説明

LED半導体ボディおよびLED半導体ボディの使用法

本発明は、少なくとも1つの第1のビーム形成アクティブ層と、少なくとも1つの第2のビーム形成アクティブ層とを備えるLED半導体ボディがであって、前記第2のアクティブ層は垂直方向に前記第1のアクティブ層の上に積層されており、かつ当該第1のアクティブ層(2)と直列に接続されているLED半導体ボディを開示する。ここでは、前記第1のアクティブ層と前記第2のアクティブ層は、コンタクトゾーンによって導電接続されている。さらに本発明は、LED半導体ボディの使用法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED半導体ボディおよびLED半導体ボディの使用法に関する。
【背景技術】
【0002】
本特許願は、ドイツ連邦共和国特許出願第102006046039.1号およびドイツ連邦共和国特許出願第102006051745.8号の優先権を主張するものであり、その開示内容は参照によって本願に取り込まれるものとする。
【0003】
プロジェクタ適用またはディスプレイバックグランド照明のような光学的適用のためには、高い輝度が望まれる。従来のLED半導体ボディでは、形成されるビーム量がLED半導体ボディをドライブする電流強度に依存する。とりわけアクティブ層の電流密度は、それぞれ使用される材料システムに依存する最大電流密度を上回ってはならない。なぜならそうでないと、過度の老化作用がLED半導体ボディの寿命を不利に短縮するおそれがあるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許出願第102006046039.1号
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許出願第102006051745.8号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、輝度の高いLED半導体ボディを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1記載のLED半導体ボディによって解決される。
【0007】
本発明のさらなる課題は、輝度の高いLED半導体ボディの使用法を提供することである。
【0008】
この課題は、請求項36から39による使用法によって解決される。
【0009】
本発明の有利な実施形態および構成は従属請求の対象である。
【発明の効果】
【0010】
本発明のLED半導体ボディは、少なくとも1つの第1のビーム形成アクティブ層と、少なくとも1つの第2のビーム形成アクティブ層とを有し、第2のアクティブ層は垂直方向に第1のアクティブ層の上に積層されており、第1のアクティブ層と直列に接続されており、第1のアクティブ層と第2のアクティブ層はコンタクトゾーンによって導電接続されている。
【0011】
ここでコンタクトゾーンとは、比較的良好な導電性を備える領域であると理解すべきであり、このコンタクトゾーンは有利にはトンネルコンタクトなしで構成されており、したがってトンネル接合を示さない。さらに本発明のLED半導体ボディでは、第1のアクティブ層と第2のアクティブ層との間の電荷担体移動のためにトンネル接合部を必要としない。このことの利点は、LED半導体ボディを、トンネル接合部をエピタキシャルに実現するのが比較的困難である材料から作製できることである。確かにアクティブ層を並列に接続することによりトンネル接合部が不要になるが、しかし並列接続の欠点は、直列抵抗が種々異なる場合、同じ電流を両方のアクティブ層に注入することが不可能であるか、または格別の付加コストを掛けないと不可能なことである。有利には本発明により、コンタクトゾーンによって第1のアクティブ層と第2のアクティブ層との間で十分な電荷担体移動が行われ、さらに直列回路によって同じ電流が両方のアクティブ層に注入される。
【0012】
この直列回路では、アクティブ層のpn接合部が有利には同じように配置され、これらのpn接合部はpn−pn構造ないしはnp−np構造を形成する。アクティブ層が3つ以上の場合、pn−...−pn構造ないしはnp−...−np構造が有利であることは理解できよう。
【0013】
単純なpn接合部の他にアクティブ層は、ダブルヘテロ構造、単一量子井戸構造または多重量子井戸構造(MQW構造)を有することができる。例えばMQW構造については刊行物 WO 01/39282, WO 98/31055, US 5,831,277, EP 1 017 113 および US 5,684,309 に記載されており、MQW構造に関するこれらの文献の開示内容を参照されたい。
【0014】
本発明の枠内では、とりわけコンタクトゾーンの2つ構成が有利である。第1の配置構成によれば、コンタクトゾーンは半導体ボディの側面に配置される。第2の配置構成によれば、第1のアクティブ層と第2のアクティブ層との間のコンタクトゾーンがLED半導体ボディに組み込まれる。
