説明

MFP装置、MFP装置の制御方法、プログラム、及び記憶媒体

【課題】省エネ制御を変更してもユーザーへの不満が無いMFP装置、MFP装置の制御方法、プログラム、及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】選択された機能に応じて異なる組合せで内蔵する複数のデバイスを連動させる連動手段と、選択された機能に応じて不要なデバイスを省エネモードで待機させる待機手段と、選択された機能に応じて省エネモードで待機させるデバイスの制御を設定する設定手段と、利用者毎の使用電力量を保存/読み出しする保存/読出手段と、現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせる問合せ手段と、得られた回答によって省エネモードの制御を変更する変更手段と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MFP装置、MFP装置の制御方法、プログラム、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化などに注目がされており、それに伴い省エネに関する意識が高まっている。
MFP(Multifunction Peripheral:複合機)装置には、プロッタ、スキャナ、操作部の液晶パネル、Fax用の通信ボード、LAN(Local Area Network)ボードなど、電力を多く消費するデバイスが数多く存在する。一般に、MFP装置には省エネモードという設定を有し、その省エネモードになっていると、これらのデバイスに最低限の電力のみが供給されて電力消費を抑えることができる。
【0003】
しかしながら、省エネモードの解除はユーザーの操作開始時(操作部のキーを押下した場合など)に行われてしまうため、例え操作部からアドレス帳のデータを登録したいために省エネモードが解除された場合でも、プロッタやスキャナなどの省エネ状態が解除されてしまう。
【0004】
このため、この種の問題を解決するために、各デバイスの省エネ制御を、アプリケーション、機能、利用しているユーザーの利用権限、利用頻度などの情報を利用して細かく制御するという目的の発明が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
【0005】
特許文献1に記載の発明は、画像形成装置の省エネモード制御方法に関する発明であり、具体的には、画像形成処理で使用されるハードウェア資源と画像形成処理を行うプログラムとを有する画像形成装置で省エネモードの制御を行う方法であって、画像形成装置が未使用である待機状態に画像形成装置を省エネモードに移行させる工程と、操作者の所持するデータキャリアが画像形成装置にセットされた場合に画像形成装置の少なくとも一部の機能を復帰させる工程とを備えたものである。
【0006】
特許文献1に記載の発明によれば、操作者の所持するデータキャリアが画像形成装置にセットされることをトリガとして必要最小限の機能を復帰させるため、省エネ効果が高いとともに、操作者の使い勝手を悪化させてしまうことがないとしている。
【0007】
特許文献2に記載の発明は、画像形成装置及び画像形成装置の省電力モード制御方法に関する発明であり、具体的には、定着手段を有する画像形成装置において、定着手段を複数の温度制御モードで制御する省電力モードを有するものである。
【0008】
特許文献2に記載の発明によれば、定着手段を複数の温度制御モードで制御する省電力モードを有するので、不必要な電力消費を防ぐとともに各モード毎に適切な定着装置の温度制御を行うことができるとしている。
【0009】
特許文献3に記載の発明は、情報機器に関する発明であり、具体的には、選択された情報処理機能に応じて、異なる組合せで内蔵する複数のデバイスを連動させ、情報を処理し、処理の休止時に省電力動作モードで待機する情報機器であって、複数のデバイスごとに電力の供給/停止が制御可能な電力供給手段と、省電力動作時に電力供給を停止させるデバイスを設定する省電力動作モード設定手段と、省電力動作モード設定手段により設定されたデバイスに対する電力供給手段による電力の供給/停止を制御する省電力制御手段を備えたものである。
【0010】
特許文献3に記載の発明によれば、省電力動作時に、設定に従って所定のデバイスを対象に電力(電源やクロック)の供給/停止制御を行うようにしたので、利用する機能がユーザーによってそれぞれ異なる場合にも、ユーザーの利用状況に応じて設定したデバイスを対象に電力供給を停止させることにより、きめ細かい省エネモードの動作を行うことが可能になるとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述した従来技術では、実際にユーザーが感じている使い勝手の情報を反映はしていない。
【0012】
