説明

4−ジメチルアミノ−フェニルで置換されているナフチリジン、及び医薬としてのその使用

本発明は、式1で示される新規な置換ナフチリジン、及びその薬理学的に許容しうる塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ化合物、水和物又は溶媒和物に関する。式1中、Rは、−O−R、−NR、−CR、−(エチン)−R、−S−R、−SO−R及びSO−Rからなる群より選択される基Aを表すことができるか、又はRは、− C6〜10−アリール;− N、O及びSからなる群より独立して選択されるヘテロ原子を1〜3個含む、5〜10員単環式もしくは二環式ヘテロアリール(ここで、このヘテロアリールは、C原子もしくはN原子を介して式1で示される構造に結合している);− N、O及びSからなる群より独立して選択されるヘテロ原子を1〜3個含む、3〜10員単環式もしくは二環式飽和もしくは部分飽和複素環基(ここで、この複素環基は、C原子もしくはN原子を介して式1で示される構造に結合している)、ならびに− N、O及びSからなる群より独立して選択されるヘテロ原子1、2もしくは3個を場合により含んでいてもよい、5〜11員スピロ基(ここで、このスピロ基は、C原子もしくはN原子を介して式1で示される構造に結合している)からなる群より選択される基Bを表し、ここで、この基Bは、請求項1記載のとおり場合により置換されていてもよく、そしてR、R、R、R及びmは、請求項1に示された意味を有していてもよい。本発明はまたこれらの化合物を含む医薬組成物にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式1:
【0002】
【化1】

【0003】
(式中、
は、−O−R、−NR、−CR、−(エチン)−R、−S−R、−SO−R及びSO−Rから選択される基Aを表すか、又は
は、
− C6〜10−アリール、
− N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子を1〜3個含む、5〜10員単環式もしくは二環式ヘテロアリール(ここで、このヘテロアリールは、C原子もしくはN原子のいずれかを介して式1で示される構造に結合している)、
− N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子を1〜3個含む、3〜10員単環式もしくは二環式飽和もしくは部分飽和複素環基(ここで、この複素環基は、C原子もしくはN原子のいずれかを介して式1で示される構造に結合している)、ならびに
− N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子1、2もしくは3個を場合により含んでいてもよい、5〜11員スピロ基(ここで、このスピロ基は、C原子もしくはN原子のいずれかを介して式1で示される構造に結合している)、
から選択される基Bを表し、
ここで、この基Bは、請求項1記載のとおり場合により置換されていてもよく、そして
、R、R、R及びmは、請求項1に示された意味を有していてもよい)で示される新規な置換ナフチリジン、及びその薬理学的に許容しうる塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ化合物、水和物又は溶媒和物、ならびにこれらの化合物を含む医薬に関する。
【0004】
1.発明の背景
【0005】
1.1 SYK阻害剤
【0006】
本発明は、プロテインキナーゼSyk(脾臓チロシンキナーゼ)を阻害する新規な置換ナフチリジン、その調製及び配合、ならびに医薬を製造するためのその使用を記載する。
【0007】
Sykは、B細胞、肥満細胞、単球、マクロファージ、好中球、T細胞、樹状細胞及び上皮細胞の中の異なる受容体のシグナル伝達において重要なメディエータ機能を有する細胞内チロシンキナーゼである。Sykがシグナル伝達において重要な機能を実施する受容体としては、例えば、肥満細胞及びB細胞上のIgE(FcεRI)及びIgG(FcγR1)に対する受容体、B細胞及びT細胞上のB細胞受容体(BCR)及びT細胞受容体(TCR)、呼吸管の上皮細胞上のICAM1受容体(ICAM1R)、ナチュラルキラー細胞、樹状細胞及び破骨細胞上のDAP12受容体、Tヘルパー細胞(Th−17細胞)の亜群細胞上のデクチン1受容体、ならびに好中球、単球及びマクロファージ上のβ1−、β2−及びβ3−インテグリンのためのインテグリン受容体が挙げられる(Wong et al.; Expert Opin. Investg. Drugs (2004)13(7), 743-762; Ulanova et al.; Expert Opion. Ther. Target (2005) 9(5); 901-921; Wang et al.; J. Immunol. (2006) 177, 6859-6870; LeibundGut-Landmann et al.; Nature Immunology (2007) 8, 630-638; Slack et al., European J. Immunol. (2007) 37, 1600-1612)。最良の記載は、FcεRIのシグナル伝達時の分子過程についてである。肥満細胞では、IgEの、FcεRIへの結合により、IgE受容体の架橋、ならびにLyn(Srcファミリーのチロシンキナーゼ)の動員及び活性化が起こる。活性Lynリン酸化物、いわゆるITAMモチーフは、先に列挙された受容体の多くに存在し、それによりSykのSH2ドメインのための結合部位を生成する。Sykは、ITAMモチーフに結合した結果、活性化され、その後、アレルギー性及び前炎症性メディエータ(例えば、ヒスタミン及びβ−ヘキソサミニダーゼ)の放出、ならびに脂質メディエータ(例えば、プロスタグランジン及びロイコトリエン)の合成に必要な様々な基質をリン酸化する。
【0008】
Sykは、異なるシグナル伝達経路における中心的機能のために、異なる疾患(例えば、アレルギー性鼻炎、喘息、自己免疫疾患、関節リウマチ、骨減少症、骨粗鬆症、COPDならびに様々な白血病及びリンパ腫)のための治療ターゲットとして議論されてきた(Wong et al.; Expert Opin. Investig. Drugs (2004)13(7), 743-762; Ulanova et al.; Expert Opion. Ther. Target (2005) 9(5); 901-921;Sign and Masuda. Annual Reports in Medicinal Chemistry (2007) Vol 42; 379-391; Bajpai et al.; Expert Opin. Investig. Drugs (2008) Vol 15(5); 641-659; Masuda and Schmitz; PPT (2008) Vol 21; 461-467)。
【0009】
アレルギー性鼻炎及び喘息は、アレルギー反応及び炎症過程に関連する、異なる細胞型(例えば、肥満細胞、好酸球、T細胞及び樹状細胞)に関与する疾患である。アレルゲンへの暴露が起こった後、IgE(FcεRI)及びIgG(FcγR1)のための高親和性免疫グロブリン受容体が活性化されて、前炎症性メディエータ及び気管支収縮物質の放出が誘導される。つまりSykキナーゼ活性の阻害剤は、これらのステップを阻害することができるはずである。
【0010】
関節リウマチ(RA)は、関節を取り囲む骨及び靭帯が進行的に破壊される自己免疫疾患である。RAの病態生理学において、B細胞は、例えばリツキシマブ(B細胞枯渇抗体)の治療的使用により実証されたとおり、重大な役割を担う。Sykは、そのBCR(刺激された後、前炎症性メディエータの放出も誘導する)のシグナル伝達における機能に加え、B細胞の成熟及び増殖における重要な部分も担う(Cheng et al. Nature (1995) 378, 303-306, Cornall et al., PNAS (2000) 97(4), 1713-1718)。つまりSykキナーゼ活性の阻害剤は、自己免疫疾患(例えば、RA)及びB細胞増殖が増加する疾患(例えば、B細胞リンパ腫)の処置のための治療選択を提示することができる。
【0011】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、肺機能の連続的破壊及び気道の慢性的炎症を特徴とするもので、全種の有毒物質がきっかけとなり発症して、疾患の経過を持続させる一因となる。COPDの細胞レベルでは、特にTリンパ細胞、好中球、顆粒球及びマクロファージが増殖する。特に、肺機能の障害に直接関連するCD8陽性リンパ球数が増加する。COPDの別の特徴は、ウイルス(例えば、ライノウイルス(Rhinovirus))、又は細菌(例えば、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)及びモラクセラカタラーリス(Moraxella catarrhalis))の感染を特徴とする肺機能の急性悪化(増悪)である。
【0012】
Sykキナーゼ活性の阻害剤は、先に記載されたマイクロファージ、T細胞及び好中球におけるSykの前炎症性機能のために(Wong et al.; Expert Opin. Investig. Drugs (2004) 13(7), 743-762;及びそこに引用された参考文献を参照)、COPDを引き起こす炎症過程の処置への新規な治療的アプローチとなりうる。呼吸管の上皮細胞中のSykが、ICAM1Rを介したライノウイルスの取込みと、続いてのその複製に関与すること、及びSykに対抗するsi−RNAが、これらのステップを妨害することも示された(Wang et al.; J. Immunol. (2006) 177, 6859-6870; Lau et al.; J. Immunol. (2008) 180, 870-880)。こうしてSykキナーゼ活性の阻害剤を、ライノウイルスにより引き起こされる疾患増悪に治療的に用いることができる。
【0013】
様々な試験から、Sykがリンパ球の悪性転換に関与することが示唆された(Sigh及びMasudaにより要約。Annual Reports in Medicinal Chemistry (2007) Vol 42; 379-391)。構成的Syk活性を備えたTEL−Syk融合タンパク質が、骨髄異形成症候群患者のB細胞を形質転換し、構成的活性のあるITK-Syk融合タンパク質が、T細胞リンパ腫患者から単離された。その上、構成的活性のあるSykが、患者のB細胞リンパ腫細胞から発見された。これらのデータに基づけば、Sykが造血細胞中の癌原遺伝子であり、特定の白血病及びリンパ腫の処置のための潜在的ターゲットに相当することが分かる。
【0014】
1.2 先行技術
【0015】
BE835770には、抗菌活性を備えた5−アミノ−1,6−ナフチリジンが記載されている。米国特許第3,928,367、同4,017,500、同4,115,395及び同4,260,759には、抗真菌及び抗菌活性を備えた5−アミノ−1,6−ナフチリジンが記載されている。WO9918077には、セロトニンアンタゴニストとしての5−ピペラジニル−1,6−ナフチリジンが記載されている。米国特許第7,321,041には、SYK阻害剤としての置換されている[1,6]−ナフチリジンが記載されているが、それらは、本発明の化合物とは完全に異なる置換様式を有する。
【0016】
2.発明の記載
【0017】
意外にも、式1で示されるナフチリジンが、呼吸器愁訴、アレルギー性疾患、骨粗鬆症、胃腸疾患、自己免疫疾患、炎症性疾患及び末梢又は中枢神経系の疾患の処置、特に喘息、アレルギー性鼻炎、関節リウマチ、アレルギー性皮膚炎及びCOPDの処置に特に適することが、ここに見出された。
【0018】
それゆえ本発明は、式1:
【0019】
【化2】

