説明

N−{[(IR、4S、6R)−3−(2−ピリジニルカルボニル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル]メチル}−2−ヘテロアリールアミン誘導体およびその使用

本発明はN−{[(1S、4S、6S)−3−(2−ピリジニルカルボニル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル]メチル}−2−ヘテロアリールアミン誘導体、およびそれらの医薬品としての使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N−{[(1S、4S、6S)−3−(2−ピリジニルカルボニル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル]メチル}−2−ヘテロアリールアミン誘導体およびその医薬品としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの医学的に重要な生物学的課程がGタンパク質、および/または第二のメッセンジャーを含む信号変換経路関連タンパク質により媒介されている。
ヒト7−膜透過型Gタンパク質結合神経ペプチド受容体、オレキシン1(HFGAN72)、をコードしたポリペプチドおよびポリヌクレオチドは特定されており、EP875565、EP875566、およびWO96/34877で開示されている。第二の神経ペプチド受容体、オレキシン2(HFGANP)をコードしたポリペプチドおよびポリヌクレオチドは特定され、EP893498で開示されている。
オレキシン1受容体、例えば、オレキシンA(Lig72A)のリガンドであるポリペプチドをコードしているポリペプチド、およびポリヌクレオチドは、EP849361で開示されている。
オレキシンリガンドと受容体システムは、発見以来十分特性解明がなされてきた(例えば、Sakurai、T.etal(1998)Cell、92pp573to585;Smartetal(1999)BritishJournalofPharmacology128pp1to3;Willieetal(2001)Ann.Rev.Neurosciences24pp429to458;Sakurai(2007)NatureReviewsNeuroscience8pp171to181;OhnoandSakurai(2008)Front.Neuroendocrinology29pp70to87)を参照)。これらの研究から、オレキシンおよびオレキシン受容体は、後述の通り、哺乳類動物の多くの重要な生理学的役割を果たし、種々の疾患や障害に対する治療的処置開発の可能性を広げることが明らかになった。
【0003】
実験により、リガンドオレキシンAの中枢投与により、4時間の間の自由摂取ネズミの食料摂取量が刺激されることが明らかになった。この摂取量増加は、賦形剤だけを受けた対照ネズミよりも約4倍多かった。これらのデータから、オレキシンAは食欲の内在性調節剤になる可能性があることを示唆している(Sakurai、T.etal(1998)Cell、92pp573to585;Peyronetal(1998)J.Neurosciences18pp9996to10015;Willieetal(2001)Ann.Rev.Neurosciences24pp429to458))。従って、オレキシンA受容体のアンタゴニストは肥満症や糖尿病の治療に有効である可能性がある。この裏付けとして、オレキシン受容体アンタゴニストSB334867がネズミの嗜好性に基づく摂食を減らし(Whiteetal(2005)Peptides26pp2231to2238)、また、高脂肪性ペレットの自己投与を弱める(Nairetal(2008)BritishJournalofPharmacology、publishedonline28January2008)可能性が明らかになった。
【0004】
肥満症や摂食障害の新しい治療法の研究が重要な課題となっている。WHOの定義によれば、西欧風社会では、39例の試験の被験者の平均35%が体重超過で、さらに22%が医学的に肥満である。米国の全医療費の5.7%が肥満の帰結であると推定されている。2型糖尿病患者の約85%が肥満体である。ダイエットと運動は全糖尿病に有効である。診断された糖尿病の発症率は、西側諸国では、典型的には5%で、同じ程度の数の診断未確定者がいると推定されている。肥満症と2型糖尿病の発症率は増加しており、効果がないか、心臓血管系作用を含む毒性リスクがあるかのいずれかの現在の治療法の不備を示している。スルホニル尿素、またはインシュリンを使った糖尿病の治療は、低血糖症を引き起こし、一方、メトホルミンは、消化管副作用を引き起こす。2型糖尿病の治療薬でこの病気の長期的合併症を減らせた事例は今までなかった。インシュリン増感剤は多くの糖尿病に有効であると思われるが、これには抗肥満作用はない。
【0005】
食物摂取時の役割と同じく、オレキシンシステムは睡眠と覚醒に関係している。ネズミの睡眠/脳波では、正常睡眠期間の始めに投与した場合、オレキシン受容体のアゴニストであるオレキシンAの中枢投与によって、逆説睡眠(レム睡眠)の減少と徐波睡眠2を大きく犠牲にして用量依存性の覚醒状態が多くなることが明らかになった((Haganetal(1999)Proc.Natl.Acad.Sci.96pp10911to10916))。睡眠と覚醒におけるオレキシンシステムの役割は、現在十分に確証されている(Sakurai(2007)NatureReviewsNeuroscience8pp171to181;OhnoandSakurai(2008)Front.Neuroendocrinology29pp70to87;Chemellietal(1999)Cell98pp437to451;Leeetal(2005)J.Neuroscience25pp6716to6720;Piperetal(2000)EuropeanJNeuroscience12pp726-730andSmartandJerman(2002)PharmacologyandTherapeutics94pp51to61)。そのため、、オレキシン受容体のアンタゴニストは不眠症を含む睡眠障害の治療に有用となる可能性がある。このことは、例えば、SB334867のような、ネズミ(例えば、Smithetal(2003)NeuroscienceLetters341pp256to258を参照)、またさらに最近のイヌおよびヒト(Brisbare-Rochetal(2007)NatureMedicine13(2)pp150to155)におけるオレキシン受容体アンタゴニストの研究により、裏付けられている。
【0006】
さらに、最近の研究で、麻薬の常用や薬物乱用等の報酬探求行動に関連した疾患のようなモチベーション障害の治療におけるオレキシンアンタゴニストの役割が示唆されている(Borglandetal(2006)Neuron49(4)pp589-601;Boutreletal(2005)Proc.Natl.Acad.Sci.102(52)pp19168to19173;Harrisetal(2005)Nature437pp556to559)。
国際特許出願:WO99/09024、WO99/58533、WO00/47577およびWO00/47580でフェニル尿素誘導体、およびWO00/47576でキノリニルシンアミド誘導体が、オレキシン受容体アンタゴニストとして開示されている。
WO01/96302、WO02/44172、WO02/89800、WO03/002559、WO03/002561、WO03/032991、WO03/037847、WO03/041711、WO08/038251、WO09/003993、WO09/003997およびWO09/124956のすべてで環状アミン誘導体が開示されている。
【0007】
WO08/038251には、オレキシンアンタゴニストとして、3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサンが開示されている。現在、我々は、N−{[(1S、4S、6S)−3−(2−ピリジニルカルボニル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル]メチル}−2−ヘテロアリールアミン誘導体が、例えば、高い効力、良好な脳透過性、および良い生物学的利用能を含む有益な特性を有することが分かっている。この性質によって、N−{[(1S、4S、6S)−3−(2−ピリジニルカルボニル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル]メチル}−2−ヘテロアリールアミン誘導体が、2型(インシュリン非依存)糖尿病患者、睡眠障害、不安症、鬱病、統合失調症、薬物依存症、または強迫行為を含む肥満に対する予防または治療のための潜在的医薬品として非常に魅力的になっている。さらに、これらの化合物は、脳卒中、特に、虚血性脳卒中、または出血性脳卒中の治療に有用であり、および/または、嘔吐反応の抑止、すなわち、悪心と嘔吐の治療に有用である。
【0008】
従って、本発明は式(I)の化合物または薬学的に許容可能なこれらの塩:
【化1】

[式中、
Hetは、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、またはピラジニルからなる群から選択されるヘテロアリール基であり、前記ヘテロアリール基は、C1−4アルキル、ハロ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、およびシアノからなる群から独立に選択される1、2、または3個の置換基により置換されていてもよく;
は、C1−4アルキル、ハロ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、シアノ、C1−4アルキルSO、C3−8シクロアルキルSO、C3−8シクロアルキルCHSO、フェニル、または、N、OもしくはSから選択される1、2、もしくは3個の原子を含む5もしくは6員環ヘテロシクリル基であって、ここでフェニルまたはヘテロシクリル基はC1−4アルキル、ハロ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、またはシアノにより置換されていてもよく;
は、C1−4アルキル、ハロ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、シアノ、フェニル、または、N、OもしくはSから選択される1、2、もしくは3個の原子を含む5もしくは6員環ヘテロシクリル基であって、ここでフェニルまたはヘテロシクリル基はC1−4アルキル、ハロ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、またはシアノにより置換されていてもよく;
は、C1−4アルキル、ハロ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、またはシアノであり;
mは0または1であり;および
nは0または1である]
を提供する。
【0009】
一実施形態では、
Hetは、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、またはピラジニルからなる群から選択されるヘテロアリール基であり、前記ヘテロアリール基は、C1−4アルキル、ハロ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、およびシアノからなる群から独立に選択される置換基により置換されていてもよく;
は、C1−4アルキル、ハロ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、シアノ、C1−4アルキルSO、C3−8シクロアルキルSO、C3−8シクロアルキルCHSO、フェニル、または、N、OもしくはSから選択される1、2、もしくは3個の原子を含む5もしくは6員環ヘテロシクリル基であって、ここでフェニルまたはヘテロシクリル基はC1−4アルキル、ハロ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、またはシアノから選択される1つまたは2つの置換基により置換されていてもよく;
は、C1−4アルキル、ハロ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、シアノ、フェニル、または、N、OもしくはSから選択される1、2、もしくは3個の原子を含む5もしくは6員環ヘテロシクリル基であって、ここでフェニルまたはヘテロシクリル基はC1−4アルキル、ハロ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、またはシアノから選択される1つまたは2つの置換基により置換されていてもよく;
は、C1−4アルキル、ハロ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、またはシアノであり;
mは0または1であり;および
nは0または1である;
化合物、または、薬学的に許容可能なこれらの塩を提供する。
【0010】
一実施形態では、Hetは、ハロC1−4アルキルで置換されている。
一実施形態では、Hetは、トリフルオロメチルで置換されている。
一実施形態では、Hetは、ピリジニルである。
一実施形態では、Hetは、ピリダジニルである。
一実施形態では、Hetは、ピラジニルである。
一実施形態では、Hetは、ピリミジニルである。
別の実施形態では、Hetは、トリフルオロメチルまたはシアノで置換されたピリジニルである
別の実施形態では、Hetは、1つまたは2つのCH基で置換されたピリミジニルである。
一実施形態では、mとnが両方とも0である。
一実施形態では、mが1で、nが0である。
一実施形態では、RはCHである。
別の実施形態では、RはCHで、mとnが両方とも0である。
一実施形態では、Rはメトキシ、エトキシ、またはプロポキシである。
別の実施形態では、Rはフェニル、ピリミジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリニル、ピリダジニル、ピラジニルまたはピリジニルである。
さらなる実施形態ではRはフルオロで置換されたフェニルである。
またさらなる実施形態では、Rはメチルで置換されたオキサジアゾリル、オキサゾリルまたはチアゾリルである。
またさらなる実施形態では、Rはエチルで置換されたオキサジアゾリル、オキサゾリルまたはチアゾリルである。
一実施形態では、mが1で、nが0、RがCH、およびRがメトキシ、エトキシ、またはプロポキシである。
一実施形態では、Hetがピリジニル、mが1、nが0、RがCH、Rがメトキシ、エトキシ、またはプロポキシである。
別の実施形態では、Hetがトリフルオロメチル、またはシアノで置換されたピリジニル、mが1、nが0、RがCH、Rがメトキシ、エトキシ、またはプロポキシである。
一実施形態では、Hetがピリミジニル、mが1、nが0、RがCH、Rがメトキシ、エトキシ、またはプロポキシである。
別の実施形態では、Hetが1つ又は2つのメチル基により置換されたピリミジニル、mが1、nが0、RがCH、Rがメトキシ、エトキシ、またはプロポキシである。
さらなる実施形態では、HetはハロC1−4アルキルで置換されたピリジニル、RがC1−4アルキル、Rがエトキシ、プロポキシまたはピリミジニル、mが1,およびnが0である。
またさらなる実施形態では、Hetがトリフルオロメチルで置換されたピリジニル、Rがメチル、Rがエトキシ、プロポキシまたはピリミジニル、mが1,nが0である。
一実施形態では、Hetがトリフルオロメチルで置換されたピリジニル、mが1、nが0、RがCH、Rがピリミジニルである。
一実施形態では、Hetがトリフルオロメチルで置換されたピラジニル、mが1、nが0、RがCH、Rがピリミジニルであるか、または薬学的に許容可能なこれらの塩である。
一実施形態では、HetがC1−4アルキル,ハロ,C1−4アルキル,ハロC1−4アルキル,ハロC1−4アルコキシおよびシアノからなる群から独立に選択される1,2または3個の置換基により置換されていてもよいピリジニル、RがC1−4アルキル,ハロ,C1−4アルコキシ,ハロC1−4アルキル,ハロC1−4アルコキシ,シアノ,C1−4アルキルSO,C3−8シクロアルキルSO,C3−8シクロアルキルCHSO、RがC1−4アルキル,ハロ,C1−4アルコキシ,ハロC1−4アルキル,ハロC1−4アルコキシ,シアノ,フェニル、またはN,OもしくはSから選択される1,2,もしくは3個の原子を含む5もしくは6員環ヘテロシクリル基であり、ここでフェニルまたはヘテロシクリル基がC1−4アルキル,ハロ,C1−4アルコキシ,ハロC1−4アルキル,ハロC1−4アルコキシまたはシアノで置換されていてもよく、mが1,nが0である。
別の実施形態では、HetがC1−4アルキル,ハロ,C1−4アルコキシ,ハロC1−4アルキル,ハロC1−4アルコキシおよびシアノから選択される1個の置換基により置換されるピリジニル、RがC1−4アルキル,ハロ,C1−4アルコキシ,ハロC1−4アルキル,ハロC1−4アルコキシ、シアノ、R2がC1−4アルコキシ、またはN,OもしくはSから選択される1,2,もしくは3個の原子を含む5もしくは6員環ヘテロシクリル基であり、ここでヘテロシクリル基がC1−4アルキル,ハロ,C1−4アルコキシ,ハロC1−4アルキル,ハロC1−4アルコキシまたはシアノで置換されていてもよく、mが1,nが0である。
【0011】
一実施形態では、本発明は、下記からなる群から選択された式(I)の化合物を提供する:
N−[((1S,4S,6S)−3−{[6−メチル−3−(プロピルオキシ)−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンアミン;
N−[((1S,4S,6S)−3−{[3−(エチルオキシ)−6−メチル−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンアミン;
N−[((1S,4S,6S)−3−{[6−メチル−3−(2−ピリミジニル)−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンアミン;
N−[((1S,4S,6S)−3−{[6−メチル−3−(2−ピリミジニル)−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピラジンアミン;
N−[((1S,4S,6S)−3−{[6−メチル−3−(1H−ピラゾール−1−イル)−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピラジンアミン;および
N−[((1S,4S,6S)−3−{[6−メチル−3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピラジンアミン;
または薬学的に許容可能なこれらの塩。
【0012】
Het基(ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、またはピラジニル)が、アミノメチルリンカーとの間で、このリンカー中の窒素原子と前記ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、またはピラジニル環の任意の炭素原子、または適切な窒素原子の間の結合によって結合していてもよい。Het基がリンカー中の窒素原子とHet基環中の炭素原子の間の結合によりリンカーと結合するのが好ましい。
またはRがヘテロ環式基の場合、N、OまたはSから選択される1、2または3個の原子を含む5または6員環ヘテロシクリル基であってもよい。このようなヘテロ環式基の例としては、ピリミジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピリジニル、フラニル,チエニル,ピロリル,チアジアゾリル,トリアジニルおよびイソチアゾリルが含まれる。
またはRがヘテロ環式基の場合、前記基はピリジル環と、前記ピリジル環の炭素原子と炭素またはヘテロ間環式基の適切なヘテロ原子との間の結合により、結合していてもよい。例えば、Rがトリアゾリル基である場合には、ピリジル環への結合は、ピリジル感の炭素原子と、トリアゾリル基の、a)2つの炭素の内の1つ、または、b)3つの窒素原子の内の1つとの間の結合によるものであってもよい。
化合物がC1−4アルキル基を含む場合、単独であれ、C1−4アルコキシ等のより大きな基の一部であれ、アルキル基は直鎖、分岐、または環状、あるいはこれらの組み合わせのいずれであってもよい。
1−4アルキルの例には、メチルまたはエチルがある。
ハロC1−4アルキルの例には、トリフルオロメチル(すなわち、−CF)が含まれる。
1−4アルコキシの例には、メトキシ、エトキシが含まれる。
ハロC1−4アルコキシの例には、トリフルオロメトキシ(すなわち、−OCF)が含まれる。
ハロゲンまたは「ハロ」(例えば、ハロC1−4アルキルのように使われる場合)はフルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを意味する。本発明は、本明細書で前に詳述した基と置換基の全組み合わせを包含するものと理解されるべきである。
【0013】
医薬としての利用には、式(I)の化合物の塩は薬学的に許容される必要があることは理解されたい。薬学的に許容される適切な塩は当業者には明らかである。薬学的に許容される塩には、Berge、BighleyandMonkhouseJ.Pharm.Sci(1977)66、pp1-19に記載されたものが含まれる。このような薬学的に許容される塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸またはリン酸、等の無機酸の塩、およびコハク酸、マレイン酸、酢酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、安息香酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸またはナフタレンスルホン酸、等の有機酸の塩が含まれる。シュウ酸塩、ギ酸塩、等の他の塩も、例えば、式(I)の化合物の単離に使用可能であり、これは本発明の別の態様となる。
【0014】
式(I)の特定の化合物は、等価またはそれ以上の酸と酸付加塩を形成可能である。可能なすべての化学量論的および化学非量論的形式が本発明の範囲に含まれる。
式(I)の化合物は結晶の形態または非晶質の形態で調製され、結晶の形態の場合は、例えば、水和物のような溶媒和物も任意に選択可能である。本発明の範囲には、化学量論的溶媒和物(例えば、水和物)並びに可変量の溶媒(例えば、水)を含む化合物が含まれる。
【0015】
本明細書で使われる「薬学的に許容可能な誘導体」には、任意の薬学的に許容される式(I)の化合物のエステルまたはこのエステルの塩が含まれ、被験者に投与された場合式(I)の化合物または活性代謝物やその残渣を(直接、または間接的に)供給できる。
【0016】
式(I)の化合物の不斉中心は、シス(1S、4S、6S)配置になっている。本発明は、任意の互変異性型またはそれらの混合物も包含する。
【0017】
また、本発明の対象には、1つまたは多数の原子が、天然に最もよく認められる原子量と原子番号とは異なる原子量と原子番号を有する原子と置換されているという事実のほかは、式(I)で列挙されるものと同等な同位体標識化合物も含まれる。本発明の化合物に組み込まれる同位体の例としては、、3H、11C、14C、18F、123I、または125I、等の水素、炭素、窒素、酸素、フッ素、ヨウ素、および塩素がある。
【0018】
前述の同位体、および/または、他の原子の他の同位体を含む本発明の化合物および前記化合物の薬学的に許容可能な塩は、本発明の範囲に含まれる。本発明の、例えば、3Hや14C等の放射性同位体を組み込んで、同位体で標識した化合物は、薬剤、および/または、基質の組織分布アッセイに有用である。トリチウム、すなわち3H、および炭素14、すなわち14C同位体は、調製が簡単で検出しやすいため好ましい。11Cと18Fは特にPET(ポジトロンCT)に有用である。
式(I)の化合物は医薬組成物として使用することが意図されているため、実質的に純粋な状態で提供されるのが好ましく、例えば、少なくとも60%純度、より好適には少なくとも75%純度、そして好ましくは少なくとも85%純度、特別には少なくとも98%純度(%は重量ベースに対する重量で)である。不純な化合物の製剤は、より純粋な形態の医薬組成物調製のために使用可能である。
本発明のさらなる態様に従って、式(I)の化合物およびその誘導体の調製法が提供される。次のスキームにより、本発明の化合物の一部の合成経路について詳細に説明する。次のスキームでは、反応基を保護基により保護し、また十分確立された方法に従って脱保護することができる。
【0019】
スキーム
本発明のさらなる態様に従って、式(I)の化合物およびその塩の調製法が提供される。次のスキームは、本発明の化合物を合成するために使うことができる合成スキームの例である。
【化2】

