説明

HSP90阻害剤とHERCEPTIN阻害剤との組合せ

Hsp90阻害剤およびHER2阻害剤を含む医薬品の組合せ、ならびに増殖性障害を治療するためにその組合せを使用する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年11月28日に出願された欧州特許出願公開第08170255.7号、および2008年11月28日に出願された同第08170261.5号(4つの出願の全ての内容は、参照により組み込まれている)の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、Hsp90阻害剤および1種または複数の医薬活性剤、例えはHER2阻害剤を含む医薬組成物、および増殖性疾患を含む疾患の治療のためのこのような組成物の使用を対象とする。
【背景技術】
【0003】
増殖性疾患患者のための治療法の多数の選択肢に関わらず、有効で安全な抗増殖剤、および併用療法におけるそれらの使用が必要とされている。
【0004】
熱ショックタンパク質90(Hsp90)は、抗癌標的として認識されている。Hsp90は、クライアントタンパク質の立体配座の安定性、形状および機能を確実にする分子シャペロンとして機能する広範に分布する非常に豊富な(総細胞タンパク質の1〜2%)必須タンパク質である。
【0005】
ストレスタンパク質の中で、Hsp90は、大部分のポリペプチドの生合成のために必要とされないため独特である(Nathanら、1997)。クライアントタンパク質とまた称されるその細胞の標的は、増殖制御、細胞生存および組織発達において決定的な役割を果たす立体配置的に不安定なシグナル伝達因子である(PrattおよびToft、2003)。Hsp90のその内因性ATPアーゼ活性の阻害は、Hsp90−クライアントタンパク質の相互作用を混乱させ、ユビキチンプロテアソーム経路によるそれらの分解をもたらす。Hsp90クライアントタンパク質のサブセット(Raf、AKT、ホスホ−AKTおよびCDK4など)は、癌細胞において重要な過程である細胞増殖、分化およびアポトーシスに決定的に関与している発癌性シグナル伝達分子である。1つまたは複数の腫瘍性タンパク質の分解は、Hsp90阻害剤によって観察される抗腫瘍効果を生じさせると考えられている。
【0006】
シャペロンのHsp90ファミリーは、4種のメンバー:Hsp90αおよびHsp90β(両方ともサイトゾル中)、GRP94(小胞体中)、およびTRAP1(ミトコンドリア中)から成る(Csermelyら、1998)。Hsp90は、総タンパク質の約1%〜2%を構成する最も豊富な細胞シャペロンである(JakobおよびBuchner、1994)。
【0007】
それらのN末端ドメインにおいて保存されているATP−結合部位を有する(Chene、2002)Hsp90シャペロンは、DNAギラーゼ、Hsp90、ヒスチジンキナーゼおよびMutL(GHKL)サブファミリーとして知られている小さなATPアーゼサブファミリーに属する(DuttaおよびInouye、2000)。Hsp90のシャペロン(フォールディング)活性は、単離した酵素については弱いそのATPアーゼ活性によって決まる。しかし、Hsp90のATPアーゼ活性は、コシャペロンとして知られているタンパク質との会合によって増強されることが示されてきた(Kamalら、2003)。したがってインビボで、Hsp90タンパク質は、大きな動的タンパク質複合体のサブユニットとして作用する。Hsp90は真核細胞生存に必須であり、多くの腫瘍において過剰発現している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
例えば下記で定義するような少なくとも1種のHsp90阻害化合物および少なくとも1種のHER2阻害剤を含む組合せは、例えば固形腫瘍、例えば乳癌を含むがこれらに限定されない増殖性障害に対して有益な効果を有することが今や見出された。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による医薬品の組合せは、成分(a)および(b)を含み、成分(a)は、式(I)によるHSP90阻害剤、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグであり、
【0010】
【化1】

式中、
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C〜Cアルコキシ、
(5)チオール、
(6)C〜Cアルキルチオール、
(7)置換もしくは非置換C1〜C6アルキル、
(8)アミノまたは置換アミノ、
(9)置換もしくは非置換アリール、
(10)置換もしくは非置換ヘテロアリール、
(11)置換もしくは非置換ヘテロシクリルからなる群から選択され、
Rは、
(1)水素、
(2)置換もしくは非置換C1〜C6アルキル、
(3)置換もしくは非置換C2〜C6アルケニル、
(4)置換もしくは非置換C2〜C6アルキニル、
(5)置換もしくは非置換C3〜C7シクロアルキル、
(6)置換もしくは非置換C5〜C7シクロアルケニル、
(7)置換もしくは非置換アリール、
(8)置換もしくは非置換ヘテロアリール、
(9)置換もしくは非置換ヘテロシクリルからなる群から選択され、
は、
(1)置換もしくは非置換C3〜C7シクロアルキル、
(2)置換もしくは非置換C5〜C7シクロアルケニル、
(3)置換もしくは非置換アリール、
(4)置換もしくは非置換ヘテロアリール、
(5)置換もしくは非置換ヘテロシクリルからなる群から選択され、
ただし、Rがアミノであるとき、Rは、フェニル、4−アルキル−フェニル、4−アルコキシ−フェニル、および4−ハロ−フェニルではなく、あるいは
式(D)のHsp90阻害剤であり、
【0011】
【化2】

式中、各Rは、独立して任意選択の置換基を表し、Rは、カルボキサミド基を表し、成分(b)はHER2阻害剤である。
【0012】
式(I)による化合物は、薬学的に許容される担体中にHER2阻害剤と合わせてもよい。増殖性疾患を治療する方法において、有効量の式(I)による化合物を、それを必要としている患者に、一緒にまたは別々に、同時または順次に、HER2阻害剤阻害剤と組み合わせて投与し得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】BT−474乳癌異種移植片モデルにおけるトラスツズマブと合わせた、化合物I(またAUY922としても知られている5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド)の効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の好ましい実施形態において、第1の医薬成分、Hsp90阻害剤として式(III)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを、第2の医薬成分としてHER2阻害剤、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグと組み合わせて提供し、
【0015】
【化3】

式中、
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C〜Cアルコキシ、
(5)チオール、
(6)C〜Cアルキルチオール、
(7)置換もしくは非置換C1〜C6アルキル、
(8)アミノまたは置換アミノ、
(9)置換もしくは非置換アリール、
(10)置換もしくは非置換ヘテロアリール、
(11)置換もしくは非置換ヘテロシクリルからなる群から選択され、
は、水素または置換もしくは非置換C1〜C6アルキルであり、
は、水素、アルキル、アルコキシ、またはハロであり、
、R、R、およびRのそれぞれは、水素、アルキル、アルコキシ、ハロ、置換もしくは非置換アリール、および置換もしくは非置換ヘテロアリールからなる群から独立に選択され、
ただし、Rがアミノであり、R、R、R、およびRが水素であるとき、Rは水素、アルキル、アルコキシ、およびハロではない。
【0016】
いくつかの実施形態において、式(IIIa)の化合物、またはその互変異性体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを提供し、
【0017】
【化4】

