説明

PoCセッションにおける発言権管理規則の伝達、適用方法、及びこれを実現するためのシステム

【課題】本発明は、多様な種類の発言権管理規則(Media Burst Control Scheme)をサポートするPoCクライアント間のPoCセッションの確立の際の、発言権管理規則の伝達と適用方法、及びこれを実現するためのシステムに関する。
【解決手段】本発明は、OMA PoC(PTT over cellular)マルチメディア通話サービスを遂行するPoCクライアントが複数の発言権管理規則をサポートし、セッションでサポートする発言権管理規則が指定されていない場合、PoCセッション確立手続きを介してPoCセッション開始者が所望する発言権管理規則を伝達し、セッションに適用する方法を提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多様な種類の発言権管理規則(Media Burst Control Scheme)をサポートするPoCクライアント間のPoCセッションの確立の際の、発言権管理規則の伝達と適用方法、及びこれを実現するための端末機とネットワークシステムの機能に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信技術の画期的な発展及び通信網の拡大に伴って、携帯電話を用いたより拡張された様々なサービス及びアプリケーションが提供されている。また、ユーザの要求も多様化しており、基本的な通話サービスを越えて、位置サービス、マルチメディアサービス、PTT(Push To Talk)サービスなどに拡大している。特に、PTTサービスは、従来の無線電信又は基盤無線システム(Trunked Radio System:TRS)により提供されたグループ通話及び音声通話だけではなく、インスタントメッセンジャー及び状態表示のような様々な付加機能をサポートする。
【0003】
現在では、このようなPTT概念を移動通信網を用いてサービスするPoC(PTT over Cellular;以下、PoCと称する。)サービスを標準化することが活発に論議されている。従来の移動通信サービスと区別されるPoCサービスの特徴の1つは、ユーザが複数のセッションに属していることにより、必要に応じて複数のセッション間を移動しながら通話することができることである。ユーザが複数のセッションを移動しながら通話可能でなければならないという要求事項、即ち多重セッション機能に関する要求事項は、関連移動通信サービスを定義している団体であるオープンモバイルアライアンス(Open Mobile Alliance:OMA)の要求事項に明示されている。
【0004】
一方、PoCV2.0システムは、PoCマルチメディア通話サービスをサポートする。そのため、PoCV2.0システムは、音声以外にビデオ、イメージ、テキストなどを新しいマルチメディアタイプで定義する。さらに、現在のPoCシステムは、端末機の性能向上によりビデオまたはイメージのような多重ストリームをディスプレーすることができる。
【0005】
また、より拡張したPoCサービスをサポートするために、PoCV2.0システムは多様な発言権管理規則(Media Burst Control Scheme)を定義し、これに従ってPoCサーバとPoCクライアントは、複数の発言権管理規則のうちの一つによりPoCセッションを確立し、発言権を管理することができる。
【0006】
しかし、従来のPoC技術は、複数の発言権管理規則が事前指定グループ(Pre-arranged group)のようにPoCグループの定義文書に含まれた場合だけを考慮しているため、一対一セッションやアドホックグループセッションのように、任意に生成されるPoCセッションに対しては特定の発言権管理規則を適用する方案を提供できない問題点がある。また従来技術は、事前指定グループの場合にも、グループ定義文書によって決定された発言権管理規則を該当クライアントに具体的に伝達する方案を提示していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2005−0124365号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2006−0126635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、PoCセッションの確立の際に、発言権管理規則の伝達あるいは交渉(negotiation)を介して、PoCクライアントがサポートする多様な種類の発言権管理規則のうち、PoCセッション開始者が所望する特定発言権管理規則をPoCサーバに提供してセッションに適用するための方法及びこれを実現するためのシステムを提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、PoCセッションに参加する受信側PoCクライアントに発言権管理を実際に適用する前にセッションで使用される発言権管理規則を伝達するための方法及びこれを実現するためのシステムを提供することにある。
【0010】
また本発明の他の目的は、PoCセッション交渉を介した発言権管理規則の伝達及び適用方案において、選択的にXDMシステムと連動する方案と発言権管理規則を直接伝達するための方法及びこれを実現するためのシステムを提供することにある。
【0011】
本発明のさらなる目的は、PoCセッション交渉を介した発言権管理規則の伝達及び適用方案において、XDMシステムと連動する方案の場合、PoCセッションを確立しようとするPoCクライアントがPoC XDMC(XDMC:XML Document Management Client)との連動を通じて、該当PoCセッションに適用しようとする発言権管理規則(Media Burst Control Scheme)と対応するID(Identity)を獲得し、該当IDを含むセッション参加要請メッセージをPoCサーバに伝送する方法及びこれを実現するためのシステムを提供することにある。
【0012】
本発明のさらなる他の目的は、PoCサーバが受信したセッション参加要請メッセージに含まれた発言権管理規則IDをPoC XDMSに質疑することによって、上記IDに対応する発言権管理規則を該当セッションに適用し、該当発言権管理規則を含む上記セッション参加要請メッセージを受信側PoCクライアントに伝達する方法及びこれを実現するためのシステムを提供することにある。
【0013】
本発明のさらなる他の目的は、PoCセッション交渉を介した発言権管理規則の伝達及び適用方案において、発言権管理規則を直接伝達する方案の場合、PoCクライアントはPoCセッション開始者が所望する特定発言権管理規則を含むセッション参加要請メッセージをPoCサーバに伝達し、PoCサーバが発言権管理規則を含むセッション参加要請メッセージを受信側PoCサーバに伝送する方法及びこれを実現するためのシステムを提供することにある。
