説明

EGRクーラー

【課題】複数の伝熱パイプを有するEGRクーラーにおいて、各伝熱パイプの支持部周辺を確実に冷却することができ、伝熱パイプの熱変形を確実に防止できるEGRクーラーを提供する。
【解決手段】EGRガスが内部を流通する複数の伝熱パイプ5・5・・・と、該各伝熱パイプ5・5・・・を内蔵するケーシング2と、該ケーシング2の内部において、各伝熱パイプ5・5・・・を各両端部において支持するエンドプレート3・4と、を備え、ケーシング2と各エンドプレート3・4によって、冷却水の流路を形成するEGRクーラー1であって、エンドプレート3に、該エンドプレート3の厚み内に冷却水を流通させるための冷却水溝7を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの排気再循環に用いるEGRクーラーの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エンジンから排出される排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)および粒子状物質(PM)等の低減や、エンジンの燃費向上に有効な技術として、排気再循環(Exhaust Gas Recirculation:以下、EGRと記載する)と称される技術が広く採用されるに至っている。
EGRを実現するためのシステムにおいては、再循環される排気ガス(以下、EGRガスと呼ぶ)を冷却するための装置であるEGRクーラーが用いられている。
【0003】
EGRクーラーに導入される排気ガスは、非常に高温であるため、EGRクーラーによる排気ガスの冷却が適切に行われないと、EGRクーラーが局所的に高温化し、伝熱パイプの熱変形等を招く場合がある。このような伝熱パイプの熱変形は、伝熱パイプの破損や伝熱パイプの圧損増大による冷却効率の低下等を招く原因となるため、好ましくない。
そこで、以下に示す特許文献1に、EGRクーラーを構成する伝熱パイプが局所的に高温化することを回避するための技術が開示され、公知となっている。
【0004】
特許文献1に開示されている従来技術では、シェル(筐体)の軸心方向一端側における冷却水入口に対して直径方向に対峙する位置に、冷却水入口から導入した冷却水の一部を抜き出すためのバイパス出口を設けて、冷却水を冷却水入口からシェルの内部に導入しながら、その導入した冷却水の一部をバイパス出口から抜き出すことにより、シェルの軸心方向一端側における冷却水入口に対して直径方向に対峙する位置で冷却水が澱まなくなり、伝熱パイプの局所的な高温化を回避する構成としている。
【0005】
また従来、伝熱面積を拡大して熱交換効率を向上させるために、熱交換器部分を構成する伝熱パイプとして扁平形状を有する伝熱パイプを採用したEGRクーラーが知られており、例えば、以下に示す特許文献2等にその技術が開示され公知となっている。
扁平形状を有する伝熱パイプを採用したEGRクーラーでは、円管状の伝熱パイプに比してより高度に寸法精度を確保する必要があるため、伝熱パイプの熱変形による悪影響が、より顕著に現れることが知られている。
このため、扁平形状を有する伝熱パイプを採用したEGRクーラーでは、より確実に伝熱パイプの局所的な高温化を回避する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−74380号公報
【特許文献2】特開2007−64606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
伝熱パイプの局所的な高温化は、伝熱パイプを支持するための端部プレートと伝熱パイプが当接する支持部周辺で起こりやすいことが知られている。
しかしながら、特許文献1に係る従来技術では、端部プレートと伝熱パイプが当接する支持部周辺を確実に冷却することが困難であり、EGRクーラーの局所的な高温化を確実に防止することが困難であった。
【0008】
本発明は、斯かる現状の課題を鑑みてなされたものであり、複数の伝熱パイプを有するEGRクーラーにおいて、各伝熱パイプの支持部周辺を確実に冷却することができ、伝熱パイプの熱変形を確実に防止できるEGRクーラーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0010】
即ち、請求項1においては、EGRガスが内部を流通する複数の伝熱パイプと、該複数の伝熱パイプを内蔵する筐体と、該筐体の内部において、前記複数の伝熱パイプを長さ方向の各両端部において支持するための部材である一対の支持プレートと、を備え、前記筐体と前記一対の支持プレートによって、冷却水の流路を形成するEGRクーラーであって、前記支持プレートに、該支持プレートの厚み内に冷却水を流通させるための冷却水路を形成するものである。
【0011】
請求項2においては、前記伝熱パイプは、扁平形状を有するものである。
【0012】
請求項3においては、前記冷却水路を、前記複数の伝熱パイプの、前記EGRガスの流入側の各端部を支持するための一方の前記支持プレートに形成するものである。
【0013】
請求項4においては、前記冷却水路を、前記支持プレートの厚み内において穿設される、冷却水の流れ方向における上流側に形成される孔である入口部と、冷却水の流れ方向における下流側に形成される孔である出口部と、前記入口部および前記出口部を連通する孔である連通孔と、により構成するものである。
