説明

LPG回収装置およびLPG再生装置

【課題】据置貯槽内のLPGを簡単かつ高回収率で回収し、再生(再利用)可能のLPG回収装置を提供すること。
【解決手段】液化石油ガスを貯蔵するバルク貯槽2に接続管4を介して着脱自在に接続される負圧に減圧された回収タンク3、この回収タンク3内に収容されて液化石油ガスを放出可能に吸着する活性炭7と、バルク貯槽2から回収タンク3へ回収される液化石油ガスの流量を制御すると共に、バルク貯槽2内を回収タンク3の負圧と同等以上の負圧に制御する流量圧力制御装置8と、を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液化石油ガス(以下、LPGという)を貯蔵するバルク貯槽等の据置貯槽や配管等の閉空間の残ガス等を回収するLPG回収装置と、このLPG回収装置により回収したLPGをLPG充填所の充填用貯槽に戻して再生(再利用)を図るLPG回収再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LPG業界の物流合理化努力と規制緩和により、LPG輸入基地等から直接バルクローリで、家庭も含めLPガス消費先のバルク貯槽に供給する「新バルク供給システム」が発足している。その結果、バルク貯槽は平成17年まで約16万基が設置され、ガスボンベによる物流から大きく進歩してきた。一方、バルク貯槽の普及に伴い、バルク貯槽の付属品の故障等で修理するケースが増えてきた。その修理に当たっては、その前に、バルク貯槽内のガスを抜き取る必要がある。この場合、従来は抜き取ったLPGを燃焼処分し、もしくはその一部を大気に放出していた。または、バルク貯槽内の残存ガスを回収容器内に回収していた。その回収方法としては、例えば特許文献1,2に記載された技術が従来から知られている。
【0003】
特許文献1記載の技術は、バルク貯槽内のLPG気相側をコンプレッサーにより加圧し、その圧力によりLPG液面を押圧し、その圧力により液相の液化ガスを回収容器に回収する方法である。
【0004】
また、特許文献2記載の技術は、LPGを収容したバルク貯槽を加熱し、その内圧を昇圧することにより、回収容器に回収する方法である。
【特許文献1】特許第2715271号公報
【特許文献2】特開2005−76814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来技術では、バルク貯槽から抜き取ったLPGを大気に放出する場合には、LPGを浪費するうえに、大気を汚染する。また、燃焼処分する場合には、その作業自体が危険であるうえに、燃焼騒音が発生する。さらに、特許文献1記載の従来技術では、LPGの回収の際にコンプレッサを使用するので、法令上、製造行為に該当し、保安距離第1種保安物件15m(第2種では10m)が必要となり、使用できる範囲が非常に限定されるという課題がある。
【0006】
また、この方法によれば、LPGの液相を回収することはできるが、気相を回収することができず、回収率が低いという課題がある。
【0007】
そして、特許文献2記載の従来技術もバルク貯槽を加熱し、その内圧を昇圧することのみにより、気相を回収容器に回収するので、気相が残存し、回収率が低いという課題がある。
【0008】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、閉空間内のLPGを安全かつ高効率で回収するLPG回収装置およびこのLPG回収装置により回収されたLPGをさらに再生(再利用)可能に回収するLPG回収再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、液化石油ガスが含まれた閉空間に接続管を介して着脱自在に接続される負圧に減圧された回収容器と、この回収容器内に収容されて液化石油ガスを放出可能に吸着する吸着材と、前記閉空間から回収容器へ回収される液化石油ガスの流量を制御すると共に、前記閉空間を前記回収容器の負圧と同等以上の負圧に制御する流量圧力制御手段と、を具備していることを特徴とするLPG回収装置である。
【0010】
なお、本請求項1以下において、閉空間とはガスボンベやバルク貯槽、配管内等LPGが溜っている閉空間をいう。
【0011】
請求項2に係る発明は、前記吸着材が活性炭であり、この活性炭を冷却する冷却装置と、前記閉空間を加熱する加熱装置と、を具備していることを特徴とする請求項1記載のLPG回収装置である。
【0012】
請求項3に係る発明は、前記回収容器は、前記接続管の一端に接続されてこの回収容器内に複数の枝管を分散配置してなる分岐管およびこれら枝管に穿設された複数の放出孔を有する分散管を内蔵していることを特徴とする請求項1または2記載のLPG回収装置である。
【0013】
請求項4に係る発明は、前記分散管は、前記接続管に接続されて前記放出孔の上流側で液相をミスト化させるミストノズルと、このミスト化される領域に接続された熱交換用フィンと、を具備していることを特徴とする請求項3記載のLPG回収装置である。
【0014】
