説明

EL表示装置及びその駆動方法

【課題】特性表示ムラのない画像表示を実現できるEL表示装置を提供する。
【解決手段】EL素子81に供給する電流を決定する駆動トランジスタ14と、駆動トランジスタ14のゲート電圧を保持するための容量Csとを具備し、容量Csの一方の第1の電極には、駆動トランジスタ14のゲート電極に接続され、容量Csの他方の第2の電極には、第1の電源と第2の電源が交互に接続され、駆動トランジスタ14にソース信号線10からの信号が印加される第1の期間には基準電圧の電源が接続され、駆動トランジスタ14がEL素子81に電流を供給する第2の期間においてELアノード電源が接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機又は無機エレクトロルミネッセンス(EL)素子などを用いるEL表示パネルなどの自発光表示パネルを用いたEL表示装置及びその駆動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気光学変換物質として有機EL材料又は無機EL材料を用いたアクティブマトリクス型の画像表示装置は、画素に書き込まれる電流に応じて発光輝度が変化する。EL表示装置は、各画素に発光素子を有する自発光型である。EL表示装置は、液晶表示パネルに比べて画像の視認性が高い、発光効率が高い、バックライトが不要、応答速度が速い等の利点を有する。
【0003】
有機EL(PLED、OLED、OEL)パネルは、アクティブマトリクス方式の開発が行なわれている。この方式は、各画素回路内部の発光素子に流れる電流を、画素回路内部に設けた能動素子(一般には薄膜トランジスタ、TFT)によって制御するものであり、例えば特許文献1、2が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−255856号公報
【特許文献2】特開2003−271095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
EL表示パネルは、低温又は高温ポリシリコンからなるトランジスタアレイを用いてパネルを構成する。しかし、有機EL素子は、ポリシリコントランジスタアレイのトランジスタ特性にバラツキがあると、表示ムラが発生する。
【0006】
すなわち、EL素子に駆動電流を供給する駆動用トランジスタに特性バラツキがあると、変換される電流信号にもバラツキが発生する。通常、トランジスタは50%以上の特性バラツキがある。そのために、駆動用トランジスタの特性バラツキが表示ムラとして表示され、画像表示品位を低下させるという問題点があった。
【0007】
そこで本発明は、特性表示ムラのない画像表示を実現できるEL表示装置及びその駆動方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、EL素子を有する画素が、マトリクス状に形成されたEL表示装置であって、前記EL素子に供給する電流を決定する駆動トランジスタと、前記駆動トランジスタのゲート電圧を保持するための容量と、を具備し、前記容量の一方の第1の電極には、前記駆動トランジスタのゲート電極が接続され、前記容量の他方の第2の電極には、(1)前記駆動トランジスタにソース信号線からの信号が印加される第1の期間において第1の電源が接続され、(2)前記駆動トランジスタが前記EL素子に電流を供給する第2の期間において第2の電源が接続される、ことを特徴とするEL表示装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、特性表示ムラのない画像表示を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例1のEL表示装置の画素の構成図である。
【図2】実施例1のEL表示装置の駆動方法の説明図である。
【図3】参考例のEL表示装置の画素の構成図である。
【図4】実施例1のEL表示装置の画素の構成図である。
【図5】EL表示装置の電源の構成図である。
【図6】EL表示装置の電源の構成図である。
【図7】EL表示装置の画素の構成図である。
【図8】EL表示装置の画素の構成図である。
【図9】EL表示装置の駆動方法を示した図である。
【図10】EL表示装置の画素の構成図である。
【図11】図10の画素の駆動方法の説明図である。
【図12】EL表示装置の画素の構成図である。
【図13】EL表示装置の画素の構成図である。
【図14】図12、図13の画素の駆動方法の説明図である。
【図15】EL表示装置の画素の構成図である。
【図16】図15の画素の駆動方法の説明図である。
【図17】EL表示装置の画素の構成図である。
【図18】EL表示装置の画素の構成図である。
【図19】図17の画素の駆動方法の説明図である。
【図20】EL表示装置の画素の構成図である。
【図21】EL表示装置に用いる電源発生部のブロック図である。
【図22】EL表示装置において、電源発生部からアレー基板への配線引き回しを示した図。
【図23】EL表示装置において、電源発生部からアレー基板への配線引き回しを示した図。
【図24】図1の画素構成において映像信号書き込み時の等価回路を示した図である。
【図25】図1の画素構成においてEL素子発光時の等価回路を示した図である。
【図26】アナログデジタル変換部の回路構成を示した図である。
【図27】ELアノード電源と基準電圧を切り替える切り替え部を2行分共通にしたときの画素の構成図である。
【図28】図27の回路構成における各スイッチの動作を示した図である。
【図29】EL表示装置の電流駆動方式による画素回路を示した図である。
【図30】図29の画素回路におけるELアノード電源が変動した時の駆動トランジスタゲート電圧の変動を示した図である。
【図31】EL表示装置に電流及び電圧出力を有するソースドライバを適用した構成を示した図である。
【図32】図29の画素回路における電源回路の構成を示した図である。
【図33】図29の画素回路における駆動方法を示した図である。
【図34】図31の回路構成におけるアナログ出力及び画素回路の動作を示した図である。
【図35】n型駆動トランジスタを用いた画素回路を示した図である。
【図36】図3の画素回路における節点Aの電圧変化を示した図である。
【図37】EL表示装置におけるELアノード電源配線とを示した図である。
【図38】EL表示装置の画素回路を示した図である。
【図39】参考例の図3の画素回路の動作を示した図である。
【図40】図37における駆動用トランジスタ14のゲート電圧の変化を(a)画素106b、(b)画素106eで示した図である。
【図41】基準電圧とアナログ電源が異なる場合の電源発生部からアレー基板への配線を示した図である。
【図42】EL表示装置の画素回路を示した図。
【図43】EL表示装置の画素回路を示した図。
【図44】図42の画素回路における動作を示した図である。
【図45】図43の画素回路における動作を示した図である。
【図46】黒挿入率に対する寿命の関係を示した図である。
【図47】図42、図43の画素回路で点灯期間、非点灯期間のEL素子、スイッチの動作を示した図である。
【図48】1行毎に白及び黒を表示する表示パターンを示した図である。
【図49】図48の表示パターンにおけるEL素子に電流を供給するスイッチとELアノード電源及びELカソード電源の電流値の変化を示した図である。
【図50】点灯率に対して表示輝度を変化させる動作を示した図である。
【図51】1行毎白黒を変化させたパターンのうち左側の一部を全行白に下パターンと電流値の変化を示した図である。
【図52】複数行の基準電圧ラインに線順次で電圧を印加するための回路を示した図である。
【図53】図27の画素構成におけるゲートドライバ及び各画素のスイッチへの信号配線を示した図である。
【図54】図38の画素構成における駆動波形を示した図である。
【図55】実施例1のEL表示装置を用いたシステムの構成を示した図である。
【図56】実施例1のEL表示装置を用いたビデオカメラを示した図である。
【図57】実施例1のEL表示装置を用いたデジタルカメラを示した図である。
【図58】実施例1のEL表示装置を用いた携帯情報端末を示した図である。
【図59】実施例1のEL表示装置の構成図である。
【図60】信号線選択駆動機能を有するEL表示装置の画素回路を示した図である。
【図61】図60の回路における駆動波形を示した図である。
【図62】信号線選択機能及び偶数奇数行で異なるソース信号線を有する画素回路を示した図である。
【図63】図62の画素回路における駆動波形を示した図である。
【図64】実施例2のEL表示装置の画素回路を示した図である。
【図65】実施例2のEL表示装置の画素回路を示した図である。
【図66】実施例2のEL表示装置の画素回路を示した図である。
【図67】実施例2のEL表示装置のタイミングチャートである。
【図68】実施例2のEL表示装置の画素回路を示した図である。
【図69】図68の動作波形図である。
【図70】実施例2のEL表示装置の画素回路を示した図である。
【図71】実施例2のn型の駆動トランジスタの画素回路を示した図である。
【図72】実施例3のEL表示装置の画素回路における駆動波形を示した図である。
【図73】実施例4のEL表示装置の画素回路を示した図である。
【図74】実施例4のEL表示装置の画素回路における駆動波形を示した図である。
【図75】実施例5のEL表示装置の画素回路を示した図である。
【図76】実施例5のEL表示装置の画素回路における駆動波形を示した図である。
【図77】実施例5の変形例のEL表示装置の画素回路を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
まず、参考例のEL表示装置について図3、図36、図37、図39、図40を用いて説明する。
【0012】
