説明

CMAS浸透耐性を向上させる方法

ガスタービンエンジンのホットセクション部品のために、CMAS浸透耐性を向上させる方法。例示的な方法は、ボンドコート被覆基材上に、イットリア安定化ジルコニアのような遮熱材料からなる内部遮熱層を設けることによって、基材を遮熱コーティング系で被覆することを含む。希土類アルミン酸塩を含む最上層は、内側層の少なくとも一部分を覆うように堆積される。堆積プロセス及び被覆厚さは、被覆すべき部品の種類に応じて調整できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホットセクションタービン部品用の多層皮膜系に関し、さらに具体的には、希土類元素を含む多層皮膜及び被覆物品に関する。
【背景技術】
【0002】
カルシウム−マグネシウム−アルミニウム−ケイ酸塩(CMAS)の浸透はホットセクションタービン部品における遮熱コーティング(TBC)の剥離に関連づけられる現象である。
【0003】
遮熱コーティングは、タービン内を流れる高温燃焼ガスに起因する高温からその下の基材を保護するため燃焼器セクション及びタービンセクション部品を始めとするホットセクションエンジン部品に利用されている。これらの高温燃焼ガスの温度は、基材(通例、鉄基、ニッケル基、コバルト基超合金及びそれらの組合せ)の融点を超えることがある。遮熱コーティングは過熱からの受動的保護をもたらし、能動的冷却保護をもたらす冷却空気流と併用される。
【0004】
稼動条件下で、これらの遮熱被覆されたホットセクションエンジン部品は、燃焼ガス生成物への暴露によるエロージョン・酸化及び腐食、異物損傷、環境汚染物質による侵食を始めとする様々な態様の損傷を受ける可能性がある。空気中に存在する可能性のある環境汚染物質としては、砂、塵、火山灰、二酸化硫黄の形態の硫黄、フライアッシュ、セメント粒子、滑走路の埃、その他金属微粒子等の大気中に排出されることのある汚染物質があり、金属微粒子としては、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、ケイ素、クロム、ニッケル、鉄、バリウム、チタン、アルカリ金属及びこれらの化合物があり、化合物としては酸化物、炭酸塩、リン酸塩、塩類及び混合物が挙げられる。こうした環境汚染物質が、燃料の燃焼によって生じる腐食性及び酸化性汚染物質に加わる。これらの汚染物質は、通常は遮熱被覆されているホットセクション部品の表面に付着する可能性がある。
【0005】
エンジンの作動温度において、これらの汚染物質は、遮熱コーティング上に汚染組成物を形成する可能性がある。これらの汚染組成物は、通常、カルシア、マグネシア、アルミナ、シリカ(CMAS)を含み、これらの堆積物はCMASと呼ばれる。約2240°Fを超える温度では、こうしたCMAS組成物は液体となってTBCに浸透することがある。このような液体CMASによる浸透は、TBCのコンプライアンスを喪失させ、TBCの早期剥離を招く。コンプライアンスの喪失に加えて、TBC内部でのイットリア及びジルコニアとの有害な化学反応並びにボンドコート/TBC界面での熱成長酸化物との有害な化学反応が起こり、皮膜系の劣化を生じる。
【0006】
CMAS浸透による剥離は、効率向上のため作動温度の高温化が図られているジェットエンジン並びに中近東や沿岸域で作動するエンジンでは、大きな問題となる。大気中に微細な砂や埃が高濃度で存在すると、CMAS劣化が促進されかねない。CMASの典型的組成は、例えば、35モル%CaO、10モル%MgO、7モル%Al23、48モル%SiO2、3モル%Fe23及び1.5モル%NiOである。無論、高温でのCMAS暴露によるTBCの剥離は、さらに重大な問題の発端にすぎない。エンジンの連続運転に際して、受動的な遮熱保護が失われると、基材超合金保護皮膜の急速な酸化と、溶け落ち(burn through)又は亀裂による部品の究極的な破損につながる。実際に、そのような重大な損害が、軍用及び民間用のエンジンの両方で観察されている。
【0007】
