説明

DC電源システム

建物中で直流(DC)電圧を配電する電源供給部を含むシステムが提供される。DC電圧は、約300−600ボルトDCの範囲内にある。システムはまた、モーター、モータードライブを含む。モータードライブは、電源供給部を介してDC電圧を受け取り、このDC電圧から、モーターを駆動させる出力を導出する。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、高信頼性で、冗長的な直流(DC)電源システムに関連し、DC電源システムは、データセンターおよび緊要なインフラストラクチャの冷却装置において利用されるモーターに、変調された電力を提供する。
【関連技術の説明】
【0002】
データセンター、電気通信センター、および、記憶と通信を処理するための高密度の重大なアップタイム電力を要求する、その他のもののような緊要なインフラストラクチャは、それらの電力および冷却要求に関して、着実に成長し続けている。これらの緊要なインフラストラクチャの適用において、高信頼性の電源を供給するだけでなく、同等に信頼可能な冷却装置を供給することが緊急課題である。たとえ短時間の間であっても、冷却装置が故障した場合、コンピュータ装置は大きな影響を受けかねない。さらに、これらのセンターのエネルギー使用は極度に多いので、弾力的なだけでなく、高度に効率的なシステムを設計し、適用することが緊急課題である。
【0003】
従来、データセンターにおいて、流体および/または気体の移動をもたらすモーターに対して出力される電源は、公益事業(utility company)によって、または、公益事業が利用可能でないときは、スタンバイ発電機によって、のいずれかによって提供されてきた。データセンター装置を動作させるのに要求される電力の増加のせいで、また、その関係する熱のせいで、電源停止の間に、ポンプとファンモーターに無停電電源を提供することの必要性が、主要な問題になってきている。データセンターにおいて、コンピュータに対する交流(AC)電源は、公益事業停止の間にバッテリバックアップシステムを使用することによって、ブリッジされるが、基本的なモーターポンプ、ファン、およびコンプレッサは、一般的に、発電機がセンターの負荷を帯びるまで、オフラインにされる。このプロセスは、公益事業の電源停止から、負荷が発電機に送出されるまで、60秒かかるかもしれず、もっと長くかかるケースもあるかもしれないので、したがって、危険なまでに長時間の間、重要な冷却システムをオフラインのままにしてしまう。今日の、緊要な負荷(プロセッサ、記憶装置、および通信デバイス)が、バッテリシステムによりバックアップされ、オンラインのまま保持される、より高密度のデータセンターの出現により、冷却システムがオンラインのまま保持されないと、緊要な負荷に過熱をもたらすおそれがあり、損害が発生する例もあるかもしれない。コンピューティング装置は、劣悪な配線の品質および/または雑音にさらされているかもしれないので、ポンプ、ファン、コンプレッサ、またはモーターを専用の無停電電源供給システムに配置することは賢明ではない。
【発明の概要】
【0004】
建物中で直流(DC)電圧を配電する電源供給部を含むシステムが提供される。DC電圧は、約300−600ボルトDCの範囲内にある。システムはまた、モーター、モータードライブを含む。モータードライブは、電源供給部を介してDC電圧を受け取り、このDC電圧から、モーターを駆動させる出力を導出する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、冗長的なDC電源システムの概念図である。
【発明の説明】
【0006】
図1は、冗長的なDC電源システム、すなわちシステム100の概念図である。システム100は、2N電源システムとして構成されてもよく、ここでNは、電力負荷を適切にサポートするのに要求される電力の量である。システム100は、発電機101A、B、整流器105A、B、モータードライブ111A、B、モーター113A、B、センサー150A、B、および制御装置155を含む。
【0007】
要約すると、システム100は、モータードライブ111A、BにDC電源を提供し、モータードライブ111A、Bは、次に、モーター113A、Bを駆動させる。センサー150A、Bによって、制御装置155は、モーター113A、Bの動作に関連するパラメータを監視し、モーター113A、Bが、次に、感知されたパラメータが望ましい範囲内に維持されるように、モータードライブ111A、Bを制御する。