【0020】
(式中、
は、−O−R、−NR、−CR、−(エチン)−R、−S−R、−SO−R及びSO−Rから選択される基Aであるか、又は
は、
− C6〜10−アリール、
− N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子を1〜3個含む、5〜10員単環式もしくは二環式ヘテロアリール(ここで、このヘテロアリールはC原子もしくはN原子のいずれかを介して式1で示される構造に結合している)、
− N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子を1〜3個含む、3〜10員単環式もしくは二環式飽和もしくは部分飽和複素環基(ここで、この複素環は、C原子もしくはN原子のいずれかを介して式1で示される構造に結合している)、ならびに
− N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子1、2もしくは3個を場合により含んでいてもよい、5〜11員スピロ基(ここで、このスピロ環は、C原子もしくはN原子のいずれかを介して式1で示される構造に結合している)、
から選択される基Bであり、
ここで、この基Bは、H、ハロゲン、−C1〜3−アルキル、−NH(C1〜4−アルキル)、−N(C1〜4−アルキル)、−NH、−C1〜3−アルキル−OH、−OH、オキソ、−CO−NH、−C1〜3−アルキレン−CO−NH、−CO−NH−(C1〜3−アルキル)、−C1〜3−アルキレン−CO−NH(C1〜3−アルキル)、−CO−NH(C3〜5−シクロアルキル)、−C1〜3−アルキレン−CO−NH(C3〜5−シクロアルキル)、−NH−CO−NH、−NH−CO−NH(C1〜3−アルキル)、−NH−CO−N(C1〜3−アルキル)、O−C1〜3−アルキル、−(C1〜3−アルキレン)−NH、−フェニル及び−CO−(C1〜5−アルキル)から互いに独立して選択される基1個以上で場合により置換されていてもよく、
は、Hであるか、又は
−C1〜6−アルキル、−C1〜6−フルオロアルキル、−(C1〜5−アルキル)−OH、−C6〜10−アリール、−(C1〜4−アルキレン)−(C6〜10−アリール)、エテニル、−(C1〜4−アルキレン)−(エテン)、−エチニル、−(C1〜4−アルキレン)−(エチン)、−(C1〜4−アルキレン)−(エチン)−NH、−(C1〜4−アルキレン)−(エチン)−(C1〜4−アルキレン)−NH、−NH(C1〜3−アルキル)、−(C1〜4−アルキレン)−NH(C1〜3−アルキル)、−CHOH−(C1〜4−アルキレン)−NH、−(C1〜4−アルキレン)−CHOH−(C1〜4−アルキレン)−NH、−(C1〜4−アルキレン)−CHOH−NH、−CHOH−NH、単環式もしくは二環式飽和もしくは部分飽和−C3〜10−シクロアルキル、単環式もしくは二環式飽和もしくは部分飽和−(C1〜4−アルキレン)−C3〜10−シクロアルキル、−(Het)、−(C1〜4−アルキレン)−(Het)、−(ヘタリール)、及び−(C1〜4−アルキレン)−(ヘタリール)から選択される基であり、
この基は、H、−OH、−オキソ、−COOH、−ハロゲン、−C1〜3−アルキル、−C1〜3−ハロアルキル、−C1〜3−アルキル−OH、−C3〜7−シクロアルキル、−O−(C1〜4−アルキル)、−NH(C1〜4−アルキル)、−(C1〜4−アルキレン)−NH(C1〜4−アルキル)、−N(C1〜4−アルキル)、−(C1〜4−アルキレン)−N(C1〜4−アルキル)、−NH−CO−NH、−(C1〜4−アルキレン)−NH−CO−NH、−CO−NH、−(C1〜4−アルキレン)−CO−NH、−CO−NH(C1〜3−アルキル)、−(C1〜4−アルキレン)−CO−NH(C1〜3−アルキル)、−CO−N(C1〜3−アルキル)、−(C1〜4−アルキレン)−CO−N(C1〜3−アルキル)、−NH−(CO)−NH、−NH−(C1〜4−アルキレン)−(CO)−NH、−NH−(CO)−NH(C1〜3−アルキル)、−NH−(C1〜4−アルキレン)−(CO)−NH(C1〜3−アルキル)、−NH−(CO)−N(C1〜3−アルキル)、−NH−(C1〜4−アルキレン)−(CO)−N(C1〜3−アルキル)、−O−(C2〜4−アルキレン)−NH、−O−(C2〜4−アルキレン)−NH(C1〜3−アルキル)、−O−(C2〜4−アルキレン)−N(C1〜3−アルキル)、−NH−CO−(C1〜3−アルキル)、−(C1〜4−アルキレン)−NH−CO−(C1〜3−アルキル)、−C3〜5−シクロアルキル、−SO−(C1〜4−アルキル)、−SO−(C3〜5−シクロアルキル)、−SO−NH、−SO−NH−C1〜3−アルキル、−SO−N(C1〜3−アルキル)、−SO−(Het)、−O−(Het)、−O−(C1〜4−アルキレン)−(Het)、−NH−(Het)、−NH−(C1〜4−アルキレン)−(Het)、−NH−(ヘタリール)、−NH−(C1〜4−アルキレン)−(ヘタリール)、−(Het)及び−(C1〜4−アルキレン)−(Het)から互いに独立して選択される基1個以上で場合により置換されていてもよく、
(Het)は、C1〜3−アルキル、ハロゲン、CH−NH、NH、OH、CO−NH及びオキソから選択される基1〜3個で場合により置換されていて、N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子を1、2又は3個含む3〜10員飽和又は部分飽和単環式又は二環式複素環基を表し、
(ヘタリール)は、C1〜3−アルキル、ハロゲン、CH−NH、NH、OH、CO−NH及びオキソから選択される基1、2又は3個で場合により置換されていて、N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子を1〜3個含む5〜10員単環式又は二環式ヘテロアリールを表し、
m=0又は1であり、
及びRは、H、メチル又はエチルを表し、そして
は、メチル、エチル、プロピル、−O−メチル、−O−エチル、−O−プロピル、Br、Cl、F又はフェニルを表す)で示される化合物、ならびにその薬学的に許容しうる塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ化合物、水和物及び溶媒和物に関する。
【0021】
好ましい本発明の目的は、各可変物の上述の定義を有するが、Rがメチルである、先の式1で示される化合物、ならびにその薬学的に許容しうる塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ化合物、水和物及び溶媒和物に関する。
【0022】
同じく好ましいのは、各可変物の上述の定義を有するが、Rが−O−R又は−NRである、式1で示される化合物、ならびにその薬学的に許容しうる塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ化合物、水和物及び溶媒和物である。
【0023】
本発明は、好ましくは更に、各可変物の上述の定義を有するが、Rが、−O−R又は−NRであり、
(Het)が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、F、Cl、Br、CH−NH、NH、OH、CO−NH及びオキソから選択される基1〜3個で場合により置換されていて、N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子を1、2又は3個含む、3〜7員飽和又は部分飽和単環式複素環基を表し、そして
(ヘタリール)が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、F、Cl、Br、CH−NH、NH、OH、CO−NH及びオキソから選択される基1、2又は3個で場合により置換されていて、N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子を1〜3個含む、5〜6員単環式ヘテロアリールを表す、
式1で示される化合物、ならびにその薬学的に許容しうる塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ化合物、水和物及び溶媒和物に関する。
【0024】
別の好ましい態様において、本発明は、各可変物の上述の定義を有するが、
ここで、Rが、
− N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子を1〜3個含み、その1〜3個のヘテロ原子の少なくとも1個がN原子である、5〜10員単環式もしくは二環式ヘテロアリール、ならびに
− N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子を1〜3個含み、その1〜3個のヘテロ原子の少なくとも1個がN原子である、3〜10員単環式もしくは二環式飽和もしくは部分飽和複素環基、
から選択され、
ここで、上述のヘテロアリール及び複素環が、それぞれ少なくとも1個のN原子によって式1で示される構造に結合しているか、又は
が、N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子1、2もしくは3個を含む、5〜11員スピロ基(ここで、このスピロ基の1〜3個のヘテロ原子の少なくとも1個はN原子であり、そしてそのスピロ基はこのN原子を介して式1で示される構造に結合している)である、式1で示される化合物、ならびにその薬学的に許容しうる塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ化合物、水和物及び溶媒和物に関する。
【0025】
詳細には、本発明は、各可変物の上述の定義を有するが、
ここで、Rが、
【0026】
【化3】

【0027】
から選択され、
が、Rの、式1で示される構造への結合点を表し、
が、メチルである、式1で示される化合物、ならびにその薬学的に許容しうる塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ化合物、水和物及び溶媒和物に関する。
【0028】
本発明は、更に、医薬組成物としての、各可変物の上述の定義を有する先の式1で示される化合物に関する。
【0029】
本発明は、更に、Syk酵素を阻害することにより処置される疾患の処置用の医薬を製造するための、各可変物の上述の定義を有する先の式1で示される化合物の使用に関する。
【0030】
別の好ましい態様において、本発明は、アレルギー性鼻炎、喘息、COPD、成人性呼吸促迫症候群、気管支炎、皮膚炎及び接触皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、アレルギー性鼻結膜炎、関節リウマチ、抗リン脂質症候群、ベルガー病、エバンス症候群、潰瘍性大腸炎、アレルギー抗体に基づく糸球体腎炎、顆粒球減少症、グッドパスチャー症候群、肝炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、過敏性血管炎、免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、川崎症候群、アレルギー性結膜炎、エリテマトーデス、好中球減少症、非家族性側索硬化症、クローン病、多発性硬化症、重症筋無力症、骨粗鬆症、骨溶解病、骨欠乏症、乾癬、シェーグレン症候群、強皮症、じんましん/血管性浮腫、ウェゲナー肉芽腫ならびにセリアック病から選択される疾患の処置用の医薬を製造するための、各可変物の上述の定義を有する先の式1で示される化合物の使用に関する。
【0031】
特に好ましい態様において、本発明は、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、成人性呼吸促迫症候群、気管支炎、アレルギー性皮膚炎、接触皮膚炎、特発性血小板減少性紫斑病、関節リウマチ及びアレルギー性鼻結膜炎から選択される疾患の処置用の医薬を製造するための、各可変物の上述の定義を有する先の式1で示される化合物の使用に関する。
【0032】
本発明は、特に、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎及び関節リウマチから選択される疾患の処置用の医薬を製造するための、各可変物の上述の定義を有する先の式1で示される化合物の使用に関する。
【0033】
更に本発明は、好ましくは、各可変物の上述の定義を有する式1で示される化合物を1種以上含む医薬配合剤に関する。
【0034】
本発明は、更に、β模倣薬、コルチコステロイド、PDE4阻害剤、EGFR阻害剤及びLTD4アンタゴニスト、CCR3阻害剤、iNOS阻害剤ならびに他のSYK阻害剤から選択される活性物質と併用される、各可変物の上述の定義を有する式1で示される化合物を1種以上含む医薬配合剤に関する。
【0035】
別の好ましい態様において、本発明は、
【0036】
【化4】

【0037】
から選択される、先の式1で示される化合物の製造における以下の中間体、ならびにその薬学的に許容しうる塩、ジアステレオマー、鏡像異性体、ラセミ化合物、水和物及び溶媒和物に関する。
【0038】
3.用いられる用語及び定義
【0039】
他に断りがなければ、置換基は全て、互いに独立している。例えば、複数のC1〜6−アルキル基が、ある基で可能な置換基であれば、置換基3個の場合には、例えば、C1〜6−アルキルは互いに独立して、メチル、n−プロピル及びtert−ブチルを表すことができる。
【0040】
本願の範囲内の可能な置換基の定義において、これらは、構造式として表してもよい。置換基の構造式内のアスタリスク()は、分子の残り部分への結合点であると理解されたい。更に結合点に続く置換基の原子は、1位にある原子と理解されたい。つまり、例えば基N−ピペリジニル(I)、4−ピペリジニル(II)、2−トリル(III)、3−トリル(IV)及び4−トリル(V)は、以下:
【0041】
【化5】


のとおり表される。
【0042】
置換基の構造式内にアスタリスク()がない場合、各水素原子は置換基から除去されていてもよく、つまり開放された原子価は、分子の残り部分への結合部位として働いてもよい。つまり例えばVI:
【0043】
【化6】

【0044】
は、2−トリル、3−トリル、4−トリル及びベンジルを表してもよい。
【0045】
本願の範囲内では、の代わりにXも、基Rの、式1で示される構造への結合点であると理解され、そしてXも、基Rの、式1で示される構造への結合点であると理解される。
【0046】
用語「C1〜6−アルキル」(他の基の一部であるそれらを含む)は、炭素原子が1〜6個の分枝状及び非分枝状アルキル基を意味し、そして用語「C1〜3−アルキル」は、炭素原子が1〜3個の分枝状及び非分枝状アルキル基を意味する。したがってC1〜4−アルキルは、炭素原子が1〜4個の分枝状及び非分枝状アルキル基を表す。炭素原子が1〜4個のアルキル基が、好ましい。これらの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル又はヘキシルが挙げられる。略語Me、Et、n−Pr、i−Pr、n−Bu,i−Bu、t−Buなどを、場合により上述の基に用いてもよい。他に断りがなければ、定義プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシルは、該当する基の可能な異性体形態を全て包含する。つまり、例えばプロピルは、n−プロピル及びイソプロピルを包含し、ブチルは、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチルなどを包含する。
【0047】
用語「C1〜6−アルキレン」(他の基の一部であるそれらを含む)は、炭素原子が1〜6個の分枝状及び非分枝状アルキレン基を意味し、そして用語「C1〜4−アルキレン」は、炭素原子が1〜4個の分枝状及び非分枝状アルキレン基を意味する。炭素原子が1〜4個のアルキレン基が、好ましい。これらの例としては、メチレン、エチレン、プロピレン、1−メチルエチレン、ブチレン、1−メチルプロピレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、ペンチレン、1,1−ジメチルプロピレン、2,2−ジメチルプロピレン、1,2−ジメチルプロピレン、1,3−ジメチルプロピレン又はヘキシレンが挙げられる。他に断りがなければ、定義プロピレン、ブチレン、ペンチレン及びへキシレンは、炭素数が同じである該当する基の可能な異性体形態を全て包含する。つまり、例えばプロピレンは、1−メチルエチレンも包含し、そしてブチレンは、1−メチルプロピレン、1,1−ジメチルエチレン、1,2−ジメチルエチレンを包含する。
【0048】
アルキレン鎖の炭素原子1又は2個と一緒になって炭素原子が3、5又は6個の炭素環を形成している基により、炭素鎖が置換されている場合、これは中でも、以下の環の例:
【0049】
【化7】


を包含する。
【0050】
用語「C2〜6−アルケニル」(他の基の一部であるそれらを含む)は、炭素原子が2〜6個の分枝状及び非分枝状アルケニル基を意味し、そして用語「C2〜4−アルケニル」は、炭素原子が2〜4個の分枝状及び非分枝状アルケニル基を意味するが、但し、それらが二重結合を少なくとも1個有することが条件である。炭素原子が2〜4個のアルケニル基が、好ましい。例としては、エテニルもしくはビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル又はヘキセニルが挙げられる。他に断りがなければ、定義プロペニル、ブテニル、ペンテニル及びへキセニルは、該当する基の可能な異性体形態を全て包含する。つまり、例えばプロペニルは、1−プロペニル及び2−プロペニルを包含し、そしてブテニルは、1−、2−及び3−ブテニル、1−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニルなどを包含する。
【0051】
用語「C2〜6−アルケニレン」(他の基の一部であるそれらを含む)は、炭素原子が2〜6個の分枝状及び非分枝状アルケニレン基を意味し、そして用語「C2〜4−アルケニレン」は、炭素原子が2〜4個の分枝状及び非分枝状アルケニレン基を意味する。炭素原子が2〜4個のアルケニレン基が、好ましい。これらの例としては、エテニレン、プロペニレン、1−メチルエテニレン、ブテニレン、1−メチルプロペニレン、1,1−ジメチルエテニレン、1,2−ジメチレンエテニレン、ペンテニレン、1,1−ジメチルプロペニレン、2,2−ジメチルプロペニレン、1,2−ジメチルプロペニレン、1,3−ジメチルプロペニレン又はヘキセニレンが挙げられる。他に断りがなければ、定義プロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン及びへキセニレンは、炭素数が同じである該当する基の可能な異性体形態を全て包含する。つまり、例えばプロペニレンは、1−メチルエテニレンも包含し、そしてブテニレンは、1−メチルプロペニレン、1,1−ジメチルエテニレン、1,2−ジメチルエテニレンを包含する。
【0052】
用語「C2〜6−アルキニル」(他の基の一部であるそれらを含む)は、炭素原子が2〜6個の分枝状及び非分枝状アルキニル基を意味し、そして用語「C2〜4−アルキニル」は、炭素原子が2〜4個の分枝状及び非分枝状アルキニル基を意味するが、但し、それらが三重結合を少なくとも1個有することが条件である。炭素原子が2〜4個のアルキニル基が、好ましい。例としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル又はヘキシニルが挙げられる。他に断りがなければ、定義プロピニル、ブチニル、ペンチニル及びへキシニルは、該当する基の可能な異性体形態を全て包含する。つまり、例えばプロピニルは、1−プロピニル及び2−プロピニルを包含し、ブチニルは、1,2−及び3−ブチニル、1−メチル−1−プロピニル、1−メチル−2−プロピニルなどを包含する。
【0053】
用語「C2〜6−アルキニレン」(他の基の一部であるそれらを含む)は、炭素原子が2〜6個の分枝状及び非分枝状アルキニレン基を意味し、そして用語「C2〜4−アルキニレン」は、炭素原子が2〜4個の分枝状及び非分枝状アルキニレン基を意味する。好ましいのは、炭素原子が2〜4個のアルキニレン基である。例としては、エチニレン、プロピニレン、1−メチルエチニレン、ブチニレン、1−メチルプロピニレン、1,1−ジメチルエチニレン、1,2−ジメチレンエチニレン、ペンチニレン、1,1−ジメチルプロピニレン、2,2−ジメチルプロピニレン、1,2−ジメチルプロピニレン、1,3−ジメチルプロピニレン又はヘキシニレンが挙げられる。他に断りがなければ、定義プロピニレン、ブチニレン、ペンチニレン及びへキシニレンは、炭素数が同じである該当する基の可能な異性体形態を全て包含する。つまり、例えばプロピニレンは、1−メチルエチニレンも包含し、そしてブチニレンは、1−メチルプロピニレン、1,1−ジメチルエチニレン、1,2−ジメチルエチニレンを包含する。
【0054】
用語「アリール」(他の基の一部であるそれらを含む)は、炭素原子が6〜10個の芳香族環系を意味する。例としては、フェニル又はナフチルが挙げられ、好ましいアリール基は、フェニルである。他に断りがなければ、芳香族基は、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択される基1個以上により置換されていてもよい。
【0055】
用語「アリール−C1〜6−アルキレン」(他の基の一部であるそれらを含む)は、炭素原子が6〜10個の芳香族環系により置換されている、炭素原子が1〜6個の分枝状及び非分枝状アルキレン基を意味する。例としては、ベンジル、1−もしくは2−フェニルエチル又は1−もしくは2−ナフチルエチルが挙げられる。他に断りがなければ、芳香族基は、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択される基1個以上により置換されていてもよい。
【0056】
「アリール−C1〜6−アルキレン」に既に含まれるが、用語「ヘテロアリール−C1〜6−アルキレン」(他の基の一部であるそれらを含む)は、ヘテロアリールにより置換されている、炭素原子が1〜6個の分枝状及び非分枝状アルキレン基を意味する。
【0057】
この種のヘテロアリールは、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1、2、3又は4個含んでいてもよく、そして芳香族系を形成するほど多くの共役二重結合を含んでいてもよい、5もしくは6員複素環式芳香族基又は5〜10員二環式ヘテロアリール環を包含する。以下のものは、5もしくは6員複素環式芳香族基又は二環式ヘテロアリール環の例である。
【0058】
【化8】

