説明

6−チオグアノシン三リン酸の類縁化合物、医療分野におけるその使用、及びその調製方法に対する改良

本発明は、一般式(I)の6−チオグアノシン三リン酸の類縁化合物類に関する。一般式(I)の化合物において、糖成分における破線の結合は、一重又は二重結合であり、R1、R2、R3、R4又はR5は、互いに等しい、又は異なっており、一般式−(Int)−Terを有し、mは、0から12であり、Int及びTerは、内部及び末端構成ブロックであり、Intは、式(II)からなる群から選択され;Terは、式(III)からなる群から選択される。Xは、芳香族環内の炭素又は窒素原子を表し、Yは、酸素又は硫黄原子を表し、さらなる基Q、1つ又は複数の基Qi(Qiは、1つ又はいくつかの前記の基が環の任意の不飽和成分に結合していてもよいことを示す)は、−OH、−COOH、−N(CH、−N(CH−CH、−CO−CH、−CO−O−CH、−O−CH、−S−CH、−SO−CH、−CN、−NO又はハロゲン元素からなる群から選択され、R5は、式(IV)及びその金属及びアンモニウム塩であってもよく、nは、0から5であり、或いは酸素又はリンは、窒素、硫黄、メチレン基又はそれらの誘導体で部分的又は完全に置き換えられている。本発明は、また、医療分野における上記化合物の使用、並びにそれらの調製方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、6−チオグアノシン三リン酸の類縁化合物、医療分野におけるそれらの使用、及びそれらの調製方法に関する。
【0002】
特に、本発明は、例えば、移植臓器の拒絶及び移植後腎障害の予防のための、且つ例えばクローン病、潰瘍性直腸炎、不確定大腸炎のような炎症性慢性腸疾患、又は自己免疫腸症、活動性慢性肝炎、リウマチ様関節炎、スティル病、全身性紅斑性狼瘡、後天性溶血性貧血症、特発性血小板減少症、結節性多発性動脈炎、血管炎、多発性血管炎、多発性筋炎、重症筋無力症、類肉腫症、リポイド腎炎、多発性硬化症、皮膚筋炎、尋常性天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、再発性多形紅斑、慢性光線性皮膚炎、壊疽性皮下、紅色ひこう疹、ウェゲナー肉芽腫症、皮膚血管炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、面皰様類天疱瘡の如き免疫系が関与する病状の治療、並びに概して放射線療法、コルチコステロイド及び他の細胞毒性薬に追加される、免疫抑制治療における免疫抑制薬としての6−チオグアノシン三リン酸の類縁化合物の治療的使用に関する。後者は、臓器移植(腎臓、心臓、肺、膵臓及び肝臓移植)後の免疫抑制療法をも含む。
【背景技術】
【0003】
炎症免疫応答に関与する細胞は、炎症部位で生存することが可能であるが、当該応答の完了後に、細胞の大多数は、臓器の恒常性を維持するために「死滅」しなければならない(Boise、1995)。無制御のリンパ球増殖は、炎症性慢性病状の発生を引き起こし得るため、免疫系は、アポトーシス(プログラム細胞死)という名称の過程によって活性化リンパ球の減少を制御する。これは、粘膜固有層細胞のアポトーシス耐性が腸レベルで慢性炎症応答を起こし得るため、粘膜の免疫系に対して特別な重要性を帯びよう(Tiede、2003)。
【0004】
粘膜免疫系の活性化は、クローン病の発病機原において主要な役割を果たす。特に、Tリンパ球及びマクロファージによって生成される炎症誘発性サイトカイン、特にインターロイキン−6(IL−6)及びインターロイキン−12(IL−12)は、アポトーシスに対するTリンパ球耐性を引き起こすことができ、それが、次に、リンパ球の腸蓄積を誘発し、持続的な疾患を確立する(Tiede、2003)。
【0005】
リンパ球活性は、2つのシグナル、即ちTCR(T細胞受容体)への抗原の特異的結合及びCD28のような膜貫通タンパク質によって表される第2の共刺激シグナルによって開始する(Maltzman、2003)。CD28との共刺激は、活性化Tリンパ球のインビトロの生存を高めることが示された。実際、CD28は、Tリンパ球生存に対する外因性因子として作用するインターロイキン−2(IL−2)の生成の増強、及びアポトーシスに耐性を示すTリンパ球の内因的能力を誘発する(Boise、1995(既出))。これは、CD28作用が、bcl−x遺伝子という名称の抗アポトーシス遺伝子の発現に付随するために生じる(Khoshnan、2000;Nobel、1996)。
【0006】
図1に示されるように、アポトーシスの阻害が生じる工程を以下にまとめる。
CD28は、「アダプター」タンパク質の複合体及びVavという名称の分子と共にその細胞質部分を介して作用する(Frauwirth、2002)。
Vavは、Rac1という名称の他の分子に対するグアノシンヌクレオチド交換因子(GEF)として作用する(Frauwirth、2002)。
小さいGTPアーゼであるRac1は、そのようにして、GDPに結合した不活性状態とGTPに結合した活性状態とを切り換える(Frauwirth、2002)。
活性化Rac1は、次に、MEKリン酸化を介して、(I−κBαのような)NF−κB抑制タンパク質をリン酸化するキナーゼ(IKK)の活性化をもたらす(Marinari、2002)。
したがって、NF−κBは、サイトソル中で不活性型にこれ以上保持されず、核に転位し、そこでbcl−x発現を誘発することができる(Khoshnan、2000)。
さらに、活性化Rac1は、STATファミリー(シグナル変換器及び転写の活性化体)に属するタンパク質、即ちSTAT−3の活性化を刺激して、核へのその転位、及びSTAT−3依存性遺伝子の対応する発現を誘発する(Faruqi、2001)。特に、STAT−3は、bcl−x発現を誘発して、アポトーシスに対する耐性、及びクローン病の過程の間炎症粘膜におけるTリンパ球の蓄積に寄与する(Mudter、2003)。一方、STAT−3は、クローン病の患者において着実に活性化されるが、健康な志願者ではそうでないことが腸Tリンパ球の研究によって指摘された(Lovato 2003)。
【0007】
Rac1は、RhoA及びCdc42とともに、グアノシンヌクレオチドを結合させ、多くの細胞応答を調節することが可能であることを特徴とする小さいGタンパク質のスーパーファミリーであるRhoファミリーに属する。それらは、GDPに結合したときの不活性状態からGTPがGDPの代わりになる活性状態に循環する。この反応は、(Vavのように)GEFという名称のグアノシンヌクレオチド交換因子に支えられる。GTPとの結合は、Rac1及び他のGTPアーゼがそれらのエフェクターに結合することを可能にする構造変化を誘発する。GTPアーゼ活性化タンパク質(GAP)と呼ばれる他のタンパク質の作用は、これらの小さいGタンパク質の本質的なGTPアーゼ活性を刺激し、それらのGDP結合不活性状態に戻す。概してすべてのGTPアーゼがRhoファミリーに属するRac1は、この場合は遺伝子bcl−xの遺伝子発現の変化を刺激して、この場合はNF−κB及びSTAT−3(Van Aeist、1997)のような転写因子の活性を調節するため、有糸分裂誘発過程、増殖及び侵襲性において重要な役割を果たす(Van Aeist、1997)。
【0008】
アザチオプリンは、当該活性成分の作用機構は未知であるが、クローン病の免疫抑制治療の「絶対基準(Gold standard)」と見なされている。しかし、DNA及びRNA合成の抑制並びにT及びBリンパ球機能の下方制御によるプリンヌクレオチド生合成(Tiede 2003)は、アザチオプリンの主要な治療的機構であると想定される。
【0009】
Tリンパ球レベルで作用するアザチオプリンの作用の新しい機構が最近示された。アザチオプリンは、活性化Tリンパ球のインビトロでのアポトーシスを誘発すること、及びアザチオプリンによる治療は、IBD患者の循環及び固有層Tリンパ球の両方のアポトーシスを引き起こすことが明らかになった後に、具体的な分子機構が指摘された(Tiede 2003)。
【0010】
要点は、薬物の真の機能的代謝物質を表す6−チオグアノシン三リン酸(6−チオGTP)代謝物質で示される。具体的には、6−チオGTPは、GTPの代わりにRac1に直接結合して、その活性化を阻止する。同じファミリーに属する他のGTPアーゼは、6−チオGTPによって阻害されないため、当該阻止は、Rac1に極めて特異的であり、この特異性は、外部ロックがRac1タンパク質の構造に関連づけられることを示唆する。Rac1グアノシンヌクレオチド交換因子vavの蓄積が認められたという事実は、Rac1活性を達成するための補償機構と一致している。
【0011】
Rac1の活性化の阻止は、Rac1そのものによって通常誘発されるNF−κB及びSTAT−3の阻止、そしてmRNA及びタンパク質レベルで検出されるbcl−x遺伝子発現の阻止をもたらすことになる。したがって、アザチオプリンは、Rac1活性を調節することによって、CD28によって媒介される抗アポトーシス共刺激シグナルをアポトーシス促進シグナルに切り換える。
【0012】
この新しい作用機構は、利益及び臨床応答が4ヶ月より早期の治療では観察されなかったような臨床応答を引き出すのに長い治療時間を必要とする。アザチオプリンの治療効果の良く知られた「遅れ」を説明することができる。これは、6−チオGTPが、Rac1に通常結合されるGTPと比較して、Rac1に対する親和性が20分の1であるという事実による。したがって、アザチオプリン治療は、高ステロイド投与物の同時及び長時間投与を必要とし、骨粗鬆症、糖尿病、白内障のような顕著な副作用を有する。
【0013】
上記に鑑み、既に知られている化合物と比較して、より迅速且つ効果的な治療応答を引き出す新しい免疫抑制薬を自由に使用することが望まれる。
【0014】
本発明によれば、Rac1を阻害することが可能であり、Rac1に対するより強い親和性、Rac1活性のより高度な抑制、アザチオプリン治療の遅延効果と比較して強い免疫抑制力及び作用を有すること、並びに最良の治療効果を特徴とする新しい6−チオGTP類縁体薬物類が調製された。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0015】
したがって、本発明の一目的は、一般式(I)の6−チオグアノシン三リン酸の類縁化合物類を提供することである。
【化1】