【0015】
第1のアクティブ層と第2のアクティブ層は直列に接続されているから、コンタクトゾーンは2つのアクティブ層が同じように配置されている場合、第1の導電形式の半導体層を第2の導電形式の半導体層と接続する。有利には第1のアクティブ層には垂直方向に第1の導電形式の半導体層が後置されており、第2の導電形式の半導体層が垂直方向に第1の導電形式の半導体層と第2のアクティブ層との間に配置されている。例えば第1の導電形式の半導体層はpドープされた半導体層であり、第2の導電形式の半導体層はnドープされた半導体層であることができる。択一的に、第1の導電形式の半導体層がnドープされた半導体層であり、第2の導電形式の半導体層がpドープされた半導体層であっても良い。このことはアクティブ層のpn接合部の配置構成に依存する。
【0016】
コンタクトゾーンが側面に配置されている半導体ボディでの電荷担体移動を改善するために、第1の導電形式の半導体層と第2の導電形式の半導体層がトンネル接合部を形成することができ、このトンネル接合部はコンタクトゾーンに加えて電荷担体移動を支援する。とりわけこのために、第1の導電形式の半導体層と第2の導電形式の半導体層を強くドープすることができる。
【0017】
有利な実施形態によれば、第1の導電形式の半導体層は、半導体材料により覆われない第1の露出領域を有する。さらに有利には、第2の導電形式の半導体層は、半導体材料により覆われない第2の露出領域を有する。とりわけ第2の導電形式の半導体層は残りの半導体ボディに対して突出することができ、第1の導電形式の半導体層は第2の導電形式の層に対して突出している。したがって第1のアクティブ層と第2のアクティブ層との間の半導体ボディの横断面形状は、少なくとも側面において階段形状に相応する。LED半導体ボディは層からなる層列を有し、これらの層の少なくとも一部は半導体材料を含むことを述べておく。半導体材料により覆われていない露出領域とは、層列の層に対して使用されない半導体材料により覆われていない領域であると理解されたい。
【0018】
とくに有利な変形実施例では、コンタクトゾーンが第1の露出領域から第2の露出領域へ伸長している。コンタクトゾーンはコンタクト層であっても良い。例えばコンタクト層は、第1の露出領域と第2の露出領域を少なくとも部分的に覆うことができる。
【0019】
コンタクトゾーンに対して使用される材料ないしはコンタクトゾーンの寸法は、コンタクトゾーンを導電接続する層の横方向導電率に依存して選択される。例えばpドープされたGaN層は比較的小さい横方向導電率を有する。したがってこの場合コンタクトゾーンは、比較的大きな面積で構成すべきであり、ないしは導電率の大きい材料を含有すべきである。
【0020】
LED半導体ボディの有利な実施形態では、コンタクトゾーンが金属材料を含有する。この種のコンタクトゾーンは、比較的良好な導電性を特徴とする。有利にはこのことは、第1のアクティブ層と第2のアクティブ層との間の電荷担体移動を容易にする。
【0021】
LED半導体ボディの択一的構成または別の構成では、コンタクトゾーンがTCO(Transparent Conductive Oxide、透明導電酸化物)、例えば酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム錫(ITO)または酸化亜鉛から形成される。有利には、TCOを含有するコンタクトゾーンはビーム透過性であり、したがってコンタクトゾーンの下方の領域で形成されたビームはコンタクトゾーンを通って半導体ボディから出力結合することができる。
【0022】
有利な構成によれば第1と第2のアクティブ層は半導体ボディ内にモノリシックに集積されている。ここでは第1のアクティブ層と第2のアクティブ層は、1つの共通の製造ステップで作製される。
【0023】
さらに本発明の半導体ボディは、薄膜半導体ボディとすることができる。波導体ボディが予作製された層積層体から組み立てられる場合、個々の層積層体は薄膜半導体ボディとすることができる。
薄膜半導体ボディは、以下の構成の少なくとも1つを特徴とする。
・支持エレメントに向いた側のビーム形成エピタキシャル層列の第1の主面には反射層が被着されているか、または形成されており、この反射層はエピタキシャル層列で形成された電磁ビームの少なくとも一部をこのエピタキシャル層列に反射して戻す。
・エピタキシャル層列は20μm以下の領域の厚さ、とりわけ2μmから10μmの間の領域の厚さを有する。
・エピタキシャル層列は、混合構造を有する少なくとも1つの面を備えた少なくとも1つの半導体層を含み、この混合構造は理想的には、エピタキシャル層列内に近似的に光のエルゴード分布を生じさせる。つまりこの分布は、可能な限りエルゴード的に確率論的な散乱特性を有している。
【0024】
薄膜発光ダイオードチップの原理は、例えばI. Schnitzer等によるAppl. Phys. Lett. 63 (16), 18. Oktober 1993, 2174-2176に記載されており、その開示内容は参照により本明細書の引用文献とする。