【0059】
他に断りがなければ、これらのヘテロアリールは、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択される基1個以上により置換されていてもよい。
【0060】
以下のものは、ヘテロアリールC1〜6−アルキレンの例である。
【0061】
【化9】

【0062】
用語「C1〜6−ハロアルキル」(他の基の一部であるそれらを含む)は、ハロゲン原子1個以上により置換されている、炭素原子が1〜6個の分枝状及び非分枝状アルキル基を意味する。用語「C1〜4−ハロアルキル」は、ハロゲン原子1個以上により置換されている、炭素原子が1〜4個の分枝状及び非分枝状アルキル基を意味する。炭素原子が1〜4個のアルキル基が、好ましい。例としては、CF、CHF、CHF、CHCFが挙げられる。
【0063】
用語「C3〜7−シクロアルキル」(他の基の一部であるそれらを含む)は、炭素原子が3〜7個の環状アルキル基を意味する。例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルが挙げられる。他に断りがなければ、環状アルキル基は、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、ヒドロキシ、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択される基1個以上により置換されていてもよい。
【0064】
用語「C3〜10−シクロアルキル」は、炭素原子が3〜7個の単環式アルキル基及び炭素原子が7〜10個の二環式アルキル基、又は少なくとも1個のC1〜3−炭素架橋により架橋されている単環式アルキル基を意味する。
【0065】
用語「複素環」又は「ヘテロシクリル」は、他に断りがなければ、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1、2又は3個含んでいてもよい5、6又は7員飽和、部分飽和又は不飽和複素環を意味し、その一方で、1個存在するならば、該環は、炭素原子を介して、又は窒素原子を介して分子に結合していてもよい。用語「複素環」又は「ヘテロシクリル」に含まれるが、用語「飽和複素環」は、5、6又は7員飽和環を指す。例としては、
【0066】
【化10】

【0067】
が挙げられる。
【0068】
用語「複素環」又は「複素環基」に含まれるが、用語「部分飽和複素環基」は、二重結合を1又は2個含み、芳香族系を形成するほど多くの二重結合が生成されていない、5、6又は7員部分飽和環を指す。例としては、
【0069】
【化11】

【0070】
が挙げられる。
【0071】
用語「複素環」又は「ヘテロシクリル」に含まれるが、用語「複素環式芳香族環」、「不飽和複素環基」又は「ヘテロアリール」は、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1、2、3又は4個含んでいてもよく、そして芳香族系を形成するほど多くの共役二重結合を含む、5もしくは6員複素環式芳香族基又は5〜10員二環式ヘテロアリール環を指す。5又は6員複素環式芳香族基の例としては、
【0072】
【化12】

【0073】
が挙げられる。
【0074】
他に断りがなければ、複素環(又はヘテロシクリル)は、ケト基が備わっていてもよい。例としては、
【0075】
【化13】

【0076】
が挙げられる。
【0077】
用語「シクロアルキル」に包含されるが、用語「二環式シクロアルキル」は、一般に8、9又は10員二環式炭素環を表す。例としては、
【0078】
【化14】

【0079】
が挙げられる。
【0080】
用語「複素環」に既に含まれるが、用語「二環式複素環」は、一般に、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1個以上、好ましくは1〜4個、より好ましくは1〜3個、更により好ましくは1〜2個、特に1個含んでいてもよい8、9又は10員二環を表す。該環は、1個存在するならば、環の炭素原子を介して、又は環の窒素原子を介して分子に結合していてもよい。例としては、
【0081】
【化15】

【0082】
が挙げられる。
【0083】
用語「アリール」に既に含まれるが、用語「二環式アリール」は、芳香族系を形成するのに十分な共役二重結合を含む5〜10員二環式アリール環を表す。二環式アリールの一例は、ナフチルである。
【0084】
「ヘテロアリール」に既に含まれるが、用語「二環式ヘテロアリール」は、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1、2、3又は4個含んでいてもよく、そして芳香族系を形成するのに十分な共役二重結合を含む5〜10員二環式ヘテロアリール環を表す。
【0085】
用語「二環式シクロアルキル」又は「二環式アリール」に既に含まれるが、用語「縮合シクロアルキル」又は「縮合アリール」は、環を仕切る架橋が直接単結合を表す、二環式環を表す。以下のものは、縮合二環式シクロアルキルの例である。
【0086】
【化16】

【0087】
用語「二環式複素環」又は「二環式ヘテロアリール」に含まれるが、用語「縮合二環式複素環」又は「縮合二環式ヘテロアリール」は、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1、2、3又は4個含む二環式5〜10員ヘテロ環を表し、ここで環を仕切る架橋は、直接単結合を表す。「縮合二環式ヘテロアリール」は、更に、芳香族系を形成するのに十分な共役二重結合を含む。例としては、ピロリジン、インドール、インドリジン、イソインドール、インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾフラン、ベンゾピラン、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ピリドピリミジン、プテリジン、ピリミドピリミジンが挙げられる。
【0088】
【化17】

【0089】
用語「スピロ基」(スピロ)は、酸素、硫黄及び窒素から選択されるヘテロ原子1、2又は3個を場合により含んでいてもよい5〜10員スピロ環を意味し、ここで、該環は、炭素原子を介して、又は利用できるなら窒素原子を介して分子に結合していてもよい。他に断りがなければ、スピロ環は、オキソ、メチル又はエチル基が備わってもよい。この例としては、
【0090】
【化18】

【0091】
が挙げられる。
【0092】
本発明の範囲内の「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を表す。相反することが記載されない限りは、フッ素、塩素及び臭素が、好ましいハロゲンとみなされる。
【0093】
一般式1で示される化合物は、酸性基、主にカルボキシル基、及び/又は塩基性基、例えばアミノ官能基を有していてもよい。それゆえ一般式1で示される化合物は、内部塩として、薬学的に使用しうる無機酸、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、スルホン酸、もしくは有機酸(例えば、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸又は酢酸)との塩として、又は薬学的に使用しうる塩基、例えば、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物もしくは炭酸塩、水酸化亜鉛もしくはアンモニウムとの塩として、又はとりわけ有機アミン、例えば、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、として存在してもよい。
【0094】
先に述べられたとおり、式1で示される化合物を、その塩へ、特に薬学的使用のために生理学的及び薬理学的に許容しうるその塩へ変換してもよい。これらの塩は、一方では、式1で示される化合物の、無機又は有機酸との生理学的及び薬理学的に許容しうる酸付加塩として存在してもよい。他方では、Rが水素である式1で示される化合物を、無機塩基との反応により、アルカリ又はアルカリ土類金属カチオンを対イオンとして含む生理学的及び薬理学的に許容しうる塩へ変換してもよい。酸付加塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、フマル酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸又はマレイン酸を用いて製造してもよい。上述の酸の混合物を使用することもできる。Rが水素を表す式1で示される化合物のアルカリ及びアルカリ土類金属塩を製造するためには、アルカリ及びアルカリ土類金属水酸化物及び水和物を使用することが好ましく、そのうちアルカリ金属、特にナトリウム及びカリウムの水酸化物及び水和物が好ましく、水酸化ナトリウム及びカリウムが特に好ましい。
【0095】
一般式1で示される化合物を、場合により、その塩へ、特に薬学的使用のために無機酸又は有機酸との薬理学的に許容しうる酸付加塩へ変換してもよい。この目的に適した酸の例としては、コハク酸、臭化水素酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、乳酸、リン酸、塩酸、硫酸、酒石酸又はクエン酸が挙げられる。上述の酸の混合物を使用することもできる。
【0096】
本発明は、場合により個々の光学異性体、個々の鏡像異性体の混合物又はラセミ化合物の形態、互変異性体の形態、ならびに遊離塩基、又は薬理学的に許容しうる酸との対応する酸付加塩の形態、例えば、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸又は臭化水素酸)又は有機酸(例えば、シュウ酸、フマル酸、ジグリコール酸又はメタンスルホン酸)との酸付加塩の形態の、該当する化合物に関する。
【0097】
本発明の化合物は、場合によりラセミ化合物として存在してもいが、純粋な鏡像異性体として、即ち、(R)又は(S)形態で得てもよい。
【0098】
本発明は、場合により個々の光学異性体、ジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、個々の鏡像異性体の混合物又はラセミ化合物の形態、互変異性体の形態、ならびに遊離塩基、又は薬理学的に許容しうる酸との対応する酸付加塩の形態、例えば、ハロゲン化水素酸(例えば、塩酸又は臭化水素酸)又は有機酸(例えば、シュウ酸、フマル酸、ジグリコール酸又はメタンスルホン酸)との酸付加塩の形態の、該当する化合物に関する。
【0099】
本発明は、薬理学的に許容しうる塩の形態の式1で示される各化合物に関する。式1で示される化合物のこれらの薬理学的に許容しうる塩は、それらの各水和物の形態(例えば、一水和物、二水和物など)ならびにそれらの各溶媒和物の形態で存在してもよい。式1で示される化合物の水和物は、本発明の目的では、結晶化の水を含む式1で示される化合物の結晶塩を意味する。
【0100】
式1で示される化合物の溶媒和物は、本発明の目的では、結晶格子内に溶媒分子(例えば、エタノール、メタノールなど)を含む、式1で示される化合物の結晶塩を意味する。
【0101】
当業者は、水和物及び溶媒和物を得る標準法(例えば、対応する溶媒又は水からの再結晶)に通じている。
【0102】
4.製造の方法
【0103】
請求された化合物1は、公知の方法(例えば、WO03/057695)により製造してもよい。本発明の例を、スキーム1により製造した。
【0104】
【化19】

【0105】
(式中、Xは、脱離基、例えばCl又はトリフラートであり、
Yは、−H、−MgBr、−B(OH)であり、そして
及びRは、本明細書の先に定義されたとおりである)
【0106】
場合により、基R又はRを、次に例えば還元アミノ化又はアミド結合により変換してもよい。
【0107】
4.1 中間体生成物
【0108】
4.1.1 スキーム1からの化合物4の合成(ベンゾニトリル誘導体)
【0109】
4−ジメチルアミノ−3−メチル−ベンゾトリル(4.1)の合成
【0110】
【化20】

【0111】
ジメチルアミン11.0g(242mmol)を、ジメチルスルホキシド100mlに溶解度限界まで供給し、その後、炭酸カリウム22.0g(156mmol)及び4−フルオロ−3−メチル−ベンゾニトリル10.0g(74mmol)を添加した。反応混合物を60℃で4時間撹拌し、その後、大型加圧フラスコへ移し入れて、別のジメチルアミン9.0g(198mmol)を供給した。反応混合物を85℃で一晩撹拌した。
更なるジメチルアミン10.0g(220mmol)を供給し、その後、混合物を85℃で4時間、そして110℃で一晩撹拌した。
冷水500mlを反応混合物に添加し、その後、酢酸エチル250mlで3回抽出して、有機相を乾燥させてろ過し、そして溶媒をろ液から排出した。
収量:12.0g(75mmol=理論値の101%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:0.94分、(M+H):161
【0112】
4.1.2 R誘導体の合成(アミン誘導体)
【0113】
4−(2−アミノエチル)−3−ヒドロキシ−1H−ピラゾールの合成(実施例8のため)
【0114】
【化21】

【0115】
4−(2−アミノエチル)−3−ヒドロキシ−1H−ピラゾールを、以下の方法により製造した:
Kralj, David; Groselj, Uros; Meden, Anton; Dahmann, Georg; Stanovnik, Branko; Svete, Jurij. A simple synthesis of 4-(2-aminoethyl)-5-hydroxy-1H-pyrazoles. Tetrahedron (2007), 63 (45), 11213-11222。
【0116】
tert−ブチル 4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピラゾール−1−カルボキシラートの合成(実施例12のため)
【0117】
【化22】

【0118】
2−(1H−ピラゾール−4−イル)−エタノール1.10g(9,81mmol)、4−ジメチルアミノピリジン0.20g(1.64mmol)及びトリエチルアミン1.50ml(10.3mmol)を、ジクロロメタン30mlに加え、反応混合物を0℃に冷却して、炭酸tert−ブチル2.20g(9.88mmol)を緩やかに添加した。混合物を周囲温度で2時間、その後、周囲温度で一晩撹拌した。それをジクロロメタン50mlで希釈して、10%クエン酸溶液及び15%炭酸カリウム溶液で洗浄し、有機相を乾燥させ、ろ過して、溶媒をろ液から排出した。
収量:2.00g(9.42mmol=理論値の96%)
【0119】
4.2. スキーム1の反応1:式5で示される化合物の合成
【0120】
7−(4−ジメチルアミノ−3−メチルフェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−オール(5.1)の合成
【0121】
【化23】