【0014】
請求項5においては、前記筐体と前記一対の支持プレートによって形成する、前記冷却水の流路において、前記入口部に冷却水を導くための抵抗部である第一のガイド部材を備えるものである。
【0015】
請求項6においては、前記第一のガイド部材は、前記伝熱パイプの外周面から突設される壁状の突起部であるものである。
【0016】
請求項7においては、前記第一のガイド部材は、前記伝熱パイプの外周面から突設される複数の略円柱状の突起部であるものである。
【0017】
請求項8においては、前記筐体と前記一対の支持プレートによって形成する、前記冷却水の流路において、前記出口部から流出する冷却水を、前記第一のガイド部材の下流域に導くための抵抗部である第二のガイド部材を備えるものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0019】
請求項1においては、伝熱パイプの支持プレートによる支持部周辺を冷却することができる。
【0020】
請求項2においては、扁平形状を有する伝熱パイプの支持プレートによる支持部周辺を冷却することができる。
【0021】
請求項3においては、簡易な構成により、伝熱パイプの熱変形を防止できる。
【0022】
請求項4においては、伝熱パイプの支持プレートによる支持部周辺を確実に冷却することができる。
【0023】
請求項5においては、伝熱パイプの支持プレートによる支持部周辺をより確実に冷却することができる。
【0024】
請求項6においては、入口部に冷却水を導くための抵抗部を簡易に形成することができる。
【0025】
請求項7においては、抵抗部の下流域における冷却水の澱みを生じさせることなく、入口部に冷却水を導くための抵抗部を簡易に形成できる。
【0026】
請求項8においては、抵抗部の下流域において、冷却水の澱みが生じることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第一の実施形態に係るEGRクーラーの全体構成を示す側面断面模式図。
【図2】エンドプレートによる伝熱パイプの支持状態を示す斜視模式図。
【図3】本発明の第一の実施形態に係るEGRクーラーを構成するエンドプレートを示す模式図、(a)EGRガス上流側に配設されるエンドプレートを示す正面および側面模式図、(b)EGRガス下流側に配設されるエンドプレートを示す正面および側面模式図。
【図4】本発明の第一の実施形態に係るEGRクーラーにおけるエンドプレートの組み付け状態を示す模式図、(a)全体断面模式図、(b)部分断面模式図。
【図5】本発明の第一の実施形態に係るEGRクーラーにおける冷却水の流通状況を示す模式図、(a)側面視における部分断面模式図、(b)平面視における部分断面模式図。
【図6】本発明の第二の実施形態に係るEGRクーラーの全体構成を示す側面断面模式図。
【図7】本発明の第二の実施形態に係るEGRクーラーを構成するEGRガス上流側に配設されるエンドプレートを示す模式図、(a)正面模式図、(b)A−A断面模式図、(c)B−B断面模式図。
【図8】本発明の第二の実施形態に係るEGRクーラーにおけるエンドプレートの組み付け状態を示す模式図、(a)全体断面模式図、(b)部分断面模式図。
【図9】本発明の第二の実施形態に係るEGRクーラーにおける冷却水の流通状況を示す模式図、(a)側面視における部分断面模式図、(b)平面視における部分断面模式図。
【図10】本発明の第二の実施形態に係るEGRクーラーにおける冷却水の流通状況を示す模式図、(a)流出ガイドを備える場合の平面視における部分断面模式図、(b)別実施形態に係る流入ガイドを備える場合の平面視における部分断面模式図。
【図11】本発明に係るEGRクーラーのその他の態様を示す模式図、(a)本発明の第三の実施形態に係るEGRクーラーにおけるエンドプレートを示す正面模式図、(b)本発明の第四の実施形態に係るEGRクーラーにおけるエンドプレートを示す正面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、発明の実施の形態を説明する。
まず始めに、本発明の第一の実施形態に係るEGRクーラーについて、図1〜図5を用いて説明をする。
図1に示す如く、本発明の第一の実施形態に係るEGRクーラー1は、EGRガスを冷却するために用いられる、所謂シェルアンドチューブ型の熱交換器であり、ケーシング2、エンドプレート3・4、複数の伝熱パイプ5・5・・・等により構成されている。
【0029】
ケーシング2は、熱交換を行う対象となる流体(ここでは、EGRガスと冷却水)の流路の一部を形成するための筐体状の部材であり、該ケーシング2にEGRガスを流入させるための開口部であるEGRガス入口2aと、ケーシング2からEGRガスを流出させるための開口部であるEGRガス出口2bと、ケーシング2に冷却水を流入させるための開口部である冷却水入口2cと、ケーシング2から冷却水を流出させるための開口部である冷却水出口2d、等が形成されている。
【0030】
図1および図2に示す如く、各エンドプレート3・4は、ケーシング2におけるEGRガスと冷却水の各流路を隔絶するためのプレート状部材であるとともに、ケーシング2内において、複数の伝熱パイプ5・5・・・を支持するための部材である。
