説明

L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩、その製造方法および該塩を含有する化粧料

【課題】 化粧料に配合して長期間保存した場合でも、沈殿の析出、変色、変臭などが生じにくい化粧料配合用のL−アスコルビン酸−2−リン酸エステル塩、その製造方法、および該塩を含有する化粧料を提供すること。
【解決手段】 本発明の化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステル塩は、下記式(1)で示されるL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩である。
【化1】


(式(1)中、aおよびbは当量を表し、aは0.3〜1.1の範囲内であり、bは0.8〜2.4の範囲内であり、かつ、2a+bの値は2.7〜3.3の範囲内である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料配合用のL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩、その製造方法および該塩を含有する化粧料に関する。さらに詳しくは、化粧料に配合して長期間保存しても、沈殿の析出および着色を生じにくいという特徴を有する新規の化粧料配合用原料であるL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩、その製造方法および該塩を含有する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
L−アスコルビン酸(ビタミンC)は多様な生理作用および薬理作用を有するが、酸素および熱に対して不安定であることから、安定化させるために誘導体にして用いられることが多い。たとえば、リン酸エステル化により安定化させたL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルの塩は、メラニン色素沈着防止に対し優れた効果があることから美白化粧料に用いられている。
【0003】
化粧料に用いられるL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルの塩としては、主にL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム塩(以下「A2PMg」ともいう。)およびL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩(以下「A2PNa」ともいう。)があり、各々優れた効果を有している。しかしながら、A2PMgを配合した化粧料では、化粧料の保存中に沈殿が析出しやすいという課題があり、A2PNaは溶解性に優れるものの、これを配合した化粧料は保存中に茶褐色に変色したり、変臭が生じたりするという課題がある。
【0004】
このような課題を改善する方法として、たとえば、A2PMgに有機酸またはその塩を配合する方法(特許文献1参照)、A2PNaに2価以上の金属塩を配合する方法(特許文献2参照)、A2PMgを噴霧乾燥して製造する方法(特許文献3参照)などが開示されている。しかしながら、これらの方法では、いずれも沈殿の析出、変色および変臭の程度を軽減する効果はあるものの、十分に満足できる効果が得られない。このような状況から、沈殿の析出が生じず、変色、変臭も生じない新たなL−アスコルビン酸−2−リン酸エステル塩が望まれていた。
【0005】
一方、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルの塩として、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩(以下「A2PMgNa」ともいう。)が開示されている(特許文献4および5参照)。しかしながら、これらには、塩に含まれるマグネシウムおよびナトリウムの当量についての記載がなく、どのような塩であるのか不明である。また、A2PMgNaを化粧料に配合したときに、A2PMgNaにおけるマグネシウムおよびナトリウムの当量が、沈殿の析出、変色および変臭などに影響を与えることについて、何ら記載も示唆もされていない。したがって、どのようなA2PMgNaが化粧料配合用として優れているかについての知見は、本発明がなされる以前には存在しなかった。
【特許文献1】特開昭62−63597号公報
【特許文献2】特開平9−118613号公報
【特許文献3】特開平7−112914号公報
【特許文献4】特表平4−505463号公報
【特許文献5】特開平8−12693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、化粧料に配合して長期間保存した場合でも、沈殿の析出、変色、変臭などが生じにくい化粧料配合用のL−アスコルビン酸−2−リン酸エステル塩、その製造方法、および該塩を含有する化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた。その結果、A2PMgNaのうち、マグネシウムとナトリウムの当量が特定の範囲にある塩を化粧料に配合して長期間保存した場合でも、沈殿の析出、変色、変臭がほとんど認められず、安定性に優れた化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明(I)は、下記式(1)で示される化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩である。
【0009】
【化1】

【0010】
(式(1)中、aおよびbは当量を表し、aは0.3〜1.1の範囲内であり、bは0.8〜2.4の範囲内であり、かつ、2a+bの値は2.7〜3.3の範囲内である。)
また、本発明(II)は、本発明(I)の化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩の製造法である。
【0011】
さらに、本発明(III)は、本発明(I)の化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リ
ン酸エステルマグネシウムナトリウム塩を含有する化粧料である。
さらに、本発明は、例えば、以下の事項からなる。
【0012】
[1] 下記式(1)で示される化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩。
【0013】
【化2】

【0014】
(式(1)中、aおよびbは当量を表し、aは0.3〜1.1の範囲内であり、bは0.8〜2.4の範囲内であり、かつ、2a+bの値は2.7〜3.3の範囲内である。)
[2] KBrディスク透過法により測定した赤外吸収スペクトルにおいて、波数1410〜1417cm-1、1146〜1150cm-1および1115〜1118cm-1の範囲に吸収ピークを有し、かつ、波数1284〜1286cm-1、1162〜1164cm-1および1122〜1123cm-1の範囲に吸収ピークを有しないことを特徴とする[1]に記載の化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩。
【0015】
[3] 非晶質であることを特徴とする[1]または[2]に記載の化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩。
[4] L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム塩およびL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩の水溶液を噴霧乾燥もしくは凍結乾燥することを特徴とする、下記式(1)で示される化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩の製造方法。
【0016】
【化3】

【0017】
(式(1)中、aおよびbは当量を表し、aは0.3〜1.1の範囲内であり、bは0.8〜2.4の範囲内であり、かつ、2a+bの値は2.7〜3.3の範囲内である。)
[5] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載の化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩を含有することを特徴とする化粧料。
【0018】
[6] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載の化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩と、
陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤および非イオン界面活性剤
からなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤と
を含有することを特徴とする化粧料。
【0019】
[7] 上記[1]〜[3]のいずれかに記載の化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩と、
クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸、アスパラギン酸ナトリウム、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エタノール、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸ステアリル、アラントイン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、アルカリゲネス・レータス B−16ポリマー、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシビニルポリマー、合成ケイ酸ナトリウムマグネシウム、海藻エキス、レシチン、水添レシチン、フェノキシエタノール、パラヒドロキシ安息香酸メチル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸−2−グルコシド、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミチン酸ナトリウム、アルブチン、サーファクチンナトリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アルギニン、セリン、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、バチルアルコール、メチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスリン酸オクチルドデシル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、パルミチン酸セチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、オリーブ油、流動パラフィン、スクワラン、炭酸ジカプリル、モノミリスチン酸ポリ(10)グリセリル、モノイソステアリン酸ポリ(10)グリセリル、モノステアリン酸ポリ(10)グリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、縮合リシノレイン酸ポリ(6)グリセリル、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、ステアロイル乳酸ナトリウム、イソステアロイル乳酸ナトリウム、ビタミンE類、コレステロールおよびフィトステロールからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と
