量の存在下で行ってよい。
【0030】
式Vと式IVの化合物は商業的に入手できる。
【0031】
もう1つの態様では、本発明は、医薬品としての使用に対して、式(I)の4−アミノピペリジン誘導体及びその製剤学的に許容できる塩を提供する。
【0032】
最終的に、式(I)の化合物とその製剤学的に許容できる塩は特に有効な抗うつ剤であることが見出された。
【0033】
従って、これらの化合物は抑うつ及び不安を伴った重度の抑うつの予防及び/又は治療に特に有用である。
【0034】
これらの化合物は不安障害を含む他の神経障害、特に全身不安障害(GAD)、パニック障害(PD)、外傷後ストレス障害(PTSD)、社会的不安障害(SAD)、強迫障害及び広場恐怖、双極障害、そう病、慢性疼痛、神経障害痛、偏頭痛、脳虚血、心臓不整脈、ミオトニー、コカインとアルコールの乱用、卒中、ミオクローヌス、震顫、新生児脳内出血、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、痙攣、パーキンソン病及び他の神経変性及び運動障害に使用してよい。
【0035】
従って、本発明はさらなる態様において、上記のような神経障害の治療及び/又は予防の医薬品を製造するために、式Iの化合物又は、上記に定義した製剤学的に許容できるその塩の使用に関する。
【0036】
特に本発明は、抑うつの治療及び/又は予防の医薬品を製造するために、式Iの化合物又は、上記に定義した製剤学的に許容できるその塩の使用に関する。
【0037】
本発明はまた、治療を必要とする哺乳動物において、少なくとも1つの式Iの化合物及び製剤学的に許容できるその塩を患者に投与することを含む抑うつの治療法に関する。
【0038】
本発明の方法は上記疾患に罹っている哺乳動物(好適にはヒト)に、本発明による医薬組成物をその状態を軽減するための十分な量を投与することを含む。本化合物は、任意の適した単位剤形で、単位剤形あたり0.5から500mg、好適には1から100mgの活性成分を含む剤形で都合よく投与されるが、これに限定されない。
【0039】
出願人が使う「治療」と言う用語は治癒のための治療及び予防のための治療を意味する。
【0040】
「治癒的」とは抑うつ相の現在の症状の治療における、式Iの化合物有効性を意味する。
【0041】
「予防的」又は「維持」とは抑うつ症状の再発の予防を意味する。
【0042】
疾患の治療のために、式Iの化合物又はその製剤学的に許容できる塩は有効な1日用量を用い、医薬組成物を介して投与してよい。
【0043】
従って、本発明のもう1つの実施形態は、本明細書に記載したすべての疾患のための製剤学的に許容できる担体とともに、式Iの化合物又はその製剤学的に許容できる塩又は誘導体の有効量を含む医薬組成物である。
【0044】
本発明の医薬組成物を製造するために、1つ又はそれ以上の式Iの化合物又はその製剤学的に許容できる塩を、例えば経口、経直腸又は非経口のような投与に望ましい剤形にしたがって、広範囲の種類の剤形を採り得る医薬品の担体と従来の医薬品配合技術によって親密に混合される。
【0045】
本発明は疾患の治療及び/又は予防のために、本化合物の有効量の投与を要求する。本発明に従って要求される用量は疾患の軽減を可能にするために十分高くなければならない。化合物を含む医薬組成物は、例えば経口又は非経口、即ち静脈内、筋肉内又は皮下、くも膜下注入できる。
【0046】
経口投与に使用できる医薬組成物は固体又は液体であることができ、例えば錠剤、ピル、糖衣錠、ゼラチンカプセル、溶液、シロップ及び類似の剤形であることができる。
【0047】
このために、化合物は、不活性希釈剤又は非毒性の、例えば澱粉又は乳頭のような医薬的に許容される賦形剤と混合して使用できる。これらの医薬組成物は任意に、例えば微結晶セルローズ、トラガカントゴム又はゼラチン、アルギン酸のような崩壊剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、コロイド状二酸化シリコンのような滑剤、蔗糖又はサッカリンのような甘味剤、着色剤又はペパーミント又はサリチル酸メチルのような芳香剤を含むことができる。
【0048】
医薬組成物はまた、活性物質を制御された仕方で放出できる成分を含む。非経口投与に使用できる医薬組成物はこの投与法で周知の医薬品の製剤中にあり、一般的にアンプル、使い捨て注射器、ガラス又はプラスチックのバイアル又は注射用容器に入れられた水性又は油性の溶液又は懸濁液の形である。
【0049】
活性化合物に加え、これらの溶液又は懸濁液は、例えば注射用水、生理食塩水、油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶剤、例えばベンジルアルコールのような抗菌剤、アスコルビン酸又は重亜硫酸ナトリウムのような抗酸化剤、エチレンジアミン四酢酸のようなキレート化剤、酢酸塩、クエン酸塩又は燐酸塩のような緩衝剤及び塩化ナトリウム又はデキストローズのような浸透圧を調整する試薬を任意に含むことができる。
【0050】
これらの医薬組成物は日常薬剤師が使用する方法を用いて製造できる。
【0051】
医薬組成物中の式Iの化合物の割合は広範囲の濃度であることができ、患者の性別、年令、体重及び医学的状態のようなさまざまな因子及び投与方法に依存する。従って、経口用の医薬組成物中の式Iの化合物の量は、少なくとも0.5重量%であり、組成物重量等に関して80重量%までであることができる。
【0052】
もう1つの実施形態では、本発明はまた、置換基R及び保護基Pが上に定義されている、式II又はIIIの合成中間体に関する。
【0053】
式IIの好適な化合物は、
tert−ブチル 4−[3−フルオロ(4−フルオロベンジル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−{[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリノ}−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[3−クロロベンジル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3,4−ジフルオロベンジル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3,4−ジクロロベンジル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(4−メチルベンジル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−{[4−(トリフルオロメメチル)ベンジル]アニリノ}−