【0008】
システム100は、ユーティリティ102A、Bから、交流(AC)を受け取る。ユーティリティ102AからのAC電流は、ブレーカー122Aを通して結合されており、ユーティリティ102BからのAC電流は、ブレーカー122Bを通して結合されている。ブレーカー122A、Bは、ブレーカー122A、Bの下流の回路を保護し、回路ブレーカーまたはヒューズのいずれかとして実現されることができる。
【0009】
発電機101Aは、ユーティリティ102Aの電源停止のケースにおいて、非常用電源を提供する。発電機101Aは、同期モーター125Aに結合されているエネルギー蓄電デバイス124A、例えば、フライホイールに結合されているエンジン、例えば、ディーゼルエンジン123Aの組み合わせとして構成されている。ディーゼルエンジン123Aは、作動されるときに、AC出力を生成するエネルギー源である。エネルギー蓄電デバイス124Aは、ディーゼルエンジン123AのAC出力の形態で、エネルギーを取り込んで、電源の非常事態の到来における放電のために、このエネルギーを確保して保持する。同期モーター125Aは、基本的に、昇圧変圧器126Aを通して、より高いAC電圧、例えば、13KVに昇圧されるAC電圧を提供する発電機である。
【0010】
発電機101Bは、ユーティリティ102Aの電源停止のケースにおいて、非常用電源を提供し、エネルギー蓄電デバイス124Bに結合されたディーゼルエンジン123Bの組み合わせとして構成されており、エネルギー蓄電デバイス124Bは、次に、同期モーター125Bに結合されている。同期モーター125Bの出力は、昇圧変圧器126Bを通して、昇圧されている。発電機101B、ディーゼルエンジン123B、エネルギー蓄電デバイス124B、同期モーター125B、および、昇圧変圧器126Bは、それぞれ、発電機101A、ディーゼルエンジン123A、エネルギー蓄電デバイス124A、同期モーター125A、および、昇圧変圧器126Aと同様に機能する。
【0011】
タップ付きチョーク103Aは、ユーティリティ102A、または、昇圧変圧器126Aのいずれかからの電力を、タップ付きチョーク103Aの下流の負荷に対して結合させる。ユーティリティ102Aからの電力が利用可能であるとき、タップ付きチョーク103Aは、ユーティリティ102Aからの電力を結合させる。ユーティリティ102Aからの電力停止が発生するとき、タップ付きチョーク103Aは、負荷からユーティリティ102Aを切り離し、代わりに、昇圧変圧器126Aからの電力を受け取る。同様に、タップ付きチョーク103Bは、ユーティリティ102Bおよび昇圧変圧器126Bから電力を受け取り、タップ付きチョーク103Bの下流の負荷に対して、電力を結合させる。
【0012】
整流器105Aは、ブレーカー104Aを介して、タップ付きチョーク103AからAC電流を受け取る。同様に、整流器105Bは、ブレーカー104Bを介して、タップ付きチョーク103BからAC電流を受け取る。ブレーカー104A、Bは、整流器105A、B、および、ブレーカー104A、Bの下流のその他の回路を保護し、回路ブレーカー、またはヒューズのいずれかとして実現されてもよい。
【0013】
上に述べたように、ユーティリティ102A、Bが利用可能でない場合、それぞれ発電機101A、Bから、整流器105A、Bに対して電力が出力されるだろう。発電機101A、Bは、通常は、整流器105A、Bの入力に供電する、ユーティリティ102A、Bの特性に一致させる必要のある、さまざまなサイズおよび電圧であってもよい。
【0014】
整流器105A、Bは、ユーティリティ102A、B、または、発電機101A、Bからの電力を利用し、このような電力を整流して、DC出力、例えば、300−600ボルトDC(VDC)を提供する。整流器105AのDC出力は、ダイオード108Aとブレーカー106Aとを通して、バス109に結合されている。同様に、整流器105BのDC出力は、ダイオード108Bとブレーカー106Bとを通して、バス109に結合されている。ブレーカー106A、Bは、ブレーカー106A、Bの下流の回路を保護し、回路ブレーカー、またはヒューズのいずれかとして実現されてもよい。
【0015】
