説明

ICカード用ソケットコネクタ

【課題】コネクタにおけるICカードのずれや、はみ出しを起こりにくくし、コネクタの低背化を実現する。スライドカバーを無理にスライドさせてもスライドカバーがコネクタ本体から外れにくくする。
【解決手段】載置領域113が設定されたコネクタ本体110と、コンタクト120と、反実装側の端部の、コネクタ本体の実装側の面からの厚さ方向の寸法が、コネクタ本体の実装側の面からコンタクトの接点122までの厚さ方向の寸法にICカードの厚さを加えた載置厚さにほぼ等しい第1ストッパ130等と、第1位置とそれより奥行き方向の手前側の第2位置との間でスライドし、コネクタ本体の実装側の面からの厚さ方向の寸法が、第1位置では載置厚さにほぼ等しく、第1位置と第2位置との間の少なくとも一部で第2位置に向かってスライドするにつれて短くなるスライドカバー160とを備えたICカード用ソケットコネクタ100である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気コネクタの技術分野に属し、ICカードにアクセスするための電気コネクタの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は次のカードコネクタを開示している。そのカードコネクタは、コンタクトが設けられたベースプレートと、ベースプレートに取り付けられたカードホルダとを備え、挿抜口からカード保持空間内にカードを挿入し、カードホルダを用いてカードを保持するように構成されたカードコネクタであって、カードホルダが、カードを保持するカード保持位置と、カード保持空間内でカードを挿抜可能なカード挿抜位置とにベースプレートに対してスライド移動可能に構成されており、カードホルダをカード挿抜位置へスライド移動させると、カードホルダの一端がベースプレートから離れる方向へ揺動し、挿抜口の断面積が増加するように構成されている。
【0003】
特許文献2は、次の電気コネクタを開示している。その電気コネクタは、平板状電子モジュールを回動して受容可能とし、側壁を有してモジュール装着面上に電気コンタクトを受容できるよう構成される絶縁ハウジングを備え、上記ハウジングが第1端で制止壁から延びるタブによって画定されるモジュール受容スロットを有する電気コネクタにおいて、摺動バーが上記ハウジングに摺動可能にして装着され、開口上に延び、上記摺動バーは上記装着面から離れて該装着面に略平行に置かれる。
【0004】
【特許文献1】特許第4121417号公報
【特許文献1】特表2001−505681号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のカードコネクタの場合、カードの移動を規制する規制部材がないため、カードホルダをカード挿抜位置からカード保持位置へスライドさせると、カードがカードホルダに引き摺られて所定の挿入位置に収まらず、そこからずれるおそれがある。また、上記カードが挿入位置に位置したときは上記カードが上記ベースプレートに対して傾斜しているため(特許文献1の段落0034及び図5(e)を参照)、上記カードホルダがカード保持位置に向けて移動すると、上記カードが上記カードホルダに引き摺られてカード保持空間からはみ出すおそれがある。さらに、カードホルダを無理にスライドさせると、カードホルダがベースプレートから外れるおそれがある。
【0006】
特許文献2の電気コネクタの場合、平板状電子モジュールの移動を規制する制止壁はあるが、摺動バーが開位置に置かれているときは上記平板状電子モジュールカードが装着面に対して傾斜する方向で挿入されているため、摺動バーががロック位置に向けて移動すると、平板状電子モジュールが摺動バーに引き摺られてモジュール受容キャビティからはみ出すおそれがある。また、摺動バーを無理に移動させると、摺動バーがハウジングから外れるおそれがある。
【0007】
上記従来の技術では、上記ベースプレート又はハウジングに対して傾斜させたカードを上記カードホルダ又は摺動バーによってほぼ平行になるまで倒すことによりコンタクトの弾性変形を増加させて所定の接触圧力を得た。これに対し、本発明の目的は、ICカードをコネクタ本体に対してほぼ平行になるよう載置し、スライドカバーをスライドさせるとICカードを徐々にコンタクトに押しつけていき、それによってコンタクトの弾性変形を増加させて所定の接触圧力を得て、ICカードの載置領域からのずれや、載置領域からのはみ出しを起こりにくくし、しかもICカードの移動を規制するストッパ等を薄いものにして低背化を実現することにある。さらに、補強タブによってスライドカバーを無理にスライドさせてもスライドカバーがコネクタ本体から外れにくくすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1のICカード用ソケットコネクタは、ほぼ板状に形成され、その厚さ方向の一方側を実装側、他方を反実装側とすると、反実装側の面に、導電部を有するICカードの当該導電部を有する側の面に対応した載置領域が設定されたコネクタ本体と、
上記ICカードが上記コネクタ本体の上記載置領域に置かれたときに上記ICカードの上記導電部にほぼ対応する部位に位置する接点を有すると共に、弾性変形により上記接点が上記厚さ方向に変位できるように上記コネクタ本体に設けられたコンタクトと、
上記厚さ方向と直交すると共に上記コネクタ本体の上記反実装側の面に沿って互いに直交する二方向を奥行き方向及び幅方向としたときに、上記コネクタ本体における上記載置領域の奥行き方向奥側から反実装側へ立ち上がり、反実装側の端部の、上記コネクタ本体の実装側の面からの上記厚さ方向の寸法が、上記コネクタ本体の実装側の面から上記コンタクトの接点までの上記厚さ方向の寸法に上記ICカードの厚さを加えた載置厚さにほぼ等しい第1ストッパと、
