説明

III族窒化物半導体自立基板の製造方法およびIII族窒化物半導体自立基板

【課題】サファイア基板をスムーズに除去することができるIII族窒化物半導体自立基板の製造方法、III族窒化物半導体自立基板を提供すること。
【解決手段】サファイア基板10上に、AlGa1−aN(0≦a<1)により構成され組成aが略一定である第一層11と、第一層11上に形成される第二層12と、第二層12上に形成され、組成bが略一定のAlGa1−bN(0<b≦1)により構成される第三層13とを積層させる工程と、第一〜第三層11〜13およびサファイア基板10を冷却する工程と、サファイア基板10を除去し、第三層13を有するIII族窒化物半導体自立基板1を得る工程とを実施する。第一層11、第二層12、第三層13を積層する前記工程では、AlGa1−xN(0≦x≦1)層により構成され、組成xが層厚方向に沿って変化する組成分布を有し、厚みが3μm以上、100μm以下の第二層12を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、III族窒化物半導体自立基板の製造方法およびIII族窒化物半導体自立基板に関する。
【背景技術】
【0002】
III族窒化物半導体基板は青色LED、短波長LD、紫外光LED、および紫外光LEDと蛍光体との組み合わせによる白色LED等に使用されており、その市場は拡大傾向にある。
従来、III族窒化物半導体基板としては、GaN基板を使用していた。しかしながら、波長365nm(GaNのバンドギャップエネルギー3.4eVに相当)以下の光を発光する短波長発光デバイスでは、GaN基板による光吸収によって、光出力の著しい低下が生じる。そこで、三元混晶であるAlGa1-zN、すなわち(AlN)(GaN)1-z基板の使用が求められている。
AlGa1-zN基板では、バンドギャップがAlNの組成zによって3.4〜6.2eVとなり、光波長としては200〜365nmに相当するバンドギャップのものが得られる。たとえば、発光波長が250nm以下の紫外発光素子用の基板としては、AlNの組成zが0.6以上である高AlN組成の基板を使用すればよい。基板としてAlN、AlGaNを使うことができれば高効率のAlN系深紫外LDを実現でき、卓上レーザ加工機や医療用途等の新分野での応用が期待できる。
そこで、特許文献1に記載された技術が提案されている。
特許文献1では、図5に示すように、サファイア基板10上に低温成長GaNバッファ層Bを形成し、さらに、Al0.07Ga0.93N層(第一の単結晶層101)を成長させる。その後、Al0.05Ga0.95N層(第二の単結晶層102)を成長させる。
このようなAlGaN基板100では、クラックを発生させることなく、第二の単結晶層102を成長させることができるとされている。
【0003】
【特許文献1】特開2001‐308464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の従来技術は、以下の点で改善の余地を有している。
特許文献1に記載されたようなAlGaN基板100において、サファイア基板10と、サファイア基板10上に設けられたIII族窒化物半導体層(低温成長GaNバッファ層B、第一の単結晶層101、第二の単結晶層102)とを分離し、III族窒化物半導体自立基板として使用することがある。例えば、III族窒化物半導体基板をレーザ等に使用する場合には、積層方向と直交する方向に劈開するが、サファイア基板は劈開しにくいため、サファイア基板からIII族窒化物半導体層を分離する必要がある。
しかしながら、特許文献1に記載されたようなAlGaN基板100において、機械的な研磨や薬品等による溶解でのサファイア基板の剥離は困難であり、特許文献1記載の従来技術では、III族窒化物半導体層からサファイア基板をスムーズに除去することが困難である。
【0005】
本発明の目的は、サファイア基板をスムーズに除去することができるIII族窒化物半導体自立基板の製造方法、さらには、この製造方法により製造されたIII族窒化物半導体自立基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、サファイア基板上に、AlGa1−aN(0≦a<1)により構成され、組成aが略一定である第一層と、この第一層上に形成される第二層と、前記第二層上に形成され、組成bが略一定のAlGa1−bN(0<b≦1)により構成される第三層とを積層させる工程と、前記第一層、第二層、第三層およびサファイア基板を冷却する工程と、前記サファイア基板を除去し、少なくとも前記第三層を有するIII族窒化物半導体自立基板を得る工程とを含み、第一層、第二層、第三層を積層させる前記工程では、AlGa1−xN(0≦x≦1)により構成され、組成xが層厚方向に沿って、変化する組成分布を有し、厚みが3μm以上、100μm以下の前記第二層を形成するIII族窒化物半導体自立基板の製造方法が提供される。
【0007】
ここで、第一層の組成aが略一定であるとは、組成aに対し±0.05程度の変動を含んでいてもよく、±0.05範囲内の変動があっても一定であるとみなされる。同様に、第三層において組成bが略一定であるとは、組成bに対し±0.05程度の変動を含んでいてもよい。