そこで、本発明では、省エネ制御を変更してもユーザーへの不満が無いMFP装置、MFP装置の制御方法、プログラム、及び記憶媒体の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、複数の機能を具備したMFP装置において、選択された機能に応じて異なる組合せで内蔵する複数のデバイスを連動させる連動手段と、選択された機能に応じて不要なデバイスを省エネモードで待機させる待機手段と、選択された機能に応じて省エネモードで待機させるデバイスの制御を設定する設定手段と、利用者毎の使用電力量を保存/読み出しする保存/読出手段と、現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせる問合せ手段と、得られた回答によって省エネモードの制御を変更する変更手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の装置において、現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせるタイミングをアプリケーション機能単位の終了時に行う手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の装置において、現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせるタイミングを機能単位の終了時に行う手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の装置において、現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせる際に、その問い合わせを、E−mailを使って行う手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の装置において、現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせる際に、その問い合わせを、レポートを使って行う手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の装置において、ユーザーの機能利用権限を判断する手段と、省エネモードの制御を変更する際に、その判断内容を加味する手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明は、請求項1記載の装置において、ユーザーの機能利用頻度を判断する手段と、省エネモードの制御を変更する際に、その判断内容を加味する手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項8記載の発明は、複数の機能を具備したMFP装置の制御方法において、選択された機能に応じて異なる組合せで内蔵する複数のデバイスを連動させる工程と、選択された機能に応じて不要なデバイスを省エネモードで待機させる工程と、選択された機能に応じて省エネモードで待機させるデバイスの制御を設定する工程と、利用者毎の使用電力量を保存/読み出しする工程と、現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせる工程と、得られた回答によって省エネモードの制御を変更する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項9記載の発明は、複数の機能を具備したMFP装置のコンピュータに、連動手段が、選択された機能に応じて異なる組合せで内蔵する複数のデバイスを連動させる手順、待機手段が、選択された機能に応じて不要なデバイスを省エネモードで待機させる手順、設定手段が、選択された機能に応じて省エネモードで待機させるデバイスの制御を設定する手順、保存/読出手段が、利用者毎の使用電力量を保存/読み出しする手順、問合せ手段が、現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせる手順、変更手段が、得られた回答によって省エネモードの制御を変更する手順、を実行させることを特徴とする。
【0022】
請求項10記載の発明は、請求項9記載のプログラムを記憶した記憶媒体であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、省エネ制御を変更した際、ユーザーに使い勝手を問い合わせて、得られた回答内容を判断材料とするため、省エネ制御をよりユーザーに不満の無いような設定にすることができる。これにより、省エネ制御を変更しても省エネ制御をユーザーに不満の無いような設定にすることができるMFP装置、MFP装置の制御方法、プログラム、及び記憶媒体の提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係るMFP装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示したMFP装置の制御手段のブロック図の一例である。