整流器105A、Bは、それぞれ、整流器105A、Bの入力側に(表示していない)電気的フィルタを含んでおり、バス109、モータードライブ111A、B、モーター113A、B、または、モーター制御装置155への反射調波(reflected harmonics)の悪影響を減少させている。整流器105A、BのDC出力内の調整フィルタの形式のキャパシタンスとインダクタンスとによって、DC出力整流器105A、Bの出力安定化はまた、受動的に減衰されるだろう。
【0016】
整流器105A、BのDC出力は、ダイオード108A、Bを通して、バス109に対して、“論理和ゲートされ”、または、互いにブリッジされる。すなわち、電力は、整流器105Aまたは整流器105Bのいずれかによって、あるいは、整流器105Aと整流器105Bの両方によって同時に、バス109に供給されることができる。
【0017】
さらに、整流器105A、Bのそれぞれは、(表示していない)制御パネルを持ち、この制御パネルは、整流器105A、BのDC出力電圧を変更させる能力を備えた演算子を提供する。このことは、整流器105A、整流器105Bのいずれかが、もう片方の整流器105A、Bよりもより高い電圧を供給できるように、整流器105A、BのDC出力電圧を変化させることを可能にしており、このようにして、2つの電圧のうちのより高いものが、バス109に供給されることと、より高い供給が故障するような場合に、2つの電圧のうちのより低いものが、2次的な冗長的供給となることとを可能にしている。整流器105A、Bは、1つのユニットとして、または、2つ以上の(並列の)ユニットにおいてのいずれかで適用されてもよく、より大きい量の電力または冗長性を生み出すことができる。
【0018】
システム100はまた、ダイオード118A、B、充電器117A、B、バッテリ116A、B、ダイオード115A、B、およびブレーカー114A、Bを含んでもよい。整流器105Aの正常動作の間に、DC電流は、ダイオード118Aから充電器117Aに対して流れ、充電器117Aは、次に、バッテリ116Aを充電する。ダイオード108Aとダイオード115Aとは、整流器105Aとバッテリ116Aとの出力を“論理和”する。整流器105Aからの電力の損失のケースでは、バッテリ116Aは、ダイオード115Aと、ブレーカー114Aとを通して、バス109にDC電力を提供する。同様に、整流器105Bの正常動作の間に、DC電流は、ダイオード118Bから充電器117Bに対して流れ、充電器117Bは、次に、バッテリ116Bを充電する。ダイオード108Bとダイオード115Bとは、整流器105Bとバッテリ116Bとの出力を“論理和”する。整流器105Bからの電力の損失のケースでは、バッテリ116Bは、ダイオード115Bとブレーカー114Bとを通して、バス109にDC電力を提供する。
【0019】
バッテリ116A、Bは、例として、動力(kinetic)フライホイール、燃料電池、または、蓄電器のような、任意のエネルギー蓄電手段であってもよい。ブレーカー114A、Bは、ブレーカー114A、Bの下流の回路を保護し、回路ブレーカー、またはヒューズのいずれかとして実現されてもよい。
【0020】
バス109は、建物の中で、DC電圧、例えば、300−600VDCを提供するDC電源供給部としてルーティングされている。すなわち、DC電源を要求するデバイスまたはサブシステムが、バス109を介して、DC電源を取得できるように、バス109が、建物じゅうにわたって、ルーティングされている。
【0021】
バス109は、バス120Aと120Bとに対して、DC電圧を供給する。バス120Aは、ブレーカー110Aを介して、モータードライブ111Aに対して電源を提供し、バス120Bは、ブレーカー110Bを介して、モータードライブ111Bに対して電源を提供する。ブレーカー110A、Bは、ブレーカー110A、Bの下流の回路を保護し、回路ブレーカー、またはヒューズのいずれかとして実現されてもよい。
【0022】
スイッチ109Aは、サービスまたはメンテナンスのために、整流器105Aとモータードライブ111Aとを、整流器105とモータードライブ111Bとから切り離すことを可能にする。より詳細には、スイッチ109Aは、スイッチ109Aの左側において開回路であり、例えば、整流器105Aとモータードライブ111Aとは、スイッチ109Aの右側の回路、例えば、整流器105Bとモータードライブ111Bとから切り離されている。
【0023】