図3は、参考例のEL表示装置における1画素当たりの回路を示した図である。ここでスイッチ15〜19は、一般的にはトランジスタで作成される。
【0013】
図39に図3の画素回路における1フレームの動作を示す。1フレーム間では、初期化期間21、映像信号書き込み及び閾値補正22、発光期間23、非発光期間24からなる。各スイッチの動作は、ハイレベルを導通状態、ローレベルを非導通状態で記載している。
【0014】
初期化期間では、次の閾値補正の動作を迅速に行うために、駆動トランジスタ14のゲート電圧(節点14)に初期化電源31(VINI)を印加する。ドレイン電流を流すために、駆動トランジスタ14がp型のトランジスタであれば低い電圧を、n型のトランジスタであれば高い電圧を印加する。
【0015】
次に映像信号書き込み及び閾値補正期間22において、ソース信号線10から表示したい階調に応じた電圧が画素に書き込まれる。図39のスイッチの動作によると、駆動トランジスタ14のソース電圧に、ソース信号線電圧が印加され、駆動トランジスタ14のゲート電圧(節点A)には、ソース信号線電圧から駆動トランジスタ14の閾値電圧だけ低い電圧が印加される。ELアノード電源13と映像信号書き込み及び閾値補正期間22の節点Aとの電位差が蓄積容量Csにより1フレーム間保持される。
【0016】
次の発光期間23において、蓄積容量Csに蓄えられた電荷に基づいて駆動トランジスタ14に電流が流れ、EL素子81が発光する。
【0017】
非発光状態24は、必ずしも必要ではないが、スイッチ19を非導通状態とすれば、EL素子81に電流が流れる、非発光状態となる。液晶パネルでの黒挿入と同様な視覚効果を持たせることが可能である。
【0018】
節点Aの電圧は、図36に示すように変化する。
【0019】
ELアノード電源13を図37の371に示すように配線して表示装置を作成すると、表示パターンによってはEL素子81に大きな電流を流すためにELアノード配線371に大きな電流が流れることがある。配線抵抗が存在することから、ELアノード電圧13は画素によって異なる電圧が供給されることがある。例えば画素106bでは、供給源から近いため電位降下が少なくPVDD1の電圧となり、画素106eでは供給源から遠いため電位降下が多くPVDD2の電圧となることがある。
【0020】
一方でソース信号線から供給される電圧は、電流が小さいことから配線抵抗による影響は少なく、ソースドライバから出力される電圧にばらつきがない場合には全ての画素で同一の電圧(例えばVS)が画素に印加される。
【0021】
図40に画素106b及び画素106eの節点Aの電圧変化を示す。
【0022】
図40(a)には画素106b、図40(b)には画素106eについて記載している。節点Aの電圧は、どちらの画素も同一の電圧が印加される。ここで駆動トランジスタ14の特性は同一としているが、ELアノード電圧13が異なる。
【0023】
そうすると、蓄積容量Csに印加される電圧は、同一の階調を書き込んでいるにもかかわらず、画素106bではVWR1、画素106eではVWR2となる。発光期間では、蓄積容量Csに印加される電圧に基づいて、駆動トランジスタ14のドレイン電流が流れることから、画素106bと画素106eでは、EL素子81に流れる電流が異なり、同一階調入力に対して、異なる輝度で表示してしまう。
【実施例1】
【0024】
次に、本願発明に係る実施例1のEL表示装置を図1、図2、図4〜図63を用いて説明する。
【0025】
図1は、本実施例のEL表示装置の回路構成を示す。図3の参考例の画素回路に対して、基準電圧12を追加し、蓄積容量Csの節点Aと別の電極の電圧を、ELアノード電源13と切り替えて印加できる構成にしたことが特徴である。
【0026】
図2に図1の回路構成における動作を示す。
【0027】
初期化期間21においては、節点Aに初期化電源31を印加する。このときスイッチ11はどちらの電源を選択してもよい。次の映像信号書き込み及び閾値補正期間22の初期状態において、駆動トランジスタ14にドレイン電流が十分流れるような節点Aの電圧になるように初期化電源31を設定しておけばよいためである。初期化期間21においては、スイッチ11を介して基準電圧12、ELアノード電圧13いずれが選択されていたとしても、画素内部に電流を流す経路がなく、各配線とも配線抵抗があったとしてもどの画素であっても同一の電圧を供給することができる。
【0028】
次に、映像信号書き込み及び閾値補正期間22において、スイッチ11は基準電圧12を選択する。等価回路は図24のように表される。スイッチ16は非導通状態かつ、画素回路で接続されているのは蓄積容量Csのみであるため、基準電圧12に電流は流れない。そのため全ての画素において同一の電圧を供給することが可能である。蓄積容量Csには、(基準電圧12の電圧)−((ソース信号線10から供給された電圧)−(駆動トランジスタ14の閾電圧))分の電荷が蓄積される。
【0029】
最後に、発光期間23では、スイッチ11はELアノード電圧13を選択する。駆動トランジスタ14は蓄積容量Csに蓄えられた電圧に基づいてドレイン電流をEL素子81に流し込む。このとき、電流を供給する電源はELアノード電源13及びELカソード電源20である。基準電圧12は画素回路と電気的に接続されておらず、発効期間23においても電流は流れない。等価回路を図25に示す。
【0030】
1フレーム間において、いずれの期間でも基準電圧12から画素に大電流を供給する必要がなく、図37に示すような画素配列で、371と同様な配線を行ったとしても、全ての画素においてほぼ同一の電圧を供給することができる。
【0031】
これにより映像信号書き込み及び閾値補正期間22において、ソース信号線10から同一の電圧が供給され、かつ駆動トランジスタ14の閾値電圧が同一であったときに、蓄積容量Csに蓄えられる電圧のずれがなくなり、ソース信号線10の電圧及び駆動トランジスタ14の閾値電圧ばらつきに応じた電圧を蓄積容量Csに蓄えられるようになりELアノード電源線371の配線抵抗が原因の輝度変化を防止することが可能となった。
【0032】
ELアノード電源線371の配線抵抗を大きくしてもよく、より細い配線での引き回しが可能となり、狭額縁設計や、より小さな画素面積の画素回路でも配線設計が可能となる。
【0033】
また同一配線幅であった場合には、配線層の膜厚を薄くしてもよい。配線層形成時間を短縮することが可能であり、低コスト化することができる。
【0034】
ELアノード電源線371の配線抵抗が大きくなり、画素内部に到達するまでに電圧降下が大きくなったとしても発光期間23における等価回路図25において、節点B、節点Cの電圧が低下し、節点Aについても節点Bの変動と同様に電圧が低下する。従って駆動トランジスタ14のゲートソース間電圧については配線抵抗による電圧効果の影響を受けず一定となり、輝度変化がおきない構成となっている。
【0035】
図1のように切り替え部11を用いて蓄積容量Csの一端の電源を切り替える方式では、基準電圧12とELアノード電源13の電源電圧を変化させることも可能である。画素に映像信号を書き込む際の基準電圧12は輝度に影響するが、EL素子81に電流を流す際には、ELアノード電源13及びELカソード電源20はどの電圧であってもよい。電位差については、少なくともEL素子81に必要な電圧と、駆動トランジスタ14が電流源として動作するのに必要なソースドレイン間電圧の和以上あればよい。
【0036】
図36に示すように、ELアノード電源13を用いる発光期間においては、ELアノード電源13の電圧が変動しても、蓄積容量Csに蓄えられる電荷は保持されており常に一定のゲートソース間電圧が駆動トランジスタ14に印加されるため、EL素子81に流れる電流は一定である。
【0037】
ELアノード電源13、カソード電源14が任意の電源でよいことから、いずれか一方を0V(グランドレベル)にすることも可能である。0Vとすると、電圧発生部を作成する必要がなくなり、電源回路を削減することができる。
【0038】
図4はELカソード電源14を0Vにした(GNDと表記)回路を示す。図4の回路構成によれば、電源ICは図5(b)のようにでき、図1の回路に対する電源回路(図5(a))に対して、1電源少なくすることができ、低コスト化、部品点数の削減による省スペース化が実現できる。特にELアノード電源もしくはELカソード電源は大電流容量が必要であり、他の電源に比べて大きな回路面積を占めるため1電源分の削減は効果がある。
【0039】
ここで図3の構成で、ELカソード電源20を0Vにすることは、ソースドライバの出力部の耐圧を10V以上の高耐圧プロセスにするか、ELアノード電源とカソード電源間の電位差を6V以下にする必要がある。
【0040】
ソースドライバの出力が最大電圧となるのは黒表示時の時で、ELアノード電源13とソース信号線10の電圧が同一で、閾値補正動作を十分に行った場合に、黒が表示される。ELアノード電源13に対してソース信号線10電圧が高いほど、EL素子81に電流が流れなくなり、ソース信号線10電圧が低いほど電流がたくさん流れる。
【0041】
アナログ電源41は、ELアノード電源13以上の電圧であることが、黒表示を実施し深い黒を表示するためには必要である。
【0042】
アナログ電源41はドライバICの耐圧によって最大値が決定し、ドライバICの出力段の規模を小さくかつ、出力端子間の偏差を小さくすることを考えると6V程度が最大である。
【0043】
アノード電圧13を6Vに設定すると、EL素子81と駆動トランジスタ14はあわせて6V以内で動作する必要がある。しかし、EL素子81は3V以上必要であり、また、駆動トランジスタ14は1Vでも動作するが、6〜10ビットの信号を1V振幅で映像信号書き込み時に印加しなければならず、分解能が不足するため、3〜5V程度あることが好ましい。
【0044】