【0031】
エンドプレート3は、各伝熱パイプ5・5・・・のEGRガスの流通方向上流側の各端部を支持するための部材である。
また、図2および図3(a)に示す如く、エンドプレート3には、伝熱パイプ5の軸方向と直交する平面による断面形状に対応しており、伝熱パイプ5と嵌合する孔部である複数の嵌合孔3a・3a・・・が形成されている。
【0032】
図1および図2に示す如く、エンドプレート4は、各伝熱パイプ5・5・・・のEGRガスの流通方向下流側の各端部を支持するための部材である。
また、図2および図3(b)に示す如く、エンドプレート4には、エンドプレート3と同様に、伝熱パイプ5の軸方向と直交する平面による断面形状に対応し、伝熱パイプ5と嵌合する孔部であって、各嵌合孔3a・3a・・・に対応する複数の嵌合孔4a・4a・・・が形成されている。
【0033】
そして、図1に示す如く、ケーシング2内に各エンドプレート3・4を固設することによって、ケーシング2の各エンドプレート3・4によって挟まれた領域において、冷却水の流路を形成し、ケーシング2のそれ以外の領域において、EGRガスの流路を形成している。
このため、EGRガスの流路は、各エンドプレート3・4によって、上流側と下流側に隔てられている。
【0034】
図1および図2に示す如く、伝熱パイプ5は、例えば、略円筒状のパイプを軸方向に対して直交する方向に押し潰すことによって、扁平形状に成型される管状部材であり、軸方向に直交する断面形状が対応する各嵌合孔3a・4aの形状に略一致している。
そして、伝熱パイプ5は、エンドプレート3の嵌合孔3aとそれに対応するエンドプレート4の嵌合孔4aに嵌合させてろう付けされ、各エンドプレート3・4によって、ケーシング2内に支持されている。
このような構成により、上流側と下流側に隔てられたEGRガスの流路を、複数の伝熱パイプ5・5・・・によって連通して、一連のEGRガスの流路を形成している。
【0035】
つまり、EGRクーラー1では、EGRガス入口2aおよびEGRガス出口2bを、各伝熱パイプ5・5・・・によって連通し、EGRガスの流路を形成するとともに、ケーシング2内のエンドプレート3・4によって挟まれる空間と、EGRガス入口2aおよびEGRガス出口2bと、を隔絶して、ケーシング2内のエンドプレート3・4によって挟まれる空間によって、冷却水の流路を形成している。
尚、本実施形態で示すEGRクーラー1は、6本の伝熱パイプ5・5・・・を高さ方向に一定の間隔で積層して備える構成であるため、各エンドプレート3・4について、6箇所の各嵌合孔3a・3a・・・および各嵌合孔4a・4a・・・を形成する場合を例示しているが、本発明に係るEGRクーラーを構成する伝熱パイプの本数をこれに限定するものではない。
【0036】
そして、EGRクーラー1では、各伝熱パイプ5・5・・・の内部にEGRガスを流通させるとともに、各伝熱パイプ5・5・・・の外部に冷却水を流通させることによって、各伝熱パイプ5・5・・・を介してEGRガスと冷却水の熱交換を行って、EGRガスを冷却するようにしている。つまり、EGRガス入口2aからEGRクーラー1に流入したEGRガスは、冷却されてEGRガス出口2bから流出し、冷却水入口2cからEGRクーラー1に流入した冷却水は、昇温されて冷却水出口2dから流出する。
【0037】
さらに、図3(a)に示す如く、エンドプレート3には、冷却水と接触する側の面に複数の溝部である冷却水溝7・7・・・を形成している。
冷却水溝7・7・・・は、各嵌合孔3a・3a・・・の間の部位であってエンドプレート3による各伝熱パイプ5・5・・・の支持部を形成する境界部3b・3b・・・と、各嵌合孔3a・3a・・・に隣接する部位であってエンドプレート3による各伝熱パイプ5・5・・・の支持部を形成する隣接部3c・3dにおいて、各嵌合孔3a・3a・・・に対して平行に、かつ、各嵌合孔3a・3a・・・の幅以上の範囲で形成されている。
尚、冷却水溝7の形成位置、深さ、形成範囲等は、各伝熱パイプ5・5・・・を支持するのに必要な強度や所望する冷却能力等を考慮して適宜設定する。
【0038】
そして、図4(a)(b)に示す如く、EGRクーラー1において、エンドプレート3は、冷却水溝7・7・・・を冷却水の流路側に向けて配設している。
このような構成により、EGRクーラー1では、図5(a)(b)に示す如く、ケーシング2内(冷却水の流路)を流通する冷却水を、各冷却水溝7・7・・・にまで入り込ませることができ、冷却水によって、各境界部3b・3b・・・および各隣接部3c・3dを冷却することができる。
【0039】
このようにEGRクーラー1では、ケーシング2内を流通する冷却水が、エンドプレート3の厚み内に形成される各冷却水溝7・7・・・内にも流通するため、従来冷却されにくかったエンドプレート3による各伝熱パイプ5・5・・・の支持部(即ち、各境界部3b・3b・・・および各隣接部3c・3d)を冷却することができる。
【0040】
一方、図3(b)に示す如く、エンドプレート4には、各嵌合孔4aに隣接する部位等に冷却水溝を形成しておらず、この点でエンドプレート3と相違している。
