説明

PPAR活性化剤としてのヘテロアリール誘導体

本発明は、式(I)[式中、R6、R7及びR8のうちの1つは、式(II)であり、そしてX、Y1〜Y4、R1〜R14及びnは、明細書中と同義である]の化合物、並びにその全てのエナンチオマー、及び薬剤学的に許容しうる塩及び/又はエステルに関する。本発明は更に、このような化合物を含む薬剤組成物、その製造方法、並びにPPARδ及び/又はPPARαアゴニストにより調節される疾患の治療及び/又は予防のためのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I):
【0002】
【化13】

【0003】
[式中、
1は、水素又はC1-7−アルキルであり;
2及びR3は、相互に独立に、水素又はC1-7−アルキルであり;
4及びR5は、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、ハロゲン、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、C2-7−アルキニル又はフルオロ−C1-7−アルキルであり;
4'及びR5'は、一緒になって二重結合を形成するか、又はR4'及びR5'は、水素であり;
6、R7、R8及びR9は、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、ハロゲン、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、C2-7−アルキニル、フルオロ−C1-7−アルキル、シアノ−C1-7−アルキル又はシアノであり;そして
6、R7及びR8のうち1つは、下記式:
【0004】
【化14】

【0005】
(式中、
Xは、S、O、又はNR10であり、
10は、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、又はフルオロ−C1-7−アルキルであり;
11及びR12は、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、フルオロ−C1-7−アルキル又はフルオロであり;
1、Y2、Y3及びY4は、N又はC−R13であり;かつY1、Y2、Y3及びY4の1つ又は2つは、Nであり、そして他のものは、C−R13であり;
13は、それぞれ存在毎に相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、C3-7−シクロアルキル−C1-7−アルキル、フルオロ−C1-7−アルキル、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、ヒドロキシ−C1-7−アルキル、C1-7−アルキルチオ−C1-7−アルキル、カルボキシ−C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、カルボキシ、カルボキシ−C1-7−アルキル、モノ−又はジ−C1-7−アルキル−アミノ−C1-7−アルキル、C1-7−アルカノイル−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、及びC2-7−アルキニルから選択され;
14は、アリール又はヘテロアリールであり;
nは、0、1又は2である)で示される]で示される新規なインドリル又はジヒドロインドリル誘導体、並びに薬剤学的に許容しうるその塩及び/又はエステルに関する。
【0006】
式(I)の化合物は、脂質調節物質及びインスリン増感剤として有用であることが見い出された。詳細には、式(I)の化合物はPPAR活性化剤である。
【0007】
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(Peroxisome Proliferator Activated Receptors)(PPAR)は、核内ホルモン受容体スーパーファミリーの構成員である。PPARは、遺伝子発現を調節(modulate)し、かつ多数の代謝経路を制御する、リガンド活性化転写因子である。PPARα、PPARδ(PPARβとしても知られている)、及びPPARγの3つのサブタイプが報告されている。PPARδは、至るところで発現する。PPARαは、大体は肝臓、腎臓及び心臓において発現する。PPARγには少なくとも2つの主要なアイソホームが存在する。PPARγ1は、多くの組織において発現し、長い方のアイソホームであるPPARγ2は、ほぼ例外なく脂肪組織で発現する。PPARは、ブドウ糖−及び脂質−ホメオスタシス及び代謝、エネルギー均衡、細胞分化、炎症並びに心血管系イベントを含む、種々の体内応答を調節する。
【0008】
冠状動脈疾患の全患者の約半数は、血漿HDLコレステロールの濃度が低い。HDLのアテローム保護機能は、ほぼ25年前に最初に脚光を浴び、そしてHDLレベルに作用する遺伝子及び環境の因子の探索を促した。HDLの保護機能は、コレステロール逆輸送と呼ばれるプロセスにおけるその役割に由来する。HDLは、動脈壁のアテローム動脈硬化病変部における組織を含む末梢組織の細胞からのコレステロールの除去に介在している。次にHDLは、そのコレステロールを、胆汁への変換及び排出のために肝臓及びステロール代謝臓器に送り出す。Framinghamの研究からのデータは、HDL−Cレベルが、LDL−Cレベルとは独立に冠状動脈疾患のリスクを予測していることを証明した。HDL−Cが35mg/dl未満の年齢20歳以上のアメリカ人の推定年齢調整有病率は、16%(男性)及び5.7%(女性)である。種々の処方中のナイアシンでの処置により、HDL−Cの実質的上昇が現在では達成されている。しかし実質的な副作用は、このアプローチの治療可能性を限定している。
【0009】
米国内で2型糖尿病と診断された患者14百万人のうち90%もの人が、過体重又は肥満であり、そして2型糖尿病患者は、高い比率でリポタンパク質が異常濃度である。総コレステロール>240mg/dlの有病率は、糖尿病男性では37%、そして女性では44%である。LDL−C>160mg/dlに関する各比率は、それぞれ31%及び44%であり、そしてHDL−C<35mg/dlについては、それぞれ28%及び11%である。糖尿病は、インスリンの作用に応じた部分的障害のため、血中ブドウ糖レベルを制御する患者の能力が低下している疾患である。II型糖尿病(T2D)はまた、インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)とも呼ばれ、先進国では全糖尿病患者の80〜90%が罹患している。T2Dでは、ランゲルハンス膵島がインスリンを産生し続ける。しかしインスリン作用の標的臓器、主として筋肉、肝臓及び脂肪組織は、インスリン刺激に対する激しい抵抗性を示す。身体は、非生理的に高レベルのインスリンを産生する(膵インスリン産生能力の消耗及び不足のため、疾患の後期にはついに減少する)ことにより、補償し続ける。よってT2Dは、インスリン抵抗性、異脂肪血症、高血圧、内皮機能不全及び炎症性アテローム動脈硬化を含む、多数の併存疾患を伴う心血管−メタボリック症候群である。
【0010】
異脂肪血症及び糖尿病の一次治療は、一般に低脂肪及び低ブドウ糖食、運動並びに減量を伴う。しかしコンプライアンスはせいぜい中等度であり、疾患の進行に伴い、例えば、異脂肪血症にはスタチン類やフィブラート類のような脂質調節剤での、そしてインスリン抵抗性には血糖降下薬、例えば、スルホニル尿素又はメトホルミンでの、種々の代謝欠陥の治療が必要になる。患者を自身のインスリンに再感作させ(インスリン増感剤)、それによって血中ブドウ糖及びトリグリセリドレベルを正常まで回復させ、そして多くの場合に、外因性インスリンに対する要求を予め避けるか又は縮小する、見込みある新しい分類の薬物が最近導入されている。ピオグリタゾン(Pioglitazone)(アクトス(Actos)(登録商標))及びロシグリタゾン(rosiglitazone)(アバンディア(Avandia)(登録商標))は、チアゾリジンジオン(TZD)分類のPPARγ−アゴニストに属しており、数カ国でNIDDMに関してこれらの分類で最初に承認されたものである。しかしこれらの化合物は、稀ではあるが重篤な肝臓毒性(トログリタゾン(troglitazone)で見られるように)を含む副作用に遭遇している。これらはまた、患者の体重を増加させる。したがって、安全性が高く副作用が低い、新しくより効果のある薬物が緊急に必要とされている。最新の研究は、PPARδのアゴニズムが、治療ポテンシャルの強化された化合物をもたらすという証拠を提供している、即ち、このような化合物は、現在の治療に比較してHDL−C上昇に及ぼす優れた作用、及びインスリンレベルの正常化に及ぼす追加的なプラスの作用により、脂質プロフィールを改善するはずである(Oliverら; Proc. Nat. Acad. Sci. USA 2001; 98: 5306-11)。最近の観察はまた、トリグリセリドを減少させることにおけるPPARαの周知の役割に加えて、インスリン感作に及ぼす独立のPPARα介在性作用が存在することを示唆している(Guerre-Milloら; J. Biol. Chem. 2000; 275: 16638-16642)。よって選択的PPARδアゴニスト、又は追加としてPPARα活性を持つPPARδアゴニストは、PPARγアゴニストに見られる体重増加のような副作用なしに、優れた治療効果を示すことができる。
【0011】
本発明の新規な化合物は、PPARδに結合して選択的に活性化するか、又はPPARδ及びPPARαを同時かつ非常に効率的に共活性化するため、そして薬物動態的な性質がはるかに改善されているため、当該分野において既知の化合物よりも優れている。したがって、これらの化合物は、PPARγには作用せず、PPARδ及びPPARα活性化の抗異脂肪血症及び抗血糖作用を併せ持つ。その結果、HDLコレステロールが上昇し、トリグリセリドが低下して(=脂質プロフィールが改善)、血漿ブドウ糖及びインスリンが減少する(=インスリン感作)。更に、このような化合物はまた、LDLコレステロールを低下させ、血圧を下げ、そして炎症性アテローム動脈硬化を阻止することができよう。更には、このような化合物はまた、慢性関節リウマチ、変形性関節症、及び乾癬のような炎症性疾患を治療するのに有用であろう。異脂肪血症とT2D症候群の組合せの多数の面が、PPARδ選択的アゴニスト並びにPPARδ及びαコアゴニストによって対処されるため、これらは、当該分野において既知の化合物に比較して治療ポテンシャルが強化されていると期待される。
【0012】
更に本発明の化合物は、既知化合物に比較して薬理学的性質の改善を示す。
【0013】
特に断りない限り、以下の定義は、本明細書において本発明を記述するのに使用される種々の用語の意味及び範囲を例示及び定義するために述べられる。
【0014】
単独又は他の基と組合せられた「アルキル」という用語は、1〜20個の炭素原子、好ましくは1〜16個の炭素原子、更に好ましくは1〜10個の炭素原子の、分岐又は直鎖の一価の飽和脂肪族炭化水素ラジカルを意味する。
【0015】
単独又は他の基と組合せられた「低級アルキル」又は「C1-7−アルキル」という用語は、1〜7個の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子の、分岐又は直鎖の一価のアルキルラジカルを意味する。この用語は更に、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル及び本明細書に具体的に例示される基のようなラジカルが典型例になる。
【0016】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。
【0017】
「フルオロ−低級アルキル」又は「フルオロ−C1-7−アルキル」という用語は、フッ素で単置換又は多置換されている低級アルキル基を意味する。フルオロ−低級アルキル基の例は、例えば、−CF3、−CH2CF3、−CH(CF32及び本明細書に具体的に例示される基である。
【0018】
「アルコキシ」という用語は、R′がアルキルである、R′−O−基を意味する。「低級アルコキシ」又は「C1-7−アルコキシ」という用語は、R′が低級アルキルである、R′−O−基を意味する。低級アルコキシ基の例は、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ及びヘキシルオキシである。好ましいのは、本明細書に具体的に例示される低級アルコキシ基である。
【0019】
「アルキルチオ」という用語は、R′がアルキルである、R′−S−基を意味する。「低級アルキルチオ」又は「C1-7−アルキルチオ」という用語は、R′が低級アルキルである、R′−S−基を意味する。C1-7−アルキルチオ基の例は、例えば、メチルチオ又はエチルチオである。好ましいのは、本明細書に具体的に例示される低級アルキルチオ基である。
【0020】
「モノ−又はジ−C1-7−アルキル−アミノ」という用語は、C1-7−アルキルで単置換又は二置換されている、アミノ基を意味する。モノ−C1-7−アルキル−アミノ基は、例えば、メチルアミノ又はエチルアミノを含む。「ジ−C1-7−アルキル−アミノ」という用語は、例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ又はエチルメチルアミノを含む。好ましいのは、本明細書に具体的に例示されるモノ−又はジ−C1-7−アルキルアミノ基である。
【0021】
「カルボキシ−低級アルキル」又は「カルボキシ−C1-7−アルキル」という用語は、カルボキシ基(−COOH)で単置換又は多置換されている低級アルキル基を意味する。カルボキシ−低級アルキル基の例は、例えば、−CH2−COOH(カルボキシメチル)、−(CH22−COOH(カルボキシエチル)及び本明細書に具体的に例示される基である。
【0022】
「アルカノイル」という用語は、R′がアルキルである、R′−CO−基を意味する。「低級アルカノイル」又は「C1-7−アルカノイル」という用語は、R′が低級アルキルである、R′−O−基を意味する。低級アルカノイル基の例は、例えば、エタノイル(アセチル)又はプロピオニルである。好ましいのは、本明細書に具体的に例示される低級アルコキシ基である。
【0023】
単独又は組合せられた「低級アルケニル」又は「C2-7−アルケニル」という用語は、1つのオレフィン結合及び7個以下、好ましくは6個以下、特に好ましくは4個以下の炭素原子を含む、直鎖又は分岐の炭化水素残基を表す。アルケニル基の例は、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル及びイソブテニルである。好ましい例は、2−プロペニルである。
【0024】
単独又は組合せられた「低級アルキニル」又は「C2-7−アルキニル」という用語は、1つの三重結合及び7個以下、好ましくは6個以下、特に好ましくは4個以下の炭素原子を含む、直鎖又は分岐の炭化水素残基を表す。アルキニル基の例は、エチニル、1−プロピニル、又は2−プロピニルである。
【0025】
「シクロアルキル」又は「C3-7−シクロアルキル」という用語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルのような、3〜7個の炭素原子を含む飽和炭素環基を意味する。
【0026】
「アリール」という用語は、場合によりハロゲン、ヒドロキシ、CN、CF3、NO2、NH2、N(H,低級アルキル)、N(低級アルキル)2、カルボキシ、アミノカルボニル、低級アルキル、低級フルオロアルキル、低級アルコキシ、低級フルオロアルコキシ、アリール及び/又はアリールオキシにより、単置換又は多置換(特に単置換又は二置換)されていてもよい、フェニル又はナフチル基、好ましくはフェニル基に関する。好ましい置換基は、ハロゲン、CF3、低級アルキル、及び/又は低級アルコキシである。好ましいのは、具体的に例示されるアリール基である。
【0027】
「ヘテロアリール」という用語は、フリル、ピリジル、1,2−、1,3−及び1,4−ジアジニル、チエニル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、又はピロリルのような、窒素、酸素及び/又は硫黄から選択される1、2又は3個の原子を含んでいてよい、芳香族5員又は6員環を意味する。「ヘテロアリール」という用語は更に、例えば、インドール又はキノリンのような、一方又は両方の環が、窒素、酸素又は硫黄から選択される1、2又は3個の原子を含んでよい、2個の5員又は6員環を含む、二環式芳香族基、あるいは例えば、インドリニルのような、部分水素化二環式芳香族基を意味する。ヘテロアリール基は、「アリール」という用語に関連して前述されたような置換パターンであってもよい。好ましいヘテロアリール基は、例えば、場合により上述のように、好ましくはハロゲン、CF3、低級アルキル及び/又は低級アルコキシで置換されていてもよい、チエニル及びフリルである。
【0028】
「保護基」という用語は、例えば、アシル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、シリル、又はイミン誘導体のような、官能基の反応性を一時的にブロックするために使用される基を意味する。周知の保護基は、例えば、t−ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、フルオレニルメチルオキシカルボニル若しくはジフェニルメチレン(アミノ基の保護に使用することができる)、又は低級アルキル−、β−トリメチルシリルエチル−及びβ−トリクロロエチル−エステル類(カルボキシ基の保護に使用することができる)である。
【0029】
「異性体」は、同一の分子式を持つが、その原子の結合の性質若しくは配列、又はその原子の空間配置が異なる化合物である。その原子の空間配置が異なる異性体は、「立体異性体」と呼ばれる。相互に鏡像でない立体異性体は、「ジアステレオ異性体」と呼ばれ、そして重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は、「エナンチオマー」又は時に光学異性体と呼ばれる。4つの同一でない置換基に結合している炭素原子は、「キラル中心」と呼ばれる。
【0030】
「薬剤学的に許容しうる塩」という用語は、アルカリ塩、例えば、Na−及びK塩、アルカリ土類塩、例えば、Ca−及びMg塩、並びにアンモニウム又は置換アンモニウム塩(例えば、トリメチルアンモニウム塩など)のような、薬剤学的に許容しうる塩基との式(I)の化合物の塩を包含する。「薬剤学的に許容しうる塩」という用語はまた、このような塩に関する。
【0031】
式(I)の化合物はまた、溶媒和、例えば、水和することができる。溶媒和は、製造過程において達成することができるか、又は例えば、当初は無水の式(I)の化合物の吸湿性の帰結(水和)として起こりうる。薬剤学的に許容しうる塩という用語はまた、薬剤学的に許容しうる溶媒和物を含む。
【0032】
「薬剤学的に許容しうるエステル」という用語は、カルボキシ基がエステルに変換されている、式(I)の化合物の誘導体を包含する。低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、アミノ−低級アルキル、モノ−又はジ−低級アルキル−アミノ−低級アルキル、モルホリノ−低級アルキル、ピロリジノ−低級アルキル、ピペリジノ−低級アルキル、ピペラジノ−低級アルキル、低級アルキル−ピペラジノ−低級アルキル及びアラルキルエステルは、適切なエステルの例である。メチル、エチル、プロピル、ブチル及びベンジルエステルは、好ましいエステルである。メチル及びエチルエステルは、特に好ましい。「薬剤学的に許容しうるエステル」という用語は更に、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのような、無機又は有機酸(生体に対して毒性がない)により、ヒドロキシ基が対応するエステルに変換されている、式(I)の化合物を包含する。
【0033】
詳細には、本発明は、式(I):
【0034】
【化15】