これにより図3の構成に対して図1、図4の構成とすることで、配線の微細化による狭額縁設計もしくはより1画素当たりの面積の小さい表示装置に適用もしくは、製膜時間が短くなり製造コストが削減できる表示装置が実現できる。また、図4の構成では電源回路を小さくすることができ、低コスト、省面積、またパネル部から外部フレキシブル基板への出力信号数が減ることで実装コスト、フレキシブル基板コストも削減が実現できる。
【0045】
電源回路については、理論上ソース信号線の最大電圧は黒表示時に基準電圧12を印加すればよく、デジタルアナログ変換部42の電源を基準電圧12と共通にして図6に示すようにさらに1電源減らすことも可能である。
【0046】
なお図5(b)の構成により、アナログ電源41と基準電圧12を個別に構成し、アナログ電源41に対して基準電圧12の電圧を低く、設定してもよい。
【0047】
映像信号書き込み及び閾値補正期間22において、駆動トランジスタ14のソース電極の電圧としてより高い電圧を印加することができ、映像信号書き込み及び閾値補正期間22終了後の節点Aの電圧がより高くなり、蓄積容量Csに蓄えられる電荷量が少なくなる。
【0048】
発光期間23における駆動トランジスタ14のドレイン電流が小さくなることからより黒が深い表示を実現することができる。
【0049】
また、閾値補正が十分に実行できず、節点Aの電位上昇が不完全であったとしても、アナログ電源41と基準電圧12の電位差分だけ発光期間23における駆動トランジスタのソースゲート間電圧が小さくなっており、黒表示時における黒浮きが発生しない利点がある。
【0050】
図5(b)の構成でアナログ電源41と基準電圧12を個別に生成する場合には、2つの電源が別々に電圧変動した場合に、画素毎に異なる電位差となって輝度ばらつきが発生することがある。
【0051】
電源の揺れによる輝度ばらつきを防止するために、電源回路として図21(a)に示すような電源発生方法が有効である。アナログ電圧発生部211において、ソースドライバのデジタルアナログ変換部で用いるガンマ電圧を発生する。同時にアナログ電圧発生部211から発生した電圧を元に基準電圧発生部212で、基準電圧12を発生する。基準電圧12は、アナログ電圧41に対して常に一定電圧だけ低下した電圧を出力する回路構成とすることで、アナログ電源41と基準電圧12が連動して電圧変化することで、個別に変動することによる輝度ばらつきを抑えることができる。映像信号書き込み及び閾値補正期間22において、階調電圧と基準電圧12の電位差はどの画素でも同一階調であれば同一となるためである。
【0052】
デジタルアナログ変換部42及びガンマ電圧発生部の構成を図26に示す。ガンマ電圧を発生するための電源を基準電圧12と連動して変化するアナログ電源41で発生する。図26では最高電圧及び最低電圧とも電子ボリューム261によって変化できる構成を示し、最高電圧、最低電圧ともアナログ電源41の電圧の変動に応じて、同一設定であっても電圧が変化する構成である。
【0053】
各階調に対応する電圧は電子ボリューム261の出力を利用して262に示す抵抗分割により生成されるためアナログ電源41に連動して電圧が変化する。ソースドライバの各出力に設けられたセレクタ263により映像信号をソース信号線に出力する電圧に変換する。
【0054】
ソース信号線への階調信号出力はアナログ電源41に連動して出力される。
【0055】
以上の構成により、ソース信号線電圧と、基準電圧12は一方の電圧の変動に連動して他方の電圧が変化することから、配線抵抗や外部ノイズなどによって電圧が変化したとしても、蓄積容量Csには一定の電圧を蓄えることができる。なお、駆動トランジスタ14の特性が同一かつ映像信号振幅が同一の条件であることが好ましい。
【0056】
従って、実施例1の画素回路によれば、映像信号の階調及び駆動トランジスタ14の特性にのみに従って蓄積容量Csに電荷が保持されるようになることから、電源変動に強い表示装置を実現することが可能となった。
【0057】
なお、基準電圧12とELアノード電源13が同一電圧値であるときは図21(b)に示すように、1つの基準電圧発生部212から分配して利用してもよい。ELアノード電流変動と配線抵抗による電位変動の影響を防止するために、図41に示すように、ELアノード電源13と基準電圧12はなるべく電源出力部から近接した場所で分岐し、個別に配線することがよい。
【0058】
電力低減及び電源回路を小型化するために、最大電流を抑制する電流抑制駆動方法がある。画面全体の表示パターンを検出し、最大電流値である全画素が最大輝度で点灯する場合には、全画素の輝度を一定値低下させる。低下率は、表示部の点灯割合によって変化させ、最大である白画面時に、最大低下させ、点灯割合が少ないほど、低下率を少なくして、黒画面の時には、入力信号の通りに点灯させる(図50参照)。
【0059】
全画素の輝度を一定値低下させる方法として、スイッチ16、19、103などを制御して、EL素子81に電流が流れない期間を1フレームの間に設ける方法がある。図39において非発光期間24を設ける方法である。非発光期間24が長いほど輝度を低下させることができる。1フレーム内の発光期間23と非発光期間24の割合を変化させることで、図50のように低下率を変化させることができる。
【0060】
しかし図3のような画素構成では、図48に示すような1行毎に白(481)、黒(482)を繰り返す表示パターンにおいて、図49(a)に示すように1水平走査期間毎に発光期間23と非発光期間24を繰り返した場合に、ELアノード電源13及びELカソード電源20に流れる電流は、図50(b)に示すように大きく変動する。これは、表示パターンの垂直方向の周期と、発光及び非発光期間の周期が一致するときに特に大きくなり、白表示となる481の行のスイッチと黒表示となる482の行のスイッチがそれぞれ同時に動作し、半分の行の画素が白を表示する電流が流れるときと、半分の行の画素が黒を表示する電流が流れるときが交互に実施される。黒表示のときは何行の画素でも電流はほぼ0であり、白表示の時はこの場合、Iwの電流が流れる。白表示と黒表示では電流が大きく異なるため、EL電源の電流が大きく変動する。白(30〜100mA程度)と黒(0mA)が1水平走査期間毎に流れる。
【0061】
ここで図51(a)の表示パターンのように画面の一部を白表示にして、図49(a)のようにスイッチを動作させると、EL素子81に流れる電流は図51(b)に示すように変化する。
【0062】
参考例の画素構成の場合、481表示行と、482表示行でELアノード電源13に流れる電流が変化し、配線抵抗によって、縦方向に白表示が連続する511の領域において、1行全てが白となる512と黒表示部を含む513においては、映像信号書き込み及び特性補正期間22においてELアノード電源13の電圧が異なり、同一映像信号に対する電圧をソース信号線から供給しても、輝度が異なる問題が発生し、発光期間と非発光期間を設けるような図49(a)の制御をすることが不可能であった。非発光期間がなければ、1フレームの間同一にEL素子に電流が流れることから図49(b)、図51(b)のような電流変化は発生しない。
【0063】
本実施例によれば、ELアノード電圧13の電圧が変動しても輝度が変わらないことから、図49(a)に示すようなスイッチ動作を実施することが可能である。
【0064】
これにより図50に示す電流抑制機能を、スイッチ19などの動作によって非発光期間の長さを調整することで実施することが可能となる利点がある。
【0065】
更に非発光期間24を設けられることは、黒表示期間を設けることが可能ともいえる。黒表示期間を設けることの利点として、動画応答性が向上する利点がある。ホールド型の表示装置であるが、間欠的に点灯させることでインパルス型のCRTのような表示が可能となる。動画応答性の向上は、応答速度が速い有機EL素子の特性を引き出す点で有効である。
【0066】
図1もしくは図4の構成に対して、切り替え部11とスイッチ16を図7に示す切り換え部71及び72としてもよい。
【0067】
切り替え部71と72はオンオフが逆となり、初期化21、映像信号書き込み及び閾値補正22の期間では71が導通状態、発光期間23では72が導通状態となるようにすればよい。アナログ電源41はこれまでの説明同様基準電圧12と共通であってもよい。
【0068】
基準電圧12を利用した画素回路において、1画素当たりのスイッチの数を削減するための第1の方式を図8に示す。各スイッチの動作を図9に示す。
【0069】
図7の構成に対してスイッチ19を削除している。
【0070】
初期化期間91において、初期化電源31を駆動トランジスタ14のゲート電極に印加する。切り替え部72は非導通状態、ソース信号線からの信号を取り込むスイッチ17も非導通状態であることから、駆動トランジスタ14はゲート電極の電圧によらずドレイン電流は流れない。更にスイッチ18を導通状態とすることで、初期化電源31がEL素子81のアノード電極に印加される。初期化電源31の電圧が、EL素子81のカソード電極よりも低い電圧になるように設定することでEL素子81に逆バイアス電圧が印加され電流が流れることはない。これにより図7の構成でスイッチ19を非導通状態としていたことと同様な動作を実現できる。
【0071】
次に映像信号書き込み及び特性補正期間92において、ソース信号線10から映像信号に対応した電圧が駆動トランジスタ14のソース電極に印加される。節点Aの電圧はソース信号線10の電圧から閾値電圧分だけ下がった電圧まで上昇する。期間92ではスイッチ18は導通状態なので節点Dも節点Aと同一電位となる。EL素子81に印加される電圧は節点Dの電圧であり、EL素子81の閾電圧よりも節点Dの電圧が低ければ、EL素子81に電流が流れず、スイッチ19が非導通状態と同様に駆動トランジスタ14のオフセットキャンセル動作が可能である。
