説明

LEDベースの照明用の赤色蛍光体

【課題】新規な蛍光体組成物を提供する。
【解決手段】REが、Sc、Lu、Gd、Y、及びTbのうちの少なくとも1つであり、0.0001<x<0.1、及び0.001<y<0.1である化学式(RE1−yCey)Mg−xLixSi3xPxO12を有する蛍光体組成物。少なくとも1つの付加的蛍光体と組み合わされ、かつ青色又はUVのLEDからの放射線を受ける時に、これらの蛍光体は、広い色温度範囲にわたって高CRIを有する良好な色品質を備えた白色光源を提供することができる。上述の蛍光体と付加的蛍光体との配合物も開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の例示的な実施形態は、新規な蛍光体組成物に関する。それらは、LED生成紫外線(UV)、紫色、又は青色放射線の一般照明目的のための白色光又は他の有色光への変換に関連する特定の用途を得ている。しかし、本発明は、コンピュータ断層撮影(CT)及びポジトロン放射断層撮影(PET)内のシンチレーション検出素子としてのHgベース蛍光ランプ、UV、紫色、及び/又は青色レーザ、並びに様々な用途のための他の白色又は有色光源における放射線の変換にも適用することができることを認めるべきである。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、白熱ランプのような他の光源の代替として多く使用される半導体発光体である。それらは、表示ランプ、警告ランプ、及び指示ランプとして又は有色光が要求される他の用途において特に有用である。LEDによって生成される光の色は、その製造に使用された半導体材料の種類に依存する。
【0003】
発光ダイオード及びレーザ(本明細書において両方は総括してLEDと呼ばれる)を含む有色半導体発光装置は、窒化ガリウム(GaN)のようなIII−V族合金から製造されている。LEDを形成するために、合金の層は、炭化珪素又はサファイアのような基板上に通常はエピタキシャル堆積され、かつ発光効率のような特性を改善するために様々なn型及びp型ドーパントでドープすることができる。GaNベースLEDに関しては、電磁スペクトルのUV及び/又は青色の範囲で一般的に光が放射される。ごく最近まで、LEDは、LEDによって生成される光の固有の色のために、明るい白色光を必要とする照明用途には適切ではなかった。
【0004】
近年、LEDから放射された光を照明目的に有用な光に変換するための技術が開発されている。1つの技術においては、LEDは、蛍光体層で被覆されるか又は覆われる。蛍光体は、電磁スペクトルの一部分の放射線エネルギを吸収して電磁スペクトルの別の部分のエネルギを放出するルミネセント材料である。1つの重要な部類の蛍光体は、非常に高い化学的純度かつ制御された組成の結晶性無機化合物であり、それらを効率的なルミネセント材料に変換するためにそれらに少量の他の元素(「アクチベータ」と呼ばれる)が添加される。アクチベータとホスト無機化合物との適正な組合せによって、発光の色を制御することができる。大部分の有用で公知の蛍光体は、可視範囲外の電磁放射線による励起に応答して電磁スペクトルの可視部分の放射線を放出する。
【0005】
LEDによって生成された放射線によって励起された蛍光体を介在させることにより、異なる波長、例えば、スペクトルの可視範囲にある光を生成することができる。有色LEDは、玩具、指示光、及び他の装置に頻繁に使用される。製造会社は、特別仕様の色及びより高い照度を生じさせるために、そのようなLEDに使用される新規な有色蛍光体を継続的に探索している。
【0006】
有色LEDに加え、LED生成光と蛍光体生成光の組合せを使用して、白色光を生成することができる。最も一般的な白色LEDは、青色発光GaInNチップに基づくものである。青色発光チップは、青色放射線の一部を補色、例えば、黄緑色発光に変換する蛍光体で被覆される。蛍光体とLEDチップからの光の合計は、対応する色座標(x及びy)及び相関色温度(CCT)を有する有色ポイントを提供し、そのスペクトル分布は、演色指標(CRI)によって測定される演色機能を提供する。
【0007】
CRIは、「汎用演色指標」と通常称されてRaと略される8個の標準有色サンプルに関する平均値(R1-8)として普通定められるが、14個の標準有色サンプルが国際的に指定され、それらの平均値としてより広範なCRI(R1-14)を算定することができる。
【0008】
1つの公知の白色発光装置は、セリウムドープのイットリウム・アルミニウム・ガーネットY3Al512:Ce3+(YAG)のような蛍光体と組み合わせた青色範囲(約440nmから約480nm)にピーク放射波長を有する青色発光LEDを含む。この蛍光体は、LEDから放射された放射線の一部を吸収し、その吸収された放射線を黄緑色光に変換する。LEDによって放射された青色光の残りは、蛍光体を透過し、蛍光体によって放射された黄色光と混合される。観察者は、青色光と黄色光の混合光を白色光として知覚する。