【0025】
薄膜発光ダイオードチップは良好な近似ではランベルト表面放射器であり、プロジェクタでの適用に非常に適している。
【0026】
すでに述べたように第2の配置構成によれば、第1のアクティブ層と第2のアクティブ層との間のコンタクトゾーンがLED半導体ボディに集積される。
【0027】
有利な構成によれば半導体ボディは、第1のアクティブ層を含む第1の層積層体と、第2のアクティブ層を含む第2の層積層体とを有する。とくに有利にはこの構成においてコンタクトゾーンは第1の層積層体と第2の層積層体との間に埋め込まれる。
【0028】
第1の層積層体は第1のアクティブ層に加えて第1の導電形式の半導体層を有し、第2の層積層体は第2のアクティブ層に加えて第2の導電形式の半導体層を有する。有利には第1と第2の層積層体は2つの個別のウェハから作製される。ウェハは本発明の半導体ボディを作製するために相互にボンディングすることができ、このとき第1の導電形式の半導体層と第2の導電形式の半導体層とが相互に向き合うようにする。
【0029】
別の有利な構成によれば、コンタクトゾーンは第1の導電形式の半導体層と第2の導電形式の半導体層との間に配置される。したがってコンタクトゾーンは半導体ボディの主ビーム路中に配置される。一方、第1の構成ではコンタクトゾーンは主ビーム路の外に配置される。有利な実施形態によれば、コンタクトゾーンはコンタクト層である。
【0030】
別の有利な実施形態によれば、コンタクトゾーンは少なくとも1つの第1領域と少なくとも1つの第2領域を有する。有利には第2領域は導電性である。第1領域は導電性または絶縁性とすることができる。例えばコンタクトゾーンは第2領域を、コンタクトパッドの形態でまたは長手に伸長するコンタクトウェブの形態で有することができる。ここでは第2領域を取り囲む材料が第1領域を形成する。第2領域は有利には、これが第1と第2の層積層体間の電気接続を行うように配置されている。とりわけ第2領域は金属材料を含むことができる。第2領域は有利には、対向する層積層体に向いた側の第1と第2の層積層体の表面に取り付けられる。択一的に各層積層体は少なくとも1つの第2領域を有することができ、この第2領域はそれぞれ2つの第2領域が、2つの層積層体を相互に積層する際に当接するように配置されている。
【0031】
有利にはコンタクトゾーンは、第1および/または第2のアクティブ層により形成されたビームに対して透明な材料を含有する。したがって主ビーム路に配置されたコンタクトゾーンによって格別のビーム損失は引き起こされない。
【0032】
コンタクトゾーンはTCOを含有することができ。さらにコンタクトゾーンは付着物質を含有することができる。
【0033】
さらに第1の導電形式の半導体層の上には第1の接続層を、第2の導電形式の半導体層の上には第2の接続層を取り付けることができる。接続層はとりわけ、層積層体間の電荷担体移動をさらに改善するために設けることができる。有利には接続層はビーム透過性かつ導電性の材料、例えばTCOを含有する。とくに有利にはコンタクトゾーンは第1の接続層と第2の接続層との間に配置される。
【0034】
さらに第1と第2の層積層体の間のコンタクトゾーンによって、有利には機械的接続が形成される。
【0035】
有利には第1と第2のアクティブ層は同じ波長を形成する。有利には従来のLED半導体ボディに対してビーム量が増大される。
【0036】
さらに有利にはLED半導体ボディの主放射は垂直方向で行われる。とりわけ主放射は比較的小さな空間角内で行われ、これにより光密度が有利に上昇する。光密度は、半導体ボディの放射面積と空間角要素当たりの光出力である。
【0037】
とくに有利には、第1のアクティブ層により形成されたビームは第2のアクティブ層を通過する。このことはとりわけ、アクティブ層により形成されたビームを垂直方向に反射するために設けることのできる反射層と組み合わせると有利である。波長の異なるビームを形成するアクティブ層とは異なり、ここでは反射されたビームをそれぞれ他方のアクティブ層により吸収するのが、放射ビーム全体に対して不利な作用がなく有利である。
【0038】
変形実施例によれば、半導体ボディ、有利には2つのアクティブ層の一方または両方はAlnGamInl-n-mPを含有し、ここで0≦n≦1、0≦m≦0、n+m≦1である。
【0039】
別の変形実施例によれば、半導体ボディ、有利には2つのアクティブ層の一方または両方はAlnGamInl-n-mAsを含有し、ここで0≦n≦1、0≦m≦0、n+m≦1である。
【0040】
別の変形実施例によれば、半導体ボディ、有利には2つのアクティブ層の一方または両方はAlnGamInl-n-mNを含有し、ここで0≦n≦1、0≦m≦0、n+m≦1である。
【0041】
本発明のLED半導体ボディは有利にはビーム放射性構成素子に使用される。なぜなら本発明のLED半導体ボディによって高い光密度を、比較的小さな構造寸法で達成することができるからである。