上記コネクタ本体における上記載置領域の奥行き方向手前側から反実装側へ立ち上がり、反実装側の端部の、上記コネクタ本体の実装側の面からの上記厚さ方向の寸法が、上記載置厚さにほぼ等しい第2ストッパと、
上記コネクタ本体における上記載置領域の幅方向両側から反実装側へそれぞれ立ち上がり、反実装側の端部の、上記コネクタ本体の実装側の面からの上記厚さ方向の寸法が、上記載置厚さにほぼ等しい二つの第3ストッパと、
上記載置領域よりも奥行き方向の寸法が短く設けられて上記コネクタ本体の反実装側に配置され、上記載置領域の奥行き方向奥側の端部付近の第1位置と、上記載置領域における上記第1位置よりも奥行き方向の手前側にある第2位置との間でスライド自在に設けられると共に、上記載置領域に対向していて上記ICカードに接触することになる接触部を有し、この接触部の、上記コネクタ本体の実装側の面からの上記厚さ方向の寸法が、上記第1位置では上記載置厚さにほぼ等しく、上記第1位置と第2位置との間の少なくとも一部では第2位置に向かってスライドするにつれて短くなるように構成されたスライドカバーとを備えている。
【0009】
このICカード用ソケットコネクタは、プリント配線板又はその他の実装先部材に実装される。上記スライドカバーを第1位置に位置づけておき、上記ICカード用ソケットコネクタに上記ICカードを挿入し、上記載置領域に位置づけると上記ICカードは上記コンタクトの接点で受け止められてコネクタ本体の反実装側の面に対してほぼ平行に載置される。そして、上記スライドカバーを第2位置へスライドさせると、上記スライドカバーの接触部の、上記コネクタ本体の実装側の面からの上記厚さ方向の寸法が減少する。つまり上記スライドカバーは奥行き方向の手前へスライドするにつれて実装側に向かって移動する。そのため、上記スライドカバーは上記ICカードを徐々に上記コンタクトに押しつけていき、それによって上記コンタクトの弾性変形が増加して上記ICカードの導電部と上記コンタクトの接点に所定の接触圧力が得られ、上記ICカードが上記ICカード用ソケットコネクタに保持される。さらに、上記スライドカバーを第1位置へスライドさせると、上記スライドカバーの接触部の、上記コネクタ本体の実装側の面からの上記厚さ方向の寸法が増加する。つまり上記スライドカバーは奥行き方向の奥へスライドするにつれて反実装側に向かって移動する。そのため、上記スライドカバーは上記ICカードを押圧する力を徐々に緩めていき、それによって上記コンタクトの弾性変形が減少して上記ICカードの導電部と上記コンタクトの接点が受ける接触圧力が減少し、上記ICカードを上記載置領域から取り上げて上記ICカード用ソケットコネクタから抜去することが可能となる。
【0010】
その場合、上記ICカードは上記コネクタ本体の反実装側の面に対してほぼ平行に載置され、スライドカバーが第1位置から第2位置へスライドする間も上記コネクタ本体の反実装側の面に対してほぼ平行に維持される。そのため、上記スライドカバーを第1位置から第2位置へスライドさせた場合、上記ICカードが上記スライドカバーに引き摺られようとしても、上記ICカードは第1ストッパにより奥行き方向奥側へのずれが阻止され、第2ストッパにより奥行き方向手前側へのずれが阻止され、二つの第3ストッパにより幅方向へのずれが阻止されるので、上記ICカードが上記載置領域からずれにくくなり、また載置領域からはみ出しにくくなる。しかも上記ICカードの移動を規制する第1ストッパ、第2ストッパ及び二つの第3ストッパは、それらの反実装側の端部の、上記コネクタ本体の実装側の面からの上記厚さ方向の寸法が、上記載置厚さにほぼ等しいので、上記ICカード用ソケットコネクタの低背化が実現する。
【0011】
本発明の第2のICカード用ソケットコネクタは、上記第1のICカード用ソケットコネクタにおいて、
上記コネクタ本体における上記載置領域の奥行き方向奥側に、上記第1位置にある上記スライドカバーと奥行き方向に対向する補強タブが設けられている。
【0012】
このようにすれば、上記補強タブをプリント配線板又はその他の実装先部材に実装すれば、上記スライドカバーを第1位置よりも奥行き方向奥側へ無理にスライドさせても、上記スライドカバーが上記補強タブによって受け止められるので、上記スライドカバーが上記コネクタ本体から外れにくくなる。
【0013】
本発明の第3のICカード用ソケットコネクタは、上記第1又は第2のICカード用ソケットコネクタにおいて、
上記二つの第3ストッパの幅方向外側には、厚さ方向の寸法がほぼ一定で且つ奥行き方向に延びるレールがそれぞれ設けられており、
上記スライドカバーの幅方向の中間部が上記レールの反実装側に配置され、上記スライドカバーの幅方向の両端部が奥行き方向にみて開放部同士が幅方向に対向するようにほぼ横倒しされたU字型にそれぞれ形成されて上記二つのレールに幅方向の外側からそれぞれスライド自在に嵌っており、
上記レールは、上記第1位置にある上記スライドカバーに対応する部位と上記第2位置にある上記スライドカバーに対応する部位との間に、奥行き方向手前に向かって実装側へ傾斜する傾斜部を備えている。
【0014】
このようにすれば、上記スライドカバーの両端部が上記二つのレールに対してスライド自在となり、それによって上記スライドカバーが第1位置と第2位置との間で奥行き方向に沿ってスライド自在となる。そして、上記スライドカバーは上記レールの厚さ方向の実装側の面に倣ってスライドする。
【0015】
本発明の第4のICカード用ソケットコネクタは、上記第1ないし第3のうちいずれか1つのICカード用ソケットコネクタにおいて、
上記コネクタ本体及び上記スライドカバーにおける対向する面のうち一方の面に凹部が設けられ、他方の面に上記凹部に対応する形状の凸部が設けられ、