(式中、糖成分における破線の結合は、一重又は二重結合であり、R、R、R、R又はRは、互いに等しい、又は異なっており、一般式−(Int)−Terを有し、mは、0から12であり、Int及びTerは、内部及び末端構成ブロックであり、Intは、
【化2】


からなる群から選択され、Terは、
【化3】


からなる群から選択され、
Xは、芳香族環内の炭素又は窒素原子を表し、Yは、酸素又は硫黄原子を表し、さらなる基Q、1つ又は複数の基Qi(Qiは、1つ又はいくつかの前記の基が環の任意の不飽和成分に結合していてもよいことを示す)は、−OH、−COOH、−N(CH、−N(CH−CH、−CO−CH、−CO−O−CH、−O−CH、−S−CH、−SO−CH、−CN、−NO又はハロゲン元素からなる群から選択される)。
【0016】
或いは、Rは、
【化4】


及びその金属及びアンモニウム塩であってもよく、nは、0から5であり、或いは酸素又はリンは、窒素、硫黄、メチレン基又はそれらの誘導体で部分的又は完全に置き換えられている。
【0017】
いくつかの実施形態(特に、Rは、HO−[POであり、及びその金属及びアンモニウム塩であり、nは、0から5であり、或いは酸素又はリンは、窒素、硫黄、メチレン基又はそれらの誘導体で部分的又は完全に置き換えられている実施形態(ただし、それらに限定されない))において、TERは、
【化5】


からなる群から選択されてもよい。
【0018】
式(I)の化合物を、特に、
【化6】


から選択されるR又はRで標識することができる。
(式中、Qは、−OH(FAM)又は−N(CH(TAMRA)から選択される)。
【0019】
また、式(I)の化合物の糖成分を以下の糖成分又は糖類似成分からなる群から選択することができる。
【化7】

【0020】
本発明の化合物は、一般式(Ia)及び/又は(I)から誘導される一般式(II)であってもよく、Rは、[−SH]であり(グアノシン成分は、ケト−エノール互変異性シフトすることにより、[=S]になり得ることが理解される)、Rは、[−H]であり、Rは、[−(PO−OH]であり、R及びRの一方は、[−OH]であり、R及びRの他方は、[−O−CO−NH−Int−Ter]である(どちらの変種も同じ混合物で提供される。即ち、[−O−CO−NH−Int−Ter]:は、同じであるが、分子の一部は、Rに結合した[−O−CO−NH−Int−Ter]を有し、RがOHであり、分子の他の部分は、Rに結合した[−O−CO−NH−Int−Ter]を有し、RがOHである)。
【化8】


(式中、n=1、2又は3であり、mは、0から5であり、Intは、
【化9】


からなる群から選択され、Terは、
【化10】


からなる群から選択され、Xは、芳香族環内の炭素又は窒素原子を表し、Yは、酸素又は硫黄原子を表し、さらなる基Q又は基Qi(iは、Qが結合できる環の任意の不飽和成分の位置を示す)は、−CH、−C(CH、−OH、−COOH、−CO−CH、−CO−O−CH、−O−CH、−S−CH、−SO−CH、−N(CH、−N(CH−CH、−CN、−NO又はハロゲン元素からなる群から選択される)。
【0021】
式(I)、(Ia)及び(II)の本発明のいくつかの実施形態において、Terは、
【化11】


からなる群から選択される。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態によれば、式(I)の化合物は、以下に記載される化合物である。
【化12】


(式中、R、R、R、R又はRは、互いに等しい、又は異なっており、一般式−(Int)−Terを有し、mは、0から12であり、Int及びTerは、内部及び末端構成ブロックであり、Intは、
【化13】


からなる群から選択され、Terは、
【化14】


からなる群から選択され、
さらなる基Q、1つ又は複数の基Qi(Qiは、1つ又はいくつかの前記の基が環の任意の不飽和成分に結合していてもよいことを示す)は、−OH、−COOH、−N(CH、−N(CH−CH又はハロゲン元素からなる群から選択される)。
【0023】
また、式(I)の化合物の糖成分を以下の糖成分又は糖類似成分からなる群から選択することができる。
【化15】

【0024】
式(I)、(Ia)及び(II)の化合物を、特に、
【化16】


から選択されるR又はRで標識することができる。
(式中、Qは、−OH(FAM)又は−N(CH(TAMRA)から選択される)。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態によれば、式(I)、(Ia)及び(II)の化合物は、以下に記載される化合物である。
2’,3−EDA−6−チオ−GTP、ID:05B−0
【化17】