式中、R、R、R、R、R、R、およびRは、式(III)について上記で定義した通りであり、ただし、Rがアミノであり、R、R、R、およびRが水素であるとき、Rは水素、アルキル、アルコキシ、およびハロではない。
【0018】
いくつかの実施形態において、Rは、水素である。
【0019】
いくつかの実施形態において、Rは、置換もしくは非置換C1〜C6アルキルである。
【0020】
いくつかの実施形態において、Rは、C1〜C6アルキルまたはハロC1〜C6アルキルである。いくつかのこのような実施形態において、Rは、メチルである。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態において、Rは、水素、ベンジル、1−(4−メトキシフェニル)エチル、メチル、3−アミノプロピル、および2−メチル−2−モルホリノプロピルからなる群から選択される。他の実施形態において、Rは、メチル、エチル、アリル、3−メチル−ブチル、およびイソブチルからなる群から選択される。
【0022】
いくつかの実施形態において、Rは、水素またはフルオロである。いくつかの態様において、Rは、フルオロである。
【0023】
いくつかの実施形態において、Rは、メチルまたはメトキシである。
【0024】
いくつかの実施形態において、R、R、およびRは、それぞれ水素である。
【0025】
いくつかの実施形態において、Rは、ハロ、アルコキシ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ハロアルキル、およびハロアルコキシからなる群から選択される1個または2個の置換基で置換されているアリールまたはヘテロアリールである。
【0026】
いくつかの実施形態において、Rは、置換アリールおよび置換ヘテロアリールからなる群から選択され、前記アリールおよびヘテロアリールは、フラニル、ピロリル、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、インドリル、オキサジアゾール、チアジアゾール、キノリニル、イソキノリニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、およびチエニルからなる群から選択される。いくつかの態様において、上記の基は、ハロ、アルコキシ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ハロアルキル、およびハロアルコキシからなる群から選択される1個または2個の置換基で置換されている。
【0027】
他の実施形態において、Rは、(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−ピラジン−2−イル、1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、2−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−フェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、2,3−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、2,4−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル、2,5−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジメチル−ピリジン−3−イル、2−アセトアミドフェニル、2−アミノカルボニルフェニル、2−アミノ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−5−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−フェニル、2−クロロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−ピリジン−4−イル、2−ジフルオロ−3−メトキシフェニル、2−エチル−フェニル、2−エトキシ−チアゾール−4−イル、2−フルオロ−3−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−3−メチルフェニル、2−フルオロ−4−メチル−フェニル、2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロフェニル、2−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェニル、2−ヒドロキシメチルフェニル、2−イソキノリン−4−イル、2−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、2−メトキシ−ピリジン−3−イル、2−メトキシ−ピリミジン−4−イル、2−メトキシ−チアゾール−4−イル、2−メチル−フェニル、2−メチル−ピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル、2−フェノキシフェニル、2−ピリジン−3−イル、2−ピリミジン−5−イル、2−トリフルオロメトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル、3,6−ジメチル−ピラジン−2−イル、3−アセトアミドフェニル、3−アミノカルボニルフェニル、3−ブロモ−フェニル、3−クロロ−ピラジン−2−イル、3−シアノフェニル、3−ジメチルアミノフェニル、3−エトキシ−フェニル、3−エチル−4−メチル−フェニル、3−エチニル−フェニル、3−フルオロ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、3−フルオロフェニル、3−フルオロ−ピラジン−2−イル、3−メタンスルホンアミドフェニル、3−メトキシカルボニルフェニル、3−メトキシフェニル、3−メトキシ−ピラジン−2−イル、3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン−5−イル、3−メチルフェニル、3−メチル−ピリジン−2−イル、3−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4,5−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル、4−アミノ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−クロロ−2,5−ジメトキシ−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−フェニル、4−クロロ−2−メトキシ−5−メチル−フェニル、4−クロロ−ピリジン−3−イル、4−ジフルオロ−2−メチル−フェニル、4−エトキシ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−5−イル、4−エチル−1H−ピラゾール−3−イル、4−フルオロ−2−メトキシ−フェニル、4−フルオロ−2−メチル−フェニル、4−フルオロフェニル、4−メトキシ−5−メチル−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリジン−3−イル、4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、4−メチル−フェニル、4−メチル−ピリジン−2−イル、4−メチル−ピリジン−3−イル、4−ピロリジン−1−イル−ピリミジン−2−イル、5,6−ジメトキシ−ピラジン−2−イル、5−アセチル−チオフェン−2−イル、5−アミノ−6−エトキシ−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−3−メチル−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、5−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−クロロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−ジメチルアミノ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−2−メトキシフェニル、5−フルオロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−フルオロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メトキシ−ピリジン−3−イル、5−メトキシ−チオフェン−2−イル、5−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル、6−アセチル−ピリジン−2−イル、6−クロロ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−3−イル、6−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチル−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−3−イル、6−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピリジン−2−イル、5−アミノ−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピラジン−2−イル、および6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルからなる群から選択される。
【0028】
発明の詳細な説明
下記の定義を、本発明をより理解するために提供する。
【0029】
「アルキル」または「非置換アルキル」とは、ヘテロ原子を含有しない飽和ヒドロカルビル基を意味する。したがって、この語句には、直鎖アルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなど)が含まれる。この語句にはまた、直鎖アルキル基の分岐鎖異性体、これらに限定されないが、例示として提示する下記−CH(CH、−CH(CH)(CHCH)、−CH(CHCH、−C(CH、−C(CHCH、−CHCH(CH、−CHCH(CH)(CHCH)、−CHCH(CHCH、−CHC(CH、−CHC(CHCH、−CH(CH)CH(CH)(CHCH)、−CHCHCH(CH、−CHCHCH(CH)(CHCH)、−CHCHCH(CHCH、−CHCHC(CH、−CHCHC(CHCH、−CH(CH)CHCH(CH、−CH(CH)CH(CH)CH(CH、−CH(CHCH)CH(CH)CH(CH)(CHCH)を含めたもの、ならびにその他が含まれる。したがって、「アルキル基」という語句には、第一級アルキル基、第二級アルキル基、および第三級アルキル基が含まれる。好ましいアルキル基には、1〜12個、1〜6個、または1〜3個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖アルキル基が含まれる。
【0030】
「アルキレン」または「非置換アルキレン」とは、「アルキル」について上で述べたのと同じ残基を意味するが、2個の結合点を有する。例示的アルキレン基には、エチレン(−CHCH−)、プロピレン(−CHCHCH−)、およびジメチルプロピレン(−CHC(CHCH−)が含まれる。
【0031】
「アルケニル」または「非置換アルケニル」とは、1個または複数の炭素−炭素二重結合および2〜約20個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖ヒドロカルビル基を意味する。好ましいアルケニル基には、2〜12個、または2〜6個の炭素原子を有する直鎖および分岐状アルケニル基が含まれる。
【0032】
「アルキニル」または「非置換アルキニル」とは、1個または複数の炭素−炭素三重結合および2〜約20個の炭素原子を有する直鎖および分岐鎖ヒドロカルビル基を意味する。好ましいアルキニル基には、2〜12個、または2〜6個の炭素原子を有する直鎖および分岐状アルキニル基が含まれる。
【0033】
「シクロアルキル」または「非置換シクロアルキル」とは、単環式または多環式アルキル置換基を意味する。代表的なシクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが含まれる。好ましいシクロアルキル基は、3〜7個の炭素原子を有する。
【0034】
「シクロアルケニル」または「非置換シクロアルケニル」とは、少なくとも1個の環炭素−炭素二重結合を有する単環式または多環式アルキル置換基を意味する。好ましいシクロアルケニル基は、5〜7個の炭素原子を有し、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルが含まれる。
【0035】
「置換アルキル」とは、炭素(複数可)または水素(複数可)への1個または複数の結合が、これらに限定されないが、ハロゲン原子(F、Cl、Br、およびIなど);ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、およびエステル基などの基における酸素原子;チオール基、アルキルおよびアリールスルフィド、スルホン、スルホニル、およびスルホキシド基などの基における硫黄原子;アミノ、アミド、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルキルアリールアミノ、ジアリールアミノ、N−オキシド、イミド、およびエナミンなどの基における窒素原子などの、非水素原子または非炭素原子への結合によって置き換えられている、上記定義のようなアルキル基を意味する。置換アルキル基にはまた、炭素(複数可)原子または水素(複数可)原子への1個または複数の結合が、ヘテロ原子(オキソ、カルボニル、カルボキシル、およびエステル基における酸素;またはイミン、オキシム、ヒドラゾン、およびニトリルなどの基における窒素など)への高次結合(例えば、二重結合または三重結合)によって置き換えられている基が含まれる。置換アルキル基には、炭素(複数可)原子または水素(複数可)原子への1個または複数の結合が、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、またはシクロアルケニル基への結合によって置き換えられているアルキル基がさらに含まれる。好ましい置換アルキル基には、とりわけ、炭素原子または水素原子への1個または複数の結合が、フルオロ、クロロ、またはブロモ基への1個または複数の結合によって置き換えられているアルキル基が含まれる。別の好ましい置換アルキル基は、トリフルオロメチル基、およびトリフルオロメチル基を含有する他のアルキル基である。他の好ましい置換アルキル基には、置換アルキル基が、ヒドロキシル、アルコキシ、またはアリールオキシ基を含有するように、炭素原子または水素原子への1個または複数の結合が、酸素原子への結合によって置き換えられているものが含まれる。他の好ましい置換アルキル基には、アミノ、または置換もしくは非置換アルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロシクリルアミノを有するアルキル基が含まれる。また他の好ましい置換アルキル基には、炭素(複数可)原子または水素(複数可)原子への1個または複数の結合が、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはシクロアルキル基への結合によって置き換えられているものが含まれる。置換アルキルの例は、−(CHNH、−(CHNH(CH)、−(CHNH(CH、−CHC(=CH)CHNH、−CHC(=O)CHNH、−CHS(=O)CH、−CHOCHNH、−CHCOHである。置換アルキルの置換基の例は、−CHOH、−OH、−OCH、−OC、−OCF、OC(=O)CH、−OC(=O)NH、−OC(=O)N(CH、−CN、−NO、−C(=O)CH、−COH、−COCH、−CONH、−NH、−N(CH、−NHSOCH、−NHCOCH、−NHC(=O)OCH、−NHSO−CH、−SOCH、−SONH、およびハロである。
【0036】
「置換アルケニル」は、置換アルキル基が非置換アルキル基に対する意味を有するように、非置換アルケニル基に対して同じ意味を有する。置換アルケニル基には、非炭素原子または非水素原子が、別の炭素に二重結合している炭素に結合しているアルケニル基、および非炭素原子または非水素原子の1つが、別の炭素への二重結合に関与していない炭素に結合しているアルケニル基が含まれる。
【0037】
「置換アルキニル」は、置換アルキル基が非置換アルキル基に対する意味を有するように、非置換アルキニル基に対して同じ意味を有する。置換アルキニル基には、非炭素原子または非水素原子が、別の炭素に三重結合している炭素に結合しているアルキニル基、および非炭素原子または非水素原子が、別の炭素への三重結合に関与していない炭素に結合しているアルキニル基が含まれる。
【0038】
「置換シクロアルキル」は、置換アルキル基が非置換アルキル基に対する意味を有するように、非置換シクロアルキル基に対して同じ意味を有する。
【0039】
「置換シクロアルケニル」は、置換アルキル基が非置換アルキル基に対する意味を有するように、非置換シクロアルケニル基に対して同じ意味を有する。
【0040】
「アリール」または「非置換アリール」とは、環ヘテロ原子を含有しない単環式および多環式芳香族基を意味する。このような基は、6〜14個の炭素原子、好ましくは6個の炭素原子を含有することができる。本発明の化合物において置換基として用いられる例示的アリール部分には、フェニル、ナフチルなどが含まれる。
【0041】
「アラルキル」または「アリールアルキル」とは、上記定義のようなアリール基で置換されているアルキル基を意味する。典型的には、本発明の化合物において用いられるアラルキル基は、アラルキル基のアルキル部分中に組み込まれた1〜6個の炭素原子を有する。本発明の化合物において用いられる適切なアラルキル基には、例えば、ベンジルなどが含まれる。「ヘテロアリールアルキル」または「ヘテロアラルキル」とは、上記定義のようなヘテロアリール基で置換されているアルキル基を意味する。典型的には、本発明の化合物において用いられるヘテロアリールアルキル基は、アラルキル基のアルキル部分中に組み込まれた1〜6個の炭素原子を有する。本発明の化合物において用いられる適切なヘテロアリールアルキル基には、例えば、ピコリルなどが含まれる。
【0042】
「アルコキシ」とは、R20Oを意味し、R20は、C〜Cアルキルまたは置換アルキルである。いくつかの実施形態において、R20は、C〜Cアルキルである。アルコキシ基の代表例には、メトキシ、エトキシ、t−ブトキシ、トリフルオロメトキシなどが含まれる。
【0043】
「アミノ」とは、本明細書において基−NHを意味する。
【0044】
「置換アミノ」とは、基−NR6061を意味し、R60およびR61は、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環、−SO−アルキル、−SO−置換アルキルからなる群から独立に選択され、R60およびR61は、そこに結合した窒素と一緒になって結合し、複素環基または置換複素環基を形成し、ただし、R60およびR61は両方とも水素ではない。R60が水素であり、R61がアルキルであるとき、置換アミノ基は、本明細書においてアルキルアミノと称されることがある。R60およびR61がアルキルであるとき、置換アミノ基は、本明細書においてジアルキルアミノと称されることがある。一置換アミノについて言及するとき、それはR60またはR61が水素であるが、両方ではないことを意味する。二置換アミノについて言及するとき、それはR60もR61も水素ではないことを意味する。「アルキルアミノ」という用語は、本明細書において基−NR6061を意味し、R60はC〜Cアルキルであり、R60は水素またはC〜Cアルキルである。「ジアルキルアミノ」という用語は、基−NR6061を意味し、R60およびR61はC〜Cアルキルである。「アリールアミノ」という用語は、本明細書において基−NR6061を意味し、R60はC〜Cアリールであり、R61は水素、C〜Cアルキル、またはC〜Cアリールである。「アラルキルアミノ」という用語は、本明細書において基−NR6061を意味し、R60はアラルキルであり、R61は水素、C〜Cアルキル、C〜Cアリール、またはC〜Cアラルキルである。
【0045】
「アミジノ」とは、部分R40−C(=N)−NR41−(ラジカルは「N」窒素において存在する)およびR40(NR41)C=N−(ラジカルは「N」窒素において存在する)を意味し、R40およびR41は水素、C〜Cアルキル、アリール、またはC〜Cアラルキルでよい。
【0046】
「アルコキシアルキル」とは、基−alk−O−alkを意味し、alkは、C〜Cアルキルであり、alkは、C〜Cアルキルである。「アリールオキシアルキル」という用語は、基−(C〜Cアルキル)−O−(C〜Cアリール)を意味する。
【0047】
「アルコキシアルキルアミノ」とは、本明細書において基−NR27−(アルコキシアルキル)を意味し、R27は典型的には、水素、C〜Cアラルキル、またはC〜Cアルキルである。
【0048】
「アミノカルボニル」とは、本明細書において基−C(O)−NHを意味する。「置換アミノカルボニル」とは、本明細書において基−C(O)−NR2829を意味し、R28はC〜Cアルキルであり、R29は水素またはC〜Cアルキルである。「アリールアミノカルボニル」という用語は、本明細書において基−C(O)−NR3031を意味し、R30はC〜Cアリールであり、R31は水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアリールである。「アラルキルアミノカルボニル」とは、本明細書において基−C(O)−NR3233を意味し、R32はC〜Cアラルキルであり、R33は水素、C〜Cアルキル、C〜Cアリール、またはC〜Cアラルキルである。
【0049】
「アミノスルホニル」とは、本明細書において基−S(O)−NHを意味する。「置換アミノスルホニル」とは、本明細書において基−S(O)−NR3435を意味し、R34はC〜Cアルキルであり、R35は水素またはC〜Cアルキルである。「アラルキルアミノスルホンリアリール(aralkylaminosulfonlyaryl)」という用語は、本明細書において基−(C〜Cアリール)−S(O)−NH−アラルキルを意味する。
【0050】
「アリールオキシ」とは、R50O−を意味し、R50はアリールである。
【0051】
「カルボニル」とは、二価基−C(O)−を意味する。「アルキルカルボニル」とは、基−C(O)アルキルを意味する。「アリールカルボニル」とは、基−C(O)アリールを意味する。同様に、「ヘテロアリールカルボニル」、「アラルキルカルボニル」、および「ヘテロアラルキルカルボニル」という用語は、−C(O)−R(Rは、それぞれ、ヘテロアリール、アラルキル、およびヘテロアラルキルである)を意味する。
【0052】
「カルボニルオキシ」とは一般に、基−C(O)−O−を意味する。このような基には、エステル、−C(O)−O−R36(R36は、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、アリール、またはC〜Cアラルキルである)が含まれる。「アリールカルボニルオキシ」という用語は、本明細書において基−C(O)−O−(アリール)を意味する。「アラルキルカルボニルオキシ」という用語は、本明細書において基−C(O)−O−(C〜Cアラルキル)を意味する。
【0053】
「シクロアルキルアルキル」とは、上記定義のようなシロアルキル(cyloalkyl)基で置換されているアルキル基を意味する。典型的には、シクロアルキルアルキル基は、シクロアルキルアルキル基のアルキル部分中に組み込まれている1〜6個の炭素原子を有する。
【0054】
「カルボニルアミノ」とは、カルボニルアミノ基のアミド窒素の水素原子がC〜Cアルキル、アリール、またはC〜Cアラルキル基で置き換えられていてもよい二価基−NH−C(O)−を意味する。カルボニルアミノ基には、カルバミン酸エステル(−NH−C(O)−O−R28)およびアミド−NH−C(O)−R28(R28は、直鎖もしくは分岐鎖C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、またはアリールまたはC〜Cアラルキルである)などの部分が含まれる。「アルキルカルボニルアミノ」という用語は、基−NH−C(O)−R28’(R28’は、その骨格構造中に1〜約7個の炭素原子を有するアルキルである)を意味する。「アリールカルボニルアミノ」という用語は、基−NH−C(O)−R29(R29は、C〜Cアリールである)を意味する。同様に、「アラルキルカルボニルアミノ」という用語は、カルボニルアミノ(R29は、C〜Cアラルキルである)を意味する。
【0055】
「グアニジノ」または「グアニジル」とは、グアニジン、HN−C(=NH)−NHに由来する部分を意味する。このような部分には、形式二重結合を担持する窒素原子において結合しているもの(グアニジンの「2」位、例えば、ジアミノメチレンアミノ、(HN)C=NH−)、および形式単結合を担持する窒素原子のいずれかにおいて結合しているもの(グアンジン(guandine)の「1」位および/または「3」位、例えば、HN−C(=NH)−NH−)が含まれる。窒素のいずれかにおける水素原子は、適切な置換基(C〜Cアルキル、アリール、またはC〜Cアラルキルなど)で置き換えることができる。
【0056】
「ハロゲン」または「ハロ」とは、クロロ、ブロモ、フルオロ、およびヨード基を意味する。「ハロアルキル」という用語は、1個または複数のハロゲン原子で置換されているアルキル基を意味する。「ハロアルキル」基には、−CFが含まれる。「ハロアルコキシ」という用語は、1個または複数のハロゲン原子で置換されているアルコキシ基を意味する。「ハロアルコキシ」基には、−OCFおよび−OCHCFが含まれる。
【0057】
「ヒドロキシル」または「ヒドロキシ」とは、基−OHを意味する。
【0058】
「複素環の」または「非置換複素環基」、「複素環」または「非置換複素環」および「ヘテロシクリル」または「非置換ヘテロシクリル」、「ヘテロシクロアルキル」または「非置換ヘテロシクロアルキル基」とは、本明細書において使用する場合、窒素、酸素、または硫黄から選択されるヘテロ原子を含有する任意の非芳香族単環式または多環式環化合物を意味する。例には、窒素、酸素、および硫黄から選択されるヘテロ原子を含有する3員環もしくは4員環、または窒素、酸素、もしくは硫黄からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5員環もしくは6員環が含まれ、5員環は、0〜1個の二重結合を有し、6員環は、0〜2個の二重結合を有し、窒素および硫黄原子は、任意選択で酸化されていてもよく、窒素および硫黄ヘテロ原子は、任意選択で四級化されていてもよく、上記の複素環のいずれかがベンゼン環または別の5員もしくは6員複素環(独立して上記で定義されている)に縮合している任意の二環式基が含まれるが、ただし、結合点は、複素環を介してである。
【0059】
複素環部分は、これらに限定されないが、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロ、オキソ(C=O)、アルキルイミノ(R31N=、R31は、アルキルまたはアルコキシ基である)、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノアルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、ポリアルコキシ、アルキル、シクロアルキルまたはハロアルキルから独立して選択される様々な置換基で、例えば一置換または二置換することができる。
【0060】
複素環基は、本明細書における開示と併せて有機および医薬品化学の技術分野の当業者であれば明らかなように、下記のように様々な位置において結合し得る。
【0061】
【化5】