上記スライドカバーが上記第1位置又は第2位置に位置づけられたときに上記凸部が上記凹部に嵌って上記スライドカバーを仮止めするように構成している。
【0016】
このようにすれば、上記スライドカバーを上記第1位置に仮止めしたときは、上記ICカードのICカード用ソケットコネクタへの挿入又はICカード用ソケットコネクタからの抜去の作業性がよくなる。また、上記スライドカバーを上記第2位置に仮止めしたときは、上記ICカードがICカード用ソケットコネクタに安定的に保持される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1のICカード用ソケットコネクタは、ICカードをコネクタ本体の反実装側の面に対してほぼ平行になるよう載置し、スライドカバーをスライドさせるとICカードを徐々にコンタクトに押しつけていき、それによってコンタクトの弾性変形を増加させて所定の接触圧力を得るので、ICカードの載置領域からのずれや、載置領域からのはみ出しを起こりにくく、しかもICカードの移動を規制するストッパ等を薄いものにして低背化を実現することができる。
【0018】
本発明の第2のICカード用ソケットコネクタは、上記コネクタ本体における上記載置領域の奥行き方向奥側に、上記第1位置にある上記スライドカバーと奥行き方向に対向する補強タブを設けたので、上記第1のICカード用ソケットコネクタにより得られる効果が得られることに加え、さらに、上記スライドカバーを第1位置よりも奥行き方向奥側へ無理にスライドさせても、上記スライドカバーが上記コネクタ本体から外れにくくすることができる。
【0019】
本発明の第3のICカード用ソケットコネクタは、上記二つの第3ストッパの幅方向外側にレールをそれぞれ設け、上記スライドカバーをレールの実装側の面に沿ってスライドさせたので、上記第1又は第2のICカード用ソケットコネクタにより得られる効果が得られることに加え、さらに、上記ICカード用ソケットコネクタの低背化を生かすことができる上記スライドカバーの支持構造を提供することができた。
【0020】
本発明の第4のICカード用ソケットコネクタは、上記コネクタ本体及び上記スライドカバーにおける対向する面のうち一方の面に凹部を設け、他方の面に凸部を設け、上記スライドカバーを第1位置又は第2位置に仮止めするように構成したので、上記第1ないし第3のうちいずれか一つのICカード用ソケットコネクタにより得られる効果が得られることに加え、さらに、上記ICカードのICカード用ソケットコネクタへの挿入又はICカード用ソケットコネクタからの抜去の作業性を向上させることができ、又は上記ICカードをICカード用ソケットコネクタに安定的に保持させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1ないし図5は、本発明のICカード用ソケットコネクタの実施形態を示す。このICカード用ソケットコネクタ100は、これに挿入されたICカード200を保持することができる。また、このICカード用ソケットコネクタ100に一旦保持されたICカード200は、このICカード用ソケットコネクタ100から抜去することができる。このICカード用ソケットコネクタ100は、実装先部材300に実装される。ここでは実装先部材300はプリント配線板である。しかし、これによって本発明のICカード用ソケットコネクタが実装される実装先部材が限定解釈されることはない。ICカード200は、情報の記録や演算を行うためのICチップを備えたカードであり、最も面積の広い二面のうち一方側の面に導電部(図示省略)を有している。この実施形態では、ICカード200としてSIMカード(Subscriber Identity Module Card)を用いているが、これによって本発明のICカード用ソケットコネクタが対象とするICカードが限定解釈されることはない。
【0022】
上記ICカード用ソケットコネクタ100は、ほぼ板状に形成されたコネクタ本体110と、上記コネクタ本体110に設けられたコンタクト120とを備えている。上記コネクタ本体110は絶縁性材料で形成されており、上記コンタクト120は導電性材料で形成されている。上記コネクタ本体は少なくとも上記コンタクトとの接触部が絶縁性材料で形成されておればよい。上記コネクタ本体110は、その厚さ方向の一方側を実装側、他方を反実装側とすると、反実装側の面111に、上記ICカード200の当該導電部を有する側の面に対応した載置領域113が設定されている。
【0023】
上記コンタクト120は、板状片よりなり、その一端が接続部121となり、他端が接点122となり、中途部が上記コネクタ本体110に固定されている。上記コンタクト120は、奥行き方向に複数個が並べられ、さらに幅方向に複数個が並べられているが、これによって本発明のICカード用ソケットコネクタのコンタクトの個数、配列が限定解釈されることはない。上記接点122は、上記ICカード200が上記コネクタ本体110の上記載置領域113に置かれたときに上記ICカード200の上記導電部にほぼ対応する部位に位置するように設けられている。また、上記接点122は、コンタクト120の弾性変形により上記厚さ方向に変位できるようになっている。
【0024】
上記ICカード用ソケットコネクタ100は、さらに、第1ストッパ130と、第2ストッパ140と、二つの第3ストッパ150とを備えている。上記厚さ方向と直交すると共に上記コネクタ本体110の上記反実装側の面111に沿って互いに直交する二方向を奥行き方向及び幅方向とする。上記第1ストッパ130は、上記コネクタ本体110における上記載置領域113の奥行き方向奥側から反実装側へ立ち上がっている。上記第1ストッパ130における反実装側の端部131の、上記コネクタ本体110の実装側の面112からの上記厚さ方向の寸法S1(図2を参照)は、上記コネクタ本体110の実装側の面112から上記コンタクト120の接点122までの上記厚さ方向の寸法X(図9を参照)に上記ICカード200の厚さY(図9を参照)を加えた載置厚さTs(Ts=X+Y)にほぼ等しい。
