説明

LEDランプ用ヒートシンク及びその製造方法

【課題】プリント板を使用せずに熱伝導効率を高めることのできるLEDランプ用ヒートシンク及びその製造方法を提供する。
【解決手段】ヒートシンク1原型に放熱ペースト等の媒体を塗布し、さらに、LEDランプ2を設置エリアに設置し、設置エリアの周囲の比較的高い部分に固定部12と固定部12より上向きに延伸された被押出エリア120を設け、さらに、型で被押出エリア120を設置エリアに向けて斜めに強力に圧迫して被押出エリア120を打ち込み、固定部12を押圧して変形させ、被押出エリア120の材料を設置エリアの上方に押し出して係止部121を形成させ、LEDランプ2とヒートシンク1の間に緊迫結合を形成させ、これにより、別にプリント回路板を取り付けなくてもLEDランプ2を固定できるようにし、並びに直接緊密に結合できるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLEDランプ用ヒートシンク及びその製造方法に係り、固定と強制的熱伝導の機能を有するLEDランプ用ヒートシンク及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のLEDランプはLEDチップの底部にヒートシンクが設けられ、LEDランプを使用する時に発生する熱がこの底部のヒートシンクにより逃されて、LEDランプの温度を下げる。
【0003】
しかし、周知のLEDランプにおいて、ヒートシンクは単に接触する方式で設置されているだけであり、実際の使用上、接触不良或いは不接触の状況が発生することがあり、且つLEDランプの輝度が高くなるにつれ、発生する熱量も多くなり、特に交通信号ランプ等、複数のLEDランプが組み合わされて共同で照明面或いは標示面を形成するランプでは、もし熱伝導不良によりLEDランプの過熱故障が形成されると、維持コストが増すのみならず、照明面或いは標示面の発光するLEDランプ数量が減り、照明面或いは標示面に暗領域或いは暗点が形成され、照明或いは標示効果に影響が生じる。
【0004】
且つ、周知のLEDランプはプリント回路板に固定する必要があり、並びにプリント回路板の対応位置に孔を設け、さらにヒートシンクを該孔の中に入れなければならず、もし印刷回路板或いはヒートシンクの寸法に誤差があると、使用上、問題が発生し、ヒートシンクの寸法が小さすぎると、接触不良或いは不接触の状況が発生し、それを防ぐためにヒートシンクの寸法を大きくすると、固定過程中に印刷回路板に対して外力を加えなければならなくなり、印刷回路板が折れ曲がったり、破断されたりする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、本発明の目的は、周知のLEDランプにヒートシンクを設置する時、ヒートシンクがLEDランプとの間に接触不良或いは不接触の問題を発生しやすく、このため熱伝導効果が悪くなる問題を克服することにある。
【0006】
このため、本発明者は、生活中の観察から、一般の発熱源例えばコンピュータのCPUとヒートシンクの間に、良好な熱伝導効果をもたせるために、別に弾性体を設けることで両者を緊密に結合させていることから、周知の接触式の連結方式では不十分であることに気づいた。本発明の目的は、既存のLEDランプ用ヒートシンクの熱伝導効率低い問題を克服するために、強制的熱伝導効果を有するLEDランプ用ヒートシンクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するため、本発明では以下の技術を採用する。
本発明はLEDランプの体積が小さく、発熱量が大きく、熱が集中する動作特性に対し、設置エリアを具えたヒートシンク原型を提供し、該ヒートシンク原型に放熱ペースト等の媒体を塗布し、さらに、LEDランプを該設置エリアに設置し、設置エリアの周囲の比較的高い部分に固定部と固定部より上向きに延伸された被押出エリアを設け、さらに、型で被押出エリアを設置エリアに向けて斜めに強力に圧迫して被押出エリアを打ち込み、該固定部を押圧して変形させ、該被押出エリアの材料を該設置エリアの上方に押し出して係止部を形成させ、LEDランプとヒートシンクの間に緊迫結合を形成させ、これにより、別にプリント回路板を取り付けなくてもLEDランプを固定できるようにし、並びに直接緊密に結合できるようにする。
【0008】
本発明のLEDランプ用ヒートシンクは、型を利用して被押出エリアを設置エリアに向けて斜めに押し込み、被押出エリアの材料を設置エリア上方に押し出しすることで、LEDランプに下向きに圧接する係止部が形成されており、これによりLEDランプとヒートシンクの間に緊迫結合を形成させ、これにより別にプリント回路板を設置しなくてもLEDランプを固定でき、並びに直接に緊密に結合させられ、強制的な放熱の機能を達成できる。
【発明の効果】
【0009】
