HMG蛋白質(highmobilitygroupprotein)遺伝子の核酸配列およびそれらの使用
【課題】腫瘍を含むさまざまな疾患を治療するための因子を提供する。
【解決手段】血管系の形成に影響し、また避妊および組織を再生するための因子であるMAG遺伝子またはHMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子のDNA配列の使用、ならびに適切なキットおよび方法。説明された配列、因子、使用、キット、および方法は、さまざまな疾患、血管系の形成、避妊、および組織再生に関する基礎を共同して形成する分子機構に特異的に影響することを可能にする。
【解決手段】血管系の形成に影響し、また避妊および組織を再生するための因子であるMAG遺伝子またはHMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子のDNA配列の使用、ならびに適切なキットおよび方法。説明された配列、因子、使用、キット、および方法は、さまざまな疾患、血管系の形成、避妊、および組織再生に関する基礎を共同して形成する分子機構に特異的に影響することを可能にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、DNA配列、それらの使用、およびさまざまな病気の治療を目的とする、ならびに避妊および組織再生を目的とする基質である、MAG遺伝子またはHMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子のDNA配列の使用、ならびにそれに関連したキットおよび方法である。
【背景技術】
【0002】
良性および悪性の腫瘍の増殖をともなう、異常な細胞増殖の分子的基盤を調べたところ、いわゆるMAG遺伝子(多発性腫瘍異常増殖遺伝子)が、HMG蛋白質(high mobility group protein (HMG遺伝子))遺伝子の属するグループに属するものとして同定された。
【0003】
ヒトの第12染色体に位置するHMGI-C遺伝子およびHMGI-C遺伝子に比べると、既知のHMG遺伝子の中で最も相対的に相同性の程度が高い、第6染色体上のHMGI-Y遺伝子などのHMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子は、大抵、DNA結合蛋白質部位をコードする部分と、蛋白質結合部位をコードする部分とを持っている。
【0004】
シェーンマカー(Schoenmaker)の(Schoenmakerら、Nature Genet 10: 436-444 (1995)(非特許文献1))研究によって、HMGI-C遺伝子の突然変異が、多くの良性のヒト腫瘍が形成される、最も可能性の高い原因であることが明らかにされており、この良性のヒト腫瘍のいくつかのグループは、子宮筋腫、脂肪腫、唾液腺の多形腺腫、子宮内膜ポリープ、肺の過誤軟骨腫、攻撃性血管粘液腫、および乳房の線維腺腫である。
【0005】
多形腺腫を除く上記の腫瘍はすべて、間葉起源であるか、またはモノクローナルであると考えられる間葉成分を含んでいる。現在、組織発生についてはまだ完全には決定されておらず、腫瘍形成への間葉細胞の関与に関する議論があるが、多形腺腫は上皮腫瘍であると最も強く考えられている。多くの腫瘍は、時々または定常的に間葉の化生を示す。また、顕著なのは、多くの腫瘍において粘液様軟骨が現れることであり、これは例えば、肺の過誤軟骨腫および多形腺腫の特徴である。
【0006】
アシャー(Ashar)(Asharら、Cell 82: 57-65 (1995)(非特許文献2))は、脂肪腫グループについて、シェーンマカー(Schoenmaker)の(Schoenmakerら、Nature Genet 10: 436-444(1995)(非特許文献1))知見を確認した。3'cDNA末端(3' RACE PCR)を迅速に増幅し、および/またはインサイチューハイブリダイゼーションにおける蛍光発光させるための、ポリメラーゼ連鎖反応法を用いて、第12染色体のq14〜15の領域の構造的な染色体異常として細胞遺伝学的に現れる突然変異を証明することができる。HMGI-C遺伝子の第三イントロン、より稀には、第四イントロンで、しばしば切断が起きることが分かった。切断によって、遺伝子の3'側に位置する構成部分は、本来の配列から分離され、いわゆる異所性DNA配列によって置換される。このような異所性配列は、明らかに、別の遺伝子から生成される。HMGI-CのDNA結合部分をコードする部分を有する異所性配列の融合遺伝子は、この結果できた第12染色体の派生配列上に残存し、細胞の中で、本来の転写物とともに、融合転写物として発現される。例えば、遺伝子領域内でのエンハンサーの移動によってもたらされる遺伝子発現のみが、腫瘍の増殖という結果をもたらすことができるか否かは分かっていない。
【0007】
上記の腫瘍の多くに、染色体6p21バンドの変化を特徴とするサブグループがあることに注目すべきである。既に上記で示されているように、HMGI-C遺伝子を比較すると、既知のHMG遺伝子すべての中で最も高い相同性を有するHMGI-Yに対する遺伝子は、このバンドの中に位置するため、この遺伝子の突然変異もまた、上記の腫瘍の多くにおいて、ある種の役割を担っているのかもしれない。
【0008】
最新技術において説明されている因子で、血管新生物、すなわち、(新生)脈管形成、(新生)血管形成、および腫瘍脈管形成などに影響を与える目的、および糖尿病に関連して、よく起きる新生血管形成のために生じる失明を予防する目的、また例えば、子宮内膜症を治療する目的、避妊および組織再生の目的で用いられる因子は、最終的な効果を達成するために、間接的な機構を用いるという特徴を有する。
【0009】
間接的な機構とは、それぞれの因子それ自体、またはこの因子によって形成もしくは活性化されるエフェクター分子が、場合によっては、レセプター、または大なり小なり特異的なレセプター様構造を用いて、標的細胞に作用し、また、各々の現象または病像に関係する遺伝子または配列の翻訳および/または転写に影響を与えることを可能にする構造自体に固有な特異性をもたずに、細胞活性に干渉することを意味する。
【0010】
この機構から、多くの基本的な不利益を取り除くことができる。非特異的なレセプター機構、またはレセプターもしくはレセプター様構造の交差反応性のために、該因子は、しばしば、標的組織または標識細胞として、別の組織の中に受容される。このようなわけで、特異的で効果的な位置がないために、重大な副作用を予測しなければならないのである。さらに、細胞の中での反応に対する該因子の影響は、標的細胞に望ましい効果をもたらしたり、もたらさなかったりという、無視できないような障害を引き起こす。
【0011】
特に問題なのは、最新技術の因子によって、血管新生物に影響を与えることである。自然治癒が起こるという希望を除けば、臨床計画における、唯一の別の一般的な選択は、血管を移植することである。適当な血管が利用できるかが、非常に基本的な問題である。
【0012】
腫瘍脈管形成を予防するために血管新生物に影響を与えることは、適当な、しかし、典型的には全身的な因子を用いて調査されている有効な癌治療にとって期待が持てるように思える。しかし、このような全身的な因子の使用は、上述のような、また、類似の非特異的な放射線療法によって起きるような、それに対応する負の効果が伴う。
【0013】
数多くの原因で失明が起き、同じ数だけの異なる治療を、今日では利用することができる。糖尿病を患う患者の視力が、全盲をもたらすこともある新生血管形成によって損なわれることが知られている。糖尿病を治療することで、失明を遅らせることが可能であるが、糖尿病の治療とは別に、新生血管形成によって起こる失明を治療または予防することを特に可能にする因子に対する緊急の必要性がある。
【0014】
避妊の目的のために用いられるホルモン剤の副作用は、十分に知られており、製薬会社などの懸命の努力にも関わらず、未だに存在している。経口避妊薬開発の中心的な問題は、受精卵の着床後に起きる妊娠を確実に阻害するような十分に許容され信頼できる薬物に対する要求がいまだにあるという事実である。
【0015】
最後に、組織再生は、とりわけ、皮膚培養の分野における成功にもかかわらず、未だに広く未解決な問題である。典型的には、少なくともいくつかの組織を再生させるために、複合栄養溶液が用いられる。しかし、各因子を標的とした混合液では滅多にうまく行かないため、複合的な培地または培地混合液が必要となるが、用いられるこの複合的な培地または培地混合液のために、処理の再現性が必ずしも確実でなくなる。各組成物が望ましい態様で各組織の再生を可能にすることが知られていたとしても、このような組成物の間接的な作用による副作用も予想しなければならない。さらに、再生された組織を受容する患者だけでなく、再生される組織の提供者も、再生処理に必要とされる生物源のために、大きな危険を負うことになるかもしれない。
【0016】
腫瘍の治療は、いまだに、医学にとって最も大きな難題の一つを提起している。広範な努力にもかかわらず、特異的な治療法はほとんどない。しばしば、化学療法と放射線療法が、唯一の選択手段であるが、それらには、それらの治療法自体を用いることが問題となるような、本質的な副作用がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Schoenmakerら、Nature Genet 10: 436-444 (1995)
【非特許文献2】Asharら、Cell 82: 57-65 (1995)
【発明の概要】
【0018】
本発明は、例えば、そのような治療に通常、付随する副作用を軽減しながら、病気を治療するための因子または生物系に影響を与えるための因子を提供するのに適当で、利用可能なDNA配列の説明と作成法で埋められている。
本発明のもう一つの目的は、MAG遺伝子またはHMG蛋白質遺伝子の配列の新しい使用を示し、病気の特異的な治療のための因子または生物系に影響を与えるための因子を、通常それらに付随する副作用を軽減しながら提供することにある。
本発明の目的は、図1から19に示された少なくとも一つの配列によって特徴づけられるDNA配列によって達成される。
一つの態様において、DNA配列は、部分的または完全に、HMGI-C遺伝子の配列に相当する。
別の態様において、図1から19に示された配列の一部が、HMGI-C遺伝子のDNA配列の一部を構成する。
DNA配列は、図1から19に示されたDNA配列に対する突然変異配列であってもよい。
本発明は、各相補鎖および両鎖を改変したものを含む図1から19に示された配列と同じ配列を、DNA配列が本来は有することを提唱している。
またはDNA配列が、図1から19に示された配列と、本来、機能的に一致する核酸配列であることを提唱する。
一つの態様において、本発明に係るDNA配列は、それに対応する翻訳産物のDNA結合部分をコードする少なくとも一つの配列を持っている。
または本発明に係るDNA配列が、それに対応する翻訳産物のDNA結合部分をコードする配列をもっていない。
好ましい態様において、本発明に係るDNA配列は、それに対応する翻訳産物の蛋白質結合部分をコードする配列を置換または補足する、一つまたは数個のSr配列をもっている。
特に好ましい態様において、Sr配列は、ヒトゲノムのその他の配列、その他の(ドナー)生物の配列、および人工的配列、ならびにそれらを組み合わせたものからなる群より選択される。
別の態様において、図1から19に示された配列は、HMGI-C遺伝子の異常な転写物である。
【0019】
以下の段落において、上記の配列は、SATと呼ばれる。
本発明はまた、少なくとも一つの転写プロモーターで、さらに下流に、少なくとも一つのSAT配列が続くプロモーターを含む発現ベクターも説明している。
さらに、本発明は、本発明に係る発現ベクターで遺伝子導入または形質転換された宿主細胞を含む。
好ましい態様において、宿主細胞は、原核生物の細胞である。
さらに別の態様において、宿主細胞は、真核生物の細胞である。
好ましい態様において、真核生物の細胞は、酵母の細胞である。
特に好ましい態様において、真核生物の細胞は、哺乳動物の細胞である。
さらに、本発明は、SAT配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在し、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない翻訳産物である蛋白質について説明する。
【0020】
本発明の目的の、さらに別の局面は、血管新生物に影響を与えるために、本発明に係るSAT配列を、少なくとも一つ使用することによって達成される。
本発明はまた、本発明の目的が、血管新生物に影響を与えるために、MAG遺伝子を使用することによって達成される局面を説明している。
本発明の目的を達成する別の局面は、血管新生物に影響を与えるために、少なくとも一つのHMG蛋白質遺伝子を使用することである。
好ましい態様において、HMG蛋白質遺伝子は、HMGI-C遺伝子およびHMGI-Y遺伝子からなる群より選択される。
【0021】
以下の段落においては、上記の遺伝子または遺伝子群は、GGと名付けられている。
GG遺伝子と本質的に同じ塩基配列を有する配列を使用することができる。
またはGG遺伝子の配列と本質的に同じ機能の塩基配列を有する配列を使用することができる。
【0022】
以下の段落では、上記で定義された配列は、上記で定義されたGG遺伝子とともにSG配列と名付けられている。
別の態様において、SG配列は、対応する翻訳産物のDNA結合成分をコードする少なくとも一つの配列を有する。
本発明の、もう一つの選択肢において、本発明に係るSG配列およびそれらの派生配列は、対応する翻訳産物の蛋白質結合部分をコードする配列をもたない。
さらに、本発明に係るSG配列または派生配列は、それに対応する翻訳産物の蛋白質結合部分をコ−ドする配列を置換または補足する、一つまたは数個のSr配列をもっている。
Sr配列は、ヒトゲノムのその他の配列、その他の(ドナー)生物の配列、および人工的配列、ならびにそれらを組み合わせたものからなる群より選択することができる。
【0023】
一態様において、本発明に係るSATおよびSG配列ならびにその誘導体は、二本鎖、および/またはコーディングおよび/もしくは非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAである。
本発明に係るSATおよびSG配列ならびにその誘導体は、天然型および/もしくは変異型、および/または断片状もしくは非断片状であってもよい。
本発明の一態様において、本発明に係るSATおよびSG配列およびその誘導体は、少なくとも一つのプロモーターおよび/または少なくとも一つのエンハンサー因子および/または少なくとも一つの転写終結因子および/または少なくとも一つの耐性遺伝子および/または少なくとも一つの追加のマーカー遺伝子を有してもよい。
一態様において、本発明に係るSATおよびSG配列またはそれらの誘導体の少なくとも一つは宿主系にクローニングされてもよい。
この場合には、本発明に係るSATおよびSG配列ならびにその誘導体は少なくとも一度コピーされる。
【0024】
以下の段落において、上記のGG遺伝子、SG配列およびそれらに由来する配列または異なる態様はST配列と称する。
本発明に係る本発明の目的は、血管新生に影響を与えるために使用され、一本鎖または二本鎖としてのセンスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNAおよびアンチセンスcDNAならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも一つの薬物MSを含む薬物を用いることによって、達成される。
薬物(類)MSの配列(類)は、天然型もしくは変異型であってもよく、および/または全長もしくは断片であってもよく、および/または化学的に修飾されていてももしくは化学的に修飾されていなくてもよい。
本発明の好ましい態様において、MS薬物(類)の配列は、全長もしくは断片の天然型もしくは変異型の、一つまたはいくつかのSTまたはSAT配列(類)および/または対応する転写物(類)に相当する。
【0025】
以降の段落において、核酸を含む群より選択される薬物をMMAKS薬物と称する。 また、本発明の目的は、血管新生に影響を与えるために使用され、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される少なくとも一つの薬物MPを含む薬物を用いることによって、達成される。
MP薬物が、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片のSTまたはSAT配列および/またはその対応する転写物(類)に対して作用する場合には特に好ましい。
特に好ましい態様において、MP薬物は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片のSTまたはSAT配列またはいくつかの配列および/またはその対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片であり、グリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない一つまたはいくつかの翻訳産物に対して作用する。
また、本発明の範囲内において、本発明に係る薬物MPは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片の、一つまたはいくつかのSTまたはSAT配列および/または翻訳産物(類)および/またはその対応する転写物(類)に対して作用する抗体または該抗体断片に対して作用する。
また、本発明の薬物MPは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片の、STまたはSAT配列および/またはその対応する転写物(類)の一つまたはいくつかの、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片であり、グリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない一つまたはいくつかの翻訳産物に対して作用する抗体または該抗体断片に対して作用することができる。
【0026】
以下の段落において、抗体および断片ならびにその誘導体から選択される上記の薬物をMMAKP薬物と称する。
本発明によると、本発明の目的はまた、血管新生に影響を与えるために使用され、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片の一つまたはいくつかのSTもしくはSAT配列および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片であり、グリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的に修飾されたまたは化学的に修飾されていない、少なくとも一つの翻訳産物を含む薬物を用いることにより達成される。
【0027】
以下の段落において、上記の翻訳産物を翻訳産物TPと称する。
最後に、本発明の目的は、血管新生に影響を与えるために使用され、少なくとも一つの発現阻害因子および/または少なくとも一つの発現刺激因子を含む、本発明に係る薬物を用いることにより達成される。
発現阻害因子および/または発現刺激因子が、それぞれの遺伝系の他の遺伝子と比較して、STまたはSAT配列の一つまたはいくつかに対してより高い特異性を有する場合、特に好ましい。
発現阻害因子および/または発現刺激因子が一つまたはいくつかのSTまたはSAT配列に特異的である場合が特に好ましい。
上記の発現阻害因子を発現阻害因子Iと呼び、上記発現刺激因子を薬物ESと称する。
【0028】
本発明に係る、血管新生に影響を与えるための薬物の一用途は、血管形成に関する。
血管形成を減少させおよび/または阻害する作用が特に好ましい。
別の方法として、血管形成が刺激されてもよい。
血管新生に対する影響が腫瘍の血管形成に影響を与える態様が特に好ましい。
また、本発明に係る、血管新生に影響を与えるための薬物の一用途は血管新生に関する。
この場合には、血管新生が刺激される態様が特に好ましい。
別の方法として、血管新生を減少または阻害する。
本発明の別の局面は、本発明に係る血管新生に影響を与えるための薬物を少なくとも一つ使用している間の、新血管新生による失明の治療および/または予防に関する。
最後に、本発明の別の局面は、本発明に係る血管新生に影響を与えるための少なくとも一つの薬物を使用している間に、心筋梗塞障害を有する心筋組織の血管供給を改善することである。
ヒトおよび/または動物に対して本発明に係る薬物を使用することが可能である。
また、ヒトおよび/または動物における治療的用途および/または診断的用途のための薬物を使用することができる。
また、薬物をインビトロで使用することができる。
本発明に係る薬物の少なくとも一つの、本発明に係る別の用途は、血管新生に影響を与えるための治療的用途および/または診断的用途のための医薬品を製造する際に使用することである。
【0029】
本発明の別の局面は、少なくとも一つのMMAKSおよび/または一つのMMAKP薬物を含有する、血管新生に影響を与えるためのキットについて記載する。
キットは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片のSTまたはSAT配列および/またはその対応する転写物の一つまたはいくつかの、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片であり、グリコシル化された、または一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾されたまたは化学的に修飾されていない、少なくとも一つの翻訳産物を含有することができる。
少なくとも一つの発現阻害因子Iおよび/または少なくとも一つの発現刺激因子ESは、キットの一態様に含まれる。
本発明の特に好ましい態様において、キットは少なくとも一つのMMAKSおよび/または少なくとも一つのMMAKP薬物および/または一つの転写物TPおよび/または少なくとも一つの発現阻害因子Iおよび/または少なくとも一つの発現刺激因子ESを含有する。
特に好ましい態様において、キットは腫瘍の血管形成に影響を与えるために使用され得る。
別の態様において、キットは血管形成に影響を与えるために使用される。
血管新生に影響を与えるためにキットを使用することもできる。
別の方法は、血管新生を阻害するためにキットを使用することである。
別の方法は、血管新生を刺激するためにキットを使用することである。
最後に、新血管新生を治療および/または予防するためにキットを使用することができる。
また、心筋梗塞により損傷された心筋組織の血管供給を改善するために、本発明に係るキットを使用することができる。
治療処置のためおよび/または診断目的のためにキットを使用してもよい。
キットをヒトおよび/または動物に使用することができる。
最後に、キットをインビトロ系で使用することができる。
【0030】
子宮内膜症を治療するために本発明に係るSAT配列の少なくとも一つを使用することにより、本発明に係る目的が達成される。
本発明が達成される広い局面において、本発明は子宮内膜症を治療するためにMAG遺伝子を使用することに関する。
本発明の目的が達成される本発明のさらに別の局面は、子宮内膜症を治療するために、少なくとも一つのHMG蛋白質遺伝子を使用することに関する。
好ましい態様において、HMGI-C遺伝子およびHMGI-Y遺伝子からなる群より選択されるHMG蛋白質遺伝子が提供される。
【0031】
上記の遺伝子および/または遺伝子群は以降、GG遺伝子と称する。
本質的にGG遺伝子と同じ配列の核酸を有する配列が使用されることが提供され得る。
別の態様おいて、本質的にGG遺伝子と同じ機能である核酸配列を有する配列が使用され得る。
上記に規定される配列および上記に規定されるGG遺伝子は以降、SG配列と称する。
さらに別の態様において、SG配列が、対応する翻訳産物(類)のDNA結合部分をコードする少なくとも一つの配列を有することが提供される。
本発明のさらに別の態様において、SG配列およびそれらの誘導体が、対応する翻訳産物(類)の蛋白質結合部分をコードするいかなる配列も有さないことが提供される。
【0032】
本発明に係るSG配列またはそれらの誘導体が、対応する翻訳産物(類)の蛋白質結合部分をコードする配列(類)を置換する一つまたはいくつかのSr配列を有することがさらに提供され得る。
この場合には、Sr配列は、ヒトゲノムの他の配列、他の(ドナー)生物および人工的配列ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されうる。
【0033】
一態様において、本発明に係るSATまたはSG配列ならびにそれらの誘導体は、二本鎖、および/またはコーディングおよび/もしくは非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAとして含有されることが提供される。
本発明に係るSATまたはSG配列ならびにそれらの誘導体は、天然型および/もしくは変異型、および/または断片もしくは全長で含有されることがさらに提供され得る。
【0034】
本発明の一態様において、本発明に係るSATまたはSG配列ならびにそれらの誘導体は、少なくとも一つのエンハンサー因子および/または少なくとも一つの転写終結因子および/または少なくとも一つの耐性遺伝子および/または少なくとも一つのマーカー遺伝子を有する。
一態様において、本発明に係るSATもしくはSG配列またはそれらの誘導体の少なくとも一つは宿主系においてクローンとして存在する。
この場合には、本発明に係るSATもしくはSG配列またはそれらの誘導体は少なくとも一つのコピー内に含有されることが提供される。
上記GG遺伝子、SG配列およびそれらから誘導される配列または種々の態様は以降、ST配列と称する。
【0035】
一本鎖および/または二本鎖としてのセンスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNAおよびアンチセンスcDNAならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも一つの薬物MSを含む、子宮内膜症を治療するための薬物により、本発明に係る目的が達成される。
【0036】
薬物(類)MSの配列(類)は、天然型および/または変異型および/または全長もしくは断片および/または化学的に修飾された形態または化学的に修飾されていない形態で含有されることが提供され得る。
好ましい態様において、薬物(類)MSの配列は、天然型もしくは変異型の全長もしくは断片で存在するST配列(類)または対応する転写物(類)に相当する。
核酸を含む群より選択される上記の薬物は以下においてMMAKSと称する。
【0037】
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される少なくとも一つの薬物MPを含む、子宮内膜症を治療するための薬物により、本発明の目的はさらに達成される。
薬物MPは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片のSTまたはSAT配列(類)および/またはその対応する転写物(類)に対する場合が特に好ましい。
特に好ましい態様において、薬物MPは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片の一つのもしくはいくつかのSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片、および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない一つまたはいくつかの翻訳産物に対して作用する。
【0038】
また、本発明に係る薬物MPが、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片の一つ以上のSTまたはSAT配列および/またはその対応する転写物(類)に対して作用する、抗体または該抗体断片に対して作用することは本発明の範囲内である。
また、本発明に係る薬物が、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片の一つまたはいくつかのSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で、および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない一つまたはいくつかの翻訳産物に対して作用する抗体または該抗体断片に対して作用することが提供され得る。
【0039】
抗体ならびにその断片および派生物からなる群より選択される上記薬物を以下において薬物MMAKPと称する。
本発明に係る目的は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片の一つまたはいくつかのSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で、および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的修飾されたまたは化学的修飾されていない少なくとも一つの翻訳産物を含む薬物により達成される。
【0040】
上記の翻訳産物を以下において翻訳産物TPと称する。
最後に、少なくとも一つの発現阻害因子および/または少なくとも一つの発現刺激因子を含む、子宮内膜症を治療するための本発明に係る薬物によって、本発明の目的は達成される。
発現阻害因子および/または発現刺激因子は、問題としている遺伝子系の他の遺伝子と比較して、STまたはSAT配列の一つ以上に対する特異性が高い場合、特に好ましい。
発現阻害因子および/または発現刺激因子は一つ以上のSTまたはSAT配列に特異的である場合、極めて特に好ましい。
【0041】
本発明に係る一用途により、本発明に係る薬物の少なくとも一つを、ヒトまたは動物における子宮内膜症の治療に使用することが提供される。
一態様において、ヒトおよび/または動物における治療および/または診断用途のための使用が適応される。
本発明に係るさらに別の用途は、本発明に係る薬物の少なくとも一つのインビトロでの適用を提供する。
最後に、本発明に係る一用途は、子宮内膜症の治療に対する治療および/または診断用途のための薬物を製造するため、本発明に係る薬物の少なくとも一つの適用を提供することができる。
【0042】
さらに別の局面において、本発明は、少なくとも一つの薬物MMAKSおよび/または薬物MMAKPを含有する、子宮内膜症を治療するためのキットに関する。
キットは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片のSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)一つ以上の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片、および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的修飾されたまたは化学的修飾されていない翻訳産物を含有することができる。
キットの一態様において、少なくとも一つの発現阻害因子Iおよび/または少なくとも一つの発現刺激因子ESが含有される。
特に好ましい態様において、少なくとも一つの薬物MMAKSおよび/または少なくとも一つの薬物MMAKPおよび/または少なくとも一つの翻訳産物TPおよび/または少なくとも一つの発現阻害因子Iおよび/または少なくとも一つの発現刺激因子ESが含有されることが提供される。
キットは治療処置および/または診断に使用され得る。
キットはヒトおよび/または動物の場合に使用されることが提供される。
最後に、キットはインビトロ系においても使用され得る。
【0043】
本発明に係る目的は、SAT配列の少なくとも一つを避妊のために使用することにより、達成され得る。
本発明の目的が達成される広い局面において、本発明は、MAG遺伝子を避妊のために使用することに関する。
本発明の目的が達成される本発明の別の局面は、少なくとも一つのHMG蛋白質遺伝子を避妊のために使用することに関する。
好ましい態様において、HMG蛋白質遺伝子は、HMGI-C遺伝子およびHMGI-Y遺伝子からなる群より選択されることが提供される。
上記遺伝子および遺伝子群を以下においてGG遺伝子と称する。
GG遺伝子と本質的に同じ核酸配列を有する配列が使用されることが提供され得る。
別の局面において、GG遺伝子と機能的に同じ核酸配列を有する配列が使用され得る。
上記に規定された配列および同様に上記に規定されたGG遺伝子をこれ以降SG配列と称する。
【0044】
さらに別の態様において、SG配列は対応する翻訳産物(類)のDNA結合部分をコードする少なくとも一つの配列を有することが提供される。
本発明のさらに別の局面において、SG配列およびその誘導体は対応する翻訳産物(類)の蛋白質結合部分をコードする配列を含まないことが提供される。
さらに、本発明に係るSG配列またはそれらの誘導体は、対応する翻訳産物(類)の蛋白質結合部位をコードする配列または配列群と置換または補足する一つ以上のSr配列を有することが提供され得る。
この場合には、Sr配列は、ヒトゲノムの他の配列、他の(宿主)生物の配列および人工的配列ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されうる。
【0045】
一態様において、本発明に係るSATおよびSG配列ならびにそれらの誘導体は、二本鎖、および/またはコーディングおよび/または非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAとして存在することが提供される。
さらに、本発明に係るSATおよびSG配列ならびにそれらの誘導体は、天然型および/または変異型および/または断片または全長として存在することが提供され得る。
本発明の一態様において、SATおよびSG配列ならびにそれらの誘導体は、少なくとも一つのプロモーターおよび/または少なくとも一つのエンハンサー因子および/または少なくとも一つの転写終結因子および/または少なくとも一つの耐性遺伝子および/または少なくとも一つの他のマーカー遺伝子を有する。
一態様において、本発明に係るSATもしくはSG配列またはそれらの誘導体は宿主系においてクローンとして存在する。
この場合には、本発明に係るSATおよびSG配列ならびにそれらの誘導体は、少なくとも一つのコピー中に存在することが提供される。
上記GG遺伝子、SG配列およびそれらからまたは種々の態様から誘導される配列を以下においてSTと称する。
【0046】
本発明の目的は、一本鎖および/または二本鎖としてのセンスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNAおよびアンチセンスcDNAならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも一つの薬物MSを含む、避妊のための薬物により達成される。
薬物(類)MSの配列(類)は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/または化学的修飾されたまたは化学的修飾されていない形態で存在することが提供される。
好ましい態様において、薬物(類)MSの配列は、天然型もしくは変異型で、全長もしくは断片であるSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)に相当する。
【0047】
核酸を含む群より誘導される上記薬物を以降、MMAKSと称する。
本発明の目的は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される少なくとも一つの薬物MPを含む、避妊のための薬物によっても達成され得る。
薬物MPは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTまたはSAT配列(類)および/または対応する転写物(類)に対して作用する場合、特に好ましい。
特に好ましい態様において、薬物MPは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在する一つ以上のSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在し、グリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない一つ以上の翻訳産物に対して作用する。
さらに、本発明に係る薬物MPが、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)に対して作用する抗体または該抗体断片に対して作用することは、本発明の範囲内である。
さらに、本発明に係る薬物MPが、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在する一つ以上のSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在し、グリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない一つまたはいくつかの翻訳産物に対して作用する抗体または該抗体断片に対して作用することが提供され得る。
【0048】
抗体ならびにその断片および誘導体からなる群より選択される上記薬物を以下においてMMAKPと称する。
本発明に係る目的は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在する一つ以上のSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在し、グリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的修飾されたまたは化学的修飾されていない少なくとも一つの翻訳産物を含む、避妊のための薬物により達成される。
【0049】
上記翻訳産物を以下において翻訳産物TPと称する。
最後に、本発明の目的は、少なくとも一つの発現阻害因子および/または少なくとも一つの発現刺激因子を含む、避妊のための本発明に係る薬物により達成される。
発現阻害因子および/または発現刺激因子は、特定の遺伝子系の他の遺伝子と比較して、STまたはSAT配列の一つ以上に対する特異性が高い場合、特に好ましい。
発現阻害因子および/または発現刺激因子は一つ以上のSTまたはSAT配列に特異的である場合、特に好ましい。
上記発現阻害因子を以下において発現阻害因子Iと命名し、上記発現刺激因子を以下においてESと称する。
【0050】
本発明に係る一用途は、経口避妊のために、本発明に係る薬物の少なくとも一つを適用することを提供する。
本発明に係るさらに別の用途は、局所的避妊のために、本発明に係る薬物の少なくとも一つを使用することを提供する。
この用途はヒトおよび/または動物用であることが提供され得る。
別の局面において、本発明の用途はヒトおよび/または動物のための治療への適用に関する。
本発明に係る薬物の少なくとも一つの本発明に係るさらに別の用途は、治療への適用のための薬物を製造することに関する。
【0051】
本発明に係る別の用途において、本発明の目的が達成される局面は、少なくとも一つの薬物MMAKSおよび/または少なくとも一つの薬物MMAKPを含む、本発明の避妊用キットに関する。
キットは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)の一つ以上の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在し、グリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的修飾されたまたは化学的修飾されていない少なくとも一つの翻訳産物を含有することができる。
キットの一態様において、少なくとも一つの発現阻害因子Iおよび/または少なくとも一つの発現刺激因子ESが含有される。
【0052】
特に好ましい態様において、少なくとも一つの薬物MMAKSおよび/または少なくとも一つの薬物MMAKPおよび/または少なくとも一つの翻訳産物TPおよび/または少なくとも一つの発現阻害因子Iおよび/または少なくとも一つの発現刺激因子ESがキットに含有されることが提供される。
極めて特に好ましい態様において、キットは経口避妊のために使用され得る。
さらに、キットは局所的避妊のために使用されることができる。
キットは、治療処置および/または診断のための使用され得る。
キットがヒトおよび/または動物のために使用されることが提供される。
最後に、キットはインビトロ系においても使用され得る。
【0053】
さらに別の局面において、本発明は、一本鎖および/または二本鎖としてのセンスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNAおよびアンチセンスcDNAならびにそれらの組み合わせからなる群より選択され、その群から選択された薬物の配列が、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTおよび/またはSAT配列(類)および/または対応する転写物(類)に相当する少なくとも一つの薬物を投与することを提供する避妊方法に関する。
【0054】
また、本発明は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択され、その群から選択される薬物が、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTおよび/またはSAT配列(類)および/または対応する転写物(類)の対向方向に対して作用する少なくとも一つの薬物の投与を提供する避妊方法を提供する。
【0055】
本発明のさらに別の局面において、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択され、その群から選択される薬物が、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTおよび/またはSAT配列および/または対応する転写物(類)対して作用し、翻訳産物(類)が天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない形態で存在する少なくとも一つの薬物を投与することを提供する避妊方法が提供される。
【0056】
また、本発明は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片である、一つ以上のSTおよび/またはSAT配列および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的修飾されたまたは化学的修飾されていない形態で存在する翻訳産物である少なくとも一つの薬物を投与することにより特徴づけられる、避妊方法を提供する。
避妊のための本発明に係る方法の好ましい態様において、該薬物は経口投与される。
さらに好ましい態様において、該薬物は定期的に投与される。
本発明に係るさらに別の方法は、該薬物が受胎後に投与されることを提供する。
【0057】
本発明に係る目的は、組織再生のためのSAT配列の少なくとも一つにより達成される。
本発明の目的が達成されるさらに別の局面において、本発明は組織再生のためにMAG遺伝子を使用することに関する。
本発明の目的が達成される本発明の別の局面は、組織再生のため、少なくとも一つのHMG蛋白質遺伝子を使用することに関する。
好ましい態様において、HMG蛋白質遺伝子は、HMGI-C遺伝子およびHMGI-Y遺伝子からなる群より選択されることが提供される。
上記遺伝子または遺伝子群を以下においてGG遺伝子と称する。
GG遺伝子と本質的に同じ核酸配列を有する配列が使用されることが提供され得る。
別の局面において、本質的にGG遺伝子と機能的に同じ核酸配列を有する配列が使用される。
上記に規定された配列および上記に規定されたGG遺伝子を以下においてSG配列と称する。
さらに別の態様において、SG配列は対応する翻訳産物(類)のDNA結合部分をコードする少なくとも一つの配列を有することが提供される。
本発明のさらに別の局面において、SG配列およびその誘導体は対応する翻訳産物(類)の蛋白質結合部分をコードするいかなる配列も含まないことが提供される。
さらに、本発明に係るSG配列またはそれらの誘導体は、対応する翻訳産物(類)の蛋白質結合部位をコードする配列または配列群と置換またはそれを補足する一つ以上のSr配列を有することが提供され得る。
この場合には、Sr配列は、ヒトゲノムの他の配列、他の(宿主)生物の配列および人工的配列ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されうる。
【0058】
一態様において、本発明に係るSATまたはSG配列およびその誘導体は、二本鎖、および/またはコーディングおよび/または非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAとして存在することが提供される。
さらに、本発明に係るSATまたはSG配列およびその誘導体は、天然型および/または変異型および/または断片または全長として存在することが提供され得る。