FAM−2’,3’−EDA−6−チオ−GTP
【化18】


TAMRA−2’,3’−EDA−6−チオ−GTP
【化19】


アスパラギン酸−2’,3’−EDA−6−Thio−GTP、ID:05B−1
【化20】


グルタミン酸−2’,3’−EDA−6−チオ−GTP、ID:05B−2
【化21】


スレオニン−2’,3’−EDA−6−チオ−GTP、ID:05B−3
【化22】


セリン−2’,3’−EDA−6−チオ−GTP
【化23】


2’,3’,5’,O−トリアセチル−N−2−(アセチル−6”−アミノヘキシル)−グアノシン
【化24】


2’,3’,5’−トリアセチル−N−2−(6”−チオアセトアミド−ヘキシル)−6−チオグアノシン(V4)[TW1 107/7]
【化25】


N−2−(6”−チオアセトアミド−ヘキシル)−6−チオグアノシン
【化26】


N−2−(6”−アミノヘキシル)−6−チオグアノシン、ID:05A−0
【化27】


N−2−(6”−グアニジノ−ヘキシル)−6−チオグアノシン、ID:05A−1
【化28】


N−2−(6”−アミノヘキシル)−6−チオ−GMP
【化29】


N−2−(6”−グアニジノ−ヘキシル)−6−チオ−GMP、ID:05A−2
【化30】


N−2−(6”−アミノヘキシル)−6−チオ−GTP
【化31】


N−2−(6”−グアニジノ−ヘキシル)−6−チオ−GTP、ID:05A−3
【化32】


N−2−(6”−アスパラギン酸−ヘキシル)−6−チオグアノシン
【化33】


N−2−(6”−グルタミン酸−ヘキシル)−6−チオグアノシン
【化34】


N−2−(6”−スレオニン−ヘキシル)−6−チオグアノシン
【化35】


N−2−(6”−セリン−ヘキシル)−6−チオグアノシン
【化36】


N−2−(6”−アミノブチル)−6−チオ−グアノシン、ID:05C−0
【化37】


2−N−2−(6”−グアニジノ−ブチル)−6−チオグアノシン、ID:05C−1
【化38】


2−N−2−(6”−グアニジノ−ブチル)−6−チオ−GMP、ID:05C−2
【化39】


2−N−2−(6”−グアニジノ−ブチル)−6−チオ−GTP、ID:05C−3
【化40】


N−2−(6”−アスパラギン酸−ブチル)−6−チオグアノシン
【化41】


N−2−(6”−グルタミン酸−ブチル)−6−チオグアノシン
【化42】


N−2−(6”−スレオニン−ブチル)−6−チオグアノシン
【化43】


N−2−(6”−セリン−ブチル)−6−チオグアノシン
【化44】


N−2−(6”−アミノプロピル)−6−チオグアノシン
【化45】


N−2−(6”−グアニジノ−プロピル)−6−チオグアノシン
【化46】


N−2−(6”−アスパラギン酸−プロピル)−6−チオグアノシン
【化47】


N−2−(6”−グルタミン酸−プロピル)−6−チオグアノシン
【化48】


N−2−(6”−スレオニン−プロピル)−6−チオグアノシン
【化49】


N−2−(6”−セリン−プロピル)−6−チオグアノシン
【化50】


N−2−(6”−アミノ−2−ブテン)−6−チオグアノシン
【化51】


N−2−(6”−グアニジノ−2−ブテン)−6−チオグアノシン
【化52】


N−2−(6”−アスパラギン酸−2−ブテン)−6−チオグアノシン
【化53】


N−2−(6”−グルタミン酸−2−ブテン)−6−チオグアノシン
【化54】


N−2−(6”−スレオニン−2−ブテン)−6−チオグアノシン
【化55】


N−2−(6”−セリン−2−ブテン)−6−チオグアノシン
【化56】


N−2−(6”−アミノ−2−ブチン)−6−チオグアノシン
【化57】


N−2−(6”−グアニジノ−2−ブチン)−6−チオグアノシン
【化58】


N−2−(6”−アスパラギン酸−2−ブチン)−6−チオグアノシン
【化59】


N−2−(6”−グルタミン酸−2−ブチン)−6−チオグアノシン
【化60】


N−2−(6”−スレオニン−2−ブチン)−6−チオグアノシン
【化61】


N−2−(6”−セリン−2−ブチン)−6−チオグアノシン
【化62】


N−2−(6”−アミノ−2,4−ヘキサジン)−6−チオグアノシン
【化63】


N−2−(6”−グアニジノ−2,4−ヘキサジン)−6−チオグアノシン
【化64】


N−2−(6”−アスパラギン酸−2,4−ヘキサジン)−6−チオグアノシン
【化65】


N−2−(6”−グルタミン酸−2,4−ヘキサジン)−6−チオグアノシン
【化66】


N−2−(6”−スレオニン−2,4−ヘキサジン)−6−チオグアノシン
【化67】


N−2−(6”−セリン−2,4−ヘキサジン)−6−チオグアノシン
【化68】

【0026】
本発明のさらなる化合物を、参照表題を示して開示する。
【化69−1】


【化69−2】


【化69−3】


【化69−4】


【化69−5】


【化69−6】


【化69−7】


【化69−8】


【化69−9】


【化69−10】


【化69−11】

【0027】
本発明による化合物を有利には医療分野で使用することができる。したがって、本発明の他の目的は、活性成分としての上記式(I)の化合物の少なくとも1つと、当業者に知られており、医薬技術で現在使用されている1つ又は複数の医薬として許容し得る共助剤又は賦形剤とを含む医薬組成物である。
【0028】
本発明の一目的は、免疫抑制薬の調製のための化合物、その使用、及びその治療及び医学的使用を提供することである。本発明の一目的は、本発明の化合物及び組成物、及び以下の治療方法及び/又は療法;移植臓器(例えば、腎臓、心臓、肺、膵臓、肝臓移植)の拒絶及び移植後腎障害の予防、及び例えばクローン病、潰瘍性直腸炎、不確定大腸炎のような炎症性慢性腸疾患、又は自己免疫腸症、活動性慢性肝炎、リウマチ様関節炎、スティル病、全身性紅斑性狼瘡、後天性溶血性貧血症、特発性血小板減少症、結節性多発性動脈炎、血管炎、多発性血管炎、多発性筋炎、重症筋無力症、類肉腫症、リポイド腎炎、多発性硬化症、皮膚筋炎、尋常性天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、再発性多形紅斑、慢性光線性皮膚炎、壊疽性皮下、紅色ひこう疹、ウェゲナー肉芽腫症、皮膚血管炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、面皰様類天疱瘡の如き免疫系が関与する病状の治療、並びに概して放射線療法、コルチコステロイド及び他の細胞毒性薬に追加される、免疫抑制治療におけるそれらの使用を提供することである。また、本発明による化合物を有利には癌の治療のための医薬品の調製に使用することができる。
【0029】
本発明は、さらに、特に
【化70】


から選択されるR又はRを有する式(I)の標識化合物の使用に関する。
(式中、Qは、Racl/Vav系による式(I)の化合物の結合特性の評価のためのプローブとして−OH(FAM)又は−N(CH(TAMRA)から選択される)。
【0030】
さらなる態様によれば、本発明は、式(I)、(Ia)及び(II)の化合物を調製するための方法であって、グアノシン環の2位における−NH−R基の導入は、
a)トリ−O−アセチル−イノシンのNH成分を保護する工程と、
b)酸化的グアノシン開環及びO−脱保護を行う工程と、
c)グアノシン閉環を行い、CSを使用することにより、SH基をグアノシン環の2位に導入する工程と、
d)過剰の脂肪族ジアミンを使用することによって、2位のSH基をアミノリンカーに置き換える工程とを含む方法に関する。該方法は、e)アセチル化によってリボースOH基及び一級アミン基を保護するさらなる工程、及びさらにf)ローソン試薬を使用することにより、C=O基をチオール化するさらなる工程をさらに含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
次に、添付の図面の図を特に参照しながら、好ましい実施形態に従って、限定ではなく例示を目的として本発明を説明する。
【実施例】
【0032】
(実施例1)
2−置換−6−チオ−グアノシンヌクレオチドを調製するための方法
2’,3’,5’−トリ−O−アセチル−1−[(2−メトキシエトキシ)メチル]イノシンの調製
(Kohyomaら、2003)
【化71】


イノシン2’,3’,5’−トリアセテート(4g、10.2mmol)を100mlのジクロロメタンに溶解し、溶液を支持塩基としてのジイソプロピルエチルアミンの存在下で0℃にて1.4ml(12.2mmol)の2−メトキシエトキシメチルクロリドで処理した。1時間後、反応物を水で失活させた。溶液を30分間撹拌し、その後クロロホルムを添加した。水層をクロロホルムで抽出し、一緒にして洗浄した有機層を濃縮乾固した。その反応物から、クロマトグラフィー精製(シリカゲル、EtOAc−MeOH、50:1)後に3.93g(8.2mmol、80%)の2’,3’,5’−トリ−O−アセチル−1−[(2−メトキシエトキシ)メチル]イノシンを得た。
【0033】
5−アミノ−1−β−リボフラノシルイミダゾール−4−カルボキサミドの調製(Kohyomaら、2003)
【化72】


