説明

7−アミノアルキリデニル−複素環式キノロン類およびナフチリドン類

本発明は式(I)
【化1】


[式中、n、m、z、R、R、R、R、R、R、A、E、X、Y、aおよびbは以上で定義された通りである]に従う構造を有する化合物、またはその光学的異性体、ジアステレオマーもしくはエナンチオマー、その製薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくはプロドラッグに関する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願のクロス−リファレンス】
【0001】
本出願は2004年9月9日に出願された出願番号10/937238の一部継続出願である。
【技術分野】
【0002】
発明の分野
本発明は新規な抗微生物性化合物、それらの組成物およびそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
化学および医学文献は、抗微生物性である、すなわち、例えば細菌の如き微生物の成長もしくは再生を阻止または抑制しうる、と言われる化合物を記載している。例えば、そのような抗細菌剤は非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、および非特許文献5に記載されている。
【0004】
これらの抗細菌剤の作用の機構は様々である。しかしながら、それらは一般的に1つもしくはそれ以上の方法で、すなわち細胞壁合成または補修を抑制することにより、細胞壁透過性を変えることにより、蛋白質合成を抑制することにより、または核酸類の合成を抑制することにより、機能することが信じられている。例えば、ベータ−ラクタム抗細菌剤は細胞壁合成に寄与する細菌内の必須ペニシリン結合蛋白質(PBP類)を抑制することにより作用する。別の例として、キノロン類は、少なくとも一部では、DNAの合成を抑制してその結果として細胞の複製を防止することにより作用する。
【0005】
抗微生物剤の薬理学的特徴およびいずれかの指定された臨床用途に関するそれらの適合性は様々である。例えば、抗微生物剤の種類(および種類内の構成員)は1)種々のタイプの微生物に対するそれらの相対的な効果、2)微生物耐性の発生に対するそれらの感受性並びに3)例えばバイオアベイラビリティーおよび生分布の如きそれらの薬理学的特徴において様々でありうる。従って、いずれかの指定された臨床状況における適切な抗微生物剤の選択は、関係する微生物のタイプ、所望される投与方法、処置しようとする感染症の部位および他の考察を包含する多くの因子の分析を必要とする。
【0006】
しかしながら、改良された抗微生物剤を製造するための多くのそのような試みは疑わしい結果を生ずる。実際に、それらの抗微生物活性のスペクトル、微生物耐性の回避、および薬理学に関して真に臨床的に許容可能な抗微生物剤は製造されていない。それ故、耐性微生物に対して有効である広いスペクトルの抗微生物剤に関する絶えざる要望がある。
【0007】
ある種の1,4−ジヒドロキノロン、ナフチリジンまたは関連する複素環式部分が抗微生物活性を有することが当該技術で既知でありそして下記の文献に記載されている:非特許文献6、非特許文献7、非特許文献8、非特許文献9、非特許文献10、非特許文献11、非特許文献12、非特許文献13、非特許文献14、非特許文献15、特許文献1、非特許文献16、非特許文献17、非特許文献18、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12、特許文献13、特許文献14、特許文献15、特許文献16、特許文献17、特許文献18、特許文献9、特許文献7、特許文献19、特許文献20、特許文献21、特許文献22、特許文献23、特許文献24、特許文献25、特許文献26、特許文献27、特許文献28、特許文献29、特許文献30、特許文献31、特許文献32、および特許文献33。
【0008】
特許文献34は一連のジヒドロキノロン、ナフチリジンおよび関連する複素環式抗細菌剤を記載している。式
【0009】
【化1】

【0010】
[式中、RおよびR8’は水素、アルキル、置換されたアルキル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり、Rは水素、アルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリール、アリールアルキル、またはトリハロアルキルであり、そしてXはヒドロキシ、アルコキシ、アシルオキシ、アミノまたは置換されたアミノである]
の化合物の開示が特に興味ある。
【0011】
特許文献11は、式
【0012】
【化2】

【0013】
[式中、WはC1−3アルキリデンでありそしてRおよびRは水素またはアルキルである]
の1,4−ジヒドロキノロンおよびナフチリジン抗細菌剤を開示している。
【0014】
特許文献5および特許文献1は、式
【0015】
【化3】

【0016】
のC−ピペリジニル、C−アゼチジニル、またはC−ピロリジニル置換基を有するキノロン抗細菌剤を開示している。
【0017】
がアミノ、アミノアルキル、または置換されたアミノアルキルでありそしてRが水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、またはC−C縮合もしくはスピロ環式アルキル環である化合物が特に興味ある。キノロンカルボン酸の7−位置に置換されたピペリジンを有する化合物に関しては、とりわけ好ましい置換基は3−アミノ−4−メチル、3−アミノ−4,4−ジメチル、3−アミノ−4−スピロシクロプロピル、3−アミノ−6−シクロプロピル、3−アミノメチル、4−アミノメチルおよび3−メチルアミノである。キノロンカルボン酸核の7−位置に置換されたピロリジンを有する化合物に関しては、好ましい置換基は3−(1−アミノエチル)、3−アミノメチル、4−(1−アミノエチル)−2,2−ジメチル、および2−アミノメチルを包含する。キノロンカルボン酸の7−位置に置換されたアゼチジン置換基を有する化合物に関しては、置換基である3−アミノ、3−アミノメチルおよび3−(1−アミノ−1−メチル)エチルを有する化合物が好ましい例に包含される。
【0018】
特許文献35は、式
【0019】
【化4】

【0020】
[式中、Bは−CH−、−(CH−、または−(CH−であり、Rは水素、C−Cアルキル、ヒドロキシ、またはC−Cアルコキシであり、Wはヒドロキシ、C−Cアルコキシ、または式RN−(CH−の基であり、ここでnは0または1でありそしてRおよびRは同一もしくは相異なりそしてそれぞれが水素原子、C−Cアルキル基またはアリールアルキル基を表わし、そしてmは1または2である]
の化合物を開示している。各々の記号は上記文献の明細書で定義された通りである。キノロンカルボン酸の7−位置にあるピペリジン置換基に関しては、4−アミノ−3−メチル、4−メチルアミノ−3−メチル、4−ヒドロキシ−3−メチルの置換基を有する化合物がここで好ましい例に包含される。
【0021】
特許文献36は、式
【0022】
【化5】

【0023】
[式中、R21、R22およびR23は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、アミノ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、またはアミノC1−C8アルキルでありそしてそれらの2つは互いに組み合わされてスピロ環を形成することができ、そしてnは1または2である]
の抗−ウイルス性化合物を開示している。
【0024】
特許文献37は、式
【0025】
【化6】

【0026】
[式中、RおよびRは同一もしくは相異なることができそして各々が水素原子または低級アルキル基を表わし、mは0または1であり、n’は1または2であり、n”は1、2、3または4であり、そしてR8は水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシ基または低級アルコキシ基である]
の抗−ウイルス性化合物を開示している。
【0027】
特許文献38は、式
【0028】
【化7】

【0029】
[式中、Zはアミノ基であり、Rは水素、(場合によりヒドロキシル化されていてもよい低級アルキル)基、カルボン酸、アルキル炭酸もしくはアリールスルホン酸から誘導されるアシル基またはアリールアミノカルボニル基であり、Rは酸素原子であり、そしてnは0または1である]
の化合物を開示している。
【0030】
抗生物質療法に耐性である細菌感染症の例が過去に報告されており、現在ではそれらは発達した世界における公衆衛生に対する脅威である。(多分長期間にわたる抗細菌剤の極端な使用の結果としての)微生物耐性の発生が医学科学における増加しつつある関心事である。「耐性」は、特定の抗微生物剤の作用に対して感受性のより少ない、特定の微生物種の集団内での、有機体の存在として定義することができる。この耐性は、比較的高割合の感染症および抗細菌剤の極端な使用が普遍的な例えば病院および介護ホームの如き環境内で特に関心がもたれている。例えば、非特許文献19を参照のこと。
【0031】
細菌性酵素(例えば、β−ラクトマス加水分解性ペニシリンおよびセファロスピリン類
)による抗生物質の不活性化;流出ポンプを用いる抗生物質の除去;突然変異および遺伝子組み換えによる抗生物質の変異(例えば、淋菌(Neiserria gonorrhoeae)におけるペニシリン−耐性);並びに耐性標的を作成するための外部源からの容易に伝達可能な遺伝子の取得(例えば、黄色葡萄球菌(Staphylococcus
aureus)におけるメチシリン−耐性)を包含する数種の独特な機構により病原性細菌が耐性を取得することが知られている。事実上全ての市販の抗生物質に耐性なある種のグラム−陽性病原体、例えばバンコマイシン−耐性エンテロコッカス・ファエシウム(Enterococcus faecium)、がある。
【0032】
【特許文献1】米国特許第6329391号明細書
【特許文献2】特開06263754号公報
【特許文献3】欧州特許出願公開第487030号明細書
【特許文献4】国際公開第0248138号パンフレット
【特許文献5】国際公開第9914214号パンフレット
【特許文献6】米国特許出願公開第2002/0049192号明細書
【特許文献7】国際公開第02085886号パンフレット
【特許文献8】欧州特許出願公開第572259号明細書
【特許文献9】国際公開第0136408号パンフレット
【特許文献10】米国特許出願公開第5677456号明細書
【特許文献11】欧州特許出願公開第362759号明細書
【特許文献12】米国特許出願公開第5688791号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第4894458号明細書
【特許文献14】欧州特許出願公開第677522号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第4822801号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第5256662号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第5017581号明細書
【特許文献18】欧州特許出願公開第304087号明細書
【特許文献19】特開01090184号公報
【特許文献20】国際公開第9209579号パンフレット
【特許文献21】国際公開第0185728号パンフレット
【特許文献22】欧州特許出願公開第343524号明細書
【特許文献23】特開10130241号公報
【特許文献24】欧州特許出願公開第413455号明細書
【特許文献25】国際公開第0209758号パンフレット
【特許文献26】国際公開第0350107号パンフレット
【特許文献27】国際公開第9415933号パンフレット
【特許文献28】国際公開第9222550号パンフレット
【特許文献29】特開07300472号公報
【特許文献30】国際公開第0314108号パンフレット
【特許文献31】国際公開第0071541号パンフレット
【特許文献32】国際公開第0031062号パンフレット
【特許文献33】米国特許第5869670号明細書
【特許文献34】国際公開第03050107号パンフレット
【特許文献35】欧州特許出願公開第241206A2号明細書
【特許文献36】欧州特許出願公開第0394553B1号明細書
【特許文献37】欧州特許出願公開第0572259A1号明細書
【特許文献38】国際公開第9324479号パンフレット
【非特許文献1】Antibiotics,Chemotherapeutics,and Antibacterial Agents for Disease Control(M.Greyson,editor,1982),E.Gale et al.
【非特許文献2】The Molecular Basis of Antibiotic Action 2d edition(1981)
【非特許文献3】Recent Research Developments in Antimicrobial Agents & Chemotherapy(S.G.Pandalai,Editor,2001)
【非特許文献4】Quinolone Antimicrobial Agents (John S Wolfson.,David C Hooper,Editors,1989)
【非特許文献5】F.O’Grady,H.P.Lambert,R.G.Finch,D.Greenwood,Martin Dedicoat,“Antibiotic and Chemotherapy,7th edn.”(1997)
【非特許文献6】R.Albrecht Prog.Drug Research,Vol.21,p.9(1977)
【非特許文献7】J.Wolfson et al.,“The Fluoroquinolones:Structures,Mechanisms of Action and Resistance,and Spectra of Activity In Vitro”,Antimicrob.Agents and Chemother.,Vol.28,p.581(1985)
【非特許文献8】G.Klopman et al.Antimicrob.Agents and Chemother.,Vol.31,p.1831(1987)
【非特許文献9】M.P.Wentland et al.,Ann.Rep.Med.Chem.,Vol.20,p.145(1986)J
【非特許文献10】J.B.Cornett et al.,Ann.Rep.Med.Chem.,Vol.21,p.139(1986)
【非特許文献11】P.B.Fernandes et al.Ann.Rep.Med.Chem.,Vol.22,p.117(1987)
【非特許文献12】A.Koga,et al.“Structure−Activity Relationships of Antibacterial 6,7− and 7,8−Disubstituted 1−alkyl−1,4−dihydro−4−oxoquinoline−3−carboxylic Acids” J.Med.Chem.Vol.23,pp.1358−1363(1980)
【非特許文献13】J.M.Domagala et al.,J.Med.Chem.Vol.31,p.991(1988)
【非特許文献14】T.Rosen et al.,J.Med.Chem.Vol.31,p.1598(1988)
【非特許文献15】B.Ledoussal et al.,“Non 6−Fluoro Substituted Quinolone Antibacterials:Structure and Activity”,J.Med.Chem.Vol.35,p.198−200(1992)
【非特許文献16】A.M Emmerson et al.,“The quinolones:Decades of development and use”,J.Antimicrob.Chemother.,Vol 51,pp 13−20(2003)J
【非特許文献17】J.Ruiz,“Mechanisms of resistance to quinolones:target alterations,decreased accumulation and DNA gyrase protection”J.Antimicrob.Chemother.Vol.51,pp 1109−1117(2003))
【非特許文献18】Y.Kuramoto et al.,“A Novel Antibacterial 8−Chloroquinolone with a Distorted Orientation of the N1−(5−Amino−2,4−difluorophenyl)Group”J.Med.Chem.Vol.46,pp 1905−1917(2003
【非特許文献19】W.Sanders,Jr.et al.,“Inducible Beta−lactamases:Clinical and Epidemiologic Implications for the Use of Newer Cephalosporins”,Review of Infectious Diseases,p.830(1988)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
従って、現存する抗細菌剤は耐性の脅威を克服する際に限定された能力を有する。それ故、耐性微生物に対して使用できる新規な抗細菌剤を提供することが有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0034】
発明の要旨
出願人は耐性微生物に対して有効である新規な一連のキノロン類および関連化合物を見出し、そして当該技術より有意な活性利点を与える。特に、本発明は式(I)
【0035】
【化8】

【0036】
[式中、
nは1〜3の整数であり;
mは1〜3の整数であり;
zは0〜3の整数であり;
Rは水素、ヒドロキシ、およびアルコキシから選択され;
は水素であり;
およびRは水素、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アルキル、アルケニルおよびアルキニルから独立して選択され;
は水素、ハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシ、およびアルキルチオから選択され;
はアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシイミノ、およびハロゲンから独立して選択され;或いはRおよびRは一緒になって4−〜7−員の炭素環式環を形成し、ここで環の各炭素原子は場合によりR12で置換されていてもよく、ここでR12はハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アルキル、アルケニル、アルキニル、オキソ、アルコキシイミノおよびヒドロキシイミノよりなる群から選択され;
Eは:
【0037】
【化9】

【0038】
(ここで、
qは1〜3の整数であり;
およびRは水素およびアルキルから各々独立して選択され、或いはRおよびRは一緒になって3−〜6−員の炭素環式環を形成し、或いはRまたはRのいずれかが独立してRまたはR10のいずれかと一緒になってRまたはR10が結合される窒素原子を含有する複素環式環を形成し、ここで
およびR10は水素、アルキル、アシル、アルコキシカルボニル、またはスルホニルから各々独立して選択され、或いはRおよびR10は一緒になってそれらが結合される窒素原子を含有する複素環式環を形成する);
【0039】
【化10】

【0040】
(ここで、
qは以上で定義された通りであり;
およびRは水素およびアルキルから各々独立して選択され、或いはRおよびRは一緒になって3−〜6−員の炭素環式環を形成し、そしてRは水素、アルキル、アシル、アルコキシカルボニル、またはスルホニルから選択される)、並びに
3)アルケニル
よりなる群から選択され;
AはNおよびC(R11)から選択され、ここでR11は水素、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、およびシアノから選択され;
XはCおよびNから選択され、ここでXがCである場合には、aは二重結合であり且つbは単結合であり、そしてXがNである場合には、aは単結合であり且つbは二重結合であり;そして
YはN(R)およびC(R)から選択され、但し条件として、YがN(R)である場合にはXはCであり、そしてYがC(R)である場合にはXはNであり、ここでRはC3〜C6シクロアルキル、C4〜C6ヘテロシクロアルキル、アルキル、アルケン、6−員のアリールおよび6−員のヘテロアリールから選択され;但し条件として、
AがC(R11)であり、XがCであり且つYがN(R)である場合には、R11およびRは一緒になって6−員の複素環式環を形成することができ;
AがC(R11)であり、XがCであり且つYがN(R)である場合には、RおよびRは一緒になって単環式もしくは二環式の複素環式環を形成することができ;或いは
AがC(R11)であり、XがCであり且つYがN(R)である場合には、RおよびRは一緒になって5−員の複素環式環を形成することができる]
に従う構造を有する化合物、またはその光学的異性体、ジアステレオマーもしくはエナンチオマー、その製薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくはプロドラッグに関する。
【0041】
さらに、出発物質として本発明の化合物を使用する方法も本発明で意図される。
【0042】
本発明の化合物およびこれらの化合物を含有する組成物は広範囲の病原性微生物に対して有効な抗微生物剤であり、耐性微生物に対する活性の利点を有することが見出された。
【0043】
従って、本発明は哺乳動物に治療的に有効な量の式Iの化合物を投与することを含んでなる細菌感染により引き起こされるかまたはそれに起因する症状を有する患者の処置方法にも関する。
【0044】
本発明はさらに患者に予防的に有効な量の式Iの化合物を投与することを含んでなる細菌感染により引き起こされるかまたはそれに起因する症状に罹っている患者の予防方法にも関する。
【0045】
詳細な記述
本発明は、式(I)
【0046】
【化11】