を含有することを特徴とする化粧料。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、化粧料配合用に適したL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩が得られ、化粧料に配合して長期間保存した場合でも、沈殿の析出、変色、変臭がほとんど認められず、安定性に優れた美白化粧料を調製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明に係る化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩、該塩の製造方法および該塩を含有する化粧料について詳細に説明する。
本発明(I)は、下記式(1)で示される化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩である。
【0022】
【化4】

【0023】
式(1)中、aおよびbは当量を表し、aは0.3〜1.1、好ましくは0.3〜1.0、特に好ましくは0.4〜0.9の範囲内であり、bは0.8〜2.4、好ましくは1.0〜2.4、特に好ましくは1.2〜2.2の範囲内である。
【0024】
aが上記範囲よりも大きいか、あるいは、bが上記範囲より小さいと、化粧料に使用した場合、結晶の析出が顕著になる。また、aが上記範囲より小さいか、あるいは、bが上記範囲より大きいと、化粧料に使用した場合、変色および変臭が顕著になる。
なお、式(1)で示される化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩におけるaおよびbは、下記式(A)および(B)により求められる値である。
【0025】
【数1】

【0026】
上記式中、マグネシウム含量およびナトリウム含量は、たとえば、ICP発光分析法、原子吸光法、炎光発光法、イオンクロマトグラフィーなどの方法により求めることができる。また、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステル(A2Pエステル)の含量は、ICP発光分析法により測定したリンの含有量から求めることができる。
【0027】
上記式(1)のaおよびbの値を上記方法で測定した場合、2a+bの値は2.7〜3.3となる。
本発明のL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩(A2PMgNa)は、KBrディスク透過法により測定した赤外吸収スペクトルにおいて、測定誤差の範囲内で波数1410〜1417cm-1、1146〜1150cm-1および1115〜1118cm-1の範囲に吸収ピークを有し、かつ、波数1284〜1286cm-1、1162〜1164cm-1および1122〜1123cm-1の範囲に吸収ピークを有しない。
【0028】
本発明のA2PMgNaの赤外吸収スペクトルの例を図1、図3および図4に示す。また、A2PMgおよびA2PNaの赤外吸収スペクトルを図5および図6に、A2PMgとA2PNaとの混合物の赤外吸収スペクトルを図7および図8に示す。
【0029】
図1、図3および図4に示すように、本発明のA2PMgNaの赤外吸収スペクトルでは、波数1410〜1417cm-1、1146〜1150cm-1および1115〜1118cm-1に吸収ピークが存在するが、波数1284〜1286cm-1、1162〜1164cm-1および1122〜1123cm-1には吸収ピークが存在しない。
【0030】
これに対し、図5に示すように、A2PMgの赤外吸収スペクトルでは、波数1162〜1164cm-1に吸収ピークが存在するが、波数1146〜1150cm-1には吸収ピークが存在しない。また、図6に示すように、A2PNaの赤外吸収スペクトルでは、本発明のA2PMgNaとは逆に、波数1410〜1417cm-1、1146〜1150cm-1および1115〜1118cm-1に吸収ピークが存在しないが、波数1284〜1286cm-1および1122〜1123cm-1に吸収ピークが存在する。
【0031】
さらに、図7および図8に示すように、A2PMgとA2PNaとの混合物の赤外吸収スペクトルでは、A2PMgとA2PNaとの混合割合に応じた吸収ピークの加成性が成り立っている。特に、波数1410〜1417cm-1の吸収ピークはA2PMgの配合割合、波数1284〜1286cm-1の吸収ピークはA2PNaの配合割合に対応する高さとなって顕著に現れている。
【0032】
これらの赤外吸収スペクトルから、本発明のA2PMgNaが、単なるA2PMgおよびA2PNaの混合物とは異なる化合物であることは明らかである。
本発明のA2PMgNaは非晶質であることが好ましい。非晶質であることにより、水に溶解させやすく、解け残りが生じにくいため、化粧料を調製する際の作業性が良好である。
【0033】
本発明(II)は、本発明(I)の化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩(A2PMgNa)の製造方法である。
本発明(I)のA2PMgNaは、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム塩(A2PMg)およびL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩(A2PNa)の水溶液を、噴霧乾燥もしくは凍結乾燥することにより製造することができる。
【0034】
噴霧乾燥は、溶液や微粒子スラリーを熱風中に噴霧して乾燥製品を得る乾燥法であり、噴霧法としては、回転円盤、加圧ノズルおよび2流体ノズルの3種類に大別され、熱風吹き込み法についても横型並流、円筒もしくはサイクロン型並流、円筒型向流、サイクロン型複合流など多種ある。本発明(II)で用いることができる噴霧乾燥は特に限定されず、上記方法のいずれも適用可能である。
【0035】
凍結乾燥は、溶液や微粒子スラリーを凍結状態のまま減圧することにより水や他の昇華性のものを除去して乾燥製品を得る乾燥法である。本発明(II)で用いることができる凍結乾燥は特に限定されず、一般的な凍結乾燥機を使用することができる。
【0036】
A2PMgおよびA2PNaの水溶液の噴霧乾燥は、たとえば、以下のようにして行うことができる。
A2PMgおよびA2PNaを、マグネシウムおよびナトリウムの当量が本発明(I)の範囲になるような重量比で用い、合計0.1〜15質量%含む水溶液を調製し、これを
噴霧乾燥することにより、A2PMgNaが得られる。水溶液の濃度が高すぎると乾燥が不十分になりやすく、低すぎると大量の水を乾燥させなければならず、経済的に不利である。より好ましい濃度範囲は5〜12質量%である。
【0037】
噴霧乾燥させる水溶液は、あらかじめ孔径0.5μm以下のフィルターでろ過した後、噴霧乾燥機に通液して乾燥することが望ましい。噴霧乾燥機の入口温度は90〜250℃が好ましく、より好ましくは140〜200℃であり、出口温度は60〜150℃が好ましく、より好ましくは80〜120℃である。乾燥機温度が低いと乾燥機内壁に液滴が付着し、壁面で乾燥するため着色した製品が混入することがある。温度が高すぎても製品が着色することがあるため、好ましくない。乾燥機内の滞留時間は0.1〜600秒が好ましく、より好ましくは0.5〜300秒である。滞留時間が長過ぎると着色し、短過ぎると乾燥が不十分となる場合がある。
【0038】
A2PMgおよびA2PNaの水溶液の凍結乾燥は、たとえば、以下のようにして行うことができる。
A2PMgおよびA2PNaを、マグネシウムおよびナトリウムの当量が、本発明(I)の範囲になるような重量比で用い、合計0.1〜15質量%含む水溶液を調製し、これを凍結乾燥することにより、A2PMgNaが得られる。水溶液の濃度が高すぎると凍結乾燥中に溶解する可能性があり、低すぎると大量の水を乾燥させなければならず、経済的に不利である。より好ましい濃度範囲は1〜10質量%である。
【0039】
凍結乾燥させる水溶液は、あらかじめ−20〜−135℃、好ましくは−40〜−80℃で凍結した後、凍結乾燥機で乾燥する。凍結乾燥機の真空到達度は1〜0.0001Torr、好ましくは0.1〜0.001Torrであればよい。真空到達度が1Torrより高いと乾燥時間が長くなるとともに、凍結乾燥中に溶解する可能性がある。真空到達度が0.0001Torrより低いと凍結乾燥機の機械的負荷が過大になり、好ましくない。
【0040】
このようにして得られる本発明の化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸マグネシウムナトリウム塩は、化粧料に配合して長期間保存しても沈殿の析出、変色、変臭が生じにくく、特に美白化粧料に好適に使用できる。
【0041】
本発明(III)の化粧料は、本発明の化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸マ
グネシウムナトリウム塩(A2PMgNa)を含有し、長期保存しても沈殿の析出、変色、変臭が生じにくい安定性の高い化粧料であり、特に美白化粧料として好適である。
【0042】
本発明の化粧料を美白化粧料として使用する場合、A2PMgNaの配合量は1〜10質量%が好ましく、より好ましくは3〜8質量%である。A2PMgNaの配合量が上記範囲よりも少ないと十分な効果が得られず、上記範囲よりも多いと感触が悪くなることがある。なお、上述したように、本発明のA2PMgNaは、単なるA2PMgとA2PNaとの混合物ではないが、本発明(III)の化粧料は、本発明(I)のA2PMgNa以
外に、A2PMg、A2PNaまたはこれらの混合物を含有していてもよい。
【0043】
本発明(III)の化粧料は一般的な方法に従って製造することができる。すなわち、汎
用の撹拌装置や汎用の乳化装置、たとえば、ディスパー、プロペラミキサー、パドルミキサー、ホモミキサー、ウルトラミキサー等の攪拌翼を供えた攪拌機、真空乳化機、コロイドミル、高圧ホモジナイザー、超音波乳化機などを用いて調製することができる。
【0044】
本発明の化粧料の使用形態としては、特に限定されないが、たとえば、化粧水、乳液、美容液、クリーム、化粧下地、ファンデーション、パック、メイクアップ料、マッサージ
料、クレンジング料などが挙げられ、中でも化粧水、美容液等の水性化粧料が好適である。
【0045】
なお、本発明(III)の化粧料には、本発明の目的を損なわない範囲で、化粧料に通常
用いられる任意の成分、たとえば、炭化水素類、天然油脂類、脂肪酸類、高級アルコール類、アルキルグリセリルエーテル類、エステル類、シリコーン油類、多価アルコール類、糖類、高分子類、アルコール類、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、天然系界面活性剤、紫外線吸収剤、粉体類、色材類、アミノ酸類、ペプチド類、ビタミン類、ビタミン様作用因子類、防腐剤、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、保湿剤、抗炎症剤、pH調整剤、塩類、有機酸類、美白剤、精油類、テルペン類、香料、水などを配合することができる。
【0046】
上記炭化水素類としては、具体的には、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワレン、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、セレシン、パラフィン、ポリエチレン末、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、流動イソパラフィン、流動パラフィン、ミネラル油、ワセリンなどが挙げられる。
【0047】