【化3】

スキーム2
スキームで、Het、R、R、R、m、およびnは式(I)で与えられた意味を有する。
【0020】
本発明の特定の化合物は、標準的化学手法により本発明の他の化合物に転換可能であることは、当業者には理解されるであろう。
スキームに使われる出発物質は、市販品として入手可能であり、文献に記載されており、また既知の方法により合成できる。フェニルメチル[(3S)−5−オキソテトラヒドロ−3−フラニル]カルバマート(Sigma−Aldrich社#419249から入手可能),(2S)−2−アミノ−4−ペンテン酸(Sigma−Aldrich社#285013から入手可能)および2,5−ジオキソ−1−ピロリジニルN−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}グリシナート(Sigma−Aldrich社#15423から入手可能)。
薬学的に許容可能な塩は、従来の方法で、適切な酸または酸誘導体と反応させることにより合成できる。
本発明は、人間医学または獣医学での使用を目的とした式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0021】
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、ヒトオレキシン受容体のアンタゴニストが必要な疾患や障害の治療および予防に有用であると思われる。
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、原発性不眠症(307.42)、原発性過眠症(307.44)、ナルコレプシー(347)、呼吸関連睡眠障害(780.59)、概日リズム睡眠障害(307.45)および他に分類されない睡眠異常(307.47)、等の睡眠異常;悪夢障害(307.47)、夜驚症(307.46)、夢遊病(307.46)および他に分類されない睡眠時随伴症(307.47)、等の睡眠時随伴症のような原発性睡眠障害;他の精神障害関連不眠症(307.42)および他の精神障害関連過眠症(307.44)、等の他の精神障害関連睡眠障害;一般的病状による睡眠障害、特に、神経障害、神経因性疼痛、むずむず脚症候群、心肺疾患、等の疾患関連睡眠障害;および不眠症型、過眠症型、睡眠時随伴症型および混合型のサブタイプを含む物質誘発睡眠障害;睡眠時無呼吸および時差ぼけ症候群、からなる群より選択された睡眠障害の治療および予防に有用であると思われる。
【0022】
一実施形態では、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、原発性不眠症(307.42)、概日リズム睡眠障害(307.45)および他に分類されない睡眠異常(307.47)、他の精神障害関連不眠症(307.42)および一般的病状による睡眠障害、等の他の精神障害関連睡眠障害、特に、神経障害、神経因性疼痛、むずむず脚症候群、心肺疾患、等の疾患関連睡眠障害;および不眠症型、過眠症型、睡眠時随伴症型および混合型、等のサブタイプを含む物質誘発睡眠障害の治療と予防のために有用であると思われる。
【0023】
さらに、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、大うつ病性障害、躁病エピソード、混合エピソードおよび軽躁病を含むうつ病および気分障害;大うつ病性障害、気分変調性障害(300.4)、他に分類されないうつ病性障害(311)を含むうつ病性障害;双極I型障害、双極II型障害(軽躁病を伴う再発性大うつ病性障害)(296.89)、気分循環性障害(301.13)および他に分類されない双極性障害(296.80)を含む双極性障害;一般的病状による気分障害(293.83)(抑鬱性特徴、大抑鬱様エピソード、躁病性特徴および混合特徴を伴うサブタイプを含む)を含むその他の気分障害、物質誘発気分障害(抑鬱性特徴、躁病特徴および混合特徴を伴うサブタイプを含む)および他に分類されない気分障害(296.90)の治療と予防のために有用であると思われる。
【0024】
さらに、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、パニック発作を含む不安障害;広場恐怖症の無いパニック障害(300.01)および広場恐怖症のあるパニック障害(300.21)を含むパニック障害;広場恐怖症;パニック障害歴の無い広場恐怖症(300.22)、動物型、自然環境型、血液・注射・外傷型、状況型およびその他の型等のサブタイプを含む特定恐怖症(300.29、以前の単純恐怖症)、社会恐怖症(社会不安障害、300.23)、強迫性障害(300.3)、外傷後ストレス障害(309.81)、急性ストレス障害(308.3)、全般性不安障害(300.02)、一般的病状による不安障害(293.84)、物質誘発不安障害、分離不安障害(309.21)、不安を伴う適応障害(309.24)および他に分類されない不安障害(300.00)の治療と予防のために有用であると思われる。
【0025】
さらに、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、物質依存症、物質渇望および物質乱用、等の物質使用障害;薬物中毒、薬物離脱、物質誘発せん妄、物質誘発持続性認知症、物質誘発持続性健忘障害、物質誘発精神病、物質誘発気分障害、物質誘発不安障害、物質誘発性機能障害、物質誘発睡眠障害、および幻覚剤持続性知覚障害(フラッシュバック)、等の物質誘発障害;アルコール依存症(303.90)、アルコール中毒(305.00)、アルコール中毒(303.00)、アルコール離脱(291.81)、アルコール中毒せん妄、アルコール離脱せん妄、アルコール誘発持続性認知症、アルコール誘発持続性健忘障害、アルコール誘発精神病、アルコール誘発気分障害、アルコール誘発不安障害、アルコール誘発性機能障害、アルコール誘発睡眠障害、および他に分類されないアルコール関連障害(291.9)、等のアルコール関連障害;アンフェタミン依存症(304.40)、アンフェタミン乱用(305.70)、アンフェタミン中毒(292.89)、アンフェタミン離脱(292.0)、アンフェタミン中毒せん妄、アンフェタミン誘発精神病、アンフェタミン誘発気分障害、アンフェタミン誘発不安障害、アンフェタミン誘発性機能障害、アンフェタミン誘発睡眠障害、および他に分類されないアンフェタミン関連障害(292.9)、等のアンフェタミン(または、アンフェタミン様)関連障害;カフェイン中毒(305.90)、カフェイン誘発不安障害、カフェイン誘発睡眠障害、および他に分類されないカフェイン関連障害(292.9)、等のカフェイン関連障害;大麻依存症(304.30)、大麻乱用(305.20)、大麻中毒(292.89)、大麻中毒せん妄、大麻誘発精神病、大麻誘発不安障害、および他に分類されない大麻関連障害(292.9)、等の大麻関連障害;コカイン依存症(304.20)、コカイン乱用(305.60)、コカイン中毒(292.89)、コカイン離脱(292.0)、コカイン中毒せん妄、コカイン誘発精神病、コカイン誘発気分障害、コカイン誘発不安障害、コカイン誘発性機能障害、コカイン誘発睡眠障害、および他に分類されないコカイン関連障害(292.9)、等のコカイン関連障害;幻覚剤依存症(304.50)、幻覚剤乱用(305.30)、幻覚剤中毒(292.89)、幻覚剤持続性知覚障害(フラッシュバック)(292.89)、幻覚剤中毒せん妄、幻覚剤誘発精神病、幻覚剤誘発気分障害、幻覚剤誘発不安障害および他に分類されない幻覚剤関連障害(292.9)、等の幻覚剤関連障害;吸入剤依存症(304.60)、吸入剤乱用(305.90)、吸入剤中毒(292.89)、吸入剤中毒せん妄、吸入剤−誘発持続性認知症、吸入剤誘発精神病、吸入剤誘発気分障害、吸入剤誘発不安障害、および他に分類されない吸入剤関連障害(292.9)、等の吸入剤−関連障害;ニコチン依存症(305.1)、ニコチン離脱(292.0)および他に分類されないニコチン関連障害(292.9)、等のニコチン関連障害;オピオイド依存症(304.00)、オピオイド乱用(305.50)、オピオイド中毒(292.89)、オピオイド離脱(292.0)、オピオイド中毒せん妄、オピオイド誘発精神病、オピオイド誘発気分障害、オピオイド誘発性機能障害、オピオイド誘発睡眠障害および他に分類されないオピオイド関連障害(292.9)等のオピオイド関連障害;フェンシクリジン依存症(304.60)、フェンシクリジン乱用(305.90)、フェンシクリジン中毒(292.89)、フェンシクリジン中毒せん妄、フェンシクリジン誘発精神病、フェンシクリジン誘発気分障害、フェンシクリジン誘発不安障害および他に分類されないフェンシクリジン関連障害(292.9)、等のフェンシクリジン(または、フェンシクリジン様)関連障害;鎮静剤、睡眠剤、または抗不安薬依存症(304.10)、鎮静剤、睡眠剤、または抗不安薬乱用(305.40)、鎮静剤、睡眠剤、または抗不安薬中毒(292.89)、鎮静剤、睡眠剤、または抗不安薬離脱(292.0)、鎮静剤、睡眠剤、または抗不安薬中毒せん妄、鎮静剤、睡眠剤、または抗不安薬離脱せん妄、鎮静剤、睡眠剤、または抗不安薬持続性認知症、鎮静剤、睡眠剤、または抗不安薬持続性健忘障害、鎮静剤、睡眠剤、または抗不安薬誘発精神病、鎮静剤、睡眠剤、または抗不安薬誘発気分障害、鎮静剤、睡眠剤、または抗不安薬誘発不安障害、鎮静剤、睡眠剤、または抗不安薬誘発性機能障害、鎮静剤、睡眠、または抗不安薬誘発睡眠障害および他に分類されない鎮静剤、睡眠剤、または抗不安薬関連障害(292.9)、等の鎮静剤、睡眠剤、または抗不安薬関連障害;多剤依存症(304.80)等の多剤関連障害;およびタンパク質同化ステロイド、硝酸塩吸入、および亜酸化窒素、等の他の(または未知の)物質関連障害を含む物質関連障害の治療と予防のために有用であると思われる。
【0026】
さらに、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、神経性過食症、過食、2型(インシュリン非依存性の)糖尿病患者に観察される肥満を含む肥満症、等の摂食障害の治療と予防のために有用であると思われる。
さらに、、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、脳卒中、特に、虚血性脳卒中、または出血性卒中の治療と予防のために、および/または、嘔吐反応、すなわち、悪心と嘔吐、の遮断のために有用であると思われる。
上記一覧の疾患名の後にある括弧の数字は、DSM−IV(精神疾患の診断と統計マニュアル、第4刷、米国精神医学会発行)による分類コードである。本明細書に記載の障害の種々のサブタイプは本発明の一部として意図されている。
【0027】
また、本発明は、患者の疾患と障害、例えば前に記載の疾患と障害、の治療方法も提供し、これには、前記患者に有効量の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む。
また、本発明は、疾患と障害、例えば前に記載の疾患と障害、の治療と予防のために式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
また、本発明は、疾患と障害、例えば前に記載の疾患と障害、の治療と予防のために使用する薬剤の製造における式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
【0028】
治療に使われる場合は、本発明の化合物は、通常、医薬組成物として投与される。本発明は、また、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩および薬学的に許容可能なキャリアを含む医薬組成物も提供する。
式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、経口、非経口、バッカル、舌下、経鼻、直腸、または経皮投与、等の任意の簡便法で、それぞれの投与法に適合した医薬組成物にして投与してもよい。
経口投与時に活性である式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩は、液体、または固体、例えばシロップ、懸濁液、エマルジョン、錠剤、カプセル、またはトローチ剤、として処方してもよい。
液体製剤は、通常、適切な液体キャリア、例えば、水、エタノール、またはグリセリン等の水性溶媒、またはポリエチレングリコールまたはオイル等の非水性溶媒、に入れた有効成分の懸濁液または溶液から構成される。
また、製剤は、懸濁剤、保存剤、香味料、および/または、着色剤も含む。
錠剤の形状の組成物は、マグネシウムステアラート、デンプン、ラクトース、スクロースおよびセルロース、等の日常的に固形製剤に使われている任意の適切な製薬用キャリアを使って調製してもよい。
カプセル形状の組成物は、通常のカプセル化手法、例えば、有効成分含有ペレットを標準的キャリアで作り、ついで堅いゼラチンカプセルに充填する;あるいは、分散液または懸濁液を任意の適切な製薬用キャリア、例えば水性ガム、セルロース、ケイ酸塩またはオイル、で作り、分散液または懸濁液を柔らかいゼラチンカプセルに充填する、等により調製できる。
典型的な非経口組成物は、無菌水性キャリアまたは非経口で許容可能なオイル、例えばポリエチレングリコール、ポリビニルピロリジン、レシチン、ピーナッツオイルまたはゴマ油、に入れた有効成分の溶液または懸濁液から構成される。あるいは、その溶液を凍結乾燥し、投与の直前に適切な溶媒で再構成してもよい。
経鼻投与用組成物としては、簡便にエアロゾル、ドロップ、ゲルおよび粉末として製剤してもよい。エアロゾル製剤は、通常、薬学的に許容可能な水性または非水性溶媒に入れた有効成分の溶液または微細懸濁液を含み、単回または多数回用量を無菌の密封容器に入れて提供される。この容器は、噴霧装置での使用のためカートリッジまたはリフィルの形をとる。あるいは、この密封容器は、一回用量の鼻吸入器または定量バルブ付きエアロゾル投薬器のような使い捨て型分注装置であってもよい。投薬形態がエアロゾル投薬器を含む場合は、圧縮空気またはフルオロクロロヒドロ炭素やヒドロフルオロ炭素、等の有機噴霧剤のような噴霧剤が含まれる。エアロゾル投与形態は、ポンプ噴霧器の形であってもよい。
バッカルや舌下投与に適切な組成物には、有効成分が砂糖、およびアカシア、トラガントまたはゼラチンおよびグリセリン、等のキャリアと一緒に製剤された状態の錠剤、トローチ剤、および芳香錠が含まれる。
直腸投与組成物は、ココアバターのような通常の座薬基剤を含む座薬の形式が都合が良い。
経皮投与に適した組成物には、軟膏、ゲル、およびパッチが含まれる。
一実施形態では、組成物は、錠剤、カプセルまたはアンプルのような単位剤形に入れられる。
【0029】
組成物は、投与法に応じて、重量で0、1%〜100%、例えば、重量で10〜60%、の活性物質を含んでもよい。組成物は、投与法に応じて、重量で0%〜99%、例えば、重量で40%〜90%、のキャリアを含んでもよい。組成物は、投与法に応じて、0.05mg〜1000mg、例えば、1、0mg〜500mg、の活性物質を含んでもよい。組成物は、投与法に応じて、50mg〜1000mg、例えば、100mg〜400mg、のキャリアを含んでもよい。前述の疾患の治療に使われる用量は疾患の重症度、患者の体重、その他の類似因子により通常の場合と同じく変動する。しかし、一般的指針としては、適切な単位用量は、0.05〜1000mg、より適切には1.0〜500mgでよく、この単位用量は一日あたり一回より多く、例えば、一日あたり2、または3回、投与してもよい。このような治療を、数週間、または数ヶ月に渡って行ってもよい。
【0030】
オレキシンA(Sakurai、T.etal(1998)Cell、92pp573-585)はオレキシン1またはオレキシン2のリガンドの活性化を阻害する化合物のスクリーニング手法に使うことが可能である。
通常、このようなスクリーニング手法によりオレキシン1またはオレキシン2受容体をその表面に発現する適切な細胞が得られる。このような細胞には、哺乳類動物、酵母、ショウジョウバエ、または大腸菌由来の細胞が含まれる。特に、オレキシン1またはオレキシン2をコードしているポリヌクレオチドは細胞に形質移入し、受容体を発現させるために使われる。発現受容体は、次に、それぞれに見合った試験化合物および、オレキシン1またはオレキシン2受容体リガンドと接触させられ、機能的反応の阻害が観察される。1つのこのようなスクリーニング手法では、WO92/01810に記載されているように、形質移入されてオレキシン1またはオレキシン2受容体を発現するメラニン保有細胞が使用される。
別のスクリーニング手法では、オレキシン1またはオレキシン2受容体をコードしたRNAをツメガエル卵母細胞に導入し、過渡的に受容体を発現させる。次いで、受容体卵母細胞は受容体リガンドおよび試験化合物と接触させられ、リガンドによる受容体の活性化を阻害すると考えられている化合物のスクリーニングの場合には、続いて阻害信号の検出が行われる。
別の方法では、表面にそれぞれに見合ったオレキシン1またはオレキシン2受容体を有する細胞に対するオレキシン1またはオレキシン2受容体リガンドの結合の阻害を測定することにより受容体の活性化を阻害する化合物のスクリーニングが行われる。この方法は、オレキシン1またはオレキシン2受容体をコードしたDNAを真核生物細胞に形質導入し、その細胞表面に受容体を発現させ、標識したオレキシン1またはオレキシン2受容体リガンド存在下、その細胞または細胞膜標本を化合物と接触させる。リガンドが放射性標識を含んでもよい。受容体に結合した標識リガンドの量を、例えば放射線を測定することにより、測定する。