本発明の一態様において、SATまたはSG配列およびその誘導体は、少なくとも一つのプロモーターおよび/または少なくとも一つのエンハンサー因子および/または少なくとも一つの転写終結因子および/または少なくとも一つの耐性遺伝子および/または少なくとも一つの他のマーカー遺伝子を有する。
一態様において、本発明に係るSATもしくはSG配列またはそれらの誘導体は宿主系においてクローンとして存在する。
この場合には、本発明に係るSATまたはSG配列ならびにおよびその誘導体は、少なくとも一つのコピー中に存在することが提供される。
上記GG遺伝子、SG配列およびそれらからまたは種々の態様から誘導される配列を以下においてSTと称する。
【0059】
本発明に係る目的は、一本鎖および/または二本鎖としてのセンスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNAおよびアンチセンスcDNAならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも一つの薬物MSを含む、組織再生のための薬物により達成される。
薬物(類)MSの配列(類)は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/または化学的修飾されたまたは化学的修飾されていない形態で存在することが提供される。
好ましい態様において、薬物(類)MSの配列は、天然型もしくは変異型で、全長もしくは断片であるSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)に相当する。
核酸を含む群より選択される上記薬物を以下においてMMAKSと称する。
【0060】
さらに、本発明に係る目的は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される少なくとも一つの薬物MPを含む、組織再生のための薬物により達成される。
薬物MPは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTまたはSAT配列(類)および/または対応する転写物(類)に対して作用する場合、特に好ましい。
特に好ましい態様において、薬物MPは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在する一つの配列またはいくつかのSTまたはSAT配列および/または対応する転写物の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片、および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない一つ以上の翻訳産物に対して作用する。
さらに、本発明に係る薬物MPが、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTまたはSAT配列(類)および/または対応する転写物(類)に対して作用する抗体または該抗体断片に対して作用することは、本発明の範囲内である。
さらに、本発明に係る薬物MPが、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTまたはSAT配列(類)および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在し、グリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない一つ以上の翻訳産物(類)に対して作用する抗体または該抗体断片に対して作用することが提供され得る。
抗体ならびにその断片および誘導体からなる群より選択される上記薬物を以下においてMMAKPと称する。
【0061】
本発明に係る目的は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTまたはSAT配列(類)および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的修飾されたまたは化学的修飾されていない少なくとも一つの翻訳産物を含む、組織再生のための薬物により達成される。
【0062】
上記翻訳産物を以下において翻訳産物TPと称する。
最後に、本発明の目的は、少なくとも一つの発現刺激因子を含む、組織再生のための本発明に係る薬物により達成される。
特定の遺伝子系の他の遺伝子と比較して、発現刺激因子はSTまたはSAT配列の一つ以上に対する特異性が高い場合、特に好ましい。
【0063】
発現刺激因子は一つの配列またはいくつかのSTまたはSAT配列に特異的である場合、特に好ましい。
上記発現刺激因子を以下において発現刺激因子ESと称する。
組織再生のための、本発明に係る薬物の少なくとも一つの本発明に係る一用途は、再生される組織が、変性性組織、外傷性損傷組織および他の手段により損傷された組織からなる群より選択されることを提供する。
組織再生のための、本発明に係る薬物の少なくとも一つの一用途は、再生される組織が間葉組織である場合に特に好ましい。
間葉組織が、軟骨、筋肉、脂肪ならびに結合および支持組織からなる群より選択されることが極めて特に好ましい。
本発明に係るさらに別の用途は、インビボでの組織再生のために、本発明に係る薬物の少なくとも一つを適用することに関する。
本発明は、この使用がヒトおよび/または動物において行われることを示す。
さらに、ヒトおよび/または動物において治療的用途が使用されることが提供される。
本発明の別の局面は、インビトロでの組織再生のために、本発明に係る薬物の少なくとも一つを使用することに関する。
この用途が、細胞培養、組織培養、器官培養およびそれらの組み合わせからなる群より選択される培養物中または培養物上で行われることが特に好ましい。
本発明に係るさらに別の用途において、本発明に係る薬物は、組織再生に対する治療用途のための医薬品を製造するために提供される。
【0064】
さらに別の局面において、本発明は、少なくとも一つの薬物MMAKSおよび/または少なくとも一つの薬物MMAKPを含む、組織再生用キットに関する。
キットは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)の一つまたはいくつかの、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在し、グリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的修飾されたまたは化学的修飾されていない少なくとも一つの翻訳産物を含有することができる。
【0065】
一態様において、少なくとも一つの発現刺激因子ESが含有される。
特に好ましい態様において、少なくとも一つの薬物MMAKSおよび/または少なくとも一つの薬物MMAKPおよび/または少なくとも一つの翻訳産物TPおよび/または少なくとも一つの発現刺激因子ESが、本発明に係るキットに含有されることが提供される。
キットは治療処置および/または診断のために使用され得る。
さらに、キットはインビボで使用されることが提供され得る。
キットはヒトおよび/または動物のために使用されることが提供される。
最後に、キットはインビトロ系においても使用され得る。
キットが、細胞培養、組織培養、器官培養およびそれらの組み合わせからなる群より選択される培養物中または培養物上で使用される場合に特に好ましい。
【0066】
別の局面において、本発明は、STまたはSAT配列の少なくとも一つが、再生される予定の組織中で発現される、組織再生の方法に関する。
本発明の目的が達成されるさらに別の局面において、本発明は以下の段階:
a)標的細胞と称される細胞の調製;
b)STまたはSAT配列の少なくとも一つの標的細胞への導入;
c)標的細胞中のSTまたはSAT配列の少なくとも一つによる発現の誘導;および選択的に、
d)標的細胞の培養
を含む。
標的細胞を培養する際に、STまたはSAT配列の少なくとも一つが発現されることが提供され得る。
【0067】
好ましい態様において、トランスフェクション法、マイクロインジェクション法、エレクトロポレーション法、リポソームによる遺伝子導入法および薬物により生じる形質転換体からなる群より選択される方法により標的細胞内にSTまたはSAT配列の少なくとも一つがインビトロで導入される。
また、発現および/または発現の誘導は、少なくとも一つの薬物MMAKSおよび/または少なくとも一つのMMAKPおよび/または少なくとも一つの翻訳TPおよび/または少なくとも一つの発現刺激因子ESにより影響されることが提供され得る。
一態様において、標的細胞は、ヒトを含む動物由来であってもよい。
別の態様において、標的細胞は、ヒト以外の動物由来であることが提供される。
標的細胞は、再生される予定の組織に含有される細胞種ではない異なる細胞種であることが提供され得る。
別の方法として、細胞種は、再生される予定の組織に含有されるような細胞種であることが提供され得る。
【0068】
標的細胞は、STまたはSAT配列の少なくとも一つの影響下にて多能性幹細胞に(逆)分化することが好ましい。
方法の好ましい態様において、標的細胞は他の細胞および/または細胞種と共培養される。
この場合には、共培養に使用される細胞および/または細胞種が標的細胞の分化状態に影響を与えることが特に好ましい。
さらに別の態様において、細胞を含有する生物学的液体、細胞(cells)、各細胞(individual cells)、組織および器官からなる群より選択される物質を生物から取り出すことにより標的細胞が調製される。
さらに、STまたはSAT配列の少なくとも一つが標的細胞に導入された後に、これらの標的細胞を動物体内に導入することが提供される。
さらに、STまたはSAT配列の少なくとも一つが標的細胞に導入された後で、標的細胞が動物生体に導入される前に、標的細胞内で発現が誘導されることが提供される。
【0069】
別の局面において、STまたはSAT配列の少なくとも一つが標的細胞に導入された後で、標的細胞が動物体内に導入された後に、標的細胞内で発現が誘導される。
好ましい態様において、動物体内に導入される標的細胞は分化状態および/または分化能を有する状態にある。
極めて好ましい態様において、動物はヒトである。
標的細胞が導入される生物は、標的細胞が採取される生物と同じであることが提供される。
別の局面において、標的細胞が導入される生物は、標的細胞が由来する生物とは異なることが提供される。
STまたはSAT配列の少なくとも一つが、再生される予定の生物の組織および/またはその対応する細胞に導入されることが提供され得る。
特に好ましい態様において、STまたはSAT配列の少なくとも一つが、遺伝子療法を使用することにより、再生される予定の組織および/またはその対応する細胞に導入されることが提供される。
本発明に係る方法の一態様において、導入されたSTまたはSAT配列は発現される。
導入されたSTまたはSAT配列の発現が、少なくとも一つの薬物MMAKSおよび/または少なくとも一つのMMAKPおよび/または少なくとも一つの翻訳TPおよび/または少なくとも一つの発現刺激因子ESにより影響されることが特に好ましい。
本発明に係る特に好ましい態様は、再生される予定の組織は、間葉組織からなる群より選択されることを提供する。
本発明に係る方法のさらに極めて特に好ましい態様は、間葉組織が軟骨、筋肉、脂肪ならびに結合および支持組織からなる群より選択されることを提供する。
【0070】
別の局面において、本発明の目的を達成する間に、本発明は、腫瘍疾患を治療するための、本発明に係るSAT配列の少なくとも一つの使用に関する。
本発明の目的が達成されるさらに別の局面において、本発明は腫瘍疾患を治療するためにMAG遺伝子を使用することに関する。
本発明の目的が達成される本発明の別の局面は、腫瘍疾患を治療するために少なくとも一つのHMG蛋白質遺伝子を使用することに関する。
好ましい態様において、HMG蛋白質は、HMGI-C遺伝子およびHMGI-Y遺伝子からなる群より選択されることが提供される。
【0071】
上記の遺伝子または遺伝子群を以下においてGGと称する。
本質的にGG遺伝子と同じ配列の核酸を有する配列が使用されることが提供され得る。
別の局面おいて、本質的にGG遺伝子と同じ機能である核酸配列を有する配列が使用され得る。
上記に規定される配列と上記に規定されるGG遺伝子を以下においてSG配列と称する。
さらに別の態様において、SG配列は、対応する翻訳産物(類)のDNA結合部分をコードする少なくとも一つの配列を有することが提供される。
本発明のさらに別の態様において、本発明に係るSG配列およびそれらの誘導体が、対応する翻訳産物(類)の蛋白質結合部分をコードする配列を有さないことが提供される。
さらに、本発明に係るSG配列または誘導体が、対応する翻訳産物(類)の蛋白質結合部分をコードする配列または配列類と置換または補助する一つ以上のSr配列を有することがさらに提供され得る。
この場合には、Sr配列は、ヒトゲノムの他の配列、他の(ドナー)生物および人工的配列ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されうる。
一態様において、本発明に係るSATまたはSG配列ならびにそれらの誘導体は、二本鎖、および/またはコーディングおよび/または非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAとして含有されることが提供される。
さらに、本発明に係るSATまたはSG配列ならびにそれらの誘導体は、天然型および/または変異型および/または断片または全長で含有されることがさらに提供され得る。
【0072】
本発明の一態様において、本発明に係るSATまたはSG配列ならびにそれらの誘導体は、少なくとも一つのプロモーターおよび/または少なくとも一つのエンハンサー因子および/または少なくとも一つの転写終結因子および/または少なくとも一つの耐性遺伝子および/または少なくとも一つのマーカー遺伝子を有する。
一態様において、本発明に係るSATもしくはSG配列またはそれらの誘導体の少なくとも一つは宿主系においてクローンとして存在する。
この場合には、本発明に係るSATもしくはSG配列またはそれらの誘導体は少なくとも一つのコピー内に含有されることが提供される。
【0073】
上記GG遺伝子、SG配列およびそれらから誘導される配列または種々の態様は以下においてST配列と称する。
本発明により、一本鎖および/または二本鎖としてのセンスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNAおよびアンチセンスcDNAならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも一つの薬物MSATを含み、MSAT剤の配列がSATまたはST配列一つ以上または対応する転写物(類)に相当する、腫瘍疾患を治療するための薬物により、本発明に係る目的が達成される。
【0074】
態様の好ましい形態において、SATまたはST配列または対応する転写物の配列は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片として存在することが提供される。
態様のさらに別の形態において、MSAT薬物の配列は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/または化学的に修飾されたまたは化学的に修飾されていない形態で存在することが提供され得る。
さらに、本発明は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される少なくとも一つの薬物MPATを含み、MPAT薬物が天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSATまたはST配列(類)および/またはその対応する転写物(類)に対して作用する、腫瘍疾患を治療するための薬物を提供する。
【0075】
本発明の範囲内において、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される少なくとも一つのMPAT薬物を含有し、MPAT薬物が天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSATまたはST配列の一つ以上および/または対応する転写物(類)の一つ以上の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない翻訳産物に対して作用する、腫瘍疾患を治療する薬物がさらに提供される。
【0076】
本発明は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSATまたはST配列の一つ以上および/または対応する転写物(類)の一つ以上の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的に修飾されたまたは化学的に修飾されていない翻訳産物の少なくとも一つにより特徴付けられる、腫瘍疾患を治療する薬物をさらに提供する。
【0077】
最後に本発明は、対応する遺伝子系の他の組織と比較して、SATまたはST配列の一つ以上により高い特異性を有する発現阻害因子である少なくとも一つのMJATを含む、腫瘍疾患を治療するための別の薬物を提供する。
さらに、本発明は、SATまたはST配列の少なくとも一つに特異的な発現阻害因子である少なくとも一つのMJAT薬物を含む、腫瘍疾患を治療するための薬物を提供する。
【0078】
態様の好ましい形態において、治療される予定の腫瘍は、MAG遺伝子、HMG蛋白質遺伝子、HMGI-C遺伝子、HMGI-Y遺伝子およびそれらの誘導体からなる群より選択される遺伝子を発現する。
さらに、本発明の薬物の一つは、腫瘍疾患を治療するための医薬品を製造するために使用されることが提供され得る。
態様の好ましい形態において、MAG遺伝子、HMG蛋白質遺伝子、HMGI-C遺伝子、HMGI-Y遺伝子およびそれらの誘導体からなる群より選択される遺伝子を発現する医薬品が、種々の腫瘍を治療するために使用されることが提供される。
態様のさらに別の形態において、MAG遺伝子、HMG蛋白質遺伝子、HMGI-C遺伝子、HMGI-Y遺伝子およびそれらの誘導体からなる群より選択される遺伝子を発現する、本発明の少なくとも一つの薬物が、種々の腫瘍を治療するために使用されることが提供され得る。
【0079】
図1〜図19に示されるような配列により特徴づけられる、本発明に係るDNA配列は、核酸が構造中に情報を保有する分子であることを確認されなければならない、本発明の配列ならびにその対応する転写物および翻訳産物に基づいて新規薬物を開発するために有利である。該薬物は、医薬品ならびに診断に使用される薬物であってもよいが、これらに限定されていない。これらの薬物は、種々の方法においても有利に使用され、また種々の疾患を治療するためまたはこれらの疾患を治療するための適当な医薬品を製造するためにも有利に使用され得る。このように、本発明の配列を記載することにより、多用途の薬物が利用される。それにより、本発明の配列から生ずる利点は特有の作用部位の正確な特徴づけに限定されず、従って本発明の薬物を含む好適な薬物を使用することにより影響され得るが、対応する配列自体は、本発明の配列またはそれらから誘導される配列および/またはそれらの転写物および/またはそれらの翻訳産物の存在に基づいた影響を生ずる作用をすることが注目されるべきである。これらの配列が生体内におけるように生物学的に活性である場合には、基礎的な生物過程の結果としてであろうが、または技術的な手段によるこれらの配列の導入の結果としてであろうが、またはインビトロ系においてであろうが、これらの配列はまた有利に影響され得る。
図1〜図19に示される配列の一部が、HMGI-C遺伝子のDNA配列の一部である場合には、これらの一般的な利点も提供される。
【0080】
本出願に関連する「遺伝子」という用語は、エクソンおよびイントロンの配列を含み、さらにまたそれぞれの遺伝子の対応するcDNAも含むことを意図する。
図1〜図19に示される配列と比較して、本発明のDNA配列に突然変異が生じていることは、突然変異により、例えば本発明の配列に対して作用する形態のアンチセンスDNAの配列特異的薬物は、必要であれば、他の作用部位と識別することができる利点をさらに提供し、従って突然変異ではない配列が使用されるときに生じる厳密度では、それぞれの相補鎖間の相互作用に必要な特異性が保証されないと思われる。
【0081】
本発明のセンスの突然変異には、5'端および/または3'端における配列のオリゴマーまでの短小化、ならびに配列内に配置される少なくとも一つのヌクレオチドの配列(類)の損失を含む、配列の断片化も含む。さらに、本明細書で使用される「断片化された配列または遺伝子」という用語は、それぞれ部分的または完全に欠失され得る一つ以上のイントロンを有する配列/遺伝子を含むことを意図する。
さらに、該突然変異配列により、生物活性が天然の配列の翻訳産物と本質的に同じ翻訳産物が入手され得る。翻訳産物のアミノ酸配列のレベルでは、該突然変異は、挿入、欠失またはサイレント突然変異を含む種々の方法でアミノ酸配列の中に発現しうる。DNAのレベルでは、該突然変異により、配列はある種のtRNAアンチコドンが使用されたときと同じになり、それにより対応する配列の翻訳率はそれぞれの要求量またはそれぞれの宿主系と同じになる。
【0082】
一方、図1〜図19に示されるDNA配列と本質的に同じ配列が有利であり、例えば、必要な厳密度を加える用途が考えられる。本発明のDNA配列の改良版も、生物学的バックグラウンドにより認識される好適なシグナルを含む可能性も提供する。該シグナルが存在することにより、例えば転写物の半減期の延長の結果としてのような、転写および/または翻訳率が変化することがあるが、これに限定されていない。
【0083】
単に機能的に同じ核酸配列が使用されるときも、上記の利点が存在しうる。それにより、「機能的に同じ核酸」という用語は、HMGI-C遺伝子ばかりでなく一般にMAG遺伝子またはHMG蛋白質遺伝子が基づく機能的な原理を考慮していることが考慮されるべきである。
【0084】
矛盾することなく、文献には、対応する遺伝子産物は本質的にDNA結合部分および蛋白質結合部分であるということが記載されている。結果として、この「機能的に同じ核酸配列」という用語はまた、本発明の配列またはMAG遺伝子またはHMG蛋白質遺伝子の翻訳産物と同様の機能を有する翻訳産物をコードする配列を含むことを意味する。上記の有利な影響も該翻訳産物に関して考慮されるべきである。この用語また、機能的に同じ翻訳産物を生ずる、すなわち遺伝コードの変性の結果として上記の意味で機能的に依然として活性のある翻訳産物を生ずる核酸配列を含むことも意図される。本発明の配列が、対応する翻訳産物(類)のDNA結合部分をコードする(核酸)配列を有することは、本発明の配列が、DNAと結合することができる翻訳産物を産生することを保証している。逆に、該核酸配列は、例えばアンチセンスDNAまたは配列のDNA結合部分に対して作用する抗体および/または対応する翻訳産物などの分子構造内に必要な配列特異性が内在する薬物の、正確に規定された標的を与える。
【0085】
本発明の配列は、本発明のDNA配列に対応する翻訳産物(類)の蛋白質結合部分をコードする配列を欠くことがあるので、蛋白質結合部分を介して仲介される、染色質構造への影響に望ましい方法で影響を与える可能性が存在する。
【0086】
一方、本発明の配列に対応する翻訳産物(類)の蛋白質結合部分をコードする配列(類)と交換またはそれを完成させる、一つ以上の配列が存在する場合には、これにより、細胞の(蛋白質)成分と特有の相互作用をする有利な可能性を開く。結果として、他の細胞因子は、翻訳産物の追加の、または新たな部分と相互作用することができる。逆に、DNAレベルでは、本発明の配列に応答することが可能な別の領域がこのように導入され得る。
【0087】
考慮中のそれぞれの問題に応じて、ヒトゲノムの他の配列、他の(ドナー)生物の配列および人工的配列ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるSr配列も、細胞事象に影響を与える多くの可能性を提供する。
【0088】
図1〜図19に示される配列がHMGI-C遺伝子の異常な転写物であるということにより、一方の手にある異常な転写物と他方の手にある異常ではない転写物とを、またそれぞれの翻訳産物を識別することができる。当業者にとって、この結果は治療分野および診断分野双方における多数の利点である。
このように、例えば、異常な転写物の翻訳産物が、例えば競合的阻害物質として作用することにより、細胞事象におけるある種の反応連鎖を刺激または妨害することが考えられる。
【0089】
少なくとも一つの転写プロモーターとその下流の本発明の少なくとも一つのDNA配列を含む、本発明に係る種類の発現ベクターを用いて、本発明のDNA配列の対応する転写物および翻訳産物を単純で速やかな方法で入手する可能性が存在する。
【0090】
発現ベクターのさらに別の形態を使用することにより、種々の宿主系を形質転換またはトランスフェクションする可能性も存在する。使用されるそれぞれの宿主系に応じて、当技術分野で十分周知な、真核細胞および原核細胞両者の、種々のプロモーター、ならびに選択的にエンハンサー因子および/または好適な停止因子が提供され得る。
【0091】
宿主細胞として原核細胞または真核細胞が使用されるか否かは、発現ベクターが使用される目的に依存する。例えばグリコシル化の欠如または封入体形成の可能性などの、原核細胞の宿主系に内在する不利益が培養の目的にとって重要でないときは、栄養要求性および培養の比較的大きな容易さのために、原核細胞が好ましい。
【0092】
一方、例えば、翻訳後修飾がさらに別の意図された用途のために重要であるときは、真核細胞、特に酵母細胞および哺乳類細胞が利点を提供する。
【0093】
天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在する一つ以上のSAT配列および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的に修飾されたまたは化学的に修飾されていない翻訳産物[等]である蛋白質またはペプチドからも利点が得られる。このように、観察中の系の遺伝的バックグラウンドを変化することなく、STおよび/またはSAT配列によりコードされるエフェクター分子を調製する可能性が存在する。例えば、「洪水(flooding)」形態の、翻訳産物(類)に関する細胞レベルの直接的な置換または完成化に加えて、種々の可能なグリコシル化形態および生理的に特に重要なリン酸化形態および他の修飾形態を含む、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在する誘導体を使用し、それにより該分子が、必要な場合には天然の翻訳産物の作用を助けることができ、または別の方法としてこれを開始することができ、または競合的阻害の意味で細胞機序の対応する付着部位に応答することができることにより、細胞事象に影響を与える可能性も提供される。
【0094】
本発明および/またはMAG遺伝子の配列または少なくとも一つのHMG蛋白質遺伝子の少なくとも一つの配列の使用および特に、HMGI-C遺伝子またはHMGI-Y遺伝子の使用は、特異的な作用部位ならびに原則的に血管発生に影響を与えるために使用される薬物の特異性を与えるという点において、有利である。これは、対応する遺伝子または配列の発現が、対応する遺伝子または配列そのものを含んでもよい、好適な薬物により影響されることを保証するものである。この非常に直接的な作用機序に基づいて、間接的な作用機序の場合に生ずる全ての不利益がかなりの程度回避される。こうすることにより、非特異的な障害の意味における細胞過程の障害が小さくなり、従って最後には全身レベルに対する二次的な影響が小さくなる。
【0095】
本発明のSAT配列の突然変異体および他の形態の有利な影響に関連して上記した説明はまた、もちろんST配列にも適用され、参考のために本明細書に組み入れられている。
【0096】
STおよび/またはSAT配列が、二本鎖、および/またはコーディングおよび/または非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAとして存在するときも、有利な影響が提供される。該配列がDNAまたはRNAとして存在する場合には、本発明の範囲内である。本発明に係る該構築物の使用により、血管発生に影響を与えるための体細胞および/またはトランジション遺伝子治療を可能にする。
【0097】
さらに、対応する配列が、コード鎖または非コード鎖にかかわらず、一本鎖として存在し、それにより血管発生が影響されることを保証するために、一本鎖に特異的に作用する薬物が使用され得る場合には、有利である。当業者は、直接介在される作用の利点を先行させる必要なしに、天然型もしくは変異型および/または断片形態の該配列を利用することができる。本明細書においても、突然変異および断片化に関する過去の説明が適用する。
【0098】
STおよびSG配列が、少なくとも一つの真核細胞プロモーターおよび/または少なくとも一つのエンハンサー因子および/または少なくとも一つの転写終結因子および/または少なくとも一つの耐性遺伝子および/または少なくとも一つの他のマーカー遺伝子を有する場合には、血管発生も有利に影響され得る。転写および/または翻訳は、血管発生に影響を与えるためにさらに有利である方法で、これらの因子により影響され得る。このように、好適な真核細胞プロモーターは、例えば、特異的な因子の存在により制御されることができ、従って内因性および/または外因性因子により所定の発現が誘導され得る。分子レベルまたは分子遺伝的レベルで進行する過程の適応がそれによって保証されることができる限りは、マーカー遺伝子はこれに関連して有利だろう。
【0099】
STおよび/またはSAT配列は宿主系においてクローンとして存在するので、STおよび/またはSAT配列の天然の存在によって生じる発現レベルの影響により、インビボおよびインビトロにて血管発生を達成する可能性が存在する。例えば、これにより、特に迅速に血管を増殖させることができる。
【0100】
本発明の少なくとも一つのコピー、すなわちSTおよび/またはSAT配列がそれぞれの生物系において存在するということにより、遺伝子投与効果により、上記の説明の意味におけるさらに有利な影響を達成することができる。
【0101】
センスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNAおよびアンチセンスcDNAならびにそれらの組み合わせからなる群より選択された、血管発生に影響を与えるための本発明の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/または化学的に修飾されたまたは化学的に修飾されていない薬は特に有利である。
【0102】
薬物(類)の配列が、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTもしくはSAT配列(類)または対応する転写(物)に相当する場合には、転写および/または翻訳による血管発生に対する影響を有利に発揮することが可能である。このように、例えば、好適なセンスDNAまたはセンスRNAを使用することにより、対応する配列の発現量を上昇することが考えられる。逆に、例えば、腫瘍の血管形成を低下する場合には、対応するアンチセンスDNA/アンチセンスRNAを使用して、発現を低下させることが考えられる。STおよび/またはSAT配列の発現の低下の結果として、腫瘍の血管発生が低下され、腫瘍の容積が減少し、消失する。cDNAまたはアンチセンスcDNAが使用されるときも、対応する機序が得られる。対応する薬物が非天然型、すなわち変異型および/または断片で存在するときも、有利な影響が観察され得る。配列特異的な薬物と、STおよび/またはSAT配列および/または細胞因子との相互作用が、遺伝的バックグラウンドに対して識別され得る限りにおいて、該突然変異は有利である。逆に、主に天然型である配列の場合には、元の標的配列の有利と思われる応答が可能である。使用される薬物の対応する配列は、必ずしも全長で、すなわち完全な長さで存在する必要はない;それらが、上記に規定されるように、断片で存在するときも、望ましい影響は達成され得る。
【0103】
本発明の薬物が細胞に導入されるか、または細胞中に存在して、それ自体がマトリックスとして作用し、生物学的な影響を有することも考えられる。該影響は、DNAおよび/またはRNAおよび/または対応する翻訳産物により生じうる。このように、体細胞遺伝子治療および/またはトランジション遺伝子治療の可能性が、本発明の薬物により開かれる。
【0104】
DNAおよびRNA両者の使用は原則的に本発明の薬物の範囲内において可能であるが、生物系におけるRNAの安定性の低さのために、長期影響が望ましい場合には、DNAの使用が適当であるだろう。逆に、対応する配列に対するごく短い期間の影響が望ましい場合には、RNAの使用が適当であると思われる。
【0105】
薬物の生物学的半減期が化学的修飾により影響され、本発明の薬物の作用期間が正確に影響され得る限りにおいて、本発明の薬物の化学的修飾は他のことの中でも有利であるだろう。
【0106】
対応する薬物が、STおよび/またはSAT転写物に対して作用するとき、極めて特に有利である。このように、一般に二本鎖として存在する配列に対する転写物を利用できることは、阻害効果ばかりでなく刺激効果のためにも重要であり得る。天然型に加えて、転写物の変異型も、相互作用の特特異性にさらに影響を与え、それによって対応する転写物が、選択的に全長もしくは断片として存在することができ、種々の接合型が、上記に規定された形態に加えて、断片として理解され得る可能性を提供する。
【0107】
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される、血管発生に影響を与えるための、本発明の薬物の場合には、特異性が有利な用途のために利用される。該薬物の特異性は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTおよび/またはSAT配列および/または対応する転写物(類)に対して作用する。このように、薬物の上記の特異性により、該配列との特異性の高い相互作用が生じる。それぞれの転写物によって生じるものを含む、天然の配列により確立されたエピトープに加えて、選択的に変異した配列の変異転写物も、残りの細胞のまたは他の細胞の抗原性バックグラウンドと比較して、組織および器官特異的であり、その結果、血管発生に影響を与えるために必要であり、選択的に全身適用された薬物の標的細胞特異性が、考えられる副作用の確立の最も低さと関連して、保証される。同じことが、転写物の断片の存在にも適用する。
【0108】
ポリクローナルおよびモノクローナル抗体の使用に加えて、それらの断片および誘導体の使用も、本発明の意味において特に有用である。断片は、抗原またはエピトープに多少なりとも特異性を有して結合しつづけることができる抗体から誘導される全ての形態の分子を含む。誘導体は、抗体の元の構造から誘導された抗体または断片を意味すると理解される。これらは、中でも、蛋白質鎖1本だけを含有する抗体ならびに標識抗体を含む。標識は文献に記載されている全てのものを含み、中でも、酵素、ルミネッセンス、複合体形成、ビオチンおよびビオチン誘導体、ジゴキシゲニンならびに放射性標識による標識を含む。
【0109】
さらに、生物学的および/または化学的および/または物理的機序を使用して、細胞内への取り込みが可能になるように、これらの抗体、断片および誘導体が修飾されることが提供される。受容体が介在する取り込み、または他の非特異的と思われる取り込みを可能にする追加の構造(例えば、対応するドメインまたは付着化合物)を、分子がその配置に有するという点において、該修飾が成り立ちうる。
【0110】
STおよび/またはSAT配列または対応する転写物に対する該薬物の特異性に関して上記で説明されたことも、その翻訳産物に適用する。本明細書においても、配列またはそれらの転写物の翻訳産物の天然型に加えて、変異配列から翻訳される翻訳産物も特に重要である。存在する天然の翻訳産物の多数のエピトープに加えて、異常な翻訳産物は、規定された細胞集団による選択的な応答に対して特に関心があるものであり、過去に存在したエピトープの消失に加えて、エピトープの新たな出現も有用である。該エピトープは、原則的に、一次配列および二次、三次または四次構造により生じ、グリコシル化およびリン酸化部位にも影響を与えうる。
【0111】
血管発生に影響を与えるための薬物の特異性は、この薬物が抗体または断片もしくは誘導体に対して作用し、一部は上記に規定されるように、種々の形態のSTおよび/またはSAT配列および/または対応する転写物(類)に対して作用し、または種々の形態の対応する翻訳産物(類)に対して作用するという点において、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体ならびにこれらの断片および誘導体からなる群よりそれ自身が選択される薬物によっても影響され得る。
【0112】
血管発生の有利な影響はまた、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在する一つ以上のSTおよび/またはSAT配列および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的に修飾されたまたは化学的に修飾されていない、少なくとも一つの翻訳産物[等]により特徴づけられる、血管発生に影響を与えるための本発明の薬物により可能にされる。
【0113】
天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在する一つ以上のSAT配列および/または対応する転写物(類)の翻訳産物である蛋白質またはペプチドの該利点ももちろん本発明の薬物に適用でき、参考のために本明細書に組み入れられている。
【0114】
他の利点は、血管発生に影響を与えるための薬物の範囲内において、少なくとも一つの発現阻害因子および/または少なくとも一つの発現刺激因子を使用することにより生ずる。本発明の上記MMAKSおよびMMAKP薬物もまた、該発現阻害因子または発現刺激因子となりうる。しかしながら、これらとは異なる発現阻害因子および発現刺激因子も含まれる。遺伝的バックグラウンドが、対応する阻害剤または刺激剤により、STおよび/またはSAT配列の発現に関して調節されることは、本発明の範囲内である。血管発生の望ましい影響は、一方での遺伝的バックグラウンドの発現と、他方でのSTおよび/またはSAT配列の発現との相対的な関係によって生じうるものである。該MMAKSおよびMMAKP薬物は、細胞系の総遺伝的バックグラウンドに影響を与える、阻害剤および/または刺激剤であるので、非特異的薬物に追加して使用することも全く可能である。
【0115】
関心のある遺伝系の他の遺伝子と比較して、STおよび/またはSAT配列の一つ以上に対して、発現阻害因子または発現刺激因子の特異性が増加するような有利な方法で、血管発生に影響する選択性が増加され得る。
【0116】
血管発生の影響に関する該利点も血管形成に拡大することができ、それによって、必要がある場合には、有利な方法で低下および/または妨害され得る。逆に、血管形成の刺激も可能であり、本発明の対応する翻訳産物および薬物を含む、最も広い意味において、STおよび/またはSAT配列を使用して有利に実行され得る。
【0117】
本発明の薬物は、腫瘍の血管形成に関するときは、血管発生に影響を与えるために主に重要である。すでに説明したように、血管系の存在は腫瘍の増殖にとって必須である。本発明の配列および薬物を使用して、または最も広い意味における、翻訳産物およびそれらから誘導される薬物を含むST配列の本発明の用途を使用して、本明細書では腫瘍の血管形成を制御することが可能であり、従って、種々の腫瘍を治療するための新規な方法が記載される。このように、周知の副作用を有する化学療法および放射線療法などの比較的非特異的な治療法は流行遅れとなっており、代わりに特異性の高い治療法が可能である。全身の血管形成のさらなる障害も、例えば腫瘍の血管形成部位へ直接薬物を投与するなどの好適な手段により回避され得る。
【0118】
該特異性は、中でも、HMGI-Cのより強い発現は、子宮内膜を除いた成人生体のいかなる組織においてもこれまで見いだされていないということに基づいており、その結果実際に、腫瘍周囲の血管の発生は選択的に妨害され得る。
【0119】
血管形成に関連して与えられた説明は、本発明の薬物またはそれらの用途が、血管新生の意味における血管発生への影響に関するときに、適用される。
【0120】
他の疾患におけるように、(新)血管形成過程、(新)血管新生過程および血管新生の妨害は、糖尿病におけるような視力障害にも大きな役割を果たしている。このように、最初に説明した現行の治療法の不利益を克服するように、本発明の薬物または配列を使用して、この場合にも有利で特異性の高い治療を実施することが可能である。該治療法の予防的態様は、本発明の薬物または配列が本発明により使用されるときにはかなり重要であり、その結果、患者の健康および幸福が視力障害によりさらに損なわれることが回避される。
【0121】
血管発生に影響を与えるための、本発明の薬物の、本発明に係る用途は、梗塞障害を生じた心筋組織の血液供給を改善する際に有利に使用され得る。(新)血管形成および(新)血管新生により、心筋組織は血管が良好に供給されることが可能となる。梗塞患者の健康状態が本質的に改善されたことに加えて、バイパス形成術が完全に省かれるか、またはその治癒過程がうまく強化され得る。さらに、本発明に係る用途は、一般に心筋組織への血液供給の改善に関し、特にハイリスク患者の心筋組織への血液供給の改善に関する。
【0122】
血管発生への影響に関する利点は、ヒトおよび動物生体へ拡大され、それによって、ヒトおよび/または動物における治療および/または診断用途が有利になる。
【0123】
再生目的、腫瘍疾患の治療または糖尿病の影響(視力障害)のためであろうが、血管発生の影響によりヒトが経験する直接的な利益に加えて、例えば、適当な血管材料が、本発明の配列および/または薬物の影響下にて、移植目的または動物における使用のために製造されるとき、この利益はまた間接的となりうる。
動物用医薬品用途の意味における用途も、もちろん含まれる。
この非常に広い治療用途に加えて、有利な診断用途も、ヒトおよび動物両者において可能である。中でも、薬物が、非侵襲的な試験方法により検出され得る標識を保有するときには、MMAKSおよびMMAKP薬物を使用することが特に有利である。このように、例えば、治療手段が、遺伝子レベルにおいて望ましい成果を挙げているか否かを調べることができる。本発明に係る血管発生への影響は、本発明の薬物および/またはSTおよび/またはSAT配列の一つおよび/またはそれらの用途がインビトロにて使用されるときも有利である。これは、中でも、細胞培養、組織培養および器官培養における用途を含む。
【0124】
最後に、本発明の薬物またはその用途は、治療用途および/または診断用途のための医薬品を製造するためにも使用されることができ、その結果、これらに関連する副作用に関する限りでは、血管発生に影響を与える目的のため、または糖尿病および腫瘍疾患を治療する目的のために使用される従来技術の薬物より明らかにすぐれた薬物が利用できる。
【0125】
上記の利点は、種々の形態の実施態様において本発明のキットにも適用される。これは、キットの個々の成分によって生じる利点に適用される。
キットの利点は、中でも一般に、それぞれの薬物がその用途のための最適な方法で使用されるという点にあると考えられる。これはまた、好適な空間的な配置を含む。種々の薬物を組み合わせることにより有利な影響が生じうる。
【0126】
糖尿病の影響を治療するため、および梗塞により損傷された心筋組織の血管供給を改善するための、腫瘍の血管形成の低下を含む、血管発生に影響を与えるための治療的な使用に加えて、本発明のキットは診断目的のため、および試験目的のためにも使用され得る;例えば、ある種の治療手段がどの程度成功に近づいているか否か、またはある種の物質がそれらに寄与する影響を生じているか否かに関する情報を有利に得ることができる。
【0127】
対応する転写物および翻訳産物を含む最も広い意味において本発明のSTおよび/またはSAT配列の使用に関連し、ならびに血管発生に影響を与えるための、本発明の薬物に関連して、与えられた説明は、子宮内膜症を治療するためのそれらの使用および子宮内膜症を治療するための、本発明の対応する薬物およびキットにも適用され、参考のために本明細書に組み入れられる。
【0128】
矛盾することなく、子宮内膜症が存在する場合でも、該配列または薬物を使用することにより、HMGI-C遺伝子または機能的に同様の遺伝子の発現に影響を与える結果として、HMGI-C遺伝子の発現の影響下で、子宮内膜の構築が生じ、キットにより、実際に副作用のない、子宮内膜症の特異的な治療が行える。
【0129】
対応する転写物および翻訳産物を含む最も広い意味において本発明のSTおよび/またはSAT配列の使用に関連し、ならびに血管発生に影響を与えるための、本発明の薬物に関連して、与えられた説明は、避妊のためのそれらの使用および本発明の対応する薬物およびキットにも適用され、参考のために本明細書に組み入れられる。
【0130】
この場合においても、本発明は、子宮内膜の構築にHMGI-C遺伝子が関与するという驚くべき所見に基づいている。本発明の配列または薬物が使用されるとき、例えば、その構築を抑制するという意味において、受精卵を受け入れる子宮内膜に特に影響を与えることにより、避妊または妊娠が達成される。HMGI-C遺伝子はほぼ健康な成人生体の子宮内膜においてのみ発現されるので、適当な薬物が全身に適用されても、望ましい標的部位のみ、すなわち、子宮内膜が、本発明の対応する薬物の影響に曝されるだけで、ホルモン剤が避妊のために投与されるときに観察される副作用は実際には観察されていないことをこのことは保証している。
