説明

Ovr110抗体組成物および使用方法

頭頸部癌、卵巣癌、子宮内膜癌、腎臓癌、膵臓癌、肺癌または乳癌によって発現されるOvr110に向けられた、単離された抗体およびその抗原結合フラグメントを提供する。それらを産生するための細胞および方法、ならびにOvr110発現性癌細胞を殺すための、および哺乳動物におけるOvr110発現性癌の軽減または処置のためのそれらの使用もまた提供する。抗Ovr110抗体は、インビトロおよびインビボで、哺乳動物細胞によって発現されるOvr110に結合すると、Ovr110の機能を調節するか、または内部移行する。抗Ovr110抗体および担体を含む組成物ならびにその製品またはキットの品物もまた提供する。さらに、抗Ovr110抗体をコードする単離された核酸、該単離された核酸を含む発現ベクター、および該ベクターを含む宿主細胞が提供される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
単離された抗体またはその抗原結合フラグメントであって、抗体またはその抗原結合フラグメントが、Ovr110との結合について参照抗体と競合し、
(a)配列番号2、12、22、32および42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;および
(b)配列番号7、17、27、37および47からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
を含む、前記抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項2】
参照抗体が、
(a)配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;および
(b)配列番号7のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
を含む、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項3】
参照抗体が、
(a)配列番号12のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;および
(b)配列番号17のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
を含む、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項4】
参照抗体が、
(a)配列番号22のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;および
(b)配列番号27のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
を含む、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項5】
参照抗体が、
(a)配列番号32のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;および
(b)配列番号37のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
を含む、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項6】
参照抗体が、
(a)配列番号42のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;および
(b)配列番号47のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
を含む、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項7】
抗体が、モノクローナル抗体である、請求項1に記載の抗体。
【請求項8】
抗体が、ヒト抗体である、請求項7に記載の抗体。
【請求項9】
抗体が、ヒト化抗体またはキメラ抗体である、請求項7に記載の抗体。
【請求項10】
Ovr110と結合する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントであって、:
(a)CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む軽鎖可変領域、ここで、軽鎖可変領域CDR1配列が、配列番号3、13、23、33および43、ならびにそれらの保存的改変からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む;および
(b)CDR1、CDR2およびCDR3配列を含む重鎖可変領域、ここで、重鎖可変領域CDR1配列が、配列番号8、18、28、38および48、ならびにそれらの保存的改変からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、
を含む、前記抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項11】
軽鎖可変領域CDR2配列が、配列番号4、14、24、34および44、ならびにそれらの保存的改変からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み;重鎖可変領域CDR2配列が、配列番号9、19、29、39および49、ならびにそれらの保存的改変からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項12】
軽鎖可変領域CDR3配列が、配列番号5、15、25、35および45、ならびにそれらの保存的改変からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み;重鎖可変領域CDR3配列が、配列番号10、20、30、40および50、ならびにそれらの保存的改変からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項10に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項13】
抗体が、ヒト抗体である、請求項10に記載の抗体。
【請求項14】
抗体が、ヒト化抗体またはキメラ抗体である、請求項10に記載の抗体。
【請求項15】
Ovr110と結合する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントであって、:
(a)配列番号3、13、23、33および43からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域CDR1;
(b)配列番号4、14、24、34および44からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域CDR2;
(c)配列番号5、15、25、35および45からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域CDR3;
(d)配列番号8、18、28、38および48からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域CDR1;
(e)配列番号9、19、29、39および49からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域CDR2;および
(f)配列番号10、20、30、40および50からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域CDR3、