【0025】
上記第2ストッパ140は、上記コネクタ本体110における上記載置領域113の奥行き方向手前側から反実装側へ立ち上がっている。上記第2ストッパ140における反実装側の端部141の、上記コネクタ本体110の実装側の面112からの上記厚さ方向の寸法S2(図2を参照)は、上記載置厚さTsにほぼ等しい。
【0026】
上記二つの第3ストッパ150のうち一方の第3ストッパ150は、上記コネクタ本体110における上記載置領域113の幅方向の一方側から反実装側へ立ち上がり、他方の第3ストッパ150は、上記コネクタ本体110における上記載置領域113の幅方向の他方側から反実装側へ立ち上がっている。上記二つの第3ストッパ150における反実装側の端部151の、上記コネクタ本体110の実装側の面112からの上記厚さ方向の寸法G1、G2(図4を参照)は、上記載置厚さTsにほぼ等しい。
【0027】
上記ICカード用ソケットコネクタ100は、さらに、スライドカバー160を備えている。このスライドカバー160の奥行き方向の寸法C(図1を参照)は、上記載置領域113の奥行き方向の寸法Z(図9を参照)よりも短く設けられている。換言すると、上記スライドカバー160の奥行き方向の寸法Cは、上記ICカード200が上記載置領域113に上記コネクタ本体110の反実装側の面111に対してほぼ平行になるように置かれたときのICカード200の奥行き方向の寸法よりも短く設けられている。上記スライドカバー160は、上記コネクタ本体110の反実装側に配置されている。上記スライドカバー160は、第1位置(図1ないし図5に示す位置)と第2位置(図6及び図7に示す位置)との間でほぼ奥行き方向に沿ってスライド自在に設けられている。上記第1位置は、上記載置領域113の奥行き方向奥側の端部付近に設定されている。上記第2位置は、上記載置領域113における上記第1位置よりも奥行き方向の手前側に設定されている。そして、上記スライドカバー160には、上記載置領域113に対向している接触部161が設けられている。この接触部161は、上記ICカード200に接触することになる。すなわち、この接触部161は、上記ICカード200が上記載置領域113に上記コネクタ本体110の反実装側の面111に対してほぼ平行になるように置かれたときのICカード200の反実装側の面に接触することになる。この実施形態ではスライドカバー160の幅方向の中間部に、実装側へ突き出たリブが設けられているので、このリブの実装側の端面が上記接触部161になる。スライドカバーにこのようなリブを設けないときはスライドカバーの実装側の面の全体が接触部になる。そして、上記スライドカバー160の上記接触部161の、上記コネクタ本体110の実装側の面112からの上記厚さ方向の寸法Tが、上記第1位置では上記載置厚さTsにほぼ等しく、上記第1位置と第2位置との間の少なくとも一部では第2位置に向かってスライドするにつれて短くなるように構成されている(図5、図16及び図17を参照)。ここでは、上記スライドカバー160が第1位置にあるときから若干第2位置側へ移動するまでの奥側の区間では、上記厚さ方向の寸法Tは上記載置厚さTsにほぼ等しいT1である(図16を参照)。また、上記スライドカバー160が第2位置にあるときから若干第1位置側へ移動するまでの手前側の区間では、上記厚さ方向の寸法Tは上記載置厚さTsよりも短いT2である(図17を参照)。そして、上記奥側の区間と手前側の区間との間となる中途の区間では、上記厚さ方向の寸法Tは上記スライドカバー160が第2位置に向かってスライドするにつれて短くなる。しかし、上記厚さ方向の寸法Tが、上記第1位置では上記載置厚さTsにほぼ等しく、上記第1位置と第2位置との間の一部ではなくこの間の全体にわたり上記スライドカバーが第2位置に向かってスライドするにつれて短くなるように構成してもよい。上記接触部161は、上記スライドカバー160の幅方向の両端部162における接触部ではなく、上記スライドカバー160の幅方向の中程の部分における接触部である。この接触部161は、ICカード200の導体のない側の面すなわち上記載置領域113に上記コネクタ本体110の反実装側の面111に対してほぼ平行になるように置かれたときのICカード200の反実装側の面に対向することになる。この実施形態の場合、第2位置における上記接触部161の、上記コネクタ本体110の実装側の面112からの上記厚さ方向の寸法T2は、上記載置厚さTsよりも短い。つまり、上記スライドカバー160は、上記接触部161の上記コネクタ本体110における厚さ方向の位置が、上記第1位置では上記コンタクト120の接点122から上記ICカード200の厚さだけ反実装側へ移動した位置とほぼ同じになり、上記第2位置へスライドすると実装側へ移動するように構成されている。図16に示すように、上記スライドカバー160が第1位置に位置づけられていると、上記スライドカバー160の接触部161はICカード200から離れている。そして、図17に示すように、上記スライドカバー160を第2位置へスライドさせると、上記スライドカバー160が第2位置の奥行き方向奥側からICカード200に乗り上げ始め、上記スライドカバー160が第2位置に位置づけられると上記スライドカバー160がICカード200に乗り上げる。
【0028】
