説明

Fe系焼結金属製軸受およびその製造方法

【課題】オイルレス環境下でも優れた摺動特性を発揮し得る焼結金属製軸受を低コストで製造する。
【解決手段】Mn粉末2とS粉末3を、Fe系金属粉末5に混合した混合粉末6を圧粉成形する。圧粉成形により得られた圧粉成形体7を焼結することで、焼結時の熱を利用してMn粉末2と前記S粉末3を反応させて、Fe系焼結金属中にMnSを含有したFe系焼結金属製軸受1を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Fe系焼結金属製軸受およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
焼結金属製軸受は、高い成形自由度を有しかつ安価に製造可能であることから、例えば情報機器用や自動車部品用など、種々の分野にわたって広く用いられている。
【0003】
また、この種の焼結金属製軸受は、その構造上、内部に多数の空孔を有することから、潤滑油等の液状潤滑剤を内部空孔に含浸させた、いわゆる焼結含油軸受として使用される場合も多い。
【0004】
一方で、この種の焼結金属製軸受を、無給油の状態で使用する場合、主成分となる金属粉末に、黒鉛や二硫化モリブデン等の固体潤滑剤を加えたものを成形、焼結することで摺動性を改善した焼結金属製軸受が提案されている(例えば、特許文献1,2)。
【0005】
ところで、最近では、この種の焼結金属製軸受に対しても低コスト化の要求が高まってきており、比較的安価なFe系金属粉末を主成分として、焼結金属製軸受が製造される場合も多くなっているのが実情である。
【0006】
この場合、潤滑油等が使用できるのであれば、特に問題はないが、上述の通り、この種の焼結金属製軸受は種々の分野、用途にわたって広範に用いられているものであるから、中には、例えば燃料ポンプ用の軸受など、潤滑油等の使用が制限される用途に用いられる場合がある。このように、オイルレス環境下での使用が求められる用途に関しては、摺動性に優れた材料を選択、使用するだけでは足りず、個体潤滑剤の使用が必須となる。
【0007】
しかしながら、SUS系金属粉末のように1100℃以上の高温で焼結する場合には、固体潤滑剤として黒鉛を配合すると、黒鉛がSUS中のCrと化合し炭化物を生成するため、製造された焼結金属製軸受の性能面で不具合を来たすことになる。
【0008】
また、固体潤滑剤として二酸化モリブデンを配合すると、分解温度が低い二酸化モリブデンは800℃以上の高温の焼結温度で熱分解し、Crと化合して硫化物を生成するため、固体潤滑剤としての潤滑性能を発揮できなくなる。
【0009】
そこで、下記の特許文献3には、Fe系金属粉末であるステンレス鋼粉末に、固体潤滑剤としてMnS粉末を混合したものを成形、焼結することで、焼結金属製軸受を製造することが提案されている。このようにすれば、MnS粉末は、Fe系金属中に固溶することがなく、また焼結温度でも熱分解しないため、焼結金属製軸受の良好な摺動特性を実現することができる。
【特許文献1】実開平5−52347号公報
【特許文献2】特開2001−3123号公報
【特許文献3】特開2006−242224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、MnS粉末は材料コストが高いため、たとえFe系金属粉末を使用したとしても、焼結金属製軸受の低コスト化を図る上では依然として不十分である。
【0011】
本発明は、上記実情に鑑み、オイルレス環境下でも優れた摺動特性を発揮し得る焼結金属製軸受を低コストで製造することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために創案された本発明に係るFe系焼結金属製軸受は、Fe系焼結金属中にMnSを含有するFe系焼結金属製軸受であって、Fe系金属粉末に、Mn粉末とS粉末を混合した混合粉末の圧粉成形体を焼結することにより、該焼結時の熱で前記Mn粉末と前記S粉末を反応させ、Fe系焼結金属中にMnSを含有させたことを特徴とする。なお、ここでいうFe系金属粉末は、純鉄に限らず、ステンレス鋼等のFe系合金からなる粉末を含む(以下、同様)。
