FPPS、GGPPS及びDPPSを含む複数の標的に対して高い効能を有するビスホスホネート化合物及び方法
本開示は、とりわけ、新規なビスホスホネート化合物及びそうした化合物を作製し使用する方法を提供する。特定の実施形態では、本発明の化合物は、ファルネシル二リン酸シンターゼ(FPPS)、ゲラニルゲラニル二リン酸塩シンターゼ(GGPPS)、及びデカプレニルピロリン酸シンターゼ(DPPS)の1つ又は複数を選択的に阻害することができるビスホスホネートを含む。好ましい実施形態では、本発明の化合物は、FPPS、GGPPS及びDPPSの1つ又は複数を選択的に阻害することができる。複数の実施形態では、本発明の化合物及び方法は、制癌関連、免疫刺激関連及び他の関連などで優れた活性レベルを示し、いくつかの場合、旧世代ビスホスホネート薬物の活性レベルを複数桁で凌駕する活性レベルを示す。複数の実施形態では、本発明は、例えば、腫瘍又は癌細胞増殖阻害、γδT細胞の活性化、メバロネート代謝経路に関連するある種の酵素の阻害、骨吸収疾患、癌、免疫障害、免疫療法及び感染症のための研究や治療への適用に関連する化合物及び方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の相互参照]
[0001]本出願は、2007年4月12日出願の米国仮出願第60/911,426号明細書の本出願(nonprovisional application)であり、2007年3月16日出願の米国特許出願第11/687,570号明細書及び2007年3月16日出願の国際出願第US07/64239号パンフレット(そのそれぞれは2006年3月17日出願の米国仮出願第60/783,491号明細書の本出願である)の一部継続出願であり、2005年10月7日出願の米国特許出願第11/245,612号明細書及び2005年10月7日出願の国際出願第US05/36425号パンフレット(そのそれぞれは2004年10月8日出願の米国仮出願第60/617,108号明細書の本出願である)の一部継続出願である。そのすべてを本開示に矛盾しない限り参照により本明細書に組み込む。本出願は、上記の出願に関する優先権の利益を請求するものである。
【0002】
[連邦政府の支援による研究又は開発に関する陳述]
[0002]本発明は、国立衛生研究所(National Institutes of Health)より授与されたNIHの認可番号NIH GM50694、GM65307、GM73216及びAI−060452下での政府支援によりなされたものである。政府は本発明において一定の権利を有している。
【0003】
[発明の背景]
[0003]パミドロネート(アレディア(Aredia(登録商標)))、アレンドロネート(フォサマックス(Fosamax(登録商標)))、リセドロネート(アクトネル(Actonel(登録商標)))、ゾレドロネート(ゾメタ(Zometa(登録商標)))及びイバンドロネート(ボニバ(Boniva))などの窒素含有ビスホスホネートの旧世代化合物は、骨粗しょう症、パジェット病及び悪性腫瘍に起因する高カルシウム血症などの状態を治療するのに現在用いられている薬物を代表するものである。これらの化合物は主に、酵素ファルネシル二リン酸シンターゼ(FPPS)を阻害して、破骨細胞におけるタンパク質プレニル化のレベルを低下させることによって機能する。ある種のビスホスホネートは抗寄生虫活性を有し、ヒトγδT細胞を刺激することも分かっており、これらの旧世代の化合物を用いた癌関連の応用に関心がもたれている。しかし、代替の化合物及び治療への適用を含む使用方法のさらなる開発が引き続き求められている。より高い活性及び/又は他の有利な機能などの改善された特性を有する特定の化合物を含む、代替の化合物及び方法が依然として必要である。
【0004】
[0004]HMG−CoAレダクターゼ経路又はメバロネート依存性(MAD)ルートとも称されるメバロネート経路は、高等真核生物や多くのバクテリア中に見られる重要な細胞代謝経路である。この経路は、タンパク質プレニル化、細胞膜維持、ホルモン、タンパク質アンカリング及びN−グリコシル化などの様々な過程で用いられる分子生合成の基礎として作用する、ジメチルアリールピロホスフェート(DMAPP)及びイソペンテニルピロホスフェート(IPP)の生成に寄与するものである。そうした経路において単一の分子を阻止できることによって、機能改変のための選択肢及び経路の1つ又は複数のアウトプットを提供することが可能になる。しかし、そうした基本的に重要な経路の複数の分子標的と相互作用することができるということにより、より高いレベルの改変の機会の提供が可能になる。例えば、複数のポイントで輸送管路を同時に不通にすることができるということによって、輸送管路の流れ及び/又は産生する量を劇的に減らすことが可能になる。
【0005】
[0005]本発明の複数の実施形態では、FPPS、ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ(GGPPS)及びデカプレニルピロリン酸シンターゼ(DPPS)を含む分子標的の阻害に関連した化合物及び方法に関する重要な発明を開示する。
【0006】
[0006]特定の実施形態では、本発明の化合物は、FPPS、GGPPS及びDPPSの1つ又は複数を選択的に阻害することができるビスホスホネートを含む。好ましい実施形態では、本発明の化合物は、FPPS、GGPPS及びDPPSの2つ以上を選択的に阻害することができる。複数の実施形態では、本発明の化合物及び方法は、制癌の関連などで優れた活性レベルを示す。いくつかの例では、それは旧世代のビスホスホネート薬物の活性レベルを桁違いのレベルで凌駕する。したがって、本明細書で開示する発明は、特定の実施形態では、高い効能レベルを示すことができる有用な薬剤の開発に大きな進歩を示すものである。
【0007】
[発明の概要]
[0007]本発明は、とりわけ、新規なビスホスホネート化合物及びその化合物を製造及び使用する方法を提供する。複数の実施形態では、本発明は、例えば、癌細胞増殖阻害、γδT細胞の活性化、ファルネシル二リン酸(FPPS)、GGPPS及び/又はDPPS酵素の阻害のため、また、骨吸収疾患、癌、免疫障害、免疫治療及び感染症の治療のための研究や治療への適用に関連した化合物及び方法を提供する。特定の実施形態に関して、構造上のある種の特徴が化合物の活性を著しく高めることが確認されている。有用であり、特定の実施形態では機能的な関連で高い活性レベルと相関する、構造的特徴を有する具体的な化合物を開示する。例えば、具体的な実施形態では、有機ビスホスホネート化合物の環成分に特定のアルコキシ置換基が存在すると、望ましい機能的活性に寄与する。さらなる変更形態も提供する。
【0008】
[0008]機能的な特性や活性と相関する化合物の構造的特徴が特定された。複数の実施形態では、本発明の化合物は、例えば、癌細胞の増殖阻害及び免疫刺激の阻害において著しい活性レベルを示すことができる。そうした特徴を有する化合物を合成し、試験した。この試験により、例えば、顕著な制癌及び免疫賦活の能力を有する第1群の化合物、並びに制癌能力を有しているが免疫賦活能は実質的に有していない第2群の化合物のさらなる特定及び開発が可能になる。
【0009】
[0009]一実施形態では、本発明の化合物は、望ましい活性、向上した活性及び/又は治療効果、低い有毒作用、及び/又はより有利な投与プロファイルを有するそうした治療効果及び/又は有毒作用などの利点を提供することができる。一実施形態では、そのより有利な投与プロファイルは、より少ない個別投薬量及び/又は総投薬量;より低頻度の投与レジーム等の1つ又は複数を含むことができる。一実施形態では、そうした利点又は性質の1つ又は複数は、別のビスホスホネート化合物と関連させて、例えば、承認されている薬物などの旧世代化合物と比較することによって判断することができる。
【0010】
[00010]複数の実施形態では、本発明のビスホスホネート化合物は、ファルネシル二リン酸シンターゼ(FPPS)アッセイ、GGPPSアッセイ、DPPSアッセイ、細胞性粘菌(D.discoideum)成長阻害アッセイ、T細胞活性化アッセイ、骨吸収アッセイ、感染症の治療、骨吸収臨床的障害の治療、免疫治療、癌の治療、骨痛の治療、免疫細胞及び/又は免疫系の刺激及び癌細胞又は腫瘍の増殖の阻害を含む1つ若しくは複数の関連で活性を示すことができる。
【0011】
[00011]本発明は、ビスホスホネート化合物並びに関連する製造及び使用の方法を広範に提供する。複数の実施形態では、本発明は特に有機ビスホスホネート化合物及び/又は薬剤として許容されるその塩又はエステルを提供する。他の実施形態では、本発明は特にビスホスホネート化合物の他の変形体を提供する。複数の実施形態では、機能的に及び/又は治療上活性な本発明のビスホスホネートは本明細書で記載の一般的且つ具体的な構造を有する。
【0012】
[00012]複数の実施形態では、本発明は、ビスホスホネートの化合物及び1つ又は複数のビスホスホネートを含む医薬組成物を提供する。好ましい実施形態では、ビスホスホネートは、1つ又は複数の機能に関して高い効能を有するビスホスホネートである。
【0013】
[00013]複数の実施形態では、本発明は式XA1の化合物
【0014】
【化1】
【0015】
又はその塩若しくは水和物を提供する。式中、
[00014]Xは、水素、ヒドロキシル基又はハロゲンであり、
[00015]Mは、化合物中の他のMとは独立に、負電荷、水素、アルキル基、−(CH2)pO−CO−R又は−(CH2)pO−CO−O−R(pは1〜6である)であり、Rは、水素、任意選択で置換されたアルキル又は任意選択で置換されたアリールであり、また−OMは形態−O−A+(A+はカチオンである)の塩であってよく、
[00016]nは、1、2又は3であり、
[00017]それぞれのR1及びR2は、互いに独立に、水素、ハロゲン、−N(R’)2、−SR’、OR’、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル及び任意選択で置換されたアリール基からなる群から選択され、各R’は、示した任意の基の他の任意のR’とは独立に、H、任意選択で置換されたアルキル基及び任意選択で置換されたアリール基から選択され、R1の1つとR2の1つは一緒になって1〜3個のヘテロ原子、特にN、S及びOを含む3〜10員の炭素環又は複素環を形成しており、
[00018]Zは
【0016】
【化2】
【0017】
であり、
[00019]式中、UはH又はOHであり、
[00020]存在する場合、R3〜R7は、互いに独立に、水素、ハロゲン、−CN、−OR”’、−COOR”’、−OCOOR”’、−COR”’、−CON(R”’)2、−OCON(R”’)2、−N(R”’)2、−NO2、−SR、−SO2R、−SO2N(R”’)2又はSOR”’基、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルケニル基、任意選択で置換されたアルキニル基及び任意選択で置換されたアリール基からなる群から選択され、R又はR”’のそれぞれはH、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアリール基及び任意選択で置換されたアシル基から選択され、
[00021]存在する場合、R3〜R7の少なくとも1つはRLであり、ZがZ6である場合、R4はRLであり、但し、RLは、そのそれぞれが任意選択で置換されている6〜20個の炭素原子を有するアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルケノキシ又はアルキノキシ基;その1つ又は複数の非隣接炭素原子がOで置き換えられている6〜20個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルエーテル基;又は3−RM若しくは4−RM置換フェニル基から選択される基であり、但し、RMは、3〜15個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケニオキシ、アルキノキシ又はアルキルエーテル基から選択され、そのフェニル環の他の環位置は、1つ若しくは複数のハロゲン又は1〜3個の炭素原子を有する1つ若しくは複数の任意選択で置換されたアルキル基で任意選択で置換されており、
[00022]RNは1〜3個の炭素原子を有する任意選択で置換されたアルキル基であり、
[00023]存在する場合、R8、R10及びR13は、6〜20個の炭素原子を有するアルキル基;6〜20個の炭素原子を有するアルケニル又はアルキニル基;1つ若しくは複数の非隣接炭素原子がOで置き換えられている6〜20個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルエーテル基;又は3−RM若しくは4−RM置換フェニル基から選択される基であり、但し、RMは、3〜15個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケニオキシ、アルキノキシ又はアルキルエーテル基から選択され、そのフェニル環の他の環位置は、1つ若しくは複数のハロゲン又は1〜3個の炭素原子を有する1つ若しくは複数の任意選択で置換されたアルキル基で任意選択で置換されており、
[00024]存在する場合、R9、R11及びR12は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル又はアルキニル基;そのうちの1つ若しくは複数の非隣接炭素原子がOで置き換えられている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルエーテル基;又は任意選択で置換されたフェニル基から選択される基であり、
[00025]存在する場合、R14、R15、R16は、水素、又は1〜6個の炭素原子を有する任意選択で置換されたアルキル若しくは任意選択で置換されたアリール基であり、R9はR8の第1の原子と結合して、飽和していてもまた1個若しくは2個の二重結合を担持していてもよい5〜8員の炭素環を形成することができ、
[00026]但し、任意選択の置換は最も一般的には、1つ若しくは複数のハロゲン、1つ若しくは複数のシアノ、1〜3個の炭素原子を有する1つ若しくは複数のアルキル、ハロアルキル又はヒドロキシアルキル基、1〜4個の炭素原子を有する1つ若しくは複数のアルケニル、ハロアルケニル又はヒドロキシアルケニル基;1〜4個の炭素原子を有する1つ若しくは複数のアルキニル基、1つ若しくは複数のアシル又はハロアシル基;或いは−OR、−COOR、−OCOOR、−COR、−CON(Rs)2、−OCON(Rs)2、−N(Rs)2、−NO2、−SR、−SO2R、−SO2N(Rs)2又は−SOR基から選択される1つ若しくは複数の基からなる群から選択される非水素置換基を有する上記の任意選択で置換された基の1つ又は複数の炭素の置換を意味する。但し、Rsは、水素、1つ若しくは複数のハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基若しくはアルキルアミノ基で任意選択で置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、或いは、アリール基、及び1つ若しくは複数のアルキル基、ハロアルキル基、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アシル基又はハロアシル基で任意選択で置換されたアリール基である。
【0018】
[00027]特定の実施形態では、ZはZ1〜Z5のいずれか1つであり、ZはZ6であり、ZはZ7であり、ZはZ9であり、ZはZ8又はZ10であり、ZはZ11であるか又はZはZ12である。特定の実施形態では、ZがZ1である場合、R4はRLであり、ZがZ1である場合、R5はRLであり、ZがZ1である場合、R6はRLであり、ZがZ2である場合、R4はRLであり、ZがZ2である場合、R5はRLであり、ZがZ2である場合、R6はRLであり、ZがZ3である場合、R5はRLであり、ZがZ3である場合、R6はRLであり、ZがZ4である場合、R4はRLであり、ZがZ4である場合、R6はRLであり、ZがZ5である場合、R3はRLであり、ZがZ5である場合、R4はRLであり、ZがZ12である場合、R4はRLであるか、或いはZがZ12である場合、R5はRLである。
【0019】
[00028]特定の実施形態では、RLは、7〜20個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル若しくはアルキニル基又は7〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される基である。
【0020】
[00029]特定の実施形態では、RLは、7〜20個の炭素原子を有するアルキル若しくはアルキニル基又は7〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される基である。他の実施形態では、RLは、7〜14個の炭素原子若しくは8〜12個の炭素原子を有するアルキル又はアルキニル基から選択される基である。他の実施形態では、RLは7〜14個の炭素原子若しくは8〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基である。
【0021】
[00030]特定の実施形態では、RLは7〜20個の炭素原子若しくは7〜12個の炭素原子を有する直鎖アルキル又はアルコキシ基である。ZがZ1〜Z5である特定の実施形態では、RLは7〜20個の炭素原子を有する直鎖アルキル又はアルコキシ基である。ZがZ1〜Z5である特定の実施形態では、RLは7〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル又はアルコキシ基である。ZがZ1〜Z4である特定の実施形態では、RLは7〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル又はアルコキシ基である。ZがZ1〜Z2又はZ4であり、R4がRLである特定の実施形態では、RLは6〜10個の炭素原子若しくは7〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル又はアルコキシ基である。ZがZ1であり、R4がRLである特定の実施形態では、RLは7〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル又はアルコキシ基である。ZがZ1であり、R4がRLである特定の実施形態では、RLは6〜20個の炭素原子を有する直鎖アルコキシ基である。ZがZ1であり、R4がRLである特定の実施形態では、RLは7〜10個の炭素原子を有する直鎖アルコキシ基である。
【0022】
[00031]ZがZ8又はZ10である特定の実施形態では、R8又はR10は、それぞれ、8〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。ZがZ8又はZ10である特定の実施形態では、R8又はR10は、それぞれ、9〜17個の炭素原子を有するアルキル基である。ZがZ8又はZ10である特定の実施形態では、R8又はR10は、それぞれ、8〜20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基又は9〜17個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である。ZがZ8である特定の実施形態では、R8は8〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。ZがZ8である特定の実施形態では、R8は8〜20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である。ZがZ8である特定の実施形態では、R8は9〜17個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である。
【0023】
[00032]特定の実施形態では、ZはZ1〜Z5であり、RLはアルキニル基−C≡C−RAKであり、但し、RAKは4〜20個の炭素原子又は5〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である。特定の実施形態では、ZはZ1〜Z4であり、RLはアルキニル基−C≡C−RAKであり、但し、RAKは4〜20個の炭素原子又は5〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である。特定の実施形態では、ZはZ1〜Z2又はZ4であり、R4はRLであり、RLはアルキニル基−C≡C−RAKであり、但し、RAKは4〜20個の炭素原子又は5〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である。特定の実施形態では、ZはZ1であり、R4はRLであり、RLはアルキニル基−C≡C−RAKであり、但し、RAKは4〜20個の炭素原子又は5〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である。
【0024】
[00033]特定の実施形態では、RLは、その1つ若しくは複数の非隣接炭素原子がOで置き換えられている7〜20個の炭素原子又は7〜14個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルエーテル基である。
【0025】
[00034]特定の実施形態では、RL又は3−RM又は4−RM置換フェニル基であり、但し、RMは、3〜15個の炭素原子若しくは6〜12個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケニオキシ、アルキノキシ又はアルキルエーテル基から選択され、そのフェニル環の他の環位置は、1つ若しくは複数のハロゲン又は1〜3個の炭素原子を有する1つ若しくは複数の任意選択で置換されたアルキル基で任意選択で置換されている。
【0026】
[00035]特定の実施形態では、本明細書では1つ又は複数のアルキル基は1つ又は複数のハロゲンで任意選択で置換されている。他の実施形態では、アリール基は本明細書では、1つ若しくは複数のハロゲン又は1〜3個の炭素原子を有する1つ若しくは複数のアルキル基で任意選択で置換されたフェニル基である。
【0027】
[00036]特定の実施形態では、R13は、7〜20個の炭素原子を有するアルキル又はアルキニル基;又はその1つ若しくは複数の非隣接炭素原子がOで置き換えられている7〜20個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルエーテル基から選択される基である。
【0028】
[00037]特定の実施形態では、R13は、7〜20個の炭素原子若しくは9〜17個の炭素原子を有するアルキル又はアルキニル基から選択される基である。
【0029】
[00038]特定の実施形態では、ZがZ12である場合、RLはR4又はR5であり、RLは7〜20個の炭素原子を有する任意選択で置換されたアルキル若しくはアルコキシ基又は6〜20個の炭素原子を有するアルキニル基である。他の実施形態では、ZがZ12である場合、RLは7〜20個の炭素原子を有する非置換アルキル又はアルコキシ基である。追加の実施形態では、そのアルキル基は直鎖アルキル基であるか、又はアルコキシ基のアルキルは直鎖アルキル基である。他の特定の実施形態では、R4はRLである。他の実施形態では、そのアルキル又はアルコキシル基は7〜17個の炭素原子を有する。他の実施形態では、そのアルキル又はアルコキシ基は8〜12個の炭素原子を有する。特定の実施形態では、ZはZ12であり、RLはアルキニル基−C≡C−RAKであり、但し、RAKは4〜20個の炭素原子又は5〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である。
【0030】
[00039]特定の実施形態では、ZがZ12である場合、RLは置換アリール、好ましくはフェニルであり、より好ましくはRLはスルホンアミド置換フェニル又はナフチルスルホンアミド置換フェニルである。
【0031】
[00040]好ましい実施形態では、Mが塩である場合、そのカチオンA+は薬剤として許容されるカチオンである。
【0032】
[00041]上記に挙げた具体的な実施形態のそれぞれにおいて、以下の追加の具体的な実施形態が含まれる。
[00042]存在する場合、RLではないR3〜R7は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルケニル基、任意選択で置換されたアルキニル基、任意選択で置換されたアルコキシ基及び任意選択で置換されたアリール基からなる群から選択される。
[00043]存在する場合、RLではないR3〜R7は、水素、ハロゲン、又は1〜3個の炭素原子を有する非置換アルキル基であり、
[00044]存在する場合、RLではないR3〜R7は水素であり、
[00045]存在する場合、各R9は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、
[00046]存在する場合、各R9は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、
[00047]存在する場合、各R9は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり、
[00048]存在する場合、各R9はメチル基であり、
[00049]存在する場合、R11又はR12は同じ基であり、
[00050]存在する場合、R11又はR12は異なる基であり、
[00051]存在する場合、R11又はR12は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、
[00052]存在する場合、R11又はR12は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、
[00053]存在する場合、R11又はR12は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり、
[00054]存在する場合、R11又はR12はメチル基であり、
[00055]存在する場合、R14及びR15は水素であり、
[00056]存在する場合、R15及びR16は水素であり、
[00057]存在する場合、R15及びR16は水素であり、R14は水素又は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり、
[00058]RNはメチル基であるか;或いは、
[00059]R4は6〜20個の炭素原子、7〜17個の炭素原子又は8〜15個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である。
【0033】
[00060]他の特定の実施形態では、高い効能のビスホスホネートは式XA1(式中、ZはZ1A、Z2A、Z2B、Z3A、Z4A、Z5A、Z12A又はZ12Bである)のものを含む。
【0034】
【化3】
【0035】
[00061]式中、変数R3〜R7はRLではないが、上記した他のすべての値をとり、RLは本明細書で挙げる様々な具体的実施形態を含む上記定義通りである。Z1A、Z2A、Z3A、Z4A又はZ5Aの特定の実施形態では、R3〜R7は、水素、ハロゲン又は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基から選択されるか;或いはR3〜R7のすべては水素である。Z1A、Z2A、Z3A、Z4A、Z5A、Z12A又はZ12Bの特定の実施形態では、RLは7〜20個の炭素原子若しくは7〜17個の炭素原子を有するアルキル又はアルコキシ基である。Z1A、Z2A、Z3A、Z4A又はZ5Aの特定の実施形態では、RLは、6〜20個の炭素原子若しくは7〜17個の炭素原子を有する直鎖アルキル又はアルコキシ基である。Z1A、Z2A、Z3A、Z4A又はZ5Aの他の特定の実施形態では、RLは8〜20個の炭素原子若しくは9〜17個の炭素原子を有するアルキニル基である。
【0036】
[00062]上記に挙げた具体的な実施形態のそれぞれにおいて、以下の追加の具体的な実施形態が含まれる。即ち、
[00063]R1及びR2はすべて水素であり、
[00064]nは1であり、
[00065]nは2であり、
[00066]Xは水素であり、
[00067]Xはヒドロキシル基であり、
[00068]Xはフッ素であり、
[00069]Xは塩素であり、
[00070]すべてのMは水素であり、
[00071]少なくとも1つのMは負電荷であり、残りのMは水素であり、
[00072]少なくとも1つのMは−(CH2)p−O−CO−R又は−(CH2)p−CO−Rであり、但し、pは1〜6であり、Rは、水素、任意選択で置換されたアルキル又は任意選択で置換されたアリールであるか;或いは
[00073]−OMの1つ又は2つは−O−A+であり、但し、A+はカチオンであり、残りのMは水素であり、
[00074]Zは本明細書で示すZの1つである。
【0037】
[00075]特定の実施形態では、本発明は式XA1の化合物を提供する。式中、Z=Z12であり、R4=RLである。特定の実施形態では、本発明は式XA1の化合物を提供する。式中、Z=Z1であり、R4=RLである。
【0038】
[00076]一実施形態では、本発明は、637、638、677、687、688、693、694、695、696、714、715、716、717、722、754、675、678及び728からなる群から選択される化合物;並びにそれぞれの前記化合物に対応する薬剤として許容される塩又はそのエステルを提供する。一実施形態では、前記化合物は式XA1の化合物でもある。
【0039】
[00077]一実施形態では、本発明は、本明細書の任意の式の本発明の化合物の医薬製剤を含む組成物を提供する。
【0040】
[00078]一実施形態では、本発明は、治療有効量の1つ又は複数の本発明の組成物を含む医薬品を提供する。一実施形態では、本発明は、本明細書で記載する状態を治療するための医薬品を作製する方法を提供する。
【0041】
[00079]一実施形態では、本発明は、癌細胞を、有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤と接触させることを含む癌細胞の成長を阻害する方法を提供する。一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む癌を治療する方法を提供する。一実施形態では、その癌は乳癌である。一実施形態では、乳癌は実際の骨転移状態又は潜在的な骨転移状態を含む。一実施形態では、その癌は当業界で知られている癌である。
【0042】
[00080]一実施形態では、本発明は、T細胞を本発明の化合物又はその医薬製剤と接触させることを含むT細胞を刺激する方法を提供する。一実施形態では、前記T細胞はγδT細胞である。一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む免疫治療法を提供する。
【0043】
[00081]一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む骨吸収障害を治療する方法を提供する。一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む骨痛状態を治療する方法を提供する。
【0044】
[00082]一実施形態では、本発明は、感染性病原体を有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤と接触させることを含む感染性病原体の増殖を阻害する方法を提供する。一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む感染症を治療する方法を提供する。一実施形態では、その感染症は、ウイルス、真菌、バクテリア及び寄生原生動物からなる群から選択される病原体に関係する。一実施形態では、前記ウイルスはレトロウイルスである。一実施形態では、前記レトロウイルスはヒト免疫不全ウイルス(HIV)である。一実施形態では、前記寄生原生動物は:リーシュマニア属(Leishmania)、トキソプラズマ属(Toxoplasma)、クリプトスポリジウム属(Cryptosporidium)、マラリア原虫(Plasmodium)及びトリパノソーマ属(Trypanosoma)からなる群から選択される。一実施形態では、前記寄生原生動物は大形リーシュマニア(Leishmania major)である。一実施形態では、前記バクテリアは大腸菌(Escherichia coli)又は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)である。
【0045】
[00083]一実施形態では、本発明は、本発明の化合物を合成する方法又はその医薬製剤を提供する。一実施形態では、合成スキームは、2006年3月17日出願の米国出願第11687570号明細書;2006年3月17日出願のPCT国際出願PCT/US07/64239号パンフレット;2006年3月17日出願の米国出願第60783491号明細書;2005年10月7日出願の米国出願第11/245,612号明細書(2006年4月13日公開の米国特許出願公開番号20060079487も参照されたい);2004年10月8日出願の米国出願第60/617,108号明細書;2005年10月7日出願のPCT国際出願PCT/US05/036425号パンフレット(2006年4月13日公開の国際公開第2006/039721号パンフレットも参照されたい);2005年5月26日公開の米国特許出願公開番号20050113331;及び当業界で知られているものなどから適用される。
【0046】
[00084]一実施形態では、本発明は、FPPS、GGPPS、DDPPS及びDHDDS酵素の1つ又は複数を選択的に阻害する方法を提供する。一実施形態では、本発明は、FPPS、GGPPS及びDPPS酵素の2つ以上を選択的に阻害する方法であって、前記酵素又は前記酵素を含む細胞を有機化合物と接触させることを含む方法を提供する。一実施形態では、前記有機化合物はビスホスホネート化合物である。一実施形態では、前記化合物は式XA1の化合物又は本明細書で記載する他の化合物である。一実施形態では、前記化合物は、癌細胞若しくは腫瘍成長阻害アッセイ及び/又は免疫刺激アッセイで少なくとも4のpIC50値を有する。一実施形態では、前記化合物は少なくとも5のpIC50値を有する。一実施形態では、前記化合物は少なくとも6のpIC50値を有する。一実施形態では、前記化合物は少なくとも7のpIC50値を有する。