【0009】
上述の青色LED−YAG蛍光体装置は、約4000Kから8000Kの調整可能な色温度範囲で約70−82の汎用演色指標(Ra)を有する白色光を通常生成する。典型的な一般照明用途は、青色LED−YAG手法を用いて可能な値に比べて、より高いCRI値及びより低いCCT値を必要とする。CRIを改善するために、最近の市販LEDは、YAG蛍光体と、CaS:Eu2+又は(Ba,Sr,Ca)2Si58:Eu2+のような赤色蛍光体を含む1つ又はそれよりも多くの付加的蛍光体との配合物を用い、90付近のRaで4000Kよりも低い色温度を提供する。
【0010】
有効ではあるが、そのような蛍光体は、照明装置内に存在する場合がある他の蛍光体(YAGのような)からの放射光を、これらの材料内のEu2+吸収帯が他の蛍光体の発光と重複するために、再吸収する場合がある。これは、全体的なランプ性能における更なる損失を結果的にもたらす。
【0011】
従って、白色及び有色の両方のLEDの製造並びに他の用途において、単一の蛍光体組成物として又は蛍光体配合物の一部として使用することができる付加的赤色蛍光体組成物に対する継続的な必要性が存在している。そのような蛍光体組成物は、良好な色品質(CRI>80)と広範囲な色温度の両方を有する光源を生成する機能を含む望ましい特性を備えた更に広範囲なLEDを可能にすることになる。
【0012】
【特許文献1】米国特許出願第10/696,637号
【発明の開示】
【0013】
第1の態様において、(RE1-yCey)Mg2-xLixSi3-xPxO12を含む希土類酸窒化物蛍光体が提供され、式中、REは、Sc、Lu、Gd、Y、及びTbのうちの少なくとも1つであり、0.0001<x<0.1及び0.001<y<0.1である。
【0014】
第2の態様において、約250から約550nmのピーク発光を有する半導体光源と上述の希土類酸窒化物蛍光体とを含む発光装置が提供される。
【0015】
第3の態様では、上述の第1の希土類酸窒化物蛍光体と少なくとも1つの付加的蛍光体とを含む蛍光体配合物が提供され、蛍光体配合物は、単独で又は蛍光体配合物に放射的に結合された半導体光源によって放射される放射線との組合せのいずれかで、一般照明に使用するのに適切な光を放射することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
蛍光体は、放射線(エネルギ)を可視光に変換する。蛍光体の様々な組合せは、様々な有色光の放射を提供する。蛍光体から発する有色光は、色温度を提供する。新規な蛍光体組成物が本明細書で示され、LED及び他の光源でのそれらの利用法についても示される。
【0017】
蛍光体変換材料(蛍光材料)は、生成したUV又は青色放射線を異なる波長の可視光に変換する。その生成した可視光の色は、蛍光材料の個々の組成に依存する。蛍光材料は、単一の蛍光体組成物のみを含むことができ、又は光の望ましい色(色合い)を放射するために2つ又はそれよりも多くの基本色の蛍光体、例えば、黄色蛍光体と赤色蛍光体の1つ又はそれよりも多くとの特定の混合を含むことができる。本明細書で使用される時、用語「蛍光材料」には、単一の蛍光体並びに2つ又はそれよりも多くの蛍光体の配合物の両方を含むことが意図されている。
【0018】
明るい白色光を生成するLEDランプは、光源としてのLEDに好ましい特質を与えるのに有用であると考えられると判断された。従って、本発明の一実施形態では、ルミネセント材料蛍光体変換材料で被覆したLEDチップを白色光を提供するために開示する。蛍光材料は、個々の蛍光体とすることができ、又は例えばUVLEDから可視光LEDによって放射された約250から550nmの放射線である特定の波長での放射線を異なる波長の可視光に変換する個々の蛍光体を含む2つ又はそれよりも多くの蛍光体組成物の蛍光体配合物とすることができる。蛍光材料によって(LEDが可視光を放射する場合には、かつLEDによって)提供された可視光は、高い強度及び高い輝度を有する明るい白色光を含む。
【0019】
図1を参照すると、例示的なLEDベース発光アセンブリ又はランプ10が、本発明の1つの好ましい構造に従って示されている。発光アセンブリ10は、発光ダイオード(LED)チップ12のような半導体UV又は可視放射線発生源とLEDチップに電気的に付着されたリード14とを含む。リード14は、より厚いフレーム16によって支持された細いワイヤを含むことができ、又は独立型電極を含んでリードフレームを削除することができる。リード14は、LEDチップ12に電流を提供し、それに従ってLEDチップ12が放射線を放出する。
【0020】