2’,3’,5’−トリ−O−アセチル−1−[(2−メトキシエトキシ)メチル]イノシン(3.5g、7.3mmol)を50mlのメタノールに溶解した溶液にアンモニア水溶液(28%、20ml)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、濃縮し、脱保護ヌクレオシド(2.44g、6.9mmol、95%)を得た。この生成物をさらに精製することなく次の工程に使用した。
ヌクレオシド(2.44g、6.9mmol)を50mlの水酸化ナトリウム水溶液(0.2M)とともに1時間還流させ、室温まで冷却し、HCl(6M)で中和し、濃縮乾固した残渣をエタノールに溶解し、不溶性材料から濾過し、濃縮乾固した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl:MeOH、3:1)により粗製物を精製して、1.32g(5.11mmol、70%)の5−アミノ−1−β−リボフラノシルイミダゾール−4−カルボキサミドを得た。
【0034】
2−メルカプトイノシンの調製(Imaiら、1971)
【化73】


5−アミノ−1−β−リボフラノシルイミダゾール−4−カルボキサミド(1.3g、5mmol)をピリジンに溶解し、18ml(15mmol)のフェニル−イソチオシアネートを徐々に添加した。反応混合物をアルゴン雰囲気下で2時間還流させた。溶液を室温まで冷却し、沈殿を濾過によって回収し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた生成物のピリジニウム塩を水酸化ナトリウム水溶液(15%、40ml)に溶解した。溶液を60℃で30分間加熱し、真空下で濃縮した。次いで、メタノールを添加し、溶液を冷蔵庫に一晩維持した。20時間後、沈殿した無色プリズムを濾過によって回収して、1.2g(80%)の2−メルカプトイノシンを得た。
【0035】
代替的な調製方法によれば、水酸化ナトリウム(1g、25mmol)を20mlのメタノールに溶解した溶液に化合物−アミノ−1−β−リボフラノシルイミダゾール−4−カルボキサミド(1.3g、5mmol)を30℃で添加した。二硫化炭素(1.9g、25mmol)を添加し、溶液をオートクレーブにて180℃で3時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、沈殿を濾別し、低温メタノールで洗浄し、水から再結晶させて、1.1g(3.8mmol、75%)の2−メルカプトイノシンを得た。
【0036】
N−2−(6”−アミノヘキシル)−グアノシンの調製
【化74】


2−メルカプトイノシン(1g、3mmol)を100mlの水に溶解し、0℃まで冷却した。超音波照射後に透明溶液を得た。過酸化水素(1ml、9mmol)を激しく撹拌しながら20分間以内で添加した。0℃で1時間撹拌した後、HPLCクロマトグラフィーは、出発化合物がイノシン−2−スルホン酸のナトリウム塩に完全に酸化されたことを示した。さらに精製することなく、得られた溶液を過剰の1,6−ジアミノヘキサン(20g、200mmol)で処理した。混合物を155℃で2.5時間還流させた。過剰の1,6−ジアミノヘキサンを真空蒸留によって除去して、橙色の残渣を得た。カラムクロマトグラフィー(シリカゲルPR−18、100%水から100%メタノールまでの直線勾配)による粗製物の精製後にN−2−(6”−アミノヘキシル)−グアノシン(0.85g、22mmol、50%)を得た。
【0037】
2’,3’,5’−トリアセチル−N−2−(6”−アセトアミド−ヘキシル)−グアノシンの調製(Ostermannら、1999)
【化75】


ヌクレオシド(220mg、0.575mmol)を20mlの乾燥ピリジンに溶解した溶液を1ml(10mmol)の無水酢酸とともにアルゴン雰囲気下で室温にて15時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣をCHCl(10ml)とCHOH(2ml)の混合物に溶解した。この溶液をシリカゲル上に充填し、CHCl/CHOH(5:1)で溶出して、284.7mg(0.52mmol、90%)の完全保護ヌクレオシドを得た。
【0038】
2’,3’,5’−トリアセチル−N−2−(6”−アセトアミド−ヘキシル)−6−チオグアノシンの調製
【化76】


ジオキサン(200ml)を完全保護ヌクレオシド(5.03g、9.13mmol)に添加した。8g(19.8mmol)のローソン試薬を添加した後、懸濁液を80℃で2時間激しく撹拌した。最初は不透明な反応混合物が10分後に透明になった。溶液を室温で冷却し、溶媒を真空蒸留によって蒸発させた。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、CHCl)によって粗生成物を精製して、2’,3’,5’−トリアセチル−N−2−(6”−アセトアミド−ヘキシル)−6−チオグアノシン(2.92g、5.02mmol)を55%の収率で得た。
【0039】
(実施例2)
リボース修飾6−チオ−グアノシン三リン酸の類縁体を調製するための方法
6−チオ−グアノシン三リン酸の調製(Ludwig、1981)
【化77】


アルゴン雰囲気下で、6−チオ−グアノシン(1g、3.34mmol)を6mlのリン酸トリメチルに溶解した。溶液を0℃まで冷却し、1.3mlのルチジンを添加した。10分後、0.4ml(4.4mmol)のオキシ塩化リンを溶液に注意深く添加した。1時間後、過剰のPOClを10分間以内で真空下で除去した。
【0040】
次いで、最初に形成された中間体リン酸ジクロロの溶液を、ピロリン酸トリ−n−ブチルアンモニウム(17ml、100mM)をジメチルホルムアミドに溶解した溶液で処理した。2時間後、100mlの0.25M重炭酸トリエチルアンモニウム緩衝剤を添加することによって反応物を失活させた。イオン交換クロマトグラフィーによる精製によって、6−チオ−グアノシン三リン酸(0.5g、1mmol、30%)を得た。
【0041】
2’/3’−EDA−6−チオ−グアノシン三リン酸の調製
【化78】


化合物の乾燥トリブチルアンモニウム塩(0.5mmol)を25mlのジメチルホルムアミド中500mgのカルボニルジイミダゾールで処理した。得られた混合物を0℃で6時間撹拌し、室温まで昇温し、0.2mlのメタノール、及び続いて0.3mlのエチレンジアミンを添加した。
【0042】
得られた析出物を遠心沈降させ、水に溶解した。三リン酸部分に生じた中間体ホスホラミデートを分解するために、溶液をpH2に調整した。18時間後、pHを7.5に調整し、続いて溶媒を減圧下で除去した。イオン交換クロマトグラフィーによる粗製物の精製によって、116mg(0.4mmol、80%)の2’/3’−EDA−6−チオ−グアノシン三リン酸を得た。
【0043】
TAMRA−2’/3’−EDA−6−チオ−グアノシン三リン酸の調製
【化79】


TAMRAのN−ヒドロキシ−スクシンイミドエステル(1mg、2μmol)を200μlの乾燥ジメチルホルムアミドに溶解し、1mg(3μmol)の2’/3’−EDA−6−チオ−グアノシン三リン酸を500μlの100mMホウ酸ナトリウム緩衝剤(pH8.5)に溶解した溶液に室温で添加した。2時間後、反応混合物をメタノールで失活させた。逆相HPLCによる反応混合物の処理の後にTAMRA標識生成物を収率70%(2.4mg、1.4μmol)で得た。
【0044】
(実施例3)
2−置換6−チオ−グアノシンヌクレオチドの合成
N−2−(6”−チオアセトアミド−ヘキシル)−6−チオグアノシン(10)の調製
【化80】


アンモニアをメタノール(70ml)に溶解した7M溶液を完全保護ヌクレオシド9(1.15g、1.97mmol)に添加した。溶液を室温で20時間撹拌した。溶媒を蒸留によって除去して、オフホワイトの残渣を得た。粗製N−2−(6”−チオアセトアミド−ヘキシル)−6−チオグアノシン(10)(0.85g、1.8mmol、95%)をさらに精製することなく使用した。
【0045】
N−2−(6”−アミノヘキシル)−6−チオグアノシン(11)の調製
【化81】


