説明

ICチップと外部配線との接続構造およびICチップ

【課題】接着材に含有される導電粒子数を増加することなく、チップ電極と電極端子との安定した導通を確保するとともに、各チップ電極の間の絶縁性を向上する。
【解決手段】駆動用ICチップ10のチップ基板11の一面のうち、平面形状における各チップ電極12の間隙部17よりも、導電粒子13bの流動方向における上流側に、導電粒子13bを各チップ電極12における各電極端子6、7と対向する面に案内するガイド19を設け、ガイド19を、ガイド19における前記流動方向の下流側の下流縁19aが各チップ電極12における流動方向の上流側の上流縁12aから離間して配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICチップのチップ電極と表示パネルやフレキシブル配線基板等の外部配線の電極端子とを、導電粒子が含有された接着材を介して接続するのに好適なICチップと外部配線との接続構造、および前記導電粒子を介してチップ電極を外部配線の電極端子と接続するのに好適なICチップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば表示パネルを駆動するための駆動用ICチップは、樹脂材料に複数の導電粒子が含有された異方性導電膜等の接着材を介して、表示パネル上に直接実装されることにより、またはフレキシブル配線基板等に実装されることにより間接的に、表示パネルに接続されている。そして、この駆動用ICチップのチップ電極と表示パネルやフレキシブル配線基板等の外部配線の電極端子とは、接着材に含有された各導電粒子を介して接触することにより、導通されている。
【0003】
図4は、従来の駆動用ICチップと表示パネルとの接続構造の一例を示す模式的断面図である。
【0004】
図4に示すように、表示パネル21が備える一対のうち基板22A、22Bの一方の基板22Aは、他方の基板22Bと比較して平面形状において大きく形成された端子部25を有している。端子部25には、両基板22A、22Bの相互に対向する内面に設けられたパネル電極23が延設されて第1パネル電極端子26とされており、端子部25の一端縁には、第1パネル電極端子26から独立して第2パネル電極端子27が形成されている。
【0005】
また、駆動用ICチップ30のチップ基板31には、各第1パネル電極端子26および各第2パネル電極端子27に対応する複数のチップ電極32が設けられている。
【0006】
そして、この駆動用ICチップ30を表示パネル21に実装するには、まず、端子部25における駆動用ICチップ30の実装領域およびその周辺に異方性導電膜33を貼り付けた後、仮圧着を行う。続いて、各チップ電極32と各電極端子26、27とが対向するように、駆動用ICチップ30を端子部25における実装領域上に載置した後、圧着ヘッド35により上方から加圧することにより、各導電粒子33bを介して各チップ電極32を各電極端子26、27に接触させて導通させる。これにより、駆動用ICチップ30と表示パネル21とを接続して、表示パネル21に駆動用ICチップ30を実装するようになっている。
【0007】
ここで、各チップ電極32と各電極端子26、27との安定した導通を確保するためには、所定量の導電粒子33bを各チップ電極32と各電極端子26、27との間に介在させる必要がある。このため、従来より、異方性導電膜33に多量の導電粒子33bを含有することが行われている。
【0008】
【特許文献1】特開2006−156785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、前述のような従来の駆動用ICチップ30と表示パネル21との接続においては、異方性導電膜33を介して端子部25に載置した駆動用ICチップ30を圧着ヘッド35により加圧する工程において、図5に示すように、異方性導電膜33に含有された導電粒子33bが、樹脂材料33aの流動とともに駆動用ICチップ30の中央部分から外縁側に流動することとなり、所望の位置に導電粒子33bを配置することができなかった。このため、異方性導電膜33に多量の導電粒子33bが含有されている場合に、多量の導電粒子33bが、チップ電極32と電極端子26、27との間ではなく、例えば各チップ電極32の間隙部37に配置されてしまうと、各チップ電極32の間の絶縁性を低下させてしまうおそれがあるという問題を有していた。
【0010】
また、チップ電極32と電極端子26、27との安定した導通を確保するために、異方性導電膜33に多量の導電粒子33bを含有する場合、導電粒子33b数の増加によって、異方性導電膜33の価格が上昇し、ひいては、この異方性導電膜33を用いて駆動用ICチップ30が接続された表示パネル21のコストも上昇してしまうという問題を有していた。