さらに別のスクリーニング手法では、オレキシン1またはオレキシン2受容体リガンドのオレキシン1またはオレキシン2受容体との交互作用にそれぞれに応じて影響を与えることで細胞間カルシウムイオンや他のイオンの動員を阻害する試験化合物の高いスループットスクリーニングを目的としてFRIPR装置が使われる。
【0031】
本明細書および以降で記載の請求項の全体を通じ、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、用語「含む(comprise)」およびその変形の「comprises」や「comprising」は、表明された全体またはステップ、または全体やステップのグループの包含を意味し、または他の任意の全体またはステップ、または全体やステップのグループの除外を意味しないことを理解されるべきである。
これに制限されるものではないが、本明細書に引用された特許、特許出願を含むすべての出版物は、本明細書で完全に記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0032】
以下の実施例は、特定の式(I)の化合物またはその塩の調製について説明する。記載例1から40は、式(I)の化合物またはその塩を作るために使用する中間体の調製について説明する。
これ以降の進め方で、通常、各出発原料の後に記載例に対する参照がある。これは、単に当分野の化学者の支援のために提供されているに過ぎない。出発原料は必ずしも参照された記載例に従って調製されなくてもよい。
収率は、別の記載がなければ、生成物の純度が100%として計算された。
【0033】
これ以降の実施例に記載された化合物は、第一歩として、すべて立体化学的に純粋な出発原料から調製されている。記載例と実施例の化合物の立体化学は、これらの絶対中心配置が維持されるという仮定のもとに割り付けられている。記載例と実施例の化合物の相対的立体化学は、相対的立体化学が下記のキラル中間体の回転フレーム2DROESY実験を使って決定されるように相対的立体化学が維持されるという仮定のもとに割り付けられている。キラル中間体:フェニルメチル(1S,4S,6S)−4−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジフェニル)シリル]オキシ}メチル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシラート(D8)および1,1−ジメチルエチル(1S,4S,6S)−4−(ヒドロキシメチル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシラート(D27)。一部の実施例では、相対的立体化学は最終化合物でも確認されている。化合物は、ACD/NamePRO6.02化学物質命名ソフトウエア(AdvancedChemistryDevelopmentInc.社、トロント、オンタリオ、M5H2L3、カナダ)を使って命名している。
【0034】
プロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルはVarianの装置の400、500または600MHz、またはBrukerの装置の400MHzで記録した。化学シフトは残留溶媒のラインを内部標準として使って、ppm(δ)で示した。分裂パターンは、s、1重線;d、2重線;t、3重線;q、4重線;m、多重線;b、ブロード、のように表した。NMRスペクトルは、25〜90℃の範囲で記録した。2つ以上の配座異性体が検出された場合は、通常、最も多いものに対する化学シフトを記載した。
【0035】
特に指定のない限り、HPLC(walk−up):rt(保持時間)=x分、のように表示されるHPLC解析は、Luna3uC18(2)100Aカラム(50x2.0mm、3μm粒径)[移動相と傾斜:100%(水+0.05%TFA)→95%(アセトニトリル+0.05%TFA)で8分間。カラム温度=40℃。流速=1mL/min。UV検出波長=220nm]を使ってAgilent1100シリーズで実施した。HPLC(walk−up、3分法)、のように示される他のHPLC解析は、AgilentZorbaxSB−C18カラム(50x3.0mm、1.8μm粒径)[移動相と傾斜:100%(水+0.05%TFA)〜95%(アセトニトリル+0.05%TFA)を2.5分、保持0.5分。カラム温度T=60℃。流速=1.5mL/min。UV検出波長=220nm]を使って行われた。
【0036】
記載した化合物の特性解析で、「MS」は、直接試料導入質量分析計による質量スペクトルまたはUPLC/MSやHPLC/MS分析によるピークに関連した質量スペクトルを指し、ここで使った質量分析計については以下に記載する。
直接試料導入質量スペクトル(MS)はAgilentMSD1100質量分析計を使いES(+)およびES(−)イオン化モード[ES(+):質量範囲:100−1000amu。導入溶媒:水+0.1%HCO2H/CH3CN50/50。ES(−):質量範囲:100−1000amu。導入溶媒:水+0.05%NH4OH/CH3CN50/50]で実施した。
ピークに関連したUVとMSスペクトルは、HPLC装置Agilent1100シリーズを、正/負エレクトロスプレーイオン化モードおよび酸とアルカリ両傾斜条件[酸性傾斜LC/MS−ES(+or−):SupelcosilABZ+Plusカラム(33x4.6mm、3μm)で分析。移動相:A−水+0.1%HCO2H/B−CH3CN。傾斜(標準法):t=0分0%(B)、0%(B)→95%(B)5分+1.5分間持続、95%(B)→0%(B)0、1分、停止時間8。5分。コラム温度=室温。流速=1mL/min。傾斜(ファストモード):t=0分0%(B)、0%(B)→95%(B)3分持続1分間、95%(B)→0%(B)0.1分、停止時間4.5分。カラム温度=室温。流速=2mL/min。塩基性傾斜LC/MS−ES(+または−):XTerraMSC18カラム(30x4.6mm、2.5μm)で分析。移動相:A−5mMNH4HCO3水溶液+アンモニア(pH10)/B−CH3CN。傾斜:t=0分0%(B)、0%(B)→50%(B)0.4分、50%(B)→95%(B)3.6分持続1分、95%(B)→0%(B)0.1分、停止時間5.8分。カラム温度=室温。流速=1.5mL/min]で作動させたAgilentLC/MSD1100質量分析計と連結して測定した。質量範囲ES(+または−):100〜1000amu。UV検出範囲:220〜350nm。記載化合物の特性解析欄の「LC−MS」の表示によりこの手法が使用されたことが示される。
【0037】
合計イオン電流(TIC)および、DAD、UV、クロマトグラフィー痕跡、並びに、ピーク関連MSとUVスペクトルは、2996PDA検出器を備えWatersMicromassZQTM質量分析計([LC/MS−ES(+or−):AcquityTMUPLCBEHC18カラム(50x21mm、1.7μm粒径)、カラム温度40℃、を使って解析を実施]の正/負エレクトロスプレーイオン化モードで稼働する)と連結したUPLC/MSAcquityTMシステムで測定した。移動相:A−水+0.1%HCOOH/B−CH3CN+0.075%HCOOH、流速:1.0mL/min、傾斜:t=0分3%B、t=0.05分6%B、t=0.57分70%B、t=1.4分99%B、t=1.45分3%B)。記載化合物の特性解析欄の「UPLC」の表示によりこの手法が使用されたことが示される。
【0038】
[LC/MS−ES(+または−):AcquityTMUPLCBEHC18カラム(50x2.1mm、1.7μm粒径)カラム温度40℃、を使って解析を実施]。移動相:A−水+0.1%HCO2H/B−CH3CN+0.06%または0.1%HCO2H。傾斜:t=0分3%B、t=1.5分100%B、t=1.9分100%B、t=2分3%B停止時間2分。カラム温度=40℃。流速=1.0mL/min。質量範囲:ES(+):100−1000amuまたはES(+):50−800amu。ES(−):100−800amu。UV検出範囲:210−350nm。記載化合物の特性解析欄の「UPLC(AcidIPQC)」の表示によりこの手法が使用されたことが示される。
[LC/MS−ES(+または−):AcquityTMUPLCBEHC18カラム(50x2.1mm、1.7μm粒径)カラム温度40℃、を使って解析を実施]。移動相:A−水+0.1%HCO2H/B−CH3CN+0.06%または0.1%HCO2H。傾斜:t=0分3%B、t=0.05分6%B、t=0.57分70%B、t=1.06分99%B持続0.389分、t=1.45分3%B、停止時間1.5分。カラム温度=40℃。流速=1.0mL/min。質量範囲:ES(+):100−1000amuまたはES(+):50−800amu、ES(−):100−800amu。UV検出範囲:210−350nm。記載化合物の特性解析欄の「UPLC(AcidQC_POS_50−800またはGEN_QCまたはFINAL_QC)」の表示によりこの手法が使用されたことが示される。
[LC/MS−ES(+または−):AcquityTMUPLCBEHC18カラム(50x2.1mm、1.7μm粒径)カラム温度40℃、を使って解析を実施]。移動相:A−水+0.1%HCO2H/B−CH3CN+0.06%または0.1%HCO2H。傾斜:t=0分3%B、t=1.06分99%B、t=1.45分99%B、t=1.46分3%B、停止時間1.5分。カラム温度=40℃。流速=1.0mL/min。質量範囲:ES(+):100−1000amu。ES(−):100−800amu。UV検出範囲:210−350nm。記載化合物の特性解析欄の「UPLC(AcidGEN_QC_SS)」の表示によりこの手法が使用されたことが示される。
合計イオン電流(TIC)および、DAD、UV、クロマトグラフィー痕跡、並びに、ピーク関連MSとUVスペクトルは、2996PDA検出器を備えWatersMicromassZQTM質量分析計([LC/MS−ES(+or−):AcquityTMUPLCBEHC18カラム(50x21mm、1.7μm粒径)、カラム温度40℃、を使って解析を実施]の正/負エレクトロスプレーイオン化モードで稼働する)と連結したUPLC/MSAcquityTMシステムで測定した。移動相:A−10mMNH4HCO3水溶液(アンモニアでpH10に調整)/B−CH3CN。傾斜:t=0分3%B、t=1.06分99%B持続0.39分、t=1.46分3%B、停止時間1.5分。カラム温度=40℃。流速=1.0mL/min。質量範囲:ES(+):100−1000amuまたはES(+):50−800amu。ES(−):100−1000amu。UV検出範囲:220−350nm。記載化合物の特性解析欄の「UPLC(BasicGEN_QCまたはQC_POS_50−800)」の表示によりこの手法が使用されたことが示される。
【0039】
特に指定のない限り、分取LC−MS精製は、Waters社のMDAP(MassDetectorAutoPurification)装置(MDAPFractionLynx)で行われた。
[LC/MS−ES(+):GeminiC18AXIAカラム(50x21mm、5μm粒径)を使って解析を実施。移動相:A−NH4HCO3溶液、10mM、pH10;B−CH3CN。流速:17mL/min]。傾斜は都度特殊条件を適用。
分取LC−MS精製は、Waters社のMDAP(MassDetectorAutoPurification)装置でも実施された。記載化合物の特性解析欄の「FractionLynx」の表示によりこの手法が使用されたことが示される。
マイクロ波照射を使う反応に対しては、PersonalChemistryEmrysTMOptimizerを使った。
【0040】
多くの調製において、精製には、Biotageマニュアルフラッシュクロマトグラフィー(Flash+)、Biotage自動フラッシュクロマトグラフィー(Horizon、SP1およびSP4)、CompanionCombiFlash(ISCO)自動フラッシュクロマトグラフィー、FlashMasterPersonalまたはVacMastersystemsを使用した。
フラッシュクロマトグラフィーはシリカゲル230〜400メッシュ(Merck社、ダルムシュタット、ドイツから入手)、VarianMegaBe−Siプレパックドカートリッジ、プレパックドBiotageシリカカートリッジ(例えば、BiotageSNAPカートリッジ)、KP−NHプレパックドフラッシュカートリッジまたはISCORediSepSilicaカートリッジ上で行った。
SPE−SCXカートリッジは、Varian社から入手したイオン交換固相抽出カラムである。SPE−SCXカートリッジと一緒に使った溶出剤は、DCMおよびMeOHまたはMeOHのみで、これに続いて2NのアンモニアのMeOH溶液である。
SPE−Siカートリッジは、Varian社から入手したシリカ固相抽出カラムである。
【0041】
次の表に、ここで使われている略語のリストを示す:
【表1】

【0042】
記載例
記載例1:(3S)−4−ヒドロキシ−3−({[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸(D1)
【化4】

500ml丸底フラスコ中で、フェニルメチル[(3S)−5−オキソテトラヒドロ−3−フラニル]カルバマート(4.3g,18.28mmol,Sigma−Aldrich社#419249から入手可能)を水(100ml)とアセトン(100ml)に溶解し、この溶液にCs2CO3(10.72g,32.9mmol)を添加後、室温で5時間攪拌した。次にこの溶液を分液ロートに移し、EtOAc(2x50ml)で洗浄した。水性相を2MHCl水溶液でpH=2に酸性化し、EtOAc(5x100ml)で抽出した。有機相を乾燥(Na2SO4)し、溶媒を減圧下除去して白色固体の標記化合物D1(3.78g)を得た。MS:(ES/+)m/z:254(M+1)。C12H15NO5の理論値:253。1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δ(ppm):12.11(bs,1H),7.41−7.07(m,5H),5.17−4.92(m,2H),3.95−3.62(m,1H),3.42−3.22(m,2H),2.55−2.40(m,1H),2.34−2.23(m,1H)。
【0043】
記載例2:(3S)−4−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジフェニル)シリル]オキシ}−3−({[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸(D2)
【化5】

250ml丸底フラスコ中で、(3S)−4−ヒドロキシ−3−({[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸D1(3.75g)をDMF(30ml)に溶解し、この溶液にイミダゾール(3.02g,44.4mmol)とTBDPSCl(7.61ml,29.6mmol)を添加後、室温で15時間攪拌した。この反応混合物を水(300ml)を入れた分液ロートに移し、2MHCl水溶液を添加してpH=2に下げた後、EtOAc(5x50ml)で抽出した。集めた有機相を乾燥(Na2SO4)後、減圧下揮発成分を除去して微黄色オイルを得た。この粗製オイルを、THF(50ml)およびMeOH(10ml)と共に250mlの丸底フラスコに入れた。この溶液に、K2CO3水溶液(9gのK2CO3を水10mlに溶解)を添加し室温で3時間攪拌した。揮発成分を真空下除去して,得られた粘稠オイルを水(200ml)で希釈後、分液ロートに入れた。相が分離し、有機相に水(200ml)を添加した後、2MHCl水溶液を加えてpH=2に調整した。相分離を起こし、水性相をEtOAc(5x50ml)で逆抽出した。集めた有機相を乾燥(Na2SO4)し、減圧下溶媒を除去してオイルを得、これをシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH100/0〜90/10)で精製し、画分を集め無色のオイルの標記化合物D2(5.2g)を得た。MS:(ES/+)m/z:492(M+1)。C28H33NO5Siの理論値:491。1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δppm8.05−8.28(m,4H),7.72−8.00(m,11H),5.47−5.59(m,2H),4.64−4.80(m,1H),4.17−4.34(m,2H),3.20−3.31(m,1H),3.06−3.20(m,1H),1.41−1.58(m,9H)。
【0044】
記載例3:メチル(3S)−4−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジフェニル)シリル]オキシ}−3−({[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタノアート(D3)
【化6】

