説明

DCマグネトロンスパッタリングシステムの設計および使用

コア材料および表面材料を含むフィールド増加型スパッタリングターゲットを開示し、コア材料または表面材料のうちの少なくとも1つがフィールド増加設計プロファイルを有し、スパッタリングターゲットは実質的に均一の浸食プロファイルを有する。フィールド増加型スパッタリングターゲットおよび陽極シールドを含むターゲットアセンブリ・システムをまた開示する。加えて、スパッタリングターゲット上で実質的に均一の浸食を生成する方法を記載し、それは陽極シールドを提供し、陰極のフィールド増加型ターゲットを提供し、プラズマ点火アークを始めることを含み、アークは陽極シールドおよび陰極フィールド増加型ターゲットとの間で最少の抵抗のポイントに配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年4月21日に出願された米国の仮出願番号第61/046727号に対して優先権を主張する特許協力条約にかかる出願であり、リファレンスとしてその全体をここに組み入れる。
【0002】
内容の分野は、そして、ターゲット、粒子キャッチ-リングおよびこれらのシステムの粒子生成の低減を含むDCマグネトロンスパッタリングシステムの使用、ならびに、設計である。
【背景技術】
【0003】
電子および半導体構成要素が、消費者、そして、商用電子製品、通信製品およびデータ交換製品の絶えず増大する数において使われる。これらの消費者および商品の例は、テレビ、コンピュータ、携帯電話、ポケベル、パームタイプまたはハンドヘルドオーガナイザー、携帯ラジオ、カーステレオまたは遠隔制御装置である。これらの消費者向けおよび商業的な電子機器の需要が増加するにつれて、消費者および企業のためのそれらの同じ製品は、より小さくなり、よりポータブルになる。
【0004】
これらの製品のサイズ縮小の結果、製品から成る構成要素は、また、より小さくおよび/またはより薄くならなければならない。大きさにおいて、減少するかまたは縮小されることを必要とするいくつかのそれらの構成要素の例は、マイクロエレクトロニクスのチップ相互接続、半導体チップ構成要素、レジスタ、コンデンサ、プリント配線または配線ボード、配線、キーボード、タッチパッドおよびチップ包装である。
【0005】
電子および半導体構成要素の大きさが、減少するかまたは縮小されるときに、より大きいコンポーネントに存在するいかなる欠陥も縮小されたコンポーネントで誇張される。このように、あるかまたはより大きいコンポーネントに存在することがありえた欠陥は識別されなければならず、可能ならば、修正されなければならず、その後に、構成要素はより小さい電子製品のために縮小される。
【0006】
電子回路、半導体および通信構成要素の欠陥を識別して、修正するために、構成要素、使用する材料およびそれらの構成要素を作るための製造プロセスは、壊され、分析されなければならない。電子、半導体および通信/データ-交換構成要素は、場合によっては、材料(例えば金属、金属合金、セラミック、無機材料、重合体または有機金属化合物材料)の層から成る。材料の層は、しばしば薄い(厚みが数十より少ないオングストロームオーダー)。
【0007】
材料の層の品質を改良するために、金属または他の合成物の物理的気層成長のような層を形成する方法は、評価されなければならず、可能ならば、修正され、改善されられなければならない。材料の層を堆積させる方法を改善するために、表層および/または材料組成が測定され、定量化され、欠陥(defects or imperfections)が検出される。一つの層または材料の複数の層の堆積の場合、モニタされるべき材料の実際の層ではないが、表面または他の表面上の材料の層を生産するために用いられているその材料の表面である。例えば、その金属から成るターゲットをスパッタすることによって、表層または基板上へ金属の層を堆積させるとき、ターゲットから解放され、偏向した原子および粒子は、平らで均一の堆積を可能にする基板または他面へのパスを移動しなければならない。ターゲットからの解放および/または偏向の後、自然で予想される経路を進行している原子および粒子は、表層または基板にトレンチおよびホールを含む基板または表層に不規則に堆積される。所定の表層および基板に関して、より同一の堆積、コーティングおよび/または表層または基板上の薄膜を達成するために、ターゲットを残すことは、原子および粒子をリダイレクトするのに必要である。
【0008】
DCマグネトロン・スパッタリング・システムでは、堆積は陽極シールドと陰極ターゲットとの間で電気的アーキングにより起動するプラズマ点火で開始される。粒子は、アーキングの間、常に発生し、マイクロエレクトロニクスのチップ製作の歩留まり低下に関する原因となる欠陥の主な出所になる。ストライキ・アーク誘導粒子は、ショットガン・ペレットの様に、高速度で放出され、シールドとターゲット側壁間のギャップによって、導かれる。これらの粒子によって、ウェハ表面上のランドだけでなく、それらの影響もまた、ウェハ上のシビアなプラウイングおよびチッピングを生じ、ウェハの上面、生成追加的な粒子、特にシリコンおよび酸素の外縁部が主に続けて粒子を含む。いくつかの小さい空気電送の粒子は、ターゲットに衝撃を与え、取り囲む表面が追加的なアークサイトになり、更に否定的な歩留まりに影響を与える。このため、コーティング、薄膜、若しくは、表層および/または基板上の堆積の均一性を最大にする成長装置およびスパッタリング・チャンバ・システムを開発して、利用することは、望ましい。
【0009】
フィールドで働いている他の人は、(1)ターゲット側壁の底の角領域周辺で過剰なアークのマークと、(2)Oリングの外側のバッキングプレート上のラビングマーク(rubbing marks)を観察した。それらは、(アークサイトをリダイレクトしないために)アークサイトを削除し、バッキングプレートがセラミック・リングをこするのを防止するように、これらの問題を機械加工した。この修正は、偶発的に粒子減少のいくらかの改良につながる。しかし、修正された設計にもいくらかの欠点がある、それは以下を包含する:a)設計概念がアーキング物理学に基づかないので、設計最適化が理解されず、b)傾斜するターゲット側壁がストライキ-アーク誘導された粒子のための反射する平面として、ウェハの方へ粒子の中で少しリダイレクトすることを行い、c)ターゲット端が端の下のプラズマ密度のための中心および伝導性の媒体より急速に冷えるのはそのように原子のスパッタ堆積を行なう棚がバッキングプレートを機械加工することによって、導かれるにもかかわらず、瘤塊を形成し、引き起こしている端に、容易に凝縮し、d)非効率的なストライキ-アーク・サイト(すなわち、より少ない鋭い、下の電位場)のポジティブスロープの結果、そして、ポジティブスロープの段階的な変更およびいくぶん浅い溝深さがアーキングの間で十分に定義済みでない境界を作り、およびe)非アーキング領域だからである。
【0010】
DCマグネトロンスパッタリングシステムでは、十分に浸食していないレーストラック上の絶縁層の増強および以降にアーキングにおいて、方法エンジニアおよびターゲット製造業者のための重要な問題が、この種の層上にあった。よく浸食し且つ十分に浸食していない「レーストラック(race tracks)」は、磁石構成の特性のために発現する。十分に浸食していないレーストラックでは、絶縁層が、ターゲット使用(すなわち、Al、TaおよびTiターゲットのための酸化物または窒化物薄膜)によって、ゆっくり堆積する。結局、誘電層上の充電蓄積は、アーキングおよび粒子生成に至る。アークをなす傾向は、誘電層の増強を原因として生じるのでターゲット使用によって、増加する。過去において、(本願明細書において完全に組み込まれる2005年6月13日に出願の米出願番号第11/150922号にて開示したように)選択的な場所に、プラズマ点火サイトを取り付けることによって、照準線から最堆積(redepostion)を最小化し、ベベルエッジを導入することによって、solutionizationを通して自由なターゲットを引き起こすいくつかの試みがベントスロット(vent slot)設計を修正し、高度の変形によるアーキングいる効果を最小化する。また過去おいて、浸食トラックのターゲットの厚みを増やすことによって、ターゲットの寿命を増やすことが試みられた。しかし、この種の設計は、むらのあるプラズマ分布および薄膜均一性(Praxair MRCs RE-AIターゲット)の最適化の頻繁なT/S間隔要求を生じさせる。溝が彫られたバッキングプレートを使用した他の延命方法は、(本願明細書に完全に組み込まれる2007年1月22日に出願の米出願番号第11/656705号にて開示したように)渦電流の影響を最小化した。
