説明

N−アリール−N−ピペリジン−4−イルメチルアミド誘導体及びモノアミン神経伝達物質再取り込み阻害薬としてのその使用

本発明は、モノアミン神経伝達物質再取り込み阻害薬として有用な、新規なN−アリール−N−ピペリジン−4−イルメチルアミド誘導体に関する。別の態様において、本発明は、治療法におけるこれらの化合物の使用、及び本発明の化合物を含む薬剤組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノアミン神経伝達物質再取り込み阻害薬として有用な、新規なN−アリール−N−ピペリジン−4−イルメチルアミド誘導体に関する。
【0002】
別の態様において、本発明は、治療法におけるこれらの化合物の使用、及び本発明の化合物を含む薬剤組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
セロトニン選択的再取り込み阻害薬(SSRI)は、現在、うつ病及びパニック障害を含むいくつかのCNS障害の治療において効力を提供している。SSRIは、一般に、精神科医及び一次診療医により、有効で耐用性が良く、容易に投与できると考えられている。しかし、それにはいくつかの望ましくない特徴も伴う。
【0004】
したがって、ノルアドレナリン及びドーパミン再取り込み活性に対するセロトニン再取り込みの比などの、モノアミン神経伝達物質セロトニン、ドーパミン及びノルアドレナリンの再取り込みに対する活性に関して最適化された薬理学特性を有する化合物に対する強い必要性がなお存在する。
【0005】
Remond G.ら(Eur J Med Chem (1997年)、第32巻、843−868頁)は、一連のベンゾイミダゾロン誘導体がNK1拮抗薬であるという薬理学特性を記載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、モノアミン神経伝達物質再取り込み阻害薬としての活性を示す新規な化合物を提供することである。
【0007】
本発明のさらなる目的は、再取り込み阻害薬としての活性に加えて、NK1及び/又はNK2調節因子としての活性、特に、NK1拮抗薬としての活性を示す化合物の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様において、本発明は、式Iの化合物、
【化1】


その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩を提供する。ここで、n、R、R及びRは以下に定義される通りである。
【0009】
第2の態様において、本発明は、治療有効量の式Iの化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と共に含む、薬剤組成物を提供する。
【0010】
さらなる態様において、本発明は、ヒトを含む哺乳動物の、疾患又は障害又は状態の治療、予防又は軽減のための薬剤組成物を製造するための、式Iの化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩の使用であって、前記疾患、障害又は状態が、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に応答する使用を提供する。
【0011】
さらなる態様において、本発明は、ヒトを含む動物生体の、疾患又は障害又は状態の治療、予防又は軽減のための方法であって、前記障害又は疾患又は状態が、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に応答し、その必要のある動物生体に、治療有効量の式Iの化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法に関する。
【0012】
本発明の他の目的は、当業者には、以下の詳細な説明及び実施例から明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0013】
N−アリール−N−ピペリジン−4−イルメチルアミド誘導体
第1の態様において、本発明は、式Iの化合物、
【化2】


その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩を提供する
(式中、
nは、1又は2であり;
は、水素又はアルキルを表し;
該アルキルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されており;
は、アリール基を表し;
該アリール基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、アルコキシアルキル、シクロアルコキシアルキル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、スルファニル、チオアルコキシ、−NR’R’’、−(C=O)NR’R’’又は−NR’(C=O)R’’からなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されており;
ここで、R’、R’’は、互いに独立に、水素又はアルキルであり;
は、ベンゾイミダゾール−2−オン−イル基を表し;
該ベンゾイミダゾール−2−オン−イル基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、アルコキシアルキル、シクロアルコキシアルキル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、スルファニル、チオアルコキシ、フェニル、ベンジル、−NR’R’’、−(C=O)NR’R’’若しくは−NR’(C=O)R’’からなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基、又は−CR’’’(=CR’’’’)で任意選択で置換されており;ここで、R’及びR’’は、互いに独立に、水素又はアルキルであり;
R’’’及びR’’’’は、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、アルキル又はフェニルであり;又はR’’’及びR’’’’は一緒になって、−CH−CH−、−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH−、−CH=CH−CH−又は−CH=CH−CH−CH−を形成している)。
【0014】
式Iの化合物の一実施形態において、nは2である。
【0015】
式Iの化合物の第2の実施形態において、Rは、アルキルを表す。特別な実施形態において、Rは、メチルを表す。さらなる実施形態では、Rは、エチルを表す。さらなる実施形態では、Rは、さらに、メトキシメチルなどのアルコキシアルキルを表す。
【0016】