式中、Rは、本明細書に記載されているようにHまたは複素環置換基である。
【0062】
「ヘテロアリール」または「非置換ヘテロアリール」とは、本明細書において、芳香環中の環原子として1〜4個のヘテロ原子を有する芳香族基を意味し、環原子の残りは炭素原子である。「ヘテロアリール」という用語には、窒素がヘテロ原子である環、ならびに少なくとも1つの環状構造が芳香族である部分飽和および完全飽和環(例えば、ベンゾジオキソゾロ(フェニル基に縮合している複素環構造、すなわち、
【0063】
【化6】

を有し、ただし、結合点は、ヘテロアリール環を介してである)など)が含まれる。ヘテロアリール基はさらに置換されていてもよく、本明細書における開示と併せて有機および医薬品化学の技術分野の当業者であれば明らかなように、様々な位置に結合し得る。代表的な置換および非置換ヘテロアリール基には、本出願および下記の例に開示されている化合物において見出されるものが含まれる。
【0064】
【化7】

【0065】
好ましい複素環およびヘテロアリールは、3〜14個の環原子を有し、例えば、ジアザピニル(diazapinyl)、ピロイル(pyrroyl)、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、イミダゾイル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピペリジニル、ピラジニル、ピペラジニル、アゼチジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フリル、チエニル、トリアゾリル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフトピリジニル(naphthpyridinyl)、インダゾリル、およびベンゾチエニルが含まれる。
【0066】
「ヘテロアリールアルキル」または「ヘテロアラルキル」とは、上記定義のようなヘテロアリール基で置換されているアルキル基を意味する。典型的には、ヘテロアリールアルキル基は、ヘテロアリールアルキル基のアルキル部分中に組み込まれている1〜6個の炭素原子を有する。
【0067】
「イミノ」とは、基=NHを意味する。
【0068】
「ニトロ」とは、基NOを意味する。
【0069】
「スルホニル」とは本明細書において、基−SO−を意味する。「アルキルスルホニル」とは、構造−SO52−(R52は、C〜Cアルキルである)の置換スルホニルを意味する。本発明の化合物において用いられるアルキルスルホニル基は典型的には、その骨格構造中に1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基である。したがって、本発明の化合物において用いられる典型的なアルキルスルホニル基には、例えば、メチルスルホニル(すなわち、R52は、メチルである)、エチルスルホニル(すなわち、R52は、エチルである)、プロピルスルホニル(すなわち、R52は、プロピルである)などが含まれる。「アリールスルホニル」という用語は、本明細書において基−SO−アリールを意味する。「ヘテロシクリルスルホニル」という用語は、本明細書において基−SO−ヘテロシクリルを意味する。「アラルキルスルホニル」という用語は、本明細書において基−SO−アラルキルを意味する。「スルホンアミド」という用語は、本明細書において−SONHを意味する。「スルホンアミドアルキル」という用語は、(アルキル)SONH−を意味する。
【0070】
「チオ」または「チオール」とは、基−SHを意味する。「アルキルチオ」または「アルキルチオール」とは、アルキル基(例えば、C〜Cアルキル基など)で置換されているチオ基を意味する。
【0071】
「チオアミド」とは、基−C(=S)NHを意味する。
【0072】
「任意選択で置換されている」とは、水素を一価または二価の基で任意選択で置き換えることを意味する。「置換されている」とは、水素を一価または二価の基で置き換えることを意味する。他に示さない限り、適切な置換基には、例えば、ヒドロキシル、アルコキシ、ニトロ、アミノ、イミノ、シアノ、ハロ、チオ、スルホニル、チオアミド、アミジノ、オキソ、オキサミジノ、メトキサミジノ、グアニジノ、スルホンアミド、カルボキシル、ホルミル、アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、ハロアルキルアミノ、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルコキシ−アルキル、アルキルカルボニル、アミノカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、ヘテロアラルキル−カルボニル、アルキルチオ、アミノアルキル、シアノアルキル、アリールなどが含まれる。他の適切な置換基には、置換アルキルについて示されたそれらの置換基が含まれる。様々な適切な置換基の例はまた、本出願に亘って開示されている化合物への言及において見出される。
【0073】
置換基自体を置換することができる。置換基上に置換される基は、カルボキシル、ハロ、ニトロ、アミノ、シアノ、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、アミノカルボニル、−SR42、チオアミド、−SOH、−SO42、またはシクロアルキル(R42は典型的には、水素、ヒドロキシルまたはアルキルである)でよい。
【0074】
置換されている置換基に直鎖基が含まれるとき、置換は、鎖中(例えば、2−ヒドロキシプロピル、2−アミノブチルなど)、または鎖末端(例えば、2−ヒドロキシエチル、3−シアノプロピルなど)において起こり得る。置換されている置換基は、共有結合している炭素またはヘテロ原子の直鎖、分岐状または環状の配置でよい。
【0075】
他に示さない限り、本明細書において明確に定義していない置換基の命名は、官能基の末端部、それに続いて結合点に向けて隣接する官能基の名称を挙げることによって成される。例えば、置換基「アルコキシヘテロアリール」とは、基(アルコキシ)−(ヘテロアリール)−を意味する。
【0076】
本発明において使用される式(I)の好ましい化合物は、1000ダルトン未満、好ましくは750ダルトン未満の総分子量を有する。式(I)の化合物は典型的には、少なくとも150ダルトンの最小分子量を有する。式(I)の好ましい化合物は、150〜750ダルトンの分子量、より好ましい実施形態において、200〜500ダルトンの分子量を有する。本発明の他の実施形態には、300〜450ダルトンの分子量を有する式(I)の化合物の使用が含まれる。本発明の別の態様において、本発明において使用される式(I)の化合物は、350〜400ダルトンの分子量を有する。
【0077】
同様に、上記の定義は、許容されない置換パターン(例えば、5個のフルオロ基で置換されているメチル)を含むことを意図しないことが理解される。このような許容されない置換パターンは、当業者には周知である。
【0078】
「カルボキシ保護基」とは、化合物の他の官能部位が関与する反応が行なわれる間に、カルボン酸官能基を遮断または保護するために用いられる一般に使用されるカルボン酸保護エステル基の1つによってエステル化されたカルボニル基を意味する。さらに、カルボキシ保護基は固体支持体に結合することができ、それによって化合物は、加水分解法によって切断されて相当する遊離酸を放出するまで、カルボキシレートとして固体支持体に結合し続ける。代表的なカルボキシ保護基には、例えば、アルキルエステル、第二級アミドなどが含まれる。
【0079】
いくつかの式(I)による化合物は、非対称に置換された炭素原子を含む。このような非対称に置換された炭素原子は、特定の非対称に置換された炭素原子における立体異性体の混合物、または単一の立体異性体を含む本発明の化合物をもたらし得る。その結果、本発明の化合物のラセミ混合物、エナンチオマーの混合物、およびエナンチオマーは、本発明に含まれる。「S」および「R」配置という用語は、本明細書において使用する場合、IUPAC1974「RECOMMENDATIONS FOR SECTION E, FUNDAMENTAL STEREOCHEMISTRY」、Pure Appl. Chem.45:13−30、1976によって定義されている通りである。αおよびβという用語は、環式化合物の環位置について用いられる。基準面のα側は、好ましい置換基がより低い数字の位置に存在する側である。基準面の反対側上に存在するそれらの置換基は、β記述子を割り当てられる。この用法は環状立体母核についての用法(「α」は「面の下」を意味し、絶対配置を表す)と異なることに留意すべきである。αおよびβ配置と言う用語は、本明細書において使用する場合、「Chemical Abstracts Index Guide」、補遺IV、第203項、1987によって定義されている通りである。
【0080】
本明細書において使用する場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、本発明の化合物の無毒性酸またはアルカリ土類金属塩を意味する。これらの塩は、化合物の最終的な単離および精製の間に、または塩基または酸官能基を、それぞれ適切な有機酸または無機酸または塩基と別々に反応させることによってインサイチュで調製することができる。代表的な塩には、これらに限定されないが、下記が含まれる。酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナプタレンスルホン酸塩(napthalenesulfonate)、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロイオン酸塩(phenylproionate)、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびウンデカン酸塩。また、塩基性窒素含有基は、ハロゲン化アルキル(塩化、臭化、およびヨウ化メチル、エチル、プロピル、およびブチルなど);硫酸ジアルキル(硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミルなど)、長鎖ハロゲン化物(塩化、臭化、およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチル、およびステアリルなど)、ハロゲン化アラルキル(臭化ベンジルおよびフェネチルなど)、ならびにその他などの薬剤で四級化することができる。水溶性または油溶性または分散性生成物がそれによって得られる。
【0081】
薬学的に許容される酸付加塩を形成するために用いてもよい酸の例には、無機酸(塩酸、硫酸およびリン酸など)、ならびに有機酸(シュウ酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、コハク酸およびクエン酸など)が含まれる。塩基性付加塩は、化合物の最終的な単離および精製の間、あるいはカルボン酸部分を、適切な塩基(薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物、カーボネートまたはビカーボネートなど)と、またはアンモニア、または有機第一級、第二級もしくは第三級アミンと反応させることによって別々に、インサイチュで調製することができる。薬学的に許容される塩には、これらに限定されないが、アルカリおよびアルカリ土類金属をベースとするカチオン(ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム塩など)、ならびに無毒性アンモニウム、第四級アンモニウム、およびアミンカチオン(これらに限定されないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを含めた)が含まれる。塩基付加塩の形成に有用な他の代表的な有機アミンには、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどが含まれる。
【0082】
「薬学的に許容されるプロドラッグ」という用語は、本明細書において使用する場合、正しい医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などなしにヒトおよび下等動物の組織と接触させる使用に適し、合理的な便益/リスク比に見合い、それらの使用目的に有効である、本発明の化合物のそれらのプロドラッグ、および本発明の化合物の双性イオン形態(可能であれば)を意味する。「プロドラッグ」という用語は、例えば血液中の加水分解によって、インビボで急速に変形し、上記の式の親化合物を生じさせる化合物を意味する(エステルプロドラッグなど)。十分な議論が、Higuchi,T.およびV.Stella、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、A.C.S. Symposium Series14、および「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Edward B.Roche(編)、American Pharmaceutical Association、Pergamon Press、1987(それらの両方は、参照により本明細書中に組み込まれている)において提供されている。
【0083】
実施形態において、本発明による医薬組成物は、薬学的に許容される担体中に第1の医薬成分および第2の医薬成分を含む。第1の成分は、式(I)による化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグであり、
【0084】
【化8】