【0072】
点灯期間93ではスイッチ72を導通状態で他のスイッチを非導通状態とすることでEL素子81に蓄積容量Csに蓄えられた電荷に応じた駆動トランジスタ14のドレイン電流が流れ発光する。
【0073】
非点灯状態にするには非点灯期間94に示すように、EL電源からの電源供給経路を遮断するようにスイッチ72を非導通状態とすればよい。
【0074】
スイッチ71は導通状態でも非導通状態でもよく、制御しやすいほうにすればよい。
【0075】
映像信号を書き込む際に、EL素子81に閾値電圧以上の電圧が印加されないように、駆動トランジスタ14のチャネルサイズ及びソース信号線10の電圧範囲を決定すれば、スイッチ19が不要となり、1画素回路当たりのトランジスタ数を1つ減らすことができ、より小さな画素面積にも対応が可能となった。
【0076】
図4の回路からスイッチ19を削除しても同様の効果が得られる。
【0077】
蓄積容量Csの駆動トランジスタの14ゲート電極と接続される電極と異なる電極の電圧を切り替える機能を有する画素回路規模を小さくしたものを図10に示す。
【0078】
図10は図8の回路のうち、節点Cの電圧を切り替える機能を1行毎に共通にして、1行に対して1つの切り替え回路102としたことが特徴である。これにより画素回路106に含まれるスイッチの数を図8に対して2つ削減することが可能となった。
【0079】
図11に示すように各スイッチを動作させることで、図8と同様な映像信号書き込み及び特性補正、点灯が可能である。
【0080】
図8の節点Cの電圧を行毎に切り替える動作は、スイッチ19が存在する図1、図4の構成でも同様に実施が可能である。図12に回路構成を示す。
【0081】
図12と図10の異なる点は、スイッチ19の存在により、書き込み及び特性補正期間92において、スイッチ19を非導通状態とすることで閾値補正をすることである。
【0082】
図10に対して1画素当たりのトランジスタ数が1つ増加するが、ELカソード電圧20を0Vを含む任意の電圧に設定でき、EL素子81の閾値電圧に関係なく、ソース信号線10の振幅を決めることが可能である。ELカソード電圧20が任意の電圧にできることからELアノード電圧13についても同様に任意の電圧で設計が可能である。
【0083】
ELアノード電源13と基準電圧12を同一電圧に設計すれば、配線抵抗による電位降下を除けば、基準電圧ライン101の電圧は1フレーム間ほぼ同一電圧となることから、基準電圧ライン101での電位変動が少なく、電位変動による他の配線へのカップリングノイズを生成することがなくなる点で優位である。
【0084】
図12でも他の発明と同様に、ドライバのアナログ電源41と基準電圧12を共用してもよいし、同一の電圧発生部から一方の電源のみ電圧をドロップさせる構成としてもよい。
【0085】
図13は図12の構成に対して、スイッチ102の一端の電源をELアノード電圧13と直接接続するのではなく、基準電圧ライン101と接続したことが特徴である。基準電圧ライン101を介してELアノード電源13を供給することで画素回路106内部にELアノード電源13用の配線が不要となり、配線数の削減効果によりレイアウトが容易となる。
【0086】
図13の構成においても、同一行の画素では、基準電圧12もしくはELアノード電源13を切り替え部102によって切り替える構成なので、映像信号の書き込みを行っている際には基準電圧12が画素回路106に供給される。図14からスイッチ103は非導通状態であることから、基準電圧12から画素回路へ電流を供給する経路はなく、これまでの発明と同様に、配線抵抗があったとしても電圧降下が少なく、画素の場所、書き込み階調によらず一定の基準電圧12を供給することができ、電圧変動による輝度ムラの発生を防止することができる。
【0087】
一方で表示期間では、ELアノード電源13が画素回路に供給されることから、大電流はELアノード電源13の配線のみに流れ、切り替え部102と基準電圧ライン101を介して、蓄積容量Cs及びスイッチ103を介して電圧が供給される。
【0088】
駆動トランジスタ14のゲートソース間電圧は蓄積容量Csに蓄えられた電圧で規定されるので、ELアノード電源13が変動しても駆動トランジスタ14のドレイン電流は変化しない。よってELアノード電源13については配線抵抗を気にしなくてもよく、細い配線もしくは膜厚が薄い配線でも設計が可能である。
【0089】
切り替え部102についてはELアノード電源13のスイッチのみなるべく低抵抗で作成することがよい。抵抗が高すぎると、電圧低下量が大きく、EL素子81に十分電圧を印加できるような電圧にするためにELアノード電源13の電圧を高くしなければならなくなり、消費電力が大きくなるので、切り替え部102についてはオン抵抗を小さくすることが好ましい。
【0090】
切り替え部102の制御は、画素回路106のシーケンスと同期して行われるため、スイッチ15、17〜19、103の制御と同様にシフトレジスタによる順次走査を行って全行の動作をさせることが可能である。
【0091】
図12及び図13の構成は、図10のようなスイッチ19がない構成であっても同様に実施が可能である。
【0092】
図15は図10の構成を元に、初期化を行う初期化電源31を駆動トランジスタ14のゲート電極ではなく、スイッチ151を介してEL素子81のアノード電極に入力できる構成としたことが特徴である。図16に図15の回路構成における1フレーム間の信号波形を示す。
【0093】
図15の回路構成によれば初期化電源31をEL素子81のアノード電極に入力できるため、初期化電源31をEL素子81のカソード電極よりも低い電圧で入力することで、EL素子81に逆バイアスを印加できることが特徴である。
【0094】
EL素子81に逆バイアス電圧を印加すると、印加しない場合に比べて発光輝度が初期の半分以下で定義されるEL寿命が長くなるという利点がある。
【0095】
本実施例では、非発光期間を設けることが可能であり、図47においても、初期化・書き込み期間を除いた表示期間472において、点灯期間473と非点灯期間474を設けている。この例では交互に均等に配置しているが、任意の割合で、任意の長さで配置してもよい。前半を点灯期間473、後半を非点灯期間474としてもよい。また電流抑制制御により、1フレーム毎に割合が変化することもある。
【0096】
図15の構成では、非点灯期間474においてスイッチ151を導通状態とすることでEL素子81に逆バイアス電圧を印加できることが特徴である(図47に図示)。
【0097】
このときスイッチ103、17、18は非導通状態で節点Aの電圧は変化しないことから、蓄積容量Csに蓄えられる電荷も変化しない。
【0098】
これにより非点灯期間474のあと再び点灯期間473を実施することが可能である。非点灯期間474から点灯期間473へはスイッチ151を非導通状態とした後に、スイッチ103を導通状態とすればよい。映像信号書き込み期間471で蓄積容量Csに蓄えられた電荷を元にEL素子81が発光する。非点灯期間474を何回はさんだとしても、再び初期化及び映像信号書き込みを行わない限りは点灯期間473では同一の輝度でEL素子81が発光する。
【0099】
図10の回路構成では、非点灯期間において初期化電源VINI(31)を印加すると蓄積容量Csに初期化電圧が印加され、輝度が変化するため、表示期間472のうちの最後の点灯期間473実施後にしか逆バイアスを印加できないが、図15の回路構成では、非点灯期間474であればいつでも初期化電源31によるEL素子81への逆バイアスの印加が実施可能である。
【0100】
逆バイアス電圧の印加により、逆バイアスを印加せずに黒挿入を行った場合の、黒挿入率に対する寿命の関係(図46の曲線461参照)が、図46の曲線462に示すように改善する効果が得られた。黒挿入率0のときは逆バイアスを印加できないため、参考例と本実施例では同一となる。
【0101】
図15に示す、非点灯期間に逆バイアス電圧を印加する画素として図42や図43の構成でも実施が可能である。
【0102】
図42の画素構成の場合、図44に示すようにスイッチを動作させる。EL素子81と駆動トランジスタ14の間にスイッチ19が存在し、点灯期間では導通状態、非点灯期間ではEL素子81に逆バイアスを印加しない場合にはスイッチ19は非導通状態でよいが、EL素子81に逆バイアスを印加する場合には、非点灯期間であるがスイッチ19及びスイッチ151を導通状態としてEL素子81のアノード電極に初期化電源31を印加する。このとき駆動トランジスタ14に電流が流れることを防止するためスイッチ103は非導通状態であることが望ましい。
【0103】
初期化電源31を入力するスイッチ151は、EL素子81とスイッチ19の間に設けてもよい。このときの画素回路を示したものが図43である。動作を図45に示す。非点灯期間にスイッチ151を導通状態にすれば、スイッチ19が非導通状態であることからEL素子81に逆バイアス電圧が印加される。初期化期間191で、スイッチ151のほか、スイッチ19及びスイッチ18を介して駆動トランジスタ14のゲート電圧を初期化する必要があり、スイッチ18及び19が初期化期間191でも導通状態となることが特徴である。
【0104】
図15、図42、図43のような回路構成において、ELアノード電源13は基準電圧ライン101から、同一行画素において全て供給してもよい。図15の画素構成の場合の例を図17に示す。図42、図43でも同様の構成が考えられる。
【0105】
初期化期間において、駆動トランジスタ14のゲート電圧を初期化する方法として、初期化電源31を用意し、画素回路106に初期化電圧を入力する方法を示してきた。
【0106】
本実施例において、更なる回路規模の縮小のために、初期化電源31及び初期化電源用の配線、スイッチ15をなくすために、初期化電源31と同様に低い電圧であるELカソード電源20を駆動トランジスタ14の初期化に利用する。