【0122】
反応は、アルゴン雰囲気下で実施した。
2-メチルニコチン酸4.40g(31mmol)を、テトラヒドロフラン75mlに懸濁させて、混合物を−80℃に冷却した。リチウムジイソプロピルアミド49ml(98mmol)(テトラヒドロフラン中に2.0mol/l)を30分以内で滴下し、混合物を−60℃で2時間撹拌した。
その後、−60℃で、テトラヒドロフラン中の4−ジメチルアミノ−3−メチルベンゾニトリル5.0g(31mmol)の溶液を、再度30分以内で滴下した。その後、反応混合物を0℃で4時間撹拌した。
懸濁液を水100mlと混和し、溶媒を留去した。水性残渣を酢酸エチル20mlと混合して20分間撹拌し、その後、沈殿を吸引ろ過して乾燥させた。
収量:3.0g(10.70mmol=理論値の34%)
分析:HPLC(方法D):R:0.96分、ESI−MS(M+H):280
【0123】
4.3. スキーム1の反応2:式6で示される化合物の合成
【0124】
4.3.1 5−クロロ−7−(4−ジメチルアミノ−3−メチルフェニル)−[1,6]ナフチリジン(6.1)の合成
【0125】
【化24】

【0126】
5.1 3.0g(10.7mmol)及びN,N−ジエチルアニリン0.50ml(2.3mmol)を、オキシ塩化リン25ml(272mmol)中で115℃で1時間撹拌した。
反応混合物を蒸発させて、残渣を水約50mlと混合して、NaHCO溶液で中和して、ジクロロメタンで抽出した。有機相をMgSOで乾燥させ、蒸発させた。
収量:1.90g油状物(4.7mmol=理論値の44%)
分析:HPLC(方法D):R:1.25分、ESI−MS(M+H):298/300(Cl)
【0127】
4.3.2. 7−(4−ジメチルアミノ−3−メチルフェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル−トリフルオロメタンスルホン酸エステル(6.2)の合成
【0128】
【化25】

【0129】
トリフルオロメタンスルホン酸無水物2.2mL(12mmol)を、ジクロロメタン25mLに加え、氷で冷却しながら、ピリジン1.1ml(13mmol)及びジクロロメタン25mLに溶解した5.1 3.40g(12mmol)を滴下した。この添加の後、反応混合物を周囲温度まで加熱して、25℃で一晩撹拌した。
その後、別のトリフルオロメタンスルホン酸無水物1.5ml及びピリジン3mLを添加した。1時間後に、混合物を冷水100mLで希釈して、有機相をNaCl溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、蒸発させた。残渣をトルエンに更に2回取り出し、その後、蒸発させた。
収量:4.70g(8.4mmol=理論値の69%)
分析:HPLC(方法D):R:1.40分、ESI−MS(M+H):412
【0130】
4.4. スキーム1の反応3(式1の実施例の合成)
【0131】
実施例1+2:
シス及びトランス5−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−7−(4−ジメチルアミノ−3−メチルフェニル)−[1,6]ナフチリジン
【0132】
【化26】

【0133】
シクロヘキサンジオール200mg(1.7mmol)を、ジメチルアセトアミド1.5mlに加え、水素化ナトリウム47mg(1.17mmol)(60%)を添加して、混合物を周囲温度で15分間撹拌した。その後、6.1を100mg(0.31mmol)添加して、混合物を70℃で2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタンで希釈して、水で1回抽出した。有機相をMgSOで乾燥させて、蒸発させた。残渣をクロマトグラフィー(RP−HPLC−MS)により精製した。対応する分画を凍結乾燥させた。
収量 実施例1:9mg(0.018mmol=理論値の5.5%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.13分、(M+H):378
収量 実施例2:42mg(0.085mmol=理論値の25%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.15分、(M+H):378
【0134】
実施例7は、実施例1+2と同様に製造した。
【0135】
実施例3:
5−(アミノメチルピロリジン−1−イル)−7−(4−ジメチルアミノ−3−メチルフェニル)−[1,6]ナフチリジン
【0136】
【化27】

【0137】
100mg(0.37mmol)の6.1を(R)−3−N−tert−ブチルオキシカルボニルアミノメチルピロリジン210mg(1.04mmol)と共に100℃で60分間撹拌した。トリフルオロ酢酸1ml及びアセトニトリルを混合物に添加して、それを50℃で30分間撹拌した。それをアセトニトリル/水で希釈して、クロマトグラフィー(RP−HPLC−MS)により精製した。対応する分画を凍結乾燥させた。
収量:120mg(0.33mmol=理論値の99%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.00分、(M+H):362
【0138】
実施例4
5−(ピロリジン−3−イル−メトキシ)−7−(4−ジメチルアミノ−3−メチルフェニル)−[1,6]ナフチリジン
【0139】
【化28】

【0140】
tert−ブチル(S)−3−ヒドロキシメチルピロリジンカルボキシラート118mg(0.59mmol)及び水素化ナトリウム23.5mg(0.59mmol)(60%)を、ジメチルアセトアミド0.5mlに加えて、周囲温度で15分間撹拌した。その後、6.1を70mg(0.24mmol)添加して、混合物を70℃で2時間撹拌した。
トリフルオロ酢酸1mLを添加して、混合物を25℃で2日間撹拌した。反応混合物をクロマトグラフィー(RP−HPLC−MS)により精製した。対応する分画を凍結乾燥させた。
収量:110mg(0.23mmol=理論値の98%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.05分、(M+H):363
【0141】
次の化合物は実施例4と同様にして得た:実施例14、15、18、19。
【0142】
実施例6:
5−(3−ピラゾリル−エチルアミノ)−7−(4−ジメチルアミノ−3−メチルフェニル)−[1,6]ナフチリジン
【0143】
【化29】

【0144】
6.2 100mg(0.18mml)、2−(1H−ピラゾール−4−イル)エチルアミノ二塩酸塩65mg(0.35mmol)及びジイソプロピルエチルアミン120μl(0.71mmol)を、ジメチルアセトアミド0.5mlと共に80℃で2時間撹拌した。
混合物をクロマトグラフィー(RP−HPLC−MS)により精製した。対応する分画を凍結乾燥させた。
収量:70.00mg(0.14mmol=理論値の81%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.05分、(M+H):373
【0145】
実施例8〜11、13、22、24〜30は、実施例6と同様にして得た。
【0146】
実施例12:5−(4−ヒドロキシエチル−ピラゾリル)−7−(4−ジメチルアミノ−3−メチルフェニル)−[1,6]ナフチリジン
【0147】
【化30】

【0148】
tert−ブチル4−(2−ヒドロキシ−エチル)−ピラゾール−1−カルボキシラート110mg(0.49mmol)を、ジメチルアセトアミド0.5mlに溶解し、NaH(55%)22mg(0.5mmol)を添加して、混合物を15分間撹拌した。その後、6.1を100mg(0.34mmol)添加して、混合物を50℃で1時間撹拌した。
混合物をアセトニトリル、水及びトリフルオロ酢酸で希釈して、クロマトグラフィー(RP−HPLC)により精製した。
収量:50mg(0.11mmol=理論値の31%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.45分、(M+H):474
tert−ブチル−2−{1−[7−(4−ジメチルアミノ−3−メチル−フェニル)−[1,6]ナフチリジン−5−イル]−1H−ピラゾール−4−イル}−カルボナート 50mg(0.11mmol)を、ジオキサン塩酸2ml(8mmol)(4mol/l)に溶解して、50℃で2時間撹拌した。反応混合物を蒸発させて、残渣をクロマトグラフィー(RP−HPLC−MS)により精製し、対応する分画を凍結乾燥させた。
収量:30mg(0.08mmol=理論値の76%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.17分、(M+H):374
【0149】
実施例17:
5−メトキシ−7−(4−ジメチルアミノ−3−メチルフェニル)−[1,6]ナフチリジン
【0150】
【化31】

【0151】
100mg(0.31mmol)の6.1をジメチルアセトアミド0.5mlに加え、その後、ナトリウムメトキシド60mg(1.1mmol)を添加した。反応混合物を50℃で1時間撹拌した。混合物をクロマトグラフィー(RP−HPLC−MS)により精製して、対応する分画を凍結乾燥させた。
収量:120mg(0.29mmol=理論値の88%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.14分、(M+H):294
【0152】
実施例20
5−(シクロプロピルアミノ)−7−(4−ジメチルアミノ−3−メチルフェニル)−[1,6]ナフチリジン
【0153】
【化32】

【0154】
6.1 100mg(0.34mmol)、シクロプロピルアミン75μL(1.07mmol)を、ジメチルホルムアミド500μlに溶解して、100℃で一晩撹拌した。混合物をアセトニトリル/水及びトリフルオロ酢酸と混和して、クロマトグラフィー(RP−HPLC)により精製した。対応する分画を凍結乾燥させた。
収量:40mg(0.131mmol=理論値の40%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.07分、(M+H):319
【0155】
実施例5及び16は、実施例20と同様にして得た。
【0156】
実施例21:
5−(ピロリジン−2−オン−4−イル−メチルヒドロキシ)−7−(4−ジメチルアミノ−3−メチルフェニル)−[1,6]ナフチリジン
【0157】
【化33】

【0158】
4−ヒドロキシメチルピロリジン−2−オン45mg(0.38mmol)を、ジメチルアセトアミド1mlに加え、水素化ナトリウム16mg(0.29mmol)(60%)を添加して、混合物を周囲温度で15分間撹拌した。その後、6.1を100mg(0.34mmol)添加して、混合物を50℃で2時間、そして25℃で一晩撹拌した。反応混合物をクロマトグラフィー(RP−HPLC−MS)により精製した。対応する分画を凍結乾燥させた。
収量 120mg(0.32mmol=理論値の95%)
分析:HPLC−MS(方法D):R:1.09分、(M+H):377
【0159】
実施例23は、実施例21と同様にして得た。
【0160】
4.5 クロマトグラフィー法(HPLC−MS法)
【0161】
上記合成スキームにより製造された実施例の化合物を、以下のクロマトグラフィー法により特徴づけ、実施されたものを、表1にそれぞれ明記した。
【0162】
方法D
【0163】
Waters ZMD、Alliance 2690/2695 HPLC、Wates 996/2996ダイオードアレイ検出器
【0164】
用いた移動相、
A:0.10%TFAを含む水
B:0.10%TFAを含むアセトニトリル
【0165】
時間(分) %A %B 流速(ml/分)
0.00 95 5 2.80
0.30 95 5 2.80
1.60 2 98 2.80
1.90 2 98 2.80
2.00 95 5 2.50
用いられた固定相は、Merk Chromolith(商標)Flash RP-18eカラム、3mm×100mm(カラム温度:一定に25℃)
【0166】
ダイオードアレイ検出は、210〜400nmの波長範囲で実施した。
【0167】
5. 実施例
以下の実施例は、先に記載された合成方法と同様にして製造した(表1の表示と同様)。これらの化合物は、SYK阻害剤として適しており、1μmol以下のIC50値を有する。各実施例の物質1μMでの阻害剤(%)を、以下の実施例の表に示すが、それは以下のとおり測定した。
【0168】
Sykキナーゼ検査
ヒト組換えSykを、N−末端GSTタグを含む融合タンパク質として発現させて、アフィニティー精製を行い、使用するまで、検査緩衝液(25mM HEPES pH7.5;25mM MgCl;5mM MnCl;50mM KCl;0.2%BSA;0.01% CHAPS;100μM NaVO;0.5mM DTT)及び10%グリセロール中、約50〜100μMの濃度で−80℃で急速冷凍した。GST−Sykキナーゼ融合タンパク質の触媒活性を、Messrs PromegaのKinase Glo(登録商標)Luminescence Kinase検査を用いて測定した。この均一な検査では、キナーゼ反応を実施した後に残留するATPの量を、ルミネッセンスを用いたルシフェリン−ルシフェラーゼ反応により定量した。得られたルミネッセンスシグナルは、なおも存在するATPの量に相関しており、つまりプロテインキナーゼの活性と逆相関している。
【0169】
方法
検査物質を10mMの濃度で100%DMSOに溶解し、DMSOで1mMの濃度に希釈した。濃度が最終検査濃度(該物質の最終濃度:通常の場合30μM〜1nM)の7.5倍に至るまで、該物質の更なる希釈全てを、検査緩衝液中の7.5%DMSOで実施した。これらの希釈物のアリコット2μlを、384穴Optiplate(Perkin Elmer, #6007290)に移し入れた。GST−Sykを検査緩衝液に6.0nMに希釈して、この希釈物10μlをキナーゼ検査に用いた(Sykの最終濃度=総容量15μl中に4nM)。周囲温度で15分間インキュベーションした後、検査緩衝液中の750nM ATPと100μg/ml ポリ(L−グルタミン酸、L−チロシン4:1)、Fulka #81357)との混合物3μlを各ウェルに添加し、その後、インキュベーションを周囲温度で更に60分間継続した。
陽性対照は、検査物質を含まない反応混合物であり、陰性対照は、キナーゼを含まない反応混合物であった。
60分後に、Kinase-Glo(登録商標)溶液(Promega, Cat.# V6712)(周囲温度まで加熱)10μlを各ウェルに添加して、インキュベーションを周囲温度で更に15分間継続した。その後、プレートをMicroplate Scintillation and Luminescence Couter(PerkinElmer/Wallac: MicroBeta TRILUX 1450 LSC & Luminescence Counter)で読み取った。
【0170】
データの評価及び計算
「MicroBeta TRILUX」の出力ファイルは、ウェル番号及び得られた測定値を含むテキストファイルである。評価のために、陰性対照の測定値を100%阻害と設定し、陽性対照の測定値を0%阻害と設定した。その後、これから、各物質濃度の測定値ごとの%固有値を、「MS-Excel-VBマクロ」を用いて計算した。通常、計算された%阻害値は、100〜0%阻害であるが、個々の場合に、これらの限界を超えた値が生じてもよい。「GraphPadPrism」ソフトウエア(バージョン5)(GraphPad Software Inc.)を用いた%阻害値から、IC50値を計算した。
【0171】
表1:式1の実施例
【0172】
以下の性質を有する以下の式1の実施例:
【0173】
【化34】

【0174】
(式中、Xは、基Rが式1で示される構造に結合する点を表し、そしてXは、基Rが式1で示される構造に結合する点を表す)は、先に記載された合成方法により製造した。
【0175】
【表1】