上記スライドカバーの奥行き方向の寸法の設定、及び上記第1位置の設定は、上記スライドカバーが第1位置にあるときに上記ICカードの端縁を上記スライドカバーの実装側に差し込んで実装側へ倒すと、上記ICカードが上記第2ストッパ又は上記コンタクトの接点と干渉することなく上記載置領域に収まって上記コンタクトの接点で受け止められるように設定される。この実施形態の場合、上記コネクタ本体110の上記載置領域113において、上記第1位置にある上記スライドカバー160にほぼ対応する部位が厚さ方向に貫通している。これによって本発明のICカード用ソケットコネクタのコネクタ本体の構成が限定解釈されることはない。しかし、こうすることにより、図8ないし図11に示すように、上記スライドカバー160が第1位置にあるときに上記ICカード200の端縁を上記スライドカバー160の実装側に差し込む作業が容易となる。上記スライドカバーの上記接触部の、上記コネクタ本体の実装側の面からの上記厚さ方向の寸法は、上記第1位置では上記載置厚さを超えていてもよい。上記第2位置は、第2位置にある上記スライドカバー160がほぼコンタクト120の接点122に対向するように設けられているが、これによって本発明のICカード用ソケットコネクタにおける上記スライドカバーの第2位置が限定解釈されることはない。
【0029】
上記コネクタ本体110における上記載置領域113の奥行き方向奥側には、上記第1位置にある上記スライドカバー160の奥行き方向奥側にあって上記スライドカバー160と奥行き方向に沿って対向する補強タブ170が設けられている。上記補強タブ170は、金属片により形成されており、中途部が上記コネクタ本体110の奥行き方向の奥側の端部に圧入されている。そして、一端が上記第1ストッパ130の反実装側に突き出ており、他端が上記コネクタ本体110の実装側の面の付近に配置されている。ここでは上記補強タブ170を、幅方向に離して二つ設けている。しかし、これによって本発明のICカード用ソケットコネクタの補強タブの材質、構成、個数、配列などが限定解釈されることはない。上記補強タブ170と上記第1位置にある上記スライドカバー160との間には奥行き方向に沿って隙間があるが、このように隙間を設けずに上記補強タブ170と上記第1位置にある上記スライドカバー160とが接触するようにしてもよい。
【0030】
上記二つの第3ストッパ150の幅方向外側には、厚さ方向の寸法がほぼ一定で且つ奥行き方向に延びるレール180がそれぞれ設けられている。これら二つのレール180は、幅方向内側の部分で上記二つの第3ストッパ150の幅方向外側の部分にそれぞれ接続されている。上記スライドカバー160の幅方向の中間部は、上記レール180の反実装側に配置されている。そして、上記スライドカバー160の幅方向の両端部162は、奥行き方向にみて開放部同士が幅方向に対向するようにほぼ横倒しされたU字型にそれぞれ形成されて上記二つのレール180に幅方向の外側からそれぞれスライド自在に嵌っている。したがって、上記両端部162は、上記二つのレール180を抱き込むように形成されている。この実施形態では、上記スライドカバー160の幅方向の両端部162は、レールに対して厚さ方向に余裕を持たせて嵌まっており、そのため、上記スライドカバー160はレールに対して若干厚さ方向にガタがある。もっとも、このようなガタが殆ど無いように設定してもよい。そして、上記レール180は、上記第1位置にある上記スライドカバー160に対応する部位と上記第2位置にある上記スライドカバー160に対応する部位との間に、奥行き方向手前に向かって実装側へ傾斜する傾斜部182を備えている。また、上記レール180は、上記傾斜部182の奥行き方向の奥側に、上記コネクタ本体110の反実装側の面111に対してほぼ平行となる奥側の平行部181を備えている。さらに、上記レール180は、上記傾斜部182の奥行き方向の手前側に、上記コネクタ本体110の反実装側の面111に対してほぼ平行な手前側の平行部183を備えている。上記奥側の平行部181は上記スライドカバー160の上記奥側の区間に対応し、上記傾斜部182は上記スライドカバー160の上記中途の区間に対応し、上記手前側の平行部183は上記スライドカバー160の上記手前側の区間に対応している。すなわち、上記レール180の実装側の面184及び反実装側の面185は、上記第1位置にある上記スライドカバー160に対応する部位よりも上記第2位置にある上記スライドカバー160に対応する部位の方が実装側に位置しており、この間で上記実装側の面184及び反実装側の面185は傾斜している。このように本発明のICカード用ソケットコネクタにレールを用いる場合、レールは厚さ方向の寸法がほぼ一定でなくてもよく、レールに上記スライドカバーの幅方向の両端部がスライド自在にそれぞれ嵌ることができるのであればレールの厚さ方向の寸法は奥行き方向に沿って変動してもよい。また、この実施形態では上記レール180の反実装側の面185の、上記コネクタ本体110の実装側の面112からの上記厚さ方向の寸法が、上記奥側の平行部181においてほぼ上記載置厚さTsに等しく設定されているが、本発明のICカード用ソケットコネクタにレールを用いたときの上記厚さ方向の寸法は、これによって限定解釈されず、スライドカバーにおける接触部の厚さ方向の位置、スライドカバーとレールとの厚さ方向のガタの量などによって種々の変形例が出てくる。
【0031】
