説明

5−HT4レセプターモジュレーターとしてのN−置換されたピペリジニル−イミダゾピリジン化合物

本発明は、式(I):[R1は水素原子又はハロゲン原子;R2は水素原子など;R3はC1-10のアルキル基;R3中の前記アルキル基は置換基αからなる群から選択される置換基少なくとも1つで置換され;前記置換基αはアリール基、ヒドロキシ基、オキソ基などからなる群から選択され;前記アリール基はC6-10;前記アリール基は非置換か又はC1-6アルキル基少なくとも1つで置換され;複素環式カルボニル基中の前記複素環式環基及び複素環部分は窒素原子などからなる群から選択されるヘテロ原子1〜4つを含む5〜10員の環式基である]で表される化合物、又は前記化合物の薬剤学的に許容できるアミド、又は前記化合物の薬剤学的に許容できるエステル、及び薬剤学的に許容できるその塩を提供する。これらの化合物は5-HT4レセプター結合活性を有し、従って哺乳動物、特にヒトにおける胃食道逆流性疾患、非潰瘍性消化不良、機能性消化不良、過敏性腸症候群などの治療に有用である。また本発明は前記化合物を含む医薬組成物も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規イミダゾピリジン化合物に関する。これらの化合物は、5−HTレセプターアゴニスト結合活性を有し、従って、哺乳動物(特にヒト)における胃食道逆流性疾患、胃腸管疾患、胃運動障害、非潰瘍性消化不良、機能性消化不良、過敏性腸症候群、便秘、消化不良、食道炎、胃食道疾患、吐き気、中枢神経系疾患、アルツハイマー病、認識障害、嘔吐、片頭痛、神経系疾患、痛み、虚血性脳卒中、不安、心臓血管障害などの治療又は予防に有用である。また、本発明は、前記化合物を含む医薬組成物にも関する。
【0002】
《背景技術》
セロトニン(5−HT)レセプターは、多数のサブタイプ、例えば、5−HT、5−HT、5−HT、及び5−HTを有していることが知られている。これらの5−HTレセプターは、例えば、「European Journal of Pharmacology146(1988),187−188」及び「Naunyn−Schmiedeberg’s Arch.Pharmacol.(1989)340:403−410」に開示されている。
【0003】
5−HTレセプターモジュレーター(例えば、アゴニスト及びアンタゴニスト)は、種々の疾病、例えば、胃食道逆流性疾患、胃腸管疾患、胃運動障害、非潰瘍性消化不良、機能性消化不良、過敏性腸症候群、便秘、消化不良、食道炎、胃食道疾患、吐き気、中枢神経系疾患、アルツハイマー病、認識障害、嘔吐、片頭痛、神経系疾患、痛み、及び心臓血管障害、例えば、心不全及び心臓不整脈[heart arryhthmia]の治療に対して有効であることが見出されている(参照:「TiPs,1992,13,141」;「Ford A.P.D.W.ら,Med.Res.Rev.,1993,13,633」;「Gullikson G.W.ら,Drug Dev.Res.,1992,26,405」;「Richard M.Eglenら,TiPS,1995,16,391」;「Bockaert J.ら,CNS Drugs,1,6」;「Romanelli M.N.ら,Arzheim Forsch./Drug Res.,1993,43,913」;「Kaumann A.ら,Naunyn−Schmiedeberg’s.1991,344,150」;及び「Romanelli M.N.ら,Arzheim Forsch./Drug Res.,1993,43,913」)。
【0004】
種々のイミダゾピリジン化合物が、5HTレセプターアンタゴニスト又はアゴニストとして知られてきた。例えば、特開平01−258674公報及び特表平02−643274公報には、5HTレセプターアンタゴニストとしてイミダゾピリジン化合物が開示されている。WO96/05166には、5HTアゴニストとして、イミダゾピリジン化合物が開示されている。WO92/15593;USP5,260,303;USP5,604,239;USP5,591,749;USP5,219,850;USP5,434,161;USP5,137,893;USP5,196,547;及びEP504679には、5HTレセプターアンタゴニストとして、種々のイミダゾピリジン化合物が記載されている。WO94/08998には、5HTレセプターアンタゴニストとして、イミダゾピリジン化合物が開示されている。
【0005】
また、異なる用途に対して合成されたイミダゾピリジン化合物が、JP2001/6877;WO01/5763;WO99/50247;WO97/27852、WO9738665、及びEP274867に記載されている。
もし5HTレセプターアゴニストが提供されたのであれば、より5HTレセプターアゴニスト活性があることが望ましかったであろう。
【0006】
US出願番号60/343,371(2001年10月22日出願)には、種々のイミダゾピリジン5−HTレセプターモジュレーター化合物が開示されていた。
【0007】
QT延長は、トルサードドゥポワント(Torsades de Pointes:TdP)の致死性心臓不整脈を生じやすくなる能力を有することが知られている。心臓作用能力持続時間を延長するその能力は、HERGカリウムチャンネルにおける作用によることが確認されている。例えば、QT延長のために市場から撤退した医薬、例えば、シサプリド及びテルフェナジンが、強力なHERGカリウムチャンネルブロッカーであることが知られている(Expert Opinion of Pharmacotherapy.;2,pp947−973,2000)。従って、もし、種々の疾病、例えば、胃食道逆流性疾患、胃腸管疾患、胃運動障害、非潰瘍性消化不良、機能性消化不良、過敏性腸症候群、便秘、消化不良、食道炎、胃食道疾患、吐き気、中枢神経系疾患、アルツハイマー病、認識障害、嘔吐、片頭痛、神経系疾患、痛み、及び心臓血管障害、例えば、心不全及び心臓不整脈の治療に有用な新規5HT選択的アゴニストが提供されるのであれば、全身的投与によること、及びHERGカリウムチャンネルにおいて減少した阻害活性を有することが望ましかったであろう。
【0008】
《発明の簡潔な開示》
この度、驚くべきことに、本発明の化合物が、全身的投与によること、及びHERGカリウムチャンネルにおいて減少した阻害活性を有することによって、種々の疾病、例えば、胃食道逆流性疾患、胃腸管疾患、胃運動障害、非潰瘍性消化不良、機能性消化不良、過敏性腸症候群、便秘、消化不良、食道炎、胃食道疾患、吐き気、中枢神経系疾患、アルツハイマー病、認識障害、嘔吐、片頭痛、神経系疾患、痛み、及び心臓血管障害、例えば、心不全及び心臓不整脈の治療に有用な5HT選択的アゴニストであることが発見された。[H]ドフェチリド結合(これは、HERGチャンネルにおける阻害活性を予測することができる)をチェックすることにより調査されるHERGタイプカリウムチャンネルに対する親和性から、HERGチャンネルにおける阻害活性を評価した(Eur.J.Pharmacol.,430,pp147−148,2001)。低い[H]ドフェチリド結合活性を有する選択された化合物を、IHERGアッセイで評価して、HERGチャンネルにおける活性をチェックした。ピペリジン環中の窒素原子に結合するアルキル基への置換基の導入は、HERGチャンネルにおける減少した阻害活性を有する強力な5−HTレセプターアゴニスト活性に貢献した。本発明の化合物は、少ない毒性、良好な吸収、良好な分散、及び良好な少ない医薬−医薬相互作用を示し、及び代謝安定性を有するであろう。
【0009】
本発明は、以下の式(I):
【化1】

[式中、Rは、水素原子又はハロゲン原子であり;
は、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、アミノカルボニル基、炭素原子数1〜6のモノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル基であり;
は、炭素原子数1〜10のアルキル基であり;
中の前記アルキル基は、後述の置換基αからなる群から選択される置換基少なくとも1つで置換されており;
前記置換基αは、後述のアリール基、ヒドロキシ基、オキソ基、アミノカルボニル基、又は炭素原子数1〜6のモノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル基、炭素原子数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、後述の複素環基、複素環-カルボニル基、及び炭素原子数3〜8のシクロアルキル基からなる群から選択され;
前記アリール基は、炭素原子数6〜10であり;
前記アリール基は、置換されていないか又は炭素原子数1〜6のアルキル基少なくとも1つで置換されており;
前記複素環基及び前記複素環-カルボニル基中の複素環部分は、イオウ原子、酸素原子、及び窒素原子からなる群から選択されるヘテロ原子1〜4つを含む5〜10員の環式基である]で表される化合物;
又は前記化合物の薬剤学的に許容することのできるアミド、
又は前記化合物の薬剤学的に許容することのできるエステル、
及び薬剤学的に許容することのできるその塩を提供する。
【0010】
本発明は、式(I):
【化2】

[式中、Rは、水素原子又はハロゲン原子であり;
は、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、アミノカルボニル基、炭素原子数1〜6のモノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル基であり;
は、炭素原子数1〜10のアルキル基であり;
中の前記アルキル基は、後述の置換基αからなる群から選択される置換基少なくとも1つで置換されており;
前記置換基αは、後述のアリール基、ヒドロキシ基、オキソ基、アミノカルボニル基、又は炭素原子数1〜6のモノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル基、炭素原子数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、後述の複素環基、複素環-カルボニル基、及び炭素原子数3〜8のシクロアルキル基からなる群から選択され;
前記アリール基は、炭素原子数6〜10であり;
前記アリール基は、置換されていないか又は炭素原子数1〜6のアルキル基少なくとも1つで置換されており;
前記複素環基及び前記複素環-カルボニル基中の複素環部分は、イオウ原子、酸素原子、及び窒素原子からなる群から選択されるヘテロ原子1〜4つを含む5〜10員の環式基である]で表される化合物;
又は前記化合物の薬剤学的に許容することのできるエステル、
及び薬剤学的に許容することのできるその塩を提供する。
【0011】
本発明のN−置換されたピペリジニル−イミダゾピリジン化合物は、5−HTレセプターアゴニスト活性を有し、従って、HERGチャンネルにおいて減少した阻害活性を有する5−HTレセプター活性によって媒介される疾病状態の治療又は予防に有用である。
【0012】
従って、本発明は、式(I)で表される化合物の治療有効量を前記対象に投与することを含む、哺乳動物対象における5−HTレセプター活性によって媒介される疾病状態の治療のための、医薬組成物を提供する。
【0013】
更に、本発明は、式(I)で表されるイミダゾピリジン化合物又は薬剤学的に許容することのできるその塩の治療有効量、並びに薬剤学的に許容することのできる担体を含む、胃食道逆流性疾患、胃腸管疾患、胃運動障害、上部消化管運動障害、非潰瘍性消化不良、機能性消化不良、過敏性腸症候群、便秘、消化不良、食道炎、胃食道疾患、吐き気、中枢神経系疾患、アルツハイマー病、認識障害、嘔吐、片頭痛、神経系疾患、痛み、虚血性脳卒中、不安、心臓血管障害、例えば、心不全及び心臓不整脈などの治療用の医薬組成物も提供する。
【0014】
また、本発明は、式(I)で表される化合物の治療有効量を哺乳動物対象に投与することを含む、哺乳動物対象における5−HTレセプター活性によって媒介される疾病状態の治療方法も提供する。更に、本発明は、前記疾病状態の治療方法を提供する。また更に、本発明は、哺乳動物対象における5−HTレセプター活性によって媒介される疾病状態の治療又は予防用の医薬の製造における式(I)で表される化合物の使用も提供する。5−HTレセプター活性によって媒介される前記状態は、前記のとおりの疾病又は障害である。
【0015】
《発明の詳細な説明》
本明細書において、用語「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨード、好ましくはフルオロ又はクロロを意味する。
【0016】
本明細書において、用語「アルキル」は、直鎖状又は分枝鎖状の飽和の基、例えば、以下に限定されるものでないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソ−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基を意味する。
【0017】
本明細書において、用語「アリール」は、炭素原子数6〜14、好ましくは、炭素原子数6〜10の単環式又は二環式芳香族炭化水素環、例えば、以下に限定されるものでないが、フェニル基、ナフチル基、インダニル基、好ましくは、フェニル基、及びナフチル基を意味する。
【0018】
本明細書において、用語「シクロアルキル」は、炭素原子数3〜8の飽和炭素環式環基、例えば、以下に限定されるものでないが、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基などを意味する。
【0019】
本明細書において、用語「複素環」は、飽和であるか、部分不飽和であるか、又は芳香族であることができ、及び炭素原子並びにN、O、及びSからなる群から独立して選択されるヘテロ原子1〜4つからなる5〜10員の単環式又は二環式環を意味する。前記複素環の例としては、以下に限定されるものでないが、ピリジル(ピリジニル)基、ピリミジニル基、フラニル(フリル)基、チアゾリル基、チエニル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、テトラゾリル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、インドリル基、インドレニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピペリジニル基、4−ピペリドニル基、ピロリジニル基、2−ピロリドニル基、ピロリニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロキノリニル基、テトラヒドロイソキノリニル基、デカヒドロキノリニル基、又はオクタヒドロイソキノリニル基、アゾシニル基、トリアジニル基、6H−1,2,5−チアジアジニル基、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル基、チオフェニル基、チアントレニル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリニル基、キノリニル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾール基、カルバゾール基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、フェノチアジニル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、又はオキサゾリジニル基を挙げることができる。好ましい複素環式環基としては、ピペリジノ基、モルホリノ基、チアモルホリノ基、ピロリジノ基、ピラゾリノ基、ピラゾリジノ基、ピラゾリル基、ピペラジニル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基、テトラゾリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、イミダゾリニル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピロリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、モルホリニル基、及びキノリル基を挙げることができる。
【0020】
式(I)で表される化合物がヒドロキシ基を含む場合には、それらは、エステルを形成することができる。前記エステルの例としては、ヒドロキシ基とのエステル、及びカルボキシ基とのエステルを挙げることができる。前記エステル残基は、普通の保護基、又は生物学的方法、例えば、加水分解によってイン・ビボで切断することができる保護基であることができる。
【0021】
用語「普通の保護基」(ordinary protecting group)は、化学的方法、例えば、水素添加分解、加水分解、電気分解、又は光分解によって切断することができる保護基を意味する。
【0022】
用語「生物学的方法、例えば、加水分解によってイン・ビボで切断することができる保護基」は、イン・ビボにおいて生物学的方法、例えば、加水分解によって切断されて、遊離酸又はその塩を形成する保護基を意味する。化合物が前記誘導体であるか否かは、その化合物を静脈注射により実験動物、例えば、ラット又はマウスに投与し、次いで前記動物の体液を、前記化合物又は薬剤学的に許容することのできるその塩を検出することができるか否かについて実験することによって、決定することができる。
【0023】
ヒドロキシ基のエステルに対する普通の保護基の好ましい例としては:低級脂肪族アシル基、例えば:アルカノイル基、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、ピバロイル基、バレリル基、イソバレリル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、3−メチルノナノイル基、8−メチルノナノイル基、3−エチルオクタノイル基、3,7−ジメチルオクタノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ペンタデカノイル基、ヘキサデカノイル基、1−メチルペンタデカノイル基、14−メチルペンタデカノイル基、13,13−ジメチルテトラデカノイル基、ヘプタデカノイル基、15−メチルヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、1−メチルヘプタデカノイル基、ノナデカノイル基、イコサノイル基、及びヘニコサノイル基;ハロゲン化されたアルキルカルボニル基、例えば、クロロアセチル基、ジクロロアセチル基、トリクロロアセチル基、及びトリフルオロアセチル基;アルコキシアルキルカルボニル基、例えば、メトキシアセチル基;及び不飽和アルキルカルボニル基、例えば、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、及び(E)−2−メチル−2−ブテノイル基;より好ましくは、炭素原子数1〜6の低級脂肪族アシル基;芳香族アシル基、例えば:アリールカルボニル基、例えば、ベンゾイル基、α−ナフトイル基、及びβ−ナフトイル基;ハロゲン化されたアリールカルボニル基、例えば、2−ブロモベンゾイル基、及び4−クロロベンゾイル基;低級アルキル化されたアリールカルボニル基、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル基、及び4−トルオイル基;低級アルコキシル化アリールカルボニル基、例えば、4−アニソイル基;ニトロ化されたアリールカルボニル基、例えば、4−ニトロベンゾイル基、及び2−ニトロベンゾイル基;低級アルコキシカルボニル化されたアリールカルボニル基、例えば、2−(メトキシカルボニル)ベンゾイル基;及びアリール化されたアリールカルボニル基、例えば、4−フェニルベンゾイル基;アルコキシカルボニル基、例えば:低級アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、及びイソブトキシカルボニル基;及びハロゲン−又はトリ(低級アルキル)シリル−置換された低級アルコキシカルボニル基、例えば、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、及び2−トリメチルシリルエトキシカルボニル基;テトラヒドロピラニル基又はテトラヒドロチオピラニル基、例えば:テトラヒドロピラン−2−イル基、3−ブロモテトラヒドロピラン−2−イル基、4−メトキシテトラヒドロピラン−4−イル基、テトラヒドロチオピラン−2−イル基、及び4−メトキシテトラヒドロチオピラン−4−イル基;テトラヒドロフラニル基又はテトラヒドロチオフラニル基、例えば:テトラヒドロフラン−2−イル基、及びテトラヒドロチオフラン−2−イル基;シリル基、例えば:トリ(低級アルキル)シリル基、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メチルジイソプロピルシリル基、メチルジ−t−ブチルシリル基、及びトリイソプロピルシリル基;及びアリール基1又は2つで置換されているトリ(低級アルキル)シリル基、例えば、ジフェニルメチルシリル基、ジフェニルブチルシリル基、ジフェニルイソプロピルシリル基、及びフェニルジイソプロピルシリル基;アルコキシメチル基、例えば:低級アルコキシメチル基、例えば、メトキシメチル基、1,1−ジメチル−1−メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、及びt−ブトキシメチル基;低級アルコキシル化低級アルコキシメチル基、例えば、2−メトキシエトキシメチル基;及びハロ(低級アルコキシ)メチル基、例えば、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基、及びビス(2−クロロエトキシ)メチル基;置換されたエチル基、例えば:低級アルコキシル化エチル基、例えば、1−エトキシエチル基、及び1−(イソプロポキシ)エチル基;及びハロゲン化されたエチル基、例えば、2,2,2−トリクロロエチル基;アラルキル基、例えば:アリール基1〜3つで置換された低級アルキル基、例えば、ベンジル基、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、α−ナフチルジフェニルメチル基、及び9−アントリルメチル基;及び置換されたアリール基1〜3つで置換されている低級アルキル基(ここで、前記アリール基1つ以上は、低級アルキル置換基、低級アルコキシ置換基、ニトロ置換基、ハロゲン置換基、又はシアノ置換基1つ以上で置換されている)、例えば、4−メチルベンジル基、2,4,6−トリメチルベンジル基、3,4,5−トリメチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−メトキシフェニルジフェニルメチル基、2−ニトロベンジル基、4−ニトロベンジル基、4−クロロベンジル基、4−ブロモベンジル基、及び4−シアノベンジル基;アルケニルオキシカルボニル基:例えば、ビニルオキシカルボニル基及びアリールオキシカルボニル基;並びにアラルキルオキシカルボニル基(この中のアリール環は、低級アルコキシ基又はニトロ基1又は2つで置換されていることができる):例えば、ベンジルオキシカルボニル基、4−メトキシベンジルオキシカルボニル基、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル基、2−ニトロベンジルオキシカルボニル基、及び4−ニトロベンジルオキシカルボニル基を挙げることができる。
【0024】
本明細書において、用語「保護基」は、「Protective Groups in Organic Synthesis edited by T.W.Greene et al.(John Wiley&Sons,1991)」に記載の典型的なヒドロキシ又はアミノ保護基から選択されるヒドロキシ又はアミノ保護基を意味する。
【0025】
本明細書において、用語「治療する」は、その用語が用いられる障害又は状態あるいは前記障害又は状態の症状1つ以上を、予防するか又はその進行を逆転、緩和、阻害することを表す。本明細書において、用語「治療」は、治療する(直前で定義されたとおりの「治療する」)行為を表す。
【0026】
式(I)で表される化合物において、Rは、好ましくは、水素原子又は塩素原子;より好ましくは、塩素原子を表す。
式(I)で表される化合物において、Rは、好ましくは、炭素原子数1〜6のアルキル基、アミノカルボニル基、又は炭素原子数1〜6のモノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル基であり;より好ましくは、炭素原子数1〜6のアルキル基であり;及び最も好ましくは、メチル基又はエチル基を表す。
【0027】
式(I)で表される化合物において、Rは、好ましくは、炭素原子数1〜8のアルキル基[R中の前記アルキル基は、後述の置換基αからなる群から選択される置換基少なくとも1つで置換されており;
前記置換基αは、アリール基、ヒドロキシ基、オキソ基、アミノカルボニル基、又は炭素原子数1〜6のモノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル基、炭素原子数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、後述の複素環基、複素環-カルボニル基、及び炭素原子数3〜8のシクロアルキル基からなる群から選択され;
前記複素環基及び前記複素環-カルボニル基中の複素環部分は、イオウ原子、酸素原子、及び窒素原子からなる群から選択されるヘテロ原子1〜3つを含む5〜7員の環式基である]であり;より好ましくは、炭素原子数1〜10のアルキル基[R中の前記アルキル基は、後述の置換基αからなる群から選択される置換基少なくとも1つで置換されており;
前記置換基αは、アリール基、ヒドロキシ基、オキソ基、炭素原子数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、及び複素環式カルボニル基からなる群から選択され;
前記複素環式カルボニル基中の前記複素環部分が、ピペリジニル基及びモルホリニル基からなる群から選択される]である。
【0028】
本発明の好ましい個々の化合物は:
5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソプロピル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソエチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2−ブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル))ピペリジン−4−イル]]]メチル]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(4−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−ヒドロキシブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド,半オキサレート塩;及び
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−オキシ−2−ピペリジン−1−イルエチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
又は前記化合物のエステル、
及びその塩である。
【0029】
本発明の最も好ましい個々の化合物は:
5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2−ブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル))ピペリジン−4−イル]]]メチル]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[(−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(4−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−ヒドロキシブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド,半オキサレート塩;及び
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−オキシ−2−ピペリジン−1−イルエチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
又は前記化合物のエステル、
及びその塩である。
【0030】
《一般合成》
式(I)で表される本発明のイミダゾピリジン化合物は、種々の合成方法によって調製することができる。例えば、以下の反応工程式1に示すように、カルボキシレート化合物(II)を鹸化して相当するカルボン酸化合物(III)を得て、続いて前記化合物(III)とアミン化合物(IV)とを結合反応させることによって、式(I)で表されるイミダゾピリジン化合物を調製することができる。
【0031】
反応工程式1:
【化3】