【0011】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、接着材に含有される導電粒子数を増加することなく、チップ電極と電極端子との安定した導通を確保するとともに、各チップ電極の間の絶縁性を向上することが可能なICチップと外部配線との接続構造およびICチップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係るICチップと外部配線との接続構造の特徴は、駆動用のICチップに形成された複数のチップ電極と、前記各チップ電極に対応して形成された外部配線の各電極端子とが、導電粒子が含有された接着材を介して接続されるICチップと外部配線との接続構造において、前記ICチップと前記外部配線との間のうち、平面形状における前記各チップ電極の間隙部よりも、前記各チップ電極と前記各電極端子との接続の際に流動する前記導電粒子の流動方向における上流側に、前記導電粒子を前記各チップ電極における前記各電極端子と対向する面に案内するガイドが設けられ、前記ガイドは、前記ガイドにおける前記流動方向の下流側の下流縁が前記各チップ電極における前記流動方向の上流側の上流縁から離間して配置されている点にある。
【0013】
ここで、本実施形態において外部配線には、表示パネルやフレキシブル配線基板等、ICチップに電気的に接続される種々の配線を含むものとする。
【0014】
この請求項1に係る発明によれば、流動する各導電粒子を、ガイドによって各チップ電極における各電極端子に対向する面に案内することができるので、各導電粒子を各チップ電極と各電極端子との間に効率的に配置することができる。また、各ガイドの下流縁を各チップ電極の上流縁から離間して上流側に配置することにより、各ガイドと各チップ電極との間に各導電粒子が滞留して数珠つながりになってしまうのを防止することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明に係るICチップと外部配線との接続構造の特徴は、前記ガイドが、平面形状において三角形状に形成されており、2辺が隣位する前記各チップ電極に前記各導電粒子をそれぞれ案内する案内辺とされている点にある。
【0016】
この請求項2に係る発明によれば、各ガイドの案内辺によって、流動する各導電粒子を各チップ電極における各電極端子に対向する面に案内することにができ、これにより、各チップ電極と各電極端子の間に多量の各導電粒子を効率的に配置することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明に係るICチップと外部配線との接続構造の特徴は、前記ガイドが、絶縁材料によって構成されている点にある。
【0018】
この請求項3に係る発明によれば、ガイドを絶縁材料によって構成することにより、各チップ電極の間、各電極端子の間の絶縁性を確保することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明に係るICチップと外部配線との接続構造の特徴は、前記ガイドが、前記ICチップが備えるチップ基板における前記各チップ電極が設けられた一面に形成されている点にある。
【0020】
この請求項4に係る発明によれば、ICチップに配設された各ガイドにより、各チップ電極における各電極端子に対向する面に案内することができ、各導電粒子を各チップ電極と各電極端子との間に効率的に配置することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明に係るICチップと外部配線との接続構造の特徴は、前記ガイドの高さ寸法が、前記各チップ電極における最長の高さ寸法から前記導電粒子の直径寸法を減算した寸法未満の寸法によって形成されている点にある。
【0022】
この請求項5に係る発明によれば、ガイドの高さ寸法を、各チップ電極における最長の高さ寸法から導電粒子の直径寸法を減算した寸法未満の寸法によって形成することにより、各導電粒子が各チップ電極における各電極端子に対向する面に流動する前に、各ガイドによって導電粒子を挟み込んでしまうのを防止することができる。これにより、多量の各導電粒子をより効率的に各チップ電極と各電極端子との間に配置することができる。
【0023】
請求項6に記載の発明に係るICチップと外部配線との接続構造の特徴は、前記各チップ電極のうち前記流動方向における下流側部分の高さ寸法が、上流側部分の高さ寸法より高く形成されている点にある。
【0024】
この請求項6に係る発明によれば、各チップ電極のうち流動方向における下流側部分の高さ寸法を、上流側部分の高さ寸法より高く形成することにより、流動する導電粒子を各チップ電極における下流側部分において堰き止めることができ、これにより、各チップ電極と各電極端子の間に多量の各導電粒子を一層効率的に配置することができる。
【0025】
請求項7に記載の発明に係るICチップの特徴は、平面形状における矩形の一辺の端縁側に複数のチップ電極が整列配置されているICチップであって、前記チップ電極を配置した面の中央側に三角形状のガイドを配設し、前記ガイドの2辺が隣位する前記チップ電極のそれぞれに向かうように案内される案内辺とされている点にある。
【0026】
この請求項7に係る発明によれば、流動する各導電粒子を、ガイドによって各チップ電極における各電極端子に対向する面に案内することができるので、各導電粒子を各チップ電極と各電極端子との間に効率的に配置することができる。
【発明の効果】
【0027】