【0011】
ストライキ-アーク誘導された粒子の影響が、産業コミュニティにおいて、よく認識されていなかったけれども、実験証拠は、ターゲットおよびシステム汚染の主な原因がストライキ-アークであることを示し、それはプラズマ点火にとって重要である。新規で効果的な設計は、表層の幾何学制御を経たターゲット表面上の電界のプロファイルを調整する必要があり、そうすると、プラズマは端および非浸食トラック周辺で強化され、誘電増強の低減、粒子生成の低減、ターゲット寿命の増加、および、薄膜均一性の改良を結果として生じる。
【0012】
従来のターゲット設計およびInfineonおよびAMAT変更態様をレビューした後、粒子を減らすように、追加的でより戦略的な変更態様として、ターゲットになされなければならないことは明確である。修正されたターゲットは、a)設計最適化が理解されるように、電界、あるケースでは磁界での物理学に基づいて設計されなければならず、b)ウェハの方へいくつかの粒子をリダイレクトしているストライキ-アーク誘導された粒子のための反射する平面として単に作用するものではない修正されたターゲット側壁を有するべきであり、c)センターと類似のクーリングパターンを備えたターゲット端を有すべきであり、スパッタ原子は瘤塊形成を生じる端に容易に凝集せず、d)いかなる修正も、ストライキ-アーク・サイト(すなわち、よりシャープで、少ない電界)を生じさせるべきであり、並びにe)修正は、アーキングと非アーキング領域との間に境界を画定する結果を生ずる必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
フィールド増加型スパッタリングターゲットを開示し、それは、コア材料と表面材料を含み、コア材料または表面材料のうちの少なくとも1つが、フィールド増加設計プロファイルを有し、スパッタリングターゲットは実質的に均一の浸食プロファイルから成る。
【0014】
フィールド増加型スパッタリングターゲットおよび陽極シールドを含むターゲットアセンブリ・システムをまた開示する。
加えて、スパッタリングターゲット上に実質的に均一の浸食を生成する方法を記載し、それは、陽極シールドを提供すること;陰極フィールド強化ターゲットを提供すること、プラズマ点火アークを開始することを含み、それにより、アークは、陽極シールドと陰極フィールド増加ターゲットとの間の最も抵抗が小さいポイントに配置される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】従来技術の図1は、従来の陰極ターゲット100/陽極シールド110の配置を示す。
【図2】図2では、実際の侵食された従来のターゲット220と一緒に、浸食プロファイル210を示す。
【図3】図3は、非浸食「レーストラック」上の絶縁層増強の効果を示す。
【図4】図4は、熟考されたターゲットデザインと比較して従来のターゲットデザインを示す。
【図5】図5は、熟考されたターゲットデザインと比較して従来のターゲットデザインを示す。
【図6】図6は、熟考されたターゲットデザインと比較して従来のターゲットデザインを示す。
【図7】図7は、熟考されたターゲットデザインと比較して、従来のターゲットデザインを示す。
【図8】図8は、半球および円の両方に関する電界概念を示す。
【図9】図9は、典型的ターゲット910の浸食プロファイル920を示す。
【図10】図10は、電界増加型チタンターゲット1000の予期された浸食プロファイル1020を示し、浸食と低侵食ピークとの両者はオリジナル表面の同じレベルに保たれる。
【図11】図11は、電界増加型アルミニウムターゲット1140と従来のアルミニウムターゲット1100との比較を示し、従来のターゲット1100の浸食プロファイル1110が、電界増加型ターゲット表面1130と比較するように電界増加型ターゲット1140に示される。
【図12】図12は、同じターゲット1240の別の電界増加型表面デザイン1230を示し、浸食プロファイル1210が参考のために示される。
【図13】図13は、35μmグレイン・アルミニウムターゲットに関するターゲット寿命に対する浸食プロファイルを示す。
【図14】図14は、従来技術図1から従来のシステムを示し、粒子キャッチ・リングは、陽極シールドと結合し、取り囲んで配置される。
【図15A】図15Aは、TiNターゲットを備えたストライク・アーク誘導粒子の影響を示す。
【図15B】図15Bは、TiNターゲットを備えたストライク・アーク誘導粒子の影響を示す。
【図15C】図15Cは、TiNターゲットを備えたストライク・アーク誘導粒子の影響を示す。
【図15D】図15Dは、TiNターゲットを備えたストライク・アーク誘導粒子の影響を示す。
【図16】図16Aは、ウェハ1600上に粒子1610を必然的に生成するアーキングを介して始められるプラズマの結果を示す。図16Bは、ウェハ端1620の近くのストライキ-アーク誘導された粒子1610がキャッチ・リング・システムを組み込むことによって、どのように抑えられるかを示す。
【図17】図17は、従来の設計1700と熟考された設計1710の両方を示す粒子低減のためのスパーク-リングターゲット設計1710の概念を示す。
【図18】図18は、1800より前で、且つ、800より後のkWh(1810)での標準ターゲットに関する典型的な浸食プロファイル1820を示す。
【図19】薄膜均一性を最適化するように設計されている、標準の磁石1910を図19に示す。
【図20】対比として、図20は、新しい電界増加型ターゲット2010の設計と、新しい従来又は標準のターゲット2000を示す。
【図21】図21は、800キロワット時2110の後の、従来又は標準のターゲット2100および電界増加型ターゲットの表面コンター/浸食プロファイルを示す。
【図22】図22Aは、標準のターゲットおよび電界増加型ターゲットに関するターゲット寿命に対するI-V変化を示す。図22Bは、標準のターゲットおよび電界増加型ターゲットに関するターゲット寿命に対するI-V変化を示す。
【図23】図23Aは、標準ターゲットおよび電界増加型ターゲットに対する成長速度を示す。図23Bは、標準ターゲットおよび電界増加型ターゲットに対する成長速度を示す。
【図24】図24Aは、800キロワット時での電界増加型ターゲットと標準ターゲットの両方の寿命に対する、浸食プロファイルを示す。図24Bは、800キロワット時での電界増加型ターゲットと標準ターゲットの両方の寿命に対する、浸食プロファイルを示す。
【図25】図25は、標準および電界増加型ターゲットの800キロワット時での浸食プロファイルの比較を示す。
【図26】図26は、標準および電界増加型ターゲットの800キロワット時での浸食厚さの比較を示す。
【図27】図27は、400キロワット時および800キロワット時での電界増加型アルミニウムターゲットの浸食厚さを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
上述したように、DCマグネトロン・スパッタリング・システムでは、堆積は、陽極のシールドと陰極のターゲットの間で電気的アーキングによってトリガーされたプラズマ点火で始まる。従来技術図1は、従来の陰極ターゲット100/陽極シールド110の配置を示す。ターゲットおよび陽極は、DC電源105に接続している。2つの磁極115から成るこの従来の配置では、高密度プラズマ130は、磁場又は磁束120周辺に形成される。ストライキ領域140もまた、示される。水175は、回転モータ190の助けを借りてシステムに導かれる。本実施形態では、シリコン・ウェハ150は、加熱されたガスライン170の頂部でチャンバ180に配置される。プロセスガス160は、チャンバに加えられ、ポンプ165により供給される。
【0017】
粒子は、アーキングの間、常に生成され、マイクロエレクトロニクス・チップ製造の低減した歩留まりの原因である欠陥の主な出所になる。ストライキ・アーク誘導粒子および/またはプラズマ点火粒子は、シールドとターゲット側壁との間のギャップによって案内され、ショットガンペレットのように高速で放出される。ウェハ表面上のランドだけでなくこれらの粒子の影響によって、ウェハ上のシビアなプラウイングおよびチッピングを生じ、それはウェハの頂部表面の外側端で際立ち、特にシリコンと酸素を包含する追加の粒子を生成する。いくつかの小さい空気電送粒子は、ターゲットに突っ込み、周囲の表面は、追加のアークサイトになり、更に、歩留まり管理にネガティブな影響を与える。加えて、従来のターゲット表面は、使用中、非均一の仕方で定期的に浸食され、劣化した堆積層に至る。