(前記反応工程式において、R’はC1−3アルキル基又はベンジル基であり;そして別の記号は全て既に規定したとおりである)
【0032】
反応工程式1では、最初にカルボキシレート化合物(II)を、そのイミダゾピリジン環の8位においてエステル残基の鹸化を実施し、続いて酸性化して、相当するカルボン酸(III)を得ることができる。次いで、前記化合物(III)をアミン化合物(IV)と結合して、イミダゾピリジン化合物(I)を得ることができる。
【0033】
前記鹸化及び前記酸性化は、通常の方法で実施することができる。典型的な方法では、適切な反応不活性溶媒中で、水酸化ナトリウム又は水酸化リチウムで処理することによって、前記鹸化を実施する。適切な溶媒としては、例えば、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール、及びエチレングリコール;エーテル、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、及び1,4−ジオキサン;ハロゲン化炭化水素、例えば、クロロホルム、ジクロロエタン、及び1,2−ジクロロエタン;アミド、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)及びヘキサメチルホスホリックトリアミド;及びスルホキシド、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)を挙げることができる。この反応は、−20〜100℃、通常、20℃〜65℃の範囲内の温度で、30分間〜24時間、通常、60分間〜10時間かけて実施することができる。典型的な方法では、適切な反応不活性溶媒、例えば、水中で、−20〜65℃、通常、0℃〜30℃の範囲内の温度で、30分間〜10時間、通常、30分間〜2時間かけて、希塩酸又は10%水性クエン酸で処理することによって、前記酸性化を実施する。
【0034】
前記結合反応は、反応不活性溶媒中で、適切な縮合剤の存在下で実施することができる。適切な縮合剤としては、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、水溶性カルボジイミド(WSC)、2−エトキシ−N−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−Tris(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、ジエチルアゾジカルボキシレート−トリフェニルホスフィン、ジエチルシアノホスホネート(DEPC)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、ブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBrop[商標])、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィニッククロライド(BOPCl)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−Tris−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、2−(1−H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3,−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、及びクロロギ酸エチルを挙げることができる。適切な反応不活性溶媒としては、水性又は非水性の有機溶媒、例えば、THF、DMF、1,4−ジオキサン、アセトン、DME、及びアセトニトリル;及びハロゲン化された炭化水素、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、及び1,2−ジクロロエタン(好ましくは、ジクロロメタン)を挙げることができる。この反応は、−20〜80℃、通常、0℃〜30℃の範囲内の温度で、30分間〜100時間、通常、5時間〜24時間かけて実施することができる。
【0035】
反応工程式2:
反応工程式1において出発材料として使用されるカルボキシレート化合物(II)を、以下の反応工程で調製することができる。
【化4】

【0036】
反応工程式2では、ニコチネート化合物(V)[ここで、R’はC1−3アルキル基又はベンジル基であり、及びZはハロゲンであり;そしてそのアミノ基は、ピバロイル基によって保護されている]を、アンモニアと反応させて、化合物(VIII)を得ることができる。この反応は、一般的に、密封された管内で実施する。この反応は、適切な反応不活性溶媒、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール、及びTHF中で実施することができる。この反応は、30〜150℃、通常、50℃〜100℃の範囲内の温度で、30分間〜24時間、通常、30分間〜12時間かけて実施することができる。Rがハロの場合には、化合物(VIII)を、適切な条件下で、ハロゲン又はN−ハロゲン化されたスクシミド又はSELECTFLUOR(商標)で処理して、Rがハロである化合物(IX)を得る。この反応は、適切な反応不活性溶媒、例えば、カルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、及びブチル酸);ハロゲン化炭化水素、例えば、クロロホルム、ジクロロエタン、及び1,2−ジクロロエタン;アミド、例えば、DMF、及びヘキサメチルホスホリックトリアミド;スルホキシド、例えば、DMSO;アセトニトリル;ベンゼン、トルエン、キシレン;及びピリジン中で実施することができる。この反応は、0〜80℃、通常、25〜70℃の範囲内の温度で、5分間〜24時間、通常、15分間〜8時間かけて実施することができる。次いで、前記化合物(IX)に、アミノ保護基の脱保護を実施して、化合物(X)を得ることができる。前記脱保護は、塩基(例えば、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、及び水酸化ナトリウム)又は酸(例えば、塩酸及び硫酸)の存在下で実施することができる。前記脱保護は、適切な反応不活性溶媒、例えば、メタノール中で、25〜80℃、通常、50〜65℃の範囲内の温度で、10分間〜24時間、通常、30分間〜10時間かけて実施することができる。
【0037】
次いで、前記化合物(X)を、X’がハロゲンである化合物(XI)と反応させて、化合物(II)及び化合物(XII)を得ることができる。この反応は、適切な反応不活性溶媒、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、及びブタノール中で、2−ハロゲン化されたアルデヒド又は2−ハロゲン化されたケトン〔化合物(XI)〕の存在下で、25〜120℃、通常、50℃〜65℃の範囲内の温度で、8時間〜72時間、通常、8時間〜24時間かけて実施することができる。得られた化合物(II)と化合物(XII)との混合物を、通常の分離技術で処理して、化合物(II)を得ることができる。適切な通常の分離技術としては、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを挙げることができる。
【0038】
更に、式(V)で表される出発化合物は、公知であるか、あるいは当業者に公知の方法に従って公知化合物から調製することができる。
【0039】
反応工程式3:
がハロである化合物(I)を接触水素添加することにより、化合物(I’)〔Rが水素原子である化合物(I)〕を調製することができる。
【化5】

【0040】
反応工程式3では、適切な反応不活性溶媒、例えば、メタノール中で、水素又は水素源、例えば、ギ酸アンモニウム、トリエチルシラン、及び適当な金属含有触媒、例えば、パラジウム、プラチナ、ニッケル、酸化プラチナ、及びロジウムの存在下で、前記接触水素添加を実施することができる。好ましい触媒は、炭素上パラジウムである。この水素添加は、20〜100℃、通常、25℃〜80℃の範囲内の温度で、5分間〜48時間、通常、30分間〜2時間かけて実施することができる。
【0041】
反応工程式4:
【化6】

【0042】
反応工程式4では、化合物(VI)をアンモニア水と反応させて、化合物(XII)を得ることができる。この反応は、一般的に、密封された管中で実施する。この反応は、適切な反応不活性溶媒中で実施することができる。適切な溶媒としては、例えば、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール、及びエチレングリコール;エーテル、例えば、THF、DME、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、及び1,4−ジオキサン;ハロゲン化炭化水素、例えば、クロロホルム、ジクロロエタン、及び1,2−ジクロロエタン;アミド、例えば、DMF及びヘキサメチルホスホリックトリアミド;スルホキシド、例えば、DMSO;アセトニトリル;ベンゼン、トルエン、キシレン;及びピリジンを挙げることができる。この反応は、30〜150℃、通常、50℃〜100℃の範囲内の温度で、30分間〜24時間、通常、30分間〜12時間かけて実施することができる。化合物(II)は、適当な条件下で化合物(XII)と化合物(XI)とを反応させることにより調製することができる。この反応は、適切な反応不活性溶媒、例えば、メタノール中で実施することができる。この反応は、25〜65℃、通常、50℃〜65℃の範囲内の温度で、30分間〜48時間、通常、30分間〜12時間かけて実施することができる。
【0043】
反応工程式5:
反応工程式2、4、及び6において出発材料として使用されるニコチネート化合物(V’)及び(VI)を、以下の反応工程で調製することができる。
【化7】

【0044】
反応工程式5では、Zがハロゲンであるピリジン化合物(XIII)を、アンモニア水と反応させて、化合物(XIV)を得ることができる。この反応は、一般的に、密封された管中で実施される。この反応は、50〜200℃、通常、100℃〜160℃の範囲内の温度で、30分間〜24時間、通常、30分間〜12時間かけて実施することができる。化合物(XIV)を、塩基、例えば、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、及びルチジンの存在下で、アシルクロライド、例えば、ピバロイルクロライドで処理して、化合物(XV)の混合物を得る。この反応は、適切な反応不活性溶媒中で実施することができる。適切な溶媒としては、例えば、ハロゲン化炭化水素、例えば、クロロホルム、ジクロロエタン、及び1,2−ジクロロエタンを挙げることができる。この反応は、−20〜50℃、通常、−10℃〜30℃の範囲内の温度で、30分間〜24時間、通常、30分間〜10時間かけて実施することができる。化合物(XV)を、アルカリ金属、例えば、n−BuLiで処理し、続いてアルキルハロホルメート、例えば、クロロギ酸エチル又はカルボベンジルオキシクロライドで処理して、化合物(V’)及び(VI)を得る。この反応は、適切な反応不活性溶媒中で実施することができる。適切な溶媒としては、例えば、エーテル、例えば、THF、DME、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、及び1,4−ジオキサンを挙げることができる。この反応は、−100〜50℃、通常、−100〜20℃の範囲内の温度で、5分間〜24時間、通常、15分間〜8時間かけて実施することができる。更に、式(XIII)で表される出発化合物は、公知であるか又は当業者に公知の方法、例えば、「Helv.Chim.Acta(1976),59,229−35」、「J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1(1996),519−24」、及び「J.Chem.Soc.,Chem.Commun.(1988),1482−3」に従って公知化合物から調製することができる。
【0045】
反応工程式6:
反応工程式1において出発材料として使用されるカルボキシレート化合物(II)を、以下の反応工程において調製することができる。
【化8】

【0046】
反応工程式6では、ニコチネート化合物(V’)〔ここで、R’は、C1−3アルキル基又はベンジル基であり、及びZは、ハロゲンであり;そしてアミノ基は、ピバロイル基によって保護されている〕を、アンモニアと反応させて、化合物(IX)を得ることができる。この反応は、一般的に、密封された管中で実施する。この反応は、適切な反応不活性溶媒、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール、及びTHF中で実施することができる。この反応は、30〜150℃、通常、50℃〜100℃の範囲内の温度で、30分間〜24時間、通常、30分間〜12時間かけて実施することができる。次いで、化合物(IX)を、アミノ保護基の脱保護処理して、化合物(X)を得ることができる。前記脱保護は、塩基(例えば、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、及び水酸化ナトリウム)又は酸(例えば、塩酸及び硫酸)の存在下で実施することができる。前記脱保護は、適切な反応不活性溶媒、例えば、メタノール中で、25〜80℃、通常、50〜65℃の範囲内の温度で、10分間〜24時間、通常、30分間〜10時間かけて実施することができる。
【0047】
次いで、化合物(X)を、化合物(XI)と反応させて、化合物(II)及び化合物(XII)を得ることができる。この反応は、適切な反応不活性溶媒、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、及びブタノール中で、2−ハロゲン化されたアルデヒド又は2−ハロゲン化されたケトン〔化合物(XI)〕の存在下で、25〜120℃、通常、50℃〜65℃の範囲内の温度で、8時間〜72時間、通常、8時間〜24時間かけて実施することができる。得られる化合物(II)と化合物(XII)との混合物を、通常の分離技術で処理して、化合物(II)を得ることができる。適切な通常の分離技術としては、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを挙げることができる。
【0048】
反応工程式7
【化9】

【0049】
反応工程式7では、カルボン酸化合物(III)をアミン化合物(XVI)と結合させて、イミダゾピリジン化合物(XVII)を得ることができる。次いで、化合物(XVII)を、ピペリジン環中の窒素原子の保護基の脱保護処理し、続いてアルキル化して、イミダゾピリジン化合物(I)を得ることができる。
【0050】
前記結合反応は、反応不活性溶媒中で、適切な縮合剤の存在下で実施することができる。適切な縮合剤としては、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、水溶性カルボジイミド(WSC)、2−エトキシ−N−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−Tris(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、ジエチルアゾジカルボキシレート−トリフェニルホスフィン、ジエチルシアノホスホネート(DEPC)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、ブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBrop[商標])、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィニッククロライド(BOPCl)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−Tris−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、2−(1−H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3,−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、及びクロロギ酸エチルを挙げることができる。適切な反応不活性溶媒としては、水性又は非水性の有機溶媒、例えば、THF、DMF、1,4−ジオキサン、アセトン、DME、及びアセトニトリル;並びにハロゲン化された炭化水素、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、及び1,2−ジクロロエタン(好ましくは、ジクロロメタン)を挙げることができる。この反応は、−20〜80℃、通常、0℃〜30℃の範囲内の温度で、30分間〜100時間、通常、5時間〜24時間かけて実施することができる。
【0051】
得られた前記アミノ化合物を、アミノ保護基の脱保護処理して、化合物(XVIII)を得ることができる。前記脱保護は、当業者に公知の多く標準的な方法(例えば、「Protection for the Hydroxy Group and the Amino Group,in Protective Groups in Organic Synthesis,2nd Edition,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Ed.,John Wiley and Sons,Inc.1991,pp.10−142,309−405」)によって実施することができる。次いで、通常の条件下で、ピペリジン環中のアミノ基のアルキル化を実施することができる。前記化合物を、反応不活性溶媒、例えば、ジクロロメタン、THF、又はDMF中で、塩基、例えば、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ルチジン、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどの存在下で、約0℃〜約100℃で、約5分間〜約48時間かけて適当なハロゲン化アルキル(R−Z)で処理することができる。
【0052】
反応工程式8:
アミノ化合物(XXIII)〔R及びRはC1−4アルキル基であり、そしてRはC1−6アルキル基である〕を、以下の反応工程において調製することができる。
【化10】

