説明

OCTプローブ

【課題】内視鏡下で測定位置を確認できるOCTプローブを提供する。
【解決手段】ハーフボールレンズ628Aの端面にダイクロイック面628aが形成され、そのダイクロイック面628a上に拡散体628Cが取り付けられる。可視光である測定位置確認光Leと非可視光である測定光L1とを合波した光をOCTプローブに供給すると、測定光L1はダイクロイック面628aで反射され、測定対象Sに向けて出射される。一方、測定位置確認光Leは拡散体628Cに入射して拡散され、内視鏡下で視認可能に発光する。この発光する拡散体628Cを内視鏡下で視認することにより、測定位置を確認することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はOCTプローブに係り、特に内視鏡の画面上で測定光の照射位置(測定位置)を確認できるOCTプローブに関する。
【背景技術】
【0002】
光コヒーレンストモグラフィ(OCT: Optical Coherence Tomography)は、生体の断層像を非侵襲に測定する手法であり、眼、心血管など、生体のあらゆる場所に適用され、正常部と病変部の識別に使われている。消化器の分野では、内視鏡と組み合わせて使用することで、病変の深達度を診断する手法が提案されている。すなわち、内視鏡で消化器の表面を観察して病変部を抽出し、その場所をOCTで断層像観察することで、病変部がどの深さまで達しているかを見極め、治療方針を決めるという手法が提案されている。OCTでは、より深くまでの情報を得るために、その光源には、生体に含まれる水やヘモグロビンの吸収が少ない800〜1500nmの範囲の赤外光が用いられている。
【0003】
しかしながら、この波長域は不可視領域であるため、測定対象上のどこに測定光が照射されているのかを内視鏡下で視認することができず、測定光が病変部に当たっているのかどうかを確認できないという問題があった。
【0004】
このような問題を解決するため、特許文献1〜4には、可視光である測定位置確認光(ガイド光)を測定光に合波させ、体腔内で測定位置確認光がスポット光として照射されるようにすることにより、内視鏡下で測定位置を視認できるようにする技術が提案されている。
【0005】
また、特許文献5、6には、プローブ先端に反射部を設けて、内視鏡の照明光を反射部に反射させることにより、内視鏡下で測定位置を視認できるようにする技術が提案されている。
【0006】
さらに、特許文献7には、シース(チューブ)に先端光学系の端面から漏れる光が当たると発光する発光部を形成することにより、内視鏡下で測定位置を視認できるようにする技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−56772号公報
【特許文献2】特開2010−75314号公報
【特許文献3】特開2002−200037号公報
【特許文献4】特開2009−244233号公報
【特許文献5】特開2010−75390号公報
【特許文献6】特開2009−189522号公報
【特許文献7】特開2008−200283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1〜4のように、測定位置に測定位置確認光を照射して、内視鏡下で測定位置を確認する方法では、プローブを回転させて測定するような場合に、内視鏡の視野に対して、測定位置確認光がプローブの影になることがあり、内視鏡下で測定位置を視認できない場合があるという欠点がある。
【0009】
また、特許文献5〜6のように、プローブの先端に設けた反射部を内視鏡の照明光で反射させて測定位置を視認できるようにする方法の場合、反射部への照明光の当たり具合などによって、視認性が変わるという欠点がある。
【0010】
また、特許文献7のように、漏れ光で発光する発光部をシースに形成する方法の場合、先端光学系をシース内で軸方向に移動させて測定することができないという欠点がある。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、内視鏡下で測定位置を確認できるOCTプローブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る発明は、前記目的を達成するために、シースと、前記シース内に配設される光ファイバと、前記光ファイバの先端に固定され、前記光ファイバで導波された光から非可視光である測定光と可視光である測定位置確認光とを分離し、分離した前記測定光を前記シースの先端部の側面から出射させるとともに、生体からの戻り光を前記光ファイバに入射させ、かつ、分離した前記測定位置確認光を拡散させて、前記シースの外部から視認可能とする先端光学系と、を備えたことを特徴とするOCTプローブを提供する。
【0013】
本発明によれば、光ファイバによって導波された光は、先端光学系において、非可視光である測定光と可視光である測定位置確認光とに分離される。そして、分離された測定光がシースの先端部の側面から出射され、測定位置確認光が拡散される。術者は、この拡散させた測定位置確認光を視認することにより、測定位置を確認することができる。
【0014】
請求項2に係る発明は、前記目的を達成するために、前記先端光学系は、前記光ファイバによって導波される光の光軸に対して傾斜したダイクロイック面を有し、該ダイクロイック面で前記測定光を前記シースの側面に向けて反射させる一方、前記測定位置確認光を透過させて、前記光ファイバによって導波される光を前記測定光と前記測定位置確認光とに分離することを特徴とする請求項1に記載のOCTプローブを提供する。
【0015】
本発明によれば、先端光学系に備えられたダイクロイック面によって測定光と測定位置確認光が分離され、このダイクロイック面によって測定光がシースの側面から出射される。これにより、構成を簡素化することができる。
【0016】
請求項3に係る発明は、前記目的を達成するために、前記先端光学系は、ハーフボールレンズを含み、該ハーフボールレンズの端面に前記ダイクロイック面が形成されることを特徴とする請求項2に記載のOCTプローブを提供する。
【0017】
本発明によれば、ハーフボールレンズの端面にダイクロイック面が形成される。これにより、ハーフボールレンズを用いた既存のOCTプローブを用いて構成することができる。
【0018】