【0018】
従来の調査は、ベントスロット(vent slot)設計を修正することによって、アーキング効果を最小化することに集中し、この方法は、ターゲット面の均一な侵食、ターゲットの長寿命化、および、より均一な成長を提供しながら、より激しいアーキングのトリガーとなるガスの乱れの影響の軽減事由におけるいくつかの成功の歩留まりを有する。これらの欠陥を管理するために、成長装置およびスパッタリング・チャンバ・システムは、コーティング、薄膜、若しくは、表面および/または基板上の堆積の均一性を最大にするように開発された。より具体的には、装置および関連する方法は、より詳細に、ガス乱流効果について驚くほど開発された。本願明細書において記載された修正されたターゲットは、a)電界の物理に基づいて設計され、設計の最適化が実現され、いくつかのケースでは、磁界効果の影響が考慮され、b)ウェハの方に向かういくつかの粒子をリダイレクトするストライクアーク誘導粒子に関する反射面として単に作用しない修正されたターゲット側壁を有し、c)中心と同様にクーリングパターンを備えたターゲット端を有し、スパッタ原子は瘤塊形成を生じさせる端に容易凝集せず、d)効果的なストライク・アーク・サイト(すなわち、よりシャープでなく、低電界)を生じさせ、アーキングと非アーキング領域との間に画定された境界を生じさせる。
【0019】
従来のターゲットでは、ターゲットの浸食プロファイルは、DCマグネトロン・スパッタリング・システムの磁石構成で主に測定される。磁石もまた、I-V特性、成長速度、薄膜均一性およびターゲット寿命に影響を及ぼす。熟考された「電界増加型(field-enhanced)」ターゲットでは、ターゲット表面上の電界、並びに、ある実施形態では磁界は、ターゲットパフォーマンスを向上させるために追加的な制御パラメータとして使われる。ターゲット製造業者のために、このパラメータは、ターゲットパフォーマンスを制御する際の非常に強力なツールである。その結果は、ターゲットの浸食プロファイルおよび薄膜均一性が、表層のコンターまたはターゲットの電界を仕立てることによる所望の方法で制御されることができることを示す。コア材料および表面材料を含む電界増加型スパッタリングターゲットを開示し、コア材料または表面材料の少なくとも1つが、フィールド増加設計プロファイルを有し、スパッタリングターゲットは、実質的に均一の浸食プロファイルから成る。
【0020】
電界増加型スパッタリングターゲットおよび陽極シールドを含むターゲットアセンブリ・システムがまた、開示される。加えて、スパッタリングターゲット上の実質的に均一の浸食を生成する方法が記載され、それは、陽極シールドを提供し、陰極の電界増加型ターゲットを提供し、プラズマ点火アークを開始することを含み、アークが、陽極シールドと陰極電界増加型ターゲットとの間で最少の抵抗のポイントに配置される。ここで使用しているように、フレーズ「フィールド増加設計プロファイル(field strength design profile)」は、使用中、フィールド増加効果を考慮して設計された戦略的なターゲット修正を意味し、例えば、電界増加効果、磁場増加効果、それらの組み合わせなどである。ここで使用しているように、「均一な浸食プロファイル(uniform erosion profile)」は、ここで言及された戦略的なターゲット修正に基づいて均一な仕方での使用中、熟考されたスパッタリングターゲットが侵食することを意味する。
【0021】
本願明細書に開示されるターゲット設計は、図2に示すそれらのように、表層の幾何学に手をいれることにより、ターゲット表面上の十分に浸食していないレーストラックの電界強度を増加し、それにより、それは端のまわり及び十分に浸食していないトラックのスパッタリング効率を増加し、大きな誘電粒子に等しい絶縁層および瘤塊形成の増強を予防し、ターゲット寿命を延長して、薄膜均一性を改良する。図2では、実際に侵食された従来のターゲット220と一緒に、浸食プロファイル210を示す。このターゲット220に、トラック230、非浸食または十分に浸食していないトラック240および瘤塊、並びに、非侵食端トラック260上に形成される絶縁層がある。それで、例えば、TTNプロセス中、十分でない伝導窒化物薄膜は、十分に浸食していない「レーストラック(race tracks)」または「トラック(tracks)」に沿って堆積し、チャージが蓄積し、増加する場の強さに結果としてなり、特にターゲット寿命の後半の段階で、アーキングを生じる。
【0022】
図3は、非浸食「レーストラック」上の絶縁層増強の効果を示す。粒子カウントが、ターゲット使用によって、線形に増加するとわかった。加えて、シールド変化の後、粒子数は連続的に増加し、粒子の起源が(シールドでなく)ターゲットであったことを示唆した。添付のマップ310に示すように、粒子がウェハのエッジ周辺で円形に分布することが見出され、非浸食レーストラック上の絶縁層の増強、および、おそらくターゲット側壁のまわりの凝集がたぶん粒子の原因であることを示唆した。
【0023】
熟考された設計変更態様は、電界強度が湾曲および/または急激な湾曲を有する領域で周囲の平坦な領域より強く、プラズマ誘引が電界強度の増加と共に増える原理に基づく。最も重要な問題領域は、プラズマ密度および浸食率が低いターゲットの端および非浸食のレーストラックである。新規な設計では、ターゲット端および十分に浸食していないレーストラックは、隣接した領域より顕著であるか又はより急激な湾曲を有するためになされ、そうすると、電界強度およびプラズマ密度は、かかる領域で増加され、低減した粒子生成、延びたターゲット寿命、並びに、改善された薄膜均一性に結果としてなる。
【0024】
図4乃至7は、オリジナルターゲット(それぞれ、410、510、610および、710)設計が、修正されたターゲット(それぞれ、420、520、620、720)を生産するために定まった原理により修正された、熟考されたいくつかの設計を示す。新規の設計の熟考した利点は、以下のものを含む:a)より鋭く、より際立ったチップを包含する、より鋭く(しかしテーパーがついた)レセス(1~2 mm)を備え隆起したチップ(それぞれ430, 530, 630 ,730)であって、より高い電界が、より多くのプラズマ(より多くのスパッタリング)をひきつけ、かくして、瘤塊凝集を防止し、シールドから間隔を隔てた広いレセス位置がここでストライクアークを防止すること;b)許されるのと同程度多くである、レセス側壁溝(それぞれ440, 540, 640および740)であって、レセス溝は、冷却を遅くさせ(凝集を小さくさせ)、アーク誘導粒子をトラップし、(可能であれば窒化物B-blastと一緒に)凝集瘤塊を保持し、レセス溝がここでアーキングを防止し、かくして、凝集された粒子に関するノックオフ(knock-off)確率を低減させること、並びに、c)溝が掘られたバッキングプレートまたは「BP」フランジ(それぞれ550, 650、655)であって、レセスフランジ表面が非線形のサイト領域に発生するようにストライクアークを付勢すること、を含む。設計は、隣接した平坦な領域上よりも幾何学的な突出の方が電界強度が大きい
という概念に基づく。
【0025】
熟考された実施形態では、上述した利点を組み込む、場の強さの設計プロファイルは、少なくとも一つの湾曲特性から成る。ある実施形態では、熟考されたターゲットは、ターゲット端の少なくとも一つの湾曲特性から成る。この文書の全体にわたって言及されるように、従来のターゲットは使用中、それ自身を表す少なくとも一つの高い浸食域から成る。熟考された実施形態では、少なくとも一つの湾曲特性は、スパッタリングターゲットの最初の使用の前に、少なくとも一つの高い浸食域に適用される。ある熟考された実施形態では、少なくとも一つの湾曲特性は、使用中、発達する周知で熟考された侵食プロファイルに基づいて戦略的なターゲット表面変更を備える。熟考されたある実施形態では、修正されたターゲットは、標準または従来のターゲットより少ないコアおよび表面材料から成る。熟考されたある実施形態では、修正されたターゲットは、標準または従来のターゲットより少なくとも約5%少ないコアおよび表面材料から成る。他の熟考された実施形態では、修正されたターゲットは、標準または従来のターゲットより少なくとも約10%少ないコア及び表面の材料から成る。さらに別の熟考された実施形態では、修正されたターゲットは、標準または従来のターゲットより少なくとも約15%少ないコア及び表面の材料から成る。
【0026】