【0053】
反応工程式8では、ピペリジン化合物(XIX)をエポキシド化合物(XX)と反応させて、ヒドロキシ化合物(XXI)を得ることができる。この反応は、適切な反応不活性溶媒、例えば、THF、DMF、アセトニトリル、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、DMSO、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソ−ブタノール、sec−ブタノール、及びtert−ブタノール中で、−50〜250℃、通常、0℃〜200℃の範囲内の温度で、30分間〜100時間、通常、1時間〜80時間かけて実施することができる。この反応は、金属ハロゲン化物、例えば、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、及びヨウ化リチウムの存在下で実施することができる。ヒドロキシ化合物(XXI)のアルコキシ化合物(XXII)への変換は、通常の方法の下で実施することができる。ヒドロキシ基のアルキル化は、通常の条件下で実施することができる。前記化合物を、反応不活性溶媒、例えば、ジエチルエーテル、DME、DMSO、THF、又はDMF中で、塩基、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水素化ナトリウム、及び水素化カリウムなどの存在下で、約0℃〜約200℃、通常、0℃〜200℃で、約5分間〜約100時間、通常、1時間〜80時間かけて、適当なハロゲン化アルキル(R−Z)で処理することができる。あるいは、ヒドロキシ化合物(XXI)を、RBFで処理して、化合物(XXII)を得ることができる。この反応は、適切な反応不活性溶媒、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、トルエン、及びニトロメタン中で、−50〜200℃、通常、0℃〜100℃の範囲内の温度で、30分間〜100時間、通常、1時間〜80時間かけて実施することができる。得られる化合物(XXII)を、アミノ保護基の脱保護処理して、化合物(XXIII)を得ることができる。前記脱保護は、当業者に公知の多く標準的な方法(例えば、「Protection for the Hydroxy Group and the Amino Group,in Protective Groups in Organic Synthesis,2nd Edition,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Ed.,John Wiley and Sons,Inc.1991,pp.10−142,309−405」)によって実施することができる。
【0054】
反応工程式9:
【化11】

【0055】
前記ニコチネート化合物(X)を、以下の反応工程において調製することができる。
【0056】
反応工程式9では、ピリジン化合物(XXIV)を、n−BuLiで処理し、続いてR’COZ又はR’COR’(ここで、R’は、C1−3アルキル基又はベンジル基であり、そしてZは、ハロゲンである)で処理して、化合物(XXVI)を得ることができる。この反応は、適切な反応不活性溶媒中で実施することができる。適切な溶媒としては、例えば、エーテル、例えば、THF、DME、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、及び1,4−ジオキサンを挙げることができる。この反応は、−100〜50℃、通常、−100〜20℃の範囲内の温度で、5分間〜24時間、通常、15分間〜8時間かけて実施することができる。あるいは、ピリジン化合物(XXIV)をカルボキシル化し、続いてエステル化することによって、化合物(XXVI)を調製することができる。前記ピリジン化合物(XXIV)を、n−BuLiで処理し、続いて二酸化炭素(気体又はドライアイス)で処理して、カルボン酸化合物(XXV)を得ることができる。この反応は、適切な反応不活性溶媒中で実施することができる。適切な溶媒としては、例えば、エーテル、例えば、THF、DME、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、及び1,4−ジオキサンを挙げることができる。この反応は、−100〜50℃、通常、−100〜20℃の範囲内の温度で、5分間〜24時間、通常、15分間〜8時間かけて実施することができる。前記化合物(XXV)を、エステル化して、化合物(XXVI)を得ることができる。前記エステル化は、当業者に公知の多く標準的な方法(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis,Third edition.ed.T.W.Green and P.G.M.Wuts,Wiley−Interscience.,pp373−377.)によって実施することができる。典型的なエステル化は、適切な反応不活性溶媒中で、塩基の存在下で、適切なC1−3アルキルハライド又はベンジルハライドを用いて実施することができる。適切な溶媒としては、例えば、エーテル、例えば、THF、DME、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、DMF、DMSO、R’OH、及び1,4−ジオキサンを挙げることができる。適切な塩基としては、例えば、KCO、CsCO、NaHCO、及びDBUを挙げることができる。この反応は、−100〜200℃、通常、−10〜100℃の範囲内の温度で、1〜72時間、通常、2〜60時間かけて実施することができる。また、前記エステル化は、適切な反応不活性溶媒中で、トリメチルシリルジアゾメタンを用いて実施することもできる。適切な溶媒としては、例えば、メタノール、ベンゼン、及びトルエンを挙げることができる。この反応は、−100〜200℃、通常、−10〜100℃の範囲内の温度で、1分間〜72時間、通常、0.5〜60時間かけて実施することができる。また、前記エステル化は、適切な反応不活性溶媒中で、ジアゾメタンを用いて実施することもできる。適切な溶媒としては、例えば、ジエチルエーテルを挙げることができる。この反応は、−100〜200℃、通常、−50〜100℃の範囲内の温度で、1分間〜72時間、通常、0.5〜60時間かけて実施することができる。あるいは、前記エステル化は、適切な溶媒中で、結合剤及び第三級アミンの存在下で、R’OHを用いて実施することができる。適切な結合剤としては、例えば、DCC、WSC、ジイソプロピルシアノホスホネート(DIPC)、BOPCl、及び2,4,6−トリクロロ安息香酸クロライドを挙げることができる。適切な第三級アミンとしては、例えば、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンを挙げることができる。適切な溶媒としては、例えば、DMF、THF、ジエチルエーテル、DME、ジクロロメタン、及び1,2−ジクロロエタンを挙げることができる。この反応は、−100〜200℃、通常、−50〜100℃の範囲内の温度で、1分間〜100時間、通常、0.5〜80時間かけて実施することができる。Rがハロのときには、適切な条件下で化合物(XXVI)をハロゲン又はN−ハロゲン化スクシミド又はSELECTFLUOR(商標)で処理して、Rがハロである化合物(XXVII)を得ることができる。この反応は、適切な反応不活性溶媒、例えば、カルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、及びブチル酸);ハロゲン化炭化水素、例えば、クロロホルム、ジクロロエタン、及び1,2−ジクロロエタン;アミド、例えば、DMF及びヘキサメチルホスホリックトリアミド;スルホキシド、例えば、DMSO;アセトニトリル;ベンゼン、トルエン、キシレン;及びピリジン中で実施することができる。この反応は、0〜80℃、通常、25〜70℃の範囲内の温度で、5分間〜24時間、通常、15分間〜8時間かけて実施することができる。次いで、化合物(XXVII)を、アミノ保護基の脱保護処理して、化合物(X)を得ることができる。前記脱保護は、塩基(例えば、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、及び水酸化ナトリウム)又は酸(例えば、塩酸及び硫酸)の存在下で実施することができる。前記脱保護は、適切な反応不活性溶媒、例えば、メタノール中で25〜80℃、通常、50〜65℃の範囲内の温度で、10分間〜24時間、通常、30分間〜10時間かけて実施することができる。
【0057】
更に、式(XXIV)で表される出発化合物は、公知であるか又は公知化合物から当業者に公知の方法〔例えば、J.Am.Chem.Soc.(1986),108(12)、3310−18〕に従って調製することができる。
【0058】
反応工程式10:
【化12】