【0131】
本発明に係る用途または避妊のための薬物および方法は、局所避妊ならびに経口避妊を提供する。経口避妊の範囲内における、明らかに簡単で信頼できる経口投与の重要な利点に加えて、局所避妊も利点を提供する。このように、胃腸管通過が必要ではないので、適当な製剤の調合は簡単でありうる。代わりに、例えばエアゾールなどにより、本発明の薬物が作用部位、すなわち子宮内膜に直接到達することが保証されることができる。
【0132】
避妊のための本発明の薬物および避妊のための本発明の方法によって生ずる利点のような、本発明の用途の個々の形態の実施態様によって生じるさらに別の利点は、もちろん、血管発生への影響に関連してすでに記載されており、参考のために本明細書中に組み入れられる。
【0133】
有利な影響に関する限り、本発明の薬物の定期的な投与により、または本発明の方法により、基礎医学的または生物学的に考慮することにより有用である、子宮内膜の構築に関連する定期性が可能となり、例えば、月経に問題がある場合に、本発明の薬物の治療用途となる。
【0134】
特に強調されるべき、本発明の方法の利点は、本発明の薬物は妊娠後に投与され得るということである。作用機序に関して矛盾することなく、本発明者らの本発明の内容により、子宮内膜の構築は、HMGI-C遺伝子または同様の遺伝子の発現に影響を与えることにより、着床前、着床中および着床後に影響されることができ、その結果、子宮内膜は退行し、妊娠は中断されることが記載され得る。
【0135】
対応する転写物および翻訳産物を含む最も広い意味において本発明の配列の使用およびST配列に関連し、ならびに血管発生に影響を与えるためおよび避妊のための、本発明の薬物、キットおよび選択的に方法に関連して与えられた説明は、組織再生のためのそれらの使用および本発明の対応する薬物、キットおよび方法にも適用され、参考のために本明細書に組み入れられる。
【0136】
本明細書において、組織再生は、組織の塊が増加するという意味において、再生される予定の組織の種類に正確に依存した組織再生、ならびに再生される予定の細胞とは異なる種類の組織または細胞から出発した新た組織の形成を意味することが理解される。
【0137】
さらに、組織再生のための、本発明の用途、薬物、キットおよび目的により、これまでは再生され得なかった組織または困難だけを伴った組織再生が可能となり、組織再生実施者およびこの方法で再生される組織の最終受取人双方にとって、対応する再生方法が全体的に安全となる;しかしながら、本発明の用途および本発明のキットおよび本発明の方法により、ウイルス汚染(C型肝炎、HIV)および細菌汚染の可能性、ならびに免疫学的に耐えられない因子(アナフィラキシーショック)の形態による危険、少なくとも潜伏を示す生物原料由来の材料の関与を回避する一方、組織再生事象の連続において特異的な治療を可能にする規定された状態を作り出す。
【0138】
インビボでの本発明の薬物の少なくとも一つの用途は、多数の理由によるかなりの利点に関連する。このように、例えば任意の組織および生体から材料を収集する必要がない。このように、組織不適合による拒絶反応および生物原料由来の材料の使用による可能性のある問題は生じない。
【0139】
逆に、インビトロでの本発明の薬物の少なくとも一つの用途は、すなわち生体において現在使用されている条件下では対応する用途が可能ではないとき、同様に有利となりうる。これは、例えば、本発明の再生方法のための出発材料として好適に作用する組織が入手されていない場合に当てはまる。細胞培養、組織培養、器官培養およびそれらの組み合わせからなる群より選択される培養中および培養上での使用により、本発明の用途またはこの目的のために使用される薬物および方法は、規定された条件下で使用され、実施されるが、かなりの程度組織再生を制御しやすくなる。さらに、該インビトロ系において、それぞれの現在の必要性を上回って対応する材料を製造し、それによって予期しない必要性を満たす位置にある可能性が存在する。
本発明の出願に関連して、治療処置は化粧目的の処置剤を含むことも意図される。
本発明の薬物の用途は、本発明の方法において極めて特に有利であるということがさらに支持される。
【0140】
組織再生方法に関しては、調製または培養済みの標的細胞はSTおよび/またはSAT配列の少なくとも一つをすでに発現しており、それによって本発明の方法の段階は、該一連操作の少なくとも一つを組み入れなくてもいいというような変形も、方法の価格有効性または安全性の点から有利となりうる。この方法のその後の段階に変わりはない。
再生される予定の組織に依存して、種々の方法がSTおよび/またはSAT配列を導入するために選択され得る。当業者は、適当な日常的な試験により各々の場合において形質転換またはトランスフェクション実験計画を確認することができる。
【0141】
ヒト由来の標的細胞は極めて特に有利である。関心のあるヒトは、本発明により再生された組織を受け取る予定のヒトであり、または好適なドナーである別のヒトである。原則的に、死者由来の標的細胞も使用され得る。例えば、好適な生きているドナーが入手できない場合、または好適なドナーがすでに死亡し、このドナーの組織が、例えば年齢のために、もはや直接的な移植用に適さない場合には、このことが当てはまる。
【0142】
しかしながら、標的細胞が、ヒトではなく、動物生体由来である場合には、それも有利となりうる。このように、特にトランスジェニック動物が、受け取り側の生体と組織適合性である標的細胞を産生する場合、または他の有利な特性を有する標的細胞を産生する場合に、例えばトランスジェニック動物由来の標的細胞を使用することは、ある種の条件下において意味をなす。
【0143】
再生される予定の組織から採取された標的細胞が、再生目的のために好適でない場合には、再生される予定の組織に含有されていない細胞種由来の異なる種類の細胞である標的細胞を使用することが有利である。本発明の方法、対応する薬物およびキットを使用して、該標的細胞は、増殖および分化の意味で再生させられ得る。
【0144】
逆に、再生される予定の組織の完全性は十分であるが、存在する組織の量は、それぞれの生物学的機能を全て満たすほどではないときにはとりわけ、再生される予定の組織に含有される細胞種と同じ細胞種に属する標的細胞を使用すると、この方法の成功性を高めることができる。
【0145】
対応する転写物および翻訳産物、ならびにこれらの対して作用する本発明の薬物を含む、多能性幹細胞を産生するための最も広い意味において、本発明のSTおよび/またはSAT配列の少なくとも一つの影響下における標的細胞の(脱)分化により、それぞれの細胞が各々の間葉細胞種に成熟することを可能にし、それによってほぼ任意の望ましい間葉組織の再生を可能にする状態に、細胞が移行することができる。これはまた、本発明の再生が最終的に進む方向が、必要があれば、細胞が配置された細胞環境または細胞が導入された細胞環境の追加の因子の影響によって決定される場合も含む。
【0146】
本発明の方法の標的細胞が、他の細胞および/または細胞種と共培養されるとき、有利な影響が生じる。上記の段落にすでに示したように、共培養は、組織再生の意味における標的細胞の(脱)分化の方向性に対する決定的な影響を有する。矛盾することなく、影響は、標的細胞の分化状態に影響を与える共培養に使用される細胞によってあきらかに生ずると思われる。該影響は、多少可溶性因子によって仲介されるが、細胞によっても仲介され、後者は、広い意味における細胞膜構造または成分の相互作用ならびに例えば、膜電位などの他の物理的または化学的現象をも含む。
【0147】
再生される予定の組織の種類、ならびに原則的に入手できる原料に依存して、生体から収集される材料は、細胞含有生体液、細胞、単細胞、組織および器官からなる群より選択され得る。細胞含有生体液または単細胞を収集する場合には、組織または器官から単細胞を回収するさらに別の段階をかなりの程度回避することが保証される。これは、それぞれの場合に対して実際に最も適すると思われる細胞が、再生目的のために利用されることを保証している。しかしながら、組織または完全な状態である器官を収集することも有利となりうる。このように、組織または器官を収集する場合には、通常の試験方法によりその好適性が試験される、いくつかの細胞種が入手されることが考えられる。さらに、組織または器官を収集するときは、利点が一転して、好適な細胞材料の収集が不可能になることもある。
【0148】
本発明のSTおよび/またはSAT配列の少なくとも一つを導入した後に、標的細胞を動物生体に導入することは、ヒトを含むそれぞれの動物生体は、これに関連する欠陥または欠失を排除するために、生物学的に活性な組織を含有するという点において、利点を提供する。標的細胞が単細胞の形態にあるとき、または培養後の、すでに細胞凝集体、組織等の形態にあるときに、本発明の方法により標的細胞が導入され得る。最後に、原則的に、生物系の影響下でさらにその場所で発育するために、標的細胞が動物生体に導入されることも考えられる。生物系、すなわち動物生体においてさらに修飾および/または増加および/または分化された標的細胞をあとから収集することも、本発明の方法により同様に含まれうる。
【0149】
本発明のSTおよび/またはSAT配列の少なくとも一つを標的細胞に導入した後に、標的細胞を動物生体に導入する前に、標的細胞内で発現を誘導することは有利でありうる。この利点は、生物系が分化に対して与えると思われる影響を小さくすることである。分化因子または導入部位のシグナルのために細胞環境において、望ましい方向への標的細胞の分化が保証されていないときには、これは特に有利でありうる。
逆に、本発明の配列の少なくとも一つまたはST配列を導入した後に、標的細胞を動物生体に導入してから、標的細胞内で発現を誘導する事も有利である。望ましい方向ではない方向への未熟な分化を排除するために、特異的な分化シグナルおよび因子を有する標的領域または標的組織の影響下で、標的細胞の増殖および/または分化が生ずる場合には、その後の誘導が有利となりうる。
もちろん、該利点は、動物生体に導入される標的細胞が分化状態および/または分化可能状態にあるか否かに関しても生じる。
標的細胞が導入される動物生体がヒト生体である場合には、中でも、例えば、関節疾患または筋ジストロフィーなどの変性性疾患の治療に関して、本発明により、特有の利点が生じる。好適な標的細胞の回収に関連して考察される利点と同様に、標的細胞が、収集された生体と同じ生体に導入されることからも特定の利点が生じる。
逆に、例えば、標的細胞が導入される生体が、それ自身の出発材料のいかなるものをもはや入手しえないとき、標的細胞が導入される生体が、標的細胞が由来する生体と異なることも適切となりうる。
【0150】
本発明のSAT配列またはST配列の少なくとも一つが、再生される予定の生体の組織および/または対応する細胞に導入されるとき、極めて特有の利点が本発明の方法において生じる。該手段は、対応する材料の収集または再導入のための外科手術を必要としないことを保証しており、材料が収集される部位または材料が導入される部位が侵襲的手段によってのみしか接近しえないときには特に重要である。さらに、再生される予定の組織が汚染される危険、またはインビトロの培養条件下で最適ではない再生発生が生じる危険があるので、必要な作業を少なくする。
【0151】
遺伝子治療法を使用して、再生される予定の組織および/または対応する細胞に、かかるような関心のある構築物を導入することは、極めて特に有利な可能性を提供し、特有の利点は、好適なウイルス系を使用することにより生じる。関心のある用途のために通常の試験を使用して、当業者は本発明の配列の導入に必要な方法を確認することができる。
【0152】
最後に、本発明の導入された配列およびST配列の発現が、少なくとも一つのMMAKS薬物および/または少なくとも一つのMMAKP薬物および/または少なくとも一つの翻訳産物TPおよび/または少なくとも一つの発現刺激因子ESによって影響されるということによっても、他の利点が生じる。このように、その空間パターンおよび時間経過に関して、再生の程度を制御する可能性が存在する。
【0153】
例えば化学療法または放射線療法などの腫瘍疾患を治療するための他の方法の場合にみられるような全身性の副作用を呈することなく、特定の腫瘍疾患治療が本発明により可能である限りにおいて、腫瘍疾患を治療するための、本発明の用途および薬物は、一般に有利である。すでに記載したように、健康な生体のわずか数組織のみが本発明のSATまたはST配列を発現しているだけだが、多数の腫瘍疾患では強力に発現される。結果として、該配列に特異的である、本発明の薬物、キットおよび方法は、それが基づく作用機序の結果として副作用を生じない特定の癌治療を可能にする。
【0154】
これらに限定されていないが、特異性および副作用の減少、ならびに本発明の薬物の有効性に関する極めて特有な利点は、治療される腫瘍が、MAG遺伝子、高移動度群蛋白質遺伝子、HMGI-C蛋白質、HMGI-Y遺伝子およびそれらの誘導体からなる群より選択される遺伝子を発現するときに生じる。これは、腫瘍疾患を治療するための医薬品を製造するための、本発明の薬物の少なくとも一つの使用に適用される。
【0155】
本発明の薬物の種々の形態の実施態様および腫瘍疾患を治療するために、独立で、または任意の組み合わせでこれらを含有するキット、ならびに本発明の用途のさらに別の利点は、もちろん、血管発生に影響を与えるため、避妊のためおよび組織再生のために、対応する転写物および翻訳産物、薬物およびキットならびに選択的に方法を含む、最も広い意味において本発明のSTおよびSAT配列の本発明の用途に関連した説明により生じ、参考のために本明細書に組み入れられる。
【0156】
本発明において範囲を請求されるDNA配列を図1〜図19に示す。さらに、配列と、配列プロトコールにおけるさらに別の一般的なデータとを以下に要約する:
図1 配列番号:1に相当する
図2 配列番号:2に相当する
図3 配列番号:3に相当する
図4 配列番号:4に相当する
図5 配列番号:5に相当する
図6 配列番号:6に相当する
図7 配列番号:7に相当する
図8 配列番号:8に相当する
図9 配列番号:9に相当する
図10 配列番号:10に相当する
図11 配列番号:11に相当する
図12 配列番号:12に相当する
図13 配列番号:13に相当する
図14 配列番号:14に相当する
図15 配列番号:15に相当する
図16 配列番号:16に相当する
図17 配列番号:17に相当する
図18 配列番号:18に相当する、および
図19 配列番号:19に相当する。
図1〜図19に示される塩基がA、C、GおよびT以外のときは、以下の呼称を適用する:
RはAまたはGであってもよく、
YはCまたはTであってもよく、
KはGまたはTであってもよく、
MはAまたはCであってもよく、
SはGまたはCであってもよく、および
WはAまたはTであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】配列番号:1に相当する。
【図2】配列番号:2に相当する。
【図3】配列番号:3に相当する。
【図4】配列番号:4に相当する。
【図5】配列番号:5に相当する。
【図6】配列番号:6に相当する。
【図7】配列番号:7に相当する。
【図8】配列番号:8に相当する。
【図9】配列番号:9に相当する。
【図10】配列番号:10に相当する。
【図11】配列番号:11に相当する。
【図12】配列番号:12に相当する。
【図13】配列番号:13に相当する。
【図14】配列番号:14に相当する。
【図15】配列番号:15に相当する。
【図16】配列番号:16に相当する。
【図17】配列番号:17に相当する。
【図18】配列番号:18に相当する。
【図19】配列番号:19に相当する。
【図20】HMGI-遺伝子、RNAおよびcDNAのゲノム構造ならびにRT-PCRに使用したプライマーの位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0158】
本発明をさらに説明するために、入手可能な多数の材料から無作為に選択された、8つの実施例も以下に示す。
以下の実施例に使用された技法を以下に要約する。個々の実施例について変更が必要なときは、適当な箇所に記載する。
【0159】
逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)
逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)は、RNAをcDNAへ転写し、次いで好適なプライマーを使用して、通常のポリメラーゼ連鎖反応を実施する。
本明細書に記載する実施例において、TRIzol試薬(Life Tehnologoes社、ゲイセルスバーグ、米国)を用いてRNAを単離した。組織、健康組織ならびに腫瘍組織を、除去/手術時からRNA単離時までの期間、液体窒素下で保存した。
M-MLV逆転写酵素(Life Tehnologoes社、ゲイセルスバーグ、米国)を使用して、RNAをcDNAに転写し、次いでRT-PCRのために使用した。
RT-PCRは、いわゆる入れ子PCR(nested PCR)、すなわち、互いの内側に重ねて使用されるプライマーを用いた2回のポリメラーゼ連鎖反応として実施された。特別の場合として、本明細書において使用されたポリメラーゼ連鎖反応において、プライマーは一方の側にのみ重ねられ、もう一方の側には同じプライマーが両ポリメラーゼ連鎖反応のために使用された。図1は、HMGI-Cのエクソン内プライマーの詳細および位置を示す。
【0160】
[図の表題]
RNA分子
断片長
[他の全ては原料あたりとして]
図1:HMGI-遺伝子、RNAおよびcDNAのゲノム構造ならびにRT-PCRに使用したプライマーの位置。
図1に示すPCRは、エクソン4および5を含まない短いまたは異常な転写物を対象としない。従って、上記に示したプライマーを用いたPCRに加えて、いくつかの例において、プライマーRevex 4(図1参照)を第3番目以降のエクソンのプライマーと交換したPCRを使用した。使用した全てのプライマーの配列を表1に要約する。
【0161】
[表1] HMGI-CのRT-PCRに使用したプライマー、プライマーの配列(各々、5'から3'方向)および遺伝子内のプライマーの位置(図1参照)。
【0162】
3'RACE(欠失した3'部分を迅速に回収する方法)のためのポリメラーゼ連鎖反応(3'RAE PCR, cDNA端の迅速増幅)。
シェーンメイカーズ(Shoenmakersら、Nature Genet 10:436〜444(1995))が記載した方法を使用した。
【0163】
細胞遺伝学的手順および分子細胞遺伝学的手順
報告された標準的な方法(Bullerdiekら、Cytogenet Cell Genet 45:187〜190(1987);Kievitsら、Cytogenet Cell Genet 53:134〜136(1990))により、細胞遺伝学的手順および分子細胞遺伝学的手順(FISH(蛍光インサイチューハイブリダイゼーション))を実施した。以下のプローブを使用した:cRM133、cRM76、cRM99、cRM53(Shoenmakersら、Nature Genet 10:436〜444(1995))。
【0164】
実施例1:正常組織におけるHMGI-C遺伝子の発現
RT-PCRを用いて、HMGI-C遺伝子の発現に関して異なる組織種を調査した;非腫瘍原料の組織だけを試験した。
結果を表2に要約する。
【0165】
[表2] HMGI-C遺伝子の発現について試験した組織、組織の起源(上皮/間葉)およびHMGI-C遺伝子の発現の程度
++ :強い発現
+ :弱い発現
(+):非常に弱い発現
− :検出できない発現
【0166】
試験した正常組織のうち、成人血管はHMGI-C遺伝子の非常に弱い発現を示し、胎児血管(動脈および臍静脈)はHMGI-C遺伝子のかなり強い発現を示した。増殖相にある子宮内膜および胎児組織も顕著な発現を示した。他の組織は全て発現を示さなかった。
モデルとしてHMGI-Cの遺伝子を用いて試験を実施した:配列の相同性の広範さおよびマウスの胚発生および胎仔発生における発現パターンの類似性に基づくと、HMGI-Y遺伝子を用いて同様の結果が期待される。
【0167】
実施例2:HMGI-C遺伝子の異常な転写
樹立細胞系およびヒトの良性間葉性腫瘍(子宮平滑筋腫、肺過誤腫性軟骨腫、進行性血管粘液腫)由来の原発腫瘍材料ならびに頭部唾液腺の腫瘍由来の原発腫瘍材料からcDNAを単離した;次いで、RACE-PCRにより増幅し、配列を決定した。 得られた配列を、天然のHMGI-C遺伝子の配列と比較した。
この配列決定の結果に基づいて、最小単位として、(合計5つのエクソンのうち)エクソン1〜3の配列が存在し、エクソン3の配列の次にエクソン4ではない配列が存在するか、またはエクソン4の配列の次にエクソン5ではない配列が存在するとき、転写物またはそのcDNAを異常な転写物として標識した。HMGI-C遺伝子と融合した配列は、HMGI-Cではない第12染色体の領域の由来であるか、または別の染色体由来であることが証明され得たとき、異所性と考えた。
記載したように実施した試験は、図1〜図19に詳細に示すような種々の異常な転写物を生じた。転写物の配列は常にHMGI-C遺伝子のエクソン1の1番目のヌクレオチドから始まる;第1のエクソンの第1のヌクレオチドからプライマーの第1のヌクレオチドまでの配列領域はデータバンクから加えられた。配列は全長のポリA鎖またはその一部分のどちらかを含有する。いかなる場合においても、配列は第3のエクソンまたは第4のエクソンより長く、従って異常な転写物を特徴づける。
【0168】
実施例3:血管外皮細胞腫のHMGI-C遺伝子の転位
パラフィンマトリックスに固定した2種の腫瘍由来の腫瘍材料についてFISH(蛍光インサイチューハイブリダイゼーション)を実施した。HMGI-Cの領域または3'および5'に直接隣接する配列から入手したコスミドクローンをプローブとして使用した。腫瘍材料から単離した界面核について試験を実施し、切断点は、試験した腫瘍のコスミド含有領域内であることを示した:このことは、これが他の間葉性腫瘍と同じ種類の変異であるという結論を考慮する。
【0169】
実施例4:突然変異HMGI-C遺伝子を用いた細胞の分化
HMFI-C遺伝子の転位が明らかにされた腫瘍細胞(脂肪腫3例、肺過誤腫5例、子宮平滑筋腫2例)を正常な軟骨細胞と共培養した。共培養のための細胞培養条件(Bullerdiekら、Cytogent Cell Genet 45:187〜190(1987))を、培養中に分化状態の軟骨細胞が維持されるように調節した(ウシ胎仔血清は含まない)。腫瘍細胞は、ウシ胎仔血清を添加した初代培養から得た。細胞培養中に、腫瘍細胞は、軟骨を含有する腫瘍であるか否かに関係なく、軟骨細胞に分化した。
【0170】
実施例5:新血管形成および新血管新生の阻害
新血管形成、新血管新生および血管新生欠損に関連する事象は、腫瘍の発育ばかりでなく、糖尿病などの多数の他の疾患の病因における重要な因子である(Battegayら、J Mol Med. 1995(73),333〜346)。本明細書に記載した実施例は、最初に記載した技法を使用し、またクローン化試験(clonarity tests)を加えて、新血管形成および新血管新生に関連するHMGI-C遺伝子の役割を調査した(Noguchiら、Cancer Res. 52:6594〜6597(1992))。最初に記載した技法およびクローン化試験は、観察された血管新生は腫瘍細胞自身によるものであることを示した。周皮細胞の増殖および分化に対するHMGI-C、腫瘍細胞由来の筋腫、脂肪腫、平滑筋腫および進行性血管粘液腫の新血管新生の役割のため、および遺伝子発現に関するデータに基づいて、(新)血管形成および(新)血管新生は、図1〜19に示す配列、ST配列、請求の範囲に記載された手段および材料、キットならびにおそらく方法により、またはそれらの使用により、望ましいように影響され得る。
【0171】
実施例6:子宮内膜症の治療
子宮内膜症という用語は、「子宮内膜体の正常な周期変化および異常な変化」に関与する異所性子宮内膜をいう(Psychrembel, 1982)。組織学的な構造は、上皮および間葉成分が存在する限りは、正常な子宮内膜と同じである。異所性子宮内膜症の組織は、生理学的に正常な子宮内膜と同様に、HMGI-C遺伝子の発現に基づいていることが、始めに記載した技法を使用して示されるだろう。従って、子宮内膜症の治療は、図1〜19に示す配列、ST配列、請求の範囲に記載された手段および材料、またはそれらの使用に基づいて実施され得る。
【0172】
実施例7:避妊
始めに記載した技法を使用して、HMGI-C遺伝子の発現が子宮内膜組織に関与することが示されるだろう。従って、図1〜19に示す配列、ST配列、請求の範囲に記載された手段および材料、またはそれらの使用は、避妊の手段および方法を提供する。
【0173】
実施例8:
始めに記載した技法を使用して、全例、第12染色体と第14染色体との間の転座を示し、第12染色体2例および第14誘導体1例は正常で、対応する第12誘導体は紛失している、3例の肺過誤腫性軟骨腫を調査した。第12染色体の染色体切断点はHMGI-Cの5'側に位置し、その発現も全ての腫瘍中で示された。
これは、STまたはSAT配列の一つを導入することにより、正常組織の増殖を生じ、組織再生または血管形成もしくは血管新生の刺激に使用され得ることを証明している。
【0174】
実施例9:マウス胎芽発生中の軟骨形成に対するHMGI-C遺伝子の発現
マウスのHMGI-C遺伝子のcDNA断片(約1.8kb 長さ、約800bp 5' UTR〜200bp 3' UTR)をインビトロにおいて翻訳ベクターにクローニングした。T7またはSp6 RNAポリメラーゼの存在を、インサイチューRNA-RNAハイブリダイゼーションに好適なRNAプローブを合成するために利用した。次いで、このプローブを発生段階が異なるマウス胎芽の組織切片中でのハイブリダイゼーションに使用した。結果は、中でも、遺伝子の非常に強い発現は、間葉性前駆細胞からの軟骨形成中に生じることを示している。
この発現は、中胚葉起源だけでなく、外胚葉起源(頭部)の間葉を用いて検出される。
【0175】
実施例10:HMGI-C遺伝子のアンチセンス構築物およびその誘導体の発現構築物を用いたトランスフェクション研究
マウスの上記cDNA断片または対応するアンチセンス配列を真核細胞の発現ベクターにクローニングした。この構築物において、モロニーマウス肉腫ウイルスのLTR配列により制御される。次いで、種々の一次細胞および樹立細胞へのリポフェクションによるトランスフェクションに使用した。ヒト胎児一次線維芽細胞へのトランスフェクションの結果、トランスフェクション体集団の累積倍加体は、ベクターでトランスフェクションしただけの対照よりもかなり増加したことを示すことができた。アンチセンス構築物を用いたトランスフェクションについては、逆の影響が観察された。次いで、このベクター系を、記載したヒトHMGICの異常な転写物のクローニングに使用した;この場合にも同様に、集団の累積倍加体の数の増加が観察された。使用したcDNA配列に応じて、この増加は、マウスのcDNA配列の場合よりも10〜35%多かった。
【0176】
実施例11:異常転写物から誘導された蛋白質のDNA弛緩作用
HMGI-C遺伝子のcDNA配列の一部であるDNA配列配列番号1〜19およびこの遺伝子の第3エクソンに接続していることが多い他のDNA配列を使用して、発現ベクターpET7C中で組換え蛋白質を合成し、精製した。
次いで、ニッセン(Nissen)およびレーベス(Reeves)(J. Biol. Chem. 270, 4355〜4360, 1995)が記載したトポイソメラーゼによる弛緩アッセイにおいて、いわゆる天然型超らせんの形成について、この方法で精製した蛋白質を試験した。この検討は、全ての誘導体において、該負の超らせんを誘導する能力は、対照として使用した非修飾組換えHMGI-C蛋白質よりも大きいことを示した。中でも、蛋白質とDNAとの相互作用が治療効果に影響を与えるという許容できる結論により、示した全ての配列は、記載した用途に関する高い有効性を有するという結論が得られる。
前述の説明および請求の範囲において明らかにされた本発明の特徴は、単独および任意に組み合わせることにより、種々の形態の実行における本発明の実現にとって重要となりうる。
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、DNA配列、それらの使用、およびさまざまな病気の治療を目的とする、ならびに避妊および組織再生を目的とする基質である、MAG遺伝子またはHMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子のDNA配列の使用、ならびにそれに関連したキットおよび方法である。
【背景技術】
【0002】
良性および悪性の腫瘍の増殖をともなう、異常な細胞増殖の分子的基盤を調べたところ、いわゆるMAG遺伝子(多発性腫瘍異常増殖遺伝子)が、HMG蛋白質(high mobility group protein (HMG遺伝子))遺伝子の属するグループに属するものとして同定された。
【0003】
ヒトの第12染色体に位置するHMGI-C遺伝子およびHMGI-C遺伝子に比べると、既知のHMG遺伝子の中で最も相対的に相同性の程度が高い、第6染色体上のHMGI-Y遺伝子などのHMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子は、大抵、DNA結合蛋白質部位をコードする部分と、蛋白質結合部位をコードする部分とを持っている。
【0004】
シェーンマカー(Schoenmaker)の(Schoenmakerら、Nature Genet 10: 436-444 (1995)(非特許文献1))研究によって、HMGI-C遺伝子の突然変異が、多くの良性のヒト腫瘍が形成される、最も可能性の高い原因であることが明らかにされており、この良性のヒト腫瘍のいくつかのグループは、子宮筋腫、脂肪腫、唾液腺の多形腺腫、子宮内膜ポリープ、肺の過誤軟骨腫、攻撃性血管粘液腫、および乳房の線維腺腫である。
【0005】
多形腺腫を除く上記の腫瘍はすべて、間葉起源であるか、またはモノクローナルであると考えられる間葉成分を含んでいる。現在、組織発生についてはまだ完全には決定されておらず、腫瘍形成への間葉細胞の関与に関する議論があるが、多形腺腫は上皮腫瘍であると最も強く考えられている。多くの腫瘍は、時々または定常的に間葉の化生を示す。また、顕著なのは、多くの腫瘍において粘液様軟骨が現れることであり、これは例えば、肺の過誤軟骨腫および多形腺腫の特徴である。
【0006】
アシャー(Ashar)(Asharら、Cell 82: 57-65 (1995)(非特許文献2))は、脂肪腫グループについて、シェーンマカー(Schoenmaker)の(Schoenmakerら、Nature Genet 10: 436-444(1995)(非特許文献1))知見を確認した。3'cDNA末端(3' RACE PCR)を迅速に増幅し、および/またはインサイチューハイブリダイゼーションにおける蛍光発光させるための、ポリメラーゼ連鎖反応法を用いて、第12染色体のq14〜15の領域の構造的な染色体異常として細胞遺伝学的に現れる突然変異を証明することができる。HMGI-C遺伝子の第三イントロン、より稀には、第四イントロンで、しばしば切断が起きることが分かった。切断によって、遺伝子の3'側に位置する構成部分は、本来の配列から分離され、いわゆる異所性DNA配列によって置換される。このような異所性配列は、明らかに、別の遺伝子から生成される。HMGI-CのDNA結合部分をコードする部分を有する異所性配列の融合遺伝子は、この結果できた第12染色体の派生配列上に残存し、細胞の中で、本来の転写物とともに、融合転写物として発現される。例えば、遺伝子領域内でのエンハンサーの移動によってもたらされる遺伝子発現のみが、腫瘍の増殖という結果をもたらすことができるか否かは分かっていない。
【0007】
上記の腫瘍の多くに、染色体6p21バンドの変化を特徴とするサブグループがあることに注目すべきである。既に上記で示されているように、HMGI-C遺伝子を比較すると、既知のHMG遺伝子すべての中で最も高い相同性を有するHMGI-Yに対する遺伝子は、このバンドの中に位置するため、この遺伝子の突然変異もまた、上記の腫瘍の多くにおいて、ある種の役割を担っているのかもしれない。
【0008】
最新技術において説明されている因子で、血管新生物、すなわち、(新生)脈管形成、(新生)血管形成、および腫瘍脈管形成などに影響を与える目的、および糖尿病に関連して、よく起きる新生血管形成のために生じる失明を予防する目的、また例えば、子宮内膜症を治療する目的、避妊および組織再生の目的で用いられる因子は、最終的な効果を達成するために、間接的な機構を用いるという特徴を有する。
【0009】
間接的な機構とは、それぞれの因子それ自体、またはこの因子によって形成もしくは活性化されるエフェクター分子が、場合によっては、レセプター、または大なり小なり特異的なレセプター様構造を用いて、標的細胞に作用し、また、各々の現象または病像に関係する遺伝子または配列の翻訳および/または転写に影響を与えることを可能にする構造自体に固有な特異性をもたずに、細胞活性に干渉することを意味する。
【0010】
この機構から、多くの基本的な不利益を取り除くことができる。非特異的なレセプター機構、またはレセプターもしくはレセプター様構造の交差反応性のために、該因子は、しばしば、標的組織または標識細胞として、別の組織の中に受容される。このようなわけで、特異的で効果的な位置がないために、重大な副作用を予測しなければならないのである。さらに、細胞の中での反応に対する該因子の影響は、標的細胞に望ましい効果をもたらしたり、もたらさなかったりという、無視できないような障害を引き起こす。
【0011】
特に問題なのは、最新技術の因子によって、血管新生物に影響を与えることである。自然治癒が起こるという希望を除けば、臨床計画における、唯一の別の一般的な選択は、血管を移植することである。適当な血管が利用できるかが、非常に基本的な問題である。
【0012】
腫瘍脈管形成を予防するために血管新生物に影響を与えることは、適当な、しかし、典型的には全身的な因子を用いて調査されている有効な癌治療にとって期待が持てるように思える。しかし、このような全身的な因子の使用は、上述のような、また、類似の非特異的な放射線療法によって起きるような、それに対応する負の効果が伴う。
【0013】
数多くの原因で失明が起き、同じ数だけの異なる治療を、今日では利用することができる。糖尿病を患う患者の視力が、全盲をもたらすこともある新生血管形成によって損なわれることが知られている。糖尿病を治療することで、失明を遅らせることが可能であるが、糖尿病の治療とは別に、新生血管形成によって起こる失明を治療または予防することを特に可能にする因子に対する緊急の必要性がある。
【0014】
避妊の目的のために用いられるホルモン剤の副作用は、十分に知られており、製薬会社などの懸命の努力にも関わらず、未だに存在している。経口避妊薬開発の中心的な問題は、受精卵の着床後に起きる妊娠を確実に阻害するような十分に許容され信頼できる薬物に対する要求がいまだにあるという事実である。
【0015】
最後に、組織再生は、とりわけ、皮膚培養の分野における成功にもかかわらず、未だに広く未解決な問題である。典型的には、少なくともいくつかの組織を再生させるために、複合栄養溶液が用いられる。しかし、各因子を標的とした混合液では滅多にうまく行かないため、複合的な培地または培地混合液が必要となるが、用いられるこの複合的な培地または培地混合液のために、処理の再現性が必ずしも確実でなくなる。各組成物が望ましい態様で各組織の再生を可能にすることが知られていたとしても、このような組成物の間接的な作用による副作用も予想しなければならない。さらに、再生された組織を受容する患者だけでなく、再生される組織の提供者も、再生処理に必要とされる生物源のために、大きな危険を負うことになるかもしれない。
【0016】
腫瘍の治療は、いまだに、医学にとって最も大きな難題の一つを提起している。広範な努力にもかかわらず、特異的な治療法はほとんどない。しばしば、化学療法と放射線療法が、唯一の選択手段であるが、それらには、それらの治療法自体を用いることが問題となるような、本質的な副作用がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Schoenmakerら、Nature Genet 10: 436-444 (1995)
【非特許文献2】Asharら、Cell 82: 57-65 (1995)
【発明の概要】
【0018】
本発明は、例えば、そのような治療に通常、付随する副作用を軽減しながら、病気を治療するための因子または生物系に影響を与えるための因子を提供するのに適当で、利用可能なDNA配列の説明と作成法で埋められている。
本発明のもう一つの目的は、MAG遺伝子またはHMG蛋白質遺伝子の配列の新しい使用を示し、病気の特異的な治療のための因子または生物系に影響を与えるための因子を、通常それらに付随する副作用を軽減しながら提供することにある。
本発明の目的は、図1から19に示された少なくとも一つの配列によって特徴づけられるDNA配列によって達成される。
一つの態様において、DNA配列は、部分的または完全に、HMGI-C遺伝子の配列に相当する。
別の態様において、図1から19に示された配列の一部が、HMGI-C遺伝子のDNA配列の一部を構成する。
DNA配列は、図1から19に示されたDNA配列に対する突然変異配列であってもよい。
本発明は、各相補鎖および両鎖を改変したものを含む図1から19に示された配列と同じ配列を、DNA配列が本来は有することを提唱している。
またはDNA配列が、図1から19に示された配列と、本来、機能的に一致する核酸配列であることを提唱する。
一つの態様において、本発明に係るDNA配列は、それに対応する翻訳産物のDNA結合部分をコードする少なくとも一つの配列を持っている。
または本発明に係るDNA配列が、それに対応する翻訳産物のDNA結合部分をコードする配列をもっていない。
好ましい態様において、本発明に係るDNA配列は、それに対応する翻訳産物の蛋白質結合部分をコードする配列を置換または補足する、一つまたは数個のSr配列をもっている。
特に好ましい態様において、Sr配列は、ヒトゲノムのその他の配列、その他の(ドナー)生物の配列、および人工的配列、ならびにそれらを組み合わせたものからなる群より選択される。
別の態様において、図1から19に示された配列は、HMGI-C遺伝子の異常な転写物である。
【0019】
以下の段落において、上記の配列は、SATと呼ばれる。
本発明はまた、少なくとも一つの転写プロモーターで、さらに下流に、少なくとも一つのSAT配列が続くプロモーターを含む発現ベクターも説明している。
さらに、本発明は、本発明に係る発現ベクターで遺伝子導入または形質転換された宿主細胞を含む。
好ましい態様において、宿主細胞は、原核生物の細胞である。
さらに別の態様において、宿主細胞は、真核生物の細胞である。
好ましい態様において、真核生物の細胞は、酵母の細胞である。
特に好ましい態様において、真核生物の細胞は、哺乳動物の細胞である。
さらに、本発明は、SAT配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在し、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない翻訳産物である蛋白質について説明する。
【0020】
本発明の目的の、さらに別の局面は、血管新生物に影響を与えるために、本発明に係るSAT配列を、少なくとも一つ使用することによって達成される。
本発明はまた、本発明の目的が、血管新生物に影響を与えるために、MAG遺伝子を使用することによって達成される局面を説明している。
本発明の目的を達成する別の局面は、血管新生物に影響を与えるために、少なくとも一つのHMG蛋白質遺伝子を使用することである。
好ましい態様において、HMG蛋白質遺伝子は、HMGI-C遺伝子およびHMGI-Y遺伝子からなる群より選択される。
【0021】
以下の段落においては、上記の遺伝子または遺伝子群は、GGと名付けられている。
GG遺伝子と本質的に同じ塩基配列を有する配列を使用することができる。
またはGG遺伝子の配列と本質的に同じ機能の塩基配列を有する配列を使用することができる。
【0022】
以下の段落では、上記で定義された配列は、上記で定義されたGG遺伝子とともにSG配列と名付けられている。
別の態様において、SG配列は、対応する翻訳産物のDNA結合成分をコードする少なくとも一つの配列を有する。
本発明の、もう一つの選択肢において、本発明に係るSG配列およびそれらの派生配列は、対応する翻訳産物の蛋白質結合部分をコードする配列をもたない。
さらに、本発明に係るSG配列または派生配列は、それに対応する翻訳産物の蛋白質結合部分をコ−ドする配列を置換または補足する、一つまたは数個のSr配列をもっている。
Sr配列は、ヒトゲノムのその他の配列、その他の(ドナー)生物の配列、および人工的配列、ならびにそれらを組み合わせたものからなる群より選択することができる。
【0023】
一態様において、本発明に係るSATおよびSG配列ならびにその誘導体は、二本鎖、および/またはコーディングおよび/もしくは非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAである。
本発明に係るSATおよびSG配列ならびにその誘導体は、天然型および/もしくは変異型、および/または断片状もしくは非断片状であってもよい。
本発明の一態様において、本発明に係るSATおよびSG配列およびその誘導体は、少なくとも一つのプロモーターおよび/または少なくとも一つのエンハンサー因子および/または少なくとも一つの転写終結因子および/または少なくとも一つの耐性遺伝子および/または少なくとも一つの追加のマーカー遺伝子を有してもよい。
一態様において、本発明に係るSATおよびSG配列またはそれらの誘導体の少なくとも一つは宿主系にクローニングされてもよい。
この場合には、本発明に係るSATおよびSG配列ならびにその誘導体は少なくとも一度コピーされる。
【0024】
以下の段落において、上記のGG遺伝子、SG配列およびそれらに由来する配列または異なる態様はST配列と称する。
本発明に係る本発明の目的は、血管新生に影響を与えるために使用され、一本鎖または二本鎖としてのセンスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNAおよびアンチセンスcDNAならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも一つの薬物MSを含む薬物を用いることによって、達成される。
薬物(類)MSの配列(類)は、天然型もしくは変異型であってもよく、および/または全長もしくは断片であってもよく、および/または化学的に修飾されていてももしくは化学的に修飾されていなくてもよい。
本発明の好ましい態様において、MS薬物(類)の配列は、全長もしくは断片の天然型もしくは変異型の、一つまたはいくつかのSTまたはSAT配列(類)および/または対応する転写物(類)に相当する。
【0025】
以降の段落において、核酸を含む群より選択される薬物をMMAKS薬物と称する。 また、本発明の目的は、血管新生に影響を与えるために使用され、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される少なくとも一つの薬物MPを含む薬物を用いることによって、達成される。
MP薬物が、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片のSTまたはSAT配列および/またはその対応する転写物(類)に対して作用する場合には特に好ましい。
特に好ましい態様において、MP薬物は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片のSTまたはSAT配列またはいくつかの配列および/またはその対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片であり、グリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない一つまたはいくつかの翻訳産物に対して作用する。
また、本発明の範囲内において、本発明に係る薬物MPは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片の、一つまたはいくつかのSTまたはSAT配列および/または翻訳産物(類)および/またはその対応する転写物(類)に対して作用する抗体または該抗体断片に対して作用する。
また、本発明の薬物MPは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片の、STまたはSAT配列および/またはその対応する転写物(類)の一つまたはいくつかの、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片であり、グリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない一つまたはいくつかの翻訳産物に対して作用する抗体または該抗体断片に対して作用することができる。
【0026】
以下の段落において、抗体および断片ならびにその誘導体から選択される上記の薬物をMMAKP薬物と称する。