【図3】図1に示したMFP装置の制御手段のブロック図の他の一例である。
【図4】図1に示したMFP装置の制御手段のブロック図の他の一例である。
【図5】図1に示したMFP装置の制御手段のブロック図の他の一例である。
【図6】図1に示したMFP装置の制御手段のブロック図の他の一例である。
【図7】図1に示したMFP装置の制御手段のブロック図の他の一例である。
【図8】図1に示したMFP装置の制御手段のブロック図の他の一例である。
【図9】本発明に係るMFP装置の制御方法を適用したフローチャートの一例である。
【図10】本発明に係るMFP装置の制御方法を適用したフローチャートの他の一例である。
【図11】本発明に係るMFP装置の制御方法を適用したフローチャートの他の一例である。
【図12】本発明に係るMFP装置の制御方法を適用したフローチャートの他の一例である。
【図13】本発明に係るMFP装置の制御方法を適用したフローチャートの他の一例である。
【図14】本発明に係るMFP装置の制御方法を適用したフローチャートの他の一例である。
【図15】本発明に係るMFP装置の制御方法を適用したフローチャートの他の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<構 成>
図1は、本発明に係るMFP装置の一実施の形態を示すブロック図である。
同図に示すMFP装置100は、原稿センサ101、用紙センサ102、Video(ビデオ)メモリ103、バッテリ104、スキャナ105、プロッタ106、操作表示部107、画像メモリ108、パラメータメモリ109、時計回路111、通信制御部112、符号化複合化部113、CPU(Central Processing Unit)114、ROM(Read Only Memory)115、バッファメモリ116、キャラクタジェネレータ117、Network I/F118、モデム119、網制御装置120、及びバスライン101で構成されている。
【0026】
原稿センサ101は、コピーすべき原稿が図示しない原稿載置台の上にあるか否かを判断するセンサであり、例えばフォトセンサが用いられる。
用紙センサ102は、図示しない用紙ストックに用紙があるか否かを判断するセンサであり、例えばフォトセンサが用いられる。
Videoメモリ103は、映像データを格納するメモリである。
バッテリ104は、パラメータメモリ109のパラメータをバックアップするための電池である。
スキャナ105は、原稿をスキャニングする装置である。
プロッタ106は、用紙に画像や文字を印刷する装置である。
操作表示部107は、電源スイッチ、テンキー、スタートボタン、停止ボタン、表示パネル等の操作に必要なスイッチやパネル類からなる。
画像メモリ108は、画像データを記憶するメモリである。
パラメータメモリ109は、パラメータを記憶するメモリである。
時計回路111は、クロック信号を供給すると共に、時間を計測する回路である。
通信制御部112は、ネットワークを介して外部の装置とのデータの授受を行うため、Network I/F118、モデム119、及び網制御装置120を制御する回路である。
【0027】
符号化複合化部113は、符号化されたデータを複合化し、復号化されたデータを符号化する回路である。
CPU114は、MFP装置を統括制御する回路である。
ROM(Read Only Memory)115は、MFP装置の制御プログラムを記憶するメモリである。
バッファメモリ116は、コピーするためのデータを一時的に記憶するメモリである。
キャラクタジェネレータ117は、文字や符号を発生する回路である。
Network I/F118は、ネットワークとの間でデータを授受するためのインターフェースである。
モデム119は、MFP装置100と外部の装置との間を電話回線で接続する回路である。
網制御装置120は、MFP装置100と外部の網との間のデータの授受を制御する回路である。
バスライン101は、各部との間の制御信号及びデータ信号を授受するためのラインである。
【0028】
<制御手段1>
ここで、図1に示したMFP装置の制御手段について述べる。
図2は、図1に示したMFP装置の制御手段のブロック図の一例である。
同図に示す制御手段200−1は、図1に示したCPU114に対応する。
制御手段200−1は、連動手段201、待機手段202、保存/読出手段203、設定手段204、変更手段205、及び問合わせ手段206を備える。
【0029】
連動手段201は、選択された機能に応じて異なる組合せで内蔵する複数のデバイスを連動させる機能を有する。
待機手段202は、選択された機能に応じて不要なデバイスを省エネモードで待機させる機能を有する。
保存/読出手段203は、利用者毎の使用電力量を保存/読み出しする機能を有する。
