説明

CO2圧縮ガス源を有する容器

CO圧縮ガス源は、容器の開口部にシール状態で取り付けられることができるインサートである。このインサートは、CO高圧カートリッジ(14)と、COをこのCO高圧カートリッジから放出するための圧力調整弁と、外側から操作可能な制御部材とを有し、この制御部材を作動させることにより、CO高圧カートリッジに穴を開けることができる。制御部材は、一度の作動の後に、自動的にロック可能であり、再度作動しないようにブロック可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を充填しかつ圧密に閉鎖することができ、液体を取り出すことができる容器に関する。このような容器の例は、CO含有の液体、特に飲料が圧力下で充填されている樽、小樽(パーティー樽)または缶である。特に、パーティー用ビール樽である。
【背景技術】
【0002】
これらの容器の栓を抜いて、COの圧力によって容器から液体を取り出すために用いる、CO高圧カートリッジで作動する複数のタップ・フィッティング(Zapfarmaturen)がある。このことは、CO高圧ビンからのCOを用いた、飲食店で通常な栓抜き技術に対応する。この栓抜き技術で、ビールの非常に良好な健康裨益性および保存性が達成される。
【0003】
しかしながら、CO高圧カートリッジを有する複数のタップ・フィッティングを受け入れない、消費者のグループがある。パーティー用ビール樽を時々しか購入しない人々にとっては、高価なタップ・フィッティングの調達は甲斐がない。CO高圧カートリッジを扱うのが不快でない人々もいる。他の人々は、カートリッジの交換供給を厭う。
【0004】
従って、組み込まれた出口タップを樽の底部区域に有するパーティー用ビール樽が開発された。この出口タップを通して、内圧および重力のみによってビールが取り出される。通常、樽内の液面の上方でパーティー樽に空気が入れられる。その目的は、圧力均衡を引き起こすためである。このことは、缶切りを用いて樽の口を開けることによって、なされる。しかしまた、組み込まれた出口タップと、樽の上方底部に設けられており、注ぎ口閉鎖手段の一部である手動式の漏気弁とを有する複数のパーティー用ビール樽がある(WO 99/23 008 A1を参照せよ)。
【0005】
これらのパーティー樽の欠点は、樽の上部空間への空気の入り込みによってビールの健康裨益性および保存性が損なわれることである。口が開けられたこのタイプのパーティー用ビール樽の中味は、即座に消費されねばならない。その目的は、ビールが品質が落ちて、気が抜けないようにするためである。
【0006】
口を開けたパーティー樽でのビールの保存性を改善するための種々の試みがある。例えば、WO99/47 451 A1からは、活性炭に結合されたCOを低圧で含むエーロゾル缶を、パーティー用ビール樽に組み込み、樽の上部空間に、ビールに溶けたCOの部分圧力に等しいか上回るCO圧力を生起することが公知である。缶の大きな容量が欠点である。実際また、活性炭は、かなり高価な貯蔵媒体である。
【0007】
DE 199 52 379 A1からは、別個の手動式器具の形態の、パーティー樽用のCOディスペンサが公知である。このディスペンサによって、パーティー樽の口を樽内の液面の上方で開けて、COを、樽の上部空間に放出する。ディスペンサは、CO高圧カートリッジおよび圧力調整弁を有する。このディスペンサは繰り返しの使用のために考えられており、一方のパーティー樽から他方のパーティー樽へと交換される。COの消費が、COで作動するタップ・フィッティングの場合よりも少ないとしても、このようなCOディスペンサは、最終的には、消費者のグループで、類似の考慮を被る。
【0008】
実地からは、パーティー用のビール樽の上部空間に圧力袋を挿入することも知られている。この圧力袋が膨張するのは、圧力が上部空間で低下し、これにより、一方では、形成されている中空空間を充填し、他方では、ビールに溶けたCOの部分圧力を上回るプレス圧力を、樽内の液面へ加えるときである。圧力袋は、多層の、酸素拡散を透過しないプラスチック・フィルムからなる。圧力袋は、ガスを発生する化学薬品、例えばベーキング・パウダーおよびクエン酸を含む複数のチャンバを有する。これらのチャンバは、パーティー樽の上部空間における圧力低下に応じて、連続的に作動され、化学薬品の反応中に発生するガスによって膨張される。