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3,4−ジフルオロベンジル)−3−フルオロアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(4−クロロベンジル)−3−フルオロアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3,4−ジクロロベンジル)−3−フルオロアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3−フルオロ(4−メチルベンジル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−{(3−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)ベンジル)]アニリノ」}−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3−クロロベンジル)−3−メチルアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3,4−ジフルオロベンジル)−3−メチルアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(4−フルオロベンジル)−3−メチルアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(4−クロロベンジル)−3−メチルアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3,4−ジクロロベンジル)−3−メチルアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−{(3−メチル[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリノ}−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−(ベンジル−4−フルオロアニリノ)−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−{4−フルオロ[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリノ}−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3−クロロベンジル)−4−フルオロアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3,4−ジフルオロベンジル)−4−フルオロアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[4−フルオロ(4−フルオロベンジル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(4−クロロベンジル)−4−フルオロアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3,4−ジクロロベンジル)−4−フルオロアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[4−フルオロ(4−メチルベンジル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−{4−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリノ}−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[4−クロロ(4−フルオロベンジル)アニリノ}−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3−クロロベンジル)−4−メチルアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3,4−ジフルオロベンジル)−4−メチルアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(4−フルオロベンジル)−4−メチルアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(4−クロロベンジル)−4−メチルアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3,4−ジクロロベンジル)−4−メチルアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−{4−メチル[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリノ}−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(4−フルオロベンジル)−4−(トリフルオロメチル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;及び
tert−ブチル 4−[(3−クロロベンジル)−3−フルオロアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート、
である。
【0054】
式IIIの好適な化合物は、
tert−ブチル 4−(3−フルオロアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−(3−トルイジノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−(4−トルイジノ]−1−ピペリジンカルボキシレート、
である。
【0055】
次の実施例は例示のためにだけ、提供するもので、本発明を如何なる仕方においても制限することを意図するものではなく、又は制限すると解釈されるべきでない。当業者は本発明の精神又は範囲を逸脱せずに、以下の実施例の日常的な変形及び修正ができることを理解するであろう。
【0056】
実施例で特に断らない限り、化合物の特性化は次の方法に従って行った。
【0057】
NMRスペクトルをAspect3000コンピューター及び5mmH/13C2つのプローブヘッドに繋いだBRUKER AC 250 Fourier Transform NMR Spectrometer又はSG Indigoコンピューター及び5mm逆幾何学H/13C/15N2つのプローブヘッドに繋いだBRUKER DRX 400 FT NMR上で記録した。化合物はプローブ温度313Kで、2から20mg/mlの濃度範囲でDMSO−d(又はCDCl)中で試験する。装置はDMSO−d(又はCDCl)のジウテリウム信号上でロックされる。化学シフトは内部標準のTMSから下流側にppmで示される。DMSO−d(重水素化ジメチルスルホキシド)。
