説明

PAR1阻害剤としてのイミダゾピリダジン類、その製造、及び薬剤としての使用

本発明は、抗血栓活性を有し、そして特にプロテアーゼ活性化受容体1(PAR1)を阻害する式(I)
【化1】


の化合物、その製造方法、及び薬剤としてのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I
【化1】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、Q1、Q2及びQ3はそれぞれ以下に定義される通りである)の新規化合物に関する。式Iの化合物は、抗血栓活性を有し、そして特にプロテアーゼ活性化受容体1(PAR1)を阻害する。さらに、本発明は、式Iの化合物の製造方法及び薬剤としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
プロテアーゼ活性化受容体1(PAR1)は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)の種類に属するトロンビン受容体である。PAR1についての遺伝子は、染色体5q13にあり、2つのエキソンからなり、そして約27kbの領域にわたる。PAR1は、とりわけ内皮細胞、平滑筋細胞、線維芽細胞、ニューロン及びヒト血液血小板において発現される。血小板において、PAR1は、シグナル伝達の重要な受容体であり、血小板凝集の開始に関与している。
【0003】
PARの活性化は、PARのN−末端部分がタンパク質分解脱離し、そのため新しいN−末端配列が現れ、次いで受容体を活性化することによって起こる(非特許文献1)。
【0004】
血液凝固は、哺乳動物の生存に必須である血流の制御プロセスである。凝固及びその後の創傷治癒後の血餅分解プロセスは、血管損傷後に開始され、そして4つの段階に分けることができる:
1.血管狭窄段階:損傷を受けた領域への血液損失がそれによって低減される。
2.次の段階は、内皮下層において暴露されたコラーゲンへの血小板粘着である。基質へのこの一次粘着は、血小板を活性化し、次いで活性化を促進する種々の活性化物質を分泌する。さらに、これらの活性化物質は、血管損傷部位への新しい血小板のさらなる補充を刺激し、そして血小板凝集を促進する。血小板は、血管壁損傷部位で凝集し、静止したゆるい血小板血栓を形成している。さらに血小板の活性化により、細胞膜表面に沿ってホスファチジルセリン及びホスファチジルイノシトールが現れる。これらのリン脂質の暴露は、凝固カスケードの多酵素複合体の結合及び活性化に必須である。
3.最初の静止したゆるい血小板凝集物は、フィブリンによって架橋されている。血栓が血小板及びフィブリンのみを含む場合、それは白色血栓である。赤血球がさらに存在する場合、それは赤色血栓である。
4.創傷治癒後、血栓は、タンパク質プラスミンの作用によって分解される。
【0005】
2つの代替経路、内因性及び外因性経路によりフィブリン塊の形成に至る。これらの経路は、異なる機構によって開始されるが、後の段階ではそれらは凝固カスケードの共通の経路に収束する。創傷のない血管壁異常に基づく赤色血栓又は血餅の形成は、内因性経路の結果である。組織損傷又は外傷に対する反応としてフィブリン塊形成は、外因性経路の結果である。両方の経路は、凝固因子として知られている比較的多数のタンパク質を含む。
【0006】
内因性経路は、第VIII、IX、X、XI及びXII凝固因子、並びにプレカリクレイン、高分子量キニノーゲン、カルシウムイオン及び血小板からのリン脂質を必要とする。これらのタンパク質はそれぞれ第X因子の活性化を導く。
【0007】
内因性経路は、プレカリクレイン、高分子量キニノーゲン、第XI及びXII因子が負に荷電された表面に結合した時に開始される。この時点を接触段階(contact phase)と称する。血管壁コラーゲンへの暴露は、接触段階の一次刺激である。接触段階プロセスの結果、プレカリクレインがカリクレインへ転換され、それは次に第XII因子を活性化する。第XIIa因子は、さらにプレカリクレインをカリクレインに加水分解し、その結果、活性化される。第XII因子の活性化が高まるにつれ、第XI因子が活性化され、血管拡張因子ブラジキニンが放出される。血管収縮の最初の段階は、それによって終わる。ブラジキニンは、高分子量キニノーゲンから製造される。Ca2+イオンの存在下で、第XIa因子は、第IX因子を活性化する。第IX因子は、ビタミンK依存性のc−カルボキシグルタミン酸(GLA)残基を含むプロ酵素である。セリンプロテアーゼ活性は、Ca2+イオンがこれらのGLA残基に結合した後に顕性となる。血液凝固カスケードにおけるセリンプロテアーゼのいくつか(第II、VII、IX及びX因子)は、このようなビタミンK依存性GLA残基を含む。第IXa因子は第X因子を切断し、そして第Xa因子への活性化を導く。第IXa因子を形成する前提条件は、活性化血小板の表面におけるCa2+イオン及び第VIIIa因子、第IXa因子及び第X因子のプロテアーゼ複合体の形成である。活性化血小板の反応の1つは、表面に沿ったホスファチジルセリン及びホスファチジルイノシトールの出現である。プロテアーゼ複合体の形成は、これらのリン脂質の暴露により可能となる。このプロセスにおいて、第VIII因子は、第IXa因子及び第X因子の受容体として作用する。従って、第VIII因子は、凝固カスケードにおける補助因子を表す。実際の受容体である第VIIIa因子の形成による第VIII因子の活性化は、最少量のトロンビンのみを必要とする。トロンビンの濃度が高まるにつれ、最終的に第VIIIa因子は、トロンビンによってさらに切断され、不活性化される。第VIII因子に関するトロンビンのこの二重活性は、自己制御式のプロテアーゼ複合体形成に至り、そのため血液凝固は局在化する。
【0008】
PAR1及びPAR4は、トロンビンによるヒト血液血小板の活性化における中心的な役割を果たしており;これらの受容体の活性化は、血小板における形態学的変化、ADPの放出及び血小板の凝集を導く(非特許文献2)。
【0009】
PAR1阻害剤は、例えば特許文献1又は特許文献2、特許文献3及び特許文献4、並びに特許文献5に記載されている。
【0010】
式Iの化合物は、プロテアーゼ活性化受容体1の特異的な高い阻害を示し、そのため血栓症、塞栓症、凝固能亢進又は線維性変性(fibrotic alteration)に関連する障害を患っているヒトにおける予防上及び治療上の使用に適している。このような障害の例は、血栓症、深部静脈血栓症、肺塞栓症、脳梗塞、心筋梗塞、高血圧症、炎症性障害、リウマチ、喘息、糸球体腎炎又は骨粗鬆症である。式Iの化合物は、二次予防に使用することができ、そして緊急及び長期的治療の両方に適している。
【0011】
また、式Iの化合物は、PAR1と異なる抗血栓原理によって作用する活性成分と組み合わせて使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許出願第EP1391451号
【特許文献2】欧州特許出願第EP1391452号
【特許文献3】米国特許出願第US6,063,847号
【特許文献4】米国特許出願第US2004/152736号
【特許文献5】国際出願第WO03/089428号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Pharmacol Rev 54:203 217, 2002
【非特許文献2】Nature 413:26-27, 2001
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
1)従って、本発明は、式I
【化2】