CMAS劣化の問題に対する様々な解決策が試みられている。しかし、エンジンの作動温度が次第に高温化する傾向にあるため、さらに効果的な処理が求められている。そこで、高温でのCMAS浸入に対して耐性を有するTBC系が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1577499号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書で開示する例示的な実施形態では、遮熱コーティング系のCMAS浸透耐性を向上させる方法を提供する。例示的な方法は、1以上の表面を有する基材を用意し、基材表面にボンドコートを堆積させ、適宜、ボンドコート上に熱成長酸化物層を形成するのに適した条件にボンドコートを付すことを含む。本方法は、ジルコニア及びハフニアの少なくとも1種を含む遮熱コーティング材料を含む遮熱コーティング内側層をボンドコートの上に堆積させ、希土類アルミン酸塩含有材料を含む最上層を、内側層の少なくとも一部分の上に堆積させることをさらに含む。
【0010】
例示的な方法は、ガスタービンエンジンのホットセクションで使用されるボンドコート被覆基材上に、遮熱コーティング内側層を堆積させ、希土類アルミン酸塩含有材料を含む最上層を、内側層の少なくとも一部分の上に堆積させることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】例示的な皮膜系で被覆された物品の概略断面図である。
【図2】Re23−Al23状態図であり、代表的な希土類アルミン酸塩化合物を示す。
【図3】2500°F(1371℃)で1時間CMASに暴露した後の希土類アルミン酸塩サンプルの反応後ミクロ組織を示す顕微鏡写真である。
【図4】例示的なコーティング法のフローチャートである。
【図5】試験サンプルの示差熱分析(DTA)曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照すると、例示的な実施形態には、耐CMAS浸透性を有し、特にガスタービンエンジンのホットセクション部品の基材14に施工される多層遮熱コーティング系12を含む被覆物品10が包含される。基材14は典型的には熱保護が必要とされる金属基材である。基材の例としては、ニッケル基超合金基材が挙げられる。例示的な実施形態では、皮膜系12は、基材14の少なくとも一部分と接した状態でこれを覆うボンドコート層16を含む。ボンドコート層16は、MCrAlX(式中、M=Ni、Co、Fe及びこれらの組合せであり、X=Y、Hf、Zr、Re、Si及びこれらの組合せである。)のようなオーバレイ皮膜であってもよいが、単純アルミナイド(NiAl)又は白金改質アルミナイド((Ni,Pt)Al)のような拡散アルミナイド(本明細書では、皮膜又はグレーズという。)であってもよい。ボンドコート層16は、熱成長酸化物(TGO)として知られる薄く強固に付着したアルミニウム酸化物層20の形成を促進する。例示的な実施形態では、遮熱コーティング(TBC)24はボンドコート層16を覆う。TGOは、TBC24とボンドコート層16との接着層として作用する。ボンドコート層は、その下の基材を酸化から保護する役割も果たす。例示的な実施形態では、TBCは、TBC内側層26と、TBC内側層26の少なくとも一部分を覆う希土類アルミン酸塩含有TBC最上層28とを含む。例示的な実施形態では、内側層26はTGO層20と接した状態でこれを覆うか、或いはTGO層20がない場合にはボンドコート層16と接した状態でこれを覆う。適宜、TBCは、概して内側層26と最上層28の間に設けられて遷移層30を含んでいてもよい。「遷移層30」という用語には、内側層26と最上層28の間に組成勾配をなす1以上の遷移的副層も包含される。任意要素としての遷移層30が存在しない場合、最上層28は内側層26と接した状態でこれを覆う。
【0013】
例示的な実施形態では、TBC内側層26は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)のような遮熱コーティング材料である。イットリア安定化ジルコニアの例としては、7YSZと呼ばれる7重量%のイットリアで安定化されたジルコニアがある。例示的な実施形態では、TBC内側層26は、約4〜9重量%のイットリアで安定化されたジルコニアを含む。或いは、TBC内側層26は、約4〜9重量%のイットリアで安定化されたハフニア又はハフニアとジルコニアの組合せを含む。その他の適合性の遮熱コーティング組成物及び皮膜系を本明細書で開示する例示的な実施形態で用いることも想定される。例えば、TBCは、米国特許第6558814号に記載された熱伝導率の低い遮熱コーティングであってもよい。さらに、TBC内側層26は、その下の基材に所望の遮熱保護を与えることのできる複数の副層を含んでいてもよい。