請求項5に係る発明は、前記閉空間に前記接続管を介して接続されて液化石油ガスの液相を吸引して回収する負圧に減圧された液分回収容器を具備していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1記載のLPG回収装置である。
【0015】
請求項6に係る発明は、前記閉空間に前記接続管を介して接続されて前記閉空間の液化石油ガスの液相を主に収容する液分回収容器と、前記閉空間の液化石油ガスの液相を前記液分回収容器に圧送する液ポンプと、を具備していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のLPG回収装置である。
【0016】
請求項7に係る発明は、前記閉空間がバルク貯槽であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のLPG回収装置である。
【0017】
請求項8に係る発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のLPG回収装置と、液化石油ガスを充填容器に充填するために貯蔵するガス充填用貯槽に、前記LPG回収装置により回収された液化石油ガスを圧送し貯蔵させる再生装置と、を具備していることを特徴とするLPG再生装置である。
【0018】
請求項9に係る発明は、前記再生装置は、上記回収容器に着脱自在に接続される第2の接続管、この第2の接続管に接続されて前記ガス充填用貯槽に連通する連通路、この連通路に介在されて前記回収容器から液化石油ガスを吸引するポンプ、このポンプにより吸引された液化石油ガスを一時貯溜するバランスタンクおよびこのバランスタンク内の液化石油ガスを加圧して前記ガス充填用貯槽に圧送する逆転可能のコンプレッサ、を具備していることを特徴とする請求項8記載のLPG再生装置である。
【0019】
請求項10に係る発明は、前記ポンプが液化石油ガスにより駆動されるエジェクタポンプであることを特徴とする請求項9記載のLPG再生装置である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、回収容器内が負圧であるので、この回収容器を据置貯槽等の閉空間に接続管を介して単に接続することにより、閉空間内のLPG(液化石油ガス)を回収容器内に吸引し回収することができる。したがって、閉空間内のLPGを大気に放出したり、燃焼処分しないので、LPGの浪費と大気汚染を防止し、さらに、火災の危険性と燃焼時の騒音を未然に防止することができる。
【0021】
そして、この閉空間から回収容器内へ回収されるLPGの流量を流量圧力制御手段により制御するので、閉空間と回収容器との圧力差によりLPGが回収容器内へ急激に吸入されるのを抑制し、その吸入速度を制御することができる。このために、LPGが回収容器内へ急激に吸入されたときの吸着材のLPGの急激な吸着による急発熱や吸着効率の低下を抑制することができる。また、流量圧力制御装置により閉空間内を回収容器内の負圧と同等以上の負圧に制御するので、閉空間内のLPGの残ガスが外気へリークするのを抑制または防止することができる。
【0022】
さらに、回収容器内に回収されたLPGは吸着材に吸着されるので、回収容器の容量の大形化を図ることなく、LPG回収量の増大を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、これら複数の添付図面中、同一または相当部分には同一符号を付している。
【0024】
図1は回収装置1により、閉空間の一例である据置貯槽のバルク貯槽2内に貯留または残留しているLPGを回収容器である鋼製等の回収タンク3に回収する場合の一例を示す模式図である。
【0025】
この図1に示すように回収装置1は、バルク貯槽2の出口管2aの外端部に、回収タンク3のガス入口管3aの外端部を着脱自在に接続する接続管4を具備している。バルク貯槽2内の圧力は例えば0.6MPa〜1.2MPaである。接続管4は例えば合成樹脂製のホース本体に円筒状の金網を同心状に埋設しており、その両端部に、接続用のカップリングC,Cをそれぞれ設けている。
【0026】
また、バルク貯槽2の出口管2aと回収タンク3のガス入口管3aにもそれぞれ着脱可能に接続されるためのカップリングC,Cをそれぞれ設けている。なお、接続管4は、可撓性を有するホースや鋼製管でもよい。
【0027】
バルク貯槽2は、一般家庭や店舗等、LPGの消費先に据置きされ、LPGを収容する楕円球状等所要形状の鋼製等のタンク本体2b、このタンク本体2bに配設された出口管2a、この出口管2aに介装された開閉弁2c、タンク本体2b内のLPGの液面を表示する液面計(図示省略)、LPGの過充填を防止する安全弁(図示省略)等を具備している。出口管2aは例えばサイホン管から構成され、そのタンク本体2b内で開口する開口内端が液相LPGの液面よりも上方で開口し、気相を排気することができる。なお、バルク貯槽2の型式によっては気相排気管の外に液相を排出する液相排出管(液管)を具備したものもある。この液相排出管は、そのタンク本体2b内で開口する開口内端がタンク本体2b内の内底面近傍まで延伸するサイホン管よりなり、図5では延伸出口管2dとして構成されている。
【0028】