を含む、前記抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項16】
(a)配列番号3を含む、軽鎖可変ドメイン領域CDR1;
(b)配列番号4を含む、軽鎖可変ドメイン領域CDR2;
(c)配列番号5を含む、軽鎖可変ドメイン領域CDR3;
(d)配列番号8を含む、重鎖可変ドメイン領域CDR1;
(e)配列番号9を含む、重鎖可変ドメイン領域CDR2;および
(f)配列番号10を含む、重鎖可変ドメイン領域CDR3、
を含む、請求項15に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項17】
(a)配列番号13を含む、軽鎖可変ドメイン領域CDR1;
(b)配列番号14を含む、軽鎖可変ドメイン領域CDR2;
(c)配列番号15を含む、軽鎖可変ドメイン領域CDR3;
(d)配列番号18を含む、重鎖可変ドメイン領域CDR1;
(e)配列番号19を含む、重鎖可変ドメイン領域CDR2;および
(f)配列番号20を含む、重鎖可変ドメイン領域CDR3、
を含む、請求項15に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項18】
(a)配列番号23を含む、軽鎖可変ドメイン領域CDR1;
(b)配列番号24を含む、軽鎖可変ドメイン領域CDR2;
(c)配列番号25を含む、軽鎖可変ドメイン領域CDR3;
(d)配列番号28を含む、重鎖可変ドメイン領域CDR1;
(e)配列番号29を含む、重鎖可変ドメイン領域CDR2;および
(f)配列番号30を含む、重鎖可変ドメイン領域CDR3、
を含む、請求項15に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項19】
(a)配列番号33を含む、軽鎖可変ドメイン領域CDR1;
(b)配列番号34を含む、軽鎖可変ドメイン領域CDR2;
(c)配列番号35を含む、軽鎖可変ドメイン領域CDR3;
(d)配列番号38を含む、重鎖可変ドメイン領域CDR1;
(e)配列番号39を含む、重鎖可変ドメイン領域CDR2;および
(f)配列番号40を含む、重鎖可変ドメイン領域CDR3、
を含む、請求項15に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項20】
(a)配列番号43を含む、軽鎖可変ドメイン領域CDR1;
(b)配列番号44を含む、軽鎖可変ドメイン領域CDR2;
(c)配列番号45を含む、軽鎖可変ドメイン領域CDR3;
(d)配列番号48を含む、重鎖可変ドメイン領域CDR1;
(e)配列番号49を含む、重鎖可変ドメイン領域CDR2;および
(f)配列番号50を含む、重鎖可変ドメイン領域CDR3、
を含む、請求項15に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項21】
抗体が、ヒト抗体である、請求項15に記載の抗体。
【請求項22】
抗体が、ヒト化抗体またはキメラ抗体である、請求項15に記載の抗体。
【請求項23】
Ovr110と結合する単離されたモノクローナル抗体またはその抗原結合フラグメントであって:
(a)配列番号2、12、22、32および42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域;および
(b)配列番号7、17、27、37および47からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域、
を含む、前記抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項24】
(a)配列番号2からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域;および
(b)配列番号7からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域、
を含む、請求項23に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項25】
(a)配列番号12からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域;および
(b)配列番号17からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域、
を含む、請求項23に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項26】
(a)配列番号22からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域;および
(b)配列番号27からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域、
を含む、請求項23に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項27】
(a)配列番号32からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域;および
(b)配列番号37からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域、
を含む、請求項23に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項28】
(a)配列番号42からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、軽鎖可変領域;および
(b)配列番号47からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、重鎖可変領域、
を含む、請求項23に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項29】
抗体が、ヒト抗体である、請求項23に記載の抗体。
【請求項30】
抗体が、ヒト化抗体またはキメラ抗体である、請求項23に記載の抗体。
【請求項31】
Ovr110の機能を阻害する、請求項1〜30のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項32】
Ovr110の機能が、Ovr110発現細胞に対する免疫反応の抑制である、請求項31に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項33】
Ovr110の免疫反応の抑制が、リンパ球制御を介する、請求項32に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項34】
リンパ球制御が、T細胞の活性化、B細胞の活性化、NK細胞の活性化、T細胞の増殖、B細胞の増殖、NK細胞の増殖、T細胞の腫瘍への浸潤、B細胞の腫瘍への浸潤およびNK細胞の腫瘍への浸潤からなる群から選択される、請求項33に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項35】
請求項1〜34のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメント、および薬学的に許容し得る担体を含む、組成物。
【請求項36】
細胞毒性剤と抱合した請求項1〜34に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、免疫抱合体。
【請求項37】
請求項36に記載の免疫抱合体、および薬学的に許容し得る担体を含む、組成物。
【請求項38】