1.本発明のLEDランプ用ヒートシンクはLEDランプの固定機能と強制放熱の機能を有する。
2.本発明のLEDランプ用ヒートシンクはLEDランプとヒートシンクを緊密に結合させ、熱伝導効果が良好である。
3.本発明のLEDランプ用ヒートシンクは直接LEDランプを固定でき、別にプリント回路板を設置する必要がない。
4.本発明の加工手順は簡単で、成功率が高く、生産効率をアップできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のLEDランプ用ヒートシンクの立体図である。
【図2】本発明のヒートシンク原型とLEDランプの組み合わせ図である。
【図3】本発明のヒートシンク原型にLEDランプを設置した立体図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】本発明の加工表示図である。
【図6】図5のB−B断面図である。
【図7】本発明の垂直方向線形配置実施例図である。
【図8】本発明の水平方向線形配置実施例図である。
【図9】本発明の立体配置実施例図である。
【図10】本発明のヒートパイプの立体組み合わせ図である。
【図11】本発明のヒートパイプとの接続の立体組み合わせ図である。
【図12】本発明のヒートパイプとの接続の断面図である。
【図13】本発明の実施例の立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1及び図2を参照されたい。本発明のLEDランプ用ヒートシンク(1)は、LEDランプ(2)をヒートシンク原型(10)(図2参照)に設置し、加工して形成され、該ヒートシンク(1)に設置エリア(11)が設けられ、一つ或いは複数の固定部(12)は塊体或いは柱体を呈し、設置エリア(11)の周囲に設置エリア(11)より高く設けられ、該固定部(12)の設置エリア(11)に隣接する一側に係止部(121)が設けられ、該係止部(121)は設置エリア(11)に向けて突出し且つLEDランプ(2)を下向きに係止、圧接する。
【0012】
図2から図6を参照されたい。本発明のLEDランプ用ヒートシンク(1)は、その設置エリア(11)がLEDランプ(2)を載置するのに用いられ、設置エリア(11)の周囲の固定部(12)によりLEDランプ(2)のスライドが防止され、並びに固定部(12)の設置エリア(11)に近隣の一側にLEDランプ(2)を下向きに係止するようにLEDランプ(2)に圧接される係止部(121)が設けられ、LEDランプ(2)とヒートシンク(1)が緊迫結合され一体とされ、LEDランプ(2)の照明時に発生する熱がLEDランプ(2)とヒートシンク(1)の緊密な接合により、ヒートシンク(1)により導出され、LEDランプ(2)の照明時の温度を下げ、LEDランプ(2)の寿命を延長する。
【0013】
本発明のLEDランプ用ヒートシンク(1)の製造方法は以下のステップを包含する。 ステップ1:上部に設置エリア(11)が設けられ、該設置エリア(11)の周囲に一つ或いは複数の突出した固定部(12、12b)が設けられ、該固定部(12)の上端に被押出エリア(120)が設けられたヒートシンク原型(10)を提供する。
ステップ2:該ヒートシンク原型(10)の設置エリア(11)に放熱ペーストのような熱伝導媒体(3)を塗布し、LEDランプ(2)を該設置エリア(11)の適宜位置に放置する。
ステップ3:該ヒートシンク原型(10)の固定部(12)の被押出エリア(120)に対応する型(4)を提供する。
ステップ4:該型(4)を該被押出エリア(120)の上方に対応させ、該型(4)で被押出エリア(120)を設置エリア(11)の方向に斜め方向に強力に圧迫し、該被押出エリア(120)の下方の固定部(12)の材料を同時に押し出してLEDランプ(2)の周囲に対して下向きに圧接する係止部(121)を形成し、並びに該係止部(121)により該LEDランプ(2)とヒートシンク(1)を一体に緊迫結合させ、該ヒートシンク(1)をLEDランプ(2)に緊密に接触させて、強制的熱伝導を形成できるようにする。
【0014】
本発明はさらに複数のLEDランプ(2)と設置エリア(11)が配列状に設置する実施例も有する。図7を参照されたい。これは複数のLEDランプ(2)が垂直方向に線形配列されて設置された実施例であり、図8は、複数のLEDランプ(2)が水平方向に線形配列されて設置された実施例である。さらに、図9は複数の設置エリア(11)が立体状に配置された実施例を示す。
【0015】
図10から図13は本発明のヒートパイプ(5)のシール部材(52)と結合された実施例を示す。それは、長方形のヒートシンク(1b)を具え、該ヒートシンク(1b)はヒートシンク原型(10b)を有し、その上端に一つ或いは複数の設置エリア(11b)が設けられ、該設置エリア(11b)の周囲に一つ或いは複数の固定部(12b)が設けられ、固定部(12b)の上方に被押出エリア(120b)が設けられ、ヒートシンク原型(10b)の中段に、異なる形状或いは寸法の収束部(13b)が設けられ、本実施例では該収束部(13b)は複数の内に凹んだ環状溝で構成され、ヒートシンク原型(10b)の底端にはヒートステム(14b)が設けられている。