回収タンク3は、そのガス入口管3aに開閉弁3bを設け、回収タンク3内には、分散管6と多数の吸着材である活性炭7,7,…を封入して予め真空等大気圧以下の圧力に減圧されている。
【0029】
分散管6は、平面的または立体的なフォーク状の分岐管から構成されており、その主管6aの例えばほぼ中央部には、入口管3aの内端を連通可能に連結している。
【0030】
また、分散管6は、その主管6aから分岐する複数の枝管6b,6b,…を回収タンク3内にほぼ均等に分散配置しており、各枝管6bには、LPGを放出する複数の放出孔6c,6c,…をそれぞれ穿設している。
【0031】
活性炭7は、例えば直径約5mm、軸方向長さが約10mm程度の円柱等所要形状かつ所要大のペレットに成形されており、都市ガスよりもLPGガスの方が吸着効率が高い。活性炭7は、回収タンク3内の図示しない複数のセルに仕切られた各セル内に充填され、ローリー車5の走行時の振動等により動揺しないようになっている。但し、複数のセルに仕切らなくてもよい。また、活性炭7はLPGの吸着効率を安定させるために、予めLPGを吸着させ、かつ放出させるプレ(前)吸着処理等のならし処理を施している。なお、ローリー車5は、例えばその荷台に回収タンク3を搭載した状態で一体的に構成されている。但し、ローリー車5に代えて予備車両を使用してもよい。予備車両は例えば普通のトラックよりなり、その荷台に回収タンク3を随時搭載し、取り外すことができるようになっている。
【0032】
そして、接続管4の途中には、流量圧力制御装置8を介装している。この流量圧力制御装置8はバルク貯槽2内のLPGを回収タンク3内へ回収する際の当該LPGの流量を制御すると共に、LPG回収後のバルク貯槽2内の圧力を回収タンク3内の負圧と同等以上の負圧、すなわち回収タンク3内の負圧と同等の負圧、または、その負圧よりも高い負圧(大気圧側へ近付く負圧)に制御するものである。
【0033】
図2に示すように流量圧力制御装置8は、手動弁8a、入側圧力センサ8b、減圧器8c、出側圧力センサ8d、電動弁8e、流量計8f、回収装置側圧力センサ8gを具備している。
【0034】
入側圧力センサ8bは、LPGの回収時、図2中矢印で示すLPGの流れ方向において減圧器8cの入側の接続管4内の圧力を検出する圧力センサである。出側圧力センサ8dは減圧器8cの出口側の圧力を検出する圧力センサである。流量計8fは接続管4内のLPGの単位時間当りの流量を検出する。回収装置側圧力センサ8gは回収タンク3内の圧力を検出する圧力センサである。
【0035】
減圧器8cは例えば0.6MPa(パスカル)〜1.2MPaのバルク貯槽2側の圧力を、例えば0.1MPa等、活性炭7によるLPG吸着効率の良好な圧力に減圧する減圧器である。出側圧力センサ8dは、この減圧器8cの出側の圧力を検出する。
【0036】
これら入,出側圧力センサ8b,8d、流量計8b、電動弁8e、回収装置側圧力センサ8gは図示省略の信号線により操作パネルに電気的に接続されている。操作パネルは例えばローリー車5の運転席近傍や荷台等に配設され、表示器と操作具を具備している。
【0037】
表示器には、入,出側圧力センサ8a,8d、回収装置側圧力センサ8gによりそれぞれ検出された入側,出側圧力検出値や回収タンク3内の圧力検出値、流量計8bにより検出されたLPGの流量検出値、その流量積算値、電動弁8eの開度ないし開閉が表示される。
【0038】
また、操作具としては、電動弁8eの開度を遠隔制御する操作具を具備しており、この操作具の操作により電動弁8eの開度を制御することにより、接続管4のLPGの流量とバルク貯槽2内の圧力を、回収タンク3内の負圧と同等以上の負圧、すなわち、バルク貯槽2内の負圧を、回収タンク3内の負圧と同等、またはその負圧よりも高い負圧(つまり大気圧側に近い負圧)である所定値、例えば回収タンク3内の活性炭7がLPGの吸着効率を向上させることができる負圧と、適宜流量に制御することができる。
【0039】
次に、このように、構成された回収装置1によりバルク貯槽2内のLPGを回収する方法について説明する。
【0040】
まず、図1に示すように接続管4の一端部を、バルク貯槽2の出口管2aの外端部に接続し、カップリングC等所要のジョイントにより接続する一方、接続管4の他端部を回収タンク3のガス入口管3aの外端部にカップリングC等所要のジョイントにより接続する。
【0041】
次に、バルク貯槽2の開閉弁2cと回収タンク3の開閉弁3bとをそれぞれ開弁する。
【0042】
さらに、流量圧力制御装置8の手動弁8aを開弁し、電動弁8eの開度を、バルク貯槽2側の圧力が、回収タンク3内の負圧と同等以上の負圧、例えば活性炭7のLPG吸着効率が良好な負圧と流量になるように制御する。
【0043】
すると、予め回収タンク3内は真空等負圧に減圧されているので、バルク貯槽2内のLPGが接続管4を介して回収タンク3内側へ吸引され、流量圧力制御装置8の減圧器8cにより所定圧に減圧され、かつ電動弁8eにより所定流量に制御されてから、入口管3aと分散管6を経て複数の放出孔6c,6c,…から回収タンク3内へ放出され、活性炭7,7,…により吸着される。このときに、入,出側圧力センサ8b,8dによりそれぞれ検出された入,出側圧力件値、回収装置側圧力センサ8gにより検出された回収タンク3内の圧力検出値、流量計8fにより検出された流量検出値が図示しない操作パネルの表示器にそれぞれ表示される。この後、回収タンク3の開閉弁3b、バルク貯槽2の開閉弁2cと、流量圧力制御装置8の電動弁8eおよび手動弁8aが閉弁され、LPGの回収は終了する。