上で言及したように、整流器105A、Bは、“論理和ゲートされ”ている。例えば、整流器105Aが、整流器105Bよりも、電圧がより高いことと、スイッチ109Aが閉じられていることとを仮定する。スイッチ109Aが閉じられているので、ダイオード108Aからの電流は、モータードライブ111Aと111Bとに供給される。整流器105Aからの電圧が、整流器105Bの電圧に等しい電圧にまで降下する場合、整流器105Bは、整流器105Aと等しく負荷を共有するだろう。整流器105Aからの電圧が、整流器105Bからの電圧よりも低くなる場合、整流器105Bが、モータードライブ111A、Bに供電するだろう。
【0024】
モータードライブ111Aは、バス120Aを介してDC電圧を受け取り、このDC電圧から、ブレーカー112Aを介してモーター113Aを駆動させ、すなわち、このDC電圧から、ブレーカー112Aを介してモーター113Aに対して電力を提供する出力を導出する。同様に、モータードライブ111Bは、バス120Bを介してDC電圧を受け取り、このDC電圧から、ブレーカー112Bを介してモーター113Bを駆動させる、すなわち、このDC電圧から、ブレーカー112Bを介してモーター113Bに対して電力を提供する出力を導出する。ブレーカー112A、Bは、モーター113A、Bと、その他のブレーカー112A、Bの下流の回路を保護し、回路ブレーカー、またはヒューズのいずれかとして実現されてもよい。
【0025】
モーター113A、Bは、冷却装置、コンピュータールーム空調装置、ファン、ポンプ、または、コンプレッサのような装置中に設置されてもよく、空気、水、または、他の任意の冷却媒体を移動させるために利用されてもよい。モーター113A、Bを互いに離れて設置して、1つの装置における冗長性を提供してもよく、あるいは、モーター113A、Bを一緒に使用して、重大な冷却を要求する環境において冗長性を提供することができる。例えば、冗長性に関して、モーター113A、または、モーター113Bのいずれかが、故障した場合に、もう片方のモーター113A、または、モーター113Bが、依然として利用可能であることになるように、モーター113Aと113Bとの両方が、1つのコンピュータールームに配置されてもよい。
【0026】
モーター113A、Bは、DCモーターまたはACモーターのいずれかであってもよい。DCモーターの速度とトルクは、その入力電圧に直接関連している。電圧がより高くなるにつれて、速度がより速くなり、電圧がより低くなるにつれて、速度はより遅くなる。したがって、DCモーターに対する入力電圧を変化させることによって、DCモーターの速度を制御することができる。ACモーターの速度は、入力電圧の周波数に直接関連している。周波数がより高くなるにつれて、速度はより速くなり、周波数がより低くなるにつれて、速度もより遅くなる。したがって、ACモーターに対する入力電圧の周波数をACモーターの速度を変化させることによって、ACモーターの速度を制御することができる。
【0027】
モーター113AがDCモーターであるケースでは、モータードライブ111Aは、モーター113Aに対してDC電圧を提供するだろう。モーター113AがACモーターであるケースでは、モータードライブ111Aは、モーター113Aに対してAC電圧を提供するだろう。同様に、モータードライブ111Bは、モーター113Bに対して、DC電圧、または、AC電圧のいずれかを提供するだろう。
【0028】
センサー150Aは、モーター113Aの動作に関連するパラメータを感知し、それを示すパラメータ値152Aを出力する。パラメータは何らかの適切なパラメータであってもよいが、例えば、(i)モーター113Aの速度と、(ii)モーター113Aによって駆動されている冷却器によって、冷却されている環境の気温とを含むことができる。同様に、センサー150Bは、モーター113Bの動作に関連するパラメータを感知し、パラメータ値152Bを出力する。パラメータ値152Aと152Bとが、望ましい範囲内に維持されるように、制御装置155は、パラメータ値152Aと152Bとを監視し、モータードライブ111A、Bを制御する。
【0029】