式Iの化合物のさらなる実施形態において、Rは、任意選択で置換されているフェニルなどの、任意選択で置換されているアリール基を表す。特別な実施形態において、Rは、フェニルを表す。さらなる実施形態では、Rは、フルオロフェニル、クロロフェニル、4−ハロフェニル、又は3−ハロフェニル、特に、4−クロロフェニル若しくは3−クロロフェニルなどのハロフェニルを表す。さらなる実施形態では、Rは、3,4−ジクロロフェニルなどのジクロロフェニルなどの、ジハロフェニルを表す。さらなる実施形態では、Rは、任意選択で置換されているナフタレン−2−イルなどの任意選択で置換されているナフチルを表す。特別な実施形態において、Rは、6−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イルなどの、ヒドロキシ−ナフタレン−2−イルなどの、ヒドロキシで置換されているナフチルを表す。さらなる実施形態では、Rは、6−メトキシ−ナフタレン−2−イルなどの、メトキシ−ナフタレン−2−イルなどの、メトキシで置換されているナフチルを表す。
【0017】
式Iの化合物のさらなる実施形態において、Rは、
【化3】


を表し、式中、R、R、R、R及びRのそれぞれは、互いに独立に、
水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、アルコキシアルキル、シクロアルコキシアルキル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、スルファニル、チオアルコキシ、フェニル、ベンジル、−NR’R’’、−(C=O)NR’R’’若しくは−NR’(C=O)R’’からなる群、又は−CR’’’(=CHR’’’’)から選択され;ここで、
R’、R’’は、互いに独立に、水素又はアルキルであり;
R’’’及びR’’’’は、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、アルキル若しくはフェニルであり;又はR’’’及びR’’’’は一緒になって、−CH−CH−、−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH−、−CH=CH−CH−若しくは−CH=CH−CH−CH−を形成している。
【0018】
特別の実施形態において、Rは、−CR’’’(=CHR’’’’)を表し、ここで、R’’’及びR’’’’は、互いに独立に、水素又はアルキルであり、R、R、R及びRのそれぞれは、水素を表す。さらなる実施形態において、R’’’は、メチルなどのアルキルを表す。さらなる実施形態において、R’’’’は、水素を表す。さらなる実施形態において、R’’’及びR’’’’は一緒になって、−CH−CH−CH−を形成している。
【0019】
特別の実施形態において、本発明の化合物は、
N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−N−フェニル−プロピオンアミド;
N−(3−クロロ−フェニル)−N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−プロピオンアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−プロピオンアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−アセトアミド;
N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−N−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−プロピオンアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−2−メトキシ−アセトアミド;
N−{1−[2−(3−シクロペンタ−1−エニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド;
N−(6−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−プロピオンアミド;
又はそれらの薬学的に供される塩である。
【0020】
本明細書に記載されている実施形態の2つ以上のいかなる組合せも本発明の範囲内であると考えられている。
【0021】
置換基の定義
本発明の文脈において、ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを表す。
【0022】
本発明の文脈において、アルキル基は、1価で飽和の直鎖又は分岐の炭化水素鎖を示す。炭化水素鎖は、好ましくは1〜6個の炭素原子を含み(C1〜6アルキル)、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、三級ペンチル、ヘキシル及びイソヘキシルを含む。好ましい実施形態では、アルキルは、ブチル、イソブチル、二級ブチル、及び三級ブチルを含み、C1〜4アルキル基を表す。本発明の他の好ましい実施形態では、アルキルは、C1〜3アルキル基を表し、特に、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピルであってもよい。
【0023】
本発明の文脈において、アルケニル基は1つ又は複数の二重結合を含む炭素鎖を示し、ジエン、トリエン及びポリエンを含む。好ましい実施形態において、本発明のアルケニル基は、2〜6個の炭素原子を含み(C2〜6アルケニル)、少なくとも1つの二重結合を含む。最も好ましい実施形態において、本発明のアルケニル基は、エテニル;1−若しくは2−プロペニル;1−、2−若しくは3−ブテニル、又は1,3−ブタジエニル;1−、2−、3−、4−若しくは5−ヘキセニル、又は1,3−ヘキサジエニル、又は1,3,5−ヘキサトリエニルである。
【0024】
本発明の文脈において、アルキニル基は1つ又は複数の三重結合を含む炭素鎖を示し、ジイン、トリイン及びポリインを含む。好ましい実施形態において、本発明のアルキニル基は、2〜6個の炭素原子を含み(C2〜6アルキニル)、少なくとも1つの三重結合を含む。その最も好ましい実施形態において、本発明のアルキニル基は、エチニル;1−、若しくは2−プロピニル;1−、2−、若しくは3−ブチニル、又は1,3−ブタジイニル;1−、2−、3−、4−ペンチニル、又は1,3−ペンタジイニル;1−、2−、3−、4−、若しくは5−ヘキシニル、又は1,3−ヘキサジイニル、又は1,3,5−ヘキサトリイニルである。
【0025】
本発明の文脈において、シクロアルキル基は、環状のアルキル基を示し、好ましくは3〜7個の炭素原子を含み(C3〜7シクロアルキル)、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルを含む。
【0026】
アルコキシは、−O−アルキルであり、アルキルは上記で定義される通りである。
【0027】
シクロアルコキシは、−O−シクロアルキルを意味し、シクロアルキルは上記で定義される通りである。
【0028】
シクロアルキルアルキルは、上記のシクロアルキル及び上記のアルキルを意味し、例えば、シクロプロピルメチルを意味する。
【0029】
チオアルコキシは、−S−アルキルであり、アルキルは上記で定義される通りである。