上記天然油脂類としては、具体的には、ホホバ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、セラック、ラノリン、ミンク皮脂ロウ、鯨ロウ、サトウキビロウ、マッコウクジラ油、ミツロウ、モンタンロウ等の天然ロウ類、アボガド油、アルモンド油、オリーブ油、エクストラバージンオリーブ油、ゴマ油、コメヌカ油、米油、コメ胚芽油、コーン油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、パーム核油、パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ハイオレイックヒマワリ油、グレープシード油、綿実油、ヤシ油、水添ヤシ油、牛脂、硬化油、馬油、ミンク油、卵黄油、卵黄脂肪油、ローズヒップ油、ククイナッツ油、月見草油、小麦胚芽油、落花生油、ツバキ油、サザンカ油、カカオ脂、モクロウ、牛骨脂、牛脚油、豚脂、馬脂、羊脂、シアバター、マカデミアナッツ油、メドウホーム油などが挙げられる。
【0048】
上記脂肪酸類としては、具体的には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、γ−リノレン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、ヤシ油脂肪酸などが挙げられる。
【0049】
上記高級アルコール類としては、具体的には、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、コレステロール、フィトステロール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコールなどが挙げられる。
【0050】
上記アルキルグリセリルエーテル類としては、具体的には、バチルアルコール、キミルアルコール、セラキルアルコール、イソステアリルグリセリルエーテルなどが挙げられる。
【0051】
上記エステル類としては、具体的には、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソオクチル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸オクタデシル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、リシノール酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソ
ステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、
【0052】
オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リシノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、2−エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸・カプリン酸・ステアリン酸)グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、
【0053】
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、テトラミリスチン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸イソステアリル、イソぺラルゴン酸2−エチルヘキシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、イソパルミチン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルドデシル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルドデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリオクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、
【0054】
アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジヘプチルウンデシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル、酢酸ポリオキシエチレン(3)ポリオキシプロピレン(1)セチルエーテル、酢酸ポリオキシエチレン(3)ポリオキシプロピレン(1)イソセチルエーテル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸トリデシル、イソノナン酸イソトリデシル、炭酸ジカプリルなどが挙げられる。
【0055】
上記シリコーン油類としては、具体的には、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、テトラデカメチルヘキサシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、ポリエーテル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、
アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンなどが挙げられる。
【0056】
上記多価アルコール類としては、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールなどが挙げられる。
【0057】
上記糖類としては、具体的には、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、グルコース、ショ糖、果糖、乳糖、マルトース、キシロース、トレハロースなどが挙げられる。
【0058】
上記高分子類としては、具体的には、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、寒天、ファーセレラン、グアーガム、クインスシード、コンニャクマンナン、タマリンドガム、タラガム、デキストリン、デンプン、ローカストビーンガム、アラビアガム、ガッティガム、カラヤガム、トラガカントガム、アラビノガラクタン、ペクチン、マルメロ、キトサン、デンプン、カードラン、キサンタンガム、ジェランガム、アルカリゲネス・レータス B−16ポリマー、シクロデキストリン、デキストラン、プルラン、微結晶セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシデンプン、カチオン化セルロース、デンプンリン酸エステル、カチオン化グアーガム、カルボキシメチル・ヒドロキシプロピル化グアーガム、ヒドロキシプロピル化グアーガム、
【0059】
アルブミン、カゼイン、ゼラチン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アミド、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミン、高重合ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ポリアクリルアミド、アクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体、マレイン酸共重合体、ビニルピリジン共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、ビニルピロリドン系ポリマー、ビニルアルコール/ビニルピロリドン共重合体、窒素置換アクリルアミド系ポリマー、アミノ変性シリコーン、カチオン化ポリマー、ジメチルアクリルアンモニウム系ポリマー、アクリル酸系アニオンポリマー、メタクリル酸系アニオンポリマー、変性シリコーン、アクリル酸メタクリル酸アルキル(C10〜30)共重合体、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン共重合体などが挙げられる。
【0060】
上記アルコール類としては、具体的には、エタノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
【0061】
上記陰イオン界面活性剤としては、具体的には、ヤシ油脂肪酸カリウム、ヤシ油脂肪酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸トリエタノールアミン、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸イソプロパノールアミン、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸イソプロパノールアミン、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸トリエタノールアミン、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油脂肪酸ナトリウム、ウンデシレン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ミリスチン酸カルシウム、ミリスチン酸マグネシウム、ジミリスチン酸アルミニウム、イソステアリン酸アルミニウム、
【0062】
ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸ナトリウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、イソステアロイル乳酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシン、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、ラウロイルサルコシン、ラウロイルサルコシンカリウム、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、オレオイルサルコシン、ミリストイルサルコシンナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン、ラウロイルアシルグルタミン酸、ラウロイルアシルグルタミン酸カリウム、ラウロイルアシルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルアシルグルタミン酸トリエタノールアミン、
【0063】
ミリストイルアシルグルタミン酸、ミリストイルアシルグルタミン酸カリウム、ミリストイルアシルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルアシルグルタミン酸、ステアロイルアシルグルタミン酸カリウム、ステアロイルアシルグルタミン酸二ナトリウム、硬化牛脂脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸・硬化牛脂脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウム、ラウロイルメチルアラニン、ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルメチルアラニントリエタノールアミン、ミリストイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンカリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンマグネシウム、ミリストイルメチルタウリンナトリウム、パルミトイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、オレオイルメチルタウリンナトリウム、
【0064】
アルカンスルホン酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ヤシ油脂肪酸エチルエステルスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、セチル硫酸ナトリウム、アルキル(11,13,15)硫酸トリエタノールアミン、アルキル(12,13)硫酸ナトリウム、アルキル(12,13)硫酸トリエタノールアミン、アルキル(12,14,16)硫酸アンモニウム、アルキル(12〜13)硫酸ジエタノールアミン、アルキル(12〜14)硫酸トリエタノールアミン、アルキル(12〜15)硫酸トリエタノールアミン、ヤシ油アルキル硫酸マグネシウム・トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ミリスチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸トリエタノールアミン、