モーター113AがDCモーターであるとき、モータードライブ111Aは、DC対DCモータードライブとして実現され、制御装置155は、モーター113Aに対するモータードライブ111Aの出力電圧を変化させる。モータードライブ111Aの出力電圧範囲は、任意の適切な範囲であってもよいが、例示的な範囲は、0−300VDC、または、0−600VDCである。モーター113AがACモーターであるとき、モータードライブ111Aは、DC対ACモータードライブとして実現され、制御装置155は、モーター113Aに対するモータードライブ111Aの出力周波数を変化させる。モータードライブ111Aの出力周波数は、任意の適切な範囲であってもよいが、例示的な範囲は、0−60ヘルツ(Hz)であってもよい。
【0030】
モータードライブ111Aの中に含まれる回路の切り替え動作によって、例えば、切り替えレートまたはデューティサイクルを制御することによって、モータードライブ111Aの出力が変化される。回路は、例えば、絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ(IGBT)、シリコン制御整流器(SCR)、または、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を使用して、実現することができる。したがって、制御装置155は、モータードライブ111Aに制御信号130Aを提供して、切り替えレートまたはデューティサイクルを変化させ、これによって、モータードライブ111Aからの出力電圧または周波数を調整し、したがって、モーター113Aの変更レートと速度を調整する。モーター113Aの速度とトルクは、ワーク量を生み出す。このワークに関連するパラメータは、センサー150Aによって感知され、パラメータ値152Aが制御装置155に送出される。
【0031】
モータードライブ111Bは、モータードライブ111Aと同様に動作する。したがって、センサー150Bは、パラメータ値152Bを制御装置155に送出し、制御装置155は、モータードライブ111Bに制御信号130Bを提供し、モータードライブ111Bは、次に、モーター113Bを制御する。
【0032】
制御装置155は、プロセッサ157と、メモリ160とを含み、メモリ160は、プロセッサ157を制御するための命令のモジュール、例えば、プログラム170を含む。メモリ160はまた、パラメータ値152Aと152Bに対する基準値165Aと基準値165Bとをそれぞれ含む。モーター113Aの動作に関して、制御装置155、より詳細には、プロセッサ157が、パラメータ値152Aを、基準値165Aに比較し、この比較の結果に基づいて、モータードライブ111Aに制御信号130Aを送り、モータードライブ111Aが、次に、パラメータ値152Aが基準値165Aを満たすようにモーター113Aの速度を調整する。同様に、制御装置155が、パラメータ値152Bを、基準値165Bに比較し、この比較の結果に基づいて、モータードライブ111Bに制御信号130Bを送り、モータードライブ111Bが、次に、パラメータ値152Bが基準値165Bを満たすようにモーター113Bの速度を調整する。
【0033】
例えば、モーター113Aが、室内の空調装置中のコンプレッサを駆動させるとして仮定する。センサー150Aが室内の気温を感知し、パラメータ値152Aの形式で、制御装置155に気温を報告する。制御装置155は、感知された気温を基準値、例えば、基準値165Aに対して比較し、この比較に基づいて、モータードライブ111Aに制御信号130Aを送出する。モータードライブ111Aは、制御信号130Aに応答して、室内の気温が基準値を超えないように、モーター113Aの動作を調整する。
【0034】
制御装置155は、ここで、メモリ160中にインストールされたプログラム170を持つとして説明したが、プログラム170は、次にメモリ160にロードされるように、記憶媒体175上で具体化されてもよい。記憶媒体175は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、磁気テープ、リードオンリーメモリ、または、光学記憶媒体のような、任意のコンピュータ読取可能記憶媒体であってもよい。プログラム170は、ランダムアクセスメモリ中で具体化されてもよく、または、遠隔の記憶システム上に位置し、メモリ160に結合された、他のタイプの電子的記憶中で具体化されてもよい。
【0035】
また、プログラム170、基準値165A、基準値165Bは、ここで、メモリ160上にインストールされているとして、したがってソフトウェアにおいて実現されているとして説明したが、これらは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、または、これらの組み合わせのうちの任意のものにおいて実現されることができる。