【0059】
反応工程式10では、化合物(XVIII)をエポキシド化合物(XX)と反応させて、化合物(I)を得ることができる。この反応は、適切な反応不活性溶媒、例えば、THF、DMF、アセトニトリル、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、DMSO、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソ−ブタノール、sec−ブタノール、及びtert−ブタノール中で、−50〜250℃、通常、0℃〜200℃の範囲内の温度で、30分間〜100時間、通常、1時間〜80時間かけて実施することができる。この反応は、金属ハロゲン化物、例えば、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、及びヨウ化リチウムの存在下で実施することができる。
【0060】
本発明は、前記で得られた化合物(I)の塩形態を包含する。本発明のイミダゾピリジン化合物が塩基性化合物である限りにおいて、本発明のイミダゾピリジン化合物は、多様な無機又は有機酸と、広範で多様な種々の塩基を形成することができる。
【0061】
前記の式(I)で表されるイミダゾピリジン塩基化合物の薬剤学的に許容することのできる酸付加塩を調製するのに用いられる酸は、無毒の酸付加塩、すなわち、薬剤学的に許容することのできるアニオンを含む塩、例えば、クロライド、ブロマイド、ヨージド、硝酸塩、硫酸塩又は重硫酸塩、リン酸塩又は酸性リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩又は酸性クエン酸塩、酒石酸塩又は重酒石酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、グルコン酸、サッカラート、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、及びパモエート(すなわち1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート)を形成する酸である。前記酸付加塩は、通常の方法によって調製することができる。
【0062】
式(I)で表される本発明の化合物は、不整中心1つ以上を含むことがある。従って、前記化合物は、分離された(+)−及び(−)−光学活性形態、並びにそのラセミ体で存在することができる。前記の全ての形態は、本発明の範囲内に含まれる。個々の異性体を、公知の方法、例えば、最終生成物又はその中間体の調製における光学選択的反応又はクロマトグラフィー分離によって得ることができる。
【0063】
更に、本発明の化合物が水和物又は溶媒和物を形成するときには、それらも本発明の範囲内に含まれる。
【0064】
本発明のイミダゾピリジン化合物は、5−HTレセプター結合活性(例えば、アゴニスト又はアンタゴニスト活性)を有し、従って、哺乳動物(特にヒト)における胃食道逆流性疾患、胃腸管疾患、胃運動障害、上部消化管運動障害、非潰瘍性消化不良、機能性消化不良、過敏性腸症候群、便秘、消化不良、食道炎、胃食道疾患、吐き気、中枢神経系疾患、アルツハイマー病、認識障害、嘔吐、片頭痛、神経系疾患、痛み、虚血性脳卒中、不安、心臓血管障害、例えば、心不全及び心臓不整脈などの治療又は予防に有用である。
【0065】
本発明の化合物は、抗生剤、抗真菌剤、及び抗ウイルス剤から選択される別の治療成分1種以上と組み合わせて、有利に使用することができる。
【0066】
生物学的活性の評価方法:
本発明の化合物の5−HTレセプター結合親和性を、以下の手順によって決定する。
【0067】
《膜の調製》
ブタの頭部は、屠殺場から供給された。線条体組織を切開し、重量を量り、そしてポリトロンホモジナイザー(最高速度で30秒間)中で、50mM氷冷HEPES(pH7.5)15容量中でホモジナイズした。懸濁液を4℃で15分間、48,000gで遠心分離した。得られたペレットを、適当な容量の50mM氷冷HEPES中に再懸濁し、アリコートに分け、そして使用するまで−80℃で貯蔵した。
【0068】
ウシの頭部も、屠殺場から供給された。線条体組織を切開し、重量を量り、そしてポリトロンホモジナイザー(最高速度で30秒間)中で、50mM氷冷Tris−HCl(pH7.4)20容量中でホモジナイズした。懸濁液を4℃で30分間、20,000gで遠心分離した。得られたペレットを、同じ方法で、50mM氷冷Tris−HCl15容量中に再懸濁し、ホモジナイズし、そして再び遠心分離した。最終的なペレットを、適当な容量の50mMTris−HCl中に再懸濁し、アリコートに分け、そして使用するまで−80℃で貯蔵した。
【0069】
大脳皮質組織を、雄性Sprague−Dawly(SD)ラット(Japan SLC)から摘出し、重量を量り、そして50mM氷冷Tris−HCl(pH7.5)10容量中に入れた。これをポリトロンホモジナイザー(最高速度で30秒間)中でホモジナイズし、続いて4℃で15分間、48,000gで遠心分離した。得られたペレットを、同じ方法で、50mM氷冷Tris−HCl中に再懸濁し、ホモジナイズし、そして再び遠心分離した。最終的なペレットを、適当な容量の50mMTris−HCl中に再懸濁し、アリコートに分け、そして使用するまで−80℃で貯蔵した。
【0070】
ホモジネートのタンパク質濃度を、BSAを標準とするBCAタンパク質法(Pierce)又はブラッドフォード法によって測定した。
【0071】
《結合アッセイ》
ブタ又はウシの5−HTレセプター及びラットの5−HTレセプターに対する化合物の親和性を、放射能標識された特異的リガンド、GR113808〔{1−[2−(メチルスルホニル)エチル]−4−ピペリジニル}[メチル−H]−1H−インドール−3−カルボキシレート〕及びBRL43694〔1−メチル−N−(9−[メチル−H]−9−アザビシクロ[3.3.1]ノン−3−イル)−1H−インダゾール−3−カルボキサミド〕を用いて評価した。50mMTris−HCl(pH7.5)0.8〜1mL(最終体積)に懸濁した[H]−GR113808(Amersham)25〜100pM及びブタ又はウシ線条体膜のタンパク質0.6〜1mgを中、化合物をインキュベーションした。10〜50μMの5−HTを用いて、非特異的結合を決定した。50mMTris−HCl(pH7.5)(最終体積500μL)中に懸濁したラット皮質膜のタンパク質400μgを用いて、0.3nM[H]−BRL43694(NEN)の結合を測定した。10μM5−HTを用いて非特異的結合を決定した。
【0072】
プレートを、プレートシェイカー上で室温で30分間インキュベーションした。4℃で60〜90分間0.2%ポリ(エチレンイミン)に予浸させたWallac−Bフィルターを通すBrandellセルハーベスタを用いた急速濾過により、前記アッセイを停止した。前記フィルターを氷冷50mM−HEPES1mLで3回洗浄し、そしてマイクロ波中で又は室温で乾燥した。それらを袋に詰め、そしてメルチレックスシンチラント[meltilex scintillant](Wallac)を用いて加熱するか、又はベータプレートシント[BetaplateScint](Wallac)中に浸した。レセプターに結合した放射能を、Big−spotカウンター、ベータプレートカウンター(Wallac)、又はLSカウンター(Packard)を用いて定量した。
【0073】
《ヒト5−HT結合》
ヒト5−HT4(d)トランスフェクションされたHEK293細胞をインハウスで調製及び培養した。収集した細胞を、プロテアーゼインヒビターカクテル(Boehringer,1:1000希釈)を補った50mM−HEPES(4℃でpH7.4)中に懸濁し、そして手持式のポリトロンPT1200ディスラプターセットを氷上で30秒間全力で使用してホモジナイズした。そのホモジネートを、4℃で30分間、40,000×gで遠心分離した。次いで、そのペレットを、50mM−HEPES(4℃でpH7.4)中に再懸濁し、そして同じ方法でもう一度遠心分離した。最終的なペレットを、適当な容量の50mM−HEPES(25℃でpH7.4)中に再懸濁し、ホモジナイズし、アリコートし、そして使用するまで−80℃で貯蔵した。膜画分のアリコートを、BCAタンパク質アッセイキット(PIERCE)及びARVOsxプレートリーダー(Wallac)を用いるタンパク質濃度決定に使用した。
【0074】
この結合実験に対して、[H]−GR113808(Amersham,最終0.2nM)25μL並びに膜ホモジネート及びWGA−SPAビーズ(Amersham)懸濁溶液(タンパク質10μg及びSPAビーズ1mg/ウェル)150μLを用いて、試験化合物25μLを室温で60分間インキュベーションした。前記最終濃度で、1μM−GR113808(Tocris)によって、非特異的結合を決定した。1000rpmで遠心分離することによってインキュベーションを終了させた。MicroBetaプレートカウンター(Wallac)を用いて数えることにより、レセプター−結合放射能を定量した。
【0075】
後述の作業実施例で調製した全ての化合物をこの方法で試験したところ、5−HTレセプターに対する親和性に関して、0.19nM〜47nMのKi値を示した。
【0076】
≪機能アッセイ≫
ラット食道における5−HTレセプターの存在及びTMM調製物において部分的アゴニズムを示すその能力は、文献に報告されている〔参照:「G.S.Baxterら,Naunyn−Schmiedeberg’s Arch Pharmacol(1991)343:439−446」;「M.Yukikoら,JPET(1997)283:1000−1008」;及び「J.J.Reevesら,Br.J.Pharmacol.(1991)103:1067−1072」〕。より詳細には、以下の手順によって部分的アゴニスト活性を測定することができる。
【0077】
体重250〜350gの雄性SDラット(Charles River)を気絶させ、次いで頸部脱臼により殺した。食道を、胃に最も近い部分(遠位末端をわかるようにするため、胃の一部を含む)から気管のレベルまで切開し、次いで新鮮なクレブス溶液に入れた。
【0078】
外側の骨格筋層を、鉗子を用いて、その下にある平滑筋層から一回で(胃から気管の方向に)剥がすことにより、外側の骨格筋層を摘出した。残された平滑筋の内管はTMMとして知られていた。これを、本来の「胃の端」から2cmとなるように調整切取し、そして残りを廃棄した。
【0079】
温かい(32℃)曝気クレブス液を充填した5mL器官溶液(Organ baths)中に、TMMを完全に「開いた」管として縦方向に据え付けた。初期張力750mgで組織を入れ、そして60分間かけて放置して平衡状態にさせた。前記平衡期間の間、15分間隔で2回、組織に再び張力をかけた。この時間の間、ポンプの流速は、2mL/分に設定した。
【0080】
平衡の後に、ポンプのスイッチを切った。組織を1μMカルバコールに曝すと、収縮し、そして15分以内に定常収縮性プラトーに達した。次いで、組織を、1μM5−HTで処理した(これは組織の下処理である)。前記組織は、かなり速く、1分以内に5−HTに応答して弛緩した。最大弛緩が起こって測定が済んだら直ちに、前記組織を、元のベースライン(プレ−カルバコール及び5−HT)が回復する(通常、ベースラインは、最初の平衡の後で元のベースラインより低くなっている)まで、少なくとも1分間、最大速度(66mL/分)で洗浄した。ポンプ流速を2mL/分に落とし、そして組織を60分間放置した。
【0081】
5−HTに対する累積の濃度−効果−曲線(CEC)を、半−対数単位(half−log unit)の増分で0.1nM〜1μMの範囲にわたって作成した(データ分析に対する5−HT曲線1)。投与間の接触時間は、3分又はプラトーが確立するまでであった。組織は、溶液(bath)中の5−HT濃度が高くなるにつれ、より速く応答した。曲線の終末では、レセプターの感度低下を防ぐため、できるだけ速く(最大速度で)前記組織を洗浄した。ポンプ速度を2mL/分に落とし、そして組織を60分間放置した。
【0082】
5−HT(時間コントロール組織に対して)、他の5−HTアゴニスト(標準)、又は試験化合物(データ分析に対する曲線2)に対して、第二回のCECを実施した。他の5−HTアゴニスト及び試験化合物では接触時間が変化するので、各特定の剤に対する組織の個々の応答に応じて接触時間を調整した。試験化合物に曝された組織では、試験化合物の最終濃度の後に、高濃度(1μM)の5−HTアンタゴニスト〔SB203,186:1H−インドール−3−カルボン酸,2−(1−ピペリジニル)エチルエステル,Tocris〕を浴に加えた。これは、任意のアゴニストが誘発する弛緩を(もし存在するのなら)逆転することができるかどうかを見るためであった。SB203,186は、カルバコールに誘発された緊張を組織の元々の程度に回復し、5−HTの誘発する弛緩を逆転した。
【0083】
100nM標準5−HTアンタゴニスト、例えば、SB203,186を用いて組織を予備インキュベーションすることによって、試験化合物のアゴニスト活性を確認した。曲線2の前のカルバコールの添加の5分前に、SB203,186を前記浴に添加した。組織は、データ分析のために、「対」になっていなければならない、すなわち、或る組織中におけるSB203,186の不在下の試験化合物を、分けられた組織中におけるSB203,186の存在下の前記試験化合物と比較した。曲線3〔すなわち、5−HT曲線1、続いて試験化合物曲線2(−SB203,186)、続いて試験化合物曲線3(+SB203,186)〕を実施することは不可能であった。
【0084】
《ヒト5−HT4(d)トランスフェクションされたHEK293細胞におけるアゴニスト誘発cAMP上昇》
ヒト5−HT4(d)トランスフェクションされたHEK293細胞を、インハウスで確立した。10%FCS、20mM−HEPES(pH7.4)、200μg/mLヒグロマイシンB(Gibco)、100単位/mLペニシリン、及び100μg/mLストレプトマイシンを補ったDMEM中で、37℃及び5%COにおいて、前記細胞を培養した。
【0085】
前記細胞を、集密度60〜80%まで培養した。化合物で処理する前日に、通常のものを透析されたFCS(Gibco)へと代え、そして前記細胞を一晩インキュベーションした。
【0086】
化合物を、96ウェルプレート中に準備した(12.5μL/ウェル)。前記細胞を、PBS/1mM−EDTAを用いて収集し、遠心分離し、そしてPBSで洗浄した。本アッセイの開始時に、細胞ペレットを、20mM−HEPES、10μMパルジリン(Sigma)、及び1mM3−イソブチル−1−メチルキサンチン(Sigma)が補われたDMEM中に濃度1.6×10細胞/mLで再懸濁し、そして室温で15分間放置した。前記細胞をプレートに入れて(12.5μL/ウェル)、反応を開始した。室温で15分間インキュベーションした後に、1%TritonX−100を加えて反応を停止し(25μL/ウェル)、そしてそのプレートを、室温で30分間放置した。製造者の指示書に従って、均質の時間分解蛍光ベースcAMP(Schering)検出を実施した。ARVOsxマルチラベルカウンター(Wallac)を用いて、HTRFを測定した(励起320nm,発光665nm/620nm,遅延時間50μs,ウィンドウ時間400μs)。
【0087】
620nm及び665nmでの各ウェルの蛍光強度の比、次いでcAMP標準曲線を用いたcAMP定量に基づき、データを分析した。各化合物により誘導されたcAMP生成の増加を、1000nMセロトニン(Sigma)により生成されるcAMPの量に対して標準化した。
【0088】
《ヒトドフェチリド結合》
ヒトHERGトランスフェクションされたHEK293S細胞を、インハウスで調製及び培養した。収集した細胞を、50mMTris−HCl(4℃でpH7.4)中に懸濁し、そして手持式のポリトロンPT1200ディスラプターセットを全力で20秒間、氷上で使用して、ホモジナイズした。そのホモジネートを、4℃で20分間、48,000×gで遠心分離した。次いで、そのペレットを、再懸濁し、ホモジナイズし、そして同じ方法でもう一度遠心分離した。最終的なペレットを、適当な体積の50mMTris−HCl、10mM−KCl、1mM−MgCl(4℃でpH7.4)中に再懸濁し、ホモジナイズし、アリコートし、そして使用するまで−80℃で貯蔵した。膜画分のアリコートを、BCAタンパク質アッセイキット(PIERCE)及びARVOsxプレートリーダー(Wallac)を用いるタンパク質濃度決定に使用した。
【0089】
96ウェルプレート中で、合計体積200μLで、結合アッセイを実施した。試験化合物20μLを、[H]−ドフェチリド(Amersham,最終5nM)20μL及び膜ホモジネート(25μgタンパク質)160μLを用いて、室温で60分間インキュベーションした。前記最終濃度で、10μMドフェチリドによって、非特異的結合を決定した。Skatron細胞収集器及び50mMTris−HCl、10mM−KCl、1mM−MgCl(4℃でpH7.4)を使用して0.5%予浸GF/Bベータプレートフィルター上で急速真空ろ過することによって、インキュベーションを終了させた。そのフィルターを乾燥し、サンプル袋中に入れ、そしてBetaplate Scintを充填した。Wallacベータプレートカウンターを用いて、フィルターに結合した放射能を数えた。
【0090】
《IHERGアッセイ》
HERGカリウムチャンネルを安定に発現するHEK293細胞を、電気生理学的実験に使用した。このチャンネルをHEK細胞内へ安定にトランスフェクションする方法は、他の文献(Z.Zhouら,1998,Biophysical journal,74,pp230−241)に見出すことができる。実験の日よりも前に、培養フラスコから前記細胞を収集し、そして10%FCSを含む標準MEM培地中で、ガラス製カバースリップ上にプレーティングした。プレーティングされた細胞を、インキュベーター中で、37℃で95%O/5%CO雰囲気に維持しながら貯蔵した。回収から15〜28時間後に、細胞を実験した。
【0091】
標準的なパッチクランプ法を全細胞モードで使用して、HERG電流を評価した。この実験の間、標準的な外液〔組成(mM);NaCl,130;KCl,4;CaCl,2;MgCl,1;グルコース,10;HEPES,5;NaOHによりpH7.4〕を用いて、前記細胞を洗い流した。パッチクランプ増幅器及びパッチピペット(これは、標準的な内液〔組成(mM);KCl,130;MgATP,5;MgCl,1.0;HEPES,10;EGTA5,KOHによりpH7.2〕で満たしたときに1〜3MOhmの抵抗を有する)を用いて、全細胞記録を実施した。15MΩより低いアクセス抵抗及び1GΩより大きいシール抵抗を有する細胞だけを、更なる実験に対して許容した。シリーズ抵抗補正[series resistance compensation]を、最大80%まで適用した。リークサブトラクションは、行わなかった。しかしながら、許容することのできるアクセス抵抗は、記録される電流の大きさ及び安全に使用することのできるシリーズ抵抗補正のレベルに応じて変化する。ピペット溶液(>5分間)を用いて全細胞配置及び細胞透析に対する充分量を達成した後に、前記細胞に標準的電圧プロトコルを適用して、膜電流を誘発させた。前記電圧プロトコルは、以下のとおりである。前記膜を、−80mV〜+20mVの保持電位から1000msで消極した。これに続いて、下降性の電圧傾斜[voltage ramp](速度:0.5mV msec−1)で前記保持電位に戻した。実験の間中4秒毎に(0.25Hz)、前記電圧プロトコルを継続的に細胞に適用した。前記傾斜の間に約−40mVで誘発されるピーク電流の振幅を測定した。前記外液において安定に誘発された電流レスポンスが得られたら、ペリスタリックポンプによりベヒクル(前記標準的外液中0.5%DMSO)を10〜20分間適用した。ここで得られたのは、ベヒクル対照条件での誘発電流レスポンスの振幅における最小の変化であり、0.3、1、3、10μMの試験化合物を10分間適用した。前記10分間は、溶液リザーバーからの管を通過して、前記ポンプを経て、記録室へと供給溶液が通る時間を含んでいた。化合物溶液への細胞の暴露時間は、前記室内においてその剤の濃度が意図する濃度に充分達した後の5分間以上であった。可逆性があった。最後に、前記細胞を、高濃度のドフェチリド(5μM)(特異的IKrブロッカー)に暴露して、非感受性内因性電流[insensitive endogenous current]を評価した。
【0092】
全ての実験を室温(23±1℃)で実施した。誘発された膜電流を、オンラインでコンピューター上に記録し、500〜1KHz(ベッセル−3dB)でフィルターがけし、そしてパッチクランプ増幅器及び特定のデータ分析ソフトウェアを用いて1〜2KHzでサンプル収集した。約−40mVで生じたピーク電流振幅を、オフラインでコンピューター上で測定した。
【0093】
振幅の値10個の相加平均を、対照条件下及び医薬の存在下で計算した。各実験におけるIの%減少を、正規化電流値によって、以下の式:
=(1−I/I)x100
(式中、Iは、医薬存在下における平均電流値であり、そしてIは、対照条件下における平均電流値である)を用いて得た。各医薬濃度又は時間一致対照に対して、分離実験を実施した。そして、各実験における相加平均を、前記実験の結果として定義する。
【0094】
式(I)で表される本発明のイミダゾピリジン化合物は、経口、非経口、又は局所的経路で哺乳動物に投与することができる。一般的に、これらの化合物は、最も望ましくは一日当たり0.3mg〜750mg、好ましくは一日当たり10mg〜500mgの範囲の投与量でヒトに投与されるが、当然のことながら、治療される対象の体重及び状態、治療される疾病状態、及び選択される特定の投与経路によって変化するであろう。しかしながら、例えば、一日当たり体重1kg当たり0.06mg〜2mgの範囲の投与量レベルが、炎症の治療に最も望ましく利用される。
【0095】
本発明の化合物は、単独で、又は薬剤学的に許容することのできる担体又は希釈剤と組み合わせて、前記で述べた経路のいずれかにより投与することができ、そしてそのような投与は、一回の投与又は複数回の投与で実施することができる。より詳細には、本発明の新規治療薬は、広範な種々の投与形態で投与することができ、すなわち、錠剤、カプセル、ロゼンジ、トローチ、硬質キャンディー、粉末、スプレー、クリーム、膏薬、坐薬、ゼリー、ゲル、ペースト、ローション、軟膏、水性懸濁液、注射溶液、エリキシル、シロップなどの形態で、薬剤学的に許容することのできる種々の不活性担体と組み合わせることができる。前記担体としては、固体の希釈剤又は充填剤、無菌水性媒体、及び種々の無毒の有機溶媒などを挙げることができる。更に、経口医薬組成物を、適当に甘味付け及び/又は香味付けすることができる。一般的に、本発明の治療有効化合物は、5重量%〜70重量%の範囲、好ましくは10重量%〜50重量%の範囲の濃度レベルで前記投与形態中に存在する。
【0096】
経口投与には、種々の賦形剤、例えば、微結晶性セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カリウム、及びグリシンを含む錠剤を、種々の崩壊剤、例えば、デンプン(好ましくは、コーン、ポテト、又はタピオカのデンプン)、アルギン酸、及び或る種のコンプレックスシリケート、並びに顆粒化バインダー、例えば、ポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチン、及びアラビアゴムともに使用することができる。更に、潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、及びタルクが、錠剤化の目的にしばしば非常に有用である。同様のタイプの固形組成物は、ゼラチンカプセル中の充填剤として用いることもでき、これに関連する好ましい材料には、ラクトース又は乳糖、並びに高分子量ポリエチレングリコールも含まれる。経口投与のために水性懸濁液及び/又はエリキシルが望ましいときには、有効成分をさまざまな甘味料又は香料、着色剤又は染料と組合せることができ、更に、望ましい場合には、乳化剤及び/又は懸濁剤、並びに希釈剤、例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、及び種々の同様のそれらの組合せと組合わせることができる。
【0097】
非経口投与には、ゴマ油又はピーナッツ油あるいは水性プロピレングリコール中の本発明の化合物の溶液を用いることができる。水溶液は、必要であれば、適切に緩衝化(好ましくはpH>8)することが好ましく、そして液体希釈剤は最初に等張にする。これらの水溶液は、静脈注射の目的に適している。油性溶液は、関節内、筋肉内、及び皮下注射の目的に適している。滅菌条件下でのこれら溶液全ての調製は、当業者に周知の標準的な製剤技術により容易に達成される。更に、皮膚の炎症状態を治療する場合、本発明の化合物を局所的に投与することも可能であり、これは、好ましくは、標準的な製剤慣行に従って、クリーム、ゼリー、ゲル、ペースト、軟膏などにより実施することができる。
【実施例】
【0098】
以下の限定することのない実施例によって本発明を説明するが、本実施例において、特に断らない限り、全ての操作は、室温又は周囲温度、すなわち18〜25℃の範囲内で実施した;溶媒の蒸発は、60℃以下の浴温で減圧下でロータリーエバポレーターを使用して実施した;反応は、薄層クロマトグラフィー(tlc)を用いて観察した、また、反応時間は単なる例示である;融点(m.p.)は、補正していない(多型は異なる融点となることがある);単離した全ての化合物の構造及び純度を、以下の方法の少なくとも一つ、すなわち、薄層クロマトグラフィー(tlc)〔メルクシリカゲル60F254プレコートされたTLCプレート又はメルクNH254sプレコートされたHPTLCプレート〕、質量分析、核磁気共鳴(NMR)、赤外線吸収スペクトル(IR)、又は微量分析で確かめた。収率は、例示の目的でのみ提供する。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、メルクシリカゲル60(230〜400メッシュASTM)又はFuji Silysia Chromatorex(商標)DU3050(アミノタイプ,30〜50μm)を用いて実施した。低分解能質量スペクトルデータ(EI)は、Automass120(JEOL)質量スペクトルメーター上で得た。低分解能質量スペクトルデータ(ESI)は、Quattro II(Micromass)質量スペクトルメーター上で得た。NMRデータは、270MHz(JEOL JNM−LA270スペクトルメーター)又は300MHz(JEOL JNM−LA300)において、溶媒として、特に断らない限り、重水素化されたクロロホルム(99.8%D)又はジメチルスルホキシド(99.9%D)を使用し、ppm(parts per million)で、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に関して決定した;使用する慣用的な略語は、s=一重腺、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線、br.=幅広(broad)などである。IRスペクトルは、Shimazu赤外スペクトルメーター(IR−470)を用いて測定した。旋光度は、JASCO DIP−370デジタル旋光計(Japan Spectroscopic CO,Ltd.)を用いて測定した。化学記号は、それらの通常の意味を有する;b.p.(沸点)、m.p.(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、eq.(当量)。
【0099】
(実施例1:5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
(方法A)
(工程1:エチル・2−アミノ−6−[(2,2−ジメチルプロパノイル)アミノ]ニコチネート)
2−プロパノール(16mL)中のエチル・6−[(2,2−ジメチルプロパノイル)アミノ]−2−フルオロニコチネート(M.C.Coldwellら,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1995,39,5,1.5g,5.59mmol)の撹拌した溶液に、25%水性アンモニア(4mL)を加え、そしてその混合物を、密封された管中で、70℃で4.5時間加熱した。室温に冷却した後に、水を加え、そしてその混合物を、酢酸エチルで抽出した。分離した有機層を真空条件下で濃縮し、そしてその残さを、シリカゲルのカラム上で酢酸エチル/ペンタン(1:6から1:2)で溶離するクロマトグラフィー処理して、白色固体として標記化合物810mg(55%)を得た。
MS(TSP+)m/z:266(M+H)。
H−NMR(CDCl)δ:1.35(9H,s)、1.36(3H,t)、4.30(2H,q)、7.54(1H,d)、7.80(1H,br s)、8.12(1H,d)。NHによる信号は観察されなかった。
【0100】
(工程2:エチル・2−アミノ−5−クロロ−6−[(2,2−ジメチルプロパノイル)アミノ]ニコチネート)
酢酸(15mL)中のエチル・2−アミノ−6−[(2,2−ジメチルプロパノイル)アミノ]ニコチネート(実施例1,方法A,工程1,805mg,3.03mmol)の溶液に、酢酸中の塩素の溶液(0.89M,8.5mL,7.6mmol)を加え、そしてその混合物を、室温で15分間撹拌した。真空条件下で溶媒を除去した。得られた残さを、酢酸エチル(150mL)中に取り上げ、そして飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして真空条件下で蒸発させた。その残さを、シリカゲルのカラム上で酢酸エチル/ペンタン(1:2)で溶離するクロマトグラフィー処理して、白色結晶として標記化合物685mg(76%)を得た。
MS(TSP+)m/z:300(M+H)。
H−NMR(CDCl)δ:1.35(9H,s)、1.38(3H,t,J=7.1Hz)、4.30(2H,q,J=7.1Hz)、8.09(1H,s)、8.20(1H,br s)。NHによる信号は観察されなかった。
【0101】
(工程3:エチル・5−アミノ−6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキシレート)
エタノール(10mL)中のエチル・2−アミノ−5−クロロ−6−[(2,2−ジメチルプロパノイル)アミノ]ニコチネート(実施例1,方法A,工程2,685mg,2.12mmol)の溶液に、50%水性クロロアセトアルデヒド(430μL,3.4mmol)を加え、そしてその混合物を、撹拌しながら一晩還流させた。その混合物を、木炭で処理し、そしてろ過した。そのろ液を、シリカゲル上に乾燥装填し、そしてシリカゲルのカラム上でジクロロメタン/メタノール/25%水性アンモニア(97:3:1から95:5:0.5)で溶離するクロマトグラフィー処理して、白色固体として標記化合物220mg(40%)を得た。
MS(TSP+)m/z:240(M+H)。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.29(3H,t,J=7.1Hz)、4.25(2H,q,J=6.9Hz)、7.60(1H,s)、7.80(2H,br)、7.89(1H,s)、8.09(1H,s)。
【0102】
(工程4:5−アミノ−6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボン酸)
メタノール(5mL)中のエチル・5−アミノ−6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキシレート(実施例1,方法A,工程3,217mg,0.91mmol)の撹拌した溶液に、1N水性水酸化リチウム(500μL)を加え、そしてその混合物を、室温で一晩撹拌した。真空条件下で溶媒を除去し、そして1N塩酸を用いて酸性化した。得られた沈殿をろ過により収集して、白色固体として標記化合物165mg(86%)を得た。
MS(TSP+)m/z:212(M+H)。
H−NMR(DMSO−d)δ:8.00(1H,s)、8.21(1H,s)、8.57(1H,s)、8.90(2H,br s)。
【0103】
(工程5:5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中の5−アミノ−6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボン酸(実施例1,方法A,工程4,250mg,1.2mmol)、1−[4−[(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]−3,3−ジメチルブタン−2−オン(426mg,2.0mmol)、ジエチルシアノホスホネート(305μL,2.0mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(345μL,2.0mmol)の混合物を、0℃で30分間、及び室温で22時間撹拌した。水(10mL)を添加した後に、その混合物を、酢酸エチル(10mLx3)で抽出し、そしてブライン(10mL)で洗浄した。溶媒を除去し、そして酢酸エチル/ヘキサン(1:1)で溶離するベーシックシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製して、固形物(266mg)を得て、これを、ジエチルエーテル及びヘキサンで洗浄し、そしてろ過により収集して、淡ピンク色固体として標記化合物225mg(0.56mmol,47%)を得た。
MS(ESI+)m/z:406(M+1)。
IR(KBr)ν:3454,3304,3263,3153,2932,1717,1634,1609,1553,1516,1491,1331,1265,1232,700cm−1
H−NMR(CDCl)δ:1.15(9H,s)、1.45−1.82(5H,m)、2.00−2.07(2H,m)、2.90−2.94(2H,m)、3.36(2H,s)、3.44−3.48(2H,m)、5.24−5.30(2H,m)、7.48−7.50(1H,m)、7.63(1H,s)、8.22(1H,s)、10.06(1H,br)。
2028ClN・0.1HOに対する計算理論値:C,58.92;H,6.97;N,17.18。実測値:C,58.55;H,7.07;N,16.88。
【0104】
1−[4−[(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]−3,3−ジメチルブタン−2−オンの調製
(工程1:ベンジル[1−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチルカルバメート)
N,N−ジメチルホルムアミド(60mL)中のベンジル・ピペリジン−4−イルメチルカルバメート(Tetrahedron Lett.1990,31,6903,6.9g,27.8mmol)の溶液に、トリエチルアミン(9.7mL,69.5mmol)及び1−ブロモ−3,3−ジメチルブタン−2−オン(7.9g,41.7mmol)を室温で加えた。その混合物を、室温で2時間撹拌し、そして水(60mL)でクエンチし、続いて酢酸エチル−トルエン混合物(3×30mL)で抽出した。濃縮し、そして酢酸エチル/ヘキサン(2:1)で溶離するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製して、淡黄色固体として標記化合物(9.6g,100%)を得た。
MS(ESI+)m/z:347(M+1)。
H−NMR(CDCl)δ:1.15(9H,s)、1.36−1.55(3H,m)、1.64−1.68(2H,m)、1.98−2.04(2H,m)、2.88−2.92(2H,m)、3.07−3.11(2H,m)、3.37(2H,s)、5.09(2H,s)、7.31−7.36(5H,m)。
【0105】
(工程2:1−[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]−3,3−ジメチルブタン−2−オン)
エタノール(70mL)中のベンジル[1−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチルカルバメート(工程1,9.6g,27.7mmol)、炭素上5%パラジウム(1.2g)、及び酢酸(4mL)の混合物を、水素雰囲気下で、室温で23時間撹拌した。炭素上パラジウムをセライトのパッドを通すろ過により除去し、そしてそのろ液を濃縮した。その残さを、酢酸エチル中に溶解し、水性アンモニアで洗浄し、そして酢酸エチル(5×50mL)で抽出した。硫酸マグネシウム上で乾燥した後に、溶媒を除去して、黄色油状体として標記化合物(2.7g,46%)を得た。
MS(ESI+)m/z:313(M+1)。
H−NMR(CDCl)δ:1.15(9H,s)、1.29−1.55(3H,m)、1.68−1.71(2H,m)、1.96−2.05(2H,m)、2.57−2.59(2H,m)、2.96−2.89(2H,m)、3.37(2H,s)。NHによるピークは、観察されなかった。
【0106】
(方法B:メチル・5−アミノ−6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキシレートの調製)
(工程1:メチル・2,6−ジアミノ−5−クロロニコチネート)
メタノール(10mL)中のエチル・2−アミノ−5−クロロ−6−[(2,2−ジメチルプロパノール)アミノ]ニコチネート(実施例1,方法A,工程2,300mg,1.0mmol)及びカリウムtert−ブトキシド(337mg,3.0mmol)の混合物を、45分間還流させた。溶媒を蒸発した後に、水(20mL)を加えた。その混合物を、酢酸エチル(10mLx3)で抽出し、ブライン(5mLx3)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして蒸発させた。真空条件下で乾燥して、クリーム−白色固体として標記化合物177mg(88%)を得た。
MS(EI)m/z:202(M)。
H−NMR(DMSO−d)δ:3.71(3H,s)、6.77(2H,br s)、6.94(2H,br s)、7.72(1H,s)。
【0107】
(工程2:メチル・5−アミノ−6−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキシレート)
メタノール(100mL)中のメチル・2,6−ジアミノ−5−クロロニコチネート(実施例1,方法B,工程1,2.0g,9.92mmol)及びクロロアセトアルデヒド(1.2mL,10.91mmol)の混合物を、135分間還流させた。更にクロロアセトアルデヒド(1.2mL,10.91mmol)を加え、そして還流を21時間継続した。溶媒を蒸発させ、そして得られた固形物を、メタノール(75mLx2)と同時蒸発させてから真空条件下で乾燥して、粗製な材料2.62gを得た。その残さを、シリカゲルのカラム上でジクロロメタン/メタノール/25%水性アンモニア(96.5:3.5:0.5〜93:7:1)で溶離するクロマトグラフィー処理して、灰白色粉末として標記化合物1.52g(68%)を得た。
MS(EI)m/z:225(M)。
H−NMR(DMSO−d)δ:3.35(3H,s)、7.62(1H,s)、7.85(2H,br s)、7.92(1H,s)、8.13(1H,s)。
【0108】
(実施例2:5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
(工程1:メチル・2,6−ビス[(2,2−ジメチルプロパノイル)アミノ]ニコチネート)
氷冷エタノール−イソプロパノール(イソプロパノール13%,−15℃)浴中に浸した5L−4つ首丸底フラスコ中で、無水テトラヒドロフラン(1.5L)中の2,6−ビス[(2,2−ジメチルプロパノイル)アミノ]ピリジン(J.Am.Chem.Soc.1986,108,3310−3318,126g,454mmol)の溶液に、ヘキサン(598mL)中のn−ブチルリチウムの2.66M溶液を、窒素雰囲気下(内部温度を−15℃〜−5℃に維持した)で6時間滴下漏斗(1L)から滴下した。得られた溶液を、窒素雰囲気下で0℃(内部温度)で12時間撹拌した。黄色がかった沈殿の形成に気が付いた。次いで、その懸濁液を−15℃に冷却し、ジメチルカーボネート(194mL,2.3mmol)を一度で加えた。その反応溶液を、0℃で1時間撹拌し、1N水性塩酸1.5Lでクエンチし、1N水性塩酸の添加によりpH値を〜4.5に制御し、次いで酢酸エチル600mLを加えた。層を分けた後に、有機層を、1Lの0.2N水性NaOH(1L)及びブライン(500mL)で洗浄した。各々の水性層を、酢酸エチル(300mL)で2回抽出した。一緒にした有機層を、硫酸ナトリウム(〜300g)上で乾燥し、そして濃縮した。その残さを、ジイソプロピルエーテル(300mL)で希釈し、そしてその溶液を共沸的に蒸発させて、残りの酢酸エチルを除去した。その残さを、60℃でゆっくりと撹拌しながらジイソプロピルエーテル(360mL)で溶解し、次いで種として、所望の生成物の結晶の小片(〜5mg)を加えた。淡黄色沈殿の形成に気が付いた。得られた懸濁液を、室温に(2時間)冷却し、そして室温で2時間撹拌した。その懸濁液を、ろ紙を通してろ過し、次いでそのケーキをジイソプロピルエーテル(80mL)で洗浄した。その固形物を、室温で1日、減圧下で乾燥して、淡黄色固体として標記化合物(120g,358mmol,79%)を得た。
MS(EI)m/z:335(M
H−NMR(CDCl)δ:1.32(9H,s)、1.35(9H,s)、3.93(3H,s)、8.04(1H,d,J=8.8Hz)、8.31(1H,d,J=8.8Hz)、9.32(1H,br s)、11.47(1H,br s)。
【0109】
(工程2:メチル・5−クロロ−2,6−ビス[(2,2−ジメチルプロパノイル)アミノ]ニコチネート)
無水N,N−ジメチルホルムアミド(930mL)中のメチル・2,6−ビス[(2,2−ジメチルプロパノイル)アミノ]ニコチネート(実施例2,工程1,186g,555mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で、滴下漏斗(1L)から、70℃(内部温度)で2.5時間、無水N,N−ジメチルホルムアミド(560mL)中のN−クロロスクシンイミド(81.5g,610mmol)の溶液を滴下した。得られた淡黄色溶液を70℃で2時間撹拌し、そして放置して室温まで冷却した。得られた溶液を、水3L中の塩化アンモニウム250g及び亜硫酸水素ナトリウム100gの溶液でクエンチし、そして酢酸エチルとヘキサンとの混合物(3L,3:1)で抽出した。層を分けた後に、その有機層を水(2L)で洗浄し、亜硫酸ナトリウム(300g)上で乾燥し、そして蒸発させた。得られた淡黄色固体に、イソプロピルエーテル(1.4L)を加え、そして得られた混合物を、60℃で2時間撹拌した。その混合物を室温まで冷却した後に、前記混合物をろ紙を通してろ過し、そしてそのケーキをイソプロピルエーテル(200mL)で洗浄し、室温で減圧下で乾燥して、白色固体として標記化合物(153.9g,416mmol)を得た。
MS(ESI+)m/z:370(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.34(18H,s)、3.94(3H,s)、8.30(1H,s)、8.51(1H,br s)、11.12(1H,br s)。
【0110】
(工程3:メチル・2,6−ジアミノ−5−クロロニコチネート)
メタノール(1.5L)中のメチル・5−クロロ−2,6−ビス[(2,2−ジメチルプロパノイル)アミノ]ニコチネート(実施例2,工程2,153.9g,416mmol)の無色溶液に、窒素雰囲気下で、メタノール(500mL)中のカリウムtert−ブトキシド(185g,1.65mol)の溶液を室温で20分間滴下した。メタノール中へのカリウムtert−ブトキシドの溶解は発熱性であったので、カリウムtert−ブトキシドは、氷冷水浴を用いて、粉末添加漏斗からメタノールへ2時間かけて少しずつ添加しなければならなかった。前記添加が完了した後に、得られた溶液を、窒素雰囲気下で、還流温度で1時間撹拌し、そして室温に冷却した。得られた懸濁液を蒸発させ、そしてメタノール約1.3Lを除去した(メタノール約700mLが残った)。この混合物に水(1.2L)を加え、そして水浴(内部温度を20℃に維持した)を用いて室温で1時間撹拌し、次いで得られた懸濁液をろ紙を通してろ過し、そしてその淡黄色固形物を減圧下で50℃で12時間乾燥させて、淡黄色結晶として標記化合物74.3g(368.9mmol,89%)を得た。
Rf値:0.28(酢酸エチル/ヘキサン=1:2)。
H−NMR(DMSO−d)δ:3.71(3H,s)、6.77(2H,br s)、6.94(2H,br s)、7.72(1H,s)。
【0111】
(工程4:メチル・5−アミノ−6−クロロ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキシレート)
メタノール(700mL)中のメチル・2,6−ジアミノ−5−クロロニコチネート(実施例2,工程3,15g,74.4mmol)、ブロモアセトン(10.4mL,112mmol)、及びヨウ化ナトリウム(16.7g,112mmol)の混合物を、還流下で22時間撹拌した。更にブロモアセトン2.5mL(33mmol)を加え、そして撹拌を24時間継続した。その反応混合物を、飽和水性炭酸ナトリウムでクエンチし、そして真空条件下でメタノールを除去した。その残さを、酢酸エチル(250mLx10)で抽出し、メタノール少量を加えて、有機固形物を溶解した。その有機抽出物を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして濃縮した。ジクロロメタン/メタノール(20:1)で溶離するシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製して、暗褐色固体を得て、これを、酢酸エチルで洗浄し、そしてろ過して、淡褐色固体として標記化合物10.5g(43.9mmol,59%)を得た。
MS(FAB)m/z:240(M+1)。
H−NMR(DMSO−d)δ:2.34(3H,s)、3.80(3H,s)、7.70(2H,br s)、7.83(1H,s)、7.85(1H,s)。
【0112】
(工程5:メチル・5−アミノ−6−クロロ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボン酸)
メタノール(100mL)中のメチル・5−アミノ−6−クロロ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキシレート(実施例2,工程4,10.5g,43.9mmol)及び1N水酸化リチウム(87.7mL,87.7mmol)の混合物を、還流下で1時間撹拌した。真空条件下で溶媒を除去した後に、その残さを水で懸濁し、そして2N塩酸で処理してpH4に調整した。得られた固形物を、ろ過し、水及びジエチルエーテルで洗浄し、そして加熱しながら真空条件下で乾燥させて、褐色固体として標記化合物9.5g(42.2mmol,96%)を得た。
MS(EI)m/z:225(M)。
H−NMR(DMSO−d)δ:2.38(3H,s)、7.88(1H,s)、7.92(1H,s)、8.00(2H,br s)。COOHによる信号は観察されなかった。
【0113】
(工程6:5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
実施例1(方法A)の工程5に記載の手順に従って、5−アミノ−6−クロロ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボン酸(実施例2,工程5)及び1−[4[(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]−3,3−ジメチルブタン−2−オン(実施例1,方法A,工程5)から標記化合物を調製した。
MS(ESI+)m/z:420(M+1)。
融点:198℃。
IR(KBr)ν:3302,3148,2920,1713,1638,1605,1560,1545,1514,1433,1323,1286,1265,1231,1065,721cm−1
H−NMR(CDCl)δ:1.15(9H,s)、1.45−1.73(3H,m)、1.79−1.83(2H,m)、2.01−2.07(2H,m)、2.44(3H,s)、2.90−2.94(2H,m)、3.36(2H,s)、3.43−3.48(2H,m)、5.06(2H,s)、7.15(1H,s)、8.17(1H,s)、10.11(1H,br)。
2130ClN・0.05HOに対する計算理論値:C,59.93;H,7.21;N,16.64。実測値:C,59.58;H,7.12;N,16.36。
【0114】
(実施例3:5−アミノ−N−{[1−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
メタノール(10mL)中の5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド(実施例2,工程6,300mg,0.71mmol)、10%炭素上パラジウム(150mg)、及びギ酸アンモニウム(450mg,7.1mmol)の混合物を、室温で24時間撹拌した。更に炭素上パラジウム100mgを加え、そして撹拌を23時間継続した。その混合物を、ろ過し、そしてそのろ液を濃縮した。その残さを、25%水性アンモニア(10mL)で処理し、ジクロロメタン(20mLx2)で抽出し、そしてブライン(10mL)で洗浄した。溶媒を除去し、そして酢酸エチル/ヘキサン(5:1)で溶離するベーシックシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーによって精製して、淡黄色非結晶質粉末として標記化合物209mg(0.54mmol,76%)を得た。
MS(ESI+)m/z:386(M+1)。
IR(KBr)ν:3333,3190,2930,1715,1645,1558,1518,1433,1319,1292cm−1
H−NMR(CDCl)δ:1.15(9H,s)、1.47−1.88(5H,m)、2.01−2.09(2H,m)、2.46(3H,s)、2.91−2.95(2H,m)、3.37(2H,s)、3.44−3.48(2H,m)、4.65(2H,br s)、6.12(1H,d,J=7.8Hz)、7.13(1H,s)、8.12(1H,d,J=7.8Hz)、10.21(1H,br)。
2131・0.7HOに対する計算理論値:C,63.35;H,8.20;N,17.59。実測値:C,63.32;H,8.38;N,17.21。
【0115】
(実施例4:5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
(工程1:メチル・5−アミノ−6−クロロ−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキシレート)
実施例2の工程4に記載の手順に従って、メチル・2,6−ジアミノ−5−クロロ−3−ピリジンカルボキシレート(実施例2,工程3)及び1−ブロモ−2−ブタノンから標記化合物を調製した。
MS(EI)m/z:253(M)。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.27(3H,t,J=7.5Hz)、2.72(2H,q,J=7.5Hz)、3.80(3H,s)、7.72(2H,s)、7.86(1H,s)、7.87(1H,s)。
【0116】
(工程2:5−アミノ−6−クロロ−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボン酸)
実施例2の工程5に記載の手順に従って、メチル・5−アミノ−6−クロロ−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキシレート(実施例4,工程1)から標記化合物を調製した。
MS(EI)m/z:239(M)。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.27(3H,t,J=7.2Hz)、2.74(2H,q,J=7.2Hz)、7.88(1H,s)、7.95(1H,s)。COOHによる信号は観察されなかった。
【0117】
(工程3:tert−ブチル・4−({[(5−アミノ−6−クロロ−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート)