【0013】
このような構成によれば、安価なMn粉末とS粉末を使用して、Fe系焼結金属中にMnSを含有させることができ、しかもMn粉末とS粉末の反応には焼結時の熱がそのまま利用される。したがって、高価なMnS粉末を使用する場合に比べて、焼結金属製軸受の製造コストを確実に低減することが可能となる。また、このように製造された焼結金属製軸受であれば、MnS粉末を使用した場合と同様に、最終的にFe系焼結金属中にMnSが含有されることになるので、潤滑油等の使用が制限される環境下でも非常に優れた摺動特性を発揮することが可能となる。
【0014】
上記の構成において、前記混合粉末は、モル比で、前記Mn粉末が前記S粉末以上配合されていることが好ましい。
【0015】
Mn粉末とS粉末を反応させてFe系焼結金属中にMnSを含有させる場合、Mn粉末とS粉末は1:1のモル比で反応する。そのため、仮に、モル比で、S粉末がMn粉末よりも多く配合されている場合には、Fe系焼結金属中にSが単独で残留するおそれがあり、相手部材を腐食させる可能性がある。その一方で、Fe系焼結金属中にMnが単独で残留していても、特に問題となることはない。したがって、Mn粉末は、S粉末と同じモル比か、或いはS粉末以上のモル比で配合されていることが好ましい。なお、Fe系焼結金属中にSが単独で残留するのを防止する観点からは、モル比で、Mn粉末をS粉末よりも多く配合することがより好ましい。このようにすれば、Fe系焼結金属中にMnが残留するものの、Sが残留する可能性を可及的に低減することができる。
【0016】
上記の構成において、前記混合粉末は、前記Mn粉末と前記S粉末とが1:1のモル比で、かつ、全体の1〜10重量%配合されていることが好ましい。
【0017】
すなわち、Mn粉末とS粉末をモル比1:1で配合した場合、その配合量が混合粉末全体に対して1重量%未満であると、焼結時の熱でMn粉末とS粉末を反応させ、Fe系焼結金属中にMnSを含有させたときに、MnSの含有量が不十分となって良好な摺動特性が得られないことがある。一方、モル比1:1で配合されたMn粉末とS粉末を、混合粉末全体に対して10重量%を超える割合で配合したとしても、摩擦係数のそれ以上の顕著な低下はみられず、配合したMn粉末やS粉末に無駄が生じてしまう。したがって、Mn粉末とS粉末をモル比1:1で配合した場合には、Mn粉末とS粉末が混合粉末全体に対して上記数値範囲内の重量%で配合されていることが好ましい。
【0018】
上記課題を解決するために創案された本発明に係るFe系焼結金属製軸受の製造方法は、Fe系焼結金属中にMnSを含有するFe系焼結金属製軸受の製造方法において、Fe系金属粉末に、Mn粉末とS粉末を混合した混合粉末を圧粉成形した後、該混合粉末の圧粉成形体を焼結することにより、該焼結時の熱で前記Mn粉末と前記S粉末を反応させ、Fe系焼結金属中にMnSを含有させることを特徴とする。
【0019】
このような方法によれば、既に述べた段落[0013]に記載した事項と同様の作用効果を享受することができる。
【0020】
上記の方法において、前記混合粉末は、モル比で、前記Mn粉末を前記S粉末以上配合されていることが好ましい。
【0021】
このようにすれば、既に述べた段落[0015]に記載した事項と同様の作用効果を享受することができる。
【0022】
上記の方法において、前記混合粉末は、前記Mn粉末と前記S粉末とが1:1のモル比で、かつ、全体の1〜10重量%配合されていることが好ましい。
【0023】
このようにすれば、既に述べた段落[0017]に記載した事項と同様の作用効果を享受することができる。
【0024】
上記の方法において、前記混合粉末を、前記Mn粉末と前記S粉末を予め混合させたものを前記Fe系金属粉末と混合することにより得ることが好ましい。
【0025】