【0009】
知られた圧力袋の欠点は、ビールへの不安定な加圧である。圧力袋の各々の次のチャンバが作動されるとき、圧力は、突然上昇するが、次に、連続的に低下する。このことは、栓の不規則な態様に表わされる。栓の態様は、強い噴射によるビールの取り出しと、単なる滴り落ちとの間で変化する。
【0010】
欧州特許出願第05 01 18 96.7号によって、全容量の少ない組み込まれたCO圧縮ガス源を有する、明細書の最初の部分に記載のタイプの容器を提供する試みがなされる。CO圧縮ガス源から放出されたCOが、容器内の液体へ常に圧力を加え、液体の保存性および健康裨益性を改善する。この容器は、容器の開口部にシール状態で取り付けられることができるインサートを具備し、このインサートは、CO高圧カートリッジと、COをこのCO高圧カートリッジから放出するための圧力調整弁と、外側から操作可能な制御部材とを有し、この制御部材を作動させることにより、CO高圧カートリッジに穴を開けることができる。
【0011】
インサートは、小さな全容量の故に、夫々に注ぎ口閉鎖手段を有する容器の、例えばパーティー用のビール樽の形状および寸法をいくらか実質的に変える必要なしに、WO 99/23 008 A1に記載の、均圧弁を有する注ぎ口閉鎖手段を代替するために適切である。樽詰め工場での工程は、いずれにせよ僅かに変化する。インサートを、均圧弁を有する注ぎ口閉鎖手段と、出口コックとのために数年来最良と証されているプラスチック材料から製造することができる。CO圧縮ガス源の操作も、従来の均圧弁の作動に熟知したユーザが、違いにほとんど気づかないほどに、ルーチン通りに簡単である。ユーザは、自分がひょっとして不安を感じるCO高圧カートリッジを直接的には扱わない。カートリッジは、只1つの容器での1回の使用のために定められており、この容器と共に廃棄される。特に、口を開けたパーティー樽の中のビールの場合、ビールの保存性は、上部空間に空気の代わりにCOを充填することによって、容易に数日延ばされる。
【0012】
CO圧縮ガス源のために適切な寸法の、市販の穴開け可能なCO高圧カートリッジは、約80Barの圧力下にある約16gのCOを含む。容器の上部空間へ放出されるCOの圧力の低下および正確な制御のためには、コンパクトなインサートの形態のCO圧縮ガス源の構造に、かなりの要求がなされる。圧力は、典型的には、0.5と0.7Barの間にある。圧力は、液体に溶けているCOの部分圧力に等しいか、部分圧力よりも僅かに高い。
【0013】
特にビールの場合、COの含有量は、味の決め手となる。COの含有量は、ビールの種類により変化する。パーティー樽の上部空間におけるCOの圧力が余りにも低いとき、COはビールから逃げていく。上部空間におけるCOの圧力が余りに高いときは、ビールの味および健康裨益性を損なう、ビールの過炭酸化が生じる。欧州特許出願第05 01 18 96.7号に記載のCO圧縮ガス源は、一方のことも他方のことも生じないことを保証する。
【0014】
欧州特許出願第05 01 18 96.7号に記載の容器では、CO高圧カートリッジに穴を開けるために駆動される制御部材は、軸方向に案内されるスライダと協働して、穴を開ける針を駆動する回転ノブである。穴を開ける針は、構造的に、圧力調整弁の弁部材と結合されている。圧力調整弁の制御機能が、好ましくない影響を受けるかも知れないのは、ユーザが回転ノブを再度作動させるときである。このことは、全く余計であるが、欧州特許出願第05 01 18 96.7号に記載の容器では、除外されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の課題は、欧州特許出願第05 01 18 96.7号から公知の容器を、圧力調整弁の制御機能が影響を受けないように、インサートの制御部材での操作から守ることである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この課題は、インサートの制御部材が、一度の作動の後に、自動的にロック可能であり、再度作動しないようにブロック可能であることによって、解決される。
【0017】