【0030】
アミノは、NH又はNH−アルキル又はN−(アルキル)であり、アルキルは上記で定義される通りである。
【0031】
本発明の文脈において、アリール基は、フェニル、ナフチル(1−ナフチル若しくは2−ナフチル)又はフルオレニルなどの、炭素環式芳香族環系を示す。
【0032】
薬学的に許容される塩
本発明の化合物は、目的とする投与に対して適切な形態ならばどのような形態で提供されてもよい。適切な形態としては、薬学的(すなわち、生理学的)に許容される塩、及び本発明の化合物のプレ又はプロドラッグ形態を含む。
【0033】
薬学的に許容される付加塩の例としては、限定されることなく、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、蟻酸塩、酢酸塩、アコニット酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、桂皮酸塩、クエン酸塩、パモ酸塩、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン−p−スルホン酸塩などの非毒性の無機及び有機酸付加塩を含む。このような塩は、当技術分野で公知で記載されている手順により形成し得る。
【0034】
シュウ酸などの薬学的に許容されるとは考えられない他の酸も本発明の化合物及びその薬学的に許容される酸付加塩を得るステップでの中間体として有用な塩の調製において有用であり得る。
【0035】
本発明の化合物の薬学的に許容される陽イオン塩の例としては、限定されることなく、陰イオン性基を含む本発明の化合物の、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、リチウム、塩素、リシニウム、及びアンモニウム塩などを含む。このような陽イオン塩は当技術分野で公知で記載されている手順により形成し得る。
【0036】
本発明の文脈において、N−含有化合物の「オニウム塩」もまた、薬学的に許容される塩として認識されている。好ましい「オニウム塩」としては、アルキルオニウム塩、シクロアルキルオニウム塩、及びシクロアルキルアルキルオニウム塩を含む。
【0037】
本発明の化合物のプレ又はプロドラッグの例としては、本発明による物質の適切なプロドラッグの例を含んで、親化合物の1つ又は複数の反応性基又は誘導体化可能基の位置で修飾されている化合物を含む。特に興味がもたれるのは、カルボキシル基、ヒドロキシル基、又はアミノ基の位置で修飾されている化合物である。適切な誘導体の例は、エステル又はアミドである。
【0038】
本発明の化合物は、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒と共に溶解可能の形態又は溶解不可能の形態で提供されてもよい。溶解可能の形態は、一水和物、二水和物、半水和物、三水和物、四水和物などの水和物形態をも含み得る。一般に、溶解可能の形態は、本発明の目的に対しては、溶解不可能の形態と同等であると考えられる。
【0039】
立体的異性体
本発明の化合物は、エナンチオマー、ジアステレオ異性体又はシス−トランス異性体を含む異なる立体異性体の形態で存在し得ることは、当業者には理解されよう。
【0040】
本発明は、そのような立体異性体すべて及びラセミ混合物も含んでそれらのいかなる混合物も包含する。
【0041】
ラセミ体は、公知の方法や技法により光学対掌体に分割し得る。エナンチオマー化合物(エナンチオマー中間体を含み)を分割する一方法は、−キラルな酸である化合物の場合−光学活性なアミンを用い、さらに酸で処理することによりジアステレオ的に分割された塩を遊離させることによる。ラセミ体を光学対掌体に分割する別の方法は、光学活性マトリックスによるクロマトグラフィーに基づいている。このようにして本発明のラセミ化合物は、例えば、D−又はL−塩(酒石酸塩、マンデル酸塩、若しくは樟脳スルホン酸塩)の分別結晶化により、その光学対掌体に分割し得る。
【0042】
本発明の化合物は、また、本発明の化合物と、(+)若しくは(−)フェニルアラニン、(+)若しくは(−)フェニルグリシン、(+)若しくは(−)カンファン酸から誘導されるものなどの、光学活性カルボン酸との反応により、ジアステレオマーアミドを形成させることにより、又は本発明の化合物と光学活性クロロ蟻酸エステルなどとの反応によりジアステレオマーカルバミン酸エステルを形成させることにより分割することもできる。
【0043】
光学異性体の分割の別の方法は、当技術分野で公知である。そのような方法としては、Jaques J、Collet A、及びWilen S、「Enantiomers, Racemates, and Resolutions」、John Wiley and Sons社、New York(1981年)に記載されているものを含む。
【0044】
光学活性化合物は、また、光学活性な出発物質又は中間体から調製し得る。
【0045】
標識化合物
本発明の化合物は、標識形態又は非標識形態で使用し得る。本発明の文脈において、標識化合物は、天然に通常見出される原子量又は質量数とは異なる原子量又は質量数を有する原子で置換された、1個又は複数個の原子を有する。標識化は、前記化合物を容易に定量的に検出可能にする。
【0046】
本発明の標識化合物は、様々な診断法における、診断ツール、放射性トレーサー又はモニタリング剤として、及び生体内受容体画像用に有用であり得る。
【0047】
本発明の標識異性体は、好ましくは、ラベルとして少なくとも1個の放射性核種を含む。ポジトロン放出放射性核種はすべて使用の候補である。本発明の文脈において、放射性核種は、好ましくは、H(重水素)、H(トリチウム)、11C、13C、14C、131I、125I、123I、及び13Fから選択される。
【0048】
本発明の標識異性体の物理的な検出法は、ポジトロン放出断層撮影法(PET)、単一光子画像コンピュータ断層撮影法(SPECT)、磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS)、磁気共鳴画像法(MRI)、X線コンピュータ体軸断層撮影法(CAT)又はそれらの組合せから選択され得る。
【0049】
調製法
本発明の化合物は、例えば、実施例に記載の方法などの、通常の化学合成法により調製し得る。本出願に記載の方法の出発物質は、公知であり又は市販の化学薬品から通常の方法で容易に調製し得る。
【0050】
また、本発明のある化合物は、通常の方法を用いて、本発明の別の化合物に変換し得る。
【0051】
本明細書に記載の反応の最終生成物は、例えば、抽出、結晶化、蒸留、クロマトグラフィーなどの通常の技法により、単離し得る。
【0052】
生物学的な活性
本発明の化合物は、例えば、国際公開第97/30997号パンフレット(NeuroSearch A/S)に記載されているように、シナプトソームにおけるモノアミンドーパミン、ノルアドレナリン、及びセロトニンの再取り込みを阻害する能力について試験され得る。これらの試験で観察されるバランスのとれた活性に基づいて、本発明の化合物は、ヒトを含む哺乳動物の、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に応答する疾患又は障害又は状態の治療、予防又は軽減に対して有用であると考えられる。