【0107】
図18にELカソード電源20を利用して駆動トランジスタ14の初期化を行うための回路例を示す。図18の回路は、初期化電源31がなく、ELカソード電源20をEL素子18、スイッチ18及び181を介して節点Aに初期化電圧を印加することを特徴とするものである。
【0108】
図19に1フレーム間の動作を示す。
【0109】
初期化期間191では、スイッチ17及び103を非導通状態として、駆動トランジスタ14のドレイン電流が流れないようにする。更にスイッチ18及び181を導通状態とする。EL素子18に順方向電圧が印加されるが、電流が流れないため、EL素子18には閾値電圧以下の電圧しか発生しない。節点Dは、最も高い電圧が印加される場合においても、(ELカソード電源20)+(EL素子18閾値電圧)の電圧しか印加されない。従来初期化を行っていた節点Aの電圧は節点Dの電圧と同一であることから、ELカソード電源20を十分低い電圧に設定しておけば、節点Aに低い電圧を印加することができ、初期化が可能である。基準電圧ライン101には基準電圧12を印加する。
【0110】
次に書き込み期間192において、ソース信号線からスイッチ17及び18を介して駆動トランジスタ14に映像信号に応じた電圧を印加する。
【0111】
点灯期間193において、ELアノード電源13から駆動トランジスタ14及びEL素子81を介してELカソード電源20に電流を流すことで、書き込み期間192において書き込まれた電圧に応じた電流がEL素子81に流れ、所定の輝度で発光する。
【0112】
非点灯期間194は黒挿入を実施する場合に行われ、必ずしも必要なものではない。スイッチ103もしくは181の少なくとも一方のスイッチが非導通状態となれば、EL素子81に電流を流す経路がなくなるため非点灯状態を実現することができ、非点灯期間194を挿入することで動画視認性を改善する効果を有する。
【0113】
以上の動作により初期化電源31がなくても、所定階調電圧を駆動トランジスタ14の特性ばらつきに応じて書き込むことが可能となり、電源配線1本及びスイッチ1つをなくしたより画素回路が小さい表示装置が実現できた。
【0114】
図18においては、電圧変動を考慮してソースドライバのガンマ電圧を基準電圧12から生成した例を示しているが、図21の電源構成を利用して図20に示すようにソースドライバのガンマ電圧をアナログ電源41としても同様に実施が可能である。
【0115】
図20の回路構成の場合、図21(b)の構成電源IC221を作成する場合には、図22に示すように電源IC221からアナログ電源41と基準電圧発生部212からもう1電源発生し出力する。基準電圧発生部212は、ELアノード電圧13と基準電圧12の元となる電圧で、前述の通り配線抵抗及び負荷電流変動による電圧変動の影響をなくすため電源IC221近傍で配線222及び223に分離される。
【0116】
基準電圧12は、配線222で、切り替え部102に供給され、ELアノード電圧13は配線223で、切り替え部102及び画素回路106を含む表示領域224に入力される。配線222と223はなるべく電源IC221近傍で分岐するように設計し、配線抵抗が高くなるアレー基板225上に配線されるまでに分岐させることが好ましい。
【0117】
図18の回路構成のように基準電圧12をドライバICのアナログ電源として用いる場合には配線222からドライバICに電源供給するようにすればよい。図20の構成に対して、1電源出力少ないことから、電源IC221において、基準電圧及びアナログ電源用として出力端子を設けて図23に示すような配線としてもよい。この場合、電源IC221のバンプ抵抗の影響も排除することが可能である。
【0118】
切り替え部102は複数の行分まとめて1回路で実施してもよい。切り替え部102の制御はシフトレジスタなどによって実施される。図52に示すような構成である。表示行数分のシフトレジスタと切り替え部102が必要である。
【0119】
基準電圧ライン101の信号電圧変化は1行毎に順に走査していくものである。初期化及び映像信号書き込み期間では基準電圧12が印加され、点灯及び非点灯期間ではELアノード電源13が印加される。
【0120】
この電圧切り替え期間を複数の行で同一にできれば、切り替え部102は複数行毎に1つ、シフトレジスタのレジスタ段数も複数行毎に1つで済み表示領域周辺に配置される回路が簡略化でき額縁が小さい表示装置を提供できる。
【0121】
2行毎に切り替え部を配置した例を図27及び図28に示す。
【0122】
図27の回路構成において、2行分の基準電圧ライン101の電圧が同一となることから、基準電圧ライン101の電圧が基準電圧12となる期間を接続される2行分の画素のいずれか一方が初期化期間191、映像信号書きこみ及び特性補正期間192であるときとする。1行ずつ順次走査することから図28に示すように切り替え部102は3水平走査期間中、基準電圧を選択することとなる。
【0123】
2行のうちの先に走査される行(ここでは1行目)では、初期化期間191a、書き込み期間192aのあと次の1水平走査期間では書き込みや点灯もせずに蓄積容量Csの電荷を保持する休止期間281aとなる。休止期間281aののち点灯期間193となり必要に応じて非点灯期間194を実施する。
【0124】
2行のうちの後に走査される行(ここでは2行目)では、1行目の書き込みを終えた次の水平走査期間で書き込み期間となることから、1行目が休止期間281の間に書き込み期間192bを設ける。
【0125】
初期化期間は書き込み期間192bの前の2水平走査期間のいずれかで実施すればよい。少なくとも1水平走査期間実施すればよいので、2水平走査期間とも実施してもよい。図28においては、書き込み期間192bの前の水平走査期間で初期化期間191bとし、その前の水平走査期間では、休止期間281bとして動作している。
【0126】
2行目の動作は、休止期間281b、初期化期間191b、書き込み期間192b、点灯期間193、必要に応じ非点灯期間194となる。
【0127】
図28の信号波形から、同一タイミングで動作する信号をまとめることが可能である。またスイッチ17及び18を制御する信号はスイッチ15を制御する信号の1水平走査期間後に入力されればよく、線順次走査であることを考慮すると、スイッチ17の信号は1行後に走査されるスイッチ15の信号を用いて動作すればよい。
【0128】
これにより図53に示されるように3本のシフトレジスタで図27の画素構成の回路を動作させることができる。
【0129】
3本のシフトレジスタのうち、切り替え部102及びスイッチ103と181は2行毎同時に動作することから、シフトレジスタの出力としても2行毎つまり半分の出力があればよい。これにより2つのシフトレジスタ(531b及び531c)はシフトレジスタの段数が半分でよく、回路を小さくすることができる。
【0130】
本実施例における蓄積容量Csの一端の電圧を、書き込み時と点灯時で異なる電源から供給する方式は、電流駆動方式であっても適用が可能である。
【0131】
参考例の電流駆動画素回路の例を図30(a)に示す。ここではカレントコピア型の回路で説明を行うが、カレントミラー型の回路構成でも同様である。映像信号書き込み時の動作が同じであるためである。
【0132】
図30(a)の画素において、書き込みを行う際にはスイッチ17及び18が導通状態、スイッチ181は非導通状態である。階調に応じた電流I1が電流源301から供給される。電流I1がドレイン電流となる駆動トランジスタ14のゲートソース間特性に基づいて節点Aの電圧が決定される。ここでELアノード電源の電圧が、ELアノード電源1からELアノード電源2に変化した(図30(b))とすると、駆動トランジスタ14のゲートソース間電圧を保つために、節点Aの電圧をELアノード電圧の変化分だけ変化させる必要がある。
【0133】
節点Aの電圧は図30(c)に示すようにVG1からVG2に変化させる必要がある。これにはソース信号線の浮遊容量291に蓄えられた電荷の充放電を伴い、電流源301の電流I1が小さい場合には、電流源301によりソース信号線及び節点Aの電圧をVG2まで変化させるのに時間がかかる。VG2まで変化するまでに、書き込み時間が終了する(例えば時間t2)と所定とは異なる電圧が節点Aに蓄積され、駆動トランジスタ14のゲートソース間電圧が所定と異なる電圧となり、発光時にEL素子81に流れる電流が所定電流と異なってしまう問題がある。
【0134】
本実施例では図29に示す回路で図33に示す動作により、駆動トランジスタ14のソース電圧を書き込み時と点灯時で切り替えて利用するようにして、書き込み時に基準電圧12を用い、電圧変動が少ない状況で書き込みを行うことで、節点Aへ正しい電圧を印加し、ELアノード電圧が変動しても、表示輝度に影響が出ない構成とした。
【0135】
これによりELアノード電源はEL素子81に電流を供給するための大電流出力機能があれば、出力電圧が負荷電流によって変動してもよい回路構成をとることが可能となた。
【0136】
電流駆動の場合、ソース信号線電圧は、駆動トランジスタ14及び電流源301の電流によって決められるため、電圧により書き込みを行う場合のようにガンマ電圧が基準電圧と同時に変動する構成でなくてもよい。電流源301によって出力される電流に対して、ソース信号線電圧が最大となる電圧が出力できる電流源であればデジタルアナログ変換部の電源はアナログ電源41であっても何であっても構わない。従って電源回路は図32に示すようにアナログ電源41、基準電圧12、ELアノード電源13はそれぞれ独立に作成され生成してもよい。電源数を削減するために共通構成であってもよい。但しELアノード電源13の電圧変動の影響を受けないように設計する必要がある。
【0137】