請求項4に係る発明は、前記目的を達成するために、前記先端光学系は、グリンレンズとプリズムとを含み、該プリズムの端面に前記ダイクロイック面が形成されることを特徴とする請求項2に記載のOCTプローブを提供する。
【0019】
本発明によれば、プリズムの端面にダイクロイック面が形成される。これにより、グリンレンズとプリズムとを用いた既存のOCTプローブを用いて構成することができる。
【0020】
請求項5に係る発明は、前記目的を達成するために、前記ダイクロイック面が形成された端面に拡散体が取り付けられることを特徴とする請求項3又は4に記載のOCTプローブを提供する。
【0021】
本発明によれば、ダイクロイック面が形成された端面に拡散体が取り付けられる。これにより、端面で測定位置確認光を拡散させることができ、測定位置及び測定方向を容易に視認することができる。
【0022】
請求項6に係る発明は、前記目的を達成するために、前記拡散体が板状に形成されることを特徴とする請求項5に記載のOCTプローブを提供する。
【0023】
本発明によれば、端面に取り付けられる拡散体が板状に形成される。これにより、測定位置確認光が面発光し、視認性が向上する。
【0024】
請求項7に係る発明は、前記目的を達成するために、前記拡散体が半球状に形成されることを特徴とする請求項5に記載のOCTプローブを提供する。
【0025】
本発明によれば、端面に取り付けられる拡散体が半球状に形成される。これにより、回転軸のブレを少なくすることができ、より視認性を向上させることができる。
【0026】
請求項8に係る発明は、前記目的を達成するために、前記先端光学系は、前記測定位置確認光を前記シースの側面に向けて反射させ、前記測定光を透過させるビームスプリッタと、前記ビームスプリッタを透過した前記測定光を前記シースの先端部の側面から出射させる光学部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載のOCTプローブを提供する。
【0027】
本発明によれば、ビームスプリッタによって測定位置確認光がシースの側面に向けて反射され、測定光から分離される。術者は、このシースの側面に向けて反射され、拡散された測定位置確認光を視認することにより、測定位置を確認することができる。
【0028】
請求項9に係る発明は、前記目的を達成するために、前記ビームスプリッタは、前記測定光の出射方向と反対方向に前記測定位置確認光を反射させることを特徴とする請求項8に記載のOCTプローブを提供する。
【0029】
本発明によれば、ビームスプリッタによって、測定光の出射方向と反対方向に測定位置確認光が反射される。これにより、測定位置及び測定方向を容易に視認することができる。
【0030】
請求項10に係る発明は、前記目的を達成するために、前記ビームスプリッタによって前記シースの側面に向けて反射された前記測定位置確認光を拡散させる拡散体を備えたことを特徴とする請求項8又は9に記載のOCTプローブを提供する。
【0031】
本発明によれば、ビームスプリッタによってシースの側面に向けて反射された測定位置確認光が拡散体によって拡散される。術者は、この発光する拡散体を視認することにより、測定位置を容易に視認することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、先端光学系をシース内で回転、前後移動させても、測定位置を内視鏡下で明確に視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】画像診断装置の一例を示す外観図
【図2】OCTプロセッサとOCTプローブの構成を示すブロック図
【図3】OCTプローブの断面図
【図4】OCTプローブを用いて断層画像を取得する様子を示す図
【図5】モニタ装置に表示される内視鏡の観察画像の一例を示す図
【図6】OCTプローブの第2の実施の形態を示す要部断面図
【図7】OCTプローブの第3の実施の形態を示す要部断面図
【図8】OCTプローブの第4の実施の形態を示す要部断面図
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
【0035】
<画像診断装置の構成>
まず、本発明に係るOCTプローブが使用される画像診断装置について説明する。
【0036】
図1は画像診断装置10の一例を示す外観図である。同図に示すように、画像診断装置10は、主として、内視鏡100、内視鏡プロセッサ200、光源装置300、OCTプロセッサ400、及び、モニタ装置500で構成される。
【0037】
<内視鏡、内視鏡プロセッサ、光源装置の構成>
[内視鏡]
本実施の形態の画像診断装置10で使用する内視鏡100は、被写体像を電子像として取得する電子内視鏡であり、術者が把持して操作するための手元操作部112と、被検者の体腔に挿入される挿入部114と、内視鏡プロセッサ200及び光源装置300に接続するためのユニバーサルケーブル116とで構成される。
【0038】
ユニバーサルケーブル116は、可撓性を有しており、先端に電気コネクタ110とLGコネクタ120とが設けられている。電気コネクタ110は、内視鏡プロセッサ200の接続部に接続される。これにより、内視鏡100が内視鏡プロセッサ200に接続され、内視鏡100で撮影された画像を内視鏡プロセッサ200に接続されたモニタ装置500に表示させることが可能になる。また、LGコネクタ120は光源装置300の接続部に接続される。これにより、内視鏡100に照明光を供給することが可能になる。
【0039】
手元操作部112には、挿入部114の先端に配設された送気・送水ノズル154からエア又は水を噴射させるための送気・送水ボタン126、挿入部114の先端に配設された鉗子口156から病変部等を吸引するための吸引ボタン128、観察画像の録画等を操作するためのシャッタボタン130、静止画・動画等の撮影機能を切り替えるための撮影機能切替ボタン132、挿入部114の先端を上下左右に湾曲操作するためのアングルノブ134、アングルノブ134をロックするためのロックレバー136等が設けられている。
【0040】
また、手元操作部112には、OCTプローブ600や鉗子等の内視鏡処置具を挿入するための鉗子挿入口138が設けられている。この鉗子挿入口138は、鉗子チャンネル(図示せず)を介して挿入部114の先端に形成された鉗子口156に連通されている。したがって、この鉗子挿入口138にOCTプローブ600や鉗子等の内視鏡処置具を挿入することにより、OCTプローブ600や鉗子等の内視鏡処置具を鉗子口156から被検者の体腔に導入することができる。