【0053】
特別な実施形態において、本発明の化合物は、気分障害、うつ病、非定型うつ病、疼痛に続発するうつ病、大うつ病性障害、気分変調性障害、双極性障害、双極性I型障害、双極性II型障害、気分循環性障害、全身の医学的状態による気分障害、物質誘発性気分障害、仮性認知症、ガンザー症候群、強迫性障害、パニック障害、広場恐怖症を伴わないパニック障害、広場恐怖症を伴うパニック障害、パニック障害歴のない広場恐怖症、パニック発作、記憶欠損、記憶喪失、注意欠陥多動性障害、肥満、不安、全般性不安障害、摂食障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、認知症、加齢認知症、老人性認知症、アルツハイマー病、ダウン症候群、後天性免疫不全症候群認知症複合、加齢記憶機能障害、特定恐怖症、社会恐怖症、社会不安障害、外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、慢性ストレス障害、薬物嗜癖、薬物乱用、薬物乱用傾向、コカイン乱用、ニコチン乱用、タバコ乱用、アルコール嗜癖、アルコール依存症、窃盗癖、中毒物質使用停止起因の離脱症状、疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、糖尿病性神経因性疼痛、偏頭痛、緊張型頭痛、慢性緊張型頭痛、うつ病に伴う疼痛、線維筋痛症、関節炎、変形性関節炎、リウマチ様関節炎、背部痛、癌性疼痛、過敏性腸痛、過敏性腸症候群、術後痛、乳房切除術後痛症候群(PMPS)、脳卒中後痛、薬物誘発性神経障害、糖尿病性神経障害、交感神経性維持疼痛、三叉神経痛、歯痛、筋膜痛、幻肢痛、過食症、月経前症候群、月経前気分不快障害、後期黄体期症候群、外傷後症候群、慢性疲労症候群、持続的植物状態、尿失禁、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、夜間尿失禁、性機能障害、早漏症、勃起困難、勃起不全、早発性女性オルガズム、下肢静止不能症候群、周期性四肢運動障害、摂食障害、神経性食欲不振症、睡眠障害、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガー障害、レット障害、小児期崩壊性障害、学習障害、運動能力障害、無言症、抜毛癖、ナルコレプシー、脳卒中後うつ病、脳卒中誘発性脳損傷、脳卒中誘発性神経損傷、ジルドゥラトウレット症候群、耳鳴り、チック障害、身体醜形障害、反抗挑戦性障害、脳卒中後能力障害の治療、予防又は軽減に対して有用であると考えられる。
【0054】
現時点では、原薬(API)の適切な用量は、1日当たり約0.1〜約1000mgAPI、より好ましくは、1日当たり約10〜約500mgAPI、最も好ましくは、1日当たり約30〜約100mgAPIの範囲内であるが、投与の正確な様式、投与される形態、考慮されている症状、対象及び特に関係する対象の体重、さらに主治医又は主治獣医師の好みや経験に依存すると想定されている。
【0055】
本発明の好ましい化合物は、ミクロモル未満とミクロモルの範囲、すなわち、1未満から約100μMの範囲で生物学的活性を示す。
【0056】
NK1及びNK2調節因子活性
本発明の化合物は、Remond G ら(Eur J Med Chem(1997年)、第32巻、843−868頁)に記載されているように、G−タンパク質結合受容体NK1及びNK2を調節する能力−親和力及び拮抗効力−について試験され得る。親和力についてはまた、Patacchini R及びMaggi CA、Arch Int Pharmacodyn(1995年)、第329巻、161頁に基づいて試験してもよい。
【0057】
薬剤組成物
別の態様では、本発明は、治療有効量の本発明の化合物を含む新規な薬剤組成物を提供する。
【0058】
治療における使用のための本発明の化合物は、未加工化合物形態で投与され得るが、1種又は複数の佐剤、賦形剤、担体、緩衝剤、希釈剤及び/又は他の通常の薬学的補助剤と共に薬剤組成物中に、任意選択で生理学的に許容される塩の形態で、活性成分を導入するのが好ましい。
【0059】
好ましい実施形態では、本発明は、本発明の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは誘導体を、当技術分野に公知で使用されている、1種又は複数の薬学的に許容される担体、及び任意選択で、他の治療及び/又は予防のための成分と共に含む薬剤組成物を提供する。担体(単数又は複数)は、製剤の他の成分と相性が良く且つその受容者に対して有害でないという点で「受容可能」でなければならない。
【0060】
本発明の薬剤組成物は、経口、直腸、気管支、鼻、肺、局所(頬側及び舌下を含む)、経皮、膣、非経口(皮膚、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、動脈内、脳内、眼球内注射若しくは点滴)投与に適切なもの、或いは散剤及び液体エアゾル投与を含み、吸入若しくは吹送による又は徐放系による投与に適切な形態のものであり得る。徐放系の適切な例としては、本発明の化合物を含む固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスを含み、そのようなマトリックスは、例えば、フィルム又はマイクロカプセルの、成形した製品形態であり得る。
【0061】
本発明の化合物は、通常の佐剤、担体又は希釈剤と共に、薬剤組成物及びその単位用量の形態中に配置され得る。そのような形態としては、固体、特に錠剤、充填したカプセル、散剤及びペレットの形態、並びに液体、特に水性の又は非水性の溶液、懸濁液、乳化液、エリキシル剤、及びそれらで充填されたカプセル、これらはすべて経口使用のためであり、直腸投与のための坐薬、及び非経口使用のための除菌した注射可能の溶液を含む。そのような薬剤組成物及びその単位剤形は、追加の活性化合物又は主剤を含有又は不含有で、通常の成分を通常の割合で含んでもよく、そのような単位剤形は、採用される1日の目的用量範囲に釣り合う、任意の適切な有効量の活性成分を含んでよい。
【0062】
本発明の化合物は、広範囲の種類の経口及び非経口の剤形で投与され得る。当業者には明らかであろうが、以下の剤形は、活性成分として、本発明の化合物又は本発明の化合物の薬学的に許容される塩のいずれかを含み得る。
【0063】
本発明の化合物から薬剤組成物を調製するためには、薬学的に許容される担体は、固体又は液体のいずれかであり得る。固体形態の製剤としては、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐薬及び分散できる粒剤を含む。固体の担体は、希釈剤、芳香剤、可溶化剤、潤滑剤、懸濁化剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤又はカプセル化材料としても作用し得る、1種又は複数の物質であり得る。
