CD27アゴニストを単独でまたは他の免疫調節剤と併用して用いる、ヒト免疫療法
癌、感染、炎症、アレルギーおよび自己免疫などの、抗原特異的T細胞免疫応答が療法的に望ましい状態を治療するため、そしてワクチンの有効性を増進するため、in vivoでT細胞増殖および拡大を誘導する方法を提供する。これらの方法は、少なくとも1つのCD27アゴニスト、好ましくはアゴニスト性CD27抗体の、単独の、あるいは抗CD40、OX−40、4−1BB、もしくはCTLA−4抗体、または制御性細胞を枯渇させる剤、またはサイトカインなどの、免疫刺激剤または免疫調節剤などの別の部分に付随した、投与を含む。これらの単一および併用療法にはまた、望ましくはT細胞応答(しばしばCD8+)が誘発される、腫瘍抗原、アレルゲン、自己抗原、または感染性病原体もしくは病原体に特異的な抗原などの所望の抗原の投与も含まれてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、一般的に、必要がある被験体、例えば癌、感染、自己免疫疾患、アレルギーまたは炎症性障害を伴う被験体、あるいはワクチンを投与されている被験体における、T細胞免疫を促進するためのアジュバントとしてのCD27アゴニスト、好ましくはCD27アゴニスト性抗体の使用に関する。最も好ましくは、CD27アゴニストは、損なわれていない(intact)ヒト、ヒト化、もしくはキメラ抗体またはその断片であるか、あるいはヒトCD27に特異的に結合するscFvなどの一本鎖抗体を含んでもよい。あるいは、アゴニストは、宿主エフェクター系との相互作用を増進するかまたは減少させるか、あるいは副作用を減少させるように修飾されている、操作された抗体を含んでもよい。いくつかの好ましい態様において、免疫細胞へのこれらのアゴニスト性抗CD70抗体の結合は、CD70または関連リガンドによって遮断されないであろう。
【0002】
[0002]さらに、本発明は、T細胞免疫応答増進を誘発する必要がある被験体において、T細胞免疫応答増進を誘発するための新規アジュバント併用、好ましくは相乗的併用であって、(i)少なくとも1つのCD27アゴニスト、および(ii)別の免疫刺激剤または免疫調節剤、例えばCD40抗体、CD28抗体、OX40抗体、4−1BB抗体、抗CTLA−4、TLR(toll様受容体)アゴニスト、または制御性T細胞を枯渇させる部分、あるいはインターロイキン、例えばIL−2、またはインターフェロン(ベータ、ベータ、ガンマ等)などのサイトカインを含む、前記併用を提供する。同様に、これらのアジュバント併用は、癌、感染性疾患、アレルギー、自己免疫、炎症性障害などの、T細胞免疫増進が療法的に望ましい状態を治療する際に、そしてワクチンの有効性を増進するのに有用である。
【0003】
[0003]免疫細胞への結合が好ましい、CD27アゴニスト、好ましくはアゴニスト性CD27抗体の投与を伴う、本単一療法は、CD70によって遮断されず、そしてCD27アゴニスト、および別の免疫調節剤または療法剤などの別の部分の投与を伴う併用療法は、in vivoでCTL免疫およびT細胞増殖および生存を増進する際に有用である。以下により詳細に論じるように、本発明は、CD27:CD70相互作用が、CD40抗体のアゴニスト性活性に必要であるという、本発明者らの驚くべき観察に少なくとも部分的に基づく(抗CD70 mAbは、アゴニスト性CD40の活性を完全に遮断し、これは、CD27:CD70相互作用が、CD40誘発に必要な「下流」であることを示す)。この観察によって、療法アジュバントとしての、そして抗原特異的T細胞、特にCD8+ T細胞、すなわちエフェクターおよびメモリーCD8+エフェクター細胞の拡大を活性化し、そして誘導するための、CD27アゴニスト性抗体の療法的潜在能力が示唆された。本出願者らは、これらの仮説に束縛されることを望まないが、T細胞に対する本抗CD27抗体のアゴニスト特性が、少なくとも部分的に、こうした抗体の結合がCD70によって遮断不能であるという事実に起因しうると理論づけられる。しかし、本発明はそれに限定されず、そしてT細胞免疫に対してアゴニスト効果を有するいかなる抗CD27アゴニスト性抗体あるいはそのコンジュゲートまたは断片の使用も含む。以下に詳細に記載するように、本単一および併用療法は、抗原特異的CTL免疫応答の増進が療法的に望ましい、リンパ腫および他の癌または感染状態を伴うヒトまたは他の哺乳動物を治療する際に、特に有用である。
【0004】
[0004]記載するように、CD27アゴニストを単独で、あるいは他の免疫アジュバントまたは免疫刺激剤または免疫調節剤などの他の療法部分と組み合わせて、癌ペプチドなどの適切な抗原を伴いまたは伴わずに、投与可能である。例えば、1つの態様において、CD27アゴニストを、CD40アゴニスト性抗体に付随して投与してもよい。本発明のこの態様において、CD40アゴニストは、本明細書においてLOB7/4と称されるキメラアゴニスト性抗ヒトCD40抗体またはそのヒト化変異体を含んでもよい。このキメラ抗体は、CD40を発現しているある範囲の腫瘍に対する強力な抗腫瘍効果を誘発し、そして細胞性免疫を増強することが、本発明者らによって示されている。これらの結果に基づいて、癌(CD40陽性および陰性)、特に固形腫瘍を含む、多様な慢性疾患を治療するための、免疫アジュバントまたは療法剤としての、このキメラ抗体およびその変異体、例えばそのヒトまたはヒト化型の使用、ならびに感染性疾患、自己免疫疾患、アレルギー性および炎症性疾患を治療するための免疫アジュバントとしての使用は、本明細書の本発明者のうちの何人かによる、先の特許出願に解説されている。
【0005】
[0005]本発明の好ましい態様において、本CD27アゴニストは、癌、感染性疾患、自己免疫障害、アレルギー性障害、または炎症性障害を治療するため、単独で、または抗原とともに用いられるか、あるいはワクチンまたは他の療法剤もしくは免疫療法剤、例えばCD40、OX40、CD28、CTLA−4、もしくは4−1BBに対する抗体;TLRアゴニスト;制御性T細胞を枯渇させる部分;サイトカイン;抗血管生成剤;または化学療法剤と組み合わせて投与される。本出願全体で、併用療法に言及する際、アゴニスト性抗体などのそれぞれの部分を、別個に、または例えば同じもしくは異なる組成物中で併用して、投与してもよく、そしてそれぞれの部分の投与は、いかなる順で達成してもよいことを理解すべきである。また、これらの併用および単一療法は、特定の疾患または状態を治療する際に有用なさらなる部分の投与を含むよう意図される。
【背景技術】
【0006】
[0006]防御免疫の生成は、抗原への曝露だけでなく、抗原に出会う背景にも依存することが、現在、広く認識されている。非炎症背景における、宿主への新規抗原の導入が、長期免疫でなく免疫寛容を生じる一方、炎症剤(アジュバント)の存在下での抗原への曝露が免疫を誘導する、多くの例が存在する(Mondinoら, Proc. Natl. Acad. Sci., USA 93:2245(1996); Pulendranら, J. Exp. Med. 188:2075(1998); Jenkinsら, Immunity 1:443(1994);およびKearneyら, Immunity 1:327(1994))。これは、寛容および免疫の間の相違を意味しうるため、抗原提示に適した免疫原性背景を生成する際に関与する分子経路を刺激する、感染性病原体内に存在する「アジュバント」を発見するために多くの努力がなされてきた。
【0007】
[0007]CD27は、I型およびII型TNFR(CD120aおよびb)、神経成長因子受容体(NGFR)、CD30、Fas/Apo−1(CD95)、CD40、4−1BBおよびOX40も含む、腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーのメンバーである。これらのタンパク質は、細胞増殖、生存、および分化、ならびにアポトーシスまたはプログラム細胞死において重要な役割を果たすことが知られる。これらのファミリーメンバー間の相同性は、細胞外領域に限定され、そしてCD27中に3回存在するシステイン・ノット・モチーフの存在によって特徴付けられる(McDonaldら, Cell 73:4121−424(1993))。
【0008】
[0008]CD27は、約55キロダルトンのグリコシル化されたI型膜貫通タンパク質であり、そして2つの単量体を連結するジスルフィド架橋を持つホモ二量体として存在する。ジスルフィド架橋は、膜に近い細胞外ドメインに存在する(Cameriniら, J Immunol. 147:3165−69(1991))。CD27のリガンド、CD70は、リガンドのTNFファミリーに属する。CD70は、50kdの見かけの分子量を持つII型膜貫通タンパク質である(Goodwinら, Cell 73:447−456(1993))。TNFアルファおよびベータに対する相同性に基づいて、CD70は、3つのCD27ホモ二量体と相互作用する、3つの同一のサブユニットで構成される、三量体構造を有すると予測された(Peitschら, Mol. Immunol. 152:1756−1761(1994))。やはりII型膜貫通タンパク質であるTNFアルファは、タンパク質分解的切断によって細胞から放出される一方、TNFベータおよびNGFは分泌される。
【0009】
[0009]CD27およびそのリガンドCD70は、TおよびB細胞の別個の集団上で発現される。CD27は、休止T細胞上で発現され、そしてCD70は、活性化されたTおよびB細胞、ならびに樹状細胞上で発現される。T細胞サブセット内で、CD27は、活性化後であってもCD45RA+細胞上で安定して発現される一方、CD45RO+細胞上では弱く発現され、そして活性化後には失われる(Sugitaら, J Immunol. 149:3208−3216(1992); Hintzenら, J Immunol. 151:2426−2453(1993))。CD45RA+細胞上で、多様な手段による活性化は、CD27発現の上方制御を生じる(Hintzenら, J Immunol. 151:2426−2453(1993))。CD27は、B細胞非ホジキンリンパ腫およびB細胞慢性リンパ球性白血病の大部分で高発現される(Ranheimら, Blood 85:3556−3565)。B細胞株RamosおよびRajiもまた、有意なレベルのCD27およびCD70を発現する。
【0010】
[0010]最適以下の用量のPMA、PHA、抗CD2または抗CD3抗体でのT細胞の処置を伴う、CD27の連結はまた、T細胞増殖を生じることが知られており、したがってCD27の共刺激上の役割が明示されている。CD27が仲介する共刺激効果が、抗CD27抗体、あるいは組換え可溶性CD27または抗CD70抗体を用いて、特異的に阻害可能であり、そしてリガンドであるCD70を介したCD27の連結が、細胞溶解性T細胞を生じうることもまた報告されている(Goodwinら, Cell 73:447−456(1993))。
【0011】
[0011]獲得免疫を制御することが知られる別の共刺激分子はCD40である。CD40は、TNF受容体スーパーファミリーのメンバーであり、そしてある範囲の細胞仲介性免疫応答に必須であり、そしてT細胞依存性体液性免疫の発展に必要である(Aruffoら, Cell 72:291(1993); Farringtonら, Proc Natl Acad Sci., USA 91 :1099(1994); Renshawら, J Exp Med 180:1889(1994))。天然の役割において、CD4+ T細胞上に発現したCD40リガンドは、DCまたはB細胞上に発現したCD40と相互作用し、APCの活性化増加、および同時に、T細胞のさらなる活性化を促進する(Liuら Semin Immunol 9:235(1994); Bishopら, Cytokine Growth Factor Rev 14:297(2003))。DCに関しては、CD40連結は、古典的には、活性化マーカー上方制御および炎症性サイトカイン産生などの、TLRを通じた刺激に似た応答を導く(Quezadaら Annu Rev Immunol 22:307(2004); O'Sullivan BおよびThomas R Crit Rev Immunol 22:83(2003))。CD8応答におけるその重要性は、CD40を通じたAPCの刺激が、CD4細胞の非存在下でのCD4依存性CD8+ T細胞応答をレスキューすることを示す研究によって立証された(Lefrancoisら, J Immunol. 164:725(2000); Bennettら, Nature 393:478(1998); Ridgeら, Nature 393:474(1998); Schoenbergerら, Nature 393:474(1998))。この発見は、いくつかの疾患セッティングにおいて、CD40アゴニストが単独で、不全CD8+ T細胞応答を潜在的にレスキュー可能であるという多くの推測を刺激した(Frenchら, Nature Medicine 1999)。
【0012】
[0012]しかし、他の研究によって、CD40刺激のみでは、長期免疫を促進するには不十分であることが立証された。いくつかのモデル系において、抗CD40処置のみでは、長期免疫を促進するには不十分であり、すなわち無効な炎症性サイトカイン産生とともに、抗原特異的T細胞の枯渇(Mauriら Nat Med 6:673(2001); Kedlら Proc Natl Acad Sci., USA 98:10811(2001))およびB細胞応答の終結(Ericksonら, J Clin Invest 109:613(2002))が生じた。また、可溶性三量体化CD40リガンドが、CD40経路のアゴニストとして病院で用いられており、そしてほとんど報告がないことは、CD40単独での刺激が、長期CD8+ T細胞免疫に必要なすべてのシグナルを再構成することは出来ないという結論と一致する(Vonderheideら, J Clin Oncol 19:3280 (2001))。
【0013】
[0013]CD40に特異的なアゴニスト性およびアンタゴニスト性抗体の両方が、ヒト療法剤としての潜在能力を有することが示唆されてきている。アンタゴニスト性抗CD40抗体には、(1)CD40/CD40L相互作用を少なくとも90%遮断し、そして抗新生物特性を有すると言われるもの(Armitageら、米国特許第5674492号; Fanslowら, 1995, Leukocyte Typing V Schlossmanら監修, 1:555−556);(2)CD40を通じたシグナル伝達をアンタゴナイズするもの(deBoerら、米国特許第5677165号)および(3)CD40を通じて刺激性シグナルを送達するが、CD40およびCD40L間の相互作用を増加させないもの、例えばG28−5(Ledbetterら、米国特許第5182368号; PCT WO 96/18413)が含まれる。
【0014】
[0014]アゴニスト性抗CD40抗体は、いくつかのグループによって報告されている。例えば、1つのmAb、CD40.4(5C3)(PharMingen、カリフォルニア州サンディエゴ)は、CD40およびCD40L間の相互作用をおよそ30〜40%増加させると報告されている(Schlossmanら監修, Leukocyte Typing, 1995, 1:547−556)。さらに、米国特許第6843989号において、Seattle Geneticsは、抗ヒトCD40抗体を用いて、ヒトにおいて癌を治療する方法を提供すると主張する。これらの抗体は、刺激性シグナルを送達して、CD40およびCD40L間の相互作用を少なくとも45%増進し、そしてCD40L仲介性刺激を増進し、そしてin vivo新生物活性を所持すると主張される。Seattle Genetics特許に開示される典型的な抗体は、Bリンパ球に強い増殖促進性シグナルを送達することが以前示されたアゴニスト性抗ヒトCD40抗体である、S2C6に由来した(Paulieら, 1989, J Immunol. 142:590−595)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】Armitageら、米国特許第5674492号
【特許文献2】deBoerら、米国特許第5677165号
【特許文献3】Ledbetterら、米国特許第5182368号
【特許文献4】PCT WO 96/18413
【特許文献5】米国特許第6843989号
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Mondinoら, Proc. Natl. Acad. Sci., USA 93:2245(1996)
【非特許文献2】Pulendranら, J. Exp. Med. 188:2075(1998)
【非特許文献3】Jenkinsら, Immunity 1:443(1994)
【非特許文献4】Kearneyら, Immunity 1:327(1994)
【非特許文献5】McDonaldら, Cell 73:4121−424(1993)
【非特許文献6】Cameriniら, J Immunol. 147:3165−69(1991)
【非特許文献7】Goodwinら, Cell 73:447−456(1993)
【非特許文献8】Peitschら, Mol. Immunol. 152:1756−1761(1994)
【非特許文献9】Sugitaら, J Immunol. 149:3208−3216(1992)
【非特許文献10】Hintzenら, J Immunol. 151:2426−2453(1993)
【非特許文献11】Ranheimら, Blood 85:3556−3565
【非特許文献12】Aruffoら, Cell 72:291(1993)
【非特許文献13】Farringtonら, Proc Natl Acad ScL, USA 91 :1099(1994)
【非特許文献14】Renshawら, J Exp Med 180:1889(1994)
【非特許文献15】Liuら Semin Immunol 9:235(1994)
【非特許文献16】Bishopら, Cytokine Growth Factor Rev 14:297(2003)
【非特許文献17】Quezadaら Annu Rev Immunol 22:307(2004)
【非特許文献18】O'Sullivan BおよびThomas R Crit Rev Immunol 22:83(2003)
【非特許文献19】Lefrancoisら, J Immunol. 164:725(2000)
【非特許文献20】Bennettら, Nature 393:478(1998)
【非特許文献21】Ridgeら, Nature 393:474(1998)
【非特許文献22】Schoenbergerら, Nature 393:474(1998)
【非特許文献23】Frenchら, Nature Medicine 1999
【非特許文献24】Mauriら Nat Med 6:673(2001)
【非特許文献25】Kedlら Proc Natl Acad Sci., USA 98:10811(2001)
【非特許文献26】Ericksonら, J Clin Invest 109:613(2002)
【非特許文献27】Vonderheideら, J Clin Oncol 19:3280 (2001)
【非特許文献28】Fanslowら, 1995, Leukocyte Typing V Schlossmanら監修, 1:555−556
【非特許文献29】Schlossmanら監修, Leukocyte Typing, 1995, 1:547−556
【非特許文献30】Paulieら, 1989, J Immunol. 142:590−595
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
[0015]しかし、これらの先の報告にもかかわらず、Th1免疫を促進し、そして抗原特異的CD8+ T細胞、すなわちCD8+エフェクターおよびメモリー細胞の活性化および拡大を増進するアジュバントを用いた、改善法およびヒト療法が必要である。特に、安全であり、そして有効である、すなわち望ましくない副作用を誘発しないが、実質的な療法効果、例えば抗腫瘍効果を誘発する、療法アジュバントを用いて、ヒト癌および他の疾患を治療する改善法が必要である。本発明はこの必要性を満たし、そして他の利点もまた提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
[0016]本発明は、CD27アゴニスト、例えばアゴニスト性CD27抗体を、単独で、あるいは別の療法剤、例えば別の免疫刺激剤または免疫調節剤、例えばアゴニスト性CD40抗体、可溶性CD40L、4−1BB:4−1BBLアゴニスト、OX40アゴニスト、TLRアゴニスト、制御性T細胞を枯渇させる部分、またはインターロイキンもしくはインターフェロンなどのサイトカインと組み合わせて用いる新規ヒト治療法を提供する。上述のように、好ましい態様において、免疫細胞へのこれらのCD27アゴニスト性抗体の結合は、CD70によって遮断されず、これは、このことがT細胞に対するこれらの抗体のアゴニスト活性に有益な効果を有しうるためである。これらの併用は、通常、ワクチンと一緒に、タンパク質、ペプチド、免疫原性細胞またはDNAの形で使用されるであろう。以下の結果は、CD27の共刺激を遮断すると、4−1BB共刺激を遮断するよりもはるかに高く、アゴニスト性抗CD40抗体によって誘発される抗腫瘍免疫に対する広範囲の影響があり、そしてこれは、CD27−CD70遮断中のCD8+ T細胞拡大における重度の機能障害の結果であるようであることを示す。これらの結果は、CD27アゴニスト、例えばアゴニスト抗CD27抗体を、CD8+ T細胞拡大を促進するための療法的アジュバントとして、そして癌、感染性障害、自己免疫、アレルギー性障害、および炎症性障害などの、これが療法的に望ましい状態を治療する際に、使用可能であることを示唆する。また、これは、抗原特異的CD8+ T細胞免疫を促進するため、CD27アゴニスト、例えばCD27アゴニスト性抗体を、抗原またはワクチンに付随して投与してもよいことを示唆する。特に好ましい態様において、CD27アゴニストを用いて、リンパ腫または以下に同定する他の癌などの癌を治療する。
【0019】
[0017]抗CD40モノクローナル抗体がヒトおよびげっ歯類において腫瘍に対する免疫応答を生じる機構は完全には理解されていないが、樹状細胞の刺激を通じて、CTL応答をブーストし、そしてCD4ヘルパー細胞に対する必要性を回避するレベルまで働くようである。本明細書において、アゴニスト性CD40モノクローナル抗体は、拡大しているCD8細胞上の4−1BBの強い発現を促進し、それとともに、エフェクターCTLが生成されるにつれて、CD27が中程度に喪失されることが示される。興味深いことに、CD40 mAb処置は、腫瘍所持マウスにおいて、樹状細胞の顕著な活性化を引き起こす一方、それぞれ4−1BBおよびCD27のリガンドである、4−1BBLおよびCD70の発現は、比較的弱くそして一過性であった。CD70の相互作用を遮断するmAb(AT113−2:抗4−1BBL、およびTAN1−6:抗CD70)がCD40 mAb処置の療法的有効性を遮断することを示すことによって、この発現の欠如にもかかわらず、これらの関与が確立された。同様に、これらは、in vitroまたはin vivoのいずれでも、腫瘍特異的CTL細胞の細胞毒性活性に影響を及ぼさなかった。これらに基づいて、本発明者らは、4−1BB:4−1BBL、および特にCD27:CD70相互作用は、CD40アゴニスト性抗体の活性を説明する際に極めて重要であり、そしてこれらの抗体は、CD8 T細胞増殖および生存を誘発することによって作用すると結論づけた。さらに、本発明者らは、本明細書において、はじめて、アゴニスト性抗CD27抗体が、リンパ腫所持マウス(A31およびBCL1)を防御する際に、それ自体、非常に有効であることを示し、これは、CTLがDCより遅い段階で生じる可能性があり、そしてアゴニスト性CD27抗体を用いて、細胞性免疫増進が必要な癌および他の疾患を治療可能であることを示す。重要なことに、この抗CD27 mAbは、これらの同じ腫瘍から、免疫無防備状態のSCIDマウスを防御せず、この防御を提供するには、機能する免疫系(CD8 T細胞)が必要であることが強調された。
【0020】
[0018]したがって、本発明は、T細胞免疫促進が必要な被験体、例えばリンパ腫を伴う被験体において、T細胞免疫を促進するための新規単一および併用療法であって、少なくとも1つのCD27アゴニストおよび場合によってCD40アゴニストなどの別の部分の投与を含む、前記療法を提供する。上述のように、CD40アゴニストが、本CD27アゴニスト性抗体に付随して利用される場合、CD40アゴニストは、好ましくは、抗ヒトCD40抗体、例えば本明細書においてLOB7/4と称されるキメラ抗体、あるいはその誘導体、例えばLOB7/4抗体由来の可変重鎖および軽鎖配列またはCDRを含有するヒト化抗体またはその断片を含むであろう。本発明者らは、このキメラ抗体が、例えば癌、特にCD40を発現しているリンパ腫および固形腫瘍の治療のための療法剤として用いた際に、好適な特性を所持することを見出した。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】[0019]図1は、TAN1−6(抗CD70抗体)およびAT113−2(抗4−1BBL)が、in vitroで、そしてin vivo応答中に、それぞれ4−1BBおよびCD70/CD27相互作用を遮断することを示す実験結果を含有する。
【図2】[0020]図2は、BCL1マウスにおいて、抗CD40の療法活性に対する抗4−1BBL(AT113−2)および抗CD70(TAN1−6)の効果を示す実験結果を含有する。
【図3】[0021]図3は、抗CD40 mAb療法後、CD8+ T細胞の集積およびBCL1腫瘍の根絶に対する、抗4−1BBLおよび抗CD70の効果を示す実験結果を含有する。
【図4】[0022]図4は、抗4−1BBL(AT113−2)および抗CD70(TAN1−6)が、抗CD40が誘導する表現型変化またはBCL1マウスからの脾臓DCの数の変化に影響を及ぼさないことを示す実験結果を含有する。
【図5A】[0023]図5Aは、抗4−1BBLおよび抗CD70抗体が、in vivoまたはin vitroで、応答のエフェクター段階を阻害しないことを示す実験結果を含有する。
【図5B】図5Bは、抗4−1BBLおよび抗CD70抗体が、in vivoまたはin vitroで、応答のエフェクター段階を阻害しないことを示す実験結果を含有する。
【図5C】図5Cは、抗4−1BBLおよび抗CD70抗体が、in vivoまたはin vitroで、応答のエフェクター段階を阻害しないことを示す実験結果を含有する。
【図6】[0024]図6は、2つのB細胞リンパ腫(BCL1およびA31)に対するアゴニスト性CD27モノクローナル抗体の療法的有効性および強度を立証する実験結果を含有する。
【図7】[0025]図7は、抗CD27 mAbが、OT−I細胞において、CD70リガンドよりも強い応答(より高くそしてより長い)を誘発することを示す実験を含有する。この図は、Ag+対照Ab、Ag+可溶性組換えCD70または本発明にしたがったアゴニスト性CD27抗体を投与されたマウスにおいて、Ag特異的(OT−1)細胞の拡大を示す。この図の結果は、アゴニスト性CD27 mAbを用いたCD8+ OT−1の実質的な拡大を示す(実施例6を参照されたい)。
【図8】[0026]図8は、抗マウスCD27抗体で標識したマウスCD27一過性発現細胞を示す。ここに示すように、試験抗ラット抗マウスCD27(AT124−1)および陽性対照ハムスター抗マウスCD27(LG3A10)はどちらも、マウストランスフェクション細胞を標識した。どちらの抗体も非トランスフェクション細胞には結合しなかった(データ未提示)。
【図9】[0027]図9は、抗CD27 mAbでのCD70およびCD27の遮断を示す。この図は、AT124−1が、活性化されたマウスT細胞表面上のCD27に結合し、そしてこの結合が、天然リガンドCD70とCD27の相互作用によって阻害されないことを示す。対照的に、比較用の商業的に入手可能な抗CD70抗体(LG3A10;非アゴニスト)は、CD70との結合に関して競合することが示された。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[0028]TNFRスーパーファミリーのメンバーおよびそのTNFファミリーリガンド間の相互作用は、病原体および腫瘍に対する有効な抗原特異的CD8 T細胞応答の発展中、いくつかの段階で共刺激を提供する際に、非常に重要な役割を果たす。応答初期、樹状細胞(DC)上のCD40に、活性化されたTh細胞上のそのリガンド、CD154(CD40L)が連結すると、DCの活性化またはライセンシングが誘導され、そして未処置(naive)CD8 T細胞に抗原を提示する能力が増強される(Bennett, Carboneら 1998; Ridge, Di Rosaら 1998; Toes, Schoenbergerら 1998)。DCライセンシングに関して、Th細胞に代用可能な抗CD40 mAbまたは可溶性CD40リガンド(CD40L)は、ワクチン接種、ならびに腫瘍(French, Chanら 1999; Tutt, O'Brienら 2002; van Mierlo, den Boerら 2002; Murray, Luら 2003)、ウイルスおよび感染(RolphおよびKaufman 2001; Murray, Luら 2003)の治療を含めて、T細胞応答を必要とするいくつかのセッティングにおいて、療法的潜在能力を有することが示されている。CD40が誘導するDCの活性化は、ICAM−1、B7.1、B7.2、CD70および4−1BBリガンド(4−1BBL)を含む接着および共刺激分子の発現増加によって特徴付けられる(Cella, Scheideggerら 1996; Diehl, van Mierloら 2002; Tesselaar, Xiaoら 2003)。最初の抗原特異的CTL活性化/プライミングは、CD28:B7結合に依存する(Lenschow, Walunasら 1996; CarrenoおよびCollins 2002)が、エフェクター細胞の続く拡大および生存は、大量のさらなる共刺激性相互作用によって調節される。メモリー応答を維持する際のこれらの経路各々の正確な役割は、現在、活発な研究領域である。CTL応答を維持する際に非常に重大なようである2つの受容体は、主にDC上に発現されるそれぞれのリガンド、4−1BBLおよびCD70と相互作用する、TNFRファミリーメンバー、4−1BB(CD137)(DeBenedette, Shahinianら 1997; Futagawa, Akibaら 2002)およびCD27(Tesselaar, Xiaoら 2003)である。例えば、抗CD40 mAbが駆動するCTL応答がヘルパー独立性である一方、これらは、CD28:B7およびCD27:CD70相互作用の両方に依存性のままであることが知られる(Prilliman, Lemmensら 2002; Tutt, O'Brienら 2002; Taraban, Rowleyら 2004)。抗CD40 mAbが駆動するCTL応答中の4−1BBの重要性に関しては、より少ない情報しか現在知られていないが、Tヘルパー細胞に依存するCTLプライミングは、4−1BBに少なくとも部分的に依存し、そして4−1BB遮断によって顕著に損なわれることが明らかである(Diehl, van Mierloら 2002)。
【0023】
[0029]本発明者らは、先に、抗CD40 mAbが、いくつかの同系リンパ腫に対して、ヘルパー独立性CTL応答を刺激し、現存する腫瘍の根絶に成功し、そしてマウスを再曝露に耐性のままにすることを立証した(French, Chanら 1999; Tutt, O'Brienら 2002)。抗CD40 mAbでの初期の臨床試験は、臨床的成功および患者利益を示す。
【0024】