さらに、本発明において、サファイア基板を除去する工程では、サファイア基板に外力を加えて、サファイア基板を除去してもよく、また、外力を加えずに、第一層〜第三層とサファイア基板とが自然に分離され、サファイア基板が除去されてもよい。
また、サファイア基板は、必ずしもサファイア基板単体で除去される必要はなく、例えば、サファイア基板に第一層の一部、さらには、第二層の一部が付着した状態で除去されてもよい。少なくとも第三層と、サファイア基板とが分離できればよい。
【0008】
サファイア基板上に、AlGa1−aN(0≦a<1)により構成され、組成aが略一定である第一層と、AlGa1−xN(0≦x≦1)層により構成され、組成xが層厚方向に沿って、第三層側に向かって増加する組成分布を有し、厚みが3μm以上、100μm以下の第二層と、組成bが略一定のAlGa1−bN(0<b≦1)により構成される第三層とを形成した後、冷却することで、サファイア基板にくもの巣状のクラックが入る。
このように本発明の製造方法によれば、サファイア基板にクラックが入るため、大きな外力を加えなくても、サファイア基板をスムーズに除去することができ、III族窒化物半導体自立基板を容易に得ることができる。
【0009】
また、本発明では、第二層内では、Al組成が変化しているので、第二層内でミスフィット転位が生じる。第一層〜第三層の格子定数の違いにより、第二層にストレスが加わると、第二層で発生しているミスフィット転位に起因してアレイ状のクラックが発生する。この第二層で発生するアレイ状のクラックにより、第三層に加わる応力が低減されることとなり、第三層でのクラックの発生を低減させることができる。
また、第二層の厚みを3μm以上とすることで、第一層から第三層表面への貫通転位の伝播を減少させることができ、第三層表面でのクラックの発生を抑制することもできる。
また、本発明では、第二層の厚みを100μm以下としているので、必要以上に第二層を厚く形成せず、製造コストの低減を図ることができる。
【0010】
この際、第一層、第二層、第三層を積層させる前記工程では、a<x<bなる関係を有する前記第一層、前記第二層、前記第三層を積層するとともに、前記第三層に接する表面の組成xが前記第一層に接する表面の組成xよりも高くなった組成分布を有する前記第二層を形成することが好ましい。
この構成によれば、第一層および第三層間の第二層により、第一層と第三層との間の熱膨張係数の差も緩和することができる。これにより、第三層に加わる応力を緩和することができ、第三層でのクラックの発生を抑制することができる。
これに加えて、第二層により第三層と第一層との間の格子定数の差も緩和することができる。これにより、格子定数の差に基づく歪が第三層で発生しにくくなるため、第三層でのクラックの発生を抑制することができる。
【0011】
さらに、本発明によれば、第一層、第二層、第三層を積層させる前記工程では、AlGa1−xN(0<x<1)により構成され、組成xが層厚方向に沿って、前記第三層側に向かって連続的に増加する組成分布を有する前記第二層を形成することが好ましい。
【0012】
また、第一層、第二層、第三層を積層させる前記工程では、組成xが2段階以上にわたって階段状に増加する組成分布を有する前記第二層を形成してもよい。
組成xが2段階以上にわたって階段状に増加する組成分布を有する第二層では、組成xが急激に変化する組成不連続界面が形成されることとなる。この組成不連続界面にてミスフィット転位を集中して発生させることができ、これにより、第二層に多数のアレイ状のクラックを確実に生じさせることができ、第三層に加わる応力を確実に低減することができる。そのため、第三層でのクラックの発生を確実に低減させることができる。
【0013】
この際、第一層、第二層、第三層を積層させる前記工程では、ハイドライド気相成長法を使用し、Alソースボートに供給するHClガスの供給量を増加させることにより、前記第二層を形成することが好ましい。
このようにHClガスの供給量を増加させ、発生する塩化アルミニウム(AlCl)の量を増加させることで、組成xが増加する組成分布を有する第二層を容易に製造することができる。
【0014】
さらに、前記サファイア基板を除去した後、少なくとも前記第三層を有するIII族窒化物半導体自立基板の表面および裏面を研磨してもよい。
第三層表面には結晶成長に伴うモホロジーが存在する。また、III族窒化物半導体自立基板裏面は、サファイア基板との分離面が存在する。そこで、III族窒化物半導体自立基板の表裏面を研磨することで、欠陥の少ないIII族窒化物半導体自立基板を提供することができる。
ここで、III族窒化物半導体自立基板の表裏面を研磨して、第一層、第二層を研磨により除去し、第三層のみをIII族窒化物半導体自立基板として使用してもよい。
【0015】
さらに、第一層、第二層、第三層を積層させる前記工程では、組成bが0.6以上である前記第三層を形成してもよい。
このようにアルミ組成比の高い第三層を形成することで、第三層上にAl組成の高いAlGaN層(例えば半導体レーザのクラッド層)を形成し、半導体レーザ素子を製造した場合であっても、半導体レーザ素子に歪が生じにくくなる。