【0041】
挿入部114は、手元操作部112の先端に連設される軟性部140と、軟性部140の先端に連設された湾曲部142と、湾曲部142の先端に連設された先端部144とで構成される。
【0042】
軟性部140は、可撓性を有しており、任意に撓ませることができるように形成されている。挿入部114の大部分は、この軟性部140で構成される。
【0043】
湾曲部142は、湾曲自在に設けられており、手元操作部112に設けられたアングルノブ134の操作に応じて、上下左右に湾曲する。
【0044】
先端部144の先端面には、観察光学系(観察レンズ)150、一対の照明光学系(照明レンズ)152、送気・送水ノズル154、鉗子口156等が配置されている。
【0045】
観察光学系150の奥には、図示しない固体撮像素子(たとえば、CCDやCMOS等)が配設されている。観察光学系150を透過した光は、この固体撮像素子に入射して、電気信号に変換される。そして、固体撮像素子に接続された信号線(図示せず)を介して内視鏡プロセッサ200に出力される。内視鏡プロセッサ200は、この固体撮像素子から出力された電気信号に所要の信号処理を施して、映像信号を生成し、モニタ装置500に出力する。これにより、モニタ装置500に観察画像が表示される。
【0046】
一対の照明光学系152は、観察光学系150に隣接して配置(本例では観察光学系150の両側に配置)されている。この照明光学系152の奥には、ライトガイド(図示せず)の出射端が配設されている。光源装置300から照射された照明光は、このライトガイドを介して照明光学系152に導波され、照明光学系152から前方の観察範囲に向けて照射される。
【0047】
送気・送水ノズル154は、観察光学系150に対向して設けられており、観察光学系150に向けて水又は空気を噴出する。手元操作部112に設けられた送気・送水ボタン126を操作することにより、この送気・送水ノズル154から観察光学系150に向けて水又は空気が選択的に噴出される。
【0048】
鉗子口156は、上述したように、手元操作部112に設けられた鉗子挿入口138に連通されている。挿入部114の内側には、この鉗子口156と鉗子挿入口138とを連通する鉗子チャネル(図示せず)が設けられている。鉗子挿入口138から挿入されたOCTプローブ等は、この鉗子チャネルを介して先端部144に導かれ、鉗子口156から突出される。
【0049】
[内視鏡プロセッサ]
内視鏡プロセッサ200は、所要の信号処理回路を内蔵しており、内視鏡100から取り込んだ観察画像の電気信号(固体撮像素子から出力された電気信号)を処理して、映像信号を生成し、モニタ装置500に出力する。これにより、モニタ装置500に観察画像が表示される。
【0050】
また、内視鏡プロセッサ200は、観察画像の映像信号に所要の信号処理を施して、観察画像に断層画像を重ね合わせたり、所定の文字情報を重ね合わせたりする。
【0051】
[光源装置]
光源装置300は、光源、絞り、集光レンズ、光量調整回路等を内蔵しており、可視光を内視鏡100のライトガイド(図示せず)に入射させる。
【0052】
光源としては、たとえば、ハロゲンランプを使用することができる。ハロゲンランプから発せられる白色光は、400nm〜1800nmの波長域を有している。
【0053】
光量調整回路は、内視鏡プロセッサ200から得られる観察画像の明るさ情報に基づいて絞りを制御し、観察画像が一定の明るさに維持されるようにライトガイドに入射させる光量を調整する。
【0054】
<OCTプロセッサ、OCTプローブの構成>
図2は、OCTプロセッサとOCTプローブの構成を示すブロック図である。
【0055】
[OCTプロセッサ]
図2に示すように、OCTプロセッサ400は、測定のための光Laを射出する第1の光源ユニット12と、OCTプローブ600による測定位置を確認するための測定位置確認光Leを射出する第2の光源ユニット13と、第1の光源ユニット12から射出された光Laを測定光L1と参照光L2に分岐するとともに、被検体である測定対象Sからの戻り光L3と参照光L2を合波して干渉光L4を生成する光ファイバカプラ14と、光ファイバカプラ14で分岐された測定光L1をOCTプローブ600の光ファイバFB1に導波するとともに、OCTプローブ600の光ファイバFB1によって導波された戻り光L3を導波する光ファイバFB2と、OCTプローブ600の光ファイバFB1と光ファイバFB2とを回転可能に接続し、測定光L1及び戻り光L3を導波する光コネクタ18と、光ファイバカプラ14で生成された干渉光L4を干渉信号として検出する干渉光検出部20と、干渉光検出部20によって検出された干渉信号を処理して光断層画像を取得する処理部22と、参照光L2の光路長を調整する光路長調整部26と、各種操作を行うための操作制御部32とを備えている。
【0056】
なお、本例のOCTプロセッサ400において、各構成要素間における光の導波は光ファイバFB(FB3、FB4、FB5、FB6、FB7、FB8など)を用いて行われている。
【0057】
第1の光源ユニット12は、測定のための光を射出するユニットであり、OCTによる測定のための光La(一般に波長1.3μmのレーザ光あるいは低コヒーレンス光)を射出する光源12aと、光源12aから射出された光Laを集光するレンズ12bとを備えて構成される。この第1の光源ユニット12から射出された光Laは、光ファイバFB4、光ファイバカプラ28、光ファイバFB3を介して光ファイバカプラ14に入射される。そして、光ファイバカプラ14によって測定光L1と参照光L2とに分割され、測定光L1が光ファイバFB2を介して光コネクタ18に入射される。また、参照光L2が光ファイバFB5を介して光路長調整部26に入射される。
【0058】
第2の光源ユニット13は、OCTプローブ600による測定位置を観察画像上で目視可能とするための測定位置確認光Leを射出するユニットであり、測定位置確認光Le(レーザ光)を射出する光源13aと、光源13aから射出された測定位置確認光Leを集光するレンズ13bとを備えて構成される。この第2の光源ユニット13から射出された測定位置確認光Leは、光ファイバFB8を介して光コネクタ18に入射される。