[0030]対照的に、本発明は、例えばリンパ腫被験体において、療法的免疫アジュバントとしての、そしてCD8+ T細胞免疫を促進するための、CD27の役割に関する。Ovaモデル系において、本発明者らは、最近、CD27を介した共刺激が、オボアルブミン特異的CTLのCD40 mAbが仲介するプライミングに必須であることを示した。CD70−CD27相互作用が抑止されている場合は、内因性オボアルブミン特異的T細胞のプライミングは見られないが、オボアルブミン特異的TCRトランスジェニックT細胞(OT−I)のプライミングは、顕著に減少したレベルではあったが、検出された。さらに、CD27シグナル伝達の非存在下でプライミングされたOT−I T細胞は、細胞毒性T細胞に分化可能である一方、二次応答を開始する能力は不全であった。これらの発見に鑑みて、本発明者らは、CD40 mAbが仲介するリンパ腫の免疫療法におけるCD27共刺激の役割に取り組み、そしてこれをその緊密な類縁体4−1BBの役割と比較することを望んだ。以下の実施例に提供する、これらの研究の結果は、CD27を介した共刺激の遮断が、アゴニスト性抗体によって誘発される抗腫瘍応答に対してより効果を有し、そしてこの効果が4−1BB共刺激を遮断するよりはるかにより顕著であることを示す。本発明者らはさらに、これが、CD27−CD70遮断中のCD8+ T細胞拡大における重度の機能障害のためであると考えている。
【0025】
[0031]これらに基づいて、本発明は、免疫学的に促進性の(アジュバント)または療法的に有効な量の(i)少なくとも1つのCD27アゴニスト、および(ii)CD40アゴニスト、OX−40アゴニスト、4−1BBアゴニスト、抗CTLA−4、制御性T細胞(Treg)を枯渇させる部分、またはインターフェロンもしくはインターロイキンなどのサイトカインを含んでもよいか、あるいは薬剤または化学療法剤を含んでもよい、場合による別の療法部分を投与することによる、新規ヒト療法を提供する。CD27アゴニストは、単独で、または併用して、CD8+T細胞増殖およびCTL免疫応答、例えばアゴニスト性CD40抗体などのCD40アゴニストによって誘発されるものの増加の増強を生じる。
【0026】
[0032]本発明はさらに、はじめて、T細胞免疫を促進するのに有用なアゴニスト性抗CD27抗体を提供する。好ましい態様において、これらのアゴニスト性抗体の結合は、CD70によって影響(阻害)されないであろう。これは、本発明に必須ではないが、CD70と競合しないアゴニスト性抗体は、例えばリンパ腫などの癌の治療において、免疫アジュバントとして用いた際に好適な特性を所持しうると考えられる。
【0027】
[0033]CD27アゴニストは、好ましくは、アゴニスト性抗CD27抗体を含むであろう。CD70と競合してもまたはしなくてもよいこの抗体は、好ましくは、ヒト、ヒト化、キメラアゴニスト性抗ヒトCD27抗体を含み、好ましくはIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgD、IgE、IgA1またはIgA2ヒト定常ドメインであってもよい、ヒト定常ドメインを含む。所望の場合、エフェクター機能を増進するかまたは修飾するため、これらの定常ドメインを修飾してもよい。また、抗体を突然変異させて、グリコシル化を除去するかまたは改変してもよい。同様に、CD27アゴニスト性抗体と一緒に別のアゴニスト性抗体を用いる場合、これらは同様に、好ましくはヒト定常ドメインを含有する、好ましくは、ヒト、ヒト化またはキメラ抗体であり、そしてCD27アゴニスト性抗体に関して上述するように突然変異されていていてもよい。また、Fab、scFv、ミニボディ等の一本鎖抗体および抗体断片が本発明の範囲内である。
【0028】
[0034]典型的な態様において、CD40アゴニストがCD27アゴニストと共投与される場合、CD40アゴニストは、本明細書においてLOB7/4と称されるキメラ抗ヒトCD40抗体、あるいはその変異体またはその断片、特にそのヒト化型、および/またはLOB7/4と同じエピトープ特異性を所持するか、またはヒトCD40への結合に関して、LOB7/4と競合する、抗体断片を含むであろう。
【0029】
[0035]典型的な態様において、本発明は、療法的有効量の、アゴニスト性抗CD27抗体などのCD27アゴニストを投与することによる、固形腫瘍およびリンパ腫などのヒト癌を治療する新規方法を提供する。場合によって、このアゴニストを、別のアゴニストまたはサイトカイン、例えばCD40アゴニスト、4−1BBLアゴニスト性抗体などの4−1BB:4−1BBLアゴニスト、アゴニスト性4−1BB抗体などの4−1BBアゴニスト、抗CTLA−4、あるいはIL−2などのインターロイキンまたはアルファ、ベータもしくはガンマインターフェロンなどのインターフェロン、あるいはTreg枯渇を生じる部分などの、相乗的効果を誘発するものに付随して投与可能である。これらの免疫併用を一緒にまたは併用して投与してもよい。これらのアゴニストまたはアゴニスト/サイトカイン併用は、同じ組成物中でもまたは異なる組成物中でもよい。好ましくは、これらを互いに同時に、またはほぼ同時に投与する。典型的には、これらの療法部分は、互いに24時間以内に、より典型的には8時間以内に、そしてさらにより典型的には互いに1〜4時間以内に投与される。
【0030】
[0036]本CD27アゴニスト、すなわちCD27アゴニスト性抗体で治療可能な癌には、例えば、白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄球性白血病、骨髄芽球性前骨髄球性骨髄単球性単球性赤白血病、慢性白血病、慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病、慢性リンパ球性白血病、真性赤血球増加症、リンパ腫、ホジキン病、非ホジキン病、多発性骨髄腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖病、固形腫瘍、肉腫、および癌腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜性腫瘍、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸肉腫、結腸直腸癌腫、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平細胞癌腫、基底細胞癌腫、腺癌、汗腺癌腫、皮脂腺癌腫、乳頭癌腫、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌腫、気管支原性癌腫、腎細胞癌腫、肝腫瘍、胆管癌腫、絨毛癌、精上皮腫、胚癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、子宮癌、精巣腫瘍、肺癌腫、小細胞肺癌腫、非小細胞肺癌腫、膀胱癌腫、上皮癌腫、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫(menangioma)、黒色腫、神経芽腫、網膜芽腫、鼻咽頭癌腫、および食道癌腫が含まれる。好ましい態様において、CD40を発現している黒色腫、非小細胞肺癌腫、浸潤性乳管癌腫、びまん性大B細胞リンパ腫、およびCD40を発現する他の固形腫瘍などの、CD40を発現している固形腫瘍を治療するために、本抗体を用いる。
【0031】
[0037]さらに、本発明は、単独で、またはサイトカインなどの別の活性剤および場合によって抗原と併用して、細胞性免疫を増強する必要がある患者に、ある量の本アジュバントアゴニスト併用を投与することによる、こうした治療が必要なヒト被験体において、細胞性免疫を増強する新規方法を提供する。
【0032】
[0038]さらに、本発明は、本アジュバント併用を単独で、または他の免疫に基づく療法および免疫に基づかない療法と組み合わせて用いて、ヒト炎症性疾患および不全を治療することに向けられる。こうした状態には、例えば、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症(例えばCRST症候群)、炎症性筋炎、シェーグレン症候群(SS)、混合性結合組織病(例えばMCTD、シャープ症候群)、関節リウマチ、多発性硬化症、炎症性腸疾患(例えば潰瘍性大腸炎、クローン病)、急性呼吸促迫症候群、肺炎症、骨粗鬆症、遅延型過敏症、喘息、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、および特発性血小板減少性紫斑病(ITP)が含まれる。
【0033】
[0039]好ましくは、アゴニスト性抗ヒトCD27抗体、および場合によって別の免疫刺激剤または免疫調節剤、例えばアゴニスト性CD40、OX−40、4−1BB、またはCTLA−4抗体、制御性T細胞を枯渇させる部分、あるいはサイトカインを投与する本方法は、抗原特異的抗腫瘍または細胞性免疫応答の増進を誘発するため、こうした治療が必要な宿主に投与されるであろう。好ましい態様において、これらの抗体は、癌、感染、特に慢性感染性疾患、例えばウイルス、細菌または寄生虫を伴う疾患;あるいは自己免疫、炎症またはアレルギー状態を有するか、またはこれらを発展させるリスクを有する被験体に投与されるであろう。例えば、本抗体または併用を用いて、HIVに対する抗原特異的細胞性免疫応答を誘発可能である。HIVは、防御免疫が、ほぼ確実に、ウイルスに対する強力でそして長期に存続する細胞性免疫応答の生成を必要とする疾患のよく認識される例である。
【0034】
[0040]記載するように、本発明は、有効な治療が、強力な細胞性抗原特異的免疫応答の誘発を必要とする、ウイルス、細菌、真菌または寄生虫を伴う慢性感染性疾患、ならびに癌などの増殖性疾患、自己免疫疾患、アレルギー性障害、および炎症性疾患の治療に使用可能な、アゴニスト性抗体療法および併用療法を提供する。
【0035】
[0041]本CD27アゴニストは、場合によって、リンホカインおよびサイトカインなどの他の免疫アジュバントと併用投与可能である。これらの例には、アルファ、ベータ、およびガンマーインターフェロンなどのインターフェロン、IL−2、IL−4、IL−6、IL−13など、コロニー刺激因子、TNF等のインターロイキンが含まれる。
【0036】
[0042]さらに、本抗ヒトCD40抗体を、癌を治療するために一般的に用いられる化学療法剤および細胞毒素、血管生成を阻害する剤などの他の抗腫瘍剤と併用投与してもよい。これらのさらなる療法剤を本アゴニスト性抗CD27抗体と、別個に、または併用して投与してもよい。また、いくつかの態様において、化学療法剤などのエフェクター部分を、直接または間接的に、例えばリンカーの使用によって、本抗ヒトCD27、あるいは抗ヒトCD40、抗OX−40、抗4−1BB、抗CTLA−4等の、他の場合によって含まれるアゴニスト性抗体に付着させてもよい。
【0037】
[0043]さらに、いくつかの態様において、本抗ヒトCD27抗体またはアゴニスト性CD27抗体を含有する療法的併用を、所望の抗原と併用して投与してもよいし、または抗原に付着させてもよい。
【0038】
[0044]典型的な抗原には、限定されるわけではないが、細菌、ウイルス、寄生虫、アレルゲン、自己抗原および腫瘍関連抗原が含まれる。DNAに基づくワクチンを用いる場合、抗原は、投与されたDNA構築物の配列によってコードされるであろう。あるいは、コンジュゲートとして抗原を投与する場合、抗原は、投与したコンジュゲートに含まれるタンパク質であろう。さらに、抗原をCD27抗体と別個に投与し、そして抗原が任意の形を取ってもよい。特に、抗原には、タンパク質抗原、ペプチド、全不活性化生物等が含まれてもよい。
【0039】
[0045]本発明で使用可能な抗原の特定の例には、A、B、CまたはD型肝炎、インフルエンザウイルス、リステリア属(Listeria)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、結核菌、ツラレミア、大痘瘡(疱瘡)、ウイルス性出血熱、エルシニア属(Yersinia)ペスト、HIV、ヘルペス、パピローマウイルス由来の抗原、および感染性病原体に付随する他の抗原が含まれる。他の抗原には、腫瘍細胞に付随する抗原、自己免疫状態、アレルギーおよび喘息に付随する抗原が含まれる。本アゴニスト性抗CD27抗体と組み合わせたこうした抗原の投与は、こうした疾患状態に対して免疫を与えるための療法的または予防的ワクチンにおいて使用可能である。
【0040】
[0046]いくつかの態様において、感染性病原体由来の抗原を含むことによって、感染を有するリスクがあるかまたは感染を有する個体を治療するのに、該方法および組成物を用いてもよい。感染は、宿主における外来(foreign)生物または宿主内で生殖する病原体の存在に起因する疾患または状態を指す。感染を有するリスクがある被験体は、感染を発展させる傾向がある被験体である。こうした個体には、例えば、感染性生物または病原体への曝露が知られるかまたは推測される被験体が含まれてもよい。感染を有するリスクがある被験体にはまた、感染性病原体または生物に対する免疫応答を開始する能力が損なわれたことに関連する状態を伴う被験体、例えば先天性または後天性免疫不全を伴う被験体、乳児、高齢者、放射療法または化学療法を受けている被験体、火傷を伴う被験体、外傷性傷害を伴う被験体、手術、または他の侵襲性医学的もしくは歯科学的処置を受けている被験体、あるいは他の免疫無防備状態の個体が含まれてもよい。
【0041】
[0047]潜在的に他の免疫増強剤と併用される本アゴニスト性抗体併用を用いて治療または予防可能な感染には、細菌、ウイルス、真菌、および寄生虫感染が含まれる。やはり含まれる、感染の他のより一般的でないタイプは、リケッチア、マイコプラズマ、ならびにスクレイピー、ウシ海綿状脳症(BSE)、およびプリオン病(例えばクールーおよびクロイツフェルト・ヤコブ病)を引き起こす病原体である。ヒトが感染する細菌、ウイルス、真菌、および寄生虫の例は、周知である。感染は、急性、亜急性、慢性または潜在性であってもよく、そして局所的でもまた全身性でもよい。さらに、感染は、宿主における感染性生物または病原体の生活環の少なくとも1つの期の間に、主に細胞内性でもまたは細胞外性でもよい。
【0042】
[0048]本抗体を用いて、細胞性免疫応答を増強してもよい細菌感染には、グラム陰性およびグラム陽性細菌の両方が含まれる。グラム陽性細菌の例には、限定されるわけではないが、パスツレラ属(Pasteurella)種、スタフィロコッカス属(Staphylococci)、およびストレプトコッカス属(Streptococci)種が含まれる。グラム陰性細菌の例には、限定されるわけではないが、大腸菌(Escherichia coli)、シュードモナス属(Pseudomonas)種、およびサルモネラ属(Salmonella)種が含まれる。感染性細菌の具体的な例には、限定されるわけではないが、ピロリ菌(Heliobacter pyloris)、ライム病菌(Borrelia burgdorferi)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophilia)、マイコバクテリウム属(Mycobacteria)種(例えば、結核菌(M. tuberculosis)、M.アビウム(M. avium)、M.イントラセルラレ(M. intracellilare)、カンサシ菌(M. kansaii)、M.ゴルドナエ(M. gordonae))、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、リステリア菌(Listeria monocytogeners)、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)(A群ストレプトコッカス属)、ストレプトコッカス・アガラクチエ(Streptococcus agalactiae)(B群ストレプトコッカス)、ストレプトコッカス属(ビリダンス群)、フェカリス菌(Streptococcus faecalis)、ストレプトコッカス・ボビス(streptococcus bovis)、ストレプトコッカス属(嫌気性種)、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、病原性カンピロバクター属(Campylobacter)種、エンテロコッカス属(Enterococcus)種、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、ジフテリア菌(Corynebacterium diptheriae)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)種、ブタ丹毒菌(Erysipelothrix rhusiopathie)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、破傷風菌(Clostridium tetani)、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、パスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)、バクテロイデス属(Bacteroides)種、フソバクテリウム・ヌクレアツム(Fusobacterium nucleatum)、ストレプトバチルス・モニリフォルミス(Streptobacillus moniliformis)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、トレポネーマ・ペルテヌエ(Treponema pertenue)、レプトスピラ属(Leptospira)、リケッチア属(Rickettsia)、およびアクチノミセス・イスラエリ(Actinomyces israelii)が含まれる。
【0043】
[0049]ヒトにおいて感染を引き起こすウイルスの例には、限定されるわけではないが、レトロウイルス科(Retroviridae)(例えばヒト免疫不全ウイルス、例えばHIV−1(HTLV−IIIとも称される)、HIV−II、LACまたはIDLV−III/LAVまたはHIV−IIIおよびHIV−LPなどの他の単離体)、ピコルナウイルス科(Picornaviridae)(例えばポリオウイルス、A型肝炎ウイルス、エンテロウイルス、ヒト・コクサッキーウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス)、カリシウイルス科(Calciviridae)(例えば胃腸炎を引き起こす株)、トガウイルス科(Togaviridae)(例えばウマ脳炎ウイルス、風疹ウイルス)、フラビウイルス科(Flaviviridae)(例えばデングウイルス、脳炎ウイルス、黄熱病ウイルス)、コロナウイルス科(Coronaviridae)(例えばコロナウイルス)、ラブドウイルス科(Rhabdoviridae)(例えば水疱性口内炎ウイルス、狂犬病ウイルス)、フィロウイルス科(Filoviridae)(例えばエボラウイルス)、パラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)(例えばパラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス)、オルトミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)(例えばインフルエンザウイルス)、ブンガウイルス科(Bungaviridae)(例えばハンタン(Hataan)ウイルス、ブンガウイルス、フレボウイルス(phleobovirus)およびナイロウイルス)、アレナウイルス科(Arena viridae)(出血熱ウイルス)、レオウイルス科(Reoviridae)(例えばレオウイルス、オルビウイルス、ロタウイルス)、ビマウイルス科(Bimaviridae)、ヘパドナウイルス科(Hepadnaviridae)(B型肝炎ウイルス)、パルボウイルス科(Parvoviridae)(パルボウイルス)、パポバウイルス科(Papovaviridae)(パピローマウイルス、ポリオーマウイルス)、アデノウイルス科(Adenoviridae)(アデノウイルス)、ヘルペスウイルス科(Herpeviridae)(例えば単純ヘルペスウイルス(HSV)IおよびII、帯状疱疹ウイルス、ポックスウイルス)、およびイリドウイルス科(Iridoviridae)(例えばアフリカブタ熱ウイルス)、ならびに未分類ウイルス(例えば海綿状脳疾患の病原体、デルタ肝炎の病原体、非A非B肝炎の病原体(クラス1腸管伝染;C型肝炎などのクラス2非経口感染);ノーウォークおよび関連ウイルスおよびアストロウイルス)が含まれる。
【0044】
[0050]真菌の例には、アスペルギルス属(Aspergillus)種、コクシジオイデス・イミチス(Coccidoides immitis)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)および他のカンジダ属種、ブラストミセス・デルマティディス(Blastomyces dermatidis)、ヒストプラズマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)、トラコーマクラミジア(Chlamydia trachomatis)、ノカルジア属(Nocardia)種、およびカリニ肺炎菌(Pneumocytis carinii)が含まれる。
【0045】
[0051]寄生虫には、限定されるわけではないが、血液感染性および/または組織寄生虫、例えば、ネズミバベシア(Babesia microti)、バベシ・ディベルガンス(Babesi divergans)、赤痢アメーバ(Entomoeba histolytica)、ランブル鞭毛虫(Giarda lamblia)、熱帯リーシュマニア(Leishmania tropica)、リーシュマニア属種、ブラジルリーシュマニア(Leishmania braziliensis)、ドノバンリーシュマニア(Leishmania donovdni)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae)、卵形マラリア原虫(Plasmodium ovale)、三日熱マラリア(Plasmodium vivax)、トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)、ガンビアトリパノソーマ(Trypanosoma gambiense)およびローデシアトリパノソーマ(Trypanosoma rhodesiense)(アフリカ睡眠病)、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)(シャーガス病)およびトキソプラズマ原虫、扁平動物、および回虫が含まれる。
【0046】
[0052]記載するように、本発明は、好ましくは、癌などの増殖性疾患を治療する際の、アゴニスト性抗ヒトCD40、OX−40、CTLA−4、4−1BB抗体またはサイトカイン、あるいは制御性T細胞を枯渇させる剤などの別の部分が場合によって付随する、アゴニスト性抗ヒトCD27抗体の使用に関する。癌は、体の臓器および系の正常な機能に干渉する、細胞の制御されない増殖の状態である。癌を有する被験体は、被験体の体内に存在する客観的に測定可能な癌細胞を有する被験体である。癌を発展させるリスクがある被験体は、例えば家族歴、遺伝的素因に基づいて、癌を発展させる素因がある被験体、放射線または他の癌を引き起こす剤に曝露された被験体である。元来の位置から遊走し、そして生命維持に必要な臓器に播種する癌は、最終的に、影響を受けた臓器の機能の悪化を通じて、被験体の死を導きうる。白血病などの造血性癌は、被験体において、正常造血区画を競合して追い出し(out−compete)、それによって造血不全(貧血、血小板減少症および好中球減少症の形)を導き、最終的には死を引き起こす。
【0047】
[0053]CD27アゴニスト、および上述のような場合による別の部分を含む本発明の組成物を用いて、例えば、腫瘍関連抗原(TAA)を含むことによって、多様な癌、または癌を発展させるリスクがある被験体を治療してもよい。これは、腫瘍細胞中に発現される抗原である。こうした癌の例には、乳癌、前立腺癌、結腸癌、白血病、慢性リンパ球性白血病等の血液癌が含まれる。腫瘍関連抗原はまた、腫瘍細胞によって主に発現されるが独占的に発現されるのではない抗原であってもよい。
【0048】
[0054]さらなる癌には、すでに言及されたもの、ならびに基底細胞癌種、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳および中枢神経系(CNS)癌、子宮頸癌、絨毛癌、結腸直腸癌、結合組織癌、消化系の癌、子宮内膜癌、食道癌、目の癌、頭部および頸部の癌、胃癌、上皮内新生物、腎臓癌、喉頭癌、肝癌、肺癌(小細胞、大細胞)、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫;黒色腫;神経芽腫;口腔癌(例えば唇、舌、口および咽頭);卵巣癌;膵臓癌;網膜芽腫;横紋筋肉腫;結腸癌;呼吸器系の癌;肉腫;皮膚癌;胃癌;精巣癌;甲状腺癌;子宮癌;泌尿器系の癌;ならびに他の癌腫および肉腫が含まれる。
【0049】
[0055]また、本CD27アゴニスト、および含有組成物または先に定義したような併用療法を用いて、多発性硬化症、関節リウマチ、1型糖尿病、乾癬または他の自己免疫障害などの自己免疫疾患を治療してもよい。本発明の免疫アジュバントで潜在的に治療可能な他の自己免疫疾患には、クローン病、および潰瘍性大腸炎などの他の炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス(SLE)、自己免疫脳脊髄炎、重症筋無力症(MG)、橋本甲状腺炎、グッドパスチャー症候群、天疱瘡、グレーブス病、自己免疫溶血性貧血、自己免疫血小板減少性紫斑病、抗コラーゲン抗体を伴う強皮症、混合性結合組織疾患、多発性筋炎(polypyositis)、悪性貧血、特発性アジソン病、自己免疫関連不妊、糸球体腎炎(例えば半月体性糸球体腎炎、増殖性糸球体腎炎)、類天疱瘡、シェーグレン症候群、乾癬性関節炎、インスリン耐性、自己免疫糖尿病(1型糖尿病;インスリン依存性糖尿病)、自己免疫肝炎、自己免疫血友病、自己免疫リンパ増殖性症候群(ALPS)、自己免疫肝炎、自己免疫血友病、自己免疫リンパ増殖性症候群、自己免疫網膜ブドウ膜炎、およびギラン−バレー症候群が含まれる。最近、動脈硬化症およびアルツハイマー病が自己免疫疾患と認識された。したがって、本発明のこの態様において、本CD27アゴニスト、典型的にはアゴニスト性CD27抗体を、単独で、または宿主が組織破壊および正常組織への損傷に寄与する望ましくない免疫応答を誘発する、自己抗原と併用して、投与してもよい。
【0050】
[0056]本抗CD27抗体および併用療法はまた、喘息、ならびにアレルギー性および炎症性疾患を治療するのにも使用可能である。喘息は、炎症および気道狭窄、ならびに吸入した物質への気道の反応性増加によって特徴付けられる呼吸系の障害である。喘息は、独占的ではないが、しばしば、アトピー性またはアレルギー性症状と関連づけられる。アレルギーは、物質(アレルゲン)に対する後天性過敏症である。アレルギー状態には、湿疹、アレルギー性鼻炎、または鼻感冒、枯草熱、気管支喘息、蕁麻疹、および食物アレルギー、ならびに他のアトピー性状態が含まれる。アレルゲンは、感受性の被験体において、アレルギー性または喘息性応答を誘導可能な物質である。花粉、昆虫毒、動物のふけ、ほこり、真菌胞子、および薬剤を含む、多くのアレルゲンがある。
【0051】
[0057]天然および植物アレルゲンの例には、以下の属に特異的なタンパク質が含まれる:イヌ科(Canine)、ダニ属(Dermatophagoides)、ネコ属(Felis)、ブタクサ属(Ambrosia)、ドクムギ属(Lotium)、スギ属(Cryptomeria)、アルテルナリア属(Alternaria)、ハンノキ属(Alder)、アルヌス属(Alinus)、カバノキ属(Betula)、カシ属(Quercus)、オリーブ属(Olea)、ヨモギ属(Artemisia)、オオバコ属(Plantago)、ヒカゲミズ属(Parietaria)、チャバネゴキブリ属(Blatella)、ミツバチ属(Apis)、イトスギ属(Cupressus)、ビャクシン属(Juniperus)、クロベ属(Thuya)、ヒノキ属(Chamaecyparis)、ゴキブリ属(Periplanet)、カモジグサ属(Agopyron)、ライムギ属(Secale)、コムギ属(Triticum)、カモガヤ属(Dactylis)、ウシノケグサ属(Festuca)、イチゴツナギ属(Poa)、カラスムギ属(Avena)、シラゲガヤ属(Holcus)、ハルガヤ属(Anthoxanthum)、オオカニツリ属(Arrhenatherum)、コヌカグサ属(Agrostis)、アワガエリ属(Phleum)、クサヨシ属(Phalaris)、スズメノヒエ属(Paspalum)、モロコシ属(Sorghum)、およびブロミス属(Bromis)。
【0052】
[0058]本抗体、抗体含有組成物、およびそのコンジュゲートを、特定の状態、例えば感染性疾患、癌または自己免疫状態を治療するための他の療法と併用してもよいことが理解される。例えば、癌の場合、本発明の方法を化学療法または放射療法と併用してもよい。
【0053】
[0059]所望の抗原に対する抗体を作製する方法が周知である。しかし、本発明までは、アゴニスト性CD27 mAbは報告されておらず、また本明細書に請求するような、免疫療法のためのその使用は示唆されてこなかった。
【0054】
[0060]対照的に、上述のように、アゴニスト性CD40抗体が知られており、免疫療法におけるその使用も知られている。また、図9において、本出願は、好ましい典型的なキメラアゴニスト性CD40抗体LOB7/4の重鎖および軽鎖の可変配列を提供し、これによって、当業者は、組換え法により、この抗体を作製可能であろう。CD27抗体が、CD40アゴニスト性抗体に付随して用いられる場合、本CD40アゴニストおよびCD27アゴニストの有効量は、実験的に、または動物モデルにおける免疫学的有効量に基づいて、決定可能である。相対的な量は、in vivoで、CTL応答増進およびCD8+ T細胞増殖を生じるものである。考慮すべきさらなる要因には、抗原性、配合、投与経路、投与すべき免疫用量の回数、個体の身体状態、体重、および年齢、副作用等が含まれる。こうした要因は、当業者に周知であり、そして当業者によって決定可能である(例えばPaolettiおよびMclnnes監修, Vaccines, from Concept to Clinic: A Guide to the Development and Clinical Testing of Vaccines for Human Use CRC Press(1999)を参照されたい)。本CD27アゴニストを単独でまたは他のアジュバントと組み合わせて投与してもよいことが理解される。
【0055】
[0061]限定されるわけではないが、筋内、静脈内、皮内、皮下、腹腔内、鼻内、経口または他の粘膜経路を含む、当該技術分野に知られる任意の方法によって、本アゴニストまたはその併用、例えばCD40/CD27アゴニスト性抗体併用を局所的または全身性に投与してもよい。さらなる経路には、頭蓋内(例えば槽内、または脳室内)、眼窩内、眼性、嚢内、脊椎内、および局所投与が含まれる。本発明のアジュバントおよびワクチン組成物を、適切な非毒性薬学的キャリアー中で投与してもよいし、あるいはマイクロカプセルまたは持続性放出移植物中で配合してもよい。所望の細胞性免疫応答を維持するため、望ましい場合は、本発明の免疫原性組成物を多数回投与してもよい。適切な経路、配合、および免疫化スケジュールは、当業者によって決定可能である。
【0056】
[0062]本発明の方法において、いくつかの場合、抗体または抗体コンジュゲート併用を、1つまたはいくつかの抗原、あるいは他の活性剤、例えばサイトカインまたは化学療法剤と組み合わせて投与してもよい。これらの組成物および含有活性剤を、別個に、または細胞性免疫の所望の増進を達成する任意の順序で、併用して、投与してもよい。典型的には、互いに短期間内に、すなわち互いに約1日以内に、典型的には互いに数時間、そしてより典型的には互いに約1時間以下のうちに、これらの組成物を投与する。