【0058】
LC/MSモードにおける質量分析測定は次のように行う。
【0059】
HPLCの条件
質量分析測定はINERTSIL ODS3−,DP5μm、250x4.6mmカラム搭載WATER Alliance HPLCシステムを用いて実施する。
【0060】
勾配は100%溶剤A(アセトニトリル、水、TFA[10/90/0.1v/v/v])から100%溶剤B(アセトニトリル、水、TFA[10/90/0.1v/v/v])までの7分間で、100%Bに4分保持して実施した。流速は2.5ml/分に設定し、APIソース(source)直前まで1/10のスプリット(split)を用いた。クロマトグラフィーは30℃で行った。
【0061】
MSの条件
試料をアセトニトリル/水、70/30.v/vに約250μg/mlで溶解した。APIスペクトル(+又は)はFINNIGAN(San Jose,CA,USA)LCQイオントラップ質量スペクトルメーターを用いて実施した。APIソースは450℃で作動し、毛管ヒーターは160℃で作動する。ESIソースは3.5kVで作動し、毛管ヒーターは210℃で作動する。
【0062】
EI/DIPモードにおける質量分析測定は次のように行う:プローブを50℃から250℃で5分加熱して試料を蒸発する。EI(Electron Impact)スペクトルをFINNIGAN(San Jose,CA,USA)TSQ700 tandem quadrupole質量分析計を用いて記録する。ソース温度は150℃に設定する。
【0063】
GC/MSモードにおけるTSQ700 tandem quadrupole質量分析計(Finnigan MAT,San Jose,CA,USA)上での質量分析測定は、スプリット/スプリットレス(splitless)注入器とJ&WScientific(Folsom,CA,USA)製のDB−5MS熔融シリカカラム(15m x0.25mm I.D.,1μm)に繋いだガスクロマトグラフィーモデル3400(Varian,Walalnut Creek,CA,USA)を用いて行った。ヘリウム(純度99.999%)を担体ガスに用いた。注入器(CTC A200S自動サンプル装置)と移動ラインはそれぞれ290及び250℃で作動する。試料(1μl)をスプリットレスモードで注入し、オーブンの温度を次にようにプログラムする:50℃で5分、23℃/分で280℃に上昇し、10分保持する。TSQ700分光器は電子衝撃(EI)モード又は化学イオン化(CI/CH)モード(質量範囲33−800、スキャン時間1.00秒)で作動する。ソース温度は150℃に設定する。
【0064】
水分含量はMetrohm microcoulometric Karl Fischer titratorを用いて測定する。
【0065】
分取クロマトグラフィー分離は粒子径15−40μmのシリカゲル(参照 1.15111.9025)60 Merck上で、 内部で改良したJOBIN Yvon型軸圧縮カラム(80mm i.d.)、流速70から150ml/分の間で行う。シリカゲルと溶剤混合物の量は個別に記載する。
【0066】
融点はBuchi535Totoli型熔融メーター上で測定し、補正を行わないか、又はPerkin Elmer DSC7上の開始温度によって測定する。
【0067】
試料で特に断らないかぎり、化合物は天然型で得られる。
【実施例1】
【0068】
式Iの化合物の合成
【化5】


1.1 tert−ブチル 4−(3−フルオロアニリノ)−1−ピペリジンカルボキシレート 1
3−フルオロアニリン(40g)をMeOHに溶解し、溶液を0℃に冷却した。溶液にtert−ブチル 4−オキソ−1−ピペリジンカルボキシレート(79g、1.1eq)、酢酸(26.8ml、1.3eq)及びシアノボロヒドリドナトリウム(29g、1.3eq、分割して)連続的に加えた。反応混合物を完了するまで室温で攪拌した。ついで、反応混合物を0℃に冷却し、混合物にNaOH(20%)の水溶液を注いだ(pH〜10)。析出物をろ過し、水で洗浄し、乾燥し、iPrOHから再結晶化し、tert−ブチル 4−(3−フルオロアニリノ)−1−ピペリジンカルボキシレート 1(68.5g)を得た。
収率:63%
MS(MH)295
【0069】
表1に示した式IIIの化合物は類似した方法で合成できる。
表1 式IIIの化合物
【表1】

【0070】
1.2 tert−ブチル 4−[3−フルオロ(4−フルオロベンジル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート 8の合成
tert−ブチル 4−(3−フルオロアニリノ)−1−ピペリジンカルボキシレート 1(20g)をアセトニトリル(250ml)に溶解した。この溶液に炭酸カリウム(33.2g)と1−(ブロモメチル)−4−フルオロベンゼン(11ml)を加えた。反応混合物を一夜還流して過熱し、ついで冷却し、濃縮し、残渣をジクロロメタンと水に移した。水性層をジクロロメタンで2回洗浄した。一緒にした有機層をMgSO上で乾燥し、濃縮した。得られた白色固体をヘキサン中で粉末化し、ろ過してtert−ブチル 4−[3−フルオロ(4−フルオロベンジル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート 8(25.5g)を得た。
収率:89%
MS(MH)403
【0071】
表2に示した式IIの化合物は類似した方法で合成できる。
表II 式IIの化合物
【表2】

【0072】
1.3 N−(4−フルオロベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン 43の合成
tert−ブチル 4−[3−フルオロ(4−フルオロベンジル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート 8をジクロロメタンに溶解し、その溶液を0℃に冷却した。その溶液にTFA(30ml)を加え、反応混合物を室温で攪拌した。1時間30分後、TFA(20ml)を加え、反応混合物を更に30分攪拌した。真空下で溶剤を除去し、残渣をジクロロメタンと水に移した。水性層をNaOHを加えてアルカリ化し、ジクロロメタンで洗浄した。一緒にした有機層をMgSO上で乾燥し、濃縮した。粗製物をクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/MeOH/NHOH 95/5/0.5)で精製し、N−(4−フルオロベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン(18.4g)を遊離塩基として得た。