【0016】
さらに、第一層、第二層、第三層を積層させる前記工程では、100μm以上の前記第三層を形成することが好ましい。
第三層の厚みを100μm以上とすれば、第二層のミスフィット転位に起因するクラックや、第二層からの貫通転位が第三層表面にまで達することを防止できる。
【0017】
また、第一層、第二層、第三層を積層させる前記工程の前段で、前記サファイア基板を、第一層、第二層、第三層を積層させる前記工程での前記サファイア基板の温度よりも低い温度とし、前記サファイア基板上に低温成長GaNバッファ層を形成してもよい。
低温成長GaNバッファ層を形成することで、サファイア基板のみを容易に分離することが可能となる。
【0018】
本発明によれば、上述したいずれかの製造方法により製造されたIII族窒化物半導体自立基板を提供することもできる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、サファイア基板をスムーズに除去することができるIII族窒化物半導体自立基板の製造方法、さらには、この製造方法により製造されたIII族窒化物半導体自立基板が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施形態のIII族窒化物半導体自立基板の製造工程が示されている。
III族窒化物半導体自立基板1は、概ね以下のようにして製造される。
サファイア基板10上に、
AlGa1−aN(0≦a<1)により構成され、組成aが略一定である第一層11と、
この第一層11上に形成される第二層12と、
第二層12上に形成され、組成bが略一定のAlGa1−bN(0<b≦1)により構成される第三層13とを積層させる工程と、
第一層11、第二層12、第三層13およびサファイア基板10を冷却する工程と、
サファイア基板10を除去し、少なくとも第三層13を有するIII族窒化物半導体自立基板1を得る工程とを実施する。
第一層11、第二層12、第三層13を積層する前記工程では、AlGa1−xN(0≦x≦1)層により構成され、組成xが層厚方向に沿って、変化する組成分布を有し、厚みが3μm以上、100μm以下の第二層12を形成する。
【0021】
以下に、III族窒化物半導体自立基板1の製造工程について詳細に説明する。
第一層11、第二層12、第三層13を積層する工程では、図1(A)に示すように、第一層11〜第三層13をHVPE法により形成する。
まず、はじめに、サファイア基板10上にAlGa1−aN(0≦a<1)により構成され、組成aが略一定である第一層11を形成する。ここで、組成aが略一定であるとは、組成aに対し±0.05程度の変動があってもよい。また、組成の値(a、1−aが異なる値である場合には、値の小さいほう)に対して、10μmあたり±5%の範囲の変動があってもよい。
ここで、サファイア基板10上には、0.01〜10μmの低温成長GaNバッファ層Bが形成されている。この低温成長GaNバッファ層Bは、加熱したサファイア基板10上にNHガスを供給するとともに、GaソースボートにHClガスを供給してGaClガスを発生させ、GaClガスを供給することにより形成される。
なお、低温成長GaNバッファ層Bを形成する際のサファイア基板10の温度は、第一層11〜第三層13を積層する際のサファイア基板10の温度よりも低い。また、低温成長GaNバッファ層Bは、有機金属気相成長(MOCVD)法により積層してもよい。
なお、0.005〜0.5μmの該低温成長GaNバッファ層を形成し、さらに、この低温成長GaNバッファ層上に引き続いて0.1~10μmの高温成長GaN層を積層してもよい。この高温GaN層上に第一層11を積層する。
【0022】
第一層11は、エピタキシャル成長層であり、例えば、GaN層とすることが好ましい。GaN層は初期成長が安定だからである。
この第一層11の厚みは、0.01μm〜100μmである。ただし、第一層11の結晶性を向上させるためには、1μm以上であることが好ましい。また、50μm以下であることが好ましい。
このような第一層11は、加熱されたサファイア基板10上にNHガスを供給するとともに、GaソースボートにHClガスを供給してGaClガスを発生させ、GaClガスを供給することにより形成される。
【0023】
次に、第一層11上に第二層12を形成する。
第二層12は、AlGa1−xN層(0≦x≦1)により構成され、組成xが層厚方向に沿って、変化する組成分布を有する。
本実施形態では、第二層12の組成xは、0<x<1である。
また、第一層11の組成a<組成x<第三層13の組成bであり、第三層13に接する表面の組成xが、第一層11に接する面の組成xよりも高くなる。さらには、組成xは第一層11側から第三層13側に向かって増加している。
さらに、第二層の組成xは、層全体にわたって変化していることが好ましい。
【0024】
ここで、組成xは、図2に示すように、2段階以上にわたって階段状に増加していてもよく、また、図3に示すように連続して増加していてもよい。