【0035】
[式中、
1は、水素又はC1-7−アルキルであり;
2及びR3は、相互に独立に、水素又はC1-7−アルキルであり;
4及びR5は、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、ハロゲン、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、C2-7−アルキニル又はフルオロ−C1-7−アルキルであり;
4'及びR5'は、一緒になって二重結合を形成するか、又はR4'及びR5'は、水素であり;
6、R7、R8及びR9は、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、ハロゲン、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、C2-7−アルキニル、フルオロ−C1-7−アルキル、シアノ−C1-7−アルキル又はシアノであり;そして
6、R7及びR8のうち1つは、下記式:
【0036】
【化16】

【0037】
(式中、
Xは、S、O、又はNR10であり、
10は、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、又はフルオロ−C1-7−アルキルであり;
11及びR12は、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、フルオロ−C1-7−アルキル又はフルオロであり;
1、Y2、Y3及びY4は、N又はC−R13であり;かつY1、Y2、Y3及びY4の1つ又は2つは、Nであり、そして他のものは、C−R13であり;
13は、それぞれ存在毎に相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、C3-7−シクロアルキル−C1-7−アルキル、フルオロ−C1-7−アルキル、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、ヒドロキシ−C1-7−アルキル、C1-7−アルキルチオ−C1-7−アルキル、カルボキシ−C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、カルボキシ、カルボキシ−C1-7−アルキル、モノ−又はジ−C1-7−アルキル−アミノ−C1-7−アルキル、C1-7−アルカノイル−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、及びC2-7−アルキニルから選択され;
14は、アリール又はヘテロアリールであり;
nは、0、1又は2である)で示される]で示される化合物、並びに薬剤学的に許容しうるその塩及び/又はエステルに関する。
【0038】
好ましくは、本発明は、式(I):
【0039】
【化17】

【0040】
[式中、
1は、水素又はC1-7−アルキルであり;
2及びR3は、相互に独立に、水素又はC1-7−アルキルであり;
4及びR5は、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、ハロゲン、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、C2-7−アルキニル又はフルオロ−C1-7−アルキルであり;
4'及びR5'は、一緒になって二重結合を形成するか、又はR4'及びR5'は、水素であり;
6、R7、R8及びR9は、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、ハロゲン、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、C2-7−アルキニル、フルオロ−C1-7−アルキル、シアノ−C1-7−アルキル又はシアノであり;そして
6、R7及びR8のうち1つは、下記式:
【0041】
【化18】

【0042】
(式中、
Xは、S、O、又はNR10であり、
10は、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、又はフルオロ−C1-7−アルキルであり;
11及びR12は、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、フルオロ−C1-7−アルキル又はフルオロであり;
1、Y2、Y3及びY4は、N又はC−R13であり;かつY1、Y2、Y3及びY4の1つ又は2つは、Nであり、そして他のものは、C−R13であり;
13は、それぞれ存在毎に相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、フルオロ−C1-7−アルキル、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、ヒドロキシ−C1-7−アルキル、C1-7−アルキルチオ−C1-7−アルキル、カルボキシ−C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、カルボキシ、カルボキシ−C1-7−アルキル、モノ−又はジ−C1-7−アルキル−アミノ−C1-7−アルキル、C1-7−アルカノイル−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、及びC2-7−アルキニルから選択され;
14は、アリール又はヘテロアリールであり;
nは、0、1又は2である)で示される]で示される化合物;並びにその全てのエナンチオマー、及び薬剤学的に許容しうる塩及び/又はエステルに関する。
【0043】
本発明の好ましい式(I)の化合物は、式(I-A):
【0044】
【化19】

【0045】
[式中、
X、Y1〜Y4、R1、R2、R3、R4、R4'、R5、R5'、R11、R12、R14及びnは、前記と同義であり;
6、R8及びR9は、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、ハロゲン、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、C2-7−アルキニル、フルオロ−C1-7−アルキル、シアノ−C1-7−アルキル又はシアノである]で示される化合物;並びにその全てのエナンチオマー、及び薬剤学的に許容しうる塩及び/又はエステルである。
【0046】
特に好ましいのは、R6、R8及びR9が水素である、式(I-A)の化合物である。
【0047】
また好ましいのは、式(I-B):
【0048】
【化20】

【0049】
[式中、
X、Y1〜Y4、R1、R2、R3、R4、R4'、R5、R5'、R11、R12、R14及びnは、前記と同義であり;
6、R7及びR9は、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、ハロゲン、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、C2-7−アルキニル、フルオロ−C1-7−アルキル、シアノ−C1-7−アルキル又はシアノである]で示される本発明の式(I)の化合物;並びにその全てのエナンチオマー、及び薬剤学的に許容しうる塩及び/又はエステルである。
【0050】
特に好ましいのは、R6、R7及びR9が水素である、式(I-B)の化合物である。
【0051】
更には、本発明の好ましい式(I)の化合物は、式(I-C):
【0052】
【化21】

【0053】
[式中、
X、Y1〜Y4、R1、R2、R3、R4、R4'、R5、R5'、R11、R12、R14及びnは、前記と同義であり;
7、R8及びR9は、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、ハロゲン、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、C2-7−アルキニル、フルオロ−C1-7−アルキル、シアノ−C1-7−アルキル又はシアノである]で示される化合物、並びにその全てのエナンチオマー、及び薬剤学的に許容しうる塩及び/又はエステルである。
【0054】
更に好ましいのは、R7、R8及びR9が水素である、式(I-C)の化合物である。
【0055】
特に好ましいのは、R1が水素である、本発明の式(I)の化合物である。
【0056】
本発明の更に好ましい式(I)の化合物は、R2及びR3が相互に独立に水素又はメチルであるものである。
【0057】
本発明の好ましい式(I)の化合物はまた、R4'及びR5'が一緒になって二重結合を形成するものである。このような化合物は、式(I-D):
【0058】
【化22】

【0059】
[式中、R1〜R9は、前記と同義である]で示される。
【0060】
また好ましいのは、R4及びR5が水素である、本発明の式(I)の化合物である。
【0061】
更には、XがOである、本発明の式(I)の化合物が好ましい。
【0062】
また好ましいのは、Xが、NR10であり、そしてR10が、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル又はフルオロ−C1-7−アルキルである、本発明の式(I)の化合物であり、そしてR10がC1-7−アルキルである、式(I)の化合物は更に好ましい。
【0063】
更に好ましい式(I)の化合物は、XがSである化合物である。
【0064】
11及びR12が水素である、本発明の式(I)の化合物もまた好ましい。
【0065】
整数nは、0、1又は2である。好ましい式(I)の化合物は、nが0又は1であるものである。
【0066】
1、Y2、Y3及びY4は、N又はC−R13を表すが、ただし、Y1、Y2、Y3及びY4の1つ又は2つは、Nであり、そして他のものは、C−R13である。R13は、それぞれ存在毎に相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、フルオロ−C1-7−アルキル、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、ヒドロキシ−C1-7−アルキル、C1-7−アルキルチオ−C1-7−アルキル、カルボキシ−C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、カルボキシ、カルボキシ−C1-7−アルキル、モノ−又はジ−C1-7−アルキル−アミノ−C1-7−アルキル、及びC1-7−アルカノイル−C1-7−アルキルから選択される。
【0067】
本発明の好ましい化合物は、例えば、Y1、Y2、Y3及びY4の1つがNであり、そして他のものがC−R13であるものである、即ち、ピリジル基を含む化合物を意味する。特に好ましいのは、Y1がNであり、そしてY2、Y3及びY4がC−R13である、式(I)の化合物、例えば、下記式:
【0068】
【化23】

【0069】
で示される基を含む、式(I)の化合物である。
【0070】
本発明の更に好ましい化合物は、Y1、Y2、Y3及びY4の2つがNであり、そして他のものがC−R13であるものである、即ち、ピラジニル基又はピリミジニル基又はピリダジニル基を含む化合物を意味する。
【0071】
特に好ましいのは、Y1及びY4がNであり、そしてY2及びY3がC−R13である、式(I)の化合物、例えば、下記式:
【0072】
【化24】

【0073】
で示されるピリミジニル基を含む、式(I)の化合物である。
【0074】
また好ましいのは、Y1及びY3がNであり、そしてY2及びY4がC−R13である、式(I)の化合物、例えば、下記式:
【0075】
【化25】

【0076】
で示されるピラジニル基を含む、式(I)の化合物である。
【0077】
13は、好ましくは独立に、水素、C1-7−アルキル、フルオロ−C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル及びC1-7−アルコキシ−C1-7−アルキルから選択される。特に好ましいのは、少なくとも1つのR13基が、C1-7−アルキル、フルオロ−C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル又はC1-7−アルコキシ−C1-7−アルキルである、式(I)の化合物である。
【0078】
特に好ましいのは、Y1がNであり、そしてY2、Y3及びY4がC−R13であるか、又はY1及びY4がNであり、そしてY2及びY3がC−R13である、本発明の式(I)の化合物であり、そして少なくとも1つのR13基が、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、フルオロ−C1-7−アルキル又はC1-7−アルコキシ−C1-7−アルキルである化合物が更に好ましい。
【0079】
14がアリールである、本発明の式(I)の化合物が好ましい。更に好ましいのは、R14が、非置換フェニル又はフェニル(C1-7−アルキル、C1-7−アルコキシ、ハロゲン、フルオロ−C1-7−アルキル、フルオロ−C1-7−アルコキシ及びシアノから選択される1〜3個の基で置換されている)である、式(I)の化合物であり、R14が、ハロゲン、フルオロ−C1-7−アルコキシ又はフルオロ−C1-7−アルキルで置換されているフェニルである化合物が、特に好ましい。特に好ましいのは、R14が4−トリフルオロメチルフェニルである化合物である。また好ましいのは、R14が4−トリフルオロメトキシフェニルである化合物である。
【0080】
本発明の特に好ましい式(I)の化合物は、以下である:
{5−[4−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{5−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{5−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
(5−{メチル−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメチル]−アミノ}−インドール−1−イル)−酢酸;
{6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
(6−{2−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−エトキシ}−インドール−1−イル)−酢酸;
{6−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[2−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
(4−{2−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−エトキシ}−インドール−1−イル)−酢酸;
{6−[4−(2−メトキシ−エチル)−2−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[4−(2−メトキシ−エチル)−6−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[2−メチル−4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[2−シクロプロピルメチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
(6−{2−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−エトキシ}−インドール−1−イル)−酢酸;
{6−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;及び
{6−[2−シクロプロピル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸。
【0081】
本発明の特に好ましい化合物は、以下を含む:
{5−[4−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
(5−{メチル−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメチル]−アミノ}−インドール−1−イル)−酢酸;
{6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[4−(2−メトキシ−エチル)−2−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[2−メチル−4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
(6−{2−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−エトキシ}−インドール−1−イル)−酢酸;
{6−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;及び
{6−[2−シクロプロピル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸。
【0082】
更に、式(I)の化合物の薬剤学的に許容しうる塩及び式(I)の化合物の薬剤学的に許容しうるエステルは、本発明の好ましい実施態様を個々に構成する。
【0083】
式(I)の化合物は、1個以上の不斉炭素原子を有することができ、そして光学的に純粋なエナンチオマー、エナンチオマーの混合物(例えば、ラセミ体など)、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体のラセミ体又はジアステレオ異性体のラセミ体の混合物の形で存在することができる。光学活性形は、例えば、ラセミ体の分割により、不斉合成又は不斉クロマトグラフィー(キラル吸着剤又は溶離液でのクロマトグラフィー)により入手することができる。本発明は、これら全ての形を包含する。
【0084】
当然のことながら、本発明における一般式(I)の化合物は、官能基で誘導体化することにより、インビボで親化合物に変換して戻すことができる誘導体を提供することができる。インビボで一般式(I)の親化合物を生成することができる、生理学的に許容でき、かつ代謝的に不安定な誘導体もまた、本発明の範囲に含まれる。
【0085】
本発明の更に別の態様は、上記と同義の式(I)の化合物の製造方法であって、そしてこの方法は、
a) 式(II):
【0086】
【化26】

【0087】
[式中、R4〜R9は、前記と同義である]で示される化合物を式(III):
【0088】
【化27】

【0089】
[式中、R1は、C1-7−アルキルであり、R2及びR3は、前記と同義であり、そしてR15は、ハロゲン、トリフラート又は別の脱離基である]で示される化合物と反応させることにより、式(I):
【0090】
【化28】

【0091】
[式中、R1は、C1-7−アルキルであり、そしてR2〜R9は、前記と同義である]で示される化合物を得ること、そして場合によりエステル基を加水分解することにより、R1が水素である、式(I)の化合物を得ること、あるいは
b) 式(IV):
【0092】
【化29】

【0093】
[式中、R1は、C1-7−アルキルであり、R2〜R5'は、前記と同義であり、そしてR6、R7、R8及びR9は、独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、ハロゲン、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、C2-7−アルキニル、フルオロ−C1-7−アルキル、シアノ−C1-7−アルキル、及びシアノから選択され、そしてR6、R7又はR8のうち1つは、−OH、−SH又は−NHR10(ここで、R10は、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル又はフルオロ−C1-7−アルキルである)である]で示される化合物を式(V):
【0094】
【化30】

【0095】
[式中、Y1、Y2、Y3、Y4、R11、R12、R14及びnは、前記と同義であり、そしてR16は、−OH、−Cl、−Br、−I又は別の脱離基である]で示される化合物と反応させることにより、式(I):
【0096】
【化31】

【0097】
[式中、R1は、C1-7−アルキルであり、そしてR2〜R9は、前記と同義である]で示される化合物を得ること、そして場合によりエステル基を加水分解することにより、R1が水素である、式(I)の化合物を得ること
を特徴とする。
【0098】
上述のように、本発明の式(I)の化合物は、PPARδ及び/又はPPARαアゴニストにより調節される疾患の治療及び/又は予防用の医薬として使用することができる。このような疾患の例は、糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病、高脂質及び高コレステロールレベル、特に低HDL−コレステロール、高LDL−コレステロール、又は高トリグリセリドレベル、アテローム動脈硬化症、メタボリック症候群(シンドロームX)、肥満症、高血圧、内皮機能不全、凝血促進状態、異脂肪血症、多嚢胞性卵巣症候群、炎症性疾患[例えば、クローン病、炎症性腸疾患、大腸炎、膵炎、肝臓の胆汁うっ滞/線維症、慢性関節リウマチ、変形性関節症、乾癬及び他の皮膚障害、並びに炎症性成分を有する疾患(例えば、アルツハイマー病又は損傷した/改善可能な認知機能など)など]及び増殖性疾患(例えば、脂肪肉腫、大腸癌、前立腺癌、膵臓癌及び乳癌のような癌)である。低HDLコレステロールレベル、高LDLコレステロールレベル、高トリグリセリドレベル、及びメタボリック症候群(シンドロームX)の治療用医薬としての使用が好ましい。
【0099】
したがって本発明はまた、上記と同義の化合物並びに薬剤学的に許容しうる担体及び/又は補助剤を含むことを特徴とする、薬剤組成物に関する。
【0100】
更に、本発明は、治療活性物質として、特に、PPARδ及び/又はPPARαアゴニストにより調節される疾患の治療及び/又は予防のための治療活性物質として使用するための、上記と同義の化合物に関する。このような疾患の例は、糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病、高脂質及び高コレステロールレベル、特に低HDL−コレステロール、高LDL−コレステロール、又は高トリグリセリドレベル、アテローム動脈硬化症、メタボリック症候群(シンドロームX)、肥満症、高血圧、内皮機能不全、凝血促進状態、異脂肪血症、多嚢胞性卵巣症候群、炎症性疾患(慢性関節リウマチ、変形性関節症、乾癬及び他の皮膚障害など)及び増殖性疾患である。
【0101】
別の実施態様において、本発明は、PPARδ及び/又はPPARαアゴニストにより調節される疾患の治療及び/又は予防の方法に関し、そしてこの方法は、式(I)の化合物をヒト又は動物に投与することを特徴とする。このような疾患の好ましい例は、糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病、高脂質及び高コレステロールレベル、特に低HDL−コレステロール、高LDL−コレステロール、又は高トリグリセリドレベル、アテローム動脈硬化症、メタボリック症候群(シンドロームX)、肥満症、高血圧、内皮機能不全、凝血促進状態、異脂肪血症、多嚢胞性卵巣症候群、炎症性疾患(慢性関節リウマチ、変形性関節症、乾癬及び他の皮膚障害など)及び増殖性疾患である。
【0102】
本発明は更に、PPARδ及び/又はPPARαアゴニストにより調節される疾患の治療及び/又は予防のための、上記と同義の化合物の使用に関する。このような疾患の好ましい例は、糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病、高脂質及び高コレステロールレベル、特に低HDL−コレステロール、高LDL−コレステロール、又は高トリグリセリドレベル、アテローム動脈硬化症、メタボリック症候群(シンドロームX)、肥満症、高血圧、内皮機能不全、凝血促進状態、異脂肪血症、多嚢胞性卵巣症候群、炎症性疾患(慢性関節リウマチ、変形性関節症、乾癬及び他の皮膚障害など)及び増殖性疾患である。
【0103】
更に、本発明は、PPARδ及び/又はPPARαアゴニストにより調節される疾患の治療及び/又は予防用の医薬の製造のための、上記と同義の化合物の使用に関する。このような疾患の好ましい例は、糖尿病、特にインスリン非依存性糖尿病、高脂質及び高コレステロールレベル、特に低HDL−コレステロール、高LDL−コレステロール、又は高トリグリセリドレベル、アテローム動脈硬化症、メタボリック症候群(シンドロームX)、肥満症、高血圧、内皮機能不全、凝血促進状態、異脂肪血症、多嚢胞性卵巣症候群、炎症性疾患(慢性関節リウマチ、変形性関節症、乾癬及び他の皮膚障害など)及び増殖性疾患である。このような医薬は、上記と同義の化合物を含むことを特徴とする。
【0104】
式(I)の化合物は、後述の方法により、実施例に与えられた方法により、又は類似の方法により、製造することができる。個々の反応工程のための適切な反応条件は、当業者には知られている。出発物質は、市販されているか、あるいは後述の方法と類似の方法により、本文若しくは実施例に引用される参考文献に記述される方法により、又は当該分野において既知の方法により調製することができる。
【0105】
【化32】