【0073】
エーテルに溶解したN−(4−フルオロベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミンにHClで飽和したエーテル溶液を加えた。析出物をろ過し、エーテルで洗浄し、真空下でオーブン中(50℃)で乾燥し、白色固体として17.51gのN−(4−フルオロベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミンを得た。
収率:72%
MS(MH)303
【0074】
表3に示した式Iの化合物は類似した方法で合成できる。
表III 式Iの化合物
【表3−1】


【表3−2】

【実施例2】
【0075】
結合アッセイ
2.1 H1結合
試験化合物のヒトのヒスタミン受容体への親和性を[H]−メピラミン結合アッセイで評価した。結合はGillard et al.(Gillard M.,Van der Perren C.,Moguilevsky N.,Massingham R,Chatelain P.,Mol.Pharmacol.(2002)、61、391−399)の記載通りに実施した。
【0076】
2.2 5−HT取り込み
試験化合物のセロトニントランスポーター(Serotonin Transporter)への親和性を[H]−パロキセチン結合アッセイで評価した。この結合は、Marcusson et al(Marcusson J.O.,Bergstom M.,Eriksson K.,Ross S.B.,J.Neurochem.(1998),50,1783)に記載された方法を若干修正して行った。ラットの大脳皮質からの膜蛋白質(100−200μg)を、2mMのMgClと0.05nMの放射性リガンドを含む50mMのTris−HCl(pH7.4)緩衝液2ml中で25℃で120分培養した。5μMのイミプラミンの存在下で、残存結合として定義される特異的結合は測定されなかった。
【0077】
2.2 5−HT2結合
試験化合物の5−HT2受容体への親和性を[H]−ケタンセリン結合アッセイで評価した。この結合は、Leysen et al(Leysen J.E.,Niemegeers C.J.,Van Nueten J.M.,Laduron P.M.,Mol.Pharmacol.(1982),21,301−314)に記載された方法を若干修正して行った。簡単に言うと、ラットの大脳皮質からの250μgの膜蛋白質を、2mMのMgClと0.2nMの放射性リガンドを含む50mMのTris−HCl(pH7.4)緩衝液1ml中で、25℃で60分培養した。1μMのクロロプロマジンの存在下で、残存結合として定義される特異的結合は測定されなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの4−アミノピペリジン化合物、及びその医薬的に許容される塩。
【化1】


(式I中、R、R、R、Rは独立して、水素、フッ素、塩素、メチル及びトリフルオロメチルから選択される。但し、R、R及びRが水素の場合、Rは水素又はハロゲンでない。)
【請求項2】
が水素、フッ素又はメチルであり、且つRが水素、フッ素、塩素又はトリフルオロメチルである請求項1記載の4−アミノピペリジン化合物。
【請求項3】
が水素、フッ素又は塩素であり、Rが水素、フッ素又はメチルであり、Rが水素、フッ素、塩素又はメチルであり、且つRが水素、フッ素又は塩素である、請求項1記載の4−アミノピペリジン化合物。
【請求項4】
が水素又はフッ素であり、Rが水素又はフッ素であり、Rがフッ素又はメチルであり、且つRが水素である、請求項1記載の4−アミノピペリジン化合物。
【請求項5】
N−(4−メチルベンジル)−N−フェニル−4−ピペリジナミン;
N−(4−フルオロベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(3−フルオロフェニル)−N−(4−メチルベンジル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−フルオロベンジル)−N−(4−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン;
N−(4−フルオロフェニル)−N−(4−メチルベンジル)−4−ピペリジナミン、
又はその医薬的に許容できる塩、
からなる群から選択される、請求項1記載の4−アミノピペリジン化合物。
【請求項6】
N−(4−フルオロベンジル)−N−(3−フルオロフェニル)−4−ピペリジナミン又はその医薬的に許容できる塩。
【請求項7】
N−(3−フルオロフェニル)−N−(4−メチルベンジル)−4−ピペリジナミン又はその医薬的に許容できる塩。
【請求項8】
活性成分として、治療的に有効な量の請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物及び、医薬的に許容できるアジュバント、希釈剤又は担体を含む医薬組成物。
【請求項9】
医薬品として使用する請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
薬剤の製造における請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項11】
神経疾患の治療用薬剤の製造における請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項12】
式IIの合成中間体。
【化2】


(式中、R、R、R、Rは独立して、水素、フッ素、塩素、メチル及びトリフルオロメチルから選択される。但し、R、R及びRが水素の場合、Rは水素又はハロゲンでなく、且つPはアミン保護基である。)
【請求項13】