【0057】
[0063]いくつかの例において、アフィニティー精製を促進する組換え抗体アゴニスト上の部分を含むことが有益でありうる。こうした部分には、コンジュゲート中のポリペプチドの機能に干渉しない、比較的小さい分子が含まれる。あるいは、タグは切断によって除去可能である。こうしたタグの例には、ポリ−ヒスチジンタグ、赤血球凝集素タグ、マルターゼ結合性タンパク質、レクチン、グルタチオン−Sトランスフェラーゼ、アビジン等が含まれる。他の適切なアフィニティータグには、FLAG、緑色蛍光タンパク質(GFP)、myc等が含まれる。
【0058】
[0064]本抗体および含有抗体コンジュゲートを、生理食塩水などの生理学的に許容されうるキャリアーとともに投与してもよい。組成物にはまた、クエン酸、リン酸、酢酸、および重炭酸などの緩衝剤、アミノ酸、尿素、アルコール、アスコルビン酸、リン脂質、血清アルブミンなどのタンパク質、エチレンジアミン四酢酸、塩化ナトリウム、または他の塩、リポソーム、マンニトール、ソルビトール、グリセロール等の別のキャリアーまたは賦形剤が含まれてもよい。対応する投与経路にしたがって、本発明の剤を多様な方式で配合してもよい。例えば、摂取または注射用に液体配合物を作製してもよく、摂取、吸入、または局所適用のため、ゲルまたは手法を作製してもよい。こうした配合物を作製するための方法が周知であり、そして例えば、"Remington's Pharmaceutical Sciences," 第18版, Mack Publishing Company, ペンシルバニア州イーストンに見出されうる。
【0059】
[0065]発現を導くことが可能な任意のベクター、例えばベクターで形質導入された細胞を用いて、本アゴニスト性抗体を発現させてもよい。使用可能なベクターには、例えば、バキュロウイルス、細菌で使用するためのT7に基づくベクター、酵母発現ベクター、哺乳動物発現ベクター、ウイルス発現ベクター等が含まれる。ウイルスベクターには、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ベクター、ヘルペスウイルス、シミアンウイルスSV、およびウシパピローマウイルスベクターが含まれる。
【0060】
[0066]本アゴニスト性抗体の発現を促進するのに使用可能な原核細胞および真核細胞には、例えば、微生物、植物および動物細胞、例えば大腸菌、枯草菌(Bacillus subtilis)等の原核生物、Sf21細胞などの昆虫細胞、サッカロミセス属(Saccharomyces)、カンジダ属、クリュイベロミセス属(Kluyveromyces)、シゾサッカロミセス属(Schizzosaccharomyces)、およびピキア属(Pichia)などの酵母細胞、ならびにCOS、HEK293、CHO、BHK、NIH 3T3、HeLa等の哺乳動物細胞が含まれる。当業者は、特定の発現系に適した構成要素を容易に選択可能であり、これには、所望の細胞または生物に適した、発現ベクター、プロモーター、選択可能マーカー等が含まれる。多様な発現系の選択および使用は、例えば、Ausubelら, "Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, ニューヨーク州ニューヨーク(1993);およびPouwelsら, Cloning Vectors: A Laboratory Manual", 1985 Suppl. 1987に見出されうる。本DNA構築物を含有し、そして発現する真核細胞もまた提供する。
【0061】
[0067]本明細書において、用語「抗体」は、最も広い意味において、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体、ならびにその抗原結合性断片を含むように用いられる。これには、Fab、F(ab’)2、ミニボディ、一本鎖AbおよびFv断片が含まれる。
【0062】
[0068]さらに、用語「抗体」には、天然抗体、ならびに非天然存在抗体、例えば一本鎖抗体、キメラ抗体、二重官能性およびヒト化抗体が含まれる。本発明で使用するのに好ましいのは,キメラ、ヒト化、および完全ヒト抗体である。キメラ、ヒト化、CDR移植、一本鎖および二重官能性抗体を合成するための方法は当業者に周知である。さらに、記載するように、CD27に特異的な抗体が知られ、そして入手可能であり、そしてCD27抗原、好ましくはヒトCD27抗原で適切な宿主を免疫することによって作製可能である。本発明に記載するように、CD40抗体を用いる場合、CD40抗体は、図9に含有される可変重鎖および軽鎖配列を有するキメラLOB7/4を含んでもよく、その合成は図10および11に図示される。
【0063】
[0069]本発明のアゴニスト性CD27抗体は、損なわれていなくても、または操作されていてもよい。例えば、CD27 mAbは、補体、マクロファージなどのFcR所持エフェクターなどのヒトエフェクター系への結合増加または減少のために、あるいは半減期を延長するかまたは減少させるために、完全にまたは部分的にグリコシル化され、そして/または選択されていてもよい。これらの修飾を行って、有効性を改善し、そして潜在的にまた、毒性副作用を減少させてもよい。
【0064】
[0070]本発明の多様な態様の活性に実質的に影響を及ぼさない修飾もまた、本明細書に提供する本発明の定義内で提供されることが理解される。したがって、以下の実施例は、本発明を例示するが限定しないよう意図される。
【実施例】
【0065】
[0071]材料および方法
[0072](以下の材料および方法を実施例1〜6で用いた。)
[0073]動物および細胞株。BALB/cおよびC57Bl/6マウスは、Harlan(英国、オクソン、ブラックソーン)によって供給され、そして現地の動物施設で維持された。BCL1(SlavinおよびStrober 1978)マウスBリンパ腫細胞株は、BALB/cマウスにおけるi.p.継代によって、in vivoで維持された。疾患の最終段階で脾臓を除去し、そして先に記載するように、単細胞懸濁物を調製した。P BCL1細胞は、BCL1由来の亜系統であり、そして培養中で増殖させた(Illidge, Honeychurchら 2000)。英国内務省認可指針にしたがった認可の下で動物実験を行い、そしてこれらは、サザンプトン大学倫理委員会によって認可された。
【0066】
[0074]抗体および試薬。本研究に用いた抗CD40処置mAbは、3/23であった(元来、G. Klaus, National Institute of Medical Research, 英国ロンドンによって提供されたもの)。それぞれ、4−1BBL−Fc融合タンパク質または可溶性組換えCD70タンパク質でラットを免疫することによって、社内で、抗4−lBBL mAb、AT113−2、および抗CD70 mAb、TAN1−6を作製した(Taraban, Rowleyら 2004)。mAbの調製のため、静置培養中でハイブリドーマ細胞を拡大し、そしてプロテインGカップリングSepharoseビーズを用いて、IgGを上清から調製した。フローサイトメトリー分析に用いた抗体は:すべて社内で調製され、そしてPEまたはFITC標識されている、ID3(抗CD19)(Krop, de Fougerollesら 1996)、16−10A1(抗B7−l)およびGL−1(抗B7−2)(どちらもAmerican Type Culture Collection)、ICAM−1(参照)、N418(抗CD11c)(ATCC)、Mc10−6A5(抗BCL1 Id mAb)(George, McBrideら 1991)、LOB12/3(抗4−lBB)(Taraban, Rowleyら 2004)、YTS169(抗CD8); PE標識抗CD27およびAPC標識抗CD8(どちらもPharmingen)であった。可溶性融合タンパク質、sCD70−Fcおよびs4−1BBL−Fcを先に記載したように生成した(RowleyおよびAl−Shamkhani 2004)。
【0067】
[0075]BIACORE分析。TAN1−6およびAT113−2の結合のBiacore分析を先に記載されるように行った(Al−Shamkhani, Mallettら 1997)。
【0068】
[0076]OT−1細胞の養子免疫伝達。OT−Iマウス由来のOVA特異的H−2Kb制限TCRトランスジェニックT細胞(1x106)を、性別が一致したC57BL/6レシピエントにi.v.注射した。1または2日後:抗CD40または対照抗A31リンパ腫Id mAb(各500μg)、または抗CD40および抗CD70/抗4−1BBL mAb(各500μg)と併用したOVA(5mg)のi.p.投与によって、T細胞をプライミングした。翌日、これらのマウスに、対照抗A31リンパ腫Id mAb、抗CD70または抗4−1BBL mAb(500μg)をさらに注射した。Ag特異的T細胞を追跡するため、血液試料(50μl)をPE標識H−2Kb OVAp四量体(ProimmuneまたはBeckman Coulter)およびAPC標識抗CD8□(Pharmingen)で染色した(Taraban, Rowleyら 2004)。
【0069】
[0077]内因性抗OVA応答の監視。抗CD40および対照(抗A31リンパ腫Id)、抗CD70または抗CD137L mAbのいずれか(各500μg)と併用したOVA(5mg)のi.p.投与によって、C57BL/6マウスをプライミングした。翌日、マウスに、対照、抗CD70または抗CD137L mAbのいずれか(500μg)をさらに注射した。Ag特異的T細胞を追跡するため、プライミング6日後、血液試料(50μl)をPE標識H−2Kb OVAp四量体およびAPC標識抗CD80(Pharmingen)で染色し、そしてFACSCalibur(BD Biosciences、カリフォルニア州マウンテンビュー)を用いて、フローサイトメトリー分析を行った。
【0070】
[0078]腫瘍および抗CD40 mAb後の、脾臓リンパ球およびDCのフローサイトメトリー分析
[0079]年齢一致BALB/cマウスに、5x107 BCL1細胞を第0日に投与し(i.v.)、そして次いで、脾臓における腫瘍細胞レベルが、総細胞のおよそ5%に到達したとき、典型的には腫瘍後4日目に、1mgの抗CD40 mAbまたはアイソタイプ一致対照を投与した(i.v.)。抗CD40 mAb処置の応答に対する、抗4−1BBLおよび抗CD70 mAbの影響を見る実験において、抗CD40注射の4時間前に0.5mgの遮断性mAbをi.p.注射し、そして次いで、抗CD40 mAb後、1日目および3日目にも注射した。示した日に動物を屠殺し、脾臓を除去し、そして懸濁物を調製した。PE抗CD19およびFITC抗BCL1 Idを用いて、BCL1腫瘍細胞を検出した。APC抗CD8aおよびPE抗4−1BBおよび抗CD27を用いて、CD8+リンパ球の数および表現型の変化を追跡した。FACSCalibur(BD Biosciences)を用いて、フローサイトメトリー分析を行った。
【0071】
[0080]DC分析のため、全脾臓を荒く切り刻み、そしてRPMI−1640 5ml中の1mg/mlコラゲナーゼD(Roche)および0.05mg/ml DNアーゼI(Sigma)で消化して、そして37℃で30分間、穏やかに攪拌した。次いで、20mlの培地を添加し、そして単細胞懸濁物を調製した。細胞を一度洗浄し、再懸濁し、そして抗FcgIIおよびIII受容体mAb、2.4G2の存在下で、PE抗CD11cおよびFITC抗B7.1、B7.1、ICAM、4−1BB、4−1BBL、およびCD70を用いて、フローサイトメトリー用に試料を標識した。死亡した細胞および自己蛍光細胞がFL3を用いてゲーティング可能であるように、分析15分前に、最終濃度2μg/mlの7−アミノアクチノマイシン−D(7AAD)を添加した。FACSCaliburを用いて、フローサイトメトリー分析を行った。
【0072】
[0081]免疫療法。5匹の年齢一致マウスの群に、第0日に、107 BCL1細胞をi.v.注射し、そして次いで、第4〜7日に、抗CD40をi.v.注射し(250mg/日)、そして示した箇所で、第4、7、9および11日に、遮断性mAbをi.p.注射した(500mg/日)。
【0073】
[0082]in vivo殺傷アッセイ。マウスに、2x107 BCL1細胞をi.p.注射し、そして48時間後に1mgの抗CD40をi.p.注射した。8日後、3匹のマウスの群に、1mgの適切な遮断性mAbをi.p.注射し、そして次いで5時間後、末期BCL1腫瘍所持マウス由来の2x107 CFSE標識脾臓細胞を注射した。24時間後、洗浄し、そしてPE標識抗BCL1 IdおよびAPC標識抗CD8で染色することによって、腹腔から細胞を回収した。
【0074】
[0083]細胞毒性アッセイ。先に記載されるように(Tutt, O’Brienら 2002)、標準的4時間51Cr放出アッセイを用いて、脾臓エフェクターの細胞毒性活性を評価した。簡潔には、抗CD40処置の4〜5日後、BCL1所持マウスから、脾臓ホモジネートを調製した。FITC抗Id mAbを用いて残りの腫瘍細胞を除去し、その後、抗FITC MACSビーズおよびLSカラム(Miltenyi Biotec, Bergisch Gladbach, Germany)を用いた。残りの細胞をエフェクターとして用いた。PBCL1細胞を51Crで標識し、そしてターゲットとして用いた。細胞毒性に対するmAbの効果を評価するため、最終濃度50μg/mlでこれらを含めた。150μlの1%Nonidet P−40を添加しておいたターゲット細胞を用いて、放射能の最大放出を計算した。標準式を用いて、特異的51Cr放出の割合を計算した:特異的放出の割合=[(試料放出−バックグラウンド放出)/(最大放出−バックグラウンド放出)]x100。
【0075】
[0084]実施例1:TAN1−6(抗CD70)およびAT113−2(抗4−1BBL)は、それぞれin vitroおよびin vivoで、4−1BBL/4−1BBおよびCD70/CD27相互作用を遮断する。
【0076】
[0085]実施例1に含有される本実験において、1aおよび1bのどちらにおいても、1マイクログラム/mlの抗CD3で、BALB/c脾臓細胞を48時間活性化して、T細胞上のCD70および4−1BBの発現を上方制御した。3aにおいては、TAN1−6(実線)またはAT113−2(点線)(50マイクログラム/ml)の存在下で、FITC標識抗ヒトFc mAb(SB2H2、10マイクログラム/ml)を用いて、活性化された脾臓細胞へのsCD70−IgFc融合タンパク質(1.125マイクログラム/ml)の結合を、そしてFITC標識抗ヒトFc mAb SB2H2を用いて、細胞へのs4−1BBL−Ig Fc融合タンパク質(1.125マイクログラム/ml)の結合を検出した。aおよび1bの両方において、塗りつぶしたヒストグラムは、SB2H2で検出されたhIgGの対照を示す。1cにおいては、対照IgG(抗A31イディオタイプ)、抗CD70(TAN1−6)または抗4−1BBL(AT113−2)mAb(各0.5mg)のいずれかと併用した、OVA(5mg)および抗CD40(1mg)のi.p.投与後、C57Bl/6マウスにおける内因性Ova特異的CD8 T細胞応答を監視した。24時間後、マウスに対照、抗CD70または抗4−1BBL mAbを反復注射した。6日後、APC標識抗CD8およびPE標識H−2 Kb SIINFEKL四量体を用いて、末梢血中のOVA特異的T細胞を検出した。
【0077】
[0086]実施例2:BCL1マウスにおける抗CD40の療法活性に対する抗4−1BBL(AT113−2)および抗CD70(TAN1−6)の影響。
【0078】
[0087]図2に示す本実験において、5匹のマウスの群に、第0日に、1x107BCL1腫瘍細胞をiv接種し、そして腫瘍後4、5、6および7日目に、抗CD40でiv処置した(1日あたり500マイクログラム)。示すように、群にはまた、第4、7、9および11日に、抗4−1BBLおよび/または抗CD70も投与した(500マイクログラム/mAb/日、i.p.)。腫瘍発展に関して、マウスを監視した。図4の結果は、3つの類似の実験の1つの結果を示し、そして含有する。
【0079】
[0088]実施例3:抗CD40 mAb療法後のCD8+ T細胞の集積およびBCL1腫瘍根絶に対する、抗4−1BBLおよび抗CD70の影響。
【0080】
[0089]結果が図3に含有される本実験において、マウスの群に、5x107 BCL1細胞をiv接種し、そして4日後(図の第0日)、抗CD40 mAbで処置し、その時点で、脾臓におけるId+腫瘍細胞レベルは、3〜5%の間であった。示す箇所で、第0、1、および2日、マウスに、抗4−1BBLおよび/または抗CD70 mAbもまた投与した(500マイクログラム/mAb/日)。示す日に、本明細書の材料および方法に記載するように、フローサイトメトリーによって、脾臓腫瘍およびCD8+ T細胞を監視した。図3aの実験は、脾臓腫瘍細胞総数を示し、そして3bは、BCL1処置後のCD8+細胞総数を示す。点は2つ組動物の平均であり、そして結果は4つの類似の実験結果を示す。
【0081】
[0090]実施例4:抗4−1BBL(AT113−2)および抗CD70(TAN1−6)は、抗CD40が誘導する表現型変化、またはBCL1マウス由来の脾臓DC数の変化に影響を及ぼさない。
【0082】
[0091]図4の実験において、マウスに5x107 BCL1細胞をiv接種し、そして4日後(図の第0日)、抗CD40(1mg)mAbで処置した。示す箇所で、抗CD40処置の4時間前、そして1および2日後に再び、マウスに抗4−1BBLまたは抗CD70をi.p.投与した(500マイクログラム/日)。第3日、脾臓DCの総数を図2におけるように分析した。図4の結果は2つ組マウスの平均を示し、そして2つの類似の実験のうちの1つの結果を含有する。
【0083】
[0092]実施例5:抗4−1BBLおよび抗CD70は、in vivoまたはin vitroで、応答のエフェクター段階を阻害しない。
【0084】
[0093]本実験は図5に含有される。図5aにおいて、マウスに2x107 BCL1細胞をi.p.注射し、そして48時間後、抗CD40 mAb(1mg)を注射した。さらに8日後、3匹のマウスの群に、1mgの適切な遮断抗体をi.p.注射し、そして次いで、5時間後、BCL1腫瘍所持マウス由来の2x107 CFSE標識脾臓細胞を注射した。24時間後、腹腔より細胞を採取し、PE標識抗BCL1 Idで染色し、そしてフローサイトメトリーによって評価した。ゲーティングされた二重陽性(CFSE+およびId+)細胞は、生存腫瘍細胞に相当する。5b)において、マウスに5x107 BCL1をi.v.接種し、そして4日後、抗CD40 mAbを接種した(1mg、i.v.)。抗CD40の5日後、脾臓リンパ球を調製し、そして材料および方法に記載するように、PE標識抗BCL1 Id mAbおよび抗PEビーズを用いて、残った腫瘍細胞を除去した。残った脾臓細胞(およそ40% CD8+)をエフェクターとして用いて、そして単独で、あるいは100マイクログラム/mlの抗CD40、抗CD8、抗4−1BBL、または抗CD70の存在下で、ターゲットとしての51Cr標識IIBCL1細胞とインキュベーションした。この結果を、ターゲット細胞の特異的溶解パーセントとして示す。
【0085】
[0094]実施例6:A31およびBCL1リンパ腫に対する抗CD27の療法強度
[0095]図6に示す本実験において、マウスに、2x107 BCL1細胞をiv注射し、そして次いで、後に、対照IgG、抗CD40 mAb、抗CD27または抗4−1BB mAb(1mg)でiv処置した。マウスを毎日2回監視し、そして図中の結果は、2つの類似の実験のうちの1つを示す。特に、4x106CD8+ OT−Iリンパ球の養子免疫伝達1日後(第0日)、レシピエントB6マウスを30mmol OVAペプチド(SINFEKL、OVA 257−264)でiv免疫した。動物にはまた、組換え可溶性CD70または抗マウスCD27(その調製を次の実施例に示す)または対照mAbを4回、iv注射した(第90、1、2および3日;注射あたり250マイクログラム)。OVA特異的CD8+ T細胞をin vivoで追跡するため、血液試料をPE H−2KB OVA 257−264四量体およびAPC抗CD8アルファで染色した。OVA特異的CD8+ T細胞の拡大は、応答のピーク時、第4日で示される。
【0086】
[0096]実施例7:抗マウスCD27 mAb AT124−1の調製
[0097]マウスCD27−huFc分泌CHO細胞を調製し、そしてそこからの上清をプロテインA上でプロセシングして、融合タンパク質を精製した。標準法にしたがって、CFA、IFCA、次いでPBS中の50マイクログラム/用量の融合タンパク質でLouラットを免疫した。最初に融合タンパク質に対して、そして次いで細胞に対して、ハイブリドーマをスクリーニングした。細胞はConA活性化脾臓細胞、すなわち活性化T細胞であった。
【0087】
[0098]商業的ハムスターCD27(LG3A10(Becton Dickinson))、P 04 2 115に比較して、AT124−1(本発明の抗体)は、CD70−Fcによって部分的にしか、またはまったく遮断されず(110から80MFIに減少)、一方、LG3A10−PEは遮断されて、1500から180MFIに減少した。この実験をP 04 2 130で反復して、類似の結果を得た。
【0088】
[0099]図7に示すように、本発明のラット抗マウスCD27(AT124−1)および陽性対照ハムスター抗マウスCD27(LG3A10)はどちらも、マウスCD27トランスフェクション細胞を標識した。どちらの抗体も非トランスフェクション細胞には結合しなかった。
【0089】
[00100]結果
[00101]BCL1リンパ腫の抗CD40処置中の脾臓CD8 T細胞およびDCの表現型変化
[00102]
[00103]
[00104]抗CD40への療法的応答に対する、4−1BBL/4−1BBおよびCD70/CD27相互作用遮断の影響
[00105]本発明者らは、腫瘍所持マウスのCD40 mAb処置後に見られる療法的応答への、4−1BBおよびCD27分子の重要性を調べた。4−1BBLおよびCD70に特異的な遮断性mAbを用いて、4−1BBL/4−1BBおよびCD70/CD27相互作用破壊の影響を調べた。AT113−2(抗4−1BBL)およびTAN1−6(抗CD70)が、それぞれ、4−1BBL/4−1BBおよびCD70/CD27相互作用を破壊可能であることは、これらが、活性化T細胞へのs4−1BBL−FcおよびsCD70−Fcの結合を遮断することを示すことによって、確認された(図1aおよびb)。さらに、両mAbは、BIACore分析によって決定されたものと類似のアフィニティーで、ターゲット抗原に結合した。AT113−2(抗4−1BBL)およびTAN1−6(抗CD70)のKD値は、それぞれ、3.8x10−9および3.0x10−9であった。抗CD70および抗4−1BBL mAbがin vivoで応答を遮断可能であることを確認するため、本発明者らは、C57BL/6マウスにおいて、OVAに対する内因性CD8応答に対するその影響を調べた(図1c)。先に示されるように(Taraban, Rowleyら 2004)、CD40が仲介する、内因性OVA特異的CD8 T細胞の拡大は、抗CD70 mAbによって、ほぼ完全に阻害された。比較すると、抗4−1BBL mAbは、抗CD40が誘導するOVA特異的T細胞レベルの50%の減少を生じた。
【0090】
[00106]本発明者らは、次いで、抗CD40 mAbへのBCL1腫瘍所持マウスの療法的応答に対する、抗CD70および抗4−1BBL mAbの影響を決定した。マウスに、第0日、1x107 BCL1腫瘍細胞をi.v.接種し、そして腫瘍後4、5、6および7日目に、抗CD40で処置した。図2は、本発明者らが先に報告したように(French, Chanら 1999; Tutt, O'Brienら 2002)、抗CD40で処置したBCL−1所持マウスが、リンパ腫に対して防御され、そして長期生存する(100日を超えて生存する)ことを示す。しかし、CD70 mAbは、CD40 mAb処置の療法活性を完全に遮断した。対照的に、遮断性4−1BBL mAbを投与されたマウスは、未処置群が18日であるのに比較して、中央値73日間で生存し、そして次いで疾患で死亡し、4−1BB共刺激の非存在下では、長期免疫の発展に何らかの機能障害が示唆された。本発明者らは、抗4−1BBLおよび抗CD70の両方を投与されたCD40 mAb処置マウスが、対照未処置動物よりわずかに早く腫瘍で死亡する(中央値生存17日に比較して14日)ことを一貫して見出し、この併用が、CD40 mAb療法活性を遮断し、そしてまた、おそらく腫瘍に対する弱い自発的応答も遮断することを示唆する。
【0091】
[00107]本発明者らは、次に、CD40 mAb処置に対するCD8応答の動力学に対する抗4−1BBLおよび抗CD70 mAbでの遮断の効果を調べた。図3は、CD40 mAb処置マウスの脾臓におけるBCL1増殖(図3a)およびCD8 T細胞応答(図3b)に対する4−1BBLおよび抗CD70 mAbの影響を示す。CD40 mAb単独に比較して、抗4−1BBLの存在下でのCD40 mAbでの処置は、CD8 T細胞拡大の約2日間の遅延を生じ、脾臓からの腫瘍細胞のより緩慢なクリアランスを生じた。しかし、遅延していても、CD8細胞の最終数は、抗CD40単独と少なくとも同程度に高かった。興味深いことに、これらの実験において、大部分の免疫療法実験で用いる1x107細胞ではなく、初期腫瘍用量が5x107細胞である場合、CD40 mAbおよび遮断性4−1BBL mAbで処置したマウスは、長期生存し、そして腫瘍の再曝露に対して免疫ができた(結果は未提示)。
【0092】
[00108]対照的に、抗CD70 mAbは、抗CD40が誘導する腫瘍細胞の根絶を完全に遮断した。この応答欠如は、CD8+ T細胞集団が拡大できないことに反映され、そして図2に示す、CD40 mAbが仲介するBCL1腫瘍の療法を、CD70 mAbが完全に遮断する能力を説明する。この結果は、抗CD70/抗CD27相互作用の遮断が、療法的応答に対して顕著な影響を有することを立証する。対照的に、4−1BBL/4−1BB相互作用の影響は比較的穏やかであるようである。
【0093】
[00109]抗4−1BBLおよび抗CD70の両方が、CD40 mAbが誘導するCD8応答に影響を有することが観察された(未提示)ため、本発明者らは、これらが、腫瘍所持マウスにおいて、抗CD40が誘導するDC数および表現型の変化に何らかの影響を有するかどうかをさらに評価した。図4に示すように、抗4−1BBLまたは抗CD70のいずれも、腫瘍所持マウスの抗CD40処置後、B7.1、B7.2およびICAMの発現増加(a)、または回収されるDC数増加(b)を阻害しなかった。したがって、これらの共受容体の遮断は、DC補充に影響を及ぼさず、そしてその活性化に影響を及ぼす可能性は低い。
【0094】
[00110]CD27および4−1BBは、CD40 mAbが仲介する抗腫瘍応答のエフェクター段階で作用しない。本発明者らは、BCL1腫瘍細胞自体がCD70および4−1BBLの両方を発現することを観察していた(図5a)ため、そしてまた、CD70が活性化T細胞によっても発現されると報告されている(ごく最近、Steve Rosenbergによる)ため、本発明者らは次いで、抗4−1BBLおよび抗CD70がCTL応答のエフェクター段階に影響を有するかどうかを調べた。腹腔においてBCL1腫瘍細胞を投与し、そして抗CD40mAbで処置すると、その区画でのCD8応答は、処置8日後にピークとなり、その時点で、回収されるリンパ球のおよそ30%がCD8+であり(未処置マウスでは5%)、そして腫瘍を迅速にクリアランスすることが観察された(未公表の観察)。この系を用いて、in vivoでのCTLが仲介する殺傷のエフェクター段階を調べた。記載するように、マウスにBCL1および抗CD40 mAbをi.p.投与し、そして次いで8日後、1mgの抗CD8、抗CD4、抗CD70または抗4−1BBL遮断性mAb、あるいは対照PBSとともに抗CD40をi.p.注射した。5時間後、CTLターゲットとして、末期BCL1所持マウス由来の2x107 CFSE標識脾臓細胞をi.p.注射した。また、比較として、標識脾臓細胞を未処置マウスに注射した。24時間後、腹腔細胞を採取し、そしてCFSE標識BCL1腫瘍細胞の存在に関して分析した。未処置マウスから採取した腹腔細胞には、22〜27%のCFSE標識腫瘍細胞が含まれた(図5)。対照的に、BCL1の抗CD40処置を受けたマウスでは、腫瘍細胞が完全に根絶され、この処置の有効性が強調された。予期されるように、抗CD8 mAbの注射は、腹腔からのCFSE標識腫瘍細胞のクリアランスを遮断した。しかし、抗CD4、抗4−1BBLおよび抗CD70は、移入された腫瘍細胞のクリアランスにまったく影響を及ぼさなかった。これらの結果は、抗CD40処置の5日後、エフェクターとしての、残った腫瘍細胞を除去した後の、BCL1所持マウスから採取した脾臓細胞を用いた細胞毒性アッセイにおいて確認され、そしてこの結果を図5cに示す。抗4−1BBLまたは抗CD70はいずれも、免疫脾臓細胞の細胞毒性に直接の影響を持たなかった。
【0095】
[00111]4−1BBおよびCD27を介した直接免疫療法
[00112]上記結果は、腫瘍接種およびCD40 mAb処置後に見られる驚くべきCTL応答が、4−1BBを介する誘発に部分的に依存し、そしてCD27およびCD70間の相互作用に完全に依存することを示唆する。したがって、CD40を介したアゴニスト活性をショートカットし、そしてこれらの共受容体を直接刺激することが可能であるかを調べるため、本発明者らは次に、BCL1リンパ腫に対する、アゴニスト性抗4−1BBまたは抗CD27の療法的有効性を調べる。図6に示すように、抗CD70 mAbは、BCL1腫瘍を完全に防御し、そして抗CD40 mAbで得た結果と非常に類似の結果を生じた。対照的に、抗4−1BB mAbは、この腫瘍に関して穏やかな療法活性を有し、生存をほとんど延長しなかった。
【0096】
[00113]アゴニスト性CD40 mAbは、ヒトでの使用のため、現在研究中の、最もおもしろい試薬の1つである。しばらく前から、単一療法としてでさえ、ネズミモデルにおける、そしてより最近、患者における、腫瘍免疫の誘導を含めて、ある範囲のワクチンセッティングにおいて、抗CD40 mAbが有効性を有することが知られている。例えば、Vonderheideら(2006)からの最近のデータは、完全ヒトCD40 mAbが、MTD近くで投与された場合(0.2mg/kg)、黒色腫患者の27%において、PRを送達可能であることを示した。
【0097】
[00114]CD40が、免疫系において、特にDCなどのAPCの活性化において、非常に重要な役割を果たすことが知られるが、活性化されたDCおよび応答するCTLの間の共受容体:リガンド相互作用の役割に関しては、多くが知られていない。大量の証拠によって、mAbで送達されるものなどの、CD40を介した誘発が、DCを活性化し、MHC、B7.1/2、ならびに多様な共受容体およびサイトカインの上方制御を生じて、エフェクターCTLの生成を可能にすることが示される。さらに、適切なCD40アゴニストを用いると、Tヘルパー細胞に対する必要性が置換されることが一般的に見出されており、そして特定の腫瘍によって発現されるヘルパーエピトープが少量であることを考えると、おそらく、このことが、癌セッティングにおけるCD40アゴニストの成功を説明する。本発明において、本発明者らは、4−1BBLおよびCD70の役割を調べ、そしてCTL応答を制御する際に、それぞれの受容体、4−1BBおよびCD27を介したシグナルがいかに重要であるかを示した。さらに、本発明者らは、CD40処置が、顕著なDC拡大を促進し、そして広く報告されているように、脾臓DC上のI−CAM−1、B7.1およびB7.2発現の増加が、その活性化または抗原提示の「ライセンシング」と一致することを見出した。CD40 mAbが誘導する抗腫瘍応答が、活性化されたAPCによる腫瘍抗原の交差提示のためであることが一般的に認められる(van Mierlo, Boonmanら 2004)。これと一致して、本発明者らは、先に、CD40 mAb療法が、CD40陰性腫瘍で少なくとも部分的に有効であることを示した(French, Chanら 1999)。腫瘍のみを投与されたマウス由来の脾臓DCは、ある度合いの活性化を示し、B7.1、B7.2およびICAM−1が部分的に上方制御されていた。しかし、リンパ腫に対する、CD40が誘導する応答に対する、抗CD70および抗4−1BBL両方の明らかな影響(図2)に鑑みて、幾分驚くべきことに、数多くの試みにもかかわらず、抗CD40処置後、CD70および4−1BBLの発現において、わずかでそして一過性の増加しか検出されず、そしてこれらでさえも、腫瘍の存在下で抑止された。興味深いことに、in vitroで活性化されたDC上の4−1BBL発現もまた、低いことが示された(DeBenedette, Shahinianら 1997; Futagawa, Akibaら 2002)が、Diehlら(Diehl, van Mierloら 2002)は、in vivoで、抗CD40に応答して、脾臓細胞上で強い発現があることを示した。
