説明

Lopapをベースとする医薬組成物およびその使用

本発明は、予防的または治療的に有効な量のLopap(プロトロンビン活性化プロテアーゼ活性を有するリポカルシン関連タンパク質)と実質的に同一の少なくとも1のポリペプチドを含んでなる医薬組成物および美容組成物に関する。本発明は、細胞死およびアンチエイジング剤の修飾因子としてのこれらの組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロトロンビン活性化プロテアーゼ(Lopap)およびその組換え型に基づく医薬組成物、ならびに細胞死修飾因子およびアンチエイジング剤としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
Genus Lonomiaは、皮膚を通したその毒の接種から全身中毒を引き起こすことが既知であり、結果として可変性の強度の出血性の症状を伴い、死のリスクをもたらす場合もある(Lorini, L. M., Passo Fundo, Brazil: EDIUPF, 1999, pages 25-35)。Lonomia obliqua種(Lemaire, C., Ann. Soc. Entomol. Fr. 8: 767-861, 1972)は、南ブラジルの地域で流行性の症候を引き起こした(Ministerio da Saude, Fundacao Nacional de Saude, Acidentes por Lepidopteros in: Manual de diagnostico e tratamento de acidentes por animais peconhentos, Brasilia, 1998, page 131)。
【0003】
症候に苦しむ患者は、他の症状の中で、主に1〜48時間後に血液疾患を生じ(血液成分の割合の変化)、その後、死を引き起こし得る出血性が生じるか、または生じない(Kelen, E. M. A. et al., J. Toxicol-Toxin Rev., 1995; 14: 283-308; Brazil, 1998)。
【0004】
Zanninは、105の患者の血漿における凝固および繊維素溶解の基準を確立し、中毒が凝固および繊維素溶解に影響を及ぼすことを確認した。これらの結果は、激しい凝血異常消費を示し、毛虫 Lonomia obliquaの毛における毒成分に関与し、強力なプロコアギュラント作用を有し、繊維素溶解の二次的な活性化を引き起こす(Zannin M. et al., Thromb. Haemost., 89: 355-364, 2003)。
【0005】
L. obliquaの毛の抽出物は、マウスにおける静脈血栓症の実験的な防止に有効である(Prezoto, B. C. et al., Braz. J. Med. Biol. Res. 2002; 35 (6): 703-12)。
【0006】
毛虫L. obliquaの毒は、凝固系において妨害するいくつかの成分を有する。L. obliquaの毛の抽出物において、プロトロンビンおよび因子X活性化因子の存在が検出された(Donato, J. L. et al., Thromb. Haemost. 1998; 79: 539-42; Kelen et al., 1995)。
【0007】
本発明の著者は、以前に、Lopapと呼ばれる69kDaのプロトロンビン活性化因子プロテアーゼを単離し、特徴付けた。それは、セリンプロテアーゼ(serinoprotease)の特性およびプロコアギュラント活性を有し、血中のフィブリノゲンを枯渇させる(ブラジル特許文献PI 0200269)。Lopapは、他のプロトロンビン活性化因子と構造的に異なる:N末端部分は、マンジュカ・セクスタ(Manduca sexta)の血リンパのインセクチシアニン(insecticianine)のN末端部分と45.6%の同一性を有し;断片I、II、IIIおよびIVは、インセクチシアニンの対応する内部断片とそれぞれ36.4%、37.5%、42.9%および55.5%の同一性を示す。
【0008】
高濃度(>100μg/kg)でマウスに腹腔内注入した場合、Lopapは小静脈および動脈において血栓を生じ、多形核の肺および腎臓への遊走を生じる(Reis, C. V. et al., Lancet 1999, 353: 1942; Reis, C. V. et al., Thromb. Res. 2001, 102: 437-43; Reis, C. V. et al., Thromb. Res., 2001, 102: 427-436)。
【0009】
Lopapは、ICAM-1およびE-セレクチンのような接着分子に対する発現誘導物質として、内皮細胞(HUVECs)において作用するが、VCAMに対しては作用しない。VCAMの非発現は、Lopapの作用が内皮細胞におけるTNF-αまたはトロンビンに匹敵しないことを示す。
【0010】
Lopapにより産生されるトロンビンは、機能的であり、抗トロンビンIII(AT)により阻害され、血小板を加え、血漿およびフィブリノゲンを凝固させることができ、このプロテアーゼはα-トロンビンと似ていることを示す(Chudzinski-Tavassi, A. M. et al., Haemostasis 2001; 31: 257-265)。
【0011】
Lopapの組み換え型が既知である。ブラジル特許文献PI 0403882は、組み換えLopap(rLopap)を単量体の形態で得る方法、そのアミノ酸配列、およびデフィブリノゲネーティング(defibrinogenating)剤としてのその使用について開示している。組み換えタンパク質の配列は、平均で、リポカリン(lipocalin)ファミリータンパク質と35%の同一性を示す。リポカリンは、疎水性および/または化学的に感受性の有機化合物を貯蔵および送達するタンパク質のファミリーである。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、Lopapタンパク質および核酸、それらを含有する医薬組成物および美容組成物、ならびに予防的および治療的な処置の方法に関する。前記処置は、障害を修飾、寛解、縮小、または防止するために使用され得る。具体的には、Lopapは、細胞死または変性を減少させるため、組織変性を減少または修復するために使用することができ、創傷、疾患、老化、および外的病原因子により引き起こされる細胞または組織の障害の治療に対して有用である。
【0013】
本発明の一部は、Lopapがアポトーシスを妨げ、細胞生存度を増大させるという発見に基づく。従って、本発明は、薬学的に有効な量のLopapを含んでなる組成物を投与することにより、細胞生存度の喪失を伴う障害を治療する方法に関する。Lopapタンパク質は、細胞生存度を増大させる他の薬剤と組み合わされてよい。
【0014】
本発明の一部は、Lopapが細胞外マトリックスタンパク質の細胞発現を増大させるという発見に基づき、それは組織および組織内の細胞の完全性を保つために重要である。従って、本発明は、薬学的に有効量のLopapを投与することにより、組織の完全性の喪失を伴う障害を治療するための方法に関する。Lopapは、組織の完全性を保つ他の薬剤と組み合わされてよい。
【0015】
LopapおよびLopap組成物は、細菌およびウイルス感染(例えば、ヒト免疫不全ウイルス);神経性の疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、網膜色素変性症、脊髄性筋萎縮症、および種々の形態の小脳の変性);血液学的な疾患(例えば、慢性疾患に付随する貧血、再生不良性貧血、慢性的な好中球減少症、および脊髄形成異常症候群);炎症性の障害;心筋梗塞;脳卒中;および他の細胞死または変性が付随する障害のような、細胞死が付随する障害を治療するために使用することができる。
【0016】
LopapおよびLopap組成物は、潰瘍、喘息、急性呼吸窮迫症候群、皮膚の老化、円錐角膜、再狭窄、変形性関節症(osteoarthritis)および慢性関節リウマチ、変形性関節症(degenerative joint disease)、骨疾患、創傷、循環血液量減少性ショック、歯周疾患、表皮水疱症、強膜炎、アテローム性動脈硬化症、多発硬化症、炎症性の疾患、血管漏出症候群(vascular leakage syndrome)、およびコラゲナーゼ誘導性疾患のような、組織の完全性の喪失が付随する障害を治療するために使用することができる。
【0017】
もう1つの側面において、Lopapは、インビトロまたはインビボにおいて、細胞の生存度を改善するために使用することができる。インビトロでの使用には、細胞を増殖または操作するための細胞培養法が含まれる。意図された方法には、組織工学、幹細胞研究、および工業的な研究のための細胞培養が含まれる。さらなる側面において、Lopapは、バイオテクノロジー過程、例えば、分子(例えば、有機、無機、および高分子)の産生のための細胞方法、および分子を変化させまたは分解するための細胞方法において細胞の生存度を改善するために使用することができる。もう1つの側面において、Lopapは、組織の変性を減少または修復するために、インビボまたはインビトロで使用することができる。インビトロでの使用には、組織を増殖または操作する培養方法が含まれる。
【0018】
もう1つの側面において、本発明は、細胞死もしくは変性、または組織変性を伴う障害の治療方法であって、患者に薬学的に有効な量のLopapを投与することを含む方法に関する。ある一定の実施形態において、前記障害は、創傷、疾患、老化、または外的病原因子により引き起こされる。Lopapは、単独または組成物として使用されてよく、局所的、経口的、非経口的、鼻腔、もしくは肺に投与されるか、または遅延放出製剤を使用してよいインプラントにより投与される。Lopapは、患者の体重に対して約1 □g/kg/日〜500 mg/kg/日で投与されてよい。
【0019】
もう1つの側面において、本発明には、薬学的に有効な量のLopapまたはLopap組成物を含んでなるキットが含まれ、使用のための説明書も含まれる。もう1つの側面において、本発明には、薬剤として使用するためのLopapまたはLopap組成物が含まれる。もう1つの側面において、本発明は、薬剤の製造のためのLopapまたはLopap組成物の使用を包含する。
【0020】