〔式中、
Q1は水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−OH、−O−(C−C)−アルキル又は−O−(C−C)−シクロアルキルであり、ここでアルキル及びシクロアルキルはそれぞれ非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
Q2及びQ3は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル又は−(C−C)−シクロアルキルであり、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
R1、R2及びR3は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−C(O)−N(R11)−R12、−(C−C)−アルキレン−C(O)−O−R11、−(C−C)−アルキレン−C(O)−R11、−(C−C)−アルキレン−N(R11)−R12、−(C−C)−アルキレン−N(R11)−C(O)−R12、ハロゲン、OH、−CN、−NO、−SOCH、−SOCF、−SF、−Si[−(C−C)−アルキル]、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくは−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキル、OH、−(C−C)−シクロアルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、−O−(C−C)−アルキレン−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくは−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、
OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、又は
−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキルであり、
ここでアルキル、アルキレン及びシクロアルキルはそれぞれ非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル、−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、若しくは
−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、又は
ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、又は
【0015】
R1及びR2又はR2及びR3は、それらがそれぞれ結合している環原子と共に5〜8員環を形成し、ここで環は炭素原子のみからなるか又はそれらの原子の1、2若しくは3個は窒素、酸素若しくは硫黄原子によって置き換えられており、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここで形成された5〜8員環中、及びアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、
R11及びR12はそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくは−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキル、OH、−(C−C)−シクロアルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、
−(C−C)−アルキレン−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、
−SOCH、又は−SOCFであり、
ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、又は
“N(R11)−R12”及び“N(R11)−C(O)−R12”断片中のR11及びR12は、窒素原子“N”又は“N−C(O)”基と共に、N、O及びSの群からの最大で2個のさらなるヘテロ原子を含み得る環式アミン、イミド又はラクタムを形成するよう形成される5〜8員環を表しており、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここで形成された5〜8員環中、及びアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、
R4、R5、R6、R7及びR8は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−CN、−NO、−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(CO)−N(R21)−R22、−SOCH、−SOCF、−(C−C)−アルキレン−C(O)−O−R21、ハロゲン、−SF、−(C−C)−アルキレン−C(O)−R21、−(C−C)−アルキレン−N(R21)−R22、−(C−C)−アルキレン−N(R21)−C(O)−R22、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−Si[−(C−C)−アルキル]、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール又は−(C−C15)−Hetであり、
ここでアルキル、アルキレン及びシクロアルキルはそれぞれ非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル、−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、
−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、若しくは
−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、
ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、又は
【0016】
R4及びR5、R5及びR6、R6及びR7又はR7及びR8は、それらがそれぞれ結合している環原子と共に5〜8員環を形成し、ここで環は炭素原子のみからなるか又はそれらの原子の1、2若しくは3個は窒素、酸素若しくは硫黄原子によって置き換えられており、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここで形成された5〜8員環中、及びアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、
R9は水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくは−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキル、OH、−(C−C)−シクロアルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、
−(C−C)−アルキレン−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、そしてここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のすべて又はいくつかはフッ素によって置き換えられていてもよく、
R21及びR22はそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくは−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキル、OH、−(C−C)−シクロアルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、
−(C−C)−アルキレン−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換で
あるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、
−SOCH、又は−SOCFであり、ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、又は
“N(R21)−R22”及び“N(R21)−C(O)−R22”断片中のR21及びR22は、窒素原子“N”又は“N−C(O)”基と共に、N、O及びSの群からの最大で2個のさらなるヘテロ原子を含み得る環式アミン、イミド又はラクタムを形成するよう形成された5〜8員環を表しており、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここで形成された5〜8員環中、及びアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置換されていてもよい〕
の化合物及び/又は式Iの化合物の任意の立体異性形態若しくは互変異性形態及び/又はこれらの形態の任意の比率における混合物、及び/又は式Iの化合物の生理学上適合しうる塩に関する。
【0017】
2)
Q1、Q2及びQ3は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル又は−(C−C)−シクロアルキルであり、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
R1、R2及びR3は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−C(O)−N(R11)−R12、−(C−C)−アルキレン−C(O)−O−R11、−(C−C)−アルキレン−C(O)−R11、−(C−C)−アルキレン−N(R11)−R12、−(C−C)−アルキレン−N(R11)−C(O)−R12、ハロゲン、OH、−CN、−NO、−SOCH、 −SOCF、−SF、−Si[−(C−C)−アルキル]、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくは−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキル、OH、−(C−C)−シクロアルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、
−O−(C−C)−アルキレン−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C15)−Het、
ここでHetは非置換であるか若しくは−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、又は−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキルであり、
ここでアルキル、アルキレン及びシクロアルキルはそれぞれ非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル、−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、若しくは
−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、又は
ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、
但し、少なくとも1つのR1、R2又はR3は水素原子ではなく、又は
R1及びR2又はR2及びR3は、それらがそれぞれ結合している環原子と共に5〜8員環を形成し、ここで環は炭素原子のみからなるか又はそれらの原子の1、2若しくは3個は窒素、酸素若しくは硫黄原子によって置き換えられており、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
【0018】
R11及びR12はそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくは−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキル、OH、−(C−C)−シクロアルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、
−(C−C)−アルキレン−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、
−SOCH、又は−SOCFであり、
ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、又は
“N(R11)−R12”及び“N(R11)−C(O)−R12”断片中のR11及びR12は、窒素原子“N”又は“N−(CO)”基と共に、N、O及びSの群からの最大で2個のさらなるヘテロ原子を含み得る環式アミン、イミド又はラクタムを形成するよう形成された5〜8員環を表し、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
R4、R5、R6、R7及びR8は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−CN、−NO、−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(CO)−N(R21)−R22、−SOCH、−SOCF、−(C−C)−アルキレン−C(O)−O−R21、ハロゲン、−SF、−(C−C)−アルキレン−C(O)−R21、−(C−C)−アルキレン−N(R21)−R22、−(C−C)−アルキレン−N(R21)−C(O)−R22、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−Si[−(C−C)−アルキル]、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール又は−(C−C15)−Hetであり、
ここでアルキル、アルキレン及びシクロアルキルはそれぞれ非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル、−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、若しくは
−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、又は
ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、
但し、少なくとも1つのR4、R5、R6、R7又はR8は水素原子ではなく、又は
【0019】
R4及びR5、R5及びR6、R6及びR7、又はR7及びR8は、それらがそれぞれ結合している環原子と共に5〜8員環を形成し、ここで環は炭素原子のみからなるか又はそれらの原子の1、2若しくは3個は窒素、酸素若しくは硫黄原子によって置き換えられており、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
R9は水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくは−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキル、OH、−(C−C)−シクロアルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、
−(C−C)−アルキレン−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、そしてここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のすべて又はいくつかはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、
R21及びR22はそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくは−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキル、OH、−(C−C)−シクロアルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、
−(C−C)−アルキレン−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、
−SOCH、又は−SOCFであり、
ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、又は
“N(R21)−R22”及び“N(R21)−C(O)−R22”断片中のR21及びR22は窒素原子“N”又は“N−C(O)”基と共に、N、O及びSの群からの最大で2個のさらなるヘテロ原子を含み得る環式アミン、イミド又はラクタムを形成するよう形成された5〜8員環を表しており、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−
アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又はすべてはフッ素によって置換されていてもよい、
式Iの化合物は好ましい。
【0020】
3)
Q1、Q2及びQ3は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル又は−(C−C)−シクロアルキルであり、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
R1、R2及びR3は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−C(O)−N(R11)−R12、−(C−C)−アルキレン−C(O)−O−R11、−(C−C)−アルキレン−C(O)−R11、−(C−C)−アルキレン−N(R11)−R12、−(C−C)−アルキレン−N(R11)−C(O)−R12、ハロゲン、OH、−CN、−NO、−SOCH、−Si[−(C−C)−アルキル]、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、−O−(C−C)−アルキレン−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C15)−Het又は−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキルであり、
ここでアルキル、アルキレン及びシクロアルキルはそれぞれ非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、又は
ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、
但し、少なくとも1つのR1、R2又はR3は水素原子ではなく、又は
R1及びR2、又はR2及びR3は、それらがそれぞれ結合している環原子と共に、2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2,3a,4,5,8−ヘキサアザ−シクロペンタ[b]ナフタレン;2,6,7,8−テトラヒドロ−3H−5−オキサ−1,2,3a,4,8−ペンタアザ−シクロペンタ[b]ナフタレン;2,3,6,7−テトラヒドロ−5,8−ジオキサ−1,2,3a,4−テトラアザ−シクロペンタ[b]ナフタレン;2,3,6,7−テトラヒドロ−5H−8−オキサ−1,2,3a,4,5−ペンタアザ−シクロペンタ[b]ナフタレン;2,6,7,8−テトラヒドロ−3H−5−チア−1,2,3a,4,8−ペンタアザ−シクロペンタ[b]ナフタレン;2,3,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1,2,3a,4,6,9−ヘキサアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン;2,3−ジヒドロ−5,7−ジオキサ−1,2,3a,4−テトラアザ−s−インダセン;2,6,7,8−テトラヒドロ−3H−シクロペンタ[e][1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン;2,7,8,9−テトラヒドロ−3H−シクロペンタ[d][1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン及び2,3,6a,9a−テトラヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−d][1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンの群から選ばれる環を形成し、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
R11及びR12はそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリ
ール、−(C−C)−アルキレン−(C−C15)−Het、−SOCH又は−SOCFであり、
ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、又は
“N(R11)−R12”及び“N(R11)−C(O)−R12”断片中のR11及びR12は、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼピニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジン−2.5−ジオニル、ピペリジン−2,6−ジオニル、ピペラジン−2,6−ジオニル、モルホリン−3,5−ジオニル、ピロリジン−2−オニル、ピペリジン−2−オニル、ピペラジン−2−オニル及びモルホリン−3−オニルの群から選ばれる5〜8員環を表し、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
【0021】
R4、R5、R6、R7及びR8は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−CN、−NO、−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(CO)−N(R21)−R22、−SOCH、−SOCF、−(C−C)−アルキレン−C(O)−O−R21、ハロゲン、−SF、−(C−C)−アルキレン−C(O)−R21、−(C−C)−アルキレン−N(R21)−R22、−(C−C)−アルキレン−N(R21)−C(O)−R22、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−Si[−(C−C)−アルキル]、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール又は−(C−C15)−Hetであり、ここでアルキル、アルキレン及びシクロアルキルはそれぞれ非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル、−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、若しくは
−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、又は
ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、
但し、少なくとも1つのR4、R5、R6、R7、又はR8は水素原子ではなく、又は
R4及びR5、R5及びR6、R6及びR7又はR7及びR8は、それらがそれぞれ結合している環原子と共に、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン;3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;1,2,3,4−テトラヒドロ−キノキサリン;ベンゾ[1,3]ジオキソール;3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン及び2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピンの群から選ばれる5〜8員環を形成し、
ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シ
クロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
R9は水素原子、−(C−C)−アルキル又は−(C−C)−シクロアルキルであり、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
R21及びR22はそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、−(C−C)−アルキレン−(C−C15)−Het、−SOCH又は−SOCFであり、ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、又は
“N(R21)−R22”及び“N(R21)−C(O)−R22”断片中のR21及びR22は、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼピニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジン−2,5−ジオニル、ピペリジン−2,6−ジオニル、ピペラジン−2,6−ジオニル、モルホリン−3,5−ジオニル、ピロリジン−2−オニル、ピペリジン−2−オニル、ピペラジン−2−オニル及びモルホリン−3−オニルの群から選ばれる5〜8員環を表し、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここで形成された5〜8員環中、及びアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよい、
式Iの化合物は特に好ましい。
【0022】
4)さらに、本発明は、
Q1、Q2及びQ3は同一であり、そしてそれぞれ 水素原子であり、
R1、R2及びR3は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−O−CH−CF 又は−O−(C−C)−アルキルであり、
但し、少なくとも1つのR1、R2又はR3は水素原子ではなく、
R4、R5、R6、R7及びR8は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−アルキル、−SF又は−N(R21)−R22であり、
但し、少なくとも1つのR4、R5、R6、R7又はR8は 水素原子ではなく、そして
R9は水素原子であり、
R21及びR22はそれぞれ独立して水素原子又は−(C−C)−アルキルであり、又は
“N(R21)−R22”断片中のR21及びR22は、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼピニル、イミダゾリル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジン−2,5−ジオニル、ピペリジン−2,6−ジオニル、ピペラジン−2,6−ジオニル、モルホリン−3,5−ジオニル、ピロリジン−2−オニル、ピペリジン−2−オニル、ピペラジン−2−オニル及びモルホリン−3−オニルの群から選ばれる5〜8員環を表す、
式Iの化合物に関する。
【0023】
5) 以下の化合物:
トリフルオロ酢酸塩として1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−モルホリン−4−イルフェニル)−2−(7−イミノ−2,3−ジメトキシイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−6−イル)エタノン、
トリフルオロ酢酸塩として1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−モルホリン−4−イルフェニル)−2−(2,3−ジエトキシ−7−イミノイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−6−イル)エタノン、
トリフルオロ酢酸塩としてN−{3−[2−(2,3−ジエトキシ−7−イミノイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−6−イル)アセチル]−5−ペンタフルオロスルファニルフェニル}アセトアミド、
1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−モルホリン−4−イルフェニル)−2−[7−イミノ−2−メトキシ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)イミダゾ[1,5−b]ピラジジン−6−イル]エタノン、
2−(2,3−ジエトキシ−7−イミノイミダゾール[1,5−b]ピリダジン−6−イル)−1−(5−メチルアミノ−3−ペンタフルオロスルファニルフェニル)エタノン又は
2−(2,3−ジエトキシ−7−イミノイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−6−イル)−1−[3−メチルアミノ−5−(ペンタフルオロスルファニル)フェニル]エタノン
を含む式Iの化合物は特に好ましい。
【0024】
「(C−C)−アルキル」又は「(C−C)−アルキル」の語句は、炭素鎖が直鎖又は分枝状であり、そして1〜4個の炭素原子又は1〜6個の炭素原子を含む炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、2,3−ジメチルブチル又はネオヘキシルを意味するものとして理解される。
【0025】
「−(C−C)−アルキレン」又は「−(C−C)−アルキレン」の語句は、炭素鎖が直鎖又は分枝状であり、そして1〜4又は1〜6個の炭素原子を含む炭化水素基、例えばメチレン、エチレン、1−メチルメチレン、プロピレン、1−メチルエチレン、ブチレン、1−プロピルメチレン、1−エチル−1−メチルメチレン、1,2−ジメチルエチレン、1,1−ジメチルメチレン、1−エチルエチレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、ペンチレン、1−メチルブチレン、ヘキシレン、1−メチルペンチレンを意味するものとして理解される。「−C−アルキレン」は、共有結合である。
【0026】
「−O−(C−C)−アルキル」又は「−O−(C−C)−アルキル」の語句は、炭素鎖が直鎖又は分枝状であり、そして1〜6又は1〜8個の炭素原子を含むアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、1−ペントキシ、2−ペントキシ、3−ペントキシ、1−ヘキソキシ、2−ヘキソキシ、3−ヘキソキシ、1−ヘプトキシ、2−ヘプトキシ、3−ヘプトキシ、4−ヘプトキシ、2,4−ジメチルペンタン−3−オキシ、1−オクトキシ、2−オクトキシ、3−オクトキシ、2,2,4−トリメチルペンタン−3−オキシ、2,3,4−トリメチルペンタン−3−オキシ又は4−オクトキシを意味するものとして理解される。
【0027】
「(C−C)−シクロアルキル」の語句は、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン又はシクロヘキサンのような3〜6員単環から誘導される化合物のような基を意味するものとして理解される。
【0028】
「−O−(C−C)−シクロアルキル」の語句は、シクロプロポキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ又はシクロヘキソキシのような3〜6員単環から誘導される化合物のようなシクロアルコキシ基を意味するものとして理解される。
【0029】
「−(C−C14)−アリール」の語句は、環中に6〜14個の炭素原子を有する芳香族炭素基を意味するものとして理解される。−(C−C14)−アリール基は、例えば、フェニル、ナフチル、例えば1−ナフチル、2−ナフチル、アントリル又はフルオレニルである。ナフチル基及び特にフェニルは、好ましいアリール基である。
【0030】
「Het」の語句は、互いに結合した1、2又は3個の環系中に存在する4〜15個の炭素原子を有し、そして酸素、窒素及び硫黄の群からの1、2、3又は4個の同一又は異なるヘテロ原子を含んでいてもよい環系を意味するものとして理解される。これらの環系の例は、アクリジニル、アゼピニル、アゼチジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ジヒドロフラン[2,3−b]−テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、ジオキソリル、ジオキサニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イソベンゾフラニル、イソキノリニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソチアゾリジニル、2−イソチアゾリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、イソオキサゾリジニル、2−イソオキサゾリニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2.5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキソチオラニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサチジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピロアゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾリル、ピリドイミダゾリル、ピリドチアゾリル、ピリドチオフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロピリジニル、6H−1,2.5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2.5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリル、チエニル、チエノイミダゾリル、チエノオキサゾリル、チエノピロリル、チエノピリジル、チエノチアゾリル、チエノチオフェニル、チオモルホリニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2.5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル又はキサンテニル基である。
【0031】
「R1及びR2又はR2及びR3は、それらがそれぞれ結合している環原子と共に5〜8員環を形成し、ここで環は炭素原子のみからなるか又はこれらの原子の1、2若しくは3個は窒素、酸素若しくは硫黄原子によって置き換えられている」の語句は、例えば2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2,3a,4,5,8−ヘキサアザ−シクロペンタ[b]ナフタレン;2,6,7,8−テトラヒドロ−3H−5−オキサ−1,2,3a,4,8−ペンタアザ−シクロペンタ[b]ナフタレン;2,3,6,7−テトラヒドロ−5,8−ジオキサ−1,2,3a,4−テトラアザ−シクロペンタ[b]ナフタレン;2,3,6,7−テトラヒドロ−5H−8−オキサ−1,2,3a,4,5−ペンタアザ−シクロペンタ[b]ナフタレン;2,6,7,8−テトラヒドロ−3H−5−チア−1,2,3a,4,8−ペンタアザ−シクロペンタ[b]ナフタレン;2,3,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1,2,3a,4,6,9−ヘキサアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン;2,3−ジヒドロ−5,7−ジオキサ−1,2,3a,4−テトラアザ−s−インダセン;2,6,7,8−テトラヒドロ−3H−シクロペンタ[e][1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン;2,7,8,9−テトラヒドロ−3H−シクロペンタ[d] [1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン又は2,3,6a,9a−テトラヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−d][1,2,4]−トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンのような環系を意味するものとして理解される。
【0032】
「R4及びR5、R5及びR6、R6又はR7又はR7及びR8は、それらがそれぞれ結合している環原子と共に5〜8員環を形成し、ここで環は炭素原子のみからなるか又はそれらの原子の1、2若しくは3個は窒素、酸素若しくは硫黄原子によって置き換えられている」の語句は、例えば2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン;3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン;ベンゾ[1,3]ジオキソール;3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン又は2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピンのような環系を意味するものとして理解される。
【0033】
「“N(R11)−R12”及び“N(R11)−C(O)−R12”断片中のR11及びR12は、窒素原子“N”又は“N−(CO)”基と共に、N、O及びSの群からの最大で2個のさらなるヘテロ原子を含み得る環式アミン、イミド又はラクタムを形成するよう形成される5〜8員環を表す」又は「“N(R21)−R22” 及び“N(R21)−C(O)−R22”断片中のR11及びR12は、窒素原子“N”又は“N−(CO)”基と共に、N、O及びSの群からの最大2個のさらなるヘテロ原子を含み得る環式アミン、イミド又はラクタムを形成するよう形成される5〜8員環を表す」の語句は、環式アミン、例えばアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼピニル、モルホリニル又はチオモルホリニル、そしてイミド基の場合、例えばピロリジン−2,5−ジオニル、ピペリジン−2,6−ジオニル、ピペラジン−2,6−ジオニル、モルホリン−3,5−ジオニル、そしてラクタム基の場合、例えばピロリジン−2−オニル、ピペリジン−2−オニル、ピペラジン−2−オニル、モルホリン−3−オニルのような環系を意味するものとして理解される。
【0034】
「水素原子のいくつか又は全てがフッ素によって置き換えられたアルキル、アルキレン又はシクロアルキル」の再構成された語句は、例えば、アルキル基については、以下の基:−CF、−CHF、−CHF、−CHF−CF、−CHF−CHF、−CHF−CHF、−CH−CF、−CH−CHF、−CH−CHF、−CF−CF、−CF−CHF、−CF−CHF、−CH−CHF−CF、−CH−CHF−CHF、−CH−CHF−CHF、 −CH−CH−CF、−CH−CH−CHF、−CH−CH−CHF、−CH−CF−CF、−CH−CF−CHF、−CH−CF−CHF、−CHF−CHF−CF、−CHF−CHF−CHF、−CHF−CHF−CHF、−CHF−CH−CF、−CHF−CH−CHF、−CHF−CH−CHF、−CHF−CF−CF、−CHF−CF−CHF、−CHF−CF−CHF、−CF−CHF−CF、−CF−CHF−CHF、−CF−CHF−CHF、−CF−CH−CF、−CF−CH−CHF、−CF−CH−CHF、−CF−CF−CF、−CF−CF−CHF、−CF−CF−CHF、−CH(CF、−CH(CHF、−CH(CFH、−CH(CFH)(CHF)、−CH(CFH)(CF)、−CH(CFH)(CH)、−CH(CHF)(CH)、−CH(CF)(CH)、−CF(CF、−CF(CHF、−CF(CFH、−CF(CFH)(CHF)、−CF(CFH)(CF)、−CF(CFH)(CH)、−CF(CHF)(CH)、−CF(CF)(CH)、及びまたプロピルにように分枝していてもよいブチル、ペンチル及びヘキシルについてのさらなる可能な組み合わせから、
アルキレンについては、例えば以下の基:−CF−、−CHF−、−CHF−CF−、−CHF−CHF−、−CHF−CH−、−CF−CF−、−CF−CHF、及びまた分枝していてもよいプロピレン、ブチレン、ペンチレン及びヘキシレンについてのさらなる可能な組み合わせから、
【0035】
そしてシクロアルキルについては、例えば、基
【化3】