【0106】
Xが酸素に等しい式(I)の化合物(スキーム1の化合物(7)、(8)、(10)及び(11))は、R8が下記式:
【0107】
【化33】

【0108】
[ここで、Y1〜Y4、R11、R12、R14及びnは、前記と同義である]に等しいものについて、スキーム1に図解される方法により合成することができる。
【0109】
同じ一連の反応は、R6及びR7が、下記式:
【0110】
【化34】

【0111】
に等しい、式(I)の化合物を合成するために適用することができる。
【0112】
6−ヒドロキシインドール(1)並びに位置異性体の4−及び5−ヒドロキシインドールは、市販されているか、既知であるか、又は当該分野において既知の方法により合成することができる。化合物(1)のヒドロキシ官能基は、文献に報告される方法により、例えば、これらを塩化tert−ブチルジメチルシリルによりイミダゾールの存在下で、好ましくは室温でN,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒中で処理することにより、保護することによって、対応するtert−ブチルジメチルシリルエーテル(2)を得ることができる(工程a)。R15が、例えば、塩素、臭素、トリフラート又は別の脱離基に等しくてよい、カルボン酸エステル(3)での中間体(2)のN−アルキル化により、インドール(4)が得られるが、この反応は、標準法;例えば、K2CO3又はCs2CO3の存在下で10℃〜溶媒の還流温度の間の温度でアセトニトリル又はアセトンのような溶媒中で、あるいは水素化ナトリウムの存在下で−10℃〜50℃の間の温度でN,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒中で実施することができる(工程b)。エステル誘導体(3)は、市販されているか、又は当該分野において既知の方法により合成することができる。文献に報告される方法により、例えば、−15℃〜周囲温度の間の温度でテトラヒドロフランのような溶媒中でフッ化テトラブチルアンモニウムでの処理(ただし、保護基はシリルエーテルである)により、インドール(4)を脱保護すると、ヒドロキシインドール(5)が得られる(工程c)。複素環化合物(6)(スキーム5〜8に略述されるように調製)は、周知の手順によりヒドロキシインドール(5)と縮合する:R16がヒドロキシ基を表すならば、例えば、試薬としてトリフェニルホスフィン及びジ−tert−ブチル−、ジイソプロピル−又はジエチル−アゾジカルボキシラートとの光延反応を介して、あるいはトリブチルホスフィン及びN,N,N′,N′−テトラメチルアゾジカルボキサミドを用いることにより行われる;この変換は、好ましくはトルエン、ジクロロメタン又はテトラヒドロフランのような溶媒中で周囲温度で行われる。あるいは、R16がハロゲン化物、メシラート又はトシラート残基を表すならば、複素環化合物(6)は、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン又はメチル−エチルケトンのような溶媒中で炭酸セシウム又はカリウムのような弱塩基の存在下で室温〜140℃の範囲の温度(好ましくは約50℃)でヒドロキシインドール(5)と反応させることにより、エーテル化合物(7)を得ることができる(工程d)。これらは、場合により標準法により、例えば、テトラヒドロフラン/エタノール/水のような極性溶媒混合物中でLiOH又はNaOHのような水酸化アルカリでの処理により、加水分解することによって、カルボン酸(8)を導くことができる(工程e)。
【0113】
2,3−ジヒドロインドール化合物(10)は、インドール(7)の部分還元を介して、例えば、これらを、好ましくは周囲温度で酢酸のような溶媒又は酢酸/ジクロロメタンのような溶媒混合物中でシアノ水素化ホウ素ナトリウムで処理することにより、合成することができる(工程h)。ジヒドロインドールエステル(10)は、場合により、工程eに与えられた条件下で加水分解することにより、カルボン酸(11)を得ることができる(工程i)。複素環化合物(6)(スキーム5〜8に記載されるように調製)及び/又はヒドロキシインドール(5)がキラル中心を含むならば、エステル化合物(7)及び(10)並びにカルボン酸(8)及び(11)は、ジアステレオマー又はエナンチオマーの混合物として得られ、そしてこれらは、当該分野において周知の方法、例えば、(キラル)HPLCクロマトグラフィー又は結晶化により分離することができる。ラセミ化合物は、例えば、光学的に純粋なアミン類(例えば、(R)又は(S)−1−フェニル−エチルアミン、(R)又は(S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミン、ブルシン、キニン又はキニジンなど)との結晶化によりジアステレオマー塩を介して、あるいはキラル吸着剤又はキラル溶離液のいずれかを用いる特異的クロマトグラフィー法による対掌体の分離により、その対掌体に分離することができる。
【0114】
あるいはカルボン酸エステル(7)は、工程dに与えられた条件下での複素環化合物(6)とヒドロキシインドール(1)との位置選択的縮合(工程f)と、これに続く、工程bのエステル(4)の合成について記載されたような、得られたエーテル(9)のアルキル化試薬(3)でのアルキル化(工程g)を介して合成することができる。
【0115】
【化35】

【0116】
Xが硫黄に等しい式(I)の化合物(スキーム2の化合物(5)、(6)、(7)及び(8))は、R8が下記式:
【0117】
【化36】

【0118】
[ここで、Y1〜Y4、R11、R12、R14及びnは、前記と同義である]に等しいものについて、スキーム2に図解される方法により合成することができる。
【0119】
同じ一連の反応は、R6又はR7が下記式:
【0120】
【化37】

【0121】
に等しい、式(I)の化合物を合成するために適用することができる。
【0122】
6−メルカプトインドール(1)並びに位置異性体の4−及び5−メルカプトインドールは、既知であるか、当該分野において既知の方法により合成することができる(例えば、M. Matsumoto, N. Watanabe, Heterocycles 1987, 26, 913-916)か、又は当該分野において既知の方法により、例えば、J. Labelled Compounds & Radiopharmaceuticals 43(7), 683-691, 2000に記載される一連の3工程法と同様に、チオール官能基によるヒドロキシ基の置換を介して類似のN−保護ヒドロキシインドールから調製する:i)芳香族ヒドロキシ基のそのトリフルオロメタンスルホナートへの変換(トリフリック無水物、トリエチルアミン、ジクロロメタン、低温、好ましくは約−30℃で);ii)トルエン及びテトラヒドロフランのような溶媒混合物中で60℃〜150℃の間の温度範囲でのトリイソプロピルシランチオラート、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)でのこのトリフラートの処理;iii)芳香族SH残基を遊離させるための、好ましくは約0℃でのメタノール中の塩化水素でのこの硫化シリルの処理。
【0123】
複素環化合物(2)によるメルカプトインドール(1)のアルキル化(工程a)は、ヒドロキシインドール(1)と複素環化合物(6)との反応(スキーム1、工程f)と同様に実施することができる。次のチオエーテル(3)と求電子体(4)との反応(工程b)及び生じたエステル(5)のカルボン酸(6)(工程c)への又は2,3−ジヒドロインドール誘導体(7)及び(8)(工程d及びe)への変換は、Xが酸素に等しい類似化合物の合成について記載される(スキーム1、工程g、e、h及びi)ように達成することができる。複素環化合物(2)(スキーム5〜8に記載されるように調製)及び/又は求電子体(4)及び/又はメルカプトインドール(1)が、キラル中心を含むならば、エステル化合物(5)及び(7)並びにカルボン酸(6)及び(8)は、ジアステレオマー又はエナンチオマーの混合物として得られ、そしてこれらは、当該分野において周知の方法、例えば、(キラル)HPLCクロマトグラフィー又は結晶化により分離することができる。ラセミ化合物は、例えば、光学的に純粋なアミン類(例えば、(R)又は(S)−1−フェニル−エチルアミン、(R)又は(S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミン、ブルシン、キニン又はキニジンなど)との結晶化によりジアステレオマー塩を介して、あるいはキラル吸着剤又はキラル溶離液のいずれかを用いる特異的クロマトグラフィー法による対掌体の分離により、その対掌体に分離することができる。
【0124】
【化38】

【0125】
XがNR10に等しい式(I)の化合物(スキーム3の化合物(8)、(9)、(10)及び(11))は、R8が下記式:
【0126】
【化39】

【0127】
[ここで、Y1〜Y4、R10、R11、R12、R14及びnは、前記と同義である]に等しいものについて、スキーム3に図解される方法により合成することができる。
【0128】
同じ一連の反応は、R6及びR7が下記式:
【0129】
【化40】

【0130】
に等しい、式(I)の化合物を合成するために適用することができる。
【0131】
6−アミノインドール(1)並びに位置異性体の4−及び5−アミノインドールは、市販されているか、既知であるか、又は当該分野において既知の方法により、例えば、類似のヒドロキシインドールから出発して、合成することができる。場合により1個以上の保護官能基を有する、このような中間体において、芳香族ヒドロキシ基は、例えば、Tetrahedron Letters 43(42), 7617-7619 (2002)に記載される次の一連の3工程法を適用することにより、アミノ官能基によって置換することができる:i)ヒドロキシインドール残基のそのトリフルオロメタンスルホナートへの変換(トリフリック無水物、2,6−ルチジン、4−ジメチルアミノピリジン、ジクロロメタン、0℃〜室温);ii)約120℃の温度でシュレンク管内でベンゾフェノンイミン、ジ−パラジウム−トリス(ジベンジリデンアセトン)錯体、S−(−)−2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル、炭酸セシウム、トルエンでのこのトリフラートの処理;iii)芳香族NH2残基を遊離させるための、好ましくは室温での湿ったテトラヒドロフラン中の触媒量の塩化水素での処理。この化合物(1)のアミノ官能基は、文献に記載される方法により、例えば、メタノール、テトラヒドロフラン又はジクロロメタンのような溶媒中で、好ましくは周囲温度で、場合により、例えば、トリエチルアミンのような塩基の存在下で、二炭酸ジ−tert−ブチルでの処理により保護することによって、インドール(2)を得ることができる(工程a)。中間体(2)の1位の窒素でのカルボン酸エステル(3)(ここで、R15は、例えば、塩素、臭素、トリフラート又は別の脱離基に等しくてよい)でのアルキル化によって、インドール(4)が得られるが、この反応は、標準法;例えば、K2CO3又はCs2CO3の存在下で10℃〜溶媒の還流温度の間の温度でアセトニトリル、アセトン又はN,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒中で実施することができる(工程b)。例えば、ジクロロメタン中のトリフルオロ酢酸又はジオキサン中の塩酸を、好ましくは0℃〜周囲温度の間の温度で用いることによる、標準条件下での保護基の脱離によって、R10が水素に等しい、アミン(5)が得られる(工程c)。中間体(4)は、場合により、6位の窒素で水素化ナトリウム及び反応性アルキルハロゲン化物/メシラート又はトリフラートを用いてアルキル化することにより、化合物(6)を得ることができ(工程d)、そしてこれは、工程cに記載されるように脱保護することにより、R10≠水素であるアミン(5)を得ることができる(工程e)。N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド又はテトラヒドロフラン中で、0℃〜140℃の範囲の温度で、好ましくは周囲温度で、水素化ナトリウム又は炭酸ナトリウム、カリウム若しくはセシウムを用いる、活性化複素環(7)(R16は、例えば、ハロゲン化物又はメタンスルホナートである)との反応によって、化合物(8)に至る(工程f)。あるいは、R16=OHである複素環(7)は、ジクロロメタン中で0℃でトリフルオロメタンスルホン酸無水物/2,6−ジ−tert−ブチルピリジンでの処理により、その場で対応するトリフラートに変換することができる。次にこのトリフラートは、ニトロメタン中で周囲温度〜60℃の間で塩基としての2,6−ジ−tert−ブチルピリジンの存在下で、アミン(5)と反応させることにより、化合物(8)が得られる[Belostotskii, Anatoly M., Hassner, A., Tetrahedron Lett. 1994, 35(28), 5075-6からの手順による](工程f)。更に、工程d及びfは、R10≠水素である化合物(8)を合成するために交換することができ、そして工程f及びcは、R10が水素に等しい化合物(8)を合成するために交換することができる。第2級アミン(8)(R10=H)は、周囲温度〜65℃の間でNaH2PO3及びホルムアルデヒドの水溶液で還元的にメチル化する[Loibner, H., Pruckner, A., Stuetz, A., Tetrahedron Lett. 1984, 25, 2535-2536]ことにより、R10=Meである化合物(8)を得ることができる。次にテトラヒドロフラン/EtOH又は別の適切な溶媒中の水性LiOH、NaOH又はKOHでの加水分解により、化合物(9)が遊離酸の形態で生じる(工程g)。2,3−ジヒドロインドール化合物(10)は、インドール(8)の部分還元を介して、例えば、好ましくは周囲温度で酢酸のような溶媒又は酢酸/ジクロロメタンのような溶媒混合物中で、これらをシアノ水素化ホウ素ナトリウムで処理することにより、合成することができる(工程h)。ジヒドロインドールエステル(10)は、場合により、工程gに与えられた条件下で加水分解することにより、カルボン酸(11)を得ることができる(工程i)。複素環化合物(7)(スキーム5〜8に記載されるように調製)及び/又はアミノインドール(5)がキラル中心を含むならば、エステル化合物(8)及び(10)並びにカルボン酸(9)及び(11)は、ジアステレオマー又はエナンチオマーの混合物として得られ、そしてこれらは、当該分野において周知の方法、例えば、(キラル)HPLCクロマトグラフィー又は結晶化により分離することができる。ラセミ化合物は、例えば、光学的に純粋なアミン類(例えば、(R)又は(S)−1−フェニル−エチルアミン、(R)又は(S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミン、ブルシン、キニン又はキニジンなど)との結晶化によりジアステレオマー塩を介して、あるいはキラル吸着剤又はキラル溶離液のいずれかを用いる特異的クロマトグラフィー法による対掌体の分離により、その対掌体に分離することができる。
【0132】
6−ヒドロキシインドール(1)(スキーム1)及びO−保護6−ヒドロキシインドール(2)(スキーム1)並びにこれらの位置異性体の4−及び5−ヒドロキシインドール類似体は、既知であるか、又は当該分野において既知の方法により合成することができる。これら重要な中間体(スキーム4の化合物(6)及び(7))の可能な合成法の例は、(1)のR8がヒドロキシ又は保護ヒドロキシに等しいものについて、スキーム4に与えられる。R6又はR7が、ヒドロキシ又は保護基を有するヒドロキシに等しい、類似の重要な中間体は、同じ一連の反応を適用して合成することができる。
【0133】
【化41】

【0134】
インドール(1)の窒素原子への保護基の導入は、標準条件下で、例えば、好ましくは−78℃でn−ブチルリチウムのような塩基での脱プロトン化、及び続いての、例えば、−78℃〜周囲温度の間の温度でテトラヒドロフランのような溶媒中での塩化tert−ブチルジメチルシリルの付加により、実施することができる(工程a)。例えば、−78℃〜周囲温度の間の温度でテトラヒドロフランのような溶媒中でのN−ブロモスクシンイミドとの反応による、保護インドール(2)のハロゲン化によって、3−ハロインドール(3)が得られる(工程b)。化合物(3)は、−78℃でテトラヒドロフランのような溶媒中での、好ましくはtert−ブチルリチウムとのハロゲン金属交換後に、アルキル化試薬(4)(ここで、Wは、塩素、臭素又はヨウ素原子である)と、好ましくはヨウ化アルキルと、−78℃〜周囲温度の間の温度でテトラヒドロフランのような溶媒中で反応させることにより、3位に置換基を有するインドール(5)を生成することができる(工程c)。構成単位(6)に至る、化合物(5)のN−脱保護又は同時のN−及びO−脱保護は、文献に記載される方法により、例えば、−15℃〜周囲温度の間の温度でテトラヒドロフランのような溶媒中でフッ化テトラブチルアンモニウムでの処理(保護基が、シリルエーテル及び/又はシリル化インドールであるならば)により実施することができる(工程d)。
【0135】
塩素、臭素又はヨウ素置換基を3位に有する、構成単位(7)は、場合によりヒドロキシ官能基に保護基を有する、インドール(1)のハロゲン化により、例えば、−15℃〜溶媒の還流温度の間の温度で、ジクロロメタン又はクロロホルムのような溶媒中でのN−クロロスクシンイミドとの反応により、合成することができる(工程e)。あるいは、同じハロ−インドール(7)は、工程dに記載されるようにインドール(3)のN−脱保護又はN−及びO−脱保護を介して得ることができる(工程f)。
【0136】
化合物(2)(スキーム2)及び化合物(7)(スキーム3)と同一の複素環化合物(6)(スキーム1)は、既知であるか、又は当該分野において既知の方法により合成することができる。スキーム5〜8は、これら重要な中間体の合成のための代表例を与える。
【0137】
【化42】