このようにすれば、予めMn粉末とS粉末がファンデルワールス力や静電気力等によってある程度密着した状態で、Fe系金属粉末と混合されるので、焼結時の加熱過程におけるMn粉末とS粉末との反応性が増し、Fe系焼結金属中にMnSを効率よく含有させることが可能となる。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明によれば、オイルレス環境下でも優れた摺動特性を発揮し得る焼結金属製軸受を低コストで製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係るFe系焼結金属製軸受1の縦断面図を示している。同図に示すように、この焼結金属製軸受1は略円筒状をなし、焼結金属の多孔質体で形成されている。
【0029】
この焼結金属製軸受1は、焼結時の熱でMn粉末とS粉末を反応させて形成したMnSを含有している(詳細は後述する)。そのため、この焼結金属製軸受1は、MnSの固体潤滑剤としての機能によって、内周側に配設される軸との間に良好な摺動特性を確保しながら軸を相対回転自在に支持することが可能となっている。
【0030】
なお、本実施形態に係る焼結金属製軸受1は、略円筒状の形状をなすため、ラジアル荷重を負荷することができ、例えば、家庭電化製品、音響・映像機器、自動車電装品、事務機、農業機械などに広く利用することができる。
【0031】
次に、上述した焼結金属製軸受1の製造方法を説明する。図2は、この焼結金属製軸受1の製造方法を模式的に示すフロー図である。同図に示すように、当該焼結金属製軸受1の製造方法は、原料となるFe系金属粉末とMn粉末とS粉末とを混合する粉末混合工程(S1)と、混合粉末を成形金型内に充填し、圧粉成形する圧粉成形工程(S2)と、圧粉成形体を焼結する焼結工程(S3)とを含む。以下、各工程を順に説明する。
【0032】
粉末混合工程S1では、Mn粉末2とS粉末3とを混合した後、この第1混合粉末4をSUS粉末等のFe系金属粉末5と混合して第2混合粉末6を得る。このように2段階に分けて粉末を混合するのは、予めMn粉末2とS粉末3とをファンデルワールス力や静電気力等によってある程度密着させてから、主成分であるFe系金属粉末5と混合するためである。この際、第1混合粉末4は、モル比で、Mn粉末2がS粉末3以上になるように配合する。なお、この実施形態では、Mn粉末2とS粉末3を、モル比で1:1で混合する。そして、この第1混合粉末4が、第2混合粉末6全体の1〜10重量%(好ましくは1.5〜2.5重量%)になるような配合割合で、Fe系金属粉末5と混合する。
【0033】
圧粉成形工程S2では、粉末混合工程S1で得られた第2混合粉末6を、成形金型内部に充填し、これを圧粉成形することで圧粉成形体7を得る。成形金型は、図示例では、第2混合粉末6の充填空間を形成するダイ8と、コアピン9と、下パンチ10と、ダイ8とコアピン9、および下パンチ10に対して相対的に上下動が可能な上パンチ11とで構成される。ダイ8、コアピン9、および下パンチ10で区画形成される空間に第2混合粉末6を充填し、当該空間に充填された第2混合粉末6を上パンチ11により圧縮することで、成形金型の区画空間に倣った形状の圧粉成形体7が成形される。ここで、図示例ではダイ8、コアピン9、および上下パンチ10,11とで形成される区画空間は円筒状をなすため、当該空間に倣った円筒状の圧粉成形体7が成形される。この際、ダイ8およびコアピン9に対する下パンチ10の相対位置を調整することで、第2混合粉末6の充填量が設定でき、また、下パンチ10に対する上パンチ11の近接量を調整することで、圧粉成形体7の圧縮比を適宜設定することが可能である。もちろん、圧粉成形体7の形状は円筒状に限るものではなく、上記金型8〜11の形状、構成を変更することで適宜調整可能である。
【0034】
焼結工程S3では、焼結炉12内で上述の圧粉成形工程S2で得られた圧粉成形体7を、Fe系金属粉末5の焼結温度(例えば、1200℃)まで加熱することで焼結する。この際、圧粉成形体7の表面を酸化させないように、AXガスや水素ガス雰囲気などの還元性雰囲気で段階的に加熱することが好ましい。
【0035】