【0059】
なお、光源の入手容易性や、より安価な光ファイバを選択できるなどのことを考慮すると、測定位置確認光Leには、OCTのシステムで使用する光ファイバの波長帯域に近いレーザ光を用いることが好ましい。上記のように、OCTで使用されるレーザ光の波長は、一般に1.3μmであることから、測定位置確認光Leには、波長が635〜690nmのレーザ光を用いることが好ましいが、400〜700nmのレーザ光を用いることもできる。
【0060】
光コネクタ18は、光ファイバFB2を介して導波される測定光L1と、光ファイバFB8を介して導波される測定位置確認光Leとを合波し、OCTプローブ600の光ファイバFB1に入射する。後述するように、光ファイバFB1に入射された光(測定光L1と測定位置確認光Leとが合波された光)は、光ファイバFB1の先端に設けられた先端光学系で測定光L1と測定位置確認光Leとに分離される。そして、測定光L1が測定対象Sに向けて照射され、測定位置確認光Leが拡散体に向けて照射される。術者は、この拡散体に照射された測定位置確認光Leをモニタ装置500に表示される観察画像上で確認することにより、OCTプローブ600による測定位置(測定光L1の照射位置)を目視により確認することができる。この点については、後に詳述する。
【0061】
測定対象Sからの戻り光L3は、先端光学系で取得され、光ファイバFB1を介して光コネクタ18に射出される。そして、光コネクタ18から光ファイバFB2に射出される。
【0062】
光路長調整部26は、光ファイバFB5から射出された参照光L2を平行光にする第1光学レンズ80と、第1光学レンズ80で平行光にされた光を集光する第2光学レンズ82と、第2光学レンズ82で集光された光を反射する反射ミラー84と、第2光学レンズ82及び反射ミラー84を支持する基台86と、基台86を光軸方向に平行な方向に移動させるミラー移動機構88とを備えており、第1光学レンズ80と第2光学レンズ82との距離を変化させることにより、参照光L2の光路長を調整する。この光路長調整部26によって光路長が調整された参照光L2は、光ファイバFB5を介して光ファイバカプラ14に射出される。
【0063】
光ファイバカプラ14は、光ファイバFB2からの戻り光L3と、光路長調整部26によって光路長が調整され参照光L2とを合波して干渉光を生成し、生成した干渉光を分割(干渉光L4、L5)して、光ファイバFB3と光ファイバFB7とを射出する。
【0064】
光ファイバFB3に射出された干渉光L4は、光ファイバFB3、光ファイバカプラ28、光ファイバFB6を介して検出器30aに射出される。そして、その検出器30aによって光強度が検出される。検出器30aによって検出された光強度の情報は干渉光検出部20に出力される。
【0065】
一方、光ファイバFB7に射出された干渉光L5は、光ファイバFB7を導波されて検出器30bに射出される。そして、その検出器30bによって光強度が検出される。検出器30bによって検出された光強度の情報は干渉光検出部20に出力される。
【0066】
干渉光検出部20は、検出器30aと検出器30bの検出結果に基づいて、干渉信号を生成し、処理部22に出力する。
【0067】
処理部22は、干渉光検出部20で抽出した干渉信号から、測定位置におけるOCTプローブ600と測定対象Sとの接触している領域、より正確には、OCTプローブ600の外筒(シース)の表面と測定対象Sの表面とが接触しているとみなせる領域を検出し、さらに、干渉光検出部20で検出した干渉信号から断層画像を取得し、取得した断層画像を内視鏡プロセッサ200へ出力する。
【0068】
操作制御部32は、キーボード、マウス等の入力手段と、入力された情報に基づいて各種条件を管理する制御手段とを有し、処理部22に接続されている。操作制御部32は、入力手段から入力されたオペレータの指示に基づいて、処理部22における各種処理条件等の入力、設定、変更等を行う。
【0069】
なお、操作制御部32は、操作画面をモニタ装置500に表示させてもよいし、別途表示部を設けて操作画面を表示させてもよい。また、操作制御部32で、第1の光源ユニット12、第2の光源ユニット13、光コネクタ18、干渉光検出部20、光路長ならびに検出部30a及び30bの動作制御や各種条件の設定を行うようにしてもよい。
【0070】
[OCTプローブ]
図3はOCTプローブの構成を示す断面図である。
【0071】
図3に示すように、OCTプローブ600は、主として、内視鏡100を介して被検者の体腔内に挿入される挿入部602と、この挿入部602を駆動部する駆動部604と、OCTプロセッサ400に接続するケーブル606とで構成される。
【0072】
挿入部602は、シース620と、キャップ622と、光ファイバFB1と、バネ624と、保持筒626と、先端光学系628とで構成される。
【0073】
シース620は、可撓性を有する透明な筒体で構成されている。なお、シース620は、少なくとも測定光L1及び戻り光L3の透過する領域が透明に形成されていればよく、必ずしも全体が透明である必要はない。
【0074】
キャップ622は、シース620の先端に取り付けられて、シース620の先端部を閉塞する。このキャップ622は、体腔壁に触れても刺激を与えないように、半球状に形成される。
【0075】
光ファイバFB1は、シース620とほぼ同じ長さで形成され、シース620内にシース620に沿って収容される。この光ファイバFB1は、光コネクタ18を介して光ファイバFB2に接続され、光ファイバFB2によって導波された光(測定位置確認光Leと測定光L1とが合波された光)を先端光学系628に導波する。また、先端光学系628で取得した戻り光L3を光コネクタ18まで導波し、光ファイバFB2に入射する。
【0076】
なお、後述するように、光ファイバFB1は、駆動部604によって回転及び前後方向に駆動され、光コネクタ18は、光ファイバFB1の回転が光ファイバFB2に伝達されないように接続する。
【0077】
バネ624は、光ファイバFB1の外周に配置されており、その先端は、保持筒626に固定されている。また、後端は、回転筒656に固定されている。
【0078】
先端光学系628は、ハーフボールレンズ628Aと、ハーフボールレンズ628Aと光ファイバFB1とを繋ぐロッドレンズ628Bと、ハーフボールレンズ628Aの傾斜した端面に取り付けられた拡散体628Cとで構成される。