【0138】
ピリジン(5)及び(6)は、ケトン(1)から合成することができる(スキーム5)。エタノールのような溶媒中のケトン(1)とパラホルムアルデヒド及びジメチルアミン塩酸塩との混合物を37% HClのような酸の存在下で2〜10時間加熱還流することにより、アミノ−ケトン(2)を得る(工程a)。酢酸中で還流温度で2〜8時間の化合物(2)と3−アミノ−クロトン酸エステル(3)との反応により、エステル(4)が得られる(工程b)。エステル(4)は、−30℃〜室温で30分間〜3時間のテトラヒドロフランのような溶媒中で水素化ジイソブチルアルミニウム溶液(トルエン中)で還元することにより、アルコール(5)を得ることができる(工程c)。0℃〜室温で5分間〜1時間のジクロロメタン中でのアルコール(5)と塩化チオニルとの反応により、塩化物(6)に接近できる(工程d)。
【0139】
【化43】

【0140】
クロロメチルピリミジン(7)及びピリミジンメタノール化合物(6)の合成法は、スキーム6に記載される。無水酢酸中で室温〜還流温度で1〜8時間の3−オキソ−エステル(1)とオルトギ酸トリエチルとの反応により、3−エトキシ−アクリル酸エステル(3)のE/Z混合物が得られる(工程a)。ジケト−エステル(2)は、アセトニトリル中で炭酸セシウムの存在下でメチルトリフラートと反応させることにより、O−メチル化生成物(3)が得られ(工程b)[S.W. McCombieら, Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 13(2003), 567-571]、よって置換エノールエーテル(3)(R13'はHでない)が生成する。エタノール中でアルカリtert−ブトキシドの存在下で室温でのアミジン塩酸塩(4)との反応により、エステル(5)に接近できる(工程c)。エステル(5)は、−30℃〜室温で30分間〜3時間テトラヒドロフランのような溶媒中で、水素化ジイソブチルアルミニウム溶液(トルエン中)で還元することによりアルコール(6)を得ることができる(工程d)。ジクロロメタン中で0℃〜室温で5分間〜1時間のアルコール(6)と塩化チオニルとの反応により、塩化物(7)に接近できる(工程e)。
【0141】
【化44】

【0142】
アルコール(4)及び塩化物(5)の一般合成法は、スキーム7に図解される。ボロン酸(1)と、6−ハロ−ピリダジン−3−カルボン酸エステル(2)、5−ハロ−ピラジン−2−カルボン酸エステル(2)、6−ハロ−ニコチン酸エステル(2)、5−ハロ−ピリジン−2−カルボン酸エステル(2)、2−ハロ−ピリミジン−5−カルボン酸エステル(2)又は5−ハロ−ピリミジン−2−カルボン酸エステル(2)との間の、Pd(PPh34又はPdCl2(dppf)[(1,1′−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)−ジクロロパラジウム(II)・CH2Cl2(1:1)]の存在下で、トルエン、ジメトキシエタン、エタノール又はN,N−ジメチルホルムアミド中での、炭酸セシウム、炭酸カリウム又はフッ化セシウムによる、室温〜90℃で2〜8時間の鈴木カップリングにより、エステル(3)が得られる(工程a)。エステル(2)は、市販されているか、又は当業者には知られている方法により調製することができる。エステル(3)は、−30℃〜室温で30分間〜3時間テトラヒドロフランのような溶媒中で、水素化ジイソブチルアルミニウム溶液(トルエン中)で還元することにより、アルコール(4)を得ることができる(工程b)。ジクロロメタン中で0℃〜室温で5分間〜1時間のアルコール(4)と塩化チオニルとの反応により、塩化物(5)に接近できる(工程c)。
【0143】
【化45】

【0144】
1又は2に等しい鎖長nを持つスキーム8のアルコール(1)は、当該分野において周知の方法により、例えば、適切な脱離基、例えば、ハロゲン化物(2)への第1級アルコール(1)の変換(工程a)と、これに続くシアン化物との反応によって、ニトリル(3)を生成し(工程b)、そして鹸化により酸(4)にする(工程c)ことによって、n+1個の炭素原子の鎖長の類似体に変換することができる。酸(4)は、例えば、テトラヒドロフラン中のジボランを用いることにより、第1級アルコール(5)(R11=H、R12=H)へと更に変換することができる(工程d)。場合により、このようなアルコール(5)は、アルコール(1)から(5)について記載される一連の反応を反復することにより、n+1個の炭素原子の鎖長に伸長することができる。水素とは異なる置換基R11及び/又はR12を導入するために、シアノ中間体(3)は、エーテル又はテトラヒドロフランのような溶媒中で0℃〜溶媒の還流温度の間でアルキルグリニャール試薬のR11MgXと反応させることにより、対応するR11CO−アルキルケトン(6)を生成する(工程e)か、あるいは水素化ジイソブチルアルミニウムと反応させることにより、対応するアルデヒド(6)(R11=H)を生成することができる。エーテル又はテトラヒドロフランのような溶媒中で、アルキルリチウム試薬のR12Liにより化合物(6)を処理すると、アルコール(5)が得られる(工程f);テトラヒドロフラン又はエーテルのような溶媒中で水素化アルミニウムリチウムにより、あるいはエタノール又はメタノールのような溶媒中で、好ましくは−15℃〜40℃の温度で水素化ホウ素ナトリウムにより化合物(6)を処理すると、R12=Hであるアルコール(5)が得られる(工程f)。キラル中心を含む、このアルコール化合物(5)は、場合により、当該分野において周知の方法、例えば、キラルHPLCカラムでのクロマトグラフィー、又は光学的に純粋な酸での誘導体化によるエステル形成(このエステルは、従来のHPLCクロマトグラフィーにより分離し、次にエナンチオマーとして純粋なアルコール(5)に変換して戻すことができる)によって、光学的に純粋な対掌体に分離することができる。スキーム8の対応する第2級アルコール(5)へのケトン(6)の還元はまた、エナンチオ選択的に行って、例えば、Coreyら(E.J. Corey, R.K. Bakshi, S. Shibata, J. Am. Chem. Soc. 1987, 109, 5551-5553)により、テトラヒドロフラン中で、好ましくは−78℃〜周囲温度の間の温度で、ボラン−ジメチルスルフィド複合体及びキラル触媒として(S)−又は(R)−2−メチル−CBS−オキサザボロリジンで処理することにより、あるいはBrownら(P.V. Ramachandran, B. Gong, A.V. Teodorovic, H.C. Brown, Tetrahedron: Asymmetry 1994, 5, 1061-1074)により、(+)−又は(−)−B−クロロジイソピノカンフェイル−ボラン(DIP−Cl)で処理することにより、(R)−又は(S)−アルコール(5)を得ることができる。アルデヒド(6)(R11=H、n=0)はまた、第1級アルコール(1)から当該分野において既知の方法により、例えば、ジクロロメタン中で、好ましくは室温〜ジクロロメタンの還流温度の間の温度でクロロクロム酸ピリジニウムで処理することにより、又はジクロロメタンのような溶媒中で、好ましくは室温で二酸化マンガンで処理することにより、合成することができる(工程g)。これらのアルデヒド(6)は、好ましくは上述の条件下でのアルキル有機金属化合物との反応により、対応する第2級アルコール(5)に変換することができる。最後に、スキーム8のアルコール(5)は、例えば、トリエチルアミンのような塩基の存在下で好ましくは−20℃〜室温の間の温度範囲でジクロロメタン中のメタンスルホニルクロリドで、又は0℃〜室温でジクロロメタン中の塩化チオニルで処理することにより、あるいはテトラヒドロフランのような溶媒中で、好ましくは室温〜溶媒の還流温度の間の温度範囲で四塩化炭素又は四臭化炭素及びトリフェニルホスフィンと反応させることにより、あるいはジクロロメタン中で−30℃〜室温の間でトリフリック無水物、2,6−ルチジン及び4−ジメチルアミノピリジンで処理することにより、式(7)の化合物に変換することができる;こうしてそれぞれメタン−スルホナート、トリフラート、塩化物又は臭化物として式(7)の化合物が得られる(工程h)。
【0145】
式(I)の化合物の活性を求めるために、以下の試験を実施した。
【0146】
実施した測定法に関する基礎情報は、Nichols JSら、「ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマリガンド結合ドメインのためのシンチレーション近接アッセイの開発」, (1998) Anal. Biochem. 257: 112-119に見い出すことができる。
【0147】
ヒトPPARδ及びPPARα並びにマウスPPARγの完全長cDNAクローンは、それぞれヒト脂肪細胞及びマウス肝臓のcRNAから、RT−PCRにより得て、プラスミドベクター中にクローン化して、DNA配列決定により検証した。PPARδ(アミノ酸139〜442)、PPARγ(アミノ酸174〜476)及びPPARα(アミノ酸167〜469)のリガンド結合ドメイン(LBD)に融合した、グルタチオン−s−トランスフェラーゼ(GST)及びGal4 DNA結合ドメインタンパク質を産生させるために、細菌及び哺乳動物発現ベクターを作成した。これを達成するために、LBDをコードするクローン化配列の一部を、完全長クローンからPCRにより増幅し、次にプラスミドベクター中にサブクローン化した。最終的なクローンは、DNA配列解析により検証した。
【0148】
GST−LBD融合タンパク質の誘導、発現、及び精製は、大腸菌(E. coli)株BL21(pLysS)細胞で標準法(参考文献:Current Protocols in Molecular Biology, Wiley Press, Ausubelら編)により実行した。
【0149】
放射性リガンド結合アッセイ
PPARδ受容体結合は、HNM10(50mM Hepes、pH7.4、10mM NaCl、5mM MgCl2、0.15mg/ml無脂肪酸BSA及び15mM DTT)中で検定した。各96ウェルの反応について、500ng当量のGST−PPARδ−LBD融合タンパク質及び放射性リガンド、例えば、20000dpmの{2−メチル−4−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−イル−ジトリチオメチルスルファニル]−フェノキシ}−酢酸を、振盪により50μlの最終容量で10μgのSPAビーズ(ファルマシア・アマーシャム(Pharmacia Amersham))に結合させた。生じたスラリーをRTで1時間インキュベートして、1300gで2分間遠心分離した。未結合タンパク質を含む上清を除去して、受容体被覆ビーズを含む半乾燥ペレットをHNM 50ulに再懸濁した。放射性リガンドを加え、この反応液をRTで1時間インキュベートして、試験化合物の存在下で実施したシンチレーション近接カウント数を求めた。全ての結合アッセイは、96ウェルプレートで実施し、結合リガンドの量は、オプティプレート(OptiPlates)(パッカード(Packard))を用いるパッカードのトップカウント(Packard TopCount)で測定した。用量応答曲線を、10-10M〜10-4Mの濃度の範囲内で3回繰り返して作成した。
【0150】
PPARα受容体結合は、TKE50(50mM トリス−HCl、pH8、50mM KCl、2mM EDTA、0.1mg/ml無脂肪酸BSA及び10mM DTT)中で検定した。各96ウェルの反応について、140ng当量のGST−PPARα−LBD融合タンパク質を、振盪により50μlの最終容量で10μgのSPAビーズ(ファルマシア・アマーシャム)に結合させた。生じたスラリーをRTで1時間インキュベートして、1300gで2分間遠心分離した。未結合タンパク質を含む上清を除去して、受容体被覆ビーズを含む半乾燥ペレットをTKE 50μlに再溶解した。放射性リガンド結合のために、例えば、50ul中の10000dpmの2(S)−(2−ベンゾイル−フェニルアミノ)−3−{4−[1,1−ジトリチオ−2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−プロピオン酸又は2,3−ジトリチオ−2(S)−メトキシ−3−{4−[2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−ベンゾ[b]チオフェン−7−イル}−プロピオン酸を加え、この反応液をRTで1時間インキュベートして、シンチレーション近接カウントを行った。全ての結合アッセイは、96ウェルプレートで実施し、結合リガンドの量は、オプティプレート(パッカード)を用いるパッカードのトップカウントで測定した。非特異結合は、10-4Mの非標識化合物の存在下で求めた。用量応答曲線を、10-10M〜10-4Mの濃度の範囲内で3回繰り返して作成した。
【0151】
PPARγ受容体結合は、TKE50(50mM トリス−HCl、pH8、50mM KCl、2mM EDTA、0.1mg/ml無脂肪酸BSA及び10mM DTT)中で検定した。各96ウェルの反応について、140ng当量のGST−PPARγ−LBD融合タンパク質を、振盪により50ulの最終容量で10μgのSPAビーズ(ファルマシア・アマーシャム)に結合させた。生じたスラリーをRTで1時間インキュベートして、1300gで2分間遠心分離した。未結合タンパク質を含む上清を除去して、受容体被覆ビーズを含む半乾燥ペレットをTKE 50ulに再溶解した。放射性リガンド結合のために、例えば、50μl中の10000dpmの2(S)−(2−ベンゾイル−フェニルアミノ)−3−{4−[1,1−ジトリチオ−2−(5−メチル−2−フェニル−オキサゾール−4−イル)−エトキシ]−フェニル}−プロピオン酸を加え、この反応液をRTで1時間インキュベートして、シンチレーション近接カウントを行った。全ての結合アッセイは、96ウェルプレートで実施し、結合リガンドの量は、オプティプレート(パッカード)を用いるパッカードのトップカウントで測定した。非特異結合は、10-4Mの非標識化合物の存在下で求めた。用量応答曲線を、10-10M〜10-4Mの濃度の範囲内で3回繰り返して作成した。
【0152】
ルシフェラーゼ転写レポーター遺伝子アッセイ
ベビーハムスター腎細胞(BHK21 ATCC CCL10)を、10%FBSを含むDMEM培地で37℃で95% O2:5% CO2雰囲気で増殖させた。細胞は6ウェルプレートに105細胞/ウェルの密度で接種して、次にpFA−PPARδ−LBD、pFA−PPARγ−LBD又はpFA−PPARα−LBD発現プラスミドのいずれか+レポータープラスミドでバッチ式にトランスフェクトした。トランスフェクションは、フュージーン(Fugene)6試薬(ロシュ・モレキュラー・バイオケミカルズ(Roche Molecular Biochemicals))で提唱プロトコールにより達成した。トランスフェクションの6時間後、トリプシン処理により細胞を回収し、96ウェルプレートに104細胞/ウェルの密度で接種した。細胞の接着のための24時間後、培地を除去して、試験物質又は対照リガンドを含む、100ulのフェノールレッド不含培地で置換した(最終DMSO濃度:0.1%)。物質と一緒の24時間の細胞のインキュベーション後、50μlの上清を捨てて、次に細胞を溶解してルシフェラーゼ反応を開始させるために、50μlのルシフェラーゼ一定光試薬(Luciferase Constant-Light Reagent)(ロシュ・モレキュラー・バイオケミカルズ)を加えた。パッカードのトップカウントでルシフェラーゼのルミネセンスを測定した。試験物質の存在下での転写活性化は、物質の非存在下でインキュベートした細胞の活性化の倍率として表した。XLフィット(XLfit)プログラム(IDビジネス・ソリューションズ社(ID Business Solutions Ltd.)、英国)を用いてEC50値を算出した。
【0153】
本発明の化合物の遊離酸(R1は水素である)は、PPARδに対して0.5nM〜10μM、好ましくは1nM〜100nMのIC50値を、そしてPPARαに対して1nM〜10μM、好ましくは10nM〜5μMのIC50値を示す。R1が水素でない化合物は、インビボでR1が水素である化合物に変換される。以下の表は、本発明の幾つかの選択化合物に関する測定値を示す。
【0154】
【表1】