このようにして、圧粉成形体7をFe系金属粉末5の焼結温度まで加熱することで、その加熱過程で、圧粉成形体7に含まれるMn粉末2とS粉末3とが反応してMnSが生成される。したがって、焼結後のFe系焼結金属中には、MnSが分散した状態で含有されることになるので、潤滑油等の使用が制限される環境下でも非常に優れた摺動特性を発揮することが可能となる。そして、安価なMn粉末2とS粉末3を使用してFe系焼結金属中にMnSを含有させることができるので、高価なMnS粉末を使用する場合に比べて、焼結金属製軸受1の製造コストを確実に低減することが可能となる。
【0036】
なお、焼結工程S3の後に、サイジング工程を設け、当該工程で焼結工程S3で得られた焼結金属製軸受1にサイジング(プレス)加工を施して、形状及び寸法を矯正するようにしてよい。
【0037】
以上のようにして製造された焼結金属製軸受1は、その表面開孔率が5〜50%であることが好ましく、またその密度が5.5〜7.5g/cmであることが好ましい。
【0038】
また、製造された焼結金属製軸受1の中には、MnSの他にも、上述したMn粉末2に由来するMnが単独成分で残留するようにしてもよい。これは、Mn粉末2とS粉末3とが焼結時の熱で反応する際に、焼結温度よりも蒸発温度の高いMn粉末2のうちS粉末3と反応しなかったものは単体のMnとして残留し、焼結温度よりも蒸発温度の低いS粉末3のうちMn粉末2と反応しなかったものは全て蒸発・飛散する場合があるためである。なお、焼結金属製軸受1にMnが単独成分で含有されているか否かは、例えば、SEMで観察された範囲内の元素分析(面分析)を行うことにより判断することができる。すなわち、Mn成分を示す分布の中に、Mn成分を示す分布と重複していない領域がある場合には、Mnが単独成分で存在していると判断することができる。なお、このとき、Mn成分を示す分布と、S成分を示す分布が重複している領域については、MnSが存在していると判断することができる。
【0039】
さらに、上記の実施形態では、焼結金属製軸受の材料として、Fe系金属粉末5に、Mn粉末2とS粉末3とを混合したものを使用したが、もちろん、バインダや離型剤など、他の材料を更に配合することも可能である。例えば、Cu粉末などが、Fe系金属粉末5のバインダとして使用可能である。
【0040】
また、上記実施形態では、焼結金属製軸受に、潤滑油等が含浸されていない場合を説明したが、潤滑油等の使用が制限されない通常の環境下で使用する場合には、焼結金属製軸受に潤滑油や液体グリースを含浸させて、いわゆる焼結含油軸受として使用することも、もちろん可能である。この場合、含油率は、5〜25体積%とすることが好ましい。
【0041】
なお、上記の実施形態では、焼結金属製軸受1として略円筒状のものを説明したが、これに限定されるものではなく、種々のタイプの焼結金属製軸受に対しても勿論適用することができる。具体的には、例えば図3に示すように、外周面にフランジ部1aを有する焼結金属製軸受1であってもよく、このようにすれば、ラジアル荷重とアキシアル荷重が負荷できると共に、フランジ部1aでの位置決めが可能となる。また、例えば図4に示すように、外周面が略球面をなすスフェリカル形の焼結金属製軸受1であってもよく、このようにすれば、ラジアル荷重が負荷できると共に、機器に取り付ける際の調心機能も確保することが可能となる。
【実施例】
【0042】
本発明の有用性を実証するために以下の確認試験を行った。
【0043】
まず、Mn粉末とS粉末をモル比1:1で混合して第1混合粉末を製作した。その後、この第1混合粉末を、Fe系金属粉末であるSUS410L粉末と混合して第2混合粉末を製作した。このとき、第1混合粉末は、第2混合粉末全体に対して30%になるように配合した。その後、このようにして製作された第2混合粉末を6ton/cm程度の圧力で圧粉成形した後、この圧粉成形体を1100℃程度の温度で約8時間にわたって焼結することで焼結金属製軸受を製造した。なお、上記の第1混合粉末としては、Mn粉末とS粉末とを1.8ks間単純に攪拌しながら混合したもの(mix)と、Mn粉末とS粉末とを0.3〜3.6ks間メカニカルアロイニングすることにより混合したもの(MA)を使用した。