及びまた類似のより大きいシクロペンチル及びシクロヘキシル環から派生する部分的にフッ素化された又は全フッ素化されたアルキル、アルキレン又はシクロアルキルを意味するものとして理解される。
【0036】
「hal」の語句は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味するものとして理解され、フッ素、塩素又は臭素、特にフッ素又は塩素が好ましい。
【0037】
また、上記の語句は、例えば「−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール」中で行われるように所望により組み合わせることができる。
【0038】
式Iの化合物において用いられる中間体の官能基、例えばアミノ又はカルボキシル基、適切な保護基によって遮蔽してもよい。アミノ官能基に適した保護基は、例えば、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル又はフタロイル基、及びまたトリチル又はトシル保護基である。カルボキシル官能基に適した保護基は、例えば、アルキル、アリール又はアリールアルキルエステルである。保護基は、よく知られているか又はここに記載された技術によって導入し、そして除去することができる(Greene, T. W., Wuts, P. G.
M., Protective Groups in Organic Synthesis (1999), 3rd Ed., Wiley-Interscience,
又はKocienski, P. J., Protecting Groups (2004), 3rd Ed., Thieme参照。また、「保護基」の語句は、対応するポリマー結合された保護基を含んでもよい。
本発明の化合物は、よく知られた方法又は本明細書に記載された方法によって製造することができる。
【0039】
さらに、本発明は、式Iの化合物及び/又は式Iの化合物の立体異性形態及び/又は式Iの化合物の生理学的に適合しうる塩の製造方法であって、
【0040】
a)溶媒中、塩基を添加して又は添加することなく、式II
【化4】

(式中、R4、R5、R6、R7、R8、Q2及びQ3は、それぞれ式Iにおいて定義された通りであり、そしてWはクロリド、ブロミド、メシラート又はトシラートである)の化合物を式III
【化5】

(式中、R1、R2、R3、R9及びQ1は、それぞれ式Iにおいて定義された通りである)の化合物と反応させて式Iの化合物を得るか、又は
【0041】
b)塩基を添加して又は添加することなく、式VII、
【化6】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、Q1、Q2及びQ3は、それぞれ式Iにおいて定義された通りである)の化合物を化合物Q1−W’(式中、W’はクロリド、ブロミド、トシラート、メシラート、メチルサルフェート又は類似の良好な脱離基である)と反応させて式Iの化合物を得るか、又は
【0042】
c)塩基を添加して又は添加することなく、式XXVI
【化7】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、Q2及びQ3は、それぞれ式Iにおいて定義された通りである)の化合物を化合物Z−CN(式中、Zはトシラート、クロリド又はブロミドのような良好な脱離基である)と反応させて式VIIの化合物を得るか、又は
【0043】
d)式XXVII
【化8】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、Q1、Q2及びQ3は、それぞれ式Iにおいて定義された通りである)の化合物を硫黄活性化物質と反応させて式Iの化合物を得るか、又は
【0044】
e)方法a)〜d)によって製造された式Iの化合物を遊離形態で単離するか、又は生理学的に適合しない塩からそれを遊離させるか、又は酸性若しくは塩基性基が存在する場合、それを生理学的に適合しうる塩に変換するか、又は
f)方法a)〜d)によって製造された式Iの化合物、又はその化学構造のために、エナンチオマー若しくはジアステレオマー形態で生じた式Iの適切な前駆体を、鏡像異性的に純粋な酸若しくは塩基との塩形成、キラル固定相におけるクロマトグラフィ又はアミノ酸のようなキラル鏡像異性的に純粋な化合物による誘導体化、このようにして得られたジアステレオマーの分離、及びキラル補助基の脱離によって、純粋なエナンチオマー又はジアステレオマーに分離する、
ことを含む前記製造方法に関する。
【0045】
さらに、本発明は、スキーム1による式Iの化合物の製造方法に関する。
【0046】
スキーム1:
【化9】

【0047】
IIは場合により塩の形態で存在し、反応体II及びIIIを、室温又は40℃〜60℃のわずかに高められた温度で、好都合なことにIIが塩の形態である場合、溶媒、好ましくはジメチルホルムアミド(DMF)、THF又はジオキサン中、塩基、好ましくはヒューニッヒ塩基の存在下で転換して式Iの化合物を得る。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、Q1、Q2及びQ3基は、それぞれ式Iにおいて定義された通りであり、Wは、クロリド、ブロミド、メシラート又はトシラート、好ましくはブロミド又はメシラートのような良好な脱離基を表す。
【0048】
式IIの化合物は、商業的に又は文献の方法によって、例えば対応するアセトフェノン誘導体X又はX’から始めて得ることができる(例えば、Phosphorus and Sulfur and the Related Elements (1985), 25(3), 357 又はTetrahedron Letters (1984), 25(34), 3715参照)。多くの構造変種で商業的に入手可能であるXタイプのよく知られた化合物は、例えば、他の試薬の中でも、元素状塩素又は臭素、三臭化物誘導体、例えばフェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド、1,3−ジクロロジメチルヒダントイン、N−クロロ−又はN−ブロモスクシンイミドを用いてアセチル基において官能化することができる。X’タイプの化合物は、例えばメシル又はトシルクロリドを用いてIIタイプの化合物に転換することができる。
【0049】
スキーム2:
【化10】

【0050】
特定のR4〜R8基について、最初にXタイプのケトンをXI又はXI’タイプのケタールに転換し、それを次いでメチル基においてきわめて選択的に官能化、好ましくは臭素化してXIIタイプの化合物を得、そして適切な酸により脱ケタール化した後、同様に、IIタイプの化合物を導くことはより望ましいといえる。
【0051】
スキーム2及び3における置換基は、それぞれ上記定義された通りであり、Tは(C−C)−アルキル基であり、T’がエチレン、プロピレン又はブチレンであると同時に、W’はフェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド、N−ブロモスクシンイミド又はN−クロロスクシンイミドのような反応性の化合物である。
【0052】
スキーム3:
【化11】

【0053】
式III’タイプ(式IIIタイプ、ここでQ1=H)の化合物を合成するには、式XXの化合物、場合によりその塩(HA)形態を好ましくは塩基の存在下でXXIタイプのシアノ供給源を用いて環化して所望のイミダゾピリジンを得ることが好ましい。有用な酸HAは、好ましくはHBr、HCl、トリフルオロ酢酸(TFA)及び硫酸である。Zは、良好な脱離基、好ましくはトシラート、クロリド又はブロミドである。
【0054】
スキーム4:
【化12】

【0055】
別法として、式XXIIタイプのイソチオシアネートとの反応によって、中間体としてXXIIIタイプのチオ尿素を形成することによって式IIIタイプの化合物を得ることができる。次いで、これらは、ヨウ化メチル、酸化水銀又はブロモ酢酸エチルのような「硫黄活性化物質」を用いて式IIIタイプの所望の化合物に転換することができる。
【0056】
スキーム5:
【化13】

【0057】
式XXタイプの化合物は、商業的に入手可能であるか又はスキーム6に従って得ることができる。
【0058】
スキーム6:
【化14】

【0059】
これは、XXIVタイプのピリダジンを窒素求核「N」の存在下で、場合によりさらなる反応によりNH基を遊離してピリダジニルメチルアミン誘導体XXに転換する。可能な窒素求核としては、以下が含まれ、アンモニア、これはさらに解放することなく直接XXタイプの化合物を導き、アジド、例えばアジ化ナトリウム、これは後で還元してアミノ官能基を生成しなければならず、そのためにトリフェニルホスフィン(Bioorg. Med. Chem. Lett. 2925, 2002)若しくは水素存在下でのパラジウム若しくは白金のような貴金属触媒は選択肢であり(J. Med. Chem. 5005, 2002)、フタルイミド、これは後にヒドラジンで処理してアミノ官能基を遊離しなければならず(J. Med. Chem. 1315, 2004)、又はウロトロピン、これは酸、好ましくは塩酸で処理してアミノ官能基を遊離しなければならない(Synthesis 2145, 2003)。R1、R2、R3及びR9基は、それぞれ式Iにおいて定義された通りであり、そしてYは良好な脱離基、例えばクロリド、ブロミド、メシラート又はトシラートであり、そしてここではOHであってもよく、これは「その場で」で活性化されて良好な脱離基となり、次いで、それは前記の窒素求核の1つによって続いて置換される(Chem. Pharm. Bul 1493, 1989; Bioorg. Med. Chem. Lett. 2463, 2004)。
【0060】
XXタイプのアミンへのさらなる経路を、スキーム7に示す。
【0061】
スキーム7:
【化15】