上記コネクタ本体110及び上記スライドカバー160における対向する面のうち一方の面に凹部が設けられ、他方の面に上記凹部に対応する形状の凸部が設けられ、上記スライドカバー160が上記第1位置又は第2位置に位置づけられたときに上記凸部が上記凹部に嵌って上記スライドカバーを仮止めするように構成している。この実施形態の場合、図16及び図17に示すように、上記コネクタ本体110の二つのレール180における実装側の面184に二つの凹部186、187が設けられている。このうち第1の凹部186は上記載置領域113の奥行き方向奥側の端部付近に対応して設けられており、第2の凹部187は上記載置領域113における上記第1の凹部186の位置よりも奥行き方向の手前側に設けられている。また、上記スライドカバー160の幅方向の両端部162における実装側の板の内面であって上記レール180の実装側の面184と対向する部位に上記第1の凹部186に対応すると共に上記第2の凹部187にも対応する形状の凸部163が設けられている。そして、上記スライドカバー160が上記第1位置に位置づけられたときに上記凸部163が上記第1の凹部186に嵌って上記スライドカバー160を第1位置に仮止めし、上記スライドカバー160が上記第2位置に位置づけられたときに上記凸部163が上記第2の凹部187に嵌って上記スライドカバー160を第2位置に仮止めするように構成している。この場合、上記第1の凹部186の開口周縁部の、上記レール180の実装側の面184からの厚さ方向の突き出し量が、上記第2の凹部187の開口周縁部の、上記レール180の実装側の面184からの厚さ方向の突き出し量よりも大きく設定されている。これは次の理由による。図17に示すように、上記スライドカバー160を第2位置へスライドさせると、上記スライドカバー160がICカード200に乗り上げるので、それによって生じた上記コンタクト120の弾性復元力によって上記凸部163の第2の凹部187への嵌合力が十分に確保される。それに対して、上記スライドカバー160が第1位置にあるときは、上記弾性復元力が期待できないため、上記第1の凹部186の開口周縁部によって上記スライドカバー160を実装側へ押しやり、上記凸部163の第1の凹部186への嵌合力を確保するようにしている。しかし、これによって本発明のICカード用ソケットコネクタに上記凹部及び凸部を設けたときのスライドカバー、レール、凹部などの構成が限定解釈されることはない。上記凹部は上記コネクタ本体における上記スライドカバーと対向する他の面に設けてもよく、同様に上記凸部は上記スライドカバーにおける上記コネクタ本体と対向する他の面に設け、上記スライドカバーが上記第1位置又は第2位置に位置づけられたときに上記凸部が上記凹部に嵌って上記スライドカバーを仮止めするように構成してもよい。さらに、上記凹部は上記スライドカバーにおける上記コネクタ本体と対向する面に設けてもよく、同様に上記凸部は上記コネクタ本体における上記スライドカバーと対向する面に設け、上記スライドカバーが上記第1位置又は第2位置に位置づけられたときに上記凸部が上記凹部に嵌って上記スライドカバーを仮止めするように構成してもよい。
【0032】
次に、上記実施形態の作用及び効果を説明する。図8及び図9に示すように、このICカード用ソケットコネクタ100は、プリント配線板又はその他の実装先部材300に実装される。図8及び図9に示すように、上記スライドカバー160を第1位置に位置づけておき、上記ICカード用ソケットコネクタ100に上記ICカード200を挿入する。すなわち、図8及び図9に示すように、上記ICカード200の端縁を上記スライドカバー160の実装側に差し込み、図10及び図11に示すように、実装側へ倒していくと、図12及び図13に示すように、上記ICカード200が上記載置領域113に収まって上記コンタクト120の接点122で受け止められ、コネクタ本体110の反実装側の面111に対してほぼ平行に載置される。そして、図14及び図15に示すように、上記スライドカバー160を第2位置へスライドさせると、上記スライドカバー160の接触部161の、上記コネクタ本体110の実装側の面112からの上記厚さ方向の寸法がT1からT2へ減少する。つまり上記スライドカバー160は奥行き方向の手前へスライドするにつれて実装側に向かって移動する。そのため、上記スライドカバー160は上記ICカード200を徐々に上記コンタクト120に押しつけていき、それによって上記コンタクト120の弾性変形が増加して上記ICカード200の導電部と上記コンタクト120の接点122に所定の接触圧力が得られ、上記ICカード200が上記ICカード用ソケットコネクタ100に保持される。さらに、上記スライドカバー160を第1位置へスライドさせると、上記スライドカバー160の接触部161の、上記コネクタ本体110の実装側の面112からの上記厚さ方向の寸法がT2からT1へ増加する。つまり上記スライドカバー160は奥行き方向の奥へスライドするにつれて反実装側に向かって移動する。そのため、上記スライドカバー160は上記ICカード200を押圧する力を徐々に緩めていき、それによって上記コンタクト120の弾性変形が減少して上記ICカード200の導電部と上記コンタクト120の接点122が受ける接触圧力が減少し、上記ICカード200を上記載置領域113から取り上げて上記ICカード用ソケットコネクタ100から抜去することが可能となる。
【0033】
その場合、上記ICカード200は上記コネクタ本体110の反実装側の面111に対してほぼ平行に載置され、スライドカバー160が第1位置から第2位置へスライドする間も上記コネクタ本体110の反実装側の面111に対してほぼ平行に維持される。そのため、上記スライドカバー160を第1位置から第2位置へスライドさせた場合、上記ICカード200が上記スライドカバー160に引き摺られようとしても、上記ICカード200は第1ストッパ130により奥行き方向奥側へのずれが阻止され、第2ストッパ140により奥行き方向手前側へのずれが阻止され、二つの第3ストッパ150により幅方向へのずれが阻止されるので、上記ICカード200が上記載置領域113からずれにくくなり、また載置領域113からはみ出しにくくなる。しかも上記ICカード200の移動を規制する第1ストッパ130、第2ストッパ140及び二つの第3ストッパ150は、それらの反実装側の端部の、上記コネクタ本体110の実装側の面112からの上記厚さ方向の寸法S1、S2、G1、G2が上記載置厚さTsにほぼ等しいので、上記ICカード用ソケットコネクタ100の低背化が実現する。よって、上記ICカード用ソケットコネクタ100は、ICカード200の載置領域113からのずれや、載置領域113からのはみ出しを起こりにくく、しかもICカード200の移動を規制するストッパ等を薄いものにして低背化を実現することができる。