つまり、EGRクーラー1では、EGRガス上流側のエンドプレート3に比して、より低温であり局所的な高温化が生じにくいEGRガス下流側のエンドプレート4は、冷却水溝等を形成しない簡易な構成としている。
【0041】
次に、本発明の第二の実施形態に係るEGRクーラーについて、図6〜図10を用いて説明をする。
図6に示す如く、本発明の第二の実施形態に係るEGRクーラー11は、ケーシング2内において、一対のエンドプレート13・14と、複数の伝熱パイプ15・15・・・を備えている点において、EGRクーラー1と相違しており、その他の部位の構成はEGRクーラー1と共通している。
【0042】
各エンドプレート13・14は、前述した各エンドプレート3・4と同様に、ケーシング2におけるEGRガスと冷却水の各流路を隔絶するためのプレート状部材であるとともに、ケーシング2内において、複数の伝熱パイプ15・15・・・を支持するための部材である。
【0043】
エンドプレート13は、前述したエンドプレート3と同様に、各伝熱パイプ15・15・・・のEGRガスの流通方向上流側の各端部を支持するための部材であり、エンドプレート14は、前述したエンドプレート4と同様に、各伝熱パイプ15・15・・・のEGRガスの流通方向下流側の各端部を支持するための部材である。
また、図7(a)(b)(c)に示す如く、エンドプレート13には、伝熱パイプ15の軸方向と直交する平面による断面形状に対応しており、伝熱パイプ15と嵌合する孔部である複数の嵌合孔13a・13a・・・が形成されている。
【0044】
また、エンドプレート14は、前述したエンドプレート4と共通の部材であり、伝熱パイプ15の軸方向と直交する平面による断面形状に対応し、伝熱パイプ15と嵌合する孔部であって、各嵌合孔13a・13a・・・に対応する複数の嵌合孔14a・14a・・・が形成されている(図3(b)参照)。
【0045】
そして、ケーシング2内に各エンドプレート13・14を固設することによって、前述した各エンドプレート3・4と同様に、ケーシング2の各エンドプレート13・14によって挟まれた領域において、冷却水の流路を形成し、ケーシング2のそれ以外の領域において、EGRガスの流路を形成している。
このため、EGRガスの流路は、各エンドプレート13・14によって、上流側と下流側に隔てられている。
【0046】
図6に示す如く、伝熱パイプ15は、例えば、略円筒状のパイプを軸方向に対して直交する方向に押し潰すことによって、扁平形状に成型される管状部材であり、軸方向に直交する断面形状が対応する各嵌合孔13a・14aの形状に略一致している。
そして、伝熱パイプ15は、エンドプレート13の嵌合孔13aとそれに対応するエンドプレート14の嵌合孔14aに嵌合させてろう付けされ、各エンドプレート13・14によって、ケーシング2内に支持されている。
このような構成により、上流側と下流側に隔てられたEGRガスの流路を、複数の伝熱パイプ15・15・・・によって連通して、一連のEGRガスの流路を形成している。
【0047】
つまり、EGRクーラー11では、EGRガス入口2aおよびEGRガス出口2bを、各伝熱パイプ15・15・・・によって連通し、EGRガスの流路を形成するとともに、ケーシング2内のエンドプレート13・14によって挟まれる空間と、EGRガス入口2aおよびEGRガス出口2bと、を隔絶して、ケーシング2内のエンドプレート13・14によって挟まれる空間によって、冷却水の流路を形成している。
【0048】
そして、EGRクーラー11では、各伝熱パイプ15・15・・・の内部にEGRガスを流通させるとともに、各伝熱パイプ15・15・・・の外部に冷却水を流通させることによって、各伝熱パイプ15・15・・・を介してEGRガスと冷却水の熱交換を行って、EGRガスを冷却するようにしている。つまり、EGRガス入口2aからEGRクーラー11に流入したEGRガスは、冷却されてEGRガス出口2bから流出し、冷却水入口2cからEGRクーラー11に流入した冷却水は、昇温されて冷却水出口2dから流出する。
【0049】
さらに、図7(a)(b)(c)に示す如く、エンドプレート13には、冷却水と接触する側の面において開口され、冷却水の流路に連通する複数の孔部である冷却水孔17・17・・・を形成している。
冷却水孔17は、エンドプレート13の厚み内において穿設される孔部であり、冷却水上流側に開口する孔である入口部17aと、冷却水下流側に開口する孔である出口部17bと、入口部17aおよび出口部17bを連通する連通孔17cと、により構成している。
【0050】
また、冷却水孔17・17・・・は、各嵌合孔13a・13a・・・の間の部位であってエンドプレート13による各伝熱パイプ15・15・・・の支持部を形成する境界部13b・13b・・・と、各嵌合孔13a・13a・・・に隣接する部位であってエンドプレート13による各伝熱パイプ15・15・・・の支持部を形成する隣接部13c・13dにおいて、各嵌合孔13a・13a・・・に対して平行に、かつ、各嵌合孔13a・13a・・・の幅以上の範囲で形成されている。
尚、冷却水孔17の形成位置、孔径、形成範囲等は、各伝熱パイプ15・15・・・を支持するのに必要な強度や所望する冷却能力等を考慮して適宜設定する。
【0051】
