説明

RAFキナーゼ阻害剤として有用な複素環式化合物

本発明はRafプロテインキナーゼの阻害剤として有用な化合物を提供する。本発明はまた、その組成物、およびRaf媒介性疾患を処置する方法を提供する。さらに、本発明は、本発明の化合物を含む医薬組成物を提供し、その化合物はRaf活性を阻害するのに有効な量で存在する。特定の他の実施形態において、本発明は、本発明の化合物を含む医薬組成物、および必要に応じてさらなる治療剤をさらに含む医薬組成物を提供する。さらに他の実施形態において、さらなる治療剤は癌の処置のための薬剤である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】


(式中、
Cyは、任意に置換されたフェニル、あるいは窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意に置換された5〜6員の飽和環、部分不飽和環、または芳香族環であり、
Cyは、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する任意に置換された5〜10員の飽和単環もしくは二環、部分不飽和単環もしくは二環、または芳香族単環もしくは二環であり、
は、直接結合または任意に置換された直鎖もしくは分枝状のC1−6アルキレン鎖であり、
は、直接結合であるか、または任意に置換された直鎖もしくは分枝状のC1−6アルキレン鎖であり、ここで、Lの1または2のメチレン単位は、−O−、−S−、−N(R)−、−C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)N(R)−、−SO−、−SON(R)−、−N(R)SO−、−OC(O)−、−C(O)O−または3〜6員のシクロアルキレンに、任意におよび独立して置き換えられ、
各Rは、独立して水素または任意に置換されたC1−6脂肪族基であり、
は、水素または任意に置換されたC1−6脂肪族基であり、
およびRは、それらの介在原子と一緒になって、
(a)窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5員の部分不飽和縮合環または芳香族縮合環、あるいは
(b)窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する7員の部分不飽和縮合環、を形成し、
ここで、RおよびRによって形成される環上の任意の置換可能な炭素は、−R、オキソ、−ハロ、−NO、−CN、−OR、−SR、−N(R、−C(O)R、−CO、C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−S(O)R、−S(O)、−C(O)N(R、−SON(R、−OC(O)R、−N(R)C(O)R、−N(R)N(R、−C=NN(R、−C=NOR、−N(R)C(O)N(R、−N(R)SON(R、−N(R)SO、または−OC(O)N(Rで任意に置換され、
およびRによって形成される環上の任意の置換可能な窒素は、−R、−C(O)R、−CO、C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−S(O)R、−S(O)、−C(O)N(R、−SON(R、−OC(O)R、または−OC(O)N(Rで任意に置換され、
各Rは、独立して水素あるいはC1−6脂肪族、C6−10単環式もしくは二環式アリール環、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員の飽和単環もしくは二環、部分不飽和単環もしくは二環、または芳香族単環もしくは二環から選択される任意に置換された基であり、
各Rは、独立してRであるか、または同じ窒素上の2つのRは窒素と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する任意に置換された5〜8員の飽和環、部分不飽和環、または芳香族環を形成する)
またはその薬理学的に許容できる塩。
【請求項2】
およびRはそれらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5員の部分不飽和縮合環または芳香族縮合環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
およびRはそれらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5員の部分不飽和縮合環を形成する、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
およびRはそれらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5員の芳香族縮合環を形成する、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
およびRはそれらの介在原子と一緒になって、任意に置換されたイミダゾリジノンまたはピロリジノン環を形成する、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
およびRはそれらの介在原子と一緒になって、ピロロ、ピラゾロ、イミダゾロ、トリアゾロ、チオフェノ、フラノ、チアゾロ、イソチアゾロ、チアジアゾロ、オキサゾロ、イソオキサゾロ、またはオキサジアジオロ縮合環を形成する、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
およびRはそれらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜3個のヘテロ原子を有する7員の部分不飽和縮合環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
およびRはそれらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する7員の部分不飽和縮合環を形成する、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
およびRはそれらの介在原子と一緒になって、1〜2個の窒素原子を有する、7員の部分不飽和縮合環を形成する、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
およびRはそれらの介在原子と一緒になって、アゼピノ、ジアゼピノ、アゼピノノ、またはジアゼピノノ縮合環を形成する、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
は水素であり、Lは任意に置換された、直鎖または分枝状のC1−4アルキレン鎖である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
は任意に置換された、分枝状のC1−4アルキレン鎖である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
Cyは、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、任意に置換された5員の飽和環、部分不飽和環、または芳香族環である、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
Cyは、任意に置換された、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チオフェニル、フラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、またはオキサジアジオリル基である、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
は、直接結合または任意に置換された、直鎖もしくは分枝状のC1−4アルキレン鎖であり、ここで、Lの1または2のメチレン単位は、−O−、−S−、−N(R)−、−C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−N(R)C(O)O−、−OC(O)N(R)−、−SO−、−SON(R)−、−N(R)SO−、−OC(O)−、または−C(O)O−に置き換えられる、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
は直接結合である、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
は−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−SON(R)−、−N(R)SO−、−OC(O)−、または−C(O)O−である、請求項15に記載の化合物。
【請求項18】
は−C(O)N(H)−または−N(H)C(O)−である、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
Cyは、
(a)窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5員の飽和単環、部分不飽和単環、または芳香族単環、
(b)フェニルまたは窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する6員の飽和単環、部分不飽和単環、または芳香族単環、あるいは
(c)窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜10員の飽和二環、部分不飽和二環、または芳香族二環、
から選択される任意に置換された基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
Cyは、
(a)窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5員のヘテロアリール環、
(b)フェニルまたは1〜3個の窒素原子を有する6員のヘテロアリール環、あるいは
(c)酸素、硫黄もしくは窒素から選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5,6−縮合二環式ヘテロアリール環、
から選択される任意に置換された基である、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
Cyは、フェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チオフェニル、フラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアジオリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、ピロリジニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、イミダゾピリジニル、インダゾリル、プリニル、シンノリニル、キナゾリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、チアナフテニル、またはベンゾフラニルから選択される任意に置換された基である、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
前記化合物は、式IIの化合物
【化2】