【0047】
[00085]一実施形態では、本発明は、FPPS酵素、GGPPS酵素及びDPPS酵素を選択的に阻害する方法であって、前記酵素又は前記酵素を含む細胞を有機化合物と接触させることを含み、前記化合物が前記FPPS、GGPPS及びDPPS酵素を選択的に阻害することができる方法を提供する。
【0048】
[00086]一実施形態では、本発明は、前記酵素又は前記酵素を含む細胞を有機化合物と接触させることを含む方法であって、前記化合物が前記GGPPS酵素及び前記DPPS酵素を選択的に阻害することができる方法を提供する。一実施形態では、その化合物は式XA1(Z=Z1であり、R4=RLである)である。一実施形態では、前記化合物は化合物715である。
【0049】
[00087]一実施形態では、本発明は、DPPS酵素を実質的に阻害することなくGGPPS酵素を選択的に阻害する方法であって、前記酵素又は前記酵素を含む細胞を有機化合物と接触させることを含み、前記化合物が、前記DPPS酵素を実質的に阻害することなく前記GGPPS酵素を選択的に阻害することができる方法を提供する。一実施形態では、その化合物は式XA1(Z=Z12であり、R4=RLである)である。一実施形態では、前記化合物は化合物754である。
【0050】
[00088]一実施形態では、本発明は、免疫刺激及び腫瘍又は癌細胞増殖の阻害の1つ又は複数の方法であって、哺乳動物細胞を、GGPPS酵素及びDPPS酵素を実質的に阻害することができる有機ビスホスホネート化合物と接触させることを含む方法を提供する。
【0051】
[00089]一実施形態では、本発明は、哺乳動物細胞を、DPPS酵素を実質的に阻害することなく、GGPPS酵素を実質的に阻害することができる有機ビスホスホネート化合物と接触させることを含む癌細胞増殖の阻害方法を提供する。
【0052】
[00090]上記方法のいずれか1つの実施形態において、前記化合物は式XA1の構造を有する。
【0053】
[00091]一実施形態では、本発明は、1つ又は複数の特性について有機ビスホスホネート試験化合物をスクリーニングする方法であって、前記試験化合物を提供するステップと、FPPS酵素アッセイ;GGPPS酵素アッセイ;DPPS酵素アッセイからなるグループから選択される少なくとも2つの酵素アッセイで前記試験化合物の性能特質を測定するステップと、癌細胞又は腫瘍成長阻害アッセイ;T細胞活性化アッセイ;骨吸収アッセイ;骨結合アッセイからなるグループから選択される少なくとも2つの活性アッセイで前記試験化合物の活性レベルを測定するステップと、前記性能特質及び前記活性レベルを分析するステップと、前記特質及び活性レベルに基づいて前記試験化合物を選択するステップと、それによって、前記1つ又は複数の特性について前記試験化合物をスクリーニングするステップとを含む方法を提供する。一実施形態では、この方法は、基準化合物を提供するステップと、前記基準化合物の性能特質と前記試験化合物の前記性能特質を比較するステップをさらに含む。
【0054】
[00092]一実施形態では、本発明は、デヒドロドリキルジホスフェートシンターゼ(dehydrodolichyl diphosphate synthase)(DHDDS)酵素を阻害する方法を提供する。一実施形態では、本発明は、DHDDS酵素を選択的に阻害する方法であって、前記酵素又は前記酵素を含む細胞を本発明の有機化合物又は組成物と接触させることを含む方法を提供する。その方法が標的を選択的に阻害すると説明されている本明細書の実施形態では、1つ又は複数の他の標的の特定の阻害が存在することが可能である。
【0055】
[00093]一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む癌を治療する方法を提供する。一実施形態では、その癌は乳癌である。一実施形態では、乳癌は実際の骨転移状態又は潜在的な骨転移状態を含む。
【0056】
[00094]一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む、骨吸収障害を治療する方法を提供する。
【0057】
[00095]一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む、骨痛状態を治療する方法を提供する。
【0058】
[00096]一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む、感染症を治療する方法を提供する。一実施形態では、前記感染症は、ウイルス、真菌、バクテリア及び寄生原生動物からなる群から選択される病原体に関係する。一実施形態では、前記ウイルスはレトロウイルスである。一実施形態では、前記レトロウイルスはヒト免疫不全ウイルス(HIV)である。一実施形態では、前記寄生原生動物はリーシュマニア属、トキソプラズマ属、クリプトスポリジウム属、マラリア原虫及びトリパノソーマ属からなる群から選択される。一実施形態では、前記寄生原生動物は大形リーシュマニアである。一実施形態では、前記バクテリアはマラリア原虫又は黄色ブドウ球菌である。
【0059】
[00097]一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む免疫治療法を提供する。一実施形態では、本発明は、T細胞を本発明の化合物又はその医薬製剤と接触させることを含むT細胞を刺激する方法を提供する。一実施形態では、前記T細胞はγδT細胞である。
【0060】
[00098]一実施形態では、本発明は、本発明の化合物を合成する方法又はその医薬製剤を提供する。
【0061】
[00099]一実施形態では、本発明は、感染性病原体の増殖を阻害する方法であって、前記感染性病原体を有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤と接触させることを含む方法を提供する。
【0062】
[00100]一実施形態では、本発明は、腫瘍又は癌細胞の増殖を阻害する方法であって、前記腫瘍又は癌細胞を有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤と接触させることを含む方法を提供する。
【0063】
[00101]一実施形態では、本発明は、抗血管形成活性を有する化合物を提供する。一実施形態では、本発明は、それを必要とする対象に有効量の本発明の化合物又は組成物を投与することを含む血管形成を阻害する方法を提供する。
【0064】
[00102]一実施形態では、本発明は、ある化合物を含む組成物を提供する。実施形態では、前記組成物はその化合物を治療有効量で含む。一実施形態では、本発明は、ある化合物の医薬製剤を含む組成物を提供する。一実施形態では、前記医薬製剤は、1つ又は複数の賦形剤、担体及び/又は当業界で理解されているような他の成分を含む。一実施形態では、有効量の本発明の組成物は治療有効量であってよい。
【0065】
[00103]一実施形態では、本発明の組成物を医薬品として使用する。一実施形態では、ある組成物を医薬品の調製又は製造において使用する。一実施形態では、その医薬品は、本明細書で記載され、且つ、当業界で理解されているような1つ又は複数の状態の治療のためである。
【0066】
[00104]一実施形態では、本発明は、それを必要とする対象に治療有効量の本発明の化合物を投与することを含むある病状を治療する方法を提供する。一実施形態では、その病状は骨吸収障害、癌、疼痛、免疫系障害及び/又は感染症である。
【0067】
[00105]一実施形態では、本発明の組成物は単離されるか又は精製されたものである。
【0068】
[00106]スクリーニング方法の実施形態では、細胞及び動物をベースとしたアッセイに加えて、精製したFPPS、GGPPS、DPPS又は他の酵素を用いることができる。
【0069】
[00107]特定の理論に拘泥するわけではないが、本発明に関連する根本的な原理若しくは機序の考え方又は理解を本明細書で論じることができる。機構の説明又は仮定が最終的に正しいかどうかにかかわらず、本発明の実施形態は有効であり且つ有用であることを理解されたい。
【0070】
[00108]薬剤として許容される塩は、薬剤として許容されるアニオン及び/又はカチオンを含む。薬剤として許容されるカチオンには、とりわけ、アルカリ金属カチオン(例えば、Li+、Na+、K+)、アルカリ土類金属カチオン(例えば、Ca2+、Mg2+)、非毒性重金属カチオン並びにアンモニウム(NH4+)及び置換アンモニウム(N(R’)4+(R’は、水素、アルキル又は置換アルキル(即ちメチル、エチル又はヒドロキシエチルを含む)、具体的には、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム及びトリエタノールアンモニウムカチオンである)が含まれる。薬剤として許容されるアニオンには、とりわけ、ハライド(例えば、Cl−、Br−)、硫酸塩、酢酸塩(例えば、硫酸塩、トリフルオロ硫酸塩)、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩及び乳酸塩が含まれる。
【0071】
[00109]本明細書で開示する具体的な分子は、1つ又は複数のイオン性基[プロトンを引き抜くか(例えば、−COOH)又はそれを供与する(例えば、アミン)ことができる基、或いは四級化する(例えば、アミン)ことができる基]を含む。そうした分子及びその塩の可能性のあるすべてのイオン形態は、本明細書の開示に個別的に含まれるものとする。本明細書の化合物の塩に関して、当業者は、所与の用途のために本発明の塩を、調製するのに適した利用できる広範な対イオンから選択することができる。具体的にはその用途において、塩の調製のために所与のアニオン又はカチオンを選択することによって、高い溶解度又は低い溶解度の塩が得られる。
【0072】
[00110]本発明の化合物はプロドラッグの形態を有することができる。本発明の化合物のプロドラッグは本発明の方法において有用である。インビボで転換されて生物学的、薬剤学的又は治療学的に活性な形態の本発明の化合物を提供する化合物はどれもプロドラッグである。プロドラッグの様々な例及び形態が当業界で知られている。プロドラッグの例は、とりわけ、Design of Prodrugs、H.Bundgaardによる編集(Elsevier、1985年)、Methods in Enzymology、第42巻、309〜396頁、K.Widder等による編集(Academic Press、1985年);薬物設計及び開発のテキストブック(A Textbook of Drug Design and Development)、Krosgaard−Larsen及びH.Bundgaardによる編集、第5章、H.Bundgaardの「プロドラッグの設計及び応用(Design and Application of Prodrugs)」、113〜191頁、1991年);H.Bundgaard、Advanced Drug Delivery Reviews、第8巻、1〜38頁(1992年);H.Bundgaard等、Journal of Pharmaceutical Sciences、第77巻、285頁(1988年);並びにNogrady(1985年)Medicinal Chemistry A Biochemical Approach、Oxford University Press、New York、388〜392頁)に見られる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は、関連するケミストリー(Chemistry)の態様を示す図である。A、一般的な窒素含有ビスホスホネート構造;B、腫瘍細胞、γδT細胞、破骨細胞及びマクロファージにおけるビスホスホネート活性に関係するいくつかの経路の概略図、C、カルボカチオン遷移状態/反応性中間体及びビスホスホネート類似物(赤い円で囲まれている)を示すFPP、GGPP生合成及びタンパク質プレニル化;D、FPPS阻害のための相対的分子類似性指標静電界(comparative molecular similarity index electrostatic field)(左、青=正電荷が好ましい))及びファーマコフォア(右、緑=疎水性、赤=正、青=負イオン性);E、カチオン性ビスホスホネート;F、選択されたGGPPS阻害剤の構造。
【図2】図2A〜2Iは、癌細胞増殖阻害及びγδT細胞活性化のためのデータを含む化合物の活性についてのアッセイによる広範な結果を示す図である。A、ビスホスホネートによるMCF−7細胞成長阻害;B、ゾレドロネート細胞成長阻害のFOH、GGOHレスキュー;C、BPH−675細胞成長阻害のFOH、GGOHレスキュー;D、酵素、細胞成長阻害及びSlogPについての相関マトリクス;E、FPPS及びGGPS記述子を用いたCoMSIA予測;F、ビスホスホネートによるγδT細胞活性化;G、γδT細胞活性化についてのHQSAR予測;H、増殖応答率%;I、(合計CD3+細胞)の割合(%)。
【図3】図3A〜3Eは、X線及びNMR試験による結果を示す図である。A、B:リセドロネート(PDBファイル#1YV5から)上に重ね合わせて示したヒトFPPSと結合したBPH−527及びBPH−461のX線構造;C、D、T.ブルーセイ(T.brucei)FPPSと結合したビスホスホネート、IPPの31Pマジックアングル(magic−angle)試料スピニングNMRスペクトル(600MHz 1H共鳴振動数);E、ヒトGGPPS(PDBファイル2FVI)と結合したGGPP上に重ね合わせて示したGGPPS(サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisae)からの)と結合したBPH−675のX線構造。表8も参照されたい。
【図4】図4は、ビスホスホネート標的の概略を示す図である。
【図5】図5は、MCF−7細胞成長阻害、FPPS阻害及びGGPPS阻害(図2D〜G)について検討した阻害剤の構造を示す図である。
【図6】図6は、ビスホスホネートによるMCF−7成長阻害のpIC50値を、γδT細胞活性化のpED50値に対してプロットしたグラフである。検討した化合物の構造を図5に示す。
【図7】図7は、MCF−7細胞成長阻害及びγδT細胞活性化を含むアッセイで検討した化合物の構造を示す図である。
【図8】図8は、MCF−7細胞成長阻害及びγδT細胞活性化を含むアッセイで検討した化合物の構造を示す図である。
【図9】図9は、MCF−7細胞成長阻害pIC50値対骨吸収のグラフである(pED50結果、Widler等より)。検討した化合物の構造を図8に示す。
【図10】図10は、MCF−7細胞成長阻害で試験した骨吸収薬物の構造を示す図である。
【図11】図11A〜Dは、ビスホスホネート/IPP/FPPS複合体の31P NMRスペクトルを例示する図である。化合物の構造をスペクトルの上に示す。
【図12】図12A及びBは、クルーズトリパノソーマ(Trypanosome cruzi)FPPSと結合した、例としてのビスホスホネートのX線構造を示す図である。A、BPH−527及びB、BPH−461。リセドロネートをそれぞれの上に重ね合わせて示す。
【図13】図13A及びBは、T.ブルーセイFPPSと結合したスルホニウムビスホスホネート(BPH−527)の代表的なITC結果、及びΔH、ΔS相関を示す図である(新規なカチオン化合物は赤い矢印で示す。それ以外は文献から)。
【図14】図14は、SlogP記述子に加えてFPPS、GGPPS酵素阻害をベースとした予測細胞成長阻害のグラフである。
【図15】図15は、FPPS及びGGPPS酵素阻害データをベースとした予測細胞成長阻害のグラフである。
【図16】図16は、本明細書で論じるいくつかの化合物の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
[00127]複数の実施形態では、本発明は、ビスホスホネート、特に長鎖炭化水素鎖、特に7個以上の炭素原子を有する直鎖アルキル又はアルコキシ基を担持する少なくとも1つの置換基を有するものを含む特定の化合物が、細胞増殖の阻害及び/又は特定の酵素の阻害を含む関連で有用で高い活性を示すという発見に少なくとも部分的に関連するものである。
【0075】
[00128]以下の略語が適用される。FPPS、ファルネシルジホスフェートシンターゼ(ファルネシルピロホスフェートシンテターゼ、ジメチルアリルトランストランスフェラーゼ、ゲラニルトランストランスフェラーゼ、ファルネシルジホスフェートシンターゼ及びファルネシルピロホスフェートシンテターゼとしても知られている);GGPPS、ゲラニルゲラニル二リン酸塩シンターゼ(ゲラニルゲラニルピロホスフェートシンテターゼとしても知られている);DPPS、デカプレニルピロリン酸シンターゼ;UPPS(ウンデカプレニルピロホスフェートシンテターゼ;ウンデカプレニルジホスフェートシンターゼとしても知られている);DHDDS又はDDPPS、デヒドロドリキルジホスフェートシンターゼ;pIC50/pEC50、それぞれIC50及びEC50の負の対数(IC50及びEC50はそれぞれ半値幅阻害又は活性化をもたらす濃度である);T.ブルーセイ、トリパノソーマブルーセイ(Trypanosoma brucei);D.ジスコイデウム(D.discoideum)、ディクチオステリウムジスコイデウム(Dictyostelium discoideum);γδT細胞、ガンマデルタT細胞;ITC、等温熱量測定。便宜上、概ね化合物/構造を番号で示す。
【0076】
[00129]以下の定義が適用される。化学基の定義は、特に一般式XA1を有する化合物に関連するものであるが、本明細書で示す他の化合物にも適用することができる。
【0077】
[00130]アルキル基は直鎖、分鎖及び環状のアルキル基を含む。アルキル基は1〜20個の炭素原子を有するものを含む。アルキル基は1〜3個の炭素原子を有する小アルキル基を含む。アルキル基は4〜10個の炭素原子を有する中位長(medium length)アルキル基を含む。アルキル基は、10個を超える炭素原子を有する、特に10〜20個の炭素原子を有する長鎖アルキル基を含む。環状アルキル基は1つ又は複数の環を有するものを含む。環状アルキル基は、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−又は10−員の炭素環を有するもの、特に3−、4−、5−、6−又は7−員の環を有するものを含む。環状アルキル基中の炭素環はアルキル基を担持することもできる。環状アルキル基は二環式及び三環式のアルキル基を含むことができる。アルキル基は任意選択で置換アルキル基を含む。置換アルキル基は、とりわけ、アリール基(これは任意選択でさらに置換されていてよい)で置換されているものを含む。具体的なアルキル基には、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、分鎖−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、分鎖ヘキシル及びシクロヘキシル基が含まれ、そのどれも任意選択で置換されている。
【0078】
[00131]アルケニル基は直鎖、分鎖及び環状のアルケニル基を含む。アルケニル基は、1個、2個又はそれ以上の二重結合を有するもの、及び二重結合のうちの2個以上が共役二重結合であるものを含む。アルケニル基は2〜20個の炭素原子を有するものを含む。アルケニル基は2〜3個の炭素原子を有する小アルキル基を含む。アルケニル基は4〜10個の炭素原子を有する中位長アルケニル基を含む。アルケニル基は、10個を超える炭素原子を有する長鎖アルケニル基、特に10〜20個の炭素原子を有するものを含む。環状アルケニル基は、1つ又は複数の環を有するものを含む。環状アルケニル基は、二重結合が環の中にあるか又は環と結合したアルケニル基の中にあるものを含む。環状アルケニル基は、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−又は10−員の炭素環を有するもの、特に3−、4−、5−、6−又は7−員の環を有するものを含む。環状アルケニル基中の炭素環はアルキル基を担持することもできる。環状アルケニル基は二環式及び三環式のアルキル基を含むことができる。アルケニル基は任意選択で置換されている。置換アルケニル基は、とりわけ、アルキル又はアリール基(この基は任意選択でさらに置換されていてよい)で置換されているものを含む。具体的なアルケニル基には、エテニル、プロパ−1−エニル、プロパ−2−エニル、シクロプロパ−1−エニル、ブタ−1−エニル、ブタ−2−エニル、シクロブタ−1−エニル、シクロブタ−2−エニル、ペンタ−1−エニル、ペンタ−2−エニル、分鎖ペンテニル、シクロペンタ−1−エニル、ヘキサ−1−エニル、分鎖ヘキセニル、シクロヘキセニルが含まれ、そのどれも任意選択で置換されている。
【0079】
[00132]アリール基には、1つ若しくは複数の5−又は6−員の芳香族環又は芳香族複素環を有する基が含まれる。アリール基は1つ又は複数の縮合芳香環を含むことができる。芳香族複素環は環中に1個若しくは複数のN、O又はS原子を含むことができる。芳香族複素環は1個、2個又は3個のNを有するもの、1個又は2個のOを有するもの、及び1個又は2個のSを有するものを含むことができる。アリール基は任意選択で置換されている。置換アリール基には、とりわけ、アルキル又はアルケニル基(この基は任意選択でさらに置換されていてよい)で置換されているものが含まれる。具体的なアリール基には、フェニル基、ビフェニル基、ピリジニル基及びナフチル基が含まれ、そのどれも任意選択で置換されている。
【0080】
[00133]アリールアルキル基は、そのアルキル基が任意選択で追加の置換基を有する、1つ又は複数のアリール基で置換されたアルキル基であり、そのアリール基は任意選択で置換されている。具体的なアルキルアリール基はフェニル−置換アルキル基、例えばフェニルメチル基である。
【0081】
[00134]アルキルアリール基は、そのアルキル基が任意選択で追加の置換基を有する、1つ又は複数のアルキル基で置換されたアリール基であり、そのアリール基は任意選択で置換されている。具体的なアルキルアリール基はメチルフェニルなどのアルキル−置換フェニル基である。
【0082】
[00135]任意のR(例えば、R1及びR2)基のうちの2つ以上から形成されてよい環は、本明細書では、一緒になって、任意選択で置換されたシクロアルキル基、任意選択で置換されたシクロアルケニル基又は芳香族基となっていてよい。その環は、3、4、5、6、7個又はそれ以上の炭素を含むことができる。その環は、芳香環中の1、2若しくは3個の炭素がN、O又はSで置き換えられている複素環式芳香族であってよい。その環は、環中の1つ若しくは複数のCH2基がO、N、NH又はSで置き換えられているヘテロアルキル又はヘテロアルケニルであってよい。
【0083】
[00136]任意のアルキル、アルケニル及びアリール基の任意選択での置換は、以下の置換基、即ちハロゲン、−CN、−COOR、−OR、−COR、−OCOOR、−CON(R)2、−OCON(R)2、−N(R)2、−NO2、−SR、−SO2R、−SO2N(R)2又は−SOR基の1つ若しくは複数での置換を含む。アルキル基の任意選択での置換は、そのアルケニル基又はアリール基が任意選択で置換されている1つ若しくは複数のアルケニル基、アリール基又はその両方での置換を含む。アルケニル基の任意選択での置換は、そのアルキル基又はアリール基が任意選択で置換されている1つ若しくは複数のアルキル基、アリール基又はその両方での置換を含む。アリール基の任意選択での置換は、アルキル基又はアルケニル基が任意選択で置換されている1つ若しくは複数のアルキル基、アルケニル基又はその両方でのアリール環の置換を含む。
【0084】
[00137]アルキル、アルケニル及びアリール基のための任意選択の置換基には、とりわけ、
[00138]−COOR(Rは水素又はアルキル基若しくはアリール基であり、より具体的には、Rはそのすべてが任意選択で置換されているメチル、エチル、プロピル、ブチル又はフェニル基である)、
[00139]−COR(Rは水素又はアルキル基若しくはアリール基であり、より具体的には、Rはその基のすべてが任意選択で置換されているメチル、エチル、プロピル、ブチル又はフェニル基である)、
[00140]−CON(R)2(他のRとは独立に、各Rは水素又はアルキル基若しくはアリール基であり、より具体的には、Rはその基のすべてが任意選択で置換されているメチル、エチル、プロピル、ブチル又はフェニル基であり、RとRは1つ又は複数の二重結合を含む環を形成することができる)、
[00141]−OCON(R)2(他のRとは独立に、各Rは水素又はアルキル基若しくはアリール基であり、より具体的には、Rはその基のすべてが任意選択で置換されているメチル、エチル、プロピル、ブチル又はフェニル基であり、RとRは1つ又は複数の二重結合を含む環を形成することができる)、
[00142]−N(R)2(他のRとは独立に、各Rは水素又はアルキル基、アシル基若しくはアリール基であり、より具体的には、Rはそのすべてが任意選択で置換されているメチル、エチル、プロピル、ブチル若しくはフェニル又はアセチル基であるか、或いはRとRは1つ又は複数の二重結合を含む環を形成することができる)、
[00143]−SR、−SO2R又は−SOR(Rはアルキル基又はアリール基であり、より具体的には、Rはそのすべてが任意選択で置換されているメチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル基であり、−SRについては、Rは水素であってよい)、
[00144]−OCOOR(Rはアルキル基又はアリール基である)、
[00145]−SO2N(R)2(Rは、水素、アルキル基又はアリール基であり、RとRは環を形成することができる)、
[00146]−OR(R=H、アルキル、アリール又はアシルであり、例えばRがアシルであると−OCOR*が得られる(但し、R*は水素又はアルキル基又はアリール基であり、より具体的には、R*はその基のすべてが任意選択で置換されているメチル、エチル、プロピル、ブチル又はフェニル基である))
が含まれる。
【0085】
[00147]具体的な置換アルキル基には、ハロアルキル基、具体的にはトリハロメチル基、特にトリフルオロメチル基が含まれる。具体的な置換アリール基には、モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−及びペンタハロ−置換フェニル基;モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−及びヘプタ−ハロ−置換ナフタレン基;3−又は4−ハロ−置換フェニル基、3−又は4−アルキル−置換フェニル基、3−又は4−アルコキシ−置換フェニル基、3−又は4−RCO−置換フェニル、5−又は6−ハロ置換ナフタレン基が含まれる。より具体的には、置換アリール基には、アセチルフェニル基、具体的には4−アセチルフェニル基;フルオロフェニル基、具体的には3−フルオロフェニル及び4−フルオロフェニル基;クロロフェニル基、具体的には3−クロロフェニル及び4−クロロフェニル基;メチルフェニル基、具体的には4−メチルフェニル基及びメトキシフェニル基、具体的には4−メトキシフェニル基が含まれる。
【実施例】
【0086】
[00148]本発明は、以下の非限定的な実施例によってさらに理解されよう。
実施例1.制癌及び/又は免疫賦活機能について高い効能を有する構造を含むビスホスホネート化合物
[00149]フォサマックス、アクトネル及びゾメタなどのビスホスホネートは、酵素ファルネシル二リン酸シンターゼ(FPPS)の強力な阻害剤であり、骨粗しょう症や骨肉腫を治療するのに使用される。これらは、破骨細胞及び腫瘍細胞に対して直接的な活性を有しており、また、先天性免疫系のγδT細胞も活性化して腫瘍細胞を死滅させる。ここで、本発明者らは、γδT細胞活性化及び腫瘍細胞の死滅化において、現在のビスホスホネートより約100〜1000倍(×)大きい活性を有する新規な化合物の開発を説明するのに加えて、ビスホスホネートは、FPPSだけでなく、ゲラニルゲラニルジホスフェート及びデカプレニルジホスフェートシンターゼも阻害するポリファーマシューティカル(polypharmaceutical)として作用することができることを示す。
【0087】
[00150]フォサマックス、ボニバ及びゾメタなどのビスホスホネートは、骨粗しょう症、パジェット病及び悪性腫瘍に起因する高カルシウム血症などの骨吸収疾患を治療するために使用される薬物分子である(1、2)。さらに、それらは、γδT細胞(Vγ2VδT細胞受容体を含む)を活性化して腫瘍細胞を死滅させ(3〜5)、その上、腫瘍細胞(6〜9)や多くの寄生原虫に対して直接活性を有している(10、11)。これらは20年間も臨床的に使用されてきたが、その作用機構は明らかでない。初期の研究では、ビスホスホネートは単に骨の表面を被覆することによって作用すると考えられたが、最近では、酵素ファルネシル二リン酸シンターゼ(FPPS、EC2.5.1.10)に関係があるとされる(12)。FPPSの阻害は、細胞シグナリングのパターンのかく乱(図1B)、及び、いくつかの原虫ではエルゴステロール生合成の阻害(10)を引き起こすと予測される、低分子量GTPアーゼ(Ras、Rho、Rap、Racなど)のプレニル化の低下をもたらす。より最近では、FPPSのこの阻害は、高いレベルの基質、イソペンテニルジホスフェート(IPP)をもたらすことが示されている(13、14)。このIPPレベルの増大はγδT細胞を活性化することができる(15)。またいくつかの細胞では、IPPはATPのイソペンテニルエステルであるApppIに転換される。これは、ミトコンドリア透過性遷移孔の要素である、ミトコンドリアアデニンヌクレオチドトランスロカーゼ(ANT)を阻害することができる(図1B)(16)。
【0088】
[00151]本明細書において、本発明者らは、FPPS阻害は常にビスホスホネートの作用の主要な標的であるか、また、免疫療法、癌において、また抗感染薬として、使用可能性のある、骨に対する結合力の小さいものを含む、活性があり且つ選択的な阻害剤を作製することが可能であるか、という質問に対する意義深い答えを開示するものである。本発明者らは、ビスホスホネート化合物が作用する他の重要な標的には、GGPPS及びDPPSが含まれることを報告する。さらに、本発明者らは、様々な標的に対して高い効能と選択性を示す有機ビスホスホネート化合物を作製し、これを試験した。
【0089】
[00152]タンパク質は、図1Cに示すようにして、IPP及びジメチルアリルジホスフェート(DMAPP)から合成される、ファルネシル二リン酸(FPP)か又はゲラニルゲラニルジホスフェート(GGPP)のいずれかによってプレニル化される。この反応は、図2Cに赤丸で囲んで示すように、カルボカチオン遷移状態/反応性中間体(17)を介して進行し、ビスホスホネート側鎖(例えばボニバの、赤色、図1A)は電荷中心を模倣し、ビスホスホネートは、加水分解に対して安定したジホスフェートの類似体(17)をもたらすと考えられる。本発明者らは、類似したタイプの遷移状態が、FPPSとGGPPSの両方、並びにデカプレニルジホスフェートシンターゼ(DPPS)に関連している可能性があることを提示した。DPPSは、コエンザイムQ10の製造において使用されるヘテロ二量体性のプレニル−トランスフェラーゼである(18)。本発明者らの提案に従って、本発明者らは複数の標的に影響を及ぼすことができるビスホスホネート化合物を設計した。
【0090】
[00153]「1つの薬物、1つの標的」という従来の考え方を超える可能性を考慮した薬物設計アプローチへの意欲的な認識がなされている(19)。ビスホスホネートが複数の標的を阻害する「ポリファーマシューティカル」となり得るという可能性を提示するものである。ビスホスホネートボニバは、コレステロール生合成において使用されるスクアレンシンターゼの強力な阻害剤とすることができ(20)、多くのビスホスホネートが、植物中に見出される別のヘテロ二量体性のプレニルトランスフェラーゼ、ゲラニルジホスフェートシンターゼの強力な低nM阻害剤である(21)。しかし、他の関連する標的酵素の潜在的重要性を判定し、阻害剤を開発できるようにするのにはさらなる検討を伴う。
【0091】
[00154]本発明者らのポリファーマシューティカルな仮定を試験するために、本発明者らは3つの酵素:ヒトFPPS、GGPPS及びDPPSに絞り、それぞれについて、一連のビスホスホネートによるその阻害を試験した。これら3つの酵素のそれぞれはビスホスホネートゾレドロネート(ゾメタ)によって阻害される。そのいくつかは表1のIC50(Ki)値で示されている。他のビスホスホネート化合物についての活性値も示す。即ち、本発明者らは、ビスホスホネートによって、3つのすべてのヒト酵素を強力に阻害可能であることを実証した。この発見は、FPPSがビスホスホネートの唯一の標的ではないという可能性と一致する。本発明者らは以下の観察、即ち、ビスホスホネートの主要標的としてのGGPPSの潜在的な重要性を提案するものであり、細胞増殖に対するビスホスホネートの影響は、ファルネソールではなく、ゲラニルゲラニオールの添加によってのみ逆転され、これは、コレステロール生合成を研究する関連で、FPPシンターゼ及びGPPシンターゼが関与していると見なされるというGoffinetら及びその他の観察(22)に注目している。本発明者らのデータは、ある種の小分子は、他の標的に加えて、GGPPS標的活性を高い効能で直接阻害することができることを実証している。
【0092】
[00155]本発明者らは、GGPPSがビスホスホネート活性の主標的として働くかどうかという疑問、及び小分子阻害剤の付随する役目をさらに詳細に検討した。本発明者らは、有用な組成物を提供し、且つ特定の細胞の(腫瘍細胞の死滅化及びγδT細胞活性化)結果を解釈する助けとなるデータベースを提供するために、これら3つの酵素のうちの1つ又は複数に対して改善された活性を有する可能性のある一連の新規なビスホスホネートを設計した。FPPS阻害についての本発明者らの相対的分子類似性分析(CoMSIA)(23)モデルの検討(24)(図1E)は、正電荷特性を、例えば、図1Fに示す新規なビスホスホネートで見られるように、ビスホスホネート主鎖により近い方へ移動させることによって高い活性が得ることができることを示唆している。本発明者らは、ヒト組み換えゲラニルゲラニル二リン酸塩シンターゼの阻害についての従来の研究(25)に注目している。正電荷の構造的特性に加えて、本発明者らは、大きな疎水性尾部(例えば、図1Fを参照されたい)を有することの潜在的重要性を仮定した。さらに、本発明者らは、そうした阻害剤はC50プレニルトランスフェラーゼDPPSに対して特に強力であり、また細胞取り込みが改善される可能性があると考えた。したがって、本発明者らは、様々な化合物を意欲的に設計し合成することに至った。その代表的な具体的番号は化合物715である。