【0042】
さらに本発明のLED半導体ボディ、ないしは本発明のLED半導体ボディを有するビーム放射性構成素子は、とりわけ全般照明、例えばディスプレイの背景照明、またはプロジェクタ適用に使用することができる。
【0043】
本発明のさらなる特徴、利点および発展形態は、以下で図1から4に関連して説明する実施例から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明によるLED半導体ボディの第1実施例の概略断面図である。
【図2】本発明によるLED半導体ボディの第2実施例の概略断面図である。
【図3】本発明によるLED半導体ボディの第3実施例の概略断面図である。
【図4】本発明によるLED半導体ボディの第4実施例の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1に示された第1実施例によるLED半導体ボディ1は、第1のビーム形成アクティブ層2と、第2のビーム形成アクティブ層3を有し、これらのアクティブ層は垂直方向に、すなわち放射方向に対して平行に、かつアクティブ層の主伸長方向に対して直角に上下に配置されている。アクティブ層2,3の間には、第1の導電形式の第1の半導体層5、例えばp導電形の半導体層と、第2の導電形式の第2の半導体層6、例えばn導電形の半導体層が配置されている。
【0046】
2つのアクティブ層2,3をLED半導体ボディ1に配置することによって、有利には形成される全体ビーム量が増大する。LED半導体ボディ1の寸法は、ただ1つのアクティブ層しか備えていないLED半導体ボディに対してほとんど変化せず、とりわけLED半導体ボディの横断面はアクティブ層の数には依存しないから、輝度が十分に有利に向上される。
【0047】
半導体ボディ1はコンタクトゾーン4を有し、このコンタクトゾーンは半導体層5を半導体層6と導電接続する。有利には半導体ボディ1の少なくとも側面は、半導体層5と半導体層6の一部が露出されるように処理されている。これにより半導体材料に覆われない第1の露出領域9と、半導体材料により覆われない第2の露出領域10が形成される。コンタクトゾーン4は第1の露出領域9から第2の露出領域10へ伸長しており、これらの露出領域を少なくとも部分的に覆う。コンタクトゾーン4は金属、金属化合物、またはビーム透過性酸化物(TCO)、例えばITOを含有することができる。さらに電気接続を改善するために、2つの半導体層5,6を高濃度にドーピングすることができ、これにより動作時には電気接合抵抗の小さい効率的なトンネル接合部が発生する。
【0048】
LED半導体ボディ1は裏面接点7を有し、この裏面接点はアクティブ層2と3に垂直方向で前置されているさらにLED半導体ボディ1は前面接点8を有し、この前面接点はアクティブ層2と3に垂直方向で後置されている。このようにして垂直方向に導電性の構成素子が形成され、この構成素子はLED半導体ボディ1内での電流分布の均一性が比較的高いことを特徴とする。
【0049】
さらに半導体ボディ1は、裏面接点7の側で支持素子(図示せず)上に配置することができる。ここで支持素子は有利には導電性材料を含有する。例えば半導体ボディ1は、薄膜半導体ボディとすることができる。この場合、LED半導体ボディ1は支持素子とは異なる成長基板上で成長され、続いて支持素子に取り付けられる。この取り付けは例えば、はんだ付け、ボンディング、または接着により行うことができ、有利には成長基板はLED半導体ボディから剥離される。裏面接点7は同時にミラーとして用いることができる。したがって裏面接点7に当たるビーム成分は垂直方向に、すなわちこの場合はLED半導体ボディ1のビーム出力結合側の方向に反射される。
【0050】
図1に示された実施例では、アクティブ層2と3が半導体ボディ1に有利にはモノリシックに集積されている。これに対して図2に示された実施例では、アクティブ層2を含む個別の第1の層積層体Iと、アクティブ層3を含む個別の第2の層積層体IIが相互に結合され、これによりLED半導体ボディ1が形成されている。2つの層積層体IとIIの結合を行う製造ステップは矢印により示されている。
【0051】
層積層体Iにはコンタクト層が配置されている。このコンタクト層は、2つの層積層体IとIIの結合後にコンタクトゾーン4を形成する。択一的にコンタクト層を層積層体IIの上に配置することもできる。続いてコンタクトゾーン4は第1のアクティブ層2と第2のアクティブ層3との間でLED半導体ボディ1に集積される。コンタクト層は導電性材料を含有する。さらにコンタクト層は、アクティブ層2および/またはアクティブ層3のビームに対して透明である。有利にはコンタクト層は接着剤を含んでおり、2つの層積層体IとIIはコンタクト層により機械的に接合される。
【0052】
層積層体I上には裏面接点7を取り付けることができ、層積層体IIには前面接点8を形成することができる。コンタクトの取り付けは、2つの層積層体IとIIの接合の前または後に行うことができる。