【0014】
本発明のさらなる他の目的は、発言権管理規則の各クライアントへの伝達方案において、グループ情報に規則が含まれた場合にも同一に適用するために、事前指定グループの文書で定義された発言権管理規則がPoCサーバで決定されたとき、定義された発言権管理規則を受信側クライアントに通知するための方法及びこれを実現するためのシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記のような目的を達成するために、本発明は、PoC(PTT over Cellular)セッションにおける発言権管理規則の伝達と適用のためのシステムであって、PoCセッションの確立の際に、上記PoCセッションで使用しようとする発言権管理規則を含むセッション参加要請メッセージを送信するセッション開始要請PoCクライアントと、上記セッション参加要請メッセージを受信すると、上記セッション参加要請メッセージに含まれた上記発言権管理規則を上記PoCセッションに適用し、該当発言権管理規則を含む上記セッション参加要請メッセージを受信側PoCクライアントに伝達するPoCサーバと、上記PoCサーバからセッション参加要請メッセージを受信すると、上記セッション参加要請メッセージに含まれた発言権管理規則に対して受諾するか否かを判断し、上記発言権管理規則の受諾又は拒絶に従う応答メッセージを上記PoCサーバに伝送する受信側PoCクライアントと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、PoC(PTT over Cellular)セッションにおける発言権管理規則の伝達と適用のためのシステムであって、PoCセッションの確立の際に、上記PoCセッションで使用しようとする発言権管理規則に対応して事前設定された発言権管理規則IDを確認し、上記確認された発言権管理規則IDを含むセッション参加要請メッセージを送信するセッション開始要請PoC端末機と、上記セッション参加要請メッセージを受信すると、上記参加要請メッセージに含まれた上記発言権管理規則IDに対応する発言権管理規則を確認して上記確立しようとするPoCセッションに適用し、該当発言権管理規則を含む上記セッション参加要請メッセージを受信側PoCクライアントに伝達するPoCサーバと、上記PoCサーバからセッション参加要請メッセージを受信すると、上記セッション参加要請メッセージに含まれた発言権管理規則に対して受諾するか否か判断し、上記発言権管理規則の受諾又は拒絶に従う応答メッセージを上記PoCサーバに伝送する受信側PoCクライアントと、を含むことを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明は、PoC(PTT over Cellular)セッションにおける発言権管理規則の伝達と適用のためのシステムであって、PoCセッションの確立の際に、上記PoCセッションで使用しようとする発言権管理規則に対して事前設定されたIDを確認し、上記確認された発言権管理規則IDを含むセッション参加要請メッセージを送信するセッション開始要請PoC端末機と、上記セッション参加要請メッセージを受信すると、上記参加要請メッセージに含まれた上記発言権管理規則IDに対応する発言権管理規則を確認した後、上記発言権管理規則IDと上記確認した発言権管理規則を格納し、上記セッション参加要請メッセージに上記確認した発言権管理規則を提案することを示すパラメータを挿入し、上記セッション参加要請メッセージを受信側PoCクライアントに伝達するPoCサーバと、上記PoCサーバからセッション参加要請メッセージを受信すると、上記セッション参加要請メッセージに含まれた発言権管理規則提案に対して受諾するか否かを判断し、上記発言権管理規則の受諾又は拒絶に従う応答メッセージを上記PoCサーバに伝送する受信側PoCクライアントと、を含むことを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明は、PoC(PTT over Cellular)セッションにおける発言権管理規則の伝達と適用のための方法であって、PoCセッションの確立の際に、セッション開始要請PoCクライアントが上記PoCセッションで使用しようとする発言権管理規則を含むセッション参加要請メッセージを送信するステップと、PoCサーバが上記セッション参加要請メッセージを受信すると、上記参加要請メッセージに含まれた上記発言権管理規則を上記PoCセッションに適用し、該当発言権管理規則を含む上記セッション参加要請メッセージを受信側PoCクライアントに伝達するステップと、上記受信側PoCクライアントが上記PoCサーバからセッション参加要請メッセージを受信すると、上記セッション参加要請メッセージに含まれた発言権管理規則に対して受諾するか否かを判断し、上記発言権管理規則の受諾又は拒絶に従う応答メッセージを上記PoCサーバに伝送するステップと、を含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、PoC(PTT over Cellular)セッションにおける発言権管理規則の伝達と適用のための方法であって、PoCセッションの確立の際に、セッション開始要請PoC端末が上記PoCセッションで使用しようとする発言権管理規則に対応して事前設定された発言権管理規則IDを確認し、上記確認された発言権管理規則IDを含むセッション参加要請メッセージを送信するステップと、PoCサーバが上記セッション参加要請メッセージを受信すると、上記参加要請メッセージに含まれた上記発言権管理規則IDに対応する発言権管理規則を確認して上記確立しようとするPoCセッションに適用し、該当発言権管理規則を含む上記セッション参加要請メッセージを受信側PoCクライアントに伝達するステップと、上記受信側PoCクライアントが上記PoCサーバからセッション参加要請メッセージを受信すると、上記セッション参加要請メッセージに含まれた発言権管理規則に対して受諾するか否かを判断して、上記発言権管理規則の受諾又は拒絶に従う応答メッセージを上記PoCサーバに伝送するステップと、を含むことを特徴とする。
【0020】