式中、
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C〜Cアルコキシ、
(5)チオール、
(6)C〜Cアルキルチオール、
(7)置換もしくは非置換C1〜C6アルキル、
(8)アミノまたは置換アミノ、
(9)置換もしくは非置換アリール、
(10)置換もしくは非置換ヘテロアリール、
(11)置換もしくは非置換ヘテロシクリルからなる群から選択され、
Rは、
(1)水素、
(2)置換もしくは非置換C1〜C6アルキル、
(3)置換もしくは非置換C2〜C6アルケニル、
(4)置換もしくは非置換C2〜C6アルキニル、
(5)置換もしくは非置換C3〜C7シクロアルキル、
(6)置換もしくは非置換C5〜C7シクロアルケニル、
(7)置換もしくは非置換アリール、
(8)置換もしくは非置換ヘテロアリール、
(9)置換もしくは非置換ヘテロシクリルからなる群から選択され、
は、
(1)置換もしくは非置換C3〜C7シクロアルキル、
(2)置換もしくは非置換C5〜C7シクロアルケニル、
(3)置換もしくは非置換アリール、
(4)置換もしくは非置換ヘテロアリール、
(5)置換もしくは非置換ヘテロシクリルからなる群から選択され、
ただし、Rがアミノであるとき、Rは、フェニル、4−アルキル−フェニル、4−アルコキシ−フェニル、および4−ハロ−フェニルではない。
【0085】
第2の成分は、HER2阻害剤である。
【0086】
好ましくは、第1の成分は、Hsp90阻害剤である。
【0087】
特定の実施形態では、第1の成分は、式(Ia)によるHSP90阻害剤化合物、またはその互変異性体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグであり、
【0088】
【化9】

式中、R、R、およびRは、式(I)について上記で定義した通りであり、ただし、Rがアミノであるとき、Rは、フェニル、4−アルキル−フェニル、4−アルコキシ−フェニル、および4−ハロ−フェニルではない。
【0089】
式(I)または(Ia)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは、水素である。
【0090】
他の実施形態において、Rは、置換もしくは非置換C1〜C6アルキルである。
【0091】
いくつかの実施形態において、Rは、C1〜C6アルキルまたはハロC1〜C6アルキルである。いくつかのこのような実施形態において、Rは、メチルである。
【0092】
いくつかの実施形態において、Rは、アリールまたはヘテロアリールである。いくつかのこのような実施形態において、Rは、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリル、チアゾリル、およびチエニル(それぞれは、置換されていても置換されていなくてもよい)からなる群から選択される。いくつかの態様において、本発明は、上記のR基が置換もしくは非置換アリール、または置換もしくは非置換ヘテロアリールで置換されている化合物を提供する。他の態様では、R基は、ハロで置換されている。また他の態様では、R基は、フルオロで置換されている。さらに他の態様では、R基は、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、およびハロアルコキシで置換されている。いくつかの態様において、R基は、メチルで置換されている。他の態様では、R基は、メトキシで置換されている。
【0093】
他の実施形態において、Rは、置換アリール、置換ヘテロシクリル、置換ヘテロアリール、置換C3〜C7シクロアルキル、および置換C5〜C7シクロアルケニルからなる群から選択され、前記アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C3〜C7シクロアルキル、およびC5〜C7シクロアルケニルは、ピロリル、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、インドリル、オキサジアゾール、チアジアゾール、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、モルホリノ、ピペリジニル、ピロリジニル、チエニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、およびシクロペンテニルからなる群から選択される。いくつかの態様において、上記の基は、ハロ、アルコキシ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ハロアルキル、およびハロアルコキシからなる群から選択される1個から2個の置換基で置換されている。
【0094】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、非置換アルキル、および置換アルキルからなる群から選択される。いくつかのこのような実施形態において、Rは、メチル、エチル、アリル、3−メチル−ブチル、およびイソブチルからなる群から選択される。他の実施形態において、Rは、水素、ベンジル、1−(4−メトキシフェニル)エチル、メチル、3−アミノプロピル、および2−メチル−2−モルホリノプロピルからなる群から選択される。また他の実施形態において、Rは、水素である。
【0095】
別の実施形態において、2−アミノ−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン化合物は、式(II)を有し、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグであり、
【0096】
【化10】

式中、
nは、0または1であり、
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C〜Cアルコキシ、
(5)チオール、
(6)C〜Cアルキルチオール、
(7)置換もしくは非置換C1〜C6アルキル、
(8)アミノまたは置換アミノ、
(9)置換もしくは非置換アリール、
(10)置換もしくは非置換ヘテロアリール、
(11)置換もしくは非置換ヘテロシクリルからなる群から選択され、
Rは、
(1)水素、
(2)置換もしくは非置換C1〜C6アルキル、
(3)置換もしくは非置換C2〜C6アルケニル、
(4)置換もしくは非置換C2〜C6アルキニル、
(5)置換もしくは非置換C3〜C7シクロアルキル、
(6)置換もしくは非置換C5〜C7シクロアルケニル、
(7)置換もしくは非置換アリール、
(8)置換もしくは非置換ヘテロアリール、
(9)置換もしくは非置換ヘテロシクリルからなる群から選択され、
nが1であるとき、XはCであり、YはCQおよびNから独立に選択される各位置にあり、Zは、CRおよびNから選択され、ただし、3個以下のYおよびZ基はNであり、
nが0であるとき、XはCまたはNであり、YはCQ、N、NQ、O、およびSから独立に選択される各位置にあり、ただし、4個以下のXおよびY基はNおよびNQであり、1個以下のY基はSまたはOであり、
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)置換もしくは非置換C1〜C6アルキル、
(4)置換もしくは非置換C2〜C6アルケニル、
(5)置換もしくは非置換C2〜C6アルキニル、
(6)置換もしくは非置換C3〜C7シクロアルキル、
(7)置換もしくは非置換C5〜C7シクロアルケニル、
(8)置換もしくは非置換アリール、
(9)置換もしくは非置換ヘテロアリール、
(10)置換もしくは非置換ヘテロシクリル、
(11)置換もしくは非置換アミノ、
(12)−ORまたは−SR
(13)−C(O)R、−CO、−C(O)N(R、−S(O)R、−SO、または−SON(R
(14)−OC(O)R、−N(R)C(O)R、または−N(R)SO
(15)−CN、
(16)−NOからなる群から独立に選択される各位置にあり、
は、
(1)水素、
(3)置換もしくは非置換C1〜C6アルキル、
(4)置換もしくは非置換C2〜C6アルケニル、
(5)置換もしくは非置換C2〜C6アルキニル、
(6)置換もしくは非置換C3〜C7シクロアルキル、
(7)置換もしくは非置換C5〜C7シクロアルケニル、
(8)置換もしくは非置換アリール、
(9)置換もしくは非置換ヘテロアリール、
(10)置換もしくは非置換ヘテロシクリルからなる群から独立に選択される各位置にあり、
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)置換もしくは非置換C〜Cアルキル、
(4)−OR、−SR、または−NHRからなる群から選択され、
は、
(1)水素、
(2)置換もしくは非置換C1〜C6アルキル、
(3)置換もしくは非置換C2〜C6アルケニル、
(4)置換もしくは非置換C2〜C6アルキニル、
(5)置換もしくは非置換C3〜C7シクロアルキル、
(6)置換もしくは非置換C5〜C7シクロアルケニル、
(7)置換もしくは非置換アリール、
(8)置換もしくは非置換ヘテロアリール、
(9)置換もしくは非置換ヘテロシクリルからなる群から独立に選択される各位置にあり、
ただし、Rがアミノであるとき、X、Y、Z、およびnは一緒になって、フェニル、4−アルキル−フェニル、4−アルコキシ−フェニル、または4−ハロ−フェニル基を形成しない。
【0097】
他の実施形態において、本発明の第1の医薬成分は、式(IIa)によって記述され、またはその互変異性体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグであり、
【0098】
【化11】

式中、R、R、X、Y、Z、およびnは、式(II)について上記で定義され、ただし、Rがアミノであるとき、X、Y、Z、およびnは一緒になって、フェニル、4−アルキル−フェニル、4−アルコキシ−フェニル、または4−ハロ−フェニル基を形成しない。
【0099】
いくつかの実施形態において、nが0であるとき、XはCであり、Xに隣接するYはOではない。
【0100】
式(II)または(IIa)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは、水素である。
【0101】
他の実施形態において、Rは、置換もしくは非置換C1〜C6アルキルである。
【0102】
いくつかの実施形態において、Rは、C1〜C6アルキルまたはハロC1〜C6アルキルである。いくつかのこのような実施形態において、Rは、メチルである。
【0103】
式(I)、(Ia)、(II)、または(IIa)の化合物について、代表的な置換アルキル基には、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリルアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、およびスルホンアミドアルキル基が含まれる。
【0104】
代表的なアリール基には、フェニル基が含まれる。
【0105】
代表的なヘテロアリール基には、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、フラニル、オキサゾリル、チアゾリル、およびチエニル基が含まれる。
【0106】
一実施形態において、QまたはQの1つは、置換および非置換フェニル、置換および非置換ピリジル、置換および非置換ピリミジニル、置換および非置換ピラジニル、置換および非置換インドリル、置換および非置換チアゾリル、ならびに置換および非置換チエニルからなる群から選択される。
【0107】
一実施形態において、QまたはQの1つは、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリジノニル、およびベンジルアミノからなる群から選択される。
【0108】
一実施形態において、QまたはQの1つは、シクロヘキシルおよびシクロペンチルからなる群から選択される。
【0109】
一実施形態において、QまたはQの1つは、シクロヘキセニルおよびシクロペンテニルからなる群から選択される。
【0110】
一実施形態において、QまたはQの1つは、置換アリール、置換ヘテロシクリル、置換ヘテロアリール、置換C3〜C7シクロアルキル、および置換C5〜C7シクロアルケニルからなる群から選択され、前記アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、C3〜C7シクロアルキル、およびC5〜C7シクロアルケニルは、ピロリル、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、インドリル、オキサジアゾール、チアジアゾール、フラニル、キノリニル、イソキノリニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、モルホリノ、ピペリジニル、ピロリジニル、チエニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、およびシクロペンテニルからなる群から選択される。
【0111】
いくつかの態様において、上記の基は、ハロ、アルコキシ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ハロアルキル、およびハロアルコキシからなる群から選択される1個から2個の置換基で置換されている。
【0112】
一実施形態において、QまたはQの1つは、置換および非置換ピリジル、置換および非置換ピラジニル、置換および非置換フェニル、置換および非置換イソキノリニル、置換および非置換ピリミジニル、置換および非置換ピラゾリル、および置換および非置換フラニルから選択される。いくつかの態様において、上記の基は、ハロ、アルコキシ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ハロアルキル、およびハロアルコキシからなる群から選択される1個から2個の置換基で置換されている。
【0113】
他の実施形態において、QまたはQの1つは、(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−ピラジン−2−イル、1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、2−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−フェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、2,3−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、2,4−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル、2,5−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジメチル−ピリジン−3−イル、2−アセトアミドフェニル、2−アミノカルボニルフェニル、2−アミノ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−5−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−フェニル、2−クロロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−ピリジン−4−イル、2−ジフルオロ−3−メトキシフェニル、2−エチル−フェニル、2−エトキシ−チアゾール−4−イル、2−フルオロ−3−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−3−メチルフェニル、2−フルオロ−4−メチル−フェニル、2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロフェニル、2−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェニル、2−ヒドロキシメチルフェニル、2−イソキノリン−4−イル、2−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、2−メトキシ−ピリジン−3−イル、2−メトキシ−ピリミジン−4−イル、2−メトキシ−チアゾール−4−イル、2−メチル−フェニル、2−メチル−ピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル、2−フェノキシフェニル、2−ピリジン−3−イル、2−ピリミジン−5−イル、2−トリフルオロメトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル、3,6−ジメチル−ピラジン−2−イル、3−アセトアミドフェニル、3−アミノカルボニルフェニル、3−ブロモ−フェニル、3−クロロ−ピラジン−2−イル、3−シアノフェニル、3−ジメチルアミノフェニル、3−エトキシ−フェニル、3−エチル−4−メチル−フェニル、3−エチニル−フェニル、3−フルオロ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、3−フルオロフェニル、3−フルオロ−ピラジン−2−イル、3−メタンスルホンアミドフェニル、3−メトキシカルボニルフェニル、3−メトキシフェニル、3−メトキシ−ピラジン−2−イル、3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン−5−イル、3−メチルフェニル、3−メチル−ピリジン−2−イル、3−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4,5−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル、4−アミノ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−クロロ−2,5−ジメトキシ−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−フェニル、4−クロロ−2−メトキシ−5−メチル−フェニル、4−クロロ−ピリジン−3−イル、4−ジフルオロ−2−メチル−フェニル、4−エトキシ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−5−イル、4−エチル−1H−ピラゾール−3−イル、4−フルオロ−2−メトキシ−フェニル、4−フルオロ−2−メチル−フェニル、4−フルオロフェニル、4−メトキシ−5−メチル−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリジン−3−イル、4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、4−メチル−フェニル、4−メチル−ピリジン−2−イル、4−メチル−ピリジン−3−イル、4−ピロリジン−1−イル−ピリミジン−2−イル、5,6−ジメトキシ−ピラジン−2−イル、5−アセチル−チオフェン−2−イル、5−アミノ−6−エトキシ−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−3−メチル−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、5−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−クロロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−ジメチルアミノ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−2−メトキシフェニル、5−フルオロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−フルオロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メトキシ−ピリジン−3−イル、5−メトキシ−チオフェン−2−イル、5−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル、6−アセチル−ピリジン−2−イル、6−クロロ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−3−イル、6−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチル−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−3−イル、6−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピリジン−2−イル、5−アミノ−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピラジン−2−イル、および6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルからなる群から選択される。
【0114】
一実施形態において、Qは、ハロである。
【0115】
一実施形態において、Qは、アルキルである。いくつかの態様において、Qは、メチルである。
【0116】
一実施形態において、Rは、水素およびフルオロから選択される。いくつかの態様において、Rは、フルオロである。
【0117】
一実施形態において、Rは、アルキルから選択される。いくつかの態様において、Rは、メチルである。
【0118】
一実施形態において、Rは、アルコキシから選択される。いくつかの態様において、Rは、メトキシである。
【0119】
一実施形態において、Qは、ORである。
【0120】
一実施形態において、Rは、メチル、エチル、イソプロピル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルからなる群から選択される。
【0121】
一実施形態において、Rは、置換および非置換フェニル、置換および非置換チアゾリル、置換および非置換ピリジル、置換および非置換ピラジニル、および置換および非置換ピリミジニルから選択される。
【0122】
一実施形態において、Rは、2−アミノエチル、2−ピペリジニルエチル、2−ピペラジニルエチル、2−モルホリニルエチル、および2−(N−メチルピペラジニル)エチルからなる群から選択される。
【0123】
いくつかの実施形態において、Rは、水素、非置換アルキル、および置換アルキルからなる群から選択される。いくつかのこのような実施形態において、Rは、メチル、エチル、アリル、3−メチル−ブチル、およびイソブチルからなる群から選択される。他の実施形態において、Rは、水素、ベンジル、1−(4−メトキシフェニル)エチル、メチル、3−アミノプロピル、および2−メチル−2−モルホリノプロピルからなる群から選択される。
【0124】
本発明の別の実施形態において、第1の成分として式(III)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを、第2の成分としてHER2阻害剤、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグと組み合わせて提供し、
【0125】
【化12】