【0098】
[00115]in vivoで、脾臓DC上の4−1BBLおよびCD70の発現が低いのは、これらの2つのリガンドの一過性発現、またはその受容体4−1BBおよびCD27が結合することによる連続的な調節を反映する可能性もある。興味深いことに、本発明者らは、in vitroでのBMDCの処置が、CD70発現を促進することを見出しており、これはおそらく、BMDCがCD27と出会わないためである。CD70発現は、in vitroで活性化されたDC上で示されている(Futagawa, Akibaら 2002; Tesselaar, Xiaoら 2003)(Taraban, Rowleyら 2002; BullockおよびYagita 2005)が、DC上のCD70のin vivo発現は、一般的に低く、そして一過性であり(Tesselaar, Xiaoら 2003; Hendriks, Xiaoら 2005)、これはおそらく、恒常的に発現されるCD27を介したT細胞の不適切な活性化を回避するためである(Tesselaar, Arensら 2003)。
【0099】
[00116]CD70発現のこの欠如にもかかわらず、4−1BBLまたはCD70に対するmAbは、抗腫瘍応答を遮断するのに有効であり、そして後者の場合、阻害は不完全であった。これらの遮断性mAbは細胞毒性T細胞の生成を防止するが、脾臓DCの数または活性化には影響がなく、あるいはひとたび生成されたならばCD8 T細胞の細胞毒性機能にも影響がないため、こうした遮断は、CTL刺激レベルで作動するようである。総合すると、これらの研究は、4−1BBおよび特にCD27が、抗CD40 mAb処置中のCTL応答を制御する際に、非常に重要であり、これはDCおよび応答性CD8 T細胞間の相互作用のレベルで作用する可能性が最も高いことを示す。
【0100】
[00117]CD40が誘導する抗リンパ腫応答の発展中のCD8 T細胞上の4−1BBの発現は、確立されたパターンと一致し(VinayおよびKwon 1998; Takahashi, Mittlerら 1999)、4−1BBは、拡大するCD40誘導性脾臓CTL集団上で迅速に誘導され(図1)、そして次いで、腫瘍細胞根絶と同時に失われたが、これはCTL集団が1〜2日後に収縮するより前であった(Tutt, O'Brienら 2002)。応答中、4日間に渡って4−1BBの発現が維持され、これはおそらく、連続して抗原が利用可能であるためであり、このことは、持続性感染および移植片拒絶中に見られるものと似ている(Tan, Haら 2000; Seo, Parkら 2003)。疾患の末期段階の未処置マウスにおいて、本発明者らは、4−1BB+CD8 T細胞の明らかな集団を同定し、このことは、BCL1単独で、弱い、効果のないT細胞応答を誘発可能であり、これが次いで、CD40 mAbでの処置によって、有効なレベルにブーストされるという着想を支持する。
【0101】
[00118]4−1BBがT細胞上で誘導され、そしてこれがT細胞増殖のための共刺激を提供するという証拠がある(20)が、4−1BBは、抗アポトーシスタンパク質の発現を誘導することによって(Lee, Parkら 2002)、細胞生存に主に影響を及ぼすと考えられる(Takahashi, Mittlerら 1999; Lee, Parkら 2002)。4−1BB/4−1BBL相互作用の遮断は、移植片生存増進を生じることが示されており、同種反応性T細胞の拡大の阻害およびCTL活性の減少が伴う、同種移植片状況で、CTL応答の発展における4−1BBの重要性が立証されている(Cho, Kwonら 2004)が、4−1BB−/−および4−1BBL−/−マウスにおける研究は、ウイルス感染に対する一次CTL応答の比較的重要でない機能障害しか示さず(Tan, Whitmireら 2000; Bertram, Dawickiら 2004)、再曝露後のリコール応答に対してより顕著な影響があった(DawickiおよびWatts 2004)。重要なことに、in vivoでのアゴニスト性抗4−1BB mAbを用いた研究は、これらが、ほとんど免疫原性でない腫瘍モデルのある範囲で、有効な療法を促進可能であり(Wilcox, Fliesら 2002)、そして4−1BBシグナル伝達が、主にCD8応答中に重要である(Shuford, Klussmanら 1997)ことを示した。
【0102】
[00119]4−1BBとは対照的に、CD27は、未処置T細胞上で恒常的に発現される(Gravestein, Blomら 1993)。腫瘍の抗CD40処置後、本発明者らは、拡大している脾臓CD8+細胞において、CD27高および低集団(図1c)を検出可能であり、これはおそらく、それぞれ、CD27の一過性上方制御でプライミングされた細胞(Gravestein, Blomら 1993; Lens, de Jongら 1996)およびKaechら(Kaech, Tanら 2003)に記載されるような老化末期エフェクター集団に相当する。DC上のリガンド、CD70の発現は厳しく制御され、したがって、T細胞の不適切な活性化を防止する(Tesselaar, Arensら 2003)。しかし、最近、CD70によるCD27の恒常的な誘発が、ウイルスまたは腫瘍曝露に応答したCD8+細胞の拡大および活性の両方を増進することが示された(Arens, Schepersら 2004)。本発明者らは、最近、可溶性CD70が、in vivoで、強い一次および二次CTL応答を促進することを示した(RowleyおよびAl−Shamkhani 2004)。逆に、CD27不全マウスは、インフルエンザウイルスに対して、CD8+応答機能障害を発展させ、そして4−1BB同様、CD27は、一次応答中、活性化CD8+ T細胞の生存を促進するようである(Hendriks, Gravesteinら 2000; Hendriks, Xiaoら 2003)が、4−1BBとは異なり、CD4+応答においても重要であるようである。CD27不全マウスはまた、再曝露に対して、損なわれた応答を示す(Hendriks, Gravesteinら 2000)。
【0103】
[00120]T細胞拡大が、DC上のリガンドおよびT細胞上の共刺激受容体間の共刺激を必要とするというよく確立された着想に加えて、他の細胞種上にこれらの分子が検出されることから、T細胞応答中の相互作用のより複雑なネットワークに関する役割が示唆される。例えば、CD70は活性化されたT細胞上に検出され(Borst, Hendriksら 2005; Hendriks, Xiaoら 2005)、そして4−1BBは、in vivoおよびin vitroの両方で、活性化されたDC上で検出されている。本発明者らは、本発明者らの研究において、活性化されたT細胞上でCD70を検出不能であったが、応答経過中、活性化されたDC上で、4−1BBが明らかに検出された(結果は未提示)。
【0104】
[00121]最後に、本発明者らは、マウスリンパ腫の療法剤としてアゴニスト性CD27 mAbを用いるCD70を介した誘発の相対的な重要性を確認した。本明細書のデータは、腫瘍免疫を発展させる際に、CD27 mAbが、CD40 mAbと同程度に有効であることを示す。進行中の研究では、おそらくT細胞を直接刺激することによって作用する、このmAbの作用機構を調べている。OVAおよびBCL1リンパ腫モデルの両方において、抗CD40が誘導するCD8 T細胞応答が、CD70/CD27相互作用に完全に依存していることは、ウイルスモデルを用いた研究におけるCD70:CD27共刺激経路の報告される効果と一致する。CTL応答の発展における4−1BB/4−1BBL相互作用の重要性は、4−1BB/4−1BBL相互作用の遮断が移植片生存増進を生じる、同種移植状況において立証されている(DeBenedette, Wenら 1999; Cho, Kwonら 2004)が、4−1BB−/−および4−1BBL−/−マウスにおける研究は、LCMVおよびインフルエンザ感染に対する一次CTL応答の比較的重要でない機能障害しか示さなかった(Bertram, Dawickiら 2004)(Tan, Whitmireら 1999)(Hendriks, Xiaoら 2005)。4−1BBL−/−マウスが、脂質化LCMVペプチドでの免疫後、応答により重度の欠損を示したことが観察され(Tan, Whitmireら 2000)、このことは、抗原性刺激が弱いかまたは限定されている場合は、4−1BB共刺激がより重要であることを示唆した。対照的に、CD27不全マウスは、肺および流入領域リンパ節において、インフルエンザウイルスに対して損なわれたCD8+応答を発展させるが、興味深いことに、この系において、脾臓における抗ウイルスCD8細胞拡大は、比較的影響を受けなかった(Hendriks, Xiaoら 2003)。4−1BBおよびCD27の両方が不全であるマウスは、ウイルス再曝露に対する二次応答の機能障害を示すことが示された(Hendriks, Gravesteinら 2000)(DawickiおよびWatts 2004)。本発明者らの実験は、抗4−1BBL mAbの存在が、抗CD40処置後の腫瘍の最初のクリアランスを防止しないことを示したが、本発明者らの免疫療法実験において、抗CD40および抗4−1BBL mAbを投与された動物は、長期生存せず(図2)、このことは、長期免疫発展において、何らかの機能障害があることを示唆する。要約すると、上に列挙されるこれらの結果、およびこれに基づく根底にある結論は、アゴニスト性CD27抗体、例えば相乗的アゴニスト併用を用いた単一および併用療法が、Th1免疫およびCD8+ T細胞増殖の新規手段を提供し、そしてこれを、癌、感染、炎症、アレルギーおよび自己免疫の治療に、そしてワクチンの有効性を促進するために使用可能であることを示唆する。
【0105】
[00122]本発明は、上記に列挙される態様に限定されず、そして例示する態様、および以下の請求の範囲内に含まれるすべての修飾に対して、権利が確保されることが理解されるものとする。
【0106】
[00123]本明細書に引用する学術雑誌、特許、および他の刊行物への多様な言及は、当該技術分野の最新技術を含み、そしてこれらは、完全に示されるかのように、本明細書に援用される。
【0107】
【化1−1】
【0108】
【化1−2】
【0109】
【化1−3】
【0110】
【化1−4】
【0111】
【化1−5】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、一般的に、必要がある被験体、例えば癌、感染、自己免疫疾患、アレルギーまたは炎症性障害を伴う被験体、あるいはワクチンを投与されている被験体における、T細胞免疫を促進するためのアジュバントとしてのCD27アゴニスト、好ましくはCD27アゴニスト性抗体の使用に関する。最も好ましくは、CD27アゴニストは、損なわれていない(intact)ヒト、ヒト化、もしくはキメラ抗体またはその断片であるか、あるいはヒトCD27に特異的に結合するscFvなどの一本鎖抗体を含んでもよい。あるいは、アゴニストは、宿主エフェクター系との相互作用を増進するかまたは減少させるか、あるいは副作用を減少させるように修飾されている、操作された抗体を含んでもよい。いくつかの好ましい態様において、免疫細胞へのこれらのアゴニスト性抗CD70抗体の結合は、CD70または関連リガンドによって遮断されないであろう。
【0002】
[0002]さらに、本発明は、T細胞免疫応答増進を誘発する必要がある被験体において、T細胞免疫応答増進を誘発するための新規アジュバント併用、好ましくは相乗的併用であって、(i)少なくとも1つのCD27アゴニスト、および(ii)別の免疫刺激剤または免疫調節剤、例えばCD40抗体、CD28抗体、OX40抗体、4−1BB抗体、抗CTLA−4、TLR(toll様受容体)アゴニスト、または制御性T細胞を枯渇させる部分、あるいはインターロイキン、例えばIL−2、またはインターフェロン(ベータ、ベータ、ガンマ等)などのサイトカインを含む、前記併用を提供する。同様に、これらのアジュバント併用は、癌、感染性疾患、アレルギー、自己免疫、炎症性障害などの、T細胞免疫増進が療法的に望ましい状態を治療する際に、そしてワクチンの有効性を増進するのに有用である。
【0003】
[0003]免疫細胞への結合が好ましい、CD27アゴニスト、好ましくはアゴニスト性CD27抗体の投与を伴う、本単一療法は、CD70によって遮断されず、そしてCD27アゴニスト、および別の免疫調節剤または療法剤などの別の部分の投与を伴う併用療法は、in vivoでCTL免疫およびT細胞増殖および生存を増進する際に有用である。以下により詳細に論じるように、本発明は、CD27:CD70相互作用が、CD40抗体のアゴニスト性活性に必要であるという、本発明者らの驚くべき観察に少なくとも部分的に基づく(抗CD70 mAbは、アゴニスト性CD40の活性を完全に遮断し、これは、CD27:CD70相互作用が、CD40誘発に必要な「下流」であることを示す)。この観察によって、療法アジュバントとしての、そして抗原特異的T細胞、特にCD8+ T細胞、すなわちエフェクターおよびメモリーCD8+エフェクター細胞の拡大を活性化し、そして誘導するための、CD27アゴニスト性抗体の療法的潜在能力が示唆された。本出願者らは、これらの仮説に束縛されることを望まないが、T細胞に対する本抗CD27抗体のアゴニスト特性が、少なくとも部分的に、こうした抗体の結合がCD70によって遮断不能であるという事実に起因しうると理論づけられる。しかし、本発明はそれに限定されず、そしてT細胞免疫に対してアゴニスト効果を有するいかなる抗CD27アゴニスト性抗体あるいはそのコンジュゲートまたは断片の使用も含む。以下に詳細に記載するように、本単一および併用療法は、抗原特異的CTL免疫応答の増進が療法的に望ましい、リンパ腫および他の癌または感染状態を伴うヒトまたは他の哺乳動物を治療する際に、特に有用である。
【0004】
[0004]記載するように、CD27アゴニストを単独で、あるいは他の免疫アジュバントまたは免疫刺激剤または免疫調節剤などの他の療法部分と組み合わせて、癌ペプチドなどの適切な抗原を伴いまたは伴わずに、投与可能である。例えば、1つの態様において、CD27アゴニストを、CD40アゴニスト性抗体に付随して投与してもよい。本発明のこの態様において、CD40アゴニストは、本明細書においてLOB7/4と称されるキメラアゴニスト性抗ヒトCD40抗体またはそのヒト化変異体を含んでもよい。このキメラ抗体は、CD40を発現しているある範囲の腫瘍に対する強力な抗腫瘍効果を誘発し、そして細胞性免疫を増強することが、本発明者らによって示されている。これらの結果に基づいて、癌(CD40陽性および陰性)、特に固形腫瘍を含む、多様な慢性疾患を治療するための、免疫アジュバントまたは療法剤としての、このキメラ抗体およびその変異体、例えばそのヒトまたはヒト化型の使用、ならびに感染性疾患、自己免疫疾患、アレルギー性および炎症性疾患を治療するための免疫アジュバントとしての使用は、本明細書の本発明者のうちの何人かによる、先の特許出願に解説されている。
【0005】
[0005]本発明の好ましい態様において、本CD27アゴニストは、癌、感染性疾患、自己免疫障害、アレルギー性障害、または炎症性障害を治療するため、単独で、または抗原とともに用いられるか、あるいはワクチンまたは他の療法剤もしくは免疫療法剤、例えばCD40、OX40、CD28、CTLA−4、もしくは4−1BBに対する抗体;TLRアゴニスト;制御性T細胞を枯渇させる部分;サイトカイン;抗血管生成剤;または化学療法剤と組み合わせて投与される。本出願全体で、併用療法に言及する際、アゴニスト性抗体などのそれぞれの部分を、別個に、または例えば同じもしくは異なる組成物中で併用して、投与してもよく、そしてそれぞれの部分の投与は、いかなる順で達成してもよいことを理解すべきである。また、これらの併用および単一療法は、特定の疾患または状態を治療する際に有用なさらなる部分の投与を含むよう意図される。
【背景技術】
【0006】
[0006]防御免疫の生成は、抗原への曝露だけでなく、抗原に出会う背景にも依存することが、現在、広く認識されている。非炎症背景における、宿主への新規抗原の導入が、長期免疫でなく免疫寛容を生じる一方、炎症剤(アジュバント)の存在下での抗原への曝露が免疫を誘導する、多くの例が存在する(Mondinoら, Proc. Natl. Acad. Sci., USA 93:2245(1996); Pulendranら, J. Exp. Med. 188:2075(1998); Jenkinsら, Immunity 1:443(1994);およびKearneyら, Immunity 1:327(1994))。これは、寛容および免疫の間の相違を意味しうるため、抗原提示に適した免疫原性背景を生成する際に関与する分子経路を刺激する、感染性病原体内に存在する「アジュバント」を発見するために多くの努力がなされてきた。
【0007】
[0007]CD27は、I型およびII型TNFR(CD120aおよびb)、神経成長因子受容体(NGFR)、CD30、Fas/Apo−1(CD95)、CD40、4−1BBおよびOX40も含む、腫瘍壊死因子受容体(TNFR)スーパーファミリーのメンバーである。これらのタンパク質は、細胞増殖、生存、および分化、ならびにアポトーシスまたはプログラム細胞死において重要な役割を果たすことが知られる。これらのファミリーメンバー間の相同性は、細胞外領域に限定され、そしてCD27中に3回存在するシステイン・ノット・モチーフの存在によって特徴付けられる(McDonaldら, Cell 73:4121−424(1993))。
【0008】
[0008]CD27は、約55キロダルトンのグリコシル化されたI型膜貫通タンパク質であり、そして2つの単量体を連結するジスルフィド架橋を持つホモ二量体として存在する。ジスルフィド架橋は、膜に近い細胞外ドメインに存在する(Cameriniら, J Immunol. 147:3165−69(1991))。CD27のリガンド、CD70は、リガンドのTNFファミリーに属する。CD70は、50kdの見かけの分子量を持つII型膜貫通タンパク質である(Goodwinら, Cell 73:447−456(1993))。TNFアルファおよびベータに対する相同性に基づいて、CD70は、3つのCD27ホモ二量体と相互作用する、3つの同一のサブユニットで構成される、三量体構造を有すると予測された(Peitschら, Mol. Immunol. 152:1756−1761(1994))。やはりII型膜貫通タンパク質であるTNFアルファは、タンパク質分解的切断によって細胞から放出される一方、TNFベータおよびNGFは分泌される。
【0009】
[0009]CD27およびそのリガンドCD70は、TおよびB細胞の別個の集団上で発現される。CD27は、休止T細胞上で発現され、そしてCD70は、活性化されたTおよびB細胞、ならびに樹状細胞上で発現される。T細胞サブセット内で、CD27は、活性化後であってもCD45RA+細胞上で安定して発現される一方、CD45RO+細胞上では弱く発現され、そして活性化後には失われる(Sugitaら, J Immunol. 149:3208−3216(1992); Hintzenら, J Immunol. 151:2426−2453(1993))。CD45RA+細胞上で、多様な手段による活性化は、CD27発現の上方制御を生じる(Hintzenら, J Immunol. 151:2426−2453(1993))。CD27は、B細胞非ホジキンリンパ腫およびB細胞慢性リンパ球性白血病の大部分で高発現される(Ranheimら, Blood 85:3556−3565)。B細胞株RamosおよびRajiもまた、有意なレベルのCD27およびCD70を発現する。
【0010】
[0010]最適以下の用量のPMA、PHA、抗CD2または抗CD3抗体でのT細胞の処置を伴う、CD27の連結はまた、T細胞増殖を生じることが知られており、したがってCD27の共刺激上の役割が明示されている。CD27が仲介する共刺激効果が、抗CD27抗体、あるいは組換え可溶性CD27または抗CD70抗体を用いて、特異的に阻害可能であり、そしてリガンドであるCD70を介したCD27の連結が、細胞溶解性T細胞を生じうることもまた報告されている(Goodwinら, Cell 73:447−456(1993))。
【0011】
[0011]獲得免疫を制御することが知られる別の共刺激分子はCD40である。CD40は、TNF受容体スーパーファミリーのメンバーであり、そしてある範囲の細胞仲介性免疫応答に必須であり、そしてT細胞依存性体液性免疫の発展に必要である(Aruffoら, Cell 72:291(1993); Farringtonら, Proc Natl Acad Sci., USA 91 :1099(1994); Renshawら, J Exp Med 180:1889(1994))。天然の役割において、CD4+ T細胞上に発現したCD40リガンドは、DCまたはB細胞上に発現したCD40と相互作用し、APCの活性化増加、および同時に、T細胞のさらなる活性化を促進する(Liuら Semin Immunol 9:235(1994); Bishopら, Cytokine Growth Factor Rev 14:297(2003))。DCに関しては、CD40連結は、古典的には、活性化マーカー上方制御および炎症性サイトカイン産生などの、TLRを通じた刺激に似た応答を導く(Quezadaら Annu Rev Immunol 22:307(2004); O'Sullivan BおよびThomas R Crit Rev Immunol 22:83(2003))。CD8応答におけるその重要性は、CD40を通じたAPCの刺激が、CD4細胞の非存在下でのCD4依存性CD8+ T細胞応答をレスキューすることを示す研究によって立証された(Lefrancoisら, J Immunol. 164:725(2000); Bennettら, Nature 393:478(1998); Ridgeら, Nature 393:474(1998); Schoenbergerら, Nature 393:474(1998))。この発見は、いくつかの疾患セッティングにおいて、CD40アゴニストが単独で、不全CD8+ T細胞応答を潜在的にレスキュー可能であるという多くの推測を刺激した(Frenchら, Nature Medicine 1999)。
【0012】
[0012]しかし、他の研究によって、CD40刺激のみでは、長期免疫を促進するには不十分であることが立証された。いくつかのモデル系において、抗CD40処置のみでは、長期免疫を促進するには不十分であり、すなわち無効な炎症性サイトカイン産生とともに、抗原特異的T細胞の枯渇(Mauriら Nat Med 6:673(2001); Kedlら Proc Natl Acad Sci., USA 98:10811(2001))およびB細胞応答の終結(Ericksonら, J Clin Invest 109:613(2002))が生じた。また、可溶性三量体化CD40リガンドが、CD40経路のアゴニストとして病院で用いられており、そしてほとんど報告がないことは、CD40単独での刺激が、長期CD8+ T細胞免疫に必要なすべてのシグナルを再構成することは出来ないという結論と一致する(Vonderheideら, J Clin Oncol 19:3280 (2001))。
【0013】
[0013]CD40に特異的なアゴニスト性およびアンタゴニスト性抗体の両方が、ヒト療法剤としての潜在能力を有することが示唆されてきている。アンタゴニスト性抗CD40抗体には、(1)CD40/CD40L相互作用を少なくとも90%遮断し、そして抗新生物特性を有すると言われるもの(Armitageら、米国特許第5674492号; Fanslowら, 1995, Leukocyte Typing V Schlossmanら監修, 1:555−556);(2)CD40を通じたシグナル伝達をアンタゴナイズするもの(deBoerら、米国特許第5677165号)および(3)CD40を通じて刺激性シグナルを送達するが、CD40およびCD40L間の相互作用を増加させないもの、例えばG28−5(Ledbetterら、米国特許第5182368号; PCT WO 96/18413)が含まれる。
【0014】
[0014]アゴニスト性抗CD40抗体は、いくつかのグループによって報告されている。例えば、1つのmAb、CD40.4(5C3)(PharMingen、カリフォルニア州サンディエゴ)は、CD40およびCD40L間の相互作用をおよそ30〜40%増加させると報告されている(Schlossmanら監修, Leukocyte Typing, 1995, 1:547−556)。さらに、米国特許第6843989号において、Seattle Geneticsは、抗ヒトCD40抗体を用いて、ヒトにおいて癌を治療する方法を提供すると主張する。これらの抗体は、刺激性シグナルを送達して、CD40およびCD40L間の相互作用を少なくとも45%増進し、そしてCD40L仲介性刺激を増進し、そしてin vivo新生物活性を所持すると主張される。Seattle Genetics特許に開示される典型的な抗体は、Bリンパ球に強い増殖促進性シグナルを送達することが以前示されたアゴニスト性抗ヒトCD40抗体である、S2C6に由来した(Paulieら, 1989, J Immunol. 142:590−595)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】Armitageら、米国特許第5674492号
【特許文献2】deBoerら、米国特許第5677165号
【特許文献3】Ledbetterら、米国特許第5182368号
【特許文献4】PCT WO 96/18413
【特許文献5】米国特許第6843989号
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Mondinoら, Proc. Natl. Acad. Sci., USA 93:2245(1996)
【非特許文献2】Pulendranら, J. Exp. Med. 188:2075(1998)
【非特許文献3】Jenkinsら, Immunity 1:443(1994)
【非特許文献4】Kearneyら, Immunity 1:327(1994)
【非特許文献5】McDonaldら, Cell 73:4121−424(1993)
【非特許文献6】Cameriniら, J Immunol. 147:3165−69(1991)
【非特許文献7】Goodwinら, Cell 73:447−456(1993)
【非特許文献8】Peitschら, Mol. Immunol. 152:1756−1761(1994)
【非特許文献9】Sugitaら, J Immunol. 149:3208−3216(1992)
【非特許文献10】Hintzenら, J Immunol. 151:2426−2453(1993)
【非特許文献11】Ranheimら, Blood 85:3556−3565
【非特許文献12】Aruffoら, Cell 72:291(1993)
【非特許文献13】Farringtonら, Proc Natl Acad ScL, USA 91 :1099(1994)
【非特許文献14】Renshawら, J Exp Med 180:1889(1994)
【非特許文献15】Liuら Semin Immunol 9:235(1994)
【非特許文献16】Bishopら, Cytokine Growth Factor Rev 14:297(2003)
【非特許文献17】Quezadaら Annu Rev Immunol 22:307(2004)
【非特許文献18】O'Sullivan BおよびThomas R Crit Rev Immunol 22:83(2003)
【非特許文献19】Lefrancoisら, J Immunol. 164:725(2000)
【非特許文献20】Bennettら, Nature 393:478(1998)
【非特許文献21】Ridgeら, Nature 393:474(1998)
【非特許文献22】Schoenbergerら, Nature 393:474(1998)
【非特許文献23】Frenchら, Nature Medicine 1999
【非特許文献24】Mauriら Nat Med 6:673(2001)
【非特許文献25】Kedlら Proc Natl Acad Sci., USA 98:10811(2001)
【非特許文献26】Ericksonら, J Clin Invest 109:613(2002)
【非特許文献27】Vonderheideら, J Clin Oncol 19:3280 (2001)
【非特許文献28】Fanslowら, 1995, Leukocyte Typing V Schlossmanら監修, 1:555−556
【非特許文献29】Schlossmanら監修, Leukocyte Typing, 1995, 1:547−556
【非特許文献30】Paulieら, 1989, J Immunol. 142:590−595
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
[0015]しかし、これらの先の報告にもかかわらず、Th1免疫を促進し、そして抗原特異的CD8+ T細胞、すなわちCD8+エフェクターおよびメモリー細胞の活性化および拡大を増進するアジュバントを用いた、改善法およびヒト療法が必要である。特に、安全であり、そして有効である、すなわち望ましくない副作用を誘発しないが、実質的な療法効果、例えば抗腫瘍効果を誘発する、療法アジュバントを用いて、ヒト癌および他の疾患を治療する改善法が必要である。本発明はこの必要性を満たし、そして他の利点もまた提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
[0016]本発明は、CD27アゴニスト、例えばアゴニスト性CD27抗体を、単独で、あるいは別の療法剤、例えば別の免疫刺激剤または免疫調節剤、例えばアゴニスト性CD40抗体、可溶性CD40L、4−1BB:4−1BBLアゴニスト、OX40アゴニスト、TLRアゴニスト、制御性T細胞を枯渇させる部分、またはインターロイキンもしくはインターフェロンなどのサイトカインと組み合わせて用いる新規ヒト治療法を提供する。上述のように、好ましい態様において、免疫細胞へのこれらのCD27アゴニスト性抗体の結合は、CD70によって遮断されず、これは、このことがT細胞に対するこれらの抗体のアゴニスト活性に有益な効果を有しうるためである。これらの併用は、通常、ワクチンと一緒に、タンパク質、ペプチド、免疫原性細胞またはDNAの形で使用されるであろう。以下の結果は、CD27の共刺激を遮断すると、4−1BB共刺激を遮断するよりもはるかに高く、アゴニスト性抗CD40抗体によって誘発される抗腫瘍免疫に対する広範囲の影響があり、そしてこれは、CD27−CD70遮断中のCD8+ T細胞拡大における重度の機能障害の結果であるようであることを示す。これらの結果は、CD27アゴニスト、例えばアゴニスト抗CD27抗体を、CD8+ T細胞拡大を促進するための療法的アジュバントとして、そして癌、感染性障害、自己免疫、アレルギー性障害、および炎症性障害などの、これが療法的に望ましい状態を治療する際に、使用可能であることを示唆する。また、これは、抗原特異的CD8+ T細胞免疫を促進するため、CD27アゴニスト、例えばCD27アゴニスト性抗体を、抗原またはワクチンに付随して投与してもよいことを示唆する。特に好ましい態様において、CD27アゴニストを用いて、リンパ腫または以下に同定する他の癌などの癌を治療する。