【0053】
図3に示したLED半導体ボディ1の実施例でも、同様に2つの層積層体IとIIが上下に配置されている。ここではコンタクトゾーン4が層積層体IとIIの間でLED半導体ボディ1に集積されている。コンタクトゾーン4は第1領域4aと、複数の第2領域4bを有する。第2領域4bは第1領域4aに埋め込まれている。有利には第2領域4bは導電性である。第1領域4aは導電性または絶縁性とすることができる。図示のように第2領域4bはコンタクトパッドの形態に構成することができる。ここで一方の第2領域4bは層積層体Iの上に、他方の第2領域4bは層積層体IIの上に配置されている。両方の層積層体IとIIは、2つの第2領域4bが積み重なるように相互に接合される。第2領域4bによって層積層体IとIIは相互に導電接続される。さらにアクティブ層2と3そしてコンタクトゾーン4は、アクティブ層2と3が直列に接続されるように相互に配置される。
【0054】
両方の層積層体IとIIは第2領域4bによって相互にボンディングすることができる。付加的に第1領域4aは接着剤を含むことができ、この接着剤は2つの層積層体IとIIを機械的に結合する。有利には第1領域4aは、アクティブ層2および/またはアクティブ層3により形成されるビームに対して透明である。
【0055】
図4に示されたLED半導体ボディ1は第1の層積層体Iと、第1の層積層体Iに垂直方向に後置だれた第2の層積層体IIを有し、第1の層積層体Iと第2の層積層体IIの間にはコンタクトゾーン4が配置されている。コンタクトゾーン4は第1領域4aと、第2領域4bを有する。第1領域4aと第2領域4bは、第1の接続層4cと第2の接続層4dの間に配置されている。有利には第1の接続層4cと第2の接続層4dは、層積層体IとIIとの間の電荷担体移動を改善するために用いられる。例えば接続層4cと4dは、ビーム透過性導電酸化物(TCO)、例えばITOを含有することができる。とくに有利には接続層4cと4dは、2つの層積層体IとIIをそれぞれの層積層体に接続する前に取り付ける。2つの層積層体IとIIの一方にはさらに、とりわけコンタクトパッドまたはコンタクトウェブとして構成された第2領域4bが設けられている。第2領域4bはとりわけ電気抵抗の低い金属を含有し、これにより比較的良好に電流を、コンタクトゾーン4を介して流すことができる。第1領域4aは有利には接着剤を含有し、これにより層積層体IとIIは第1領域4aによって機械結合される。
【0056】
本発明は実施例に基づいた説明に制限されるものではない。すなわち本発明はあらゆる新規の特徴ならびにそれらの特徴のあらゆる組合せを含むものであり、これにはことに特許請求の範囲に記載した特徴の組合せ各々が含まれ、このことはそのような組合せ自体が特許請求の範囲あるいは実施例に明示的には記載されていないにしてもあてはまる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1のビーム形成アクティブ層(2)と、少なくとも1つの第2のビーム形成アクティブ層(3)とを備えるLED半導体ボディ(1)であって、
前記第2のアクティブ層(3)は垂直方向に前記第1のアクティブ層(2)の上に積層されており、かつ当該第1のアクティブ層(2)と直列に接続されており、
前記第1のアクティブ層(2)と前記第2のアクティブ層(3)は、コンタクトゾーン(4)によって導電接続されているLED半導体ボディ。
【請求項2】
請求項1記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記コンタクトゾーン(4)は、LED半導体ボディ(1)の側面に配置されているLED半導体ボディ。
【請求項3】
請求項1または2記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記第1のアクティブ層(2)には垂直方向に、第1の導電形式の半導体層(5)が後置されているLED半導体ボディ。
【請求項4】
請求項3記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記第1の導電形式の半導体層(5)と前記第2のアクティブ層(3)との間には、第2の導電形式の半導体層(6)が配置されているLED半導体ボディ。
【請求項5】
請求項4記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記第1の導電形式の半導体層(5)と、前記第2の導電形式の半導体層(6)とはトンネル接合部を形成するLED半導体ボディ。
【請求項6】
請求項4または5記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記第1の導電形式の半導体層(5)は、半導体材料により覆われない第1の露出領域(9)を有するLED半導体ボディ。
【請求項7】