定義されていないが、ここで使用される全ての技術的および科学的な用語は、本発明が属する分野において当業者により通常理解される意味を有する。ここで記載されているものと類似または均等な方法および物質を本発明の実施または試験において使用することができるが、適切な方法および物質は以下に述べる。ここで言及される全ての出版物、特許および特許出願、ならびに参考文献は、それらの全体が本明細書の一部として援用される。矛盾する場合、定義を含む本明細書を調節する。加えて、物質、方法、および実施例は、説明のためのみに使用されるものであり、限定することを意図するものではない。
【発明の詳細な説明】
【0021】
本発明の実施は、示さない限り、当業者の範囲で、ウイルス学、微生物学、分子生物学、および組み換えDNA技術の通常の方法が使用される。そのような技術は、文献に完全に説明されている(例えば、Sambrook, et al. Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Current Edition); DNA Cloning: A Practical Approach, Vol. I & II (D. Glover, ed.), Oligonucleotide Synthesis (N. Gait, ea., Current Edition); Nucleic Acid Hybridization (B. Hames & S. Higgins, eds., Current Edition); Transcription and Translation (B. Hames & S. Higgins, eds., Current Edition); CRC Handbooksを参照されたい)。
【0022】
本発明の一部は、Lopapがアポトーシスを阻害し、細胞生存度を増大させるという発見に基づく。本発明の一部は、Lopapが細胞外マトリックスタンパク質の細胞発現を増大させるという発見にも基づき、これは、組織および組織内の細胞の完全性を維持するために重要である。本発明の一部は、Lopapが筋弛緩を調節する因子の細胞発現を増大させるという発見にも基づき、これは、組織および組織内の細胞の完全性を維持するために重要である。
【0023】
本発明の方法および組成物は、細胞死もしくは変性に関する障害、または組織変性に関する障害を治療するために使用することができる。本発明の方法および組成物は、細胞を培養または操作するための方法、組織を培養または操作するための方法、および分子を産生、変換、または分解するために細胞を使用する方法において生じる同様の障害を治療するためにも使用することができる。
【0024】
本発明は、以下のサブセクションにおいて詳細に説明する。
【0025】
1.細胞死および変性
毛虫Lonomia obliqueに由来する毒は、激しい凝血異常消費および出血性症状を引き起こすプロコアギュラント作用を伴う成分を有する。最近、毒を含む多くの成分を有するLonomia obliqueの血リンパが、Sf-9細胞の増殖および寿命を促進することができると見出された(Souza, A. P., et al., Biotechnol. Prog.; 21: 99-105, 2005)。著者は、寿命活性を有する血リンパ画分を見出した。寿命活性に関する反応剤は同定されていない。
【0026】
本発明において、Lopap単独で細胞の増殖および寿命を増大させることが明らかにされた(実施例を参照されたい)。データは、Lopapが、血清が取り除かれたHUVECsにおいてアポトーシスを減少させ、生存度を増大させることを示す。データは、Lopapが遺伝子Bcl-2(抗アポトーシスタンパク質)の発現を増大させ、遺伝子Bax(アポトーシス促進タンパク質)の発現を減少させることも示す。
【0027】
Bcl-2は、病的な細胞生存を伴い、いくつかの白血病において高レベルで発現し、腫瘍の促進ならびに化学療法誘発性およびアポトーシスに対する耐性を引き起こすことが報告されている。Baxは、これらの効果を無効にすることが報告されており:Bax活性化は、シトクロムc放出およびミトコンドリアのアポトーシスプログラムの惹起を導く。
【0028】
本発明において、Lopap単独で一酸化窒素の発現を増大させることも明らかにした。一酸化窒素は、哺乳動物およびヒトにおいて重要なシグナル伝達分子であることが報告されている。多くの機能の中で、一酸化窒素は抗酸化作用を有し、細胞死および変性、ならびに組織変性を妨げることに貢献し得る。
【0029】
細胞死または変性を減少させる方法は、組織変性を減少または修復するための方法としても重要である。
【0030】
2.組織変性
本発明において、Lopap単独で組織変性の減少および修復において重要なタンパク質の発現を増大させることが明らかとなった(実施例を参照されたい)。Lopapは、組織構造に重要な少なくとも2の群の分子の発現を刺激することができる:(1)細胞外マトリックス中に見られるタンパク質;および(2)筋弛緩を調節する分子。
【0031】
細胞外マトリックス(ECM)は、真皮の皮膚層の最も大きな成分であることが報告されており、ECMの合成は、特に組織の著しい損失がある場合に組織の増殖および創傷治癒の鍵となる特徴である。ECMは、3つの主要な群の分子で構成される:(1)繊維構造タンパク質(例えば、コラーゲン、フィブロネクチン、およびテネイシン);(2)弾性繊維タンパク質(例えばエラスチン)、ならびに(3)プロテオグリカン。細胞に対する骨格および構造的な支持として役立つことに加えて、ECMは、細胞接着を調節し、細胞を潤滑し、栄養分および廃棄物に対する送達システムを提供する。
【0032】
コラーゲンは皮膚の重量の80%を占め、引張力および外傷に対する保護を担っている。弾性繊維は、ECMの2〜4%を占め、皮膚に弾性を与え(Uitto, J., J. Invest. Dermatol. 72: 1-10, 1979);組織の重量の0.1%〜0.3%を占める(3)プロテオグリカンは、ヒアルロン酸の水分保持能力により(皮膚の)水和を支持する(Davidson, E. A., Polysaccharide structure and metabolism, in: Montagna W. (ed), Aging: Biology of skin, Oxford, Pergamon Press, 1965, pp. 255-270)。これらの成分を変換または分解する過程は、組織−特に伸長または圧縮される組織(例えば、大動脈、肺、皮膚、軟骨、および腱)に対する有害な臨床症状を結果として生じ、例えば、新しい組織の増殖の欠如、萎縮症、弾性の喪失、および老化である。
【0033】
新しい組織の増殖および繊維素形成は、ECMタンパク質の相互作用および安定した合成により制御される。例えば、弾性繊維の成分であるミクロフィブリルは、フィブロブラスト、間葉細胞、および他の細胞により細胞外媒質へと導入され、凝集を伴い、弾性繊維に対する支持構造を形成し、エラスチンが沈着する。この基本構造は、将来の弾性繊維の形成および方向付けを示す;Ross, R., J. Histochem. Cytochem., v. 21, p. 199-208, 1973; Ross, R. et al, Adv. Exp. Med. Biol., v. 79, p. 7-17, 1977。
【0034】
急性の創傷において、フィブリンおよびフィブロネクチンを含有する一時的な創傷マトリックスは、細胞を外傷に方向付けるために足場を提供し、増殖し、分化し、および新しいECMを合成するようにそれらを刺激する。慢性の創傷は、増大したレベルの炎症性の細胞を含有し、治癒に必要不可欠なECM成分、成長因子、および受容体を分解するプロテアーゼを生じる。
【0035】
創傷治癒における現在のアプローチは、機能的なECMを再構築することに集中しており、過剰なプロテアーゼレベルを減少させるか、もしくは機能的なECMタンパク質に寄与することにより治癒の過程を促進する方法または生成物を含む。これらのアプローチのいくつかは、プロテアーゼに対する競合的な基質(コラーゲン)を提供し、それ故、必要なECM成分(フィブロネクチン)および血小板由来の成長因子(PDGFs)のタンパク分解性の破壊を減少させる。他のアプローチは独特なタンパク質(アメロゲニン)を提供し、壊れたECMを置換する(Schultz, GS, World Wide Wounds, Extracellular matrix: review of its roles in acute aand chronic wounds, August 2005)。
【0036】
本発明において、Lopapが細胞外タンパク質(ECM)の発現を増大させることが明らかとなった。具体的には、Lopapは、フィブロネクチン、テネイシン、コラーゲン、およびエラスチンの発現を増大させる。データは、LopapがタイプIII-グループ1コラーゲン、タイプIII-グループ2コラーゲン、タイプIII-グループ3コラーゲン、およびタイプIII-グループ4コラーゲンの発現を増大させることを示す。
【0037】
筋肉は、力を産生し、(1)運動または(2)内部器官内の動きを引き起こすことを機能とする体の収縮性の組織である。器官内の筋肉の動きは、時間が経つにつれて軽視され、粗放になるため、器官の機能不全(例えば、近視、攣縮)または老化(例えば、皮膚構造、心疾患)を引き起こす。軽視された粗放な筋肉の使用に関する器官障害を治療するための現在のアプローチは、筋弛緩薬の使用を含む(例えば、Scrips Reports, PJB Publications Ltd. Surrey, UK, 2000を参照されたい)。
【0038】
一酸化窒素およびプロスタグランジンI2(プロスタサイクリン)は、哺乳動物において重要なシグナル伝達分子であり、それらは、筋肉組織の弛緩を引き起こすことを含むいくつかの生物活性を有する。本発明において、LopapがHUVECsにおいて一酸化窒素およびプロスタグランジンI2の発現を増大させ、それ故、軽視された粗放な筋肉の使用により引き起こされる障害を治療するために使用できることが明らかとなった(実施例を参照されたい)。1つの実施形態において、一酸化窒素およびプロスタグランジンI2は、老化、例えば、心疾患またはしわのような皮膚構造が付随する障害を治療するために使用されてよい。一般的な美容薬ボトックス(Botox)は、筋弛緩薬であり、Lopapが同じ適用および用途を有することが考えられる。もう1つの実施形態において、一酸化窒素およびプロスタグランジンI2は、近視または筋攣縮を治療するために使用することができる。
【0039】