【0019】
[0017]抗CD40モノクローナル抗体がヒトおよびげっ歯類において腫瘍に対する免疫応答を生じる機構は完全には理解されていないが、樹状細胞の刺激を通じて、CTL応答をブーストし、そしてCD4ヘルパー細胞に対する必要性を回避するレベルまで働くようである。本明細書において、アゴニスト性CD40モノクローナル抗体は、拡大しているCD8細胞上の4−1BBの強い発現を促進し、それとともに、エフェクターCTLが生成されるにつれて、CD27が中程度に喪失されることが示される。興味深いことに、CD40 mAb処置は、腫瘍所持マウスにおいて、樹状細胞の顕著な活性化を引き起こす一方、それぞれ4−1BBおよびCD27のリガンドである、4−1BBLおよびCD70の発現は、比較的弱くそして一過性であった。CD70の相互作用を遮断するmAb(AT113−2:抗4−1BBL、およびTAN1−6:抗CD70)がCD40 mAb処置の療法的有効性を遮断することを示すことによって、この発現の欠如にもかかわらず、これらの関与が確立された。同様に、これらは、in vitroまたはin vivoのいずれでも、腫瘍特異的CTL細胞の細胞毒性活性に影響を及ぼさなかった。これらに基づいて、本発明者らは、4−1BB:4−1BBL、および特にCD27:CD70相互作用は、CD40アゴニスト性抗体の活性を説明する際に極めて重要であり、そしてこれらの抗体は、CD8 T細胞増殖および生存を誘発することによって作用すると結論づけた。さらに、本発明者らは、本明細書において、はじめて、アゴニスト性抗CD27抗体が、リンパ腫所持マウス(A31およびBCL1)を防御する際に、それ自体、非常に有効であることを示し、これは、CTLがDCより遅い段階で生じる可能性があり、そしてアゴニスト性CD27抗体を用いて、細胞性免疫増進が必要な癌および他の疾患を治療可能であることを示す。重要なことに、この抗CD27 mAbは、これらの同じ腫瘍から、免疫無防備状態のSCIDマウスを防御せず、この防御を提供するには、機能する免疫系(CD8 T細胞)が必要であることが強調された。
【0020】
[0018]したがって、本発明は、T細胞免疫促進が必要な被験体、例えばリンパ腫を伴う被験体において、T細胞免疫を促進するための新規単一および併用療法であって、少なくとも1つのCD27アゴニストおよび場合によってCD40アゴニストなどの別の部分の投与を含む、前記療法を提供する。上述のように、CD40アゴニストが、本CD27アゴニスト性抗体に付随して利用される場合、CD40アゴニストは、好ましくは、抗ヒトCD40抗体、例えば本明細書においてLOB7/4と称されるキメラ抗体、あるいはその誘導体、例えばLOB7/4抗体由来の可変重鎖および軽鎖配列またはCDRを含有するヒト化抗体またはその断片を含むであろう。本発明者らは、このキメラ抗体が、例えば癌、特にCD40を発現しているリンパ腫および固形腫瘍の治療のための療法剤として用いた際に、好適な特性を所持することを見出した。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】[0019]図1は、TAN1−6(抗CD70抗体)およびAT113−2(抗4−1BBL)が、in vitroで、そしてin vivo応答中に、それぞれ4−1BBおよびCD70/CD27相互作用を遮断することを示す実験結果を含有する。
【図2】[0020]図2は、BCL1マウスにおいて、抗CD40の療法活性に対する抗4−1BBL(AT113−2)および抗CD70(TAN1−6)の効果を示す実験結果を含有する。
【図3】[0021]図3は、抗CD40 mAb療法後、CD8+ T細胞の集積およびBCL1腫瘍の根絶に対する、抗4−1BBLおよび抗CD70の効果を示す実験結果を含有する。
【図4】[0022]図4は、抗4−1BBL(AT113−2)および抗CD70(TAN1−6)が、抗CD40が誘導する表現型変化またはBCL1マウスからの脾臓DCの数の変化に影響を及ぼさないことを示す実験結果を含有する。
【図5A】[0023]図5Aは、抗4−1BBLおよび抗CD70抗体が、in vivoまたはin vitroで、応答のエフェクター段階を阻害しないことを示す実験結果を含有する。
【図5B】図5Bは、抗4−1BBLおよび抗CD70抗体が、in vivoまたはin vitroで、応答のエフェクター段階を阻害しないことを示す実験結果を含有する。
【図5C】図5Cは、抗4−1BBLおよび抗CD70抗体が、in vivoまたはin vitroで、応答のエフェクター段階を阻害しないことを示す実験結果を含有する。
【図6】[0024]図6は、2つのB細胞リンパ腫(BCL1およびA31)に対するアゴニスト性CD27モノクローナル抗体の療法的有効性および強度を立証する実験結果を含有する。
【図7】[0025]図7は、抗CD27 mAbが、OT−I細胞において、CD70リガンドよりも強い応答(より高くそしてより長い)を誘発することを示す実験を含有する。この図は、Ag+対照Ab、Ag+可溶性組換えCD70または本発明にしたがったアゴニスト性CD27抗体を投与されたマウスにおいて、Ag特異的(OT−1)細胞の拡大を示す。この図の結果は、アゴニスト性CD27 mAbを用いたCD8+ OT−1の実質的な拡大を示す(実施例6を参照されたい)。
【図8】[0026]図8は、抗マウスCD27抗体で標識したマウスCD27一過性発現細胞を示す。ここに示すように、試験抗ラット抗マウスCD27(AT124−1)および陽性対照ハムスター抗マウスCD27(LG3A10)はどちらも、マウストランスフェクション細胞を標識した。どちらの抗体も非トランスフェクション細胞には結合しなかった(データ未提示)。
【図9】[0027]図9は、抗CD27 mAbでのCD70およびCD27の遮断を示す。この図は、AT124−1が、活性化されたマウスT細胞表面上のCD27に結合し、そしてこの結合が、天然リガンドCD70とCD27の相互作用によって阻害されないことを示す。対照的に、比較用の商業的に入手可能な抗CD70抗体(LG3A10;非アゴニスト)は、CD70との結合に関して競合することが示された。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[0028]TNFRスーパーファミリーのメンバーおよびそのTNFファミリーリガンド間の相互作用は、病原体および腫瘍に対する有効な抗原特異的CD8 T細胞応答の発展中、いくつかの段階で共刺激を提供する際に、非常に重要な役割を果たす。応答初期、樹状細胞(DC)上のCD40に、活性化されたTh細胞上のそのリガンド、CD154(CD40L)が連結すると、DCの活性化またはライセンシングが誘導され、そして未処置(naive)CD8 T細胞に抗原を提示する能力が増強される(Bennett, Carboneら 1998; Ridge, Di Rosaら 1998; Toes, Schoenbergerら 1998)。DCライセンシングに関して、Th細胞に代用可能な抗CD40 mAbまたは可溶性CD40リガンド(CD40L)は、ワクチン接種、ならびに腫瘍(French, Chanら 1999; Tutt, O'Brienら 2002; van Mierlo, den Boerら 2002; Murray, Luら 2003)、ウイルスおよび感染(RolphおよびKaufman 2001; Murray, Luら 2003)の治療を含めて、T細胞応答を必要とするいくつかのセッティングにおいて、療法的潜在能力を有することが示されている。CD40が誘導するDCの活性化は、ICAM−1、B7.1、B7.2、CD70および4−1BBリガンド(4−1BBL)を含む接着および共刺激分子の発現増加によって特徴付けられる(Cella, Scheideggerら 1996; Diehl, van Mierloら 2002; Tesselaar, Xiaoら 2003)。最初の抗原特異的CTL活性化/プライミングは、CD28:B7結合に依存する(Lenschow, Walunasら 1996; CarrenoおよびCollins 2002)が、エフェクター細胞の続く拡大および生存は、大量のさらなる共刺激性相互作用によって調節される。メモリー応答を維持する際のこれらの経路各々の正確な役割は、現在、活発な研究領域である。CTL応答を維持する際に非常に重大なようである2つの受容体は、主にDC上に発現されるそれぞれのリガンド、4−1BBLおよびCD70と相互作用する、TNFRファミリーメンバー、4−1BB(CD137)(DeBenedette, Shahinianら 1997; Futagawa, Akibaら 2002)およびCD27(Tesselaar, Xiaoら 2003)である。例えば、抗CD40 mAbが駆動するCTL応答がヘルパー独立性である一方、これらは、CD28:B7およびCD27:CD70相互作用の両方に依存性のままであることが知られる(Prilliman, Lemmensら 2002; Tutt, O'Brienら 2002; Taraban, Rowleyら 2004)。抗CD40 mAbが駆動するCTL応答中の4−1BBの重要性に関しては、より少ない情報しか現在知られていないが、Tヘルパー細胞に依存するCTLプライミングは、4−1BBに少なくとも部分的に依存し、そして4−1BB遮断によって顕著に損なわれることが明らかである(Diehl, van Mierloら 2002)。
【0023】
[0029]本発明者らは、先に、抗CD40 mAbが、いくつかの同系リンパ腫に対して、ヘルパー独立性CTL応答を刺激し、現存する腫瘍の根絶に成功し、そしてマウスを再曝露に耐性のままにすることを立証した(French, Chanら 1999; Tutt, O'Brienら 2002)。抗CD40 mAbでの初期の臨床試験は、臨床的成功および患者利益を示す。
【0024】
[0030]対照的に、本発明は、例えばリンパ腫被験体において、療法的免疫アジュバントとしての、そしてCD8+ T細胞免疫を促進するための、CD27の役割に関する。Ovaモデル系において、本発明者らは、最近、CD27を介した共刺激が、オボアルブミン特異的CTLのCD40 mAbが仲介するプライミングに必須であることを示した。CD70−CD27相互作用が抑止されている場合は、内因性オボアルブミン特異的T細胞のプライミングは見られないが、オボアルブミン特異的TCRトランスジェニックT細胞(OT−I)のプライミングは、顕著に減少したレベルではあったが、検出された。さらに、CD27シグナル伝達の非存在下でプライミングされたOT−I T細胞は、細胞毒性T細胞に分化可能である一方、二次応答を開始する能力は不全であった。これらの発見に鑑みて、本発明者らは、CD40 mAbが仲介するリンパ腫の免疫療法におけるCD27共刺激の役割に取り組み、そしてこれをその緊密な類縁体4−1BBの役割と比較することを望んだ。以下の実施例に提供する、これらの研究の結果は、CD27を介した共刺激の遮断が、アゴニスト性抗体によって誘発される抗腫瘍応答に対してより効果を有し、そしてこの効果が4−1BB共刺激を遮断するよりはるかにより顕著であることを示す。本発明者らはさらに、これが、CD27−CD70遮断中のCD8+ T細胞拡大における重度の機能障害のためであると考えている。
【0025】
[0031]これらに基づいて、本発明は、免疫学的に促進性の(アジュバント)または療法的に有効な量の(i)少なくとも1つのCD27アゴニスト、および(ii)CD40アゴニスト、OX−40アゴニスト、4−1BBアゴニスト、抗CTLA−4、制御性T細胞(Treg)を枯渇させる部分、またはインターフェロンもしくはインターロイキンなどのサイトカインを含んでもよいか、あるいは薬剤または化学療法剤を含んでもよい、場合による別の療法部分を投与することによる、新規ヒト療法を提供する。CD27アゴニストは、単独で、または併用して、CD8+T細胞増殖およびCTL免疫応答、例えばアゴニスト性CD40抗体などのCD40アゴニストによって誘発されるものの増加の増強を生じる。
【0026】
[0032]本発明はさらに、はじめて、T細胞免疫を促進するのに有用なアゴニスト性抗CD27抗体を提供する。好ましい態様において、これらのアゴニスト性抗体の結合は、CD70によって影響(阻害)されないであろう。これは、本発明に必須ではないが、CD70と競合しないアゴニスト性抗体は、例えばリンパ腫などの癌の治療において、免疫アジュバントとして用いた際に好適な特性を所持しうると考えられる。
【0027】
[0033]CD27アゴニストは、好ましくは、アゴニスト性抗CD27抗体を含むであろう。CD70と競合してもまたはしなくてもよいこの抗体は、好ましくは、ヒト、ヒト化、キメラアゴニスト性抗ヒトCD27抗体を含み、好ましくはIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgD、IgE、IgA1またはIgA2ヒト定常ドメインであってもよい、ヒト定常ドメインを含む。所望の場合、エフェクター機能を増進するかまたは修飾するため、これらの定常ドメインを修飾してもよい。また、抗体を突然変異させて、グリコシル化を除去するかまたは改変してもよい。同様に、CD27アゴニスト性抗体と一緒に別のアゴニスト性抗体を用いる場合、これらは同様に、好ましくはヒト定常ドメインを含有する、好ましくは、ヒト、ヒト化またはキメラ抗体であり、そしてCD27アゴニスト性抗体に関して上述するように突然変異されていていてもよい。また、Fab、scFv、ミニボディ等の一本鎖抗体および抗体断片が本発明の範囲内である。
【0028】
[0034]典型的な態様において、CD40アゴニストがCD27アゴニストと共投与される場合、CD40アゴニストは、本明細書においてLOB7/4と称されるキメラ抗ヒトCD40抗体、あるいはその変異体またはその断片、特にそのヒト化型、および/またはLOB7/4と同じエピトープ特異性を所持するか、またはヒトCD40への結合に関して、LOB7/4と競合する、抗体断片を含むであろう。
【0029】
[0035]典型的な態様において、本発明は、療法的有効量の、アゴニスト性抗CD27抗体などのCD27アゴニストを投与することによる、固形腫瘍およびリンパ腫などのヒト癌を治療する新規方法を提供する。場合によって、このアゴニストを、別のアゴニストまたはサイトカイン、例えばCD40アゴニスト、4−1BBLアゴニスト性抗体などの4−1BB:4−1BBLアゴニスト、アゴニスト性4−1BB抗体などの4−1BBアゴニスト、抗CTLA−4、あるいはIL−2などのインターロイキンまたはアルファ、ベータもしくはガンマインターフェロンなどのインターフェロン、あるいはTreg枯渇を生じる部分などの、相乗的効果を誘発するものに付随して投与可能である。これらの免疫併用を一緒にまたは併用して投与してもよい。これらのアゴニストまたはアゴニスト/サイトカイン併用は、同じ組成物中でもまたは異なる組成物中でもよい。好ましくは、これらを互いに同時に、またはほぼ同時に投与する。典型的には、これらの療法部分は、互いに24時間以内に、より典型的には8時間以内に、そしてさらにより典型的には互いに1〜4時間以内に投与される。
【0030】
[0036]本CD27アゴニスト、すなわちCD27アゴニスト性抗体で治療可能な癌には、例えば、白血病、急性リンパ球性白血病、急性骨髄球性白血病、骨髄芽球性前骨髄球性骨髄単球性単球性赤白血病、慢性白血病、慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病、慢性リンパ球性白血病、真性赤血球増加症、リンパ腫、ホジキン病、非ホジキン病、多発性骨髄腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、重鎖病、固形腫瘍、肉腫、および癌腫、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜性腫瘍、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸肉腫、結腸直腸癌腫、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平細胞癌腫、基底細胞癌腫、腺癌、汗腺癌腫、皮脂腺癌腫、乳頭癌腫、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌腫、気管支原性癌腫、腎細胞癌腫、肝腫瘍、胆管癌腫、絨毛癌、精上皮腫、胚癌腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、子宮癌、精巣腫瘍、肺癌腫、小細胞肺癌腫、非小細胞肺癌腫、膀胱癌腫、上皮癌腫、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫(menangioma)、黒色腫、神経芽腫、網膜芽腫、鼻咽頭癌腫、および食道癌腫が含まれる。好ましい態様において、CD40を発現している黒色腫、非小細胞肺癌腫、浸潤性乳管癌腫、びまん性大B細胞リンパ腫、およびCD40を発現する他の固形腫瘍などの、CD40を発現している固形腫瘍を治療するために、本抗体を用いる。
【0031】
[0037]さらに、本発明は、単独で、またはサイトカインなどの別の活性剤および場合によって抗原と併用して、細胞性免疫を増強する必要がある患者に、ある量の本アジュバントアゴニスト併用を投与することによる、こうした治療が必要なヒト被験体において、細胞性免疫を増強する新規方法を提供する。
【0032】
[0038]さらに、本発明は、本アジュバント併用を単独で、または他の免疫に基づく療法および免疫に基づかない療法と組み合わせて用いて、ヒト炎症性疾患および不全を治療することに向けられる。こうした状態には、例えば、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症(例えばCRST症候群)、炎症性筋炎、シェーグレン症候群(SS)、混合性結合組織病(例えばMCTD、シャープ症候群)、関節リウマチ、多発性硬化症、炎症性腸疾患(例えば潰瘍性大腸炎、クローン病)、急性呼吸促迫症候群、肺炎症、骨粗鬆症、遅延型過敏症、喘息、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、および特発性血小板減少性紫斑病(ITP)が含まれる。
【0033】
[0039]好ましくは、アゴニスト性抗ヒトCD27抗体、および場合によって別の免疫刺激剤または免疫調節剤、例えばアゴニスト性CD40、OX−40、4−1BB、またはCTLA−4抗体、制御性T細胞を枯渇させる部分、あるいはサイトカインを投与する本方法は、抗原特異的抗腫瘍または細胞性免疫応答の増進を誘発するため、こうした治療が必要な宿主に投与されるであろう。好ましい態様において、これらの抗体は、癌、感染、特に慢性感染性疾患、例えばウイルス、細菌または寄生虫を伴う疾患;あるいは自己免疫、炎症またはアレルギー状態を有するか、またはこれらを発展させるリスクを有する被験体に投与されるであろう。例えば、本抗体または併用を用いて、HIVに対する抗原特異的細胞性免疫応答を誘発可能である。HIVは、防御免疫が、ほぼ確実に、ウイルスに対する強力でそして長期に存続する細胞性免疫応答の生成を必要とする疾患のよく認識される例である。
【0034】
[0040]記載するように、本発明は、有効な治療が、強力な細胞性抗原特異的免疫応答の誘発を必要とする、ウイルス、細菌、真菌または寄生虫を伴う慢性感染性疾患、ならびに癌などの増殖性疾患、自己免疫疾患、アレルギー性障害、および炎症性疾患の治療に使用可能な、アゴニスト性抗体療法および併用療法を提供する。
【0035】
[0041]本CD27アゴニストは、場合によって、リンホカインおよびサイトカインなどの他の免疫アジュバントと併用投与可能である。これらの例には、アルファ、ベータ、およびガンマーインターフェロンなどのインターフェロン、IL−2、IL−4、IL−6、IL−13など、コロニー刺激因子、TNF等のインターロイキンが含まれる。
【0036】
[0042]さらに、本抗ヒトCD40抗体を、癌を治療するために一般的に用いられる化学療法剤および細胞毒素、血管生成を阻害する剤などの他の抗腫瘍剤と併用投与してもよい。これらのさらなる療法剤を本アゴニスト性抗CD27抗体と、別個に、または併用して投与してもよい。また、いくつかの態様において、化学療法剤などのエフェクター部分を、直接または間接的に、例えばリンカーの使用によって、本抗ヒトCD27、あるいは抗ヒトCD40、抗OX−40、抗4−1BB、抗CTLA−4等の、他の場合によって含まれるアゴニスト性抗体に付着させてもよい。
【0037】
[0043]さらに、いくつかの態様において、本抗ヒトCD27抗体またはアゴニスト性CD27抗体を含有する療法的併用を、所望の抗原と併用して投与してもよいし、または抗原に付着させてもよい。
【0038】
[0044]典型的な抗原には、限定されるわけではないが、細菌、ウイルス、寄生虫、アレルゲン、自己抗原および腫瘍関連抗原が含まれる。DNAに基づくワクチンを用いる場合、抗原は、投与されたDNA構築物の配列によってコードされるであろう。あるいは、コンジュゲートとして抗原を投与する場合、抗原は、投与したコンジュゲートに含まれるタンパク質であろう。さらに、抗原をCD27抗体と別個に投与し、そして抗原が任意の形を取ってもよい。特に、抗原には、タンパク質抗原、ペプチド、全不活性化生物等が含まれてもよい。
【0039】
[0045]本発明で使用可能な抗原の特定の例には、A、B、CまたはD型肝炎、インフルエンザウイルス、リステリア属(Listeria)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、結核菌、ツラレミア、大痘瘡(疱瘡)、ウイルス性出血熱、エルシニア属(Yersinia)ペスト、HIV、ヘルペス、パピローマウイルス由来の抗原、および感染性病原体に付随する他の抗原が含まれる。他の抗原には、腫瘍細胞に付随する抗原、自己免疫状態、アレルギーおよび喘息に付随する抗原が含まれる。本アゴニスト性抗CD27抗体と組み合わせたこうした抗原の投与は、こうした疾患状態に対して免疫を与えるための療法的または予防的ワクチンにおいて使用可能である。
【0040】
[0046]いくつかの態様において、感染性病原体由来の抗原を含むことによって、感染を有するリスクがあるかまたは感染を有する個体を治療するのに、該方法および組成物を用いてもよい。感染は、宿主における外来(foreign)生物または宿主内で生殖する病原体の存在に起因する疾患または状態を指す。感染を有するリスクがある被験体は、感染を発展させる傾向がある被験体である。こうした個体には、例えば、感染性生物または病原体への曝露が知られるかまたは推測される被験体が含まれてもよい。感染を有するリスクがある被験体にはまた、感染性病原体または生物に対する免疫応答を開始する能力が損なわれたことに関連する状態を伴う被験体、例えば先天性または後天性免疫不全を伴う被験体、乳児、高齢者、放射療法または化学療法を受けている被験体、火傷を伴う被験体、外傷性傷害を伴う被験体、手術、または他の侵襲性医学的もしくは歯科学的処置を受けている被験体、あるいは他の免疫無防備状態の個体が含まれてもよい。
【0041】
[0047]潜在的に他の免疫増強剤と併用される本アゴニスト性抗体併用を用いて治療または予防可能な感染には、細菌、ウイルス、真菌、および寄生虫感染が含まれる。やはり含まれる、感染の他のより一般的でないタイプは、リケッチア、マイコプラズマ、ならびにスクレイピー、ウシ海綿状脳症(BSE)、およびプリオン病(例えばクールーおよびクロイツフェルト・ヤコブ病)を引き起こす病原体である。ヒトが感染する細菌、ウイルス、真菌、および寄生虫の例は、周知である。感染は、急性、亜急性、慢性または潜在性であってもよく、そして局所的でもまた全身性でもよい。さらに、感染は、宿主における感染性生物または病原体の生活環の少なくとも1つの期の間に、主に細胞内性でもまたは細胞外性でもよい。
【0042】
[0048]本抗体を用いて、細胞性免疫応答を増強してもよい細菌感染には、グラム陰性およびグラム陽性細菌の両方が含まれる。グラム陽性細菌の例には、限定されるわけではないが、パスツレラ属(Pasteurella)種、スタフィロコッカス属(Staphylococci)、およびストレプトコッカス属(Streptococci)種が含まれる。グラム陰性細菌の例には、限定されるわけではないが、大腸菌(Escherichia coli)、シュードモナス属(Pseudomonas)種、およびサルモネラ属(Salmonella)種が含まれる。感染性細菌の具体的な例には、限定されるわけではないが、ピロリ菌(Heliobacter pyloris)、ライム病菌(Borrelia burgdorferi)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophilia)、マイコバクテリウム属(Mycobacteria)種(例えば、結核菌(M. tuberculosis)、M.アビウム(M. avium)、M.イントラセルラレ(M. intracellilare)、カンサシ菌(M. kansaii)、M.ゴルドナエ(M. gordonae))、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、リステリア菌(Listeria monocytogeners)、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)(A群ストレプトコッカス属)、ストレプトコッカス・アガラクチエ(Streptococcus agalactiae)(B群ストレプトコッカス)、ストレプトコッカス属(ビリダンス群)、フェカリス菌(Streptococcus faecalis)、ストレプトコッカス・ボビス(streptococcus bovis)、ストレプトコッカス属(嫌気性種)、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、病原性カンピロバクター属(Campylobacter)種、エンテロコッカス属(Enterococcus)種、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、ジフテリア菌(Corynebacterium diptheriae)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)種、ブタ丹毒菌(Erysipelothrix rhusiopathie)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、破傷風菌(Clostridium tetani)、エンテロバクター・エロゲネス(Enterobacter aerogenes)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、パスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)、バクテロイデス属(Bacteroides)種、フソバクテリウム・ヌクレアツム(Fusobacterium nucleatum)、ストレプトバチルス・モニリフォルミス(Streptobacillus moniliformis)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、トレポネーマ・ペルテヌエ(Treponema pertenue)、レプトスピラ属(Leptospira)、リケッチア属(Rickettsia)、およびアクチノミセス・イスラエリ(Actinomyces israelii)が含まれる。
【0043】
[0049]ヒトにおいて感染を引き起こすウイルスの例には、限定されるわけではないが、レトロウイルス科(Retroviridae)(例えばヒト免疫不全ウイルス、例えばHIV−1(HTLV−IIIとも称される)、HIV−II、LACまたはIDLV−III/LAVまたはHIV−IIIおよびHIV−LPなどの他の単離体)、ピコルナウイルス科(Picornaviridae)(例えばポリオウイルス、A型肝炎ウイルス、エンテロウイルス、ヒト・コクサッキーウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス)、カリシウイルス科(Calciviridae)(例えば胃腸炎を引き起こす株)、トガウイルス科(Togaviridae)(例えばウマ脳炎ウイルス、風疹ウイルス)、フラビウイルス科(Flaviviridae)(例えばデングウイルス、脳炎ウイルス、黄熱病ウイルス)、コロナウイルス科(Coronaviridae)(例えばコロナウイルス)、ラブドウイルス科(Rhabdoviridae)(例えば水疱性口内炎ウイルス、狂犬病ウイルス)、フィロウイルス科(Filoviridae)(例えばエボラウイルス)、パラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)(例えばパラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス)、オルトミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)(例えばインフルエンザウイルス)、ブンガウイルス科(Bungaviridae)(例えばハンタン(Hataan)ウイルス、ブンガウイルス、フレボウイルス(phleobovirus)およびナイロウイルス)、アレナウイルス科(Arena viridae)(出血熱ウイルス)、レオウイルス科(Reoviridae)(例えばレオウイルス、オルビウイルス、ロタウイルス)、ビマウイルス科(Bimaviridae)、ヘパドナウイルス科(Hepadnaviridae)(B型肝炎ウイルス)、パルボウイルス科(Parvoviridae)(パルボウイルス)、パポバウイルス科(Papovaviridae)(パピローマウイルス、ポリオーマウイルス)、アデノウイルス科(Adenoviridae)(アデノウイルス)、ヘルペスウイルス科(Herpeviridae)(例えば単純ヘルペスウイルス(HSV)IおよびII、帯状疱疹ウイルス、ポックスウイルス)、およびイリドウイルス科(Iridoviridae)(例えばアフリカブタ熱ウイルス)、ならびに未分類ウイルス(例えば海綿状脳疾患の病原体、デルタ肝炎の病原体、非A非B肝炎の病原体(クラス1腸管伝染;C型肝炎などのクラス2非経口感染);ノーウォークおよび関連ウイルスおよびアストロウイルス)が含まれる。
【0044】
[0050]真菌の例には、アスペルギルス属(Aspergillus)種、コクシジオイデス・イミチス(Coccidoides immitis)、クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)および他のカンジダ属種、ブラストミセス・デルマティディス(Blastomyces dermatidis)、ヒストプラズマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)、トラコーマクラミジア(Chlamydia trachomatis)、ノカルジア属(Nocardia)種、およびカリニ肺炎菌(Pneumocytis carinii)が含まれる。
【0045】