1000ml丸底フラスコ中で、(3S)−4−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジフェニル)シリル]オキシ}−3−({[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタン酸D2(15g)をDMF(200ml)に溶解し、これにDIPEA(28.8ml,165mmol)とTBTU(11.46g,35.7mmol)を添加後、室温で20分攪拌した。この茶色の溶液にMeOH(11ml)を添加し室温で30分攪拌した。この反応混合物を食塩水(600ml)の入った分液ロートに移しEtOAc(5x200ml)で抽出した。有機相を水(3x100ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)後、真空下で濃縮してオレンジ色のオイルを得た。これをシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(flashmaster,Cy/EtOAc100/0〜80/20)で精製し黄色固体の標記化合物D3(13.9g)を得た。MS:(ES/+)m/z:506(M+1)。C29H35NO5Si理論値:505。1HNMR(400MHz,CDCl3−d6)δ(ppm):7.69−7.29(m,15H),5.4−5.26(m,1H),5.11(m,2H),4.25−4.14(m,1H),3.82−3.68(m,2H),3.64(s,3H),2.79−2.52(m,2H),1.08(s,9H)。
【0045】
記載例4:フェニルメチル[(1S)−1−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジフェニル)シリル]オキシ}メチル)−3−オキソプロピル]カルバマート(D4a,D4b,D4c)
【化7】

500ml丸底フラスコ中で、メチル(3S)−4−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジフェニル)シリル]オキシ}−3−({[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}アミノ)ブタノアートD3(6.28g)をDCM(79ml)に溶解し−78℃に冷却した。この溶液に、1MDIBAL−HのTHF溶液(62.1ml,62.1mmol)を滴下し、−78℃で1時間攪拌した。次いで、NH4Cl飽和水溶液(200ml)を添加した後、そのまま室温まで暖めた。得られた混合物をセライト充填層で濾過しゲル状固体をDCM(5x100ml)で洗浄した。合わせた有機相を乾燥(Na2SO4)、減圧下濃縮して黄色オイルを得、これをシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(SP4,SNAP340g,Cy/EtOAc100/0〜50/50)で精製し2つの生成物を回収した。
A)白色固体の標記化合物D4a(3.7g)、HPLC(walk−up):rt=7.59分。MS:(ES/+)m/z:476(M+1)。C28H33NO4Siの理論値:475。1HNMR(400MHz,CDCl3−d6)δ(ppm):9.73(s,1H),7.74−7.30(m,15H),5.24−5.0(m,3H),4.36−4.11(m,1H),3.91−3.65(m,2H),2.88−2.61(m,2H),1.08(s,9H);および
B)無色オイルのフェニルメチル[(1S)−1−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジフェニル)シリル]オキシ}メチル)−3−ヒドロキシプロピル]カルバマート(1g)。HPLC(walk−up):rt=7.33分。MS:(ES/+)m/z:478(M+1)。C28H35NO4Siの理論値:477。1HNMR(400MHz,CDCl3−d6)δ(ppm):7.74−7.30(m,15H),5.24−4.99(m,3H),4.0−3.52(m,5H),3.21−2.96(m,1H),1.64−1.91(m,2H),1.08(s,9H)。
250ml丸底フラスコ中で、フェニルメチル[(1S)−1−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジフェニル)シリル]オキシ}メチル)−3−ヒドロキシプロピル]カルバマート(1g,2.094mmolをDCM(50ml)に溶解し、これにNaHCO3(0.528g,6.28mmol)とDess−Martinペルヨージナン(0.977g,2.303mmol)を添加後、室温で4.5時間攪拌した。この反応混合物をNaHCO3飽和水溶液の入った分液ロートに移し、DCM(4x40ml)で抽出後、乾燥(Na2SO4)、減圧下溶媒を除去して淡黄色オイルを得た。これをシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(SP4SNAP50g,Cy/EtOAc1/0〜8/2)で精製して、画分を集め無色オイルの標記化合物D4b(0.970g)を得た。D4a(3.7g)とD4b(0.970g)を一緒にして標記化合物D4c(4.67g)を得た。HPLC(walk−up):rt=7.59分。MS:(ES/+)m/z:476(M+1)。C28H33NO4Siの理論値:475。1HNMR(400MHz,CDCl3−d6)δ(ppm):9.73(s,1H),7.74−7.30(m,15H),5.24−5.0(m,3H),4.36−4.11(m,1H),3.91−3.65(m,2H),2.88−2.61(m,2H),1.08(s,9H)。
【0046】
記載例5:メチル(2Z,5S)−6−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジフェニル)シリル]オキシ}−5−({[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−2−ヘキセノアート(D5)
【化8】

500ml丸底フラスコ中で、メチル{ビス[(2,2,2−トリフルオロエチル)オキシ]ホスホリル}アセタート(2.077ml,9.82mmol)と18−クラウン−6−エーテル(12.98g,49.1mmol)をTHF(100ml)に溶解し、−78℃で冷却した。この溶液に、0.5MのKHMDSトルエン溶液(19.64ml,9.82mmol)をゆっくり添加して、この温度時に30分保持後、フェニルメチル[(1S)−1−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジフェニル)シリル]オキシ}メチル)−3−オキソプロピル]カルバマートD4c(4.67g)をTHF(50ml)に溶かした溶液を滴下し、−78℃で30分攪拌した。NH4Cl飽和水溶液(300ml)を添加した後、分液ロートに移しEtOAc(3x80ml)で抽出した。有機相を乾燥(Na2SO4)、濃縮して黄色オイルを得た。これをシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(SP4SNAP340g,Cy/EtOAc100/0〜80/20)で精製し画分を集めて無色オイルの標記化合物D5(3.58g)を得た。HPLC(walk−up):rt=8.04分。MS:(ES/+)m/z:532(M+1)。C31H37NO5Siの理論値:531。1HNMR(400MHz,CDCl3−d6)δ(ppm):7.74−7.30(m,15H),6.32−6.20(m,1H),5.90−5.75(m,1H),5.25−5−18(m,1H),5.08(m,2H),4.0−3.83(m,1H),3.76−3.56(m,5H),3.18−2.76(m,2H),1.07(s,9H)。
【0047】
記載例6:フェニルメチル[(1S,3Z)−1−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジフェニル)シリル]オキシ}メチル)−5−ヒドロキシ−3−ペンテン−1−イル]カルバマート(D6)
【化9】

500ml丸底フラスコ中で、メチル(2Z,5S)−6−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジフェニル)シリル]オキシ}−5−({[(フェニルメチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−2−ヘキセノアート(D5)(3.58g)を無水DCM(122ml)に溶解し、−78℃で冷却した。この溶液に、1MのDIBAL−HのTHF溶液(33.7ml,33.7mmol)を滴下し、−78℃で5時間攪拌した。次に、NH4Cl飽和水溶液(250ml)を加え、反応混合物をセライト充填層で濾過後、固形分をDCM(5x200ml)で洗浄し、生成した濾液を分液ロートに移した。相分離させ、水性相をDCM(3x100ml)で逆抽出した。集めた有機相を乾燥(Na2SO4)、減圧下溶媒を除去してオイルを得た。この粗製物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(SP4SNAP340g,Cy/EtOAc100/0〜80/20)で精製し画分を集めて標記化合物D6(3.3g)を無色の粘稠オイルとして得た。1HNMR(400MHz,CDCl3−d6)δ(ppm):7.74−7.30(m,15H),5.71(m,1H),5.52(m,1H),5.80−5.61(m,1H),561−3.36(m,1H),5.20−4.94(m,2H),4.25−3.98(m,2H),3.91−372(m,1H),3.72−3.58(m,2H),2.50−2.26(m,2H),1.07(s,9H)。
【0048】
記載例7:フェニルメチル((1S)−2−{[(1,1−ジメチルエチル)(ジフェニル)シリル]オキシ}−1−{[2−(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル}エチル)カルバマート(D7)
【化10】

25mlの丸底フラスコ中に、1Mジエチル亜鉛のヘキサン溶液(65.5ml,65.5mmol)およびDCM(82ml)を加え、0℃で冷却した。この溶液に、TFA(5.05ml,65.5mmol)を滴下し、0℃で20分攪拌した。次いで、ジヨードメタン(5.29ml,65.5mmol)を滴下し、さらに20分か攪拌した。5ml丸底フラスコ中で、フェニルメチル[(1S,3Z)−1−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジフェニル)シリル]オキシ}メチル)−5−ヒドロキシ−3−ペンテン−1−イル]カルバマート(D6)(3.3g)をDCM(82ml)に溶解し、得られた溶液を先に調製したジエチル亜鉛/TFA/CH2I2のDCM溶液に0℃で滴下した。生成した溶液を室温で30分攪拌し、NH4Cl飽和水溶液(300ml)で反応停止させた。この懸濁液を、分液ロートに移し、DCM(4x30ml)で抽出後、有機相を乾燥(Na2SO4)、減圧下で濃縮して、オイルを得た。これをシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(SP4SNAP340g,Cy/EtOAc100/0〜50/50)で精製して次の2つの生成物を得た:
A)単一ジアステレオ異性体1(D7)(1.37g)HPLC(walk−up):rt=7.52分。MS:(ES/+)m/z:518(M+1)。C31H39NO4Siの理論値:。1NMR:(400MHz,CDCl3−d6)δ(ppm):7.29−7.71(m,15H),5.54−5.63(d,1H),5.03−5.21(m,2H),4.01−3.86(m,1H),3.86−3.66(m,3H),3.43−3.26(t,1H),2.80−2.70(br.s,1H),1.96−1.81(m,1H),1.50−1.37(m,1H),1.17−1.09(m,1H),1.08(s,9H),0.74−0.59(m,2H),−0.07(m,1H);および
B)単一ジアステレオ異性体2(1.26g)。HPLC(walk−up):rt=7.38分。MS:(ES/+)m/z:518(M+1)。C31H39NO4Siの理論値:517。
【0049】
記載例8:フェニルメチル(1S,4S,6S)−4−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジフェニル)シリル]オキシ}メチル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシラート(D8)
【化11】

フェニルメチル((1S)−2−{[(1,1ジメチルエチル)(ジフェニル)シリル]オキシ}−1−{[2−(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル}エチル)カルバマート単一ジアステレオ異性体1(D7)(1.18g)をDCM(35ml)とTEA(0.953ml,6.84mmol)に加えた氷冷溶液に、塩化メシル(0.355ml,4.56mmol)を添加し、3時間攪拌した。次に、減圧下溶媒を除去して,得られた白色固体をDMF(47ml)に溶解後、この溶液を0℃に冷却し、NaH(0.730g,18.25mmol,8当量)添加して、氷浴を止めた。一晩攪拌後、さらにNaH(0.365g,9.12mmol,4当量)を氷冷混合物に加え、室温で3時間攪拌した。UPLC測定で出発物質と所望生成物が1:1で存在することが分かったため、室温でNaH(0.180g,4.5mmol,1.97当量)を添加し、2.5時間攪拌した。NH4Cl飽和水溶液(300ml)を加え、EtOAc(3x50ml)で抽出後、有機相を分離させ、乾燥(Na2SO4)、濾過、濃縮して黄色オイルを得、これをBiotageSP4(シリカゲル,SNAP100gカラム;Cy/EtOAc1/0〜9/1の傾斜で溶出)で精製し,画分を集めて無色オイルの標記化合物D8(0.930g)を得た。MS:(ES/+)m/z:500(M+1)。C31H37NO3Siの理論値:499。1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δ(ppm):7.76−7.31(m,15H),5.16−4.84(m,2H),4.37(br.s,1H),3.83−3.68(m,1H),3.68−3.52(m,2H),2.37−2.22(m,2H),1.39−1.18(m,1H),1.13−1.01(m,1H),0.95(s,9H),0.92−0.83(m,1H),0.79−0.70(m,1H),0.33−0.04(m,1H)。
【0050】
記載例9:フェニルメチル(1S,4S,6S)−4−(ヒドロキシメチル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシラート(D9)
【化12】

フェニルメチル(1S,4S,6S)−4−({[(1,1−ジメチルエチル)(ジフェニル)シリル]オキシ}メチル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシラート(D8)(0.930g)をピリジン(14ml)に加えた氷冷溶液に、HF−ピリジン(2.642ml,30.4mmol)を添加し、生成した混合物を0℃で20分攪拌後、ゆっくり室温まで暖め、30分攪拌した。水(200ml)とEtOAc(30ml)を添加し、15分攪拌した。有機相を分離させ、水性相をEtOAc(6x5ml)で抽出した。集めた有機層を乾燥(Na2SO4)、濾過、減圧下で濃縮して、オイルを得、これをCompanionCombiFlash(シリカゲル,SNAP100gカラム;20CVのDCM/MeOH98/2で溶出)で精製した。画分を集めて濃縮し標記化合物D9(0.447g)を得た。MS:(ES/+)m/z:262(M+1)。C15H19NO3の理論値:261。1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δ(ppm):7.51−7.24(m,5H),5.20−5.0(m,2H),4.73−4.48(m,1H),4.43−4.17(m,1H),3.71−3.51(m,1H),3.51−2.35(m,2H),2.46−2.24(m,2H),1.20−0.95(m,2H),0.95−0.59(m,2H),0.21-0.09(m,1H)。
【0051】
記載例10:フェニルメチル(1S,4S,6S)−4−ホルミル−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシラート(D10)
【化13】

フェニルメチル(1S,4S,6S)−4−(ヒドロキシメチル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシラート(D9)(0.447g)をDCM(13ml)に加えた溶液に、NaHCO3(0.575g,6.84mmol)とDess−Martinペルヨージナン(0.798g,1.882mmol)を添加し、室温で攪拌した。TLC(シクロヘキサン/EtOAc1/1,2,4−ジニトロフェニルイドラジン)測定の結果、出発物質が存在しなかったので、NaHCO3/5%Na2S2O3飽和溶液(60ml)とDCM(10ml)を反応混合物に添加し、30分攪拌した。水性相をDCM(3x10ml)で逆抽出し、2相系を相分離器カートリッジを通した。減圧下有機溶媒をを蒸発させ黄色オイルを得、これをBiotageSP4(シリカゲル,SNAP25g;Cy/EtOAc,25CV、1/0〜7/3)で精製して画分を集め標記化合物D10(0.370g)を得た。MS:(ES/+)m/z:260(M+1)。C15H17NO3理論値:259。1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δ(ppm):9.50−9.38(m,1H),7.48−7.18(m,5H),5.19−4.93(m,2H),4.31−3.83(m,2H),3.28−2.90(m,1H),2.30−2.15(m,1H),1.77−1.30(m,1H),1.21−0.84(m,2H),0.56−0.75(m,1H),0.22−−0.03(m,1H)。
【0052】
記載例11:フェニルメチル(1S,4S,6S)−4−({[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]アミノ}メチル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシラート(D11)
【化14】

フェニルメチル(1S,4S,6S)−4−ホルミル−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシラート(D10)(0.370g)をDCM(3.5ml)に加えた溶液に、AcOH(0.408ml,7.13mmol)と5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンアミン(0.393g,2.4mmol,1.3当量)を添加した。一時間攪拌後、イミンへの転換が完了していなかったので、さらに5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンアミン(0.231g,1.425mmol,1当量)を添加し、3.5時間の攪拌を追加した。反応系を0℃に冷却しトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(2.419g,11.41mmol)を添加して粘稠な懸濁液を得て、氷浴を取り除き、DCM(22.5ml)を加えて、得られた懸濁液を一晩攪拌した。反応混合物にNa2CO3の飽和水溶液(50ml)とDCM(20ml)を添加し、15分間激しく攪拌した。有機相を分離させ、水性相をNa2CO3(50ml)とDCM(20ml)で逆抽出した。集めた有機層を相分離器カートリッジを通して乾燥し、減圧下濃縮して黄色オイルを得、これをCombiFlashCompanion(シリカゲル,SNAP50gカラム;Cy/EtOAc,8/2)で精製し画分を集めて標記化合物D11(0.275g)を無色オイルとして得た。HPLC(walk−up):rt=5.11分。MS:(ES/+)m/z:406(M+1)。C21H22F3N3O2の理論値:405。1HNMR(500MHz,DMSO−d6)δ(ppm):8.25−8.0(m,1H),7.65−7.44(m,1H),7.44−7.18(m,6H),6.73−6.35(m,1H),5.18−4.99(m,1H),4.40−4.08(m,1H),3.96−3.72(m,1H),3.54−3.36(m,2H),2.48−2.37(m,1H),2.29−2.15(m,1H),1.16−0.94(m,2H),0.0.89−0.76(m,1H),0.74−0.59(m,1H),0.27−0.09(m,1H)。
【0053】
記載例12:N−[(1S,4S,6S)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イルメチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンアミン(D12)
【化15】