設定手段204は、選択された機能に応じて省エネモードで待機させるデバイスの制御を設定する機能を有する。
変更手段205は、得られた回答によって省エネモードの制御を変更する機能を有する。
問合わせ手段206は、現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせる機能を有する。
図2に示した制御手段200−1の制御は、後述する図9に示すフローチャートに対応する。
【0030】
<制御手段2>
図3は、図1に示したMFP装置の制御手段のブロック図の他の一例である。
以下、図2に示した要素と同様の要素については同一の符号を用いる。
図3に示した制御手段200−2と、図2に示した制御手段200−1との相違点は、問い合わせるタイミングをアプリケーション機能単位の終了時に行う手段、すなわち現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせるタイミングをアプリケーション機能単位の終了時に行う手段207を有する点である。
図3に示した制御手段の2002−2の制御は、後述する図10のフローチャートに対応する。
【0031】
<制御手段3>
図4は、図1に示したMFP装置の制御手段のブロック図の他の一例である。
図4に示した制御手段200−3と、図2に示した制御手段200−1との相違点は、問い合わせるタイミングを機能単位の終了時に行う手段、すなわち現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせるタイミングを機能単位の終了時に行う手段208を有する点である。
図4に示した制御手段200−3の制御は、後述する図11のフローチャートに対応する。
【0032】
<制御手段4>
図5は、図1に示したMFP装置の制御手段のブロック図の他の一例である。
図5に示した制御手段200−4と、図2に示した制御手段200−1との相違点は、問い合わせを、E−mailを使って行う手段、すなわち、現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせる際に、その問い合わせを、E−mailを使って行う手段209を有する点である。
図5に示した制御手段200−4の制御は、後述する図12のフローチャートに対応する。
【0033】
<制御手段5>
図6は、図1に示したMFP装置の制御手段のブロック図の他の一例である。
図6に示した制御手段200−5と、図2にした制御手段200−1との相違点は、問い合わせを、レポートを使って行う手段、すなわち、現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせる際に、その問い合わせを、レポートを使って行う手段210を有する点である。
図6に示した制御手段200−5の制御は、後述する図13のフローチャートに対応する。
【0034】
<制御手段6>
図7は、図1に示したMFP装置の制御手段のブロック図の他の一例である。
図7に示した制御手段200−6と、図2にした制御手段200−1との相違点は、ユーザーの機能利用権限を判断する手段211と、省エネモードの制御を変更する際に、その判断内容を加味する手段212とを有する点である。
図7に示した制御手段200−6の制御は、後述する図14のフローチャートに対応する。
【0035】
<制御手段7>
図8は、図1に示したMFP装置の制御手段のブロック図の他の一例である。
図8に示した制御手段200−7と、図2にした制御手段200−1との相違点は、ユーザーの機能利用頻度を判断する手段213と、省エネモードの制御を変更する際に、その判断内容を加味する手段212とを有する点である。
図8に示した制御手段200−6の制御は、後述する図15のフローチャートに対応する。
【0036】
以下の制御はROM115に記憶された制御プログラムの内容をもとに(ファクシミリ装置の)CPU114が行なう。
<動 作 1>
図9は、本発明に係るMFP装置の制御方法を適用したフローチャートの一例である。
ログアウト操作されたか否かを判断する(*a:ステップS1)。
ログアウト操作されていないと判断した場合は待機し(ステップS1/No)、ログアウト操作されたと判断した場合(ステップS1/Yes)、ログインしているユーザーの単位時間当たりの電力消費量を更新(*b)した後、ユーザーに対して電力消費量を提示する(*c:ステップS2)。
使い勝手が変わったか否かを操作部上で問い合わせる(*d:ステップS3)。
回答内容から判断して、省エネモードの制御を変更し(*e:ステップS4)、終了する。
【0037】
<動 作 2>
図10は、本発明に係るMFP装置の制御方法を適用したフローチャートの他の一例である。
アプリ(アプリケーション)操作が終了したか否かを判断する(*f:ステップS11)。