【0044】
したがって、この回収装置1によれば、バルク貯槽2の出口管2aに、回収タンク3の入口管3aを接続管4により単に接続し、これら両者の開閉弁2c,3bと流量圧力制御装置8の手動弁8aを開弁することにより、バルク貯槽2内のLPGを回収することができる。このために、そのLPG回収作業を簡単かつ迅速に行うことができる。また、バルク貯槽2内のLPG(液化石油ガス)を回収タンク3内に吸引し回収することができるので、バルク貯槽2内のLPGを燃焼処分したり、その一部を大気に放出しないので、LPGの浪費と大気汚染を防止し、さらに、火災の危険性と燃焼時の騒音を未然に防止することができる。
【0045】
しかも、このLPG回収作業の際に、コンプレッサやポンプ等を使用しないので、法令上の製造行為に該当することもないので、かかるLPG回収作業の安全性と容易性を共に図ることができる。
【0046】
また、LPG回収後も回収タンク3自体は大気圧以下の負圧状態が維持されるので、この回収タンク3をローリー車5や予備車両等により目的地等へ搬送する場合の安全性の向上を図ることができる。
【0047】
さらに、回収タンク3内へ回収されたLPGは、活性炭7が初期吸着時には、付臭成分が若干減少するものの、主成分がほぼ変化していないので、再生(再利用)が可能である。なお、活性炭7を予め上記プレ処理を施している場合には、この付(着)臭成分の減少も抑制できる。また、活性炭7,7,…はLPGの吸着後、そのLPGを放出させることにより、再吸着と再放出も繰り返し可能であり、長期使用が可能であるので、コスト低減を図ることができる。
【0048】
また、回収タンク3は、その回収したLPGを分散配管6により、回収タンク3内に分散させるので、回収タンク3内での局所的な活性炭7によるLPGの吸着むらを低減することができる。このために、LPGの回収効率を向上させることができる。
【0049】
そして、バルク貯槽2から回収タンク3内へ回収するLPGの流量と圧力を流量圧力制御装置8により制御するので、高圧のバルク貯槽2と負圧の回収タンク3との圧力差により、LPGが回収タンク3内へ急激に吸入されて、回収タンク3内の活性炭が動揺したり、分散配管6が振動するのを抑制または防止することができる。
【0050】
また、流量圧力制御装置8によりバルク貯槽2内を回収タンク3内の負圧と同等以上の負圧に制御するので、バルク貯槽2内のLPGの残ガスが外気へリークするのを抑制または防止することができる。なお、上記電動弁8eを電磁弁に置換してもよい。その場合、電磁弁の開閉を複数回繰り返すことによりLPGの流量と圧力を制御するようにしてもよい。
【0051】
図3は、上記回収装置1により回収タンク3内へ回収されたLPGをガス充填所の充填用ガス貯槽9へ戻し、その再生(再利用)を図る再生装置10の模式図である。
【0052】
充填用ガス貯槽9は、図示しないガスボンベやタンクローリー車のタンク等のLPG充填容器に、LPGを充填するために大量のLPGを貯蔵する鋼製等の大形タンクであり、充填所に設置されている。
【0053】
充填所では、この充填用ガス貯槽9に接続されたガス管11、このガス管11に介装された充填用開閉弁11a、充填用ガス貯槽9にガス管11を介して接続されたガスコンプレッサ12、このガスコンプレッサ12の吐出口側に接続されて、例えば図示しないタンクローリー車のタンク等の充填容器のLPG充填口に接続される揺動自在のローディングアーム13と、を具備している。
【0054】
そして、再生装置10は、このローディングアーム13に、バランスタンク15を着脱自在に接続し、さらに、このバランスタンク15に、モータ駆動の真空ポンプ16、真空ポンプ用の肉厚のゴムホース等の接続用配管17を、この順に順次連通自在に設けることにより構成されている。
【0055】
次に、この再生装置10により、回収タンク3内へ回収されたLPGを充填用ガス貯槽9へ戻し、再生(再利用)を図る方法について説明する。
【0056】
まず、図3に示すように、接続用配管17の自由先端部を回収タンク3のガス出口管3aに接続し、真空ポンプ16とガスコンプレッサ12を運転する。
【0057】
すると、回収タンク3内のLPGの気相が接続用配管17を介して真空ポンプ16により吸引され、バランスタンク15内に流入し、ここで静圧が回復されてから、さらにガスコンプレッサ12により吸引され、かつ所定圧に加圧されて充填用ガス貯槽9内へ圧送される。
【0058】
これにより、回収タンク3内のLPGの液相と気相を含むほぼ全量を充填用ガス貯槽9内へ圧送し戻すことができる。
【0059】
このために、再び充填用ガス貯槽9からLPGをローリー車5のタンクやガスボンベ等の充填容器に充填し、再生(再利用)することができる。すなわち、回収タンク3内のLPGの残留ガスを外気に放出させ、または焼却処分する必要が無いので、環境負荷を低減すると共にエネルギーの節約を図ることができ、さらに、安全性を向上させることができる。