【0014】
例示的な実施形態では、TBC最上層28は希土類アルミン酸塩含有材料を含む。単相希土類アルミン酸塩化合物の例としては、2RE23・Al23、REAlO3、RE3Al512が挙げられる。式中、RE=ランタン系列の元素、イットリウム又はそれらの組合せである。本明細書では、希土類アルミン酸塩含有材料は、アルミニウム酸化物(Al23)成分と希土類酸化物成分とを有するものとみなすことができる。図2は、Re23−Al23状態図であり、代表的な希土類アルミン酸塩含有材料を示す。
【0015】
図3を参照すると、高温でCMASに暴露されると、希土類アルミン酸塩含有材料40のアルミニウム酸化物成分はCMASと相互作用してCMASの融点を上昇させる。希土類酸化物成分はCMASと反応して、高融点希土類カルシウムケイ酸塩相44を含む封止性反応層42を形成する。この封止性反応層42は、CMASが液化したときの高温でのCMAS作用から、その下のTBC層を保護するのに有効である。
【0016】
希土類アルミン酸塩含有TBC最上層28は、単相希土類アルミン酸塩化合物、2種以上の希土類アルミン酸塩化合物の混合物、希土類アルミン酸塩化合物とAl23の混合物及び希土類アルミン酸塩化合物と希土類酸化物の混合物を含んでいてもよい。なお、希土類は、ランタン系列の元素、イットリウム又はそれらの組合せである。
【0017】
例示的な実施形態では、希土類アルミン酸塩含有TBC最上層材料は、約20〜約90モル%のAl23成分濃度を有し、残部は希土類酸化物である。ここで希土類は、ランタン系列元素、イットリウム又はそれらの組合せである。希土類アルミン酸塩化合物の例としては、2Gd23・Al23、2Dy23・Al23、2Y23・Al23、2Er23・Al23、LaAlO3、NdAlO3、SmAlO3、EuAlO3、GdAlO3、DyAlO3、ErAlO3、Dy3Al512、Y3Al512、Er3Al512及びLu3Al512が挙げられる。
【0018】
任意要素としての遷移層30は、安定化ジルコニア成分(例えば、7YSZ)及び希土類アルミン酸塩含有成分(例えば、TBC最上層28と同様の材料)を含んでいてもよい。存在する場合、遷移層30は、内側層26と最上層28との間に組成勾配をもたらすためのものである。複数の遷移的副層を設けてもよく、最上層28に向かって、安定化ジルコニア成分及び希土類アルミン酸塩含有成分の相対濃度はそれぞれ減少及び増加する。例えば、遷移層30は、皮膜の中央領域に向かって希土類アルミン酸塩含有成分の濃度が約10重量%となるようにしてもよい。遷移層の外表面に向かって、希土類アルミン酸塩含有成分の濃度が100重量%に近づくようにすればよい。
【0019】
図1を参照すると、例示的な遮熱コーティング系は、厚さ約1〜約6ミル(約25.4〜約152μm)のボンドコート層16と、厚さ約1〜約10ミル(約25.4〜254μm)のTBC内側層26と、厚さ約0.5〜約10ミル(約12.7〜約254μm)のTBC最上層28とを含む。この例示的な遮熱コーティング系は、ガスタービンエンジンブレード及びノズル並びに燃焼器部品に所望のCMAS耐性を与えるのに有用である。
【0020】
別の例示的な遮熱コーティング系は、厚さ約2〜約20ミル(約50.8〜約508μm)のボンドコート層16と、厚さ約2〜約25ミル(約50.8〜約635μm)のTBC内側層26と、厚さ約10〜約60ミル(約254〜約1524μm)のTBC最上層28とを含む。この例示的な遮熱コーティング系は、ガスタービンエンジンシュラウド及び燃焼器部品に所望のCMAS耐性を与えるのに有用である。例示的な実施形態では、CMAS劣化を特に受け易い内側層26の部分を、TBC最上層28で覆う。
【0021】