【0047】
[式中、a、b、n、m、z、R、R、R、R、R、R、A、E、XおよびYは上記の本発明の要旨の部分で定義された通りである]
の化合物を提供する。
【0048】
以上の記述に関連して、ある種の定義が以下の通りに適用される。
【0049】
断らない限り、この開示を通じて使用される標準的な命名法では、指示された側鎖の末端部分が最初に記載され、その後に結合点に向かって隣接官能基が続く。
【0050】
断らない限り、用語「アルキル」、「アルケニル」、および「アルキニル」は、単独でまたは置換基の一部として使用されるかどうかにかかわらず、炭素数1〜8の直鎖状および分枝鎖状の連鎖またはこの範囲内のいずれかの構成員を包含する。用語「アルキル」は、直鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素類をさす。「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素をさす。「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する直鎖状もしくは分枝鎖状の炭化水素をさす。例えば、アルキル基はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、3−(2−メチル)ブチル、2−ペンチル、2−メチルブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、2−ヘキシルおよび2−メチルペンチルを包含する。「アルコキシ」基は、前記の直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基から製造される酸素エーテル類である。「シクロアルキル」は、3〜8個の環炭素そして好ましくは5〜7個の環炭素を含有する。アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル基およびアルコキシ基は、ヒドロキシイミノ、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、オキソ、アルコキシイミノアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロ、CN、ニトロ、−OCOR13、−OR13、−SR13、−SOR13、−SO13、−COOR13、−NR1314、−CONR
1314、−OCONR1314、−NHCOR13、−NHCOOR13、および−NHCONR1314を包含するがそれらに限定されない群の1個もしくはそれ以上の構成員で独立して置換されていてもよく、ここでR13およびR14は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロ、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、およびヘテロシクロアルキルから独立して選択され、或いはR14およびR15は一緒になってそれらが結合される窒素原子を含有する複素環式環を形成できる。
【0051】
ここで使用される用語「アシル」は、単独でまたは置換基の一部として使用されるかどうかにかかわらず、ヒドロキシル基の除去により有機酸から誘導される炭素数2〜6の(直鎖状もしくは分枝鎖状の)有機基を意味する。ここで使用される用語「Ac」は、単独でまたは置換基の一部として使用されるかどうかにかかわらず、アセチルを意味する。
【0052】
用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。(モノ−、ジ−、トリ−、およびペル−)ハロ−アルキルはその上の水素原子のハロゲンによる独立した置換により置換されたアルキル基である。
【0053】
「アリール」または「Ar」は、単独でまたは置換基の一部として使用されるかどうかにかかわらず、フェニル、1−もしくは2−ナフチルなどを包含するがそれらに限定されない炭素環式芳香族基である。炭素環式芳香族基はその上の1〜3個の水素原子のアリール、ヘテロアリール、ハロゲン、OH、CN、メルカプト、ニトロ、アミノ、C−C−アルキル、C−C−アルケニル、C−C−アルコキシル、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキル−アミノ、ジ(C−C−アルキル)アミノ、(モノ−、ジ−、トリ−、およびペル−)ハロ−アルキル、ホルミル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、C−C−アルキル−CO−O−、C−C−アルキル−CO−NH−、またはカルボキサミドによる独立した置換により置換されていてもよい。例示のアリール基は、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、ベンジル、ベンゾイルオキシフェニル、カルボエトキシフェニル、アセチルフェニル、エトキシフェニル、フェノキシフェニル、ヒドロキシフェニル、カルボキシフェニル、トリフルオロメチルフェニル、メトキシエチルフェニル、アセトアミドフェニル、トリル、キシリル、ジメチルカルバミルフェニルなどを包含する。「Ph」または「PH」はフェニルを示す。「Bz」はベンゾイルを示す。
【0054】
単独でまたは置換基の一部として使用されるかどうかにかかわらず、「ヘテロアリール」は、1個の環原子がS、O、およびNから選択され、0−2個の環原子がS、O、およびNから独立して選択される追加のヘテロ原子であり、そして残りの環原子が炭素である5〜10個の環原子を有する環式の完全不飽和の基をさす。基が分子の残部と環原子のいずれかを介して結合されていてもよい。例示のヘテロアリール基は、例えば、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、オキサジアゾリル、チエニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、イソチアゾリル、N−オキソ−ピリジル、1,1−ジオキソチエニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル−N−オキシド、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラニル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾジアジニル、ベンゾフラザニル、インダゾリル、インドリジニル、ベンゾフリル、シンノリニル、キノキサリニル、ピロロピリジニル、フロピリジニル(例えばフロ[2,3−c]ピリジニル、フロ[3,2−b]ピリジニル、またはフロ[2,3−b]ピリジニル)、イミダゾピリジニル(例えばイミダゾ[4,5−b]ピリジニルまたはイミダゾ[4,5−c]ピリジニル)、ナフチリジニル、フタラジニル、プリニル、ピリドピリジル、キナゾリニル、チエノフリル、チエノピリジル、およびチエノチエニルを包含する。ヘテロアリール基
はその上の1〜3個の水素原子のアリール、ヘテロアリール、ハロゲン、OH、CN、メルカプト、ニトロ、アミノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシル、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキル−アミノ、ジ(C−C−アルキル)アミノ、(モノ−、ジ−、トリ−、およびペル−)ハロ−アルキル、ホルミル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、C−C−アルキル−CO−O−、C−C−アルキル−CO−NH−、またはカルボキサミドによる独立した置換により置換されていてもよい。
【0055】
ヘテロアリールはモノ−オキソで置換されて例えば4−オキソ−1H−キノリンを与えることができる。
【0056】
用語「複素環」、「複素環式」および「ヘテロシクロ」は、例えば4−〜7−員の単環式、7−〜11−員の二環式、または10−〜15−員の三環式環系であり、少なくとも1個の炭素原子を含有する環内に少なくとも1個のヘテロ原子を有する、場合により置換されていてもよい、完全に飽和された、部分的に飽和された、または非−芳香族性の環式基である。ヘテロ原子を含有する複素環式基の各環は、窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から選択される1、2、または3個のヘテロ原子を有することができ、ここで窒素および硫黄ヘテロ原子は場合により酸化されていてもよい。窒素原子は場合により第四級化されていてもよい。複素環式基はいずれかのヘテロ原子または炭素原子のところで結合されていてもよい。複素環式基は、その上の1〜3個の水素原子のアリール、ヘテロアリール、ハロゲン、OH、CN、メルカプト、ニトロ、アミノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシル、C−C−アルキルチオ、C−C−アルキル−アミノ、ジ(C−C−アルキル)アミノ、(モノ−、ジ−、トリ−、およびペル−)ハロ−アルキル、ホルミル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、C−C−アルキル−CO−O−、C−C−アルキル−CO−NH−、またはカルボキサミドによる独立した置換により置換されていてもよい。
【0057】
例示の単環式の複素環式基は、ピロリジニル、オキセタニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、テトラヒドロフリル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、4−ピペリドニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニルスルホン、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルスルホキシド、チオモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソラン、ジオキサニル、チエタニル、チイラニル、2−オキサゼピニル、アゼピニルなどを包含する。例示の二環式の複素環式基は、キヌクリジニル、テトラヒドロイソキノリニル、ジイドロイソインドリル、ジヒドロキナゾリニル(例えば3,4−ジヒドロ−4−オキソ−キナゾリニル);ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、ベンゾピラニル、ジヒドロベンゾピラニル、インドリニル、クロモニル、クマリニル、イソクロマニル、イソインドリル、ピペロニル、テトラヒドロキノリニルなどを包含する。
【0058】
用語「炭素環式」は、炭素数3〜7の飽和もしくは不飽和の非−芳香族性の単環式炭化水素環をさす。
【0059】
置換されたアリール、置換されたヘテロアリール、および置換された複素環が第二の置換されたアリール、第二の置換されたヘテロアリール、および第二の置換された複素環で置換されて、例えば、4−ピラゾール−1−イル−フェニルまたは4−ピリジン−2−イル−フェニルを与えることができる。
【0060】
炭素原子の指定された数(例えば、C−CまたはC1−8)はアルキルもしくはシ
クロアルキル中の炭素原子の数またはアルキルがその接頭辞根として現れる比較的大きい置換基のアルキル部分を独立してさす。
【0061】
断らない限り、分子内の特定位置におけるいずれかの置換基または可変部分の定義はその分子内のどこか他のところのその定義と独立することが意図される。本発明の化合物上の置換基および置換パターンが当業者により選択されて化学的に安定性であり且つ当業者に既知の技術並びにここに示された方法により容易に合成できる化合物を与えうることは理解される。
【0062】
用語「ヒドロキシ保護基」は、そのような目的のための当該技術で既知の基をさす。一般的に使用されるヒドロキシ保護基は、例えば、引用することにより本発明の内容となるT.H.Greene and P.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、2nd edition、John Wiley & Sons、New York(1991)に開示されている。例示のヒドロキシル保護基は、テトラヒドロプラニル、ベンジル、メチルチオメチル、エチルチオメチル、ピバロイル、フェニルスルホニル、トリフェニルメチル、トリ置換されたシリル、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリブチルシリル、トリ−イソプロピルシリル、t−ブチルジメチルシリル、トリ−t−ブチルシリル、メチルジフェニルシリル、エチルジフェニルシリル、t−ブチルジフェニルシリル;アシルおよびアロキシ、例えばアセチル、ベンゾイル、ピバロイルベンゾイル、4−メトキシベンゾイル、4−ニトロベンジルおよびアリールアシルを包含するが、それらに限定されない。
【0063】
本発明に従う化合物が少なくとも1個のステレオジェン中心を有する場合には、それらはその結果としてエナンチオマーとして存在しうる。化合物が2個もしくはそれ以上のステレオジェン中心を有する場合には、それらはさらにジアステレオマーとしても存在しうる。さらに、化合物に関する結晶性形態のあるものは多形として存在することができそしてそのまま本発明に包含されることが意図される。さらに、化合物のあるものは水との溶媒和物(すなわち、水和物)または普遍的な有機溶媒との溶媒和物を形成することができ、そしてそのまま本発明の範囲内に包括されることが意図される。
【0064】
本発明の化合物のあるものはトランスおよびシス異性体を有することができる。さらに、本発明に従う化合物の製造方法が立体異性体の混合物をもたらす場合には、これらの異性体を例えば分取クロマトグラフィーの如き一般的技術により分離することができる。化合物は単一の立体異性体としてまたは数種の可能な立体異性体の混合物としてのラセミ形態で製造することができる。非−ラセミ形態は合成または分解のいずれかで得られうる。化合物は、例えば、塩生成によるジアステレオマー対の生成の如き標準的な技術によりそれらの成分であるエナンチオマーに分解することができる。化合物はまた、キラル助剤に対する共有結合、その後のクロマトグラフィー分離および/または結晶学的分離、並びにキラル助剤の除去により分解することもできる。或いは、化合物をキラルクロマトグラフィーを用いて分解することができる。
【0065】
句「製薬学的に許容可能な塩」は、適宜遊離塩基または遊離酸の所望する薬理学的活性を有し且つ生物学的にまたはその他の点で望ましくない1種もしくはそれ以上の塩を示す。これらの塩類は無機または有機酸から誘導されうる。無機酸の例は塩酸、硝酸、臭化水素酸、硫酸、または燐酸である。有機酸の例は酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、琥珀酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、サリチル酸などである。適する塩はさらに無機または有機塩基、例えばKOH、NaOH、Ca(OH)、Al(OH)、ピペリジン、モルホリン、エチルアミン、トリエチルアミンなど、のものである。
【0066】
種々の量の水を含有する化合物の水和形態、例えば水和物、半水和物、および1.5水和物形態が本発明の範囲内に包含される。本発明は本発明の化合物のプロドラッグもその範囲内に包含し、そのようなプロドラッグはインビボで要求される化合物に容易に転化可能な化合物の官能的誘導体であろう。それ故、本発明の処置方法において、用語「投与する」は、具体的に開示される化合物または具体的に開示されていないが患者への投与後にインビボで具体的な化合物に転化する化合物を用いる記載された種々の疾患の処置を包括するであろう。適するプロドラッグ誘導体の選択および合成に関する一般的な工程は、例えば、“Design of Prodrugs”、ed.H.Bundgaard、Elsevier、1985に記載されている。
【0067】
用語「患者」はいずれかの動物または人工的に変更された動物を包含するが、それらに限定されない。用語「薬品−耐性の」または「薬品−耐性」は、例えば抗生物質の如き最近の入手可能な抗微生物剤のその日常的な有効濃度での存在下で生存する微細物の特徴をさす。
【0068】
表1は式Iの好ましい化合物の非限定的リストを含有する。
【0069】
【表1】

【0070】
【表2】

【0071】
【表3】

【0072】
【表4】

【0073】
【表5】

【0074】
化合物製造に関する一般的な反応スキーム
本発明の化合物の製造において、所望する生成物の収率を高めるために合成段階の順序を変えることができる。さらに、熟練技術者は、反応、溶媒、および温度の賢明な選択が成功を収める合成における重要な要素であることも認識するであろう。最適な条件などの決定は日常的であるが、種々の化合物を以下のスキームの指針を用いて同様な方式で製造しうることは理解されよう。
【0075】
本発明の化合物の製造で使用される出発物質は既知であるか、発表された合成方法により製造されるかまたは商業的な供給業者から入手可能である。
【0076】
有機化学技術の熟練技術者はさらなる指示なしに有機化合物の標準的な処理を容易に行えること、すなわち、そのような処理を行うことは全く熟練技術者の範囲および実施内であること、が認識されている。これらはカルボニル化合物からそれらの対応するアルコール類への還元、酸化、アシル化、芳香族置換、求電子性および求核性の両者のエーテル化、エステル化および鹸化などを包含するが、それらに限定されない。これらの処理の例は例えばMarch、Advanced Organic Chemistry(Wiley)、Carey and Sundberg、Advanced Organic Chemistry(Vol.2)、Feiser & Feiser、Reagents
for Organic Synthesis(16 volumes)、L.Paquette、Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis(8 volumes)、Frost & Fleming、Comprehensive Organic Synthesis(9 volumes)などの如き標準的な文献で論じられている。
【0077】
熟練技術者は、分子内で他の官能基を遮蔽または保護して望ましくない副反応を回避しおよび/または反応の収率を高める時にある種の反応が最良に実施されることを容易に認識するであろう。しばしば熟練技術者は保護基を使用してそのような高められた収率を達成しまたは望ましくない反応を回避する。これらの処理の例は例えばT.Greene、Protecting Groups in Organic Synthesisに見られる。
【0078】
本発明の化合物の製造において有用な複素環式核を製造するための一般的な工程は引用
することにより本発明の内容となる以下の参考文献(参考文献の中に引用される論文を包含する)に記載されている:米国特許第6329391号明細書、欧州特許出願公開第342849号明細書、国際公開第9711068号パンフレット、欧州特許出願公開第195316号明細書、欧州特許出願公開第1031569号明細書、米国特許第6025370号明細書、欧州特許出願公開第153828号明細書、欧州特許出願公開第191451号明細書、欧州特許出願公開第153163号明細書、欧州特許出願公開第230053号明細書、欧州特許出願公開第976749号明細書、国際公開第0118005号パンフレット、国際公開第9407873号パンフレット、米国特許第4777253号明細書、欧州特許出願公開第421668号明細書、国際公開第0248138号パンフレット、欧州特許出願公開第230295号明細書、国際公開第9914214号パンフレット、米国特許出願公開第20020049223号明細書、国際公開第9921849号パンフレット、国際公開第9729102号パンフレット、国際公開第0334980号パンフレット、国際公開第0209758号パンフレット、国際公開第9619472、独国特許出願公開第3142854号明細書、国際公開第0334980号パンフレット、国際公開第0328665号パンフレット、欧州特許出願公開第47005号明細書、国際公開第0311450号パンフレット、および欧州特許出願公開第688772号明細書。
【0079】
本発明の化合物は数種の方法で製造することができる。本発明の化合物の製造に関する多目的の方法は以下のスキームIに示されており、ここでLは脱離基、例えばフルオロまたはクロロである:
【0080】
【化12】

【0081】
Eが
【0082】
【化13】

【0083】
であり且つRおよびR10の少なくとも一方が水素である場合には、所望する生成物への選択的な転化を行うために末端窒素を保護することが必要でありうる(スキームII)。そのような場合には、化合物V中のように、当業者に既知である標準的な保護基、例えばt−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、ベンジル(Bn)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル(Teoc)、N−ホルミル、N−アセチル、N−ベンゾイル、またはフタルイミド、を使用して末端アミンを遮蔽することができる。側鎖カップリング後に、保護基を当業者に既知である標準的な条件下で除去して所望する生成物VIIを得ることができる。VIIを例えばアルキル化によりさらに処理して本発明の他の化合物VIIIにすることができる。
【0084】
【化14】

【0085】
XがNであり且つYがC(R)である本発明の化合物を与える方法は以下のスキームIIIに示されている:
【0086】
【化15】

【0087】
以上のように、Eが
【0088】
【化16】

【0089】
であり且つRおよびR10の少なくとも一方が水素である場合には、所望する生成物への選択的な転化を行うために末端窒素を保護することが必要でありうる(スキームIV)。そのような場合には、化合物V中のように、当業者に既知である標準的な保護基、例えばt−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、ベンジル(Bn)、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、2−トリメチルシリルエトキシカルボニル(Teoc)、N−ホルミル、N−アセチル、N−ベンゾイル、またはフタルイミド、を使用して末端アミンを遮蔽することができる。側鎖カップリング後に、保護基を当業者に既知である標準的な条件下で除去して所望する生成物XIIIを得ることができる。XIIIを例えばアルキル化によりさらに処理して本発明の他の化合物XIVにすることができる。
【0090】
【化17】

【0091】
Eが
【0092】
【化18】

【0093】
であり且つRおよびR10の両者が水素である場合には、LXIの側鎖アミンの選択的アルキル化を当業者に明白な試薬および条件を用いる例えばBocの如き標準的な保護基でのアミンの保護により行ってLXIIを与えることができる(スキームXXXVI)。保護されたアミン(LXII)を次に例えばジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフランの如き溶媒中で過剰(>2当量)の例えば水素化ナトリウムの如くであるがそれに限定されない塩基で、引き続き適当なアルキル化剤RXで処理してboc−保護された第二級アミンを対応するエステルLXIIIとして生ずる。典型的には、反応はアルキル化剤の反応性によって−20℃〜60℃の範囲にわたる温度において1〜48時間にわたり行われる。典型的なアルキル化剤はヨウ化アルキル類(例えばヨウ化メチル)、臭化アルキル類およびスルホン酸アルキル類を包含する。エステルLXIIIを塩基性条件下で加水分解して対応するカルボン酸LXIVを与えることができる。エステル加水分解は当業者に一般的な方法により、特に、適当な溶媒、例えば水、メタノール、または水性アルコール混合物、の中で20℃〜100℃の範囲にわたる温度において1〜48時間にわたり例えば塩基、例えばアルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム)またはアルカリ金属炭酸塩を使用することにより、行うことができる。当業者に明白な条件下でのアミン
−保護基の除去が第二級アミンLXVを与える。保護基が、例えば、Bocである場合には、場合により共−溶媒としての塩化メチレンと一緒の例えばトリフルオロ酢酸の如き試薬またはジオキサン中の塩酸を脱保護用に使用することができる。
【0094】
【化19】

【0095】
場合により、特にAがC(R11)であり、ここでR11がアルコキシである時には、側鎖アミン類はスキームI−IVに示された条件下で複素環式核(IIまたはX)に効果的に加えるには不充分な反応性である。例えば三弗化ホウ素、ホウ酸トリアセトキシ、および塩化リチウムの如くであるがそれらに限定されないルイス酸の添加により核を求核性攻撃に対して活性化させることができる。好ましい活性化方法は米国特許第5,157,117号明細書に記載されている。キノロン核を例えば酢酸またはプロピオン酸の如くであるがそれらに限定されない溶媒中でその場で製造されるホウ酸トリアセトキシで処理しそして1〜24時間にわたり60℃〜120℃の間の温度において加熱する。溶媒の除去後に濾過によりキノリニルホウ酸ジアシル(XV)が単離される。スキームVはこの好ましい活性化方法を示す。
【0096】
【化20】