【0060】
なお、前記モータ駆動の真空ポンプ16はエジェクタ方式の真空ポンプに置換してもよい。すなわち、このエジェクタポンプは例えばガスボンベ等のLPG充填容器からの高圧LPGにより駆動されて回収タンク3内のLPGを吸引し回収するように構成してもよい。モータ駆動の真空ポンプ16では電気により駆動されるので、LPG等の可燃性ガスが滞留する虞のある防爆上の危険場所で使用する場合は防爆機器であることが必要である。エジェクタポンプは電気を使用しないので着火源がなく、危険場所においても安全に使用することができる。また、エジェクタポンプは、その駆動用流体が回収タンク3から回収しようとするLPGとほぼ同一成分のLPGであるので、充填用貯槽9内へ回収されるLPG成分もほぼ同一にすることができる。
【0061】
ところで、バルク貯槽2内のLPGの回収時には、LPGの液相の蒸発潜熱により、バルク貯槽2が冷却し、特に冬場では気相での回収効率が低下するので、LPG回収時には、バルク貯槽2を加熱することが好ましい。
【0062】
一方、回収タンク3側では活性炭7がLPGを吸着する際に発熱し、所要温度以上に昇温すると、活性炭7によるLPGの吸着力が低下するという課題がある。
【0063】
図4は本発明の第2の実施形態に係る回収装置1Aの要部模式図である。この回収装置1Aは、上記第1の実施形態の課題を解決するために発明されたものであり、上記第1の実施形態のバルク貯槽2を加熱する加熱装置20と、回収タンク3を冷却する一方、加熱する冷却・加熱装置21を設けた点に特徴がある。
【0064】
加熱装置20は、バルク貯槽2の下部や底部等の外面に、着脱可能に装着される加熱ジャケット18を具備している。
【0065】
すなわち、加熱ジャケット18は、バルク貯槽2の下部や底部等の外面に、柔軟性を有する帯状等所要形状のジャケット本体18aを巻き付け等により装着し、このジャケット本体18aには、タンク本体2bの外周を巻回する等の1本の加熱配管18bを埋設等により配設している。この加熱配管18bは、その内部に加熱媒体の一例である水を充填封入しており、その入口端部18cと出口端部18dをジャケット本体18aから外方へ所定長突出させている。これら入,出口端部18c,18dは、加熱装置20の出口端部20aと入口端部20bを所要のジョイントj等によりそれぞれ接続している。加熱装置20は、その出口端部20aと入口端部20bの内端部同士を連結する熱交換管20cと熱交換管20内の水を加熱する図示しない電気ヒータやバーナー等の加熱装置と、熱交換管20内の水を加熱配管18bとの間で循環させる循環ポンプPaを内蔵している。
【0066】
一方、冷却・加熱装置21は、熱交換管19を、回収タンク3内にほぼ均等に分散配置されたタンク内熱交換管19を具備し、このタンク内熱交換管19の軸方向に所要のピッチで複数のフィン19a,19a,…をそれぞれ装着し、その入、出口両端部19b,19cを回収タンク3外へそれぞれ突出させている。
【0067】
そして、加熱・冷却装置21は、その装置本体21aの一端外面に、一対の出口管22aと入口管22bをそれぞれ配設している。この出口管22aの外端には、熱交換管19の入口端部19bが着脱可能に接続され、入口管22bの外端には、熱交換管19の出口端部19cが着脱可能に接続されている。また、これら出,入口管22a,22bの内端部同士は、熱交換管21bにより連結されている。
【0068】
熱交換管21bは、例えば水等の冷却・加熱媒体を封入しており、この冷却・加熱媒体を熱交換管21b内と、タンク内熱交換管19内同士間に循環させる循環ポンプPbと共に、冷却・加熱装置21の本体ケース21a内に配設されている。この本体ケース21a内には、図示しない四方弁を具備した冷却・加熱可能のヒートポンプ式冷凍サイクル装置が配設され、この四方弁の切換操作により熱交換管21bを冷却または加熱するようになっている。この四方弁の切換操作は、上記流量圧力制御装置8の操作パネルの操作具により操作することができるように構成されている。
【0069】
すなわち、この冷凍サイクル装置は、図示しないコンプレッサ、四方弁、凝縮器、膨張弁等の減圧装置、蒸発器を冷媒配管により順次接続して冷媒を循環させる冷凍サイクルを構成し、四方弁の切換により凝縮器と蒸発器の両機能を逆転させることができる。そして、この凝縮器と蒸発器の一方、例えば蒸発器に熱交換管21bを熱交換可能に配設している。
【0070】
次に、このLPG回収再生装置1Aの作用を説明する。
【0071】
まず、図4に示すようにバルク貯槽2の出口管2aの外端部に接続管4を介して回収タンク3のガス入口管3aに接続し、バルク貯槽2の開閉弁2cと回収タンク3の開閉弁3bと流量圧力制御装置8の電動弁8eおよび手動弁8fをそれぞれ開弁する。すると、バルク貯槽2内のLPGが回収タンク3の負圧により吸引されて、回収タンク3内へ回収される。このLPGの回収の際、循環ポンプPaにより、加熱装置20内の熱交換管20と加熱ジャケット18の熱交換配管18d内を循環する水が熱交換管20内で加熱されて、温水として加熱ジャケット18の入口端部18cを経て加熱配管18b内を流れるので、バルク貯槽2の外面を加熱することができる。