好ましい実施の形態では、制御部材は、軸方向に案内されるスライダと協働して、CO高圧カートリッジに穴を開けるための穴を開ける針を駆動する回転ノブである。回転ノブは、スライダによってブロックされる。
【0018】
好ましい実施の形態では、回転ノブは、螺旋状に回転して、スライダの方へ前進し、それ故に、回転ノブの回転によって軸方向に移動される。穴を開ける針は、スライダによって、軸方向に連行される。CO高圧カートリッジに穴を開けるために所定の回転角度を上回った後に、スライダは、回転ノブに軸方向に勢いよく戻る。スライダは、回転ヘッドに係止し、回転ノブを、再度作動しないようにブロックする。
【0019】
好ましい実施の形態では、CO高圧カートリッジに穴を開ける針は、構造的に、圧力調整弁の弁部材と結合されており、この弁部材は、圧力調整弁の弁座とのシール位置と通過位置の間で軸方向に移動可能である。スライダは、穴を開ける針によって作動されて、勢いよく戻る。
【0020】
好ましい実施の形態では、スライダは、CO高圧カートリッジに穴を開ける際に、一方の端面が、穴を開ける針の端面と向かい合うように、同一平面で接触している。
【0021】
好ましい実施の形態では、穴を開ける針は、穴開けの直前で、圧力調整弁の弁座の直ぐ後方にシール位置をとる。このことによって、CO高圧カートリッジへの穴開け後にCO高圧カートリッジの最大圧力が加えられる相手である弁空間の、その容量は、非常に小さい。
【0022】
好ましい実施の形態では、容器は、密にシールされたチャンバを有し、このチャンバ内で、CO高圧カートリッジのヘッドは、容器の開口部の所で、プレスばめを有する。チャンバの密なシールは、衛生上の理由から好ましい。
好ましい実施の形態では、CO高圧カートリッジは、小径のネックの周囲に亘って、チャンバの壁部に対しシールされている。このことによって、穴を開ける際にカートリッジが被る軸方向の力が制限されている。
【0023】
好ましい実施の形態では、インサートは、容器の上方の開口部中を占める。CO高圧カートリッジからのCOは、容器内の液面の上方で、容器の上部空間へのみならず、逆止め弁によって直接液体へも放出されることができる。
【0024】
好ましい実施の形態では、インサートを受ける開口部は、容器に液体を充填するときに通過する注ぎ口である。インサートは注ぎ口閉鎖手段として機能する。
【0025】
CO高圧カートリッジからのCOを、容器内の液面の上方で、容器の上部空間へ直接または液体自体へ放出することが可能である。しかし、インサートに圧力袋を接続することも可能である。圧力袋は、真空の生起によってインサートのハウジングへ引き寄せられ、ハウジングと密に接合される。圧力袋は、容器の内部で、インサートのハウジングと直に接触している。圧力袋は、放出されるCOによって膨張される。従来の技術に基づく、明細書の初めの部分に記載された圧力袋に比較して、この場合、圧力袋の充填圧力が一定であり、すなわち、栓の態様において圧力変化および不規則が生じない、という利点が生じる。充填圧力は、液体中に溶けたCOの部分圧力よりも幾らか高く調整されることができる。従って、この部分圧力は、全く影響を受けず、味覚的に中立である。
【0026】
圧力袋を有する変形例では、COの代わりに、高圧カートリッジからの他の圧縮ガスも、使用される。
好ましい実施の形態では、容器は、下方に、出口コックを有する。かくして、液体の取り出しは、内圧および重力作用によってなされる。CO高圧カートリッジからのCOは、容器の上部空間に減圧が生じることを阻止する。このことは、圧力袋を有する変形例および圧力袋を有しない変形例で可能である。
【0027】
圧力袋を有する変形例では、容器は、出口コックの代わりに、上方に、栓を有する。この栓へは、容器の底部まで達する上昇管が延びている。液体は、CO高圧カートリッジから放出されるCOの圧力によって、栓の方へ運ばれる。容器の上部での栓開けは、底部でよりも楽である。
【0028】
好ましい実施の形態では、栓の外側には、チューブ接続部を有する流出用コックが設けられている。この流出用コックは、別個の部材として、容器に追加されている。流出用コックは、栓が抜き出された後に、容器に嵌められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面に示した複数の実施の形態を参照して、本発明を詳述する。CO圧縮ガス源は、容器の注ぎ口を通って容器に適合しておりかつ注ぎ口を密に閉じるインサートとして、形成されている。CO圧縮ガス源は、WO 99/23 008 A1に記載の均圧弁を有する注ぎ口閉鎖手段を代替することができる。