これらの熟考された設計変更態様およびそれらの成功の陰に隠れた理論を理解するために、半球および円の両方に関する電界の計算をチェックすべきである。半球810の電荷830は、平らな表面820の電荷840の2倍であり(電界(半球)/電界(円))=(1/2(4Πr/Πr)= 2)、ここで、「r」は半径である。それで、平らな表面の電位が400Vである場合、半球の電位は約800Vであるだろう。視覚的に、この概念を、図8に示す。
【0027】
図9は、典型的なターゲット910の浸食プロファイル920を示す。図10は、電界増加型チタンターゲット1000の予期された浸食プロファイル1020を示し、浸食および低浸食している両方のピークはオリジナルの表層と同じレベルに保たれる。浸食ピークは、電界増加型ターゲット表面1030で示すように、スパッタリングされるように利用可能な最大の材料を保つためにオリジナルの表層レベル1010に維持される。低浸食ピークはまた、電界を増やすためにオリジナルの表層と同じレベルに配置され、それによって、プラズマ引力およびスパッタリングを増大させる。
【0028】
図11は、フィールド増加されたアルミニウムターゲット1140と従来のアルミニウムターゲット1100との比較を示し、従来のアルミニウムターゲット1100の侵食プロファイル1110は、フィールド増加ターゲット表面1130と比較したフィールド増加ターゲット1140に示される。拡張ターゲット寿命が要求される場合、ピークの表面高さは、オリジナルのターゲット表面1120と同じレベルに保たれるかまたは強化できる。
【0029】
図12は、同じターゲット1240の他のフィールド増加表面設計1230を示し、浸食プロファイル1210およびオリジナルターゲット表面1220は参考のために示される。図13は、35μmグレイン・アルミニウムターゲットに関するターゲット寿命に対する浸食プロファイルを示す。最速の浸食溝では、浸食率は湾曲の増加に伴ってまず最初に増加するが、再堆積効果のため、急な溝において、より大きくなるにつれて、失速する。浸食率の強化は、丘陵および谷の両方に関して湾曲(ターゲットリフト)の増加と共に明瞭である。熟考された設計では、ターゲット表面上の電界は、プラズマ分布および浸食プロファイルを改善するために追加的な制御パラメータとして使われる。「フィールド増加」ターゲットでは、速い浸食領域上により多くの材料を有し、十分に浸食していない領域上の電界を強化するために、第1のピークは、速くて十分に浸食していない領域で作られる。
【0030】
ストライキ-アークは、プラズマ点火のための基本的ステップであるが、しかし残念なことに、それは常に大きい粒子を生産し、それはコイルの上に、そして、ウェハのエッジ周辺にランディングすることができ、アーキングおよび核形成サイトになり得る。ある熟考された実施形態では、キャッチ-リングは、アークスタートから放出される粒子によって、それが妨害する粒子発射経路に取り付けられる。この実施形態では、DCマグネトロンスパッタリングシステムは、陽極のシールド、少なくとも一つの側壁を備えた陰極のターゲット、プラズマ点火アーク、および、シールド周辺に配置され結合されたキャッチ-リングを有する。図14は、粒子キャッチ-リングが陽極のシールドの周辺に配置され、それに連結される従来技術図1からの従来のシステムを示す。図14の修正されたシステムは、陰極ターゲット1400/陽極シールド1410の配置を示す。ターゲットおよび陽極は、DC電力供給(図示せず)に接続している。この修正された装置では、キャッチリングまたはコイル1445およびストライキ・アーク領域1447は、不規則な粒子1460および更なる蓄積ビルドアップ1465を制御するのを助けるために陽極1410の周辺に配置され、結合される。従来のシステムのように、水は回転モータの助けを借りてシステムに導かれる。この実施形態では、シリコン・ウェハ1450は、加熱されたガスライン(図示せず)の頂部のチャンバ1480に配置される。プロセスガスは、チャンバに加えられ、ポンプにより供給される。
【0031】
図15A-15Dは、TiNターゲットを有するストライクアーク誘導粒子の影響を示す。SEMイメージは、ストライキ-アーク誘発された欠陥が、ほとんど塊状で、激しく、ウェハ上にシビアなダメージを生じさせることを示す。大部分の欠陥がウェハ端の数mm内に制限されているけれども、高速インパクトはしばしば、ターゲットを汚染する長い飛行軌道粒子を生成する。
【0032】
図16Aは、ウェハ1600上に粒子1610を必然的に生成するアーキングを介して開始されるプラズマの結果を示す。粒子放出発射が、陽極のシールドと陰極ターゲット側壁との間のほぼ1mmのギャップによって案内されるので、ストライキ-アーク誘導された粒子1610は大部分はウェハ周辺部1620の数mm内に制限される。これらの粒子1610は、ターゲットを汚染し、ウェハに欠陥を生じさせる、引き続きのアーキングサイトになる。この周知の粒子放出発射経路の認識において、粒子は、粒子発射経路のシールド周辺にキャッチ-リングを配置することによって、ウェハに達する前に拘束することができ得る。粒子キャッチ-リングは、ターゲットの下の陽極のシールド周辺に配置され、結合される。リングの位置および配置は、放出された粒子をブロックするが、スパッタされた原子を邪魔しないように決定される。キャッチ-リングの幅は、ターゲットの端の突起と約1乃至3mmの重複を許すように設計されている。リングがターゲットから離れて下がるにつれて、リングの幅を増大させることができる。典型的なリング幅は、ターゲットの下の約2cmで約1cmである。ターゲットの端の近くのプラズマ密度が増加するように、この種のアレンジメントもまた陽極フィールドを延長し、その結果、特にTaNおよびTiNのような窒化プロセスで、ターゲットの端周辺での瘤塊形成を減少させる。図16Bは、ウェハ端1620の近くのストライキ-アーク誘導粒子1610が、キャッチ-リング・システムを組み込むことによって、どのように抑えられるかについて示す。この図のウェハ1600に示される粒子は、保守サイクルに達したフレーキングシールドからがほとんどである。チャンバがきれいな場合、非常に少しの粒子があっただろう。
【0033】
他の実施形態では、ウェハ上のマイクロエレクトロニクスの装置へのそれらのダメージを最小化する領域に粒子を差し向けるように、最初のアークは、配置される。これらの実施形態は、2005年6月13日に出願された米国特許シリアル番号第11/150,900号(それは共通にHoneywell International社によって、所有して、参照によって、完全に本願明細書において、組み込まれる)で見いだされたそれらと類似しており、DCマグネトロンスパッタリングシステムは、陽極シールドと、少なくとも一つのレセスを包含する陰極ターゲットと、キャビティまたはそれの組合せ及び少なくとも1つの突出部、並びに、プラズマ点火アークを有し、アークは、陽極シールドと、少なくとも1つのレセス、キャビティまたはそれらの組み合わせ、少なくとも一つの突出またはそれの組合せ少なくとも一つの突出またはそれの組合せとの間で最少の抵抗のポイントに配置される。アーキングサイトの再配置は、ウェハの表面またはスパッタリングシステムのターゲット表面へのアーク誘発粒子放出の到着を抑制させる。
着かせ続ける。ストライキ-アーク誘導粒子放出が、ウェハの照準線にないように、トレンチレセスは、修正され、深くなった。
【0034】
これらの実施形態では、陰極のターゲットは、少なくとも一つのレセス、キャビティまたはそれらの組合せ、および、少なくとも一つの突出、誘導された粒子発射体は、レセスまたはキャビティ内部の最初のアークサイトの位置を決めることにより、若しくは、突出が形成された最初のアークサイトの位置を決めることにより、ウェハ表面から離れて差し向けられる。ある実施形態では、突出はまた、位置できるかまたは突出または孔溝を有するベントスロットを備えた陰極ターゲット上のまたはその中への突出または形成と対応するために陽極シールド上に形成されることができる。これらのDCマグネトロンスパッタリングシステムでは、システムは、少なくとも一つの突出を含む陽極シールドと、少なくとも一つのレセス、キャビティまたはそれの組合せを含む陰極ターゲットと、プラズマ点火アークとを有し、アークが、陽極シールドに結合された少なくとも1つの突出部と、少なくとも1つの突出部、レセス、またはキャビティとの間の最も抵抗が小さいポイントに配置される。実験は、プラズマ点火アークが、最少の抵抗で生じることを示し、典型的には、陰極(ターゲット)と陽極(チャンバシールド)表面との間の最も近い距離である。特定の場所のプラズマ・アークをスタートさせる最も高い電位フィールドのポイントとして、それが電気的突出またはピンを使用するという点で、この概念は点火プラグと類似している。レセス、キャビティまたはそれらの組合せにアークを配置することにより、放出された発射体は、ウェハ表面から離れて差し向けられる。標準のアルミニウムターゲットのようなあるケースでは、単純なピンはターゲット側壁の側に高く配置され、その結果、発射体は照準線をウェハに下げる非常に幅が狭い経路を介して差し向けられる。