250mlの水素添加フラスコ中で、フェニルメチル(1S,4S,6S)−4−({[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]アミノ}メチル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシラート(D11)(0.275g)をMeOH(20ml)に溶解し、Pd/C(0.0722g,0.068mmol)を添加した。得られた懸濁液を大気圧下水素添加した。25分後、UPLC(AcidGEN_QC)測定の結果、rt=0.99分、観察されたピーク:284(M+1)の主要副産物が認められた。Pd/Cをセライト充填層で濾別し、減圧下溶媒を除去して灰色がかった白色の半固体を得た。これを無水EtOAc(20ml)に溶解し、Pd/C(0.0722g,0.068mmol)を添加した。懸濁液を大気圧下50分間(合計時間)水素添加した。Pd/Cをセライト充填層で濾別し、減圧下溶媒を除去して黄色固体を得、これをBiotageSP4(NH25+Mカラム;Cy/EtOAc:1/0〜75/25を15CV,75/25を3CV,〜0/1を20CVで溶出)で精製して標記化合物D12(0.100g)を得た。HPLC(walk−up):rt=3.19分。MS:(ES/+)m/z:272(M+1)。C13H16F3N3の理論値:271。1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δppm8.22−8.32(m,1H),7.57−7.64(m,1H),7.21−7.28(m,1H),6.60(d,1H),3.12−3.26(m,1H),2.89−3.10(m,3H),2.37−2.47(m,1H),1.83−1.94(m,1H),1.05−1.18(m,1H),0.69−0.98(m,2H),0.42−0.52(m,1H),0.28−0.39(m,1H)。
【0054】
記載例13:[3−(エチルオキシ)−6−メチル−2−ピリジニル]メタノール(D13)
【化16】

2−(ヒドロキシメチル)−6−メチル−3−ピリジノール(1.5g,10.78mmol,Sigma−Aldrich社#144428から入手可能),K2CO3(7.45g,53.9mmol)およびヨードエタン(1.724ml,21.56mmol)をDMF(15ml)に溶解し、室温で一晩攪拌した。水とEtOAcを添加し、2相を分離させた。合わせた有機相を食塩水/氷で洗浄し、乾燥(Na2SO4)、濾過、減圧下濃縮して淡黄色固体の粗製標記化合物D13(1.67g)を得た。この粗製物はこれ以上精製せずに次のステップに供した。MS:(ES/+)m/z:168(M+1)。C9H13NO2理論値:167。1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):6.96−7.07(m,2H),4.71(s,2H),4.04(q,2H),2.50(s,3H),1.43(t,3H)。
【0055】
記載例14:[6-メチル-3-(プロピルオキシ)-2-ピリジニル]メタノールを記載例13で記述したものと類似の方法で調製した。記載例14の化合物を、2-(ヒドロキシメチル)-6-メチル-3-ピリジノールと適切な求電子試薬を使ってO‐アルキル化を行うことにより得た。これは単に当分野の化学者の便宜のために提供されているものである。出発物質は、必ずしも参照しているバッチから調製される必要は無い。
【表2】

【0056】
記載例15:3−(エチルオキシ)−6−メチル−2−ピリジンカルボン酸(D15)
【化17】

[3−(エチルオキシ)−6−メチル−2−ピリジニル]メタノールD13(1.67g,記載例13で得られた物質)をアセトニトリル(50ml)およびリン酸バッファ(38ml)に加えた溶液に、TEMPO(0.22g,1.40mmol)を添加し、35℃に加熱した。NaClO2(4.51g,49.90mmol)を水(10ml)に入れた溶液、およびNaClO(13wt%水溶液,18.96ml,39.90mmol)を同時に、1時間かけて添加した。生成した反応混合物を35℃で4時間攪拌し、水(40ml)を加え、1MのNaOH水溶液でpH=8に調整した。この混合物を、氷冷したチオ硫酸ナトリウム飽和水溶液(100ml)に注ぎ込み、さらに30分攪拌した。1MのHCl水溶液でpH=3に調整し、水性相をDCMで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)、減圧下濃縮して標記化合物D15(1.64g)を得た。MS:(ES/+)m/z:182(M+1)。C9H11NO3の理論値:181。1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ(ppm):12.50−13.26(bs.,1H),7.49(d,1H),7.31(d,1H),4.08(q,2H),2.40(s,3H),1.29(t,3H)。
【0057】
記載例16:6−メチル−3−(プロピルオキシ)−2−ピリジンカルボン酸(D16)
【化18】

500ml丸底フラスコ中で、[6−メチル−3−(プロピルオキシ)−2−ピリジニル]メタノールD14(3.50g)を水(16ml)に懸濁させ、KMnO4(6.10g,38.60mmol)とKOH(1M水溶液,19ml,19mmol)を添加した。この混合物を室温で2時間攪拌後、1MのHCl水溶液でpH=4に調整し、次にMeOH(100ml)を添加した。固形分を濾別して、揮発成分を減圧下除去し、水性相をDCMで2回抽出した。集めた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)、減圧下濃縮して標記化合物D16(2g)を得た。MS:(ES/+)m/z:196(M+1)。C10H13NO2の理論値:195。1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ(ppm):12.96(bs,1H),7.49(d,1H),7.31(d,1H),3.98(t,2H),2.40(s,3H),1.60−1.80(m,2H),0.96(t,3H)。
【0058】
記載例17:3−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)−6−メチル−2−ピリジンカルボニトリル(D17)
【化19】

2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(3.49ml,20.52mmol)を無水THF(25ml)に溶解し、アルゴン雰囲気下の−30℃で攪拌し、BuLiの1.6Mヘキサン溶液(13.33ml,21.33mmol)を5分かけて添加した(温度が−25℃を超えることはなかった)。黄色溶液を−30℃で20分攪拌し、次に−78℃に冷却して、トリス(1−メチルエチル)ボラート(4.38ml,18.96mmol)を5分かけて添加した(温度が−73℃を超えることはなかった)。
−78℃で10分後、6−メチル−2−ピリジンカルボニトリル(2.0g,16.93mmol)を無水THF(14ml)に加えた溶液を、内部温度が−73℃より低くなるよう維持しながら滴下(20分かけて)して、混合物が暗褐色になった。この混合物を−73℃で2時間攪拌した後、AcOH(2.374ml,41.5mmol)を−73℃で滴下して反応を停止させた(温度が−60℃を超えることはなく、混合物はブリリアントオレンジ色になった)。冷却浴を外し、混合物を室温になるまで置いた。この間混合物は粘稠になり、新たなTHF(8ml)を加え、攪拌状態を改善する必要があった。混合物を室温で10分攪拌後、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(2.409g,23.13mmol)を一度に添加して、室温で一晩攪拌した。溶媒を蒸発させ、オレンジ色の残渣をDCM(100ml)とKH2PO4の10%水溶液(100ml)に溶解した。相を分離させ、水性相をDCM(50ml)で逆抽出した。合わせた有機相をKH2PO4の10%水溶液(50ml)で洗浄し、DCMを蒸発させた。残渣をEt2O(100ml)に溶解し、NaOH0.05M(5x50ml,水性相中ではボロン酸エステル)で抽出した。水性相を一緒にして、pHをKH2PO4の10%水溶液(50ml)を用いてpH=4とpH=5の間に調整した。得られた黄色溶液をAcOEt(3x200ml)で抽出した。全有機相を一緒にし乾燥(Na2SO4)、濃縮して標記化合物D17(2.29g)を得た。この化合物は黄色オイルで、静置により固化する。C12H15BN2O2の理論値:230。1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm7.97−8.15(m,1H),7.31−7.36(m,1H),3.85(m,4H),2.52−2.73(s,3H),0.97−1.10(m,6H)。
【0059】
記載例18:6−メチル−3−(2−ピリミジニル)−2−ピリジンカルボニトリル(D18)
【化20】

A)3−ブロモ−6−メチル−2−ピリジンカルボニトリル(4g,20.30mmol)をTHF(150ml)に加え−70℃(内部温度)に冷却した溶液に、イソプロピルマグネシウムクロリド−LiCl(37.9ml,36.5mmol)を何回かに分けて(合計10分かけて)添加した。反応系をその温度に15分保持し、次にゆっくり、合計1時間かけて−40℃に暖めた。次いで、−78℃に冷却し、塩化亜鉛(3.32g,24.36mmol)を添加した。得られた混合物を室温まで1時間かけて暖めた。Pd(Ph3P)4(2.346g,2.030mmol),2−クロロピリミジン(3g,26.2mmol)を添加して、出発物質のクロロピリジンが完全に消費されるまで(2時間)混合物を還流した(外部温度100℃)。反応混合物を室温まで冷却し、10℃に冷却した水(200ml)中に注ぎ込み、EtOAc(5x200ml)で抽出した。大量のコロイド物質と水を含む、集めた有機相を食塩水(200ml)で洗浄した。水性相をグーチ濾過器を使って濾過し、固形物をさらにEtOAc(2x300ml)で洗浄した。集めた有機相をNa2SO4上で一晩乾燥し、濾過,濃縮して粗製物(7g)を得、これを精製して(BiotageSp1、240gシリカAnolgixカラム,25gプレカラム付き)黄色固体の標記化合物D18(1.8g)を得た。UPLC(AcidGEN_QC_SS):rt=0.58分,観察されたピーク:197(M+1)。C11H8N4の理論値:196。
B)D18を作る別のルート:3−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)−6−メチル−2−ピリジンカルボニトリルD17(50.6mg)を窒素雰囲気下バイアル中で1,4−ジオキサン(1ml)に溶解し、2−ブロモピリミジン(42.0mg,0.264mmol),CsF(67mg,0.441mmol),Pd(Ph3P)4(12mg,10.38μmol)およびCuI(7mg,0.037mmol)を順に添加した。次にバイアルにフタをして65℃で1時間攪拌後、減圧下溶媒を除去し、残渣をAcOEt(10ml)とNaHCO3(飽和溶液,10ml)の間で分配した。相分離させ、水性相をAcOEt(2x10ml)で抽出した。有機画分を一緒にし、Na2SO4上で乾燥、減圧下濃縮してオレンジ色の油状残渣を得、これを精製して(Biotage,Snap25gシリカゲルカラム,AcOEt/Cy純Cy〜50:50、10CVで)、淡黄色固体の標記化合物D18(27.6mg)を得た。
【0060】
記載例19:6−メチル−3−(2−ピリミジニル)−2−ピリジンカルボン酸(D19)
【化21】

A)6−メチル−3−(2−ピリミジニル)−2−ピリジンカルボニトリル(D18)(0.8g)を6MのHCl水溶液(40ml,240mmol)中、80℃で3時間反応させ、次に真空下溶媒を除去して生成した粗製物を精製し(70gVarianC18カラム、MeOH(120ml),次に水(120ml)でコンディショニング,水中負荷、水(200ml)で洗浄,100%MeOHで生成物を溶出)、黄色固体の標記化合物D19(0.6g)を得た。UPLC(AcidGEN_QC_SS):rt=0.30分,観察されたピーク:216(M+1)。C11H9N3O2の理論値:217。1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δppm13.07(bs,1H),8.78−9.01(m,2H),8.39(m,1H),7.39−7.67(m,2H),2.56−2.67(s,3H)。
B)D19を作る別の方法:6−メチル−3−(2−ピリミジニル)−2−ピリジンカルボニトリル(D18)(0.481g)をEtOH(5ml)中に懸濁し、NaOH(0.490g,12.26mmol)を水(5ml)に加えた溶液を添加した。黄色混合物を100℃で一晩攪拌した。黄色溶液を25℃に冷却し、6MのHCl(1.0ml)を滴下しpH=4.5にした。溶媒を除去して得た黄色粉末を真空下、50℃で1.5時間乾燥し、標記化合物D19(1.242g)を得た。
【0061】
記載例20:(2S)−2−アミノ−4−ペンテン−1−オール(D20)
【化22】

20L反応器中で、(2S)−2−アミノ−4−ペンテン酸(Sigma−Aldrich社#285013から入手可能)(200g,1319mmol)を、無水THF(3200ml)に加えて0℃、窒素雰囲気下で攪拌した懸濁液に、1MのLiAlH4のTHF溶液(1600ml,1600mmol)を1.5時間かけて滴下した(内部温度を0℃〜5℃に維持して)。反応混合物を25℃で2時間攪拌した(白色懸濁液)。TLC(DCM/MeOH1/1,AcOH0.5%ニンヒドリン)のチェックで、反応が完了していることが明らかになった。反応混合物を0℃に冷却し、水60.7ml(1gのLiAlH4に対し1mlのH2Oに相当)+1NのNaOH60.7ml(1gのLiAlH4に対し1MのNaOHの1mlに相当)+水182ml(1gのLiAlH4に対し3mlのH2Oに相当)を順に添加して反応を停止させた。懸濁液を室温で1時間攪拌し、析出物を硫酸ナトリウムを通して濾過し(グーチ濾過器n3使用)、Et2O(6L)とDCM(4L)で洗浄した。粗製物の溶媒を留去して、淡いオレンジ色オイルの粗製標記化合物D20(110g)を得た。MS:(ES/+)m/z:102(M+1)。C5H11NOの理論値:101。1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δppm1.39(br.s,2H)1.81−1.96(m,1H)2.06−2.19(m,1H)2.59−2.73(m,1H)3.14(dd,1H)3.26(dd,1H)4.48(br.s,1H)4.91−5.09(m,2H)5.71−5.92(m,1H)。
【0062】
記載例21:1,1−ジメチルエチル(2−{[(1S)−1−(ヒドロキシメチル)−3−ブテン−1−イル]アミノ}−2−オキソエチル)カルバマート(ノン−プレフェレドナム)(D21)
【化23】

5L反応器中で、(2S)−2−アミノ−4−ペンテン−1−オール(D20)(記載例D20で調製された粗製標記化合物110g)をTHF(660ml)とMeOH(440ml)に加え、0℃(内部温度+5℃)で攪拌した溶液に、トリエチルアミン(182ml,1305mmol)お帯2,5−ジオキソ−1−ピロリジニルN−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}グリシナート(Sigma−Aldrich社#15423から入手可能)(237g,870mmol)を、何回かに分けて、15分かけて添加した。反応混合物を2℃(内部温度)で3時間攪拌した。TLC(TLC−NH2,DCM/MeOH95/5,過マンガン酸カリウム)でチェックした結果、出発物質が残っていることが分かった。さらに2,5−ジオキソ−1−ピロリジニルN−{[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}グリシナート(60g,220mmol)を添加し、2℃で1時間攪拌した。TLC(TLC−NH2,DCM/MeOH95/5,過マンガン酸カリウム)チェックでは、出発物質の残余があったが、後処理を実行した。反応混合物をNH4Cl飽和水溶液(3400ml)とAcOEt(1375ml)に注ぎ込み、相分離させ、水性層をAcOEt(1375ml)で逆抽出した。合わせた有機層をNaHCO3飽和水溶液(1031ml)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)、留去して粗製物(268g,黒茶)を得た。この残渣をEt2O(687ml)と25℃で1時間練和した。これを濾過し(グーチ濾過器n3)、Et2O(200ml)で洗浄し、真空下乾燥して薄茶色の標記化合物D21(87g)を得た。母液(黒茶)を留去して,残渣をクロマトグラフィーにかけて残余の茶色の生成物(34g)を得、これをEt2O(200ml)と練和した。固形分を濾過しEt2Oで洗浄、真空下で乾燥して、薄茶色の標記化合物D21の追加バッチ(26g)を得た。MS:(ES/+)m/z:259(M+1)。C12H22N2O4の理論値:258。1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm1.47(s,9H)2.22−2.43(m,2H)2.68−2.83(m,1H)3.50−3.86(m,4H)3.94−4.09(m,1H)5.00−5.25(m,3H)5.64−5.89(m,1H)6.17−6.44(m,1H)。
【0063】
記載例22:1,1−ジメチルエチル{2−[(4S)−2,2−ジメチル−4−(2−プロペン−1−イル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]−2−オキソエチル}カルバマート(ノン−プレフェレドナム)(D22)
【化24】

1,1−ジメチルエチル(2−{[(1S)−1−(ヒドロキシメチル)−3−ブテン−1−イル]アミノ}−2−オキソエチル)カルバマート(ノン−プレフェレドナム)(D21)(37g)をトルエン(370ml)に加え、25℃で攪拌した懸濁液に、2,2−ビス(メチルオキシ)プロパン(370ml,3020mmol)とp−トルエンスルホン酸一水和物(3.7g,19.45mmol)を添加した。この反応混合物を1.5時間還流(内部温度85℃、オイル浴105℃)により攪拌した(透明溶液)。TLCチェック(DCM/MeOH95/5)で反応が完了していることが分かった。溶媒を留去して茶色のオイルを得、これをクロマトグラフィー(Biotage75L,シリカ,Cy/EtOAc8/2,7/3で溶出)にかけ黄色オイルの標記化合物D22(30g)を得た。UPLC(AcidGEN_QC):rt=0.69分,観察されたピーク:299(M+1)。C15H26N2O4理論値:298。1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm1.46(s,9H)1.54(s,3H)1.67(s,3H)2.30−2.49(m,2H)3.71−4.05(m,5H)5.04−5.22(m,2H)5.37−5.52(m,1H)5.65−5.81(m,1H)。
【0064】
記載例23:トリフルオロメタンスルホン酸−{2−[(4S)−2,2−ジメチル−4−(2−プロペン−1−イル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]−2−オキソエチル}アミン(1:1)(D23)
【化25】