式中、
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C〜Cアルコキシ、
(5)チオール、
(6)C〜Cアルキルチオール、
(7)置換もしくは非置換C1〜C6アルキル、
(8)アミノまたは置換アミノ、
(9)置換もしくは非置換アリール、
(10)置換もしくは非置換ヘテロアリール、
(11)置換もしくは非置換ヘテロシクリルからなる群から選択され、
は、水素または置換もしくは非置換C1〜C6アルキルであり、
は、水素、アルキル、アルコキシ、またはハロであり、
、R、R、およびRのそれぞれは、水素、アルキル、アルコキシ、ハロ、置換もしくは非置換アリール、および置換もしくは非置換ヘテロアリールからなる群から独立に選択され、
ただし、Rがアミノであり、R、R、R、およびRが水素であるとき、Rは水素、アルキル、アルコキシ、およびハロではない。
【0126】
いくつかの実施形態において、式(IIIa)の化合物、またはその互変異性体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを、第1の成分として提供し、
【0127】
【化13】

式中、R、R、R、R、R、R、およびRは、式(III)について上記で定義した通りであり、ただし、Rがアミノであり、R、R、R、およびRが水素であるとき、Rは水素、アルキル、アルコキシ、およびハロではない。
【0128】
いくつかの実施形態において、Rは、水素である。
【0129】
いくつかの実施形態において、Rは、置換もしくは非置換C1〜C6アルキルである。
【0130】
いくつかの実施形態において、Rは、C1〜C6アルキルまたはハロC1〜C6アルキルである。いくつかのこのような実施形態において、Rは、メチルである。
【0131】
本発明のいくつかの実施形態において、Rは、水素、ベンジル、1−(4−メトキシフェニル)エチル、メチル、3−アミノプロピル、および2−メチル−2−モルホリノプロピルからなる群から選択される。他の実施形態において、Rは、メチル、エチル、アリル、3−メチル−ブチル、およびイソブチルからなる群から選択される。
【0132】
いくつかの実施形態において、Rは、水素またはフルオロである。いくつかの態様において、Rは、フルオロである。
【0133】
いくつかの実施形態において、Rは、メチルまたはメトキシである。
【0134】
いくつかの実施形態において、R、R、およびRは、それぞれ水素である。
【0135】
いくつかの実施形態において、Rは、ハロ、アルコキシ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ハロアルキル、およびハロアルコキシからなる群から選択される1個から2個の置換基で置換されているアリールまたはヘテロアリールである。
【0136】
いくつかの実施形態において、Rは、置換アリールおよび置換ヘテロアリールからなる群から選択され、前記アリールおよびヘテロアリールは、フラニル、ピロリル、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、インドリル、オキサジアゾール、チアジアゾール、キノリニル、イソキノリニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、およびチエニルからなる群から選択される。いくつかの態様において、上記の基は、ハロ、アルコキシ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ハロアルキル、およびハロアルコキシからなる群から選択される1個から2個の置換基で置換されている。
【0137】
他の実施形態において、Rは、(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−ピラジン−2−イル、1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、2−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−フェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、2,3−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、2,4−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル、2,5−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジメチル−ピリジン−3−イル、2−アセトアミドフェニル、2−アミノカルボニルフェニル、2−アミノ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−5−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−フェニル、2−クロロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−ピリジン−4−イル、2−ジフルオロ−3−メトキシフェニル、2−エチル−フェニル、2−エトキシ−チアゾール−4−イル、2−フルオロ−3−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−3−メチルフェニル、2−フルオロ−4−メチル−フェニル、2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロフェニル、2−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェニル、2−ヒドロキシメチルフェニル、2−イソキノリン−4−イル、2−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、2−メトキシ−ピリジン−3−イル、2−メトキシ−ピリミジン−4−イル、2−メトキシ−チアゾール−4−イル、2−メチル−フェニル、2−メチル−ピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル、2−フェノキシフェニル、2−ピリジン−3−イル、2−ピリミジン−5−イル、2−トリフルオロメトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル、3,6−ジメチル−ピラジン−2−イル、3−アセトアミドフェニル、3−アミノカルボニルフェニル、3−ブロモ−フェニル、3−クロロ−ピラジン−2−イル、3−シアノフェニル、3−ジメチルアミノフェニル、3−エトキシ−フェニル、3−エチル−4−メチル−フェニル、3−エチニル−フェニル、3−フルオロ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、3−フルオロフェニル、3−フルオロ−ピラジン−2−イル、3−メタンスルホンアミドフェニル、3−メトキシカルボニルフェニル、3−メトキシフェニル、3−メトキシ−ピラジン−2−イル、3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン−5−イル、3−メチルフェニル、3−メチル−ピリジン−2−イル、3−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4,5−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル、4−アミノ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−クロロ−2,5−ジメトキシ−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−フェニル、4−クロロ−2−メトキシ−5−メチル−フェニル、4−クロロ−ピリジン−3−イル、4−ジフルオロ−2−メチル−フェニル、4−エトキシ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−5−イル、4−エチル−1H−ピラゾール−3−イル、4−フルオロ−2−メトキシ−フェニル、4−フルオロ−2−メチル−フェニル、4−フルオロフェニル、4−メトキシ−5−メチル−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリジン−3−イル、4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、4−メチル−フェニル、4−メチル−ピリジン−2−イル、4−メチル−ピリジン−3−イル、4−ピロリジン−1−イル−ピリミジン−2−イル、5,6−ジメトキシ−ピラジン−2−イル、5−アセチル−チオフェン−2−イル、5−アミノ−6−エトキシ−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−3−メチル−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、5−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−クロロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−ジメチルアミノ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−2−メトキシフェニル、5−フルオロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−フルオロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メトキシ−ピリジン−3−イル、5−メトキシ−チオフェン−2−イル、5−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル、6−アセチル−ピリジン−2−イル、6−クロロ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−3−イル、6−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチル−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−3−イル、6−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピリジン−2−イル、5−アミノ−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピラジン−2−イル、および6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルからなる群から選択される。
【0138】
第1の成分および第2の成分は、薬学的に許容される担体中で提供され、医薬組成物を形成し得る。
【0139】
本発明の別の実施形態において、式(IV)の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを、第1の成分として提供し、
【0140】
【化14】

式中、
は、水素または置換もしくは非置換C1〜C6アルキルであり、
は、水素またはハロであり、
6aは、ハロ、置換もしくは非置換アリール、および置換もしくは非置換ヘテロアリールからなる群から選択される。
【0141】
いくつかの実施形態において、式(IVa)の化合物、またはその互変異性体、薬学的に許容される塩、もしくはプロドラッグを、第1の成分として提供し、
【0142】
【化15】