N,N−ジメチルホルムアミド(267mL)中の5−アミノ−6−クロロ−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボン酸(実施例4,工程2,10.00g,41.72mmol)、tert−ブチル・4−(アミノメチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(J.Prugh,L.A.Birchenough及びM.S.Egbertson,Synth.Commun.,1992,22,2357−60,15.20g,70.93mmol)、DEPC(10.76mL,70.93mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(18.17mL,104.4mmol)の混合物を、室温で43時間撹拌した。蒸発により溶媒を除去した。その残さを、水性重炭酸ナトリウム(40mL)で塩基性にし、そしてジクロロメタン(5×100mL)で抽出した。一緒にした抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして真空条件下で濃縮した。残さを、ジクロロメタン/メタノール(100:1から20:1)で溶離するフラッシュクロマトグラフィー処理して、黄色油状体として標記化合物19.08g(90%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.35(3H,t,J=7.6Hz)、1.45(9H,s)、1.88−1.28(5H,m)、2.88−2.64(2H,m)、3.52−3.38(2H,m)、4.30−3.97(4H,m)、5.17(2H,br s)、7.21(1H,s)、8.19(1H,s)、10.21(1H,bv)。
【0118】
(工程4:5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−(ピペリジン−4−イルメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
10%塩酸メタノール溶液(314mL)中のtert−ブチル・4−({[(5−アミノ−6−クロロ−2−エチルイミダゾ[1,2−a]−ピリジン−8−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(実施例4,工程3,13.71g,31.44mmol)の撹拌した溶液に、濃塩酸(10mL)を加えた。室温で26時間撹拌した後に、その混合物を、真空条件下で約50mLに濃縮した。その残さを、過剰量の炭酸ナトリウムで塩基性にし、次いで不溶性材料をろ去した。そのろ液を、エタノールを用いて共沸的に濃縮し、そしてジクロロメタンとメタノールとの混合物(5:1,200mL)で希釈した。形成された無機固形物を、再びろ去した。そのろ液を、真空条件下で濃縮して、淡黄色非結晶質粉末を得て、これを、エタノールから結晶化して、灰白色固形物として標記化合物4.79g(45%)を得た。更に、母液から前記化合物5.09g(48%)を得た。
MS(ESI)m/z:336(M+H),334(M−H)
融点(TG/DTA):153℃。
IR(KBr)ν:3387,3300,3188,2964,1639,1605,1562,1514cm−1
H−NMR(DMSO−d)δ:1.30−0.90(2H,m)、1.30(3H,t,J=7.6Hz)、1.74−1.50(3H,m)、2.55−2.36(2H,m)、2.75(2H,q,J=7.6Hz)、3.04−2.86(2H,m)、3.27(2H,t,J=5.9Hz)、7.86(1H,s)、7.94(1H,s)、10.05−9.94(1H,m)。
1622ClNO・2.5HO・0.8EtOHに対する計算理論値:C,50.70;H,7.49;N,16.80。実測値:C,50.57;H,7.27;N,16.80。
【0119】
(工程5:5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
N,N−ジメチルホルムアミド(4.4mL)中の5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−(ピペリジン−4−イルメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド(実施例4,工程4,150mg,0.446mmol)及び1−ブロモ−3,3−ジメチルブタン−2−オン(72μL,0.670mmol)の撹拌した混合物に、ヨウ化ナトリウム(67mg,0.670mmol)及びトリエチルアミン(0.156mL,1.12mmol)を加えた。その反応混合物を、70℃で76時間撹拌した。溶媒を除去した後に、その残さを、酢酸エチル(100mL)中に溶解し、そして水性重炭酸ナトリウム(5mL)及びブラインで洗浄した。その有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして真空条件下で濃縮した。残さを、ヘキサン/酢酸エチル(9:1から1:1)で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィー(NH−シリカゲル)処理して、淡褐色固形物を得て、これを、酢酸エチルから再結晶化して、灰白色固体として標記化合物62mg(32%)を得た。
MS(EI)m/z:433(M)
融点(TG/DTA):206℃。
IR(KBr)ν:3144,2964,2930,1715,1636,1605,1558cm−1
H−NMR(CDCl)δ:1.15(9H,s)、1.36(3H,t,J=7.5Hz)、1.75−1.40(3H,m)、1.88−1.77(2H,m)、2.10−1.97(2H,m)、2.83(2H,q,J=7.5Hz)、2.97−2.87(2H,m)、3.36(2H,s)、3.45(2H,t,J=6.2Hz)、4.93(2H,bvs)、7.12(1H,s)、8.20(1H,s)。
2232ClNに対する計算理論値:C,60.89;H,7.43;N,16.14。実測値:C,60.99;H,7.50;N,16.22。
【0120】
(実施例5:5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(3−ヒドロキシ−3−メチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
テトラヒドロフラン(10mL)中の5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−(ピペリジン−4−イルメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド(実施例4,工程4,350mg,1.042mmol)及びトリエチルアミン(0.36mL,2.61mmol)の撹拌した混合物に、1−ブロモ−3−ヒドロキシ−3−メチルブタン−2−オン(G.Bertram;A.Scherer;W.Steglich;W.Weber,Tetrahedron Lett.,1996,37,7955−7958,296mg,1.77mmol)を加えた。その反応混合物を、62時間還流し、次いで冷却した。水性炭酸カリウム(15mL)で塩基性にした後に、エタノールを用いて共沸的に蒸発させることにより溶媒を除去した。その残さを、ジクロロメタン/メタノール混合物(5:1,10mL)中に溶解し、そして不溶性の固形物をろ去した。そのろ液を濃縮した。残さを、ジクロロメタン/メタノール(200:0〜200:1)で溶離するフラッシュクロマトグラフィー(NH−シリカゲル)処理して、褐色非結晶質粉末を得て、これを、酢酸エチルから結晶化して、淡褐色固体として標記化合物210mg(46%)を得た。
MS(ESI)m/z:436(M+H),434(M−H)
融点(TG/DTA):175℃。
IR(KBr)ν:3179,2922,1726,1636,1601,1558cm−1
H−NMR(CDCl)δ:1.350(6H,s)、1.352(3H,t,J=7.5Hz)、1.94−1.40(5H,m)、2.22−2.09(2H,m)、2.83(2H,q,J=7.5Hz)、2.99−2.88(2H,m)、3.36(2H,s)、3.46(2H,t,J=7.5Hz)、5.04(2H,bvs)、7.16(1H,s)、8.19(1H,s)、10.20(1H,bv)。
2130ClN・0.2HOに対する計算理論値:C,57.38;H,6.97;N,15.93。実測値:C,57.74;H,7.06;N,15.60。
【0121】
(実施例6:5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(4−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
(工程1:4−ブロモ−2,2−ジメチル−3−オキソブチルトリフルオロアセテート)
クロロホルム(26mL)中の2,2−ジメチル−3−オキソブチルトリフルオロアセテート(W.C.Lumma,Jr.及びO.H.Ma,J.Org.Chem.,1970,35,2391−2393,8.45g,39.8mmol)の撹拌した溶液に、クロロホルム(14mL)中の臭素(1.93mL,37.8mmol)を室温で滴下した。得られた混合物を、室温で1時間撹拌した。その混合物を、砕氷/水中に注ぎ、そして水性Na(20mL)及び水性NaHPO(40mL)を加えた。その混合物をクロロホルム(3×30mL)で抽出した後に、抽出物を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濃縮した。その残さを、減圧(3.4mmHg)下で99〜102℃で蒸留して、無色油状体として標記化合物3.58g(30%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.35(6H,s)、4.14(2H,s)、4.40(2H,s)。
【0122】
(工程2:5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(4−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
メタノール(15mL)中の5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−(ピペリジン−4−イルメチル)イミダゾ[1,2−a]−ピリジン−8−カルボキサミド(実施例4,工程4,530mg,1.57mmol)及び4−ブロモ−2,2−ジメチル−3−オキソブチルトリフルオロアセテート(実施例6,工程1,777mg,2.67mmol)の混合物を、室温で5日間撹拌した。その反応混合物を、真空条件下で濃縮した。その残さを、水性炭酸カリウム(20mL)で塩基性にし、そしてジクロロメタン(3×30mL)で抽出した。一緒にした抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして蒸発させた。その残さを、ジクロロメタン/メタノール(200:1から50:1)で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィー(NH−シリカゲル)処理して、白色固体を得た。これを、エタノールから再結晶化して、白色固体として標記化合物173mg(25%)を得た。
MS(ESI)m/z:450(M+H),448(M−H)
融点(TG/DTA):177℃。
IR(KBr)ν:3179,2930,1713,1638,1607,1558cm−1
H−NMR(CDCl)δ:1.14(6H,s)、1.35(3H,t,J=7.6Hz)、1.93−1.40(5H,m)、2.21−2.08(2H,m)、2.82(2H,q,J=7.6Hz)、2.98−2.88(2H,m)、3.22(2H,s)、3.43(2H,t,J=6.4Hz)、3.54(2H,s)、4.94(2H,br s)、7.11(1H,s)、8.19(1H,s)、10.19(1H,br s)。
2232ClNに対する計算理論値:C,58.72;H,7.17;N,15.56。実測値:C,58.50;H,7.25;N,15.47。
【0123】
(実施例7:5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−オキシ−2−ピペリジン−1−イルエチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
実施例4の工程5に記載の手順に従って、5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−(ピペリジン−4−イルメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド(実施例4,工程4)及び1−(クロロアセチル)ピペリジン(A.Ohta;Y.Tonomura;J.Sawamura;N.Sato;H.Akiike;M.Ikuta,M.Shimazaki,Heterocycles,1991,32,965−73)から標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:461(M+H),459(M−H)
融点(TG/DTA):210℃。
IR(KBr)ν:3142,2932,2851,1638,1558,1545cm−1
H−NMR(CDCl)δ:1.33(3H,t,J=7.5Hz)、1.76−1.34(9h,m)、1.90−1.78(2H,m)、2.15−2.00(2H,m)、2.80(2H,q,J=7.5Hz)、2.97−2.86(2H,m)、3.15(2H,s)、3.45(2H,t,J=6.2Hz)、3.59−3.47(4H,m)、5.15(2H,bvs)、7.19(1H,s)、8.18(1H,s)、10.17(1H,br s)。
2333ClN・0.4HOに対する計算理論値:C,59.00;H,7.28;N,17.95。実測値:C,59.21;H,7.34;N,17.80。
【0124】
(実施例8:5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソエチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
実施例4の工程5に記載の手順に従って、5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−(ピペリジン−4−イルメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド(実施例4,工程4)及び4−(クロロアセチル)モルホリン(B.G.Hazra;V.S.Pore;S.P.Maybhate,Org.Prep.Proced.Int.,1989,21,355−8)から標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:463(M+H),461(M−H)
融点(TG/DTA):217℃。
IR(KBr)ν:3179,2922,1638,1558,1545cm−1
H−NMR(CDCl)δ:1.35(3H,t,J=7.5Hz)、1.92−1.37(5H,m)、2.15−2.05(2H,m)、2.81(2H,q,J=7.5Hz)、2.96−2.83(2H,m)、3.15(2H,s)、3.45(2H,t,J=6.2Hz)、3.74−3.56(8H,m)、5.08(2H,br s)、7.17(1H,s)、8.19(1H,s)、10.17(1H,br s)。
2231ClNに対する計算理論値:C,57.07;H,6.75;N,18.15。実測値:C,57.03;H,6.94;N,18.15。
【0125】
(実施例9:5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソプロピル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中の5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−(ピペリジン−4−イルメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド(実施例4,工程4,400mg,1.19mmol)及び4−(3−クロロ−プロパノイル)モルホリン(G.Mattalia,;C.Serafini;U.Bucciarelli,Farmaco,Ed.Sci.,1976,31,457−67.,529mg,2.98mmol)の撹拌した混合物に、炭酸カリウム(576mg,4.17mmol)及びヨウ化ナトリウム(446mg,2.98mmol)を加えた。90℃で48時間撹拌した後に、その反応混合物を、室温に冷却した。その混合物を、蒸発させ、そして得られた残さを、ジクロロメタン(30mL)と水(20mL)の間で分配した。その混合物を、ジクロロメタン(2×30mL)で抽出した。一緒にした抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして真空条件下で濃縮した。その残さを、ジクロロメタン/メタノール(100:1から20:1)で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィー(NH−シリカゲル)処理して、黄色非結晶質粉末を得て、これを、酢酸エチル/エタノールから結晶化して、淡褐色固体として標記化合物359mg(63%)を得た。
MS(ESI)m/z:477(M+H),475(M−H)
融点(TG/DTA):189℃。
IR(KBr)ν:3196,2912,1649−1614,1558cm−1
H−NMR(CDCl)δ:1.36(3H,t,J=7.5Hz)、1.50−1.30(3H,m)、2.10−1.80(4H,m)、2.59−2.48(2H,m)、2.75−2.65(2H,m)、2.83(2H,q,J=7.5Hz)、3.00−2.89(2H,m)、3.52−3.41(4H,m)、3.70−3.58(6H,m)、5.04(2H,br s)、7.16(1H,s)、8.19(1H,s)、10.17(1H,br s)。
2333ClN・0.2Cに対する計算理論値:C,57.79;H,7.05;N,16.99。実測値:C,58.09;H,7.26;N,16.91。
【0126】
(実施例10:5−アミノ−N−({1−[2−(4−tert−ブチルフェニル)エチル]ピペリジン−4−イル}メチル)−6−クロロ−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
実施例4の工程5に記載の手順に従って、5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−(ピペリジン−4−イルメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド(実施例4,工程4)及び1−(2−ブロモエチル)−4−tert−ブチルベンゼン(Chem.Abstr.1963,58,5570f)から標記化合物を調製した。
MS(ESI+)m/z:496(M+1)。
融点:220℃。
IR(KBr)ν:3302,3142,3090,2964,2934,1638,1607,1558,1543,1514,1435,1364,1335,1269,1231cm−1
H−NMR(CDCl)δ:1.30(9H,s)、1.36(3H,t,J=7.5Hz)、1.43−1.53(2H,m)、1.60−1.76(1H,m)、1.85−1.89(2H,m)、1.99−2.07(2H,m)、2.55−2.61(2H,m)、2.76−2.87(4H,m)、3.02−3.06(2H,m)、3.45−3.49(2H,m)、5.03(2H,br s)、7.12−7.15(3H,m)、7.29−7.31(2H,m)、8.20(1H,s)、10.19(1H,br)。
2838ClNOに対する計算理論値:C,67.79;H,7.72;N,14.12。実測値:C,67.92;H,7.89;N,14.17。
【0127】
(実施例11:5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}ピペリジン−4−イル)メチル]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
実施例1の工程5に記載の手順に従って、5−アミノ−6−クロロ−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボン酸(実施例4,工程2)及びN−{2−[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]エチル}メタンスルホンアミド(M.opez−Rodriguez;B.Benhamu;A.Viso;M.J.Morcillo;M.Murcia;L.Orensanz;M.J.Alfaro;M.I.Martin,Bioorg.Med.Chem.,1999,7,2271−2281.)から標記化合物を調製した。
MS(ESI+)m/z:458(M+H)
融点(TG/DTA):190℃。
IR(KBr)ν:3429,3342,3152,2930,1705,1645,1607,1556cm−1
H−NMR(CDOD1滴を含むCDCl)δ:1.92−1.30(8H,m)、2.11−1.97(2H,m)、2.58−2.48(2H,m)、2.95−2.77(4H,m)、2.96(3H,s)、3.23−3.14(2H,m)、3.50−3.40(2H,m)、7.25(1H,s)、8.05(1H,br s)、8.16(1H,s)、10.26(1H,br s)。
1929ClNS・0.2Cに対する計算理論値:C,50.11;H,6.50;N,17.71。実測値:C,50.30;H,6.25;N,17.52。
【0128】
(実施例12:5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
メタノール(10mL)中の5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド(実施例2,工程3,300mg,0.71mmol)の懸濁液に、ナトリウムボロハイドライド(54mg,1.43mmol)を0℃で加えた。その混合物を、室温で2日間撹拌し、そして過剰の試薬を水(5mL)でクエンチした。その溶液を、水性アンモニアで塩基性にし、そしてジクロロメタン(3×10mL)で抽出した。乾燥させた後に、溶媒を除去して残される固形物を得て、これを、ヘキサンで洗浄して、白色非結晶質固体として標記化合物(257mg,85%)を得た。
MS(ESI+)m/z:422(M+1)。
IR(KBr)ν:3470,3304,3148,2951,1638,1605,1560,1545,1512,1435,1364,1323,1285,1267,1231cm−1
H−NMR(CDCl)δ:0.90(9H,s)、1.27−1.90(6H,m)、2.27−2.37(3H,m)、2.47(3H,s)、2.78−2.82(1H,m)、3.04−3.08(1H,m)、3.30−3.36(1H,m)、3.42−3.47(2H,m)、4.97(2H,br s)、7.14(1H,s)、8.20(1H,s)、10.11(1H,br)。
2132ClN・0.25C12に対する計算理論値:C,59.90;H,7.69;N,16.51。実測値:C,60.21;H,7.99;N,16.22。
【0129】
(実施例13:5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−ヒドロキシブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミドオキサレート(2:1))
(工程1:1−(2−オキソブチル)ピペリジン−4−カルボキサミド)
実施例4の工程5に記載の手順に従って、イソニペコタミド及び1−ブロモブタン−2−オンから標記化合物を調製した。
MS(ESI+)m/z:199(M+H)
H−NMR(CDCl)δ:1.06(3H,t,J=7.3Hz)、1.94−1.74(4H,m)、2.22−2.06(3H,m)、2.47(2H,q,J=7.3Hz)、2.95−2.85(2H,m)、3.17(2H,s)、5.50−5.20(2H,m)。
【0130】
(工程2:1−[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]ブタン−2−オール)
テトラヒドロフラン(200mL)中の1−(2−オキソブチル)ピペリジン−4−カルボキサミド(実施例13,工程1,1.60g,8.07mmol)の撹拌した混合物に、水素化アルミニウムリチウム(920mg,24.21mmol)を室温で少しずつ加えた。得られた混合物を、5時間還流し、そして室温に冷却した。その混合物を、水(1.8mL)、2N水性水酸化ナトリウム(3.6mL)、及び水(1.8mL)で処理した。その混合物を、セライトのパッドを通してろ過し、そしてそのろ液を、真空条件下で濃縮して、無色油状体として標記化合物1.64g(97%)を得た。
MS(ESI+)m/z:187(M+H)
H−NMR(CDCl)δ:0.97(3H,t,J=7.5Hz)、2.40−1.10(9H,m)、2.58(2H,d,J=6.0Hz)、2.87−2.72(2H,m)、3.09−2.95(2H,m)、3.64−3.52(1H,m)。
【0131】
(工程3:5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−ヒドロキシブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
実施例1の工程5に記載の手順に従って、5−アミノ−6−クロロ−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボン酸(実施例4,工程2)及び1−[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]ブタン−2−オール(実施例13,工程2)から標記化合物(遊離塩基)を調製した。
H−NMR(CDCl)δ:0.97(3H,t,J=7.4Hz)、1.33(3H,dt,J=7.1,0.7Hz)、2.88−1.25(13H,m)、3.09−2.96(2H,m)、3.66−3.41(3H,m)、5.15(2H,br s)、7.21(1H,s)、8.20(1H,s)、10.25−10.09(1H,m)。
【0132】
(工程4:5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−ヒドロキシブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミドオキサレート(2:1))
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−ヒドロキシブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド(実施例13,工程3,79mg,0.19mmol)を、メタノール(3mL)中に溶解し、そしてメタノール(2mL)中のシュウ酸(17.4mg,0.13mmol)で酸性化した。次いで、その混合物を、濃縮し、そして白色沈殿を酢酸エチルで洗浄して、標記化合物(92mg,80%)を得た。
MS(ESI)m/z:408(M+H),406(M−H)
融点(TG/DTA):179℃(分解)。
IR(KBr)ν:3335,2964,2731,1717,1705,1645,1601,1559cm−1
H−NMR(DMSO−d)δ:0.88(3H,t,J=7.2Hz)、1.30(3H,t,J=7.5Hz)、2.75(2H,q,J=7.5Hz)、4.50−1.10(15H,m)、5.04−4.89(1H,m)、7.64(1H,s)、7.87(1H,s)、7.93(1H,s)、9.99(1H,br s)。
2131ClN・0.5C・3HOに対する計算理論値:C,50.46;H,7.62;N,11.77。実測値:C,50.25;H,7.30;N,11.75。
【0133】
(実施例14:5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[(1−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
メタノール(1.2mL)中の5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−(ピペリジン−4−イルメチル)イミダゾ[1,2−a]−ピリジン−8−カルボキサミド(実施例4,工程4,100mg,0.298mmol)及び2,2−ジメチルオキシラン(64mg,0.893mmol)の溶液を、室温で一晩撹拌した。蒸発させた後に、その残さを、ジクロロメタン/メタノール(ジクロロメタンのみから200:1)で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィー(NH−シリカゲル)処理して、白色固体を定量的に得た。これを、ジエチルエーテルから再結晶化して、白色固体として標記化合物89mg(74%)を得た。
MS(ESI)m/z:408(M+H),406(M−H)
融点(TG/DTA):216℃。
IR(KBr)ν:3146,2964,2922,1636,1607,1558cm−1
H−NMR(CDCl)δ:1.14(6H,s)、1.36(3H,t,J=7.5Hz)、1.85−1.40(5H,m)、2.30(2H,s)、2.40−2.31(2H,m)、2.83(2H,q,J=7.5Hz)、2.98−2.88(2H,m)、3.34(1H,br s)、3.46(2H,t,J=6.1Hz)、5.00(2H,br s)、7.15(1H,s)、8.20(1H,s)、10.19(1H,br s)。
2030ClNに対する計算理論値:C,58.89;H,7.41;N,17.17。実測値:C,58.63;H,7.41;N,17.01。
【0134】
(実施例15:5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
(工程1:tert−ブチル・4−({[(5−アミノ−6−クロロ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート)
実施例4の工程3に記載の手順に従って、5−アミノ−6−クロロ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボン酸(実施例2,工程5)及びtert−ブチル・4−(アミノメチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(J.Prugh,L.A.Birchenough及びM.S.Egbertson,Synth.Commun.,1992,22,2357−60)から標記化合物を調製した。
MS(EI)m/z:421(M)。
H−NMR(CDCl)δ:1.06−1.84(14H,m)、2.44(3H,s)、2.58−2.85(2H,m)、3.45−3.49(2H,m)、4.00−4.22(2H,m)、5.84(2H,s)、7.34(1H,s)、8.17(1H,s)、10.17(1H,br t,J=5.7Hz)。
【0135】
(工程2:5−アミノ−6−クロロ−2−メチル−N−(ピペリジン−4−イルメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
実施例4の工程4に記載の手順に従って、tert−ブチル・4−({[(5−アミノ−6−クロロ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(実施例15,工程1)から標記化合物を調製した。
MS(ESI+)m/z:322(M+1)。
H−NMR(DMSO−d)δ:1.35−1.48(2H,m)、1.81−1.85(3H,m)、2.38(3H,s)、2.80−2.88(2H,m)、3.24−3.39(4H,m)、7.65(2H,s)、7.86(1H,s)、7.93(1H,s)、8.64(1H,br s)、9.93(1H,br t,J=6.0Hz)。
【0136】
(工程3:5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
実施例14に記載の手順に従って、5−アミノ−6−クロロ−2−メチル−N−(ピペリジン−4−イルメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド(実施例15,工程2)及び2,2−ジメチルオキシランから標記化合物を調製した。
MS(ESI+)m/z:394(M+1)。
IR(KBr)ν:3474,3304,3148,2968,2922,1638,1605,1560,1545,1514,1433,1381,1321,1229,718cm−1
H−NMR(CDCl)δ:1.15(6H,s)、1.38−1.80(5H,m)、2.30−2.38(4H,m)、2.47(3H,s)、2.91−2.96(2H,m)、3.43−3.48(2H,m)、5.00(2H,br s)、7.16(1H,s)、8.20(1H,s)、10.11(1H,br)。
1928ClNに対する計算理論値:C,57.93;H,7.16;N,17.78。実測値:C,58.02;H,7.10;N,17.61。
【0137】
(実施例16:5−アミノ−6−クロロ−N−({1−[(2R)−3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]ピペリジン−4−イル}メチル)−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
(工程1:5−アミノ−6−クロロ−2−メチル−N−(ピペリジン−4−イルメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキシアミドジヒドロクロライド)
10%塩酸メタノール溶液(150mL)中のtert−ブチル・4−({[(5−アミノ−6−クロロ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(実施例15,工程1,15.1g,35.8mmol)及び濃塩酸(5mL)の混合物を、室温で12時間撹拌した。真空条件下で30mLまで溶媒を除去し、そしてその残さにジエチルエーテル(100mL)を加えた。得られた沈殿を、ろ過により収集し、そしてジエチルエーテルで洗浄して、淡黄色固体として標記化合物13.9g(98%)を得た。
MS(ESI)m/z:322(M+1)
H−NMR(DMSO−d)δ:1.39−1.53(2H,m)、1.80−1.91(3H,m)、2.45(3H,s)、2.69−2.89(2H,m)、3.22−3.26(4H,m)、8.38−9.13(8H,m)。
【0138】
(工程2:5−アミノ−6−クロロ−N−({1−[(2R)−3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル]ピペリジン−4−イル}メチル)−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
実施例4の工程5に記載の手順に従って、5−アミノ−6−クロロ−2−メチル−N−(ピペリジン−4−イルメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミドジヒドロクロライド(実施例16,工程1)及び(2S)−3−ブロモ−2−メチルプロパン−1−オールから標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:394(M+H),392(M−H)
融点:187℃。
IR(KBr)ν:3172,3091,2922,1639,1562,1544,1514,1434,1323,1263,1228,1033cm−1
H−NMR(DMSO−d)δ:0.78(3H,d,J=6.8Hz)、1.16−1.35(2H,m)、1.61−1.92(4H,m)、2.05−2.12(2H,m)、2.19−2.30(2H,m)、2.36(3H,s)、2.78−2.95(2H,m)、3.20−3.40(3H,m)、7.57(1H,s)、7.87(1H,s)、9.92(1H,br)。
1928ClN・0.5HOに対する計算理論値:C,57.28;H,7.21;N,17.58。実測値:C,56.51;H,7.21;N,17.56。
【0139】
(実施例17:5−アミノ−6−クロロ−2−メチル−N−{[1−(1,3,3−トリメチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の5−アミノ−6−クロロ−2−メチル−N−(ピペリジン−4−イルメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミドジヒドロクロライド(実施例16,工程1,1.36g,3.45mmol)、炭酸カリウム(1.90g,13.8mmol)、及びヨウ化カリウム(688mg,4.14mmol)の撹拌した混合物に、4−ブロモ−2,2−ジメチルペンタン−3−オン(Katz,J.−J.ら,Bull.Soc.Chim.Fr.1977,683.,1.0g,5.18mmol)を周囲温度で加えた。80℃で16時間撹拌した後に、その混合物を、酢酸エチルと水との間で分配した。酢酸エチルで抽出した後に、一緒にした有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濃縮した。得られた材料を、ヘキサン/酢酸エチル(1:3)で溶離するアミノプロピル−シリカゲルのカラム上でクロマトグラフィー処理して、無色粉末として標記化合物230mg(15%)を得た。
MS(ESI)m/z:434(M+H),432(M−H)
融点:207℃。
IR(KBr)ν:3149,3093,2525,2868,1703,1635,1602,1544,1512,1434,1321,1263,1228cm−1
H−NMR(CDCl)δ:1.05(3H,d,J=6.6Hz)、1.19(9H,s)、1.25−1.45(2H,m)、1.73−1.85(3H,m)、2.10(2H,td,J=11.5,2.4Hz)、2.45(3H,s)、2.68−2.85(2H,m)、3.37−3.46(2H,m)、3.69(1H,q,J=6.6Hz)、5.08(2H,s)、7.18(1H,s)、8.17(1H,s)、10.08(1H,br)。
2232ClNに対する計算理論値:C,60.89;H,7.43;N,16.14。実測値:C,60.52;H,7.41;N,15.89。
【0140】
(実施例18:5−アミノ−6−クロロ−2−メチル−N−({1−[2−(1−メチルシクロプロピル)−2−オキソエチル]ピペリジン−4−イル}メチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
(工程1:2−ブロモ−1−(1−メチルシクロプロピル)エタノン)
メタノール(20mL)中の1−(1−メチルシクロプロピル)エタノン(1.96g,20mmol)及び酢酸(0.5mL)の撹拌した溶液に、臭素(1mL,20mmol)を加えた。次いで、その混合物を、還流温度で4時間加熱した。冷却した後に、その粗製な混合物を、真空蒸発(65℃/5mmHg)により精製して、無色油状体として標記化合物1.44g(41%)を得た。
H−NMR(CDCl)δ:0.68(1H,d,J=6.8Hz)、0.69(1H,d,J=6.8Hz)、1.25(1H,d,J=6.8Hz)、1.26(1H,d,J=6.8Hz)、1.35(3H,s)、3.89(2H,s)。
【0141】
(工程2:5−アミノ−6−クロロ−2−メチル−N−({1−[2−(1−メチルシクロプロピル)−2−オキソエチル]ピペリジン−4−イル}メチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
実施例17に記載の手順に従って、5−アミノ−6−クロロ−2−メチル−N−(ピペリジン−4−イルメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミドジヒドロクロライド(実施例16,工程1)及び2−ブロモ−1−(1−メチルシクロプロピル)エタノン(実施例18,工程1)から標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:418(M+H),416(M−H)
融点:195℃。
IR(KBr)ν:3418,3145,2925,1699,1685,1637,1604,1542,1508,1431,1321,1265,1232,1066cm−1
H−NMR(CDCl)δ:0.68(1H,d,J=6.8Hz)、0.69(1H,d,J=6.8Hz)、1.25(1H,d,J=6.8Hz)、1.26(1H,d,J=6.8Hz)、1.36(3H,s)、1.46−1.59(2H,m)、1.64−1.83(5H,m)、2.04(2H,t,J=11.3Hz)、2.40(3H,s)、2.91−2.96(2H,m)、3.33(2H,s)、3.45(2H,t,J=6.0Hz)、7.23(1H,br)、8.11(1H,br)、10.14(1H,br)。
2128ClN・0.5HOに対する計算理論値:C,59.72;H,6.80;N,16.58。実測値:C,59.70;H,6.72;N,16.20。
【0142】
(実施例19:5−アミノ−6−クロロ−N−({1−[(4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]ピペリジン−4−イル}メチル)−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
実施例14に記載の手順に従って、5−アミノ−6−クロロ−2−メチル−N−(ピペリジン−4−イルメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミドジヒドロクロライド(実施例16,工程1)、1,6−ジオキサスピロ[2.5]オクタン及び炭酸カリウムから標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:436(M+H),434(M−H)
融点:213℃。
IR(KBr)ν:3418,3188,2916,1625,1604,1544,1514,1431,1338,1303,1265,1222,1184,1066cm−1
H−NMR(CDCl)δ:1.36−1.81(10H,m)、2.31(2H,s)、2.37(2H,t,J=11.7Hz)、2.46(3H,s)、2.86−2.91(2H,m)、3.45(2H,t,J=6.2Hz)、3.49(2H,s)、3.70−3.84(4H,m)、5.16(2H,s)、7.21(1H,s)、8.18(1H,s)、10.22(1H,br)。
2130ClN・0.5HO・CHOに対する計算理論値:C,56.57;H,7.18;N,15.34。実測値:C,56.48;H,7.50;N,15.00。
【0143】
(実施例20:5−アミノ−6−クロロ−N−({1−[(4−ヒドロキシテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]ピペリジン−4−イル}メチル)−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
実施例14に記載の手順に従って、5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−(ピペリジン−4−イルメチル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド(実施例4,工程4)及び1,6−ジオキサスピロ[2.5]オクタンから標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:450(M+H),448(M−H)
融点:229℃。
IR(KBr)ν:3188,2916,1626,1545,1514,1431,1339,1304,1265,1223,1184,1011,1085,1034cm−1
H−NMR(CDCl)δ:1.36(3H,t,J=7.5Hz)、1.40−1.82(8H,m)、2.31(2H,s)、2.37(2H,t,J=11.7Hz)、2.83(2H,q,J−7.5Hz)、2.86−2.91(2H,m)、3.45(2H,t,J=6.2Hz)、3.49(2H,s)、3.70−3.84(4H,m)、5.10(2H,s)、7.18(1H,s)、8.20(1H,s)、10.22(1H,br)。
2232ClN・0.2HO・CHOに対する計算理論値:C,57.77;H,7.37;N,14.97。実測値:C,57.42;H,7.75;N,14.67。
【0144】
(実施例21:5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
(工程1:エチル・2−[4−(アミノカルボニル)ピペリジン−1−イル]−2−メチルプロパノエート)
実施例17に記載の手順に従って、ピペリジン−4−カルボキサミド及びエチル・2−ブロモ−2−メチルプロパノエートから標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:243(M+H)
H−NMR(CDCl)δ:1.28(3H,t,J=7.1Hz)、1.30(6H,s)、1.62−1.79(3H,m)、1.88−1.93(2H,m)、2.09−2.24(2H,m)、2.99−3.05(2H,m)、4.17(2H,q,J=7.1Hz)。
NHによる信号は、観察されなかった。
【0145】
(工程2:2−[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]−2−メチルプロパン−1−オール)
実施例13の工程2に記載の手順に従って、エチル・2−[4−(アミノカルボニル)ピペリジン−1−イル]−2−メチルプロパノエート(実施例21,工程1)から標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:187(M+H)
H−NMR(CDCl)δ:1.02(6H,s)、1.12−1.25(3H,m)、1.74−1.78(2H,m)、2.12(2H,t,J=10.4Hz)、2.56(2H,d,J=6.2Hz)、2.91−3.00(2H,m)、3.31(2H,s)。
OHによる信号は、観察されなかった。
【0146】
(工程3:5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の5−アミノ−6−クロロ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボン酸(実施例2,工程6,279mg,1.2mmol)の撹拌した懸濁液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(300mg,1.6mmol)を周囲温度で加えた。次いで、その混合物を、60℃で3時間加熱した。冷却した後に、その反応混合物に、N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中の2−[4−(アミノメチル)ピペリジン−1−イル]−2−メチルプロパン−1−オール(241mg,1.6mmol)の溶液を加えた。室温で18時間撹拌した後に、その混合物をジクロロメタンと飽和水性重炭酸ナトリウムとの間で分配した。ジクロロメタンで抽出した後に、一緒にした有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濃縮した。その残さを、ヘキサン/酢酸エチル(1:3)で溶離するアミノプロピル−シリカゲルのカラム上のクロマトグラフィー処理して、淡黄色粉末として標記化合物183mg(67%)を得た。
MS(ESI)m/z:394(M+H),392(M−H)
IR(KBr)ν:3307,3066,2925,2845,1643,1608,1541,1508,1434,1325,1267,1236,1064cm−1
H−NMR(CDCl)δ:1.01(6H,s)、1.28−1.41(2H,m)、1.55−1.70(2H,m)、1.84−1.90(2H,s)、2.15(2H,t,J=11.3Hz)、2.46(3H,s)、2.92−2.97(2H,m)、3.31(2H,s)、3.44(2H,t,J=6.4Hz)、5.01(2H,brs)、7.15(1H,s)、8.20(1H,s)、10.09(1H,br)。
1928ClNに対する計算理論値:C,57.93;H,7.16;N,17.78。実測値:C,57.61;H,7.22;N,17.58。
【0147】
(実施例22:5−アミノ−6−クロロ−2−メチル−N−{[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
(工程1:{[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)ピペリジン−4−イル]メチル}アミン)
N,N−ジメチルホルムアミド中のピペリジン−4−カルボキサミド(1.28g,10mmol)、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボン酸(1.43g,11mmol)、及びジイソプロピルエチルアミン(2.09mL,11mmol)の撹拌した混合物に、HBTU(N−[(1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)(ジメチルアミノ)メチレン]−N−メチルメタンアミニウムヘキサフルオロホスフェート,4.14g,11mmol)を0℃で加えた。0℃で0.5時間撹拌した後に、その混合物を周囲温度で3時間撹拌した。次いで、その混合物を、酢酸エチルと水との間で分配した。酢酸エチルで抽出した後に、一緒にした有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして濃縮した。この粗製な材料をテトラヒドロフラン(50mL)中に溶解し、そしてテトラヒドロフラン(50mL)中の水素化アルミニウムリチウム(1.90g,50mmol)の混合物を0℃で加えた。次いで、その混合物を、40℃で加熱し、そして5時間撹拌した。その混合物を、0℃に冷却し、そして硫酸ナトリウム五水和物(3.8g)及びフッ化カリウム(9.0g)でクエンチした。0.5時間激しく撹拌した後に、不溶性材料をろ去した。そのろ液を、濃縮して、無色粘性油状体として標記化合物2.19g(99%)を得た。
MS(ESI)m/z:213(M+H)
H−NMR(CDCl)δ:1.20−1.28(2H,m)、1.50−1.78(8H,m)、2.35(2H,s)、2.55−2.58(2H,m)、2.82−2.90(2H,m)、3.30−3.42(2H,m)、3.49(2H,s)、3.92−4.00(2H,m)。
NHによる信号は、観察されなかった。
【0148】
(工程2:5−アミノ−6−クロロ−2−メチル−N−{[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド)
実施例21の工程3に記載の手順に従って、5−アミノ−6−クロロ−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボン酸(実施例2,工程6)及び{[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルメチル)ピペリジン−4−イル]メチル}アミン(実施例22,工程1)から標記化合物を調製した。
MS(ESI)m/z:420(M+H),418(M−H)
融点:236℃。
IR(KBr)ν:3195,1641,1546,1515,1427,1323,1263,1236cm−1
H−NMR(CDCl)δ:1.15−1.45(5H,m)、1.62−1.92(6H,m)、2.15(2H,d,J=7.0Hz)、2.46(3H,s)、2.82−2.91(2H,m)、3.30−3.50(5H,m)、3.90(2H,dd,J=10.2,3.3Hz)、5.16(2H,brs)、7.15(1H,s)、8.20(1H,s)、10.09(1H,br)。
2130ClNに対する計算理論値:C,60.06;H,7.20;N,16.68。実測値:C,60.34;H,7.26;N,16.68。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、Rは、水素原子又はハロゲン原子であり;
は、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、アミノカルボニル基、炭素原子数1〜6のモノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル基であり;
は、炭素原子数1〜10のアルキル基であり;
中の前記アルキル基は、後述の置換基αからなる群から選択される置換基少なくとも1つで置換されており;
前記置換基αは、後述のアリール基、ヒドロキシ基、オキソ基、アミノカルボニル基、又は炭素原子数1〜6のモノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル基、炭素原子数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、後述の複素環基、複素環-カルボニル基、及び炭素原子数3〜8のシクロアルキル基からなる群から選択され;
前記アリール基は、炭素原子数6〜10であり;
前記アリール基は、置換されていないか又は炭素原子数1〜6のアルキル基少なくとも1つで置換されており;
前記複素環基及び前記複素環-カルボニル基中の複素環部分は、イオウ原子、酸素原子、及び窒素原子からなる群から選択されるヘテロ原子1〜4つを含む5〜10員の環式基である]で表される化合物;
又は前記化合物の薬剤学的に許容することのできるアミド、
又は前記化合物の薬剤学的に許容することのできるエステル、
及び薬剤学的に許容することのできるその塩。
【請求項2】
式(I):
【化2】