1,1−ジメチルエチル{2−[(4S)−2,2−ジメチル−4−(2−プロペン−1−イル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]−2−オキソエチル}カルバマート(ノン−プレフェレドナム)(D22)(28.67g)をDCM(300ml)に溶解し、そこに2,6−ジメチルピリジン(27.9ml,240mmol),続いてトリメチルシリルトリフルオロメタンスルホナート(34.7ml,192mmol)を添加し、室温で30分攪拌した。反応を2mlの水で停止させ、減圧下溶媒を除去して残渣をBiotage75Lカラム([DCM/MeOH100:0次に98:2その次に96:4その次に85:15]で溶出)にかけた。溶媒を留去して標記化合物D23(21g)を得た。UPLC(AcidFINAL_QC):rt=0.36分,観察されたピーク:199(M+1−CHF3O3S)。C10H18N2O2CHF3O3S理論値:348。1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δppm1.40(s,3H),1.50(s,3H),2.17−2.431.40(m,2H),3.68−3.98(m,4H),3.99−4.09(m,1H),4.83−5.40(m,2H),5.58−5.97(m,1H),7.63−8.36(br.s.,2H)。
【0065】
記載例24:(4S)−3−(ジアゾアセチル)−2,2−ジメチル−4−(2−プロペン−1−イル)−1,3−オキサゾリジン(D24)
【化26】

トリフルオロメタンスルホン酸−{2−[(4S)−2,2−ジメチル−4−(2−プロペン−1−イル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]−2−オキソエチル}アミン(1:1)(D23)(67.0g)をDCM(670ml)とpH=5バッファ溶液(670ml)に溶解し、2℃(内部温度)に冷却した。この反応混合物に、亜硝酸ナトリウム(26.5g,385mmol)を水(134ml)に加えた溶液を2℃で30分かけ滴下した。この反応混合物を3℃で2.5時間攪拌した。水性相をDCM(1x670ml,1x335ml)で逆抽出した。合わせた有機層を乾燥し、留去して(浴温度30℃)、43gの粗製物を得た。この粗製物をシリカパッド[(230−400Mesh)Cy/EtOAc8/2,7/3,6/4で溶出]で精製して標記化合物D24(36.58g)を淡黄色オイルとして得た。UPLC(AcidGEN_QC):rt=0.59分,観察されたピーク:210(M+1)。C10H15N3O2の理論値:209。1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm1.58(s,3H)1.69(s,3H)2.25−2.50(m,2H)3.43−3.70(m,1H)3.82−4.01(m,2H)4.84(s,1H)5.09−5.24(m,2H)5.63−5.84(m,1H)。
【0066】
記載例25:(5aS,6aS,7aS)−3,3−ジメチルヘキサヒドロ−5H−シクロプロパ[d][1,3]オキサゾロ[3,4−a]ピリジン−5−オン、および(5aR,6aR,7aS)−3,3−ジメチルヘキサヒドロ−5H−シクロプロパ[d][1,3]オキサゾロ[3,4−a]ピリジン−5−オン(D25Asyn/D25Banti)
【化27】

(4S)−3−(ジアゾアセチル)−2,2−ジメチル−4−(2−プロペン−1−イル)−1,3−オキサゾリジン(D24)(36.5g)をDCM(365ml)に溶解し、酢酸ロジウム(II)ダイマー(3.85g,8.72mmol)のDCM(183ml)中懸濁液に、25℃で2.5時間かけて滴下した。得られた混合物を25℃で30分攪拌した。TLC(Cy/EtOAc1/1)測定の結果、出発物質は残っていなかった。この混合物を濾過し(グーチ濾過器n3)、濃縮して2回クロマトグラフィー(シリカ230−400Mesh,Cy/EtOAc7/3,6/4で溶出)に供して3つの画分を得、n−ヘプタン(各画分に対し40ml)で練和後、次の3つのバッチを得た:
D25B/D25A95:3(10.3g,anti異性体が主成分anti/syn95/3)HPLC(walkup):rt1=3.09分rt2=3.14分;
D25A/D25B31:68(4.47g,anti/syn比率が約31/68)HPLC(walkup):rt1=3.05分rt2=3.11分;
D25A/D25B(10.5g,D25Asyn異性体が主成分)。HPLC(walkup):rt1=3.08分rt2=3.16分。1HNMR(500MHz,CDCl3)δppm3.87−4.02(m,2H),3.32(t,1H),2.29−2.38(m,1H),1.57(s,3H),1.45−1.51(m,1H),1.43(s,3H),1.36−1.42(m,1H),1.12−1.20(m,1H),1.06−1.12(m,0H),0.45−0.54(m,1H)。
この第3バッチD25A/D25Bの662mgをフラッシュクロマトグラフィー(Snap−50gシリカゲルカラム,EtOAc/Cy、100%Cy〜30:70)で精製した。この精製で、ほぼ純粋なcis異性体(標記化合物D25A)(298mg)が白色固体として得られ、また、cis/trans異性体(75/25)混合物バッチ(347g)が無色オイルとして得られた。UPLC(BasicGEN_QC):rt=0.48分,観察されたピーク:182(M+1)。C10H15NO2の理論値:181。1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm3.98−4.10(m,2H)3.36−3.45(m,1H)2.37−2.47(m,1H)1.66(s,3H)1.53−1.61(m,1H)1.52(s,3H)1.42−1.50(m,1H)1.14−1.29(m,2H)0.59(m,1H)。
【0067】
記載例26:(1S,4S,6S)−4−(ヒドロキシメチル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2−オン(D26)
【化28】

(5aS,6aS,7aS)−3,3−ジメチルヘキサヒドロ−5H−シクロプロパ[d][1,3]オキサゾロ[3,4−a]ピリジン−5−オンD25(3.56g)を、250ml丸底フラスコ中でHCl(25ml,150mmol)(6M水溶液)溶解し、40℃で4時間攪拌後、反応は完結した。rotavapor(浴温度:40℃)を使って溶媒を減圧下留去した。油状残渣をトルエンで取り除き、残渣を高真空下3時間乾燥し、白色固体の標記化合物D26(2.843g)を得た。UPLC(AcidIPQC):rt=0.31分,観察されたピーク:142(M+1)。C7H11NO2の理論値:141。1HNMR(500MHz,DMSO−d6)δppm0.56−0.68(m,1H)0.93−1.05(m,1H)1.30−1.39(m,1H)1.39−1.48(m,1H)1.57−1.67(m,1H)1.98−2.09(m,1H)3.17−3.29(m,2H)3.31−3.40(m,1H)6.89−7.13(m,1H)。
【0068】
記載例27:1,1−ジメチルエチル(1S,4S,6S)−4−(ヒドロキシメチル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシラート(D27)
【化29】

(1S,4S,6S)−4−(ヒドロキシメチル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2−オンD26(3.839g)をTHF(40ml)に懸濁させ、BH3.THF(1MTHF溶液,136ml,136mmol)をゆっくり(5分かけて)添加し、2時間還流して攪拌した。混合物を室温に冷却し、続いて氷/水浴で0℃に冷却した。MeOH(25ml)をゆっくり添加し、ガス放出が止まった時点でHCl(3M水溶液,140ml,420mmol)をゆっくり加え、再度85℃で1時間攪拌した。混合物を再度室温に冷却した。
第2の反応混合物の調製:(1S,4S,6S)−4−(ヒドロキシメチル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−2−オンD26(3.839g)をTHF(0.5mL)に懸濁させ、BH3.THF(3.6mL,3.60mmol)をゆっくり(1分かけて)添加し、2時間還流して攪拌した。第2の混合物を室温に冷却し、HCl(3.6mL,10.80mmol)をゆっくり加え、再度75℃で1時間攪拌した。混合物を再度室温に冷却し、これを最初の混合物に加え単一の混合物を形成した。
NaOH(3M水溶液,140ml,420mmol)を酸性混合物にゆっくり添加し、pHを約10にした。Boc2O(7.13ml,30.7mmol)をTHF(30ml)に加えた溶液を添加し、得られた2相混合物を室温で1.5時間激しく攪拌した。EtOAc(100ml)を添加し、層を分離させた。水性相をEtOAc(3x100ml)で抽出後、全有機画分を一緒にした。これを食塩水(3x150ml)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥、減圧下留去して粗製目標物質(14g)を淡黄色オイルとして得た。この物質をBiotage(Snap−340gシリカゲルカラム,純Cy〜EtOAc/Cy70:30)で精製して無色オイルの標記化合物D27(5.695g)を得た。MS:(ES/+)m/z:228(M+1)128(M+1−Boc)。C12H21NO3の理論値:227。1HNMR(500MHz,DMSO−d6)δppm4.43(t,1H),4.00−4.20(m,1H),3.34−3.45(m,1H),3.25−3.31(m,2H),2.10−2.23(m,1H),2.00−2.10(m,1H),1.30(s,9H),0.86−0.99(m,2H),0.66−0.77(m,1H),0.51−0.61(m,1H),−0.04−0.05(m,1H)。
【0069】
記載例28:1,1−ジメチルエチル(1S,4S,6S)−4−[(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)メチル]−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシラート(D28)
【化30】

1,1−ジメチルエチル(1S,4S,6S)−4−(ヒドロキシメチル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシラート(D27)(310mg)、トリフェニルホスフィン(1073mg,4.09mmol)およびフタルイミド(502mg,3.41mmol)をTHF(7ml)に溶解した。この混合物を50℃にし、DIAD(0.796ml,4.09mmol)を滴下した。これを50℃で1時間攪拌し、1mlの水を添加した。揮発成分を真空除去して、得られた粗製物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーカラムサイズ10g;Cy/EtOAc=8:2〜Cy/EtOAc=5:5〜EtOAc100%を使用)で精製して標記化合物D28(488mg)を得た。UPLC:(AcidFinal_QC):rt=0.80分,観察されたピーク:357(M+1)。C20H24N2O4の理論値:356。
【0070】
記載例29:1,1−ジメチルエチル(1S,4S,6S)−4−(アミノメチル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシラート(D29)
【化31】

1,1−ジメチルエチル(1S,4S,6S)−4−[(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)メチル]−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシラート(D28)(1.8g)をEtOH(8ml)に溶解し、ヒドラジン(2.476ml,50.5mmol)を注意深く添加して室温で2時間攪拌した。全揮発成分を減圧下除去して、固形物残渣をSCXクロマトグラフィー(カラムサイズ20gMeOH100%〜MeOH/NH32Mを使用)で精製した。この生成物は純度が低かったので、シリカーNHクロマトグラフィー(BiotageSP−カラムサイズ28gEtOAc100%を溶出剤として使用)で再度精製し、標記化合物D29(793mg)を得た。UPLC:(AcidFinal_QC):rt=0.46分,観察されたピーク:227(M+1)。C12H22N2O2の理論値:226。1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm4.41(br.s.,1H)3.66(br.s.,1H)2.90−2.65(m,2H)2.42−2.17(m,2H)1.60−1.40(m,11H)1.21−1.08(m,1H)1.06−0.84(m,2H)0.81−0.68(m,1H)0.30−0.04(m,1H)。
【0071】
記載例30:1,1−ジメチルエチル(1S,4S,6S)−4−({[5−(トリフルオロメチル)−2−ピラジニル]アミノ}メチル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシラート(D30)
【化32】

A)1,1−ジメチルエチル(1S,4S,6S)−4−(アミノメチル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシラート(D29)(197mg)、2−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)ピラジン(395mg,1.741mmol),ナトリウムtert−ブトキシド(125mg,1.306mmol)、臭化テトラブチルアンモニウム(337mg,1.045mmol),酢酸パラジウム(II)(19.54mg,0.087mmol)およびBINAP(54.2mg,0.087mmol)を1,4−ジオキサン(8ml)に溶解した。これを100℃、MWsystem(20分x2)で攪拌した。冷却後、セライト充填層で濾過し、20mlのEtOAcで希釈し、20mlの食塩水で洗浄した。有機相を無水Na2SO4上で乾燥し真空下濃縮して粗製物を得、これをシリカクロマトグラフィー(カラムサイズ25g,Cy:EtOAc=8:2〜2:8を使用)で精製し、標記化合物D30(100mg)を得た。UPLC:(AcidFinal_QC):rt=0.87分,観察されたピーク:373(M+1)。C17H23F3N4O2の理論値:372。1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm8.25(s,1H)7.89(s,1H)4.37−4.02(m,2H)3.48−3.30(m,2H)2.53−2.20(m,2H)2.07(s,9H)1.30−1.15(m,1H)1.05−0.72(m,3H)0.30−0.03(m,1H)。
B)1,1−ジメチルエチル(1S,4S,6S)−4−(アミノメチル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシラート(D29)(400mg)と2−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)ピラジン(401mg,1.767mmol)をDMF(2ml)に溶解し、炭酸ナトリウム(375mg,3.53mmol)を添加後、50℃で2時間加熱した。真空下DMFを濃縮し,残渣をDCM(3ml)に溶解してNaHCO3飽和溶液(4ml)で洗浄した。有機相を相分離器チューブで濾過し、真空下濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(BiotageSP−カラムサイズ25gSNAP、Cy:EtOAc=8:2〜2:8を溶出剤として使用)で精製して標記化合物D30(300mg)を得た。
【0072】
記載例31:N−[(1S,4S,6S)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イルメチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピラジンアミン(D31)
【化33】

1,1−ジメチルエチル(1S,4S,6S)−4−({[5−(トリフルオロメチル)−2−ピラジニル]アミノ}メチル)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタン−3−カルボキシラート(D30)(100mg)をDCM(4ml)に溶解し、これにTFA(2ml,26.0mmol)を滴下し、室温で2時間反応させた。真空下溶媒を除去し粗製物をSCXクロマトグラフィー(MeOH100%〜MeOH/NH32Mを使用)で精製し、標記化合物D31(57mg)を得た。UPLC:(AcidFinal_QC):rt=0.48分,観察されたピーク:273(M+1)。C12H15F3N4の理論値:272。1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm0.22−0.29(m,1H)0.67−0.76(m,1H)0.82−0.92(m,1H)1.02−1.13(m,1H)1.24−1.35(m,1H)2.01−2.12(m,1H)2.63−2.72(m,1H)2.95−3.06(m,1H)3.17(dd,1H)3.26(d,1H)3.53−3.63(m,1H)5.96(br.s.,1H)7.91−7.96(m,1H)8.26−8.31(m,1H)。
【0073】
記載例32:2−メチルフロ[3,4−b]ピリジン−5,7−ジオン(D32)
【化34】

100ml丸底フラスコ中に、6−メチル−2,3−ピリジンジカルボン酸(10g,55.2mmol)と無水酢酸(26ml,276mmol)を添加し、窒素雰囲気下100℃で5時間加熱した。次に、揮発成分を真空除去し、微褐色固体の標記化合物D32(8.2g)を得た。1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δppm8.41(d,1H),7.82(d,1H),2.73(s,3H)。
【0074】
記載例33:6−メチル−2−[(メチルオキシ)カルボニル]−3−ピリジンカルボン酸(D33)
【化35】

2−メチルフロ[3,4−b]ピリジン−5,7−ジオン(D32)(3g)を何回かに分け、5分かけてMeOH(20ml)に添加した。混合物を0℃で30分、次に室温で2.5時間攪拌した。溶液を減圧下濃縮して、残渣をトルエン(50ml)から再結晶させた。固形分を濾過し、高真空下30分乾燥して標記化合物D33の第1のバッチ(1.16g)を薄茶色固体として得た。トルエン溶液から、新たな固体が析出した。これを濾過し高真空下30分乾燥して標記化合物D33の第2のバッチ(352mg)を淡黄色固体として得た。次にトルエン溶液を減圧下留去して残渣をトルエン(25ml)から再度再結晶させた。固形物を濾過し、高真空下30分乾燥して標記化合物D33の第3のバッチ(615mg)を淡黄色固体として得た。UPLC(BasicGEN_QC):rt=0.23分,観察されたピーク:195(M+1)。C9H9NO4の理論値:196。1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δppm13.61(br.s.,1H),8.09−8.31(m,1H),7.51(m,1H),3.82(s,3H),2.55(s,3H)。
【0075】
記載例34:メチル3−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−6−メチル−2−ピリジンカルボキシラート(D34)
【化36】