【0065】
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレン(1)アルキル(11,13,15)エーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(1)アルキル(11,13,15)エーテル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレン(3)アルキル(11〜15)エーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)アルキル(12,13)エーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3)アルキル(12〜14)エーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3)アルキル(12〜15)エーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(3)ミリスチルエーテル硫酸ナトリウム、高級脂肪酸アルカノールアミド硫酸エステルナトリウム、ラウリルリン酸、ラウリルリン酸ナトリウム、セチルリン酸カリウム、セチルリン酸ジエタノールアミン、
【0066】
ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンオクチルエーテルリン酸、ポリオキシエチレン(10)アルキル(12,13)エーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキル(12〜15)エーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキル(12〜16)エーテルリン酸、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ジエタノールアミンなどが挙げられる。
【0067】
上記陽イオン界面活性剤としては、具体的には、ジオクチルアミン、ジメチルステアリルアミン、トリラウリルアミン、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキル(20〜22)トリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキル(16,18)トリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、塩化アルキル(28)トリメチルアンモニウム、塩化ジ(ポリオキシエチレン)オレイルメチルアンモニウム(2EO)、塩化ジポリオキシエチレンステアリルメチルアンモニウム、塩化ポリオキシエチレン(1)ポリオキシプロピレン(25)ジエチルメチルアンモニウム、
【0068】
塩化トリ(ポリオキシエチレン)ステアリルアンモニウム(5EO)、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジアルキル(12〜15)ジメチルアンモニウム、塩化ジアルキル(12〜18)ジメチルアンモニウム、塩化ジアルキル(14〜18)ジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジセチルジメチルアンモニウム、塩化イソステアリルラウリルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ミリスチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ラウリルジメチル(エチルベンジル)アンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ラウリルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ラウロイルコラミノホルミルメチルピリジニウム、塩化ステアロイルコラミノホルミルメチルピリジニウム、臭化アルキルイソキノリウム、塩化メチルベンゼトニウム、塩化ベンゼトニウムなどが挙げられる。
【0069】
上記両性界面活性剤としては、具体的には、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、ウンデシルヒドロキシエチルイミダゾリイウムベタインナトリウム、ウンデシル−N−カルボキシメチルイミダゾリイウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン二ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシエトキシエチル−N−カルボキシエチルエチレンジアミン二ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルエチレンジアミン二ナトリウム、
【0070】
ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミン、パーム油脂肪酸アシル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルベタインナトリウム、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピル酢酸ベタ
イン、リシノレイン酸アミドプロピルベタイン、ステアリルジヒドロキシエチルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタインなどが挙げられる。
【0071】
上記非イオン界面活性剤としては、具体的には、ポリオキシエチレン(10)アルキル(12,13)エーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン(3,7,12)アルキル(12〜14)エーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレン−sec−アルキル(14)エーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンセトステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(2,10,20)イソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルセチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)アラキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェニルエーテル、
【0072】
ポリオキシエチレン(1)ポリオキシプロピレン(1,2,4,8)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ポリオキシプロピレン(1,2,4,8)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)ポリオキシプロピレン(1,2,4,8)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(1,2,4,8)セチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(3)ポリオキシプロピレン(34)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ポリオキシプロピレン(30)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレン(34)ポリオキシプロピレン(23)ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル、
【0073】
モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、エチレングリコール脂肪酸エステル、自己乳化型モノステアリン酸エチレングリコール、ラウリン酸ジエチレングリコール、ミリスチン酸ポリエチレングリコール、パルミチン酸ポリエチレングリコール、ステアリン酸ジエチレングリコール、自己乳化型モノステアリン酸ポリエチレングリコール(2)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール、ジオクタン酸エチレングリコール、ジラウリン酸ジエチレングリコール、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ジパルミチン酸ポリエチレングリコール(150)、ジステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、
【0074】
ジリシノレイン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(6)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(6)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、ポリオキシエチレン(20)ヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレン(10〜80)ソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(150)ソルビタン、
【0075】
モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット、オレイン酸ポリオキシエチレン(40)ソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(4)ソルビット、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(3)ソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(30)
ソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(40)ソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(60)ソルビット、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(3)ソルビット、オレイン酸ポリオキシエチレン(40)ソルビット、テトラステアリン酸ポリオキシエチレン(60)ソルビット、ヘキサオレイン酸ポリオキシエチレン(6)ソルビット、ヘキサステアリン酸ポリオキシエチレンソルビット、ペンタオレイン酸ポリオキシエチレン(40)ソルビット、
【0076】
トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(3)グリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(5)グリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(10)グリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)グリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(30)グリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(40)グリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(50)グリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(60)グリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(3)グリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(5)グリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(6)グリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(8)グリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(10)グリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(15)グリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)グリセリル、
【0077】
イソステアリン酸ポリオキシエチレン(25)グリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(30)グリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(40)グリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(50)グリセリル、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(60)グリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(3)グリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(4)グリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(5)グリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(6)グリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(10)グリセリル、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(20)グリセリル、ジステアリン酸ポリオキシエチレン(4)グリセリル、
【0078】
トリオレイン酸ポリオキシエチレン(3)グリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレン(5)グリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレン(10)グリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20)グリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレン(30)グリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレン(40)グリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレン(50)グリセリル、トリオレイン酸ポリオキシエチレン(60)グリセリル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、親油型モノステアリン酸グリセリン、親油型モノオレイン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、
【0079】
ヤシ油脂肪酸グリセリル、ラウリン酸グリセリン、ミリスチン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、リシノレイン酸グリセリル、モノヒドロキシステアリン酸グリセリル、オレイン酸グリセリン、リノール酸グリセリル、エルカ酸グリセリル、ベヘン酸グリセリル、小麦胚芽油脂肪酸グリセリド、サフラワー油脂肪酸グリセリル、水素添加大豆脂肪酸グリセリル、飽和脂肪酸グリセリド、綿実油脂肪酸グリセリル、モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル、モノ牛脂肪酸グリセリド、モノラノリン脂肪酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、ジアラキン酸グリセリル、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、
【0080】
トリステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ジステアリン酸ソルビタン、イソパルミチン酸ジグリセリル、モノラウリン酸ポリ(4〜10)グリセリル、モノミリスチン酸ポリ(10)グリセリル、モノステアリン酸ポリ(2〜10)グリセリル、モノイソステアリン酸ポリ(2〜10)グリセリル、モノオレイン酸ポリ(2〜10)グリセリル、セスキオレイン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ポリ(2〜10)グリセリル、ジステアリン酸ポリ(6〜10)グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリステアリン酸ポリ(10)グリセリル、トリオレイン酸ポリ(10)グリセリル、
【0081】
テトライソステアリン酸ポリ(2)グリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸ポリ(6〜10)グリセリル、ヘプタステアリン酸ポリ(10)グリセリル、デカステアリン酸デカグリセリル、デカオレイン酸ポリ(10)グリセリル、縮合リシノレイン酸ポリ(6)グリセリル、ショ糖脂肪酸エステル、ヤシ油脂肪酸ショ糖エステル、アルキルグルコシド、ヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ラウリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、オレイルジメチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリンなどが挙げられる。
【0082】
上記天然系界面活性剤としては、具体的には、サポニン、レシチン、水添レシチン、大豆リン脂質、水素添加大豆リン脂質、大豆リゾリン脂質、水素添加大豆リゾリン脂質、卵黄レシチン、水素添加卵黄リゾホスファチジルコリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、スフィンゴリン脂質、スフィンゴミエリン、ガングリオシド、胆汁酸、コール酸、デオキシコール酸、コール酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、スピクリスポール酸、ラムノリピッド、トレハロースリピッド、ソホロリピッド、マンノシルエリスリトールリピッド、サーファクチンナトリウムなどが挙げられる。
【0083】
上記紫外線吸収剤としては、具体的には、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル,パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル等のパラアミノ安息香酸誘導体、ケイ皮酸ベンジル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、2,4−ジイソプロピルケイ皮酸メチル、2,4−ジイソプロピルケイ皮酸エチル、パラメトキシケイ皮酸カリウム、パラメトキシケイ皮酸ナトリウム、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸2−エトキシエチル、パラエトキシケイ皮酸エチル等のケイ皮酸誘導体、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸誘導体、
【0084】
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノンナトリウム、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノンナトリウム等のベンゾフェノン誘導体、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸−2−エチルヘキシル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸p−tert−ブチルフェニル、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸−3,3,5−トリメチルシクロヘキシル等のサリチル酸誘導体、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタンなどが挙げられる。
【0085】
上記粉体類および色材類としては、具体的には、カオリン、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、合成ケイ酸ナトリウムマグネシウム、セリサイト、タルク、窒化ホウ素、マイカ、モンモリロナイト、麻セルロース末、小麦デンプン、シルク末、トウモロコシデンプン、ニトロ系色素、アゾ系色素、ニトロソ系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、キノリン系色素、アントラキノン系色素、インジゴ系色素、ピレン系色素、フタロシアニン系色素、フラボノイド、キノン、ポルフィリン、水溶性アナトー、イカスミ末、カラメル、グアイアズレン、クチナシ青、クチナシ黄、
【0086】
コチニール、シコニン、銅クロロフィリンナトリウム、パプリカ色素、ベニバナ赤、ベニバナ黄、ラッカイン酸、リボフラビン酪酸エステル等の天然色素、カーボンブラック、黄酸化鉄、黒酸化鉄、ベンガラ、コンジョウ、群青、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化チタン、黒酸化チタン、酸化ジルコニウム、水酸化クロム、アルミナ、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、チタン酸リチウムコバルト、マンガンバイオレット、パール顔料などが挙げられる。
【0087】
上記植物抽出物としては、具体的には、アシタバエキス、アセンヤクエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アマチャズルエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、油溶性アルニカエキス、アルモンドエキス、アロエエキス、アンソッコウエキス、イチョウエキス、イラクサエキス、イリス根エキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オクラエキス、オトギリソウエキス、油溶性オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、油溶性オドリコソウエキス、オノニスエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、オレンジフラワー水、海藻エキス、カキタンニン、カッコンエキス、カノコソウエキス、ガマエキス、カモミラエキス、油溶性カモミラエキス、カモミラ水、カラスムギエキス、カロットエキス、油溶性カロットエキス、カロット油、
【0088】