例えば、階段状に増加する場合には、図2に示すように、第二層12を5層構成(層121〜125)とすることができる。例えば、各層121〜125の組成xが第一層11側から第三層13側に向かい、0.1ずつ増加するような構成を採用することができる。第一層11側の層121をAl0.2Ga0.8N、層122をAl0.3Ga0.7N、層123をAl0.4Ga0.6N、層124をAl0.5Ga0.5N、層125をAl0.6Ga0.4Nとすることができる。なお、第三層13に接する層125の組成xは、第三層13のAlGa1−bN(0<b≦1)の組成bの30%以上の値であることが好ましい。
また、階段状に組成を増加させる場合には、第二層12を構成する層の数は、2〜30層が好ましく、なかでも、2〜15層が特に好ましい。
【0025】
一方、組成xが図3に示すように連続して増加する場合には、Al原子はAlGaN層中に取り込まれやすいため、図3に示すように、Al組成比を示す曲線が上方に湾曲した形状となりやすい。
【0026】
また、第二層12の厚みは、3μm以上、100μm以下である。なかでも、5μm以上であることが好ましい。また、製造コスト等を考慮すると、50μm以下、特に25μm以下であることが好ましい。
このような第二層12は、第一層11を積層する場合と同じく、GaClを発生させるとともに、AlソースボートにHClガスを供給して、AlClを発生させ、これを第一層11上に供給する。
ここで、組成xは第一層11側から第三層13側に向かって増加させるためには、HClガスの供給量を徐々に上げ、AlClの発生量を徐々に増加させればよい。
なお、第二層12における組成xの変動幅(最も小さい組成xと、最も大きな組成xとの差)は、0.3以上、0.7以下であることが好ましい。
【0027】
次に、第二層12上に第三層13を形成する。第三層13は、組成bが略一定のAlGa1−bN(0<b≦1)により構成されるものである。ここで、第三層13の組成bは、0.6以上であることが好ましい。ここで、組成bが略一定であるとは、組成bに対し、±0.05程度の変動があってもよい。また、組成の値(b、1−bが異なる値である場合には、値の小さいほう)に対して、10μmあたり±5%の範囲の変動があってもよい。
さらに、第三層13の膜厚は、100μm以上である。
このような第三層13は、GaClを発生させるとともに、AlソースボートにHClガスを供給して、AlClを発生させ、これを第二層12上に供給することで形成される。
【0028】
以上のようにして、積層される第一層11〜第三層13の合計の厚みは、300μm以上である。
次に、第一層11〜第三層13とサファイア基板10とを冷却する。
その後、図1(B)に示すように、第一層11〜第三層13と、サファイア基板10とを分離する。サファイア基板10に外力を加えることで、サファイア基板10を剥離してもよく、また、冷却後、放置するだけで、自然にサファイア基板10が剥離されてもよい。
また、サファイア基板10の剥離は、第一層11とサファイア基板10との界面で生じてもよく、また、第一層11、さらには、第二層12の一部がサファイア基板10に付着した状態で剥離されてもよい。
【0029】
その後、分離されたIII族窒化物半導体自立基板1の表裏面を研磨する。III族窒化物半導体自立基板1の第三層13表面には、結晶成長に伴うモホロジーが存在する。またIII族窒化物半導体自立基板1の裏面には、サファイア基板10との剥離面がある。これらを除去するために、III族窒化物半導体自立基板1の表裏面を機械研磨(例えば、ダイアモンド両面研磨)し、両面を少なくとも30μm以上、好ましくは50μm以上除去する。
仕上がり厚さを100〜800μm、さらに好ましくは、150〜600μmにすることで、加工歩留まりがよく、かつ、厚すぎないIII族窒化物半導体自立基板を得ることができる。
なお、さらなる品質向上のために、機械研磨工程の後に、化学機械研磨(CMP)して、表面を0.01〜20μm除去すれば、デバイス構造作製用のエピタキシャル成長用基板として直ちに使用できるIII族窒化物半導体自立基板を提供することができる。
ここで、III族窒化物半導体自立基板1は、第一層11、第二層12、第三層13を備えるものであってもよく、また、第二層12、第三層13のみを有するものであってもよい。
さらには、III族窒化物半導体自立基板1は、図1(C)に示すように、第三層13のみから構成されるものであってもよい。
【0030】
以下、本実施形態のIII族窒化物半導体自立基板1の製造方法の効果について述べる。
本実施例では、サファイア基板10上に、AlGa1−aN(0≦a<1)により構成され、組成aが略一定である第一層11と、AlGa1−xN層(0≦x≦1(本実施形態では、0<x<1))により構成され、組成xが層厚方向に沿って、第三層側に向かって増加する組成分布を有し、厚みが3μm以上、100μm以下の第二層12と、組成bが略一定のAlGa1−bN(0<b≦1)により構成される第三層13とを積層させた後、冷却することで、サファイア基板10にくもの巣上のクラックが入る。
これにより、第一層11〜第三層13が積層されたサファイア基板10を冷却した後、サファイア基板10に大きな外力を加えることなく、サファイア基板10を容易に除去することができる。
【0031】
