説明

LEDモジュール

【課題】 複数色を適切に混色させて出射可能であり、かつ小型化を図ることが可能なLEDモジュールを提供すること。
【解決手段】 LEDチップ21,22,23と、LEDチップ21,22,23が搭載されるボンディング部31a,32a,33a、および面実装するための実装端子面31d,32d,33dを有するリード31,32,33と、リード31,32,33の一部ずつを覆うケース10と、を備えており、LEDチップ21,22,23から発せられた光が、実装端子面31d,32d,33dが広がる方向に沿って出射されるLEDモジュールAであって、互いに離間配置されたLEDチップ21,22と、LEDチップ21,22が離間する方向において、LEDチップ21,22の間に位置しており、かつ、LEDチップ21,22を結ぶ直線から離間した位置にあるLEDチップ23と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるサイドビュー型と称されるLEDモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
図7は、従来のLEDモジュールの一例を示している。同図に示されたLEDモジュールXは、リード91A,91B、LEDチップ92、ケース93を備えており、いわゆるサイドビュー型LEDモジュールとして構成されている。リード91A,91Bは、たとえばCu,Niなどの合金にAgメッキが施されたプレート状部品である。リード91Aには、LEDチップ92が搭載されている。LEDチップ92は、たとえば青色光を出射可能に構成されている。LEDチップ92とリード91Bとは、ワイヤ95によって接続されている。ケース93は、たとえば白色樹脂からなり、LEDチップ92の四方を囲っている。リード91A,91Bのうちケース93から露出する部分は、実装端子部91Aa,91Baとされている。ケース93によって囲われた空間には、図示しない透光樹脂が充填されている。上記透光樹脂は、たとえば蛍光体材料が混入された透明樹脂からなる。LEDチップ92から発せられた光によって上記蛍光体材料が励起されることにより、たとえば黄色光が発せられる。LEDチップ92からの青色光と上記透光樹脂からの黄色光とを混色させることにより、LEDモジュールXからは白色光が出射される。
【0003】
LEDモジュールXの用途を拡げるための一方策として、単一色ではなく複数色を出射可能な構成とすることが想定される。このためには、それぞれが発する光の波長が互いに異なる複数のLEDチップ92を備える必要がある。しかしながら、サイドビュー型のLEDモジュールXは、高さ寸法(紙面上下方向)が制限されることが多い。このため、複数のLEDチップ92どうしをできるだけ近づけて配置することが望まれる。また、複数のLEDチップ92が互いに離れすぎてしまうと、たとえばすべてのLEDチップ92を点灯させたときに十分に混色できないという問題が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−253551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、複数色を適切に混色させて出射可能であり、かつ小型化を図ることが可能なLEDモジュールを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供されるLEDモジュールは、1以上のLEDチップと、上記LEDチップが搭載されるボンディング部、および面実装するための実装端子面を有する1以上のリードと、上記リードの一部を覆うケースと、を備えており、上記LEDチップから発せられた光が、上記実装端子面が広がる方向に沿って出射されるLEDモジュールであって、互いに離間配置された第1および第2のLEDチップと、上記第1および第2のLEDチップが離間する方向において、上記第1および第2のLEDチップの間に位置しており、かつ、上記第1および第2のLEDチップを結ぶ直線から離間した位置にある第3のLEDチップと、を備えることと特徴としている。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2のLEDチップは、一方が青色光を発し、他方が緑色光を発し、上記第3のLEDチップは、赤色光を発する。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第3のLEDチップには、上記第1および第2のLEDチップを結ぶ直線を超えて反対側に延びるワイヤがボンディングされている。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2のLEDチップの少なくともいずれかには、上記第3のLEDチップに対して反対側に延びるワイヤがボンディングされている。