【0155】
式(I)の化合物並びにその薬剤学的に許容しうる塩及びエステルは、例えば、経腸、非経口又は局所投与用の製剤の形で、医薬として使用することができる。これらは、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、例えば、経口的に、例えば、坐剤の剤形で直腸内に、例えば、注射液又は輸液の剤形で非経口的に、あるいは例えば、軟膏剤、クリーム剤又は油剤の剤形で局所的に投与することができる。
【0156】
本製剤の製造は、当業者が精通しているやり方で、式(I)の記載化合物及びその薬剤学的に許容しうるものを、適切な非毒性の不活性な治療適合性の固体又は液体担体物質、及び必要であれば通常の製剤補助剤と一緒にガレヌス製剤の投与剤形にすることによって達成することができる。
【0157】
適切な担体物質は、無機担体物質だけでなく、有機担体物質もある。よって、例えば、乳糖、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠及び硬ゼラチンカプセル剤用の担体物質として使用することができる。軟ゼラチンカプセル剤に適した担体物質は、例えば、植物油、ロウ、脂肪並びに半固体及び液体ポリオールがある(しかし、活性成分の性質によっては、軟ゼラチンカプセル剤の場合に担体は必要でない)。液剤及びシロップ剤の製造に適した担体物質は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖などである。注射液に適した担体物質は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール及び植物油である。坐剤に適した担体物質は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪及び半液体又は液体ポリオールである。局所製剤に適した担体物質は、グリセリド、半合成及び合成グリセリド、硬化油、液体ロウ、流動パラフィン、液体脂肪アルコール、ステロール、ポリエチレングリコール及びセルロース誘導体である。
【0158】
通常の安定剤、保存料、湿潤剤及び乳化剤、粘稠度改善剤、香味改善剤、浸透圧を変化させる塩、緩衝剤、可溶化剤、着色料及びマスキング剤並びに酸化防止剤が、製剤補助剤として考慮される。
【0159】
式(I)の化合物の用量は、制御すべき疾患、患者の年齢及び個々の症状並びに投与の様式に応じて、広い限界内で変化させることができ、そして当然ながら、各特定の症例における個々の要求に合わせられよう。成人患者には、約1mg〜約1000mg、特に約1mg〜約100mgの1日用量が考慮される。用量に応じて、1日用量を幾つかの投薬単位に分けて投与することが便利である。
【0160】
本製剤は、好都合には約0.1〜500mg、好ましくは0.5〜100mgの式(I)の化合物を含む。
【0161】
以下の実施例は、本発明を更に詳細に説明するためにある。しかしこれらは、その範囲を何ら限定するものではない。
【0162】
実施例
略語:
AcOEt=酢酸エチル、AcOH=酢酸、DIBALH=水素化ジイソブチルアルミニウム、DMF=N,N−ジメチルホルムアミド、EtOH=エタノール、eq.=当量、HPLC=高速液体クロマトグラフィー、min.=分、mp.=融点、quant.=定量、RT=室温、sat.=飽和、THF=テトラヒドロフラン。
【0163】
実施例1
{5−[4−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
a] 5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1H−インドール
DMF 50ml中の5−ヒドロキシ−インドール5g(37.55mmol)、tert−ブチルジメチルシリルクロリド6.13g(39.4mmol)及びイミダゾール5.37g(68.1mmol)の溶液を室温で20時間撹拌した。反応混合物をエーテルに取り、1N HCl及び水で洗浄し、次にエーテル溶液を減圧下で濃縮して、明澄な5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1H−インドール 9.4g(定量)を得た。
MS:248.1(M+H)
【0164】
b] [5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−インドール−1−イル]−酢酸エチルエステル
DMF 140ml中の5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1H−インドール9.2g(37.18mmol)及びブロモ酢酸エチル4.79ml(40.9mmol)の溶液に炭酸セシウム36.35g(111.5mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、エーテルに取り、次に1N HCl及び水で洗浄した。エーテル相を減圧下で濃縮して、ほとんど純粋な[5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−インドール−1−イル]−酢酸エチルエステル 12.93g(定量)を得た。
MS:334.1(M+H)
【0165】
c] (5−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル
THF 130ml中の[5−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−インドール−1−イル]−酢酸エチルエステル12.9g(38.7mmol)の氷冷溶液にフッ化テトラブチルアンモニウム水和物12.45g(38.7mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌し、エーテルに取り、1N HCl及び水で洗浄した。溶媒を減圧下で留去して、純粋な(5−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル 7.07g(83%)を得た。
MS:220.1(M+H)
【0166】
d] 2−[1−エトキシ−メタ−(E,Z)−イリデン]−5−メトキシ−3−オキソ−ペンタン酸エチルエステル
無水酢酸50ml中の5−メトキシ−3−オキソ−ペンタン酸メチルエステル5.5g(34.33mmol)及びオルトギ酸トリエチル11.42ml(68.67mmol)の溶液を150℃で5時間還流した。反応混合物を減圧下90℃で濃縮して、純粋な2−[1−エトキシ−メタ−(E,Z)−イリデン]−5−メトキシ−3−オキソ−ペンタン酸エチルエステル 7.5gを得た。
MS:231.2(M+H)
【0167】
e] 4−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル
エタノール50ml中の4−トリフルオロメチル−ベンズアミジンHCl 6.02g(23.1mmol)の溶液にナトリウムtert−ブトキシド2.29g(23.1mmol)及び2−[1−エトキシ−メタ−(E,Z)−イリデン]−5−メトキシ−3−オキソ−ペンタン酸エチルエステル5g(23.1mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩、還流温度で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をエーテルに取り、1N HCl及び水で洗浄した。粗生成物をAcOEt/ヘプタン 1:3を用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、純粋な4−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル 5.9gを得た。
MS:355.0(M+H)
【0168】
f] [4−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−メタノール
THF 60ml中の4−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル4g(11.29mmol)のドライアイス冷却溶液に、トルエン中の1.2M DIBALH溶液28.22ml(33.87mmol)を−70℃で滴下した。反応混合物を−70℃で1時間撹拌し、次に反応温度を室温に上昇させ、反応物をさらに2時間室温で撹拌した。反応溶液に1N HCl 100mlを滴下により加えた後、それをエーテルと水に分配し、減圧下でエーテル溶液を濃縮した後、純粋な[4−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−メタノール 3.58gを得た。
MS:313.0(M+H)
【0169】
g] 5−クロロメチル−4−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン
ジクロロメタン30ml中の[4−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−メタノール3.23g(10.34mmol)及びチオニルクロリド0.788ml(10.86mmol)の溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物をエーテルに取り、重炭酸ナトリウム溶液及び水で洗浄した。エーテル相を減圧下で濃縮して、純粋な5−クロロメチル−4−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン 3.42gを得た。
【0170】
h] {5−[4−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステル
DMF 5ml中の5−クロロメチル−4−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン300mg(0.91mmol)及び(5−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル199mg(0.91mmol)の溶液に炭酸セシウム443mg(136mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次にエーテルに取り、1N HCl及び水で洗浄した。粗生成物をAcOEt/ヘプタン 1:4を用いてクロマトグラフィーにより精製して、純粋な{5−[4−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステル 152mgを得た。
MS:514.3(M+H)
【0171】
i] {5−[4−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ−インドール−1−イル}−酢酸
THF 1.5ml中の{5−[4−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステル147mg(0.29mmol)及び1N 水酸化リチウム溶液0.9mlの溶液を室温で一晩撹拌した。反応混合物をエーテル、1N HCl及び水に分配した。残渣をエーテル/ヘプタン 1:9に懸濁し、生じた結晶を濾取して、純粋な{5−[4−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸 118mgを得た。
MS:484.2(M−H)
【0172】
実施例2
{5−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
a] 2−[1−エトキシ−メタ−(E,Z)−イリデン]−3−オキソ−酪酸エチルエステル
無水酢酸80ml中の3−オキソ−酪酸エチルエステル5g(38.42mmol)、オルトギ酸トリエチル12.78ml(76.84mmol)の溶液を150℃で2.5時間沸騰した。反応混合物を減圧下90℃で濃縮して、ほとんど純粋な2−[1−エトキシ−メタ−(E,Z)−イリデン]−3−オキソ−酪酸エチルエステル 6.84gを得た。
MS:186.9(M+H)
【0173】
b] 4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル
エタノール30ml中の4−トリフルオロメチル−ベンズアミジンHCl 2g(7.67mmol)の溶液に、ナトリウムtert−ブトキシド0.76g(7.67mmol)及び2−[1−エトキシ−メタ−(E,Z)−イリデン]−3−オキソ−酪酸エチルエステル1.43g(7.67mmol)を加えた。反応物を室温で一晩、還流下で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣をエーテルに取り、1N HCl及び水で洗浄した。粗生成物をAcOEt/ヘプタン 1:3を用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、純粋な4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル 1.7gを得た。
MS:311.0(M+H)
【0174】
c] [4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−メタノール
THF 20ml中の4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル1.66g(5.35mmol)のドライアイス冷却溶液に、トルエン中の1.2M DIBALH溶液 12.35ml(16.05mmol)を−70℃で滴下した。反応混合物を−70℃で1時間撹拌し、室温に達した後、反応物をこの温度で更に2時間撹拌した。1N HCl 50mlの溶液を滴下により加え、次に反応混合物をエーテルと水に分配した。エーテル溶液を減圧下で濃縮して、純粋な[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−メタノール 1.42gを得た。
MS:269.2(M+H)
【0175】
d] 5−クロロメチル−4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン
ジクロロメタン30ml中の[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−メタノール1.33g(4.96mmol)及びチオニルクロリド0.72ml(9.92mmol)の溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して、純粋な5−クロロメチル−4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン 1.44gを得た。
MS:287.1(M+H)
【0176】
e] {5−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステル
DMF 3ml中の5−クロロメチル−4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン300mg(0.94mmol)及び(5−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル206mg(0.94mmol)(実施例1c])の溶液に炭酸セシウム375mg(1.15mmol)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次にエーテルと水に分配した。粗生成物をAcOEt/ヘプタン 1.2を用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、純粋な{5−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステル 194mgを得た。
MS:470.2(M+H)
【0177】
f] {5−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
5−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステル175mg(0.37mmol)及び1N 水酸化リチウム溶液0.75mlを、THF 2ml中で室温にて2時間撹拌した。反応混合物をエーテルに取り、1N HCl及び水で洗浄した。粗生成物をエーテル/ヘプタン 1:19に懸濁し、生じた結晶を濾取して、純粋な{5−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸 135mgを得た。
MS:440.1(M−H)
【0178】
実施例3
{5−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
a] (E,Z)−2−シクロプロパンカルボニル−3−エトキシ−アクリル酸メチルエステル
無水酢酸100ml中の3−シクロプロピル−3−オキソ−プロピオン酸メチルエステル10g(70.34mmol)、オルトギ酸トリエチル23.4ml(140.68mmol)の溶液を150℃で5時間還流した。反応混合物を減圧下95℃で濃縮して、粗(E,Z)−2−シクロプロパンカルボニル−3−エトキシ−アクリル酸メチルエステル 14.35gを得た。
MS:199.3(M+H)
【0179】
b] 4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル
エタノール50ml中の4−トリフルオロメチル−ベンズアミジンHCl 4.74g(18.19mmol)の溶液にナトリウムtert−ブトキシド1.82g(18.19mmol)を加えた。2分後、粗(E,Z)−2−シクロプロパンカルボニル−3−エトキシ−アクリル酸メチルエステル3.61gを加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。エタノールを減圧下で除去し、残渣をエーテルに取り、1N HCl及び水で洗浄した。エーテル溶液を減圧下で濃縮し、粗生成物をAcOEt/ヘプタン 1:3を用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、純粋な4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル 4.25gを得た。
MS:337.1(M+H)
【0180】
c] [4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−メタノール
10分以内にトルエン中の1.2M DIBALH溶液31.6ml(37.9mmol)を、THF 50ml中の4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル4.25g(12.64mmol)のドライアイス冷却(−50℃)溶液に滴下により加えた。反応混合物を−50℃で30分間撹拌し、温度を室温に上げさせた後、室温で1時間撹拌した。反応混合物をエーテルに取り、1N HCl及び水で洗浄した。溶媒を減圧下で除去して、純粋な[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−メタノール 3.72gを得た。
MS:295.1(M+H)
【0181】
d] 5−クロロメチル−4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン
ジクロロメタン20ml中の[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−メタノール1.9g(6.456mmol)及びチオニルクロリド0.515ml(7.1mmol)の混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物をエーテルに取り、重炭酸ナトリウム溶液及び水で洗浄した。エーテル相を減圧下で濃縮して、純粋な5−クロロメチル−4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン 1.97gを得た。
MS:313.1(M+H)
【0182】
e] {5−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
実施例1h]に記載の手順と同様にして、5−クロロメチル−4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジンを(5−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(実施例1c])と炭酸セシウムの存在下で反応させ、{5−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステルを得、続いてそれを実施例1i]に記載の手順と同様にして水酸化リチウムで処理して、{5−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸を得た。
MS:468.5(M+H)
【0183】
実施例4
(5−{メチル−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメチル]−アミノ}−インドール−1−イル)−酢酸
a] (1H−インドール−5−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
ジクロロメタン(20ml)中の5−アミノインドール(2g、15.2mmol)及びジ−tert−ブチルジカルボナート(3.49g、15.2mmol)の溶液を周囲温度で一晩撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗(1H−インドール−5−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(3.47g)を得て、これを更に精製しないで次の工程に使用した。
MS:250.3(M+NH
【0184】
b] (5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル
炭酸セシウム(7.17g、22mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(30ml)中の1H−インドール−5−イル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(3.39g、14.6mmol)及びブロモ−酢酸エチルエステル(2.38ml、20.3mmol)の溶液に加えた。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌し、ジエチルエーテルに取り、1N HCl及び水で洗浄した。粗生成物をAcOEt/ヘプタン 1:3を用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(1.6g、5.03mmol、34%)を得た。
MS:319.4(M+H)
【0185】
c] [5−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−インドール−1−イル]−酢酸メチルエステル及び[5−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−インドール−1−イル]−酢酸エチルエステル
N,N−ジメチルホルムアミド中の(5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(1.6g、5.03mmol)及びヨウ化メチル(0.41ml、6.53mmol)の氷冷却溶液に水素化ナトリウム(油中55%、241mg、5.52mmol)を加えた。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。ヨウ化メチルの2つ目の部分(0.41ml、6.53mmol)及び水素化ナトリウム(油中55%、241mg、5.52mmol)を加えた。反応混合物を更に4時間撹拌し、ジエチルエーテルに取り、水で洗浄した。エーテル相を減圧下で濃縮して、[5−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−インドール−1−イル]−酢酸メチルエステル及びエチルエステルの約1:1混合物(1.7g)を得た。
MS:319.3(M+H)、333.5(M+H)
【0186】
d] (5−メチルアミノ−インドール−1−イル)−酢酸メチルエステルHCl−塩及び(5−メチルアミノ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステルHCl−塩
ジオキサン中の[5−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−インドール−1−イル]−酢酸メチルエステル及びエチルエステルの約1:1混合物(1.7g)及び4N HCl(10ml)の溶液を周囲温度で30分間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をジエチルエーテルで粉砕し、真空下で乾燥し、(5−メチルアミノ−インドール−1−イル)−酢酸メチルエステル及びエチルエステルの混合物をそれらのHCl塩(1.29g)として、褐色の泡状物として得た。
MS:219.3(M+H)、233.1(M+H)
【0187】
e] (5−{メチル−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメチル]−アミノ}−インドール−1−イル)−酢酸メチルエステル
DMF 4ml中の5−クロロメチル−4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン320mg(1.12mmol)及び(5−メチルアミノ−インドール−1−イル)−酢酸メチルエステル及びエチルエステルHCl塩300mg(1.12mmol)の溶液に、水素化ナトリウム107mg(2.2mmol)(油中55%)を加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次に10%硫酸水素カリウム溶液と水に分配した。粗生成物をAcOEt/ヘプタン 1.2を用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、純粋な(5−{メチル−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメチル]−アミノ}−インドール−1−イル)−酢酸メチルエステル 70mgを得た。
MS:469(M+H)
【0188】
f] (5−{メチル−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメチル]−アミノ}−インドール−1−イル)−酢酸
(5−{メチル−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメチル]−アミノ}−インドール−1−イル)−酢酸メチルエステル70mg(0.15mmol)及び1N 水酸化リチウム溶液0.3mlをTHF 0.5ml中で室温にて2時間撹拌した。反応混合物に1N HCl 0.6mlを加え、次に混合物をAcOEtに取り、水で洗浄した。粗生成物をエーテル/ヘプタン 1:19に懸濁した。生じた結晶を濾取して、純粋な(5−{メチル−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメチル]−アミノ}−インドール−1−イル)−酢酸47mgを得た。
MS:453.2(M−H)
【0189】
実施例5
{6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
a] [6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−インドール−1−イル]−酢酸tert−ブチルエステル
実施例1b]に記載の手順と同様にして、6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1H−インドールをブロモ−酢酸tert−ブチルエステルと炭酸セシウムの存在下で反応させて、[6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−インドール−1−イル]−酢酸tert−ブチルエステルを無色の液体として得た。
MS:362.4(M+H)
【0190】
b] (6−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸tert−ブチルエステル
実施例1c]に記載の手順と同様にして、[6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−インドール−1−イル]−酢酸tert−ブチルエステルをフッ化テトラブチルアンモニウム水和物で処理して、(6−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸tert−ブチルエステルを黄色を帯びた油状物として得た。
MS:265.5(M+NH、248.4(M+H)
【0191】
c] 3−ジメチルアミノ−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−プロパン−1−オンヒドロクロリド
4−(トリフルオロメチル)アセトフェノン(4.97g、26.4mmol)、パラホルムアルデヒド(1.586g、2当量)、ジメチルアミンヒドロクロリド(3.23g、1.5当量)をEtOH 7mlと一緒に混合し、37% HCl 0.08mlで処理し、5時間加熱還流した。周囲温度に冷却し、濾過し、微量の冷EtOHで洗浄して、標記化合物4.59gを白色の結晶として得た、融点128〜142℃(分解)。
MS:246.3(M+H)
【0192】
d] 2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ニコチン酸メチルエステル
上記で調製した3−ジメチルアミノ−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−プロパン−1−オンヒドロクロリド4.59g(16.3mmol)及び3−アミノクロトン酸メチルエステル1.86g(1.0当量)をAcOH 50mlに溶解し、4時間加熱還流した。冷却後、溶媒の大部分を真空下で留去し、残渣をAcOEtに溶解し、水及びブラインで洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン/AcOEt=8/2)に付して、最終的に標記化合物2.40gを明黄色のロウ状固体として得た。
MS:296.1(M+H)
【0193】
e] [2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−メタノール
無水THF 7ml中の2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ニコチン酸メチルエステル1.0g(3.39mmol)を0℃に冷却し、DIBAL−H溶液7.06ml(トルエン中1.2M、2.5当量)と1時間反応させた。氷/NHClで注意深くクエンチし、AcOEtで二重に抽出し、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去すると粗生成物が残り、これをフラッシュクロマトグラフィー(SiO、ヘキサン/AcOEt=7/3)により精製して、標記化合物0.875gをオフホワイトの固体として得た、融点76〜78℃。
MS:268.1(M+H)
【0194】
f] {6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸tert−ブチルエステル
テトラヒドロフラン(4ml)中の(6−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸tert−ブチルエステル(70mg、0.28mmol)、[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−メタノール(76mg、0.28mmol)及びトリブチルホスフィン(110μl、0.42mmol)の氷冷溶液に、N,N,N′,N′−テトラメチルアゾジカルボキシアミド(73mg、0.42mmol)をアルゴン雰囲気下で加えた。冷却浴を取り外し、撹拌を14時間続けた。セライトで濾過し、減圧下で溶媒を留去して黄色の油状物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン/AcOEt)により精製して、標記化合物105mg(0.21mmol、75%)を白色の結晶として得た。
MS:497.3(M+H)
【0195】
g] {6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
THF/メタノール 2/1(3ml)中の{6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸tert−ブチルエステル(20mg、0.04μmol)の溶液に1N LiOH水溶液(1ml)を加えた。反応混合物を周囲温度で14時間撹拌し、氷冷却下で1N HCl水溶液を用いて中和し、減圧下で濃縮した。残渣を1N HCl/氷水 1/1及び酢酸エチルに溶解し、層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を氷水/ブライン 1/1で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を真空下で留去して、標記化合物(18mg、0.04μmol、定量)を白色の固体として得た。
MS:439.3(M−H)
【0196】
実施例6
{6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル}−酢酸
a] [6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−インドール−1−イル]−酢酸エチルエステル
アルゴン雰囲気下でDMF(10ml)中の6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1H−インドール(1g、4.04mmol)及び炭酸セシウム(1.45g、4.45mmol)の氷冷溶液に、ブロモ−酢酸エチルエステル(490μl、4.45mmol)を加えた。混合物を室温に自然に温め、14時間撹拌し、1N HCl/氷水 1/1中に注ぎ入れ、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン/AcOEt)により精製して、標記化合物1.2g(3.6mmol、89%)を黄色の油状物として得た。
MS:334.3(M+H)
【0197】
b] (6−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル
THF(11.5ml)中の[6−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−インドール−1−イル]−酢酸エチルエステル(1.15g、3.45mmol)の氷冷溶液に、THF(3.45ml、3.45mmol)中のフッ化テトラブチルアンモニウムの1M溶液を15分以内に加えた。反応混合物を周囲温度で1時間撹拌し、1N HCl/氷水 1/1中に注ぎ入れ、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をブライン/氷水 1/1で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン/AcOEt)により精製して、標記化合物590mg(2.7mmol、78%)を無色の結晶として得た。
MS:219.0(M)、146.0.
【0198】
c] {6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステル
実施例5f]に記載の手順と同様にして、(6−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステルを[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−メタノール(実施例5e])とトリブチルホスフィン及びN,N,N′,N′−テトラメチルアゾジカルボキシアミドの存在下で反応させて、{6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステルを無色の結晶として得た。
MS:497.3(M+H)
【0199】
d] {6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステル
酢酸(0.5ml)中の{6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステル(17mg、0.036μmol)の10℃冷却溶液にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(14mg、0.22μmol)を加えた。反応混合物を周囲温度に自然に温め、4時間撹拌し、氷水/ブライン/AcOEt 1/1/2中に注ぎ入れた。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和重炭酸ナトリウム溶液/ブライン 1/1及びブライン/氷水 1/1で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去して、標記化合物17mg(0.036μmol、定量)を無色の結晶として得た。
MS:471.1(M+H)
【0200】
e] {6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル}−酢酸
実施例5g]に記載の手順と同様にして、{6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステルをLiOHで処理して、{6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル}−酢酸を無色の結晶として得た。
MS:443.0(M+H)
【0201】
実施例7
{6−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
a] {6−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステル
(6−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(実施例6b];50mg、0.23μmol)、5−クロロメチル−4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン(実施例3d];78mg、0.25μmol)、炭酸セシウム(82mg、0.25μmol)及び微量のヨウ化カリウムの混合物をアセトン(5ml)に懸濁した。懸濁液を周囲温度で72時間撹拌し、溶媒を減圧下で留去し、残渣を1N HCl/氷水 1/1及び酢酸エチルに溶解した。層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブライン/氷水 1/1で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン/AcOEt)により精製して、標記化合物71mg(0.14μmol、63%)を無色の結晶として得た。
MS:496.0(M+H)
【0202】
b] {6−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
実施例5g]に記載の手順と同様にして、{6−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステルをLiOHで処理して、{6−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸を無色の結晶として得た。
MS:466.0(M−H)
【0203】
実施例8
(6−{2−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−エトキシ}−インドール−1−イル)−酢酸
a] 3−クロロメチル−2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン
ジクロロメタン(100ml)中の[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−メタノール(26.7g;100mmol;実施例5e])の懸濁液に、チオニルクロリド10.9ml(150mmol)を0.5時間以内に0℃で加えた。撹拌を周囲温度で1時間続けた。その後、氷水を加え、混合物を激しく撹拌した。次に、層を分離し、水相をジクロロメタン100mlで抽出した。合わせた有機相を水、炭酸水素ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。留去した後、3−クロロメチル−2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン 27.9g(97.6%)を明褐色の固体として得た。
MS:285.0(M)
【0204】
b] [2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−アセトニトリル
3−クロロメチル−2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン(95.2mmol)27.2gをジメチルスルホキシド100mlに溶解し;シアン化ナトリウム5.9g(120mmol)を加え、混合物を室温で18時間撹拌した。次に、反応混合物を氷と水の混合物中に注ぎ入れ、続いてtert−ブチルメチルエーテル400mlの3つの部分で抽出した。合わせた有機相を水で、次にブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−アセトニトリル 25.2g(理論値の95.8%)を淡黄色の固体として得た。
MS:276.1(M)
【0205】
c] [2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−酢酸
上記で調製した[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−アセトニトリル25g(90mmol)、水酸化ナトリウム20g(500mmol)、水60ml及びプロパノール250mlの混合物を100℃で激しく撹拌した。加水分解を2時間後に完了した。次に反応混合物を蒸発乾固し、残渣を水70mlに溶解した;次に、冷8N HCl水溶液60mlを加え、化合物を酢酸エチル250mlの3つの部分で抽出した;合わせた有機相を水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、留去した。[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−酢酸 25.1g(93.9%)を淡黄色の固体として得た。
MS:296.0(M+H)
【0206】
d] [2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−酢酸メチルエステル
メタノール25ml中の[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−酢酸2.55g(8.63mmol)の溶液を−10℃に冷却した;チオニルクロリド1.88ml(25.9mmol)を加えた。次に、反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。続いて、溶液を氷水で撹拌し、次にtert−ブチルメチルエーテル50mlの3つの部分で抽出した。合わせた有機層を水、炭酸水素ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した後、標記化合物2.6g(97.3%)を明褐色の固体として得た。
MS:309.1(M)
【0207】
e] 2−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−エタノール
無水テトラヒドロフラン15ml中の[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−酢酸メチルエステル2.6g(8.40mmol)を、テトラヒドロフラン5ml中の水素化アルミニウムリチウム0.38g(10mmol)の撹拌懸濁液にアルゴン雰囲気下で15分以内に加えた。反応は発熱性であった。続いて、混合物を室温で1時間撹拌した。次に、酢酸エチル1mlを反応混合物に滴下し、続いて水を一滴ずつ、アルゴン下、ガスの発生が停止するまで撹拌及び冷却しながら滴下した。反応混合物を酢酸エチル50mlで希釈し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した。濾液を留去し、残渣を、溶離剤としてジクロロメタン及びtert−ブチルメチルエーテル(4:1 vol./vol.)の混合物を用いるシリカゲルのクロマトグラフィーに付した。2−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−エタノール 1.88g(理論値の79.5%)を白色の固体として得た。
MS :281.1(M)
【0208】
f] (6−{2−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−エトキシ}−インドール−1−イル)−酢酸tert−ブチルエステル
実施例5f]に記載の手順と同様にして、(6−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸tert−ブチルエステル(実施例5b])を、2−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−エタノールとテトラヒドロフラン中のジ−tert−ブチルアゾジカルボキシラート及びトリフェニルホスフィンの存在下で反応させて、(5−{2−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−エトキシ}−インドール−1−イル)−酢酸tert−ブチルエステルを無色の液体として得た。
MS:511.3(M+H)
【0209】
g] (6−2−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−エトキシ−インドール−1−イル)−酢酸
実施例5g]に記載の手順と同様にして、(5−{2−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−エトキシ}−インドール−1−イル)−酢酸tert−ブチルエステルをLiOHで処理し、(5−{2−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−エトキシ}−インドール−1−イル)−酢酸を明褐色の固体として得た。
MS:453.5(M−H)
【0210】
実施例9
{6−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
a] [6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−メタノール
6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピリジン−3−カルバルデヒド(2.0g、7.48mmol)をEtOH(37ml)に溶解し、NaBH(0.28g、7.48mmol)で0℃にて処理した。10分後、冷却浴を取り外し、撹拌を周囲温度で続けた。砕氷に注ぎ入れ、AcOEtで二重に抽出し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して、標記化合物2.08g(7.7mmol、定量)を、融点57〜58℃のオフホワイトの固体として得た。
MS:269.1(M)
【0211】
b] 5−クロロメチル−2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピリジン
[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピリジン−3−イル]−メタノール(0.40g、1.49mmol)をCHCl(7.2ml)に溶解し、SOCl(0.22ml、2当量)で0℃にて滴下して処理した。反応混合物を0℃で5分間、室温で30分間保持した。砕氷/NaHCOに注ぎ入れ、AcOEtで二重に抽出し、水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して、標記化合物0.419g(1.46mmol、98%)を融点34〜36℃のオフホワイトの固体として生成した。
MS:288.1、290.1(M+H)
【0212】
c] {6−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸tert−ブチルエステル
実施例7a]に記載の手順と同様にして、(6−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸tert−ブチルエステル(実施例5b])を5−クロロメチル−2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピリジンと炭酸セシウム及びヨウ化カリウムの存在下で反応させ、溶媒としてアセトニトリルを使用して、標記化合物を無色の結晶として得た。