【0034】
本発明のICカード用ソケットコネクタは、補強タブを設けていない実施形態を含む。そのような種々の実施形態のなかで、上記実施形態のICカード用ソケットコネクタ100は、上記コネクタ本体110における上記載置領域113の奥行き方向奥側に、上記第1位置にある上記スライドカバー160と奥行き方向に対向する補強タブ170を設けた。このようにすれば、上記補強タブ170をプリント配線板又はその他の実装先部材300に実装すれば、上記スライドカバー160を第1位置よりも奥行き方向奥側へ無理にスライドさせても、上記スライドカバー160が上記補強タブ170によって受け止められるので、上記スライドカバー160が上記コネクタ本体110から外れにくくなる。
【0035】
本発明のICカード用ソケットコネクタのスライドカバーは、上記載置領域よりも奥行き方向の寸法が短く設けられて上記コネクタ本体の反実装側に配置され、上記載置領域の奥行き方向奥側の端部付近の第1位置と、上記載置領域における上記第1位置よりも奥行き方向の手前側にある第2位置との間でスライド自在に設けられると共に、上記載置領域に対向していて上記ICカードに接触することになる接触部を有し、この接触部の、上記コネクタ本体の実装側の面からの上記厚さ方向の寸法が、上記第1位置では上記載置厚さにほぼ等しく、上記第1位置と第2位置との間の少なくとも一部で第2位置に向かってスライドするにつれて短くなるように構成されておればよい。そのような種々の実施形態のなかで、上記実施形態のICカード用ソケットコネクタ100は、上記二つの第3ストッパ150の幅方向外側に厚さ方向の寸法がほぼ一定で且つ奥行き方向に延びるレール180をそれぞれ設け、上記スライドカバー160の幅方向の中間部を上記レール180の反実装側に配置し、上記スライドカバー160の幅方向の両端部162を奥行き方向にみて開放部同士が幅方向に対向するようにほぼ横倒しされたU字型にそれぞれ形成して上記二つのレール180に幅方向の外側からそれぞれスライド自在に嵌め、上記レール180に、上記第1位置にある上記スライドカバー160に対応する部位と上記第2位置にある上記スライドカバー160に対応する部位との間に、奥行き方向手前に向かって実装側へ傾斜する傾斜部182を設けた。このようにすれば、上記スライドカバー160の両端部162が上記二つのレール180に対してスライド自在となり、それによって上記スライドカバー160が第1位置と第2位置との間で奥行き方向に沿ってスライド自在となる。そして、上記スライドカバー160は上記レール180の厚さ方向の実装側の面184に倣ってスライドする。よって、この上記スライドカバー160の支持構造は、上記ICカード用ソケットコネクタ100の低背化を生かすことができる。
【0036】
本発明のICカード用ソケットコネクタは、上記スライドカバーを上記第1位置又は第2位置に仮止めするための構成を備えていない実施形態を含む。そのような種々の実施形態のなかで、上記実施形態のICカード用ソケットコネクタ100は、上記コネクタ本体110及び上記スライドカバー160における対向する面のうち一方の面に凹部186、187を設け、他方の面に上記凹部186、187に対応する形状の凸部163を設け、上記スライドカバー160が上記第1位置又は第2位置に位置づけられたときに上記凸部163が上記凹部186、187に嵌って上記スライドカバー160を仮止めするように構成した。このようにすれば、上記スライドカバー160を上記第1位置に仮止めしたときは、上記ICカード200のICカード用ソケットコネクタ100への挿入又はICカード用ソケットコネクタ100からの抜去の作業性がよくなる。また、上記スライドカバー160を上記第2位置に仮止めしたときは、上記ICカード200がICカード用ソケットコネクタ100に安定的に保持される。よって、上記ICカード用ソケットコネクタ100は、上記ICカード200のICカード用ソケットコネクタ100への挿入又はICカード用ソケットコネクタ100からの抜去の作業性を向上させることができ、又は上記ICカード200をICカード用ソケットコネクタ100に安定的に保持させることができる。
【0037】
本発明は、以上の実施形態の特徴を組み合わせたICカード用ソケットコネクタの実施形態を含んでいる。さらに、以上の実施形態は本発明のICカード用ソケットコネクタのいくつかの例を示したに過ぎない。したがって、これらの実施形態の記載によって本発明のICカード用ソケットコネクタが限定解釈されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】スライドカバーが第1位置にあるときの本発明のICカード用ソケットコネクタの実施形態の平面図である。
【図2】スライドカバーが第1位置にあるときの上記実施形態の側面図である。
【図3】スライドカバーが第1位置にあるときの上記実施形態の底面図である。
【図4】スライドカバーが第1位置にあるときの上記実施形態の正面図である。
【図5】スライドカバーが第1位置にあるときの上記実施形態の背面図である。
【図6】スライドカバーが第2位置にあるときの上記実施形態の平面図である。
【図7】スライドカバーが第2位置にあるときの上記実施形態の側面図である。
【図8】スライドカバーを第1位置に位置づけ、ICカードの端縁をスライドカバーの実装側に差し込んだときの当該ICカードと本発明のICカード用ソケットコネクタの実施形態の平面図である。