請求項6記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記第2の導電形式の半導体層(6)は、半導体材料により覆われない第2の露出領域(10)を有するLED半導体ボディ。
【請求項8】
請求項7記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記コンタクトゾーン(4)は、前記第1の露出領域(9)から前記第2の露出領域(10)へ伸長しているLED半導体ボディ。
【請求項9】
請求項8記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記コンタクトゾーン(4)はコンタクト層であるLED半導体ボディ。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか一項記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記コンタクトゾーン(4)は金属材料を含有するLED半導体ボディ。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか一項記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記コンタクトゾーン(4)はTCOを含有するLED半導体ボディ。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか一項記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記第1のアクティブ層(2)と第2のアクティブ層(3)は、半導体ボディ(1)にモノリシックに集積されているLED半導体ボディ。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか一項記載のLED半導体ボディ(1)であって、
薄膜半導体ボディであるLED半導体ボディ。
【請求項14】
請求項1記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記コンタクトゾーン(4)は前記第1のアクティブ層(2)と第2のアクティブ層(3)との間でLED半導体ボディ(1)に集積されているLED半導体ボディ。
【請求項15】
請求項14記載のLED半導体ボディ(1)であって、
第1の層積層体(I)が第1のアクティブ層(2)を含み、第2の層積層体(II)が第2のアクティブ層(3)を含むLED半導体ボディ。
【請求項16】
請求項14または15記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記層積層体(I、II)は、薄膜半導体ボディであるLED半導体ボディ。
【請求項17】
請求項15または16記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記第1の層積層体)I)は前記第1のアクティブ層(2)に加えて第1の導電形式の半導体層(5)を有し、前記第2の層積層体(II)は前記第2のアクティブ層(3)に加えて第2の導電形式の半導体層(6)を有するLED半導体ボディ。
【請求項18】
請求項17記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記コンタクトゾーン(4)は、前記第1の導電形式の半導体層(5)と前記第2の導電形式の半導体層(6)との間に配置されているLED半導体ボディ。
【請求項19】
請求項14から18までのいずれか一項記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記コンタクトゾーン(4)はコンタクト層であるLED半導体ボディ。
【請求項20】
請求項14から19までのいずれか一項記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記コンタクトゾーン(4)は、少なくとも1つの第1領域(4a)と、少なくとも1つの第2領域(4b)を有するLED半導体ボディ。
【請求項21】
請求項20記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記第2領域(4b)は導電性であるLED半導体ボディ。
【請求項22】
請求項21記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記第2領域(4b)は金属材料を含有するLED半導体ボディ。
【請求項23】
請求項14から22までのいずれか一項記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記コンタクトゾーン(4)は、第1(2)および/または第2(3)のアクティブ層により形成されたビームに対して透明な材料を含有するLED半導体ボディ。
【請求項24】