細胞毒性剤が、毒素、抗生物質、放射性同位体および核酸分解酵素からなる群から選択される、請求項36に記載の免疫抱合体。
【請求項39】
毒素が、リシン、サポリン、マイタンシノイドおよびカリチアマイシンからなる群から選択される、請求項38に記載の免疫抱合体。
【請求項40】
請求項38または39に記載の免疫抱合体、および薬学的に許容し得る担体を含む、組成物。
【請求項41】
請求項1〜34のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメントであって該抗体またはその抗原結合フラグメントとは異なる結合特異性を有する第2の機能的部位と結合している前記抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、二重特異性分子。
【請求項42】
請求項41に記載の二重特異性分子、および薬学的に許容し得る担体を含む、組成物。
【請求項43】
請求項1〜34に記載の抗体またはその抗原結合フラグメントをコードする、単離された核酸分子。
【請求項44】
(a)配列番号1、11、21、31および41からなる群から選択される軽鎖可変領域をコードする核酸配列;および
(b)配列番号6、16、26、36および46からなる群から選択される重鎖可変領域をコードする核酸配列、
を含む、請求項43に記載の単離された核酸分子。
【請求項45】
請求項43に記載の核酸分子を含む、発現ベクター。
【請求項46】
請求項45に記載の発現ベクターを含む、宿主細胞。
【請求項47】
ヒト免疫グロブリンの軽および重鎖の導入遺伝子を含むトランスジェニックマウスであって、請求項1〜34のいずれかに記載の抗体または抗原結合フラグメントを発現する、前記トランスジェニックマウス。
【請求項48】
請求項47に記載のマウスから作られたハイブリドーマであって、抗体を産生する、前記ハイブリドーマ。
【請求項49】
請求項1〜34のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを産生する、細胞。
【請求項50】
抗Ovr110抗体を調製する方法であって、
(a)(i.)配列番号3、13、23、33、43からなる群から選択されるCDR1配列;配列番号4、14、24、34、44からなる群から選択されるCDR2配列;および配列番号5、15、25、35、45からなる群から選択されるCDR3配列を含む、軽鎖可変領域抗体配列;または
(ii.)配列番号8、18、28、38、48からなる群から選択されるCDR1配列;配列番号9、19、29、39、49からなる群から選択されるCDR2配列;配列番号10、20、30、40、50からなる群から選択されるCDR3配列を含む、重鎖可変領域抗体配列、
を提供すること;
(b)少なくとも一つ変更された抗体配列を作製するため、軽鎖可変領域抗体配列および重鎖可変領域抗体配列から選択される少なくとも一つの可変領域抗体配列内の少なくとも一つのアミノ酸残基を変更すること;および
(c)変更された抗体配列を、タンパク質として発現すること、
を含む、前記方法。
【請求項51】
Ovr110を発現する腫瘍細胞の増殖を阻害する方法であって、細胞を、腫瘍細胞の増殖を阻害するのに効果的な量の請求項1〜34のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメントと接触させることを含む、前記方法。
【請求項52】
腫瘍細胞が、卵巣、膀胱、腎臓、膵臓、肺、胸部および頭頸部の腫瘍細胞からなる群より選択される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
哺乳動物においてOvr110発現性癌を軽減する方法であって、治療有効量の請求項1〜34のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを哺乳動物に投与することを含む、前記方法。
【請求項54】
Ovr110発現性癌が、卵巣癌、膀胱癌、腎臓癌、膵臓癌、肺癌、乳癌および頭頸部の癌からなる群から選択される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
抗体またはその抗原結合フラグメントが、少なくとも一つの化学療法薬剤と組み合わせて投与される、請求項51〜54のいずれかに記載の方法。
【請求項56】
化学療法薬剤が、パクリタキセルまたはその誘導体である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
Ovr110発現性腫瘍細胞に対する免疫応答の抑制を阻害する方法であって、腫瘍細胞に請求項1〜34のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを接触させることを含む、前記方法。
【請求項58】
免疫応答が、T細胞の活性化、B細胞の活性化、NK細胞の活性化、T細胞の増殖、B細胞の増殖、NK細胞の増殖、T細胞の腫瘍への浸潤、B細胞の腫瘍への浸潤、NK細胞の腫瘍への浸潤からなる群から選択される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
哺乳動物中の腫瘍の増殖を阻害する方法であって、治療有効量の、請求項1〜34のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメントを哺乳動物に投与することを含む、前記方法。
【請求項60】
抗体またはその抗原結合フラグメントが、Ovr110.C6およびOvr110.Q19からなる群から選択される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
さらに化学療法薬剤を哺乳動物に投与することを含む、請求項59または60に記載の方法。
【請求項62】
化学療法薬剤が、パクリタキセルまたはその誘導体である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
対象におけるOvr110の過剰発現を検出する方法であって:
(a)対象からのサンプルを、請求項1〜34のいずれかに記載の抗体またはその抗原結合フラグメントと、結合に適した条件下で接触させること;
(b)サンプル中のOvr110のレベルを決定すること;および
(c)サンプル中のOvr110のレベルと、コントロールまたは通常の範囲中のOvr110のレベルとを比較すること;
を含み、コントロールまたは通常の範囲と比較して、対象からのサンプル中のOvr110のレベルの増加が、Ovr110の過剰発現の指標となる、前記方法。
【請求項64】
サンプルが、血液、血清、血漿、腹水、尿、腹腔洗浄液および組織を含む群から選択される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
対象が、卵巣癌、膀胱癌、腎臓癌、膵臓癌、肺癌、乳癌および頭頸部の癌からなる群から選択される癌を有している、請求項63または64に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−510809(P2010−510809A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−539435(P2009−539435)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/085585
【国際公開番号】WO2008/067283
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(502160545)ディアデクサス インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】