さらに、本発明は、PoC(PTT over Cellular)セッションにおける発言権管理規則の伝達と適用のための方法であって、PoCセッションの確立の際に、セッション開始要請PoC端末機が上記PoCセッションで使用しようとする発言権管理規則に対して事前設定されたIDを確認し、上記確認された発言権管理規則IDを含むセッション参加要請メッセージを送信するステップと、PoCサーバが上記セッション参加要請メッセージを受信すると、上記参加要請メッセージに含まれた上記発言権管理規則IDに対応する発言権管理規則を確認した後、上記発言権管理規則IDと上記確認した発言権管理規則を格納し、上記確認した発言権管理規則を提案することを示すパラメータを挿入し、上記セッション参加要請メッセージを受信側PoCクライアントに伝達するステップと、上記受信側PoCクライアントが、上記PoCサーバからセッション参加要請メッセージを受信すると、上記セッション参加要請メッセージに含まれた発言権管理規則提案を受諾するか否かを判断して、上記発言権管理規則の受諾又は拒絶に従う応答メッセージを上記PoCサーバに伝送するステップと、を含むことを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、PoC XDMCとPoC XDMSとの間に発言権管理規則リストを格納し、管理(例えば、新しい発言権管理規則の生成及びアップデート)する過程と、発言権管理規則と発言権管理規則IDを対応させる過程とを含むことを特徴とする。
【0022】
さらに、本発明は、セッション交渉の原理を用いた発言権管理規則の適用方案を提案し、この際、上述の構成に加えて、PoCセッションの確立の際に、伝達された発言権管理規則をPoCサーバが格納し、良好な応答を受信すると、該当PoCセッションに適用させる過程を遂行することを特徴とする。
【0023】
さらにまた、本発明は、マルチメディア環境下で、セッション参加PoCクライアントが複数の発言権管理規則をサポートするとき、アドホックグループセッションのようにセッションでサポートする発言権管理規則が指定されていない場合、発言権管理規則交渉を介してPoCセッション開始者が所望する発言権管理規則の伝達及び適用を可能とする方案を提案する。また、事前指定グループのようにグループ情報により発言権管理規則が決定された場合、これを提案するための方案を提案することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、OMA PoC(PTT over Cellular)マルチメディア通話サービスを遂行するPoCクライアントがPoCマルチメディアセッションを確立するとき、該当PoCセッションで使用しようとする発言権管理規則と共にセッション参加要請メッセージを伝達することによって、セッション確立と同時に該当セッションに適用させる発言権管理規則を交渉することができる。したがって、セッションを確立するPoCクライアントが使用しようとする発言権管理規則を該当セッションに適用させることができ、上記発言権管理規則をサポートしないPoCクライアントはセッションに参加しないことが可能である。また、PoC XDMCとPoC XDMSが連動して発言権管理規則リストを常時管理することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】従来のPoCサービスシステムの構成を示す図である。
【図2】従来のPoCサーバの機能を示す図である。
【図3】PoCサーバのCF部及びPF部を含むグループセッションの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態によるPoC端末機がセッションを確立する際に、発言権管理規則の交渉が含まれたセッション接続を遂行するためのPoC端末機とPoCサーバとの間の信号の流れを示す図である。
【図5】本発明の実施形態による発言権管理規則を格納し管理するためのPoC XDMCとXDMSサーバとの間の信号の流れを示す図である。
【図6】本発明の実施形態による発言権管理規則をSIPシグナリングを用いて伝達するためのINVITEメッセージの具体的なフォーマットを示す図である。
【図7】本発明の他の実施形態によるセッション交渉手続きに従って発言権管理規則を適用するための信号の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好適な一実施形態を、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。下記の説明において、本発明は、プッシュツートーク(Push to Talk:以下、“PTT”と称する。)システム、特に、セルラー移動通信網を介してPTTサービスを提供するプッシュツートークオーバーセルラー(PTT Over Cellular:以下、“PoC”と称する。)システムに適用される場合を例に挙げて説明する。一般的に、PoCシステムは、グループ通話に関するセッション参加情報を伝達するために、セッション開始プロトコル(Session Initiation Protocol:以下、“SIP”と称する。)及びSIP拡張プロトコルを使用し、グループ情報を取得するために、拡張可能なマークアップ言語(eXtensible Markup Language:XML)設定アクセスプロトコル(XML Configuration Access Protocol:以下、“XCAP”と称する。)を使用する。本発明の下記の実施形態は、上述したプロトコルにより実現することができ、本発明の基本的な構成は、PoC Rel.1システムに基づいている。
【0027】
まず、以下に、本発明が適用される一般的なPoCシステムについて説明する。
【0028】
図1は、従来のPoCサービスシステム及び関連ネットワークの構成を示す図である。PoCシステムは、PoC UE100と、XML文書管理サーバ(XML Document Management Server:XDMS)130及び140と、PoCサーバ150とを含む。また、PoCシステムは、アグリゲーションプロキシサーバ160をさらに含んでもよい。上述した構成要素は、アクセスネットワーク110と、SIP/インターネットプロトコル(Internet Protocol:IP)コアネットワーク120又は遠隔PoCネットワーク170とを介して相互に接続される。
【0029】
PoC UE100は、PoCクライアント102とXDMクライアント104とを含む。
【0030】
PoC UE100に含まれているサービス要請者を示すPoCクライアント102は、PoC UE100に滞在し、PoCサービスをPoC UE100を介してPoCサービス加入者に提供するためのネットワーク接続を遂行する。PoCサービス加入者は、PoCクライアントが内蔵されているPoC UEを介してPoCサービスの提供を受けることができる。下記の説明において、“PoCクライアント”という用語は、PoCクライアントが内蔵されているUE及びPoCサービス加入者を総称する。また、PoCクライアントの参照符号は、特に区別する必要のない限り省略する。