【0035】
別の実施形態では、レセスは、ターゲットに作られることが可能であり、ウェハに再び発射する照準線移動を減少させるために、対応するピン(突出)は、ターゲットおよびシールドに置かれることができる。粒子をシールドするエンクロージャにおいてターゲット供給電圧を使用する点火エンクロージャがつくられることができ、その点火エンクロージャがチャンバに配置され得る。他の方法は、ウェハまたはターゲット表面から離れて所望の経路のアーク発射体を導くターゲットに組み込まれるレセスのアークに点火するためにターゲット供給(または外部電圧)を使用することである。
【0036】
本願明細書において記載されている熟考された実施形態では、アークの誘導された粒子発射体は、従来のシステムと比較して、著しく減少でき、陰極ターゲットおよび/または陽極シールドは、キャッチ・リング・システムまたは突出、レセス、キャビティまたはそれらの組合せを含むことにより修正されない。従来技術図1に示されるような従来のシステムは、「参照(reference)」または「制御(control)」は、従来のシステムで生成されるアーク誘発された粒子発射体の数が、修正された他の全てのシステムが測定されるゼロポイントでなければならないことを意味する、と考えられる。本願明細書において記載されている熟考されたシステムでは、アーク誘発された粒子発射体の数は、少なくとも約10%だけ減る。あるシステムでは、アークにより誘発された粒子発射体の数は、少なくとも約25%だけ減る。他の熟考されて記載されているシステムでは、アーク誘発された粒子発射体の数は、少なくとも約50%だけ減る。
【0037】
図17は、粒子減少のためのスパーク-リングターゲット設計1710の概念を示し、従来の設計1700と新規な設計1710の双方を示す。設計概念は、アークの物理学に基き、熟考されたアーキングサイト1720および1725はそれぞれ、狭いギャップと鋭い凹凸を備えたサイトである。新規な設計では、スパーク-リング1730は、ターゲット側壁から離れて配置され、アーク誘発粒子は、溝が彫られた側壁1750および、シールド1740の上に抑えられる。
【0038】
方法は、ガス乱気流効果が緩和されることにより提供され、かかる方法は、陽極シールドを提供すること;少なくとも一つのレセス、キャビティまたはそれらの組合せ、及び、少なくとも1つの突出を備えた陰極ターゲットを提供すること;および、プラズマ点火アークを始めることを含み、それにより、アークは、陽極シールドと、少なくとも一つのレセス、キャビティまたはそれらの組合せ、少なくとも1つの突出部またはそれらの組み合わせの間の最少の抵抗のポイントに配置される。追加的な方法は、陽極シールドを提供すること;少なくとも一つの側壁を含む陰極ターゲットを提供すること;シールド周辺で結合されたキャッチ-リングを提供すること;並びに、プラズマ点火アーク始めることを含む。方法はまた、ガス乱気流効果を緩和することにより提供され、かかる方法は、少なくとも一つの突出からなる陽極シールドを提供すること;少なくとも一つのレセス、キャビティまたはそれの組合せから成る陰極ターゲットを提供すること;および、プラズマ点火を始めることを含み、アークは、陽極シールドに結合された少なくとも一つの突出と少なくとも1つの突出、レセス又はキャビティとの間の最も小さい抵抗のポイントに配置される。
【0039】
他の装置は、コイルセットのように、本願明細書において記載されているDCマグネトロンスパッタリングシステムに加えられることが可能である。熟考されたコイルセットは、2005年3月22日に出願の米国特許出願シリアル番号第11/086022号に記載されているそれらを含むことができる、それは共通に所有され、参照によって完全に本願明細書において、統合されている。
【0040】
本願明細書において熟考されるスパッタリングターゲットもまた、表面材料およびコア材料から成り、表面材料はコア材料に結合される。表面材料は、いかなる測定できる時でもエネルギー源にさらされるターゲットのその部分であって、また、表層のコーティングとして望ましい原子を生産することを目的とする全体的なターゲット材料のその一部分である。ここで使用しているように、用語「結合される(coupled)」は、物質または構成要素の2つの一部の間で、物質または構成要素、接着剤、材料との入出力を行っている配属の2つの一部または物理的なおよび/または化学引力の物理的な付属を意味し、ファンデルワールス、静電的、クーロン的な、水素結合、および/、磁力引力を含む。表面材料およびコア材料は一般に同じ基本的なメイキャップまたは化学組成/構成要素から成ることができ、または、表面材料の基本的なメイキャップおよび化学組成は変えることができ、または、コア材料のそれとは異なるように修正することができる。殆どの実施形態では、表面材料およびコア材料は、同じ基本的なメイキャップおよび化学組成から成る。しかし、ある実施形態では、ターゲットの有効寿命がいつ終わったかについて検出するために重要であり、または、それが材料の混合層を堆積させるために重要で表面材料およびコア材料は、異なる基本的なメイキャップまたは化学組成から成るように変えることができる。
【0041】
コア材料は、サポートを表面材料層に提供し、ターゲットの有効寿命が終わった時に関しては、おそらくスパッタリング方法または情報の追加的な原子を提供するように設計されている。例えば、コア材料が、オリジナル表面材料のものとは異なる材料からなり、品質管理デバイスがターゲットとウェハとの間のスペースにコア材料原子の存在を検出した状況では、化学的一体性と金属コーティングの基本的な純度が望ましくない材料を既存の表層/ウェハ層に堆積することにより妥協されうるので、ターゲットは取り出されるか、改められるかまたは全く廃棄されることを必要とするかもしれない。コア材料はまた、大規模変更態様またはマイクロディンプル(microdimples)から成らないスパッタリングターゲットのその部分であり、例えば特許協力条約シリアル番号PCT/US02/06146および米国出願シリアル番号10/672690において開示されるようなものであり、その両方がHoneywell International社により一般的に所有され、参照によって、本願明細書において、それらの全部を組み入れる。換言すれば、コア材料は、一般に構造および形状において、均一である。
【0042】
表面材料は、いかなる測定できる時でもエネルギー源にさらされるターゲットのその部分であって、また、原子を生成することを目的とする全体的なターゲット材料および/または表層のコーティングとして望ましい粒子のその一部分である。熟考された表面材料は、コア材料の一部を形成し、それはターゲットの材料である。
【0043】
スパッタリングターゲット、キャッチ-リングおよび/または他の関連した粒子生成装置は、一般に、a)スパッタリングターゲット、キャッチ-リングおよび/または他の関連した粒子生成装置内に容易に形成され;b)エネルギー源により攻撃されるときに、ターゲット(および、時々コイル)からスパッタリングされ;ならびに、c)ウェハまたは表層の最終または前駆体層を形成することに適しているいかなる材料からなってもよい。キャッチ-リングが、スパッタリングされるそれらの材料と同じかまたは似ていると考えられる材料からなるけれども、キャッチリングはスパッタ原子であってもよく、またはそうでなくてもよいことは理解されるべきである。スパッタリングコイルは、プラズマおよびウェハに関して主にコイル・バイアスに依存する。適切なスパッタリングターゲット、キャッチ-リングおよび/または他の関連した粒子生成装置を作るために熟考される材料は、金属、金属合金、伝導性の重合体、伝導性の複合材料、伝導のモノマー、誘電材料、ハードマスク(hardmask)材料および他のいかなる適切なスパッタリング材料であってもよい。ここで使用しているように、用語「金属」は、金属のような特性(例えばシリコンおよびゲルマニウム)を有するそれらの要素と一緒に、元素の周期律表のd-ブロックおよびf-ブロックにあるそれらの元素を意味する。ここで使用しているように、フレーズ「d-ブロック」は、元素の核を取り囲む3d、4d、5dおよび6dの電子軌道を満たす電子を有するそれらの元素を意味する。