式中、
、R、およびR6aは、式(IV)について上記で定義した通りである。
【0143】
式(IV)または(IVa)の化合物のいくつかの実施形態において、Rは、水素、ベンジル、1−(4−メトキシフェニル)エチル、メチル、3−アミノプロピル、および2−メチル−2−モルホリノプロピルからなる群から選択される。他の実施形態において、Rは、メチル、エチル、アリル、3−メチル−ブチル、およびイソブチルからなる群から選択される。
【0144】
いくつかの実施形態において、Rは、水素またはフルオロである。いくつかの態様において、Rは、フルオロである。
【0145】
いくつかの態様において、R6aは、ハロ、アルコキシ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ハロアルキル、およびハロアルコキシからなる群から選択される1個から2個の置換基で置換されているアリールまたはヘテロアリールである。
【0146】
いくつかの実施形態において、R6aは、置換アリールおよび置換ヘテロアリールからなる群から選択され、前記アリールおよびヘテロアリールは、フラニル、ピロリル、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、インドリル、オキサジアゾール、チアジアゾール、キノリニル、イソキノリニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、およびチエニルからなる群から選択される。いくつかの態様において、上記の基は、ハロ、アルコキシ、アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ハロアルキル、およびハロアルコキシからなる群から選択される1個から2個の置換基で置換されている。
【0147】
いくつかの実施形態において、R6aは、(2−ヒドロキシ−エチルアミノ)−ピラジン−2−イル、1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、2−(5−メチル−ピリジン−2−イル)−フェニル、2,3−ジフルオロ−フェニル、2,3−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジフルオロ−フェニル、2,4−ジメトキシ−フェニル、2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル、2,5−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジメチル−ピリジン−3−イル、2−アセトアミドフェニル、2−アミノカルボニルフェニル、2−アミノ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、2−クロロ−5−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−フェニル、2−クロロ−ピリジン−3−イル、2−クロロ−ピリジン−4−イル、2−ジフルオロ−3−メトキシフェニル、2−エチル−フェニル、2−エトキシ−チアゾール−4−イル、2−フルオロ−3−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−3−メチルフェニル、2−フルオロ−4−メチル−フェニル、2−フルオロ−5−メトキシ−フェニル、2−フルオロ−5−メチルフェニル、2−フルオロフェニル、2−フルオロ−ピリジン−3−イル、2−ヒドロキシメチル−3−メトキシフェニル、2−ヒドロキシメチルフェニル、2−イソキノリン−4−イル、2−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニル、2−メトキシ−フェニル、2−メトキシ−ピリジン−3−イル、2−メトキシ−ピリミジン−4−イル、2−メトキシ−チアゾール−4−イル、2−メチル−フェニル、2−メチル−ピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル、2−フェノキシフェニル、2−ピリジン−3−イル、2−ピリミジン−5−イル、2−トリフルオロメトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシ−フェニル、3,4−ジメトキシ−フェニル、3,5−ジメチル−イソオキサゾール−4−イル、3,6−ジメチル−ピラジン−2−イル、3−アセトアミドフェニル、3−アミノカルボニルフェニル、3−ブロモ−フェニル、3−クロロ−ピラジン−2−イル、3−シアノフェニル、3−ジメチルアミノフェニル、3−エトキシ−フェニル、3−エチル−4−メチル−フェニル、3−エチニル−フェニル、3−フルオロ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、3−フルオロフェニル、3−フルオロ−ピラジン−2−イル、3−メタンスルホンアミドフェニル、3−メトキシカルボニルフェニル、3−メトキシフェニル、3−メトキシ−ピラジン−2−イル、3−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン−5−イル、3−メチルフェニル、3−メチル−ピリジン−2−イル、3−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4,5−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル、4−アミノ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−クロロ−2,5−ジメトキシ−フェニル、4−クロロ−2−フルオロ−フェニル、4−クロロ−2−メトキシ−5−メチル−フェニル、4−クロロ−ピリジン−3−イル、4−ジフルオロ−2−メチル−フェニル、4−エトキシ−5−フルオロ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−2−イル、4−エトキシ−ピリミジン−5−イル、4−エチル−1H−ピラゾール−3−イル、4−フルオロ−2−メトキシ−フェニル、4−フルオロ−2−メチル−フェニル、4−フルオロフェニル、4−メトキシ−5−メチル−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリジン−3−イル、4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、4−メトキシ−ピリミジン−5−イル、4−メチル−フェニル、4−メチル−ピリジン−2−イル、4−メチル−ピリジン−3−イル、4−ピロリジン−1−イル−ピリミジン−2−イル、5,6−ジメトキシ−ピラジン−2−イル、5−アセチル−チオフェン−2−イル、5−アミノ−6−エトキシ−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−3−メチル−ピラジン−2−イル、5−アミノ−6−メトキシ−ピリジン−2−イル、5−クロロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−クロロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−ジメチルアミノ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−2−メトキシフェニル、5−フルオロ−4−メトキシ−ピリミジン−2−イル、5−フルオロ−6−メトキシ−ピラジン−2−イル、5−フルオロ−ピリジン−2−イル、5−メトキシ−ピリジン−3−イル、5−メトキシ−チオフェン−2−イル、5−トリフルオロメチル−ピリミジン−2−イル、6−アセチル−ピリジン−2−イル、6−クロロ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピラジン−2−イル、6−エトキシ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−2−イル、6−フルオロ−ピリジン−3−イル、6−ヒドロキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−5−メチル−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピラジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−3−イル、6−メチルアミノ−ピラジン−2−イル、6−メチル−ピリジン−2−イル、5−アミノ−6−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピラジン−2−イル、および6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イルからなる群から選択される。
【0148】
本発明による組合せの第1の成分として使用される好ましいHsp90阻害化合物には、
(R)−2−アミノ−7−[2−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
(S)−2−アミノ−6−ベンジル−7−[4−フルオロ−2−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
(R)−2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
(R)−2−アミノ−7−(2−ブロモ−4−フルオロ−フェニル)−6−[(S)−1−(4−メトキシ−フェニル)−エチル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
(R)−2−アミノ−7−[2−(6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
(R)−2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−フェニル]−4,6−ジメチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4,6−ジメチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−5(6H)−オン;
2−アミノ−7−[2−(6−メトキシ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
(R)−2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−4,6−ジメチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[2−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(5,2’−ジフルオロ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(5−フルオロ−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[2−(2−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(4−フルオロ−2−イソキノリン−4−イル−フェニル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(5,3’−ジフルオロ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[2−(4−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(5,2’−ジフルオロ−3’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(5,4’−ジフルオロ−2’−メチル−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(5−フルオロ−2’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(4−フルオロ−2−ピリミジン−5−イル−フェニル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(5−フルオロ−3’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
(R)−2−アミノ−6−(3−アミノ−プロピル)−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(4−フルオロ−2−ピリジン−3−イル−フェニル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(5,2’−ジフルオロ−4’−メチル−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(1H−ピラゾール−4−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−4−メチル−7−(5,2’,3’−トリフルオロ−ビフェニル−2−イル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(2−ブロモ−4−フルオロ−フェニル)−4−メチル−6−(2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロピル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(3’−ジメチルアミノ−5−フルオロ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[2−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−4−フルオロ−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(5−メトキシ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(4−フルオロ−2−ピリミジン−5−イル−フェニル)−4−メチル−6−(2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロピル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−6−(2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロピル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(5−フルオロ−3’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロピル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
(R)−2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(4−メトキシ−5−メチル−ピリミジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(4−フルオロ−2−フラン−3−イル−フェニル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、ならびに
その立体異性体、互変異性体、および薬学的に許容される塩またはプロドラッグが含まれる。
【0149】
上記の式(I)のHsp90阻害化合物の例およびそれらを作製する方法は、参照により本明細書中にその全体が組み込まれている2007年5月31日に公開された米国特許出願公開第2007−0123546A1号に開示されている。
【0150】
第1の成分はまた、式(D)のHsp90阻害剤、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物でよく、各Rは、独立に、任意選択の置換基を表し、Rは、カルボキサミド基を表す。
【0151】
【化16】

【0152】
好ましくは、本発明は、式(E)の化合物、ならびにその位置異性体、およびそれらの塩、溶媒和物および水和物、およびそのプロドラッグからなる化合物の使用に関し、
【0153】
【化17】

式中、Rは、カルボキサミド基(エチルアミノカルボニルCHCHNHC(=O)−、またはイソプロピルアミノカルボニル(CHCHNHC(=O)−など)を表し、Rは、−CHNR1011または−NR1011を表し、置換アミノ基−NR1011は、可溶化基(モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、エチルアミノ、イソプロピルアミノ、ジエチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロペンチルアミノ、メトキシエチルアミノ、ピペリジン−4−イル、N−アセチルピペラジニル、N−メチルピペラジニル、メチルスルホニルアミノ、チオモルホリニル、チオモルホリニル−ジオキシド、4−ヒドロキシエチルピペリジニル、および4−ヒドロキシピペリジニル)であり、Rは、任意選択の置換基、特に小さな親油性基(エチル、イソプロピル、ブロモ、またはクロロなど)を表す。
【0154】
本発明のこのような5−置換、2,4−ジヒドロキシフェニル化合物において、ヒドロキシル基は、体内で切断されヒドロキシル基を放出する基によって保護し得る。ヒドロキシルへと切断されるこの種類の公知のプロドラッグタイプの基には、アルキルカルボニルオキシ基(メチルカルボニルオキシなど)、およびアルキルアミノカルボニルオキシ基(ジアルキルアミノ−またはイソプロピルアミノ−カルボニルオキシなど)が含まれる。
【0155】
本発明が関与している特定の化合物には、特に、下記のもの、ならびにそれらの塩、N−オキシド、水和物および溶媒和物、ならびにそのプロドラッグが含まれる。
5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
4−(4−ジエチルアミノメチル−フェニル)−5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−(4−エチルアミノメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−[4−(イソプロピルアミノ−メチル)−フェニル]−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
4−(4−シクロヘキシルアミノメチル−フェニル)−5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
4−[4−(tert−ブチルアミノ−メチル)−フェニル]−5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−{4−[(2−メトキシ−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸イソプロピルアミド
5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−イソオキサゾール−3−カルボン酸イソプロピルアミド
5−(5−tert−ブチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
5−(5−tert−ブチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−4−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソブチル−フェニル)−4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソブチル−フェニル)−4−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
5−(5−tert−ブチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
5−(5−tert−ブチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−4−(4−ジエチルアミノメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
3−(5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−5−カルボン酸エチルアミド
4−(4−ジエチルアミノメチル−フェニル)−5−(4,6−ジヒドロキシ−2’−メチル−ビフェニル−3−イル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
4−(4−ジエチルアミノメチル−フェニル)−5−(4’−フルオロ−4,6−ジヒドロキシ−ビフェニル−3−イル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
4−(4−ジエチルアミノメチル−フェニル)−5−(4,6−ジヒドロキシ−ビフェニル−3−イル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
5−(2’−フルオロ−4,6−ジヒドロキシ−ビフェニル−3−イル)−4−(4−ピロリジン−1−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
5−(4,6−ジヒドロキシ−ビフェニル−3−イル)−4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
5−(2,4−ジヒドロキシ−5−フェネチル−フェニル)−4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
5−(5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−4−(4−ピペリジン−1−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸イソプロピルアミド
4−(4−ジエチルアミノメチル−フェニル)−5−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
5−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
5−(5−エチル−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
5−(5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−4−(4−ジエチルアミノメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
5−(5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−4−[4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−フェニル]−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
5−(5−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド
【0156】
式(D)または式(E)の範囲内の化合物、ならびにそれらの製造のための方法は、参照により本出願に組み込まれている2004年8月26日に公開されたWO04/072051に開示されている。好ましい化合物は、5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミドである。
【0157】
本発明は、
a)式(E)の化合物と
【0158】
【化18】