ヌクレオシド10(0.1g、0.22mmol)を5mlのNH/HO(30%)に溶解した溶液を80℃で90分間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣を水(2ml)に溶解した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲルPR−18、100%水から100%メタノールまでの直線勾配)による粗製物の精製後に、N−2−(6”−アミノヘキシル)−6−チオグアノシン(11)(0.80g、2.0mmol、91%)を得た。
【0046】
N−2−(6”−グアニジノ−ヘキシル)−6−チオグアノシン(12)の調製
【化82】


N−2−(6”−アミノヘキシル)−6−チオグアノシン(11)(0.091g、0.23mmol)を1mlのDMFに溶解し、得られた溶液を、支持塩基として作用する39μl(0.23mmol)のN−エチル−ジイソプロピルアミンの存在下で、室温にて0.34g(0.23mmol)の塩酸トリアゾール−1−カルボキサミジンで処理した。2時間後、反応混合物を蒸発させて乾燥状態とした。逆相クロマトグラフィー(シリカゲルPR−18、100%HOから100%ACNまでの直線勾配)による粗製物の精製によって、0.92g(0.21mmol、90%)のN−2−(6”−グアニジノ−ヘキシル)−6−チオグアノシン(12)を得た。
【0047】
N−2−(6”−アミノヘキシル)−6−チオグアノシン−5’−一リン酸(13)の調製
【化83】


アルゴン雰囲気下で、ヌクレオシド9(0.3g、0.6mmol)を3mlリン酸トリメチルに溶解した。溶液を0℃まで冷却し、0.3mlのルチジンで処理した。
【0048】
10分後、0.15ml(1.1mmol)のオキシ塩化リンを注意深く添加した。1時間後、過剰のPOClを真空中で10分間以内で除去した。
【0049】
100mlの0.25M(pH7.5)重炭酸トリエチルアンモニウム緩衝剤を添加することによって溶液を失活させた。イオン交換クロマトグラフィーによる精製によって、N−2−(6”−チオアセトアミド−ヘキシル)−6−チオグアノシン−5’−一リン酸を得た。生成物を5mlのNH/HO(30%)に溶解し、80℃で90分間撹拌した。続いて、溶媒を真空中で除去した。イオン交換クロマトグラフィーによる粗製物の精製後に、N−2−(6”−アミノヘキシル)−6−チオグアノシン−5’−一リン酸(13)(0.17g、0.36mmol、60%)を得た。
【0050】
N−2−(6”−グアニジノ−ヘキシル)−6−チオグアノシン−5’−一リン酸(14)の調製
【化84】


N−2−(6”−アミノヘキシル)−6−チオグアノシン−5’−一リン酸(13)(0.053g、0.11mmol)を0.8mlの水と0.5mlのDMFとの混合物に溶解した。続いて、支持塩基として作用する18μl(0.11mmol)のN−エチル−ジイソプロピルアミンの存在下で室温にて溶液を0.16g(0.11mmol)の塩酸トリアゾール−1−カルボキサミジンで処理した。16時間後、反応混合物を濃縮して乾燥状態とした。逆相クロマトグラフィー(シリカゲルPR−18、100%HOから100%ACNまでの直線勾配)による粗製物の精製によって、0.037g(0.072mmol、65%)のN−2−(6”−グアニジノ−ヘキシル)−6−チオグアノシン−5’−一リン酸(14)を得た。
【0051】
(実施例4)
リボース修飾6−チオ−GTP類似体の合成
アスパラギン酸−2’/3’−EDA−6−チオ−グアノシン三リン酸(4)の調製
【化85】


Boc/tBu保護アスパラギン酸のN−ヒドロキシ−スクシンイミドエステル(2.8mg、7μmol)を200μlの乾燥DMFに溶解し、化合物1(5mg、7μmol)を500μlの100mMホウ酸ナトリウム緩衝剤(pH8.5)に溶解した溶液に室温で添加した。16時間後、反応混合物をメタノールで失活させた。逆相HPLCによる反応混合物の処理後に、アスパラギン酸誘導体4を70%の収率(3.6mg、4.9μmol)で得た。
【0052】
グルタミン酸−2’/3’−EDA−6−チオ−グアノシン三リン酸(5)の調製
【化86】


Boc/tBu保護グルタミン酸のN−ヒドロキシ−スクシンイミドエステル(2.9mg、7μmol)を200μlの乾燥DMFに溶解し、化合物1(5mg、7μmol)を500μlの100mMホウ酸ナトリウム緩衝剤(pH8.5)に溶解した溶液に室温で添加した。16時間後、反応混合物をメタノールで失活させた。逆相HPLCによる反応混合物の処理後に、グルタミン酸標識生成物5を70%の収率(3.7mg、4.9μmol)で得た。
【0053】
スレオニン−2’/3’−EDA−6−チオ−グアノシン三リン酸(6)の調製
【化87】


Boc保護スレオニンのN−ヒドロキシ−スクシンイミドエステル(2.3mg、7μmol)を200μlの乾燥DMFに溶解し、化合物1(5mg、7μmol)を500μlの100mMホウ酸ナトリウム緩衝剤(pH8.5)に溶解した溶液に室温で添加した。16時間後、反応混合物をメタノールで失活させた。逆相HPLCによる反応混合物の処理後に、スレオニン誘導体6を70%の収率(3.4mg、4.9μmol)で得た。
【0054】
(実施例5)
ヒトCD4Tリンパ球においてアポトーシスを誘発する5つの新しい合成6−チオ−GTP−誘導体の能力の分析
使用した物質:
アザチオプリン
6−メルカプトプリン
V1=BMB20=EDA−6−チオ−GTP
V2=TWI35/1=N−2−(6”−アミノヘキシル)−グアノシン
V3=TWI71/2=2’,3’,5’,o−トリアセチル−N−2−(アセチル−6”−アミノヘキシル)−グアノシン
V4=TWI107/7=2’,3’,5’−トリアセチル−N−2−(6”−チオアセトアミド−ヘキシル)−6−チオグアノシン
V5=BMB=TAMRA−EDA−6−チオ−GTP
V3及びV4は、水に不溶であったため、V3をエタノールで復元し、V4をメタノールで復元した。
【0055】
プロトコル:
Ficoll−Hypaque密度勾配溶液を用いて4つのバフィーコートからのヒト抹消血液単核細胞(PBMC)を単離した。製造者(Miltenyi Biotec)によって提供されたプロトコルに従って、免疫磁気微小ビーズに結合したCD4モノクローナル抗体を用いて、PBMCをさらに精製した。CD3(0.04μg/ml)に対する被覆抗体及び可溶性CD28抗体(PharMingen;1 g/ml)+IL−2(R&D Systems(ドイツWiesbaden);40U/ml)により、Tリンパ球を完全RPMI−1640培地(RPMI−1640+10%FCS+100U/mlペニシリン/ストレプトマイシン+3mM L−グルタミン)中で3、4又は5日間にわたって刺激した。アザチオプリン、6−メルカプトプリン、V1、V2、V3、V4又はV5を5μMの最終濃度で0日目にT細胞培養に添加した。これらのTリンパ球におけるアポトーシスの誘発を測定するために、細胞をFACSによって分析した。FACS分析では、アネキシンV FITCアポトーシス検出キットI(PharMingen)を使用してアネキシンV及びヨウ化プロピジウムで染色することによってアポトーシス細胞を検出した。手短に述べると、T細胞をPBSで2回洗浄し、ペレットをアネキシンV結合緩衝剤(PharMingen)に細胞10個/ミリリットルの濃度で再懸濁させた。アネキシンV FITC及びヨウ化プロピジウムを添加した(細胞10個毎に5μl)。FACS分析の前に、サンプルを穏やかに混合し、室温で15分間暗所に温置した。
【0056】
結果:
アネキシン陽性、ヨウ化プロピジウム陰性細胞(黒色バー)は、早いアポトーシス細胞の割合を示す。アネキシン陽性、ヨウ化プロピジウム陽性細胞(白色バー)は、遅いアポトーシス又は壊死細胞を示す。
アポトーシスの誘発=(指定処理後のアポトーシス細胞の割合)−(未処理細胞のアポトーシスの割合)
V1、V2及びV3を4つの独立した実験で試験した。V4及びV5を2つの独立した実験で試験した。
【0057】
結論:
我々の第1の結果では、V1及びV5は、CD3/CD28共刺激Tリンパ球においてアポトーシスを誘発することが可能であることが示された。V2、V3及びV4は、アポトーシスを誘発することができなかった。アポトーシスのV1及びV5媒介誘発をアポトーシスのアザチオプリン又は6−メルカプトプリン媒介誘発と比較すると、V1及びさらにV5媒介効果の方が明白で、早いことが認められた(図2〜4)。
【0058】
(実施例5)
6−チオ−グアノシン三リン酸の2’/3’−メチレノアミノカルバマート誘導体の調製
【化88】