【0079】
ハーフボールレンズ628Aは、球体の一部を斜めにカットした形状を有しており、その傾斜した端面にダイクロイック面(特定の波長を反射し、残りを透過させる機能を有する面)628aが形成されている。ロッドレンズ628Bを介して光ファイバFB1から射出された光(測定位置確認光Leと測定光L1とが合波された光)は、このダイクロイック面628aで測定位置確認光Leと測定光L1とに分割され、測定光L1のみがシース620の側面に反射される。そして、測定位置確認光Leは、そのまま透過して、拡散体628Cに入射される。
【0080】
ダイクロイック面628aで反射された測定光L1は、ハーフボールレンズ628Aの球面部で集光され、測定対象の測定位置Pに向けて照射される。この測定対象の測定位置Pに向けて照射された測定光L1の反射光は、戻り光L3として、ハーフボールレンズ628Aの球面部で集光され、ダイクロイック面628aで反射されて、ロッドレンズ628Bに入射される。
【0081】
ロッドレンズ628Bは、光ファイバFB1とハーフボールレンズ628Aとを接続し、光ファイバFB1からの光(測定位置確認光Leと測定光L1とが合波された光)をハーフボールレンズ628Aに出射する。また、ハーフボールレンズ628Aからの光(戻り光L3)を光ファイバFB1に出射する。
【0082】
拡散体628Cは、光を拡散する機能を有する板状のフィルタで構成されており、ハーフボールレンズ628Aのダイクロイック面628a(カットされた傾斜面)に貼付されている。ダイクロイック面628aで測定光L1から分離され、ダイクロイック面628aを透過した測定位置確認光Leは、この拡散体628Cに入射され、視認可能に拡散される。術者は、モニタ装置500に表示される内視鏡100の観察画像上で発光する拡散体628Cを目視により確認することにより、測定位置P(測定光L1の照射位置)を確認することができる。
【0083】
保持筒626は、光ファイバFB1の先端に取り付けられ、内周部に先端光学系628の基端部(ロッドレンズ628Bの後端部分)を保持して、光ファイバFB1に接続する。これにより、光ファイバFB1と先端光学系628とが光学的に接続されるとともに、光ファイバFB1を回転又は前後移動させると、それに連動して先端光学系628が回転、前後移動する。
【0084】
なお、上述したように、光ファイバFB1の外周に配置されたバネ624の先端部は、この保持筒626に固定される。
【0085】
挿入部602は以上のように構成される。一方、この挿入部602を駆動部する駆動部604は、主として、本体ケース670と、その本体ケース670に収容された移動フレーム650と、その移動フレーム650を前後移動させるスライド駆動機構666と、移動フレーム650内に収容され、光ファイバFB1を回転駆動する回転駆動機構651とで構成される。
【0086】
本体ケース670は、筒状に形成されており、その先端部にシース620の基端部を保持する保持部670aを備えている。シース620の基端部は、この保持部670aの内周部に嵌められて固定される。
【0087】
移動フレーム650は、図示しないガイド部材(たとえば、ガイドロッド)にガイドされて、本体ケース670内を一方向(本体ケース670に保持されるシース620の軸方向)に前後移動自在に設けられている。
【0088】
スライド駆動機構666は、移動フレーム650に固定されたナット部662と、そのナット部662に螺合するネジ棒664と、ネジ棒664を回転駆動するスライド駆動モータ660とで構成されている。
【0089】
スライド駆動モータ660は、本体ケース670に図示しないブラケットを介して固定されており、その出力軸は移動フレーム650の移動方向と平行に設けられている。
【0090】
ネジ棒664は、スライド駆動モータ660の出力軸に固定されており、移動フレーム650の移動方向と平行になるようにして、本体ケース670内に配置されている。
【0091】
ナット部662は、移動フレーム650の側面部に固定されており、ネジ棒664に螺合されている。
【0092】
以上の構成により、スライド駆動モータ660を駆動すると、ネジ棒664が回転(正転/逆転)し、ネジとナットの作用で、移動フレーム650が本体ケース670内を前後方向に移動する。
【0093】
回転駆動機構651は、回転駆動モータ652と、回転筒656と、回転駆動モータ652の回転を回転筒656に伝達するギア機構654とで構成される。
【0094】
回転駆動モータ652は、移動フレーム650に図示しないブラケットを介して固定されており、その出力軸は移動フレーム650の移動方向と平行に設けられている。
【0095】
回転筒656は、光ファイバFB1の基端部外周に取り付けられており、光ファイバFB1と一体的に回転する。光ファイバFB1の外周に配置されたバネ624の後端部は、この回転筒656に固定される。
【0096】
ギア機構654は、回転駆動モータ652の出力軸に連結された駆動ギア654aと、回転筒656の外周部に形成された回転ギア654cと、駆動ギア654aの回転を回転ギア654cに伝達するアイドルギア654bとで構成される。
【0097】
駆動ギア654aは、回転駆動モータ652の出力軸に固定されており、回転駆動モータ652を駆動すると回転する。
【0098】
アイドルギア654bは、図示しない軸受を介して、移動フレーム650に取り付けられており、駆動ギア654aと回転ギア654cとに歯合されている。
【0099】
回転ギア654cは、回転筒656の外周部に形成されており、アイドルギア654bの回転が伝達されて回転する。
【0100】
以上の構成により、回転駆動モータ652を駆動すると、駆動ギア654aが回転し、その回転がアイドルギア654bを介して回転ギア654cに伝達される。この結果、回転筒656が回転し、光ファイバFB1が軸回りに回転する。
【0101】
このように回転駆動される光ファイバFB1は、上記のように、光コネクタ18を介して光ファイバFB2に接続される。光コネクタ18は、図示しない保持部材を介して移動フレーム650に固定されており、移動フレーム650とともに本体ケース670内を前後移動する。また、上記のように、光コネクタ18は、光ファイバFB2に対して光ファイバFB1の回転が伝達されないようにして、両者を接続する。したがって、回転駆動モータ652を駆動すると、光ファイバFB1のみが回転する。