【0072】
一方、この加熱ジャケット18によるバルク貯槽2の加熱により、逆にバルク貯槽2により冷却された温水は、降温して出口端部18dと入口管20bを経て加熱装置20へ戻され、この内部の熱交換管20cにて加熱装置20により再び加熱される。ここで加熱された水は再び温水となって循環ポンプPaにより再び加熱ジャケット18の熱交換配管18bへ送水され、循環されることによりバルク貯槽2を繰返し加熱することができる。
【0073】
このために、バルク貯槽2内のLPGの気化が促進されるので、回収装置3によるLPGの気相の回収効率を向上させることができる。特に、冬季等の外気温が低いときに、回収効率向上の効果が顕著である。
【0074】
一方、冷却・加熱装置21は、LPGの回収時には、冷却モードで運転され、冷凍サイクル装置の蒸発器により、本体ケース21a内にある熱交換管21b内の水を冷却する。この冷却水は循環ポンプPbにより出口管22a、回収タンク3の入口端部19bを順次経てタンク内熱交換管19内を流れ、循環する。このために、LPGの気相を吸着して発熱している活性炭7をこのタンク内熱交換管19とフィン19a,19a,…により、冷却する。これにより、活性炭7のLPG吸着能力を再び向上させることができる。
【0075】
一方、この活性炭7の冷却の際に熱交換されて昇温した冷水は循環ポンプPbにより出口端部9cと入口管22bを順次経て再び冷却・加熱装置21内の熱交換管21bへ戻され、ここで図示しない冷凍サイクル装置の蒸発器により再び冷却されてタンク内熱交換管19を循環し、活性炭7,7,…を繰返し冷却することができる。
【0076】
なお、この冷却・加熱装置21の冷凍サイクルを冷却モード運転時に発熱する凝縮の発熱を加熱装置20の加熱に利用することにより、その加熱効率の向上を図ることができる。
【0077】
そして、図3に示すように回収タンク3内に回収したLPGを充填用貯槽9に戻す際には、図4で示す冷却・加熱装置21の冷凍サイクルの四方弁を加熱運転モードに切り換える。すると、この冷凍サイクル装置の蒸発器により加熱された温水が回収タンク3内のタンク内熱交換管19内を循環し、活性炭7,7,…を加熱することができる。これにより、活性炭7,7,…のLPG放出効率を向上させることができると共に、回収タンク3内を加熱してLPGの気化向上を図ることができるので、回収タンク3から充填用貯槽9内へLPGを戻す効率、すなわち、再生効率を向上させることができる。
【0078】
また、上記冷却・加熱装置21では、タンク内熱交換管19内を循環する冷却・加熱媒体である水を冷却する一方、加熱する四方弁を有するヒートポンプ式冷凍サイクル装置により一体に構成した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばチラー冷凍装置等の冷却装置と、電気ヒータ等の加熱装置とをそれぞれ別体に設け、タンク内熱交換管19内を循環する循環水を冷却装置と加熱装置とにそれぞれ案内する水路を切換可能に設けるように構成してもよい。
【0079】
すなわち、LPGの回収時に活性炭7を冷却する場合は、タンク内熱交換管19内を循環する水の水路を冷却装置側に切り換えて、その水を冷却させる。また、LPGの再生時に、活性炭7を加熱する場合は、タンク内熱交換管19内を循環する水の水路を加熱装置側に切り換えて、その水を加熱させる。このように構成する場合には、この加熱装置を、バルク貯槽2用の加熱装置20により兼用することができる。
【0080】
さらに、上記加熱装置20では、加熱ジャケット18に熱交換配管18bを埋設した場合について説明したが、この熱交換配管18bに代えて電熱線を埋設し、この電熱線を通電して加熱するように構成してもよい。
【0081】
図5は本発明の第3の実施形態に係る回収装置1Bの要部模式図である。この回収装置1Bは上記第1の実施形態に係る回収装置1において、そのバルク貯槽2の出口管2aを、バルク貯槽2の内底部近傍まで延伸してLPGの液相も排出可能の延伸出口管2dに置換すると共に、回収タンク3の分散配管6を、冷却用分散配管61に置換した点に主な特徴がある。これ以外の構成は上記LPG回収装置1とほぼ同様であり、例えば回収タンク3は真空等に減圧されて、その内部に多数の活性炭7,7,…が封入されている。
【0082】
冷却用分散配管61は、回収タンク3の入口管3aの内端部に接続された逆T字状の主管61a、この主管61aの水平管部61bの図5中上端部にて、その軸方向に所要のピッチで配設された複数のミスト用ノズル61c、61c、…これらミスト用ノズル61c毎に配設された複数の逆U字管61d、これら逆U字管61dにそれぞれ添設されたフィン61eを具備している。
【0083】
ミスト用ノズル61cは水平管部61bの上端部にて、その軸方向に所要のピッチで穿設された各LPG放出孔にそれぞれ配設されて、LPGの液相を各逆U字管61d内にミスト(霧状)で吹き出すものである。
【0084】