6−チオ−GTP1(0.2mmol)の乾燥トリブチルアンモニウム塩を4mlのジメチルホルムアミド中200mgのカルボニルジイミダゾールで処理した。得られた混合物を0℃で6時間撹拌し、室温に昇温し、続いて80μlのメタノールを添加した。10分後、2mmolの適切なメチレノ−アミン及び2mlのトリエチルアミンを反応混合物に添加した。溶液を室温で一晩撹拌し、次いで溶媒を減圧下で除去した。残渣を30mlの水に溶解し、三リン酸部分に生じた中間体ホスホラミデートを分解するために、混合物をpH1に調整した。20分後、溶液をpH7.5に調整し、析出物を濾別し、溶媒を真空中で除去した。得られた粗製物をイオン交換クロマトグラフィー、続いて逆相HPLCによって精製した。
【0059】
(実施例6)
2’/3’−メチレノアミノカルバマート−6−チオ−グアノシン三リン酸誘導体2a
【化89】


一般手順による3−チエニル−メチルアミン(226mg、2mmol)と化合物1の反応によって、イオン交換クロマトグラフィー及び続く逆相HPLCによる精製の後に、化合物2a(0.58mmol、29%)を得た。
【0060】
2’/3’−メチレノアミノカルバマート−6−チオ−グアノシン三リン酸誘導体2b
【化90】


一般手順による(1,5−ジメチル−1H−ピラゾール−3−イル)メチルアミン(250mg、2mmol)と化合物1の反応によって、イオン交換クロマトグラフィー及び続く逆相HPLCによる精製の後に、化合物2b(0.66mmol、33%)を得た。
【0061】
(実施例7)
6−チオ−グアノシン三リン酸の2’/3’−カルバマート誘導体の調製
【化91】


化合物1の乾燥トリブチルアンモニウム塩(0.2mmol)を4mlのジメチルホルムアミド中200mgのカルボニルジイミダゾールで処理した。得られた混合物を0℃で6時間撹拌し、室温に昇温し、続いて80μlのメタノールを添加した。10分後、2mmolの適切なアミン及びTHF中2mlの1Mカリウムヘキサメチルジシラジド(KHMDS)を溶液に注意深く添加した。溶液を室温で1時間撹拌し、次いで溶媒を減圧下で除去した。残渣を30mlの水に溶解し、三リン酸部分に生じた中間体ホスホラミデートを分解するために、混合物をpH1に調整した。20分後、溶液をpH7.5に調整し、析出物を濾別し、溶媒を真空中で除去した。得られた粗製物をイオン交換クロマトグラフィー、続いて逆相HPLCによって精製した。
【0062】
(実施例8)
図5及び6に関連して、アポトーシスに関する少なくとも3つの実験データセットの概要を以下に示す。ここで、化合物Dのいくつかは、アポトーシスを誘発することが可能であった。B0は、アポトーシス誘発についての最有力候補薬物であった。2つの事項をこれらの結果において考察する必要がある。
アポトーシスの負の誘発は、処理群より未処理群に多くのアポトーシス細胞が存在したことを意味する。この現象は、ときどき現れ、ある種の統計的ばらつきによって説明できる。
薬物6−チオ−GTPは、平均して、これらの実験においてアポトーシスを誘発することができなかった。一般に、6−チオ−GTPは、T細胞においてアポトーシスを誘発するための正の対照である。これらの実験において、正の対照は、さほど十分に機能しなかった。これは、実験が、異なる提供者の血液から新たに単離された初代T細胞を用いてしばしば行われるという事実によって説明できる。人によってはアザチオプリン療法に対する感受性がないことが良く知られている。このように、いくつかの提供者のT細胞は、6−チオ−GTP誘発アポトーシスに対して耐性を示し得る。しかし、いずれの場合も、B0及び化合物Dのいくつかは、アポトーシスを誘発することが可能であり、それらが候補薬物であることを示唆していた。
【0063】
また、D群誘導体を選別するために代替的な方法を実施した(図8)。D群誘導体で処理されたT細胞中のカスパーゼ−3/7の活性を分析することに決定した。アネキシンV/PI染色と比較して、この新しい方法は、いくつかの利点を有すると言えよう。
プロトコルがより容易である。したがって、個々の誤差の可能性がより小さい。
カスパーゼ−3の活性の向上は、アポトーシスに極めて特異的である。したがって、この方法は、アポトーシスの検出の感度か極めて高い。壊死細胞の干渉的影響がない。
測定が2回行われる。このように、内部対照が存在する。
【0064】
カスパーゼ−Glo3/7アッセイ(Promega(商標))を用いた。このアッセイは、カスパーゼ依存発光シグナルに基づく。プロトコル:CD4T細胞を磁気ビーズ(Dynal)によって、ヒト血液から単離した。96ウェルプレート中CD3(0.04μg/ml)に対する被覆抗体及び可溶性CD28抗体(PharMingen(商標);1μg/ml)+IL−2(R&D Systems(商標)(ドイツWiesbaden);40U/ml)により、Tリンパ球を完全RPMI−1640培地(RPMI−1640+10%FCS+100U/mlペニシリン/ストレプトマイシン+3mM L−グルタミン)中で3日間にわたって刺激した。細胞を異なるD群誘導体で処理するか、又は未処理のままとした。培養の3日目に、カスパーゼ−3/7アッセイを実施した。25μlのカスパーゼ−Glo3/7試薬を各ウェルに加えた。プローブを2分間にわたって穏やかに混合し、室温で30分間温置した。最後に、各プローブの100μlを白色の壁付96ウェルルミノメータプレートに移し、プレート読取ルミノメータで分析した。添加試薬は、カスパーゼ−3及びカスパーゼ−7の特異的基質を含有する。活性化カスパーゼ−3によるこの基質の開裂は、ルシフェラーゼ反応をもたらす。発光は、存在するカスパーゼ活性の量に比例する(図8)。
【0065】
(実施例8)
2’/3’−カルバマート−6−チオ−グアノシン三リン酸誘導体3a
【化92】


一般手順による3−アミノピリミジン(190mg、2mmol)と化合物1の反応によって、イオン交換クロマトグラフィー及び続く逆相HPLCによる精製の後に、化合物3a(0.076mmol、3.8%)を得た。
【0066】
(実施例9)
2’/3’−カルバマート−6−チオ−グアノシン三リン酸誘導体3b
【化93】