【0093】
[00156]図2Aに示すように、BPH−715などのカチオン性のビスホスホネート種(図1F、左側)は実際、MCF−7癌細胞増殖阻害において、ゾレドロネートやパミドロネートなどのビスホスホネートよりはるかに活性であり、約15μM(ゾレドロネート)又は約300μM(パミドロネート)のオーダーの値と比較すると約50nMのIC50値である。ファルネソールを加えても成長阻害からレスキューされることはなく、ゲラニルゲラニオールを加えるとごく部分的にレスキューされる(図2B)。これは2つ以上の標的を示唆している。他方、大きな疎水性ビスホスホネートBPH−675は5μMのIC50を有するが、20μMのゲラニルゲラニオールを加えると、その成長阻害効果は本質的に完全にレスキューされる(図2C)。これは、BPH−675が選択的GGPPS阻害剤であり、他方、BPH−715はGGPPSを含む複数の標的を有することを強く示唆している。本発明者らは、成長培地において、どのビスホスホネートについてCoQ10を取り込んでも細胞成長阻害からレスキューされないことを見出した。しかし、これは、本発明者らの理解する機序を考えれば予想外のことではない。その理由は、血清中にCoQ10は存在しており、DPPS阻害の主作用は、CoQ10添加によって影響を受けないIPP/ApppIの上昇に対してであると想定されるからである。
【0094】
[00157]酵素データに基づく細胞成長阻害のモデルを開発するために、本発明者らは次に、特定のビスホスホネートによる、FPPS、GGPPS及びDPPS阻害についてのIC50値を測定した(表1に具体的データを示す)。図2Dのデータマトリクスに示すように、細胞成長阻害とGGPPS阻害pIC50値との間には良好な相関があり、SlogP(原子寄与及びプロトン化状態をベースとしたオクタノール/水分配係数のLog(26))とは中程度の相関、DPPSとは弱い相関がある。しかし、FPPS阻害とは相関性がない。これらの結果は、GGPPS阻害が最も重要であるという考え方を強く支持しており、これは、本発明者らがGGOH及びFOHのレスキュー試験について得たデータと一致している(図2B、2Cを参照されたい)。
【0095】
[00158]本発明者らは、部分最小二乗法を用いて、細胞のIC50の結果に対して酵素及びSlogPデータを回帰させることによる細胞成長阻害のためのより定量的なモデルの開発を追求した。即ち:
pIC50(細胞)=a・pIC50(FPPS)+b・pIC50(GGPPS)+c・pIC50(DPPS)+d・SlogP+e
式中、pIC50=−log10(IC50M)であり、a、b...nは回帰係数である。
【0096】
[00159]酵素阻害とSlogPデータだけを用いて、まさにGGPPS、DPPS及びSlogP(GGPPSが支配的である(SI))で良好な全体相関性(R=0.90)が見出される。CoMSIAフィールドを用いるとさらなる改善が得られる(図2E)。したがって、Rho、Rap及びRacの細胞生存経路が影響を受けるので、ビスホスホネートによる細胞成長阻害はGGPPSの直接の阻害によって支配されており、これは、レスキュー実験と一致している。さらに、DPPS阻害は、生成DPP分子当たり7モルのIPPが消費されるので、大量のIPP(ApppI)を生成すると予測される。
【0097】
[00160]次に本発明者らは、これらの新規なビスホスホネートがγδT細胞活性化において活性を有するかどうかの検討を試みた。図2Fから分かるように、BPH−715などの長鎖ビスホスホネートはγδT細胞活性化において強力な活性を有する。最も活性な種(BPH−716、C12側鎖を含む)は、このアッセイで、古典的な合成ホスホ抗原のホスホスチム(Phosphostim(登録商標))(IPPのブルモヒドリン)に対して約2倍(×)のEC50を有しており、従来の最も強力なビスホスホネートに対して約100倍(×)のEC50を有している(図2F)。しかし、これらの最も強力な種はFPPS(SI)に対してほとんど活性をもたないか又はまったくもたないが、これらはDPPSに対して、ゾレドロネート(約500nM対約5μM)より約10倍(×)活性である。さらに、これらははるかに好都合なSlogP特性(3対−4)を有しており、これは、そうした種がよりたやすく細胞に侵入できることを意味している。もちろん、他の脂質抗原と同様にこれらの種を、γδT細胞に直接提供できるかということが議論になる可能性がある。しかし、プラバスタチン滴定実験とメバスタチン滴定実験の両方の結果(14)によれば(ここで、FPPS、GGPPS及びDPPSへのイソプレノイドの流束(flux)はHMGCoAレダクターゼの阻害によって阻止される)、γδT細胞活性化において、強力な長鎖ビスホスホネート及びリセドロネートについて同じスタチンIC50値が示されている(図2E、F、G)。したがって、新規な種は、抗原提示細胞におけるIPP蓄積を介して、従来のビスホスホネート抗原と同じ仕方で作用する。癌細胞増殖阻害で用いたのと同じモデル化手法を本発明者らが適用することによって、予測性の高いモデルが得られた(図21)。追加のCoMSIAフィールド記述子(SI)と合わせてFPPS、DPPS、SlogP記述子を用いて、0.98のr2値、q2=0.744)である。
【0098】
[00161]γδT細胞活性化におけるGGPPS阻害についての役割の証拠を本発明者らは見出していない。例えば、GGPPS阻害剤BPH−675(これはFPPS又はDPPSに対して効果はない)はγδT細胞活性化に対してまったく効果はない。同様に、側鎖電荷が存在していないBPH−715(BPH−754)のフェニル類似体は良好なGGPPS阻害剤であることが分かった。MCF−7細胞成長のその阻害はGGOHによってレスキューされたが、それはFPPS又はDPPS阻害に対して本質的に効果がないので(カルボカチオン電荷の特徴が欠如しているので)、γδT細胞活性化に対して効果はなかった。γδT細胞活性化におけるこの活性の欠如は驚くべきことのように当初は思われるかもしれないが、GGPPSだけでの阻害は1つのIPPしか生成しないが、他方、DPPSの阻害はこれを7つ生成し、さらに、細胞中におけるDPP/CoQ10の生成は非常に豊富である。ドリコール生合成の阻害がIPPの生成に関与することも可能である。
【0099】
【化4】
【0100】
[00162]非骨吸収疾患の治療においてビスホスホネートを使用することの潜在的欠点は、それらが骨に急速に吸着されることであると予想される。しかし、驚くべきことに、本発明者らは、高度に疎水性の種BPH−675及びBPH−715はインビボでごく弱くしか骨の上に吸着されず(SI)、骨吸収において中程度のIC50値しか得られないが(例えば、BPH−715の約800nMに対して、ゾレドロネートの約70nM、SI)、しかし、特定の状態、例えば免疫療法、感染症や様々な癌の治療の関連では弱い骨結合は望ましいことであることを見出す。
【0101】
[00163]本発明者らは、化合物754、及び関連する構造的特徴を有する特定の化合物は、GGPPSを強力に阻害するが、DPPS又はFPPSはほとんど阻害しない化合物類を提示できることに注目する。いくつかの例では、プロ免疫賦活効果(pro−immunostimulatory effect)はもたなくても、制癌活性などの特性を保持することは有利となる可能性がある。様々な炎症性疾患などのように、免疫刺激が、免疫系の過剰反応をもたらす可能性のある環境が存在する。興味ある構造的特徴には、環上のアルコキシ尾部置換基に加えて、ビスホスホネート成分に隣接する環部分についての正電荷の欠如が含まれる。逆に、他の構造的特徴(例えば、正電荷及び尾部置換基の存在)を共有する化合物は、複数の標的(例えば、化合物715の場合のGGPPS及びDPPS)の阻害などの付随する機能的特性を示すことができ、制癌及び免疫刺激などの活性の組合せを示すことができる。そうした組合せが有利である環境が存在する。
【0102】
[00164]次に本発明者らは、特定のビスホスホネート(例えば、ピリジニウム及びスルホニウム類似体)がどのようにFPPSやGGPPSと結合するかを検討した。本発明者らは最初の検討として、FPPS阻害及び骨吸収において強力な活性を有することが先に判明している(27)簡単なフルオロピリジニウムビスホスホネート(BPH−461、図1D)、並びに最も簡単なスルホニウムビスホスホネート(BPH−527、図1D)を選択する。データ収集及びリファインメント統計データ(refinement statistics)を、ヒト及びトリパノソーマブルーセイFPPS酵素(後者は抗感染薬の開発のための標的として興味深い(28))の両方について、例として表、例えば表4〜7に示す。すべての場合において、IPPが存在しなくても、ビスホスホネートは排他的にアリル/DMAPP部位だけと結合した。ヒト酵素と結合したこれら2つのビスホスホネートの構造を、大腸菌(E.coli)に対して活性をやはり有する(30)強力な骨吸収薬物(29)であるBPH−210の構造の上に重ね合わせて、図3A、Bに示す。T.ブルーセイ構造を図12に示す)。従来のビスホスホネートとの結合に明らかに相当な類似性があり、ホスホネートと3Mg2+の間に強い静電相互作用(大腸菌タンパク質においてHosfield等によって最初に確認された(31))を有する。
【0103】
[00165]IPPと一緒のNBP(窒素含有ビスホスホネート薬物)の存在下で、三元のビスホスホネート−IPP−FPPS複合体が見出されている(31〜34)。これは、結晶学的にも、また、固体状31P NMR分光法(ビスホスホネートとIPP31P核の両方の組について個々の31P NMR共鳴が見られる(35))によっても実証されている。図3Cに示すように、ピリジニウムビスホスホネートBPH−461は、3Mg2+に加えて1PPを含む同じタイプの複合体を形成する。IPP、Mg2+との三元複合体の形成は、固体状31P NMRを用いても推定することができ、ピリジニウム及びスルホニウムビスホスホネートについての結果を図2C、D(及び図11)に示す。これは、ピリジニウム、スルホニウム、ホスホニウム、アルソニウム及びグアニジニウムビスホスホネートのすべてが平均して1:1(±0.2)ビスホスホネート:IPP化学量論量で三元複合体を形成することを示している。
【0104】
[00166]FPPSとのカチオンビスホスホネート結合が、エントロピーによって推進されるかエンタルピーによって推進されるかどうかを判断するために、本発明者らは、等温滴定熱量測定法(ITC)を用いた。ΔH値は小さく、吸熱的(約2〜4kcal)であり、圧倒的にエントロピーによって推進されていた(約−10.5〜−12.6kcal/モルの範囲のTΔS値)。図13及び表9を参照されたい。したがって、非従来型のビスホスホネートは、より従来型の窒素含有ビスホスホネートと同様に、同じタイプの複合体を形成するが、結合はもっぱらエントロピーによって推進されていた(非常に塩基性の側鎖を有するアレンドロネート及びイバンドロネートなどの従来型のビスホスホネートに見られるように(34、36))。
【0105】
[00167]最後に本発明者らは、その「阻害剤」部位のGGPPSと結合するように設計された、GGPPS阻害剤BPH−715(IPPの存在下又は非存在下での)の構造を検討した。2つの構造についてのデータ収集及びリファインメント統計データを得た。両方の構造において、BPH−715はKavanagh等によって最初に確認された(37)GGPP阻害剤部位と結合する。1つの構造では、本発明者らは、2つのMg2+及び1つのIPPの存在を見出し、第2の構造では、リガンドは、三元複合体構造において見られるものから若干転移して、単独で結合する。1PP部位の位置は、より少ないピリジニウムビスホスホネートを有するFPPSで見られるものと類似している(図3C)。同じGGPPS阻害剤部位結合部位モチーフはBPH−675(PDB2E95)についても見られ、Kavanagh等(37)によって提案されているような従来記載されているもの(25)などの長鎖GGPPS阻害剤に共通するもののようである。これは生成物(又は阻害剤)結合部位であるので、本発明者らは、正電荷特性の必要性はなく、カチオン側鎖含有種と中性側鎖含有種の両方が結合できるが、カチオン種だけがDPPS(及びFPPS)を阻害すると判断する。
【0106】
[00168]まとめると、それらが、FPPSだけを標的とするものではない、特定のビスホスホネート薬物は、多くの場合FPPS、GGPPS並びにDPPS(及び、潜在的には、デヒドロドリキルジホスフェートシンターゼなどの他のプレニルトランスフェラーゼ)を阻害することができるポリファーマシューティカルであることを示しているので(図4に示した図2Bの改訂版を示唆している)、これらの結果は非常に興味深いものである。図4は、癌細胞増殖阻害は主にGGPPS阻害によって阻害されるが(コンピュータモデル、酵素阻害及びレスキュー実験によって証明されているように)、GGPPS阻害はγδT細胞活性化において何ら役割を果たさず、それはFPPS及びDPPS阻害(及び、多分ドリコール生合成阻害)によって支配されるという本発明者らの理解を示すものである。IPP/ApppI蓄積が依然として起こるので、CoQ10は細胞増殖をレスキューしない。長鎖ビスホスホネートはFPPSに対して活性を有していないが、それでも、DPPS阻害及び高い疎水性のため、強力なγδT細胞活性化因子である。
【0107】
[00169]癌細胞増殖阻害において、GGPPSは大部分の強力な種にとっての主要標的であるが、γδT細胞活性化においては、GGPPS阻害は、IPP生成に依存するT細胞活性化に対して効果的ではない。適切な化学的改変によって、本発明者らは、癌細胞増殖阻害とγδT細胞活性化の両方において、既存のビスホスホネートより約100〜1000倍(×)高い活性を有するいくつかの新規な種を得た。これは、ポリファーマシューティカルのアプローチを用いた免疫療法や化学療法におけるビスホスホネートの使用への新たな道を示唆している。
【0108】
[00170]この実施例での具体的な化合物は、本明細書で記載する式XA1の化合物である。
【0109】
[00171]化合物の塩及びエステル形態を含む組成物の変形体。本発明の化合物、及び本発明の方法において有用な化合物は、上記式の化合物並びに薬剤として許容されるその塩及びエステルを含む。複数の実施形態では、塩には、ヒト又は獣医学的用途で使用するのに許容される、本明細書で示す式の酸から誘導される任意の塩が含まれる。複数の実施形態では、エステルという用語は、本明細書で示す式のジホスホネート化合物を含む化合物の加水分解性エステルを指す。複数の実施形態では、本明細書で示す式の化合物の塩及びエステルは、本明細書で示す式の化合物と同じ治療上又は薬剤学的な(ヒト又は獣医用)一般的特性を有するものを含むことができる。各ホスホネートが2−、1−又は中性電荷を担持する、様々な塩の組合せが可能である。原理上、本発明のビスホスホネート化合物を含む特定の化合物について、複数の荷電状態、例えば9つの荷電状態が可能である。
【0110】
実施例1の文献;
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【0111】
実施例2.追加の化合物
[00209]本発明は、構造XA2
【0112】
【化5】
【0113】
で表される化合物を提供する。
[00210]式中、変数としての基の選択は、本明細書の他の部分で記載するものと同様であってよい。
【0114】
[00211]好ましい実施形態では、RLは7〜12個の炭素を有するアルコキシである。一実施形態では、構造式XA2を有する化合物は、DPPSを実質的に阻害することなくGGPPSを選択的に阻害することができる。一実施形態では、そうした化合物を、腫瘍又は癌細胞増殖を阻害するために用いる。
【0115】
[00212]化合物754を合成し、活性を試験した。以下の1C50値を有することが分かった(ミクロモル):癌細胞増殖(平均)の阻害は0.50であり、ヒトの乳癌細胞株MCF7の阻害は0.401であり、ヒトのCNS癌SF268の阻害は0.524であり、ヒトの肺癌NCIH460の阻害は0.672であり、精製GGPPSの阻害は0.5918である。
【0116】
[00213]
実施例3.試験化合物の活性についての結果
【0117】
【表1】
【0118】
[00214]上記表では、様々な化合物による、3つの癌細胞株の細胞成長阻害についてのデータを示す。また、有意の効能で複数の酵素を阻害することができる化合物を含み、化合物は、FPPS、GGPPS及びDPPS酵素の1つ又は複数を阻害可能である。予測値は10倍交差検証モデルからのものである。平均絶対残余誤差は0.38であり、これは、活性の2500倍(×)の範囲にわたって、約2.3倍(×)のファクターの誤差に相当する。GFAの不適合度誤差指標(lack−of−fit error metric)は0.31である。
【0119】
【表2】
【0120】
【表3】
【0121】
【表4】
【0122】
【表5】
【0123】
【表6】
【0124】
【表7】
【0125】
【表8】
【0126】
【表9】
【0127】
【表10】
【0128】
【表11】
【0129】
材料及び方法
[00215]細胞成長阻害アッセイ。ヒト腫瘍細胞株MCF−7(乳腺腺癌)、NCI−H460(肺大細胞)及びSF−268(中枢神経系膠芽腫)を国立癌研究所(National Cancer Institute)から得た。すべての細胞株を、100%湿度の5%CO2雰囲気中、37℃で10%ウシ胎仔血清及び2mMのL−グルタミンで補充したRPMI−1640培地中で培養した。各ビスホスホネートによる成長阻害についてのIC50値を判定するために培養液微量希釈法を用いた。100μLの最終容積になるように半対数連続により予め希釈した(0.316mM〜0.1pM)、10μLの試験化合物を含む96ウェル平底培養プレート中に、5,000細胞/ウェルの密度で細胞を播種した。NBPは通常最初にH2O(0.01M)に溶解し、NNBPは通常DMSO(0.01M)に溶解した。次いでプレートを、100%湿度の5%CO2雰囲気中、37℃で4日間インキュベートし、続いて、MTT((3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)細胞増殖アッセイ(ATCC、Manassas、VA)を用いて、用量応答曲線を得た。DMSOキャリヤーは細胞増殖に対して効果がなかった。
【0130】
[00216]ウィンドウズ用のGraphPad PRISM(登録商標)バージョン4.0ソフトウェア(GraphPad Software Inc.、San Diego、CA、www.graphpad.com)を用いてデータを直角双曲線関数:I=(IMAXC)/(IC50+C);
【0131】
【数1】
【0132】
(式中、Iは阻害率%であり、IMAX=100%阻害であり、Cは阻害剤の濃度であり、IC50は50%成長阻害濃度である)
にあてはめた。典型的な用量応答曲線を本文の図2Aに示す。「レスキュー」実験のために、FOH又はGGOHのストック溶液を調製し(エタノール中で)、必要量をインキュベーション培地に加えて固定した20μM濃度を得た。
【0133】
[00217]γδT細胞アッセイ。Vγ2Vδ2T細胞TNF−αの放出及び増殖を、基本的には先に記載されているようにして1実施した。簡潔に述べると、Vγ2Vδ2T細胞についての生物活性を測定するために、CD4+JN.24、CD4+HF.2、CD8αα+12G12又はCD4−8−HD.108Vγ2Vδ2T細胞クローンを、CD4+クローンのためにはCP.EBV(EBV形質転換させたB細胞株)、又はCD8αα+及びCD4−8−クローンのためにはVa−2(形質転換させた線維芽細胞)の存在下、ホスホ抗原で刺激させた。APCとして使用するために、CP.EBV及びVa−2を0.05%グルタルアルデヒド(EMグレード、Sigma、MO)で固定した。ホスホ抗原の相対的効能は同じようであったが、NKG2D+Vγ2Vδ2クローン、12G12及びHD.108は、より高い抗原感受性を示したことに注目されたい。これは、Va−2細胞株によって発現されるNKG2Dリガンド、MICA、ULBP2及びULBP3との相互作用による、そのNKG2D+受容体を介した共刺激に起因するようである。本発明者らは先に、NKG2D/MICA相互作用が、抗原感受性を著しく増大させることを示した。50%の観察T細胞応答(EC50)を達成するのに要する濃度は、S字形用量応答関数を用いてPrism4.0プログラム(GraphPad Software、San Diego、CA)によって得た。グローバルあてはめ技術(Global Fitting technique)を用いてPrism4.0で実施して、各実験(例えば、JN.24細胞からのTNF−αの放出)について曲線あてはめ(最小)を判定した。何の制約も用いることなく、各個別化合物について曲線あてはめ(最大)を最適化した。
【0134】
[00218]NMR分光法。スペクトルを、14.1T、2インチ内径Oxford magnet及びVarian/Chemagnetics 3.2 mm T3 HXYプローブを備えた600MHz(1H共鳴振動数)Infinity Plus分光計で、マジックアングル試料スピニング技術を用いて得た。スペクトルは、85%オルトリン酸からなる外部標準を基準とした。1H横方向磁化は3.5μsパルス(75kHz領域)で発生させ、シグナル強調のために交差分極を用い、続いてデータ取得の際にはTPPMデカプリング(80kHz 1H領域)を用いた。1H−31P交差分極パルス波形及びデカプリングは、タンパク質試料についてのデータ取得に先行して、リセドロネート(アクトネル(Actonel))で最適化した。データは、10μsのドウェル(dwell)時間(100kHzスペクトル幅)、2048ポイント、2秒のリサイクル遅れ(recycle delay)及び13.333kHzのスピンニング速度を用いて取得した。すべてのスペクトルは、4096ポイントへのゼロ充てん、50Hz指数乗算(exponential multiplication)、及びピーク積分の前の基準線補正のための多項式補正(polynomial correction)を用いて処理した。スキャン数は32k〜86kの範囲で変えた。
【0135】
[00219]ヒト組み換えGGPPS阻害。ヒト組み換えゲラニルゲラニル二リン酸塩シンターゼ(hGGPPS)の精製は、先に報告されている手順2に従った。ビスホスホネートによるGGPPS阻害は、先に報告されている放射アッセイ2を若干修正して用いて測定した。アッセイ溶液は、50μLの総容積に300ngのhGGPPS、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)、5mM MgCl2、2mM DTT、1mg/mL BSA及び25μM FPPを含み、これを室温で15分間、ビスホスホネートで予備インキュベートした。次いで、5μLの[14C]IPPの250μM溶液を加えて反応を開始させ、37℃で20分間インキュベートした。75μLのHCl/MeOHを加えて反応を終了させた。37℃での2回目の20分間インキュベーションに続いて、アリルピロホスフェートを効果的に加水分解し、75μLの6N NaOHを加えて反応混合物を中和し、500μLのヘキサンで抽出した。カウントするために、200μLの有機相をシンチレーション用バイアルに移した。データをOrigin6.1(OriginLab Corp.、Northampton、MA、www.OriginLab.com)で用量応答曲線にあてはめてIC50値を得た。
【0136】
[00220]ヒトFPPS−ビスホスホネート複合体についての結晶化及びX線データ収集。K.L.Kavanagh等3によって記載されているものを若干修正した方法を基にして、Mg及びBPH−461か又はBPH−527と複合化した結晶ヒトFPPS複合体を得た。FPPSを、氷上で、2.5mMビスホスホネート、2.5mM MgCl2で終夜インキュベートし、続いてドロップをセットした。2μLのタンパク質溶液と、40%(容積/容積)のポリエチレングリコール2,000か又は4,000及び0.1Mリン酸塩/クエン酸塩緩衝剤、pH4.2からなる1μLの沈殿剤を混合して、シッティングドロップ法で結晶を室温で成長させた。ブルックヘブン国立シンクロトロン光源(Brookhaven National Synchrotron Light Source)、ビームラインX29(A=1.1Å)でADSC Q315 CCD検出器を用いて100Kで回折データを得た。データ収集の統計データを本明細書の実施例3の項で報告する。
【0137】
[00221]T.ブルーセイFPPS−ビスホスホネート複合体の結晶化及びX線データ収集。最初の結晶化スクリーニング条件は、Mao等4が報告している結晶化条件に基づいた。次いで、タンパク質濃度、沈殿剤の種類及び濃度、緩衝液の種類、緩衝液pH値及び金属イオン濃度の効果を最適化し、良好な回折パターンを示すタンパク質結晶を得た。5.55mg/mLのタンパク質を2.5mM BPH−461又はBPH−527、2.5mM MgCl2と混合し、氷上で終夜インキュベートし、続いてドロップをセットした。1μLのFPPS−ビスホスホネート混合液と、100mM酢酸アンモニウム中の10%(容積/容積)MPD、pH5.75からなる1μLの沈殿剤を混合して、ハンギングドロップ法により室温で結晶を結晶化させた。データ収集の前に、抗凍結剤として40%(容積/容積)MPDを加えた後、結晶をクリオループ(cryoloop)にとりつけ、液体窒素中で急速冷凍させた。回折データを、ブルックヘブン国立シンクロトロン光源ビームラインX8C(λ=1.1Å)でADSC Q4 CCD検出器を用いて100Kで得た。データ収集統計データを表6及び表7に報告する。
【0138】
[00222]ヒトFPPS−ビスホスホネート複合体の構造決定。構造決定のために、分子置換法を用いて、ヒトFPPS構造(1YV5)3からリセドロネートリガンドをマイナスしたものを検索モデルとして用いた。剛体リファインメントを、AMoRe5を用いて得られたモデルに適用した。結晶構造を、Shelxl−976を用いてさらにリファインした。2Fo−Fc電子密度図においてプログラムO7を用いてリガンドの再構築とあてはめを実施した。具体的なリファインメント統計データは表4及び表5に含まれる。
【0139】
[00223]T.ブルーセイFPPS−ビスホスホネート複合体の構造決定。T.ブルーセイFPPS−ビスホスホネート複合体の結晶構造を、プログラムAMoRe5を用いた分子置換法により決定した。先に解明したT.ブルーセイFPPS構造(2EWG)8からミノドロネートリガンドをマイナスしたものを出発モデルとして使用した。CNS9を用いて構造をさらにリファインした。CNSを用いたリファインメントとCootを用いた再構築を反復すると、その構造は表6及び表7に示す最終リファインメント統計データを有していた。
【0140】
[00224]2D QSAR:分子記述子。阻害剤の構造を分子設計支援システム(Molecular Operating Environment)(MOE)2006.0810に持ち込んだ。具体的な分子記述子を計算するのに三次元構造を必要とした。0.05kcal/モルの勾配及びMMFF9411力場を用いて、すべての分子を最小化して三次元モデルを構築した。計算された2D分子記述子に加えて、GGPPS及びFPPS酵素pIC50値も用いた。MOEにおける、QSARのためのエキスパートシステムのAutoQuaSARモジュール12を用いた。これは、利用できる記述子のそれぞれの重要性を評価し、且つ、記述子の数の関数としてr2及びq2の軌道(リーブワンアウト交差検証されたr2)を得るために、より重要性の低いものを段階的に取り除くことによって、一連のモデルを反復して構築する。次いで、検討のために、最も少ない成分と最も高いr2及びq2を有するモデルを検討用に選択した。最終モデルのコンピュータアウトプットを表10に示す。
【0141】
[00225]3D−QSAR:CoMSIA記述子及び分析。すべての化合物の配座異性体を、配座インポートユーティリティ(conformation import utility)を用いてMOE2006.0810で作り出した。配列の際の偏りの可能性を避けるために、認知された特徴、具体的には:疎水性、芳香族性、カチオン、供与体及び受容体の重なりをベースにして、ファーマコフォア認知アルゴリズム(MOEで)を用いて、分子配列を作り出した。次いで推定ファーマコフォアのランク付けリストを初期配列13のための基礎として供した。トップのファーマコフォア(カチオン性の特徴を含む)における分子の配列を選択し、MOEにおいて、TAFF(Tripos)及びMMFF94力場で、フレキシブル配列モジュール(flexible alignment module)を用いて連続的にリファインした。配列した分子及び電荷を、対応するFPPS、GGPPS及びMCF−7活性データとともにSybyl7.314に取り込んだ。CoMSIA15記述子を、FPPS pIC50、GPPS pIC50及びSLogPを含む、加えられた追加の記述子で配列した分子について計算した。成分のそれぞれの寄与を割り当てるためにPLSを用いた。その結果はq2=0.806(3成分)であった。コンピュータアウトプットを表11に示す。
【0142】
[00226]次いで、このモデルが偶然に得られたものではないことを確認し、さらに、成分の最適数を検証するために、Sybyl7.314を用いて、そのデータについてスクランブル安定性試験を実施した。スクランブル法は、得られたモデルの予測性をモニターしながら、小さなランダム摂動をデータセットにかけた。不安定なモデルの予測性は一般に、小さな摂動であっても急速且つ過度に低下するが、他方堅牢なモデルはより高い予測安定性を示す16。3成分での安定性を確認するアウトプット結果を表11に示す。
【0143】
[00227]ホログラムHQSAR(HQSAR)。CoMSIAとは異なり、ホログラムQSARは、一般的な三次元構造配列を必要とせず、比較し得る方法17が凌駕することができない性能基準の役目を果たす、フラグメントをベースとした配列非依存型の方法である17。HQSAR法は、Sybyl7.314を用いて、構造的特徴と生物活性を相関させるために、拡張分子指紋(分子ホログラム)を用いる。64の分子の構造をSybyl7.3に取り込み、構造の検査及び検証を容易にするために、BFGS18エネルギー最小化法により、0.01kcal/モル勾配で最大で10,000ステップを用いて三次元座標を設けた。次いで構造を、所定のフラグメントサイズに自動的にフラグメント化した。次いで、3つのフラグメントを用い、フラグメントについての情報、重なりの可能性、及び構成要素のサブフラグメントを保持し、且つ、三次元構造情報を非明示的にコード化しながら、各分子についての分子ホログラム(指紋)を作り出した。次いでホログラムを、部分最小二乗法(PLS)分析用に用いて、交差検証モデルを得た。q2=0.674、r2=0.871及び83ビットの最適フラグメントサイズを有する最終モデルが得られた。
【0144】
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【0145】
実施例4.インビボでの腫瘍に対するものを含む制癌活性
[00247]腫瘍細胞侵襲性及びインビボでの結果。本発明者らは、親油性ビスホスホネートが、腫瘍細胞侵襲性に対して顕著な効果を有するかどうかを検討した。マトリゲル(Matrigel)侵襲性アッセイにおいて、MDA−MB−231細胞、侵襲性ヒト乳癌の腺癌細胞株を、ビスホスホネートと培養すると、親油性ビスホスホネート、BPH−716は、ゾレドロネート(BPH−716、約30nM IC50;対ゾレドロネート、約40μM IC50)より、約1000倍阻害性が高かった。そうした化合物がインビボで活性を有しているかどうかを判断するために、本発明者らは、マウス異種移植片系(xenograft system)のSK−ES−1肉腫細胞(Kubo2007)を使用した。ゾレドロネートは、対照に対して癌細胞増殖の有意の(p<0.01)低減を引き起こしたが、親油性ビスホスホネート(BPH−715)の効果はより顕著であり(p=0.032対ゾレドロネート)、体重減少又は他の副作用は認められなかった。マウスγδT細胞には、IPPによる活性化に必要なVγ2Vδ2T細胞受容体が欠如しているので、このマウスモデルにおける活性は、癌細胞の増殖及び侵襲性への直接活性に起因すると考えることができる。これらの結果は、より親油性のビスホスホネートは、インビトロとインビボの両方で、腫瘍細胞増殖/侵襲性に対して強力な直接的活性を有することを実証している。これらは、ヒトT細胞活性化において高い効能も有することができ、これはIPP蓄積に起因すると考えられる。
【0146】
[00248]インビボでの腫瘍細胞モデル。実験は、基本的にはKubo2006等47が記載されているようにして実施した。1.5×107細胞を、4匹の生後6週間の無胸腺ヌードマウス(CLEA、Tokyo、Japan)の右側腹部に皮下注射して、ヒトSK−ES−1細胞の異種移植を開始した。マウスに、5μgのゾレドロネート、BPH−715又は生理的食塩水を腹腔内注射により毎日施した。腫瘍の最小径及び最大径並びに体重を毎週測定した。以下の式:体積(mm3)=(最小径)2×(最大径)/2を用いて腫瘍体積を算出した。統計的有意性を、Statcel(OMS Ltd.、Saitama、Japan)を用いたワンウェイANOVA及びFisherのPLSD法で判定した。p<0.05は有意であると見なされた。
【0147】
文献:
[00249]Kubo, T., Shimose, S., Matsuo, T., Sakai, A. & Ochi, M. Efficacy of a nitrogen−containing bisphosphonate, minodronate, in conjunction with a p38 mitogen activated protein kinase inhibitor or doxorubicin against malignant bone tumor cells.