ランプは、その放射した放射線が蛍光体上に導かれた時に白色光を生成することができるあらゆる半導体可視光源又はUV光源を含むことができる。LEDチップの好ましいピーク放射は、開示した実施形態での蛍光体のアイデンティティに依存することになり、例えば、250−550nmの範囲にすることができる。しかし、1つの好ましい実施形態では、LEDの放射光は、近UV領域から深青色領域にあり、約350から約430nmの範囲内にピーク波長を有することになる。通常は、更に、半導体光源は、様々な不純物でドープされたLEDを含む。このようにして、LEDは、あらゆる適切なIII−V、II−VI、又はIV−IV半導体層を基盤とし、かつ約250から550nmの放射線長を有する半導体ダイオードを含むことができる。
【0021】
好ましくは、LEDは、GaN、ZnSe、又はSiCを含む少なくとも1つの半導体層を収容することができる。例えば、LEDは、化学式IniGajAlkN(式中、0≦i、0≦j、0≦k、及びi+j+k=1)で表され、約250nmよりも長く、約550nmよりも短いピーク放射線長を有する窒化物化合物半導体を含むことができる。こうしたLED半導体は、当業技術が公知である。放射線発生源は、本明細書では便宜上LEDとして説明される。しかし、本明細書で使用される時、この用語は、例えば、半導体レーザダイオードを含む全ての半導体放射線発生源を包含するように意図されている。
【0022】
本明細書に説明される本発明の例示的な構造体の一般的な説明は、無機LEDベース光源に向けられているが、LEDチップは、別途説明しない限り、有機発光構造体又は他の放射線発生源で置換することができ、LEDチップ又は半導体へのあらゆる言及は、あらゆる適切な放射線発生源の代表例であるに過ぎないことを理解すべきである。
【0023】
LEDチップ12は、LEDチップ及び封入材料20を閉じ込めるシェル18内に封入することができる。シェル18は、例えば、ガラス又はプラスチックとすることができる。好ましくは、LED12は、実質的に封入材料20の中心に置かれる。封入材料20は、好ましくは、エポキシ、プラスチック、低温ガラス、ポリマー、熱可塑性、熱硬化性材料、樹脂、又は当業技術で公知の他の種類のLED封入用材料である。任意的に、封入材料20は、スピン・オン・ガラス又は何らかの他の高屈折率材料である。好ましくは、封入材料20は、エポキシ、又はシリコーンのようなポリマー材料である。シェル18及び封入材料20の両方は、LEDチップ12及び蛍光材料22(以下に説明される)によって生成される光の波長について好ましくは透明又は実質的に光透過性である。代替的な実施形態では、ランプ10は、外側シェル18を持たずに封入材料を含むのみとすることができる。LEDチップ12は、例えば、リードフレーム16、独立型電極、シェル18の底部、又はシェル又はリードフレームに取り付けられた台(図示せず)によって支持することができる。
【0024】
照明システムの構造体は、LEDチップ12に放射的に結合された蛍光材料22を含む。放射的結合とは、一方からの放射線が他方に伝達されるように各要素が関連付けられることを意味する。
【0025】
この蛍光材料22は、いずれかの適切な方法によってLED12上に堆積される。例えば、蛍光体の水性懸濁液が形成され、LED表面に蛍光体層として付加することができる。1つのこのような方法では、蛍光体粒子が内部にランダムに懸濁されたシリコーン・スラリがLEDの周囲に置かれる。本方法は、蛍光材料22及びLED12の可能な位置の単なる例示に過ぎない。従って、蛍光材料22は、LEDチップ12の上に蛍光体懸濁液を被覆して乾燥することにより、LEDチップ12の発光表面の上方又は直接表面上に被覆することができる。シェル18及び封入材料20は、光24がそれらの要素を通過して伝達可能にするように透明でなければならない。限定を意図しないが、一実施形態において、蛍光材料の平均粒径は、約1から約10ミクロンとすることができる。
【0026】
図2は、本発明の好ましい態様によるシステムの第2の好ましい構造を示している。図2の実施形態の構造は、蛍光材料122がLEDチップ112上に直接形成されるのではなく、封入材料120内に散布されていることを除いては、図1のものと類似する。蛍光材料(粉末の形態での)は、封入材料120の単一領域内に散布することができ、又はより好ましくは、封入材料の全容積にわたって散布することができる。LEDチップ112によって放射された放射線126は、蛍光材料122によって放射された光と混合し、混合光は、白色光124として出現する。蛍光体が封入材料120内に散布される場合、蛍光体粉末がポリマー前駆体に添加され、それをLEDチップ112の周囲に装填することができ、次に、そのポリマー前駆体を硬化処理することができ、ポリマー材料が固形化される。伝達荷重法のような他の公知の蛍光体散布方法も使用することができる。
【0027】