【0176】
適応症
【0177】
見出されたとおり、式1で示される化合物は、治療分野の適用範囲を特徴とする。本発明の式1で示される化合物を、好ましくは医薬活性に基づいてSYK阻害剤として用いる適用例について、具体的に述べなければならない。例としては、呼吸器愁訴、アレルギー性疾患、骨粗鬆症、胃腸疾患又は愁訴、免疫又は自己免疫疾患、アレルギー性疾患、炎症性疾患(例えば、関節、皮膚及び目の炎症性疾患)ならびに末梢又は中枢神経系の疾患が挙げられる。
【0178】
気道の粘液産生の増加、炎症及び/又は閉塞性疾患を伴う呼吸管及び肺疾患の予防及び治療について具体的に述べなければならない。これらの例としては、喘息、小児喘息、ARDS(成人性呼吸促迫症候群)、急性アレルギー性及び慢性気管支炎、慢性閉塞性気管支炎(COPD)(ライノウイルスに誘発された増悪の処置を含む)、咳、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎、アレルギー性鼻結膜炎、慢性鼻炎又は副鼻腔炎、アレルギー性肺胞炎、農夫肺、気道過敏性、感染性気管支炎又は肺炎、気管支拡張、肺線維症、気管支浮腫、肺浮腫、誤嚥、毒性ガスの吸入又は気管支炎などの様々な原因により引き起こされた肺炎又は間質性肺炎、心不全、放射能、化学療法、嚢胞性線維症又は膵嚢胞性線維症により引き起こされた肺炎又は間質性肺炎、α1−アンチトリプシン欠乏症が挙げられる。
【0179】
本発明の化合物は、好ましくはアレルギー性疾患(例えば、アレルギー性鼻炎、アレルギー性鼻結膜炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性皮膚炎及び接触皮膚炎、じんましん/血管性浮腫ならびにアレルギー性皮膚炎)の処置にも適している。
【0180】
好ましくは、胃腸管の炎症性疾患の処置についても、述べなければならない。これらの例は、クローン病及び潰瘍性大腸炎である。
【0181】
本発明の化合物は、好ましくは関節の炎症性疾患又は皮膚及び目の炎症性疾患の処置にも適している。これらの例は、関節リウマチ、抗体に基づく糸球体腎炎、乾癬、川崎症候群、セリアック病(脂肪便症)及びウェゲナー肉芽腫である。
【0182】
本発明の化合物は、好ましくは、自己免疫疾患の処置にも適している。これらの例は、肝炎(自己免疫性)、エリテマトーデス、抗リン脂質症候群、ベルガー病、エバンス症候群、免疫性溶血性貧血、ITP(特発性血小板減少性紫斑病、成人性、新生児性及び小児性)、重症筋無力症、シェーグレン症候群及び強皮症である。
【0183】
本発明の化合物は、好ましくは、B細胞リンパ腫の処置にも適している。
【0184】
好ましくは、末梢又は中枢神経系の疾患の予防及び治療についても述べなければならない。これらの例は、急性及び慢性多発性硬化症又は非家族性側索硬化症である。
【0185】
好ましくは、骨粗鬆性疾患、例えば疾患に関連する骨減少症、骨粗鬆症及び骨溶解病の予防及び治療についても述べなければならない。
【0186】
本発明は、特に好ましくは、喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、成人性呼吸促迫症候群、気管支炎、アレルギー性皮膚炎、接触皮膚炎、ITP、関節リウマチ及びアレルギー性鼻結膜炎から選択される疾患の処置用の医薬組成物を製造するための、式1で示される化合物の使用に関する。
【0187】
最も好ましくは、式1で示される化合物は、喘息、アレルギー性鼻炎、関節リウマチ、アレルギー性皮膚炎及びCOPDから選択される疾患の処置に用いてもよい。
【0188】
7. 併用
【0189】
式1で示される化合物は、単独で、又は本発明の他の式1で示される活性物質との併用で用いてもよい。式1で示される化合物は、場合により、他の薬理学的活性物質との併用で用いてもよい。好ましくは本明細書で用いられる活性物質は、例えば、β模倣薬、抗コリン作動薬、コルチコステロイド、PDE4阻害剤、LTD4アンタゴニスト、EGFR阻害剤、MRP4阻害剤、ドーパミンアゴニスト、H1抗ヒスタミン薬、PAFアンタゴニスト、iNOS阻害剤、PI3キナーゼ阻害剤、CCR3アンタゴニスト、CCR2アンタゴニスト、CCR1アンタゴニスト、IKK2阻害剤、A2aアゴニスト、α4−インテグリン阻害剤、CRTH2アンタゴニスト、ヒスタミン1、混合H1/H3アンタゴニスト、p38キナーゼ阻害剤、メチルキサンチン、ENaC阻害剤、CXCR1アンタゴニスト、CXCR2アンタゴニスト、ICE阻害剤、LTB4アンタゴニスト、5−LOアンタゴニスト、FLAPアンタゴニスト、LTB4アンタゴニスト;クロモグリシン、解離したグリココルチコイド模倣薬、抗TNF抗体、抗GM−CSF抗体、抗CD46抗体、抗IL−1抗体、抗IL−2抗体、抗IL−4抗体、抗IL−5抗体、抗IL−3抗体、抗IL−4/IL−13抗体、又はそれらの2種又は3種との併用、例えば、式1で示される化合物と、
・β模倣薬、コルチコステロイド、式1で示されるSYK阻害剤、EGFR阻害剤及びPDE4アンタゴニスト、
・抗コリン作動薬、β模倣薬、コルチコステロイド、式1で示されるSYK阻害剤、EGFR阻害剤及びPDE4アンタゴニスト、
・PDE4阻害剤、コルチコステロイド、EGFR阻害剤及び式1で示されるSYK阻害剤、
・EGFR阻害剤、PDE4阻害剤及び式1で示されるSYK阻害剤、
・EGFR阻害剤及び式1で示されるSYK阻害剤、
・式1で示されるSYK阻害剤、β模倣薬及び抗コリン作動薬、
・抗コリン作動薬、β模倣薬、コルチコステロイド、PDE4阻害剤及び式1で示されるSYK阻害剤、
から選択される化合物1種又は2種との併用から選択してもよい。上述の化合物の分類の一つからそれぞれ取り出した活性物質3種の併用も、本発明の目的である。
【0190】
用いられる適切なβ模倣薬は、好ましくは、場合によりラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態、そして場合により薬理学的に許容しうる酸付加塩、溶媒和物又は水和物の形態の、アルブテロール、バムブテロール、ビトルテロール、ブロキサテロール、カルブテロール、カルモテロール、インダカテロール、クレンブテロール、フェノテロール、ホルモテロール、アルフォルモテロール、ジンテロール、ヘキソプレナリン、イブテロール、イソエタリン、イソプレナリン、レボサルブタモール、マブテロール、メルアドリン、メタプロテレノール、オルシプレナリン、ピルブテロール、プロカテロール、レプロテロール、リミテロール、リトドリン、サルメテロール、サルメファモール、ソテレノール、スルホンテロール、チアラミド、テルブタリン、トルブテロール、CHF−1035、HOKU−81、KUL−1248、3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−ベンジル−スルホンアミド、5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オン、4−ヒドロキシ−7−[2−{[2−{[3−(2−フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル}エチル]−アミノ}エチル]−2(3H)−ベンゾチアゾロン、1−(2−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)−2−[4−(1−ベンゾイミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、1−[3−(4−メトキシベンジル−アミノ)−4−ヒドロキシフェニル]−2−[4−(1−ベンゾイミダゾリル)−2−メチル−2−ブチルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−メトキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−[3−(4−n−ブチルオキシフェニル)−2−メチル−2−プロピルアミノ]エタノール、1−[2H−5−ヒドロキシ−3−オキソ−4H−1,4−ベンゾキサジン−8−イル]−2−{4−[3−(4−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアゾール−3−イル]−2−メチル−2−ブチルアミノ}エタノール、5−ヒドロキシ−8−(1−ヒドロキシ−2−イソプロピルアミノブチル)−2H−1,4−ベンゾキサジン−3−(4H)−オン、1−(4−アミノ−3−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−2−tert−ブチルアミノ)エタノール、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(エチル4−フェノキシ−アセタート)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−フェノキシ−酢酸)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、8−{2−[1,1−ジメチル−2−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、8−{2−[2−(4−エチル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、8−{2−[2−(4−エトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、4−(4−{2−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−8−イル)−エチルアミノ]−2−メチル−プロピル}−フェノキシ)−酪酸、8−{2−[2−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン及び1−(4−エトキシ−カルボニルアミノ−3−シアノ−5−フルオロフェニル)−2−(tert−ブチルアミノ)エタノールから選択される化合物である。
【0191】
これらのβ模倣薬のうち、特に好ましい本発明の物質は、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマーの形態、そして場合により薬理学的に許容しうる酸付加塩、溶媒和物又は水和物の形態の、ホルモテロール、サルメテロール、3−(4−{6−[2−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−フェニル)−エチルアミノ]−ヘキシルオキシ}−ブチル)−ベンゼンスルホンアミド、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(エチル4−フェノキシ−アセタート)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−フェノキシ−酢酸)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、8−{2−[1,1−ジメチル−2−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、6−ヒドロキシ−8−{1−ヒドロキシ−2−[2−(4−イソプロピル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−エチル}−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、8−{2−[2−(4−エチル−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、8−{2−[2−(4−エトキシ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、4−(4−{2−[2−ヒドロキシ−2−(6−ヒドロキシ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−8−イル)−エチルアミノ]−2−メチル−プロピル}−フェノキシ)−酪酸、8−{2−[2−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−1,1−ジメチル−エチルアミノ]−1−ヒドロキシ−エチル}−6−ヒドロキシ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン及び5−[2−(5,6−ジエチル−インダン−2−イルアミノ)−1−ヒドロキシ−エチル]−8−ヒドロキシ−1H−キノリン−2−オンである。
【0192】
本発明によれば、β模倣薬の酸付加塩は、好ましくは、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロスルファート、ヒドロホスファート、ヒドロメタンスルホナート、ヒドロニトラート、ヒドロマレアート、ヒドロアセタート、ヒドロシトラート、ヒドロフマラート、ヒドロタルトラート、ヒドロオキサラート、ヒドロスクシナート、ヒドロベンゾアート及びヒドロ−p−トルエンスルホナートから、好ましくは塩酸塩、臭化水素酸塩、ヒドロスルファート、ヒドロホスファート、ヒドロフマラート及びヒドロメタンスルホナートから選択される。上述の酸付加塩のうち、塩酸、メタンスルホン酸、安息香酸及び酢酸の塩が、本発明によれば特に好ましい。
【0193】
用いられる抗コリン作動薬は、好ましくは、場合により溶媒和物又は水和物の形態の、チオトロピウム塩、オキシトロピウム塩、フルトロピウム塩、イプラトロピウム塩、グリコピロニウム塩、臭化アクリジニウム、トロスピウム塩、トレペノール2,2−ジフェニルプロピオナートメトブロミド、スコピン−2,2−ジフェニルプロピオナートメトブロミド、スコピン2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセタートメトブロミド、トロペノール2−フルオロ−2,2−ジフェニルアセタートメトブロミド、トロペノール3,3’,4,4’−テトラフルオロベンジラートメトブロミド、スコピン3,3’,4,4’−テトラフルオロベンジラートメトブロミド、トロペノール4,4’−ジフルオロベンジラートメトブロミド、スコピン4,4’−ジフルオロベンジラートメトブロミド、トロペノール3,3’−ジフルオロベンジラートメトブロミド、スコピン3,3’−ジフルオロベンジラートメトブロミド、トロペノール9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシラート−メトブロミド、トロペノール9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシラート−メトブロミド、スコピン9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシラート−メトブロミド、スコピン9−フルオロ−フルオレン−9−カルボキシラート−メトブロミド、トロペノール9−メチル−フルオレン−9−カルボキシラート−メトブロミド、スコピン9−メチル−フルオレン−9−カルボキシラート−メトブロミド、シクロプロピルトロピンベンジラートメトブロミド、シクロプロピルトロピン2,2−ジフェニルプロピオナートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシラートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9−メチル−フルオレン−9−カルボキシラートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9−メチル−キサンテン−9−カルボキシラートメトブロミド、シクロプロピルトロピン9−ヒドロキシ−フルオレン−9−カルボキシラートメトブロミド、メチルシクロプロピルトロピン4,4’−ジフルオロベンジラートメトブロミド、トロペノール9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシラートメトブロミド、スコピン9−ヒドロキシ−キサンテン−9−カルボキシラートメトブロミド、トロペノール9−メチル−キサンテン−9−カルボキシラートメトブロミド、スコピン9−メチル−キサンテン−9−カルボキシラートメトブロミド、トロペノール9−エチル−キサンテン−9−カルボキシラートメトブロミド、トロペノール9−ジフルオロメチル−キサンテン−9−カルボキシラートメトブロミド、スコピン9−ヒドロキシメチル−キサンテン−9−カルボキシラートメトブロミドから選択される化合物である。
【0194】
上述の塩において、チロトロピウムカチオン、オキシトロピウムカチオン、フルトロピウムカチオン、イプラトロピウムカチオン、グリコピロピウムカチオン、アクリジニウムカチオン及びトロスピウムカチオンは、薬理学的活性成分である。アニオンとしての上述の塩は、好ましくは、塩化物アニオン、臭化物アニオン、ヨウ化物アニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、硝酸アニオン、マレイン酸アニオン、酢酸アニオン、クエン酸アニオン、フマル酸アニオン、酒石酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、安息香酸アニオン又はp−トルエンスルホン酸アニオンを含んでいてもよいが、塩化物アニオン、臭化物アニオン、ヨウ化物アニオン、硫酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン又はp−トルエンスルホン酸アニオンが、対イオンとして好ましい。全ての塩のうち、塩化物塩、臭化物塩、ヨウ化物塩及びメタンスルホン酸塩が、特に好ましい。
【0195】
特に重要なのは、臭化チオトロピウムである。臭化チオロトピウムの場合、本発明の医薬混合物は、好ましくはそれを結晶性臭化チオロトピウム一水和物の形態で含み、それはWO02/30928から公知である。臭化チオロトピウムが本発明の医薬混合物において無水形態で用いられる場合、無水結晶性臭化チオロトピウムを用いることが好ましく、それはWO03/000265から公知である。
【0196】
本明細書で用いられるコルチコステロイドは、好ましくは、場合によりラセミ化合物、鏡像異性体又はジアステレオマーの形態、そして場合により塩、誘導体、溶媒和物及び/又は水和物の形態の、プレドニゾロン、プレドニゾン、ブチキソコルトプロピオナート、フルニソリド、ベクロメタゾン、トリアムシノロン、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、シクレゾニド、ロフレポニド、デキサメタゾン、ベタメタゾン、デフラザコルト、PRP−106541、NS−126、(S)−フルオロメチル6,9−ジフルオロ−17−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオナート及び(S)−(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3S−イル)6,9−ジフルオロ−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−17−プロピオニルオキシ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオナートから選択される化合物である。
【0197】
特に好ましくは、ステロイドは、場合によりラセミ化合物、鏡像異性体又はジアステレオマーの形態、そして場合により塩、誘導体、溶媒和物及び/又は水和物の形態の、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド及び(S)−フルオロメチル6,9−ジフルオロ−17−[(2−フラニルカルボニル)オキシ]−11−ヒドロキシ−16−メチル−3−オキソ−アンドロスタ−1,4−ジエン−17−カルボチオナートから選択される。
【0198】
ステロイドの任意の参照は、存在しうる任意のその塩又は誘導体、水和物又は溶媒和物の参照を含む。ステロイドの可能な塩及び誘導体の例は、そのアルカリ金属塩、例えばナトリウム塩又はカリウム塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、リン酸二水素塩、パルミチン酸塩、ピバリン酸塩又はフロ酸塩であってもよい。
【0199】
用いられうるPDE4阻害剤は、好ましくは、場合によりラセミ化合物、鏡像異性体又はジアステレオマーの形態、そして場合により薬理学的に許容しうる酸付加塩、溶媒和物及び/又は水和物の形態の、エンプロフィリン、テオフィリン、ロフルミラスト、アリフロ(シロミラスト)、トフィミラスト、プマフェントリン、リリミラスト、アロフィリン、アチゾラム、D−4396(Sch−351591)、AWD−12−281(GW−842470)、NCS−613、CDP−840、D−4418、PD−168787、T−440、T−2585、V−11294A、Cl−1018、CDC−801、CDC−3052、D−22888、YM−58997、Z−15370、N−(3,5−ジクロロ−1−オキソ−ピリジン−4−イル)−4−ジフルオロメトキシ−3−シクロプロピルメトキシベンゾアミド、(−)p−[(4aR,10bS)−9−エトキシ−1,2,3,4,4a,10b−ヘキサヒドロ−8−メトキシ−2−メチルベンゾ[s][1,6]ナフチリジン−6−イル]−N,N−ジイソプロピルベンゾアミド、(R)−(+)−1−(4−ブロモベンジル)−4−[(3−シクロペンチルオキシ)−4−メトキシフェニル]−2−ピロリドン、3−(シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)−1−(4−N’−[N−2−シアノ−S−メチルイソチオウレイド]ベンジル)−2−ピロリドン、シス[4−シアノ−4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)シクロヘキサン−1−カルボン酸]、2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン、シス[4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オール]、(R)−(+)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセタート、(S)−(−)−エチル[4−(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシフェニル)ピロリジン−2−イリデン]アセタート、9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(2−チエニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン及び9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(tert−ブチル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジンから選択される化合物である。
【0200】
特に好ましくは、PDE4阻害剤は、場合によりラセミ化合物、鏡像異性体又はジアステレオマーの形態、そして場合により薬理学的に許容しうる酸付加塩、溶媒和物及び/又は水和物の形態の、ロフルミラスト、アリフロ(シロミラスト)、アロフィリン、AWD−12−281(GW−842470)、2−カルボメトキシ−4−シアノ−4−(3−シクロプロピルメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オン、シス[4−シアノ−4−(3−シクロプロピメトキシ−4−ジフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−1−オール]、アチゾラム、Z−15370、9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(2−チエニル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジン及び9−シクロペンチル−5,6−ジヒドロ−7−エチル−3−(tert−ブチル)−9H−ピラゾロ[3,4−c]−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジンから選択される。
【0201】
上述のPDE4阻害が形成しうる薬学的に許容しうる酸との酸付加塩は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロスルファート、ヒドロホスファート、ヒドロメタンスルホナート、ヒドロニトラート、ヒドロマレアート、ヒドロアセタート、ヒドロベンゾアート、ヒドロシトラート、ヒドロフマラート、ヒドロタルトラート、ヒドロオキサラート、ヒドロスクシナート、ヒドロベンゾアート及びヒドロ−p−トルエンスルホナートから、好ましくは塩酸塩、臭化水素酸塩、ヒドロスルファート、ヒドロホスファート、ヒドロフマラート及びヒドロメタンスルホナートから選択される塩を意味する。
【0202】
用いられうるLTD4アンタゴニストは、好ましくは、場合によりラセミ化合物、鏡像異性体又はジアステレオマーの形態、場合により薬理学的に許容しうる酸付加塩の形態、そして場合により塩、誘導体、溶媒和物及び/又は水和物の形態の、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、MCC−847(ZD−3523)、MN−001、MEN−91507(LM−1507)、VUF−5078、VUF−K−8707、L−733321、1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン−酢酸、1−(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロ−チエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)−エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)メチル)シクロプロパン−酢酸及び[2−[[2−(4−tert−ブチル−2−チアゾリル]−5−ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸から選択される化合物である。
【0203】
特に好ましくは、LTD−4アンタゴニストは、場合によりラセミ化合物、鏡像異性体又はジアステレオマーの形態、場合により薬理学的に許容しうる酸付加塩の形態、そして場合により塩、誘導体、溶媒和物及び/又は水和物の形態の、モンテルカスト、プランルカスト、ザフィルルカスト、MCC−847(ZD−3523)、MN−001及びMEN−91507(LM−1507)から選択される。
【0204】
LTD4アンタゴニストが形成しうる薬学的に許容しうる酸との酸付加塩は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロスルファート、ヒドロホスファート、ヒドロメタンスルホナート、ヒドロニトラート、ヒドロマレアート、ヒドロアセタート、ヒドロベンゾアート、ヒドロシトラート、ヒドロフマラート、ヒドロタルトラート、ヒドロオキサラート、ヒドロスクシナート、ヒドロベンゾアート及びヒドロ−p−トルエンスルホナートから、好ましくは塩酸塩、臭化水素酸塩、ヒドロスルファート、ヒドロホスファート、ヒドロフマラート及びヒドロメタンスルホナートから選択される塩を意味する。LTD4アンタゴニストが形成しうる塩又は誘導体は、例えば、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩又はカリウム塩、アルカリ土類金属塩、スルホ安息香酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、リン酸二水素塩、パルミチン酸塩、ピバリン酸塩又はフロ酸塩であってもよい。
【0205】
用いられるEGFR阻害剤は、好ましくは、場合によりラセミ化合物、鏡像異性体又はジアステレオマーの形態、そして場合により薬理学的に許容しうる酸付加塩、溶媒和物及び/又は水和物の形態の、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジエチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニルエチル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(R)−2−メトキシメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]−アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[2−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル]−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニルエチル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−エチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニルエチル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−((R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−({4−[N−(テトラヒドロピラン−4−イル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロプロピルメトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N−(2−メトキシ−エチル)−N−メチル−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N−シクロプロピル−N−メチル−アミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−シクロペンチルオキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(R)−テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−((S)−テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6,7−ビス−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−[3−(モルホリン−4−イル)プロピルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、3−シアノ−4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(N,N−ジメチルアミノ)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−エトキシ−キノリン、4−{[3−クロロ−4−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−フェニル]アミノ}−6−(5−{[(2−メタンスルホニル−エチル)アミノ]メチル}−フラン−2−イル)−キナゾリン、4−[(R)−(1−フェニル−エチル)アミノ]−6−{[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−{[4−(モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−({4−[N,N−ビス−(2−メトキシ−エチル)−アミノ]−1−オキソ−2−ブテン−1−イル}アミノ)−7−[(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{[4−(5,5−ジメチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−7−[(R)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−6−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{2−[4−(2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ピペリジン−1−イル]−エトキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−アミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−メタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−3−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチルピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(メトキシメチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−3−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−アセチルアミノ−エチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−7−ヒドロキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(ジメチルアミノ)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルホリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{トランス−4−[(モルホリン−4−イル)スルホニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−(2−アセチルアミノ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ}−7−(2−メタンスルホニルアミノ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−アミノカルボニルメチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(テトラヒドロピラン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−{2−[4−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イルオキシ]−エチル}−6−メチル−モルホリン−2−オン、4−{4−[4−(3−クロロ−2−フルオロ−フェニルアミノ)−7−メトキシ−キナゾリン−6−イルオキシ]−シクロヘキシル}−1−メチル−ピペラジン−2−オン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(モルホリン−4−イル)スルホニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−エタンスルホニルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタ
ンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−エトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−アセチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−[1−(tert−ブチルオキシカルボニル)−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(テトラヒドロピラン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(ピペリジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−{N−[(4−メチル−ピペラジン−1−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{シス−4−[(モルホリン−4−イル)カルボニルアミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[2−(2−オキソピロリジン−1−イル)エチル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−アセチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−(2−メトキシ−エトキシ)−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−イソプロピルオキシカルボニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(シス−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{シス−4−[N−(2−メトキシ−アセチル)−N−メチル−アミノ]−シクロヘキサン−1−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−[1−(2−メトキシ−アセチル)−ピペリジン−4−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−エチニル−フェニル)アミノ]−6−{1−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(シス−2,6−ジメチル−モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メチル−モルホリン−4−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(S,S)−(2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−イル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(N−メチル−N−2−メトキシエチル−アミノ)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−エチル−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(2−メトキシエチル)カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{1−[(3−メトキシプロピル−アミノ)−カルボニル]−ピペリジン−4−イルオキシ}−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−メタンスルホニル−N−メチル−アミノ)シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[シス−4−(N−アセチル−N−メチル−アミノ)シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[トランス−4−メチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[トランス−4−(N−メタンスルホニル−N−メチル−アミノ)−シクロヘキサン−1−イルオキシ]−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−ジメチルアミノ−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(トランス−4−{N−[(モルホリン−4−イル)カルボニル]−N−メチル−アミノ}−シクロヘキサン−1−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−[2−(2,2−ジメチル−6−オキソ−モルホリン−4−イル)エトキシ]−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−2−イル)メトキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−(1−シアノ−ピペリジン−4−イルオキシ)−7−メトキシ−キナゾリン、[4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−6−{[4−(ホモモルホリン−4−イル)−1−オキソ−2−ブテン−1−イル]アミノ}−7−[(S)−(テトラヒドロフラン−3−イル)オキシ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−(2−{4−[(S)−(2−オキソ−テトラヒドロフラン−5−イル)カルボニル]−ピペラジン−1−イル}−エトキシ)−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[2−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[4−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ブチルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[4−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ブチルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[2−{4−[(S)−(2−オキソ−テトラヒドロフラン−5−イル)カルボニル]−ピペラジン−1−イル}−エトキシ)−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[2−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−エトキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[4−((R)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ブチルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、4−[(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)アミノ]−7−[4−((S)−6−メチル−2−オキソ−モルホリン−4−イル)−ブチルオキシ]−6−[(ビニルカルボニル)アミノ]−キナゾリン、セツキシマブ、トラスツズマブ、ABX−EGF、Mab ICR−62、ゲフィチニブ、カネルチニブ及びエルロチニブから選択される化合物である。
【0206】
EGFR阻害剤が形成しうる薬学的に許容しうる酸との酸付加塩は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロスルファート、ヒドロホスファート、ヒドロメタンスルホナート、ヒドロニトラート、ヒドロマレアート、ヒドロアセタート、ヒドロベンゾアート、ヒドロシトラート、ヒドロフマラート、ヒドロタルトラート、ヒドロオキサラート、ヒドロスクシナート、ヒドロベンゾアート及びヒドロ−p−トルエンスルホナートから、好ましくは塩酸塩、臭化水素酸塩、ヒドロスルファート、ヒドロホスファート、ヒドロフマラート及びヒドロメタンスルホナートから選択される塩を意味する。
【0207】
用いられうるドーパミンアゴニストの例は、好ましくは、ブロモクリプチン、カベルゴリン、α−ジヒドロエルゴクリプチン、リスリド、ペルゴリド、プラミペキソール、ロキシンドール、ロピニロール、タリペキソール、テルグリド及びビオザンから選択される化合物を含む。本発明の範囲内の上述のドーパミンアゴニストの任意の参照は、存在しうる任意の薬理学的に許容しうるその酸付加塩及び場合によりその水和物の参照を含む。上述のドーパミンアゴニストにより形成されうる生理学的に許容しうる酸付加塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、酢酸、コハク酸、乳酸、クエン酸、酒石酸及びマレイン酸の塩から選択される薬学的に許容しうる塩を意味する。
【0208】
H1抗ヒスタミン薬の例は、好ましくは、エピナスチン、セチリジン、アゼラスチン、フェキソフェナジン、レボカバスチン、ロラタジン、ミゾラスチン、ケトチフェン、エメダスチン、ジメチンデン、クレマスチン、バミピン、セクスクロルフェニラミン(cexchlorpheniramine)、フェニラミン、ドキシラミン、クロロフェノキシアミン、ジメンヒドリナート、ジフェンンヒドラミン、プロメタジン、エバスチン、デスロラチジン及びメクロジンから選択される化合物を含む。本発明の範囲内の上述のH1抗ヒスタミン薬の任意の参照は、存在しうる任意の薬理学的に許容しうるその酸付加塩の参照を含む。
【0209】
PAFアンタゴニストの例は、好ましくは、4−(2−クロロフェニル)−9−メチル−2−[3(4−モルホリニル)−3−プロパン−1−イル]−6H−チエノ−[3,2−f]−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピン、6−(2−クロロフェニル)−8,9−ジヒドロ−1−メチル−8−[(4−モルホリニル)カルボニル]−4H,7H−シクロ−ペンタ−[4,5]チエノ−[3,2−f][1,2,4]トリアゾロ[4,3−a][1,4]ジアゼピンから選択される化合物を含む。上述のPAFアンタゴニストの任意の参照は、本明細書の範囲内では、存在しうる任意の薬理学的に許容しうるその酸付加塩の参照を含む。
【0210】
用いられるMRP4阻害剤は、好ましくは、場合によりラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、ならびに薬理学的に許容しうる酸付加塩及び水和物の形態の、N−アセチル−ジニトロフェニル−システイン、cGMP、コラート、ジクロフェナク、デヒドロエピアンドロステロン3−グルクロニド、デヒドロエピアンドロステロン3−スルファート、ジラゼプ、ジニトロフェニル−s−グルタチオン、エストラジオール17−β−グルクロニド、エストラジオール3,17−ジスルファート、エストラジオール3−グルクロニド、エストラジオール3−スルファート、エストロン3−スルファート、フルルビプロフェン、フォラート、N5−ホルミル−テトラヒドロフォラート、グリココラート、グリコリトコール酸スルファート、イブプロフェン、インドメタシン、インドプロフェン、ケトプロフェン、リトコール酸スルファート、メトトレキサート、MK571((E)−3−[[[3−[2−(7−クロロ−2−キノリニル)エテニル]フェニル]−[[3−ジメチルアミノ)−3−オキソプロピル]チオ]メチル]チオ]−プロパン酸)、α−ナフチル−β−D−グルクロニド、ニトロベンジルメルカプトプリンリボシド、プロベネシド、PSC833、シルデナフィル、スルフィンピラゾン、タウロケノデオキシコラート、タウロコラート、タウリデオキシコラート、タウロリトコラート、タウロリトコール酸スルファート、トポテカン、トレキンシン、ザプリナスト、ジピリダモールから選択される化合物である。
【0211】
本発明は、より好ましくは、本発明のSYK阻害剤及びMRP4阻害剤を含む呼吸器愁訴の処置用の医薬組成物を製造するための、MRP4阻害剤の使用に関し、MRP4阻害剤は、好ましくは、場合によりラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、ならびに薬理学的に許容しうる酸付加塩及び水和物の形態の、デヒドロエピアンドロステロン3−スルファート、エストラジオール3,17−ジスルファート、フルルビプロフェン、インドメタシン、インドプロフェン、MK571、タウロコラートから選択される。ラセミ化合物からの鏡像異性体の分離は、当該技術分野で公知の方法(例えば、キラル相でのクロマトグラフィーなど)を用いて実施することができる。
【0212】
薬理学的に許容しうる酸との酸付加塩は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロスルファート、ヒドロホスファート、ヒドロメタンスルホナート、ヒドロニトラート、ヒドロマレアート、ヒドロアセタート、ヒドロベンゾアート、ヒドロシトラート、ヒドロフマラート、ヒドロタルトラート、ヒドロオキサラート、ヒドロスクシナート、ヒドロベンゾアート及びヒドロ−p−トルエンスルホナートから、好ましくは塩酸塩、臭化水素酸塩、ヒドロスルファート、ヒドロホスファート、ヒドロフマラート及びヒドロメタンスルホナートから選択される塩を意味する。
【0213】
本発明は、更に、SYK阻害剤、MRP4阻害剤、及び本発明の別の活性物質(例えば、抗コリン作動薬、PDE4阻害剤、ステロイド、LTD4アンタゴニスト又はβ模倣薬)との3種の併用を含む医薬調製剤、その製造、ならびに呼吸器愁訴を処置するためのその使用に関する。
【0214】
iNOS阻害剤として用いられうる化合物は、S−(2−アミノエチル)イソチオ尿素、アミノグアニジン、2−アミノメチルピリジン、AMT、L−カナバニン、2−イミノピペリジン、S−イソプロピルイソチオ尿素、S−メチルイソチオ尿素、S−エチルイソチオ尿素、S−メチルチオシトルリン、S−エチルチオシトルリン、L−NA(Nω−ニトロ−L−アルギニン)、L−NAME(Nω−ニトロ−L−アルギニンメチルエステル)、L−NMMA(N−モノメチル−L−アルギニン)、L−NIO(Nω−イミノエチル−L−オルニチン)、L−NIL(Nω−イミノエチル−リシン)、(S)−6−アセトイミドイルアミノ−2−アミノ−ヘキサン酸(1H−テトラゾール−5−イル)−アミド(SC−51)(J. Med. Chem. 2002, 45, 1686-1689)、1400W、(S)−4−(2−アセトイミドイルアミノ−エチルスルファニル)−2−アミノ−酪酸(GW274150)(Bioorg. Med. Chem. Lett. 2000, 10, 597-600)、2−[2−(4−メトキシ−ピリジン−2−イル)−エチル]−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(BYK191023)(Mol. Pharmacol. 2006, 69, 328-337)、2−((R)−3−アミノ−1−フェニル−プロポキシ)−4−クロロ−5−フルオロベンゾニトリル(WO01/62704)、2−((1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−チアゾール−5−イル−ブチルスルファニル)−6−トリフルオロメチル−ニコチノニトリル(WO2004/041794)、2−((1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−チアゾール−5−イル−ブチルスルファニル)−4−クロロ−ベンゾニトリル(WO2004/041794)、2−((1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−チアゾール−5−イル−ブチルスルファニル)−5−クロロ−ベンゾニトリル(WO2004/041794)、(2S,4R)−2−アミノ−4−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−フェニルスルファニル)−4−チアゾール−5−イル−ブタン−1−オール(WO2004/041794)、2−((1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−チアゾール−5−イル−ブチルスルファニル)−5−クロロ−ニコチノニトリル(WO2004/041794)、4−((S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−フェニル−ブチルスルファニル)−6−メトキシ−ニコチノニトリル(WO02/090332)、置換されている3−フェニル−3,4−ジヒドロ−1−イソキノリンアミン、例えばAR−C102222(J. Med. Chem. 2003, 46, 913-916)、(1S,5S,6R)−7−クロロ−5−メチル−2−アザ−ビシクロ[4.1.0]ヘプタ−2−エン−3−イルアミン(ONO−1714)(Biochem. Biophys. Res. Commun. 2000, 270, 663-667)、(4R,5R)−5−エチル−4−メチル−チアゾリジン−2−イリデンアミン(Bioorg. Med. Chem. 2004, 12, 4101)、(4R,5R)−5−エチル−4−メチル−セレナゾリジン−2−イリデンアミン(Bioorg. Med. Chem. Lett. 2005, 15, 13561)、4−アミノテトラヒドロビオプテリン(Curr. Drug Metabol. 2002, 3, 119-121)、(E)−3−(4−クロロ−フェニル)−N−(1−{2−オキソ−2−[4−(6−トリフルオロメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピペリジン−1−イル]−エチルカルバモイル}−2−ピリジン−2−イル−エチル)−アクリルアミド(FR260330)(Eur. J. Pharmacol. 2005, 509, 71-76)、3−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−6−[2−(4−イミダゾール−1−イルメチル−フェノキシ)−エトキシ]−2−フェニル−ピリジン(PPA250)(J. Pharmacol. Exp. Ther. 2002, 303, 52-57)、メチル3−{[(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)−カルバモイル]−メチル}−4−(2−イミダゾール−1−イル−ピリミジン−4−イル)−ピペラジン−1−カルボキシラート(BBS−1)(Drug Future 2004, 29, 45-52)、(R)−1−(2−イミダゾール−1−イル−6−メチル−ピリミジン−4−イル)−ピロリジン−2−カルボン酸(2−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−エチル)−アミド(BBS−2)(Drug Future 2004, 29, 45-52)及びそれらの薬学的塩、プロドラッグ又は溶媒和物から選択される化合物である。
【0215】
本発明の範囲内のiNOS阻害剤の例は、アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、iNOSをコードした核酸に結合しているそれらのアンチセンスオリゴヌクレオチドを含んでいてもよい。例えば、WO01/52902には、アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、iNOSの発現を調整するためにiNOSをコードした核酸に結合しているアンチセンスオリゴヌクレオチドが記載されている。特にWO01/52902に記載されたiNOS−アンチセンスオリゴヌクレオチドは、それゆえ、iNOS阻害剤に対して同様の効果を有するため、本発明のPDE4阻害剤と併用してもよい。
【0216】
8.配合
【0217】
投与の適切な形態は、例えば、錠剤、カプセル、溶液、シロップ、エマルジョン、又は吸入可能な粉末もしくはエアロゾルである。各例の薬学上効果的な化合物の含量は、全組成物の0.1〜90重量%、好ましくは0.5〜50重量%の範囲内、即ち、本明細書の以後に明記される投与範囲を達成するのに十分な量にしなければならない。
【0218】
該調製剤は、錠剤、粉末、カプセル中の粉末(例えば、ハードゼラチンカプセル)、溶液又は懸濁液の形態で経口投与してもよい。吸入により投与する場合、活性物質の混合物を、粉末として、水性もしくは水−エタノール性溶液として、又は噴射ガス配合剤を用いて投与してもよい。
【0219】
それゆえ好ましくは、医薬配合剤は、上記の好ましい実施態様による式1で示される化合物1種以上の含量により特徴づけられる。
【0220】
式1で示される化合物を経口投与することが特に好ましく、そしてそれを1日あたり1又は2回投与することが特に好ましい。活性物質を公知の賦形剤、例えば、不活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はラクトース)、崩壊剤(例えば、コーンスターチ又はアルギン酸)、結合剤(例えば、デンプン又はゼラチン)、滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム又はタルク)及び/又は徐放のための薬剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセタートフタラート、又はポリビニルアセタート)と混合することにより、適切な錠剤を得てもよい。錠剤は、複数の層を含んでいてもよい。
【0221】
したがって、錠剤と類似して製造された核を、錠剤コーティングに通常用いられる物質、例えば、コリドン又はシェリック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタン又は砂糖でコーティングすることにより、コート錠を製造してもよい。徐放を実現するため、又は不適合性を予防するために、核が多数の層で構成されていてもよい。同様に錠剤コーティングが、可能ならば錠剤のための上述の賦形剤を用いて、多数の層で構成されることで徐放を実現してもよい。
【0222】
本発明の活性物質又はその混合物を含むシロップは、更に、甘味剤(例えば、サッカリン、シクラマート、グリセロール又は砂糖)及び風味増強剤(例えば、バニリン又はオルガノ抽出物などの着香剤)を含んでいてもよい。それらは、懸濁佐剤(suspension adjuvants)又は増粘剤(例えば、カルボキシメチルセリロースナトリウム)、湿潤剤(例えば、脂肪アルコールとエチレンオキシドの縮合生成物)、又は防腐剤(例えば、p−ヒドロキシベンゾアート)を含んでいてもよい。
【0223】
例えば、活性物質を不活性担体(例えば、ラクトース又はソルビトール)と混合し、そしてそれらをゼラチンカプセルに封入することにより、1種以上の活性物質又は活性物質の混合物を含むカプセルを製造してもよい。例えば、この目的で提供された担体(例えば、中性脂肪もしくはポリエチレングリコール又はそれらの誘導体)と混合することにより、適切な坐剤を製造してもよい。
【0224】
用いられうる賦形剤としては、例えば、水、薬学的に許容しうる有機溶媒、例えば、パラフィン(例えば、石油留分)、植物油(例えば、ピーナッツ又はゴマ油)、単官能又は多官能アルコール(例えば、エタノール又はグリセロール)、担体、例えば天然鉱物粉末(例えば、カオリン、クレイ、タルク、チョーク)、合成鉱物粉末(例えば、高分散性ケイ酸及びケイ酸塩)、砂糖(例えば、甘ショ糖、ラクトース及びグルコース)、乳化剤(例えば、リグニン、亜硫酸パルプ廃液、メチルセルロース、デンプン及びポリビニルピロリドン)及び滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウム)が挙げられる。
【0225】
経口投与では、錠剤はもちろん、上述の担体と別に、添加剤、例えば、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸二カルシウムを、様々な添加剤、例えば、デンプン、好ましくはジャガイモデンプン、ゼラチンなどと共に含んでいてもよい。更に、滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルク)を、錠剤工程で同時に用いてもよい。水性懸濁液の場合、活性物質が、上述の賦形剤に加えて、様々な風味増強剤又は着色剤を混和されていてもよい。
【0226】
式1で示される化合物を、吸入により投与するのも好ましく、それを一日あたり1又は2回投与することが特に好ましい。この目的で、式1で示される化合物は、吸入に適した形態で入手できるように製造しなければならない。吸入調製剤としては、場合により従来の生理学的に許容しうる賦形剤と混和された状態で存在する、吸入可能粉末、噴射剤含有の定量エアロゾル又は噴射剤を含まない吸入可能溶液が挙げられる。
【0227】
本発明の範囲内では、用語「噴射剤を含まない吸入可能溶液」は、濃縮物又は滅菌された即使用可能な吸入可能溶液も含む。本発明により用いられうる調製剤は、本明細書の次の部分により詳細に記載されている。
【0228】
吸入可能な粉末
式1で示される活性物質が、生理学的に許容しうる賦形剤と混和された状態で存在する場合、以下の生理学的に許容しうる賦形剤を用いて、本発明の吸入可能な粉末を製造してもよい:単糖類(例えば、グルコール又はアラビノース)、二糖類(例えば、ラクトース、サッカロース、マルトース)、オリゴ糖及び多糖(例えば、デキストラン)、ポリアルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール、キシリトール)、塩(例えば、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム)又はこれらの賦形剤の互いの混合物。好ましくは、単糖類又は二糖類が用いられるが、ラクトース又はグルコースの使用は、(排他的ではないが)特に水和物の形態は、好ましい。本発明の目的では、ラクトースが、特に好ましい賦形剤であるが、ラクトース一水和物が、最も特別に好ましい。粉砕及び微粒子化により、そして最終的に成分を共に混合することにより本発明の吸入可能な粉末を製造する方法は、先行技術から公知である。
【0229】
噴射剤含有の吸入可能なエアロゾル
本発明により用いられうる噴射剤含有の吸入可能なエアロゾルは、式1で示される化合物を、噴射ガスに溶解させて、又は分散形態で含んでいてもよい。本発明の吸入エアロゾルを製造するのに用いられうる噴射剤ガスは、先行技術から公知である。適切な噴射剤ガスは、炭化水素、例えば、n−プロパン、n−ブタン又はイソブタン、及びハロ炭化水素、例えば好ましくはメタン、エタン、プロパン、ブタン、シクロプロパン又はシクロブタンのフッ素化誘導体から選択される。上述の噴射ガスは、単独で、又はその混合物中で用いてもよい。特に好ましい噴射ガスは、TG134a(1,1,1,2−テトラフロオロエタン)、TG227(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)及びその混合物から選択されるフッ素化アルカン誘導体である。本発明の使用の範囲内で用いられる噴射剤駆動性吸入エアロゾル(propellant-driven inhalation aerosols)は、他の成分、例えば、共溶媒、安定化剤、界面活性剤、抗酸化剤、滑剤及びpH調整剤を含んでいてもよい。これらの成分は全て、当該技術分野で公知である。
【0230】
噴射剤を含まない吸入可能な溶液
本発明の式1で示される化合物は、好ましくは噴射剤を含まない吸入可能な溶液及び吸入可能な懸濁液を製造するために用いられる。この目的で用いられる溶媒としては、水性又はアルコール性、好ましくはエタノール性溶液が含まれる。溶媒は、単独の水、又は水とエタノールとの混合物であってもよい。溶液又は懸濁液を、適切な酸を用いて、pH2〜7、好ましくは2〜5に調整する。無機酸又は有機酸から選択される酸を用いて、pHを調整してもよい。特に適切な無機酸の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸及び/又はリン酸が挙げられる。特に適切な有機酸の例としては、アスコルビン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、酢酸、ギ酸及び/又はプロピオン酸などが挙げられる。好ましい無機酸は、塩酸及び硫酸である。酸付加塩を既に形成させた酸を、活性物質の一つと共に用いることもできる。有機酸のうち、アスコルビン酸、フマル酸及びクエン酸が好ましい。特に、酸性化する性質に加えて他の性質を有する酸(例えば、着香剤、抗酸化剤又は錯化剤、例えばクエン酸又はアスコルビン酸)の場合に、所望なら、上記酸の混合物を用いてもよい。本発明によれば、塩酸を用いてpHを調整するのが、特に好ましい。
【0231】
共溶媒及び/又は他の賦形剤を、本発明の目的で用いられる、噴射剤を含まない吸入可能な溶液に添加してもよい。好ましい共溶媒は、ヒドロキシル基又は他の極性基を含むそれらのもの、例えばアルコール、特にイソプロピルアルコール、グリコール、特にプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテル、グリセロール、ポリオキシエチレンアルコール及びポリオキシエチレン脂肪酸エステルである。本明細書における用語賦形剤及び添加剤は、活性物質配合剤の品質特性を改善するために、活性物質ではないが、薬理学的に適切な溶媒中で活性物質と配合させることができる任意の薬理学的に許容しうる物質を表す。好ましくはこれらの物質は、薬理学的効果を有さないか、又は所望の治療に関して適切でない、もしくは少なくとも望ましくない薬理学的効果を有さない。賦形剤及び添加剤としては、例えば、界面活性剤、例えば大豆レシチン、オレイン酸、ソルビタンエステル、例えばポリソルバート、ポリビニルピロリドン、他の安定化剤、錯化剤、最終的な医薬配合剤の有効期限を保証又は延長する抗酸化剤及び/もしくは防腐剤、着香剤、ビタミンならびに/又は当該技術分野で公知の他の添加剤が挙げられる。添加剤は、薬理学的に許容しうる塩、例えば塩化ナトリウムを等張剤として含んでいてもよい。好ましい賦形剤としては、アスコルビン酸などの抗酸化剤(pHを調整するのに既に用いられていないことが条件)、ビタミンA、ビタミンE、トコフェロール、及びヒトの体内で産生される類似のビタミン又はプロビタミンが挙げられる。防腐剤を用いて、該配合剤が病原に汚染されるのを防いでもよい。適切な防腐剤は、先行技術で公知の濃度の、当該技術分野で公知のそれらのもの、特に、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム又は安息香酸もしくは安息香酸塩(例えば、安息香酸ナトリウム)である。
【0232】
先に記載された処置形態では、呼吸器愁訴の処置用医薬の即使用可能な包装が、例えば、式1で示されるナフチリジン及び先にモノから選択される1種以上の併用対象と共に、例えば、呼吸器疾患、COPD又は喘息という文言のある同封の説明書を含んで提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1:
【化35】