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【0148】
実施例5.化合物の構造式
[00251]本明細書及び図面においてほかに提供される化合物の構造式に加えて、具体的な構造式を以下に示す。
【0149】
【化6】
【0150】
【化7】
【0151】
【化8】
【0152】
【化9】
【0153】
[00252]図2Dの具体的データを以下の表12にさらに示す。
【0154】
【表12】
【0155】
参照による本明細書への組み込み及び変更形態に関する記述。
[00253]本出願を通したすべての文献、例えば発行済み特許若しくは許諾済み特許又は均等物;特許出願公開を含む特許文献;及び非特許文献又は他の原資料の全体を、各文献が、本出願における開示と少なくとも部分的に、矛盾することのない程度に個別に参照により本明細書に組み込まれているかのように(例えば、部分的に矛盾する文献は、その文献の部分的に矛盾する部分を除いて、参照により本明細書に組み込まれる)、参照により本明細書に組み込む。
【0156】
[00254]本明細書で置換基のグループが開示されている場合、そのグループメンバーの任意の異性体、鏡像異性体及びジアステレオマーを含む、そのグループ及びすべての下位グループのすべての下位メンバーが別個に開示されているものと理解されたい。本明細書でマーカシュグループ又は他のグループ化が用いられている場合、そのグループのすべての個別メンバー並びに可能性のあるすべての組合せ及び下位組合せは、本開示に個別に含まれるものとする。いくつかの特定のグループの変数定義が本明細書で記載されている。特定のグループの変数定義のすべての組合せ及び下位組合せは、本開示に個別に含まれるものとする。ある化合物が、例えば式又は化学名において、その化合物の具体的な異性体、鏡像異性体又はジアステレオマーが指定されない形で本明細書において開示されている場合、その記述は、個別に又は任意の組合せで、記載されている化合物のそれぞれの異性体及び鏡像異性体を含むものとする。さらに、別段の指定のない限り、本明細書で開示の化合物のすべての同位性変形体は本開示に包含されるものとする。例えば、開示された分子中の任意の1個又は複数の水素を、重水素又は三重水素で置き換えることができることを理解されよう。ある分子の同位性変形体は、分子に関するアッセイの標準品として、また、分子又はその使用に関連した化学的及び生物学的研究において一般に有用である。放射性同位体を担持するものを含む同位性変形体は、診断アッセイや治療学において有用である。そうした同位性変形体の作製方法は当業界で周知である。当業者が同一化合物を異なって呼ぶことができることが知られているような化合物の具体的な名称は例示的なものであるとする。
【0157】
[00255]本明細書で記載又は例示した化合物のどの製剤又は組合せも、別段の言及のない限り、本発明の実施において使用することができる。
【0158】
[00256]本明細書において、ある範囲、例えば温度範囲、時間範囲、組成物若しくは濃度の範囲又は他の値の範囲が与えられている場合は常に、すべての中間体範囲及び下位範囲、並びにその与えられた範囲に含まれるすべての個別の値は、本開示に包含されるものとする。本明細書の記載に含まれるある範囲又は下位範囲中の任意の下位範囲又は個別の値を、本明細書の特許請求の範囲から排除できることを理解されよう。
【0159】
[00257]本明細書で挙げたすべての特許及び出版物は、本発明にふさわしい当業者のレベルを示すものである。本明細書で引用した文献のその全体を、いくつかの場合その出願日現在での最新技術を示すために、参照により本明細書に組み込む。この情報は、必要なら、従来技術である特定の実施形態を排除する(例えば、放棄する)ために本明細書で用いることができるものとする。例えば、ある化合物が特許請求されている場合、本明細書で開示されている文献に(特に参照されている特許文献に)開示されている特定の化合物を含む当業界で知られている化合物は、本発明の特許請求の範囲に包含されないことを理解すべきである。
【0160】
[00258]「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含まれる(comprised)」又は「含む(comprising)」という用語が本明細書で用いられている場合、それらは、参照された記載特性、整数、ステップ又は成分の存在を指定するものであり、1つ又は複数の他の特性、整数、ステップ、成分若しくはそのグループの存在又は追加を排除するものではないと解釈されるべきである。本明細書で用いる、「含む(comprising)」は、「含む(including)」、「含む(containing)」又は「特徴とする(characterized by)」と同義語であり、包含的であるか又は末端が解放された(open−ended)ものであり、挙げられていない追加の要素又は方法ステップを排除するものではない。本明細書で用いる、「からなる(consisting of)」は、特許請求項要素において指定されていないどの要素、ステップ又は構成成分も排除する。本明細書で用いる、「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」は、特許請求項の基本的及び新規な特徴に実質的に影響を及ぼさない材料又はステップを排除しない。本明細書での各事例では、「含む(comprising)」、「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」及び「からなる(consisting of)」と均等な用語はどれも、他の2つの用語のいずれかで置き換えて、範囲の差異を示すことができるそれぞれの意味を表すことができる。本明細書で例示的に適切に記載した本発明は、本明細書で具体的に開示されていないいずれの1つ又は複数の要素、1つ又は複数の限定がなくても実施することができる。
【0161】
[00259]種々の具体的且つ好ましい実施例及び技術を参照して、本発明を説明してきた。しかし、本発明の趣旨及び範囲内であれば、多くの変更及び修正を加えることができることを理解すべきである。本明細書で具体的に記載されているもの以外の方法、装置、装置要素、材料、手順及び技術を、本明細書で広く開示されているものとして、過大な実験を用いることなく、本発明の実施において適用することができることは当業者に明らかであろう。例えば、当業者は、具体的に例示されているもの以外の出発原料、生物学的材料、試薬、合成方法、精製方法、分析方法、アッセイ方法及び生物学的方法を、過大な実験を用いることなく、本発明の実施において用いることができることを理解されよう。本明細書で記載の方法、装置、装置要素、材料、手順及び技術の当業界で知られているすべての機能的均等物は、本発明に包含されるものとする。本発明は、これらに限定されないが、例又は説明図で与えられた図面で示されるか又は本明細書で例示されるいずれをも含む、開示された具体的な実施形態によって限定されるものではない。いくつかのケースでは、好ましい実施形態及び任意選択の特性によって本発明を具体的に開示してきたが、当業者は、本明細書の革新的な考え方に修正及び変更を加えることができ、且つ、そうした修正及び変更は添付の特許請求の範囲でさらに規定するような本発明の範囲内にあると考えられることを理解すべきである。
【0162】
文献
[00260]2006年3月17日出願の米国出願第11687570号明細書;2006年3月17日出願のPCT国際出願PCT/US07/64239号パンフレット;2006年3月17日出願の米国出願第60783491号明細書;2005年10月7日出願の米国出願第11/245,612号明細書(2006年4月13日公開の米国特許出願公開第20060079487号明細書も参照されたい);2004年10月8日出願の米国出願第60/617,108号明細書;2005年10月7日出願のPCT国際出願PCT/US05/036425号パンフレット(2006年4月13日公開の国際公開第2006/039721号パンフレットも参照されたい);2005年5月26日公開の米国特許出願公開第20050113331号明細書;特に上記のそれぞれを本明細書に矛盾しない程度にその全体を参照により本明細書に組み込む。
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【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の相互参照]
[0001]本出願は、2007年4月12日出願の米国仮出願第60/911,426号明細書の本出願(nonprovisional application)であり、2007年3月16日出願の米国特許出願第11/687,570号明細書及び2007年3月16日出願の国際出願第US07/64239号パンフレット(そのそれぞれは2006年3月17日出願の米国仮出願第60/783,491号明細書の本出願である)の一部継続出願であり、2005年10月7日出願の米国特許出願第11/245,612号明細書及び2005年10月7日出願の国際出願第US05/36425号パンフレット(そのそれぞれは2004年10月8日出願の米国仮出願第60/617,108号明細書の本出願である)の一部継続出願である。そのすべてを本開示に矛盾しない限り参照により本明細書に組み込む。本出願は、上記の出願に関する優先権の利益を請求するものである。
【0002】
[連邦政府の支援による研究又は開発に関する陳述]
[0002]本発明は、国立衛生研究所(National Institutes of Health)より授与されたNIHの認可番号NIH GM50694、GM65307、GM73216及びAI−060452下での政府支援によりなされたものである。政府は本発明において一定の権利を有している。
【0003】
[発明の背景]
[0003]パミドロネート(アレディア(Aredia(登録商標)))、アレンドロネート(フォサマックス(Fosamax(登録商標)))、リセドロネート(アクトネル(Actonel(登録商標)))、ゾレドロネート(ゾメタ(Zometa(登録商標)))及びイバンドロネート(ボニバ(Boniva))などの窒素含有ビスホスホネートの旧世代化合物は、骨粗しょう症、パジェット病及び悪性腫瘍に起因する高カルシウム血症などの状態を治療するのに現在用いられている薬物を代表するものである。これらの化合物は主に、酵素ファルネシル二リン酸シンターゼ(FPPS)を阻害して、破骨細胞におけるタンパク質プレニル化のレベルを低下させることによって機能する。ある種のビスホスホネートは抗寄生虫活性を有し、ヒトγδT細胞を刺激することも分かっており、これらの旧世代の化合物を用いた癌関連の応用に関心がもたれている。しかし、代替の化合物及び治療への適用を含む使用方法のさらなる開発が引き続き求められている。より高い活性及び/又は他の有利な機能などの改善された特性を有する特定の化合物を含む、代替の化合物及び方法が依然として必要である。
【0004】
[0004]HMG−CoAレダクターゼ経路又はメバロネート依存性(MAD)ルートとも称されるメバロネート経路は、高等真核生物や多くのバクテリア中に見られる重要な細胞代謝経路である。この経路は、タンパク質プレニル化、細胞膜維持、ホルモン、タンパク質アンカリング及びN−グリコシル化などの様々な過程で用いられる分子生合成の基礎として作用する、ジメチルアリールピロホスフェート(DMAPP)及びイソペンテニルピロホスフェート(IPP)の生成に寄与するものである。そうした経路において単一の分子を阻止できることによって、機能改変のための選択肢及び経路の1つ又は複数のアウトプットを提供することが可能になる。しかし、そうした基本的に重要な経路の複数の分子標的と相互作用することができるということにより、より高いレベルの改変の機会の提供が可能になる。例えば、複数のポイントで輸送管路を同時に不通にすることができるということによって、輸送管路の流れ及び/又は産生する量を劇的に減らすことが可能になる。
【0005】
[0005]本発明の複数の実施形態では、FPPS、ゲラニルゲラニルピロリン酸シンターゼ(GGPPS)及びデカプレニルピロリン酸シンターゼ(DPPS)を含む分子標的の阻害に関連した化合物及び方法に関する重要な発明を開示する。
【0006】
[0006]特定の実施形態では、本発明の化合物は、FPPS、GGPPS及びDPPSの1つ又は複数を選択的に阻害することができるビスホスホネートを含む。好ましい実施形態では、本発明の化合物は、FPPS、GGPPS及びDPPSの2つ以上を選択的に阻害することができる。複数の実施形態では、本発明の化合物及び方法は、制癌の関連などで優れた活性レベルを示す。いくつかの例では、それは旧世代のビスホスホネート薬物の活性レベルを桁違いのレベルで凌駕する。したがって、本明細書で開示する発明は、特定の実施形態では、高い効能レベルを示すことができる有用な薬剤の開発に大きな進歩を示すものである。
【0007】
[発明の概要]
[0007]本発明は、とりわけ、新規なビスホスホネート化合物及びその化合物を製造及び使用する方法を提供する。複数の実施形態では、本発明は、例えば、癌細胞増殖阻害、γδT細胞の活性化、ファルネシル二リン酸(FPPS)、GGPPS及び/又はDPPS酵素の阻害のため、また、骨吸収疾患、癌、免疫障害、免疫治療及び感染症の治療のための研究や治療への適用に関連した化合物及び方法を提供する。特定の実施形態に関して、構造上のある種の特徴が化合物の活性を著しく高めることが確認されている。有用であり、特定の実施形態では機能的な関連で高い活性レベルと相関する、構造的特徴を有する具体的な化合物を開示する。例えば、具体的な実施形態では、有機ビスホスホネート化合物の環成分に特定のアルコキシ置換基が存在すると、望ましい機能的活性に寄与する。さらなる変更形態も提供する。
【0008】
[0008]機能的な特性や活性と相関する化合物の構造的特徴が特定された。複数の実施形態では、本発明の化合物は、例えば、癌細胞の増殖阻害及び免疫刺激の阻害において著しい活性レベルを示すことができる。そうした特徴を有する化合物を合成し、試験した。この試験により、例えば、顕著な制癌及び免疫賦活の能力を有する第1群の化合物、並びに制癌能力を有しているが免疫賦活能は実質的に有していない第2群の化合物のさらなる特定及び開発が可能になる。
【0009】
[0009]一実施形態では、本発明の化合物は、望ましい活性、向上した活性及び/又は治療効果、低い有毒作用、及び/又はより有利な投与プロファイルを有するそうした治療効果及び/又は有毒作用などの利点を提供することができる。一実施形態では、そのより有利な投与プロファイルは、より少ない個別投薬量及び/又は総投薬量;より低頻度の投与レジーム等の1つ又は複数を含むことができる。一実施形態では、そうした利点又は性質の1つ又は複数は、別のビスホスホネート化合物と関連させて、例えば、承認されている薬物などの旧世代化合物と比較することによって判断することができる。
【0010】
[00010]複数の実施形態では、本発明のビスホスホネート化合物は、ファルネシル二リン酸シンターゼ(FPPS)アッセイ、GGPPSアッセイ、DPPSアッセイ、細胞性粘菌(D.discoideum)成長阻害アッセイ、T細胞活性化アッセイ、骨吸収アッセイ、感染症の治療、骨吸収臨床的障害の治療、免疫治療、癌の治療、骨痛の治療、免疫細胞及び/又は免疫系の刺激及び癌細胞又は腫瘍の増殖の阻害を含む1つ若しくは複数の関連で活性を示すことができる。
【0011】
[00011]本発明は、ビスホスホネート化合物並びに関連する製造及び使用の方法を広範に提供する。複数の実施形態では、本発明は特に有機ビスホスホネート化合物及び/又は薬剤として許容されるその塩又はエステルを提供する。他の実施形態では、本発明は特にビスホスホネート化合物の他の変形体を提供する。複数の実施形態では、機能的に及び/又は治療上活性な本発明のビスホスホネートは本明細書で記載の一般的且つ具体的な構造を有する。
【0012】
[00012]複数の実施形態では、本発明は、ビスホスホネートの化合物及び1つ又は複数のビスホスホネートを含む医薬組成物を提供する。好ましい実施形態では、ビスホスホネートは、1つ又は複数の機能に関して高い効能を有するビスホスホネートである。
【0013】
[00013]複数の実施形態では、本発明は式XA1の化合物
【0014】
【化1】
【0015】
又はその塩若しくは水和物を提供する。式中、
[00014]Xは、水素、ヒドロキシル基又はハロゲンであり、
[00015]Mは、化合物中の他のMとは独立に、負電荷、水素、アルキル基、−(CH2)pO−CO−R又は−(CH2)pO−CO−O−R(pは1〜6である)であり、Rは、水素、任意選択で置換されたアルキル又は任意選択で置換されたアリールであり、また−OMは形態−O−A+(A+はカチオンである)の塩であってよく、
[00016]nは、1、2又は3であり、
[00017]それぞれのR1及びR2は、互いに独立に、水素、ハロゲン、−N(R’)2、−SR’、OR’、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル及び任意選択で置換されたアリール基からなる群から選択され、各R’は、示した任意の基の他の任意のR’とは独立に、H、任意選択で置換されたアルキル基及び任意選択で置換されたアリール基から選択され、R1の1つとR2の1つは一緒になって1〜3個のヘテロ原子、特にN、S及びOを含む3〜10員の炭素環又は複素環を形成しており、
[00018]Zは
【0016】
【化2】
【0017】
であり、
[00019]式中、UはH又はOHであり、
[00020]存在する場合、R3〜R7は、互いに独立に、水素、ハロゲン、−CN、−OR”’、−COOR”’、−OCOOR”’、−COR”’、−CON(R”’)2、−OCON(R”’)2、−N(R”’)2、−NO2、−SR、−SO2R、−SO2N(R”’)2又はSOR”’基、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルケニル基、任意選択で置換されたアルキニル基及び任意選択で置換されたアリール基からなる群から選択され、R又はR”’のそれぞれはH、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアリール基及び任意選択で置換されたアシル基から選択され、
[00021]存在する場合、R3〜R7の少なくとも1つはRLであり、ZがZ6である場合、R4はRLであり、但し、RLは、そのそれぞれが任意選択で置換されている6〜20個の炭素原子を有するアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルケノキシ又はアルキノキシ基;その1つ又は複数の非隣接炭素原子がOで置き換えられている6〜20個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルエーテル基;又は3−RM若しくは4−RM置換フェニル基から選択される基であり、但し、RMは、3〜15個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケニオキシ、アルキノキシ又はアルキルエーテル基から選択され、そのフェニル環の他の環位置は、1つ若しくは複数のハロゲン又は1〜3個の炭素原子を有する1つ若しくは複数の任意選択で置換されたアルキル基で任意選択で置換されており、
[00022]RNは1〜3個の炭素原子を有する任意選択で置換されたアルキル基であり、
[00023]存在する場合、R8、R10及びR13は、6〜20個の炭素原子を有するアルキル基;6〜20個の炭素原子を有するアルケニル又はアルキニル基;1つ若しくは複数の非隣接炭素原子がOで置き換えられている6〜20個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルエーテル基;又は3−RM若しくは4−RM置換フェニル基から選択される基であり、但し、RMは、3〜15個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケニオキシ、アルキノキシ又はアルキルエーテル基から選択され、そのフェニル環の他の環位置は、1つ若しくは複数のハロゲン又は1〜3個の炭素原子を有する1つ若しくは複数の任意選択で置換されたアルキル基で任意選択で置換されており、
[00024]存在する場合、R9、R11及びR12は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル又はアルキニル基;そのうちの1つ若しくは複数の非隣接炭素原子がOで置き換えられている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルエーテル基;又は任意選択で置換されたフェニル基から選択される基であり、
[00025]存在する場合、R14、R15、R16は、水素、又は1〜6個の炭素原子を有する任意選択で置換されたアルキル若しくは任意選択で置換されたアリール基であり、R9はR8の第1の原子と結合して、飽和していてもまた1個若しくは2個の二重結合を担持していてもよい5〜8員の炭素環を形成することができ、
[00026]但し、任意選択の置換は最も一般的には、1つ若しくは複数のハロゲン、1つ若しくは複数のシアノ、1〜3個の炭素原子を有する1つ若しくは複数のアルキル、ハロアルキル又はヒドロキシアルキル基、1〜4個の炭素原子を有する1つ若しくは複数のアルケニル、ハロアルケニル又はヒドロキシアルケニル基;1〜4個の炭素原子を有する1つ若しくは複数のアルキニル基、1つ若しくは複数のアシル又はハロアシル基;或いは−OR、−COOR、−OCOOR、−COR、−CON(Rs)2、−OCON(Rs)2、−N(Rs)2、−NO2、−SR、−SO2R、−SO2N(Rs)2又は−SOR基から選択される1つ若しくは複数の基からなる群から選択される非水素置換基を有する上記の任意選択で置換された基の1つ又は複数の炭素の置換を意味する。但し、Rsは、水素、1つ若しくは複数のハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基若しくはアルキルアミノ基で任意選択で置換された1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、或いは、アリール基、及び1つ若しくは複数のアルキル基、ハロアルキル基、ハロゲン、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アシル基又はハロアシル基で任意選択で置換されたアリール基である。
【0018】
[00027]特定の実施形態では、ZはZ1〜Z5のいずれか1つであり、ZはZ6であり、ZはZ7であり、ZはZ9であり、ZはZ8又はZ10であり、ZはZ11であるか又はZはZ12である。特定の実施形態では、ZがZ1である場合、R4はRLであり、ZがZ1である場合、R5はRLであり、ZがZ1である場合、R6はRLであり、ZがZ2である場合、R4はRLであり、ZがZ2である場合、R5はRLであり、ZがZ2である場合、R6はRLであり、ZがZ3である場合、R5はRLであり、ZがZ3である場合、R6はRLであり、ZがZ4である場合、R4はRLであり、ZがZ4である場合、R6はRLであり、ZがZ5である場合、R3はRLであり、ZがZ5である場合、R4はRLであり、ZがZ12である場合、R4はRLであるか、或いはZがZ12である場合、R5はRLである。
【0019】
[00028]特定の実施形態では、RLは、7〜20個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル若しくはアルキニル基又は7〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される基である。
【0020】
[00029]特定の実施形態では、RLは、7〜20個の炭素原子を有するアルキル若しくはアルキニル基又は7〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される基である。他の実施形態では、RLは、7〜14個の炭素原子若しくは8〜12個の炭素原子を有するアルキル又はアルキニル基から選択される基である。他の実施形態では、RLは7〜14個の炭素原子若しくは8〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基である。
【0021】
[00030]特定の実施形態では、RLは7〜20個の炭素原子若しくは7〜12個の炭素原子を有する直鎖アルキル又はアルコキシ基である。ZがZ1〜Z5である特定の実施形態では、RLは7〜20個の炭素原子を有する直鎖アルキル又はアルコキシ基である。ZがZ1〜Z5である特定の実施形態では、RLは7〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル又はアルコキシ基である。ZがZ1〜Z4である特定の実施形態では、RLは7〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル又はアルコキシ基である。ZがZ1〜Z2又はZ4であり、R4がRLである特定の実施形態では、RLは6〜10個の炭素原子若しくは7〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル又はアルコキシ基である。ZがZ1であり、R4がRLである特定の実施形態では、RLは7〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル又はアルコキシ基である。ZがZ1であり、R4がRLである特定の実施形態では、RLは6〜20個の炭素原子を有する直鎖アルコキシ基である。ZがZ1であり、R4がRLである特定の実施形態では、RLは7〜10個の炭素原子を有する直鎖アルコキシ基である。
【0022】
[00031]ZがZ8又はZ10である特定の実施形態では、R8又はR10は、それぞれ、8〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。ZがZ8又はZ10である特定の実施形態では、R8又はR10は、それぞれ、9〜17個の炭素原子を有するアルキル基である。ZがZ8又はZ10である特定の実施形態では、R8又はR10は、それぞれ、8〜20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基又は9〜17個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である。ZがZ8である特定の実施形態では、R8は8〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。ZがZ8である特定の実施形態では、R8は8〜20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である。ZがZ8である特定の実施形態では、R8は9〜17個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である。
【0023】
[00032]特定の実施形態では、ZはZ1〜Z5であり、RLはアルキニル基−C≡C−RAKであり、但し、RAKは4〜20個の炭素原子又は5〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である。特定の実施形態では、ZはZ1〜Z4であり、RLはアルキニル基−C≡C−RAKであり、但し、RAKは4〜20個の炭素原子又は5〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である。特定の実施形態では、ZはZ1〜Z2又はZ4であり、R4はRLであり、RLはアルキニル基−C≡C−RAKであり、但し、RAKは4〜20個の炭素原子又は5〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である。特定の実施形態では、ZはZ1であり、R4はRLであり、RLはアルキニル基−C≡C−RAKであり、但し、RAKは4〜20個の炭素原子又は5〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である。
【0024】
[00033]特定の実施形態では、RLは、その1つ若しくは複数の非隣接炭素原子がOで置き換えられている7〜20個の炭素原子又は7〜14個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルエーテル基である。
【0025】
[00034]特定の実施形態では、RL又は3−RM又は4−RM置換フェニル基であり、但し、RMは、3〜15個の炭素原子若しくは6〜12個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケニオキシ、アルキノキシ又はアルキルエーテル基から選択され、そのフェニル環の他の環位置は、1つ若しくは複数のハロゲン又は1〜3個の炭素原子を有する1つ若しくは複数の任意選択で置換されたアルキル基で任意選択で置換されている。
【0026】
[00035]特定の実施形態では、本明細書では1つ又は複数のアルキル基は1つ又は複数のハロゲンで任意選択で置換されている。他の実施形態では、アリール基は本明細書では、1つ若しくは複数のハロゲン又は1〜3個の炭素原子を有する1つ若しくは複数のアルキル基で任意選択で置換されたフェニル基である。
【0027】
[00036]特定の実施形態では、R13は、7〜20個の炭素原子を有するアルキル又はアルキニル基;又はその1つ若しくは複数の非隣接炭素原子がOで置き換えられている7〜20個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルエーテル基から選択される基である。
【0028】
[00037]特定の実施形態では、R13は、7〜20個の炭素原子若しくは9〜17個の炭素原子を有するアルキル又はアルキニル基から選択される基である。
【0029】
[00038]特定の実施形態では、ZがZ12である場合、RLはR4又はR5であり、RLは7〜20個の炭素原子を有する任意選択で置換されたアルキル若しくはアルコキシ基又は6〜20個の炭素原子を有するアルキニル基である。他の実施形態では、ZがZ12である場合、RLは7〜20個の炭素原子を有する非置換アルキル又はアルコキシ基である。追加の実施形態では、そのアルキル基は直鎖アルキル基であるか、又はアルコキシ基のアルキルは直鎖アルキル基である。他の特定の実施形態では、R4はRLである。他の実施形態では、そのアルキル又はアルコキシル基は7〜17個の炭素原子を有する。他の実施形態では、そのアルキル又はアルコキシ基は8〜12個の炭素原子を有する。特定の実施形態では、ZはZ12であり、RLはアルキニル基−C≡C−RAKであり、但し、RAKは4〜20個の炭素原子又は5〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である。