各逆U字管61dは、ほぼ逆U字状に屈曲形成されており、図5中左右一対の垂直管部61d,61dの一方、例えば61dの開口端部を、各ミスト用ノズル61c上に同心状に被せた状態で固着している。また、この一方の垂直管部61dの外面には、平板等所要形状のフィン61eを固着している。他方の垂直管部61dには、複数のLPGガス放出孔61f,61f,…をそれぞれ穿設している。
【0085】
したがって、まず接続管4の一端部(図5では左端部)をバルク貯槽2の延伸用出口管2dの外端部にカップリングC等により接続すると共に、接続管4の他端部を回収タンク3の入口管3aの外端部にカップリングC等により接続し、これら延伸用出口管2dの開閉弁2eと入口管3aの開閉弁3bとを共に開弁する。
【0086】
すると、回収タンク3側が負圧に減圧されているので、バルク貯槽2内のLPGの液相が延伸用出口管2d、接続管4、回収タンク3の入口管3aをこの順に順次経て逆T字形の冷却用分散配管61内に流入する。
【0087】
このために、LPGの液相は冷却用分散配管61の各ミスト用ノズル61cから各逆U字状管61dの一方の垂直管部61d内ヘ霧状(ミスト)で放出される。このために、これら垂直管部61dはLPGの液相の気化潜熱により冷却されてフィン61eを冷却させ、気化した気相は他方の垂直管部61dの放出孔61fから回収タンク3内へ放出され、活性炭7,7,…により吸着され、その吸着状態が保持される。
【0088】
活性炭7は、LPGの吸着保持の際に発熱し昇温するが、逆U字管61の一方の垂直管部61d、フィン61eにより冷却されるので、吸着能力の低下を抑制または防止することができる。
【0089】
そして、バルク貯槽2内のLPGの液相のほぼ全量が回収タンク3内に回収されると、今度は回収タンク3内に残存するLPGの気相が接続管4と冷却用分散配管61を介して回収タンク3内へ回収される。この回収後はバルク貯槽2の開閉弁2e、回収タンク3の開閉弁3b、流量圧力制御装置8の電動弁8eと手動弁8fが全閉される。
【0090】
図6は本発明の第4の実施形態に係る回収装置1Cの要部模式図である。この回収装置1Cは、上記図1、図4、図5でそれぞれ示す気相用回収タンク3の外に、LPGの液相を専用に回収する鋼製等の液回収用タンク31を別途設けた点に主な特徴がある。
【0091】
液回収用タンク31は、その内底部近傍に連通する液出口管31a、この液出口管31aを開閉する液開閉弁31b、液出口管31aに介装された液ポンプ31cを設けている。これら液出口管31a、液開閉弁31bおよび液ポンプ31cは、ローリー車5内のLPGをバルク貯槽2内へ充填するためにローター車5に予め配設されている場合がある。また、液回収用タンク31は、その内部に、回収したLPGの液相の液面を複数のセルに仕切る消波用の仕切壁や隔壁を設け、ローリー車5の走行や停止等に伴なって液面に大きな波が発生するのを抑制するようになっている。しかし、分散配管6や活性炭7,7,…は内蔵していない。
【0092】
したがって、この回収装置1Cによれば、まず、接続管4の一端部(図6では左端部)をバルク貯槽2の液出口管2dの外端部に接続フランジF等所要の継手により接続し、接続管4の他端部を液回収用タンク31の液ポンプ31cの吐出口外端部に所要の継手Fにより接続する。
【0093】
この後、バルク貯槽2の液開閉弁2eと液回収タンク31の液開閉弁31bを開弁してから液ポンプ31cをLPG充填時とは逆回転の逆転運転をする。すると、バルク貯槽2内のLPGの液相が液ポンプ31cにより吸引されて液回収タンク31内へ移動し、回収される。
【0094】
このようにバルク貯槽2内のLPGの液相を回収タンク3内へ回収した後は、バルク貯槽2の液開閉弁2eと液回収タンク31の液開閉弁を全閉する。この後、バルク貯槽2の気相出口管2aの外端部に接続管4の図6中左端部をフランジF等に接続する一方、接続管4の右端部を気相用回収タンク3の入口管3aの外端部に接続して、バルク貯槽2内に残存したLPGの気相を、気相用の回収タンク3内へ、上述の手順により再度回収する。
【0095】
したがって、この回収装置1Cによれば、バルク貯槽2内のLPGの液相を液回収タンク31により回収するので、この液相を気化させずにLPGを短時間に大量に回収することができる。このために、バルク貯槽2を加熱して液相を気化させる必要がない。
【0096】
しかも、LPGの液相の回収後、バルク貯槽2内に残留した気相を気相用回収タンク3により回収するので、バルク貯槽2内の殆どのLPGを回収することができる。このために、液回収用タンク31と気相回収用タンク3の両者の小形化を共に図ることができる。また、液ポンプ31cとしては、予めローリー車5に液相充填用の液ポンプとして配設されている場合があるので、新たに設ける必要がなく、その分、コスト低減を図ることができる。但し、液回収用タンク31内を予め真空等に減圧しておいてもよく、これによれば、液ポンプ31cを省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る回収装置の要部模式図。
【図2】図1で示す流量圧力制御装置の構成を示すブロック図。