(式中、
は、−O−R、−NR、−CR、−(エチン)−R、−S−R、−SO−R及びSO−Rから選択される基Aを表すか、又は
は、
− C6〜10−アリール、
− N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子を1〜3個含む、5〜10員単環式もしくは二環式ヘテロアリール(ここで、このヘテロアリールは、C原子もしくはN原子のいずれかを介して式1で示される構造に結合している)、
− N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子を1〜3個含む、3〜10員単環式もしくは二環式飽和もしくは部分飽和複素環基(ここで、この複素環基は、C原子もしくはN原子のいずれかを介して式1で示される構造に結合している)、ならびに
− N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子1、2もしくは3個を場合により含んでいてもよい、5〜11員スピロ基(ここで、このスピロ基は、C原子もしくはN原子のいずれかを介して式1で示される構造に結合している)、
から選択される基Bを表し、
ここで、この基Bは、H、ハロゲン、−C1〜3−アルキル、−NH(C1〜4−アルキル)、−N(C1〜4−アルキル)、−NH、−C1〜3−アルキル−OH、−OH、オキソ、−CO−NH、−C1〜3−アルキレン−CO−NH、−CO−NH(C1〜3−アルキル)、−C1〜3−アルキレン−CO−NH(C1〜3−アルキル)、−CO−NH(C3〜5−シクロアルキル)、−C1〜3−アルキレン−CO−NH(C3〜5−シクロアルキル)、−NH−CO−NH、−NH−CO−NH(C1〜3−アルキル)、−NH−CO−N(C1〜3−アルキル)、O−C1〜3−アルキル、−(C1〜3−アルキレン)−NH、−フェニル及び−CO−(C1〜5−アルキル)から互いに独立して選択される基1個以上で場合により置換されていてもよく、
は、Hであるか、又は
−C1〜6−アルキル、−C1〜6−フルオロアルキル、−(C1〜5−アルキル)−OH、−C6〜10−アリール、−(C1〜4−アルキレン)−(C6〜10−アリール)、エテニル、−(C1〜4−アルキレン)−(エテン)、−エチニル、−(C1〜4−アルキレン)−(エチン)、−(C1〜4−アルキレン)−(エチン)−NH、−(C1〜4−アルキレン)−(エチン)−(C1〜4−アルキレン)−NH、−NH(C1〜3−アルキル)、−(C1〜4−アルキレン)−NH(C1〜3−アルキル)、−CHOH−(C1〜4−アルキレン)−NH、−(C1〜4−アルキレン)−CHOH−(C1〜4−アルキレン)−NH、−(C1〜4−アルキレン)−CHOH−NH、−CHOH−NH、単環式もしくは二環式飽和もしくは部分飽和−C3〜10−シクロアルキル、単環式もしくは二環式飽和もしくは部分飽和−(C1〜4−アルキレン)−C3〜10−シクロアルキル、−(Het)、−(C1〜4−アルキレン)−(Het)、−(ヘタリール)、及び−(C1〜4−アルキレン)−(ヘタリール)から選択される基であり、
この基は、H、−OH、−オキソ、−COOH、−ハロゲン、−C1〜3−アルキル、−C1〜3−ハロアルキル、−C1〜3−アルキル−OH、−C3〜7−シクロアルキル、−O−(C1〜4−アルキル)、−NH(C1〜4−アルキル)、−(C1〜4−アルキレン)−NH(C1〜4−アルキル)、−N(C1〜4−アルキル)、−(C1〜4−アルキレン)−N(C1〜4−アルキル)、−NH−CO−NH、−(C1〜4−アルキレン)−NH−CO−NH、−CO−NH、−(C1〜4−アルキレン)−CO−NH、−CO−NH(C1〜3−アルキル)、−(C1〜4−アルキレン)−CO−NH(C1〜3−アルキル)、−CO−N(C1〜3−アルキル)、−(C1〜4−アルキレン)−CO−N(C1〜3−アルキル)、−NH−(CO)−NH、−NH−(C1〜4−アルキレン)−(CO)−NH、−NH−(CO)−NH(C1〜3−アルキル)、−NH−(C1〜4−アルキレン)−(CO)−NH(C1〜3−アルキル)、−NH−(CO)−N(C1〜3−アルキル)、−NH−(C1〜4−アルキレン)−(CO)−N(C1〜3−アルキル)、−O−(C2〜4−アルキレン)−NH、−O−(C2〜4−アルキレン)−NH(C1〜3−アルキル)、−O−(C2〜4−アルキレン)−N(C1〜3−アルキル)、−NH−CO−(C1〜3−アルキル)、−(C1〜4−アルキレン)−NH−CO−(C1〜3−アルキル)、−C3〜5−シクロアルキル、−SO−(C1〜4−アルキル)、−SO−(C3〜5−シクロアルキル)、−NH−SO−(C1〜4−アルキル)、−SO−NH、−SO−NH−C1〜3−アルキル、−SO−N(C1〜3−アルキル)、−SO−(Het)、−O−(Het)、−O−(C1〜4−アルキレン)−(Het)、−NH−(Het)、−NH−(C1〜4−アルキレン)−(Het)、−NH−(ヘタリール)、−NH−(C1〜4−アルキレン)−(ヘタリール)、−(Het)及び−(C1〜4−アルキレン)−(Het)から互いに独立して選択される基1個以上で場合により置換されていてもよく、
(Het)は、C1〜3−アルキル、ハロゲン、CH−NH、NH、OH、CO−NH及びオキソから選択される基1〜3個で場合により置換されていて、N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子を1、2又は3個含む3〜10員飽和又は部分飽和単環式又は二環式複素環基を表し、
(ヘタリール)は、C1〜3−アルキル、ハロゲン、CH−NH、NH、OH、CO−NH及びオキソから選択される基1、2又は3個で場合により置換されていて、N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子を1〜3個含む、5〜10員単環式又は二環式ヘテロアリールを表し、
m=0又は1であり、
及びRは、H、メチル又はエチルを表し、そして
は、メチル、エチル、プロピル、−O−メチル、−O−エチル、−O−プロピル、Br、Cl、F又はフェニルを表す)で示される化合物、ならびに薬学的に許容しうるその塩。
【請求項2】
がメチルである請求項1記載の式Iで示される化合物、及び薬学的に許容しうるその塩。
【請求項3】
が−O−R又は−NRである請求項1又は2の1項記載の式1で示される化合物、及び薬学的に許容しうるその塩。
【請求項4】
が、−O−R又は−NRであり、
(Het)が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、F、Cl、Br、CH−NH、NH、OH、CO−NH及びオキソから選択される基1〜3個で場合により置換されていて、N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子を1、2又は3個含む、3〜7員飽和又は部分飽和単環式複素環基を表し、そして
(ヘタリール)が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、F、Cl、Br、CH−NH、NH、OH、CO−NH及びオキソから選択される基1、2又は3個で場合により置換されていて、N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子を1〜3個含む、5〜6員単環式ヘテロアリールを表す、
請求項3記載の式1で示される化合物、及び薬学的に許容しうるその塩。
【請求項5】
が、
− N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子を1〜3個含み、その1〜3個のヘテロ原子の少なくとも1個がN原子である、5〜10員単環式もしくは二環式ヘテロアリール、ならびに
− N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子を1〜3個含み、その1〜3個のヘテロ原子の少なくとも1個がN原子である、3〜10員単環式もしくは二環式飽和もしくは部分飽和複素環基、
から選択され、
ここで、上述のヘテロアリール及び複素環が、それぞれ少なくとも1個のN原子によって式1で示される構造に結合しているか、又は
が、N、O及びSから互いに独立して選択されるヘテロ原子1、2もしくは3個を含む、5〜11員スピロ基(ここで、このスピロ基の1〜3個のヘテロ原子の少なくとも1個はN原子であり、そしてそのスピロ基はこのN原子を介して式1で示される構造に結合している)である、請求項1〜2の1項記載の式1で示される化合物、及び薬学的に許容しうるその塩。
【請求項6】
が、
【化36】