[式中、Rは、エチルアミノカルボニルCHCHNHC(=O)−またはイソプロピルアミノカルボニル(CHCHNHC(=O)−)から選択され、
は、エチル、イソプロピル、ブロモ、またはクロロから選択され、
は、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、エチルアミノ、イソプロピルアミノ、ジエチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロペンチルアミノ、メトキシエチルアミノ、ピペリジン−4−イル、N−アセチルピペラジニル、N−メチルピペラジニル、メチルスルホニルアミノ、チオモルホリニル、チオモルホリニル−ジオキシド、4−ヒドロキシエチルピペリジニルまたは4−ヒドロキシピペリジニルから選択される]、
b)少なくとも1種のHER2(ErbB2)阻害剤と
を含む医薬品の組合せを提供する。
【0159】
式(E)の化合物は、Hsp90阻害剤でよい。
【0160】
式(E)の化合物は、5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミドでよい。
【0161】
別の態様において、本発明は、増殖性疾患の治療または予防のための医薬の製造のための、式(E)の化合物または5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミドおよび少なくとも1種のHER2(ErbB2)阻害剤の使用を提供する。
【0162】
さらなる態様において、本発明は、増殖性疾患の治療または予防において使用するための、式(E)の化合物または5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミドおよび少なくとも1種のHER2(ErbB2)阻害剤を提供する。
【0163】
別の態様において、本発明は、式(E)の化合物または5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミドおよび少なくとも1種のHER2(ErbB2)阻害剤を投与することによって、増殖性疾患を治療または予防する方法を提供する。
【0164】
本発明はさらに、受容体チロシンキナーゼの上皮増殖因子(EGFR)ファミリー(ホモまたはヘテロ二量体としてのErbB1(EGFR1)、ErbB2(EGFR2、HER2)、ErbB3(EGFR3)、ErbB4(EGFR4))の活性を標的とし、減少させ、または阻害する化合物(上皮増殖因子受容体ファミリーの活性を標的とし、減少させ、または阻害する化合物、特に、EGF受容体チロシンキナーゼファミリーのメンバー、例えば、EGF受容体であるErbB1、ErbB2、ErbB3およびErbB4を阻害し、またはEGFもしくはEGF関連リガンドに結合する化合物、タンパク質または抗体、特に、参照により本出願に組み込まれているUS5,677,171に一般的におよび特に開示されているそれらの化合物、タンパク質またはモノクローナル抗体など)を含む組合せに関する。含まれているのは同様に、そこで開示されている相当する立体異性体、ならびに相当する結晶修飾、例えば、溶媒和物および多形である。より好ましいのは、商品名Herceptin(商標)としてまた市販されているトラスツズマブである。モノクローナル抗体であるトラスツズマブは、乳癌細胞が増殖し、分裂する方法の1つを妨げることによって機能する。いくつかの乳癌細胞は、それらの細胞表面上にHER2(ErbB2)として知られているタンパク質を過剰発現している。トラスツズマブは、それ自体をHER2(ErbB2)タンパク質に結合し、HER2(ErbB2)阻害剤として作用することによって、腫瘍への正の増殖シグナルHER2過剰発現供給を遮断する。これは、腫瘍の細胞分裂および増殖を阻害する。トラスツズマブはまた、体自体の免疫細胞を引きつけ、癌細胞の破壊を助けることによって機能する。トラスツズマブは、腫瘍がHER2(ErbB2)タンパク質を過剰発現している乳癌の治療のために承認されている。HER2(ErbB2)阻害剤の別の例は、ラパチニブである。HER1(ErbB1)阻害剤の一例は、エルロチニブである。
【0165】
上記で特許出願が引用されている場合はいずれの場合にも、化合物に関連する主題は、参照により本出願に組み込まれている。含まれているのは同様に、その中に開示されている薬学的に許容されるその塩、相当するラセミ化合物、ジアステレオマー、エナンチオマー、互変異性体、ならびに存在する場合は、上記の開示された化合物の相当する結晶修飾、例えば、溶媒和物、水和物および多形である。本発明の組合せにおいて活性成分として使用される化合物は、それぞれ、引用文献に記載されているように調製および投与することができる。また本発明の範囲内であるのは、上記に記載の2種を超える別々の活性成分の組合せである。すなわち、本発明の範囲内の医薬品の組合せには、3種以上の活性成分を含んでもよい。
【0166】
別の実施形態において、本発明は、増殖性疾患の治療または予防のための医薬の製造のための、HER2阻害剤と組み合わせた本発明の第1の医薬成分の使用を提供する。
【0167】
さらなる実施形態において、本発明は、増殖性疾患の治療または予防において使用するための、HER2阻害剤と組み合わせた本発明の第1の医薬成分を提供する。
【0168】
適切な臨床試験は、増殖性疾患を有する患者における、例えば、非盲検用量増大試験でよい。このような試験は特に、本発明の組合せの活性成分の相乗作用を証明する。増殖性疾患に対する有益な効果は、当業者にはそれ自体が知られているこれらの試験の結果によって直接決定し得る。このような試験は特に、活性成分を使用した単独療法、および本発明の組合せの効果を比較するのに適切であり得る。好ましくは、薬剤(a)の用量を最大の許容される投与量に達するまで上げ、薬剤(b)を一定用量で投与する。代わりに、薬剤(a)を一定用量で投与してもよく、薬剤(b)の用量を上げてもよい。各患者に薬剤(a)の用量を毎日または断続的に投与し得る。治療の効力は、このような試験において、症状スコアを6週間毎に評価することによって、例えば、12週間後、18週間後または24週間後に決定し得る。
【0169】
本発明の医薬品の組合せの投与は、本発明の組合せにおいて使用される薬学的活性成分の1つのみを施す単独療法と比較して、有益な効果、例えば症状を軽減する、進行を遅延させる、または阻害することに関して、例えば相乗的治療効果をもたらすだけでなく、さらなる驚くべき有益な効果、例えばより少ない副作用、生活の質の改善または合併症発生率の減少もまたもたらし得る。
【0170】
さらなる利点は、より低い用量の本発明の組合せの活性成分を使用し得ること、例えば、投与量がしばしばより少ないだけでなく、またより低頻度で施し得ることであってもよく、これによって副作用の発生率または重症度を減少し得る。これは、治療を受ける患者の要望および必要性に応じている。
【0171】
本発明の1つの目的は、増殖性疾患を標的とし、または予防するのに併用して治療的に有効であり得る、一定の量の上記のような第1の成分および第2の成分を含む医薬組成物を提供することである。これらの第1の成分および第2の成分は、すなわち、経腸または非経口使用に特に適した1種もしくは複数の薬学的に許容される担体または賦形剤と組み合わせて、ヒトを含めた哺乳動物(温血動物)への経腸(経口または直腸など)、および非経口投与に適した、それ自体公知の態様で調製し得る単一のガレヌス組成物中で、固定した組合せでの投与のために提供し得る。
【0172】
代わりに、第1の成分および第2の成分は、キット中の別々の医薬組成物として提供することができる。
【0173】
第1の成分および第2の成分の別々の投与のための医薬組成物は、それ自体公知の態様で調製してもよく、ヒトを含めた哺乳動物(温血動物)への経腸(経口または直腸)、および非経口投与に適したものである。別々の投与のためのそれぞれのこのような組成物は、1種もしくは複数の薬学的に許容される担体または賦形剤と組み合わせた、治療有効量の少なくとも1種の薬理学的活性成分を含む。
【0174】
適切な医薬組成物は、例えば、約0.1%〜約99.9%、好ましくは約1%〜約60%の活性成分(複数可)を含有し得る。経腸または非経口投与のための併用療法のための医薬調製物は、例えば、単位剤形(糖コーティング錠剤、錠剤、カプセル剤または坐剤、またはアンプル剤など)中のものである。他に示さない場合、これらはそれ自体公知の態様で、例えば、従来の混合、顆粒化、糖コーティング、溶解または凍結乾燥方法によって調製される。各剤形の個々の用量中に含有される医薬成分の単位含量は、複数の投与単位の投与によって必要な有効量が達成し得るため、それ自体で有効量を構成する必要はないことを理解されたい。
【0175】
増殖性疾患を治療する方法において、第1の成分および第2の成分は、一緒に、順次に、または別々に投与し得る。第1の成分および第2の成分は、1つの合わせた単位剤形または多数の別々の単位剤形で送達し得る。
【0176】
特に、治療有効量の本発明の医薬成分のそれぞれは、同時または順次に、任意の順序で投与してもよく、成分は、別々にまたは固定した組合せとして投与してもよい。例えば、本発明による増殖性疾患の予防または治療方法は、同時または任意の順序で順次に、合わせた治療有効量で、好ましくは相乗的有効量で、例えば、本明細書に記載されている量に相当する毎日のまたは断続的な投与量で、(i)遊離または薬学的に許容される塩の形態の第1の成分を投与することと、および(ii)遊離または薬学的に許容される塩の形態の第2の成分を投与することとを含み得る。本発明の組合せの個々の組合せ成分は、治療期間中に異なる時間で別々に、または分割した組合せ形態もしくは単一の組合せ形態で同時並行して投与し得る。さらに、投与するという用語はまた、それ自体で組合せパートナーにインビボで変換される組合せ成分のプロドラッグの使用を包含する。したがって、本発明は同時または交互の治療の全てのこのような投与計画を包含すると理解され、「投与する」という用語は、それに合うように解釈される。
【0177】
本発明の組合せにおいて用いられる成分のそれぞれの有効量は、用いる特定化合物または医薬組成物、投与方法、治療する状態、治療する状態の重症度によって変化し得る。したがって、本発明の組合せの投与計画は、投与経路ならびに患者の腎および肝機能を含めた種々の要因に従って選択される。通常の技量の臨床医または医師は、状態を軽減し、阻止し、または状態の進行を抑止するのに必要な単一の活性成分の有効量を容易に決定および処方することができる。毒性を伴わずに効力を生じさせる範囲内の活性成分の濃度を達成する上での最適な正確性は、標的部位への活性成分の利用可能性についての動態学に基づいた投与計画を必要とする。
【0178】
単一の剤形を生じさせるために担体材料と合わせてもよい活性成分の量は、治療を受けるホストおよび特定の投与方法によって変化する。しかし、任意の特定の患者のための特定の用量レベルは、用いる特定の化合物の活性、年齢、体重、身体全体の健康、性別、食事、投与時間、投与経路、排せつ率、薬物の組合せ、および治療を受けている特定の疾患の重症度を含めた種々の要因によって決まることが理解される。所与の状況のための治療有効量は、通例の実験によって容易に決定することができ、通常の臨床医の技能および判断の範囲内である。
【0179】
本発明の目的のために、治療有効用量は一般に、例えば、毎日0.001〜1000mg/kg体重、さらに好ましくは毎日1.0〜30mg/kg体重の量でよい、単回または分割用量でホストに投与される総1日用量である。単位投与組成物は、1日用量を構成するその約数の量を含有し得る。
【0180】
式(I)による化合物、HER2阻害剤、およびこれらの活性成分を含む医薬組成物は、従来の無毒性の薬学的に許容される担体、アジュバント、およびビヒクルを所望の通りに含有する投与単位製剤中で、経口的、非経口的、舌下、エアゾール投与または吸入スプレー、直腸、または局所的に投与し得る。局所投与はまた、経皮パッチまたはイオン泳動装置などの経皮的投与の使用を伴い得る。非経口という用語には、本明細書において使用する場合、皮下注射、静脈内、筋内、胸骨内の注射または注入技術が含まれる。
【0181】
注射可能な調製品、例えば、無菌の注射可能な水性または油性懸濁剤は、適切な分散化剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して公知技術によって製剤化し得る。無菌の注射可能な調製品はまた、無毒性の非経口的に許容される賦形剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液剤または懸濁剤でよい(例えば、1,3−プロパンジオール中の溶液として)。用いてもよい許容されるビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンゲル液、および等張食塩液がある。さらに、無菌の不揮発性油は、溶媒または懸濁媒として従来用いられる。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含めて任意の無刺激性の不揮発性油を用い得る。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の調製に使用される。
【0182】
薬物の直腸投与のための坐剤は、薬物を、常温で固体であるが、直腸の温度で液体であり、したがって直腸内で融解し、薬物を放出する適切な非刺激性の添加剤(カカオバターおよびポリエチレングリコールなど)と混合することによって調製することができる。
【0183】
経口投与のための固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤が含まれてもよい。このような固体剤形において、活性化合物は、少なくとも1種の不活性な賦形剤(スクロース、ラクトースまたはデンプンなど)と混合し得る。このような剤形はまた、通常の慣行のように、不活性な賦形剤以外のさらなる物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤を含み得る。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、剤形はまた、緩衝剤を含み得る。錠剤および丸剤は、腸溶性コーティングと共にさらに調製することができる。
【0184】
経口投与のための液体剤形には、水などの当技術分野で通常使用される不活性な賦形剤を含有する、薬学的に許容される乳剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が含まれてもよい。このような組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、シクロデキストリン、ならびに甘味剤、香味剤、および香料などのアジュバントを含み得る。
【0185】
本明細書に記載されている式(I)による化合物、HER2阻害剤および医薬組成物はまた、リポソームの形態で投与することができる。当技術分野において公知であるように、リポソームは一般に、リン脂質または他の脂質物質に由来する。リポソームは、水性媒体中に分散している単層または多層状の水和液晶によって形成される。リポソームを形成することができる任意の無毒性の生理学的に許容されかつ代謝可能な脂質を使用することができる。リポソーム形態の本発明の組成物は、本発明の化合物に加えて、安定剤、保存剤、添加剤などを含有することができる。好ましい脂質は、リン脂質およびホスファチジルコリン(レシチン)(天然および合成の両方)である。リポソームを形成する方法は、当技術分野において公知である。例えば、Prescott(編)、「Methods in Cell Biology」、第XIV巻、Academic Press、New York、1976、33頁以下を参照されたい。
【0186】
「増殖性疾患」および「増殖性障害」という用語には、これらだけに限らないが、癌、例えば、固形腫瘍、例えば、乳癌が含まれる。
【実施例1】
【0187】
ヌードマウスにおけるヒト乳癌異種移植片モデルにおけるトラスツズマブと組み合わせて使用したときの、化合物I5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミドの抗腫瘍効果
ヒト乳癌細胞系であるエストロゲン受容体陽性細胞系BT−474(ATCC、ナンバーHTB−20)を使用する。細胞を、10%FCS、200mMのL−グルタミンおよび1%ピルビン酸ナトリウムを補充したDMEM高グルコース(4.5g/l)中で増殖させる。
【0188】
細胞播種の調製において、外套針を使用して17β−エストラジオールペレット(25マイクログラム/日;90日の放出)を、各マウスの背面上部に皮下移植する。BT−474細胞(5×10^6)を、200マイクロリットルのMatrigel:HBSS(1:1容量)(BD Matrigel(商標)基底膜マトリックス)に注射する。注射部位は、右側腹部の皮下である。平均腫瘍体積が概ね100mmに達したときに、化合物Iによる処理を開始する。腫瘍増殖を一定の間隔をおいてモニターする。異種移植片腫瘍サイズをカリパスによって手作業で測定し、式(W×L×π/6)(幅(W)および長さ(L)は、2つの最も大きい直径である)を使用して腫瘍体積を推定する。結果を平均±SEMとして表す。腫瘍データを、投与群対対照群の比較のための事後ダネット検定によるANOVAによって分析する。
【0189】
効力の測定として、実験の終わりに
(△腫瘍体積処理/△腫瘍体積対照100
(式中、△腫瘍体積は、評価日の平均腫瘍体積マイナス実験開始時の平均腫瘍体積を表す)によって、T/C%値を計算する。
【0190】
腫瘍退縮を、実験の開始から終了までの腫瘍体積の相対絶対変化(relative absolute change)として表す(−(腫瘍体積評価日−腫瘍体積開始日)/腫瘍体積開始日100)。
【0191】
化合物Iおよびトラスタズマブ(trastazumab)の抗腫瘍効果を、BT−474異種移植片モデルにおいて評価する(図1)。治療期間は21日であり、各投与群は8匹の担癌動物からなる。投与群における腫瘍サイズを、ビヒクル処理群の腫瘍サイズと比較し、効果をT/C%または退縮(適用できる場合)として表す。トラスツズマブを、5mg/kgの用量レベルで静脈内(i.v.)に週2回投与する。化合物Iを、15mg/kgの用量で週1回i.v.投与する。
【0192】
週2回i.v.投与される5mg/kgのトラスツズマブは、腫瘍量の57%の減少をもたらすことを表1は示す。15mg/kgの用量で週1回(qw)投与される化合物Iは、腫瘍量の4%の減少をもたらす(ビヒクル処理動物と統計的有意差なし)。2種の薬剤の組合せは、22%腫瘍退縮が観察されたため、2つのうちのどちらかの単独と比較して、強力に増強された抗腫瘍効果がもたらされる。これらのデータは、ERBB2陽性乳癌に対してトラスツズマブを化合物Iと合わせるための強力な前臨床の支持を提供する。
【0193】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)HSP90阻害剤およびHER2阻害剤を含む医薬品の組合せであって、HSP90阻害剤が、
(A)式(E)の化合物
【化19】