一般手順による3−(tert−ブチル)−1−メチル−1H−ピラゾール−5−アミン(306mg、2mmol)と化合物1の反応によって、イオン交換クロマトグラフィー及び続く逆相HPLCによる精製の後に、化合物3b(0.11mmol、5.5%)を得た。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】アポトーシス阻害の作用及びアザチオプリンの作用機構のスキームを示す図である。
【図2】3日後のV1=BMB20=EDA−6−Thio−GTP、V2=TWI 35/1=N−2−(6”−アミノヘキシル)−グアノシン、V3=TWI71/2=2’,3’,5’,o−トリアセチル−N−2−(アセチル−6”−アミノヘキシル)−グアノシン、V4=TWI107/7=2’,3’,5’−トリアセチル−N−2−(6”−チオアセトアミド−ヘキシル)−6−チオグアノシン、V5=BMB=TAMRA−EDA−6−チオ−GTPによるヒトCD4+Tリンパ球におけるアポトーシス誘発を示す図である。
【図3】4日後のV1=BMB20=EDA−6−Thio−GTP、V2=TWI 35/1=N−2−(6”−アミノヘキシル)−グアノシン、V3=TWI71/2=2’,3’,5’,o−トリアセチル−N−2−(アセチル−6”−アミノヘキシル)−グアノシン、V4=TWI107/7=2’,3’,5’−トリアセチル−N−2−(6”−チオアセトアミド−ヘキシル)−6−チオグアノシン、V5=BMB=TAMRA−EDA−6−チオ−GTPによるヒトCD4+Tリンパ球におけるアポトーシス誘発を示す図である。
【図4】5日後のV1=BMB20=EDA−6−Thio−GTP、V2=TWI 35/1=N−2−(6”−アミノヘキシル)−グアノシン、V3=TWI71/2=2’,3’,5’,o−トリアセチル−N−2−(アセチル−6”−アミノヘキシル)−グアノシン、V4=TWI107/7=2’,3’,5’−トリアセチル−N−2−(6”−チオアセトアミド−ヘキシル)−6−チオグアノシン、V5=BMB=TAMRA−EDA−6−チオ−GTPによるヒトCD4+Tリンパ球におけるアポトーシス誘発を示す図である。
【図5】アポトーシスの誘発を示す図である。バフィーは、遠心によって得ることが可能であり、白血球及び血小板を含有する血液の部分である「バフィーコート」を意味する。この場合、バフィーコートを使用して、実験のための単球を単離した。「バフィー1vom08/03/05」は、「2005年3月8日のバフィーコート1」を意味する。V1及びV3を4つの独立した実験で4回試験し、V2及びV5を2つの個別的な実験で2回試験した。例えば、V1を08/03/2005(08/03/2004と記載されている場合は、08/03/2005の誤りである)に2回試験し、22/04/2005に2回試験した。
【図6】図5にまとめられている化合物の生物活性の結果を示す図である。
【図7】本発明のさらなる化合物のリスト、並びに分子のいくつかを特定するのに使用されたある種の速記に対する手掛かりを提供する図である。いくつかの化合物は、異なる鏡像異性体を有し、図7における描写は、本文に記載されているのと異なる鏡像異性体を示すことがある。
【図8】カスパーゼグラフである:未処理細胞の発光値を100%カスパーゼ活性と定義づけた。それらの特異的な発光値により、処理細胞のカスパーゼ活性をそれに応じて計算した。カスパーゼ活性の誘発[%]=カスパーゼ活性[%]−カスパーゼ活性untreated[%]。3つの異なる実験の平均値±SEM(平均値の標準誤差=標準偏差/ラジカル(n))が提示されている。このグラフの概要:6−チオ−GTPは、(正の対照として)カスパーゼ活性を誘発することが可能であった。05B−0も非常に効果的であった。アネキシンV/Pl−染色に関する先のデータと一致して、05B−1は、05B−0より効果が小さかった。D群に関しては、誘導体06D−13、06D−14、及び(それらより劣るが)06D−22は、有望であった。
【0068】
(参考文献)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物
【化1】


(式中、糖成分における破線の結合は、一重又は二重結合であり、R1、R2、R3、R4又はR5は、互いに等しい、又は異なっており、一般式−(Int)−Terを有し、mは、0から12であり、Int及びTerは、内部及び末端構成ブロックであり、Intは、
【化2】


からなる群から選択され、Terは、
【化3】


からなる群から選択され、
Xは、芳香族環内の炭素又は窒素原子を表し、Yは、酸素又は硫黄原子を表し、さらなる基Q、1つ又は複数の基Qi(Qiは、1つ又はいくつかの前記の基が環の任意の不飽和成分に結合していてもよいことを示す)は、−OH、−COOH、−N(CH、−N(CH−CH、−CO−CH、−CO−O−CH、−O−CH、−S−CH、−SO−CH、−CN、−NO又はハロゲン元素からなる群から選択され、
R5は、
【化4】


及びその金属及びアンモニウム塩であってもよく、nは、0から5であり、或いは酸素又はリンは、窒素、硫黄、メチレン基又はそれらの誘導体で部分的又は完全に置き換えられている)。
【請求項2】
Intは、
【化5】


からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Terは、
【化6】


からなる群から選択される請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
前記化合物は、標識されている請求項1から3までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
一般式(Ia)を有する請求項1から4までのいずれか一項に記載の化合物
【化7】


(式中、R、R、R、R又はRは、互いに等しい、又は異なっており、一般式−(Int)−Terを有し、mは、0から12であり、Int及びTerは、内部及び末端構成ブロックであり、Intは、
【化8】


からなる群から選択され、Terは、
【化9】


からなる群から選択され、
さらなる基Q、1つ又は複数の基Qi(Qiは、1つ又はいくつかの前記の基が環の任意の不飽和成分に結合していてもよいことを示す)は、−OH、−COOH、−N(CH、−N(CH−CH又はハロゲン元素からなる群から選択される)。
【請求項6】
式(I)の化合物の糖成分は、以下の糖成分又は糖類似成分からなる群から選択される、請求項1から5までのいずれか一項に記載の化合物。
【化10】

【請求項7】
又はRは、
【化11】


から選択され、Qは、−OH(FAM)又は−N(CH(TAMRA)から選択される請求項1から6までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
以下の構造を有する請求項1から6までのいずれか一項に記載の化合物。
【化12】

【請求項9】
以下の構造を有する請求項1から6までのいずれか一項に記載の化合物。
【化13】

【請求項10】
以下の構造を有する請求項1から6までのいずれか一項に記載の化合物。
【化14】

【請求項11】
以下の構造を有する請求項1から6までのいずれか一項に記載の化合物。
【化15】

【請求項12】
以下の構造を有する請求項1から6までのいずれか一項に記載の化合物。
【化16】

【請求項13】
以下の構造を有する請求項1から6までのいずれか一項に記載の化合物。
【化17】

【請求項14】
以下の構造を有する請求項1から6までのいずれか一項に記載の化合物。
【化18】

【請求項15】
以下の構造を有する請求項1から6までのいずれか一項に記載の化合物。
【化19】

【請求項16】
以下の構造を有する請求項1から6までのいずれか一項に記載の化合物。
【化20】

【請求項17】
以下の構造を有する請求項1から6までのいずれか一項に記載の化合物。
【化21】

【請求項18】
以下の構造を有する請求項1から6までのいずれか一項に記載の化合物。
【化22】

【請求項19】
一般式(II)を有する請求項1から5までのいずれか一項に記載の化合物
【化23】


(式中、n=1、2又は3であり、mは、0から5であり、Intは、
【化24】


からなる群から選択され、
Terは、
【化25】


からなる群から選択され、Xは、芳香族環内の炭素又は窒素原子を表し、Yは、酸素又は硫黄原子を表し、さらなる基Q又は基Qi(iは、Qが結合できる環の任意の不飽和成分の位置を示す)は、−CH、−C(CH、−OH、−COOH、−CO−CH、−CO−O−CH、−O−CH、−S−CH、−SO−CH、−N(CH、−N(CH−CH、−CN、−NO又はハロゲン元素からなる群から選択される)。
【請求項20】
Terは、
【化26】


からなる群から選択される請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
nは、1〜3である請求項19又は20に記載の化合物。
【請求項22】
nは、3である請求項19から21までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
nは、1である請求項19から21までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
nは、2である請求項19から21までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】
以下の一般式を有する請求項19から22までのいずれか一項に記載の化合物。
【化27】