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第3のLEDチップがボンディングされた上記リードは、上記第1および第2のLEDチップが離間する方向において、上記第1および第2のLEDチップの少なくともいずれかを超えて延びており、かつ上記ボンディング部と上記実装端子面との間に介在する迂回部をさらに有する。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2のLEDチップの少なくともいずれかは、上記ボンディング部、ワイヤボンディング部、およびこれらのボンディング部およびワイヤボンディング部の間に位置する溝部を有する上記リードにボンディングされており、かつ上記ワイヤボンディング部に一端がボンディングされたワイヤの他端がボンディングされている。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2のLEDチップのいずれかを挟んで、上記第3のLEDチップに対して反対側に位置しており、上記第1および第2のLEDチップのいずれかに対して直列に接続されたツェナーダイオードをさらに備える。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1のLEDチップが搭載された第1のリードと、上記第2のLEDチップが搭載された第2のリードと、上記第3のLEDチップが搭載された第3のリードと、上記第1のLEDチップにその一端がボンディングされた上記ワイヤの他端がボンディングされた第4のリードと、上記第2のLEDチップにその一端がボンディングされた上記ワイヤの他端がボンディングされた第5のリードと、上記第3のLEDチップにその一端がボンディングされた上記ワイヤの他端がボンディングされた第6のリードと、を備えており、上記第1ないし第6のリードの上記実装端子面は、同一方向を向いている。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1および第2のLEDチップには、それぞれ2つの上記ワイヤがボンディングされており、上記第3のLEDモチップには、1つの上記ワイヤがボンディングされている。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ケースには、上記リードのうち上記実装端子面とは反対側の面の少なくとも一部を、上記実装端子面が向く方向とは反対側から見て露出させる凹部が形成されている。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ケースには、上記第1ないし第3のLEDチップを囲むリフレクタが形成されている。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記リフレクタに囲まれた領域には、上記第1ないし第3のLEDチップを覆う透光樹脂が充填されている。
【0018】
このような構成によれば、上記第1、第2および第3のLEDチップがそれぞれ三角形の頂点に相当する配置となる。これにより、たとえば上記第1、第2および第3のLEDチップを一直線上に配置した場合と比較して、互いの距離を短くすることが可能である。したがって、それぞれが発する光をより適切に混色することが可能であり、たとえば鮮やかな白色光を出射することができる。また、互いの距離が小となるように上記第1、第2および第3のLEDチップを配置することにより、上記LEDモジュールの小型化を図ることができる。
【0019】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明にかかるLEDモジュールの一例を示す正面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】本発明にかかるLEDモジュールの一例を示す平面図である。
【図4】本発明にかかるLEDモジュールの一例を示す底面図である。
【図5】本発明にかかるLEDモジュールの一例を示す背面図である。
【図6】本発明にかかるLEDモジュールの溝部を示す要部断面図である。
【図7】従来のLEDモジュールの一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
図1〜図6は、本発明に係るLEDモジュールの一例を示している。本実施形態のLEDモジュールAは、ケース10、LEDチップ21,22,23、リード31,32,33,34,35,36、ツェナーダイオード41,42.ワイヤ51,52,53,54,55,56,57、および透光樹脂60を備えている。LEDモジュールAは、主にz方向に光を出射するサイドビュー型のLEDモジュールとして構成されており、たとえばx方向寸法が6.9mm程度、y方向寸法が2.15mm程度、z方向寸法が2.2mm程度とされている。また、LEDモジュールAは、いわゆるインサートモールドの手法を用いて形成される。なお、図1においては、透光樹脂60を省略している。