【0030】
[00039]特定の実施形態では、ZがZ12である場合、RLは置換アリール、好ましくはフェニルであり、より好ましくはRLはスルホンアミド置換フェニル又はナフチルスルホンアミド置換フェニルである。
【0031】
[00040]好ましい実施形態では、Mが塩である場合、そのカチオンA+は薬剤として許容されるカチオンである。
【0032】
[00041]上記に挙げた具体的な実施形態のそれぞれにおいて、以下の追加の具体的な実施形態が含まれる。
[00042]存在する場合、RLではないR3〜R7は、水素、ハロゲン、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルケニル基、任意選択で置換されたアルキニル基、任意選択で置換されたアルコキシ基及び任意選択で置換されたアリール基からなる群から選択される。
[00043]存在する場合、RLではないR3〜R7は、水素、ハロゲン、又は1〜3個の炭素原子を有する非置換アルキル基であり、
[00044]存在する場合、RLではないR3〜R7は水素であり、
[00045]存在する場合、各R9は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、
[00046]存在する場合、各R9は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、
[00047]存在する場合、各R9は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり、
[00048]存在する場合、各R9はメチル基であり、
[00049]存在する場合、R11又はR12は同じ基であり、
[00050]存在する場合、R11又はR12は異なる基であり、
[00051]存在する場合、R11又はR12は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり、
[00052]存在する場合、R11又はR12は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、
[00053]存在する場合、R11又はR12は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり、
[00054]存在する場合、R11又はR12はメチル基であり、
[00055]存在する場合、R14及びR15は水素であり、
[00056]存在する場合、R15及びR16は水素であり、
[00057]存在する場合、R15及びR16は水素であり、R14は水素又は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり、
[00058]RNはメチル基であるか;或いは、
[00059]R4は6〜20個の炭素原子、7〜17個の炭素原子又は8〜15個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である。
【0033】
[00060]他の特定の実施形態では、高い効能のビスホスホネートは式XA1(式中、ZはZ1A、Z2A、Z2B、Z3A、Z4A、Z5A、Z12A又はZ12Bである)のものを含む。
【0034】
【化3】
【0035】
[00061]式中、変数R3〜R7はRLではないが、上記した他のすべての値をとり、RLは本明細書で挙げる様々な具体的実施形態を含む上記定義通りである。Z1A、Z2A、Z3A、Z4A又はZ5Aの特定の実施形態では、R3〜R7は、水素、ハロゲン又は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基から選択されるか;或いはR3〜R7のすべては水素である。Z1A、Z2A、Z3A、Z4A、Z5A、Z12A又はZ12Bの特定の実施形態では、RLは7〜20個の炭素原子若しくは7〜17個の炭素原子を有するアルキル又はアルコキシ基である。Z1A、Z2A、Z3A、Z4A又はZ5Aの特定の実施形態では、RLは、6〜20個の炭素原子若しくは7〜17個の炭素原子を有する直鎖アルキル又はアルコキシ基である。Z1A、Z2A、Z3A、Z4A又はZ5Aの他の特定の実施形態では、RLは8〜20個の炭素原子若しくは9〜17個の炭素原子を有するアルキニル基である。
【0036】
[00062]上記に挙げた具体的な実施形態のそれぞれにおいて、以下の追加の具体的な実施形態が含まれる。即ち、
[00063]R1及びR2はすべて水素であり、
[00064]nは1であり、
[00065]nは2であり、
[00066]Xは水素であり、
[00067]Xはヒドロキシル基であり、
[00068]Xはフッ素であり、
[00069]Xは塩素であり、
[00070]すべてのMは水素であり、
[00071]少なくとも1つのMは負電荷であり、残りのMは水素であり、
[00072]少なくとも1つのMは−(CH2)p−O−CO−R又は−(CH2)p−CO−Rであり、但し、pは1〜6であり、Rは、水素、任意選択で置換されたアルキル又は任意選択で置換されたアリールであるか;或いは
[00073]−OMの1つ又は2つは−O−A+であり、但し、A+はカチオンであり、残りのMは水素であり、
[00074]Zは本明細書で示すZの1つである。
【0037】
[00075]特定の実施形態では、本発明は式XA1の化合物を提供する。式中、Z=Z12であり、R4=RLである。特定の実施形態では、本発明は式XA1の化合物を提供する。式中、Z=Z1であり、R4=RLである。
【0038】
[00076]一実施形態では、本発明は、637、638、677、687、688、693、694、695、696、714、715、716、717、722、754、675、678及び728からなる群から選択される化合物;並びにそれぞれの前記化合物に対応する薬剤として許容される塩又はそのエステルを提供する。一実施形態では、前記化合物は式XA1の化合物でもある。
【0039】
[00077]一実施形態では、本発明は、本明細書の任意の式の本発明の化合物の医薬製剤を含む組成物を提供する。
【0040】
[00078]一実施形態では、本発明は、治療有効量の1つ又は複数の本発明の組成物を含む医薬品を提供する。一実施形態では、本発明は、本明細書で記載する状態を治療するための医薬品を作製する方法を提供する。
【0041】
[00079]一実施形態では、本発明は、癌細胞を、有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤と接触させることを含む癌細胞の成長を阻害する方法を提供する。一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む癌を治療する方法を提供する。一実施形態では、その癌は乳癌である。一実施形態では、乳癌は実際の骨転移状態又は潜在的な骨転移状態を含む。一実施形態では、その癌は当業界で知られている癌である。
【0042】
[00080]一実施形態では、本発明は、T細胞を本発明の化合物又はその医薬製剤と接触させることを含むT細胞を刺激する方法を提供する。一実施形態では、前記T細胞はγδT細胞である。一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む免疫治療法を提供する。
【0043】
[00081]一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む骨吸収障害を治療する方法を提供する。一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む骨痛状態を治療する方法を提供する。
【0044】
[00082]一実施形態では、本発明は、感染性病原体を有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤と接触させることを含む感染性病原体の増殖を阻害する方法を提供する。一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む感染症を治療する方法を提供する。一実施形態では、その感染症は、ウイルス、真菌、バクテリア及び寄生原生動物からなる群から選択される病原体に関係する。一実施形態では、前記ウイルスはレトロウイルスである。一実施形態では、前記レトロウイルスはヒト免疫不全ウイルス(HIV)である。一実施形態では、前記寄生原生動物は:リーシュマニア属(Leishmania)、トキソプラズマ属(Toxoplasma)、クリプトスポリジウム属(Cryptosporidium)、マラリア原虫(Plasmodium)及びトリパノソーマ属(Trypanosoma)からなる群から選択される。一実施形態では、前記寄生原生動物は大形リーシュマニア(Leishmania major)である。一実施形態では、前記バクテリアは大腸菌(Escherichia coli)又は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)である。
【0045】
[00083]一実施形態では、本発明は、本発明の化合物を合成する方法又はその医薬製剤を提供する。一実施形態では、合成スキームは、2006年3月17日出願の米国出願第11687570号明細書;2006年3月17日出願のPCT国際出願PCT/US07/64239号パンフレット;2006年3月17日出願の米国出願第60783491号明細書;2005年10月7日出願の米国出願第11/245,612号明細書(2006年4月13日公開の米国特許出願公開番号20060079487も参照されたい);2004年10月8日出願の米国出願第60/617,108号明細書;2005年10月7日出願のPCT国際出願PCT/US05/036425号パンフレット(2006年4月13日公開の国際公開第2006/039721号パンフレットも参照されたい);2005年5月26日公開の米国特許出願公開番号20050113331;及び当業界で知られているものなどから適用される。
【0046】
[00084]一実施形態では、本発明は、FPPS、GGPPS、DDPPS及びDHDDS酵素の1つ又は複数を選択的に阻害する方法を提供する。一実施形態では、本発明は、FPPS、GGPPS及びDPPS酵素の2つ以上を選択的に阻害する方法であって、前記酵素又は前記酵素を含む細胞を有機化合物と接触させることを含む方法を提供する。一実施形態では、前記有機化合物はビスホスホネート化合物である。一実施形態では、前記化合物は式XA1の化合物又は本明細書で記載する他の化合物である。一実施形態では、前記化合物は、癌細胞若しくは腫瘍成長阻害アッセイ及び/又は免疫刺激アッセイで少なくとも4のpIC50値を有する。一実施形態では、前記化合物は少なくとも5のpIC50値を有する。一実施形態では、前記化合物は少なくとも6のpIC50値を有する。一実施形態では、前記化合物は少なくとも7のpIC50値を有する。
【0047】
[00085]一実施形態では、本発明は、FPPS酵素、GGPPS酵素及びDPPS酵素を選択的に阻害する方法であって、前記酵素又は前記酵素を含む細胞を有機化合物と接触させることを含み、前記化合物が前記FPPS、GGPPS及びDPPS酵素を選択的に阻害することができる方法を提供する。
【0048】
[00086]一実施形態では、本発明は、前記酵素又は前記酵素を含む細胞を有機化合物と接触させることを含む方法であって、前記化合物が前記GGPPS酵素及び前記DPPS酵素を選択的に阻害することができる方法を提供する。一実施形態では、その化合物は式XA1(Z=Z1であり、R4=RLである)である。一実施形態では、前記化合物は化合物715である。
【0049】
[00087]一実施形態では、本発明は、DPPS酵素を実質的に阻害することなくGGPPS酵素を選択的に阻害する方法であって、前記酵素又は前記酵素を含む細胞を有機化合物と接触させることを含み、前記化合物が、前記DPPS酵素を実質的に阻害することなく前記GGPPS酵素を選択的に阻害することができる方法を提供する。一実施形態では、その化合物は式XA1(Z=Z12であり、R4=RLである)である。一実施形態では、前記化合物は化合物754である。
【0050】
[00088]一実施形態では、本発明は、免疫刺激及び腫瘍又は癌細胞増殖の阻害の1つ又は複数の方法であって、哺乳動物細胞を、GGPPS酵素及びDPPS酵素を実質的に阻害することができる有機ビスホスホネート化合物と接触させることを含む方法を提供する。
【0051】
[00089]一実施形態では、本発明は、哺乳動物細胞を、DPPS酵素を実質的に阻害することなく、GGPPS酵素を実質的に阻害することができる有機ビスホスホネート化合物と接触させることを含む癌細胞増殖の阻害方法を提供する。
【0052】
[00090]上記方法のいずれか1つの実施形態において、前記化合物は式XA1の構造を有する。
【0053】
[00091]一実施形態では、本発明は、1つ又は複数の特性について有機ビスホスホネート試験化合物をスクリーニングする方法であって、前記試験化合物を提供するステップと、FPPS酵素アッセイ;GGPPS酵素アッセイ;DPPS酵素アッセイからなるグループから選択される少なくとも2つの酵素アッセイで前記試験化合物の性能特質を測定するステップと、癌細胞又は腫瘍成長阻害アッセイ;T細胞活性化アッセイ;骨吸収アッセイ;骨結合アッセイからなるグループから選択される少なくとも2つの活性アッセイで前記試験化合物の活性レベルを測定するステップと、前記性能特質及び前記活性レベルを分析するステップと、前記特質及び活性レベルに基づいて前記試験化合物を選択するステップと、それによって、前記1つ又は複数の特性について前記試験化合物をスクリーニングするステップとを含む方法を提供する。一実施形態では、この方法は、基準化合物を提供するステップと、前記基準化合物の性能特質と前記試験化合物の前記性能特質を比較するステップをさらに含む。
【0054】
[00092]一実施形態では、本発明は、デヒドロドリキルジホスフェートシンターゼ(dehydrodolichyl diphosphate synthase)(DHDDS)酵素を阻害する方法を提供する。一実施形態では、本発明は、DHDDS酵素を選択的に阻害する方法であって、前記酵素又は前記酵素を含む細胞を本発明の有機化合物又は組成物と接触させることを含む方法を提供する。その方法が標的を選択的に阻害すると説明されている本明細書の実施形態では、1つ又は複数の他の標的の特定の阻害が存在することが可能である。
【0055】
[00093]一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む癌を治療する方法を提供する。一実施形態では、その癌は乳癌である。一実施形態では、乳癌は実際の骨転移状態又は潜在的な骨転移状態を含む。
【0056】
[00094]一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む、骨吸収障害を治療する方法を提供する。
【0057】
[00095]一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む、骨痛状態を治療する方法を提供する。
【0058】
[00096]一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む、感染症を治療する方法を提供する。一実施形態では、前記感染症は、ウイルス、真菌、バクテリア及び寄生原生動物からなる群から選択される病原体に関係する。一実施形態では、前記ウイルスはレトロウイルスである。一実施形態では、前記レトロウイルスはヒト免疫不全ウイルス(HIV)である。一実施形態では、前記寄生原生動物はリーシュマニア属、トキソプラズマ属、クリプトスポリジウム属、マラリア原虫及びトリパノソーマ属からなる群から選択される。一実施形態では、前記寄生原生動物は大形リーシュマニアである。一実施形態では、前記バクテリアはマラリア原虫又は黄色ブドウ球菌である。
【0059】
[00097]一実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に治療有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む免疫治療法を提供する。一実施形態では、本発明は、T細胞を本発明の化合物又はその医薬製剤と接触させることを含むT細胞を刺激する方法を提供する。一実施形態では、前記T細胞はγδT細胞である。
【0060】
[00098]一実施形態では、本発明は、本発明の化合物を合成する方法又はその医薬製剤を提供する。
【0061】
[00099]一実施形態では、本発明は、感染性病原体の増殖を阻害する方法であって、前記感染性病原体を有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤と接触させることを含む方法を提供する。
【0062】
[00100]一実施形態では、本発明は、腫瘍又は癌細胞の増殖を阻害する方法であって、前記腫瘍又は癌細胞を有効量の本発明の化合物又はその医薬製剤と接触させることを含む方法を提供する。
【0063】
[00101]一実施形態では、本発明は、抗血管形成活性を有する化合物を提供する。一実施形態では、本発明は、それを必要とする対象に有効量の本発明の化合物又は組成物を投与することを含む血管形成を阻害する方法を提供する。
【0064】
[00102]一実施形態では、本発明は、ある化合物を含む組成物を提供する。実施形態では、前記組成物はその化合物を治療有効量で含む。一実施形態では、本発明は、ある化合物の医薬製剤を含む組成物を提供する。一実施形態では、前記医薬製剤は、1つ又は複数の賦形剤、担体及び/又は当業界で理解されているような他の成分を含む。一実施形態では、有効量の本発明の組成物は治療有効量であってよい。
【0065】
[00103]一実施形態では、本発明の組成物を医薬品として使用する。一実施形態では、ある組成物を医薬品の調製又は製造において使用する。一実施形態では、その医薬品は、本明細書で記載され、且つ、当業界で理解されているような1つ又は複数の状態の治療のためである。
【0066】
[00104]一実施形態では、本発明は、それを必要とする対象に治療有効量の本発明の化合物を投与することを含むある病状を治療する方法を提供する。一実施形態では、その病状は骨吸収障害、癌、疼痛、免疫系障害及び/又は感染症である。
【0067】
[00105]一実施形態では、本発明の組成物は単離されるか又は精製されたものである。
【0068】
[00106]スクリーニング方法の実施形態では、細胞及び動物をベースとしたアッセイに加えて、精製したFPPS、GGPPS、DPPS又は他の酵素を用いることができる。
【0069】
[00107]特定の理論に拘泥するわけではないが、本発明に関連する根本的な原理若しくは機序の考え方又は理解を本明細書で論じることができる。機構の説明又は仮定が最終的に正しいかどうかにかかわらず、本発明の実施形態は有効であり且つ有用であることを理解されたい。
【0070】
[00108]薬剤として許容される塩は、薬剤として許容されるアニオン及び/又はカチオンを含む。薬剤として許容されるカチオンには、とりわけ、アルカリ金属カチオン(例えば、Li+、Na+、K+)、アルカリ土類金属カチオン(例えば、Ca2+、Mg2+)、非毒性重金属カチオン並びにアンモニウム(NH4+)及び置換アンモニウム(N(R’)4+(R’は、水素、アルキル又は置換アルキル(即ちメチル、エチル又はヒドロキシエチルを含む)、具体的には、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム及びトリエタノールアンモニウムカチオンである)が含まれる。薬剤として許容されるアニオンには、とりわけ、ハライド(例えば、Cl−、Br−)、硫酸塩、酢酸塩(例えば、硫酸塩、トリフルオロ硫酸塩)、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩及び乳酸塩が含まれる。
【0071】
[00109]本明細書で開示する具体的な分子は、1つ又は複数のイオン性基[プロトンを引き抜くか(例えば、−COOH)又はそれを供与する(例えば、アミン)ことができる基、或いは四級化する(例えば、アミン)ことができる基]を含む。そうした分子及びその塩の可能性のあるすべてのイオン形態は、本明細書の開示に個別的に含まれるものとする。本明細書の化合物の塩に関して、当業者は、所与の用途のために本発明の塩を、調製するのに適した利用できる広範な対イオンから選択することができる。具体的にはその用途において、塩の調製のために所与のアニオン又はカチオンを選択することによって、高い溶解度又は低い溶解度の塩が得られる。
【0072】
[00110]本発明の化合物はプロドラッグの形態を有することができる。本発明の化合物のプロドラッグは本発明の方法において有用である。インビボで転換されて生物学的、薬剤学的又は治療学的に活性な形態の本発明の化合物を提供する化合物はどれもプロドラッグである。プロドラッグの様々な例及び形態が当業界で知られている。プロドラッグの例は、とりわけ、Design of Prodrugs、H.Bundgaardによる編集(Elsevier、1985年)、Methods in Enzymology、第42巻、309〜396頁、K.Widder等による編集(Academic Press、1985年);薬物設計及び開発のテキストブック(A Textbook of Drug Design and Development)、Krosgaard−Larsen及びH.Bundgaardによる編集、第5章、H.Bundgaardの「プロドラッグの設計及び応用(Design and Application of Prodrugs)」、113〜191頁、1991年);H.Bundgaard、Advanced Drug Delivery Reviews、第8巻、1〜38頁(1992年);H.Bundgaard等、Journal of Pharmaceutical Sciences、第77巻、285頁(1988年);並びにNogrady(1985年)Medicinal Chemistry A Biochemical Approach、Oxford University Press、New York、388〜392頁)に見られる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は、関連するケミストリー(Chemistry)の態様を示す図である。A、一般的な窒素含有ビスホスホネート構造;B、腫瘍細胞、γδT細胞、破骨細胞及びマクロファージにおけるビスホスホネート活性に関係するいくつかの経路の概略図、C、カルボカチオン遷移状態/反応性中間体及びビスホスホネート類似物(赤い円で囲まれている)を示すFPP、GGPP生合成及びタンパク質プレニル化;D、FPPS阻害のための相対的分子類似性指標静電界(comparative molecular similarity index electrostatic field)(左、青=正電荷が好ましい))及びファーマコフォア(右、緑=疎水性、赤=正、青=負イオン性);E、カチオン性ビスホスホネート;F、選択されたGGPPS阻害剤の構造。
【図2】図2A〜2Iは、癌細胞増殖阻害及びγδT細胞活性化のためのデータを含む化合物の活性についてのアッセイによる広範な結果を示す図である。A、ビスホスホネートによるMCF−7細胞成長阻害;B、ゾレドロネート細胞成長阻害のFOH、GGOHレスキュー;C、BPH−675細胞成長阻害のFOH、GGOHレスキュー;D、酵素、細胞成長阻害及びSlogPについての相関マトリクス;E、FPPS及びGGPS記述子を用いたCoMSIA予測;F、ビスホスホネートによるγδT細胞活性化;G、γδT細胞活性化についてのHQSAR予測;H、増殖応答率%;I、(合計CD3+細胞)の割合(%)。
【図3】図3A〜3Eは、X線及びNMR試験による結果を示す図である。A、B:リセドロネート(PDBファイル#1YV5から)上に重ね合わせて示したヒトFPPSと結合したBPH−527及びBPH−461のX線構造;C、D、T.ブルーセイ(T.brucei)FPPSと結合したビスホスホネート、IPPの31Pマジックアングル(magic−angle)試料スピニングNMRスペクトル(600MHz 1H共鳴振動数);E、ヒトGGPPS(PDBファイル2FVI)と結合したGGPP上に重ね合わせて示したGGPPS(サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisae)からの)と結合したBPH−675のX線構造。表8も参照されたい。
【図4】図4は、ビスホスホネート標的の概略を示す図である。
【図5】図5は、MCF−7細胞成長阻害、FPPS阻害及びGGPPS阻害(図2D〜G)について検討した阻害剤の構造を示す図である。
【図6】図6は、ビスホスホネートによるMCF−7成長阻害のpIC50値を、γδT細胞活性化のpED50値に対してプロットしたグラフである。検討した化合物の構造を図5に示す。
【図7】図7は、MCF−7細胞成長阻害及びγδT細胞活性化を含むアッセイで検討した化合物の構造を示す図である。
【図8】図8は、MCF−7細胞成長阻害及びγδT細胞活性化を含むアッセイで検討した化合物の構造を示す図である。
【図9】図9は、MCF−7細胞成長阻害pIC50値対骨吸収のグラフである(pED50結果、Widler等より)。検討した化合物の構造を図8に示す。
【図10】図10は、MCF−7細胞成長阻害で試験した骨吸収薬物の構造を示す図である。
【図11】図11A〜Dは、ビスホスホネート/IPP/FPPS複合体の31P NMRスペクトルを例示する図である。化合物の構造をスペクトルの上に示す。
【図12】図12A及びBは、クルーズトリパノソーマ(Trypanosome cruzi)FPPSと結合した、例としてのビスホスホネートのX線構造を示す図である。A、BPH−527及びB、BPH−461。リセドロネートをそれぞれの上に重ね合わせて示す。
【図13】図13A及びBは、T.ブルーセイFPPSと結合したスルホニウムビスホスホネート(BPH−527)の代表的なITC結果、及びΔH、ΔS相関を示す図である(新規なカチオン化合物は赤い矢印で示す。それ以外は文献から)。
【図14】図14は、SlogP記述子に加えてFPPS、GGPPS酵素阻害をベースとした予測細胞成長阻害のグラフである。
【図15】図15は、FPPS及びGGPPS酵素阻害データをベースとした予測細胞成長阻害のグラフである。
【図16】図16は、本明細書で論じるいくつかの化合物の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
[00127]複数の実施形態では、本発明は、ビスホスホネート、特に長鎖炭化水素鎖、特に7個以上の炭素原子を有する直鎖アルキル又はアルコキシ基を担持する少なくとも1つの置換基を有するものを含む特定の化合物が、細胞増殖の阻害及び/又は特定の酵素の阻害を含む関連で有用で高い活性を示すという発見に少なくとも部分的に関連するものである。
【0075】
[00128]以下の略語が適用される。FPPS、ファルネシルジホスフェートシンターゼ(ファルネシルピロホスフェートシンテターゼ、ジメチルアリルトランストランスフェラーゼ、ゲラニルトランストランスフェラーゼ、ファルネシルジホスフェートシンターゼ及びファルネシルピロホスフェートシンテターゼとしても知られている);GGPPS、ゲラニルゲラニル二リン酸塩シンターゼ(ゲラニルゲラニルピロホスフェートシンテターゼとしても知られている);DPPS、デカプレニルピロリン酸シンターゼ;UPPS(ウンデカプレニルピロホスフェートシンテターゼ;ウンデカプレニルジホスフェートシンターゼとしても知られている);DHDDS又はDDPPS、デヒドロドリキルジホスフェートシンターゼ;pIC50/pEC50、それぞれIC50及びEC50の負の対数(IC50及びEC50はそれぞれ半値幅阻害又は活性化をもたらす濃度である);T.ブルーセイ、トリパノソーマブルーセイ(Trypanosoma brucei);D.ジスコイデウム(D.discoideum)、ディクチオステリウムジスコイデウム(Dictyostelium discoideum);γδT細胞、ガンマデルタT細胞;ITC、等温熱量測定。便宜上、概ね化合物/構造を番号で示す。
【0076】
[00129]以下の定義が適用される。化学基の定義は、特に一般式XA1を有する化合物に関連するものであるが、本明細書で示す他の化合物にも適用することができる。
【0077】
[00130]アルキル基は直鎖、分鎖及び環状のアルキル基を含む。アルキル基は1〜20個の炭素原子を有するものを含む。アルキル基は1〜3個の炭素原子を有する小アルキル基を含む。アルキル基は4〜10個の炭素原子を有する中位長(medium length)アルキル基を含む。アルキル基は、10個を超える炭素原子を有する、特に10〜20個の炭素原子を有する長鎖アルキル基を含む。環状アルキル基は1つ又は複数の環を有するものを含む。環状アルキル基は、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−又は10−員の炭素環を有するもの、特に3−、4−、5−、6−又は7−員の環を有するものを含む。環状アルキル基中の炭素環はアルキル基を担持することもできる。環状アルキル基は二環式及び三環式のアルキル基を含むことができる。アルキル基は任意選択で置換アルキル基を含む。置換アルキル基は、とりわけ、アリール基(これは任意選択でさらに置換されていてよい)で置換されているものを含む。具体的なアルキル基には、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、シクロプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、n−ペンチル、分鎖−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、分鎖ヘキシル及びシクロヘキシル基が含まれ、そのどれも任意選択で置換されている。
【0078】