カワラヨモギエキス、カンゾウエキス、カンゾウ抽出末、カンゾウフラボノイド、カンタリスチンキ、キイチゴエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、キョウニンエキス、クインスシードエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミ殻エキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、、黒砂糖エキス、クロレラエキス、クワエキス、ケイヒエキス、ゲンチアナエキス、ゲンノショウコエキス、紅茶エキス、コウホネエキス、ゴボウエキス、油溶性ゴボウエキス、コムギ胚芽エキス、加水分解コムギ末、コメヌカエキス、コメヌカ発酵エキス、コンフリーエキス、サイシンエキス、サフランエキス、サボンソウエキス、油溶性サルビアエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、シイタケエキス末、ジオウエキス、シコンエキス、油溶性シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、油溶性シナノキエキス、
【0089】
シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ジュズダマエキス、ショウキョウエキス、油溶性ショウキョウエキス、ショウキョウチンキ、ショウブ根エキス、シラカバエキス、油溶性シラカバエキス、シラカバ樹液、スイカズラエキス、スギナエキス、油溶性スギナエキス、スコルジニン、ステビアエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウネズエキス、セイヨウノコギリソウエキス、油溶性セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、油溶性セージエキス、セージ水、ゼニアオイエキス、セロリエキス、センキュウエキス、センキュウ水、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、チャエキス、チャ乾留液、チャ実エキス、チョウジエキス、チンピエキス、ツバキエキス、ツボクサエキス、油溶性テウチグルミエキス、デュークエキス、テルミナリアエキス、トウガラシチンキ、
【0090】
トウキエキス、油溶性トウキエキス、トウキ水、トウキンセンカエキス、油溶性トウキンセンカエキス、豆乳末、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキ
ス、トルメンチラエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、油溶性ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、油溶性ノバラエキス、バクガエキス、バクガ根エキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、ハダカムギ葉汁濃縮物、蒸留ハッカ水、ハマメリス水、ハマメリス抽出液、バラエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビワ葉エキス、油溶性ビワ葉エキス、フキタンポポエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブッチャーブルームエキス末、ブドウエキス、ブドウ葉エキス、ブドウ水、ヘイフラワーエキス、ヘチマエキス、ヘチマ水、ベニバナエキス、
【0091】
油溶性ボダイジュエキス、ボダイジュ水、ボタンエキス、ホップエキス、油溶性ホップエキス、マツエキス、マリアアザミエキス、マロニエエキス、油溶性マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、メリロートエキス、モモ葉エキス、油溶性モモ葉エキス、モヤシエキス、ヤグルマギクエキス、ヤグルマギク水、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユリエキス、ヨクイニンエキス、油溶性ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ヨモギ水、ラベンダーエキス、ラベンダー水、リンゴエキス、レイシエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズ水、ローズマリーエキス、油溶性ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ワレモコウエキスなどが挙げられる。
【0092】
上記アミノ酸類およびペプチド類としては、具体的には、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、アルギニン、ヒスチジン、リシン、γ−アミノ酪酸、DL−ピロリドンカルボン酸、ε−アミノカプロン酸、加水分解エラスチン、水溶性エラスチン、加水分解コラーゲン、水溶性コラーゲン、カゼイン、グルタチオン、小麦ペプチド、大豆ペプチドなどが挙げられる。
【0093】
上記ビタミン類およびビタミン様作用因子類としては、具体的には、レチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、α−カロチン、β−カロチン、γ−カロチン、δ−カロチン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、エキネノン、アスタキサンチン等のカロテノイド類、チアミン類等のビタミンB1類、リボフラビン等のビタミンB2類、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン等のビタミンB6類、シアノコバラミン等のビタミンB12類、葉酸類、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、パントテン酸類、ビオチン類、
【0094】
L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、ステアリン酸L−アスコルビル、パルミチン酸L−アスコルビル、ジパルミチン酸L−アスコルビル、テトライソパルミチン酸L−アスコルビル、L−アスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム、L−アスコルビルマグネシウム、リン酸L−アスコルビルナトリウム、L−アスコルビン酸−2−グルコシド、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミチン酸ナトリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、d−α−トコフェロール、DL−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、d−δ−トコフェロール等のビタミンE類、ユビキノン類、ビタミンK類、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、α−リポ酸、オロット酸などが挙げられる。
【0095】
上記防腐剤としては、具体的には、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ウンデシレン酸、サリチル酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラヒドロキシ安息香酸イソブチル、パラヒドロキシ安息香酸イソプロピル、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸ブチル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル、パラヒドロキシ安息香酸ベンジル、パラヒドロキシ安息香酸メチル、パラヒドロキシ安息香酸メチルナトリウム、フェノキシエタノール、感光素101号、感光素201号、
感光素401号などが挙げられる。
【0096】
上記酸化防止剤としては、具体的には、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、パラヒドロキシアニソール、没食子酸オクチルなどが挙げられる。
【0097】
上記金属イオン封鎖剤としては、具体的には、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸、フィチン酸、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウムなどが挙げられる。
【0098】
上記保湿剤としては、具体的には、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、乳酸菌培養液、酵母エキス、セラミドなどが挙げられる。
【0099】
上記抗炎症剤としては、具体的には、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、β−グリチルレチン酸、グリチルレチン酸グリセリン、グリチルレチン酸ステアリル、塩化リゾチーム、ヒドロコルチゾン、アラントインなどが挙げられる。
【0100】
上記pH調整剤としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミンなどが挙げられる。
上記塩類としては、具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0101】
上記有機酸類としては、クエン酸、グリコール酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸などが挙げられる。
上記美白剤としては、具体的には、アルブチン、α−アルブチン、プラセンタエキスなどが挙げられる。
【0102】
上記精油類としては、具体的には、アンゼリカ油、イランイラン油、エレミ油、オレンジ油、カミツレ油、ローマカミツレ油、カルダモン油、カラムス油、ガルバナム油、カンファー油、キャロットシード油、クラリーセージ油、グレープフルーツ油、チョウジ油、ケイヒ油、コリアンダー油、サイプレス油、サンダルウッド油、シダーウッド油、シトロネラ油、シナモンリーフ油、ジャスミンアブソリュート、ジュニパーベリー油、ジンジャーエクストラクト、スペアミント油、セージ油、セダー油、ゼラニウム油、タイム油、ティーツリー油、ナツメグ油、ニアウリ油、ネロリ油、パイン油、バジル油、ハッカ油、パチュリー油、パルマローザ油、フェンネル油、プチグレン油、ブラックペッパー油、フランキンセンス油、ベチバ油、ペパーミント油、ベルガモット油、ベンゾイン油、ボアドローズ油、マジョラム油、マンダリン油、ミルラ油、メリッサ油、ユーカリ油、ゆず油、ライム油、ラベンサラ油、ラバンジン油、ラベンダー油、リンデン油、レモン油、レモングラス油、ローズ油、ローズウッド油、ローズマリー油、ロベージ油などが挙げられる。
【0103】
上記テルペン類としては、具体的には、リモネン、ピネン、テルピネン、テルピノーレン、ミルセン、ロンギフィーレンなどが挙げられる。
上記成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記成分の中では、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤および非イオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤が好適に用いられる。
【0104】
さらに、本発明の化粧料には、既存の化粧品原料を一般的な濃度で添加することもできる。たとえば、化粧品原料基準第二版注解、日本公定書教会編、1984(薬事日報社)、化粧品原料基準外成分規格、厚生省薬務局審査課監修、1993(薬事日報社)、化粧品原料基準外成分規格追補、厚生省薬務局審査課監修、1993(薬事日報社)、化粧品種別許可基準、厚生省薬務局審査課監修、1993(薬事日報社)、化粧品種別配合成分規格、厚生省薬務局審査課監修、1997(薬事日報社)、および化粧品原料辞典、平成3年(日光ケミカルズ)等に記載されている全ての化粧品原料を使用することができる。