例示的な実施形態では、遮熱コーティング系のCMAS劣化耐性を増大させる方法を図4に示す。例示的な方法100では、ガスタービンエンジンの高温領域用の部品のような基材を用意する(段階110)。基材の1以上の表面にボンドコート層を堆積させる(段階112)。ボンドコートを設けた基材を、熱成長酸化物層の形成に適した条件に付す(段階114)。例示的な実施形態では、ボンドコート層を遮熱コーティング内側層で実質的に被覆する(段階116)。遮熱コーティング内側層は、物理蒸着(例えば、電子ビーム物理蒸着(EB−PVD))又は溶射(例えば、大気プラズマ溶射(APS))のような適当な方法で堆積させればよい。遮熱コーティング内側層は、稠密縦割れ(DVM:Dense Vertical Microcrack)と呼ばれる当技術分野で公知のミクロ組織を呈するように堆積させてもよい。遮熱コーティング内側層は、堆積法に応じて、柱状組織(EB−PVD堆積法など)又はスプラット状組織(例えば、APS法など)のような他のミクロ組織を呈するものであってもよい。適宜、ボンドコートを設けた基材を、遮熱コーティング内側層の施工前に、予熱してもよい(段階115)。
【0022】
例示的な方法では、TBC内側層を、適宜、後の1以上のTBC層を受け入れるために改質してもよい(段階118)。例えば、グリットブラスト仕上げその他の表面改質法で表面を粗面化してもよい。例示的な実施形態では、TBC内側層は、その後のTBC層の堆積前に、適宜予熱してもよい(段階120)。
【0023】
例示的な実施形態では、内側層の上に1以上の遷移層を成膜してもよい(段階122)。
【0024】
例示的な実施形態では、適当な堆積法で希土類アルミン酸塩含有材料をTBC内側層(又は任意要素としての遷移層)上に堆積してTBC最上層を形成する(段階124)。例示的な実施形態では、堆積法は物理蒸着法を含む。例示的な実施形態では、堆積法は溶射法を含む。その他の堆積法として、液体噴霧法又は液体含浸法が挙げられる。所望とする厚さ、ミクロ組織その他の熱的又は機械的性質に応じて、様々な堆積法を使用し得ることは当業者には自明であろう。所望の結果が得られるように、TBC系の様々な層を異なる方法で堆積させることも想定される。
【0025】
被覆部品が高温でCMASに暴露されると、CMASがTBC最上層と接触する際にTBC最上層由来のAl23成分が溶解することによって、CMASの融点が上昇する。融点の上昇によって、極めて破壊的な液化CMASの形成が抑止される。TBC最上層からの希土類アルミナイド成分がCMASと相互作用して、希土類カルシウムケイ酸塩相を形成する。CMASとTBC最上層との相互作用で封止性反応層が効果的に形成される。
【0026】
本明細書で開示した皮膜層は、適当な方法で施工できる。施工方法は、被覆すべき部品に応じて決めればよい。シュラウド及び燃焼器アセンブリには、厚いが、比較的簡単な形状の皮膜が必要とされる。様々な層の施工には、溶射法のような方法を使用できる。溶射法は、表面に厚い皮膜を施工するための安価で比較的迅速な方法である。これらの技術は一般に視線(line of sight)プロセスである。溶射法としては、大気プラズマ溶射、真空プラズマ溶射、減圧プラズマ溶射、HVOF、爆発ガン溶射その他の関連法が挙げられる。
【0027】
動翼及び静翼のような構造には、薄い皮膜が必要とされる。薄い皮膜には精密な制御が必要とされる。こうした用途には、物理蒸着が好ましい。電子ビーム法(EB−PVD)が、動翼や静翼のような物品に薄い皮膜を施工するための最も好ましい方法である。
【実施例】
【0028】
単相希土類アルミン酸塩サンプル(LaAlO3)を2500°F(1371℃)で1時間CMASに暴露した。図3の顕微鏡写真は反応生成物を示す。LaAlO3はCMASと反応してLaカルシウムケイ酸塩相(針状)を形成する。エネルギー分散型X線分光器(EDS)分析は反応後CMASのAl23含有量が元のCMASよりも格段に高いことを示しており、元のCMASに、LaAlO3からのAl23成分が溶解したことを示していた。Al23がCMASに溶解すると、図5のCMAS/Al23示差熱分析(DTA)の曲線で認められるように、CMASの融点の上昇を招く。
【0029】
このように、本実施例は、希土類アルミン酸塩含有TBC最上層が、高温域では希土類カルシウムケイ酸塩を含む封止性反応層の形成によって、低温域(希土類カルシウムケイ酸塩形成速度が遅い)では、最上層のAl23分によるCMAS融点の上昇によって、CMAS保護をもたらすことを実証している。
