説明

COFテープ

【課題】打抜き型で打抜く領域を変更するだけで、長さの異なるチップオンフィルムや、端子数の異なるチップオンフィルムが得られるように改良したCOFテープを提供する。
【解決手段】テープ基材1に多数のICチップ2を一定間隔をあけて搭載し、各ICチップ2の前側と後側に入力端子列と出力端子列40を形成して導電パターン5で配線することにより、チップオンフィルムの構成単位Aが前後方向に連続して形成されたCOFテープにおいて、上記入力端子列を横二列の入力端子列31,32に形成する。双方の入力端子列31,32の端子数を異ならせるのがよい。打抜き領域に横二列の入力端子列30,31を含めるか、ICチップ2に近い方の入力端子列31だけを含めるかによって、長さと入力端子数の異なるチップオンフィルムを得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はCOF(チップオンフィルム)テープに関し、特に、チップオンフィルムの構成単位を打抜き型で打ち抜く領域を変更するだけで、長さの異なるチップオンフィルムや、端子数の異なるチップオンフィルムが得られるように改良したCOFテープに関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、液晶テレビの液晶パネル(液晶セル)とX側及びY側の配線基板は、ソースドライバICチップやゲートドライバICチップを搭載したチップオンフィルムで接続されている。かかるチップオンフィルムは、テープ基材に多数のICチップを一定間隔をあけて搭載すると共に、各ICチップの前側と後側に入力端子列と出力端子列を形成して導電パターンで配線することにより、チップオンフィルムの構成単位が前後方向に連続して形成されたCOFテープから、打抜き型で構成単位ごとに打抜いて得られるものである。
【0003】
尚、チップオンフィルムに関連する先行技術としては、配線パターンを屈曲点で段階的に縮幅したもの(特許文献1)や、直接の関係はないけれども、補強シートの舌部分と本体部分との境界線に沿ってカットラインを設けたフレキシブル配線基板(特許文献2)や、基板に対してCOF実装部品を正確に位置合わせできるようにした液晶表示装置(特許文献3)などが見られる。
【特許文献1】特開2006−100664号公報
【特許文献2】特開2005−277111号公報
【特許文献3】特開2007−123344号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、液晶テレビの設計コンセプト変更などによって、例えば液晶パネルの電極とX側及びY側の配線基板の電極との距離が変わると、それに応じてチップオンフィルムも長さ(前後方向の長さ)の異なるものに変更する必要があり、また、ビット数の異なる液晶テレビに対しては、端子数の異なるチップオンフィルムを使用することが必要になる。そのような場合、従来のチップオンフィルムは、長さも端子数も変更できないので、新たに設計して、対応したチップオンフィルムの構成単位が連続するCOFテープを造り直し、これを打抜いて得られる新たなチップオンフィルムを使用しなければならなかった。けれども、新たに設計してCOFテープを造るには、かなりの時間と多額の費用を要するため、これが短納期及びコスト削減を妨げる大きな原因となっていた。
【0005】
本発明は上記事情の下になされたもので、その解決しようとする課題は、打抜き型で打ち抜く領域を変更するだけで、長さの異なるチップオンフィルムや、端子数の異なるチップオンフィルムが得られるように改良したCOFテープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係るCOFテープは、テープ基材に多数のICチップを一定間隔をあけて搭載し、各ICチップの前側と後側に入力端子列と出力端子列を形成して導電パターンで配線することにより、チップオンフィルムの構成単位が前後方向に連続して形成されたCOFテープにおいて、上記入力端子列が横二列に形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
本発明のCOFテープにおいては、横二列に形成された双方の入力端子列の端子数が異なっているのがよく、特に、横二列に形成された入力端子列のうち、ICチップに近い方の入力端子列の端子数が、ICチップから遠い方の入力端子列の端子数よりも多いことが好ましい。
【0008】