アプリ操作が終了していないと判断した場合は待機し(ステップS11/No)、アプリ操作が終了したと判断した場合(ステップS11/Yes)、ログインしているユーザーのそのアプリの単位時間当たりの電力消費量を更新してから、提示する(ステップS12)。
使い勝手が変わったか否かを操作部上で問い合わせる(ステップS13)。
回答内容から判断して、省エネモードの制御を変更し(ステップS14)、終了する。
【0038】
<動 作 3>
図11は、本発明に係るMFP装置の制御方法を適用したフローチャートの他の一例である。
機能操作が終了したか否かを判断する(*g:ステップS21)。
機能操作が終了していないと判断した場合は待機し(ステップS21/No)、機能操作が終了したと判断した場合(ステップS21/Yes)、ログインしているユーザーのそのアプリの単位時間当たりの電力消費量を更新してから、提示する(ステップS22)。
使い勝手が変わったか否かを操作部上で問い合わせる(ステップS23)。
回答内容から判断して、省エネモードの制御を変更し(ステップS24)、終了する。
【0039】
<動 作 4>
図12は、本発明に係るMFP装置の制御方法を適用したフローチャートの他の一例である。
ログアウトしたか否かを判断する(ステップS31)。
ログアウトしていないと判断した場合は待機し(ステップS31/No)、ログアウトしたと判断した場合(ステップS31/Yes)、ログインしているユーザーのそのアプリの単位時間当たりの電力消費量を更新してから、提示する(ステップS32)。
使い勝手が変わったか否かを問い合わせる内容のE−mailを作成して、ログインしているユーザーに送信する(*h:ステップS33)。
回答内容から判断して、省エネモードの制御を変更し(*e:ステップS34)、終了する。
【0040】
<動 作 5>
図13は、本発明に係るMFP装置の制御方法を適用したフローチャートの他の一例である。
ログアウトしたか否かを判断する(ステップS41)。
ログアウトしていないと判断した場合は待機し(ステップS41/No)、ログアウトしたと判断した場合(ステップS41/Yes)、ログインしているユーザーのそのアプリの単位時間当たりの電力消費量を更新してから、提示する(ステップS42)。
使い勝手が変わったか否かを問い合わせる内容のレポートを作成して印刷(出力)する(*i:ステップS43)。
レポートの内容には使い勝手に応じて変更すべき設定の変更方法を記載しておく(*j)。これにより、省エネモードの制御を変更し(*e:ステップS44)、終了する。
【0041】
<動 作 6>
図14は、本発明に係るMFP装置の制御方法を適用したフローチャートの他の一例である。
ログアウトしたか否かを判断する(ステップS51)。
ログアウトしていないと判断した場合は待機し(ステップS51/No)、ログアウトしたと判断した場合(ステップS51/Yes)、ログインしているユーザーのそのアプリの単位時間当たりの電力消費量を更新してから、提示する(ステップS52)。
使い勝手が変わったか否かを操作部上で問い合わせる(ステップS53)。
ログインしているユーザーの利用権限情報を取得する(ステップS54)。
回答内容とそのユーザーの利用権限から判断して(*k)、省エネモードの制御を変更し(*e:ステップS55)、終了する。
【0042】
<動 作 7>
図15は、本発明に係るMFP装置の制御方法を適用したフローチャートの他の一例である。
ログアウトしたか否かを判断する(ステップS61)。
ログアウトしていないと判断した場合は待機し(ステップS61/No)、ログアウトしたと判断した場合(ステップS61/Yes)、ログインしているユーザーのそのアプリの単位時間当たりの電力消費量を更新してから、提示する(ステップS62)。
使い勝手が変わったか否かを操作部上で問い合わせる(ステップS63)。
ログインしているユーザーの利用頻度情報を取得する(ステップS64)。
回答内容とそのユーザーの利用頻度情報から判断して(*l)、省エネモードの制御を変更し(*e:ステップS65)、終了する。
【0043】
< 注 >
(*a)ログイン〜ログアウト間の時間、電力消費量などが必要となるため、ログアウト時に処理を行う。
【0044】
(*b)電力消費量の取得などは既知の技術で実施可能なためここでは詳細を説明しない。
【0045】
(*c)過去数回分の電力消費量を提示することが望ましい。今回だけだと、増えているのか減っているのかがわからないため。
【0046】
(*d)例として、
「操作に対するレスポンスが悪くなったと感じましたか?」
等の質問を行う。省エネモードを変更したことにより、各デバイスの動作開始時などに動作が重く/軽くなったと感じられると予想されるため、それが判断できるような問い合わせを行う。
【0047】
(*e)動作が重くなったと感じたような回答の場合は、省エネ制御を弱めにする、逆の場合は強めにするなどの変更を行う。
【0048】