図3は、本発明の好ましい態様によるシステムの第3の好ましい構造を示している。図3に示す実施形態の構造は、蛍光材料222がLEDチップ212の上に形成されるのではなく、シェル218の表面上に被覆されていることを除いては、図1のものと類似する。蛍光材料は、好ましくは、シェル218の内面上に被覆されるが、必要に応じて、蛍光体は、シェルの外面上に被覆することができる。蛍光材料222は、シェルの全表面上に被覆することができ、又はシェルの表面の上部上だけに被覆することができる。LEDチップ212によって放射された放射線226は、蛍光材料222によって放射された光と混合し、混合光は、白色光224として出現する。当然ながら、図1−図3の構造は、組み合わせることができ、蛍光体は、いずれか2つ又は全ての3つの箇所、又はシェルから分離されるか又はLED内に組み込まれるようないずれかの他の適切な箇所内に配置することができる。
【0028】
上述の構造のうちのいずれかにおいて、ランプ10は、封入材料内に埋め込まれた複数の散乱用粒子(図示せず)もまた含むことができる。散乱用粒子は、例えば、アルミナ粉末のようなAl23粒子又はTiO2粒子を含むことができる。散乱用粒子は、LEDチップから放射されたコヒーレント光を実質的に散乱させ、望ましくは吸収の量はごく僅かである。
【0029】
図4における第4の好ましい構造で示すように、LEDチップ412は、反射カップ430内に装着することができる。カップ430は、アルミナ、チタニア、又は当業技術で公知の他の絶縁性材料のような反射性材料で製造されるか又はこの材料で被覆することができる。好ましい反射性材料は、Al23である。図4の実施形態の構造の残り部分は、先の図のうちのいずれかのものと同様であり、2つのリード416、LEDチップ412を第2のリードに接続する導線432及び封入材料420を含む。
【0030】
一実施形態では、本発明は、上述のLED光に単独又は配合物の一部として蛍光体組成物22内に使用することができる新規な蛍光体組成物を提供し、この組成物は、化学式(RE1-yCey)Mg2-xLixSi3-xx12を有し、式中、REは、Sc、Lu、Gd、Y、及びTbのうちの少なくとも1つ、0.0001<x<0.1及び0.001<y<0.1である。好ましくは、REは、Luである。
【0031】
この実施形態における好ましい蛍光体は、Lu1.91Ce0.09CaMg1.95Li0.05Si2.950.0512である。
【0032】
この蛍光体は、(0.55、0.445)の1931CIE色度図上での放射光色座標(ccx、ccy)を有する。これは、本出願人に譲渡された2003年10月29日提出の現在出願中の米国特許出願第10/696,637号に開示された(0.535、0.46)の有色ポイントを有する蛍光体Lu1.91Ce0.09CaMg2Si312よりも赤い放射色を呈する。
【0033】
ドーパントとしてのCe3+の使用は、他の蛍光体が存在する時に、他の赤色蛍光体に比較して得られる照明装置の効率を高めることができる。すなわち、Eu2+ドープの蛍光体は、装置内に存在する他の蛍光体によって放射された放射線を吸収するが、Ce3+を通常吸収しないことが公知なので、これは、付加的蛍光体(YAGのような)が存在する時の装置パッケージ効率を高める付加的な利点を有し、それは、Eu2+のより低い濃度のためにこれらの蛍光体によって放射された光が少ししか吸収されないからである。
【0034】
青色又はUVのLEDチップを有するのみで多くの用途に適切であるが、上述の蛍光体は、白色光源での使用のために1つ又はそれよりも多くの付加的蛍光体と配合させることができる。従って、別の実施形態では、上述の実施形態のうちの1つからの蛍光体と1つ又はそれよりも多くの付加的蛍光体との配合物を含む蛍光体組成物を含んでLED照明アセンブリが提供され、白色発光装置が形成される。
【0035】
これらの蛍光体は、適切な蛍光体と配合させることができ、2500から10,000Kの範囲のCCT及び50−99の範囲のCRIを有する白色発光装置が生成される。蛍光体配合物において本発明の蛍光体と共に使用されるような適切な蛍光体の非限定的な例は、以下に列挙される。
【0036】
蛍光体配合物内に使用される個々の蛍光体の特定の量は、要求の色温度に依存する。蛍光体配合物内の各蛍光体の相対的な量は、スペクトル重みの形に説明される。スペクトル重みは、各蛍光体が装置の全体の放射スペクトルに寄与する相対量である。全ての個別蛍光体及びLED光源からのあらゆる残留ブリードのスペクトル重みの量は、合計で100%とならなければならない。配合蛍光体の好ましい実施形態では、この配合物内の上述の蛍光体は、約1から75%の範囲のスペクトル重みを有することになる。
【0037】
本発明の上述の蛍光体と組み合わせて使用することができる適切な蛍光体の非限定的な例としては、以下のものが挙げられる。
(Ba,Sr,Ca)5(PO43(Cl,F,Br,OH):Eu2+,Sb3+