[00131]アルケニル基は直鎖、分鎖及び環状のアルケニル基を含む。アルケニル基は、1個、2個又はそれ以上の二重結合を有するもの、及び二重結合のうちの2個以上が共役二重結合であるものを含む。アルケニル基は2〜20個の炭素原子を有するものを含む。アルケニル基は2〜3個の炭素原子を有する小アルキル基を含む。アルケニル基は4〜10個の炭素原子を有する中位長アルケニル基を含む。アルケニル基は、10個を超える炭素原子を有する長鎖アルケニル基、特に10〜20個の炭素原子を有するものを含む。環状アルケニル基は、1つ又は複数の環を有するものを含む。環状アルケニル基は、二重結合が環の中にあるか又は環と結合したアルケニル基の中にあるものを含む。環状アルケニル基は、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−又は10−員の炭素環を有するもの、特に3−、4−、5−、6−又は7−員の環を有するものを含む。環状アルケニル基中の炭素環はアルキル基を担持することもできる。環状アルケニル基は二環式及び三環式のアルキル基を含むことができる。アルケニル基は任意選択で置換されている。置換アルケニル基は、とりわけ、アルキル又はアリール基(この基は任意選択でさらに置換されていてよい)で置換されているものを含む。具体的なアルケニル基には、エテニル、プロパ−1−エニル、プロパ−2−エニル、シクロプロパ−1−エニル、ブタ−1−エニル、ブタ−2−エニル、シクロブタ−1−エニル、シクロブタ−2−エニル、ペンタ−1−エニル、ペンタ−2−エニル、分鎖ペンテニル、シクロペンタ−1−エニル、ヘキサ−1−エニル、分鎖ヘキセニル、シクロヘキセニルが含まれ、そのどれも任意選択で置換されている。
【0079】
[00132]アリール基には、1つ若しくは複数の5−又は6−員の芳香族環又は芳香族複素環を有する基が含まれる。アリール基は1つ又は複数の縮合芳香環を含むことができる。芳香族複素環は環中に1個若しくは複数のN、O又はS原子を含むことができる。芳香族複素環は1個、2個又は3個のNを有するもの、1個又は2個のOを有するもの、及び1個又は2個のSを有するものを含むことができる。アリール基は任意選択で置換されている。置換アリール基には、とりわけ、アルキル又はアルケニル基(この基は任意選択でさらに置換されていてよい)で置換されているものが含まれる。具体的なアリール基には、フェニル基、ビフェニル基、ピリジニル基及びナフチル基が含まれ、そのどれも任意選択で置換されている。
【0080】
[00133]アリールアルキル基は、そのアルキル基が任意選択で追加の置換基を有する、1つ又は複数のアリール基で置換されたアルキル基であり、そのアリール基は任意選択で置換されている。具体的なアルキルアリール基はフェニル−置換アルキル基、例えばフェニルメチル基である。
【0081】
[00134]アルキルアリール基は、そのアルキル基が任意選択で追加の置換基を有する、1つ又は複数のアルキル基で置換されたアリール基であり、そのアリール基は任意選択で置換されている。具体的なアルキルアリール基はメチルフェニルなどのアルキル−置換フェニル基である。
【0082】
[00135]任意のR(例えば、R1及びR2)基のうちの2つ以上から形成されてよい環は、本明細書では、一緒になって、任意選択で置換されたシクロアルキル基、任意選択で置換されたシクロアルケニル基又は芳香族基となっていてよい。その環は、3、4、5、6、7個又はそれ以上の炭素を含むことができる。その環は、芳香環中の1、2若しくは3個の炭素がN、O又はSで置き換えられている複素環式芳香族であってよい。その環は、環中の1つ若しくは複数のCH2基がO、N、NH又はSで置き換えられているヘテロアルキル又はヘテロアルケニルであってよい。
【0083】
[00136]任意のアルキル、アルケニル及びアリール基の任意選択での置換は、以下の置換基、即ちハロゲン、−CN、−COOR、−OR、−COR、−OCOOR、−CON(R)2、−OCON(R)2、−N(R)2、−NO2、−SR、−SO2R、−SO2N(R)2又は−SOR基の1つ若しくは複数での置換を含む。アルキル基の任意選択での置換は、そのアルケニル基又はアリール基が任意選択で置換されている1つ若しくは複数のアルケニル基、アリール基又はその両方での置換を含む。アルケニル基の任意選択での置換は、そのアルキル基又はアリール基が任意選択で置換されている1つ若しくは複数のアルキル基、アリール基又はその両方での置換を含む。アリール基の任意選択での置換は、アルキル基又はアルケニル基が任意選択で置換されている1つ若しくは複数のアルキル基、アルケニル基又はその両方でのアリール環の置換を含む。
【0084】
[00137]アルキル、アルケニル及びアリール基のための任意選択の置換基には、とりわけ、
[00138]−COOR(Rは水素又はアルキル基若しくはアリール基であり、より具体的には、Rはそのすべてが任意選択で置換されているメチル、エチル、プロピル、ブチル又はフェニル基である)、
[00139]−COR(Rは水素又はアルキル基若しくはアリール基であり、より具体的には、Rはその基のすべてが任意選択で置換されているメチル、エチル、プロピル、ブチル又はフェニル基である)、
[00140]−CON(R)2(他のRとは独立に、各Rは水素又はアルキル基若しくはアリール基であり、より具体的には、Rはその基のすべてが任意選択で置換されているメチル、エチル、プロピル、ブチル又はフェニル基であり、RとRは1つ又は複数の二重結合を含む環を形成することができる)、
[00141]−OCON(R)2(他のRとは独立に、各Rは水素又はアルキル基若しくはアリール基であり、より具体的には、Rはその基のすべてが任意選択で置換されているメチル、エチル、プロピル、ブチル又はフェニル基であり、RとRは1つ又は複数の二重結合を含む環を形成することができる)、
[00142]−N(R)2(他のRとは独立に、各Rは水素又はアルキル基、アシル基若しくはアリール基であり、より具体的には、Rはそのすべてが任意選択で置換されているメチル、エチル、プロピル、ブチル若しくはフェニル又はアセチル基であるか、或いはRとRは1つ又は複数の二重結合を含む環を形成することができる)、
[00143]−SR、−SO2R又は−SOR(Rはアルキル基又はアリール基であり、より具体的には、Rはそのすべてが任意選択で置換されているメチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル基であり、−SRについては、Rは水素であってよい)、
[00144]−OCOOR(Rはアルキル基又はアリール基である)、
[00145]−SO2N(R)2(Rは、水素、アルキル基又はアリール基であり、RとRは環を形成することができる)、
[00146]−OR(R=H、アルキル、アリール又はアシルであり、例えばRがアシルであると−OCOR*が得られる(但し、R*は水素又はアルキル基又はアリール基であり、より具体的には、R*はその基のすべてが任意選択で置換されているメチル、エチル、プロピル、ブチル又はフェニル基である))
が含まれる。
【0085】
[00147]具体的な置換アルキル基には、ハロアルキル基、具体的にはトリハロメチル基、特にトリフルオロメチル基が含まれる。具体的な置換アリール基には、モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−及びペンタハロ−置換フェニル基;モノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−及びヘプタ−ハロ−置換ナフタレン基;3−又は4−ハロ−置換フェニル基、3−又は4−アルキル−置換フェニル基、3−又は4−アルコキシ−置換フェニル基、3−又は4−RCO−置換フェニル、5−又は6−ハロ置換ナフタレン基が含まれる。より具体的には、置換アリール基には、アセチルフェニル基、具体的には4−アセチルフェニル基;フルオロフェニル基、具体的には3−フルオロフェニル及び4−フルオロフェニル基;クロロフェニル基、具体的には3−クロロフェニル及び4−クロロフェニル基;メチルフェニル基、具体的には4−メチルフェニル基及びメトキシフェニル基、具体的には4−メトキシフェニル基が含まれる。
【実施例】
【0086】
[00148]本発明は、以下の非限定的な実施例によってさらに理解されよう。
実施例1.制癌及び/又は免疫賦活機能について高い効能を有する構造を含むビスホスホネート化合物
[00149]フォサマックス、アクトネル及びゾメタなどのビスホスホネートは、酵素ファルネシル二リン酸シンターゼ(FPPS)の強力な阻害剤であり、骨粗しょう症や骨肉腫を治療するのに使用される。これらは、破骨細胞及び腫瘍細胞に対して直接的な活性を有しており、また、先天性免疫系のγδT細胞も活性化して腫瘍細胞を死滅させる。ここで、本発明者らは、γδT細胞活性化及び腫瘍細胞の死滅化において、現在のビスホスホネートより約100〜1000倍(×)大きい活性を有する新規な化合物の開発を説明するのに加えて、ビスホスホネートは、FPPSだけでなく、ゲラニルゲラニルジホスフェート及びデカプレニルジホスフェートシンターゼも阻害するポリファーマシューティカル(polypharmaceutical)として作用することができることを示す。
【0087】
[00150]フォサマックス、ボニバ及びゾメタなどのビスホスホネートは、骨粗しょう症、パジェット病及び悪性腫瘍に起因する高カルシウム血症などの骨吸収疾患を治療するために使用される薬物分子である(1、2)。さらに、それらは、γδT細胞(Vγ2VδT細胞受容体を含む)を活性化して腫瘍細胞を死滅させ(3〜5)、その上、腫瘍細胞(6〜9)や多くの寄生原虫に対して直接活性を有している(10、11)。これらは20年間も臨床的に使用されてきたが、その作用機構は明らかでない。初期の研究では、ビスホスホネートは単に骨の表面を被覆することによって作用すると考えられたが、最近では、酵素ファルネシル二リン酸シンターゼ(FPPS、EC2.5.1.10)に関係があるとされる(12)。FPPSの阻害は、細胞シグナリングのパターンのかく乱(図1B)、及び、いくつかの原虫ではエルゴステロール生合成の阻害(10)を引き起こすと予測される、低分子量GTPアーゼ(Ras、Rho、Rap、Racなど)のプレニル化の低下をもたらす。より最近では、FPPSのこの阻害は、高いレベルの基質、イソペンテニルジホスフェート(IPP)をもたらすことが示されている(13、14)。このIPPレベルの増大はγδT細胞を活性化することができる(15)。またいくつかの細胞では、IPPはATPのイソペンテニルエステルであるApppIに転換される。これは、ミトコンドリア透過性遷移孔の要素である、ミトコンドリアアデニンヌクレオチドトランスロカーゼ(ANT)を阻害することができる(図1B)(16)。
【0088】
[00151]本明細書において、本発明者らは、FPPS阻害は常にビスホスホネートの作用の主要な標的であるか、また、免疫療法、癌において、また抗感染薬として、使用可能性のある、骨に対する結合力の小さいものを含む、活性があり且つ選択的な阻害剤を作製することが可能であるか、という質問に対する意義深い答えを開示するものである。本発明者らは、ビスホスホネート化合物が作用する他の重要な標的には、GGPPS及びDPPSが含まれることを報告する。さらに、本発明者らは、様々な標的に対して高い効能と選択性を示す有機ビスホスホネート化合物を作製し、これを試験した。
【0089】
[00152]タンパク質は、図1Cに示すようにして、IPP及びジメチルアリルジホスフェート(DMAPP)から合成される、ファルネシル二リン酸(FPP)か又はゲラニルゲラニルジホスフェート(GGPP)のいずれかによってプレニル化される。この反応は、図2Cに赤丸で囲んで示すように、カルボカチオン遷移状態/反応性中間体(17)を介して進行し、ビスホスホネート側鎖(例えばボニバの、赤色、図1A)は電荷中心を模倣し、ビスホスホネートは、加水分解に対して安定したジホスフェートの類似体(17)をもたらすと考えられる。本発明者らは、類似したタイプの遷移状態が、FPPSとGGPPSの両方、並びにデカプレニルジホスフェートシンターゼ(DPPS)に関連している可能性があることを提示した。DPPSは、コエンザイムQ10の製造において使用されるヘテロ二量体性のプレニル−トランスフェラーゼである(18)。本発明者らの提案に従って、本発明者らは複数の標的に影響を及ぼすことができるビスホスホネート化合物を設計した。
【0090】
[00153]「1つの薬物、1つの標的」という従来の考え方を超える可能性を考慮した薬物設計アプローチへの意欲的な認識がなされている(19)。ビスホスホネートが複数の標的を阻害する「ポリファーマシューティカル」となり得るという可能性を提示するものである。ビスホスホネートボニバは、コレステロール生合成において使用されるスクアレンシンターゼの強力な阻害剤とすることができ(20)、多くのビスホスホネートが、植物中に見出される別のヘテロ二量体性のプレニルトランスフェラーゼ、ゲラニルジホスフェートシンターゼの強力な低nM阻害剤である(21)。しかし、他の関連する標的酵素の潜在的重要性を判定し、阻害剤を開発できるようにするのにはさらなる検討を伴う。
【0091】
[00154]本発明者らのポリファーマシューティカルな仮定を試験するために、本発明者らは3つの酵素:ヒトFPPS、GGPPS及びDPPSに絞り、それぞれについて、一連のビスホスホネートによるその阻害を試験した。これら3つの酵素のそれぞれはビスホスホネートゾレドロネート(ゾメタ)によって阻害される。そのいくつかは表1のIC50(Ki)値で示されている。他のビスホスホネート化合物についての活性値も示す。即ち、本発明者らは、ビスホスホネートによって、3つのすべてのヒト酵素を強力に阻害可能であることを実証した。この発見は、FPPSがビスホスホネートの唯一の標的ではないという可能性と一致する。本発明者らは以下の観察、即ち、ビスホスホネートの主要標的としてのGGPPSの潜在的な重要性を提案するものであり、細胞増殖に対するビスホスホネートの影響は、ファルネソールではなく、ゲラニルゲラニオールの添加によってのみ逆転され、これは、コレステロール生合成を研究する関連で、FPPシンターゼ及びGPPシンターゼが関与していると見なされるというGoffinetら及びその他の観察(22)に注目している。本発明者らのデータは、ある種の小分子は、他の標的に加えて、GGPPS標的活性を高い効能で直接阻害することができることを実証している。
【0092】
[00155]本発明者らは、GGPPSがビスホスホネート活性の主標的として働くかどうかという疑問、及び小分子阻害剤の付随する役目をさらに詳細に検討した。本発明者らは、有用な組成物を提供し、且つ特定の細胞の(腫瘍細胞の死滅化及びγδT細胞活性化)結果を解釈する助けとなるデータベースを提供するために、これら3つの酵素のうちの1つ又は複数に対して改善された活性を有する可能性のある一連の新規なビスホスホネートを設計した。FPPS阻害についての本発明者らの相対的分子類似性分析(CoMSIA)(23)モデルの検討(24)(図1E)は、正電荷特性を、例えば、図1Fに示す新規なビスホスホネートで見られるように、ビスホスホネート主鎖により近い方へ移動させることによって高い活性が得ることができることを示唆している。本発明者らは、ヒト組み換えゲラニルゲラニル二リン酸塩シンターゼの阻害についての従来の研究(25)に注目している。正電荷の構造的特性に加えて、本発明者らは、大きな疎水性尾部(例えば、図1Fを参照されたい)を有することの潜在的重要性を仮定した。さらに、本発明者らは、そうした阻害剤はC50プレニルトランスフェラーゼDPPSに対して特に強力であり、また細胞取り込みが改善される可能性があると考えた。したがって、本発明者らは、様々な化合物を意欲的に設計し合成することに至った。その代表的な具体的番号は化合物715である。
【0093】
[00156]図2Aに示すように、BPH−715などのカチオン性のビスホスホネート種(図1F、左側)は実際、MCF−7癌細胞増殖阻害において、ゾレドロネートやパミドロネートなどのビスホスホネートよりはるかに活性であり、約15μM(ゾレドロネート)又は約300μM(パミドロネート)のオーダーの値と比較すると約50nMのIC50値である。ファルネソールを加えても成長阻害からレスキューされることはなく、ゲラニルゲラニオールを加えるとごく部分的にレスキューされる(図2B)。これは2つ以上の標的を示唆している。他方、大きな疎水性ビスホスホネートBPH−675は5μMのIC50を有するが、20μMのゲラニルゲラニオールを加えると、その成長阻害効果は本質的に完全にレスキューされる(図2C)。これは、BPH−675が選択的GGPPS阻害剤であり、他方、BPH−715はGGPPSを含む複数の標的を有することを強く示唆している。本発明者らは、成長培地において、どのビスホスホネートについてCoQ10を取り込んでも細胞成長阻害からレスキューされないことを見出した。しかし、これは、本発明者らの理解する機序を考えれば予想外のことではない。その理由は、血清中にCoQ10は存在しており、DPPS阻害の主作用は、CoQ10添加によって影響を受けないIPP/ApppIの上昇に対してであると想定されるからである。
【0094】
[00157]酵素データに基づく細胞成長阻害のモデルを開発するために、本発明者らは次に、特定のビスホスホネートによる、FPPS、GGPPS及びDPPS阻害についてのIC50値を測定した(表1に具体的データを示す)。図2Dのデータマトリクスに示すように、細胞成長阻害とGGPPS阻害pIC50値との間には良好な相関があり、SlogP(原子寄与及びプロトン化状態をベースとしたオクタノール/水分配係数のLog(26))とは中程度の相関、DPPSとは弱い相関がある。しかし、FPPS阻害とは相関性がない。これらの結果は、GGPPS阻害が最も重要であるという考え方を強く支持しており、これは、本発明者らがGGOH及びFOHのレスキュー試験について得たデータと一致している(図2B、2Cを参照されたい)。
【0095】
[00158]本発明者らは、部分最小二乗法を用いて、細胞のIC50の結果に対して酵素及びSlogPデータを回帰させることによる細胞成長阻害のためのより定量的なモデルの開発を追求した。即ち:
pIC50(細胞)=a・pIC50(FPPS)+b・pIC50(GGPPS)+c・pIC50(DPPS)+d・SlogP+e
式中、pIC50=−log10(IC50M)であり、a、b...nは回帰係数である。
【0096】
[00159]酵素阻害とSlogPデータだけを用いて、まさにGGPPS、DPPS及びSlogP(GGPPSが支配的である(SI))で良好な全体相関性(R=0.90)が見出される。CoMSIAフィールドを用いるとさらなる改善が得られる(図2E)。したがって、Rho、Rap及びRacの細胞生存経路が影響を受けるので、ビスホスホネートによる細胞成長阻害はGGPPSの直接の阻害によって支配されており、これは、レスキュー実験と一致している。さらに、DPPS阻害は、生成DPP分子当たり7モルのIPPが消費されるので、大量のIPP(ApppI)を生成すると予測される。
【0097】
[00160]次に本発明者らは、これらの新規なビスホスホネートがγδT細胞活性化において活性を有するかどうかの検討を試みた。図2Fから分かるように、BPH−715などの長鎖ビスホスホネートはγδT細胞活性化において強力な活性を有する。最も活性な種(BPH−716、C12側鎖を含む)は、このアッセイで、古典的な合成ホスホ抗原のホスホスチム(Phosphostim(登録商標))(IPPのブルモヒドリン)に対して約2倍(×)のEC50を有しており、従来の最も強力なビスホスホネートに対して約100倍(×)のEC50を有している(図2F)。しかし、これらの最も強力な種はFPPS(SI)に対してほとんど活性をもたないか又はまったくもたないが、これらはDPPSに対して、ゾレドロネート(約500nM対約5μM)より約10倍(×)活性である。さらに、これらははるかに好都合なSlogP特性(3対−4)を有しており、これは、そうした種がよりたやすく細胞に侵入できることを意味している。もちろん、他の脂質抗原と同様にこれらの種を、γδT細胞に直接提供できるかということが議論になる可能性がある。しかし、プラバスタチン滴定実験とメバスタチン滴定実験の両方の結果(14)によれば(ここで、FPPS、GGPPS及びDPPSへのイソプレノイドの流束(flux)はHMGCoAレダクターゼの阻害によって阻止される)、γδT細胞活性化において、強力な長鎖ビスホスホネート及びリセドロネートについて同じスタチンIC50値が示されている(図2E、F、G)。したがって、新規な種は、抗原提示細胞におけるIPP蓄積を介して、従来のビスホスホネート抗原と同じ仕方で作用する。癌細胞増殖阻害で用いたのと同じモデル化手法を本発明者らが適用することによって、予測性の高いモデルが得られた(図21)。追加のCoMSIAフィールド記述子(SI)と合わせてFPPS、DPPS、SlogP記述子を用いて、0.98のr2値、q2=0.744)である。
【0098】
[00161]γδT細胞活性化におけるGGPPS阻害についての役割の証拠を本発明者らは見出していない。例えば、GGPPS阻害剤BPH−675(これはFPPS又はDPPSに対して効果はない)はγδT細胞活性化に対してまったく効果はない。同様に、側鎖電荷が存在していないBPH−715(BPH−754)のフェニル類似体は良好なGGPPS阻害剤であることが分かった。MCF−7細胞成長のその阻害はGGOHによってレスキューされたが、それはFPPS又はDPPS阻害に対して本質的に効果がないので(カルボカチオン電荷の特徴が欠如しているので)、γδT細胞活性化に対して効果はなかった。γδT細胞活性化におけるこの活性の欠如は驚くべきことのように当初は思われるかもしれないが、GGPPSだけでの阻害は1つのIPPしか生成しないが、他方、DPPSの阻害はこれを7つ生成し、さらに、細胞中におけるDPP/CoQ10の生成は非常に豊富である。ドリコール生合成の阻害がIPPの生成に関与することも可能である。
【0099】
【化4】
【0100】
[00162]非骨吸収疾患の治療においてビスホスホネートを使用することの潜在的欠点は、それらが骨に急速に吸着されることであると予想される。しかし、驚くべきことに、本発明者らは、高度に疎水性の種BPH−675及びBPH−715はインビボでごく弱くしか骨の上に吸着されず(SI)、骨吸収において中程度のIC50値しか得られないが(例えば、BPH−715の約800nMに対して、ゾレドロネートの約70nM、SI)、しかし、特定の状態、例えば免疫療法、感染症や様々な癌の治療の関連では弱い骨結合は望ましいことであることを見出す。
【0101】
[00163]本発明者らは、化合物754、及び関連する構造的特徴を有する特定の化合物は、GGPPSを強力に阻害するが、DPPS又はFPPSはほとんど阻害しない化合物類を提示できることに注目する。いくつかの例では、プロ免疫賦活効果(pro−immunostimulatory effect)はもたなくても、制癌活性などの特性を保持することは有利となる可能性がある。様々な炎症性疾患などのように、免疫刺激が、免疫系の過剰反応をもたらす可能性のある環境が存在する。興味ある構造的特徴には、環上のアルコキシ尾部置換基に加えて、ビスホスホネート成分に隣接する環部分についての正電荷の欠如が含まれる。逆に、他の構造的特徴(例えば、正電荷及び尾部置換基の存在)を共有する化合物は、複数の標的(例えば、化合物715の場合のGGPPS及びDPPS)の阻害などの付随する機能的特性を示すことができ、制癌及び免疫刺激などの活性の組合せを示すことができる。そうした組合せが有利である環境が存在する。
【0102】
[00164]次に本発明者らは、特定のビスホスホネート(例えば、ピリジニウム及びスルホニウム類似体)がどのようにFPPSやGGPPSと結合するかを検討した。本発明者らは最初の検討として、FPPS阻害及び骨吸収において強力な活性を有することが先に判明している(27)簡単なフルオロピリジニウムビスホスホネート(BPH−461、図1D)、並びに最も簡単なスルホニウムビスホスホネート(BPH−527、図1D)を選択する。データ収集及びリファインメント統計データ(refinement statistics)を、ヒト及びトリパノソーマブルーセイFPPS酵素(後者は抗感染薬の開発のための標的として興味深い(28))の両方について、例として表、例えば表4〜7に示す。すべての場合において、IPPが存在しなくても、ビスホスホネートは排他的にアリル/DMAPP部位だけと結合した。ヒト酵素と結合したこれら2つのビスホスホネートの構造を、大腸菌(E.coli)に対して活性をやはり有する(30)強力な骨吸収薬物(29)であるBPH−210の構造の上に重ね合わせて、図3A、Bに示す。T.ブルーセイ構造を図12に示す)。従来のビスホスホネートとの結合に明らかに相当な類似性があり、ホスホネートと3Mg2+の間に強い静電相互作用(大腸菌タンパク質においてHosfield等によって最初に確認された(31))を有する。
【0103】
[00165]IPPと一緒のNBP(窒素含有ビスホスホネート薬物)の存在下で、三元のビスホスホネート−IPP−FPPS複合体が見出されている(31〜34)。これは、結晶学的にも、また、固体状31P NMR分光法(ビスホスホネートとIPP31P核の両方の組について個々の31P NMR共鳴が見られる(35))によっても実証されている。図3Cに示すように、ピリジニウムビスホスホネートBPH−461は、3Mg2+に加えて1PPを含む同じタイプの複合体を形成する。IPP、Mg2+との三元複合体の形成は、固体状31P NMRを用いても推定することができ、ピリジニウム及びスルホニウムビスホスホネートについての結果を図2C、D(及び図11)に示す。これは、ピリジニウム、スルホニウム、ホスホニウム、アルソニウム及びグアニジニウムビスホスホネートのすべてが平均して1:1(±0.2)ビスホスホネート:IPP化学量論量で三元複合体を形成することを示している。
【0104】
[00166]FPPSとのカチオンビスホスホネート結合が、エントロピーによって推進されるかエンタルピーによって推進されるかどうかを判断するために、本発明者らは、等温滴定熱量測定法(ITC)を用いた。ΔH値は小さく、吸熱的(約2〜4kcal)であり、圧倒的にエントロピーによって推進されていた(約−10.5〜−12.6kcal/モルの範囲のTΔS値)。図13及び表9を参照されたい。したがって、非従来型のビスホスホネートは、より従来型の窒素含有ビスホスホネートと同様に、同じタイプの複合体を形成するが、結合はもっぱらエントロピーによって推進されていた(非常に塩基性の側鎖を有するアレンドロネート及びイバンドロネートなどの従来型のビスホスホネートに見られるように(34、36))。
【0105】
[00167]最後に本発明者らは、その「阻害剤」部位のGGPPSと結合するように設計された、GGPPS阻害剤BPH−715(IPPの存在下又は非存在下での)の構造を検討した。2つの構造についてのデータ収集及びリファインメント統計データを得た。両方の構造において、BPH−715はKavanagh等によって最初に確認された(37)GGPP阻害剤部位と結合する。1つの構造では、本発明者らは、2つのMg2+及び1つのIPPの存在を見出し、第2の構造では、リガンドは、三元複合体構造において見られるものから若干転移して、単独で結合する。1PP部位の位置は、より少ないピリジニウムビスホスホネートを有するFPPSで見られるものと類似している(図3C)。同じGGPPS阻害剤部位結合部位モチーフはBPH−675(PDB2E95)についても見られ、Kavanagh等(37)によって提案されているような従来記載されているもの(25)などの長鎖GGPPS阻害剤に共通するもののようである。これは生成物(又は阻害剤)結合部位であるので、本発明者らは、正電荷特性の必要性はなく、カチオン側鎖含有種と中性側鎖含有種の両方が結合できるが、カチオン種だけがDPPS(及びFPPS)を阻害すると判断する。
【0106】
[00168]まとめると、それらが、FPPSだけを標的とするものではない、特定のビスホスホネート薬物は、多くの場合FPPS、GGPPS並びにDPPS(及び、潜在的には、デヒドロドリキルジホスフェートシンターゼなどの他のプレニルトランスフェラーゼ)を阻害することができるポリファーマシューティカルであることを示しているので(図4に示した図2Bの改訂版を示唆している)、これらの結果は非常に興味深いものである。図4は、癌細胞増殖阻害は主にGGPPS阻害によって阻害されるが(コンピュータモデル、酵素阻害及びレスキュー実験によって証明されているように)、GGPPS阻害はγδT細胞活性化において何ら役割を果たさず、それはFPPS及びDPPS阻害(及び、多分ドリコール生合成阻害)によって支配されるという本発明者らの理解を示すものである。IPP/ApppI蓄積が依然として起こるので、CoQ10は細胞増殖をレスキューしない。長鎖ビスホスホネートはFPPSに対して活性を有していないが、それでも、DPPS阻害及び高い疎水性のため、強力なγδT細胞活性化因子である。
【0107】
[00169]癌細胞増殖阻害において、GGPPSは大部分の強力な種にとっての主要標的であるが、γδT細胞活性化においては、GGPPS阻害は、IPP生成に依存するT細胞活性化に対して効果的ではない。適切な化学的改変によって、本発明者らは、癌細胞増殖阻害とγδT細胞活性化の両方において、既存のビスホスホネートより約100〜1000倍(×)高い活性を有するいくつかの新規な種を得た。これは、ポリファーマシューティカルのアプローチを用いた免疫療法や化学療法におけるビスホスホネートの使用への新たな道を示唆している。
【0108】
[00170]この実施例での具体的な化合物は、本明細書で記載する式XA1の化合物である。
【0109】
[00171]化合物の塩及びエステル形態を含む組成物の変形体。本発明の化合物、及び本発明の方法において有用な化合物は、上記式の化合物並びに薬剤として許容されるその塩及びエステルを含む。複数の実施形態では、塩には、ヒト又は獣医学的用途で使用するのに許容される、本明細書で示す式の酸から誘導される任意の塩が含まれる。複数の実施形態では、エステルという用語は、本明細書で示す式のジホスホネート化合物を含む化合物の加水分解性エステルを指す。複数の実施形態では、本明細書で示す式の化合物の塩及びエステルは、本明細書で示す式の化合物と同じ治療上又は薬剤学的な(ヒト又は獣医用)一般的特性を有するものを含むことができる。各ホスホネートが2−、1−又は中性電荷を担持する、様々な塩の組合せが可能である。原理上、本発明のビスホスホネート化合物を含む特定の化合物について、複数の荷電状態、例えば9つの荷電状態が可能である。
【0110】
実施例1の文献;
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[00207]36. F. Yin, R. Cao, A. Goddard, Y. Zhang, E. Oldfield, J Am Chem Soc 128, 3524 (Mar 22, 2006).