一酸化窒素は、高血圧、性的な機能障害(例えば亜硝酸アルキルのメカニズム)、および勃起機能不全を含む他の障害の治療において使用されている。プロスタグランジンI2は、高血圧および潰瘍を含む他の障害の治療において使用されている。もう1つの実施形態において、Lopapは、高血圧、性的な機能障害、勃起機能不全、および潰瘍を含む、一酸化窒素またはプロスタグランジンI2により治療できる疾患を治療するために使用することができる。
【0040】
組織変性を減少または修復する方法は、細胞死または変性を減少させるための重要な方法でもある。
【0041】
3.LopapおよびrLopap
天然Lopapタンパク質は、Lonomia obliquaに由来するプロトロンビン活性化プロテアーゼであり、ゲルろ過クロマトグラフィーの工程および逆相クロマトグラフィーの2つの工程を含んでなり、結果として約69kDaの分子量の主要なバンドを生じるように、図1に示すように精製され、基質Abz-YQTFFNPRTFGSQ-EDDnpにおけるタンパク質の分析により得られる(プロトロンビンから推測される)図2に対応する少なくとも1の活性を有する。
【0042】
Lopapタンパク質の「機能的な形態」という用語は、天然タンパク質の少なくとも1の治療的な用途を保持しているLopapタンパク質のいずれかの形態を意味する。望ましい治療的な用途の例には、細胞死の減少、細胞または組織の変性の減少、組織の修復、細胞外マトリックスタンパク質の発現、一酸化窒素の発現、またはプロスタグランジンI2の発現が含まれる。本発明の目的のために、機能的な形態のLopapには、限定するものではないが、天然Lopap、rLopap、および/またはこれらの形態のLopapタンパク質の機能的な誘導体が含まれる。
【0043】
「rLopap」という用語は、Lopapタンパク質をコードする組み換えDNA配列に由来するLopapタンパク質(配列番号1)を意味する(ブラジル特許文献 PI 0403882)。
【0044】
本明細書において特に示さない限り、「Lopap」についての言及は、天然Lopap、機能的な形態のLopap、rLopap(配列番号1)、および/またはこれらの形態のLopapのいずれかの機能的な誘導体についての言及として解釈されるべきである。
【0045】
「誘導体」という用語は、少なくとも1のLopapの治療的な用途を保持しているLopapに由来するまたはLopapから得られるタンパク質を意味する。治療的な用途の例には、細胞死の減少、細胞もしくは組織の変性の減少、組織の修復、細胞外マトリックスタンパク質の発現、一酸化窒素の発現、またはプロスタグランジンI2の発現が含まれる。誘導体は、当該分野において既知の技術により作られてよく、アミノ酸の欠失もしくは付加もしくは置換、または治療される細胞または組織に対して治療的に有益な効果を与える誘導体の能力に影響を与えない他の化学的な修飾が含まれる。
【0046】
誘導体は、親分子の切断、環化、および/または変化しやすさ(Volubility)を改善する1以上の付加的な部分とのカップリングの結果として得られてよく、細胞による取り込みを増大させるために新油性の特徴を変化させ、安定性もしくは生物学的半減期を変化させ、細胞毒性を減少させ、またはインビトロもしくはエキソビボでの適用において、その後の検出のための標識として作用する。さらに、誘導体は、炭化水素部分の付加あるいはアミノ酸残基のアルキル化もしくはアセチル化または化学結合の形成に関する他の変化等の化学的修飾を生じる化学反応のような、翻訳後または合成後の修飾の結果として生じてよい。
【0047】
誘導体は、カップリング、アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、他の機能的な部分の共有結合、脂質もしくは脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋結合、環化(icyclization)、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合性の架橋結合の形成、配合(formulation)、γ-カルボキシル化、グリコシル化、グリコホスファチジルイノシトール(GPI)アンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、PEG化、タンパク分解性のプロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、トランスファーRNAに媒介されるアルギン化(arginylation)のようなタンパク質へのアミノ酸の付加、およびユビキチン結合等の化学的修飾の結果として得られてもよい。例えば、Creighton, Proteins-Structure and Molecular Properties, 2nd Ed., W. H. Freeman and Company, New York (1993); Johnson, Post Translational Covalent Modification of Proteins, Academic Press, New York, (1983); Seifter et al., Meth. Enzymol. 182:626-646 (1990); Rattan et al., Ann. N.Y. Acad. Sci. 663:48-62 (1992); US 5876969; EP 0413622; およびUS 5766883。
【0048】
もう1つの実施形態において、本発明は、Lopapをコードする核酸の使用に関する。前記核酸は、RNAまたはDNAであってよい。好ましい実施形態において、前記核酸は、天然LopapもしくはrLopapまたは機能的な形態のLopapをコードする。より好ましい実施形態において、前記核酸は、Lopap(配列番号2)または機能的な誘導体をコードするcDNAをコードする。
【0049】
1つの実施形態において、Lopap核酸は、発現ベクター(例えば、組み換えレコウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、単純ヘルペスウイルス-1、または組み換えの細菌性もしくは真核生物のプラスミド、またはコスミド)に含まれるか、または付随する。ウイルスベクターは直接的に細胞に形質移入することができ、プラスミドは、陽イオン性リポソーム(リポフェクチン)、ポリリジン接合体、グラマシジン S. 人工ウイルスエンベロープ、直接の注入、電気穿孔法、またはCaPO4を使用して細胞に形質移入することができる。もう1つの実施形態において、Lopap核酸は、細胞(例えば形質移入された)または組織または動物または植物(例えばトランスジェニック)に含まれるか、または付随する。Lopap核酸(発現ベクターに含まれるか、または含まれない)を含有および発現する細胞または組織または動物または植物は、Lopapタンパク質に対する源として使用することができ、発現されたタンパク質は標準的な技術を用いて単離することができる。
【0050】
2以上のペプチドまたは2以上の核酸の状況において、「実質的に同一の」という用語は、アミノ酸またはヌクレオチド残基の間で、最大に一致するように比較または配列した場合、BLASTアルゴリズムのような配列比較アルゴリズムを用いて測定することにより、少なくとも60%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、90%、95%、またはそれ以上の同一性があることを意味する(Altschul et al, J. Mol. Biol. 215: 403-410 (1990)), the local homology algorithm by Smith & Waterman, Adv. Appl. Math. 2: 482 (1981), the homology alignment algorithm by Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48: 443 (1970), by similarity search by the Pearson & Lipman method, Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. 85: 2444 (1988), by computerized implementation of said algorithms (GAP, BESTFIT, FASTA and TFASTA in the Wisconsing Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WI)。
【0051】
もう1つの実施形態において、本発明は、Lopapと実質的に同一であるポリペプチドに関する。好ましい実施形態において、前記ポリペプチドは、天然Lopapまたは機能的な形態のLopapまたはLopapの機能的な誘導体と実質的に同一である。より好ましい実施形態において、前記ポリペプチドはrLopap(配列番号1)と実質的に同一である。
【0052】
もう1つの実施形態において、本発明は、Lopapをコードする核酸と実質的に同一である核酸に関する。好ましい実施形態において、前記核酸は、天然Lopapまたは機能的な形態のLopapまたはrLopapまたはLopapの機能的な誘導体をコードする核酸と実質的に同一である。より好ましい実施形態において、前記核酸は、配列番号2と実質的に同一である。
【0053】
Lopapは、インビトロまたはインビボにおいて生物活性について試験されてよい(例えば、細胞生存度、細胞マトリックスタンパク質の刺激)。試験は、実施例の節に述べるように、またはDNAフラグメンテーションのように当該分野で周知の方法により行うことができる。
【0054】
LopapおよびrLopapは、単独で、または併用療法のように相乗効果を得るために薬剤を加えて投与されてよい。細胞生存度を改善することができる薬剤の例には、成長因子(例えば、上皮細胞成長因子(EGF)および塩基性フィブロブラスト成長因子(bFGF))ならびに酸化防止剤(例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソール、およびブチル化ヒドロキシトルエン)が含まれる。組織を修復することができる薬剤の例には、プロテアーゼ阻害剤(例えば、ヒドロキサム酸のようなマトリックスメタロプロテアーゼに対する阻害剤)およびECMを刺激または置換するための薬剤(例えば、アメロゲニンおよびECMタンパク質および前駆物質)が含まれる。他の例には、治療される特定の障害を抑制するための薬剤が含まれる(例えば炎症性の障害に対する免疫抑制剤)。