(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu2+,Mn2+
(Ba,Sr,Ca)BPO5:Eu2+,Mn2+
(Sr,Ca)10(PO46*nB23:Eu2+

Sr2Si38*2SrCl2:Eu2+
Ba3MgSi28:Eu2+

Sr4Al1426:Eu2+
BaAl813:Eu2+
2SrO*0.84P25*0.16B23:Eu2+
(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu2+,Mn2+
(Ba,Sr,Ca,Zn)5(PO43(Cl,F,OH):Eu2+,Mn2+,Sb3+
(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu2+,Mn2+(BAMn)

(Ba,Sr,Ca)Al24:Eu2+
(Y,Gd,Lu,Sc,La)BO3:Ce3+,Tb3+
Ca8Mg(SiO44Cl2:Eu2+,Mn2+
(Ba,Sr,Ca)2SiO4:Eu2+
(Ba,Sr,Ca)2(Mg,Zn)Si27:Eu2+
(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In)24:Eu2+
(Y,Gd,Tb,La,Sm,Pr,Lu)3(Al,Ga)512:Ce3+
(Ca,Sr)8(Mg,Zn)(SiO4)Cl2:Eu2+,Mn2+(CASI)
Na2Gd227:Ce3+,Tb3+
(Ba,Sr)2(Ca,Mg,Zn)B26:K,Ce,Tb

(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn)227:Eu2+,Mn2+(SPP)
(Ca,Sr,Ba,Mg)10(PO46(F,Cl,Br,OH):Eu2+,Mn2+(HALO)

(Gd,Y,Lu,La)23:Eu3+,Bi3+
(Gd,Y,Lu,La)22S:Eu3+,Bi3+
(Gd,Y,Lu,La)VO4:Eu3+,Bi3+
(Ca,Sr)S:Eu2+
SrY24:Eu2+
CaLa24:Ce3+
(Ca,Sr)S:Eu2+
3.5MgO*0.5MgF2*GeO2:Mn4+(MFG)
(Ba,Sr,Ca)MgP27:Eu2+,Mn2+
(Y,Lu)2WO6:Eu3+,Mo6+
(Ba,Sr,Ca)xSiyz:Eu2+
【0038】
上述したように、本発明の蛍光体は、単色光源を製造するために単独で又は白色光源のための配合物でのいずれかで使用することができる。1つの好ましい実施形態では、蛍光体組成物は、上述の本発明の蛍光体と、LED装置から放射された光が白色光であるようにした1つ又はそれよりも多くのギャップ充填蛍光体との配合物である。
【0039】
蛍光体組成物が2つ又はそれよりも多くの蛍光体の配合物を含む時、蛍光体配合物内の個別蛍光体の各々の比率は、要求される光出力の特性に基づいて変えることができる。様々な実施形態の蛍光体配合物内の個別蛍光体の相対比率は、それらの放射光が配合されてバックライト装置に使用される時、CIE色度図上の所定のx及びy値の可視光が生成されるように調整することができる。上述のように、好ましくは白色光が生成される。この白色光は、例えば、約0.30から約0.55の範囲内のx値、及び約0.30から約0.55の範囲内のy値を有することができる。しかし、上述のように、各蛍光体の正確なアイデンティティ及び量は、エンドユーザの要求に従って変更することができる。
【0040】
上述の蛍光体組成物は、例えば、出発原料としての基本的な窒化物、酸化物、炭酸塩、及び/又は水酸化物を結合させることによる蛍光体の製造のための公知の溶液又は固相反応工程を用いて製造することができる。他の出発原料としては、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、又はシュウ酸塩を含むことができる。3代替的に、希土類酸化物の共沈物をRE元素のための出発原料として使用することができる。代表的な工程において、出発原料は、乾式又は湿式配合処理によって混ぜ合わされ、例えば、1000から1600℃で空気中又は還元雰囲気の下で又はアンモニア内で焼成される。
【0041】
混合段階の前又は段階中に、溶剤を混合物に添加することができる。この溶剤は、AlF3、NH4Cl、又はルテチウム、イットリウム、テルビウム、アルミニウム、ガリウム、及びインジウムから成る群から選択される少なくとも1つの金属のフッ化物のようないずれかの他の従来型溶剤とすることができる。混合物の全重量の約20重量%未満、好ましくは、約10重量%未満の溶剤の量は、溶剤処理目的のために一般的に十分である。
【0042】