6−メチル−2−[(メチルオキシ)カルボニル]−3−ピリジンカルボン酸(D33)(1.15g)をトルエン(40ml)に懸濁させ、DIPEA(1.25ml,7.16mmol)を添加して固形分を完全に溶解した。これを室温で10分攪拌し、ジフェニルアジドホスファート(1.35ml,6.26mmol)を一度に添加後、1時間還流して攪拌した。この溶液を室温まで冷却しt−BuOH(2.5ml,26mmol)を一度に添加し、70℃で1時間攪拌した後、室温まで冷却しEt2O(50ml)を添加して、得られた溶液をNaHCO3飽和水溶液で洗浄した。水性相を合わせ、Et2Oで逆抽出した。2つの有機溶液を一緒にし、Na2SO4上で乾燥、減圧下濃縮して淡黄色オイルの粗製目標物を得た。これをシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(Biotage,EtOAc/Cy、10/90〜70/30;Snap−100gカラム)で精製して白色固体の標記化合物D34(1.315g)を得た。UPLC(BasicGEN_QC):rt=0.68分,観察されたピーク:267(M+1)。C13H18N2O4の理論値:266。1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm10.13(bs.,1H),8.77(d,1H),7.34(d,1H),4.03(s,3H),2.59(s,3H),1.53−1.56(m,9H)。
【0076】
記載例35:メチル3−アミノ−6−メチル−2−ピリジンカルボキシラート(D35)
【化37】

メチル3−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−6−メチル−2−ピリジンカルボキシラート(D34)(1.3g)をDCM(80ml)に溶解し、0℃で攪拌した。TFA(5ml,64.9mmol)をDCM(10ml)に加えた溶液を冷却した混合物に3分かけて滴下した。得られた溶液を0℃で30分攪拌し、室温で一晩静置した。TFA(4ml,51.9mmol)をDCM(10ml)に溶解し、これを3分かけて添加し、室温で5時間攪拌した。この溶液をSCX−25gカラムに注入し、カラムを溶出し、減圧下溶媒を留去して白色固体の標記化合物D35(770mg)を得た。UPLC(BasicGEN_QC):rt=0.44分,観察されたピーク:167(M+1)。C8H10N2O2の理論値:166。1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm7.14(d,1H),7.01(d,1H),3.99(s,3H),2.52(s,3H)。
【0077】
記載例36:メチル3−ヨード−6−メチル−2−ピリジンカルボキシラート(D36)
【化38】

メチル3−アミノ−6−メチル−2−ピリジンカルボキシラート(D35)(768mg)に6MのHCl水溶液(4.5ml,27.0mmol)添加し得られた淡黄色混合物を水(4x5ml)で順に希釈して、0℃(内部温度)で冷却した。
亜硝酸ナトリウム(480mg,6.96mmol)を水(2ml)に加えた溶液を混合物に1分かけて添加した。次に0℃で30分攪拌し、KI(1.69g,10.18mmol)を(2ml)に加えた溶液を1分かけて添加し、暗紫色外皮を形成させた(中程度のガス放出あり)。混合物を1時間攪拌継続し、この間温度が0℃から+5℃まで変化した。EtOAc(50ml)をこの攪拌混合物に添加し、暗色固体を溶解させた。水(50ml)とEtOAc(50ml)を添加し、全混合物を分液ロートに入れた。全有機相を一緒にしNaHCO3飽和水溶液で洗浄した。酸性水性相を、前に使ったNaHCO3飽和水溶液を添加して中和し、得られた混合物をEtOAcで抽出した。全有機相を一緒にして、Na2SO4上で乾燥、減圧下濃縮して粗製目標物質を暗褐色/青紫色オイルとして得た。この物質をシリカクゲルロマトグラフィー(BiotageSP4Snap−100gカラム,EtOAc/Cy、10/90〜30/70)で精製して薄茶色固体の標記化合物D36(1.1g)を得た。UPLC(BasicGEN_QC):rt=0.68分,観察されたピーク:278(M+1)。C8H8INO2の理論値:277。1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm8.12(d,1H),7.01(d,1H),4.01(s,3H),2.58(s,3H)。
【0078】
記載例D37:メチル6−メチル−3−(1H−ピラゾール−1−イル)−2−ピリジンカルボキシラート(D37)
【化39】

ねじぶた付きバイアル中で、メチル3−ヨード−6−メチル−2−ピリジンカルボキシラート(D36)(200mg)、1H−ピラゾール(98mg,1.444mmol),(1R,2R)−N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(20.54mg,0.144mmol),ビス(銅(I)トリフルオロメタンスルホナート),ベンゼン錯体(18.17mg,0.036mmol)および炭酸セシウム(470mg,1.444mmol)の混合物にDMF(1.5ml)を添加した。この混合物を真空/窒素を3回繰り返して脱気し震盪を加えながら120℃で1時間加熱した。反応混合物を減圧下蒸発乾固した。残渣を水/MeOH(1:1,3ml)に溶解し、4MのHCl溶液でpH=2に酸性化した。得られた混合物をDCM/MeOH(3:1,20ml)で練和し、濾過後、DCM/MeOH(3:1,5ml)でさらに洗浄した。濾液をTMS−ジアゾメタン溶液(ヘキサン中2M溶液)で処理し酸を再エステル化した。反応混合物を減圧下濃縮して残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(BiotageSnap10gカラム,EtOAc/Cy、20/80〜50/50、および次にBiotageKP−NHSnap11gカラム,EtOAc/DCM均一濃度の1/99)で2回精製し標記化合物D37(107mg)を無色のガムとして得た。
UPLC(BasicQC_POS_50−800):rt=0.51分,観察されたピーク:218(M+1)。C11H11N3O2の理論値:217。1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm7.63−7.86(m,3H),7.39(m,1H),6.48(m,1H),3.85(s,3H),2.68(s,3H)。
【0079】
記載例D38:6−メチル−3−(1H−ピラゾール−1−イル)−2−ピリジンカルボン酸(D38)
【化40】

メチル6−メチル−3−(1H−ピラゾール−1−イル)−2−ピリジンカルボキシラート(D37)(106mg)とLiOH(17.53mg,0.732mmol)をTHF/水(2:1,6ml)に加えた溶液を一晩攪拌した。この混合物を減圧下濃縮して残渣を水(2ml)に溶解し、1MのHClでpH=2に調整した。これをプレコンディショニングしたC18カラム(5g,水、次にMeOHで溶出)に注入し、メタノール画分を減圧下濃縮して白色固体の標記化合物D38(98mg)を得た。
UPLC(BasicQC_POS_50−800):rt=0.30分,観察されたピーク:160[(M−CO2)+1]。C10H9N3O2の理論値:203。1HNMR(400MHz,methanol−d4)δppm7.77−8.03(m,2H),7.74(m,1H),7.58(m,1H),6.55(m,1H),2.66(s,3H)。
【0080】
記載例39:メチル6−メチル−3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−2−ピリジンカルボキシラート(D39)
【化41】

マイクロ波バイアル中で、メチル3−ヨード−6−メチル−2−ピリジンカルボキシラートD36(100mg),1H−1,2,3−トリアゾ−ル(49.9mg,0.722mmol),(1R,2R)−N,N’−ジメチル−1,2−シクロヘキサンジアミン(10.27mg,0.072mmol),CuI(3.44mg,0.018mmol)およびCs2CO3(235mg,0.722mmol)の混合物にDMF(1.5ml)に添加した。混合物を真空/窒素の置換を3回繰り返して脱気し、シングルモードマイクロ波反応装置中、120℃で20分間マイクロ波照射を行った。この混合物をシングルモードマイクロ波反応装置中、120℃でさらに40分間マイクロ波照射を行った。反応混合物を冷却し濾過後、EtOAcで洗浄した。固形分をpH=3バッファ溶液(5ml)に溶解し、この溶液のUPLCのチェックでかなりの量の6−メチル−3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−2−ピリジンカルボン酸が含まれていることが分かった。水性相を繰り返しDCMで抽出後、合わせたDCM抽出液をMeOH(50ml)で希釈してTMS−ジアゾメタンで処理した。揮発成分を留去し黄色残渣を得、これをシリカゲルのフラッシュクロマトフラフィー(Biotage,SNAP10gカラム,10%−50%EtOAc/Cy)で精製して白色固体の標記化合物D39(38mg)を得た。UPLC(BasicQC_POS_50−800):rt=0.57分,観察されたピーク:219(M+1)。C10H10N4O2の理論値:218。1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm8.20(d,1H),7.87(s,2H),7.44(d,1H),3.94(s,3H),2.71(s,3H)。
【0081】
記載例40:6−メチル−3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−2−ピリジンカルボン酸(D40)
【化42】

メチル6−メチル−3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−2−ピリジンカルボキシラート(D39)(36mg)とLiOH(5.93mg,0.247mmol)をTHF/水(2:1,3ml)に加えた溶液を、一晩攪拌した。この混合物を減圧下濃縮し、残渣を水(2ml)に溶解して、1MのHCl水溶液で中和し、プレコンディショニングしたC18:5gカラム(カラムを水、次にMeOHで溶出)に注入した。メタノール画分を減圧下濃縮して、白色固体の標記化合物D40(34mg)を得た。UPLC(BasicQC_POS_50−800):rt=0.30分。観察されたピーク:205(M+1)。C9H8N4O2の理論値:204。1HNMR(400MHz,MeOD)δ(ppm)8.24(d,1H),7.99(s,2H),7.61(d,1H),2.67(s,3H)。
【0082】
実施例
以下の実施例で、化合物の相対的立体化学は、その化合物が合成された、前段の中間体から派生したものである。さらに、一部の実施例では、相対的立体化学は、最終の化合物についても確認されている。最終化合物は、特定の実施例に基づく種々の配座異性体の混合物となっている。例えば、E1は、前段の中間体D8の立体化学から派生したSYN相対的立体化学に割り付けられている。この生成物は配座異性体の混合物として存在する。
【0083】
実施例1:N−[((1S,4S,6S)−3−{[6−メチル−3−(プロピルオキシ)−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンアミン塩酸塩(E1)
【化43】

6−メチル−3−(プロピルオキシ)−2−ピリジンカルボン酸D16(0.0215g)をDMF(1.5ml)に加えた溶液に、TBTU(0.0497g,0.155mmol)とDIPEA(0.116ml,0.664mmol)を添加し、30分間攪拌した。この溶液に、N−[(1S,4S,6S)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イルメチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンアミンD12(0.030g)をDMF(0.5ml)に加えた溶液を添加し、1.5時間攪拌した。EtOAc(5ml)とNaHCO3飽和水溶液(10ml)を添加し、水性相をEtOAcで抽出した。相分離後、有機層を相分離器カートリッジを通し、減圧下濃縮した。得られた茶色のオイルをBiotageSP4(NH12+Mカラム;Cy/EtOAc,1/0〜7/3:5CV,7/3:20CV)で精製した。画分を集め濃縮して標記化合物E1の[((1S,4S,6S)−3−{[6−メチル−3−(プロピルオキシ)−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンアミンの遊離塩基(0.038g)を白色固体として得た。HPLC(walk−up):rt=4.46分。MS:(ES/+)m/z:449(M+1)。C23H27F3N4O2の理論値:448。1HNMR[SYN相対的立体化学は前段の中間物D8から派生したものである。この生成物は配座異性体の混合物として存在する。割り付けは主要成分に対し与えられている。]
1HNMR(500MHz,DMSO−d6)δppm8.24−8.31(m,1H),7.61−7.73(m,1H),7.15−7.48(m,3H),6.60−6.88(m,1H),4.06−4.25(m,1H),3.89−3.97(m,2H),3.57−3.64(m,1H),3.35−3.43(m,2H),2.56−2.66(m,1H),2.40(s,3H),2.33−2.43(m,1H),1.54−1.67(m,2H),1.00−1.24(m,2H),0.88(t,3H),0.80−0.86(m,1H),0.61−0.69(m,1H),0.16−0.23(m,1H)。
N−[((1S,4S,6S)−3−{[6−メチル−3−(プロピルオキシ)−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンアミン(0.036g)をDCM(1ml)に加えた溶液に、HCl(Et2O中1M溶液)(0.161ml,0.161mmol)を添加し、30分攪拌した。減圧下溶媒を除去して黄色固体を得、これをEt2O(3x1ml)で練和した。溶媒を吸引除去して残渣を真空下40℃で一晩乾燥して白色固体の標記化合物E1(0.038g)を得た。HPLC(walk−up):rt=4.48分。MS:(ES/+)m/z:449(M+1−HCl)。C23H27F3N4O2HClの理論値:484。1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δppm8.29−8.45(m,1H),7.77−7.89(m,1H),7.58−7.66(m,2H),7.33−7.42(m,1H),6.85−7.04(m,1H),4.13−4.21(m,1H),3.95−4.02(m,2H),3.37−3.70(m,3H),2.60−2.74(m,1H),2.38−2.48(m,4H),1.56−1.73(m,2H),1.02−1.32(m,2H),0.82−0.96(m,4H),0.64−0.73(m,1H),0.20−0.28(m,1H)。
【0084】
実施例2:N−[((1S,4S,6S)−3−{[3−(エチルオキシ)−6−メチル−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンアミン(E2)
【化44】

実施例1の記載と類似の方法により、N−[(1S,4S,6S)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イルメチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンアミンD12(0.030g)と3−(エチルオキシ)−6−メチル−2−ピリジンカルボン酸D15(0.020g)を反応させ、標記化合物の遊離塩基(0.044g,0.101mmol,92%収率)を得た。HPLC(walk−up):rt=4.14分。MS:m/z(ES/+):435(M+1)。C22H25F3N4O2の理論値:434。1HNMR[SYN相対的立体化学は前段の中間物D8から派生したものである。この生成物は配座異性体の混合物として存在する。割り付けは主要成分に対し与えられている。](400MHz,DMSO−d6)δppm:8.26(m,1H),7.72−7.56(m,1H),7.18−7.47(m,3H),6.83−6.61(m,1H),4.24−4.10(m,1H),4.10−3.88(m,2H),3.67−3.34(m,3H),2.67−2.56(m,1H),2.43−2.37(s,3H),2.43−2.34(m,1H),1.23−1.19(m,3H),1.20−0.8(m,3H),0.72−0.58(m,1H),0.15−0.24(m,1H)。
実施例1の記載と類似の方法により、遊離塩基から出発して、N−[((1S,4S,6S)−3−{[3−(エチルオキシ)−6−メチル−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンアミン(0.0415g)の標記化合物E2を得た。HPLC(walk−up):rt=4.16分。MS:m/z(ES/+):435(M+1−HCl)。C22H25F3N4O2HClの理論値:470。1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δppm:8.5−6.0(m,6H),5.0−2.5(m,7H),2.5−0.0(m,12H)。
【0085】
実施例3:N−[((1S,4S,6S)−3−{[6−メチル−3−(2−ピリミジニル)−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンアミン(E3)
【化45】

6−メチル−3−(2−ピリミジニル)−2−ピリジンカルボン酸D19(99mg),DIPEA(0.066ml,0.376mmol)およびN−[(1S,4S,6S)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イルメチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンアミンD12(34mg)をDCM(3ml)に加え、窒素雰囲気下室温で攪拌した溶液に、TBTU(60.4mg,0.188mmol)を一度に添加した。この反応混合物を室温で5時間攪拌した。NaHCO3飽和水溶液を添加し、水性相をDCMで抽出して、疎水性フリット上で相を分離させ、合わせた有機溶媒を除去して組成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(シリカ−NH11gカラム,勾配溶出Cy〜Cy/EtOAc2:8を30分,流速30ml/分)で精製した。得られた生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ−NH11gカラム、勾配溶出Cy〜Cy/EtOAc1:1を20分,流速30ml/分)で二度目の精製を行い標記化合物E3(21mg)を得た。UPLC(AcidGEN_QC):rt1=0.68分,観察されたピーク:469(M+1)。C24H23F3N6Oの理論値:460.1HNMR(500MHz,CDCl3)δppm0.08−0.16(m,1H),0.73−0.81(m,1H),0.82−1.32(m,3H),2.46−2.58(m,2H),2.66(s,3H),3.52−3.69(m,2H),3.70−3.80(m,1H),4.47−4.66(m,1H),6.38−6.50(m,1H),6.74−7.01(m,1H),7.08(t,1H),7.35(d,1H),7.47(d,1H),8.33(s,1H),8.54−8.64(m,3H)。
【0086】
実施例4:N−[((1S,4S,6S)−3−{[6−メチル−3−(2−ピリミジニル)−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピラジンアミン(E4)
【化46】

6−メチル−3−(2−ピリミジニル)−2−ピリジンカルボン酸D19(66.2mg)を室温で無水DCM(0.5ml)に加えた溶液に、DIPEA(0.038ml,0.220mmol)を添加し、続けてTBTU(38.9mg,0.121mmol)添加した。混合物は約10分で完全に溶解した。30分後、[(1S,4S,6S)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イルメチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピラジンアミンD31(30mg)を無水dryDCM(0.5ml)に加えた溶液を滴下し、16時間反応を継続させた。反応混合物をDCM(10mls)とNaHCO3(15ml)に飽和溶液に取り込み、水性層をDCM(2x10ml)で逆抽出した。合わせた有機層を食塩水(1x10ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥、濾過、濃縮して粗製物を得た。これをシリカ−NHクロマトグラフィー(BiotageSP−カラムサイズ11g,EtOAc100%を溶出剤として使用)で精製した。回収した生成物は、純粋ではなかったのでC18相[Snap60g,水(HCOOH0.5%):アセトニトリル(HCOOH0.5%)=95:5〜5:95で溶出]で再度精製し、標記化合物E4(25mg)を得た。UPLC:(AcidFinal_QC):rt=0.86分,観察されたピーク:470(M+1)。C23H22F3N7Oの理論値:469。1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δppm8.86−8.79(m,2H),8.51−8.47(m,1H),8.41−8.37(m,1H),8.13−7.81(m,2H),7.52−7.38(m,2H)4.24−4.12(m,1H)3.82−3.66(m,2H),3.64−3.55(m,1H),2.69(s,3H),2.68−2.61(m,1H),2.46−2.39(m,1H),1.20−1.02(m,2H),0.99−0.89(m,1H),0.68−0.59(m,1H),0.23−0.16(m,1H)。
【0087】
実施例5:N−[((1S,4S,6S)−3−{[6−メチル−3−(1H−ピラゾール−1−イル)−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピラジンアミン(E5)
【化47】