【0097】
複素環式核を求核性攻撃に対して活性化させる別の好ましい方法はスキームXXXVIIに示される。この方法では、キノロンカルボン酸またはエステル誘導体(すなわち、Rが水素または低級アルキルであり且つLが脱離基である化合物II)を、好ましくは例えばTHFの如き適当な溶媒中で1時間〜48時間にわたり0℃〜60℃の範囲にわたる温度において三弗化ホウ素エーテレートで処理する。冷却後に、例えばジエチルエーテルの如き適当な溶媒の添加により生成物LXVIを反応混合物から沈殿させることができ、そして生じる固体の濾過によりキレートを単離することができる。
【0098】
【化21】

【0099】
前駆体製造−側鎖アミンIII
スキームVIは、Eが
【0100】
【化22】

【0101】
であり、RおよびRが水素であり且つqが1である側鎖アミンIIIを示す。トリ置換されたまたはテトラ置換されたアルキリデン類XXは、例えばテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、または塩化メチレンの如くであるがそれらに限定されない溶媒中での1〜24時間にわたる−78℃〜120℃の間の温度における例えばn−ブチルリチウム、水素化ナトリウムまたは炭酸カリウムの如くであるがそれらに限定されない塩基の存在下における適当に置換されたケトン(XVI)のピーターソン(Peterson)、ウィティッヒ(Wittig)またはワズウォース−ホルナー−エモンズ(Wadswo
rth−Horner−Emmons)・オレフィン化により、製造することができる。
【0102】
生じたエステル(XVII)を、例えばトルエン、塩化メチレン、またはテトラヒドロフランの如くであるがそれらに限定されない溶媒中で1〜24時間にわたり0℃〜120℃の間の温度において、例えば水素化アルミニウムジイソブチル、ホウ水素化トリエチルリチウムまたはホウ水素化ナトリウムの如くであるがそれらに限定されない還元剤を用いて還元してq=1である対応するアルコールXVIIIを与えることができる。標準的な条件下でのアルコールXVIIIから例えば塩化物、臭化物、メシレートまたはトシレートの如くであるがそれらに限定されない脱離基XIXへの転化並びにジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、またはテトラヒドロフランの如くであるがそれらに限定されない溶媒中での1〜24時間にわたる0℃〜120℃の間の温度における適当に置換されたアミンを用いる脱離基の置換がアルコールXVIIIをアミンXXに転化させる。当業者に既知である標準的な条件下での保護基、P、の除去が、Eが
【0103】
【化23】

【0104】
であり、RおよびRが水素であり、且つqが1であるアミンIIIを与える。或いは、アルコールXVIIIの直接的な置換をフタルイミドおよびアゾジカルボン酸ジアルキルを用いるミツノブ(Mitsunobu)反応により行ってXXIを与えることができる。例えばメタノールまたはエタノールの如き溶媒中でのヒドラジンを用いるフタルイミド(XXI)の脱保護が、RおよびR10が水素であるアミン(XX)を与える。脱保護の別の方法はメタノール中でのメチルアミンまたは6N塩酸を用いる処理を包含する。保護基、P、をXXIから当業者に既知である標準的な条件下で除去して、RおよびRが水素であり且つRおよびP”がそれらが結合される窒素と一緒になってフタルイミド基を形成するアミンVを与えることができる。
【0105】
【化24】

【0106】
特にXVIが非対称性である(すなわち、mの値がnと同じでない)場合には、ケトンXVIからオレフィンXVIIへの転化が幾何学的異性体をもたらしうる(スキームVI)。そのような場合には、幾何学的異性体を選択的再結晶化、フラッシュクロマトグラフィー、高性能液体クロマトグラフィーなどを包含する当業者に既知である多くの方法により分離することができる。中間体XVII、XVIII、XIX、もしくはXXI、または最終生成物段階XXを包含する合成方法の種々の段階において分離を行えることも明白であろう。
【0107】
スキームXXXVIIIは、Eが
【0108】
【化25】

【0109】
であり、Rがシアノであり、RおよびRが水素であり、且つqが1である側鎖アミンLXXの合成を示す。テトラ置換されたアルキリデン類LXVIIは、例えばテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、または塩化メチレンの如くであるがそれらに限定されない溶媒中での1〜24時間にわたる−78℃〜120℃の間の温度における例えばn−ブチルリチウム、水素化ナトリウムまたは炭酸カリウムの如くであるがそれらに限定されない塩基の存在下における適当に置換されたケトン(XVI)のワズウォース−ホルナー−エモンズ・オレフィン化により、製造することができる。シアノ−置換された臭化アルケニル類は例えばTHFの如き不活性溶媒中での−78℃〜−20℃の範囲にわたる温度におけるi−PrMgBrとの臭素−マグネシウム交換を受けることができる。生じた有機マグネシウム種を、例えばTHFの如き適当な溶媒中溶液状で、例えば塩化メチレンの如き適当な溶媒中で1〜24時間にわたり−20℃〜37℃の範囲にわたる温度において、場合によりメチルアルミニウムビス(2,6−ジフェニルフェノキシド)で安定化されていてもよい例えばホルムアルデヒドの如き求電子剤で処理してアルコールLXVIIIを与えることができる。アルコールLXVIIIの直接的な置換をフタルイミドおよびアゾジカルボン酸ジアルキルを用いるミツノブ反応により行ってLXIXを与えることができる。例えばメタノールまたはエタノールの如き溶媒中でのヒドラジンを用いるフタルイミド(LXIX)の脱保護が、RおよびR10が水素であるアミン(LXX)を与える。脱保護の別の方法はメタノール中でのメチルアミンまたは6N塩酸を用いる処理を包含する。保護基、P、をLXXから当業者に既知である標準的な条件下で除去して、Rがシアノであり、RおよびRが水素であり且つRおよびP”がそれらが結合される窒素と一緒になってフタルイミドを形成するアミンVを与えることができる。
【0110】
【化26】

【0111】
化合物LXIXのシアノ基を別の官能基、例えばカルボキシまたはアルコキシカルボニル、に転化させてアミン類LXXIまたはLXXIIを与えることもできる(スキームXXXIX)。例えば、例えば水、メタノール、エタノール、または水性アルコール混合物の如き適当な溶媒中での20℃〜100℃の範囲にわたる温度における1〜48時間にわたる例えば水酸化ナトリウムの如きアルカリ金属水酸化物を用いるニトリルLXIXの塩基性加水分解、その後の60℃〜100℃の範囲にわたる温度における1〜48時間にわたる例えば6N塩酸を用いるフタルアミド基の酸加水分解が、RおよびR10が水素である対応するアミノ酸誘導体LXXIを与える。或いは、場合によるマイクロ波照射下に
おける、アルコールの存在下における20℃〜200℃の範囲にわたる温度における30分間〜48時間にわたる鉱酸を用いるニトリルLXIXの酸加水分解が、RおよびR10が水素である対応するアミノエステル誘導LXXIIを与える。適する鉱酸類は硫酸を包含するが、それに限定されない。適するアルコールはエタノールを包含するが、それに限定されない。スキームXXXIXは、上記の転換を行いながらの、ニトリルLXIXからの保護基に結合された環を有するアミノ酸誘導体LXXIおよびアミノエステル誘導体LXXIIへの転化を示し、環窒素は化合物VIII中のようにキノロンまたはナフチリジン核に結合されていてもよい。
【0112】
【化27】

【0113】
スキームXXIIは、Eがアルケニルである式XVIIIのアルコール(LVIII)からの式IIIの化合物への転化を示す。さらに、このスキームはEが
【0114】
【化28】

【0115】
であり、RおよびがR水素であり且つRがアシル、アルコキシカルボニル、またはスルホニルである式IIIの化合物(LX)の合成も示す。例えばデス−マーチン(Dess−Martin)ペリオジナン、コレイ−キム(Corey−Kim)試薬、またはスワーン(Swern)試薬の如き多くの適当な酸化剤のいずれかを用いるアルコールXVIIIの酸化が対応するアルデヒド(LVI)を与える。アルデヒドを例えばウィティッヒ反応の如くであるがそれに限定されない塩基で促進されるオレフィン化反応にかけてRが水素またはアルキルであるLVIIを与えることができる。当業者に既知である標準的な条件下でのLVIIからの保護基、Pの除去が、EがアルケニルであるアミンIII(LVIII)を与える。スキームXXも、式XVIIIのアルコールからのEが
【0116】
【化29】

【0117】
であり、RおよびRが水素であり、そしてRがアシル、アルコキシカルボニル、ま
たはスルホニルである式IIIの化合物(LX)への転化を示す。例えばピリジンの如きアミン塩基の存在下における、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフランまたはトルエンの如き不活性溶媒中での−20℃〜60℃の範囲にわたる温度における1−48時間にわたるアルコールXVIIIとアシル化剤との反応が、Eが
【0118】
【化30】

【0119】
であり、RおよびRが水素であり且つRがアシルである式IIIの化合物(LIX)を与える。アシル化剤は、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、EDCI、BOP−Cl、BOP、PyBOP、などの如き活性化剤の存在下における酸ハライド、酸無水物、および酸を包含する。式XVIIIのアルコールを、例えばピリジンの如きアミン塩基の存在下における例えばジクロロメタン、テトラヒドロフランまたはトルエンの如き不活性溶媒中での−20℃〜60℃の範囲にわたる温度における1−48時間にわたるカルボニル化剤との反応により、Eが
【0120】
【化31】

【0121】
であり、RおよびRが水素でありそしてRがアルコキシカルボニルである式IIIの化合物(LIX)に転化させることができる。カルボニル化剤はクロロ蟻酸エステル、フルオロ蟻酸エステル、アジド蟻酸エステル、およびピロ炭酸エステルを包含する。式XVIIIのアルコールを、例えばピリジンの如きアミン塩基の存在下における例えばジクロロメタン、テトラヒドロフランまたはトルエンの如き不活性溶媒中での−20℃〜60℃の範囲にわたる温度における1−48時間にわたる塩化スルホニルまたは無水スルホン酸との反応により、Eが
【0122】
【化32】

【0123】
であり、RおよびRが水素であり且つRがスルホニルである式IIIの化合物(LIX)に転化させることができる。当業者に既知である条件下でのLIXからの保護基、P、の除去が、Eが
【0124】
【化33】

【0125】
であり、RおよびRが水素であり、そしてRがアシル、アルコキシカルボニル、ま
たはスルホニルであるアミンIII(LX)を与える。
【0126】
【化34】

【0127】
スキームVIIは例えばウィティッヒ、ワズウォース−ホルナー−エモンズまたはピーターソン・オレフィン化工程の如くであるがそれらに限定されない塩基で促進されるオレフィン化反応を用いるケトンXVIからオレフィンXXへの直接的な転化を示す。或いは、適当に置換されたアミンXXIIIを用いて末端オレフィンXXIIからオレフィン・メタセシルによりアミンXXを製造することができる。当業者に既知である標準的な条件下でのXXからの保護基、Pの除去が、Eが
【0128】
【化35】

【0129】
であり、且つRおよびRが水素であるアミンIIIを与える。
【0130】
【化36】

【0131】
スキームVIIIは、アリル系アルコールXXVを与えるための二酸化セレンを用いるXXIVのヒドロキシル化を示す。転換は例えば塩化メチレン、トルエンまたはテトラヒドロフランの如くであるがそれらに限定されない溶媒中で25℃〜150℃の間の温度において、場合により例えばヒドロ過酸化tert−ブチルの如き共溶媒の存在下で行われる。当業者に既知である標準的な条件下でのXXVからの保護基、Pの除去が、Eが
【0132】
【化37】

【0133】
であり、且つRの1個がヒドロキシであるアミンIIIを与える。
【0134】
【化38】

【0135】
スキームIXは、例えばテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、または塩化メチレンの如くであるがそれらに限定されない溶媒中での1〜24時間にわたる−78℃〜1
20℃の間の温度における例えばn−ブチルリチウム、水素化ナトリウムまたは炭酸カリウムの如くであるがそれらに限定されない塩基の存在下における適当に置換されたケトン(XVI)のピーターソン、ウィティッヒまたはワズウォース−ホルナー−エモンズ・オレフィン化工程を用いるRが以上で定義された通りであるα,β−不飽和カルボニルXXVIの製造を示す。生じるカルボニル化合物(XXVI)を例えばトルエン、塩化メチレン、またはテトラヒドロフランの如くであるがそれらに限定されない溶媒中で1〜24時間にわたり0℃〜120℃の間の温度において例えば水素化アルミニウムジイソブチル、ホウ水素化トリエチルリチウムまたはホウ水素化ナトリウムの如くであるがそれらに限定されない還元剤を用いて還元して対応するアルコールXXVIIを与えることができる。或いは、カルボニル化合物が例えば有機リチウム種またはグリニヤール試薬の如き適当に置換された有機金属剤(RM、ここでMは金属である)を用いる求核性付加を受けて、Rがアルキルである対応するアルコールXXVIIを与えることができる。後者の転換に適する溶媒は、−78℃〜20℃の範囲にわたる温度における30分間〜48時間にわたる、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、またはトルエンを包含する。RまたはRの一方が水素である場合には、標準的な条件下でのXXVII中のアルコール官能基からXXVIII中のような臭化物、メシレートまたはトシレートの如くであるがそれらに限定されない脱離基への転化並びに例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、またはテトラヒドロフランの如くであるがそれらに限定されない溶媒中での1〜24時間にわたる0℃〜120℃の間の温度における適当に置換されたアミンによる脱離基の置換がアルコールXXVIIをアミンXXXに転化させる。当業者に既知である標準的な条件下でのXXXからの保護基、Pの除去が、Eが
【0136】
【化39】

【0137】
であり、且つRおよびRの一方が水素であるアミンIIIを与える。或いは、RまたはRの一方が水素である場合には、アルコールXXVIIの直接的な置換をフタルイミドおよびアゾジカルボン酸ジアルキルを用いるミツノブ反応により行い、引き続き例えばメタノールまたはエタノールの如き溶媒中でのヒドラジンを用いるフタルイミドの脱保護がアミンXXXを与えることができる。保護基、P、をXXIXから当業者に既知である標準的な条件下で除去して、Rが水素であり且つRおよびP”がそれらが結合される窒素と一緒になってフタルイミドを形成するアミンVを与えることができる。
【0138】
【化40】

【0139】
スキームXは、RがハロゲンであるXXXVIの製造を記述する。Rが水素であるアルキリデン類XXXIを例えば1−ブロモ−2,5−ピロリジンジオン、1,1,1−トリス(アセチルオキシ)−1,1−ジヒドロ−2−ベンズヨードキソール−3(1H)−オンおよび臭化テトラアルキルアンモニウム、または塩化チオニルの如くであるがそれらに限定されない適当なハロゲン化剤を用いてハロゲン化してXXXIIを与えることができる。アルキリデンXXXIIを例えばトルエン、塩化メチレン、またはテトラヒドロフランの如くであるがそれらに限定されない溶媒中で1〜24時間にわたり0℃〜120℃の間の温度において例えば水素化アルミニウムジイソブチル、ホウ水素化トリエチルリチウムまたはホウ水素化ナトリウムの如くであるがそれらに限定されない還元剤を用いて還元して対応するアルコールXXXIIIを与えることができる。或いは、カルボニル化合物が例えば有機リチウム種またはグリニヤール試薬の如き適当に置換された有機金属剤を用いる求核性付加を受けて、Rがアルキルである対応するアルコールXXXIIIを与えることができる。後者の転換に適する溶媒は、−78℃〜20℃の範囲にわたる温度における30分間〜48時間にわたる、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、またはトルエンを包含する。RまたはRの一方が水素である場合には、標準的な条件下でのXXXIII中のアルコール官能基からXXXIV中のような臭化物、メシレートまたは
トシレートの如くであるがそれらに限定されない脱離基への転化並びに例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、またはテトラヒドロフランの如くであるがそれらに限定されない溶媒中での1〜24時間にわたる0℃〜120℃の間の温度における適当に置換されたアミンによる脱離基の置換がXXXIVをアミンXXXVIに転化させる。当業者に既知である標準的な条件下でのXXXVIからの保護基、Pの除去が、Eが
【0140】
【化41】

【0141】
であり、且つRおよびRの一方が水素であるアミンIIIを与える。或いは、RまたはRの一方が水素である場合には、アルコールXXXIIIの直接的な置換をフタルイミドおよびアゾジカルボン酸ジアルキルを用いるミツノブ反応により行い、引き続き例えばメタノールまたはエタノールの如き溶媒中でのヒドラジンを用いるフタルイミドの脱保護がアミンXXXVIを与えることができる。保護基、P、をXXXVから当業者に既知である標準的な条件下で除去して、Rが水素であり且つRおよびP”がそれらが結合される窒素と一緒になってフタルイミドを形成するアミンVを与えることができる。
【0142】
【化42】

【0143】
スキームXIは、Eが
【0144】
【化43】

【0145】
であり、RおよびRが水素であり且つRが置換されたまたは分枝鎖状のアルキルである側鎖アミンIIIの合成を示す。スキームXIにおいて、ハロゲン化されたカルボニル化合物XXXIIと同様な方法でRが水素またはアルキルであるハロゲン化されたカルボニル化合物XXXVIIを製造することができる。Raが水素またはアルキルであるカルボニル化合物XXXVIIを例えばトルエン、塩化メチレンまたはテトラヒドロフランの如くであるがそれらに限定されない溶媒中で1〜24時間にわたり0℃〜120℃の温度において例えば水素化アルミニウムジイソブチル、ホウ水素化トリエチルリチウムま
たはホウ水素化ナトリウムの如くであるがそれらに限定されない還元剤を用いて還元して、Rが水素またはアルキルであり、Rの一方が水素であり、且つ他方のRがヒドロキシである対応するアルコールXXXVIIIを与えることができる。或いは、Rがアルキルであるカルボニル化合物XXXVIIが例えば有機リチウム種またはグリニヤール試薬の如き適当に置換された有機金属剤を用いる求核性付加を受けて、Rがアルキルであり、Rの一方が水素であり、且つ他方のRがヒドロキシである対応するアルコールXXXVIIIを与えることができる。最後に、Rが水素またはアルキルであるカルボニル化合物XXXVII、またはRが水素またはアルキルであり、Rの一方が水素であり、且つ他方のRがヒドロキシルであるアルコールXXXVIIIを例えば塩化メチレンの如くであるがそれに限定されない溶媒中で1〜24時間にわたり0℃〜60℃の間の温度において例えば(N−エチルエタナミナト)トリフルオロ硫黄(DAST)または三弗化ビス(2−メトキシエチル)アミノ硫黄(デキオキソフルオル(Deoxofluor))の如くであるがそれらに限定されない求核性弗素化試薬を用いて弗素化してXXXVIIIを与えることができ、ここで基質としてのカルボニル化合物XXXVIIの場合には、Rは水素またはアルキルであり且つRは弗素であり、そして基質としてのアルコールXXXVIIIの場合には、Rは水素またはアルキルであり、Rの一方は水素であり、且つ他方のRは弗素である。ハロゲン化されたアルキリデンXXXVIIIを例えば酢酸パラジウム、ジカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、またはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの如くであるがそれらに限定されない遷移金属触媒の存在下で、一酸化炭素の雰囲気下で、場合により溶媒としての例えばメタノールの如き第二の添加剤の存在下で、または例えばジメチルスルホキシドもしくはテトラヒドロフランの如くであるがそれらに限定されない溶媒中で、1〜24時間にわたり0℃〜120℃の間の温度においてカルボニル化してエステルXXXIXを与えることができる。XXXIXを例えばトルエン、塩化メチレン、またはテトラヒドロフランの如くであるがそれらに限定されない溶媒中で1〜24時間にわたり0℃〜120℃の間の温度において例えば水素化アルミニウムジイソブチル、ホウ水素化トリエチルリチウムまたはホウ水素化ナトリウムの如くであるがそれらに限定されない還元剤を用いて還元して、q=1である対応するアルコールXLを与えることができる。標準的な条件下でのアルコールXLからの例えば臭化物、メシレートまたはトシレートの如くであるがそれらに限定されない脱離基XLIへの転化並びに例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、またはテトラヒドロフランの如くであるがそれらに限定されない溶媒中での1〜24時間にわたる0℃〜120℃の間の温度における適当に置換されたアミンによる脱離基の置換がアルコールXLをアミンXLIIIに転化させる。当業者に既知である標準的な条件下でのXLIIIからの保護基、Pの除去が、Eが
【0146】
【化44】