出発原料は、以下に限定されるものではないが、高速配合器又はリボン配合器内の攪拌又は配合を含むいずれかの機械的方法によって一緒に混合させることができる。出発原料は、ボールミル、ハンマーミル、又はジェットミル内で一緒に混ぜ合わされ、微粉化することができる。特に出発原料の混合物が次の沈殿のために溶液状とされるべきである場合、混合は、湿式粉砕によって行うことができる。混合物が湿っている時は、混合物は、焼成される前に最初に乾燥させることができ、焼成は、還元性雰囲気の下で約900℃から約1700℃、好ましくは、約1400℃から約1600の温度で混合物の全てを最終組成物に変換するのに十分な時間にわたって行われる。
【0043】
焼成は、バッチ式又は連続式工程で、好ましくは、良好な気体−固体接触を促進するための攪拌又は混合作用を伴って行うことができる。焼成時間は、焼成される混合物の量、焼成機器を通過して導かれるガスの速度、及び焼成機器内での気体−固体接触の特性によって決まる。一般的に、約10時間迄の焼成時間で十分であるが、相形成のためには、再粉砕の後に要求される温度で2〜3回再焼成することが望ましい。還元性雰囲気は、水素、一酸化炭素、アンモニア、又はその組合せのような還元性ガスを通常含み、任意的に、窒素、ヘリウムなど、又はその組合せを用いて希釈される。代表的な焼成雰囲気は、窒素内の1%H2である。代替的に、混合物を収容したるつぼが、高純度カーボンを収容した第2のるつぼ内に充填され、それを空気中で焼成することができ、それによってカーボン粒子は、空気中に存在する酸素と反応し、それによって還元性雰囲気を提供するための一酸化炭素が生成される。
【0044】
蛍光体組成物にピグメント又はフィルタを添加することが望ましい場合がある。LEDがUV放射LEDである場合、蛍光体層22は、250nmから550nmの波長を有するUV放射線を吸収又は反射することができるピグメント又は他のUV吸収性材料の0から約5重量%(蛍光体の全重量を基準とした)までを含むことも可能である。
【0045】
適切なピグメント又はフィルタは、250nmから550nmで生成された放射線を吸収することができる当業技術で公知のもののいずれかを含む。そのようなピグメントとしては、例えば、チタン酸ニッケル又はジルコニウム酸プラセオジムが挙げられる。ピグメントは、250nmから550nmの範囲のいずれかで生成された放射線の10%から100%を濾光するに有効な量で使用される。
【0046】
蛍光体配合物の一部として照明用途で使用される時、各蛍光体に適切なスペクトル重みを割り当てることにより、特に白色ランプのための色空間の関連部分を含むスペクトル的配合物を作り出すことができる。様々な要求CCT、CRI、及び有色ポイントについて、配合物内に含まれる各蛍光体の適切な量を判断することができる。このようにして、対応する高CRIを有して殆どあらゆるCCT又は有色ポイントが生成されるように蛍光体配合物を特別に製造することができる。言うまでもなく、各蛍光体の色は、その正確な組成によって定まることになる。しかし、そのような変動が必要とする同様又は類似の特性の照明を形成するためのスペクトル重みの変更を決めることは些細なことであり、実験計画法(DOE)又は他の方策のような様々な手法を用いる当業者によって行うことができる。
【0047】
LED蛍光体配合物に本発明の蛍光体を使用することにより、90を超えるものを含む高いCRI値を有し、一般照明に関連する色温度の全範囲(2500Kから10,000K)にわたるランプを製造することができる。一部の配合物においては、CRI値は、理論的最大値の100に接近することができる。
【0048】
上述の蛍光体組成物は、LEDの他の付加的な用途に使用することができる。例えば、この材料は、Hg蛍光ランプ、ブラウン管、プラズマディスプレイ装置、又は液晶ディスプレイ(LCD)での蛍光体として使用することができる。この材料はまた、電磁カロリーメータ、ガンマ線カメラ、コンピュータ断層撮影装置でのシンチレータとして、CT又はPETシステム内のシンチレータ検出器素子として、又はレーザにおいて使用することができる。これらの用途は、単に例示的であり、網羅的なものではない。
【0049】
例示的な実施形態を好ましい実施形態に関連して説明した。以上の詳細説明を読んで理解した人には、当然、修正及び変更が想起されるであろう。例示的な実施形態は、そのような修正及び変更の全てが特許請求の範囲又はその均等物の範囲に入る限り、それらの全てを含むように解釈されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態による照明システムの概略断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態による照明システムの概略断面図である。
【図3】本発明の第3の実施形態による照明システムの概略断面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態による照明システムの切り欠き側面斜視図である。