【0102】
駆動部604は、以上のように構成される。そして、この駆動部604に駆動部されて、先端光学系628がシース620内で回転、前後移動する。すなわち、回転駆動モータ652を駆動すると、光ファイバFB1が軸回りに回転し(図中R2方向に回転)、この結果、シース620内で先端光学系628が軸回りに回転する。また、スライド駆動モータ660を駆動すると、光ファイバFB1が軸方向に前後移動し(図中S1、S2方向に移動)、この結果、シース620内を先端光学系628が軸方向に前後移動する。
【0103】
ケーブル606は、図1に示すように、駆動部604の本体ケース670に接続されており、その内部に光ファイバFB2が通されている。ケーブル606の先端には、コネクタ608が設けられており、このコネクタ608をOCTプロセッサ400の接続部に接続することにより、OCTプローブ600がOCTプロセッサ400に接続される。
【0104】
OCTプローブ600は、以上のような構成であり、駆動部604で先端光学系628を回転、前後移動させて、先端光学系628から射出される測定光を測定対象Sに照射し、その反射光(戻り光L3)を先端光学系628で取得する。この際、先端光学系628を一定位置で軸回りに回転させれば、その回転軸に直交する断面での断層画像を取得することができ、先端光学系628を軸方向に移動させれば、その移動軌跡における断面での断層画像を取得することができる。また、回転させながら軸方向に移動させることにより(螺旋移動)、軸方向の各断層画像を取得することができ、当該断層画像から3次元画像を生成することが可能になる。
【0105】
また、この際、先端光学系628を構成する拡散体628Cが発光するので、この発光する拡散体628Cをモニタ装置500に表示される内視鏡100の観察画像上で視認することにより、測定位置を観察画像上で確認することができる。
【0106】
<画像診断装置の動作>
図4は、OCTプローブを用いて断層画像を取得する様子を示す図である。
【0107】
OCTプローブ600は、内視鏡100の鉗子チャンネルを利用して、被検者の体腔内に挿入される。すなわち、内視鏡100の手元操作部112に設けられた鉗子挿入口138に挿入部602を挿入し、その挿入部602の先端を内視鏡100の挿入部114の先端に設けられた鉗子口156から突出させて、体腔内に挿入される。
【0108】
測定は、鉗子口156から突出させたOCTプローブ600の挿入部602の先端を測定対象Sに押し当てて行われる(シース620を測定対象Sに押し当てる。)。この際、押し付けた位置で先端光学系628を回転させれば、その位置での断層画像を取得することができる(一般にリアルタイム表示を行うためには、15Hz程度で回転)。また、先端光学系628をシース620内で移動させれば、その移動範囲での断層画像を取得することができる。さらに、先端光学系628を回転させながら軸方向に移動させれば、3次元画像を取得することができる。
【0109】
ここで、上記のように、測定はOCTプローブ600の挿入部602の先端を測定対象Sに押し当てて行われるが、この際、その測定位置は、次のようにして確認される。
【0110】
すなわち、本実施の形態のOCTプローブ600には、OCTプロセッサ400から可視光である測定位置確認光Leと非可視光である測定光L1とが合波された光が供給される。この光は、光ファイバFB2、光ファイバFB1を介して先端光学系628に導波される。
【0111】
先端光学系628に導波された光(測定光L1と測定位置確認光Leとが合波された光)は、ロッドレンズ628Bを介してハーフボールレンズ628Aに入射される。ハーフボールレンズ628Aに入射された光は、ハーフボールレンズ628Aの傾斜した端面に当たる。この端面はダイクロイック面628aとされており、測定光L1は反射され、測定位置確認光Leは透過する。
【0112】
そして、ダイクロイック面628aで反射された測定光L1が、ハーフボールレンズ628Aの球面部で集光され、測定対象の測定位置Pに向けて照射される。
【0113】
一方、ダイクロイック面628aを透過した測定位置確認光Leは、拡散体628Cに入射され、拡散体628Cで拡散される。術者は、この拡散体628Cで拡散されて発光する測定位置確認光Leをモニタ装置500に表示される内視鏡100の観察画像で視認することにより、測定位置を確認する。
【0114】
図5は、モニタ装置に表示される内視鏡の観察画像の一例を示す図である。
【0115】
同図に示すように、拡散体628Cで拡散された測定位置確認光Leは、モニタ装置500に表示される内視鏡100の観察画像上で輝点LPとして視認でき、この輝点LPを観察画像上で視認することにより、測定位置(測定光L1の照射位置)を確認することができる。
【0116】
なお、図5は、先端光学系628をシース620内で軸方向に沿って位置P1から位置P2に直線移動させたときの様子を示している。同図に示すように、先端光学系628をシース620内で移動させた場合は、内視鏡100の観察画像上で輝点が移動する。したがって、この輝点を追えば、先端光学系628を移動させても、正確な測定位置を確認することができる。
【0117】
また、輝点となる拡散体628Cは、ダイクロイック面628aに取り付けられているため、この輝点を確認すれば、測定方向も知ることができる。すなわち、反射面の裏面側が発光することになるので、その発光する面の向きを確認することにより、測定方向を知ることができる。したがって、輝点を確認すれば、先端光学系628を回転させた場合であっても、その測定方向を確認することができる。
【0118】
以上説明したように、本実施の形態のOCTプローブ600によれば、測定位置確認光Leと測定光L1とを合波した光を供給することにより、先端光学系628を発光させることができ、この発光した先端光学系628をモニタ装置500に表示される内視鏡100の観察画像上で確認することにより、容易に測定位置を確認することができる。
【0119】
<OCTプローブの他の実施の形態>
[第2の実施の形態]
図6は、OCTプローブの第2の実施の形態を示す要部断面図である。
【0120】