請求項23記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記コンタクトゾーン(4)はTCOを含有するLED半導体ボディ。
【請求項25】
請求項14から24までのいずれか一項記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記コンタクトゾーン(4)は接着剤を含有するLED半導体ボディ。
【請求項26】
請求項17から25までのいずれか一項記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記第1の導電形式の半導体層(5)の上には第1の接続層(4c)が、前記第2の導電形式の半導体層(6)の上には第2の接続層(4d)が取り付けられているLED半導体ボディ。
【請求項27】
請求項26記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記コンタクトゾーン(4)は、前記第1の接続層(4c)と前記第2の接続層(4d)とに間に配置されているLED半導体ボディ。
【請求項28】
請求項26または27記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記第1の接続層(4c)と前記第2の接続層(4d)はTCOを含有するLED半導体ボディ。
【請求項29】
請求項15から28までのいずれか一項記載のLED半導体ボディ(1)であって、
第1の層積層体(I)と第2の層積層体(II)とはコンタクトゾーン(4)によって機械的に結合されているLED半導体ボディ。
【請求項30】
請求項1から29までのいずれか一項記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記第1(2)と第2(3)のアクティブ層は同じ波長を形成するLED半導体ボディ。
【請求項31】
請求項1から30までのいずれか一項記載のLED半導体ボディ(1)であって、
主放射は垂直方向に行われるLED半導体ボディ。
【請求項32】
請求項1から31までのいずれか一項記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記第1のアクティブ層(2)により形成されたビームは前記第2のアクティブ層を通過するLED半導体ボディ。
【請求項33】
請求項1から32までのいずれか一項記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記半導体ボディ(1)、有利には2つのアクティブ層(2,3)の一方または両方は、AlnGamInl-n-mPを含有し、ここで0≦n≦1、0≦m≦0、かつn+m≦1であるLED半導体ボディ。
【請求項34】
請求項1から32までのいずれか一項記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記半導体ボディ(1)、有利には2つのアクティブ層(2,3)の一方または両方は、AlnGamInl-n-mAsを含有し、ここで0≦n≦1、0≦m≦0、かつn+m≦1であるLED半導体ボディ。
【請求項35】
請求項1から32までのいずれか一項記載のLED半導体ボディ(1)であって、
前記半導体ボディ(1)、有利には2つのアクティブ層(2,3)の一方または両方は、AlnGamInl-n-mNを含有し、ここで0≦n≦1、0≦m≦0、かつn+m≦1であるLED半導体ボディ。
【請求項36】
ビーム放射構成素子に使用する、請求項1から35までのいずれか一項記載のLED半導体ボディ1(1)の使用法。
【請求項37】
全般照明に使用する、請求項1から35までのいずれか一項記載のLED半導体ボディ1(1)の使用法。
【請求項38】
例えばディスプレイのバックグランド照明に使用する、請求項1から35までのいずれか一項記載のLED半導体ボディ1(1)の使用法。
【請求項39】
プロジェクタ適用に使用する、請求項1から35までのいずれか一項記載のLED半導体ボディ1(1)の使用法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−505244(P2010−505244A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529513(P2009−529513)
【出願日】平成19年8月28日(2007.8.28)
【国際出願番号】PCT/DE2007/001535
【国際公開番号】WO2008/043324
【国際公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(599133716)オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (586)
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D−93055 Regensburg, Germany
【Fターム(参考)】