[式中、Rは、水素原子又はハロゲン原子であり;
は、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、アミノカルボニル基、炭素原子数1〜6のモノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル基であり;
は、炭素原子数1〜10のアルキル基であり;
中の前記アルキル基は、後述の置換基αからなる群から選択される置換基少なくとも1つで置換されており;
前記置換基αは、後述のアリール基、ヒドロキシ基、オキソ基、アミノカルボニル基、又は炭素原子数1〜6のモノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル基、炭素原子数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、後述の複素環基、複素環-カルボニル基、及び炭素原子数3〜8のシクロアルキル基からなる群から選択され;
前記アリール基は、炭素原子数6〜10であり;
前記アリール基は、置換されていないか又は炭素原子数1〜6のアルキル基少なくとも1つで置換されており;
前記複素環基及び前記複素環-カルボニル基中の複素環部分は、イオウ原子、酸素原子、及び窒素原子からなる群から選択されるヘテロ原子1〜4つを含む5〜10員の環式基である]で表される化合物;
又は前記化合物の薬剤学的に許容することのできるエステル、
及び薬剤学的に許容することのできるその塩。
【請求項3】
が水素原子又は塩素原子である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が塩素原子である、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
が、炭素原子数1〜6のアルキル基、アミノカルボニル基、又は炭素原子数1〜6のモノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル基である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
が、炭素原子数1〜6のアルキル基である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
が、メチル基又はエチル基である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
が、炭素原子数1〜8のアルキル基であり;
中の前記アルキル基が、後述の置換基αからなる群から選択される置換基少なくとも1つで置換されており;
前記置換基αが、アリール基、ヒドロキシ基、オキソ基、アミノカルボニル基、又は炭素原子数1〜6のモノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル基、炭素原子数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、後述の複素環基、複素環-カルボニル基、及び炭素原子数3〜8のシクロアルキル基からなる群から選択され;
前記複素環基及び前記複素環-カルボニル基中の複素環部分が、イオウ原子、酸素原子、及び窒素原子からなる群から選択されるヘテロ原子1〜3つを含む5〜7員の環式基である、請求項2〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
が、炭素原子数1〜10のアルキル基であり;
中の前記アルキル基が、後述の置換基αからなる群から選択される置換基少なくとも1つで置換されており;
前記置換基αが、アリール基、ヒドロキシ基、オキソ基、炭素原子数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、及び複素環-カルボニル基からなる群から選択され;
前記複素環-カルボニル基中の前記複素環部分が、ピペリジニル及びモルホリニルからなる群から選択される、請求項2〜7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(3−モルホリン−4−イル−3−オキソプロピル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−モルホリン−4−イル−2−オキソエチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2−ブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル))ピペリジン−4−イル]]]メチル]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(4−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−ヒドロキシブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド,半オキサレート塩;及び
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−オキシ−2−ピペリジン−1−イルエチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
又は前記化合物のエステル、
及びその塩から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(3,3−ジメチル−2−オキソ−2−ブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−エチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−[(メチルスルホニル)アミノ]エチル))ピペリジン−4−イル]]]メチル]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−N−{[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペリジン−4−イル]メチル}−2−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(4−ヒドロキシ−3,3−ジメチル−2−オキソブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−ヒドロキシブチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド,半オキサレート塩;及び
5−アミノ−6−クロロ−2−エチル−N−{[1−(2−オキシ−2−ピペリジン−1−イルエチル)ピペリジン−4−イル]メチル}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−8−カルボキサミド;
又は前記化合物のエステル、
及びその塩から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
式(I):
【化3】