(*f)アプリケーション操作開始〜終了間の時間、電力消費量などが必要となるため、アプリケーション操作終了時に処理を行う。
【0049】
(*g)機能操作開始〜終了間の時間、電力消費量などが必要となるため、機能操作終了時に処理を行う。ここで言う機能とは、例として以下のようなものである。
・ ファクシミリアプリケーションの通信管理レポート印刷
つまり、アプリケーションの中に含まれる、小さな機能の1つのことである。
【0050】
(*h)一般的にはログインしているユーザーのアカウント情報にはユーザーのE−mail宛先の情報が含まれている。その情報を使ってE-mail送信する。
【0051】
(*i)レポートの作成は既知の技術(ファクシミリの結果レポートなど)で実施可能なためここでは詳細を説明しない。
【0052】
(*j)例として、
「操作に対するレスポンスが悪くなったと感じた場合は、初期設定X-YY-ZZZの値をAAAに変更してください。」
などのように記載しておく。この設定を変更した場合、省エネ制御を弱めにするようにすれば良い。
【0053】
(*k)例として、ログインしているユーザーにファクシミリアプリケーションの利用権限がなければ、例え動作が重くなったと感じた、と回答された場合でも、Fax用の通信ボードの省エネ制御を弱める必要はない。
【0054】
(*l)例として、ログインしているユーザーにファクシミリアプリケーションの利用頻度が低ければ、例え動作が重くなったと感じた、と回答された場合でも、Fax用の通信ボードの省エネ制御を弱める必要はない。
【0055】
<プログラム及び記憶媒体>
以上で説明した本発明にかかるMFP装置は、コンピュータで処理を実行させるプログラムによって実現されている。コンピュータとしては、例えばパーソナルコンピュータやワークステーションなどの汎用的なものが挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。よって、一例として、プログラムにより本発明を実現する場合の説明を以下で行う。
【0056】
複数の機能を具備したMFP装置のコンピュータに、
(1)連動手段が、選択された機能に応じて異なる組合せで内蔵する複数のデバイスを連動させる手順、
(2)待機手段が、選択された機能に応じて不要なデバイスを省エネモードで待機させる手順、
(3)設定手段が、選択された機能に応じて省エネモードで待機させるデバイスの制御を設定する手順、
(4)保存/読出手段が、利用者毎の使用電力量を保存/読み出しする手順、
(5)問合せ手段が、現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせる手順、
(6)変更手段が、得られた回答によって省エネモードの制御を変更する手順、
を実行させるプログラムが挙げられる。
【0057】
これにより、プログラムが実行可能なコンピュータ環境さえあれば、どこにおいても本発明にかかるMFP装置を実現することができる。
このようなプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよい。
ここで、記憶媒体としては、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD−R(CD Recordable)、などのコンピュータで読み取り可能な記憶媒体、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、FeRAM(強誘電体メモリ)等の半導体メモリやHDD(Hard Disc Drive)が挙げられる。
【0058】
なお、上述した実施の形態は、本発明の好適な実施の形態の一例を示すものであり、本発明はそれに限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々変形実施が可能である。
【0059】
<作用効果>
省エネ制御を変更した際、ユーザーに使い勝手を問い合わせてその回答内容を判断材料とするため、省エネ制御をよりユーザーに不満の無いような設定にすることができる。
【0060】
問い合わせるタイミングをアプリケーション/機能の操作終了単位にすることによって、より省エネ効果とユーザーの使い勝手を向上させることができる。
【0061】
問い合わせをE−mail/レポートを使うことによって、問い合わせ内容を分かりやすく伝えて、より省エネ効果とユーザーの使い勝手を向上させることができる。
【0062】
省エネ制御を変更する際、ユーザーからの回答だけではなく、そのユーザーのアプリケーションの利用権限/頻度を参考にすることによって、より省エネ効果とユーザーの使い勝手を向上させることができる。
【符号の説明】
【0063】
100 MFP装置
101 原稿センサ
102 用紙センサ
103 Vdeioメモリ
104 バッテリ
105 スキャナ
106 プロッタ
107 操作表示部