【符号の説明】
【0051】
10 LEDベース発光アセンブリ又はランプ
12 発光ダイオード(LED)チップ
14 リード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
白色光を放射する照明装置であって、
約250nmから約550nmのピーク放射線で放射する光源と、
REが、Sc、Lu、Gd、Y、及びTbのうちの少なくとも1つであり、0.0001<x<0.1、及び0.001<y<0.1である場合の(RE1-yCey)Mg2-xLixSi3-xx12を含み、前記光源に放射的に結合した蛍光体組成物と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記光源は、約370から約485nmの範囲の波長を有する放射線を放出する半導体発光ダイオード(LED)であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記LEDは、0≦i、0≦j、0≦k、及びi+j+k=1である場合の化学式IniGajAlkNで表される窒化物化合物半導体を含むことを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記光源は、有機放射構造体であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記蛍光体組成物は、前記光源の表面上に被覆されることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記光源及び前記蛍光体組成物を取り囲む封入材料を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
前記蛍光体組成物は、前記封入材料に分散されていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
反射カップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項9】
前記蛍光体組成物は、1つ又はそれよりも多くの付加的蛍光体を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項10】
前記1つ又はそれよりも多くの付加的蛍光体は、(Ba,Sr,Ca)5(PO43(Cl,F,Br,OH):Eu2+,Sb3+;(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu2+,Mn2+;(Ba,Sr,Ca)BPO5:Eu2+,Mn2+;(Sr,Ca)10(PO46*nB23:Eu2+;2SrO*0.84P25*0.16B23:Eu2+;Sr2Si38*2SrCl2:Eu2+;Ba3MgSi28:Eu2+;Sr4Al1426:Eu2+;BaAl813:Eu2+;Sr4Al1425:Eu2+;BaAl813:Eu2+;2SrO−0.84P25-0.1623:Eu2+;(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu2+,Mn2+;(Ba,Sr,Ca)5(Cl,F,OH):Eu2+,Mn2+,Sb3+;(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu2+,Mn2+;(Ba,Sr,Ca)Al24:Eu2+;(Y,Gd,Lu,Sc,La)BO3:Ce3+,Tb3+;Ca8Mg(SiO44Cl2:Eu2+,Mn2+;(Ba,Sr,Ca)2SiO4:Eu2+;(Ba,Sr,Ca)2(Mg,Zn)Si27:Eu2+;(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In)24:Eu2+;(Y,Gd,Tb,La,Sm,Pr,Lu)3(Al,Ga)512:Ce3+;(Ca,Sr)8(Mg,Zn)(SiO4)Cl2:Eu2+,Mn2+(CASI);Na2Gd227:Ce3+,Tb3+;(Ba,Sr)2(Ca,Mg,Zn)B26:K,Ce,Tb;(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn)227:Eu2+,Mn2+(SPP);(Ca,Sr,Ba,Mg)10(PO46(F,Cl,Br,OH):Eu2+,Mn2+;(Gd,Y,Lu,La)23:Eu3+,Bi3+;(Gd,Y,Lu,La)22S:Eu3+,Bi3+;(Gd,Y,Lu,La)VO4:Eu3+,Bi3+;(Ca,Sr)S:Eu2+;SrY24:Eu2+;CaLa24:Ce3+;(Ca,Sr)S:Eu2+;3.5MgO*0.5MgF2*GeO2:Mn4+;(Ba,Sr,Ca)MgP27:Eu2+,Mn2+;(Y,Lu)2WO6:Eu3+,Mo6+;(Ba,Sr,Ca)xSiyz:Eu2+から成る群から選択されることを特徴とする請求項9に記載の照明装置。