【0062】
XXVタイプの3−シアノピリダジンから始めて、ニトリル官能基を、パラジウム又はラネーニッケルのような金属触媒の存在下で水素のような還元剤により還元してXXタイプのアミンを得る。グリニャール又は有機リチウム化合物のような有機金属試薬により還元する前にニトリル官能基を反応させるときは、この経路によってR9置換基を導入することができる。その結果、中間体として得られたイミンは、ナトリウムボロヒドリド、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド又はナトリウムシアノボロヒドリドによってアミンXXに還元することができる。R1、R2、R3及びR9基は、それぞれ上記定義された通りである。Metは、Li又はMgBrである。別法として、スキーム8に示すように式Iの化合物を製造することができる。
【0063】
スキーム8:
【化16】

【0064】
これは、溶媒、水、メタノール、エタノール、酢酸、アセトニトリル、トルエン又はこれらの溶媒の適切な混合物、好ましくはトルエン中、塩基、好ましくはヒューニッヒ塩基の存在下で、シアノ供給源XXI、好ましくは臭化シアンを用いて、式XXVIの化合物を、場合によりその塩(HA)形態で環化して所望のイミダゾピリダジンを得る。R1〜R9、Q2、Q3及びZ基は、それぞれ上記定義された通りである。
【0065】
式XXVIの化合物は、スキーム9に従って式XXのアミンを式IIタイプのアセトフェノン誘導体と反応させることによって得られる。これは、DMF、テトラヒドロフラン(THF)又はアセトニトリルのような溶媒中、好ましくはTHF中で行うのが好ましい。有用な塩基としては、ヒューニッヒ塩基、リチウムヘキサメチルジシラジド又は炭酸カリウムが含まれ、好ましくはリチウムヘキサメチルジシラジドである。基は、それぞれ上記定義された通りである。
【0066】
スキーム9:
【化17】

【0067】
別法として、スキーム10に従って式XXVIの化合物を式XXIIタイプのイソチオシアネートと反応させてチオ尿素誘導体XXVIIを得ることができる。それは、「硫黄活性化物質」、例えば酸化水銀、ヨウ化メチル又はブロモ酢酸エチルで続いて処理され、その結果、直接環化されて式Iタイプの化合物が得られる。基は、それぞれ上記定義された通りである。
【0068】
スキーム10:
【化18】

【0069】
また、式Iのいくつかの化合物は、異性形態で生じることもあり、その際、下の式Iの部分式におけるQ1の場合、(E)又は(Z)配置のいずれかを有してもよい:
【化19】

【0070】
スキーム1により製造された式Iの化合物、若しくはその化学構造のためにエナンチオマーの形態で生じた式Iの適切な前駆体は、鏡像異性的に純粋な酸若しくは塩基を用いた塩形成、キラル固定相におけるクロマトグラフィ若しくはアミノ酸のようなキラル鏡像異性的に純粋な化合物による誘導体化、このようにして得たジアステレオマーの分離、及びキラル補助基の除去(工程f))によって純粋なエナンチオマーに分離することができ、又はスキーム1により製造された式Iの化合物は、遊離形態で単離するか若しくは酸性若しくは塩基性基が存在する場合、生理学的に適合しうる塩に転換することができる(工程e))。
【0071】
式Iの化合物の酸性又は塩基性生成物は、それらの塩の形態又は遊離形態であってもよい。薬理学的に許容しうる塩、例えばアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属塩又は塩酸塩、硫酸塩、ヘミ硫酸塩(hemisulfates)、メチルスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、すべての可能なリン酸塩、及びアミノ酸、天然塩基又はカルボン酸の塩、例えば乳酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、アジピン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸、マレイン酸塩又はパモ酸塩は好ましい。
【0072】
生理学上許容しうる塩は、それ自体知られているやり方で、工程段階e)においてそれらの立体異性形態を含む塩形成が可能な式Iの化合物から製造される。式Iの化合物が酸性官能基を含む場合、塩基性試薬、例えば水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、アルコキシド及びアンモニア又は有機塩基、例えばトリメチル若しくはトリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン若しくはトリエタノールアミン、トロメタモール若しくは他に塩基性アミノ酸、例えばリシン、オルニチン若しくはアルギニンを用いて安定なアルカリ金属、アルカリ土類金属又は場合により置換されたアンモニウム塩を形成することができる。式Iの化合物の塩基性基は、酸と共に酸付加塩を形成する。この目的に適しているのは塩酸若しくは臭化水素酸、硫酸、ヘミ硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、4−ブロモベンゼンスルホン酸、シクロヘキシルアミドスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、グリセロール燐酸、乳酸、リンゴ酸、アジピン酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、グルコン酸、グルクロン酸、パルミチン酸又はトリフルオロ酢酸のような無機及び有機酸の両方である。
【0073】
工程段階f)において、式Iの化合物は、ジアステレオマー若しくはエナンチオマーの混合物として生じるか又は選ばれた合成においてその混合物として得られる場合、場合によりキラルな支持体物質上のクロマトグラフィによって純粋な立体異性体に分離するか又は式Iのラセミ化合物が塩形成可能な場合、補助剤として光学活性な塩基若しくは酸を用いて形成されたジアステレオマー塩の分別結晶を実施することも可能である。エナンチオマーの薄層又はカラムクロマトグラフ分離のための適切なキラル固定相の例は、改良されたシリカゲル支持体(Pirkle相と称する)及びトリアセチルセルロースのような高分子量の炭水化物である。また、分析目的では、当業者に知られている適切な誘導体化の後、キラル固定相においてガスクロマトグラフィの方法を用いることができる。カルボン酸ラセミ体のエナンチオマーを分離するには、光学活性な、通常、商業的に入手可能な塩基、例えば(−)−ニコチン、(+)−及び(−)−フェニルエチルアミン、キニーネ塩基、L−リシン又はL−及びD−アルギニンを用いて溶解度の異なるジアステレオマー塩を形成し、あまり可溶性でない成分は固形物として単離し、より可溶性のジアステレオマーは母液から沈殿させ、そしてこのようにして得たジアステレオマー塩から純粋なエナンチオマーを得る。原則として同じやり方で、光学活性な酸、例えば(+)−ショウノウ−10スルホン酸、D−及びL−酒石酸、D−及びL−乳酸、並びに(+)及び(−)−マンデル酸を用いて、アミノ基のような塩基性基を含む式Iのラセミ化合物を純粋なエナンチオマーに転換することができる。また、アルコール若しくはアミン官能基を含むキラル化合物を、適切に活性化された若しくは必要に応じてN−保護されたエナンチオピュアなアミノ酸を用いて対応するエステル若しくはアミドに、又は反対にキラルカルボン酸を、カルボキシ−保護されたエナンチオピュアなアミノ酸を用いてアミドに若しくは乳酸のようなエナンチオピュアなヒドロキシカルボン酸を用いて対応するキラルエステルに変換することができる。その際、エナンチオピュアな形態で導入されたアミノ酸又はアルコール残基のキラリティーは、結晶化又は適切な固定相におけるクロマトグラフィによってここで入手可能なジアステレオマーの分離を実施し、次いで含まれるキラル部分を適切な方法によって再び除去することによって異性体を分離するために利用することができる。本発明の化合物のいくつかによるさらなる可能性は、ジアステレオ異性的に又は鏡像異性的に純粋な出発物質を用いて枠組み構造を製造することである。従って、最終生成物を精製するために他の又は単純化された方法を使用することもできる。これらの出発物質は、文献で知られている方法によって以前から鏡像異性的に又はジアステレオ異性的に純粋に製造されてきた。これはエナンチオ選択的方法が基本構造の合成に使用されるか、又は他に、エナンチオマー(又はジアステレオマー)の分離が最終生成物の段階ではなく合成の早期の段階で実施されることを特に意味している。これらの分離の簡略化は、2つ又はそれ以上の段階で行うことによって同様に達成することができる。
【0074】
また、本発明は、有効含量の式Iの少なくとも1つの化合物及び/又は式Iの化合物の生理学上許容しうる塩及び/又は場合により式Iの化合物の立体異性形態を、薬学的に適切なそして生理学的に許容しうる担体、添加剤及び/又は他の活性成分及び賦形剤と共に有する薬剤に関する。
【0075】
本発明の化合物は、薬理学的性質のため、例えばプロテアーゼ活性化受容体1(PAR1)の阻害によって治療することができるすべての障害の予防、第二次予防及び治療に適している。従って、本発明の化合物は、ヒトにおける予防上及び治療上の使用の両方に適している。それは、緊急治療及び長期治療の両方に適している。式Iの化合物は、健康の障害又は血栓症、塞栓症、凝固能亢進、線維化若しくは炎症性障害に関連する疾患を患っている患者に使用することができる。これらには、心筋梗塞、狭心症及び他タイプのすべての急性冠動脈症候群、卒中、末梢血管障害、深部静脈血栓症、肺塞栓症、心不整脈によって惹き起こされる塞栓性又は血栓性イベント、心臓血管イベント、例えば血管再生、血管形成術並びに類似の処置、例えばステント移植及びバイパス手術後の再狭窄が含まれる。さらに、式Iの化合物は、血液を異種表面と接触させるすべての手技において、例えば透析患者及び留置カテーテルを有する患者のために使用することができる。式Iの化合物は、膝及び股関節手術のような外科的手技後の血栓症の危険性を低減するために使用することができる。
【0076】
式Iの化合物は、播種性血管内凝固症候群、敗血症及び炎症に関連する他の血管内イベントを有する患者の治療に適している。さらに、式Iの化合物は、アテローム性動脈硬化症、糖尿病及び代謝症候群及びその続発症を有する患者の予防及び治療に適している。止血系(例えばフィブリン沈着)の障害は、腫瘍増殖及び腫瘍転移に至る機構、並びに炎症性及び変性性の関節障害、例えば関節リウマチ及び関節症に関している。式Iの化合物は、このような過程を遅らせる又は予防するのに適している。
【0077】
式Iの化合物の使用についてのさらなる適応症は、肺における線維化、例えば慢性閉塞性肺疾患、成人呼吸促進症候群(ARDS)、そして眼については、例えば眼科手術後のフィブリン沈着である。式Iの化合物は、瘢痕の予防及び/又は治療にも適している。
【0078】
本発明の薬剤は、経口、吸入、直腸若しくは経皮投与によって又は皮下、関節内、腹腔内若しくは静脈内注射によって投与することができる。経口投与が好ましい。式Iの化合物及び体内の血液と接触する別の表面を用いたステントのコーティングは可能である。
【0079】
また、本発明は、薬学的に適切でありそして生理学的に許容しうる担体及び必要に応じて、さらなる適切な活性成分、添加剤又は賦形剤を用いて式Iの少なくとも1つの化合物から適切な剤形を作ることを含む薬剤の製造方法に関する。
【0080】
適切な固形又は薬学的製剤は、例えば、顆粒剤、散剤、コーティング錠、錠剤、(マイクロ)カプセル剤、坐剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤、乳剤、点滴剤又は注射液、及び活性成分の遅延性放出を伴う産物であり、それらを製造する際には、慣用の助剤、例えば担体、崩壊剤、結合剤、コーティング剤、膨潤剤、滑剤又は滑沢剤、香味剤、甘味剤及び可溶化剤が用いられる。頻繁に使用され、記載することができる賦形剤は、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、ラクトース、マンニトール及び他の糖類、タルク、ミルクタンパク質、ゼラチン、デンプン、セルロース及びその誘導体、動物及び植物油、例えば魚肝油、ヒマワリ、ピーナッツ又はゴマ油、ポリエチレングリコール並びに溶媒、例えば滅菌水及び一価又は多価アルコール、例えばグリセロールである。
【0081】
薬剤産物は投薬単位で製造し、そして投与するのが好ましく、その際、各単位は、活性成分として式Iの本発明の化合物の特定用量を含む。錠剤、カプセル剤、コーティング錠又は坐剤のような固形投薬単位の場合、この用量は約1000mgまでであることができるが、好ましくは50〜300mg、そしてアンプル形態の注射液の場合、約300mgまでであるが、好ましくは10〜100mgである。
【0082】
体重約70kgの成人患者の治療に必要な日用量は、式Iの化合物の活性に応じて、活性成分約2mg〜1000mg、好ましくは約50mg〜500mgである。しかし、状況により、より高い又はより低い日用量も適切となりうる。日用量は、単一投薬単位若しくは他に複数のより小さな投薬単位の形態で1回投与によって又は特定の間隔で分割量の複数投与によって投与することができる。
【0083】
式Iの化合物は、単剤療法として並びに全ての抗血栓剤(抗凝固剤及び血小板凝集阻害剤)、血栓溶解剤(全てのタイプのプラスミノーゲン活性化剤)、フィブリン溶解促進活性を有する他の物質、抗高血圧剤、血糖調整剤、脂質低下剤及び抗不整脈剤と組み合わせて又は共に両方で投与することができる。これに関する適切な血小板凝集阻害剤は、シクロオキシゲナーゼ1阻害剤、例えばアスピリン、不可逆性P2Y12アンタゴニスト、例えばクロピドグレル又はプラスグレル、可逆性P2Y12アンタゴニスト、例えばカングレロール又はAZD6140及びトロンボキサンA/プロスタグランジンHアンタゴニスト、例えばテルトロバンである。例えばP2Y12遮断と組み合わせたPAR1遮断の相加効果を示すことは可能である。(Eur. Heart J. 2007, 28, Abstract Supplement, 188)。
【0084】
実施例
最終生成物は、一般にクロマトグラフィ/質量分析方法(LCUV/ESI−MS連結)及びH NMRによって特徴づけた。化合物は、イオン電流中の対応する保持時間(LC−MS Rt)及び対応する質量スペクトルにおいてポジティブイオン化の場合、対応するM+Hシグナルを報告することによって記載した。M+H質量シグナルを得ることができないときは、H NMRデータを代替として報告した。使用した略語は、説明されているか又は通常の取決めに対応している。シリカゲル分離は、手動で行なったか(フラッシュクロマトグラフィ)又はCompanion (CombiFlash)若しくはFlashmaster II (Jones Chromatography)のような半自動カートリッジ系によってサポートした。特に明記しない限り、クロマトグラフ分離は、溶離液として酢酸エチル/ヘプタン、ジクロロメタン/エタノール又はジクロロメタン/メタノール混合物を用いてシリカゲル上で行なった。
【0085】
溶媒は、一般にロータリーエバポレーターにおいて減圧下35℃〜45℃で蒸発させ、これは、「溶媒を除いた」、「濃縮した」、「回転蒸発によって濃縮した」、「乾燥した」、「溶媒を除去した又は取り除いた」又は類似の表現のような語句によって言及される。特に明記しない限り、LCUV/MS分析は、以下の条件下で行なった:
系: 1100 LC/MSDに連結したAgilent 1100 HPLC-System
カラム: YMC Jエshere ODS H80 20×2.1mm,充填物質4μm
溶離液: ACN:HO+0.05%TFA(流速1ml/分)
勾配: 4:96(0分)→95:5(2分)95:5(2.4分)4:96(2.45分)
イオン化: ESI
逆相(RP)シリカゲルを用いた分取HPLCは、以下の方法によって行なった:
方法A,他の方法が明細書に記載されてない場合の標準的な方法
カラム: Merck(Darmstadt, Deutschland)Purosphere(R) RP18 25×250mm,10μm
溶離液: ACN:HO+0.05%TFA(流速25ml/分)
勾配: 10:90(0分)90:10(40分)