【0055】
4.組成物および製剤
1つの側面において、本発明は、好ましくは少なくとも60%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、90%、さらに好ましくは少なくとも95%のLopapまたはrLopapに対する同一性を有する、予防的および治療的に有効な量の少なくとも1のポリペプチドまたは核酸を含む方法および組成物を提供する。
【0056】
もう1つの側面において、本発明は、細胞死もしくは変性を減少させる、または組織変性を減少もしくは修復するための方法および組成物を提供する。一般的に、前記方法は、細胞死もしくは変性、または組織変性を調節するのに十分効果的な量のLopapを提供することに関する。
【0057】
本発明の1つの実施形態において、治療されるべき細胞または組織は、創傷、疾患、老化、または外的病原因子により引き起こされるような天然または非天然の障害により生じる死または変性を受けている。
【0058】
Lopapを含有する組成物(医薬組成物および美容組成物を含む)は、通常の技術(例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th Ed., 1995)または以下に述べる技術により調製されてよい。前記組成物は、通常の形態、例えば、カプセル剤、錠剤、エアロゾル、溶液、懸濁液、または局所的な適用であってよい。
【0059】
典型的な組成物には、キャリアもしくは希釈剤またはそれらの混合物であってよい薬学的または化粧品として許容可能な賦形剤と付随した、あるいはアンプル、カプセル、サッシェ、紙、もしくは他の容器の形態でキャリア内に封入されたLopapを含む。組成物の調製のための通常の技術が使用されてよい。キャリアが希釈剤として使用される場合、それは、ポリペプチドに対する媒体、賦形剤、もしくは媒質として作用する固体、半固体、または液体であってよい。Lopapは、顆粒状の固体容器、例えばサッシェに吸着されてよい。キャリアの例は、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエトキシル化ヒマシ油、ピーナッツ油、オリーブオイル、ラクトース、白土(terra alba)、スクロース、シクロデキストリン、ミクロスフェア、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸もしくはセルロースの低級アルキルエーテル、ケイ酸、脂肪酸、脂肪酸arnines、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン、ヒドロキシメチルセルロース、ならびにポリビニルピロリドンである。他の例は、緩衝剤(例えば、リン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、有機物質、またはそれらの塩);酸化防止剤(例えばアスコルビン酸);低分子量ペプチド(<10アミノ酸)(例えばポリアルギニンまたはトリペプチド);タンパク質(例えば血清アルブミンまたは免疫グロブリン);親水性ポリマー(例えばポリビニルピロリドン);アミノ酸(例えば、グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルギニン);単糖類、二糖類;セルロースおよびその誘導体を含む炭化水素;グルコース、マンノース、またはデキストリン;キレート化剤(例えばEDTA);糖アルコール(例えばマンニトールまたはソルビトール);対イオン(例えばナトリウム);界面活性剤(例えばポリソルベート);ポロキサマー;およびポリエチレングリコールである。
【0060】
前記組成物は、添加剤、アジュバント、補助剤、乳化剤、懸濁化剤、緩衝剤、浸透圧のための塩、保存剤、安定化剤、増粘剤、湿潤剤、着色剤、甘味料、またはフレーバー剤を含んでよい。前記組成物は、当該分野で既知の手法を用いることにより、Lopapの即時の放出、徐放、または遅延した放出を提供するように構築されてよい。
【0061】
投与経路は、経口、鼻腔、肺、経皮、または例えば、直腸、デポー、皮下、静脈内、子宮内、筋肉内、鼻腔内等の非経口的な投与、好ましい局所的な経路である点眼剤もしくは軟膏のような、望ましい部位にLopapを送達するいずれの経路であってもよい。
【0062】
局所的な製剤を調製するために、Lopapは、当該分野で既知のように皮膚科学的な媒体中に入れられる。投与されるべきLopapの量および製剤中におけるLopapの濃度は、媒体、選択される送達システムもしくは装置、患者の臨床的な状態、副作用、および製剤中におけるLopapの安定性に依存する。医師は、適切な(1)製剤、(2)Lopapの濃度、および(3)投与されるべき製剤の量を、患者または同様の患者についての臨床的な経験に基づいて選択する。局所的な製剤は、粉末、軟膏、ゲル、クリーム、粘着剤等の形態であってよい。
【0063】
鼻腔内投与について、Lopapは、エアロゾルでの用途のために液体キャリア中に溶解または懸濁されてよい。前記キャリアは、例えばプロピレングリコールのような可溶化剤、界面活性剤、レシチン(ホスファチジルコリン)もしくはシクロデキストリンのような吸収増強剤、またはパラベンのような保存剤等の添加剤が含まれてよい。
【0064】
眼の製剤については、Mitra, Ophthalmic Drug Delivery Systems, Marcel Delker, New York, NY (1993); and Iavener, Ocular Pharmacology, C.V. Mosby Co., St. Louis (1983)を参照されたい。
【0065】
経口投与のために、固体または液体の製剤が調製されてよい。Lopapの固体製剤(例えば錠剤)には、タルク、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、硫酸カルシウム、デンプン、ラクトース、アラビアゴム、メチルセルロース、および希釈剤またはキャリアとして機能的に同様の物質のような、通常の成分が含まれてよい。カプセル剤には、Lopapおよび硬ゼラチンカプセル中の不活性な希釈剤が含まれてよい。軟ゼラチンカプセルには、植物油、軽流動ワセリン、または他の不活性油と共にLopapのスラリーが含まれてよい。シロップ、エリキシル、および懸濁液の形態の液体製剤が調製されてよい。Lopapは、フレーバー剤および保存剤と共に水性媒体中に溶解され、シロップを形成してよい。エリキシルは、フレーバー剤と共に水性アルコール媒体(例えばエタノール)を用いて調製されてよい。懸濁液は、懸濁化剤(例えば、アラビアゴム、トラガカントゴム、メチルセルロース等)の助けを得て調製されてよい。
【0066】
非経口的な使用に適した製剤は、注射可能な溶液または懸濁液のように当業者に既知である。Lopapは、約1〜約500 mg/mlの濃度で水溶液として調製される。より一般的には、前記濃度は、約10〜60 mg/mlまたは20 mg/mlである。1 mg/ml以下の濃度は、溶解性および作用強度に依存しなければならない。無菌の製剤は、静脈内、皮内、筋肉内、血管内、および皮下を含む種々の局所的または非経口的な経路に適している(連続的および半連続的な注入を含む)。注射可能な製剤の例は、水、種々の生理食塩水、有機または無機の塩溶液、リンゲル液、デキストロース溶液、およびハンクス液である。
【0067】
前記組成物には、賦形剤が含まれてよい。例には、共溶媒、界面活性剤、油、湿潤剤、軟化剤、保存剤、安定化剤および抗酸化剤が含まれる。薬理学的に許容可能な緩衝剤が使用されてよく、例えば、トリスまたはリン酸塩である。効果的な量の希釈剤、添加剤、および賦形剤は、溶解性、生物活性等の点で薬学的に許容可能な製剤を得るために有効である。
【0068】
Lopapは、ミクロスフェア中に組み入れられてよい。ミクロスフェアの調製に適した物質には、アルブミン、寒天、アルギネート、キトサン、デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、オボアルブミン、アガロース、デキストラン、ヒアルロン酸、ゼラチン、コラーゲン、およびカゼインが含まれる。ミクロスフェアは、噴霧乾燥工程または乳化工程のように、当業者に既知の種々の工程により産生することができる。ミクロスフェアは、熱処理または化学的な架橋結合剤の使用のように、周知の架橋結合法により硬化することができる。
【0069】
生体高分子(生物学的なシステム)、リポソーム、コロイド、樹脂、グリセリルモノステアレート、グリセリルジステアレート、ワックス、および他の重合体の送達システムまたはコンパートメント化された蓄積を含む、遅いまたは延長された放出の送達システムは、Lopapと共に使用されてよく、タンパク質の継続的または長期間の源を提供する。前記システムには、フィルムまたはマイクロカプセルのような、成形品の形態の半透性のポリマーマトリックスも含まれる。ポリマーマトリックスの例には、ポリ乳酸(US3773919およびEP58481)、L-グルタミン酸のコポリマー、およびγ-エチル-L-グルタメート(EP 133,988)が含まれる。マトリックス物質は、生体適合性、生分解性、機械的性質、審美、および界面相の性質に基づいて選択される。金属イオン封鎖剤は、カルボキシメチルセルロースの場合、マトリックスポリペプチド組成物の解離を妨げるために有用である。
【0070】
遅いまたは延長された放出システムは、局所、眼内、経口、および非経口的な経路を介した送達のための組成物に対して有用である。
【0071】
Lopapは、シャント、ステント、合成もしくは天然の切除移植、カテーテル、バルブ、または他の移植可能な装置の配置のような処置手法と組み合わせて投与されてもよい。
【0072】
Lopapは、医療機器の形で、種々の物品を使用して投与されてもよい。医療機器の例には、創傷閉鎖装置(例えば、縫合、ステープル、接着)、組織修復装置(例えば、ヘルニア修復のためのoメッシュのようなメッシュ)、補綴装置(例えば、内部の骨の固定装置、誘導された骨の位置を合わせるための物理的なバリヤー、幹、バルブ、電極)、組織工学装置(例えば、血管、皮膚、骨、軟骨、肝臓と共に使用するためのもの)、制御された薬物送達システム(例えば、マイクロカプセル、イオン交換樹脂)、創傷被覆、または創傷充填材(例えば、アルギネート包帯、キトサン粉末)が含まれる。いくつかの実施形態において、前記機器は経皮的な医療機器(例えば、カテーテル、ピン、インプラント)であり、Lopapで被覆または包埋されたものが含まれてよい。いくつかの実施形態において、前記機器は、パッチの形態である(例えば、経皮パッチのように、皮膚に接着する接着層を有するパッチ)。