そして、図8(a)(b)に示す如く、EGRクーラー11において、エンドプレート13は、各入口部17a・17a・・・および各出口部17b・17b・・・を、冷却水の流路に向けて開放する配置としている。
このような構成により、EGRクーラー11では、図9(a)(b)に示す如く、ケーシング2内を流通する冷却水の一部を分岐して、各冷却水孔17・17内に流通させることができ、冷却水によって、各境界部13b・13b・・・および各隣接部13c・13dを冷却することができる。
【0052】
このようにEGRクーラー11では、ケーシング2内を流通する冷却水が、エンドプレート13の厚み内に形成される各冷却水孔17・17・・・内にも流通するため、従来冷却されにくかったエンドプレート13による各伝熱パイプ15・15・・・の支持部(即ち、各境界部13b・13b・・・および各隣接部13c・13d)を冷却することができる。
【0053】
また、本発明の第一の実施形態に係るEGRクーラー1において、エンドプレート3に形成される冷却水溝7は、冷却水の入口および出口が定まっていないため、冷却水溝7に対する冷却水の出入りが安定しないという課題が生じる。
一方、本発明の第二の実施形態に係るEGRクーラー11において、エンドプレート13に形成される冷却水孔17は、入口部17aおよび出口部17bが定まっていて、冷却水が入口部17aから流入して出口部17bから流出するといったように、冷却水孔17における冷却水の流れがより安定しているため、冷却性能の安定性という観点において、EGRクーラー11はEGRクーラー1に比して優れている。
【0054】
即ち、本発明の第二の実施形態に係るEGRクーラー11において、冷却水孔17は、エンドプレート13の厚み内において穿設される、冷却水の上流側に形成される孔である入口部17aと、冷却水の下流側に形成される孔である出口部17bと、入口部17aおよび出口部17bを連通する孔である連通孔17cと、により構成するものである。
このような構成により、各伝熱パイプ15・15・・・のエンドプレート13による支持部周辺を確実に冷却することができる。
【0055】
また、図3(b)に示す如く、エンドプレート14には、前述したエンドプレート4と同様に、各嵌合孔14aに隣接する部位等に冷却水溝を形成しておらず、この点でエンドプレート13と相違している。
つまり、EGRクーラー11では、前述したEGRクーラー1と同様に、EGRガス上流側のエンドプレート13に比して、より低温であり局所的な高温化が生じにくいEGRガス下流側のエンドプレート14は、冷却水溝等を形成しない簡易な構成としている。
【0056】
即ち、本発明の第一および第二の実施形態に係る各EGRクーラー1・11は、冷却水溝7および冷却水孔17を、各伝熱パイプ5・5・・・、あるいは各伝熱パイプ15・15・・・の、EGRガスの流入側の各端部を支持するための一方の支持プレートであるエンドプレート3およびエンドプレート13に形成するものである。
このような構成により、簡易な構成で、各伝熱パイプ5・5・・・および各伝熱パイプ15・15・・・の熱変形を防止できる。
【0057】
また、エンドプレート3に冷却水孔17を形成した場合において、冷却水が冷却水孔17に流通しないことが懸念される。
そこで、EGRクーラー11では、図8(b)に示す如く、ケーシング2(冷却水の流路)内に、該ケーシング2内を流通する冷却水を各入口部17a・17a・・・に導くための抵抗部である流入ガイド18・18・・・を備える構成としている。
【0058】
流入ガイド18は、伝熱パイプ15の扁平部を形成する外周面から突設される壁状の部位であって、隣接する伝熱パイプ15・15の間を流通する冷却水に抵抗を付与して、入口部17aの開口方向に沿う方向に一部の冷却水の流れ方向を変更する役割を果たしている。
【0059】
流入ガイド18は、伝熱パイプ15をプレス成型して扁平形状とするときに、同時にプレス成型によって管外側に向けて突設して形成される壁状の突起部であり、隣接する伝熱パイプ15・15の各流入ガイド18・18の頂部同士を当接させることによって、隣接する伝熱パイプ15・15の間の冷却水の流路内に一体的な壁状の抵抗部を形成する構成としている。
また、本実施形態では、最も外側に配置された伝熱パイプ15・15に形成される各流入ガイド18・18に対応する突起部18a・18bをケーシング2の内周面に配設するようにしている。
尚、流入ガイド18の形成位置、傾き、幅等は、冷却水孔17における入口部17aの形成位置や孔径や、所望する冷却能力等に応じて適宜設定する。
また、流入ガイド18の形状は、本実施形態に示すように直線状の壁部として形成する場合に限らず、所望する流れの状況に応じて適宜曲線状の壁部として形成することも可能である。
【0060】
また、本実施形態では、伝熱パイプ15のプレス成型時に、同時に流入ガイド18をプレス成型により形成する態様を例示しているが、流入ガイドは、プレス成型により形成するものに限定されず、例えば、別部材として準備した壁状部材を伝熱パイプの外周面に溶接等により固設して、流入ガイドを形成する態様とすることも可能である。
【0061】
そして、図9(a)(b)に示す如く、EGRクーラー11では、流入ガイド18・18・・・を備えているため、ケーシング2内を流通する冷却水の一部の流れを入口部17aに向かわせることができるため、冷却水を確実に冷却水孔17内に導くことができる。