電流駆動で問題となる低階調(低電流)表示時での所定階調が書き込みにくいことに対して、図31に示すようにソースドライバ部でデジタルアナログ変換部42に、電流出力用のDAC(電流DAC部312)の他に電圧出力用のDAC(電圧DAC部311)を設けて、浮遊容量291があっても容易に電圧変化が可能な電圧DAC部311の出力により、まず所定階調付近までソース信号線及び節点Aの電圧を変化させ、駆動トランジスタ14の特性ばらつきに対応し、次に電流DAC部312により、駆動トランジスタ14の特性と電流DAC部312の出力電流に応じた電圧まで節点A電圧を変化させる方法がある。
【0138】
電圧DAC部311により、必要な電圧まで高速に電位変化させ、電流DAC部312により最終電圧値まで微調整をすることで、低電流出力時でもすばやく所定電流が駆動トランジスタ14に流れる状態にまで変化させるものである。
【0139】
図32の出力を持つソースドライバ及び画素構成であっても実施例1による蓄積容量及び駆動トランジスタ14のソース電圧を、書き込み時と発光時で切り替えて使用する方法は有効である。
【0140】
特に電圧DAC部311出力時は、これまでのソース信号線に階調に応じた電圧を印加する方法と同様で、ソースドライバから節点Aに対して階調に応じた電圧が印加される。駆動トランジスタ14のソース電極に印加される電圧と節点Aとの電位差によって駆動トランジスタ14のドレイン電流が決定される。このため、書き込み時における駆動トランジスタ14のソース電極は、常に安定した電圧が供給される必要がある。
【0141】
そこで切り替え部102において、図34に示すように、書き込み期間192中基準電圧12が画素に印加される動作とした。
【0142】
また、ソースドライバのアナログ電源41については、基準電圧12と同一の電源から生成するなどして、基準電圧12とアナログ電源41が同じように電位揺れするような構成とする必要がある。
【0143】
これにより、全画素において書き込み期間192で駆動トランジスタ14のソース電位と、ソースドライバの電圧DAC出力による節点Aの電圧は安定して供給されるようになり、電位変動による駆動トランジスタ14のソースゲート間電圧の変動がなくなり、表示ムラのない表示装置が実現できた。
【0144】
さらに表示ムラの少ない装置を実現するためには、発光期間においても駆動トランジスタ14のゲートソース間電圧変動がなるべく少ない回路が好ましい。
【0145】
図10、図12の画素構成の場合、ELアノード電源配線及び画素の点灯パターンによって、切り替え部102を介して供給されるELアノード電源13と画素回路106のELアノード電源13が異なる配線から供給されるため必ずしも一致した電圧とならない場合がある。
【0146】
ある列のみが最大輝度で点灯し、他の画素列では最低輝度であったとすると、最大輝度で点灯する列では、ELアノード電源13は供給部から最も遠い画素で電位降下は他の画素列よりも大きくなる。
【0147】
この状態で切り替え部102を介して基準電圧ライン101からELアノード電源13を供給し点灯期間93となった場合に、ある列のみが、画素回路106にあるELアノード電源電圧が異なることで、駆動トランジスタ14のソース電位が異なり、駆動トランジスタのソースゲート間電圧が変化することで、ドレイン電流が異なり、EL素子81による輝度が所定値よりも異なることが発生する。
【0148】
図38は列毎の画素の輝度が大きく異なった場合でも、所定電流が流れるように、ELアノード電源13を発光時に、駆動トランジスタ14のソース及び蓄積容量Csに印加するようにしたものである。スイッチ16が増える分回路規模は大きくなるが、特定列のELアノード電源13の電圧が変化して駆動トランジスタ14のソース電位が例えばV2変化したとしても、スイッチ16を介して蓄積容量Csの電位もV2変化し、結果として節点Aの電圧もV2変化し、駆動トランジスタ14のソースゲート間電圧はELアノード電源13の電位変動に無関係としたものである。(図54に動作を示す。)
特定列のみが他の列に対して高輝度もしくは低輝度になった場合には、輝度が変化するのみで全ての列が同一輝度で顕著な輝度ムラに比べて、視認しにくいため、最高輝度や、ELアノード電源13の配線長、パネルサイズ、垂直走査線数に応じて、図38もしくは図10、図12等の画素構成を選択すればよい。
【0149】
なお、図38で示した画素回路106は、実施例1でこれまで示した画素回路であっても同様に適用が可能である。
【0150】
本実施例の画素回路は、図59に示すような表示パネルに適用が可能である。図59では偏光板593を使用しているが、外光反射による視認性が確保できれば、偏光板がなくてもよい。封止部592については、アレイ基板225上に形成された有機EL素子81を含む回路が空気中の酸素や水分から保護できる構成であれば、薄膜による保護膜であってもよいし、別途ガラス基板やプラスチック基板を用いて、上面を保護し、アレイ基板225とシール剤等で接続するような構成としてもよい。
【0151】
駆動IC595についてはアレイ基板上に実装されているが、フレキシブル基板上に実装されていても、アレイ基板225上に直接回路形成されたものであってもよい。コントロールICや電源回路を内蔵していてもよい。
【0152】
コントロールICや電源回路はフレキシブル基板594上に実装してもよい。
【0153】
フレキシブル基板594によってシステム側と接続され、電源及び表示する映像データがやり取りされる。図55に、システム側の回路構成例を示す。
【0154】
このようにして作成された表示パネルは図56、図57、図58に示すような機器に搭載される。
【0155】
また基準電圧ライン101は表示色毎に別の配線を用いてもよい。EL素子81の発光色によって、必要な電圧が異なる場合に、ELアノード電源13を表示色毎に異なる電圧とするような場合に適用可能である。表示色毎に設けると、配線数が多くなるが、電圧値が低下する色がある分消費電力を下げることが可能である。
【0156】
駆動トランジスタ14についても全てp型トランジスタで説明を行ったが、n型トランジスタであっても同様に実施が可能である。図1の画素回路をn型の駆動トランジスタ354で形成した回路を図35に示す。駆動トランジスタ354のドレイン電流の流れる方向が逆転するため、EL素子81の接続が反転し、ELアノード電源13とELカソード電源20が入れ替わる。電圧の高低と白黒の関係も逆にすればよい。
【0157】
他の画素回路でも同様に電圧関係の反転、EL素子接続を逆にする等で実施することが可能である。
【0158】
本実施例は、複数のソース信号線10に対して1つのソースドライバを順に接続していく信号線選択駆動方式にも適用可能である。
【0159】
図60に示すように、ソースドライバの出力602に対して、3つのソース信号線10a、10b、10cを接続して動作させることが可能である。なお、3つのソース千号線でなくても2以上のソース信号線であれば実現可能である。
【0160】
図61に示すように3つの信号線に対して順番に信号出力することからソース信号線10aと10bと10cでは、信号が入力される時間が異なる。セレクタ601により信号が書き込まれるまでは、当該画素の1行前のデータがソース信号線上に残っており、誤った信号が書き込まれてしまう。そこで少なくとも対象となる画素に対応する信号が書き込まれるまでは、ソース信号線から画素に書き込むことはできずスイッチ17は書き込み及び特性補正期間92であっても非導通状態である必要がある。
【0161】
特性補正をする時間が画素毎に異なると輝度が変わってしまうことから、各画素とも全て同一にそろえる必要がある。そこで図61に示すように選択を行う全ての画素に対してセレクタ601が選択を行った後の期間614でスイッチ17を導通状態として、特性補正の期間をそろえるようにしている。
【0162】
書き込み及び特性補正期間92において、スイッチ17の導通期間が短くなっているほかは全て同じ動作でこれまで説明した画素の動作が可能であり、ELアノード電源線の電圧降下の影響を少なくした表示装置が実現可能である。
【0163】
更に本実施例では図62に示すような偶数行と奇数行で異なるソース信号線を用い、例えば3ソース信号線選択駆動の場合、偶数行用と奇数行用で合計6本のソース信号線をセレクタ621により制御する方式であっても実施例1の各画素に対して適用が可能である。
【0164】
セレクタ621及びソースドライバからの出力602とスイッチ17の動作を図63に示す。ソース信号線10のデータは2水平走査期間毎に変化することから、始めの1水平走査期間で、ソースドライバの出力電圧602をソース信号線10に順に書き込み(ソース信号線へ書き込み期間631)、次の1水平走査期間でソース信号線10から画素回路へスイッチ17を導通状態にさせて、画素へ信号書き込み及び特性補正を行うようにしている(期間632に相当)。
【0165】
このようにすると時間がかかる特性補正動作に対してほぼ1水平走査期間の間で実施することが可能となり、画素に信号が十分所望の電圧まで書込みができる利点がある。更に本実施例による画素回路106を用いることでEL素子18へ供給する電源の配線抵抗による輝度変化を防止できる効果を発揮する。
【0166】
信号線選択駆動によりソースドライバの出力数が減り、かつソースドライバから表示部への配線数が減ることで、引き回し線数が少なくなり、表示部外側の額縁に相当する領域での配線が減り、狭額縁設計が可能である。EL素子への電源配線を細くできる本実施例の画素回路と組み合わせると更に額縁が小さくなり、図56〜図58に示すような小型映像表示端末において、筐体を表示領域と同じ大きさに近くなるまで小型化できる利点がある。
【実施例2】
【0167】
本願発明の実施例2のEL表示装置について図64〜図71を用いて説明する。
【0168】