【0023】
ケース10は、LEDモジュールAの土台となる部分であり、たとえば白色樹脂からなる。ケース10には、リフレクタ11および凹部12が形成されている。リフレクタ11は、LEDチップ21,22,23を囲んでおり、LEDチップ21,22,23からx方向およびy方向に発せられた光を反射することによりz方向へと向かわせる。リフレクタ11に囲まれた領域は、x方向寸法が5.4mm程度、y方向寸法が1.6mm程度である。図3〜図5に示すように、凹部12は、ケース10のy方向反出射側に形成されている。凹部12は、z方向視において一様な断面を有している。この断面形状は、x方向に延びた扁平な略台形状である。
【0024】
LEDチップ21,22,23は、LEDモジュールAの光源である。LEDチップ21は、本発明で言う第1のLEDチップに相当する。LEDチップ21は、たとえばGaNを主成分とするn型半導体層、活性層、p型半導体層が積層された構造とされており、青色光を発する。LEDチップ22は、本発明で言う第2のLEDチップに相当する。LEDチップ22は、たとえばGaNを主成分とするn型半導体層、活性層、p型半導体層が積層された構造とされており、緑色光を発する。LEDチップ23は、本発明で言う第3のLEDチップに相当する。LEDチップ23は、たとえばAlGaAsまたはGaAsPを主成分とするn型半導体層、活性層、p型半導体層が積層された構造とされており、赤色光を発する。本実施形態においては、LEDチップ21,22がいわゆる2ワイヤタイプの構成とされており、LEDチップ23がいわゆる1ワイヤタイプの構成とされている。
【0025】
ツェナーダイオード41,42は、それぞれLEDチップ21,22に過大な逆電圧が負荷されることを防止するためのものであり、所定電圧以上の逆電圧が印加されたときのみ、逆電圧方向に電流が流れることを許容する。
【0026】
リード31,32,33,34,35,36は、LEDチップ21,22,23を支持するとともに電力を供給するためのものであり、たとえばCu,Niなどの合金にAgメッキが施されたプレート状部品である。リード31,32,33,34,35,36は、それぞれの一部ずつがケース10に覆われており、その余の部分がケース10から露出している。
【0027】
リード31は、本発明で言う第1のリードに相当し、ボンディング部31a、ワイヤボンディング部31b、溝部31c、および実装端子面31dを有している。図1に示すように、ボンディング部31a、ワイヤボンディング部31b、溝部31cは、リフレクタ11に囲まれた領域において、x方向の中央からやや図中左方の位置に配置されている。
【0028】
ボンディング部31aには、LEDチップ21がダイボンディングされている。ワイヤボンディング部31bは、ボンディング部31aよりもx方向左方に位置しており、ワイヤ51およびワイヤ56の一端がボンディングされている。ワイヤ51の他端は、LEDチップ21にボンディングされている。ワイヤ56の他端は、ツェナーダイオード41にボンディングされている。溝部31cは、ボンディング部31aとワイヤボンディング部31bとの間に位置している。溝部31cは、図1に示すように、y方向に延びており、図6に示すように、断面形状がたとえば三角形状とされている。
【0029】
リード31のうちケース10から図1におけるy方向下方に露出している部分は、図1、図2、図4、および図5に示すように、z方向に沿うように折り曲げられている。この部分のうち図1におけるy方向下方を向く面が、実装端子面31dとされている。また、上記折り曲げられた部分は、z方向においてケース10の凹部12と重なる位置まで延びている。
【0030】
リード32は、本発明で言う第2のリードに相当し、ボンディング部32a、ワイヤボンディング部32b、溝部32c、および実装端子面32dを有している。図1によく表れているように、リード32は、リード31とy方向に延びる軸について対称な形状とされている。ボンディング部32a、ワイヤボンディング部32b、溝部32cは、リフレクタ11に囲まれた領域において、x方向の中央からやや図中右方の位置に配置されている。
【0031】
ボンディング部32aには、LEDチップ22がダイボンディングされている。ワイヤボンディング部32bは、ボンディング部32aよりもx方向右方に位置しており、ワイヤ52およびワイヤ57の一端がボンディングされている。ワイヤ52の他端は、LEDチップ22にボンディングされている。ワイヤ57の他端は、ツェナーダイオード42にボンディングされている。溝部32cは、ボンディング部32aとワイヤボンディング部32bとの間に位置している。溝部32cは、上述した溝部31cと同様の形状、サイズとされている。