同図に示すように、本実施の形態のOCTプローブでは、ハーフボールレンズ628Aの欠損部を補うように、拡散体628Cが半球状に形成されている。この拡散体628Cは、光を拡散する機能を有する材質で形成されており、ハーフボールレンズ628Aの傾斜面(ダイクロイック面628a)に貼付して取り付けられている。
【0121】
このように、拡散体628Cを半球状に形成することにより、先端光学系628を回転させた場合であっても、回転軸のブレを少なくすることができ、より視認性を向上させることができる。
【0122】
このように拡散体628Cの形状は、必ずしも平面状である必要はなく、立体的に形成することもできる。
【0123】
なお、拡散体628Cは、ダイクロイック面628aを透過した光(測定位置確認光Le)を拡散できればよく、その具体的な構成については、特に限定されるものではない。一例としては、透明体に粉体を吹き付けたり、研磨したりして、すりガラス状に形成したり、透明体に光拡散材を塗布したりして形成することができる。
【0124】
また、拡散体628Cを取り付ける方法についても特に限定されるものではなく、ダイクロイック面628aを透過した光が入射可能に取り付けられていればよい。たとえば、光学用接着剤(株式会社アーデル社製のオプトクレーブシリーズなど)や、透明両面接着テープを用いて、ハーフボールレンズ628Aに取り付けることができる。
【0125】
また、ハーフボールレンズ628Aの傾斜面に形成するダイクロイック面628aについても、その具体的構成については、特に限定されるものではなく、測定光L1を反射し、測定位置確認光Leを透過して、分離できる構成(特定の波長の光を透過し、残りを反射する構成)であればよい。一例として、ハーフボールレンズ628Aの傾斜面に光学多層膜干渉フィルタを形成して、ダイクロイック面628aを形成することができる。また、ダイクロイックミラーを貼付あるいはイオンアシスト法を用いたイオン打ち込みにて形成することもできる。また、所定の波長選択フィルタを貼付あるいは形成して、ダイクロイック面628aを形成することもできる。
【0126】
[第3の実施の形態]
図7は、OCTプローブの第3の実施の形態を示す要部断面図である。
【0127】
同図に示すように、本実施の形態のOCTプローブは、上記実施の形態のOCTプローブ600のハーフボールレンズ628Aに代えて、グリンレンズ628Dとプリズム628Eを用いて、先端光学系628を構成したものである。
【0128】
グリンレンズ628Dは、光ファイバFB1に連結されたロッドレンズ628Bの先端部に接続されており、ロッドレンズ628Bから射出された光を集光する。
【0129】
プリズム628Eは、グリンレンズ628Dの先端に接続されており、グリンレンズ628Dから射出された光(測定光L1と測定位置確認光Leとが合波された光)を入射し、その傾斜面で測定光L1と測定位置確認光Leとを分離する。すなわち、プリズム628Eは、その傾斜面がダイクロイック面628eとされており、そのダイクロイック面628eで測定光L1と測定位置確認光Leとが分離される。そして、測定光L1は、シース620の側面に向けて反射され、測定位置確認光Leは、透過する。
【0130】
プリズム628Eのダイクロイック面628eには、拡散体628Cが取り付けられており、ダイクロイック面628eを透過した測定位置確認光Leは、この拡散体628Cに入射されて拡散される。
【0131】
したがって、上記実施の形態のOCTプローブ600と同様に、測定光L1と測定位置確認光Leとを合波させた光を供給することにより、拡散体628Cを発光させることができ、この発光する拡散体628Cをモニタ装置500に表示される内視鏡100の観察画像上で視認することにより、測定位置を確認することができる。
【0132】
なお、拡散体628Cは、上記同様第2の実施の形態のOCTプローブと同様に、立体的に形成したものを用いることもできる。
【0133】
[第4の実施の形態]
図8は、OCTプローブの第4の実施の形態を示す要部断面図である。
【0134】
同図に示すように、本実施の形態のOCTプローブは、ハーフボールレンズ628Aの前段にビームスプリッタ628Fが配置され、このビームスプリッタ628Fによって、測定光L1と測定位置確認光Leとが分離される。
【0135】
ビームスプリッタ628Fは、第1のロッドレンズ628Gの先端に接続されており、第1のロッドレンズ628Gを透過した光が入射される。
【0136】
第1のロッドレンズ628Gは、保持筒626に保持されて、光ファイバFB1に接続される。したがって、ビームスプリッタ628Fには、第1のロッドレンズ628Gを介して、光ファイバFB1から射出された光が入射される。
【0137】
ビームスプリッタ628Fは、角柱状に形成されており、内部に傾斜した反射層628fを備えている。ビームスプリッタ628Fに入射した光(測定光L1と測定位置確認光Leとが合波された光)は、この反射層628fで測定位置確認光Leが反射されて、測定光L1から分離される。
【0138】
反射層628fを透過した測定光L1は、ビームスプリッタ628Fから射出されて、第2のロッドレンズ628Hに入射される。
【0139】
第2のロッドレンズ628Hは、ビームスプリッタ628Fの先端に接続されており、この第2のロッドレンズ628Hの先端にハーフボールレンズ628Aが接続されている。したがって、第2のロッドレンズ628Hに入射された測定光L1は、第2のロッドレンズ628Hを透過して、ハーフボールレンズ628Aに入射される。
【0140】
ハーフボールレンズ628Aに入射された測定光L1は、ハーフボールレンズ628Aの傾斜面(反射面)でシース620の側面に向けて反射されたのち、球面部で集光されて、測定対象の測定位置Pに向けて照射される。ハーフボールレンズ628Aから射出された測定光L1は、測定対象Sで反射し、その反射光が戻り光L3として、ハーフボールレンズ628Aの球面部で集光され、傾斜面で反射されて、第2のロッドレンズ628Hに入射される。
【0141】
一方、ビームスプリッタ628Fの反射層628fで測定光L1から分離された測定位置確認光Leは、反射層628fでシース620の側面に向けて反射される。そして、ビームスプリッタ628Fからシース620の側面に向けて射出される。このビームスプリッタ628Fの測定位置確認光Leが射出される位置には、拡散体628Cが取り付けられており、ビームスプリッタ628Fから射出された測定位置確認光Leは、この拡散体628Cに入射して拡散される。そして、この拡散体628Cに測定位置確認光Leが入射されることにより、拡散体628Cが視認可能に発光する。