【0030】
好ましい実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明の技術的範囲内で本発明に様々な変更を加えることができ、本発明の構成要素を均等物で置き換えることができることは当業者には明らかであろう。さらに、本発明の技術的範囲内で特定の状況又は材料を本発明の教示に適合させるため数多くの変更を加えることもできる。従って、本発明は、本発明を実施するための最良の形態として開示した特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明は、特許請求の範囲に属するあらゆる実施形態を包含する。
【符号の説明】
【0031】
10 被覆物品
12 遮熱コーティング系
14 基材
16 ボンドコート層
20 アルミニウム酸化物層
24 遮熱コーティング(TBC)
26 TBC内側層
28 最上層
30 遷移層
40 希土類アルミン酸塩含有材料
42 封止性反応層
44 高融点希土類カルシウムケイ酸塩相

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮熱コーティング系のCMAS浸透耐性を向上させる方法であって、
1以上の表面を有する基材を用意し、
基材表面にボンドコートを設け、
任意工程として、ボンドコート上での熱成長酸化物層の形成に適した条件にボンドコートを付し、
ボンドコートを覆う遮熱コーティング内側層であって、ジルコニア及びハフニアの少なくとも1種を含む遮熱コーティング材料を含む遮熱コーティング内側層を堆積させ、
内側層の少なくとも一部分を覆う最上層であって、希土類アルミン酸塩含有材料を含む最上層を堆積させる
ことを含む方法。
【請求項2】
内側層を堆積させた後、最上層を堆積させる前に、1以上の遷移層を堆積させることをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
内側層を堆積させた後、最上層の受入れに備えて、内側層の表面を改質することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
最上層を堆積させる前に、ボンドコートと内側層が堆積された基材を、適当な予熱温度に予熱することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
内側層を堆積させる前に、ボンドコートが堆積された基材を、適当な予熱温度に予熱することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
最上層を堆積させることが、単相希土類アルミン酸塩化合物、2種以上の希土類アルミン酸塩化合物の混合物、希土類アルミン酸塩化合物とアルミニウム酸化物(Al23)の混合物及び希土類アルミン酸塩化合物と希土類酸化物の混合物からなる群の1種以上を堆積させることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
最上層を堆積させることが、2Gd23・Al23、 2Dy23・Al23、2Y23・Al23、2Er23・Al23、LaAlO3、NdAlO3、SmAlO3、EuAlO3、GdAlO3、DyAlO3、ErAlO3、Dy3Al512、Y3Al512、Er3Al512及びLu3Al512からなる群から選択される、単相希土類アルミン酸塩化合物を堆積させることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
最上層を堆積させることが、約20〜約90モル%のアルミニウム酸化物(Al23)成分を含み、残部が希土類酸化物である希土類アルミン酸塩含有材料を堆積させることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
内側層を堆積させることが、少なくとも部分的に安定化されたジルコニア組成物、少なくとも部分的に安定化されたハフニア組成物及びそれらの組合せからなる群の1種以上を堆積させることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