【0032】
リード32のうちケース10から図1におけるy方向下方に露出している部分は、図1、図2、図4、および図5に示すように、z方向に沿うように折り曲げられている。この部分のうち図1におけるy方向下方を向く面が、実装端子面32dとされている。また、上記折り曲げられた部分は、z方向においてケース10の凹部12と重なる位置まで延びている。
【0033】
リード33は、本発明で言う第3のリードに相当し、ボンディング部33a、迂回部33e、および実装端子面33dを有している。図1に示すようにボンディング部33aは、リフレクタ11に囲まれた領域において、x方向中央に配置されている。また、ボンディング部33aは、ボンディング部31a,32aよりも図1におけるy方向上方に位置している。ボンディング部33aには、LEDチップ23が導電性材料を介してダイボンディングされている。
【0034】
迂回部33eは、ボンディング部33aからx方向両側に向かって延びる部分と、y方向に延びる部分と有している。迂回部33eのx方向両端は、リフレクタ11のx方向両端を越えている。リード33のうち迂回部33eから続く2つの部分は、ケース10から図1におけるy方向下方に露出している。これらの部分は、図1、図2、図4、および図5に示すように、z方向に沿うように折り曲げられている。これらの部分のうち図1におけるy方向下方を向く面が、それぞれ実装端子面33dとされている。本実施形態においては、x方向において離間する2つの実装端子面33dを有する構成とされている。また、図3に示すように、上記折り曲げられた部分は、いずれもz方向視においてケース10からx方向に突出している。
【0035】
リード34は、ボンディング部34a、ワイヤボンディング部34b、および実装端子面34dを有している。図1に示すように、ボンディング部34a、ワイヤボンディング部34bは、リフレクタ11に囲まれた領域において、リード31よりもさらにx方向の図中左方に配置されている。
【0036】
ボンディング部34aには、ツェナーダイオード41が導電性材料を介してダイボンディングされている。ワイヤボンディング部34bは、ボンディング部34aよりもx方向右方に位置しており、リード31のワイヤボンディング部31bとy方向に並んで配置されている。ワイヤボンディング部34bには、ワイヤ54の一端がボンディングされている。ワイヤ54の他端は、LEDチップ21にボンディングされている。
【0037】
リード34のうちケース10から図1におけるy方向下方に露出している部分は、図1、図2、図4、および図5に示すように、z方向に沿うように折り曲げられている。この部分のうち図1におけるy方向下方を向く面が、実装端子面34dとされている。また、上記折り曲げられた部分は、z方向においてケース10の凹部12と重なる位置まで延びている。
【0038】
リード35は、ボンディング部35a、ワイヤボンディング部35b、および実装端子面35dを有している。図1によく表れているように、リード35は、リード34とy方向に延びる軸について対称な形状とされている。ボンディング部35a、ワイヤボンディング部35bは、リフレクタ11に囲まれた領域において、リード32よりもさらにx方向の図中右方に配置されている。
【0039】
ボンディング部35aには、ツェナーダイオード42が導電性材料を介してダイボンディングされている。ワイヤボンディング部35bは、ボンディング部35aよりもx方向左方に位置しており、リード32のワイヤボンディング部32bとy方向に並んで配置されている。ワイヤボンディング部35bには、ワイヤ55の一端がボンディングされている。ワイヤ55の他端は、LEDチップ22にボンディングされている。
【0040】
リード35のうちケース10から図1におけるy方向下方に露出している部分は、図1、図2、図4、および図5に示すように、z方向に沿うように折り曲げられている。この部分のうち図1におけるy方向下方を向く面が、実装端子面35dとされている。また、上記折り曲げられた部分は、z方向においてケース10の凹部12と重なる位置まで延びている。
【0041】
リード36は、ワイヤボンディング部36bおよび実装端子面36dを有している。図1に示すように、ワイヤボンディング部36bは、リフレクタ11に囲まれた領域においてx方向中央に配置されており、ボンディング部33aに対してy方向下方に位置している。ワイヤボンディング部36aには、ワイヤ53の一端がボンディングされている。ワイヤ53の他端は、LEDチップ33にボンディングされている。
【0042】