更に、本発明のCOFテープにおいては、出力端子列も横二列に形成されていることが好ましく、このように横二列に形成された出力端子列のうち、ICチップに近い方の出力端子列の端子数が、ICチップから遠い方の出力端子列の端子数よりも多いことが一層好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明のCOFテープのように、チップオンフィルムの構成単位において入力端子列が横二列に形成されていると、この横二列の入力端子列とICチップと出力端子列が打抜き領域に含まれるように打抜けば、長さ(前後方向の長さ)が大きいチップオンフィルムを得ることができ、横二列の入力端子列のうちICチップに近い方の入力端子列とICチップと出力端子列が打抜き領域に含まれるように打抜けば、同じ入力端子列を持った長さが短いチップオンフィルムを得ることができる。従って、液晶パネルの電極とX側及びY側の配線基板の電極との距離が変わっても、上記の長さが異なるいずれか一方のチップオンフィルムを選択使用して対処することが可能となる。このように打抜き型を変更して打抜き領域を変更する場合は、打抜き型の変更が簡単かつ安価であるため、従来のように新たに設計してCOFテープを造り直す場合に比べて対応が遥かに容易であり、短納期及びコスト削減を達成することができる。
【0010】
また、本発明のCOFテープにおいて、横二列に形成された双方の入力端子列の端子数が異なっているものは、上記のように、横二列の双方の入力端子列が打抜き領域に含まれるように打抜けば、ICチップから遠い方の入力端子列の端子数を有するチップオンフィルムを得ることができ、横二列の入力端子列のうちICチップに近い方の入力端子列のみが打抜き領域に含まれるよう打抜いて遠い方の入力端子列を排除すれば、ICチップに近い方の入力端子列の端子数を有するチップオンフィルムを得ることができる。従って、液晶テレビにおいてX側及びY側の配線基板の端子数が変わった場合には、上記の入力端子の数が異なるいずれか一方のチップオンフィルムを選択使用して対処することができる。
【0011】
そして、本発明のCOFテープにおいて、横二列に形成された入力端子列のうち、ICチップに近い方の入力端子列の端子数を、ICチップから遠い方の入力端子列の端子数よりも多くしたものは、ICチップに近い方の入力端子列の端子を経由して、ICチップから遠い方の入力端子列の全ての端子に配線することができ、ICチップから遠い方の入力端子列の端子に対して、ICチップから配線用の導電パターンを、近い方の入力端子列の端子相互間を通して設ける必要がなくなるので、配線がし易くなる。もし、ICチップに近い方の入力端子列の端子数の方が遠い方の入力端子列の端子数より少ない場合は、ICチップに近い方の入力端子列の端子を経由して遠い方の入力端子列の一部の端子に配線することはできるけれども、残りの端子に対しては、ICチップから配線用の導電パターンを近い方の入力端子列の端子相互間に通して直接結線する必要があるので、配線が面倒になる。
【0012】
また、本発明のCOFテープにおいて、更に出力端子列も横二列に形成したものや、横二列に形成された出力端子列のうち、ICチップに近い方の出力端子列の端子数を、ICチップから遠い方の出力端子列の端子数よりも多くしたものについても、打抜き型による打抜き領域を変えるだけで、種々の態様のチップオンフィルムを得ることができるが、これについては、後で詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態を詳述する。
【0014】
図1は本発明の最も基本的な一実施形態(最も基本的な実施形態)に係るCOFテープの部分平面図、図2の(a)、(b)は同COFテープを打抜いて得られる2種類のチップオンテープの平面図、図3は同COFテープの部分断面図である。
【0015】
このCOFテープは、図1に示すように、両側端に送り孔が形成された長尺のテープ基材1に多数のICチップ2を一定間隔をあけて搭載すると共に、各ICチップ2の前側と後側に横二列の入力端子列30,31と横一列の出力端子列40を形成して導電パターン5で配線することにより、チップオンフィルムの構成単位Aが前後方向(長さ方向)に連続して形成されたものである。
【0016】
横二列に形成された入力端子列30,31は、いずれも同数の入力端子3aを同一ピッチで横(左右)に並べて形成した同一の端子列であり、出力端子列40は出力端子4aを並べて横一列に形成した端子列である。横二列に形成された入力端子列30,31のうち、ICチップ2から遠い方の入力端子列30の入力端子3aは、配線用の導電パターンでICチップ2と直接結線されてなく、ICチップ2に近い方の入力端子列31の入力端子3aを経由して結線されている。
【0017】
上記テープ基材1はポリイミドなどの電気絶縁性の合成樹脂フィルムからなるもので、図3に示すように、このテープ基材1の上には配線用の上記導電パターン5が形成されており、この導電パターン5にはソースドライバICやゲートドライバICなどの上記ICチップ2が搭載されている。そして、導電パターン5が形成されたテープ基材1の上面は、ICチップ搭載部分を除いて上記と同様の電気絶縁性の合成樹脂被覆フィルム1aで被覆され、導電パターン5に形成された入力端子3aと出力端子4aの部分だけが合成樹脂被覆フィルム1aの開口部から露出している。