【0064】
散剤において、担体は微粉化した固体であり、微粉化した活性成分と混合されている。
【0065】
錠剤において、活性成分は、適切な割合で必要な結合能力を有する担体と混合され、所望の形と大きさに詰め込まれている。
【0066】
散剤及び錠剤は、好ましくは5又は10から約70%の活性成分を含む。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、砂糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、低温融解のワックス、カカオバターなどである。「製剤」という用語は、担体としてのカプセル化材料を有する活性化合物の配合物を含むことを意図しており、その中で、担体の存在下又は不存在下で、活性成分が担体に囲まれており、それにより担体と結びついているカプセルを提供する。同様に、カシェ剤及びトローチ剤も含まれる。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、及びトローチ剤は、経口投与に適切な固体形態として用いることができる。
【0067】
坐薬の調製のためには、脂肪酸グリセリド又はカカオバターの混合物などの低温融解のワックスをまず融解し、活性成分を撹拌によってその中に均質に分散する。次いで融解した均質な混合物は、適切なサイズの鋳型中に注がれ冷却され及びそれにより固化する。
【0068】
膣投与に適切な組成物は、活性成分に加えて当技術分野で適当と認められているような担体を含むペッサリー、タンポン、クリーム、ジェル、ペースト、泡又はスプレーとして、提供され得る。
【0069】
液体製剤としては、溶液、懸濁液、及び乳化液、例えば、水又は水−プロピレングリコール溶液がある。例えば、非経口注射液体製剤は、水性のポリエチレングリコール溶液中の溶液として製剤され得る。
【0070】
本発明による化合物は、このようにして、非経口投与(例えば、ボーラス注射又は連続点滴などの注入による)のために製剤されたり、アンプル、充填済み注射器、少量点滴の単位剤形で、又は防腐剤入りの多数回投与容器中で提供され得る。組成物は、油性又は水性媒体中の懸濁液、溶液又は乳化液のような形態でもよく、懸濁化、安定化及び/又は分散化剤などの製剤化剤を含んでもよい。別法として、活性成分は、使用前に、例えば、無菌の発熱物質を含まない水などの適切な媒体を用いて構成するための、無菌固体の無菌状態での単離により又は溶液からの凍結乾燥により得られた粉末形態でもよい。
【0071】
経口使用に適した水性の溶液は、活性成分を水に溶解し、必要により、適切な着色剤、芳香剤、安定化剤及び濃厚化剤を加えることにより調製し得る。
【0072】
経口使用に適した水性の懸濁液は、微粉化した活性成分を、天然若しくは合成のガム、樹脂、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース又は他のよく知られた懸濁化剤などの粘稠な材料と共に水中に分散して作成し得る。
【0073】
使用直前に経口投与のための液体形態製剤に変換することを意図した固体形態の製剤も含まれる。そのような液体形態としては、溶液、懸濁液、及び乳化液を含む。活性成分に加えて、そのような製剤は、着色剤、芳香剤、安定化剤、緩衝剤、人工及び天然甘味剤、懸濁化剤、濃厚化剤、可溶化剤などを含んでもよい。
【0074】
表皮への局所投与のために、本発明の化合物は、軟膏、クリーム、若しくはローション、又は経皮パッチとして製剤されてもよい。軟膏及びクリームは、例えば、適切な濃厚化剤及び/又はゲル化剤の添加で、水性又はオイルベースで製剤されてもよい。ローションは、水性又はオイルベースで製剤されてもよく、一般に、1種又は複数の乳化剤、安定化剤、分散剤、懸濁化剤、濃厚化剤又は着色剤も含む。
【0075】
口内局所投与に適切な組成物は、芳香を付与したベース、通常、ショ糖及びアカシアゴム又はトラガカントゴム中に活性剤を含むトローチ剤、ゼラチン及びグリセリン又はショ糖及びアカシアゴムなどの不活性ベース中に活性成分を含むトローチ、及び適切な液体担体中に活性成分を含む口腔洗浄薬を含む。
【0076】
溶液又は懸濁液は、直接鼻腔へ、通常の手段、例えば、滴下器、ピペット又はスプレーにより適用される。組成物は単回又は複数回剤形で提供される。
【0077】
呼吸器への投与はまた、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、若しくはジクロロテトラフルオロエタンなどのクロロフルオロカーボン(CFC)、二酸化炭素、又はその他の適切なガスなどの、適切な噴射剤と共に、活性成分が加圧パックで提供されるエアロゾル製剤により達成され得る。エアロゾルはまた、好都合には、レシチンなどの界面活性剤を含み得る。薬物の用量は、目盛弁の装着により制御され得る。
【0078】
別法として、活性成分は、乾燥散剤形態、例えば、ラクトース、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなデンプン誘導体、及びポリビニルピロリドン(PVP)などの適切な散剤ベース中に化合物の散剤混合物で提供されてもよい。好都合には、散剤担体は、鼻腔中でゲルを形成する。散剤組成物は、例えば、ゼラチンのカプセル若しくはカートリッジ中で、又は吸入器により散剤が投与され得るブリスター包装の、単位剤形で提供されてもよい。
【0079】
鼻腔内用組成物を含んで、呼吸器への投与を意図した組成物において、化合物は、一般に、例えば、5μ以下の程度の小粒径を有する。そのような粒径は、当技術分野で公知の手段、例えば、微粉化により達成し得る。
【0080】
所望ならば、活性成分を徐放するように適合させた組成物を、採用することも可能である。
【0081】
薬剤組成物は、好ましくは、単位剤形である。そのような形態では、製剤は、適当量の活性成分を含む単位用量に再分割される。単位剤形は、包装された錠剤、カプセル、及びバイアル又はアンプル中の散剤などの製剤の個別量を含む包装である包装製剤であり得る。また、単位剤形は、カプセル、錠剤、カシェ剤又はトローチ剤自体でもよく、又は適当数のこれらのいずれかの包装形態のものであってもよい。
【0082】
経口投与のための錠剤又はカプセル及び静脈内投与及び連続的点滴のための液体は、好ましい組成物である。
【0083】
製剤及び投与手法に関するさらなる詳細は、「Reminqton’s Pharmaceutical Sciences」(Maack Publishing Co.社、Easton,PA)の最新版中に見つけられよう。
【0084】
実際の用量は、治療中の疾患の性質や重篤度に依存し、医師の裁量の範囲内であり、所望の治療効果を得るために本発明の特定の状況に対して用量の増減により変化し得る。しかし、個々の投与当たり約0.1〜約500mg、好ましくは、約1〜100mg、最も好ましくは、約1〜10mgの活性成分を含む薬剤組成物が、治療処置のために適当であると現在想定されている。
【0085】