【0031】
PoCクライアントは、PoCサービス加入者(すなわち、PoCユーザ)がPoCセッションの確立、すでに確立されているセッションの参加、又は確立されているセッションの終了を可能にするために主に使用される。また、PoCクライアントは、トークバーストを生成し送信する機能、インスタントパーソナルアラート(Instant Personal alert)をサポートする機能、及びPoCサービスへのアクセスを認証する機能を有する。PoCクライアントは、アクセスネットワーク110を介してSIP/IPマルチメディアをサポートするSIP/IPコアネットワーク120に接続されることもある。
【0032】
SIP/IPコアネットワーク120は、PoCサーバ150とXDMS130及び140とに接続されることにより、PoCサービスをサポートする。この際、PoCサーバ150は、PoCセッションの維持及び管理を行うための制御PoC機能(Controlling PoC Function)を行うことができ、1対1通話や多者間通話のために確立されるPoCセッションに参加するための参加PoC機能(Participating PoC Function)を行うことができる。
【0033】
一方、PoCサービスは、コンファレンス通話のようなグループセッションを確立するサービスを伴うことができる。そのため、OMA標準は、グループリストサービスのためのXDMクライアント104とXDMS130及び140とを定義する。図1は、PoCサービスのために使用されるPoC XDMS140及び他のサービスイネーブラ(service enabler)にも共通的に使用されることができる共用XDMS(Shared XDMS)130を示す。グループ及びグループメンバーに関する情報は、PoCクライアントを介してXDMS130及び140に格納することができる。PoCクライアント102は、XDMS130及び140から受信された個人又はグループのリストから、自身が呼び出すことができる他のPoCクライアントに関する情報を取得する。一方、XDMS130及び140に格納されているグループ及びグループメンバー情報の生成、修正、及び管理は、インターネット又はイントラネットのようなPoCサービスプロバイダーが信頼できる通信網を介してなされることも可能である。XML文書を管理するためのプロトコル(例えば、グループリストの生成、修正、及び削除)は、本発明とは直接関連しないため、明瞭性のために省略する。
【0034】
グループサービスのために、XDMクライアント104からグループリストに関連した要請を受信すると、アグリゲーションプロキシサーバ160は、適切な規則に従って、上記要請を各XDMS130及び140にルーティングする。
【0035】
次いで、PoCサーバ150について説明する。
【0036】
図2は、従来のPoCサーバの構成を示す図である。PoCサーバの機能は、PoCセッションの全般的な維持及び管理を担当する制御PoC機能(Controlling PoC Function:以下、“CF”と称する。)と各PoCセッションのための維持及び管理を担当する参加PoC機能(Participating PoC Function:以下、“PF”と称する。)とに区分されることができる。下記の<表1>及び<表2>を参照して、PoCサーバの各機能に従う特性について説明する。
【0037】
【表1】

【0038】
上述した<表1>に示すように、CFは、PoCサーバの機能の中で、PoCセッションの総体的な管理を意味する。特に、CFは、PoCクライアントの発言権(floor)要請を受け入れ、その順序を定めて発言権をこのクライアントに付与する。また、CFは、特定のPoCクライアントからのトークバースト(talk burst)をグループPoC呼出しに参加した他のPoCクライアントに分配し、グループPoC呼出しに参加したPoCクライアントに関する情報を提供する。
【0039】
下記の<表2>に示すように、PFは、PoCセッションの間に、CFと各PoCクライアントとの間に接続されたセッションを管理する。特に、PFは、CFでPoCクライアントへの発言権の付与だけではなく、PoCクライアントの発言権の要請を中継する。また、PFは、CFとPoCクライアントとの間のメディア中継機能、及び両者が異なるコーデック(codecs)を使用する場合にこれらをトランスコーディングする機能を担当する。さらに、他のトークバーストが同時多重セッションで発生している間に、トークバーストが1つのセッションで発生される場合には、PFは、ユーザの選択に従ってこれらの中の1つをフィルタリングするフィルタリング機能を担当する。
【0040】
【表2】

【0041】
図3は、グループセッションでPoC UEとPoCサーバとの接続を示し、特に、PoCサーバの機能に従ってCF部とPF部とを区分して説明する。
【0042】
図3を参照すると、各PoCクライアント100−A乃至100−Dは、PF310−A乃至310−Dを介してCF300に接続される。この後、CF300から発言権を与えられたPoCクライアントの対応するトークバーストに対応するメディアが他のPoCクライアントに送信される。この際、この発言権を有するPoCクライアントは、グループセッションに参加しているPoCクライアントに関する情報を確認するまで、適切なトークバーストをすることができない。
【0043】
一方、PoCシステムにおいて、通話接続のための呼処理技術は、送信側及び受信側の要請及び状況に基づいて様々な手続きが可能である。OMAに基づいて、このような送信側及び受信側の設定に従って必要とされるPoCシステムの特徴は、次の通りである。
【0044】
第1に、受信側は、PoCクライアントの要請に応じて、自身の応答モードを設定することができ、自動応答モード及び手動応答モードに分類することができる。自動応答モードとは、送信側が受信側で予め定めたPoCクライアントリストに含まれている場合には、受信側の手動応答の代わりに、対応するネットワークから送信側に応答を即座に送ることを意味する。UEを動作させず、ネットワークにより送られるこのような自動応答は、PoCサーバが、UEの応答モード設定要請に従って、応答モード及び対応するユーザリストに関する情報を格納することができるという事実に基づいている。一方、手動応答モードとは、送信側が自動応答ユーザリストに含まれていない場合、または送信側が自動応答ユーザリストに含まれているか否かが不明確な場合、又は受信側が全てのユーザに手動応答モードを設定する場合に対応する。手動応答モードにおいて、PoC通話要請は、受信ネットワークを介してUEに送信され、呼は、PoCクライアントの許可の後に接続される。