【0213】
d] {6−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
実施例5g]に記載の手順と同様にして、{6−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸tert−ブチルエステルをLiOHで処理して、標記化合物を黄色の結晶として得た。
MS:441.4(M−H)
【0214】
実施例10
{6−[2−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
a] [2−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−メタノール
全反応シーケンスを3−(トリフルオロメチル)アセトフェノンで始め4−(トリフルオロメチル)アセトフェノンの代わりとする以外は、実施例5c]〜5e]と同様に調製して、標記化合物を融点73〜75℃の白色の結晶として得た。
【0215】
b] {6−[2−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステル
実施例5f]に記載の手順と同様にして、(6−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(実施例6b])を[2−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−メタノールとトリブチルホスフィン及びN,N,N′,N′−テトラメチルアゾジカルボキシアミドの存在下で反応させて、標記化合物を無色の結晶として得た。
MS:469.1(M+H)
【0216】
c] {6−[2−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
実施例5g]に記載の手順と同様にして、{6−[2−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステルをLiOHで処理して、標記化合物をオフホワイトの結晶として得た。
MS:439.4(M−H)
【0217】
実施例11
(4−{2−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−エトキシ}−インドール−1−イル)−酢酸
a] [4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−インドール−1−イル]−酢酸エチルエステル
実施例6a]に記載の手順と同様にして、4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−1H−インドール(EP206225 A2)をブロモ−酢酸エチルエステルと炭酸セシウム存在下で反応させ、標記化合物を黄色の油状物として得た。
【0218】
b] (4−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル
実施例6b]に記載の手順と同様にして、[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−インドール−1−イル]−酢酸エチルエステルをフッ化テトラブチルアンモニウム水和物で処理して、(4−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステルを黄色の油状物として得た。
MS:220.4(M+H)
【0219】
c] (4−{2−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−エトキシ}−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル
実施例5f]に記載の手順と同様にして、(4−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステルを2−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−エタノール(実施例8e])とテトラヒドロフラン中のジ−tert−ブチルアゾジカルボキシラート及びトリフェニルホスフィンの存在下で反応させて、標記化合物を白色の固体として得た。
MS:483.3(M+H)
【0220】
d] (4−{2−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−エトキシ}−インドール−1−イル)−酢酸
実施例5g]に記載の手順と同様にして、(4−{2−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−エトキシ}−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステルをLiOHで処理して、標記化合物を白色の固体として得た。
MS:453.2(M−H)
【0221】
実施例12
{6−[4−(2−メトキシ−エチル)−2−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
a] (E,Z)−2−[1−エトキシ−メチリデン]−5−メトキシ−3−オキソ−ペンタン酸メチルエステル
無水酢酸(240ml)中の5−メトキシ−3−オキソ吉草酸メチルエステル(21.96g、116.5mmol)及びオルトギ酸トリエチル(35.3ml、233.1mmol)の溶液を還流条件下2.5時間加熱した。反応混合物を減圧下で50℃にて濃縮して、粗(E,Z)−2−[1−エトキシ−メチリデン]−5−メトキシ−3−オキソ−ペンタン酸メチルエステル 29.06g(134mmol、定量)を得た。
MS:217.2(M+H)
【0222】
b] 4−(2−メトキシ−エチル)−2−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−ピリミジン−5−カルボン酸メチルエステル及び4−(2−メトキシ−エチル)−2−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル
ナトリウムtert−ブトキシド(7.61g、96.1mmol)をエタノール(200ml)中の6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−ベンズアミジンHCl(16.24g、72mmol)の溶液に加えた。5分後、エタノール(70ml)中の粗(E,Z)−2−[1−エトキシ−メチリデン]−5−メトキシ−3−オキソ−ペンタン酸メチルエステル(15.57g、72mmol)の溶液を加えた。反応混合物を90℃で一晩撹拌した。エタノールを減圧下で部分的に除去し、残渣をエーテルで希釈し、1N HCl及び水で洗浄した。エーテル溶液を減圧下で濃縮し、粗生成物をジクロロメタン/エーテル 99:1〜95:5を用いてシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、4−(2−メトキシ−エチル)−2−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−ピリミジン−5−カルボン酸メチルエステル及び4−(2−メトキシ−エチル)−2−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステルの混合物18.36gを得た。
MS:342.2及び356.3(M+H)
【0223】
c] [4−(2−メトキシ−エチル)−2−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−ピリミジン−5−イル]−メタノール
トルエン(50ml、60mmol)中のDIBALHの1.2M溶液を、THF(100ml)中の4−(2−メトキシ−エチル)−2−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−ピリミジン−5−カルボン酸メチルエステル及び4−(2−メトキシ−エチル)−2−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−ピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル(6.83g、20mmol)のドライアイス冷却(−30℃)溶液に20分以内に滴下した。反応混合物を0℃に温め、この温度で1時間撹拌し、冷却浴を取り外し、撹拌を周囲温度で1時間続けた。混合物を0℃に冷却し、KHSO水溶液(10%)で中和し、エーテルで3回抽出した。合わせた抽出物をNaCl水溶液(10%)で洗浄し、乾燥(NaSO)し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を結晶化(ジクロロメタン/エーテル、0℃)して、[4−(2−メトキシ−エチル)−2−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−ピリミジン−5−イル]−メタノール 6.72g(21.4mmol、定量)を得た。
MS:314.2(M+H)
【0224】
d] {6−[4−(2−メトキシ−エチル)−2−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステル
実施例5f]に記載の手順と同様にして、(6−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(実施例6b])を[4−(2−メトキシ−エチル)−2−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−ピリミジン−5−イル]−メタノールとトリブチルホスフィン及びN,N,N′,N′−テトラメチルアゾジカルボキシアミドの存在下で反応させて、標記化合物を黄色の固体として得た。
MS:515.3(M+H)
【0225】
e] {6−[4−(2−メトキシ−エチル)−2−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
実施例5g]に記載の手順と同様にして、{6−[4−(2−メトキシ−エチル)−2−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステルをLiOHで処理して、標記化合物を黄色の固体として得た。
MS:485.3(M−H)
【0226】
実施例13
{6−[4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
a] 4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ニコチン酸メチルエステル
[K. Inada and N. Miyaura, Tetrahedron (2000), 56, 8661-8664の手順に従う]
脱ガスしたトルエン(200ml)中のビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(0.84g、1.2mmol)、6−クロロ−4−(トリフルオロメチル)ニコチン酸メチル(9.58g、40mmol)及び4−(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸(10.1g、52mmol)の溶液に2M KPOの水溶液(40ml)を加えた。懸濁液を80℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷まし、氷水を加え、混合物をジエチルエーテルで3回抽出した。有機相をNaCl 10%水溶液で洗浄し、乾燥(NaSO)し、留去した。シリカゲル(ジクロロメタン/ヘプタン 2:1〜1:1)のフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、標記化合物9.91g(28.3mmol、71%)をオフホワイトの粉末として得た。
MS:348.9(M)
【0227】
b] [4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−メタノール
トルエン(25ml、30mmol)中のDIBALHの1.2M溶液を、THF(50ml)中の5−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピラジン−2−カルボン酸メチルエステル(3.49g、10mmol)のドライアイス冷却(−30℃)溶液に15分以内に滴下した。反応混合物を−30℃で1.3時間及び0℃で1時間撹拌した。混合物を10% KHSO水溶液で中和し、エーテルで3回抽出した。合わせた有機層を10% NaCl水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去して、純粋な[4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−メタノール 3.21g(10mmol、定量)を明黄色の粉末として得た。
MS:321.0(M)
【0228】
c] 5−クロロメチル−4−トリフルオロメチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン
実施例1g]に記載の手順と同様にして、[4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−メタノールをチオニルクロリドと反応させて、標記化合物をオフホワイトの結晶として得た。
MS:339.0(M、1Cl)
【0229】
d] {6−[4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステル
実施例7a]に記載の手順と同様にして、(6−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(実施例6b])を5−クロロメチル−4−トリフルオロメチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジンと炭酸セシウム及びヨウ化カリウムの存在下で反応させ、溶媒としてアセトニトリルを使用して、標記化合物を白色の固体として得た。
【0230】
e] {6−[4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
実施例5g]に記載の手順と同様にして、{6−[4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステルをLiOHで処理して、標記化合物をオフホワイトの固体として得た。
MS:495.3(M−H)
【0231】
実施例14
{6−[4−(2−メトキシ−エチル)−6−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
a] 2−アセチル−5−メトキシ−3−オキソ−ペンタン酸メチルエステル
ピリジン(5.3ml、65.92mmol)をジクロロメタン(50ml)中の5−メトキシ−3−オキソ−ペンタン酸メチルエステル(5.28g、32.96mmol)及び無水塩化マグネシウム(3.14g、32.96mmol)の氷冷却溶液に3分以内に滴下した。無水酢酸(3.27ml、34.6mmol)を3分以内に加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、減圧下で溶媒を部分的に除去した後、それをエーテルと1N HCl/水に分配した。エーテル溶液を減圧下で濃縮して、2−アセチル−5−メトキシ−3−オキソ−ペンタン酸メチルエステル 5.87g(29mmol、88%)を得た。
MS:203.3(M+H)
【0232】
b] 5−メトキシ−2−[1−メトキシ−エタ−(E,Z)−イリデン]−3−オキソ−ペンタン酸メチルエステル
アセトニトリル(50ml)中の2−アセチル−5−メトキシ−3−オキソ−ペンタン酸メチルエステル(5.87g、29.02mmol)の氷冷溶液を炭酸セシウム(9.46g、29mmol)で処理した。氷浴を取り外した後、トリフルオロ−メタンスルホン酸メチルエステル(3.28ml、29mmol)を加えた。反応混合物を室温で2時間撹拌し、減圧下で濃縮し、エーテルで希釈し、水で洗浄した。エーテル層を減圧下で濃縮して、粗5−メトキシ−2−[1−メトキシ−エタ−(E,Z)−イリデン]−3−オキソ−ペンタン酸メチルエステル 6g(27.7mmol、96%)を得た。
MS:217.3(M+H)
【0233】
c] 4−(2−メトキシ−エチル)−6−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−カルボン酸メチルエステル
エタノール(30ml)中の4−トリフルオロメチル−ベンズアミジンHCl(7.23g、27.5mmol)の溶液をナトリウムtert−ブトキシド(2.67g、27.5mmol)で処理した。4分後にエタノール(30ml)中の5−メトキシ−2−[1−メトキシ−エタ−(E,Z)−イリデン]−3−オキソ−ペンタン酸メチルエステル(6g、27.7mmol)の溶液を加えた。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌し、エーテルに取り、1N HCl及び水で洗浄した。粗生成物をAcOEt/ヘプタン 1:3を用いてシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、純粋な4−(2−メトキシ−エチル)−6−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−カルボン酸メチルエステル 4.9g(13.8mmol、50%)を得た。
MS:355.4(M+H)
【0234】
d] [4−(2−メトキシ−エチル)−6−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−メタノール
トルエン(34.6ml、41.5mmol)中のDIBALHの1.2M溶液を、テトラヒドロフラン(50ml)中の4−(2−メトキシ−エチル)−6−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−カルボン酸メチルエステル(4.9g、13.8mmol)のドライアイス冷却溶液に滴下により加えた。反応混合物を−70℃で15分間撹拌し、ドライアイス浴を取り外し、反応温度を室温にした。反応混合物を室温で2時間撹拌した。氷冷却下、6N HCl水溶液(10ml)を注意深く加えた。4分後、エーテルを加え、層を分離し、有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、結晶[4−(2−メトキシ−エチル)−6−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−メタノール 4.67g(14.3mmol、定量)を得た。
MS:327.1(M+H)
【0235】
e] 5−クロロメチル−4−(2−メトキシ−エチル)−6−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン
ジクロロメタン(25ml)中の[4−(2−メトキシ−エチル)−6−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−メタノール(2.47g、7.48mmol)の溶液をチオニルクロリド(0.57ml、7.85mmol)で処理した。室温で2時間撹拌した後、混合物をエーテルと水に分配した。エーテル相を減圧下で濃縮して、5−クロロメチル−4−(2−メトキシ−エチル)−6−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン 2.42g(7mmol、94%)を得た。
MS:345.3(M+H)
【0236】
f] {6−[4−(2−メトキシ−エチル)−6−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステル
実施例7a]に記載の手順と同様にして、(6−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(実施例6b])を5−クロロメチル−4−(2−メトキシ−エチル)−6−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジンと炭酸セシウム及びヨウ化カリウムの存在下で反応させ、溶媒としてアセトニトリルを使用して、標記化合物を無色の結晶として得た。
MS:528.3(M+H)
【0237】
g] {6−[4−(2−メトキシ−エチル)−6−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
実施例5g]に記載の手順と同様にして、{6−[4−(2−メトキシ−エチル)−6−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステルをLiOHで処理して、標記化合物を無色の固体として得た。
MS:498.0(M−H)
【0238】
実施例15
{6−[2−メチル−4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
a] 2−メチル−4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ニコチン酸エチルエステル
(Z)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ブタ−2−エン−1−オン(4.7g、17mmol;D. Barrett, P. D. Bentley, T. R. Perrior, Synthetic Commun. 1996, 26, 3401-3406)のアセトニトリル(50ml)溶液に、エチル−3−アミノクロトネート(4.27g、33mmol)をアルゴン雰囲気下で加えた。混合物を12時間加熱還流した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘプタン/酢酸エチル)により精製して、標記化合物2.2g(5.8mmol、35%)を黄色の結晶として得た。
MS:378.3(M+H)
【0239】
b] [2−メチル−4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−メタノール
ジエチルエーテル(3ml)中の2−メチル−4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ニコチン酸エチルエステル(200mg、0.5mmol)の溶液をジエチルエーテル(6ml)中の水素化アルミニウムリチウム(40mg、1mmol)の懸濁液に、アルゴン雰囲気下で周囲温度にて5分以内に加えた。混合物を12時間撹拌還流し、0℃に冷却し、氷水(6ml)及び10% NaOH水溶液(3ml)で慎重に処理した。反応混合物をセライトで濾過し、t−ブチルメチルエーテルを加え、層を分離した。水層をt−ブチルメチルエーテルでもう一回抽出し、合わせた有機層を氷水/ブライン 1/1で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、褐色の油状物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン/AcOEt)により精製して、標記化合物80mg(240μmol、45%)を黄色の結晶として得た。
MS:336.2(M+H)
【0240】
c] {6−[2−メチル−4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステル
実施例5f]に記載の手順と同様にして、(6−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(実施例6b])を[2−メチル−4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−メタノールとトリブチルホスフィン及びN,N,N′,N′−テトラメチルアゾジカルボキシアミド存在下で反応させて、標記化合物を無色の固体として得た。
MS:537.3(M+H)
【0241】
d] {6−[2−メチル−4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
実施例5g]に記載の手順と同様にして、{6−[2−メチル−4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステルをLiOHで処理して、標記化合物を無色の固体として得た。
MS:507.2(M−H)
【0242】
実施例16
{6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
a] (Z)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ブタ−2−エン−1−オン
カリウムt−ブトキシド(3.3g、29mmol)及び1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−エタノン(3.9ml、24mmol)のトルエン(50ml)懸濁液にトリフルオロ酢酸エチル(3.4ml、29mmol)をアルゴン雰囲気下で10℃にて滴下により加えた。懸濁液を周囲温度で14時間撹拌した。混合物のpH値を10% HSOで6に調整し、溶液をt−ブチルメチルエーテルで2回抽出し、合わせた抽出物をブライン/氷水 1/1で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘプタン/酢酸エチル)により精製して、標記化合物2.9g(9.7mmol、40%)を橙色の油状物として得た。
MS:319.2(M+ NH
【0243】
b] 2−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステル
(Z)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ブタ−2−エン−1−オン(2.9g、10mmol)のアセトニトリル(35ml)溶液に、エチル−3−アミノクロトネート(2.5g、19mmol)をアルゴン雰囲気下で加えた。混合物を12時間加熱還流した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘプタン/酢酸エチル)により精製して、標記化合物1.9g(4.8mmol、50%)を黄色の油状物として得た。
MS:394.0(M+H)
【0244】
c] [2−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル]−メタノール
ジエチルエーテル(6ml)中の2−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステル(400mg、1mmol)の溶液を、ジエチルエーテル(12ml)中の水素化アルミニウムリチウム(77mg、2mmol)の懸濁液にアルゴン雰囲気下で周囲温度にて5分以内に加えた。混合物を12時間撹拌還流し、0℃に冷却し、氷水(12ml)及び10% NaOH水溶液(6ml)で慎重に処理した。反応混合物をセライトで濾過し、t−ブチルメチルエーテルを加え、層を分離した。水層をt−ブチルメチルエーテルでもう1回抽出し、合わせた有機層を氷水/ブライン 1/1で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶媒を除去し、橙色の油状物を得、これをカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン/AcOEt)により精製して、標記化合物140mg(400μmol、39%)を無色の結晶として得た。
MS:352.3(M+H)
【0245】
d] {6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステル
実施例5f]に記載の手順と同様にして、(6−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(実施例6b])を[2−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル]−メタノールとトリブチルホスフィン及びN,N,N′,N′−テトラメチルアゾジカルボキシアミドの存在下で反応させて、標記化合物を無色の固体として得た。
MS:553.2(M+H)
【0246】
e] {6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
実施例5g]に記載の手順と同様にして、{6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステルをLiOHで処理して、標記化合物を無色の個体として得た。
MS:525.0(M+H)
【0247】
実施例17
{6−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
a] 6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ニコチン酸メチルエステル
実施例13a]に記載の手順と同様にして、4−(トリフルオロメトキシ)−フェニルボロン酸を6−クロロ−4−(トリフルオロメチル)ニコチン酸メチルとビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド及び2M KPO水溶液の存在下で反応させて、標記化合物を黄色の結晶として得た。
MS:366.0(M+H)
【0248】
b] [6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル]−メタノール
実施例16c]に記載の手順と同様にして、6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ニコチン酸メチルエステルをテトラヒドロフラン中の水素化アルミニウムリチウムで還流条件下12時間処理して、標記化合物を黄色の油状物として得た。
MS:338.0(M+H)
【0249】
c] {6−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステル
実施例5f]に記載の手順と同様にして、(6−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(実施例6b])を[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル]−メタノールとトリブチルホスフィン及びN,N,N′,N′−テトラメチルアゾジカルボキシアミドの存在下で反応させて、標記化合物を無色の泡状物として得た。
MS:539.3(M+H)
【0250】
d] {6−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
実施例5g]に記載の手順と同様にして、{6−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステルをLiOHで処理して、標記化合物を黄色の固体として得た。
MS:511.4(M+H)
【0251】
実施例18
{6−[2−シクロプロピルメチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
a] 2−シクロプロピル−アセトイミド酸メチルエステルヒドロクロリド
メタノール(4.9ml、120mmol)をジエチルエーテル(60ml)中のシクロプロピルアセトニトリル(11.2ml、120mmol)の溶液に加えた。溶液を4℃に冷却し、HClガスを溶液に通して3時間泡立てた。混合物を周囲温度で14時間撹拌し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をペンタン及びジエチルエーテルで洗浄し、標記化合物10.3g(69mmol、58%)を無色の結晶として得て、これを次の工程に更に精製しないで使用した。
【0252】
b] 5−(1−アミノ−2−シクロプロピル−エチリデン)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオン
クロロホルム(7ml)中の2−シクロプロピル−アセトイミド酸メチルエステルヒドロクロリド(1g、7mmol)、2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオン(963mg、7mmol)及びトリエチルアミン(1.07ml、8mmol)を還流条件下で14時間加熱した。混合物をジクロロメタンで希釈し、ブライン/氷水 1/1で中性になるまで洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン/AcOEt)により精製して、標記化合物128mg(0.6mmol、9%)を黄色の結晶として得た。
【0253】
c] 3−アミノ−4−シクロプロピル−ブタ−2−エン酸エチルエステル
5−(1−アミノ−2−シクロプロピル−エチリデン)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキサン−4,6−ジオン(397mg、2mmol)をエタノール(3ml)中のナトリウム(45mg、2mmol)の溶液に加えた。反応混合物を14時間加熱還流し、ジクロロメタンで希釈し、氷水/ブライン 1/1に注ぎ入れた。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去して、標記化合物231mg(1.4mmol、77%)を橙色の油状物として得た。
MS:170.3(M+H)
【0254】
d] 2−シクロプロピルメチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステル
3−アミノ−4−シクロプロピル−ブタ−2−エン酸エチルエステル(231mg、1.4mmol)をアセトニトリル(2.7ml)中の(Z)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ブタ−2−エン−1−オン(819mg、2.7mmol;実施例16a])の溶液に加えた。混合物を還流条件下で12時間加熱し、溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘプタン/AcOEt)により精製して、標記化合物242mg(0.56mmol、41%)を黄色の油状物として得た。
MS:434.3(M+H)
【0255】
e] [2−シクロプロピルメチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル]−メタノール
実施例16c]に記載の手順と同様にして、2−シクロプロピルメチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステルを水素化アルミニウムリチウムで処理して、標記化合物を無色の結晶として得た。
MS:392.3(M+H)
【0256】
f] {6−[2−シクロプロピルメチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステル
実施例5f]に記載の手順と同様にして、(6−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(実施例6b])を[2−シクロプロピルメチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル]−メタノールとトリブチルホスフィン及びN,N,N′,N′−テトラメチルアゾジカルボキシアミドの存在下で反応させて、標記化合物を無色の固体として得た。
MS:593.3(M+H)
【0257】
g] {6−[2−シクロプロピルメチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
実施例5g]に記載の手順と同様にして、{6−[2−シクロプロピルメチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステルをLiOHで処理して、標記化合物を褐色の固体として得た。
MS:565.5(M+H)
【0258】
実施例19
(6−{2−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−エトキシ}−インドール−1−イル)−酢酸
a] [4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−アセトニトリル
実施例8b]に記載の手順と同様にして、5−クロロメチル−4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン(実施例3d])をシアン化ナトリウムと反応させて、標記化合物を白色の結晶として得た。
MS:304.2(M+H)
【0259】
b] [4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−酢酸
実施例8c]に記載の手順と同様にして、[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−アセトニトリルを水酸化ナトリウムで処理して、標記化合物を白色の結晶として得た。
MS:643.2(2M−H)
【0260】
c] [4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−酢酸メチルエステル
実施例8d]に記載の手順と同様にして、[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−酢酸をメタノールでエステル化して、標記化合物を黄色の固体として得た。
MS:336.0(M)
【0261】
d] 2−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−エタノール
実施例1f]に記載の手順と同様にして、[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−酢酸メチルエステルをDIBAL−Hと反応させて、標記化合物を黄色の固体として得た。
MS:309.1(M+H)
【0262】
e] (6−{2−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−エトキシ}−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル
実施例5f]に記載の手順と同様にして、(6−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(実施例6b])を2−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−エタノールとテトラヒドロフラン中のジ−tert−ブチルアゾジカルボキシラート及びトリフェニルホスフィンの存在下で反応させて、標記化合物を無色の液体として得た。
MS:510.5(M+H)
【0263】
f](6−{2−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−エトキシ}−インドール−1−イル)−酢酸
実施例5g]に記載の手順と同様にして、(6−{2−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−エトキシ}−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステルをLiOHで処理して、標記化合物を黄色の固体として得た。
MS:482.5(M+H)
【0264】
実施例20
{6−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
a] (E)−3−ジメチルアミノ−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−プロペノン
(Gammill, R. B., Synthesis (1979), (11), 901-903に記載の手順に従う)
ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(20ml、150mmol)中の1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−エタノン(20.4g、100mmol)の溶液を100℃に24時間加熱した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をエーテル/n−ペンタンから結晶化して、標記化合物23.1g(89mmol、89%)を黄色の固体として得た。
MS:260.1(M+H)
【0265】
b] 6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステル
(Al-Saleh, B.; Abdelkhalik, M. M.; Eltoukhy, A. M.; Elnagdi, M. H., Journal of Heterocyclic Chemistry (2002), 39(5), 1035-1038に記載の手順に従う)
酢酸(3.9ml)中の(E)−3−ジメチルアミノ−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−プロペノン(1g、3.9mmol)、4,4,4−トリフルオロ−3−オキソブタン酸エチルエステル(880mg、4.6mmol)及び酢酸アンモニウム(387mg、5mmol)の混合物を還流条件下で1時間加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を飽和NaHCO水溶液/氷水と酢酸エチルに分配した。水層を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた抽出物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、n−ヘプタン/AcOEt)により精製して、標記化合物68mg(0.18mmol、5%)を黄色の油状物として得た。
MS:338.0(M+H)
【0266】
c] [6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル]−メタノール
実施例16c]に記載の手順と同様にして、6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステルを水素化アルミニウムリチウムで処理して、標記化合物を無色の結晶として得た。
MS:338.0(M+H)
【0267】
d] {6−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステル
実施例5f]に記載の手順と同様にして、(6−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(実施例6b])を[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル]−メタノールとテトラヒドロフラン中のトリブチルホスフィン及びN,N,N′,N′−テトラメチルアゾジカルボキシアミドの存在下で反応させて、標記化合物を無色の結晶として得た。
MS:539.3(M+H)
【0268】
e] {6−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
実施例5g]に記載の手順と同様にして、{6−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステルをLiOHで処理して、標記化合物を無色の固体として得た。
MS:511.4(M+H)
【0269】
実施例21
{6−[2−シクロプロピル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
a] 2−シクロプロピル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステル
実施例18d]に記載の手順と同様にして、3−アミノ−3−シクロプロピル−アクリル酸エチルエステル(J. P. Celerier, E. Deloisy, P. Kapron, G. Lhommet, P. Maitte, Synthesis 1981, 130-133)を(Z)−4,4,4−トリフルオロ−3−ヒドロキシ−1−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ブタ−2−エン−1−オン(実施例16a])と反応させて、標記化合物を無色の油状物として得た。
MS:420.3(M+H)
【0270】
b] [2−シクロプロピル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル]−メタノール
実施例16c]に記載の手順と同様にして、2−シクロプロピル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ニコチン酸エチルエステルを水素化アルミニウムリチウムで処理して、標記化合物を無色の結晶として得た。
MS:378.3(M+H)
【0271】
c] {6−[2−シクロプロピル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステル
実施例5f]に記載の手順と同様にして、(6−ヒドロキシ−インドール−1−イル)−酢酸エチルエステル(実施例6b])を[2−シクロプロピル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル]−メタノールとテトラヒドロフラン中のトリブチルホスフィン及びN,N,N′,N′−テトラメチルアゾジカルボキシアミドの存在下で反応させて、標記化合物を無色の固体として得た。
MS:579.3(M+H)
【0272】
d] {6−[2−シクロプロピル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
実施例5g]に記載の手順と同様にして、{6−[2−シクロプロピル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸エチルエステルをLiOHで処理して、標記化合物をピンク色の固体として得た。
MS:551.0(M+H)
【0273】
実施例A
下記の成分を含有するフィルムコーティング剤は常法により製造することができる:
成分 1錠当たり
核:
式(I)の化合物 10.0mg 200.0mg
微晶質セルロース 23.5mg 43.5mg
含水乳糖 60.0mg 70.0mg
ポビドンK30 12.5mg 15.0mg
グリコールデンプンナトリウム 12.5mg 17.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg 4.5mg
(核重量) 120.0mg 350.0mg
フィルム:
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.5mg 7.0mg
ポリエチレングリコール6000 0.8mg 1.6mg
タルク 1.3mg 2.6mg
酸化鉄(黄色) 0.8mg 1.6mg
二酸化チタン 0.8mg 1.6mg
【0274】
活性成分を篩にかけ、微晶質セルロースと混合し、混合物を水中のポリビニルピロリドンの溶液で造粒する。顆粒をグリコールデンプンナトリウム及びステアリン酸マグネシウムと混合し、圧縮して、それぞれ120又は350mgの核を得る。上記フィルムの水溶液/懸濁液を核塗布する。
【0275】
実施例B
下記の成分を含有するカプセル剤は常法により製造できる:
成分 1カプセル当たり
式(I)の化合物 25.0mg
乳糖 150.0mg
トウモロコシデンプン 20.0mg
タルク 5.0mg
【0276】
成分を篩にかけ、混合し、サイズ2のカプセルに充填する。
【0277】
実施例C
注射剤は下記の組成を有することができる:
式(I)の化合物 3.0mg
ゼラチン 150.0mg
フェノール 4.7mg
炭酸ナトリウム 最終pHが7になる量
注射用水 1.0mlになる量
【0278】
実施例D
下記の成分を含有する軟ゼラチンカプセル剤は常法により製造できる:
カプセル内容
式(I)の化合物 5.0mg
黄色のロウ 8.0mg
大豆硬化油 8.0mg
半硬化植物油 34.0mg
大豆油 110.0mg
カプセル内容の重量 165.0mg
ゼラチンカプセル
ゼラチン 75.0mg
グリセロール85% 32.0mg
Karion 83 8.0mg(乾燥物)
二酸化チタン 0.4mg
酸化鉄黄 1.1mg
【0279】
活性成分を、温かく溶融している他の成分に溶解し、混合物を適切な大きさの軟ゼラチンカプセルに充填する。充填された軟質ゼラチンカプセル剤を、通常の手順に従って処理する。
【0280】
実施例E
下記の成分を含有するサッシェは常法により製造できる:
式(I)の化合物 50.0mg
乳糖、微粉 1015.0mg
微晶質セルロース(AVICEL PH102) 1400.0mg
カルボキシメチルセルロースナトリウム 14.0mg
ポリビニルピロリドンK30 10.0mg
ステアリン酸マグネシウム 10.0mg
風味添加剤 1.0mg
【0281】
活性成分を、乳糖、微晶質セルロース及びナトリウムカルボキシメチルセルロースと混合し、水中のポリビニルピロリドンの混合物で造粒する。顆粒をステアリン酸マグネシウム及び風味添加剤と混合し、サッシェに充填する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