【0062】
即ち、本発明の第二の実施形態に係るEGRクーラー11は、ケーシング2と各エンドプレート13・14によって形成する、前記冷却水の流路において、入口部17aに冷却水を導くための抵抗部である流入ガイド18・18・・・を備えるものである。
このような構成により、各伝熱パイプ15・15・・・のエンドプレート13による支持部周辺をより確実に冷却することができる。
【0063】
また、本発明の第二の実施形態に係るEGRクーラー11において、ガイド部材は、各伝熱パイプ15・15・・・の外周面から突設される壁状の突起部である流入ガイド18・18・・・とするものである。
このような構成により、入口部17aに冷却水を導くための抵抗部を簡易に形成することができる。
【0064】
ところで、図10(a)に示す如く、流入ガイド18・18・・・を備えるEGRクーラー11では、流入ガイド18によって冷却水の流れが偏流されるため、流入ガイド18の下流域において、冷却水の澱みが生じることが懸念される。
そこで、本発明の第二の実施形態に係るEGRクーラー11において、流入ガイド18・18・・・を備える場合には、出口部17bから流出する冷却水を流入ガイド18の下流域に導くための抵抗部である流出ガイド19・19・・・を備えることによって、流入ガイド18の下流域における冷却水の澱みを解消することができる。
【0065】
流出ガイド19は、伝熱パイプ15の扁平部を形成する外周面から突設される壁状の部位であって、隣接する伝熱パイプ15・15の間を流通する冷却水に抵抗を付与して、出口部17bから流出する冷却水の一部の流れ方向を変更する役割を果たしている。
【0066】
流出ガイド19は、流入ガイド18と同様に、伝熱パイプ15をプレス成型して扁平形状とするときに、同時にプレス成型によって管外側に向けて突設して形成される壁状の突起部であり、隣接する伝熱パイプ15・15の各流出ガイド19・19の頂部同士を当接させることによって、隣接する伝熱パイプ15・15の間の冷却水の流路内に一体的な壁状の抵抗部を形成する構成としている。
尚、流出ガイド19の形成位置、傾き、幅等は、冷却水孔17における出口部17bの形成位置や孔径等に応じて適宜設定する。
【0067】
このように、EGRクーラー11では、流出ガイド19・19・・・を備えているため、出口部17bから流出する冷却水の流れを、流入ガイド18・18・・・の下流域に向けることができるため、流入ガイド18・18・・・の下流域において、冷却水の澱みが生じることを確実に防止することができる。
尚、本実施形態では、伝熱パイプ15のプレス成型時に、同時に流出ガイド19をプレス成型により形成する態様を例示しているが、流出ガイドは、プレス成型により形成するものに限定されず、例えば、別部材として準備した壁状部材を伝熱パイプの外周面に溶接等により固設して、流出ガイドを形成する態様とすることも可能である。
【0068】
即ち、本発明の第二の実施形態に係るEGRクーラー11は、ケーシング2と各エンドプレート13・14によって形成する、前記冷却水の流路において、出口部17bから流出する冷却水を、流入ガイド18の下流域に導くための抵抗部である流出ガイド19を備えるものである。
このような構成により、流入ガイド18の下流域において、冷却水の澱みが生じることを防止できる。
【0069】
また、ケーシング2内を流通する冷却水を各入口部17a・17a・・・に導くための抵抗部である流入ガイドの態様は、図10(b)に示すような流入ガイド28・28・・・の態様とすることも可能である。
流入ガイド28は、伝熱パイプ15の扁平部を形成する外周面から突設される略円筒状の部位であって、隣接する伝熱パイプ15・15の間を流通する冷却水に抵抗を付与して、入口部17aの開口方向に沿う方向に一部の冷却水の流れ方向を変更する役割を果たしている。
【0070】
流入ガイド28は、伝熱パイプ15をプレス成型して扁平形状とするときに、同時にプレス成型によって管外側に向けて突設して形成される略円筒状の突起部であり、隣接する伝熱パイプ15・15の各流入ガイド28・28・・・の頂部同士を当接させることによって、隣接する伝熱パイプ15・15の間の冷却水の流路内に一体的な略円筒状の抵抗部を形成する構成としている。
尚、流入ガイド28・28・・・の形成位置、配列数等は、冷却水孔17における入口部17aの形成位置や孔径、所望する冷却能力等に応じて適宜設定する。
【0071】
このように、EGRクーラー11において、流入ガイド28・28・・・を備える構成とすれば、ケーシング2内を流通する冷却水の一部を確実に冷却水孔17に流通させることができる。
また、流入ガイド28・28・・・を備える構成では、冷却水が各流入ガイド28・28・・・の間を流通することができるため、流入ガイド28・28・・・の下流域に冷却水の澱みが生じることがない。
尚、本実施形態では、伝熱パイプ15のプレス成型時に、同時に流入ガイド28をプレス成型により形成する態様を例示しているが、流入ガイドは、プレス成型により形成するものに限定されず、例えば、別部材として準備した略円柱状の部材を伝熱パイプの外周面に溶接等により固設して、流入ガイドを形成する態様とすることも可能である。
【0072】