本発明によると、本発明の目的はまた、血管新生に影響を与えるために使用され、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片の一つまたはいくつかのSTもしくはSAT配列および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片であり、グリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的に修飾されたまたは化学的に修飾されていない、少なくとも一つの翻訳産物を含む薬物を用いることにより達成される。
【0027】
以下の段落において、上記の翻訳産物を翻訳産物TPと称する。
最後に、本発明の目的は、血管新生に影響を与えるために使用され、少なくとも一つの発現阻害因子および/または少なくとも一つの発現刺激因子を含む、本発明に係る薬物を用いることにより達成される。
発現阻害因子および/または発現刺激因子が、それぞれの遺伝系の他の遺伝子と比較して、STまたはSAT配列の一つまたはいくつかに対してより高い特異性を有する場合、特に好ましい。
発現阻害因子および/または発現刺激因子が一つまたはいくつかのSTまたはSAT配列に特異的である場合が特に好ましい。
上記の発現阻害因子を発現阻害因子Iと呼び、上記発現刺激因子を薬物ESと称する。
【0028】
本発明に係る、血管新生に影響を与えるための薬物の一用途は、血管形成に関する。
血管形成を減少させおよび/または阻害する作用が特に好ましい。
別の方法として、血管形成が刺激されてもよい。
血管新生に対する影響が腫瘍の血管形成に影響を与える態様が特に好ましい。
また、本発明に係る、血管新生に影響を与えるための薬物の一用途は血管新生に関する。
この場合には、血管新生が刺激される態様が特に好ましい。
別の方法として、血管新生を減少または阻害する。
本発明の別の局面は、本発明に係る血管新生に影響を与えるための薬物を少なくとも一つ使用している間の、新血管新生による失明の治療および/または予防に関する。
最後に、本発明の別の局面は、本発明に係る血管新生に影響を与えるための少なくとも一つの薬物を使用している間に、心筋梗塞障害を有する心筋組織の血管供給を改善することである。
ヒトおよび/または動物に対して本発明に係る薬物を使用することが可能である。
また、ヒトおよび/または動物における治療的用途および/または診断的用途のための薬物を使用することができる。
また、薬物をインビトロで使用することができる。
本発明に係る薬物の少なくとも一つの、本発明に係る別の用途は、血管新生に影響を与えるための治療的用途および/または診断的用途のための医薬品を製造する際に使用することである。
【0029】
本発明の別の局面は、少なくとも一つのMMAKSおよび/または一つのMMAKP薬物を含有する、血管新生に影響を与えるためのキットについて記載する。
キットは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片のSTまたはSAT配列および/またはその対応する転写物の一つまたはいくつかの、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片であり、グリコシル化された、または一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾されたまたは化学的に修飾されていない、少なくとも一つの翻訳産物を含有することができる。
少なくとも一つの発現阻害因子Iおよび/または少なくとも一つの発現刺激因子ESは、キットの一態様に含まれる。
本発明の特に好ましい態様において、キットは少なくとも一つのMMAKSおよび/または少なくとも一つのMMAKP薬物および/または一つの転写物TPおよび/または少なくとも一つの発現阻害因子Iおよび/または少なくとも一つの発現刺激因子ESを含有する。
特に好ましい態様において、キットは腫瘍の血管形成に影響を与えるために使用され得る。
別の態様において、キットは血管形成に影響を与えるために使用される。
血管新生に影響を与えるためにキットを使用することもできる。
別の方法は、血管新生を阻害するためにキットを使用することである。
別の方法は、血管新生を刺激するためにキットを使用することである。
最後に、新血管新生を治療および/または予防するためにキットを使用することができる。
また、心筋梗塞により損傷された心筋組織の血管供給を改善するために、本発明に係るキットを使用することができる。
治療処置のためおよび/または診断目的のためにキットを使用してもよい。
キットをヒトおよび/または動物に使用することができる。
最後に、キットをインビトロ系で使用することができる。
【0030】
子宮内膜症を治療するために本発明に係るSAT配列の少なくとも一つを使用することにより、本発明に係る目的が達成される。
本発明が達成される広い局面において、本発明は子宮内膜症を治療するためにMAG遺伝子を使用することに関する。
本発明の目的が達成される本発明のさらに別の局面は、子宮内膜症を治療するために、少なくとも一つのHMG蛋白質遺伝子を使用することに関する。
好ましい態様において、HMGI-C遺伝子およびHMGI-Y遺伝子からなる群より選択されるHMG蛋白質遺伝子が提供される。
【0031】
上記の遺伝子および/または遺伝子群は以降、GG遺伝子と称する。
本質的にGG遺伝子と同じ配列の核酸を有する配列が使用されることが提供され得る。
別の態様おいて、本質的にGG遺伝子と同じ機能である核酸配列を有する配列が使用され得る。
上記に規定される配列および上記に規定されるGG遺伝子は以降、SG配列と称する。
さらに別の態様において、SG配列が、対応する翻訳産物(類)のDNA結合部分をコードする少なくとも一つの配列を有することが提供される。
本発明のさらに別の態様において、SG配列およびそれらの誘導体が、対応する翻訳産物(類)の蛋白質結合部分をコードするいかなる配列も有さないことが提供される。
【0032】
本発明に係るSG配列またはそれらの誘導体が、対応する翻訳産物(類)の蛋白質結合部分をコードする配列(類)を置換する一つまたはいくつかのSr配列を有することがさらに提供され得る。
この場合には、Sr配列は、ヒトゲノムの他の配列、他の(ドナー)生物および人工的配列ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されうる。
【0033】
一態様において、本発明に係るSATまたはSG配列ならびにそれらの誘導体は、二本鎖、および/またはコーディングおよび/もしくは非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAとして含有されることが提供される。
本発明に係るSATまたはSG配列ならびにそれらの誘導体は、天然型および/もしくは変異型、および/または断片もしくは全長で含有されることがさらに提供され得る。
【0034】
本発明の一態様において、本発明に係るSATまたはSG配列ならびにそれらの誘導体は、少なくとも一つのエンハンサー因子および/または少なくとも一つの転写終結因子および/または少なくとも一つの耐性遺伝子および/または少なくとも一つのマーカー遺伝子を有する。
一態様において、本発明に係るSATもしくはSG配列またはそれらの誘導体の少なくとも一つは宿主系においてクローンとして存在する。
この場合には、本発明に係るSATもしくはSG配列またはそれらの誘導体は少なくとも一つのコピー内に含有されることが提供される。
上記GG遺伝子、SG配列およびそれらから誘導される配列または種々の態様は以降、ST配列と称する。
【0035】
一本鎖および/または二本鎖としてのセンスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNAおよびアンチセンスcDNAならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも一つの薬物MSを含む、子宮内膜症を治療するための薬物により、本発明に係る目的が達成される。
【0036】
薬物(類)MSの配列(類)は、天然型および/または変異型および/または全長もしくは断片および/または化学的に修飾された形態または化学的に修飾されていない形態で含有されることが提供され得る。
好ましい態様において、薬物(類)MSの配列は、天然型もしくは変異型の全長もしくは断片で存在するST配列(類)または対応する転写物(類)に相当する。
核酸を含む群より選択される上記の薬物は以下においてMMAKSと称する。
【0037】
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される少なくとも一つの薬物MPを含む、子宮内膜症を治療するための薬物により、本発明の目的はさらに達成される。
薬物MPは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片のSTまたはSAT配列(類)および/またはその対応する転写物(類)に対する場合が特に好ましい。
特に好ましい態様において、薬物MPは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片の一つのもしくはいくつかのSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片、および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない一つまたはいくつかの翻訳産物に対して作用する。
【0038】
また、本発明に係る薬物MPが、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片の一つ以上のSTまたはSAT配列および/またはその対応する転写物(類)に対して作用する、抗体または該抗体断片に対して作用することは本発明の範囲内である。
また、本発明に係る薬物が、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片の一つまたはいくつかのSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で、および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない一つまたはいくつかの翻訳産物に対して作用する抗体または該抗体断片に対して作用することが提供され得る。
【0039】
抗体ならびにその断片および派生物からなる群より選択される上記薬物を以下において薬物MMAKPと称する。
本発明に係る目的は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片の一つまたはいくつかのSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で、および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的修飾されたまたは化学的修飾されていない少なくとも一つの翻訳産物を含む薬物により達成される。
【0040】
上記の翻訳産物を以下において翻訳産物TPと称する。
最後に、少なくとも一つの発現阻害因子および/または少なくとも一つの発現刺激因子を含む、子宮内膜症を治療するための本発明に係る薬物によって、本発明の目的は達成される。
発現阻害因子および/または発現刺激因子は、問題としている遺伝子系の他の遺伝子と比較して、STまたはSAT配列の一つ以上に対する特異性が高い場合、特に好ましい。
発現阻害因子および/または発現刺激因子は一つ以上のSTまたはSAT配列に特異的である場合、極めて特に好ましい。
【0041】
本発明に係る一用途により、本発明に係る薬物の少なくとも一つを、ヒトまたは動物における子宮内膜症の治療に使用することが提供される。
一態様において、ヒトおよび/または動物における治療および/または診断用途のための使用が適応される。
本発明に係るさらに別の用途は、本発明に係る薬物の少なくとも一つのインビトロでの適用を提供する。
最後に、本発明に係る一用途は、子宮内膜症の治療に対する治療および/または診断用途のための薬物を製造するため、本発明に係る薬物の少なくとも一つの適用を提供することができる。
【0042】
さらに別の局面において、本発明は、少なくとも一つの薬物MMAKSおよび/または薬物MMAKPを含有する、子宮内膜症を治療するためのキットに関する。
キットは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片のSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)一つ以上の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片、および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的修飾されたまたは化学的修飾されていない翻訳産物を含有することができる。
キットの一態様において、少なくとも一つの発現阻害因子Iおよび/または少なくとも一つの発現刺激因子ESが含有される。
特に好ましい態様において、少なくとも一つの薬物MMAKSおよび/または少なくとも一つの薬物MMAKPおよび/または少なくとも一つの翻訳産物TPおよび/または少なくとも一つの発現阻害因子Iおよび/または少なくとも一つの発現刺激因子ESが含有されることが提供される。
キットは治療処置および/または診断に使用され得る。
キットはヒトおよび/または動物の場合に使用されることが提供される。
最後に、キットはインビトロ系においても使用され得る。
【0043】
本発明に係る目的は、SAT配列の少なくとも一つを避妊のために使用することにより、達成され得る。
本発明の目的が達成される広い局面において、本発明は、MAG遺伝子を避妊のために使用することに関する。
本発明の目的が達成される本発明の別の局面は、少なくとも一つのHMG蛋白質遺伝子を避妊のために使用することに関する。
好ましい態様において、HMG蛋白質遺伝子は、HMGI-C遺伝子およびHMGI-Y遺伝子からなる群より選択されることが提供される。
上記遺伝子および遺伝子群を以下においてGG遺伝子と称する。
GG遺伝子と本質的に同じ核酸配列を有する配列が使用されることが提供され得る。
別の局面において、GG遺伝子と機能的に同じ核酸配列を有する配列が使用され得る。
上記に規定された配列および同様に上記に規定されたGG遺伝子をこれ以降SG配列と称する。
【0044】
さらに別の態様において、SG配列は対応する翻訳産物(類)のDNA結合部分をコードする少なくとも一つの配列を有することが提供される。
本発明のさらに別の局面において、SG配列およびその誘導体は対応する翻訳産物(類)の蛋白質結合部分をコードする配列を含まないことが提供される。
さらに、本発明に係るSG配列またはそれらの誘導体は、対応する翻訳産物(類)の蛋白質結合部位をコードする配列または配列群と置換または補足する一つ以上のSr配列を有することが提供され得る。
この場合には、Sr配列は、ヒトゲノムの他の配列、他の(宿主)生物の配列および人工的配列ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されうる。
【0045】
一態様において、本発明に係るSATおよびSG配列ならびにそれらの誘導体は、二本鎖、および/またはコーディングおよび/または非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAとして存在することが提供される。
さらに、本発明に係るSATおよびSG配列ならびにそれらの誘導体は、天然型および/または変異型および/または断片または全長として存在することが提供され得る。
本発明の一態様において、SATおよびSG配列ならびにそれらの誘導体は、少なくとも一つのプロモーターおよび/または少なくとも一つのエンハンサー因子および/または少なくとも一つの転写終結因子および/または少なくとも一つの耐性遺伝子および/または少なくとも一つの他のマーカー遺伝子を有する。
一態様において、本発明に係るSATもしくはSG配列またはそれらの誘導体は宿主系においてクローンとして存在する。
この場合には、本発明に係るSATおよびSG配列ならびにそれらの誘導体は、少なくとも一つのコピー中に存在することが提供される。
上記GG遺伝子、SG配列およびそれらからまたは種々の態様から誘導される配列を以下においてSTと称する。
【0046】
本発明の目的は、一本鎖および/または二本鎖としてのセンスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNAおよびアンチセンスcDNAならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも一つの薬物MSを含む、避妊のための薬物により達成される。
薬物(類)MSの配列(類)は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/または化学的修飾されたまたは化学的修飾されていない形態で存在することが提供される。
好ましい態様において、薬物(類)MSの配列は、天然型もしくは変異型で、全長もしくは断片であるSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)に相当する。
【0047】
核酸を含む群より誘導される上記薬物を以降、MMAKSと称する。
本発明の目的は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される少なくとも一つの薬物MPを含む、避妊のための薬物によっても達成され得る。
薬物MPは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTまたはSAT配列(類)および/または対応する転写物(類)に対して作用する場合、特に好ましい。
特に好ましい態様において、薬物MPは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在する一つ以上のSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在し、グリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない一つ以上の翻訳産物に対して作用する。
さらに、本発明に係る薬物MPが、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)に対して作用する抗体または該抗体断片に対して作用することは、本発明の範囲内である。
さらに、本発明に係る薬物MPが、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在する一つ以上のSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在し、グリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない一つまたはいくつかの翻訳産物に対して作用する抗体または該抗体断片に対して作用することが提供され得る。
【0048】
抗体ならびにその断片および誘導体からなる群より選択される上記薬物を以下においてMMAKPと称する。
本発明に係る目的は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在する一つ以上のSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在し、グリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的修飾されたまたは化学的修飾されていない少なくとも一つの翻訳産物を含む、避妊のための薬物により達成される。
【0049】
上記翻訳産物を以下において翻訳産物TPと称する。
最後に、本発明の目的は、少なくとも一つの発現阻害因子および/または少なくとも一つの発現刺激因子を含む、避妊のための本発明に係る薬物により達成される。
発現阻害因子および/または発現刺激因子は、特定の遺伝子系の他の遺伝子と比較して、STまたはSAT配列の一つ以上に対する特異性が高い場合、特に好ましい。
発現阻害因子および/または発現刺激因子は一つ以上のSTまたはSAT配列に特異的である場合、特に好ましい。
上記発現阻害因子を以下において発現阻害因子Iと命名し、上記発現刺激因子を以下においてESと称する。
【0050】
本発明に係る一用途は、経口避妊のために、本発明に係る薬物の少なくとも一つを適用することを提供する。
本発明に係るさらに別の用途は、局所的避妊のために、本発明に係る薬物の少なくとも一つを使用することを提供する。
この用途はヒトおよび/または動物用であることが提供され得る。
別の局面において、本発明の用途はヒトおよび/または動物のための治療への適用に関する。
本発明に係る薬物の少なくとも一つの本発明に係るさらに別の用途は、治療への適用のための薬物を製造することに関する。
【0051】
本発明に係る別の用途において、本発明の目的が達成される局面は、少なくとも一つの薬物MMAKSおよび/または少なくとも一つの薬物MMAKPを含む、本発明の避妊用キットに関する。
キットは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)の一つ以上の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在し、グリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的修飾されたまたは化学的修飾されていない少なくとも一つの翻訳産物を含有することができる。
キットの一態様において、少なくとも一つの発現阻害因子Iおよび/または少なくとも一つの発現刺激因子ESが含有される。
【0052】
特に好ましい態様において、少なくとも一つの薬物MMAKSおよび/または少なくとも一つの薬物MMAKPおよび/または少なくとも一つの翻訳産物TPおよび/または少なくとも一つの発現阻害因子Iおよび/または少なくとも一つの発現刺激因子ESがキットに含有されることが提供される。
極めて特に好ましい態様において、キットは経口避妊のために使用され得る。
さらに、キットは局所的避妊のために使用されることができる。
キットは、治療処置および/または診断のための使用され得る。
キットがヒトおよび/または動物のために使用されることが提供される。
最後に、キットはインビトロ系においても使用され得る。
【0053】
さらに別の局面において、本発明は、一本鎖および/または二本鎖としてのセンスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNAおよびアンチセンスcDNAならびにそれらの組み合わせからなる群より選択され、その群から選択された薬物の配列が、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTおよび/またはSAT配列(類)および/または対応する転写物(類)に相当する少なくとも一つの薬物を投与することを提供する避妊方法に関する。
【0054】
また、本発明は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択され、その群から選択される薬物が、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTおよび/またはSAT配列(類)および/または対応する転写物(類)の対向方向に対して作用する少なくとも一つの薬物の投与を提供する避妊方法を提供する。
【0055】
本発明のさらに別の局面において、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択され、その群から選択される薬物が、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTおよび/またはSAT配列および/または対応する転写物(類)対して作用し、翻訳産物(類)が天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない形態で存在する少なくとも一つの薬物を投与することを提供する避妊方法が提供される。
【0056】
また、本発明は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片である、一つ以上のSTおよび/またはSAT配列および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的修飾されたまたは化学的修飾されていない形態で存在する翻訳産物である少なくとも一つの薬物を投与することにより特徴づけられる、避妊方法を提供する。
避妊のための本発明に係る方法の好ましい態様において、該薬物は経口投与される。
さらに好ましい態様において、該薬物は定期的に投与される。
本発明に係るさらに別の方法は、該薬物が受胎後に投与されることを提供する。
【0057】
本発明に係る目的は、組織再生のためのSAT配列の少なくとも一つにより達成される。
本発明の目的が達成されるさらに別の局面において、本発明は組織再生のためにMAG遺伝子を使用することに関する。
本発明の目的が達成される本発明の別の局面は、組織再生のため、少なくとも一つのHMG蛋白質遺伝子を使用することに関する。
好ましい態様において、HMG蛋白質遺伝子は、HMGI-C遺伝子およびHMGI-Y遺伝子からなる群より選択されることが提供される。
上記遺伝子または遺伝子群を以下においてGG遺伝子と称する。
GG遺伝子と本質的に同じ核酸配列を有する配列が使用されることが提供され得る。
別の局面において、本質的にGG遺伝子と機能的に同じ核酸配列を有する配列が使用される。
上記に規定された配列および上記に規定されたGG遺伝子を以下においてSG配列と称する。
さらに別の態様において、SG配列は対応する翻訳産物(類)のDNA結合部分をコードする少なくとも一つの配列を有することが提供される。
本発明のさらに別の局面において、SG配列およびその誘導体は対応する翻訳産物(類)の蛋白質結合部分をコードするいかなる配列も含まないことが提供される。
さらに、本発明に係るSG配列またはそれらの誘導体は、対応する翻訳産物(類)の蛋白質結合部位をコードする配列または配列群と置換またはそれを補足する一つ以上のSr配列を有することが提供され得る。
この場合には、Sr配列は、ヒトゲノムの他の配列、他の(宿主)生物の配列および人工的配列ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されうる。
【0058】
一態様において、本発明に係るSATまたはSG配列およびその誘導体は、二本鎖、および/またはコーディングおよび/または非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAとして存在することが提供される。
さらに、本発明に係るSATまたはSG配列およびその誘導体は、天然型および/または変異型および/または断片または全長として存在することが提供され得る。
本発明の一態様において、SATまたはSG配列およびその誘導体は、少なくとも一つのプロモーターおよび/または少なくとも一つのエンハンサー因子および/または少なくとも一つの転写終結因子および/または少なくとも一つの耐性遺伝子および/または少なくとも一つの他のマーカー遺伝子を有する。
一態様において、本発明に係るSATもしくはSG配列またはそれらの誘導体は宿主系においてクローンとして存在する。
この場合には、本発明に係るSATまたはSG配列ならびにおよびその誘導体は、少なくとも一つのコピー中に存在することが提供される。
上記GG遺伝子、SG配列およびそれらからまたは種々の態様から誘導される配列を以下においてSTと称する。
【0059】
本発明に係る目的は、一本鎖および/または二本鎖としてのセンスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNAおよびアンチセンスcDNAならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも一つの薬物MSを含む、組織再生のための薬物により達成される。
薬物(類)MSの配列(類)は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/または化学的修飾されたまたは化学的修飾されていない形態で存在することが提供される。
好ましい態様において、薬物(類)MSの配列は、天然型もしくは変異型で、全長もしくは断片であるSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)に相当する。
核酸を含む群より選択される上記薬物を以下においてMMAKSと称する。
【0060】
さらに、本発明に係る目的は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される少なくとも一つの薬物MPを含む、組織再生のための薬物により達成される。
薬物MPは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTまたはSAT配列(類)および/または対応する転写物(類)に対して作用する場合、特に好ましい。
特に好ましい態様において、薬物MPは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在する一つの配列またはいくつかのSTまたはSAT配列および/または対応する転写物の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片、および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない一つ以上の翻訳産物に対して作用する。
さらに、本発明に係る薬物MPが、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTまたはSAT配列(類)および/または対応する転写物(類)に対して作用する抗体または該抗体断片に対して作用することは、本発明の範囲内である。
さらに、本発明に係る薬物MPが、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTまたはSAT配列(類)および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在し、グリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない一つ以上の翻訳産物(類)に対して作用する抗体または該抗体断片に対して作用することが提供され得る。
抗体ならびにその断片および誘導体からなる群より選択される上記薬物を以下においてMMAKPと称する。
【0061】
本発明に係る目的は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTまたはSAT配列(類)および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的修飾されたまたは化学的修飾されていない少なくとも一つの翻訳産物を含む、組織再生のための薬物により達成される。
【0062】
上記翻訳産物を以下において翻訳産物TPと称する。
最後に、本発明の目的は、少なくとも一つの発現刺激因子を含む、組織再生のための本発明に係る薬物により達成される。
特定の遺伝子系の他の遺伝子と比較して、発現刺激因子はSTまたはSAT配列の一つ以上に対する特異性が高い場合、特に好ましい。
【0063】
発現刺激因子は一つの配列またはいくつかのSTまたはSAT配列に特異的である場合、特に好ましい。
上記発現刺激因子を以下において発現刺激因子ESと称する。
組織再生のための、本発明に係る薬物の少なくとも一つの本発明に係る一用途は、再生される組織が、変性性組織、外傷性損傷組織および他の手段により損傷された組織からなる群より選択されることを提供する。
組織再生のための、本発明に係る薬物の少なくとも一つの一用途は、再生される組織が間葉組織である場合に特に好ましい。
間葉組織が、軟骨、筋肉、脂肪ならびに結合および支持組織からなる群より選択されることが極めて特に好ましい。
本発明に係るさらに別の用途は、インビボでの組織再生のために、本発明に係る薬物の少なくとも一つを適用することに関する。
本発明は、この使用がヒトおよび/または動物において行われることを示す。
さらに、ヒトおよび/または動物において治療的用途が使用されることが提供される。
本発明の別の局面は、インビトロでの組織再生のために、本発明に係る薬物の少なくとも一つを使用することに関する。
この用途が、細胞培養、組織培養、器官培養およびそれらの組み合わせからなる群より選択される培養物中または培養物上で行われることが特に好ましい。
本発明に係るさらに別の用途において、本発明に係る薬物は、組織再生に対する治療用途のための医薬品を製造するために提供される。
【0064】
さらに別の局面において、本発明は、少なくとも一つの薬物MMAKSおよび/または少なくとも一つの薬物MMAKPを含む、組織再生用キットに関する。
キットは、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTまたはSAT配列および/または対応する転写物(類)の一つまたはいくつかの、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在し、グリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的修飾されたまたは化学的修飾されていない少なくとも一つの翻訳産物を含有することができる。
【0065】
一態様において、少なくとも一つの発現刺激因子ESが含有される。
特に好ましい態様において、少なくとも一つの薬物MMAKSおよび/または少なくとも一つの薬物MMAKPおよび/または少なくとも一つの翻訳産物TPおよび/または少なくとも一つの発現刺激因子ESが、本発明に係るキットに含有されることが提供される。
キットは治療処置および/または診断のために使用され得る。
さらに、キットはインビボで使用されることが提供され得る。
キットはヒトおよび/または動物のために使用されることが提供される。
最後に、キットはインビトロ系においても使用され得る。
キットが、細胞培養、組織培養、器官培養およびそれらの組み合わせからなる群より選択される培養物中または培養物上で使用される場合に特に好ましい。
【0066】
別の局面において、本発明は、STまたはSAT配列の少なくとも一つが、再生される予定の組織中で発現される、組織再生の方法に関する。
本発明の目的が達成されるさらに別の局面において、本発明は以下の段階:
a)標的細胞と称される細胞の調製;
b)STまたはSAT配列の少なくとも一つの標的細胞への導入;
c)標的細胞中のSTまたはSAT配列の少なくとも一つによる発現の誘導;および選択的に、
d)標的細胞の培養
を含む。
標的細胞を培養する際に、STまたはSAT配列の少なくとも一つが発現されることが提供され得る。
【0067】
好ましい態様において、トランスフェクション法、マイクロインジェクション法、エレクトロポレーション法、リポソームによる遺伝子導入法および薬物により生じる形質転換体からなる群より選択される方法により標的細胞内にSTまたはSAT配列の少なくとも一つがインビトロで導入される。
また、発現および/または発現の誘導は、少なくとも一つの薬物MMAKSおよび/または少なくとも一つのMMAKPおよび/または少なくとも一つの翻訳TPおよび/または少なくとも一つの発現刺激因子ESにより影響されることが提供され得る。
一態様において、標的細胞は、ヒトを含む動物由来であってもよい。
別の態様において、標的細胞は、ヒト以外の動物由来であることが提供される。
標的細胞は、再生される予定の組織に含有される細胞種ではない異なる細胞種であることが提供され得る。
別の方法として、細胞種は、再生される予定の組織に含有されるような細胞種であることが提供され得る。
【0068】
標的細胞は、STまたはSAT配列の少なくとも一つの影響下にて多能性幹細胞に(逆)分化することが好ましい。
方法の好ましい態様において、標的細胞は他の細胞および/または細胞種と共培養される。
この場合には、共培養に使用される細胞および/または細胞種が標的細胞の分化状態に影響を与えることが特に好ましい。
さらに別の態様において、細胞を含有する生物学的液体、細胞(cells)、各細胞(individual cells)、組織および器官からなる群より選択される物質を生物から取り出すことにより標的細胞が調製される。
さらに、STまたはSAT配列の少なくとも一つが標的細胞に導入された後に、これらの標的細胞を動物体内に導入することが提供される。
さらに、STまたはSAT配列の少なくとも一つが標的細胞に導入された後で、標的細胞が動物生体に導入される前に、標的細胞内で発現が誘導されることが提供される。
【0069】
別の局面において、STまたはSAT配列の少なくとも一つが標的細胞に導入された後で、標的細胞が動物体内に導入された後に、標的細胞内で発現が誘導される。
好ましい態様において、動物体内に導入される標的細胞は分化状態および/または分化能を有する状態にある。
極めて好ましい態様において、動物はヒトである。
標的細胞が導入される生物は、標的細胞が採取される生物と同じであることが提供される。
別の局面において、標的細胞が導入される生物は、標的細胞が由来する生物とは異なることが提供される。
STまたはSAT配列の少なくとも一つが、再生される予定の生物の組織および/またはその対応する細胞に導入されることが提供され得る。
特に好ましい態様において、STまたはSAT配列の少なくとも一つが、遺伝子療法を使用することにより、再生される予定の組織および/またはその対応する細胞に導入されることが提供される。
本発明に係る方法の一態様において、導入されたSTまたはSAT配列は発現される。
導入されたSTまたはSAT配列の発現が、少なくとも一つの薬物MMAKSおよび/または少なくとも一つのMMAKPおよび/または少なくとも一つの翻訳TPおよび/または少なくとも一つの発現刺激因子ESにより影響されることが特に好ましい。
本発明に係る特に好ましい態様は、再生される予定の組織は、間葉組織からなる群より選択されることを提供する。
本発明に係る方法のさらに極めて特に好ましい態様は、間葉組織が軟骨、筋肉、脂肪ならびに結合および支持組織からなる群より選択されることを提供する。
【0070】
別の局面において、本発明の目的を達成する間に、本発明は、腫瘍疾患を治療するための、本発明に係るSAT配列の少なくとも一つの使用に関する。
本発明の目的が達成されるさらに別の局面において、本発明は腫瘍疾患を治療するためにMAG遺伝子を使用することに関する。
本発明の目的が達成される本発明の別の局面は、腫瘍疾患を治療するために少なくとも一つのHMG蛋白質遺伝子を使用することに関する。
好ましい態様において、HMG蛋白質は、HMGI-C遺伝子およびHMGI-Y遺伝子からなる群より選択されることが提供される。
【0071】
上記の遺伝子または遺伝子群を以下においてGGと称する。
本質的にGG遺伝子と同じ配列の核酸を有する配列が使用されることが提供され得る。
別の局面おいて、本質的にGG遺伝子と同じ機能である核酸配列を有する配列が使用され得る。
上記に規定される配列と上記に規定されるGG遺伝子を以下においてSG配列と称する。
さらに別の態様において、SG配列は、対応する翻訳産物(類)のDNA結合部分をコードする少なくとも一つの配列を有することが提供される。
本発明のさらに別の態様において、本発明に係るSG配列およびそれらの誘導体が、対応する翻訳産物(類)の蛋白質結合部分をコードする配列を有さないことが提供される。
さらに、本発明に係るSG配列または誘導体が、対応する翻訳産物(類)の蛋白質結合部分をコードする配列または配列類と置換または補助する一つ以上のSr配列を有することがさらに提供され得る。
この場合には、Sr配列は、ヒトゲノムの他の配列、他の(ドナー)生物および人工的配列ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されうる。
一態様において、本発明に係るSATまたはSG配列ならびにそれらの誘導体は、二本鎖、および/またはコーディングおよび/または非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAとして含有されることが提供される。
さらに、本発明に係るSATまたはSG配列ならびにそれらの誘導体は、天然型および/または変異型および/または断片または全長で含有されることがさらに提供され得る。
【0072】
本発明の一態様において、本発明に係るSATまたはSG配列ならびにそれらの誘導体は、少なくとも一つのプロモーターおよび/または少なくとも一つのエンハンサー因子および/または少なくとも一つの転写終結因子および/または少なくとも一つの耐性遺伝子および/または少なくとも一つのマーカー遺伝子を有する。
一態様において、本発明に係るSATもしくはSG配列またはそれらの誘導体の少なくとも一つは宿主系においてクローンとして存在する。
この場合には、本発明に係るSATもしくはSG配列またはそれらの誘導体は少なくとも一つのコピー内に含有されることが提供される。
【0073】
上記GG遺伝子、SG配列およびそれらから誘導される配列または種々の態様は以下においてST配列と称する。
本発明により、一本鎖および/または二本鎖としてのセンスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNAおよびアンチセンスcDNAならびにそれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも一つの薬物MSATを含み、MSAT剤の配列がSATまたはST配列一つ以上または対応する転写物(類)に相当する、腫瘍疾患を治療するための薬物により、本発明に係る目的が達成される。
【0074】
態様の好ましい形態において、SATまたはST配列または対応する転写物の配列は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片として存在することが提供される。
態様のさらに別の形態において、MSAT薬物の配列は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/または化学的に修飾されたまたは化学的に修飾されていない形態で存在することが提供され得る。
さらに、本発明は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される少なくとも一つの薬物MPATを含み、MPAT薬物が天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSATまたはST配列(類)および/またはその対応する転写物(類)に対して作用する、腫瘍疾患を治療するための薬物を提供する。
【0075】
本発明の範囲内において、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される少なくとも一つのMPAT薬物を含有し、MPAT薬物が天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSATまたはST配列の一つ以上および/または対応する転写物(類)の一つ以上の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていない翻訳産物に対して作用する、腫瘍疾患を治療する薬物がさらに提供される。
【0076】
本発明は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSATまたはST配列の一つ以上および/または対応する転写物(類)の一つ以上の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的に修飾されたまたは化学的に修飾されていない翻訳産物の少なくとも一つにより特徴付けられる、腫瘍疾患を治療する薬物をさらに提供する。
【0077】
最後に本発明は、対応する遺伝子系の他の組織と比較して、SATまたはST配列の一つ以上により高い特異性を有する発現阻害因子である少なくとも一つのMJATを含む、腫瘍疾患を治療するための別の薬物を提供する。
さらに、本発明は、SATまたはST配列の少なくとも一つに特異的な発現阻害因子である少なくとも一つのMJAT薬物を含む、腫瘍疾患を治療するための薬物を提供する。
【0078】
態様の好ましい形態において、治療される予定の腫瘍は、MAG遺伝子、HMG蛋白質遺伝子、HMGI-C遺伝子、HMGI-Y遺伝子およびそれらの誘導体からなる群より選択される遺伝子を発現する。
さらに、本発明の薬物の一つは、腫瘍疾患を治療するための医薬品を製造するために使用されることが提供され得る。
態様の好ましい形態において、MAG遺伝子、HMG蛋白質遺伝子、HMGI-C遺伝子、HMGI-Y遺伝子およびそれらの誘導体からなる群より選択される遺伝子を発現する医薬品が、種々の腫瘍を治療するために使用されることが提供される。
態様のさらに別の形態において、MAG遺伝子、HMG蛋白質遺伝子、HMGI-C遺伝子、HMGI-Y遺伝子およびそれらの誘導体からなる群より選択される遺伝子を発現する、本発明の少なくとも一つの薬物が、種々の腫瘍を治療するために使用されることが提供され得る。
【0079】