以上述べたように、本発明に係るICチップと外部配線との接続構造、およびICチップによれば、各導電粒子を各チップ電極と各電極端子との間に効率的に配置することができるので、接着材に含有される導電粒子数を増加することなく、各チップ電極と各電極端子との安定した導通を確保することができる。これとともに、各ガイドと各チップ電極との間に各導電粒子が滞留して数珠つながりになってしまうのを防止することにより、各チップ電極の間の絶縁性を向上することが可能となる。
【0028】
さらに、導電粒子数を増加することなく各チップ電極と各電極端子との安定した導通を確保することができるので、接着材のコストの上昇、ひいてはICチップが実装された外部配線の製造コストの上昇を抑えることができる。さらに、多量の導電粒子を効率よく各チップ電極と各電極端子の間に配置することができるので、各チップ電極の小型化、ひいてはICチップの小型化を図ることができ、ICチップの製造コストの低廉化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態に係るICチップと外部配線との接続構造の一実施形態を図1から図3を参照して説明する。ここで、本実施形態においては、外部配線として表示パネルを用い、ICチップとして表示パネルを駆動するための駆動用ICチップを用いて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0030】
図1は、本実施形態に係る駆動用ICチップと表示パネルとの接続構造を示す模式断面図であり、図1に示すように、表示パネル1が備えた一対の透明基板2A、2Bの相互に対向する内面には、それぞれ複数のパネル電極3が配設されている。両透明基板2A、2Bのうち一方の透明基板2Aは、他方の透明基板2Bと比較して平面形状が大きく形成された端子部5を備えており、各パネル電極3は、端子部5に延設されてそれぞれ第1パネル電極端子6とされている。また、端子部5における一端縁には、各第1パネル電極端子6から独立した複数の第2パネル電極端子7が配設されている。
【0031】
一方、平面形状が矩形の駆動用ICチップ10におけるチップ基板11の一面には、図示しない回路配線が形成されており、チップ基板11の一面の外周部分における両側辺には、各第1パネル電極端子6および各第2パネル電極端子7にそれぞれ対応する複数のチップ電極12が整列して配設されている。
【0032】
そして、駆動用ICチップ10は、樹脂材料13aに複数の導電粒子13bが含有された接着材としての異方性導電膜13を介して表示パネル1に直接実装されており、各チップ電極12は、各導電粒子13bを介して各第1パネル電極端子6および各第2パネル電極端子7に接触して導通されている。ここで、この駆動用ICチップ10と表示パネル1とは、異方性導電膜13を介して端子部5に載置した駆動用ICチップ10を圧着ヘッド15により加圧することにより接続されるが、この駆動用ICチップ10を圧着ヘッド15によって加圧する工程において、異方性導電膜13に含有された導電粒子13bが、樹脂材料13aの流動とともに流動することとなる。本実施形態においては、各導電粒子13bは、駆動用ICチップ10の中央部分から外縁側に流動する。
【0033】
さらに、各チップ電極12は、図2(a)〜(c)に示すように、前記導電粒子13bの流動方向における下流側部分の高さ寸法が、上流側部分の高さ寸法より高く形成されており、これにより、流動する導電粒子13bを各チップ電極12における下流側部分において堰き止めることができるようになっている。
【0034】
また、図3に示すように、チップ電極12が整列配置されている面の中央側には、三角形状の複数のガイド19がチップ電極12の配列と重ならないように整列配置されており、各ガイド19は、隣位するチップ電極12の間に位置し、三角形の2辺はそれぞれチップ電極12に向かうように案内された案内辺19bを有している。すなわち、チップ基板11の一面のうち、平面形状における各チップ電極12の間隙部17よりも、各導電粒子13bの流動方向における上流側には、流動する各導電粒子13bを各チップ電極12における各電極端子6、7に対向する面に案内するガイド19が設けられている。そして、各ガイド19は、ガイド19における流動方向の下流側の下流縁19aが、各チップ電極12における流動方向の上流側の上流縁12aから離間して上流側に配置されており、これにより、各導電粒子13bが各ガイド19と各チップ電極12との境界部分に滞留して数珠つながりになってしまうことによる短絡の発生を防止することができるようになっている。
【0035】
各ガイド19は、駆動用ICチップ10の回路配線上における各チップ電極12の形成領域を除く部分を被覆するように設けられたポリイミド等からなる図示しない被覆膜上に、絶縁材料をパターニングして形成されており、各チップ電極12の構成材料よりも軟質の材料によって構成されている。例えば、ポリイミド樹脂によって形成されている。
【0036】
また、各ガイド19は、平面形状において三角形状に形成されており、3辺のうち2辺が、隣位する各チップ電極12に各導電粒子13bをそれぞれ案内する直線状の案内辺19bとされており、この案内辺19bによって駆動用ICチップ10の中央部分から外縁側に流動する各導電粒子13bを各チップ電極12における各電極端子6、7に対向する面に案内するようになっている。