透光樹脂60は、リフレクタ11に囲まれた領域に充填されており、LEDチップ21,22,23およびツェナーダイオード41,42を覆っている。透光樹脂60は、たとえば透明なシリコーン樹脂からなる。
【0043】
次に、LEDモジュールAの作用について説明する。
【0044】
本実施形態によれば、LEDチップ21,22,23がそれぞれ三角形の頂点に相当する位置に配置されている。これにより、たとえばLEDチップ21,22,23を一直線上に配置した場合と比較して、互いの距離を短くすることが可能である。したがって、それぞれが発する光をより適切に混色することが可能であり、たとえば鮮やかな白色光を出射することができる。赤色光を発するLEDチップ23をx方向中央に配置することにより、赤色光、青色光、緑色光の混色をより促進することができる。また、互いの距離が小となるようにLEDチップ21,22,23を配置することにより、LEDモジュールAの小型化を図ることができる。
【0045】
実装端子面31d,32d,33d,34d,35d,36dを設けることにより、LEDチップ21,22,23を個別に点灯させることが可能である。
【0046】
ワイヤ53は、LEDチップ23からLEDチップ21,22を結ぶ直線を超えてy方向に延びている。ワイヤ53をこのように配置すれば、ワイヤ53は、LEDチップ21,22の距離を短縮することをほとんど阻害しない。これは、上述した混色を促進するとともに、LEDモジュールAの小型化に有利である。
【0047】
また、ワイヤ51,52,54,55は、いずれもx方向においてLEDチップ23とは反対側に延びる配置とされている。このため、LEDチップ21,22がいずれも2ワイヤタイプであるにもかかわらず、LEDチップ21,22,23によって囲まれた領域には、ワイヤ51,52,54,55が存在しない。これにより、LEDチップ21,22,23どうしの距離をより短縮することができる。LEDチップ23を1ワイヤタイプとすることにより、LEDチップ21,22,23によって囲まれた領域に存在させるワイヤの本数をより少なくすることができる。
【0048】
ボンディング部33aは、実装される回路基板とは反対側に位置している。迂回部33eは、その他のリード31,32,34,35,36の配置にほとんど影響を及ぼすことなく、y方向において離れているボンディング部33aと実装端子面33dとを適切に連結している。これにより、多数の実装端子面31d、32d,33d,34d,35d,36dを備えるにもかかわらず、LEDモジュールAを比較的小型に仕上げることができる。
【0049】
図6に示すように、溝部31cは、LEDチップ21をダイボンディングするためのボンディング材料をせき止める機能を果たす。これにより、ボンディング部31aからワイヤボンディング部31bへと上記ボンディング材料が流出することを防止することが可能であり、ボンディング部31aとワイヤボンディング部31bとをより近づけることが可能である。これは、LEDモジュールAの小型化に有利である。また、溝部32cによっても同様にLEDモジュールAの小型化を図ることができる。
【0050】
図3に示すように、凹部12を設けることにより、リード31,32,34,35,36のうち実装端子面31d,32d,34d,35d,36dの裏側の面が露出している。これにより、たとえばLEDモジュールAを回路基板などに実装した後にLEDチップ21,22,23のいずれかが点灯しないといったハンダ不良が判明したときに、該当するハンダ不良部分にハンダコテを当てるといった回復処置を施すことができる。リード33のうち実装端子面33dの裏側の面がケース10からx方向両側に露出していることによっても、同様の回復処置を施すことができる。
【0051】
本発明に係るLEDモジュールは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るLEDモジュールの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0052】
LEDモジュールAから白色光を出射するには、青色光を発するLEDチップ21、緑色光を発するLEDチップ22、および赤色光を発するLEDチップ23を備えることが好ましいが、本発明はこれに限定されずさまざまな波長の光を発するLEDチップを用いてもよい。
【符号の説明】
【0053】
A LEDモジュール
10 ケース
11 リフレクタ
12 凹部
21 (第1の)LEDチップ
22 (第2の)LEDチップ
23 (第3の)LEDチップ
31 (第1の)リード
32 (第2の)リード
33 (第3の)リード
34 (第4の)リード
35 (第5の)リード
36 (第6の)リード
31a,32a,33a,34a,35a, ボンディング部
31b,32b,34b,35b,36b ワイヤボンディング部
31c,32c 溝部