図64は、本実施例のEL表示装置において、異なる画素回路106に適用させた場合の回路を示したものである。
【0169】
図64の画素回路106は、駆動トランジスタ14のゲート電極にソース信号線10からの電圧をスイッチ17を介して入力し、ELアノード電源13とソース信号線10の電圧差により、駆動トランジスタ14のドレイン電流が決定される。駆動トランジスタ14のドレインがスイッチ19を介してEL素子81に接続されており、駆動トランジスタ14のドレイン電流が、EL素子81の発光輝度を決定する。
【0170】
スイッチ17においてソース信号線10からの映像信号を蓄積容量Csに蓄える際には、蓄積容量Csの一端の電圧を基準電圧12として、EL素子81に電流を供給するELアノード電源13と異なる電圧とすることで、配線抵抗による電圧変化の影響をなくし、書き込み期間において、蓄積容量Csに蓄えられる電圧をソース信号線10から供給される電圧に基づいて印加する。これにより、表示パターン、輝度によらずソース信号線10の電圧に基づいた映像信号に対応する電圧が、蓄積容量Csに蓄えられる。
【0171】
点灯期間において、基準電圧ライン101に、ELアノード電源13を印加することで、駆動トランジスタ14のソース電極と同一の電圧を印加し、駆動トランジスタ14のソースゲート間に蓄積容量Csに蓄えられた電圧を印加させる。
【0172】
駆動トランジスタ14のソース電極は、ELアノード電源13に接続しなくても、図65に示すように基準電圧ライン101に接続し、点灯期間において切り替え部102を介してELアノード電源13から電流を供給するようにしても同様に実施が可能である。
【0173】
なお図64においてスイッチ19は、非点灯期間が必要なければ、省くことも可能である。
【0174】
更に画素106において駆動トランジスタ104にバイアス電圧が印加され、駆動トランジスタ104のゲート電圧ドレイン電流特性がシフトする現象が発生することに対して、初期化電源661を用意し、非点灯期間において、駆動トランジスタ14のゲート電極に初期化電源661を入力し、逆バイアス電圧を印加することで、特性シフトを軽減することがある(図66参照)
本実施例におけるタイミングチャートを図67に示す。図66の画素回路においては、駆動トランジスタ14の電圧電流特性シフトを補償するため、映像信号を書き込む前に、初期化期間671を設け、駆動トランジスタ14のゲート電極に初期化電源661の電圧を印加する。初期化電源661の電圧は、ELアノード電源13よりも高い電圧もしくは、ソース信号線10に印加される最低電圧よりも低い電圧を入力することで実施する。電圧差が大きいほど短期間で、特性シフトの補償効果を得ることが可能である。
【0175】
図67のタイミングチャートで、スイッチ19は初期化期間671ではオフ状態としているが、ELアノード電源13よりも高い電圧を入力している場合にはオフ状態としても良い。駆動トランジスタ14のドレイン電流が流れないため、スイッチ19の状態によらずEL素子81は非点灯となるためである。
【0176】
同様に書き込み期間672においてスイッチ19はオンとしてもよい。
【0177】
基準電圧ライン101は、初期化期間671において、ELアノード電源13、基準電圧12のいずれでもよいし、切り替え部102の構成によっては、どの電源とも接続しない状態であってもよい。
【0178】
図64及び図65のように駆動トランジスタ14と映像信号を取り込むスイッチ17及び蓄積容量Csで構成される画素回路において、EL素子81に流れる電流によっては、配線抵抗により発光期間においてELアノード電源13の電圧が低下することがある。
【0179】
そこで図68に示すように、ELアノード電源13を横方向ばかりでなく、縦方向にも配線し、上下左右から電源を供給することで配線抵抗及び電流値を小さくし、画素回路106に入力されるまでのELアノード電源13の電圧降下を小さくするようにした。
【0180】
基準電圧ライン101に基準電圧12が印加される期間に、ELアノード電源12が印加されないように、スイッチ681を追加し、切り替え部102と連動して動作するようにする。
【0181】
図69に動作波形を示す。
【0182】
書き込み期間691においては、スイッチ19及びスイッチ681は非導通状態としてELアノード電源13からの電源供給を遮断し、基準電圧12により蓄積容量Csの電位を支える。同時にスイッチ17によりソース信号線10の電圧が蓄積容量Csの他端の電位を支えることで、ELアノード電源13の配線抵抗による電圧降下の影響を排し、表示パターンなどによる輝度変化を防止することが可能である。
【0183】
発光期間692においては、切り替え部102を介して1行分の画素にELアノード電源13からの電流供給のみならず、列方向からも配線682によりELアノード電源を供給し、スイッチ681を導通状態とすることで、少なくとも2方向から電流が供給されることで、1配線当たりの電流が減少することや、電源から画素回路106までの配線抵抗値が減少することで、画素回路106内部に供給されるELアノード電源13の電圧降下が少ない表示装置を作成することが可能となり、ELアノード電源13の電流値(表示パターン)による輝度の変化の少ない表示装置が実現可能である。
【0184】
また、配線抵抗による電圧降下が減少した分、電源回路出力部での出力電圧値を低下させることができ(0.05〜0.2V)、表示装置の消費電力の削減に効果がある。
【0185】
図68においては、表示部の左及び上から電源を供給する構成例が示されているが、右からまたは下から供給しても良いし、左右両方に切り替え部102を配して、両側から給電する方法を用いても良い。
【0186】
同様に配線682についても上下いずれか一方もしくは上下両側からELアノード電源13を供給してもよい。
【0187】
ELアノード電源の配線682のみで、配線抵抗による電圧降下を無視できるほど小さく設計できる場合には、図70に示すように、切り替え部102の入力は基準電圧12のみで、ELアノード電源は列方向のみからの供給であっても良い。
【0188】
本実施例は、駆動トランジスタ14がp型でELアノード電源13に対して実施することと同様に、図71に示すような駆動トランジスタ14がn型であっても同様に実施が可能である。
【0189】
駆動トランジスタ14がn型の場合蓄積容量CsはELカソード電源と接続されることから、基準電圧ライン101は、基準電圧12とELカソード電源間で切り替えを行う構成とすればよい。
【実施例3】
【0190】
次に、実施例3のEL表示装置について、図72を用いて説明する。
【0191】
図65〜図68に示す実施例2のEL表示装置においては、基準電圧12及びELアノード電源13の電圧値を変更させて表示することが可能である。
【0192】
電圧が可変できることを利用すると、書き込み期間と発光期間で駆動トランジスタ14のゲート電圧を変化させることが可能となる。
【0193】
例えば、これまでの構成で、基準電圧12及びELアノード電源13をソースドライバのアナログ出力部の耐圧である5Vとし、EL素子81が白輝度を発光するのに必要な電圧を用意するためにELカソード電源を−5Vとすることがあった。
【0194】
EL表示装置を駆動するのに、ELアノード電源13及びELカソード電源の2電源を作成する必要があり、また、ELカソード電源12は負電圧を生成する電源であることから、入力電圧に対して所定の電圧を生成するための変換効率が悪く、電源回路でのロスが大きい回路であった。
【0195】
そこで、本実施例では、図72に示すように、書き込み期間721においては、ソースドライバのアナログ出力部の耐圧に対応して基準電源12の電圧を5Vで供給し、ソースドライバからの映像信号電圧を0〜5Vの範囲で書き込みを行う。
【0196】
次に発光期間722において、ELアノード電源12の電圧を10Vとして、基準電圧ライン101に印加する。
【0197】
駆動トランジスタ14のゲート電圧(節点651)の電圧は、スイッチ17が発光期間722の間は非導通状態であることから、書き込み期間721の間に蓄積容量Csに蓄えられた電圧を維持しながら、基準電圧ライン101の電圧変化に応じて、図72の724に示すように変化する。
【0198】
節点651の電圧は発光期間中は、基準電源12の電圧以上の電位に保たれる。ソース信号線への映像信号電圧が2Vであれば、8Vとなる。
【0199】
EL素子81に必要な電圧が6Vであるとすると、ELカソード電源の電圧を0Vとしても、駆動トランジスタ14のゲートドレイン電圧は2V程度あり、駆動トランジスタ14は定電流源として動作が可能である。
【0200】
本実施例では、図65〜図68に示すEL表示装置を用い、基準電源12とELアノード電源13の電圧を異ならせることで、耐圧の低いソースドライバを用いた場合でも、映像信号振幅を低くしたまま、負電源をなくすものである。また、ELカソード電源20は不要となる。
【0201】
これにより電源生成効率は高効率な生成が可能であるELアノード電源13のみとなり、ELアノード電源13の電圧が高くなるが、表示装置としての消費電力が小さな回路を実現することが可能となる。
【実施例4】
【0202】
次に、実施例4のEL表示装置について、図73〜図74を用いて説明する。
【0203】
実施例3のEL表示装置より更に電力を下げるためには、ELアノード電源13の電圧を表示色毎に変化させ、EL素子81の電圧が低い表示色では、ELアノード電源13の電圧を下げる方法がある。
【0204】
図73に本実施例の回路構成を示す。この構成であると、基準電圧ライン101を表示色毎に別に配置し、ELアノード電源13の電圧を個別に設定できる。
【0205】
図74に示すように青色のEL素子81に比べて赤色のEL素子81に必要な電圧が低い場合には、ELアノード電源13は青色の101cの電圧に対して、101aに示すような電圧にすることで、(赤色EL素子81に流れる電流)×(ELアノード電源の電圧差)分の電力を削減することが可能である。