[式中、
1は、水素又はC1-7−アルキルであり;
2及びR3は、相互に独立に、水素又はC1-7−アルキルであり;
4及びR5は、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、ハロゲン、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、C2-7−アルキニル又はフルオロ−C1-7−アルキルであり;
4'及びR5'は、一緒になって二重結合を形成するか、又はR4'及びR5'は、水素であり;
6、R7、R8及びR9は、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、ハロゲン、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、C2-7−アルキニル、フルオロ−C1-7−アルキル、シアノ−C1-7−アルキル又はシアノであり;そして
6、R7及びR8のうち1つは、下記式:
【化2】


(式中、
Xは、S、O、NR10であり、
10は、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、フルオロ−C1-7−アルキルであり;
11及びR12は、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、フルオロ−C1-7−アルキル又はフルオロであり;
1、Y2、Y3及びY4は、N又はC−R13であり;かつY1、Y2、Y3及びY4の1つ又は2つは、Nであり、そして他のものは、C−R13であり;
13は、それぞれ存在毎に相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、C3-7−シクロアルキル−C1-7−アルキル、フルオロ−C1-7−アルキル、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、ヒドロキシ−C1-7−アルキル、C1-7−アルキルチオ−C1-7−アルキル、カルボキシ−C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、カルボキシ、カルボキシ−C1-7−アルキル、モノ−又はジ−C1-7−アルキル−アミノ−C1-7−アルキル、C1-7−アルカノイル−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、及びC2-7−アルキニルから選択され;
14は、アリール又はヘテロアリールであり;
nは、0、1又は2である)で示される]で示される化合物、並びに薬剤学的に許容しうるその塩及び/又はエステル。
【請求項2】
1が、水素又はC1-7−アルキルであり;
2及びR3が、相互に独立に、水素又はC1-7−アルキルであり;
4及びR5が、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、ハロゲン、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、C2-7−アルキニル又はフルオロ−C1-7−アルキルであり;
4'及びR5'が、一緒になって二重結合を形成するか、又はR4'及びR5'が、水素であり;
6、R7、R8及びR9が、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、ハロゲン、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、C2-7−アルキニル、フルオロ−C1-7−アルキル、シアノ−C1-7−アルキル又はシアノであり;そして
6、R7及びR8のうち1つが、下記式:
【化3】