から選択され、
が、Rの、式1で示される構造への結合点を表し、そして
がメチルである、請求項1〜2の1項記載の式1で示される化合物、及び薬学的に許容しうるその塩。
【請求項7】
医薬としての請求項1〜6の1項記載の化合物。
【請求項8】
SYK酵素の阻害により処置されうる疾患の処置用の医薬を製造するための、請求項1〜6の1項記載の化合物の使用。
【請求項9】
アレルギー性鼻炎、喘息、COPD、成人性呼吸促迫症候群、気管支炎、B細胞リンパ腫、皮膚炎及び接触皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、アレルギー性鼻結膜炎、関節リウマチ、抗リン脂質症候群、ベルガー病、エバンス症候群、潰瘍性大腸炎、アレルギー抗体に基づく糸球体腎炎、顆粒球減少症、グッドパスチャー症候群、肝炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、過敏性血管炎、免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、川崎症候群、アレルギー性結膜炎、エリテマトーデス、外套細胞リンパ腫、好中球減少症、非家族性側索硬化症、クローン病、多発性硬化症、重症筋無力症、骨髄異形成症候群、骨粗鬆症、骨溶解病、骨欠乏症、乾癬、シェーグレン症候群、強皮症、T細胞リンパ腫、じんましん/血管性浮腫、ウェゲナー肉芽腫ならびにセリアック病から選択される疾患の処置用の医薬を製造するための、請求項1〜6の1項記載の化合物の使用。
【請求項10】
喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、成人性呼吸促迫症候群、気管支炎、アレルギー性皮膚炎、接触皮膚炎、特発性血小板減少性紫斑病、関節リウマチ及びアレルギー性鼻結膜炎から選択される疾患の処置用の医薬を製造するための、請求項1〜6の1項記載の化合物の使用。
【請求項11】
喘息、COPD、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎及び関節リウマチから選択される疾患の処置用の医薬を製造するための、請求項1〜6の1項記載の化合物の使用。
【請求項12】
請求項1〜6の1項記載の式1で示される化合物を1種以上含むことを特徴とする医薬配合剤。
【請求項13】
β模倣薬、コルチコステロイド、PDE4阻害剤、EGFR阻害剤、LTD4アンタゴニスト、CCR3阻害剤、iNOS阻害剤及びSYK阻害剤から選択される活性物質と併用される、請求項1〜6の1項記載の式1で示される化合物を1種以上含むことを特徴とする医薬配合剤。
【請求項14】
【化37】


から選択される化合物。

【公表番号】特表2011−529931(P2011−529931A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521515(P2011−521515)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059493
【国際公開番号】WO2010/015518
【国際公開日】平成22年2月11日(2010.2.11)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】