【0030】
容器には、通常は容器の表面の中央にある注ぎ口を通して、CO含有の液体が、圧力をかけて充填される。次に、注ぎ口が、インサートによって密に閉じられる。液体を取り出すために、組み込まれた出口コックが用いられることができる。この出口コックは、容器の側壁で、容器の下方底部の高さにある。液体が内圧および重力作用によって流出して、減圧が、容器内の液面の上方で、容器の上部空間に達せられる。この減圧を正しく調整しかつ制御された状態で維持するために、CO圧縮ガス源が作動される。CO圧縮ガス源は、液体中に溶けたCOの部分圧力に対応しまたはこの部分圧力をわずかに上回る圧力の下で、COを容器の上部空間に注入する。このことによって、容器を常に空にすることが保証されている。空気が容器の上部空間に達することはない。液体中のCO含有量は変わらない。
【0031】
インサートは、縦に細長い形状を有し、大部分、中心軸に対し径方向対称に構成されている。インサートは、主として、プラスチックからなる。インサートの製造のために用いられるプラスチック材料は、関連の容器の注ぎ口閉鎖手段および出口コックとして、ここ数年間、有益であると証されている。製造のためには、二成分プラスチック射出成形技術を用いられる。
【0032】
容器の注ぎ口を閉鎖するインサートが取付状態にあるとき、インサートのハウジング10は、容器に突入している。ハウジング10は、その内端に、CO高圧カートリッジ14をプレスばめで収容するためのチャンバ12を有する。カートリッジ14の頭部は、注ぎ口に向いている。カートリッジの頭部の端面に穴を開けることができる。カートリッジ14は、円筒形ネックに、最小の直径を有する。ここでは、カートリッジは、周方向のシール16によって、ハウジング10の壁部に対しシールされている。
【0033】
チャンバ12の内端は、カバー18によって閉じられている。カバーは、ハウジング10の壁部と接合または螺着されている。
【0034】
ハウジング10は、外部で、周方向のカラー20によって、注ぎ口のビードに載置されている。カラー20には、シール22が形成されている。このシールによって、インサートが注ぎ口をシールしている。
【0035】
ハウジング10に入れられた回転ノブ24は、カラー20に被さるように外へ突出している。回転ノブの作動の際に、COカートリッジに穴が開けられる。回転ノブ24は、急勾配の雄ねじ26を有する。この雄ねじによって、回転ノブは、ハウジング10の補完的な雌ねじへ螺入されている。
【0036】
COカートリッジ14に穴を開けるために、穴を開ける針34が用いられる。この穴を開ける針は、構造的に、圧力調整弁の弁部材と結合されている。弁部材は、弾性的なダイアフラム36と共に、ハウジング10の軸中心に吊り下げられている。穴を開ける針34の先端は、COカートリッジ14の端面からほんの僅か間隔をあけている。
【0037】
穴を開ける針34をCOカートリッジ14へ軸方向に調整移動する際に、弁部材は、圧力調整弁の弁座から持ち上がる。弁座は、弾性的なシール材料からなり、ハウジング10に成形されている。
【0038】
穴を開ける針34は、回転ノブ24と穴を開ける針34との間にあるスライダ40によって、作動される。スライダ40は、ハウジング10内で、縦方向可動に案内される。スライダは、一方の端面が、穴を開ける針の端面と向かい合うように、同一平面で接触している。穴を開ける針34は、中央の位置決め延長部42によって、スライダ40の嵌合可能な開口部(Passoeffnung)内で案内されている。
【0039】
回転ノブ24およびスライダ40は、周方向に延びている複数の突条46と接触している。2つの互いに向かい合っている突条46が設けられている。これらの突条は、径方向の端面と、夫々約90°の周囲長さとを有する。これらの突条の間には、複数の空隙がある。これらの空隙へは、矩形の噛み合いのように、他方の部分の突条46が適合する。作動中に、回転ノブ24が螺旋状に回転して、スライダ40の方へ前進する。この場合、スライダは軸方向に移動される。