【0147】
であり、RおよびRが水素であり且つRがCRであるアミンIIIを与える。或いは、アルコールXLの直接的な置換をフタルイミドおよびアゾジカルボン酸ジアルキルを用いるミツノブ反応により行ってXLIIを与えることができる。例えばメタノールまたはエタノールの如き溶媒中でのヒドラジンを用いるフタルイミドXLIIの脱保護が、アミンXLIIIを与える。保護基、PをXLIIから当業者に既知である標準的な条件下で除去して、RおよびRが水素であり、RおよびP”がそれらが結合される窒素と一緒になってフタルイミドを形成し且つRがCRであるアミンVを与えることができる。
【0148】
【化45】

【0149】
スキームXIIは、Eが
【0150】
【化46】

【0151】
であり、RまたはRの一方が水素であり且つ他方がアルキルであり、Rが置換されたもしくは分枝鎖状のアルキルであり、そしてqが1である側鎖アミンIIIの合成を示
す。上記の通りにして製造された化合物XXXVIIIを例えば酢酸パラジウム、ジカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、またはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの如くであるがそれらに限定されない遷移金属触媒の存在下で、一酸化炭素の雰囲気下で、有機金属試薬RM(ここでRは以上で定義されておりそして例えば三水素化トリブチルまたはアルキルインジウム剤(Organic Letters
2003、5(7)、1103−1106)を包含する)の存在下で、例えばメタノール、ジメチルスルホキシドもしくはテトラヒドロフランの如くであるがそれらに限定されない溶媒中で、1〜24時間にわたり0℃〜120℃の間の温度においてカルボニル化してRが以上で定義されている通りであるXLIVを与えることができる。カルボニル化合物XXXIXを例えばトルエン、塩化メチレン、またはテトラヒドロフランの如くであるがそれらに限定されない溶媒中で1〜24時間にわたり0℃〜120℃の間の温度において例えば水素化アルミニウムジイソブチル、ホウ水素化トリエチルリチウムまたはホウ水素化ナトリウムの如くであるがそれらに限定されない還元剤を用いて還元して、対応するアルコールXLVを与えることができる。或いは、カルボニル化合物が例えば有機リチウム種またはグリニヤール試薬の如き適当に置換された有機金属試薬を用いる求核性付加を受けて、Rがアルキルである対応するアルコールXLVを与えることができる。後者の転換に適する溶媒は、−78℃〜20℃の範囲にわたる温度における30分間〜48時間にわたる、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、またはトルエンを包含する。RまたはRの一方が水素である場合には、標準的な条件下でのXLV中のアルコール官能基からXLVI中のような臭化物、メシレートまたはトシレートの如くであるがそれらに限定されない脱離基への転化並びに例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、またはテトラヒドロフランの如くであるがそれらに限定されない溶媒中での1〜24時間にわたる0℃〜120℃の間の温度における適当に置換されたアミンによる脱離基の置換がアルコールXLVをアミンXLVIIIに転化させる。当業者に既知である標準的な条件下でのXLVIIIからの保護基、Pの除去が、Eが
【0152】
【化47】

【0153】
であり、RおよびRの一方が水素であり且つ他方がアルキルであり、Rが置換されたもしくは分枝鎖状のアルキルであり、そしてRがqが1であるアミンIIIを与える。或いは、RおよびRの一方が水素である場合には、アルコールXLVの直接的な置換をフタルイミドおよびアゾジカルボン酸ジアルキルを用いるミツノブ反応により行い、引き続き例えばメタノールまたはエタノールの如くであるがそれらに限定されない溶媒中でのヒドラジンを用いるフタルイミドの脱保護がアミンXLVIIIを与えることができる。保護基、P、をXLVIIIから当業者に既知である標準的な条件下で除去して、RおよびRの一方が水素であり且つ他方がアルキルであり、RおよびP”がそれらが結合される窒素と一緒になってフタルイミドを形成し、Rが置換されたもしくは分枝鎖状のアルキルであり、そしてqが1であるアミンVを与えることができる。
【0154】
【化48】

【0155】
スキームXIIIは塩基で促進させるストーク−ユング(Stork−Jung)・ビニルシラン・ロビンソン(Robinson)環付加実験記録(Tetrahedron
Letters、2001、42、9123)を用いるケトンXVIaからオレフィンLIIIへの転化を示す。ケトンXVIaとRがアルキル基であり且つP’がヒドロキシ保護基であるヨウ化アリルXLIXとの縮合(Tetrahedron Letters、2001、42、9123)がアルキル化されたケトンLを与える。例えばジメチルジオキシランまたはm−クロロ過安息香酸の如くであるがそれらに限定されないエポキシド化剤を用いるケトンLのエポキシド化がオキシランLIを与える。例えば弗化テトラ−n−ブチルアンモニウムまたはピリジニウムポリ(弗化水素)の如くであるがそれらに限定されない剤を用いるLIの光脱シリル化と同時のエポキシド開環とがケトンLIIを与える。LIIの環付加を例えばナトリウムメトキシドの如くであるがそれに限定されない塩基を用いるLIIの処理により行ってLIIIを与えることができる。α,β−不飽和ケトンLIIIを例えばトルエン、塩化メチレン、またはテトラヒドロフランの如くであるがそれらに限定されない溶媒中で1〜24時間にわたり0℃〜120℃の間の温度にお
いて例えば水素化アルミニウムジイソブチル、ホウ水素化トリエチルリチウムまたはホウ水素化ナトリウムの如くであるがそれらに限定されない還元剤を用いて還元して、ヒドロキシ保護基の除去後に、R12の一方が水素であり且つ他方のR12がヒドロキシである対応するアルコールLIVを与えることができる。或いは、LIIIが例えば有機リチウム種またはグリニヤール試薬の如き適当に置換された有機金属試薬を用いる求核性付加を受けて、ヒドロキシ保護基の除去後に、R12の一方がアルキルであり且つ他方のR12がヒドロキシである対応するアルコールLIVを与えることができる。後者の転換に適する溶媒は、−78℃〜20℃の範囲にわたる温度における30分間〜48時間にわたる、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、またはトルエンを包含する。最後に、カルボニル化合物LIIIを例えば塩化メチレンの如くであるがそれに限定されない溶媒中で1〜24時間にわたり0℃〜60℃の間の温度において例えば(N−エチルエタナミナト)トリフルオロ硫黄(DAST)または三弗化ビス(2−メトキシエチル)アミノ硫黄(デキオキソフルオル)の如くであるがそれらに限定されない求核性弗素化試薬を用いて弗素化して、ヒドロキシ保護基の除去後に、R12が弗素であるLIVを与えることができる。
【0156】
【化49】

【0157】
アルコールLIVを標準的な条件下で例えば臭化物、メシレートまたはトシレートの如くであるがそれらに限定されない脱離基に転化させることができる。例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、またはテトラヒドロフランの如くであるがそれらに限定されない溶媒中での1〜24時間にわたる0℃〜120℃の間の温度における適当に置換されたアミンによる脱離基の置換がLIVをアミンLVに転化させる。当業者に既知で
ある標準的な条件下でのLVからの保護基、Pの除去が、Eが
【0158】
【化50】

【0159】
であり、RおよびRが水素であり、且つRおよびRが一緒になって6−員の炭素環式環を形成し、そしてqが1である対応する第二級アミンIIIを与える。或いは、アルコールLIVの直接的な置換をフタルイミドおよびアゾジカルボン酸ジアルキルを用いるミツノブ反応により行い、引き続き例えばメタノールまたはエタノールの如き溶媒中でのヒドラジンを用いるフタルイミドの脱保護がRおよびR10が水素であるアミンLVを与えることができる。
【実施例】
【0160】
実験の部
前駆体製造−複素環式核
全ての複素環式核、例えば1−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−6,7−ジフルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸、7−クロロ−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−ナフトピリジン−3−カルボン酸、9,10−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]−1,4−ベンゾキサジン−6−カルボン酸、1−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸、7−クロロ−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−ナフチリジン−3−カルボン酸、1−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−6,7−ジフルオロ−5−メチル−4−オキソ−キノリンカルボン酸、1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−6,7−ジフルオロ−5−メチル−4−オキソ−キノリンカルボン酸、1−(6−アミノ−3,5−ジフルオロ−2−ピリジニル)−8−クロロ−6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸および1−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−7−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸は文献の方法(複素環式核の一般的な製造工程に関する上記論議参照)に従い製造されたかまたは商業源から購入された。
【0161】
前駆体製造A−ホウ酸ジアシルキノリニル類の製造
【0162】
【化51】

【0163】
化合物19(式XV:L=F、A=C−OMe、R=シクロプロピル、R=H、R=F、R=H)
ホウ酸ジアシルキノリニル類を米国特許第5,157,117号明細書に報告された工程により製造した。ホウ酸(2.4g、38.7ミリモル)、無水酢酸(13.8mL、
146ミリモル)および塩化亜鉛(52mg、0.38ミリモル)の混合物を110℃に1.5時間にわたり暖め、酢酸(51mL)で処理しそしてそのままさらに1時間にわたり110℃において撹拌した。生じた混合物を60℃に放冷し、1−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−6,7−ジフルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸(18)(7.3g、25.9ミリモル)および酢酸(26mL)で処理した。生じた溶液を60℃に5時間にわたり暖め、室温に冷却し、そして真空中で濃縮した。残渣を水(50mL)で処理しそして固体を濾過により集めた。生じた固体を水(3x50mL)で洗浄し、そして乾燥して標記化合物を白色固体として与え、それをそのまま次の反応で使用した。
【0164】
上記と同じ工程を用いて表2に挙げられた各複素環式カルボン酸類の各々を対応するホウ酸ジアシル誘導体(17、21、23、および83)に転化した。
【0165】
【表6】

【0166】
前駆体製造C−ホウ酸ジフルオロキノリニル類の製造
【0167】
【化52】

【0168】
1−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−6,7−ジフルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸ジフルオロホウ酸エステル(223)。
【0169】
1−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−6,7−ジフルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸(18)(10.08g;34.14ミリモル)および無水THF(150mL)中の三弗化ホウ素エーテレート(30mL;236ミリモル)を還流温度で窒素雰囲気下で36時間にわたり加熱した。冷却後に、エーテル(250mL)を加えた。生じた白色固体を濾過により集め、エーテルで洗浄しそして乾燥して1−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−6,7−ジフルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸ジフルオロホウ酸エステル(223)(7.29g;63%収率)を白色固体として与えた。MS 344(M+H)。
【0170】
【化53】

【0171】
1−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−6,7−ジフルオロ−5−メチル−4−オキソ−キノリンカルボン酸ジフルオロホウ酸エステル(224)。
【0172】
これは1−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−6,7−ジフルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸ジフルオロホウ酸エステル(223)と同様な方法で製造されたが1−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−6,7−ジフルオロ−5−メチル−4−オキソ−キノリンカルボン酸(Bioorganic and Medicinal Chemistry 1995、3、1699に記載された通りにして製造される)で出発して(224)(58%)を白色粉末として与えた。MS 328(M+H)。
【0173】
【化54】

【0174】
1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−6,7−ジフルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸ジフルオロホウ酸エステル(225)。
【0175】
これは1−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−6,7−ジフルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸ジフルオロホウ酸エステル(223)と同様な方法で製造されたが1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−6,7−ジフルオロ−5−メチル−4−オキソ−キノリンカルボン酸(国際公開第01/072738号パンフレットに記載された通りにして製造される)で出発して(2
25)(49%)を灰色固体として与えた。MS 362(M+H)。
【0176】
前駆体製造B−側鎖III
【0177】
【化55】

【0178】
スキームXIVの化合物27:
4−(2−エトキシ−2−オキソエチリデン)ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(24)はSato et al.Heterocycles、2001、54、747に記載された工程に従い製造された。
4−(2−ヒドロキシエチリデン)ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(25)はSato et.al Heterocycles、2001、54、747に記載された工程に従い製造された。
【0179】
4−[2−(1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−イル)エチリデン]−ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(26)はSynthesis
1995、756から応用された工程により製造された。25(250mg、1.10ミリモル)、フタルイミド(208mg、1.40ミリモル)、およびトリフェニルホスフィン(366mg、1.40ミリモル)の乾燥THF(10mL)中溶液を注射器を介して加えられたアゾジカルボン酸ジエチル(0.25mL、1.40ミリモル)で暗所で窒素下で処理した。5時間後に、反応混合物を水(10mL)で処理し、酢酸エチル(50mL)で希釈し、10%水性炭酸水素ナトリウム(2x25mL)で洗浄し、そして乾燥した(MgSO)。フラッシュクロマトグラフィーによる精製(0−30%酢酸エチル/ヘキサン類)が標記化合物(389mg、78%)を白色フォームとして与えた。MS 357(M+H)。
【0180】
4−[2−(1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−イル)エチリデン]−1−ピペリジントリフルオロ酢酸塩(27)。26(380mg、1.03ミリモル)の溶液をCHCl2(50mL)の中に溶解させそしてトリフルオロ酢酸(1mL)で室温において処理した。1時間後に、反応混合物を真空中で濃縮して標記化合物27(363mg、100%)を油として与えた。MS 257(M+H)。
【0181】
1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ピペリジノンを表3に挙げられた各ホスホノアセテート類の各々と反応させ、そして生成物を27の合成におけるものと同様な工程にかけて、対応するアルコール類(28−30、84)および誘導されたアミン類(31−33、85)を製造した。
【0182】
【表7】

【0183】
【化56】

【0184】
スキームXL化合物のE−232、E−233、およびZ−233:
(E/Z)−3−(1−フルオロ−2−エトキシ−2−オキソエチリデン)−ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(226;R=F)。
これは、1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ピペリジノンの代わりに1−(tert−ブトキシカルボニル)−3−ピペリジノンを使用しそして2−クロロホスホノ酢酸トリエチルの代わりに2−フルオロホスホノ酢酸トリエチルを使用したこと以外は、24の合成におけるものと同じ工程により製造された。MS 310(M+Na)。
【0185】
(E/Z)−3−(1−クロロ−2−エトキシ−2−オキソエチリデン)−ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(227;R=Cl)。
これは、1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ピペリジノンの代わ1りに−(tert−ブトキシカルボニル)−3−ピペリジノンを使用したこと以外は、24の合成におけるものと同じ工程により製造された。MS 326(M+Na)。
【0186】
(E/Z)−3−(1−クロロ−2−ヒドロキシエチリデン)−ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(E−229およびZ−229;R=Cl)。
DIBAL−Hのトルエン中1.0M溶液(8.2mL、8.23ミリモル)を227(1.0g、3.29ミリモル)のテトラヒドロフラン(10mL)中溶液に−78℃において窒素下で加えそして混合物を同じ温度において5時間にわたり撹拌し、次に室温に暖めそして一晩にわたり撹拌した。0.5Mロシェ塩溶液(40mL)およびEtOAc(80mL)を反応に0℃において加えた。生じた混合物を室温において3時間にわたり撹拌した。相分離後に有機層を濃縮した。E/Z異性体をフラッシュクロマトグラフィー(0−40%酢酸エチル/ヘキサン類)により分離してE−229[200mg、23%、MS 284(M+Na)]を黄色油としてそしてZ−229[250mg、29%、MS 284(M+Na)]を白色固体として与えた。
【0187】
(E)−3−(1−フルオロ−2−ヒドロキシエチリデン)−ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(E−228;R=F)。
これは、227の代わりに226を使用したこと以外は、上記の工程と同様な方法で製造された。MS 268(M+Na)。Z−228は粗製反応混合物中に存在したが、それはフラッシュクロマトグラフィーにより純粋形態で単離されなかった。
【0188】
(E)−3−[1−フルオロ−2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)−エチリデン]−ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(E−230;R=F)。
これは、25の代わりにE−228を使用したこと以外は、26の合成と同様な工程により製造された。MS 397(M+Na)。
【0189】
(E)−3−[1−クロロ−2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)−エチリデン]−ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(E−231;R=Cl)。
これは、25の代わりにE−229を使用したこと以外は、26の合成と同様な工程により製造された。MS 413(M+Na)。
【0190】
(Z)−3−[1−クロロ−2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)−エチリデン]−ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(Z−231;R=Cl)。
これは、25の代わりにZ−229を使用したこと以外は、26の合成と同様な工程により製造された。MS 413(M+Na)。
【0191】
(E)−3−[1−フルオロ−2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)−エチリデン]−ピペリジントリフルオロ酢酸塩(E−232;R=F)。
これは、133の代わりにE−230を使用したこと以外は、135の合成におけるものと同じ工程により製造された。MS 275(M+H)。
【0192】
(E)−3−[1−クロロ−2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)−エチリデン]−ピペリジントリフルオロ酢酸塩(E−233;R=Cl)。
これは、133の代わりにE−231を使用したこと以外は、135の合成におけるも
のと同じ工程により製造された。MS 291(M+H)。
【0193】
(Z)−3−[1−クロロ−2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)−エチリデン]−ピペリジントリフルオロ酢酸塩(Z−233;R=Cl)。
これは、133の代わりにZ−231を使用したこと以外は、135の合成におけるものと同じ工程により製造された。MS 291(M+H)。
【0194】
【化57】