【0016】
本実施例は上端の設置エリア(11b)に放熱ペーストのような熱伝導媒体(3)を塗布し、LEDランプ(2)を設置エリア(11)の適宜位置に置き、さらに型(図示せず)を被押出エリア(120b)の上方に対応させ、さらに該型で被押出エリア(120b)を設置エリア(11b)の方向に斜め方向に強力に圧迫し、該被押出エリア(120b)の上方に孔(122b)を形成すると共に、該被押出エリア(120b)の下方の固定部(12b)の材料を同時に押し出してLEDランプ(2)の周囲に対して下向きに圧接する係止部(121b)を形成し、並びに該係止部(121b)により該LEDランプ(2)とヒートシンク(1)を一体に緊迫結合させる。ヒートパイプはヒートシンク(1b)の底端からヒートシンク(1b)の底部のヒートステム(14b)からヒートシンク(1b)中段の結束部(13b)まで嵌合されるため、結束部(13b)のシール用型(図示せず)によりヒートパイプ(5)の管口(51)と結束部(13b)が緊密に結合、シールされ、こうしてヒートパイプ(5)が結合されたヒートシンク(1b)が完成する。
【符号の説明】
【0017】
(11、11b)設置エリア
(12、12b)固定部
(120、120b)被押出エリア
(10a、10b)ヒートシンク原型
(3)熱伝導媒体
(2)LEDランプ
(4)型
(121、121b)係止部
(1、1b)ヒートシンク
(5)ヒートパイプ
(13b)収束部
(14b)ヒートステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDランプ用ヒートシンクの製造方法において、
上部に設置エリア(11、11b)が設けられ、該設置エリア(11、11b)の周囲に一つ或いは複数の突出した固定部(12、12b)が設けられ、該固定部(12、12b)の上端に被押出エリア(120、120b)が設けられたヒートシンク原型(10a、10b)を提供するステップ1、
該ヒートシンク原型(10a、10b)の設置エリア(11、11b)に放熱ペーストのような熱伝導媒体(3)を塗布し、LEDランプ(2)を該設置エリア(11、11b)の適宜位置に放置するステップ2、
該ヒートシンク原型(10a、10b)の固定部(12、12b)の被押出エリア(120、120b)に対応する型(4)を提供するステップ3、
該型(4)を該被押出エリア(120、120b)の上方に対応させ、さらに該型(4)を該被押出エリア(120、120b)の上方に対応させ、該型(4)で被押出エリア(120、120b)を設置エリア(11、11b)の方向に斜め方向に強力に圧迫し、該被押出エリア(120、120b)の下方の固定部(12、12b)の材料を同時に押し出してLEDランプ(2)の周囲に対して下向きに圧接する係止部(121、121b)を形成し、並びに該係止部(121、121b)により該LEDランプ(2)とヒートシンク(1、1b)を一体に緊迫結合させ、該ヒートシンク(1、1b)をLEDランプ(2)に緊密に接触させて、強制的熱伝導を形成できるようにするステップ4、
を包含したことを特徴とするLEDランプ用ヒートシンクの製造方法。
【請求項2】
LEDランプ用ヒートシンクであって、このヒートシンク(1b)は直方体を呈し、ヒートパイプ(5)に挿入され、一つ或いは複数の設置エリア(11b)が該ヒートシンク(1b)の上部に設けられた上記LEDランプ用ヒートシンクにおいて、
収束部(13b)が該ヒートシンク(1b)の中段に設けられ、ヒートステム(14b)が該ヒートシンク(1b)の底端に設けられたことを特徴とするLEDランプ用ヒートシンク。
【請求項3】
請求項2記載のLEDランプ用ヒートシンクにおいて、該設置エリア(11b)の周囲に一つ或いは複数の固定部(12b)が設けられ、且つ該固定部(12b)は該設置エリア(11b)よりも高いところに設けられ、該固定部(12b)の該設置エリア(11b)に近い一側に係止部(121b)が設けられたことを特徴とするLEDランプ用ヒートシンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−134858(P2011−134858A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292471(P2009−292471)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(507348322)麗鴻科技股▲ふん▼有限公司 (3)
【Fターム(参考)】