即ち、本発明の第二の実施形態に係るEGRクーラー11において、ガイド部材は、各伝熱パイプ15・15・・・の外周面から突設される複数の略円柱状の突起部である流入ガイド28・28・・・とするものである。
このような構成により、流入ガイド28・28・・・の下流域における冷却水の澱みを生じさせることなく、入口部17aに冷却水を導くための抵抗部を簡易に形成できる。
【0073】
尚、本実施形態では、EGRクーラー11において、各流入ガイド18・28や流出ガイド19を備える構成を例示しているが、EGRクーラー1において、各流入ガイド18・28や流出ガイド19を備える構成とすることも可能である。
【0074】
次に、円管状の伝熱パイプを採用した場合の本発明に係るEGRクーラーの構成について、図11を用いて説明をする。
本発明の第一および第二の実施形態に係る各EGRクーラー1・11では、各伝熱パイプ5・15が扁平形状を有する態様である場合を例示して説明をしているが、本発明に係るEGRクーラーを構成する伝熱パイプは、必ずしも扁平形状である必要はなく、一般的に用いられている円管状の伝熱パイプを採用する構成であってもよい。
【0075】
即ち、本発明の第一の実施形態に係るEGRクーラー1における扁平形状を有する伝熱パイプ5を、円管状の複数の伝熱パイプで置換することによって、本発明の第三の実施形態に係るEGRクーラー(図示せず)を構成できる。本発明の第三の実施形態に係るEGRクーラーは、図11(a)に示すようなエンドプレート23を用いて構成することができる。
【0076】
エンドプレート23は、円管状の伝熱パイプ(図示せず)のEGRガスの流通方向上流側の各端部を支持するための部材であり、エンドプレート23には、伝熱パイプの軸方向と直交する平面による断面形状に対応しており、伝熱パイプと嵌合する孔部である複数の嵌合孔23a・23a・・・が形成されている。
エンドプレート23に形成される複数の嵌合孔23a・23a・・・は、エンドプレート3における1個の扁平形状の嵌合孔3a(図3参照)を、15個の円形状の嵌合孔23a・23a・・・で置き換えるような態様としている。
【0077】
そして、エンドプレート23には、エンドプレート3と同様に、冷却水と接触する側の面に冷却水溝7と同様の複数の溝部である冷却水溝27・27・・・を形成している。
冷却水溝27・27・・・は、各嵌合孔23a・23a・・・の間の部位であってエンドプレート23による各伝熱パイプの支持部を形成する境界部23b・23b・・・と、各嵌合孔23a・23a・・・に隣接する部位であってエンドプレート23による各伝熱パイプの支持部を形成する隣接部23c・23dに形成されている。
【0078】
また、本発明の第三の実施形態に係るEGRクーラーでは、エンドプレート23に対応する形状であって、EGRガスの下流側に配設する各冷却水溝27・27・・・を備えない態様のエンドプレート(図示せず)を一対で使用する。
【0079】
また、本発明の第二の実施形態に係るEGRクーラー11における扁平形状を有する伝熱パイプ15を、円管状の複数の伝熱パイプで置換することによって、本発明の第四の実施形態に係るEGRクーラー(図示せず)を構成できる。本発明の第四の実施形態に係るEGRクーラーは、図11(b)に示すようなエンドプレート33を用いて構成することができる。
【0080】
エンドプレート33は、円管状の伝熱パイプ(図示せず)のEGRガスの流通方向上流側の各端部を支持するための部材であり、エンドプレート33には、伝熱パイプの軸方向と直交する平面による断面形状に対応しており、伝熱パイプと嵌合する孔部である複数の嵌合孔33a・33a・・・が形成されている。
エンドプレート33に形成される複数の嵌合孔33a・33a・・・は、エンドプレート13における1個の扁平形状の嵌合孔13a(図7参照)を、15個の円形状の嵌合孔33a・33a・・・で置き換えるような態様としている。
【0081】
そして、エンドプレート33には、エンドプレート13と同様に、冷却水と接触する側の面に冷却水孔17と同様の孔部である複数の冷却水孔37・37・・・を形成している。
冷却水孔37・37・・・は、各嵌合孔33a・33a・・・の間の部位であってエンドプレート33による各伝熱パイプの支持部を形成する境界部33b・33b・・・と、各嵌合孔33a・33a・・・に隣接する部位であってエンドプレート33による各伝熱パイプの支持部を形成する隣接部33c・33dに形成されている。
【0082】
また、本発明の第四の実施形態に係るEGRクーラーでは、エンドプレート33に対応する形状であって、EGRガスの下流側に配設する各冷却水孔37・37・・・を備えない態様のエンドプレート(図示せず)を一対で使用する。
【0083】
即ち、本発明の第一〜第四の実施形態に係る各EGRクーラー1・11等は、EGRガスが内部を流通する複数の各伝熱パイプ5・5・・・、各伝熱パイプ15・15・・・、あるいは円管状の各伝熱パイプ(図示せず)と、該各伝熱パイプ5・5・・・等を内蔵する筐体であるケーシング2と、該ケーシング2の内部において、各伝熱パイプ5・5・・・等を長さ方向の各両端部において支持するための部材である一対の支持プレートである各エンドプレート3・13・23・33等、およびエンドプレート4・14等と、を備え、ケーシング2と各エンドプレート3・13・23・33、および各エンドプレート4・14等によって、冷却水の流路を形成するものであって、各エンドプレート3・23に、該各エンドプレート3・23の厚み内に冷却水を流通させるための冷却水路である各冷却水溝7・27を形成し、あるいは、各エンドプレート13・33に、該各エンドプレート13・33の厚み内に冷却水を流通させるための冷却水路である各冷却水孔17・37を形成するものである。