ここで使用しているように、フレーズ「f-ブロック」は、元素の核を囲んでいる4fおよび5fの電子軌道を満たしている電子を有するそれらの元素を意味し、ランタニドおよびアクチニド系列を含む。好適な金属は、チタン、シリコン、コバルト、銅、ニッケル、鉄、亜鉛、バナジウム、ルテニウム、ジルコニウム、アルミニウムでアルミニウム・ベース材料、タンタル、ニオブ、スズ、クロミウム、プラチナ、パラジウム、金、銀、タングステン、モリブデン、セリウム、プロメチウム、トリウムまたはそれらの組合せを含む。より好適な金属は、銅、アルミニウム、ルテニウム、タングステン、チタン、コバルト、タンタル、マグネシウム、リチウム、シリコン、マンガン、鉄またはそれらの組合せを含む。最も好適な金属は、銅、アルミニウム、アルミニウム・ベースの材料、タングステン、チタン、ジルコニウム、コバルト、ルテニウム、タンタル、ニオブまたはそれらの組合せを含む。熟考された好適な材料の実施形態は、非常にきめ細かい粒を有するアルミニウムおよび銅のスパッタリングターゲットのためのアルミニウムおよび銅;アルミニウム、銅、コバルト、タンタル、ジルコニウムおよびスパッタリング200mmおよび300mmのターゲットに用いられるチタンはその他とともにターゲットをmm-sizedした、そして、スパッタリングアルミニウムに用いられるアルミニウムは表層の上のアルミニウムの薄い、高いコンフォーマルな「シード」層が階層化するその沈澱物をターゲットとする。フレーズ「および、それらの組合せ」は本願明細書において、いくつかのスパッタリングターゲット(例えばクロミウムおよびアルミニウム不純物を有する銅のスパッタリングターゲット)の金属不純物があってもよいことを意味すると理解されなければならず、または、金属の意図的な組合せおよび、合金、ホウ化物、カーバイド、フッ化物、窒化物、suicides、酸化物その他から成るそれらのターゲットのような、スパッタリングターゲットを占める他の材料があってもよい。本願明細書において熟考される材料はまた、2005年4月21日に出願されたPCT出願シリアル番号PCT/US05/13663「新規のルテニウム合金、気相成長またはALD(Atomic Layer Deposition)、およびそれらから生成された薄膜の使用」と名付けられ、そして、参照によって、完全に本願明細書において、組み込まれ、共通に所有された特許協力条約出願に記載されているそれらの材料から成る。
【0044】
他の金属化合物と同様に、用語「金属」もまた、合金、金属/金属化合物、金属セラミック化合物、金属重合体化合物を含む。本願明細書において、熟考される合金は、金、アンチモン、ヒ素、ホウ素、銅、ゲルマニウム、ニッケル、インジウム、パラジウム、リン、シリコン、コバルト、バナジウム、鉄、ハフニウム、チタン、イリジウム、ジルコニウム、タングステン、銀、プラチナ、タンタル、スズ、亜鉛、リチウム、マンガン、レニウムおよび/またはロジウムから成る。特定の合金は、金アンチモン、金ヒ素、金ホウ素、金銅、金ゲルマニウム、金ニッケル、金色のニッケル・インジウム、金パラジウム、金リン、金シリコン、金色の銀のプラチナ、金タンタル、金スズ、金亜鉛、パラジウム・リチウム、パラジウム・マンガン、パラジウム・ニッケル、プラチナ・パラジウム、パラジウム・レニウム、プラチナ・ロジウム、銀ヒ素、銀銅、銀ガリウム、銀金、銀パラジウム、銀チタン、チタン・ジルコニウム、アルミニウム銅、アルミニウム・シリコン、アルミニウム・シリコン銅、アルミニウム・チタン、クロミウム銅、クロミウム・マンガン・パラジウム、クロミウム・マンガン・プラチナ、クロミウム・モリブデン、クロミウム・ルテニウム、コバルト・プラチナ、コバルト・ジルコニウム・ニオブ、コバルト・ジルコニウム・ロジウム、コバルト・ジルコニウム・タンタル、紅ヒニッケル鉱、鉄アルミニウム、鉄ロジウム、鉄タンタル、クロミウム酸化シリコン、クロミウム・バナジウム、コバルト・クロミウム、コバルト・クロミウム・ニッケル、コバルト・クロミウム・プラチナ、コバルト・クロミウム・タンタル、コバルト・クロミウム・タンタル・プラチナ、コバルト鉄、(コバルト・鉄のホウ素)、
コバルト鉄クロミウム、コバルト鉄ジルコニウム、コバルト・ニッケル、コバルト・ニッケル・クロミウム、コバルト・ニッケル鉄、コバルト・ニッケル・ハフニウム、コバルト・ニオブ・ハフニウム、コバルト・ニオブ鉄、コバルト・ニオブチタン、鋼鉄タンタル・クロミウム、マンガン・イリジウム、マンガン・パラジウム・プラチナ、マンガン・プラチナ、マンガン・ロジウム、マンガン・ルテニウム、ニッケル・クロミウム、ニッケル・クロミウム・シリコン、ニッケル・コバルト鉄、ニッケル鉄、ニッケル鉄クロミウム、ニッケル鉄ロジウム、ニッケル鉄ジルコニウム、ニッケル・マンガン、ニッケル・バナジウム、タングステン・チタンおよび/またはそれらの組合せを含む。
【0045】
スパッタリングターゲット、キャッチ-リングおよび/または他の関連した粒子生成装置のために本願明細書において熟考される他の材料に関して、熟考されたスパッタリングターゲット、コイルおよび/またはボス(リストが網羅的でないけれども)の例として以下の組合せが考慮される:クロミウム・ホウ化物、ランタン・ホウ化物、モリブデン・ホウ化物、ニオブ・ホウ化物、タンタル・ホウ化物、チタン・ホウ化物、タングステン・ホウ化物、バナジウム・ホウ化物、ジルコニウム・ホウ化物、炭化ホウ素、クロミウム・カーバイド、モリブデン・カーバイド、ニオブ・カーバイド、炭化ケイ素、タンタル・カーバイド、チタン・カーバイド、タングステンカーバイド、バナジウム・カーバイド、炭化ジルコニウム、アルミニウム・フッ化物、バリウム・フッ化物、フッ化カルシウム、セリウム・フッ化物、氷晶石、フッ化リチウム、マグネシウム・フッ化物、フッ化カリウム、希土酸化物フッ化物、フッ化ナトリウム、アルミニウム窒化物、窒化ホウ素、窒化ニオブ、窒化ケイ素、窒化タンタル、チタン窒化物、バナジウム窒化物、窒化ジルコニウム、クロミウムsuicide、モリブデンsuicide、ニオブsuicide、タンタルsuicide、チタンsuicide、タングステンsuicide、バナジウムsuicide、ジルコニウムsuicide、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、バリウム酸化物、チタン酸バリウム、酸化ビスマス、チタン酸ビスマス、バリウム・チタン酸ストロンチウム、酸化クロム、酸化銅、酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、五酸化ニオブ、希土酸化物酸化物、二酸化ケイ素、シリコン一酸化物、酸化ストロンチウム、チタン酸ストロンチウム、五酸化タンタル、スズ酸化物、酸化インジウム、インジウム酸化物、ランタン・アルミン酸塩、酸化ランタン、鉛チタン酸塩、鉛ジルコン酸塩、鉛製のジルコン酸塩-チタン酸塩、チタンアルミニウム化合物(aluminide)、リチウム・ニオブ酸塩、チタン酸化物、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、ビスマス・テルル化物、カドミウム・セレン化物、カドミウム・テルル化物、鉛セレン化物、硫化鉛、鉛テルル化物、モリブデン・セレン化物、硫化モリブデン、亜鉛セレン化物、硫化亜鉛、亜鉛テルル化物、錫メッキおよび/またはそれらの組合せ。
【0046】
本願明細書において、議論されるターゲットから原子または粒子のスパッタリングによって、生じる薄い層または薄膜は、他のメタル層、基板層、誘電層、ハードマスクまたはエッチング停止(etchstop)層、写真平板層、反射防止層、その他のいかなる数のものまたは整合性の上に形成されることができる好ましい実施形態、層がそうすることができる誘電体は熟考されるか、生じさせることができ、ハネウェル・インターナショナル社により開示される誘電体材から成ることができ、a)発行された米国特許US 5959157、US 5986045、US 6124421、US 6156812、US 6172128、US 6171687、US 6214746、および継続中の出願09/197478、09/538276、09/544504、09/741634、09/651396、09/545058、09/587851、09/618945、09/619237、09/792606において開示されるそれらの合成物のようなFLARE(polyaryleneエーテル)、b)継続中の出願09/545058、2001年10月17日に出願のシリアル番号PCT/US01/22204号、2001年12月31日に出願のPCT/US01/50182号、 2001年12月31日に出願の第60/345374号、2002年1月8日に出願された60/347195、並びに、2002年1月15日に出願の第60/350187号に示すそれらのようなアダマンタン・ベースの材料、c)共同で譲受した米国特許5,115,082、5,986,045および6,143,855、共同で譲受した2001年4月26日発行の国際特許WO 01/29052および2001年4月26日を発行のWO 01/29141、(d)発行された特許US 6022812、US 6037275、US 6042994、US 6048804、US 6090448、US 6126733、US 6140254、US 6204202、US 6208014、並びに継続中の特許出願09/046474、09/046473、09/111084、09/360131、09/378705、09/234609、09/379866、09/141287、09/379484、09/392413、09/549659、09/488075、09/566287および09/214219において開示されるそれらの合成物のようなnanoporousな二酸化ケイ素材料、そして、二酸化ケイ素に基づく合成物であって、それらの全てがここにリファレンスとして組み入れられ、(e)ハネウェルHOSP(登録商標)オルガノシロキサンを含むが、それらに限定されるものではない。