[00208]37. K. L. Kavanagh, J. E. Dunford, G. Bunkoczi, R. G. Russell, U. Oppermann, J Biol Chem 281, 22004 (May 11, 2006).
【0111】
実施例2.追加の化合物
[00209]本発明は、構造XA2
【0112】
【化5】
【0113】
で表される化合物を提供する。
[00210]式中、変数としての基の選択は、本明細書の他の部分で記載するものと同様であってよい。
【0114】
[00211]好ましい実施形態では、RLは7〜12個の炭素を有するアルコキシである。一実施形態では、構造式XA2を有する化合物は、DPPSを実質的に阻害することなくGGPPSを選択的に阻害することができる。一実施形態では、そうした化合物を、腫瘍又は癌細胞増殖を阻害するために用いる。
【0115】
[00212]化合物754を合成し、活性を試験した。以下の1C50値を有することが分かった(ミクロモル):癌細胞増殖(平均)の阻害は0.50であり、ヒトの乳癌細胞株MCF7の阻害は0.401であり、ヒトのCNS癌SF268の阻害は0.524であり、ヒトの肺癌NCIH460の阻害は0.672であり、精製GGPPSの阻害は0.5918である。
【0116】
[00213]
実施例3.試験化合物の活性についての結果
【0117】
【表1】
【0118】
[00214]上記表では、様々な化合物による、3つの癌細胞株の細胞成長阻害についてのデータを示す。また、有意の効能で複数の酵素を阻害することができる化合物を含み、化合物は、FPPS、GGPPS及びDPPS酵素の1つ又は複数を阻害可能である。予測値は10倍交差検証モデルからのものである。平均絶対残余誤差は0.38であり、これは、活性の2500倍(×)の範囲にわたって、約2.3倍(×)のファクターの誤差に相当する。GFAの不適合度誤差指標(lack−of−fit error metric)は0.31である。
【0119】
【表2】
【0120】
【表3】
【0121】
【表4】
【0122】
【表5】
【0123】
【表6】
【0124】
【表7】
【0125】
【表8】
【0126】
【表9】
【0127】
【表10】
【0128】
【表11】
【0129】
材料及び方法
[00215]細胞成長阻害アッセイ。ヒト腫瘍細胞株MCF−7(乳腺腺癌)、NCI−H460(肺大細胞)及びSF−268(中枢神経系膠芽腫)を国立癌研究所(National Cancer Institute)から得た。すべての細胞株を、100%湿度の5%CO2雰囲気中、37℃で10%ウシ胎仔血清及び2mMのL−グルタミンで補充したRPMI−1640培地中で培養した。各ビスホスホネートによる成長阻害についてのIC50値を判定するために培養液微量希釈法を用いた。100μLの最終容積になるように半対数連続により予め希釈した(0.316mM〜0.1pM)、10μLの試験化合物を含む96ウェル平底培養プレート中に、5,000細胞/ウェルの密度で細胞を播種した。NBPは通常最初にH2O(0.01M)に溶解し、NNBPは通常DMSO(0.01M)に溶解した。次いでプレートを、100%湿度の5%CO2雰囲気中、37℃で4日間インキュベートし、続いて、MTT((3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド)細胞増殖アッセイ(ATCC、Manassas、VA)を用いて、用量応答曲線を得た。DMSOキャリヤーは細胞増殖に対して効果がなかった。
【0130】
[00216]ウィンドウズ用のGraphPad PRISM(登録商標)バージョン4.0ソフトウェア(GraphPad Software Inc.、San Diego、CA、www.graphpad.com)を用いてデータを直角双曲線関数:I=(IMAXC)/(IC50+C);
【0131】
【数1】
【0132】
(式中、Iは阻害率%であり、IMAX=100%阻害であり、Cは阻害剤の濃度であり、IC50は50%成長阻害濃度である)
にあてはめた。典型的な用量応答曲線を本文の図2Aに示す。「レスキュー」実験のために、FOH又はGGOHのストック溶液を調製し(エタノール中で)、必要量をインキュベーション培地に加えて固定した20μM濃度を得た。
【0133】
[00217]γδT細胞アッセイ。Vγ2Vδ2T細胞TNF−αの放出及び増殖を、基本的には先に記載されているようにして1実施した。簡潔に述べると、Vγ2Vδ2T細胞についての生物活性を測定するために、CD4+JN.24、CD4+HF.2、CD8αα+12G12又はCD4−8−HD.108Vγ2Vδ2T細胞クローンを、CD4+クローンのためにはCP.EBV(EBV形質転換させたB細胞株)、又はCD8αα+及びCD4−8−クローンのためにはVa−2(形質転換させた線維芽細胞)の存在下、ホスホ抗原で刺激させた。APCとして使用するために、CP.EBV及びVa−2を0.05%グルタルアルデヒド(EMグレード、Sigma、MO)で固定した。ホスホ抗原の相対的効能は同じようであったが、NKG2D+Vγ2Vδ2クローン、12G12及びHD.108は、より高い抗原感受性を示したことに注目されたい。これは、Va−2細胞株によって発現されるNKG2Dリガンド、MICA、ULBP2及びULBP3との相互作用による、そのNKG2D+受容体を介した共刺激に起因するようである。本発明者らは先に、NKG2D/MICA相互作用が、抗原感受性を著しく増大させることを示した。50%の観察T細胞応答(EC50)を達成するのに要する濃度は、S字形用量応答関数を用いてPrism4.0プログラム(GraphPad Software、San Diego、CA)によって得た。グローバルあてはめ技術(Global Fitting technique)を用いてPrism4.0で実施して、各実験(例えば、JN.24細胞からのTNF−αの放出)について曲線あてはめ(最小)を判定した。何の制約も用いることなく、各個別化合物について曲線あてはめ(最大)を最適化した。
【0134】
[00218]NMR分光法。スペクトルを、14.1T、2インチ内径Oxford magnet及びVarian/Chemagnetics 3.2 mm T3 HXYプローブを備えた600MHz(1H共鳴振動数)Infinity Plus分光計で、マジックアングル試料スピニング技術を用いて得た。スペクトルは、85%オルトリン酸からなる外部標準を基準とした。1H横方向磁化は3.5μsパルス(75kHz領域)で発生させ、シグナル強調のために交差分極を用い、続いてデータ取得の際にはTPPMデカプリング(80kHz 1H領域)を用いた。1H−31P交差分極パルス波形及びデカプリングは、タンパク質試料についてのデータ取得に先行して、リセドロネート(アクトネル(Actonel))で最適化した。データは、10μsのドウェル(dwell)時間(100kHzスペクトル幅)、2048ポイント、2秒のリサイクル遅れ(recycle delay)及び13.333kHzのスピンニング速度を用いて取得した。すべてのスペクトルは、4096ポイントへのゼロ充てん、50Hz指数乗算(exponential multiplication)、及びピーク積分の前の基準線補正のための多項式補正(polynomial correction)を用いて処理した。スキャン数は32k〜86kの範囲で変えた。
【0135】
[00219]ヒト組み換えGGPPS阻害。ヒト組み換えゲラニルゲラニル二リン酸塩シンターゼ(hGGPPS)の精製は、先に報告されている手順2に従った。ビスホスホネートによるGGPPS阻害は、先に報告されている放射アッセイ2を若干修正して用いて測定した。アッセイ溶液は、50μLの総容積に300ngのhGGPPS、50mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0)、5mM MgCl2、2mM DTT、1mg/mL BSA及び25μM FPPを含み、これを室温で15分間、ビスホスホネートで予備インキュベートした。次いで、5μLの[14C]IPPの250μM溶液を加えて反応を開始させ、37℃で20分間インキュベートした。75μLのHCl/MeOHを加えて反応を終了させた。37℃での2回目の20分間インキュベーションに続いて、アリルピロホスフェートを効果的に加水分解し、75μLの6N NaOHを加えて反応混合物を中和し、500μLのヘキサンで抽出した。カウントするために、200μLの有機相をシンチレーション用バイアルに移した。データをOrigin6.1(OriginLab Corp.、Northampton、MA、www.OriginLab.com)で用量応答曲線にあてはめてIC50値を得た。
【0136】
[00220]ヒトFPPS−ビスホスホネート複合体についての結晶化及びX線データ収集。K.L.Kavanagh等3によって記載されているものを若干修正した方法を基にして、Mg及びBPH−461か又はBPH−527と複合化した結晶ヒトFPPS複合体を得た。FPPSを、氷上で、2.5mMビスホスホネート、2.5mM MgCl2で終夜インキュベートし、続いてドロップをセットした。2μLのタンパク質溶液と、40%(容積/容積)のポリエチレングリコール2,000か又は4,000及び0.1Mリン酸塩/クエン酸塩緩衝剤、pH4.2からなる1μLの沈殿剤を混合して、シッティングドロップ法で結晶を室温で成長させた。ブルックヘブン国立シンクロトロン光源(Brookhaven National Synchrotron Light Source)、ビームラインX29(A=1.1Å)でADSC Q315 CCD検出器を用いて100Kで回折データを得た。データ収集の統計データを本明細書の実施例3の項で報告する。
【0137】
[00221]T.ブルーセイFPPS−ビスホスホネート複合体の結晶化及びX線データ収集。最初の結晶化スクリーニング条件は、Mao等4が報告している結晶化条件に基づいた。次いで、タンパク質濃度、沈殿剤の種類及び濃度、緩衝液の種類、緩衝液pH値及び金属イオン濃度の効果を最適化し、良好な回折パターンを示すタンパク質結晶を得た。5.55mg/mLのタンパク質を2.5mM BPH−461又はBPH−527、2.5mM MgCl2と混合し、氷上で終夜インキュベートし、続いてドロップをセットした。1μLのFPPS−ビスホスホネート混合液と、100mM酢酸アンモニウム中の10%(容積/容積)MPD、pH5.75からなる1μLの沈殿剤を混合して、ハンギングドロップ法により室温で結晶を結晶化させた。データ収集の前に、抗凍結剤として40%(容積/容積)MPDを加えた後、結晶をクリオループ(cryoloop)にとりつけ、液体窒素中で急速冷凍させた。回折データを、ブルックヘブン国立シンクロトロン光源ビームラインX8C(λ=1.1Å)でADSC Q4 CCD検出器を用いて100Kで得た。データ収集統計データを表6及び表7に報告する。
【0138】
[00222]ヒトFPPS−ビスホスホネート複合体の構造決定。構造決定のために、分子置換法を用いて、ヒトFPPS構造(1YV5)3からリセドロネートリガンドをマイナスしたものを検索モデルとして用いた。剛体リファインメントを、AMoRe5を用いて得られたモデルに適用した。結晶構造を、Shelxl−976を用いてさらにリファインした。2Fo−Fc電子密度図においてプログラムO7を用いてリガンドの再構築とあてはめを実施した。具体的なリファインメント統計データは表4及び表5に含まれる。
【0139】
[00223]T.ブルーセイFPPS−ビスホスホネート複合体の構造決定。T.ブルーセイFPPS−ビスホスホネート複合体の結晶構造を、プログラムAMoRe5を用いた分子置換法により決定した。先に解明したT.ブルーセイFPPS構造(2EWG)8からミノドロネートリガンドをマイナスしたものを出発モデルとして使用した。CNS9を用いて構造をさらにリファインした。CNSを用いたリファインメントとCootを用いた再構築を反復すると、その構造は表6及び表7に示す最終リファインメント統計データを有していた。
【0140】
[00224]2D QSAR:分子記述子。阻害剤の構造を分子設計支援システム(Molecular Operating Environment)(MOE)2006.0810に持ち込んだ。具体的な分子記述子を計算するのに三次元構造を必要とした。0.05kcal/モルの勾配及びMMFF9411力場を用いて、すべての分子を最小化して三次元モデルを構築した。計算された2D分子記述子に加えて、GGPPS及びFPPS酵素pIC50値も用いた。MOEにおける、QSARのためのエキスパートシステムのAutoQuaSARモジュール12を用いた。これは、利用できる記述子のそれぞれの重要性を評価し、且つ、記述子の数の関数としてr2及びq2の軌道(リーブワンアウト交差検証されたr2)を得るために、より重要性の低いものを段階的に取り除くことによって、一連のモデルを反復して構築する。次いで、検討のために、最も少ない成分と最も高いr2及びq2を有するモデルを検討用に選択した。最終モデルのコンピュータアウトプットを表10に示す。
【0141】
[00225]3D−QSAR:CoMSIA記述子及び分析。すべての化合物の配座異性体を、配座インポートユーティリティ(conformation import utility)を用いてMOE2006.0810で作り出した。配列の際の偏りの可能性を避けるために、認知された特徴、具体的には:疎水性、芳香族性、カチオン、供与体及び受容体の重なりをベースにして、ファーマコフォア認知アルゴリズム(MOEで)を用いて、分子配列を作り出した。次いで推定ファーマコフォアのランク付けリストを初期配列13のための基礎として供した。トップのファーマコフォア(カチオン性の特徴を含む)における分子の配列を選択し、MOEにおいて、TAFF(Tripos)及びMMFF94力場で、フレキシブル配列モジュール(flexible alignment module)を用いて連続的にリファインした。配列した分子及び電荷を、対応するFPPS、GGPPS及びMCF−7活性データとともにSybyl7.314に取り込んだ。CoMSIA15記述子を、FPPS pIC50、GPPS pIC50及びSLogPを含む、加えられた追加の記述子で配列した分子について計算した。成分のそれぞれの寄与を割り当てるためにPLSを用いた。その結果はq2=0.806(3成分)であった。コンピュータアウトプットを表11に示す。
【0142】
[00226]次いで、このモデルが偶然に得られたものではないことを確認し、さらに、成分の最適数を検証するために、Sybyl7.314を用いて、そのデータについてスクランブル安定性試験を実施した。スクランブル法は、得られたモデルの予測性をモニターしながら、小さなランダム摂動をデータセットにかけた。不安定なモデルの予測性は一般に、小さな摂動であっても急速且つ過度に低下するが、他方堅牢なモデルはより高い予測安定性を示す16。3成分での安定性を確認するアウトプット結果を表11に示す。
【0143】
[00227]ホログラムHQSAR(HQSAR)。CoMSIAとは異なり、ホログラムQSARは、一般的な三次元構造配列を必要とせず、比較し得る方法17が凌駕することができない性能基準の役目を果たす、フラグメントをベースとした配列非依存型の方法である17。HQSAR法は、Sybyl7.314を用いて、構造的特徴と生物活性を相関させるために、拡張分子指紋(分子ホログラム)を用いる。64の分子の構造をSybyl7.3に取り込み、構造の検査及び検証を容易にするために、BFGS18エネルギー最小化法により、0.01kcal/モル勾配で最大で10,000ステップを用いて三次元座標を設けた。次いで構造を、所定のフラグメントサイズに自動的にフラグメント化した。次いで、3つのフラグメントを用い、フラグメントについての情報、重なりの可能性、及び構成要素のサブフラグメントを保持し、且つ、三次元構造情報を非明示的にコード化しながら、各分子についての分子ホログラム(指紋)を作り出した。次いでホログラムを、部分最小二乗法(PLS)分析用に用いて、交差検証モデルを得た。q2=0.674、r2=0.871及び83ビットの最適フラグメントサイズを有する最終モデルが得られた。
【0144】
この節で引用した文献:
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【0145】
実施例4.インビボでの腫瘍に対するものを含む制癌活性
[00247]腫瘍細胞侵襲性及びインビボでの結果。本発明者らは、親油性ビスホスホネートが、腫瘍細胞侵襲性に対して顕著な効果を有するかどうかを検討した。マトリゲル(Matrigel)侵襲性アッセイにおいて、MDA−MB−231細胞、侵襲性ヒト乳癌の腺癌細胞株を、ビスホスホネートと培養すると、親油性ビスホスホネート、BPH−716は、ゾレドロネート(BPH−716、約30nM IC50;対ゾレドロネート、約40μM IC50)より、約1000倍阻害性が高かった。そうした化合物がインビボで活性を有しているかどうかを判断するために、本発明者らは、マウス異種移植片系(xenograft system)のSK−ES−1肉腫細胞(Kubo2007)を使用した。ゾレドロネートは、対照に対して癌細胞増殖の有意の(p<0.01)低減を引き起こしたが、親油性ビスホスホネート(BPH−715)の効果はより顕著であり(p=0.032対ゾレドロネート)、体重減少又は他の副作用は認められなかった。マウスγδT細胞には、IPPによる活性化に必要なVγ2Vδ2T細胞受容体が欠如しているので、このマウスモデルにおける活性は、癌細胞の増殖及び侵襲性への直接活性に起因すると考えることができる。これらの結果は、より親油性のビスホスホネートは、インビトロとインビボの両方で、腫瘍細胞増殖/侵襲性に対して強力な直接的活性を有することを実証している。これらは、ヒトT細胞活性化において高い効能も有することができ、これはIPP蓄積に起因すると考えられる。
【0146】
[00248]インビボでの腫瘍細胞モデル。実験は、基本的にはKubo2006等47が記載されているようにして実施した。1.5×107細胞を、4匹の生後6週間の無胸腺ヌードマウス(CLEA、Tokyo、Japan)の右側腹部に皮下注射して、ヒトSK−ES−1細胞の異種移植を開始した。マウスに、5μgのゾレドロネート、BPH−715又は生理的食塩水を腹腔内注射により毎日施した。腫瘍の最小径及び最大径並びに体重を毎週測定した。以下の式:体積(mm3)=(最小径)2×(最大径)/2を用いて腫瘍体積を算出した。統計的有意性を、Statcel(OMS Ltd.、Saitama、Japan)を用いたワンウェイANOVA及びFisherのPLSD法で判定した。p<0.05は有意であると見なされた。
【0147】
文献:
[00249]Kubo, T., Shimose, S., Matsuo, T., Sakai, A. & Ochi, M. Efficacy of a nitrogen−containing bisphosphonate, minodronate, in conjunction with a p38 mitogen activated protein kinase inhibitor or doxorubicin against malignant bone tumor cells.