【0037】
さらに、各ガイド19は、各チップ電極12における最長の高さ寸法から導電粒子13bの直径寸法を減算した寸法未満の高さ寸法に形成されている。本実施形態においては、各チップ電極12は、前記流動方向における下流側部分の高さ寸法が上流側部分の高さ寸法よりも高く形成されているが、このような場合、各ガイド19の高さ寸法は、各チップ電極12における下流側部分の高さ寸法から導電粒子13bの直径寸法を減算した寸法未満の寸法に形成されていればよく、各チップ電極12における上流側部分の高さ寸法より長く形成されていてもよい。これにより、各導電粒子13bが各チップ電極12における各電極端子6、7に対向する面に流動する前に各ガイド19によって挟み込んでしまうのを防止することができるようになっている。
【0038】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0039】
本実施形態において、駆動用ICチップ10を表示パネル1に実装するには、まず、端子部5における駆動用ICチップ10の実装領域およびその周辺に異方性導電膜13を貼り付けた後、加熱および加圧により仮圧着を行う。続いて、各チップ電極12と各電極端子6、7とが対向するように、駆動用ICチップ10を端子部5における実装領域上に載置した後、圧着ヘッド15によって上方から加圧する。
【0040】
このとき、異方性導電膜13に含有された各導電粒子13bは、図2(a)および図3に示すように、樹脂材料13aの流動とともに駆動用ICチップ10の中央部分から外縁側に流動し、各ガイド19の案内辺19bに案内されながら、各チップ電極12における各電極端子6、7に対向する面に流動することとなる。さらに、各チップ電極12における各電極端子6、7に対向する面に流動した各導電粒子13bは、図2(b)に示すように、駆動用ICチップ10の加圧により各チップ電極12が各電極端子6、7に近接すると、各チップ電極12における下流側部分によって堰き止められて、各チップ電極12と各電極端子6、7との間に貯留されることとなる。そして、図2(c)に示すように、さらに駆動用ICチップ10が加圧されると、各チップ電極12による押圧によって各導電粒子13bが潰れて変形し、各チップ電極12と各電極端子6、7との間に埋まり込む。これにより、各チップ電極12は、埋まり込んだ各導電粒子13bを介して各電極端子6、7と接触し導通する。さらに、各チップ電極12の上流側部分に流動して集まった各導電粒子13bも、樹脂材料13aの流動によりに各チップ電極12と各電極端子6、7との間に押し込まれて、各チップ電極12と各電極端子6、7との導通に寄与することとなる。
【0041】
このようにして駆動用ICチップ10と表示パネル1とを接続することにより、表示パネル1に駆動用ICチップ10に実装する。
【0042】
このように、本実施形態によれば、駆動用ICチップ10の中央部分から外縁側に流動する各導電粒子13bを、ガイド19によって各チップ電極12における各電極端子6、7に対向する面に案内することができるので、各チップ電極12と各電極端子6、7との間に各導電粒子13bを効率的に配置することができる。また、各ガイド19の下流縁19aを各チップ電極12の上流縁12aから離間して上流側に配置することにより、各ガイド19と各チップ電極12との間に各導電粒子13bが滞留して数珠つながりになってしまうのを防止することができる。
【0043】
したがって、異方性導電膜13に含有される導電粒子13b数を増加することなく、各チップ電極12と各電極端子6、7との安定した導通を確保することができるとともに、各チップ電極12の間の絶縁性を向上することが可能となる。
【0044】
また、導電粒子13b数を増加することなく各チップ電極12と各電極端子6、7との安定した導通を確保することができるので、異方性導電膜13のコストの上昇、ひいてはこの異方性導電膜13を用いて駆動用ICチップ10が実装された表示パネル1の製造コストの上昇を抑えることができる。さらに、多量の導電粒子13bを効率よく各チップ電極12と各電極端子6、7の間に配置することができるので、各チップ電極12を小型化することが可能となり、ひいては駆動用ICチップ10の小型化を図ることができ、駆動用ICチップ10の製造コストの低廉化を図ることができる。
【0045】
また、各ガイド19の案内辺19bによって、流動する各導電粒子13bを各チップ電極12における各電極端子6、7に対向する面に案内することにより、各チップ電極12と各電極端子6、7の間に多量の各導電粒子13bを効率的に配置することができる。
【0046】
さらに、ガイド19を絶縁材料によって構成することにより、各チップ電極12の間、各電極端子6、7の間の絶縁性を確保することができる。
【0047】
さらにまた、ガイド19の高さ寸法を、各チップ電極12における最長の高さ寸法から導電粒子13bの直径寸法を減算した寸法未満の寸法によって形成することにより、各導電粒子13bが各チップ電極12における各電極端子6、7に対向する面に流動する前に、各ガイド19によって導電粒子13bを挟み込んでしまうのを防止することができる。これにより、多量の各導電粒子13bをより効率的に各チップ電極12と各電極端子6、7との間に配置することができる。