【0045】
第2に、PoCシステムは、PoCユーザのホームネットワーク内のPoCサーバとの接続設定に基づいて、オンデマンド(on-demand)セッションモードと事前設定(pre-established)セッションモードとを有することができる。事前設定セッションモードにおいては、PoCクライアントが、自身の要請に応じて、PoCクライアントとユーザのホームネットワークに属しているPoCサーバとの間で事前にセッションを設定しておく。このような事前設定セッションは、将来使われるPoCサーバとクライアントとの間のメディアパラメータを反復して交渉する必要がなく、迅速なセッションの確立を行うことができるように、PoCクライアントが使用するメディアパラメータをPoCサーバと事前に交渉する必要がある。
【0046】
事前設定セッションを確立するために、PoCクライアントは、SIP INVITE方法を使用することにより、セッション記述プロトコル多目的インターネットメール拡張(Session Description Protocol Multipurpose Internet Mail Extension:SDP MIME)のボディーを介してサーバが提供し、PoCクライアントがサポートしたメディアパラメータ、及びこのサーバが提供したメディアパラメータに対する応答を提供する。このサーバから応答メッセージを受信すると、この応答メッセージは、新たに事前設定されるセッションの識別情報、例えば、コンファレンス識別子(conference URI)とともにPoCクライアントに返信される。
【0047】
上述した事前設定セッションを使用する場合には、IPアドレス、ポート番号、使用されるコーデック、メディアタイプ及びトークバースト制御プロトコルなどの事前交渉が可能である。オンデマンドセッションモードは、任意のPoCクライアントが事前設定セッションを確立しない場合に対応する。したがって、PoCクライアントは、招待メッセージを他のPoCクライアントから受信した後に、PoC呼を接続するための手続きを実行する。
【0048】
PoCシステムにおいて、通話要請に関する応答モードの設定は、ネットワーク上のエレメントであるPoCサーバ及びUEであるPoCクライアントですべて格納することができる。
【0049】
PoCクライアントを管理するホームネットワークに応答モードを設定する場合には、PoCクライアントが属しているホームネットワーク内でPFを有するPoCサーバで応答モードが実現される。
【0050】
応答モードがネットワークに設定された場合には、PFは、セッションプログレスメッセージを通話を要請したネットワークに送信することにより、PoC通話のための他のPoCサーバの要請に自動で応答する。したがって、自動応答モードが設定された場合には、セッション設定メッセージがPoCクライアントに伝達された後に応答が送信される場合に比べて、呼要請手続きが簡素化され、これにより、発言権を付与するのに必要とされる初期時間を短縮させる。
【0051】
しかし、ネットワークで自動応答を遂行する場合には、状況に応じて、ユーザの応答とは異なる結果をもたらすことがある。したがって、PoCクライアントにも応答モードが設定されることがある。この際、PoCクライアントの応答モードは、ネットワーク上に設定された応答モードよりも優先されるという特徴がある。これは、PoCクライアントが自身の応答モードを変更し、かつ応答モードを更新することをPoCサーバに要請したのに関わらず、信号遅延又はネットワーク上のエラーにより実時間で応答モードが更新されない際に、発生するプライバシー問題を解決するためである。
【0052】
要約すると、PoCサービスに対するユーザの応答モードは、PoCサーバ及びPoCクライアントにすべて設定することができるが、応答モードは、ユーザの最も最近の意思を反映したPoCクライアントにより決定され、このような決定に基づいて、実際のユーザの音声又は映像などのようなメディアのストリームが伝達される。
【0053】
以下、上述したような特徴を有するPoCシステムでのPoCマルチメディアセッションを確立する手続きについて説明する。
【0054】
送信側PoCクライアントは、SIPプロトコルを使用してマルチメディア招待メッセージを送信することにより、呼処理を要請する。この際、このマルチメディアは、メディアタイプの指定に従って、様々なフォーマットを有するオーディオ、ビデオ、及びテキストなどを含んでもよい。このような呼処理要請に応じて、受信側クライアントは、対応するPoCサーバでの応答モードの設定及び事前設定セッションが確立されたか否かに基づいて、様々な応答手続きを実行する。PoC通話のための呼処理手続きについては、送信側及び受信側の1つのネットワークを用いて説明する。
【0055】
送信側PoCクライアントは、自身が通信を希望する受信側PoCクライアントのSIPアドレス情報を含むSIP INVITE要請を対応するSIP/IPコアネットワークに送信する。この際、SIP INVITEメッセージは、送信側PoCクライアントのPoCアドレス情報、要求されるメディアパラメータ、及びPoCサービスを識別する特性値情報などのようなエレメントをさらに含むことができる。ここで、“要求されるメディアパラメータ”は、要求されるセッションがマルチメディアセッションに関連する場合には、オーディオ及びビデオに関するエンコーディング方法、レート、及びペイロードタイプなどを示す複数の特性値を含むことができる。
【0056】
SIP INVITEメッセージは、ダイナミックホストコンフィギュレーションプロトコル(Dynamic Host Configuration Protocol:DHCP)サーバ又はドメインネームサーバ(Domain Name Server:DNS)における経路クエリー(query)に基づいて、インターネットプロトコルマルチメディアサブシステム(IP Multimedia Subsystem:IMS)ネットワーク内の対応するIMSサーバ、すなわち、プロキシ呼セッション制御機能(Proxy Call Session Control Function:P−CSCF)及びサービング呼サーバ制御機能(Serving-Call Server Control Function:S−CSCF)を介して参加PoCサーバに伝達される。一般的な通話が要請される際には、PoCクライアントが接続された参加PoCサーバは、確立されたセッションのトークバーストを管理する制御PoCサーバと個別に実現することができ、これにより、PFサーバに送信されたSIP INVITE要請は、対応するネットワークのSIP/IPコアネットワークを介してCFサーバに伝達される。
【0057】