【0195】
(スキームXLIの化合物Z−238およびE−238:
(Z)−3−(1−エトキシ−1−オキソ−2−プロピリデン)−ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(Z−234)および(E)−3−(1−エトキシ−1−オキソ−2−プロピリデン)−ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(E−234)。
テトラヒドロフラン(50mL)中の水素化ナトリウム(1.10g、ミリモル)(60%油中)に0℃において2−ホスホノプロピオン酸トリエチル(7.00mL、32.0ミリモル)を加えそして生じた混合物を20分間にわたり撹拌し、そこで1−(tert−ブトキシカルボニル)−3−ピペルジノンカルボン酸(5.00g、ミリモル)を加えそしてさらに5時間にわたり室温において撹拌した。混合物を濃縮し、半飽和水性NaHCO(200mL)で希釈しそして酢酸エチル(6X40mL)で抽出した。有機抽出物をNaSO上で乾燥し、濃縮しそしてシリカゲル上で10%酢酸エチル/ヘキサン類を溶離剤として用いるクロマトグラフィーにかけた。幾何学的異性体を透明油として単離した。反応は1.66g(23%)のより高いRのE−異性体および3.71g(50%)のより低いRのZ−異性体を与えた。両者:MS 284(M+H)。
【0196】
(Z)−3−(1−ヒドロキシ−2−プロピリデン)−ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(Z−235)。
テトラヒドロフラン(6mL)中の上記反応からのZ−234(0.4982g、1.758ミリモル)に−78℃においてDIBAL(4.0mL、1.0Mトルエン中)を加えた。混合物を5時間にわたり−78℃においてそして次に30分間にわたり室温において撹拌した。濃縮しそして0℃に冷却した後に、0.5M水性ロシェ塩(50mL)および酢酸エチル(20mL)を加えそして混合物を3時間にわたり撹拌した。混合物を酢酸エチル(5X20mL)で抽出し、NaSO上で乾燥し、濃縮しそしてシリカゲル上で30%酢酸エチル/ヘキサン類を溶離剤として用いるクロマトグラフィーにかけた。生成物(0.3163g、74%収率)が透明な油として得られた。MS 242(M+H)。
【0197】
(Z)−3−(1−クロロ−2−プロピリデン)−ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(Z−236)。
CHCl(3mL)中の上記反応からのZ−235(0.1607g、0.6658ミリモル)にトリエチルアミン(0.28mL、2.0ミリモル)そして次に塩化メタンスルホニル(0.08mL、1.0ミリモル)を加え、そして生じた混合物を2時間にわたり撹拌した。この混合物を飽和水性NHClで処理し、CHCl(4X7mL)で抽出し、NaSO上で乾燥し、濃縮し、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(溶離剤として0−100%酢酸エチル/ヘキサン類勾配)にかけて0.1118g(65%)の透明油を与えた。MS 260(M+H)。
【0198】
(Z)−3−[1−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)−2−プロピリデン]−ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(Z−237)。
ジメチルホルムアミド(3mL)中の上記反応からのZ−236(0.0859g、0.331ミリモル)にカリウムフタルイミド(0.075g、4.0ミリモル)を加えた。混合物を3日間にわたり50℃において撹拌した。水(10mL)および食塩水(10mL)を加えそして混合物をCHCl(4X8mL)で抽出し、NaSO上で乾燥し、濃縮し、そしてシリカゲル上でクロマトグラフィー(溶離剤として0−40%酢酸エチル/ヘキサン類勾配)にかけてZ−237(0.0459g、38%)を白色固体として与えた。MS 371(M+H)。
【0199】
(Z)−3−[1−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)−2−プロピリデン]−ピペリジニル−1−カルボン酸エステル(Z−238)。
これは、133の代わりにZ−237を使用したこと以外は、135の合成におけるものと同じ工程により製造された。MS 271(M+H)。
【0200】
(E)−3−[1−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)−2−プロピリデン]−ピペリジニル−1−カルボン酸エステル(E−238)。
この幾何学的異性体はZ−234からZ−238への転化に関するものと同様な反応系列によりE−234から製造された。MS 271(M+H)。
【0201】
【化58】

【0202】
(2−オキソ−テトラヒドロ−フラン−3−イル)−ホスホン酸ジエチルエステル(86;スキームXXIII)はMurphy et al.Chemical Communications 1996、6、737−8に記載された工程に従い製造された。
【0203】
4−(2−オキソ−ジヒドロフラン−3−イリデン)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(87;スキームXXIII)はSato et al.Heterocycles、2001、54、747に記載されたものと同様な工程により製造された;MS=267(M+H)。
【0204】
【化59】

【0205】
3,3−ジメチル−4−オキソ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(88;スキームXXIV)はVice et al.J.Org.Chem.2001、66、2487−2492に記載された工程に従い製造された。
【0206】
4−(2−エトキシ−1−フルオロ−2−オキソエチリデン)−3,3−ジメチルピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(89;スキームXXIV)はSato
et al.Heterocycles、2001、54、747に記載されたものと同様な工程により製造された。
【0207】
【化60】

【0208】
4−(1−エトキシカルボニル−ブト−3−エニリデン)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(90;スキームXXV)。水素化ナトリウム(1.50g、37.6ミリモル)のTHF(100mL)中スラリーを0℃において窒素下で注意深くホスホノ酢酸トリエチル(8.12mL、37.6ミリモル)で注射器を介して処理した。30分後に、反応混合物を臭化アリル(3.3mL、37.6ミリモル)で処理しそして生じた混合物をそのまま25℃に12時間にわたり暖めた。生じた混合物を0℃に再冷却し、水素化ナトリウム(1.50g、37.6ミリモル)で処理し、そして生じたスラリーをそのまま30分間にわたり0℃において撹拌した。1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ピペリジノン(5.0g、25ミリモル)のTHF(50mL)中溶液をカニューレを介して10分間にわたり加えそして生じた溶液をそのまま25℃に12時間にわたり暖めた。15%水性炭酸水素ナトリウム(50mL)の添加により反応をクエンチしそして生じた混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、15%水性炭酸水素ナトリウム(2x100mL)で洗浄し、そして真空中で濃縮した。クロマトグラフィー(0−50%EtOAc/ヘキサン類)による精製が標記化合物(1.93g、25%)を黄色油として与えた:MS(M+H)=310。
【0209】
4−(1−エトキシカルボニル−3−メチル−ブト−3−エニリデン)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(91;スキームXXV)は、臭化アリルの代わりに塩化メチルアリルを使用したこと以外は、90に関して記載された工程に従い製造された。
【0210】
【化61】

【0211】
(1−ベンジル−ピペリジン−4−イリデン)ブロモ酢酸エチルエステル(92;スキームXXVI)。水素化ナトリウム(1.50g、37.6ミリモル)のTHF(100mL)中スラリーを0℃において窒素下で注意深くホスホノ酢酸トリエチル(8.12mL、37.6ミリモル)で注射器を介して処理した。30分後に、反応混合物を臭素(1.95mL、37.6ミリモル)で滴下漏斗を介して10分間にわたり処理しそして生じた混合物をそのまま3時間にわたり撹拌した。反応混合物を水素化ナトリウム(1.50g、37.6ミリモル)で処理しそして生じたスラリーをそのまま30分間にわたり0℃において撹拌した。1−ベンジルピペリジン−4−オン(5.0g、25ミリモル)のTHF(50mL)中溶液をカニューレを介して10分間にわたり加えそして生じた溶液をそのまま25℃に12時間にわたり暖めた。15%水性炭酸水素ナトリウム(50mL)の添加により反応をクエンチしそして生じた混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、15%水性炭酸水素ナトリウム(2x100mL)で洗浄し、そして真空中で濃縮した。クロマトグラフィー(0−50%EtOAc/ヘキサン類)による精製が標記化合物(6.35g、74%)を赤褐色油として与えた:MS(M=H)=339.
【0212】
表6に挙げられたアルコール類は、t−ブチル4−(2−エトキシ−2−オキソエチリデン)ピペリジニル−1−カルボン酸(24)の代わりに対応するエチリデンカルボン酸を使用したこと以外は、4−(2−ヒドロキシエチリデン)ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(25)に関して記載されたものと同様な方法で製造された。
【0213】
【表8】

【0214】
【化62】

【0215】
2−ピペリジン−4−イリデン−エタノールトリフルオロ酢酸塩(103;スキームXXVII)。25(191mg、0.5ミリモル)の溶液をCHCl2(10mL)の中に溶解させそしてトリフルオロ酢酸(0.5mL)で室温において処理した。1時間後に、反応混合物を真空中で濃縮して標記化合物(64mg、100%)を油として与えた。MS 129(M+H)。
【0216】
2−ピペリジン−4−イリデン−プロパン−1−オールトリフルオロ酢酸塩(105;スキームXXVII)は、29を使用したこと以外は、103に関して記載された工程に従い製造された。MS 142(M+H)。
【0217】
2−フルオロ−2−ピペリジン−4−イリデン−エタノールトリフルオロ酢酸塩(104;スキームXXVII)は、28を使用したこと以外は、103に関して記載された工程に従い製造された。MS 146(M+H)。
【0218】
【化63】

【0219】
4−(2−エトキシカルボニルオキシ−1−フルオロエチリデン)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(106;スキームXXVIII)。CHCl(10mL)中のアルコール28(0.5064g、2.064ミリモル)に室温においてピリジン(0.23mL、2.8ミリモル)をそして次にクロロ蟻酸エチル(0.22mL、2.2ミリモル)を加えた。一晩にわたり撹拌した後に、飽和水性NHCl(10mL)を加えそして混合物をCHCl(5X10mL)で抽出し、NaSO上で乾燥し、濃縮しそしてシリカ上でクロマトグラフィー(溶離剤として20%EtOAc/ヘキサン)にかけて標記化合物106(0.4546g、69%)を透明な油として与えた。MS 318(M+H)。
【0220】
4−(2−エトキシカルボニルオキシ−1−フルオロ−エチリデン)−ピペリジン(107;スキームXXVIII)。CHCl(3mL)中の化合物106(0.1787g、0.5631ミリモル)にTFA(0.56mL、7.3ミリモル)を加えそして混合物を3時間にわたり撹拌し、そこで全ての揮発性物質を真空中で除去して粗製標記化
合物を与え、それをさらなる精製なしに使用した。MS 218(M+H)。
【0221】
【化64】

【0222】
4−(1−クロロ−2−オキソエチリデン)−ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(108;スキームXXIX)。CHCl中のアルコール30(6.01g、23.0ミリモル)に室温においてそして空気に開放してデス−マーチン試薬(21.17g、49.9ミリモル)を加えそして反応混合物を一晩にわたり撹拌し、そこで混合物を飽和水性Na(60mL)および飽和水性NaHCO(3X30mL)で洗浄した。有機層をNaSO上で乾燥し、濃縮しそしてシリカ上でクロマトグラフィー(溶離剤として25%EtOAc/ヘキサン)にかけて標記化合物108(5.22g、88%)を白色結晶性固体として与えた。MS 260(M+H)。
【0223】
4−(1−クロロ−2−プロペニリデン)ピペリジン−1−カルボン酸t−ブチル(109;スキームXXIX)。THF(40mL)中の臭化メチルトリフェニルホスホニウム(5.51g、15.4ミリモル)を0Cにおいてナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(15.4mL、1.0M中のTHF)で処理しそして20分間にわたり撹拌し、そこでTHF(15mL)中の化合物108(2.05g、7.89ミリモル)をカニューレを介して加えそして混合物を室温に暖めながら3時間にわたり撹拌した。飽和水性NHCl(20mL)を加えることにより混合物をクエンチしそして水層をEtOAc(6X20mL)で抽出した。一緒にした有機層をNaSO上で乾燥し、濃縮しそしてシリカ上でクロマトグラフィー(0−10%MeOH/CHCl勾配で溶離する)にかけて標記化合物109(1.94g、96%)を白色結晶性固体として与えた。MS 258(M+H)。
【0224】
4−(1−クロロ−2−プロペニリデン)ピペリジンTFA塩(110;スキームXXIX)。CHCl(5mL)中の化合物109(0.1415g、0.5489ミリモル)にTFA(0.55mL、7.1ミリモル)を加えそして混合物を3時間にわたり撹拌し、そこで全ての揮発性物質を真空中で除去した。このようにして得られた粗製標記化合物をさらなる精製なしに使用した。MS 158(M+H)。
【0225】
表7に挙げられた保護されたアミン類は、4−(2−ヒドロキシエチリデン)ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(25)の代わりに対応するアルコールを使用したこと以外は4−[2−(1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−イル)エチリデン]−ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(26)に関して記載されたものと同様な方法で製造された。
【0226】
【表9】

【0227】
【表10】

【0228】
表8に挙げられたアミン類は、4−[2−(1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−イル)エチリデン]−ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(26)の代わりに対応する保護されたアミンを使用したこと以外は、4−[2−(1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−イル)エチリデン]−1−ピペリジントリフルオロ酢酸塩(27)に関して記載されたものと同様な方法で製造された。
【0229】
【表11】

【0230】
【化65】

【0231】
2−(2−ブロモ−2−ピペリジン−4−イリデニルエチル)イソインドール−1,3−
ジオン塩酸塩(120:スキームXXX)。102(0.50g、1.17ミリモル)および1−クロロクロロ蟻酸エチル(0.7mL、6.2ミリモル)のジクロロエタン(10mL)中混合物を還流温度に2時間にわたり暖めた。生じた溶液を室温に放冷しそして真空中で濃縮した。残渣をメタノール(50mL)の中に溶解させそして還流温度に2時間にわたり暖めた。反応混合物を室温に放冷しそして真空中で濃縮して白色固体を与えた。残渣をジエチルエーテル(2x)で洗浄しそして乾燥して標記化合物(432mg、100%)を橙色油として与えた。MS 336(M+H)。
【0232】
スキームXVの化合物Z−37およびE−37:
(E/Z)−クロロ(1−ベンジル−3−ピロリジニリデン)酢酸エチル(34)。1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ピペリジノンの代わりに1−ベンジル−ピロリジン−3−オンを使用しそしてホスホノ酢酸トリエチルの代わりに2−クロロホスホノ酢酸トリエチルを使用したこと以外は、24の合成と同じ工程により製造された。MS 280(M+H)。
【0233】
(E/Z)−2−(1−ベンジル−3−ピロリジニリデン)−2−クロロエタノール(35)。24の代わりに34を使用したこと以外は、25の合成と同じ工程により製造された。MS 283(M+H)。
【0234】
【化66】

【0235】
(E/Z)−2−[2−(1−ベンジル−3−ピロリジニリデン)−2−クロロエチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(E−36およびZ−36)。25の代わりに35(1.58g)を使用したこと以外は、26の合成と同じ工程により製造された。E/Z異性体をMPLC(0−45%酢酸エチル/ヘキサン類)により分離してZ−36(430mg、MS 367(M+H))を赤味がかった油としてそしてE−36
(420mg、MS 367(M+H))を赤味がかった油として与えた。
【0236】
(E)−2−[2−クロロ−2−(3−ピロリジニリデン)エチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン塩酸塩(E−37)。E−36(0.430g、1.45ミリモル)および1−クロロクロロ蟻酸エチル(0.7mL、6.2ミリモル)のジクロロエタン(10mL)中混合物を還流温度に2時間にわたり暖めた。生じた溶液を室温に放冷し、そして真空中で濃縮した。残渣をメタノール(50mL)の中に溶解させそして還流温度に2時間にわたり暖めた。反応混合物を室温に放冷しそして真空中で濃縮して白色固体を与えた。残渣をジエチルエーテル(2x)で洗浄しそして乾燥してE−37(200mg、50%)を褐色油として与えた。MS 277(M+H)。
【0237】
(Z)−2−[2−クロロ−2−(3−ピロリジニリデン)エチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン塩酸塩(Z−37)。E−36の代わりにZ−36を使用したこと以外はE−37の合成と同じ工程により製造された。MS 277(M+H)。
【0238】
【化67】

【0239】
スキームXVIの化合物39および41:
(E)−4−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)エチリデン]−3−ヒドロキシ−ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(38)。SeO(0.5g、6.06ミリモル)のCHCl(5mL)中スラリーを0℃において過酸化tert−ブチル(2.5mL、9.09ミリモル、5−6M、10%ウンデカン中)で注射器を介して処理した。20分後に、反応混合物をエチリデン26(1.44g、4.04ミリモル)のCHCl(15mL)中溶液で処理しそして生じた混合物をそのまま12時間にわたり室温において撹拌した。15%水性チオ硫酸ナトリウム(15mL)の添加により反応を注意深くクエンチし、そして反応混合物をCHCl(25mL)で希釈した。層を分離し、そして有機層を15%水性チオ硫酸ナトリウム(15mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過しそして真空中で濃縮した。フ
ラッシュクロマトグラフィーによる精製(シリカゲル、0−75%酢酸エチル/ヘキサン類)が標記化合物38(0.51g、33%)を白色固体として与えた。MS 373(M+H)。
【0240】
(E)−4−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)エチリデン]−3−ヒドロキシピペリジン(39)。26の代わりに38を使用したこと以外は、27の合成と同じ工程により製造された。MS 273(M+H)。
【0241】
(E)−4−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)エチリデン]−3−メトキシイミノ−ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(40)。38(0.51g、1.37ミリモル)のCHCl(15mL)中溶液を25℃においてデス−マーチンペリオジナン(0.254g、0.60ミリモル)で処理した。1時間後に、反応混合物をCHCl(25mL)で希釈し、10%水性NaHCO(3x25mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過しそして真空中で濃縮した。残渣をさらなる精製なしに次の段階で使用した。残渣のピリジン(6mL)中溶液をメタノール(36mL)中で25℃においてメトキシアミン塩酸塩(0.835g、6.0ミリモル)で処理した。2分後に、反応混合物を還流温度に5時間にわたりに暖め、酢酸エチル(25mL)で希釈し、10%水性NaHCO(3x25mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過しそして真空中で濃縮して40(230mg、42%)を橙色残渣として与えた。残渣をさらなる精製なしに次の段階で使用した。MS 400(M+H)。
【0242】
(E)−4−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)エチリデン]−3−メトキシイミノ−ピペリジン(41)。26の代わりに40を使用したこと以外は27の合成と同じ工程により製造された。MS 300(M+H)。
【0243】
【化68】

スキームXVIIの化合物43:
(Z)−4−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)−1−メチルエチリデン]−3−ヒドロキシ−ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(42)。SeO(1.3g、11.4ミリモル)のCHCl(15mL)中スラリーを0℃において過酸化tert−ブチル(4mL、22ミリモル、5−6M、ウンデカン中10%)で注射器を介して処理した。20分後に、反応混合物をエチリデン29(3.4g、9.1ミリモル)のCHCl(15mL)中溶液で処理しそして生じた混合物をそのまま12時間にわたり室温において撹拌した。15%水性チオ硫酸ナトリウム(15mL)の添加により反応を注意深くクエンチし、そして反応混合物をCHCl(25mL)で希釈した。層を分離し、そして有機層を15%水性チオ硫酸ナトリウム(15mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過しそして真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによる精製(シリカゲル、0−75%酢酸エチル/ヘキサン類)が標記化合物42(1.2g、34%)を白色固体として与えた。MS 387(M+H)。
【0244】
(Z)−4−[2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)1−メチル−エチリデン]−3−ヒドロキシ−ピペリジン(43)。26の代わりに42を使用したこと以外は27の合成と同じ工程により製造された。MS 287(M+H)。
【0245】
【化69】