【0018】
このCOFテープは、上記のようにチップオンフィルムの構成単位Aにおいて横二列に入力端子列30,31が形成されているため、打抜き型で打ち抜く領域を変更することによって、2種類のチップオンフィルムを得ることができる。
【0019】
即ち、図1において囲み線L1で囲まれる領域、つまり、横二列の入力端子列30,31と、ICチップ2と、横一列の出力端子列40が含まれる構成単位Aの全領域を打抜き型で打抜けば、図2の(a)に示すような前後方向の長さ(図面では上下方向の長さ)が大きいチップオンフィルムCOFを得ることができ、図1において囲み線L2で囲まれる領域、つまり、入力端子列30を除外して、入力端子列31と、ICチップ2と、出力端子40が含まれる領域を、打抜き型を変更して打抜けば、図2の(b)に示すような前後方向の長さが短いチップオンフィルムCOFを得ることができる。
【0020】
従って、チップオンフィルムを介して液晶パネルとX側及びY側のプリント配線基板を接続する場合、液晶パネルの電極とX側及びY側の配線基板の電極との距離が変わっても、上記の長さが異なるいずれか一方のチップオンフィルムCOFを選択使用して対処することが可能となる。このように打抜き型を換えて打抜き領域を変更すると、打抜き型の交換が簡単かつ安価であるため、従来のように新たに設計してCOFテープを造り直す場合に比べて対応が遥かに容易であり、短納期及びコスト削減を達成することができる。
【0021】
図4は本発明の他の実施形態に係るCOFテープの部分平面図、図5の(a)、(b)は同COFテープを打抜いて得られる2種類のチップオンテープの平面図である。
【0022】
図4に示すCOFテープは、各ICチップ2の前側(図では上側)に横二列に形成された入力端子列32,31の入力端子3aの数が異なっており、ICチップ2に近い方の入力端子列31の端子数が、遠い方の入力端子列32の端子数よりも多くなっている。そして、この遠い方の入力端子列32の各端子3aは、導電パターンでICチップ2と直接結線されてなく、ICチップ2に近い方の入力端子列31の入力端子3aを経由して導電パターンで結線されている。
【0023】
このCOFテープの他の構成は、前述した図1のCOFテープと同様であるので、重複する説明は省略する。
【0024】
このCOFテープも、打抜き型で打抜く領域を変更することによって、2種類のチップオンフィルムを得ることができる。即ち、図4において囲み線L1で囲まれる領域、つまり、横二列の入力端子列32,31と、ICチップ2と、横一列の出力端子列40が含まれる構成単位Aの全領域を打抜き型で打抜けば、図5の(a)に示すように、前後方向の長さ(図面では上下方向の長さ)が大きく、且つ、入力端子列32の入力端子3aの数が少ないチップオンフィルムCOFを得ることができる。そして、図4において囲み線L2で囲まれる領域、つまり、入力端子列32を除外して、入力端子列31と、ICチップ2と、出力端子40が含まれる領域を、打抜き型を変更して打抜けば、図5の(b)に示すように、前後方向の長さが短く、且つ、入力端子列32の入力端子3aの数が少ないチップオンフィルムCOFを得ることができる。従って、例えば、液晶テレビにおいてX側及びY側の配線基板の端子数が変わり、液晶セルと配線基板の電極間の距離が変わった場合には、上記のような長さと入力端子の数が異なるチップオンフィルムを選択使用して対処することができる。
【0025】
ところで、本発明のCOFテープにおいては、横二列に形成された入力端子列のうち、ICチップ2に近い方の入力端子列の端子数を、遠い方の入力端子列の端子数より少なくしても勿論よい。しかしながら、その場合は、ICチップに近い方の入力端子列の端子を経由して遠い方の入力端子列の一部の端子には配線することはできるけれども、残りの端子に対しては、ICチップから配線用の導電パターンを近い方の入力端子列の端子相互間に通して直接結線することが必要になり、配線が面倒になるので、上記の図4のCOFテープのように、ICチップ2に近い方の入力端子列31の端子数を、遠い方の入力端子列32の端子数よりも多くすることが好ましい。
【0026】
図6は本発明の更に他の実施形態に係るCOFテープの部分平面図、図7の(a)、(b)、(c)、(d)は同COFテープを打抜いて得られる4種類のチップオンテープの平面図である。
【0027】