【0105】
これらの成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧料に含有させることができるが、化粧料全量中に通常は0.01〜90質量%、好ましくは0.1〜25質量%、より好ましくは0.3〜10質量%の量で含有させることができる。
【0106】
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0107】
<実施例1>
市販のL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム塩(和光純薬工業(株)製)56gおよびL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩(協和醗酵工業(株)製)24gを水1kgに溶解し、0.45μmのメンブレンフィルターでろ過した後、2流体ノズル噴霧法により、入口温度186℃、出口温度98℃、滞留時間30秒の条件で噴霧乾燥し、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩(以下「塩(1)」ともいう。)の乾燥品61gを得た。
【0108】
得られた塩(1)約0.2gを精密に秤量し、硫硝酸分解した。これを精製水で100mlに定容し、さらに100倍希釈した後、ICP発光分析装置(島津製作所株式会社製「ICPS−8000E」)を用いて、塩(1)のマグネシウム含量を測定した。その結果、塩(1)のマグネシウム含量は6.8質量%であった。
【0109】
また、得られた塩(1)約0.2gを精密に秤量し、硫硝酸分解した。これを精製水で100mlに定容し、さらに1000倍希釈した後、原子吸光分析装置(島津製作所株式会社製「AA−6700」)を用いて、塩(1)のナトリウム含量を測定した。その結果、塩(1)のナトリウム含量は6.5質量%であった。
【0110】
さらに、得られた塩(1)約0.2gを精密に秤量し、硫硝酸分解した。これを精製水で100mlに定容し、さらに100倍希釈した後、ICP発光分析装置(島津製作所株式会社製「ICPS−8000E」)を用いて、塩(1)中のリンの含有量を測定した。その結果、塩(1)のリン含量は9.0質量%であった。得られたリン含量を基に、リンの原子量を32、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルの分子量を254として、塩(1)中のL−アスコルビン酸−2−リン酸エステル含量を算出した結果、71.7質量%であった。
【0111】
これらの値を基に、上記式(A)および(B)により、得られた塩(1)におけるマグネシウムおよびナトリウムの当量aおよびbを求めた結果、a=1.0、b=1.0であった。
【0112】
また、得られた塩(1)1.5mgとKBr約800mgとを、めのう乳鉢上で混合し、KBrディスクを作成した。赤外分光計(Bio−Rad Laboratories,Inc.製「FTS6000」)を用いてKBrディスク透過法により塩(1)の赤外吸収スペクトルを測定した。得られた塩(1)の赤外吸収スペクトルを図1に示す。
【0113】
また、得られた塩(1)について、X線回折装置(株式会社リガク製「RU−200B」)を用いてX線結晶回折測定を行った。そのX線回折図を図2に示す。図2より、得られた塩(1)が非晶質であることを確認した。
【0114】
<実施例2>
L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム塩45.5gおよびL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩24.5gを水805gに溶解し、0.5μmのデプスフィルターでろ過した後、2流体ノズル噴霧法により、入口温度186℃、出口温度98℃、滞留時間30秒の条件で噴霧乾燥し、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩(以下「塩(2)」ともいう。)の乾燥品53gを得た。実施例1と同様の測定を行った結果、得られた塩(2)におけるマグネシウムおよびナトリウムの当量は、a=1.0、b=1.1であった。
【0115】
<実施例3>
L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム塩40gおよびL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩40gを水1kgに溶解し、0.45μmのメンブレンフィルターでろ過した後、2流体ノズル噴霧法により、入口温度186℃、出口温度98℃、滞留時間30秒の条件で噴霧乾燥し、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩(以下「塩(3)」ともいう。)の乾燥品61gを得た。実施例1と同様の測定を行った結果、得られた塩(3)におけるマグネシウムおよびナトリウムの当量は、a=0.7、b=1.6であった。得られた塩(3)の赤外吸収スペクトルを図3に示す。
【0116】
<実施例4>
L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム塩24gおよびL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩56gを水1kgに溶解し、0.45μmのメンブレンフィルターでろ過した後、2流体ノズル噴霧法により、入口温度186℃、出口温度98℃、滞留時間30秒の条件で噴霧乾燥し、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩(以下「塩(4)」ともいう。)の乾燥品61gを得た。実施例1と同様の測定を行った結果、得られた塩(4)におけるマグネシウムおよびナトリウムの当量は、a=0.4、b=2.2であった。得られた塩(4)の赤外吸収スペクトルを図4に示す。
【0117】
<実施例5>
L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム塩5gおよびL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩5gを水100gに溶解し、−80℃で凍結した後、0.01Torrの条件で凍結し、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩(以下「塩(5)」ともいう。)の乾燥品9.5gを得た。実施例1と同様の測定を行った結果、得られた塩(5)におけるマグネシウムおよびナトリウムの当量は、a=0.7、b=1.6であった。
【0118】
<比較例1>
L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム塩80gを水1kgに溶解し、0.45μmのメンブレンフィルターでろ過した後、2流体ノズル噴霧法により、入口温度186℃、出口温度98℃、滞留時間30秒の条件で噴霧乾燥し、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム塩(以下「塩(6)」ともいう。)の乾燥品61gを得た。実施例1と同様の測定を行った結果、得られた塩(6)におけるマグネシウムおよびナトリウムの当量は、a=1.5、b=0であった。
【0119】
<比較例2>
L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム塩72gおよびL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩8gを水1kgに溶解し、0.45μmのメンブレンフィルターでろ過した後、2流体ノズル噴霧法により、入口温度186℃、出口温度98℃、滞留時間30秒の条件で噴霧乾燥し、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩(以下「塩(7)」ともいう。)の乾燥品61gを得た。実施例1と同様の測定を行った結果、得られた塩(7)におけるマグネシウムおよびナトリウムの当量は、a=1.4、b=0.3であった。
【0120】
<比較例3>
L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム塩8gおよびL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩72gを水1kgに溶解し、0.45μmのメンブレンフィルターでろ過した後、2流体ノズル噴霧法により、入口温度186℃、出口温度98℃、滞留時間30秒の条件で噴霧乾燥し、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩(以下「塩(8)」ともいう。)の乾燥品61gを得た。実施例1と同様の測定を行った結果、得られた塩(8)におけるマグネシウムおよびナトリウムの当量は、a=0.1、b=2.7であった。
【0121】
〔評価〕
L−アスコルビン酸−2−リン酸エステル塩として、実施例1〜5および比較例1〜3で得られた塩、市販のL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム塩(比較例4)、市販のL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩(比較例5)を用い、表1に示す処方で美白ローションを調製した。これを50℃で1ヶ月間保存し、沈殿の析出状態、変色、変臭を評価した。沈殿の析出は、目視により以下の基準で判定した。変色は目視により茶褐色の着色を以下の基準で判定した。変臭は官能評価により、臭いの有無を判定した。結果を表2に示す。
【0122】
また、比較例4で用いたL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム塩の赤外吸収スペクトルを図5に、比較例5で用いたL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩の赤外吸収スペクトルを図6に示す。さらに、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム塩とL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩との質量比が7:3である混合物および質量比が3:7である混合物の赤外吸収スペクトルを、それぞれ図7および図8に示す。
【0123】
(沈殿の析出)
++:著しい析出あり
+ :析出あり
± :わずかに析出あり
− :析出なし
(変色)
++:濃い茶褐色
+ :茶褐色
± :薄い茶褐色
− :ほとんど着色なし
【0124】
【表1】

【0125】
【表2】

【0126】
〔処方例〕
以下に、上記実施例1〜5で得られたL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩(A2PMgNa)を用いた化粧料の処方例を示す。なお、本発明の化粧料はこれらに限定されるものではない。
【0127】
<処方例1>
(調整法)
下記成分を85℃に加温、溶解し、ホモミキサーで攪拌しながら40℃まで冷却し、室温で放置して調製した。
【0128】
(成分)
ベヘニルアルコール 2.4%
ステアリルアルコール 2.4%
海藻エキス 0.1%
キサンタンガム 0.2%
パルミチン酸デキストリン 2.4%
パラヒドロキシ安息香酸メチル 0.1%
パラヒドロキシ安息香酸プロピル 0.05%
グリチルレチン酸ステアリル 0.1%
メチルポリシロキサン 2.4%
スクワラン 4.8%
イソノナン酸イソノニル 2.4%
α−トコフェロール 0.2%
トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.4%
2−オクチルドデカノール 2.4%
モノステアリン酸ポリ(10)グリセリル 12%