31d,32d,33d,34d,35d,36d 実装端子面
33e 迂回部
41,42 ツェナーダイオード
51,52,53,54,55,56,57 ワイヤ
60 透光樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のLEDチップと、
上記LEDチップが搭載されるボンディング部、および面実装するための実装端子面を有する1以上のリードと、
上記リードの一部を覆うケースと、を備えており、
上記LEDチップから発せられた光が、上記実装端子面が広がる方向に沿って出射されるLEDモジュールであって、
互いに離間配置された第1および第2のLEDチップと、
上記第1および第2のLEDチップが離間する方向において、上記第1および第2のLEDチップの間に位置しており、かつ、上記第1および第2のLEDチップを結ぶ直線から離間した位置にある第3のLEDチップと、
を備えることと特徴とする、LEDモジュール。
【請求項2】
上記第1および第2のLEDチップは、一方が青色光を発し、他方が緑色光を発し、
上記第3のLEDチップは、赤色光を発する、請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項3】
上記第3のLEDチップには、上記第1および第2のLEDチップを結ぶ直線を超えて反対側に延びるワイヤがボンディングされている、請求項2に記載のLEDモジュール。
【請求項4】
上記第1および第2のLEDチップの少なくともいずれかには、上記第3のLEDチップに対して反対側に延びるワイヤがボンディングされている、請求項2または3に記載のLEDモジュール。
【請求項5】
上記第3のLEDチップがボンディングされた上記リードは、上記第1および第2のLEDチップが離間する方向において、上記第1および第2のLEDチップの少なくともいずれかを超えて延びており、かつ上記ボンディング部と上記実装端子面との間に介在する迂回部をさらに有する、請求項1ないし4のいずれかに記載のLEDモジュール。
【請求項6】
上記第1および第2のLEDチップの少なくともいずれかは、上記ボンディング部、ワイヤボンディング部、およびこれらのボンディング部およびワイヤボンディング部の間に位置する溝部を有する上記リードにボンディングされており、かつ上記ワイヤボンディング部に一端がボンディングされたワイヤの他端がボンディングされている、請求項1ないし5のいずれかに記載のLEDモジュール。
【請求項7】
上記第1および第2のLEDチップのいずれかを挟んで、上記第3のLEDチップに対して反対側に位置しており、上記第1および第2のLEDチップのいずれかに対して直列に接続されたツェナーダイオードをさらに備える、請求項1ないし6のいずれかに記載のLEDモジュール。
【請求項8】
上記第1のLEDチップが搭載された第1のリードと、
上記第2のLEDチップが搭載された第2のリードと、
上記第3のLEDチップが搭載された第3のリードと、
上記第1のLEDチップにその一端がボンディングされた上記ワイヤの他端がボンディングされた第4のリードと、
上記第2のLEDチップにその一端がボンディングされた上記ワイヤの他端がボンディングされた第5のリードと、
上記第3のLEDチップにその一端がボンディングされた上記ワイヤの他端がボンディングされた第6のリードと、を備えており、
上記第1ないし第6のリードの上記実装端子面は、同一方向を向いている、請求項1ないし7のいずれかに記載のLEDモジュール。
【請求項9】
上記第1および第2のLEDチップには、それぞれ2つの上記ワイヤがボンディングされており、上記第3のLEDチップには、1つの上記ワイヤがボンディングされている、請求項1ないし8のいずれかに記載のLEDモジュール。
【請求項10】
上記ケースには、上記リードのうち上記実装端子面とは反対側の面の少なくとも一部を、上記実装端子面が向く方向とは反対側から見て露出させる凹部が形成されている、請求項1ないし9のいずれかに記載のLEDモジュール。
【請求項11】
上記ケースには、上記第1ないし第3のLEDチップを囲むリフレクタが形成されている、請求項1ないし10のいずれかに記載のLEDモジュール。
【請求項12】
上記リフレクタに囲まれた領域には、上記第1ないし第3のLEDチップを覆う透光樹脂が充填されている、請求項11に記載のLEDモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−233671(P2011−233671A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101949(P2010−101949)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】