方法B
カラム: Merck Purosphere(R) RP18 25×250mm,10μm
溶離液: ACN:HO+0.05%TFA(流速25ml/分)
勾配: 0:100(0分)0:100(5分)20:80(20分)

方法C
カラム: Agilent Prep-C18, 30×250mm,10μm
溶離液: ACN:HO+0.05%TFA(流速75ml/分)
勾配: 10:90(0分)→90:10(12.5分)→90:10(15分)→10:90(15.5分)→10:90(17.5分)
【0086】
反応は、一口又は多口フラスコのような標準的な反応装置中で行い、これは、特に明記しない限り、必要に応じて5ml〜2000mlの容積を有し、そして必要に応じて、セプタム、栓、冷却器、撹拌機又は他の装置を備えた。特に明記しない限り、すべての反応は、保護ガスとしてアルゴン下で行い、そしてマグネティックスターラーで撹拌した。
【0087】
マイクロ波反応は、Personal ChemistryからのEmrys Optimizerにおいて必要に応じて0.5〜10mlの容積の容器中で行なった。
【0088】
使用した略語:
abs. 無水
ACN アセトニトリル
Boc ブトキシカルボニル
DCM ジクロロメタン
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基)
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EA 酢酸エチル
HPLC 高速液体クロマトグラフィ
LC−MS Rt イオン電流中の化合物の保持時間
LCUV/MS 紫外部液体クロマトグラフィ/質量分析
MeOH メタノール
RT 室温(20℃〜25℃)
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
【0089】
実施例1
トリフルオロ酢酸塩としてのN−{3−[2−(2,3−ジエトキシ−7−イミノイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−6−イル)アセチル]−5−ペンタメチルスルファニルフェニル}アセトアミド
【化20】

【0090】
a)3−ニトロ−5−ペンタフルオロスルファニル安息香酸
【化21】

3−ペンタフルオロスルファニル安息香酸(5.0g)を発煙硝酸(20ml)に溶解し、そして水分を除去しながら室温で撹拌した。次いで濃硫酸(3ml)を加え、そして混合物を75℃で撹拌した。75℃で5時間撹拌した後、さらに硫酸(1.5ml)を加え、そして75℃で2時間撹拌した後、一夜放置した。次いで、混合物を氷水に加え、そして2時間撹拌した。生成した沈殿を吸引濾過し、そして高真空下で乾燥した。3−ペンタフルオロスルファニル−5−ニトロ安息香酸4.2gを得た。さらに母液から、塩化メチレンで3回抽出し、合わせた塩化メチレン相を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして溶媒を濃縮した後、900mgを得た。沈殿はさらに精製することなく次の段階に用いた。
H NMR(400MHz,DMSO−d)[ppm]:8.82(1H);8.80(1H);8.62(1H)
【0091】
b)N−メトキシ−N−メチル−5−ニトロ−3−ペンタフルオロスルファニルベンズアミド
【化22】

3−ニトロ−5−ペンタフルオロスルファニル安息香酸(4.0g)を塩化チオニル(25ml)に撹拌しながら溶解し、そして水分を除去しながら還流下で10時間保持した。一夜放置した後、過剰塩化チオニルを減圧下、室温で除去し、そして生成した残留物をジクロロメタン(50ml)に溶解し、そして撹拌しながらN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(1.25g)及びジエチルイソプロピルアミン(1.66g)と混合した。室温で1時間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、そして残留物を酢酸エチルに溶解し、そして水で5回洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。得られた粗生成物(4.2g)を次の段階に直接用いた。
LC−MS Rt:1.50分 [M+H]:337.0
【0092】
c)3−アミノ−N−メトキシ−N−メチル−5−ペンタフルオロスルファニルベンズアミド
【化23】

N−メトキシ−N−メチル−5−ニトロ−3−ペンタフルオロスルファニルベンズアミド(4.2g)をメタノール(120ml)に溶解し、そしてラネーニッケル(約700mg)を加えた。水素バルーンを取りつけ、マグネティックスターラー上で水素化を達成した。5時間後、触媒を濾去し、そしてメタノールで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、そして残留物を分取HPLCによって精製した。生成物を含む画分を合わせ、アセトニトリルを除き、炭酸水素ナトリウム溶液を用いて塩基性にし、そして酢酸エチルで3回を抽出した。合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。所望の化合物1.73gを得た。
LC−MS Rt:1.27分 [M+H]:307.0
【0093】
d)3−アセチルアミノ−N−メトキシ−N−メチル−5−(ペンタフルオロスルファニ
ル)ベンズアミド
【化24】

3−アミノ−N−メトキシ−N−メチル−5−ペンタフルオロスルファニルベンズアミド(1.2g)を塩化メチレン(15ml)に溶解し、そしてトリエチルアミン(0.7ml)、続いて水分を除去し、撹拌しながら無水酢酸(1.75ml)を加えた。室温で3時間撹拌した後、水及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、相を分離し、そして塩化メチレン相を水でさらに3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。得られた生成物(1.3g)をさらに精製することなく次の段階に用いた。
LC−MS Rt:1.26分 [M+H]:349.0
【0094】
e)N−[3−アセチル−5−(ペンタフルオロスルファニル)フェニル]アセトアミド
【化25】

3−アセチルアミノ−N−メトキシ−N−メチル−5−(ペンタフルオロスルファニル)ベンズアミド(1.2g)を無水THF(30ml)に溶解し、そしてリチウムヘキサメチルジシラジド(721μl;密度:0.8g/l;tert−ブチルメチルエーテル中23%)と共に0℃で30分間撹拌した。次に、0℃で撹拌しながらメチルマグネシウムブロミド(2.87ml,ジエチルエーテル中3M)を滴加した。室温で2.5時間撹拌した後、さらにメチルマグネシウムブロミド(1ml,ジエチルエーテル中3M)を加え、そして混合物を再び2.5時間撹拌した。後処理のため、氷冷しながら、1N塩酸、続いて水及び酢酸エチルを滴加した。有機相を取り出し、そして水相を酢酸エチルでさらに2回抽出した。合わせた酢酸エチル相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物(1.03g)を同じ方法で製造した粗生成物(75mg)と合わせ、そして溶離液としてジクロロメタン−メタノールを用いてシリカゲルを使用して精製した。所望の化合物860mgを得た。
LC−MS Rt:1.34分 [M+H]:304.0
【0095】
f)N−[3−(2−ブロモアセチル)−5−(ペンタフルオロスルファニル)フェニル]アセトアミド
【化26】

N−[3−アセチル−5−(ペンタフルオロスルファニル)フェニル]アセトアミド(859mg)をメタノール(10ml)及びTHF(10ml)の混合物に溶解し、そして撹拌しながらフェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド(1.065g)を少しずつ加えた。室温で2時間撹拌した後、混合物をさらに40℃に3時間加熱した。冷却した後、反応混合物を2N硫酸に加え、そして水相を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物を、溶離液として酢酸エチル/ヘプタンを用いてシリカゲルを使用して精製した。所望の化合物480mgを得た。
LC−MS Rt:1.47分 [M+H]:382.0
【0096】
g)3,4−ジエトキシ−6−メチル−ピリダジン1−オキシド
【化27】

最初に3−メトキシ−6−メチル−4−ニトロピリダジン1−オキシド(2g)を室温でエタノール(100ml)中に入れた。その後、撹拌しながら、固形ナトリウムエトキシド(1.4g)を少しずつ加えた。55℃で1.5時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷却し、水と混合し、そして水相をジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物を分取HPLCによって精製した。生成物を含むきれいな画分を合わせ、アセトニトリルを除き、そしてジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。所望の生成物176mgを得た。水相を凍結乾燥して所望の生成物781mgを得た。
さらに生成物を得るため、クロマトグラフィからの汚れた画分を合わせ、そして凍結乾燥した。残留物を分取HPLCによって再び精製し、そしてきれいな生成物を前記のように単離した。さらに生成物130mgを得た。
LC−MS Rt:0.72分 [M+H]:199.1
【0097】
h)(5,6−ジエトキシピリダジン−3−イル)メタノール
【化28】

最初に3,4−ジエトキシ−6−メチルピリダジン1−オキシド(1.44g)ジクロロメタン(50ml)中に入れ、そして室温で滴下してトリフルオロ酢酸無水物(2.5ml)と混合した。2.5時間後、混合物を濃縮乾固し、そして残留物をエタノール及び飽和炭酸カリウム溶液で溶解した。室温で4時間撹拌した後、混合物を再び濃縮乾固し、そして残留物を水及びジクロロメタンと混合した。有機相を取り出し、続いてジクロロメタンで2回抽出し、そして合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物を、溶離液としてジクロロメタン/メタノールを用いてシリカゲルを使用して2回精製した。生成物を含む画分を合わせ、そして乾燥した。所望の生成物716mgを得た。
LC−MS Rt:0.57分 [M+H]:199.1
【0098】
i)メタンスルホン酸5,6−ジエトキシピリダジン−3−イルメチル
【化29】