6−メチル−3−(1H−ピラゾール−1−イル)−2−ピリジンカルボン酸D38(24.63mg)を1mlのDMFに溶解し,TBTU(46.0mg,0.143mmol)とDIPEA(0.025ml,0.143mmol)を添加した。この懸濁液を室温で30分攪拌した。N−[(1S,4S,6S)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イルメチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピラジンアミンD31(30mg)を1mlのDMFに溶解し、これを前記混合物に添加して室温で一晩攪拌した。NaHCO3飽和溶液を添加し、水性層をDCMで抽出した。有機層を集め相分離器を通して乾燥し、減圧下濃縮して粗製物を得、これをSCXクロマトグラフィー(カラムサイズ5g)で精製した。2回目の精製をシリカ−NHクロマトグラフィー(BiotageSP−カラムサイズ11g,Cy:EtOAc=5:5〜EtOAcを使用)で行い、標記化合物E5(22mg)を得た。UPLC:(AcidFinal_QC):rt=0.81分、および0.85分(回転異性体が存在),観察されたピーク:458(M+1)。C22H22F3N7Oの理論値:457。1HNMR(400MHz,CDCl3)δppm8.29(s,1H),7.85−7.77(m,3H),7.52(s,1H),7.38−7.32(m,1H),7.05−6.89(m,1H)6.35−6.30(m,1H)4.58−4.37(m,1H),3.77−3.66(m,1H),3.65−3.37(m,2H),2.65(s,3H),2.50−2.36(m,2H),1.42−0.83(m,3H),0.82−0.71(m,1H),0.15−0.06(m,1H)。
【0088】
実施例6:N−[((1S,4S,6S)−3−{[6−メチル−3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピラジンアミン(E6)
【化48】

6−メチル−3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−2−ピリジンカルボン酸D40(33.0mg)を1mlのDCMに溶解し,TBTU(61.3mg,0.191mmol)とDIPEA(0.033ml,0.191mmol)を添加した。懸濁液を室温で30分攪拌した。N−[(1S,4S,6S)−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イルメチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピラジンアミンD31(40mg)を1mlのDCMに溶解し、この溶液を添加して反応混合物を室温で一晩攪拌した。NaHCO3飽和溶液を添加し、水性層をDCMで抽出した。有機層を集め相分離器を通して乾燥し、真空下濃縮して粗製物を得、これをSCXクロマトグラフィー(カラムサイズ5g)で精製した。2回目の精製をシリカ−NHクロマトグラフィー(BiotageSP−カラムサイズ25g,Cy:EtOAc=5:5〜EtOAcを使用)で行い、標記化合物E6(30mg)を得た。UPLC:(AcidFinal_QC):rt=0.76分、および0.80分(回転異性体が存在),観察されたピーク:459(M+1)。C21H21F3N8Oの理論値:458。1HNMR(400MHz,DMSO−d6)δppm8.38(s,1H)8.28−8.22(m,1H)8.08−8.06(s,2H),7.90−7.78(m,2H),7.57−7.51(m,1H)4.20−4.08(m,1H)3.76−3.40(m,3H),2.68−2.61(m,1H),2.56(s,3H),2.44−2.35(m,1H),1.28−0.95(m,2H),0.92−0.83(m,1H),0.68−0.60(m,1H),0.24−0.18(m,1H)。
【0089】
実施例7:FLIPRを使ったヒトオレキシン1および2受容体に対するアンタゴニストのアフィニティの測定
細胞培養
組換え型ヒトオレキシン1またはヒトオレキシン2受容体を安定に発現しているチャイニーズハムスター卵巣(CHO)付着細胞、あるいは組換え型ラットオレキシン1またはラットオレキシン2受容体を安定に発現しているラット好塩基球性白血病細胞(RBL)をAlphaMinimumEssentialMedium培地(Gibco/Invitrogen社、カタログno.;22571-020)に、10%の脱補体ウシ胎仔血清(LifeTechnologies社、カタログno.10106-078)および400μg/mLのGeneticinG418(Calbiochem社、カタログno.345810)を添加して、培養、維持を行った。細胞は、37℃で空気:CO2=95%:5%の雰囲気下、単層として成長した。
実施例1と2の化合物の試験のために使われたヒトオレキシン1、ヒトオレキシン2、ラットオレキシン1、およびラットオレキシン2受容体の配列は、ヒトオレキシン1受容体の配列が、位置280のアミノ酸残基がグリシンではなく、アラニンであることを除いて、
Sakurai、T.etal(1998)Cell、92pp573to585に報告されている。実施例3〜6の化合物の試験に使った受容体の配列は、オレキシン1受容体の配列が前述のSakuraiの報告と同じであることを除いて、上記と同じである。
FLIPRTMを使った[Ca2+]iの測定
細胞を、ブラッククリアーボトムの384ウエルプレートに入れた上記の培地中に播いて(密度:ウエル当たり20、000細胞)、一晩維持した(95%:5%空気:CO2、37℃)。実験当日には、培地を廃棄して、細胞を、プロベネシド2.5mMを添加した標準バッファ(NaCl、145mM;KCl、5mM;HEPES、20mM;グルコース、5.5mM;MgCl2、1mM;CaCl2、2mM)で3回洗浄した。次いで、プレートを、暗所で2μMのFLUO−4AM色素と37℃で60分間インキュベートし、細胞にFLUO−4AMを取り込ませた。取り込まれたFLUO−4AMは、その後細胞内エステラーゼによりFLUO−4に転換され、このものは、細胞と離れなくなる。インキュベーション後、細胞を標準バッファで3回洗浄して細胞外色素を除去し、洗浄後各ウエルに30μLのバッファを残した。
本発明の化合物を、1.66x10−5M〜1.58x10−11Mの最終アッセイ濃度範囲で試験した。本発明の化合物を、ストック濃度の10mMでジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。ストック溶液はDMSOで連続的に希釈され、各希釈物の1μLを384ウエル化合物プレートに移した。化合物を細胞に導入する直前に、バッファ溶液(50μl/ウエル)をこのプレートに添加した。細胞のアゴニスト刺激を行わせるために、ヒトオレキシンA(hOrexinA)を含むプレートを、使用する直前に最終濃度にバッファで希釈した。このhOrexinAの最終濃度は、この試験システムのhOrexinAアゴニスト効力に対して計算したEC80に等しい。この値は、その実験日と同日のhOrexinAの濃度反応曲線試験(少なくとも16回の繰り返し)により得られる。
次にロードした細胞を試験化合物と共に37℃で10分インキュベートした後、FLIPRTM(MolecularDevices社、英国)中に置いて、細胞の蛍光(λex=488nm、λEM=540nm)をモニターした(SullivanE、TuckerEM、DaleIL.Measurementof[Ca2+]iusingthefluometricimagingplatereader(FLIPR).In:LambertDG(ed.)、CalciumSignalingProtocols.NewJersey:HumanaPress、1999、125-136)。蛍光のベースライン読み値を5〜10秒間採取し、EC80hOrexinA溶液の10μLを添加した。次いで蛍光を4〜5分かけて読み取った。
データ解析
FLIPRの機能的反応をピーク蛍光強度からベースライン蛍光強度を差し引いて測定し、同じプレート上の非阻害オレキシンA誘導反応のパーセンテージとして表した。繰り返しカーブフィッティングとパラメーター推定は、4パラメーター論理モデルと、マイクロソフトExelを使って行った(BowenWP、JermanJC.Nonlinearregressionusingspreadsheets.TrendsPharmacol.Sci.1995;16:413-417)。アンタゴニストアフィニティ値(IC50)を、改良Cheng−Prusoff補正(ChengYC、PrusoffWH.Relationshipbetweentheinhibitionconstant(Ki)andtheconcentrationofinhibitorwhichcauses50percentinhibition(IC50)ofanenzymaticreaction.Biochem.Pharmacol.1973、22:3099-3108)を使って官能基pKiに変換した。
【数1】

ここで、[agonist]はアゴニストの濃度、EC50はアゴニストの用量反応曲線から得られた50%活性を示すアゴニスト濃度、nは用量反応曲線の傾斜、を表す。n=1の場合、よく知られたCheng−Prusoffの簡単な式になる。
実施例1〜6の化合物を、実施例7の方法に従って試験した。全化合物のヒトクローン化オレキシン1受容体で、8.6〜9.5のfpKi値が得られ、また、ヒトクローン化オレキシン2受容体で、7.5〜9.3のfpKi値が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物または薬学的に許容可能なこれらの塩:
【化1】

[式中、
Hetは、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、またはピラジニルからなる群から選択されるヘテロアリール基であり、前記ヘテロアリール基は、C1−4アルキル、ハロ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、およびシアノからなる群から独立に選択される1、2、または3個の置換基により置換されていてもよく;
は、C1−4アルキル、ハロ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、シアノ、C1−4アルキルSO、C3−8シクロアルキルSO、C3−8シクロアルキルCHSO、フェニル、または、N、O、もしくはSから選択される1、2、もしくは3個の原子を含む5もしくは6員環ヘテロシクリル基であって、ここでフェニルまたはヘテロシクリル基は、C1−4アルキル、ハロ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、またはシアノにより置換されていてもよく;
は、C1−4アルキル、ハロ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、シアノ、フェニル、または、N、OもしくはSから選択される1、2、もしくは3個の原子を含む5もしくは6員環ヘテロシクリル基であって、ここでフェニルまたはヘテロシクリル基は、C1−4アルキル、ハロ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、またはシアノにより置換されていてもよく;
は、C1−4アルキル、ハロ、C1−4アルコキシ、ハロC1−4アルキル、ハロC1−4アルコキシ、またはシアノであり;
mは、0または1であり;および
nは、0または1である]。
【請求項2】
Hetが、ハロC1−4アルキルにより置換される、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項3】
Hetが、トリフルオロメチルにより置換される、請求項2に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項4】
Hetが、ピリジニルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項5】
Hetが、ピリミジニルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項6】
Hetが、トリフルオロメチルまたはシアノにより置換されるピリジニルである、請求項4に記載の化合物または薬学的に許容可能なこれらの塩。
【請求項7】
mが0であり、かつ、nが0である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項8】
mが1であり、かつ、nが0である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項9】
が、CHである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項10】
が、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、フェニル、ピリミジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリニル、ピリダジニル、ピラジニルまたはピリジニルである、請求項1〜6、8または9のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能なこれらの塩。
【請求項11】
が、ピリミジニルである、請求項10に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項12】
Hetがトリフルオロメチルにより置換されるピリジニルであり、mが1であり、nが0であり、R1がCHであり、かつ、Rがピリミジニルである、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項13】
Hetがトリフルオロメチルにより置換されるピラジニルであり、mが1であり、nが0であり、R1がCHであり、かつ、Rがピリミジニルである、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容可能なその塩。
【請求項14】
下記からなる群から選択される、式(I)の化合物または薬学的に許容可能なこれらの塩:
N−[((1S,4S,6S)−3−{[6−メチル−3−(プロピルオキシ)−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンアミン;
N−[((1S,4S,6S)−3−{[3−(エチルオキシ)−6−メチル−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンアミン;
N−[((1S,4S,6S)−3−{[6−メチル−3−(2−ピリミジニル)−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジンアミン;
N−[((1S,4S,6S)−3−{[6−メチル−3−(2−ピリミジニル)−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピラジンアミン;
N−[((1S,4S,6S)−3−{[6−メチル−3−(1H−ピラゾール−1−イル)−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピラジンアミン;および
N−[((1S,4S,6S)−3−{[6−メチル−3−(2H−1,2,3−トリアゾール−2−イル)−2−ピリジニル]カルボニル}−3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタ−4−イル)メチル]−5−(トリフルオロメチル)−2−ピラジンアミン。
【請求項15】
治療に使用するための、請求項1〜14のいずれか一項で定義される化合物または薬学的に許容可能なこれらの塩。
【請求項16】
ヒトオレキシン受容体のアンタゴニストが必要とされる疾患または障害の治療に用いるための、請求項1〜14のいずれか一項で定義される化合物または薬学的に許容可能なこれらの塩。
【請求項17】
疾患または障害が、睡眠障害、うつ病もしくは気分障害、不安障害、物質関連障害、または摂食障害である、請求項16に記載の化合物または薬学的に許容可能なこれらの塩。
【請求項18】
疾患または障害が、睡眠障害である、請求項17に記載の化合物または薬学的に許容可能なこれらの塩。
【請求項19】
睡眠障害が、原発性不眠症(307.42)、原発性過眠症(307.44)、ナルコレプシー(347)、呼吸関連睡眠障害(780.59)、概日リズム睡眠障害(307.45)および他に分類されない睡眠異常(307.47)等の睡眠異常;悪夢障害(307.47)、夜驚症(307.46)、夢遊病(307.46)および他に分類されない睡眠時随伴症(307.47)等の睡眠時随伴症のような原発性睡眠障害;他の精神障害関連不眠症(307.42)および他の精神障害関連過眠症(307.44)等の他の精神障害関連睡眠障害;一般的病状による睡眠障害、特に、神経障害、神経因性疼痛、むずむず脚症候群、心肺疾患等の疾患関連睡眠障害;並びに不眠症型、過眠症型、睡眠時随伴症型および混合型のサブタイプを含む物質誘発睡眠障害;睡眠時無呼吸および時差ぼけ症候群からなる群から選択される、請求項18に記載の化合物または薬学的に許容可能なこれらの塩。
【請求項20】
ヒトオレキシン受容体のアンタゴニストが必要とされる疾患または障害の治療に用いるための薬剤の製造における、請求項1〜14のいずれか一項で定義される化合物または薬学的に許容可能なこれらの塩の使用。
【請求項21】
疾患または障害が、睡眠障害、うつ病もしくは気分障害、不安障害、物質関連障害、または摂食障害である、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
疾患または障害が、睡眠障害である、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
睡眠障害が、原発性不眠症(307.42)、原発性過眠症(307.44)、ナルコレプシー(347)、呼吸関連睡眠障害(780.59)、概日リズム睡眠障害(307.45)および他に分類されない睡眠異常(307.47)等の睡眠異常;悪夢障害(307.47)、夜驚症(307.46)、夢遊病(307.46)および他に分類されない睡眠時随伴症(307.47)等の睡眠時随伴症のような原発性睡眠障害;他の精神障害関連不眠症(307.42)および他の精神障害関連過眠症(307.44)等の他の精神障害関連睡眠障害;一般的病状による睡眠障害、特に、神経障害、神経因性疼痛、むずむず脚症候群、心肺疾患等の疾患関連睡眠障害;並びに不眠症型、過眠症型、睡眠時随伴症型および混合型のサブタイプを含む物質誘発睡眠障害;睡眠時無呼吸および時差ぼけ症候群からなる群から選択される、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
患者における、ヒトオレキシン受容体のアンタゴニストが必要とされる疾患または障害の治療方法であって、それを必要としている患者に、有効量の請求項1〜14で定義される化合物または薬学的に許容可能なこれらの塩を投与することを含んでなる、方法。
【請求項25】
疾患または障害が、睡眠障害、うつ病もしくは気分障害、不安障害、物質関連障害、または摂食障害である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
疾患または障害が、睡眠障害である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
睡眠障害が、原発性不眠症(307.42)、原発性過眠症(307.44)、ナルコレプシー(347)、呼吸関連睡眠障害(780.59)、概日リズム睡眠障害(307.45)および他に分類されない睡眠異常(307.47)等の睡眠異常;悪夢障害(307.47)、夜驚症(307.46)、夢遊病(307.46)および他に分類されない睡眠時随伴症(307.47)等の睡眠時随伴症のような原発性睡眠障害;他の精神障害関連不眠症(307.42)および他の精神障害関連過眠症(307.44)等の他の精神障害関連睡眠障害;一般的病状による睡眠障害、特に、神経障害、神経因性疼痛、むずむず脚症候群、心肺疾患等の疾患関連睡眠障害;並びに不眠症型、過眠症型、睡眠時随伴症型および混合型のサブタイプを含む物質誘発睡眠障害;睡眠時無呼吸および時差ぼけ症候群からなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
a)請求項1〜11のいずれか一項で定義される化合物または薬学的に許容可能なこれらの塩と、b)1以上の薬学的に許容可能なキャリアとを含んでなる、医薬組成物。

【公表番号】特表2012−510493(P2012−510493A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538975(P2011−538975)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066016
【国際公開番号】WO2010/063662
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】