【請求項11】
前記蛍光体組成物は、Lu1.91Ce0.09CaMg1.95Li0.05Si2.950.0512を含むことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項12】
REが、Sc、Lu、Gd、Y、及びTbのうちの少なくとも1つであり、0.0001<x<0.1、及び0.001<y<0.1である場合の蛍光体組成物(RE1-yCey)Mg2-xLixSi3-xx12
【請求項13】
Lu1.91Ce0.09CaMg1.95Li0.05Si2.950.0512を含むことを特徴とする請求項12に記載の蛍光体組成物。
【請求項14】
REが、Sc、Lu、Gd、Y、及びTbのうちの少なくとも1つであり、0.0001<x<0.1、及び0.001<y<0.1である場合の(RE1-yCey)Mg2-xLixSi3-xx12を含む第1の蛍光体と、少なくとも1つの付加的蛍光体とを含む蛍光体配合物であって、
蛍光体配合物に放射的に結合された光源によって放出された放射線を受けた時に、単独で又は該光源によって放出された該放射線との組合せのいずれかで一般照明での使用に適する光を放射することができる、
ことを特徴とする配合物。
【請求項15】
前記第1の蛍光体は、Lu1.91Ce0.09CaMg1.95Li0.05Si2.950.0512を含むことを特徴とする請求項14に記載の蛍光体配合物。
【請求項16】
前記少なくとも1つの付加的蛍光体は、(Ba,Sr,Ca)5(PO43(Cl,F,Br,OH):Eu2+,Sb3+;(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu2+,Mn2+;(Ba,Sr,Ca)BPO5:Eu2+,Mn2+;(Sr,Ca)10(PO46*nB23:Eu2+;2SrO*0.84P25*0.16B23:Eu2+;Sr2Si38*2SrCl2:Eu2+;Ba3MgSi28:Eu2+;Sr4Al1426:Eu2+;BaAl813:Eu2+;Sr4Al1425:Eu2+;BaAl813:Eu2+;2SrO−0.84P25-0.1623:Eu2+;(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu2+,Mn2+;(Ba,Sr,Ca)5(Cl,F,OH):Eu2+,Mn2+,Sb3+;(Ba,Sr,Ca)MgAl1017:Eu2+,Mn2+;(Ba,Sr,Ca)Al24:Eu2+;(Y,Gd,Lu,Sc,La)BO3:Ce3+,Tb3+;Ca8Mg(SiO44Cl2:Eu2+,Mn2+;(Ba,Sr,Ca)2SiO4:Eu2+;(Ba,Sr,Ca)2(Mg,Zn)Si27:Eu2+;(Sr,Ca,Ba)(Al,Ga,In)24:Eu2+;(Y,Gd,Tb,La,Sm,Pr,Lu)3(Al,Ga)512:Ce3+;(Ca,Sr)8(Mg,Zn)(SiO4)Cl2:Eu2+,Mn2+(CASI);Na2Gd227:Ce3+,Tb3+;(Ba,Sr)2(Ca,Mg,Zn)B26:K,Ce,Tb;(Sr,Ca,Ba,Mg,Zn)227:Eu2+,Mn2+(SPP);(Ca,Sr,Ba,Mg)10(PO46(F,Cl,Br,OH):Eu2+,Mn2+;(Gd,Y,Lu,La)23:Eu3+,Bi3+;(Gd,Y,Lu,La)22S:Eu3+,Bi3+;(Gd,Y,Lu,La)VO4:Eu3+,Bi3+;(Ca,Sr)S:Eu2+;SrY24:Eu2+;CaLa24:Ce3+;(Ca,Sr)S:Eu2+;3.5MgO*0.5MgF2*GeO2:Mn4+;(Ba,Sr,Ca)MgP27:Eu2+,Mn2+;(Y,Lu)2WO6:Eu3+,Mo6+;(Ba,Sr,Ca)xSiyz:Eu2+のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項14に記載の蛍光体配合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−538455(P2008−538455A)
【公表日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507786(P2008−507786)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/014460
【国際公開番号】WO2006/113656
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(503399964)ルミネイション リミテッド ライアビリティ カンパニー (32)
【氏名又は名称原語表記】Lumination LLC
【Fターム(参考)】