【0048】
また、各チップ電極12のうち流動方向における下流側部分の高さ寸法を、上流側部分の高さ寸法より高く形成することにより、流動する導電粒子13bを各チップ電極12における下流側部分において堰き止めることができ、これにより、各チップ電極12と各電極端子6、7の間に多量の各導電粒子13bを一層効率的に配置することができる。
【0049】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
【0050】
例えば、本実施形態においては、各ガイド19が駆動用ICチップ10のチップ基板11に配設されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示パネル1の端子部5における駆動用ICチップ10に対向する面に配設してもよい。また、各ガイド19の形状、構成材料等も本実施形態に限定されるものではなく、各チップ電極12の間および各電極端子6、7の間の絶縁性を確保することができるとともに、流動する導電粒子13bを各チップ電極12における各電極端子6、7に対向する面に案内することができるものであればよい。
【0051】
また、各チップ電極12の形状も本実施形態に限定されるものではなく、本発明は、種々の形状の各チップ電極12を備えた駆動用ICチップ10と表示パネル1との接続構造に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係るICチップと外部配線との接続構造の一実施形態を示す模式的側面断面図
【図2】(a)〜(c)は、図1に示すICチップおよび外部配線の各接続工程を示す模式的側面断面図
【図3】図1におけるICチップのチップ電極およびガイドを示す模式的平面断面図
【図4】従来のICチップと外部配線との接続構造の一例を示す模式的側面断面図
【図5】図4におけるICチップのチップ電極およびガイドを示す模式的平面断面図
【符号の説明】
【0053】
1 表示パネル
2A、2B 透明基板
3 パネル電極
5 端子部
6 第1パネル電極端子
7 第2パネル電極端子
10 駆動用ICチップ
11 チップ基板
12 チップ電極
12a 上流縁
13 異方性導電膜
13a 樹脂材料
13b 導電粒子
15 圧着ヘッド
17 間隙部
19 ガイド
19a 下流縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動用のICチップに形成された複数のチップ電極と、前記各チップ電極に対応して形成された外部配線の各電極端子とが、導電粒子が含有された接着材を介して接続されるICチップと外部配線との接続構造において、
前記ICチップと前記外部配線との間のうち、平面形状における前記各チップ電極の間隙部よりも、前記各チップ電極と前記各電極端子との接続の際に流動する前記導電粒子の流動方向における上流側に、前記導電粒子を前記各チップ電極における前記各電極端子と対向する面に案内するガイドが設けられ、
前記ガイドは、前記ガイドにおける前記流動方向の下流側の下流縁が前記各チップ電極における前記流動方向の上流側の上流縁から離間して配置されていることを特徴とするICチップと外部配線との接続構造。
【請求項2】
前記ガイドが、平面形状において三角形状に形成されており、2辺が隣位する前記各チップ電極に前記各導電粒子をそれぞれ案内する案内辺とされている請求項1に記載のICチップと外部配線との接続構造。
【請求項3】
前記ガイドが、絶縁材料によって構成されている請求項1または2に記載のICチップと外部配線との接続構造。
【請求項4】
前記ガイドが、前記ICチップが備えるチップ基板における前記各チップ電極が設けられた一面に形成されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載のICチップと外部配線との接続構造。
【請求項5】
前記ガイドの高さ寸法が、前記各チップ電極における最長の高さ寸法から前記導電粒子の直径寸法を減算した寸法未満の寸法によって形成されている請求項4に記載のICチップと外部配線との接続構造。
【請求項6】
前記各チップ電極のうち前記流動方向における下流側部分の高さ寸法が、上流側部分の高さ寸法より高く形成されている請求項4または5に記載のICチップと外部配線との接続構造。
【請求項7】
平面形状における矩形の一辺の端縁側に複数のチップ電極が整列配置されているICチップであって、
前記チップ電極を配置した面の中央側に三角形状のガイドを配設し、前記ガイドの2辺が隣位する前記チップ電極のそれぞれに向かうように案内される案内辺とされていることを特徴とするICチップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−295857(P2009−295857A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−149203(P2008−149203)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(000103747)オプトレックス株式会社 (843)
【Fターム(参考)】