【0246】
スキームXVIIIの化合物48:
3−フルオロ−4−オキソピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(44)は米国特許第5837715号明細書に従い製造された。
【0247】
(E/Z)−4−(2−エトキシ−2−オキソエチリデン)−3−フルオロピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(45)。1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ピペリジノンの代わりに44を使用したこと以外は24の合成と同じ工程により製造された。MS 288(M+H)。
【0248】
(E/Z)−4−(2−ヒドロキシエチリデン)−3−フルオロピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(46)。24の代わりに45を使用したこと以外は25の合成と同じ工程により製造された。MS 246(M+H)。
【0249】
(E/Z)−4−[2−(1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−イル)エチリデン]−3−フルオロ−ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(47)。25の代わりに46を使用したこと以外は26の合成と同じ工程により製造された。MS 375(M+H)。
【0250】
(E/Z)−4−[2−(1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−イル)エチリデン]−3−フルオロピペリジントリフルオロ酢酸塩(48)。26の代わりに47を使用したこと以外は27の合成と同じ工程により製造された。MS 2
75(M+H)。
【0251】
【化70】

【0252】
スキームXIXの化合物Z−53およびE−53:
1−[3−メチル−1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニリデニル]−1−フルオロ酢酸エチル(50)。1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ピペリジノンの代わりに49を使用しそしてホスホノ酢酸トリエチルの代わりに2−フルオロホスホノ酢酸トリエチルを使用したこと以外は24の合成と同じ工程により製造された。MS 292(M+H)。
【0253】
2−[3−メチル−1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニリデニル]−2−フルオロエタノール(E−51およびZ−51)。50(2.68g、9.19ミリモル)のテトラヒドロフラン(50mL)中溶液を0℃においてスーパー−ハイドライド(Super−Hydride)Oの溶液(23mL、23ミリモル、テトラヒドロフラン中1.0M、アルドリッヒ(Aldrich))で窒素下で処理した。1時間後に、反応混合物を注意深くメタノール(10mL)で処理し、酢酸エチル(50mL)で希釈し、10%水性NaHCO(3x50mLで洗浄し)、乾燥し(MgSO)そして真空中で濃縮した。MPLCによる精製(シリカゲル、0−50%酢酸エチル/ヘキサン類)がZ−異性体51(0.84g、37%)(MS 250(M+H))を無色油としてそしてE−異性体51(0.97g、42%)(MS 250(M+H))を無色油として与えた。
【0254】
(Z)−2−[2−(3−メチル−1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニリデニル)−2−フルオロエチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(Z−52)。25の代わりにZ−51を使用したこと以外は26の合成と同じ工程により製造された。MS 379(M+H)。
【0255】
(E)−2−[2−(3−メチル−1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニリデニル)
−2−フルオロエチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(E−52)。25の代わりにE−51を使用したこと以外は26の合成と同じ工程により製造された。MS 379(M+H)。
【0256】
(Z)−2−[2−フルオロ−2−(3−メチル−4−ピペリジニリデニル)−エチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン塩酸塩(Z−53)。Z−52(0.550g、1.45ミリモル)および1−クロロクロロ蟻酸エチル(0.63mL、5.8ミリモル)のジクロロエタン(15mL)中混合物を還流温度に2時間にわたり暖めた。生じた溶液を室温に放冷し、そして真空中で濃縮した。残渣をメタノール(50mL)の中に溶解させそして還流温度に2時間にわたりに暖めた。反応混合物を室温に放冷しそして真空中で濃縮して白色固体を与えた。残渣をジエチルエーテル(2x)で洗浄しそして乾燥してZ−53(260mg、55%)を白色固体として与えた。MS 289(M+H)。
【0257】
(E)−2−[2−フルオロ−2−(3−メチル−4−ピペリジニリデニル)−エチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン塩酸塩(E−53)。Z−52の代わりE−52にを使用したこと以外はZ−52の合成と同じ工程により製造された。MS 289(M+H)。
【0258】
【化71】

【0259】
4−(2−オキソ−プロピリデン)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(54)。国際特許公第開0285901号パンフレットに記載されたものと同じ工程により製造された。
【0260】
4−(1−クロロ−2−オキソ−プロピリデン)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(55)。
【0261】
塩化テトラブチルアンモニウム(11.1g、40.1ミリモル)のCHCl(50mL)中スラリーを25℃において1,1,1−トリス(アセチルオキシ)−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードキソール−3(1H)−オン(17.0g、40.1ミリモル)で処理しそして生じた淡黄色溶液をそのまま10分間にわたり撹拌した。反応混合物を54のCHCl(50mL)中溶液で処理しそして生じた溶液をそのまま3時間にわたり撹拌した。淡黄色溶液を注意深く10%水溶液炭酸水素ナトリウム(100mL)の中に注ぎ、CHCl(50mL)で希釈し、沈澱を誘発し、濾過し、そして沈殿を廃棄した。生じた透明溶液を10%水溶液炭酸水素ナトリウム(1x100mL)、食塩水(1x100mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、そして真空中で濃縮した。MPLCによる精製(0−40%酢酸エチル/ヘキサン類)が55(1.24g、34%)を無色油として与えた。MS 274(M+H)。
【0262】
4−(1−クロロ−2−ヒドロキシプロピリデン)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(56)。
55(1.24g、4.53ミリモル)のエタノール(25mL)中溶液をホウ水素化ナトリウム(102mg、2.72ミリモル)で25℃において処理した。1時間後に、反応混合物を真空中で濃縮し、酢酸エチル(40mL)で希釈し、5%水性塩酸(1x25mL)で注意深く処理し、層を分離し、そして乾燥した(MgSO)。生じた溶液を真空中で濃縮して56(902.1mg、72%)を無色残渣として与え、それをさらなる精製なしに使用した。MS 298(M+Na)。
【0263】
4−[1−クロロ−2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−プロピリデン]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(57)。25の代わりに56を使用したこと以外は26の合成と同じ工程により製造された。MS 427(M+Na)。
【0264】
2−[(2−クロロ−1−メチル−2−(4−ピペリジニリデン)エチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(58)。26の代わりに56を使用したこと以外は27の合成と同じ工程により製造された。MS 305(M+H)。
【0265】
【化72】

【0266】
1−ベンズヒドリラゼチジン−3−オン(XX)はClaiborne他の国際公開第01/01988号パンフレットに記載された工程に従い製造された。
【0267】
1−[1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イリデン]−1−フルオロ酢酸エチル(122;R=F)。2−フルオロ−2−ホスホノ酢酸トリエチル(0.63mL、3.10ミリモル)を無水THF(6mL)中のNaH(60%油中、115mg、2.87ミリモル)に0℃において加えた。撹拌した後に、15分間にわたり、ケトン121(562mg、2.37ミリモル)の無水THF(6mL)中溶液を加えた。反応物を室温に暖めそして一晩にわたり撹拌した。反応を酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和NaHCO(2x100mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過しそして真空中で濃縮した。粗製物質をクロマトグラフィー(100%CHCl)にかけてエステル122(R=F)(392mg、66%)を黄色油として与えた。MS 326(M+H)。
【0268】
1−[1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イリデン]−1−クロロ酢酸エチル(123;R=Cl)。これは、反応において2−フルオロ−2−ホスホノ酢酸トリエチルの代わりに2−クロロ−2−ホスホノ酢酸トリエチルを使用したこと以外は、上記の工程と同様な方法で製造された。エステル123(R=Cl)(77%)を白色固体として単離した。MS 342、344(M+H)。
【0269】
2−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イリデン)−2−フルオロエタノール(124;R=F)。DIBAL(トルエン中1M、4.2mL、4.2ミリモル)をエステル122(R=F)(510mg、1.56ミリモル)のトルエン(8mL)中溶液に−78℃において数分間にわたり加えた。反応を5時間にわたり撹拌しそして次にメタノールのトルエン中溶液のゆっくりした添加によりクエンチした。反応を酢酸エチル(100mL)で希釈し、NaOH(1N、2x50mL)、水(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)そして真空中で濃縮して、エーテル/ヘキサン類を用いる粉砕後にアルコール124(R=F、289mg、65%)を薄黄色固体として与えた。MS 284(M+H)。
【0270】
2−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イリデン)−2−クロロエタノール(125;R=Cl)。これは、エステル122(R=F)の代わりにエステル123(R=Cl)を使用したこと以外は上記の工程と同様な方法で、製造された。クロマトグラフィー(20%酢酸エチル/ヘキサン類)によりアルコール125(R=Cl)(53%)を白色固体として単離した。MS 300、302(M+H)。
【0271】
2−[2−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イリデン)−2−フルオロエチル]イソインドール−1,3−ジオン(126;R=F)。DIAD(0.89mL、4.489ミリモル)をアルコール124(R=F)(1.00g、3.533ミリモル)、トリフェニルホスフィン(1.14g、4.34ミリモル)およびフタルイミド(0.648g、4.527ミリモル)の無水THF(30mL)中溶液に0℃において加えた。反応物を室温に暖めそして36時間にわたり撹拌した。揮発分を蒸発させそして残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン類)にかけてフタルイミド126(R=F)(952mg、65%)を白色固体として与えた。MS 413(M+H)。
【0272】
2−[2−(1−ジフェニルメチルアゼチジン−3−イリデン)−2−クロロエチル]イソインドール−1,3−ジオン(127;R=Cl)。これは、ミツノブ反応においてアルコール124(R=F)の代わりにアルコール125(R=Cl)を使用したこと以外は上記の工程と同様な方法で、製造された。クロマトグラフィー(15%酢酸エチル/ヘキサン類)によりフタルイミド127(R=Cl)(68%)を白色固体として単離した。MS 429、431(M+H)。
【0273】
2−(2−アゼチジン−3−イリデン−2−フルオロエチル)イソインドール−1,3−ジオン塩酸塩(128;R=F)。1,2−ジクロロエタン(20mL)中のフタルイミド126(R=F)(350mg、0.8491ミリモル)およびACE−Cl(0.50mL、4.65ミリモル)を還流温度で窒素雰囲気下で24時間にわたり加熱した。冷却後に、揮発分を蒸発させそしてメタノール(25mL)を生じた残渣に加えた。これを還流温度で3時間にわたり加熱し、その後にメタノールを蒸発させて128(R=F)(230mg、96%)をベージュ色粉末として与えた。MS 247(M+H)。
【0274】
2−(2−アゼチジン−3−イリデン−2−クロロエチル)イソインドール−1,3−ジオン塩酸塩(129;R=Cl)。これは、反応においてフタルイミド126(R=F)の代わりにフタルイミド127(R=Cl)を使用したこと以外は上記の工程と同様な方法で、製造された。化合物(86%)を白色粉末として単離した。MS 263、265(M+H)。
【0275】
【化73】

【0276】
4−(1,2−ジクロロエチリデン)ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(131;R=Cl)。30(R=Cl)(4.24g、16.20ミリモル)およびトリエチルアミン(6.8mL、48.60ミリモル)のCHCl(120mL)中溶液を塩化メタンスルホニル(1.9mL、24.30ミリモル)で0℃において処理し、次に室温に暖めそして一晩にわたり撹拌した。生じた混合物を飽和水性NaHCO(100mL)の添加によりクエンチしそして生成物をCHCl中で抽出した。フラッシュクロマトグラフィー(0−20%酢酸エチル/ヘキサン類)による精製が標記化合物(3.1g、68%)を白色固体として与えた。
【0277】
4−(2−クロロ−1−フルオロエチリデン)ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(130;R=F)。これは、アルコール30(R=Cl)の代わりにアルコール28(R=F)を使用したこと以外は上記の工程と同様な方法で、製造された。
【0278】
4−[2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−1−クロロエチリデン]ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(133;R=Cl;R=メチル;R10=ベンジル)。131(R=Cl)(600mg、2.14ミリモル))およびトリエチルアミン(1.5mL、10.71ミリモル)のアセトニトリル(18mL)中溶液をN−ベンジルメチルアミン(0.45mL、3.43ミリモル)で室温において処理しそして一晩にわたり撹拌した。生じた混合物を真空中で濃縮し、そして残渣を酢酸エチル(20mL)で希釈し、水(2x10mL)で洗浄し、そして乾燥した(MgSO)。フラッシュクロマトグラフィー(0−15%酢酸エチル/ヘキサン類)による精製が標記化合物(690mg、88%)を白色固体として与えた。MS 365(M+H)。
【0279】
4−[2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−1−フルオロエチリデン]ピペリジニル−1−カルボン酸t−ブチル(132;R=F;R=メチル;R10=ベンジル)。これは、塩化物131(R=Cl)の代わりに塩化物130(R=F)を使用したこと以外は上記の工程と同様な方法で、製造された。MS 349(M+H)。
【0280】
N−ベンジル−N−メチル−(2−クロロ−2−ピペリジン−4−イリデン)エチルアミン(135;R=Cl;R=メチル;R10=ベンジル)。133(R=Cl)(
690mg、1.89ミリモル)の溶液をCHCl(15mL)の中に溶解させそしてトリフルオロ酢酸(1.5mL)で室温において処理した。5時間後に、反応混合物を真空中で濃縮して標記化合物(定量的)を油として与え、それをさらなる精製なしに次の段階で使用した。MS 265(M+H)。
【0281】
N−ベンジル−N−メチル−(2−フルオロ−2−ピペリジン−4−イリデン)エチルアミン(134;R=F;R=メチル;R10=ベンジル)。これは、アミン133(R=Cl)の代わりにアミン132(R=F)を使用したこと以外は上記の工程と同様な方法で、製造された。MS 249(M+H)。
【0282】
表9は上記のものと同様な工程により製造されるBoc−保護されたアミン類(136−147)および誘導されたアミン類(148−159)を挙げる。241の製造において使用される2−(2−アミノエチル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオンはTetrahedron:Asymmetry 2000、11、1907に記載されたものと同様な工程により合成された。
【0283】
【表12】

【0284】
【表13】

【0285】
【表14】

【0286】
【化74】

【0287】
4−(ブロモ−シアノ−メチリデン)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(278)。水素化ナトリウム(0.76g、19.0ミリモル)のTHF(75mL)中スラリーを0℃において窒素下で注意深くシアノメチル燐酸ジエチル(3.4g、19.0ミリモル)で注射器を介して処理した。気体発生が止んだ後に、反応混合物を臭素(3.04g、19.0ミリモル)で滴下漏斗を介して10分間にわたり処理し、そして生じた混合物をそのまま2時間にわたり撹拌した。反応混合物を水素化ナトリウム(0.76g、19.0ミリモル)で処理しそして生じたスラリーをそのまま30分間にわたり0℃において撹拌した。1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ピペリジノン(2.52g、12.7ミリモル)のTHF(10mL)中溶液を10分間にわたり滴下しそして生じた溶液をそのまま室温において一晩にわたり撹拌した。水(50mL)の添加により反応をクエンチしそして生じた混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和NHCl(100mL)、食塩水(100mL)で洗浄し、そして真空中で濃縮した。クロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン類=1:4)による精製が標記化合物(2.8g、74%)を白色固体として生じた。MS 301(M+H)。
【0288】
4−(1−シアノ−2−ヒドロキシ−エチリデン)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(279)。2,6−ジフェニルフェノール(10.5g、42ミリモル)の60mLのCHCl中溶液に室温においてAlMe(2.0M中のヘキサン、10.5mL、21ミリモル)を加えた。気体発生が観察されそして混合物を室温において30分間にわたり撹拌した。溶液を0℃に冷却しそして6mLのCHCl中の1,3,5−トリオキサン(630mg、7ミリモル)を滴下しそして溶液を1時間にわたり撹拌した。別のフラスコの中で4−(ブロモ−シアノ−メチリデン)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.1g、7ミリモル)を20mLのTHFの中に−40℃において溶解させそしてこの溶液に臭化イソプロピルマグネシウム(1M中のTHF、8.4mL、8.4ミリモル)を滴下した。混合物を−40℃〜−30℃において1.5時間にわたり撹拌した。上記の製造したてのグリニヤール試薬をホルムアルデヒド溶液に滴下しそして混合物を0℃において1時間にわたり撹拌した。水を注意深く加えそして混合物を酢酸エチルで抽出した。クロマトグラフィーによる精製(EtOAc/ヘキサン類=1:1)が標記化合物(800mg、45%)を白色固体として生じた。MS 253(M+H)。
【0289】
4−[1−シアノ−2−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−エチリデン]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(280)。この化合物は、25の代わりに279を使用したこと以外は26の合成と同様な方法で、製造された。MS 382(M+H)。
【0290】
3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−2−ピペリジン−4−イリデン−プロピオニトリル(281)。この化合物は、26の代わりに280を使用したこと以外は27の合成と同様な方法で、製造された。MS 282(M+H)。
【0291】
最終生成物製造
【0292】
【化75】

【0293】
7−[4−(2−アミノ−1−フルオロ−エチリデン)ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸(1)。アミン31(612mg、1.57ミリモル)およびトリエチルアミン(0.7mL、5.0ミリモル)のアセトニトリル(4mL)中溶液を7−クロロ−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−ナフトピリジン−3−カルボン酸(222mg、0.787ミリモル)で窒素下で処理しそして反応混合物をそのまま12時間にわたり撹拌した。生じた混合物を真空中で濃縮し、そして残渣を水(3x10mL)で洗浄した。残渣をそのまま15分間にわたり乾燥した。固体を集め、メタノール(5mL)の中に再懸濁させそそいて反応混合物をヒドラジン(1mL)で処理し。5分後に、反応混合物を還流温度に暖めそして生じた混合物をそのまま1時間にわたり撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、水で希釈しそして固体を濾過により集めた。灰白色生成物を水(3x20mL)で洗浄し、そのまま一晩にわたり乾燥して、標記化合物1(40.4mg、13%)を与えた。MS 391(M+H)。
【0294】
【化76】

【0295】
7−[4−(2−アミノ−1−フルオロ−エチリデン)ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩(5)。アミン31(311mg、0.80ミリモル)およびトリエチルアミン(0.55mL、4.0ミリモル)のアセトニトリル(4mL)中溶液をホウ酸ジアシルキノリニル17(300mg、0.60ミリモル)で窒素下で処理した。5分
後に、反応混合物を還流温度に暖めそして反応混合物をそのまま12時間にわたり撹拌した。生じた混合物を室温に放冷し、真空中で濃縮し、そして残渣を水(3x10mL)で洗浄した。残渣をテトラヒドロフラン(3mL)の中に溶解させそして10%水性塩酸(5mL)で室温において処理した。30分後に、反応混合物を真空中で濃縮し、水(10min)で希釈しそして固体を濾過により集めた。固体残渣を水(3x5mL)で洗浄しそしてそのまま15分間にわたり乾燥した。固体を集めそしてメタノール(5mL)の中に再懸濁させそして反応混合物をヒドラジン(1mL)で処理した。5分後に、反応混合物を還流温度に暖めそして生じた混合物をそのまま1時間にわたり撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮しそして残渣をHPLC(逆相C−18カラム、0−55%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水)により精製して5のトリフルオロ酢酸塩(61.3mg、20%)を淡黄色固体として与えた。MS 390(M+H)。
【0296】
【化77】