【0073】
Lopapの用量または「有効量」は、使用されるタンパク質または核酸、治療される患者(例えば、細胞または組織または患者)、治療される状態、投与方法、放出部位、治療の副作用、投与計画、および当業者に既知の他の因子に依存する。(患者の治療のために、患者およびその既往歴が考慮されるべきである。)用量または有効量は、容認できない毒性を生じることなく障害の症状を予防または寛解させるべきである。非経口的、経口的、および局所的な用量は、1日に体重kg当り0.1μg〜500mg(好ましくは約0.1μg〜10mg、より好ましくは0.1μg〜1mg)のポリペプチドを含んでよい。鼻腔内投与の用量は、1人当り1〜400mg、例えば10〜200mg含んでよい。
【0074】
使用(治療)方法は、特定の日数の間(例えば、2日、3日、4日、7日、14日、21日、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、またはそれ以上)の毎日のLopapの投与に関する(例えば、1回〜2回〜連続)。
【0075】
Lopapは、インビトロまたはインビボにおいて、生物活性(例えば、細胞生存度、細胞マトリックスタンパク質の刺激)について試験されてよい。試験は、実施例の節に記載されているように、またはDNAフラグメンテーションのように当該分野で周知の方法により行われてよい。
【0076】
組成物、例えば美容組成物には、湿潤剤(例えばグリセロール);グリコール(例えばエチレングリコール、プロピレングリコール);C1〜C5 アルコール、グリセロールモノステアレートのようなC12〜C24長鎖を有する脂肪酸で任意に部分的にエステル化されたポリ水性アルコール、イソプロピルミリステート、ソルビタンの脂肪酸モノエステルのような糖アルコールの脂肪酸エステル、ポリオキシアルキル化誘導体、ポリエトキシエチレンの脂肪酸エステル、コレステロール、エステアリル(estearyl)セチルアルコール、綿の脂肪アルコールおよび低いHLB値を有する合成界面活性剤のような乳化剤;レオロジー調節因子(例えば、カルボポールまたは天然もしくは合成高分子)、低粘度パラフィン、軟化アルコールエステル、トリグリセリド、脂肪親和性の物質(例えば、イソプロピルミリステート);pH調節因子(例えばTEA)、カルボン酸塩またはリン酸塩;キレート化剤(例えばEDTAおよびその塩)、および/または保存剤が含まれてよい。組成物、例えば美容組成物は、UVフィルターの特性を有する物質、色素または着色剤、ビタミン、エッセンス、香料、化粧品ベース、ならびに局所的な適用のための組成物において使用される他の製剤およびアジュバントを含有してよい。
【0077】
Lopapをコードする核酸は、発現ベクター中に組み込まれ、障害を治療するための細胞療法または遺伝子療法において使用されてよい。前記核酸は、発現ベクター(ウイルス性もしくは細菌性またはそれらの誘導体)に含まれるかまたは付随してよい。ウイルスベクターは、細胞に直接的に形質移入することができ、プラスミドは、陽イオン性リポソーム、ポリリジン接合体、グラマシジンS.人工ウイルスエンベロープ、直接の注入、またはCaPO4を利用して細胞に形質移入することができる。発現ベクターまたは形質移入された細胞は、静脈内投与を含む当該分野で既知の方法、またはカテーテル(US 5328470)もしくは定位的な注入(例えばChen, et al., (1994) PNAS 91: 3054-3057)により、組織または患者に導入されてよい。細胞は、インプラントによっても導入される。
【0078】
5.Lopapおよび組成物の使用
本発明は、Lopapと実質的に同一のポリペプチドまたは核酸、それらを含有する医薬組成物および美容組成物、該組成物の調製方法、ならびに薬剤としてのそれらの使用に関する。
【0079】
1つの側面において、本発明は、細胞死もしくは変性、または組織変性が付随する障害の治療のためのLopapの使用に関する。具体的には、LopapおよびLopap組成物は、創傷、疾患、老化、または外的病原因子により引き起こされる障害の治療において使用することができる。
【0080】
Lopapは、細菌性およびウイルス性の感染、例えばヒト免疫不全ウイルスのような細胞死が付随する障害を治療するために使用することができる。いくつかの神経性疾患は、ニューロンの喪失により特徴付けられ、Lopapは、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、網膜色素変性症、脊髄性筋萎縮症、および種々の形態の小脳の変性のような障害の治療において使用することができる。いくつかの血液学的な疾患は、血液細胞産生の減少を伴い、Lopapは、慢性疾患に付随する貧血、再生不良性貧血、慢性的な好中球減少症、および脊髄形成異常症候群のような障害の治療において使用することができる。これらの障害のいくつか、例えば、脊髄形成異常症候群および再生不良性貧血は、骨髄における細胞死を伴い、それは、プログラム細胞死、間質性細胞もしくは造血性生存因子、または免疫反応に由来する調節因子の欠損により生じる。移植片拒絶、自己免疫、および重篤な免疫反応(例えば敗血症)のような炎症性の障害は、器官特異的および/または全身性の細胞死を伴う。心筋梗塞および脳卒中は、血流の急性の減少の結果として生じる虚血の中心部における細胞死を伴う。両方の障害とも、中心の虚血ゾーンの外側の領域においても細胞死を伴い、それはより遅く生じ、しばしばアポトーシスに関連する。Lopapは、細胞死または変性を伴う心筋梗塞、脳卒中、および他の障害を治療するために使用することができる。
【0081】
1つの実施形態において、患者は、細胞死もしくは変性、または組織変性の障害と診断される。前記方法は、さらに、前記障害の症状を軽減する薬学的に有効な量のLopapを患者に投与することを含む。いくつかの実施形態において、Lopapは、障害を有する細胞または組織に直接接触する。前記方法は、さらに、Lopapを患者に投与した後の障害に対する試験を含む。いくつかの実施形態において、前記試験は、障害により影響を受けた細胞または組織の生存度または増殖を評価することを含んでなる。他の実施形態において、前記試験は、神経学的、血液学的、または心血管系の機能について当該分野で既知の基準のような、障害に付随する二次的な影響を評価することを含んでなる。
【0082】
「患者」という用語は、免疫反応が誘発される生物体を意味する。対象という用語には、限定するものではないが、ヒト;チンパンジー、他の類人猿(ape)およびサル(monkey)種のような非ヒト霊長類;ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギおよびウマのような家畜;イヌおよびネコのような家庭向きの哺乳動物;マウス、ラットおよびモルモットのようなげっ歯類を含む実験動物等が含まれる。前記用語は、特定の年または性別を示すものではない。それ故、成体および新生児の対象、ならびに胎児は、雄であっても雌であっても含まれることを意図するものである。
【0083】
もう1つの側面において、Lopapは、細胞の生存度を改善するために、インビボまたはインビトロで使用することができる。インビトロでの使用には、細胞を増殖させるための細胞培養法および細胞を操作するための方法が含まれる。動物、植物、酵母およびカビ、昆虫、ならびに細菌の細胞のような原核生物および真核生物の種々の細胞型は、Lopapで処理することができる。意図された適用には、組織工学および幹細胞の研究のための細胞培養、ならびに工業的用途が含まれる。さらなる側面において、Lopapは、バイオテクノロジー工程、例えば、分子(例えば、有機、無機、および高分子)の産生のための細胞方法、ならびに分子を変換または分解するための細胞方法において、細胞の生存度を改善するために使用することができる。1つの実施形態において、Lopapは、Lopapを障害を有する細胞に輸送する培地または体液に加えられてよい。
【0084】
もう1つの側面において、Lopapは、組織の変性を減少または修復するために、インビボまたはインビトロにおいて使用することができる。前記使用には、組織の培養、操作、および増殖の方法(組織を形成するカビの使用を含む)が含まれる。動物、植物、酵母およびカビ、昆虫、ならびに細菌の細胞のような原核生物および真核生物の種々の細胞型は、Lopapで処理することができる。意図された適用には、工業的用途のための組織および組織工学が含まれる。1つの実施形態において、Lopapは、Lopapを障害のある組織に輸送する培地または体液に加えることができ;あるいは、Lopapは、障害のある組織に直接適用することができる。
【0085】
Lopapは、細胞外マトリックスを修復または増殖させるために使用することができる。1つの実施形態において、Lopapはフィブロネクチンを修復または増殖させるために使用することができる。第2の実施形態において、Lopapはテネイシンを修復または増殖させるために使用することができる。第3の実施形態において、Lopapはコラーゲンを修復または増殖させるために使用することができる。第4の実施形態において、Lopapはエラスチンを修復または増殖させるために使用することができる。
【0086】
Lopapは、例えばマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)活性を伴う障害のような、細胞外マトリックスに付随する障害を治療するために使用することができ、例えば、潰瘍、喘息、急性呼吸窮迫症候群、皮膚疾患および創傷、皮膚の老化およびしわ、円錐角膜、再狭窄、変形性関節症および慢性関節リウマチ、関節疾患および創傷、骨疾患および創傷、感染、循環血液量減少性ショック、歯周疾患、表皮水疱症、強膜炎、アテローム性動脈硬化症、多発性硬化症、炎症性疾患、血管漏出症候群(vascular leakage syndrome)、およびコラゲナーゼ誘発性の疾患である。
【0087】