活性成分は、1日当たり、1回又は数回の投与で投与され得る。特定の例では、0.1μg/kgi.v.及び1μg/kgp.o.の低い用量で満足できる結果を得ることができる。用量範囲の上限は、現時点では、約10mg/kgi.v.及び100mg/kgp.o.と考えられている。好ましい範囲は、約0.1μg/kg〜約10mg/kg/dayi.v.及び約1μg/kg〜約100mg/kg/dayp.o.である。
【0086】
治療法
別の態様では、本発明は、ヒトを含む動物生体の、疾患又は障害又は状態の治療、予防又は軽減のための方法であって、前記疾患、障害又は状態が、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に応答し、その必要のある、ヒトを含む動物生体に、有効量の本発明の化合物を投与するステップを含む方法を提供する。
【0087】
現時点では、適切な用量範囲は、毎日0.1〜1000mg、毎日10〜500mg、及び特に、毎日30〜100mgであるが、通常通り、投与の正確な様式、投与される形態、投与が対象としている症状、関係する対象及び関係する対象の体重、さらに主治医又は主治獣医師の好みや経験に依存すると想定されている。疾患の治療に対して当技術分野で公知の化合物と組み合わせて投与される場合は、投与計画を減らしてもよい。
【実施例】
【0088】
本発明は以下の実施例を参照することによりさらに例示されるが、これらは請求されている本発明の範囲を決して制限することを意図したものではない。
【0089】
調製例
空気に対して敏感な試薬又は中間体を伴う反応はすべて、窒素下で無水の溶媒中で行った。完成段階手順では、硫酸マグネシウムを乾燥剤として使用し、溶媒は減圧下で蒸発させた。
【0090】
方法A
N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−N−フェニル−プロピオンアミドフマル酸塩
N−フェニル−N−ピペリジン−4−イル−メチル−プロピオンアミド(0.28g、0.768mmol)、1−(2−クロロ−エチル)−3−イソプロペニル−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(0.20g、0.844mmol)、炭酸カリウム(0.265g、1.92mmol)、触媒量のヨウ化カリウム(5mg)及び2−ブタノン(10ml)を65℃で3日間撹拌した。反応混合物を室温に到達させた。炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(20ml)を加え、次いでジクロロメタン(2×20ml)で抽出した。混合物を乾燥し蒸発させた。粗混合物を、20:1+1%ジクロロメタン:メタノール混合物を溶離剤として使用し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製した。フマル酸で飽和したジエチルエーテルとメタノールの混合物(9:1)を加えて対応する塩を得た。収率62mg(18%)。融点68〜70℃。LC−ESI−HRMSで、[M+H]は、447.2774Daを示す。計算値447.276001Da、差3.1ppm。
【0091】
N−(3−クロロ−フェニル)−N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−プロピオンアミドフマル酸塩を方法Aに従い調製した。融点87〜89℃。LC−ESI−HRMSで、[M+H]は、481.2346Daを示す。計算値481.237029Da、差−5ppm。
【0092】
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−プロピオンアミドフマル酸塩を方法Aに従い調製した。融点186〜188℃。LC−ESI−HRMSで、[M+H]は、515.2004Daを示す。計算値515.198057Da、差4.5ppm
【0093】
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−アセトアミドフマル酸塩を方法Aに従い調製した。LC−ESI−HRMSで、[M+H]は、501.1816Daを示す。計算値501.182407Da、差−1.6ppm
【0094】
N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−N−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−プロピオンアミドフマル酸塩を方法Aに従い調製した。融点101〜103℃。LC−ESI−HRMSで、[M+H]は、527.3049Daを示す。計算値527.302216Da、差5.1ppm。
【0095】
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−2−メトキシ−アセトアミドフマル酸塩を方法Aに従い調製した。159〜161℃。LC−ESI−HRMSで、[M+H]は、531.1937Daを示す。計算値531.192972Da、差1.4ppm。
【0096】
N−{1−[2−(3−シクロペンタ−1−エニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミドフマル酸塩を方法Aに従い、1−(2−クロロ−エチル)−3−シクロペンタ−1−エニル−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オンから調製した。104〜106℃。LC−ESI−HRMSで、[M+H]は、541.2158Daを示す。計算値541.213707Da、差3.9ppm。
【0097】
N−(6−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−プロピオンアミドフマル酸塩を、方法Aで調製したN−(6−ベンジルオキシ−ナフタレン−2−イル)−N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−プロピオンアミドから、パラジウム触媒水素化で調製した。111〜113℃。LC−ESI−HRMSで、[M+H]は、513.2888Daを示す。計算値513.286566Da、差4.4ppm。
【0098】
1−(2−クロロ−エチル)−3−イソプロペニル−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン及び1−(2−クロロ−エチル)−3−シクロペンタ−1−エニル−1,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−オン(中間体)を、Eur J Med Chem(1997年)第32巻、843−868頁に従って調製した。
【0099】
方法B
N−フェニル−N−ピペリジン−4−イル−メチル−プロピオンアミド