図1〜図19に示されるような配列により特徴づけられる、本発明に係るDNA配列は、核酸が構造中に情報を保有する分子であることを確認されなければならない、本発明の配列ならびにその対応する転写物および翻訳産物に基づいて新規薬物を開発するために有利である。該薬物は、医薬品ならびに診断に使用される薬物であってもよいが、これらに限定されていない。これらの薬物は、種々の方法においても有利に使用され、また種々の疾患を治療するためまたはこれらの疾患を治療するための適当な医薬品を製造するためにも有利に使用され得る。このように、本発明の配列を記載することにより、多用途の薬物が利用される。それにより、本発明の配列から生ずる利点は特有の作用部位の正確な特徴づけに限定されず、従って本発明の薬物を含む好適な薬物を使用することにより影響され得るが、対応する配列自体は、本発明の配列またはそれらから誘導される配列および/またはそれらの転写物および/またはそれらの翻訳産物の存在に基づいた影響を生ずる作用をすることが注目されるべきである。これらの配列が生体内におけるように生物学的に活性である場合には、基礎的な生物過程の結果としてであろうが、または技術的な手段によるこれらの配列の導入の結果としてであろうが、またはインビトロ系においてであろうが、これらの配列はまた有利に影響され得る。
図1〜図19に示される配列の一部が、HMGI-C遺伝子のDNA配列の一部である場合には、これらの一般的な利点も提供される。
【0080】
本出願に関連する「遺伝子」という用語は、エクソンおよびイントロンの配列を含み、さらにまたそれぞれの遺伝子の対応するcDNAも含むことを意図する。
図1〜図19に示される配列と比較して、本発明のDNA配列に突然変異が生じていることは、突然変異により、例えば本発明の配列に対して作用する形態のアンチセンスDNAの配列特異的薬物は、必要であれば、他の作用部位と識別することができる利点をさらに提供し、従って突然変異ではない配列が使用されるときに生じる厳密度では、それぞれの相補鎖間の相互作用に必要な特異性が保証されないと思われる。
【0081】
本発明のセンスの突然変異には、5'端および/または3'端における配列のオリゴマーまでの短小化、ならびに配列内に配置される少なくとも一つのヌクレオチドの配列(類)の損失を含む、配列の断片化も含む。さらに、本明細書で使用される「断片化された配列または遺伝子」という用語は、それぞれ部分的または完全に欠失され得る一つ以上のイントロンを有する配列/遺伝子を含むことを意図する。
さらに、該突然変異配列により、生物活性が天然の配列の翻訳産物と本質的に同じ翻訳産物が入手され得る。翻訳産物のアミノ酸配列のレベルでは、該突然変異は、挿入、欠失またはサイレント突然変異を含む種々の方法でアミノ酸配列の中に発現しうる。DNAのレベルでは、該突然変異により、配列はある種のtRNAアンチコドンが使用されたときと同じになり、それにより対応する配列の翻訳率はそれぞれの要求量またはそれぞれの宿主系と同じになる。
【0082】
一方、図1〜図19に示されるDNA配列と本質的に同じ配列が有利であり、例えば、必要な厳密度を加える用途が考えられる。本発明のDNA配列の改良版も、生物学的バックグラウンドにより認識される好適なシグナルを含む可能性も提供する。該シグナルが存在することにより、例えば転写物の半減期の延長の結果としてのような、転写および/または翻訳率が変化することがあるが、これに限定されていない。
【0083】
単に機能的に同じ核酸配列が使用されるときも、上記の利点が存在しうる。それにより、「機能的に同じ核酸」という用語は、HMGI-C遺伝子ばかりでなく一般にMAG遺伝子またはHMG蛋白質遺伝子が基づく機能的な原理を考慮していることが考慮されるべきである。
【0084】
矛盾することなく、文献には、対応する遺伝子産物は本質的にDNA結合部分および蛋白質結合部分であるということが記載されている。結果として、この「機能的に同じ核酸配列」という用語はまた、本発明の配列またはMAG遺伝子またはHMG蛋白質遺伝子の翻訳産物と同様の機能を有する翻訳産物をコードする配列を含むことを意味する。上記の有利な影響も該翻訳産物に関して考慮されるべきである。この用語また、機能的に同じ翻訳産物を生ずる、すなわち遺伝コードの変性の結果として上記の意味で機能的に依然として活性のある翻訳産物を生ずる核酸配列を含むことも意図される。本発明の配列が、対応する翻訳産物(類)のDNA結合部分をコードする(核酸)配列を有することは、本発明の配列が、DNAと結合することができる翻訳産物を産生することを保証している。逆に、該核酸配列は、例えばアンチセンスDNAまたは配列のDNA結合部分に対して作用する抗体および/または対応する翻訳産物などの分子構造内に必要な配列特異性が内在する薬物の、正確に規定された標的を与える。
【0085】
本発明の配列は、本発明のDNA配列に対応する翻訳産物(類)の蛋白質結合部分をコードする配列を欠くことがあるので、蛋白質結合部分を介して仲介される、染色質構造への影響に望ましい方法で影響を与える可能性が存在する。
【0086】
一方、本発明の配列に対応する翻訳産物(類)の蛋白質結合部分をコードする配列(類)と交換またはそれを完成させる、一つ以上の配列が存在する場合には、これにより、細胞の(蛋白質)成分と特有の相互作用をする有利な可能性を開く。結果として、他の細胞因子は、翻訳産物の追加の、または新たな部分と相互作用することができる。逆に、DNAレベルでは、本発明の配列に応答することが可能な別の領域がこのように導入され得る。
【0087】
考慮中のそれぞれの問題に応じて、ヒトゲノムの他の配列、他の(ドナー)生物の配列および人工的配列ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されるSr配列も、細胞事象に影響を与える多くの可能性を提供する。
【0088】
図1〜図19に示される配列がHMGI-C遺伝子の異常な転写物であるということにより、一方の手にある異常な転写物と他方の手にある異常ではない転写物とを、またそれぞれの翻訳産物を識別することができる。当業者にとって、この結果は治療分野および診断分野双方における多数の利点である。
このように、例えば、異常な転写物の翻訳産物が、例えば競合的阻害物質として作用することにより、細胞事象におけるある種の反応連鎖を刺激または妨害することが考えられる。
【0089】
少なくとも一つの転写プロモーターとその下流の本発明の少なくとも一つのDNA配列を含む、本発明に係る種類の発現ベクターを用いて、本発明のDNA配列の対応する転写物および翻訳産物を単純で速やかな方法で入手する可能性が存在する。
【0090】
発現ベクターのさらに別の形態を使用することにより、種々の宿主系を形質転換またはトランスフェクションする可能性も存在する。使用されるそれぞれの宿主系に応じて、当技術分野で十分周知な、真核細胞および原核細胞両者の、種々のプロモーター、ならびに選択的にエンハンサー因子および/または好適な停止因子が提供され得る。
【0091】
宿主細胞として原核細胞または真核細胞が使用されるか否かは、発現ベクターが使用される目的に依存する。例えばグリコシル化の欠如または封入体形成の可能性などの、原核細胞の宿主系に内在する不利益が培養の目的にとって重要でないときは、栄養要求性および培養の比較的大きな容易さのために、原核細胞が好ましい。
【0092】
一方、例えば、翻訳後修飾がさらに別の意図された用途のために重要であるときは、真核細胞、特に酵母細胞および哺乳類細胞が利点を提供する。
【0093】
天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在する一つ以上のSAT配列および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的に修飾されたまたは化学的に修飾されていない翻訳産物[等]である蛋白質またはペプチドからも利点が得られる。このように、観察中の系の遺伝的バックグラウンドを変化することなく、STおよび/またはSAT配列によりコードされるエフェクター分子を調製する可能性が存在する。例えば、「洪水(flooding)」形態の、翻訳産物(類)に関する細胞レベルの直接的な置換または完成化に加えて、種々の可能なグリコシル化形態および生理的に特に重要なリン酸化形態および他の修飾形態を含む、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在する誘導体を使用し、それにより該分子が、必要な場合には天然の翻訳産物の作用を助けることができ、または別の方法としてこれを開始することができ、または競合的阻害の意味で細胞機序の対応する付着部位に応答することができることにより、細胞事象に影響を与える可能性も提供される。
【0094】
本発明および/またはMAG遺伝子の配列または少なくとも一つのHMG蛋白質遺伝子の少なくとも一つの配列の使用および特に、HMGI-C遺伝子またはHMGI-Y遺伝子の使用は、特異的な作用部位ならびに原則的に血管発生に影響を与えるために使用される薬物の特異性を与えるという点において、有利である。これは、対応する遺伝子または配列の発現が、対応する遺伝子または配列そのものを含んでもよい、好適な薬物により影響されることを保証するものである。この非常に直接的な作用機序に基づいて、間接的な作用機序の場合に生ずる全ての不利益がかなりの程度回避される。こうすることにより、非特異的な障害の意味における細胞過程の障害が小さくなり、従って最後には全身レベルに対する二次的な影響が小さくなる。
【0095】
本発明のSAT配列の突然変異体および他の形態の有利な影響に関連して上記した説明はまた、もちろんST配列にも適用され、参考のために本明細書に組み入れられている。
【0096】
STおよび/またはSAT配列が、二本鎖、および/またはコーディングおよび/または非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAとして存在するときも、有利な影響が提供される。該配列がDNAまたはRNAとして存在する場合には、本発明の範囲内である。本発明に係る該構築物の使用により、血管発生に影響を与えるための体細胞および/またはトランジション遺伝子治療を可能にする。
【0097】
さらに、対応する配列が、コード鎖または非コード鎖にかかわらず、一本鎖として存在し、それにより血管発生が影響されることを保証するために、一本鎖に特異的に作用する薬物が使用され得る場合には、有利である。当業者は、直接介在される作用の利点を先行させる必要なしに、天然型もしくは変異型および/または断片形態の該配列を利用することができる。本明細書においても、突然変異および断片化に関する過去の説明が適用する。
【0098】
STおよびSG配列が、少なくとも一つの真核細胞プロモーターおよび/または少なくとも一つのエンハンサー因子および/または少なくとも一つの転写終結因子および/または少なくとも一つの耐性遺伝子および/または少なくとも一つの他のマーカー遺伝子を有する場合には、血管発生も有利に影響され得る。転写および/または翻訳は、血管発生に影響を与えるためにさらに有利である方法で、これらの因子により影響され得る。このように、好適な真核細胞プロモーターは、例えば、特異的な因子の存在により制御されることができ、従って内因性および/または外因性因子により所定の発現が誘導され得る。分子レベルまたは分子遺伝的レベルで進行する過程の適応がそれによって保証されることができる限りは、マーカー遺伝子はこれに関連して有利だろう。
【0099】
STおよび/またはSAT配列は宿主系においてクローンとして存在するので、STおよび/またはSAT配列の天然の存在によって生じる発現レベルの影響により、インビボおよびインビトロにて血管発生を達成する可能性が存在する。例えば、これにより、特に迅速に血管を増殖させることができる。
【0100】
本発明の少なくとも一つのコピー、すなわちSTおよび/またはSAT配列がそれぞれの生物系において存在するということにより、遺伝子投与効果により、上記の説明の意味におけるさらに有利な影響を達成することができる。
【0101】
センスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNAおよびアンチセンスcDNAならびにそれらの組み合わせからなる群より選択された、血管発生に影響を与えるための本発明の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/または化学的に修飾されたまたは化学的に修飾されていない薬は特に有利である。
【0102】
薬物(類)の配列が、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTもしくはSAT配列(類)または対応する転写(物)に相当する場合には、転写および/または翻訳による血管発生に対する影響を有利に発揮することが可能である。このように、例えば、好適なセンスDNAまたはセンスRNAを使用することにより、対応する配列の発現量を上昇することが考えられる。逆に、例えば、腫瘍の血管形成を低下する場合には、対応するアンチセンスDNA/アンチセンスRNAを使用して、発現を低下させることが考えられる。STおよび/またはSAT配列の発現の低下の結果として、腫瘍の血管発生が低下され、腫瘍の容積が減少し、消失する。cDNAまたはアンチセンスcDNAが使用されるときも、対応する機序が得られる。対応する薬物が非天然型、すなわち変異型および/または断片で存在するときも、有利な影響が観察され得る。配列特異的な薬物と、STおよび/またはSAT配列および/または細胞因子との相互作用が、遺伝的バックグラウンドに対して識別され得る限りにおいて、該突然変異は有利である。逆に、主に天然型である配列の場合には、元の標的配列の有利と思われる応答が可能である。使用される薬物の対応する配列は、必ずしも全長で、すなわち完全な長さで存在する必要はない;それらが、上記に規定されるように、断片で存在するときも、望ましい影響は達成され得る。
【0103】
本発明の薬物が細胞に導入されるか、または細胞中に存在して、それ自体がマトリックスとして作用し、生物学的な影響を有することも考えられる。該影響は、DNAおよび/またはRNAおよび/または対応する翻訳産物により生じうる。このように、体細胞遺伝子治療および/またはトランジション遺伝子治療の可能性が、本発明の薬物により開かれる。
【0104】
DNAおよびRNA両者の使用は原則的に本発明の薬物の範囲内において可能であるが、生物系におけるRNAの安定性の低さのために、長期影響が望ましい場合には、DNAの使用が適当であるだろう。逆に、対応する配列に対するごく短い期間の影響が望ましい場合には、RNAの使用が適当であると思われる。
【0105】
薬物の生物学的半減期が化学的修飾により影響され、本発明の薬物の作用期間が正確に影響され得る限りにおいて、本発明の薬物の化学的修飾は他のことの中でも有利であるだろう。
【0106】
対応する薬物が、STおよび/またはSAT転写物に対して作用するとき、極めて特に有利である。このように、一般に二本鎖として存在する配列に対する転写物を利用できることは、阻害効果ばかりでなく刺激効果のためにも重要であり得る。天然型に加えて、転写物の変異型も、相互作用の特特異性にさらに影響を与え、それによって対応する転写物が、選択的に全長もしくは断片として存在することができ、種々の接合型が、上記に規定された形態に加えて、断片として理解され得る可能性を提供する。
【0107】
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される、血管発生に影響を与えるための、本発明の薬物の場合には、特異性が有利な用途のために利用される。該薬物の特異性は、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在するSTおよび/またはSAT配列および/または対応する転写物(類)に対して作用する。このように、薬物の上記の特異性により、該配列との特異性の高い相互作用が生じる。それぞれの転写物によって生じるものを含む、天然の配列により確立されたエピトープに加えて、選択的に変異した配列の変異転写物も、残りの細胞のまたは他の細胞の抗原性バックグラウンドと比較して、組織および器官特異的であり、その結果、血管発生に影響を与えるために必要であり、選択的に全身適用された薬物の標的細胞特異性が、考えられる副作用の確立の最も低さと関連して、保証される。同じことが、転写物の断片の存在にも適用する。
【0108】
ポリクローナルおよびモノクローナル抗体の使用に加えて、それらの断片および誘導体の使用も、本発明の意味において特に有用である。断片は、抗原またはエピトープに多少なりとも特異性を有して結合しつづけることができる抗体から誘導される全ての形態の分子を含む。誘導体は、抗体の元の構造から誘導された抗体または断片を意味すると理解される。これらは、中でも、蛋白質鎖1本だけを含有する抗体ならびに標識抗体を含む。標識は文献に記載されている全てのものを含み、中でも、酵素、ルミネッセンス、複合体形成、ビオチンおよびビオチン誘導体、ジゴキシゲニンならびに放射性標識による標識を含む。
【0109】
さらに、生物学的および/または化学的および/または物理的機序を使用して、細胞内への取り込みが可能になるように、これらの抗体、断片および誘導体が修飾されることが提供される。受容体が介在する取り込み、または他の非特異的と思われる取り込みを可能にする追加の構造(例えば、対応するドメインまたは付着化合物)を、分子がその配置に有するという点において、該修飾が成り立ちうる。
【0110】
STおよび/またはSAT配列または対応する転写物に対する該薬物の特異性に関して上記で説明されたことも、その翻訳産物に適用する。本明細書においても、配列またはそれらの転写物の翻訳産物の天然型に加えて、変異配列から翻訳される翻訳産物も特に重要である。存在する天然の翻訳産物の多数のエピトープに加えて、異常な翻訳産物は、規定された細胞集団による選択的な応答に対して特に関心があるものであり、過去に存在したエピトープの消失に加えて、エピトープの新たな出現も有用である。該エピトープは、原則的に、一次配列および二次、三次または四次構造により生じ、グリコシル化およびリン酸化部位にも影響を与えうる。
【0111】
血管発生に影響を与えるための薬物の特異性は、この薬物が抗体または断片もしくは誘導体に対して作用し、一部は上記に規定されるように、種々の形態のSTおよび/またはSAT配列および/または対応する転写物(類)に対して作用し、または種々の形態の対応する翻訳産物(類)に対して作用するという点において、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体ならびにこれらの断片および誘導体からなる群よりそれ自身が選択される薬物によっても影響され得る。
【0112】
血管発生の有利な影響はまた、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在する一つ以上のSTおよび/またはSAT配列および/または対応する転写物(類)の、天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片および/またはグリコシル化された、一部グリコシル化された、もしくはグリコシル化されていないおよび/またはリン酸化されたもしくはリン酸化されていないおよび/または化学的に修飾されたまたは化学的に修飾されていない、少なくとも一つの翻訳産物[等]により特徴づけられる、血管発生に影響を与えるための本発明の薬物により可能にされる。
【0113】
天然型もしくは変異型および/または全長もしくは断片で存在する一つ以上のSAT配列および/または対応する転写物(類)の翻訳産物である蛋白質またはペプチドの該利点ももちろん本発明の薬物に適用でき、参考のために本明細書に組み入れられている。
【0114】
他の利点は、血管発生に影響を与えるための薬物の範囲内において、少なくとも一つの発現阻害因子および/または少なくとも一つの発現刺激因子を使用することにより生ずる。本発明の上記MMAKSおよびMMAKP薬物もまた、該発現阻害因子または発現刺激因子となりうる。しかしながら、これらとは異なる発現阻害因子および発現刺激因子も含まれる。遺伝的バックグラウンドが、対応する阻害剤または刺激剤により、STおよび/またはSAT配列の発現に関して調節されることは、本発明の範囲内である。血管発生の望ましい影響は、一方での遺伝的バックグラウンドの発現と、他方でのSTおよび/またはSAT配列の発現との相対的な関係によって生じうるものである。該MMAKSおよびMMAKP薬物は、細胞系の総遺伝的バックグラウンドに影響を与える、阻害剤および/または刺激剤であるので、非特異的薬物に追加して使用することも全く可能である。
【0115】
関心のある遺伝系の他の遺伝子と比較して、STおよび/またはSAT配列の一つ以上に対して、発現阻害因子または発現刺激因子の特異性が増加するような有利な方法で、血管発生に影響する選択性が増加され得る。
【0116】
血管発生の影響に関する該利点も血管形成に拡大することができ、それによって、必要がある場合には、有利な方法で低下および/または妨害され得る。逆に、血管形成の刺激も可能であり、本発明の対応する翻訳産物および薬物を含む、最も広い意味において、STおよび/またはSAT配列を使用して有利に実行され得る。
【0117】
本発明の薬物は、腫瘍の血管形成に関するときは、血管発生に影響を与えるために主に重要である。すでに説明したように、血管系の存在は腫瘍の増殖にとって必須である。本発明の配列および薬物を使用して、または最も広い意味における、翻訳産物およびそれらから誘導される薬物を含むST配列の本発明の用途を使用して、本明細書では腫瘍の血管形成を制御することが可能であり、従って、種々の腫瘍を治療するための新規な方法が記載される。このように、周知の副作用を有する化学療法および放射線療法などの比較的非特異的な治療法は流行遅れとなっており、代わりに特異性の高い治療法が可能である。全身の血管形成のさらなる障害も、例えば腫瘍の血管形成部位へ直接薬物を投与するなどの好適な手段により回避され得る。
【0118】
該特異性は、中でも、HMGI-Cのより強い発現は、子宮内膜を除いた成人生体のいかなる組織においてもこれまで見いだされていないということに基づいており、その結果実際に、腫瘍周囲の血管の発生は選択的に妨害され得る。
【0119】
血管形成に関連して与えられた説明は、本発明の薬物またはそれらの用途が、血管新生の意味における血管発生への影響に関するときに、適用される。
【0120】
他の疾患におけるように、(新)血管形成過程、(新)血管新生過程および血管新生の妨害は、糖尿病におけるような視力障害にも大きな役割を果たしている。このように、最初に説明した現行の治療法の不利益を克服するように、本発明の薬物または配列を使用して、この場合にも有利で特異性の高い治療を実施することが可能である。該治療法の予防的態様は、本発明の薬物または配列が本発明により使用されるときにはかなり重要であり、その結果、患者の健康および幸福が視力障害によりさらに損なわれることが回避される。
【0121】
血管発生に影響を与えるための、本発明の薬物の、本発明に係る用途は、梗塞障害を生じた心筋組織の血液供給を改善する際に有利に使用され得る。(新)血管形成および(新)血管新生により、心筋組織は血管が良好に供給されることが可能となる。梗塞患者の健康状態が本質的に改善されたことに加えて、バイパス形成術が完全に省かれるか、またはその治癒過程がうまく強化され得る。さらに、本発明に係る用途は、一般に心筋組織への血液供給の改善に関し、特にハイリスク患者の心筋組織への血液供給の改善に関する。
【0122】
血管発生への影響に関する利点は、ヒトおよび動物生体へ拡大され、それによって、ヒトおよび/または動物における治療および/または診断用途が有利になる。
【0123】
再生目的、腫瘍疾患の治療または糖尿病の影響(視力障害)のためであろうが、血管発生の影響によりヒトが経験する直接的な利益に加えて、例えば、適当な血管材料が、本発明の配列および/または薬物の影響下にて、移植目的または動物における使用のために製造されるとき、この利益はまた間接的となりうる。
動物用医薬品用途の意味における用途も、もちろん含まれる。
この非常に広い治療用途に加えて、有利な診断用途も、ヒトおよび動物両者において可能である。中でも、薬物が、非侵襲的な試験方法により検出され得る標識を保有するときには、MMAKSおよびMMAKP薬物を使用することが特に有利である。このように、例えば、治療手段が、遺伝子レベルにおいて望ましい成果を挙げているか否かを調べることができる。本発明に係る血管発生への影響は、本発明の薬物および/またはSTおよび/またはSAT配列の一つおよび/またはそれらの用途がインビトロにて使用されるときも有利である。これは、中でも、細胞培養、組織培養および器官培養における用途を含む。
【0124】
最後に、本発明の薬物またはその用途は、治療用途および/または診断用途のための医薬品を製造するためにも使用されることができ、その結果、これらに関連する副作用に関する限りでは、血管発生に影響を与える目的のため、または糖尿病および腫瘍疾患を治療する目的のために使用される従来技術の薬物より明らかにすぐれた薬物が利用できる。
【0125】
上記の利点は、種々の形態の実施態様において本発明のキットにも適用される。これは、キットの個々の成分によって生じる利点に適用される。
キットの利点は、中でも一般に、それぞれの薬物がその用途のための最適な方法で使用されるという点にあると考えられる。これはまた、好適な空間的な配置を含む。種々の薬物を組み合わせることにより有利な影響が生じうる。
【0126】
糖尿病の影響を治療するため、および梗塞により損傷された心筋組織の血管供給を改善するための、腫瘍の血管形成の低下を含む、血管発生に影響を与えるための治療的な使用に加えて、本発明のキットは診断目的のため、および試験目的のためにも使用され得る;例えば、ある種の治療手段がどの程度成功に近づいているか否か、またはある種の物質がそれらに寄与する影響を生じているか否かに関する情報を有利に得ることができる。
【0127】
対応する転写物および翻訳産物を含む最も広い意味において本発明のSTおよび/またはSAT配列の使用に関連し、ならびに血管発生に影響を与えるための、本発明の薬物に関連して、与えられた説明は、子宮内膜症を治療するためのそれらの使用および子宮内膜症を治療するための、本発明の対応する薬物およびキットにも適用され、参考のために本明細書に組み入れられる。
【0128】
矛盾することなく、子宮内膜症が存在する場合でも、該配列または薬物を使用することにより、HMGI-C遺伝子または機能的に同様の遺伝子の発現に影響を与える結果として、HMGI-C遺伝子の発現の影響下で、子宮内膜の構築が生じ、キットにより、実際に副作用のない、子宮内膜症の特異的な治療が行える。
【0129】
対応する転写物および翻訳産物を含む最も広い意味において本発明のSTおよび/またはSAT配列の使用に関連し、ならびに血管発生に影響を与えるための、本発明の薬物に関連して、与えられた説明は、避妊のためのそれらの使用および本発明の対応する薬物およびキットにも適用され、参考のために本明細書に組み入れられる。
【0130】
この場合においても、本発明は、子宮内膜の構築にHMGI-C遺伝子が関与するという驚くべき所見に基づいている。本発明の配列または薬物が使用されるとき、例えば、その構築を抑制するという意味において、受精卵を受け入れる子宮内膜に特に影響を与えることにより、避妊または妊娠が達成される。HMGI-C遺伝子はほぼ健康な成人生体の子宮内膜においてのみ発現されるので、適当な薬物が全身に適用されても、望ましい標的部位のみ、すなわち、子宮内膜が、本発明の対応する薬物の影響に曝されるだけで、ホルモン剤が避妊のために投与されるときに観察される副作用は実際には観察されていないことをこのことは保証している。
【0131】
本発明に係る用途または避妊のための薬物および方法は、局所避妊ならびに経口避妊を提供する。経口避妊の範囲内における、明らかに簡単で信頼できる経口投与の重要な利点に加えて、局所避妊も利点を提供する。このように、胃腸管通過が必要ではないので、適当な製剤の調合は簡単でありうる。代わりに、例えばエアゾールなどにより、本発明の薬物が作用部位、すなわち子宮内膜に直接到達することが保証されることができる。
【0132】
避妊のための本発明の薬物および避妊のための本発明の方法によって生ずる利点のような、本発明の用途の個々の形態の実施態様によって生じるさらに別の利点は、もちろん、血管発生への影響に関連してすでに記載されており、参考のために本明細書中に組み入れられる。
【0133】
有利な影響に関する限り、本発明の薬物の定期的な投与により、または本発明の方法により、基礎医学的または生物学的に考慮することにより有用である、子宮内膜の構築に関連する定期性が可能となり、例えば、月経に問題がある場合に、本発明の薬物の治療用途となる。
【0134】
特に強調されるべき、本発明の方法の利点は、本発明の薬物は妊娠後に投与され得るということである。作用機序に関して矛盾することなく、本発明者らの本発明の内容により、子宮内膜の構築は、HMGI-C遺伝子または同様の遺伝子の発現に影響を与えることにより、着床前、着床中および着床後に影響されることができ、その結果、子宮内膜は退行し、妊娠は中断されることが記載され得る。
【0135】
対応する転写物および翻訳産物を含む最も広い意味において本発明の配列の使用およびST配列に関連し、ならびに血管発生に影響を与えるためおよび避妊のための、本発明の薬物、キットおよび選択的に方法に関連して与えられた説明は、組織再生のためのそれらの使用および本発明の対応する薬物、キットおよび方法にも適用され、参考のために本明細書に組み入れられる。
【0136】
本明細書において、組織再生は、組織の塊が増加するという意味において、再生される予定の組織の種類に正確に依存した組織再生、ならびに再生される予定の細胞とは異なる種類の組織または細胞から出発した新た組織の形成を意味することが理解される。
【0137】
さらに、組織再生のための、本発明の用途、薬物、キットおよび目的により、これまでは再生され得なかった組織または困難だけを伴った組織再生が可能となり、組織再生実施者およびこの方法で再生される組織の最終受取人双方にとって、対応する再生方法が全体的に安全となる;しかしながら、本発明の用途および本発明のキットおよび本発明の方法により、ウイルス汚染(C型肝炎、HIV)および細菌汚染の可能性、ならびに免疫学的に耐えられない因子(アナフィラキシーショック)の形態による危険、少なくとも潜伏を示す生物原料由来の材料の関与を回避する一方、組織再生事象の連続において特異的な治療を可能にする規定された状態を作り出す。
【0138】
インビボでの本発明の薬物の少なくとも一つの用途は、多数の理由によるかなりの利点に関連する。このように、例えば任意の組織および生体から材料を収集する必要がない。このように、組織不適合による拒絶反応および生物原料由来の材料の使用による可能性のある問題は生じない。
【0139】
逆に、インビトロでの本発明の薬物の少なくとも一つの用途は、すなわち生体において現在使用されている条件下では対応する用途が可能ではないとき、同様に有利となりうる。これは、例えば、本発明の再生方法のための出発材料として好適に作用する組織が入手されていない場合に当てはまる。細胞培養、組織培養、器官培養およびそれらの組み合わせからなる群より選択される培養中および培養上での使用により、本発明の用途またはこの目的のために使用される薬物および方法は、規定された条件下で使用され、実施されるが、かなりの程度組織再生を制御しやすくなる。さらに、該インビトロ系において、それぞれの現在の必要性を上回って対応する材料を製造し、それによって予期しない必要性を満たす位置にある可能性が存在する。
本発明の出願に関連して、治療処置は化粧目的の処置剤を含むことも意図される。
本発明の薬物の用途は、本発明の方法において極めて特に有利であるということがさらに支持される。
【0140】
組織再生方法に関しては、調製または培養済みの標的細胞はSTおよび/またはSAT配列の少なくとも一つをすでに発現しており、それによって本発明の方法の段階は、該一連操作の少なくとも一つを組み入れなくてもいいというような変形も、方法の価格有効性または安全性の点から有利となりうる。この方法のその後の段階に変わりはない。
再生される予定の組織に依存して、種々の方法がSTおよび/またはSAT配列を導入するために選択され得る。当業者は、適当な日常的な試験により各々の場合において形質転換またはトランスフェクション実験計画を確認することができる。
【0141】
ヒト由来の標的細胞は極めて特に有利である。関心のあるヒトは、本発明により再生された組織を受け取る予定のヒトであり、または好適なドナーである別のヒトである。原則的に、死者由来の標的細胞も使用され得る。例えば、好適な生きているドナーが入手できない場合、または好適なドナーがすでに死亡し、このドナーの組織が、例えば年齢のために、もはや直接的な移植用に適さない場合には、このことが当てはまる。
【0142】
しかしながら、標的細胞が、ヒトではなく、動物生体由来である場合には、それも有利となりうる。このように、特にトランスジェニック動物が、受け取り側の生体と組織適合性である標的細胞を産生する場合、または他の有利な特性を有する標的細胞を産生する場合に、例えばトランスジェニック動物由来の標的細胞を使用することは、ある種の条件下において意味をなす。
【0143】
再生される予定の組織から採取された標的細胞が、再生目的のために好適でない場合には、再生される予定の組織に含有されていない細胞種由来の異なる種類の細胞である標的細胞を使用することが有利である。本発明の方法、対応する薬物およびキットを使用して、該標的細胞は、増殖および分化の意味で再生させられ得る。
【0144】
逆に、再生される予定の組織の完全性は十分であるが、存在する組織の量は、それぞれの生物学的機能を全て満たすほどではないときにはとりわけ、再生される予定の組織に含有される細胞種と同じ細胞種に属する標的細胞を使用すると、この方法の成功性を高めることができる。
【0145】
対応する転写物および翻訳産物、ならびにこれらの対して作用する本発明の薬物を含む、多能性幹細胞を産生するための最も広い意味において、本発明のSTおよび/またはSAT配列の少なくとも一つの影響下における標的細胞の(脱)分化により、それぞれの細胞が各々の間葉細胞種に成熟することを可能にし、それによってほぼ任意の望ましい間葉組織の再生を可能にする状態に、細胞が移行することができる。これはまた、本発明の再生が最終的に進む方向が、必要があれば、細胞が配置された細胞環境または細胞が導入された細胞環境の追加の因子の影響によって決定される場合も含む。
【0146】
本発明の方法の標的細胞が、他の細胞および/または細胞種と共培養されるとき、有利な影響が生じる。上記の段落にすでに示したように、共培養は、組織再生の意味における標的細胞の(脱)分化の方向性に対する決定的な影響を有する。矛盾することなく、影響は、標的細胞の分化状態に影響を与える共培養に使用される細胞によってあきらかに生ずると思われる。該影響は、多少可溶性因子によって仲介されるが、細胞によっても仲介され、後者は、広い意味における細胞膜構造または成分の相互作用ならびに例えば、膜電位などの他の物理的または化学的現象をも含む。
【0147】
再生される予定の組織の種類、ならびに原則的に入手できる原料に依存して、生体から収集される材料は、細胞含有生体液、細胞、単細胞、組織および器官からなる群より選択され得る。細胞含有生体液または単細胞を収集する場合には、組織または器官から単細胞を回収するさらに別の段階をかなりの程度回避することが保証される。これは、それぞれの場合に対して実際に最も適すると思われる細胞が、再生目的のために利用されることを保証している。しかしながら、組織または完全な状態である器官を収集することも有利となりうる。このように、組織または器官を収集する場合には、通常の試験方法によりその好適性が試験される、いくつかの細胞種が入手されることが考えられる。さらに、組織または器官を収集するときは、利点が一転して、好適な細胞材料の収集が不可能になることもある。
【0148】
本発明のSTおよび/またはSAT配列の少なくとも一つを導入した後に、標的細胞を動物生体に導入することは、ヒトを含むそれぞれの動物生体は、これに関連する欠陥または欠失を排除するために、生物学的に活性な組織を含有するという点において、利点を提供する。標的細胞が単細胞の形態にあるとき、または培養後の、すでに細胞凝集体、組織等の形態にあるときに、本発明の方法により標的細胞が導入され得る。最後に、原則的に、生物系の影響下でさらにその場所で発育するために、標的細胞が動物生体に導入されることも考えられる。生物系、すなわち動物生体においてさらに修飾および/または増加および/または分化された標的細胞をあとから収集することも、本発明の方法により同様に含まれうる。
【0149】
本発明のSTおよび/またはSAT配列の少なくとも一つを標的細胞に導入した後に、標的細胞を動物生体に導入する前に、標的細胞内で発現を誘導することは有利でありうる。この利点は、生物系が分化に対して与えると思われる影響を小さくすることである。分化因子または導入部位のシグナルのために細胞環境において、望ましい方向への標的細胞の分化が保証されていないときには、これは特に有利でありうる。
逆に、本発明の配列の少なくとも一つまたはST配列を導入した後に、標的細胞を動物生体に導入してから、標的細胞内で発現を誘導する事も有利である。望ましい方向ではない方向への未熟な分化を排除するために、特異的な分化シグナルおよび因子を有する標的領域または標的組織の影響下で、標的細胞の増殖および/または分化が生ずる場合には、その後の誘導が有利となりうる。
もちろん、該利点は、動物生体に導入される標的細胞が分化状態および/または分化可能状態にあるか否かに関しても生じる。
標的細胞が導入される動物生体がヒト生体である場合には、中でも、例えば、関節疾患または筋ジストロフィーなどの変性性疾患の治療に関して、本発明により、特有の利点が生じる。好適な標的細胞の回収に関連して考察される利点と同様に、標的細胞が、収集された生体と同じ生体に導入されることからも特定の利点が生じる。
逆に、例えば、標的細胞が導入される生体が、それ自身の出発材料のいかなるものをもはや入手しえないとき、標的細胞が導入される生体が、標的細胞が由来する生体と異なることも適切となりうる。
【0150】
本発明のSAT配列またはST配列の少なくとも一つが、再生される予定の生体の組織および/または対応する細胞に導入されるとき、極めて特有の利点が本発明の方法において生じる。該手段は、対応する材料の収集または再導入のための外科手術を必要としないことを保証しており、材料が収集される部位または材料が導入される部位が侵襲的手段によってのみしか接近しえないときには特に重要である。さらに、再生される予定の組織が汚染される危険、またはインビトロの培養条件下で最適ではない再生発生が生じる危険があるので、必要な作業を少なくする。
【0151】
遺伝子治療法を使用して、再生される予定の組織および/または対応する細胞に、かかるような関心のある構築物を導入することは、極めて特に有利な可能性を提供し、特有の利点は、好適なウイルス系を使用することにより生じる。関心のある用途のために通常の試験を使用して、当業者は本発明の配列の導入に必要な方法を確認することができる。
【0152】
最後に、本発明の導入された配列およびST配列の発現が、少なくとも一つのMMAKS薬物および/または少なくとも一つのMMAKP薬物および/または少なくとも一つの翻訳産物TPおよび/または少なくとも一つの発現刺激因子ESによって影響されるということによっても、他の利点が生じる。このように、その空間パターンおよび時間経過に関して、再生の程度を制御する可能性が存在する。
【0153】
例えば化学療法または放射線療法などの腫瘍疾患を治療するための他の方法の場合にみられるような全身性の副作用を呈することなく、特定の腫瘍疾患治療が本発明により可能である限りにおいて、腫瘍疾患を治療するための、本発明の用途および薬物は、一般に有利である。すでに記載したように、健康な生体のわずか数組織のみが本発明のSATまたはST配列を発現しているだけだが、多数の腫瘍疾患では強力に発現される。結果として、該配列に特異的である、本発明の薬物、キットおよび方法は、それが基づく作用機序の結果として副作用を生じない特定の癌治療を可能にする。
【0154】
これらに限定されていないが、特異性および副作用の減少、ならびに本発明の薬物の有効性に関する極めて特有な利点は、治療される腫瘍が、MAG遺伝子、高移動度群蛋白質遺伝子、HMGI-C蛋白質、HMGI-Y遺伝子およびそれらの誘導体からなる群より選択される遺伝子を発現するときに生じる。これは、腫瘍疾患を治療するための医薬品を製造するための、本発明の薬物の少なくとも一つの使用に適用される。
【0155】
本発明の薬物の種々の形態の実施態様および腫瘍疾患を治療するために、独立で、または任意の組み合わせでこれらを含有するキット、ならびに本発明の用途のさらに別の利点は、もちろん、血管発生に影響を与えるため、避妊のためおよび組織再生のために、対応する転写物および翻訳産物、薬物およびキットならびに選択的に方法を含む、最も広い意味において本発明のSTおよびSAT配列の本発明の用途に関連した説明により生じ、参考のために本明細書に組み入れられる。
【0156】
本発明において範囲を請求されるDNA配列を図1〜図19に示す。さらに、配列と、配列プロトコールにおけるさらに別の一般的なデータとを以下に要約する:
図1 配列番号:1に相当する
図2 配列番号:2に相当する
図3 配列番号:3に相当する
図4 配列番号:4に相当する
図5 配列番号:5に相当する
図6 配列番号:6に相当する
図7 配列番号:7に相当する
図8 配列番号:8に相当する
図9 配列番号:9に相当する
図10 配列番号:10に相当する
図11 配列番号:11に相当する
図12 配列番号:12に相当する
図13 配列番号:13に相当する
図14 配列番号:14に相当する
図15 配列番号:15に相当する
図16 配列番号:16に相当する
図17 配列番号:17に相当する
図18 配列番号:18に相当する、および
図19 配列番号:19に相当する。
図1〜図19に示される塩基がA、C、GおよびT以外のときは、以下の呼称を適用する:
RはAまたはGであってもよく、
YはCまたはTであってもよく、
KはGまたはTであってもよく、
MはAまたはCであってもよく、
SはGまたはCであってもよく、および
WはAまたはTであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0157】
【図1】配列番号:1に相当する。
【図2】配列番号:2に相当する。
【図3】配列番号:3に相当する。
【図4】配列番号:4に相当する。
【図5】配列番号:5に相当する。
【図6】配列番号:6に相当する。
【図7】配列番号:7に相当する。
【図8】配列番号:8に相当する。
【図9】配列番号:9に相当する。
【図10】配列番号:10に相当する。
【図11】配列番号:11に相当する。
【図12】配列番号:12に相当する。
【図13】配列番号:13に相当する。
【図14】配列番号:14に相当する。
【図15】配列番号:15に相当する。
【図16】配列番号:16に相当する。
【図17】配列番号:17に相当する。
【図18】配列番号:18に相当する。
【図19】配列番号:19に相当する。
【図20】HMGI-遺伝子、RNAおよびcDNAのゲノム構造ならびにRT-PCRに使用したプライマーの位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0158】
本発明をさらに説明するために、入手可能な多数の材料から無作為に選択された、8つの実施例も以下に示す。
以下の実施例に使用された技法を以下に要約する。個々の実施例について変更が必要なときは、適当な箇所に記載する。
【0159】
逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)
逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)は、RNAをcDNAへ転写し、次いで好適なプライマーを使用して、通常のポリメラーゼ連鎖反応を実施する。
本明細書に記載する実施例において、TRIzol試薬(Life Tehnologoes社、ゲイセルスバーグ、米国)を用いてRNAを単離した。組織、健康組織ならびに腫瘍組織を、除去/手術時からRNA単離時までの期間、液体窒素下で保存した。
M-MLV逆転写酵素(Life Tehnologoes社、ゲイセルスバーグ、米国)を使用して、RNAをcDNAに転写し、次いでRT-PCRのために使用した。
RT-PCRは、いわゆる入れ子PCR(nested PCR)、すなわち、互いの内側に重ねて使用されるプライマーを用いた2回のポリメラーゼ連鎖反応として実施された。特別の場合として、本明細書において使用されたポリメラーゼ連鎖反応において、プライマーは一方の側にのみ重ねられ、もう一方の側には同じプライマーが両ポリメラーゼ連鎖反応のために使用された。図1は、HMGI-Cのエクソン内プライマーの詳細および位置を示す。
【0160】
[図の表題]
RNA分子
断片長
[他の全ては原料あたりとして]
図1:HMGI-遺伝子、RNAおよびcDNAのゲノム構造ならびにRT-PCRに使用したプライマーの位置。
図1に示すPCRは、エクソン4および5を含まない短いまたは異常な転写物を対象としない。従って、上記に示したプライマーを用いたPCRに加えて、いくつかの例において、プライマーRevex 4(図1参照)を第3番目以降のエクソンのプライマーと交換したPCRを使用した。使用した全てのプライマーの配列を表1に要約する。
【0161】