このような構成により、各伝熱パイプ5・5・・・、各伝熱パイプ15・15・・・、および円管状の各伝熱パイプの、各エンドプレート3・13・23・33による支持部周辺を冷却することができる。
【0084】
尚、扁平形状を有する伝熱パイプを備えるEGRクーラー(例えば、第一および第二の実施形態に係る各EGRクーラー1・11)では、円管状の伝熱パイプを有するEGRクーラー(例えば、第三および第四の実施形態に係る各EGRクーラー)に比して、エンドプレートによる伝熱パイプの支持部において熱が篭りやすいため、エンドプレートによる各伝熱パイプの支持部を確実に冷却する必要性がより高くなる。
このため、本発明の第一および第二の実施形態に係る各EGRクーラー1・11において、各エンドプレート3・13の厚みの内部まで確実な冷却を可能とし、各エンドプレート3・13による各伝熱パイプ5・15の支持部を確実に冷却できるという本発明が奏する効果の有効性が特に高くなっている。
【0085】
即ち、本発明の第一および第二の実施形態に係る各EGRクーラー1・11において、各伝熱パイプ5・15は扁平形状を有するものである。
このような構成により、扁平形状を有する各伝熱パイプ5・15を備える各EGRクーラー1・11であっても、各伝熱パイプ5・5・・・および各伝熱パイプ15・15・・・のエンドプレート3およびエンドプレート13による支持部周辺を冷却することができる。
【符号の説明】
【0086】
1 EGRクーラー(第一の実施形態)
2 ケーシング
3 エンドプレート(EGRガス上流側)
4 エンドプレート(EGRガス下流側)
5 伝熱パイプ
7 冷却水溝
11 EGRクーラー(第二の実施形態)
13 エンドプレート(EGRガス上流側)
14 エンドプレート(EGRガス下流側)
15 伝熱パイプ
17 冷却水孔
18 流入ガイド
19 流出ガイド
28 流入ガイド
23 エンドプレート
33 エンドプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
EGRガスが内部を流通する複数の伝熱パイプと、
該複数の伝熱パイプを内蔵する筐体と、
該筐体の内部において、前記複数の伝熱パイプを長さ方向の各両端部において支持するための部材である一対の支持プレートと、
を備え、
前記筐体と前記一対の支持プレートによって、冷却水の流路を形成するEGRクーラーであって、
前記支持プレートに、
該支持プレートの厚み内に冷却水を流通させるための冷却水路を形成する、
ことを特徴とするEGRクーラー。
【請求項2】
前記伝熱パイプは、
扁平形状を有する、
ことを特徴とする請求項1記載のEGRクーラー。
【請求項3】
前記冷却水路を、
前記複数の伝熱パイプの、前記EGRガスの流入側の各端部を支持するための一方の前記支持プレートに形成する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のEGRクーラー。
【請求項4】
前記冷却水路を、
前記支持プレートの厚み内において穿設される、冷却水の流れ方向における上流側に形成される孔である入口部と、冷却水の流れ方向における下流側に形成される孔である出口部と、前記入口部および前記出口部を連通する孔である連通孔と、により構成する、
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のEGRクーラー。
【請求項5】
前記筐体と前記一対の支持プレートによって形成する、前記冷却水の流路において、
前記入口部に冷却水を導くための抵抗部である第一のガイド部材を備える、
ことを特徴とする請求項4記載のEGRクーラー。
【請求項6】
前記第一のガイド部材は、
前記伝熱パイプの外周面から突設される壁状の突起部である、
ことを特徴とする請求項5記載のEGRクーラー。
【請求項7】
前記第一のガイド部材は、
前記伝熱パイプの外周面から突設される複数の略円柱状の突起部である、
ことを特徴とする請求項5記載のEGRクーラー。
【請求項8】
前記筐体と前記一対の支持プレートによって形成する、前記冷却水の流路において、
前記出口部から流出する冷却水を、前記第一のガイド部材の下流域に導くための抵抗部である第二のガイド部材を備える、
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のEGRクーラー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−226722(P2011−226722A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98287(P2010−98287)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】