(式中、
、RおよびRの各々は上に定義され、本明細書のクラスおよびサブクラスに記載されるとおりであり、
Cyは、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意に置換された5〜6員の飽和環、部分不飽和環、または芳香族環であり、
Cyは、任意に置換されたフェニル、または1〜3個の窒素原子を有する任意に置換された6員の芳香族環である)
またはその薬理学的に許容できる塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
前記化合物は、式II−aまたはII−bの化合物
【化3】


である、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
Cyは、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5員のヘテロアリール環である、請求項22に記載の化合物。
【請求項25】
Cyは、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5員のヘテロアリール環である、請求項23に記載の化合物。
【請求項26】
前記化合物は、式IVの化合物
【化4】


(式中、
Cyは、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意に置換された5〜6員の飽和環、部分不飽和環、または芳香族環であり、
Cyは、任意に置換されたフェニルまたは1〜4個の窒素原子を有する任意に置換された6員の芳香族環である)
またはその薬理学的に許容できる塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
前記化合物は、式IV−aまたはIV−bの化合物
【化5】


である、請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
Cyは、窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5員のヘテロアリール環である、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
前記化合物は、表1、表2、表3、表4または表5に記載される化合物、あるいはその薬理学的に許容できる塩から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項30】
請求項1に記載の化合物および薬理学的に許容できる担体、補助剤、またはビヒクルを含む医薬組成物。
【請求項31】
化学療法剤または抗増殖剤、抗炎症剤、免疫調節剤または免疫抑制剤、神経栄養因子、循環器疾患を処置するための薬剤、破壊性骨障害を処置するための薬剤、肝疾患を処置するための薬剤、抗ウイルス剤、血液疾患を処置するための薬剤、糖尿病を処置するための薬剤、あるいは免疫不全疾患を処置するための薬剤から選択される治療剤と組み合わせた、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
患者または生物学的試料におけるRafキナーゼ活性を阻害する方法であって、前記方法は、前記患者に、請求項1に記載の化合物もしくはその医薬組成物を投与すること、または前記生物学的試料と、請求項1に記載の化合物もしくはその医薬組成物とを接触させることを含む、方法。
【請求項33】
Raf媒介性疾患を罹患する哺乳動物におけるRaf媒介性疾患の重症度を処置または軽減する方法であって、前記疾患は、増殖性疾患、心疾患、神経変性疾患、自己免疫疾患、臓器移植に関連する状態、炎症性疾患、免疫介在性疾患、ウイルス疾患、または骨疾患から選択され、前記方法は、前記患者に、請求項1に記載の化合物もしくはその医薬組成物を投与する工程を含む、方法。
【請求項34】
前記疾患は、黒色腫、白血病、結腸癌、乳癌、胃癌、卵巣癌、肺癌、脳腫瘍、喉頭癌、子宮頸癌、腎癌、リンパ系の癌、尿生殖路の癌(膀胱癌および前立腺癌を含む)、胃癌、骨肉腫、リンパ腫、神経膠腫、甲状腺乳頭癌、神経芽細胞腫、および膵臓癌から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記患者に、化学療法剤または抗増殖剤、抗炎症剤、免疫調節剤または免疫抑制剤、神経栄養因子、循環器疾患を処置するための薬剤、破壊性骨障害を処置するための薬剤、肝疾患を処置するための薬剤、抗ウイルス剤、血液疾患を処置するための薬剤、糖尿病を処置するための薬剤、あるいは免疫不全疾患を処置するための薬剤から選択されるさらなる治療剤を投与するさらなる工程を含み、
前記さらなる治療剤は、処置される疾患に適切であり、
前記さらなる治療剤は、単一用量形態として前記組成物と一緒に投与されるか、または複数用量形態の一部として前記組成物とは別に投与される、
請求項33に記載の方法。

【公表番号】特表2010−532381(P2010−532381A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515223(P2010−515223)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/068789
【国際公開番号】WO2009/006404
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(500586635)サネシス ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (29)
【出願人】(592221528)バイオジェン・アイデック・エムエイ・インコーポレイテッド (224)
【Fターム(参考)】