内側層と最上層との間で組成勾配をなす1以上の遷移層を内側層と最上層の間に堆積させることをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
ボンドコートを設けることが、MCrAlXオーバレイコーティング、単純アルミナイドコーティング及び白金改質アルミナイドコーティングからなる群の1種以上を設けることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
基材を用意することが、ガスタービンエンジンのシュラウド又は燃焼器セクション品を用意することを含み、
ボンドコートを設けることが、約2〜約20ミルの厚さのMCrAlXオーバレイコーティング、単純アルミナイドコーティング、又は白金改質アルミナイドコーティングを設けることを含み、
内側層を堆積させることが、遮熱コーティング材料を堆積させて内側層の厚さを約2〜約25ミルとすることを含み、
最上層を堆積させることが、希土類アルミン酸塩含有材料を堆積させて最上層の厚さを約5〜約60ミルとすることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
基材を用意することが、ガスタービンエンジンのブレード、ノズル又は燃焼器セクションを用意することを含み、
ボンドコートを設けることが、約1〜約6ミルの厚さのオーバレイコーティング、単純アルミナイドコーティング、又は白金改質アルミナイドコーティングを設けることを含み、
内側層を堆積させることが、遮熱コーティング材料を堆積させて内側層の厚さを約1〜約10ミルとすることを含み、
最上層を堆積させることが、希土類アルミン酸塩含有材料を堆積させて最上層の厚さを約0.5〜約10ミルとすることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
内側層を堆積させることが、溶射法、物理蒸着法、化学蒸着法及びスラリー堆積法から選択される堆積法を用いることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
最上層を堆積させることが、溶射法、物理蒸着法、化学蒸着法及びスラリー堆積法から選択される堆積法を用いることを含む、請求項1記載の方法。
【請求項16】
遮熱コーティング系のCMAS浸透耐性を向上させる方法であって、
ガスタービンエンジンのホットセクション用のボンドコート被覆基材上に、遮熱コーティング内側層を堆積させ、
内側層の少なくとも一部分を覆う最上層であって、希土類アルミン酸塩含有材料を含む最上層を堆積させる
ことを含む方法。
【請求項17】
希土類アルミン酸塩含有材料が、単相希土類アルミン酸塩化合物、2種以上の希土類アルミン酸塩化合物の混合物、希土類アルミン酸塩化合物とアルミニウム酸化物(Al23)の混合物及び希土類アルミン酸塩化合物と希土類酸化物の混合物から選択される1種以上である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
単相希土類アルミン酸塩化合物が、2Gd23・Al23、2Dy23・Al23、2Y23・Al23、2Er23・Al23、LaAlO3、NdAlO3、SmAlO3、EuAlO3、GdAlO3、DyAlO3、ErAlO3、Dy3Al512、Y3Al512、Er3Al512及びLu3Al512からなる群から選択される、請求項17記載の方法。
【請求項19】
希土類アルミン酸塩含有材料が、約20〜約90モル%のアルミニウム酸化物(Al23)成分を含み、残部が希土類酸化物である、請求項17記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−508093(P2011−508093A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540734(P2010−540734)
【出願日】平成20年12月8日(2008.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/085848
【国際公開番号】WO2009/085577
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】