(5,6−ジエトキシピリダジン−3−イル)メタノール(716mg)を最初にジクロロメタン(35ml)に入れ、そして撹拌しながらメタンスルホン酸無水物(ジクロロメタン5mlに溶解した1.7g)及びトリエチルアミン(0.8ml)を連続的に滴加した。2時間後、混合物を水及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液と混合し、そしてジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。所望の化合物1.1gを得た。
LC−MS Rt:0.98分 [M+H]:277.0
【0099】
j)C−(5,6−ジエトキシピリダジン−3−イル)メチルアミン
【化30】

メタンスルホン酸5,6−ジエトキシピリダジン−3−イルメチル(620mg)をメタノール(10ml)に溶解し、そして氷冷しながらアンモニア溶液(16ml;メタノール中7N)に滴加した。6時間撹拌し、そして一夜放置した後、溶媒を取り除き、そして残留物を分取HPLCによって精製した。生成物含有画分を合わせ、アセトニトリルを除き、そして凍結乾燥した。所望の生成物305mgを得た。
LC−MS Rt:0.62分 [M+H]:198.1
【0100】
k)トリフルオロ酢酸塩としての2,3−ジエトキシイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−7−イルアミン
【化31】

最初に、C−(5,6−ジエトキシピリダジン−3−イル)メチルアミン(296mg)をエタノール(15ml)及び水(3ml)の混合物中に室温で撹拌しながら入れた。その後、臭化シアン(0.8ml;アセトニトリル中5M)を滴加した。6時間撹拌し、そして一夜放置した後、さらに臭化シアン(0.8ml)を加えた。9時間撹拌し、そして一夜放置した後、溶媒を取り除き、そして残留物を分取HPLCによって精製した。生成物を含む画分を合わせ、アセトニトリルを除き、そして凍結乾燥した。なお汚れた生成物を、溶離液としてジクロロメタン−メタノールを用いてシリカゲルを使用してさらに精製するために分離した。所望の化合物99mgを得た。
LC−MS Rt:0.83分 [M+H]:223.1
【0101】
l)トリフルオロ酢酸塩としてのN−{3−[2−(2,3−ジエトキシ−7−イミノイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−6−イル)アセチル]−5−ペンタメチルスルファニルフェニル}アセトアミド
最初に、2,3−ジエトキシイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−7−イルアミントリフルオロ酢酸塩(22mg)を室温で無水DMF(2.5ml)中に入れ、そしてジイソプ
ロピルエチル−アミン(5μl)と混合した。その後、無水DMF(1ml)に溶解したN−[3−(2−ブロモアセチル)−5−(ペンタフルオロスルファニル)フェニル]アセトアミド(25mg)を滴加した。4時間撹拌し、そして一夜放置した後、溶媒を取り除き、そして残留物を分取HPLCによって精製した。生成物を含む画分を合わせ、アセトニトリルを除き、そして凍結乾燥した。所望の化合物24mgを得た。
LC−MS Rt:1.23分 [M+H]:524.0
【0102】
実施例2
トリフルオロ酢酸塩としての1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−モルホリン−4−イルフェニル)−2−(7−イミノ−2,3−ジメトキシイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−6−イル)エタノン
【化32】

【0103】
a)3,4−ジメトキシ−6−メチルピリダジン1−オキシド
【化33】

3−メトキシ−6−メチル−4−ニトロピリダジン1−オキシド(1g)を実施例1g)と同様に変換し、そして後処理した。粗生成物のクロマトグラフィは必要なかった。使用した溶媒はメタノール(30ml)、そして塩基はナトリウムメトキシド(メタノール中30%溶液として,1.1ml)であった。収量:900mg
LC−MS Rt:0.29分 [M+H]:171.1
【0104】
b)メタンスルホン酸(5,6−ジメトキシピリダジン−3−イル)メチル
【化34】

3,4−ジメトキシ−6−メチルピリダジン1−オキシド(880mg)を実施例1h〜1i)の順序と同様に表題化合物に転換した。
収量:690mg LC−MS Rt:0.71分 [M+H]:249.0
【0105】
c)C−(5,6−ジメトキシピリダジン−3−イル)メチルアミントリフルオロ酢酸塩
【化35】

メタンスルホン酸(5,6−ジメトキシピリダジン−3−イル)メチル(690mg)をクロロホルム(10ml)に溶解し、そして0℃でウロトロピン溶液(クロロホルム20ml中390mg)に滴加した。その後、冷浴を取り外し、そして混合物を室温で1.5時間、次いで40℃で5時間撹拌した。週末に亘って放置した後、再び40℃で5時間撹拌した。次いで、溶媒を取り除き、そして残留物をメタノール(40ml)で溶解し、濃塩酸(1.2ml)を加え、そして混合物を室温で30分間撹拌した。次いで、それを乾燥し、残留物を水/アセトニトリルで溶解し、そして凍結乾燥した。粗生成物1.2gを得た。そのうちの184mgを分取HPLCによって精製した。生成物を含む画分を合わせ、アセトニトリルを除き、そして凍結乾燥した。所望の化合物40mgを得た。
LC−MS Rt:0.20分 [M+H]:170.1
【0106】
d)2,3−ジメトキシイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−7−イルアミントリフルオロ酢酸塩
【化36】

最初に、C−(5,6−ジメトキシピリダジン−3−イル)メチルアミントリフルオロ酢酸塩(37mg)をエタノール及び水(3.75/0.75ml)の混合物中に室温で撹拌しながら入れた。その後、臭化シアン溶液(0.1ml;ACN中5M)を注意深く滴加し、そして混合物を室温で3時間撹拌した。次いで、さらに臭化シアン溶液(0.1ml)を加え、そして混合物を一夜放置した。再び臭化シアン溶液(0.1ml)を加えた後、混合物を4時間撹拌し、週末に亘って放置し、次いで40℃に2時間加熱した。続いて、溶媒を取り除き、そして残留物を分取HPLCによって精製した。生成物を含む画分を合わせ、アセトニトリルを除き、そして凍結乾燥した。所望の化合物18mgを得た。LC−MS Rt:0.64分 [M+H]:195.1
【0107】
e)トリフルオロ酢酸塩としての1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−モルホリン−4−イルフェニル)−2−(7−イミノ−2,3−ジメトキシイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−6−イル)エタノン
2,3−ジメトキシイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−7−イルアミントリフルオロ酢酸塩(15mg)及び2−ブロモ−1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−モルホリン−4−イルフェニル)エタノン(20mg;WO2004/078721に記載された通り製造した)を実施例1l)と同様に互いに反応させ、後処理し、そして精製した。表題化合物27mgを得た。
LC−MS Rt:1.28分 [M+H]:484.4
【0108】
実施例 3
トリフルオロ酢酸塩としての1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−モルホリン−4−イルフェニル)−2−(2,3−ジエトキシ−7−イミノイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−6−イル)エタノン
【化37】

2,3−ジエトキシイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−7−イルアミン トリフルオロ酢酸塩[実施例1k),15mg]及び2−ブロモ−1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−モルホリン−4−イルフェニル)エタノン(27mg;WO 2004/078721に記載された通り製造した)を実施例1l)と同様に互いに反応させ、後処理し、そして精製した。表題化合物27mgを得た。
LC−MS Rt:1.38分 [M+H]:512.3
【0109】
実施例4
トリフルオロ酢酸塩としての1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−モルホリン−4−イルフェニル)−2−[7−イミノ−2−メトキシ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)イミダゾ[1,5−b]ピリダジン−6−イル]エタノン
【化38】

【0110】
a)3−メトキシ−6−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリダジン1−オキシド
【化39】

2,2,2−トリフルオロエタノール(3ml)を室温で充填し、そして氷冷しながら水素化ナトリウム(403mg)と少しずつ混合した。その後、反応混合物を55℃で2時間加熱し、次いで3−メトキシ−6−メチル−4−ニトロピリダジン1−オキシド溶液(500mg,2,2,2−トリフルオロエタノール3mlに溶解)を滴加した。室温で1時間撹拌した後、混合物を55℃で2.5時間加熱した。室温で一夜放置した後、混合物を水及びDCMと混合した。DC相を取り出した後、水相をDCMで3回抽出し、そして合わせたDCM相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。表題化合物571mgを得た。
LC−MS Rt:0.80分 [M+H]:239.1
【0111】
b)トリフルオロ酢酸塩としてのC−[6−メトキシ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリダジン−3−イル]メチルアミン
【化40】

3−メトキシ−6−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリダジン1−オキシド(570mg)を実施例1h〜1j)の順序と同様にして表題化合物に変換した。表題化合物210mgを得た。
LC−MS Rt:0.64分 [M+H]:238.1
【0112】
c)臭化水素酸塩としての2−メトキシ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)イミダゾ[1,5−b]ピリダジン−7−イルアミン
【化41】

最初に、トリフルオロ酢酸塩としてのC−[6−メトキシ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリダジン−3−イル]メチルアミン( (204mg)をエタノール/水(15/3ml)の混合物中に入れた。その後、臭化シアン溶液(エタノール/水3.75/0.75mlに溶解した62mg)を滴加した。室温で2時間撹拌した後、同量の臭化シアンを再び滴加した。室温で4時間撹拌した後、混合物を一夜放置し、次いでさらに4時間撹拌した。続いて、さらに臭化シアン(エタノール/水1.88/0.38mlに溶解した60mg)を加えた。室温で3時間撹拌した後、混合物を再び一夜放置し、次いで溶媒を取り除いた。残留物を、シリカゲル(25gカートリッジ,DCM/メタノール勾配)を使用して精製した。物質を含む画分を合わせ、そして乾燥した。反応剤62mgに加えて、表題化合物20mgを得た。
LC−MS Rt:0.86分 [M+H]:263.0
【0113】
d)トリフルオロ酢酸塩としての1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−モルホリン−4−イルフェニル)−2−[7−イミノ−2−メトキシ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)イミダゾ[1,5−b]ピリダジン−6−イル]エタノン
2−メトキシ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)イミダゾ[1,5−b]ピリダジン−7−イルアミン臭化水素酸塩(18mg)及び2−ブロモ−1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−モルホリン−4−イルフェニル)エタノン(22mg;WO 2004/078721に記載された通り製造した)を実施例1l)と同様に互いに反応させ、後処理し、そして精製した。表題化合物31mgを得た。
LC−MS Rt:1.39分 [M+H]:552.2
【0114】
実施例5
トリフルオロ酢酸塩としての2−(2,3−ジエトキシ−7−イミノイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−6−イル)−1−[3−メチルアミノ−5−(ペンタフルオロスルファニル)フェニル]エタノン
【化42】

【0115】
a)N−メトキシ−N−メチル−3−(ペンタフルオロスルファニル)−5−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)ベンズアミド
【化43】

3−アミノ−N−メトキシ−N−メチル−5−ペンタフルオロスルファニルベンズアミド[実施例1c);1.45g]を塩化メチレン(15ml)に溶解し、そしてトリエチルアミン(0.8ml)、続いてトリフルオロ酢酸無水物(0.85ml)を、水分を除去撹拌しながら加えた。室温で3時間撹拌し、そして一夜放置した後、水及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、相を分離し、そして塩化メチレン相を水で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。生成した生成物(1.75g)をさらに精製することなく次の段階に用いた。
LC−MS Rt:1.53分 [M+H]:403.0
【0116】
b)N−(3−アセチル−5−ペンタフルオロスルファニルフェニル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
【化44】

N−メトキシ−N−メチル−3−(ペンタフルオロスルファニル)−5−(2,2,2−トリフルオロアセチルアミノ)ベンズアミド(1.65g)をTHF(25ml)に溶解した。0℃で撹拌しながら、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.9ml)を加えた。30分後、メチルマグネシウムブロミド(3.5ml,ジエチルエーテル中3M)を滴加した。添加が終了した後、氷浴を取り外し、そして混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、冷却しながら1N塩酸、水及びEAを加えた。有機相を取り出した後、水相をEAでさらに2回抽出した。合わせたEA相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。粗生成物は、N−(3−アセチル−5−ペンタフルオロスルファニルフェニル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド及び1−[3−アミノ−5−(ペンタフルオロスルファニル)フェニル]エタノンの混合物であり、そこで粗生成物(1.3g)を塩化メチレン(60ml)に溶解し、そしてトリエチルアミン(155μl)と混合した。その後、撹拌しながらトリフルオロ酢酸無水物(160μl)を加えた。室温で3時間撹拌した後、水及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液を加え、相を分離し、そしてDCM相を水でさらに3回洗浄した。DCM相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。表題化合物1.3gを得た。
LC−MS Rt:1.61分 [M+H]:358.0
【0117】
c)N−[3−アセチル−5−(ペンタフルオロスルファニル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロ−N−メチルアセトアミド
【化45】