また、本実施形態では、第二層12内では、Al組成が徐々に変化しているので、第二層12内でミスフィット転位が生じる。第一層11〜第三層13の格子定数の違いにより、第二層12にストレスが加わると、第二層12で発生しているミスフィット転位に起因してアレイ状のクラックが発生する。この第二層12で発生するアレイ状のクラックにより、第三層13に加わる応力が低減されることとなり、第三層13でのクラックの発生を低減させることができる。
さらに、第二層12の厚みを3μm以上とすることで、第一層11から第三層13表面への貫通転位の伝播を減少させることができ、第三層13表面でのクラックの発生をさらに抑制することもできる。
【0032】
また、本実施形態では、第二層12の組成xを第一層11の組成a<組成x<第三層13の組成bとし、第三層13に接する表面の組成xが、第一層11に接する表面の組成xよりも高くなっている。
このような第二層12を設けることで、第一層11と第三層13との間の熱膨張係数の差を緩和することができる。これにより、第一層11上に直接第三層13を設ける場合や、第三層13の組成bよりも大きな組成xを有する第二層を設ける場合に比べ、第三層13に加わる応力をより確実に緩和することができる。
【0033】
さらに、本実施形態では、第二層12により第三層13と第一層11との間の格子定数の差も緩和することができる。これにより、格子定数の差に基づく歪が第三層13で発生しにくくなるため、第三層13でのクラックの発生を抑制することができる。
すなわち、本実施形態では、第二層12中でのアレイ状のクラックおよび第二層12の組成変化による格子定数の差の緩和の双方によって、第三層13に加わる応力を低減し、第三層13でのクラックの発生を確実に抑制しているのである。
【0034】
また、第二層12を、階段状に増加する組成分布を有するものとすれば、第二層12中には、組成xが急激に変化する組成不連続界面が形成されることとなる。この組成不連続界面にてミスフィット転位を集中して発生させることができ、これにより、第二層12に多数のアレイ状のクラックを確実に生じさせることができる。
【0035】
一方、第二層12を第三層側に向かって連続的に増加する組成分布とすれば、第一層11と第三層13との間の格子定数の差をより確実に緩和することができる。
【0036】
また、本実施形態では、組成xが第三層13に向かって増加する第二層12を形成する際に、Alソースボートに対するHClガスの供給量を増加させている。これにより、発生するAlClの量が増加することとなり、第二層12が形成される。
ここで、GaClの発生量を減少させて、組成xが第三層13に向かって増加する第二層12を形成する方法も考えられるが、GaClガスの発生量を正確に減少させることは難しく、所望の組成分布を有する第二層12を形成することができないおそれがある。
これに対し、本実施形態のように、Alソースボートに対するHClガスの供給量を増加させる方法を採用すれば、組成xが第三層13に向かって増加する第二層12を容易に形成することができる。
【0037】
さらに、本実施形態では、第三層13のアルミ組成比を0.6以上としている。このように、アルミ組成比の高い第三層13を形成することで、第三層13上にAl組成の高いAlGaN層(例えば半導体レーザのクラッド層)を形成し、紫外発光の半導体レーザ素子を製造した場合であっても、半導体レーザ素子に歪が生じにくくなる。
【0038】
また、本実施形態では、第三層13の厚みを100μm以上としている。第三層13の厚みを100μm以上とすれば、第二層12のミスフィット転位に起因するアレイ状のクラックや、第二層12からの貫通転位が第三層13表面にまで達することを防止できる。
【0039】
さらに、本実施形態では、サファイア基板10上に低温成長GaNバッファ層Bを形成した上に第一層11、第二層12、第三層13を形成することで、低温成長バッファ層Bと、サファイア基板10との界面から、サファイア基板10が分離される。第一層11や、第二層12の一部がサファイア基板10とともに剥がれることを防止でき、サファイア基板10のみを容易に除去することができる。なお、低温バッファ層BはHVPE法で形成して、同一プロセス内で連続的に第一層11、第二層12、第三層13を成長することも可能である。
【0040】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記実施形態では、a<x<bなる関係を有する第一層11、第二層12、第三層13を形成するとともに、第三層13に接する表面の組成xが、第一層11に接する表面の組成xよりも高くなった組成分布を有する第二層12を形成したが、これに限られるものではない。
例えば、図4に示すように、第二層12の組成xが第三層13の組成bよりも高くなってもよい。図4に示された第二層12では、層123の組成xが第三層13の組成bよりも高くなっている。
【0041】
さらには、前記実施形態では、第一層11として、GaN層を形成したが、第一層11は、AlGa1−aN(0≦a<1)により構成され、組成aが略一定であればよい。
また、第三層を100μm以上としたが、これに限らず、第三層は100μm以下であってもよい。
【0042】