【0047】
ウェハまたは基板は、望ましい実質的に固体材料からなってもよい。特に望ましい基板は、ガラス、セラミック、プラスチック、金属またはおおわれている金属または複合材料からなる。好ましい実施形態では、基板は、シリコン、または、ガリウムヒ素ダイまたはウェハ表面、銅、銀、ニッケル又は金メッキリードフレーム、回路基板又はパッケージ相互接続トレースにみられるような銅表面、ビア壁又はスティフナインターフェース(「銅」はむき出しの銅およびその酸化物を含む概念である)、ボリイミドベース可撓性パッケージに見られるようなボリマーベースパッケージまたはボードインターフェース、リード又は他の金属合金半田ボール表面、ガラス、およびポリイミドのようなポリマーからなってよい。より好ましい実施形態では、基板は、シリコン、銅、ガラス、またはポリマーのような回路基板工業製品およびパッケージで一般的な材料からなる。
【0048】
材料が連続的である代わりにナノ多孔性(nanoporous)であることが望ましい場合、基板層はまた、複数のボイドを有することができる。ボイドは概して球状であるが、代わりにいかなる適切な形状であってもよく、チューブ状、薄板状、円盤状など他の形状を含んでよい。ボイドは適当な直径であってよい。少なくとも、いくつかのボイドが接続されているか、または「開いた」多孔性の有意な量を有する構造を作成するために隣接したボイドと連結できる。ボイドの平均直径は、好ましくは1マイクロメートル未満であり、好ましくは、100ナノメートル未満の平均直径であり、更により好ましくは、10ナノメートル未満の平均直径である。ボイドが基板層の範囲内で一様にまたはランダムに分散できる。好ましい実施形態では、ボイドは基板層の範囲内で一様に分散する。
【0049】
提供される表層は本願明細書において議論されるように、いかなる適切な表層であってもよく、ウェハ、基板、誘電体材、ハードマスク(hardmask)層、他の金属、金属か合金か金属合成層、反射防止層または他のいかなる適切な層をなした材料も含む。コーティング層または表層に生じる薄膜はまた、いかなる適切であるか望ましい厚みでもあってもよく、厚さは1つの原子または分子の厚さ(1ナノメートル未満)からミリメートル厚さまでのレンジである。
【0050】
本願明細書において記載されているスパッタリングシステムから作り出されるウェハおよび層をなした材料(スタック)は、電子回路、半導体および通信/データ転送コンポーネントを生産するか、構築するか、またはさもなければ、修正するいかなる方法または製品デザインにも組み込まれることができる。本願明細書において熟考される電子回路、半導体、そして、通信構成要素は、
電子スベース、半導体ベースまたは通信ベース製品で利用可能な層をなした構成要素からなってもよい。熟考された構成要素は、マイクロ・チップ、回路基板、チップ包装、セパレータ・シート、回路基板、プリント配線板、タッチパッド、ウェーブガイド、ファイバーオプティックおよび光子-輸送および音波-輸送構成要素の誘電体構成要素から成ってよく、いかなる材料も二重ダマスク(dual damascene)プロセスおよび回路基板(例えばコンデンサ、誘導子およびレジスタ)の他の構成要素を使用するかまたは組み込んで作られる。
【0051】
電子ベース、半導体ベース、通信ベース/データ送信ベースの製品は、それらが産業において、または他の消費者によって使用されているという意味において「完結することができる(finished)」。完結した消費製品の実施形態は、テレビ、コンピュータ、携帯電話、ポケベル、パームタイプ・オーガナイザ、携帯ラジオ、自動車ステレオおよび遠隔制御である。また、回路基板、チップ包装および完成品において、潜在的に利用されるキーボードのような「中間」製品も熟考される。
【0052】
電子、半導体、および、通信/データ送信製品はまた、概念上のモデルから最終的なスケールアップモックアップへの開発のいかなる段階でも、プロトタイプ構成要素を含むことができる。プロトタイプは完成品において、意味される実際の構成要素の全てを含むことはでき、または含むことができるというわけでなく、プロトタイプはまず最初に試験されると共に、他の構成要素に対するそれらの最初の効果を否定するために複合材料から造られるある構成要素を有することができる。
【0053】
例:従来のものとフィールド増加したターゲットとの比較
図18は、1800の前であり且つ800kWh後の標準的なターゲット1810に関する典型的な浸食プロファイル1820を示す。標準のターゲットの浸食プロファイルは、ターゲットの後で磁石の構成により述べられる。標準の磁石1910(それは薄膜均一性を最適化するように設計されている)を図19に示す。しかし、これらの固定された磁石は、プラズマ分布を制御する際に限られた容量を有する。
【0054】
対照的に、図20は、新しい従来のまたは標準のターゲット2000、および、新しい電界増加型ターゲット2010のデザインを示す。データによって示されるこれらのタイプのアプリケーションに関するフィールド増加ターゲットであるだけでなく、ある実施形態では、それらは、グラムの重さによって示されるように標準ターゲットよりも約15%少ない材料を使用することもできる。図21は、800キロワット時の後の電界増加型ターゲット2110、および、従来または標準のターゲット2100の表面コンター/浸食プロファイルを示す。磁気で電気場の強さが浸食を制御するという理由のため、標準のターゲットは、磁場がより強い優先浸食を示すのに、電界増加型ターゲットは同一の浸食を示す。
【0055】
図22Aおよび22Bは、標準のターゲットおよび電界増加型ターゲットに関するターゲット寿命に対する、I-V変化を示す。図22Aに示される標準ターゲットは、IVカーブの増加している変動がターゲット浸食を結果として示す。ターゲットの表面は、浸食溝の増加に伴い増加する。増加する領域(電流パス)により、より高い電流の流れが減少する作動電圧に結果としてなることを可能にする。図22Bに示すフィールド増加型ターゲットに関する結果は、ターゲット浸食を有するほぼ不変のIVパフォーマンスを導く。全体的な作動電圧は、予め溝を掘ることにより強化されたフィールド増加のため標準的なターゲットよりも僅かに高く、作動電圧を増大させる。予め溝を彫ることにより、ゆっくりとしたターゲット浸食で表面領域が変化し、ほぼ不変のI-V特徴に結果としてなる。
【0056】
図23Aおよび23Bは、標準のターゲットおよびフィールド増加型ターゲットのためのさまざまなターゲット寿命で、力対堆積速度を示す。主に浸食溝を深くする際の再堆積の増加している部分のため、標準のターゲットは、ターゲット浸食を伴う堆積速度の減少傾向を示す。フィールド増加型ターゲットは、ターゲット浸食を伴う堆積速度のごくわずかな変化しか示さない。フィールド増加型ターゲットがターゲット浸食を備えた力または時間の補償を必要としないことはあり得る。
【0057】