【請求項26】
以下の一般式を有する請求項19から22までのいずれか一項に記載の化合物。
【化28】

【請求項27】
以下の一般式を有する請求項19から22までのいずれか一項に記載の化合物。
【化29】

【請求項28】
以下の一般式を有する請求項19から22までのいずれか一項に記載の化合物。
【化30】

【請求項29】
以下の一般式を有する請求項19から22までのいずれか一項に記載の化合物。
【化31】

【請求項30】
以下の一般式を有する請求項19から22までのいずれか一項に記載の化合物。
【化32】

【請求項31】
以下の一般式を有する請求項19から22までのいずれか一項に記載の化合物。
【化33】

【請求項32】
以下の一般式を有する請求項19から22までのいずれか一項に記載の化合物。
【化34】

【請求項33】
前記化合物は、2’,3−EDA−6−チオ−GTP、FAM−2’,3’−EDA−6−チオ−GTP、TAMRA−2’,3’−EDA−6−チオ−GTP、アスパラギン酸−2’,3’−EDA−6−Thio−GTP、グルタミン酸−2’,3’−EDA−6−チオ−GTP、スレオニン−2’,3’−EDA−6−チオ−GTP、セリン−2’,3’−EDA−6−チオ−GTP、2’,3’,5’,O−トリアセチル−N−2−(アセチル−6”−アミノヘキシル)−グアノシン、2’,3’,5’−トリアセチル−N−2−(6”−チオアセトアミド−ヘキシル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−チオアセトアミド−ヘキシル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−アミノヘキシル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−グアニジノ−ヘキシル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−アミノヘキシル)−6−チオ−GMP、N−2−(6”−グアニジノ−ヘキシル)−6−チオ−GMP、N−2−(6”−アミノヘキシル)−6−チオ−GTP、N−2−(6”−グアニジノ−ヘキシル)−6−チオ−GTP、N−2−(6”−アスパラギン酸−ヘキシル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−グルタミン酸−ヘキシル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−スレオニン−ヘキシル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−セリン−ヘキシル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−アミノブチル)−6−チオ−GTP、N−2−(6”−グアニジノ−ブチル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−アスパラギン酸−ブチル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−グルタミン酸−ブチル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−スレオニン−ブチル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−グルタミン酸−ブチル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−スレオニン−ブチル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−セリン−ブチル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−アミノプロピル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−グアニジノ−プロピル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−アスパラギン酸−プロピル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−グルタミン酸−プロピル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−スレオニン−プロピル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−セリン−プロピル)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−アミノ−2−ブテン)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−グアニジノ−2−ブテン)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−アスパラギン酸−2−ブテン)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−グルタミン酸−2−ブテン)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−スレオニン−2−ブテン)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−セリン−2−ブテン)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−アミノ−2−ブチン)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−グアニジノ−2−ブチン)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−アスパラギン酸−2−ブチン)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−グルタミン酸−2−ブチン)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−スレオニン−2−ブチン)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−セリン−2−ブチン)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−アミノ−2,4−ヘキサジン)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−グアニジノ−2,4−ヘキサジン)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−アスパラギン酸−2,4−ヘキサジン)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−グルタミン酸−2,4−ヘキサジン)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−スレオニン−2,4−ヘキサジン)−6−チオグアノシン、N−2−(6”−セリン−2,4−ヘキサジン)−6−チオグアノシンからなる群から選択される請求項1から9までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項34】
活性成分としての請求項1から33までのいずれか一項に記載の化合物の少なくとも1種と、1つ又は複数の医薬として許容し得る共助剤又は賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項35】
免疫抑制薬を調製するための請求項1から33までのいずれか一項に記載の化合物又は請求項34に記載の医薬組成物の使用。
【請求項36】
免疫抑制薬は、移植臓器の拒絶又は移植後腎障害の防止用である請求項35に記載の使用。
【請求項37】
免疫系が関与する病状を治療する医薬品を調製するための、請求項1から33までのいずれか一項に記載の化合物又は請求項34に記載の医薬組成物の使用。
【請求項38】
炎症性慢性腸疾患、自己免疫腸症、活動性慢性肝炎、リウマチ様関節炎、スティル病、全身性紅斑性狼瘡、後天性溶血性貧血症、特発性血小板減少症、結節性多発性動脈炎、血管炎、多発性血管炎、多発性筋炎、重症筋無力症、類肉腫症、リポイド腎炎、多発性硬化症、皮膚筋炎、尋常性天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、再発性多形紅斑、慢性光線性皮膚炎、壊疽性皮下、紅色ひこう疹、ウェゲナー肉芽腫症、皮膚血管炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、面皰様類天疱瘡からなる群から選択される1つ又は複数の病状を治療する医薬品を調製するための、請求項1から33までのいずれか一項に記載の化合物又は請求項34に記載の医薬組成物の使用。
【請求項39】
炎症性慢性腸疾患は、クローン病、潰瘍性直腸炎、不確定大腸炎からなる群から選択される請求項38に記載の使用。
【請求項40】
放射線療法、コルチコステロイド又は細胞毒性薬に追加される、請求項35から39までのいずれか一項に記載の使用。
【請求項41】
癌を治療する医薬品を調製するための、請求項1から33までのいずれか一項に記載の化合物又は請求項34に記載の医薬組成物の使用。
【請求項42】
Racl/Vav系による式(I)の化合物の結合特性を評価するプローブとしての、請求項1から33までのいずれか一項に記載の化合物又は請求項34に記載の医薬組成物の使用。
【請求項43】
治療法及び/又は処置法における請求項1から33までのいずれか一項に記載の化合物又は請求項34に記載の医薬組成物の使用。
【請求項44】
治療法及び/又は処置が、移植臓器の拒絶及び移植後腎障害、免疫系が関与する病状、クローン病、潰瘍性直腸炎、不確定大腸炎のような炎症性慢性腸疾患、又は自己免疫腸症、活動性慢性肝炎、リウマチ様関節炎、スティル病、全身性紅斑性狼瘡、後天性溶血性貧血症、特発性血小板減少症、結節性多発性動脈炎、血管炎、多発性血管炎、多発性筋炎、重症筋無力症、類肉腫症、リポイド腎炎、多発性硬化症、皮膚筋炎、尋常性天疱瘡、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、再発性多形紅斑、慢性光線性皮膚炎、壊疽性皮下、紅色ひこう疹、ウェゲナー肉芽腫症、皮膚血管炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、面皰様類天疱瘡、腎臓、心臓、肺、膵臓及び肝臓移植を含む臓器移植の後の免疫抑制療法を含む群の1種又は複数種に向けられる請求項43に記載の使用。
【請求項45】
グアノシン環の2位における−NH−R基の導入は、
a)トリ−O−アセチル−イノシンのNH成分を保護する工程と、
b)酸化的グアノシン開環及びO−脱保護を行う工程と、
c)グアノシン閉環を行い、CSを使用することによりSH基をグアノシン環の2位に導入する工程と、
d)過剰の脂肪族ジアミンを使用することによって、2位のSH基をアミノリンカーに置き換える工程と
を含む請求項1から33までのいずれか一項に記載の化合物を調製するための方法。
【請求項46】
e)アセチル化によってリボースOH基及び一級アミン基を保護する、さらなる工程を含む請求項45に記載の方法。
【請求項47】
f)ローソン試薬を使用することにより、C=O基をチオール化する、さらなる工程を含む請求項46に記載の方法。
【請求項48】
添付の式及び図面を参照しながら実質的に本明細書に記載されている化合物。
【請求項49】
添付の式及び図面を参照しながら実質的に本明細書に記載されている使用。
【請求項50】
添付の式及び図面を参照しながら実質的に本明細書に記載されている方法。
【請求項51】
添付の式及び図面を参照しながら実質的に本明細書に記載されている治療法及び/又は処置。
【請求項52】
添付の式及び図面を参照しながら実質的に本明細書に記載されている医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図6−4】
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【図6−5】
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【図6−6】
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【図6−7】
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【図6−8】
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【図6−9】
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【図6−10】
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【図6−11】
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【図6−12】
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【図6−13】
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【図6−14】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図7−4】
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【図7−5】
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【図7−6】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−502776(P2009−502776A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−522169(P2008−522169)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【国際出願番号】PCT/IE2006/000077
【国際公開番号】WO2007/010515
【国際公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(505367017)ジュリアーニ インターナショナル リミテッド (9)
【Fターム(参考)】