このCOFテープは、ICチップ2の前側に横二列の入力端子列32,31を設けて、ICチップ2に近い方の入力端子列31の入力端子3aの数を、遠い方の入力端子列32の入力端子の数よりも多くする一方、ICチップ2の後側に横二列の出力端子列40,41を設けて、双方の出力端子列40,41の出力端子4aの数を同一にしている。そして、ICチップ2から遠い方の入力端子列32の入力端子32には、近い方の入力端子列31の入力端子3aを経由して導電パターン5で配線し、ICチップ2から遠い方の出力端子列40の出力端子4aには、近い方の出力端子列41の入力端子4aを経由して導電パターン5で配線している。このCOFテープの他の構成は、前述した図1のCOFテープと同様であるので、重複する説明は省略する。
【0028】
このCOFテープは、打抜き型で打抜く領域を変更することによって、4種類のチップオンフィルムを得ることができる。即ち、図6において囲み線L1で囲まれる領域、つまり、横二列の入力端子列32,31と、ICチップ2と、横二列の出力端子列40,41が含まれる構成単位Aの全領域を打抜き型で打抜けば、図7の(a)に示すように、前後方向の長さ(図面では上下方向の長さ)が大きくて、入力端子列32の入力端子3aの数が少なく、出力端子列40の出力端子4aの数が多いチップオンフィルムCOFを得ることができる。
【0029】
そして、図6において囲み線L3で囲まれる領域、つまり、横二列の入力端子列31,32と、ICチップ2と、ICチップ2に近い方の出力端子列41が含まれる領域を、打抜き型を変更して打抜けば、図7の(b)に示すように、前後方向の長さが短くて、入力端子列32の入力端子3aの数が少なく、出力端子列41の出力端子4aの数が多いチップオンフィルムCOFを得ることができる。
【0030】
また、図6において囲み線L2で囲まれる領域、つまり、ICチップ2に近い方の入力端子列31と、ICチップ2と、横二列の出力端子列40,41が含まれる領域を、打抜き型を変更して打抜けば、図7の(c)に示すように、前後方向の長さが短くて、入力端子列31の入力端子3aの数が多く、出力端子列40の出力端子4aの数が多いチップオンフィルムCOFを得ることができる。
【0031】
更に、図6において囲み線L4で囲まれる領域、つまり、ICチップ2に近い方の入力端子列31と、ICチップ2と、入力端子2に近い方の出力端子列41が含まれる領域を、打抜き型を変更して打抜けば、図7の(d)に示すように、前後方向の長さが更に短くて、入力端子列31の入力端子3aの数も出力端子列41の出力端子4aの数も多いチップオンフィルムCOFを得ることができる。
【0032】
このCOFテープは、上記のように長さや入力端子の数や出力端子の数が異なる4種類のチップオンフィルムを得ることができるので、液晶テレビにおいてX側及びY側の配線基板の端子数や液晶セルの端子数が変わり、液晶セルと配線基板の電極間の距離が変わった場合に、より適切、多様に対処することができる。
【0033】
図8は本発明の更に他の実施形態に係るCOFテープの部分平面図、図9の(a)、(b)、(c)、(d)は同COFテープを打抜いて得られる4種類のチップオンテープの平面図である。
【0034】
このCOFテープは、ICチップ2の前側に横二列の入力端子列32,31を設けて、ICチップ2に近い方の入力端子列31の入力端子3aの数を、遠い方の入力端子列32の入力端子の数よりも多くすると共に、ICチップ2の後側に横二列の出力端子列41,42を設けて、ICチップ2に近い方の出力端子列41の出力端子4aの数を、遠い方の出力端子列42の出力端子4aの数よりも多くしている。そして、ICチップ2から遠い方の入力端子列32の入力端子32には、近い方の入力端子列31の入力端子3aを経由して導電パターン5で配線し、ICチップ2から遠い方の出力端子列42の出力端子4aには、近い方の出力端子列41の入力端子4aを経由して導電パターン5で配線している。このCOFテープの他の構成は、前述した図1のCOFテープと同様であるので、重複する説明は省略する。
【0035】
このCOFテープは、打抜き型で打抜く領域を変更することによって、4種類のチップオンフィルムを得ることができる。即ち、図8において囲み線L1で囲まれる領域、つまり、横二列の入力端子列32,31と、ICチップ2と、横二列の出力端子列41,42が含まれる構成単位Aの全領域を打抜き型で打抜けば、図9の(a)に示すように、前後方向の長さ(図面では上下方向の長さ)が大きくて、入力端子列32の入力端子3aの数と出力端子列42の出力端子4aの数が少ないチップオンフィルムCOFを得ることができる。
【0036】
そして、図8において囲み線L3で囲まれる領域、つまり、横二列の入力端子列31,32と、ICチップ2と、ICチップ2に近い方の出力端子列41が含まれる領域を、打抜き型を変更して打抜けば、図9の(b)に示すように、前後方向の長さが短くて、入力端子列32の入力端子3aの数が少なく、出力端子列41の出力端子4aの数が多いチップオンフィルムCOFを得ることができる。