[式中、Rは、水素原子又はハロゲン原子であり;
は、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、アミノカルボニル基、炭素原子数1〜6のモノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル基であり;
は、炭素原子数1〜10のアルキル基であり;
中の前記アルキル基は、後述の置換基αからなる群から選択される置換基少なくとも1つで置換されており;
前記置換基αは、後述のアリール基、ヒドロキシ基、オキソ基、アミノカルボニル基、又は炭素原子数1〜6のモノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル基、炭素原子数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、後述の複素環基、複素環-カルボニル基、及び炭素原子数3〜8のシクロアルキル基からなる群から選択され;
前記アリール基は、炭素原子数6〜10であり;
前記アリール基は、置換されていないか又は炭素原子数1〜6のアルキル基少なくとも1つで置換されており;
前記複素環基及び前記複素環-カルボニル基中の複素環部分は、イオウ原子、酸素原子、及び窒素原子からなる群から選択されるヘテロ原子1〜4つを含む5〜10員の環式基である]で表される化合物;
又は前記化合物の薬剤学的に許容することのできるアミド、
又は前記化合物の薬剤学的に許容することのできるエステル、
及び薬剤学的に許容することのできるその塩の治療有効量を含む、
胃食道逆流性疾患、胃腸管疾患、胃運動障害、上部消化管運動障害、非潰瘍性消化不良、機能性消化不良、過敏性腸症候群、便秘、消化不良、食道炎、胃食道疾患、吐き気、中枢神経系疾患、アルツハイマー病、認識障害、嘔吐、片頭痛、神経系疾患、痛み、虚血性脳卒中、不安、又は心臓血管障害の治療又は予防用の医薬組成物。
【請求項13】
哺乳動物を対象とした5−HTレセプター活性によって媒介される疾病状態の治療又は予防の方法であって、式(I):
【化4】