[0051]寄生虫には、限定されるわけではないが、血液感染性および/または組織寄生虫、例えば、ネズミバベシア(Babesia microti)、バベシ・ディベルガンス(Babesi divergans)、赤痢アメーバ(Entomoeba histolytica)、ランブル鞭毛虫(Giarda lamblia)、熱帯リーシュマニア(Leishmania tropica)、リーシュマニア属種、ブラジルリーシュマニア(Leishmania braziliensis)、ドノバンリーシュマニア(Leishmania donovdni)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、四日熱マラリア原虫(Plasmodium malariae)、卵形マラリア原虫(Plasmodium ovale)、三日熱マラリア(Plasmodium vivax)、トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)、ガンビアトリパノソーマ(Trypanosoma gambiense)およびローデシアトリパノソーマ(Trypanosoma rhodesiense)(アフリカ睡眠病)、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)(シャーガス病)およびトキソプラズマ原虫、扁平動物、および回虫が含まれる。
【0046】
[0052]記載するように、本発明は、好ましくは、癌などの増殖性疾患を治療する際の、アゴニスト性抗ヒトCD40、OX−40、CTLA−4、4−1BB抗体またはサイトカイン、あるいは制御性T細胞を枯渇させる剤などの別の部分が場合によって付随する、アゴニスト性抗ヒトCD27抗体の使用に関する。癌は、体の臓器および系の正常な機能に干渉する、細胞の制御されない増殖の状態である。癌を有する被験体は、被験体の体内に存在する客観的に測定可能な癌細胞を有する被験体である。癌を発展させるリスクがある被験体は、例えば家族歴、遺伝的素因に基づいて、癌を発展させる素因がある被験体、放射線または他の癌を引き起こす剤に曝露された被験体である。元来の位置から遊走し、そして生命維持に必要な臓器に播種する癌は、最終的に、影響を受けた臓器の機能の悪化を通じて、被験体の死を導きうる。白血病などの造血性癌は、被験体において、正常造血区画を競合して追い出し(out−compete)、それによって造血不全(貧血、血小板減少症および好中球減少症の形)を導き、最終的には死を引き起こす。
【0047】
[0053]CD27アゴニスト、および上述のような場合による別の部分を含む本発明の組成物を用いて、例えば、腫瘍関連抗原(TAA)を含むことによって、多様な癌、または癌を発展させるリスクがある被験体を治療してもよい。これは、腫瘍細胞中に発現される抗原である。こうした癌の例には、乳癌、前立腺癌、結腸癌、白血病、慢性リンパ球性白血病等の血液癌が含まれる。腫瘍関連抗原はまた、腫瘍細胞によって主に発現されるが独占的に発現されるのではない抗原であってもよい。
【0048】
[0054]さらなる癌には、すでに言及されたもの、ならびに基底細胞癌種、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳および中枢神経系(CNS)癌、子宮頸癌、絨毛癌、結腸直腸癌、結合組織癌、消化系の癌、子宮内膜癌、食道癌、目の癌、頭部および頸部の癌、胃癌、上皮内新生物、腎臓癌、喉頭癌、肝癌、肺癌(小細胞、大細胞)、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫を含むリンパ腫;黒色腫;神経芽腫;口腔癌(例えば唇、舌、口および咽頭);卵巣癌;膵臓癌;網膜芽腫;横紋筋肉腫;結腸癌;呼吸器系の癌;肉腫;皮膚癌;胃癌;精巣癌;甲状腺癌;子宮癌;泌尿器系の癌;ならびに他の癌腫および肉腫が含まれる。
【0049】
[0055]また、本CD27アゴニスト、および含有組成物または先に定義したような併用療法を用いて、多発性硬化症、関節リウマチ、1型糖尿病、乾癬または他の自己免疫障害などの自己免疫疾患を治療してもよい。本発明の免疫アジュバントで潜在的に治療可能な他の自己免疫疾患には、クローン病、および潰瘍性大腸炎などの他の炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス(SLE)、自己免疫脳脊髄炎、重症筋無力症(MG)、橋本甲状腺炎、グッドパスチャー症候群、天疱瘡、グレーブス病、自己免疫溶血性貧血、自己免疫血小板減少性紫斑病、抗コラーゲン抗体を伴う強皮症、混合性結合組織疾患、多発性筋炎(polypyositis)、悪性貧血、特発性アジソン病、自己免疫関連不妊、糸球体腎炎(例えば半月体性糸球体腎炎、増殖性糸球体腎炎)、類天疱瘡、シェーグレン症候群、乾癬性関節炎、インスリン耐性、自己免疫糖尿病(1型糖尿病;インスリン依存性糖尿病)、自己免疫肝炎、自己免疫血友病、自己免疫リンパ増殖性症候群(ALPS)、自己免疫肝炎、自己免疫血友病、自己免疫リンパ増殖性症候群、自己免疫網膜ブドウ膜炎、およびギラン−バレー症候群が含まれる。最近、動脈硬化症およびアルツハイマー病が自己免疫疾患と認識された。したがって、本発明のこの態様において、本CD27アゴニスト、典型的にはアゴニスト性CD27抗体を、単独で、または宿主が組織破壊および正常組織への損傷に寄与する望ましくない免疫応答を誘発する、自己抗原と併用して、投与してもよい。
【0050】
[0056]本抗CD27抗体および併用療法はまた、喘息、ならびにアレルギー性および炎症性疾患を治療するのにも使用可能である。喘息は、炎症および気道狭窄、ならびに吸入した物質への気道の反応性増加によって特徴付けられる呼吸系の障害である。喘息は、独占的ではないが、しばしば、アトピー性またはアレルギー性症状と関連づけられる。アレルギーは、物質(アレルゲン)に対する後天性過敏症である。アレルギー状態には、湿疹、アレルギー性鼻炎、または鼻感冒、枯草熱、気管支喘息、蕁麻疹、および食物アレルギー、ならびに他のアトピー性状態が含まれる。アレルゲンは、感受性の被験体において、アレルギー性または喘息性応答を誘導可能な物質である。花粉、昆虫毒、動物のふけ、ほこり、真菌胞子、および薬剤を含む、多くのアレルゲンがある。
【0051】
[0057]天然および植物アレルゲンの例には、以下の属に特異的なタンパク質が含まれる:イヌ科(Canine)、ダニ属(Dermatophagoides)、ネコ属(Felis)、ブタクサ属(Ambrosia)、ドクムギ属(Lotium)、スギ属(Cryptomeria)、アルテルナリア属(Alternaria)、ハンノキ属(Alder)、アルヌス属(Alinus)、カバノキ属(Betula)、カシ属(Quercus)、オリーブ属(Olea)、ヨモギ属(Artemisia)、オオバコ属(Plantago)、ヒカゲミズ属(Parietaria)、チャバネゴキブリ属(Blatella)、ミツバチ属(Apis)、イトスギ属(Cupressus)、ビャクシン属(Juniperus)、クロベ属(Thuya)、ヒノキ属(Chamaecyparis)、ゴキブリ属(Periplanet)、カモジグサ属(Agopyron)、ライムギ属(Secale)、コムギ属(Triticum)、カモガヤ属(Dactylis)、ウシノケグサ属(Festuca)、イチゴツナギ属(Poa)、カラスムギ属(Avena)、シラゲガヤ属(Holcus)、ハルガヤ属(Anthoxanthum)、オオカニツリ属(Arrhenatherum)、コヌカグサ属(Agrostis)、アワガエリ属(Phleum)、クサヨシ属(Phalaris)、スズメノヒエ属(Paspalum)、モロコシ属(Sorghum)、およびブロミス属(Bromis)。
【0052】
[0058]本抗体、抗体含有組成物、およびそのコンジュゲートを、特定の状態、例えば感染性疾患、癌または自己免疫状態を治療するための他の療法と併用してもよいことが理解される。例えば、癌の場合、本発明の方法を化学療法または放射療法と併用してもよい。
【0053】
[0059]所望の抗原に対する抗体を作製する方法が周知である。しかし、本発明までは、アゴニスト性CD27 mAbは報告されておらず、また本明細書に請求するような、免疫療法のためのその使用は示唆されてこなかった。
【0054】
[0060]対照的に、上述のように、アゴニスト性CD40抗体が知られており、免疫療法におけるその使用も知られている。また、図9において、本出願は、好ましい典型的なキメラアゴニスト性CD40抗体LOB7/4の重鎖および軽鎖の可変配列を提供し、これによって、当業者は、組換え法により、この抗体を作製可能であろう。CD27抗体が、CD40アゴニスト性抗体に付随して用いられる場合、本CD40アゴニストおよびCD27アゴニストの有効量は、実験的に、または動物モデルにおける免疫学的有効量に基づいて、決定可能である。相対的な量は、in vivoで、CTL応答増進およびCD8+ T細胞増殖を生じるものである。考慮すべきさらなる要因には、抗原性、配合、投与経路、投与すべき免疫用量の回数、個体の身体状態、体重、および年齢、副作用等が含まれる。こうした要因は、当業者に周知であり、そして当業者によって決定可能である(例えばPaolettiおよびMclnnes監修, Vaccines, from Concept to Clinic: A Guide to the Development and Clinical Testing of Vaccines for Human Use CRC Press(1999)を参照されたい)。本CD27アゴニストを単独でまたは他のアジュバントと組み合わせて投与してもよいことが理解される。
【0055】
[0061]限定されるわけではないが、筋内、静脈内、皮内、皮下、腹腔内、鼻内、経口または他の粘膜経路を含む、当該技術分野に知られる任意の方法によって、本アゴニストまたはその併用、例えばCD40/CD27アゴニスト性抗体併用を局所的または全身性に投与してもよい。さらなる経路には、頭蓋内(例えば槽内、または脳室内)、眼窩内、眼性、嚢内、脊椎内、および局所投与が含まれる。本発明のアジュバントおよびワクチン組成物を、適切な非毒性薬学的キャリアー中で投与してもよいし、あるいはマイクロカプセルまたは持続性放出移植物中で配合してもよい。所望の細胞性免疫応答を維持するため、望ましい場合は、本発明の免疫原性組成物を多数回投与してもよい。適切な経路、配合、および免疫化スケジュールは、当業者によって決定可能である。
【0056】
[0062]本発明の方法において、いくつかの場合、抗体または抗体コンジュゲート併用を、1つまたはいくつかの抗原、あるいは他の活性剤、例えばサイトカインまたは化学療法剤と組み合わせて投与してもよい。これらの組成物および含有活性剤を、別個に、または細胞性免疫の所望の増進を達成する任意の順序で、併用して、投与してもよい。典型的には、互いに短期間内に、すなわち互いに約1日以内に、典型的には互いに数時間、そしてより典型的には互いに約1時間以下のうちに、これらの組成物を投与する。
【0057】
[0063]いくつかの例において、アフィニティー精製を促進する組換え抗体アゴニスト上の部分を含むことが有益でありうる。こうした部分には、コンジュゲート中のポリペプチドの機能に干渉しない、比較的小さい分子が含まれる。あるいは、タグは切断によって除去可能である。こうしたタグの例には、ポリ−ヒスチジンタグ、赤血球凝集素タグ、マルターゼ結合性タンパク質、レクチン、グルタチオン−Sトランスフェラーゼ、アビジン等が含まれる。他の適切なアフィニティータグには、FLAG、緑色蛍光タンパク質(GFP)、myc等が含まれる。
【0058】
[0064]本抗体および含有抗体コンジュゲートを、生理食塩水などの生理学的に許容されうるキャリアーとともに投与してもよい。組成物にはまた、クエン酸、リン酸、酢酸、および重炭酸などの緩衝剤、アミノ酸、尿素、アルコール、アスコルビン酸、リン脂質、血清アルブミンなどのタンパク質、エチレンジアミン四酢酸、塩化ナトリウム、または他の塩、リポソーム、マンニトール、ソルビトール、グリセロール等の別のキャリアーまたは賦形剤が含まれてもよい。対応する投与経路にしたがって、本発明の剤を多様な方式で配合してもよい。例えば、摂取または注射用に液体配合物を作製してもよく、摂取、吸入、または局所適用のため、ゲルまたは手法を作製してもよい。こうした配合物を作製するための方法が周知であり、そして例えば、"Remington's Pharmaceutical Sciences," 第18版, Mack Publishing Company, ペンシルバニア州イーストンに見出されうる。
【0059】
[0065]発現を導くことが可能な任意のベクター、例えばベクターで形質導入された細胞を用いて、本アゴニスト性抗体を発現させてもよい。使用可能なベクターには、例えば、バキュロウイルス、細菌で使用するためのT7に基づくベクター、酵母発現ベクター、哺乳動物発現ベクター、ウイルス発現ベクター等が含まれる。ウイルスベクターには、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ベクター、ヘルペスウイルス、シミアンウイルスSV、およびウシパピローマウイルスベクターが含まれる。
【0060】
[0066]本アゴニスト性抗体の発現を促進するのに使用可能な原核細胞および真核細胞には、例えば、微生物、植物および動物細胞、例えば大腸菌、枯草菌(Bacillus subtilis)等の原核生物、Sf21細胞などの昆虫細胞、サッカロミセス属(Saccharomyces)、カンジダ属、クリュイベロミセス属(Kluyveromyces)、シゾサッカロミセス属(Schizzosaccharomyces)、およびピキア属(Pichia)などの酵母細胞、ならびにCOS、HEK293、CHO、BHK、NIH 3T3、HeLa等の哺乳動物細胞が含まれる。当業者は、特定の発現系に適した構成要素を容易に選択可能であり、これには、所望の細胞または生物に適した、発現ベクター、プロモーター、選択可能マーカー等が含まれる。多様な発現系の選択および使用は、例えば、Ausubelら, "Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, ニューヨーク州ニューヨーク(1993);およびPouwelsら, Cloning Vectors: A Laboratory Manual", 1985 Suppl. 1987に見出されうる。本DNA構築物を含有し、そして発現する真核細胞もまた提供する。
【0061】
[0067]本明細書において、用語「抗体」は、最も広い意味において、ポリクローナルおよびモノクローナル抗体、ならびにその抗原結合性断片を含むように用いられる。これには、Fab、F(ab’)2、ミニボディ、一本鎖AbおよびFv断片が含まれる。
【0062】
[0068]さらに、用語「抗体」には、天然抗体、ならびに非天然存在抗体、例えば一本鎖抗体、キメラ抗体、二重官能性およびヒト化抗体が含まれる。本発明で使用するのに好ましいのは,キメラ、ヒト化、および完全ヒト抗体である。キメラ、ヒト化、CDR移植、一本鎖および二重官能性抗体を合成するための方法は当業者に周知である。さらに、記載するように、CD27に特異的な抗体が知られ、そして入手可能であり、そしてCD27抗原、好ましくはヒトCD27抗原で適切な宿主を免疫することによって作製可能である。本発明に記載するように、CD40抗体を用いる場合、CD40抗体は、図9に含有される可変重鎖および軽鎖配列を有するキメラLOB7/4を含んでもよく、その合成は図10および11に図示される。
【0063】
[0069]本発明のアゴニスト性CD27抗体は、損なわれていなくても、または操作されていてもよい。例えば、CD27 mAbは、補体、マクロファージなどのFcR所持エフェクターなどのヒトエフェクター系への結合増加または減少のために、あるいは半減期を延長するかまたは減少させるために、完全にまたは部分的にグリコシル化され、そして/または選択されていてもよい。これらの修飾を行って、有効性を改善し、そして潜在的にまた、毒性副作用を減少させてもよい。
【0064】
[0070]本発明の多様な態様の活性に実質的に影響を及ぼさない修飾もまた、本明細書に提供する本発明の定義内で提供されることが理解される。したがって、以下の実施例は、本発明を例示するが限定しないよう意図される。
【実施例】
【0065】
[0071]材料および方法
[0072](以下の材料および方法を実施例1〜6で用いた。)
[0073]動物および細胞株。BALB/cおよびC57Bl/6マウスは、Harlan(英国、オクソン、ブラックソーン)によって供給され、そして現地の動物施設で維持された。BCL1(SlavinおよびStrober 1978)マウスBリンパ腫細胞株は、BALB/cマウスにおけるi.p.継代によって、in vivoで維持された。疾患の最終段階で脾臓を除去し、そして先に記載するように、単細胞懸濁物を調製した。P BCL1細胞は、BCL1由来の亜系統であり、そして培養中で増殖させた(Illidge, Honeychurchら 2000)。英国内務省認可指針にしたがった認可の下で動物実験を行い、そしてこれらは、サザンプトン大学倫理委員会によって認可された。
【0066】
[0074]抗体および試薬。本研究に用いた抗CD40処置mAbは、3/23であった(元来、G. Klaus, National Institute of Medical Research, 英国ロンドンによって提供されたもの)。それぞれ、4−1BBL−Fc融合タンパク質または可溶性組換えCD70タンパク質でラットを免疫することによって、社内で、抗4−lBBL mAb、AT113−2、および抗CD70 mAb、TAN1−6を作製した(Taraban, Rowleyら 2004)。mAbの調製のため、静置培養中でハイブリドーマ細胞を拡大し、そしてプロテインGカップリングSepharoseビーズを用いて、IgGを上清から調製した。フローサイトメトリー分析に用いた抗体は:すべて社内で調製され、そしてPEまたはFITC標識されている、ID3(抗CD19)(Krop, de Fougerollesら 1996)、16−10A1(抗B7−l)およびGL−1(抗B7−2)(どちらもAmerican Type Culture Collection)、ICAM−1(参照)、N418(抗CD11c)(ATCC)、Mc10−6A5(抗BCL1 Id mAb)(George, McBrideら 1991)、LOB12/3(抗4−lBB)(Taraban, Rowleyら 2004)、YTS169(抗CD8); PE標識抗CD27およびAPC標識抗CD8(どちらもPharmingen)であった。可溶性融合タンパク質、sCD70−Fcおよびs4−1BBL−Fcを先に記載したように生成した(RowleyおよびAl−Shamkhani 2004)。
【0067】
[0075]BIACORE分析。TAN1−6およびAT113−2の結合のBiacore分析を先に記載されるように行った(Al−Shamkhani, Mallettら 1997)。
【0068】
[0076]OT−1細胞の養子免疫伝達。OT−Iマウス由来のOVA特異的H−2Kb制限TCRトランスジェニックT細胞(1x106)を、性別が一致したC57BL/6レシピエントにi.v.注射した。1または2日後:抗CD40または対照抗A31リンパ腫Id mAb(各500μg)、または抗CD40および抗CD70/抗4−1BBL mAb(各500μg)と併用したOVA(5mg)のi.p.投与によって、T細胞をプライミングした。翌日、これらのマウスに、対照抗A31リンパ腫Id mAb、抗CD70または抗4−1BBL mAb(500μg)をさらに注射した。Ag特異的T細胞を追跡するため、血液試料(50μl)をPE標識H−2Kb OVAp四量体(ProimmuneまたはBeckman Coulter)およびAPC標識抗CD8□(Pharmingen)で染色した(Taraban, Rowleyら 2004)。
【0069】
[0077]内因性抗OVA応答の監視。抗CD40および対照(抗A31リンパ腫Id)、抗CD70または抗CD137L mAbのいずれか(各500μg)と併用したOVA(5mg)のi.p.投与によって、C57BL/6マウスをプライミングした。翌日、マウスに、対照、抗CD70または抗CD137L mAbのいずれか(500μg)をさらに注射した。Ag特異的T細胞を追跡するため、プライミング6日後、血液試料(50μl)をPE標識H−2Kb OVAp四量体およびAPC標識抗CD80(Pharmingen)で染色し、そしてFACSCalibur(BD Biosciences、カリフォルニア州マウンテンビュー)を用いて、フローサイトメトリー分析を行った。
【0070】
[0078]腫瘍および抗CD40 mAb後の、脾臓リンパ球およびDCのフローサイトメトリー分析
[0079]年齢一致BALB/cマウスに、5x107 BCL1細胞を第0日に投与し(i.v.)、そして次いで、脾臓における腫瘍細胞レベルが、総細胞のおよそ5%に到達したとき、典型的には腫瘍後4日目に、1mgの抗CD40 mAbまたはアイソタイプ一致対照を投与した(i.v.)。抗CD40 mAb処置の応答に対する、抗4−1BBLおよび抗CD70 mAbの影響を見る実験において、抗CD40注射の4時間前に0.5mgの遮断性mAbをi.p.注射し、そして次いで、抗CD40 mAb後、1日目および3日目にも注射した。示した日に動物を屠殺し、脾臓を除去し、そして懸濁物を調製した。PE抗CD19およびFITC抗BCL1 Idを用いて、BCL1腫瘍細胞を検出した。APC抗CD8aおよびPE抗4−1BBおよび抗CD27を用いて、CD8+リンパ球の数および表現型の変化を追跡した。FACSCalibur(BD Biosciences)を用いて、フローサイトメトリー分析を行った。
【0071】
[0080]DC分析のため、全脾臓を荒く切り刻み、そしてRPMI−1640 5ml中の1mg/mlコラゲナーゼD(Roche)および0.05mg/ml DNアーゼI(Sigma)で消化して、そして37℃で30分間、穏やかに攪拌した。次いで、20mlの培地を添加し、そして単細胞懸濁物を調製した。細胞を一度洗浄し、再懸濁し、そして抗FcgIIおよびIII受容体mAb、2.4G2の存在下で、PE抗CD11cおよびFITC抗B7.1、B7.1、ICAM、4−1BB、4−1BBL、およびCD70を用いて、フローサイトメトリー用に試料を標識した。死亡した細胞および自己蛍光細胞がFL3を用いてゲーティング可能であるように、分析15分前に、最終濃度2μg/mlの7−アミノアクチノマイシン−D(7AAD)を添加した。FACSCaliburを用いて、フローサイトメトリー分析を行った。
【0072】
[0081]免疫療法。5匹の年齢一致マウスの群に、第0日に、107 BCL1細胞をi.v.注射し、そして次いで、第4〜7日に、抗CD40をi.v.注射し(250mg/日)、そして示した箇所で、第4、7、9および11日に、遮断性mAbをi.p.注射した(500mg/日)。
【0073】
[0082]in vivo殺傷アッセイ。マウスに、2x107 BCL1細胞をi.p.注射し、そして48時間後に1mgの抗CD40をi.p.注射した。8日後、3匹のマウスの群に、1mgの適切な遮断性mAbをi.p.注射し、そして次いで5時間後、末期BCL1腫瘍所持マウス由来の2x107 CFSE標識脾臓細胞を注射した。24時間後、洗浄し、そしてPE標識抗BCL1 IdおよびAPC標識抗CD8で染色することによって、腹腔から細胞を回収した。
【0074】
[0083]細胞毒性アッセイ。先に記載されるように(Tutt, O’Brienら 2002)、標準的4時間51Cr放出アッセイを用いて、脾臓エフェクターの細胞毒性活性を評価した。簡潔には、抗CD40処置の4〜5日後、BCL1所持マウスから、脾臓ホモジネートを調製した。FITC抗Id mAbを用いて残りの腫瘍細胞を除去し、その後、抗FITC MACSビーズおよびLSカラム(Miltenyi Biotec, Bergisch Gladbach, Germany)を用いた。残りの細胞をエフェクターとして用いた。PBCL1細胞を51Crで標識し、そしてターゲットとして用いた。細胞毒性に対するmAbの効果を評価するため、最終濃度50μg/mlでこれらを含めた。150μlの1%Nonidet P−40を添加しておいたターゲット細胞を用いて、放射能の最大放出を計算した。標準式を用いて、特異的51Cr放出の割合を計算した:特異的放出の割合=[(試料放出−バックグラウンド放出)/(最大放出−バックグラウンド放出)]x100。
【0075】
[0084]実施例1:TAN1−6(抗CD70)およびAT113−2(抗4−1BBL)は、それぞれin vitroおよびin vivoで、4−1BBL/4−1BBおよびCD70/CD27相互作用を遮断する。
【0076】
[0085]実施例1に含有される本実験において、1aおよび1bのどちらにおいても、1マイクログラム/mlの抗CD3で、BALB/c脾臓細胞を48時間活性化して、T細胞上のCD70および4−1BBの発現を上方制御した。3aにおいては、TAN1−6(実線)またはAT113−2(点線)(50マイクログラム/ml)の存在下で、FITC標識抗ヒトFc mAb(SB2H2、10マイクログラム/ml)を用いて、活性化された脾臓細胞へのsCD70−IgFc融合タンパク質(1.125マイクログラム/ml)の結合を、そしてFITC標識抗ヒトFc mAb SB2H2を用いて、細胞へのs4−1BBL−Ig Fc融合タンパク質(1.125マイクログラム/ml)の結合を検出した。aおよび1bの両方において、塗りつぶしたヒストグラムは、SB2H2で検出されたhIgGの対照を示す。1cにおいては、対照IgG(抗A31イディオタイプ)、抗CD70(TAN1−6)または抗4−1BBL(AT113−2)mAb(各0.5mg)のいずれかと併用した、OVA(5mg)および抗CD40(1mg)のi.p.投与後、C57Bl/6マウスにおける内因性Ova特異的CD8 T細胞応答を監視した。24時間後、マウスに対照、抗CD70または抗4−1BBL mAbを反復注射した。6日後、APC標識抗CD8およびPE標識H−2 Kb SIINFEKL四量体を用いて、末梢血中のOVA特異的T細胞を検出した。
【0077】
[0086]実施例2:BCL1マウスにおける抗CD40の療法活性に対する抗4−1BBL(AT113−2)および抗CD70(TAN1−6)の影響。
【0078】
[0087]図2に示す本実験において、5匹のマウスの群に、第0日に、1x107BCL1腫瘍細胞をiv接種し、そして腫瘍後4、5、6および7日目に、抗CD40でiv処置した(1日あたり500マイクログラム)。示すように、群にはまた、第4、7、9および11日に、抗4−1BBLおよび/または抗CD70も投与した(500マイクログラム/mAb/日、i.p.)。腫瘍発展に関して、マウスを監視した。図4の結果は、3つの類似の実験の1つの結果を示し、そして含有する。
【0079】
[0088]実施例3:抗CD40 mAb療法後のCD8+ T細胞の集積およびBCL1腫瘍根絶に対する、抗4−1BBLおよび抗CD70の影響。
【0080】
[0089]結果が図3に含有される本実験において、マウスの群に、5x107 BCL1細胞をiv接種し、そして4日後(図の第0日)、抗CD40 mAbで処置し、その時点で、脾臓におけるId+腫瘍細胞レベルは、3〜5%の間であった。示す箇所で、第0、1、および2日、マウスに、抗4−1BBLおよび/または抗CD70 mAbもまた投与した(500マイクログラム/mAb/日)。示す日に、本明細書の材料および方法に記載するように、フローサイトメトリーによって、脾臓腫瘍およびCD8+ T細胞を監視した。図3aの実験は、脾臓腫瘍細胞総数を示し、そして3bは、BCL1処置後のCD8+細胞総数を示す。点は2つ組動物の平均であり、そして結果は4つの類似の実験結果を示す。
【0081】
[0090]実施例4:抗4−1BBL(AT113−2)および抗CD70(TAN1−6)は、抗CD40が誘導する表現型変化、またはBCL1マウス由来の脾臓DC数の変化に影響を及ぼさない。
【0082】
[0091]図4の実験において、マウスに5x107 BCL1細胞をiv接種し、そして4日後(図の第0日)、抗CD40(1mg)mAbで処置した。示す箇所で、抗CD40処置の4時間前、そして1および2日後に再び、マウスに抗4−1BBLまたは抗CD70をi.p.投与した(500マイクログラム/日)。第3日、脾臓DCの総数を図2におけるように分析した。図4の結果は2つ組マウスの平均を示し、そして2つの類似の実験のうちの1つの結果を含有する。
【0083】
[0092]実施例5:抗4−1BBLおよび抗CD70は、in vivoまたはin vitroで、応答のエフェクター段階を阻害しない。
【0084】
[0093]本実験は図5に含有される。図5aにおいて、マウスに2x107 BCL1細胞をi.p.注射し、そして48時間後、抗CD40 mAb(1mg)を注射した。さらに8日後、3匹のマウスの群に、1mgの適切な遮断抗体をi.p.注射し、そして次いで、5時間後、BCL1腫瘍所持マウス由来の2x107 CFSE標識脾臓細胞を注射した。24時間後、腹腔より細胞を採取し、PE標識抗BCL1 Idで染色し、そしてフローサイトメトリーによって評価した。ゲーティングされた二重陽性(CFSE+およびId+)細胞は、生存腫瘍細胞に相当する。5b)において、マウスに5x107 BCL1をi.v.接種し、そして4日後、抗CD40 mAbを接種した(1mg、i.v.)。抗CD40の5日後、脾臓リンパ球を調製し、そして材料および方法に記載するように、PE標識抗BCL1 Id mAbおよび抗PEビーズを用いて、残った腫瘍細胞を除去した。残った脾臓細胞(およそ40% CD8+)をエフェクターとして用いて、そして単独で、あるいは100マイクログラム/mlの抗CD40、抗CD8、抗4−1BBL、または抗CD70の存在下で、ターゲットとしての51Cr標識IIBCL1細胞とインキュベーションした。この結果を、ターゲット細胞の特異的溶解パーセントとして示す。
【0085】
[0094]実施例6:A31およびBCL1リンパ腫に対する抗CD27の療法強度
[0095]図6に示す本実験において、マウスに、2x107 BCL1細胞をiv注射し、そして次いで、後に、対照IgG、抗CD40 mAb、抗CD27または抗4−1BB mAb(1mg)でiv処置した。マウスを毎日2回監視し、そして図中の結果は、2つの類似の実験のうちの1つを示す。特に、4x106CD8+ OT−Iリンパ球の養子免疫伝達1日後(第0日)、レシピエントB6マウスを30mmol OVAペプチド(SINFEKL、OVA 257−264)でiv免疫した。動物にはまた、組換え可溶性CD70または抗マウスCD27(その調製を次の実施例に示す)または対照mAbを4回、iv注射した(第90、1、2および3日;注射あたり250マイクログラム)。OVA特異的CD8+ T細胞をin vivoで追跡するため、血液試料をPE H−2KB OVA 257−264四量体およびAPC抗CD8アルファで染色した。OVA特異的CD8+ T細胞の拡大は、応答のピーク時、第4日で示される。
【0086】
[0096]実施例7:抗マウスCD27 mAb AT124−1の調製
[0097]マウスCD27−huFc分泌CHO細胞を調製し、そしてそこからの上清をプロテインA上でプロセシングして、融合タンパク質を精製した。標準法にしたがって、CFA、IFCA、次いでPBS中の50マイクログラム/用量の融合タンパク質でLouラットを免疫した。最初に融合タンパク質に対して、そして次いで細胞に対して、ハイブリドーマをスクリーニングした。細胞はConA活性化脾臓細胞、すなわち活性化T細胞であった。
【0087】
[0098]商業的ハムスターCD27(LG3A10(Becton Dickinson))、P 04 2 115に比較して、AT124−1(本発明の抗体)は、CD70−Fcによって部分的にしか、またはまったく遮断されず(110から80MFIに減少)、一方、LG3A10−PEは遮断されて、1500から180MFIに減少した。この実験をP 04 2 130で反復して、類似の結果を得た。
【0088】
[0099]図7に示すように、本発明のラット抗マウスCD27(AT124−1)および陽性対照ハムスター抗マウスCD27(LG3A10)はどちらも、マウスCD27トランスフェクション細胞を標識した。どちらの抗体も非トランスフェクション細胞には結合しなかった。
【0089】
[00100]結果
[00101]BCL1リンパ腫の抗CD40処置中の脾臓CD8 T細胞およびDCの表現型変化