tert−ブチル 4−[3−フルオロ(4−フルオロベンジル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−{[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリノ}−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3−クロロベンジル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3,4−ジフルオロベンジル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3,4−ジクロロベンジル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(4−メチルベンジル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−{[4−(トリフルオロメチル)ベンジル)]アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3,4−ジフルオロベンジル)−3−フルオロアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(4−クロロベンジル)−3−フルオロアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3,4−ジクロロベンジル)−3−フルオロアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3−フルオロ(4−メチルベンジル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−{(3−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)ベンジル)]アニリノ}−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3−クロロベンジル)−3−メチルアニリノ}−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3,4−ジフルオロベンジル)−3−メチルアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(4−フルオロベンジル)−3−メチルアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(4−クロロベンジル)−3−メチルアニリノ}−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3,4−ジクロロベンジル)−3−メチルアニリノ}−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−{3−メチル[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリノ}−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−(ベンジル−4−フルオロアニリノ)−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−{4−フルオロ[3−(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリノ}−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3−クロロベンジル)−4−フルオロアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3,4−ジフルオロベンジル)−4−フルオロアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[4−フルオロ(4−フルオロベンジル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(4−クロロベンジル)−4−フルオロアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3,4−ジクロロベンジル)−4−フルオロアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[4−フルオロ(4−メチルベンジル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−{4−フルオロ[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリノ}−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[4−クロロ(4−フルオロベンジル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3−クロロベンジル)−4−メチルアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3,4−ジフルオロベンジル)−4−メチルアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(4−フルオロベンジル)−4−メチルアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(4−クロロベンジル)−4−メチルアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(3,4−ジクロロベンジル)−4−メチルアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−{4−メチル[4−(トリフルオロメチル)ベンジル]アニリノ}−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−[(4−フルオロベンジル)−4−(トリフルオロメチル)アニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート、及び
tert−ブチル 4−[(3−クロロベンジル)−3−フルオロアニリノ]−1−ピペリジンカルボキシレート、
からなる群から選択される、請求項12記載の合成中間体。
【請求項14】
tert−ブチル 4−(3−フルオロアニリノ)−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−(3−トルイジノ)−1−ピペリジンカルボキシレート;
tert−ブチル 4−(4−トルイジノ)−1−ピペリジンカルボキシレート、
からなる群から選択される合成中間体。

【公表番号】特表2006−513151(P2006−513151A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−540745(P2004−540745)
【出願日】平成15年9月30日(2003.9.30)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010824
【国際公開番号】WO2004/030668
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(502358717)ユ セ ベ ソシエテ アノニム (13)
【Fターム(参考)】