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【0148】
実施例5.化合物の構造式
[00251]本明細書及び図面においてほかに提供される化合物の構造式に加えて、具体的な構造式を以下に示す。
【0149】
【化6】
【0150】
【化7】
【0151】
【化8】
【0152】
【化9】
【0153】
[00252]図2Dの具体的データを以下の表12にさらに示す。
【0154】
【表12】
【0155】
参照による本明細書への組み込み及び変更形態に関する記述。
[00253]本出願を通したすべての文献、例えば発行済み特許若しくは許諾済み特許又は均等物;特許出願公開を含む特許文献;及び非特許文献又は他の原資料の全体を、各文献が、本出願における開示と少なくとも部分的に、矛盾することのない程度に個別に参照により本明細書に組み込まれているかのように(例えば、部分的に矛盾する文献は、その文献の部分的に矛盾する部分を除いて、参照により本明細書に組み込まれる)、参照により本明細書に組み込む。
【0156】
[00254]本明細書で置換基のグループが開示されている場合、そのグループメンバーの任意の異性体、鏡像異性体及びジアステレオマーを含む、そのグループ及びすべての下位グループのすべての下位メンバーが別個に開示されているものと理解されたい。本明細書でマーカシュグループ又は他のグループ化が用いられている場合、そのグループのすべての個別メンバー並びに可能性のあるすべての組合せ及び下位組合せは、本開示に個別に含まれるものとする。いくつかの特定のグループの変数定義が本明細書で記載されている。特定のグループの変数定義のすべての組合せ及び下位組合せは、本開示に個別に含まれるものとする。ある化合物が、例えば式又は化学名において、その化合物の具体的な異性体、鏡像異性体又はジアステレオマーが指定されない形で本明細書において開示されている場合、その記述は、個別に又は任意の組合せで、記載されている化合物のそれぞれの異性体及び鏡像異性体を含むものとする。さらに、別段の指定のない限り、本明細書で開示の化合物のすべての同位性変形体は本開示に包含されるものとする。例えば、開示された分子中の任意の1個又は複数の水素を、重水素又は三重水素で置き換えることができることを理解されよう。ある分子の同位性変形体は、分子に関するアッセイの標準品として、また、分子又はその使用に関連した化学的及び生物学的研究において一般に有用である。放射性同位体を担持するものを含む同位性変形体は、診断アッセイや治療学において有用である。そうした同位性変形体の作製方法は当業界で周知である。当業者が同一化合物を異なって呼ぶことができることが知られているような化合物の具体的な名称は例示的なものであるとする。
【0157】
[00255]本明細書で記載又は例示した化合物のどの製剤又は組合せも、別段の言及のない限り、本発明の実施において使用することができる。
【0158】
[00256]本明細書において、ある範囲、例えば温度範囲、時間範囲、組成物若しくは濃度の範囲又は他の値の範囲が与えられている場合は常に、すべての中間体範囲及び下位範囲、並びにその与えられた範囲に含まれるすべての個別の値は、本開示に包含されるものとする。本明細書の記載に含まれるある範囲又は下位範囲中の任意の下位範囲又は個別の値を、本明細書の特許請求の範囲から排除できることを理解されよう。
【0159】
[00257]本明細書で挙げたすべての特許及び出版物は、本発明にふさわしい当業者のレベルを示すものである。本明細書で引用した文献のその全体を、いくつかの場合その出願日現在での最新技術を示すために、参照により本明細書に組み込む。この情報は、必要なら、従来技術である特定の実施形態を排除する(例えば、放棄する)ために本明細書で用いることができるものとする。例えば、ある化合物が特許請求されている場合、本明細書で開示されている文献に(特に参照されている特許文献に)開示されている特定の化合物を含む当業界で知られている化合物は、本発明の特許請求の範囲に包含されないことを理解すべきである。
【0160】
[00258]「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含まれる(comprised)」又は「含む(comprising)」という用語が本明細書で用いられている場合、それらは、参照された記載特性、整数、ステップ又は成分の存在を指定するものであり、1つ又は複数の他の特性、整数、ステップ、成分若しくはそのグループの存在又は追加を排除するものではないと解釈されるべきである。本明細書で用いる、「含む(comprising)」は、「含む(including)」、「含む(containing)」又は「特徴とする(characterized by)」と同義語であり、包含的であるか又は末端が解放された(open−ended)ものであり、挙げられていない追加の要素又は方法ステップを排除するものではない。本明細書で用いる、「からなる(consisting of)」は、特許請求項要素において指定されていないどの要素、ステップ又は構成成分も排除する。本明細書で用いる、「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」は、特許請求項の基本的及び新規な特徴に実質的に影響を及ぼさない材料又はステップを排除しない。本明細書での各事例では、「含む(comprising)」、「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」及び「からなる(consisting of)」と均等な用語はどれも、他の2つの用語のいずれかで置き換えて、範囲の差異を示すことができるそれぞれの意味を表すことができる。本明細書で例示的に適切に記載した本発明は、本明細書で具体的に開示されていないいずれの1つ又は複数の要素、1つ又は複数の限定がなくても実施することができる。
【0161】
[00259]種々の具体的且つ好ましい実施例及び技術を参照して、本発明を説明してきた。しかし、本発明の趣旨及び範囲内であれば、多くの変更及び修正を加えることができることを理解すべきである。本明細書で具体的に記載されているもの以外の方法、装置、装置要素、材料、手順及び技術を、本明細書で広く開示されているものとして、過大な実験を用いることなく、本発明の実施において適用することができることは当業者に明らかであろう。例えば、当業者は、具体的に例示されているもの以外の出発原料、生物学的材料、試薬、合成方法、精製方法、分析方法、アッセイ方法及び生物学的方法を、過大な実験を用いることなく、本発明の実施において用いることができることを理解されよう。本明細書で記載の方法、装置、装置要素、材料、手順及び技術の当業界で知られているすべての機能的均等物は、本発明に包含されるものとする。本発明は、これらに限定されないが、例又は説明図で与えられた図面で示されるか又は本明細書で例示されるいずれをも含む、開示された具体的な実施形態によって限定されるものではない。いくつかのケースでは、好ましい実施形態及び任意選択の特性によって本発明を具体的に開示してきたが、当業者は、本明細書の革新的な考え方に修正及び変更を加えることができ、且つ、そうした修正及び変更は添付の特許請求の範囲でさらに規定するような本発明の範囲内にあると考えられることを理解すべきである。
【0162】
文献
[00260]2006年3月17日出願の米国出願第11687570号明細書;2006年3月17日出願のPCT国際出願PCT/US07/64239号パンフレット;2006年3月17日出願の米国出願第60783491号明細書;2005年10月7日出願の米国出願第11/245,612号明細書(2006年4月13日公開の米国特許出願公開第20060079487号明細書も参照されたい);2004年10月8日出願の米国出願第60/617,108号明細書;2005年10月7日出願のPCT国際出願PCT/US05/036425号パンフレット(2006年4月13日公開の国際公開第2006/039721号パンフレットも参照されたい);2005年5月26日公開の米国特許出願公開第20050113331号明細書;特に上記のそれぞれを本明細書に矛盾しない程度にその全体を参照により本明細書に組み込む。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式XA1の化合物又はその塩若しくは水和物
【化1】
(式中、
Xは、水素、ヒドロキシル基又はハロゲンであり、
Mは、化合物中の他のMとは独立に、負電荷、水素、アルキル基、−(CH2)p−O−CO−R又は−(CH2)p−O−CO−O−Rであり、但し、pは1〜6であり、Rは、水素、任意選択で置換されたアルキル又は任意選択で置換されたアリールであり、−OMは形態−O−A+(A+はカチオンである)の塩であってよく、
nは、1、2又は3であり、
R1及びR2は、それぞれ互いに独立に、水素、ハロゲン、−N(R’)2、−SR’、OR’、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル及び任意選択で置換されたアリール基からなる群から選択され、但し、各R’は、列挙した任意の基の他の任意のR’とは独立に、H、任意選択で置換されたアルキル基及び任意選択で置換されたアリール基から選択され、R1の1つとR2の1つは一緒になって1〜3個のヘテロ原子、特にN、S及びOを含む3〜10員の炭素環又は複素環を形成しており、
Zは、
【化2】
であり、式中、UはH又はOHであり、
存在する場合、R3〜R7は、互いに独立に、水素、ハロゲン、−CN、−OR”’、−COOR”’、−OCOOR”’、−COR”’、−CON(R”’)2、−OCON(R”’)2、−N(R”’)2、−NO2、−SR、−SO2R、−SO2N(R”’)2若しくは−SOR”’基、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルケニル基、任意選択で置換されたアルキニル基及び任意選択で置換されたアリール基からなる群から選択され、但し、R又はR”’はそれぞれ、H、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアリール基及び任意選択で置換されたアシル基から独立に選択され、
存在する場合、R3〜R7の少なくとも1つはRLであり、ZがZ6であり、R4がRLである場合、RLは、そのそれぞれが任意選択で置換されている6〜20個の炭素原子を有するアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルケノキシ又はアルキノキシ基;その1つ若しくは複数の非隣接炭素原子がOで置き換えられている6〜20個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルエーテル基;又は3−RM若しくは4−RM置換フェニル基から選択される基であり、但し、RMは、3〜15個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケニオキシ、アルキノキシ又はアルキルエーテル基から選択され、そのフェニル環の他の環位置は、1つ若しくは複数のハロゲン、又は1〜3個の炭素原子を有する1つ若しくは複数の任意選択で置換されたアルキル基で任意選択で置換されており、
RNは1〜3個の炭素原子を有する任意選択で置換されたアルキル基であり、
存在する場合、R8、R10及びR13は、6〜20個の炭素原子を有するアルキル基;6〜20個の炭素原子を有するアルケニル又はアルキニル基;その1つ若しくは複数の非隣接炭素原子がOで置き換えられている6〜20個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルエーテル基;又は3−RM若しくは4−RM置換フェニル基から選択される基であり、但し、RMは、3〜15個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケニオキシ、アルキノキシ又はアルキルエーテル基から選択され、そのフェニル環の他の環位置は、1つ若しくは複数のハロゲン、又は1〜3個の炭素原子を有する1つ若しくは複数の任意選択で置換されたアルキル基で任意選択で置換されており、
存在する場合、R9、R11及びR12は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル又はアルキニル基;その1つ若しくは複数の非隣接炭素原子がOで置き換えられている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルエーテル基;或いは任意選択で置換されたフェニル基から選択される基であり、
存在する場合、R14、R15、R16は、水素又は1〜6個の炭素原子を有する任意選択で置換されたアルキル若しくは任意選択で置換されたアリール基から独立に選択され、但し、R9は、R8の第1炭素と結合して、飽和していても1つ若しくは2つの二重結合を有していてもよい5〜8員の炭素環を形成することができる)。
【請求項2】
ZがZ1〜Z5のいずれか1つである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
ZがZ6である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
ZがZ8又はZ10である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
ZがZ11である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
ZがZ1であり、R4がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
ZがZ1であり、R5がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
ZがZ1であり、R6がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
ZがZ2であり、R4がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
ZがZ2であり、R5がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
ZがZ2であり、R6がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
ZがZ3であり、R3がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
ZがZ3であり、R5がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
ZがZ3であり、R6がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
ZがZ5であり、R3がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
ZがZ5であり、R4がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
RLが、7〜20個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル若しくはアルキニル基、又は7〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される基である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
RLが、7〜20個の炭素原子を有するアルキル若しくはアルキニル基、又は7〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される基である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
RLが、7〜14個の炭素原子若しくは8〜12個の炭素原子を有するアルキル又はアルキニル基から選択される基である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
RLが、7〜14個の炭素原子又は8〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
RLが、7〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル又はアルコキシ基である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
RLが、8〜20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
ZがZ8又はZ10であり、R8又はR10がそれぞれ、8〜20個の炭素原子又は9〜17個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
ZがZ8又はZ10であり、R8又はR10がそれぞれ、8〜20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基又は9〜17個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
ZがZ8であり、R8が8〜20個の炭素原子又は9〜17個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項26】
前記アルキル基が直鎖アルキル基である、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
ZがZ1〜Z5であり、RLがアルキニル基−C≡C−RAKであり、式中、RAKが4〜20個の炭素原子又は5〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項28】
RLが、その1つ若しくは複数の非隣接炭素原子がOで置き換えられている7〜20個の炭素原子又は7〜14個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルエーテル基である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項29】
RLが3−RM又は4−RM置換フェニル基であり、RMが3〜15個の炭素原子若しくは6〜12個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケニオキシ、アルキノキシ又はアルキルエーテル基から選択され、そのフェニル環の他の環位置が1つ若しくは複数のハロゲン、又は1〜3個の炭素原子を有する1つ若しくは複数の任意選択で置換されたアルキル基で任意選択で置換されている、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項30】
R13が、7〜20個の炭素原子を有するアルキル若しくはアルキニル基、又はその1つ若しくは複数の非隣接炭素原子がOで置き換えられている7〜20個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルエーテル基から選択される基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項31】
R13が、7〜20個の炭素原子若しくは9〜17個の炭素原子を有するアルキル又はアルキニル基から選択される基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項32】
ZがZ6であり、RNがメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項33】
それが存在し、且つRLではない場合、R3〜R7が、水素、ハロゲン、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルケニル基、任意選択で置換されたアルキニル基、任意選択で置換されたアルコキシ基及び任意選択で置換されたアリール基からなる群から選択される、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項34】
それが存在し、且つRLではない場合、R3〜R7が、水素、ハロゲン、又は1〜3個の炭素原子を有する非置換アルキル基から選択される、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項35】
それが存在し、且つRLではない場合、R3〜R7がすべて水素である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項36】
ZがZ8であり、R9が1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項37】
ZがZ8であり、R9がメチル基である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項38】
存在する場合、R11又はR12が同じ基である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項39】
存在する場合、R11又はR12が異なる基である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項40】
存在する場合、R11又はR12が1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項41】
存在する場合、R11又はR12がメチル基である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項42】
存在する場合、R14及びR15が水素である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項43】
存在する場合、R15及びR16が水素である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項44】
存在する場合、R15及びR16が水素であり、R14が水素又は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項45】
R4が、6〜20個の炭素原子、7〜17個の炭素原子又は8〜15個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項46】
治療有効量の請求項1〜45のいずれか一項に記載の1つ若しくは複数の化合物及び薬剤として許容される担体又は賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項47】
637、638、677、687、688、693、694、695、696、714、715、716、717、722、754、675、678及び728で表される化合物からなる群から選択される化合物、並びにそれぞれの前記化合物に対応する薬剤として許容されるその塩又はそのエステル。
【請求項48】
治療有効量の前記請求項のいずれか一項に記載の1つ又は複数の組成物を含む医薬品。
【請求項49】
本明細書で記載する状態を治療するための医薬品の作製方法。
【請求項50】
前記癌細胞を有効量の請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬製剤と接触させることを含む、癌細胞の成長を阻害する方法。
【請求項51】
それを必要とする患者に治療有効量の請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む、癌を治療する方法。
【請求項52】
前記癌が乳癌である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記乳癌が実際の骨転移状態又は潜在的な骨転移状態を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
T細胞を、請求項1に記載の化合物又はその医薬製剤と接触させることを含む、T細胞を刺激する方法。
【請求項55】
前記T細胞がγδT細胞である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
それを必要とする患者に治療有効量の請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む免疫治療法。
【請求項57】
それを必要とする患者に治療有効量の請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む、骨吸収障害を治療する方法。
【請求項58】
それを必要とする患者に治療有効量の請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む、骨痛状態を治療する方法。
【請求項59】
前記感染性病原体を、有効量の請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬製剤と接触させることを含む、感染性病原体の増殖を阻害する方法。
【請求項60】
それを必要とする患者に治療有効量の請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む、感染症を治療する方法。
【請求項61】
前記感染症が、ウイルス、真菌、バクテリア及び寄生原生動物からなる群から選択される病原体と関係する、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記ウイルスがレトロウイルスである、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス(HIV)である、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記寄生原生動物が、リーシュマニア属、トキソプラズマ属、クリプトスポリジウム属、マラリア原虫及びトリパノソーマ属からなる群から選択される、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記寄生原生動物が大形リーシュマニアである、請求項61に記載の方法。
【請求項66】
前記バクテリアが大腸菌又は黄色ブドウ球菌である、請求項61に記載の方法。
【請求項67】
請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬製剤を合成する方法。
【請求項68】
前記酵素又は前記酵素を含む細胞を有機化合物と接触させることを含む、FPPS、GGPPS及びDPPS酵素の2つ以上を選択的に阻害する方法。
【請求項69】
前記有機化合物がビスホスホネート化合物である、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記化合物が請求項1に記載の化合物である、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記化合物が、癌細胞若しくは腫瘍成長阻害アッセイ及び/又は免疫刺激アッセイにおいて少なくとも4のpIC50値を有する、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
前記化合物が、少なくとも5のpIC50値を有する、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記化合物が、少なくとも6のpIC50値を有する、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記化合物が、少なくとも7のpIC50値を有する、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
前記酵素又は前記酵素を含む細胞を有機化合物と接触させることを含むFPPS酵素、GGPPS酵素及びDPPS酵素を選択的に阻害する方法であって、前記化合物が前記FPPS、GGPPS及びDPPS酵素を選択的に阻害することができる方法。
【請求項76】
前記酵素又は前記酵素を含む細胞を有機化合物と接触させることを含むGGPPS酵素及びDPPS酵素を選択的に阻害する方法であって、前記化合物が前記GGPPS酵素及び前記DPPS酵素を選択的に阻害することができる方法。
【請求項77】
前記化合物が、式XA1(Z=Z1であり、R4=RL)を有する、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記酵素又は前記酵素を含む細胞を有機化合物と接触させることを含む、DPPS酵素を実質的に阻害することなくGGPPS酵素を選択的に阻害する方法であって、前記化合物が、前記DPPS酵素を実質的に阻害することなく前記GGPPS酵素を選択的に阻害することができる方法。
【請求項79】
前記化合物が、式XA1(Z=Z12であり、R4=RL)を有する、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
哺乳動物細胞を、GGPPS酵素及びDPPS酵素を実質的に阻害することができる有機ビスホスホネート化合物と接触させることを含む、腫瘍又は癌細胞増殖の免疫刺激及び阻害の1つ又は複数の方法。
【請求項81】
哺乳動物細胞を、DPPS酵素を実質的に阻害することなく、GGPPS酵素を実質的に阻害することができる有機ビスホスホネート化合物と接触させることを含む、癌細胞増殖の阻害方法。
【請求項82】
前記化合物が請求項1に記載の化合物である、請求項68〜81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記化合物が化合物715である、請求項76、77又は80に記載の方法。
【請求項84】
前記化合物が化合物754である、請求項78、79又は81に記載の方法。
【請求項85】
1つ又は複数の特性のための有機ビスホスホネート試験化合物をスクリーニングする方法であって、
前記試験化合物を提供するステップと、
FPPS酵素アッセイ;
GGPPS酵素アッセイ;
DPPS酵素アッセイ
からなる群から選択される少なくとも2つの酵素アッセイで前記試験化合物の性能特質を測定するステップと、
癌細胞又は腫瘍成長阻害アッセイ;
T細胞活性化アッセイ;
骨吸収アッセイ;
骨結合アッセイ
からなる群から選択される少なくとも2つの活性アッセイで前記試験化合物の活性レベルを測定するステップと、
前記性能特質及び前記活性レベルを分析するステップと、
前記特質及び活性レベルに基づいて前記試験化合物を選択するステップと、
それによって、前記1つ又は複数の特性について前記試験化合物をスクリーニングするステップと
を含む方法。
【請求項86】
基準化合物を提供するステップと、前記基準化合物の性能特質を、前記試験化合物の前記性能特質と比較するステップとをさらに含む、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
Zが、Z6、Z7、Z8、Z9、Z10、Z11及びZ12のいずれか1つである、請求項1に記載の化合物。
【請求項88】
Xがヒドロキシル又はハロゲンである、請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項89】
Xがヒドロキシルである、請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項90】
Xがハロゲンである、請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項91】
ZがZ1であり、RLが7〜20個の炭素原子を有する直鎖アルコキシである、請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項92】
化合物715の構造式を有する化合物又はその塩、エステル若しくは医薬製剤。
【請求項1】
式XA1の化合物又はその塩若しくは水和物
【化1】
(式中、
Xは、水素、ヒドロキシル基又はハロゲンであり、
Mは、化合物中の他のMとは独立に、負電荷、水素、アルキル基、−(CH2)p−O−CO−R又は−(CH2)p−O−CO−O−Rであり、但し、pは1〜6であり、Rは、水素、任意選択で置換されたアルキル又は任意選択で置換されたアリールであり、−OMは形態−O−A+(A+はカチオンである)の塩であってよく、
nは、1、2又は3であり、
R1及びR2は、それぞれ互いに独立に、水素、ハロゲン、−N(R’)2、−SR’、OR’、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル及び任意選択で置換されたアリール基からなる群から選択され、但し、各R’は、列挙した任意の基の他の任意のR’とは独立に、H、任意選択で置換されたアルキル基及び任意選択で置換されたアリール基から選択され、R1の1つとR2の1つは一緒になって1〜3個のヘテロ原子、特にN、S及びOを含む3〜10員の炭素環又は複素環を形成しており、
Zは、
【化2】
であり、式中、UはH又はOHであり、
存在する場合、R3〜R7は、互いに独立に、水素、ハロゲン、−CN、−OR”’、−COOR”’、−OCOOR”’、−COR”’、−CON(R”’)2、−OCON(R”’)2、−N(R”’)2、−NO2、−SR、−SO2R、−SO2N(R”’)2若しくは−SOR”’基、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルケニル基、任意選択で置換されたアルキニル基及び任意選択で置換されたアリール基からなる群から選択され、但し、R又はR”’はそれぞれ、H、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアリール基及び任意選択で置換されたアシル基から独立に選択され、
存在する場合、R3〜R7の少なくとも1つはRLであり、ZがZ6であり、R4がRLである場合、RLは、そのそれぞれが任意選択で置換されている6〜20個の炭素原子を有するアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルケノキシ又はアルキノキシ基;その1つ若しくは複数の非隣接炭素原子がOで置き換えられている6〜20個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルエーテル基;又は3−RM若しくは4−RM置換フェニル基から選択される基であり、但し、RMは、3〜15個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケニオキシ、アルキノキシ又はアルキルエーテル基から選択され、そのフェニル環の他の環位置は、1つ若しくは複数のハロゲン、又は1〜3個の炭素原子を有する1つ若しくは複数の任意選択で置換されたアルキル基で任意選択で置換されており、
RNは1〜3個の炭素原子を有する任意選択で置換されたアルキル基であり、
存在する場合、R8、R10及びR13は、6〜20個の炭素原子を有するアルキル基;6〜20個の炭素原子を有するアルケニル又はアルキニル基;その1つ若しくは複数の非隣接炭素原子がOで置き換えられている6〜20個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルエーテル基;又は3−RM若しくは4−RM置換フェニル基から選択される基であり、但し、RMは、3〜15個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケニオキシ、アルキノキシ又はアルキルエーテル基から選択され、そのフェニル環の他の環位置は、1つ若しくは複数のハロゲン、又は1〜3個の炭素原子を有する1つ若しくは複数の任意選択で置換されたアルキル基で任意選択で置換されており、
存在する場合、R9、R11及びR12は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル又はアルキニル基;その1つ若しくは複数の非隣接炭素原子がOで置き換えられている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルエーテル基;或いは任意選択で置換されたフェニル基から選択される基であり、
存在する場合、R14、R15、R16は、水素又は1〜6個の炭素原子を有する任意選択で置換されたアルキル若しくは任意選択で置換されたアリール基から独立に選択され、但し、R9は、R8の第1炭素と結合して、飽和していても1つ若しくは2つの二重結合を有していてもよい5〜8員の炭素環を形成することができる)。
【請求項2】
ZがZ1〜Z5のいずれか1つである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
ZがZ6である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
ZがZ8又はZ10である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
ZがZ11である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
ZがZ1であり、R4がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
ZがZ1であり、R5がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
ZがZ1であり、R6がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
ZがZ2であり、R4がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
ZがZ2であり、R5がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
ZがZ2であり、R6がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
ZがZ3であり、R3がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
ZがZ3であり、R5がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
ZがZ3であり、R6がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
ZがZ5であり、R3がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
ZがZ5であり、R4がRLである、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
RLが、7〜20個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル若しくはアルキニル基、又は7〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される基である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
RLが、7〜20個の炭素原子を有するアルキル若しくはアルキニル基、又は7〜20個の炭素原子を有するアルコキシ基から選択される基である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
RLが、7〜14個の炭素原子若しくは8〜12個の炭素原子を有するアルキル又はアルキニル基から選択される基である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
RLが、7〜14個の炭素原子又は8〜12個の炭素原子を有するアルコキシ基である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
RLが、7〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル又はアルコキシ基である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
RLが、8〜20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
ZがZ8又はZ10であり、R8又はR10がそれぞれ、8〜20個の炭素原子又は9〜17個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
ZがZ8又はZ10であり、R8又はR10がそれぞれ、8〜20個の炭素原子を有する直鎖アルキル基又は9〜17個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
ZがZ8であり、R8が8〜20個の炭素原子又は9〜17個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項26】
前記アルキル基が直鎖アルキル基である、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
ZがZ1〜Z5であり、RLがアルキニル基−C≡C−RAKであり、式中、RAKが4〜20個の炭素原子又は5〜10個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項28】
RLが、その1つ若しくは複数の非隣接炭素原子がOで置き換えられている7〜20個の炭素原子又は7〜14個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルエーテル基である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項29】
RLが3−RM又は4−RM置換フェニル基であり、RMが3〜15個の炭素原子若しくは6〜12個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルケニオキシ、アルキノキシ又はアルキルエーテル基から選択され、そのフェニル環の他の環位置が1つ若しくは複数のハロゲン、又は1〜3個の炭素原子を有する1つ若しくは複数の任意選択で置換されたアルキル基で任意選択で置換されている、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項30】
R13が、7〜20個の炭素原子を有するアルキル若しくはアルキニル基、又はその1つ若しくは複数の非隣接炭素原子がOで置き換えられている7〜20個の炭素原子を有するアルキル基であるアルキルエーテル基から選択される基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項31】
R13が、7〜20個の炭素原子若しくは9〜17個の炭素原子を有するアルキル又はアルキニル基から選択される基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項32】
ZがZ6であり、RNがメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項33】
それが存在し、且つRLではない場合、R3〜R7が、水素、ハロゲン、任意選択で置換されたアルキル基、任意選択で置換されたアルケニル基、任意選択で置換されたアルキニル基、任意選択で置換されたアルコキシ基及び任意選択で置換されたアリール基からなる群から選択される、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項34】
それが存在し、且つRLではない場合、R3〜R7が、水素、ハロゲン、又は1〜3個の炭素原子を有する非置換アルキル基から選択される、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項35】
それが存在し、且つRLではない場合、R3〜R7がすべて水素である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項36】
ZがZ8であり、R9が1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項37】
ZがZ8であり、R9がメチル基である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項38】
存在する場合、R11又はR12が同じ基である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項39】
存在する場合、R11又はR12が異なる基である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項40】
存在する場合、R11又はR12が1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項41】
存在する場合、R11又はR12がメチル基である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項42】
存在する場合、R14及びR15が水素である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項43】
存在する場合、R15及びR16が水素である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項44】
存在する場合、R15及びR16が水素であり、R14が水素又は1〜3個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項45】
R4が、6〜20個の炭素原子、7〜17個の炭素原子又は8〜15個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である、請求項1〜32のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項46】
治療有効量の請求項1〜45のいずれか一項に記載の1つ若しくは複数の化合物及び薬剤として許容される担体又は賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項47】
637、638、677、687、688、693、694、695、696、714、715、716、717、722、754、675、678及び728で表される化合物からなる群から選択される化合物、並びにそれぞれの前記化合物に対応する薬剤として許容されるその塩又はそのエステル。
【請求項48】
治療有効量の前記請求項のいずれか一項に記載の1つ又は複数の組成物を含む医薬品。
【請求項49】
本明細書で記載する状態を治療するための医薬品の作製方法。
【請求項50】
前記癌細胞を有効量の請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬製剤と接触させることを含む、癌細胞の成長を阻害する方法。
【請求項51】
それを必要とする患者に治療有効量の請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む、癌を治療する方法。
【請求項52】
前記癌が乳癌である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記乳癌が実際の骨転移状態又は潜在的な骨転移状態を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
T細胞を、請求項1に記載の化合物又はその医薬製剤と接触させることを含む、T細胞を刺激する方法。
【請求項55】
前記T細胞がγδT細胞である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
それを必要とする患者に治療有効量の請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む免疫治療法。
【請求項57】
それを必要とする患者に治療有効量の請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む、骨吸収障害を治療する方法。
【請求項58】
それを必要とする患者に治療有効量の請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む、骨痛状態を治療する方法。
【請求項59】
前記感染性病原体を、有効量の請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬製剤と接触させることを含む、感染性病原体の増殖を阻害する方法。
【請求項60】
それを必要とする患者に治療有効量の請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬製剤を投与することを含む、感染症を治療する方法。
【請求項61】
前記感染症が、ウイルス、真菌、バクテリア及び寄生原生動物からなる群から選択される病原体と関係する、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記ウイルスがレトロウイルスである、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記レトロウイルスがヒト免疫不全ウイルス(HIV)である、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記寄生原生動物が、リーシュマニア属、トキソプラズマ属、クリプトスポリジウム属、マラリア原虫及びトリパノソーマ属からなる群から選択される、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記寄生原生動物が大形リーシュマニアである、請求項61に記載の方法。
【請求項66】
前記バクテリアが大腸菌又は黄色ブドウ球菌である、請求項61に記載の方法。
【請求項67】
請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬製剤を合成する方法。
【請求項68】
前記酵素又は前記酵素を含む細胞を有機化合物と接触させることを含む、FPPS、GGPPS及びDPPS酵素の2つ以上を選択的に阻害する方法。
【請求項69】
前記有機化合物がビスホスホネート化合物である、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記化合物が請求項1に記載の化合物である、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記化合物が、癌細胞若しくは腫瘍成長阻害アッセイ及び/又は免疫刺激アッセイにおいて少なくとも4のpIC50値を有する、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
前記化合物が、少なくとも5のpIC50値を有する、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記化合物が、少なくとも6のpIC50値を有する、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記化合物が、少なくとも7のpIC50値を有する、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
前記酵素又は前記酵素を含む細胞を有機化合物と接触させることを含むFPPS酵素、GGPPS酵素及びDPPS酵素を選択的に阻害する方法であって、前記化合物が前記FPPS、GGPPS及びDPPS酵素を選択的に阻害することができる方法。
【請求項76】
前記酵素又は前記酵素を含む細胞を有機化合物と接触させることを含むGGPPS酵素及びDPPS酵素を選択的に阻害する方法であって、前記化合物が前記GGPPS酵素及び前記DPPS酵素を選択的に阻害することができる方法。
【請求項77】
前記化合物が、式XA1(Z=Z1であり、R4=RL)を有する、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記酵素又は前記酵素を含む細胞を有機化合物と接触させることを含む、DPPS酵素を実質的に阻害することなくGGPPS酵素を選択的に阻害する方法であって、前記化合物が、前記DPPS酵素を実質的に阻害することなく前記GGPPS酵素を選択的に阻害することができる方法。
【請求項79】
前記化合物が、式XA1(Z=Z12であり、R4=RL)を有する、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
哺乳動物細胞を、GGPPS酵素及びDPPS酵素を実質的に阻害することができる有機ビスホスホネート化合物と接触させることを含む、腫瘍又は癌細胞増殖の免疫刺激及び阻害の1つ又は複数の方法。
【請求項81】
哺乳動物細胞を、DPPS酵素を実質的に阻害することなく、GGPPS酵素を実質的に阻害することができる有機ビスホスホネート化合物と接触させることを含む、癌細胞増殖の阻害方法。
【請求項82】
前記化合物が請求項1に記載の化合物である、請求項68〜81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記化合物が化合物715である、請求項76、77又は80に記載の方法。
【請求項84】
前記化合物が化合物754である、請求項78、79又は81に記載の方法。
【請求項85】
1つ又は複数の特性のための有機ビスホスホネート試験化合物をスクリーニングする方法であって、
前記試験化合物を提供するステップと、
FPPS酵素アッセイ;
GGPPS酵素アッセイ;
DPPS酵素アッセイ
からなる群から選択される少なくとも2つの酵素アッセイで前記試験化合物の性能特質を測定するステップと、
癌細胞又は腫瘍成長阻害アッセイ;
T細胞活性化アッセイ;
骨吸収アッセイ;
骨結合アッセイ
からなる群から選択される少なくとも2つの活性アッセイで前記試験化合物の活性レベルを測定するステップと、
前記性能特質及び前記活性レベルを分析するステップと、
前記特質及び活性レベルに基づいて前記試験化合物を選択するステップと、
それによって、前記1つ又は複数の特性について前記試験化合物をスクリーニングするステップと
を含む方法。
【請求項86】
基準化合物を提供するステップと、前記基準化合物の性能特質を、前記試験化合物の前記性能特質と比較するステップとをさらに含む、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
Zが、Z6、Z7、Z8、Z9、Z10、Z11及びZ12のいずれか1つである、請求項1に記載の化合物。
【請求項88】
Xがヒドロキシル又はハロゲンである、請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項89】
Xがヒドロキシルである、請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項90】
Xがハロゲンである、請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項91】
ZがZ1であり、RLが7〜20個の炭素原子を有する直鎖アルコキシである、請求項1〜45及び47のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項92】
化合物715の構造式を有する化合物又はその塩、エステル若しくは医薬製剤。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2010−523709(P2010−523709A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503237(P2010−503237)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/060051
【国際公開番号】WO2008/128056
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(506175840)ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニヴァーシティー オブ イリノイ (30)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/060051
【国際公開番号】WO2008/128056
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(506175840)ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニヴァーシティー オブ イリノイ (30)
【Fターム(参考)】
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