[式中、
は、メチルアミノカルボニルCHCHNHC(=O)−、またはイソプロピルアミノカルボニル(CHCHNHC(=O)−)から選択され、
は、エチル、イソプロピル、ブロモ、またはクロロから選択され、
は、−CHNR1011または−NR1011であり、置換アミノ基−NR1011は、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、エチルアミノ、イソプロピルアミノ、ジエチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロペンチルアミノ、メトキシエチルアミノ、ピペリジン−4−イル、N−アセチルピペラジニル、N−メチルピペラジニル、メチルスルホニルアミノ、チオモルホリニル、チオモルホリニル−ジオキシド、4−ヒドロキシエチルピペリジニルまたは4−ヒドロキシピペリジニルである]、
または薬学的に許容されるその塩もしくはプロドラッグであるか、あるいは(B)式(I)による化合物
【化20】

[式中、
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C〜Cアルコキシ、
(5)チオール、
(6)C〜Cアルキルチオール、
(7)置換もしくは非置換C1〜C6アルキル、
(8)アミノまたは置換アミノ、
(9)置換もしくは非置換アリール、
(10)置換もしくは非置換ヘテロアリール、
(11)置換もしくは非置換ヘテロシクリルからなる群から選択され、
Rは、
(1)水素、
(2)置換もしくは非置換C1〜C6アルキル、
(3)置換もしくは非置換C2〜C6アルケニル、
(4)置換もしくは非置換C2〜C6アルキニル、
(5)置換もしくは非置換C3〜C7シクロアルキル、
(6)置換もしくは非置換C5〜C7シクロアルケニル、
(7)置換もしくは非置換アリール、
(8)置換もしくは非置換ヘテロアリール、
(9)置換もしくは非置換ヘテロシクリルからなる群から選択され、
は、
(1)置換もしくは非置換C3〜C7シクロアルキル、
(2)置換もしくは非置換C5〜C7シクロアルケニル、
(3)置換もしくは非置換アリール、
(4)置換もしくは非置換ヘテロアリール、
(5)置換もしくは非置換ヘテロシクリルからなる群から選択され、
ただし、Rがアミノであるとき、Rは、フェニル、4−アルキル−フェニル、4−アルコキシ−フェニル、および4−ハロ−フェニルではない]、または薬学的に許容されるその塩もしくはプロドラッグ
である、医薬品の組合せ。
【請求項2】
HER2阻害剤が、トラスツズマブである、請求項1に記載の医薬品の組合せ。
【請求項3】
HSP90阻害剤が、式(III)による化合物、
【化21】

[式中、
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C〜Cアルコキシ、
(5)チオール、
(6)C〜Cアルキルチオール、
(7)置換もしくは非置換C1〜C6アルキル、
(8)アミノまたは置換アミノ、
(9)置換もしくは非置換アリール、
(10)置換もしくは非置換ヘテロアリール、
(11)置換もしくは非置換ヘテロシクリルからなる群から選択され、
は、水素または置換もしくは非置換C1〜C6アルキルであり、
は、水素、アルキル、アルコキシ、またはハロであり、
、R、R、およびRのそれぞれは、水素、アルキル、アルコキシ、ハロ、置換もしくは非置換アリール、および置換もしくは非置換ヘテロアリールからなる群から独立に選択され、
ただし、Rがアミノであり、R、R、R、およびRが水素であるとき、Rは水素、アルキル、アルコキシ、およびハロではない]、あるいは
薬学的に許容されるその塩もしくはプロドラッグである、請求項1に記載の医薬品の組合せ。
【請求項4】
HER2阻害剤が、トラスツズマブである、請求項3に記載の医薬品の組合せ。
【請求項5】
HSP90阻害剤およびHER2阻害剤を含む医薬品の組合せであって、HSP90阻害剤が、(R)−2−アミノ−7−[2−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
(S)−2−アミノ−6−ベンジル−7−[4−フルオロ−2−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
(R)−2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
(R)−2−アミノ−7−(2−ブロモ−4−フルオロ−フェニル)−6−[(S)−1−(4−メトキシ−フェニル)−エチル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
(R)−2−アミノ−7−[2−(6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
(R)−2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−フェニル]−4,6−ジメチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4,6−ジメチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−5(6H)−オン;
2−アミノ−7−[2−(6−メトキシ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
(R)−2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−4,6−ジメチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[2−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(5,2’−ジフルオロ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(5−フルオロ−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[2−(2−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(4−フルオロ−2−イソキノリン−4−イル−フェニル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(5,3’−ジフルオロ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[2−(4−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(5,2’−ジフルオロ−3’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(5,4’−ジフルオロ−2’−メチル−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(5−フルオロ−2’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(4−フルオロ−2−ピリミジン−5−イル−フェニル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(5−フルオロ−3’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
(R)−2−アミノ−6−(3−アミノ−プロピル)−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(4−フルオロ−2−ピリジン−3−イル−フェニル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(5,2’−ジフルオロ−4’−メチル−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(1H−ピラゾール−4−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−4−メチル−7−(5,2’,3’−トリフルオロ−ビフェニル−2−イル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(2−ブロモ−4−フルオロ−フェニル)−4−メチル−6−(2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロピル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(3’−ジメチルアミノ−5−フルオロ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[2−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−4−フルオロ−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(5−メトキシ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(4−フルオロ−2−ピリミジン−5−イル−フェニル)−4−メチル−6−(2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロピル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−6−(2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロピル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(5−フルオロ−3’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロピル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
(R)−2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(4−メトキシ−5−メチル−ピリミジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(4−フルオロ−2−フラン−3−イル−フェニル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミドまたは
薬学的に許容されるそれらの塩である、医薬品の組合せ。
【請求項6】
それを必要としている患者に、有効量の第1の医薬品および第2の医薬品を投与することを含み、第1の医薬品は、(A)式Eの化合物
【化22】

[式中、
は、エチルアミノカルボニルCHCHNHC(=O)−、またはイソプロピルアミノカルボニル(CHCHNHC(=O)−)から選択され、
は、エチル、イソプロピル、ブロモ、またはクロロから選択され、
は、−CHNR1011または−NR1011であり、置換アミノ基−NR1011は、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、エチルアミノ、イソプロピルアミノ、ジエチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロペンチルアミノ、メトキシエチルアミノ、ピペリジン−4−イル、N−アセチルピペラジニル、N−メチルピペラジニル、メチルスルホニルアミノ、チオモルホリニル、チオモルホリニル−ジオキシド、4−ヒドロキシエチルピペリジニルまたは4−ヒドロキシピペリジニルである]、または薬学的に許容されるその塩またはプロドラッグであるか、あるいは
(B)式(III)による化合物、または薬学的に許容されるその塩またはプロドラッグ
【化23】

[式中、
は、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)C〜Cアルコキシ、
(5)チオール、
(6)C〜Cアルキルチオール、
(7)置換もしくは非置換C〜Cアルキル、
(8)アミノまたは置換アミノ、
(9)置換もしくは非置換アリール、
(10)置換もしくは非置換ヘテロアリール、
(11)置換もしくは非置換ヘテロシクリルからなる群から選択され、
は、水素または置換もしくは非置換C〜Cアルキルであり、
は、水素、アルキル、アルコキシ、またはハロであり、
、R、R、およびRのそれぞれは、水素、アルキル、アルコキシ、ハロ、置換もしくは非置換アリール、および置換もしくは非置換ヘテロアリールからなる群から独立に選択され、
ただし、Rがアミノであり、R、R、R、およびRが水素であるとき、Rは水素、アルキル、アルコキシ、およびハロではない]、あるいは薬学的に許容されるその塩もしくはプロドラッグであり、
第2の医薬成分は、HER2阻害剤である、増殖性疾患を治療する方法。
【請求項7】
HER2阻害剤が、トラスツズマブである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第1の医薬品が、
(R)−2−アミノ−7−[2−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
(S)−2−アミノ−6−ベンジル−7−[4−フルオロ−2−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
(R)−2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
(R)−2−アミノ−7−(2−ブロモ−4−フルオロ−フェニル)−6−[(S)−1−(4−メトキシ−フェニル)−エチル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
(R)−2−アミノ−7−[2−(6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン
(R)−2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−フェニル]−4,6−ジメチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(2−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4,6−ジメチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシピリジン−2−イル)フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−5(6H)−オン、
2−アミノ−7−[2−(6−メトキシ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
(R)−2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシ−ピラジン−2−イル)−フェニル]−4,6−ジメチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[2−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(5,2’−ジフルオロ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(5−フルオロ−2’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[2−(2−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(4−フルオロ−2−イソキノリン−4−イル−フェニル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(5,3’−ジフルオロ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[2−(4−クロロ−ピリジン−3−イル)−4−フルオロ−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(5,2’−ジフルオロ−3’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(5,4’−ジフルオロ−2’−メチル−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(5−フルオロ−2’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(4−フルオロ−2−ピリミジン−5−イル−フェニル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(5−フルオロ−3’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
(R)−2−アミノ−6−(3−アミノ−プロピル)−7−[4−フルオロ−2−(6−メトキシ−ピリジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン;
2−アミノ−7−(4−フルオロ−2−ピリジン−3−イル−フェニル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(5,2’−ジフルオロ−4’−メチル−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(1H−ピラゾール−4−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−4−メチル−7−(5,2’,3’−トリフルオロ−ビフェニル−2−イル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(2−ブロモ−4−フルオロ−フェニル)−4−メチル−6−(2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロピル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(3’−ジメチルアミノ−5−フルオロ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[2−(2,4−ジメトキシ−ピリミジン−5−イル)−4−フルオロ−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(5−メトキシ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(4−フルオロ−2−ピリミジン−5−イル−フェニル)−4−メチル−6−(2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロピル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(2−メトキシ−ピリジン−3−イル)−フェニル]−4−メチル−6−(2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロピル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(5−フルオロ−3’−メトキシ−ビフェニル−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−2−モルホリン−4−イル−プロピル)−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
(R)−2−アミノ−7−[4−フルオロ−2−(4−メトキシ−5−メチル−ピリミジン−2−イル)−フェニル]−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
2−アミノ−7−(4−フルオロ−2−フラン−3−イル−フェニル)−4−メチル−7,8−ジヒドロ−6H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−5−オン、
5−(2,4−ジヒドロキシ−5−イソプロピル−フェニル)−4−(4−モルホリン−4−イルメチル−フェニル)−イソオキサゾール−3−カルボン酸エチルアミド、または
薬学的に許容されるそれらの塩である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記増殖性障害を治療することが、固形腫瘍の治療を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記増殖性疾患が、乳癌である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
式(III)による化合物およびHER2阻害剤が、単一の医薬組成物として一緒に投与される、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
式(III)による化合物およびHER2阻害剤が、別々の組成物として投与される、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
式(III)による化合物およびHER2阻害剤が、順次に投与される、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
増殖性疾患の治療的処置のために、それを必要としている患者に有効量のHsp90阻害剤およびHER2阻害剤を投与することを含む、増殖性疾患を治療する方法。
【請求項15】
キットである、請求項1に記載の組合せ。
【請求項16】
医薬組成物である、請求項1に記載の組合せ。

【図1】
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【公表番号】特表2012−510443(P2012−510443A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−537973(P2011−537973)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【国際出願番号】PCT/EP2009/065861
【国際公開番号】WO2010/060939
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】