(式中、
Xは、S、O、NR10であり、
10は、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、フルオロ−C1-7−アルキルであり;
11及びR12は、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、フルオロ−C1-7−アルキル又はフルオロであり;
1、Y2、Y3及びY4は、N又はC−R13であり;かつY1、Y2、Y3及びY4の1つ又は2つは、Nであり、そして他のものは、C−R13であり;
13は、それぞれ存在毎に相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、フルオロ−C1-7−アルキル、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、ヒドロキシ−C1-7−アルキル、C1-7−アルキルチオ−C1-7−アルキル、カルボキシ−C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、カルボキシ、カルボキシ−C1-7−アルキル、モノ−又はジ−C1-7−アルキル−アミノ−C1-7−アルキル、C1-7−アルカノイル−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、及びC2-7−アルキニルから選択され;
14は、アリール又はヘテロアリールであり;
nは、0、1又は2である)で示される、請求項1記載の式(I)の化合物;並びにその全てのエナンチオマー、及び薬剤学的に許容しうる塩及び/又はエステル。
【請求項3】
式(I-A):
【化4】


[式中、
X、Y1〜Y4、R1、R2、R3、R4、R4'、R5、R5'、R11、R12、R14及びnは、請求項1又は請求項2と同義であり;
6、R8及びR9は、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、ハロゲン、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、C2-7−アルキニル、フルオロ−C1-7−アルキル、シアノ−C1-7−アルキル又はシアノである]で示される請求項1又は2記載の式(I)の化合物;並びにその全てのエナンチオマー、及び薬剤学的に許容しうる塩及び/又はエステル。
【請求項4】
6、R8及びR9が、水素である、請求項3記載の式(I-A)の化合物。
【請求項5】
式(I-B):
【化5】


[式中、
X、Y1〜Y4、R1、R2、R3、R4、R4'、R5、R5'、R11、R12、R14及びnは、請求項1又は請求項2と同義であり;
6、R7及びR9は、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、ハロゲン、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、C2-7−アルキニル、フルオロ−C1-7−アルキル、シアノ−C1-7−アルキル又はシアノである]で示される請求項1又は2記載の式(I)の化合物;並びにその全てのエナンチオマー、及び薬剤学的に許容しうる塩及び/又はエステル。
【請求項6】
6、R7及びR9が、水素である、請求項5記載の式(I-B)の化合物。
【請求項7】
式(I-C):
【化6】


[式中、
X、Y1〜Y4、R1、R2、R3、R4、R4'、R5、R5'、R11、R12、R14及びnは、請求項1又は請求項2と同義であり;
7、R8及びR9は、相互に独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、ハロゲン、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、C2-7−アルキニル、フルオロ−C1-7−アルキル、シアノ−C1-7−アルキル又はシアノである]で示される請求項1又は2記載の式(I)の化合物;並びにその全てのエナンチオマー、及び薬剤学的に許容しうる塩及び/又はエステル。
【請求項8】
7、R8及びR9が、水素である、請求項7記載の式(I-C)の化合物。
【請求項9】
1が、水素である、請求項1〜8のいずれか1項記載の式(I)の化合物。
【請求項10】
2及びR3が、相互に独立に、水素又はメチルである、請求項1〜9のいずれか1項記載の式(I)の化合物。
【請求項11】
4'及びR5'が、一緒に二重結合を形成する、請求項1〜10のいずれか1項記載の式(I)の化合物。
【請求項12】
4及びR5が、水素である、請求項1〜11のいずれか1項記載の式(I)の化合物。
【請求項13】
Xが、Oである、請求項1〜12のいずれか1項記載の式(I)の化合物。
【請求項14】
Xが、NR10であり、そしてR10が、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル又はフルオロ−C1-7−アルキルである、請求項1〜12のいずれか1項記載の式(I)の化合物。
【請求項15】
10が、C1-7−アルキルである、請求項14記載の式(I)の化合物。
【請求項16】
Xが、Sである、請求項1〜12のいずれか1項記載の式(I)の化合物。
【請求項17】
11及びR12が、水素である、請求項1〜16のいずれか1項記載の式(I)の化合物。
【請求項18】
14が、非置換フェニル又はフェニル(C1-7−アルキル、C1-7−アルコキシ、ハロゲン、フルオロ−C1-7−アルキル、フルオロ−C1-7−アルコキシ及びシアノから選択される1〜3個の基で置換されている)である、請求項1〜17のいずれか1項記載の式(I)の化合物。
【請求項19】
14が、フェニル(ハロゲン、フルオロ−C1-7−アルコキシ、又はフルオロ−C1-7−アルキルで置換されている)である、請求項18記載の式(I)の化合物。
【請求項20】
14が、4−トリフルオロメチルフェニルである、請求項19記載の式(I)の化合物。
【請求項21】
1が、Nであり、かつY2、Y3及びY4が、C−R13であるか、又はY1及びY4が、Nであり、かつY2及びY3が、C−R13である、請求項1〜20のいずれか1項記載の式(I)の化合物。
【請求項22】
少なくとも1つのR13が、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、フルオロ−C1-7−アルキル又はC1-7−アルコキシ−C1-7−アルキルである、請求項21記載の式(I)の化合物。
【請求項23】
{5−[4−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{5−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{5−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
(5−{メチル−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメチル]−アミノ}−インドール−1−イル)−酢酸;
{6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−2,3−ジヒドロ−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
(6−{2−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−エトキシ}−インドール−1−イル)−酢酸;
{6−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[2−メチル−6−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
(4−{2−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イル]−エトキシ}−インドール−1−イル)−酢酸;
{6−[4−(2−メトキシ−エチル)−2−(6−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[4−(2−メトキシ−エチル)−6−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[2−メチル−4−トリフルオロメチル−6−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[2−メチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
{6−[2−シクロプロピルメチル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;
(6−{2−[4−シクロプロピル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピリミジン−5−イル]−エトキシ}−インドール−1−イル)−酢酸;
{6−[6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸;及び
{6−[2−シクロプロピル−6−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4−トリフルオロメチル−ピリジン−3−イルメトキシ]−インドール−1−イル}−酢酸
よりなる群から選択される、請求項1又は請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか1項記載の化合物の製造方法であって、
a) 式(II):
【化7】


[式中、R4〜R9は、請求項1と同義である]で示される化合物を式(III):
【化8】


[式中、R1は、C1-7−アルキルであり、R2及びR3は、請求項1と同義であり、そしてR15は、ハロゲン、トリフラート又は別の脱離基である]で示される化合物と反応させることにより、式(I):
【化9】


[式中、R1は、C1-7−アルキルであり、そしてR2〜R9は、請求項1と同義である]で示される化合物を得ること、そして場合によりエステル基を加水分解することにより、R1が水素である、式(I)の化合物を得ること、あるいは
b) 式(IV):
【化10】


[式中、R1は、C1-7−アルキルであり、R2〜R5'は、請求項1と同義であり、そしてR6、R7、R8及びR9は、独立に、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル、ハロゲン、C1-7−アルコキシ−C1-7−アルキル、C2-7−アルケニル、C2-7−アルキニル、フルオロ−C1-7−アルキル、シアノ−C1-7−アルキル、及びシアノから選択され、そしてR6、R7又はR8のうち1つは、−OH、−SH又は−NHR10(ここで、R10は、水素、C1-7−アルキル、C3-7−シクロアルキル又はフルオロ−C1-7−アルキルである)である]で示される化合物を式(V):
【化11】


[式中、Y1、Y2、Y3、Y4、R11、R12、R14及びnは、請求項1と同義であり、そしてR16は、−OH、−Cl、−Br、−I又は別の脱離基である]で示される化合物と反応させることにより、式(I):
【化12】


[式中、R1は、C1-7−アルキルであり、そしてR2〜R9は、請求項1と同義である]で示される化合物を得ること、そして場合によりエステル基を加水分解することにより、R1が水素である、式(I)の化合物を得ること
を特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24記載の方法により製造される、請求項1〜23のいずれか1項記載の化合物。
【請求項26】
請求項1〜23のいずれか1項記載の化合物並びに薬剤学的に許容しうる担体及び/又は補助剤を含むことを特徴とする、薬剤組成物。
【請求項27】
PPARδ及び/又はPPARαアゴニストにより調節される疾患の治療及び/又は予防のための、請求項26記載の薬剤組成物。
【請求項28】
治療活性物質として使用するための、請求項1〜23のいずれか1項記載の化合物。
【請求項29】
PPARδ及び/又はPPARαアゴニストにより調節される疾患の治療及び/又は予防のための治療活性物質として使用するための、請求項1〜23のいずれか1項記載の化合物。
【請求項30】
PPARδ及び/又はPPARαアゴニストにより調節される疾患の治療及び/又は予防のための方法であって、ヒト又は動物に請求項1〜23のいずれか1項記載の化合物を投与することを特徴とする方法。
【請求項31】
PPARδ及び/又はPPARαアゴニストにより調節される疾患の治療及び/又は予防用の医薬の製造のための、請求項1〜23のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項32】
糖尿病、インスリン非依存性糖尿病、高脂質及び高コレステロールレベル、特に低HDL−コレステロール、高LDL−コレステロール、又は高トリグリセリドレベル、アテローム動脈硬化症、メタボリック症候群(シンドロームX)、肥満症、高血圧、内皮機能不全、凝血促進状態、異脂肪血症、多嚢胞性卵巣症候群、炎症性疾患、及び増殖性疾患の治療及び/又は予防のための、請求項30又は31記載の使用及び/又は方法。
【請求項33】
低HDL−コレステロールレベル、高LDL−コレステロールレベル、高トリグリセリドレベル、及びメタボリック症候群(シンドロームX)の治療及び/又は予防のための、請求項32記載の使用及び/又は方法。
【請求項34】
実質的に本明細書に前述の、新規な化合物、製造法及び方法、並びにこのような化合物の使用。

【公表番号】特表2007−509996(P2007−509996A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538705(P2006−538705)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012197
【国際公開番号】WO2005/049606
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】