一方、CFを含むPoCセッション制御ネットワークは、SIP INVITE要請メッセージを受信側ネットワークに伝達した後に、受信側ネットワークから応答メッセージを受信する。受信側ネットワークから応答するSIPメッセージは、受信側PoCクライアント及びPFの設定に基づいて、1xxの臨時応答メッセージ、2xxの成功応答メッセージ、又は4XX〜6XXのエラー応答メッセージの中の1つであり得る。自動応答モードの場合には、SIP 183“セッションプログレス”信号を応答メッセージとして受信することができ、このメッセージを介して通話要請者のIMSネットワークでPoCサーバとクライアントとの間の接続を行うことができる。受信側PoCクライアントの通話許可信号として、SIP 183セッションプログレス又はSIP 200 OK応答は、CF及びPFのPoCサーバを介してPoCクライアントに送信される。受信側PoCサーバから183セッションプログレス信号又は200 OK応答を受信すると、CFは、PoC呼が接続されたことを確認し、発言権許可信号(floor granted signal)を送信側PoCクライアントに送信することにより、トークバーストの発言権を付与する。上記応答、すなわち、SIP 200 OK又は183セッションプログレス信号に従ってトークバーストの発言権を付与することは、“confirmed”又は“unconfirmed”を使用して識別することができる。CFが“unconfirmed”応答を受信する場合には、バッファリング機能を必要とする。
【0058】
一方、SIP INVITE要請信号に対する応答信号を受信した後に、送信側PoCクライアントは、トークバースト送信許可信号、例えば、リングバックトーンを伝達するための発言権許可信号をRTCPを介して受信する。発言権許可信号は、トークバースト仲裁権限を有するCFにより生成され、対応するPoCクライアントを管理するPFを介してPoCクライアントに送信される。この際、発言権許可信号は、SIPプロトコルを使用せず、ベアラー経路を使用するため、IMSのようなSIP/IPコアネットワークを迂回して送信することができる。リングバックトーンを確認したPoCクライアントは、メディア、例えば、音声のストリームをRTPを用いて伝達する。
【0059】
すると、上述のように構成されるPoCシステムにおいて、OMA PoC(PTT over Cellular)マルチメディア通話サービスを遂行するPoCクライアントがPoCセッションを確立するとき、該当PoCセッションで使用しようとする発言権管理規則をPoCサーバを介して受信側PoCクライアントに伝達し、PoCサーバが交渉された発言権管理規則を該当PoCセッションに適用する方法及びシステムについて説明する。
【0060】
以下、本発明の実施形態によって、PoCシステムでPoCクライアントがPoCセッションを確立するとき、該当PoCセッションで使用しようとする発言権管理規則を伝達し、PoCサーバが交渉された発言権管理規則を該当PoCセッションに適用するための方法及びシステムについて詳細に説明する。
【0061】
図4は、本発明の実施形態によってPoCクライアントがPoCセッションを確立するとき、発言権管理規則を含むセッション参加要請メッセージを用いてPoCセッションを確立するためのPoCクライアントとPoCサーバとの間の信号の流れを示した図である。特に、図4の実施形態は、XDMSとの連動方案を基準に示すが、発言権管理規則を直接伝送する方案の場合も、図面の一部手続きを除外することによって、説明することができるため、同じ図面を利用する。
【0062】
まず、ステップ400で、マルチメディアPoCセッションを確立しようとするPoCクライアントAは、確立しようとするPoCセッションで使用しようとする発言権管理規則をPoCクライアントAの内部インターフェースを利用してXDMCに質疑する。ステップ401で、XDMCは該当発言権管理規則に対応する発言権管理規則IDをPoCクライアントAに提供する。すると、ステップ401で、PoCクライアントAは、XDMCから該当発言権管理規則に対応する発言権管理規則IDを受信する。この時、PoCクライアントAは少なくとも一つ以上の発言権管理規則を事前設定し、それぞれの発言権管理規則に対応する発言権管理規則IDを事前格納する。また、この格納された発言権管理規則とそれに対応する発言権管理規則IDは、PoC XDMSと互いに共有される。このXDMCとXDMSとの間の発言権管理規則に対する情報を共有するためのXDM文書の作成及び管理技術に対しては下記の図5で説明する。
【0063】
一方、XDMCから使用しようとする発言権管理規則に対応する発言権管理規則IDを受信したPoCクライアントAは、ステップ402で、発言権管理規則IDをセッション参加要請メッセージに挿入してPoCサーバに伝達する。
【0064】
以後、PoCサーバAは、PoCクライアントAが発言権管理規則を要請することが許可されたかを確認した後、許可された場合、ステップ404で、発言権管理規則IDに対応する発言権管理規則をPoC XDMSに質疑する。すると、ステップ406で、PoC XDMSは該当IDに対応して格納された発言権管理規則をPoCサーバAに提供する。すなわち、ステップ404〜406を介して、PoCサーバAは発言権管理規則IDに対応する具体的な発言権規則を獲得する。以後、PoC XDMSから発言権管理規則IDに対応する発言権管理規則を含む応答を受信すると、ステップ408で、PoCサーバAは該当発言権管理規則とIDをPoCセッションに適用し、ステップ410で、これを受信側PoCクライアントBに通知するために発言権管理規則を含むセッション参加要請メッセージを受信側PoCサーバBに伝達する。すると、ステップ412で、受信側PoCサーバは、セッション参加要請メッセージを受信側PoCクライアントBに伝達する。
【0065】
以後、発言権管理規則を含むセッション参加要請メッセージを受信した受信側PoCクライアントBは、ステップ414で、PoCユーザの決定に基づいてセッション参加要請メッセージに含まれた発言権管理規則を受諾するか否かを判断し、最終応答メッセージを受信側PoCサーバBに送る。ステップ416及びステップ418で、200 OK応答メッセージは、PoCクライアントBが該当PoCセッションでPoCクライアントAが提供した発言権管理規則を適用したことを確認するメッセージと見なすことができる。
【0066】
一方、ステップ416及びステップ418を介して応答メッセージを受信すると、PoCサーバAは、ステップ420でPoCセッションに適用される発言権管理規則を含む最終応答メッセージをPoCクライアントAに伝送することによって、マルチメディアPoCセッションの確立を完了する。