【図3】図1で示す回収装置によりLPGを充填用貯槽に回収(再生)する工程を示す模式図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る回収装置の模式図。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る回収装置の模式図。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る回収装置の模式図。
【符号の説明】
【0098】
1,1A,1B,1C 回収装置
2 バルク貯槽
2a バルク貯槽の出口管
2b バルク貯槽のタンク本体
2c バルク貯槽の開閉弁
3 回収タンク
3a 回収タンクの入口管
3b 回収タンクの開閉弁
4 接続管
5 ローリー車
6 分散管
6a 主管
6b 枝管
6c 放出孔
7 活性炭
8 流量圧力制御装置
9 充填用貯槽
10 再生装置
12 ガスコンプレッサ
13 ローディングアーム
14 液回収管
15 バランスタンク
16 真空ポンプ
17 接続用配管
18 加熱ジャケット
18a 加熱ジャケット本体
19 タンク内熱交換管
19a フィン
19b タンク内熱交換管の入口端部
19c タンク内熱交換管の出口端部
20 加熱装置
20a 加熱装置の出口端部
20b 加熱装置の入口端部
21 加熱・冷却装置
31 液回収用タンク
61 冷却用分散配管
61a 冷却用分散配管の主管
61b 冷却用分散配管の水平管部
61c ミスト用ノズル
61d 逆U字管
61e フィン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化石油ガスが含まれた閉空間に接続管を介して着脱自在に接続される負圧に減圧された回収容器と、
この回収容器内に収容されて液化石油ガスを放出可能に吸着する吸着材と、
前記閉空間から回収容器へ回収される液化石油ガスの流量を制御すると共に、前記閉空間を前記回収容器の負圧と同等以上の負圧に制御する流量圧力制御手段と、
を具備していることを特徴とするLPG回収装置。
【請求項2】
前記吸着材が活性炭であり、この活性炭を冷却する冷却装置と、前記閉空間を加熱する加熱装置と、を具備していることを特徴とする請求項1記載のLPG回収装置。
【請求項3】
前記回収容器は、前記接続管の一端に接続されてこの回収容器内に複数の枝管を分散配置してなる分岐管およびこれら枝管に穿設された複数の放出孔を有する分散管を内蔵していることを特徴とする請求項1または2記載のLPG回収装置。
【請求項4】
前記分散管は、前記接続管に接続されて前記放出孔の上流側で液相をミスト化させるミストノズルと、このミスト化される領域に接続された熱交換用フィンと、を具備していることを特徴とする請求項3記載のLPG回収装置。
【請求項5】
前記閉空間に前記接続管を介して接続されて液化石油ガスの液相を吸引して回収する負圧に減圧された液分回収容器を具備していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1記載のLPG回収装置。
【請求項6】
前記閉空間に前記接続管を介して接続されて前記閉空間の液化石油ガスの液相を主に収容する液分回収容器と、
前記閉空間の液化石油ガスの液相を前記液分回収容器に圧送する液ポンプと、
を具備していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のLPG回収装置。
【請求項7】
前記閉空間がバルク貯槽であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のLPG回収装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のLPG回収装置と、
液化石油ガスを充填容器に充填するために貯蔵するガス充填用貯槽に、前記LPG回収装置により回収された液化石油ガスを圧送し貯蔵させる再生装置と、
を具備していることを特徴とするLPG再生装置。
【請求項9】
前記再生装置は、上記回収容器に着脱自在に接続される第2の接続管、この第2の接続管に接続されて前記ガス充填用貯槽に連通する連通路、この連通路に介在されて前記回収容器から液化石油ガスを吸引するポンプ、このポンプにより吸引された液化石油ガスを一時貯溜するバランスタンクおよびこのバランスタンク内の液化石油ガスを加圧して前記ガス充填用貯槽に圧送する逆転可能のコンプレッサ、
を具備していることを特徴とする請求項8記載のLPG再生装置。
【請求項10】
前記ポンプが液化石油ガスにより駆動されるエジェクタポンプであることを特徴とする請求項9記載のLPG再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−68627(P2009−68627A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−239024(P2007−239024)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(505186614)株式会社エイムテック (6)
【出願人】(000142698)株式会社桂精機製作所 (14)
【出願人】(390028831)株式会社関東高圧容器製作所 (2)
【Fターム(参考)】