[表1] HMGI-CのRT-PCRに使用したプライマー、プライマーの配列(各々、5'から3'方向)および遺伝子内のプライマーの位置(図1参照)。
【0162】
3'RACE(欠失した3'部分を迅速に回収する方法)のためのポリメラーゼ連鎖反応(3'RAE PCR, cDNA端の迅速増幅)。
シェーンメイカーズ(Shoenmakersら、Nature Genet 10:436〜444(1995))が記載した方法を使用した。
【0163】
細胞遺伝学的手順および分子細胞遺伝学的手順
報告された標準的な方法(Bullerdiekら、Cytogenet Cell Genet 45:187〜190(1987);Kievitsら、Cytogenet Cell Genet 53:134〜136(1990))により、細胞遺伝学的手順および分子細胞遺伝学的手順(FISH(蛍光インサイチューハイブリダイゼーション))を実施した。以下のプローブを使用した:cRM133、cRM76、cRM99、cRM53(Shoenmakersら、Nature Genet 10:436〜444(1995))。
【0164】
実施例1:正常組織におけるHMGI-C遺伝子の発現
RT-PCRを用いて、HMGI-C遺伝子の発現に関して異なる組織種を調査した;非腫瘍原料の組織だけを試験した。
結果を表2に要約する。
【0165】
[表2] HMGI-C遺伝子の発現について試験した組織、組織の起源(上皮/間葉)およびHMGI-C遺伝子の発現の程度
++ :強い発現
+ :弱い発現
(+):非常に弱い発現
− :検出できない発現
【0166】
試験した正常組織のうち、成人血管はHMGI-C遺伝子の非常に弱い発現を示し、胎児血管(動脈および臍静脈)はHMGI-C遺伝子のかなり強い発現を示した。増殖相にある子宮内膜および胎児組織も顕著な発現を示した。他の組織は全て発現を示さなかった。
モデルとしてHMGI-Cの遺伝子を用いて試験を実施した:配列の相同性の広範さおよびマウスの胚発生および胎仔発生における発現パターンの類似性に基づくと、HMGI-Y遺伝子を用いて同様の結果が期待される。
【0167】
実施例2:HMGI-C遺伝子の異常な転写
樹立細胞系およびヒトの良性間葉性腫瘍(子宮平滑筋腫、肺過誤腫性軟骨腫、進行性血管粘液腫)由来の原発腫瘍材料ならびに頭部唾液腺の腫瘍由来の原発腫瘍材料からcDNAを単離した;次いで、RACE-PCRにより増幅し、配列を決定した。 得られた配列を、天然のHMGI-C遺伝子の配列と比較した。
この配列決定の結果に基づいて、最小単位として、(合計5つのエクソンのうち)エクソン1〜3の配列が存在し、エクソン3の配列の次にエクソン4ではない配列が存在するか、またはエクソン4の配列の次にエクソン5ではない配列が存在するとき、転写物またはそのcDNAを異常な転写物として標識した。HMGI-C遺伝子と融合した配列は、HMGI-Cではない第12染色体の領域の由来であるか、または別の染色体由来であることが証明され得たとき、異所性と考えた。
記載したように実施した試験は、図1〜図19に詳細に示すような種々の異常な転写物を生じた。転写物の配列は常にHMGI-C遺伝子のエクソン1の1番目のヌクレオチドから始まる;第1のエクソンの第1のヌクレオチドからプライマーの第1のヌクレオチドまでの配列領域はデータバンクから加えられた。配列は全長のポリA鎖またはその一部分のどちらかを含有する。いかなる場合においても、配列は第3のエクソンまたは第4のエクソンより長く、従って異常な転写物を特徴づける。
【0168】
実施例3:血管外皮細胞腫のHMGI-C遺伝子の転位
パラフィンマトリックスに固定した2種の腫瘍由来の腫瘍材料についてFISH(蛍光インサイチューハイブリダイゼーション)を実施した。HMGI-Cの領域または3'および5'に直接隣接する配列から入手したコスミドクローンをプローブとして使用した。腫瘍材料から単離した界面核について試験を実施し、切断点は、試験した腫瘍のコスミド含有領域内であることを示した:このことは、これが他の間葉性腫瘍と同じ種類の変異であるという結論を考慮する。
【0169】
実施例4:突然変異HMGI-C遺伝子を用いた細胞の分化
HMFI-C遺伝子の転位が明らかにされた腫瘍細胞(脂肪腫3例、肺過誤腫5例、子宮平滑筋腫2例)を正常な軟骨細胞と共培養した。共培養のための細胞培養条件(Bullerdiekら、Cytogent Cell Genet 45:187〜190(1987))を、培養中に分化状態の軟骨細胞が維持されるように調節した(ウシ胎仔血清は含まない)。腫瘍細胞は、ウシ胎仔血清を添加した初代培養から得た。細胞培養中に、腫瘍細胞は、軟骨を含有する腫瘍であるか否かに関係なく、軟骨細胞に分化した。
【0170】
実施例5:新血管形成および新血管新生の阻害
新血管形成、新血管新生および血管新生欠損に関連する事象は、腫瘍の発育ばかりでなく、糖尿病などの多数の他の疾患の病因における重要な因子である(Battegayら、J Mol Med. 1995(73),333〜346)。本明細書に記載した実施例は、最初に記載した技法を使用し、またクローン化試験(clonarity tests)を加えて、新血管形成および新血管新生に関連するHMGI-C遺伝子の役割を調査した(Noguchiら、Cancer Res. 52:6594〜6597(1992))。最初に記載した技法およびクローン化試験は、観察された血管新生は腫瘍細胞自身によるものであることを示した。周皮細胞の増殖および分化に対するHMGI-C、腫瘍細胞由来の筋腫、脂肪腫、平滑筋腫および進行性血管粘液腫の新血管新生の役割のため、および遺伝子発現に関するデータに基づいて、(新)血管形成および(新)血管新生は、図1〜19に示す配列、ST配列、請求の範囲に記載された手段および材料、キットならびにおそらく方法により、またはそれらの使用により、望ましいように影響され得る。
【0171】
実施例6:子宮内膜症の治療
子宮内膜症という用語は、「子宮内膜体の正常な周期変化および異常な変化」に関与する異所性子宮内膜をいう(Psychrembel, 1982)。組織学的な構造は、上皮および間葉成分が存在する限りは、正常な子宮内膜と同じである。異所性子宮内膜症の組織は、生理学的に正常な子宮内膜と同様に、HMGI-C遺伝子の発現に基づいていることが、始めに記載した技法を使用して示されるだろう。従って、子宮内膜症の治療は、図1〜19に示す配列、ST配列、請求の範囲に記載された手段および材料、またはそれらの使用に基づいて実施され得る。
【0172】
実施例7:避妊
始めに記載した技法を使用して、HMGI-C遺伝子の発現が子宮内膜組織に関与することが示されるだろう。従って、図1〜19に示す配列、ST配列、請求の範囲に記載された手段および材料、またはそれらの使用は、避妊の手段および方法を提供する。
【0173】
実施例8:
始めに記載した技法を使用して、全例、第12染色体と第14染色体との間の転座を示し、第12染色体2例および第14誘導体1例は正常で、対応する第12誘導体は紛失している、3例の肺過誤腫性軟骨腫を調査した。第12染色体の染色体切断点はHMGI-Cの5'側に位置し、その発現も全ての腫瘍中で示された。
これは、STまたはSAT配列の一つを導入することにより、正常組織の増殖を生じ、組織再生または血管形成もしくは血管新生の刺激に使用され得ることを証明している。
【0174】
実施例9:マウス胎芽発生中の軟骨形成に対するHMGI-C遺伝子の発現
マウスのHMGI-C遺伝子のcDNA断片(約1.8kb 長さ、約800bp 5' UTR〜200bp 3' UTR)をインビトロにおいて翻訳ベクターにクローニングした。T7またはSp6 RNAポリメラーゼの存在を、インサイチューRNA-RNAハイブリダイゼーションに好適なRNAプローブを合成するために利用した。次いで、このプローブを発生段階が異なるマウス胎芽の組織切片中でのハイブリダイゼーションに使用した。結果は、中でも、遺伝子の非常に強い発現は、間葉性前駆細胞からの軟骨形成中に生じることを示している。
この発現は、中胚葉起源だけでなく、外胚葉起源(頭部)の間葉を用いて検出される。
【0175】
実施例10:HMGI-C遺伝子のアンチセンス構築物およびその誘導体の発現構築物を用いたトランスフェクション研究
マウスの上記cDNA断片または対応するアンチセンス配列を真核細胞の発現ベクターにクローニングした。この構築物において、モロニーマウス肉腫ウイルスのLTR配列により制御される。次いで、種々の一次細胞および樹立細胞へのリポフェクションによるトランスフェクションに使用した。ヒト胎児一次線維芽細胞へのトランスフェクションの結果、トランスフェクション体集団の累積倍加体は、ベクターでトランスフェクションしただけの対照よりもかなり増加したことを示すことができた。アンチセンス構築物を用いたトランスフェクションについては、逆の影響が観察された。次いで、このベクター系を、記載したヒトHMGICの異常な転写物のクローニングに使用した;この場合にも同様に、集団の累積倍加体の数の増加が観察された。使用したcDNA配列に応じて、この増加は、マウスのcDNA配列の場合よりも10〜35%多かった。
【0176】
実施例11:異常転写物から誘導された蛋白質のDNA弛緩作用
HMGI-C遺伝子のcDNA配列の一部であるDNA配列配列番号1〜19およびこの遺伝子の第3エクソンに接続していることが多い他のDNA配列を使用して、発現ベクターpET7C中で組換え蛋白質を合成し、精製した。
次いで、ニッセン(Nissen)およびレーベス(Reeves)(J. Biol. Chem. 270, 4355〜4360, 1995)が記載したトポイソメラーゼによる弛緩アッセイにおいて、いわゆる天然型超らせんの形成について、この方法で精製した蛋白質を試験した。この検討は、全ての誘導体において、該負の超らせんを誘導する能力は、対照として使用した非修飾組換えHMGI-C蛋白質よりも大きいことを示した。中でも、蛋白質とDNAとの相互作用が治療効果に影響を与えるという許容できる結論により、示した全ての配列は、記載した用途に関する高い有効性を有するという結論が得られる。
前述の説明および請求の範囲において明らかにされた本発明の特徴は、単独および任意に組み合わせることにより、種々の形態の実行における本発明の実現にとって重要となりうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図1〜19に示されている配列の少なくとも一つによって特徴づけられる、DNA配列。
【請求項2】
HMGI-C遺伝子のDNA配列と、全部または一部が一致することを特徴とする、請求項1記載のDNA配列。
【請求項3】
図1〜19に示されている配列の一部が、HMGI-C遺伝子のDNA配列の一部を構成することを特徴とする、請求項1または2記載のDNA配列。
【請求項4】
図1〜19に示されている配列に対する変異型であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のDNA配列。
【請求項5】
各場合に相補鎖と両鎖の改変配列とを含み、図1〜19に示されている配列と本質的に同じ配列を示すことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のDNA配列。
【請求項6】
核酸配列が、図1〜19に示されている配列に、本質的かつ機能的に同一であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のDNA配列。
【請求項7】
対応する翻訳産物のDNA結合成分をコードする配列または対応する翻訳産物をコードする配列を、少なくとも一つ有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のDNA配列。
【請求項8】
対応する翻訳産物の蛋白質結合成分をコードする配列または対応する翻訳産物をコードする配列をもたないことを特徴とする、請求項7記載のDNA配列。
【請求項9】
DNA配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合成分をコードする配列または対応する翻訳産物をコードする配列に代わるか、またはそれを補足する一つ以上のSr配列を有することを特徴とする、請求項7記載のDNA配列。
【請求項10】
Sr配列が、その他のヒトゲノム配列、その他の(ドナー)生物の配列、および人工的配列、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項9記載のDNA配列。
【請求項11】
図1〜19に示されている配列がHMGI-C遺伝子の異常型の転写物であることを特徴とする、DNA配列。
【請求項12】
請求項1〜11記載の下流DNA配列を少なくとも一つ有する、少なくとも一つの転写プロモーターを含む、発現ベクター。
【請求項13】
請求項12記載の発現ベクターでトランスフェクトまたは形質転換された宿主細胞。
【請求項14】
原核生物の細胞であることを特徴とする、請求項13記載の宿主細胞。
【請求項15】
真核生物の細胞であることを特徴とする、請求項13記載の宿主細胞。
【請求項16】
真核生物の細胞が、酵母の細胞であることを特徴とする、請求項15記載の宿主細胞。
【請求項17】
真核生物の細胞が、哺乳動物の細胞であることを特徴とする、請求項15記載の宿主細胞。
【請求項18】
請求項1〜11のいずれか一項で定義された一つもしくは数個の遺伝子/一つもしくは数個の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する一つもしくは複数の転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない翻訳産物であることを特徴とする、蛋白質。
【請求項19】
血管形成に作用させるための、請求項1〜11記載の配列の少なくとも一つの使用。
【請求項20】
血管形成に作用させるための、少なくとも一つのMAG遺伝子の使用。
【請求項21】
血管形成に作用させるための、少なくとも一つのHMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子の使用。
【請求項22】
HMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子が、HMGI-C遺伝子およびHMGI-Y遺伝子からなる群より選択されることを特徴とする、請求項21記載の使用。
【請求項23】
請求項20〜22で定義された遺伝子の配列と本質的に同じ核酸配列が使用されることを特徴とする、請求項20〜22のいずれか一項に記載の使用。
【請求項24】
請求項20〜22で定義された遺伝子の配列と機能的に同じ核酸配列を有する配列が使用されることを特徴とする、請求項20〜22のいずれか一項に記載の使用。
【請求項25】
請求項20〜24で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物のDNA結合部位をコードする配列を、少なくとも一つ有することを特徴とする、請求項20〜24のいずれか一項に記載の使用。
【請求項26】
請求項20〜25で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合部位をコードする配列をもたないことを特徴とする、請求項25記載の使用。
【請求項27】
請求項20〜25で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合部位をコードする配列を置換または延長する、一つ以上のSr配列を有することを特徴とする、請求項25記載の使用。
【請求項28】
Sr配列が、ヒトゲノムのその他の配列、その他の(ドナー)生物の配列、および人工的配列、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項27記載の使用。
【請求項29】
遺伝子または配列が、二本鎖、および/またはコーディングおよび/もしくは非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAの形で存在することを特徴とする、請求項19〜28のいずれか一項に記載の使用。
【請求項30】
遺伝子または配列が、天然型および/もしくは変異型、および/または断片化された、もしくは断片化されていない形であることを特徴とする、請求項19〜29のいずれか一項に記載の使用。
【請求項31】
遺伝子または配列が、少なくとも一つのプロモーター、および/または少なくとも一つのエンハンサー因子、および/または少なくとも一つの転写終結因子、および/または少なくとも一つの抵抗性遺伝子、および/または少なくとも一つの別のマーカー遺伝子を有することを特徴とする、請求項30記載の使用。
【請求項32】
遺伝子または配列の少なくとも一つが、宿主系の中にクローニングされた状態で存在することを特徴とする、請求項19〜31のいずれか一項に記載の使用。
【請求項33】
遺伝子または配列が、少なくとも一つのコピーで存在することを特徴とする、請求項19〜32のいずれか一項に記載の使用。
【請求項34】
センスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNA、およびアンチセンスcDNA、ならびに一本鎖および/または二本鎖としてそれらを組み合わせたものからなる群より選択される、少なくとも一つのMS因子によって特徴づけられる、血管形成に影響する因子。
【請求項35】
MS因子の配列が、天然型もしくは変異型で、および/または完全長もしくは断片として、および/または化学的に修飾されているか、もしくは化学的に修飾されていない形で存在することを特徴とする、請求項34記載の因子。
【請求項36】
MS因子の配列が、請求項1〜11および20〜33のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子、および/または天然型もしくは変異型で、完全長もしくは断片として存在する、対応する転写物に相当することを特徴とする、請求項34または35記載の因子。
【請求項37】
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される、少なくとも一つのMp因子によって特徴づけられる、血管形成に影響する因子。
【請求項38】
Mp因子が、請求項1〜11および20〜33のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子に対して作用し、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物に対して作用することを特徴とする、請求項37記載の因子。
【請求項39】
請求項1〜11および20〜33のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない形で存在する一つ以上の翻訳産物に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項37記載の因子。
【請求項40】
請求項1〜11および20〜33のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物に対して、その一部が作用する抗体または該抗体断片に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項37記載の因子。
【請求項41】
請求項1〜11および20〜33のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない一つ以上の翻訳産物に対して、その一部が作用する抗体または該抗体断片に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項37記載の因子。
【請求項42】
請求項1〜11および20〜33のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾されているか、もしくは化学的に修飾されていない少なくとも一つの翻訳産物によって特徴づけられる、血管形成に影響する因子。
【請求項43】
少なくとも一つの発現阻害因子および/または少なくとも一つの発現刺激因子によって特徴づけられる、血管形成に影響する因子。
【請求項44】
発現阻害因子および/または発現刺激因子が、問題となっている遺伝子系の別の遺伝子と比較すると、請求項1〜11および20〜33のいずれか一項で定義された一つ以上の配列または一つ以上の遺伝子に対する特異性を強化させていることを特徴とする、請求項43記載の因子。
【請求項45】
発現阻害因子および/または発現刺激因子が、請求項1〜11および20〜33のいずれか一項で定義されている遺伝子または配列に対して特異的であることを特徴とする、請求項43記載の因子。
【請求項46】
脈管形成に関係する血管形成に影響を及ぼすことを特徴とする、請求項34〜45のいずれか一項に記載された血管形成に影響する因子の少なくとも一つの使用。
【請求項47】
脈管形成が、抑制および/または中断されることを特徴とする、請求項46記載の使用。
【請求項48】
脈管形成が刺激されることを特徴とする、請求項46記載の使用。
【請求項49】
血管形成に対する影響が、腫瘍脈管形成に関するものであることを特徴とする、請求項46記載の使用。
【請求項50】
血管新生に関係する血管形成に影響を及ぼすことを特徴とする、請求項34〜45のいずれか一項に記載された、血管形成に影響する因子の少なくとも一つの使用。
【請求項51】
血管新生が刺激されることを特徴とする、請求項50記載の使用。
【請求項52】
血管新生が抑制または中断されることを特徴とする、請求項50記載の使用。
【請求項53】
新生血管形成の結果としての失明の治療および/または予防のための、請求項34〜45のいずれか一項に記載の因子の少なくとも一つの使用。
【請求項54】
梗塞によって損傷を受けた心臓組織への血管供給を改善するための、請求項34〜45のいずれか一項に記載の因子の少なくとも一つの使用。
【請求項55】
ヒトおよび/または動物で行われることを特徴とする、請求項19〜33および45〜54のいずれか一項に記載の使用。
【請求項56】
ヒトおよび/または動物において、治療的および/または診断的に応用するための、請求項55記載の使用。
【請求項57】
インビトロで実施されることを特徴とする、請求項19〜33および45〜54のいずれか一項に記載の使用。
【請求項58】
血管形成への影響において、治療および/または診断に用いるための薬物の製造を目的とする、請求項34〜45のいずれか一項に記載の少なくとも一つの因子の使用。
【請求項59】
請求項34〜36記載の因子および/または請求項37〜41記載の因子を、少なくとも一つ含むことを特徴とする、血管形成に影響を与えるためのキット。
【請求項60】
請求項1〜11および20〜33のいずれか一項に定義されている一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型で、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/
またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない形で存在する翻訳産物を少なくとも一つ含むことを特徴とする、血管形成に影響を与えるためのキット。
【請求項61】
請求項43〜45記載の、少なくとも一つの発現阻害因子および/または少なくとも一つの発現刺激因子が含まれることを特徴とする、血管形成に影響を与えるためのキット。
【請求項62】
請求項34〜36および/もしくは37〜41で定義された因子を少なくとも一つ、および/または請求項42で定義された翻訳産物を少なくとも一つ、および/または請求項43〜45記載の発現阻害因子および/もしくは発現刺激因子を少なくとも一つ含むことを特徴とする、血管形成に影響を与えるためのキット。
【請求項63】
腫瘍脈管形成に影響させるために使用されることを特徴とする、請求項59〜62のいずれか一項に記載のキット。
【請求項64】
脈管形成に影響させるために使用されることを特徴とする、請求項59〜62のいずれか一項に記載のキット。
【請求項65】
血管新生に影響させるために使用されることを特徴とする、請求項59〜62のいずれか一項に記載のキット。
【請求項66】
血管形成に対して阻害的な効果を有することを特徴とする、請求項59〜65のいずれか一項に記載のキット。
【請求項67】
血管形成に対して刺激的な効果を有することを特徴とする、請求項59〜65のいずれか一項に記載のキット。
【請求項68】
新生血管形成の結果として起こる失明の治療および/または予防のために使用されることを特徴とする、請求項59〜62および64〜66のいずれか一項に記載のキット。
【請求項69】
梗塞によって損傷を受けた心臓組織への血管供給を改善するために使用されることを特徴とする、請求項59〜69、ならびに64、65および67のいずれか一項に記載のキット。
【請求項70】
治療処置のためおよび/または診断のために使用されることを特徴とする、請求項59〜69のいずれかに記載のキット。
【請求項71】
ヒトおよび/または動物において使用されることを特徴とする、請求項59〜70に記載のキット。
【請求項72】
インビトロ系で使用されることを特徴とする、請求項59〜70に記載のキット。
【請求項73】
子宮内膜症を治療するための、請求項1〜11記載の配列の少なくとも一つの使用。
【請求項74】
子宮内膜症を治療するための、少なくとも一つのMAG遺伝子の使用。
【請求項75】
子宮内膜症を治療するための、少なくとも一つのHMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子の使用。
【請求項76】
HMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子が、HMGI-C遺伝子およびHMGI-Y遺伝子からなる群より選択されることを特徴とする、請求項75記載の使用。
【請求項77】
配列が、請求項74〜76で定義された遺伝子配列と本質的に同じ核酸配列とともに使用されることを特徴とする、請求項74〜76のいずれか一項に記載の使用。
【請求項78】
請求項74〜76で定義された遺伝子配列と、本質的に機能が同じ核酸配列を有する配列が使用されることを特徴とする、請求項74〜76のいずれか一項に記載の使用。
【請求項79】
請求項74〜78で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物のDNA結合部位をコードする、少なくとも一つの配列を有することを特徴とする、請求項74〜78のいずれか一項に記載の使用。
【請求項80】
請求項74〜79で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合部位をコードする配列をもたないことを特徴とする、請求項79記載の使用。
【請求項81】
請求項74〜79で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合部位をコードする配列を置換または延長する、一つ以上のSr配列を有することを特徴とする、請求項79記載の使用。
【請求項82】
Sr配列が、その他のヒトゲノム配列、その他の(ドナー)生物の配列、および人工的配列、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項81記載の使用。
【請求項83】
遺伝子または配列が、二本鎖、および/またはコーディングおよび/もしくは非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAの形で存在することを特徴とする、請求項73〜82のいずれか一項に記載の使用。
【請求項84】
遺伝子または配列が、天然型および/または変異型、および/または断片化された、もしくは断片化されていない形であることを特徴とする、請求項73〜83のいずれか一項に記載の使用。
【請求項85】
遺伝子または配列が、少なくとも一つのプロモーター、および/または少なくとも一つのエンハンサー因子、および/または少なくとも一つの転写終結因子、および/または少なくとも一つの抵抗性遺伝子、および/または少なくとも一つの別のマーカー遺伝子を有することを特徴とする、請求項73〜84のいずれか一項に記載の使用。
【請求項86】
少なくとも一つの遺伝子または少なくとも一つの配列が、宿主系の中にクローニングされた形で存在することを特徴とする、請求項73〜85のいずれか一項に記載の使用。
【請求項87】
遺伝子または配列が、少なくとも一つのコピーで存在することを特徴とする、請求項73〜86のいずれか一項に記載の使用。
【請求項88】
センスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNA、およびアンチセンスcDNA、ならびに一本鎖および/または二本鎖としてそれらを組み合わせたものからなる群より選択される、少なくとも一つのMS因子によって特徴づけられる、血管形成に影響する因子。
【請求項89】
MS因子の配列が、天然型もしくは変異型で、および/または完全長もしくは断片として、および/または化学的に修飾されているか、もしくは化学的に修飾されていない形で存在することを特徴とする、請求項88記載の因子。
【請求項90】
その配列が、請求項1〜11および71〜84のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子に相当するか、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型で完全長もしくは断片として存在する転写物に相当することを特徴とする、請求項88または89記載の因子。
【請求項91】
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される、少なくとも一つのMp因子によって特徴づけられる、子宮内膜症を治療するための因子。
【請求項92】
Mp因子が、請求項1〜11および74〜87のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子に対して作用し、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物に対して作用することを特徴とする、請求項91記載の因子。
【請求項93】
Mp因子が、請求項1〜11および74〜87のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在し、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない形で存在している一つ以上の翻訳産物に対して作用することを特徴とする、請求項91記載の因子。
【請求項94】
請求項1〜11および74〜87のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物に対してその一部が作用する抗体または該抗体断片に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項91記載の因子。
【請求項95】
請求項1〜11および74〜87のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない一つ以上の翻訳産物に対して、その一部が作用する抗体または該抗体断片に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項91記載の因子。
【請求項96】
請求項1〜11および請求項74〜87のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない形で存在する少なくとも一つの翻訳産物を特徴とする、子宮内膜症を治療するための因子。
【請求項97】
少なくとも一つの発現阻害因子および/または少なくとも一つの発現刺激因子によって特徴づけられる、子宮内膜症を治療するための因子。
【請求項98】
発現阻害因子および/または発現刺激因子が、問題となっている遺伝子系の別の遺伝子と比較すると、請求項1〜11および74〜87のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子または一つ以上の配列に対する特異性を強めていることを特徴とする、請求項97記載の因子。
【請求項99】
発現阻害因子および/または発現刺激因子が、請求項1〜11および74〜87のいずれか一項で定義されている一つもしくは数個の遺伝子または一つもしくは数個の配列に対して特異的であることを特徴とする、請求項97記載の因子。
【請求項100】
ヒトおよび/または動物で行われることを特徴とする、子宮内膜症の治療を目的とする、請求項88〜99のいずれか一項に記載の因子の少なくとも一つの使用。
【請求項101】
ヒトおよび/または動物において、治療的および/または診断的に応用するための、請求項100記載の使用。
【請求項102】
インビトロで実施されることを特徴とする、子宮内膜症の治療を目的とする、請求項88〜99のいずれか一項に記載の因子の少なくとも一つの使用。
【請求項103】
子宮内膜症の治療において、治療および/または診断に用いるための薬物の製造を目的とする、請求項88〜99のいずれか一項に記載の因子の少なくとも一つの使用。
【請求項104】
請求項88〜90および/または請求項91〜95に記載の因子の少なくとも一つを含むことを特徴とする、子宮内膜症を治療するためのキット。
【請求項105】
請求項1〜11および74〜87のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在し、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない形で存在する翻訳産物を少なくとも一つ含むことを特徴とする、子宮内膜症を治療するためのキット。
【請求項106】
請求項97〜99記載の少なくとも一つの発現阻害因子および/または少なくとも一つの発現刺激因子を含むことを特徴とする、子宮内膜症を治療するためのキット。
【請求項107】
請求項88〜90および/もしくは請求項91〜95で定義された因子を少なくとも一つ、および/または請求項96で定義された翻訳産物を少なくとも一つ、および/または請求項97〜99で定義された発現阻害因子および/もしくは発現刺激因子を少なくとも一つ含むことを特徴とする、子宮内膜症を治療するためのキット。
【請求項108】
治療的な処置および/または診断のために使用されることを特徴とする、請求項104〜107のいずれか一項に記載のキット。
【請求項109】
ヒトおよび/または動物において使用されることを特徴とする、請求項104〜108に記載のキット。
【請求項110】
インビトロ系で使用されることを特徴とする、請求項104〜108に記載のキット。
【請求項111】
避妊のための、請求項1〜11記載の配列の少なくとも一つの使用。
【請求項112】
避妊のための、MAG遺伝子の少なくとも一つの使用。
【請求項113】
避妊のための、HMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子の少なくとも一つの使用。
【請求項114】
HMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子が、HMGI-C遺伝子およびHMGI-Y遺伝子からなる群より選択されることを特徴とする、請求項113記載の使用。
【請求項115】
配列が、請求項112〜114で定義された遺伝子配列と本質的に同じ核酸配列とともに使用されることを特徴とする、請求項112〜114のいずれか一項に記載の使用。
【請求項116】
請求項112〜114で定義された遺伝子配列と、本質的に機能が同じ核酸配列を有する配列が使用されることを特徴とする、請求項112〜114のいずれか一項に記載の使用。
【請求項117】
請求項112〜116で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物のDNA結合部位をコードする少なくとも一つの配列を有することを特徴とする、請求項112〜116のいずれか一項に記載の使用。
【請求項118】
請求項112〜117で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合部位をコードする配列をもたないことを特徴とする、請求項117記載の使用。
【請求項119】
請求項112〜117で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合部位をコードする一つまたは複数の配列を置換または延長する一つ以上のSr配列を有することを特徴とする、請求項117記載の使用。
【請求項120】
Sr配列が、その他のヒトゲノム配列、その他の(ドナー)生物の配列、および人工的配列、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項119記載の使用。
【請求項121】
遺伝子または配列が、二本鎖、および/またはコーディングおよび/もしくは非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAの形で存在することを特徴とする、請求項111〜120のいずれか一項に記載の使用。
【請求項122】
遺伝子または配列が、天然型および/もしくは変異型、および/または断片化された、もしくは断片化されていない形で存在することを特徴とする、請求項111〜121のいずれか一項に記載の使用。
【請求項123】
遺伝子または配列が、少なくとも一つのプロモーター、および/または少なくとも一つのエンハンサー因子、および/または少なくとも一つの転写終結因子、および/または少なくとも一つの抵抗性遺伝子、および/または少なくとも一つの別のマーカー遺伝子を有することを特徴とする、請求項111〜122のいずれか一項に記載の使用。
【請求項124】
少なくとも一つの遺伝子または少なくとも一つの配列が、宿主系の中にクローニングされた形で存在していることを特徴とする、請求項111〜123のいずれか一項に記載の使用。
【請求項125】
遺伝子または配列が、少なくとも一つのコピーで存在することを特徴とする、請求項111〜124のいずれか一項に記載の使用。
【請求項126】
センスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNA、およびアンチセンスcDNA、ならびに一本鎖および/または二本鎖としてそれらを組み合わせたものからなる群より選択される少なくとも一つのMS因子によって特徴づけられる、避妊のための因子。
【請求項127】
MS因子の配列が、天然型もしくは変異型で、および/または完全長もしくは断片として、および/または化学的に修飾されているか、もしくは化学的に修飾されていない形で存在することを特徴とする、請求項126記載の因子。
【請求項128】
MS因子の配列が、請求項1〜11および112〜125のいずれか一項で定義された配列または遺伝子に相当し、および/または天然型もしくは変異型で、完全長もしくは断片として存在する対応転写物に相当することを特徴とする、請求項126または127記載の因子。
【請求項129】
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される少なくとも一つのMp因子によって特徴づけられる、避妊のための因子。
【請求項130】
Mp因子が、請求項1〜11および112〜125のいずれか一項で定義された配列または遺伝子に対して作用し、および/または天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する対応する転写物に対して作用することを特徴とする、請求項129記載の因子。
【請求項131】
請求項1〜11および112〜125のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/または天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する対応する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在し、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない形で存在する一つ以上の翻訳産物に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項129記載の因子。
【請求項132】
請求項1〜11および112〜125のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子に対して、および/または天然型もしくは変異型で、および/または完全長もしくは断片として存在する対応する転写物に対して、その一部が作用する抗体または該抗体断片に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項129記載の因子。
【請求項133】
請求項1〜11および112〜125のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない一つ以上の翻訳産物に対してその一部が作用する抗体または該抗体断片に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項129記載の因子。
【請求項134】
請求項1〜11および請求項112〜125のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない形で存在する少なくとも一つの翻訳産物を特徴とする、避妊のための因子。
【請求項135】
少なくとも一つの発現阻害因子および/または少なくとも一つの発現刺激因子によって特徴づけられる、避妊のための因子。
【請求項136】
発現阻害因子および/または発現刺激因子が、問題となっている遺伝子系の別の遺伝子と比較して、請求項1〜11および112〜125で定義された一つ以上の遺伝子または一つ以上の配列に対する特異性を増強していることを特徴とする、請求項135記載の因子。
【請求項137】
発現阻害因子および/または発現刺激因子が、請求項1〜11および112〜125で定義されている一つもしくは数個の遺伝子または一つもしくは数個の配列に対して特異的であることを特徴とする、請求項135記載の因子。
【請求項138】
請求項126〜137記載の少なくとも一つの因子の、経口避妊のための使用。
【請求項139】
請求項126〜137記載の少なくとも一つの因子の、局所的な避妊のための使用。
【請求項140】
ヒトおよび/または動物で行われることを特徴とする、請求項138または139のいずれか一項に記載の使用。
【請求項141】
ヒトおよび/または動物における治療的用途を目的とする、請求項140記載の使用。
【請求項142】
治療に用いるための薬物の製造を目的とする、請求項126〜137のいずれか一項に記載の少なくとも一つの因子の使用。
【請求項143】
請求項126〜128および/または129〜133記載の因子を少なくとも一つ含むことを特徴とする、避妊のためのキット。
【請求項144】
請求項1〜11および112〜125のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在し、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない形で存在する翻訳産物を少なくとも一つ含むことを特徴とする、避妊のためのキット。
【請求項145】
請求項135〜137記載の少なくとも一つの発現阻害因子および/または少なくとも一つの発現刺激因子を含むことを特徴とする、避妊のためのキット。
【請求項146】
請求項126〜128および/もしくは請求項129〜133で定義された因子を少なくとも一つ、および/または請求項134で定義された翻訳産物を少なくとも一つ、および/または請求項135〜137記載の発現阻害因子および/もしくは発現刺激因子を少なくとも一つ含むことを特徴とする、避妊のためのキット。
【請求項147】
経口避妊のために使用されることを特徴とする、請求項143〜146のいずれか一項に記載のキット。
【請求項148】
局所的な避妊のために使用されることを特徴とする、請求項143〜146のいずれか一項に記載のキット。
【請求項149】
治療的な処置および/または診断のために使用されることを特徴とする、請求項143〜148のいずれか一項に記載のキット。
【請求項150】
ヒトおよび/または動物において使用されることを特徴とする、請求項143〜149のいずれか一項に記載のキット。
【請求項151】
インビトロ系で使用されることを特徴とする、請求項143〜149のいずれか一項に記載のキット。
【請求項152】
センスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNA、およびアンチセンスcDNA、ならびに一本鎖および/または二本鎖としてそれらを組み合わせたものからなる群より選択される因子であって、この群より選択された該因子の配列が、請求項1〜11および112〜125のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子、および/または天然型もしくは変異型、完全長もしくは断片として存在する対応する転写物に相当するような因子を少なくとも一つ備えていることを特徴とする、避妊のための方法。
【請求項153】