1,3−ブタンジオール 2.4%
グリセリン 4.8%
ヒアルロン酸ナトリウム(1%水溶液) 4.8%
クエン酸ナトリウム 0.4%
塩化ナトリウム 0.8%
実施例1で得られたA2PMgNa 3%
精製水 残量
【0129】
<処方例2>
(調製法)
下記成分を85℃に加温、溶解し、ホモミキサーで攪拌しながら40℃まで冷却し、室温で放置して調製した。
【0130】
(成分)
セタノール 5%
デカメチルシクロペンタシロキサン 4%
2−エチルヘキサン酸セチル 4%
トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 2%
バチルアルコール 1%
メチルポリシロキサン 0.3%
1,3−ブタンジオール 7%
水添レシチン 1.1%
アルギニン 0.1%
モノミリスチン酸ポリ(10)グリセリル 1%
クエン酸ナトリウム 0.2%
パラヒドロキシ安息香酸メチル 0.15%
パラヒドロキシ安息香酸プロピル 0.05%
キサンタンガム 0.1%
エデト酸四ナトリウム 0.1%
α−トコフェロール 0.1%
実施例2で得られたA2PMgNa 3%
精製水 残量
【0131】
<処方例3>
(調製法)
下記成分を85℃に加温、溶解し、ホモミキサーで攪拌しながら40℃まで冷却し、室温で放置して調製した。
【0132】
(成分)
サーファクチンナトリウム 1.6%
ベヘニルアルコール 8%
ステアリルアルコール 8%
フィトステロール 0.4%
キサンタンガム 0.2%
水添レシチン 0.8%
パルミチン酸デキストリン 1.6%
パラヒドロキシ安息香酸メチル 0.1%
パラヒドロキシ安息香酸プロピル 0.05%
グリセリン 8%
スクワラン 8%
イソノナン酸イソノニル 4%
トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 4%
メチルポリシロキサン 0.9%
水酸化カリウム(10%水溶液) 0.2%
実施例3で得られたA2PMgNa 3%
精製水 残量
【0133】
<処方例4>
(調製法)
下記成分を85℃に加温、溶解し、ホモミキサーで攪拌しながら40℃まで冷却し、室温で放置して調製した。
【0134】
(成分)
スクワラン 7%
2−エチルヘキサン酸セチル 5%
トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 3%
パルミチン酸セチル 0.7%
ベヘニルアルコール 0.5%
水添レシチン 0.5%
モノステアリン酸ポリ(10)グリセリル 2%
ステアリン酸グリセリル 1%
α−トコフェロール 0.1%
フェノキシエタノール 0.5%
パラヒドロキシ安息香酸プロピル 0.1%
キサンタンガム 0.2%
1,3−ブタンジオール 5%
パラヒドロキシ安息香酸メチル 0.2%
グルタミン酸ナトリウム 0.3%
実施例4で得られたA2PMgNa 3%
精製水 残量
【0135】
<処方例5>
(調製法)
下記成分をプロペラミキサーで完全に溶解するまで攪拌して調製した。
【0136】
(成分)
パラヒドロキシ安息香酸メチル 0.1%
クエン酸(10%水溶液) 0.2%
クエン酸ナトリウム 2.4%
硫酸ナトリウム 0.4%
エデト酸二ナトリウム 0.2%
グリセリン 4%
1,2−ペンタンジオール 4%
1,2−ヘキサンジオール 4%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1%
ヒアルロン酸(1%水溶液) 4%
実施例5で得られたA2PMgNa 6%
精製水 残量
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】実施例1で得られたL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩の赤外吸収スペクトル図である。縦軸は透過率、横軸は波数を示す。
【図2】実施例1で得られたL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩のX線回折図である。縦軸は回折強度、横軸は回折角度を示す。
【図3】実施例3で得られたL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩の赤外吸収スペクトル図である。縦軸は透過率、横軸は波数を示す。
【図4】実施例4で得られたL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩の赤外吸収スペクトル図である。縦軸は透過率、横軸は波数を示す。
【図5】比較例4で用いた市販のL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム塩の赤外吸収スペクトル図である。縦軸は透過率、横軸は波数を示す。
【図6】比較例5で用いた市販のL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩の赤外吸収スペクトル図である。縦軸は透過率、横軸は波数を示す。
【図7】L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム塩とL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩の質量比7:3の混合物の赤外吸収スペクトル図である。縦軸は透過率、横軸は波数を示す。
【図8】L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム塩とL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩の質量比3:7の混合物の赤外吸収スペクトル図である。縦軸は透過率、横軸は波数を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で示される化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩。
【化1】

(式(1)中、aおよびbは当量を表し、aは0.3〜1.1の範囲内であり、bは0.8〜2.4の範囲内であり、かつ、2a+bの値は2.7〜3.3の範囲内である。)
【請求項2】
KBrディスク透過法により測定した赤外吸収スペクトルにおいて、波数1410〜1417cm-1、1146〜1150cm-1および1115〜1118cm-1の範囲に吸収ピークを有し、かつ、波数1284〜1286cm-1、1162〜1164cm-1および1122〜1123cm-1の範囲に吸収ピークを有しないことを特徴とする請求項1に記載の化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩。
【請求項3】
非晶質であることを特徴とする請求項1または2に記載の化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩。
【請求項4】
L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウム塩およびL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩の水溶液を噴霧乾燥もしくは凍結乾燥することを特徴とする、下記式(1)で示される化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩の製造方法。
【化2】

(式(1)中、aおよびbは当量を表し、aは0.3〜1.1の範囲内であり、bは0.8〜2.4の範囲内であり、かつ、2a+bの値は2.7〜3.3の範囲内である。)
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩を含有することを特徴とする化粧料。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかに記載の化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩と、
陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤および非イオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤と
を含有することを特徴とする化粧料。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれかに記載の化粧料配合用L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルマグネシウムナトリウム塩と、
クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸、アスパラギン酸ナトリウム、エデト酸、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、ヒドロキシエタンジホスホン酸四ナトリウム、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エタノール、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸ステアリル、アラントイン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、アルカリゲネス・レータス B−16ポリマー、キサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシビニルポリマー、合成ケイ酸ナトリウムマグネシウム、海藻エキス、レシチン、水添レシチン、フェノキシエタノール、パラヒドロキシ安息香酸メチル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸−2−グルコシド、L−アスコルビン酸−2−リン酸−6−パルミチン酸ナトリウム、アルブチン、サーファクチンナトリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アルギニン、セリン、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、バチルアルコール、メチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、2−エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、ミリスリン酸オクチルドデシル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、パルミチン酸セチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、オリーブ油、流動パラフィン、スクワラン、炭酸ジカプリル、モノミリスチン酸ポリ(10)グリセリル、モノイソステアリン酸ポリ(10)グリセリル、モノステアリン酸ポリ(10)グリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、縮合リシノレイン酸ポリ(6)グリセリル、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、ステアロイル乳酸ナトリウム、イソステアロイル乳酸ナトリウム、ビタミンE類、コレステロールおよびフィトステロールからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と
を含有することを特徴とする化粧料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−63060(P2006−63060A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−326437(P2004−326437)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】