【0142】
このように本実施の形態のOCTプローブも測定光L1と測定位置確認光Leとを合波した光を供給することにより、拡散体628Cを発光させることができ、この発光する拡散体628Cをモニタ装置500に表示される内視鏡100の観察画像上で視認することにより、測定位置を確認することができる。
【0143】
なお、本実施の形態のOCTプローブでは、ビームスプリッタ628Fの反射層628fをハーフボールレンズ628Aの傾斜面(反射面)と対称になるように形成しているが、このように形成することにより、測定方向と反対方向に向けて測定位置確認光Leを発光させることができ、測定方向の確認を容易にすることができる。
【0144】
また、本実施の形態のOCTプローブでは、ハーフボールレンズ628Aを用いて測定光L1を集光し、測定対象Sに向けて照射する構成としているが、上記第3の実施の形態のOCTプローブのように、ハーフボールレンズに代えて、グリンレンズとプリズムを用いる構成とすることもできる。
【0145】
また、拡散体628Cについても、平面的なものではなく、立体的なものを使用することもできる。
【符号の説明】
【0146】
10…画像診断装置、12…第1の光源ユニット、12a…光源、12bレンズ、13…第2の光源ユニット、13a…光源、13b…レンズ、14…光ファイバカプラ、18…光コネクタ、20…干渉光検出部、22…処理部、26…光路長調整部、28…光ファイバカプラ、30a、30b…検出部、32…操作制御部、80…第1光学レンズ、82…第2光学レンズ、84…反射ミラー、86…基台、88…ミラー移動機構、100…内視鏡、110…電気コネクタ、112…手元操作部、114…挿入部、116…ユニバーサルケーブル、120…LGコネクタ、126…送気・送水ボタン、128…吸引ボタン、130…シャッタボタン、132…撮影機能切替ボタン、134…アングルノブ、136…ロックレバー、138…鉗子挿入口、140…軟性部、142…湾曲部、144…先端部、150…観察光学系(観察レンズ)、152…照明光学系(照明レンズ)、154…送気・送水ノズル、156…鉗子口、200…内視鏡プロセッサ、300…光源装置、4000…OCTプロセッサ、500…モニタ装置、600…OCTプローブ、602…挿入部、604…駆動部、606…ケーブル、608…コネクタ、620…シース、622…キャップ、624…バネ、626…保持筒、628…先端光学系、628A…ハーフボールレンズ、628B…ロッドレンズ、628C…拡散体、628D…グリンレンズ、628E…プリズム、628F…ビームスプリッタ、628G…第1のロッドレンズ、628H…第2のロッドレンズ、628a…ダイクロイック面、628e…ダイクロイック面、628f…反射層、650…移動フレーム、651…回転駆動機構、652…回転駆動モータ、654…ギア機構、654a…駆動ギア、654b…アイドルギア、654c…回転ギア、656…回転筒、660…スライド駆動モータ、662…ナット部、664…ネジ棒、666…スライド駆動機構、670…本体ケース、670a…保持部、FB1〜FB8…光ファイバ、La…光、L1…測定光、L2…参照光、L3…戻り光、L4…干渉光、L5…干渉光、LP…輝点、La…光、P…測定位置、S…測定対象

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シースと、
前記シース内に配設される光ファイバと、
前記光ファイバの先端に固定され、前記光ファイバで導波された光から非可視光である測定光と可視光である測定位置確認光とを分離し、分離した前記測定光を前記シースの先端部の側面から出射させるとともに、生体からの戻り光を前記光ファイバに入射させ、かつ、分離した前記測定位置確認光を拡散させて、前記シースの外部から視認可能とする先端光学系と、
を備えたことを特徴とするOCTプローブ。
【請求項2】
前記先端光学系は、前記光ファイバによって導波される光の光軸に対して傾斜したダイクロイック面を有し、該ダイクロイック面で前記測定光を前記シースの側面に向けて反射させる一方、前記測定位置確認光を透過させて、前記光ファイバによって導波される光を前記測定光と前記測定位置確認光とに分離することを特徴とする請求項1に記載のOCTプローブ。
【請求項3】
前記先端光学系は、ハーフボールレンズを含み、該ハーフボールレンズの端面に前記ダイクロイック面が形成されることを特徴とする請求項2に記載のOCTプローブ。
【請求項4】
前記先端光学系は、グリンレンズとプリズムとを含み、該プリズムの端面に前記ダイクロイック面が形成されることを特徴とする請求項2に記載のOCTプローブ。
【請求項5】
前記ダイクロイック面が形成された端面に拡散体が取り付けられることを特徴とする請求項3又は4に記載のOCTプローブ。
【請求項6】
前記拡散体が板状に形成されることを特徴とする請求項5に記載のOCTプローブ。
【請求項7】
前記拡散体が半球状に形成されることを特徴とする請求項5に記載のOCTプローブ。
【請求項8】
前記先端光学系は、
前記測定位置確認光を前記シースの側面に向けて反射させ、前記測定光を透過させるビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタを透過した前記測定光を前記シースの先端部の側面から出射させる光学部材と、
を有することを特徴とする請求項1に記載のOCTプローブ。
【請求項9】
前記ビームスプリッタは、前記測定光の出射方向と反対方向に前記測定位置確認光を反射させることを特徴とする請求項8に記載のOCTプローブ。
【請求項10】
前記ビームスプリッタによって前記シースの側面に向けて反射された前記測定位置確認光を拡散させる拡散体を備えたことを特徴とする請求項8又は9に記載のOCTプローブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−10913(P2012−10913A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149786(P2010−149786)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】