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される因子であって、この群より選択された該因子が、請求項1〜11および112〜125のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子、および/または天然型もしくは変異型で、完全長もしくは断片として存在する対応する転写物に対して作用するような因子を少なくとも一つ備えていることを特徴とする、避妊のための方法。
【請求項154】
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される因子であって、この群より選択される該因子が、請求項1〜11および112〜125のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない形で存在する転写物の翻訳産物の一つ以上に対して作用するような因子を少なくとも一つ備えていることを特徴とする、避妊のための方法。
【請求項155】
請求項1〜11および112〜125のいずれか一項で定義された一つ以上の配列もしくは遺伝子の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない形で存在する翻訳産物である少なくとも一つの因子を備えていることを特徴とする、避妊のための方法。
【請求項156】
因子が、経口投与されることを特徴とする、請求項152〜155のいずれか一項に記載の方法。
【請求項157】
因子が、定期的に投与されることを特徴とする、請求項152〜156のいずれか一項に記載の方法。
【請求項158】
因子が、受胎後に投与されることを特徴とする、請求項152〜157のいずれか一項に記載の方法。
【請求項159】
組織再生のための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の配列の少なくとも一つの使用。
【請求項160】
組織再生のための、MAG遺伝子の少なくとも一つの使用。
【請求項161】
組織再生のための、HMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子の少なくとも一つの使用。
【請求項162】
HMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子が、HMGI-C遺伝子およびHMGI-Y遺伝子からなる群より選択されることを特徴とする、請求項161記載の使用。
【請求項163】
請求項160〜162で定義された遺伝子配列と本質的に同じ核酸配列を有する配列が使用されることを特徴とする、請求項160〜162のいずれか一項に記載の使用。
【請求項164】
請求項160〜162で定義された遺伝子配列と本質的に機能が同じ核酸配列を有する配列が使用されることを特徴とする、請求項160〜162のいずれか一項に記載の使用。
【請求項165】
請求項160〜164で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物のDNA結合部位をコードする少なくとも一つの配列を有することを特徴とする、請求項160〜164のいずれか一項に記載の使用。
【請求項166】
請求項160〜164で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合部位をコードする配列をもたないことを特徴とする、請求項165記載の使用。
【請求項167】
請求項160〜164で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合部位をコードする一つまたは複数の配列を置換または延長するSr配列を一つ以上有することを特徴とする、請求項165記載の使用。
【請求項168】
Sr配列が、その他のヒトゲノム配列、その他の(ドナー)生物の配列、および人工的配列、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項167記載の使用。
【請求項169】
遺伝子または配列が、二本鎖、および/またはコーディングおよび/もしくは非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAの形で存在することを特徴とする、請求項159〜168のいずれか一項に記載の使用。
【請求項170】
遺伝子または配列が、天然型および/もしくは変異型、および/または断片化された、もしくは断片化されていない形で存在することを特徴とする、請求項159〜169のいずれか一項に記載の使用。
【請求項171】
遺伝子または配列が、少なくとも一つのプロモーター、および/または少なくとも一つのエンハンサー因子、および/または少なくとも一つの転写終結因子、および/または少なくとも一つの抵抗性遺伝子、および/または少なくとも一つの別のマーカー遺伝子を有することを特徴とする、請求項159〜170記載の使用。
【請求項172】
少なくとも一つの遺伝子または少なくとも一つの配列が、宿主系の中にクローニングされた形で存在することを特徴とする、請求項159〜171のいずれか一項に記載の使用。
【請求項173】
遺伝子または配列が、少なくとも一つのコピーで存在することを特徴とする、請求項159〜172のいずれか一項に記載の使用。
【請求項174】
センスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNA、およびアンチセンスcDNA、ならびに一本鎖および/または二本鎖としてそれらを組み合わせたものからなる群より選択される少なくとも一つのMS因子によって特徴づけられる、組織再生のための因子。
【請求項175】
MS因子の配列が、天然型もしくは変異型で、および/または完全長もしくは断片として、および/または化学的に修飾されているか、もしくは化学的に修飾されていない形で存在することを特徴とする、請求項174記載の因子。
【請求項176】
MS因子の配列が、請求項1〜11および160〜173のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子に相当し、および/または天然型もしくは変異型で完全長もしくは断片として存在する対応する転写物に相当することを特徴とする、請求項174または175記載の使用。
【請求項177】
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される少なくとも一つのMp因子によって特徴づけられる、組織再生ための因子。
【請求項178】
Mp因子が、請求項1〜11および160〜173のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する転写物に対して作用することを特徴とする、請求項177記載の因子。
【請求項179】
請求項1〜11および160〜173のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在し、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない形で存在している一つ以上の翻訳産物に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項177記載の因子。
【請求項180】
請求項1〜11および160〜173のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物に対してその一部が作用する抗体または該抗体断片に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項177記載の因子。
【請求項181】
請求項1〜11および160〜173のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在し、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない一つ以上の翻訳産物に対してその一部が作用する抗体または該抗体断片に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項177記載の因子。
【請求項182】
請求項1〜11および160〜173で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない形で存在する少なくとも一つの翻訳産物を特徴とする、組織再生のための因子。
【請求項183】
少なくとも一つの発現刺激因子によって特徴づけられる、組織再生のための因子。
【請求項184】
発現を刺激する因子の特異性が、それぞれの遺伝子系のその他の遺伝子と比較して、請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子または配列に対して増強されていることを特徴とする、請求項183記載の因子。
【請求項185】
発現を刺激する因子が、請求項1〜11および160〜173で定義された一つもしくは数個の遺伝子または一つもしくは数個の配列に対して特異的であることを特徴とする、請求項183記載の因子。
【請求項186】
再生すべき組織が、退化した組織、外傷による損傷を受けた組織、およびその他の方法で損傷を受けた組織からなる群より選択されることを特徴とする、組織再生のための、請求項174〜185のいずれか一項に記載の因子の少なくとも一つの使用。
【請求項187】
再生すべき組織が間葉組織であることを特徴とする、組織再生のための、請求項174〜185のいずれか一項に記載の因子の少なくとも一つの使用。
【請求項188】
間葉組織が、軟骨組織、筋肉組織、脂肪組織、結合組織、および支持組織からなる群より選択されることを特徴とする、請求項187記載の使用。
【請求項189】
インビボで使用されることを特徴とする、組織再生のための、請求項174〜185のいずれか一項に記載の因子の少なくとも一つの使用。
【請求項190】
ヒトおよび/または動物において使用されることを特徴とする、請求項186〜189の少なくとも一項に記載の使用。
【請求項191】
ヒトおよび/または動物において、治療に用いるために使用されることを特徴とする、請求項190記載の使用。
【請求項192】
インビトロで使用されることを特徴とする、組織再生のための、請求項174〜185のいずれか一項に記載の因子の少なくとも一つの使用。
【請求項193】
細胞培養、組織培養、器官培養、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される培養物中で用いられる、または該培養物に対して用いられることを特徴とする、請求項159〜173および192のいずれか一項に記載の使用。
【請求項194】
組織再生における治療的用途のための医薬品の製造を目的とする、請求項174〜185のいずれか一項に記載の因子の少なくとも一つの使用。
【請求項195】
請求項174〜176記載の因子および/または請求項177〜181記載の因子を少なくとも一つ含むことを特徴とする、組織再生のためのキット。
【請求項196】
請求項1〜11および160〜173のいずれか一項で定義された一つもしくは数個の遺伝子または一つもしくは数個の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する一つもしくは複数の転写物で、天然型もしくは変異型、完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された形で存在する少なくとも一つの翻訳産物を含むことを特徴とする、組織再生のためのキット。
【請求項197】
請求項183〜185記載の発現を刺激する少なくとも一つの因子が存在することを特徴とする、組織再生のためのキット。
【請求項198】
請求項174〜176および/もしくは請求項177〜181で定義された因子を少なくとも一つ、および/または請求項182で定義された翻訳産物を少なくとも一つ、および/または請求項183〜185で定義された、発現を刺激する因子を少なくとも一つ含むことを特徴とする、組織再生のためのキット。
【請求項199】
治療的処置および/または診断のために使用されることを特徴とする、請求項195〜198のいずれか一項に記載のキット。
【請求項200】
インビボで用いられることを特徴とする、請求項195〜199のいずれか一項に記載のキット。
【請求項201】
ヒトおよび/または動物に対して使用されることを特徴とする、請求項200記載のキット。
【請求項202】
インビトロ系で使用されることを特徴とする、請求項195〜199のいずれか一項に記載のキット。
【請求項203】
細胞培養、組織培養、器官培養、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される培養物中で用いられる、または該培養物に対して用いられることを特徴とする、請求項195〜199および202のいずれか一項に記載のキット。
【請求項204】
請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つが、再生される組織で発現されることを特徴とする、組織再生のための方法。
【請求項205】
a)標的細胞として標識された細胞を提供する段階、
b)請求項1〜11および160〜175で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つを標的細胞の中に導入する段階、
c)請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つを標的細胞中で誘導し発現させる段階、および選択的に、
d)標的細胞を培養する段階
を特徴とする、組織再生のための方法。
【請求項206】
請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つが、標的細胞の培養中に発現されることを特徴とする、請求項205記載の方法。
【請求項207】
請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つを、トランスフェクション、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、およびリポソーム法による遺伝子導入、および因子を用いた形質転換からなる群より選択される方法によって、インビトロで、標的細胞の中に導入することを特徴とする、請求項205または206記載の方法。
【請求項208】
発現の誘導および/または発現が、請求項174〜176および/もしくは177〜181で定義された少なくとも一つの因子、および/または請求項182で定義された少なくとも一つの翻訳産物、および/または請求項183〜185で定義された発現を刺激する少なくとも一つの因子によって影響されることを特徴とする、請求項205〜207のいずれか一項に記載の方法。
【請求項209】
標的細胞が、ヒトの細胞を含む、動物由来であることを特徴とする、請求項205〜208のいずれか一項に記載の方法。
【請求項210】
標的細胞が、ヒトでない動物に由来することを特徴とする、請求項205〜208のいずれか一項に記載の方法。
【請求項211】
標的細胞が、再生される組織の中に含まれている細胞型とは異なる細胞型を示すことを特徴とする、請求項205〜210のいずれか一項に記載の方法。
【請求項212】
標的細胞が、再生される組織の細胞型に含まれている細胞型を示すことを特徴とする、請求項205〜210のいずれか一項に記載の方法。
【請求項213】
請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つの影響下で、標的細胞が、多能性幹細胞に(脱)分化することを特徴とする、請求項205〜212のいずれか一項に記載の方法。
【請求項214】
標的細胞を、別の細胞および/または細胞型とともに共培養することを特徴とする、請求項205〜213のいずれか一項に記載の方法。
【請求項215】
共培養に用いられる細胞および/または細胞型が、標的細胞の分化条件に影響を与えることを特徴とする、請求項214記載の方法。
【請求項216】
細胞系が、細胞を含む生物学的液体、細胞(cells)、各細胞(individual cells)、組織、および器官からなる群より選択される物質を、生物から取り出すことによって提供されることを特徴とする、請求項205〜215のいずれか一項に記載の方法。
【請求項217】
請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つが標的細胞の中に導入された後に、該標的細胞を動物の中に導入することを特徴とする、請求項205〜216のいずれか一項に記載の方法。
【請求項218】
請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つが標的細胞の中に導入され、標的細胞を動物に導入する前に、標的細胞の中でその発現が誘導されることを特徴とする、請求項127記載の方法。
【請求項219】
請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つが標的細胞の中に導入され、標的細胞が動物に導入された後で、標的細胞の中でその発現が誘導されることを特徴とする、請求項217記載の方法。
【請求項220】
動物の中に導入された標的細胞が、分化した状態および/または分化能を有する状態にある、請求項217〜219のいずれか一項に記載の方法。
【請求項221】
動物がヒトであることを特徴とする、請求項217〜220のいずれか一項に記載の方法。
【請求項222】
標的細胞を導入される生物が、標的細胞を取り出した生物と同じであることを特徴とする、請求項217〜221のいずれか一項に記載の方法。
【請求項223】
標的細胞を導入される生物が、標的細胞が由来する生物とは異なることを特徴とする、請求項217〜221のいずれか一項に記載の方法。
【請求項224】
請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つが、生物の体内の再生すべき組織中に、および/または適当な細胞の中に導入されることを特徴とする、請求項204記載の方法。
【請求項225】
請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つが、遺伝子治療法を用いて、再生すべき組織および/またはそれに対応する細胞の中に導入されることを特徴とする、請求項224記載の方法。
【請求項226】
導入された遺伝子または導入された配列が発現されることを特徴とする、請求項224および225記載の方法。
【請求項227】
導入された遺伝子または導入された配列の発現が、請求項174〜176および/もしくは177〜181で定義された因子の少なくとも一つ、および/または請求項182で定義された翻訳産物の少なくとも一つ、および/または請求項183〜185で定義された発現を刺激する因子の少なくとも一つによって影響を受けることを特徴とする、請求項224〜226のいずれか一項に記載の方法。
【請求項228】
再生すべき組織が、間葉組織からなる群より選択されたことを特徴とする、請求項204〜227のいずれか一項に記載の方法。
【請求項229】
間葉組織が、軟骨組織、筋肉組織、脂肪組織、結合組織、および支持組織からなる群より選択されることを特徴とする、請求項228記載の方法。
【請求項230】
腫瘍を治療するための、請求項1〜11記載の配列の少なくとも一つの使用。
【請求項231】
腫瘍を治療するための、少なくとも一つのMAG遺伝子の使用。
【請求項232】
腫瘍を治療するための、少なくとも一つのHMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子の使用。
【請求項233】
HMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子が、HMGI-C遺伝子およびHMGI-Y遺伝子からなる群より選択されることを特徴とする、請求項232記載の使用。
【請求項234】
配列が、請求項231〜233で定義された遺伝子配列と本質的に同じ核酸配列を有する配列が使用されることを特徴とする、請求項231〜233のいずれか一項に記載の使用。
【請求項235】
配列が、請求項231〜233で定義された遺伝子の配列と、本質的に機能が同じ核酸配列を有する配列が使用されることを特徴とする、請求項231〜235のいずれか一項に記載の使用。
【請求項236】
請求項231〜235で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物のDNA結合部位または対応する翻訳産物をコードする配列を少なくとも一つ有することを特徴とする、請求項231〜235のいずれか一項に記載の使用。
【請求項237】
請求項231〜236で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合部位または対応する翻訳産物をコードする配列をもたないことを特徴とする、請求項236記載の使用。
【請求項238】
請求項231〜236で定義された遺伝子/配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合部位または対応する翻訳産物をコードするそれぞれの配列を置換または補足する一つ以上のSr配列を有することを特徴とする、請求項236記載の使用。
【請求項239】
Sr配列が、その他のヒトゲノム配列、その他の(ドナー)生物の配列、および人工的配列、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項238記載の使用。
【請求項240】
遺伝子または配列が、二本鎖、および/またはコーディングおよび/もしくは非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAの形で存在することを特徴とする、請求項230〜239のいずれか一項に記載の使用。
【請求項241】
遺伝子または配列が、天然型および/もしくは変異型、および/または断片化された、もしくは断片化されていない形で存在することを特徴とする、請求項230〜240のいずれか一項に記載の使用。
【請求項242】
遺伝子または配列が、少なくとも一つのプロモーター、および/または少なくとも一つのエンハンサー因子、および/または少なくとも一つの転写終結因子、および/または少なくとも一つのR決定因子、および/または少なくとも一つの別のマーカー遺伝子を有することを特徴とする、請求項241記載の使用。
【請求項243】
少なくとも一つの遺伝子/少なくとも一つの配列が、宿主系の中にクローニングされた形で存在していることを特徴とする、請求項230〜242のいずれか一項に記載の使用。
【請求項244】
遺伝子または配列が、少なくとも一つのコピーで存在することを特徴とする、請求項230〜243のいずれか一項に記載の使用。
【請求項245】
センスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNA、およびアンチセンスcDNA、ならびに一本鎖および/または二本鎖としてそれらを組み合わせたものからなる群より選択される、少なくとも一つのMSAT因子であって、該MSAT因子の配列が、請求項1〜11および231〜244で定義された一つもしくは数個の配列、および/またはそれに対応する一つもしくは複数の転写物に相当するようなMSAT因子によって特徴づけられる、腫瘍を治療するための因子。
【請求項246】
請求項1〜11および231〜244で定義された配列またはそれに対応する転写物の配列が、天然型もしくは変異型で、および/または完全長もしくは断片として存在することを特徴とする、請求項245記載の因子。
【請求項247】
MSAT因子の配列が、天然型もしくは変異型で、および/または完全長もしくは断片として、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない形で存在することを特徴とする、請求項245および246記載の因子。
【請求項248】
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される少なくとも一つのMPAT因子であって、請求項1〜11および231〜244で定義された一つもしくは数個の配列に対して作用し、ならびに/またはそれに対応する一つもしくは複数の転写物が、天然型もしくは変異型で、および/または完全長もしくは断片として存在するようなMPAT因子によって特徴づけられる、腫瘍を治療するための因子。
【請求項249】
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される少なくとも一つのMPAT因子であって、請求項1〜11および231〜244で定義された一つもしくは数個の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する一つもしくは複数の転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない形で存在している一つもしくは複数の翻訳産物に対して作用するMPAT因子によって特徴づけられる、腫瘍を治療するための因子。
【請求項250】
請求項1〜11および231〜244のいずれか一項で定義された一つもしくは数個の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する一つもしくは複数の転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型で、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない形で存在する少なくとも一つの翻訳産物によって特徴づけられる、腫瘍を治療するための因子。
【請求項251】
対応する遺伝子系の別の遺伝子と比較すると、請求項1〜11および231〜244で定義された一つもしくは数個の配列に対する特異性を増強した発現阻害因子である、少なくとも一つのMJAT因子よって特徴づけられる、腫瘍を治療するための因子。
【請求項252】
請求項1〜11および231〜244で定義された配列の少なくとも一つに対して特異的な発現阻害因子である少なくとも一つのMJAT因子によって特徴づけらる、腫瘍を治療するための因子。
【請求項253】
治療される腫瘍が、MAG遺伝子、HMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子、HMGI-C遺伝子、HMGI-Y遺伝子、およびそれらの誘導体からなる群より選択される遺伝子を発現させることを特徴とする、請求項245〜252のいずれか一項に記載の、腫瘍を治療するための因子。
【請求項254】
腫瘍を治療するための医薬品の製造を目的とする、請求項245〜253のいずれか一項に記載の少なくとも一つの因子の使用。
【請求項255】
医薬品が、MAG遺伝子、HMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子、HMGI-C遺伝子、HMGI-Y遺伝子、およびそれらの誘導体からなる群より選択される遺伝子を発現させる、腫瘍の治療のために用いられることを特徴とする、請求項254記載の使用。
【請求項256】
MAG遺伝子、HMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子、HMGI-C遺伝子、HMGI-Y遺伝子、およびそれらの誘導体からなる群より選択される遺伝子を発現させて、いくつかの型の腫瘍を治療するための、請求項245〜253のいずれか一項に記載の少なくとも一つの因子の使用。
【請求項1】
図1〜19に示されている配列の少なくとも一つによって特徴づけられる、DNA配列。
【請求項2】
HMGI-C遺伝子のDNA配列と、全部または一部が一致することを特徴とする、請求項1記載のDNA配列。
【請求項3】
図1〜19に示されている配列の一部が、HMGI-C遺伝子のDNA配列の一部を構成することを特徴とする、請求項1または2記載のDNA配列。
【請求項4】
図1〜19に示されている配列に対する変異型であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のDNA配列。
【請求項5】
各場合に相補鎖と両鎖の改変配列とを含み、図1〜19に示されている配列と本質的に同じ配列を示すことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のDNA配列。
【請求項6】
核酸配列が、図1〜19に示されている配列に、本質的かつ機能的に同一であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のDNA配列。
【請求項7】
対応する翻訳産物のDNA結合成分をコードする配列または対応する翻訳産物をコードする配列を、少なくとも一つ有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のDNA配列。
【請求項8】
対応する翻訳産物の蛋白質結合成分をコードする配列または対応する翻訳産物をコードする配列をもたないことを特徴とする、請求項7記載のDNA配列。
【請求項9】
DNA配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合成分をコードする配列または対応する翻訳産物をコードする配列に代わるか、またはそれを補足する一つ以上のSr配列を有することを特徴とする、請求項7記載のDNA配列。
【請求項10】
Sr配列が、その他のヒトゲノム配列、その他の(ドナー)生物の配列、および人工的配列、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項9記載のDNA配列。
【請求項11】
図1〜19に示されている配列がHMGI-C遺伝子の異常型の転写物であることを特徴とする、DNA配列。
【請求項12】
請求項1〜11記載の下流DNA配列を少なくとも一つ有する、少なくとも一つの転写プロモーターを含む、発現ベクター。
【請求項13】
請求項12記載の発現ベクターでトランスフェクトまたは形質転換された宿主細胞。
【請求項14】
原核生物の細胞であることを特徴とする、請求項13記載の宿主細胞。
【請求項15】
真核生物の細胞であることを特徴とする、請求項13記載の宿主細胞。
【請求項16】
真核生物の細胞が、酵母の細胞であることを特徴とする、請求項15記載の宿主細胞。
【請求項17】
真核生物の細胞が、哺乳動物の細胞であることを特徴とする、請求項15記載の宿主細胞。
【請求項18】
請求項1〜11のいずれか一項で定義された一つもしくは数個の遺伝子/一つもしくは数個の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する一つもしくは複数の転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない翻訳産物であることを特徴とする、蛋白質。
【請求項19】
血管形成に作用させるための、請求項1〜11記載の配列の少なくとも一つの使用。
【請求項20】
血管形成に作用させるための、少なくとも一つのMAG遺伝子の使用。
【請求項21】
血管形成に作用させるための、少なくとも一つのHMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子の使用。
【請求項22】
HMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子が、HMGI-C遺伝子およびHMGI-Y遺伝子からなる群より選択されることを特徴とする、請求項21記載の使用。
【請求項23】
請求項20〜22で定義された遺伝子の配列と本質的に同じ核酸配列が使用されることを特徴とする、請求項20〜22のいずれか一項に記載の使用。
【請求項24】
請求項20〜22で定義された遺伝子の配列と機能的に同じ核酸配列を有する配列が使用されることを特徴とする、請求項20〜22のいずれか一項に記載の使用。
【請求項25】
請求項20〜24で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物のDNA結合部位をコードする配列を、少なくとも一つ有することを特徴とする、請求項20〜24のいずれか一項に記載の使用。
【請求項26】
請求項20〜25で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合部位をコードする配列をもたないことを特徴とする、請求項25記載の使用。
【請求項27】
請求項20〜25で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合部位をコードする配列を置換または延長する、一つ以上のSr配列を有することを特徴とする、請求項25記載の使用。
【請求項28】
Sr配列が、ヒトゲノムのその他の配列、その他の(ドナー)生物の配列、および人工的配列、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項27記載の使用。
【請求項29】
遺伝子または配列が、二本鎖、および/またはコーディングおよび/もしくは非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAの形で存在することを特徴とする、請求項19〜28のいずれか一項に記載の使用。
【請求項30】
遺伝子または配列が、天然型および/もしくは変異型、および/または断片化された、もしくは断片化されていない形であることを特徴とする、請求項19〜29のいずれか一項に記載の使用。
【請求項31】
遺伝子または配列が、少なくとも一つのプロモーター、および/または少なくとも一つのエンハンサー因子、および/または少なくとも一つの転写終結因子、および/または少なくとも一つの抵抗性遺伝子、および/または少なくとも一つの別のマーカー遺伝子を有することを特徴とする、請求項30記載の使用。
【請求項32】
遺伝子または配列の少なくとも一つが、宿主系の中にクローニングされた状態で存在することを特徴とする、請求項19〜31のいずれか一項に記載の使用。
【請求項33】
遺伝子または配列が、少なくとも一つのコピーで存在することを特徴とする、請求項19〜32のいずれか一項に記載の使用。
【請求項34】
センスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNA、およびアンチセンスcDNA、ならびに一本鎖および/または二本鎖としてそれらを組み合わせたものからなる群より選択される、少なくとも一つのMS因子によって特徴づけられる、血管形成に影響する因子。
【請求項35】
MS因子の配列が、天然型もしくは変異型で、および/または完全長もしくは断片として、および/または化学的に修飾されているか、もしくは化学的に修飾されていない形で存在することを特徴とする、請求項34記載の因子。
【請求項36】
MS因子の配列が、請求項1〜11および20〜33のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子、および/または天然型もしくは変異型で、完全長もしくは断片として存在する、対応する転写物に相当することを特徴とする、請求項34または35記載の因子。
【請求項37】
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される、少なくとも一つのMp因子によって特徴づけられる、血管形成に影響する因子。
【請求項38】
Mp因子が、請求項1〜11および20〜33のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子に対して作用し、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物に対して作用することを特徴とする、請求項37記載の因子。
【請求項39】
請求項1〜11および20〜33のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない形で存在する一つ以上の翻訳産物に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項37記載の因子。
【請求項40】
請求項1〜11および20〜33のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物に対して、その一部が作用する抗体または該抗体断片に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項37記載の因子。
【請求項41】
請求項1〜11および20〜33のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない一つ以上の翻訳産物に対して、その一部が作用する抗体または該抗体断片に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項37記載の因子。
【請求項42】
請求項1〜11および20〜33のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾されているか、もしくは化学的に修飾されていない少なくとも一つの翻訳産物によって特徴づけられる、血管形成に影響する因子。
【請求項43】
少なくとも一つの発現阻害因子および/または少なくとも一つの発現刺激因子によって特徴づけられる、血管形成に影響する因子。
【請求項44】
発現阻害因子および/または発現刺激因子が、問題となっている遺伝子系の別の遺伝子と比較すると、請求項1〜11および20〜33のいずれか一項で定義された一つ以上の配列または一つ以上の遺伝子に対する特異性を強化させていることを特徴とする、請求項43記載の因子。
【請求項45】
発現阻害因子および/または発現刺激因子が、請求項1〜11および20〜33のいずれか一項で定義されている遺伝子または配列に対して特異的であることを特徴とする、請求項43記載の因子。
【請求項46】
脈管形成に関係する血管形成に影響を及ぼすことを特徴とする、請求項34〜45のいずれか一項に記載された血管形成に影響する因子の少なくとも一つの使用。
【請求項47】
脈管形成が、抑制および/または中断されることを特徴とする、請求項46記載の使用。
【請求項48】
脈管形成が刺激されることを特徴とする、請求項46記載の使用。
【請求項49】
血管形成に対する影響が、腫瘍脈管形成に関するものであることを特徴とする、請求項46記載の使用。
【請求項50】
血管新生に関係する血管形成に影響を及ぼすことを特徴とする、請求項34〜45のいずれか一項に記載された、血管形成に影響する因子の少なくとも一つの使用。
【請求項51】
血管新生が刺激されることを特徴とする、請求項50記載の使用。
【請求項52】
血管新生が抑制または中断されることを特徴とする、請求項50記載の使用。
【請求項53】
新生血管形成の結果としての失明の治療および/または予防のための、請求項34〜45のいずれか一項に記載の因子の少なくとも一つの使用。
【請求項54】
梗塞によって損傷を受けた心臓組織への血管供給を改善するための、請求項34〜45のいずれか一項に記載の因子の少なくとも一つの使用。
【請求項55】
ヒトおよび/または動物で行われることを特徴とする、請求項19〜33および45〜54のいずれか一項に記載の使用。
【請求項56】
ヒトおよび/または動物において、治療的および/または診断的に応用するための、請求項55記載の使用。
【請求項57】
インビトロで実施されることを特徴とする、請求項19〜33および45〜54のいずれか一項に記載の使用。
【請求項58】
血管形成への影響において、治療および/または診断に用いるための薬物の製造を目的とする、請求項34〜45のいずれか一項に記載の少なくとも一つの因子の使用。
【請求項59】
請求項34〜36記載の因子および/または請求項37〜41記載の因子を、少なくとも一つ含むことを特徴とする、血管形成に影響を与えるためのキット。
【請求項60】
請求項1〜11および20〜33のいずれか一項に定義されている一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型で、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/
またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない形で存在する翻訳産物を少なくとも一つ含むことを特徴とする、血管形成に影響を与えるためのキット。
【請求項61】
請求項43〜45記載の、少なくとも一つの発現阻害因子および/または少なくとも一つの発現刺激因子が含まれることを特徴とする、血管形成に影響を与えるためのキット。
【請求項62】
請求項34〜36および/もしくは37〜41で定義された因子を少なくとも一つ、および/または請求項42で定義された翻訳産物を少なくとも一つ、および/または請求項43〜45記載の発現阻害因子および/もしくは発現刺激因子を少なくとも一つ含むことを特徴とする、血管形成に影響を与えるためのキット。
【請求項63】
腫瘍脈管形成に影響させるために使用されることを特徴とする、請求項59〜62のいずれか一項に記載のキット。
【請求項64】
脈管形成に影響させるために使用されることを特徴とする、請求項59〜62のいずれか一項に記載のキット。
【請求項65】
血管新生に影響させるために使用されることを特徴とする、請求項59〜62のいずれか一項に記載のキット。
【請求項66】
血管形成に対して阻害的な効果を有することを特徴とする、請求項59〜65のいずれか一項に記載のキット。
【請求項67】
血管形成に対して刺激的な効果を有することを特徴とする、請求項59〜65のいずれか一項に記載のキット。
【請求項68】
新生血管形成の結果として起こる失明の治療および/または予防のために使用されることを特徴とする、請求項59〜62および64〜66のいずれか一項に記載のキット。
【請求項69】
梗塞によって損傷を受けた心臓組織への血管供給を改善するために使用されることを特徴とする、請求項59〜69、ならびに64、65および67のいずれか一項に記載のキット。
【請求項70】
治療処置のためおよび/または診断のために使用されることを特徴とする、請求項59〜69のいずれかに記載のキット。
【請求項71】
ヒトおよび/または動物において使用されることを特徴とする、請求項59〜70に記載のキット。
【請求項72】
インビトロ系で使用されることを特徴とする、請求項59〜70に記載のキット。
【請求項73】
子宮内膜症を治療するための、請求項1〜11記載の配列の少なくとも一つの使用。
【請求項74】
子宮内膜症を治療するための、少なくとも一つのMAG遺伝子の使用。
【請求項75】
子宮内膜症を治療するための、少なくとも一つのHMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子の使用。
【請求項76】
HMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子が、HMGI-C遺伝子およびHMGI-Y遺伝子からなる群より選択されることを特徴とする、請求項75記載の使用。
【請求項77】
配列が、請求項74〜76で定義された遺伝子配列と本質的に同じ核酸配列とともに使用されることを特徴とする、請求項74〜76のいずれか一項に記載の使用。
【請求項78】
請求項74〜76で定義された遺伝子配列と、本質的に機能が同じ核酸配列を有する配列が使用されることを特徴とする、請求項74〜76のいずれか一項に記載の使用。
【請求項79】
請求項74〜78で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物のDNA結合部位をコードする、少なくとも一つの配列を有することを特徴とする、請求項74〜78のいずれか一項に記載の使用。
【請求項80】
請求項74〜79で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合部位をコードする配列をもたないことを特徴とする、請求項79記載の使用。
【請求項81】
請求項74〜79で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合部位をコードする配列を置換または延長する、一つ以上のSr配列を有することを特徴とする、請求項79記載の使用。
【請求項82】
Sr配列が、その他のヒトゲノム配列、その他の(ドナー)生物の配列、および人工的配列、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項81記載の使用。
【請求項83】
遺伝子または配列が、二本鎖、および/またはコーディングおよび/もしくは非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAの形で存在することを特徴とする、請求項73〜82のいずれか一項に記載の使用。
【請求項84】
遺伝子または配列が、天然型および/または変異型、および/または断片化された、もしくは断片化されていない形であることを特徴とする、請求項73〜83のいずれか一項に記載の使用。
【請求項85】
遺伝子または配列が、少なくとも一つのプロモーター、および/または少なくとも一つのエンハンサー因子、および/または少なくとも一つの転写終結因子、および/または少なくとも一つの抵抗性遺伝子、および/または少なくとも一つの別のマーカー遺伝子を有することを特徴とする、請求項73〜84のいずれか一項に記載の使用。
【請求項86】
少なくとも一つの遺伝子または少なくとも一つの配列が、宿主系の中にクローニングされた形で存在することを特徴とする、請求項73〜85のいずれか一項に記載の使用。
【請求項87】