さらに、第一層〜第三層の積層方法は、前記実施形態で示した積層方法に限られず、例えば、FIELO(facet-initiated epitaxial lateral overgrowth)法により、第一層を形成した後、第二層、第三層を積層してもよい。
また、前記実施形態では、第一層11の下方に低温成長バッファ層Bを設けたが、第一層を低温成長バッファ層としてもよい。さらには、サファイア基板10上に低温成長バッファ層Bを成長させ、その上に成長温度900〜1150℃で高温成長GaN層を設けたが第一層を低温成長バッファ層としてもよい。
さらに、前記実施形態では、第二層12は、複数のAlGa1−xN層(0<x<1)を有するものとしたが、これに限らず、複数の層のうち、一層がAlN層や、GaN層であってもよい。
【実施例】
【0043】
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例では、III族窒化物半導体自立基板をHVPE法により製造した。
まず、高純度ガリウム(Ga)を石英製のGaソースボートの中に充填し、さらに、高純度アルミニウム(Al)をアルミナ製のAlソースボートの中に充填した。そして、Gaソースボート、Alソースボートを、水平型石英製リアクタ内の所定配置にそれぞれ配置した
下地基板としてのサファイア基板は、直径2インチの円形で、(0001)c面で(10−10)方向に0.25°に偏位した面を有するものを用いた。サファイア基板表面には有機金属気相成長(MOCVD)法で成長した厚さ2μmのGaN層があらかじめ形成されている。このようなサファイア基板を、ホルダー上に配置して毎分10回転させた。
【0044】
ここで、以下の説明において、ガスの供給量の単位として、標準状態に換算したガスの単位であるSCCMを用いる。
まず、窒素(N)ガスを前記リアクタ内に導入して、リアクタ内の空気を置換した後、窒素を止めた。そして、Nを10000SCCM導入し、抵抗ヒーターによってリアクタ内を昇温した。ここでの加熱方法はリアクタを外壁から加熱する所謂ホットウオール法である。
昇温中はNHガスを3000SCCMで導入して、サファイア基板表面のGaN層の分解を防いだ。Alソースボート、Gaソースボート、サファイア基板の温度が、それぞれ500℃、800℃、1050℃に保持されていることを確認した後、AlGaNエピタキシャル基板の気相成長を開始した。
【0045】
はじめに、サファイア基板上に1500SCCMのNHガスを供給した。
次に、NHガスの供給量を変えることなく、GaソースボートにHClガスを50SCCMで供給して、GaClを50SCCMで生成させた。そして、GaNバッファ層付のサファイア基板上にGaClを供給してエピタキシャル成長を開始した。
GaClの供給を10分間、行なった。これにより、GaN層である第一層が形成された。第一層の厚みは、17μmであった。
【0046】
次に、NHガスと、GaClガスの供給量を変えることなく、AlソースボートにHClガスを供給してAlClを生成した。そして、このAlClをサファイア基板上に供給した。
AlClの供給量は、階段状に増加させた。
具体的には、HClガスを30SCCM(AlCl供給量10SCCM)で2分間供給した。
次にHClガスを60SCCM(AlCl供給量20SCCM)で2分間供給した。
さらに、HClガスを90SCCM(AlCl供給量30SCCM)で2分間供給した。
次に、HClガスを120SCCM(AlCl供給量40SCCM)で2分間供給した。
さらに、HClガスを150SCCM(AlCl供給量50SCCM)で2分間供給した。
これにより、5層からなる階段状に組成が変化した第二層が得られた。
第二層の厚みは、10μmであった。
【0047】
その後、NHガスと、GaClガスの供給量を変えることなくAlソースボートに供給するHClガスを180SCCM(AlCl供給量60SCCM)とし、5時間供給して、一定組成のAlGaN層を成長させて、第三層を形成した。
第三層の厚みは、495μmであった。
【0048】
次に、第一層〜第三層が形成されたサファイア基板を、リアクタ内で室温まで冷却した。その後、リアクタから第一層〜第三層が形成されたサファイア基板を取り出した。サファイア基板を裏面側から観察したところ、サファイア基板の表面側(第一層が積層されている側)からクラックが入っているのが確認された。
次に、X線回折装置を用いて2θ−ω測定により各層の回折ピーク角度を求め、格子定数から、第一層〜第三層の組成を求めた。
一般に、組成cをもつAlGa1−cNの格子定数d(c)は、AlNの格子定数0.4981nmとGaNの格子定数0.5185nmとの差に基づいて求めることができる。格子定数d(c)と、AlNの格子定数と、GaNの格子定数とでは、以下の関係が成立する。
d(c)=0.4981+(0.5185−0.4981)×(1−c)…(式1)
この式1に基づいて算出しから第三層の組成bを求めたところ、b=0.72であった。
また、式1に基づいて、第二層の各層の組成を求めたところ、第一層側から順に、Al0.06Ga0.94N、Al0.15Ga0.85N、Al0.23Ga0.77N、Al0.29Ga0.71N、Al0.38Ga0.62Nとなっていた。