【0297】
7−[3−(2−アミノ−1−フルオロ−エチリデン)アゼチジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸(80)。アセトニトリル(10mL)中の7−クロロ−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロナフチリジン−3−カルボン酸(57mg、0.2016ミリモル)、アミン128(R=F)(67mg、0.2389ミリモル)およびトリエチルアミン(0.5mL)を還流温度で一晩にわたり加熱した。冷却後に、揮発分を蒸発させそして残渣を水(25mL)の中に懸濁させた。生じた固体を濾過により集めそして乾燥した。エタノール(5mL)を、引き続きヒドラジン(0.01mL、0.3138ミリモル)を、固体に加えた。反応混合物を還流温度において1時間にわたり加熱し、その後に揮発分を蒸発させた。水(15mL)を残渣に加えそして生じた固体を濾過により集め、追加の水で洗浄しそして乾燥して87(49.1mg、69%)を灰白色粉末として与えた。MS 363(M+H)。
【0298】
【化78】

【0299】
7−[3−(2−アミノ−1−フルオロ−エチリデン)アゼチジン−1−イル]−1−シクロプロピル−8−ジフルオロメトキシ−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(160)。アミン128(R=F)(83mg、0.2923ミリモル)、ホウ酸ジアシルキノリニル83(111mg、0.2413ミリモル)およびトリエチルアミン(0.5mL)のアセトニトリル(10mL)中溶液を還流温度で一晩にわたり加熱した。揮発分を蒸発させそして次にTHF(5mL)および10%水性HCl(4mL)を残渣に加えた。この混合物を約1時間にわたり撹拌した。生じた固
体を濾過により集め、水で洗浄しそして乾燥した。エタノール(4mL)およびヒドラジン(0.01mL)を固体に加えそして反応物を還流温度で1.5時間にわたり加熱した。エタノールを真空中で蒸発させそして水(20mL)を残存する物質に加えた。固体を集めそして乾燥して160(20%)を黄色固体として与えた。MS 428(M+H)。
【0300】
【化79】

【0301】
7−{4−[2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−1−クロロエチリデン]ピペリジン−1−イル}−1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩(161)。アミン135(1.89ミリモル)およびトリエチルアミン(1.2mL、8.59ミリモル)のアセトニトリル(15mL)中溶液をホウ酸ジアシルキノリニル19(727mg、1.72ミリモル)で窒素下で処理した。5分後に、反応混合物を還流温度に暖めそして反応混合物をそのまま24時間にわたり撹拌した。生じた混合物を室温に放冷し、そして次に真空中で濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン(5mL)の中に溶解させ、10%水性塩酸(5mL)で室温において処理しそして一晩にわたり撹拌した。生じた混合物を真空中で濃縮しそして残渣をHPLC(逆相C−18カラム、30−90%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水)により精製して161のトリフルオロ酢酸塩(632mg、56%)を黄色固体として与えた。MS 540(M+H)。
【0302】
【化80】

【0303】
7−{4−[2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)−1−クロロエチリデン]ピペリジン−1−イル}−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸(162)。アミン135(0.48ミリモル)およびトリエチルアミン(0.28mL、2.0ミリモル)のアセトニトリル(7mL)中溶液を7−クロロ−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸(113mg、0.40ミリモル)で窒素下で処理した。5分後に、反応混合物を還流温度に暖めそして反応混合物をそのまま24時間にわたり撹拌した。生じた混合物を室温に放冷し、真空中で濃縮しそして残渣を水で希釈した。生成物を濾過により集め、そして次に水および少量のメタノールで洗浄して標記化合物(178mg、87%)を白色固体として与えた。MS 511(M+H)。
【0304】
【化81】

【0305】
7−[4−(2−ヒドロキシエチリデン)ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸(163)。アミン103(256mg、1.06ミリモル)およびトリエチルアミン(0.5mL、3.55ミリモル)のアセトニトリル(4mL)中溶液を7−クロロ−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−ナフチリジン−3−カルボン酸(200mg、0.71ミリモル)で窒素下で処理しそして反応混合物をそのまま16時間にわたり撹拌した。生じた混合物を真空中で濃縮し、そして残渣を水(3x10mL)で洗浄しそしてそのまま一晩にわたり乾燥して、標記化合物163(105mg、40%)を与えた。MS 374(M+H)。
【0306】
【化82】

【0307】
7−[4−(ヒドロキシエチリデン)ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(164)。アミン103(146mg、0.61ミリモル)およびトリエチルアミン(0.55mL、4.0ミリモル)のアセトニトリル(4mL)中溶液をホウ酸ジアシルキノリニル17(125mg、0.60ミリモル)で窒素下で処理した。5分後に、反応混合物を還流温度に暖めそして反応混合物をそのまま12時間にわたり撹拌した。生じた混合物を室温に放冷し、真空中で濃縮し、そして残渣を水(3x10mL)で洗浄した。残渣をテトラヒドロフラン(3mL)の中に溶解させそして10%水性塩酸(5mL)で室温において処理した。30分後に、反応混合物を真空中で濃縮し、水(10min)で希釈しそして固体を濾過により集めた。固体残渣を水(3x5mL)で洗浄しそしてそのまま15分間にわたり乾燥した。固体を集めて157(5.1mg、2.2%)を淡黄色固体として与えた。MS 373(M+H)。
【0308】
【化83】

【0309】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−[4−(1−フルオロ−2−イソプロピルアミノ−エチリデン)−ピペリジン−1−イル]−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩(252)。アミン246(0.12ミリモル)、ジフルオロホウ酸エステル223(34mg、0.10ミリモル)、およびトリエチルアミン(0.07mL)を無水アセトニトリル(2mL)の中で還流温度に窒素雰囲気下で24時間にわたり加熱した。冷却後に、揮発分を真空中で蒸発させた。エタノール(5mL)およびトリエチルアミン(0.5mL)を残渣に加えた。これを還流温度に19時間にわたり加熱した。揮発分を蒸発させそして残渣をHPLC(逆相C−18カラム、36−50%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水)により精製して252のトリフルオロ酢酸塩(11.4mg、20%)を淡黄色固体として与えた。MS 462(M+H)。
【0310】
【化84】

【0311】
(E)−7−[3−(2−アミノ−1−フルオロ−エチリデン)−ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩(253)。アミンE−232(0.276ミリモル)およびトリエチルアミン(0.16mL、1.152ミリモル)のアセトニトリル(5mL)中溶液を7−クロロ−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフスピリジン−3−カルボン酸(65mg、0.230ミリモル)で窒素下で処理した。5分後に、反応混合物を還流温度に加熱しそして反応混合物をそのまま24時間にわたり撹拌した。生じた混合物を室温に放冷しそして真空中で濃縮した。残渣をメタノール(5mL)の中に再懸濁させそして反応混合物をヒドラジン(1mL)で処理した。生じた混合物を室温において一晩にわたり撹拌しそして真空中で濃縮した。残渣をHPLC(逆相C−18カラム、25−40%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水)により精製してE−232のトリフルオロ酢酸塩(95.6mg、82%)を白色固体として与えた。MS 391(M+H)。
【0312】
【化85】

【0313】
(E)−7−[3−(2−アミノ−1−フルオロ−エチリデン)−ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩(256)。アミンE−232(0.260ミリモル)およびトリエチルアミン(0.15mL、1.085ミリモル)のアセトニトリル(5mL)中溶液をホウ酸ジアシルキノリニル17(85mg、0.217ミリモル)で窒素下で処理した。5分後に、反応混合物を還流温度に加熱しそして反応混合物をそのまま24
時間にわたり撹拌した。生じた混合物を室温に放冷しそして真空中で濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン(2mL)の中に溶解させ、10%水性塩酸(2mL)で室温において処理し、そして一晩にわたり撹拌した。生じた混合物を真空中で濃縮し、残渣をメタノール(2mL)の中に再懸濁させそして反応混合物をヒドラジン(0.5mL)で処理した。生じた混合物を室温において一晩にわたり撹拌しそして真空中で濃縮した。残渣をHPLC(逆相C−18カラム、25−50%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水)により精製して256のトリフルオロ酢酸塩(27mg、25%)を黄色固体として与えた。MS 390(M+H)。
【0314】
【化86】

【0315】
(E)−7−[3−(2−アミノ−1−クロロ−エチリデン)−ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩(261)。アミンE−233(0.256ミリモル)、ジフルオロホウ酸エステル223(73mg、0.213ミリモル)、およびトリエチルアミン(0.15mL)を無水アセトニトリル(5mL)中で還流温度に窒素雰囲気下で24時間にわたり加熱した。冷却後に、揮発分を真空中で蒸発させた。エタノール(5mL)およびトリエチルアミン(0.5mL)を残渣に加えた。これを還流温度に19時間にわたり加熱した。揮発分を蒸発させ、残渣をメタノール(2mL)の中に再懸濁させ、そして反応混合物をヒドラジン(0.5mL)で処理した。生じた混合物を室温において一晩にわたり撹拌しそして真空中で濃縮した。残渣をHPLC(逆相C−18カラム、35−50%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水)により精製して、261のトリフルオロ酢酸塩(26.6mg、23%)を黄色固体として与えた。MS 436(M+H)。
【0316】
【化87】

【0317】
7−[−4−(2−アミノ−1−クロロエチリデン)ピペリジン−1−イル}−1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸(7)。アミン33(34.95ミリモル)、ジフルオロホウ酸エステル223(7.29g;21.25ミリモル)およびトリエチルアミン(35mL)を無水アセトニトリル(250mL)中で還流温度に窒素雰囲気下で36時間にわたり加熱した。冷却後に、揮発分を真空中で蒸発させた。エタノール(350mL)およびトリエチルアミン(30mL)を残渣に加えた。これを還流温度に38時間にわたり加熱した。揮発分を蒸発させそして水(250mL)を残渣に加えた。生じた固体を濾過により集め、追加の水で洗浄しそして乾燥した。この固体をエタノール(100mL)の中に懸濁させそ
してヒドラジン(2.5mL;80ミリモル)を加えた。反応物を60℃に窒素雰囲気下で2時間にわたり加熱した。揮発分を蒸発させた。残渣への水の添加後に、固体を集め、水で洗浄しそして乾燥して7を与えた。MS 436(M+H)。
【0318】
【化88】

【0319】
7−[−4−(2−アミノ−1−クロロ−エチリデン)ピペリジン−1−イル}−1−シクロプロピル−6−フルオロ−5−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸(263)。アミン33(1.15ミリモル)、ジフルオロホウ酸エステル224(145mg;0.4433ミリモル)およびトリエチルアミン(2.5mL)を無水アセトニトリル(10mL)中で還流温度に窒素雰囲気下で48時間にわたり加熱した。揮発分を蒸発させた。1,2−ジクロロエタン(10mL)、エタノール(20mL)およびトリエチルアミン(2mL)を加えそして懸濁液を還流温度に36時間にわたり加熱した。揮発分を蒸発させた。水(30mL)を残渣に加えた。生じた固体を濾過により集め、水で洗浄しそして乾燥してフタルイミド−保護されたアミン(226mg、93%)を与えた。メタノール(30mL)の中に懸濁させたこの固体(220mg;0.40ミリモル)およびヒドラジン(0.05mL;1.59ミリモル)を60℃に5.5時間にわたり加熱した。揮発分を蒸発させそして水(25mL)をゴム状残渣に加えた。数分後に、固体が生成した。これを濾過し、水で洗浄しそして乾燥した。263(146mg;87%)を薄ベージュ色粉末として単離した。MS 420(M+H)。
【0320】
【化89】

【0321】
7−[−3−(2−アミノ−1−クロロエチリデン)アゼチジン−1−イル}−1−(6−アミノ−3,5−ジフルオロピリジ−2−イル)−8−クロロ−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸(268)。
1−(6−アミノ−3,5−ジフルオロ−2−ピリジニル)−8−クロロ−6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸(0.412ミリモル)(国際公開第09/11068号パンフレットおよび米国特許第4,885,386号明細書に記載された方法により製造される)、アミン129(0.455ミリモル)、およびトリエチルアミン(0.3mL)を無水アセトニトリル(10mL)中で55°Cにおいて窒素雰囲気下で1時間にわたり加熱した。冷却後に、揮発分を真空中で蒸発させそして水を残渣に加えた。生じた固体を濾過により集め、追加の水で洗浄しそして乾燥した。この固体をメタノール(10mL)の中に懸濁させそしてヒドラジン(0.1mL、
2.233ミリモル)で処理した。反応物を窒素雰囲気下で6時間にわたり撹拌した。揮発分を蒸発させた。残渣への水の添加後に、固体を集め、メタノールで洗浄しそして乾燥して標記化合物(37%)を与えた。MS 501(M+H)。
【0322】
【化90】

【0323】
7−[−4−(2−アミノ−1−クロロエチリデン)ピペリジン−1−イル}−1−(6−アミノ−3,5−ジフルオロピリジ−2−イル)−8−クロロ−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸(270)。
アミン33(1.0ミリモル)、1−(6−アミノ−3,5−ジフルオロ−2−ピリジニル)−8−クロロ−6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸(0.5ミリモル)(国際公開第09/11068号パンフレットおよび米国特許第4,885,386号明細書に記載された方法により製造される)、およびトリエチルアミン(1.0ミリモル)を無水ジメチルスルホキシド(1.5mL)中で70℃に窒素雰囲気下で1時間にわた加熱した。次に、エタノール(25mL)を反応に加えそしてそれを90℃に10分間にわたり加熱した。冷却後に、生じた固体を濾過により集め、追加のエタノールで洗浄しそして乾燥した。この固体をエタノール(10mL)の中に懸濁させそしてメチルアミン(エタノール33%中、0.15mL)を加えた。反応物を窒素雰囲気下で70時間にわたり撹拌した。揮発分を蒸発させた。残渣への水の添加後に、固体を集め、水で洗浄しそして乾燥して、標記化合物(57%)を与えた。MS 529(M+H)。
【0324】
【化91】

【0325】
(S)−9−[4−(2−ジメチルアミノ−1−フルオロ−エチリデン)−ピペリジン−1−イル]−8−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]−1,4−ベンゾキサジン−6−カルボン酸(295)。157(0.553ミリモル)のアセトニトリル(7mL)中溶液にS−(−)−9,10−ジフルオロ−2,3−ジヒドロ−3−メチル−7−オキソ−7H−ピリド[1,2,3−de]−1,4−ベンゾキサジン−6−カルボン酸(0.0762g、0.271ミリモル)をそして次にトリエチルアミン(0.79mL)を加えた。この混合物を5時間にわたり還流しそして次に溶媒を真空中で除去した。生じた固体をジメチルスルホキシドの中に溶解させそしてHPLC(逆相C−18カラム、10−90%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水)により精製した。集めた画分を凍結乾燥して0.005
2gの黄色固体(3.5%に関する収率TFA塩)を与えた。MS 434(M+H)。
【0326】
【化92】

【0327】
7−[4−(1−クロロ−2−ジメチルアミノ−エチリデン)−ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩(298)。アセトニトリル(7mL)中の149(0.506ミリモル)に1−シクロプロピル−1,4−ジヒドロ−6,7−ジフルオロ−4−オキソ−キノリン−3−カルボン酸(0.0699g、0.264ミリモル)をそして次にトリエチルアミン(0.76mL)を加えた。この混合物を5時間にわたり還流しそして次に溶媒を真空中で除去した。生じた固体をジメチルスルホキシドの中に溶解させそしてHPLC(逆相C−18カラム、10−90%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水)により精製した。集めた画分を凍結乾燥して0.1024gの黄褐色固体(71%に関する収率TFA塩)を与えた。MS 434(M+H)。
【0328】
表4は以上で詳述された実験工程により製造される本発明の別の化合物を挙げる。ナフチリジン類2−4、59−63、69、および173−176の場合には、化合物1に関するものと同様な実験工程をそれらの製造において使用した。ナフチリジン類171、172、185および271に関しては、163に関するものと同様な工程を使用した。ナフチリジン類81、183および184に関しては、80に関するものと同様な実験工程を使用した。ナフチリジン類165−170、177−182、186、および247に関しては、162に関するものと同様な方法をそれらの製造において使用した。ナフチリジン類254および255の場合には、化合物253に関するものと同様な実験工程をそれらの製造において使用した。キノロン類262および273は上記の7の製造と同様な方法で製造された。キノロン類6、8−15、64−66、70、71、73、78、187、188、201−204、206−208、210、272、および274−277に関しては、化合物5に関するものと同様な実験工程をそれらの製造において使用した。上記の方法の他に、キノロン7も5に関して使用されたものと同様な方法により製造できた。キノロン類76、77、189、205、および209に関しては、160に関するものと同様な工程をそれらの製造において使用した。キノロン類190−200および248−251に関しては、161に関するものと同様な工程を使用した。キノロン211に関しては、163に関するものと同様な方法をその製造において使用した。キノロン類257−260の場合には、化合物256に関するものと同様な実験工程をそれらの製造において使用した。キノロン269はキノロン268キノロン類299および300をキノロン298と同様な方法で製造した。キノロン301はキノロン256キノロン類302および303はキノロン261と同様な方法で製造した。
【0329】
【表15】

【0330】
【表16】

【0331】
【表17】

【0332】
【表18】

【0333】
【表19】

【0334】
【化93】

【0335】
7−[4−(1−クロロ−2−メチルアミノエチリデン)ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩(72)。
【0336】
161(160mg、0.24ミリモル)の溶液を1,2−ジクロロエタン(4mL)の中に溶解させそして1−クロロクロロ蟻酸エチル(0.8mL、7.3ミリモル)で窒素下で処理した。5分後に、反応混合物を還流温度に暖めそして反応混合物をそのまま3時間にわたり撹拌した。生じた混合物を室温に放冷し、そして次にそれを真空中で濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン(5mL)の中に溶解させ、NaHCOおよび水の添加により室温においてpH>7に調節しそして一晩にわたり撹拌した。生じた混合物を真空中で濃縮しそして残渣をHPLC(逆相C−18カラム、35−90%アセトニトリル/
0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水)により精製して、72のトリフルオロ酢酸塩(37mg、27%)を黄色固体として与えた。MS 450(M+H)。
【0337】
表10は上記のものと同様な工程により製造される最終生成物(74、75、79、213−220)を挙げる。
【0338】
【表20】

【0339】
【化94】

【0340】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メトキシ−7−[4−(2−メチルアミノエチリデン)ピペリジン−1−イル]−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩(221)。161(70mg、0.11ミリモル)のメタノール/蟻酸(v/v=20/1)(14mL)中溶液を10%Pd/C(35mg、7.3ミリモル)で窒素下で室温において処理しそして3時間にわたり撹拌した。生じた混合物を濾過しそして真空中で濃縮した。残渣をHPLC(逆相C−18カラム、35−90%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水)により精製して、221のトリフルオロ酢酸塩(8.3mg、15%)を黄色固体として与えた。MS 416(M+H)。
【0341】
【化95】