【0044】
そして、以上のように製造された焼結金属製軸受の中にMnSが含有されているかを確認するために、X線回折パターンを測定した。また、比較のためにMnS粉末を使用して焼結金属中にMnSを含有させた焼結金属製軸受のX線回折パターンも測定した。これらの結果を図5に示す。
【0045】
同図に示すように、MnS粉末を使用して製造された焼結金属製軸受と同様に、Mn粉末とS粉末を使用して製造した実施例に係る焼結金属製軸受においても、MnSの存在を示す29度,34度,49度の回折角においてピークが現われていることが確認できる。したがって、この結果からも、焼結時の熱によりMn粉末とS粉末が反応して、焼結金属中にMnSが含有した焼結金属製軸受が製造されていると言える。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係るFe系焼結金属製軸受を模式的に示す縦断面図である。
【図2】本実施形態に係るFe系焼結金属製軸受の製造方法を模式的に示すフロー図である。
【図3】本実施形態に係るFe系焼結金属製軸受の変形例を示す縦断面図である。
【図4】本実施形態に係るFe系焼結金属製軸受の変形例を示す縦断面図である。
【図5】本発明の実施例に係るFe系焼結金属製軸受のX線回折パターンを示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1 Fe系焼結金属製軸受
2 Mn粉末
3 S粉末
4 第1混合粉末
5 Fe系金属粉末
6 第2混合粉末
7 圧粉成形体
8 ダイ
9 コアピン
10 下パンチ
11 上パンチ
12 焼結炉
S1 粉末混合工程
S2 圧粉成形工程
S3 焼結工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Fe系焼結金属中にMnSを含有するFe系焼結金属製軸受であって、Fe系金属粉末に、Mn粉末とS粉末を混合した混合粉末の圧粉成形体を焼結することにより、該焼結時の熱で前記Mn粉末と前記S粉末を反応させ、Fe系焼結金属中にMnSを含有させたことを特徴とするFe系焼結金属製軸受。
【請求項2】
前記混合粉末は、モル比で、前記Mn粉末が前記S粉末以上配合されている請求項1に記載のFe系焼結金属製軸受。
【請求項3】
前記混合粉末は、前記Mn粉末と前記S粉末とが1:1のモル比で、かつ、全体の1〜10重量%配合されている請求項2に記載のFe系焼結金属製軸受。
【請求項4】
Fe系焼結金属中にMnSを含有するFe系焼結金属製軸受の製造方法において、
Fe系金属粉末に、Mn粉末とS粉末を混合した混合粉末を圧粉成形した後、該混合粉末の圧粉成形体を焼結することにより、該焼結時の熱で前記Mn粉末と前記S粉末を反応させ、Fe系焼結金属中にMnSを含有させることを特徴とするFe系焼結金属製軸受の製造方法。
【請求項5】
前記混合粉末は、モル比で、前記Mn粉末が前記S粉末以上配合されている請求項4に記載のFe系焼結金属製軸受の製造方法。
【請求項6】
前記混合粉末は、前記Mn粉末と前記S粉末とが1:1のモル比で、かつ、全体の1〜10重量%配合されている請求項5に記載のFe系焼結金属製軸受の製造方法。
【請求項7】
前記混合粉末を、前記Mn粉末と前記S粉末を予め混合させたものを前記Fe系金属粉末と混合することにより得る請求項4〜6のいずれか一項に記載のFe系焼結金属製軸受の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−1514(P2010−1514A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−159662(P2008−159662)
【出願日】平成20年6月18日(2008.6.18)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】