【0049】
次に、以上のような第一層〜第三層が設けられたサファイア基板をピンセットで軽く力を加えたところ、サファイア基板が割れて、サファイア基板のみが分離された。サファイア基板を除去する際の衝撃により、第一層〜第三層の一部に亀裂が入ったが、直径2インチの基板の6分の1程度の大きさの亀裂のないIII族窒化物半導体自立基板を得ることができた。
【0050】
このようにして得られたIII族窒化物半導体自立基板を光学顕微鏡で観察したところ、第二層にアレイ状のクラックが発生しており、このクラックは、第一層にまで達していた。
一方、第三層表面にはクラックが生じておらず、第二層のクラックは第三層表面にまで達していないことがわかった。
その後、III族窒化物半導体自立基板の表裏面をダイアモンド研磨した。これにより、第一層、第二層が除去され、300μmの透明なIII族窒化物半導体自立基板(AlGaN自立基板)が得られた。
【0051】
(実施例2)
MOCVD法によって低温成長GaNバッファ層が0.07μm形成された(0001)c面サファイア基板を用意した。そして、このサファイア基板上に実施例1と同様の方法により、第一層〜第三層を積層した。低温成長GaNバッファ層が0.07μm形成された(0001)c面サファイア基板を使用した点以外は、実施例1と同じである。
サファイア基板を裏面側から観察したところ、サファイア基板の表面側(第一層が積層されている側)からクラックが入っているのが確認された。
実施例1と同様に、第一層〜第三層が設けられたサファイア基板をピンセットで軽く力を加えたところ、サファイア基板が割れ、サファイア基板のみが分離された。これにより、III族窒化物半導体自立基板を得ることができた。
このようにして得られたIII族窒化物半導体自立基板を光学顕微鏡で観察したところ、第二層にアレイ状のクラックが発生しており、このクラックは、第一層にまで達していた。
一方、第三層表面にはクラックが生じておらず、第二層のクラックは第三層表面にまで達していないことがわかった。
その後、III族窒化物半導体自立基板の表裏面をダイアモンド研磨した。これにより、第一層、第二層が除去され、300μmの透明なIII族窒化物半導体自立基板(AlGaN自立基板)が得られた。
【0052】
(比較例1)
実施例1と同様にMOCVD法によってGaN層が2μm形成された(0001)c面サファイア基板上に第一層を形成した。
次に、第一層上に第二層を形成した。
第二層の製造方法は、以下の通りである。
実施例1と同様にNHガスと、GaClガスとを供給し、さらに、AlソースボートにHClガスを供給した。
HClガスを60SCCM(AlCl供給量20SCCM)で1分間供給した。
次に、HClガスを120SCCM(AlCl供給量40SCCM)で1分間供給した。
このようにして製造される第二層の厚みは、2μmであった。
その後、実施例1と同様に第三層を形成した。
次に、実施例と同じく、第一層〜第三層が設けられたサファイア基板を冷却した。
X線回折装置を用いて2θ−ω測定により各層の回折ピーク角度を求め、格子定数から、第三層の組成bを求めたところ、b=0.72であった。
また、前述した式1に基づいて、第二層の各層の組成を求めたところ、第一層側から順に、 Al0.16Ga0.84N、Al0.32Ga0.68Nとなっていた。
次に、以上のような第一層〜第三層が設けられたサファイア基板をピンセットで軽く力を加えたところところ、サファイア基板が割れ、サファイア基板が除去された。
このようにして得られたIII族窒化物半導体自立基板を光学顕微鏡で観察したところ、第三層表面にはクラックが生じていた。
【0053】
(比較例2)
実施例2と同様のMOCVD法によって低温成長GaNバッファ層が0.07μm形成された(0001)c面サファイア基板上に実施例2と同様に第一層を形成した。
次に、第一層上に第二層を形成した。
実施例2と同様にNHガスと、GaClガスとを供給した。ここで、第二層は、組成xが一定の層とした。
第二層の製造方法は、以下の通りである。
HClガスを90SCCM(AlCl供給量30SCCM)で4分間供給した。
第二層の厚みは4μmであった。
その後、実施例と同様の条件で、第三層を積層し、冷却を行なった。
X線回折装置を用いて2θ−ω測定により各層の回折ピーク角度を求め、格子定数から、第二層の組成xを求めたところ、Al0.25Ga0.75Nであった。
サファイア基板を裏面側から観察したところ、サファイア基板にクラックが入っていた。また、第二層には、アレイ状のクラックが発生し、それが第三層に表面まで伝播して、表面には多くのクラックが発生した。
以上のような第一層〜第三層が設けられたサファイア基板は冷却後に数個に割に割れ、ピンセットで軽く力を加えたところ、さらに細かく割れてしまった。そのため、III族窒化物半導体自立基板を得ることは困難であった。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施形態にかかるIII族窒化物半導体自立基板の製造工程を示す模式図である。
【図2】実施形態にかかる第一層〜第三層のAl組成比を示す図である。