【0206】
また、基準電圧ライン101を表示色毎に分離することで、流れる電流が少なくなり、配線抵抗による電圧降下の影響が少なくなり、電力を小さくすることが可能となる。
【0207】
ELカソード電源については、0Vとしてもよいし、負電源であってもよい。変換効率としては改善しないが、従来の方式に比べて表示色毎に必要最低限でEL素子81に電圧を印加していることから、低電力化を実現できる。
【実施例5】
【0208】
次に、実施例5のEL表示装置について、図75〜図77を用いて説明する。
【0209】
図66において、駆動トランジスタ14の特性シフトを防止するため、初期化電源661を画素回路内にスイッチ662を形成する方法を説明した。
【0210】
一方、本実施例では、基準電圧ライン101の電圧を変動させて、駆動トランジスタ14のゲート電圧を変動させることができることを利用して、図75に示すように、初期化電源661を基準電圧ライン101に入力できるようにした。
【0211】
図76に、本実施例の動作方法を示す。1フレーム前の表示状態に対して、初期化期間761において、基準電圧ライン101の電圧を初期化電源661にする。スイッチ17、スイッチ19は非導通状態とする。駆動トランジスタ14のソース電圧を高くしておく必要があるので、ELアノード電源13を供給する。これによって図75の節点Aは、基準電圧ライン101の電圧変化とともに低下する。節点Aの電圧は蓄積容量Csに蓄えられる電荷によって異なる。十分低い電圧が印加できればよい(駆動トランジスタ14のゲートソース間電圧を大きくする)ため、最も蓄積容量に電荷が蓄えられない黒表示後における蓄積容量Csの電荷量の場合に、節点Aの電圧が図66における初期化電源となればよい。初期化電源661の電圧を調整することで、節点Aの電圧の設定が可能である。ここで、駆動トランジスタ14のソース電極はELアノード電源を用いた例で記載しているが、切り替え手段771を用いて別の電源を入力するようにしても良い。駆動トランジスタ14のゲート−ソース電極間に大きな電圧が印加される構成であればどのような方式であっても良い。図77に変形例の回路を示す。
【0212】
駆動トランジスタの特性補償を実施する方法としては、駆動トランジスタ14のゲート電圧にソース及びドレイン電極よりも高い電圧を印加して初期化しても良い。この場合には、初期化電源661は基準電圧よりも高くし、A点電圧が、ソースドライバから供給される電圧よりも高い電圧になるようにすればよい。電圧が高いほど高速に補償が可能であるので、初期化電源は好ましくはELアノード電源よりも高い電圧を印加する。
【0213】
これにより初期化期間761において駆動トランジスタ14のソースゲート間電圧に、駆動トランジスタ14の特性補償が行える大きな電圧を印加することが可能である。なお、ゲート電極に負極性、正極性いずれでも可能である。
【0214】
初期化期間761は、少なくとも1水平走査期間、好ましくは1フレームの10〜50%の期間で実施されることが好ましい。初期化期間761を短くするには、初期化電源661の電源を、駆動トランジスタ14のソースゲート間電圧の絶対値が大きくなるように印加することが必要である。ソース電極に対して、絶対値が5V以上となることが好ましい。最大電圧は大きいほど短時間で実施が可能であるが、駆動トランジスタ14の耐圧以下に設定される必要がある。
【0215】
初期化期間761が終了した後に、映像信号に基づいた電圧を画素に書き込む書き込み期間762を有する。
【0216】
書き込み期間762においてスイッチ17を導通状態、切り替え部102は基準電圧12を選択することで、蓄積容量Csには映像信号に基づいた電圧が印加され、かつ他の画素の点灯パターンによらず変化しない電圧が印加される。
【0217】
映像信号書き込み後、点灯期間763において、切り替え部102はELアノード電源13を選択し、基準電圧ライン101にELアノード電源電圧が入力され、スイッチ19を導通状態とすることでEL素子81が映像信号に応じて発光する。
【0218】
図76の例では、1フレームが、初期化期間761、書き込み期間762、点灯期間763で構成される例を示しているが、黒挿入を実施するために非点灯期間を設けるようにしても良い。この場合、点灯期間763の任意の期間において、スイッチ19を非導通状態とすることで実現可能である。複数回に分割して入力することも可能である。
【0219】
初期化期間761では、非点灯状態であることから、非点灯期間を初期化期間761によって実施してもよい。
【0220】
電気的に接続、非接続を切り替えることができれば、トランジスタでなくても実施が可能である。図面では便宜上スイッチで記載している。
【変更例】
【0221】
トランジスタの場合、n型でもp型でも適用可能である。TFTばかりでなく、バイポーラトランジスタでも同様に実現が可能である。またTFTについても、ポリシリコン、結晶シリコン、アモルファスシリコン、酸化物半導体など構成材料によらず同様に実施が可能である。
【0222】
本実施例は、それぞれの発明に対して組み合わせて実施することが可能である。組み合わせて実施することで、複数の効果を組み合わせて、また選択して得ることが可能である。
【0223】
また、本実施形態におけるEL表示装置の画素は、単色の画素構成、赤緑青の3色、赤緑青白の4色、シアンイエローマゼンダの3色、ペンタイル画素構成等、表示色を問わず適用が可能である。
【0224】
また、図14、図16で、1列分の画素構成が記載されているが、これは、ストライプ状に形成されていても、デルタ配列に形成されていても、ソース信号線が共通の複数の画素があれば同様に適用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0225】
本発明に係るEL表示装置は、EL素子用の電源の電圧変動があっても表示ムラなく表示が可能となり、良好な画像表示を実現できる。
【符号の説明】
【0226】
10 ソース信号線
11 切り替え部
12 基準電圧
13 ELアノード電源
14 駆動トランジスタ
15 初期化電源入力用スイッチ
16 電流供給用スイッチ
17 ソース信号線電圧取り込み用スイッチ
18 駆動トランジスタ特性補正用スイッチ
19 EL素子に電流供給用スイッチ
20 ELカソード電源
31 初期化電源
106 画素回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
EL素子を有する画素が、マトリクス状に形成されたEL表示装置であって、
前記EL素子に供給する電流を決定する駆動トランジスタと、
前記駆動トランジスタのゲート電圧を保持するための容量と、
を具備し、
前記容量の一方の第1の電極には、前記駆動トランジスタのゲート電極が接続され、
前記容量の他方の第2の電極には、(1)前記駆動トランジスタにソース信号線からの信号が印加される第1の期間において第1の電源が接続され、(2)前記駆動トランジスタが前記EL素子に電流を供給する第2の期間において第2の電源が接続される、
ことを特徴とするEL表示装置。
【請求項2】
前記第1の電源が、基準電圧を供給する、
ことを特徴とする請求項1に記載のEL表示装置。
【請求項3】
前記基準電圧が、前記ソース信号線から供給される信号の電圧と同期して変化する、
ことを特徴とする請求項3に記載のEL表示装置。
【請求項4】
前記第1の電源と前記第2の電源を交互に接続する切り替え部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のEL表示装置。
【請求項5】
前記切り替え部が、前記画素毎に形成されている、
ことを特徴とする請求項4に記載のEL表示装置。
【請求項6】
前記切り替え部が、前記マトリクス状に形成された一行、又は、複数行の全ての前記画素の前記第1の電源と前記第2の電源を交互に接続する、
ことを特徴とする請求項5に記載のEL表示装置。
【請求項7】
マトリクス状に形成された複数の画素と、
前記各画素に含まれるEL素子と、
前記EL素子に供給する電流を決定する駆動トランジスタと、
前記駆動トランジスタのゲート電圧を保持するための容量と、
を具備したEL表示装置の駆動方法において、
前記容量の一方の第1の電極に、前記駆動トランジスタのゲート電極を接続し、
前記容量の他方の第2の電極に、(1)前記駆動トランジスタにソース信号線からの信号が印加される第1の期間において第1の電源を接続し、(2)前記駆動トランジスタが前記EL素子に電流を供給する第2の期間において第2の電源を接続する、
ことを特徴とするEL表示装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図58】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図56】
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【図57】
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【図59】
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【公開番号】特開2010−266848(P2010−266848A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−30179(P2010−30179)
【出願日】平成22年2月15日(2010.2.15)
【出願人】(302020207)東芝モバイルディスプレイ株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】