【0342】
7−[4−(2−アミノ−1−フルオロエチリデン)−ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−8−ジフルオロメトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸(68)。アミン31(534mg、1.94ミリモル)、キノロン67(587mg、1.46ミリモル)(欧州特許第1031569号明細書に記載された通りにして製造される)、炭酸セシウム(717mg、2.2ミリモル)、(1S)−[1,1’−ビナフタレン]−2,2’−ジイルビス[ジフェニルホスフィン](137mg、0.22ミリモル)のトルエン(75mL)中溶液をPd(dba)(66mg、0.072ミリモル)で処理しそして反応混合物を還流温度に暖めた。12時間後に、生じた混合物を室温に放冷し、真空中で濃縮し、そして残渣を水(3x10mL)で洗浄した。MPLCによる精製(0−100%酢酸エチル/ヘキサン類)が黄色残渣を与えた。残渣を濃塩酸(5mL)の中に溶解させそして還流温度に暖めた。3時間後に、反応混合物を真空中で濃縮し、水(10min)で希釈しそして固体を濾過により集めた。固体残渣を水(3x5mL)で洗浄しそしてそのまま15分間にわたり乾燥した。固体を集めそしてメタノール(5mL)の中に再懸濁させそして反応混合物をヒドラジン(1mL)で処理した。5分後に、反応混合物を還流温度に暖めそして生じた混合物をそのまま1時間にわたり撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮しそしてHPLC(逆相C−18カラム、0−55%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水)により精製して、標記化合物68のトリフルオロ酢酸塩(75mg、12%)を淡黄色固体として与えた。MS 438(M+H)。
【0343】
【化96】

【0344】
7−[4−(2−アセチルアミノ−エチリデン)−ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸(222)。59(25mg、0.067ミリモル)および無水酢酸(94μL、0.100ミリモル)のピリジン(1mL)中混合物をそのまま12時間にわたり25℃において撹拌した。生じた混合物を真空中で濃縮し、そして残渣を水(3x10mL)で洗浄しそしてそのまま一晩にわたり乾燥して、標記化合物222(15mg、54%)を与えた。MS 415(M+H)。
【0345】
【化97】

【0346】
7−[4−(2−N−メチルアミノ−1−クロロエチリデン)ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸塩酸塩塩(72)。
段階1:
無水THF(100mL)中の7−[4−(2−アミノ−1−クロロエチリデン)ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(7)(1.96g;4.496ミリモル)に0℃において二炭酸ジ−t−ブチル(1.09g;4/994ミリモル)を加えた。氷
浴を除去しそして反応物を室温において3時間にわたり撹拌した。揮発分を蒸発させて7−[4−(2−N−t−ブトキシカルボニルアミノ−1−クロロエチリデン)ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(264)(2.33g;97%)を黄色フォームとして与えた。MS 536(M+H)。
【0347】
段階2:
無水DMF(4mL)中のNaH(60%油中、191mg;4.98ミリモル)に0℃において無水DMF(5mL)中の段階1からの264(920mg:1.719ミリモル)を滴下した。反応物を15分間にわたり撹拌し、次にヨウ化メチル(0.23mL;3.69ミリモル)を加えた。反応物を室温に暖めそして24時間にわたり撹拌した。反応物を注意深く水(150mL)に撹拌しながら滴下した。固体を濾過により集めそして乾燥してメチル7−[4−(2−N−t−ブトキシ−N−メチルアミノ−1−クロロエチリデン)ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(265)(886mg;92%)をクリーム色粉末として与えた。MS 564(M+H)。
【0348】
段階3:
段階2からのエステル265(255mg;0.4529ミリモル)および1N NaOH(1.5mL)を1:1メタノール:THF(合計10mL)中で50℃に30分間にわたり窒素雰囲気下で加熱した。冷却後に、1N HClを用いてpHをpH=4に調節した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を水(2x25mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過しそして蒸発させた。生じたワックス状の半−固体を冷たいエーテルと共に粉砕して7−[4−(2−N−t−ブトキシカルボニル−N−メチルアミノ−1−クロロエチリデン)ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(266)(212mg;86%)を薄黄色固体として与えた。MS 550(M+H)。
【0349】
段階4:
段階3からの7−[4−(2−N−t−ブトキシカルボニル−N−メチルアミノ−1−クロロエチリデン)ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(266)(207mg;0.3770ミリモル)および塩酸(4Mジオキサン中;1.5mL)を塩化メチレン中で室温において一晩にわたり撹拌した。エーテル(5mL)を加えそして固体を濾過により集め、追加のエーテルで洗浄し、そして乾燥して、標記化合物(72)(183mg;93%)を黄色固体として与えた。MS 450(M+H)。
【0350】
【化98】

【0351】
7−[4−(2−N−メチルアミノ−1−クロロエチリデン)ピペリジン−1−イル−1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−ヒドロキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸塩酸塩(267)。
【0352】
7−[4−(2−N−t−ブトキシカルボニル−N−メチルアミノ−1−クロロエチリデン)ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−8−メトキシ−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸メチル(264)(242mg;0.4298ミリモル)を濃HCl(2mL)中で100℃に1時間にわたり加熱した。反応物を蒸発乾固した。メタノール(5mL)を残渣に加え、引き続き溶液が曇り始めるまでエーテルを滴下した。これを30分間にわたり撹拌しそして固体を集め、エーテルで洗浄しそして乾燥して標記化合物266(125mg;62%)を薄黄色固体として与えた。MS 436(M+H)。
【0353】
【化99】

【0354】
7−[4−(2−アミノ−1−シアノ−エチリデン)−ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸(283)。
段階1:
3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−2−ピペリジン−4−イリデン−プロピオニトリル(281;180mg、0.64ミリモル)およびトリエチルアミン(0.6mL)のアセトニトリル(4mL)中溶液を7−クロロ−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−ナフトピリジン−3−カルボン酸(150mg、0.53ミリモル)で窒素下で処理しそして反応混合物をそのまま60度において12時間にわたり撹拌した。生じた混合物を冷却しそして沈殿を濾過し、アセトニトリルで洗浄しそして乾燥して、α,β−不飽和ニトリル(282)(170mg、61%)を黄色固体として与えた。MS 528(M+H)。
【0355】
段階2:
α,β−不飽和ニトリル282(60mg、0.11ミリモル)を3mLのメタノールの中に溶解させた。この溶液に6mLのエタノール中33%メチルアミンを加えそして混合物を室温において12時間にわたり撹拌した。溶媒を濃縮しそして残渣をCHCl(5mL)の中に溶解させた。この溶液にエチルエーテル中1N HCl(0.15mL)を加えそして生じた沈殿を集め、エーテルで洗浄しそして乾燥して、7−[4−(2−アミノ−1−シアノ−エチリデン)−ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸(283)(40mg、80%)を与えた。MS 398(M+H)。
【0356】
【化100】

【0357】
7−[4−(2−アミノ−1−シアノ−エチリデン)−ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−キノリン−3−カルボン酸(285)。
段階1:
α,β−不飽和ニトリル(284)を282の合成に関するものと同様な方法で製造した。MS 527(M+H)。
【0358】
段階2:
標記化合物(285)を283の合成に関するものと同様な方法で製造した。MS 397(M+H)。
【0359】
【化101】

【0360】
7−[4−(2−アミノ−1−カルボキシ−エチリデン)−ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸(286)。ニトリル283(26mg、0.05ミリモル)および水酸化カリウム(17mg)をエタノール(1mL)および水(1mL)の中に溶解させた。混合物を90度に1時間にわたり加熱した。溶液を冷却しそして濃縮した。残渣を1N HClで酸性化しそして塩化メチレンで抽出した。有機層を濃縮して淡黄色固体(30mg)を与えた。上記の固体を10mLの6N HClの中に溶解させそして還流温度に48時間にわたり加熱した。混合物を冷却しそしてHPLC(逆相C−18カラム、10−50%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水)により精製して、標記化合物のトリフルオロ酢酸塩(4.0mg、15%)を与えた。MS 417(M
+H)。
【0361】
【化102】

【0362】
7−[4−(2−アミノ−1−エトキシカルボニル−エチリデン)−ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸(287)。ニトリル283(40mg、0.08ミリモル)を10mLのエタノールの中に溶解させそしてこの混合物に0.5mLの濃硫酸を加えた。反応物を160℃に1時間にわたりマイクロ波照射下で加熱した。混合物を冷却しそしてHPLC(逆相C−18カラム、10−90%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水)により精製して、標記化合物のトリフルオロ酢酸塩(3.0mg、7%)を与えた。MS 445(M+H)。
【0363】
【化103】

【0364】
7−{4−[2−(2−(1,2−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−イル)−エチルアミノ)−1−クロロ−1−エチリデン]−ピペリジン−1−イル}−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩288)。
段階1:
アミン245と7−クロロ−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−ナフチリジン−3−カルボン酸とのカップリングを162の製造に関するものと同様な方法で行った。MS 581(M+H)。
【0365】
段階2:
標記化合物289を与えるためのフタルイミド288のヒドラジン分解を68の製造に関するものと同様な方法で行った。MS 450(M+H)。
【0366】
【化104】

【0367】
7−{4−[1−クロロ−2−(4−ホルミル)−ピペラジン−1−イル−エチリデン]−ピペリジン−1−イル}−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩(291)。
段階1:
アミン243と7−クロロ−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−ナフチリジン−3−カルボン酸とのカップリングを162の製造に関するものと同様な方法で行った。MS 611(M+H)。
【0368】
段階2:
テトラヒドロフラン(3mL)、メタノール(6mL)、およびジメチルホルムアミド(4mL)中のCbz−保護されたピペラジン誘導290(0.0505g、0.070ミリモル)を蟻酸アンモニウム(0.16g、2.6ミリモル)で処理しそして木炭上10%パラジウム(0.0195g、0.018ミリモル)を三部分で11日間にわたり加えた。混合物をセライトを通して濾過しそしてメタノールで溶離した。混合物を濃縮し、ジメチルスルホキシドの中に加えそしてHPLC(逆相C−18カラム、10−90%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水)により精製した。集めた画分を凍結乾燥して0.0081gの標記化合物(291)(19%収率)を白色固体として与えた。MS 504(M+H)。
【0369】
【化105】

【0370】
7−[4−(1−クロロ−2−ピペラジン−1−イル−エチリデン)−ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩(292)。
【0371】
化合物290(0.0475g、0.066ミリモル)のメタノール(9mL)中溶液に蟻酸(0.5mL、13.2ミリモル)および木炭上10%パラジウム(0.0149g、0.014ミリモル)を加え、そして混合物を一晩にわたり撹拌した。混合物をセライトを通して濾過しそしてメタノールで溶離した。混合物を濃縮し、ジメチルスルホキシドの中に加えそしてHPLC(逆相C−18カラム、10−90%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水)により精製した。集めた画分を凍結乾燥して0.0173gの標記化合物(292)(45%)を橙色固体として与えた。MS 476(M+H)。
【0372】
【化106】

【0373】
7−[4−(1−フルオロ−2−ピペラジン−1−イル−エチリデン)−ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩(294)。
段階1:
アミン244と7−クロロ−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−ナフトピリジン−3−カルボン酸とのカップリングを162の製造に関するものと同様な方法で行った。MS 594(M+H)。
【0374】
段階2:
テトラヒドロフラン(1mL)およびメタノール(3mL)中のCbz−保護されたピペラジン誘導293(0.0733g、0.104ミリモル)を蟻酸アンモニウム(0.0377g、0.60ミリモル)および木炭上10%パラジウム(0.005g、0.005ミリモル)で処理しそして一晩にわたり撹拌した。混合物をセライトを通して濾過しそしてメタノールで溶離した。混合物を濃縮し、ジメチルスルホキシドの中に加えそしてHPLC(逆相C−18カラム、10−90%アセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸を含有する水)により精製した。集めた画分を凍結乾燥して0.0321gの標記化合物(294)(54%)を白色固体として与えた。MS 460(M+H)。
【0375】
【化107】

【0376】
(Z)−7−[3−(1−アミノ−2−プロピリデン)−ピペリジン−1−イル]−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−[1,8]ナフチリジン−3−カルボン酸トリフルオロ酢酸塩(297)。
段階1:
アミンZ−238と7−クロロ−1−シクロプロピル−6−フルオロ−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−ナフトピリジン−3−カルボン酸とのカップリングを162の製造に関するものと同様な方法で行った。MS 517(M+H)。
【0377】
段階2:
標記化合物(297)を与えるためのフタルイミド296のヒドラジン分解を68の製造に関するものと同様な方法で行った。MS 387(M+H)。
【0378】
生物学的活性
本発明に記載された化合物はそれらの新規な構造により抗細菌活性を有しており、そして人間および動物における細菌感染症の処置のための抗細菌剤として有用である。
【0379】
最少抑制濃度(MIC)は当該技術で広く使用されているインビトロ抗細菌活性の指標であった。化合物のインビトロ抗微生物活性は、National Committee
for Clinical Laboratory Standards(NCCLS)からの試験方法に従う微細希釈ブロス方法により測定された。この方法は、引用することにより本発明の内容となるNCCLS Document M7−A4、Vol.17、No.2、“Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Test for Bacteria thatg
row Aerobically−−Fourth Edition”に記載されている。
【0380】
この方法では、カチオン調節されたミュラー−ヒントン(Mueller−Hinton)内の薬品の2倍順次希釈物を微細希釈トレイ内のウエルに加える。活発に成長するブロス培養物の懸濁度を調節してそれをウエルに加えた後の試験有機体の最終濃度が約5x10CFU/ウエルになるようにすることにより、試験有機体を製造する。
【0381】
微細希釈トレイの接種後に、トレイを35℃において16−20時間にわたりインキュベートしそして次に読み取った。MICは、試験有機体の成長を完全に抑制する試験化合物の最低濃度である。試験化合物を含有するウエル内の成長量を、各トレイで使用される成長−対照ウエル(試験化合物なし)内の成長量と比較する。表5に示されているように、本発明の化合物を種々の病原性細菌に対して試験すると、試験した有機体によってある範囲の活性を生じた。
【0382】
【表21】

【0383】
【表22】

【0384】
【表23】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
nは1〜3の整数であり;
mは1〜3の整数であり;
zは0〜3の整数であり;
Rは水素、ヒドロキシ、およびアルコキシから選択され;
は水素であり;
およびRは水素、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アルキル、アルケニルおよびアルキニルから独立して選択され;
は水素、ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシ、シアノ、CO13、およびアルキルチオから選択され;
はアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシイミノ、およびハロゲンから独立して選択され;或いはRおよびRは一緒になって4−〜7−員の炭素環式環を形成し、ここで環の各炭素原子は場合によりR12で置換されていてもよく、ここでR12はハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、アルキル、アルケニル、アルキニル、オキソ、アルコキシイミノおよびヒドロキシイミノよりなる群から選択され;
13は水素、アルキル、アリール、またはカルボン酸保護基であり;
Eは:
【化2】

(ここで、
qは1〜3の整数であり;
およびRは水素およびアルキルから各々独立して選択され、或いはRおよびRは一緒になって3〜6員の炭素環式環を形成し、或いはRまたはRのいずれかは独立してRまたはR10のいずれかと一緒になってRまたはR10が結合される窒素原子を含有する複素環式環を形成し、ここで
およびR10は水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、アシル、アルコキシカルボニル、またはスルホニルから各々独立して選択され、或いはRおよびR10は一緒になってそれらが結合される窒素原子を含有する複素環式環を形成する);
【化3】

(ここで、
qは以上で定義された通りであり;
およびRは水素およびアルキルから各々独立して選択され、或いはRおよびRは一緒になって3−〜6−員の炭素環式環を形成し、そしてRは水素、アルキル、アシル、アルコキシカルボニル、またはスルホニルから選択される)、並びに
3)アルケニル
よりなる群から選択され;
AはNおよびC(R11)から選択され、ここでR11は水素、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルチオ、およびシアノから選択され;
XはCおよびNから選択され、ここでXがCである場合には、aは二重結合であり且つbは単結合であり、そしてXがNである場合には、aは単結合であり且つbは二重結合であり;そして
YはN(R)およびC(R)から選択され、但し、YがN(R)である場合にはXはCであり、そしてYがC(R)である場合にはXはNであり、ここでRはC3〜C6シクロアルキル、C4〜C6ヘテロシクロアルキル、アルキル、アルケン、6−員のアリールおよび6−員のヘテロアリールから選択され;但し、
AがC(R11)であり、XがCであり且つYがN(R)である場合には、R11およびRは一緒になって場合により対応する水素原子が1個もしくはそれ以上のアルキル基により置換されていてもよい6−員の複素環式環を形成することができ;
AがC(R11)であり、XがCであり且つYがN(R)である場合には、RおよびRは一緒になって場合により対応する水素原子が1個もしくはそれ以上のアルキル基により置換されていてもよい単環式もしくは二環式の複素環式環を形成することができ;或いは
AがC(R11)であり、XがCであり且つYがN(R)である場合には、RおよびRは一緒になって場合により対応する水素原子が1個もしくはそれ以上のアルキル基により置換されていてもよい5−員の複素環式環を形成することができる]
に従う構造を有する化合物、またはその光学的異性体、ジアステレオマーもしくはエナンチオマー、その製薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくはプロドラッグ。
【請求項2】
AがC(OCH)、C(OCHF)、CH、CCl、またはNである請求項1の化合物。
【請求項3】
AがC(R11)であり、XがCであり、YがN(R)でありそしてR11およびRが一緒になって場合により対応する水素原子に関して1個もしくはそれ以上のアルキル基により置換されていてもよい6−員の複素環式環を形成することができる請求項1の化合物。
【請求項4】
YがN(R)でありそしてRがC〜Cシクロアルキルまたは6−員の複素環式環から選択される請求項1の化合物。
【請求項5】
Eが
【化4】

である請求項1の化合物。
【請求項6】
mが1であり且つnが1であるか、mが2であり且つnが2であるか、またはmが1であり且つnが3である請求項1の化合物。
【請求項7】
zが0であるかまたはRがメチルであり且つzが1である請求項1の化合物。
【請求項8】
およびRが水素である請求項4の化合物。
【請求項9】
qが1である請求項7の化合物。
【請求項10】
が水素、メチル、またはエチルであり且つR10が水素である請求項8の化合物。
【請求項11】
【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

よりなる群から選択される請求項1の化合物。
【請求項11】
式:
【化10】

を有する請求項1の化合物。
【請求項12】
式:
【化11】

を有する請求項1の化合物。
【請求項13】
式:
【化12】

を有する請求項1の化合物。
【請求項14】
哺乳動物に治療的に有効な量の請求項1に記載の化合物を投与することを含んでなる、細菌感染により引き起こされるかまたはそれに起因する症状を有する患者の処置方法。
【請求項15】
患者に予防的に有効な量の請求項1に記載の化合物を投与することを含んでなる、細菌感染により引き起こされるかまたはそれに起因する症状を有する患者の予防方法。

【公表番号】特表2008−538110(P2008−538110A)
【公表日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502985(P2008−502985)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際出願番号】PCT/US2006/003657
【国際公開番号】WO2006/101603
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】