4−[(フェニル−プロピオニル−アミノ)−メチル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4.85g、14mmol)及び酢酸中塩化水素(20ml、4M)の混合物を室温で5時間撹拌した。溶媒を蒸発させた。水性水酸化ナトリウム(20ml、1M)を加え、混合物を酢酸エチル(3×30ml)、次いでジクロロメタン(30ml)で抽出した。粗混合物を6:1+1%混合物を溶離剤としてシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。無色の油として収率0.30g(9%)。
【0100】
方法C
4−[(フェニル−プロピオニル−アミノ)−メチル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
4−フェニルアミノメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(4.07g、14mmol)、プロピオン酸無水物(2.19g、16.8mmol)、トリエチルアミン(1.7g、16.8mmol)及びテトラヒドロフラン(80ml)の混合物を還流下で15時間撹拌した。水(100ml)を加え、混合物をジエチルエーテル(2×60ml)で抽出した。ジエチルエーテル相を水で洗浄(2×50ml)した。収率5.05g(100%)。
【0101】
方法D
4−フェニルアミノメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
4−アミノメチル−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(10.13g、47.3mmol)、ブロモベンゼン(8.2g、52mmol)、パラダサイクル(0.30g、0.32mmol)、カリウムtert−ブトキシド(11.1g、99.3mmol)及びジオキサン(50ml)の混合物を100℃で15時間撹拌した。水(100ml)を加え、次いでジエチルエーテル(3×50ml)で抽出した。ジエチルエーテル相を水(2×50ml)で洗浄した。混合物を乾燥し蒸発させた。粗混合物を6:1+1%混合物を溶離剤としてシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。収率6.18g(45%)。
【0102】
試験例
結合データ
ヒト組換えNK1受容体を発現するCHO細胞、HリガンドとしてSR−140333(0.25nM)及び非特異的リガンドとしてL−703,606(2μM)を用いて標準結合試験で化合物を試験した。媒体は1%DMSO、培養時間は、25℃、90分、培養緩衝液は、pH7.4の20mM HEPES、1mM Mncl2、0.01%BSAであった。参考文献:Patacchini R及びMaggi CA、Arch Int Pharmacodyn(1995年)、第329巻、161頁。
【0103】
試験結果を下記の表1に示す。
【表1】

【0104】
生体外阻害活性
いくつかの化合物について、国際公開第97/16451号パンフレットに記載されているように、シナプトソームにおけるモノアミン神経伝達物質ドーパミン(DA)ノルアドレナリン(NA)及びセロトニン(5−HT)の再取り込み阻害能力について試験した。
【0105】
試験値は、IC50H−DA、H−NA、又はH−5−HTの特異的結合を50%阻害する試験物質の濃度(μM))で与えてある。
【0106】
選択された本発明の化合物による試験により得た試験結果は、次の表から明らかである。
【表2】




【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】


その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩
(式中、
nは、1又は2であり;
は、水素又はアルキルを表し;
該アルキルは、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル及びアルキニルからなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されており;
は、アリール基を表し;
該アリール基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、アルコキシアルキル、シクロアルコキシアルキル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、スルファニル、チオアルコキシ、−NR’R’’、−(C=O)NR’R’’又は−NR’(C=O)R’’からなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基で任意選択で置換されており;
ここで、R’、R’’は、互いに独立に、水素又はアルキルであり;
は、ベンゾイミダゾール−2−オン−イル基を表し;
該ベンゾイミダゾール−2−オン−イル基は、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、アルコキシアルキル、シクロアルコキシアルキル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、スルファニル、チオアルコキシ、フェニル、ベンジル、−NR’R’’、−(C=O)NR’R’’若しくは−NR’(C=O)R’’からなる群から独立に選択される1つ又は複数の置換基、又は−CR’’’(=CR’’’’)で任意選択で置換されており;ここで、R’及びR’’は、互いに独立に、水素又はアルキルであり;
R’’’及びR’’’’は、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、アルキル又はフェニルであり;又はR’’’及びR’’’’は一緒になって、−CH−CH−、−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH−、−CH=CH−CH−又は−CH=CH−CH−CH−を形成している)。
【請求項2】
nが2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がアルキルを表す、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
が、任意選択で置換されているフェニルを表す、請求項1から3までのいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
が、
【化2】


を表す、請求項1から4までのいずれか一項に記載の化合物
(式中、R、R、R、R及びRのそれぞれは、互いに独立に、
水素、ハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、アルコキシアルキル、シクロアルコキシアルキル、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、スルファニル、チオアルコキシ、フェニル、ベンジル、−NR’R’’、−(C=O)NR’R’’若しくは−NR’(C=O)R’’からなる群、又は−CR’’’(=CHR’’’’)から選択され;ここで、
R’、R’’は、互いに独立に、水素又はアルキルであり;