マイクロ波インサート中、N−(3−アセチル−5−ペンタフルオロスルファニルフェニル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(0.25g)を無水ジメトキシエタン(7.5ml)に溶解し、粉末状炭酸カリウムを加え、そして混合物をヨードメタン(80μl)と混合した。続いて、混合物をマイクロ波中100℃に40分間加熱した。さらにN−(3−アセチル−5−ペンタフルオロスルファニルフェニル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(4×250mg)を記載した方法で変換したら、氷冷しながら炭酸カリウムから1N塩酸中にデカントしている5つバッチを一緒に後処理した。炭酸カリウム残留物をジメトキシエタンで繰り返し洗浄した後、水相を酢酸エチルで5回抽出した。合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残留物を分取HPLCによって精製した。生成物を含む画分を合わせ、アセトニトリルを除き、そして酢酸エチルで5回抽出した。合わせた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。所望の化合物1.03gを得た。
LC−MS Rt:1.62分 [M+H]:372.0
【0118】
d)N−[3−(2−ブロモアセチル)−5−(ペンタフルオロスルファニル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロ−N−メチルアセトアミド
【化46】

N−[3−アセチル−5−(ペンタフルオロスルファニル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロ−N−メチルアセトアミド(1.03g)をメタノール(20ml)及びTHF(20ml)に溶解した。フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド(1.05g)を、撹拌しながら加えた。室温で5時間撹拌した後、混合物を一夜放置し、次いで、さらにフェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド(100mg)を加え、そして混合物を60℃に2時間加熱した。冷却後、反応混合物を2N硫酸に加え、そして10分間撹拌した。次いで、水相をEAで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして乾燥剤を濾去した後、減圧下で乾燥した。表題化合物1.2gを得、それは次の反応にとって十分な純度を有した。
LC−MS Rt:1.72分 [M+H]:449.9
【0119】
e)2−ブロモ−1−[3−メチルアミノ−5−(ペンタフルオロスルファニル)フェニル]エタノン
【化47】

N−[3−(2−ブロモアセチル)−5−(ペンタフルオロスルファニル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロ−N−メチルアセトアミド(O1.075;1.2g)を水(15ml)と混合し、そして撹拌し、氷冷しながら濃硫酸(15ml)を滴加した。混合物を80℃に加熱し、そしてこの温度で7時間撹拌した。冷却後、反応混合物を10N水酸化ナトリウム溶液及びEAの混合物に徐々に加え、そして水相をEAで5回抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして乾燥剤を濾去した後、減圧下で乾燥した。残留物を分取HPLCによって精製した。それぞれのきれいな生成物画分を合わせ、減圧下でアセトニトリルを除き、炭酸水素ナトリウムで中和し、そしてEAで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして乾燥剤を濾去した後、減圧下で乾燥した。表題化合物420mgを単離した。
LC−MS Rt:1.64分 [M+H]:354.0
【0120】
f)トリフルオロ酢酸塩としての2−(2,3−ジエトキシ−7−イミノイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−6−イル)−1−[3−メチルアミノ−5−(ペンタフルオロスルファニル)フェニル]エタノン
2,3−ジエトキシイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−7−イルアミン トリフルオロ酢酸塩[実施例1k),10mg]及び2−ブロモ−1−[3−メチルアミノ−5−(ペンタフルオロスルファニル)フェニル]エタノン(18mg)を実施例1l)と同様に互いに反応させ、後処理し、そして精製した。さらに精製するため、分取HPLCに続いてさらに1回シリカゲル(2gカートリッジ;DCM/メタノール勾配)を用いてクロマトグラフィにかけた。その後、きれいな画分を組み合わせ、乾燥した。残留物をACN/水(+0.05%TFA)で溶解し、そして凍結乾燥した。表題化合物4mgを得た。
LC−MS Rt:1.29分 [M+H]:491.1
【0121】
薬理学的実施例
PAR1測定方法:PAR1仲介血小板凝集の阻害
物質の薬理学的試験は、96ウェルフォーマット中TRAP(トロンビン受容体活性化ペプチド)によって誘導された血小板凝集で行った。このために、3.13%クエン酸ナトリウム溶液2mlを含む20mlシリンジ中に健常な献血者から血液を採取した。150xgで20分間遠心分離した後、多血小板血漿(PRP)を分離し、そしてPGE1溶液1μl(エタノール中500μg/ml)/PRPのmlと混合した。室温で5分間インキュベーションし、続いて120xgで15分間遠心分離して白血球を除去した。白血球を含まないPRPを5mlに分けて15mlのPP管に移し、そして血小板をペレット化させるために360xgで15分間遠心分離した。次いで、血漿をデカントし、そしてPRP5mlからの血小板沈渣をタイロード液(Tyrode's)(120mM NaCl,2.6mM KCl,12mM NaHCO,0.39mM NaHPOxHO,10mM HEPES,0.35%BSA,5.5mMグルコース,pH7.4)1mlに再懸濁し、そしてタイロード液を用いて3x10血小板数/マイクロリットル(μL)に調整した。次いで、この細胞懸濁液13mlを10mM CaCl溶液866μLと混合し、そしてその120μLを、試験物質15μLを含む96ウェルプレートの各ウェル中にピペットで移した。暗所にて室温で30分間インキュベーション後、TRAP溶液(70〜100μM)15μLをアゴニストとして加え、そして振盪しながら37℃で20分間、SpectraMax 340中650nmで動態を記録した。ネガティブコントロール(タイロード液/DMSO)及びポジティブコントロール(アゴニスト15μl/DMSO)の曲線下面積を算出し、そして差分を100%値として固定した。試験すべき物質を二つ組の(duplicate)測定において段階希釈としてピペットで移し、各物質濃度について同様にAUCを測定し、そしてコントロールと比較してAUCの%阻害を算出した。%阻害を基準として、4パラメーター方程式による非線形回帰分析法によってIC50を算出した。
【0122】
表1は、結果を示す。
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