【0036】
ここで説明した技術は、例示的なものであり、本発明における何らかの特定の限定を示唆するとして解釈すべきでない。さまざまな代替物、組み合わせ、および修正が、当業者によって考案されることができることを理解すべきである。本発明は、添付の特許請求の範囲内におさまる、このような代替物、修正、および変形のすべてを包含することを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムにおいて、
建物中で直流(DC)電圧を配電する電源供給部と、
モーターと、
モータードライブと
を具備し、
前記DC電圧は、約300−600ボルトDCの範囲内にあり、
前記モータードライブは、前記電源供給部を介して、前記DC電圧を受け取り、前記モーターを駆動させる出力を、前記DC電圧から導出するシステム。
【請求項2】
前記DC電圧の第1の源と、
前記DC電圧の第2の源と
をさらに具備し、
前記第1の源と、前記第2の源とが互いにブリッジされて、前記電源供給部に対して前記DC電圧を提供する、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記モーターの動作に関連するパラメータを感知し、これを示すパラメータ値を提供するセンサーと、
前記パラメータ値と基準値との比較を実行し、前記比較に基づいて、前記モータードライブを制御する信号を出力して、次に、前記モーターを駆動させる前記出力を制御する制御装置と
をさらに具備する、請求項1記載のシステム。
【請求項4】
前記モータードライブの前記出力は、前記モータードライブの回路の切り替え動作に関連し、
前記制御装置からの前記信号は、前記切り替え動作を制御して、前記モータードライブの前記出力を制御する、請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記切り替え動作は、切り替えレートとデューティサイクルとからなるグループから選択される、請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記モーターは、交流(AC)モーターであり、
前記モータードライブの前記出力は、AC電圧であり、
前記制御装置からの前記信号は、前記切り替え動作を制御して、前記モータードライブの前記出力の周波数を制御する、請求項4記載のシステム。
【請求項7】
前記モーターは、DCモーターであり、
前記モータードライブの前記出力は、DC電圧であり、
前記制御装置からの前記信号は、前記切り替え動作を制御して、前記モータードライブの前記出力の電圧レベルを制御する、請求項4記載のシステム。
【請求項8】
前記モーターは、冷却装置、空調装置、ファン、ポンプ、およびコンプレッサからなるグループから選択される、1つの装置の構成部品である、請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記モーターは第1のモーターであり、前記モータードライブは第1のモータードライブであり、
前記システムは、
第2のモーターと、
第2のモータードライブと
をさらに具備し、
前記第2のモータードライブは、前記電源供給部を介して、前記DC電圧を受け取り、前記第2のモーターを駆動させる出力を、前記DC電圧から導出し、
前記第1と第2のモーターは、冗長的な関係で構成されており、冷却動作において用いられる、請求項1記載のシステム。

【図1】
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【公表番号】特表2010−512723(P2010−512723A)
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−540321(P2009−540321)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2007/025119
【国際公開番号】WO2008/073319
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(509160476)バリドゥス・ディーシー・システムズ,エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】