【0040】
回転ノブ24とスライダ40との間には、圧縮ばね48が圧縮されている。この圧縮ばねは、スライダ40の、穴を開ける針34から離隔した外面、その外面に設けられた真ん中の栓状の延長部50の周りにあり、回転ノブ24の内側に設けられた、真ん中の軸方向のタペット52の周りにある。圧縮はね48は、スライダ40を、穴を開ける針34に対し締め付ける。
【0041】
ダイアフラム36は、圧力調整弁の弁座38の下流で、作業空間を区画している。作業室は、側方の出口開口部を有する。この出口開口部の手前には、環状の弾性的なOリング58がある。このOリング58は、逆止め弁の機能を有する。Oリングは、液体がインサートに達することを防止する。
【0042】
COカートリッジ14に穴を開けるために、回転ノブ24が約90°回転される。スライダ40は、回転ノブ24の螺旋状の前進によって軸方向内側へ移動される。穴を開ける針34は、ダイアフラム36が弾性変形しつつ、軸方向内側へ連行される。弁部材は弁座38から持ち上がる。穴開けの後に、COカートリッジ14の頭部の上方にある非常に小さな弁空間62に、高圧下にあるCOが充填される。
【0043】
回転ノブ24が完全に90°またはそれより多い角度回転した後に、スライダ40は、圧縮ばね48の力に抗して、軸方向外側へ引っ込む。この目的のために、回転ノブは、穴を開ける針34によって作動される。穴を開ける針は、ダイアフラム36の弾性的な戻り変形によって、軸方向で元に戻される。圧縮ばね48は圧縮される。圧力調整弁が閉じられ、高圧下にある少量のCOが、作業空間54に入れられる。ダイアフラム36におけるCOの圧力が、スライダ40の、穴を開ける針によって作動される勢いのよい戻りに寄与する。スライダ40の突条46は、回転ノブ24の、補完的な空隙に係止し、回転ノブ24を、再度作動しないようブロックする。
【0044】
圧力調整弁の更なる開閉は、ダイアフラム36における力の平衡によって決定される。この平衡に寄与するのは、ダイアフラム36の弾性特性、圧縮ばね48のばね定数および作業空間内のCO圧力である。放出されたCOの圧力の決定的なファクターは、圧縮ばね48のばね定数である。
【0045】
ユーザは、容器内の内圧が低下して、出口コックを通って流出する液体の流れが余りにも弱いとき、通常、CO圧縮ガス源を作動させる。しかし、CO圧縮ガス源は、容器内の内圧がまだ高いときでさえ、既に前もって容易に作動されることが可能である。容器の上部空間へのCOの適量配分は、高い内圧が出口開口部の前方でスリーブ58に負荷する限り、なされない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】CO圧縮ガス源を縦断面図で示す。
【符号の説明】
【0047】
10 ハウジング
12 チャンバ
14 CO圧縮ガス源
18 カバー
20 カラー
22 シール
24 回転ノブ
26 雄ねじ
34 穴を開ける針
36 ダイアフラム
40 スライダ
42 位置決め延長部
46 突条
48 圧縮ばね
50 延長部
52 タペット
58 Oリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が充填されかつ圧密に閉鎖することができ、液体を取り出すことができる容器であって、この容器の開口部にシール状態で取り付けられることができるインサートを具備し、このインサートは、CO高圧カートリッジ(14)と、COをこのCO高圧カートリッジから放出するための圧力調整弁と、外側から操作可能な制御部材とを有し、この制御部材を作動させることにより、前記CO高圧カートリッジ(14)に穴を開けることができる容器において、