【図9】図8のIX−IX線における断面図である。
【図10】図8の状態からICカードを実装側へ倒したときの当該ICカードと本発明のICカード用ソケットコネクタの実施形態の平面図である。
【図11】図10のXI−XI線における断面図である。
【図12】図10の状態からICカードをさらに実装側へ倒して接点で受け止め、コネクタ本体の載置領域に載置したときの当該ICカードと本発明のICカード用ソケットコネクタの実施形態の平面図である。
【図13】図12のXIII−XIII線における断面図である。
【図14】図12の状態からスライドカバーを第2位置へ移動したときの上記ICカードと本発明のICカード用ソケットコネクタの実施形態の平面図である。
【図15】図14のXV−XV線における断面図である。
【図16】図12のXVI−XVI線における拡大断面図である。
【図17】図14のXVII−XVII線における拡大断面図である。
【符号の説明】
【0039】
100 ICカード用ソケットコネクタ
110 コネクタ本体
111 反実装側の面
112 実装側の面
113 載置領域
120 コンタクト
122 接点
130 第1ストッパ
131 反実装側の端部
140 第2ストッパ
141 反実装側の端部
150 第3ストッパ
151 反実装側の端部
160 スライドカバー
161 接触部
162 端部
163 凸部
170 補強タブ
180 レール
182 傾斜部
184 実装側の面
186 凹部
187 凹部
200 ICカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほぼ板状に形成され、その厚さ方向の一方側を実装側、他方を反実装側とすると、反実装側の面に、導電部を有するICカードの当該導電部を有する側の面に対応した載置領域が設定されたコネクタ本体と、
上記ICカードが上記コネクタ本体の上記載置領域に置かれたときに上記ICカードの上記導電部にほぼ対応する部位に位置する接点を有すると共に、弾性変形により上記接点が上記厚さ方向に変位できるように上記コネクタ本体に設けられたコンタクトと、
上記厚さ方向と直交すると共に上記コネクタ本体の上記反実装側の面に沿って互いに直交する二方向を奥行き方向及び幅方向としたときに、上記コネクタ本体における上記載置領域の奥行き方向奥側から反実装側へ立ち上がり、反実装側の端部の、上記コネクタ本体の実装側の面からの上記厚さ方向の寸法が、上記コネクタ本体の実装側の面から上記コンタクトの接点までの上記厚さ方向の寸法に上記ICカードの厚さを加えた載置厚さにほぼ等しい第1ストッパと、
上記コネクタ本体における上記載置領域の奥行き方向手前側から反実装側へ立ち上がり、反実装側の端部の、上記コネクタ本体の実装側の面からの上記厚さ方向の寸法が、上記載置厚さにほぼ等しい第2ストッパと、
上記コネクタ本体における上記載置領域の幅方向両側から反実装側へそれぞれ立ち上がり、反実装側の端部の、上記コネクタ本体の実装側の面からの上記厚さ方向の寸法が、上記載置厚さにほぼ等しい二つの第3ストッパと、
上記載置領域よりも奥行き方向の寸法が短く設けられて上記コネクタ本体の反実装側に配置され、上記載置領域の奥行き方向奥側の端部付近の第1位置と、上記載置領域における上記第1位置よりも奥行き方向の手前側にある第2位置との間でスライド自在に設けられると共に、上記載置領域に対向していて上記ICカードに接触することになる接触部を有し、この接触部の、上記コネクタ本体の実装側の面からの上記厚さ方向の寸法が、上記第1位置では上記載置厚さにほぼ等しく、上記第1位置と第2位置との間の少なくとも一部では第2位置に向かってスライドするにつれて短くなるように構成されたスライドカバーとを備えたICカード用ソケットコネクタ。
【請求項2】
上記コネクタ本体における上記載置領域の奥行き方向奥側に、上記第1位置にある上記スライドカバーと奥行き方向に対向する補強タブが設けられている請求項1のICカード用ソケットコネクタ。
【請求項3】
上記二つの第3ストッパの幅方向外側には、厚さ方向の寸法がほぼ一定で且つ奥行き方向に延びるレールがそれぞれ設けられており、
上記スライドカバーの幅方向の中間部が上記レールの反実装側に配置され、上記スライドカバーの幅方向の両端部が奥行き方向にみて開放部同士が幅方向に対向するようにほぼ横倒しされたU字型にそれぞれ形成されて上記二つのレールに幅方向の外側からそれぞれスライド自在に嵌っており、
上記レールは、上記第1位置にある上記スライドカバーに対応する部位と上記第2位置にある上記スライドカバーに対応する部位との間に、奥行き方向手前に向かって実装側へ傾斜する傾斜部を備えている請求項1又は請求項2のICカード用ソケットコネクタ。
【請求項4】
上記コネクタ本体及び上記スライドカバーにおける対向する面のうち一方の面に凹部が設けられ、他方の面に上記凹部に対応する形状の凸部が設けられ、
上記スライドカバーが上記第1位置又は第2位置に位置づけられたときに上記凸部が上記凹部に嵌って上記スライドカバーを仮止めするように構成した請求項1ないし請求項3のうちいずれか1項のICカード用ソケットコネクタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2010−140144(P2010−140144A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−314252(P2008−314252)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【出願人】(390033318)日本圧着端子製造株式会社 (457)
【Fターム(参考)】