〔式中、
Q1は水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−OH、−O−(C−C)−アルキル又は−O−(C−C)−シクロアルキルであり、ここでアルキル及びシクロアルキルはそれぞれ非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
Q2及びQ3は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル又は−(C−C)−シクロアルキルであり、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
R1、R2及びR3は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−C(O)−N(R11)−R12、−(C−C)−アルキレン−C(O)−O−R11、−(C−C)−アルキレン−C(O)−R11、−(C−C)−アルキレン−N(R11)−C(O)−R12、ハロゲン、OH、−CN、−NO、−SOCH、−SOCF、−SF、−Si[−(C−C)−アルキル]、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくは−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキル、OH、−(C−C)−シクロアルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、−O−(C−C)−アルキレン−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくは−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、又は
−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキルであり、
ここでアルキル、アルキレン及びシクロアルキルはそれぞれ非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル、−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C
−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、若しくは
−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、又は
ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、又は
R1及びR2、又はR2及びR3は、それらがそれぞれ結合している環原子と共に5〜8員環を形成し、ここで環は炭素原子のみからなるか又はそれらの原子の1、2若しくは3個は窒素、酸素若しくは硫黄原子によって置き換えられており、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここで形成された5〜8員環中、及びアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、
R11及びR12はそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくは−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキル、OH、−(C−C)−シクロアルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、
−(C−C)−アルキレン−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、
−SOCH、又は−SOCFであり、
ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、又は
“N(R11)−R12”及び“N(R11)−C(O)−R12”断片中のR11及びR12は、窒素原子“N”又は“N−C(O)”基と共に、N、O及びSの群からの最大で2個のさらなるヘテロ原子を含み得る環式アミン、イミド又はラクタムを形成するよう形成される5〜8員環を表しており、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここで形成された5〜8員環中、及びアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、
R4、R5、R6、R7及びR8は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−CN、−NO、−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(CO)−N(R21)−R22、−SOCH、−SOCF、−(C−C)−アルキレン−C(O)−O−R21、ハロゲン、−SF、−(C−C)−アルキレン−C(O)−R21、−(C−C)−アルキレン−N(R21)−R22、−(C−C)−アルキレン−N(R21)−C(O)−R22、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−Si[−(C−C)−アルキル]、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール又は−(C−C15)−Hetであり、
ここでアルキル、アルキレン及びシクロアルキルはそれぞれ非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル、−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、
−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、若しくは
−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、
ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、又は
R4及びR5、R5及びR6、R6及びR7、又はR7及びR8は、それらがそれぞれ結合している環原子と共に5〜8員環を形成し、ここで環は炭素原子のみからなるか又はそれらの原子の1、2若しくは3個は窒素、酸素若しくは硫黄原子によって置き換えられており、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここで形成された5〜8員環中、及びアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、
R9は水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくは−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキル、OH、−(C−C)−シクロアルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、
−(C−C)−アルキレン−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、そしてここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のすべて又はいくつかはフッ素によって置き換えられていてもよく、
R21及びR22はそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくは−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキル、OH、−(C−C)−シクロアルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、
−(C−C)−アルキレン−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、
−SOCH、又は−SOCFであり、ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、又は
“N(R21)−R22”及び“N(R21)−C(O)−R22”断片中のR21及びR22は、窒素原子“N”又は“N−C(O)”基と共に、N、O及びSの群からの最大で2個のさらなるヘテロ原子を含み得る環式アミン、イミド又はラクタムを形成するよう形成された5〜8員環を表しており、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここで形成された5〜8員環中、及びアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置換されていてもよい〕
の化合物及び/又は式Iの化合物の任意の立体異性形態若しくは互変異性形態及び/又はこれらの形態の任意の比率における混合物、及び/又は式Iの化合物の生理学上適合しうる塩。
【請求項2】
Q1、Q2及びQ3は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル又は−(C−C)−シクロアルキルであり、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
R1、R2及びR3は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−C(O)−N(R11)−R12、−(C−C)−アルキレン−C(O)−O−R11、−(C−C)−アルキレン−C(O)−R11、−(C−C)−アルキレン−N(R11)−R12、−(C−C)−アルキレン−N(R11)−C(O)−R12、ハロゲン、OH、−CN、−NO、−SOCH、 −SOCF、−SF、−Si[−(C−C)−アルキル]、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくは−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキル、OH、−(C−C)−シクロアルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、
−O−(C−C)−アルキレン−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくは−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、又は−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキルであり、
ここでアルキル、アルキレン及びシクロアルキルはそれぞれ非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル、−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、
−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、若しくは
−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、又は
ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、
但し、少なくとも1つのR1、R2又はR3は水素原子ではなく、又は
R1及びR2、又はR2及びR3は、それらがそれぞれ結合している環原子と共に5〜8員環を形成し、ここで環は炭素原子のみからなるか又はそれらの原子の1、2若しくは3個は窒素、酸素若しくは硫黄原子によって置き換えられており、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
R11及びR12はそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくは−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキル、OH、−(C−C)−シクロアルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、
−(C−C)−アルキレン−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、
−SOCH、又は −SOCFであり、
ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、又は
“N(R11)−R12”及び“N(R11)−C(O)−R12”断片中のR11及びR12は、窒素原子“N”又は“N−(CO)”基と共に、N、O及びSの群からの最大2個のさらなるヘテロ原子を含み得る環式アミン、イミド又はラクタムを形成するよう形成された5〜8員環を表し、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
R4、R5、R6、R7及びR8は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−CN、−NO、−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(CO)−N(R21)−R22、−SOCH、−SOCF、−(C−C)−アルキレン−C(O)−O−R21、ハロゲン、−SF、−(C−C)−アルキレン−C(O)−R21、−(C−C)−アルキレン−N(R21)−R22、−(C−C)−アルキレン−N(R21)−C(O)−R22、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−Si[−(C−C)−アルキル]、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール又は−(C−C15)−Hetであり、
ここでアルキル、アルキレン及びシクロアルキルはそれぞれ非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル、−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、若しくは
−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、又は
ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、
但し、少なくとも1つのR4、R5、R6、R7又はR8は水素原子ではなく、又は
R4及びR5、R5及びR6、R6及びR7、又はR7及びR8は、それらがそれぞれ結合している環原子と共に5〜8員環を形成し、ここで環は炭素原子のみからなるか又はそれらの原子の1、2若しくは3個は窒素、酸素若しくは硫黄原子によって置き換えられており、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
R9は水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくは−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキル、OH、−(C−C)−シクロアルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、
−(C−C)−アルキレン−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、そしてここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のすべて又はいくつかはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、
R21及びR22はそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくは−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキル、OH、−(C−C)−シクロアルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、
−(C−C)−アルキレン−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、
−SOCH、又は−SOCFであり、
ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、又は
“N(R21)−R22”及び“N(R21)−C(O)−R22”断片中のR21及びR22は、窒素原子“N”又は“N−C(O)”基と共に、N、O及びSの群からの最大で2個のさらなるヘテロ原子を含み得る環式アミン、イミド又はラクタムを形成するよう形成される5〜8員環を表しており、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又はすべてはフッ素によって置換されていてもよい、
請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項3】
Q1、Q2及びQ3は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル又は−(C−C)−シクロアルキルであり、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
R1、R2及びR3は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−C(O)−N(R11)−R12、−(C−C)−アルキレン−C(O)−O−R11、−(C−C)−アルキレン−C(O)−R11、−(C−C)−アルキレン−N(R11)−R12、−(C−C)−アルキレン−N(R11)−C(O)−R12、ハロゲン、OH、−CN、−NO、−SOCH、−Si[−(C−C)−アルキル]、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−O−(C
−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、−O−(C−C)−アルキレン−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C15)−Het又は−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキルであり、
ここでアルキル、アルキレン及びシクロアルキルはそれぞれ非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、又は
ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、
但し、少なくとも1つのR1、R2又はR3は水素原子ではなく、又は
R1及びR2、又はR2及びR3は、それらがそれぞれ結合している環原子と共に、2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1,2,3a,4,5,8−ヘキサアザ−シクロペンタ[b]ナフタレン;2,6,7,8−テトラヒドロ−3H−5−オキサ−1,2,3a,4,8−ペンタアザ−シクロペンタ[b]ナフタレン;2,3,6,7−テトラヒドロ−5,8−ジオキサ−1,2,3a,4−テトラアザ−シクロペンタ[b]ナフタレン;2,3,6,7−テトラヒドロ−5H−8−オキサ−1,2,3a,4,5−ペンタアザ−シクロペンタ[b]ナフタレン;2,6,7,8−テトラヒドロ−3H−5−チア−1,2,3a,4,8−ペンタアザ−シクロペンタ[b]ナフタレン;2,3,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−1,2,3a,4,6,9−ヘキサアザ−シクロペンタ[a]ナフタレン;2,3−ジヒドロ−5,7−ジオキサ−1,2,3a,4−テトラアザ−s−インダセン;2,6,7,8−テトラヒドロ−3H−シクロペンタ[e][1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン;2,7,8,9−テトラヒドロ−3H−シクロペンタ[d][1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン及び2,3,6a,9a−テトラヒドロ−[1,3]ジオキソロ[4,5−d][1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンの群から選ばれる環を形成し、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
R11及びR12はそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、−(C−C)−アルキレン−(C−C15)−Het、−SOCH又は−SOCFであり、
ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、又は
“N(R11)−R12”及び“N(R11)−C(O)−R12”断片中のR11及びR12は、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼピニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジン−2.5−ジオニル、ピペリジン−2,6−ジオニル、ピペラジン−2,6−ジオニル、モルホリン−3,5−ジオニル、ピロリジン−2−オニル、ピペリジン−2−オニル、ピペラジン−2−オニル及びモルホリン−3−オニルの群から選ばれる5〜8員環を表し、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
R4、R5、R6、R7及びR8は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−CN、−NO、−O−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(CO)−N(R21)−R22、−SOCH、−SOCF、−(C−C)−アルキレン−C(O)−O−R21、ハロゲン、−SF
、−(C−C)−アルキレン−C(O)−R21、−(C−C)−アルキレン−N(R21)−R22、 −(C−C)−アルキレン−N(R21)−C(O)−R22、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキル、−Si[−(C−C)−アルキル]、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−O−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール又は−(C−C15)−Hetであり、
ここでアルキル、アルキレン及びシクロアルキルはそれぞれ非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル、−(C−C14)−アリール、ここでアリールは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、−(C−C15)−Het、ここでHetは非置換であるか若しくはハロゲン、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二、三、四若しくは五置換されており、若しくは
−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一、二若しくは三置換されており、又は
ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、
但し、少なくとも1つのR4、R5、R6、R7又はR8は水素原子ではなく、又は
R4及びR5、R5及びR6、R6及びR7、又はR7及びR8は、それらがそれぞれ結合している環原子と共に、2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン;3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン;1,2,3,4−テトラヒドロ−キノキサリン;ベンゾ[1,3]ジオキソール;3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン及び2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[b][1,4]ジアゼピンの群から選ばれる5〜8員環を形成し、
ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
R9は水素原子、−(C−C)−アルキル又は−(C−C)−シクロアルキルであり、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよく、
R21及びR22はそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、−(C−C)−アルキレン−(C−C14)−アリール、−(C−C)−アルキレン−(C−C15)−Het、−SOCH又は−SOCFであり、ここでアルキル、アルキレン又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素原子によって置き換えられていてもよく、又は
“N(R21)−R22”及び“N(R21)−C(O)−R22”断片中のR21及びR22は、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼピニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジン−2,5−ジオニル、ピペリジン−2,6−ジオニル、ピペラジン−2,6−ジオニル、モルホリン−3,5−ジオニル、ピロリジン−2−オニル、ピペリジン−2−オニル、ピペラジン−2−オニル及びモルホリン−3−オニルの群から選ばれる5〜8員環を表し、ここで環は非置換であるか又は−(C−C)−アルキル、−(C−C)−シクロアルキル、OH、−O−(C−C)−アルキル若しくは−O−(C−C)−シクロアルキルによって独立して一若しくは二置換されており、ここでアルキル又はシクロアルキル中の水素原子のいくつか又は全てはフッ素によって置き換えられていてもよい、
請求項1又は2に記載の式Iの化合物。
【請求項4】
Q1、Q2及びQ3は同一であり、そしてそれぞれ独立して水素原子であり、
R1、R2及びR3は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−O−CH−CF 又は−O−(C−C)−アルキルであり、
但し、少なくとも1つのR1、R2又はR3は水素原子ではなく、
R4、R5、R6、R7及びR8は同一又は異なり、そしてそれぞれ独立して水素原子、−(C−C)−アルキル、−O−(C−C)−アルキル、−SF又は−N(R21)−R22であり、
但し、少なくとも1つのR4、R5、R6、R7又はR8は 水素原子ではなく、そして
R9は水素原子であり、
R21及びR22はそれぞれ独立して水素原子又は−(C−C)−アルキルであり、又は
“N(R21)−R22”断片中のR21及びR22は、それぞれアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼピニル、イミダゾリル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジン−2,5−ジオニル、ピペリジン−2,6−ジオニル、ピペラジン−2,6−ジオニル、モルホリン−3,5−ジオニル、ピロリジン−2−オニル、ピペリジン−2−オニル、ピペラジン−2−オニル及びモルホリン−3−オニルの群から選ばれる5〜8員環である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項5】
式Iの化合物は、
1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−モルホリン−4−イルフェニル)−2−(7−イミノ−2,3−ジメトキシイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−6−イル)エタノン、
1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−モルホリン−4−イルフェニル)−2−(2,3−ジエトキシ−7−イミノイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−6−イル)エタノン、
N−{3−[2−(2,3−ジエトキシ−7−イミノイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−6−イル)アセチル]−5−ペンタフルオロスルファニルフェニル}アセトアミド 、
1−(3−tert−ブチル−4−メトキシ−5−モルホリン−4−イルフェニル)−2−[7−イミノ−2−メトキシ−3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)イミダゾ[1,5−b]ピラジジン−6−イル]エタノン、
2−(2,3−ジエトキシ−7−イミノイミダゾール[1,5−b]ピリダジン−6−イル)−1−(5−メチルアミノ−3−ペンタフルオロスルファニルフェニル)エタノン又は
2−(2,3−ジエトキシ−7−イミノイミダゾ[1,5−b]ピリダジン−6−イル)−1−[3−メチルアミノ−5−(ペンタフルオロスルファニル)フェニル]エタノン
の群から選ばれる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項6】
薬学的に適したそして生理学的に適合しうる担体、添加剤、及び/又は他の活性成分及び賦形剤と一緒の有効含量の請求項1〜5のいずれか1項に記載の式Iの少なくとも1つの化合物を特徴とする薬剤。
【請求項7】
血栓症、塞栓症、凝固能亢進、線維化又は炎症性障害に関連するそのような障害の全てを予防、第二次予防及び治療する薬剤を製造するための請求項1〜5のいずれか1項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項8】
心筋梗塞、狭心症及び他のタイプの急性冠動脈症候群、卒中、末梢血管障害、深部静脈血栓症、肺塞栓症、心不整脈によって惹き起こされる塞栓性若しくは血栓性イベント、血管再生及び血管形成術、及びステント移植及びバイパス手術のような類似の手技後の再狭窄のような心臓血管イベント、又は膝及び股関節手術若しくは透析患者及び留置カテーテルを有する患者のためなどの血液の異種表面との接触につながる手技のような外科的手技後の血栓症の危険性の低下、又は播種性血管内凝固症候群、敗血症及び炎症と関連する他の血管内イベント、アテローム性動脈硬化症、糖尿病及び代謝症候群及びそれらの続発症、腫瘍増殖及び腫瘍転移、関節リウマチ及び関節症のような炎症性及び変性性の関節障害、フィブリン沈着のような止血系の障害、慢性閉塞性肺疾患のような肺における線維化、成人呼吸促進症候群、又は眼科手術後の眼中のフィブリン沈着、又は瘢痕の、予防及び/又は治療に適用される請求項7に記載の使用。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の式Iの化合物の製造方法であって、
a)溶媒中、塩基を添加して又は添加することなく、式II
【化2】

(式中、R4、R5、R6、R7、R8、Q2及びQ3は、それぞれ式Iにおいて定義された通りであり、そしてWはクロリド、ブロミド、メシラート又はトシラートである)の化合物を式III
【化3】

(式中、R1、R2、R3、R9及びQ1は、それぞれ式Iにおいて定義された通りである)の化合物と反応させて式Iの化合物を得るか、又は
b)塩基を添加して又は添加することなく、式VII、
【化4】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、Q1、Q2及びQ3は、それぞれ式Iにおいて定義された通りである)の化合物を化合物Q1−W’(式中、W’はクロリド、ブロミド、トシラート、メシラート、メチルサルフェート又は類似の良好な脱離基である)と反応させて式Iの化合物を得るか、又は
c)塩基を添加して又は添加することなく、式XXVI
【化5】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、Q1、Q2及びQ3は、それぞれ式Iにおいて定義された通りである)の化合物を化合物Z−CN(式中、Zはトシラート、クロリド又はブロミドのような良好な脱離基である)と反応させて式VIIの化合物を得るか、又は
d)式XXVII
【化6】

(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、Q1、Q2及びQ3は、それぞれ式Iにおいて定義された通りである)の化合物を硫黄活性化物質と反応させて式Iの化合物を得るか、又は
e)方法a)〜d)によって製造された式Iの化合物を遊離形態で単離するか、又は生理学的に適合しない塩からそれを遊離させるか、又は酸性若しくは塩基性基が存在する場合、それを生理学的に適合しうる塩に変換するか、又は
f)方法a)〜d)によって製造された式Iの化合物、又はその化学構造のために、エナンチオマー若しくはジアステレオマー形態で生じた式Iの適切な前駆体を、鏡像異性的に純粋な酸若しくは塩基との塩形成、キラル固定相におけるクロマトグラフィ又はアミノ酸のようなキラル鏡像異性的に純粋な化合物による誘導体化、このようにして得られたジアステレオマーの分離、及びキラル補助基の脱離によって、純粋なエナンチオマー又はジアステレオマーに分離する、
ことを含む、上記製造方法。

【公表番号】特表2011−511019(P2011−511019A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545381(P2010−545381)
【出願日】平成21年1月23日(2009.1.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/000409
【国際公開番号】WO2009/097973
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(399050909)サノフィ−アベンティス (225)
【Fターム(参考)】