遺伝子または配列が、少なくとも一つのコピーで存在することを特徴とする、請求項73〜86のいずれか一項に記載の使用。
【請求項88】
センスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNA、およびアンチセンスcDNA、ならびに一本鎖および/または二本鎖としてそれらを組み合わせたものからなる群より選択される、少なくとも一つのMS因子によって特徴づけられる、血管形成に影響する因子。
【請求項89】
MS因子の配列が、天然型もしくは変異型で、および/または完全長もしくは断片として、および/または化学的に修飾されているか、もしくは化学的に修飾されていない形で存在することを特徴とする、請求項88記載の因子。
【請求項90】
その配列が、請求項1〜11および71〜84のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子に相当するか、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型で完全長もしくは断片として存在する転写物に相当することを特徴とする、請求項88または89記載の因子。
【請求項91】
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される、少なくとも一つのMp因子によって特徴づけられる、子宮内膜症を治療するための因子。
【請求項92】
Mp因子が、請求項1〜11および74〜87のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子に対して作用し、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物に対して作用することを特徴とする、請求項91記載の因子。
【請求項93】
Mp因子が、請求項1〜11および74〜87のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在し、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない形で存在している一つ以上の翻訳産物に対して作用することを特徴とする、請求項91記載の因子。
【請求項94】
請求項1〜11および74〜87のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物に対してその一部が作用する抗体または該抗体断片に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項91記載の因子。
【請求項95】
請求項1〜11および74〜87のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない一つ以上の翻訳産物に対して、その一部が作用する抗体または該抗体断片に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項91記載の因子。
【請求項96】
請求項1〜11および請求項74〜87のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない形で存在する少なくとも一つの翻訳産物を特徴とする、子宮内膜症を治療するための因子。
【請求項97】
少なくとも一つの発現阻害因子および/または少なくとも一つの発現刺激因子によって特徴づけられる、子宮内膜症を治療するための因子。
【請求項98】
発現阻害因子および/または発現刺激因子が、問題となっている遺伝子系の別の遺伝子と比較すると、請求項1〜11および74〜87のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子または一つ以上の配列に対する特異性を強めていることを特徴とする、請求項97記載の因子。
【請求項99】
発現阻害因子および/または発現刺激因子が、請求項1〜11および74〜87のいずれか一項で定義されている一つもしくは数個の遺伝子または一つもしくは数個の配列に対して特異的であることを特徴とする、請求項97記載の因子。
【請求項100】
ヒトおよび/または動物で行われることを特徴とする、子宮内膜症の治療を目的とする、請求項88〜99のいずれか一項に記載の因子の少なくとも一つの使用。
【請求項101】
ヒトおよび/または動物において、治療的および/または診断的に応用するための、請求項100記載の使用。
【請求項102】
インビトロで実施されることを特徴とする、子宮内膜症の治療を目的とする、請求項88〜99のいずれか一項に記載の因子の少なくとも一つの使用。
【請求項103】
子宮内膜症の治療において、治療および/または診断に用いるための薬物の製造を目的とする、請求項88〜99のいずれか一項に記載の因子の少なくとも一つの使用。
【請求項104】
請求項88〜90および/または請求項91〜95に記載の因子の少なくとも一つを含むことを特徴とする、子宮内膜症を治療するためのキット。
【請求項105】
請求項1〜11および74〜87のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在し、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない形で存在する翻訳産物を少なくとも一つ含むことを特徴とする、子宮内膜症を治療するためのキット。
【請求項106】
請求項97〜99記載の少なくとも一つの発現阻害因子および/または少なくとも一つの発現刺激因子を含むことを特徴とする、子宮内膜症を治療するためのキット。
【請求項107】
請求項88〜90および/もしくは請求項91〜95で定義された因子を少なくとも一つ、および/または請求項96で定義された翻訳産物を少なくとも一つ、および/または請求項97〜99で定義された発現阻害因子および/もしくは発現刺激因子を少なくとも一つ含むことを特徴とする、子宮内膜症を治療するためのキット。
【請求項108】
治療的な処置および/または診断のために使用されることを特徴とする、請求項104〜107のいずれか一項に記載のキット。
【請求項109】
ヒトおよび/または動物において使用されることを特徴とする、請求項104〜108に記載のキット。
【請求項110】
インビトロ系で使用されることを特徴とする、請求項104〜108に記載のキット。
【請求項111】
避妊のための、請求項1〜11記載の配列の少なくとも一つの使用。
【請求項112】
避妊のための、MAG遺伝子の少なくとも一つの使用。
【請求項113】
避妊のための、HMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子の少なくとも一つの使用。
【請求項114】
HMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子が、HMGI-C遺伝子およびHMGI-Y遺伝子からなる群より選択されることを特徴とする、請求項113記載の使用。
【請求項115】
配列が、請求項112〜114で定義された遺伝子配列と本質的に同じ核酸配列とともに使用されることを特徴とする、請求項112〜114のいずれか一項に記載の使用。
【請求項116】
請求項112〜114で定義された遺伝子配列と、本質的に機能が同じ核酸配列を有する配列が使用されることを特徴とする、請求項112〜114のいずれか一項に記載の使用。
【請求項117】
請求項112〜116で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物のDNA結合部位をコードする少なくとも一つの配列を有することを特徴とする、請求項112〜116のいずれか一項に記載の使用。
【請求項118】
請求項112〜117で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合部位をコードする配列をもたないことを特徴とする、請求項117記載の使用。
【請求項119】
請求項112〜117で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合部位をコードする一つまたは複数の配列を置換または延長する一つ以上のSr配列を有することを特徴とする、請求項117記載の使用。
【請求項120】
Sr配列が、その他のヒトゲノム配列、その他の(ドナー)生物の配列、および人工的配列、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項119記載の使用。
【請求項121】
遺伝子または配列が、二本鎖、および/またはコーディングおよび/もしくは非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAの形で存在することを特徴とする、請求項111〜120のいずれか一項に記載の使用。
【請求項122】
遺伝子または配列が、天然型および/もしくは変異型、および/または断片化された、もしくは断片化されていない形で存在することを特徴とする、請求項111〜121のいずれか一項に記載の使用。
【請求項123】
遺伝子または配列が、少なくとも一つのプロモーター、および/または少なくとも一つのエンハンサー因子、および/または少なくとも一つの転写終結因子、および/または少なくとも一つの抵抗性遺伝子、および/または少なくとも一つの別のマーカー遺伝子を有することを特徴とする、請求項111〜122のいずれか一項に記載の使用。
【請求項124】
少なくとも一つの遺伝子または少なくとも一つの配列が、宿主系の中にクローニングされた形で存在していることを特徴とする、請求項111〜123のいずれか一項に記載の使用。
【請求項125】
遺伝子または配列が、少なくとも一つのコピーで存在することを特徴とする、請求項111〜124のいずれか一項に記載の使用。
【請求項126】
センスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNA、およびアンチセンスcDNA、ならびに一本鎖および/または二本鎖としてそれらを組み合わせたものからなる群より選択される少なくとも一つのMS因子によって特徴づけられる、避妊のための因子。
【請求項127】
MS因子の配列が、天然型もしくは変異型で、および/または完全長もしくは断片として、および/または化学的に修飾されているか、もしくは化学的に修飾されていない形で存在することを特徴とする、請求項126記載の因子。
【請求項128】
MS因子の配列が、請求項1〜11および112〜125のいずれか一項で定義された配列または遺伝子に相当し、および/または天然型もしくは変異型で、完全長もしくは断片として存在する対応転写物に相当することを特徴とする、請求項126または127記載の因子。
【請求項129】
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される少なくとも一つのMp因子によって特徴づけられる、避妊のための因子。
【請求項130】
Mp因子が、請求項1〜11および112〜125のいずれか一項で定義された配列または遺伝子に対して作用し、および/または天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する対応する転写物に対して作用することを特徴とする、請求項129記載の因子。
【請求項131】
請求項1〜11および112〜125のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/または天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する対応する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在し、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない形で存在する一つ以上の翻訳産物に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項129記載の因子。
【請求項132】
請求項1〜11および112〜125のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子に対して、および/または天然型もしくは変異型で、および/または完全長もしくは断片として存在する対応する転写物に対して、その一部が作用する抗体または該抗体断片に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項129記載の因子。
【請求項133】
請求項1〜11および112〜125のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない一つ以上の翻訳産物に対してその一部が作用する抗体または該抗体断片に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項129記載の因子。
【請求項134】
請求項1〜11および請求項112〜125のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない形で存在する少なくとも一つの翻訳産物を特徴とする、避妊のための因子。
【請求項135】
少なくとも一つの発現阻害因子および/または少なくとも一つの発現刺激因子によって特徴づけられる、避妊のための因子。
【請求項136】
発現阻害因子および/または発現刺激因子が、問題となっている遺伝子系の別の遺伝子と比較して、請求項1〜11および112〜125で定義された一つ以上の遺伝子または一つ以上の配列に対する特異性を増強していることを特徴とする、請求項135記載の因子。
【請求項137】
発現阻害因子および/または発現刺激因子が、請求項1〜11および112〜125で定義されている一つもしくは数個の遺伝子または一つもしくは数個の配列に対して特異的であることを特徴とする、請求項135記載の因子。
【請求項138】
請求項126〜137記載の少なくとも一つの因子の、経口避妊のための使用。
【請求項139】
請求項126〜137記載の少なくとも一つの因子の、局所的な避妊のための使用。
【請求項140】
ヒトおよび/または動物で行われることを特徴とする、請求項138または139のいずれか一項に記載の使用。
【請求項141】
ヒトおよび/または動物における治療的用途を目的とする、請求項140記載の使用。
【請求項142】
治療に用いるための薬物の製造を目的とする、請求項126〜137のいずれか一項に記載の少なくとも一つの因子の使用。
【請求項143】
請求項126〜128および/または129〜133記載の因子を少なくとも一つ含むことを特徴とする、避妊のためのキット。
【請求項144】
請求項1〜11および112〜125のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在し、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない形で存在する翻訳産物を少なくとも一つ含むことを特徴とする、避妊のためのキット。
【請求項145】
請求項135〜137記載の少なくとも一つの発現阻害因子および/または少なくとも一つの発現刺激因子を含むことを特徴とする、避妊のためのキット。
【請求項146】
請求項126〜128および/もしくは請求項129〜133で定義された因子を少なくとも一つ、および/または請求項134で定義された翻訳産物を少なくとも一つ、および/または請求項135〜137記載の発現阻害因子および/もしくは発現刺激因子を少なくとも一つ含むことを特徴とする、避妊のためのキット。
【請求項147】
経口避妊のために使用されることを特徴とする、請求項143〜146のいずれか一項に記載のキット。
【請求項148】
局所的な避妊のために使用されることを特徴とする、請求項143〜146のいずれか一項に記載のキット。
【請求項149】
治療的な処置および/または診断のために使用されることを特徴とする、請求項143〜148のいずれか一項に記載のキット。
【請求項150】
ヒトおよび/または動物において使用されることを特徴とする、請求項143〜149のいずれか一項に記載のキット。
【請求項151】
インビトロ系で使用されることを特徴とする、請求項143〜149のいずれか一項に記載のキット。
【請求項152】
センスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNA、およびアンチセンスcDNA、ならびに一本鎖および/または二本鎖としてそれらを組み合わせたものからなる群より選択される因子であって、この群より選択された該因子の配列が、請求項1〜11および112〜125のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子、および/または天然型もしくは変異型、完全長もしくは断片として存在する対応する転写物に相当するような因子を少なくとも一つ備えていることを特徴とする、避妊のための方法。
【請求項153】
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される因子であって、この群より選択された該因子が、請求項1〜11および112〜125のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子、および/または天然型もしくは変異型で、完全長もしくは断片として存在する対応する転写物に対して作用するような因子を少なくとも一つ備えていることを特徴とする、避妊のための方法。
【請求項154】
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される因子であって、この群より選択される該因子が、請求項1〜11および112〜125のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない形で存在する転写物の翻訳産物の一つ以上に対して作用するような因子を少なくとも一つ備えていることを特徴とする、避妊のための方法。
【請求項155】
請求項1〜11および112〜125のいずれか一項で定義された一つ以上の配列もしくは遺伝子の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない形で存在する翻訳産物である少なくとも一つの因子を備えていることを特徴とする、避妊のための方法。
【請求項156】
因子が、経口投与されることを特徴とする、請求項152〜155のいずれか一項に記載の方法。
【請求項157】
因子が、定期的に投与されることを特徴とする、請求項152〜156のいずれか一項に記載の方法。
【請求項158】
因子が、受胎後に投与されることを特徴とする、請求項152〜157のいずれか一項に記載の方法。
【請求項159】
組織再生のための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の配列の少なくとも一つの使用。
【請求項160】
組織再生のための、MAG遺伝子の少なくとも一つの使用。
【請求項161】
組織再生のための、HMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子の少なくとも一つの使用。
【請求項162】
HMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子が、HMGI-C遺伝子およびHMGI-Y遺伝子からなる群より選択されることを特徴とする、請求項161記載の使用。
【請求項163】
請求項160〜162で定義された遺伝子配列と本質的に同じ核酸配列を有する配列が使用されることを特徴とする、請求項160〜162のいずれか一項に記載の使用。
【請求項164】
請求項160〜162で定義された遺伝子配列と本質的に機能が同じ核酸配列を有する配列が使用されることを特徴とする、請求項160〜162のいずれか一項に記載の使用。
【請求項165】
請求項160〜164で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物のDNA結合部位をコードする少なくとも一つの配列を有することを特徴とする、請求項160〜164のいずれか一項に記載の使用。
【請求項166】
請求項160〜164で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合部位をコードする配列をもたないことを特徴とする、請求項165記載の使用。
【請求項167】
請求項160〜164で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合部位をコードする一つまたは複数の配列を置換または延長するSr配列を一つ以上有することを特徴とする、請求項165記載の使用。
【請求項168】
Sr配列が、その他のヒトゲノム配列、その他の(ドナー)生物の配列、および人工的配列、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項167記載の使用。
【請求項169】
遺伝子または配列が、二本鎖、および/またはコーディングおよび/もしくは非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAの形で存在することを特徴とする、請求項159〜168のいずれか一項に記載の使用。
【請求項170】
遺伝子または配列が、天然型および/もしくは変異型、および/または断片化された、もしくは断片化されていない形で存在することを特徴とする、請求項159〜169のいずれか一項に記載の使用。
【請求項171】
遺伝子または配列が、少なくとも一つのプロモーター、および/または少なくとも一つのエンハンサー因子、および/または少なくとも一つの転写終結因子、および/または少なくとも一つの抵抗性遺伝子、および/または少なくとも一つの別のマーカー遺伝子を有することを特徴とする、請求項159〜170記載の使用。
【請求項172】
少なくとも一つの遺伝子または少なくとも一つの配列が、宿主系の中にクローニングされた形で存在することを特徴とする、請求項159〜171のいずれか一項に記載の使用。
【請求項173】
遺伝子または配列が、少なくとも一つのコピーで存在することを特徴とする、請求項159〜172のいずれか一項に記載の使用。
【請求項174】
センスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNA、およびアンチセンスcDNA、ならびに一本鎖および/または二本鎖としてそれらを組み合わせたものからなる群より選択される少なくとも一つのMS因子によって特徴づけられる、組織再生のための因子。
【請求項175】
MS因子の配列が、天然型もしくは変異型で、および/または完全長もしくは断片として、および/または化学的に修飾されているか、もしくは化学的に修飾されていない形で存在することを特徴とする、請求項174記載の因子。
【請求項176】
MS因子の配列が、請求項1〜11および160〜173のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子に相当し、および/または天然型もしくは変異型で完全長もしくは断片として存在する対応する転写物に相当することを特徴とする、請求項174または175記載の使用。
【請求項177】
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される少なくとも一つのMp因子によって特徴づけられる、組織再生ための因子。
【請求項178】
Mp因子が、請求項1〜11および160〜173のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する転写物に対して作用することを特徴とする、請求項177記載の因子。
【請求項179】
請求項1〜11および160〜173のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在し、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない形で存在している一つ以上の翻訳産物に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項177記載の因子。
【請求項180】
請求項1〜11および160〜173のいずれか一項で定義された配列もしくは遺伝子、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物に対してその一部が作用する抗体または該抗体断片に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項177記載の因子。
【請求項181】
請求項1〜11および160〜173のいずれか一項で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在し、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない一つ以上の翻訳産物に対してその一部が作用する抗体または該抗体断片に対して、Mp因子が作用することを特徴とする、請求項177記載の因子。
【請求項182】
請求項1〜11および160〜173で定義された一つ以上の遺伝子もしくは一つ以上の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない形で存在する少なくとも一つの翻訳産物を特徴とする、組織再生のための因子。
【請求項183】
少なくとも一つの発現刺激因子によって特徴づけられる、組織再生のための因子。
【請求項184】
発現を刺激する因子の特異性が、それぞれの遺伝子系のその他の遺伝子と比較して、請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子または配列に対して増強されていることを特徴とする、請求項183記載の因子。
【請求項185】
発現を刺激する因子が、請求項1〜11および160〜173で定義された一つもしくは数個の遺伝子または一つもしくは数個の配列に対して特異的であることを特徴とする、請求項183記載の因子。
【請求項186】
再生すべき組織が、退化した組織、外傷による損傷を受けた組織、およびその他の方法で損傷を受けた組織からなる群より選択されることを特徴とする、組織再生のための、請求項174〜185のいずれか一項に記載の因子の少なくとも一つの使用。
【請求項187】
再生すべき組織が間葉組織であることを特徴とする、組織再生のための、請求項174〜185のいずれか一項に記載の因子の少なくとも一つの使用。
【請求項188】
間葉組織が、軟骨組織、筋肉組織、脂肪組織、結合組織、および支持組織からなる群より選択されることを特徴とする、請求項187記載の使用。
【請求項189】
インビボで使用されることを特徴とする、組織再生のための、請求項174〜185のいずれか一項に記載の因子の少なくとも一つの使用。
【請求項190】
ヒトおよび/または動物において使用されることを特徴とする、請求項186〜189の少なくとも一項に記載の使用。
【請求項191】
ヒトおよび/または動物において、治療に用いるために使用されることを特徴とする、請求項190記載の使用。
【請求項192】
インビトロで使用されることを特徴とする、組織再生のための、請求項174〜185のいずれか一項に記載の因子の少なくとも一つの使用。
【請求項193】
細胞培養、組織培養、器官培養、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される培養物中で用いられる、または該培養物に対して用いられることを特徴とする、請求項159〜173および192のいずれか一項に記載の使用。
【請求項194】
組織再生における治療的用途のための医薬品の製造を目的とする、請求項174〜185のいずれか一項に記載の因子の少なくとも一つの使用。
【請求項195】
請求項174〜176記載の因子および/または請求項177〜181記載の因子を少なくとも一つ含むことを特徴とする、組織再生のためのキット。
【請求項196】
請求項1〜11および160〜173のいずれか一項で定義された一つもしくは数個の遺伝子または一つもしくは数個の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する一つもしくは複数の転写物で、天然型もしくは変異型、完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された形で存在する少なくとも一つの翻訳産物を含むことを特徴とする、組織再生のためのキット。
【請求項197】
請求項183〜185記載の発現を刺激する少なくとも一つの因子が存在することを特徴とする、組織再生のためのキット。
【請求項198】
請求項174〜176および/もしくは請求項177〜181で定義された因子を少なくとも一つ、および/または請求項182で定義された翻訳産物を少なくとも一つ、および/または請求項183〜185で定義された、発現を刺激する因子を少なくとも一つ含むことを特徴とする、組織再生のためのキット。
【請求項199】
治療的処置および/または診断のために使用されることを特徴とする、請求項195〜198のいずれか一項に記載のキット。
【請求項200】
インビボで用いられることを特徴とする、請求項195〜199のいずれか一項に記載のキット。
【請求項201】
ヒトおよび/または動物に対して使用されることを特徴とする、請求項200記載のキット。
【請求項202】
インビトロ系で使用されることを特徴とする、請求項195〜199のいずれか一項に記載のキット。
【請求項203】
細胞培養、組織培養、器官培養、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される培養物中で用いられる、または該培養物に対して用いられることを特徴とする、請求項195〜199および202のいずれか一項に記載のキット。
【請求項204】
請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つが、再生される組織で発現されることを特徴とする、組織再生のための方法。
【請求項205】
a)標的細胞として標識された細胞を提供する段階、
b)請求項1〜11および160〜175で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つを標的細胞の中に導入する段階、
c)請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つを標的細胞中で誘導し発現させる段階、および選択的に、
d)標的細胞を培養する段階
を特徴とする、組織再生のための方法。
【請求項206】
請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つが、標的細胞の培養中に発現されることを特徴とする、請求項205記載の方法。
【請求項207】
請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つを、トランスフェクション、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、およびリポソーム法による遺伝子導入、および因子を用いた形質転換からなる群より選択される方法によって、インビトロで、標的細胞の中に導入することを特徴とする、請求項205または206記載の方法。
【請求項208】
発現の誘導および/または発現が、請求項174〜176および/もしくは177〜181で定義された少なくとも一つの因子、および/または請求項182で定義された少なくとも一つの翻訳産物、および/または請求項183〜185で定義された発現を刺激する少なくとも一つの因子によって影響されることを特徴とする、請求項205〜207のいずれか一項に記載の方法。
【請求項209】
標的細胞が、ヒトの細胞を含む、動物由来であることを特徴とする、請求項205〜208のいずれか一項に記載の方法。
【請求項210】
標的細胞が、ヒトでない動物に由来することを特徴とする、請求項205〜208のいずれか一項に記載の方法。
【請求項211】
標的細胞が、再生される組織の中に含まれている細胞型とは異なる細胞型を示すことを特徴とする、請求項205〜210のいずれか一項に記載の方法。
【請求項212】
標的細胞が、再生される組織の細胞型に含まれている細胞型を示すことを特徴とする、請求項205〜210のいずれか一項に記載の方法。
【請求項213】
請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つの影響下で、標的細胞が、多能性幹細胞に(脱)分化することを特徴とする、請求項205〜212のいずれか一項に記載の方法。
【請求項214】
標的細胞を、別の細胞および/または細胞型とともに共培養することを特徴とする、請求項205〜213のいずれか一項に記載の方法。
【請求項215】
共培養に用いられる細胞および/または細胞型が、標的細胞の分化条件に影響を与えることを特徴とする、請求項214記載の方法。
【請求項216】
細胞系が、細胞を含む生物学的液体、細胞(cells)、各細胞(individual cells)、組織、および器官からなる群より選択される物質を、生物から取り出すことによって提供されることを特徴とする、請求項205〜215のいずれか一項に記載の方法。
【請求項217】
請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つが標的細胞の中に導入された後に、該標的細胞を動物の中に導入することを特徴とする、請求項205〜216のいずれか一項に記載の方法。
【請求項218】
請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つが標的細胞の中に導入され、標的細胞を動物に導入する前に、標的細胞の中でその発現が誘導されることを特徴とする、請求項127記載の方法。
【請求項219】
請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つが標的細胞の中に導入され、標的細胞が動物に導入された後で、標的細胞の中でその発現が誘導されることを特徴とする、請求項217記載の方法。
【請求項220】
動物の中に導入された標的細胞が、分化した状態および/または分化能を有する状態にある、請求項217〜219のいずれか一項に記載の方法。
【請求項221】
動物がヒトであることを特徴とする、請求項217〜220のいずれか一項に記載の方法。
【請求項222】
標的細胞を導入される生物が、標的細胞を取り出した生物と同じであることを特徴とする、請求項217〜221のいずれか一項に記載の方法。
【請求項223】
標的細胞を導入される生物が、標的細胞が由来する生物とは異なることを特徴とする、請求項217〜221のいずれか一項に記載の方法。
【請求項224】
請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つが、生物の体内の再生すべき組織中に、および/または適当な細胞の中に導入されることを特徴とする、請求項204記載の方法。
【請求項225】
請求項1〜11および160〜173で定義された遺伝子/配列の少なくとも一つが、遺伝子治療法を用いて、再生すべき組織および/またはそれに対応する細胞の中に導入されることを特徴とする、請求項224記載の方法。
【請求項226】
導入された遺伝子または導入された配列が発現されることを特徴とする、請求項224および225記載の方法。
【請求項227】
導入された遺伝子または導入された配列の発現が、請求項174〜176および/もしくは177〜181で定義された因子の少なくとも一つ、および/または請求項182で定義された翻訳産物の少なくとも一つ、および/または請求項183〜185で定義された発現を刺激する因子の少なくとも一つによって影響を受けることを特徴とする、請求項224〜226のいずれか一項に記載の方法。
【請求項228】
再生すべき組織が、間葉組織からなる群より選択されたことを特徴とする、請求項204〜227のいずれか一項に記載の方法。
【請求項229】
間葉組織が、軟骨組織、筋肉組織、脂肪組織、結合組織、および支持組織からなる群より選択されることを特徴とする、請求項228記載の方法。
【請求項230】
腫瘍を治療するための、請求項1〜11記載の配列の少なくとも一つの使用。
【請求項231】
腫瘍を治療するための、少なくとも一つのMAG遺伝子の使用。
【請求項232】
腫瘍を治療するための、少なくとも一つのHMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子の使用。
【請求項233】
HMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子が、HMGI-C遺伝子およびHMGI-Y遺伝子からなる群より選択されることを特徴とする、請求項232記載の使用。
【請求項234】
配列が、請求項231〜233で定義された遺伝子配列と本質的に同じ核酸配列を有する配列が使用されることを特徴とする、請求項231〜233のいずれか一項に記載の使用。
【請求項235】
配列が、請求項231〜233で定義された遺伝子の配列と、本質的に機能が同じ核酸配列を有する配列が使用されることを特徴とする、請求項231〜235のいずれか一項に記載の使用。
【請求項236】
請求項231〜235で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物のDNA結合部位または対応する翻訳産物をコードする配列を少なくとも一つ有することを特徴とする、請求項231〜235のいずれか一項に記載の使用。
【請求項237】
請求項231〜236で定義された遺伝子または配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合部位または対応する翻訳産物をコードする配列をもたないことを特徴とする、請求項236記載の使用。
【請求項238】
請求項231〜236で定義された遺伝子/配列が、対応する翻訳産物の蛋白質結合部位または対応する翻訳産物をコードするそれぞれの配列を置換または補足する一つ以上のSr配列を有することを特徴とする、請求項236記載の使用。
【請求項239】
Sr配列が、その他のヒトゲノム配列、その他の(ドナー)生物の配列、および人工的配列、ならびにそれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項238記載の使用。
【請求項240】
遺伝子または配列が、二本鎖、および/またはコーディングおよび/もしくは非コーディングの一本鎖、および/またはcDNAの形で存在することを特徴とする、請求項230〜239のいずれか一項に記載の使用。
【請求項241】
遺伝子または配列が、天然型および/もしくは変異型、および/または断片化された、もしくは断片化されていない形で存在することを特徴とする、請求項230〜240のいずれか一項に記載の使用。
【請求項242】
遺伝子または配列が、少なくとも一つのプロモーター、および/または少なくとも一つのエンハンサー因子、および/または少なくとも一つの転写終結因子、および/または少なくとも一つのR決定因子、および/または少なくとも一つの別のマーカー遺伝子を有することを特徴とする、請求項241記載の使用。
【請求項243】
少なくとも一つの遺伝子/少なくとも一つの配列が、宿主系の中にクローニングされた形で存在していることを特徴とする、請求項230〜242のいずれか一項に記載の使用。
【請求項244】
遺伝子または配列が、少なくとも一つのコピーで存在することを特徴とする、請求項230〜243のいずれか一項に記載の使用。
【請求項245】
センスDNA、センスRNA、センスcDNA、アンチセンスDNA、アンチセンスRNA、およびアンチセンスcDNA、ならびに一本鎖および/または二本鎖としてそれらを組み合わせたものからなる群より選択される、少なくとも一つのMSAT因子であって、該MSAT因子の配列が、請求項1〜11および231〜244で定義された一つもしくは数個の配列、および/またはそれに対応する一つもしくは複数の転写物に相当するようなMSAT因子によって特徴づけられる、腫瘍を治療するための因子。
【請求項246】
請求項1〜11および231〜244で定義された配列またはそれに対応する転写物の配列が、天然型もしくは変異型で、および/または完全長もしくは断片として存在することを特徴とする、請求項245記載の因子。
【請求項247】
MSAT因子の配列が、天然型もしくは変異型で、および/または完全長もしくは断片として、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない形で存在することを特徴とする、請求項245および246記載の因子。
【請求項248】
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される少なくとも一つのMPAT因子であって、請求項1〜11および231〜244で定義された一つもしくは数個の配列に対して作用し、ならびに/またはそれに対応する一つもしくは複数の転写物が、天然型もしくは変異型で、および/または完全長もしくは断片として存在するようなMPAT因子によって特徴づけられる、腫瘍を治療するための因子。
【請求項249】
ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ならびにそれらの断片および誘導体からなる群より選択される少なくとも一つのMPAT因子であって、請求項1〜11および231〜244で定義された一つもしくは数個の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する一つもしくは複数の転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない形で存在している一つもしくは複数の翻訳産物に対して作用するMPAT因子によって特徴づけられる、腫瘍を治療するための因子。
【請求項250】
請求項1〜11および231〜244のいずれか一項で定義された一つもしくは数個の配列の翻訳産物、および/またはそれに対応する一つもしくは複数の転写物で、天然型もしくは変異型および/または完全長もしくは断片として存在する転写物の翻訳産物であって、天然型もしくは変異型で、および/または完全長もしくは断片として存在する、および/またはグリコシル化された、部分的にグリコシル化された、もしくはグリコシル化されていない、および/またはリン酸化された、もしくはリン酸化されていない、および/または化学的に修飾された、もしくは化学的に修飾されていない形で存在する少なくとも一つの翻訳産物によって特徴づけられる、腫瘍を治療するための因子。
【請求項251】
対応する遺伝子系の別の遺伝子と比較すると、請求項1〜11および231〜244で定義された一つもしくは数個の配列に対する特異性を増強した発現阻害因子である、少なくとも一つのMJAT因子よって特徴づけられる、腫瘍を治療するための因子。
【請求項252】
請求項1〜11および231〜244で定義された配列の少なくとも一つに対して特異的な発現阻害因子である少なくとも一つのMJAT因子によって特徴づけらる、腫瘍を治療するための因子。
【請求項253】
治療される腫瘍が、MAG遺伝子、HMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子、HMGI-C遺伝子、HMGI-Y遺伝子、およびそれらの誘導体からなる群より選択される遺伝子を発現させることを特徴とする、請求項245〜252のいずれか一項に記載の、腫瘍を治療するための因子。
【請求項254】
腫瘍を治療するための医薬品の製造を目的とする、請求項245〜253のいずれか一項に記載の少なくとも一つの因子の使用。
【請求項255】
医薬品が、MAG遺伝子、HMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子、HMGI-C遺伝子、HMGI-Y遺伝子、およびそれらの誘導体からなる群より選択される遺伝子を発現させる、腫瘍の治療のために用いられることを特徴とする、請求項254記載の使用。
【請求項256】
MAG遺伝子、HMG蛋白質(high mobility group protein)遺伝子、HMGI-C遺伝子、HMGI-Y遺伝子、およびそれらの誘導体からなる群より選択される遺伝子を発現させて、いくつかの型の腫瘍を治療するための、請求項245〜253のいずれか一項に記載の少なくとも一つの因子の使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−29207(P2010−29207A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−251811(P2009−251811)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【分割の表示】特願2007−149285(P2007−149285)の分割
【原出願日】平成8年12月20日(1996.12.20)
【出願人】(501312749)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【分割の表示】特願2007−149285(P2007−149285)の分割
【原出願日】平成8年12月20日(1996.12.20)
【出願人】(501312749)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]