R’’’及びR’’’’は、互いに独立に、水素、ハロ、トリフルオロメチル、アルキル若しくはフェニルであり;又はR’’’及びR’’’’は一緒になって、−CH−CH−、−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−CH−、−CH=CH−CH−若しくは−CH=CH−CH−CH−を形成している)。
【請求項6】
が−CR’’’(=CHR’’’’)(ここで、R’’’及びR’’’’は、互いに独立に、水素又はアルキルである)を表し、R、R、R及びRのそれぞれが、水素を表す、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−N−フェニル−プロピオンアミド;
N−(3−クロロ−フェニル)−N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−プロピオンアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−プロピオンアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−アセトアミド;
N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−N−(6−メトキシ−ナフタレン−2−イル)−プロピオンアミド;
N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−2−メトキシ−アセトアミド;
N−{1−[2−(3−シクロペンタ−1−エニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−N−(3,4−ジクロロ−フェニル)−プロピオンアミド;
N−(6−ヒドロキシ−ナフタレン−2−イル)−N−{1−[2−(3−イソプロペニル−2−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾイミダゾール−1−イル)−エチル]−ピペリジン−4−イルメチル}−プロピオンアミド;
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
治療有効量の請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と共に含む、薬剤組成物。
【請求項9】
薬物の製造のための、請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項10】
ヒトを含む哺乳動物の、疾患又は障害又は状態の治療、予防又は軽減のための薬剤組成物を製造するための使用であって、前記疾患、障害又は状態が、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に応答する、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
前記疾患、障害又は状態が、気分障害、うつ病、非定型うつ病、疼痛に続発するうつ病、大うつ病性障害、気分変調性障害、双極性障害、双極性I型障害、双極性II型障害、気分循環性障害、全身の医学的状態による気分障害、物質誘発性気分障害、仮性認知症、ガンザー症候群、強迫性障害、パニック障害、広場恐怖症を伴わないパニック障害、広場恐怖症を伴うパニック障害、パニック障害歴のない広場恐怖症、パニック発作、記憶欠損、記憶喪失、注意欠陥多動性障害、肥満、不安、全般性不安障害、摂食障害、パーキンソン病、パーキンソニズム、認知症、加齢認知症、老人性認知症、アルツハイマー病、ダウン症候群、後天性免疫不全症候群認知症複合、加齢記憶機能障害、特定恐怖症、社会恐怖症、社会不安障害、外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、慢性ストレス障害、薬物嗜癖、薬物乱用、薬物乱用傾向、コカイン乱用、ニコチン乱用、タバコ乱用、アルコール嗜癖、アルコール依存症、窃盗癖、中毒物質使用停止起因の離脱症状、疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛、神経因性疼痛、糖尿病性神経因性疼痛、偏頭痛、緊張型頭痛、慢性緊張型頭痛、うつ病に伴う疼痛、線維筋痛症、関節炎、変形性関節炎、リウマチ様関節炎、背部痛、癌性疼痛、過敏性腸痛、過敏性腸症候群、術後痛、乳房切除術後痛症候群(PMPS)、脳卒中後痛、薬物誘発性神経障害、糖尿病性神経障害、交感神経性維持疼痛、三叉神経痛、歯痛、筋膜痛、幻肢痛、過食症、月経前症候群、月経前気分不快障害、後期黄体期症候群、外傷後症候群、慢性疲労症候群、持続的植物状態、尿失禁、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、夜間尿失禁、性機能障害、早漏症、勃起困難、勃起不全、早発性女性オルガズム、下肢静止不能症候群、周期性四肢運動障害、摂食障害、神経性食欲不振症、睡眠障害、広汎性発達障害、自閉症、アスペルガー障害、レット障害、小児期崩壊性障害、学習障害、運動能力障害、無言症、抜毛癖、ナルコレプシー、脳卒中後うつ病、脳卒中誘発性脳損傷、脳卒中誘発性神経損傷、ジルドゥラトウレット症候群、耳鳴り、チック障害、身体醜形障害、反抗挑戦性障害、脳卒中後能力障害である、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
ヒトを含む動物生体の、疾患又は障害又は状態の治療、予防又は軽減のための方法であって、前記疾患、障害又は状態が、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に応答し、その必要のある動物生体に、治療有効量の請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む方法。
【請求項13】
薬物としての使用のための、請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
ヒトを含む哺乳動物の、中枢神経系におけるモノアミン神経伝達物質再取り込みの阻害に応答する、疾患又は障害又は状態の治療、予防又は軽減における使用のための、請求項1から7までのいずれか一項に記載の化合物、その立体異性体のいずれか若しくはその立体異性体のいずれかの混合物、又はその薬学的に許容される塩。

【公表番号】特表2010−535175(P2010−535175A)
【公表日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518670(P2010−518670)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際出願番号】PCT/EP2008/060034
【国際公開番号】WO2009/016215
【国際公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(505377201)ノイロサーチ アクティーゼルスカブ (135)
【Fターム(参考)】