[00102]
[00103]
[00104]抗CD40への療法的応答に対する、4−1BBL/4−1BBおよびCD70/CD27相互作用遮断の影響
[00105]本発明者らは、腫瘍所持マウスのCD40 mAb処置後に見られる療法的応答への、4−1BBおよびCD27分子の重要性を調べた。4−1BBLおよびCD70に特異的な遮断性mAbを用いて、4−1BBL/4−1BBおよびCD70/CD27相互作用破壊の影響を調べた。AT113−2(抗4−1BBL)およびTAN1−6(抗CD70)が、それぞれ、4−1BBL/4−1BBおよびCD70/CD27相互作用を破壊可能であることは、これらが、活性化T細胞へのs4−1BBL−FcおよびsCD70−Fcの結合を遮断することを示すことによって、確認された(図1aおよびb)。さらに、両mAbは、BIACore分析によって決定されたものと類似のアフィニティーで、ターゲット抗原に結合した。AT113−2(抗4−1BBL)およびTAN1−6(抗CD70)のKD値は、それぞれ、3.8x10−9および3.0x10−9であった。抗CD70および抗4−1BBL mAbがin vivoで応答を遮断可能であることを確認するため、本発明者らは、C57BL/6マウスにおいて、OVAに対する内因性CD8応答に対するその影響を調べた(図1c)。先に示されるように(Taraban, Rowleyら 2004)、CD40が仲介する、内因性OVA特異的CD8 T細胞の拡大は、抗CD70 mAbによって、ほぼ完全に阻害された。比較すると、抗4−1BBL mAbは、抗CD40が誘導するOVA特異的T細胞レベルの50%の減少を生じた。
【0090】
[00106]本発明者らは、次いで、抗CD40 mAbへのBCL1腫瘍所持マウスの療法的応答に対する、抗CD70および抗4−1BBL mAbの影響を決定した。マウスに、第0日、1x107 BCL1腫瘍細胞をi.v.接種し、そして腫瘍後4、5、6および7日目に、抗CD40で処置した。図2は、本発明者らが先に報告したように(French, Chanら 1999; Tutt, O'Brienら 2002)、抗CD40で処置したBCL−1所持マウスが、リンパ腫に対して防御され、そして長期生存する(100日を超えて生存する)ことを示す。しかし、CD70 mAbは、CD40 mAb処置の療法活性を完全に遮断した。対照的に、遮断性4−1BBL mAbを投与されたマウスは、未処置群が18日であるのに比較して、中央値73日間で生存し、そして次いで疾患で死亡し、4−1BB共刺激の非存在下では、長期免疫の発展に何らかの機能障害が示唆された。本発明者らは、抗4−1BBLおよび抗CD70の両方を投与されたCD40 mAb処置マウスが、対照未処置動物よりわずかに早く腫瘍で死亡する(中央値生存17日に比較して14日)ことを一貫して見出し、この併用が、CD40 mAb療法活性を遮断し、そしてまた、おそらく腫瘍に対する弱い自発的応答も遮断することを示唆する。
【0091】
[00107]本発明者らは、次に、CD40 mAb処置に対するCD8応答の動力学に対する抗4−1BBLおよび抗CD70 mAbでの遮断の効果を調べた。図3は、CD40 mAb処置マウスの脾臓におけるBCL1増殖(図3a)およびCD8 T細胞応答(図3b)に対する4−1BBLおよび抗CD70 mAbの影響を示す。CD40 mAb単独に比較して、抗4−1BBLの存在下でのCD40 mAbでの処置は、CD8 T細胞拡大の約2日間の遅延を生じ、脾臓からの腫瘍細胞のより緩慢なクリアランスを生じた。しかし、遅延していても、CD8細胞の最終数は、抗CD40単独と少なくとも同程度に高かった。興味深いことに、これらの実験において、大部分の免疫療法実験で用いる1x107細胞ではなく、初期腫瘍用量が5x107細胞である場合、CD40 mAbおよび遮断性4−1BBL mAbで処置したマウスは、長期生存し、そして腫瘍の再曝露に対して免疫ができた(結果は未提示)。
【0092】
[00108]対照的に、抗CD70 mAbは、抗CD40が誘導する腫瘍細胞の根絶を完全に遮断した。この応答欠如は、CD8+ T細胞集団が拡大できないことに反映され、そして図2に示す、CD40 mAbが仲介するBCL1腫瘍の療法を、CD70 mAbが完全に遮断する能力を説明する。この結果は、抗CD70/抗CD27相互作用の遮断が、療法的応答に対して顕著な影響を有することを立証する。対照的に、4−1BBL/4−1BB相互作用の影響は比較的穏やかであるようである。
【0093】
[00109]抗4−1BBLおよび抗CD70の両方が、CD40 mAbが誘導するCD8応答に影響を有することが観察された(未提示)ため、本発明者らは、これらが、腫瘍所持マウスにおいて、抗CD40が誘導するDC数および表現型の変化に何らかの影響を有するかどうかをさらに評価した。図4に示すように、抗4−1BBLまたは抗CD70のいずれも、腫瘍所持マウスの抗CD40処置後、B7.1、B7.2およびICAMの発現増加(a)、または回収されるDC数増加(b)を阻害しなかった。したがって、これらの共受容体の遮断は、DC補充に影響を及ぼさず、そしてその活性化に影響を及ぼす可能性は低い。
【0094】
[00110]CD27および4−1BBは、CD40 mAbが仲介する抗腫瘍応答のエフェクター段階で作用しない。本発明者らは、BCL1腫瘍細胞自体がCD70および4−1BBLの両方を発現することを観察していた(図5a)ため、そしてまた、CD70が活性化T細胞によっても発現されると報告されている(ごく最近、Steve Rosenbergによる)ため、本発明者らは次いで、抗4−1BBLおよび抗CD70がCTL応答のエフェクター段階に影響を有するかどうかを調べた。腹腔においてBCL1腫瘍細胞を投与し、そして抗CD40mAbで処置すると、その区画でのCD8応答は、処置8日後にピークとなり、その時点で、回収されるリンパ球のおよそ30%がCD8+であり(未処置マウスでは5%)、そして腫瘍を迅速にクリアランスすることが観察された(未公表の観察)。この系を用いて、in vivoでのCTLが仲介する殺傷のエフェクター段階を調べた。記載するように、マウスにBCL1および抗CD40 mAbをi.p.投与し、そして次いで8日後、1mgの抗CD8、抗CD4、抗CD70または抗4−1BBL遮断性mAb、あるいは対照PBSとともに抗CD40をi.p.注射した。5時間後、CTLターゲットとして、末期BCL1所持マウス由来の2x107 CFSE標識脾臓細胞をi.p.注射した。また、比較として、標識脾臓細胞を未処置マウスに注射した。24時間後、腹腔細胞を採取し、そしてCFSE標識BCL1腫瘍細胞の存在に関して分析した。未処置マウスから採取した腹腔細胞には、22〜27%のCFSE標識腫瘍細胞が含まれた(図5)。対照的に、BCL1の抗CD40処置を受けたマウスでは、腫瘍細胞が完全に根絶され、この処置の有効性が強調された。予期されるように、抗CD8 mAbの注射は、腹腔からのCFSE標識腫瘍細胞のクリアランスを遮断した。しかし、抗CD4、抗4−1BBLおよび抗CD70は、移入された腫瘍細胞のクリアランスにまったく影響を及ぼさなかった。これらの結果は、抗CD40処置の5日後、エフェクターとしての、残った腫瘍細胞を除去した後の、BCL1所持マウスから採取した脾臓細胞を用いた細胞毒性アッセイにおいて確認され、そしてこの結果を図5cに示す。抗4−1BBLまたは抗CD70はいずれも、免疫脾臓細胞の細胞毒性に直接の影響を持たなかった。
【0095】
[00111]4−1BBおよびCD27を介した直接免疫療法
[00112]上記結果は、腫瘍接種およびCD40 mAb処置後に見られる驚くべきCTL応答が、4−1BBを介する誘発に部分的に依存し、そしてCD27およびCD70間の相互作用に完全に依存することを示唆する。したがって、CD40を介したアゴニスト活性をショートカットし、そしてこれらの共受容体を直接刺激することが可能であるかを調べるため、本発明者らは次に、BCL1リンパ腫に対する、アゴニスト性抗4−1BBまたは抗CD27の療法的有効性を調べる。図6に示すように、抗CD70 mAbは、BCL1腫瘍を完全に防御し、そして抗CD40 mAbで得た結果と非常に類似の結果を生じた。対照的に、抗4−1BB mAbは、この腫瘍に関して穏やかな療法活性を有し、生存をほとんど延長しなかった。
【0096】
[00113]アゴニスト性CD40 mAbは、ヒトでの使用のため、現在研究中の、最もおもしろい試薬の1つである。しばらく前から、単一療法としてでさえ、ネズミモデルにおける、そしてより最近、患者における、腫瘍免疫の誘導を含めて、ある範囲のワクチンセッティングにおいて、抗CD40 mAbが有効性を有することが知られている。例えば、Vonderheideら(2006)からの最近のデータは、完全ヒトCD40 mAbが、MTD近くで投与された場合(0.2mg/kg)、黒色腫患者の27%において、PRを送達可能であることを示した。
【0097】
[00114]CD40が、免疫系において、特にDCなどのAPCの活性化において、非常に重要な役割を果たすことが知られるが、活性化されたDCおよび応答するCTLの間の共受容体:リガンド相互作用の役割に関しては、多くが知られていない。大量の証拠によって、mAbで送達されるものなどの、CD40を介した誘発が、DCを活性化し、MHC、B7.1/2、ならびに多様な共受容体およびサイトカインの上方制御を生じて、エフェクターCTLの生成を可能にすることが示される。さらに、適切なCD40アゴニストを用いると、Tヘルパー細胞に対する必要性が置換されることが一般的に見出されており、そして特定の腫瘍によって発現されるヘルパーエピトープが少量であることを考えると、おそらく、このことが、癌セッティングにおけるCD40アゴニストの成功を説明する。本発明において、本発明者らは、4−1BBLおよびCD70の役割を調べ、そしてCTL応答を制御する際に、それぞれの受容体、4−1BBおよびCD27を介したシグナルがいかに重要であるかを示した。さらに、本発明者らは、CD40処置が、顕著なDC拡大を促進し、そして広く報告されているように、脾臓DC上のI−CAM−1、B7.1およびB7.2発現の増加が、その活性化または抗原提示の「ライセンシング」と一致することを見出した。CD40 mAbが誘導する抗腫瘍応答が、活性化されたAPCによる腫瘍抗原の交差提示のためであることが一般的に認められる(van Mierlo, Boonmanら 2004)。これと一致して、本発明者らは、先に、CD40 mAb療法が、CD40陰性腫瘍で少なくとも部分的に有効であることを示した(French, Chanら 1999)。腫瘍のみを投与されたマウス由来の脾臓DCは、ある度合いの活性化を示し、B7.1、B7.2およびICAM−1が部分的に上方制御されていた。しかし、リンパ腫に対する、CD40が誘導する応答に対する、抗CD70および抗4−1BBL両方の明らかな影響(図2)に鑑みて、幾分驚くべきことに、数多くの試みにもかかわらず、抗CD40処置後、CD70および4−1BBLの発現において、わずかでそして一過性の増加しか検出されず、そしてこれらでさえも、腫瘍の存在下で抑止された。興味深いことに、in vitroで活性化されたDC上の4−1BBL発現もまた、低いことが示された(DeBenedette, Shahinianら 1997; Futagawa, Akibaら 2002)が、Diehlら(Diehl, van Mierloら 2002)は、in vivoで、抗CD40に応答して、脾臓細胞上で強い発現があることを示した。
【0098】
[00115]in vivoで、脾臓DC上の4−1BBLおよびCD70の発現が低いのは、これらの2つのリガンドの一過性発現、またはその受容体4−1BBおよびCD27が結合することによる連続的な調節を反映する可能性もある。興味深いことに、本発明者らは、in vitroでのBMDCの処置が、CD70発現を促進することを見出しており、これはおそらく、BMDCがCD27と出会わないためである。CD70発現は、in vitroで活性化されたDC上で示されている(Futagawa, Akibaら 2002; Tesselaar, Xiaoら 2003)(Taraban, Rowleyら 2002; BullockおよびYagita 2005)が、DC上のCD70のin vivo発現は、一般的に低く、そして一過性であり(Tesselaar, Xiaoら 2003; Hendriks, Xiaoら 2005)、これはおそらく、恒常的に発現されるCD27を介したT細胞の不適切な活性化を回避するためである(Tesselaar, Arensら 2003)。
【0099】
[00116]CD70発現のこの欠如にもかかわらず、4−1BBLまたはCD70に対するmAbは、抗腫瘍応答を遮断するのに有効であり、そして後者の場合、阻害は不完全であった。これらの遮断性mAbは細胞毒性T細胞の生成を防止するが、脾臓DCの数または活性化には影響がなく、あるいはひとたび生成されたならばCD8 T細胞の細胞毒性機能にも影響がないため、こうした遮断は、CTL刺激レベルで作動するようである。総合すると、これらの研究は、4−1BBおよび特にCD27が、抗CD40 mAb処置中のCTL応答を制御する際に、非常に重要であり、これはDCおよび応答性CD8 T細胞間の相互作用のレベルで作用する可能性が最も高いことを示す。
【0100】
[00117]CD40が誘導する抗リンパ腫応答の発展中のCD8 T細胞上の4−1BBの発現は、確立されたパターンと一致し(VinayおよびKwon 1998; Takahashi, Mittlerら 1999)、4−1BBは、拡大するCD40誘導性脾臓CTL集団上で迅速に誘導され(図1)、そして次いで、腫瘍細胞根絶と同時に失われたが、これはCTL集団が1〜2日後に収縮するより前であった(Tutt, O'Brienら 2002)。応答中、4日間に渡って4−1BBの発現が維持され、これはおそらく、連続して抗原が利用可能であるためであり、このことは、持続性感染および移植片拒絶中に見られるものと似ている(Tan, Haら 2000; Seo, Parkら 2003)。疾患の末期段階の未処置マウスにおいて、本発明者らは、4−1BB+CD8 T細胞の明らかな集団を同定し、このことは、BCL1単独で、弱い、効果のないT細胞応答を誘発可能であり、これが次いで、CD40 mAbでの処置によって、有効なレベルにブーストされるという着想を支持する。
【0101】
[00118]4−1BBがT細胞上で誘導され、そしてこれがT細胞増殖のための共刺激を提供するという証拠がある(20)が、4−1BBは、抗アポトーシスタンパク質の発現を誘導することによって(Lee, Parkら 2002)、細胞生存に主に影響を及ぼすと考えられる(Takahashi, Mittlerら 1999; Lee, Parkら 2002)。4−1BB/4−1BBL相互作用の遮断は、移植片生存増進を生じることが示されており、同種反応性T細胞の拡大の阻害およびCTL活性の減少が伴う、同種移植片状況で、CTL応答の発展における4−1BBの重要性が立証されている(Cho, Kwonら 2004)が、4−1BB−/−および4−1BBL−/−マウスにおける研究は、ウイルス感染に対する一次CTL応答の比較的重要でない機能障害しか示さず(Tan, Whitmireら 2000; Bertram, Dawickiら 2004)、再曝露後のリコール応答に対してより顕著な影響があった(DawickiおよびWatts 2004)。重要なことに、in vivoでのアゴニスト性抗4−1BB mAbを用いた研究は、これらが、ほとんど免疫原性でない腫瘍モデルのある範囲で、有効な療法を促進可能であり(Wilcox, Fliesら 2002)、そして4−1BBシグナル伝達が、主にCD8応答中に重要である(Shuford, Klussmanら 1997)ことを示した。
【0102】
[00119]4−1BBとは対照的に、CD27は、未処置T細胞上で恒常的に発現される(Gravestein, Blomら 1993)。腫瘍の抗CD40処置後、本発明者らは、拡大している脾臓CD8+細胞において、CD27高および低集団(図1c)を検出可能であり、これはおそらく、それぞれ、CD27の一過性上方制御でプライミングされた細胞(Gravestein, Blomら 1993; Lens, de Jongら 1996)およびKaechら(Kaech, Tanら 2003)に記載されるような老化末期エフェクター集団に相当する。DC上のリガンド、CD70の発現は厳しく制御され、したがって、T細胞の不適切な活性化を防止する(Tesselaar, Arensら 2003)。しかし、最近、CD70によるCD27の恒常的な誘発が、ウイルスまたは腫瘍曝露に応答したCD8+細胞の拡大および活性の両方を増進することが示された(Arens, Schepersら 2004)。本発明者らは、最近、可溶性CD70が、in vivoで、強い一次および二次CTL応答を促進することを示した(RowleyおよびAl−Shamkhani 2004)。逆に、CD27不全マウスは、インフルエンザウイルスに対して、CD8+応答機能障害を発展させ、そして4−1BB同様、CD27は、一次応答中、活性化CD8+ T細胞の生存を促進するようである(Hendriks, Gravesteinら 2000; Hendriks, Xiaoら 2003)が、4−1BBとは異なり、CD4+応答においても重要であるようである。CD27不全マウスはまた、再曝露に対して、損なわれた応答を示す(Hendriks, Gravesteinら 2000)。
【0103】
[00120]T細胞拡大が、DC上のリガンドおよびT細胞上の共刺激受容体間の共刺激を必要とするというよく確立された着想に加えて、他の細胞種上にこれらの分子が検出されることから、T細胞応答中の相互作用のより複雑なネットワークに関する役割が示唆される。例えば、CD70は活性化されたT細胞上に検出され(Borst, Hendriksら 2005; Hendriks, Xiaoら 2005)、そして4−1BBは、in vivoおよびin vitroの両方で、活性化されたDC上で検出されている。本発明者らは、本発明者らの研究において、活性化されたT細胞上でCD70を検出不能であったが、応答経過中、活性化されたDC上で、4−1BBが明らかに検出された(結果は未提示)。
【0104】
[00121]最後に、本発明者らは、マウスリンパ腫の療法剤としてアゴニスト性CD27 mAbを用いるCD70を介した誘発の相対的な重要性を確認した。本明細書のデータは、腫瘍免疫を発展させる際に、CD27 mAbが、CD40 mAbと同程度に有効であることを示す。進行中の研究では、おそらくT細胞を直接刺激することによって作用する、このmAbの作用機構を調べている。OVAおよびBCL1リンパ腫モデルの両方において、抗CD40が誘導するCD8 T細胞応答が、CD70/CD27相互作用に完全に依存していることは、ウイルスモデルを用いた研究におけるCD70:CD27共刺激経路の報告される効果と一致する。CTL応答の発展における4−1BB/4−1BBL相互作用の重要性は、4−1BB/4−1BBL相互作用の遮断が移植片生存増進を生じる、同種移植状況において立証されている(DeBenedette, Wenら 1999; Cho, Kwonら 2004)が、4−1BB−/−および4−1BBL−/−マウスにおける研究は、LCMVおよびインフルエンザ感染に対する一次CTL応答の比較的重要でない機能障害しか示さなかった(Bertram, Dawickiら 2004)(Tan, Whitmireら 1999)(Hendriks, Xiaoら 2005)。4−1BBL−/−マウスが、脂質化LCMVペプチドでの免疫後、応答により重度の欠損を示したことが観察され(Tan, Whitmireら 2000)、このことは、抗原性刺激が弱いかまたは限定されている場合は、4−1BB共刺激がより重要であることを示唆した。対照的に、CD27不全マウスは、肺および流入領域リンパ節において、インフルエンザウイルスに対して損なわれたCD8+応答を発展させるが、興味深いことに、この系において、脾臓における抗ウイルスCD8細胞拡大は、比較的影響を受けなかった(Hendriks, Xiaoら 2003)。4−1BBおよびCD27の両方が不全であるマウスは、ウイルス再曝露に対する二次応答の機能障害を示すことが示された(Hendriks, Gravesteinら 2000)(DawickiおよびWatts 2004)。本発明者らの実験は、抗4−1BBL mAbの存在が、抗CD40処置後の腫瘍の最初のクリアランスを防止しないことを示したが、本発明者らの免疫療法実験において、抗CD40および抗4−1BBL mAbを投与された動物は、長期生存せず(図2)、このことは、長期免疫発展において、何らかの機能障害があることを示唆する。要約すると、上に列挙されるこれらの結果、およびこれに基づく根底にある結論は、アゴニスト性CD27抗体、例えば相乗的アゴニスト併用を用いた単一および併用療法が、Th1免疫およびCD8+ T細胞増殖の新規手段を提供し、そしてこれを、癌、感染、炎症、アレルギーおよび自己免疫の治療に、そしてワクチンの有効性を促進するために使用可能であることを示唆する。
【0105】
[00122]本発明は、上記に列挙される態様に限定されず、そして例示する態様、および以下の請求の範囲内に含まれるすべての修飾に対して、権利が確保されることが理解されるものとする。
【0106】
[00123]本明細書に引用する学術雑誌、特許、および他の刊行物への多様な言及は、当該技術分野の最新技術を含み、そしてこれらは、完全に示されるかのように、本明細書に援用される。
【0107】
【化1−1】
【0108】
【化1−2】
【0109】
【化1−3】
【0110】
【化1−4】
【0111】
【化1−5】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アゴニスト性抗ヒトCD27抗体またはその抗原結合性断片。
【請求項2】
ヒトCD27の細胞外部分を認識する、請求項1のアゴニスト性抗体。
【請求項3】
前記抗体の結合が、ヒトCD70またはCD70関連リガンドによって認識可能に影響を受けない、請求項1のアゴニスト性抗ヒトCD27抗体。
【請求項4】
前記抗体がCD70と競合する、請求項1のアゴニスト性抗体。
【請求項5】
場合によってエフェクター部分に付着していてもよい、ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体、霊長類化(primatized)抗体および一本鎖抗体より選択される、アゴニスト性抗体。
【請求項6】
IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、およびIgE定常ドメインより選択される、少なくとも1つのヒト定常ドメインを含有する、請求項1のアゴニスト性抗体。
【請求項7】
抗体が、抗体エフェクター系への結合を修飾する(増進するかまたは減少させる)よう操作されている、請求項1のアゴニスト性抗体。
【請求項8】
抗体が、Fcグリコシル化、FcRへの結合、FcRnへの結合、および補体系タンパク質との相互作用の少なくとも1つを改変するよう修飾されている、請求項1のアゴニスト性抗体。
【請求項9】
ヒトにおけるT細胞免疫応答を促進する、請求項1のアゴニスト性抗体。
【請求項10】
Th1免疫を促進する、請求項9のアゴニスト性抗体。
【請求項11】
免疫を促進する必要がある被験体において、免疫を促進する方法であって、少なくとも1つのCD27アゴニスト性抗体または非抗体CD27アゴニストを、増進された免疫が療法的に望ましい状態または治療を伴う被験体に、免疫を促進するのに有効な量で投与する工程を含む、前記方法。
【請求項12】
Th1免疫を増進する、請求項11の方法。
【請求項13】
前記CD27アゴニストが、抗原特異的T細胞の増殖または生存を促進する、請求項11の方法。
【請求項14】
前記T細胞がCD8+ T細胞である、請求項13の方法。
【請求項15】
前記T細胞が未処置(naive)Cd8 T細胞、CD8+エフェクター細胞、またはメモリー細胞、あるいはin vitroで拡大されて、そして次いでヒトに移植されたT細胞(遺伝子操作細胞を含む)である、請求項13の方法。
【請求項16】
抗原特異的メモリーT細胞の生成を生じる、請求項13の方法。
【請求項17】
CD27アゴニストが、少なくとも1つの抗原に付随して投与される、請求項11の方法。
【請求項18】
CD27アゴニストが、ヒトCD27に特異的に結合する抗体または抗体断片である、請求項11の方法。
【請求項19】
CD27アゴニストが、抗原依存性方式で、T細胞の拡大を駆動可能な抗体または抗体断片である、請求項11の方法。
【請求項20】
前記抗体が、ヒト抗体、霊長類抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、霊長類化抗体および一本鎖抗体より選択される、請求項19の方法。
【請求項21】
前記抗体が、抗体エフェクター系への結合を修飾する(増進するかまたは減少させる)よう操作されている、請求項19における方法。
【請求項22】
前記抗体が(i)Fcグリコシル化を欠くかまたは修飾されたFcグリコシル化を伴う抗体、(ii)突然変異Fcアミノ酸を含む抗体、(iii)選択されたFcRへの増進されたまたは減少した結合を所持する抗体、あるいは前記修飾の組み合わせを含む抗体を含む、請求項21の方法。
【請求項23】
前記抗体が、FcRn(Brambell受容体)への結合に干渉することによって、抗体半減期を増進するかまたは減少させる修飾を含有する、請求項22の方法。
【請求項24】
前記抗体が、(i)補体系のタンパク質との相互作用を減少させるかまたは増進する修飾、あるいは(ii)望ましくない毒性の減少より選択される修飾を含む、請求項22の方法。
【請求項25】
望ましくない毒性がサイトカインの望ましくない放出を含む、請求項24の方法。
【請求項26】
抗体が、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgDおよびIgE定常ドメインの少なくとも1つを含有する、請求項10の方法。
【請求項27】
抗体が:真核細胞においてグリコシル化されている、損なわれていない(intact)IgG1抗体、損なわれていないIgG2抗体、損なわれていないIgG3抗体、損なわれていないIgG4抗体、損なわれていないIgM抗体、損なわれていないIgA1抗体、損なわれていないIgA2抗体、損なわれていない分泌性IgA抗体、損なわれていないIgD抗体、損なわれていないIgE抗体からなる群より選択される、損なわれていない抗体である、請求項19の方法。
【請求項28】
癌、感染性疾患、炎症状態、自己免疫疾患、およびアレルギー状態より選択される状態を治療するのに用いられる、請求項11の方法。
【請求項29】
感染性疾患が、細菌、ウイルス、マイコバクテリウム、真菌、酵母または寄生虫によって引き起こされる、請求項28の方法。
【請求項30】
寄生虫が、バベシア属(Babesia)種、エントアメーバ属(Entomoeba)種、ジアルジア属(Giarda)種、プラスモジウム属(Plasmodium)種、リーシュマニア属(Leishmania)種、トリパノソーマ属(Trypanosome)種、トキソプラズマ属(Toxoplasma)種、扁平動物および回虫寄生虫より選択される、請求項29の方法。
【請求項31】
細菌が、エシェリキア属(Escherichia)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、カンピロバクター属(Campylobacter)、リステリア属(Listeria)、クロストリジウム属(Clostridium)、パスツレラ属(Pasteurella)、シュードモナス属(Pseudomonas)、ナイセリア属(Neisseria)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、クレブシエラ属(Klebsiella)、ヘリコバクター属(Heliobacter)、リステリア属(Listeria)、サルモネラ属(Salmonella)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、パスツレラ属(Pasteurella)、バクテロイデス属(Bacteroides)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、ストレプトバチルス属(Streptobacillus)、トレポネーマ属(Treponema)、レプトスピラ属(Leptospira)、リケッチア属(Rickettsia)、およびアクチノミセス属(Actinomyces)より選択される、請求項29の方法。
【請求項32】
ウイルスが、レトロウイルス、ピコルナウイルス、エンテロウイルス、肝炎ウイルス、ポリオウイルス、コクサッキーウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス、カリシウイルス科(Calciviridae)、トガウイルス科(Togaviridae)、フラビウイルス科(Flaviviridae)、ラブドウイルス科(Rhabdoviridae)、コロナウイルス科(Coronaviridae)、パラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)、オルトミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)、フィロウイルス科(Filoviridae)、ブンガウイルス科(Bungaviridae)、レオウイルス科(Reoviridae)、アデノウイルス科(Adenoviridae)、ビマウイルス科(Bimaviridae)、パポバウイルス科(Papovaviridae)、ヘルペスウイルス科(Herpeviridae)、イリドウイルス科(Iridoviridae)、および未分類ウイルスより選択される、請求項29の方法。
【請求項33】
真菌が、アスペルギルス属(Aspergillus)、コクシジオイデス属(Coccidoides)、ブラストミセス属(Blastomyces)、ヒストプラズマ属(Histoplasma)、クラミジア属(Chlamydia)、ノカルジア属(Nocardia)、およびニューモシスチス属(Pneumocytis)より選択される、請求項29の方法。
【請求項34】
癌が、リンパ腫、白血病、慢性リンパ球性白血病、乳癌、前立腺癌、結腸癌、骨癌、膵臓癌、胃癌、肝癌、子宮頸癌、膀胱癌、精巣癌、腎臓癌、肺癌(小細胞および大細胞)、脳癌、網膜芽細胞種、食道癌、目の癌、頭部および頸部の癌、子宮内膜癌、喉頭癌、黒色腫、神経芽腫、神経芽腫、甲状腺癌、横紋筋肉腫、口腔癌、子宮癌、卵巣癌、肉腫、結合組織癌および皮膚癌より選択される、請求項28の方法。
【請求項35】
自己免疫疾患が、多発性硬化症、糖尿病、乾癬、クローン病、炎症性腸疾患、SLE、重症筋無力症、グッドパスチャー症候群、ITP、グレーブス病、溶血性貧血、関節リウマチ、橋本甲状腺炎、強皮症、およびアジソン病より選択される、請求項28の方法。
【請求項36】
前記CD27アゴニストが、被験体において投与され、該アゴニストが、ワクチンによって誘発される免疫応答を増進するために、ワクチンとともに投与される、請求項11の方法。
【請求項37】
前記ワクチンが抗腫瘍ワクチンである、請求項36の方法。
【請求項38】
前記ワクチンが、感染性病原体に対して免疫を与える、請求項36の方法。
【請求項39】
感染性病原体が、細菌、ウイルス、酵母、真菌、マイコバクテリウム、または寄生虫より選択される、請求項38の方法。
【請求項40】
CD27アゴニストが、少なくとも1つの抗原またはアレルゲンと組み合わせて投与される、請求項11の方法。
【請求項41】
CD27アゴニストが、ワクチン組成物の前に、後に、または該組成物と組み合わせて投与される、請求項36の方法。
【請求項42】
CD27アゴニストが、併用組成物として、ワクチンと併用される、請求項41の方法。
【請求項43】