【0067】
PoCセッションの確立の完了後、PoCサーバは、ステップ422で、該当PoCセッションで交渉された発言権管理規則に従ってセッション開始者に発言権を付与することができ、または他の特定のユーザに発言権を付与することができ、これによって、該当PoCクライアントはPoCセッション内にメディアを伝送することができる。ステップ424乃至ステップ430は、PoCサーバAが発言権管理規則によってPoCクライアントAに発言権を付与し、これによってPoCクライアントAが該当PoCクライアントBにメディアを伝送する過程を示す。
【0068】
一方、本発明の他の実施形態によれば、上述した発言権管理規則を、XDMシステムとの連動なし受信側PoCクライアントに直接伝送することができる。このように、XDMシステムとの連動なし発言権管理規則を受信側PoCクライアントに直接伝送する場合には、図4のステップ402で発言権管理規則を含むセッション参加要請メッセージが伝送され、PoCサーバAがセッション参加要請メッセージを受信した後にセッションに適用する。したがって、この時には、ステップ400及びステップ401のように、PoCクライアントとXDMCとの間に発言権管理規則に対応するIDのための質疑及び応答ステップと、ステップ404及びステップ406のようにPoCサーバとPoC XDMSとの間の連動ステップが不要である。
【0069】
すると、図5を参照してXDMSと連動してPoCセッションに発言権管理規則を適用するための事前技術に対して説明する。
【0070】
図5は、発言権管理規則を格納して管理するためのPoC XDMCとPoC XDMS間の信号の流れを示す。PoC XDMCは、図1に示したように、PoCクライアントと共にPoC端末機内に存在する論理的な構成要素(logical entity)である。PoC XDMCは端末内部のインターフェースを介してPoCクライアントと情報を送受信することができる。
【0071】
図5に示したように、PoCユーザはPoC XDMCの機能を活用して新しい発言権管理規則文書をXML文書で作成することができる。この時、作成されたXML文書は、アドホックグループあるいは一対一セッションなど臨時的なPoCセッションに適用させる発言権管理規則等のリストと規則ID及び作成された文書が発言権管理規則であることを知らせるアプリケーションID(Application Unique ID)を含む。また、ステップ500及びステップ502で、PoC XDMCはHTTP PUTメッセージを用いて発言権管理規則等のリストと規則ID、アプリケーションIDを含むXML文書をアグリゲーションプロキシサーバを介してPoC XDMSに伝達する。XML文書を受信したPoC XDMSは、受信した発言権管理規則文書を格納し、ステップ504及びステップ506を介して応答メッセージをPoC XDMCに伝達する。
【0072】
一方、PoC XDMSに格納された発言権管理規則文書は、以後、ユーザの要請によってPoC端末機で読み取られ、この時、アプリケーションIDに従って発言権管理規則及びIDを受信することができる。この発言権管理規則のためのXML文書は、“condition”及び“action”で構成されるコモンポリシーフレームワーク(common policy framework)により作成され、本発明では具体的な文書の記述は省略する。ステップ508〜ステップ514は、XDMSに格納されたPocセッション発言権管理規則を制御するためのPoc:XDMCとXDMSとの間の信号の流れである。まず、ステップ508とステップ510を介して、PoC XDMCは、アプリケーションIDを含むHTTP GETメッセージをXDMSに伝達する。このメッセージを受信したXDMSは、ステップ512及びステップ514で、アプリケーションIDに対応する発言権管理規則及びIDを含む応答メッセージ(200 OKメッセージ)をPoC XDMCに伝達する
【0073】
図6は、図4で説明したセッション開始者が要請する特定の発言権管理規則を含むセッション参加要請メッセージの具体的な実施形態を示す。
【0074】
図6を参照すると、INVITEメッセージのボディー部は、アドホックグループセッションに含まれるURIリスト情報とメディアのパラメーターを示す“application/sdp”を含む。この時、発言権管理プロトコルを設定する“MBCP”応用メディアに対するフォーマットパラメーター部に“mbcs(Media Burst Control Scheme)”パラメーターに対するフィールド値を設定することによって、セッションを開始するPoCクライアントがアドホックPoCセッションに適用しようとする発言権管理規則をPoCサーバに伝達することができる。例えば、図6ではメディアフォーマットパラメーター“mbcs”に“round-robin”値を設定することによって、順次的な回転方式(round robin scheme)の発言権管理をPoCサーバに要請することを示している。一方、コンファレンス管理サーバは、上述したように、同一のメディアフォーマットパラメーターを利用して受信側PoCサーバとPoCクライアントに発言権管理規則を伝達することができ、コンファレンス管理PoCサーバで決定された発言権管理規則は、セッション開始者に200 OKメッセージのような応答メッセージを介して伝達されることができる。
【0075】
一方、図4でセッション参加要請メッセージが発言権管理規則IDを含む場合は、図6で“mbcs”パラメーター値として先にXDMCから収集したID(PoCサービスで固有なタグ値)が伝送され、以後、コンファレンスサーバから実際mbcs値へ変換され、受信側ネットワークに伝送される。
【0076】
一方、本発明の他の実施形態によれば、PoCセッション開始者が使用しようとする発言権管理規則は、セッション要請及び応答を含む交渉手続きを介して適用することができる。この時、PoCサーバで発言権管理規則を適用する時点は、PoCサーバが受信側PoCクライアントから発言権管理規則に対する良好な応答メッセージを受信した後に限定される。
【0077】
次に、図7を参照してセッション要請及び応答を含む交渉手続きを介して発言権管理規則を適用する方法を説明する。
【0078】
まず、ステップ700、701、702、704、706は、図4のステップ400、401、402、404、406と各々同じ動作を遂行する。以後、ステップ708で、PoCサーバAは発言権管理規則またはそれに対応するIDを格納する。すなわち、図7では図5と比較してSDP応答パラメーターを利用してPoCクライアントAが要請した発言権管理規則をPoCセッションに適用するか否かに対して決定するため、該当発言権管理規則を格納するステップ708が必要である。一方、該当セッションに対する発言権管理規則は、セッションの識別子であるコンファレンスURIと一対一にマッピングさせることによって、該当PoCセッションに対してのみ適用することができる。