もう1つの側面において、Lopapは、筋組織の弛緩を引き起こすことを含むいくつかの生物活性を有する一酸化窒素およびプロスタグランジンI2を刺激するために使用することができる。1つの実施形態において、Lopapは、高血圧および勃起不全を含む筋弛緩から利益を得る障害を治療するために使用することができる。もう1つの実施形態において、Lopapは、近視、攣縮、老化、皮膚の老化、および心疾患のような、軽視された粗放な筋肉の使用により引き起こされる障害を治療するために使用することができる。もう1つの実施形態において、Lopapは、性的な機能不全(例えば亜硝酸アルキルのメカニズム)のような、一酸化窒素により治療可能な障害を治療するために使用することができる。もう1つの実施形態において、Lopapは、潰瘍のようなプロスタグランジンI2により治療可能な障害を治療するために使用することができる。
【0088】
もう1つの実施形態において、リポカリンタンパク質との類似性に基づいて、Lopapは、細胞死もしくは変性、または組織変性において重要な疎水性または有機化合物のトランスポーターである(US20040084867; US20050069877; Flower, et al., Biochim. Biophys. Acta 1482: 9-24, 2000)。1つの実施形態において、Lopapは、細胞死もしくは変性、または組織変性において重要なレチノールのトランスポーターである。もう1つの実施形態において、Lopapは、細胞死もしくは変性、または組織変性において重要な脂質のトランスポーターである。
【0089】
本発明は、以下の実施例によっても説明され、本発明の範囲を限定することを意図することなく、本発明の実施例として提供される。
【0090】
例1
Lopapの抗アポトーシス効果
内皮細胞の培養
HUVECsは、Jaffeおよび貢献者による方法に従って、コラゲナーゼを用いた消化により得られた(Jaffe, E. A. et al., J. Clin. Invest., 1973; 52: 2745-2756)。1〜3継代の細胞は、影響を受けたタイプの実験に従って、集密および半集密の単層において使用された。最初に、10%の胎児ウシ血清(FBS)を含有するRPMIを用いて、25または75 cm2の容器中で細胞を培養した。集密な場合、実験のために必要とされるように、単層はトリプシン/EDTAを用いて脱離され、細胞は24ウェルプレート上に蒔かれた。
【0091】
抗アポトーシス効果
rLopapおよび天然のLopap(5および25μg/ml)の抗アポトーシス効果を評価するために、rLopapまたは天然Lopapの存在下または非存在下(対照)で、1%FBSを含有するRPMI培地において48時間HUBECsをインキュベートすることにより、プログラム細胞死を引き起こした。
【0092】
形態学的な変化および細胞生存度は、DNAに結合する蛍光性の着色剤の混合物を用いてHUVECを着色することにより分析し、アクリジンオレンジ(100μg/ml)を用いてアポトーシスを受けた細胞のパーセンテージを測定し、臭化エチジウムを用いて生存と非生存の細胞を区別した。
【0093】
アポトーシス細胞の存在は、トリプシン/EDTAを用いて脱離された非接着細胞および接着細胞を用いて、蛍光顕微鏡により評価した。実験において、少なくとも200の細胞が分析された。
【0094】
Lopap(5μg/mlおよび25μg/ml)は、アポトーシスが胎児ウシ血清(1%)の減少により誘発された場合、ヒト臍帯(HUVECs)に由来する内皮細胞のアポトーシスを阻害することができると立証された(表1)。より高い濃度のLopapの場合、抗アポトーシス活性においてより効果的な結果を得ることができる。
【表1】

【0095】
例2
生存度
生存度の分析は、MTT法を用いて行われた。昆虫細胞による3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-メチル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)の減少は、96ウェルマイクロプレートにおいて評価された。HUVECsは、1%胎児ウシ血清を補充したRPMI培地において培養され、Lopap(0.15〜20μg/ml)と共に48時間インキュベートした後、培地をリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した。10μl/ウェルの2.5 mg/ml MTTを加え、細胞を37℃で3時間インキュベートした。150μlのSDSを加えることにより、反応を停止した。540nmにおける吸収値を自動マイクロプレートリーダーを用いて測定した。
【0096】
Lopapは、濃度依存の様式で、細胞生存度を有意に改善した(図3)。
【0097】
例3
プロスタサイクリンの産生
プロスタサイクリン(PGI2)の産生は、rLopapおよび天然LopapでHUVECを処理した後、ELISAにより、培地における6-ケト-PGF(PGI2加水分解の代謝産物)の蓄積により測定された。上清を400×g、10分間、4℃で遠心分離した。天然Lopapで1時間(最終5および25μg/ml)のHUVEC処理は、対照と比較してPGI2放出において統計学的に有意な改善を生じた。rLopap(25μg/ml)は、LPS(2μg/ml)により誘発されるのと同様に、PGI2放出を刺激した(図4)。
【0098】
例4
一酸化窒素の生成
一酸化窒素(NO)の生成は、培地HAM-F12において亜硝酸塩および硝酸塩の蓄積を組み合わせることにより測定された。HUBECsをrLopapまたは天然Lopap(最終5および25μg/ml)で処理した後、上清を400×g、10分間、4℃で遠心分離した。上清における一酸化窒素の濃度は、90℃で、1M HCl中のVCl3飽和溶液を用いて亜硝酸塩および硝酸塩を減少させた後、NOとオゾンとの反応を介して一酸化窒素分析器を使用することにより、気相における化学発光により測定された。硝酸塩濃度は、硝酸ナトリウムの標準曲線から計算した。天然LopapおよびrLopap(25μg/ml)による刺激は、対照と比較して、NOの放出を統計学的に有意に増加させ、該増加は、トロンビン(5UI/ml)により誘発されるものと同様であった(図5)。
【0099】
例5
RNA調製(HUVECs)
得られたRNAは、よい質を示し(260/280≒1.7比)、2%アガロースゲル分析は、18Sおよび28Sのバンドの存在により、得られたRNAの妥当性を確認した。
【0100】
内皮細胞(HUVECs)における遺伝子発現
異なる標的遺伝子の発現は、6ウェルプレートにおける集密な培養(500,000 細胞/ウェル)からRT-PCRにより測定され、HUVECsは、Lopap 10μg/ml、トロンビン5U/ml、TNF-α 5μg/ml、もしくはLPS 5μg/mlの存在下または非存在下(対照)において、10%FBSを含有するRPMI培地中で8時間インキュベートされ、その直接の作用を評価した。
【0101】
プライマー
プライマーは、関心のあるタンパク質を増幅するために、ヒト遺伝子のある配列(既に公開されている)に基づいて設計された。
【表2】

【0102】
GAPDH細胞の構成遺伝子の発現(対照)
RT-PCRを使用して、濃度測定分析は、試験遺伝子および構成的に発現した遺伝子、グリセルアルデヒド-3-リン酸塩デヒドロゲナーゼ(GAPDH)において行われた。HUVECsにおいて、GAPDHは、全ての刺激に対して均質な発現を示した。適用された断片の電気泳動は、予想通り996bpであった(図6)。
【0103】
遺伝子Bcl-2の発現(抗アポトーシス)
Bcl-2に対するプライマーを用いてPCR反応を行い、2%アガロースゲルにおいて電気泳動をした場合、予想通り279bp断片の生成を示した。LopapおよびrLopapで刺激したHUVECsは、陰性対照および他の刺激がなされた場合を超えて、遺伝子Bcl-2の発現において顕著な改善を示した(図7)。
【0104】
遺伝子Baxの発現(アポトーシス促進)
Baxに対するプライマーを用いてPCR反応を行い、2%アガロースゲルにおいて電気泳動をした場合、予想通り542bp断片の生成を示した。LopapおよびrLopapで刺激されたHUVECsは、陰性対照および他の刺激がなされた場合を超えて、遺伝子Baxの発現において顕著な減少を示した(特に、天然Lopapで刺激された細胞)(図8)。
【0105】
例6
ヒトの皮膚のフィブロブラストにおけるrLopapの作用。細胞外マトリックスにおける成分の評価:フィブロネクチンおよびテネイシン
培養液中のヒトの皮膚のフィブロブラストを、24ウェルプレート中の血小板上に蒔き、異なる濃度のrLopapと共に7日間インキュベートし、細胞外マトリックスの成分(フィブロネクチンおよびテネイシン)の生成に対する前記タンパク質の作用を評価した。
【0106】
生物学的材料
分析系は、15〜40歳の5人の女性黒人の耳の小裂片に由来する正常な皮膚の断片から得られたヒトの皮膚のフィブロブラストを培養液中に含んでなる。
【0107】
生物学的材料の収集
患者は、通常の無菌および消毒基準である手術室において、インフォームドコンセントの後、生検を切除された。0.5cm×0.5cmの正常な皮膚の断片が集められ、15%FBS(胎児ウシ血清)および抗生物質を含むHam-F-12の無菌培地にすぐに浸された。
【0108】
試験計画:対照および試験群
対照群は、10%FBSを補充したHam-F-12の培地中で培養されたフィブロブラストで構成された。
【0109】
2つの分析群が定義される:1)1μgのrLopapを加えた培地で培養されたフィブロブラスト、および2)5μgのrLopapを加えた培地で培養されたフィブロブラスト。
【0110】
プレートの調製
実験において使用された全てのフィブロブラストサンプルは、6番目の継代培養からなる。24のウェルを有する無菌の培養プレートが使用された。フィブロブラストは、直径13mmの無菌の丸いプレート中で培養され、各プレートにおいて、1×105のフィブロブラストがFBSを加えた1mlの培地に蒔かれた。細胞の密着のための24時間後、前記培地を新しい培地に替え、rLopapの最終用量を300μl/ウェルとした。
【0111】
使用されるrLopapは、室温で保管され、1μg/μlおよび5μg/μlの濃度のものを0.22μmの膜を通してろ過した。
【0112】
プレートはCO2乾燥器中で7日間、37℃に維持し、倒立顕微鏡で観察した。
【0113】
プレートの固定
プレートは、1ml PBSで1回、注意深く洗浄した。pH 7.4の0.1 Mリン酸緩衝液中の0.2%グルタルアルデヒドおよび3%パラホルムアルデヒドを含んでなる400μlの固定化剤を用いて15分間固定し、1ml PBSで1回洗浄した。