ワクチンが、肝炎ウイルス、HIV、ピコルナウイルス、ポリオウイルス、エンテロウイルス、ヒト・コクサッキーウイルス、インフルエンザウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス、風疹ウイルス、脳炎ウイルス、狂犬病ウイルス、ヘルペスウイルス、パピローマウイルス、ポリオーマウイルス、RSV、アデノウイルス、黄熱病ウイルス、デングウイルス、パラインフルエンザウイルス、出血熱ウイルス、ポックスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、パラインフルエンザウイルス、レオウイルス、オルビウイルス、ロタウイルス、パルボウイルス、アフリカブタ熱ウイルス、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、およびノーウォークウイルスより選択されるウイルスに対する免疫を与えるウイルスワクチンである、請求項36の方法。
【請求項44】
ワクチンが、パスツレラ属、エシェリキア属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属、サルモネラ属、ヘリコバクター属、マイコバクテリウム属、カンピロバクター属、エンテロコッカス属、クロストリジウム属、コリネバクテリウム属、トレポネーマ属、バクテロイデス属、フソバクテリウム属、フソバクテリウム属、ナイセリア属、バチルス属(Bacillus)、エンテロバクター属(Enterobacter)、ストレプトバチルス属、レプトスピラ属、ヘモフィルス属、ボレリア属(Borrelia)、レジオネラ属(Legionella)、エリシペロスリクス属(Erysipelothrix)、およびリステリア属より選択される細菌に対する免疫を与える細菌ワクチンである、請求項36の方法。
【請求項45】
ワクチンが、バベシア属、エントアメーバ属、ジアルジア属、リーシュマニア属、プラスモジウム属、トキソプラズマ属、トリパノソーマ属、回虫および扁平動物より選択される寄生虫に特異的である、請求項36の方法。
【請求項46】
CD27アゴニスト性抗体が、CD8 T細胞増殖増進、生存および/または細胞毒性リンパ球溶解性(CTL)応答を誘発する必要がある被験体において、これらを誘発する、請求項11の方法。
【請求項47】
前記CD27アゴニストが、別の療法部分と併用投与される、請求項11〜36のいずれか一項記載の方法。
【請求項48】
前記の他の部分が、別の免疫アゴニスト、抗体、サイトカイン、化学療法剤、放射療法剤、免疫調節剤および免疫刺激剤からなる群より選択される、請求項47の方法。
【請求項49】
第二の免疫アゴニストおよび所望のターゲットに特異的な抗原と一緒の、CD27アゴニストの投与を含む、請求項48の方法。
【請求項50】
ターゲットが腫瘍である、請求項49の方法。
【請求項51】
抗原が、腫瘍関連ペプチド(TAA)、腫瘍溶解物、アポトーシス性腫瘍細胞、および腫瘍抗原所持樹状細胞からなる群より選択される、請求項50の方法。
【請求項52】
腫瘍ターゲットが黒色腫であり、そして併用が、ターゲット抗原を発現する腫瘍細胞に対して誘発される免疫応答を増進する(ブーストする)、請求項51の方法。
【請求項53】
他の部分が、免疫刺激性抗体またはタンパク質(正の共刺激剤)、負の共刺激剤として作用する免疫抗体またはタンパク質、T細胞への阻害性シグナルを遮断する抗体または他の部分、および腫瘍細胞または血管系または間質に結合する抗体からなる群より選択される、請求項47の方法。
【請求項54】
他の部分が、抗CD40抗体、抗OX40抗体、抗4−1BB抗体、抗CD70抗体、抗B7.1抗体、抗B7.2抗体、抗CTLA−4抗体、抗CD28抗体、制御性T細胞を枯渇させるかまたは遮断する部分、およびサイトカインからなる群より選択される、請求項47の方法。
【請求項55】
他の部分が、アゴニスト性CD40抗体またはアゴニスト性OX40抗体またはアゴニスト性4−1BB(CD137)抗体である、請求項54の方法。
【請求項56】
アゴニスト性CD40抗体がLOB7/4である、請求項55の方法。
【請求項57】
T細胞応答増進を付加的にまたは相乗的に誘発するための方法であって:
付加的にまたは相乗的に有効な量の(i)少なくとも1つのCD27アゴニスト、ならびに(ii)CD40アゴニスト、4−1BB(CD137)抗体、OX−40抗体、CD28抗体、およびCTLA−4抗体より選択される少なくとも1つのアゴニスト
を、その必要がある被験体に投与する工程を含む、前記方法。
【請求項58】
免疫応答がTh1免疫応答である、請求項57の方法。
【請求項59】
CD40アゴニストが、CD40アゴニスト性抗体または可溶性CD40L融合タンパク質または可溶性CD40断片あるいはそのコンジュゲートである、請求項57の方法。
【請求項60】
CD40アゴニストが、ヒトCD40に特異的に結合する、キメラ、ヒトまたはヒト化抗体である、請求項59の方法。
【請求項61】
前記抗体が、SC26、CP−870,893、LOB7/4またはその誘導体、あるいは同じエピトープ特異性を所持する抗体である、請求項59の方法。
【請求項62】
CD27アゴニストが、抗CD27アゴニスト性抗体または可溶性CD70融合タンパク質あるいはその可溶性断片または可溶性コンジュゲートである、請求項11の方法。
【請求項63】
腫瘍抗原、細菌抗原、ウイルス抗原、寄生虫抗原、アレルゲン、および自己抗原より選択される抗原の投与をさらに含む、請求項62の方法。
【請求項64】
アゴニスト性CD27抗体が、損なわれていなくてもまたは修飾されていてもよい、キメラ、ヒトまたはヒト化抗体である、請求項51の方法。
【請求項65】
CD27アゴニストまたは他のアゴニストが、エフェクター部分に付着している、請求項58の方法。
【請求項66】
エフェクター部分が毒素、薬剤または放射性核種である、請求項65の方法。
【請求項67】
CD27アゴニストおよびCD40アゴニストが一緒にまたは別個に投与される、請求項58の方法。
【請求項68】
CD40およびCD27アゴニストが、同じ組成物中に含有される、請求項67の方法。
【請求項69】
どちらかまたは両方のアゴニストがアゴニスト性抗体である、請求項68の方法。
【請求項70】
CD40アゴニストが可溶性CD40Lである、請求項67の方法。
【請求項71】
CD40アゴニストおよびCD27アゴニストが、互いに別個に投与され、そして投与がどちらの順でも達成可能である、請求項67の方法。
【請求項72】
前記アゴニストが、互いに1日以内に投与される、請求項67の方法。
【請求項73】
前記アゴニストが、互いに8時間以内に投与される、請求項71の方法。
【請求項74】
前記アゴニストが、互いに1〜4時間以内に投与される、請求項71の方法。
【請求項75】
CD27アゴニストが最初に投与される、請求項67の方法。
【請求項76】
CD40アゴニストが最初に投与される、請求項67の方法。
【請求項77】
いずれかまたは両方のアゴニストがアゴニスト性抗体である、請求項67の方法。
【請求項78】
4−1BBアゴニストの投与をさらに含む、請求項67の方法。
【請求項79】
前記アゴニストが抗体である、請求項78の方法。
【請求項80】
前記抗体が、抗原特異的CD8+ T細胞免疫をさらに増強する、請求項79の方法。
【請求項81】
ヒト癌を治療するために用いられる、請求項67の方法。
【請求項82】
CD40を発現している癌を治療するために用いられる、請求項67の方法。
【請求項83】
前記癌が固形腫瘍を含む、請求項81の方法。
【請求項84】
前記癌が:乳癌、肝癌、卵巣癌、結腸直腸癌、肺癌、胃癌、腎臓癌、黒色腫、卵巣癌およびリンパ腫からなる群より選択される、請求項81の方法。
【請求項85】
前記リンパ腫が非ホジキンリンパ腫である、請求項73の方法。
【請求項86】
CD40アゴニストが、キメラ、ヒトまたはヒト化抗ヒトCD40抗体である、請求項70の方法。
【請求項87】
投与される抗体が、LOB7/4またはそのヒト化変異体を含む、請求項86の方法。
【請求項88】
治療される癌が非ホジキンリンパ腫である、請求項81の方法。
【請求項89】
治療される癌が腎臓癌である、請求項81の方法。
【請求項90】
前記療法が、少なくとも1つの化学療法剤をさらに含む、請求項70の方法。
【請求項91】
前記CD27アンタゴニストが、少なくとも1つのサイトカインと併用して投与される、請求項11の方法。
【請求項92】
前記サイトカインが、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子またはコロニー刺激因子である、請求項91の方法。
【請求項93】
前記アゴニストが、ヒト免疫グロブリン重鎖および軽鎖定常領域を含むアゴニスト性抗体を含む、請求項11の方法。
【請求項94】
前記免疫グロブリンが、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgEおよびIgAからなる群より選択される、請求項93の方法。
【請求項95】
自己免疫疾患、炎症状態、またはアレルギー状態を伴う被験体を治療するために用いられる、請求項52の方法。
【請求項96】
自己免疫疾患を治療するために用いられる、請求項80の方法。
【請求項97】
炎症状態を治療するために用いられる、請求項67の方法。
【請求項98】
アレルギー状態を治療するために用いられる、請求項67の方法。
【請求項99】
感染状態を治療するために用いられる、請求項67の方法。
【請求項100】
ヒトにおいて、in vivoで、CTL免疫応答およびCD8+ T細胞増殖を増進する際に使用するために適応した、付加的または相乗的アゴニスト併用であって、相乗的に有効な量の(i)少なくとも1つのCD27アゴニスト、および(ii)少なくとも1つの抗CD40、OX−40、4−1BBまたはCTLA−4アゴニスト性抗体を含む、前記併用。
【請求項101】
CD40アゴニストが、アゴニスト性CD40抗体または可溶性CD40L、断片、あるいは含有融合タンパク質である、請求項100の相乗的アゴニスト併用。
【請求項102】
アゴニスト性抗体が、キメラ、ヒト、ヒト化、または別の方式で遺伝子操作された抗体である、請求項100の相乗的アゴニスト併用。
【請求項103】
CD27アゴニストがアゴニスト性CD27抗体である、請求項100の相乗的アゴニスト併用。
【請求項104】
CD27抗体が、キメラ、ヒト、ヒト化、または別の方式で遺伝子操作された抗体である、請求項103の相乗的アゴニスト併用。
【請求項1】
アゴニスト性抗ヒトCD27抗体またはその抗原結合性断片。
【請求項2】
ヒトCD27の細胞外部分を認識する、請求項1のアゴニスト性抗体。
【請求項3】
前記抗体の結合が、ヒトCD70またはCD70関連リガンドによって認識可能に影響を受けない、請求項1のアゴニスト性抗ヒトCD27抗体。
【請求項4】
前記抗体がCD70と競合する、請求項1のアゴニスト性抗体。
【請求項5】
場合によってエフェクター部分に付着していてもよい、ヒト抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、二重特異性抗体、霊長類化(primatized)抗体および一本鎖抗体より選択される、アゴニスト性抗体。
【請求項6】
IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD、およびIgE定常ドメインより選択される、少なくとも1つのヒト定常ドメインを含有する、請求項1のアゴニスト性抗体。
【請求項7】
抗体が、抗体エフェクター系への結合を修飾する(増進するかまたは減少させる)よう操作されている、請求項1のアゴニスト性抗体。
【請求項8】
抗体が、Fcグリコシル化、FcRへの結合、FcRnへの結合、および補体系タンパク質との相互作用の少なくとも1つを改変するよう修飾されている、請求項1のアゴニスト性抗体。
【請求項9】
ヒトにおけるT細胞免疫応答を促進する、請求項1のアゴニスト性抗体。
【請求項10】
Th1免疫を促進する、請求項9のアゴニスト性抗体。
【請求項11】
免疫を促進する必要がある被験体において、免疫を促進する方法であって、少なくとも1つのCD27アゴニスト性抗体または非抗体CD27アゴニストを、増進された免疫が療法的に望ましい状態または治療を伴う被験体に、免疫を促進するのに有効な量で投与する工程を含む、前記方法。
【請求項12】
Th1免疫を増進する、請求項11の方法。
【請求項13】
前記CD27アゴニストが、抗原特異的T細胞の増殖または生存を促進する、請求項11の方法。
【請求項14】
前記T細胞がCD8+ T細胞である、請求項13の方法。
【請求項15】
前記T細胞が未処置(naive)Cd8 T細胞、CD8+エフェクター細胞、またはメモリー細胞、あるいはin vitroで拡大されて、そして次いでヒトに移植されたT細胞(遺伝子操作細胞を含む)である、請求項13の方法。
【請求項16】
抗原特異的メモリーT細胞の生成を生じる、請求項13の方法。
【請求項17】
CD27アゴニストが、少なくとも1つの抗原に付随して投与される、請求項11の方法。
【請求項18】
CD27アゴニストが、ヒトCD27に特異的に結合する抗体または抗体断片である、請求項11の方法。
【請求項19】
CD27アゴニストが、抗原依存性方式で、T細胞の拡大を駆動可能な抗体または抗体断片である、請求項11の方法。
【請求項20】
前記抗体が、ヒト抗体、霊長類抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、霊長類化抗体および一本鎖抗体より選択される、請求項19の方法。
【請求項21】
前記抗体が、抗体エフェクター系への結合を修飾する(増進するかまたは減少させる)よう操作されている、請求項19における方法。
【請求項22】
前記抗体が(i)Fcグリコシル化を欠くかまたは修飾されたFcグリコシル化を伴う抗体、(ii)突然変異Fcアミノ酸を含む抗体、(iii)選択されたFcRへの増進されたまたは減少した結合を所持する抗体、あるいは前記修飾の組み合わせを含む抗体を含む、請求項21の方法。
【請求項23】
前記抗体が、FcRn(Brambell受容体)への結合に干渉することによって、抗体半減期を増進するかまたは減少させる修飾を含有する、請求項22の方法。
【請求項24】
前記抗体が、(i)補体系のタンパク質との相互作用を減少させるかまたは増進する修飾、あるいは(ii)望ましくない毒性の減少より選択される修飾を含む、請求項22の方法。
【請求項25】
望ましくない毒性がサイトカインの望ましくない放出を含む、請求項24の方法。
【請求項26】
抗体が、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgDおよびIgE定常ドメインの少なくとも1つを含有する、請求項10の方法。
【請求項27】
抗体が:真核細胞においてグリコシル化されている、損なわれていない(intact)IgG1抗体、損なわれていないIgG2抗体、損なわれていないIgG3抗体、損なわれていないIgG4抗体、損なわれていないIgM抗体、損なわれていないIgA1抗体、損なわれていないIgA2抗体、損なわれていない分泌性IgA抗体、損なわれていないIgD抗体、損なわれていないIgE抗体からなる群より選択される、損なわれていない抗体である、請求項19の方法。
【請求項28】
癌、感染性疾患、炎症状態、自己免疫疾患、およびアレルギー状態より選択される状態を治療するのに用いられる、請求項11の方法。
【請求項29】
感染性疾患が、細菌、ウイルス、マイコバクテリウム、真菌、酵母または寄生虫によって引き起こされる、請求項28の方法。
【請求項30】
寄生虫が、バベシア属(Babesia)種、エントアメーバ属(Entomoeba)種、ジアルジア属(Giarda)種、プラスモジウム属(Plasmodium)種、リーシュマニア属(Leishmania)種、トリパノソーマ属(Trypanosome)種、トキソプラズマ属(Toxoplasma)種、扁平動物および回虫寄生虫より選択される、請求項29の方法。
【請求項31】
細菌が、エシェリキア属(Escherichia)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、カンピロバクター属(Campylobacter)、リステリア属(Listeria)、クロストリジウム属(Clostridium)、パスツレラ属(Pasteurella)、シュードモナス属(Pseudomonas)、ナイセリア属(Neisseria)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、クレブシエラ属(Klebsiella)、ヘリコバクター属(Heliobacter)、リステリア属(Listeria)、サルモネラ属(Salmonella)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、パスツレラ属(Pasteurella)、バクテロイデス属(Bacteroides)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、ストレプトバチルス属(Streptobacillus)、トレポネーマ属(Treponema)、レプトスピラ属(Leptospira)、リケッチア属(Rickettsia)、およびアクチノミセス属(Actinomyces)より選択される、請求項29の方法。
【請求項32】
ウイルスが、レトロウイルス、ピコルナウイルス、エンテロウイルス、肝炎ウイルス、ポリオウイルス、コクサッキーウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス、カリシウイルス科(Calciviridae)、トガウイルス科(Togaviridae)、フラビウイルス科(Flaviviridae)、ラブドウイルス科(Rhabdoviridae)、コロナウイルス科(Coronaviridae)、パラミクソウイルス科(Paramyxoviridae)、オルトミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)、フィロウイルス科(Filoviridae)、ブンガウイルス科(Bungaviridae)、レオウイルス科(Reoviridae)、アデノウイルス科(Adenoviridae)、ビマウイルス科(Bimaviridae)、パポバウイルス科(Papovaviridae)、ヘルペスウイルス科(Herpeviridae)、イリドウイルス科(Iridoviridae)、および未分類ウイルスより選択される、請求項29の方法。
【請求項33】
真菌が、アスペルギルス属(Aspergillus)、コクシジオイデス属(Coccidoides)、ブラストミセス属(Blastomyces)、ヒストプラズマ属(Histoplasma)、クラミジア属(Chlamydia)、ノカルジア属(Nocardia)、およびニューモシスチス属(Pneumocytis)より選択される、請求項29の方法。
【請求項34】
癌が、リンパ腫、白血病、慢性リンパ球性白血病、乳癌、前立腺癌、結腸癌、骨癌、膵臓癌、胃癌、肝癌、子宮頸癌、膀胱癌、精巣癌、腎臓癌、肺癌(小細胞および大細胞)、脳癌、網膜芽細胞種、食道癌、目の癌、頭部および頸部の癌、子宮内膜癌、喉頭癌、黒色腫、神経芽腫、神経芽腫、甲状腺癌、横紋筋肉腫、口腔癌、子宮癌、卵巣癌、肉腫、結合組織癌および皮膚癌より選択される、請求項28の方法。
【請求項35】
自己免疫疾患が、多発性硬化症、糖尿病、乾癬、クローン病、炎症性腸疾患、SLE、重症筋無力症、グッドパスチャー症候群、ITP、グレーブス病、溶血性貧血、関節リウマチ、橋本甲状腺炎、強皮症、およびアジソン病より選択される、請求項28の方法。
【請求項36】
前記CD27アゴニストが、被験体において投与され、該アゴニストが、ワクチンによって誘発される免疫応答を増進するために、ワクチンとともに投与される、請求項11の方法。
【請求項37】
前記ワクチンが抗腫瘍ワクチンである、請求項36の方法。
【請求項38】
前記ワクチンが、感染性病原体に対して免疫を与える、請求項36の方法。
【請求項39】
感染性病原体が、細菌、ウイルス、酵母、真菌、マイコバクテリウム、または寄生虫より選択される、請求項38の方法。
【請求項40】
CD27アゴニストが、少なくとも1つの抗原またはアレルゲンと組み合わせて投与される、請求項11の方法。
【請求項41】
CD27アゴニストが、ワクチン組成物の前に、後に、または該組成物と組み合わせて投与される、請求項36の方法。
【請求項42】
CD27アゴニストが、併用組成物として、ワクチンと併用される、請求項41の方法。
【請求項43】
ワクチンが、肝炎ウイルス、HIV、ピコルナウイルス、ポリオウイルス、エンテロウイルス、ヒト・コクサッキーウイルス、インフルエンザウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス、風疹ウイルス、脳炎ウイルス、狂犬病ウイルス、ヘルペスウイルス、パピローマウイルス、ポリオーマウイルス、RSV、アデノウイルス、黄熱病ウイルス、デングウイルス、パラインフルエンザウイルス、出血熱ウイルス、ポックスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、パラインフルエンザウイルス、レオウイルス、オルビウイルス、ロタウイルス、パルボウイルス、アフリカブタ熱ウイルス、麻疹ウイルス、ムンプスウイルス、およびノーウォークウイルスより選択されるウイルスに対する免疫を与えるウイルスワクチンである、請求項36の方法。
【請求項44】
ワクチンが、パスツレラ属、エシェリキア属、スタフィロコッカス属、ストレプトコッカス属、サルモネラ属、ヘリコバクター属、マイコバクテリウム属、カンピロバクター属、エンテロコッカス属、クロストリジウム属、コリネバクテリウム属、トレポネーマ属、バクテロイデス属、フソバクテリウム属、フソバクテリウム属、ナイセリア属、バチルス属(Bacillus)、エンテロバクター属(Enterobacter)、ストレプトバチルス属、レプトスピラ属、ヘモフィルス属、ボレリア属(Borrelia)、レジオネラ属(Legionella)、エリシペロスリクス属(Erysipelothrix)、およびリステリア属より選択される細菌に対する免疫を与える細菌ワクチンである、請求項36の方法。
【請求項45】
ワクチンが、バベシア属、エントアメーバ属、ジアルジア属、リーシュマニア属、プラスモジウム属、トキソプラズマ属、トリパノソーマ属、回虫および扁平動物より選択される寄生虫に特異的である、請求項36の方法。
【請求項46】
CD27アゴニスト性抗体が、CD8 T細胞増殖増進、生存および/または細胞毒性リンパ球溶解性(CTL)応答を誘発する必要がある被験体において、これらを誘発する、請求項11の方法。
【請求項47】
前記CD27アゴニストが、別の療法部分と併用投与される、請求項11〜36のいずれか一項記載の方法。
【請求項48】
前記の他の部分が、別の免疫アゴニスト、抗体、サイトカイン、化学療法剤、放射療法剤、免疫調節剤および免疫刺激剤からなる群より選択される、請求項47の方法。
【請求項49】
第二の免疫アゴニストおよび所望のターゲットに特異的な抗原と一緒の、CD27アゴニストの投与を含む、請求項48の方法。
【請求項50】
ターゲットが腫瘍である、請求項49の方法。
【請求項51】
抗原が、腫瘍関連ペプチド(TAA)、腫瘍溶解物、アポトーシス性腫瘍細胞、および腫瘍抗原所持樹状細胞からなる群より選択される、請求項50の方法。
【請求項52】
腫瘍ターゲットが黒色腫であり、そして併用が、ターゲット抗原を発現する腫瘍細胞に対して誘発される免疫応答を増進する(ブーストする)、請求項51の方法。
【請求項53】
他の部分が、免疫刺激性抗体またはタンパク質(正の共刺激剤)、負の共刺激剤として作用する免疫抗体またはタンパク質、T細胞への阻害性シグナルを遮断する抗体または他の部分、および腫瘍細胞または血管系または間質に結合する抗体からなる群より選択される、請求項47の方法。
【請求項54】
他の部分が、抗CD40抗体、抗OX40抗体、抗4−1BB抗体、抗CD70抗体、抗B7.1抗体、抗B7.2抗体、抗CTLA−4抗体、抗CD28抗体、制御性T細胞を枯渇させるかまたは遮断する部分、およびサイトカインからなる群より選択される、請求項47の方法。
【請求項55】
他の部分が、アゴニスト性CD40抗体またはアゴニスト性OX40抗体またはアゴニスト性4−1BB(CD137)抗体である、請求項54の方法。
【請求項56】
アゴニスト性CD40抗体がLOB7/4である、請求項55の方法。
【請求項57】
T細胞応答増進を付加的にまたは相乗的に誘発するための方法であって:
付加的にまたは相乗的に有効な量の(i)少なくとも1つのCD27アゴニスト、ならびに(ii)CD40アゴニスト、4−1BB(CD137)抗体、OX−40抗体、CD28抗体、およびCTLA−4抗体より選択される少なくとも1つのアゴニスト
を、その必要がある被験体に投与する工程を含む、前記方法。
【請求項58】
免疫応答がTh1免疫応答である、請求項57の方法。
【請求項59】
CD40アゴニストが、CD40アゴニスト性抗体または可溶性CD40L融合タンパク質または可溶性CD40断片あるいはそのコンジュゲートである、請求項57の方法。
【請求項60】
CD40アゴニストが、ヒトCD40に特異的に結合する、キメラ、ヒトまたはヒト化抗体である、請求項59の方法。
【請求項61】
前記抗体が、SC26、CP−870,893、LOB7/4またはその誘導体、あるいは同じエピトープ特異性を所持する抗体である、請求項59の方法。
【請求項62】
CD27アゴニストが、抗CD27アゴニスト性抗体または可溶性CD70融合タンパク質あるいはその可溶性断片または可溶性コンジュゲートである、請求項11の方法。
【請求項63】
腫瘍抗原、細菌抗原、ウイルス抗原、寄生虫抗原、アレルゲン、および自己抗原より選択される抗原の投与をさらに含む、請求項62の方法。
【請求項64】
アゴニスト性CD27抗体が、損なわれていなくてもまたは修飾されていてもよい、キメラ、ヒトまたはヒト化抗体である、請求項51の方法。
【請求項65】
CD27アゴニストまたは他のアゴニストが、エフェクター部分に付着している、請求項58の方法。
【請求項66】
エフェクター部分が毒素、薬剤または放射性核種である、請求項65の方法。
【請求項67】
CD27アゴニストおよびCD40アゴニストが一緒にまたは別個に投与される、請求項58の方法。
【請求項68】
CD40およびCD27アゴニストが、同じ組成物中に含有される、請求項67の方法。
【請求項69】
どちらかまたは両方のアゴニストがアゴニスト性抗体である、請求項68の方法。
【請求項70】
CD40アゴニストが可溶性CD40Lである、請求項67の方法。
【請求項71】
CD40アゴニストおよびCD27アゴニストが、互いに別個に投与され、そして投与がどちらの順でも達成可能である、請求項67の方法。
【請求項72】
前記アゴニストが、互いに1日以内に投与される、請求項67の方法。
【請求項73】
前記アゴニストが、互いに8時間以内に投与される、請求項71の方法。
【請求項74】
前記アゴニストが、互いに1〜4時間以内に投与される、請求項71の方法。
【請求項75】
CD27アゴニストが最初に投与される、請求項67の方法。
【請求項76】
CD40アゴニストが最初に投与される、請求項67の方法。
【請求項77】
いずれかまたは両方のアゴニストがアゴニスト性抗体である、請求項67の方法。
【請求項78】
4−1BBアゴニストの投与をさらに含む、請求項67の方法。
【請求項79】
前記アゴニストが抗体である、請求項78の方法。
【請求項80】
前記抗体が、抗原特異的CD8+ T細胞免疫をさらに増強する、請求項79の方法。
【請求項81】
ヒト癌を治療するために用いられる、請求項67の方法。
【請求項82】
CD40を発現している癌を治療するために用いられる、請求項67の方法。
【請求項83】
前記癌が固形腫瘍を含む、請求項81の方法。
【請求項84】
前記癌が:乳癌、肝癌、卵巣癌、結腸直腸癌、肺癌、胃癌、腎臓癌、黒色腫、卵巣癌およびリンパ腫からなる群より選択される、請求項81の方法。
【請求項85】
前記リンパ腫が非ホジキンリンパ腫である、請求項73の方法。
【請求項86】
CD40アゴニストが、キメラ、ヒトまたはヒト化抗ヒトCD40抗体である、請求項70の方法。
【請求項87】
投与される抗体が、LOB7/4またはそのヒト化変異体を含む、請求項86の方法。
【請求項88】
治療される癌が非ホジキンリンパ腫である、請求項81の方法。
【請求項89】
治療される癌が腎臓癌である、請求項81の方法。
【請求項90】
前記療法が、少なくとも1つの化学療法剤をさらに含む、請求項70の方法。
【請求項91】
前記CD27アンタゴニストが、少なくとも1つのサイトカインと併用して投与される、請求項11の方法。
【請求項92】
前記サイトカインが、インターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子またはコロニー刺激因子である、請求項91の方法。
【請求項93】
前記アゴニストが、ヒト免疫グロブリン重鎖および軽鎖定常領域を含むアゴニスト性抗体を含む、請求項11の方法。
【請求項94】
前記免疫グロブリンが、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgEおよびIgAからなる群より選択される、請求項93の方法。
【請求項95】
自己免疫疾患、炎症状態、またはアレルギー状態を伴う被験体を治療するために用いられる、請求項52の方法。
【請求項96】
自己免疫疾患を治療するために用いられる、請求項80の方法。
【請求項97】
炎症状態を治療するために用いられる、請求項67の方法。
【請求項98】
アレルギー状態を治療するために用いられる、請求項67の方法。
【請求項99】
感染状態を治療するために用いられる、請求項67の方法。
【請求項100】
ヒトにおいて、in vivoで、CTL免疫応答およびCD8+ T細胞増殖を増進する際に使用するために適応した、付加的または相乗的アゴニスト併用であって、相乗的に有効な量の(i)少なくとも1つのCD27アゴニスト、および(ii)少なくとも1つの抗CD40、OX−40、4−1BBまたはCTLA−4アゴニスト性抗体を含む、前記併用。
【請求項101】
CD40アゴニストが、アゴニスト性CD40抗体または可溶性CD40L、断片、あるいは含有融合タンパク質である、請求項100の相乗的アゴニスト併用。
【請求項102】
アゴニスト性抗体が、キメラ、ヒト、ヒト化、または別の方式で遺伝子操作された抗体である、請求項100の相乗的アゴニスト併用。
【請求項103】
CD27アゴニストがアゴニスト性CD27抗体である、請求項100の相乗的アゴニスト併用。
【請求項104】
CD27抗体が、キメラ、ヒト、ヒト化、または別の方式で遺伝子操作された抗体である、請求項103の相乗的アゴニスト併用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2010−506925(P2010−506925A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533364(P2009−533364)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/022193
【国際公開番号】WO2008/051424
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(304032273)ユニバーシティ・オブ・サザンプトン (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/022193
【国際公開番号】WO2008/051424
【国際公開日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【出願人】(304032273)ユニバーシティ・オブ・サザンプトン (1)
【Fターム(参考)】
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