【0079】
以後、ステップ710で、PoCサーバAは、発言権管理規則を提案していることを知らせるセッション参加要請メッセージを受信側PoCサーバBに伝達する。すると、ステップ712で、受信側PoCサーバは、セッション参加要請メッセージを受信側PoCクライアントBに伝達する。
【0080】
次に、提案された発言権管理規則を含むセッション参加要請メッセージを受信した受信側PoCクライアントBは、ステップ714で、上記セッション参加要請メッセージに含まれた発言権管理規則提案を受諾するか否かを判断し、PoCサーバBに最終応答メッセージを送る。この時、INVITEメッセージに含まれる発言権管理規則パラメーターは、例えば、図6の実施形態で“mbcs=round-robin”は一般的なSDP提案/応答(offer/answer)のモデルに従うため、受信側PoCクライアントBが該当パラメーターを含まないOK応答メッセージを伝送する場合、PoCサーバは、上記発言権管理規則が適用されていない一般的なPoCセッションを確立する。また、受信側PoCクライアントBが提案された発言権管理規則を受諾するために、発言権管理規則を含む200 OKメッセージを伝送する場合、PoCサーバAは上記発言権管理規則が適用されているPoCセッションを確立する。
【0081】
以下、ステップ716及びステップ718で、受信側PoCクライアントBが提案された発言権管理規則に対して受諾するか否かを知らせる応答メッセージ(200 OK)をPoCサーバBを介してPoCサーバAに伝達すれば、PoCサーバAは、ステップ720で交渉された発言権管理規則を適用する手続きを遂行する。すなわち、PoCサーバAがPoCクライアントBから伝達される応答メッセージを確認し、もしPoCクライアントBから受信された応答メッセージが提案された発言権管理規則に対する受諾のメッセージであれば、該当発言権管理規則をPoCセッションに適用する。しかし、もしPoCクライアントBから受信された応答メッセージが提案された発言権管理規則に対する拒絶のメッセージであれば、一般的に設定された発言権管理規則をPoCセッションに適用する。また、ステップ722で、PoCサーバAはPoCセッションに適用される発言権管理規則を含む最終応答メッセージをPoCクライアントAに伝送することによって、マルチメディアPoCセッションの確立手続きを完了する。
【0082】
PoCセッションの確立が完了した後、ステップ724乃至ステップ732で、PoCサーバAは、発言権管理規則に基づいてPoCクライアントAに発言権を付与し、これによってPoCクライアントAは該当PoCクライアントBにメディアを伝送することができる。
【0083】
図7のようなセッションの確立手続きは、基本発言権管理規則のみをサポートするPoCクライアントに対するセッションの確立や、一対一PoCセッションの確立時により適している。
【0084】
以上、本発明を具体的な実施形態を参照して詳細に説明してきたが、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく様々な変形が可能であるということは、当業者には明らかであり、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものの範囲内で定められるべきである。
【符号の説明】
【0085】
400 使用しようとする発言権管理規則に対応するIDを質疑するステップ
401 該当発言権管理規則に対応するIDを提供するステップ
402 発言権管理規則IDをセッション参加要請メッセージに挿入してPoCサーバに伝達するステップ
404 発言権管理規則IDに対応する発言権管理規則をPoC XDMSに質疑するステップ
406 該当IDに対応して格納された発言権管理規則をPoCサーバAに提供するステップ
408 該当発言権管理規則とIDPoCセッションに適用するステップ
410 発言権管理規則を含むセッション参加要請メッセージを受信側PoCサーバBに伝達するステップ
412 セッション参加要請メッセージを受信側PoCクライアントBに伝達するステップ
414 INVITEメッセージに含まれた発言権管理規則を受諾するか否かを判断するステップ
416、418 応答メッセージを受信するステップ
420 PoCセッションに適用される発言権管理規則を含む最終応答メッセージをPoCクライアントAに伝送するステップ
422 交渉された発言権管理規則に従ってセッション開始者に発言権を付与するステップ
424 発言権管理規則によってPoCクライアントAに発言権を付与するステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PoC(PTT over Cellular)セッションにおける発言権管理規則の伝達と適用のためのシステムであって、
PoCセッションの確立の際に、前記PoCセッションで使用しようとする発言権管理規則を含むセッション参加要請メッセージを送信するセッション開始要請PoCクライアントと、
前記セッション参加要請メッセージを受信すると、前記セッション参加要請メッセージに含まれた前記発言権管理規則を前記PoCセッションに適用し、該当発言権管理規則を含む前記セッション参加要請メッセージを受信側PoCクライアントに伝達するPoCサーバと、
前記PoCサーバからセッション参加要請メッセージを受信すると、前記セッション参加要請メッセージに含まれた発言権管理規則に対して受諾するか否かを判断し、前記発言権管理規則の受諾又は拒絶に従う応答メッセージを前記PoCサーバに伝送する受信側PoCクライアントと、を含むことを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−250455(P2011−250455A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154677(P2011−154677)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【分割の表示】特願2009−519365(P2009−519365)の分割
【原出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(503447036)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2,221)
【Fターム(参考)】