[式中、Rは、水素原子又はハロゲン原子であり;
は、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、アミノカルボニル基、炭素原子数1〜6のモノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル基であり;
は、炭素原子数1〜10のアルキル基であり;
中の前記アルキル基は、後述の置換基αからなる群から選択される置換基少なくとも1つで置換されており;
前記置換基αは、後述のアリール基、ヒドロキシ基、オキソ基、アミノカルボニル基、又は炭素原子数1〜6のモノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル基、炭素原子数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、後述の複素環基、複素環-カルボニル基、及び炭素原子数3〜8のシクロアルキル基からなる群から選択され;
前記アリール基は、炭素原子数6〜10であり;
前記アリール基は、置換されていないか又は炭素原子数1〜6のアルキル基少なくとも1つで置換されており;
前記複素環基及び前記複素環-カルボニル基中の複素環部分は、イオウ原子、酸素原子、及び窒素原子からなる群から選択されるヘテロ原子1〜4つを含む5〜10員の環式基である]で表される化合物;
又は前記化合物の薬剤学的に許容することのできるアミド、
又は前記化合物の薬剤学的に許容することのできるエステル、
及び薬剤学的に許容することのできるその塩の治療有効量を前記対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項14】
式(I):
【化5】

[式中、Rは、水素原子又はハロゲン原子であり;
は、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、アミノカルボニル基、炭素原子数1〜6のモノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル基であり;
は、炭素原子数1〜10のアルキル基であり;
中の前記アルキル基は、後述の置換基αからなる群から選択される置換基少なくとも1つで置換されており;
前記置換基αは、後述のアリール基、ヒドロキシ基、オキソ基、アミノカルボニル基、又は炭素原子数1〜6のモノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル基、炭素原子数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、後述の複素環基、複素環-カルボニル基、及び炭素原子数3〜8のシクロアルキル基からなる群から選択され;
前記アリール基は、炭素原子数6〜10であり;
前記アリール基は、置換されていないか又は炭素原子数1〜6のアルキル基少なくとも1つで置換されており;
前記複素環基及び前記複素環-カルボニル基中の複素環部分は、イオウ原子、酸素原子、及び窒素原子からなる群から選択されるヘテロ原子1〜4つを含む5〜10員の環式基である]で表される化合物;
又は前記化合物の薬剤学的に許容することのできるアミド、
又は前記化合物の薬剤学的に許容することのできるエステル、
及び薬剤学的に許容することのできるその塩の治療有効量を前記対象に投与することを含む、胃食道逆流性疾患、胃腸管疾患、胃運動障害、上部消化管運動障害、非潰瘍性消化不良、機能性消化不良、過敏性腸症候群、便秘、消化不良、食道炎、胃食道疾患、吐き気、中枢神経系疾患、アルツハイマー病、認識障害、嘔吐、片頭痛、神経系疾患、痛み、虚血性脳卒中、不安、又は心臓血管障害の治療又は予防の方法。
【請求項15】
哺乳動物を対象とした5−HTレセプター活性によって媒介される疾病状態の治療又は予防用の医薬の製造における、式(I):
【化6】

[式中、Rは、水素原子又はハロゲン原子であり;
は、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、アミノカルボニル基、炭素原子数1〜6のモノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル基であり;
は、炭素原子数1〜10のアルキル基であり;
中の前記アルキル基は、後述の置換基αからなる群から選択される置換基少なくとも1つで置換されており;
前記置換基αは、後述のアリール基、ヒドロキシ基、オキソ基、アミノカルボニル基、又は炭素原子数1〜6のモノ−又はジ−アルキルアミノカルボニル基、炭素原子数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、後述の複素環基、複素環-カルボニル基、及び炭素原子数3〜8のシクロアルキル基からなる群から選択され;
前記アリール基は、炭素原子数6〜10であり;
前記アリール基は、置換されていないか又は炭素原子数1〜6のアルキル基少なくとも1つで置換されており;
前記複素環基及び前記複素環-カルボニル基中の複素環部分は、イオウ原子、酸素原子、及び窒素原子からなる群から選択されるヘテロ原子1〜4つを含む5〜10員の環式基である]で表される化合物;
又は前記化合物の薬剤学的に許容することのできるアミド、
又は前記化合物の薬剤学的に許容することのできるエステル、
及び薬剤学的に許容することのできるその塩の使用。
【請求項16】
状態が、胃食道逆流性疾患、胃腸管疾患、胃運動障害、上部消化管運動障害、非潰瘍性消化不良、機能性消化不良、過敏性腸症候群、便秘、消化不良、食道炎、胃食道疾患、吐き気、中枢神経系疾患、アルツハイマー病、認識障害、嘔吐、片頭痛、神経系疾患、痛み、虚血性脳卒中、不安、又は心臓血管障害である、請求項15に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2006−502180(P2006−502180A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−537407(P2004−537407)
【出願日】平成15年9月8日(2003.9.8)
【国際出願番号】PCT/IB2003/003945
【国際公開番号】WO2004/026868
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(000204343)ファイザー株式会社 (38)
【Fターム(参考)】