【0114】
間接的な免疫蛍光法
プレートを、PBS中に1:100で希釈された50μlの一次モノクローナル抗体(抗細胞性のフィブロネクチンまたは抗ヒトテネイシン)と共に45分間インキュベートした。
【0115】
続いて、プレートを、PBS中に1:100で希釈された50μlの二次抗体Alexa Fluor 488と共に45分間インキュベートした。DAPIを含む1滴のVectashieldアセンブリー培地と共に、鏡検スライド中にプレートを設置した(ベクターラボラトリーズ-U.S.A)。
【0116】
組織形態計測的な分析による、フィブロブラストにより産生されたフィブロネクチンおよびテネイシンの評価
スライドは、免疫蛍光が行われる場合、20倍の対物レンズおよび10倍の接眼レンズを有する光学顕微鏡および蛍光顕微鏡(Zeiss)で分析され、定量的な評価は、イメージ分析システムを用いて行われた。
【0117】
10顕微鏡野で得られるイメージは、テキストエディター(マイクロソフトワード:登録商標)およびスプレッドシート(マイクロソフトエクセル:登録商標)を用いてデータを共有することができるソフトウェアを用いてデジタル化された。フィブロネクチンおよびテネイシンの生成の定量的な評価のために、蛍光性の構造が標識され、色のコントラストにより他の構造と区別された。フィブロネクチンおよびテネイシンの面積は、デジタルデンシトメトリーにより得られ、平方マイクロメートル(μm2)に変換された。各フィールドにおいて得られる結果は、陽性の構造のパーセント面積、すなわち面積の割合に対応する。
【0118】
統計学的分析
試験されたサンプルの面積割合のデータは、記述統計にかけられ、ノンパラメトリックなクルスカル-ウォリス検定またはANOVAパラメトリック検定により群間比較が行われた。P<0.05の場合、有意であると考えた。
【0119】
値は、rLopap(1μgおよび5μg)の作用下で培養された5のフィブロブラストのサンプルおよび対照群に由来するフィブロネクチンおよびテネイシンの面積割合から得られた。これらの値は、記述統計学的な分析にかけられ、結果は表3に示す。
【表3】

【0120】
1μgおよび5μgの濃度のタンパク質と共に増殖させたフィブロブラストならびに対照群により産生されたフィブロネクチンの面積における割合値の比較は、統計学的な有意差(p<0.001)を示し、rLopapと共に培養されたフィブロブラストによるフィブロネクチンの産生は、対照群より高かった(図9)。
【0121】
タンパク質(1μgおよび5μg)と共に増殖させたフィブロブラストおよび対照群により産生されたテネイシンの面積における割合値の比較は、統計学的な有意差を示し(p<0.001)、rLopapと共に培養されたフィブロブラストによるテネイシンの産生は対照群より高かった(図10)。
【0122】
図11は、培養されたヒトの皮膚のフィブロブラストにおけるフィブロネクチンの分布を示す:対照群、(A)1μg rLopap(B)および5μg Lopap(C)。
【0123】
図12は、培養されたヒトの皮膚のフィブロブラストにおけるテネイシンの分布を示す:対照群、(A)1μg rLopap(B)および5μg Lopap(C)。
【0124】
例7
マウスの背部の領域は、毛を切り、右側はrLopapをアジュバントと合わせて(実験)、左側はアジュバントのみで(対照)局所処理した。
【0125】
実験群は以下のように分けた:
群1:rLopap(0.33 mg)をパパイン軟膏に加え(最終比率5%)、1週間に1回、3回局所投与した。
【0126】
群2:0.03 M NaCl中にrLopap(0.33 mg)を希釈し、1週間に1回、3回局所投与した。
【0127】
群3:0.03 M NaCl中にrLopap(0.33 mg)を希釈し、単一用量で皮内投与した。
【0128】
群4:商業的な軟膏ビタノール-A、ゲル0.025トレチノインを、1週間に1回、3回局所投与した。
【0129】
組織病理学的な研究
処理された領域は、動物を屠殺した後で取り出し、リン酸緩衝液を含む10%ホルマリンの緩衝された溶液中に固定した。皮膚のサンプルを横方向の切片にし、組織学的なルーチンを行った。サンプルをアルコールの培養系中で脱水し、キシロール中で脱脂し、パラフィン中に包埋した。その後サンプルをパラフィン中に挿入し、組織学的なミクロトーム中で3μmの厚さにカットし、ガラスブレード上に集めた。前記ブレードを、組織学的な特徴付けおよびピクロシリウス(Picrosirius)染色の分析のため(Junqueira, L. C. V., et al., Anal. Biochem. 94: 9609-13, 1979)、コラーゲンの定量的な評価のために、ヘマトキシリン-エオシン染色を行った。スライドは、イメージアナライザーシステムと組み合わせた光学顕微鏡で試験された。
【0130】
組織学的な特徴
全ての実験群の動物の皮膚は、表皮および真皮で保護された構造を示した。
【0131】
コラーゲンIIIの定量化
真皮のコラーゲンは、ピクロシリウスにより染色された皮膚切片において、イメージアナライザーコントロン300を用いて定量された。5の顕微鏡野が、20倍の対物レンズおよび10倍の接眼レンズを用いて評価された。フィールドは、各動物のスライド上に提示された種々の皮膚断片に基づいてランダムに選択された。
【0132】
我々は、異なる実験群においてrLopapで処理された皮膚は、処理されない皮膚(対照)と比較して、コラーゲンを合成する能力において有意な差(p<0.001)があることに気づいた(図13〜18)。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】図1は、ゲルろ過によるクロマトグラフィーおよび二段階の逆相クロマトグラフィーの工程を含んでなる方法により精製されたタンパク質Lopapの特徴であり、SDS-PAGE分析により測定した場合、69kDaの分子量の単一のバンドを示す。
【図2】図2は、基質Abz-YQTFFNPRTFGSQ-EDDnpにおけるタンパク質Lopapの活性(プロトロンビン分子から推測する)を示す。
【図3】図3は、細胞生存度を示す。HUVECs(1×104)を、Lopapがある場合またはない場合において、1%FBSを補充したRPMI培地と共にインキュベートした。MTT分析を48時間後に行った。生存可能な細胞のパーセンテージは、処理されていない細胞に関して表した。
【図4】図4は、プロスタグランジンI2の放出を示す。HUVECsは、メタロプロテアーゼの存在下または非存在下において、RPMI 1640培地中で1時間インキュベートした。PGI2濃度は、競合的な免疫酵素分析により測定される場合、培地における代謝産物6-ケト-PGFの蓄積により、上清において測定された。
【図5】図5は、一酸化窒素の放出を示す。HUVECsは、Lopapもしくはr-Lopapの存在下または非存在下において、HAM F12培地中で1時間インキュベートした。濃縮は、オゾンと反応させた後、気相において化学発光により検出した場合、硝酸塩および亜硝酸塩のNOへの還元の後の上清において測定されなかった。
【図6】図6は、HUVECs(10% FBS)においてRT-PCRにより検出されるGAPDHの発現を示す。1−対照、刺激されない細胞、2−5 U/ml トロンビンで刺激された細胞、3−5 ng/ml TNFαで刺激された細胞、4−5μg/ml LPSで刺激された細胞、5−10μg/ml Lopapで刺激された細胞、6−10μg/ml rLopapで刺激された細胞。
【図7】図7は、HUVECs(10% FBS)においてRT-PCRにより検出されるBcl-2の発現を示す。1−対照、刺激されない細胞、2−5 U/ml トロンビンで刺激された細胞、3−5 ng/ml TNFαで刺激された細胞、4−5μg/ml LPSで刺激された細胞、5−10μg/ml Lopapで刺激された細胞、6−10μg/ml rLopapで刺激された細胞。発現は、対照遺伝子GAPDHの発現に関して計算される。
【図8】図8は、HUVECs(10% FBS)におけるBaxの発現を示す。1−対照、刺激されない細胞、2−5 U/ml トロンビンで刺激された細胞、3−5 ng/ml TNFαで刺激された細胞、4−5μg/ml LPSで刺激された細胞、5−10μg/ml Lopapで刺激された細胞、6−10μg/ml rLopapで刺激された細胞。発現は、対照遺伝子GAPDHの発現に関して計算される。
【図9】図9は、rLopap(1および5μg)で処理した場合および処理しない場合の、フィブロブラストにおけるフィブロネクチンの発現を示す。
【図10】図10は、rLopap(1および5μg)で処理した場合および処理しない場合の、フィブロブラストにおけるテネイシンの発現を示す。
【図11】図11は、A)正常なヒトのフィブロブラスト(対照群);B)1μg rLopapの存在下で培養した正常なヒトのフィブロブラスト;C)5μg rLopapの存在下で培養した正常なヒトのフィブロブラストにおけるフィブロネクチンに対する間接的な免疫蛍光を示す。
【図12】図12は、A)正常なヒトのフィブロブラスト(対照群);B)1μg rLopapの存在下で培養した正常なヒトのフィブロブラスト;C)5μg rLopapの存在下で培養した正常なヒトのフィブロブラストにおけるテネイシンに対する間接的な免疫蛍光を示す。
【図13】図13は、rLopapで処理された動物の表皮の顕微鏡写真を示し、(A)処理された皮膚、(B)対照の皮膚である。真皮において、同様の量のフィブロブラスト核の存在が見られる。
【図14】図14は、タイプIII-グループ1コラーゲンの皮膚サンプルによる発現を示す。
【図15】図15は、タイプIII-グループ2コラーゲンの皮膚サンプルによる発現を示す。
【図16】図16は、タイプIII-グループ3コラーゲンの皮膚サンプルによる発現を示す。
【図17】図17は、タイプIII-グループ4コラーゲンの皮膚サンプルによる発現を示す。
【図18】図18は、rLopapで処理された動物の真皮の顕微鏡写真を示す(340×)。高密度なコラーゲン繊維(矢印)が観察される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1の機能的な形態のLopapを含んでなる組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物であって、前記少なくとも1の機能的な形態のLopapはLopapの機能的な誘導体である組成物。