【0037】
また、図8において囲み線L2で囲まれる領域、つまり、ICチップ2に近い方の入力端子列31と、ICチップ2と、横二列の出力端子列41,42が含まれる領域を、打抜き型を変更して打抜けば、図9の(c)に示すように、前後方向の長さが短くて、入力端子列31の入力端子3aの数が多く、出力端子列42の出力端子4aの数が少ないチップオンフィルムCOFを得ることができる。
【0038】
更に、図8において囲み線L4で囲まれる領域、つまり、ICチップ2に近い方の入力端子列31と、ICチップ2と、入力端子2に近い方の出力端子列41が含まれる領域を、打抜き型を変更して打抜けば、図9の(d)に示すように、前後方向の長さが更に短く、入力端子列31の入力端子3aの数も出力端子列41の出力端子4aの数も多いチップオンフィルムCOFを得ることができる。
【0039】
このCOFテープも、上記のように長さや入力端子の数や出力端子の数が異なる4種類のチップオンフィルムを得ることができるので、液晶テレビにおいてX側及びY側の配線基板の端子数や液晶セルの端子数が変わり、液晶セルと配線基板の電極間の距離が変わった場合に、より適切、多様に対処することができる。
【0040】
尚、図6,図8に示すCOFテープにおいて、ICチップ2に近い方の入力端子列31の端子数を、遠い方の入力端子列32の端子数よりも少なくしたり、図8に示すCOFテープにおいて、ICチップ2に近い方の出力端子列41の端子数を、遠い方の出力端子列42の端子数より少なくしても勿論よい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態(最も基本的な実施形態)に係るCOFテープの部分平面図である。
【図2】(a)、(b)は同COFテープを打抜いて得られる2種類のチップオンテープの平面図である。
【図3】同COFテープの部分断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係るCOFテープの部分平面図である。
【図5】(a)、(b)は同COFテープを打抜いて得られる2種類のチップオンテープの平面図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態に係るCOFテープの部分平面図である。
【図7】(a)、(b)、(c)、(d)は同COFテープを打抜いて得られる4種類のチップオンテープの平面図である。
【図8】本発明の更に他の実施形態に係るCOFテープの部分平面図である。
【図9】(a)、(b)、(c)、(d)は同COFテープを打抜いて得られる4種類のチップオンテープの平面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 テープ基材
1a 合成樹脂被覆フィルム
2 ICチップ
3a 入力端子
30,31,32 入力端子列
4a 出力端子
40,41,42 出力端子列
5 導電パターン
A チップオンフィルムの構成単位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープ基材に多数のICチップを一定間隔をあけて搭載し、各ICチップの前側と後側に入力端子列と出力端子列を形成して導電パターンで配線することにより、チップオンフィルムの構成単位が前後方向に連続して形成されたCOFテープにおいて、上記入力端子列が横二列に形成されていることを特徴とするCOFテープ。
【請求項2】
横二列に形成された双方の入力端子列の端子数が異なっていることを特徴とする請求項1に記載のCOFテープ。
【請求項3】
横二列に形成された入力端子列のうち、ICチップに近い方の入力端子列の端子数が、ICチップから遠い方の入力端子列の端子数よりも多いことを特徴とする請求項2に記載のCOFテープ。
【請求項4】
更に出力端子列も横二列に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のCOFテープ。
【請求項5】
横二列に形成された出力端子列のうち、ICチップに近い方の出力端子列の端子数が、ICチップから遠い方の出力端子列の端子数よりも多いことを特徴とする請求項4に記載のCOFテープ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−289844(P2009−289844A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−138864(P2008−138864)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】