前記制御部材は、一度の作動の後に、自動的にロック可能であり、再度作動しないようにブロック可能であることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記制御部材は、軸方向に案内されるスライダ(40)と協働して、前記CO高圧カートリッジ(14)に穴を開けるための穴を開ける針(34)を駆動する回転ノブであり、この回転ノブ(24)は、前記スライダ(40)によってブロック可能であることを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記回転ノブ(24)は、螺旋状に回転して、前記スライダ(40)の方へ前進し、その結果、この回転ノブ(24)の回転によって、前記スライダ(40)は、軸方向に移動可能であること、前記穴を開ける針(34)は、前記スライダ(40)によって、軸方向に連行可能であること、および前記CO高圧カートリッジ(14)に穴を開けるために所定の回転角度を上回った後に、前記スライダ(40)は、前記回転ノブ(24)に軸方向に勢いよく戻り、係止し、前記回転ノブ(24)をブロックするために適切であることを特徴とする請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記穴を開ける針(34)は、構造的に、前記圧力調整弁の弁部材と結合されており、この弁部材は、前記圧力調整弁の弁座とのシール位置と通過位置との間で軸方向に移動可能であること、および前記スライダ(40)は、前記穴を開ける針(34)によって作動されて、戻ることを特徴とする請求項2または3に記載の容器。
【請求項5】
前記スライダ(40)は、前記CO高圧カートリッジ(14)に穴を開ける際に、一方の端面が、前記穴を開ける針(34)の端面と向かい合うように、同一平面で接触していることを特徴とする請求項4に記載の容器。
【請求項6】
前記穴を開ける針(34)は、穴開けの直前で、前記圧力調整弁の前記弁座の直ぐ後方でシール位置をとることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1に記載の容器。
【請求項7】
前記容器は、密にシールされたチャンバ(12)を有し、このチャンバ内で、前記CO高圧カートリッジ(14)のヘッドは、前記開口部の所で、プレスばめを有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1に記載の容器。
【請求項8】
前記CO高圧カートリッジ(14)は、小径のネックの周囲に亘って、前記チャンバ(12)の壁部に対しシールされていることを特徴とする請求項7に記載の容器。
【請求項9】
前記インサートは、前記容器の上方の開口部中を占めることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1に記載の容器。
【請求項10】
前記開口部は、前記容器に液体を充填するときに通過する注ぎ口であること、および前記インサートは注ぎ口閉鎖手段として機能することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1に記載の容器。
【請求項11】
前記インサートには、放出されるCOによって膨張される圧力袋が接続されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1に記載の容器。
【請求項12】
前記容器は、下方に、出口コックを有することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1に記載の容器。
【請求項13】
前記容器は、上方に、栓を有し、この栓へは、前記容器の底部まで達している上昇管が延びていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1に記載の容器。
【請求項14】
ホース接続部を有する出口コックが、前記栓の外側に設けられていることを特徴とする請求項13に記載の容器。

【図1】
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【公表番号】特表2008−545932(P2008−545932A)
【公表日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513995(P2008−513995)
【出願日】平成18年5月27日(2006.5.27)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005090
【国際公開番号】WO2006/128654
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(507087247)
【出願人】(507087258)
【Fターム(参考)】