【請求項3】
請求項2に記載の組成物であって、前記機能的な誘導体は、欠失、付加、アミノ酸置換、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1の修飾を有する配列番号1のアミノ酸配列を含んでなる組成物。
【請求項4】
請求項2に記載の組成物であって、前記機能的な誘導体は少なくとも1の化学的修飾を含んでなる組成物。
【請求項5】
請求項4に記載の組成物であって、前記少なくとも1の化学的修飾は、アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、機能的な部分の共有結合、脂質もしくは脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋結合、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合性の架橋結合の形成、配合(formulation)、γ-カルボキシル化、グリコシル化、グリコホスファチジルイノシトールアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、PEG化、タンパク分解性のプロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、トランスファーRNAに媒介されるタンパク質へのアミノ酸の付加、アルギン化、ユビキチン結合、およびそれらの組み合わせから選択される組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の組成物であって、前記少なくとも1の機能的な形態は天然Lopapである組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の組成物であって、前記少なくとも1の機能的な形態のLopapは配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも60%同一である組成物。
【請求項8】
請求項7に記載の組成物であって、前記少なくとも1の機能的な形態のLopapは配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも80%同一である組成物。
【請求項9】
請求項8に記載の組成物であって、前記少なくとも1の機能的な形態のLopapは配列番号1の配列を含んでなる組成物。
【請求項10】
機能的な形態のLopapをコードする少なくとも1の核酸を含んでなる組成物。
【請求項11】
請求項10に記載の組成物であって、前記少なくとも1の核酸はLopapの機能的な誘導体をコードする組成物。
【請求項12】
請求項10に記載の組成物であって、前記少なくとも1の核酸は配列番号2の核酸配列と少なくとも60%同一である組成物。
【請求項13】
請求項12に記載の組成物であって、前記少なくとも1の核酸は配列番号2の配列を含んでなる組成物。
【請求項14】
請求項10に記載の組成物であって、前記少なくとも1の核酸は発現ベクターをさらに含んでなる組成物。
【請求項15】
請求項14に記載の組成物であって、前記発現ベクターは、ウイルスベクターもしくは細菌性のプラスミドもしくは真核生物のプラスミドもしくはコスミドまたはそれらの誘導体である組成物。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項において定義される医薬組成物。
【請求項17】
請求項16に記載の組成物であって、薬学的に許容可能な賦形剤、キャリア、アジュバント、またはそれらの組み合わせをさらに含んでなる組成物。
【請求項18】
請求項16に記載の組成物であって、局所的な投与のために構築される組成物。
【請求項19】
請求項16に記載の組成物であって、経口投与、非経口的な投与、鼻腔投与、肺投与、インプラント、または遅延性の放出のために構築される組成物。
【請求項20】
請求項16に記載の組成物であって、粉末、ゲル、クリーム、軟膏、スプレー、溶液、液滴、ローション、ペースト、泡、リポソーム、またはそれらの組み合わせの形態である組成物。
【請求項21】
請求項1〜15のいずれか1項に定義される美容組成物。
【請求項22】
請求項21に記載の組成物であって、化粧品として許容可能な賦形剤、キャリア、アジュバント、またはそれらの組み合わせをさらに含んでなる組成物。
【請求項23】
請求項22に記載の組成物であって、前記賦形剤、キャリア、またはアジュバントは、湿潤剤、乳化剤、レオロジー修飾因子、pH調節因子、キレート化剤、保存剤、UVフィルタリング剤、ビタミン、色素、着色剤、およびエッセンスからなる群より選択される組成物。
【請求項24】
細胞死を減少させる方法であって、前記細胞に、請求項1〜15のいずれか1項に定義された組成物を与えることを含んでなる方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法であって、前記組成物は患者の細胞に与えられる方法。
【請求項26】
請求項24に記載の方法であって、前記細胞死は、創傷、疾患、老化、または外的病原因子により引き起こされる方法。
【請求項27】
請求項24に記載の方法であって、前記細胞死はプログラム細胞死により引き起こされる方法。
【請求項28】
請求項24に記載の方法であって、前記細胞は上皮細胞である方法。
【請求項29】
請求項24に記載の方法であって、細胞死または変性を減少させる1以上の薬剤を提供することをさらに含んでなる方法。
【請求項30】
請求項25に記載の方法であって、前記組成物はインビトロで細胞に与えられる方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法であって、前記細胞は分子を産生するために使用される方法。
【請求項32】
請求項30に記載の方法であって、前記細胞は分子を変換または分解するために使用される方法。
【請求項33】
請求項24に記載の方法であって、前記細胞は組織の一部である方法。
【請求項34】
前記組織に請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物を与えることを含んでなる、組織変性を減少させる方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法であって、前記組成物は患者の組織に与えられる方法。
【請求項36】
請求項34に記載の方法であって、前記変性は、創傷、疾患、老化、または外的病原因子により引き起こされる方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法であって、前記疾患は上皮細胞の疾患である方法。
【請求項38】
請求項34に記載の方法であって、組織変性を減少させる1以上の薬剤を与えることをさらに含んでなる方法。
【請求項39】
請求項34に記載の方法であって、前記組成物はインビトロで組織に与えられる方法。
【請求項40】
前記組織に請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物を与えることを含んでなる、組織を培養する方法。
【請求項41】
請求項40に記載の方法であって、前記組成物は患者の組織に与えられる方法。
【請求項42】
請求項40に記載の方法であって、前記組織は上皮組織である方法。
【請求項43】
請求項40に記載の方法であって、組織増殖を引き起こす1以上の薬剤を与えることをさらに含んでなる方法。
【請求項44】
請求項40に記載の方法であって、前記組成物はインビトロで組織に与えられる方法。
【請求項45】
前記細胞に請求項1に記載の組成物を与えることを含んでなる、分子の細胞発現を刺激する方法。
【請求項46】
請求項45に記載の方法であって、前記分子は、Bcl-2、一酸化窒素、プロスタグランジンI2、細胞外マトリックスタンパク質、またはそれらの組み合わせである方法。
【請求項47】
請求項46に記載の方法であって、前記細胞外マトリックスタンパク質は、フィブロネクチン、テネイシン、エラスチン、コラーゲン、またはそれらの組み合わせである方法。
【請求項48】
請求項47に記載の方法であって、前記コラーゲンは、タイプIII-グループ1コラーゲン、タイプIII-グループ2コラーゲン、タイプIII-グループ3コラーゲン、タイプIII-グループ4コラーゲン、またはそれらの組み合わせである方法。
【請求項49】
請求項1に記載の組成物を前記細胞に与えることを含んでなる、分子の細胞発現を減少させる方法。
【請求項50】
請求項49に記載の方法であって、前記分子はBaxである方法。
【請求項51】
請求項45〜50のいずれか1項に記載の方法であって、前記細胞は上皮細胞である方法。
【請求項52】
請求項45〜50のいずれか1項に記載の方法であって、前記変化した分子の細胞発現は細胞における細胞死を減少させる方法。
【請求項53】
請求項45〜50のいずれか1項に記載の方法であって、前記細胞は組織の一部である方法。
【請求項54】
請求項53に記載の方法であって、前記変化した分子の細胞発現は組織の増殖を引き起こす方法。
【請求項55】
請求項54に記載の方法であって、前記変化した細胞発現は組織変性を減少させる方法。
【請求項56】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物を含んでなるキット。
【請求項57】
請求項16に記載の医薬組成物を含んでなるキット。
【請求項58】
請求項21に記載の美容組成物を含んでなるキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2009−507046(P2009−507046A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529426(P2008−529426)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【国際出願番号】PCT/BR2006/000180
【国際公開番号】WO2007/028223
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(508072899)バイオラブ・サヌス・ファーマセウティカ・エルティーディーエー. (6)
【出願人】(504362008)
【出願人】(507062314)
【Fターム(参考)】