【図3】実施形態にかかる第一層〜第三層のAl組成比を示す図である。
【図4】本発明の変形例を示す図である。
【図5】従来のAlGaN基板を示す図である。
【符号の説明】
【0055】
1 III族窒化物半導体自立基板
10 サファイア基板
11 第一層
12 第二層
13 第三層
100 基板
101 第一の単結晶層
102 第二の単結晶層
121 層
122 層
123 層
124 層
125 層
B 低温成長バッファ層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サファイア基板上に、
AlGa1−aN(0≦a<1)により構成され、組成aが略一定である第一層と、
この第一層上に形成される第二層と、
前記第二層上に形成され、組成bが略一定のAlGa1−bN(0<b≦1)により構成される第三層とを積層させる工程と、
前記第一層、第二層、第三層およびサファイア基板を冷却する工程と、
前記サファイア基板を除去し、少なくとも前記第三層を有するIII族窒化物半導体自立基板を得る工程とを含み、
第一層、第二層、第三層を積層させる前記工程では、AlGa1−xN(0≦x≦1)により構成され、組成xが層厚方向に沿って、変化する組成分布を有し、厚みが3μm以上、100μm以下の前記第二層を形成するIII族窒化物半導体自立基板の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のIII族窒化物半導体自立基板の製造方法において、
第一層、第二層、第三層を積層させる前記工程では、
a<x<bなる関係を有する前記第一層、前記第二層、前記第三層を積層するとともに、前記第三層に接する表面の組成xが前記第一層に接する表面の組成xよりも高くなった組成分布を有する前記第二層を形成するIII族窒化物半導体自立基板の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のIII族窒化物半導体自立基板の製造方法において、
第一層、第二層、第三層を積層させる前記工程では、AlGa1−xN(0<x<1)により構成され、組成xが層厚方向に沿って、前記第三層側に向かって連続的に増加する組成分布を有する前記第二層を形成するIII族窒化物半導体自立基板の製造方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載のIII族窒化物半導体自立基板の製造方法において、
第一層、第二層、第三層を積層させる前記工程では、組成xが2段階以上にわたって階段状に増加する組成分布を有する前記第二層を形成するIII族窒化物半導体自立基板の製造方法。
【請求項5】
請求項3または4のいずれかに記載のIII族窒化物半導体自立基板の製造方法において、
第一層、第二層、第三層を積層させる前記工程では、ハイドライド気相成長法を使用し、Alソースボートに供給する塩化水素(HCl)ガスの供給量を増加させることにより、前記第二層を形成するIII族窒化物半導体自立基板の製造方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のIII族窒化物半導体自立基板の製造方法において、
前記サファイア基板を除去した後、少なくとも前記第三層を有する前記III族窒化物半導体自立基板の表面および裏面を研磨する工程を含むIII族窒化物半導体自立基板の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のIII族窒化物半導体自立基板の製造方法において、
第一層、第二層、第三層を積層させる前記工程では、組成bが0.6以上である前記第三層を形成するIII族窒化物半導体自立基板の製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載のIII族窒化物半導体自立基板の製造方法において、
第一層、第二層、第三層を積層させる前記工程では、100μm以上の前記第三層を形成するIII族窒化物半導体自立基板の製造方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載のIII族窒化物半導体自立基板の製造方法において、
第一層、第二層、第三層を積層させる前記工程の前段で、前記サファイア基板を、第一層、第二層、第三層を積層させる前記工程での前記サファイア基板の温度よりも低い温度とし、
前記サファイア基板上に低温成長GaNバッファ層を形成するIII族窒化物半導体自立基板の製造方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載のIII族窒化物半導体自立基板の製造方法により製造されたIII族窒化物半導体自立基板。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−290895(P2007−290895A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−119045(P2006−119045)
【出願日】平成18年4月24日(2006.4.24)
【出願人】(000165974)古河機械金属株式会社 (211)
【Fターム(参考)】