108 画像メモリ
109 パラメータメモリ
110 ハードディスク
111 時計回路
112 通信制御部
113 符号化複合化部
114 CPU
115 ROM
116 バッファメモリ
117 キャラクタジェネレータ
118 NetworkI/F
119 モデム
120 網制御装置
121 バスライン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0064】
【特許文献1】特開2006−5911号公報
【特許文献2】特開2001−201986号公報
【特許文献3】特開2006−330843号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機能を具備したMFP装置において、
選択された機能に応じて異なる組合せで内蔵する複数のデバイスを連動させる連動手段と、
選択された機能に応じて不要なデバイスを省エネモードで待機させる待機手段と、
選択された機能に応じて省エネモードで待機させるデバイスの制御を設定する設定手段と、
利用者毎の使用電力量を保存/読み出しする保存/読出手段と、
現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせる問合せ手段と、
得られた回答によって省エネモードの制御を変更する変更手段と、
を備えたことを特徴とするMFP装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、
現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせるタイミングをアプリケーション機能単位の終了時に行う手段を備えたことを特徴とするMFP装置。
【請求項3】
請求項1記載の装置において、
現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせるタイミングを機能単位の終了時に行う手段を備えたことを特徴とするMFP装置。
【請求項4】
請求項1記載の装置において、
現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせる際に、その問い合わせを、E−mailを使って行う手段を備えたことを特徴とするMFP装置。
【請求項5】
請求項1記載の装置において、
現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせる際に、その問い合わせを、レポートを使って行う手段を備えたことを特徴とするMFP装置。
【請求項6】
請求項1記載の装置において、
ユーザーの機能利用権限を判断する手段と、
省エネモードの制御を変更する際に、その判断内容を加味する手段と、
を備えたことを特徴とするMFP装置。
【請求項7】
請求項1記載の装置において、
ユーザーの機能利用頻度を判断する手段と、
省エネモードの制御を変更する際に、その判断内容を加味する手段と、
を備えたことを特徴とするMFP装置。
【請求項8】
複数の機能を具備したMFP装置の制御方法において、
選択された機能に応じて異なる組合せで内蔵する複数のデバイスを連動させる工程と、
選択された機能に応じて不要なデバイスを省エネモードで待機させる工程と、
選択された機能に応じて省エネモードで待機させるデバイスの制御を設定する工程と、
利用者毎の使用電力量を保存/読み出しする工程と、
現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせる工程と、
得られた回答によって省エネモードの制御を変更する工程と、
を備えたことを特徴とするMFP装置の制御方法。
【請求項9】
複数の機能を具備したMFP装置のコンピュータに、
連動手段が、選択された機能に応じて異なる組合せで内蔵する複数のデバイスを連動させる手順、
待機手段が、選択された機能に応じて不要なデバイスを省エネモードで待機させる手順、
設定手段が、選択された機能に応じて省エネモードで待機させるデバイスの制御を設定する手順、
保存/読出手段が、利用者毎の使用電力量を保存/読み出しする手順、
問合せ手段が、現在の設定状況での使い勝手が良いか否かをユーザーに問い合わせる手順、
変更手段が、得られた回答によって省エネモードの制御を変更する手順、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
請求項9記載のプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2010−212963(P2010−212963A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−56418(P2009−56418)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】