図24Aおよび24Bは、800キロワット時で標準のターゲットおよびフィールド増加型ターゲットの寿命に対する浸食プロファイルを示す。フィールド増加型ターゲットは、ピークの浸食域で標準のターゲットより33%以上の材料残を示した。図25は、標準およびフィールド増加型ターゲットの800キロワット時での、浸食プロファイルの比較を示す。フィールド増加型ターゲットは、標準のターゲットより少ない800キロワット時の後の2.9mm(31%)の浸食を示す。図26は、標準およびフィールド増加型ターゲットの800キロワット時での、浸食厚の比較を示す。フィールド増加型ターゲットは、標準のターゲットより均一に浸食し、かくして、ターゲット寿命が延びる。フィールド増加型ターゲットは、浸食プロファイルおよび薄膜均一性の双方を制御できる。図27は、400キロワット時および800キロワット時でフィールド増加型アルミニウムターゲットの浸食厚さを示す。グラフの丸で囲った領域は、ターゲットの端領域の近くで、浸食のはっきりした証拠を示し、瘤塊形成が端域で電界強度を強化することにより抑制されることができることを示唆する。表1は、800キロワット時の後、材料分布を示す。
【0058】
【表1】

【0059】
標準およびフィールド増加型ターゲットの双方は、材料使用の類似した効率を示すが、フィールド増加型ターゲットは均一の浸食のため、6%以上の材料が堆積され、厚さとして30%より多くの材料が残り、ターゲットの寿命の延長を導く。このデータに基づいて、1000キロワット時および1200キロワット時は、キット変化サイクルを最適化するために、全体のターゲット厚を増やさずに成し遂げられることが可能である。
【0060】
実験データに基づいて、a)フィールド増加型ターゲットが、ターゲット寿命を伴った、IVカーブおよび堆積速度のより少ない変化を示し、b)堆積パラメータ(例えば力または時間補償)の再調整が、ターゲット寿命で必要とされず、c)ターゲット表面の電界およびかくして浸食プロファイルは、システム構成を修正することなくターゲット表面コンターを介して制御されることができ、d)浸食プロファイルは、ターゲット表面の磁石および電界強度が存在することによって決定され、後者はターゲット製造業者によって制御され、並びに、e)薄膜均一性が、ターゲット表面コンターを介して制御される、ことが示される。
【0061】
このように、特定の実施形態および設計およびDCマグネトロンスパッタリングシステムの使用の応用を開示してきた。しかし、すでに記載されているそれらの他の多くのより多くの変更態様が本願明細書において、発明の概念から逸脱することなく、可能であることは、当業者にとって明らかであろう。発明の要旨は、したがって、本願明細書において、開示される仕様の精神において制限されない。さらに、明細書を解釈する際に、全ての用語は、コンテキストと整合した最も幅広い可能性で解釈されなければならない。特に、用語「からなる」および「有する」は、参照された要素、構成要素またはステップが他の要素、構成要素またはっきりと参照されないステップがあってもよいかまたは利用するかまたは組み合わさっていることを示し、要素、構成要素または排他的でない方法におけるステップに関連することと解釈されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア材料と、
表面材料と、
を有し、
少なくとも1つの前記コア材料または前記表面材料が、フィールド増加設計プロファイルを備え、スパッタリングターゲットが実質的に均一な浸食プロファイルとなることを特徴とする、フィールド増加スパッタリングターゲット。
【請求項2】
前記フィールド増加設計プロファイルが、電界増加設計プロファイル、磁界増加設計プロファイル、または、それらの組み合わせかななることを特徴とする請求項1に記載のフィールド増加スパッタリングターゲット。
【請求項3】
フィールド増加設計プロファイルが、少なくとも1つの湾曲特性を有することを特徴とする請求項1に記載のフィールド増加スパッタリングターゲット。
【請求項4】
前記コア材料が、ターゲット端を備えることを特徴とする請求項1に記載のフィールド増加スパッタリングターゲット。
【請求項5】
前記ターゲット端が、少なくとも1つの湾曲特性を備えることを特徴とする請求項4に記載のフィールド増加スパッタリングターゲット。
【請求項6】
前記ターゲット端が、ターゲット側壁を有することを特徴とする請求項4に記載のフィールド増加スパッタリングターゲット。
【請求項7】
前記コア材料が更に、少なくとも1つのレセス側壁溝を有することを特徴とする請求項1に記載のフィールド増加スパッタリングターゲット。
【請求項8】
バッキングプレート材料を更に有することを特徴とする、請求項1に記載のフィールド増加スパッタリングターゲット。
【請求項9】
前記バッキングプレート材料が、溝が掘られたフランジからなることを特徴とする請求項8に記載のフィールド増加スパッタリングターゲット。
【請求項10】
前記溝が掘られたフランジがレセスであることを特徴とする請求項9に記載のフィールド増加スパッタリングターゲット。
【請求項11】
前記ターゲットが少なくとも1つの高い浸食領域を有することを特徴とする請求項1に記載のフィールド増加スパッタリングターゲット。
【請求項12】
少なくとも1つの湾曲特性が、少なくとも1つの高い浸食領域に適用されることを特徴とする請求項11に記載のフィールド増加スパッタリングターゲット。
【請求項13】
フィールド増加スパッタリングターゲットと、
陽極シールドと、
を有することを特徴とするターゲットアセンブリシステム。
【請求項14】
前記システムが、DCマグネトロンスパッタリングシステムであることを特徴とする請求項13に記載のターゲットアセンブリシステム。
【請求項15】
少なくとも1つの追加のコンポーネントを更に有することを特徴とする請求項13に記載のターゲットアセンブリシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの追加のコンポーネントが、バックプレート、キャッチリング、コイル、または、それらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項15に記載のターゲットアセンブリシステム。
【請求項17】
前記フィールド増加スパッタリングターゲットが、コア材料と、表面材料とを有し、
少なくとも1つのコア材料または表面材料が、フィールド増加設計プロファイルを有し、スパッタリングターゲットが、実質的に均一な浸食プロファイルを有することを特徴とする請求項13に記載のターゲットアセンブリシステム。
【請求項18】
フィールド増加設計プロファイルが、電界増加設計プロファイル、磁界増加設計プロファイル、またはそれらの組み合わせからなることを特徴とする請求項17に記載のターゲットアセンブリシステム。
【請求項19】
スパッタリングターゲット上に実質的に均一な浸食を生成する方法であって、
陽極シールドを提供するステップと、
陰極フィールド増加ターゲットを提供するステップと、
プラズマ点火アークを開始するステップと、
を有し、
前記アークが、前記陽極シールドと陰極フィールド増加ターゲットとの間の最も小さな抵抗のポイントに配置される、ことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記フィールド増加ターゲットが、コア材料と、表面材料とを有し、
少なくとも1つの前記コア材料又は前記表面材料が、フィールド増加設計プロファイルを有し、前記ターゲットが実質的に均一の浸食プロファイルを有することを特徴とする請求項19に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図24】
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【図25】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図22】
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【図23】
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【図26】
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【図27】
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【公表番号】特表2011−518258(P2011−518258A)
【公表日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−506357(P2011−506357)
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/040455
【国際公開番号】WO2009/151767
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】